文教委員会速記録第五号

平成二十九年三月二十二日(水曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長植木こうじ君
副委員長栗山よしじ君
副委員長里吉 ゆみ君
理事川松真一朗君
理事野上 純子君
理事小宮あんり君
小松 久子君
宮瀬 英治君
石川 良一君
鈴木 錦治君
きたしろ勝彦君
鈴木貫太郎君
古賀 俊昭君
高木 けい君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局次長桃原慎一郎君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武市 玲子君
広報広聴部長樋渡 幸生君
都民生活部長山本  明君
消費生活部長三木 暁朗君
私学部長加藤  仁君
文化振興部長鳥田 浩平君
都政情報担当部長濱田 良廣君
男女平等参画担当部長吉村 幸子君
文化総合調整担当部長堀越弥栄子君
文化施設改革担当部長越  秀幸君
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
理事小山 哲司君
理事延與  桂君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十八号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例
生活文化局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
報告事項(質疑)
・東京都男女平等参画審議会答申を踏まえた計画素案について
・東京都消費生活対策審議会答申について

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局及び生活文化局関係の予算の調査、オリンピック・パラリンピック準備局関係の付託議案の審査並びに生活文化局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、オリンピック・パラリンピック準備局所管分及び第三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木総務部長 去る二月二十日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、主な都立体育施設の稼働率でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間の稼働率の推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料2、主な都立体育施設の利用目的別件数でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、国際大会や全国大会など、利用目的別の件数を、それぞれ平成二十五年度から平成二十七年度までの三年間の推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料3、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場及び第一球技場の利用料金でございます。
 現行の東京都体育施設条例で定める利用料金及び指定管理者が定める現行利用料金を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場及び第一球技場の利用者数でございます。
 平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間の利用者数の推移を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○小宮委員 二〇一三年九月に五十六年ぶりの東京オリンピック・パラリンピック開催が決定をしてから早くも四年が経過しました。同じ都市でパラリンピック大会、二度目の開催は史上初となります。
 また、成熟した都市東京で、今回の大会を通じて目指すのは共生社会であるというテーマもあります。パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功なし、その目標に向かって、都はこれまでさまざまな事業を立ち上げてきました。
 私も、パラリンピック大会を盛り上げるには日本選手の活躍が欠かせない、そのためには、可能性のある選手を見つけ出してその活動を支援すべきと訴え、現在都は、東京にゆかりのある選手を発掘し育成する事業を実施しています。
 また、パラリンピックへの理解と関心を多くの都民に持ってもらうために、裾野を広げて、障害者スポーツの振興についてもハード、ソフト両面で取り組んでいます。広報や観戦促進などの普及啓発も進めています。
 つまり、パラリンピック成功のためのさまざまな事業が現在進行中ですが、きょうは、まず、当初から課題が多いとされてきた障害者スポーツの競技団体の現状について伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 競技団体の役割は、選手の発掘、育成、強化にとどまらず、競技の普及啓発までを担う重要なものでございます。
 都が障害者スポーツの競技力向上に関する取り組みを強化した昨年度、平成二十七年度当初、パラリンピック二十二競技のうち、都レベルの競技団体があるのは九競技のみでございました。
 こうした状況から、都も競技関係者などへの働きかけを積極的に行い、この間、新たに陸上競技、シッティングバレーボール、車椅子フェンシングの三競技で都レベルの団体が設立されるなど、障害のある方の競技スポーツの受け皿として広がりを見せております。
 また、都レベルの競技団体は、平成二十七年度に始めたパラリンピック選手発掘プログラムにおいても、実施主体の一翼を担ってくださるなど、精力的に活動に取り組んでおられます。

○小宮委員 パラリンピックの二十二競技のうち、現在、十二の競技で都レベルの団体が構成されたということですが、こうした団体が積極的に活動してこそ、障害者アスリートたちの成長に重要な役割を果たすと思います。
 都として、競技団体の活動を活性化する、それを促すためにどのような支援を行っているのか伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、平成二十七年度、都レベルの競技団体が行う練習会や合宿など、競技力向上に向けた取り組みを補助する障害者スポーツ競技活動支援事業を開始いたしました。
 今年度は、一団体当たりの補助限度額を七十万円から二百万円へと拡充し、団体の活動をより強力的に支援しております。
 競技団体は本事業を活用し、リオ大会に出場したパラリンピアン等を招聘して強化練習会を実施したり、日本選手権など主要な大会に選手を積極的に参加させるなど、活動が意欲的になっております。
 こうした競技団体の活動の活性化は、選手のモチベーション向上にもつながり、練習頻度の増加などもあり、目標を持って練習に臨む選手がふえたという声がございます。

○小宮委員 当初から、障害者スポーツ競技の抱える課題として、組織化だけでなく運営のノウハウも人材も不足をしているという課題が指摘されてきました。
 新たに立ち上がった団体も含めて、障害者スポーツ競技団体への運営面の強化に向けた取り組みも重要です。都としてどのように支援していくのか伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者スポーツの団体は、経理や法務、広報など、円滑な組織運営に必要な業務に不安を抱えている団体が少なくございません。こうした団体は、選手が団体の事務処理も担っているなど、競技への知見は高いものの、必ずしも効率的な組織運営の能力を有しているとはいえない面もあると聞きます。
 このため、都は来年度、プロボノと呼ばれる専門知識等を有する企業人などのボランティア活動と連携し、団体の管理運営について助言や支援を行う事業を開始することといたしました。
 具体的には、都がプロボノ運営団体と契約し、そこからチームを派遣することで、個々の競技団体の組織運営の支援に取り組む事業でございます。来年度は、二団体でのモデル実施を予定してございます。
 さらに、本事業の事例報告会を開催して、他の競技団体とも情報を共有し、各団体の組織運営力の向上を図ってまいります。

○小宮委員 また、まだ都レベルの競技団体がないという競技も、柔道や自転車競技、ボートやウィルチェアラグビーなど十競技ほどありますが、そうした競技でパラリンピックを目指す選手はどのように活動しているのか、また、活動の充実には国レベルの競技団体と連携するなど、都として競技力向上を図るべきと考えます。見解を伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都レベルの競技団体がない柔道やボートなどの競技においては、一部の選手が個人的なつながりによって国レベルの練習に参加し、パラリンピックを目指しているケースがございます。
 都としましては、パラリンピックを目指す、より多くの東京の選手が競技力向上の機会を持てるよう、都レベルの団体がない競技や、都レベルの団体があっても国レベルの団体と連携していない競技において、つなぎ役として支援していくことが重要だと認識しております。
 例えば、知的障害部門の卓球において、都が仲立ちをして、都レベルの競技団体が実施する強化練習会に国レベルの競技団体スタッフを招いて意見交換を行うことで、両団体の連携の第一歩とした事例がございます。
 こうした取り組みにより、選手が国レベルの競技団体とともに練習したり、交流する機会を得ることで、より競技力の高い選手たちと切磋琢磨しながら、日本代表選手へと成長できるよう、都としてサポートを行ってまいります。

○小宮委員 都が国レベルの団体と都レベルの団体の連携を働きかけるということで、選手一人一人にとっても競技力の向上につながることを期待するところです。
 また、障害者スポーツの枠の中だけでなく、健常者の競技団体の協力を得ることによって、活動を活性化させたり、競技力を高めたりするという方法もあるのではないでしょうか。
 杉並区の水泳連盟の会長からも、パラリンピックの成功に一役買いたいが、なかなか障害者水泳連盟とのつながりもない、どんな協力や支援ができるかわからないという話も伺っています。
 こうした連携が図れれば、単に競技力向上だけでない、共生社会に一歩近づくという成果も考えられると思います。
 これまで、例えば同じ競技の健常者団体などの協力を得て、障害者スポーツの振興が図られた事例にはどのようなものがあったか伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 同じ競技の健常者競技団体との連携としましては、今月十二日に明治神宮外苑で行われたクリテリウムと呼ばれる周回型自転車競技において、健常者の大会の中で障害者部門のレースが実施された例がございます。
 今回初めて行われたタンデムという二人乗り自転車競技は、前に健常者、後ろに視覚障害者が乗り、力を合わせて勝敗を競うものでございます。
 また、この障害者部門のレースは、都内での国際公認大会の開催を都が支援する事業の第一号で、日本から三組、海外から三組の選手が参加いたしました。
 競技団体には、それぞれ異なった成り立ちや特徴がありますが、ともにスポーツを愛し、競技力の向上を目指すことでは同じでございます。
 都は、障害のあるなしを超えた競技団体間の取り組みを、今後とも支援してまいります。

○小宮委員 競技団体があるもの、そして、ないもの、また国組織との連携、あるいは健常者団体との協力など、既にさまざまな形でパラリンピックを目指す選手たちの挑戦が始まっています。
 都としてできるあらゆる支援を行っていただいて、そうした活動を支えるとともに、引き続き広報などを通じて、多くの都民にパラリンピックへの理解と、また期待が共有されるようお願いをして、質問を終わります。

○鈴木(貫)委員 私の方から、款では、スポーツ振興費、項の分では、スポーツ推進費のところで若干お伺いをしておきたいと思っております。
 特に、私はきょうお伺いしたいのは、一点だけ絞って、地域スポーツクラブの課題、それから今後のあるべき姿論、これをちょっと聞いておきたいなと。二〇二〇に向けて、スポーツの裾野を広げていく大きな一つの運動体としてぜひ成長させてほしいと思っておりましたがゆえに質問をいたします。
 御局から出てきたこの事業案内を見て、私は荒川区でございますんで、荒川区にちょっと天眼鏡を当てたらば南千住スポーツクラブ一カ所しかないんだよね。人口二万人のすばらしい、再開発のすぐれたまちに、地元の人が三分の一、三分の二は他県、他区から引っ越してこられた方々が居住するニュータウンを構成している、実はまち並みなんでございますが、そこで、一人の方が立ち上がって地域総合型スポーツクラブというものを立ち上げたということで、私もいろんな面で相談事を受けたりしてきたものですから、お伺いをしておきたいと思っております。
 まず、この前提としてよく引き合いに出すのは、私の浅学な頭で断言するのは避けますけれども、ドイツのスポーツの、よくオリンピック選手をクラブから出しているという、そのモデルは日本にも習志野にたしかあったはずだったんですが、どうも余り思うようにいかなかったという事例がありましたですよね。くどいようですが、そういうことを踏まえながら、ぜひ進めていただきたい。
 南千住地域のスポーツクラブは、大体今三百余名、総会に参加するのは四百名越していると思いますが、その中でいろんな種目、バドミントンだとか、空手だとか、スポーツ吹き矢だとか、ヨガとか、いろんなものを組み込んだクラブをつくって、楽しみながらやっているのを、私からも皆様にいっておきたいなと思っています。
 それから、アスリートなんかも招聘をしたりして、本当にやはり地域に若者が多いもんですから、これは人気のある教室として裏から支えてさしあげなければいけないと思っています。マラソンだとか、駅伝だとか、鉄人レースだとか、そういうものも皆さん多くやっている姿は目に浮かぶようであります。
 そういうことで、もちろん、今冒頭申し上げたドイツだとか環境が違うし、また日本の中でも学校体育やそれからまた部活動、いろんな面で、それから地域、企業とかがやっておりますから、一概にそれを羅列して云々はいかないんですけれども、まず、第一点目に伺いたいのは、体育協会だとか少年野球チームのさまざまなスポーツ団体は確かにありますし、立派にやっておられる、その状況は私たちはよくわかった上で、この地域スポーツクラブの特徴と現状、これをちょっとまず冒頭教えていただきたいなと思います。

○小室スポーツ推進部長 地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営し、子供から高齢者、障害者を含め誰もが気軽にスポーツに親しみ、交流を図れる場として地域のスポーツ推進に欠くことができない存在でございます。
 また、幅広い世代がさまざまな種目を初心者からトップレベルまで、それぞれの志向、レベルに合わせて参加できるという特徴を持っております。
 平成二十九年二月一日現在で、都内五十四区市町村に百三十二の地域スポーツクラブが活動しております。
 平成二十七年度の文部科学省の調査によりますと、都内のクラブには、未就学児から七十歳以上の高齢者まで約四万人が会員として参加しております。
 また、約九割以上のクラブがバドミントンや卓球など三種目以上を取り上げ、約六割のクラブが活動拠点として学校体育施設を利用しております。

○鈴木(貫)委員 今お答えになられた地域スポーツクラブ、この資料から二つ上、百三十二、四万人もの方が参加をしているということで、大変すごいことですよね。裾野は広がっているのかなと思いつつも、やはり意外と知られていないというのはちょっと残念な気がしてならないんでありますけれども、気軽に参加できる、もちろん会費だって、いろんなことに運営をしているわけでありますから、その実態面もしっかりとバックアップをしてあげなければいけないこともよくわかっておりますので、さまざまな課題もこれからお伺いしたいんですけれども、この地域のスポーツクラブ、どういう課題をお持ちになっているのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 平成二十八年度に行いました都の世論調査によりますと、五割以上の方が地域スポーツクラブを知らないという状況でございました。
 委員ご指摘のとおり、地域スポーツクラブの認知度は必ずしも高くない状況にありまして、この認知度の不足が会員や指導者の不足につながっていると考えられます。
 また、先ほどご紹介した文部科学省の調査によりますと、都内の約六割のクラブが会員の確保、増大、財源の確保、指導者の確保を課題として抱えておりまして、活動の継続、活性化に向けた支援が必要な状況にあります。

○鈴木(貫)委員 聞いてみると、なるほどなという感を深くし、やはり地域での、これからの高齢社会、また、次の世代を担う若者たち、地域におけるいろんな面で育ててあげたいという、その思いをやはり私も強く思っておりまするがゆえに、あえて触れさせていただいておりますけれども、身近な地域で、限られた地域で、身近なところでやりますから、気軽にスポーツに親しめるという、この基盤をどうつくり上げていくか、今、課題を承りました。ぜひそれを一歩でも二歩でも解決をしていく、それには予算とかいろんなもの、また補助事業だとか関連すると私は思いますけれども、具体的にこれからどんな支援策を講じようとしていこうとしているのか、これをまずお伺いしたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 都は、昨年十二月に策定しました都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランにおきまして、地域スポーツクラブの全区市町村への設立及びその活性化を促進することとしております。
 そこで都は、東京都スポーツ文化事業団に設置しております東京都広域スポーツセンター及び公益財団法人東京都体育協会と連携した取り組みを行っております。
 まず、クラブ設立を希望する団体に対しまして、専門家による訪問相談や住民向けスポーツ体験イベントなどの広報活動を支援しております。
 また、設立後のクラブに対しましては、クラブを支えるスタッフを対象とする研修会や会員獲得のためのクラブの取り組みに対する財政支援など、クラブの自立的、安定的な運営基盤の確立に向けた支援を行っております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、地域スポーツクラブの設立を促進するとともに、クラブが安定して運営できるよう支援に努めてまいります。

○鈴木(貫)委員 前向きなお答えを頂戴したと私は思っております。ぜひ二〇二〇を三年後に控え、その二〇二〇後を見据えた健康社会をつくっていく、これにやはり力を注いでいくべきだと私は論を置いておきたいと思っております。
 冒頭に戻りますけれども、確かにドイツの地域スポーツクラブを導入するのは、大分これを研究しているんですけれども、理念は理念として、それをそっくりこのままやってきているがゆえになかなかそこで思うようにいかない、ハレーションを起こして、先ほどいったとおり、やめてしまうところもあるし、なかなか難しい課題も背負っているのはよくわかっていますので、ぜひそれを具現化をして、具体化して、応援してさしあげていただければとご要請をさせていただきたいと私は思っています。
 それから、最後になりますけれども、過日、教育庁関係でも話題になりました、テーマとして出させていただきましたけれども、学校で競技経験のない先生方が部活動を指導して、付き添いで行かなければいけないとか、そういうことがあるわけでございますね。それが非常に負担になっていると。
 そういうことで、文科省は、今月の十四日と聞き及んでいますけれども、学校教育法施行規則を改正して、中学、高校、この部活動を指導する地域のスポーツ指導者を部活動指導員として、学校の職員として位置づけているわけでございますね。ですから、これをさらに普遍化をして、地域スポーツクラブにはさまざまな競技の指導者がいるのを、またそれは育っていくように研修会、いろんなことをやっているのもよくわかりますし、学校の部活動と連携をしたりして、先生方の長時間の労働を助けてさしあげる、そういう役割もやはり地域の中であったとしても不思議ではないと私は思っております。
 ぜひこのことを踏まえながら、今、文科省の方でこのようにした制度をうまく使って、学校の部活動と地域スポーツクラブとの連携を進めていっても大変いいのではないかなと私は思います。
 地域と学校ですよね、そうすると、さらに一足す一イコール二ではなくて、一足す一、二じゃなくて四なり、八になったり、十六にもなったりして、大変、これ、活性化をしていくのかなと私は思います。この辺の都の見解を承りたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 今回の学校教育法施行規則の改正を契機としまして、学校と地域スポーツクラブを初めとする地域のさまざまな主体との連携を促進することは、学校、地域、双方にとって意義あるものと認識しております。
 さきにご紹介しました平成二十七年度の文部科学省の調査によりますと、都内の十九の地域スポーツクラブが、中学校や高等学校の運動部活動に対しまして、指導者を派遣しております。また、十四のクラブが、学校の運動部活動にない種目について生徒を受け入れている事例もございます。
 今後、こうした先行事例を踏まえまして、連携の促進に向けた具体的な課題などを整理し、教育庁とともに学校部活動と地域スポーツクラブとの連携について検討してまいります。

○鈴木(貫)委員 とてもいいご答弁だと私は思っています。先行き明るいですね、楽しみにしておきたいと思っております。
 くどいようでありますけれども、超高齢社会を我々は目前に控えているわけでありますので、それと同時に、次代を担う、これからの未来を担うお子たち、青年たちに、ぜひこういう角度からの指導者教育、それからまた、地域でのさまざまな参画のあるべき姿というものを一つの核としてこれから大きく裾野を広げていけば、私はドイツのこの姿にも徐々に徐々に似てくるのかな、そして行く行くはこういうところからオリンピック選手というものが育ってくる、そういうものを私は夢を見ております。何も企業だとか、特別なところで養成するんではなくて、地域の中から出てくれば、さらに裾野が広がるのかな、そういうことを私はきょう質疑をやりながら、夢を描きながら質問をさせていただきました。
 ぜひ身近な存在としてこれからも支援をお願い申し上げて、私の質問を閉じさせていただきたいと思います。終わります。

○宮瀬委員 私の方からは、パラリンピックについてお伺いをしたいと思っております。
 二〇二〇年東京パラリンピックにつきまして、立候補ファイルの段階で考え方やコンセプトということで、東京二〇二〇が提案するコンセプトの全体像は、全ての人を差別なく社会に取り込み、障害者ニーズと興味に思いをはせることで、よりよい世界を築き、社会全体により明るい未来をもたらすことができるというメッセージをパラリンピック競技大会を通じて示すことであるということが書かれております。
 実際にこういったビジョンや考え方、コンセプトを定めておりまして、それをどのように具体化していくのかというところをお伺いしたいと思います。
 具体的な目標や計画についてお伺いするとともに、数値目標を初め、その数値達成に向けた計画や根拠についてお伺いいたします。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、昨年十二月、二〇二〇年に向けた実行プランを策定しており、ダイバーシティーの実現に向けた八つの政策の柱のうちの一つとして、誰もがスポーツに親しめる社会を掲げてございます。
 この誰もがスポーツに親しめる社会という政策の柱において、東京二〇二〇大会等の着実な開催準備と開催機運の醸成やスポーツしやすい環境整備など、政策目標については、今後四年間の展開を示すとともに、都が目標としているものを都民にわかりやすく示す観点から、可能な限り四年後の到達点や年次計画を数値化しております。
 東京パラリンピックに向けては、さまざまな取り組みを通じて、パラリンピックや各競技の魅力を継続的に発信し、プランに掲げる取り組みを着実に実施していくことで、できる限り多くの都民、国民に大会への興味、関心を持ってもらい、会場を満員の観客で盛り上げてまいります。

○宮瀬委員 可能な限り数値化していくということでございましたが、ご答弁の最後に、目標の一つとして、興味、関心を持ってもらい、会場を満員にするといったことが語られておりました。
 現在、まだ会場のキャパシティー、さまざま変更がありましたり、会場をどうやっていくのかというところで流動性があるものだと思っておりますが、具体的に何名の方に来ていただくような状況なのでしょうか。リオ大会やロンドン大会でのチケット販売数との比較の上でお伺いいたします。

○田中運営担当部長 会場を満席にするとは、メディア等の関係者席を除きまして、チケットを全て販売し、実際に会場にお越しいただくことと考えております。
 具体的なチケット販売数につきましては、今後、国際パラリンピック委員会、IPC等と調整の上、検討してまいります。
 なお、リオ大会、ロンドン大会のチケット販売数につきましては、IPCのホームページによりますと、リオ大会は約二百十五万枚、ロンドン大会は約二百七十万枚となっております。

○宮瀬委員 これから検討していくということでありますが、リオの方では二百十五万枚、ロンドン大会で二百七十万枚ということで、実際、分母といいますか、販売率というのはなかなか公表されていないので、把握されてはいないということも聞いております。
 では、やはり会場を満員にしていくという目標がある中で、立候補ファイル上では、パラリンピックのチケットの販売率をどの程度見込んで、販売数を何枚と想定しているのか、またその場合の総チケット販売数は何枚となりますか、お伺いいたします。

○田中運営担当部長 立候補ファイルにおきましては、チケット販売率を六八・五%、チケット販売数を約二百三十万枚と見込んでおりまして、あくまでも計算上ではございますが、総チケット販売数は約三百三十五万枚でございます。

○宮瀬委員 ご答弁聞いておりますと、立候補ファイル上では、計算上のチケット総販売数は約三百三十五万枚とのご答弁ございました。パラリンピックの観戦の会場をいっぱいにしていくということは、アスリートの皆さんにとりましてもやはり大きな励みになり、また、その光景をテレビ等で見る国内外の障害者の皆様にとりまして、皆さん関心を持っているんだといったことで勇気づけられることになると思っております。
 改めてお伺いいたしますが、立候補ファイル上では三百三十五万名の方々の来場を目標とするということでよろしいのでしょうか。

○田中運営担当部長 お話の三百三十五万枚は、立候補ファイルにおける計算上のチケット総販売数でございまして、先ほどもお答えさせていただきましたが、具体的なチケット販売数につきましては、今後、IPC等と調整の上、検討してまいります。

○宮瀬委員 今後、会場のキャパが決まりまして、どの競技にどれぐらいの方が入る、いわゆる会場が決まっていくと思っております。
 その中で、キャパシティーも確定するということは、会場を満員にするといった目標数値が設定されるわけでございます。立候補ファイル上では三百三十五万人ということ、チケットでございますので、三百三十五万人ということは一つのベンチマークになると思っております。
 ぜひ目標数値、実際にパラリンピックが始まって競技場の観客がほとんどいなかったと、半分しか埋まっていなかったといったことのないように、早い段階から戦略を立てて実行していくことが大事だと思っております。
 その中で、私は民間企業でマーケティングの仕事をしていまして、いわゆるチケットの販売や商品の購入に対しての戦略を立てる部署、または営業におりました。その中で、マーケティング上、いわゆるAIDMAモデル、すなわち消費行動の受け手側の、消費者側の心理として、アテンション、インタレスト、デザイア、メモリー、アクション、つまりアテンションですので、注目ですとか認知をしていただく、次に、インタレストですので、興味、関心を持っていただく、さらには、デザイア、会場に行ってみたいですとか、実際にチケットを買ってみたいという欲求でございます、その後、メモリー、そのことをちゃんと記憶していただいて、アクション、行動、つまり会場に来ていただく、チケットを買っていただくということが、三百三十五万名の方に来ていただくための重要なプロセスだと思っております。
 その中で、まず、アテンション、注目、関心でございますが、一般の人へのパラリンピックの認知や関心などについて、指標や現在の状況、また目標数値ですとか達成のための具体的な施策についてお伺いいたします。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都が平成二十八年九月に東京都全域に住む満十八歳以上の男女個人に行った、都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査では、パラリンピックの認知度は八二・九%となっております。
 また、同じ調査において、パラリンピックスポーツは調査しておりませんが、パラリンピックスポーツ二十二競技を含む障害者スポーツ全体への関心度は五八・〇%となってございます。
 パラリンピックの認知度や関心を高めるため、来年度は、競技体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを、これまで開催していない区市町村を中心に、未実施の競技も積極的に取り入れ、三十七カ所で行うほか、スペシャルと称しまして全競技を紹介する大規模イベントを五月の大型連休でにぎわう上野恩賜公園で開催いたします。
 また、障害者スポーツの魅力を広く伝えていくため、障害者スポーツのファンサイト、チームビヨンドを活用して、大会情報の発信やイベントの開催を行っていくほか、新たなプロモーション映像の制作なども行います。
 さらに、大会が近づくことへの期待感を高めるよう、大会の三年前と千日前に節目イベントを開催いたします。
 なお、認知や関心に関する目標値は設定しておりませんが、できる限り多くの方に関心を持っていただけるよう取り組んでまいります。

○宮瀬委員 知事の方からも、全ての事業に周期を設け、PDCAサイクルを回していくという中で、ご答弁最後にありました、数値は設定していませんというご答弁でございました。
 やはりまず、認知や注目、関心がなければチケットは購入されないわけでありまして、イの一番の大事なところだと思っております。すなわち、ここの認知や関心をいかに高めていくのか、どういう取り組みをやられているかはわかっておりますが、その取り組みがどのように全体の数値を押し上げていくのか、ぜひ設定をしていただきたいと思います。
 では、続けて、欲求の方です。AIDMAモデルのデザイア、欲求については同様にいかがでしょうか。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 例えば、東京二〇二〇パラリンピック競技大会をスタジアムや体育館、沿道など、会場で直接観戦したい人の割合は、先ほどの調査では一八・三%となってございます。
 観戦を促進するためには、まず、テレビなど多様なメディアを活用し、継続的な情報発信を行うほか、体験型のイベント等を通じて、一人でも多くの都民がパラリンピック競技の魅力に触れる機会をふやしてまいります。
 また、昨年十一月に本格稼働した障害者スポーツのファンサイト、チームビヨンドにおいて、イベントや大会の情報を提供するほか、著名アスリートからの呼びかけ等により競技会場へ足を運ぶよう誘導してまいります。
 さらに、競技会場では、試合のライブ解説やファンサイトメンバー限定のグッズ配布など、会場での観戦を楽しめる工夫を凝らし、ファンの定着を図ってまいります。
 なお、こちらについても目標値は設定しておりませんが、チームビヨンドのメンバー登録数も五十万人を超えてございまして、引き続き多くの方に会場に足を運んでいただけるよう取り組んでまいります。

○宮瀬委員 ご答弁の中で、現状の数値、私も拝見しましたが、生活文化局が平成二十九一月に出しておりますパラリンピックに関する世論調査というものを読ませていただきました。やはりご答弁ありましたように、こちらも目標設定、数値はないと。ただ、この中に、もう既にご答弁ありましたが、現状の数値は実際に出ているわけでございます。やはり目標、予算も相当投下すると思いますので、この事業にこれぐらいお金を使ったらどういうふうに数字を上げていくのか、仮説が重要だと思っております。
 AIDMAモデルのA、I、Dについて聞いてまいりましたが、現状の数値を繰り返しますが、アンケートを東京都がとっているわけでございます。打ち手のことも大変有効的な打ち手であると仮説も成り立つわけでありますが、それが結果としてチケットを購入してみたい、または会場に足を運んでみたいという方にどうやってつながっていくのか。
 ご答弁ありましたが、現状の数値でありますと、三百三十五万名の方に会場に来ていただくということが、会場をいっぱいにするということはその数字であるとご答弁しっかりいただいていますので、広告代理店や民間企業にそのノウハウはたくさんあると思います。ぜひいろいろ多くの方々の知見をかりながら検討していただきたいと思っております。
 結果として、三百三十五万席が偶然埋まっていくのか、また戦略どおりに三百三十五万名埋まっていくのか、また足りなければそういった何が課題だったのかという検証が次のイベント、次の大会等に生かされていくと思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 また、パラリンピックの話をさせていただきましたが、障害者団体の方々や障害者の方々とよくお会いしてお話を聞くことがございます。その中で、日々の生活で非常に大変で、パラリンピック自体に私たちの生活にはなかなか関連がないといったお言葉もいただきます。
 そういった中で、障害者の方々にも関心を持ってもらうことは重要だと思っておりますが、現在の認知や目標数値というのはあるのでしょうか。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者の方にももちろん関心を持っていただくことは重要だと認識してございます。
 ご指摘の障害者の認知度の調査や目標値の設定については、現在行っておりませんが、パラリンピックに関する情報提供やイベントに関する広報等については、障害のある方に対して、より丁寧に行っているところでございます。

○宮瀬委員 実は私、大学生のときに四年間、障害者介助団体サークルにおりまして、障害を持つ子供のお母さんとよくお話をさせていただきました。障害を持つ子供を持つお母さんは、なかなかお出かけができなかったり、また孤独を感じていたり、私が聞いたお母さんのお話ですと、何回か親子心中を図ろうと思ったことがあるといった悲痛なお話も聞いていました。
 そういった中で、障害者の子供の方と留守番をしたり、その間、お母さんが出かけていけるわけでございます。また、逆に一緒にお出かけしたりということで取り組んできたんですけれども、そういった社会とつながっていたり、息が抜けたり、新たな感動があったりというところが非常に大事ではないかなと私も思っております。
 そういった障害を持つ子供を持つご家庭や、ご自身やご家庭のご家族にパラリンピックの会場に来ていただくということも、やはりそういった観点からは大事だと思っています。さまざまな取り組みも必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、障害の有無にかかわらず、都民、国民のパラリンピックに対する関心を高めるよう取り組んでおりますが、特に障害のある方に関しては、スポーツを知り、体験することでパラリンピックへの認知、関心の向上につながるよう、スポーツの情報を丁寧に周知するよう努めております。
 例えば、障害のある人もない人もスポーツを楽しむイベント、チャレスポTOKYOの開催に当たっては、事前に都内特別支援学校にチラシやポスターを配布し、校長会等を通じて生徒に周知を依頼しております。
 また、平成二十七年度には、パラリンピック競技の魅力を躍動感あふれる映像で表現したBe The HEROを作成し、都内特別支援学校に配布しております。
 このほか、パラリンピック出場を目指す選手の発掘プログラムは、障害のある方がパラリンピック競技と出会う場ともなっておりますが、参加者募集に向けては、特別支援学校に加えて、一般学校や、障害のある人を多く雇用する特例子会社などにも情報提供を行っております。
 さらに、チケットの面では、過去大会においては車椅子の使用者と同伴者の席のチケットをあわせて販売するなどの取り組みを行っており、東京大会では、こうした事例も踏まえ、今後、IPC等と調整の上、具体的な取り組みについて検討していきます。
 今後も、こうした取り組みを通じて、一人でも多く障害のある方に大会を観戦していただけるよう取り組んでまいります。

○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 ここからは質問にいたしませんが、私なりに、パラリンピックをやることで、障害者の皆様にとってどういったレガシーといいますか、パラリンピックをやったことで障害者の方々にどういう思い出、また、あすへの希望、また、このコンセプトにありますような、本当にやってよかったねとパラリンピックが終わった後も何十年も思ってもらえるような大会にするには、やはり特別支援学校の生徒さんやぜひその親御さん、また、そういった特別支援学校にかかわらず、親子で会場に足を運んでいただき観戦をして、それがソフト面でのレガシーとなっていっていただくよう心から要望をいたします。
 三百三十五万名分の会場をいっぱいにしていくといったお話で、数字でお話しさせていただきましたが、そこにはお一人お一人の思いや大会後の気持ちもあるわけでございますので、どうぞ三百三十五万人分の気持ちをぜひ大事にしていただきたいと思っております。
 次、最後のテーマでございますが、東京マラソンについてお伺いいたします。
 三万六千人の大規模市民マラソンと世界のトップランナーによるレースが融合した大会であり、そのコースは東京のさまざまな観光名所をめぐるよう設定されている大会であります。
 創設以来、国際大会としての成長を重ねまして、二〇一七大会では三十二万人を超える方々に一般抽せんでお申し込みをいただいていると聞いております。
 東京マラソンに対しまして寄せられた声といったものには、どういったものがあるのでしょうか。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 東京マラソンの沿道での応援は、他の大会では体験できないような興奮をもらえる、人の動線はスムーズに流れ、レース中は常にメディカルやポリスが視界にいて安心して走れるといった声がある一方で、トイレの数や設置場所の問題、抽せん方法の工夫を求める声が寄せられております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。今回寄せられた声にさまざまな声があったと、その中で、抽せん方法やトイレの数、設置場所の問題とございましたが、実際にお伺いしていると、当せんをして、抽せんに当たりまして走っている人に対してアンケートをおとりされていると。逆にいいますと、抽せんから漏れてしまった人からの声といったものは、なかなか、都民の声をいただくようなサイトですとか、お電話で数件いただいているといった状況だと聞いております。
 その中で、実際、東京マラソンではどのような抽せんを行っているのか、お伺いいたします。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 主催者であります東京マラソン財団では、ランナーの一般抽せんに当たりまして、毎年度、コンピューターによる無作為抽せんにより当せん者を決めております。

○宮瀬委員 では、一般抽せんの対象はどのようになっているのか、また、抽せんの倍率はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 今大会におきます一般抽せんの対象は二万六千三百七十人でございます。これは、定員三万六千人から十キロの部五百人、チャリティーランナーが三千人、東京マラソン財団の会員制度でありますONE TOKYOの登録会員向けの三千人、その他、招待選手などを差し引いたものでございまして、定員三万六千人の約七割に当たります。
 これに対しまして申込者が約三十二万人であることから、その倍率は約十二・二倍となってございます。

○宮瀬委員 一般抽せんの方々は、定数といいますか、枠が二万弱、三万六千人の七割ということでございましたが、これに対しまして三十二万人の方が申し込んでいただいて、十二・二倍ということは、確率的には一人当せんする中で十一名の方は外れてしまっている現状であります。また、確率的には十一年、もしくは十二年に一回、東京マラソンが当たるといった状況ではないでしょうか。
 例えば、私の方にも、中にはおりますが、八回も七回も申し込んでも一度も当せんしませんでしたといった方がいる一方で、昨年に続き、ことしも当せんしましたといった方々もいらっしゃいます。
 そういったコンピューター抽せんでございますが、すべからく二〇二〇年に向けまして都民のスポーツ実施率を七割にしていくという目標があります。東京マラソンが当たれば、例えばそれに向けて準備でマラソンの練習を始めようとか、スポーツ実施率の向上にも寄与すると思っております。
 このように、抽せん方法の工夫など対応が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 東京マラソンでは、複数回走った方がいる一方、何回申し込んでも一度も当せんしないとの声があることは承知してございます。
 ランナーの抽せんでは、毎年度、コンピューターによる無作為抽せんが公平を期す上で最も適当と考えてございます。その上で、主催者である東京マラソン財団では、一般抽せん以外にもチャリティーランナー制度や、一般抽せんとあわせて二回の抽せん機会が得られる会員登録制度など、さまざまな参加形態を導入しております。
 今後とも、東京マラソンへの参加方法につきまして、東京マラソン財団とともに、さまざまな方策を検討してまいります。

○宮瀬委員 チャリティーランナー制度ですと人数におきまして三千名と、抽せん以外の方々の枠というのは九千名いると聞いております。
 その中で、実際に都民の方々がたくさんいる中で、例えば二回連続で当せん者を出さない仕組みですとか、これまで一回も東京マラソンに参加したことのない方々の中から抽せんするといった枠を設けるなど、いろいろ個人情報の兼ね合いやさまざまなハードルが高いのは承知しておりますが、ぜひ抽せん方法の工夫を検討していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○里吉委員 私からは、武蔵野の森総合スポーツプラザ設置について伺ってまいります。
 この施設は、調布基地跡地の利用の一つとして、調布、府中、三鷹の三市の強い要望があり、また都民からも多摩地域に少なくとも一つは都立の総合体育館を建設してほしいという請願が都議会に出されるなどして建設にこぎつけたものです。
 多摩地域を初めとする都民スポーツ振興に資する施設として、大きな期待が寄せられています。今回、東京都体育施設条例に位置づけて利用料金を設定するということで、幅広い都民が利用できる運営、料金の設定になるようにしていくことが大切だと考えます。
 そこでまず、施設の運営形態について伺います。
 今回、この武蔵野の森総合スポーツプラザは、指定管理者を一般公募すると伺っております。
 そもそも日本共産党は、全国や都内公共施設の実例や都立施設の実例なども踏まえて、都立の文化施設や体育施設は、指定管理者制度では管理者が短期間に交代したり、また民間事業者が運営したりすることは、公平な施設の運営や都民サービスの向上につながらないと主張してまいりました。
 ましてや、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックも間近に迫り、さまざまな準備もある中で、東京体育館のような他の都立体育施設と同じように、特命で東京都スポーツ文化事業団にという判断もあったのではないかというふうにも考えます。
 改めて、指定管理者をなぜ一般公募とすることにしたのか、その理由について伺いたいと思います。

○鈴木開設準備担当部長 都立体育施設の指定管理者の選定に当たりましては、原則として公募によることとしております。ただし、二〇二〇年大会の競技会場となっております他の既存の都立体育施設につきましては、必要な改修工事等により相当の期間において施設の活用ができないため、例外として、各施設の管理運営の実績と蓄積されたノウハウを有する従前の指定管理者を引き続き特命することといたしました。
 一方、武蔵野の森総合スポーツプラザは、二〇二〇年大会の会場として利用することは同様でございますが、新規に整備した施設でありまして、新たな指定管理者の選定に当たりましては、原則どおり公募することとしたものであります。

○里吉委員 原則にのっとって公募するというご答弁でしたけれども、指定管理者を公募するに当たって、それでは、東京都としての方針はどのようなものなのか伺います。

○鈴木開設準備担当部長 武蔵野の森総合スポーツプラザは、多摩地域のスポーツ振興の拠点とするとともに、コンサート等の大規模イベントの会場として、地域の活性化やまちづくりに貢献することを目的としております。
 こうした施設の設置目的を実現するとともに、利用者へのサービス向上や効率的な管理運営に努めることを指定管理者の公募に当たって基本的な考え方としてまいります。
 さらに、ラグビーワールドカップ二〇一九や二〇二〇年大会の円滑な開催に向けまして、都や組織委員会等の取り組みに協力することもあわせて求めてまいります。

○里吉委員 武蔵野の森スポーツプラザの開設は、今後、オリンピック・パラリンピックに向けて、東京体育館や日本武道館などが改修に入るもとで、スポーツ施設としても、またコンサートなどの会場としても利用したいという声が数多くあると伺っております。
 実際、私たちのところにも、東京体育館は既に予約中止に入りつつあると。他の施設を借りるといっても、規模が同程度以上の施設は少ないし、そもそもどこも満杯状態という中で、武蔵野の森スポーツプラザの予約はいつから可能になるのかという声がスポーツ団体や文化団体からも聞こえてきております。
 そうしたもとで、やはり今おっしゃられたような設置目的を実現しながら、都民本意で公平で利用しやすい施設として運営されることが非常に重要だと思います。そうした観点から、指定管理者の選定は慎重に行っていただくことを強く要望したいと思います。
 次に、利用料金について伺います。
 今回の条例案で、武蔵野の森総合スポーツプラザの利用料金の上限が設定されていますが、これ、見ますと、例えばメーンアリーナで一日借りると、入場料を徴収する場合は五百五十一万四千円、入場料を徴収しない場合でも百三十七万九千円と非常に高額になっております。
 東京体育館の場合は、千駄ケ谷駅すぐという都心の好立地にありながら、利用料金の上限は、入場料を徴収する場合は三百八十万三百十円、しない場合は七十三万三千六百四十円です。この東京体育館の上限額と比べても、かなりの高額といえると思います。
 まず伺いますが、なぜこのような金額の設定になっているのでしょうか。理由を伺いたいと思います。

○鈴木開設準備担当部長 条例上の料金は、施設を管理運営する上で必要となる経費を対象といたしまして、原価計算を行い算定してございます。
 このたび竣工いたしました武蔵野の森総合スポーツプラザの整備費は、平成二年に全面改築した東京体育館の整備費よりも高額でありますため、原価計算のもとになります減価償却費が増加するなど、条例上の料金が高くなっているものでございます。

○里吉委員 原価計算を行って、建物の建設物価の上昇により高く設定されているというご説明でした。五輪に向けた物価の上昇、建設物価の急上昇が利用料金の上限額も押し上げているということですね。しかし、これでは、とても都民のアマチュアスポーツ団体、非営利の都民団体などが借りられる額ではありません。
 そもそも原価計算どおりに利用料金を徴収していたら、都立施設である意味がありません。都民利用への配慮が大変重要、必要であります。
 東京体育館の場合は、条例上の利用料金の上限額が今回提案の武蔵野の森に比べて低いだけではなく、実際の料金設定はさらに細かく、都民が利用しやすいように配慮がされております。
 そこで伺いますが、東京体育館のメーンアリーナを一日借りる場合の料金区分はどのように設定されているのか伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 東京体育館のメーンアリーナの利用料金体系は、アマチュアスポーツか否か、スタンド使用の有無、入場料徴収の有無などで区分が分かれておりまして、条例の規定の範囲内で指定管理者が定めております。
 午前九時から午後九時まで一日使用する場合の料金を例にとりますと、スタンドを使用しないアマチュアスポーツの十二万二千円から、七千円以上の入場料を徴収するアマチュアスポーツ以外の三百八十万三百円まで幅がございます。

○里吉委員 アマチュアスポーツの場合、観覧席を使用しなければ、メーンアリーナを一日借りて十二万二千円ということでした。実際には、照明設備ですとか、附属設備の料金も加わりますが、それにしても、都民スポーツの利用は料金を抑えて、高額な入場料収入が見込める興行など、アマチュアスポーツ以外のものでは、また、ビジネスとしての利用は相応の料金を徴収しているということがよくわかりました。
 料金設定も非常に細かく、アリーナだけを使用する場合、観客がいない場合、それからスタンドも使用する場合で別々の料金が設定されています。入場料ありの場合でも、アマチュアスポーツ、その他のスポーツ、それぞれ入場料が千円以下、三千円未満、七千円未満、七千円以上の場合と細かく料金設定がされております。
 都民が自分でスポーツをする場合や、都民の手弁当での大会やイベントなどで実費に近い金額を入場料としているなどの場合には、高額な利用料金は取らないということだと思います。借り手の財力に応じた料金設定になっているといえるのではないでしょうか。
 武蔵野の森総合スポーツプラザも、このような都民のスポーツ利用がしやすい料金設定をするべきだと考えます。オリンピック・パラリンピック準備局の考え方を伺いたいと思います。
 あわせて、利用料金制の場合、条例の上限の範囲内で料金を設定するのは、東京都ではなく指定管理者になるということですが、都民利用に配慮した料金設定をどのように担保していくのか、あわせて伺います。

○鈴木開設準備担当部長 利用料金制度は、条例の上限額の範囲内で指定管理者が多様な料金設定を行うことによりまして、施設の利用促進や利用者サービスの向上を図りまして、指定管理者の経営努力を促すことを目的としてございます。
 実際に適用する料金の設定に際しましては、指定管理者からの提案に対しまして、類似施設の状況などを総合的に勘案して、都民の理解が得られ、利用しやすい料金となりますよう配慮いたしまして、都として承認してまいります。

○里吉委員 指定管理者からの申請に対し、都民の理解が得られ、利用しやすい料金となるよう、東京都が承認するということでした。東京体育館の場合、先ほど申し上げたような料金設定でも収支はほぼ黒字だったと伺っております。武蔵野の森も東京体育館のノウハウなどを生かして、都民利用に寄与する料金設定としていただくことを強く要望いたします。
 次に、ここは新しいスポーツ施設なので、障害者の方にも利用していただくためのさまざまな施設整備がされていると思いますが、どのようなものがあるのか伺いたいと思います。

○鈴木開設準備担当部長 施設整備に当たりましては、障害がある方の更衣室や多機能トイレを設置いたしますとともに、サインに点字やピクトグラムを活用し、誰にもわかりやすいものとするなど、障害の有無にかかわらず、スポーツを楽しめる施設となるよう整備しております。
 また、本施設の着工後に定められ、二〇二〇年大会の施設に適用されますTokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、平成二十九年度に車椅子使用者用スペースの拡充などの対応を行う予定となっております。

○里吉委員 随分古い施設ですと、後から障害者向けの多機能のトイレを設置したりですとか、更衣室を後から改修したりですとか、そういう苦労がたくさんあったわけですけれども、今回、新しい施設ということもあって、障害のある方もない方も楽しめる、そういう施設となっているというご答弁だったと思います。
 それでは、障害者の方々、スポーツ団体の方々が練習や大会などにもぜひこの場所を使っていただきたいと思うんですが、障害者スポーツ団体の方々などが活用できるような料金の減免なども含めた対応はどのようになっているのか伺います。

○鈴木開設準備担当部長 全国的、または全都的に組織されました障害者スポーツ団体等が練習や大会で利用する際は、東京都体育施設条例の適用を受けます他の施設と同様に、利用料金につきましては五割が減免となることに加えまして、全国大会や都大会等で使用する場合は優先受け付けの対象となります。

○里吉委員 きょういただいた資料でも、東京体育館のメーンアリーナ、九九%の稼働率ということで、ここができることで本当に多くの都民の皆さんにスポーツを楽しんでいただける施設が多摩にできるということになると思います。障害があってもなくても、誰もがスポーツを楽しめる多摩地域の総合スポーツ施設として活用できるよう、ぜひご努力いただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。

○小松委員 それでは、私から障害者スポーツについて伺います。
 先ほどから、生活文化局が昨年実施した調査の結果についてやりとりがございました。私もこの調査結果には注目しておりました。都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査ですが、ここでは前回の同じ調査と比べて、スポーツ活動全般に対する意識、あるいはスポーツイベントへの参加の意向などがわずかに低下している、そんな中で、障害者スポーツへの関心度が大きく伸びています。
 障害者スポーツに関心があるとした割合が五八%と先ほどありましたけれども、一年前の調査より一三ポイントふえて、そして、障害者スポーツの用語の認知度も全体に上がり、障害者スポーツを観戦、または見たことのある人の割合は二年前より二〇ポイントもふえ、七一%になっています。
 都は、二〇二〇年パラリンピックが近づく中、障害者スポーツの普及啓発に努めてきておられるわけですけれども、障害者スポーツへの理解が広まることは好ましいことだと思います。
 そんな中で、二〇一七年度、障害者スポーツ振興の予算を大きくふやしております。この関連予算の増額の内訳がどのようなものなのか、お伺いします。

○鈴木総務部長 当局におけます来年度の障害者スポーツ関連予算は約六十四億円でございます。今年度と比べ、約三十億円増加しております。
 その主な内訳といたしましては、都内に二カ所あります障害者スポーツセンターの改修に関する経費で約二十四億円の増、また都立特別支援学校を障害者スポーツの拠点とするモデル事業の経費で五校から十校に拡充したことにより約二億円の増、またテレビやウエブサイト等の活用により障害者スポーツの観戦を促進する事業の経費で二億円の増、また競技団体への支援やアスリートの育成等に関する事業として約一・七億円の増となっております。

○小松委員 関連予算を三十億円ふやしているとのことでした。
 パラリンピックに出場するようなトップアスリートでなくても、普通の障害者が生活の一部としてスポーツを楽しめるような東京都でありたいと思います。
 障害者が気軽にスポーツに参加できるようになるには、環境整備が不可欠です。ハード面としては、地域の体育施設や日常的に体育活動のできる場を確保すべきと考えますが、都のお考えを伺います。

○小室スポーツ推進部長 区市町村が所有するスポーツ施設につきましては、施設整備への補助制度を通じてバリアフリー化を推進するとともに、障害者への配慮事項をまとめたマニュアルを活用しまして利用を促進しております。
 障害のある人がスポーツ活動を行うための場所の確保につきましては、都立特別支援学校を障害者スポーツの拠点とするモデル事業について、先ほども申し上げましたが、五校から十校に拡充いたしました。
 今後とも、障害のある方が地域で気軽にスポーツに親しむ場の確保に取り組んでまいります。

○小松委員 施設のバリアフリー化を含めてハード面の充実のための施策についてただいま伺いましたので、今度はソフト面の充実についても伺いたいと思います。
 障害者スポーツ指導員の育成にも力を入れていただきたいところです。都のお考えを伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害のある方が各地域で気軽にスポーツに参加するためには、サポートする人材の確保も必要でございます。
 都は、日本障害者スポーツ協会公認の障害者スポーツ指導員の資格取得に向け、区市町村立スポーツ施設の職員やスポーツ推進委員等を対象に講習会を実施しておりまして、毎年六十名程度の指導員を養成しているところでございます。
 また、障害者スポーツ指導員資格取得者に向けては、情報紙の発行や研修会の開催、一堂に会するフォーラムの開催などを通じて、活動を支援する取り組みを行っております。
 今後とも、こうした人材の養成や活動の活性化に努め、地域における障害者スポーツの環境整備に引き続き取り組んでまいります。

○小松委員 ただいまのご答弁で、地域のスポーツ施設の職員やスポーツにかかわる指導的な立場の人が障害者スポーツ指導員の公認資格を取得できるよう、都が取り組んでいるとのことでした。
 障害者スポーツの指導員には、まず、障害ごとに異なる特性を理解していくことが求められます。その上で適切な指導を行う指導員の役割は大変大きいものがあります。力のある指導員を数多く養成し、地域の障害者スポーツの活性化に貢献していただきたいとお願い申し上げて、質問を終わります。

○鈴木(錦)委員 私から、障害者スポーツについて、まず伺います。
 先ほども小宮あんり理事からお話があったとおり、世界で初めて二度目となる二〇二〇年、平成三十二年、パラリンピック開催に向けて障害のある方々の健康増進と社会参加を促進するため、気軽にスポーツやレクリエーションを楽しんでいただく障害者スポーツセンターは、重要な役割を持つ施設であります。
 我が党は、これまで利用者の目線に立って、また使いやすい施設とすることや、競技力向上の拠点として活用すべきであると要望してまいりました。
 このたび、昭和五十九年に開設され、多くの方々に親しまれている多摩障害者スポーツセンターがよりよく改修されることは、利用者の皆さんにとって大変うれしいことですが、利用されている方々が工事期間の間にスポーツ活動から離れてしまうことは、できるだけ避けたいと思います。
 代替施設として予定されております味の素スタジアムは、どのような競技ができるのかなど、なるべく早く今の利用者の皆様へ周知していただきたいと思います。
 また、同施設を障害者スポーツ施設として活用するには、競技に応じたバリアフリー対応や施設へのアクセス向上を図る必要があり、ソフト面、またハード面でさまざまな準備が必要であると考えます。
 そこで、多摩障害者スポーツセンターの工事期間中の代替施設について、準備の状況についてお伺いをいたします。

○小室スポーツ推進部長 東京都多摩障害者スポーツセンターの工事期間中の代替施設としましては、味の素スタジアム内の室内施設を体育館、トレーニングルーム、卓球室などに活用してまいります。
 また、障害のある方にとりまして、より利用しやすい施設となるよう、バリアフリー改修工事を行うこととしておりまして、今年度、実施設計を終了いたしました。
 来年度は、点字ブロック、音声案内装置、車椅子トイレ、家族更衣室などの整備工事を行う予定でございます。
 今後、平成三十年度の開設に向けまして、アクセス向上を図るための送迎バスの運行につきましても検討していくなど、利用者に配慮した施設となるよう、準備を進めてまいります。
 また、定期的に開催している利用者懇談会やホームページなどを活用し、十分な周知に努めてまいります。

○鈴木(錦)委員 ご答弁ありがとうございました。交通アクセスも含めて、さまざまご答弁をいただいたところでございますが、この味の素スタジアム、また隣接する武蔵野の森スポーツプラザは、二年後のラグビーワールドカップ、また三年後のオリンピック・パラリンピックの際にも使用される重要な施設であるわけでございます。
 今回、多摩障害者スポーツセンターの改修に伴って、代替施設ということでの改修ではありますが、代替とはいいながらも、やはりバリアフリー対応に十分配慮をしながら、これから先に向けた部分も含めて考えた代替施設の改修を行っていただければと思います。
 また、交通アクセスは、一番直近の場所は京王線の飛田給駅でございます。また、これまでの多摩障害者スポーツセンターは、中央線からの部分のアクセスも含めてさまざま考えていただいたところだと思いますが、この部分も、二大大会の開催も含めて同様に交通アクセスの関係が多分に懸念をされる中での代替施設の使用となるわけでございます。その部分もあわせた中でお考えをいただきながら、改修、あわせて利用者の目線に立った交通アクセス等々を考えていただきながら、この改修を進めていただきますようよろしくお願いをして、次の質問に移らせていただきます。
 続いて、環状二号線が、築地市場から豊洲市場への移転の中止に伴いまして完成の見通しが立たなくなった現在、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催時の大会運営や、その工事に伴うこれまでの輸送計画を変更せざるを得なくなったと思います。
 そのような中、大会輸送計画への影響をどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 環状二号線は、立候補ファイルでは、大会時には選手村などから有明アリーナなどの各競技場へ、選手など大会関係者を輸送する路線の一つであると位置づけられております。
 大会輸送の計画策定に当たりましては、環状二号線を含めた二〇二〇年時点の道路整備状況を見定め、大会運営に支障が出ないよう、しっかりと検討を進めてまいります。

○鈴木(錦)委員 ご答弁をいただきましたが、続いて、その大会の輸送計画の影響について知事や組織委員会、またIOCに報告をされているのか伺います。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 輸送計画の検討状況につきましては、知事に適宜報告をしているところでございまして、その中で、環二も含めまして関係者輸送を行う道路の検討状況についても説明をしているところでございます。
 また、IOCにつきましては、組織委員会と連携し対応しているところでございます。
 環状二号線につきましては、昨年の十一月に知事が公表した、大会時には地上部道路で対応するとしたことにつきまして、IOCに事務的に報告をしているところでございます。

○鈴木(錦)委員 ただいまご答弁いただきましたが、この環状二号線の問題については、昨日の公営企業委員会でも質疑があり、答弁がございました。公営企業委員会の中での都バス、都営のバスが、やはり環二の完成ができないことによって、運行状況がかなり、渋滞等で運行計画に滞りが出てくるんではないかというような懸念があるという答弁があったそうでございます。
 大会運営時には、さまざま、また当然のことながら、この地域にかかわる部分で、車両も、それから通常の車両、また輸送する車も含めてふえるわけでございますから、そういった部分について十二分に検討していただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、大会の関係者の駐車場用地に、豊洲に移転後の築地市場跡地が予定されていたと思います。どのような予定だったのか、また移転延期による駐車場確保など、大会輸送への影響についてお伺いをいたします。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 現在、組織委員会とともに、大会時に必要な大会関係者車両の駐車場用地につきまして検討を行っているところでございまして、築地もその対象の一つでございます。
 駐車場用地の確保につきましては、庁内各局などにも協力を得ながら検討を進めておりまして、二〇二〇年時点で活用可能な用地についてしっかりと確保してまいります。

○鈴木(錦)委員 ただいまのご答弁で、しっかりと駐車場用地も確保していくということでご答弁をいただきましたが、やはり移転延期の影響は免れない部分であると思います。その部分は、また知事や組織委員会、またIOCに報告がされているのでしょうか、お伺いをいたします。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 大会時に必要な駐車場の検討を行っていることにつきまして、知事には報告をしているところでございます。また、築地が候補であるといったことについても報告をしているところでございます。
 また、IOCにつきましては、組織委員会と連携をしまして、環二と同様に、築地の状況について説明をしているところでございます。

○鈴木(錦)委員 続いて、質問をさせていただきます。
 これまでお伺いした築地市場の移転中止の影響も含めて、今後の大会輸送計画の考え方とスケジュールについてお伺いをいたします。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 大会関係者の輸送につきましては、選手村から競技会場へ利用する道路をあらかじめ定めるなど、また車両のオペレーションを担う輸送センターの設置検討などを行っているところでございます。
 こうした取り組みにつきましては、組織委員会とともに、本年初夏を目途に、輸送にかかわる基本的な計画として取りまとめていくことにしてございます。

○鈴木(錦)委員 これまで三つ、環状二号線が築地市場から豊洲市場への移転の中止に伴う部分の影響についての質問、また、それを知事初め、組織委員会、IOCへの報告、同様に、駐車場の確保の部分についても質問をさせていただきました。
 これらについて、知事に報告をされているというご答弁をいただきましたが、知事からは何かそれに対して指示なりなんなりあったのか、お伺いをしたいと思います。よろしくどうぞお願いします。

○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 先ほどご答弁しましたけれども、環二につきましては、輸送の計画全体について報告をしているところでございます。
 特に知事から具体的な指示というものはございませんが、昨年の十一月に、知事の方から環二について、地上部道路で対応するといった方針が示されているところでございます。

○鈴木(錦)委員 ご答弁をいただきました。オリンピック・パラリンピック準備局の皆様方には、当初、当初の二〇二〇年のオリンピック立候補ファイルがあって、それをもとに計画をさまざまされながら、アジェンダ二〇二〇があって、予算の縮減も含めて、さいたまアリーナや、また千葉の幕張でありますとか、神奈川のヨットの部分ですとか、さまざまコンパクトに計画されていた部分を、予算の関係も含めてされてきたご努力は、本当に大変なものだったと思います。それにあわせた部分で、大会の輸送計画もさまざま変更があったところだと思います。
 しかしながら、その間に三人の知事がかわるというような、オリンピックの招致が決定されてからですね、本当に大変なことがあったところでございます。議会としても大変な部分ではあったところではございますけれども、やはり三年後のオリンピック・パラリンピックを担うオリンピック・パラリンピック準備局の皆様方のご苦労は、本当におもんぱかることがはかり知れないほどあるんだろうとは思うところではございますが、知事へしっかりと現況も伝えながら、三年後のオリンピック・パラリンピックがしっかりできるように、よく伝えていただけますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 前回の一九六四年、昭和三十九年のオリンピック・パラリンピック開催のときには、現在も使っておりますけれども、大動脈である首都高速をしっかりとつくりながら、また当時の報告書を私も読ませていただいたんですが、ちょうど一九六四年の三年前に、選手村が朝霞に決定していたんですが、それが米軍の意向により代々木に変更になったというようなところも読ませていただきました。
 毎日議会があって、当然のことながら、その裏づけでは、毎日理事者の方たちが都市計画の部分も含めて、さまざまなご苦労があったんではないかと、これもおもんぱかれるところでございます。
 現在も、三年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまなハードルが、また、しなくてはいけないことがあると思いますが、決してめげることなく、決してめげることなくね、局の皆様方にはご努力を、体は壊さないようにして、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。議会としても、最善を尽くします。皆様方にも、ぜひともベストを尽くしていただきますよう、よろしく知事にもお伝えいただきますようお願いをいたします。
 続いて、もう一つ質問をさせていただきます。選手村への食材の供給について伺います。
 組織委員会の食材調達基準案では、JGAPなどの認証を受けた食材を調達し、オリンピック・パラリンピック選手村への食材の提供を行っていくと聞いていますが、JGAPとは何か、その概要についてお伺いをいたします。

○田中運営担当部長 大会組織委員会は、専門家等の参加を得まして、持続可能性に配慮した調達基準について検討を進めており、昨年十二月には農畜水産物の調達基準案を取りまとめたところでございます。
 このうち、農産物及び畜産物の調達基準案では、食品の安全確保や環境と調和した生産活動、労働安全の確保などの要件が掲げられておりまして、グローバルGAPやJGAPの認証、また国のGAPに関するガイドラインに準拠して生産され、都道府県など第三者の確認を受けた食材は、これら要件を満たすものとされてございます。
 お尋ねのJGAPでございますが、平成十九年に設置されまして、農業の生産工程を適切に管理し、持続可能な農業の実現に向けた取り組みを認証する我が国独自の制度でございます。
 認証審査の基準は、残留農薬の検査など安全性の確認や、地下水を汚染しない肥料の使用など環境への配慮、作業中の安全対策を初め、百二十を超える項目がございます。
 昨年には、農産物の輸出にも対応するため、JGAPをベースに労働者用住居の生活環境の整備など、国際的に要求される項目を審査基準に加えたJGAPアドバンスが新設されまして、組織委員会の農産物の調達基準案はこちらを基本といたしております。
 なお、畜産業向けのJGAPにつきましては、審査基準を初め、仕組みづくりが進められておりまして、平成二十九年度には運用が開始される予定でございます。

○鈴木(錦)委員 選手村への食材の提供は、JGAP認定が必要とのことでございます。農畜産物は、工業製品のように簡単に生産できるものではありませんし、認定基準に合わせた生産をするにはそれなりの時間がかかります。JGAPの認定基準の普及促進はどのように行うのか、お伺いをいたします。

○田中運営担当部長 世界から多くの選手、大会関係者、観客が訪れる東京二〇二〇大会に向けまして、都内の生産者や事業者によるJGAP等の認証取得を進め、東京産食材の積極的活用と魅力の発信を図ることは重要でございます。
 産業労働局では、今年度より都内事業者を対象にGAPの普及啓発を行う研修会の開催や、認証審査に要する費用の助成などの認証取得支援を開始してございまして、今後、連携を図りながら、大会において東京の魅力ある食材が提供されるよう取り組んでまいります。

○鈴木(錦)委員 ご答弁をいただき、JGAPが東京のオリンピック・パラリンピックの開催に際して、食材の提供についてとても重要な基準であるというのはわかりました。
 何よりも、この首都東京の食材を担う部分で、現在も江戸東京野菜を初めさまざまな野菜を、都市農業を担う皆さんたちがしていただいております。大変志も高い皆さんでありますし、JGAPの認定基準というのが明確に伝わりながら、その認定をいただくことが世界各国から来る皆様方に大変おいしい野菜なり、また農畜産物を食べていただくよい機会になるかと思います。
 また、JGAPだけではなくて、都道府県の部分のGAPもつくられるというようなことで、これも早々につくっていただきながら、その基準も多くの農畜産物を扱う農家さんにお伝えをいただきながら、このJGAP、また都道府県のGAPが認定されたものであるということが国際的にも認められていけば、輸出も含めた中で新たな後押しに、農畜産物の輸出に対する後押しにもなっていくわけでございます。
 東京から発信して、こういったJGAPが幅広く日本全国に広がることによって、この意味づけはさらに大きくなるところだと思いますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、あわせて、その農畜産物が流通をする場所というのも重要なことになるかと思います。今、築地の問題、また豊洲への移転の問題も重要な議会での案件になっているかと思います。やはりJGAPが認定された農畜産物がきちんとした場所から流通経路を通って選手村に供給されたりとかすることも、とても重要な部分だと思いますから、その部分も含めて、これからオリンピック・パラリンピック準備局には、さまざまな観点からさまざまな局と力を合わせて、先ほども申し上げましたが、めげることなく、この部分ではよりよい食材を選手村に提供ができるような方策を十二分に考えていただきますよう、また構築していただきますようお願いをして、私の質問を終わります。

○野上委員 まず最初に、大会成功に向けた区市町村支援についてお伺いいたします。
 これは、ハード、ソフト合わせて二十八億三千三百五十万円使われている事業でございます。二〇二〇年大会に向けては、区市町村の各地域でさまざまな取り組みを行っていくことが重要だと考えております。
 都は、大会成功に向けた区市町村支援として、大会開催決定を契機として、区市町村が主体的に行うソフト、ハード事業に対し補助を行っております。
 ソフト補助の内容といたしましては、東京二〇二〇大会の開催機運を醸成し、地域のレガシーにつなげるために行う事業や、身近な地域で障害者スポーツ振興を図り、障害者の方が継続的にスポーツを楽しめる環境を整備するための事業などに対して支援を行っているものであります。
 私の住んでいる葛飾区でも、この事業を活用して、ソフト事業としては、トップアスリートを招いたジュニアスポーツ教室、高齢者向けのスポーツ体験教室の開催、また障害者スポーツの指導員の育成、障害者の水泳教室、ボッチャ教室等も実施しております。
 また、昨年は、リオ大会の期間中、葛飾区出身の渡部香生子ちゃんという水泳の平泳ぎの選手ですけれども、その出場した試合を地元の区民の方々が応援するパブリックビューイングも実施をいたしました。
 こうしたソフトの取り組みに加え、大会開催を契機として、さらに多くの方がスポーツ施設や公園など、身近な地域でスポーツにいそしむ環境を整備することが必要であると考えます。
 そこで来年度、区が取り組み、スポーツ環境を整える整備事業に対して、都としても区の取り組みを後押しすることが重要であると考えますが、都の所見をお伺いいたします。

○小室スポーツ推進部長 都は、平成二十六年度に区市町村のスポーツ施設整備への補助制度を創設し、都民にとって身近で気軽にスポーツに親しめる場の拡大に取り組んでまいりました。
 来年度は、二カ年のモデル事業として、公園への運動器具設置を支援し、より身近な場所である公園の活用を促進します。
 具体的には、区市町村が公園に運動器具を設置する際の器具購入や設置に要する費用の二分の一を、一公園当たり七百五十万円を上限に補助するものでございます。
 今後とも、区市町村との連携のもと、誰もが気軽にスポーツに親しめる環境づくりに取り組んでまいります。

○野上委員 二〇二〇年大会に向けては、都内全域で盛り上げていくことが必要であります。大会開催を契機として、スポーツ振興など、ソフト、ハード、さまざまな取り組みが各地域で行われ、それらが二〇二〇年以降も地域のレガシーとして継続して実施されることが重要でありますので、区市町村のニーズ等を踏まえ、本事業による区市町村への支援を引き続きお願いし、次の質問に移ります。
 大会のレガシー構築に向けて、都が着実に取り組んでいることを広く示すべきと考えますけれども、このレガシーに対して発信している今の現状についてお伺いいたします。

○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京都は、平成二十七年十二月に、二〇二〇年に向けた東京都の取組を公表いたしまして、大会後のレガシーを見据えた都の取り組みを明らかにしております。
 これまで都庁や区市町村の窓口のほか、都内のイベントやシンポジウム等の場を活用いたしまして、日本語版の冊子を約六万七千部配布したところでございます。
 外国人向けにも、英語版の冊子を作成いたしまして、リオ大会のジャパンハウスで配布したほか、都が主催する各国大使館との情報連絡会等の機会を活用いたしまして約五千部を配布しております。
 また、多くの方々に手軽にごらんいただけるよう、都のホームページに日本語版、英語版ともに全文を掲載しております。
 さらに、経済団体等を対象といたしました説明会などの場におきましても、都の取り組みの紹介を行っているところでございます。
 来年度につきましても、さまざまな機会を捉えまして、冊子の配布ですとか内容の説明を行っていくことによりまして、レガシーを見据えた東京都の取り組みを引き続きわかりやすく国内外に発信してまいります。

○野上委員 東京に関しましては成熟都市東京、そして日本全体では経済の活性化、被災地の復興、世界に対しては日本の持つすぐれたテクノロジーとか東京のブランド力の発信等々でレガシーとして発信していっていただければと思っております。
 次に、多言語対応について質問いたします。
 二〇二〇年には、二千五百万人の外国人を迎えることを目標としております。ラグビーワールドカップ、東京二〇二〇大会に向けて、都は国と連携して……(「二〇一九じゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、ワールドカップと東京二〇二〇大会、二つに向けて、都は国と連携して、多言語対応協議会を設置して取り組みを進めております。
 フォーラムやポータルサイトを通じて、多言語対応やICTの先進事例について情報発信を行っております。中でも多言語対応を進めるためには、ICTの活用が重要だと考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 多言語対応の有用なツールでありますICTにつきましては、最新の技術動向などの知見を広く関係者と共有するとともに、実証を繰り返すことにより、機能向上を促進し、効果的な活用を図ることが重要でございます。
 都はこれまで、多数のICT関連企業と連携いたしまして、フォーラムや視察会を開催し、また協議会ポータルサイトで先進事例を発信するなど、自治体職員や民間事業者など、多くの関係者に対して最新の技術を紹介し、普及を進めてまいりました。
 また、国の研究機関が開発している音声翻訳アプリなどの技術につきまして、東京国際ユースサッカー大会や東京マラソンなどのスポーツ事業、あるいは防災訓練等におきまして実証の場を提供することにより、実用化に向けて機能向上に協力してまいりました。
 都は、今後も引き続き、多言語対応に資するICTの普及や実用化に向けた支援を行ってまいります。

○野上委員 続きまして、TOKYOウオークについて質問をさせていただきます。
 ウオーキングは、気軽にできるスポーツとして大変人気があります。葛飾区は、文化財や史跡にも恵まれております。特に柴又のまち全体の景観が歴史的景観都市として選定される予定でございます。歩くことで、日ごろ気づかなかった地元の魅力に気づくこともたくさんあります。
 TOKYOウオークは、東京の名所等をめぐる全五回のウオーキング大会として定着してきておりますけれども、より多くの都民に参加してもらうために、都内さまざまなエリアをめぐる魅力的なコースを設定することが必要と考えます。
 そこで、TOKYOウオークの目的と、来年度のコース設定の考え方についてお伺いいたします。

○小室スポーツ推進部長 TOKYOウオークは、子供から高齢者まで誰でも気軽に参加できるウオーキングを通じて、ふだんスポーツに触れる機会が少ない都民に対し、スポーツへの興味、関心を喚起することを目的としております。
 平成二十一年度から実施し、今年度は計五回、延べ約一万八千人の都民が参加いたしました。また、地域の観光政策等と連動し、スポーツの力で地域を活性化させる目的もございます。
 来年度は、今年度の参加者アンケートで人気の高かった下町や都心部に加えまして、これまで実施したことのない新たな地域を中心にコースの設定を行いました。
 第一回は港、品川、第二回は葛飾、足立、第三回は青梅、第四回は多摩川及びその周辺、第五回は三鷹、武蔵野、杉並と、東京の新旧さまざまな魅力を満喫できる都内五カ所の地域で開催する予定であります。

○野上委員 スポーツに親しむ都民をふやしていくということは、都民の方々が健康な生活を送るために必要だと思っております。
 このTOKYOウオークを行って、都民からどのような声があるのか、お伺いいたします。

○小室スポーツ推進部長 ことし一月に公表しました都の世論調査では、今後実施してみたいスポーツとして、ウオーキング、散歩が五五%でトップでありました。
 また、今年度の参加者に実施しましたアンケートでは、回答者千三百五十四人のうち、九七・一%がTOKYOウオークに参加してもっとスポーツをしたくなったと回答し、ふだんスポーツをする頻度が月一回以下の四百五十一人のうち、約七割が今後スポーツをする機会をふやしたいと回答しております。
 今後も、TOKYOウオークを初めとしたさまざまなスポーツイベントの実施を通じまして、より多くの都民にスポーツに触れる機会を提供し、スポーツ実施率の向上につなげてまいります。

○野上委員 気軽に参加できますので、ぜひ多くの都民の方に参加をしていっていただきたいと思っております。
 シニアスポーツ振興事業について質問いたします。
 超高齢社会を迎え、高齢者のスポーツ実施率の向上を図り、高齢者の健康の維持増進及び生き生きと充実した生活を支援することが重要でございます。シニア世代には、身近な場所でスポーツに親しんでもらう機会をつくることが大切です。
 そこで、シニアスポーツ振興事業を、より一層充実すべきと考えますが、所見を伺います。

○小室スポーツ推進部長 シニアスポーツ振興事業は、地区体育協会やレクリエーション団体等が行う主に高齢者を対象としたスポーツ競技会、講習会などの事業を支援するもので、平成二十四年度より実施してまいりました。
 このうち、地区体育協会は、都内のほぼ全区市町村に存在し、さまざまな競技団体と連携して事業を実施していることから、事業数が年々増加しております。そのため、平成二十九年度は、地区体育協会当たりの補助上限額を六十万円から百万円に増額しまして、事業数や事業の内容、規模の充実に対応いたします。
 今後も、高齢者がスポーツを通じて健康で生き生きと充実した生活を送れるよう、事業の充実に努めてまいります。

○野上委員 地区体育協会の上限額を上げていただきましたので、ぜひこういった事業を利用して、多くの高齢者の方々が参加していただきますように要望いたします。
 組織委員会における食材の調達基準策定について、先ほど鈴木委員からもお話がありましたけれども、ちょっとダブっておりますけれども、東京都は既に今年度、二十八年度からGAP取得に向けた支援事業を開始しているところでありますけれども、組織委員会の調達基準が策定されていないこともありまして、支援事業の活用実績はゼロと聞いております。
 この組織委員会の調達基準はいつごろ公表される見込みなのでしょうか、お伺いいたします。

○田中運営担当部長 農畜水産物の調達基準につきましては、生産準備や認証取得などに一定の期間を要しますことから、大会組織委員会では、都や国、専門家などが参加する公開のワーキンググループにおきまして検討を行ってまいりました。
 昨年十二月には、調達基準案が公表されまして、パブリックコメントにおける意見を踏まえ、今月中に調達基準が策定、公表される予定でございます。

○野上委員 このグッド・アグリカルチャル・プラクティスという、残留農薬とか、異物が混入されていないとか、労務管理とか、品質の改良方法とか、とても大事な視点でございますので、今月中ということはもう少しですね、もう少ししたら策定されるということでございます。
 最後になります。最後に、ユニバーサルデザインの視点でのAEDの普及についてお伺いをいたします。
 AEDは、大半は、多分ほとんどの方がお使いになったことがあると思いますけれども、音声で使い方が皆さんに知らされて、その音声どおりに操作するようになっておりますけれども、聴覚障害者の方はAEDの音声は聞くことができません。
 そこで、スイッチを入れるとディスプレーの画面に動画が出て、そのとおりに使用すればいいというような聴覚障害者の皆様用のAEDもございます。
 東京大会では、多様な、多数な方々が集まることが予想されますので、国籍とか障害の有無にかかわらない多様な方々がAEDを使う場合が増加すると考えられます。
 日本語がわからなくてもいいし、また耳が聞こえなくても、そうしたユニバーサルデザインの視点からのAEDの大会施設への設置を推進していくべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○田中運営担当部長 大勢の方が訪れる二〇二〇年大会では、心停止者の救命活動のために、大会施設に一般の観客も使用できるAEDを設置することは重要でございます。
 都はこれまで、日本救急医療財団が作成いたしましたAEDの適正配置に関するガイドラインを踏まえまして、施設管理者とも連携し、スポーツ施設を初め、多くの人々が利用する都の公共施設における設置を推進してきました。
 今後、二〇二〇年大会におけるAEDの設置促進に向けまして、ユニバーサルデザイン対応の機器の普及状況も踏まえながら、機器の使用や設置規模などにつきまして、関係機関や施設の設置管理者と連携しながら検討してまいります。

○野上委員 ダイバーシティーという意味でも、非常にこうした視点が大事だと思いますので、ぜひ取り組んでいただきますことを要望して、終わります。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は、いずれも終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時十六分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 中嶋生活文化局長は、病気療養中のため、当分の間、委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分及び報告事項、東京都男女平等参画審議会答申を踏まえた計画素案について外一件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る二月二十一日の当委員会において要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してあります平成二十九年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。
 目次に記載のとおり四件の資料がございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、平成二十八年度東京文化プログラムの主な事業(東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団及び公益財団法人東京都交響楽団実施分)でございます。
 東京文化プログラムにつきまして、平成二十八年度の主な事業の概要を記載しております。
 三ページをお開き願います。2、私立高等学校等就学支援金の実績額と受給者数及び私立高等学校生徒数(過去三年間)でございます。
 平成二十五年度から平成二十七年度までの私立高等学校等就学支援金の実績及び私立高等学校生徒数の推移を記載しております。
 四ページをお開き願います。3、私立高等学校等特別奨学金の実績額及び受給者数(過去五年間)でございます。
 平成二十三年度から平成二十七年度までの私立高等学校等特別奨学金の実績額及び受給者数の推移を記載しております。
 五ページをお開き願います。4、私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数(平成二十七年度)でございます。
 平成二十七年度の私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○小宮委員 消費生活基本計画及び消費者教育推進計画の改定について、先月、審議会から答申がありました。これを受けて、東京都は来年度中に次期計画を改定することになります。
 相変わらず高齢者の相談件数が三割を超えているとか、消費者向けの電子商取引が増加するなど、従前からの課題や、あるいは社会環境の変化への対応など、新たな対応も必要になっています。
 消費生活トラブルに遭わないために必要なことは何かという意識調査に対して、消費者自身が知識を身につけてトラブルに遭わないように注意するという回答が八割を占めています。基本的な認識として、都民の自助の意識が高いということがうかがえます。
 こうした自助に加えて、例えば高齢者を被害から守るために、区市町村においては見守りネットワークが構築されるなど、共助の取り組みもあります。
 そうした自助や共助の力で補えない分野を東京都は公助の力で支援、充実すべきと考えます。
 行政として消費者被害の相談体制を充実させることは重要な役割であると思いますが、昨今、外国人からの相談がふえ、その言語も多様化していると聞きます。今後、二〇二〇年東京大会もある、外国人観光客も増加する、また、中長期に滞在する外国人もふえると予測される中で、都としてその相談体制をどのように充実していくのか伺います。

○三木消費生活部長 日本語が話せない外国人からの相談は、現在は事前に電話予約をした上で来所により、通訳が同席する面談による相談を行っておりますが、相談を受けるまでに時間がかかるという課題がございます。
 このため、平成二十九年四月から電話での三者間通話による外国語相談を導入いたします。具体的には、相談者とセンター相談員及び通訳が同時に会話できるシステムを導入し、英語、中国語、韓国語で実施するものでございます。
 今後、このシステムと従来の予約制の来所相談とあわせ、相談対応を充実させてまいります。

○小宮委員 また、昨年四月には障害者差別解消法も施行されました。障害を持つ人にも、これまで以上に消費相談について丁寧な対応が必要となります。
 障害には、種類も程度もさまざまあります。きめ細かな対応を望みたいところです。今後、どう対処していくのか伺います。

○三木消費生活部長 聴覚に障害がある消費者からの相談は、来所していただき筆談等により行ってまいりましたが、相談者の負担を軽減するため、昨年七月からタブレット端末を利用した手話通訳による相談をモデル事業として実施しております。
 これは、来所した消費者がタブレット端末の画面を通して相談内容を手話通訳者に手話で伝え、手話通訳者から消費生活相談員には音声で相互に伝えることで、コミュニケーションをとることができる仕組みでございます。
 また、消費生活相談は通常電話で行っておりますが、視覚障害がある消費者で、契約書類を確認する必要があるなどの場合には、家族や支援者と一緒に来所していただくなど、丁寧に対応しております。
 今後もさまざまな障害のある相談者に応じたきめ細かな対応を検討し、実施してまいります。

○小宮委員 外国人への対応、また障害を持つ人への対応とあわせて、近年増加しているのが、いわゆる心の病を抱える相談者です。ギャンブルの依存症やアルコール依存症、買い物依存症などから消費トラブルを抱える相談者がふえています。
 こうした相談者は精神的に不安定だったりするなど、対応に大変時間がかかるとか、相談員にとっても苦慮するケースが多いというふうに聞いています。そうした相談への対応強化について伺います。

○三木消費生活部長 ギャンブルや買い物などの依存症等を抱える相談者は、多重債務に陥りやすい傾向があります。都では年に二回、多重債務に関する特別相談を実施しており、その際には精神保健福祉士によるカウンセリングを行い、必要に応じて専門の機関につなぐなどの対応を行っております。
 さらに、通常の相談においても、こうした依存症を抱える人を含め、心の病気を抱える相談者に配慮できるよう、昨年七月から月に四回程度、消費生活総合センターにおいて、精神保健福祉士による相談対応の取り組みを開始いたしました。
 これにより、相談者に適切に対応するとともに、相談員に対しても、専門的見地からの助言や研修を実施し、対応力の向上を図っているところでございます。

○小宮委員 そうした対応によって、相談員の皆さんにとっても、困っている消費者への対応がまた柔軟にできるような環境整備をしていっていただきたいというところも期待します。
 ところで、区市町村にも消費生活相談の窓口があります。東京都の窓口とどのように違うのかなと思っております。身近な行政ほど相談しやすいという環境もあれば、逆に相談しにくい内容というものもあると思いますが、いずれにしても都民のあらゆる消費相談に対して、その被害を防ぐ上で、あるいは対応をしていく上で、東京都や区市町村は、的確に対応する体制を整えるべきであると思います。
 東京都は、区市町村に対してどのような支援をしているのか伺います。

○三木消費生活部長 都の消費生活総合センターは、相談員の持つ高度専門性を生かし、区市町村では対応困難な相談事案に対応しつつ、そのノウハウを区市町村に提供するセンター・オブ・センターズとしての役割を果たしております。
 具体的には、区市町村に対し、相談への一般的な対応方法を掲載したマニュアルを提供するとともに、個別事案の紹介、問い合わせに回答しております。また、解決困難な案件に関して、区市町村の相談員が弁護士や建築士などの専門家から助言を受けられる仕組みをつくり、円滑な相談と相談員の資質の向上を支援しております。
 どの地域においても、都民が身近な相談窓口で相談でき、トラブルの迅速な解決を図れるよう、今後も区市町村に対する支援に取り組んでまいります。

○小宮委員 さて、消費者相談の充実は大変重要ですが、さらに、不幸にして被害に遭ってしまったという都民に対する支援も重要です。
 昨年十月に、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律が施行されました。契約トラブルの被害金をこれによって取り戻せるという新たな訴訟制度が始まっております。
 今後は、この新たな訴訟制度が有効に活用されて、消費者の財産被害を簡易に、また迅速に回復できるよう、東京都としても対応すべきと考えますが、制度の活用に当たり、まずはどのような課題があると認識されているのか伺います。

○三木消費生活部長 新たな訴訟制度は、国が認定した特定適格消費者団体が消費者にかわって訴訟を行い、消費者はその勝訴を確認した後、被害回復の手続に参加する仕組みであります。
 このため、個人にとっては、みずからが訴訟を提起する場合に比べ、より少ない費用、労力で被害回復が可能であり、消費者の立場に立った画期的な被害回復手段として期待をされております。
 しかし、この制度は、高度で戦略的な訴訟対応や個々の消費者への対応が必要であるために、高額な費用がかかり、その費用の全てを団体が訴訟終了まで長期にわたり一旦負担しなければならないことから、団体にとっては、訴訟資金の確保が大きな課題となっております。
 また、団体が適切に訴訟を提起するためには、都内で多発する消費者被害情報を迅速に収集することが必要でありますが、団体みずから情報を収集するには限界があると考えております。

○小宮委員 新たな制度を円滑に機能させるためには、今のような課題に対して、東京都が特定適格消費者団体--適格消費者団体の中から内閣総理大臣が新たに認定した団体で千代田区だったでしょうか、まだ全国で一つしかないということですが、これは不当な事業者に対して、消費者にかわって被害の集団的な回復を求めることができます、この団体を積極的に支援して、都民の速やかな被害回復を図るべきと考えます。
 具体的にどのような対策を講じていくのか伺います。

○三木消費生活部長 都民の被害回復をさらに推進していくためには、この制度が有効に活用されることが重要であります。
 今回の編成に当たりまして、特定適格消費者団体からも、消費者機構日本でございますが、制度の円滑な運用に向けた総合的な支援について要望を受けたところでありまして、都といたしましても、団体が継続的、安定的に集団的消費者被害回復訴訟に関する業務を遂行できるよう後押ししていく必要があると考えております。
 このため、来年度からは、全国に先駆け、団体に対して訴訟資金の無利子貸付制度を創設するとともに、都内の消費生活センターに寄せられた訴訟の遂行に必要な相談情報を適切に提供してまいります。
 このような総合的な支援を積極的に行い、新たな訴訟制度を実効性あるものとしてまいります。

○小宮委員 国の消費者被害についての意識調査によると、不当な勧誘や契約条項により、消費者トラブルに遭ったときの消費者の対応として最も多いのが、相談はしたが特に行動はとらなかった、これが三九%、また、それに比べて、弁護士や司法書士、相談機関などに交渉を依頼した人というのが六・二%、実際に訴訟を提起したという人はわずかに〇・八%で、どうしても泣き寝入りする人が多い、そういう傾向と、また現実があるというふうに思います。
 やはり消費者が事業者に対して個人個人で訴訟を起こすということは、情報量や、また交渉力、費用の面などで大変難しい、簡単なことではありません。今回の制度がしっかりと活用されて、困った都民を放っておかない、救済されるということに期待をして、質問を終わります。

○野上委員 東京都配偶者暴力対策基本計画について質問させていただきます。
 職場や家庭においては、パワハラ、セクハラ、ハラスメント、そして、いざ家庭に帰ると、妻から夫、夫から妻へのドメスティック・バイオレンス、DV、そして、学校においては、いじめ、そして、子供が近くにいる動物に対しての動物虐待、こうしたDVとかいじめとか動物虐待とか、これは全て弱い者に対する行為だと思っております。ですから、常日ごろからそうした負のスパイラルをなくして、温かい、優しい気持ちを常々みんなが持って生活していくことが大事なのではないかと思っております。
 そうした意味で、今回の東京都配偶者暴力対策基本計画について、何点かに絞って質問させていただきたいと思っております。
 最初に、さまざまな対策を講じてくださっております。本当に私も十六年議員をやっておりますけれども、その間も手を下さない年はないぐらい一生懸命やってくださっておりますけれども、ますます相談件数がふえています。その原因について、どう捉えていらっしゃるんでしょうか。

○吉村男女平等参画担当部長 平成二十七年度における東京ウィメンズプラザ、東京都女性相談センター、区市町村及び警視庁が受け付けた配偶者暴力の相談件数は約五万件と過去最高となりました。
 特に区市町村における増加が大きく、平成二十四年度と平成二十七年度で比較すると、二万六千五百四十七件から三万四千六百五十二件と約八千件増加しております。特に配偶者暴力相談支援センターを整備した区での増加が大きく、区市町村全体の増加件数の七割以上を占めております。
 相談件数の増加は、社会における配偶者暴力に関する認識が高まってきていることや支援センターの整備など、身近な区市町村での相談体制が充実されたことにより、被害者が相談しやすくなったためと考えております。

○野上委員 いろいろな方々がさまざまなところで相談をしながら、自分の生活をどう立て直すかについて真剣に考えてきているところでございますけれども、本来ならば進んで相談しなければいけないのに、暴力を受けていても、なかなか相談に行けない、相談しない、その原因は一体どこにあるんだろうかと思っております。どうお考えでしょうか。

○吉村男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザに寄せられた相談事例を見ますと、被害者の中には加害者への恐怖感などから支援を求められなかった方や、自分が被害者であると気づかないまま暴力を受け続けた方が少なくありません。
 また、内閣府が平成二十六年度に実施しました男女間における暴力に関する調査によりますと、配偶者暴力の被害者が被害をどこにも相談しなかった理由として、約五割が相談するほどのことではないと思ったからと、また、約三割が自分にも悪いところがあると思ったからと回答しております。

○野上委員 配偶者暴力というのは、そもそも自分から発しない限り、外からはなかなか気づきにくいものだと考えております。例えば、ぼこぼこに殴られて顔全体が腫れ上がったとか、そういう身体的な暴力とかは目に見えますけれども、精神的な暴力、これは自分が言葉にして発しない限りなかなかわからない。そして、性的な暴力は、より発見が難しいと思っております。
 こうした発見の難しい配偶者暴力に対する対応については、どうされますでしょうか。

○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力の形態には、殴る、蹴るといった身体的暴力だけでなく、人格を否定するような暴言を吐く、何をいっても無視するなどの精神的暴力や、嫌がっているのに性行為を強要する、中絶を強要するなどの性的暴力も含まれます。
 性的暴力を含む配偶者暴力は、家庭という人目に触れにくい場所で起きていることから、被害者本人の気づきがおくれたり、被害が潜在化する傾向が見られます。
 そのため都では、配偶者暴力についてわかりやすくまとめたパンフレットや相談窓口を紹介する携帯用のカードを作成し、都や区市町村などの行政機関のほか、病院や弁護士会等の関係機関を通じて配布しております。
 また、東京ウィメンズプラザのホームページに配偶者暴力被害者ネット支援室を設け、配偶者暴力に関して多く寄せられる質問への回答や具体的な支援情報とともに、区市町村を含めた相談窓口の情報を掲載しております。

○野上委員 もともと愛し合って結婚して、家庭を築いたわけでございますけれども、それが被害者、加害者と呼ばれるように憎悪の気持ちが強くなって、結局は被害者となった人が加害者から逃げなければいけない状況に追い込まれることがあります。
 私も何例かかかわりましたけれども、例えば二十三区に住んでいる人は多摩の方に、多摩に住んでいる人は二十三区にとかなり離れたところに逃げていって、戸籍も変えられますので、名前も全部変えて、そこで生活をしていたとしても、追跡をされて見つかってしまうということがあるんです。
 それはなぜかというと、私が経験したところでは、子供を連れて逃げる場合、次の学校にどこに行ったかというのを赤いポストイットで張って、絶対に誰が来ても、次の学校の報告をしないようにというふうに強くいっているんですけれども、聞く方もすごく上手に聞き出すので、例えば、逃げていった妻のお母さんが病気でもう死にそうなんだけれども、連絡したいんだけれども連絡できないでしょうかとか、あるいは別の第三者を介して、本当にこの人は味方だなと思うような形で住所を聞き出していって、そして、その学校がわかると、その学校の門のところで子供が帰るのを待ち構えてその子供の跡をつけて家を探し当てる。そして、要するに加害者が追跡をして見つかってしまうというケースが何件かございました。
 加害者の追跡で見つかる確率というのは、多分相当低いと思いますけれども、確率はどれくらいなのか。また、その原因はどこにあるのかについてお聞きいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 加害者の追跡により被害者が発見される確率に関する具体的なデータはございませんが、都が平成二十六年度に行った実態調査によりますと、都の配偶者暴力相談支援センターで受け付けた面接相談七十四件のうち、加害者からの追跡があったのは、約三割に当たる二十一件でございました。
 追跡により加害者に見つかってしまう原因はさまざまでございますが、その一つに、住民票の写しの交付など、被害者の生活に必要な手続を行う窓口から被害者の個人情報が誤って加害者に渡ってしまう事例がございます。
 被害者支援においては、まずは安全を確保することが重要でございますので、被害者の生活再建等にかかわる全ての機関において、配偶者暴力防止法に基づき、被害者の個人情報の管理に細心の注意を払うとともに、その取り扱いを徹底していく必要がございます。
 そのため都では、住民票等の取り扱いや子供の就学手続に当たっての留意点などに関するマニュアルを作成し、区市町村を含む関係機関に配布するとともに、区市町村の窓口担当者や教職員など関係者向けの研修で周知徹底するなど、被害者の安全確保に向け取り組んでおります。

○野上委員 教職員や区市町村の窓口担当者に対する研修を行って周知徹底をする、これがとても大事だと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。
 そして、もう一つは、デートDVといいますけれども、交際相手からの暴力を受けても、それを暴力と感じない若者がふえております。啓発などを今後どういうふうに行っていくのかについてお聞きいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 平成二十六年度の内閣府調査によりますと、交際相手からの暴力については、デートDVだとは認識していなかったと回答した女性の割合が約三割に上るなど、自分の受けている行為が暴力であるとの認識のない方が多い現状にございます。
 都では、配偶者暴力の未然防止のため、若年層に対して、相談先の周知カードを都内大学、専修学校や区市町村を通じて配布するとともに、若年層から相談を受ける立場にある教職員を対象とした研修などの取り組みを行っております。
 また、東京ウィメンズプラザを初め、警視庁や各区市町村の相談窓口において、交際相手からの暴力に関する相談を受け付けております。
 今後は、スマートフォンのサイトなど、若者がよく利用する媒体を活用して、交際相手からの暴力を初めとする若年層が遭いやすい被害についての啓発を実施してまいります。

○野上委員 暴力を受けて、それが暴力と感じないということは、やはり幼いときからの教育が大事ではないかなと思っております。
 特に学校における人権教育、これを教育庁と連携をして進めていくことが大事だと思っております。できれば、高校時代に一回ぐらいはそうした人権教育を受けて、そういう行為が暴力であるということを認識しておくことが大事だと思っているんですけれども、教育庁とどう連携を進めていくのかについてお聞きいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力を防止していくため、学校教育においては、子供のうちから暴力によらずに、お互いを尊重する人間関係を築くことが大切であるということを人権教育の中で取り上げております。
 東京ウィメンズプラザでは、指導者である中学、高校の教職員等を対象に、交際相手からの暴力に関する研修を実施しており、教育庁の協力も得て、各学校への周知を図っております。
 また、配偶者暴力の関係機関が参加する東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議に教育庁も参加し、暴力の防止に向けた課題についての検討や情報共有を行っております。
 今後とも教育庁と連携を図り、暴力を許さない社会の形成に向けた啓発等に取り組んでまいります。

○野上委員 教育庁だけでなく、さまざまな機関と連携をしながら、暴力を許さない社会形成に向けた啓発に今後とも取り組んでいっていただきたいと思っております。
 以前、ステップハウスについて質問したことがございました。このころは平成二十四年の光交付金ですかね、十分の十で設置される、お金を使ってステップハウスを設置して、被害者を救っていくという流れでございましたけれども、二年間の時限でございましたので、ステップハウスも今、継続して行っているところもあれば、やめてしまったところも、いろいろあると思うんですけれども、その後のステップハウスを含む民間団体に対する支援の取り組み状況についてお伺いいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力の被害者の自立に向けては、息の長い支援が必要でございます。このため、行政による取り組みだけでなく、民間団体が地域で行うきめ細かい活動が継続的に実施されることが重要でございます。
 都はこれまで、民間団体が行うステップハウスの立ち上げや、被害者の不安軽減のための同行支援、シェルターやステップハウスの安全対策などの自主的な活動に対して助成を行ってまいりました。
 平成二十七年度からは、民間団体が単独で行う同行支援などの活動に加え、それぞれの団体がみずからの強みを生かしつつ、複数の団体で連携して取り組む活動についても新たに助成の対象とし、制度の充実を図っております。

○野上委員 先日、そうした複数の団体で行った講演会に参加をしてまいりまして、その中で、やはり同行支援に補助金がついたということに対してすごく喜んでいらっしゃいました。一人一人の、DV被害者というんですかね、そうした人を救っていく過程というのは、本当に息の長い活動でございますので、末永くそうした助成を行っていただきたいと思っております。
 そして、もう一つは、国の方も今回、相談を受ける婦人相談員の方の手当を相当上げました。それから、経験年数に応じた研修の実施にも予算をつけていただきました。そのお金がどのように都の中に含まれてくるかちょっとわかりませんけれども、外部講師によるスーパーバイズを受ける方法について質問させていただきます。

○吉村男女平等参画担当部長 複雑多様化する配偶者暴力に関する相談に適切に対応していくためには、相談対応の質の向上に不断に取り組んでいく必要がございます。
 都では、東京ウィメンズプラザにおいて、同プラザの相談員や区市町村の相談員を対象に、臨床心理士などの外部専門家が相談員による対応事例を検証したり、複雑困難な相談事例への対応について指導や助言を行うスーパーバイズを実施しております。
 このうち区市町村の相談員については、毎年度、全区市町村に周知を図り、受講希望を受け付けております。
 今後も専門家によるスーパーバイズを初めとする研修の充実などにより、都内各相談機関の機能強化を図ってまいります。

○野上委員 最後に、最後じゃないんですけれども、こちらの方の最後でございますけれども、配偶者暴力が本当に一件でも根絶できるように取り組んでいきたいなというふうに思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いをいたします。
 続きまして、消費者被害の未然、拡大防止について質問させていただきます。
 消費者被害についてもいろいろあるんですけれども、昨年の特殊詐欺の認知件数は二千三十二件で、被害総額は約六十一億七千万円、これ、単純に割り返してみると、大体一件当たり三百万円の被害を受けていると。被害総額は、昨年から五億六千万円減少しておりますけれども、認知件数では百五十三件ふえているということでございます。
 消費者被害に遭う人は、いまだに後を絶たない状況にあります。人の情を利用した悪質なケースが多く、だまされてしまった人も、余りにも悔しかったり恥ずかしかったりして、身内に話したがらない傾向もあるようでございます。実際の件数は、ひょっとするともっとふえるかもしれません。
 被害を未然に防止するには、都民への的確な情報提供が重要です。というのは、こうした犯罪には流行があり、どういう内容が今はやっているのかを、これまでもさまざまな注意喚起を行っていると認識しておりますけれども、特にテレビ等マスコミで消費者被害の実情が取り上げられると消費者へ伝わりやすく、広報の効果が高いものでございます。
 さまざまな媒体を活用した情報発信の現状について、まず最初にお伺いいたします。

○三木消費生活部長 都はこれまで、消費生活に関する専用のホームページ、東京くらしWEBを通じて、消費者への情報を幅広く提供してまいりました。
 また、消費者からの相談が急増した新しい手口などの注意喚起情報をSNS等で都民に広く提供するほか、事業者処分を行った事例等は迅速に報道発表を行ってきました。
 さらに、本年三月には、若者の消費者被害を防止するための取り組みの一環として、知事がみずから若者に呼びかけるメッセージ映像を若手職員が制作し、ユーチューブで配信するとともに、渋谷のスクランブル交差点や新宿西口広場の大型ビジョン等で放映をしております。
 今後も消費生活情報を必要とする消費者にタイムリーに、かつ確実に届けられるよう工夫を凝らし、さまざまな媒体を活用した情報発信に取り組んでまいります。

○野上委員 若手職員が制作した知事が呼びかけるメッセージ映像も非常に評判でございます。
 高齢者の消費者被害防止のためには、情報提供だけでは不十分であります。見守りネットワークの取り組みが必要と思っております。今年度も新年会に何カ所か出させていただくと、いろいろな方々、警察の方々とか、そうした専門家の方々が来てくださって、十分から二十分ぐらいの講座をしている場面によく出くわしました。
 都では、ネットワークの中で見守りを担う人たちに出前講座を実施しているとお聞きしておりますけれども、この取り組みの経緯や現状について、まず最初にお伺いいたします。

○三木消費生活部長 高齢者見守りネットワークは、区市町村の福祉部門を中心に取り組みが行われている場合が多いため、消費者被害防止の視点が十分に取り入れられているとはいえない状況がございます。
 このため、見守りネットワークに参加している民生委員、児童委員や町会、自治会関係者、介護事業者などに対し、消費者被害防止についての知識を身につけていただけるよう、平成十八年度から出前講座を実施しております。
 出前講座では、消費生活相談員などの専門家が、具体的な悪質商法の手口、消費者被害を発見するためのポイントや、発見したときの対応方法などをわかりやすく伝えております。
 都内の高齢化が急速に進行し、見守りネットワークの重要性が各地域で認識され、講座開催の要望が高まってきていることを踏まえ、平成二十五年度までは年間百五十回であった出前講座の規模を順次拡大いたしまして、二十七年度以降は年間三百回実施をしているところでございます。

○野上委員 消費者被害に遭わないためには、学校における消費者教育において、児童生徒が知識を身につけ、適切な行動ができるようにしていくことが必要であります。
 しかし、学校の教員は多忙で、なかなか取り組むのが困難だという話も聞きますし、また、指導する時間をどこで確保したらいいのかが難しいという声も聞きます。
 学校における消費者教育への支援が重要だと思いますけれども、この取り組みについてお伺いいたします。

○三木消費生活部長 学校における消費者教育を支援するため、東京都消費生活総合センターにおいて、教育庁や私学団体などと連携しながら、消費者教育を担う教員を対象に、消費者教育の実践に役立つよう、夏休み期間に消費者問題教員講座を実施しております。
 また、児童生徒を対象に、ウエブ版の消費者教育教材を作成するとともに、教員がこの教材を使って授業を行う際の参考としてもらうため、指導のポイントをまとめた資料やワークシートを作成し、広く活用を働きかけております。
 さらに、学校での授業の実施を支援するため、消費生活相談などの経験を積んだ専門家である東京都消費者啓発員、コンシューマー・エイドを学校の希望に応じて派遣しております。
 今後も学校における消費者教育への支援を積極的に実施してまいります。

○野上委員 ぜひ、これもさっきのDVと同じなんですけれども、中学校、高校ぐらいで一回ぐらいは消費者教育を受けておくということが大事じゃないのかなと思っております。
 最後に要望なんですけれども、持続可能な消費についてということで、平成二十七年九月に、国連の持続可能な開発サミット、この中で、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダというのが出ました。正式に平成二十八年の一月から発効しております。
 この内容は、詳しくいえばちょっと一時間ぐらいかかるので省略しますけれども、やはり、ぜひこのアジェンダについて、持続可能な開発目標について、しっかりと今後も取り組んでいただきたいことを要望して終わります。
 以上です。

○石川委員 都の広報についてお伺いいたします。
 都の広報の手段が紙媒体から電子媒体に急激に移行しつつあります。これまでの広報は、都民を情報やサービスの受け手と考え、結果をアナウンスする結果報告やお知らせ型広報が主流でございました。
 これに対して、現在求められている広報は、お知らせ型から対話型広報へ、そしてさらに協働型広報へと発展しつつあり、双方向の関係を築き、都民が求めていることを把握する機能を強化する必要が生じております。
 そして、かつては紙媒体が主流でしたが、ラジオからテレビに、そして今はIT機器が主流を占めるようになり、双方向を考えたとき、この流れはさらに加速することとなるかと思います。
 だからといって、紙媒体が消滅をしてしまうわけでもなく、間口はますます広がっていくわけであります。それは媒体の導入年度、それが普及していく速度によって、まさに世代によって媒体の利用の比重が変わっていくわけであります。
 ですから、都の行政、さまざまな局からの行政の情報が私ども都議会議員にも伝達をされるわけでありますけれども、その方法も、資料の手渡しから郵送、電話、ファクス、パソコンなどが並列して行われておりまして、将来、いずれかの時代に統合される可能性はあるわけでありますけれども、現状はそれぞれを活用する状態にあり、メディアリテラシーを高めていく必要がさらに高まっているわけであります。
 そこで、都広報の媒体による認知度の変遷についてお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 平成二十七年度に実施しました広報広聴活動に関する調査では、都政情報の入手経路として、「広報東京都」と回答した人は四四・八%で最多となっております。
 経年変化で見ますと、都政情報を知る上位三つの都の広報媒体は、一位が「広報東京都」、続いて都提供のテレビ番組、それから都のホームページの順となっておりまして、過去十年ほどを見ましても、その順位は変わっておりません。
 このことからも、広報紙は都政情報を得るための重要な手段であり、広報紙の中でも「広報東京都」は基幹的な役割を果たしていると認識しております。

○石川委員 広報媒体のベストスリーは、今ご答弁ございましたけれども、「広報東京都」、テレビ番組、都のホームページの順で、順位に大きな変化はなく、しかも、「広報東京都」が四四・八%ということで、比率としては非常に大きいことがわかったわけでありますけれども、紙媒体の都広報は、現在、新聞折り込みを主として都民に届けられているわけでありますけれども、発行部数がどのように変化をしてきたのか、お伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 「広報東京都」の過去三年間におきます年度当初の発行部数でございますが、二十六年度は四百六万部、二十七年度は三百九十万部、二十八年度は三百七十三万部となっております。
 「広報東京都」は、主に新聞折り込みで配布しますけれども、区市町村の窓口、それから図書館等の公共施設や駅、大学にも配布し、新聞未購読者にも入手しやすいよう取り組んでおります。
 そのほか、視覚障害者の方には点字版、テープ版に加えまして、デジタル録音図書の国際標準規格にのっとったDAISY版のCD-ROMを郵送するなど、多様な都民のニーズに応えるよう努めているところでございます。

○石川委員 都広報も新聞折り込みだけでなくて、さまざまな公共的な機関や場所を活用して配布がされているわけであります。ただ、新聞折り込みが中心であることは間違いないわけであります。
 昨年、多羅尾生活文化局長は、二十年前は九十数%の世帯が新聞をとっていたけれども、今日では六十数%ということで、環境が変わっていると答弁をされておりますけれども、新聞購読数が減少することによって、新聞折り込みを中心として、都広報を都民の皆様にお届けをしているわけで、新聞購読者が減ることで、発行部数も減少してきているわけであります。
 だからといって、紙媒体としての広報をやめてしまうわけにもいかないわけであります。都民全体がIT機器で情報を受け取ることができる時代は来るかと思いますが、まだまだ時間がかかると思います。ですから、紙の広報を自宅に届けるというサービスは継続する必要があるわけであります。
 そこで、都広報を新聞折り込みからポスティングに変えていくことを検討すべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、都の見解をお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 ご指摘のとおり、新聞購読率の減少とともに、「広報東京都」の発行部数も減少しております。
 こうした中、「広報東京都」をより入手しやすくするため、これまでの公共施設などへの配布に加えまして、今年度、新たに献血ルームへの配布を開始したほか、さらに昨年度から開始しました金融機関への配布を今年度は百五十カ所から六百四十六カ所へふやすなど、現在約五千二百カ所に配布先を拡大しております。
 このような膨大な部数を、委員のお話にありました都内全域でポスティングにより戸別配布するには、配布日数や経費などの課題があると認識しているところでございます。
 一方、近年のスマートフォン利用者などの増加に対応するため、昨年度からスマートフォン用アプリによる電子チラシ配信サービスを活用しており、毎月一万件を超えるアクセスがございます。さらに、昨年八月には、ウエブ版「広報東京都」をスマートフォンからも見られるようにリニューアルいたしました。
 今後も都民の利便性に配慮したさまざまな媒体や手法を検討し、着実に都政情報を届けるように取り組んでまいります。

○石川委員 ポスティングを行う事業者には、シルバー人材センターや福祉団体など、公的団体もふえてきております。
 また、基礎自治体の中では新聞折り込みからポスティングに変更しているところもふえてきているわけであります。一日ではなくて、二、三日かけてこれを配布しているわけであります。
 また、マンションなどでポスティングお断りというようなところもあるわけでございますけれども、これは管理組合等と交渉するということで乗り越えてきているわけであります。デリバリーに課題はありますけれども、雇用につながるという面もあるわけであります。費用は若干ふえるかもしれませんが、新聞購読世帯が減り続けることは目に見えておるわけであります。前向きな検討をお願いしておきたいと思います。
 次に、知事と議論をする会についてお伺いいたします。
 昨年十二月、小池知事と語る東京フォーラムが開催をされました。知事が直接都民の皆さんとコミュニケーションを図ることは、都政と都民の双方向の情報交換の場となり、都民の皆様と信頼関係を構築する上で重要なことといえるわけであります。
 この事業の趣旨と、今年度の成果についてお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 小池知事と語る東京フォーラムは、知事が都政の重要課題について直接都民と議論をしその声を聞くとともに、都民に対して都政の方向性を直接発信するものでございます。
 昨年は、十二月二十日に、女性の活躍推進、自分らしく輝ける社会を築くためにをテーマに、都庁の大会議場を会場としまして、家庭と仕事の両立ということから、働く世代が参加しやすいよう夕方に開催するとともに保育サービスも実施いたしました。四百名の募集に対しまして千名を超える方からの参加応募がありまして、当日は知事とコメンテーターや会場の参加者との意見交換が行われました。
 参加者へのアンケートでは、知事自身から直接東京都の取り組みをわかりやすく聞けてよかった、都政が身近に感じたなど八割以上の方から参加してみて非常によかった、また七割以上の方からテーマに対する理解が深まったとの回答があり、好評でございました。

○石川委員 ただいまご答弁がありましたように、こうしたイベントを活用して、都政のさまざまなテーマについて都民の理解を深めていくことが非常に重要だというふうに思っております。
 平成二十九年度の開催予定と実施内容についてお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 平成二十九年度は年二回の実施を予定しており、都民の関心が高く、時宜にかなったテーマを選定するとともに、それに沿った開催場所や時間を設定することで、より多くの都民が参加しやすい形に工夫してまいります。
 開催に当たりましては、「広報東京都」や都庁総合ホームページに加え、ツイッター、フェイスブックなどの多様なメディアを活用した広報により、幅広い層の都民に周知して、参加を促進していきたいと考えております。
 さらに、都政広報テレビ番組での放送やユーチューブ、東京都公式チャンネルなどでの配信によりまして、当日、会場に来られない都民に対しましても、その様子を発信するなど、都の事業を広く、わかりやすく伝えてまいります。

○石川委員 元知事の実績を見ますと、石原知事は平成二十四年度に一回行っただけで、猪瀬知事はゼロ、舛添知事も三回と、ばらばらな状況でもございます。知事の側からの情報発信という意味でも重要でありますし、区市町村の首長、区市町村長さんなどの共同、参加を促すことで、地域の課題を議論する機会にすることもできるわけであります。
 二十九年度は年二回という予定になっておりますけれども、地域的なバランスなども考えながら、ぜひこれは定例的なものに成長させていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、地域の底力再生事業についてお伺いいたします。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災に直面して、地域の力が危機の際に、日常においても豊かな暮らしを享受する上でいかに大切なものであるかが明らかになったわけであります。
 防災の考え方として、自助、共助、公助などというふうにいわれておりますけれども、特に大震災などは、地震が発生した最初の三分は、まず自分自身が自分の身を守るということで、そのための準備も、そして対応もしなければならないわけであります。
 そして、次の三時間は共助、すなわち地域の人たちや隣近所の人たちと力を合わせて、消火活動や人命救助活動が求められるわけであります。消防署や警察署を頼っても、すぐにこの時間では対応できないということになるわけでありまして、力を合わせて対応する準備を、これもやはり日常の中で訓練することや、人間関係を形成することも極めて重要なわけであります。
 阪神・淡路大震災では、関西地区で三万五千人の被災者が生じたというふうにいわれておりますけれども、行政の手による救助活動では間に合わずに、被災者のうちの二万七千人は市民自身の手で救助をされてきたというようなことでもございました。ですから、非常に共助も重要なわけであります。
 そして、それ以降、三時間以降については、公的な力に頼ることができるわけであります。ただし、人が存命できる七十二時間、すなわち三日間が極めて重要だともいわれております。特にこの公助をどう構築していくのかが問われているわけであります。
 今述べましたことは、防災に関することでございますけれども、それ以外には、防犯でも教育でも子育てでも福祉の分野でも、あるいは介護の分野でも、さまざまな分野で、より豊かに地域で暮らしていくためには、地域の持つ地域力を再構築していく、そして、さらにそれを発展させていくことが極めて重要な課題なわけであります。
 都の地域の底力再生事業助成は、町会、自治会が地域の課題を解決するための取り組みを推進し、地域力の向上を図ることを目的に、助成事業を平成十九年度からスタートさせ、助成金額も当初の約四千万円、八十一団体だったものが、一億七千九百万円、五百三十一団体に拡大してきたわけであります。
 地域の底力再生事業のこの十年間の成果と今後の継続性についてお伺いいたします。

○山本都民生活部長 地域の底力再生事業は、事業を開始した平成十九年度から今年度まで、延べ三千九十七団体に助成をしてまいりました。今年度の助成団体のうち、約七割がこれまでに本制度を活用したことのある団体でありまして、本助成制度が地域の活動を支える助成事業として定着してきたものと認識してございます。
 これまで地域のさまざまな交流イベントに活用され、多くの住民の参加が促進されるとともに、多くの地域での防災活動にも活用されまして、住民の防災意識の向上などに役立っているものと考えております。
 また、二〇二〇年に向けた実行プランにおいては、町会、自治会が地域における課題を解決するため、取り組みに対し支援することとしており、来年度は町会、自治会のさらなる発展に寄与するよう、名称を再生事業から発展事業へ変更する予定としております。

○石川委員 区市町村も地域力の構築は重要な課題でございまして、さまざまな取り組みがされているわけであります。
 過疎地域において顕在化している地域コミュニティの活力低下の問題は、今後、都市部も含め全国的に深刻化することが予想されるわけであります。高齢化と人口減少が同時に進むことで、地域コミュニティにおける互助、共助の重要性はますます大きくなっていくものと思われるわけであります。コミュニティ構築の問題は、長期的な課題であると同時に、今から対策をとっていかなければならない喫緊の課題ともいえるわけであります。
 そんなことから、既に区市町村でも地域のきずなの再生や、ワークライフバランスとしての在職中から地域活動への参加を促す企業の取り組みや、リーダーの育成、行政の財政的な支援など、さまざまな取り組みが行われているわけでありますけれども、そこで、区市町村事業とのすみ分けはどのように行われているのか、お伺いいたします。

○山本都民生活部長 市区町村では、地域の実情などに応じ、町会、自治会に対して運営費や広報紙の発行費の支援など、さまざまな事業を実施してございます。
 一方、都においては、防災、防犯、青少年健全育成やオリンピック・パラリンピックの機運醸成の取り組みといった課題に取り組む町会、自治会に対し助成を行うことで、地域社会の自治力を高めながら、共助社会づくりを進めるために、その中核を担う町会、自治会に広域的な立場から支援を行ってございます。

○石川委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの機運醸成活動など、当然、都の直轄事業として進める必要があるというふうに思うわけであります。
 行政によるコミュニティ支援の最前線は、地域の町会や自治会の活動内容を身近に、しかも熟知をしている区市町村といえるわけであります。本事業は拡大をしてきたわけでありますけれども、都のレベルで長期に継続するのは、やはり厳しいものがあるんではないかなというふうに思っているわけであります。
 今後、二〇二〇年までは直轄の必要はあるというふうに思うわけでありますけれども、それ以降は、区市町村事業として区市町村に移管をし、助成について自立化を推進していく方策も検討してはというふうに思うわけでありますけれども、都の考え方を伺います。

○山本都民生活部長 本事業の目的は、地域社会の自治力を高めながら、共助社会づくりを推進するために、その中核を担う町会、自治会を広域的な立場から支援するものでございます。
 したがいまして、今後とも市区町村や町会、自治会の意見を踏まえながら、本事業を適切に実施してまいります。

○石川委員 たまたまですけれども、これ、今月の多摩市の広報が手に入ったんですけれども、その中でも民間の銀行が、信託銀行ですけれども、まちづくりファンドということで、都市環境の改善や美化活動、あるいは自然保護活動、安全・安心まちづくり、環境に優しいまちづくりなどについて助成金を出していく、こんなことも実際には行われているわけで、申請はこの銀行になるわけですけれども、問い合わせは市役所ということになっているわけでありまして、こういったことも、かなりいろんな地域で行われているんではないかなというふうに思います。
 いずれにしましても、都の皆さんが直接やるということは、それだけの事務費もかかるわけでありますので、今後、区市町村とのすみ分けと事業の移管等々については、ぜひ検討していただきたいと思います。
 男女平等社会の実現についてお伺いいたします。
 女性差別撤廃条約は、一九七九年十二月に国連総会において採択をされ、一九八一年九月に発効し、我が国では一九八〇年七月に署名をし、八五年六月に批准をしたわけであります。
 その後、男女雇用機会均等法が一九八五年に成立をし、翌八六年に施行されました。職場における男女の差別を禁止し、募集、採用、昇給、昇進、教育訓練、定年、退職、解雇などの面で、男女とも平等に扱うことを定めた法律なわけであります。
 その後、九七年に一部改正されたわけでありますけれども、事業主に対して雇用者の管理を義務づけるなどということもされているわけであります。
 そして、安倍政権は、二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%にする目標を掲げ、十月十七日に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案を閣議決定したわけであります。
 国連の採択から四十年近くが経過をしたわけであります。この間の経緯を見ると、本当に女性が輝く国になる保証は、なかなかこれはあるというふうには断言できない、なかなか難しいものがあるというふうにいえるわけであります。
 これまで日本では、女性の社会進出とか男女平等といったことが語られるときに、主に男女の能力に違いはないんだから扱いを平等にすべきだという観点からの議論が中心だったわけであります。
 一方、ジェンダー平等の先進国である北欧スウェーデンなどは、むしろ男女の違いを当然のものとして受けとめた上で、だからこそ政治の場を初めとするジェンダーバランス、多様性を確保することが社会にとって重要なんだ、こういうような考え方が主流になってきているわけであります。まさに、ダイバーシティーの考え方が根底になければならないわけであります。
 そこで、大変困難な課題ではあるわけでありますけれども、喫緊の課題であり、女性活躍社会の実現に向けての担当局の決意を最後にお伺いいたしまして、質問を終わります。

○吉村男女平等参画担当部長 都ではこれまで、男女平等参画のための東京都行動計画に基づき、計画的に施策を推進してまいりましたが、男女間の実質的な機会の均等を確保し、男女平等参画社会を実現するためには、女性の活躍推進の観点が重要でございます。
 昨年四月には、女性活躍推進法が全面施行され、社会全体の機運が一層の高まりを見せており、知事もダイバーシティーの実現に向け、女性の活躍推進を重要課題に挙げております。
 今回策定する東京都男女平等参画推進総合計画に基づき、女性の管理的地位への登用促進、就業継続やキャリア形成の支援、起業を目指す女性の後押しなど、実効性ある施策を展開し、女性の活躍に向けて積極的に取り組んでまいります。

○里吉委員 では、私から、まず初めに、都立文化施設の施設のバリアフリー化など、障害者向けサービスについて伺ってまいります。
 これまで都立の文化施設では、改修、改築などのときが多いと思うんですけれども、さまざまな障害のある方々の要望に応えて、障害者向けサービスの拡大を行ってきたと思います。
 この間の主な障害者向けサービスの拡大についてお伺いをいたします。

○越文化施設改革担当部長 都立文化施設では、障害のある方も含め、さまざまな人がストレスなく芸術文化に触れることができる環境を整備しております。
 例えば、ハード面では、昨年九月にリニューアルオープンした東京都写真美術館において、エレベーターを一基増設し、よりスムーズな移動を可能とするなど、改修などにあわせて施設のバリアフリー化を進めております。
 また、ソフト面では、東京都庭園美術館においてウエルカムルームを整備し、旧朝香宮邸である本館平面図等をさわって体験いただけるコーナーを用意するなど、視覚障害者の方にもお楽しみいただいております。
 そのほか、東京芸術劇場では、開演前に視覚障害者向けの舞台説明会を実施したり、聴覚障害者向けに字幕表示を行うポータブル端末の無料貸し出しを行っております。

○里吉委員 障害のある方が、さまざまな障害をお持ちの方が、都立文化施設を楽しめるようなさまざまな工夫がだんだんと確実に進んでいるということがわかりました。
 私も視覚障害者の方から、会場案内や一つ一つの展示物について案内を点字でつくってほしいという要望を出すと、その次の改修のときには必ず応えていただいていると、積極的に取り組んでいただいているという話を伺っております。
 一方で、まだ実は不十分な部分も残されておりまして、先日、東京文化会館に音楽鑑賞に行かれたという都民の方から、今どきスロープもないなんて信じられない、高齢者や障害者は困るのではないか、何とかできないかというお電話をいただいたんですね。これは、前から私もここの改修は難しいということは知っておりましたので、その方には、その旨ご説明はいたしました。しかし、その方は足をけがされていて、つえをついていたのですが、車椅子を貸してくれたので途中までは移動できた、そこまではよかったんだけれども席までは階段が狭くて移動できなかった、連れの方の肩をかりて歩いて席まで行ったということでした。今までは、その方は普通に歩いていたので、けがをして初めてこんなに不便なんだと感じたということでした。
 大ホールにエレベーター、エスカレーターがないということで、改修工事のときにも議論させていただいたんですが、なかなか設置が難しいというお話でした。改めてその経過について伺いたいと思います。

○越文化施設改革担当部長 東京文化会館の大ホールの観客席のアプローチは階段のみとなっており、エレベーター等の設置について、平成二十六年度の改修時に検討を行いました。
 しかし、建物の構造上、エレベーターを設置する場所やお客様の通路の確保の困難性、建築基準法などの法令、法規制の遵守、建物デザインの維持などの課題があり、設置は困難でございました。

○里吉委員 いろいろ検討したけれども、現在の状況では設置が困難だということで、そういった中でも、限られた条件の中で、足の不自由な方にも利用していただくことができないかということで、大ホールでいえば、一階には車椅子席が十四席用意してあって、そこまでは車椅子のままで移動して十分楽しめる、会場の中は階段を使わなければならない場所があるけれども、そこへの移動もいろいろと工夫していただいているというふうに伺っております。現在の取り組みについて伺います。

○越文化施設改革担当部長 東京文化会館では、大ホールに十四席、小ホールに四席、それぞれ車椅子用の座席を設置しており、車椅子の無料貸し出しも行っております。
 さらに、障害のある方などを誘導、補助する館内スタッフを配置し、お手伝いが必要であるかどうかを確認の上、対応が必要な場合には、例えば車椅子使用の方に対しては、席付近まで車椅子に乗っていただいたままご案内するなどの対応をしております。
 今後とも障害のある来館者などに対して、きめ細やかな対応を実施してまいります。

○里吉委員 席付近まで車椅子に乗せたまま運ぶなど、可能な限り対応していただいているということがわかりました。
 私にお電話いただいた方は、ふだんは身体障害の方ではなくて、けがをされていたので、そういう障害者の対応ということについてわからなかったのかもしれませんけれども、そういう方がいたら、館内のスタッフの方がいて極力対応していただくということでしたので、ぜひ丁寧に対応していただきたいと思います。
 あわせて、ここは大変すばらしいクラシックコンサートやオペラやバレエもできる音楽の殿堂として、たくさんの都民の皆様に親しまれているところですので、より障害のある方に優しい施設となるよう、引き続きさまざまなバリアフリー化の研究をしていただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次は、高校生向けの学費負担の軽減について伺います。
 我が党の代表質問でも取り上げましたが、改めて私立高校生向けの学費負担の軽減について伺ってまいります。
 知事は、家庭の経済状況による教育機会の格差解消のために、私立高校生について、年収七百六十万円未満の世帯を対象に、さらなる授業料減免を図ると所信表明などで述べ、そのための予算、約八十億円を二〇一七年度予算に計上いたしました。
 そこでまず、都独自の授業料補助、特別奨学金という呼び方もありますが、この拡充を行う目的を改めて伺います。

○加藤私学部長 都は、学校に対する経常費補助を通じて、教育条件の維持向上等を図るとともに、保護者に対しては、都の特別奨学金や奨学給付金、国の就学支援金等により、教育費の負担の軽減に努めてきておりますが、教育費の公私間格差は依然として大きいままでございます。
 そのため、教育機会の格差を解消し、家庭の経済状況にかかわらず、学校選択の幅を広げられるよう、都の特別奨学金を大幅に拡充するものでございます。

○里吉委員 家庭の経済状況にかかわらず、学校選択の幅を広げられるようというご答弁だったんですが、今回の拡充によって、国の就学支援金と東京都独自の授業料補助と合わせて、年収七百六十万円未満の世帯の高校生の授業料は、実質無償になりました。
 しかし、実際には授業料だけが無償になったのであって、例えば生活保護世帯、年収二百五十万世帯であっても、そういう低所得のご家庭であっても、ほかに平均二十一万円の負担をしなければならないという実態がございます。なぜこういう負担が残っているのか伺います。

○加藤私学部長 平成二十八年度の都の私立高等学校の授業料以外の学校納付金の平均額は、二十一万二千円でございます。
 しかし、都は、こうした授業料以外の教育費に対し、年収約二百五十万円未満の世帯を対象に奨学給付金を支給し、負担の軽減を図っております。

○里吉委員 授業料以外の学校納付金、授業料以外に学校に払わなくちゃいけないお金があるということです。これは私立学校によっていろいろな名目で徴収されています。施設費とか教育充実費、教育環境整備費、いろいろいい方はありますけれども、授業料は無償になっても、実際にはこれら施設費等を平均二十一万二千円負担しなければならないと。
 そして、今のお答えで、授業料以外の教育費については奨学給付金があるというお答えでした。これは国の制度で、都も一部負担していると思うんですが、これ、例えば全日制に通う非課税世帯への給付型奨学金の支給額は幾らでしょうか、お答えください。

○加藤私学部長 平成二十八年度の全日制課程等の非課税世帯に対する奨学給付金の支給額は、第一子が年額六万七千二百円、第二子以降は十三万八千円でございます。

○里吉委員 非課税世帯だと第一子が六万七千二百円、これは、授業料以外の教育費という説明でしたが、文部科学省の高校生等奨学給付金事業の概要には、授業料以外の教育費とは何だということで、教科書類、教材費、学用品、通学用品などと説明されています。
 先ほどの学校納付金二十一万円は、この中には含まれないのではないかというふうに私は思いますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 奨学給付金は、授業料以外の教育費負担の軽減を目的に支給されております。
 私立高校においては、授業料以外の教育費負担として、施設費、教育拡充費、実習費などがございます。

○里吉委員 授業料以外の教育費という枠で囲むと、授業料以外全部入るわけですけれども、この学費支援として奨学給付金があるわけですけれども、これ、都立高校生にも出ているわけですね。実際に施設費などの名目の学費徴収のない都立高校生にも第一子は五万九千五百円の奨学給付金が支給されています。私立高校生との差は七千七百円だけなんですね。
 ですから、この学校納付金二十一万円の定義は、こちらの、国の奨学給付金には含まれないというふうにはっきりといえるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○加藤私学部長 この、国の奨学給付金の算定の内訳については承知してございません。
 しかし、奨学給付金については、施設費を補助対象とすることは認められております。

○里吉委員 補助対象にはなる、お金に色はついていないからというご答弁だと思うんですけれども、教科書代ですとか学用品、教材費、かかります。六万七千二百円で足りるかどうかという話ですよね。足りないかもしれない。その上、二十一万円の施設費、これはとてもこの中では出せないということははっきりさせておきたいと思うんですね。
 それから、先ほどのご答弁の中で、保護者に対しては、特別奨学金等により教育費の負担の軽減に努めてきたが、教育費の公私間格差は大きいままとおっしゃっておりました。ですから、公私間格差を解消するためにも、都立高校生は払う必要がない、しかし私立高校生は払っている平均二十一万円の学校納付金への支援は、ちゃんと別に用意する必要があると思います。
 さらに、来年度からは、都立高校生に対しては、年収三百五十万円未満の生徒には、東京都独自に新たに年額三万円から五万円の給付型の奨学金制度が創設される予定です。ところが、私立高校生の場合、低所得世帯に対しては、今回、新たな拡充がないか、生活保護の場合はないんですね。あっても、ほんのわずかです。これでは家庭の経済状況による教育の機会の格差は解消できません。家庭の経済状況で学校選択が狭められているのではないでしょうか。
 実際に、福祉保健局と首都大学東京が二月三日に発表しました子供の生活実態調査結果の中間のまとめでも、子供の学びに関して、学校選択のところで、公立高校を選んだ理由は、私立高校の授業料等の負担が高かったためが一般層では六一・三%でしたが、困窮層は八五・五%となっています。
 逆に、私立高校を選んだ理由は、一般層では教育の質が高い、教育方針が気に入ったが多いのに対し、困窮層では公立高校の入試に合格しなかったが最も多くなっています。
 そしてどんな理由にせよ、私立高校に入学したら、授業料以外の学校納付金平均二十一万円には何の支援もない、入学金二十五万円に対しても貸付制度しかないというのが東京の現状です。
 そこで、改めて、さらなるこうした低所得家庭向けの支援が必要ではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 都はこれまでも、国の就学支援金や都の特別奨学金により授業料の保護者負担軽減を図っており、生活保護世帯については、都内私立高校の平均授業料額までの支援を行ってまいりました。
 授業料以外の教育費負担については、奨学給付金や育英資金により軽減を図っております。さらに、来年度より、無利子の入学支度金貸付額を現在の二十万円から、都内私立高校入学金の平均額である二十五万円まで引き上げることといたしました。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減に努めてまいります。

○里吉委員 いろいろやっているというご答弁でしたけれども、さらなる低所得世帯向けの支援が必要ないとはいえないと思うんですね。いえなかった。だから必要ないとはご答弁できなかったと思います。
 私は、ある区議会議員の方を通じて、生活保護世帯で私立高校に通っている高校生の方からご連絡をいただきました。この高校生は、現在、お母さん一人、娘一人の母子家庭です。彼女が生まれて二カ月くらいから、母親に対して夫、彼女からするとお父さんの暴力などDVが始まって、貯金を取り崩しながら逃げ回っていたそうです。
 お母さんは難病を患うなど苦労を重ねて、現在は生活保護を受けております。娘さんは、中学校時代は保健室登校で、勉強はできるけれども教室には入れなかったそうです。でも、やっぱり高校には行きたいと、いろいろ見学して、ここなら自分も通えそうだというのが私立の高校で、そこを受験して入学いたしました。
 生活保護ということもあって、保証人を立てられない、保証人の必要のない生活福祉資金、これを借りて、入学金や施設費などに充てました。授業料は免除となっているので、それ以外ですね、お金を借りて充てていると。
 東京の私立高校生の授業料無償化のニュースを聞いて、どのように拡充されるんですか、こういう期待を持って連絡をいただいたのですが、実際には今回、生活保護世帯には新たな拡充は何もないわけです。そのことを私はお伝えしなければならなかったわけですが、大変がっかりしておりました。
 それから、また私、改めてある私立高校の事務の方にも話を聞きました。その学校でも生活保護世帯とか、年収二百五十万未満の世帯の高校生が通っているんですが、どれくらい負担があるのか伺いました。そうすると、この学校は、学校独自の授業料減免制度を持っておりまして、十万円出しているそうです。しかし、入学金はやはり二十五万円、学校納付金はプラス十万円の負担、奨学給付金で教科書や教材費などは出しているけれども、多分足りないんじゃないかというふうにこの方はおっしゃっていました。
 入学金の貸し付けは、在校中三年間の間に返済しなければなりませんから、学校納付金と合わせて少しずつ分割で返すわけです。生活保護世帯や非課税世帯にとっては、これは大きい負担であることは明らかです。
 それで、私、もう一回お伺いしたいんですけれども、改めてこの問題、きちんと考えていただきたいんですけれども、今回、都立高校生向けの給付型奨学金、これ、年収三百五十万円未満が対象です。三万円から五万円。私立高校に通っている高校生の中で、来年度の特別奨学金の対象者の中で、年収三百五十万円未満の方、人数、およそ何人ぐらいと見込んでいるんでしょうか、伺います。

○加藤私学部長 平成二十九年度予算案において、特別奨学金の年収約三百五十万円未満の補助対象人数は、約一万五千六百人と見込んでおります。

○里吉委員 これ、公表されている数字ですから、今まとめて一万五千六百人とお答えいただきましたけれども、生活保護が約六百人、非課税世帯が約八千人、年収三百五十万円未満が約七千人、合わせて一万五千六百人ということだと思います。
 例えば、施設費の平均二十一万円をこの人数で掛けたら三十二億七千六百万円。これがいきなり払えるかどうかという議論はあるかもしれませんが、ここは、まず最初に支援しなければいけないところだというふうに私は思います。
 先ほど、幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減に努めると答弁ありましたけれども、実際には一番困窮しているこういうところのお子さんたち、授業料免除になっても二十一万円は払っている。ここへの支援はどうしても必要だと思うんですね。
 何年か前の委員会でも取り上げましたけれども、私学助成の経常費補助の中の特別補助、私立学校が独自に減免制度を行っている場合に、その一部を補助する授業料減免補助というものがありますが、この制度では授業料以外の学校納付金も対象として拡大しました。そもそも学校教育に必要な経費で、これは授業料として徴収すべきもの、これは施設費として徴収すべきものという明確な区分はないということも私は以前の委員会で確認をいたしました。
 ですから、この二十一万円を授業料の中に含めるということは可能だと思うんですね。ぜひ授業料以外の学校納付金も私立高校生が学校に通うために必要なお金ですから、特別奨学金の補助対象に含めるべきだと思うんです。
 東京都独自の特別奨学金の補助対象になぜ含めないのか。学校納付金を含めて問題ないはずだと思いますが、なぜ含められないのか、その理由を伺いたいと思います。

○加藤私学部長 都は、授業料以外の納付金等についても、経常費補助を通じ、その抑制に努めるとともに、授業料減免補助により、その一部を補助しております。加えて、育英資金や入学支度金貸付を実施しております。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減に努めてまいります。

○里吉委員 入学支度金の金額を五万円上げたということは、実際には、それを使っている方からすると助かるかもしれませんが、借金ですよね。育英資金も返さなくちゃいけないお金です。これは返さなくちゃいけないお金ですので、やはりそういうやり方ではなくて、返さなくてもいい奨学金をつくろうというのが今、流れではないんですか。
 なぜ都独自の授業料補助の対象に学校納付金を含めないのかに対してのお答えはありませんでした。多分、特に理由はいえないんだと思うんですね。お隣の埼玉県でも対象に含めておりますし、先ほど紹介したように、東京都も私学助成の特別補助の中では対象にしたわけですから、対象にできない理由は何もないわけです。
 今回、都立高校生向けの給付型奨学金は、年収三百五十万円未満が対象。私学でも、少なくともここへの施設費など、学校納付金も含めて学費免除とするべきであるということ、ぜひこれをもう一回、しっかり検討していただきたいということを強く求めて、私の質問を終わります。

○小松委員 それでは、東京都男女平等参画推進総合計画についてお伺いいたします。
 東京都男女平等参画推進総合計画は、女性活躍推進計画と東京都配偶者暴力対策基本計画の両計画をあわせて総合計画とすることで策定が進められています。
 このうち、まず、女性活躍推進計画の方について伺います。
 男女平等参画や女性の活躍推進に関する社会の機運は高まってきていますが、日本の女性の活躍は、国際的に見るとまだ十分とはいえません。世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数は、労働力率、管理職に占める男女の比率、国会議員に占める男女の比率等を用いて、男女間の格差を算出したものでありますが、二〇一六年の日本の順位は、百四十四カ国中百十一位、世界の潮流からおくれをとっています。
 東京においても、政治の分野や就労の場における女性の参画は十分ではありません。女性が活躍したくても、いまだにバリアがある状況です。
 今回、計画を策定するに当たって、審議会から出された答申の基本的な考え方を踏まえ、計画では何を重点的に取り組んでいかれるのか、お伺いします。

○吉村男女平等参画担当部長 お話にありましたとおり、日本の女性の活躍はいまだ十分とはいえない状況にございます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を経て、さらに東京が成長を続けていくためには、女性の活躍が必要不可欠でございます。
 今回策定する東京都男女平等参画推進総合計画では、東京都男女平等参画審議会の答申で示された基本的な考え方も踏まえ、男女平等参画社会の実現に向けて四つの重点課題を掲げる予定でございます。
 具体的には、働く場における女性に対する積極的改善措置の促進、働き方の見直しや男性の家庭生活への参加促進等を通じたライフワークバランスの実現、地域社会とのかかわりを通じた働く場にとどまらない活動機会の拡大、男女間のあらゆる暴力の根絶に向けた多様な主体による取り組みでございます。
 都は、この重点課題を中心に、男女平等参画施策を着実に推進してまいります。

○小松委員 就労に関しては、ただいまの答弁でも積極的改善措置という言葉がありました。このポジティブアクションを進めていくことは重要であり、都においては、特に企画、方針、意思決定段階への女性の参画を拡大していくことが重要だと考えます。
 そこで、審議会等への女性の任用促進に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。

○吉村男女平等参画担当部長 男女平等参画社会を実現するためには、あらゆる分野において企画、方針、意思決定段階に女性の参画を拡大していくことが必要でございます。とりわけ、都の政策形成の場である審議会への女性参画は、重要な課題でございます。
 都ではこれまで、各局において、委員改選の時期を捉えて、女性委員の任用率向上を図ってまいりました。また、当局におきましては、民間事業者と協定を結び、事業者が持つ情報をもとにした各局への人材紹介や、委員の推薦を依頼する団体に対し、女性委員の積極的な推薦を依頼するための文書のひな型の配布など、各局の取り組みを支援してまいりました。
 今回の計画におきましても、女性委員の任用率について数値目標を設定する予定でございまして、その実現に向け、各局への働きかけをさらに強化するなど、取り組みを推進してまいります。

○小松委員 女性委員の任用率について数値目標を設定する予定とのことでした。
 計画の実効性を確保するためには、具体的な数値目標を設定し、その達成状況を把握していくことが重要です。これをどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 総合計画を着実に推進し、その実効性を確保するためには、具体的な目標を設定し、達成状況を把握していくことが重要であることから、今回の計画では、二十五の項目について、具体的な数値目標を掲げる予定でございます。
 当局では、毎年度、各局からの報告をもとに、数値目標を含む各事業の進捗状況を年次報告として取りまとめ、ホームページで広く公表してまいります。

○小松委員 具体的な数値目標、二十五の項目について掲げる予定であると伺いました。
 では、次に、東京都配偶者暴力対策基本計画の素案についてお伺いします。
 国の法律においては、二〇一三年の改正で、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律と名称が変わり、生活の本拠をともにする交際相手からの暴力について、法が準用されるようになりました。
 この年の十月に三鷹市内で起きたストーカー殺人事件では、ストーカー加害者が交際していた女性の性的画像をネット上で拡散したことが社会問題となり、同様の行為についての規制を求める声が高まりました。そして、この事件をきっかけに、翌二〇一四年、これを規制する法律、いわゆるリベンジポルノ法が制定されています。
 このような状況の中、策定される今回の計画では、前回と比べてどのような特徴があるのか、お伺いいたします。

○吉村男女平等参画担当部長 この五年間におきまして、配偶者暴力については、同棲相手など生活の本拠をともにする交際相手からの暴力も法の対象となりました。さらに、ストーカー行為や、いわゆるリベンジポルノ等の被害を防止するための法整備も進められております。
 こうした暴力については、例えば暴力が原因で別居した配偶者に対しストーカー行為を行うなど、関連して行われる場合もあり、あわせて対策に取り組むことで、より実効性を高めることが期待できます。
 このため、今回の計画改定に当たっては、ストーカー行為や性暴力、性・暴力表現への対応など、配偶者暴力と近接する課題への対策についても、一つの計画として取りまとめております。

○小松委員 ストーカー行為と配偶者暴力、DVは、根が同じといわれ、あわせて対策がとられることは重要です。そして、早い段階で被害者が相談機関などに助けを求めることが事態をエスカレートさせないための有効な予防策となると考えます。
 都内における配偶者暴力に関する相談件数については、先ほどのご答弁の中で二〇〇三年度から一貫して増加傾向を示している、とりわけ区市町村における相談件数が三倍増となっているとありました。
 そこで、身近な区市町村において、配偶者暴力相談支援センターを整備していくことが鍵となると考えますが、今後都は、どのように取り組みを進めていくのか伺います。

○吉村男女平等参画担当部長 都は、被害者が身近な地域において、相談から生活再建、自立まで一元的な支援を受けられるよう、区市町村における配偶者暴力相談支援センター機能の整備について働きかけを行ってきました。その結果、現在までに十二区で支援センターが整備されました。
 今回改定する計画では、今後の五年間で整備団体数を八ふやし、二十とすることを目標とする予定でございます。その実現のため、区市町村を個別に訪問し、整備の意義を丁寧に説明するとともに、課題や懸案事項に関する助言等を行います。
 あわせて、配偶者暴力に関する情報を盛り込んだメールマガジンの発行や、都内の支援センターが集まる連携会議への参加呼びかけなどを今後とも行ってまいります。

○小松委員 区市町村の支援センターの整備を現在の十二区から二十の自治体にまで広げる目標であるとのことでした。この実現のために、都がみずから汗をかく覚悟で自治体の支援に取り組んでいただきたいと思います。
 区市町村の相談件数、先ほども三倍増といいましたが、増加する中で、相談に対する職員のスキルやノウハウの蓄積も重要です。
 そこで、人材育成の面についてはどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

○吉村男女平等参画担当部長 身近な地域において、被害者が一人一人の状況に応じた適切な支援を受けられるようにするためには、相談のかなめとなる区市町村相談員の人材育成が大変重要でございます。
 都では、東京ウィメンズプラザにおきまして、相談員の養成研修を実施するほか、相談員が少ないなどの理由により、研修に参加しにくい区市町村に対しては、出前講座を実施するなど、区市町村の実情に応じた支援を行っております。
 研修内容については、配偶者暴力に関連する法制度の動きや受講者アンケートの結果などを踏まえて毎年度見直しを行っており、今後とも研修の充実を図ることなどにより、区市町村の人材育成を支援してまいります。

○小松委員 相談員には専門性や力量が求められます。配偶者等に関する暴力問題は、同性パートナーの間でも起きており、LGBTの人からの相談に対応できるような体制を整えておくことも必要です。
 福岡県では、昨年、県がLGBTや男性を対象とする配偶者暴力の相談窓口ホットラインを開設しましたが、その後、福岡県内では、LGBT専門の相談ホットラインを設置する自治体が相次いでいます。東京都でも多様な人たちの多様な暮らしがあり、LGBTや外国人も対象者として視野に入れた取り組みが求められています。
 多様な人たちが安心して相談できるよう、都は区市町村を支援してくださることを要望し、終わります。

○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時五十五分休憩

   午後五時十分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○栗山委員 それでは、消費者の安全・安心の確保についてお伺いいたします。
 都は、東京都消費生活対策審議会に対し、東京都消費生活基本計画及び東京都消費者教育推進計画の改定について諮問をし、平成二十九年二月七日に答申を受けました。
 消費生活の、消費者の安全・安心の確保という項目があります。まずは、都としての消費者の安心・安全の確保について、消費生活行政の観点からどうお考えか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 東京都消費生活基本計画は、消費生活に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために基本となるものであり、安全・安心な消費生活の実現を目指しております。
 安全・安心を確保する取り組みは車の両輪であり、一体として体系的にさまざまな施策を推進することが重要と考えております。

○栗山委員 それでは、そもそも安全と安心の違いというものは、どのような違いだと都はお考えなのかお伺いします。

○三木消費生活部長 消費者基本法において、安全の確保は、商品及び役務についての必要な基準の整備及び確保等、必要な施策を講じるものとするとされており、都は消費生活において、商品やサービスについて、こうした基準を満たしていることで安全が確保されるものと考えております。
 また、安心の確保については、こうした基準があるわけではありませんが、消費者の理解と納得により得られるものであるため、消費生活行政においては、消費者にとって必要な情報が提供されていることや、都民が消費者被害、トラブルに遭った場合には、消費生活相談窓口に相談することで、適切に救済されることにより確保されるものと考えております。

○栗山委員 具体的に、都民の消費生活における安全を確保する施策とは何でしょうか。

○三木消費生活部長 都民の消費生活における安全を確保するための取り組みとして、消費者の身近な商品、サービスの使用、利用から生じる危害、危険について、調査分析を行っております。
 その結果を踏まえ、国、業界団体などに商品、サービスについての必要な基準の整備、商品の改善等を提案、要望しております。また、製品に何らかの欠陥やふぐあいがあり、安全上の問題が生じる可能性があるリコール製品などについて、消費者への情報提供を実施しております。

○栗山委員 それでは、安心についての取り組みは何でしょうか。

○三木消費生活部長 都は、消費者が安心して、みずからが購入、利用する商品、サービスを選択するために必要な情報の提供を行っております。
 また、商品やサービスを提供する事業者が商品等に関する情報を正しく提供するよう、法令に基づく適正な表示の推進を実施しております。
 さらに、都民が不安に思ったり、消費者被害、トラブルに遭った場合には、消費生活相談窓口に相談することで不安を解消したり、適切に救済されるよう取り組みを行っております。

○栗山委員 それでは、食の安心・安全の確保について絞ってお伺いいたします。
 食の安心・安全の確保については、どのようにしていくべきだとお考えか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 食の安全・安心に関しては、食品衛生法などを所管する福祉保健局が担当しております。食に関する不安をお持ちの方から消費生活相談窓口に相談があった際には、例えば食品の安全基準などの科学的データが公表されている場合は、データを提供するとともに、正しいデータの読み方を説明するなど、理解の促進を支援しております。
 また、食品の原産地表示など個別の相談については、その内容を確認した上で、保健所など適切な相談窓口を紹介するなど、連携して対応しております。

○栗山委員 先週、予算特別委員会で我が党は、築地市場と豊洲市場を比較しながら、安心・安全についてさまざまな角度から議論をさせていただきました。築地市場については、現在営業しておりますので、当然、食の安心・安全の確保を消費者に対し伝えていかなければなりません。
 しかし、一方で、我が党が指摘したように、築地市場には、カラスやネズミ被害にかかわる問題、アスベストの問題、老朽化や耐震性不足などさまざまな課題がありますが、消費者に築地の安心・安全の確保をどのように伝えていくのか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 築地市場における安全・安心の確保にかかわる情報について、中央卸売市場を初め、その他関係局が提供した場合には、消費生活総合サイト、東京くらしWEBからも閲覧できるようにすることで、今後、消費者が情報源へアクセスしやすいよう取り組んでまいります。
 また、消費者から相談が寄せられた場合には、適切な窓口につないでまいります。

○栗山委員 小池知事は先週の予算特別委員会で、築地市場の安心について、レガシーといってもいい安心というものは既に確保をされているものとこのように考えております、現に今、きょうも営業していることは、まさしく消費者の安心を証明しているものではないかとこのように思いますと抽象的な答弁をしておりました。
 安心というものは、もっと具体的に消費者に伝えるべきだと思います。消費者行政を預かる生活文化局としては、築地市場の安心を具体的にどのように消費者に伝えていくべきなのか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 築地市場における安全・安心の確保にかかわる情報について、中央卸売市場を初め、その他関係局が提供した場合には、消費生活総合サイト、東京くらしWEBからも閲覧できるようにすることで、今後、消費者が情報源へアクセスしやすいよう取り組んでまいります。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、また、消費者から相談が寄せられた場合には、適切な窓口につないでまいります。

○栗山委員 それでは、豊洲市場についての安心・安全の確保についてお伺いいたします。
 知事は予算特別委員会で、市場の移転問題を解決するためには、科学的な根拠に基づく安全の確保はもちろんでございますが、同時に、消費者の理解と納得による安心を確保することも重要と考えておりますと答弁をしています。
 消費行政の観点から見た消費者の理解と納得による安心はどのようなものなのか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 消費者が行政機関や事業者などから必要とする正確な情報を得て、みずから理解と納得をすることで安心が得られるものと考えております。

○栗山委員 消費者に安心を納得していただくためには、丁寧な説明が必要だと思います。
 しかし、一方で、豊洲市場への移転の先延ばしは、単に政治的な思惑だけで、風評被害を生み、市場の維持費や業者への補填など、ワイズスペンディングとは全く正反対のことではないでしょうか。
 安心と安全は違うと知事は繰り返していますが、何を条件に安心を判断するかについては、具体的に言及をしておりません。消費者行政の観点から見て、豊洲市場に対する消費者の理解と納得による安心を確保するためには何を条件に判断するのか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 消費者の理解を得て、かつ納得していただき安心を確保するためには、豊洲市場における正確な情報が適切に提供されることが重要だと考えております。
 豊洲市場における安全・安心の確保にかかわる情報について、中央卸売市場を初め、その他関係局が提供した場合には、消費生活総合サイト、東京くらしWEBからも閲覧できるようにすることで、今後、消費者が情報源へアクセスしやすいよう取り組んでまいります。
 また、消費者から相談が寄せられた場合には、適切な窓口につないでまいります。

○栗山委員 専門家会議では、法的、科学的な安全性は保たれているという判断がされております。そして、専門家会議で、科学的な安全は言及できるが安心は政治的な判断とも述べられており、本来であれば、法的、科学的な安全性をもって、しっかりと知事が都民に説明をし都民に安心というものを持っていただかねばならないのが、いまだに都民への説明もなく、政局として利用しているだけとしか思えません。
 豊洲市場の安全性を都民の皆様に理解していただくよう努力すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 お静かに願います。

○三木消費生活部長 消費者の理解と納得を得るためには、消費者が行政機関や事業者等から必要とする正確な情報を得ることが必要であり、行政がそうした情報を提供することが重要と考えております。
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 お静かに願います。

○栗山委員 豊洲市場においては、昨日、いわゆる百条委員会で石原元知事も、ハードルが高過ぎたかもしれないといっているように、地上部分で使うことのない地下水に飲用水と同じ環境基準を設けたことによって、多くの都民の方が豊洲市場に対し誤解をしているように思います。市場関係者においても、移転をちゅうちょする要因として、その誤解による風評被害をおそれていることだと思います。
 今後、市場移転に向け、消費者の誤解を解き、風評被害が起こらないよう、正確な情報を消費者に対し伝えていくことが大事だと思いますが、いかがでしょうか。

○三木消費生活部長 消費者が誤解をしたり、そのことで風評被害が起こらないようにするためには、やはり消費者が行政機関等から必要とする正確な情報をとることが必要であり、都がそうした情報を提供することが重要と考えております。

○栗山委員 現在、豊洲市場の安全性は、科学的にも、知事の答弁により確保されていると思います。あとは知事が判断されることだと思いますが、知事が安心宣言することによって都民の安心を提供することができると思うか、お伺いいたします。

○三木消費生活部長 繰り返しの部分があって恐縮でございますけれども、消費者の理解と納得を得るためには、消費者が行政機関や事業者等から必要とする正確な情報を得ることが必要であり、行政がそうした情報を提供することが重要と考えております。
 消費生活行政において関係部署と連携し、都民の理解と納得を得られるよう努めてまいります。

○栗山委員 先ほどから消費者が必要とする正確な情報を得ることが必要であり、行政がそうした情報を提供すべきであるという答弁を繰り返しております。しかし、現在、消費者に対し、豊洲市場の正確な情報が提供されているとはとても思えません。
 知事は、予特の答弁で、安全の基準として、安心な説明、情報の提供が必要だといっておりますが、消費者に対して情報の提供がされていないと思いますが、いかがでしょうか。
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 お静かに願います。

○桃原次長 先ほど来、部長が答弁しておりますけれども、消費者の安全・安心に係ります理解と納得を得るには、消費者が行政機関から必要かつ正確な情報を得られることが重要であると認識してございます。お話の市場の問題につきましても、情報提供につきましても同様というふうに認識をしてございます。
 具体的には今後、市場の移転等に関します情報が中央卸売市場を初めとする関係局から提供された場合については、わかりやすく説明される必要があるというふうに考えてございます。
 消費者行政を所管する生活文化局といたしましても、都政の重要課題であり、かつ都民の皆様から関心の高いこれらの情報提供が適切に行われるよう、関係部署と十分に連携を図りながら取り組んでまいります。

○栗山委員 今ご答弁いただいたように、今、一番都政の課題であり、消費者が関心があるのが豊洲市場の移転の問題だと思います。
 関係所管から提供されれば、先ほどから情報を提供するという答弁がなされておりますが、今こそ、消費者行政をつかさどる生活文化局としては、積極的に情報を収集し、情報を消費者に提供すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○三木消費生活部長 関係部署と十二分に連携をし、正確な情報を提供してまいります。

○栗山委員 今の答弁は、これから、例えば東京くらしWEB等に、積極的に関係所管から豊洲の市場の問題、築地の市場の問題について情報を収集し、情報を提供するということで理解してよろしいでしょうか。

○三木消費生活部長 関係部署と十二分に調整、検討し、必要な情報を提供してまいります。

○栗山委員 今、都民の皆様が一番関心を持っているのが安心についてだと思います。
 ちなみに、情報提供していただくということが大前提で次の質疑といたしますが、三月十八日に日経新聞に、豊洲と築地の市場の安全性を比較した記事が掲載をされておりました。読者にも、どちらがより安全かとよくわかる客観的な記事だと思います。ぜひとも消費者に築地市場と豊洲市場、どちらがより食の安全を確保できるか知ってもらう工夫をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○三木消費生活部長 繰り返しになって恐縮でございますけれども、消費生活行政におきましても関係部署と連携をし、都民の理解と納得を得られるように努めてまいります。

○栗山委員 ぜひ連携して、一日も早く消費者に安心・安全を情報提供していくことが責務だと思いますので、情報提供をお願いしたいと思います。
 豊洲市場の安心・安全を消費者に提供できるのは、設置責任者の知事です。ぜひとも一日も早く豊洲市場の安心・安全を消費者に知事が提供すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○三木消費生活部長 再三繰り返しの答弁で恐縮ございますけれども、消費生活行政におきましても、関係部署と連携をし、都民の理解と納得を得られるように努めてまいります。

○栗山委員 ちょっと今、質問と答弁が違ったんで。安心・安全を消費者に責任を持って知事が提供すべきだと思いますが、いかがでしょうかという質問です。

○桃原次長 お話の、先ほど申し上げましたけれども、市場の移転に関する判断がなされた場合につきましては、わかりやすく、かつ具体的な説明が行われる必要がございまして、生活文化局といたしましても、情報収集いたしまして、消費者の皆様への情報の提供に努めてまいりたいと存じます。

○栗山委員 私が聞いているのは、当然、安心・安全を情報提供するのは生活文化局だと思います。ただ、設置責任者である、まず知事が安心・安全宣言をきちっとして、安心・安全を消費者に提供すべきだと思うんですけど、それについてはいかがでしょうか。

○三木消費生活部長 消費生活行政の担当部長として、先ほど申し上げたような答弁ということでいわさせていただきます。

○栗山委員 いや、全然、今の部長として先ほどの答弁というのは全然わからないんで、具体的に答えていただければと思います。

○三木消費生活部長 中央卸売市場を初め、関係の各局と十分に連携をし、情報提供を消費生活行政としてもしていくということでございます。

○栗山委員 何度やってもかみ合わないかもしれないですけれども、もう一度確認しますけど、知事みずからも自分が安心を提供する責務者だと思って、いっておりますので、知事が安心を責任を持って消費者に、最終的には生活文化局さんが提供するのかもしれませんけど、知事が提供をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○三木消費生活部長 消費生活行政を所管する生活文化局として、必要な情報を提供してまいります。
   〔発言する者あり〕

○栗山委員 安心を責任を持って決定をするといういい方ですかね。(発言する者あり)

○植木委員長 発言中ですから静かにしてください。

○栗山委員 それを消費者に、決定を宣言して伝えるのは知事でしょうか。

○桃原次長 生活文化局といたしましては、市場の問題について直接所管しておりませんけれども、判断がなされた場合は、まず知事から情報提供がなされ、それに基づきまして、私どもも消費者行政を所管する立場として、情報提供の方に携わると、そういうような流れであろうかというふうに考えております。
   〔発言する者あり〕

○栗山委員 今の答弁で、周りの方いろいろおっしゃっていますが、生活文化局としては、知事が判断をして、その判断のもとで消費者に情報を提供するということでよろしいでしょうか。

○桃原次長 先生のお話のとおりでございます。

○栗山委員 ぜひ安全の確保が科学的にも確保されている今、消費者である都民に安心を得られるよう努力するのが知事の今すべき仕事です。むやみに結論を先延ばしにして、維持費や補償費などの莫大な費用がかかり、市場関係者や都民など多くの方に迷惑をかけ続ける事態は早急に解決すべきです。
 知事に一日も早い結論を出し、消費者に安心を得られるよう努力することを要望し、私の質問を終わります。

○鈴木(貫)委員 私の方から何点かかいつまんでご質問をさせていただきたいと思います。
 今定例会の中で、我が党が重点項目として要請をしてまいりました、予算案に組み込んでいただいた特別奨学金の拡充の問題がございました。世帯年収七百六十万円未満の世帯を対象として、都内私立高校の平均授業料まで支援する特別奨学金の拡充、これはもう大きなインパクトを与えていることと私は存じています。
 ただ、これを論ずるに当たって、やはり本当は財政論からアプローチをしなければならないテーマもあるでしょう。しかし、ここではそういうテーマはなじまないわけです。租税弾性値の問題からほぐしていかなければなりませんから、御局ではなじまないですよね。
 それからまた、子育て支援策の社会保障政策上の立場から、投資効果のアプローチからこれもしていかなきゃならないし、時間がかかる内容だと私は思っています。
 ですから、きょうはこの導入論、いわゆる理念論として、これは既に知事からも答弁をいただき、そしてまた、あまねくこれも報道されているということを前提にして伺っておきたいと私は思います。
 ごくごく簡単にかいつまんでご質問いたしますけれども、現在の私立高等学校の初年度納付金の平均額、今回の拡充を前提として、その前までに平均的な所得の世帯は、どの程度の助成金を受けられていたのでしょうか。まず、そのくだりについてお答えをいただきたい。

○加藤私学部長 都内私立高等学校の全日制課程における授業料や入学金、施設費等を含めた平成二十八年度初年度納付金平均額は九十万四千四百四十九円でございます。
 また、四人世帯の平均年収が含まれる年収約五百九十万円以上、約七百六十万円未満の区分に属する世帯に対する平成二十八年度の保護者負担の軽減額は、国の就学支援金が十一万八千八百円、都の特別奨学金が十万七千百円、合わせまして二十二万五千九百円でございます。

○鈴木(貫)委員 そうすると、今ご答弁なされた金額をやると、初年度に必要になる額は四分の一しか助成が受けられていなかったということになるわけですわね。これは私立学校に限ったことではありませんけれども、確かに論議の中で、教育への投資効果はとても高いといわれておりますけれども、これについてはさまざまなアプローチ、先ほど冒頭申し上げたとおり、はっきりと指数化をされた論文等々なかなか出てこないし、また一部出ているのは、柴田悠先生なんかの論文を読んでも、なかなか難しい内容で、我々について、これはどこまでのみ込めるかどうか、甚だ私自身、心もとないんですけれども、そうはいっていられません、確かに、一般論的にいうならば、投資効果の高いものだということは承知の上で論議を進めていきたいと思います。
 ただし、教育費における公費負担の割合が低いということは、我が国の大きな特徴だということは、いわれてきたのはそのとおりだと私は思っています。OECDの加盟諸国と平均をとったとしても、初等から高等教育段階までの教育支出に占める私費負担の割合というものは、いろんなデータを見て分析をしてみますと、我が国が二八%であるのに対して、他の加盟国平均は一六%という低目に抑えられているわけですね。
 こういうことがありますから、今回、都がこういう施策をとってくれたことが、大きな福音となって、特別奨学金の拡充によりまして、各家庭が受けられる助成金は大幅に拡大をしていくことは間違いないと思って、私費負担の割合がOECD加盟平均に近づくため、今回の東京都の施策は、大きな導入の第一歩であると私は思っております。
 であるがゆえに、たしか松野文科大臣も、これが全国的に広がっていくことが大変望ましいとまで発言もせられたということは大変大きな意味を持っていると私は思っています。
 そこで、今回、二つ目なんですけれども、東京都がこういう制度をつくり上げたとすると、東京がやれば全国が云々ということになるわけですね。これは各道府県から問い合わせが恐らく大分入ってきたんではないかと私は類推をいたします。その辺はどうなんでしょうか。

○加藤私学部長 平成二十九年度予算案の知事査定後の一月十七日からこれまで、十七道県から約二十件の問い合わせを受けております。
 問い合わせの内容といたしましては、今回の拡充の考え方や内容などについてでございます。

○鈴木(貫)委員 やっぱり大分、各県も興味津々に見ておられるということが今のご答弁で明らかになったと思います。
 近隣の県、たしか埼玉県、神奈川県も私立高校に通う生徒への支援の拡充を発表されている、これは確かだと思いますね。東京都が先鞭をつけ、それが大きくまた波及効果をもたらすということを、私は今後の道筋をしっかりと見届けてまいりたいと思っています。
 それと、今この中で私が一番興味を持っているのは、子育て支援策、冒頭申し上げたとおり、まだ指数化とかそういうもので、これからこれがいろんな面でどういう波及効果、学者の諸先生方も具体的に研究をしていくと思いますけれども、要するに、この文書を紹介したいと思うんですね。
 いわゆる子育て支援は労働生産性を上げるだろうと、そのとおりだと思います。子育て支援は、子供の貧困、自殺を減らすでしょう、子育て支援は、財政の改善にもつながるでしょうと。こういう三つの柱を学者の方々の一部の中では立てられているということ、これは検証に値するテーマだと私は思っています。
 この中でも、しかし、検証が難しい部分も、指数を出すのは難しい部分もあるということははっきりいっていますから、まだまだ十分に検討ができていないところは少なからずありますといっているから、これからこれを、定着をしていけば、きちっとこれが世に問うて、やってよかったといわれることは確かだと思っています。
 ただし、これをいったのは、高木けい先生も参加されていた私学の大会第五支部のときに私はこういったんです。大阪のある方が提案をして、この支援策だけうんと伸ばして、経常経費をぶった切るようなやり方をしたのでは許さないよと。もしこれをやれば、むしろ旗を立てて、抗議の運動を起こそうとまで、私ははっきり申し上げたんですよ。
 今回、予算案はそういうことありません、これは条件でありました。経常経費、これはきちっと押さえろ、当たり前のことを当たり前にやりなさいと私どもは主張してまいりました。よかったと思います。そんなことをあらかじめ申し上げさせていただきたいと思います。関西のとある府県のようなことは絶対にやってはいけないという、そのことを私は酸っぱくいい続けてきた一人でありましたから、ご紹介しておきたいと思っております。
 そんなことを私はきょうはっきり申し上げて、理念としてこれはもう既に代表質問等々でも質問で、また知事もご答弁なされていますから、これ以上深くは申し上げません。
 そして、私がもう一つ確認をしたいのは、くどいようですけれども、政策論として、どんどんどんどん確認をしていくであろうということを私は願望としていきたいし、持ち続けていきたいと思って、育てていただきたいと申し上げておきたいと思っております。
 そんなことを私は申し上げて、次の質問に入りますけれども、がらっと角度を変えまして、この経常費補助の一項目に、これも今までの水準を確保し、それより若干多かったと思いますけれども、授業料減免補助制度がその中にあると思いますけれども、学校さんが生徒の授業料を減免した場合に、都が学校に対し、その類いの金額の一部を補助する制度がその中に組み込まれています。
 今回、この制度を導入するに当たって確認をしておきたいんですが、一部父母の間から、大丈夫なんでしょうか、この制度はという問い合わせがあるものですから確認をしておきます。
 授業料減免補助がなくなってしまうんではないのかという素朴な疑問を持っておられる方がいますけれども、そういうことはあり得ないですね。お答えいただきたいと思います。

○加藤私学部長 授業料減免補助は、委員から先ほどお話がございましたように、私立学校が生徒等に対し、家計状況または家計状況の急変を理由に、授業料や納付金を減免した場合に、その減免額について、家計状況による場合には三分の二、家計状況の急変の場合には五分の四を学校に対して補助する制度でございます。
 本補助は、生徒の状況に応じた減免制度を設け、家計急変時にも速やかに対応するなど、各学校のきめ細かな取り組みを支援するものでございます。また、特別奨学金等の支給額を超えて保護者負担が生じている場合は、その超過分について本補助の対象としております。
 こうした補助制度でございますため、特別奨学金の拡充により、その意義が変わるものではございません。引き続き実施してまいります。

○鈴木(貫)委員 この疑問を投げかけてきた方々にきちっとお答えをしておきたいと思います。今のご答弁、了といたしたいと存じます。
 それから、最後の質問になりますけれども、まつば議員が質問を再三してまいりましたテーマですよね。貸与型奨学金として育英資金事業を実施しておりますけれども、もちろん借りたものは返す、当たり前のことであります。私も奨学金を借りて大学を出ましたけれども、何十年かかってきちっと返した部類でありますから、返すのは当たり前。
 東京都のやっている違約金の延滞利率が一四・六%、高いですねこれ、誰が見ても。私の使っているみずほ銀行カードローン、一四・〇%が上限、三菱東京UFJ銀行のカード、これがまたマキシマムで一四・六%、いろんな利率のやつがたくさんデータがあるんですけれども、この時代でありますから、やはりこの辺はある程度しんしゃくをしていくべきということで質問をしていたはずですよね。
 そのときの答弁が、引き続き検討していきたいと、こういう答弁だったんですけれども、今、いってみればゼロ金利に近い時代であるし、まだゼロ金利かな。もし間違っていれば訂正いたしますけれども、そういう中にありまして、やはりこれは早急に、私からもお願いをしたいんですけれども、是正をすべきではないのかなと私は思いますね。
 多くの方々も、一四・六%、何だこれはと。東京都は高利貸しをやっているのかと受け取られても片腹痛いテーマである。もちろん、いろんな条例等々の縛りがあることはよくわかっていますけれども、やはり先鞭を切って、このテーマについて取り組んでいただきたいし、善政方をお願いしたいということを質問にしたいと思いますが、どうでしょうか。

○加藤私学部長 育英資金貸付事業においては、返還金が新たな貸付原資となることから、適切に債権回収を行う必要があり、違約金には、返還意識を一層高め、滞納発生の抑止効果があると考えております。
 こうした意義を勘案しつつ、一方で、借り受け者の過度な負担感や社会経済状況の変化、国や他道府県の状況も考慮し、違約金の利率等について検討する必要がございます。
 また、違約金制度については、平成二十七年度包括外部監査において、免除等に関する規定を整備すべきとの指摘がございました。
 それらを踏まえ、現在、違約金の減免に関する基準やその利率等、制度のあり方について検討を進めており、包括外部監査に係る改善措置とあわせて、平成二十九年度中には具体的な方向性をお示しする予定でございます。

○鈴木(貫)委員 ご答弁で今、包括外部監査の諸先生方のご意見も出ていることだし、二十九年度中には具体的な方向性をお示しする予定だといっていますから、なるべく早い時期に、これは早い時期といっても、そうですね、六月末あたりはどうなのかなとかいろいろ私も頭をめぐらせているんですよ。梅雨どきまでにはとか、桜が散った後にすぐ出るとか、いろんな考え方があるでしょうけれども、そこまで詰めることはいたしませんが、今のご答弁、多としたいと私は思っています。
 ぜひ実現方をして、早期に決着をつけて、やはり新しい方途をそれぞれのご家庭に与えて、借りたものは返すのは当たり前ですから、そういう返さない悪質な面は別問題ですよね、しっかりと取り組んでいただきたいことをご要請申し上げて、この質問について閉じさせていただきたいと思っています。終わります。

○宮瀬委員 私からは、まず高齢者の消費者被害についてお伺いいたします。
 私、地元が板橋区でございまして、高島平地域という高齢化した地域に居を構えております。日々いろんなご相談を受けているんですけれども、先日、とある一軒家の方が、住宅地の再開発に伴いまして、さまざまディベロッパーさんと打ち合わせを、高齢者の女性の方でありますが、わからないまま、実はサインをしてしまった書類がある、結果、そのご高齢者の女性のお住まいのおうちが無接道になってしまいまして、築六十年の家で建てかえもできないということで、本当にお困りになっている方、こういった例は極端ではございますが、本当にたくさん接しております。
 その中で、今回、東京都の生活文化局の予算案の概要の中で、都内全域における高齢者見守り支援ネットワーク構築による消費者被害防止ということで、二千八十三万円、予算が計上されておりますが、改めまして、高齢者の消費者被害の特徴と具体的な施策の内容と実績についてお伺いいたします。

○三木消費生活部長 高齢者の消費者被害の特徴についてでございますが、高齢者は在宅している場合が多いことから、訪問販売や電話勧誘販売の際の強引な契約の勧誘のトラブルに関する相談などが多く寄せられております。
 特に東京は、ひとり暮らしや夫婦のみの高齢世帯が多いことから、宅配事業者等と連携した注意喚起リーフレットの配布、高齢者被害防止キャンペーン、さらに、老人クラブなど高齢者の方々が集う場への出前講座などの取り組みを実施しております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。実際、いろいろお話を聞いておりますと、実際に被害には遭ったということをお聞きしますが警察には行っていないとか、また、こういった相談の方には問い合わせをしたことはないですということで、大変、泣き寝入りという表現が正しいかどうかわかりませんが、我慢されている方もたくさんいると思っております。
 そこで、消費者被害に遭っている高齢者が都内でどれぐらいいると都では考えているのかお伺いいたします。

○三木消費生活部長 平成二十六年三月に公表した都内の老人クラブの七十歳以上の会員を対象にした高齢者の消費者被害に関する調査におきましては、悪質商法の被害に遭った経験のある人が五・七%となっております。
 平成二十七年の国勢調査では、都内の七十歳以上の人口が約二百十五万人であり、この意識調査の結果をもとに推計をしてみますと、約十二万人が悪質商法の被害に遭っていると考えることもできると考えております。

○宮瀬委員 今回の高齢者の方々、高齢者の消費者被害に関する調査におきましては、調査自体が六十代、七十代、八十代と十年単位で区切られているということで、七十歳以上の方の被害が十二万人ということでございました。しかし、実際には六十代の方もたくさん被害に遭われていると思っておりまして、事態は深刻だと思っております。
 また、聞いたところによりますと、十二万人のうち、実際には三割しか相談されていないということで、早急の対策が私は必要だと思っております。
 その中で、都が実際に対策といいますか施策として、高齢者を対象とした出前講座、出前寄席の実績と効果について伺います。

○三木消費生活部長 消費生活センターに寄せられる相談の三割が高齢者ということになってございます。
 高齢者を対象として、消費生活相談などの経験を積んだ専門家である東京都消費者啓発員、コンシューマー・エイドが実施する出前講座でございますが、平成二十八年度は十二月末時点で六十四回実施し、受講人数は二千三百二十七人でございます。
 また、消費者啓発のボランティアグループが、落語、漫才、コントで楽しくわかりやすく伝える出前寄席でございますが、平成二十八年度は十二月末時点で二百七回開催、実施をいたしまして、受講人数は一万四千六百五人でございます。
 受講者からは、多くの具体例の説明がありとても参考になったですとか、私は大丈夫というのが一番危ないということがよくわかったなどの声が寄せられておるところでございます。

○宮瀬委員 数字をいただきまして、ありがとうございます。ただ、こういった講座に実際参加される方というのは、外に出歩く大変意識の高いといいますか、元気な方が大変多いと思います。中では、そういったイベント等に行けない方に対してどうやって注意喚起をしていくのかということが大事だと思っております。
 そこで、宅配事業者等と連携した注意喚起のリーフレットの配布を実施していると聞いておりますが、具体的にはどのような内容の事業をどのくらい実施し、また、どのような効果があったのかお伺いいたします。

○三木消費生活部長 この取り組みは、高齢者の消費者被害が深刻であることから、直接高齢者の自宅に伺う機会のある事業者が悪質商法被害に関するリーフレットを高齢者や高齢者を見守る方に声かけをしながら手渡しする事業でございます。
 協力をいただいている事業者でございますが、宅配事業者であるとか生活協同組合、弁当の配達事業者などでございます。
 リーフレットは約十五万部を配布してございまして、高齢者の方からは、これから気をつける、あるいは、身近な事業者が声をかけてくれたことで安心するなどの声が寄せられておるところでございます。

○宮瀬委員 実際に十二万人もの七十代の高齢者の方が被害に遭われている現状がございます。また、七十代以上の方は二百十五万人いらっしゃるということで、このリーチと、リーフレットと訪問といったことも取り組まれていると思っておりますが、実際、なかなか知らないといった方も大変いると思っております。
 注意喚起リーフレットに関しましては、比率でいいますと、都内の高齢者の人数、例えば七十代でございますと二百十五万分の十五万部配布でございますので、わずか七%ということだと思っております。
 事業を見直しながら、高齢者の消費者被害を未然に防止する取り組みをさらに加速すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○三木消費生活部長 都におきましては、注意喚起リーフレットを直接配布するだけでなく、毎年九月に区市町村と連携した高齢者被害防止キャンペーンを実施し、約一万二千枚のポスターを掲出するとともに、区市町村などを通じて二十二万枚のリーフレットを配布しております。
 高齢者に対しては、このほか区市町村における消費者被害防止のための見守りネットワークの取り組み支援や、高齢者本人への消費者被害防止のための出前講座も実施するなど、情報が届くように取り組みを実施しております。
 今後も高齢者の消費者被害を未然に防止するための取り組みを進めてまいります。

○宮瀬委員 ぜひ、よろしくお願いを申し上げます。
 最後のテーマに移りたいと思います。生活文化局の事業の全体での改善についてお伺いいたします。
 私自身、おととし、ことしと計二回、文教委員会に所属してまいりました。民間出身者として、ビジネスマンの観点から、さまざまな事業について、時には厳しい意見をいいながら、事業の効果、目標数値、実績、取り組み等、質疑をさせていただきました。
 平成二十九年度の予算におきまして、二千百十二億円の予算が計上されまして、予算の概要においては、広報の推進の拡充がうたわれておりました。具体的には、広報テレビ番組の見直しといった文言がうたわれているわけでございますが、税金をどう有効活用していくのかということは重要な観点であると無論考えております。
 例えば、全事業のお話に行く前に、都政広報テレビの見直しについて、どのような観点で業務の見直しを図っているのか所見をお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 テレビは、最も身近で高い訴求力を持つ媒体であり、ターゲットに応じて都政情報をわかりやすく発信することが可能だと考えております。
 その一方で、スマートフォンの普及やSNSの利用拡大などにより、情報発信においても多様な媒体の活用が求められております。
 都政広報テレビ番組につきましては、現在、六番組を提供しており、これまでも番組内容の見直しや放送時間帯の変更などにも取り組んでまいりました。
 来年度におきましては、テレビ番組を四番組に集約し、全て放送後にユーチューブ東京都公式チャンネルや、番組ホームページでの視聴を可能とするとともに、新たにインターネットを活用した映像による情報発信の取り組みを進めてまいります。これにより、費用対効果を高めるとともに、より幅広い層に効果的な情報発信が可能となるものと考えております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。実は、この広報の見直しは、二年前の文教委員会の予算の質疑でも取り上げさせていただきまして、見直しが今後進んでいくということで、心強く思っております。
 そういった一つの事例を見ながら、生活文化局におけます平成二十八年九月二十九日、自律改革についてということで、ホームページを見させていただきました。この項目、テレビ媒体の見直し、インターネット動画配信の活用ということも、こちらの自律改革の中の十三テーマの中に入れられておりまして、さまざまな改革項目が並んでおります。
 こういった自律改革のための提案は、若手職員、もしくは現場職員の声といったことから提言されたことだと聞いております。
 生活文化局では、どのような観点から、どのような提案が若手から上がってきたのかお伺いいたします。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 生活文化局では、都民ファーストの都政の実現に向けた改革を推進するため、事務事業や仕事の進め方の見直しを進めること、社会情勢の変化を踏まえ、都民目線で必要性や費用対効果を検証し、事業等の総点検を行うこと、若手の問題意識を吸い上げることといった方針のもと、検討を行いました。
 その結果、若手職員からは、前例や固定観念にとらわれず、さらなる効率化を図るとの観点から、超過勤務の縮減やペーパーレス化の推進など、業務の改善に向けた具体的な提案が上がってまいりました。

○宮瀬委員 ありがとうございます。私も内容を見させていただきまして、私自身、取り組んでまいりましたNPO法人の認可の効率化、広報の見直し、強化、また文化事業の成果の発信、多くの部分で、大変、若手と現場の方々と思いを共有することになっておりまして、大変、私自身、感銘を受けた次第でございます。
 一方で、このホームページの方のパワーポイントの二枚目に、提案された案件は七十一件と書かれております。ということは、七十一の提案を今発表されています十三に絞ったということでございます。その判断基準や理由についてお伺いいたします。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当初、各部署からは七十一件の提案が出されましたが、各部署に共通する優先的に取り組むべき事項、例えば情報公開の徹底や窓口サービスの向上、業務の効率化などの事項に集約するとともに、女性活躍や文化事業など、各部の特徴的な事業について重点的に改革の取り組みを進めることとしたことによりまして、十三項目を局の自律改革事項といたしました。

○宮瀬委員 共通する項目はまとめましたというところでございます。七十一から十三に絞り、五十八件の提案は、ある程度まとめられて十三の中に入っているということでございますが、各部署から出されました七十一の提案のうち、局の自律改革事項となっていないものは、今後どのような扱いになるのかお伺いいたします。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 十三項目以外のものにつきましても、各部署において対応を検討し、実施できるものから速やかに改善に取り組んでいくこととしております。

○宮瀬委員 若手や現場から出てまいりました貴重な意見だと思っております。私、打ち合わせの際に、その七十一項目を拝見させていただきまして、中には余りこういう場ではいえないような大変大胆な改革提言もあって、私自身もびっくりした項目もございますが、中にはウィメンズプラザの若年層への情報発信の見直しといった、さきの委員会でDVの件を取り上げましたが、まさに若手や現場からも同様な意見が出ていたわけでございます。
 そういった状況の中で、七十一件の提案のうち、既に部や課の単位で改善済みのもの、また、改善に向けて取り組み中のもの、検討中のものというのはどうなっているのでしょうか。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 七十一件の提案のうち、現時点で改善を実施済みのものが二十五件、実施中、一部実施済みといった取り組み中のものが二十件、検討中のものが二十六件でございます。

○宮瀬委員 改善済みのものが二十五件、取り組み中のものが二十件、検討中のものが二十六件と、検討中のものという中に大胆な提案が多分多く入っていると思っておりますが、皆さん、局の課長さんが、若手や現場の声を実際にはそういった案を潰さずに、ちゃんと上まで上げて、若手の声ですということを大事にしている姿に、私はいつも追及ばかりの質疑をしていて恐縮なんですが、大変感銘を受けた次第でございます。
 今後も引き続き、若手ですとか、実際に実務を行っております現場の職員の方の声、なかなか上司にはいえないことも、いいづらいこともある中で発言していただいた七十一件の提案だと思いますが、こういった声を今後も大切にしていただき、局の活性化にさらにつなげていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都民ファーストの視点で局事業を展開していく上で、若手職員の柔軟な発想や都民サービスを第一線で担っている現場職員の意見は、大変重要と考えております。
 今回、自律改革に取り組むに当たりましては、各部署に若手や現場のプロジェクトチームを設置するとともに、局に組織横断のチームも設置いたしまして、検討を進めてまいりました。こうした中で、さまざまな改善のアイデアが出され、職員の意識改革が図られるとともに、組織の活性化にもつながったと感じております。
 今後もこうした取り組みを進めまして、職員一丸となって都民サービスの向上に努めてまいります。

○宮瀬委員 ありがとうございました。ぜひ若手や現場の皆さん、この中にもいらっしゃると思いますが、大事にしていくという答弁も出ておりますので、臆することなく、引き続き、現場の声、若手の声を生活文化局の中枢に入れていただき、時には私も、まだ四十歳ではございますが、一緒になって、目的は同じだと思いますので、改革のために尽力していければと思っております。
 以上で質疑を終わります。

○川松委員 まず、私からは、本定例会の一般質問における都民ファーストの会東京都議団のおときた議員の発言について、私の認識と異なる部分がありましたので、本日改めまして、理事者の皆様と私学行政について議論させていただきたいと思います。
 さきの一般質問で議員は、私学助成のあり方について、ご自身の考えを堂々と述べられました。要約しますと、復活予算に盛り込まれてまいりました私学振興助成を取り上げまして、これまでの予算プロセスを不透明なシステムと指摘し、助成を受ける側と特定政治勢力の結びつきという言葉を使われました。
 また、このたび小池知事肝いりとなる政策の一つでございます特別奨学金ですが、今後、この奨学金について、保護者負担を考えて、これを拡充していけば、学校側に助成する必要もなしとし、そのことが結果として選ばれる学校をつくることになり、教育の質が上がるという持論を展開されたわけであります。私は、これは余りにも現実的な政策とはいえないと考えています。
 そもそもこの助成は、学校教育法の第一条に基づくいわゆる一条校であり、私立学校法第三条に規定される学校法人に対して行われています。また、私立学校振興助成法第三条での学校法人の責務を守っているなどのベースがある話なんですね。先ほどの特定の政治勢力が何を指すのか全くわかりませんが、この件は法的根拠があり、誰かの独断で決めてきた制度ではないということをまず最初に述べておきます。
 都内の高校生、およそ六割が私立に進学しています。ここには公立高校に進学したくてもかなわずに私立に通学されているというケースもあるわけで、そういうことを考えると、私学というのは必要なんです。こうした私学に通う生徒側の負担を軽減し、先ほどから出ています公私間格差を是正するために経常費などの学校に対する私学助成を行ってきたわけであります。
 それがさらに、それを補完するために都独自の特別奨学金や、国の就学支援金などの保護者負担軽減助成が行われてきたという大前提が、どうも今の世の中に伝わっていないのかなというふうに私は考えているわけです。
 そこで、先ほども出ていましたけれども、改めてここで聞かせていただきますが、都の特別奨学金を今回拡充したその理由についてお伺いいたします。

○加藤私学部長 都は、学校に対する経常費補助を通じて、教育条件の維持向上等を図るとともに、保護者に対しては、都の特別奨学金や奨学給付金、国の就学支援金等により、教育費の負担の軽減に努めてきておりますが、教育費の公私間格差は依然として大きいままでございます。
 そのため、教育機会の格差を解消し、家庭の経済状況にかかわらず、学校選択の幅を広げられるよう、都の特別奨学金を大幅に拡充するものでございます。

○川松委員 ありがとうございます。そういう答えだと思います。
 私は、この拡充について大きく評価します。ただし、その方法には甚だ疑問が残るわけです。これまでは所得に応じた支援によって、しっかりと支援が必要な方々の負担軽減を図ってきたわけですが、今回の拡充によって、一定の所得での線引きで手厚く助成される世帯と、全く助成がない世代に分かれてしまうという事態を生むことになりました。
 十分にその認識は皆さんにあろうかと思いますけれども、今回の拡充で、実質無償化の上限を年収およそ七百六十万円未満の世帯とした理由、これについて聞かせてください。

○加藤私学部長 今回の拡充は、私立高校が公教育に果たす役割を踏まえ、できるだけ多くの世帯の保護者の経済的負担を軽減することを目的といたしました。
 具体的には、現行制度における支給対象の所得区分のうち、平成二十七年の都の四人世帯の平均年収である約六百六十万円が含まれるのは、約五百九十万円以上約七百六十万円未満の区分であるため、今回の拡充対象をこの所得区分までとしたものでございます。

○川松委員 これは当初、さまざま話が漏れ伝わってきたときには、年収上限もさらに上だった数字がひとり歩きしておりましたので、出てくるまではとても懸念がありました。
 保護者の負担を軽減するには、経常費の拡充や、かつて民主党政権が実施したような授業料無償化などさまざまな方法があるわけです。
 その中で今回、保護者負担軽減を特に特別奨学金の拡充で実施した、これについての理由を教えてください。

○加藤私学部長 各家庭の経済状況にかかわらず、誰もが個性と能力に応じて希望する教育を受けられる支援の仕組みを整えることが重要でございます。
 今回は、東京の未来を担う人に焦点を当て、保護者への支援である特別奨学金を拡充するものでございます。

○川松委員 ありがとうございます。その未来に対しての責任を我々はここから負っていくということを認識しなければなりません。
 このような今回の制度は、今答弁にあった趣旨で拡充されたということになると、一度拡充したものを縮小するというのは、かなり難しくなりますよ。それは今答弁にあったように、人に焦点を当てる、つまり生徒の視点で考えると、当然の理論じゃないでしょうか。それもわかった上で今回決断に踏み切った理事者の皆さんには、これ、そもそも、しっかりと、あるとき突然この拡充が縮小されましたというふうになると、それぞれ将来を考えている中学生に対して大きな影響が出ますから、思っている以上の責任を持ってこの制度に取り組んでいただきたいと思います。
 そもそも、さきの本会議でも指摘されました経常費補助という点でもお話を伺いたいと考えますが、まず、この私立学校における経常費補助の目的を教えてください。

○加藤私学部長 私立学校に対する基幹的補助である私立学校経常費補助は、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減及び学校経営の健全化を目的としております。

○川松委員 つまり、経常費補助というのは、授業料の抑制と密接に連動していることになるんです。これは、保護者負担軽減の対象外の家庭がおよそ七〇%あるわけですが、この七〇%の皆さんに恩恵があるのが経常費補助なわけです。そして、重要なのは、補助金が入っているからこそ、都は監査等により、各学校を監督できるということです。つまりは、そのことで生徒たちの教育環境を守っていくことができるということになるわけです。
 これ恐らく、今後の私学振興助成の観点から重要なテーマになるだろうと思いますので、きょうは皆さんの前で強調させていただきます。
 では、そのとても大切な経常費補助の算定方法について触れておきます。どうやって算定されていますか。

○加藤私学部長 私立高校の経常費補助は、原則として毎年度、都立高校の決算値をもとに標準的な運営費を算出した上、二分の一の補助率を乗じて算定しております。

○川松委員 ここも私立学校への助成廃止論者にはよく知っておいていただきたいんですけれども、公立の半分しか公費は投入されないんです。しかも、二分の一補助のもととなる都立高校の決算値が、私学との比較で適正ではないんじゃないかと私は思うんですね。この背景には、所管が教育庁と生活文化局で分かれているということも、実態の把握にちょっとずれがあるんじゃないかなということを危惧しているということを指摘しておきます。
 ある意味において、あくまで今いったように公立高校の決算値ですから、実態からすると、私学の観点から見詰めると、これ、金額が低過ぎるという声を私はいろんなところで聞きます。
 つまり、その低い中で毎日学校を運営していく、先生たちは生徒を指導していく、そして生徒は成長していく、この特色ある私学の教育というのは、経営努力と、あるいは保護者の負担などにより実現しているということを廃止論者はわかっていないんじゃないかと思うんですね。
 それほど私学の現場では、この制度、大切だなと思うわけですが、そこで伺います。高校の収入に占めるこの補助金の割合はどれくらいで、それ以外の収入はいかほどかお伺いします。

○加藤私学部長 平成二十七年度におけます私立高校の収入に占める補助金の割合は、平均で三六・三%であり、その約九割が経常費補助でございます。
 また、補助金以外の収入としては、生徒等納付金が五四・一%、寄附金が二・七%、その他六・九%でございます。

○川松委員 今の話をベースに考えれば、もし仮にこの補助を打ち切ると、あるいは減らすとなると、今五四・一%と答弁のあった生徒等納付金の割合は、確実に上がります。つまり、私立学校の授業料が上がることになるわけです。保護者負担軽減の対象外の家庭、先ほども示しました、全体のおよそ七〇%は、必ず、間違いなく授業料値上げとなるということを私は指摘しておきます。
 すると、ここがポイントになるんですが、この状態で学校運営を維持していくならば、全所得者層に保護者負担軽減補助を行うのか、もしくは授業料の大幅値上げ、つまり負担増の理解を学校側が皆さんに確認していくか、これ、どちらかになるはずですよね。皆さん方が全額補助するのか、学校側が、あなたたち、あしたから倍になりますよとなるのかわかりませんけれども、大幅な値上げをいう。これ、どちらも非現実的な政策ではないかと思いますので、これ、誰でもわかる話だと思います。
 さて、ここで、今、収入の話を伺いました。今度は高校の支出の割合をお伺いしたいと思いますが、高校の支出はいかがでしょうか。

○加藤私学部長 平成二十七年度の私立高校の支出に占める各経費の割合でございますが、それぞれ平均で、人件費が六六・四%、教育設備や教材などに係る教育研究経費が二六・三%、管理経費が六%、借入金等利息が〇・三%、その他〇・九%でございます。

○川松委員 人件費が六六・四%なんです。経常費を減らせば何に影響が出るかということを、私は今の答弁から知りたかったわけですが、人件費と教育研究費にそれがはね返ってくるだろうということになります。
 つまり、この補助金を打ち切ったとするならば、教育の質は間違いなく下がるということになります。本会議で述べられた教育の質が上がるという考え方は、私は違うんじゃないかと思います。
 経常費補助を削減し、保護者負担軽減に切りかえられるとどうなるか。生徒を多く集められる学校は有利になります。しかし、小規模ながら建学の精神をモットーに個性ある教育を行う小規模校は淘汰されるか、あるいは高い学費になるかです。または、生徒確保のために大学の系列化になるなどして生き残りをかけていきますから、生徒の選択の幅は、結果として今より狭まるのではないかという私の考えを述べておきます。
 また、本会議での知事答弁、あるいは予算特別委員会での次長の答弁におきまして、現在は除外となっています通信制の高校生に対しても、特別奨学金の拡充を今後前向きに検討していくというお話がありましたので、この点についても一言意見を述べておきます。
 生徒の視点に立って考えるならば、私も以前から、通信制の生徒が除外されていることは、教育の機会の均等という考えには反していると思っておりました。それは皆さん方にも述べてまいりました。私自身、全国の高校へ行ったり、さまざまな生徒と会う機会がかなりあります。
 そこで、通信制高校の関係者ともよく意見交換をしているわけですが、例えば全日制高校と併設の通信制高校のところもあります。こういう学校は、入り口も違う、中は我々には見えないんですけれども、見えない壁があるというふうな話を聞きます。例え話でいくと、郵便局内がゆうちょとかんぽと郵便で中が見えない壁があるのと一緒のような、通信制と全日制の並立という学校があるそうです。
 一方で、通信制のスクーリングだけしかない校舎の学校もあるんです。これ、またさらにわかりづらいのは、東京都の認可校に加えて、他道府県認可校によるサポート校というのも都内に存在しているんです。さらに、経常費補助を受けず、つまり先ほどいいました監査を受けていない学校もあるわけですね。
 これ、私としては、通信制に対してのサポート導入というのは大賛成でありますけれども、十分な校内の実態、あるいは経営状況、経営方針がわからぬままに、このたび一歩踏み込んだことを心配しておりますので、今後進めるときには慎重に対応していただきたいと思います。
 そして、先ほども鈴木貫太郎先生から少しお話がありましたが、私が気になるのは、東京都の上山信一顧問の考え方と私学行政に対する影響力です。顧問の大阪における学校改革レポートには、それまでの私学補助は、学校間で生徒一人当たりの単価に大きな配分格差が生じたことから、パーヘッドの原則、つまり生徒単価を均等にする原則を導入したことをご自身が高く評価されております。今後、こういう制度を導入しようとしているのか大切な点だと思いますので、皆さん、しっかりと中では議論していただきたいと思います。
 私立学校の話に加えて、大阪のことで、森友学園の話を聞かせていただきたいと思います。
 大阪府は、平成二十四年四月に、私立小学校の設置認可等に関する審査基準を緩和いたしました。一方、府の審査体制は見直されず、認可に当たって必要な事項の確認、検討が不十分だったわけです。
 その中で、平成二十七年一月の私立学校審議会で、条件つきとはいえ認可適当の答申がなされ、校舎建設や生徒募集が行われることになりました。その結果です。入学前まで一カ月を切った時点で、入学を予定していた生徒、保護者が新たな入学先を探さなくてはならない状況に陥っているんです。
 これ、四月になったらランドセルをしょって行こうと思っていた生徒の皆さん、あるいは保護者の皆さん、そのことを考えると大変かわいそうな話であって、二度とこういう事態、これは大阪とか東京に限らず、どこにいても起きてはならない事態なわけです。
 ですので、まずここで確認させていただきますが、東京都はどのような手続で私立小学校の設置認可を行っているのかお伺いいたします。

○加藤私学部長 都におきましては、私立小学校を新規に設置する場合の認可は二段階で審査しております。
 まず、計画段階で設置基準を満たすことを審査した上で、計画の適否についての私立学校審議会の答申を受け、計画を承認いたします。この計画承認後、申請者は校舎建設に着手することとなります。
 次に、校舎完成後に改めて設置基準を満たすことを審査した上で、認可の適否についての私立学校審議会の答申を受け、認可することとしております。
 小学校の設置認可は開校前年度の九月までに行い、その後に生徒募集の開始を認めております。

○川松委員 ありがとうございます。ということは、二段階で十分に審査を行った上で認可しているということですから、今回のような事態は考えにくいということですよね。
 東京都では平成十八年の小学校が今のところ最後だと伺っておりますけれども、今後ともきっちりと審査していただきますように要望をしておきます。
 さて私は、現在の市場移転問題は、世の中に科学的、法律的に基づいた情報が伝わっていなかったことで、由来不明の不安な情報に多くの方が惑わされていると思って、先週の教育庁には、メディアリテラシー教育はどうなっているんだという質問をさせていただいたところであります。
 さて、この市場関連事業についても、もっと私は東京都の広報には頑張っていただきたかったし、今後も頑張っていただきたいという要望をしておきます。
 じゃあ、これまでどのような形で市場をPRされてきたのか、広報広聴部長にお伺いいたします。

○樋渡広報広聴部長 生活文化局におけます市場関連事業の広報についてでございますけれども、まず、都庁総合ホームページにおきまして、トップページに中央卸売市場のバナーを常時掲載し、都民が市場関連の情報へアクセスしやすくしております。
 また、市場問題プロジェクトチームの会議や豊洲市場におけます土壌汚染対策等に関する専門家会議が開催される際には、そのライブ中継が実施されているページへのリンクをトップページの上部に掲載しております。
 これらに加えまして、平成二十八年度におきましては、「広報東京都」では八件の告知記事の掲載、それから東京都提供テレビ、ラジオ番組では十三件の告知、あわせてツイッターなどSNS等も活用しております。また、ユーチューブ東京都公式チャンネルに豊洲市場施設竣工映像を掲載するなど、中央卸売市場の情報発信を積極的に支援しております。
 今後も都民へ市場関連情報が着実に届くように取り組んでまいります。

○川松委員 ありがとうございます。豊洲市場施設竣工映像を東京都公式チャンネルに掲載されていた、ほとんどの方には知られていないわけです。そこもやっぱり、私は事務事業質疑でもいいましたけれども、それこそ知事の発信力と一緒になって、これ、もっと都の情報を出していけば、あの施設を多くの人に見てもらったら、安全-- 安心までいくかわかりませんけれども、さまざまな理解を得られたのかなと、今、答弁を聞いて思い至ったところであります。
 さて、本題に入りますが、ずっとこれ、予算特別委員会からも話になっていますけれども、豊洲市場の危険性については、すぐに公表されました、しかし一方、豊洲市場の安全性については公表に時間を要したということは、さまざまな議論を通して明らかになっております。
 では、東京都の情報公開の基準というのはどうなっているのか。情報公開のスピード感について規定をされているのかお伺いいたします。

○濱田都政情報担当部長 東京都情報公開条例では、その第三十四条におきまして、都政に関する正確でわかりやすい情報を都民が迅速かつ容易に得られるよう、情報公開の総合的な推進に努めるものとすると定められております。

○川松委員 ありがとうございます。その条例がもとにあるわけですね。
 一方で、ノリ弁だとかブラックボックスという言葉を、特に去年の夏以降頻繁に我々は耳にしているわけですが、市場について情報公開を進めていくのは、執行機関の役割ではないでしょうか。小池知事のいう情報公開の意味を改めてお伺いしたいと思います。
 そして、知事になってから、この情報公開について具体的な制度改正があったのか、重ねてお伺いいたします。

○濱田都政情報担当部長 知事は、情報公開は政策の一丁目一番地であるとしておりまして、都政改革を進め、都民の信頼回復を図るための一番のツールは情報公開の徹底であるとしております。
 昨年九月に開催されました都政改革本部におきまして、これまでの都の情報公開の姿勢を大幅に転換すること、また、原則開示を徹底し、非開示部分を最小限にすることが方針として示されました。
 これを受けまして、公文書開示につきましては、条例に定める原則公開の基本的考え方に基づきまして、非開示情報の厳格な適用を図るとともに、行政情報の積極的な公表による情報公開のさらなる推進について、改めて各局に対して周知徹底したところでございます。
 なお、現在、情報公開・個人情報保護審議会におきまして、情報公開制度の見直しにつきましてご審議いただいており、明後日の二十四日には答申を頂戴する予定となっております。

○川松委員 これ、今の話を私なりに理解すると、知事は就任してから常に情報公開というお話をされていましたが、こういう件に関してレギュレーション、例えばスピード感を持ってとか、出しなさいよという知事通達はなかったということですね。お答えづらいのかもしれませんが、なかった。これも私は理解できないわけですよ。
 そこで、じゃあ、上山顧問から徹底した情報公開を行うよう指示があったといいますけれども、具体的にどんな指示があったんですか。

○樋渡広報広聴部長 上山顧問もメンバーとなっております都政改革本部情報公開調査チームにおきまして、知事から徹底した情報公開について指示を受けて取り組んできております。
 具体的には、情報公開、広報広聴について現状分析を行った上で、公文書の原則開示の徹底、都民へ提供する都政情報の内容と量の拡大、都民の声の公表の拡大などの取り組みを進めているところでございます。
 実施に当たりましては、各局がみずから積極的に取り組むこととしており、生活文化局としましても、各局と連携しながら進めているところでございます。

○川松委員 都政改革本部は去年の秋に立ち上がって、そして知事は、さまざまなところで情報公開といってきたわけであります。
 先ほどあったように、情報公開制度の改正を現在、準備を含めて審議会でも考えていらっしゃるというのはわかりましたけれども、きっちりとした指示が小池知事から出ていなかったというのは、私は驚きました。
 この情報公開、政局に使わなければすばらしいことだと私は思います。なぜかというと、先ほどの原則公開というレギュレーションによりますと、例えば今のような市場の案件というのが注目されている、豊洲市場の件でも築地市場の件でも、これ、同一案件で、私も知りたい、私も知りたいといって、何十、何百といって情報公開請求が出てきたら、現場は仕事になりません。それだったら、原則公開ですぐに発表しちゃえば、現場のそういった無駄な仕事を排除することになるんです。
 だからこそ、私は、この場では皆さん方には各局の現場の皆さんを守るためにも、大変だと思いますけれども、いま一度、各局に情報公開の考え方の伝達を徹底していただきたいと強く要望させていただきます。
 これ、最後になりますが、本日、私は、大きく私学と、そして情報公開と二つのテーマを議論したわけですが、この予算審議に当たりまして、さらに未来を見据えた場合、どうしても都政改革本部、特に文教委員会所管分については、上山顧問の話を聞かなければ、ワイズスペンディングの観点から十分に納得できません。
 ぜひ委員長におかれましては、理事会において、上山顧問の招致を議論していただくようお願いをいたしまして、質問を終わります。

○植木委員長 理事会で検討させていただきます。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分に対する質疑は、本日のところはこれをもって終了し、また報告事項、東京都男女平等参画審議会答申を踏まえた計画素案について外一件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十分散会

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