委員長 | 星見てい子君 |
副委員長 | 内山 真吾君 |
副委員長 | 柴崎 幹男君 |
理事 | うすい浩一君 |
理事 | とや英津子君 |
理事 | 福島りえこ君 |
龍円あいり君 | |
あかねがくぼかよ子君 | |
鳥居こうすけ君 | |
斉藤まりこ君 | |
栗林のり子君 | |
のがみ純子君 | |
西郷あゆ美君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 延與 桂君 | |
次長 | 岩瀬 和春君 | |
次長総務部長事務取扱 | 中村 倫治君 | |
技監 | 荒井 俊之君 | |
理事 | 西村 泰信君 | |
理事 | 中澤 基行君 | |
調整担当部長 | 菅原 雅康君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
計画推進部長 | 田中 彰君 | |
運営担当部長 | 末村 智子君 | |
運営調整担当部長 | 三浦 幹雄君 | |
ボランティア担当部長 | 小高 都子君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 越 秀幸君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 加藤 みほ君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 湯川 雅史君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
選手村担当部長 | 斉藤 有君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
輸送担当部長 | 村田 拓也君 | |
輸送担当部長 | 佐久間巧成君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務 | 田中 愛子君 | |
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長 ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 | 篠 祐次君 | |
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 関口 尚志君 |
本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
事務事業について(質疑)
○星見委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中村次長 去る十月十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしております文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりください。資料1、令和元年度都立学校活用促進モデル事業の実績でございます。
本モデル事業で実施している体育施設の貸出状況と登録団体数、スポーツ体験教室の実施状況及び今後の予定を記載してございます。
一枚おめくりください。資料2、TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の協力先でございます。
令和元年十一月現在のTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業に係る協力先及び貸出施設名について記載してございます。
一枚おめくりください。資料3、東京二〇二〇大会に係る共同実施事業の執行状況内訳でございます。
共同実施事業の平成二十九年度決算額及び平成三十年度決算額につきまして、昨年十二月に公表いたしました大会経費バージョンスリーと同様に、会場関係では仮設等、エネルギー、テクノロジー、大会関係では輸送、セキュリティー、オペレーション等の区分ごとに記載してございます。
一枚おめくりください。資料4、東京二〇二〇大会に係る共同実施事業の契約案件一覧でございます。
組織委員会が共同実施事業で契約いたしました平成三十年度までの契約件名、契約者、調達方法、契約金額を一覧で記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○星見委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鳥居委員 まず、暑さ対策について質疑させていただきます。
東京二〇二〇大会は、来年の七月二十四日に開催。都民の大きな期待、都のさらなる発展の契機と捉え、大会を成功させる必要があります。その目標に向けて、御局においては鋭意努力されてきたと認識しております。
ご存じのとおり、オリンピックをここ東京、七月、八月と真夏の時期に開催するために、暑さ対策に熟慮し、都は、局横断的な取り組みを初め、組織委員会や国との連携を行ってきております。
また、問題が生じた際の医療救護対策については、日本医師会、東京都医師会及びIOCメディカル委員会などと連携し、着実に行ってこられたと伺っております。
この夏は多くの議員が暑さ対策のテストイベントに参加し、私も参加したテストイベントにて、都によるさまざまな暑さ対策を理解し、また、その効果を実感してきました。マラソン競技出場枠を競うマラソングランドチャンピオンシップ、略してMGCは、本年九月十五日に東京都がマラソン競技用に準備してきたコースで行われ、滞りなく競技が実施されております。
これまで都は、暑さ対策として、具体的には、遮熱舗装を初め、送風機やウオーターサーバーの設置、ネッククーラー、氷やうちわなどの暑さ対策を行ってこられました。
このように、都が実施する観客向けの暑さ対策については、ことしの夏を最後のチャンスとして、テストイベントの機会を活用し、さまざまな試行、検証を行ってこられました。引き続き来年度の開催に向けて準備を行っていくと思います。
ここでは、改めて、暑さ対策の検証がどのようなものであったのかを伺います。また、今後、大会本番に向けてどのような取り組みを行っていくのかを伺います。
○三浦運営調整担当部長 都では、昨年八月に、局横断的に総合的な暑さ対策を進めるため、副知事をトップとする東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策検討チームを設置いたしまして、路上競技の沿道やラストマイル等での観客に対する暑さ対策の検討を進めたところでございます。
この検討チームでは、組織委員会とも連携し、基本的な暑さ対策の検討、計画を進め、今夏のテストイベントで試行、検証した結果、例えば、お話のありました送風機等を設置したテントや、マイボトルに水を補給できるウオーターサーバーの設置など、ハード対策については一定の有効性が認められました。
また、ソフト対策につきましても、ネッククーラーなどの体を冷やすグッズや、紙製うちわなどの風を当てるグッズが利用者からの評価も高かったところでございます。
現在、来夏の大会本番に向けまして、ラストマイル上の休憩所及びPSA前の日よけとして送風機等を備えたテントを設置することや、熱中症の注意情報を多言語で記載した紙製うちわの配布などについて、関係局と連携して検討を進め、実効性のある取り組みを行う予定でございます。
引き続き、組織委員会や国とも連携いたしまして、大会時に国内外から訪れる観客などに向けた熱中症対策に関する情報発信や啓発を行うなど、暑さ対策に取り組んでまいります。
○鳥居委員 ありがとうございました。
御局においては、大会の成功に向け、都として引き続き暑さ対策に全力で取り組むとともに、アスリート向けや、競技会場内の対策を担う組織委員会など関係機関と情報共有するなど、しっかりと連携を図り、全体として対策に万全を期していただくことを希望いたします。
次に、医療スタッフ確保の取り組みについて伺います。
大会期間中、選手、大会関係者、観客に対して適切な医療サービスを提供するため、医療関係団体や医療機関等と連携を図り、十分な医療スタッフを確保することは重要です。選手村総合診療所や各競技会場の医務室につきましては、必要な医療スタッフを確保するため、組織委員会が医師会等と個別に依頼を行っていると伺っております。
そこで、大会時のラストマイルにおける医師や看護師の確保のために、東京都と地域医療機関、医師会等の医療団体との連絡調整をさらに密にしていただきたいと考えますが、見解を伺います。
○末村運営担当部長 大会時におけるラストマイルの医療救護体制につきましては、観客利用想定駅から各会場までの距離、観客数、近隣医療機関の立地、木陰や涼む場所の有無などの周囲の環境等、会場ごとに状況を勘案し、調整を進めております。
調整に当たりましては、東京都医師会、救急医療の専門家、組織委員会からも意見を聞きながら、通常の医療体制に影響を及ぼすことなく、適切な応急対応を行えるよう、地域の医療機関との連携のもと、医師、看護師などの確保に向け検討しております。
引き続き、関係機関等と緊密に連携を図りながら、傷病者の発生時に適切に対応できるよう、ラストマイルにおける医療救護体制を構築してまいります。
○鳥居委員 ありがとうございます。
ラストマイルにおいては、数千人から十万人と非常に多くの観客が行き交います。ボランティアの方々全員が受講する共通研修等において、緊急時の連絡方法や、AEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できる研修を実施されるとも伺っております。
引き続き適切な応急対応を行えるよう、地域の医療機関との連携を進め、医師、看護師などの確保に向け検討を行っていただくようお願いいたします。
次に、大会経費について伺います。
記録と記憶を残し大会を成功につなげるため、五輪経費のさらなる予算膨張を防ぐことは重要と考えますが、都の見解を伺います。
○菅原調整担当部長 大会経費についてはこれまでも、都立新規恒久施設の整備費用の削減や、組織委員会と連携して、IOCに対し放送用回線の二重地下化などの要件緩和を求めるなど、経費の縮減に取り組んでまいりました。
また、都や国の資金を使用して組織委員会が実施する共同実施事業については、共同実施事業管理委員会のもとに設置している東京都作業部会において、組織委員会が契約手続に入る前に、必要性、効率性、納得性等の観点から案件ごとに確認を行っております。
今後、大会本番の運営など、さまざまな業務が具体化していく中で、新たな需要が発生する可能性もございますが、大会予算において赤字を出すことがないよう、引き続き、組織委員会とともにコスト管理と執行統制に取り組んでまいります。
○鳥居委員 ありがとうございます。
大会の成功に向け、必要な予算はしっかりと確保する必要がありますが、東京二〇二〇大会経費は縮減が厳しく求められていると認識いたします。大会運営の効率化に向けて、精査を十分に行い、大会経費の枠組みを決める必要があります。
都におかれましても、引き続き都民の皆様のご理解を得られるよう、ご対応いただくことを要望いたします。不合理な経費の膨張が起きないよう、組織委員会を初め、関係機関に対して十分な働きかけを行っていくことを求めて、次の質問に移ります。
公共のスポーツ施設は、多くの地域住民やアマチュアスポーツ団体に活動の機会を提供するために、低廉な使用料を設定し、行政が指定管理料を負担して運営していく例が多いことは承知しております。
こうした理由から、コンセッション方式を利用した有明アリーナを除く五つの新規恒久施設では、施設運営において収支不足が生じる見込みとなっており、都が運営費用の一部を負担する指定管理者制度で運営する方針が決定しております。
公共施設とはいえ、可能な限り都民負担の軽減に努めることは当然のこととも認識しており、公益性と収益性のバランスを図りながら、収益性を確保することが重要と考えます。
そこで、都及び指定管理者は、収益性の確保に向け、どのように取り組んでいるのか、現在の取り組み状況を伺います。
○鈴木開設準備担当部長利用促進担当部長兼務
新規恒久施設につきましては、公共的なスポーツ施設として、競技大会の開催はもとより、都民利用やアマチュアスポーツ、障害者スポーツへの配慮など、民間とは異なる役割が期待されておりまして、多くの都民に末永く利用される施設としていくことが重要でございます。
同時に、施設運営に係る運営コストを圧縮するとともに収益を確保し、都民負担を低減していくことも重要でございます。
指定管理者等の選定に当たりましては、収益向上に係る提案を求めており、効率的な施設運営による支出削減策や、施設を最大限活用したイベント、周辺施設や公園との連携事業など、多様な事業計画の提案がございました。
都といたしましては、こうした事業の実現に向けまして、指定管理者と定期的に利用促進会議を開催し、例えばカヌー・スラロームセンターでは、ことし七月に行いましたラフティング体験のモニタリング結果を踏まえまして、大会後のサービスや運営の改善点等について協議するなど、効率的、効果的な施設運営について検討を進めてまいります。
このほか、都は、ネーミングライツ導入につきましても検討を進めておりまして、今後とも、指定管理者と連携しながら、収益向上と利用拡大に向けて取り組んでまいります。
○鳥居委員 ありがとうございました。
東京二〇二〇大会の新規恒久施設については、可能な限り都民の負担軽減に努めるとともに、公益性の利用に加えて指定管理者と定期的に利用促進に向けた検討を行い、効率的、効果的な施設運営について検討していただき、収益性確保にも最大対応した運営を行うことを求めて、次の質問に移りたいと思います。
次に、東京二〇二〇大会の機運醸成事業について伺います。
東京二〇二〇大会の機運醸成事業に関し、民間のキャンペーンとタイアップするなど、大会パートナー等と連携して盛り上げを効果的に拡大していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○丸山事業推進担当部長 東京二〇二〇大会の機運醸成については、都と組織委員会に加え、大会パートナーを初めとするさまざまな主体が参加し、相乗効果を高めていくことが重要でございます。
このため、都は、リオ大会等の際に実施したライブサイトや機運醸成イベントなどにおいて、大会パートナーによる競技体験やステージイベント、ブース出展等を積極的に誘致し、民間とタイアップしながら効果的な盛り上げを実施してまいりました。
また、大会一年前などの節目ではキャンペーン期間を設け、大会パートナー、自治体、JOC等、各種団体に広く参加を呼びかけ、シティードレッシングや多様な催し等の展開を図っております。
さらに、大会パートナー以外の民間事業者との連携も進め、建物外壁のエンブレム装飾事業や、バス、電車のラッピング、建物のライトアップ等にも幅広く取り組んでいるところでございます。
今後とも、大会パートナーを初めとする民間との連携を推進し、大会機運の醸成を効果的に実施してまいります。
○鳥居委員 ありがとうございます。民間とタイアップしながら効果的な盛り上げを実施することに加えて、大会パートナー以外の民間事業者との連携も進めていることを理解いたしました。
引き続き、大会パートナーを初めとする民間との連携を推進し、大会機運の醸成を効果的に進めていただくことを期待しております。
次に、ライブサイトの充実策について伺います。
ライブサイトは、チケットを持っていない都民や、国内外からの来都者及び障害のある人たちに対して、史上最もイノベーティブな大会であったと実感していただくため、競技中継だけではなく、スポーツ体験等において、民間のオリンピック・パラリンピックスポンサー企業との連携を図り、ライブサイトでの実施内容を充実させていくべきと考えます。
都の見解を伺います。
○丸山事業推進担当部長 世界中から訪れる観戦客等を広く受け入れる東京二〇二〇ライブサイトについては、大会パートナーの協力による各種催しや出展等を通じて実施内容を充実させ、会場の盛り上げを図ることが重要でございます。
都は、本年四月に東京二〇二〇ライブサイト等基本計画を公表後、区部の拠点会場である代々木公園と多摩の拠点会場である井の頭恩賜公園について、組織委員会と連携しながら、大会パートナーの誘致に精力的に取り組んでおります。
現在、大会や競技を体感できる各種のブース出展や、会場を盛り上げるステージでのイベント、競技体験の実施に加え、暑さ対策など会場運営への協力等についても幅広く検討、調整し、準備を進めております。
東京二〇二〇大会本番に向け、大会パートナーと協力連携し、来場者誰もが楽しめる魅力あるライブサイトとなるよう、引き続き取り組んでまいります。
○鳥居委員 ありがとうございます。都立公園を活用したライブサイト等の実施を通じて、大型ビジョンによる競技中継やステージイベントなど、魅力あるコンテンツの実施を行っていただきたいと思います。
そして、関係機関や地元自治体との調整、周辺住民への説明や広報、照明や音出し、セキュリティー対策などの運営にも配慮いただき、今後のさまざまなイベントにも活用できるようノウハウの蓄積を行っていただきたいと思います。
次に、シティキャストのAED研修について伺います。
心臓突然死の予防を促進するため、シティキャストに対して、AEDの活用に向けた指導教育の促進として、緊急時の連絡方法や、AEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できる研修を実施していただきたいと考えております。
その際、AEDの普及に努める民間のノウハウの活用も含め、多くのボランティアに対する効率的な指導教育を進めていただきたいと思いますが、都の見解を伺います。
○小高ボランティア担当部長 シティキャストには、観客への案内等を行うことに加え、急病人の発生等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など状況に応じた適切な対応を行っていただくことを期待しておりまして、観客が心停止した場合に備え、AEDの使用方法や緊急時の連絡について基礎知識を持っていただくことが大変重要でございます。
来年度からのシティキャストの役割別研修では、緊急時の連絡方法や、近くにあるAEDを事前に確認することの重要性について理解を深めていただくとともに、AED機器が到着するまでに行う胸骨圧迫による心肺蘇生方法について、参加者に実際に取り組んでいただく形で実施してまいります。
研修の具体的な内容については、多くのシティキャストに効果的かつ効率的に学んでいただけるよう、民間等が行う講習等の取り組みも参考に検討してまいります。
また、現在実施中の共通研修におきましても、eラーニング等を通じ、救命措置の実施によって救命率が向上することの重要性や、AEDの使用方法等の知識を前もって身につけていただけるよう取り組んでおります。
○鳥居委員 ありがとうございます。現在行っている共通研修ではAEDの使用方法等の知識を前もって伝えていること、また、来年度実施のシティキャストの役割別研修でも心肺蘇生法について取り組んでいただくことを理解しました。
研修を通じて急病人発生時などの緊急時対応を習得いただくとともに、大会の理念やダイバーシティーの理解を一層深める研修となることをお願いいたします。私の質問を終わります。
○うすい委員 私からは、交通需要マネジメント、TDMについて質問をさせていただきます。
東京二〇二〇大会を明年に控えまして、大会時には、選手、そしてまた、大会関係者に加えまして、一千万人を超える観客が国内外から東京を訪れることになっております。東京は、大会関係者や観客の移動により、道路、鉄道ともに大変な混雑が予想されるわけであります。東京二〇二〇大会を何としても成功させていくためには、交通渋滞を抑制していかなければなりませんし、交通量の分散、また、平準化を図ることが重要であり、そうした視点で都も取り組みを進めていることと思います。
企業の皆様にお願いをしなければならないのは、時差出勤やテレワーク、そして、混雑する場所や時間を避けた配送などのスムーズビズの取り組みにご協力をいただくことが重要になってくると考えております。
しかし、地域の中小企業の皆様方からは、オリンピック・パラリンピックだからといって仕事をやめるわけにいかない、何らかの対策をとって事業の継続を図らなければならないというもっともなお声もたくさん頂戴しているところでございます。また、大会に向けたTDMの取り組みとは具体的に何をしたらよいのかわからないというお声もお聞きします。
ことしの夏の試行結果を見ましても、大企業に比べて中小企業の取り組みの割合が少ないとの結果も出ております。TDMの効果をさらに高めていくためには、都内の中小企業が時差出勤やテレワークなど、交通量低減に取り組みやすいように、さらなる丁寧な情報提供に努めるべきと考えます。
そこで、中小企業を含む企業への説明をどのように周知徹底を行ってきたのか、見解を伺います。
○佐久間輸送担当部長 大会に向けたTDMの取り組みについて、中小企業を対象に東京商工会議所を初めとした経済団体、業界団体などを通じた会員向けの説明会での情報提供や個別の説明会を行ってきております。
具体的には、これまで説明会を約百二十回、延べ七千五百名に、大会時に想定される状況や、大会に向けて準備していただきたいことなどを丁寧に説明してまいりました。
また、東京商工会議所などは、会員企業向けの機関紙などを活用し、TDMの取り組みについて周知を行ってきております。
さらに、経済団体などと連携し、個別の企業訪問を行い、大会時に取り組みいただきたい内容を説明するほか、都内の従業員二十人以上の事業所二万社に対してチラシを郵送するなど、広く大会に向けた準備の必要性を訴え、協力の依頼をお願いしてきております。
○うすい委員 いろいろと取り組んでいるということを答弁いただきました。
しかし、まだまだ中小企業の皆様のところには届いていないのが現実であります。今後、中小企業に対する周知の取り組みとしては、もっと裾野を広げていくことが重要と思います。
そこで、企業にご協力いただく、取り組んでいただきたい内容を盛り込んだ簡単でわかりやすいリーフレットを作成するなどの工夫も必要だと思います。TDMについて理解を深めて実践していただくために、今後どう対策を進めていくのか、見解を伺います。
○佐久間輸送担当部長 TDMの取り組みを進めていく上では、都内に四十万社以上といわれる中小企業に、大会時に想定される交通混雑に対応していただくことの必要性をご理解いただき、その取り組みを実践していただくことが重要です。
そのため、大会時の交通状況や時差通勤、配送方法の工夫など、取り組んでいただきたい内容をわかりやすく整理したリーフレットの作成やホームページでの情報発信など、国や関係自治体、経済団体、業界団体などと連携し、多くの中小企業が情報に接する機会をふやしてまいります。
加えて、大会時の事業継続計画、アクションプランの作成を支援する個別コンサルティングや支援ツールの提供、参考としていただける他社の取り組み事例の紹介など、中小企業が大会に向けた準備を進められるよう環境づくりに努めてまいります。
○うすい委員 前向きな答弁、ありがとうございます。
オリンピック・パラリンピックの成功は、多くの都民の皆様を初め、経済活動をされている方々の皆様の協力も必要であります。開催まで一年を切っておりますが、どうか、なお一層のご努力をお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、シティキャストを初め、ボランティアのレガシーについて質問をしたいと思います。
私もオリ・パラ特別委員会に所属をさせていただいておりましたので、そのときに質問をさせていただいた内容の確認の意味も込めまして質疑をさせていただきたいと思います。
初めに、本年六月のオリ・パラ特別委員会の中で、大会後に向けてボランティア参加意識を維持、発展させることについての都の認識を伺いました。また、ボランティアの方々に、活動したい分野についてアンケートをとることなどを提案させていただきまして、大会後もボランティア活動をできるだけ続けていただけるように、その取り組みをどうしていくのかをお聞きしたわけでございます。
現在の進捗状況について、都の見解を伺います。
○小高ボランティア担当部長 大会を契機に高まったボランティア機運を大会後も着実に維持、発展を図り、ボランティア文化の定着が図られるよう取り組むことは重要でございまして、現在、関係機関と連携のもと、シティキャストを初め、大会にかかわったボランティアに引き続き活躍いただける環境づくりに向けた取り組みを進めております。
シティキャストには、大会外でも行われているボランティア情報の提供に関するご意向を伺い、希望する方には、大会後の活動継続も見据え、スポーツ、国際交流、福祉など、さまざまなボランティア活動について月一回程度、メールで継続的に情報提供しております。また、現在実施している共通研修の中でも、東京マラソンのボランティアや、短時間で気軽に活動できるちょいボラなどを紹介してございます。
本年七月からは、生活文化局の検討会におきまして、組織委員会とも連携し、ボランティアの活動継続や、大会を契機とした裾野拡大に向けた仕組みづくりなどに関する検討を行っております。検討会には、ボランティア関連の有識者、企業、団体の関係者などにご参加いただいております。
検討の中では、都や地域のボランティアセンターやスポーツ団体、国際交流団体等と連携してボランティア活動情報を収集するとともに、大会にかかわったボランティアに活動継続に関するご意向を伺い、希望する方に情報提供するあり方など、仕組みの内容について議論いただいております。
今後、年度内に検討結果を取りまとめるとともに、来年度には仕組みを構築し、活動情報を幅広く提供してまいります。
○うすい委員 ありがとうございます。詳細にご答弁いただきました。ボランティアセンターやスポーツ団体、国際交流団体等と連携して情報を収集していく、そして、シティキャスト、フィールドキャスト等の希望者に情報提供をしていくとのことでございます。
本当にありがたいことに、今回の台風十九号で被災された地域に多くの方々がボランティアの皆様として駆けつけていただいたことを目にしました。実際にボランティアに携わる方々の声も、ぜひともご意見、ご要望などもお聞きいただいて、取り組みを進めていただきたいと思います。
次に、ボランティア同士の連携についてお聞きをします。
シティキャスト、フィールドキャストに参加していただいた方々が、大会後もボランティア活動が続けられる環境をつくっていくには、今のうちから、ほかの参加者とのつながり、きずなを深めていくことが大切だと思います。
効果的な取り組みをどうつくっていくのか、都の見解を求めます。
○小高ボランティア担当部長 東京二〇二〇大会で活動するボランティア同士の連携を促進して一体感を醸成し、参加機運を高めていくことは、活動の円滑化はもとより、大会後の活動継続につなげる上で重要でございます。
本年二月から実施しました面談や、先月から実施している研修では、参加者同士がコミュニケーションを深めるためのグループワークを行うとともに、会場においてシティキャストとフィールドキャストが仲間との情報交換を行える交流スペースを開設いたしました。
また、先月二十五日にはシティキャストとフィールドキャストが一緒にグループワークやゲームを行いながら、活動時のコミュニケーションやチームワークづくりを身につけていただくため、研修会場におきまして交流会を開催いたしました。
今後、交流会を月一回程度実施するほか、今月中には、シティキャストの運営システムにおきまして情報交換を行える掲示板を設置し、ボランティアのネットワークづくりにつなげるなど、ボランティア参加者が大会後も活動を継続できるよう取り組みを進めてまいります。
○うすい委員 今ご答弁があったとおり、きずなづくりをぜひ強めていただける取り組みをしていただいて、オリンピック・パラリンピックが終わった後のレガシーとして、ぜひボランティアという文化がなお一層、開催国である日本の文化として残るように、ぜひともその取り組みをお願いして、質問を終わります。
○柴崎委員 私からは、初めに、新規恒久施設の取り組みについて伺います。
大会まであと一年を切り、大会準備は、施設整備などのハード対策に加えて、輸送、セキュリティーなどのソフト対策の準備も本格化する時期になりました。
まず、大会運営の基礎となる施設整備についてでありますが、本年四月の夢の島公園アーチェリー場を皮切りに、海の森水上競技場、カヌー・スラロームセンター及び大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場において完成披露式典が実施されております。施設整備については順調に進んでおり、レガシーを見据えた準備にも備えていく段階となっております。
そこで、残る有明アリーナとアクアティクスセンターの大会に向けた整備状況と、この二施設を含めた新規恒久施設の大会後の供用に向けて、今後どのように取り組みを進めていくのかお伺いしたいと思います。
○草野施設整備担当部長 新規恒久施設のうち、都が現在進めております工事における十月末時点の進捗状況でございますが、有明アリーナにつきましては、本年十二月の竣工に向け約九八%、東京アクアティクスセンターにつきましては、来年二月の竣工に向けて約九〇%となっております。
次に、東京二〇二〇大会後の新規恒久施設についてでございますが、大会終了後に組織委員会が仮設物の撤去工事を行った後に、都において内装や外構などの改修工事を行った上で、広く都民の皆様の利用に供していただくこととなります。
現在、組織委員会によります撤去工事の詳細についての検討状況などを踏まえながら、各施設の大会後の改修工事の設計を進めておりまして、その中で、工事内容や工期について精査を進めてまいります。
○柴崎委員 新規恒久施設は、大会後、多くの都民が利用するスポーツ施設となります。大会後、当面は大会時に増設した施設等の撤去に時間が必要になるとは思いますが、できるだけ速やかに都民が利用できるようにしていただきたいと思います。
続いて、次に、大会時の運営について最も重要事項である輸送について伺いたいと思います。
都内には多数の競技会場があり、大会時には多くの方が会場を訪れ、観客が安全に会場に到着するよう対策が必要となってまいります。
そこで、観客の会場までの動線は公共交通機関を前提にしておりますが、射撃の陸上自衛隊朝霞訓練場のように、徒歩での移動が困難な会場もあります。
大会時の観客輸送におけるシャトルバスの検討状況について伺いたいと思います。
○村田輸送担当部長 最寄り駅から徒歩での移動が困難な会場につきましては、近隣駅からシャトルバスを運行することとしており、海の森水上競技場や朝霞射撃場などが該当いたします。
シャトルバスの検討は、都内会場は都と組織委員会、都外会場は組織委員会が、バス事業者や交通管理者等と連携し進めております。
検討結果につきましては、本年六月に公表した輸送運営計画バージョンツー案の中で、運行の必要な会場とバスの発着駅を示したところであり、お話の朝霞射撃場につきましては、東武東上線朝霞駅、和光市駅、そして、都営大江戸線光が丘駅を発着駅として記載しております。
現在、各駅から会場へのルートの詳細やバスの運行ダイヤなどにつきまして検討を進めており、今後とも、関係者と密接に連携いたしまして、円滑なシャトルバスの運行実現に向け準備を着実に進めてまいります。
○柴崎委員 観客への対策を講じることはもとより、会場周辺の住民や事業者が、大会期間中もできるだけふだんどおりの生活や事業活動を維持できるようにする必要があります。
一方で、選手や関係者の安全で円滑な輸送を確保する観点からも、会場周辺には必要な安全対策を講じなければならず、交通対策等も必要だと考えます。
大会期間中、競技会場周辺でどのような交通対策が行われるのか伺います。
○村田輸送担当部長 都及び組織委員会は、会場等周辺におきまして、進入禁止エリア、通行規制エリア、迂回エリアを指定し、段階的に交通対策を実施する予定でございます。
進入禁止エリアは、会場等を囲む物理的なフェンスを設置し大会関係者以外の進入の禁止を行うものでございます。通行規制エリアは、交通規制標識を設置し通過交通の制限を行うものであり、迂回エリアは、案内看板や広報等により会場直近を通り抜けようとする車両に迂回を促すものでございます。
通行規制及び迂回エリアは、エリア内の居住者、業務や施設利用者など、所用のある車両はいずれも通行いただけることとしております。
そのほか、大会関係車両の通行帯を専用レーン、優先レーンとして指定しております。
会場周辺等の交通対策を的確に実施し、選手や関係者の円滑な輸送と都市活動の両立を図ってまいります。
○柴崎委員 大会の安全な開催と地域住民や事業者の生活、経済活動を両立させるためには、何よりもこれらの情報を早く正確に伝え、協力を得なければならないと考えます。
会場周辺の交通対策等の情報について、今後どのように周知徹底を図っていくのか、そしてまた協力を求めていくのか、この点について伺いたいと思います。
○村田輸送担当部長 会場周辺交通対策につきましては、六月に素案を公表した後、関係区市や事業者、地元の町会、自治会等に直接伺い、対策の考え方、おおむねの対象範囲、今後の予定などにつきまして丁寧な説明を行い、さまざまな意見を伺ってまいりました。
今回、関係機関等と調整を図りまして、交通規制の対象道路の明確化、期間や詳細な内容の提示、迂回エリアの変更などにつきまして更新を行い、十月に公表したところでございます。
本件につきましては、前回同様、関係区市や地元等に説明を始めているところでございまして、年内策定予定の輸送運営計画バージョンツーに盛り込むことを予定しております。
引き続き、ホームページでの情報提供や関係者への説明を丁寧に行うなど、周知徹底に努めてまいります。
○柴崎委員 また、大会時の交通混雑緩和には、工事の調整も重要だと考えております。
都は、工事調整についてはどのように対応しているのか、この点について伺います。
○佐久間輸送担当部長 大会時の交通混雑緩和に向けて、本年四月に、東京二〇二〇大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針を作成しております。
この取り組み方針では、工事によるボトルネック化の回避と工事車両の削減のため、都発注工事の調整を行うこととし、具体的には、その年に必要な工事を実施することを前提に、発注時期の調整や工事車両の出入り調整等を行うこととしております。
その後、夏の試行結果や業界団体などからの意見などを踏まえ、対象地域と取り組み内容をよりきめ細かく設定するなど、十月に取り組み方針を更新いたしました。
引き続き、関係各局と連携し、工事調整を進めていくとともに、広く区市を初め、工事を受注する民間事業者や業界団体などにも工事調整の協力を行い、円滑な大会輸送の実現と都市活動の両立に向け取り組んでまいります。
○柴崎委員 工事調整の必要性はわかりますが、工事の内容によっては、どうしても大会期間中にせざるを得ないものがあります。例えば学校の工事は、児童生徒のいない夏休みに行わざるを得ないわけであります。
こうした工事についてはどのように対応していくのか伺いたいと思います。
○佐久間輸送担当部長 都の工事調整は、直接ボトルネックとなる路上工事のみならず、工事から発生する車両を削減するため、沿道で行われる施設工事なども対象としております。
そのため、ご質問の都が発注する学校工事につきましても、工事調整の方針の対象としております。
学校の工事は夏休み期間中に実施せざるを得ない場合もあると認識しており、具体的には、資材の搬入時期や時間の工夫など、工事車両の削減につながる取り組みを実施していただくこととしております。
また、区市が発注する工事につきましても、都の取り組み方針を丁寧に説明し、同様の協力依頼を行ってまいります。
○柴崎委員 業界や事業者などの理解を得るためにも、きめ細かく対応していくことが必要だと思います。この点については、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
そして、最後に、東京二〇二〇大会、この受動喫煙対策について伺いたいと思います。
さきの第三回定例会におきましては、我が党の代表質問において、都の受動喫煙防止条例によって、九月一日からは飲食店の喫煙状況の店頭表示義務化が開始されましたが、都民や飲食店経営者の理解が十分に得られていない状況であると指摘をさせていただきました。
その後、先月末でありますが、たばこ関係事業者の方々と意見交換を行いました。そして現状を伺ったわけでありますが、現時点においても、この表示義務への理解はほとんど進んでいないというか、義務そのものをよくご存じない方も大変多く見受けられるというのが実態だそうであります。
こうした実態があるのですが、これも我が党が指摘したように、店頭表示に対する指導助言の権限が、都にも保健所設置区市にも本格施行となる四月一日まで付与されない。このために、行政として実効性のある取り組みを展開することもできないわけであります。国に先駆けるといって早々に条例を策定し、表示義務も来年を待たずに九月から開始したのでありますが、実態が伴わない非常に残念な状況にあるわけであります。
こうした中で、ラグビーワールドカップ、大変盛り上がりを見せました。そして先週の二日には幕を閉じたわけでありますが、この大会には多くの外国人が来日しましたが、来年の東京二〇二〇大会は、ラグビーワールドカップ以上の外国人の方々が訪れるものと思われます。そこで気がかりなのは、来日される外国人の方々に都内の受動喫煙ルールをどのようにして守っていただくのかということなんです。
なぜそのようなことをお聞きするかといいますと、このラグビーワールドカップ開催に当たりまして、例えば東京スタジアムにおきましても、喫煙する場所がない、少ないために、喫煙者が外にあふれてしまったということが実態としてございました。
そして、先ほどお話しした関係事業者の方々から、海外でのオリンピック開催時のたばこ事情をお聞きしました。屋内はほとんど禁煙、屋外は基本的には喫煙できる、これが海外のルールのようであります。そうしたルールで日ごろ喫煙している方々が来日したときに、喫煙マナーで混乱することがないように、しっかりと対応する必要が出てくるわけであります。
こうした中におきまして、オリ・パラ会場の敷地を含むセキュリティーエリア内は禁煙であり、喫煙所の設置はありません。また、オリ・パラ会場のほかにも、パブリックビューイングの会場やバスターミナルなど人の集まる施設についても、対策を講じる必要があろうかと考えております。
たばこを吸わない方への配慮も必要でありますし、また、吸われる方へのおもてなしの観点に加え、適切な施設運営のために施設の状況に応じて分煙環境を整備すべきであると考えます。
例えば、たばこを吸わない方に配慮した場所、仕様ということも考えた屋外喫煙所の整備も考える必要があろうかと思いますし、また、案内サイン、マップでの表示によりまして、たばこを吸われる方に、さらにきめ細かく喫煙指定場所に誘導することも極めて重要かと思っております。
こうしたことを踏まえながら、都内の店頭表示すらままならない中で、東京二〇二〇大会の受動喫煙対策についてどのように取り組もうとしているのか、また、どのように今、準備をされているのかお伺いしたいと思います。
○末村運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、副委員長ご指摘のとおり、競技会場敷地内は完全禁煙の方針でございます。
また、選手村につきましては、選手の動線から離れた一部の喫煙スペースを除き、原則禁煙となってございます。
ラストマイルにつきましては、路上喫煙全面禁止、歩きたばこの禁止など、地元自治体により条例が異なりますことから、現在、ラストマイル所在の区市と観客への呼びかけ方法等の対応につきまして協議を進めているところでございます。
また、国内外からの来訪者の皆様に自治体ごとの禁煙ルールを知っていただくことが重要でございますので、ホームページやSNSの活用など、観客への効果的な周知方法につきまして検討してございます。
ラグビーワールドカップにおきましては、地元市と連携し、日英表記及びピクトグラムによる路上喫煙禁止のサイン表示の徹底や、警備員などによる呼びかけ等の取り組みを実施してきたところでございますが、その状況も踏まえながら、東京二〇二〇大会におきまして受動喫煙の問題が生じないよう、引き続き適切な対策に取り組んでまいります。
○柴崎委員 今、答弁をいただきました。ラグビーワールドカップがやはり直近の大変有効な大会でございますので、ぜひ検証をしっかりしていただきたい。
そして、吸わせないということはわかりますけれども、やはりこういった状況を踏まえながら、区市としっかりと連携をとっていただきたいと思います。このオリンピック・パラリンピックは東京が主導となって取り組んでいく必要があろうと思いますので、ぜひその辺も含めてご検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
東京都は、昨年三月にスポーツ振興計画を策定いたしました。スポーツの力で未来をつくるということで、都民のスポーツ実施率七〇%を達成し、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京を実現しますと述べております。
オリ・パラ大会を来年に控えて、一昨日まではラグビーワールドカップが開催されて、東京都民のスポーツに対する関心は高まっています。
本日は、都民が本当に文字どおり、いつでも、どこでも、安心してスポーツを楽しむことができる環境を整えていく、この立場から幾つかの課題について質問をさせていただきます。
まず、都立施設の問題です。都立の体育施設についてです。
オリ・パラ大会では都立施設を活用することから、現在、改修工事が長期間にわたり行われているわけです。そのため、一般利用がかなり制限されている状況です。都民の皆さんからは、オリ・パラ大会だから仕方ないけれど、早く使えるようにしてほしい、あるいは、余りにも長過ぎる期間使えないのは困るといった意見も寄せられていますけれども、長期休館施設の一つが有明テニスの森とコロシアムです。
そこで伺いたいんですが、有明テニスの森については、現在、オリ・パラ会場整備のために利用することができておりません。オリ・パラ期間を含めて都民利用ができない期間はどのぐらいか伺います。
○小室スポーツ推進部長 有明テニスの森公園テニス施設は、本年の十一月七日から十二月三十日まで、有明コロシアム、屋外テニスコート九面などについて一般利用を再開いたします。
なお、来年の一月二日より、東京二〇二〇大会に向けた準備のため、全ての施設が利用できない見込みでございます。大会後の利用再開時期につきましては、現時点では屋外テニスコートの一部等を除きまして、令和三年三月上旬の見込みでございます。
○とや委員 有明テニスの森、そしてコロシアムは、東レパンパシフィックオープンテニスを初め、全日本選手権や世界大会などが行われてきた会場です。過去の優勝者にはナブラチロワだとかグラフ、ヒンギス、シャラポワなど時代を代表する世界の女性テニスのスーパースターたちの名前が並んでいました。そして、日本のテニスファンも魅了してきたと思います。
テニスの聖地として知られるこの施設ですが、二〇一八年、五輪に向けた改修工事を請け負っていた建設会社が経営破綻しました。別の会社が担当していた有明コロシアムなどは予定どおり工事が終わりましたが、屋外コートや照明等の設置が中断していたのが記憶に新しいところです。
二〇一七年十一月から四十面の利用が休止する、その後、四十八面、コロシアムを入れると四十九面ですが、全体が使えないということになってしまいました。現在も二〇二〇年の東京オリンピックに向けた施設改修工事が行われているため、一部で短期間利用できるわけですが、二〇二一年三月上旬まで、ほとんどの期間は屋内、屋外ともに利用できません。つまり四年近くも使えない期間が続くわけです。
そのため、大きな大会はもちろんですが、都民が年間通じて利用し、中高生や大学生を初め団体の大会は、この施設の利用ができないことで、かなり利用が制限されております。
代替施設はほかにあるのか、どこになるのか、また、どのように案内をしているのか伺います。
○小室スポーツ推進部長 有明テニスの森公園テニス施設がご利用できない期間中でございますが、施設において近隣の都立や区立のスポーツ施設を案内するなど、指定管理者が丁寧に対応しております。
また、都におきましても、スポーツ情報のポータルサイトでありますスポーツTOKYOインフォメーションにおきまして、都内の公立スポーツ施設の情報を競技種目や区市町村名から検索できるようにしております。
○とや委員 指定管理者が丁寧に対応し、ポータルサイト、スポーツTOKYOインフォメーションにおいて案内が可能だということです。私もこのホームページ、拝見させていただきました。
確かに都内の施設について案内はされているわけですけれども、これまで日本テニス協会や高体連などの大きな大会を主催する団体は、ほとんど有明テニスの森を舞台に大会を開催し、しかも一年単位で予約をして、年間スケジュールを策定してきたと伺っています。しかし、現在はそうもいかなくて、都内のコートを探して、そのたびに申し込み、大会を行っているということです。
オリ・パラ局として責任を持って代替施設、例えば建設局など他所管のテニスコートの都民利用を保障することは大変重要だと考えますが、都の認識を伺っておきたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 有明テニスの森公園テニス施設の改修工事及び東京二〇二〇大会に向けた準備のための休館につきましては、休館に先立ち、利用団体、都民に周知を行い、早目の情報提供に努めてまいりました。
特に例年ご利用いただいております団体につきましては、指定管理者から丁寧に説明を行い、各団体においては、休館期間中、それぞれに工夫し、大会を開催していただいております。休館期間中におきましても、利用団体、都民からの問い合わせには、近隣の公立スポーツ施設等の情報提供を行うなど、指定管理者と連携して丁寧な対応に努めております。
また、東京都では、TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業といいまして、民間企業さんですとか大学さんですとか、通常、社員の方や、それから学生の方がご利用いただいていない時間帯や日程を一般の都民に開放していただく事業なども行っております。そういった情報についてもあわせて提供しております。
○とや委員 休館期間中であっても、利用団体や都民からの問い合わせには丁寧に対応する、今お答えいただきました民間の施設も案内をしていると。それは私もお聞きしたことがあるんですけれども、そういった対応をしていただいているのは大変結構なことなんですけれども、使えない期間が長いのでは、そういった都民の皆さんの苦労は並大抵ではないと思います。
そして、今、他の都立施設を利用する際に課題になっているのが利用料金だと思います。東京都との共催の大会も含めて、個人や団体ともに利用料金の減免はどのようになっているのか伺います。
○小室スポーツ推進部長 利用料金の減額または免除につきましては、東京都体育施設条例第八条及び東京都体育施設条例施行規則第七条に基づきまして、利用料金の減免または免除をすることができます。
具体的には、東京都が主催または共催するスポーツ振興または普及を目的とした大会に使用するとき及び身体障害者手帳等を提示され、施設を個人利用される場合などについては利用料金を免除することができます。
また、知事が認めるアマチュアスポーツ団体が運動競技大会に使用する際などには五割を減額することができます。
○とや委員 知事が認めるアマチュアスポーツ団体が運動競技大会に使用する際は五割を減額することが可能だということです。
ところが、今、そうした施設が使えないために、他局の所管する公園のテニスコートを使っていらっしゃいます。そこは扱いが違うところがあるようですけれども、ほかの局の代替施設の利用料金も同等の減免があるのかどうか伺います。
○小室スポーツ推進部長 建設局所管の都立公園内に整備されておりますテニスコートにつきましては、法律や条例などにより規定された設置目的等にのっとり、使用料を定めております。テニスコート使用料の減免があることは承知しております。
○とや委員 これらの例えば建設局所管の公園のテニスコートなどは、東京都との共催であっても、減免率は二五%までしかございません。都民にとっては、同じ都立施設でなぜ減免率が違うのか、オリ・パラで使えないのだから同じように利用料金を設定してほしいというのが率直なところです。
建設局と連携して同じ減免率にするよう検討すべきだと考えますが、東京都の所見を伺います。
○小室スポーツ推進部長 建設局の都立公園などの施設につきましては、設置目的などを規定した根拠条例等にのっとり、使用料や減免制度が定められているものと考えております。
○とや委員 今、私、申し上げましたように、都民にとっては、オリ・パラ局所管であったとしても、あるいは建設局所管であったとしても関係なくて、都立施設という意味では同じです。しかも、オリンピック・パラリンピックで約--足かけ四年、五年と使えない期間があるわけで、制限されるわけです。都民のスポーツをするという権利を考えたとき、問題がないということはいえないと思います。
スポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックのために都民のスポーツ振興が影響を受けるとしたら、これは本末転倒ではないかと考えます。都立施設については、同等の減免ができるよう、建設局などと、また、他局とも連携、相談して都民負担を軽くするよう重ねて要望し、次の質問に移りたいと思います。
次に、武蔵野の森総合スポーツプラザについてです。
この施設は、昭和四十八年に調布飛行場がアメリカから日本政府に全面返還されて、平成五年には東京都と調布市、三鷹市、府中市の地元三市で合意をした調布基地跡地利用計画が作成されています。二年後の平成七年には、都が整備を行う武蔵野の森総合スポーツ施設建設基本計画が作成されておりました。
ところが、平成九年に一旦、財政健全化計画において計画が凍結されてしまっています。こうした中でも、隣接する東京スタジアムが東京国体の会場に決定するなど、状況の変化もあり、調布、府中、三鷹の三市の強い要望と、都民からも、多摩地域に一つも総合体育館がなかったことから都立の体育館を建設してほしいという請願が都議会に出されて、建設にこぎつけたというふうに私も記録で読ませていただきました。
この施設は二〇一七年三月に竣工していますけれど、二〇二〇大会招致が決定し、この施設も会場となることから、アクセシビリティー工事を行って、同じ年の十一月二十五日から開業しているという経過となっています。
私、施設のパンフレットを見せていただきました。ここには、大型国際大会から個人利用まで多彩なニーズに応える総合スポーツ施設が誕生とあり、主な施設はメーンアリーナ、サブアリーナ、プールです。オリンピックに向けてテストイベントも最近行われ、本番はバドミントン、近代五種、パラリンピックで車椅子バスケが行われる予定だと聞きました。この施設についても、都民からさまざまな声が寄せられ、私自身も問題意識を持っています。
そこでまず、この施設の中のプールについて伺っていきたいと思います。
プールの利用実績、競技大会会場としての利用、そして、個人利用、自主事業のそれぞれの状況について教えてください。
○小室スポーツ推進部長 平成三十年度の実績でございますが、競技大会につきましては、国民体育大会東京都予選、これはアーティスティックスイミングでございますが、そうしたものも含めて九大会が行われております。
個人利用は、プールとトレーニングルームの合計で延べ約十六万六千人の利用実績がございます。自主事業としては、子供向けレッスン、アクアビクス等を実施しております。
○とや委員 団体では九大会が実施され、個人利用とあわせて活用がされているようです。ホームページを拝見しましたが、その他の自主事業として、平日の昼と夜の時間帯で子供向けのレッスンも--これは昼ですね、夜は大人向けかな、行われています。周辺の地域の皆さんも活用している様子がわかります。
では、プールを設計するに当たって、主にどんな目的、用途を想定したのか。その想定に照らして、現在のプールの使用、利用状況をどう評価していらっしゃるのか伺います。
○小室スポーツ推進部長 当施設は、平成二十二年八月に策定されました武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画に基づきまして、幅広い年齢層の都民の個人利用のほか、広域的な大会の開催が可能な施設として建設されました。
施設の仕様につきましては、主として個人利用を想定しているため、サブプールはなく、プールの観客席も百八十五席と少ないものになっております。プールには水深調整可能な可動床がございまして、競泳のほか、水球、アーティスティックスイミングなどでも利用することができます。
また、二分割可能な可動壁がございまして、半面で個人利用の開放を行い、また半面で水泳教室を実施することができるなど、幅広い都民ニーズに対応しております。
○とや委員 多摩地域の総合的なスポーツセンターとして多くの市民の利用を促進することはとても重要だと思います。同時に、市民スポーツ団体などからは、競技大会の会場に適した規模のプールが限られる中で、大会会場として使用する期待が寄せられております。
こうした声をどれくらい把握しているのか、また、どう受けとめているのか、所見を伺います。
○小室スポーツ推進部長 武蔵野の森総合スポーツプラザのプールは、管理運営基準におきまして、個人利用を原則とする施設として運営しており、大会利用につきましては、東京辰巳国際水泳場において日程が重複する等の理由により実施できない場合に限り、優先受け付けを行っているところでございます。
仮に大会利用を主とした運営を行いますと、本来の施設運営目的とは異なる運営となりまして、現在、土日祝日にご利用いただいております一日平均三百五十名ほどの皆様に大きな影響を及ぼすことになります。
競技団体等から大会利用に関する要望があることは承知しております。競技団体に対しては、管理運営基準の考え方について丁寧に説明しながら、今後も適切な運営に努めてまいります。
○とや委員 管理運営基準において、個人利用を原則とする施設と定めていると。それに基づいて運営をされているということですが、その同じ管理運営基準でも、例えば沿革及び特徴のところでは、館内プールは可動床や可動壁の機能を有し、大会利用や日常利用が可能であるとされております。必ずしも個人利用に焦点が当たっているわけではありません。
また、実施設計の概要の3、施設概要でも、屋内プールは広域的大会や都民の日常利用と位置づけられており、個人利用に優先的な位置づけは与えられておりません。現地でいただいたパンフでも、最終ページにプールの個人利用のための記載はあります。しかし、プールそのものについてのページの記載は、可動壁、可動床を導入し、さまざまなニーズに対応すると。更衣室は一般利用、選手用に分かれているので、目的に合わせた利用ができますと、そのフレキシビリティーを強調しています。
ホームページを見ますと、トップページにプール、ジムの個人利用のバナーはございますけれど、同時に団体利用のためのバナーもあります。団体利用のフローチャートのところに申しわけ程度に優先受け付けの対象は限られていますとあって、恐らく競技団体は、プールの団体利用をしようと思って優先受け付けを申し込んで初めて、辰巳に当たってからにしてほしいということで、個人利用が原則の壁にぶつかるんだろうと思います。
したがって、設計当初から現在に至るまで、個人利用が原則という規定は都が作成した文書上も、そして何よりも都民の目線から見て必ずしも判然としません。私は個人の方々には大いに利用してもらいたいと思っています。けれども、団体利用と対立するものではないと思っています。都民やアマチュア競技団体の大会の参加、開催の要望は大変強いものがあります。
都知事が認めるアマチュアスポーツ団体の一つである新日本スポーツ連盟東京都連盟の東京水泳協議会が東京辰巳国際水泳場の存続を求める署名を集めています。
その趣旨を読みますと、東京都連盟は、年間五大会を東京辰巳国際水泳場で、誰でも参加できる大会として開催していると。この会場の確保は、国際大会や全国大会等からマスターズ大会、小中学校の行事まで多くの競技大会が開催されるため、貸し切りは第一希望から第五希望を出しても決まらないことが多々あると。第五希望でもだめなときは、水泳場と協議を重ね、やっとの思いで確保できているというふうにおっしゃっています。
また、水泳にかかわる皆さんからは、コース貸しの抽せんはいつも倍率が高く当たらない、土日は大会開催が多くて一般利用ができない等々、辰巳の国際水泳場の利用率は、非常に高い利用状況です。
こういうふうに記されているわけですが、そうした現状から、辰巳をなくさないでほしいという切実な要望はされているわけですが、辰巳水泳場以外に大会開催の会場を確保することも同時に切実な要望であることも確かではないかと思います。
ところが、先ほどの質疑のとおり、武蔵野の森での大会開催は思うに任せない状況があります。この根本的な改善を、私、強く求めておきたいと思います。
同時に、この問題は、施設の備品、あるいは設備にも影を落としていると考えます。つまり、都民競技団体の大会会場としての利用の要望に本腰で応える構えがないのではないかと。備品や設備が中途半端になってしまっているということを指摘させていただきます。
根本的改善に至る以前にもその改善を求めたいと思うわけですが、その一つが競技用のタイミングシステムのうち、タッチ板とスコアボードは、現地で、私、この間行ってまいりまして、競技を行う場合、タイムを正確にはかるためのタッチ板、そしてスコアボードがきちんと整備されておりました。ところが、そのシステムを動かすための競泳用の自動審判時計装置、プリンティングタイマーというらしいんですけれども、これは常備していないとお聞きしました。
この常備は、どうしてもこれがないと使えないということですから、必要ではないかと思いますが、お考えをお聞きします。
○小室スポーツ推進部長 武蔵野の森総合スポーツプラザのプールにつきましては、管理運営基準において、何度も申し上げるようですが、個人利用を原則とする施設として運営しております。
大会時に使用するプリンティングタイマーは、関連備品等を含めて約四千万以上する高額備品でございまして、耐用年数は五年と短いことから、個人利用を原則とする当施設では、大会主催者が必要に応じ持ち込むことを想定しておりまして、常備はしておりません。
また、先ほど、個人利用と大会利用について、るるお話がございましたけれど、こちら、武蔵野の森総合スポーツプラザのプールは個人利用を前提とした考え方で設計され、建設されております。そのためにサブプールもなく、観客席も百八十五席という状況にございます。
利用される使い方を前提として設計され、建設され、運用されているということを申し添えたいと思います。
○とや委員 プリンティングタイマーについては、これがないと、タッチ板もスコアボードも意味をなさないわけですよね。今、四千万円するとおっしゃいましたけれども、一般のアマチュア団体は、都以上に一台四千万円もするものが買えると思いますか。財力も乏しいアマチュア団体は、東京都以上に手を出せるものではないというふうに思います。
そういったところに手を差し伸べることこそ、都の果たすべき役割ではないかと思います。実際、先ほども紹介しましたけど、パンフレットには国際大会とまで書いてあるんですよ。それが個人利用だからというのはおかしいじゃないですか。
それで、今、部長、客席のことをいいましたけれども、大会を開催する場合の観客席のことについても伺いたいと思います。
観客席の形態、規模が不十分という声が寄せられています。この改善を検討しているのでしょうか。している場合、どういう検討をしているのかお答えください。
○小室スポーツ推進部長 当施設のプールですが、先ほど申しましたように、主として個人利用を想定しておるため、サブプールがなく、観客席も百八十五席と少ないものとなっております。
プールサイドでの観覧は、通路幅の確保と安全面に課題がございまして、原則として行っておりません。観客席につきましては、現状の形態及び規模で運営を継続してまいります。
○とや委員 国際大会ができるとパンフレットでうたっておきながら、サブプールがなく、観客席も百八十五席だと。非常に、ここまで質問してきても、どうも変なんですよ。中途半端きわまりないです。プリンティングシステムがあって当然なのに、あんなに、タッチボード、掲示板があるんですよ。だけど、なぜプリンティングシステムがないのか。どうもおかしいなと私、思うんですよね。
東京水泳協議会が昨日、四日、辰巳の水泳場で第三十五回東京年齢別水泳大会を行いました。選手、応援、大会関係者など合わせて千人前後と聞いています。辰巳のメーンプールの観客席は最大五千席になっています。武蔵野の森は、今おっしゃったように百八十五席しかありません。大幅改修は難しくても、パンフレットでちゃんとうたっているわけだし、広域的な大会にも利用できるといっているんだから、何らかの改善が必要だと思います。
私、施設を見せていただいて、観客席が二階にありまして、そこにはガラスが張ってありました。大会関係者などからは、競技の臨場感が得にくいということで、観客席のガラス窓を撤去してほしいという要望があります。この検討についても伺っておきたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 理事ご指摘の観客席は、個人利用や大会利用時の見学スペースとして整備しております。
ガラス窓の撤去につきましては、湿度や温度管理等、空調設備面での課題が大きく、困難でございます。また、仮に改修工事を行うとすると、膨大な費用がかかります。
○とや委員 膨大な費用をかけて、あんないい施設をつくったわけじゃないですか。ちゃんと活用できるようにするべきですよ。
ここまで質問させていただいて、ここの施設は大型の国際大会にも利用できる施設です。
ところが、観客席は百八十五席、さらにガラス張りになって何の一体感もありません。五十メートルプールもありながら、そして、水深も三メートルまで下げられる可動床があります。さらに、大会関係者の居室も整備されている。選手の更衣室まで整備されている。これだけ立派な施設をつくりながら、大会は辰巳が使えないときのみと制限をしています。タイムを測定する機器も大変中途半端になっています。観覧席も大会には向かないという仕様となっています。これでは広域的大会を支えるという都の役割も果たせないといわなければなりません。
さらに、多摩地域には大型の総合スポーツセンターがなかったと、都民から、あの地域の人たちから、大会とかも利用をしたいと。個人もそうですけれど、そういった要望もあってできた施設です。中高生や水泳連盟などがわざわざ辰巳まで行かなきゃならないということだったら、何のために整備したのかということになってしまいます。
個人の方の利用も、大会の利用もあわせてできるように、プールをきちんとその仕様に合わせるべきだと思います。実際、基本構想の策定時には、委員から観客席が少ないというような意見も出ていたじゃないですか。それも聞かないで、ああいうような仕様にしたわけです。
繰り返しになりますけれども、都民や競技団体が日ごろの自分の鍛錬の成果を試合で試したいという要望、熱は大変強いものがあります。都としてもそこをよく酌み取っていただいて、武蔵野の森の運営と整備をそれにふさわしいものに抜本的に改善していただくことを強く要望して、次はアリーナの問題に移らせていただきます。
このスポーツプラザのメーンアリーナ、サブアリーナの観客席ですが、設置してある手すりの高さが低いということで意見が上がっております。どのような基準になって設置されているのか、教えてください。
○藤木スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツプラザのメーンアリーナ及びサブアリーナの観客席前、手すりの高さは九十センチメートルでございまして、法令基準でございます七十五センチメートル以上を満たしてございます。
なお、メーンアリーナ四階の短辺部につきましては、アリーナ面からの高低差がちょっと大きいものでございまして、手すりの高さを百十センチとしてございます。
○とや委員 私、サブアリーナの方に行かせていただいて、観客席も拝見させていただきました。あそこはガラス張りで、九十センチというのは、私、そんなに背は高くないですけれども、非常に危ないなというふうに感じました。
そういったことで、下がよく見えて恐怖感を感じたところなんですけれども、今のご答弁ですと、法令の基準内であって、メーンアリーナの四階の短辺部は高低差が大きいから百十センチにしているということですが、これは、基準内であれば問題がない、一定の配慮はされているものの、基本的には基準に合致しているんだということですが、やっぱりそれでは問題がないということではありません。
改善が必要だと思いますが、ご見解を伺います。
○小室スポーツ推進部長 一部の競技団体の中には、ガラス張りのところが低い、怖いなどといった声があったと聞いておりますが、多くの利用者の皆様からはそういった声は聞いておりません。
今後とも、利用者の声に真摯に耳を傾け、手すりの安全性について丁寧に説明してまいります。
○とや委員 今の答弁ですけど、すごく問題だと思いますよ。私、百十センチにしていただいていると、四階部分はね。それはすごく行き届いた配慮が一部あるなというふうに思いました。だけど、今の私の質問に対して、部長、何てお答えになったか。一部の人だからと、多くの人からは聞いていないんだというふうにおっしゃいましたよね。
こういう問題って多いとか少ないとかの問題なんでしょうか。サブアリーナの二階席からでもかなりの高低差があります。何かトラブルがあって落ちたら、これは多いとか少ないとかの問題じゃないんじゃないでしょうか。もう一度お考えをお聞きします。
○小室スポーツ推進部長 この手すりでございますが、サイトラインを確保するためにガラスの手すりとしております。
手すりの改修につきましては、費用面も含め、総合的に判断する必要があると思います。
○とや委員 確かに競技を、皆さんがごらんになるということを考えたときに、そことの兼ね合いというのはやはり考える必要はあると思います。しかし、それ以上に安全性の確保というのは大事だし、一人一人の人たちが感覚的に見て、私も本当にそう思ったんですけど、危ないということで、実際に落ちた場合、これ、大変なことになるわけですよ。そういったこともきちんと勘案しながら、総合的にとおっしゃいましたから、ご検討をお願いしたいと思います。
私、この間、メーンアリーナは拝見させていただくことができませんでした。なぜなら、ラグビーワールドカップが行われていたからです。そこがホスピタリティースペースになっていて、一般利用も団体利用もできなくて、一切立ち入りが禁止されていました。だから見ることができませんでした。今度見せていただきたいと思っているんですけど、ここは、安全性の問題というのは命にかかわる問題ですから、さらっと答弁するのではなくて、きちんと検討していただくことを求めて、次の質問に移ります。
二〇二〇大会の調達物品の問題です。再利用、再生利用について伺っていきたいと思います。
東京二〇二〇大会は、歴代の組織委員会として初めて、国際連合と、SDGsに基づいて基本合意書を締結しています。
この立場から、調達する物品については、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、持続可能性に配慮した運営計画を策定し、調達物品の再利用、再生利用率、九九%としております。この意義について、都はどのように受けとめているのかお答えください。
○三浦運営調整担当部長 組織委員会が策定した持続可能性に配慮した運営計画におきましては、気候変動、資源管理など五つのテーマごとに、目標の大枠と目標実現のための基本的な考え方を示しまして、さらに、個別目標として数値目標など具体的な手法も定めているところでございます。
こうしたテーマごとに設定した重要な項目ごとに具体的な取り組みや目標設定を行い、組織全体でその達成に向けた施策を推進する、いわゆる総合的なマネジメントシステムの導入とその運用は実効性を高めるための有意義な取り組みであると認識しております。
○とや委員 こうした取り組みが実効性を高める有意義な取り組みだと、私もそう思います。大変重要な答弁だと思います。
二〇二〇大会が最終的にどのように環境に配慮した大会として成功できるかは、レガシーとして世界のオリンピック・パラリンピック大会のモデルになるとともに、今後、日本社会で持続可能性に配慮した環境整備を切り開く契機にする必要があると思います。
既に二〇一二年のロンドン大会では、ロンドン組織委員会が物品の発注前に、どこで誰がつくるのか、何でつくられているのか、どのように再利用が可能かを業者に開示させる調達基準を独自に設け、廃棄物の九九%再利用実績を上げております。
東京二〇二〇大会ではどのようになっていますか、お答えください。
○三浦運営調整担当部長 組織委員会では、昨年三月に、物品の発注を行う際の後利用、再資源化にかかわるガイドラインを定め、この中で調達方法の優先づけや考え方を示しております。具体的には、調達する物品の再使用、再生利用の目標を確実に達成することとしているところでございます。
具体的には、資源の効率的な活用のため、レンタル、リースを優先し、次いで、買い戻し特約つき売買契約を選択することとしておりまして、レンタル等に適さない物品の購入を行う際も、当該購入品の後利用やリサイクル品の使用をあらかじめ検討することといたしております。
また、実際の調達に当たりましては、組織委員会が定める持続可能性に配慮した調達コードに基づき、調達先に、製造者などサプライチェーンの把握や、再生品や再生資源を含む原材料の利用を求め、これを遵守する取り組みを誓約させることとしております。
さらに、大会後の再利用、再生利用を含む提案型の仕様書を作成させるなど、製造者や原材料を把握し、再利用を促進するさまざまな取り組みを既に進めているところでございます。
○とや委員 二〇二〇大会が成功するという中の一つに、こうした取り組みも私は入っていると思います。ぜひ都としても推進していただきたいと思っています。
これまでの大会では、六万トンを超える物品や建材などが排出されてきたといわれております。設備や物品の調達は組織委員会が基本的に行っていますが、都としても、再利用、再生利用九九%を進める立場から、組織委員会任せにせず、積極的に取り組むよう求めておきたいと思います。
次に、3Rについてです。
都は、二〇一八年五月のオリ・パラ特別委員会で、選手村宿泊棟の整備についての3Rの取り組みについて、選手村宿泊室で大会期間中に使用した給湯器、エアコンなどについては、3Rの観点から都有施設等での再利用を検討する、設備等のリユースなどについてアイデアを募集していると報告していますが、改めて現在の検討状況について伺います。
○斉藤選手村担当部長 選手村におきましては、大会後に撤去する主な設備等として、給湯器、ルームエアコン、ユニットバスなどがございます。
3Rの取り組みを進めるため、平成二十九年六月に、選手村宿泊棟におきまして大会時に使用した設備等のリユースなどについてアイデアを募集したところ、公共施設などへ設備等を再利用するアイデアや、リース品の活用などのアイデアなどが寄せられました。
これらのアイデアの実現可能性を検討するため、外部への業務委託により、国内外における事例を調査するとともに、有識者等へヒアリング調査を行いまして、リースに適する設備や、都や区市町村の公共施設への再利用について、組織委員会とともに検討を深めてまいりました。
こうした検討を経まして、例えば選手村宿泊室のルームエアコンにつきましては、発注者である組織委員会が持続可能性及びコスト縮減に配慮し、リースにて昨年度契約したところでございます。
○とや委員 六月から都が行った選手村のエアコンやユニットバスなどの再利用のアイデア募集には、福祉施設、あるいは教育施設、都営住宅などへ設備等を再利用するなど、具体的なアイデアが都民から寄せられたということです。都としても、都有施設での再利用を積極的に進めるよう要望しておきます。
エアコンについてはリースにしたということですが、エアコンだけでも約三千九百戸、一万五千台も再利用が問われていると報道でもありました。
東京都として、リース事業者の再利用計画を確認して、都有施設、あるいは都民が再利用できるようにすべきですが、いかがでしょうか。
○斉藤選手村担当部長 選手村宿泊室のルームエアコンにつきましては、都と組織委員会が協議をし、リース契約を導入することで、調達コストや再利用に係る経費等の削減を図っております。
使用した後のエアコンにつきましては、組織委員会がリース会社に返却し、リース会社が売却や再リースなどで有効活用することとなります。この際、組織委員会は入札参加者に再使用計画の提出を求めるなど、エアコンの再利用が着実に進むよう創意工夫し、再利用計画の進捗確認も行うなどしております。
なお、選手村のエアコンは一部都有施設での活用も考えられることから、都としても、発注準備の段階から組織委員会と協議しているところでございます。
○とや委員 今、発注準備の段階から組織委員会と協議をしていると。一部都有施設での活用も都として考えているということですが、リース会社が基本的には売却や再リースなどで有効利用するということになっているわけですけれども、それでも処理し切れないという場合が想定されるんじゃないかと思うんですが、そこら辺のところが今のご答弁ではわからなかったので、お答えください。
○斉藤選手村担当部長 先ほどの繰り返しになりますけれども、使用した後のエアコンにつきましては、組織委員会がリース会社に返却し、リース会社が売却や再リースなどで有効活用することになっております。
組織委員会は、エアコンの再利用が着実に進むよう創意工夫しまして、再利用計画の進捗確認も行うなど、再利用が着実に進むように努力をしております。
東京都といたしましても、選手村のエアコンは一部都有施設での活用も考えられることから、発注段階から組織委員会と協議しているところでございまして、引き続き、3Rの推進に向けて、組織委員会と連携しながら進めたいと考えております。
○とや委員 もう一度お聞きしたいんですけれども、選手村の宿泊棟のルームエアコンについては数量も大量であるというふうに思います。リース会社によって再利用先が見つからない場合は想定しているのか、していないのかお答えください。
○斉藤選手村担当部長 都といたしましては、組織委員会が再利用計画の進捗状況の確認を行っておりますので、進捗状況を確認しながら、組織委員会と一緒に3Rに取り組んでまいります。
○とや委員 先ほどのご答弁は、発注段階から都有施設での活用も考えているとおっしゃったじゃないですか。原則は売買や再リースなどで有効活用すると、リース会社がですよ。だったら、なぜ都有施設の活用も都として発注段階から考えていらっしゃるのか、きちんとお答えになっていただきたいんですよね。
別に責めようということじゃなくて、頑張ってほしいわけですよね。だから、きちんと事実を答えていただきたいんですよ。いろいろたくさんあるから余ってしまう、再利用できない可能性もあるから、都としてもちゃんと都有施設も想定して検討しているということなんだと思うんですけど、違うんでしょうか。
○斉藤選手村担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、選手村のルームエアコンにつきましては、発注者である組織委員会が持続可能性とコスト縮減に配慮しまして、リースにて昨年度契約したところでございます。
使用した後のエアコンにつきましては、組織委員会がリース会社に返却し、リース会社が売却、再リースするなどの有効活用をすることになります。
東京都としましては、発注段階から一部の都有施設での活用も考えられることから、組織委員会と協議したところでございます。
○とや委員 じゃあ、リース会社による再利用先が見つからない場合は想定していなくて、最初から都有施設で活用するというふうに考えているということなんでしょうか。もう一度お答えください。
○斉藤選手村担当部長 東京都といたしましては、再利用計画の進捗状況も踏まえながら、この3Rを推進していきたいと考えております。
○とや委員 進捗状況を踏まえながらといいながら、発注段階から都有施設での活用も考えているという非常に矛盾した答弁だと思います。事実をきちんとご答弁いただきたいんですよ。そうやってこそ、私は本当に、組織委員会も、東京都も九九%再利用するんだと。これは物品だということですけれども、エアコンなどのリース製品についても、都民の税金も使っているわけだから、無駄なく活用できるという方向が見えてくるというふうに思います。
組織委員会がエアコンを発注する際に、入札業者には、大会後に再利用先を見つけ譲り渡すということを条件にしたとも聞いていますが、マスコミなどでは、東日本大震災地域での活用なども取り沙汰される中で、一方で、エアコンの再利用先には難しさがあると関係業界からの指摘もあるわけです。
選手村の整備等は、共同事業であるわけだから、リースのエアコンが廃棄されることのないよう、都としてもしっかり把握して、再利用を推進していただきたいと申し上げておきます。
また、発注段階から、組織委員会と都有施設などで活用について協議中ということですが、例えば都有施設での活用と同時に、生活保護世帯、所得が低い家庭に対して、東京都がリース会社から一括して払い受けるなどして、希望者に支給するように要望しておきたいと思います。
ことしの夏は非常に暑くて、私たちもたくさん要望、相談を受けます。今、保護世帯の方々は、エアコンが古くなっても、壊れても、なかなか取りかえることができないという状況があるから、それも含めて検討していただきたいというふうに思います。
最後に、選手村の給湯器、あるいはトイレを含めて、二〇二〇大会に使用した設備等の再利用について、組織委員会から、東京都を初め、区市町村に活用の紹介が行われていると聞いております。都としてはどのような検討を行っていますか。
○湯川施設担当部長 持続可能性に配慮した運営計画第二版におきまして、組織委員会は、仮設会場等は可能な限り大会終了後も資材等が再利用可能な構造とすることを掲げてございます。
これを踏まえまして、大会の仮設施設整備において、レンタル、リースを中心に物品を調達することとしており、レンタル、リースが困難なものにつきましては、都と組織委員会が連携し、購入により調達した設備等の有効活用を図るリユースにつきましても、従前より検討してきているところでございます。
現在は、組織委員会と連携し、給湯器や照明などの設備等を可能な限りリユースできるよう、都庁各局や区市町村への説明など、具体化に向けた調整を既に行っているところでございます。
○とや委員 区市町村へは情報提供にとどめず、都がみずからイニシアチブを発揮して、再利用を進める手だてを強めていただきたいと要望しておきます。
例えば、先ほど保護世帯のことをいったんですけど、私の地元の練馬区、他区の住民からも、公園のトイレが和式で使いづらいとか、保育園児が使えない等の声も寄せられております。実際に今、園庭のない保育園が多くて、都立公園、区立公園含めて園児が公園をお散歩します。そうすると、なかなか公衆トイレが使えないという状況もあって、それは私も建設局に要望したりしてきているわけですけれども、ぜひ検討していただきたい。
この際申し上げておくんですけど、東京都がこの機会に再利用のトイレの活用で、全都的に公園のトイレの改善を進めるなども検討していただきたいと申し上げておきます。
また、都内自治体での再利用に加えて、私立の福祉、医療、あるいは教育機関などにも、東京都が窓口になって積極的に周知して、大規模に進めていただきたいと思います。各設備の再利用には、本体価格とともに移動や設置費などにも経費がかかります。区市町村や私立の施設への助成制度など、再利用を促進させる施策も必要であり、要望したいと思います。
SDGsに基づいて環境に配慮したモデルとして、二〇二〇大会のレガシーにふさわしい取り組みが進むよう、都が主体的に取り組むことを強く求め、東京二〇二〇大会の調達物品、設備の再利用についての質問を終わらせていただいて、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○龍円委員 東京二〇二〇大会のオリンピック開催まで九カ月を切り、パラリンピックまでは十カ月を切っているということで、オリンピック・パラリンピック準備局でも総仕上げの段階に入っておられることと思います。
さて、これまでの委員会で、私は、パラリンピックを契機としまして、スペシャルニーズのある方々がより身近な地域で継続的かつ日常的にスポーツを楽しめる環境が整備されることが重要だと質疑を行ってまいりました。そのためには、身近な地域でスペシャルニーズのある人たちがスポーツを安心して楽しめる場所がふえることと、それを支える人が育成されて、ふえていくことが大切です。
昨年度、都が初めて実施しました障害者のスポーツに関する意識調査では、過去一年間に週一日以上スポーツや運動を実施した人の割合は三二・四%で、これは、国による日本全体の調査の二〇・八%を上回っていました。しかし、一方で、全くスポーツや運動をしない人が四九・九%と、ほぼ半数を占めていることがわかりました。
都は、スポーツ推進総合計画で、二〇二一年までに四〇%の実施率の達成を目指していますが、実施率を向上させるためには、この全く運動をしない半数の人たちにスポーツに関心を持ってもらい、運動を始めるきっかけをつくらないとなりません。
ことし三月の委員会で、身近な地域でスポーツに取り組める環境整備として、とてもいい取り組みだと思っています都立特別支援学校を活用したモデル事業について伺いました。事業を開始した平成二十八年は五校でしたけれども、年々ふえており、今年度は二十校になると伺いました。実施する学校がふえれば、卒業生なども含めて、より身近に気軽にスポーツ活動に参加しやすくなると思いますし、施設利用を希望する団体もますますふえていくと思います。
そこでまず、都立学校活用促進モデル事業のうち、体育館等の貸し出しを行う施設貸出事業の今年度の利用団体の登録状況と、申し込み受け付け上において工夫などをしておられれば伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、特別支援学校の体育館やグラウンド等の体育施設を学校教育活動に支障のない範囲でスポーツ団体に貸し出しておりまして、利用登録団体数は、今年度九月末現在で三百七十七団体で、昨年度の同時期に比べまして百三十三団体増加をいたしました。
施設の予約方法についてでございますが、平成二十九年度までは、窓口や電話、メール等での申し込みとしておりましたけれども、三十年度からは、ホームページ上で空き状況を確認しながら予約できるシステムを導入いたしまして、申し込み時の利便性を高めました。
また、申し込み開始時期については、三十年度までは利用希望日の属する月の前月からとしておりましたが、今年度利用分からは、これに加えまして、年間を通して利用を希望する場合には、前年度末に翌年度一年分の利用申し込みを受け付け、抽せんを行った上で予約できることといたしまして、計画的な活動ができるよう改善を図ったところでございます。
○龍円委員 この事業は障害者団体が優先的に使える制度ですが、ホームページで空き状況を見ながら予約ができるようになり、さらに、年度末に翌年一年分の利用申し込みができるようになったということでした。利用者にとっては申請しやすくなったと思いますし、何よりも一年分をまとめて申請できると、計画的に、継続的にスポーツを実施する機会をつくる大きな後押しになると思います。この施設貸出事業はぜひ継続していっていただきたいと思います。
配ってくださいましたこの資料1の体育施設の貸出実績を見てみますと、貸出可能日日数に対して実際の貸出日数が九割に達している学校が五校ある一方で、まだ利用が少ない学校もありますので、より工夫をしていってくださいますようお願い申し上げます。
また、都立学校活用促進モデル事業では、スペシャルニーズの有無にはかかわらず、誰もが参加できる体験教室も実施しています。この体験教室は、スペシャルニーズのある方がスポーツを始めるきっかけになったり、継続してスポーツに取り組める場にもなりますので、多くの方に参加していただきたいと思います。
そこで、体験教室においてスペシャルニーズのある方が参加しやすいような工夫や広報についてどのように取り組んでいるのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都立学校活用促進モデル事業の体験教室についてでございますが、パラリンピックの種目だけではなく、レクリエーションスポーツなど、障害の有無にかかわらず、誰もが取り組みやすい種目を多く取り入れるほか、重度の障害のある方でも参加しやすい内容についても実施をしております。
また、体験教室を支えるボランティアに障害特性に応じた配慮や支援の方法について習得をしていただき、参加者が安心して楽しめるような体制を確保するほか、駅から遠い実施校につきましては、バスによる送迎を行い、アクセス面での利便性の向上を図っております。
さらに、ホームページやチラシによる募集だけでなく、実施校を通じまして卒業生や在校生などに周知したり、近隣の福祉施設等を訪問し、障害のある方へ情報を直接届けるなど、広報活動の強化を図っております。
こうした取り組みによりまして、ボッチャや知的障害者ダンスなどの種目では、多くの障害のある方にご参加をいただいております。
○龍円委員 ありがとうございます。近隣の福祉施設などを直接訪問して情報を届けるなど、いろいろな工夫をしていることがわかりました。
同じく、この配ってくださった資料1を見ますと、平成三十一年四月からことし九月まで五十回実施していて、千四百六十人が参加しているということですので、一定の数の方が利用していることがわかりました。
スペシャルニーズのある人にとっては安心して参加できるスポーツの場がまだまだ少ないことが障壁になっていると思いますので、今後もボランティアや指導員の方たちによる受け入れ体制をしっかりと構築して、安心して参加できる場、そして、機会づくりを続けていってくださいますようお願いいたします。
そして、スペシャルニーズのある人たちのスポーツをサポートする障害者スポーツ指導員も重要です。以前、指導員の資格をとったものの、活動する場の情報が少ないという声をいただいているという点を指摘させていただきました。
その際、都として研修会などの取り組みを行っていることが確認できましたが、指導員の方たちの活動の場を周知するために、具体的にどのような情報提供をしているのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都では、平成二十七年度から、障害者スポーツを支える人材の活動活性化事業を行っておりまして、ボランティアの募集案内などを掲載した情報紙の送付のほか、活動経験の少ない指導員等に研修会等を実施し、活動の場に関する情報提供を行っております。
まず、活動再開を促すリ・スタート研修を開催し、障害者スポーツ団体のボランティア募集情報の提供に合わせて、スポーツを実施する際に支援を受けたい具体的な内容につきまして、障害のある方から説明を受ける機会を設けております。
また、参加者同士の情報交換を行う障害者スポーツフォーラムにおきましても、行政、学校、福祉などの分野ごとに活動できる場の情報を伝えるなど、取り組みを行っております。
今後も積極的に活動の場に関する情報を提供いたしまして、指導員等の活動の活性化を促してまいります。
○龍円委員 スポーツ指導員の活躍の場をふやすいろいろな工夫をなさっていることがわかりました。スペシャルニーズのある人たちが安心して継続的にスポーツを続けるためには、指導員も継続的に支援できるような体制づくりはとても重要だと思いますので、ホームページなどを活用した情報提供やマッチング等についても今後さらに検討していただけますようお願いいたします。
また、スペシャルニーズのある人たちの裾野を広げていくことを考えると、民間の力、つまり企業や団体を巻き込んでいくことも大切だと思います。
そこで、障害者スポーツを支援する企業や団体との連携について、都はどのような取り組みを行っているのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、東京都障害者スポーツ協会に企業向けの相談窓口を設置いたしまして、障害者スポーツに関する情報提供や助言を行うことにより、支援したい企業と競技団体等をつなぐ障害者スポーツコンシェルジュ事業を実施しております。
また、平成二十九年度からは、企業や大学等と競技団体等を対象とした交流会を実施しておりまして、先進的な支援の取り組み事例を紹介したり、双方の情報交換の場を提供することによりまして、マッチング及びネットワークの構築を促進しております。
こうした取り組みを通じて、企業による競技大会等の備品の無償貸与や、学生ボランティアの派遣によります競技大会運営の支援、地域の福祉団体と連携した競技の普及啓発などの取り組みが実現いたしました。
今後とも、マッチングにより実現した事例を広く発信することなどを通じまして、企業や団体等による障害者スポーツ振興に向けた支援活動を促進してまいります。
○龍円委員 法定雇用率を遵守するために、企業の皆様はいろいろな工夫をなさっていますが、なかなかスペシャルニーズのある人たちとどのように一緒に働けばいいのかわからずに苦労なさっているとも聞きますので、スポーツを通して相互理解を深めるきっかけになるといいなと思いますので、ぜひ今後も企業や団体を巻き込んでスペシャルニーズのある人のスポーツ振興に努めてくださいますようお願いいたします。
最近は、東京二〇二〇大会パラリンピックに出場することが内定した選手の報道などを目にする機会がふえてまいりました。
都は、平成二十八年度から東京二〇二〇大会等への出場が期待される選手を東京アスリート認定選手として競技活動を支援する取り組みを行っています。
私の地元渋谷区には、平成三十一年度、東京アスリート認定選手に認定されている車椅子フェンシング選手の千坂香菜選手がいまして、来年に迫った東京大会への出場に向けて、日々練習に励んでいると伺っております。
地元選手の活躍を見たり聞いたりするのは、地域のスペシャルニーズのある人に希望や勇気、そして、具体的な目標を与えてくださいますし、競技を自分もやってみようとか、挑戦してみたいというモチベーションにもなると思います。活躍した選手らは、大会の後もさまざまな形でスペシャルニーズのある人たちの意欲を喚起してくれると思いますので、ぜひ一人でも多く東京のパラアスリートに自分の力を思いっ切り発揮してもらいたいと思います。
そこで、都は、東京二〇二〇パラリンピックを目指している東京ゆかりの選手に対して、今年度どのような取り組みを行っているのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇パラリンピック等の国際大会への出場が期待されます、都内に在住、在勤、在学の東京ゆかりの選手八十二名を平成三十一年度東京アスリート認定選手として認定し、競技活動の後押しとなる支援を行っております。
具体的には、大会や強化合宿の参加に伴う交通費や宿泊費、競技用具等の購入、修繕費などにつきまして支援をしております。特に東京二〇二〇大会の一年前となる今年度におきましては、大会本番に出場できる可能性が高い選手に対しまして集中的に支援をしております。
また、大会本番に向けたより実践的な支援といたしまして、さらなる競技パフォーマンスの向上を目的としたトレーニング実技やアンチドーピング等、競技者として必要な知識の向上を図る座学講習などを実施しております。
こうした取り組みによりまして、一人でも多くの東京ゆかりの選手が東京二〇二〇パラリンピックへの出場が果たせますよう引き続き支援してまいります。
○龍円委員 パラリンピックまで本当にあとわずかとなってきましたので、今後も一人一人の選手に寄り添い、最高の力が発揮できるよう支援を続けていただけますようお願いいたします。
さて、以前、オリ・パラ特別委員会でもお話しさせていただきましたが、パラリンピックは障害者のスポーツの祭典と思われがちですが、実際に参加できるのはごく限られたスペシャルニーズのある人たちだけです。パラリンピックの開催に合わせて、ソフト面でも、ハード面でもさまざまな整備が進みますので、大会の後はさまざまなスペシャルニーズのある人たちが活躍できる場を継続して創設していくこともとても重要だと思います。
そのためには、パラリンピックのレガシーを引き継ぎ、大会後も、パラスポーツに加えて、そのほかのスペシャルニーズのある人たちの国際大会を観戦したり、または出場を目指したりすることができる取り組みを考えていくことも必要があると思います。
都は今年度、聴覚障害者などの障害者スポーツ大会開催支援調査を実施することとしていますが、調査の進捗状況についてお伺いします。
○加藤障害者スポーツ担当部長 これまで、パラリンピック競技以外の国際的な障害者スポーツ大会に関する基礎資料が不足しておりました。そこで、今年度新たに、こうした大会に関する調査を実施することにいたしました。
調査対象でございますが、過去十年以内に定期的に開催された大会で、かつ五つ以上の競技を実施した総合的な大会とし、聴覚障害者の大会でございますデフリンピックや、視覚障害者の大会でございますIBSAワールドゲームズ、知的障害者の大会でございますスペシャルオリンピックスなど九つの国際大会を調査しております。
具体的には、開催都市や期間、開催頻度のほか、参加できる障害種別や競技数などについて、大会報告書などによる文献調査に加えまして、国内関連団体等へのヒアリングを実施しており、年度内に結果を取りまとめる予定でございます。
こうした調査結果も活用しながら、国際的な障害者スポーツ大会の開催支援について検討してまいります。
○龍円委員 年度内に結果を取りまとめるということですが、ぜひトップレベルの競技大会をパラリンピック以降も東京で観戦できるように、大会の開催支援について検討を進めていただけますよう求めておきます。
先月、私の地元にある東京体育館で、車椅子ラグビーの国際大会が五日間にわたって開催されました。お昼の試合には主に児童や学生が、そして夜の試合には会社帰りの社会人が観戦に訪れまして、合計でおよそ三万五千人が来場されて、とても盛り上がったと伺っております。
これは、車椅子ラグビーというパラ競技を多くの人が知り、会場での観戦にまでつながったということで、都や競技団体を初めとした関係機関によるパラリンピックの機運醸成に向けた取り組みの成果であると考えます。
東京二〇二〇大会では、全ての会場をフルスタジアムにすることをぜひ都も実現したいところでありますが、都が平成三十年九月に実施した都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査では、車椅子バスケットボールや車椅子テニスは七〇%以上の方に知られている一方で、テコンドーや馬術、パワーリフティング、ボートは一〇%に満たないという結果になっておりまして、競技ごとに差が生じています。
今後、本番の会場を満員にしていくためには、認知度の低い競技はもとより、全ての競技において認知度を上げていく必要があります。
都は、全ての競技の認知度を今以上に引き上げるために、どのような取り組みをしていくのか伺います。
○越パラリンピック部長 都はこれまで、東京二〇二〇大会の開催機運の盛り上げにつなげるため、大会五百日前や一年前の節目にパラアスリートによるデモンストレーションやトークショーなどを行うカウントダウンイベントを実施してまいりました。
また、NO LIMITS CHALLENGE等を通じてパラリンピック競技の体験機会を都内各地で提供するなど、大会やパラリンピック全二十二競技の普及啓発に努めてまいりました。
あわせて、パラリンピックにさらに関心を持っていただくため、競技ルールや見どころを掲載した東京二〇二〇パラリンピックハンドブックや、競技スケジュールや概要を掲載したパンフレットを製作し、配布することに加え、さまざまな競技の観戦会などを実施しております。
また、学識経験者、パラアスリート、各界の著名な方々から成るパラリンピックの成功等に向けた懇談会のメンバーのご協力もいただきながら、あらゆる機会を捉えてパラリンピックの魅力を発信しております。
今後、パラリンピック競技を多くの方に知っていただき、会場を満員にするため、体験会などの実施に当たっては、認知度の調査結果などを参考に、力点を置いていくべき競技をしっかり選定してまいります。
また、パラリンピックの魅力が広く伝わるよう、交通広告や屋外広告など多様な広報媒体を一層活用してPR活動を行ってまいります。
こうした取り組みなどを通じて、パラリンピックの認知度や関心をさらに高め、全ての会場が満員となるよう機運醸成に積極的に取り組んでまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。全ての競技会場が満員になり、パラ大会以降も継続的にスポーツを楽しむスペシャルニーズのある方々がふえていくよう、積極的な取り組みを要望させていただきます。ありがとうございました。
○星見委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時三十分開議
○星見委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○のがみ委員 十一月二日に閉幕をいたしましたラグビーワールドカップ二〇一九日本大会について質疑をさせていただきたいと思っております。
日本代表の活躍もあり、大会は盛り上がり、大成功だったと思っております。今までラグビーに興味、関心がなかった方も、大いにこのラグビーの試合を通してファンがふえたと思っております。また、子供たちも、今まではサッカーをやろうと思っていたけれども、本格的にラグビーをやりたいという子供たちの声もよく聞きます。
これまで、この大会の準備をずっとされてこられましたオリ・パラ準備局の皆様を初め、関係者の皆様に心から敬意を表します。本当にお疲れさまでございました。
私も九月の二十日の開会式に参加いたしまして、日本対ロシアの試合を観戦いたしました。そのときに隣に非常にラグビーに詳しい方がいらしたので、いろいろな反則とか、また、解説を隣で受けながら、本当に楽しく観戦することができました。
試合そのものが非常に盛り上がって高揚感たっぷりだったんですけれども、帰りのルートが、実は、多分皇室の方専用の道が封鎖されていたために非常に混み合っておりまして、十メートル歩くのに十分ぐらいかかるような感じで、私も青砥の自分の最寄り駅に最終電車でやっと帰れたな、よかったなと思うような形でございました。今後、味の素スタジアムを使うときもあると思うんですけれども、そのときのルートの確保とか、それに気をつけて確保していただければと思っております。
それともう一つは、私も岩手県の釜石市の鵜住居復興スタジアムにも同僚の栗林さんと一緒に行ってまいりました。前日に現地入りをして、すばらしいところに泊まって、それで現地に行ったわけでございますけれども、すごく距離感が近かったんですね。ですから、選手同士のぶつかるばしっという音とか、汗が飛び散る感じとか、また、被災地の子供たちがたくさん来ておりまして、心からの声援と大漁旗がたなびいていて、とても天気にも恵まれて、すばらしい大会となりました。
こうした鵜住居復興スタジアムなんですけれども、実はここに鵜住居小学校が建っていて、最上階に子供たちが避難していたんですけれども、ここでは危ないということで、中学生と一緒になって高速道路まで上ったので、全員助かったと。もしあのまま三階のところにいたら、全員、今は亡くなっていただろうということで、非常にそういった意味でこの鵜住居復興スタジアムの意義が、そこに魂魄がとどめられているのではないかなと思って、そういう思いを裏に持ちながら観戦をしておりました。本当にすばらしい大会でございました。
それから、都議会公明党の提案を受けまして、このラグビーワールドカップの機会を捉えて、都内並びに被災地の子供たちを試合観戦に招待していただきました。その実施状況について伺います。
○篠ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 都は、ラグビーワールドカップ期間中、ラグビー競技の振興や子供たちの競技力向上、復興支援を目的として、今大会で試合会場がない宮城県、福島県の子供たち及び都内の子供たちを試合観戦に招待いたしました。
具体的には、東京スタジアムで行われたプール戦に、都内でラグビーに取り組む子供たち千十六名を、また、宮城県、福島県の子供と保護者など百二十四名の合計千百四十名を招待いたしました。
子供たちは、多くの外国人観戦客でにぎわうワールドカップならではの雰囲気の中で世界トップの白熱したプレーを間近に観戦し、すごい迫力だった、ワールドカップを生で見ることができてうれしいなどの声を上げるなど、大会の感動と興奮を共有することができたものと考えております。
○のがみ委員 こうした世界レベルのプレーを直接見聞きすることによりまして、多くの子供たちがより活発に競技に取り組み、さらにラグビーの普及、スポーツ振興につながるのではないかと思っております。この中の何人かがまたラグビーの選手として世界の舞台で活躍をしていただければいいかなと希望的観測で思っております。
また、東京都は、試合観戦後に、被災地から招待した子供たちと都内の子供たちがラグビーを通じて交流する事業を実施しました。これも都議会公明党の提案を受けて実施されたものでございます。九月二十二日の日曜日の午前中でございましたけれども、東京スタジアムの隣にあります西競技場というところで、宮城と福島の子供たちを四つのグループに分けて、また、東京の子供たちも一緒になって、ローテーションをしながら、いろいろなラグビーの基本的な練習をしておりました。
そして、トップアスリートもそこに駆けつけてくださっておりましたので、本当に一緒になって感動しながら子供たちが参加したと思っております。当初は若干ちょっと暑い日でございましたけれども、元気いっぱいに練習したり、試合をともにしておりました。
緑の芝生の上で元気に歓声を上げて練習する子供たちの姿に感銘を受けましたが、その実施状況についてもお伺いいたします。
○篠ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 都は、試合観戦の招待に合わせて、東京スタジアムに隣接する西競技場において、宮城県、福島県の子供たちと都内のラグビースクールの子供たちによる交流事業を実施いたしました。
具体的には、宮城県、福島県の子供たち六十名が試合観戦の翌日、都内のラグビースクールに通う子供たち八十二名とともに合同練習やミニゲームに取り組み、お互いに交流を深めました。また、現役のトップリーグの選手に参加していただき、子供たちにトップレベルの技術を肌で感じてもらえるよう工夫を凝らしております。
参加した子供たちからは、一生の思い出になった、いつもと違う仲間とプレーができてうれしかった、これからもラグビーをずっと続けたいといった声をもらっているところでございます。
○のがみ委員 よくラグビーの広告に、四年に一回ではない、一生に一回だというようなコメントがついておりましたけれども、子供たちも一生の思い出になったと思います。
被災地と東京の子供たちが、一人一人にとって、ワールドカップを契機とした今回の事業が一生の記憶に残り、ラグビーを初めとした今後のスポーツへの取り組みの糧となることを期待しております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
以上で終わります。
○古賀委員 先日の東京都オリンピック・パラリンピック準備局の事業概要を見ながらの事業説明で、今これだけ問題になっております猛暑、炎暑、酷暑、暑さ対策についての報告が全くございませんでしたので、一応簡単に重複を避けて質問させていただきます。
今、ラグビーワールドカップのお話がございました。四年に一度、アジアで初めてラグビーの世界一位を決める大会、大変盛り上がり、成功裏に終わったというふうに思います。
私も九月二十日の開幕戦、東京スタジアム、日本対ロシア、開会式から見せていただきました。その後、九月二十八日、東大阪市花園ラグビー場で行われましたアルゼンチン対トンガの試合も観戦に参りました。そこで感じたことをまず申し上げて、質問に入っていきたいというふうに思います。
花園ラグビー場まで行きますのに、近鉄奈良線で大阪の難波から乗りまして、東花園駅というところでおりるんですね。そこから歩いて、沿道も大変なにぎわいで、ラグビー場まで大体約十分ほどかかるんですけれども、沿道を歩くときにも、観戦者、お酒、ビールを飲んでいる人たちも外人も含めてたくさんいましたけれども、大変炎天下で暑かったわけです。
そして試合が始まりますと、花園ラグビー場、屋根のある部分もあるんですけれども、私たちが座ったところは全く屋根がありませんで、まさに炎天下、猛暑の中、トンガも応援しなければならないし、アルゼンチンも応援しなければならない。多少冷たいものは飲めましたけれども、とにかく暑かったわけです。
会場に行くまでの沿道、それから選手を応援する観戦客も、炎天下で、これから来年のオリンピック・パラリンピック、競技会場に行って、屋外の競技場で応援をするとなると、大変な難行、苦行が待っているのではないか。幾ら好きな競技とはいえ、応援したい気持ちがあっても、この炎天下で応援するということになりますと、かなりの、場合によっては熱中症とか、気分が悪くなる人がいるかもわかりませんので、こういった屋外競技場の観客に対する暑さ対策ということについてお尋ねしたいと思うんです。
競技会場の中については、組織委員会が中心に今までさまざまな取り組みをやってきました。平成二十五年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定から六年間、さまざまな取り組みが行われてきたわけでありますので、屋外競技会場での観戦客に対する暑さ対策、来年の五輪、障害者五輪大会に向けた取り組み状況はどうなっているのか。事務事業説明では全く触れられませんでしたので、お聞きをいたします。
○三浦運営調整担当部長 ご質問にございました沿道、あるいはラストマイルや屋外競技場での直射日光を初めとする暑さから観客を守ることは、熱中症予防の観点からも重要でございます。今夏のテストイベントの機会を活用いたしまして、重点的な試行、検証を行ったところでございます。
会場に向かいますラストマイルでは、庁内各局が協力し、日差しを遮る送風機等を設置したテントや、ミストによる暑さ指数の測定を行うとともに、ウオーターサーバーによる飲料水の提供や、体を冷やすグッズなども配布いたしまして、利用者の声を聞くなど有効性の確認を行ったところでございます。
さらに、会場の手前の手荷物検査を行うPSA前にも炎天下で長時間並ぶことがないよう、日陰を創出するテントに大型冷風機を併設するなどの試行も重ねたところでございます。
また、屋外競技を行う会場内を運営する組織委員会におきましても、会場内を巡回し、体調不良者の早期発見を行う、いわゆるファーストレスポンダーの配置を試行いたしますとともに、来夏に向け、屋外競技場での休憩所の設置など、対策の具体化の検討を進めているところでございます。
来夏に向けまして、組織委員会とも連携し、会場内外の観客向けの実効性ある対策に取り組みますとともに、日本の暑さの経験のない訪日外国人等への啓発につきましても、国等と連携いたしまして取り組んでまいります。
○古賀委員 ラグビーワールドカップでは、思いがけず台風の襲来で試合も中止になったり、これは、これから考えておかなければならない一つの危機管理の重要な要素になるのではないかというふうに思うわけですね。大量の雨が降る、それから、台風等で試合ができなくなった場合、たまたまそこにやってきた観客に対してどういう対応をするか、こういうこともぜひ検討しておいていただきたいと思います。
それで、暑さのことで、今、さまざまなことを実施してくださっているということはよくわかりましたけれども、私が花園ラグビー場で実感しましたのは、日陰、とにかく日陰が一番ありがたい。霧状の水を散布する何とかという横文字の言葉がありますけれども、多少気休めにはなるかもわかりませんけれども、ほとんど、私は、体験はしていますけれども、余り効果があるかどうかちょっと疑問です。
ですから、できるだけ日陰を設けるということにある程度焦点を絞って、残りもう九カ月を切っているわけでありますけれども、私の実感でそれが正確かどうか、妥当かどうかわかりませんけれども、会場に、観戦客の皆さんができるだけ日陰の中で、日陰に入って応援する、また、観戦をする、そういうことをひとつ注目していただいて実施していただければいいのではないかというふうに思います。
そもそも真夏になぜやるのかということに戻って、我々はもう一度考えなければいけないということになるわけでありますけれども、立候補ファイルはもう何度も今、議論になっていますけれども、とにかくいいことが書いてあったんですね。この期間は天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候であるということで、国際社会の多くの人たちはこれを信じたかどうかは別として、そう書かざるを得なかったということはわかりますけれども、実態はかなり厳しい酷暑の中で競技せざるを得なくなっているということでありますので、少しでも何か有効であるということについては、積極的な、果敢な対応を重ねてお願いしておきたいというふうに思います。
それで、いつやるのが最もふさわしいのかということに当然議論はなってくるわけでありまして、今回、マラソンと競歩の会場の問題でいろいろ識者から意見も出てきているところでありますけれども、そもそも東京二〇二〇五輪競技大会が七月二十四日の開会式に始まり、八月九日まで催されるわけでありまして、夏のこのさなかに大会を開催することについて、どのような認識を局としてお持ちなのかお聞きいたします。
○田中計画推進部長 東京二〇二〇大会の開催時期につきまして、IOC、国際オリンピック委員会は、大会の立候補受け付けに際しまして、オリンピック大会の開催期間を七月十五日から八月三十一日までの期間内で設定するよう定めておりました。
これを踏まえまして、東京が立候補するに当たりましては、夏季休暇の期間中で公共交通機関や道路が混雑しないこと、そして、ボランティア、子供たちなど多くの人々が参加しやすいことなどの理由から現在の開催期間としたところでございます。
なお、二〇二〇年大会の招致活動におきましては、暑さなどを理由に、IOCが設定する期間とは異なる十月開催を提案した都市もございましたが、IOCからは、七月、八月は人々が余暇に当てる時間が十分で、多くの観客に見ていただける一方で、十月の開催は他の大規模スポーツイベント等と競合するなどの懸念が示されております。
都といたしましては、来年夏の大会に向け、選手が最高の競技力を発揮でき、観戦に訪れる観客が安全かつ快適に大会を楽しんでいただけるよう、ハード、ソフトの両面から暑さ対策にしっかり取り組んでまいります。
○古賀委員 好ましい時期かどうかは別にして、局の答弁としては当然の、今お話があったというふうに思います。
実は、私は平成二十七年のこの文教委員会で暑さの問題を取り上げまして、幻の大会と終わった昭和十五年の東京五輪、この大会は当初真夏の予定だったんですけれども、やはり暑いときは避けるべきだということで、日程を変更したというお話を紹介しました。
やればできる可能性もあるということで、私、平成二十七年ですから、四年前にそういう指摘をしたんですけれども、それから従来どおりのことになっているわけでありますので、この機会に何か開催時期の件について大いに議論をするきっかけになったら、このことは不幸中の幸いではないかというふうに思うわけです。
このたびの東京二〇二〇五輪競技大会のマラソンと競歩の唐突な会場変更の問題というのは、五輪開催時期について世界中で再考をせよという契機になるのではないかというふうに私、思いました。
オリンピック史上、開催都市以外でマラソン競技が行われるのは今回初めてのことなんですね。東京都はこれまで、マラソンコースの舗装道路の暑さ対策などに約三百億円投入しています。競技会場の札幌への変更は、IOC、それから政府、そして組織委員会に一方的に押し切られた感じが強いのでありますけれども、そもそもこの猛暑の夏の期間に五輪開催を規定しているIOCに大きな責任があることをまず忘れてはならないというふうに私は思うわけです。
突然の会場変更の背景にあるのは、先月の六日まで中東カタールの首都ドーハで行われた世界陸上選手権で、女子マラソンと競歩は、暑さを考慮して深夜のスタートにしたにもかかわらず、出場選手の多数が途中棄権し、選手が担架で運ばれる姿が世界中に配信されることになりました。ほかの競技でも選手の不満が相次いだことから、東京二〇二〇大会まであと九カ月のこの時点でIOCの強行変更となったということは疑いようがないわけです。
IOCから札幌市案が示されてからわずか二週間余りで、これらの重要事項の変更決定がなされたということは、なかなか理解しづらいわけでありますけれども、東京都が開催都市であることから、会場変更には強く反対することが予想されるということで、外堀をしっかり埋めてから提案をしたということになるのではないかというふうに推測いたします。IOCは主催者でありますから、変更決定は容認させられたということになるわけであります。
今日まで東京都の税金と時間をかけた猛暑対策は、マラソンに関していえば、競歩に関していえば、水泡に帰したということになってしまいます。選手の健康を考え、かつ競技の盛り上がりのためとのIOCの主張は、反論はできないわけでありますけれども、やはりもとをただせば、なぜ五輪が酷暑の真夏に開催されるのか、五十五年前、昭和三十九年十月のアジア初の東京五輪のように秋晴れのもとで開催することがなぜできなくなったか、改めて議論することが今求められているというふうに思います。
しかし、IOC収入の大半、約七割を占めるのではないかといわれておりますけれども、アメリカの放送局、NBCからの放映権料が占めている現状では、見直し議論はかなりの困難を伴うものと思われます。
二〇一四年に、NBCは約七十六億五千万ドルを投じて、二〇三二年までの五輪の放映権を取得しております。真夏のアメリカではスポーツの大行事がないこの時期に五輪、障害者五輪を実施して放送を行う。この流れはそう簡単に変えられるものではないというふうに容易に想像できるわけです。
陸上競技だけではなくて、五輪の華といわれるマラソン競技では、新国立競技場の大観衆に見送られ、各国選手が出発し、必死の駆け引きの二時間の戦いを戦い抜いて再び新国立競技場の大歓声に迎えられる選手たちへの惜しみない拍手、声援はオリンピックならではのだいご味となるわけでありますけれども、これが幻になってしまいました。加えて、沿道で応援に工夫を重ねて、指折り数えて準備に取り組んできた都民の落胆は大変大きいものがあります。
ちなみに、国際サッカー連盟は、次のワールドカップのカタール大会を夏の開催から十一月開催へ変えたということは皆様も存じだというふうに思います。今回のマラソン競技の会場変更がIOCを動かす契機となれば、災い転じて福となすということになるのではないかというふうに思います。
ちなみに、今回のオリンピックに関していえば、JOCの会長が開会間際になって交代するとか、これは招致活動についてのいろいろ取り沙汰。それから大会エンブレムの決定が大々的な発表、記念行事をやった後に、これが取り消されて変更される。それから、新国立競技場の設計も、安倍首相がアルゼンチンのブエノスアイレスで招致演説をやったときに、皆さんが見たこともない斬新なデザインの競技場でオリンピックをやりますといったのが、これが変わった。今回のマラソン、競歩ということで、いろいろ考えてみますと、さかのぼって考えると、かなりいろいろな問題を引きずりながら今日に至っているわけです。
ぜひ残り二百六十二日ですか、この期間、今までのいろんなものを吹き払うかのような爽やかな気持ちで本番、七月二十四日、来年が迎えられるように、私が今申し上げましたようなことも含めて、ぜひ念頭に置いて、大会成功へ向けてオリ・パラ局、全力を尽くされることを願って、質問を終わります。
○斉藤委員 よろしくお願いいたします。資料の提出を、まずありがとうございました。
私からは、障害者スポーツの促進と五輪施設の建設現場の労働環境について取り上げたいと思います。
オリンピック・パラリンピック準備局では、障害のある方や障害者スポーツ競技団体等が身近な地域でスポーツ活動ができるように、都立の特別支援学校の体育館やグラウンド等の体育施設を平日の夜間や土日祝日に開放する都立学校活用促進モデル事業を行っています。
開放に当たっての施設の管理等をスポーツ文化事業団に委託し、学校の教職員に負担をかけない仕組みになっています。それまでは障害のある方々が身近なところでスポーツを楽しむ機会をつくることがなかなか難しかったという中で、この取り組みは、障害のある方々やそのご家族にもとても喜ばれている事業だと実感しています。
東京二〇二〇大会を契機に、その後も障害のあるなしにかかわらず、誰もがスポーツに親しむことができる環境をつくっていくためにも、この取り組みを広げていくことが期待されています。
そこでまず、現状について伺います。
都立特別支援学校施設の障害者スポーツ団体への貸し出しは、最初は五校から始まったということですが、その後はどのように拡大したのか、また、事業開始年度と比較して貸出日数はどれくらいふえたのか、あわせて伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十八年九月から、都立特別支援学校の体育施設を学校教育活動に支障のない範囲で平日夜間や土曜日、日曜日、祝日に貸し出し、身近な地域での障害者スポーツの場としての活用促進を図っております。
実施校数でございますが、二十八年度に五校で開始し、その後、毎年度五校ずつ拡大いたしまして、今年度は二十校でございます。
貸出実績でございますが、二十八年度は二百六十六日であったのに対しまして、今年度九月末現在では一千二百二十八日でございまして、九百六十二日増加いたしました。
○斉藤委員 実施校の数は四倍の二十校にふえ、貸出日数もことしの九月末時点で初年度の四・五倍以上の日数にふえているということです。
それだけ利用者のニーズが高いということだと思いますが、利用団体の状況について、事業開始時と比較して登録団体はどれくらいふえているのか、また、そのうち、今年度の障害者団体等の数のほか、障害種別や種目別にはどのような団体が多いのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 本事業を利用している団体でございますが、事業開始時は五十一団体でございましたが、本年九月末現在、三百七十七団体でございまして、三百二十六団体増加いたしました。このうち、障害者団体等は事業開始時は十五団体でございましたが、本年九月末現在、百八十二団体でございまして、百六十七団体増加いたしました。
障害者団体等の障害種別につきましては、肢体不自由や知的障害が多く、種目別ではボッチャや車椅子バスケットボール、電動車椅子サッカーなどとなっております。
○斉藤委員 障害者団体の利用は十五団体から百六十七団体、十倍以上にふえてきたということです。この広がりは障害者スポーツの振興に取り組む都の施策としてもとても重要な実績ではないかと思います。
私たち日本共産党都議団も、障害者団体の方々から毎年ご要望を聞かせていただき、障害者スポーツの振興を求める声を議会に届けてきましたが、オリ・パラ局のこの取り組みが重要な機会をつくっているということを感じています。
改めてですが、特別支援学校の施設を利用する団体からは、例えばどのような声が届いているのか伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 施設をご利用いただいております団体からは、障害者団体等は優先的に申し込みできるため、継続的な練習場所を確保することができる、平日、夜間も開放しているので、仕事帰りにスポーツができるなどの声をいただいております。
○斉藤委員 いただいた声にあるとおり、このモデル事業では、障害のある方々が優先的に利用できるように申し込み時期に段階を設けるなどの工夫を行っています。障害のある生徒が使いやすいように、バリアフリー化された都立の学校の施設を優先的に使えることで、障害のある方々が安心して楽しめるという声も寄せられています。ぜひより多くの特別支援学校で実施できるよう取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
種目別ではボッチャや車椅子バスケットボール、電動車椅子サッカーなどの利用が多いということですが、プールを使える機会をふやしてほしいという声も届いています。我が党では、この間、オリ・パラ局と教育庁に対しても、特別支援学校のプールの障害者や地域への開放や、その拡充を求めています。
教育庁の学校開放事業ではプールが対象となっていますが、都立学校活用促進モデル事業ではプールが対象にはなっていません。二年前の事務事業においてもプールの貸し出しを要望しましたが、その後の検討状況について伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 プールを本事業の対象施設とすることについては、利用者の安全確保と、それに伴う監視員などの人員の配置、施設面など、さまざまな課題がございまして、本事業の貸出施設とはなっておりません。
○斉藤委員 監視員などの人員の配置、施設面など、さまざまな課題があるとのことです。
施設の面についてですが、今、文部科学省が掲げている特別支援学校施設整備指針では、プールについて、自立活動での利用など日常的な利用を考慮し、維持管理等に十分留意しつつ、温水プールとして計画することが望ましいと示されています。
このことを踏まえた設備の改修などについては、教育庁との連携が不可欠だと思いますが、障害者スポーツの振興を東京二〇二〇大会のレガシーとして発展できるように、オリンピック・パラリンピック準備局としても必要な支援を検討していただくように重ねて要望をいたします。
一方で、人員の配置については、私は、局として独自に工夫していけることがあるのではないかというふうに思っています。今、区市でもプールや体育館の地域への開放事業に取り組んでいるところが多くあります。
私の地元の足立区でも、夏休みの期間、在籍の児童たちがプールを使う予定がない日や、土日祝日に地域への開放を行っています。
教員には負担をかけずに、監視員には、講習を受けた地域の方々やPTAの方々が一定の報酬を受けながら当たっています。
世田谷区では、スポーツ財団に委託をして、学校には負担をかけずにプールの開放を行っています。どちらも障害のある方々の受け入れを可として行っています。
こうした区市の取り組みを参考にしながら、人員配置の件はスポーツ文化事業団への委託での配置を充実するなど、局として工夫して支援していくことができるのではないかと思いますが、見解を伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 本事業は、学校教育に支障のない範囲で、都の教育委員会が管理する既存の特別支援学校の体育施設を活用して実施しているものでございます。
プールの開放に当たりましては、水温、水質等の管理、施設設備の点検、事故防止及び緊急時の応急処置を行う監視員の配置など、衛生及び安全の確保に関する措置を講じる必要がございまして、これらについて検討した結果、貸出施設としておりません。
都は、障害のある方が身近な地域でスポーツに親しめる環境づくりを進めるため、区市町村が主体的に取り組む障害者スポーツ事業に対して補助を行う障害者スポーツ地域振興事業も実施をしております。プールの利用に関する取り組みについても補助をしております。
この事業も活用いたしまして、引き続き、障害のある方のスポーツの場の確保に取り組んでまいります。
○斉藤委員 今行っている区市町村への事業の補助ももちろんですが、障害のある方が利用できるプールが身近にあることが重要であり、その意味でも都立の特別支援学校の施設の利用が広がることには大きな意義があると思います。今いろいろな理由を挙げられましたが、区市ではやっているということをぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。
身体障害のある方から私も伺いましたが、プールに入るという経験がこれまではなく、水の中に入ったらどんなふうになるのか、身近にプールがあれば自分も試してみたいということでした。こうした機会を広げるためにも、ぜひプール利用に向けた検討を行っていただきたいというふうに思います。
次に、障害者スポーツの体験教室について伺います。
今年度の体験教室の実績と、どのような方が参加しているのか、障害者の参加人数とあわせて伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害の有無にかかわらず、個人で参加が可能な体験教室を実施しておりまして、今年度は九月末現在で十七校におきまして、ボッチャやカーレットなど計五十回の体験教室を開催いたしました。
参加者についてでございますが、介助者やボランティア等を含めまして一千四百六十人でございまして、このうち障害者は四百十五名でございました。
○斉藤委員 先ほども質疑がありましたが、今年度は九月末時点で四百十五名の障害者の方々が利用されたということです。また、ボランティアを含めて一千人以上の方々が参加しているということも重要な点だというふうに思います。
私も地元の足立区で障害者施設に何度かお邪魔させていただき、体を使った遊びやゲームを一緒にすることで、お互いの理解が深まるということを実感しています。特に障害がない人にとって、そうした機会に障害がある方々がどのようなことに困るのか気がつくこともできます。
相互に理解し、ともに生きていける社会をつくっていくためにも重要な取り組みだと思います。ぜひ体験教室の取り組みも広げていただきたいというふうに思います。
来年はいよいよ東京二〇二〇大会が開催されますが、障害者スポーツは、これを契機にして、その後に発展させていくことが何よりも重要だと思います。オリンピックの理念に照らしても、誰もがスポーツを楽しむことができる社会、多様性を尊重して、ともに生きやすい社会をつくっていくことが求められています。
都内の特別支援学校を障害者スポーツの拠点の一つとして位置づけて行っているこの都立学校活用促進モデル事業の取り組みを広げて本事業にしていくことが重要だと思います。
モデル事業が終了した後も継続、拡充し、本格実施することを要望しますが、見解を伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 今後の方向性についてでございますが、モデル事業の実施状況を踏まえた上で検討してまいります。
○斉藤委員 実施状況を踏まえて検討するということです。障害のある方々にとても喜ばれているこの取り組みが大会後に縮小するようなことではなく、発展していけるようにしていただくことを強く求めて、次の質問に移ります。
オリンピック施設の建設現場においての労働環境について伺います。
ことしの五月に国際建設林業労働組合連盟、BWIが、五輪施設の建設現場について、危険な現場や過重労働の実態をまとめて、都と大会組織委員会、日本スポーツ振興センター、JSCに対して問題を指摘しました。
BWIでは、二月に、全国建設労働組合総連合、全建総連とともに新国立競技場や選手村の建設現場で働く労働者四十人に聞き取り調査を行い、その内容をまとめた報告書を東京都に提出したということです。
BWIは、世界百三十三の国と地域の約三百三十の労働組合が加盟する国際組織で、オリンピック施設の建設現場における労働者の権利を守り、ディーセントワークを実現するために国際的に活動しています。
この報告書では、建設現場でコンクリートの巨大な板、スラブというものが頭上三十メートルほどにつり下げられたまま、その下で作業が行われるという大変危険で労働安全衛生法に違反するような現場や、二十六日間、あるいは二十八日間連続で仕事を続けたという過重労働について指摘をしています。
五輪施設の建設現場ではこれまでも、二〇一七年に新国立競技場の建設工事に従事していた二十三歳の男性が自殺したことを初め、選手村の現場でクレーンに挟まれて作業員が亡くなるという事故のほか、労災認定はおりていないけれど、作業中に亡くなった方々を含めて四人の死亡者が出ています。BWIの指摘について重く受けとめ、早急に改善に向けて対策を行わなければなりません。
まず確認したいと思いますが、BWIが都に提出した報告書への対応の経過について伺います。
○三浦運営調整担当部長 BWIが新国立競技場や選手村など、現場の労働環境の問題をまとめたとする報告書は、都、組織委員会、JSC、日本スポーツ振興センターの三者に本年五月半ばにメールにて送られているところでございます。
この報告書は、建設現場の労働者等にインタビューによりまとめたとのことでありまして、対象となる建設現場や法令違反などの課題にかかわる具体的な事実などを精査する必要がございました。このため、関係機関と協力いたしまして、事業者への確認、問い合わせや現場調査等による事実確認を進めたところでございます。
一方、この事実確認と並行いたしまして、報告書の対象と思われる建設現場の元請事業者や選手村の特定建築者など各事業者に対しまして、改めて関係法令の遵守や適切な労務管理が行われるよう要請をいたしました。
その後、報告書の記載内容につきまして、組織委員会、JSCと協力して精査を続けてまいりましたが、法令違反や問題となる事実は認められなかったところでございます。
具体的には、選手村で二十八日働いたとした労働者がいるとの指摘は、日曜、祝日を建設現場では休業日としておりまして、閉鎖されていること。あるいは、強風下でコンクリート資材がつり下げられたとする指摘につきましては、現地調査や労基署の立ち入りでも法令違反等の事実は認められなかったことなどでございます。
このため、六月初旬以降、事実確認に必要な具体的な追加情報の有無、提供につきまして、BWIに対し、組織委員会、JSCと連名で要請を続けたところでございます。
こうした中、八月中旬にBWIから意見交換を行いたいとの申し入れがあり、十月三日に意見交換を行いました。
○斉藤委員 法令違反等の重大な事実が確認できなかったために、七月に具体的な追加情報の有無、提供についてBWIに対して要請を行ってきたということですが、このときに都が発表している文書、BWIからの報告書における指摘に対する現状認識というものですが、私もこの中身を確認いたしました。
今のご答弁と重なるものですけれども、例えば選手村で連続二十八日間働いた労働者がいたという指摘については、都は、選手村の建設現場は原則日曜日、祝日を休業日としており、当現場において連続での二十八日勤務は考えられませんという回答、そして、コンクリート資材が宙づりになっている下で働く労働者が危険にさらされたという指摘については、元請会社に聞き取りにより、クレーンによる作業については、関係法令を遵守し、安全に実施しているということを確認しておりますという回答で、机上のことでしか答えていないということがよくわかります。
現場で本当にそうだったのかどうかということが精査されていないというふうに思います。そうした規則などが現場で守られていないということが問題なのであって、規則のお話や元請会社さんのお話ではBWIの指摘とはかみ合わないのは当然ではないでしょうか。
先日、十月三日にはBWIと東京都、大会組織委員会とJSCとの四者で会談があったということです。このときのBWIとの会談ではどのような話し合いがされたのか伺います。
○三浦運営調整担当部長 ご質問の意見交換におきましては、都を含む三者から、BWIの報告書の内容について、これまでの事実確認の状況と三者による精査や現地調査では法令違反や問題となる事実が認められなかったことなどをご説明いたしました。
同時に、こうした検証を進めるためには、再三要請してまいりました指摘する労働者が従事する具体的な建設現場の特定など、検証に必要な追加情報の提示を求めたところでございまして、これについてのBWIからの回答は席上ではなかったものでございます。
その一方、BWIは三者に対し、これまでインタビューを行った労働者へ三者が直接聞き取りを行うこと、この提案が受け入れられない場合には、BWIとの共同査察を行うことを提案したものでございます。
都を含む三者といたしましては、再度、報告書の記載内容にかかわる事案の検証に必要な具体的な情報の提供を求めたにもかかわらず回答がない中で、BWIの提案の有効性や実効性を検討することとし、後日回答する旨、回答いたしました。
○斉藤委員 私、今のご答弁にはとても認識不足がすごくあらわれている内容じゃないかというふうに思うんです。都からは事実確認のための具体的な追加情報をBWIに求めたこと、それから、BWIはこれらの求めにかかわる回答がないまま、労働者への聞き取り調査や共同査察を行うことが提案されたという説明ですけれども、私はこのことについて全建総連の東京都連合会の方に見解を伺いました。
東京都は、事実確認をするために特定の情報を求めているということですが、労働者や下請、孫請の会社、そして個人事業主の方々は、物を申せば仕事がなくなるのではないかということを恐れて正面から話をすることはできないという立場に置かれているということです。
今、ご答弁の中に、指摘する労働者が従事する具体的な建設現場の特定というようなこともありましたが、弱い立場に置かれている労働者に対してこういうやり方では、私、絶対進まないというふうに思うんです。特定の個人や会社につながるような情報は出せないというのは当然ではないでしょうか。
だからこそ、組合で集めている情報について、都はしっかりと受けとめてほしい、改善についての回答を、ちゃんとメッセージを出してほしい、そして実行してほしいということをいっています。現場の状況を把握して、日ごろから組合との懇談にも応じてほしいという切実なお話を私は伺いました。
BWIが求めた建設現場の視察の回答期限は十月三十一日ということですが、都からの回答はどのようになっているんでしょうか。
○三浦運営調整担当部長 繰り返しになりますが、BWIからは建設現場の労働者からの聞き取りという第一の提案も行われているところでございます。また、一カ月以内の返答の回答の希望につきましては、報告書の記載内容につきまして、我々がBWIに要請した具体的追加情報の提示がない中で、さらなる検証は難しいとも考えております。
このため、三者でBWIの提案の有効性、実効性を検討し、現在協議を重ねているところでございます。
○斉藤委員 今、三者で協議を重ねているということですが、BWIから提案されている共同での調査を実施して実態把握をするべきだと思いますが、いかがですか。
○三浦運営調整担当部長 繰り返しになりますが、現在、組織委員会、JSC及び東京都の三者、関係者で調整中でございます。
また、さらなる検証を進めるためには、繰り返しになりますが、我々の要請にかかわらず、この間、提示されない具体的な追加情報、例えば倒産した企業が現場にあり、給与が支払われないというような情報につきましては、当該現場においては倒産企業がないというような事実もございまして、再度、追加情報等を確認しているところでございます。
以上でございます。
○斉藤委員 労働者の環境を改善するために欠かせない実態調査ということを共同で行うということ、今の段階でも答えられないというのは、私、重大な問題だというふうに思います。労働者への聞き取りや現地への共同査察、当然に求められるものです。
我が党は、第二回定例議会の代表質問で、都として実態把握をするべきだと知事に求めましたが、知事の答弁はありませんでした。今も実態把握をともに行うということに答えられないというのは、本当に許されないことだというふうに思います。
現場の実態調査に当たっては、工夫も必要だというふうに思います。今いったようなやり方では、報復を恐れて弱い立場にある労働者は話すことができません。労働者が不利な状況に追い込まれないように、上からの圧力がかからないような方法で聞き取りをすることも重要だと思います。例えば無記名式のアンケートで調査を行うということも有効だというふうに思います。BWIの求めに応じるとともに、都として実態調査に踏み出すことを重ねて強く求めるものです。
ご存じのとおりですけれども、国際オリンピック委員会、IOCでは、オリンピック競技大会の全ての側面に持続可能性を導入するとしており、東京大会においても調達における持続可能性への配慮を実行するために、大会組織委員会が調達コードを策定しています。
その中では、人権や労働問題も重視し、工事においては適正な労務管理と労働環境への配慮を重視すると示されています。この調達コードの遵守について、特に施設整備にかかわる都市整備局などの関係部局とどのように共有されているのか伺います。
○三浦運営調整担当部長 都は、組織委員会が平成二十九年三月に策定いたしました調達コードにつきまして、競技会場となる施設の整備等にかかわる調達において、契約先に遵守に向けた取り組みを誓約させるなどの取り組みを関係各局とも連携して進めているところでございます。
○斉藤委員 契約先に遵守に向けた取り組みを誓約させるなどの取り組みを関係各局とも連携して進めているということですが、私は、受注者にやらせるということだけにとどまらず、東京都が主体的にこの遵守のために取り組む必要があるのではないかと思います。
特に建設現場においては、今のご答弁のように、工事受注者の責務がたびたび強調されますが、国土交通省では、公共工事、民間工事にかかわらず、発注者と受注者との間で行われる請負契約の締結や、その履行に関して、法律の不知等による法令違反行為を防ぐことを目的として、発注者に向けてもガイドラインというのが示されております。
建設工事では、工期が終わりに近づくにつれて、工期の帳尻を合わせるために危険な工事がふえてくるということもいわれています。最終工程を迎えるこれからの現場でこそ、都が主体的に安全対策や労働環境改善のために力を尽くしていただきたいというふうに思います。
この調達コードについてですが、BWIの報告では、工事請負者が労働者の権利を守るための調達コードや、それに基づく相談窓口があるということについてアンケート調査をした中では、知っている方がゼロだったということも指摘をされています。この周知についても、もっと積極的に取り組み、相談体制の改善を行うことを求めます。
五輪施設の建設現場では、八月に、国際放送センターとなるビッグサイトでの工事現場で熱中症の疑いで作業員が亡くなる事故が起きています。直接的な死因は心不全だったということが明らかになっていますが、建設現場の中には、休憩所にエアコンがない現場もあるといわれています。
そのほかにも、昨年末には、選手村の工事現場の十二階から作業員の方が転落、死亡事故が起きています。この方々の労働環境、勤務状況が実際にどういうものだったのか、その実態把握についても、都は調査を行って、労働環境の改善を行うべきです。
知事は、就任した最初の定例議会の所信表明でこう述べています。
二〇二〇年の大会は単なる一九六四年の再来ではなく、成熟都市であり、世界の最先端都市である東京を世界にアピールする大会にしなければなりません、ハード面のレガシーだけでなく、ソフト面のレガシーを構築いたします。そして、都民生活の質の向上と持続的な成長を実現していく、そのようなハードとソフトのレガシーを残してこそ、私たちにとって大会の真の成功といえるのであります。
この知事の言葉を私がお話を伺った労働者の方が覚えていました。この言葉に労働者は期待をしています。この大会をきっかけに、建設現場の労働環境の改善に道を開いて、その後に続くレガシーとして発展させていくことを労働者の方々は望んでいます。現場の労働者の実態把握を行うことは、その第一歩です。
知事の言葉にふさわしく、東京二〇二〇大会で五輪施設の建設労働者が置かれている苛酷で違法が疑われるような現状を打開し、誰もが生きやすい社会をつくるための取り組みをしていただくことを強く重ねて要望いたします。
終わります。
○福島委員 私が都議会議員になって注力しているテーマの一つが地域コミュニティの活性化です。生活文化局の事務事業質疑で経緯を話したので、ここは割愛しますけれども、少子高齢化により、社会保障制度を筆頭に、行政が行ってきたサービスの提供の持続性に課題がある中で、介護や子育て、防災といった取り組みを公助から共助に移行させる必要があるというふうに考えています。
議員になる以前の話ですけれども、みずから実践するために社会福祉協議会の高齢者の生活支援サービスに登録し、週に一回、一時間の八十代のおばあ様の生活支援を二年間経験したこともございます。
そして、東京二〇二〇大会に関連して実施されるボランティアの育成事業というのは、より多くの皆様がボランティア活動に親しみ、そして地域コミュニティの支え手になっていただける可能性のある非常に重要な機会、このように考えています。
そこで、最初に、ボランティア事業への参加者の多様性、ダイバーシティーについて確認いたします。
昨年の事務事業質疑では、障害者の皆様に不安なくご参加いただけるよう、活動に当たって配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握して、それぞれの状況に応じて適切な配慮を行うことや、介助者を含めたグループでシティキャストに応募できるように取り組んだ、このように伺っております。
加えて、これからの地域コミュニティの構成要員としては、在日外国人の存在も大きくなりつつあります。
そこで、在日外国人や障害者といったマイノリティーのシティキャストへの応募状況を伺います。
○小高ボランティア担当部長 シティキャストにつきましては、応募申し込み時に国籍を確認していないため、お名前やお住まいのところからの推計となりますが、外国籍で日本国内にお住まいの方は応募者全体の四%、約一千五百名でございます。
また、応募に当たり、障害などの事由により配慮、支援を希望される方は百四十名でございます。
○福島委員 約三万人のシティキャストのうち四%が在日外国人で、〇・四%が障害のある方であることが、今ご答弁からわかりました。
平成三十年時点で在日外国人というのは総人口の二%、そして障害者はおよそ七・四%ということですので、在日外国人は比較的多くの方にご参加いただけているのに対し、やはり障害者の方は参加しづらい状況がうかがうことができます。しかしながら、シティキャストのメンバーにおいて性別や年代以外の多様性を確保できたことについては高く評価したいと考えます。
次に、東京二〇二〇大会関連ボランティアがボランティア活動を継続し、将来的に地域コミュニティの支え手になっていただけるかどうかを占う意味で、ラグビーワールドカップのボランティアのその後について伺います。
ラグビーワールドカップ東京会場のボランティアのうち、東京二〇二〇大会においてシティキャストとして引き続き活動を希望する方の人数について伺います。
○小高ボランティア担当部長 ラグビーワールドカップで活動したボランティアの方で、ご希望する方には東京二〇二〇大会のシティキャストとして引き続き活躍いただき、その経験、ノウハウを参加者同士で共有いただくことが重要でございます。
都はこれまで、ラグビーワールドカップ東京会場でのボランティア約二千四百名の方々に、オリエンテーションでの呼びかけやメールでのご案内により、シティキャストへの参加を募りまして、約一千名から参加のご希望をいただいております。
○福島委員 約四割の方が活動を継続していただける、こういうご答弁かと思います。
ことしの第一回定例会の文教委員会で、生活文化局案件で述べたことの繰り返しにはなるんですけれども、生活文化局が主管局とはいえ、二〇二〇年までにボランティア参加率四〇%を達成するためには、平成二十九年時点で二四・八%、平成三十年で二七・五%、こういう状態になっているので、都民の千三百万人のうち、十歳以上、現在と比較して約百五十万人程度の方に地域コミュニティに参画してもらわないと、ボランティア参加率四〇%というのは達成できないわけですね。
二〇二〇大会を契機にボランティア文化を醸成させる、これはすごい大切なことだと思うんですけれども、シティキャスト約三万人、そしてフィールドキャスト約八万人が活動を継続するだけではなくて、ボランティアマインドをほかに普及することができて初めて共生社会の実現ということにつながるわけです。
しかしながら、同じスポーツイベント同士であるにもかかわらず、ボランティアを継続される方が四〇%にとどまったということから、地域コミュニティで活動を継続していただくことが容易ではない、なかなか難しい課題であるということが想像できます。
少しずれますが、運営について確認させていただきます。
ラグビーワールドカップでは、ボランティアに関するさまざまな運営上の課題をしっかりと検証し、東京二〇二〇大会につなげていってもらいたい、このように考えます。
ラグビーワールドカップにおける障害者ボランティアの活動、大会中に上陸した台風への対応、ボランティアの希望を踏まえた配置などについて伺います。
○小高ボランティア担当部長 ラグビーワールドカップのボランティア運営における取り組みや成果、課題を検証し、東京二〇二〇大会につなげていくことは重要でございます。
障害などにより配慮、支援を求める方々については、ご本人のご意向を踏まえ、例えば車椅子利用の方には受け付けでのご案内を、人混みを避ける必要がある方には広いスペースを有する空港での活動を行っていただくなどの対応を実施いたしました。ご本人からは、参加前は少し不安だったが、安心して活動できたなどのご意見をいただいております。
台風十九号の接近に際しては、気象情報や鉄道運行状況、ファンゾーンの実施状況などを踏まえ、台風の上陸当日は全ての活動、上陸前日と通過後は一部を除く活動を中止いたしました。ボランティアには、実施または中止を判断する日時を前もってお伝えし、活動前日の十七時までに結果をお知らせいたしました。
なお、活動予定の方々には、ご自身の安全を最優先し、無理のない範囲で参加するよう呼びかけも行ったところでございます。
配置につきましては、本人が活動を希望する日程を優先するとともに、活動した方のご意見を踏まえ、試合終了時に配置の変更を行い、ハイタッチで観客をお見送りするなどの柔軟な対応に努めました。その一方で、ロシア語などのスキルを生かす機会がなかったなどのご意見も寄せられております。
こうした取り組みを初め、ラグビーワールドカップにおけるさまざまな成果、課題を検証し、シティキャストのご希望を踏まえ、きめ細かく対応するなど、東京二〇二〇大会に生かしてまいります。
○福島委員 障害のある方を初め、多様な方に活躍していただくための環境整備でありますとか、また、先ほど古賀委員も触れられましたけれども、台風による予定変更、そして、多くの方にご参加いただくための日程調整の方法など、ラグビーワールドカップで培ったさまざまな、ボランティアの方に活動していただくための環境整備をぜひ東京二〇二〇大会に生かしていただきたい、このように考えます。
次に、話を戻しまして、先ほどのボランティア行動者率達成に向けてどのように認識されているかを伺います。
共助社会の土台として、先ほどから述べているように、生活文化局が掲げた二〇二〇年度までにボランティア行動者率四〇%達成に寄与するために、オリ・パラ局としてどのような方向で取り組むべきと考えているか、その認識を伺います。
○小高ボランティア担当部長 東京二〇二〇大会では、開催都市東京の顔として、観客案内などを行う三万人のシティキャストや、競技会場や選手村などで運営をサポートする八万人のフィールドキャストなど、多くの方々に大会を支えるボランティアに参加いただいております。
こうして高まった機運を一過性のものとせず、関係局と連携し、大会後も着実に維持、発展を図ることがレガシーとしてボランティア行動者率の向上と共助社会の実現に寄与するため非常に重要と認識しております。
そのため、大会後も見据えて、ボランティア活動情報を提供し、参加のきっかけとしていただくなど、参加機運をさらに高めるとともに、生活文化局と連携し、大会後も、地域におけるボランティアを初め幅広い分野において引き続き活動いただける環境を整えられるよう検討を進めてまいります。
○福島委員 二〇二〇年度までにボランティア行動者率四〇%達成、これは共助社会実現に向けて、都が取り組むべき重要な数値目標の一つですし、この東京二〇二〇大会は、重要なきっかけであることは間違いはありません。
そのために大切なのが大会後の活動情報の提供、そしてボランティアシステムの活用です。大会後の活動情報の提供に関しましては、先ほど、うすい理事の質疑においてご答弁いただいておりますので、私の方は、平成三十一年第一回定例会の質疑においてご答弁いただいておりますシティキャストの運営システムの再構築について、その進捗状況についてお伺いいたします。
○小高ボランティア担当部長 大会後に向けては、現在、関係機関と連携のもと、シティキャストを初め、大会にかかわったボランティアに引き続き活躍いただける環境づくりに向けた取り組みを進めております。
本年七月からは、生活文化局の検討会において、組織委員会とも連携し、ボランティアの活動継続や、大会を契機とした裾野拡大に向けた仕組みづくりなどに関する検討を行っております。検討会には、都内の区市や社会福祉協議会など、地域で活動される方々、ボランティア関連の有識者、企業、団体の関係者等に参加していただいております。
検討の中では、都や地域のボランティアセンターやスポーツ団体、国際交流団体と連携し、ボランティア活動情報を収集し、大会にかかわったボランティアのうち希望する方に情報を提供するあり方などについて議論していただいております。
今後、年度内に検討結果をまとめるとともに、来年度には仕組みを構築し、活動情報を幅広く提供してまいります。
シティキャストの運営システムにつきましては、都が運営するほかのボランティアにも活用できるよう、また、システムの概要を公開するなど、地域の団体を含め、さまざまなボランティア団体の参考としていただけるよう、関係局と連携し、検討しております。
引き続き、ボランティア活動の継続を支援し、ボランティア行動者率の目標達成や地域活動の活性化、ボランティア文化の定着に寄与できるよう取り組んでまいります。
○福島委員 ありがとうございます。ボランティア運営システムについては、他のボランティア活動で活用できるよう、システムの概要を公開したり、そして、その仕様、どういうふうにつくればよいかとか、必要な機能、こういったものをレガシーとして引き継いでいただける、このようなご答弁でした。これは非常に大切な取り組みだと思っています。
町会、自治会活動にかかわらず、多くの活動において、参加者の予定と行事をマッチングする、これは非常に人手を要する作業で、これを担う人がいるかどうかが活動の継続、持続性に大きく影響します。
大会ボランティアの運営システムは数万人を対象にしたものというふうに伺っておりますが、どのような機能が必要なのか、どのように実装すればいいのかといった、東京二〇二〇大会で実績を踏まえたノウハウが引き継がれることはとても重要です。局間の議論の中で生まれた取り組みだと伺っております。高く評価したいと思います。
東京二〇二〇大会の成功はもちろんですが、その投資が都民の暮らしの生活向上につながるレガシーとなって初めて、都民にとってやってよかった東京二〇二〇大会になると考えます。どうかよろしくお願いいたします。
次に、外国人の避難誘導に関する質問を行います。
今や日本に住む百人のうち二人は外国人であり、観光目的で訪日する外国人数も伸びています。昨年の事務事業質疑では、奈良県と奈良市が協定して設置した国内で初めての外国人専用の避難所について取り上げ、東京二〇二〇大会を契機に外国人専用の避難所をつくっていただきたいと要望しました。
大阪府北部地震では、言語が不自由な中、仲間の発信した限られたSNSの情報に頼った外国人が押し寄せた避難所があった、このような報道もされています。
災害は、東京二〇二〇大会中であるか否かにかかわらず発生する可能性があります。四月に改定された対処要領によりますと、首都直下地震などの大規模な災害が発生した場合には、まずは観客等の安全を確保し、必要により一時的な避難場所へ適切に誘導する。そして、交通機関等の復旧の状況によりますが、観客等も含め、多数の帰宅困難者の発生も懸念されます。
改めて、こうした大規模な災害が発生した場合の都の対応についてお伺いいたします。
○三浦運営調整担当部長 大会期間中に大規模な災害が発生した場合は、競技会場では、会場内の観客の安全確保を優先させまして、観客の方々の不安解消を図るため、場内放送や警備員等により、多言語での対応も含めまして、適切な広報、案内を行い、一旦会場内にとどまっていただき、パニックによる雑踏事故など、二次災害の防止に努めることとしております。
また、競技会場自体が被災しまして、観客を会場内にとどまらせることが困難な場合には、いわゆる一時的な避難場所となる安全な他の場所に、警察や組織委員会などと関係機関が連携いたしまして迅速に誘導することとしております。
競技会場や当面のこうした安全が確保できる一時的な避難場所にとどまった観客の方々につきましては、公共交通機関等が復旧するまで帰宅できない方々は、安全に帰宅できるまでの間は帰宅困難者として、いわゆる一時滞在施設、当面の雨露をしのげる建物内の施設でございますが、こういったところの受け入れなどの対応が必要となります。
今後は、大会に向けまして、各競技会場における一時的な避難場所と、そこにとどまる間、観客の方々に必要となる食料など災害備蓄品の確保を進めてまいります。
さらに、雨露をしのげる一時滞在施設等への誘導などの対応につきましては、大規模災害を想定した観客等の安全確保のため、関係各局や組織委員会、地元区市、警察、消防など、関係機関との連携した取り組みを行いまして、お話の外国人の方々の避難等につきましても引き続き検討を進めてまいります。
○福島委員 ありがとうございます。災害発生時には、まず混乱が生じないように案内を行い、会場にとどまれない場合には一時的な避難場所に誘導されて、帰宅までの間は帰宅困難者として一時滞在施設で受け入れるという仕組みの中で、帰宅困難者を七十二時間受け入れる一時滞在施設は総務局の管轄のために、オリンピック・パラリンピック準備局は、一時避難場所と食料などの備蓄の確保を進めるとともに、この一時滞在場所への誘導について関係者と連携して検討を進められるというご答弁でした。
災害発生時に都内に発生する帰宅困難者は、東日本大震災の三百五十二万人を上回る五百十七万人と、これは都が推計しているんですけれども、訪日外国人を初めとする職場や学校など滞在場所がない九十二万人の一時滞在施設が必要、このように試算をされております。
東京二〇二〇年大会の恒久施設が大会後の外国人を含めた帰宅困難者の一時滞在施設として役立つよう、総務局と連携して取り組みを進めていただきたい、このように要望いたします。
次に、環境への配慮につきましては、先ほど、とや理事が非常に詳細に質問されましたので、ここでは割愛をさせていただきまして、私からも要望として、今後、東京二〇二〇大会本番に向けてさまざまな場面で、環境配慮が求められるシーンがあると思いますけれども、東京二〇二〇大会がかつてなく持続可能性に配慮された大会だったと評価されるように、最も環境負荷が低い取り組みを具体的に進めていただきたい、このように要望いたします。
最後に、訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業について伺います。
スポーツの効用は、これも述べたことがあるんですけれども、健康増進、ストレス発散、そしてコミュニティ形成であることが知られています。すなわち共助社会の担い手の入り口として、主に私はこれに期待しております。
ことしの第一回定例会の文教委員会質疑で、今年度予算に取り入れられた訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業におきまして、コミュニティ形成への寄与も考慮した上で、区市町村や関係機関と連携いただくというご答弁を得ておりますが、事業の進捗を伺います。
○小室スポーツ推進部長 訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業は、都民の身近な地域において気軽に参加できるスポーツ・レクリエーションを通じ、子育て中の親子等に対してスポーツ実施の機会を提供し、スポーツ実施率の向上を図ることを目的とするものでございます。
具体的には、区市町村等が、保育園や高齢者福祉施設等においてスポーツ・レクリエーション教室を実施する際に、東京都レクリエーション協会が行う講師の派遣や、運営ノウハウの提供に対して、都が補助を行います。
今年度は、親子などを対象としたボッチャ体験会や、高齢者を対象とした体操教室、保育園児とその保護者を対象としたニュースポーツ教室など、十月三十一日時点で十二区市町村におきまして十九事業を実施したところでございます。
また、事業終了後に参加者へのアンケートを実施し、本事業を体験した感想や、興味のあるスポーツ等について把握に努めております。あわせて、ボランティア等、興味、関心のある地域活動についてもお伺いをしております。
これらのアンケート結果については、身近な地域におけるスポーツ促進とあわせて、地域コミュニティの形成にもつながるよう、区市町村に情報提供してまいります。
○福島委員 事業終了後の参加者に対するアンケートで、もちろんどのようなスポーツに興味があるかに加えまして、ボランティアなど興味、関心のある地域活動についてもご確認いただけるという大変前向きなご答弁をいただきました。
スポーツというのは、ともに、一緒にやることでコミュニケーションが生まれますし、一つの課題に向かってみんなが一緒に取り組むということですよね。地域のスポーツということで、その地域で少しずつみんなで年を重ねていく中で、誰々さんが元気だろうかというお互いに配慮できる関係ができる本当に重要なチャンスだというふうに考えております。
共助社会実現に向けて、ぜひ他局と連携してコミュニティ形成の一助となる事業にしていただきたく、ご要望させていただきます。
以上です。
○栗林委員 それでは、本日最後の質問になりますので、よろしくお願いいたします。
この時間になりますと、重なる質問も多くなってまいりますので、私からは、復興五輪と熱中症対策の二問を質問させていただきます。
初めに、先ほど、のがみ議員の方からもお話がございましたけれども、ワールドカップ、十一月二日、大きなトラブルもなく、無事故で終了したことは大変よかったと思います。関係者の皆様、担当者の皆様のご苦労に心より感謝を申し上げる次第でございます。
今後は、さまざまな課題を検証していただいて、次の東京大会にぜひ反映をしていただきたいと思います。
私ども都議会公明党も、先ほど古賀委員の方からお話がございましたように、東京だけでなく、全国の大会を盛り上げようと、各地のスタジアムを手分けして観戦して応援をさせていただきました。私は、のがみ議員と釜石まで参りまして、鵜住居復興スタジアムに参りまして、九月二十五日のフィジー対ウルグアイを観戦させていただきました。
釜石、本当にすばらしい復興を遂げていらっしゃいまして、駅周辺の新しいビジネスホテルもたくさん建設されておりましたが、全て満室ということで、申し込むのが遅かったこともあるんですが、釜石には宿もとれないということで、先ほどすばらしいところとおっしゃいましたけれども、別に高級旅館に泊まったわけじゃございませんで、ロケーションが本当にすばらしい。ちょっと離れた大船渡温泉というところに宿をとらせていただき、そこしかあいていなかったんですね。それも一つだけということで、ぎりぎりセーフでございました。決して高級旅館じゃございません。
私もちょうど三・一一直後、大船渡は伺ったところでございましたので、直後は、民家の庭に大きな船が乗り上げていたところとか、そういった印象が強かったものですから、本当にすばらしく、まちも復興されていて、そういう温泉まで復活をされて、大きな、お客さんでにぎわっているという光景も目の当たりにさせていただいたところでございます。
都議会公明党は、オリ・パラ東京開催決定時より、二〇二〇東京大会は復興五輪、これを力強く訴えさせていただき、被災地の復興なくして東京大会の成功はないんだということを提案し続けさせていただきました。
そうした中で、岩手県は、オリ・パラの前年となることし、二〇一九年、ラグビーワールドカップを釜石で開催する、これを目標にしてまいりましたので、これが実現したところでございます。そして、それに対して都も協力をしてくださいました。
釜石というまちはご存じのように、ラグビーのまち釜石ということで、まちの至るところにラグビーのまち釜石、ラグビーのまち釜石という看板がずっと張られているまちでございまして、残念ながら今までのラグビーのスタジアムは津波で被害に遭って、別なところということで鵜住居という、元釜石市立の鵜住居小学校と東中学校があった場所に、跡地にこのスタジアムが建設されたわけでございます。
そのスタジアムの前には、震災の記憶と防災の知恵を伝えるために記念館も建設されていました。そして、訪れた多くの外国人の方たちがその記念館を、真剣に、そこに展示されている資料、歴史というものに見入っている姿は本当に印象的でございました。
スタジアムまでに行くアクセスはまだ決して整備されているわけではなくて、三陸鉄道、ローカル線に乗ったり、バスに乗ったり、駅員さんがどこにいるのかしらという本当に小さな駅で乗り継ぎをしたりとか、たどり着くのはもう大変な中ではありましたけれども、世界中からこの釜石に大勢の外国人のお客様も訪れている姿は、本当に感動でございました。
緑豊かな大自然の中にそのスタジアムがございます。そして、釜石市内のおばあちゃんたちが来場者全員に、ですから、二万人近いんじゃないですかね、二万個に近いんじゃないかと思いますが、メッセージ入りの手づくりのティッシュケースをつくり、中には震災のときに世界中から助けていただきました、皆さんありがとうというメッセージが書かれたカードが入ったティッシュケースカバーとか、それを全来場者に配布されたり、また、高校生はミニうちわを作成して、こちらも来場者全員に配られていました。もう地元が喜びにあふれている、そういう今回のワールドカップでありました。
そして、先ほども触れましたけれども、大船渡市とか陸前高田市、こういった周辺のまちも新しいまちづくりが進んで、まさに復興五輪を目標に、被災地と都がスクラムを組んで取り組んできたこれまでの支援の大きな結果になっているのではないかなと思いました。
この事業概要の六一ページにも被災地復興支援という項目がございまして、東京二〇二〇大会招致の際に、東日本大震災からの復興の目標とするとともに、大会を全世界の人々への感謝を示す場とすることが掲げられた。そして、招致成功後は、東京二〇二〇大会開催基本計画において、大会ビジョンの五本の柱の一つに、復興・オールジャパン・世界への発信というものを位置づけたとございます。まさにそれを実感する今回のワールドカップの大会でございました。
いよいよ総仕上げの段階になると思います明年のオリ・パラ大会では、宮城県ではサッカー、福島県では野球、競技会場にもなっております。また、あわせて、福島県ではJヴィレッジのグラウンドの利用再開ができるようにもなりました。釜石に続いて、さらに復興に拍車がかかり、この開催が大きな歴史に残るような大会に、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
そこで、都はこれまでに、被災地との関係を深め、一緒に復興を進めますというメッセージにもなる、こういう交流支援を進めてきてくださいました。
東京二〇二〇大会に向けた被災地支援のこれまでの取り組みと、また、さらに今後どういった取り組みを行っていくか、どういう取り組みを予定されているのか伺います。
○小池自治体調整担当部長 これまで都は、アスリート派遣事業や未来(あした)への道千キロメートル縦断リレーなど、スポーツを通じた被災地支援事業を継続して展開してまいりました。
また、リオ大会、平昌大会の際には、被災地でライブサイトを実施するとともに、全国に先駆けてフラッグツアーを実施するなど、被災地を元気づける取り組みも行ってまいりました。
さらに、復興に向けて力強く歩む被災地の姿を映像により発信いたしますとともに、今、委員からお話もございました釜石鵜住居復興スタジアムも含めまして、海外メディアの皆様方に被災地を取材していただく取り組みも実施するなど、国内外への発信にも取り組んできたところでございます。
これらの取り組みに加えまして、来年五月には、例年都内で開催している東京国際ユースサッカー大会を、オリンピック聖火リレーのグランドスタート会場となりました福島県のJヴィレッジで開催する予定でございます。
そして、大会期間中には、被災地でライブサイトを実施するほか、被災地の子供たちを都内で行われる競技観戦に招待する取り組みなどにつきまして、実施に向けた検討を進めているところでございます。
大会に向けて、組織委員会や被災県などと一層緊密に連携協力しながら、スポーツの力で被災地に元気をお届けする復興支援の取り組みを進めてまいります。
○栗林委員 ありがとうございます。今お話にもございましたけれども、明年は東京国際ユースサッカー大会をJヴィレッジで行う予定であるということでございました。
こちらも私ども、被災直後、何回かお邪魔しているんですけれども、当時、除染のいろんな作業の現場に、ここJヴィレッジがなっておりまして、グラウンドには仮設の施設が建てられたりとか、土壌汚染処理の後の黒い袋が山積みにされていたりとか、本当にそういった中で一生懸命作業に当たっていただいた方たちの活動拠点になっていました。
そこが、やはり都も一生懸命応援していただき、また、地元も懸命に努力をされて、このグラウンドがオープンし、そして、この二〇二〇年にユースサッカー大会が行われる。非常に大きな復興のシンボルになるかと思いますので、一層の応援をお願いしたいと思います。まさに復興というものを実感できる場ではないかと思います。しっかりと大会終了後においても継続的な支援をしていただきたいと思います。
次に、これも事業概要の四五ページにございますけれども、熱中症を防ぐための暑さ対策というところでございますが、この点をちょっと確認したいと思います。
円滑な大会運営の支援ということで、観客が集中する競技会場周辺の外国人を含めた案内や、また、熱中症対策は大変重要でございます。特に高齢者や子供、こういう熱中症の発症のリスクが高い方も多く来場されることになります。暑さには十分配慮する必要があります。そういった方々が安全に大会を楽しめるように、きめ細かな対策に取り組まなければならないと思います。
そこで、現在の検討状況を伺います。
○三浦運営調整担当部長 熱中症患者のおよそ半数が六十五歳以上の高齢者でございまして、暑さや水分補給に対する感覚の低下、あるいは体温の調節機能の低下などによるとされているところでございます。また、幼児など子供も、みずから不調を訴えたり、対策を行うことが難しいことなどから、リスクの高い高齢者や子供に対する配慮は重要と考えております。
こうした高齢者や子供につきましては、喉の渇きを感じなくても、小まめに水分補給を行うことが重要でございます。
学校観戦事業の関係者への注意喚起を行いますとともに、組織委員会や国等とも連携したホームページやアプリ等、さまざまな広報媒体を使いまして、多言語によるものも含めまして、情報提供や啓発を進めてまいります。
また、ラストマイルで観客に接するシティキャストやスタッフによる高齢者や子供に対する水分補給の積極的な呼びかけ、あるいは、ネッククーラー、紙製うちわなどグッズの重点的な配布を行うことなども予定しております。
さらに、体調不良の方につきましては、ラストマイル等の救護所に案内誘導いたしまして、応急対応を行うとともに、必要に応じて医療機関への適切な搬送につなげられるよう、医療救護体制の構築についても検討を進めているところでございます。
この夏のテストイベントでの検証などを踏まえまして、来夏の大会に向け、高齢者や子供などにも配慮した計画的な暑さ対策を進めてまいります。
○栗林委員 ぜひ対応をよろしくお願いしたいと思います。
私もこの夏、テストイベントに参加する際に感じたことでございますが、先ほど古賀委員からもお話がございましたが、とにかく必要なのは日陰といいますか、本当に木があるところで全然温度が違うということで、お話がございましたように、ミストも全然きかないんですね。日が当たって全然きかなくて、日陰に行くとミストは物すごくききます。
私も携帯用の、冷感用のシャワー、ミストみたいなものを持っていきましたけれども、全然、日が当たっているところでは何の効力もないみたいな、やっぱり日陰が本当に重要だ、木とか、テントとか、そういう日陰をどれだけ大きくつくり上げることが大事かなということも実感いたしました。
自分自身でできる暑さ対策もしっかり皆様に周知していく必要があると思います。私もこの間テストイベントで、帽子、サングラス、あと、首かけの扇風機、キティちゃんか何かがついてちょっと恥ずかしかったんですが、でも、あれも風が来ますので。あと、保冷剤を首に巻きつけて、チーフみたいに巻きつけて、でも、保冷剤はすぐに溶けちゃうので、どこかで保冷剤が補給できるところがあるといいなと思ったりもしたんですけれども、あと、マイボトルですね。そういった自分でできる暑さ対策というものもしっかり皆様に周知をしていただきたいと思います。
これまで、時間をかけながら着実に進めてきていただいたと思いますけれども、無事故で、そして安全な大会運営となって、二〇二〇年大会、競技に、観戦に来てよかったといっていただけるような環境を整備していただきたいと思います。
知恵と工夫と、また、最新の技術、全てを駆使していただき、熱中症対策に取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○星見委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○星見委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.