文教委員会速記録第十一号

平成三十年十月三日(水曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長大場やすのぶ君
副委員長米川大二郎君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
理事木村 基成君
けいの信一君
成清梨沙子君
池川 友一君
斉藤れいな君
白戸 太朗君
高倉 良生君
古賀 俊昭君
入江のぶこ君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長浜 佳葉子君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鳥田 浩平君
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
総務部長中村 倫治君
教育庁教育長中井 敬三君
次長西海 哲洋君
総務部長早川 剛生君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百七十一号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第百九十六号議案 海の森水上競技場の指定管理者の指定について
・第百九十七号議案 夢の島公園アーチェリー場の指定管理者の指定について
・第百九十八号議案 カヌー・スラロームセンターの指定管理者の指定について
・第百九十九号議案 大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場の指定管理者の指定について
・第二百号議案 東京アクアティクスセンターの指定管理者の指定について
・議員提出議案第十七号 東京都公立学校施設における冷房機器の整備促進に関する条例
特定事件の継続調査について

○里吉委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 生活文化局の武市次長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   私学振興に関する意見書(案)
 東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、新しい時代に対応する個性的で特色ある教育を積極的に展開しており、東京都ひいては我が国における公教育の進展に寄与している。
 現在、都内の学校に在学する園児・児童・生徒のうち、私立学校に在学・在園する割合は、高等学校で約六割、幼稚園では約九割を占めており、私立学校が東京の公教育に果たす役割は極めて大きい。
 しかし、少子化の影響等により、私立学校の経営は厳しさを増しており、重大な局面を迎えている。
 公教育の将来を考えるとき、公立・私立あいまっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にも応え得るものである。
 そのためには、私立学校振興助成法第一条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成三十一年度予算編成に当たり、私学教育の重要性を認識し、教育基本法第八条に規定される「私立学校教育の振興」を名実共に確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持するとともに、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立高等学校等の経常費助成等に対する補助を拡充すること。
二 私立高等学校等における耐震化、省エネルギー設備導入など、施設・設備に対する補助制度を拡充すること。
三 より一層の保護者負担の軽減を図るため、私立高等学校等就学支援金制度を拡充改善するとともに、都道府県の行う補助に対する国の支援を拡充すること。
四 都道府県の行う私立高等学校等奨学金事業に対する国の支援を拡充すること。
五 私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成三十年十月 日
東京都議会議長 尾崎 大介
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 宛て

○里吉委員長 本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○里吉委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査及び特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七十一号議案、第百九十六号議案から第二百号議案まで及び議員提出議案第十七号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○米倉委員 初めに、議員提出議案第十七号、東京都公立学校施設における冷房機器の整備促進に関する条例について、賛成の意見を述べます。
 本条例案は、都内の区市町村立小中学校の体育館等にエアコンの設置を促進する内容です。
 ことし、気象庁が命にかかわる危険な暑さと述べる大変な猛暑が続き、練馬区内の都立高校では、体育館で授業を受けていた生徒のうち二十五人が熱中症の症状を訴え、十人が緊急搬送されました。
 日本共産党都議団は、七月二十七日に、学校体育館の冷房化を初めとする熱中症に関する緊急提案を知事と教育長に申し入れるなど、都に対してこの猛暑を受けた早急な取り組みを求めてまいりました。
 既に体育館を冷房化している学校に調査に行き、その効果を確認するとともに、自治体の財政力によらず冷房化を進められるよう、都が区市町村を支援する条例を提案することにし、九月十二日に議長に提出いたしました。
 そうした中、知事も、我が党の代表質問に都立高等学校の体育館への整備を速やかに進めていくことを答弁したことは重要です。いつまでに一〇〇%達成するのか、目標を明確にした取り組みを求めます。
 知事はまた、公立小中学校の体育館についても補正予算を編成するなど緊急的な対応をし、区市町村を支援していくと答弁をしました。本条例案は、こうした知事の答弁を確実に推進する力になるものです。
 加えて、条例案の補助対象は、国や東京都の現行制度では対象外となっている四百万円未満の工事費やリースによる設置も対象とします。
 また、都内公立小中学校の普通教室の冷房化はほぼ一〇〇%となっていますが、既に老朽化し、エアコンの電源を入れても教室内の温度が三十度を超える事態も生まれています。新設だけでなく、これまで都の補助対象となっていなかった更新についても補助対象となっています。
 以上のように、条例案は、知事の暑さ対策への取り組みを促進し、さらに補助対象を広げ、学校現場の実態に即した使いやすい補助制度となっています。
 以上の理由から、本条例案に賛成を表明し、また他の会派の皆さんに賛同を呼びかけて、意見とします。
 次に、第百九十六号議案の海の森水上競技場と第百九十八号、カヌー・スラロームセンターの指定管理者の指定に反対をし、第百九十七号の夢の島アーチェリー場と第百九十九号の大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場、第二百号の東京アクアティクスセンターの指定管理者の指定について、賛成の立場で意見を述べます。
 日本共産党は、東京都民の財産である体育施設や海浜公園のような広く一般の都民が利用する施設の管理は、本来直営で行うべきで、また直営でないとしても、公益財団法人で都の監理団体となっている事業者であれば、都民の立場を第一にした運営が可能であり、また直営に近い透明性、公平性を確保でき、都民と都議会のチェックも可能であると考えています。
 そして、営利を第一とする民間事業者に委ねるべきではないという立場もとってきました。
 また、事業内容が住民の福祉に資するものになっているかどうかを重要な基準であると考えています。特に、水辺の都立施設は、利用者の安全確保のために、都が運営に責任を持つことが必要だと、これまで指摘をしてきました。
 その点から、海の森水上競技場とカヌー・スラロームセンターの指定管理者には賛成できません。
 加えて、海の森水上競技場について、都は、指定管理候補者が類似の競技施設管理の実績があることを指定の評価の一つとしていますが、候補者が管理してきた川の施設と海の環境は違います。指定管理者に任せるのではなく、都が管理運営、そして安全利用の基準をつくり、管理する必要があります。
 カヌー・スラロームセンターは、これまで類のない人工コースであり、過去の五輪大会の後利用の状況を見ても、安定的に稼働しているとはいいがたい状況があります。指定管理候補者自身が来場目標人数について、年間来場者数十万人を確実に達成しますという一方で、人工コースでその収入変動は避けられない、需要予測も完全とはいえませんと述べており、ここにも課題があります。
 夢の島アーチェリー場と大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場についてです。
 この二つはどちらも既存の公園内に新設するスポーツ施設で、公園管理を行っている既存の指定管理者を特命で選定するものです。
 夢の島公園のアーチェリー場は、競技に使わないときには公園として都民に開放するものであること、また大井ふ頭中央海浜公園についても、他のスポーツ施設と一体に管理することから、今回の提案については是とするものです。
 東京アクアティクスセンターについてです。
 今回の候補者である事業団・オーエンス・セントラル・都水協グループは、近隣の東京辰巳国際水泳場の指定管理者として実績があります。二〇一五年の指定管理者の指定の際、オリンピック・パラリンピックに向けて調整が必要との観点から、新たに東京都スポーツ文化事業団が加わり、我が党は賛成しました。
 よって、今回の指定管理者の指定については賛成をいたします。
 以上で意見といたします。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第十七号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十七号は否決されました。
 次に、第百九十六号議案及び第百九十八号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立多数と認めます。よって、第百九十六号議案及び第百九十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百七十一号議案、第百九十七号議案、第百九十九号議案及び第二百号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、第百七十一号議案、第百九十七号議案、第百九十九号議案及び第二百号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○里吉委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○里吉委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、中井教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中井教育長 所管三局を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。
 ただいま本定例会でご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえ、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。
 委員長を初め委員の皆様方には、委員就任以来、児童生徒の学力、体力向上の推進、特別支援教育の充実、学校施設環境の整備、また、私立学校への助成事業の拡充、芸術文化の振興、消費生活行政の推進、さらに、スポーツの振興、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会、ラグビーワールドカップ二〇一九の開催準備など、私どもが所管しております事務事業に関して、さまざまな視点から熱心にご審議をいただきましたことに心から感謝申し上げます。
 皆様方には、今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○里吉委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 皆様には、この一年間、教育庁、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局の議案、事務事業、議員提出条例案や都民からの請願陳情について活発にご議論いただきました。
 米川副委員長、大場副委員長、前任の川松副委員長を初め、理事の皆様、そして委員の皆様方のご協力に心から感謝申し上げます。
 また、理事者の皆様におかれましては、当委員会の審議に当たっての資料の提出等、大変ご協力いただきましたことに厚く御礼申し上げます。
 当委員会で議論されました貴重な皆様のご意見については、都民の立場に立って、今後の事業に生かされますよう願っております。
 最後になりましたが、書記の紀平さんを初め、議会事務局の皆様に支えていただき、円滑に委員会運営をすることができました。心から御礼を申し上げます。甚だ簡単ではございますが、委員長の挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十三分散会

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