文教委員会速記録第五号

平成三十一年三月十九日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長とや英津子君
副委員長菅野 弘一君
副委員長田の上いくこ君
理事内山 真吾君
理事星見てい子君
理事谷村 孝彦君
龍円あいり君
福島りえこ君
高倉 良生君
鳥居こうすけ君
古賀 俊昭君
米倉 春奈君
のがみ純子君

欠席委員 一名

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
次長岩瀬 和春君
技監相場 淳司君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
計画推進部長根本 浩志君
運営担当部長田中  彰君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長越  秀幸君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長片寄 光彦君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
田中 愛子君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十号議案 東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例
・第五十一号議案 東京都体育施設条例及び東京都体育施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京辰巳国際水泳場の後利用の方向性(案)について

○とや委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、オリンピック・パラリンピック準備局所管分、第五十号議案、第五十一号議案及び報告事項、東京辰巳国際水泳場の後利用の方向性(案)についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中村総務部長 去る二月十五日、三月一日の当委員会において要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、主な都立体育施設の稼働率でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの五年間の稼働率の推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料2、主な都立体育施設の利用目的別件数でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、国際大会や全国大会などの利用目的別の件数を、それぞれ平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間の推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料3、駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場の利用目的別件数及び主な大会でございます。
 1、利用目的別件数といたしまして、大会など利用目的別の件数を、それぞれ平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間の推移を記載してございます。
 また、2、主な大会(平成二十九年度実績)といたしまして、本施設における主な過去の大会を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、既存都内アイスリンクの年間利用者数と稼働率でございます。
 都内のアイスリンク五施設につきまして、施設の年間利用者数及び稼働率の公表されております実績を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料5、東京辰巳国際水泳場の後利用の検討における施設形態別試算の主な内訳でございます。
 プール、アイスリンク、アリーナ(体育館)の施設につきまして、資料下段の試算条件、試算方法に基づいて算出した整備費用及び運営費の主な内訳等を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○とや委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田の上委員 私からは、報告事項であります東京辰巳国際水泳場の後利用について伺いたいと思います。
 この東京辰巳国際水泳場の後利用については、これまでとは異なるスポーツ施設、具体的にはアイスリンクでございますが、としての活用が検討されて、このたび方向性が示されたものでございます。
 私は、江戸川区トライアスロン連合の会長をしておりまして、トライアスロン大会のスイムをこの辰巳国際水泳場で過去十七回開催、また、アクアスロン大会も本年五回目の開催ということになっております。会員にとっては大変思い入れの強い場所でございまして、ちょっと残念な思いもいたしているところでございます。
 利用していましたトライアスリートを代弁して、幾つか質問をさせていただきます。
 この東京辰巳国際水泳場がプール以外の利用になった場合、さらに施設改修が必要になるということですが、参考資料によりますと、プールの場合は二十七・四三億円、アイスリンクの場合は四十三・六七億円で、おおよそ一・六倍の改修費がかかるというふうにされております。
 東京都の負担という観点から見た場合に、アイスリンク案をどのように評価したのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場の後利用につきましては、スポーツ振興審議会における有識者の意見も参考としながら、都民ニーズやコスト等を比較し、後利用に関する三つの視点を踏まえた検討を進めてまいりました。
 視点の一つでありますライフサイクルコストの抑制につきましては、施設整備における初期費用は一定の条件のもとに試算を行いますと、アイスリンクはプールに比べ一・六倍ではございますが、想定される運営費につきましては、プールは五億八千三百万円、一方、アイスリンクは一億九千万円でございました。
 その結果、二十年間のライフサイクルコストを算出した場合、一年当たりの想定運営費が最も低くなるなど、アイスリンク案に優位性が認められております。
 また、他の既存施設の運営状況などを踏まえますと、早朝や夜間営業の拡大など、今後の運営の工夫により歳入の増加が期待され、さらなるコスト抑制の可能性が見込まれます。
 その他にも、都のスポーツ振興施策との整合性やスポーツを通じた地域経済、東京の活力創出へ貢献などの視点から総合的に比較分析し、本後利用の方向性について、アイスリンク通年とする案を取りまとめました。

○田の上委員 ご答弁いただきました。二十年間のライフサイクルコストを算出した場合に、一年当たりの想定運営費が最も低くなるということでアイスリンク案に優位性が認められている。また、早朝や夜間営業の拡大により歳入の増加が期待されて、またさらなるコスト抑制の可能性が見込まれるというご答弁でございました。ありがとうございます。
 私も、スケートリンクも通年のものが東京都内にはございませんし、どうしてもスケートといいますと、私は愛知県をすぐ思い浮かべてしまうんですけれども、東京都でももっと力を入れていくのもいいのかなというふうに思っております。
 ただ、プールの利用者が多いので、幾つか確認をしたいというふうに思っておりますけれども、辰巳国際水泳場から約五百メートルの隣接地に東京アクアティクスセンターが整備されます。現在の辰巳国際水泳場でも抽せんで外れてしまい、なかなか練習会や大会開催に際し苦労をしております。
 アクアティクスセンターは、辰巳国際水泳場と比較し、施設整備はほぼ変わらないようにお見受けいたします。サブプールが三レーンふえているようでございます。また、営業時間も今と同様と聞いておりますが、変更になる点、または改善される点があればお聞かせください。

○鈴木開設準備担当部長 東京アクアティクスセンターは、構造上、メーンプールとサブプールが壁で区切られた独立した空間となっておりまして、更衣室をそれぞれに配置するなど、別々に使用できる設計となっております。
 こうした施設の特徴を生かしまして、メーンプールで競技大会を開催している場合も、サブプールでは別の団体等が練習会を行うことができるなど、同時かつ別個に利用することが可能でございます。
 また、メーンプールとサブプールには、例えば五十メートルプールを二十五メートルずつに分割できる可動壁や、柔軟に深さを変更できる可動床を設置することとしております。可動壁でプールを分割することにより、プールの半分ずつで異なる競技の練習会に使用することもできます。
 このように、さまざまな用途におきまして、より多くの利用者の受け入れが可能な施設となっておりまして、東京アクアティクスセンターがレガシーとして最大限に有効活用されるよう、指定管理者と連携を図りながら取り組んでまいりたいと思います。

○田の上委員 ありがとうございます。更衣室は別々に設置していただいた方が本当に使いやすいものになるかというふうに思っています。また、可動壁や可動床を設置できるようにしてくださるということで、ありがとうございます。
 辰巳国際水泳場では、大会利用だけではなく、水泳教室としての利用や個人の利用の方もおります。アクアティクスセンターでは、そのような利用者にも対応できるのでしょうか伺います。

○鈴木開設準備担当部長 東京アクアティクスセンターにつきましては、競技大会等のアスリートの利用はもちろんのこと、都民のための水泳場として、子供から高齢者まで誰もがスポーツや健康増進に取り組むことができる施設としてまいります。
 先ほどご答弁申し上げましたように、メーンプール、サブプールとも、用途に応じて区切ることができる可動壁や、深さを変更できる可動床を備えておりまして、例えばプール半分を練習会で使用し、残り半分で水深を浅く設定して一般開放することが可能になっておりまして、個人の皆様にご利用いただける柔軟な運用が可能な施設となっております。
 また、指定管理者からは、子供水泳スクールや水中ウオーキングなど、さまざまな世代を対象に都民の日常的なスポーツの実践と健康づくりを後押しする取り組みについて提案がございました。
 今後、これらの提案内容が具体化され、都民の利用ニーズに合った多様なサービスが提供できますよう、都として指定管理者と連携して取り組んでまいりたいと思います。

○田の上委員 個人の方も含め、多様なサービスを提供してくださるということで安心いたしました。
 この辰巳国際水泳場を利用している方々からは、プールとしては、ここをいつまで利用できるのかというような声も上がっております。団体としては年間のスケジュールをつくる必要もあり、さまざまな懸念がございます。できるだけ空白期間をつくらずに、アクアティクスセンターの利用開始ができるよう要望いたします。
 また、利用切りかえに当たっては、利用団体や利用者に丁寧な周知が必要と考えますが、見解を伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場につきましては、今後、関係者との調整等を踏まえ、後利用の方向性が決定した後に、施設運営計画の策定や施設の改修に向けた設計などについて検討を進めてまいります。
 また、東京アクアティクスセンターにつきましては、東京二〇二〇大会の後工事としまして、外部階段や一部観客席の撤去工事、植栽などの外構工事等を予定しておりまして、その設計を進めているところでございます。
 これらの状況を踏まえ、両施設とも有効活用を図り、施設利用の機会を最大限確保できるよう調整を進めてまいります。
 さらに、施設の利用可能期間等につきましては、利用団体や個人利用者に向けて、必要に応じてホームページによる周知や説明会を開催するなど、適切かつ丁寧な周知を行ってまいります。

○田の上委員 両施設とも施設利用の機会を最大限確保していただけるようにお願いをしていきたいと思います。
 現在の辰巳国際水泳場では、抽せん申し込みのために、毎月一日に水泳場まで来訪しないと申し込みができません。勤労者には負担となっております。しかしながら、スポーツ施設の抽せん予約は、区市町村でもネット上が当たり前となっております。
 新規水泳場の利用開始を機会として、ネットによる申し込み、抽せんを可能にするなど、改善をすべきと考えますが、見解を伺います。

○小室スポーツ推進部長 都立体育施設は、主に大規模スポーツ大会等の会場として活用されておりまして、その役割を果たすため、まず、優先受け付けにより予約を行っております。
 さらに、施設を有効に活用し、都民に幅広くご利用いただくために、優先受け付け後の利用可能枠につきましては、レーン貸し等の一般受け付けを行い、登録団体による水泳教室や練習利用等にご利用いただいております。
 この一般受け付けにおきましては、利用者の声を反映し、原則として利用日の三カ月前の月の初日、一日でございますが、この日に登録団体からの利用申し込みを受け付け、抽せん会を行っております。
 ここでは、登録団体の利用希望枠について抽せんを行うと同時に、団体間で利用希望枠を相互に調整することにより、稼働状況の高い中、より多くの団体が最大限利用機会を得られるような工夫を行っております。
 また、抽せん会の翌日以降は、東京都スポーツ施設予約システムによりまして、インターネット等から予約の申し込みができるシステムをご利用いただいております。
 抽せん会は、原則として毎月一日に施設内で開催するため、勤労者の参加に負担があるという声もございますが、一方で、その場で柔軟に日程の調整ができる点を評価する声もございます。
 こうしたことから、引き続き、それらにつきまして皆様の声を聞きながら工夫してまいります。

○田の上委員 団体間で利用希望枠を相互に調整する、その場でやっていく柔軟性というものを評価しているという声があるということなんですけれども、今後の施設予約のあり方を、いろんな施設であったり他自治体の状況ですとか見ながら、柔軟にこれから対応を検討していっていただければというふうに思っております。
 これまた長く使う施設でございますので、レガシーとして後利用ということできちんとやっていかなければいけない部分と、それから、新しいアクアティクスセンター、この中で、使用状況をどういうふうにやっていくか、運営をどうやってやっていくかというのは、やはり東京都の様子をみんな注目して見ていますので、ぜひともこれからもご努力をよろしくお願い申し上げます。
 以上です。

○谷村委員 それでは、二〇二〇年オリ・パラ東京大会の経費削減について質問をさせていただきます。
 このオリンピック・パラリンピックの開催経費というのは、どうしても大きなイベントになればなるほど、その開催経費というのは膨れ上がるものであります。
 先日も、組織委員会の方で開閉会式、当初九十一億円というふうに予算づけられていたものが、突如、百三十億円というふうに膨れ上がるような、そういう説明があったようでございますけれども、その理事会におきましては、東京都の猪熊副知事についても、都民の納得が得られないというようなご発言があったり、理事として、オリ・パラ議連の代表として出席しております都議会公明党の東村幹事長からも、この抑制につきましては、ふやすことについては、絶対これで最後にしなければならないというくぎを打たせていただいたりしております。
 都議会から組織委員会の理事会に行っている議員の中で、こうしたことについて全く発言をしない理事もいるようですけれども、やはり都議会から組織委員会に行っているわけですので、都としてどう考えているのか、そして、それを都議会としてどうチェックをしていくのかということについては、理事会の場でしっかりと発言をしていただいて、その考え方を伝えていく、経費を極力削減していくという、そういった方向性に持っていっていただかなければ、何のために組織委員会に行っているのかということに疑問を持たざるを得ないわけであります。
 このオリ・パラの開催経費をどう削減するのか、都議会として、そして私ども都議会公明党として、厳しくチェックしていかなければならないと思っております。これは繰り返し繰り返し、これまでも申し上げてまいりましたし、今後とも申し上げていきたいと思っております。
 そこでまず、日本武道館への施設整備費補助について質問させていただきます。
 平成三十一年度の東京都一般会計予算、現在、都議会で審議されておりますこの予算の中には、オリ・パラ準備局のオリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助に必要な予算として十一億八千万円を計上しています。
 これまでの都議会における都の説明では、この補助金の交付対象は日本武道館だけとのことであります。ここに問題がないのか、あるいは疑念を持たれないのかという趣旨で質問をさせていただきます。
 二〇二〇年東京大会の会場のうち、都内において民間施設を活用するのは、特殊法人である中央競馬会、JRAが所有する馬事公苑、公益財団法人日本相撲協会が所有する国技館、そして公益財団法人日本武道館が所有する日本武道館の三施設であります。
 この馬事公苑につきましては、公営競技、いわゆる公営ギャンブルを実施している法人が管理をしている施設でもありますので、そこに都が補助をしないということについては、特段、都民の皆様からの違和感というのは余りないであろうということはよくわかるわけですけれども、しかし、公益財団法人が管理する日本武道館が補助対象である一方で、同じく公益財団法人が管理している国技館がこの補助対象外ということもあります。
 こうした感覚的に疑念が残るわけですけれども、わかりやすくもう一度申し上げますと、オリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助という、その前回大会のレガシーを使う施設に対して行われる補助が、対象が日本武道館だけということになっているわけですけれども、この日本武道館へ補助を行うに至った経緯をお伺いいたします。

○川瀬競技・渉外担当部長 日本武道館に補助を行うに至った経緯でありますが、二〇一六年及び二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致計画を策定する際、都及び招致委員会は、レガシーと持続可能性を重視する観点から、一九六四年大会の柔道会場であった日本武道館を大会会場とすることといたしました。
 一方、日本武道館は、大会における競技の基準等に照らしてウオームアップスペース等が不足していることから、大規模な増改修が必要でありました。しかし、大規模な増改修費用を日本武道館単独で負担することは困難であり、また、招致の段階で都が要請して会場候補になった経緯も勘案し、都としても補助を行うこととしたものであります。

○谷村委員 ここで確認していただいたのが、二〇一六年、そして二〇二〇年の招致をする際に、レガシーとして過去の、前回大会の施設を利用するという、そういう持続可能なオリンピック・パラリンピックの開催に向けての一つの売りであったがゆえに、日本武道館というのを決め打ちして、もう一回使えますよというような、それも招致の売りであったということでスタートしているという、今ご説明であったかと思います。
 続いて、では、日本武道館のみが補助対象になっているのか、この補助制度の内容について、どうして日本武道館だけになってしまったのかということについてご説明をお願いします。

○川瀬競技・渉外担当部長 補助制度の内容についてでございますが、都は、一九六四年大会の会場を再整備し、東京二〇二〇大会の会場として活用することで東京二〇二〇大会の会場整備を着実に進め、大会後は東京二〇二〇大会のレガシーとして、東京におけるスポーツ振興を一層推進するため、平成三十年四月一日にオリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助金交付要綱を制定いたしました。
 補助対象は、一九六四年大会の競技会場として使用された施設とし、その施設を再整備して東京二〇二〇大会のレガシーとして後世に引き継ぐ、こうした都の考え方を明確にいたしました。
 また、レガシーを都民、国民に残す上では、不特定多数の者の利益増進に寄与することを目的としております公益法人の果たす役割が大きいと考えられますことから、公益法人を補助対象としております。その結果、日本武道館のみが補助対象となったものであります。

○谷村委員 前回大会のレガシーでもあり、そして二〇二〇年東京大会のレガシーとしても残し、そして、それが開催後、多くの都民の皆様にもご活用いただけるようにということで補助対象となったというご説明だったと思います。
 前回大会のレガシーを後世に引き継ぐ、そして、さらには二〇二〇年大会の新しいレガシーとして有効活用していくということですけれども、具体的には、日本武道館を、どのような工事をすることに対して補助の対象としているのかお伺いいたします。

○川瀬競技・渉外担当部長 オリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助では、東京二〇二〇大会の柔道会場のウオームアップスペースとなる中道場の整備など、大規模国際競技大会会場として必要な水準を満たすために行う工事、点字ブロックの敷設などのバリアフリー工事、アリーナ天井耐震等、観客、選手などの安全対策に関する工事を補助対象としております。
 また、都または区の防災対策に協力する場合は、防火設備の整備など災害時の施設の安全性を向上させる工事も補助対象としております。

○谷村委員 ここでちょっとわかりにくい話になるんですけれども、前回のレガシーというのは、あくまでも今建っている日本武道館の大道場というんですか、でかいものなわけですけれども、そこに新たに中道場を設置するというところから、これはレガシーの再利用なのか、それとも、新しい中道場というものがこの大会の施設整備の中で突如として出てきている、これは決してレガシーではないわけですけれども、この前回大会のレガシーとしての、現在存在する日本武道館を生かすためには、この中道場が必要になってくるという、ウオームアップスペースとして必要になるということなんですけど、それを都の補助の対象にするべきなのかどうなのかということが、最初にいろいろご説明いただいても、私としてもどうなのかという疑問を感じたわけです。
 この中道場というのは、前回大会のレガシーではないので、新設、あるいは恒久施設として整備するべきではないかと思うんですけれども--ではなくて、仮設で整備するべきではないかと、そうすると、費用も抑制できるのではないかと。あるいは経済的、合理的なのではないか。
 繰り返します。新設や恒久施設ではなく、仮設で中道場というのは済ませた方が開催経費の抑制になるのではないか、経済的、合理的なのではないかという、そういう疑問に対してのご説明をお願いいたします。

○川瀬競技・渉外担当部長 ご質問の中道場の件についてお答えいたします。
 オリンピックの柔道競技におきましては、選手のセキュリティー確保とウオームアップ後に万全の体制で試合に臨めるようにする観点から、IOCの基準により、試合会場とウオームアップスペースが近接していることが求められており、距離が近いだけでなく、試合会場と同じフロアレベルである必要があります。
 そのため、日本武道館のウオームアップスペースとなる中道場につきましても、本館の地下にあります試合会場面と近接するよう、地下にウオームアップスペースを設ける必要がありました。
 この整備のための地下掘削工事は、恒設、仮設にかかわりなく行われるものでございまして、面積約千八百平方メートル、深さ約九メートルの規模となっております。ここで地下部分の強度を確保し、かつIOC基準を満たす建築物をつくるためには、仮設であっても相当の費用がかかることとなります。さらに、仮設で整備した場合には、大会後に工作物の撤去や地下部分の埋め戻しなど、恒設工事では生じない費用も発生することとなります。
 一方で、恒設とする場合は、中道場の整備を日本武道館が主体となって行い、都はその一部を補助することにより、その施設を大会後のレガシーとして活用することができることになります。
 以上のことから、都の日本武道館への補助は、大会経費増加の抑制に寄与するとともに、恒設施設としての中道場がレガシーとして残り、都民のするスポーツの場がふえるなど、都民の便益向上にも資するものになったと認識しております。

○谷村委員 ということで、前回大会では単体でできたものが、新たな基準としてウオームアップスペースというのは隣接して、なおかつ同じフロアでないといけないという。日本武道館も何回か行かせていただきましたけど、普通に入ったらアリーナって下になるわけですよね、それが九メートルぐらい下がっているという。それに合わせたウオームアップスペースじゃないといけないというご説明だったかと思いますけど、面積約一千八百平米。
 それで、この中道場というのを整備しなければいけないというのもよく理解しましたし、それがしっかり地下まで掘るもので広大なので、仮設にすると、より経費がかかるというご説明なんだろうと思います。
 だから、逆にいうと、仮設だと大会経費も増大し、レガシーとしては残らない。既存の日本武道館の再整備に補助することによって、今度は大会経費の圧縮ができ、レガシーが残るという、この両立を図るということだったかと思います。
 そのために、平成三十年度では、三年間で総額二十五億四千万円を上限として補助するという旨の内示を昨年四月に行われたという説明を都としてはずっとされてきております。
 そこで、日本武道館へ内示して以降、補助金交付手続が現在どこまで進んでいるのか、本日時点での進捗状況についてお伺いいたします。

○川瀬競技・渉外担当部長 ご質問にお答えいたします。
 日本武道館への補助につきましては、日本武道館から平成三十一年二月二十二日に平成三十年度分の交付申請を受け、オリンピック・パラリンピックレガシー再整備補助金交付要綱に沿って審査した上で、三月十八日付で交付決定を行っております。
 交付申請の内容は、大規模国際競技大会会場としての必要な水準を満たすために行う工事で、補助申請額は七億六百二十万二千円、審査の結果、適切な申請と認められたため、申請どおり交付決定を行ったところであります。
 今年度の最終的な補助金の額は、年度末に提出される実績報告を審査し、交付決定額を超えない範囲で確定してまいります。

○谷村委員 そこで、前回定例会、平成三十年第四回定例会の代表質問で、私ども公明党は、この日本武道館の改修費用に都が補助することは、たとえ公益財団法人とはいえ、公の施設とは異なるため、しっかりと都民の皆様に対する、あるいは都議会に対して十分な説明が必要であるとただしたところであります。
 これに対して小池知事は、本事業は今年度から実施したものであり、今年度、平成三十年度。大会経費バージョンツーに含まれていない、バージョンスリー公表に向け、現在、経費全般にわたり精査を行っており、日本武道館に係る経費についても、都民にわかりやすく説明できるよう整理していくと答弁をしておられます。
 その結果、昨年十二月二十五日のオリ・パラ特委において、都から、日本武道館への補助は、大会経費の恒久施設の経費として計上したとの説明がありました。公明党の指摘を受け、こうした整理を行ったことに対しては一定の評価をさせていただきますけれども、一方で、都は、日本武道館の工事費について明らかにされておりません。その理由として、日本武道館の経営情報にかかわるということで、答えられないという説明をされてきました。
 補助金を交付する決定を既に下し、そして、都民の皆様の税金を支出することが確定した現時点において、工事費全体が幾らになるのか、経営情報だから明らかにできないというスタンスであるとするならば、これは都民の皆様の理解は到底得られないと思います。
 そこで、三年間で二十五億四千万もの金額を都が補助する以上、補助の対象となる日本武道館の工事費の総額は一体幾らになるのか明らかにするべきだと思いますが、見解を求めます。

○川瀬競技・渉外担当部長 これまで日本武道館の増改修工事費の総額は、日本武道館の経営情報となるため、都からお答えできないものとしておりました。しかし、都から相当額の補助金の交付を受けることに鑑み、都と日本武道館とで協議した結果、都の交付決定がなされた後に増改修工事の総額を公表する、このことにつきまして、日本武道館の了解を得ることができました。
 平成三十年度分の補助金の交付決定段階での日本武道館の増改修工事費の総額は七十八億八千四百万円であります。

○谷村委員 今、初めてこの日本武道館の増改修工事費、中道場等の整備も含めて、その総額というのが七十八億八千四百万円ということを明らかにしていただきました。
 その七十八億八千四百万円ということを分母にすれば、都の補助金総額は二十五億四千万円ですので、総額の三二%と。そして、国のスポーツ振興くじ、いわゆるtoto助成による助成金が上限二十億円となっておりますので、これが総額の二六%。そうなると、公益財団法人としての日本武道館は幾らなのか。計算すると、少なくとも三十三億四千四百万円、総額の四二%という割合で、この三者の中で最も多い金額を日本武道館が支出するという、工事費総額がわかったことで明らかになったわけであります。
 当初、都の補助金の補助率が三分の二とか、totoの助成割合が四分の三になるとか、いろいろご説明いただいてまいりましたけれども、工事費総額が明らかにできないというので、これまでの状況は、あたかも日本武道館は持ち出しが一切ないのではないかとか、補助金あるいは助成金だけで増改修工事ができるのではないかと誤解をされても仕方ない面もあったわけであります。
 本日、工事費総額が明らかにされたことで、実は日本武道館が四割きちんと自己負担をしていくということが新たに判明したわけであります。
 都が補助することに対する都民の皆様の理解も、こうして総額が明らかになり、都の負担が三分の一と明らかになったことによって、少しはご理解の程度も得やすくなるのではないかと思います。
 しかし、もっと早い段階で、例えば昨年四月に補助をするという内示を出された段階で公表してもよかったのではないかと思います。都民感覚に立ち返り、都民の皆様が真に必要とする情報を迅速かつ積極的に開示する、これこそが開かれた都政なのではないかと思います。そして、結果として、それが都政に対する都民の皆様の理解を得る近道になるのではないかと思います。
 一方で、都民目線に立てば、都の補助金支出が増加するのではないかということも大きな心配事であります。この総額がわかりました。しかし、二十五億四千万円という都の補助が、現在だけでも十分に大きな金額ですけれども、現在、人手不足、あるいは資材不足、そして今後、予期せぬ事態の発生などによって工事費が増大して、総額が上がることによって、都の負担金二十五億四千万円もずるずるふえてしまうのではないかという心配を私自身はいたしております。
 今後の情勢の変化などにより、この日本武道館の工事費、増改修費の総額が増加した場合、都は、この二十五億四千万円以上補助することはあるのかないのか、見解を求めます。

○川瀬競技・渉外担当部長 補助金の上限額につきましては、平成三十年四月に日本武道館の事業計画書をもとに、二十五億四千万円を上限として負担する旨の内示を行っております。
 今後、情勢の変化等により工事費が増加した場合でも、この上限額の範囲内で補助金交付を決定してまいります。

○谷村委員 今後、工事費の総額がふえても、都の補助金は二十五億四千万円を上限にするという今ご答弁だったかと思いますので、これをぜひ遵守していただきますよう強く求めておきたいと思います。
 今回の日本武道館の増改修工事では、二〇二〇年東京大会時にウオームアップ施設として活用される中道場が整備されます。これは新たなスポーツをする場がふえることを意味します。また、より多くの都民の皆様が武道を初めとしたスポーツに親しむ機会がふえるのではないかと期待もしております。
 都民の皆様の税金が二十五億四千万円も投入される以上、それに見合うだけの都民還元というものがなされなければならないのは当然のことであります。二〇二〇年東京大会のレガシーとして、日本武道館がより一層活用され、都民、国民の皆様に便益が還元されますことを期待して、次の質問に移らせていただきます。
 続きましての質問は、オリ・パラ開催経費の総額のチェックに対しての質問になります。
 一昨年六月に、東京オリ・パラ大会の開催経費につきましては、総額を一兆三千五百億円とし、そのうち分担として、都が六千億円、組織委員会が六千億円、そして国が一千五百億円とする大枠の合意がなされたところであります。
 都が運用されるこの六千億円というのは、優秀な職員の皆様がされますので、ある意味では、この三つの中では一番安心をしているわけですけれども、そうでなくてもしっかりチェックはいたしますけれども、しかし、この組織委員会の六千億円というのは、非常に心配をいたしております。
 また、国が一千五百億円でとどまっているということにつきましては、私はなかなか理解ができないわけですけれども、かわって国がもっと負担をするということになれば、私はそれはそれで歓迎したいと思っております。
 組織委員会が都や国の公費により実施する、いわゆる共同実施事業につきましては、大枠の合意ができた三カ月後に共同実施事業管理委員会を立ち上げ、その後、契約単位で詳細に確認を行っているとのことでしたけれども、現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○雲田調整担当部長 理事ただいまお話のございました共同実施事業管理委員会でございますが、都や国の公費により、組織委員会が実施いたします共同実施事業を適切に遂行し、管理するものでございます。
 そのもとに設置しております東京都作業部会におきまして、特に執行の段階で契約案件ごとに経費の確認を行っておりまして、これまでに二十六回開催してございます。
 具体的には、案件が契約手続に入る前に、まず、都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングし、積算資料等を確認しながら、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応か、公費負担の対象として適切かなどの観点からチェックし、必要に応じて見直しを行いまして、事業に反映してございます。
 それらの最終的な結果につきまして、所定の様式でございます確認票に取りまとめているところでございます。
 その上で、東京都作業部会におきまして、当該案件や確認の内容を組織委員会と東京都の双方の担当から説明を受け、疑問点等の質疑応答を行い、確認票に記載された内容の確認を行っているところでございます。

○谷村委員 組織委員会が執行する共同実施事業、いわゆる公金が入るところの部分をどう都がチェックされるかということについての今ご説明をいただいたわけですけれども、共同実施事業管理委員会のもとに東京都作業部会というのを設けていただいて、これまで二十六回開催されたと。
 今、具体的なご説明をいただきましたけれども、案件が契約手続に入る前に、都の担当者が組織委員会から内容をヒアリングし、そして積算資料をまず確認すると。そして、その内容が必要なのか、適正なのか、適切なのかというチェック、必要に応じては見直しをし、事業に反映する。そして、さらにそれを確認票に取りまとめるという、何段階もチェックをされている。
 さらに、この東京都作業部会において、組織委員会と東京都の双方の担当から説明を受けて、疑問点については質疑応答を行い、さらにそれも確認票に記載された内容でチェックをしているという、二重、三重にしていただいていることで共同実施事業管理委員会のすばらしい効果を、存在意義を発揮されていると受けとめさせていただきます。
 今度は、その組織委員会の予算の中で共同実施事業管理委員会が対象としない、その部分について、赤字にならないように都はどうするのかということなんですけれども、組織委員会が六千億円の予算を超えた場合、それは結果として、東京都が補填をするということになっているわけですね、これは決まりとして。
 でも、結果として六千億円を超えました、それが何十億なのか、何百億なのか、一千億超えるのか、それはわかりませんけれども、そうなった場合に、それを補填するのは東京都になるわけでして、東京都が補填を決められた金額に対して都議会に諮られるという流れになってきますので、公金がないところにおいても、組織委員会の共同実施事業管理委員会が対象としないところについても、これは東京都がチェックをし、管理をする権限があるわけです。これがなければ、六千億円を超えた場合は、それは組織委員会の委員長、大会の委員長がやってください、組織委員会で責任を持ってくださいとやれば済むわけですので。
 しかし、ここが一番難しい話になってくるわけであります。この組織委員会の六千億円が仮に赤字になる場合はどうするのか、これについてご説明をお願いします。

○雲田調整担当部長 まず、組織委員会の経費六千億円のうち、パラリンピック経費を含め、共同実施事業に付随する経費につきましては、先ほどのご答弁の共同実施事業管理委員会において執行の段階でチェックを行ってございます。また、この共同実施以外の事業につきましても、組織委員会において調達管理委員会を設置し、調達契約時点それぞれでチェックを行っております。
 さらに、執行の段階以外にも、年度ごとの計画予算の段階で計画予算策定を行い、組織委員会におきまして、監査法人やコンサルタントなどの意見を伺いながらコスト削減努力を図ってございます。
 その上で、執行状況などを踏まえまして、東京都と組織委員会でそれぞれ六千億円以内におさまるよう、都としても内容をチェックしてございます。例えば、大枠の合意を踏まえた経費分担となっているか、経費削減努力はなされているか、経費は過大となっていないか、全体経費はおさまっているかなどといった点を中心にその内容を精査してございます。
 これらの取り組みによりまして、毎年度、計画の見直しを図りながら予算の枠を定め、組織委員会において決算が予算を上回らないよう徹底した執行管理を図っております。
 もし仮に今後、収支不均衡が見込まれるおそれがある場合には、立候補ファイルに記載のとおり、組織委員会によるさらなる支出の削減、収入確保といった収支改善のための方策を講じることとなりますが、都においてもしっかりとチェックしてまいります。

○谷村委員 ということで、共同実施事業以外の事業についても、東京都として厳しく精査をしていただいたり、管理をしていただいたりというふうなご説明でありました。
 何としても、六千億円を超えるとなった場合、収入を上げるという努力もあるんでしょうけれども、赤字にならないように、収支不均衡が見込まれるおそれがある場合、組織委員会によるさらなる支出の削減、収入確保を毎月確認されるということでよろしいですね。ぜひともよろしくお願いをいたします。
 今度、二〇二〇年東京大会が終了した後、組織委員会が決算を、赤字になっていないかどうかという、これを締めることになると思いますけれども、この組織委員会の決算の時期は決まっているのでしょうか。

○雲田調整担当部長 組織委員会は、公益法人といたしまして、法令に基づき、毎事業年度終了後に決算書を作成し、六月に開催されます理事会及び評議員会において承認を受けてございます。
 一方、大会終了後は、仮設の撤去などさまざまな業務とあわせまして、解散に向けた手続が進められることになります。例えば過去大会におきましては、二〇一二年のロンドン大会では大会終了の約九カ月後に、一九九八年の長野冬季大会では約一年後に組織委員会が解散しております。
 大会収支に係る決算の具体的な時期につきましては、組織委員会の解散の時期を見据えながら、今後決まっていくものと考えております。

○谷村委員 現在、年度内で決算を締めて六月に明らかにされているということを考えれば、二〇二一年三月までは業務をされて、そこで締めて六月というのが一番わかりいいんでしょうけれども、それまでに締まれば締めちゃって明らかにするということかと思いますが、赤字になった場合は簡単に解散されないようにしていただかないと、これはいけないかと思いますので、それはまた次回、機会がありましたら議論させていただければと思っております。
 組織委員会が仮に赤字になる場合、それは組織委員会が決算を締めてから初めてわかることなのか、それとも、毎月、毎月チェックをしていただいておりますので、その前には判明することができるのかについてお尋ねします。

○雲田調整担当部長 組織委員会は、大会開催前から、今後の契約や執行見込みも含めまして、全体予算を月単位で厳しく管理していくこととしておりますことから、こうした時点におきまして、収支の状況は確認できるものと考えております。

○谷村委員 ありがとうございます。どれだけ大会が成功したとしても、赤字になって都民の皆様の税金が余分に支出されると、東京大会は失敗したのではないかと後世まで伝えられることになります。また、オリンピック・パラリンピックの持続可能性をも、この東京大会で否定をしてしまいかねないことになります。
 また、最終的に都の追加負担が発生しないように、大会経費の枠組みをしっかりとしていただきたいと思いますし、本日の質疑でその意気込みというのは十分伝わってきておりますので、それをきちっと実行、執行もしていただきたいと思いますが、最後に局長のご見解をお伺いしまして、質問を終わらせていただきます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都民に支持され、喜ばれ、成功した大会とするためには、組織委員会と一体となって、しっかりと経費の適正なコントロールを行いながら、効率的な事業執行を図っていくことが極めて重要でございます。
 これまで大会経費全体の抑制といたしましては、都立の新規恒久施設の整備費用の削減や、組織委員会と連携して、IOCに対しまして、放送用回線の二重地下化などの要件緩和を求めるなど、事業を精査し、経費の縮減に取り組んでまいりました。引き続き、これらにつきましては実施していく所存でございます。
 そして、この夏にはいよいよテストイベントが始まり、大会本番の運営など、多くの業務が具体化してまいります。まさに大会準備が総仕上げの段階になってきてございまして、会場となる施設整備や輸送、機運醸成、暑さ対策など、さまざまな取り組みをさらに推し進め、大会運営を担う組織委員会と連携して、開催都市としての責任をしっかりと果たしていく必要がございます。
 そうした中、必要な予算はしっかり確保しつつ、引き続き、効率化に向けました精査を組織委員会とともにしっかりと行いながら、めり張りをつけて大会経費の枠組みを維持してまいります。
 今、さまざまなご質疑をるるいただきました。都といたしましては、引き続き、都議会の皆様のご理解、ご指導を賜りながら、大会の成功に向けまして、局を挙げて全力で取り組んでまいります所存でございますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○菅野委員 それでは、私の方から、まず、スポーツ実施率に関してちょっと伺いたいと思います。
 いよいよ来年は二〇二〇年、いわゆるオリンピックイヤーでございます。二〇二〇年への大きな目標の一つに、スポーツ実施率をしっかりとした目標を定めて、そこに向かっていこうというようなことがあったと思います。
 先日、私も委員になっております東京都スポーツ振興審議会が開催されまして、昨年秋に実施した都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査の結果が報告されました。
 それによりますと、週一回以上スポーツを実施した十八歳以上の都民の割合である、いわゆるスポーツ実施率が現在五七・二%ということで、前回から〇・九ポイント増加したものの、二〇二〇年までの目標は七〇%であります--にはまだまだ開きのある状況であります。
 都は、スポーツイベントの実施や企業と連携した取り組み、スポーツの場の確保など、スポーツ振興を目的としたさまざまな事業を展開していますけれども、私の周りを見てみますと、スポーツをしている人としていない人にやはり二極化しているように思われます。
 その調査結果でも、年齢別とかいろんな形でデータが出ていたんですが、必ずしも--高齢者の実施率が減少傾向にあるという報告がありましたけど、周りを見てみますと、やっぱりご高齢の方になればなるほど、変な話ですけど、やっぱり体に気を使って、積極的にスポーツに親しんでいるというような姿もよくうちの周りでは見かけます。また、働き盛りの人でも、夜遅くあいているスポーツクラブとかで体を鍛えているような方もいらっしゃいます。
 しかしながら、健康増進のためのスポーツは、今いったような、何となくしなければと気負ってしまうというものではなくて、やはり日常生活の中で無理なく誰もが取り組める身体活動として定着させていくことが望ましいと思います。
 そのためにも、ぜひスポーツ実施率を向上させていくためには、スポーツは幅広いということをさらに都民に普及啓発する必要があると考えますけれども、そこで、都の見解を伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 都は、昨年策定しました東京都スポーツ推進総合計画におきまして、スポーツの範囲を、いわゆる競技スポーツだけでなく、健康や遊び、楽しみを目的とした身体活動まで幅広く含むものとしております。しかし、現状では、スポーツという言葉によって競技スポーツを想起し、実施をためらう方も多いような状況でございます。
 通勤時にエレベーターに乗らず階段を使うなど、日常的な簡単な取り組みでも健康増進に効果があり、それらを都民に広く普及啓発していく必要がございます。
 そこで、都は、忙しい方でも無理なく取り組める簡単なスポーツや、スポーツをすることでがんや認知症などの発症リスクが低くなるなど、スポーツの健康増進効果につきましてわかりやすく紹介する冊子、TOKYO style 二〇一九を先月発行いたしました。
 今後は、各種イベントの場やホームページ、メールマガジン等を活用して、本冊子を積極的に広報するなど、多くの方が気軽にスポーツに取り組める機運づくりを進め、都民のスポーツ実施率向上につなげてまいります。

○菅野委員 七〇%という目標は、世界のトップクラスといわれているオーストラリアとも並ぶもので、これ非常に高い目標であるということは承知しています。
 しかし、思い起こしますと、東京国体が開催された平成二十五年は、オリンピック・パラリンピック招致、今回の招致に向けたまさにムーブメントが非常に高まっていた時期でもありまして、まさに盛り上げイベントには地域の老人クラブが参加したり、都民のスポーツへの関心というのが非常に高まった年でありました。そういった意味で、その高まりをどんどんどんどん持続させていかなければ、さらに高めていくというのが目標にあるわけでございます。
 ことしはラグビーワールドカップ、そして来年は二〇二〇年大会という世界的なスポーツ大会が開催される。都民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しめるようなスポーツ都市東京の実現に向けて取り組む本当に最後のチャンスでもありますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 さっきの簡単な階段ウオーキングなどは、先日もうちの古賀委員が、私、年下なんですが、エレベーターのボタンを押していたところ、古賀委員は階段で行くぞということで、私もついていって、やはり何フロアか階段で上がるだけでも気分がすっきりするなということで、やっぱりスポーツはいいもんだなというふうに感じた次第でございます。
 ということで、次の質問に移りますが、同じような形で、二〇二〇年は世界で初めて二回目のパラリンピックが開かれる年でもあります。東京都は、二〇二一年までに障害者スポーツの実施率を今度は四〇%にするという目標を掲げて、積極的に施策を展開しています。
 私の地元港区では、大会に向けて機運を盛り上げていこう、障害者スポーツを盛んにしていこうということで、毎年さまざまな取り組みを進めています。
 ブラインドサッカーの体験教室やパラ種目の体験会を実施したり、ついこの間、土曜日には五百日前イベントとして、車椅子バスケットボールの体験会を行いまして、たくさんの人が参加していたと聞いています。
 障害者スポーツの実施率の目標を達成するためには、住民に身近な区市町村における取り組みがやはり重要であろうかと思います。東京二〇二〇大会後においても、障害者スポーツの取り組みが先細りすることなく、むしろ地域において充実させ、教室や体験会などの取り組みが定着していくように、都として導いていっていただかなければならないと思います。
 そのためには、スポーツ関係団体の意見や地域の声などをしっかりと聞いていただいて、施策に反映していただくことが大切であると考えますが、都の取り組みを伺いたいと思います。

○越障害者スポーツ担当部長 都は、地域における障害者スポーツの取り組みを後押しするため、東京都障害者スポーツ協会と共同して区市町村を訪問し、意見交換を行うとともに、地域の実情に応じた企画の提案などを行っております。
 加えて、学識経験者や積極的な取り組みをしている区市のスポーツ主管課、医療福祉関係の団体などで構成される障害者スポーツの環境整備に向けた実務者会議を設置しており、今年度は、区市町村が主体となった取り組みを一層進めていくための具体策について検討を始めたところでございます。
 会議では、スポーツ部門、福祉部門、お互いの理解や情報の共有が不足している、障害当事者に体験会などに参加してもらえるよう、地域のコーディネーター役が必要といった示唆に富んだご意見をいただきました。
 三十一年度は、スポーツに関心がない人でも取り組みやすい方策や現在スポーツを行っている人の実施頻度をより高める方策などについて、さらに議論を深めてまいります。
 今後とも、障害のある方のスポーツ実施率の向上に向けて、さまざまな方の意見を伺いながら実態を踏まえた施策の具体化を進め、地域における障害者スポーツの環境整備を図ってまいります。

○菅野委員 障害者スポーツの場合は、かかわっているアスリートといわれているような人たちの割合も大変少ないわけでございます。
 そうした中で、障害の種類もさまざまでございまして、それによってできるできない、また、関心を持つ持たないもあるかと思いますが、そうした方々にぜひスポーツの場に出てきてもらう、見るだけでもいいと思いますが、やってもらうためには、やはり今お話があったように、スポーツ所管部署と福祉所管部署がしっかりと連携していくことが重要であります。
 ぜひそういった関係者がネットワークをつくる都の会議体のような仕組みを区市町村でも持てるように広く発信をして、取り組みを進めていただければというふうにお願いをしておきます。よろしくお願いいたします。
 続いて、同じスポーツ振興審議会でも報告がありまして、今回のこの委員会にも報告がありました、先ほど田の上副委員長からもご質問がありましたけれども、東京辰巳国際水泳場の後利用について、ちょっとお伺いしたいと思います。
 東京辰巳国際水泳場の後利用について、アイスリンクとして整備する方向性案が示されておりますけれども、それでは、どのような検討のプロセスを経て取りまとめたのかを伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場の後利用につきましては、平成二十九年四月、新規恒久施設の施設運営計画にありますように、近接地に整備予定である東京アクアティクスセンターと異なる機能を有するスポーツ施設としての活用を検討してまいりました。
 検討に当たりましては、屋内施設を活用するスポーツの競技団体へのアンケート等を行いますとともに、施設運営実績のある民間事業者及びプロモーターへのヒアリングを実施し、既存の類似施設の運営実績等をもとに本施設の施設規模を踏まえ、収支見込みや事業性について検証を行いました。
 これを踏まえ、昨年十一月三十日開催のスポーツ振興審議会におきまして、プール、アイスリンク、アリーナ(体育館)を有力な三案として報告し、有識者からの意見を聴取したところでございます。
 これらの意見を参考に、都民ニーズやコスト等を比較し、都のスポーツ振興施策との整合性などにつきまして、後利用検討に関する三つの視点を踏まえた検討を進め、後利用の方向性について、アイスリンクとする案を取りまとめたものでございます。

○菅野委員 検討のプロセスについては一定の理解はできました。
 本施設が、アイスリンクとして末永く都民に親しまれるものとなるためには、先ほども指摘がありましたが、将来的な活用を踏まえて、不要なコストが増大することにならないようにすることが大切であります。
 そこで、そういった点についての都の所見を伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場の後利用の検討につきましては、各施設形態につきまして、それぞれ運営実績のある複数の民間事業者や競技団体等にヒアリング等を行い、一定の条件のもとに運営費を試算し、分析、評価を行ってまいりました。
 具体的には、施設整備における初期費用や想定される運営費について、長期間、二十年間のライフサイクルコストを比較分析するとともに、今後の運営の工夫によるさらなるコスト抑制の可能性についても検証を行いました。
 特にアイスリンクにつきましては、都立体育施設の設置がないことから、最新の技術や設備等により、コストを抑制している他県の施設を複数視察し、管理者へのヒアリングを行うなど、収支見込みや事業性について丁寧に検証を行いました。
 今後、施設運営計画の策定等に向けまして、コスト抑制の視点を踏まえつつ、都民の利用しやすい施設となりますよう、事業内容と費用のバランスに十分配慮しながら、具体的な検討を進めてまいります。

○菅野委員 まさにしっかりしたライフサイクルコストについて検討いただいたということでございます。具体的な計画は今後ということでございます。
 二〇二〇年大会までは当然、この辰巳は活用するわけですので、その後でありますけれども、アイスリンクは、本当に昔は結構都内にも、民間を通じてかなりあちこちにありまして、私の地元にも大きなリンクがあったんですが、途中で随分アイスリンクがなくなってしまって、最近では、通年利用できるような都心の施設というのが本当に少なくなってしまったなというふうに感じていました。
 そういった中で、さっきも田の上副委員長からもありましたけれども、オリンピックで今や日本のアイススケートのアスリートが世界で大活躍、もうトップクラスで活躍している選手がふえてきました。その背景にも愛知県の環境というのがどうしても出てくるわけですが、やはりぜひ、東京二〇二〇大会を開催する、二回開く東京からしっかりとした、そうした冬のオリンピックのアスリートも育っていくというような環境も大事かなと。
 また、そういった機運というか、そういうのにしっかりとついてくるような選手層というか、競技人口もふえてきているかと思いますので、その辺もしっかり取り込みながら、夏の施設が冬のレガシーになるような、そういったレガシーとして冬の競技大会に生かせるようなことにぜひ取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それで、続いては、ラグビーワールドカップについてお聞きします。
 いよいよラグビーワールドカップ二〇一九、もうことしでございます。いよいよあと半年、きょうから百八十四日ということでございます。
 チケットの売り上げは好調というふうに聞いております。そして、公認チームのキャンプ地なども候補地が発表、決定したりということで、本当に徐々に徐々にいよいよ本番が迫ってきているなというふうに感じてはいるわけでございますが、その一方で、都内全域でのラグビーワールドカップ二〇一九大会についての盛り上がりが、まだ何か十分ではないかなというふうに感じることが多いわけであります。
 区市町村と連携した盛り上がりを一層進めることが重要と考えますけれども、大会開催に向けた地域の機運醸成について、都のお考えを伺いたいと思います。

○篠ラグビーワールドカップ準備担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けて、都内全域で盛り上げていくためには、区市町村と連携し、効果的なPRを幅広く展開していくことが重要でございます。
 都はこれまでも、都内区市町村へ、のぼり旗や横断幕などの掲出を依頼するとともに、昨年の秋にはテストマッチに合わせて、多摩と区部の計二十地域に街灯フラッグを掲出し、大会のPRに努めてまいりました。
 また、ことし一月には、多摩地域の五市や組織委員会と連携し、大会マスコットのレンジーがラグビーの聖地といわれる秩父宮ラグビー場に近い日本青年館をスタートし、多摩地域をめぐるラグビーキャラバンを実施するなど、さまざまな形でPRを展開してまいりました。
 三十一年度は、二〇一九年大会の開催に向け、節目イベントなどを実施するとともに、区市町村が実施するラグビーワールドカップの都市装飾や大会時のパブリックビューイングに対し支援を行うなど、区市町村との連携を一層強化し、大会機運の盛り上げを図ってまいります。

○菅野委員 ラグビーワールドカップ二〇一九は、オリンピック・パラリンピックとは違って、東京が開催都市というわけではなくて、当然ですが、全国的に試合が展開されるわけであります。ですから、大会が成功したというのは、やはり日本全体が盛り上がっていかなければならないかと思います。
 もちろん、地方地方、地域地域で取り組みはされているのかと思いますが、やはり東京というのは、次のオリンピック・パラリンピックにラグビーの勢いをつなげていこうというようなことも一つ大きな目標にあるわけでございますので、そうした意味で、我が東京が中心となって、他の関係都市と連携して盛り上げをつくっていただきたいなというふうに思うわけでありますが、その連携について、現在の都の考えを伺いたいと思います。

○篠ラグビーワールドカップ準備担当部長 大会の成功のためには、他の開催都市との連携も重要でございます。
 これまでも、東京で行われたテストマッチの開催時には各開催都市が、また、都主催のスポーツイベントでは釜石市が、PRブースを展開するなど、連携を図ってまいりました。
 また、大会に向けた機運を醸成するため、現在、有楽町にある東京スポーツスクエア別館を活用し、ラグビーワールドカップ二〇一九展示イベントを開催しております。
 会場では、全国の試合開催会場を紹介した大型の壁面装飾を行うとともに、各開催都市が作成したPR映像の放映やチラシの配布などを行っております。
 今後とも、ファンゾーン会場となる東京スポーツスクエアを初め、さまざまな場を活用して他の開催都市との連携を強め、ラグビーワールドカップ二〇一九が日本全体で盛り上がるよう努めてまいります。

○菅野委員 我々も大会期間中は、もちろん東京の会場も行きたいんですけれども、地方で開催している各試合にもできるだけ応援に行きたいということで、そういったようなことの機運で人が行き来をする、やっぱりファンだけではなくて、いろんな人たちがそれをきっかけに、開催都市と東京、ほかの都市同士でもいいんですが、行き来したり、そういう人、お金、また、物がいろんな形で動いてくれることがラグビーワールドカップのもう一つの要因かなと思いますので、ぜひその辺の連携もしっかりとお願いしたいと思っています。
 それでは、最後に、大会期間中における深夜時間帯の鉄道運行について伺いたいと思います。
 先週末、新聞報道にもございました、都と組織委員会は、オリンピック期間中の終電について、都心部の山手線や地下鉄をおおむね午前二時過ぎまで運行し、都心から郊外へ向かう路線は、現行よりおおむね三十分から九十分程度遅い時間まで運行する予定であるというふうに発表しました。
 都と組織委員会が鉄道会社と協議、調整してきた結果とのことでありますが、鉄道会社は、安全で安定的な運行のために、終電から始発までの限られた時間で、日々保守点検作業などを行っており、終電延長の実施については、さまざまな課題がある中で、鉄道各社から大会の成功に向けての最大限の協力をいただけたからこそ実現したものと理解しています。
 そこで、大会期間中の終電延長について、今般の発表に至るまでの鉄道会社との調整経緯を伺っておきたいと思います。

○片寄輸送担当部長 昨年公表されました東京二〇二〇オリンピック競技大会のセッションスケジュールにおきまして、バレーボール競技会場の有明アリーナやバスケットボール競技会場のさいたまスーパーアリーナなど八会場で、午後十一時以降に競技が終了することとなっております。
 こうした会場における観客の帰宅手段の確保に当たりましては、大会時の終電の時刻延長や運行範囲などについて、組織委員会とともに需要想定などを示し、鉄道事業者と具体的な検討を進めてまいりました。
 安全な列車運行を担保する観点から、夜間作業や要員等の課題がある中、鉄道事業者の最大限のご協力を得て、オリンピック期間中の十七日間について、十九の事業者、約六十の路線で終電の延長が実施されることとなりました。
 なお、大会時の具体的な運転時刻につきましては、来年春以降に決定する見込みであり、終電延長の実施に向けて、組織委員会とともに引き続き、鉄道事業者や国などの関係者と調整を進めてまいります。

○菅野委員 確かに世界から訪れる方たちにとっても、また、国内の方にとっても、試合時間等も含めて、やはりきちっとそれに合わせて遅い時間まで公共交通機関が動いているということは大変便利なことでもありますし、また、安全性というんですかね、まちで路頭に迷うというわけじゃないんですけど、帰れなくなっちゃった人が出てしまうのは困りますので、やはりそういった意味でも大事なことだと思います。
 しかしながら、私も昔ちょっと理解が足りなくて、ニューヨークの地下鉄みたいに二十四時間動いているのがあるじゃないか、何でできないのかななんてことを考えたことがあったんですが、ニューヨークは地下鉄路線が結構単路線というか、何系統もあるんですが、終点、終点という形の路線であって、しかも、大体線路が三本並行に通っていて、それを二本ずつ交互に使いながら点検をするということで、終日運行が可能なようにしているというようなお話も聞いております。
 日本の場合、残念ながら、我々は今までの利便性を考えて相互乗り入れをどんどんふやしてきたこともあって、そこに過密スケジュールでどんどんどんどん電車が通っているというような状態の中で、やはり同じように二十四時間フル稼働するのは、物理的に困難であるというようなことがこの間わかりましたので、そういった意味で、その中でも非常に努力をしていただいたなということで、本当に感謝をしたいと思っております。
 そういったさまざまな対応を精力的に検討を進めていただいた結果でありますけれども、都や組織委員会においても、今後ともさらに鉄道会社と連携を密にして調整を進めていただきたいと思っています。
 そして、この終電延長については、観客だけではなくて、それ以外の多くの方にも利用していただけるように、観客向けに加えて、一般利用者にも広く周知することが必要だと考えます。
 また、終電延長の実施に当たっては、沿線の皆様にご理解をいただきながら進めることも必要だと考えています。やっぱり地下鉄はまだしも、地上部を走っているところなんかは、今までよりも遅い時間まで電車が通過することに、ええっという人もいると思いますので、ぜひその辺もご理解をいただきたいなと思っております。
 そこで、大会期間中の終電延長の実施に伴う周知について、今後どのように取り組むのか伺いたいと思います。

○片寄輸送担当部長 大会期間中の終電延長の実施につきましては、観客を初めとし、広く周知することとしております。
 今後、運転時刻や運行範囲など、運行情報の適切な周知方法等について、組織委員会と連携しながら詳細に検討し、機会を捉えて効果的な広報を実施してまいります。
 また、終電延長の実施に当たりましては、沿線住民など関係者の皆様にご理解をいただけるよう、鉄道事業者や地元自治体などと連携しながら、組織委員会とともに取り組んでまいります。

○菅野委員 大会時の具体的な運転時刻は、来年の春以降に決定するということであります。
 都や組織委員会においては、鉄道各社と連携しながら、国内だけでなく、海外からのお客様の皆様も含めて、今後、大会直前までぜひ効果的な周知に取り組んでいただきたいと、そのことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○米倉委員 辰巳国際水泳場の後利用について、まず伺います。
 都は、東京五輪大会後、この水泳場をアイススケートリンクに改修する方針を報告しています。都は、都民ニーズやコストなどを比較しながら検討してきたという説明をされていますが、今の報告ですと、これまでの水泳場を廃止するということになりますから、特に水泳関係者の声を聞くことが重要だと思います。
 私も水泳競技関係者からお話を伺いましたが、できれば辰巳国際水泳場も水泳場として残してほしい気持ちがあるとしつつも、新たな東京アクアティクスセンターが、辰巳国際水泳場のように都民のスポーツ団体が利用できるような施設、利用料金となるかどうかが、一番懸念していて、引き続き利用できるようにしてほしいと要望されています。
 後利用について、水泳関係者の皆さんからはどう意見を聞いてきたのか、また、どういう内容が寄せられているのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京辰巳国際水泳場の後利用につきましては、平成二十九年四月、新規恒久施設の施設運営計画にありますように、近接地に整備予定である東京アクアティクスセンターと異なる機能を有するスポーツ施設としての活用を検討してまいりました。
 検討に当たりましては、水泳を含めたスポーツ競技団体に利用見込みについてアンケート等を行うとともに、ご要望のある競技団体につきましては、直接ヒアリングを実施いたしました。また、収支見込みや事業性につきまして、施設運営実績のある民間事業者及びプロモーターへのヒアリングを実施しました。
 また、昨年十一月三十日開催のスポーツ振興審議会におきまして、プール、アイスリンク、アリーナ(体育館)を有力な三案として報告し、有識者からの意見を聴取したところでございます。
 これらの中で、水泳関係者等からは、プール案について、都民の健康維持増進及びスポーツを通じた地域経済の活性化に向けた有用性や、多様性を尊重し支え合う共生社会の実現による医療費削減、個人の水泳コーチの活動の場とする提案などの意見をいただきました。

○米倉委員 水泳を含めた各スポーツ競技団体の意見や利用見込みなどを聞いてきたということです。
 現在、辰巳国際水泳場を利用している方々からは、アクアティクスセンターの利用料金がどうなるかという心配の声が上がっています。というのも、大会を開催できるような水泳の施設というものは少なくて、辰巳国際水泳場がその数少ない施設の一つだったからなんです。
 料金について伺いたいと思いますが、利用料金の条例上の上限額は、辰巳国際水泳場とアクアティクスセンターで、メーンプール、サブプールはどうなっていますか。

○鈴木開設準備担当部長 体育施設条例に定める東京アクアティクスセンターの利用料金の上限額は、二時間で入場料を徴収しない場合は、メーンプールで二十三万六千五百六十円、サブプールで七万一千二百十円であり、入場料を徴収する場合は、メーンプールで四十七万三千百十円、サブプールは十四万二千四百十円となっております。
 一方、東京辰巳国際水泳場の上限額は、二時間で入場料を徴収しない場合は、メーンプールで七万五千円、サブプールで二万八千九百二十円でありまして、入場料を徴収する場合は、メーンプールは三十三万七千五百円、サブプールは八万九千九十円となっております。
 体育施設条例に定める上限額は、施設の整備や管理運営に要する経費、すなわち人件費、維持管理費、減価償却費をもとに算出した原価を基本として設定しております。
 東京アクアティクスセンターは、東京辰巳国際水泳場に比べまして施設規模が大きく、メーンプールとサブプールを別空間とすることで大会利用と練習利用が同時にできるなど、より多くの利用を受け入れることが可能となっております。
 また、メーンプール、サブプールとも可動壁、可動床を備え、さまざまな目的に応じて水面を区分することで、利用者のニーズに細やかに対応した施設提供が行えるほか、更衣室の面積もふえているなど、充実した施設となっております。
 なお、東京アクアティクスセンターで実際に適用する利用料金は、条例の範囲内で指定管理者が提案することとなっておりまして、施設の規模や類似施設の状況などを総合的に勘案し、都として承認していくこととなります。

○米倉委員 アクアティクスセンターのメーンプールとサブプールは、大きさは同じなんですが、サブプールには観客席がありません。そうなると、都民のスポーツ団体が大会を行おうとすれば、アクアティクスセンターのメーンプールを使うことになります。
 今のご答弁で、条例の上限額では、メーンプールを入場料を徴収しないで使おうとしますと、二時間で、辰巳国際水泳場が七万五千円、アクアティクスセンターが二十三万六千五百六十円で約三・二倍となります。
 実際の利用料金は、条例の範囲で指定管理者が提案することになるといいますが、現在の辰巳国際水泳場では、メーンプールの利用料金は、条例上限の七万五千円に対して実際には六万五千円で、上限額に比較的近い状況となっています。
 しかも、これまでの辰巳の入場料の条例上の上限というものは、入場料をとる場合ととらない場合に利用料金に大きく差をつけていたんですけれども、今のご答弁でありましたが、アクアティクスセンターでの入場料をとる場合ととらない場合の料金の差というものは、辰巳と比べるとかなり近づいていると。上限額も上がっているという状況があります。
 上限額がこれだけ上がるとなりますと、指定管理者の判断によっては、都民が利用しづらい高い料金になるということも考えられます。この上限自体、見直すことも必要だと思うんですけれども、実際の利用料金についても、辰巳国際水泳場と同程度になるよう指定管理者と相談していただきたいと、これは強く要望しておきます。
 都立のスポーツ施設については、利用料金の減免制度があります。これはどういう場合にどの程度受けられるのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 利用料金の減額または免除につきましては、東京都体育施設条例第八条及び東京都体育施設条例施行規則第七条に基づき、利用料金の減額または免除をすることができます。
 具体的には、東京都もしくは東京都教育委員会または区市町村もしくは区市町村教育委員会が主催する運動競技等に使用する際は、利用料金について五割を減額することができます。
 また、知事が認めるアマチュアスポーツ団体が運動競技大会に使用する際には五割を減額することができるほか、身体障害者手帳等を提示され、施設を個人利用される場合についても利用料金を免除することができます。

○米倉委員 障害者手帳を持っている方などは免除で、そのほかも、定めているものに当てはまれば五割減額などが受けられるということです。
 都民のスポーツ団体が大会などでアクアティクスセンターを利用する場合は、減免はどの程度になりますか。

○鈴木開設準備担当部長 東京アクアティクスセンターにおきましても、他の体育施設と同様に、東京都体育施設条例及び施行規則に基づき、利用料金の減額または免除をすることができます。
 具体的には、東京都体育協会や同協会の加盟団体、東京都障害者スポーツ協会や同協会の加盟団体など、知事が認めるアマチュアスポーツ団体が運動競技大会のために使用する場合には、指定管理者が要件について審査、決定の上、五割減額とすることができます。

○米倉委員 知事が認めるスポーツ団体については、都立体育施設全体で同じ減額、免除の対象となると。五割減額ができるということです。
 ただ、それでもアクアティクスセンターの条例の上限額は、二時間で二十三万六千五百六十円ですから、半額になっても十二万円近くとなります。辰巳国際水泳場では、利用料が半額になると、二時間で三万円ちょっととなりますから、大きな差があります。
 大会を行うには、実際には施設の利用料金だけでなく、電光表示装置や放送設備など、さまざまな備品も借りることとなります。施設料金自体が大幅に上がりますと、大会経費がかさみ、小さな団体は大会ができなくなるという声も上がっております。都民利用への料金上の配慮は重ねて要望させていただきます。
 武蔵野の森総合スポーツプラザのバリアフリーについても伺います。
 視覚障害者の方々から、施設で改善していただきたいところがあると伺っていましたので、現地を東京視覚障害者協会の事務局次長さんなどと調査に行きまして、何にお困りかということを伺ってきましたので、施設の改善について伺います。
 まず、武蔵野の森総合スポーツプラザのバリアフリー対応は、どういう考えや基準に基づくものか伺います。

○藤木スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツプラザにつきましては、多摩地域のスポーツ拠点として、東京二〇二〇大会の開催決定前から整備が計画されていたものでございまして、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルを踏まえまして、平成二十五年より整備を進めております。
 さらに、本体着工時点では未策定でございましたTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインが平成二十九年三月に策定されましたことから、可能な限りガイドラインを踏まえた施設のバリアフリー工事を行っております。

○米倉委員 ありがとうございます。
 では、具体的に伺いたいと思います。点字ブロックの設置について二カ所、まず取り上げたいと思いますが、これは一つずつ伺いたいと思います。
 武蔵野の森総合スポーツプラザのサブアリーナ入り口の風除室の中の点字ブロックについてです。
 パネルを用意しました。これはサブアリーナ入り口、外側の入り口が、ここにドアがあるんですけれども、一枚目のドアを入ると風除室がありまして、中に点字ブロックがあります。この角度が危険で、この誘導の仕方だと柱にぶつかってしまうということで、当事者の皆さんからは、これは早急に解決をしてほしいと要望があります。
 まず、この要望について伺います。

○藤木スポーツ施設担当部長 視覚障害者誘導用ブロックにつきましては、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルやガイドラインを踏まえまして、視覚障害者が円滑に移動できるように配慮し、適切に配置してございます。
 ご指摘のサブアリーナ入り口の風除室内の視覚障害者誘導用ブロックにつきましては、当該風除室が非常に形が不整形、ちょっと台形みたいな形をしてございます。外側のドアと内側のドアが正対していないというような状況でございまして、そのために、障害者ブロックには点のブロックと線のブロックがあるんですけれども、線は進め、点はとまれなんですけれども、正対していないために線状ブロックを斜めに敷設いたしまして、内側のドアの手前は、早目から点状ブロックで注意喚起ということで、点状ブロックを敷設させていただいて、曲がりますよ、危ないですよ、それで内側のドアの直前には、注意喚起のために並行に点状ブロックを敷設するなど、視覚障害者の誘導に十分な配慮を行ってございます。

○米倉委員 施設整備マニュアルなどを踏まえた設置だということです。
 ただ、パネルを見ていただきたいのですが、視覚障害者の皆さんというのは、誘導ブロックに沿って歩かれますから、この敷設の仕方ですと、この誘導のまま真っすぐ行きますと、その先にあるのが柱なんですね。だからぶつかるというお話なんです。
 一緒に行ってくださった方のお話では、これは確実にぶつかるレベルで、大けがにはならないだろうけれども、けがの危険はあると。柱にぶつかりたいと思う方はやっぱりいらっしゃらないわけで、早急に解決をしていただきたいとお話をされています。
 そのための対策として、例えばこういう取り組みはできるだろうということでご提案もいただいています。一番望ましいのは、そもそもの角度が柱に向かっているので、もう少しドアの内側に誘導されるように角度を少し変えていただきたいということ。それがもし可能でないという場合は、風除室の中で、少しだけ緩やかに誘導ブロックを曲げていただきたいと。それもできないというならば、せめて警告ブロックを今よりももう少し手前から設置していただきたいということです。
 この箇所というものは、ドアの三十センチ手前に警告ブロックが設置されているんですけれども、これですと、警告ブロックを足で踏んでぴたっととまれるということは難しいそうで、ここで足を踏んでも、そのまま歩いているスピードで一歩前に進むと柱にぶつかってしまうというお話なんですね。
 というのも、やはり大人の一歩は五十センチぐらいありまして、点字ブロックは大体三十センチですので、白杖を振りながら歩いていても、つえが警告ブロックに当たらなくて、そのまま一歩前に進むと、もう足が警告ブロックの上というふうになりますので、そういうふうになると、柱にぶつかってしまうというお話なんです。
 やっぱりこういう実態があるので、交差点などでは確実にとまれるように、警告ブロック二枚分、つまり六十センチを警告ブロックで確保して、それ以上前に行かないようにしています。
 そもそもは誘導の仕方、方向を変えることを優先に検討していただきたいんですけれども、やっぱりここは早急に対応が必要だと思いますので、これは検討していただきたいと思います。
 次に、もう一カ所の点字ブロックについてです。
 駅から歩いてきて、ペデストリアンデッキから施設に向かうスロープというものがあります。ここについて、スロープに点字ブロックがないという実態があります。敷地の入り口から施設に向かう道に点字ブロックの設置が必要だと思いますが、いかがですか。
 これ具体的には、こちらが入り口なんですが、入り口を入って、途中に点字ブロックがないと。上った途中から、これがその先なんですが、また誘導ブロックがあって、建物に誘導される、先ほどの風除室などに誘導されるというふうになっています。やっぱりブロックはつなげていただきたいという要望があります。いかがですか。

○藤木スポーツ施設担当部長 スロープにつきましても、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルでは、傾斜側の部分の上端に近接する踊り場の部分に視覚障害者に対して警告を行うための点状ブロック、丸ですね、を敷設すること。スロープの勾配は十二分の一以下、非常に緩いものにしなさいと。さらに、スロープのところには手すりを設置することで誘導することとなってございまして、当該箇所もこれに基づきまして対応してございます。
 それから、先ほど風除室の形でいろいろるるご提案ございましたけれども、今現状、利用者の方からそういったお声も聞いてはおりませんが、今後とも幅広くご利用者の声を伺いながら、障害がある方の利便性を確保してまいります。

○米倉委員 ぜひ利用者のお声を伺いながら、今具体的にお伝えしましたので、検討していただきたいと思います。
 ここのスロープについて、マニュアルには対応されているんです。傾斜の始まるスタートの部分なんかにはブロックがあるんですね。ただ、スロープ部分は、視覚障害者の方は点字ではなくて手すりで歩いてください、手すりで誘導しますというお話をされたんですけれども、ここからは手すりにつかまって歩いてくださいねという音声案内があるなら別なんですけれども、やっぱり基本的に見えていらっしゃらないわけで、手すりがどこかということ自体、案内しないとわからないということがあります。
 このスロープなんですけれども、見ていただければわかるように、誘導ブロックがない場所もあるんですけれども、上ってきた先には誘導ブロックがあるんですね。一般的には、スロープというものは車椅子利用者の使用を考えて設置しないということはあります。ただ、ここは写真を見ていただくとわかるんですが、かなり幅が広いスロープなんですね。
 さらに、実はこのスロープのすぐそばに、別にもう一つスロープが確保されているという箇所になっています。やっぱり視覚障害者の方の事故というものがどういうふうに起きるかといいますと、自分の向きがわからなくなることが原因になるというふうにいわれています。
 点字ブロックは切れ目なく設置してほしいという要望がありますので、これもぜひ検討していただきたいと思います。
 ペデストリアンデッキから武蔵野の森総合スポーツプラザや東京スタジアムに向かう階段の段鼻の明度の差が近くてわからないと。これでは弱視の自分には真っ平らな板にしか見えないという声も聞いています。
 これもパネルを用意しました。晴れている階段が右側です。晴れていますと、明度の差が小さくて、これは平面に見えるということです。しかし、雨が降って濡れている場合はコントラストがかなりはっきりしていて、階段の踏み面と段鼻がしっかり見えて、階段だと認識できるということだそうです。
 階段の段鼻をわかりやすいものとする考え方はどうなっているのか。また、実際にそういうお声が出ていますから、対応も必要だと思うんですが、いかがですか。

○藤木スポーツ施設担当部長 福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルでは、踏み面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相、または彩度の差が大きいことにより、段を容易に識別できるものとすることとされてございます。
 武蔵野の森総合スポーツプラザのペデストリアンデッキから続く階段の先端部と踏み面との色のコントラストにつきましては、階段を識別しやすいように、踏み面は濃い色、先端部は明るい色と、これは木目調の樹脂製の材料を使ってございまして、その中で可能な限りコントラストをつけているというようなことでございます。
 なお、東京スタジアムの方へ向かう階段におきましては、老朽化が進んでございまして、色のコントラストがちょっと明確でない箇所がございます。本件につきましては、もう既に、東京二〇二〇大会に向けました改修工事の中で、階段先端部の視認性をさらに向上させる工事を実施する予定としてございます。

○米倉委員 東京スタジアムに向かう階段については改善の予定があるということは大切だと思います。
 階段の先端部の視認性を向上させることは、安全を考えたときに非常に重要だと思います。都の施設整備マニュアルでは、明度の差をつけることということしか示されておりませんで、具体的にどの程度の差をつけるかまでは指定がありません。
 見え方の差というものは、視覚障害者によって差は確かにあるんですが、さまざまな研究で明暗のコントラストが重要で、それは輝度比というものではかれるということが明らかになっています。輝度というものは、面の明るさをあらわす量のことでして、その比が大きいほど明暗のコントラストが大きくなり、視覚障害者の識別率が上がるということがわかっています。
 都立スポーツ施設は多くの都民が利用しますから、マニュアルの改定を待たずに、施設の整備に当たって、ぜひこういう知見を生かしていただきたいと思いますし、また、この階段は見えないという声がありますので、機会を捉えた改善を求めたいと思います。
 東京スタジアム内に仮移転している多摩障害者スポーツセンターの多機能トイレについても伺いたいと思います。
 操作ボタンが、点字がついているボタンなんですけれども、それが手すりの高さとかなり近い位置に設置されていまして、そのために、ボタンがどれかを指の腹で読んでボタンを押すことになるんですが、それが手すりに阻まれるという状況があります。
 点字を読もうとすれば、爪の先のような、指の先で何とか読もうとするか、もしくは手すりの下の方から手をくぐらせて読むというふうになります。ただ、下からくぐらせるとなると、これは手が大きくないと点字に指が届かないということで、やっぱりもっと工夫が必要だと思っています。
 ここは状況をどういうふうに把握されているのかということと、また、対応も求めたいと思いますが、いかがですか。

○藤木スポーツ施設担当部長 多摩障害者スポーツセンターは、現在、改修工事中でございまして、工事が完了するまでの間、一時的に東京スタジアム内の室内施設を代替施設として運営してございます。
 当該室内施設の運用開始に先立ちまして、平成二十九年度に利用者動線、設備等のバリアフリー改修工事を実施しておりまして、トイレにつきましても、車椅子トイレの増設や音声案内の設置等を行ってございます。
 ご指摘のトイレにつきましては、改修に当たりまして、便座洗浄ボタン、手すり、点字メニュー、オストメイトなどが一つのパッケージとなっている製品をぱかっとこう使用してございまして、障害者に配慮したそれぞれが全部JIS配置に適合したものでございます。
 この製品を製造したメーカーにも確認いたしましたところ、今ご指摘の点字につきましては、やはり手すりの下じゃなくて上から触知する、そういう仕様になっているということと、あと、この製品そのものが二〇〇八年、十一年前ですけど、に商品化されてございまして、もう十一年たっているんですけど、あちらが申すことには、使いづらいという声はまだ認識はしていないということでございました。
 いずれにしましても、今後とも、先ほども申し上げましたけれども、幅広い利用者の声を伺いながら、障害のある方の利便性の確保に向けまして、適切に対応してまいります。

○米倉委員 メーカーに確認をされたということは本当に大事なことだと思います。さっきも申し上げましたが、点字というものは、指を立てて指の腹で読みますから、手や腕の角度を考えた位置に設置しないと読みづらいということがあります。
 例えば、このケースですと、点字を、操作ボタンの上が、奥行きといいますか、一センチぐらいあると思うんですけれども、例えばそこにシールを張っていただけるだけでも読みやすいんですね。そういうことも、大きくトイレをいじらなくても、対応も工夫すればできる部分もあると思いますので、これも検討していただきたいと思います。
 このトイレは、JIS配置に適合しているんだというご答弁があったんですけれども、バリアフリー対応のためのトイレですから、そして、多くの都立公共施設で設置されるということも考えられますから、やっぱりこういう声が出たときには、メーカーと連携した対応をしていただきたいと思います。そういうことが大切だというふうにも思っています。
 以前に、東京都障害者福祉会館の最寄り駅のJR田町駅について、ここもエスカレーターの音声案内が駅の騒音にかき消されて、視覚障害者の皆さん、エスカレーターを結構使われるんですけれども、エスカレーターがどこにあるかわからなくなって右往左往してしまうという実態がありました。私も一緒に現場に立ち会いまして、ここの管理者は港区だったんですけれども、誘導音声が聞こえるように、どこにエスカレーターがあるかわかるように改善してほしいという要望をしてまいりました。
 これは、最終的には、港区がメーカーと相談をして、今まではエスカレーターに乗った二、三歩先のあたりの側面からエスカレーターの誘導音声が流れていたんですが、これをわざわざ開発していただいて、エスカレーターに乗る手前に、わざわざ柱を設けて、そこから音声と電光表示盤で、エスカレーター、ここは下りですよということを案内するというものを設置することになりました。
 都としても、メーカーとの相談、こういう具体的な要望が寄せられたときには、ぜひ対応していただきたいと思っています。
 きょうは、武蔵野の森総合スポーツプラザの改善について、視覚障害者の方々の要望を取り上げてまいりました。階段の段鼻などは、一歩間違えば大けがにつながるようなものもあります。具体的な検討をするということは、余りはっきりお答えの中でなかったんですけれども、やっぱり今後もこういう利用者からのさまざまな要望は出されると思います。
 利用者からの声や要望に基づいた施設の改修というものはどう対応していかれますか。

○藤木スポーツ施設担当部長 いろいろとご指摘があったわけでございますけれども、やっぱり新しくつくったものでも時代の流れだとか、障害のある方はいろんな障害の方がいらっしゃいます。全ての方にパーフェクトなものとはなかなか難しいんですけれども、やはりそれは、ご利用の方々のいろいろなお声を幅広く、先ほども申し上げたとおり、それを聞きながら、改善すべきところは改善していくということをやりつつ、そういう利便性の確保に努めていきたいというふうに考えてございます。

○米倉委員 ぜひいろんなお声を伺いながら対応していただきたいと思います。
 財務局が発表している都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインの中では、ユニバーサルデザインの考え方は、全ての人に対して配慮した整備を行うことというふうに記されています。このユニバーサルデザインの考えを実際に施設に導入するという考え方として、ステップがあるというふうに示しています。
 そのステップというものは、ユニバーサルデザインの考え方に基づいて現況を調査し、そして工事をし、しかし、そこで終わらずに事後評価をして、また初めのステップに戻り、現況を調査し、工事をするというステップを繰り返すというものです。
 武蔵野の森総合スポーツプラザは、新しいバリアフリー基準に基づき、さまざまな方々が使いやすい施設になるよう、かなり配慮された施設だと思っています。ただ、やはり基準だけでは、複雑な構造などの場合には、利用者には使いづらくなる実態も起きます。
 この施設はオープンして一年と少しではありますが、利用されるようになったからこそ、さまざまな要望が出ているというふうに思います。今後も、こうした要求をつかんで対応していただきたいと思います。
 最後に、武蔵野の森スポーツプラザのメーンアリーナの照明について伺います。
 これまで、私も、複数のスポーツ団体からメーンアリーナの照明がスポットライトのように細く、競技しにくいのではないかという声を伺ってきました。
 実際に、例えば卓球の大会で使いにくいというお声もありまして、状況や利用者の声をどう聞いているのか、実態を把握し、改善が必要なのかと思っていますが、いかがですか。

○小室スポーツ推進部長 本施設のメーンアリーナは、天井にLED照明を導入しておりまして、施設竣工後の平成二十九年四月に内覧を実施した際に、利用が見込まれる競技団体等から、施設利用時におけるLED照明の影響についてもご意見を伺っております。
 LED照明につきましては、長寿命かつ省エネ性能や点灯時の即応性などにすぐれておりますが、その特性上、従来のメタルハライド照明に比べまして、広範囲を照らす場合、場所によっては、明るさに差が出る場合や、影が目立つ場合もございます。
 昨年十二月に開催された卓球の大会におきましては、約四十台の卓球台を設置し競技が行われ、大会運営は支障なく行われましたが、大会後、主催者から、フロア全体の明るさにむらがあったとのご意見をいただいております。
 LED照明の照度や角度などにつきましては、大会運営に先立ちまして、指定管理者と主催者とで個別の照明の点灯箇所について調整するなど、ご要望に合わせた対応を行っているところではございますが、今後とも、大会後にいただいたご意見も踏まえて、丁寧な対応を心がけてまいります。

○米倉委員 私も実際に競技をしているところを見に行ってまいりました。場所によっては、卓球台に選手などの影がかなりくっきりと出ていまして、選手の方からも、これだけ卓球台にコントラストが生まれると、小さい卓球ボールを見たりすることに支障を感じると聞いています。
 メーンアリーナの照明の運用によって軽減ができるものなのか、それとも、照明自体の課題で対応しようがないのか、そこも含めて状況を把握していただきたいと要望して、質問を終わらせていただきます。

○とや委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時十五分開議

○とや委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○龍円委員 私からは、まず最初に、要望から始めさせていただきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピック特別委員会の中で、我が会派の入江のぶこ都議から、オリ・パラ大会の準備に向けて、V3予算、五十億円という大きな単位で計上されていることに懸念と、そして要望をさせていただいたところなんですけれども、私たち、こちらの文教委員会でも要望させていただきますが、今後、大会が近づくにつれまして、詳しい予算等も出てくると思いますので、その都度、見える化を図っていただいて、都民の理解が得られるような情報公開を続けていただけますよう要望させていただきまして、質問に入らせていただきます。
 さて、二〇二〇大会の開催まで五百日を切りまして、準備は着々と進んでいることと思いますが、競技会場が改修等のために一時使用できなくなるため、スポーツをする場所がなくなって困っていらっしゃる人たちが出てきています。
 私が直接いただいた相談としては、新宿区の、放課後に毎日練習をしていた小学生らの民間クラブチームがサッカーを練習する場所が閉鎖され、かわりの場所が見つからず、運営を続けるのが難しくなってしまったそうです。
 これは一例なんですが、同じように代替地が見つからずに、オリンピックの前後、大会前後、一、二年という長い期間にわたってスポーツの機会が奪われるようなケースが複数出てきそうだというふうに伺っております。スポーツの祭典を行うためにスポーツの場が奪われるというのでは、本末転倒な事態だと思います。
 先週の予算特別委員会でも、身近な地域におけるスポーツの場の確保について、公明党の方から質問が出たところではありますが、確認の意味も込めまして、この問題に関する東京都の取り組みと概要と利用実績について伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京都では、東京二〇二〇大会に向け、都立体育施設が改修、休館していく中にあっても、都民が身近な地域でスポーツを実施できるよう、大学や企業等と協定を締結し、有償でスポーツ施設を貸し出していただくTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業を昨年四月から新たに実施しております。
 現在の協力先は九団体十一施設であり、利用実績は昨年四月からことし二月末までで四十四件となっております。
 今後とも、大学や企業等との連携により、都民の新たなスポーツの場の創出に向けまして、さらに取り組みを進めてまいります。

○龍円委員 東京都では、二〇二〇大会に向けて、利用している施設が休館等になった場合は、TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業を使って、かわりの施設を探すことができるということがわかりました。
 ただ、この相談をいただいた新宿区のクラブチームは、私がご紹介するまで、こちらの事業のことについてはご存じではありませんでした。せっかく事業をやっていても、それを必要としている人たちに伝わらなければ問題が解決できません。
 この事業について、まだ知らない方も多いと思いますので、今後しっかりと周知していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○小室スポーツ推進部長 都では、ホームページや「広報東京都」、新宿西口におけるデジタルサイネージなど、さまざまな媒体を活用し、本事業の情報発信に努めております。
 また、事業を紹介するチラシを作成し、都立施設を初め、都内の主な公立スポーツ施設に配布しPRするとともに、都主催のスポーツイベントでも広く配布をしております。
 さらに、経済団体が配信しているメールマガジンへの掲載や、競技団体への説明等、関係団体への周知にも努めております。
 今後は、これまでの取り組みに加えまして、フェイスブックやツイッター等のSNSの活用、施設所在地の区報、市報やホームページへの掲載依頼など、情報発信を強化するとともに、施設近隣の学校にチラシを配布するなど、事業の周知に向けまして、さらなる広報活動を展開してまいります。

○龍円委員 今後さらに区市と連携して情報発信をするということがわかりました。相談者の方は、まず区市の役所に情報を求めに行くと思いますので、よい取り組みだと思います。
 なお、今のところ協力先が千葉、埼玉、八王子など郊外が多目なので、都心部での協力先も今後精力的にふやしていただけますよう要望させていただきます。
 次に、スペシャルニーズのある方のスポーツの競技力向上について伺います。
 いよいよ東京二〇二〇パラリンピックが来年に迫り、大会を目指すパラアスリートの姿をメディア等で目にする機会もふえてまいりました。
 その競技への関心というのは、その競技で活躍する選手が出てきて、それをメディアが報じることによって、一気に爆発的に高まることがあることを私自身、メディアにいて実感いたしました。
 私が勤めていたテレビ局では、二〇〇一年から世界水泳の独占契約を結びまして、局を挙げて大々的な放送を始めたと同時にです、北島康介さんらスター選手が次々とあらわれて、メダルもラッシュだったということもありまして、水泳人気が急激に高まりました。
 そして、二〇〇五年には、フィギュアスケートのグランプリファイナルの放送権を得まして、全局を挙げて盛り上げ始めるとともに、今度は浅田真央選手が登場しまして、一気に国民的人気スポーツとなり、現在では多くの若手も育ってきています。
 余談になりますけれども、日本で行われたそのグランプリファイナルで浅田真央選手が優勝した歴史的な瞬間、会場のアナウンサーとしてそこにおりましたが、ほかの選手は着氷のときに、ざざっという音がするんですが、浅田選手のときだけほとんど音がしなかったんですね。まるで羽の生えているような選手だなと感動したのをよく覚えています。
 このように、本物のアスリートを間近で見るという感動が人に与える影響を実感したというエピソードがありました。
 活躍するスポーツ選手とメディア報道というのが合わさると、一気に爆発的にスポーツが人気になっていくのを肌身で感じていたということから考えますと、パラリンピックを盛り上げていくために、活躍する選手を育てていくことと、それをメディアに紹介していくことは、東京都としても大切な仕事だと思います。
 ぜひ一人でも多くのパラアスリートが大会で活躍し、数多くの名場面が生まれることを期待しています。
 都はこれまでも、地元東京から数多くの選手が大会に出場できるように、パラリンピックに向けた選手発掘など、スペシャルニーズのある方に対して、本格的な競技スポーツへの挑戦の機会を提供してきました。
 そこで、まずは今年度のパラアスリートの発掘、育成の取り組みにおいて、どのような成果があったのか伺います。

○越障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十七年度から、パラリンピック等の国際大会の出場を目指す東京にゆかりのある選手を発掘するため、障害者スポーツ選手発掘事業を実施しており、今年度は四回のプログラムに延べ百八十五名が参加いたしました。
 中には、過去に他の競技でパラリンピックに出場した選手や、障害を持つ前にインターハイなど一般のスポーツ大会で実績を残した選手等の有望な参加者もおり、東京二〇二〇大会に向けた意欲の高まりを感じる場となりました。
 また、育成に関しましては、発掘事業で競技を開始した選手など、比較的競技歴の浅い選手に対して、障害者スポーツ選手育成事業を実施し、栄養学や睡眠学など、アスリートにとって不可欠な専門知識を習得させるとともに、トレーニング実技を通じて競技づくりの向上を図りました。
 このような取り組みを経て、昨年十月のインドネシア二〇一八アジアパラ競技大会などの国際大会で活躍する選手も誕生するなど、東京二〇二〇大会に向けて着実に成果があらわれてきております。

○龍円委員 発掘、育成事業を通じて選手たちの活動が花開きつつあることを知り、二〇二〇大会がとても楽しみになりました。
 ぜひ地元開催というまたとない機会を、一人でも多くの選手がパラリンピックに出場して活躍してもらいたいと思いますが、これを受けて、都が来年度、新規事業として実施する予定の障害者スポーツ次世代ホープ発掘事業で、どのような取り組みを行っていくのか伺います。

○越障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、東京二〇二〇パラリンピックを目指す選手の輩出に向け、発掘事業で競技スポーツへの挑戦の機会を提供するとともに、育成事業において、競技歴の浅い選手にアスリートとしての成長の機会を多角的に提供してまいりました。
 大会を翌年に控えた三十一年度からは、大会後も見据えて、これまでの発掘事業と育成事業の成果を踏まえ、新たに障害者スポーツ次世代ホープ発掘事業を立ち上げることで、障害者アスリートの競技力向上を図ってまいります。
 具体的には、参加者の障害の種別や程度に応じて、パラリンピック競技などの競技スポーツとの出会いの機会を提供する発掘プログラムと、トレーニングの継続や競技スキルの向上等をサポートするフォロープログラムの二段階で事業を一体的に実施してまいります。
 今後、本事業を通じて数多くの障害者アスリートを発掘、育成し、東京から障害者スポーツの次世代を担う選手を継続的に送り出すことで、障害者スポーツの振興や裾野拡大を一層図ってまいります。

○龍円委員 大会に向けて、集大成ともなる発掘から育成まで、一貫したサポートをしていくということがわかりました。
 スペシャルニーズのある方の中にも、こうしたパラアスリートの活躍を知り、これまで以上にスポーツを身近に感じ、挑戦したいと思う人がふえることが期待されますが、この事業では、大会の後もパラスポーツがレガシーとして都民に定着していくために継続していくこともわかりました。
 こうした機会があることで、スペシャルニーズのある方たちが、ご自身でもいろいろなスポーツにチャレンジする機会と選択肢が拡大していくことに期待いたします。
 したがって、二〇二〇年以降は、現在のパラリンピック競技にとどまらずに、それ以外の競技でもスペシャルニーズのある方が挑戦できるよう、対象となる競技が広がっていくことを希望いたします。
 さて、私はこれまでの委員会質疑の中で、大会を契機として多くのスペシャルニーズのある方たちが自分でもスポーツを地域で楽しんでいただくことが重要として質疑してまいりました。
 去年七月のオリンピック・パラリンピック特別委員会では、都が二〇二一年までにスペシャルニーズのある都民のスポーツ実施率を四〇%にするというのが目標とされていますが、国の調べでは実施率が一九・二%にとどまっていることから、どのような取り組みをしているのか質問をさせていただきました。
 実施率を向上させるためには、まずは実態把握をすることが大切だと考えます。スペシャルニーズのある都民のスポーツ実施率がどれくらいなのか伺います。

○越障害者スポーツ担当部長 東京都スポーツ推進総合計画に目標として掲げております十八歳以上の障害のある都民のスポーツ実施率四〇%の達成に向け、現在の状況を把握するため、今年度、都として初めて障害者のスポーツに関する意識調査を実施いたしました。
 調査は、インターネットに登録しているモニターに対して行い、障害のあるご本人、あるいは同居するご家族に障害のある方がいらっしゃる方、千三百六十六人から回答を得ました。
 その結果、過去一年間に週に一日以上スポーツや運動を実施した人の割合は三二・四%であり、スポーツや運動を全くしなかった人の割合は四九・九%でございました。
 なお、平成二十九年度にスポーツ庁が行った調査では、全国の二十歳以上の障害のある方のスポーツ実施率は二〇・八%であり、都における障害のある方のスポーツ実施率は、それよりも一〇ポイント以上高いことがわかりました。
 今後も、障害のある方のスポーツの実施状況や意識について継続して調査を行い、施策の充実や見直し等に活用していくことにより、場の開拓など、環境整備を積極的に進め、障害のある都民のスポーツ実施率四〇%の達成を図ってまいります。

○龍円委員 初めての調査をしたということで、実施率が三二・四%で、国の調査の二〇・八%を大きく上回っていることがわかりました。東京都の努力が形になりつつあるのだなと思います。
 しかし、一方で、全くスポーツや運動をしない人がほぼ半数だということもわかりました。二〇二一年に四〇%を達成するには、あと三年で約八ポイント、毎年約三ポイントずつの上昇が必要になります。
 そういうふうに数字でいうと簡単に聞こえるんですけれども、実現するためには、恐らく全く運動しないという人たちにも運動する機会を広げていくことになりますので、簡単なことではないと思います。
 そのためには、まず、スペシャルニーズのある都民のスポーツの環境整備として、スポーツする機会や場所、さらには、支える人材を一層ふやしていく必要があります。
 都のスポーツ振興などに向けた補助を利用して、区市町村では、トイレや更衣室などの設備のバリアフリー化といったハード面での整備や、水泳やボッチャなどのスポーツ教室実施といったソフト面での取り組みが進み、スポーツする機会が徐々にふえてきています。
 さらに、都では、身近な地域でスポーツを楽しめる場をつくるために、特別支援学校の活用をモデル事業として進めていますが、平成三十一年度はどのように取り組んでいくのか伺います。

○越障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十八年度からモデル事業として、障害のある方や障害者スポーツ競技団体等が身近な地域でスポーツ活動ができるよう、都立特別支援学校の体育施設の活用を図っております。
 具体的には、都立特別支援学校の体育館やグラウンド等の体育施設を学校教育活動に支障のない範囲で平日夜間や土日祝日に貸し出すとともに、障害の有無にかかわらず、個人で参加が可能な障害者スポーツやレクリエーションスポーツの体験教室を実施しております。
 現在、十五校を対象に実施しておりますが、三十一年度は、新たに五校加え、合計二十校に拡大して事業を展開してまいります。
 また、新たな取り組みとして、体験教室につきましては、これまでの公募による参加者を対象とした教室に加え、生徒の卒業後のスポーツの場を確保するため、卒業生や保護者、教員などを対象に体験教室を開催いたします。
 こうした取り組みを通じて、今後も、身近な地域における障害者スポーツの場の拡大を図ってまいります。

○龍円委員 現在の十五校が来年度は二十校で実施すること、そして卒業生や保護者を対象とする体験教室を開催していくことがわかりました。
 スペシャルニーズのある人たちにとって、学校を卒業した後にスポーツをする場がないのが悩みの一つです。かつて通っていた学校だと、心理的にも行きやすいというのもありますし、同窓生や保護者のつながりもありますので、継続的に続けやすいと思いますので、とてもいい取り組みだと思います。今後もさらに都立特別支援学校と連携をしていただけますよう要望させていただきます。
 以前の委員会で、スペシャルニーズのある人たちのスポーツをサポートする存在として、障害者スポーツ指導員の重要性について質疑させていただきました。ただ、スペシャルニーズのある方を支えるというのは、資格を持つ人だけではありません。
 私の地元の渋谷区では、スウィミーという知的発達におくれがあるスペシャルニーズのある小学生以上が対象の水泳教室がありまして、毎週土曜日、開催されております。ほぼマンツーマンでサポートスタッフがついて泳ぐのですが、スタッフは地元のボランティアたちが担っておりまして、年に一度は渋谷区長もボランティアとしてスペシャルニーズのある人たちと泳いで、お手伝いしております。
 このように、多くの人や団体がかかわってこそ、スペシャルニーズのある人たちのスポーツの裾野が広がっていくと考えますが、都としてどのように取り組むのか伺います。

○越障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、障害者スポーツを支える人材を育成するため、区市町村職員やスポーツ推進委員などを対象にセミナー等を開催し、指導方法や参考となるイベントの事例などの情報提供を行うとともに、関係者のネットワークの構築を進めてまいりました。
 平成三十年度は、セミナー等の対象を医療福祉関係者にも拡大するとともに、健常者のスポーツ団体である東京都体育協会などが開催する研修会に講師を派遣する障害者スポーツ研修キャラバン事業を開始いたしました。
 三十一年度は、引き続き、タイムリーなテーマでセミナー等を実施するとともに、研修キャラバン事業につきましては、派遣先団体をふやし、民間のスポーツクラブなど、新たな担い手の拡大を図ってまいります。
 さらに、身近な地域のスポーツの場の指導者や施設管理者などが障害のある方への対応について知るきっかけとしていただくため、新たにウエブ教材を作成し、オンライン上で提供するとともに、その活用を広く働きかけてまいります。
 今後もこうした取り組みを通じて、障害者スポーツを支える多様な担い手を育成してまいります。

○高倉委員 ことしの三月、今月の十一日、東日本大震災から満八年が経過をしたわけでございます。この日、災害が発生した時刻に合わせまして、私は都議会公明党の同僚のメンバー全員と、被災で犠牲になった方々に対しての黙祷をささげさせていただきました。同じ時間に、恐らく局の皆さんも黙祷をされたのではないかなというふうに思っているわけでございます。
 この東日本大震災のときには、国内だけではなくて、世界各地からさまざまな救援の手が差し伸べられたわけでありまして、今でも私どもは、そうした国外からの救援のことについては感謝の念を忘れてはならないというふうに思うわけであります。
 当時、東京は来年行われるオリンピック・パラリンピックの招致に向けて、その後も活動を展開していったわけでありますけれども、その際に、復興五輪といったことを強くアピールしたわけでありますが、これは何も災害をオリンピックを招致するための材料にしたわけでは決してなくて、世界中からさまざまな救援が差し伸べられたことに対しての感謝の思いを込めてということと同時に、やはり東京におけるオリンピック・パラリンピックの開催というものが、被災地の方々に少しでも希望を与えることができる、あるいは与えたい、持っていただきたい、そしてまた勇気を持って立ち上がっていただく、そうした後押しになればということで、恐らく皆様とも思いを一つにして招致に取り組んできた、そういったことがあったわけであります。
 したがって、来年のオリンピック・パラリンピックは、やはり復興のオリンピック・パラリンピックであると。これは恐らく招致以来、この招致活動、そして今度は、大成功に向けた、開催に向けた取り組み、その全ての活動の原点になっているのではないかなというふうに私は思います。この原点を忘れてはならないというふうに思うわけであります。
 平成の時代が非常に災害が多い時代ということでもありまして、東日本大震災だけではなくて、その後もさまざまな災害が各地であって、そして、それに対して東京都も全力を挙げて支援を行ってきたというわけであります。
 そういったことを踏まえて、繰り返しますけれども、私は、被災地の復興ということを今回のオリンピックの開催に当たっては忘れてはならないというふうに思うわけであります。
 私は都議会公明党の、特に福島の方々からのさまざまなご要望を聞いて、少しでも東京から支援をしていくという福島チームの一員でずっとこれまで活動してまいりまして、福島はいろんな要望がありました。
 少しでも人が来てほしいということで、これは来年も行われる方針がもう既に示されていますけれども、被災地応援ツアーでありますとか、こういったこともいろいろ提案をしてきたわけであります。
 オリンピック・パラリンピックにかかわる話としては、かねてから福島の知事さんからは、野球・ソフトボールをぜひ福島で行っていただきたいと。大変、野球が盛んな地域でもあるんですね。こういう要望等も受けてきまして、いろいろと要請を重ねてきたわけであります。
 したがって、きょうは、この復興オリンピック・パラリンピックということについて、確認の意味で質疑をさせていただきます。
 ことしの二月七日に、東京都も出席をした上で、第二回目となります被災地復興支援連絡協議会といったものが開催されたわけであります。
 まず、この本協議会の位置づけ、構成員、今回の開催目的についてお伺いしたいと思います。

○小池自治体調整担当部長 東京二〇二〇大会招致活動時の平成二十四年に、都や東日本大震災の被災三県、JOCなどで構成いたします復興専門委員会によりまして、大会準備期間や大会開催期間等、それぞれの段階で、都や組織委員会、国といった各主体が実施すべき事業について提言が行われました。
 被災地復興支援連絡協議会は、その提言を踏まえつつ、復興オリンピック・パラリンピックの実現に向けて検討するため、平成二十六年に発足された会議体でございまして、組織委員会事務総長を委員長として、都、被災三県、内閣官房、復興庁、スポーツ庁、JOC、JPCにより構成されております。
 この間、事務レベルでの協議を重ねながら、各主体が、当時の提言や新たなニーズを踏まえた取り組みを推進してまいりました。
 今回、大会開催まで五百日となる節目を前に、改めて大会の原点を確認し、取り組みを加速するため、協議会が開催されたものでございます。

○高倉委員 今、この協議会が第二回ということで、第一回が発足したのが平成二十六年というお話がありました。今回、二回目なんですね。かなり間があいてしまっているわけです。当然、重要な協議会だったというふうに思います。
 ただ、今、答弁の中で、この間、事務レベルでの協議をしっかり重ねてきて、それぞれ果たすべき役割をしっかりやってきたというご答弁がありましたので、この間、何もしてこなかったというわけではなかったというふうに思います。
 ただ、ちょっと一回目と二回目の間が非常にあいていたということがあったので、一応お聞きをさせていただきました。
 この協議会でありますけれども、今さまざまなメンバー構成もお話がありました。しっかり復興オリンピック・パラリンピックに向けて連携して取り組みをしてきているということでありますが、この協議会において、各構成員からどういう取り組みを行っているという説明が第二回目の協議会であったのか、このことについて答弁をお願いしたいと思います。

○小池自治体調整担当部長 東京都からは、スポーツ交流事業や被災地でのフラッグツアーなど、スポーツの力で復興を後押しするために実施してまいりました取り組みに関する報告を行いましたほか、今後検討していく取り組みといたしまして、被災地の子供たちの競技観戦招待と、都が新設いたします競技会場における復興祈念植樹について説明を行いました。
 その他の構成員からは、これまで実施してまいりました取り組みや現在実施中の取り組みについて報告をされたところでございます。
 主な内容といたしましては、組織委員会からは、宮城県で聖火リレーの到着式を行うことや、被災三県で復興の火の展示を行うこと、開閉会式のコンセプトの一つに復興を掲げていることなどのほか、復興庁と協力いたしまして、IOC調整委員会の公式夕食会で県産品を活用したことなどについての説明がございました。
 また、被災三県からは、各県で実施している機運醸成の取り組みや、聖火リレーの検討状況、内閣官房が推進している復興ありがとうホストタウンの取り組み状況などについて説明がございました。
 このほか、JOCからは、オリンピアンと被災地の住民が交流するオリンピックデーフェスタなどについて、また、JPCからは、被災地における競技大会の開催などについてそれぞれ説明があったところでございます。

○高倉委員 今、構成する方々から具体的にどういう取り組みがあったのかということについてのお話がありました。
 この中でも、やはり特に大事なのは被災三県からの報告、そして、それに対するさまざまな支援ではないかなというふうに思っているわけであります。
 被災地の皆様が来年開かれるオリンピック・パラリンピックをどういう思いで見ていらっしゃるのか、見詰めていらっしゃるのか、いろいろと気になるところであります。
 いろんな報道があって、さまざまなご意見というのがあることは承知をしておりますけれども、いずれしても、私は、この復興のオリンピック・パラリンピックという原点を踏まえるならば、被災地の方々のご意見といったことをしっかりと踏まえていくことが重要であるというふうに思います。
 この協議会において、被災三県からどういう意見があったのか、このことについて明らかにしていただきたいと思います。

○小池自治体調整担当部長 被災三県からは、さまざまな取り組みが実施されていることに対しまして感謝のお言葉をいただきましたほか、岩手県からは、国体を実施した際に、スポーツが県民の元気につながった経験があるといったご発言がございました。
 都の取り組みに対しましては、先ほども申し上げました子供たちの競技観戦招待につきまして、子供たちがスポーツを身近に感じられること、体験できることはすばらしい、また、子供たちにとってメモリアルな大会になると期待するといったご意見もいただいておりまして、今後検討していく取り組みについて、一定の評価をいただけたものと受けとめてございます。
 そのほか、引き続き、風評被害や震災の風化、大会に向けた機運醸成が課題でありまして、それぞれの県としても取り組んでいくものの、各構成委員からも、より一層のご協力をいただきたいといったご意見がございました。

○高倉委員 今お話がありましたけれども、こうした意見は本当に貴重なものでありますので、しっかりと受けとめをしていただきたいと思います。
 先ほど私、福島の話をしましたけれども、私ども都議会公明党では、東日本大震災につきましては、宮城県のチーム、さらに岩手県のチーム、場合によっては青森等にも行ったりしましたけれども、それぞれの被災地の意見を聞きながら、非常に事細かに提案をさせていただいて、そして、都としては、それをしっかり踏まえて、さまざまな支援を具体化していただいたというわけであります。
 本当に感謝を申し上げたいと思いますけれども、この復興オリンピック・パラリンピックということに向けた取り組みの真価が問われるのは、まさにこれからではないかなというふうに思います。
 よくテレビ等を見ていますと、例えば前回の東京でのオリンピック・パラリンピック、その当時、例えば新幹線が走ったとか、いろんなことが開催に合わせた時代の状況としてよく目にしたりするわけですけれども、例えば来年のオリンピック・パラリンピックが開催された後、何十年もたった後、また恐らく振り返ってそれが紹介される、そのときに復興五輪というような言葉が一つも出てこないようであれば、本当に原点を見失った大会になってしまうというふうに思うんですね。今、改めて復興五輪と、復興オリンピック・パラリンピックということをいま一度思い起こして、しっかりと取り組んでいくべきであるというふうに思います。
 特に冒頭申し上げましたけれども、世界中からさまざまなご支援をいただいたわけでありまして、その感謝の思い、そして、そうした支援をいただいた結果として、しっかりと被災地の復興が進んでいる姿を見ていただくと。
 そして、今なお、開催地を中心として、一丸となって被災地の支援に当たっている、こういう姿をしっかりと見ていただくことが重要ではないかなというふうに思っております。
 今回の協議会も踏まえまして、大会本番に向けて、都として、復興オリンピック・パラリンピックの実現にどう取り組んでいかれるのか、局長のご見解をお伺いしたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都はこれまで、東日本大震災の被災地復興を支援するために、ご案内のとおり、都として、現地への職員派遣、あるいは都内での風化防止イベント、東京と東北を結ぶモデル観光ルートの紹介など、各局でさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 さらに、私どもの局といたしましても、スポーツの力で復興を後押ししていくために、被災地と都内の子供たちをつなぐスポーツ交流事業、あるいは千キロメートルの縦断リレーなど、さまざまな事業を展開してございます。
 そして、東京二〇二〇大会につきましても、復興五輪ということ、お話がございました。被災地の復興なくして大会の成功はないということを常に念頭に置きながら、大会の準備を進めておるところでございます。
 具体的には、被災地でのフラッグツアー、あるいはライブサイトなど、東京二〇二〇大会を通じまして、地元の方々も一体となって取り組める事業によって元気を届けてまいったところでございます。
 こうした取り組みによって、元気を取り戻しつつある被災地の姿を世界に対しましてお知らせするとともに、委員からお話もございましたけれども、世界中の方々からの支援に対する感謝をお伝えするため、さまざまな機会を捉えて、国内外で復興支援映像による発信を行うとともに、今年度は、海外のメディアによります被災地取材ツアーも実施してございます。
 大会開催時には、都議会の皆様方からのご意見なども踏まえまして、被災地でのライブサイト、被災地の子供たちの競技観戦招待、そして、都が新設します競技会場におけます復興祈念植樹なども検討中でございます。
 今回の協議会におけます意見交換などによりまして、改めて各主体が一丸となって取り組んでいくことを確認したところでございます。
 東京二〇二〇大会が被災地にとって真に実りのあるものとなりますように、今後とも、国や組織委員会等と連携をいたしまして、被災地の意見や要望を丁寧に把握しながら、大会の原点でございます復興オリンピック・パラリンピックの実現を目指してまいります。

○高倉委員 さまざまな取り組みをこれからもしていくということであります。できる限り目に見えるような形も含めて、例えばまちの中でも、文字としても復興という文字がきちっと見えるように、別に文字があればいいというわけではありませんけれども、そういうこと、それから、実際に取り組んでいることがしっかりとわかるように、ぜひ工夫も凝らしていただきたいというふうに思います。
 最後に、今回、条例の改正が提案されております第五十一号議案、東京都体育施設条例及び東京都体育施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例について、簡単に質疑をしておきたいと思います。
 この審議をするに当たっていただいた資料で、二ページなんですけれども、改正の理由というのが三行書いてあるんですね。改修等に伴って所要の改正を行う必要があると。今回は利用料金の上限を定める、そういう条例の改正でありますが、当然ながら、結果として料金が上がるというようなことも想定されるわけでありますけれども、都民に負担を求めるというようなことについては、理由をしっかり説明していくということが極めて重要なんですね。これこれ幾ら幾ら上がりますというだけで、はい、そうですかと、私たちも簡単には納得できないというときも実はあるんですよ。
 したがって、今後こういった都民に負担を求めることにつながる可能性がある場合、ぜひその理由については、できる限りしっかりと説明を尽くすような形にしていただきたいというふうに思っているわけであります。
 この都の体育施設の利用料金については、条例において、先ほど申し上げたように上限額というのを定めるわけでありますが、この利用料金に係る条例の改正というものは、一体どういうタイミングで行われるものなのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 都の体育施設の利用料金につきましては、東京都体育施設条例において利用料金の上限額を施設ごとに定め、実際の適用料金については、指定管理者が都の承認を得て、その範囲内において定めております。
 本条例における利用料金の改正に際しては、社会経済状況などの変化に対応し、受益者負担の適正化を進めるため、一定の場合において、原価計算に基づく受益者負担調査を実施しております。
 具体的には、指定管理者を選定する年度の前年度、または施設の改修や改築などにより原価や利便性に変化が生じた場合に調査を実施し、これらの結果を踏まえ、必要に応じて条例に定める利用料金を改正しております。

○高倉委員 今、利用料金の改正に当たっては、原価計算に基づく受益者負担調査を実施しているという答弁がありました。
 今回の上限額を見ても、十円単位でもって書かれておりますので、しっかりと計算がなされた結果がこういうことになっているんだろうということはよく理解できます。
 そこで、今回は施設の改修に伴ってということなんですけど、今、答弁で、指定管理者を選定する年度の前年度というお話がありました。この前年度についても利用料金に関する条例改正を行うという答弁だったと思いますが、最近においては、どういった施設がこういうことに該当したのか、このことについてご答弁いただきたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 最近の事例では、駒沢オリンピック公園総合運動場が挙げられます。
 本施設は、現行の指定管理期間が平成三十年度までであったため、その前年度となる平成二十九年度に原価計算に基づく受益者負担調査を実施しております。
 本調査におきましては、施設を管理運営する上で直接必要となる経費として、人件費、維持管理費及び減価償却費をもとに原価を算出しております。
 調査の結果、本施設においては、条例に定める利用料金の上限額について改正の必要は認められず、現行料金を維持することといたしました。

○高倉委員 きょうの質疑の中でも、減免制度の質疑もあったわけであります。
 今回の利用料金に関する条例の改正に伴って、減額または免除といった内容について、変更などはあるんでしょうか。

○小室スポーツ推進部長 本条例改正におきましては、減額または免除に関する規定改正は行わないことから、従来と同様に、対象となる利用者が減額または免除の対象として施設を利用することができます。

○高倉委員 従来と同様という、今、答弁でございました。
 この都の体育施設の適用料金は、指定管理者からの提案を踏まえて決定するというようなことであるというふうに思います。
 私は、当然、指定管理者任せにはしていらっしゃらないというふうに思いますけれども、できるだけしっかり都も関与をして、都民にも理解の得られる料金設定をするべきというふうに思いますけれども、都はどういうふうに関与していかれるのか、このことをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 実際に適用する料金の承認に当たりましては、これまでの料金や周辺の類似施設の状況などを総合的に勘案するとともに、サービスを利用する方と利用しない方との公平性を担保しつつ、適正なものとなるよう検討してまいります。
 また、都としてどうかかわっていくのかという点につきましては、いずれにしましても、都としては、指定管理者の考え方をよく聞いた上で、しっかりと対応してまいります。

○星見委員 では、私からは、東京都体育施設条例などの一部を改正する条例について、まずお聞きをいたします。
 今回の改正は、駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場及び有明テニスの森公園テニス施設の改修等に伴い、利用料金の上限を改定、所要の改正をするというものです。
 まず、有明テニスの森の有明コロシアムについてですが、提出していただきました資料では稼働率が下がっておりまして、昨年度は五七・九%となっています。
 こうした中で、本改正で有明コロシアムの利用料の区分を新たに設けて、上限額、改正前は一時間二十四万七千五百円であったものを、新たに区分の中で、入場料を徴収しないなどの場合、一時間十五万七千五百円として、アマチュアの団体やその他都民が入場料をとらない場合は九万円引き下げる料金設定をしたことについては評価いたします。
 一方、駒沢のオリンピック公園総合運動場硬式野球場は、改修を受けて、利用料の上限額は、利用料を徴収しないなどの場合、二時間一万二百円から一万五千三百円で約一・五倍に、入場料を徴収するなどの場合は、二時間二万六千九百九十円から四万四百八十円と大幅にアップしました。これは、子供たちのスポーツ活動である地域の少年野球各種大会や、高校野球の東京都予選会などにも影響する問題です。
 また、有明テニスの森公園テニス場には、屋内のテニスコートが、都内の公共スポーツ施設としては初めて整備されましたが、インドアコート、入場料を徴収しないなどの場合、一面一時間五千四百円、入場料を徴収するなどの場合、一面一時間九千四百四十円で、とても安いとはいえない額に設定されています。
 目黒区内でテニス愛好者に意見を求めてみましたが、高いの一言で、普通の都民が使える額じゃないといわれました。
 また、繰り返されていますスポーツ施設などの利用料の値上げに、各体育団体からも何とかしてほしいとの声があります。
 退職後、せっかくスポーツを楽しめると思ったら、年金はどんどん下がり、各種利用料は上がるばかり、利用回数を減らして対応するしかない、どうなっているのかとの声がスポーツ団体の新年会でも出されていました。
 そこで、駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場と、有明テニスの森公園テニス施設の改修で、利用料金の上限額を設定する際の算定方法を伺います。
 また、こうしたスポーツ施設の入場料の算定方法などは、どこに公開されているのかを伺います。

○小室スポーツ推進部長 都の体育施設の利用料金につきましては、東京都体育施設条例におきまして利用料金の上限額を施設ごとに定め、実際の適用料金については、指定管理者が都の承認を得て、その範囲内において定めております。
 本条例における利用料金の改正に際しては、社会経済状況などの変化に対応し、受益者負担の適正化を進めるため、一定の場合において、原価計算に基づく受益者負担調査を実施しております。
 委員ご指摘の算定方法につきましては、平成三十一年一月に、都のホームページにおきまして、平成三十一年度東京都予算案の概要を公表しており、その中で、改定等に当たっての考え方を示しております。
 その中で、料額は、原価を基本としつつ、国や他団体、類似施設の料額などを勘案しながら設定することや、現行料額と原価との間に著しい乖離が見られる料額につきましては、原則、倍率一・五倍を限度として改定を行うこととしております。

○星見委員 近年、都内でのスポーツ施設などの公共施設の利用料の値上げが広がっている背景の一つに、民間の企業会計の考え方である減価償却費を公共の施設の利用料に算定するところに問題があるとする意見があります。どのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。

○小室スポーツ推進部長 先ほどもご答弁いたしましたが、本条例における利用料金の改正に際しましては、社会経済状況などの変化に対応し、受益者負担の適正化を進めるため、一定の場合において、原価計算に基づく受益者負担調査を実施しております。
 本調査につきましては、従前より全庁的な取り扱いとして、サービス提供に直接要する経費として、建物の減価償却費を原価に算入する考え方に基づいておりまして、これにのっとった取り扱いとしております。

○星見委員 今のご答弁で、今回の利用料の上限の計算方式にも減価償却費が算定に入っていることが明確になりました。
 公共施設の多くは、都民の支払った税金や起債を組んで後年度の税負担で建設されています。これに加えて、施設利用料に減価償却費を算定されると、都民の二重負担になるという考え方があります。
 こうした都民の疑問に答えるためにも算定の公開が必要です。とりわけ今回のように料金改定で値上げする場合や、初めての利用料を決める場合には、都民にその根拠を示す説明責任があるのではないでしょうか。
 今条例改正で利用料を改定する駒沢オリンピック公園の硬式野球場と、初めてつくられます有明テニスの森公園の屋内テニス場の利用料金上限額について、先ほども求めましたけれども、施設ごとに算定根拠を都民に公開すべきです。再度、この点について伺います。

○小室スポーツ推進部長 先ほど税金の二重取りのようなご発言がございましたけれども、本件につきましては、前提として、利用料金の徴収は、サービスを利用する方と利用しない方との公平性を担保する受益者負担の考えに基づいております。
 本件は、全庁的な取り扱いとして、サービス提供に直接要する経費としまして、建物の減価償却費を原価に算入する考え方に基づいておりまして、これにのっとった取り扱いとしております。
 また、算定方法や根拠につきまして、都民に公表すべきというご指摘がございました。これにつきましては、都民の一層の理解が得られるよう努めてまいります。

○星見委員 今ご答弁ありましたように、東京都だけではなく、各自治体の中で、こうした公共の施設の利用料の算定問題、さまざまな意見が都民の中にはあります。
 各利用料の上限額の今回の算定根拠について、難しいというようなご答弁でしたけれども、ぜひ公開していただきたいと思います。
 平成二十八年度包括外部監査で、建設局は、利用者が負担すべき原価と都税で負担すべき原価の分類を適切に行うとともに、情報公開の透明性を確保する観点から、有料施設の利用者及び都民一般に対して、有料施設の算定にかかわる情報をより積極的に開示することと指摘され、動物園、水族館の入場料にかかわる情報を局ホームページに公開しました。
 内容を見ると、施設ごとに算定がどのように行われたのか、金額で示しているものです。施設にはいろいろありますけれども、ぜひオリ・パラ局も積極的にこういう一つ一つの施設について、都民に公明正大、そして透明性がよくわかるように算定根拠を示すことを求めます。
 また、ご答弁にあった二〇一九年度の東京都予算案の概要による使用料、手数料の改定に当たっての考え方の中には、現行料額と原価との間に著しい乖離が見える料額については、原則、倍率一・五倍を限度として改定を行うとあります。
 今回の駒沢オリンピック公園の硬式野球場は、この考え方から、利用料の上限額が一・五倍になったのだとわかりました。
 しかも、この野球場の現在の利用料は、入場料をとらない場合の利用上限額が既に一万二百円となっておりまして、上限額と同じ額になっているんです。これがこのまま適用され続けると、硬式野球場は料金改定のたびに一・五倍になり続け、野球を愛好する子供や都民のスポーツ活動をさらに圧迫し続ける可能性があります。
 また、使用料、手数料の改定等の考え方には、料額は原価を基本としつつ、国や他団体、類似施設の料額などを勘案しながら設定しますとあります。つまり、近傍同種の公共施設、あるいは民間の同種の施設の使用料を参考にするということです。
 今回の硬式野球場と屋内テニス場の利用設定では、それぞれどの施設を対象にしたのかをお聞きいたします。

○小室スポーツ推進部長 駒沢硬式野球場につきましては、原価を基本としつつ、大田スタジアムなど、同程度の施設規模を備える複数の都内公立施設の条例料金を勘案し設定しております。
 有明テニスの森についても同様に、原価を基本としつつ、コート数や観客席数などが一定規模以上の全国の複数施設の条例料金、または民間の利用料金等を勘案し設定しております。

○星見委員 有明テニスの森の屋内テニスコートは、入場料を徴収しない場合でも一面一時間五千四百円、高いとの声を先ほど紹介いたしました。今のご答弁で、民間の利用料金を勘案して設定したというお話でした。
 そこで、私、都内の民間スポーツ施設を調査しましたら、明治神宮外苑がありまして、そこに室内カーペットコートで、ここの利用料金は、一面一時間五千四百円から七千五百六十円、そして通常ではなく優先予約の場合は、一面一時間六千四百八十円から八千六百四十円というのが出てまいりました。
 この額と今回の有明の屋内テニスコートの額を比べますと、一面一時間五千四百円、神宮の場合の一番安いところと同じ額になっています。しかも、神宮外苑の室内テニスコートは、朝は一面一・五時間で五千四百円ですから、有明テニスの森の屋内テニスコートの利用上限額より安くなります。
 そこでお聞きしたいんですけれども、なぜ明治神宮外苑のレンタルコートよりも、同額、あるいは高い部分の料金設定が組まれたのか、まずお聞きします。
 また、オリ・パラ局所管のスポーツ施設で、このように、民間施設と同等、あるいはそれより高い利用料金上限を設定しているものがほかにあるのかもお聞きいたします。

○小室スポーツ推進部長 繰り返しになりますが、有明テニスの森につきましては、原価を基本としつつ、コート数や観客席数などが一定規模以上の全国の複数施設の条例料金、または民間の利用料金を勘案し設定しております。
 ご指摘の有明テニスの森インドアコートにつきましては、都内民間施設、複数ございましたけれども、その中でも低廉な利用料金の方を参考として設定しております。

○星見委員 収益性を追求する民間施設と公共施設がほぼ同じ料金になるということ自身、問題があるのではないでしょうか。
 今回の条例には、施設目的として、体育施設及びレクリエーションの普及振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するためと述べられています。
 この役割から考えれば、体育施設は、所得などにかかわらず、都民が誰でも公平に利用できるようにすべきであり、利用料を設定する場合でも低廉なものにすべきだと思います。この点についてはいかがですか。

○小室スポーツ推進部長 繰り返しになりますが、前提として、利用料金の徴収は、サービスを利用する方と利用しない方との公平性を担保する受益者負担の考え方に基づいております。
 本件は、全庁的な取り扱いとして、サービス提供に直接要する経費として、建物の減価償却費を原価に算入する考え方に基づいておりまして、これにのっとった取り扱いとしております。

○星見委員 サービスの公平というのは、サービスを利用する者と利用しない者との公平性という、こういういい方ではなくて、誰でも利用したければサービスを利用できるということが真の公平性だということを指摘したいと思います。
 その上で、現在、経済の六割を占める家計消費が落ち込み、働く人の実質賃金もマイナスという深刻な経済状況の中で、政府は都民にさらに消費税増税を押しつけようとしています。
 こうした都民生活の中で、都民の心身の健全な発達に寄与するという体育施設条例の本来の立場に立つなら、利用料は、今、引き上げるべきではありません。
 また、都民の税金を投入してつくった公共のスポーツ施設でありながら、一般都民が利用できないような料金設定の算定根拠も示されないのは問題です。
 また、有明テニスの森の屋内テニス場の利用料の上限が、民間施設と同等あるいはそれ以上になることがあるなど、都民の税金でつくっている公共スポーツ施設としてあってはならないことです。
 よって、今回の改正、駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場及び有明テニスの森公園テニス場の改修等に伴い、利用料金の上限額を設定する条例には反対することを申し述べて、質問を終わります。(「それだけなの反対は」と呼ぶ者あり)
 もう一つ、続いて質問をいたします。ありがとうございます。危ないところでした。(「ほかにも反対いっぱいある」と呼ぶ者あり)はい。
 続きまして、オリンピック・パラリンピック予算についてご質問させていただきます。
 東京二〇二〇大会における共同実施事業の予算案について伺います。
 オリンピック・パラリンピック準備局の来年度予算案について、オリンピック・パラリンピック準備費は、今年度の三倍近い三千十五億円に上ります。
 目黒区の来年度予算が、一般会計、特別会計を合わせて一千六百億円弱ですから、改めて今年度分だけでも相当に大きな金額だと実感します。職員費としての百六億円が計上され、局の定数が二百六十二人、主に組織委員会への派遣が定数外で九百二十人となっています。
 開催都市PRや大会開催に向けた普及啓発、ボランティアの機運醸成、育成支援などの東京二〇二〇大会開催準備が七百二十九億円、都立競技施設等の整備が八百四十九億円、組織委員会との共同実施事業に一千五百九十三億円、そして、私たち日本共産党としては問題があると指摘しています、本来、国が全額負担すべき新国立競技場整備の都負担額三百九十五億円なども計上されています。
 こうした中で、共同実施事業については、国や組織委員会が都に負担を押しつけることに都民の批判が上がっていることを指摘し、事業と経費の透明化、そして経費の縮減を主張してきました。
 今回は、一千五百九十三億円の内訳について、資料請求し、三月一日、昨年よりは詳しく資料も出していただくことができました。それに基づいて幾つか伺いたいと思います。
 まず、賃借料についてです。
 昨年度の共同実施事業予算では、賃借料が百四十一億円と見積もられています。国、組織委員会の経費分担を定めた大枠の合意では、都及び都外自治体所有施設の賃借料については東京都が負担することになっています。
 都の所有施設に都が賃借料を払うというのは一見不自然に思えますが、東京都が賃借料を払うのは具体的にどの施設なのか、まず伺います。

○川瀬競技・渉外担当部長 都は、大枠の合意により、競技会場となる都及び都外自治体の所有する施設や、IBC、国際放送センターや、MPC、メーンプレスセンターを設置する施設、さらには選手村に係る賃借料を支払うこととなっております。
 賃借料を支払う競技会場等として予算計上している都有施設は、東京ビッグサイト、東京国際フォーラム、東京スタジアム、東京スポーツ文化館であり、都外自治体が所有する施設については、全て賃借料の支払い対象としております。
 平成三十一年度予算案には、各施設におけるテストイベントや仮設オーバーレイ工事の期間の賃借料を計上しております。

○星見委員 都所有の施設としては、メディアセンターとなる東京ビッグサイト、競技会場としてウエートリフティング、パワーリフティングなどの東京国際フォーラム、それからサッカー等で使う東京スタジアム、そしてアーチェリー会場の一部として使う東京スポーツ文化館とのことです。
 主に都が普通財産として所有し、都が株主となっている株式会社に無償貸与している施設で、賃貸料といっても営業補償的な性格のものだと思います。
 なお、選手村の賃貸料については、先ほどのご答弁では、大枠の合意で都負担とされているとのご説明でしたが、選手村の宿泊施設は民間事業者が所有しており、公表されている大枠の合意の文書によれば、民間所有の施設は組織委員会の負担になっています。
 きょうは、ここに踏み込んで議論はしませんが、本来、この賃料は組織委員会が負担するべきだと申し上げておきます。
 その上で、都外自治体所有の会場、札幌ドームや埼玉スタジアム、幕張メッセなどは全て賃貸料の対象となるとのことでした。二〇一九年度から借りるのは、組織委員会主催のテストイベントの期間だけとか、あるいは改修工事に入る二〇二〇年の一月からなどと聞いていますが、それでも百四十億円ぐらいということです。
 五輪経費のV3予算全体では、賃借料の都負担は四百四十億円とされており、相当な金額に上ります。自治体所有の施設ということで、極力協力もしていただくなど、賃借料が膨らまないような努力も必要と思いますが、この点はいかがでしょうか。

○川瀬競技・渉外担当部長 まず、都外自治体施設の賃借料につきましては、組織委員会が都外自治体と協議を行っているところでありますが、今後とも、組織委員会と十分協力し、適正なものとなるように取り組んでまいります。
 なお、都有施設の賃借料につきましては、国の損失補償基準に準じた東京都の事業の施行に伴う損失補償基準等の根拠を踏まえ、通常時の利用と比べ低廉な利用料で予算計上しているところでございます。

○星見委員 今、都有施設については低廉な利用料で予算計上している、都外自治体の施設については協議中とのことでした。
 これもさまざまな経緯があり、最終的に大枠の合意で東京都が負担することになったものですが、また、選手村の賃借料も含まれているわけです。
 今、大きくどんどんと膨らんでいくオリンピック予算の問題については、ほかの委員からも指摘がありました。膨張することのないように全力を挙げて努力をしていただくことをお願いいたします。
 次に、共同実施事業について伺います。
 共同実施事業については、パートナー企業との契約の場合、現状ではその中身が公表されていません。東京都は、公金を投入する以上は公表すべきという立場で臨んでいますが、いまだ調整できていません。
 二〇一八年度の上半期の組織委員会の契約では、その四四%がパートナー供給であることが組織委員会のホームページでは公表されています。スポンサーの顔ぶれを見ますと、今後も相当な部分がパートナー供給になると見込まれます。
 そこで伺います。
 二〇一九年度予算案での共同実施事業の金額一千五百九十三億円のうち、パートナー供給の金額は幾らと見積もっているのでしょうか。また、個別ではなく、全体額でよいので教えていただきたいと思います。

○雲田調整担当部長 オリンピック・パラリンピックにおけますトップパートナーは、IOCとのマーケティングプラン契約に基づきまして、また、国内パートナーは、組織委員会との国内スポンサー契約に基づきまして、それぞれ決められたカテゴリーの中で、組織委員会が必要とする商品等を供給する権利を有してございます。
 具体的には、組織委員会が発注する際には、まず、発注の内容がパートナーのカテゴリーに当てはまるかどうかを確認いたしまして、カテゴリーに当てはまる場合に、仕様や納期などが組織委員会の求めるものと合致するか確認し、合致すれば、パートナーから調達することになります。
 こうした手順につきましては、組織委員会の調達管理委員会におきまして、発注前に調達方法の審査を行っております。
 このように、現時点におきまして、来年度の共同実施事業に係るパートナー供給契約の対象事業が特定できないため、その金額規模につきましてお示しすることができないものでございます。

○星見委員 今のご説明を聞きまして、パートナー企業はみずからが供給したい商品を、組織委員会からの相談を受けて決まるので、現時点では共同実施事業千五百九十三億円のうち、どのくらいがパートナー供給契約の対象事業になるかわからない予算、そういう中身であるということです。
 では、三月一日の文教委員会でいただいた資料4で、共同実施事業のある程度の内訳は示してもらいましたが、このうち、どの部分をどんなパートナー企業が供給すると見込んでいるのかを伺います。

○雲田調整担当部長 パートナー供給の対象となりますカテゴリーでございますが、例えばエネルギーではGEの発電、送配電システム、アグレコの仮設電源サービス、テクノロジーではNTTの通信サービス、シスコシステムズのネットワーク製品、輸送ではトヨタ自動車の車両、KNT-CTホールディングスの旅行業務及びナショナルトリップホスピタリーサービス、セキュリティーではセコムのセキュリティーサービスプランニング、NECのパブリックセーフティー先進製品などと、各パートナー供給契約において定められております。

○星見委員 今ご答弁いただいた各カテゴリーごとの例だけでもかなりの数のパートナー企業の供給が見込まれていることが判明いたしました。
 例えば、選手村の内装にパートナー供給のものが使われていると思いますが、どんなものがあるかお聞きいたします。

○斉藤選手村担当部長 選手村の宿泊棟の内装におきましては、洗面台やユニットバスなどの水回り備品、分電盤などの送配電システム、ルームエアコンなどの白物家電、これらなどにつきましては、パートナーが供給しております。

○星見委員 選手村でも内装工事での基本的な物品、あるいは、さまざまなものがパートナー企業の供給になるということがわかりました。
 この選手村の内装工事は、組織委員会が特定建築者と四百四十五億円で特別契約を結んでいますが、この契約金額は予定価格の九九・四%でした。
 パートナー企業は、先ほど最低価格で供給しているということでしたけれども、通常より安い金額で供給されているものを使っているのに、なぜ、いわば契約の最高価格である予定価格に近い金額での契約になっているのかを伺います。

○斉藤選手村担当部長 組織委員会は、予定価格を積算する段階で、パートナーが供給する部分について、パートナーから見積もりをとっておりまして、最低価格により単価を設定しております。

○星見委員 組織委員会がつくった予定価格そのものが、パートナー企業からの見積もりをとって積算される。パートナー供給の部分については、最低価格で設定されているとの説明です。
 しかし、パートナー企業が出された洗面台やユニットバス、エアコンなどの見積もりが本当にその商品の最低価格なのかは、見きわめるのはなかなか大変なことだというふうに思います。相見積もりをとっているわけでもなく、これでは初めからパートナー企業のいいなりの契約金額になる可能性もあるのではないかと思います。
 組織委員会とパートナー企業のほかの契約でも同様に、パートナー企業が出した見積もりを積算根拠として、金額でパートナー供給契約を結んでいるとしたら、本当に最低価格になっているのかは、都民には、今のままでは確認のしようがありません。
 二〇一九年度の予算案での共同実施事業では、組織委員会とパートナー企業の契約によるものがこれまで以上に大幅に増加されることが予想されています。
 先ほど挙げていただいた例だけでもかなりの量でしたけれども、例えば飲食関係ではコカ・コーラや明治、キッコーマンや味の素、セキュリティーではALSOK、競技の計測ではオメガなどなど、多くの企業がパートナーとして名を連ねています。
 パートナー企業との契約が共同実施事業の多くの部分を占めるとなれば、このままパートナー供給契約が公開されなかった場合、来年度だけでも一千五百九十三億円、総額では三千七百五十億円にも上る共同実施事業のかなりの部分の契約が非公開ということになりかねません。
 そもそも共同実施事業、また共同実施事業管理委員会は、公費が投入される事業については、コスト管理と執行体制を強化する、また、情報公開と説明責任を果たすということで設けられたものです。その少なくない部分が非公開となれば、経費の透明化、また、都民への説明責任を果たしているとは到底いえません。そのような状態のまま税金を投入していくことは認められないのではないでしょうか。
 パートナー企業との契約や、その金額が公表できないうちは、共同実施事業での都の支払いを行うべきではないと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○雲田調整担当部長 さきの都議会本会議で知事からご答弁申し上げましたとおり、パートナー供給契約におきましては、パートナーが一定の条件のもとで優先的に提供はできるんですが、最低価格で提供する、そういう義務が課されております。したがいまして、一般的な契約と異なりますことから、あらかじめ守秘義務が課されているところでございます。
 こうした契約におきましても、都といたしましては、都の公費を投入する共同実施事業につきまして、組織委員会に公表を働きかけてきております。組織委員会では、契約の相手方と法的課題について具体的な検討に着手するなど、順次、公表に向けた調整を行っているところでございます。
 なお、共同実施事業につきましては、パートナー供給契約も含めまして、組織委員会が契約手続に入る前に、都は積算資料等を確認しながら、効率性、納得性などの観点から経費をチェックし、こうした内容を作業部会で確認しているところでございます。

○星見委員 今ご答弁の中に、組織委員会が契約の相手と法的課題について具体的な検討に着手しているという答弁がありましたが、この法的課題の具体的検討の内容をお示しください。
 どのようなことがネックになっていて進んでいかないのか、これについてもお聞きします。

○雲田調整担当部長 守秘義務が課されましたパートナー供給契約につきましては、既に契約がなされたものの、契約条項の変更は困難な面がありますことから、まさにこうした法的課題につきまして、契約の相手方と検討に着手しているということでございます。

○星見委員 これは調整中ということで何度もご答弁いただいているんですけれども、いつごろまでに調整をつける見込みで進んでいるんでしょうか。

○雲田調整担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、組織委員会では、契約の相手方と現在具体的な検討に着手するなど、順次、公表に向けた調整を行っているところでございます。

○星見委員 私は、昨年の事務事業でも、この共同実施事業でパートナー企業とパートナー供給契約の中で、秘密義務があるということで、契約金額が公表されないのは重大問題だと取り上げました。
 都は、組織委員会に公開するよう求めていて、組織委員会も公開を検討していると、そのときにも答弁をいただいています。既に半年がたち、今年度も残すところわずかになってまいりました。具体的な変化が見えないというのが今の現状です。
 二〇一九年度の予算案での共同実施事業の金額、先ほどから何回もいっていますが、一千五百九十三億円です。このまま新年度も同様に、組織委員会がパートナー企業との契約金額が公表できないという事態が進むのであれば、予算の執行を凍結して、都として厳しい態度で対応を求めるべきであることを重ねて要望し、私の質問を終わります。

○鳥居委員 私は、観戦機運の増加に向けた大会開催支援につきましてお伺いしたいと思います。
 まず、パラリンピックの開催に際し、都はこれまで、さまざまな機運醸成に取り組まれておりますし、パラスポーツにおきましては、チームビヨンドを立ち上げて、パラスポーツを通じて、みんなが個性を発揮できる未来を目指す活動を展開されておられます。
 パラリンピック開催まで一年半を切り、目前に迫ってきておりますが、そのような中、パラリンピックの成功に向けては、今からより多くの方々に、実際に競技会場でパラリンピック競技を観戦していただき、競技や選手について理解を深めて、ともに盛り上げてもらうことが重要だと考えます。そのためには、都民の観戦の機会をふやしていくことが求められます。
 都は、さきの本会議で、私の一般質問に対する答弁の中で、来年度、国際大会の観戦機会をさらにふやすと言及いただきました。
 そこでまず、その具体的な取り組み内容について伺います。

○萱場パラリンピック部長 都は、都民の観戦機会をふやすため、今年度から、二〇二〇年までの重点的な取り組みとして、ハイレベルな試合を観戦できる機会が比較的少ないパラリンピック競技につきまして、競技団体による国際大会の開催を支援する取り組みを開始いたしました。
 具体的には、都内で開催される国際大会を都が共催し、大会運営経費について財政的なサポートを行うほか、観戦会の企画や大会の情報発信を行うなど、多方面にわたって支援を行っております。
 今年度は、五つの大会の開催を支援しておりまして、その最後の大会となるブラインドサッカー、五人制サッカーの国際大会が、まさに本日開幕したところでございます。
 来年度は、こうした観戦の機会をさらにふやしていくため、国際大会の開催支援を五大会から九大会に増加させていく予定でございます。

○鳥居委員 国際大会の開催支援を五大会から九大会、約二倍に増加させて観戦機会をふやしていただくというようなご答弁をいただきました。
 そして、より多くの方に観戦に来ていただくためには、積極的に観戦の促進を行っていくことが重要です。
 大会会場を単に満員にすることのみが目標でないことは明らかでございますし、これまでのさまざまな御局の機運醸成の取り組みの結果、パラスポーツに興味や関心を持っていただいている方が実際に会場に足を運び、パラアスリートの熱のこもった競技を観戦することにより、より理解を深めていただき、多くの共感の念を持っていただくことを期待しております。
 そこで、これまで都が開催支援した国際大会において、どのような観戦促進の取り組みを行ってきたのかを伺います。

○萱場パラリンピック部長 パラリンピック競技におきましては、競技団体の規模や国際大会の開催経験もさまざまでございます。
 東京二〇二〇大会に向けて、さらにパラリンピックを盛り上げるためには、競技団体を初め、さまざまな関係団体が連携して取り組む必要がございます。
 そのため、今年度、都が開催支援した国際大会においては、大会ごとに、競技団体や協賛企業、会場の地元自治体などの関係団体と協議を重ね、役割分担を決めて、それぞれが観戦促進策を展開してまいりました。
 昨年九月に開催されたパラバドミントンの国際大会を例に挙げますと、競技団体は、PR映像の制作やその映像の会場沿線鉄道等での放映など、協賛企業は、新聞の全面広告による告知などを行いました。また、地元自治体は、公立小中学校の全生徒へのチラシ配布や、会場近隣の自治会への案内、駅周辺でのバナー、ポスター掲示などを行いました。
 そして、都は、地元自治体以外の区市町村や学校、地元企業などに足を運んで、観戦の呼びかけを行ったほか、「広報東京都」や街頭ビジョン、SNSなどの広報媒体を活用して大会のPRを行いました。
 あわせて、障害者スポーツの応援プロジェクト、チームビヨンドで、テレビ番組の収録とも連携したメンバー向けの観戦会を実施し、そこでは選手との交流の場も設けるなど、選手ご本人や障害についての理解を深める機会も提供いたしました。
 このような取り組みにより、この大会では、前回大会と比較して来場者数が六割増加し、取り組みの効果を認識したところでございます。

○鳥居委員 どうもありがとうございます。競技団体は大小さまざまとお伺いしております。地方自治体などの関係団体としっかりと連携をして効率よく取り組むことが肝要と考えます。
 また、公立の小中学校の全生徒にチラシを配布するなど、多大な努力もしていただいていることをお示しいただきました。チームビヨンドを活用し、メンバー向けの観戦会、選手との交流会などは、成果を意識した有益な取り組みとして評価したいと考えます。
 観戦促進の取り組みの中、その機会をより有意義にするためにも、次世代を担う子供たちにこそ観戦してもらうことは、障害者理解を進めるという上で、とりわけ意義のあることと考えます。
 IPC、国際パラリンピック委員会の前会長フィリップ・クレイヴァン卿は、パラリンピック教育は、すばらしいパラリンピアンたちの能力を若い人たちに深く知ってもらい、価値を理解してもらうことで、彼らが家に帰り、自分の親や祖父母に伝えていくリバースエデュケーションだと考えていると述べられておられます。
 私の子供の通っている小学校におきましても、パラアスリートの方々が訪問され、交流会をしていただいており、その内容が非常によかったことも聞いております。まさに、このことが今後のダイバーシティー、共生社会の実現への足がかりになるのではないでしょうか。
 私の地元杉並区の桃井第三小学校には、パラパワーリフティング競技者の三浦選手が訪問され、小学生との交流会を通して、パラアスリートと生徒の距離が縮まったと伺っておりますし、先月、八王子で開催されたパラパワーリフティングの国際大会には、同じく桃井第三小学校の生徒約百名が先生の引率のもと、バス三台を仕立てて観戦に訪れ、熱い声援を送ったと聞いております。
 そこで、都が開催支援する国際大会における子どもたちの観戦促進に向けた取り組み状況について伺います。

○萱場パラリンピック部長 委員ご指摘のように、次世代を担う子供たちに実際にパラリンピック競技を観戦してもらい、障害に対する理解を深めてもらうことは重要でございます。
 そのため、今年度は、教育庁や区市町村の協力のもと、会場近隣の学校を初め、パラリンピック競技応援校や特別支援学校を中心に、全校児童生徒一人一人にチラシを配布してもらうなど、多くの子供たちに観戦の呼びかけを行ってまいりました。
 また、大会ごとに学校に対する観戦促進策を関係団体と検討し、競技体験会や選手との交流の機会を設けてまいりました。
 その結果、競技の魅力や選手の人柄に触れた子供たちが、今度は休日に保護者と一緒に来場するケースも見られるようになりました。先ほど委員が紹介されたリバースエデュケーションの一つのあらわれかと存じます。
 選手の側も、子供たちの声援で自分の名前が呼ばれたりして、大変勇気づけられたと聞いております。
 引き続き、教育庁や区市町村との連携を一層密にして、より多くの子供たちに競技や選手、障害への理解を深めて、会場に足を運んでもらうよう努めてまいります。

○鳥居委員 参加された子供たちは、明らかにパラアスリートとの心の距離が縮まったと感じますし、障害者に対する意識も以前より変わったことを確信いたします。
 今後もダイバーシティーの実現に向けて努めていただくことをお願いして、質問を終わります。

○のがみ委員 まず最初に、シティキャスト、都市ボランティアについて質問させていただきます。
 当初、心配されていたボランティアの方々も、東京都の都市ボランティア、最初は二万人だったと思うんですけれども、今、三万人に拡充されて諸準備に当たっていらっしゃると思います。
 東京二〇二〇大会では、三万人のシティキャスト、都市ボランティアがさまざまな研修を受けて、誇りを持って開催都市東京の顔として、世界中から来られた人々のおもてなしをやっていくということだと思っております。
 三万人もの方々がこうした都市ボランティア、シティキャストで貴重な経験を生かして、大会の後なんですけれども、スポーツとか、また、国際交流、福祉など、さまざまなボランティアでさらに活動をしていただくようにすることが重要であると思っております。
 来年度の新規事業として四千万円計上されておりますけれども、都は来年度、シティキャストのシステムのレガシー化を検討するとのことでございますけれども、これも含めて、シティキャストの大会に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○田中運営担当部長 東京二〇二〇大会を契機に高まったボランティア活動への参加機運を大会後も維持発展を図り、活動の継続につなげていくことは重要でございます。
 シティキャストとして活動いただいた方々には、ご本人の意向を踏まえ、ボランティア情報を幅広く提供するとともに、希望する方々には活動を継続いただける仕組みを検討してまいります。
 また、シティキャストの募集や運営を行うシステムについて、大会後、都が運営する他のボランティアにも活用できるよう、関係各局とも連携し、再構築に向けた検討を行ってまいります。
 大会に参加したボランティアが、スポーツのほか、さまざまな分野において活動を継続していただくことを支援し、ボランティア文化の定着が図られるよう、関係機関とも連携し、取り組んでまいります。

○のがみ委員 大成功に終わったロンドン大会では、約八万人のボランティアの方々が活動して、その後、横の連絡ですかね、連絡を取り合って、ロンドンのまちを盛り上げているとも聞いております。
 せっかくこうした都市ボランティアの運営システムのレガシー化ということでございますので、その人の了解を得たらデータ化をしていただいて、その人の持っている得意分野がありますよね、それをソートすると、その中心の人がぱっと集まってきて、また何か違う競技のときに、その人たちにボランティアとして活動していただくような仕組みづくりを、ボランティアを集めたところからやっていったらいいのではないかと思っております。
 大会のボランティアに対する意識というのは、国の調査によると四人に一人は何らかのボランティアをやりたいという思いがあるということでございますので、ぜひこの流れをしっかりとくんでいただければと思っております。
 次に、区市町村が行う機運醸成等の取り組みに対する支援についてお伺いいたします。
 すごく一生懸命、東京オリ・パラとかラグビーとか、いろんなことをまちの中で宣伝をしておりますけれども、なかなか葛飾区は、何ら競技がないとか文句をいわれておりまして、さまざまな取り組みを行って、区民の機運を高めていくことが必要ではないかと思います。
 そのうちの一つが聖火リレーであると思います。私は、一九六四年大会のときに広島県におりまして、聖火ランナーを見に行きました。そして、一緒に走ったわけじゃないんですけど、周りをちょっと一緒に走ったりしながら、速いなとか思いながら、小学校六年生だったので、まだ皆さん生まれていないと思いますけれども、六年生のときに見まして、すごい感動いたしまして、将来的には何らかのスポーツ選手になりたいなと思った記憶がございます。
 今回の大会は、一九六四年大会のように多くの人が一緒に走るというのは、防犯上も危ないということでできないそうなんですけれども、聖火リレーの実施に向けては、その関連したイベントを行ってはどうかなと思っております。
 例えば、どの区も市もいろいろと考えていらっしゃると思うんです。だけど、葛飾区としては、聖火が届くのが最初の朝なんですね。朝から走るので、その前日、葛飾区の総合スポーツセンターで大きなイベントをやろうと、それは区長が考えております。
 そのときに、何らかの東京都の支援をまたしていただければありがたいなということも思います。
 こうした区が行う機運醸成のためのイベントに対しての具体的な支援についてお伺いいたします。

○小池自治体調整担当部長 都はこれまで、東京二〇二〇大会の開催を契機といたしまして、スポーツの普及啓発や大会の理解促進など、各区市町村の主体的な取り組みに対しまして支援をしてまいりました。
 東京二〇二〇大会の開催を来年に控えまして、都と区市町村が一体となって機運醸成を図るとともに、大会の円滑な運営を支えるための取り組みが重要でありますことから、都は来年度、大会開催に向けた区市町村における新たな取り組みに対して支援を行うことといたしました。
 聖火リレーのルートにつきましては、現在、実行委員会を設置いたしまして、各区市町村のルートを検討中でございますが、この、新たな支援制度といたしましては、具体的に聖火リレーの機運醸成事業といたしまして、地元のルートを紹介するマップやパネル作成のほか、関連イベントなどに要する経費も補助対象といたします。
 また、地域の方々が身近な場所で競技中継を楽しむことができるコミュニティライブサイトの実施や、統一的なデザインでまちを装飾するシティードレッシング等の取り組みに対しても助成をいたします。
 補助事業の詳細につきましては、できるだけ早期に区市町村に丁寧に説明し、ご相談にも応じるなど、地域での盛り上がりが図れるよう努めてまいります。

○のがみ委員 ぜひ早目に周知していただいて、徐々に徐々に区内、市内が盛り上がるようにしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 もう一つ、ちょっとうちの区ばかりで申しわけないんですけれども、スポーツクライミングって皆さんご存じでしょうか。なさったことある方、いらっしゃいますか、どなたか。--二人ぐらいですね。そんなものだと思うんですけれども、このスポーツクライミング事業というのを、水元公園の東金町八丁目の地区で施設をつくることになりました。
 ボルダリングといっても、スピードというのとボルダリングとリードという三つあるんですけれども、この説明は皆さん、全部頭の中に入っていますでしょうか。大丈夫でしょうか。--無理ですね。
 スピードというのは、よくテレビのコマーシャルにありますけれども、十五メートルの壁を用意ドンで二人がだあっと登っていって、どっちが先に到達するかというのと、ボルダリングというのは、四メートルぐらいのところにいっぱい壁があって、時間内に幾つ登っておりて、登っておりてできるかというものと、リードというのは、制限時間内に十五メートルの壁をどの程度まで到達したかという、この三つを合計得点で順位を争うそうなんでございます。
 葛飾区は五億一千八百万かけてつくるんですけれども、ぜひ東京都のご支援をいただければということでございまして、このご支援の方法というのは、一億と二億と三億と三通りあるということでございますので、どういう条件だと、どれだけもらえるのかとかいうこともいろいろあると思うんですけれども、ぜひこのことをお知らせ願えればと思っております。
 ですから、競技大会がない区でも、こうしたスポーツ施設を整備して、事前キャンプあるいは競技大会を誘致するということによりまして、区民の人が実際の競技を体験できるようになれば、大会の開催機運を盛り上げることにもなるし、また、オリ・パラが終わった後も大会後にレガシーを残すことにもつながると思います。
 だから、遠いところに住んでいらっしゃる方もぜひ葛飾区の水元公園に来ていただいて、練習していただければいいと思うんです。
 こうした点から、都として区の取り組みを支援することは意義のあることと考えますけれども、都の支援についてお伺いいたします。

○小池自治体調整担当部長 東京二〇二〇大会の開催機運の醸成を図り、地域のレガシーにつなげるため、都は、区市町村に対しまして、スポーツの普及啓発等の取り組みに対する補助のほか、スポーツ施設の整備事業に対しましても支援をしているところでございます。
 具体的には、競技スペースの拡大等のスポーツ環境を拡大する工事やバリアフリー工事につきまして、一施設当たり一億円を限度として補助をしているところでございます。
 加えまして、委員お話のございました東京二〇二〇大会の事前キャンプの誘致や受け入れ対応のための工事につきましては、国際競技連盟の施設基準に適合すること等を要件といたしまして、一施設当たりの補助限度額を二億円に増額して支援をしているところでございます。
 また、事前キャンプの誘致に当たりましては、都のホームページを活用いたしまして、区市町村のスポーツ施設を紹介しているほか、海外のオリンピック委員会などからの視察の要望に際しまして、区市町村への受け入れ調整などを行っているところでございます。
 今後とも、区市町村におけるスポーツ施設の整備が図れますよう、事前に整備内容の相談にきめ細かく対応するなど、引き続き、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○のがみ委員 済みませんけど、三億円についてもちょっと入れてもらってもよろしいでしょうか。

○小池自治体調整担当部長 スポーツ施設整備費補助の三億円の補助でございますが、ただいまご答弁申し上げましたとおり、スポーツ振興につきましては一億円、事前キャンプ、それから受け入れ対応のための工事につきましては二億円、さらに、東京二〇二〇大会の練習会場の整備工事やラグビーワールドカップの公認チームキャンプ地の整備工事につきましては三億円を限度として補助をしているところでございます。

○のがみ委員 この施設が完成するのは二〇二〇年の四月なんですね。三月に終わるかもしれない。だから、四月、五月、六月、七月と練習会場にも使えるかもしれないんですけど、ご検討よろしくお願いいたします。(「それは後でやってよ」と呼ぶ者あり)後でね。
 最後に、あと残り百八十四日になりましたラグビーワールドカップについて質問させていただきます。
 九月二十日、日本対ロシアの開幕戦に私も行きます。皆さんも行かれますか。大丈夫ですか。
 また、私は岩手チームに入っておりまして、できれば鵜住居会場も行きたいと思っております。これはまだチケットがとれておりません。ぜひとって行きたいと思っております。
 ことしは、いよいよラグビーワールドカップ二〇一九が東京スタジアムの開幕戦を皮切りに開催されます。大会に向けた機運を醸成していく上で、東京の子供たちにも関心を持ってもらう取り組みが大変重要だと考えますけれども、都の取り組みについてよろしくお願いいたします。

○篠ラグビーワールドカップ準備担当部長 ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けて、より一層、機運の醸成を図るためには、東京の子供たちにラグビーに関心を持ってもらう取り組みが重要でございます。
 都はこれまで、大会一年前を初めとする節目イベントや、都主催のラグビーイベントなどにおいて、子供たちがラグビー選手と実際に触れ合える機会を提供してまいりました。
 来年度は、子供たちを含め、多くの都民に関心を持ってもらえるよう、東京以外の会場で開催されるラグビー日本代表戦に合わせたパブリックビューイングイベントや、大会百日前の節目イベントなどの実施を予定してございます。
 また、大会時には、世界最高峰のレベルの試合を間近に体感できる貴重な機会と捉え、ラグビー競技に取り組む都内全域の中学生を東京スタジアムでの試合に招待いたします。
 さらに、ファンゾーンでも子供向けラグビー体験などのさまざまなコンテンツにより、大会機運の盛り上げを図ってまいります。

○のがみ委員 すばらしい答弁だと思います。希望する東京の子供たちをぜひラグビー競技場に招待していただきたいと思っております。
 大成功に終わるように、ラグビー、それからオリ・パラ両方ともしっかりと支援をしてまいりますことを誓って、これで終わります。
 以上でございます。

○福島委員 先ほど、のがみ委員も取り上げられましたが、シティキャスト運営システムに関して要望を述べたいと思います。
 我が会派は、三万人のシティキャストを、東京のボランティア文化を育み、地域コミュニティを活性化する人材に育成することを求めてまいりました。
 先日の私の一般質問を通じて、都は、本人の意向を踏まえ、地域における活動を含めたボランティア情報を幅広く提供するなど、シティキャストの募集や運営を担うシステムを大会後に都が運営する他のボランティアにも活用できるよう、再構築に向けた検討を実施し、地域活動の活性化やボランティア文化の定着を図るとのご答弁をいただきました。
 昨日の生活文化局への質疑でも述べたんですけれども、二〇二〇年までに一年以内のボランティア参加率四〇%を達成するためには、都民の人口千三百万人のうち、十歳以上を対象としたところで、二〇二〇年時点で現在と比較して百五十万人以上に新たにボランティア活動に参加していただく必要があります。
 そのような中、二〇一九年ラグビーワールドカップや東京二〇二〇大会に向けて、大会運営にご協力いただくボランティアは、いうまでもなく仲間と力を合わせて世界から集まる人々に大会の意義を伝え、楽しんでいただき、成功させるという、他者のために働いて喜んでもらえるということをみずからの喜びとする体験ができる貴重な機会です。
 先日、ラグビーワールドカップ日本大会の大会ボランティア、チームノーサイドのオリエンテーション東京会場に私も視察に伺わせていただきました。ボランティア育成のための教育が大変丁寧に行われている様子を拝見させていただきました。
 例えば、行われる大会の運営を手伝う体験がいかに特別なことであるかということや、ボランティアに参加する意義をご本人に再確認、どうして参加したいかみたいなことを書いてもらうシーンや、また、役割を自覚してプライドを感じられるユニホームなどの提供、そしてオリエンテーションに参加するとピンバッジを集められたり、全部参加すると今度はピンバッジを入れられるケースももらえるそうです。
 また、一体感を感じられるハイタッチのジェスチャーとか、あとは手締めですね。三々七拍子を何回か繰り返すんですけれども、そういうものや、あとはお隣に座った人同士でオリエンテーションをして一体感を感じられる仕組みなど、さまざまな工夫が凝らされていました。この充実した内容に感心するとともに、やっぱりボランティアを育て上げるというのは、非常に丁寧に、かつコストもかけているんだなということがわかりました。
 このようなボランティアの皆様は、両大会通じて十万人以上が育成されるそうです。つまり、この大切に育てたお一人お一人が十人から十五人に波及効果を起こすことができれば、百五十万人も夢ではないということになっています。
 何度も説明していますけれども、民間では、イベントの情報を提供するアプリを通じて、提供する情報にどれだけアクセスしたか、そして、その参加したイベントで出会った人同士のつながりがどれぐらい深まっているかみたいな形で波及効果を確認できる技術も開発しておりまして、世の中にはそういう技術があるということですね。しかも、このアプリというのは、平成三十一年度中に二十三区内にはサービスインする予定だということです。
 これらを踏まえまして、都が平成三十二年度に開発するシティキャストの募集や運営を担うシステムの詳細というのは、平成三十一年度中に各局と相談しながら決めていかれるということを伺っていますが、ボランティアに提供した情報と、あと、参加状況の把握にとどまらず、参加状況がわかるということであれば、そのお一人お一人のアクティビティーがわかるわけですし、そのボランティアがどれだけ新しい仲間を呼び込んだかとか、もしくは仲間に向けて情報を発信したかみたいなことを把握することができれば波及効果もつかむことができます。すなわち、さまざま行う都の事業がどれぐらいの人を呼び込めているかということがきちんと検証できるわけです。
 ということで、私としては、それが、これらの都の共助社会に向けたさまざまな投資が、実際、共助社会実現にどれだけ役立っているかということを検証することが東京大会をレガシーとして共助社会を実現するためには必要な作業ではないかということで、きちんとこういった観点も取り込んでいただきたいということを要望させていただきます。
 次は、訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業についてです。これもコミュニティ形成の観点から質問させていただきます。
 スポーツの力はさまざま議論されてきましたけれども、健康増進、ストレス発散、そしてコミュニティ形成、こういった力があることが知られています。
 何度か述べられていますけれども、都民のボランティア活動に関する実態調査では、二五%の方が過去一年間の間に活動した経験があるということなんですけれども、関心がある人というのは実は四八%ほど存在していまして、興味があっても実際の活動になかなか一歩を踏み出せないという方がたくさんいらっしゃることがわかります。
 やっぱりスポーツというのは、同じ目標に向かって仲間と一緒に頑張る、一緒に勝ちをかち取るとか、お互い励まし合って、よりいいチームになっていくとか、そういう体験ができるとてもよい機会であり、ここでできたコミュニティ、関係性から、共助社会の一翼を担う一員に育ってもらえる可能性は少なくないというふうに考えています。
 そこで、都が新たに実施する訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業について、事業の効果を把握するとともに、地元区市町村が地域コミュニティの形成に活用できるようにすべきと考えますが、取り組みを伺います。

○小室スポーツ推進部長 都では、身近な地域において気軽に参加できるニュースポーツ等を通じて、主に子育て中の親子や女性、高齢者に対するスポーツへの関心を喚起するため、来年度新たに、訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業を実施することとしております。
 具体的には、区市町村等が保育園や高齢者福祉施設等において、スポーツ・レクリエーション教室を実施する際に、東京都レクリエーション協会が行う講師の派遣や運営ノウハウの提供に対して都が支援を行うものでございます。
 個々の事業の終了時に行うアンケート等を通じて、事業の効果や参加者の意向を把握するとともに、区市町村と情報共有を図り、身近な地域においてスポーツ実施が促進され、地域コミュニティの形成にも寄与するよう、区市町村や関係機関と連携を図ってまいります。

○福島委員 訪問型スポーツ・レクリエーション促進事業において、地域コミュニティ形成への寄与も考慮した上で、区市町村や関係機関と連携いただくという大変前向きなご答弁をいただきました。
 実際、スポーツでつながった人たちが継続的に関係を維持し、暮らしを豊かにしている、そのような例は大変よく見かけます。
 スポーツは、共助社会の担い手の入り口として大いに期待できます。本事業に関して、健康増進、ストレス解消はもちろんのこと、このコミュニティ形成の側面も大切に進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○とや委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○とや委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十三分散会

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