委員長 | 里吉 ゆみ君 |
副委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 米川大二郎君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 米倉 春奈君 |
理事 | 木村 基成君 |
けいの信一君 | |
成清梨沙子君 | |
池川 友一君 | |
高倉 良生君 | |
白戸 太朗君 | |
斉藤れいな君 | |
入江のぶこ君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化局 | 局長 | 塩見 清仁君 |
次長 | 桃原慎一郎君 | |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鳥田 浩平君 | |
広報広聴部長 | 濱田 良廣君 | |
都民生活部長 | 山本 明君 | |
消費生活部長 | 三木 暁朗君 | |
私学部長 | 金子 光博君 | |
文化振興部長 | 樋渡 幸生君 | |
都政情報担当部長 | 水野 剛君 | |
男女平等参画担当部長 | 吉村 幸子君 | |
魅力発信プロジェクト担当部長 | 堀越弥栄子君 | |
文化総合調整担当部長 | 久故 雅幸君 | |
文化施設改革担当部長 | 鈴木 誠司君 | |
オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 小山 哲司君 | |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事 | 延與 桂君 | |
総務部長 | 中村 倫治君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
総合調整部長 | 根本 浩志君 | |
連絡調整担当部長 | 戸谷 泰之君 | |
連携推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 | 越 秀幸君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
パラリンピック部長 | 萱場 明子君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 新田見慎一君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
競技・渉外担当部長 | 小野 由紀君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 砂田 覚君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
施設調整担当部長 | 湯川 雅史君 | |
輸送担当部長 | 片寄 光彦君 | |
選手村担当部長 | 朝山 勉君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
スポーツ計画担当部長 ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 川瀬 航司君 |
本日の会議に付した事件
生活文化局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
オリンピック・パラリンピック準備局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十三号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都スポーツ推進総合計画(仮称)(案)について
○里吉委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及びオリンピック・パラリンピック準備局関係の予算の調査並びにオリンピック・パラリンピック準備局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより生活文化局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る二月十九日の当委員会において要求のありました資料についてご説明申し上げます。
お手元に配布してあります平成三十年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。
目次に記載のとおり五件の資料がございます。
それでは、一ページ目をお開き願います。1、平成二十九年度東京文化プログラムの主な事業(東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団及び公益財団法人東京都交響楽団実施分)でございます。
東京文化プログラムにつきまして、平成二十九年度の主な事業の概要を記載しております。
三ページをお開き願います。2、私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数(平成二十八年度)でございます。
表記の内容につきまして、平成二十八年度の実績を記載しております。
四ページをお開き願います。3、私立幼稚園等一時預かり事業費補助及び私立幼稚園預かり保育推進補助の概要でございます。
これら二つの事業の対象施設、補助要件などを一表の形で整理したものでございます。
五ページには、参考といたしまして、私立幼稚園等一時預かり事業費補助の内容を図の形で整理しております。
六ページをお開き願います。4、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に関する事業と予算額の推移でございます。
平成二十六年度から平成三十年度までの過去五年間における東京二〇二〇大会に関係する事業と予算額を記載しております。
七ページをお開き願います。5、私立専修学校職業実践専門課程推進補助の検討経緯でございます。
表題の内容につきまして、経緯をまとめたものでございます。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 私は、公衆浴場に関して、今回ご質問させていただきます。
ちょうど先週末、パラリンピック、最後のところがありましたけれども、私と会派の人間と数名で視察に行かせていただきました。
選手村等々も若干視察をさせていただいたんですが、その中でおもしろい話が、オリンピックのときは実際のお風呂があったわけですけれども、パラリンピックに向けてバリアフリーにするために、全部湯舟を取ったらしいんですね。車椅子の方のために使いやすいお風呂をつくろうということで、選手村、全ての部屋ではないんですけれども、幾つかの部屋をそういうふうにして選手に開放したんですけれども、ところが、今回、日本の選手団に聞きますと、日本の車椅子の選手たちは、実はその部屋に入っていない。その部屋は誰が入っているかというと、チームのスタッフが入っています。
どうしてかといいますと、車椅子の方たちは、バリアフリーよりもお風呂があるところに入りたい、僕たちはバリアそのものは日本で幾らでもやっているんだ、そんなことは不便じゃない、それよりも疲れた体をお風呂で癒やすことが大事なんだというようなお話をされていました。
やっぱり日本人にとってお風呂というのは特別なものなんだな、外国人ももちろん、スパというのもありますけれども、特にやはり日本選手団の話を聞いていますと、日本人にとってのお風呂観みたいなものを非常に感じさせてくれるようなお話でありました。
なので、きょうはそのお風呂についてお話をさせていただきます。
公衆浴場、もう皆さんもご存じのように、平成十八年は九百六十三軒あったわけですけれども、二十九年には六百軒を下回りまして、減少の一途をたどっています。
そして、この十年で新規にオープンしたのはたったの一軒のみという、そんな状態でございます。
延べの利用者も、十八年は三千九百二十七万人いたんですが、二十八年現在では二千三百八十八万人ということで、本当に減少の一途を残念ながらたどっているというのが現状でございます。その間も、もちろん東京都として、さまざまな形で経営支援を行っておりますが、残念ながらまだ流れを変えるには至っていません。
先日、我が会派の代表質問においても質問させていただきましたけれども、知事は地域の高齢者を見守り、そして日本文化の発信などの役割を想定して、公衆浴場発展の後押しをしていくと発言されていたのも記憶に新しいところでございます。
その対策として、二十九年度に東京都公衆浴場活性化検討会を立ち上げて検討を開始しております。その検討会により、公衆浴場の活性化策を策定、私もこれを見せていただきましたけれども、本当に現状分析を踏まえてよく研究されているものだというふうに思いました。
例えば、内風呂率が今、東京の場合は一〇〇%近くなってきているわけですけれども、その中で公衆浴場には、体を洗い流す以外にも付加価値をどうやってつけていくか、そもそも知られていないこと、体験してもらっていないこと、現状における課題点をよく分析して問題提起ができているというふうに思います。
そこで、お尋ねします。
三十年度の予算案では、公衆浴場地域交流拠点事業に対する補助が千五百万増額となっております。これは、今回検討されたこの活性化策とどのように結びついて、どのように生かしていくのか、お伺いします。
○三木消費生活部長 公衆浴場地域交流拠点事業は、公衆浴場組合の本部などが実施する地域住民の健康増進や交流の促進を初め、公衆浴場を地域交流の拠点として活用し、新たな浴場利用者の開拓につながる事業に対して都が補助を行うものであります。
今回、東京都公衆浴場活性化検討会が取りまとめた活性化策の中では、地域交流などにつながるような取り組み案も示しております。
具体的には、公衆浴場になじみのない地域住民が気軽に入店しやすいよう、店頭における掲示板や看板を設置し、営業時間や浴場内の見取り図、設備などを紹介する見える化の取り組みや、ショウブ湯、ユズ湯など、季節ごとの催事計画の作成や実施といった取り組みなどでございます。
こうした取り組みについて、公衆浴場組合などを通じて浴場経営者に周知を図り、地域交流拠点事業をさらに活用してもらうことで新たな利用者の拡大などにつなげてまいります。
○白戸委員 せっかくお金と時間をかけてこのアイデアが出てきたわけですから、ぜひ生かしていただきたいなというふうに思います。
そして、今回、組合で公衆浴場案内のアプリをつくったと聞いております。その狙いと評価をお聞かせ願いたいと思います。
○三木消費生活部長 東京銭湯のアプリは、公衆浴場組合が自主的に制作したものであり、組合に加入する全ての浴場で取り組んでおります。
公衆浴場の利用者については、将来の固定客化もにらみ、若者がよく利用するスマートフォンなどを通じて公衆浴場の情報などを発信し、新たな利用者の拡大を図ることを狙いとしているとのことです。
このアプリでは、アプリ専用のスタンプラリーへの参加やお気に入りに登録した浴場からアプリ上で情報を受け取ることができるなど、さまざまな機能を有しております。
浴場組合から聞いたところによると、開設後、約二カ月で一万人以上がダウンロードしており、このアプリを利用して既に多くの公衆浴場をめぐった参加者もいるなど、新たな利用客の開拓につながっているとのことでございます。
○白戸委員 組合の方も自主的に、少しずつこういった動きが出てきているということは、非常に喜ばしいことかなというふうに思います。
ただ、一方、気になるのは、こんな課題をたくさん抱えているにもかかわらず、業界の中に、これは僕の個人的な感覚なのかもしれませんが、ちょっと他人任せのような空気感があるということも事実かと思います。
独自の事業を実施している事業者は全体の三割にしか満たない。そして、今後、自主的な事業をやっていくというような思いを持っている人も合わせても何と三八%、あとは、実施していないとか、今後もやる予定がないという方は何と五割に達しているわけです。つまり半分ぐらいの方が新しいことを独自に何かやっていこうとしないんだよということをいっているのが実情なんですね。
また、それをしない理由としても、組合がやっていることだけで十分だからという方が四八%、従業員の負担が大きいとか、やる余裕がないという方がそれぞれ四二%、二八%と、かなりの方がいらっしゃるということになっています。もちろん、ここにあるように業務が多岐にわたって多忙をきわめる、これはよく理解できます。
そして、このままでは自分の業界の未来は厳しいという認識が、しかし、この感覚では、高くないのではないかと思われても仕方がないような数字かとも思われます。
この状態では、現在、組合、そして都が非常に活性化に力を入れていても、本当の効果が十二分に出るのか若干疑念を持たれても仕方がないのかなという感覚を持ってしまいます。これ、スポーツの世界でもそうですが、向上心がない子供に無理やりスポーツの指導をしても、徒労に終わってしまうということが多々あります。今、これにちょっと近い状況が若干あるのかなというような感覚を持っております。
業界の中核にいる当該者の危機感と、立ち上がろうという、この意識を盛り上げる必要が今後あるんではないかなというふうに思っております。
しかし、今回、この公衆浴場活性化支援実証事業として、後継者のマッチング、それから経営者のノウハウの伝授など、機会創出に進み出したということは、非常に新しいトライ、すばらしい提案ではないかなというふうに思っております。
機会や内容、これはもういうまでもなくすばらしいのですが、先ほどお話ししたように、事業者の方にどうやってこの場に出てきてもらうのか、ここが一つの大きな課題ではないかなと思います。
現在残っている約六百軒の浴場、どのように公衆浴場活性化支援実証事業に参加させていくのか、都の見解をお願いします。
○三木消費生活部長 公衆浴場活性化検討会の議論の中でも、家族経営のため、利用者増に向けて積極的な行動をとれない経営者に対して、どのようにして経営改善に向けた取り組みを前向きに行ってもらえるかが大きな課題として挙げられておりました。
公衆浴場活性化支援実証事業においては、こうした経営者が行動を起こすことを待つのではなく、都が公衆浴場組合と連携して積極的にアプローチをかけることとし、経営のノウハウを持つ専門家を浴場に派遣するメニューなどを考えているところでございます。
そして、多くの経営者にこの事業を利用してみたいと感じていただけるよう、公衆浴場組合の会合や経営者がアクセスしやすい組合のホームページ、掲示板などにおいて、事業の内容や実際に取り組んだ成功事例を広く紹介し働きかけを行うなど、積極的な周知と個別の浴場の掘り起こしに努めてまいります。
○白戸委員 ありがとうございます。ぜひお風呂、先ほどのお話ではありませんが、やはり日本人の中では、お風呂ということは特別の感情を持つ生活習慣でございます。
これがなくなってしまって、またつくるということは非常に難しいということは、重々存じておりますので、これからますます、今の六百軒から、さらに底を打って今度上っていけるように、皆さんの努力を、一お風呂好きとしてお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○大松委員 私からは、まず配偶者暴力対策について質問いたします。
配偶者から暴力や脅迫を受けるドメスティック・バイオレンス、DVは年々深刻化しておりまして、昨年、全国の警察が受理いたしました相談件数は七万二千四百五十五件、二〇〇一年のDV防止法施行以来、過去最高になったことが今月十五日、警察庁のまとめでわかりました。暴行や傷害などの刑法犯、特別法犯としての検挙件数も八千三百四十二件と過去最多になっております。
配偶者暴力の多くは、家庭内で行われ外部から見えにくく、潜在化したままエスカレートして深刻な事態になるケースも少なくありません。そして、児童虐待とも密接にかかわるケースも多くございます。こうした配偶者暴力を防止して被害者を救済していくためには、社会全体が協力して取り組んでいかなければならないわけでございます。
そこで、東京都は昨年、配偶者暴力対策基本計画を策定し、計画に基づく各施策を着実に推進するとともに、関係機関との連携体制の強化に努め、暴力のない社会の実現を目指しているところであります。
その取り組みにつきまして、何点か質問いたします。
まず、都内の各相談機関における配偶者暴力に関する相談件数も増加傾向にあると聞いておりますが、最近の状況について、都の所見を求めます。
○吉村男女平等参画担当部長 平成二十八年度における都内の配偶者暴力の相談件数は、お話にございました警察で受け付けた件数が七千三百六十三件、生活文化局所管の東京ウィメンズプラザと福祉保健局所管の東京都女性相談センターの合計が八千八百十二件、区市町村が三万五千百八十二件となっており、合わせて五万一千三百五十七件と過去最多となっております。
特に区市町村においては、配偶者暴力相談支援センターの整備が進んでいることなどから、相談件数の増加が大きく、平成二十五年度と平成二十八年度で比較すると約七千件増加しております。
○大松委員 都内の相談件数も全国の傾向と同様に過去最多で、身近な区市町村の窓口への相談が大きくふえているとのことでございます。
配偶者暴力の被害者を支援していくためには、都、区市町村、警察などの行政機関はもとより、民間機関を含めました幅広い関係機関が緊密に連携をして、そして認識を共有しながら日々の相談、自立支援など、さまざまな段階ごとにきめ細かく取り組んでいくことが重要でございます。
配偶者暴力対策における都と関係機関との連携につきまして、都の答弁を求めます。
○吉村男女平等参画担当部長 都では、区市町村、警視庁、東京都医師会、民間団体のほか、検察庁や裁判所などの司法機関が参加する東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議を開催し、広く連携を進めております。
また、被害者にとって、より身近な区市町村との連携を図るため、都と十三区の配偶者暴力相談支援センターが一堂に会し、情報共有等を行う連携会議を開催しております。
さらに、支援センターを設置していない区市町村に対しては、個別の出張相談であるアウトリーチ活動などを通じまして、センター機能の整備促進に向け、働きかけを行っております。
○大松委員 配偶者暴力の被害者を支援していくに当たりましては、相談から安全確保、そして自立に至るまで、きめ細かく丁寧に、かつ息長く取り組んでいくことが必要でございます。
例えば、被害者を相談窓口までご案内して、そこから他の関係機関へも同行をしたり、被害者の心情を理解しながら、寄り添いながら取り組んでいかなければなりません。
そのためには、こうした地道な支援活動を地域で担っていただいている民間団体の役割が大変重要になってまいります。
そこで、被害者支援活動を行うこうした民間団体と都との連携について、都の所見を求めます。
○吉村男女平等参画担当部長 都では、先ほど申し上げました東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議のほか、都と民間団体との連携会議を開催し、各団体の支援活動に関する情報交換等を行い、都と民間団体のみならず、民間団体相互の連携を図っております。
また、民間団体の方々を対象とした研修を開催し、配偶者暴力の被害者支援に係るスキルの向上を図っております。
さらに、民間団体が行う自主的な活動に対して経費の一部を助成しております。
○大松委員 こうした民間団体には極めて重要な役割を担っていただいているわけでありますけれども、実は財政基盤が非常に脆弱なところが多いというのが現状でございます。
東京都は、平成二十九年度、経費の一部を助成したとのことでございますけれども、さらに拡充をして、支援を強化していくべきであります。
民間団体の自主的な活動に対する支援の状況について都の所見を求めます。平成二十九年度の予算額と実績、さらに来年度の予算についても答弁を求めます。
○吉村男女平等参画担当部長 都はこれまで、配偶者暴力の被害者が行政機関や裁判所での手続等に出向く際の同行支援のほか、暴力から逃れた被害者を保護するためのシェルターの安全対策やシンポジウム、講演会等の啓発事業など、民間団体が行う自主的な活動に対して助成を行ってまいりました。
平成二十九年度のDV被害者支援民間活動助成の予算額は九百万円で、十団体から申請があり、交付決定額は同じく九百万円でございます。
来年度は、同行支援事業等に対する助成金の予算枠を三百万円増額して、総額一千二百万円とし、民間団体の自主的な活動をさらに幅広く支援する予定でございます。
都としては、今後とも民間団体がその特性や経験を十分に発揮できるよう支援するとともに、一層の連携を図りながら配偶者暴力対策を進めてまいります。
○大松委員 こうした民間団体への活動助成につきましては、我が党の、のがみ純子議員が、これまでずっと取り組んでまいりました。その活動助成が来年度拡充されるということは、大変喜ばしいことでございます。
しかしながら、被害者支援のニーズは増加するばかりでございまして、民間団体の中には、手弁当、時には持ち出しで被害者のために尽力している方々も多いと伺っております。さらに支援を強化していくべきであると考えます。
今後とも、一人でも多く被害者を救済して、自立支援につなげていくために、こうした民間団体と連携をして、その取り組みに対するさらなる支援を強く求めさせていただきます。
続きまして、私立学校教員海外派遣研修事業費補助について質問いたします。
急速にグローバル化が進む世界の中で、東京の子供たちが伸び伸びと活躍できる力を身につけられるよう、教育を支援していかなければなりません。その第一歩が語学、特に英語でありますけれども、その英語教育をどう向上させていくのか、私は結局、指導力のある教員を養成することに尽きると考えるわけでございます。
そのために、公立学校では既に英語科教員が毎年海外派遣研修に送り出されておりますけれども、その一方で、都内では多くの児童生徒が私立学校に通っておりますので、私立学校においても、英語の授業力向上が重要な課題になっているわけでございます。
そこで、我が党は、いち早く私立学校の英語科教員の海外研修を支援する取り組みの創設を提案いたしまして、平成二十八年度から私立学校外国語科教員派遣研修事業が実施されるようになりました。
この事業により、教員を海外に派遣した効果につきまして、東京都の見解を求めます。
○金子私学部長 派遣された英語科の教員は、現地の大学などの高等教育機関で、英語を母国語としない生徒に英語を教えるために考案されたプログラムを受講し、授業の進め方などを学ぶとともに、模擬授業の実施等により生徒への指導方法を身につけております。
また、現地校の教員との意見交換を通じまして、指導力の向上や国際感覚の醸成を図っております。
さらに、帰国後は研修の成果を他の教員とも共有し、教育活動に生かすことでグローバル人材の育成に努めているところでございます。
○大松委員 海外に派遣された私学の教員が、現地で身につけた指導法について、他の教員とも共有化を図り、グローバル人材の育成の裾野を広げていただいているとのことでございまして、この事業が各学校において大変有意義に活用されているとの答弁をいただきました。
ところで、東京都は来年度から海外派遣研修の対象となる教科を英語だけではなく、数学や理科など五教科に拡充することを予算案に盛り込んでいます。教員海外派遣を英語科から五教科に拡充する意義につきまして、都の見解を求めます。
○金子私学部長 グローバル人材の育成をさらに進めていくためには、英語科のみならず、数学や理科など他の教科におきましても、海外の先進的な教授法を習得し、国際感覚を備えた教員による生徒指導が効果的でございます。
また、学校教育の現場である中学校や高等学校からも、グローバル人材を育成する教員のレベルアップを図るために、補助対象教科の拡充を求める要望が上がっております。
そのため、教員海外派遣研修における補助対象教科を五教科に拡充することといたしました。
○大松委員 グローバル人材の育成の第一歩は語学でありますけれども、その上で自国の文化や伝統への理解を深めるとともに、他国の異なる文化や生活習慣の人たちとコミュニケーションできる能力を磨かなければなりません。
そのためにも、英語科以外の教員もそうした能力を磨いていくことが重要であります。派遣研修の五教科への拡充は、私立の中学校、高校からも要望があったとのことでありますけれども、それが子供たちと日々向き合っている現場の教員の実感なのであろうと考えます。
また、私の地元北区内の私立高校では、かつて英語科以外の教員を海外派遣して研修させたところ、その教員が他国の教授法に触れて大いに刺激を受けて、帰国後、自身の授業力を向上させたという話を伺いました。
英語科以外の教員の海外派遣は、それぞれの教科の授業力向上にも大いに寄与するものと考えます。
この海外派遣研修事業を通して、東京のさらなる人材育成の充実を図るよう要望いたしまして、質問を終わります。
○川松委員 私からは、私立専修学校職業実践専門課程推進補助についての予算を決めるに当たってのプロセスが、ちょっと不透明な部分があるというので、調べたこともありますから、きょうは幾つか質問させていただきたいと思います。
まずもって、これはさきの予算特別委員会の質疑でも明らかになりましたけれども、皆さんの団体には、今回幾らの予算をつけますよ、あるいは新規の予算をつけましたよ、こういうやりとりを東京都知事の小池知事が各団体を呼ばれて、これは公開ではなく、密室の場でこういう書類を配っていたということがわかったわけです。(パネルを示す)
先日の予算特別委員会では、この書類自体は公文書であると。そして、密室の場であるけれども、予算原案が発表される前に、個別の各団体にかかわる予算、あなたのところは幾らですと伝えることは予算作成上のプロセスだというふうに財務局長から答弁いただいたわけであります。
きょう、今お聞きしたいのは、今もいいましたけれども、ここの私立専修学校の補助で三十年度、二億円の新規の予算となっています。私たちも、これまでさまざまな面で専修学校の生徒さんたちに対して何かサポートできないか、いろんな議論をしてきたわけですが、これまで生活文化局は、こういう新規の予算がつくのとは全く別の説明をされていました。
今まで皆さん方は、どういうふうな議論を積み重ねてこの専修学校と向き合ってきたのか、教えてください。
○金子私学部長 専門学校は、大学、短大と並ぶ高等教育機関であり、国の責任において補助制度を創設すべきと考え、国に要望を行っております。
しかしながら、専門学校は実践的な職業教育、専門的な技術教育を行い、都内の生徒に対する職業教育機関として一定の役割を果たしております。
そのため、耐震改築等に関する事業費補助や専門的な教育に必要な設備や図書の整備に対する補助などを都独自の判断により実施しております。
○川松委員 ということなんですよね。この三十年度までの過程は、今お話があったように、国の責任において補助制度をやるべきだという話でした。
じゃあ、二十九年度と三十年度で、そういったいわゆる背景的なものが変わったかというと、変わったわけじゃないんですよ。きょう出していただいた今回の推進補助の検討経緯の資料を見ればわかるように、基本的には生活文化局は、昨年度と同様に、都が補助する考えはないということから、恐らくですけれども、予算要求されていなかったと思います。
それが突然、新設としてこの紙が出てきたわけですが、局の当初要求がないということに関して、なぜ要求しなかったのか、説明を求めます。
○金子私学部長 専門学校は高等教育機関であり、国の責任において補助制度を創設すべきと考えており、国との役割分担を踏まえ、当初要求はしておりません。
○川松委員 ということですよね。十月十九日に生活文化局は予算の要求をしました。この中に、この新規の予算は含まれていなかった。
検討経緯をごらんいただくとわかるように、十月三十一日に、十九日に予算要望されたその後に、専修学校各種学校協会から知事に対して要望があったと。
これを踏まえて急遽、準備が、検討を開始と書いてありますけれども--検討もさまざまな検討があります、今年度やろうかという検討、来年度、あるいは将来に向けての検討といろんな検討があるわけですけれども、この三十年度の予算に関しては、知事が十月三十一日に専修学校各種学校協会から要望された、このことを受けて局で準備が始まった、この認識で間違いないですか。
○金子私学部長 団体要望でのやりとりを踏まえまして、局で検討を開始したものでございます。
○川松委員 団体の皆さん方から要望があるというのは、さまざまな面でサポートしてほしい、あるいは生徒のことを考えていただきたいというのは、ずっといわれてきたことです。
私は、なぜこの新規の予算のプロセスの中に、危険だなと思う、感じる、まず一点目、述べますが、去年も私立の学校に通われる生徒の皆さんの保護者の軽減の問題について、ここでも議論しました。そのときに僕が皆さん方に強く訴えたのは、こういう生徒をサポートするような、学校をサポートするような制度というのは、一度導入すると後戻りするのは非常に大変ですよということを述べたわけです。
みんなそれがあると思って目指してくる、でも、ある日突然ぱたっととまってしまったら、そこに向かって入ってきた生徒さんたちに最終的には迷惑がかかる、保護者の皆さんが困る、そういう思いで皆さん方にお話をしてきたわけです。
結果、いろんな面で、例えば通信制の高校への導入も調査をしましょうよ、現状を把握しましょうよといって、去年、この場で議論したはずです。
では、この専修学校の新規予算について、皆さん方は団体の要望を受けたのが十月三十一日ということですから、十一月から予算案原案の発表までどんな調査をされてきたんですか、それを教えてください。
○金子私学部長 おおむね一カ月間をかけまして、調査検討を行いました。
○川松委員 一カ月間で調査をして、でも、これ、何度も今まで要望されてきて、局は国との役割分担だ、都が出すものではないといってきたものに関して、一カ月の調査でこういうものがついた、しかも知事からの指示があってついたということが、ここまでの過程で明らかになりました。
じゃ、一カ月の調査を受けて、この新規の予算をつくろうとした、この制度の目的について教えてください。
○金子私学部長 この補助制度は、職業教育の質の向上と多くの専門人材の育成の推進を図り、ひいては東京の産業を支える人材の質の向上を図ることを目的としているものでございます。
都は、福祉やものづくりなどの現場で、学生が卒業後、即戦力として活躍できるように、企業などと密接に連携し、より実践的な職業教育を実施する職業実践専門課程を設置する専門学校に対しまして、新たに補助を行うことといたしました。
○川松委員 職業教育の質の向上を図って、そして東京の産業を支える人材のためにこの制度の目的があるんだというお話でした。
でも、専門学校って、別に平成三十年から始まったわけじゃないわけです。今までもずっと同じ教育をしてきた、同じような思いでもってきた。ところが、今の説明だと、何も変わっていないのに何かいきなり目的が出てきたなという疑念を拭い切れないわけですが、このペーパーですよ、財務局が公文書として認めた、知事が渡したペーパー。
団体要望、十月三十一日のこの要望は公開の場で行われました。でも、このペーパーに関して渡す場面では非公開で行ったわけです。
予算編成のプロセスというのであれば、この中身について、新規二億円の予算がつきますよという中身について、局内で共有されたのはいつごろの話ですか。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この予算案については、先ほども答弁したとおり、団体の要望でのやりとりを踏まえ、十一月に局で検討を開始いたしました。その後、十二月に財政当局に追加要求したものでございます。
その後、一月に実施された知事査定の結果として、財政当局より三十年度予算案として計上されたことを伝達され、局内で共有いたしました。
○川松委員 今の話だと、財政当局から計上されたことが伝達されてから共有ということなんですよね。総務部長、それで間違いないですね、確認です、確認。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今ご答弁申し上げましたとおり、十二月に当局として財政当局に追加要求した後、一月に知事査定の結果、三十年度の予算案として計上されたことを伝達されたというところでございます。
○川松委員 きょう出していただいた資料によると、十二月六日に局は予算の追加要求をされているということです。これも僕らは知らなかった話ですね。
なぜかといえば、十一月八日の時点で予算要求というのは発表されているわけです。生活文化局としては、東京都の財政当局に対して、こういう予算案を出してほしいですよとお願いしたというのが公開されているんです。
ところが、十二月にこの新規で二億円つくような予算に関しては、公開されないまま、ずっと水面下で進んでいって、知事査定が終わって初めて局が共有をされ、そして我々が知ったのは、知事が予算編成のプロセスだという過程の中で、各団体に配ったペーパーで知ることになったわけですよ。
この予算編成の過程が、どこに透明性があるのかというのは、私は疑問でなりません。
しかも、追加要求したといいますけれども、じゃ、追加要求というのは、どういうときに起こるんですか、どういう考え方で皆さん追加要求されたんですか、ここを教えてください。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当初要求を行った後、状況の変化等を踏まえ、新年度予算案に計上すべきと判断した事項等につきましては、財政当局と調整いたしまして、当初の要求に追加していくものが追加要求でございます。
○川松委員 私は、追加要求という制度を否定しているのではないんです。今、総務部長がおっしゃったように、状況の変化等を踏まえ--わかりますよ、でも本来、この追加要求の考え方というのは、状況の変化というのは、こういうことをいわないと思いますよ。自然災害が起こって世の中の社会情勢が変わったとか、余りにも景気の感じが悪いので、景気対策として打つとか、そういうことを情勢の変化というんだと私は思います。
この情勢の変化等という言葉に集約してこのことを進めていくのは、非常に危険だと思います。
団体に要望されたからとか、知事の与党の第一党が議会で、本会議で質問したからとか、こういうのは情勢の変化にならないと僕は思いますよ。これを認めて東京都はやってきたということは、余りにも都民の皆さんに対して説明責任がなされていないんじゃないかなと思います。
では、当初要求はこうやって公開をして、議会にも説明をされてきた。でも、この追加に関しては何もないまま、今回初めてですよ。きょう、この委員会で資料が配られるまで追加要求されたことさえわかっていなかった。
ここまで、こういう過程を経てきたのは、理由は何ですか、総務部長。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 追加要求でございますが、追加要求は予算の編成のプロセスの一つとして行っているものでございまして、追加要求した事項については、予算案とあわせて公表、ご説明しているところでございます。
○川松委員 原則論はそうだと思うんです。いったように社会情勢の変化があって、追加要求せざるを得なくなった、その面に関しては、やっぱり予算案として出るまでは発表する場面がなかったというのはわかるんですが、このやり方がまかり通るのであれば、今後--悪い前例をつくっちゃったと思いますよ。
当初予算ではのせていなかったけれども、予算原案発表までの間でいろんなことを放り込んでおいて、これが知事が出してきた予算案ですと出すことが可能になっちゃったわけです、今回。私は、これが皆さんにとって本当によかったのか、そしてこれを利用するという生徒の皆さんたちにとってよかったのかということが気になります。
先ほど私学部長にも答弁いただきましたけれども、もとに戻りますが、じゃあ、今回の平成三十年度新規二億円の予算というのは、ずっと続いていくんですか、これから目指す人、ああ、こうやって東京都は補助してくれるから安心して専修学校で学ぼう、学べる、そう思っている皆さんたちに対してどうやって説明するんですか、どれくらい続くんですか、この予算は。
○金子私学部長 都の行う全ての事業につきましては、期限を定めることとなっております。
本事業の終期は開始から三年となっておりまして、その時点で見直しを図ることとしております。
○川松委員 当然、生徒の人数だとかいろいろな効果というのはあると思いますから、三年後にどういう判断をされるのか、制度の目的にしっかりとはまっているのかというのは、もう一度検証しなきゃいけないと思いますが、改めて財務局が公文書と認めた、くどいようですが、このペーパーを知事は密室でお配りし、これ、密室ですから、どんなやりとりされたのかが記録にないのでわかりません。
でも、少なくとも知事は、あなたたちに要望を受けたから、新規で予算の二億円つけましたよ、そういうことを示すような紙でしかないわけですよ。しかも、二十六日に発表するから、それまでは黙っていてくださいねというような趣旨の文言まで書いてあるわけです。
このペーパーの存在を局長が知ったのはいつですか、配る前に知ったんですか、配った後ですか、どっちですか。
○鳥田総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一月二十三日は、知事査定後でありまして、内容は承知しておりましたが、そのパネルにあります資料は入手してございません。
○川松委員 いいですか。これが今の都政の実態なんです。
小池知事が、団体要望を受けて、局に予算の検討をしてくださいとお願いをして、一カ月間、私学部の皆さんが中心になって調査をした。そして、十二月に改めて追加の要求をして原案に出てきた。原案に出てきた二億円は知っていたけれども、この紙の存在を、局は知らないまま、知らないまま要望をいただいた団体に配布した、これのどこが透明性のある予算編成のプロセスなのかわかりません。
財務局と東京都知事だけで都政運営やっていればいいじゃないかという話になりますよ。生活文化局の皆さんは、何のために今まで予算要求をして、しっかりと予算編成のプロセスを経てきたのか。余りにもやり方が粗っぽいというか、強引に事を進め過ぎたんじゃないかなということを指摘しておきます。
ですから、このペーパーを配ったことを生活文化局の皆さんは知らなかったと。今、驚きの答弁をいただいたわけですが、今後、この二億円についての扱いもそうですし、本当に東京都政の予算編成のプロセスが正しいのかということを、また別の場面でも、財務局、きょうはおりませんからこれ以上追及できませんので、しっかりと聞いていきますが、ただ、これを予算として、この後、可決されるのかどうなるのかわかりませんけれども、一度つけた予算は後戻りするのが難しい。
三年でチェックをするということですけれども、しっかりと私学部の皆さんは誠意を持って、まさに社会の未来を、東京の産業を支える人材のためにつける予算でしょうから考えていただいて、検討を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。
○池川委員 私からは、公衆浴場について質問をさせていただきたいと思います。
公衆浴場は、公衆浴場確保のための特別措置法に関する法律などの制定や、東京都も支援を行ってきましたが、減少に歯どめがかかっていない状況であります。
共産党都議団としても、さらなる支援策が必要だと、二〇一六年第一回定例会では条例提案も行ってまいりました。
その際には、利用機会の確保、情報提供、経営安定への支援、資金の円滑な供給、上下水道料金の軽減措置、文化的、歴史的価値の保存や継承などを振興策として提案させていただきました。その中でも重視した点の一つが、次世代への継承、事業の継承であります。
都は、公衆浴場活性化検討会を行い、今回、公衆浴場の活性化策を取りまとめましたが、ここに示されている問題意識については、基本的に私たちの条例提案と同じ方向性だと思います。
塩見局長は、二〇一七年九月十五日付の都政新報のインタビューの記事の中で、週末は散歩をした後に銭湯に行き気分転換している、銭湯が大好きを自認し、今度は所管なんですがと笑うという記事が報道されていました。
ぜひ銭湯好きの局長のもと、活性化策を機に、新たなステージに施策を展開していただきたいということをまず求めておきたいと思います。
これまでも共産党都議団として、公衆浴場施策について推進することを基本的に進めてまいりましたが、この立場から幾つかお伺いをしていきます。
まず、基本的な確認になりますが、基本的な認識として、公衆浴場支援について東京都が果たすべき役割というのはどういうものか、お答えください。
○三木消費生活部長 公衆浴場は、都民の入浴機会の確保とともに、健康づくりや地域住民の交流の場として重要な役割を果たしており、東京二〇二〇大会も控え、国内外に向けた日本の伝統的な生活文化を体験する場としての役割も期待されているところです。
都は、こうした公衆浴場の経営の安定化と利用者の拡大を図るため、主に公衆浴場組合が行う事業費用の一部を補助するなどの支援を行い、一定の成果を上げてきたところでございます。
○池川委員 特措法でも、住民のその利用の機会の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の向上に寄与という位置づけを持たせております。
今回の活性化策も契機にして、個々の公衆浴場、そして公衆浴場業界全体に対して、具体的に役立つ活性策となるように都として支援することが必要だと思います。
そこで、公衆浴場活性化策について、新年度予算案で新たに予算化したものについてご説明ください。
○三木消費生活部長 都は、公衆浴場の利用者拡大のために設置した東京都公衆浴場活性化検討会から、先月末、活性化策の提案を受け、その中から浴場の経営を支援する専門家派遣などの事業承継に向けた取り組みを行い、その効果を実証する公衆浴場活性化支援実証事業を新たに予算案に計上したところです。
また、地域交流につながる取り組み案なども新たに示されたことから、その積極的な実施を促すため、地域の拠点として、利用者の拡大につながる公衆浴場地域交流拠点事業に対する補助についても増額して予算案を計上しております。
○池川委員 活性化策を新たに予算化し、公衆浴場地域交流拠点事業等を増額したことは非常に重要だと思います。
この活性化策の具体策として、浴場業界単位での取り組み、〔1〕、浴場業界向上プロモーション展開、〔2〕、「SENTOラボ」(仮称)の設置、運用、さらに個店単位での取り組みと必要な支援として、〔1〕、浴場の見える化を意識した入りやすい外観づくり(店舗づくり)、〔2〕、複数の媒体を活用した使い分けによる情報発信(情報づくり)、〔3〕、地域性等を踏まえた年間営業、催事計画等の展開(場づくり)、〔4〕、外部人材や資源の活用、異業種とのコラボの実施(人づくり、看板商品づくり)というふうに位置づけを示しています。
浴場業界全体の取り組みは、組合との協働事業として取り組んでいくことになりますが、個々の公衆浴場の方々と丁寧にかかわること、私はとりわけ区市町村との連携が実効ある策としては極めて重要ではないかと思っております。
とりわけ、公衆浴場は地の利、人の利によって違いが大きく、条件が違うことを考えれば、六百通りの支援策が必要となることは明らかだと思います。現存する公衆浴場を可能な限り存続させることの視点として、この中でも問題提起をされていることは極めて大事です。
さらに、検討会の中でも売り上げや利益が確保できないことを廃業の理由としていることが挙げられております。
同時に、この公衆浴場は住民の日常生活において欠くことのできない施設であるという視点も踏まえて取り組みを求めておきたいと思います。
次に、公衆浴場の利用機会の確保、またPR、情報提供について、さらに強化が必要だと考えますが、この点についてはどう取り組んでいくのか、お答えください。
○三木消費生活部長 都はこれまでも、公衆浴場組合のホームページの多言語化や、ツイッターやフェイスブックを利用した公衆浴場のPRや情報発信、銭湯の応援団である銭湯サポーターの交流会といった取り組みを支援してまいりました。
また、今年度は公衆浴場組合が外国人向けに入浴のマナー等を紹介する銭湯PR動画を作成するに際して支援を行い、そのうち一つの動画は既にユーチューブで三十万回を超えて閲覧がされております。
今後も公衆浴場組合が行うこうしたPRや情報提供に対して、引き続き支援をしてまいります。
○池川委員 発信力については、東京銭湯のホームページを初め、以前と比較をすれば目につくようになっているというふうに、この経過について追いかけてきた方からはお話を伺っています。
情報発信でいえば広く発信すること、また、コアな情報を提供すること、さらにはこれまで直接触れたことのない人に意識的に発信することが必要だと思います。
重版出来を繰り返し、ことし二月時点で三十三版を重ね、現在、三十万冊を大きく超える販売数となった絵本があります。その名はずばり「パンダ銭湯」という絵本であります。
この「パンダ銭湯」というのは、パンダの秘密がここにあるということで、パンダの家族が銭湯に行く話を描いた話で、この中ではかなり銭湯についての、例えばマナーですとかいうのも絵で見て学ぶことができる内容となっています。
これは、ツペラツペラさんという夫婦でやられている作家さんが描いた作品ですが、そのツペラツペラ中川さんが絵本の可能性について、次のように語っています。
絵本はすごく懐が深いし可能性を秘めていると思います、赤ちゃんからお年寄りまで誰もが楽しめて言葉がわからなくてもおもしろさが伝わるから、先日、フィンランド人のお客様を迎えたんですが、「パンダ銭湯」をとても気に入ってくれました、ほとんど英語に訳すこともできずに日本語のまま読みましたが、すごく受けてというふうに話をされていました。
この作品は、第三回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリや、第三回日本おふろ大賞話題賞など幾つもの賞を受賞しており、子供たちのみならず人の心をわしづかみにする内容となっています。
上野動物園のシャンシャンが今空前の人気となっていますが、シャンシャンがお風呂に入ってくれたら大変いいわけですが、そういうわけにもいかないので、こうした絵本を活用して身近に感じてもらう、これまで接点のなかった人たちが銭湯という場所を知ってもらう機会にすべきだと思います。
私は、このことを通じて子供たちが家族とともに、楽しそうに銭湯に行くんだなという光景を思い描くことが極めて大事かなと思います。
これまで銭湯に行ったことのない人でもとても身近に感じられる作品で、この作品に限らず銭湯にかかわるあらゆるものとコラボレーションしていくことは重要だと思います。
それは先ほど活性化策の中でも位置づけられている異業種とのコラボということで、今後、ぜひ検討もしていただきたいと思います。
また、検討会にも登場する「銭湯もりあげた~い」とのコラボで、人気キャラクターをつくった銭湯限定グッズを以前にも販売したことも紹介をされていました。銭湯にかかわることに、都としてもきちんとアンテナを高くして、さまざま対応していただきたいと思います。
私ごとになりますが、小学校のときに一年間、風呂なしの家に住んでいた経験があります。それまでは風呂のある家に住んでいましたが、風呂なしの家に引っ越したのが小学五年生で、毎日銭湯に行きました。
私は家から自転車で行ける三つの銭湯を時には家族で、時には小学校の友達と、時には兄弟だけで行くという生活を一年間しました。その意味では、銭湯の魅力とともに、そこでのマナー、流儀などについても、子供ながらにですが、学んだ記憶があります。
検討会でも活性化策について、子供のころから身近に感じてもらうことが、さまざまな角度から専門家の方を含めて提案をされていますが、これは私の実感でも、子供のころからかかわるというのは大変重要だということをつけ加えておきたいと思います。
それでは、この公衆浴場の利用機会の創出について、東京都ではさまざまなほかの施策もありますが、この他施策との連携をどう図っていくのか、答弁を求めます。
○三木消費生活部長 都はこれまでも、都主催のスポーツイベント、TOKYOウオークにおける参加者への入浴料金の割引や東京銭湯スタンプラリー周知用ポスターを都営地下鉄の各駅で掲出するなど、公衆浴場の利用機会の創出を図ってまいりました。
また、当局においても先月末、都の広報番組「東京サイト」において、一週間、公衆浴場の特集を組んで、その魅力を紹介するなどの取り組みを行っているところでございます。
今後も公衆浴場の利用機会の創出について、他の施策との連携が図られるよう引き続き取り組んでまいります。
○池川委員 他施策との連携については、引き続き取り組んでいただくということでした。
マラソンのランナーの皆さんが銭湯を中継所にしたり、また、この活性化策の中にもインフルエンサーについての記述がありましたが、発信力のある人に銭湯体験を発信してもらえることなど、多くの人たちに見てもらえる、また、その銭湯の特性上、外からはなかなか見えないその中を、銭湯の流儀、また、個々の銭湯の注目ポイントやこだわり、初めての人が行っても歓迎されることなど、新鮮な目線で紹介していただくことなど、こうしたことは若い人たちの心をつかむのではないかというふうに思います。
この点についても、都として組合とも協働しながら、ぜひ積極的な支援をしていただきたいということを求めておきます。
また、現在、統制額となっている現状がありますが、現状でも区市町村が入浴料金について、半額入浴助成などを行っており、実際の入浴料の負担軽減は、他施策とも連携をして、あらゆる施策を講じて進めることが必要だと思います。
これは具体的に利用者目線について、この間、伺ってきた話を紹介しますが、例えば現在、そうした制度は区市単位で行われているために、自治体境を越えて使うことができなくなっております。区境、市境で、すぐ隣の区の、すぐ近くに銭湯があるという場合にはこの制度がなかなか使えないという不便を感じているのが実態です。ここはやっぱり東京都、広域自治体の出番だというふうに私は思います。
こうした課題解決も含めて、他施策との連携を図っていただきたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○三木消費生活部長 区市町村におきましても、さまざまな取り組みをしているところでございますが、区市境の取り扱いにつきましては、各区市の浴場の担当者を集めたような会議で、そのような利用について、ぜひ検討していただきたいということをかねがねお願いをしているところでございます。
○池川委員 これはぜひ東京都が広域自治体として、やっぱり区市町村、区市同士でお互いだとなかなか制度のはざまに挟まってしまうので、ぜひ広域で使えるような制度として、都もイニシアチブを発揮していただきたいし、そのことを通じて、ぜひ広い枠組みで、利用者目線で取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。
次に、次世代への継承、事業継承について伺いたいと思います。
廃業の理由に関する調査を見ますと、私が生まれた一九八五年から、この活性化策についてには記述がありますが、その八五年のときには一位が営業不振、二位が人手不足、三位が施設の老朽化、その十年後、九五年は一位が営業不振、二位が人手不足と施設の老朽化で同率、さらにその十年後の二〇〇五年は施設の老朽化が一位、二位が利用者の減少、そして三位が営業不振と経営者の高齢、病弱、さらにその十年後になりますと、二〇一五年、一位が経営者の高齢、病弱、二位が施設の老朽化、そして三位が営業不振と移り変わってきていることもわかります。
この経過を見ても、やはりポイントはどうやって事業を継承していくのかだということは明らかだと思います。
私たちは、この間、条例提案をする際にも各地の公衆浴場の皆さん、また、広く皆さんから意見を伺わせていただきましたが、既に廃業されてしまった方の理由についても、詳細に聞き取りをしてきたところであります。
そこでもやっぱり事業承継をどうやって進めるか、考える間もなく、廃業になってしまったという声がありました。ここはやっぱり極めて重要だと思います。
そこで、公衆浴場の次世代への継承、事業継承をどのように進めていくのか、都の施策について伺いたいと思います。
○三木消費生活部長 都はこれまでも、公衆浴場の施設整備や利用促進などへの補助を通じ、経営の安定化などを図り、一定の成果を上げてきましたが、依然として後継者不足等の切実な課題がございます。
都としては、先ほど説明した公衆浴場活性化支援実証事業を通じて、浴場の経営を支援する専門家の派遣や浴場の後継者、参入希望者等に向けた経営ノウハウを実践的に学ぶ場の提供とともに、実際に取り組んだ成功事例を広く発信するなど、事業承継に向け取り組みを積極的に進めてまいります。
○池川委員 最後に積極的に推進ということで、大変力強く感じました。
私もこの活性化策を読ませていただいて、江戸時代から続く銭湯文化のよさに新たな魅力を加えて、銭湯を未来に引き継いでいきたいという関係者の方々の熱い思いをひしひしと感じました。その熱い心を最も強く持ち、実際に具体化していく後継者の皆さん、さらには新たな参入希望者の皆さんを、都としてどれだけ浴場組合とともに支援していくことができるかが勝負だと思います。活性化策をつくったことによって問われるのは、今後どうなるかであります。
改めて強調しますが、業界全体と個店の支援を一体的に行い、この活性化策が契機となっていい結果を残すことができるように、私自身も後押しをすることを申し上げ、質問を終わりたいと思います。
○斉藤委員 私からは、エシカル消費の普及啓発について伺わせていただきます。
本会議における私たち都民ファーストの会の増子ひろき幹事長からの代表質問と、また、予算特別委員会における米川大二郎委員からの質問において、東京都がこれから幅広くエシカル消費の普及啓発に努めていくという答弁がありまして、また知事からは、まずは何よりもエシカル消費の意義を理解してもらうことが必要であるという立場が表明されました。
今後、全庁的に広がっていくであろうエシカル消費の推進に向けて、生活文化局の皆様には、まずは理念の普及啓発を進めていっていただけるということを高く評価したいと思います。
三十年度予算において、エシカル消費の理解の推進は新規事業として六百十三万円が計上されています。
他局でもさまざまな事業の広報動画制作費などで、物によってはこの五倍以上の予算が計上されていることも考えると、いささか控え目に予算を計上していただいたように思いますが、まずは最初の一歩ということで、ぜひ最少経費で最大効果を生み出していただきたいというふうに考えております。
エシカル消費は、消費者目線で見たときも、その内容が多岐にわたっておりまして、ともすれば、もう既にエシカル消費を日常的に行っているという都民もゼロではないと考えております。
ただ、厚生労働省の平成二十八年度賃金構造基本統計調査によると、大学卒業者の初任給の平均額は二十万三千四百円で、手取り金額は約十六万三千七百四十五円となっています。
一方、総務省の家計調査によると、三十五歳未満の月消費支出の全国平均は十五万五千八百八円で、東京都では、ここに全国平均の二倍にもなるという住宅費がさらに加算をされるということになり、可処分所得に対する消費の割合を示す平均消費性向も三年連続で減少となっていることを鑑みると、若年層の消費は決して余裕のあるものではありません。
そんな中で、エシカルな消費を推進していくということは大変難しい面もあると考えております。だからこそ、早期に取り組んでいただきたいと考えております。
近年では、勤労世帯が仕事や学業、毎日の生活に忙しく、物を買うには、今では安さに加え、手軽にスマホで購入できるという利便性が重視される傾向にあると平成二十二年経済産業省の消費者購買動向調査でも明らかになっております。
一方、野村総研が平成二十七年に行った消費行動の変化調査によると、利便性消費が継続増加の一途をたどり、二十代の七割が通販による消費を行うということに加え、暮らし方意識の調査では、日本人の多くが地球環境に優しい生活をすることが理想と掲げておりまして、これは理想の暮らしのあり方の実に三位で四三%という数値になっております。
消費における理想は、安ければいいという価値観は今や薄れつつありまして、みずからの消費行動が環境に配慮したものになってほしいと考える消費者がこれだけいるということと、一方、実際の消費行動には一に利便性、二に安さが影響してくるということは、実際には消費者の皆様が理想とする消費と現実の行動がしっかりと一致ができていない可能性があると考えております。
東京都がこのたび消費生活基本計画に盛り込んだエシカル消費の理念普及啓発には、ぜひこのような観点も踏まえて、具体的な消費活動へとつながる消費者への普及啓発を行っていただきたいと考えております。
そこで、エシカル消費を広く都民に普及啓発するため、動画やホームページ上に特設ページを作成するということですが、具体的にどのような内容の情報を掲載していく予定か、伺います。
○三木消費生活部長 今月改定する東京都消費生活基本計画において、エシカル消費の理念を広く都民に普及啓発し、理解の促進を図ることとしておりまして、来年度は新たにエシカル消費を紹介する動画やホームページの作成に取り組むこととしております。
エシカル消費を紹介する動画につきましては、特に将来を担う学生や若者世代をターゲットに、エシカル消費をわかりやすく伝える内容とし、十五秒と三十秒の二種類、作成をいたします。
この動画は、東京動画を初め、電車内の液晶モニターや若者が集まるまち中の街頭ビジョンなども活用し、広く配信をいたします。
また、消費生活総合サイト、東京くらしWEB上に新たに特設ページを設け、エシカル消費に関連するラベルや誰もが身近に感じて実践できる具体例などを紹介するほか、消費生活総合センターが開催する都民向け講座などの情報も掲載し、エシカル消費を選択する行動につなげてまいります。
○斉藤委員 今回は最初の一歩ということで、スポット動画の作成やホームページ、特設ページの作成をしていただける、またその中にラベルの掲載や具体例などの紹介もあるということで、期待していきたいと思っております。
動画の作成に当たっては、これは生活文化局のみならず、各局の広報動画についてよくいわれることですが、制作に当たっては有識者や消費者団体等の意見を取り入れていただくようにお願いしたいところでございます。
また、今回は理念の普及啓発ですが、今後はより具体的な情報の発信を行っていかれることも出てくると思っております。
先日の予算特別委員会の米川大二郎委員への答弁では、今後、民間との連携、検討も含めた幅広い施策を検討していくという局長からのお言葉もありました。その検討の際には、消費者の知りたい情報、ニーズについても配慮いただきますようお願いをして、次の質問に移らせていただきます。
エシカル消費に関する普及啓発の取り組みについて、今後の効果検証はどのように行っていくか、伺います。
○三木消費生活部長 都では、学識経験者や消費者団体、事業者団体等で構成される東京都消費生活対策審議会に毎年度、事業の実績を報告することとしております。
エシカル消費の普及啓発の取り組みにつきましても、動画、ホームページの活用や講座等の開催状況などの実績報告を行い、取り組みが効果的に実施されているか評価をいただきます。こうした評価や意見を踏まえ、次年度以降の施策に反映してまいります。
加えて、エシカル消費の認知度について、今後も定期的に調査を実施し、状況の把握にも努めてまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。
認知度がある程度高まったと考えられたときには、さらに一歩踏み込んだ、現在、京都や名古屋でも行われておりますエシカルフェアなどのイベント開催への道が開けるのではないかと期待しております。
ぜひ定期的な調査を行っていただいて、その結果を踏まえて、積極的に施策を推進していかれることを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○けいの委員 私からは、寄附文化醸成について、まずは幾つかお尋ねをさせていただきます。
限りある予算の中でさまざまな施策を進めていくには、当然さまざま問題が出てくるわけであります。これはスポーツであったり、芸術文化であったり、少数派になればなるほど、予算について課題が出てきます。
日本では、企業による協賛金といったような、こうした文化では多く行われているわけですけれども、個人による寄附というものが欧米に比べてかなりおくれております。
ワールド・ギビング・インデックスの世界寄附ランキングを見てみますと、日本は百四十五カ国中百二位、先進国では飛び抜けて最下位になっております。
二〇一六年に個人が行った寄附の総額は、日本では七千四百億円との推計が出ておりますが、これが東日本の震災前、二〇一〇年では五千億円だったのに対して、今では一・五倍ほどにふえた。つまり弱者に対して、困っている人に対して、何か手を差し伸べたいという気持ちがふえてきたあらわれが、この金額に出ているのかと思っております。
震災後は、日本人の四人に三人、四分の三が何らかの形で寄附をしたといわれていて、二〇一一年が寄附元年ともいわれております。
私たちの周りでは、さまざまな団体が寄附、募金を集めております。大きく募っていたり、テレビ番組でやってみたり、また駅の出口で小さな箱を持って集めていたり、その寄附先、明らかでないものも含めると、数は数え切れないと思います。
こうした中で、東京都の文化施設も寄附を集めている、こういう実態がありますので、ちょっとお伺いします。
例えば、東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸から提供されたというか、一九三三年に建築された建物を継承して、庭園美術館として八三年から本館を活用して一般公開している。二〇一五年には、国の重要文化財にも指定された。この庭園美術館のホームページを見ると、寄附金を募っていることが寄附金趣意書として記載されております。
文化財である本館の保存、継承、特色のある展覧会、庭園の維持活用、飲食を含めた来館者サービス、諸活動を継続していくためには、安定的な事業運営のもととなる財政基盤を拡充させる必要がある、より多彩で充実した事業運営のためには、広く皆様からの支援が欠かせないとして寄附金を募っているわけですけれども、この都立の各文化施設に対して、どの程度、寄附金が集まっているのか、まずは教えていただきたいと思います。
○鈴木文化施設改革担当部長 都立文化施設に対する寄附金は、施設を管理運営している東京都歴史文化財団が自主的に募集を行っているものでございます。
これまで、各都立文化施設で受け入れた寄附金は、全体で平成二十六年度は約一千二百四万円、平成二十七年度は約一千三百七十八万円、平成二十八年度は約三千四百八十四万円となっております。
○けいの委員 例年、一千万円から、多いときは三千万円の寄附があるということです。これが多いのか少ないのかというのは個人では判断しにくいんですが、趣意書にあるように、安定した事業運営には皆さんからの支援が欠かせないとして集めているわけです。
当然、東京都の予算も入っている上で、その寄附を求めるからには何か特定の使い道、もしくはその使い道の明らかになっているもの、そして明確にそれが活用されているという実態が見えてこないといけないと思うんですけれども、安定的な事業運営のもととなる財政基盤の拡充のために募集しているこの寄附金が、実際にどのように活用されているのか、お伺いいたします。
○鈴木文化施設改革担当部長 都立文化施設では、受け入れた寄附金を各施設において実施する展覧会、人材育成事業等の事業費として活用しております。
具体的には、例えば先ほど委員が言及されました東京都庭園美術館では、寄附金募集要項で使途を定めており、重要文化財である本館を活用する建物公開事業、企画展事業、また教育普及プログラムやウエルカムルームの運営、その他、美術館事業費に充当することとしております。
○けいの委員 この寄附金は、文化施設ごとに寄附を求めて、そして寄附が集まってきて、各館ごとで活用されているということをお伺いしましたけれども、公表されているこの歴史文化財団の正味財産増減計算書の会計資料上では、美術館、博物館全体、ホール全体というくくりになっていて--私は庭園美術館、私は江戸博、各館に対して寄附した人に対して公表されるのは、文化施設全体で三千万ですよ。これでは、誰が出したものが何に使われて、目に見える形というふうに、わかりにくいと思います。
寄附者に対して寄附金の活用をより明確にすることが、寄附者の増加にもつながる、そして、その寄附者が、その施設、寄附先への施設への愛着につながると私は考えます。
建設局が平成十五年から行っている思い出ベンチ事業というのがあります。これは十五万円と二十万円という二種類からベンチを選んで寄附する事業で、都立公園、霊園、動物園にベンチを設置するものです。
例えば日比谷公園に、夫婦で出会った日の、その日比谷公園で出会った、そこに十五万円のベンチを選んでそこに設置する。そうすると、金属プレートでベンチの裏にはデート印と、そして名前を入れたり、思い出の理由、初めてのデートとか、出会ったとかというのを入れるという、結婚など、心に残る人生の節目、社会貢献などを記念する、そして公園や霊園など、愛する個人、団体、皆さんからベンチを寄附していただくことによって、今まで以上にこの施設を身近に感じ愛着を持っていただくとともに、公園の施設の充実を図り、多くの皆様に支えられた親しみやすい公園をつくることを目的とすると。これが建設局のホームページにも出ております。
このベンチには、今申し上げたように、さまざまなデータをプレートでデート印することによって親しまれてきたわけです。
例えば霊園で、愛する人が亡くなって、そのそばにベンチを設置して、思い入れを持って通うことができる。公園にしてもそうです。日比谷公園、井の頭公園、こういったところにさまざまな思い入れで、四十七の公園、これまでに九百八十三台のベンチの設置があり、一億五千万以上、寄附金が募ったといわれております。
これが、寄附がもしなければ、東京都独自の予算で設置すれば、当然大切な予算を一億五千万円使ってベンチを設置しなければいけなかったわけですから、しかもこれが寄附によって賄われて、その寄附した人は、ひときわその公園施設に愛着を持って、二度、三度と通うことが可能になってまいります。
寄附の総額は、寄附先進国アメリカでは年間二十七兆円だそうです。この二十七兆円のうち特筆すべきは八五%が個人による寄附、二十三兆円余りは個人からの寄附だそうです。日本の独特の文化ではあると思います。企業から何かへの寄附、協賛金、これを否定するものではありませんけれども、先ほどの日本での寄附金総額七千四百億円に対して、個人の寄附は二千億円、割合でいうと二七%、アメリカの二十三兆円に比べて〇・八%しか日本人の個人寄附というのはありません。
総務省が行った調査を見ると、寄附の妨げになっている要因として、実際に役立っていると思えないと答えた人が三五・四%と最も多く、寄附先への不信感、信頼度が不足しているというのが三二・五%、七割は信用ができない、何に使っているかわからない、だから、何となく弱者を救うために何とか募金ですといっているところに十円とか百円しかやらないのが日本の寄附文化。自分さえよければといって富が集中するような世の中になってきて、震災が起きて困って、生きていけない、食べていけない、こういうのが映像で毎日メディアで見えないと、初めて募金をするという行動に出られないのが今の日本人の心なんだと思います。
こうした寄附先への不信感、何に使われているかわからないという障害を取り除いていくことが、今後、寄附文化を広げていく、欧米に追いついていく、そういう意味で必要なんだと思います。
今では寄附の方法も現金を募金箱に入れるというような形から、パソコン画面からワンクリックで寄附できるようになったり、クレジットカードから寄附できるようになったり、寄附金つきの商品というものが販売されていたりと変化が起きております。
二〇一一年に税制が改正されて、寄附金控除が受けられるようになってからも、これは少しずつ伸びている、この環境そのものは、専門家は欧米並みに成熟してきているというふうに評価をされています。寄附がしやすいこの環境をどう利用して活用していくのか。
例えば、庭園の維持活用と庭園美術館ではうたっているわけですから、その庭園の維持活用、芝刈り、きれいにお庭を保つ、これを使途を限定して募る、その上で、その結果を大きなプレートにして寄附をしてくれた人の名前を並べるとか、こうすることで、一回見て終わりの人に何度も足を運んでもらえるような、文化施設に思い入れを持てるようにするなど寄附先の明確化、寄附という形で携わりたいと思ってもらえるような政策、施策--文化施設に対して寄与したい、貢献したいと思ってもらうのが極めて大事だと思いますけれども、見解を伺います。
○鈴木文化施設改革担当部長 多くの方に文化施設の運営を応援したいと思っていただくためには、まずは委員お話のあったように、その施設に対する特別な思いを持っていただくことが必要でございます。
そのため、各施設の特色を生かした多彩な展覧会や公演事業の展開はもちろんのこと、来館者サービスを高めるなど、ソフト面の充実やバリアフリー対応等の施設整備も行うことで内外から認知される存在となり、また、各施設がさらに信頼され、リピーターなど強い愛着を持ったファンの拡大につなげていくことが重要でございます。
そうした取り組みを重ねることが寄附金の受け入れにもつながっていくことになります。
○けいの委員 ありがとうございます。少なくとも東京都の施設を使って寄附を求めて、それが一つの財布に入って、何に使っているかわからないというのは余り好ましくないと思います。
これは、文化施設に愛着を持つと同時に、寄附をした人が実感を持って、私のこの寄附によって、一口の寄附によって、庭園がきれいに保たれているといったような実感が湧くような、そういう仕組みが必要だろうと思っております。
続いて、東京芸術劇場の改修工事について二点お伺いします。
池袋駅から地下通路で直結している東京芸術劇場、真夏の炎天下でも、雨の日でもぬれないで施設に入れる、そしておしゃれなカフェやレストランがついている、お酒も飲める、そしてトイレもきれい、使用者の中には、いい評判しか聞こえてこない。私も何度も利用させてもらっております。
中には郵便局もあって、コンサートや観劇をした方だけでなくて、周辺のお仕事の方も頻繁に利用される、休憩にも利用されるといったような地域に愛されたこの芸術劇場ですが、五階のメーンの大ホールは一九九九名を動員する大きなコンサートホールですけれども、二十八年度の利用率は九七・二%と聞きました。ほぼ一年中、貸し出している日は利用されているという状況です。
多くの来場者が訪れるために、エレベーターやエスカレーターの安全性確保が重要であるわけですけれども、平成二十三年に一年半もの期間をかけて休館をして、大規模改修工事が行われて、平成二十四年九月にリニューアルオープンしたばかりです。
これから五年と少しが経過した段階で、また、改修工事予算、一億二千五百万円の予算が、来年度予算に計上されております。
わずか五年数カ月で改修工事にこの五月から入る、この経緯と内容についてお伺いいたします。
○鈴木文化施設改革担当部長 東京芸術劇場は、平成二十三年四月から約一年半休館し、大規模改修を行いました。
この大規模改修においては、例えば改修前には、一階アトリウムからコンサートホールのある五階まで一気に上る構造であったエスカレーターについて、乗降中の不安を感じるお客様もいたため、途中に踊り場を設け、二台に乗り継いで段階的に上がる構造に変更し、多くの来場者が移動する際の安全性や安心感の向上を図ったところでございます。
また、コンサートホールの中では、三階席にはそれまで階段でしか上がれなかったため、エレベーターを新設し、バリアフリー化及び混雑緩和など利便性向上につなげました。
平成三十年度は、この大規模改修では工事を行っていない、そのほかのエスカレーターについて、経年劣化に対応し来館者の安全を確保するため、部品の更新工事を実施するものでございます。
○けいの委員 私も先日、こちら拝見してまいりました。二階部分まで二本の二カ所のエスカレーターがついて、二階から横に並んだ二本のエスカレーターで五階大ホールの入り口までぐうっと上っていって、上りおりには大体一分少々かかります。これが一分間ずっと上っていくことで、当日は読売日響のコンサートも入っておりまして、大変なにぎわいでした。
私もその人ごみの中で上がっていって、びっしりとついていくと、やっぱり多少の恐怖感は感じます。天井まで四十メーターぐらいでしょうか、大きく吹き抜けで天井がガラス張りで、こういう、生かした長いエスカレーターにするのはやむを得ないし、あれがまた一つの楽しみであるという声もあるので、これはいたし方のない、そしてその大規模改修でワンフロアでも上げることで混雑緩和、二階、三階を使う方もたくさんいますから、これはいい改修ができたんだと思います。
しかし、これがばらばらと集ってくる開演前ならいいんですけれども、公演終了後には二千名近くの方が五階部分から一気にこの二基のエスカレーターに押し寄せてくるため、恐怖感を感じると聞いています。
そして、二千名近くの方が全員が退場するまでに二十分、三十分とかかります。こうした中で、エスカレーターのおり口、手すりの外は一階部分まで吹き抜けているわけですから、後ろから押されるんじゃないかと、ぐっと押し寄せてくる人の波に二十分以上、恐怖を感じているという声があります。
万が一にでも一分以上乗っているエスカレーターでドミノ倒しでもあったら、多少のけがでは済まないような大惨事が起きることが想定されます。幸い、これまでこういった大きな事故は皆さんのおかげで起きていないというふうに認識をしております。
安全確保のために、ここまで再三にわたって更新工事を行っていただきました。
今後もこうした転倒事故などが起きないように、例えば公演が終了したらホールからは全員が一斉に立ち上がらないように段階的に退場を促したり、そしてピロティーまで出たら警備員が利用者の整列を促すなど、入退場時の安全確保をさらに進めるべきだと考えますが、見解を伺います。
○鈴木文化施設改革担当部長 東京芸術劇場では、コンサート終演後は多くの来場者が一度に退場することになるため、エスカレーターに殺到しないよう、ホールの案内係や警備員が誘導、声かけを実施しております。
また、エスカレーターには順番に二列で乗り、駆けおりたりしないこと等の声かけをするとともに、階段を使用できる来場者には階段への誘導、また車椅子の方や高齢者等をエレベーターに誘導するなどの取り組みを実施しているところでございます。
今後も設備更新といったハード面の安全対策に加えまして、こうしたソフト面での対応にもさらに努め、来場者の安全確保を図ってまいります。
○米倉委員 私からは、文化芸術に若者が触れる機会をふやす、そのための支援について伺います。
二〇二〇年には東京五輪が開催されますが、オリンピックはスポーツだけではなく、文化の祭典でもあります。
東京都は二〇二五年までの十年間の文化政策の計画として、東京文化ビジョンを策定していますが、ここでも二〇二〇年大会を一回限りの大規模な文化イベントで終わらせず、大会のレガシーとして、東京を世界のどこにもない文化都市にすると掲げています。文化の根づく東京を実現するというならば、多くの都民が文化芸術に触れる機会を保障していくことが大切だと思います。
若者が文化芸術に触れる機会がふえることは重要だと考えますが、都の認識はいかがですか。また、都はこの分野でどのような役割を果たしていくのかについても伺います。
○樋渡文化振興部長 次の世代を担う子供たちが芸術文化のすばらしさに触れ、自国の文化はもとより、多様な文化の価値を理解するとともに、豊かな感性や創造力を育むことは大切でございます。
東京文化ビジョンでは、文化戦略の一つとしまして、全ての子供や青少年等が芸術文化を享受できる仕組みを推進することを掲げております。
こうしたことから、子供や若い世代が芸術に親しめる環境づくりに向けまして、子供たちが本物の芸術文化に触れる事業を都がみずから実施するほか、民間団体との連携や支援を通じて行っているところでございます。
○米倉委員 全ての子供などが芸術文化を享受できる仕組みを推進するということは重要です。特に感性豊かな子供時代に芸術に触れる機会があることは、発達を考えても大切だと思います。
しかし、一方で今、子供の七人に一人が貧困だと指摘をされています。経済的な格差にかかわらず、子供たちが芸術に触れる機会が保障されるためにも、全ての子供に学校などで芸術に触れる機会を保障することも重要と考えますが、都はどのような取り組みや支援をしているのか、伺います。
○樋渡文化振興部長 都は、都立文化施設におきまして、学校の教育活動である校外学習の一環としての団体見学の受け入れやスクールプログラムを実施するとともに、実演家を学校等に派遣しまして、コンサートや伝統芸能体験等のアウトリーチ活動を展開しております。
そのほか、例えば児童演劇の民間団体が中心となって実施する触れ合い子供祭りのような舞台芸術鑑賞体験事業の共催や、子供たちが芸術文化に主体的にかかわることを目的とした事業への助成を通じた支援を行っております。
○米倉委員 アウトリーチや、また都立施設での受け入れなど、さまざま努力をされているということです。そのこと自体は大事なことだと思います。しかし、今の取り組みですと、全ての子供たちに芸術鑑賞の機会が保障されている状況ではないと思います。
先ほどご答弁であったアウトリーチコンサートについては、都内の小中学校へ演奏家が出向いてコンサートを実施し、クラシック音楽愛好家の裾野を広げるという取り組みで大切なものだと思いますが、今年度は二十施設での開催予定となっております。
以前には都として小中学校を対象として、音楽鑑賞教室に取り組み、都と区市町村で費用負担をして、全ての生徒にオーケストラを聞く機会を保障する役割も果たしていたと聞いております。当時の議会答弁を読みますと、年間七百回もの鑑賞教室を開催していたとのことです。
この事業は、石原都政のもとで廃止されてしまいましたが、世界のどこにもない文化都市と掲げるならば、やはり全ての子供が本物の芸術に触れられる機会を保障することが重要で、そういう立場での取り組みのさらなる拡大を求めておきます。
子供時代から音楽や美術、演劇などの芸術に触れて感動したり、楽しいと思う機会を持てることは、芸術を支える裾野を広げることにもつながります。
平成二十八年の内閣府、文化に関する世論調査を見ますと、この一年間にホール、劇場、映画館、美術館、博物館などで、文化芸術を直接鑑賞したことはあるかと調査をしています。
学生について見ますと、どの年齢層や職業などよりも高い八割が直接の鑑賞があると答えています。しかし、その一方で、直接鑑賞しなかった理由で最も多いのが、時間がなかなかとれないからという約六割に続いて、関心がないから、そしてテレビ、ラジオ、CD、インターネットなどにより鑑賞できるからが約三割となっています。
この調査では、学生がどういう芸術を鑑賞したかも調べております。その中身は、六割がアニメを除く映画、四割がアニメ、アニメ映画、コンピューターや映像を活用したアートについてがほかの階層よりも高い特徴がある一方で、音楽や美術、演劇、舞踊の鑑賞では、全体の平均よりも低くなっている傾向が見られます。
私も文化事業に取り組む方からお話を伺いましたが、演劇団体などでは若い人に見てもらいたいと、質の高い作品の制作に努力をしたり、料金も一般よりも安く設定するなどしているそうですが、なかなか十代、二十代の若者に来てもらえないというお話が複数の団体から出ていると伺っております。
映画などは大きな産業にもなっていて、学生にも身近なものとなっていると思いますが、それ以外の芸術については関心を持つきっかけをさらにつくっていくことが重要だと思います。
その一つとして、大学など教育機関との連携により、文化芸術に親しみ、楽しむきっかけをふやすことは重要と考えますが、都の認識と取り組みはどうなっているのか、伺います。
○樋渡文化振興部長 大学などの教育機関との連携でございますけれども、東京都歴史文化財団では平成十八年度から大学や専修学校等を対象としたパートナーシップ事業を実施しております。
このパートナーシップ事業では、加盟する大学などに在籍する学生は、都立の美術館や博物館の常設展示などを無料で観覧できるほか、企画展の割引やコンサートや演劇への無料招待、優待等の特典を用意してございます。
加盟している大学などでございますが、平成三十年度は十四校を見込んでおり、学生総数は約九万六千人となっております。
都としましても、若者が美術館や博物館に足を運ぶきっかけをふやす取り組みとして意義のある事業だと考えております。
○米倉委員 パートナーシップ事業というのは、大学が会費を払い加盟をすると、そこの学生が都立美術館などに入館する際、常設展が無料になったり、企画展の割引が受けられる、さらに費用がかかる場合もありますが、学芸員の講師派遣などの教育活動の連携も行うというものになっています。
都内で十四校、九万六千人が対象というご答弁でしたが、調べますと、都内には大学生と大学院生だけで約七十五万人おりますから、都内の学生総数から見ると、やはり限られていると思います。
この取り組み自体は重要だと思いますが、この事業を行っている財団だけの取り組みにせず、都としても、より多くの学生に芸術に触れる機会を持ってもらえるように取り組みを進めていただきたいと思います。
大学ですと、文学部や芸術に関する専攻に限らず、法学部や経済学部でも教養の科目として芸術などの授業を必修の単位として取る学生もかなりいらっしゃいます。
例えば、そういう授業と東京都が連携をして、大学と連携をして、西洋美術、音楽について受講する学生に授業の一環として美術館やコンサートに来てもらったり、またチラシや学生割引チケットを大学でも配布してもらうというような新たな取り組みも検討していただきたいと要望しておきます。
先ほど紹介をしました文化に関する世論調査では、美術館、博物館での鑑賞の促進策についても調査をしています。
学生、また二十代の若者の回答で最も多いのは、入場料が安くなるということで三割が回答をしています。やっぱり、今、学生の四割が奨学金を借りて大学に通う状況があります。
政府の消費動向調査を見ましても、最新の調査では、年収が年間三百万円未満という方では、それ以上の収入の層と比べてコンサート等の入場料への支出という項目で、そこに支出の予定はないと答える方が三〇%を超えていて、突出して高い状況があります。やっぱりお金がないと文化芸術に触れられないという状況が調査でも明らかになっていると思います。
そういう中で、私も実態を伺ったんですけれども、ある芸術学科のサークルでは、やはり奨学金とバイトで何とか生活している学生が多いということで、美術展の入館料自体が負担が重くて、なかなか行けないという状況がある中で、サークルの会費としてお金を積み立てて、それで団体として美術鑑賞に行く際に、お金がない学生も行けるように補助をし合うということに取り組んでいると伺いました。本当は芸術が専門の学生ですから、頻繁に本物に触れたいという思いがあるんだと伺いました。芸術を専門にする学生でさえ、気軽に芸術に触れられない事態があるというのは大変深刻なことだと思っております。
今、こうした学生への支援で、パートナーシップ事業という取り組みを行っているのは、都立の文化施設だけでなくて、国立の美術館や博物館も同様な仕組みをとっておりますが、やっぱりこういう仕組みですと、対象となる学生が限られてしまうんですよね。私自身もこれ、実際に経験をして、大学時代に美術館、博物館に行くと学生は安くなるということがチケット売り場に掲げられているんです。だけれども、よく見てみると、私の大学は対象じゃないというふうになるんですね。都立の施設では、十四校ということですので、やはりそういう事態が本当に多く出ていると思います。
じっくり美術などを鑑賞したいというときに、一度で見切れるということもなかなか難しくて、本当だったら何度か足を運んでじっくり見たいと、いい企画展だったら図録も購入したいという思いは、学生の中にも若者の中にもあります。お金がかかり過ぎて芸術から遠のくという状況が生まれないように、都として努力していただきたいと要望しておきます。
そういう中で、都立の文化施設や、また東京都の交響楽団について、若者が低廉な価格で芸術に触れられるように、都としての支援をしていただきたい、大幅に入館料の引き下げや若者に対する割引をつくる必要があると思うんですが、都の見解を伺います。
○樋渡文化振興部長 都立文化施設や東京都交響楽団では、若者を初め多くの都民が芸術文化に触れる機会を拡大するため、各種割引制度や無料公開などのサービスを提供してございます。
若者向けとしましては、具体的には都立美術館、博物館の常設展など観覧料について、小中学生や高校生に対する免除、もしくは減額の制度を設けております。
また、東京都交響楽団におきましては、二十五歳以下の方は都響の主催公演を半額で鑑賞できる割引制度を設けてございます。
さらに、都立文化施設における教育普及事業や東京都交響楽団による観客参加型、体験型の無料オーケストラ公演なども行っており、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。
○米倉委員 都響が主催する公演で二十五歳以下は半額にする、アンダー二十五などの取り組みは、若者にとって、これは大変喜ばれる取り組みだと思います。東京芸術劇場でも高校生に上質で人気の高い公演を千円で提供する取り組みが行われています。
これは野田秀樹芸術監督の発案で、ご自身が高校生のときに観劇をしたことが演劇を志す大きなきっかけになったと。その体験から、多感な時期にこそ良質な芸術と出会える場を提供したいという思いで、二〇一〇年以来、芸術劇場独自に続けている取り組みです。
この制度を利用した高校生の声もホームページで紹介されています。都内の高校三年生の女性は、この高校生割引のおかげで、とてもすばらしいものに触れることができました、何と表現すればいいのかわからないのがもどかしいですが、とても幸せな時間でしたと。
また、ほかの方からも、映画はよく見るが演劇は余り見ない、でも映画より臨場感があり何度も鳥肌が立った、時間がたつのがあっという間だったというような、こういう声がたくさんホームページには紹介されています。
こうした財団や都響、芸術劇場として、若者に対する料金割引などは本当に大切な事業となっていると思います。この努力をさらに拡充するというためにも、都としての支援を求めておきます。
世界では、ロンドンの有名な博物館、美術館は基本的に国営で、入場料は無料となっています。パリでは、ルーブル美術館は十月から三月の毎月第一日曜日が一般無料の日に設定されていたり、オルセー美術館も毎月第一日曜日は無料だということです。
東京でも、まず都立美術館から三十歳以下の若者は常設展は無料にするですとか、毎月無料の日を若者を対象に設定するなど、より芸術に触れられる環境の整備に力を尽くしていただきたいと要望して、私の質問を終わります。
○成清委員 私立高等学校等特別奨学金補助について伺います。
平成二十九年度から開始した事業ですが、前年度比約十八億円の増額となっております。この増加要因について、金額を含めて伺います。
○金子私学部長 前年度比約十八億円の増額の内訳でございますが、補助対象となる生徒数が約五千人ふえたことによりまして、約十六億円の増となっております。
また、平均授業料の上昇に伴いまして、補助単価を七千円引き上げたことにより、約四億円の増となっております。
そのほか都認可の通信制高校への拡充によりまして、約一億円の増となっており、合わせて約二十一億円の増となったものの、事務費の見直しによりまして約三億円を減しており、結果、前年度比で約十八億円の増となっております。
○成清委員 補助対象生徒数の増加と補助単価引き上げによる影響が大きいとのことでした。補助単価に関連してもう少しお伺いします。
本事業の補助単価は、私立高校の平均授業料に基づいて決定されているとのことですが、私立高校の平均授業料は一貫して右肩上がりで上昇しております。
授業料の推移について、どのような理由により上昇していると分析しているのか、お伺いします。
○金子私学部長 私立学校の授業料は、各学校が自主的に決定するものでございまして、それぞれの教育内容や経営状況等に応じて適宜金額の改定を行っております。
例年、値下げする学校に比べまして値上げする学校が多いため、平均授業料は上昇しております。
最近の主な値上げ理由といたしましては、グローバル教育を充実するため、専任の外国人教員を増員したことによる人件費の増、それから、生徒の個性に応じたきめ細かい教育を行うため、習熟度別授業、選択授業を充実したことによる人件費、教材費の増、タブレット等を活用したICT教育を充実したことによる教材費の増などが挙げられます。
○成清委員 時代の変化に応じて、学校の資金需要が高くなっているとのことだと思います。
私学助成には、大きく経常費補助と保護者負担軽減との二つがあります。地元の保護者の方から、学校側がこの事業により保護者負担が軽減されることを見込んで授業料を上げたため、年収が七百六十万円超の家庭にとっては、かえって授業料負担が増加したというような声も聞きました。
経常費補助の仕組みが変わらない中で、学校が授業料を上げているわけですが、授業料の上昇について、都はどのように監督しているのか、伺います。
○金子私学部長 私立学校の授業料などの学費の変更に当たりましては、都への届け出が必要となっており、都としては値上げなどを予定している学校から事前に事情を聴取し、その妥当性を確認しております。
また、毎年、学費の状況を公表しておりまして、値上げ額の高い学校や授業料の高い学校を明らかにしております。
学費の動向は保護者に大きな影響を及ぼすことから、都はこれらの取り組みを通じまして、事業の適正化が図られますよう努めております。
○成清委員 授業料を上げる場合、特に新入生だけではなく、在校生についても対象とする場合は、より丁寧な説明が必要となります。
そこの説明が欠落しておりますと、保護者が、この奨学金補助事業が原因で授業料が上昇したと思ってしまう可能性があるわけです。
そこで、授業料について、学校から保護者への丁寧な説明があることについて、都は確認しているのかを伺います。
○金子私学部長 都は、各私立学校から授業料等の変更に関して、事前に事情を聴取する際に、保護者への説明方法などにつきましても、あわせて確認しております。
特に全ての在校生を対象に一斉に値上げする場合は、保護者会や個別面談等による、より一層丁寧な説明を求めるなど、学校の対応を指導しております。
○成清委員 学校の対応を含めて指導されているということでした。
本事業は、教育の格差をなくすものとして高く評価しております。
今後も授業料の増加や生徒数の増加により、事業費の増加が見込まれる中、行政の意図した保護者負担軽減の効果が見込めるようにすることが大切です。
一定金額以上の補助を行う場合、私学とはいえ、財務情報の公開などの対策も今後検討していただきたいということを申し上げ、質問を終わります。
○高倉委員 それでは、初めに、文化芸術にかかわる施策について質問をしたいと思います。
私は、この文化芸術というものが、私ども人間として生きていく上で欠かせないものであるというふうに考えております。東京から世界にいろんなことを発信していくべきだというふうに思いますけれども、そういう中の柱の一つにも文化芸術への取り組みといったものがやっぱり位置づけられるべきだろうというふうに思っております。
予算全体の中に占める文化芸術にかかわる予算の割合、こういったことについて、ほかの国や世界のいろんな自治体と比べることが必ずしも適切だとは思いませんけれども、そういったところにも視点を置いて、やはりしっかりと予算も確保しながら、事業展開をしていくべきではないかなというふうに思っております。
私は、昨年の事務事業の質疑におきまして、二〇二〇年に向けた文化プログラムについて質問をさせていただきました。
その際に、答弁として三つの観点から取り組むという答弁があったわけでありまして、その一つ目は、都立文化施設での展示や公演、東京都交響楽団による演奏会、東京大茶会や六本木アートナイトといったさまざまな文化事業など、東京の文化振興の基盤となるプログラムを実施していくことということが第一点、二つ目は、民間企業や団体への助成による支援を充実させていくこと、そして三つ目には、新たに展開をする象徴的なプログラムの実施をしていくことと、こういう三つの答弁をいただいたわけであります。
その際に私は、さまざまな取り組みがなされている中で、やはり十分に都民や、あるいは広く国民にそうしたことが理解をされていない部分もあるんではないかということで、よりわかりやすい形で東京の文化プログラムについて情報発信をしていくべきであるということを申し上げたわけであります。
東京都では、Tokyo Tokyo FESTIVALという新たなブランディングによりまして、東京文化プログラムの認知強化といったことに来年度から本格的に取り組むというふうにお聞きをしております。
そこで、初めにTokyo Tokyo FESTIVALというブランディングによって、どういったプロモーションを展開していくのかについてお伺いしたいと思います。
○堀越魅力発信プロジェクト担当部長 東京二〇二〇大会に向けて、さらなる機運醸成を図る上で、東京文化プログラムの取り組みが多くの人から認知され、注目を集めるには、斬新な発想を取り入れた事業の充実や訴求力の高いブランディング戦略が必要でございます。
そこで、来年度からTokyo Tokyo FESTIVALの認知度を高めるため、国内外から注目されるPRイベントの開催などによるプロモーションに取り組みます。
具体的には、大規模な広報イベントを開催して、Tokyo Tokyo FESTIVALで展開する多彩な事業を集中的に情報発信するほか、各事業の魅力を伝える動画をインターネットで配信し、国内外へ情報を拡散させることなどを予定しております。
○高倉委員 昨年の質疑において、東京都が取り組んでいることについて、十分な理解がまだないんではないかといったことを申し述べさせていただきました。
その上で、今、答弁をいただきましたけれども、今、答弁を聞く限りにおいては、画期的なことを展開されていくんではないかというふうなことで、十分に私も期待をしていきたいと思っています。ぜひとも、その目的がかなうように取り組んでいただきたいなというふうに思います。
そして、このフェスティバルの中で、去る二月に締め切った企画公募、これは目玉の一つであるというふうに私も思っているわけでありますけれども、大きな反響が実はあったわけでありますが、まず、この企画公募の概要、あるいは応募状況についてご答弁いただきたいと思います。
○堀越魅力発信プロジェクト担当部長 企画公募は、二〇一九年秋から二〇二〇年九月までの間に、都及びアーツカウンシル東京が提案者とともに実施する事業の企画案について、個人、団体を問わず、幅広いジャンルで募ったものでございます。
昨年十一月の告知以降、大変多くの反響があり、計七回行った事前説明会は全て満員となり、特設したウエブサイトは延べ三十二万回を超えて閲覧されました。
その結果、国内のみならず、海外二十八の国、地域からも応募があり、応募総数は二千四百三十六件でした。
○高倉委員 大変な反響があったということだと思います。私も、説明会に行こうと思ったんだけれども満員で入れませんでしたみたいなお話を聞いたことがありました。
今ご答弁で国内外から二千件を超えるような応募があったということで、これは本当に大きな反響であると思います。
つまり、やりたいと思っている、そういう方々というのはとても多いということなんだと思うんですね。そういう中で、やはり東京都がかかわる形でそれをしっかり引き出していくというようなことができれば、これは大きな成果が生み出せると、そういったものではないかなというふうに思います。
そこで、今ご答弁にありましたように、大変多く寄せられたさまざまな企画の中から、今後どういうプロセスで事業を選定していくのかということについてご答弁を求めたいと思います。
○堀越魅力発信プロジェクト担当部長 選定に当たりましては、外部の有識者等による審査会を設置し、書類審査及びプレゼンテーション審査を経て、本年夏までに二十件から三十件程度を採択する予定でございます。
採択された企画をもとに、Tokyo Tokyo FESTIVALの中核となる大規模なもの、小規模でも創造性や独創性にあふれたもの、障害の有無や世代等に関係なく誰もが参加できるものなど、多様な文化事業を展開してまいります。
○高倉委員 今、二十件から三十件を選定していくというお話がありました。数からいって、かなりすばらしい企画も相当含まれているんじゃないかなという感じがいたします。
ひとつ、それをうまく選定して、さらに発展をしていけるようにサポートしていけば、本当にすばらしいものになる可能性を秘めているんではないかなと思います。
私個人的には、二、三十件といわず、もっと選定もすべきだなというふうに思ったりもしているわけですけれども、いずれにしても応募をした方々は自分たちの企画をぜひ実現したいという思いはとても強いです。私も、応募したという方々からお話を聞いていますけれども、その思いは非常に強いです。
その一方で、選定に当たっては、審査は公平、公正かつ円滑に行っていくということが大変重要であるというふうに思います。
今後、具体的な審査方法について決定をしていくというふうに思いますけれども、最終的に採択の企画を公表するときには、審査員の体制、あるいは審査会での議論といったようなこともあわせて公表していただいて、これはしっかりと透明性を確保していただくということも重要であると思いますので、ぜひこの点はよろしくお願いを申し上げたいと思います。
次いで、パリ東京文化タンデムについてお伺いをしたいと思います。
二〇一八年が日仏の友好関係樹立の百六十周年に当たるということでありまして、一つの大きな節目であるというふうに思います。
昨年の十月に小池知事がパリに出張した際に、パリ市長との共同声明の中で、文化を初めとして四つの分野で友好関係を一層深めるということにして、二〇一八年に実施をするということを決定したのがこのパリ東京文化タンデムというものでございます。
東京は二年後にオリンピック・パラリンピック大会を実施するわけですけれども、その次の夏の大会が、今度はパリということでありまして、そういった点でも非常に関係が深いということでありまして、この東京とパリの両都市の文化交流といったものをより活発にしていくということは、いろんな意味で重要であると思いますし、特にパリというまちが、やはり文化芸術においては世界どこからも評価をされている都市でありまして、東京の文化芸術の施策をさらに発展させていくという上では大変重要だというふうに思います。
東京都がパリ東京文化タンデムを実施していくということの意義について、どうご認識されているのかについてお伺いしたいと思います。
○久故文化総合調整担当部長 タンデムは、パリ市が友好都市と行う文化交流事業であり、これまでロンドン、ニューヨーク、マドリードなどの都市とともに実施してきているものでございます。
本年二〇一八年は、お話にもございました日仏外交関係樹立百六十周年であり、日仏両政府合意のもと、パリを中心に日本の芸術文化を紹介するジャポニスムが展開されます。
東京二〇二〇大会に向けて、さまざまな文化プログラムを展開し、東京の芸術文化の魅力を国内外に発信していくことは重要と考えております。
これらを踏まえ、都はパリ市等と連携し、Tokyo Tokyo FESTIVALの一環として、パリ東京文化タンデムを実施することといたしました。
両都市間の文化交流を通じて、オリンピック・パラリンピック開催都市として、文化面における都とパリ市での大会機運醸成の相乗効果を高めることにつなげてまいります。
○高倉委員 パリと東京ということで、両都市それぞれにすばらしい特徴、特色を持っているというふうに思います。もちろん、伝統の面でも両都市それぞれすばらしいものがあるでしょうし、また新しさという点においても、両都市それぞれいろんなものを持っておりますので、それぞれが相互理解を深めていくということは、とても重要であると思います。
先ほど答弁の中でジャポニズムというお話がありましたけれども、ヨーロッパ、特にフランスなんかで日本の美術というんでしょうか、ジャポニズムが与えた影響はとても大きいんですね。したがって、両都市が交流をしていくことによって、そこの中でまた生み出されてくるものは、とても大きなものがあるんではないかなと私も期待をしているところであります。
今ご答弁をいただきましたけれども、そのタンデムの中で、どういう取り組みが行われるのかについて教えていただきたいと思います。
○久故文化総合調整担当部長 パリにおきましては、本年二月から既に先行し、パリ市立の現代美術館等において日本人アーティストによるデジタルアートや漫画の展覧会、舞台公演などを開催しております。
秋にはパリ市等の施設を活用し、都が主催いたしまして、からくり人形公演や風呂敷をテーマとしたアートイベント、アール・ブリュットの展覧会などを開催する予定でございます。
東京におきましても、九月から十二月にかけまして、都立文化施設等におきまして、アールデコの魅力を伝える展覧会、演劇やオーケストラの公演など、フランスの芸術文化を紹介するさまざまな事業の実施を予定してございます。
○高倉委員 今、具体的な答弁をいただきましたけれども、とても楽しみな内容になるんではないかなと思います。
日本のデジタルアート、それから漫画といったようなことも今お話もありました。また、からくり人形みたいなこともお話がありました。
それとあわせて、アール・ブリュット展というのをパリで行うというお話もありました。このアール・ブリュット展について、どういうところで、どういう展覧会を行っていくのかについてご答弁いただきたいと思います。
○久故文化総合調整担当部長 本年九月から二〇一九年、平成三十一年三月まで、パリ市立アル・サン・ピエール美術館におきまして、アール・ブリュット・ジャポネ・ドゥーを開催する予定でございます。
今回の展覧会は、アル・サン・ピエール美術館との協議で、障害のあるなしにかかわらず、さまざまな作品を展示する予定でございます。
現在、展覧会の実施に向け、アル・サン・ピエール美術館と作品選定を行っているところでございます。
○高倉委員 今、アル・サン・ピエール美術館のお話がありましたけれども、ここの美術館で二〇一〇年にアール・ブリュット・ジャポネ展というのが既に行われておりまして、実はこれ、物すごい反響があったわけであります。
このアール・ブリュット、直訳すると生の芸術と訳すわけですけれども、本来、意味するところは、特に障害があるとかないとかということではなくて、そういう垣根のない芸術なわけですけれども、もともとの発祥はヨーロッパなわけでありまして、取り組んでいる方々は、障害のある方々が非常に多いという芸術であります。
もともとはヨーロッパの発祥なんですけれども、日本の作家が生み出している作品がとてもすばらしいというのは、二〇一〇年のアル・サン・ピエール美術館でやったアール・ブリュット・ジャポネ展でもって、いわゆる発祥の地でもって新たに認識をされたんですね。日本の作品がとてもすばらしいということで、今回行われるということで、またさらにそうした認識も深まっていくんではないかと思います。
実はちょうど今週、東京都庁の展望台におきまして、こうしたアール・ブリュットの作品も紹介するような、展望室を使った美術展も今開かれているわけであります。最近もこの都庁を訪れる外国人の方々はとても多い状況の中で、そういう場所で、そうしたことを紹介するということは大きな意味があるというふうに思います。
かねがね私は、東京が発信をする日本の文化芸術、これは本当にいろんなものがあるし、いろんな発信をしていただきたいというふうに思っていますが、そのうちの一つに障害のある方々が取り組む芸術があるんではないかなというふうに思い、またそのことを応援もしてきたわけでございます。
今度、二年後には二〇二〇年、東京でのオリンピック・パラリンピックがありまして、それに合わせて文化プログラムを展開されていくわけでありますけれども、それを通して、この二〇二〇年の後にどういうレガシーを残していくか、これが大変重要であるというふうに思います。前回の一九六四年の東京での大会の後に、こういう文化芸術のレガシーとして残ったのが東京都交響楽団であります。
今回、先ほど質疑をさせていただきましたけれども、フェスティバル、また、今少しやりとりしましたけれども、障害者のアートの振興、また、もちろん都立のさまざまな施設を使ったいろいろな事業もあろうかと思っております。
二〇二〇年については、そこがいわゆる終着点ではなくて、そこはまた新たな出発点というふうにしていくことが、二〇二〇年後のさらなる東京都の発展につながっていくというふうに思っております。
そこで、最後に局長に、今後の展開に向けましたご決意をお伺いしたいと思います。
○塩見生活文化局長 東京二〇二〇大会まで二年半を切り、事前に盛り上げ期間を含めますと、準備はまさしく待ったなしの状況でございます。
これまで生活文化局では、当委員会でのご議論も踏まえながら、文化の祭典でもあります東京二〇二〇大会を成功させるため、六本木アートナイトや東京大茶会など、東京文化プログラムの展開に取り組んできたところでございます。
これからは、本格的にTokyo Tokyo FESTIVALをスタートさせていかなければなりませんし、先ほどお話にもありました企画公募も始まり、採択された企画のもとに、障害の有無や世代等に関係なく、誰もが参加できるさまざまな文化事業も展開していかなければなりません。
そして、大会後のレガシーのお話でございますが、芸術文化が人々にもたらす感動や生きる喜びを都民と分かち合い、世代を超えた連携や多文化の共生、あるいはボランティア意識の醸成など、そういったものをレガシーとすべく、これからの二年間は文化振興部のみならず、生活文化局を挙げまして、東京二〇二〇大会に向け、局一丸となって全力で取り組んでまいります。
○高倉委員 今、大変力強いご決意をいただきましたので、私も大いに期待をしていますので、ぜひ力強く本当に推進をしていただきたいと思います。
続きまして、先日、都庁において結婚について知事と語ろうと題したフォーラムが開催をされましたので、これにかかわる特に広報広聴の取り組みとして、生活文化局としては取り組んだというふうに思いますので、このことについてお伺いをしたいと思います。
このフォーラムには、私も同僚の議員とともに参加をしました。一般参加者として、参加した皆さんと一緒に同じ席について、このフォーラムを拝見させていただきました。率直に、大変多くの人が参加をしておりまして、非常に盛況だったという印象を持ったわけでございます。
私が参加したのは、私はかねがね行政としても、やはり若い方々が、結婚したいという方が、実は男女ともに非常に多いわけです、いろんな調査で、このときのフォーラムでも紹介されておりましたけれども、知事がいっているように、そこを行政の方から一押しするというんでしょうか、こういうお話をされていました。
私はかねがねそれと同じような思いで、いわゆる婚活について取り組み、推進をしてきた一人というふうに思っておりますので、そういうこともあって、今回、このテーマに私も大いに関心を持って参加をしたわけであります。
そこで、今回のフォーラムに際しまして、まずどういう周知や募集を行って、実際の応募状況はどうだったのかについてお伺いしたいと思います。
○濱田広報広聴部長 フォーラム開催に当たりましては、「広報東京都」を初め、都庁総合ホームページや都庁広報課のツイッターで参加者の募集を行うとともに、フォーラムの出演者のツイッターやブログ等でも広報を展開いたしました。
その結果、平日の開催にもかかわらず、四百名の募集に対しまして五百名を超える応募がございました。
応募者の年代別の内訳を見ますと、三十歳代以下の若年層が五割を超えておりまして、多くの若い方々に参加していただきました。
○高倉委員 今、答弁で具体的にどういう年代層の方々が参加されたかというお話がありました。先ほど私は申し上げましたけれども、大変大盛況であったということとともに、例えば高校生の方々とか大学生の方々も参加をされていて、そういう方々の姿もあったわけであります。
今、若い方々が多かったというお話がありましたけれども、特にこうしたテーマに関心の大きい若い方々により多く参加をしてもらうために、開催に当たって工夫したことがありましたら、ご答弁をお願いしたいと思います。
○濱田広報広聴部長 今回は、フォーラムを通じて、結婚を望む方々を後押ししていくため、恋愛や夫婦関係などに造詣の深い社会学者の先生、あるいは教育関係者などの有識者に加え、若者に人気のある独身のコメンテーターを選定するとともに、学校や会社帰りに気楽に立ち寄れる時間、夜間に開催時間を設定するなどの工夫を行いました。
また、参加者募集に際しましては、都庁近隣の学校でチラシの配布ですとかポスターの掲示なども行いました。
さらに、当日の内容につきましても、映像やグラフを多く活用し、参加者が理解しやすく、飽きのこない構成とするよう心がけたところでございます。
○高倉委員 私も参加をしていて、当日の内容も大変すばらしかったというふうに率直に感じました。
そこで、内容についての工夫とともに、実際に参加をした方々の評価はどうだったのか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○濱田広報広聴部長 参加者からいただいたアンケートでは、知事の意見を直接聞けて、結婚について考えるきっかけとなった、都が行っている施策についての理解が深まったなど、八割以上の方から参加してみてよかった、また約七割の方からテーマに対する理解が深まったとの回答がございました。
さらに、当日の模様はテレビや雑誌、スポーツ紙といった多様なメディアでも好意的に取り上げられるなど、好評でございました。
○高倉委員 フォーラムの最後に、参加者の方々に質問をしてもらうというコーナーがあったわけであります。かなりの方に質問する機会を持ってもらう、そういう時間があったというふうに思います。どういう質問が出てくるか、私も大変興味を持って見ていたわけであります。いろんな質問が多分あるんだろうなというふうに思いました。
その中で、やはり私が感じたのは、若い方がほとんど、質問の方もほとんどだったわけですけれども、とてもいろんなことについて、自分の人生はもとより、あるいは自分の家族でありますとか、あるいは結婚であるとかということについて、とても深く考えているということを感じたわけであります。
知事に対しても、知事の結婚観を聞くような質問さえあって、知事もどう答えるのかなと私もちょっとそういう思いで聞いていたわけですけれども、非常に率直に答えていたということがありまして、この最後の質問会がとてもよかったものですから、全体の構成、内容もよかったんですけれども、さらにこのフォーラムそのものが、最後の質問会によって、より引き立てられたという印象を私は持ったわけであります。
かなり参加をされたといっても、かなり限られた方々であったわけでありまして、ぜひ当日参加できなかった方々にも、この内容といったことを届けていく必要もあるんじゃないかなと思いますけれども、この点についてご見解をお伺いしたいと思います。
○濱田広報広聴部長 今回のフォーラムにつきましては、抽せんに漏れてしまった方、あるいは会場に来ることができなかった方に向けまして、東京都公式動画チャンネル、東京動画におきまして生中継を行うとともに、開催の翌日以降も東京動画で視聴できるよう掲載しております。
また、今月二十五日日曜日でございますが、ゴールデンタイムの夜九時から東京都の提供番組、テレビ番組でございます「東京クラッソNEO」におきまして、一時間の特別番組で地上波で放映しまして、さらにこの番組につきましても、東京動画で配信することで、より多くの都民の方々にフォーラムの内容を届けてまいります。
○高倉委員 フォーラムの内容をテレビでもまた放映されるということでありまして、私も見てみたいというふうに思っております。
また、今、動画のお話がありました。インターネットの環境がここまで進んできて、いろんな通信の速度も上がってきている中で、動画でいろんなことを発信するというのがまさに当たり前の状況になってきていて、これからいろんなことを周知したり、発信をしたりするに当たっては、動画を積極的に活用していくということは大変に効果があるんではないかなというふうに私は思っております。
そうした意味で、この今取り組まれている東京動画についても、より多くの都民に関心を持っていただくということが必要であるというふうに思いますけれども、この東京動画のコンテンツの充実、あるいは今後の方策について見解を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
○濱田広報広聴部長 東京動画は、スマートフォンなどでいつでもアクセス可能な動画ポータルサイトでございまして、若い世代にも効果的に情報を発信できる広報媒体でございます。
都の会議やイベントを中継するほか、各局が制作したものや都政広報番組など、約二千本の動画をワンストップで視聴できるよう集約をしてございます。
開設以来、サイトを訪れる方は着実に増加しておりまして、現時点で累計三十五万人以上になっております。
今後、都民が撮影した動画を気軽に投稿できる仕組みを新たに設け、東京動画への親近感を高めるとともに、各局の職員が事業を講座形式で詳しく解説する番組など、コンテンツを充実していきます。
こうした取り組みを通じ、都民の都政への関心を高め、都政の理解の促進へつなげてまいります。
○里吉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○里吉委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後三時二十七分休憩
午後三時四十五分開議
○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
オリンピック・パラリンピック準備局の篠ラグビーワールドカップ準備担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、オリンピック・パラリンピック準備局所管分、第四十三号議案及び報告事項、東京都スポーツ推進総合計画(仮称)(案)についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中村総務部長 去る二月十九日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりください。資料1、主な都立体育施設の稼働率でございます。
当局が所管しております主な施設につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの五年間の稼働率の推移を記載してございます。
一枚おめくりください。資料2、主な都立体育施設の利用目的別件数でございます。
当局が所管しております主な施設につきまして、国際大会や全国大会など利用目的別の件数を、それぞれ平成二十六年度から平成二十八年度までの三年間の推移を記載してございます。
一枚おめくりください。資料3、主な都立スポーツ施設の休館等予定でございます。
現時点における都立体育施設の休館期間及び都立障害者スポーツセンターの現施設の利用停止期間を記載してございます。
以上、簡単でございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 私、先週金曜日にこちらで文教委員会があったんですが、それを終えて、速攻でパッキングをして、すぐに羽田空港に行って、平昌のパラリンピックの方、視察をさせていただきました。
非常にタイトな日程だったんですが、私がどうしてもパラリンピックに行きたかったのは、オリンピックを見て、そのパラリンピックとの差、もしくは違い、それからつなぎ、こういったものをしっかり自分の目で確認したいという思いで、今回は視察させていただきました。
さすがに、平昌、そして江陵、こういったところでの現場はそれなりに、規模はもちろんスケールダウンはしていますけれども、盛り上がりはあったんですが、残念ながらメディア等々は--メディア関係者、MPCなんかも視察させていただいたんですが、大体十分の一ぐらいの規模になっているということで、ちょっと寂しいなというような気もしたんですが、その中で救いだったのは、日本のメディア、日本の新聞社、それから通信各社は非常に熱心に取材をしていたというのが印象的ではありました。
その後にソウルに戻りまして、実際にソウルの市内を見たわけですけれども、ソウル市内も、オリンピックのときはいろんなところでライブサイト等あったんですけれども、実際、ソウルには全く何も残っていませんでした。一切、シティードレッシングも含めて、ほとんど残っていないという寂しい状況で、非常に、ああ、これではいかぬなという思いも強くしたところです。
ただ、その中で唯一すごく人が盛り上がっているところがありまして、これは何だろうということで見ますと、実は先週の日曜日、ソウル・マラソンの開催日だったんですね。ソウル・マラソンというのは、ご存じの方もいらっしゃると思いますけれども、その昔、一九三一年に東亜マラソンという形で開催されました。世界の都市マラソンの中で多分ボストンに続いて二つ目ぐらいに古い、非常に歴史のある大会でございます。
今でも二万五千人ぐらい参加をしているという、東京でいうと東京マラソンに匹敵するわけですけれども、これだけ大きな大会を、ある意味、このパラリンピックの最終日に当ててくる、当たってしまったといった方が正確かもしれませんけれども、これに関しては、どうなのかなというのは非常に考えさせられてしまう出来事でもありました。
また、どうしても同日であるならば、これは何らかの関連イベントにしないといけないんじゃないかなということも逆に感じさせていただきました。
これなんかは、ある意味、反面教師というところでしょうか。今度、東京大会に向けても、東京もさまざまなスポーツイベント等を抱えております。いろんなバッティング問題もありますけれども、いろんなことを逆にうまくそれを利用していくというようなところで考えていくと、非常に参考になる事例だったのではないかなというようなことを思いました。
ここでは、あるスポーツをどうやってオリンピック・パラリンピックの機運醸成に使っていくかというお話だったんですが、きょうの質問のところは、その逆で、東京ではどちらかというと、オリンピック・パラリンピックをどうやってスポーツの機運醸成につなげていくのかという観点からご質問をさせていただきたいと思います。
二〇一九年には、我々東京はラグビーワールドカップ、二〇二〇年はオリンピック・パラリンピックを迎えます。これらを開催する目的の一つとしまして、世界的なスポーツを目の前で見て、感じて、そしてスポーツをリアルに楽しむことだと思います。
そして、多くの刺激を受け、都民にスポーツへの興味を持っていただき、スポーツの意識を高め、より健康になってもらうことが大切だと思います。
そういった観点で考えますと、今回発表されましたスポーツ推進総合計画は、広範囲にわたって網羅されている計画ではないかなと考えます。
中でも一般のスポーツ、そして障害者スポーツを一体化させた計画というのは、障害者スポーツ、今まではどうしても別のものとして特別視していたところがあるんですけれども、今回はそれを同じスポーツであるという視点に立ったものであり、二〇二〇年に向けて大きな前進であると考えております。
また、達成目標を二〇二〇年、それから二〇二四年と二段階に分けて今回設定してあるのは、計画の推進を図る上でも非常に有効であり、よく検討されているなという印象を受けております。
そこで、さらなる進捗管理の徹底と手法や目標の見直しに値するためには、この各取り組みの行程を明らかにすることが有効だと思いますが、いかがでしょうか。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 東京都スポーツ推進総合計画の計画期間中には、ラグビーワールドカップ二〇一九及び東京二〇二〇大会という大規模な国際的スポーツ大会が開催されることから、都民のスポーツへの関心が大いに高まることが期待されます。
スポーツ都市東京の実現のためには、この機を的確に捉え、都民のスポーツへの関心の高まりをスポーツ習慣の定着化につなげていくことが重要であります。
そこで、当面の目標として、東京二〇二〇大会が開催される平成三十二年度までのスポーツ施策を着実に推進していくため、平成三十年度を初年度とする三カ年の年次計画を策定し、当局のみならず各局のスポーツ関連施策についても、進行管理を的確に実施してまいります。
進行管理を通じて各施策を着実に推進することにより、スポーツ実施率七〇%を達成し、スポーツ都市東京を実現してまいります。
○白戸委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと推進していっていただきたい。そして我々も一緒に推進していかなければいけないというふうに考えます。
また、今回、このアクションのターゲットを絞り込むために、行動変容ステージモデルというのを導入されておりますが、これも非常に興味深いところだと思います。余り他の事例で行動変容ステージモデルというのは導入されておりませんので、非常に新しい視点だなというふうに感じております。
また、せっかく、この行動変容ステージモデルを一層効果的なものにするには、現状の都民のスポーツの関与レベルはどのステージに当てはまるのかということを、しっかりと実態を把握して、何に重点的に取り組むのか検討することが必要だと考えています。つまり、ターゲットの層をしっかりと把握するということです。このあたりについて見解をお願いします。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 行動変容ステージモデルとは、人が行動を変えて新たな習慣が定着していく過程には、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期という五つのステージを経過していくというもので、本計画では、スポーツ施策の展開にこの考え方を取り入れております。
そして、より効果的、効率的な施策展開のためには、各ステージに都民がどの程度存在しているかを把握することが重要であります。
そこで、都では来年度、隔年で実施している調査を工夫し、都民のスポーツに関する意識や習慣について可能な限り実態把握に努めてまいります。
今後は、その調査結果を踏まえ、各ステージに応じた施策を展開してまいります。
○白戸委員 それらを前提とした上で、今度は具体的な取り組みについて幾つかご質問させていただきます。
先日、我が会派の代表質問で、障害者用スポーツ施設が少ないので、一般のスポーツ施設を使えるように、障害者スポーツを支える人材のさらなる充実をお尋ねし、人材育成確保に努めていくという趣旨の答弁をいただきました。
もちろん、人材育成は非常に大切だと考えております。ただ、現場のお話をお聞きしますと、有資格者の方は少なからずいらっしゃる。課題は、その方々が活躍できる場が少ないということもあるようです。
障害者の方も身近な場所で気兼ねなくスポーツができるようにするために、障害者スポーツ指導員を初めとした障害者スポーツを支えていこうという意欲のある人材の活用が非常に重要だと考えます。
そこで、この人材の活用について都立スポーツ施設ではどのように取り組んでいるのか、またそれ以外の活用の場を確保しているのか、あわせて伺います。
○新田見障害者スポーツ担当部長 当局が所管する都立体育施設においては、施設ごとの管理運営基準で、指定管理者に対し障害者スポーツ指導員養成講習会等の受講者を常時配置することを求めており、障害者スポーツの知識を持つ人材の活用を図っております。
また、都立特別支援学校の体育施設を活用した障害者スポーツの体験教室では、指導員資格のある方を初め、教室運営の補助等にかかわっていただける人材をボランティアとして募集し、意欲ある人材に活躍の場を提供しております。
さらに、区市町村等が実施する障害者スポーツ事業におけるボランティア募集について、年四回、情報紙「S&S」、スポーツアンドサポートにまとめ、都内で活動する指導員等に対して、活動の機会としていただけるよう情報提供を行っております。
○白戸委員 まさにご答弁いただいたように、支える人材を育成するだけではなくて、具体的に活躍してもらうということが非常に大切であり、こうした取り組みを、都はもちろんですけれども区市町村に広めていくことで、障害者が身近な地域でスポーツを楽しむということが実現できるのではないかと思います。
それでは、今度は、都が区市町村に対して、身近な地域のスポーツ施設への障害者の受け入れを促進するような働きかけ、非常に大切だと考えますけれども、見解を伺います。
○新田見障害者スポーツ担当部長 都は、身近な地域のスポーツ施設において障害者の受け入れが進むよう、区市町村職員や公立スポーツ施設職員等を対象に、初級障害者スポーツ指導員養成講習会を開催しております。
区市町村に対しては、より一層講習会への参加を働きかけ、支える人材の育成に努めるとともに、その活用の拡大を図ってまいります。
加えて、障害のある人のスポーツ施設利用に際し、施設管理者が配慮すべき点をまとめた障害者のスポーツ施設利用促進マニュアルにおいて、障害者の受け入れ対応の好事例などを紹介し、区市町村や公立スポーツ施設等に対して障害者の受け入れの促進を呼びかけております。
こうした取り組みにより、障害のある方が身近な地域でいつでもスポーツに取り組めるよう、地域における障害者スポーツの環境整備を進めてまいります。
○白戸委員 都はしっかりとこういうことをされているというのは理解しておりますが、ぜひ区市町村にもしっかりと働きかけをして、地域でも障害者スポーツの環境を整えていただきたいなというふうに思います。
さて、今回、目標の中にスポーツ嫌いをなくすという項目がありました。男子生徒が一一・八%から五%に、女子生徒は二一・八%から一〇%にという減少を目標にしているという、かなり目標、高い値だなという感じもしております。物事を好きにさせるというのは、施策、何となくわからなくもないんですが、嫌いをなくすというのは非常に難しいテーマだというふうに考えます。
これ、ちょうどスポーツ庁も同様の取り組みを発表しておりますので、都もスポーツ庁とぜひ連携をとってこの問題に関して取り組んでいただきたいなというふうに思います。
また、今回の大目標であるスポーツ実施率の七〇%を達成するためには、現在、実施率の低い二十代から三十代を上げていかなければいけません。
データを見ると、六十代から急激にこのスポーツ実施率はふえるんですね。これは、六十近くになるとわかってくるんですが、だんだん体の衰えを感じるからやるという方も、もちろんこれはいらっしゃると思います。しかし、もう一つ大きな要因としては、仕事をリタイアして時間ができる、こういったことからスポーツ実施率が上がるというのも一つの要因かと考えられます。
つまりは、フルタイムで働いている世代が昼間に時間をつくることは非常に難しくて、夜も残業などで時間をつくりにくいというのがあるんだと思われます。それならば、一番時間を過ごす職場で運動環境を整えていくという必要があると思います。
そこで、働き盛りの世代が一日の大半を過ごす企業の取り組みを後押ししていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都は、東京都スポーツ振興審議会での意見等を踏まえ、スポーツ実施率の低い働き盛り世代に対する施策として、社員のスポーツ活動を推進する企業等を東京都スポーツ推進企業として認定するほか、東京商工会議所と連携し、職場内での運動習慣の定着化に取り組んでおります。
昨年度開発した職場で気軽にできる運動プログラムについては、ガイドブックとして取りまとめており、経済団体、自治体を通じて、都内企業等に幅広く配布することとしております。本ガイドブックは、ホームページからもダウンロードできるようにすることで、多くの働き盛り世代の都民が職場内で運動できる環境づくりを促進いたします。
こうした取り組みを通じて、働き盛り世代のスポーツ実施率を引き上げ、都民のスポーツ実施率七〇%の達成を目指してまいります。
○白戸委員 ガイドブック、非常に楽しみです。ガイドブックのお話が出ましたけれども、先ほどお話も生文でも出ていましたけれども、ぜひ東京動画なんかも使って、動画の活用などもあわせてやっていただくと非常にわかりやすいのかなと思います。
さらに、二〇二〇年に向けまして、都内の多くのスポーツの施設が改修、休館に入ってしまうというのは本当に懸念されることだと思います。僕の周辺でも、もう既にこの件に関してはかなり相談を受けているのが実情でございます。
そのために、既存施設利用者への丁寧な説明、もういうまでもありませんが、この代替施設の案内も非常に大切ではないかなと考えます。ただ、案内できる公のスポーツ施設には当然限界があります。この東京都スポーツ推進総合計画の中間まとめでは、企業や大学などが所有するスポーツ施設の活用に向けて検討を行うということとしております。
そこで、この都内大学や企業などが所有する施設の活用に向けた現在の検討状況を教えてください。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都は、東京都スポーツ推進総合計画(仮称)の中間まとめの中で、都民の身近なところでスポーツが実施できる場を確保していくため、企業や大学等のさまざまな主体が所有している施設の有効活用に向けた検討を行うこととしております。
こうした都内の企業や大学等のスポーツ施設の活用は、東京二〇二〇大会に向け、都立スポーツ施設が改修、休館を迎える中にあって、都民のスポーツ環境を維持していく上でも効果的であります。
そこで、都は来年度から、大学、企業等と協定を締結し、体育館やテニスコート等を提供していただくTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業を開始いたします。
具体的には、都内スポーツ団体等に対して、大学、企業等の施設に係る情報を提供する相談窓口を設置し、団体等は各施設を有償で利用できる仕組みを構築いたします。
現在、都は、複数の大学、企業等に打診を行っており、今後は準備が整った協力先から順次協定を締結し、都民の新たなスポーツの場の創出につなげてまいります。
○白戸委員 ぜひ多くのスポーツ施設を活用できるように後押しをしていただきたいなと思います。
そう考えますと、この都立スポーツ施設の営業時間の開始が若干遅いのではないかなということも思います。現在、朝活というのが定着しまして、一般のスポーツクラブもどんどんと早朝営業を始めております。
私が先日、新宿にある、あるスポーツクラブに聞いたところ、むしろ今、一番混み合うのは朝一番です、夜は最近、余り混まないんですというようなこともお聞きしました。
中央区のプールなどでも、早朝営業を開始したら、現在一番混んでいるのが朝の七時から八時というようなことも聞いております。
ぜひここで、働く方のスポーツの機会創出のためにも、朝からの営業を強く要望して、質問を終えさせていただきます。
○高倉委員 私は、平昌の冬季のオリンピック大会の方の視察に行かせていただきました。わずか三日間でありましたけれども、二〇二〇年の大会を控えている中で、大変に有意義な視察であったというふうに思っております。
スケート関係の会場があった江陵というところにも行きまして、そこでは、ボランティアの方々とも意見交換をさせていただきました。私がお話をしたのは、大学生の方でありまして、ちょっと平昌から随分離れたところの大学であったようですけれども、大会が終わるまでずっとやるんです、こういうようなお話でした。ボランティアというのは、大会運営に当たっては大変に重要であるというふうに思っております。
そこでまず、今後、どういうスケジュールで、この二〇二〇年の東京大会に当たってのボランティアの募集、育成を行っていくのか、ご答弁をお願いしたいと思います。
○田中運営担当部長 大会を成功させる上で大きな役割を担うボランティアにつきましては、組織委員会が運営を行う大会ボランティア八万人、都が運営を行う都市ボランティア三万人の合計十一万人の募集を本年九月から開始する予定でございます。
応募いただいた方々に対しましては、第一次選考として書類選考を行い、その後、平成三十一年、二〇一九年二月から、組織委員会と連携し、第二次選考として面接を実施いたします。
都と組織委員会は、ボランティア全員に活動を行う上で必要な基礎的知識を習得してもらうため、平成三十一年、二〇一九年十月から、集合研修に加え、eラーニングも活用し、共通研修を実施することとしております。
また、都市ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキルを習得する役割別の研修を平成三十二年、二〇二〇年三月から行いまして、同年六月から配置場所ごとに特有の知識を習得する配置場所別研修を実施する予定でございます。
○高倉委員 今、大変細かなスケジュールを説明していただきました。これからボランティアの募集、またその育成というんでしょうか、進めていかれると思います。
恐らく検討されているとは思うんですけれども、障害のある方々がボランティアをぜひやってみたいというような場合は、ぜひとも積極的に取り組みをお願いしたいなというふうに思っております。
それと、オリンピックとパラリンピックがあるわけですけれども、例えば障害のある方々がやるボランティアはパラリンピックですと、こういうことではないんですよ、全く逆です。障害のある方々のボランティアも、このいわゆるオリンピック大会でもきちっと、もし採用していただけるんであればやらなければなりませんしということです。
つまり、もうそれがまさしく共生ということでありまして、そこのところは恐らく検討されているというふうに思いますが、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
平昌に行きましたときに、私どもは議連の派遣で行ったわけですけれども、向こうの大会の関係者の案内がずっとあったというわけではありませんので、なかなか状況がわからない中で、次々にいろんなところを見て回ったわけです。
もちろん大事なところに向こうのちゃんとしたおそろいの服を来たボランティアの方々がいたわけですけれども、ちょっと聞いてみたいなと思うようなことがいっぱいあるんですけれども、なかなかどういうふうに話したらいいのかという、つまり、私たちは日本人ですから、韓国語で話せば多分大丈夫なんでしょうけれども、英語で話していいものなのか、当然、多分日本語は余りよくわからないというふうに思うんですね。
そういう意味で、そういう形で、まさしく外国人として私たちは行ったものですから、まず言葉の問題はとても大事だなということも感じたわけですけれども、東京大会でも海外からかなりの観客が来ますけれども、特に都市ボランティアの多言語の対応についてはどう取り組んでいくのかについて答弁をお願いしたいと思います。
○田中運営担当部長 東京二〇二〇大会におきましては、世界中から訪れる選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、大会時のボランティアによる多言語での適切な案内、日本らしいおもてなしに満ちた対応が行われることが重要でございます。
現在、都では、大会を見据え、まち中で困っている外国人に積極的に声をかけ、手助けを行う外国人おもてなし語学ボランティアを育成いたしております。また、多言語での観光案内を行っている東京都観光ボランティアには、大会時、都市ボランティアの中核として活躍いただくことを期待しております。
募集に当たりましては、国内外からの大会関係者や旅行者にスムーズに対応するため、東京の観光、交通案内等に関する知識やスキル、経験などのほか、英語やその他、言語のスキルにつきましても、ボランティア活動に生かすことのできる経験や資質として示していくことを予定いたしております。
また、各配置場所の状況やニーズを踏まえまして、外国語のスキルを有する人の適切な配置を行いますほか、各ボランティアが対応可能な言語を観客等にわかりやすく表示する方法を検討してまいります。
さらに、大会時ボランティアが多言語で観客等を案内するために使用するアプリを開発いたしますとともに、地図やガイドブックなど、配布資料の多言語対応を行ってまいります。
○高倉委員 今、アプリのお話もありましたけれども、大変有効な方法ではないかなというふうに思います。
それと、今いろいろなそういう必要な方を育成して配置していくという話でありましたけれども、それがそういう人なんだなということが、もう一目でわかるように、そういうことにも工夫をぜひ凝らしていただきたいというふうに思います。
それから、平昌は大変な寒さでありました。あの寒さの中で、本当によく外にずっと立って頑張っているなと思うぐらい寒かったわけでありますが、東京の場合はその反対の、まさに物すごく暑い中での大会になって、ボランティアの方々も大変な暑い中で、場合によっては立ちっ放しで役目を果たす、こういうふうな方もいらっしゃるというふうに思いますけれども、この暑さ対策について現在どう考えているのか、お伺いしたいと思います。
○田中運営担当部長 東京二〇二〇大会の運営に当たりましては、ボランティアが安全に活動を行えるよう、暑さ対策等を適切に実施していく必要がございます。
そのため、都は、競技会場周辺等における遮熱性舗装の整備、街路樹の計画的な剪定による緑陰の確保、区市等と連携した微細ミストなど暑さ対策設備の設置等を進めております。
また、大会時には休憩場所の確保や、屋外で活動するボランティアへの小まめな休憩時間の設定、活動中の飲料水の提供、水分補給に関する注意喚起などを検討いたしております。
さらに、ボランティアに支給するユニホームの製作に当たりましては、日差しを遮るための帽子や通気性の高いウエアなどについて検討してまいります。
○高倉委員 しっかりといろいろと考えていらっしゃるというふうに思います。もちろん観客の方々とかも、暑い中で大変な状況になるということが考えられるかもしれませんし、ボランティアの方々が、こういう暑さの中で、場合によっては救護が必要な人が、ボランティアの方自身がそういう場合もあろうかと思いますので、そうした体制も含めて、万全な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
それから平昌で、いろんな案内のサインが、いろんな場所にあったわけでありますけれども、英語と韓国語でありました。もちろん日本語はないわけですね。したがって、それを見るとよくわかるわけですけれども、私、印象としては、掲示をしている箇所がちょっと少なかったかなというのが率直な印象であります。
この案内サインも非常に重要でありますけれども、これについての都の対応についてお伺いしたいと思います。
○越事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京二〇二〇大会におきまして、世界から多くのお客様をお迎えするためには、多言語によるわかりやすい案内サインを要所に適切に整備することが重要でございます。
そのため、競技会場内については、都の恒久施設の建設や改修に当たり、多言語による案内サインの整備を適切に行っていくとともに、各主体と連携し、仮設等の会場内についても同様に整備を促進してまいります。
また、最寄り駅から競技会場までの経路における案内サインにつきましても、組織委員会とともに整備に向けた検討や調整を進めているところでございます。
こうした取り組みに加え、東京二〇二〇大会及びその後を見据え、外国人旅行者が円滑に移動できるよう、官民一体となった多言語対応協議会において、主要ターミナル駅の案内サインの統一化などに取り組むとともに、都道の道路標識の英語併記化などを推進しております。
今後、東京二〇二〇大会において、海外からのお客様が快適に移動できるよう、関係機関と連携し、誰にもわかりやすい案内サインを適切に整備する取り組みを積極的に進めてまいります。
○高倉委員 今、外国語に関連をしたことについてお伺いをしたわけでありますけれども、障害のある方々、特に視覚の障害のある方とか聴覚に障害のある方々については、大変に情報の面でバリアがあるわけでありまして、こうした面でのバリアフリーの対策というものも欠かすことができないわけですけれども、あわせて情報バリアフリーに対する取り組みについて、今、現状どうなっているのかについてご答弁をお願いしたいと思います。
○萱場パラリンピック部長 障害のある人もない人も誰もが参加しやすい大会とするためには、情報バリアフリーに向けた取り組みが必要でございます。
東京二〇二〇大会では、大会運営時のバリアフリー化の指針であるTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえて、情報バリアフリーに取り組むこととしております。
ガイドラインでは、情報提供を行う手段として、視覚障害者のためには階段や通路等における点字ブロックの敷設を、聴覚障害者のためには案内サインの掲示などを規定しております。
その内容を踏まえて、会場やアクセス経路の整備を進めているところでございます。
さらに、都が整備する恒設の競技会場については、ガイドラインの適切な反映に加え、障害のある方に直接意見を伺うアクセシビリティーワークショップを開催し、いただいた意見は可能な限り施設整備に反映しております。
例えば、視覚障害者への対応として、音声案内をトイレの入り口やエレベーター等に設置することといたしました。また、聴覚障害者への対応としては、緊急時のサイレンの音、この音の情報を視覚的に伝達するためのフラッシュライトをトイレの個室へ設置することとしております。
こうした取り組みを通じて、障害の有無にかかわらず、必要な情報を入手できる大会環境を組織委員会とともに、きめ細やかに整備してまいります。
○高倉委員 大変大事なところであると思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
先ほど答弁の中にありました、障害のある方々からも直接要請を聞く、これはとても大事なことであるというふうに思います。それから音声案内のお話もありました。これもぜひ進めていただきたいなと思いますが、音声の場合、ここにさらにその先の言葉の問題が出てくるわけですね。全部日本語で通じるかどうかという問題もありまして、さらに十分な検討をお願いしたいなというふうに思います。
それから平昌では、私どもの視察団の中で、ちょっと残念ながら数が限られたんですけれども、選手村まで行って状況を見てまいりました。いろんなお話を聞きましたけれども、その中で一つだけ。平昌では、選手が宿泊をしている宿泊棟からメーンダイニングに至るまで大変長かったと。ちょっと起伏がある場所でしたので坂もあった、当然不便なわけであります。
東京大会での選手村についてはどうなんでしょうか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○朝山選手村担当部長 選手村は、選手が競技に向けて集中力を高める場所でございまして、アスリートファーストの視点で整備、運営を行うことが重要でございます。
東京二〇二〇大会の選手村では、選手のアクセス性に配慮し、メーンダイニングを二十一棟の宿泊棟が建ち並ぶ中心部に配置しております。
このため、最も離れた宿泊棟でもメーンダイニングまでの距離は約四百メーター程度となっており、これは、リオ大会の約八百メーター、ロンドン大会の約六百メーターと比較しても短くなっています。
また、冬季大会であり、かつ選手村が二カ所に分散し、規模の小さな平昌の選手村と比べると同程度の距離ではございますが、高低差がないため、選手にとって負荷の少ないアクセスを確保しております。
なお、組織委員会では、選手村内における巡回バスの運行についても検討を行っております。
引き続き組織委員会と連携しながら、アスリートにとって利便性や快適性などを確保できるよう、着実に取り組みを進めてまいります。
○高倉委員 今、巡回バスのお話もありました。巡回バスについては、ぜひ最先端の環境に優しいバスなども検討していただければと思います。
それから、補助犬のことについてちょっとお伺いしたいと思います。補助犬、犬です。
障害のある方々にとっては、補助犬というものが欠かすことのできない方もいらっしゃるわけであります。盲導犬というのが有名でありますけれども、耳の聞こえない方に対する聴導犬でありますとか、あるいはなかなか体が動かない方々について介助犬とか、実はいろいろ頑張っている、こうした犬がたくさんいて、まとめて補助犬というふうに呼ばせていただきますけれども、この補助犬は、東京での大会において、やはりこの補助犬なくしては移動ができない方々が当然いらっしゃるんだと思うんですね。これは当然、観客の方々もいらっしゃいますし、観客については、いろんな施設についての質疑をした際にいろんな対応を考えているということはお聞きをいたしました。
開会式とか閉会式に当たって、つまりまさしくフィールドの中というんでしょうか、選手の方々、役員の方々が国ごとに行進をしたりするわけですけれども、開会式、閉会式において、そういう補助犬を実際に連れてきたという例がこれまでにあったのかどうか、このことについてお聞きをしたいと思います。
○丸山連携推進担当部長 組織委員会に確認したところ、パラリンピック大会の開閉会式について映像で確認した限りでは、ロンドン大会において、選手が補助犬を伴って入場行進をした例があったと聞いております。
○高倉委員 いろいろと調べていただいたんだというふうに思います。ありがとうございました。
実際にそういう形で補助犬を帯同して、連れてといいますか、一緒になって動かなきゃならないわけですけれども、そうして入場した例があったということであります。
二〇二〇年の東京大会においても、特にパラリンピックの方になろうかと思いますけれども、開会式、閉会式に当たって、選手が希望する場合に、入場行進の際に補助犬を一緒に連れてきても構わないというような対応をすべきであるというふうに思っております。
この東京での大会がいわば共生社会というものをしっかりアピールをしていくという側面もあることを考えた場合に、東京という都市がこうした補助犬もしっかり配慮している、大事にしている、動物のことも非常に大切にしている都市であるというようなことも、あわせてアピールをしていってもいいんではないかなと私は思っておりまして、入場行進の際にアスリートの方々、あるいは役員の方々で必要な方々は、この補助犬を帯同するということと、さらに、そういう障害のある方々にとっては、こうした補助犬が欠くことができないんだ、それを東京は非常に大事にしているんだということもアピールする意味で、何らかの開会式、閉会式において、入場行進においてイベント等も行うべきであるというふうに私は思っております。
こうした開会式、閉会式の対応について見解をお伺いしたいと思います。
○丸山連携推進担当部長 東京二〇二〇大会の開閉会式の入場行進における補助犬の帯同については、選手から具体的な要望があった場合には、その意向も尊重し、組織委員会において対応を検討していくと聞いております。
なお、開閉会式については、組織委員会が大会運営の一環として準備を進めておりまして、今後、別途選任する監督のもとで、具体的な演出の企画制作が行われることになります。
現在は、監督の選任に先立ち、昨年十二月に設置した東京二〇二〇開会式・閉会式四式典総合プランニングチームにおいて、開閉会式の基本プランの検討が開始されたところでございます。
都といたしましては、今後の検討の推移を注視してまいります。
○高倉委員 次に、機運の醸成についてお伺いしたいと思います。
今回の平昌の大会でも、日本人のアスリートの方々が大変活躍をいたしまして、メダルを獲得する中で、見ていた日本人も本当に大きな感動に包まれたというふうに思います。
過去の大会でも、メダリストの方々が東京において大変大きな規模でパレードをして、それが大変機運の醸成につながったというようなことがあったと思います。
今回の平昌での冬季のオリンピックの方の大会の後に、二月下旬に帰国報告会が開かれたわけでありますけれども、この報告会の状況や反響についてご答弁をお願いしたいと思います。
○丸山連携推進担当部長 JOCは、去る二月二十七日に、平昌オリンピックの日本代表選手団による帰国報告会を開催いたしました。
大会期間中の応援に対する感謝を伝えるため、大会終了後に一般の来場者が観覧できるイベントとして開催されたと聞いております。イベントには、小平奈緖主将や葛西紀明旗手を初めとする日本代表選手団が出席し、帰国報告やミニトークが行われ、約五千人が来場いたしました。
会場の盛り上がりはメディアでも大きく報道されまして、平昌大会を通じた日本選手応援の機運、また、大会開催機運が高まったと認識しております。
○高倉委員 冬季の大会の報告会としては本当に初めての大きな規模のものではなかったかなというふうに思うわけであります。
この平昌の大会では、本当に日本人のアスリートの方々、大活躍をされました。私は、じっくり見ている時間はなかなかなかったんですけれども、たまたまカーリングを見ておりまして、最後に銅メダルを獲得したあの一瞬を見ておりまして、大変胸を熱くしたわけでありまして、そういう思いを日本人のかなり多くの方々が持ったんではないかなというふうに思います。
そうした意味で、メダリストの方々を初めとして、今回平昌で挑戦をした全てのオリンピアン、パラリンピアンの方々に、今後二〇二〇年の大会に向けた機運醸成のためにいろんな形で協力をお願いするということは大変重要であると思いますけれども、このことについての都の取り組みについてご答弁をお願いしたいと思います。
○丸山連携推進担当部長 東京二〇二〇大会に向けて開催機運を盛り上げていくためには、スポーツと大会のすばらしさを発信することができるメダリストを初めとしたオリンピアン、パラリンピアンにご協力いただくことが有効でございます。
このため都では、これまでもJOC、JPC、国内競技団体のご理解をいただきながら、カウントダウンイベントやフラッグツアー、ライブサイト等の各種機運醸成イベントにおいてメダリスト等に出演していただき、スポーツ体験のデモンストレーションや競技解説、トークショー等を通じてオリンピック・パラリンピックの魅力を発信していただいております。
引き続き来年度もカウントダウンイベントやフラッグツアー等のイベントにおいて、メダリスト等のご協力をいただきながら、都内及び全国の大会開催機運を盛り上げてまいります。
○高倉委員 次に、新たに追加された種目のことについてお伺いをしたいと思います。
東京大会では、野球・ソフトボールが復活をしたほかに新たに追加をされた種目がございまして、日本人のアスリートの活躍が期待をされるわけであります。
一つ一つお聞きをしたいところではありますが、そういう時間もありませんので、きょうは、スポーツクライミングについてお聞きをしたいと思います。
まず、このスポーツクライミングについて、トップを目指す東京の選手に対して、その能力を発揮してもらうために、都としてどう取り組んでいくのか、ご答弁お願いしたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 東京の選手が日本代表レベルのトップアスリートとなって活躍することは、都民のアスリートや競技への関心を高め、ひいては都民のスポーツ振興にもつながるものでございます。
都では、東京二〇二〇大会を初めとした国際大会で活躍が期待される選手を東京アスリート認定選手として認定し、日本代表を目指す選手に対して強化合宿への参加経費や、国際大会等に出場するための渡航費などに対する支援を行っております。
平成二十九年度は、スポーツクライミングで九名の選手が認定され、えひめ国体や国際大会に出場し、上位に入賞するなどの成果を得ております。
今後も、クライミングを含め、より多くの競技において、東京育ちのアスリートが活躍できるよう、競技団体等と連携して取り組んでまいります。
○高倉委員 新しい種目ですので、私も今後の展開を注目したいと思っていますが、特にこのスポーツクライミングにこれから取り組んでいく子供たちに対する対応というのは非常に重要であるというふうに思っています。
特にこのスポーツの裾野を拡大していくということが東京大会での結果にも結びついていくというふうなことであります。
このことについてどう取り組んでいくのか、お答えをいただきたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 都は、都民のスポーツに対する興味や関心を喚起し、スポーツに親しんでいただくため、さまざまなスポーツイベントを行っております。
例えば、昨年十月に区部と多摩の二カ所で実施しましたスポーツ博覧会・東京などでは、多くのお子様にスポーツクライミングの楽しさを体験していただいております。
また、十八歳以下を対象とするジュニア育成地域推進事業でも、スポーツクライミングを対象とし、スポーツ教室や強化練習会などを通じて、競技人口の拡大や将来の活躍が期待される選手の発掘、育成、強化に取り組んでおります。
このように、スポーツクライミングを含めたさまざまなスポーツの普及やジュニア育成に取り組むことで、裾野拡大に努めてまいります。
○高倉委員 このスポーツクライミングに限らないと思いますけれども、普及促進を図っていくためには、世界のトップアスリートが集うような大会を東京で開催していくというようなことも重要だと思うんですね。
かなり前のことになりますけれども、私も、世界大会ではないんですけれども、当時フランスなんかの選手が非常に強かったときに、多分あれは代々木公園だったと思うんですが、大会を見たことがありまして、とても印象に残った記憶があります。
こうした世界大会を支援していくということは大変有効であるというふうに思いますけれども、このことについてご答弁をお願いしたいと思います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 スポーツクライミングの世界大会は、国際スポーツクライミング連盟が主催するIFSCクライミング・ワールドカップや世界選手権などが主にヨーロッパを中心に開催されております。
平成二十九年五月に、都内で初めてIFSCクライミング・ワールドカップのボルダリングが八王子市で開催されました。当該大会には、スポーツ庁や八王子市等が後援を行ったところでございます。
こうした世界大会の開催に際しては、東京都においても、主催者等の意向を踏まえ、後援等の支援を行うことにより、スポーツクライミングを初めとするスポーツの振興に寄与してまいります。
○高倉委員 今スポーツクライミングを取り上げさせていただきましたけれども、実は私も、もう二十数年前になりますけれども、当時はフリークライミングという名前で呼んでおりまして、私も熱くなっていた時期が実はあります。
ただし、これはロッククライミングみたいな感じの、いわゆる高い山の壁を登るようなものではなくて、例えば東京の近郊だとか関東に、自然の岩場なんですけれども、そう大きくないところがあって、いわばゲレンデと呼ばれるようなところがあって、自然のものですけれども、そういうところに行って、実は熱くなっていたわけであります。
今スポーツクライミングというふうに呼ばれてきていると思います。特に室内でそういう施設が多くなってきているということがあるんですけれども、実はまだまだそういう場所が本当に少ないんですね。
せっかくオリンピックの新種目になりましたけれども、実際そういうスポーツを楽しむ場所が都内でも実はかなり少ないわけでありまして、このスポーツクライミングのほかにもスケートボードとかBMXフリースタイルといったような新たな種目が実施もされますし、これらのスポーツは、サッカーとか野球と違って、なかなかやる場所がないということでございます。
こうした新追加種目等の身近な地域での場の確保に向けて、都は積極的に取り組むべきというふうに思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 追加種目の施設は、民間でも整備されているところですが、都では、身近な地域におけるスポーツ活動を促進するため、平成二十六年度に創設したスポーツ施設整備費補助により区市町村を支援しております。
具体的には、競技スペースを拡大する工事、利用時間の延長等の利用機会拡大に資する工事や誰もが利用しやすい環境を整備するバリアフリー工事等を対象として補助を行っております。
スポーツクライミングを含め、追加種目等のスポーツの施設整備についても、補助要件に該当する場合には支援の対象としており、こうした補助制度を活用しながら、身近な地域における場の確保に努めてまいります。
○高倉委員 このことについての最後に、スポーツクライミングもそうですけれども、実際その競技をする場所というのは、本当に仮設でできてしまうというような感じなんですね。したがってこの東京大会でも、新たな種目というのは仮設の会場で実施をされるようであります。
この仮設の施設は、大会で使用した後も活用が検討できるというふうに思いますけれども、こうした仮設のスポーツ施設の活用についてどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木開設準備担当部長 仮設スポーツ施設の活用についてでございますけれども、昨年四月に公表いたしました新規恒久施設の施設運営計画におきまして、東京二〇二〇大会後、有明北エリアを有明レガシーエリアとして追加種目等の仮設スポーツ施設を有効活用したアーバンスポーツゾーンを形成することといたしております。
大会後の仮設スポーツ施設の活用につきましては、民間のノウハウや創意工夫も取り入れながら、近隣の住宅や学校などへの配慮や土地利用など、有明レガシーエリア全体の状況も踏まえながら、関係局とともに連携して検討を進めてまいりたいと思います。
○高倉委員 最後に、復興オリンピック・パラリンピックについて質問をさせていただきます。
私ども都議会公明党は、被災地の復興なくして二〇二〇年の大会の成功はない、このようにかねて訴えてきたわけでありまして、今改めて東日本大震災の被災地の復興、またさらにその後には、熊本の地震等もあったわけでありまして、こうした被災地の復興につなげていく大会であるということは、引き続き高く掲げていく必要があるというふうに考えているわけであります。
二〇二〇年の東京大会の招致の際に、復興専門委員会の報告というのが出されておりまして、この中には、東京都が被災県とも連携をしていろんなことをやっていくということをここに具体的に書かれているわけであります。
かつて検討したことだからというんではなくて、まさにこの今回の東京でのオリンピック・パラリンピックの招致の原点には、やはり被災地の復興ということがあったわけでありまして、これは片時も私たちは忘れてはならないことであると思います。
まさしくその原点の位置に立ったときに、そういうことも決めているわけでありますけれども、ここで検討された具体的な事業がずっと並んでいるわけでありますが、どの程度実現をされているのかについて答弁を求めたいと思います。
○小池自治体調整担当部長 都は、大会招致時から復興オリンピック・パラリンピックの理念を掲げまして、スポーツの力で被災地の復興を後押しする取り組みを進めております。
委員お話しのとおり、招致活動のときから開催決定後を視野に入れまして、大会準備期間や大会開催期間など、それぞれの段階で都や組織委員会、国といった各主体が実施すべき事業について、被災県等も交えて検討が行われておりました。
このうち、大会準備期間中の取り組みとして例示されていました事業につきましては、その半数以上が実現されておりまして、都が行っております千キロ縦断リレーやアスリート派遣事業、被災地でのライブサイトのほか、国の復興ありがとうホストタウンなど、各実施主体がその趣旨を反映した事業に取り組んでいるところでございます。
その他の事業につきましても、被災県や組織委員会、国等と連携いたしまして、引き続き検討を行ってまいります。
○高倉委員 この事業には大会の期間中の事業もありますので、今後、引き続き取り組みを進めていただきたいと思います。
それから、復興オリンピック・パラリンピックについては海外にもしっかりアピールをしていく必要があろうかと思っていますが、これについてどういう取り組みをしてきたのか、また、しようとしているのか、このことについてご答弁をお願いしたいと思います。
○小池自治体調整担当部長 これまでスポーツを通じて元気を取り戻しつつある東北三県の姿を世界に伝えるため、映像を制作し、国や庁内各局とも連携して、リオ大会のジャパンハウスを初め、各種イベントなどさまざまな機会を捉えて国内外に向け広く発信してまいりました。
また、熊本地震により甚大な被害を受けました熊本県につきましても、今年度同様の映像を作成いたしました。
これらの映像につきまして、平昌大会のジャパンハウスや大会開催期間中に実施いたしましたライブサイトで上映したところでありまして、東京動画やホームページでも発信しております。
加えて千キロ縦断リレーでは、昨年度と今年度、合わせて約三十名の海外メディアを現地に招待し、被災地の現状を世界に向けて発信していただきました。
来年度は、さらに組織委員会が実施するメディア向け事前説明会に合わせ、海外メディアを対象として、被災地への取材ツアーを実施いたします。被災地の今を直接現地で実感してもらうとともに、子供たちがスポーツに取り組む姿などを見てもらいまして、世界中の支援により立ち直りつつある被災地の姿を発信してまいります。
こうした取り組みによりまして、復興オリンピック・パラリンピックを国内外に向けてアピールしてまいります。
○高倉委員 これが最後の質問ですが、東日本大震災のときには、海外からも相当たくさんの支援をいただいたわけであります。私どもは、この二〇二〇年の大会において、しっかりと復興した姿を示していくことが、そうした海外からいただいた、たくさんの支援に応えていくことであるというふうに思いますので、ぜひそれはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
先日、ラジオを聞いておりましたら、福島県の内堀知事がいろんなお話をしておりまして、特に福島で野球・ソフトボールができるということになったこと、例えばこのことが復興五輪のシンボルの一つでもあるということを強調しておりました。
今後、さまざまのことを検討しながら、復興オリンピック・パラリンピックという姿をさらに具体的にしていくためには、被災地の意見をしっかり反映していくことが必要であるというふうに思いますけれども、このことについてのご答弁をいただきまして、質問を終わりたいと思います。
○小池自治体調整担当部長 大会開催期間中に実施する復興支援の取り組みを検討するに当たりましては、その内容が被災地の意見を踏まえたものとなるよう、昨年十二月から、組織委員会、国とともに東北三県を訪問するなどして、改めて意見交換を行いました。
各県からは、海外から人が集まる首都圏で被災地の情報を発信する拠点を設置したいという意見のほか、大会を肌で感じられる機会を設けてほしい、被害の大きかった沿岸市町村からも丁寧に要望を聞いてほしいといった声が寄せられております。
引き続き、被災地の現状や要望を丁寧に把握しながら、大会開催期間中に実施する復興支援の具体的な事業につきまして、組織委員会や国等と連携して、東京二〇二〇大会の原点である復興オリンピック・パラリンピックが実現されるよう取り組んでまいります。
○古賀委員 平成三十二年七月二十四日の東京五輪開会まであと八百五十七日となりました。そこで、都大会のオリンピック・パラリンピック、つまり、東京五輪、障害者五輪の事前キャンプについて伺います。
日野市が私の地元選挙区なんですが、二月に市議会議員選挙が行われ、改選が行われたわけであります。その改選後の市議会の初議会で、日野市の大坪市長が所信表明を行いました。
その中で、東京五輪、障害者五輪について触れています。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けては、機運醸成を図るとともに、国体で開催地となった縁で関係を深めた空手競技の事前キャンプ等で、市の施設を活用していただけるよう取り組んでまいりますと述べました。
今回、先ほど新たな競技のお話がありましたけれども、空手道界悲願の宿願であった、空手道、日本発祥の武道が正式競技ということになったわけであります。この空手道の競技、オリンピックでは空手という競技名で呼ぶんですけれども、空手道の事前キャンプを誘致することを日野市長が表明したということであります。
事前キャンプの誘致をする場合、実現に向けてどのような活動が必要となるのか、また、これを誘致するにはどのような活動を行っていくべきか、誘致活動に対して、東京都オリンピック・パラリンピック準備局はどのような支援を行うのか、伺います。
○小池自治体調整担当部長 事前キャンプは、各国のオリンピック委員会などが大会直前に任意で行うトレーニングでありまして、市区町村が主体となって誘致に取り組むものでございます。
市区町村が事前キャンプを誘致するに当たりましては、施設のPR用資料を作成して海外のオリンピック委員会などへ働きかけたりすることが有用であります。
また、これまでの例を見ますと、とりわけ姉妹都市のつながりを活用したり、地元で活躍している海外選手などから出身国へ働きかけを行ったりするなど、関係者を通じた取り組みが効果的であると考えられます。
こうした市区町村のさまざまな活動を支援できますよう、都や組織委員会では、ホームページを活用しまして、各地のスポーツ施設を紹介しているほか、都では、海外のオリンピック委員会などからの視察の要望に際して、市区町村への受け入れ調整などを行っております。
さらに、市区町村に向けてセミナーを行いまして、事前キャンプに関する情報提供や相談に応じるとともに、誘致に関する施設整備や交流事業などの取り組みに対して、ハード、ソフト両面から財政支援も行っております。
今後とも、こうしたさまざまな取り組みを通じて、事前キャンプの誘致が実現できるよう、きめ細かく支援してまいります。
○古賀委員 もう質問はこれで終わりです。
空手道については、先ほど市長の発言にもありましたように、平成二十五年の多摩国体で日野市が国体競技の会場となりまして、そういう縁でぜひ事前キャンプを誘致したいということで、市が今、その動きを強めているわけです。
国の方でも、いろいろ調べましたら、内閣府でオリ・パラ競技大会推進本部をつくって、市町村向けホストタウン事業というのを推進しているということでありますので、いずれにしろ実現することが肝要であります。
日野は、土方歳三の生地でもありまして、新選組のふるさととして、新選組まつりには全国の多くの皆さんが参加してくださるんですけれども、武道の競技である空手道の誘致といいますか、事前キャンプの誘致活動が成功すれば、まちの活性化にも資するところが大変大きいわけでありますので、ぜひ実現に向けて東京都の格段の支援をいただくよう、心からお願い申し上げて、質問を終わります。
○米倉委員 東京都スポーツ推進総合計画案について伺います。
この計画は、来年度二〇一八年度から二〇二四年度までの東京都のスポーツ行政の根幹となる計画です。
計画案では、基本理念として、スポーツの力で東京の未来をつくる、東京のスポーツ実施率七〇%を達成し、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京を実現しますと掲げています。
スポーツ実施率を七〇%に引き上げるのは大切なことだと思いますが、最新の調査では、都民のスポーツ実施率は五六・三%となっております。目標を達成するには、それを担保する都としての取り組みが求められていると思います。そういう観点から幾つか伺います。
まず、計画案で掲げるスポーツの定義についての確認です。
この計画で示すスポーツとはどのようなものを示しているのか、また、国のスポーツの定義と考え方が異なるのか、伺います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 スポーツの定義についてでございますが、スポーツ基本法の前文において、スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人または集団で行われる運動競技その他の身体活動と規定されております。
これを踏まえ、東京都スポーツ推進総合計画においても、スポーツを、ルールに基づいて勝敗や記録を競う、いわゆる競技スポーツだけではなく、仕事の合間に行う体操、余暇時間に健康増進や気分転換を目的として行うウオーキング等についてもその範囲に含めるなど、幅広くスポーツを捉えております。
○米倉委員 今の説明ですと、例えば通勤途中に健康のために、駅ではエスカレーターではなく階段を使うですとか、仕事の合間に肩が凝ってきてストレッチをするというようなケースも含まれることになります。
確かに、スポーツというときに、競技スポーツだけでなく楽しみや健康のための身体活動が範囲になるということは理解できますが、今紹介したようなものまでスポーツとしてカウントをして、都民のスポーツ実施率を七〇%まで引き上げて、スウェーデンなどを超えて世界一を目指すという目標は、正直どうなのかなというふうに思います。
計画案には、主要国におけるスポーツ実施率が載っています。出典に出ているEUのスポーツと身体活動についての調査を私も印刷して読みました。例えば、スウェーデンは、週一回以上、運動かスポーツをする割合が七〇%となっています。これは東京都の計画案にも紹介がされております。
しかし、このEUの調査でいうスポーツという定義は、都が示すものとは大分異なります。ここでいう運動とスポーツとは、いわゆるスポーツ、水泳、フィットネスセンターやスポーツクラブでのトレーニング、公園で走るなどの、スポーツをするような場で行う身体活動を示しております。
この調査では、スポーツなどとは別の項目として、その他の身体活動についても調査しております。身体活動とは、サイクリング、ダンス、ガーデニングなどが例示されていますが、スウェーデンでは、身体活動、今紹介した活動について週一回以上取り組む割合は七五%と示されております。
私も、都が計画案で掲げるスポーツ実施率を七〇%に引き上げる目標は歓迎をしております。しかし、駅では健康のためにエスカレーターでなく階段を利用するというようなものまでスポーツに入れて世界一を達成しても、これで計画で掲げている健康長寿の達成や共生社会の実現などの政策目標を達成、本当にこういう目標を達成することができるのかと疑問を感じております。
スポーツの定義は、やはりEU調査などを参考にしたものとすることや、またスポーツ実施率などの計画での目標の立て方は、スポーツ、そしてその他のレクリエーションなどの身体活動について、それぞれ別に目標を持って引き上げる努力が必要だと指摘をしておきます。
都民のスポーツ実施率をさらに引き上げることを考えたときに、都の調査では、都民のスポーツ実施率が平成二十六年の六〇・五%から、平成二十八年には五六・三%に下がっていることの分析が必要だと考えています。
都は、この結果についてどのように分析しているか、伺います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 週一回以上スポーツを実施する人の割合でありますスポーツ実施率につきましては、平成二十八年度調査では五六・三%であり、平成二十六年度調査から約四ポイント減となりました。
平成二十八年度調査では、前回調査から六十歳以上の高齢層のスポーツ実施率が六・七ポイント低下し、女性のスポーツ実施率も全年代で低下しております。一方、年代別に比較すると、二十から四十歳代は男女ともに低い水準となっております。また、スポーツを実施しなかった人にその理由を聞いたところ、仕事や家事、育児が忙しくて時間がないからという回答が最も多くありました。
こうした結果を踏まえ、スポーツ推進総合計画においては、スポーツ実施率の向上に向け、さらなる企業等との連携によるスポーツ機運の醸成や、子育て中の方々のスポーツ振興に取り組むこととしております。
○米倉委員 都の調査を私も平成十九年から二十九年まで、過去十年の調査をさかのぼって比べてみました。
スポーツ、運動を実施した理由では、健康、体力づくりのためという理由について一七ポイントも伸び、六七%の最多の方のスポーツをする理由となっております。その一方で、友人、仲間との交流を理由に掲げる方は、この十年で八ポイント減っていまして二四%です。
健康のためにスポーツに取り組む方がふえるということ自体は重要ですが、やはりスポーツの魅力の一つは、スポーツをすること自体が楽しいということが挙げられると思います。
スポーツ自体が友人などとの交流を深めるきっかけにもなります。友人とスポーツをしたいと思うときに気軽にスポーツができるためには、場所があることが大切で、そこは都としての重要な役割を果たすところだと思います。
場の確保については、交流の場としてだけではなく、今、市民のスポーツクラブにとっても切実な問題となっております。練習場所に慢性的に困っている、施設が絶対的に足りていない、継続的にスポーツができる環境をつくってほしいという声をスポーツ関係者からは長年伺っております。
都や区市町村スポーツ施設の増設など、スポーツの場の確保に向けて力を入れるべきだと思いますが、いかがですか。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都が保有する大規模スポーツ施設は、昨年十一月より運営を開始した武蔵野の森総合スポーツプラザを含め十施設となっております。また、今後、東京二〇二〇大会に向けた施設整備により、さらに六施設が増加する予定であります。
また、都は、平成二十六年度に区市町村のスポーツ施設の新設や改修等を支援するスポーツ施設整備費補助制度を創設いたしました。
補助件数は毎年伸びており、平成二十八年度末で累計七十九件の実績がございます。
今年度は新たにモデル事業として、公園内への運動器具の設置を補助対象に加え、区市町村と連携しながら、都民の身近なスポーツ環境の充実、拡大を図っているところでございます。
○米倉委員 都立スポーツ施設がふえることは大事なことで評価しています。
しかし、そもそも日本の公共スポーツ施設は他国と比べても、例えば、フランスが二十七万カ所、ドイツが二十三万カ所あるのに比べ、日本は四万八千カ所と少なくなっています。さらに、東京都内の公立スポーツ施設数というものは、全国と比べると最低レベルといわれています。
区市町村がスポーツ施設を新設、拡充などへ支援する取り組みも、バリアフリー化を進めることにはつながっていますが、スポーツの場を確保するには、助成の金額を大幅に引き上げることが求められていると思います。
スポーツ実施率七〇%を実現するというならば、区市町村への支援も抜本的に強化することが必要だと思いますし、強くその実現を要望しておきます。
今回策定する東京都スポーツ推進総合計画は、これまでの東京都スポーツ推進計画と東京都障害者スポーツ振興計画を一つの計画としてつくるものとなっています。
今回、一体の計画としたのはどういう理由なのか、またこの計画では、障害者のスポーツについてはどう位置づける考えなのか、伺います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 平成二十四年三月に東京都障害者スポーツ振興計画を策定してから、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の開催決定やリオデジャネイロ大会でのパラリンピアンの活躍等により、障害者スポーツに対する都民の関心が大きく高まるなど、障害者スポーツを取り巻く環境は大きく変化しております。
障害の有無を問わず、全ての人がスポーツを楽しめる社会を実現するためには、障害者スポーツに特化した施策からさらに歩みを進め、スポーツ振興全般について、障害のある人に配慮した視点を持って、普遍的に施策を展開していくことが必要であります。
こうしたことから、都では、従前のスポーツ推進計画と障害者スポーツ振興計画を統合し、新たなスポーツ推進総合計画を策定することといたしました。
今後は、本計画に基づき、障害のある人もない人も誰もがスポーツに親しめる環境を築いてまいります。
○米倉委員 スポーツ振興の全般において、障害者のスポーツについても位置づけるということは重要だと思います。
そうした考えを実現する上では、障害者のスポーツが東京都の障害者スポーツの拠点である東京都障害者総合スポーツセンターと多摩障害者スポーツセンターだけではなく、都内各地で取り組めるようになることが必要だと思います。
身近な場所で障害者のスポーツができるよう、障害者スポーツを支える人を育成、活用するなどの取り組みも重要になってくると思いますが、都の取り組みについて伺います。また、都立スポーツ施設における対応も伺います。
○新田見障害者スポーツ担当部長 都は、障害者スポーツを支える人材を育成するため、区市町村職員や公立スポーツ施設職員等を対象にセミナーや指導者養成講習会等を開催しております。
加えて、今年度作成した障害者スポーツを支えることの魅力を伝える映像の活用などにより、新たな担い手の発掘に取り組んでいるほか、都立特別支援学校の体育施設を活用した障害者スポーツの体験教室において、ボランティアの募集を行い、活躍の場を提供しております。
また、当局が所管する都立体育施設においては、施設ごとの管理運営基準で、指定管理者に対し、障害者スポーツ指導員養成講習会等の受講者を常時配置することを定めております。
引き続き、障害者スポーツを支える人材を育成し、積極的活用を図ってまいります。
○米倉委員 都立特別支援学校の体育施設活用の取り組みで、ボランティア募集など、障害者スポーツを支える裾野を広げていることは大切だと思います。
次に、東京マラソンの車椅子マラソンについても伺います。
東京マラソンでは、車椅子マラソンと健常者のマラソンで、優勝者等の賞金に大きな開きがあります。健常者のマラソン優勝者が一千百万円であるのに対し、車椅子マラソンの優勝者は百万円です。当事者からも、金額と同時に障害者スポーツの地位も引き上げてほしいという声が出ていまして、私も大事なことだと思います。
都はこれまで、この問題についてどう取り組んできたのか、伺います。
○小室スポーツ推進部長 東京マラソンでは、二〇〇七年の創設時からフルマラソンに車椅子の部を設け、障害者スポーツの振興に努めてまいりました。
二年前に行われました東京マラソン二〇一六では、第十回記念大会としまして、新たに車椅子マラソンの参加定員を拡充するとともに、その国際化にも取り組みました。具体的には、パラリンピック出場のためのIPC公認記録を取得できる大会としたほか、海外エリート選手の招聘等を行いました。
このように、既に東京マラソンは、障害者スポーツの分野でも国際的に注目を集める大会となっております。
なお、賞金についてでございますが、世界六大大会であるワールドマラソンメジャーズや国内の主要な車椅子マラソン大会を勘案しまして、主催者である東京マラソン財団が二〇一六大会から優勝者の賞金金額を五十万円から百万円に引き上げているところでございます。
○米倉委員 今、車椅子マラソンの国際化などに取り組んできたというご答弁で、それは重要だと思います。
私、賞金について中心に伺ったんですけれども、賞金については財団が決められたということなんですけれども、そもそもマラソン財団は東京都が設立をして、都の出資率は基本財産、資本金等の九〇%にも上ります。
定款を読みますと、マラソン財団の事業計画、収支予算、東京マラソンの大会運営に関する事項は、理事会で決定することとなっていますが、理事には、東京都の職員だけでも九人入っていると思いますが、これは事実ということでよろしいですか。
○小室スポーツ推進部長 東京マラソン財団の理事会に東京都の職員が入っていることは事実でございます。
○米倉委員 だとするならば、財団が賞金は決めるから東京都は関係ないというような趣旨のご答弁だったと思うんですが、関係あるということになると思うんですね。
財団と一緒に、やはり賞金の引き上げについて検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○小室スポーツ推進部長 賞金金額については、主催者である東京マラソン財団の理事会で毎年度の事業予算として決定しているところでございます。
○米倉委員 その理事会に東京都自身が入っているわけですから、ぜひ賞金の引き上げなどについても議論をしていただきたいと思います。
それによって、障害者のスポーツの地位向上のために東京都が力を尽くしていただきたいと要望しておきます。
二〇一六年に車椅子マラソンを国際化したり、賞金を五十万円から百万円に引き上げたということですが、やっぱりこのときには当時の舛添都知事が障害者のスポーツに取り組み、力を入れていたということもきっかけになったと事前の説明では伺っております。
今、小池知事もパラリンピックの成功なくして東京二〇二〇大会の成功はない、二〇二〇年に向けてパラスポーツを盛り上げると同時に、二〇二〇年以降も東京に、そして日本全体にパラスポーツが根づいていくよう、さまざまな視点からその魅力を発信していくと発言をしています。だとするならば、パラスポーツの地位を向上することは、都としての大事な役割だと思います。
東京マラソンは世界六大メジャーマラソンの一つであると。そうした賞金も参考にして決められたというお話がありました。
私も調べてみました。情報を入手できたのは、ボストン・マラソンとニューヨーク・マラソンに限られますが、ボストン・マラソンでは、オープン部門の優勝者が一千五百七十五万円に対して、車椅子部門の優勝者の賞金は二百十万円です。ニューヨーク・マラソンでは、オープン部門の優勝者が一千五十万円に対して、車椅子部門は二百十万円となっていまして、やはり健常者と車椅子で差はあるものの、東京マラソンよりも車椅子マラソンの賞金は二倍以上の金額となっています。
これは、ただ金額の話にとどまらず、車椅子マラソンの地位を上げることと競技人口をふやすことにつながることだと思います。都としても、そうした観点から賞金引き上げることを取り組んでいただきたいと思います。
最後に、この計画の障害者スポーツ施策のまとめ方についてです。
障害者スポーツをどう進めていくかが、この計画にとって重要な課題となっています。今の計画案では、そもそも障害者スポーツについての記載が計画のあちこちに散らばっていて、全体像が見えにくくなっております。
障害者スポーツでの取り組みの全体像をわかりやすく示すことは、今後の計画の進捗の把握などを考えても大切ですが、いかがですか。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 スポーツ推進総合計画では、障害者スポーツを含め、スポーツ施策を一体的に推進していくという考え方に立ち、さまざまな政策指針に障害者スポーツに関する記載が含まれるものとなっております。
こうした考え方は、共生社会の実現に資するものとして、東京都スポーツ振興審議会から大いに評価を得ておりますが、一方で、東京都の障害者スポーツ振興には、全国の範となる先鋭的な取り組みも多く、こうした内容を調べやすくなるよう、記載についてはさらなる工夫を期待したいという審議会の意見もございました。
そこで、障害者スポーツの振興に特化した施策を抜き出し整理した上で、資料として巻末に記載することといたしました。この資料については、障害者スポーツの振興に携わる東京都を含む行政機関や関係団体、都民等の理解を一層深め、障害者スポーツの施策やイベントの企画立案等に資するものとして活用してまいります。
○米倉委員 わかりやすくまとめてくださるというお答えで安心をいたしました。
障害者スポーツの実施率も、都は、これまでの二倍の四〇%に引き上げる目標を掲げています。スポーツに取り組める場所と支える人の確保には、さらに力を入れていただき、目標達成に力を尽くしていただきたいと要望しておきます。
計画には、スポーツクラスターを核とした地域の活性化も記載されています。我が党はこの間、日本体育協会の移転改築に当たり、森元首相が関与して、都政がゆがめられている実態を告発しました。移転の口実として、後づけで神宮外苑地区のスポーツクラスターが使われていますが、都民のスポーツ振興に当たっては、このような実態は正すように強く求めておきます。
また、神宮外苑周辺の再開発に当たっても、特定の団体や企業を優先し、スポーツを口実に周辺環境を損ない、都民、住民の利益に反するようなことのないよう申し添えて、私の質問を終わります。
○斉藤委員 私からは、東京都スポーツ推進総合計画について、また、ラグビーワールドカップ二〇一九機運醸成について伺いたいと思います。もう既に白戸委員と、そして米倉理事からも、さまざまな観点からの質問がありましたので、簡潔に二点ほど質問させていただこうと思います。
この計画の達成指標で二十代から三十代女性のスポーツ実施率を現状の四二%から、二〇二四年には五五%まで上昇させようということが掲げられております。すばらしい目標であると思いますが、この実現に向けてはさまざまな困難があることも想定されております。
私自身、もともとは中高時代、陸上部と体育祭委員に所属をしまして、大学時代まではそれに加えてアーチェリーや剣道など、さまざまなスポーツを実施してきましたが、実際に子供を持ってみると、仕事と育児、家事でなかなか時間がなく、子育て時代に真っ先に削られてしまうのが、親自身の趣味やスポーツであるように感じているところでございます。
保育園やシッターに子供を預けている時間は、一時間幾らと料金が発生している状態にあります。子供のいる親たちにとって、その時間は仕事や、それにまつわる勉強等に従事するのが適切であり、もし少し時間があいたとしても、とてもスポーツにいそしむ余裕が持ちにくいということが、特に三十代男女の七割以上が仕事、家事、育児で忙しくスポーツを実施しないという平成二十八年度の都民のスポーツ活動に関する世論調査にもあらわれていると考えております。
一方で、最近、興味深い事実を私は発見いたしました。地元の多摩市の剣道連盟の皆様と懇談をしまして、女性剣士の段位の高い方たち、意外とお子様が生まれてから、お子様が五歳か六歳のころから、お子さんと一緒に剣道を始めて、いつしか自分の方が夢中になって、今はすごく強くなってしまったのよという方がたくさんいらっしゃいました。
というお話も聞きましたので、スポーツ推進総合計画の政策指針15の現状認識のところなんですけれども、イギリス、英国のスポーツイングランドによると、女性のスポーツ参加を妨げる要因の第一は意識である、次に能力と機会が続くとありますが、これについては、むしろ子育て中の女性は機会さえあれば、ぜひ運動をしたいと考えている方も多く、特に国内では、それがお子さんを預けておいて自分だけジムに通うなどの方法ではなく、お子さんと一緒にスポーツを楽しむことができる機会があれば、ぜひやりたいと考える方も多くいらっしゃるんではないかと私は推測しております。
子育て中の親御さんたちが本当はスポーツがやりたい、体を動かしたいと思っている気持ちにお応えできる機会の提供が東京都でも進んでいくことを望みまして、質問させていただきます。
親子で一緒にスポーツを楽しめる機会の提供など、子育て世代のスポーツ実施率向上に向けた取り組みについて伺います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 都が平成二十八年度に実施した都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査において、この一年間にスポーツを実施しなかった人にその理由を聞いたところ、仕事や家事、育児が忙しくて時間がないからという回答が四三・二%と最も多くなっておりました。
これまで都は、スポーツ博覧会東京やTOKYOウオーク、ラグビー関連イベント等を通じて、親子で一緒にスポーツを楽しめる機会を提供してまいりました。
また、平成二十九年度からは、新たに、東京都レクリエーション協会加盟団体が行う子育て中の親子を中心としたスポーツ交流会や体操教室等に対して補助を行う、ファミリースポーツ促進事業を開始いたしました。
今後とも、子育て世代のスポーツ実施を促進し、スポーツの裾野拡大を図ってまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。東京都のさまざまなスポーツ振興イベント、例えば今挙げていただいたもののほかにも、私も実際に伺わせていただきましたが、チャレスポTOKYOなども親子連れで楽しめるすばらしい機会となっていたと思います。
東京都で幾つもそのようなイベントを開催していただいていることで、子供のいる世代もスポーツの楽しさを思い出す、再認識するいい機会になると思いますので、ぜひ今後とも進めていただきたいと思っております。
また、ファミリースポーツ促進事業は、より地域に根差したレクリエーション協会などの開催するイベントに東京都が支援をしていただくことで、子連れで遠くまでは行けないものの、地域で地元の公園や商店街などで行われているイベントだから行ける、行きたい、行きやすいということもあると思います。
今後、より一層地域の中でこのようなスポーツ振興が進められていくようにお願いをしたいところでございます。
さらに、一点要望として、きっかけとして単発のスポーツイベントは、スポーツ習慣という意味では、それぞれの生活に根づかせていくにはまだまだ難しい部分もあり、今後はぜひ子育て世代や女性の習慣的なスポーツ実施を推進していく施策の検討をお願いしたいと思っております。
次に、ラグビーワールドカップ二〇一九大会の機運醸成について伺います。
ラグビーワールドカップの開催都市の一つ、釜石市には私、個人的にご縁がありまして、震災後に幾度となく現地に通わせていただいております。議員になる前から、釜石観光親善大使としても活動を続けさせていただいております。
ことし二月にも現地に赴き、釜石市制施行八十周年の式典に出席をしてまいりました。もともと鉄と魚のまちと呼ばれていた釜石ですが、今は官民連携をして、鉄と魚とラグビーのまち釜石へという意気込みを持って、全国のみならず全世界へ向けて釜石のラグビー愛を発信し続けているところでございます。
釜石市では、ふるさと納税の仕組みを活用した釜石市ラグビーこども未来基金の設立や、海外向けに釜石を紹介するホームページ等、岩手県と連携したさまざまな取り組みを行っております。
また、市民向けの英会話教室や大会成功に向けたタウンミーティングが行われまして、私が伺った式典の翌日には、近代製鉄百六十周年の記念式典もございましたけれども、鉄のまち釜石から世界へというテーマで記念対談がありましたが、ここでは、ラグビー大会に合わせて、例えば、世界のさまざまな宗教の観客をもてなすために、イスラム教のハラールに合わせたメニューを提供するために、飲食店に周知をすることや、釜石のラグビー人口増加への取り組みとして、OBの活躍の場所づくり、また合宿所などを設けて、ラグビータウンを釜石で形成していくなどという可能性についても活発に意見が交わされておりました。多くの市民ももちろんこちらに参加をしておりました。
東京においても、スタジアムのある多摩地域を中心として、市民の方と一緒に機運醸成を図っていくことが重要であると考えております。
そこで、大会に向けては、地元市を初めとした区市町村と連携し、広く機運醸成を図るべきと考えますが、都の取り組みを伺います。
○川瀬スポーツ計画担当部長ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会の成功に向けては、地域の方々を含め、より多くの方々に大会を知っていただき、大会開催機運を高めていくことが重要であります。
都はこれまでも、テストマッチに合わせて開催したファンゾーンにおいて、地元市と連携し、伝統芸能や観光PRブースなどでイベントを盛り上げてまいりました。
また、大会を周知するポスターや、大会の試合日程に関するチラシ、ピンバッジ、小学生向けにラグビーの魅力を解説した冊子を配布するなど、市区町村と連携した取り組みを行ってまいりました。さらに、開催都市住民向けチケット先行抽せん販売の受け付け開始に合わせ、新宿等で街灯フラッグを掲出してきたところでございます。
今後も、市区町村が行う機運醸成に向けた取り組みへの補助に加え、街灯フラッグを多くの人でにぎわう通りなどに掲出するシティードレッシングの実施や、SNSやホームページを通じた出場チーム等に関する情報のきめ細かな発信など、市区町村と緊密に連携し、さらなる盛り上げを図ってまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。
私の地元の稲城市でも、商店街の皆様や市民の皆様から大会を心待ちにする声がかなり多く上がっております。
東京都は、今後とも、ぜひ地元と連携をして大いにラグビー機運を盛り上げていってほしい、また、既に来年に迫る大会を心待ちにしている全世界のラグビーファンのためにも、来日する外国人観光客を受け入れるための準備を進めるための海外向けリーフレットやホームページ、動画の作成などの検討もぜひ進めていっていただきたいと要望をお伝えしまして、私の質問を終わります。
○池川委員 私からは、まず東京都体育施設条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきたいと思います。
本案は、五輪会場として建設中の海の森水上競技場、夢の島公園アーチェリー場、カヌー・スラロームセンター、大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場、東京アクアティクスセンターの五施設を条例に位置づけ、その所在地や利用料金の上限などを決めることになっています。
そこで、まず伺いますが、五施設を東京都体育施設条例に定める理由は何か、また、料金の設定の算出根拠はどのようにしているのか、お答えください。
○鈴木開設準備担当部長 条例案に掲げる新規恒久五施設は、昨年四月に策定いたしました新規恒久施設の施設運営計画において、大会後、国際、国内スポーツ大会の開催や、都民のスポーツ利用を中心に活用していくこととしておりまして、都のスポーツ振興の拠点として、体育・スポーツ及びレクリエーションの普及振興を目的とする東京都体育施設条例に位置づけることとしたものでございます。
次に、利用料金の算出根拠でございますが、条例上の利用料金は、施設の整備や管理運営に要する経費、すなわち、人件費、維持費、減価償却費をもとに算出した原価を基本として設定をしております。
なお、条例上の利用料金は上限額でございまして、実際に適用される料金につきましては、今後選定される指定管理者が、都の承認を得て上限の範囲内で決定してまいります。
○池川委員 体育施設条例は、第一条で、体育・スポーツ及びレクリエーションの普及振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するため、本条例を設置するというふうになっています。
五施設をこの条例に位置づけることにより、オリンピック・パラリンピックのレガシーを都民のレガシーとして、都民本位に生かしていくことが明確になり、大変重要だと思います。
また、これまでの答弁と同様、料金については、あくまでも上限を定めたものであるということでありました。上限とはいえ、大変高い料金設定になっていることは明らかであります。実際の利用料金を引き下げること、とりわけアマチュアスポーツなどについては、低く設定すべきだということを求めておきます。
具体的な施設、大井ホッケー競技場についてお伺いをしていきます。
大井ホッケー競技場は、新たに体育施設条例に位置づけられますが、これまで大井ホッケー競技場が建設される大井ふ頭中央海浜公園内のスポーツ施設は、海上公園条例に位置づけられ、多種多様なスポーツが行われてきました。
今後どう運営されるのか、位置づけがどうなるのか、その全体像がどうなっていくのか、地域の皆さん、またスポーツ団体の皆さんも大変関心を持っておられます。
そこで、まず大井ホッケー競技場を今回新たに体育施設条例に位置づけることとなりますが、従前の第一、第二球技場とどのように変わるのか、また管理運営体制についてはどう変化をするのか、その内容についてお伺いします。
○鈴木開設準備担当部長 大井ふ頭中央海浜公園の第一、第二球技場は、これまで海上公園の運動施設の一つとして利用されてまいりました。
一方、新たに整備いたしますホッケー競技場は、国際大会等も開催できるスポーツ振興の拠点の一つとして活用するとともに、ホッケーの競技力強化、普及振興を図り、都民の多様なスポーツ実践の場としていくため、今回、体育施設条例に位置づけることとしております。
管理運営につきましては、昨年四月に策定いたしました施設運営計画を踏まえまして、現在、指定管理者制度による管理運営について具体的な検討を進めているところでございます。
○池川委員 管理運営については、具体的に検討しているということでありました。この管理運営については、利用者の方々の立場に立って、利用しやすく、わかりやすいことをぜひしていただくことを求めておきたいと思います。
また、スポーツ振興の拠点として、都民の多様なスポーツを実践する場所にするんだという答弁がありました。
それでは、具体的に伺いたいと思いますが、この大井ホッケー競技場の芝の長さについて、東京大会以降のあり方については現状ではどうなっているのか、どのような検討を行っていこうとしているのか、その方向性について伺います。
○鈴木開設準備担当部長 東京都が整備する新規恒久施設につきましては、外部有識者、民間事業者、競技団体、地元自治会等の意見を幅広く聞きながら、昨年四月に新規恒久施設の施設運営計画を策定いたしました。
この施設運営計画におきまして、ホッケー競技場につきましては、ホッケーを初めさまざまなスポーツで利用できる多目的球技場として活用していくこととしております。
人工芝につきましては、メーンピッチ、サブピッチとも、オリンピックのホッケー会場として必要なショートパイルで整備する予定でございます。
施設運営計画におきまして、東京二〇二〇大会後は、各種競技による利用実態を踏まえて、フィールドの仕様について検討していくとしております。
ピッチサイズにつきましては、メーンピッチ、サブピッチとも、大会後はサッカーやアメリカンフットボールなど、ホッケーよりも競技面が広い競技に対応できるよう、多目的サイズとして整備する予定でございます。
○池川委員 ホッケーを初め、さまざまなスポーツで利用できる多目的な球技場として活用すること、また、ホッケー会場として必要なショートパイル、短い芝生について整備すること、各種競技による利用実態を踏まえ、フィールドの仕様については検討していくこと、さらに、サッカーやアメフトなどが利用できるサイズのピッチであることが、今、答弁だったと思います。
私もこの間、ホッケー以外の団体の皆さん、また、プレーをされている皆さんから直接お話を伺ってきました。例えば、アメフトはショートパイル、短い芝ではなく、ロングパイル、長い芝がいいということでありました。なぜ長い芝がいいのかというと、ロングパイルの方がクッション性があり、転倒時などにショックを吸収する役割を果たし、選手の負担軽減に資するからだ、これが大きな理由だというふうに述べられておられました。
また、ラクロスの代表選手からも話を聞きましたが、ショートパイルでもできないことはないが、ボールの扱い、ラクロスのスパイクがしっかりと芝生にかむこと、またけがのことなどを考えると、ロングパイルの方が選手としてはありがたいということをお話しされていました。
利用が想定される主なスポーツとして、この計画の中でも、スポーツは、ホッケー以外にアメフト、ラクロス、サッカーが挙げられていますが、できればロングパイルがいいという要望が、この中では大変強いということもわかりました。アメフトもラクロスも地面がかたく、短い芝であると、けがのリスクなどがあるということが、その主な要因だというふうに聞きました。
一方で、面積はきちんと確保されていて、今後さまざまなスポーツに利用できる多目的球技場という位置づけにしたことは大変重要だと思いますが、この芝が短いことによって、そもそも競技そのものにふぐあいが出る可能性については、ぜひきちんと認識をしていただきたいということは申し添えておきたいと思います。
同時に、ホッケーの皆さんにとっても、アメフト、ラクロスの皆さんなどにとっても、各競技団体は会場を探すことにはどこの団体も苦労されている、そうした現状があることは明らかです。
その意味で、利用実態を踏まえ、フィールドの仕様について検討するということですが、単なるフィールドの使用状況のみならず、芝の長さで競技そのものに使えない競技団体があるのかなども深く調査していただきたい。また、オリンピック・パラリンピックが終わってから余り長い期間をとらず、各団体などについてヒアリングを行い、それぞれの団体の皆さんの納得ができる対応を検討していただきたいということを求めて、この質問については終わりたいと思います。
次に、オリンピック・パラリンピック予算のうち、組織委員会が実施する事業に都が費用負担する共同実施事業について質問したいと思います。
オリンピック・パラリンピック予算は、共同実施事業のみならず、都民、国民への情報公開を徹底するとともに、都民の参加を得て経費縮減を図っていくことが重要であります。
その際、単なるコスト縮減というだけでなく、持続可能性に配慮した調達コードの基本原則にあるとおり、組織委員会は経済合理性のみならず、公平、公正性等に配慮して、大会開催のために、真に必要な物品やサービスを調達していくとともに、持続可能性を十分に配慮した調達をしっかり遵守していく必要があります。
初めに、来年度予算案の内容について伺います。
来年度予算案において、都が組織委員会に支出する共同実施事業の具体的な内容と算出根拠はどうなっているでしょうか。
○雲田調整担当部長 平成三十年度予算案に計上しております共同実施事業は、三十年度に組織委員会が実施して経費を支出する予定のものでございます。
主な具体的事業といたしましては、まず会場関係ですが、東京都及び都外自治体の施設につきまして、仮設等では、各会場の仮設インフラに係る実施設計及び施工、エネルギーでは、会場内における発電機やケーブルなどの仮設電気設備に係る基本設計、実施設計及び施工、テクノロジーでは、IBC、MPCと各会場とを結ぶ放送用映像回線の管路敷設の設計及び施工でございます。
また、大会関係につきましては、輸送では、車両基地等に係る設計及び施工のほか、オリンピックルートネットワークの整備に係る調査設計、セキュリティーでは、来場者、関係者に対するスクリーニング機器、セキュリティーカメラや映像監視システム、警備指揮所に係る設計及び整備、オペレーション等では、飲食や競技、ドーピングなど大会運営に係る検討等経費のうち、パラリンピック経費相当と想定される分でございます。
積算につきましては、会場関係におきまして、特に仮設等では、平成三十年度に実施設計、施工段階と大会準備の中でも先行的に進捗してございます。
また、大会関係におきましては、運営に関して調査検討段階のものも多いものの、想定される規模に標準的な単価をもとに算出するなどの積算を行っておりまして、詳細につきましては、検討の具体化に合わせまして、今後さらに精査を進めていくこととしてございます。
○池川委員 この間、資料についても出していただきましたが、大会経費V2予算では、都の負担する共同実施事業の費用は総額二千六百五十億円で、今年度の補正予算の七十九億円と、来年度予算案の七百二億円で総額が約七百八十億円となります。
補正予算の質疑の際にも、それぞれの金額について何度もお伺いしましたが、その時点では契約済みのものも含めて、適正な入札を阻害する可能性があるため、現時点では回答を差し控えると答弁がありました。
今回の予算案について、都の負担七百二億円と都を経由して支出される国のパラリンピック経費負担分を合わせて、総額七百五十三億円が予算として提案をされており、これらが具体的にどのように、何に使われるのかについて、現時点で明らかにできないということは、本当に理解が得られるのかということに疑問が残るわけです。
具体的に、この事業の中で一つだけ伺いたいと思うんですが、車両基地の予算については、補正予算のときには含まれていないとされた築地のデポについては今回入っているのかいないのか、簡潔にお答えください。
○片寄輸送担当部長 先ほどのご質問にございました平成三十年度の予算につきまして、築地に関する車両基地の予算も計上してございます。
○池川委員 この問題については、共産党都議団は、築地については市場業者の合意が得られていないということを繰り返し指摘してきました。この築地のデポについては再考を求めておきます。
次に、調達について伺います。
そもそも組織委員会の調達というのは、何に基づいて行われているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 組織委員会では、会計処理規定及び調達規則、そして調達細則に基づきまして、調達業務を実施しております。
○池川委員 会計処理規定及び調達規則、さらには調達細則に基づいて、調達コードをやっているという答弁でした。
それでは、お伺いしますが、この調達規則を初めとする、今お答えいただいた規定等については、公開されているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 こうした規定につきましては、関係法令で公開を求められていないという状況になってございます。
ただ、調達実務を着実に行っていくためには、入札を希望する事業者等に対しまして、規定に基づく事務手続をできるだけわかりやすく示していくことが大切だというふうに考えておりまして、組織委員会のホームページにおきましては、調達に関する方針や考え方、手続の流れなどにつきまして、示しているところでございます。
○池川委員 規定については、関係法令で定めていないので、公開はしていない。しかし、その一端についてはホームページ等で、詳細ではないかもしれないが、公開しているということでした。この点については、まず全面公開をしていくことが必要だと思います。
しかし、どこまで公開されているかということが、こうした議論を通じてもわからないということは極めて問題だと思います。実際に公開されているのは、全体の中の恐らく一部にとどまっているというのが今の答弁の趣旨だと思います。
しかし、この二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会、持続可能性に配慮した調達コードの中には、その他項目というのがありまして、組織委員会は、透明性の観点からも持続可能性に配慮した調達の実施状況について公表すると書いてあるんですよね。
公表するとありますが、これとの整合性というのは、どうなっているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 今お話のありました調達コード関係ではございますが、入札を希望する事業者等の方々が、やはり事務手続をわかりやすく理解していただくということが大切でありまして、それが適切な調達につながるということでございますので、そういった意味で、先ほども申し上げましたけれども、ホームページにおきまして、調達に関する方針や考え方ですとか、それから事務手続等の流れといったものを示しているというところでございます。
○池川委員 ここには透明性の観点から、きちんと実施状況について公表するというふうに明確に書いてあります。
私は、これに沿って、組織委員会全体として調達コードについて示す必要があると思います。
先ほど組織委員会全体の調達について伺ってきたんですが、今度は共同実施に絞って伺います。
共同実施についても、調達方法等については同様なのか、どのような考え方でやっているのか、お答えください。
○雲田調整担当部長 共同実施事業に係る調達方法につきましても、事業を実施いたします組織委員会の規定に基づくこととなります。
○池川委員 つまり共同実施事業という名前ですが、調達コードは組織委員会が規定に基づいてやるんだということです。
では、この共同実施事業についての調達方法や、契約の結果についての情報公開というのはどうなっているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 共同実施事業につきまして、これの入札情報ですとか、その結果についての情報公開は、事業を実施する組織委員会が情報公開を行っております。
ホームページにおきまして、入札を実施する調達に関する発注情報の一覧ですとか、入札結果を公表しているところでございます。
○池川委員 ホームページで入札を実施する調達に関する発注情報一覧や入札結果について公表しているという答弁でした。
それでは、具体的に何を公開し、何は公開しないということになっているのか、その基準について共同実施事業に限ってどうなっているのか、お答えください。
○戸谷連絡調整担当部長 共同実施事業に関してということでございますけれども、組織委員会の方の調達につきましては、入札に関するものにつきまして、その透明性、それから公開と公平性、公正性という観点から、その入札の発注情報の一覧と入札結果を公表しているというところでございます。
○池川委員 何を公表し、何を公表しないかということのお答えはなかったわけです。
先日、補正予算の際、米倉議員の質問に対して、組織委員会が調達契約をする場合には、競争入札を基本として決定することとなってございますというふうに答弁がありました。
この競争入札を基本とするということに決まっていると答弁があったんですが、これはどこの部分に示されていて、基本というのはどういうことを指していらっしゃるんでしょうか。
この調達契約が組織委員会の契約なのか、それとも共同実施にも係るのか、その辺も前回の答弁からはなかなかうかがい知ることができなかったわけですが、具体的に競争入札を基本として決定することとしていると答弁した、その内容については、どこにそのことが示されているのか、お伺いをいたします。
○戸谷連絡調整担当部長 今お話のありました入札につきましてですけれども、契約につきましては、ホームページの中にあるんですけれども、契約に関する手続の概要が示されておりまして、その中に組織委員会として、契約につきましては、基本を一般競争入札、それ以外にプロポーザル方式で、それから見積もりと、それから特命契約というのがございますというところは示しておりますので、その中で、広く事業者を募る入札、それからプロポーザルの公募の部分につきましては、発注情報ですとか入札結果を公表しているという状況でございます。
○池川委員 今、契約の手続について、基本はという話だったんですが、具体的に例えばどういうほかの契約方法があるのか、随意契約の基準はどうなっているのか、どういう場合にはそれを適用するのか、その点についても、詳細が今のところ、私たちはわからないまま来ているというのが現状だと思います。
どのように調達するかについては、その詳細は規定等に明記をされているけれども、それは公開できないと。競争入札が基本として決定しているということをどのように担保しているのかについても疑問が残るわけです。
次の問題に行きたいと思います。
東京都は、リニア中央新幹線の談合問題にかかわり、独占禁止法違反容疑で逮捕されたことを受け、鹿島建設と大成建設を一年間の指名停止といたしました。
持続可能性に配慮した調達コード第一版には、公正な取引の慣行という項目で、サプライヤー等は、調達物品等の製造、流通等において、独占禁止法や下請法を遵守し、ダンピング、買いたたき、談合等の不公正、反競争的な取引を行ってはならないというふうにオリンピックの調達コードで明記をしています。
この基準そのものは、五輪にかかわる調達コードでありますが、仮に独占禁止法違反容疑で問われている企業と契約を交わすということになれば、大きな疑義が生じることとなります。
そこで、指名停止について伺いたいと思います。
組織委員会が行う調達に際して、指名停止の措置については、どういう基準で行っているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 組織委員会では、取引希望者が国または地方公共団体等における入札案件で指名停止等の措置を受ける行為に該当するといった行為を行った場合につきましては、必要に応じてヒアリングですとか状況調査、または競争案件への参加を認めないなどの対応を行うとする内部規定がございます。
○池川委員 電通が労働基準法違反の疑いで書類送検された際、組織委員会は新規発注事業の指名を一カ月間停止にしたことが新聞各紙などに報道され、明らかとなっています。このときに理由とされたのは、社会的影響の大きさだと報道では紹介されています。
今、内部の規定があって、そこで指名停止については、さまざまヒアリング等も行って決めるんだということであったんですが、その内部の規定については、公表されているんでしょうか。
○戸谷連絡調整担当部長 先ほどお答えしましたとおり、こうした規定につきましては、関係法令で公開を求められていないという状況になってございます。
○池川委員 独占禁止法問題というのは、先ほども紹介しましたが、調達コードの中でも具体的に遵守すべき項目の中に入っているわけで、関係法令で公開を求められていないので公開しなくてよいという姿勢ではなく、積極的に公開する立場で臨む必要があると思います。
また、しっかりと、指名停止などについても、都としても厳しくチェックしていくことが必要だと思います。
さきの補正予算の審議の際、契約済みのものについては公表していくという前提で考えていくんだという答弁がありましたが、この公表等については、いつまでにどうやって行うのか、お伺いいたします。
○湯川施設調整担当部長 今後、組織委員会における契約の状況等を踏まえながら、公表の時期や内容、方法など、公表のあり方について、都民の理解が得られるよう検討を行ってまいります。
○池川委員 今、部長から、都民の理解が得られるようというふうにお話があったということは、現時点では得られないだろうということだと思うんですよね。
随意契約などについて、その他調達についても公表を前提にしていると考えていいのか、先ほどは契約発注済みのもの、とりわけ一般競争入札について前回議論したわけですが、そのほかの随意契約等についても、基本的には公開を前提に検討するということでよろしいのか、その点について伺います。
○湯川施設調整担当部長 繰り返しになりますけれども、組織委員会における契約の状況等を踏まえながら、公表については検討を行ってまいるところでございます。
○池川委員 随意契約についても同様に検討するというふうに受けとめました。
共同実施事業は、都民の皆さんの税金を直接投入して、共同で実施する事業となっています。コストの縮減等に取り組むことはもちろんですが、その契約の基準、使い道は透明性が担保される必要があると考えます。
さらに、都民の理解が得られるようにしなければ、大会そのものの成功はありません。これは共同実施事業についてだけでなく、オリンピック・パラリンピックのほかの問題についても同様にいえることだと思います。
そのためにも、まずは一丁目一番地である情報公開を早急に行うことを改めて求めて、質問を終わります。
○入江委員 私からは、eスポーツについてお伺いします。
eスポーツとは、エレクトロニックスポーツの略で、PCやスマートフォンなどの電子機器を使って行うゲーム全般、特にオンラインによる競技的な対戦ゲームを指します。
海外では、既に規模の大きな大会が数多く開催され、競技として定着しています。日本でも、この三月三十日には、Jリーグがeスポーツ大会を初めて開催するなど活発化し、プロチーム、プロプレーヤーが続々と誕生しています。
先月二月十九日に、IOCが運営するオリンピックチャンネルが平昌冬季オリンピックの後に、eスポーツを通じてオリンピックへの若者の関心を高めていくという方針を明らかにして、大変話題になりました。
このeスポーツに関して、報道によりますと、昨年十二月に、eスポーツを推進する国のオンラインゲーム・eスポーツ議員連盟の会長などが知事と直接お会いになり、要望活動を行ったとありました。
スポーツというと、一般的には身体的な運動がイメージされることもありまして、eスポーツについて、日本では、まだスポーツとして認められるのか、議論の分かれるところではあります。しかし、その市場規模は拡大を続け、世界のプレーヤー人口は約二億五千万人ともいわれ、莫大な経済効果があるなど、注目すべき競技だと考えます。
そうした中で、この議員連盟による要望活動が行われたということですが、議員連盟は知事にどのような要望を行ったのか、その概要と、それに対する知事の回答について伺います。
○越事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 委員お話しのように、昨年十二月八日に、超党派の国会議員で構成されるオンラインゲーム・eスポーツ議員連盟から都知事宛てに要望がございました。
内容といたしましては、eスポーツが新たなスポーツ文化産業として大きな可能性を秘めていること、アジア・オリンピック評議会主催のアジア競技大会において、二〇二二年の中国・杭州大会から、eスポーツが正式なメダル種目になることなどが紹介され、東京二〇二〇大会において、eスポーツをエキシビション競技等で開催するよう要望するというものでございます。
この要望を受け、知事からは、まずエキシビション競技としての実施は、エキシビション自体を廃止するとしたIOCの方針もあり、困難であることを説明しております。
その上で、eスポーツのこれからの国際的な進展を見きわめる中で、東京都として何ができるのか考えていきたいと答えております。
○入江委員 ありがとうございます。現況では、東京二〇二〇大会のエキシビション競技としては開催できないということは了解いたしました。
しかし、大会までは、まだ二年四カ月あります。国際的な動きを見ますと、eスポーツは今後ますます注目を集める可能性があります。
また、テクノロジーの進歩もeスポーツの拡大に拍車をかけます。二〇二〇年の東京での導入が計画されている5G、第五世代移動通信システムは、現在の4Gに比べて、通信速度は百倍、容量は千倍になるといわれています。この環境でのゲームコンテンツの進化と普及は目覚ましいものがあると想像できます。
そして、世界のeスポーツ関連市場は、二〇二〇年までに五十億ドル、約五千三百億円になり、イギリスのサッカープレミアムリーグに匹敵する規模に成長する見込みだという調査結果もあります。
また、eスポーツは決して若者だけのものではございません。体の不自由な方、年齢の高い方もプレーできるなど、バリアフリースポーツとして誰もが参加できる側面もあります。
現状では、IOCに正式に公認されてはおりませんが、将来的には、オリンピック・パラリンピックの正式種目として採用される可能性もあるのではと聞いております。
ぜひとも関係機関とも連携して、eスポーツに関する今後の動向や進展について、都としてもしっかりと注視していただくように要望いたします。
続いて、都民の皆さんの関心が大変高い聖火リレーについて伺います。
来年度予算では、聖火リレーの実施に向けた検討として、新規予算一億円が計上されています。
コース設定については、都民ファーストの会、増子ひろき幹事長の代表質問に対して、来年度、実行委員会を設置し、区市町村とともに都内ルートの検討を行うとご回答がありました。
その検討が今後どのような仕組みで進んでいくのか、詳細について伺います。
○小池自治体調整担当部長 オリンピックの聖火リレーにつきましては、昨年夏の全国知事会におきまして、組織委員会から各都道府県に対し、来年度にはそれぞれ実行委員会を設立するよう説明がございました。
現在、組織委員会がオリンピック聖火リレーの全国の巡回ルートなどをIOCと調整できるよう、基準となるガイドラインを作成しておりまして、来年度の早い段階で、各都道府県に対し説明する予定であります。
これを受けて、都も実行委員会を設置し、区市町村とともに都内ルートを検討することとしておりまして、その具体的なメンバーにつきましても、今後検討してまいります。
○入江委員 ありがとうございます。都が実行委員会を設置するために、組織委員会からの基準となるガイドラインをお待ちになっている状況だということがわかりました。なおかつ、その時期は来年度の早い時期にということなので、もうすぐなのかなと想像したりもいたします。
都内であっても、大会競技会場がない区市町村では、特に聖火リレーの実施による機運醸成を要望しています。また、聖火リレーのコースとなることは、風光明媚な各地の観光スポットや歴史遺産や文化財をアピールできることになり、都民の皆さんの期待は大変高いです。
都内、島しょも含め、六十二の区市町村が全て聖火リレーのコースに網羅されるよう、確実な取り組みを要望いたします。質問を終わります。
○成清委員 共同実施事業管理委員会と組織委員会の調達について、今までの質疑とかぶらないように質問させていただきます。
平成三十年度予算には、共同実施事業等として七百五十三億円という多額の予算が計上されております。いよいよ大会準備が本格化していきますので、準備を着実に進めることをお願いするとともに、今までに増して一層経費コントロールが重要となるということかと思います。
これまでの代表質問や委員会質問でも触れてまいりましたが、共同実施事業管理委員会は、大会経費コントロールのかなめとなるところでございます。
平成三十年一月三十日のオリ・パラ推進対策特別委員会では、業務の具体的な進め方を今後協議していくとのことでした。
実際に経費コントロールを行うためには、発注前の管理が重要でありますし、また、執行後のフォローも必要と考えます。
そこで、共同実施事業管理委員会は発注前後でどのような役割を果たしていく予定か、伺います。
○雲田調整担当部長 平昌大会が終わり、いよいよ東京大会開催まで二年という限られた期間の中で、できる限り経費を精査し、コスト管理と執行統制の強化を図ることが必要でございます。
このため、事業が本格化いたします平成三十年度から、組織委員会が契約する前の段階で、都において経費の精査を行い、共同実施事業管理委員会のもとにある作業部会におきまして、確認を行ってまいります。
その際、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応かなどの視点から、経費の内容を事業ごとにしっかりとチェックしてまいります。また、執行後の段階におきましても、年度末に実績の報告を受け、その内容を確認いたします。
今後、具体的な進め方につきまして、関係者間で合意を図ってまいります。
○成清委員 具体的な進め方については、今後、関係者間で合意を図るということです。
四月から業務がスタートしますので、もう間もなく具体的な進め方が決まるのだと思います。具体的な進め方については、決定しましたら都民や都議会にご説明いただくことを要望しておきます。
平成三十年一月三十日のオリ・パラ特別委員会で、我が会派の伊藤ゆう都議から、必ずしも東京都にとってなじみの深いわけではないイベント経費や警備のコストパフォーマンスを図る上で、専門的な知見を持つ外部の人材も活用する必要があるという旨を申し上げ、知見を有する第三者の意見を十分に伺いながら、コスト縮減に取り組むとの答弁をいただきました。
監査法人や海外コンサルタントなど、外部専門家の意見も活用していくとのことでしたが、今公開されている議事要旨だけでは、外部専門家の活用の様子が見受けられません。
現在どのように外部専門家を利用しているのか、また今後どのように活用していく予定かについて伺います。
○雲田調整担当部長 組織委員会は、監査法人や海外コンサルタントなど専門的な識見や、これまでの大会における取り組み例などの知見を有します第三者の意見を伺いながらコスト縮減に取り組んでおります。
共同実施事業管理委員会におきましては、こうしたコスト管理の強化などの取り組み状況につきまして、組織委員会から報告を受け、必要に応じて指摘、助言等を行うこととしておりまして、その際に専門家である第三者の参加を得て、意見を伺うこともできることになっております。
今後、共同実施事業が本格化する中で、技術的な専門性や先進的なコスト縮減手法などが課題となる場合など、必要に応じまして、専門的な識見や参考となる類似の事例などの知見を有する第三者の意見を伺っていきたいと考えております。
○成清委員 外部専門家の活用に関してはぜひ積極的に、そして日常的に厳しいチェックが入るような仕組みを検討していただきたいと思います。
共同実施事業管理委員会がしっかり仕事をしているということを都民の方に理解してもらうためには、共同実施事業管理委員会の議事要旨など、委員会でどのような検討がなされているのかについてしっかりと情報公開をしていく必要があります。
また、個別の案件についても、検討内容などを公表されたいと思うわけですが、共同実施事業管理委員会の情報公開について、今後の取り組み予定を伺います。
○雲田調整担当部長 共同実施事業管理委員会や、その下部組織であります作業部会におきましては、会議資料や議事要旨につきまして、ホームページに公開してまいりました。
例えば、大会経費V2の公表前に開催いたしました共同実施事業管理委員会におきましては、組織委員会が報告した経費圧縮に向けた取り組みを引き続き進めることや、情報提供に努めることなどにつきまして三者で確認しており、その旨を議事要旨にお示ししております。
平成三十年度から、組織委員会が契約する前の段階で、都において経費の精査を行い、委員会のもとにある作業部会におきまして、確認を行うこととしておりまして、その内容につきましては、契約発注前の情報や企業の事業活動情報などを除き、ホームページに公開してまいります。
○成清委員 続いて、お金の支出に直結する部分である組織委員会の調達についてお聞きします。
先ほどの質疑の中で、ホームページにて入札の公募を前提とするような契約案件については公開していただいているとのことで、これらについては、第三者のチェックの目も入ることが可能になります。
一方で、公開されていない案件について、調達の適正性を確保するためには、自律的な仕組みが必要になってきます。
組織委員会には調達管理委員会が設置されておりますが、調達管理委員会ではどのような審議をしているのか、また審議では特命随意契約、組織委員会では特別契約といっているようですが、こういった契約について、その妥当性を確認しているのかについて伺います。
○戸谷連絡調整担当部長 組織委員会におきましては、経済合理性を踏まえた最適調達の実現と、公平性、公正性及び透明性の担保を目的といたしまして、外部委員を含めた調達管理委員会を設置しているところでございます。
調達管理委員会では、調達方針や予定価格三千万円以上の調達案件の調達手続、それから契約締結に関する審議を行っております。
なお、特別契約の適否につきましても、この調達手続の審議の中で確認をしているところでございます。
○成清委員 情報公開の重要性については、これまでも伝えてまいりましたが、大会を成功に導くためには、情報公開にしっかり取り組んでいく必要があります。
調達においても、引き続き、より透明性を確保するように努めていただくよう要望して、質問を終了します。
○里吉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○里吉委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時十分散会
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