委員長 | 里吉 ゆみ君 |
副委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 米川大二郎君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 木村 基成君 |
けいの信一君 | |
成清梨沙子君 | |
池川 友一君 | |
高倉 良生君 | |
白戸 太朗君 | |
入江のぶこ君 | |
斉藤れいな君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 一名
出席説明員生活文化局 | 局長 | 塩見 清仁君 |
次長 | 桃原慎一郎君 | |
総務部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鳥田 浩平君 | |
広報広聴部長 | 濱田 良廣君 | |
都民生活部長 | 山本 明君 | |
消費生活部長 | 三木 暁朗君 | |
私学部長 | 金子 光博君 | |
文化振興部長 | 樋渡 幸生君 | |
都政情報担当部長 | 水野 剛君 | |
男女平等参画担当部長 | 吉村 幸子君 | |
魅力発信プロジェクト担当部長 | 堀越弥栄子君 | |
文化総合調整担当部長 | 久故 雅幸君 | |
文化施設改革担当部長 | 鈴木 誠司君 | |
オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 潮田 勉君 |
次長理事兼務 | 小山 哲司君 | |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事 | 延與 桂君 | |
総務部長 | 中村 倫治君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
総合調整部長 | 根本 浩志君 | |
連絡調整担当部長 | 戸谷 泰之君 | |
連携推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
事業調整担当部長 | 高野 克己君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
事業推進担当部長 計画調整担当部長兼務 | 越 秀幸君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
パラリンピック部長 | 萱場 明子君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 新田見慎一君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
競技・渉外担当部長 | 小野 由紀君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 研二君 | |
施設担当部長 | 砂田 覚君 | |
施設整備担当部長 | 草野 智文君 | |
施設調整担当部長 | 湯川 雅史君 | |
輸送担当部長 | 片寄 光彦君 | |
選手村担当部長 | 朝山 勉君 | |
スポーツ施設担当部長 | 藤木 仁成君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
スポーツ計画担当部長 ラグビーワールドカップ会場運営担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 川瀬 航司君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 | 篠 祐次君 | |
教育庁 | 教育長 | 中井 敬三君 |
次長 | 堤 雅史君 | |
教育監 | 出張 吉訓君 | |
総務部長 | 早川 剛生君 | |
都立学校教育部長 | 初宿 和夫君 | |
地域教育支援部長 | 安部 典子君 | |
指導部長 | 増渕 達夫君 | |
人事部長 | 江藤 巧君 | |
福利厚生部長 | 太田 誠一君 | |
教育政策担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 古川 浩二君 | |
教育改革推進担当部長 | 増田 正弘君 | |
特別支援教育推進担当部長 | 浅野 直樹君 | |
指導推進担当部長 | 宇田 剛君 | |
人事企画担当部長 | 鈴木 正一君 |
生活文化局関係
報告事項(説明)
・東京都消費生活基本計画(素案)について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・有明アリーナの公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例
・東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例
・大井ホッケー競技場(仮称)(二十九)新築及び改修その他工事請負契約
・大井ホッケー競技場(仮称)(二十九)新築及び改修その他電気設備工事請負契約
陳情の審査
(1)二九第六二号 東京二〇二〇大会に関する陳情
(2)二九第八九号 東京二〇二〇大会における性的少数者への配慮に関する陳情
教育庁関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・「学校における働き方改革推進プラン(仮称)」中間のまとめについて
請願の審査
(1)二九第九号 都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願
○里吉委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定数以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○里吉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○里吉委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局及び教育庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、生活文化局及び教育庁関係の報告事項の聴取並びにオリンピック・パラリンピック準備局及び教育庁関係の請願陳情審査を行います。
なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより生活文化局関係に入ります。
理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○三木消費生活部長 それでは、東京都消費生活基本計画素案につきまして、お手元にあります、A4サイズの二枚組の資料、東京都消費生活基本計画(素案)についてによりご説明申し上げます。
資料一ページ目、計画の策定経緯をごらん願います。
東京都消費生活条例に基づく東京都消費生活基本計画と消費者教育推進法に基づく東京都消費者教育推進計画については、今年度末に計画期間が終了いたします。
そこで、昨年五月に知事より東京都消費生活対策審議会に対し、計画の策定に関する基本的考え方について諮問をいたしました。
その後、審議会において審議を重ね、本年二月に答申がなされております。
都では、答申を踏まえて計画の検討を進め、今回、計画の素案を取りまとめました。
資料中ほど、東京都消費生活基本計画(素案)の概要の計画改定の考え方をごらん願います。
今回、二つの計画を一体的に改定し、明確に消費者教育を計画に位置づけるとともに、今日的な課題である持続可能な消費の普及を加え、新たな五つの政策の柱に再構築いたしました。
計画期間は平成三十年度からの五年間となっております。また、各施策を進めるに当たって特に留意すべき事項を、計画全体を貫く視点として新たに設定いたしました。
続いて、三つの視点をごらん願います。
視点1は、主体的な消費行動への変革の促進でございます。
消費者被害の防止のためには、不適正な取引の是正や商品等の安全対策などの取り組み強化に加え、消費者自身が知識を身につけて、トラブルに遭わないようにする必要がございます。また、消費者も社会の一員として持続可能性に配慮した消費行動が求められるという視点でございます。
視点2は、情報通信技術の進化やグローバル社会への対応でございます。
情報通信技術の進化に伴う新たな消費者トラブルへの対応の必要性や、在住外国人や東京二〇二〇大会の開催に伴い増加が見込まれる中長期間滞在する外国人の消費者問題への対応などに係る視点でございます。
視点3は、さまざまな主体のつながりと連携による取り組みの強化でございます。
高齢者の消費者被害を防止するため、高齢者を見守る地域、団体、事業者、区市町村等のつながりや、よりよい商品等を提供するために、消費者と事業者の連携や協力関係、健全な取引を促すための事業者団体との連携などの視点でございます。
資料の二ページ目をごらんください。政策の柱と取り組みのポイントのところをごらん願いたいと思います。
政策の柱ごとに取り組みのポイントとなる事業を記載してございます。また、各事業の末尾には留意する主な視点を記載してございます。
政策1、消費者被害の未然防止と拡大防止では、ホームページ、東京くらしWEBにおける外国人への情報提供の充実や、高齢者の見守りネットワーク構築の促進に取り組んでまいります。
政策2、不適正な取引行為等の排除と健全な市場の形成では、情報分析を行うチームの新設や情報収集ツールの拡充により、取り締まり強化を図るほか、事業者団体の要望に応じた出前型コンプライアンス講習会の開催により、事業者の法令遵守意識の醸成を図ってまいります。
政策3、消費生活の安全・安心の確保では、商品、サービス等による危害、危険を防止するための情報収集、調査分析、消費者への注意喚起、関係団体への改善要望を行うほか、安全に配慮した商品の普及を進めてまいります。
政策4、消費者教育の推進と持続可能な消費の普及では、これまでも消費者教育に取り組む学校現場を支援するため、消費者教育に関係する教材作成のほか、消費者教育を担う人材の育成などに取り組んでまいりましたが、新たに成年年齢の引き下げを見据えた若年層への消費者教育の充実や、人や社会、環境に配慮した消費行動である倫理的消費、エシカル消費の理解を教育事業等を通じて促進してまいります。
政策5、消費者被害の救済では、対象者別の特別相談、外国語相談、障害のある方からの相談など、消費生活相談の充実を図ってまいります。
以上、東京都消費生活基本計画(素案)の概要でございます。
今後、都民の皆様からご意見をいただき、議会における議論も反映いたしまして、三月末に計画を策定し、公表する予定でございます。
なお、資料の後ろに計画素案本文をおつけしてございます。後ほどご参照いただきたく存じます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○里吉委員長 報告は終わりました。
この際、資料請求のある方は発言を願います。--なければ、資料請求はなしと確認させていただきます。
以上で生活文化局関係を終わります。
○里吉委員長 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
私から、平成二十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定してございます議案の概要につきましてご説明を申し上げます。
資料第1号、平成二十九年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。本定例会で委員の皆様にご審議をいただきますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件は、条例案として、東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例など二件と、契約案として、大井ホッケー競技場(仮称)(二十九)新築及び改修その他工事請負契約など二件でございます。
詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中村総務部長 引き続きまして、私から、当局の議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料第1号、平成二十九年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。初めに、条例案の詳細につきましてご説明申し上げます。
今回提出を予定しておりますのは、東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例及び有明アリーナの公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きください。東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例についてでございます。
改正理由でございますが、東京都多摩障害者スポーツセンターは、改修工事による移転に伴い位置及び施設内容を変更し、東京都障害者総合スポーツセンターについては、改修工事等に伴い施設内容を変更するものです。
概要でございますが、東京都多摩障害者スポーツセンターについては、現在の国立市から調布市へ位置を変更し、施設内容も変更します。
また、東京都障害者総合スポーツセンターについては、改修工事及び増築工事に伴い施設内容を変更します。
変更箇所については、(2)、概要のイにおいて下線部でお示ししてございますので、ごらんいただければと存じます。
施行期日につきましては、平成三十年四月十日を予定しておりますが、東京都障害者総合スポーツセンターの改正規定については、平成三十年七月一日を予定しております。
続きまして、一枚おめくりいただき、二ページをごらんください。有明アリーナの公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例についてでございます。
新設理由でございますが、有明アリーナについて、公共施設等運営権、いわゆるコンセッションに係る実施方針に関して、必要な事項を定めるため条例を制定するものです。
概要でございますが、本条例案では、実施方針に関して必要な事項を定め、公共施設等運営権を設定する民間事業者の選定手続や運営等の基準、業務の範囲、利用料金、公共施設等運営権の対価について定めております。
施行期日につきましては、公布の日を予定しております。
なお、お手元に参考資料を別冊でお配りしております。この条例の定めるところにより実施方針を策定することとしており、本資料は実施方針の概要案となっております。
内容といたしましては、有明アリーナの管理運営事業の目的、事業内容、管理運営に関する条件などを定めることとしております。後ほどごらんいただければと存じます。
続きまして、契約案の詳細につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、三ページをお開きください。
今回提出を予定しておりますのは、大井ホッケー競技場の新築及び改修その他工事に係る契約案二件でございます。本件は、二〇二〇年大会に向け、大井ふ頭中央海浜公園内の第一球技場等の位置にメーンピッチを新設するとともに、第二球技場を改修してサブピッチを整備するものでございます。
一つ目は、新築工事や改修工事などの建築工事でございます。
工事場所は品川区八潮四丁目地内及び大田区東海一丁目地内、契約相手は菊池建設株式会社、契約金額は二十一億六千七百二万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年六月二十七日まででございます。
二つ目は、電気設備工事でございます。
工事場所は同じでございまして、契約相手は株式会社関電工、契約金額は八億五千三百二十万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年六月二十七日まででございます。
次ページに、ただいまご説明いたしました施設の案内図及び配置図をお示ししております。
最後に、お手元配布の資料第2号につきましては、提出させていただきます議案となります。後ほどごらんいただければと存じます。
以上、簡単ではございますが、今定例会に提出を予定してございますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件につきまして、説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○里吉委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情二九第六二号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○小野競技・渉外担当部長 それでは、お手元の陳情審査説明表をごらんください。
二枚おめくりいただき、右肩に整理番号1とあります資料をお開き願います。
陳情二九第六二号、東京二〇二〇大会に関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、神奈川県横浜市の宮崎康史さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、都において次の点を実現していただきたいというものでございます。
都において、二〇二〇年のヨットレース大会について、神奈川県藤沢市の江の島だけでなく、大島でも開催することでございます。
これに関する現在の状況でございますが、セーリング競技会場については、当初、若洲オリンピックマリーナを新設する計画でしたが、新設予定の防波堤などに係る整備費を抑制することを主眼に検討を行った結果、新設は取りやめることといたしました。
代替会場については、全国のヨットマリーナを対象に技術的な調査検討を行うとともに、国際競技連盟の視察なども踏まえた結果、選手にとって難易度の高い風や波等、すぐれた競技環境を有し、東京からの距離も近く、一九六四年大会のレガシーでもある神奈川県の江の島ヨットハーバーを活用することといたしました。
江の島ヨットハーバーは、平成二十七年六月の国際オリンピック委員会理事会において、セーリング競技会場として了承され、現在、二〇二〇年大会に向けた準備が進められております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二九第六二号は不採択と決定いたしました。
○里吉委員長 次に、陳情二九第八九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○田中運営担当部長 お手元の陳情審査説明表をごらんください。
三枚おめくりいただき、右肩に整理番号2とあります資料をお開き願います。
陳情二九第八九号、東京二〇二〇大会における性的少数者への配慮に関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、新宿区の中村介乙さんから提出されたものでございます。
本陳情の要旨は、都において次の三点を実現していただきたいというものでございます。
まず一点目は、性的少数者、LGBTのアスリートのパートナーが異性カップルと同等に関係者席で観戦できるよう配慮することでございます。
二点目は、LGBTのアスリートで、カミングアウトを希望する選手に関して、公式の場でカミングアウトをし、それが祝福される場や機会を提供することでございます。
三点目は、パートナーとの婚姻宣言を行うLGBTアスリートには、二点目のカミングアウト以上に勇気ある行動に対して、最大限の敬意を払い、日本流のおもてなしとして記念品を贈呈することでございます。
現在の状況でございますが、一点目につきましては、リオ大会やロンドン大会では、アスリートが出場する競技について、家族、友人が観戦するためにチケットを購入できる機会を設けておりました。二〇二〇年大会につきましても、こうした過去大会の事例を参考に、組織委員会が現在検討を行っているところでございます。
二点目と三点目につきましては、大会運営において、都がアスリートの私的活動について関与を行うことはございませんが、都では、性についての多様性があることへの理解を深め、性的少数者への差別や偏見をなくすため、啓発活動に取り組んでおります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○斉藤委員 オリンピック憲章にオリンピズムの根本原則として差別禁止が規定されていますが、これが二〇一四年に改定され、性的指向によっても差別されてはならないということが新たに明記されました。これにより、二〇一六年に開催されたリオ大会は、今までになく配慮された大会になったというふうにいわれております。
こたびの請願の2、3にありますLGBTのアスリートのカミングアウトや婚姻宣言については、ロンドンでは二十三人、リオでは五十人を超えております。
そこで、二〇二〇年大会開催都市である東京都としての、公式な場でのカミングアウトや婚姻宣言の機会提供に関する見解を伺います。
○田中運営担当部長 リオ大会におきましては、LGBT等の性的少数者であるアスリートが性的指向を打ち明けるカミングアウトなどに、リオ市並びに組織委員会は関与していないと聞いてございます。
二〇二〇年大会におきましても、大会運営におきまして、都がアスリートの私的活動について関与を行うことはございません。
○斉藤委員 過去大会においてのLGBTのアスリートのカミングアウトや婚姻宣言について開催都市が関与することはないとお答えをいただきました。恐らく個人や民間団体が主体で行ってきたということであると思われます。実際に局の職員の方はブラジル総領事館にも確認をしていただいたと伺っております。
東京都は引き続き、LGBTを含めた多様性を認めて、差別禁止を目指していくという人権擁護の立場を明らかにしていくことをお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。
○池川委員 それでは、私からも、本陳情について幾つか伺いたいと思います。
性的マイノリティー、いわゆるLGBTは、各種調査によると人口の七%から八%、つまり十三人に一人というふうにいわれています。
二〇一四年にオリンピック憲章が改定され、差別禁止の規定の中に、性的指向によって差別されてはならないという位置づけがされました。そうした中で行われる東京大会でも、オリンピック憲章に基づいた性的指向で差別されない大会となることが求められていると思います。
LGBTへの理解を促進するために、都は、五輪大会に向けて、また大会開催時に、どのような取り組みをするのか、まず伺いたいと思います。
○田中運営担当部長 東京都では、平成二十七年八月に見直しを行いました東京都人権施策推進指針におきまして、性同一性障害者、性的指向を新たな人権課題に加えております。性についての多様性があることへの理解を深め、性的少数者への差別や偏見をなくすため、啓発冊子を活用した啓発活動などに取り組んでおります。
また、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインにおきましても、全ての人がひとしく大会を楽しめる施設整備やスタッフ教育などの取り組みを推進することとしております。
○池川委員 都としても、LGBTを人権課題に位置づけ、普及啓発を始めていることは大切なことだというふうに考えます。
大会開催に当たって、LGBT選手への配慮などについては、どのような体制で議論し、どのような指針があるのか、確認させていただきたいと思います。
○田中運営担当部長 東京二〇二〇大会開催基本計画では、多様性と調和を大会ビジョンの基本コンセプトとしております。
このことを踏まえまして、都も検討に加わり、平成二十九年一月に組織委員会が策定いたしました東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した運営計画や、平成二十九年三月に策定した東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した調達コードでは、LGBT等の性的少数者などが東京二〇二〇大会において平等な権利を享受できるよう努めることとしております。
○池川委員 東京大会においても、LGBTの方も平等な権利を保障する立場で運営計画を定めているということが確認できました。
東京大会に関して、LGBTへの配慮を求めて行動されている幾つかの団体からお話を伺いましたが、スポーツ界の中での性的指向による差別は強いというふうに伺っております。
そうした中、東京大会の開催に当たっては、スポーツ関係者の中でのLGBTの理解を深めるためにも、例えば選手村の中でのLGBTへの理解を広げる取り組みも行ってほしいと要望を聞いております。大切だと思いますので、都として組織委員会と連携した努力を、この点については求めておきたいと思います。
大会運営に関しては、持続可能性に配慮した調達コードに性的指向による差別を禁止する規定が初めて位置づけられたことも重要だと思います。ただ、具体的に調達先である企業がLGBTの人権を尊重しているのか、尊重していないのかを判断する基準等は、組織委員会からは示されておりません。相談する窓口も現在ありません。
そうなると、五輪に携わる企業で働く方が性的指向によってひどい扱いを受けた際に、相談し判断する場がないということになります。具体的な運用のための整備を都から働きかけていくことを、この点について求めておきたいと思います。
過去の大会では、開催都市や組織委員会はLGBT理解促進のためにどのような支援を行ったのかについて伺いたいと思います。
○田中運営担当部長 リオ大会におきましては、リオ市がLGBT等の性的少数者への理解促進のために、大会運営に関連して特段の支援を行ったという事実は確認してございません。リオ大会の組織委員会は、聖火リレーのランナーに性的少数者を起用するなどの対応を行っておりました。
○池川委員 リオ大会でLGBTの方々が聖火ランナーをされたことは多くのメディアに報道され、多様性を大事にする大会というメッセージになったというふうに思います。
東京大会でも性的指向による差別の禁止を掲げるオリンピック憲章を実現する立場で、ぜひ頑張っていただきたいということを、これは求めておきます。
陳情の願意について伺っていきます。
東京大会時に、選手がLGBTである場合、関係者席で同性パートナーなどが観戦できるのか、法的に定められた同性婚の配偶者だけでなく、事実上の、事実婚であるパートナーでも観戦は保障されているのか、この点について確認をしたいと思います。
○田中運営担当部長 リオ大会やロンドン大会では、アスリートが出場する競技につきまして、家族や友人が観戦できるよう、一定数のチケットを購入できる機会が組織委員会により確保されており、アスリートの家族または友人であれば観戦できる仕組みとなっておりました。
二〇二〇年大会についても、過去の大会の事例を参考に組織委員会が現在検討を行っております。
○池川委員 同性のパートナーも関係者として観戦できる方向で検討されているということです。
過去の大会のように、同性パートナーも観戦が保障される仕組みとなることを要望しておきます。
陳情では、東京大会でLGBTの選手が自身のセクシャリティーを公表する場合に、開催都市として記念品を贈呈するなどして、勇気ある行動を祝福する姿勢を示してほしいというふうにされております。
スポーツ選手がカミングアウトするのは、スポンサー契約の変更や解除のおそれや、ファンが離れてしまうのではないかというリスクが伴います。それでもどうして五輪でカミングアウトをするのか。
例えば、アスリートがベストを尽くして結果を得た喜びや感動を自分の大切な人と分かち合うこと、異性愛者は五輪会場で誰はばかることなく、当然にしていることです。LGBT選手がカミングアウトすることは、性的少数者も同じことが当然できるべきだというメッセージにつながります。
あるLGBTの方は、同性婚が法的に認められている国に留学し、同性が好きというのは普通なことなんだと自分を認められた。そこから自分の第二の人生が始まった。一人で悩んでいる人に、LGBTの人はいて当たり前、特別なことじゃないんだよと伝えたいと述べられておられます。
自身のセクシャリティーを公表することは、性的少数者であることを隠して生きざるを得ない状況がある中で、少数者がそれを隠して生きるのではなく、堂々と生きていいんだということを示すものにつながると思います。
希望する選手がLGBTであることをカミングアウトすることは、LGBTの理解を広げ、差別を解消する上で意味のあることと考えますが、この点について東京都の認識はどうか伺いたいと思います。
○田中運営担当部長 平成二十七年八月に見直しを行いました東京都人権施策推進指針におきましては、施策の方向性として、性についての多様性があることへの理解を深め、性同一性障害者や性的指向の異なる人たちへの差別と偏見をなくし、全ての人々の人権が尊重される社会であることが必要としております。
LGBT等の性的少数者であることを表明するしないは、本人の自由な意思に基づくべき行為であると認識しております。
○池川委員 大会で多様性と調和を掲げ、東京でLGBTの平等な権利を実現していくというときに、カミングアウトした選手を温かく受け入れる雰囲気をつくり、選手にとってスポンサー契約が打ち切られたりするなど不利な状況とならないよう、メッセージを発信していくことは大切なことだと思います。
LGBTアスリートが大会で自身のセクシャリティーを公表することや婚姻宣言することが歓迎される大会になることは重要だと考えますが、この点について、都の認識はいかがか、また開催都市として、そうしたメッセージを発信することや記念品を贈呈することを求めますが、いかがでしょうか。
○田中運営担当部長 お尋ねのようなことでございますが、本人の自由な意思に基づく行為でありまして、都が関与を行うことはございません。
○池川委員 都が組織委員会での議論をリードし、積極的な役割を発揮することが求められている中で、関与を行うことはないと。これは余りにも冷たいというふうに思います。
東京大会は、大会ビジョンとして多様性と調和を掲げ、さらに二〇二〇年は史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな変革をもたらす大会となることを掲げているわけです。
ぜひ、これまでの大会で行われていない取り組みに足を踏み出していただきたいと思います。
そういう視点に立つと、例えば五輪開催時には、LGBTの交流や情報発信の拠点となるプライドハウスというものがあります。二〇一〇年のバンクーバー大会以降、国際スポーツ大会でこうした拠点が開催都市に設けられるケースがふえていて、東京五輪でもNPO法人が設置する計画を進めています。
大会時に、既にLGBTだと公表している選手や観客の滞在時のサポートをしたり、LGBTへの理解を深めるために情報発信を行う場となっています。LGBTの選手を招いてトークイベントを開催して、開催国の方々と選手がつながる場もあるそうです。
過去の五輪大会では組織委員会や開催都市との公式の連携はありませんが、ロンドン大会では組織委員会がプライドハウスの情報提供をしてくれたそうであります。
多様性と調和を掲げる東京大会で、組織委員会や東京都がプライドハウスと世界初の連携ができれば、世界的なレガシーになると思います。プライドハウス事務局と人的なサポートや情報交換を行い、五輪大会全体にLGBTの理解を広めることも重要だと思います。
また、プライドハウスを、五輪開催時だけでなく、その後もLGBTの方が集まれたり、情報を発信して理解を深める場として置くことも、多様性への理解を広げるチャンスとなると思います。こうした取り組みの検討を求めておきます。
LGBTの選手だけでなく、世界から集まる観客の中にもLGBTの方はいらっしゃいます。そうした方々が日本で心地よく過ごせるように、都内の民間企業、団体を含めたさまざまな機関に働きかけを行うことも重要です。
大会基本計画は、大会開催準備の枠組みを提供する基本的な計画。ここには、東京二〇二〇大会をどのような大会にしたいのかという点に加え、大会開催に向けて必要な準備、大会を通して達成し残すべきもの、そのための体制構築、関係者との連携について記されています。そして、大会の準備は五十二のファンクショナルエリアという機能別のチームに分かれて準備をしています。
観客の経験というファンクショナルエリアでは、日本の伝統であるおもてなしの精神で全ての観客を迎え、私たち全員が自己ベストのサービス、機会を観客に提供することで、東京二〇二〇大会が観客にとってまたとない経験になるようにすることがミッションに掲げられ、国内外の観客が自宅を出て帰宅するまでの道のりにおいて、適切なレベルの多様なサービスが提供されるよう、各ファンクショナルエリアのサービスのレベルをモニタリングし、また、外部パートナーと協力することを掲げています。
試合を見るだけでなく、東京に来られたところから、観客の五輪体験となります。同性カップルが宿泊したり、食事をしたり、買い物をしても受け入れられるように理解を広げることが求められています。
都としてもこうした立場で、国内外から来られる観客の方が性的指向によって差別される、不快な思いをすることがないよう、都内のさまざまな企業、団体、機関へのLGBTへの理解を広げるよう、努力をしていただきたいということを求めておきます。
本陳情の採択を主張し、質問を終わりたいと思います。
○古賀委員 私は発言する予定は当初していなかったんですけれども、今のいろいろなやりとりを聞きまして、ちょっと私の意見を申し上げておきたいと思います。
平成二十六年に、国際オリンピック委員会が五輪憲章に性的指向による差別禁止を盛り込んだということは当然のことだというふうに評価をいたします。全ての人たちに対する差別や人権侵害が許されないというのは当然のことであります。
しかし、同性カップルの結婚となると、憲法を変えなければ、婚姻の制度として日本ではこれが認められないわけであります。つまり婚姻というのは、結婚は男女間というふうに憲法が定めているわけでありますので、差別とか、あるいは人権侵害と婚姻を絡めての議論は、物事の本質をそらすものではないかというふうに思うわけです。
同性婚ということになりますと、男女の区別、つまり男女別に分かれているオリンピック競技とかたくさんあります。それから、男女が組んでやる競技もあるわけでありまして、そういった競技の背景にあるもの、あるいは文化というものも否定してはならないわけでありますので、私は、婚姻と性的少数者の皆さんの権利擁護というのは分けて考えるべきであろうというふうに思うわけです。
先ほどのやりとりにありましたように、例えば食事を一緒にするとか、買い物を一緒にすると、これはもう当然のことで、それはそれぞれの皆さんが自由にやればいい、保障されて当然だというふうに思います。
最近は、LGBTということ以外に、LGBTQという言葉が今新たに登場してきているんですね。Qというのは、自分の性についてまだよくわからないという人まで含めて、LGBTQといっているんですね。
私、このことが行き過ぎるというか、方向を誤ると、例えばこういうこともあるのではないかと思うんです。
平成十五年に品川区で、品川区が開催した人権尊重都市品川宣言十周年記念行事というときに、この行事の行われたときに、東大の助教授の先生が、トイレが男女別に分かれているのは社会的な暴力的な装置であり、トイレを通じて男女の差を再確認させられていると。つまり手洗い、トイレが男女別に分かれていることも、これは暴力的な装置だ、社会的装置というふうに、私から見れば極論ですけれども、そういう議論も堂々と自治体の行事の中で述べられているということもあるわけでありますので、婚姻ということと、あらゆる性的少数者の皆さんの権利を擁護するということは分けて考えるべきであろうというふうに思います。
つまり、例えば学校教育などで、このことを突き詰めていけば、差別禁止とか理解促進という言葉に名をかりて、称して、同性間の性行動を、いわゆる女性同士、男性同士の性的行動を理解できないという人は差別主義者だという思想的な一つの決めつけをすることにもなりかねない。
そういったことが懸念されるわけでありますので、この陳情は、パートナーとの婚姻宣言を行うということが触れられておりまして、何度も申し上げますけれども、婚姻と性的少数者の権利擁護、つまり人権尊重というのは、あくまで分けて判断、考えるべきだというふうに思いますので、私は本陳情は不採択にすべきだと考えます。
以上です。
○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二九第八九号は不採択と決定いたしました。
陳情の審査を終わります。
以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
○里吉委員長 これより教育庁関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○中井教育長 平成二十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
ご審議をいただきます教育庁所管の案件につきましては、学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外一件でございます。
詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○早川総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明を申し上げます。
お手元の資料、平成二十九年第四回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をめくり、目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は二件でございます。
それでは、一ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
東京都人事委員会からの勧告を踏まえ、今年度の公民較差に基づく学校職員の特別給の改定などを行うものでございます。
少し飛びますが、五ページをお開き願います。このページには条例案の概要を記載してございます。
この概要によりまして、内容についてご説明をさせていただきます。
一点目は、公民較差等に基づく学校職員の給与改定でございます。
特別給である勤勉手当の支給月数を東京都人事委員会から勧告された月数に引き上げるものでございます。
施行日は公布の日としております。
二点目は、その他の制度改正でございます。
号給切りかえに係る規定及び扶養手当の認定要件の見直しに伴う経過措置に係る規定をそれぞれ整備するものでございます。
施行日は平成三十年四月一日としております。
九ページをお開き願います。東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
一〇ページの新旧対照表をお開き願います。東京都教育委員会教育長の退職手当の支給率を百分の二十七から百分の二十六に改めるものでございます。
施行日は平成三十年一月一日としております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○里吉委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十一月九日に東京都教育委員会が公表いたしました、学校における働き方改革推進プラン(仮称)中間のまとめについてご報告をいたします。
お手元の文教委員会資料(報告事項)の資料1の一ページをお開き願います。
初めに、学校における働き方改革の目的でございますが、学校を取り巻く環境が複雑化、多様化し、学校に求められる役割が拡大する中、教員の長時間労働の実態が明らかとなっており、教員の心身の健康のみならず、教育の質にもかかわる重大な問題となっております。
このため、都教育委員会は、教員一人一人の心身の健康保持の実現と、誇りとやりがいを持って職務に従事できる環境を整備することにより、学校教育の質の維持向上を図ることを目的といたしまして、学校における働き方改革推進プランを策定するものでございます。
次に、2、本プランの位置付けでございます。
本プランは、都立学校を対象とした都教育委員会の実施計画であるとともに、小中学校の服務監督権者である区市町村教育委員会による実施計画の策定を促し、その取り組みを支援するという二つの側面を持つものでございます。
二ページをごらん願います。3、学校における働き方改革の目標でございます。
本プランの策定に先立ち、本年六月から七月にかけまして、都教育委員会は都内公立学校教員の勤務実態について調査をいたしました。その結果、週当たりの総在校時間が六十時間を超える、いわゆる過労死ライン相当にある教員が各校種とも一定割合存在し、とりわけ中学校においては約七割の教員が該当している実態が明らかとなったところでございます。
このため、本プランにおきましては、週当たりの在校時間が六十時間を超える教員をゼロにすることを当面の目標として設定することといたしました。
また、この目標を達成するためには、教員一人一人が時間を意識した働き方を実践していく必要があるため、平日の在校時間を十一時間以内にするとともに、週休日である土曜日、日曜日のどちらか一方は必ず休養できるようにすることを取り組み方針として、各学校において働き方改革を進めていくこととしております。
三ページをごらん願います。4、取組の方向性でございます。
教員の長時間労働の原因は多岐にわたっていることから、中段囲みにございますように、五点を柱として総合的に対策を講じることとしております。具体的な取り組みにつきましては、最終的なプランの策定に向けて現在調整中でございますが、検討例として何点か挙げさせていただいております。
まず、柱の一つ目、(1)、在校時間の適切な把握と意識改革の推進におきましては、学校において勤務時間を意識した働き方を実践できるよう、働き方の見直しに向けた意識改革を推進することといたしております。
カードシステム等を活用した在校時間の把握の促進や、タイムマネジメントの視点に立った研修を充実することなどを挙げております。
四ページをごらん願います。柱の二つ目、(2)、教員業務の見直しと業務改善の推進におきましては、教員の業務を精選し、校内の役割分担を見直すなど、業務の軽減や業務改善をすることといたしております。
小中学校における学校徴収金に関する事務や成績処理等につきまして、事務の統一化やシステム化を推進することなどを挙げております。
柱の三つ目、(3)、教員を支える人員体制の確保におきましては、教員の増員や外部人材等の活用により、学校の組織運営や指導体制を強化することとしております。
小学校における専科指導に必要な教員の段階的な配置や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門スタッフの配置促進などを挙げております。
五ページをごらん願います。柱の四つ目、(4)、部活動の負担を軽減におきましては、学校における他の教育活動とのバランス等の観点から部活動のあり方を見直すとともに、顧問業務に従事する教員の負担軽減を図ることとしております。
休養日の設定や適切な指導体制のあり方等に関するガイドラインの作成、教員にかわって指導、引率ができる部活動指導員の配置などを挙げております。
柱の五つ目、(5)、ライフ・ワーク・バランスの実現に向けた環境整備におきましては、教員が仕事と家庭の両立をできるよう支援を行うことといたしております。
ベビーシッターの利用に関する支援の実施などを挙げております。
続きまして、5、保護者・地域社会の理解促進でございます。
学校における働き方改革を進めることは、教員の長時間労働改善のみならず、学校教育の質の向上にもつながるということにつきまして、保護者や地域社会の方々にもご理解していただく必要がございます。
このため都教育委員会は、今後、学校における働き方改革の取り組みについて、保護者や地域社会のみならず、広く都民に広報し、理解を促進するための取り組みを進めてまいります。
六ページをごらん願います。
6、今後の予定でございますが、ただいまご報告させていただいた中間のまとめにつきましては、現在、ホームページ等で公表し、パブリックコメントを実施しております。
今後、学校関係者などからもご意見を伺った上で、来年二月に最終的なプランを公表する予定としております。
最後に、七ページ及び八ページにおきまして、都における教員の勤務実態の調査結果につきまして、その抜粋を参考として載せさせていただいております。
学校における働き方改革推進プラン(仮称)中間のまとめについてのご報告は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○里吉委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○里吉委員長 次に、請願の審査を行います。
請願二九第九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○増田教育改革推進担当部長 お手元に配布しております文教委員会付託請願審査説明表の一ページをお開き願います。請願二九第九号、都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願でございます。
本請願は、足立区の都立江北高校定時制の存続を求める会代表者石井史衛さん外三千六百三十二名から提出されたものでございます。
本請願の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、1、都内の四つの夜間定時制高校の廃止を含む都立高校改革推進計画新実施計画の決定の凍結、見直しを行うこと及び2、都立江北高校定時制を廃止せず、存続させることの二点でございます。
これに関する現在の状況でございますが、定時制課程には、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
このため、都教育委員会は、このような生徒や保護者のニーズに対応すべく、チャレンジスクールや昼夜間定時制高校を設置してまいりましたが、これらの入学者選抜応募倍率は依然高い水準で推移しており、入学希望に十分に応えられていない状況がございます。
一方、夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに平成二十三年度以降、年度を追って低下し、また近年、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少しております。
こうしたことから、都教育委員会は平成二十八年二月に策定した都立高校改革推進計画新実施計画において、生徒や保護者のニーズの高いチャレンジスクールの新設や、昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大を行い、その進捗や夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくことといたしました。
二ページをごらんください。
夜間定時制課程を当初から希望する生徒の入学者選抜の応募倍率の状況は、募集人員を三百六十人減らしたことにより、平成二十八年度の〇・三八倍から平成二十九年度は〇・三九倍と上昇いたしましたが、応募者数は平成二十八年度の九百十二人から平成二十九年度は七百九十九人と減少しております。
また、募集人員に対する在籍生徒数の割合は、平成二十八年度の六一・九%から平成二十九年度は七二・五%に上昇いたしましたが、これは平成二十九年度の募集人員を減らしたためであり、在籍生徒数は平成二十八年度とほぼ変わりがございません。
なお、夜間定時制課程に在籍する全生徒のうち勤労青少年の割合は、平成二十八年度は三・八%、平成二十九年度は三・〇%となっております。
一方、昼夜間定時制高校やチャレンジスクールの入学者選抜の応募倍率の状況は、昼夜間定時制高校が平成二十八年度は一・六二倍、平成二十九年度は一・七七倍、チャレンジスクールが平成二十八年度は一・五七倍、平成二十九年度は一・六九倍であり、入学希望に十分応えられていない状況でございます。
以上のとおり、定時制課程を取り巻く状況は、新実施計画の策定時と比べ、特段の変化はございません。
平成二十九年十月に、足立地区及び立川地区チャレンジスクールの基本計画検討委員会報告書を取りまとめいたしました。足立地区チャレンジスクールは、一年次九学級、全校三十六学級の規模で平成三十四年度に、立川地区チャレンジスクールは、一年次六学級、全校二十四学級の規模で平成三十五年度に開校を予定しております。
また、平成三十年度には、チャレンジスクールである六本木高校、大江戸高校、桐ヶ丘高校の夜間部を学級増することといたしまして、さらに平成三十一年度には、昼夜間定時制高校である一橋高校、浅草高校及びチャレンジスクールである稔ヶ丘高校の夜間部を学級増する予定でして、施設設備等の整備に取り組んでいるところでございます。
こうしたことを考慮し、このたび、江北高校定時制課程における平成三十一年度の第一学年生徒の募集停止の予告を行いました。
募集停止までに同校に入学した生徒については、正規の修業年限の間は引き続き同校に通学し、卒業することが可能でございます。
また、閉課程後、夜間定時制課程への入学を希望する生徒は、足立高校、南葛飾高校、江戸川高校、葛西南高校、飛鳥高校、大山高校、豊島高校、葛飾商業高校普通科などの周辺の夜間定時制課程において受け入れてまいります。
これらの学校の夜間定時制課程は、平成二十九年度の募集人員四百五十人に対し、五月一日現在の第一学年在籍生徒数は三百四十七人で、募集人員に対して百三人のあきがある一方、江北高校定時制課程の平成二十九年度の第一学年在籍生徒数は三十人であることから、江北高校定時制課程の閉課程後も、夜間定時制課程を希望する生徒を受け入れられる募集人員を確保しております。
なお、学校の始業時刻に間に合わなくなるおそれのある場合などについては、生徒が安心して仕事と学業を両立できるよう、放課後の補習の支援を充実するなど必要な対応を図ってまいります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○里吉委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○池川委員 それでは、都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願について質問いたします。
今、若者に何が起こっているか。その時代の最先端が夜間定時制高校にあらわれています。本来は、夜間定時制高校で起こっていることに真剣に教育行政が向き合い、伴走していくことが求められているはずです。
しかし、偏差値至上主義の中で、教育行政の中で、夜間定時制高校は公教育における辺境の地とされてきました。私は、夜間定時制で起こっている問題に真剣に向き合わずしていいのかということを強く感じています。
東京都教育委員会は、かつて百校以上あった夜間定時制高校を、生徒や保護者、卒業生、都民の反対の声に耳を傾けることなく廃止し、半数以下まで減少させてきました。これだけ減らしてきた上に、江北高校を初めとする四校の廃止計画が都立高校改革推進計画新実施計画によって位置づけられました。
夜間定時制高校が昼間働いている生徒や全日制に合格できなかった生徒、不登校やひきこもりを経験した生徒、夜間中学の卒業生、若いときに学ぶ機会を逸した年配の方、外国につながる生徒など多様な生徒の学びの場として、その今日的役割は極めて大きいと考えます。
そこで、まず初めに、夜間定時制高校が果たしている役割は何か、東京都教育委員会の認識を伺います。
○増田教育改革推進担当部長 定時制課程の高校については、従来から、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の学びの場として設置してきました。
しかし、今日では、小中学校時代に不登校を経験した生徒、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や外国人の生徒など多様な生徒が在籍しております。
また、定時制課程では、全日制課程に比べて少人数での教育を実施するとともに、入学者選抜における第二次募集以降では、全日制課程などへの進学希望がかなえられなかった生徒のセーフティーネットの機能を果たしております。
○池川委員 多様な子供たちの学ぶ場として、またセーフティーネットの機能として、夜間定時制高校が重要な役割を果たしている。これはつまり、誰もが学ぶことができる場所が夜間定時制だという認識でよろしいのか、その認識について伺います。
○増田教育改革推進担当部長 定時制に在籍している多様な生徒に対して、全日制に比べて少人数の教育を実施するなど、定時制教育の充実を図っているところでございます。
○池川委員 誰もが学ぶことができる場所だということについては否定をされなかったので、そういうふうに受けとめて、次の議論に進みたいと思います。
実際に都教育委員会がどうやって周知をしているのか、この点について伺っていきます。
平成三十年度東京都立高等学校定時制課程通信制課程入学案内に何と書いてあるか。きょうはパネルを準備させていただきました。これです。定時制、通信制課程で学ぼうとする皆さんへと題して、あなたが行きたい学校はどのタイプかと。
日中に働きながら高校に通いたい、定時制高校ならできますと。
ライフスタイルに合わせて学習したい、全日制高校と同じ三年間で卒業できないか、これは多部制の昼夜間定時制高校がお勧めですと書いてあります。
中学校で不登校を経験しました、長期欠席が原因で高校を退学しました、これはチャレンジスクールなら大丈夫と書いてあります。
自宅学習を中心に高校を卒業したい、ふだんは別の活動をしたいから登校日は少なくできないか、通信制がありますというふうに書いてあるんですね。
そうなると、どうなっていくか。先ほどの答弁では、小中学校時代に不登校を経験した生徒、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒、外国人の生徒など、また全日制課程などへ進学希望がかなえられなかった生徒のセーフティーネットの機能を果たしているというふうに答弁がありましたが、これを見ると、最初から夜間定時制高校というのは、こうしたほかの多様な人たちの選択肢からは率直にいって除かれている、そうした案内になっていると思います。
このことによって今、実際現場でどういうことが起こっているのか。来年度募集停止とされた雪谷高校定時制では、市民による手づくりの生徒募集チラシをつくって、さまざまなところでPRをされたそうであります。それもちょっと紹介します。
(パネルを示す)雪谷定時制で高校資格を取ろう、役立つ知識と仲間は力になる、誰もが学べる場です、中卒の方は、何歳でも応募できます、こういうPRをされているんですね。
すなわち、勤労青年に限るとか--どんな多様な状況の子でも、困難を抱えている子でも、中学を卒業した方だったら何歳でも応募できるんですということで、広く広報されました。
このチラシを見た中学校の副校長先生から、勉学意欲をなくして進学しないといっていた中三生が、ポストに入っていたこの雪谷定時制募集チラシを見て受検を決めた、チラシの温かい文面に心動かされたというふうにお話をされていました。そして、二次募集を受ける決心をしたということを代表の方に直接ご連絡をされてきたそうであります。
私は、本来であれば夜間定時制高校が進学先として選択肢に入るべき子供たちには、実際にはその選択肢になっていないというのが現実だと思います。そのギャップを埋める努力を都教育委員会がしてきたのかが鋭く問われているわけです。
そこで伺いますが、来年度募集停止とされた雪谷高校定時制は、応募者が実際に増加しています。この理由をどう考えるのか、また、都教育委員会こそ、誰もが学ぶ場であるということを、夜間定時制についてしっかりとメッセージを出していく必要があると思いますが、そのメッセージを出すということについて見解を伺いたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 雪谷高校定時制課程の応募状況は、第一次募集から第四次募集まで合わせて三十人の定員に対して、平成二十七年度が四人、平成二十八年度が七人、平成二十九年度が十人でございます。都立高校の入学者選抜において、応募者の増減は多くの学校において数人から数十人規模で生じているものであり、特段、雪谷高校定時制課程の需要が高まっているとは考えておりません。
先ほど委員から示されたこちらの冊子の一ページについては、典型的な事例を挙げているだけであって、日ごろから働きながら定時制に通う勤労青少年でなければ夜間定時制に通ってはいけないというメッセージではないかと考えております。
都教育委員会におきましては、夜間定時制課程に関しまして、この冊子を毎年度作成し、公立中学校に配布するなどの取り組みも行っております。また、都立高校の相談窓口も示しており、個別に対応しているところでございます。
○池川委員 私が聞いたのは、誰もが学べる場所なんだというメッセージを出すことが大事なんじゃないかと。ターゲットを絞っていないといいますけれども、あれを見るとやっぱり読んだ方の受けとめは、ここは違うのかなというふうに思って、実際に中学生の中では選択肢に入らない。先日伺った話の中では、中学校の先生自体が今、選択肢になかなか入っていないということも伺ったわけです。
需要が高まったとは考えていないという答弁がありましたが、なぜこの応募者がふえたかということについて、今の答弁だと、それに対する明快な答えはありませんでした。
実際に、昨年度募集停止予定とされた雪谷高校で応募者が増加したというのは、存続を求める皆さんが本来教育委員会がやるべき仕事をかわって、必死になってPRした結果にほかならないと思います。
募集停止予定とされた学校は、何もなければ間違いなく募集人員が減少し、そして募集停止予定とされることがわかっていたとしても雪谷高校を選択された生徒が増加したということは、誰でも学ぶことができる場所なんだという、そうしたPRが実際にこの増加につながったことを示すものだと思います。これは現実の数として、来年度閉課程となるかもしれないという学校を選択された人がふえていることを重く受けとめるべきだと私は思います。
もう一点、勤労青年という考え方は、時代の中で私は現実を変えていく必要があると思います。そもそも今、若い人の二人に一人は非正規で働いています。しかも、その非正規雇用の実態も正社員と同じような仕事をさせられているケースが少なくありません。
この勤労青少年という定義について、正社員と自営業以外は含めないという立場に固執していることが、夜間定時制高校が現実に果たしている役割との間に溝をつくっているとも考えられます。この定義についても再考し、実態に合わせるべきだということを求めておきます。
夜間定時制について、定時制はその時代を映す鏡のような存在だと表現をされた方がいます。夜間定時制高校を一つなくすことは、これまでであれば夜間定時制高校が受けとめてきた人たちの学ぶ場を奪い、居場所をなくしていくことにつながります。夜間定時制高校のセーフティーネット機能は、ほかに代替することは容易ではありません。だからこそ、卒業生を初めとする多くの方々が夜間定時制高校を廃止することに反対の声を上げているのだと私は思います。
このことを申し上げた上で、具体的な問題について質問していきます。
なぜ江北高校を含めた四校が新実施計画で廃止とされたのか。ここに大きな疑問の声が上がるのは当然だと思います。
改めて伺いますが、この新実施計画において四校、小山台、雪谷、江北、立川の四つが閉課程の対象とされましたが、なぜこの四校なのか、四校を閉課程にする根拠は何なのか、お示しいただきたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 都立高校改革推進計画新実施計画において、都民ニーズの高いチャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の規模を拡大するとともに、一部の夜間定時制課程を閉課程することとしました。
今回、閉課程の対象とした高校については、生徒がさまざまな地域から通学しているため、通学の選択肢となり得る夜間定時制課程が多数存在しております。また、四校のうち江北高校、小山台高校、雪谷高校の三校については、募集人員に対する在籍生徒の割合が夜間定時制課程全体の平均を下回っている状況でございます。
以上のようなことから、都立高校改革の新実施計画において、四校の夜間定時制課程を閉課程することといたしました。
○池川委員 今の答弁を聞いても、なぜこの四つが閉課程になるのか、そしてなぜこの四校なのかということについて明快な答弁はありません。
例えば、理由とされている広範な地域から通学しているということ一つとってみても、今回請願が出されている江北高校は、五月一日時点で八一・二%の方が地元足立区から通っておられます。通っている生徒の七七・三%が自転車もしくはバイクで通学をされている。これだけとってみても、江北高校定時制が地元から自転車などで通っている生徒が大変多いということがわかります。
また、交通利便性がよいから廃止をするというのは、余りの珍論だというふうに私は思います。大体、夜間定時制高校の廃止によって、これまで幾つもの学校が統廃合されてきたことによって、今や夜間定時制高校はどこにでもある学校ではなくなっています。そうしたときに、交通利便性がよく、広範囲からむしろ通いやすいとされている学校を募集停止にし、閉課程にするというのは矛盾があるのではないでしょうか。
募集人員に対する在籍生徒の割合が平均以下といいますが、閉課程が決められた二〇一五年度、江北高校定時制は三学級の大規模校でした。絶対数でいえば生徒数は他校に比べて決して少なかったと考えますが(発言する者あり)この点についてはどのような考慮が行われたのか伺います。
○増田教育改革推進担当部長 江北高校定時制課程には、先ほど申し上げましたように、さまざまな地域から通学している生徒がいます。足立区だけではなく、葛飾区、北区、荒川区から通っている生徒もいます。
そういった生徒にとって、江北高校定時制課程を閉課程した後も通学の選択肢となり得る夜間定時制課程は、近隣の足立高校定時制課程を初め、さまざま存在しております。
○池川委員 絶対数でいえば生徒数は他校に比べて決して少なくないと考えますが、いかがかと聞いたのに対して、明確な答弁はありませんでした。通っている生徒たちにとっては自分の学校がなくなるかもしれない、卒業生にとっては母校がなくなるかもしれない、現場の先生たちにとっては困難を抱えている子供たちを受けとめてきた場所が減ってしまうかもしれない、当事者にとっては、この問題というのはゼロか一〇〇の問題なんです。
なぜ四校が閉課程となるのか、理由にならない答弁が今行われていましたが、本当に教育庁の中で真剣な検討がなされたのか、実際にその過程はブラックボックスの中にあります。
来年度に向けた予算見積もりについて、依命通達の中でも、客観的事実に基づき事業の妥当性等を検証するエビデンスベースによる評価を実施するということが明記をされました。四校閉課程については検討経過の資料がなく、閉課程の時期については非開示となっているため、妥当性を検証する根拠がありません。
情報公開という趣旨を踏まえても、公開すべきだと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 都立高校改革推進計画新実施計画においては、夜間定時制課程の応募倍率の推移や在籍生徒数の動向、チャレンジスクール等の都民ニーズなどについて客観的なエビデンスを示す計画を立案しております。
昨年度の四校の夜間定時制課程の閉課程決定に至るまでの検討資料の情報公開の請求に対し、事業計画の想定を示した部分を一部非開示といたしました。このことについては、当該資料があくまでも事業計画を検討する上での仮定にすぎず、当該資料が公開されることにより確定情報と誤解され、都民や学校関係者等に混乱などが生じるおそれがあったため、東京都情報公開条例の規定により非開示といたしました。
○池川委員 共産党都議団としても、夜間定時制高校の閉課程の方針がどう決まったのか、廃止方針の決定にかかわってどんな記録が残っているかについて情報公開請求を行いましたが、それに対する回答は、請求に係る公文書は存在しないというものでした。
決定過程について文書が不存在というのは、多くの都民が納得できないと考えますが、これは行政手続として正当だといえるんでしょうか、伺います。
○増田教育改革推進担当部長 四校の閉課程に関する検討経過の資料につきましては、当該閉課程の検討を行うための検討委員会やプロジェクトチーム等を設置した事実はなく、請求に係る公文書は存在いたしません。
○池川委員 請求に係る公文書が存在をしないというものについて、結局その決定過程を知ることはできないということになります。
先ほど答弁で、交通利便性がよいにもかかわらず廃止するという議論が展開をされましたが、一方で、三学級という大きな学校で生徒も多いのになぜ、定員に対する割合が少ないから、この学校が閉課程となるのか、この理由が到底納得できないというふうに思います。
それは教育庁のどのレベルで検討されたのか、その事実をどうやって分析したのか、その資料が実際には公開できるものはないということです。これは非開示とか不存在で済ませてもらっては大変困る問題です。これは本当に重要な問題だというふうに私は思います。
ないものについてこれ以上聞いても、ないという答弁しか出てこないわけですが、この問題に限らず、決定過程を透明化することは、私は信頼につながると思います。プロセスなく結論だけというのは、行政手続としては極めて問題があるということを指摘しておきます。
江北高校の募集停止予定について具体的に聞きます。
ことし十月十二日の東京都教育委員会で、来年度募集停止予定とする決定がなされました。私も先日、江北高校に視察に行かせていただきましたが、授業は大変丁寧に行われ、生徒が自発的に一人一人が発言し、理解が進むように工夫が行われておりました。ある生徒が本校の生徒はすばらしいというふうに話をされていたことが大変印象に残っております。生徒一人一人はさまざまな背景がある中で、励まし合いながら学校に通っている姿がそこにはありました。
先生の話では、入れかわりはあるが、現在は足立高校がどちらかといえば活発な子、江北高校はどちらかといえばおとなしい子が通っているといいます。実際に見学などを通して生徒が選んだ結果、自然とそうなっているということをお話しされていました。つまり、選択できることによって進路を選ぶ、これが極めて大事だと思います。
さらに注目すべき取り組みの一つとして、学校案内にも紹介されていますが、城東職業能力開発センターと昨年から連携を始め、六回の講座の特別プログラムをつくって、今、実践をされています。昨年度は六人の生徒が進路として城東職業能力開発センターを選択し、センターの側も内容を理解した生徒が入校してきてくれて大変ありがたいと、お互いがウイン・ウインになっている関係ということも伺いました。
こうした新しい取り組みを行い、昨年度は、進路未決定の生徒はゼロだったとも聞いています。ここには、一人一人の生徒はもちろん、現場の先生、関係者の並々ならぬ努力があってのことですが、とても大切な取り組みだと思って私は聞きました。こうしたやさきに募集停止予定とされたわけです。
江北高校定時制をなぜ再来年度募集停止予定としたのか、その理由と根拠について伺いたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 都立高校改革推進計画新実施計画においては、都民ニーズの高いチャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制の夜間部の規模拡大を行うとともに、その整備の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程することとしております。
このたび、平成三十年度に六本木高校、大江戸高校、桐ヶ丘高校の夜間部を学級増することとし、さらに、平成三十一年度には浅草高校、一橋高校と稔ヶ丘高校の夜間部を学級増する予定とし、このことにより六学級の増となります。
一方、学級減は、平成三十年度に二学級、平成三十一年度に江北高校を含めて二学級、合計四学級としており、江北高校の募集停止を行う場合においても、定時制全体の募集人員は差し引き二学級増となる予定でございます。
また、平成二十九年度の夜間定時制課程の第一次募集の応募倍率は〇・三九倍であり、江北高校定時制課程を募集停止した場合にも、夜間定時制課程を希望する生徒については、周辺の足立高校、南葛飾高校、葛飾商業高校普通科等において十分受け入れることができる状況となっているため、このたび募集停止の予告をいたしました。
○池川委員 十分受け入れることができる状況となっているという理由で募集停止を予告したということですが、果たしてそうなのか。
都議会の議事録を読み返してみますと、荒川商業をチャレンジスクールに改編することがこの閉課程の一つの理由として挙げられています。だから、多くの都民の皆さんは足立地区のチャレンジスクールが開校するのに合わせて募集停止をされると思っていたわけですが、それが突然再来年の募集停止予定ということが発表され、そのことに今驚きが広がっています。
足立地区のチャレンジスクールの開校は二〇二二年度です。チャレンジスクールの入学希望に応えるため、なぜ夜間定時制を廃止するのか。本当に多様な選択をできるようにするためには、定時制は廃止せず併存するという選択肢もあると考えますが、なぜそういう道を選択しないんでしょうか。
○増田教育改革推進担当部長 都教育委員会は、平成九年に策定した都立高校改革推進計画において、定時制課程については、チャレンジスクール、昼夜間定時制高校を設置し、これに周辺の定時制高校を統合することを基本的な考え方として示しております。
こうした考え方に基づいて、一部の夜間定時制課程を閉課程することといたしました。
○池川委員 私も都立高校の出身でして、当時は全日制と定時制の併置校でした。この間、廃止、統合の中で、私の通っていた学校にあった夜間定時制高校というのは統廃合されてしまいました。当時を振り返ってみても、私自身は、同じ学校の中で昼と夜、同じ場所で学んでいる人がいることを意識していたことを大変強く印象を持っています。
これまで東京都教育委員会は、全定併置がゆえ、さまざまな課題があるとも説明をされてきました。その課題は、チャレンジスクールによって単純に解決するものではありません。全定併置の課題を定時制廃止の理由として解決するというやり方は、理解と合意を得ようとする姿勢が見られないということも一言指摘しておきたいと思います。
それと加えて、足立地区のチャレンジスクールを開校する前になぜ募集停止としたのか、なぜこの前に募集停止としたのかについて、もう一度伺いたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 新実施計画においては、チャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大を行うとともに、その整備の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程することといたしております。
夜間定時制課程では在籍生徒数が減少しており、江北高校定時制課程では、平成二十六年度に十学級であったところ、平成二十九年度には七学級となっております。
また、入学者選抜第一次募集の状況も、平成二十六年度には二十八人でございましたが、平成二十九年度は十一人と、応募者の減少傾向が顕著であり、応募倍率は〇・一八倍と、夜間定時制課程の平均倍率〇・三九倍を大きく下回っております。
加えて、平成三十年度及び平成三十一年度に、都民ニーズの高いチャレンジスクールや昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大を行うこととしており、江北高校定時制課程の応募者のさらなる減少が予想されることから、このたび江北高校定時制課程の募集停止を予告いたしました。
○池川委員 今の答弁を聞くと、募集停止の予定の理由が、応募者のさらなる減少が予想されるというもので、推測の域を出ていません。しかし、募集停止予定ということを知ることとなれば、選択肢としてきた人も再考してしまうということになるんじゃないでしょうか。
実際、先日お伺いしたときにいただいた学校案内には、平成三十一年度新入生の募集は停止する予定ですということが書かれております。
実際にチャレンジや昼夜間定時制の学級増が行われ、足立地区チャレンジスクールが開校した後の推移を見てからでもいいのではないか、なぜ来年度なのか、これは非開示となっているもとのスケジュールに合わせたということなんですか。
○増田教育改革推進担当部長 江北高校定時制課程は、在籍生徒数や学級数の減少傾向が顕著であり、平成二十五年度は十二学級でありましたが、平成二十六年度は十学級、平成二十七年度は九学級、平成二十八年度は八学級、平成二十九年度は七学級と、急速に学級数が減少しております。近隣の足立高校や南葛飾高校などの夜間定時制課程については、江北高校ほどではございませんが、在籍生徒数が減少してきており、学級数の減少が懸念される状況となっております。
平成三十年度及び平成三十一年度にチャレンジスクールや昼夜間定時制高校の六校の夜間部の学級増が予定される中、江北高校定時制課程を現状で放置すると、江北高校だけでなく、近隣の足立高校などでも学級減となり、結果として単学級小規模校を複数配置することになりかねないことになります。
こうしたことから、江北高校定時制課程を平成三十一年度に募集停止する予告を行いました。
○池川委員 ふやすならば、その推移を見てから検討するというのが客観的データに基づくということだと思います。この点についてはきちんと推移を見ていただきたいということは求めておきます。
角度を変えて伺いたいと思いますが、足立区という地域に着目して考えたときにどうかということです。私も調べてみて驚くと同時に、大変深刻な問題だと思ったことがあります。
足立区では、小中学生の不登校発現率が東京都の平均よりも高くなっています。中学校では二〇〇八年に約三%だった発現率が二〇一六年度には約六%に、小学校では約〇・二五%だった発現率が二〇一六年度には〇・八五%へと大きく増加しています。この原因については、過度な競争教育が指摘されているところでありますが、きょうの請願審査とのかかわりでお聞きしたいのは、こうしたデータについて、都教委として検討材料としたのかどうかについてであります。
検討経過については不存在とされているので、記録として残っていることはないわけですが、不登校の発現率についても、こうしたさまざまな決定を下す際の参考にしたのか、これはイエスかノーかでお答えいただきたいと思います。
○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールの新設及びチャレンジスクールの規模拡大につきましては、チャレンジスクールの応募倍率、そして小中学校の不登校の出現率、そういったものを参考にしながら、チャレンジスクールの整備を進めておるところでございます。
○池川委員 これは発現率についてきちんと検討した上で募集停止をしたということ自体、驚きです。これでは多くの子供たちが行き場を失う可能性があるということになるんじゃないでしょうか。
小中学校で不登校となった子供たちを受け入れるときに、さまざまな選択肢が必要だと私は思います。
しかし、都教育委員会は、チャレンジスクールで受け入れるからいいんだという姿勢がかいま見えています。
例えば足立地区チャレンジスクール基本計画検討委員会報告書の概要版には、チャレンジスクールは主に不登校経験のある生徒を受け入れているが、不登校経験のある生徒の進路実現の観点から適正な規模と配置を実現していく必要があるとして、これまでのチャレンジスクールはおおむね六学級だったところを、足立チャレンジスクールでは一学年九学級と大変大規模な学校に設定をされています。
午前部四学級、午後部三学級、夜間部二学級と分かれているものの、不登校を経験した生徒が一学年九学級という大規模校で学ぶということが本当にいいのかということも真剣な検討が必要だと思います。
今後、中学校の卒業予定者が増加する中で、夜間定時制高校を閉課程にすることが本当に適切なのかについて、再度伺いたいと思います。
年度別都内公立中学校卒業予定者数の推移では、二〇二〇年を下限として、その後は上昇することとなっています。平成三十三年度以降に大幅増加の見通しがある中で閉課程とするのは矛盾がありませんか。その点についてはいかがでしょうか。
○増田教育改革推進担当部長 都教育委員会は、夜間に学ぶことができる定時制課程の募集枠について、希望する生徒が確実に入学できるよう、効果的な教育活動及び適正な学校運営を行うために必要な翌年度の学級数を見積もり設定しております。
新実施計画においても、一部の夜間定時制課程の閉課程を行う一方、チャレンジスクールの新設やチャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大により、夜間に学ぶことができる生徒の募集枠は十分確保しているところでございます。
今後も引き続き、中学校卒業者数や転編入希望の動向を注視し、適切に対応してまいります。
○池川委員 客観的にこの新実施方針で東京都教育委員会が示している数字の中で、卒業予定者数が大幅な増加をするということであります。これに対してきちんと適切に対応していくというのであれば、なぜ今、閉課程にするのかということが問われるわけです。
さまざまな理由で定時制高校に進学する生徒が多くの課題を抱えていることは、現場の先生方なら誰でも知っている話です。そうした思いも含めて受けとめ、時には厳しく、時には励ましながら教育活動を行っているのが夜間定時制高校です。
改めて伺いますが、中長期の視点に立った就学対策が必要、適切に生徒増に対応していくというのであれば、現時点でそれを閉課程するということには逆行するんじゃないか、この点についてはいかがでしょうか。
○増田教育改革推進担当部長 平成二十九年度の夜間定時制課程の入学者選抜においては、二千七十人の募集枠に対し、入学者は千四百四十五人であり、夜間定時制課程を希望する生徒をさらに六百二十五人受け入れることができる状況でございました。このように定時制課程の募集枠につきましては、夜間定時制課程を希望する生徒を十分受け入れる規模を確保しております。
今後も引き続き、中学校卒業者数や転編入希望の動向を注視し、適切に対応してまいります。
○池川委員 適切に対応されるということなんですが、チャレンジと昼夜間、つまり三部制の夜間部をふやして対応していくということが基本だと思います。
しかし、チャレンジと昼夜間の夜間部は、既に来年度、再来年度と学級増を行うことが示されております。さらにふやしていけば、どんどんどんどん一校当たりの規模が拡大することになるんじゃないでしょうか。夜間定時制高校が果たしている今日的役割に光を当てる必要があると思います。
都教育委員会は、理解と協力が得られるようにしていくんだということをこれまでも議会で繰り返し述べられておられます。
しかし、きょうの質疑も通じて、なぜ江北高校が再来年度募集停止予定とされたのか、なぜ四校が閉課程となるかについて、肝心の検討経過について文書が不存在であることが改めてわかりました。
今回の請願は、決して何か特別なことを求めていることではないと思います。自分たちがかかわってきた学校を残してほしい、誰もが抱く気持ちです。それは四年間、夜間定時制高校ですばらしい時間を過ごし、特別な場所だと感じた方々の思いです。
夜間定時制高校は、学力を伸ばすことが至上命題とされている中では蚊帳の外かもしれません。しかし、そこには、江北高校夜間定時制を残すことにより、特段何か大きな問題が起こるわけではありません。
最後に、夜間定時制にかかわった先生の言葉を紹介させていただきたいと思います。
人は目標を決めて、きのうよりもきょう、きょうよりもあすというふうに一生懸命努力をして、自分の人生を切り開いていくべきだと考えています。そのための手伝いをするのが教師の仕事だとも思っています。その考えは教師になった当時も今も変わりません。でも、夜間定時制高校の教師をしてみて気がついたことがあります。さまざまな事情で、どうにもこうにも頑張ろうという気持ちになれない若者がいるという現実です。その子たちにやる気を起こさせるためには、まず、彼らの抱えている問題を取り除いてあげなければ前に進めないんです。
この言葉に夜間定時制高校の今日的役割があると私は思います。それは何かきれいなエピソードとともにあるわけではありません。きれいな一本道でもありません。紆余曲折があり、時には後退しながら、ジグザグ進んでいく道だと思います。
しかし、彼らの抱える問題と向き合い、伴走することができる夜間定時制高校を一つなくすことは、これまで夜間定時制高校で受けとめてきた子供たちを受けとめる場所がなくなってしまうということは紛れもない事実だということを最後に申し上げ、本請願は採択すべきだということを主張しまして、質問を終わりたいと思います。
○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第九号は不採択と決定いたしました。
請願の審査を終わります。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十七分散会
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