委員長 | 植木こうじ君 |
副委員長 | 栗山よしじ君 |
副委員長 | 里吉 ゆみ君 |
理事 | 川松真一朗君 |
理事 | 野上 純子君 |
理事 | 小宮あんり君 |
宮瀬 英治君 | |
小松 久子君 | |
きたしろ勝彦君 | |
今村 るか君 | |
鈴木貫太郎君 | |
古賀 俊昭君 | |
高木 けい君 |
欠席委員 一名
出席説明員生活文化局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
次長 | 桃原慎一郎君 | |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 武市 玲子君 | |
広報広聴部長 | 樋渡 幸生君 | |
都民生活部長 | 山本 明君 | |
消費生活部長 | 三木 暁朗君 | |
私学部長 | 加藤 仁君 | |
文化振興部長 | 鳥田 浩平君 | |
都政情報担当部長 | 濱田 良廣君 | |
男女平等参画担当部長 | 吉村 幸子君 | |
文化総合調整担当部長 | 堀越弥栄子君 | |
文化施設改革担当部長 | 越 秀幸君 | |
オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 塩見 清仁君 |
次長理事兼務 | 岡崎 義隆君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
技監 | 三浦 隆君 | |
技監 | 小野 恭一君 | |
理事 | 小山 哲司君 | |
総務部長 | 鈴木 勝君 | |
調整担当部長 | 雲田 孝司君 | |
総合調整部長 | 児玉英一郎君 | |
連絡調整担当部長 | 岡安 雅人君 | |
連携推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
自治体調整担当部長 | 井上 卓君 | |
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 | 戸谷 泰之君 | |
運営担当部長 | 田中 彰君 | |
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 | 萱場 明子君 | |
大会施設部長 | 根本 浩志君 | |
競技・渉外担当部長 | 小野 由紀君 | |
開設準備担当部長 | 鈴木 一幸君 | |
施設担当部長 | 花井 徹夫君 | |
施設整備担当部長 | 小野 幹雄君 | |
輸送担当部長選手村担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
スポーツ施設担当部長 | 田中 慎一君 | |
スポーツ推進部長 | 小室 明子君 | |
スポーツ計画担当部長 | 川瀬 航司君 | |
ラグビーワールドカップ準備担当部長 国際大会準備担当部長兼務 | 土屋 太郎君 |
本日の会議に付した事件
生活文化局関係
事務事業について(質疑)
オリンピック・パラリンピック準備局関係
事務事業について(質疑)
○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及びオリンピック・パラリンピック準備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより生活文化局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
この際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十月二十日の当委員会におきまして要求のありました資料について、ご説明申し上げます。
お手元に配布いたしました平成二十八年文教委員会要求資料をごらんいただきたいと思います。
表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のありました資料は五件でございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、平和の日関連事業の予算の推移でございます。
平和の日関連事業につきまして、事業別に平成二十四年度から平成二十八年度までの予算額の推移を記載しております。
二ページをお開き願います。2、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
表の左側に記載の区分ごとに、平成二十四年度から平成二十七年度までの予算額及び決算額の推移並びに平成二十八年度の予算額を記載しております。
なお、備考欄には当該事業区分に係る主な事業をそれぞれ記載しております。
三ページをお開き願います。3、都立文化施設等に係る予算及び決算の推移でございます。
表の左側に記載の施設ごとに、平成二十四年度から平成二十七年度までの予算額及び決算額の推移並びに平成二十八年度の予算額を記載しております。
四ページをお開き願います。4、都立文化施設等の職種別職員数の推移でございます。
表の左側に記載の施設ごとに、平成二十四年度から平成二十八年度までのそれぞれ四月一日時点における常勤職員数につきまして、雇用形態別及び職種別に区分して記載しております。
五ページをお開き願います。5、アーツカウンシル東京及びヘブンアーティスト事業の内容と予算及び決算の推移でございます。
(1)、アーツカウンシル東京が実施している事業につきまして、表の左側に記載した主要事業の区分ごとに、平成二十四年度から平成二十七年度までの予算額及び決算額をそれぞれ上段及び下段に、平成二十八年度は予算額を上段に記載しております。
六ページをお開き願います。(2)、ヘブンアーティスト事業につきまして、平成二十四年度から平成二十七年度までの予算額及び決算額をそれぞれ上段及び下段に、平成二十八年度は予算額を上段に記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○植木委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○きたしろ委員 きょうは、私は私立幼稚園における特別支援教育について質問いたしますけれども、その前に、まず、私学振興に対する基本的考え方について確認をしたいと思います。
東京の私立学校は、建学の精神と独自の教育理念に基づく子供たちの個性に応じた教育を展開しています。高等学校の生徒の約六割、幼稚園に至っては園児の九割以上が私立に通園しており、東京の公教育に果たす私立の役割は極めて大きくなっています。
こうしたことから、都議会自民党は、学校運営に対する経常費補助の充実に力を尽くすとともに、保護者負担の軽減や全国でも類を見ない五分の四という高い補助率の校舎の耐震化補助など、現場の声を聞きながら、私学振興に幅広くきめ細かく取り組んできたところです。今後、社会に大きく羽ばたき、日本の次代を担う若者を育てていくためには、先進的な教育に取り組む私立学校の振興に、より一層力を尽くすべきであると考えております。
そこで、本委員会での初めての質疑に当たり、極めて重要な私学振興に対する局長の思いをまずお伺いいたしたいと思います。
○中嶋生活文化局長 東京の私立学校は、地域に根差した幼児教育に情熱を注ぐ幼稚園、あるいは質実剛健を掲げる男子校、女子教育の草分けとなる多くの女子校、また、多彩な学習活動によりさまざまな経験ができる共学校など、各学校において特色がございます。
委員ご指摘のとおり、各学校はそれぞれの建学の精神に基づき、長い歴史と伝統に培われた独自の校風や教育理念を通じて、私学の強みである中高一貫などの特色ある多彩な教育を実践し、東京の未来を支える多様な人材を育成してまいりました。少子化やグローバル化の進展など、社会経済状況の大きな変化の中でも、東京のみならず、日本がさらなる成長を遂げていくためには、次代を担う若者の育成が不可欠であり、その育成を担う私立学校の振興は、都政の最重要課題の一つであると認識しております。
東京の私立学校の人材育成に対する質の高い取り組みを支えるため、これまでも都は、学校に対する基幹的補助であります経常費補助を初め、保護者の教育費負担の軽減や学校の施設整備のための補助など、幅広い施策を総合的に展開し、その充実に努めてまいりました。
引き続き、東京の将来を見据え、公教育に重要な役割を果たす東京の私立学校の振興に全力で取り組んでまいります。
○きたしろ委員 安心をいたしました。局長が私と同じ思いであることが確認できて、本当に心強いと思っております。その認識に基づいて、引き続きしっかりと私学振興に取り組んでいただきたいと思います。
それでは、私立幼稚園における特別支援教育に関する質問に移ります。
障害を持つ子供、特に障害に気づかれにくい発達障害については、幼児期における早期発見、早期支援が重要であるといわれております。
しかし、実際にこうした幼児を受け入れる幼稚園では、障害の程度等を踏まえたカリキュラムの工夫や、子供の発達に不安な思いを抱える保護者への精神的な援助など、各園においてきめ細やかな対応が求められると聞いております。私立幼稚園が必要な教育環境を維持し、障害のある幼児を受け入れるためには、私学助成による支援が重要だと考えます。
そこで、まず、障害のある幼児の受け入れに対する私立幼稚園への支援策についてお伺いをいたします。
○加藤私学部長 特別な支援を必要とする子供に対しては、早期からの一貫性のある支援が必要であり、将来にわたる生きる力の基礎を培う体験を積み重ねていく場である幼稚園の役割は重要でございます。
このため都は、私立特別支援学校等経常費補助により、障害があり、特別な配慮を必要とする幼児が二人以上在籍する学校法人立の私立幼稚園に対し、国庫補助と合わせて、幼児一人当たり七十八万四千円を補助しております。
さらに、国庫補助の対象となっていない個人立等の幼稚園で幼児を受け入れている場合や、学校法人立幼稚園で幼児が一人のみ在籍する場合でも、都は独自に幼児一人当たり三十九万二千円を補助しております。
○きたしろ委員 東京都は、国の補助制度の対象となっている幼稚園だけでなく、個人立など幼稚園を含め、幅広く支援を行っていることであり、評価したいと思います。
現場の先生からは、ここ数年、障害のある幼児の受け入れがふえてきており、今後も、受け入れに対するニーズは高まっていくだろうと伺っております。
都内の障害児を受け入れている幼稚園数と園児数について、国庫補助の対象となるものと国庫補助対象外のものの実績及び近年の傾向についてお伺いをいたします。
○加藤私学部長 平成二十七年度における国庫補助の対象となっている学校法人立で、二人以上障害児を受け入れている園数は百八十三園、園児数は千二百四十三人で、また、国庫補助の対象とはならないが、障害児を受け入れている園数は百四十二園、園児数は四百五十五人でございます。
幼稚園数、園児数ともに直近の五年間を見ても毎年ふえてきており、特に園児数は一・五倍となっております。
○きたしろ委員 今お聞きしまして、ここ数年、私立幼稚園における障害のある幼児の受け入れがふえてきていることがわかりました。今後もそのニーズは高まっていくことが予想されるところです。それは、学校法人立幼稚園であろうと、個人立等の幼稚園だろうと、変わるものはないと思います。また、受け入れる幼児が一人といえども、先生方のご苦労は並大抵のものではないと考えます。
こうした状況を踏まえ、今後、都はどのように対応していくのかお伺いをいたします。
○加藤私学部長 都内の私立幼稚園は、地域や保護者のニーズに応え、障害のある幼児の受け入れに努めており、今後も受け入れ幼児数は増加していくものと認識しております。
都は、対象となる幼児数の増加を勘案し、必要な支援が十分に行き渡るよう、特別支援教育に対する補助について、毎年度予算額の確保に努めてまいりました。また、国に対しても、国庫補助の対象となっていない障害のある幼児の受け入れに対する支援の拡充を要求してきたところでございます。委員ご指摘のとおり、国庫補助の対象とならない園についても、園児一人一人に合わせたきめ細やかな対応が求められるのは、国庫補助の対象園と同様でございます。
こうしたことから、設置者の区別や対象の幼児数にかかわらず、障害児を受け入れている全ての私立幼稚園に対して支援が行われるよう検討を進めているところでございます。
今後とも、特別支援教育に取り組む私立幼稚園を積極的に支援してまいります。
○きたしろ委員 ありがとうございます。特に今のお話のように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。全ての私立幼稚園が必要な教育環境を維持し、障害のある幼児を受け入れるための体制を整えるための支援について、都は、前向きに検討を進めていることがわかり、非常に安心をしたところです。
今後も、より多くの幼稚園で特別な配慮を必要とする幼児にきめ細やかな対応が行われるよう、支援のさらなる充実を図っていただきたいと思います。
また、私は、私立幼稚園における質の高い幼児教育の提供とあわせて、家庭における親子のスキンシップをとりながらの幼児教育が子供の健やかな成長にとって非常に大切なことと考えております。幼稚園と家庭の双方で幼児教育の充実が図られるよう、幼稚園と保護者はよく連携すべきであり、そしてその両者を行政がバックアップしていくよう要望をして、私の質問を終わります。
○野上委員 子供の事故防止対策について質問させていただきます。
日常生活における子供の事故防止対策、最近のテレビあるいは新聞等で、子供たちの痛ましい事故が後を絶ちません。
厚生労働省の平成二十七年の人口動態調査によると、ゼロ歳から十四歳までの子供の不慮の死亡事故、全国で三百人を超えて、病気を含む全ての死因の中で上位となっております。特に食品や玩具等の誤嚥による窒息、浴槽での溺水など、家庭内にある生活用品に起因する子供の事故も大変多くなっております。こうした事故を減らしていくことが重要と考えております。
子供の事故防止に向けて、まずは、どのような商品でどのような事故が起きているのかを収集することが必要であると思っております。都は、商品等に起因する子供の事故に関する情報収集を積極的に行うべきと考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。
○三木消費生活部長 日常生活における商品やサービスの利用による子供の事故について、消費生活センターの相談情報はもとより、東京消防庁の救急搬送事例や医療機関の受診事例など、積極的に収集しております。
また、事故までには至らず、けがなどをしそうになったなどの体験は埋もれている状況にあることから、子供を持つ男女三千人を対象に、ヒヤリ・ハット体験調査を実施し、日常生活に潜む危害危険情報の掘り起こしを行っております。これまで乳幼児の誤飲ややけどなどに関する調査を行い、直近では家庭内の水回りの実験について実施し、本年夏に公表したところでございます。
○野上委員 都が東京消防庁や医療機関と連携した情報収集や、日常生活の中でヒヤリ・ハット体験の掘り起こしについて積極的に取り組んでくださっていることがよくわかりました。収集した情報を生かし、都は、子供の事故防止に向けて安全対策を推進していくべきと考えます。
子供の事故は、保護者の不注意から起きると思われがちでありますけれども、保護者が十分に目を光らせていても、子供は予測しない行動をとるものであり、事故は防げません。商品の安全対策の強化と消費者への積極的な注意喚起との両輪で、子供の事故防止に取り組むべきと考えます。そのためには、都は、子供の事故防止に向けた商品の改善など、商品における安全対策の推進を積極的に行うべきと考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。
○三木消費生活部長 情報収集により得られた事故情報等に基づき、商品テストなどにより、商品の安全性について調査しているほか、学識経験者や消費者団体に事業者団体などを加えた商品等安全対策協議会において、実効性のある対策を検討し、商品の安全対策の強化を図っております。
中でも協議会では、子供の安全対策について積極的に取り組んでおりまして、協議会の提言を受けて、都が国や業界に対策を働きかけた結果、子供の火遊びによる事故防止に向けたライターのチャイルドレジスタンス機能の法規制化や、子供服のひもによる事故防止のため、安全基準のJIS規格化につなげるなど、具体的な成果を上げているところでございます。
近年、子供の歯磨きの転倒、転落によるのど突き事故が多く、中には入院事例もあることから、今年度は子供に対する歯ブラシの安全性について検討しており、年度末までに商品の改善など安全対策を取りまとめてまいります。
○野上委員 これまでの都の働きかけによって、国や業界団体を動かして、法規制化につなげるなど安全対策の強化が図られておりまして、都の安全対策協議会が果たす役割は非常に大きいと考えます。
今年度は、子供の歯ブラシの安全性について検討し、年度内に取りまとめるとのことでございますが、協議会の提言を踏まえ国への要望や事業者団体への働きかけを行い、安全基準づくりや商品改善など商品の安全対策が推進されることを期待いたします。
事故防止のためには、こうした取り組みとともに消費者への注意喚起が大変重要であり、そのためにはただ気をつけてねというだけではなく、事故情報や具体的な防止策を積極的に都民に提供すべきだと考えます。
私の地元の葛飾には、子育て中の保護者や子育て支援機関の団体が利用する健康プラザかつしかという施設がございます。ここでは、都から交付金を活用をして、葛飾区が制作をしたというジオラマのような住宅の危険箇所を示すものが展示されておりまして、利用者に注意喚起を行っております。大変すばらしい取り組みだと思います。
また当日、チャイルドビジョンが配られておりまして、これは古い議員の方はちょっと覚えていらっしゃるかと思うんですけれども(実物を示す)平成十九年の第一定で、我が党の伊藤こういち議員がいわれた内容なんですけれども(「覚えてます」と呼ぶ者あり)覚えてます、よかった。石原知事もこれをこうやって見ながら、おお、すごいねなんて話していらっしゃいました。
これは、大人の視界が百五十度に対して子供の視界はわずか九十度であると。それから、縦方向に関しても、大人の視界が百二十度に対して子供はやっぱり七十度しか見えない。こうやって見ると、子供がどれぐらいの距離が認識できるのかということがわかるものでございまして、これは東京都でつくってくださっておりまして、それぞれ各自治体にそういう資料を配っていただいて、葛飾区でつくったのはこういったものなんですけれども、非常にすばらしい取り組みで、子供の視野が狭いということ自体も、なかなか普通の大人が理解していないというところでは、こういったものが少し用意してあるだけでもちょっと違うのかな、事故防止につながるのかなというふうに思いました。
それで、子供の事故防止のために、消費者がわかりやすい具体的な情報を提供すべきと考えますけれども、都の取り組みについてお伺いいたします。
○三木消費生活部長 都は、消費生活総合サイトである東京くらしWEBやSNSを活用した情報発信を行うとともに、ヒヤリ・ハット事例や具体的な注意ポイントをまとめた事故防止ガイドを作成、配布するなど、都民への普及啓発に取り組んでおります。
また、東京消防庁との連携により、防災館のイベントにおいて、日常生活の中の危険を実際に体験できる施設を活用し、保護者や子供を対象に、事故の危険性をわかりやすく啓発しております。
あわせて、家の中に潜む危険をビジュアルに再現した住宅模型を作成し、親子向けのイベント等で展示したりしているほか、区市町村の消費生活展などでも活用され、好評を得ているところでございます。さらに、子供の安全に配慮した商品の見本市、セーフティグッズフェアを開催し、安全に配慮した商品の展示や販売を行うことにより、安全な商品の普及を図っております。
今後も、子供の事故防止に向けてさまざまな手法を活用し、都民への積極的な情報提供に取り組んでまいります。
○野上委員 都がさまざまな手法を活用して、子供の事故防止に向けた具体的な取り組みを積極的に行っていることがわかりました。
ちょっと局は違うんですけれども、福祉保健局で子供の事故防止を乳幼児期の事故防止学習ソフトとして、ネットで検索できる仕組みもございます。これは、四段階に分かれておりまして、子供がお座りするまで、はいはいからつかまり立ちまで、伝い歩きからひとり歩きまで、あるいは走ったり飛びはねたりする、その時期によってどういう事故が起こりやすいのかというのをネットで検索できる仕組みになっております。
例えばたばこの誤飲も二割ぐらいの事故があるということで、映像をもとにして表現をしておりました。ネットでも検索できる仕組みがありますので、今後も都の庁内連携はもとより、区市町村を初めとして、多様な主体が効果的な媒体の活用やさまざまな工夫を凝らし、子供の事故防止に向けた都民のわかりやすい情報提供に積極的に取り組むことを期待して、次の質問に移ります。
次は、配偶者暴力対策、女性活躍推進施策について質問いたします。
昨年の事務事業質疑でも、配偶者暴力対策と女性の活躍推進について質問をいたしました。本日は、その後の取り組みについて確認したいと思っております。
初めに、配偶者暴力対策について伺います。
配偶者暴力は、女性の活躍を妨げる要因であり、犯罪ともなる重大な人権侵害でございます。男女間の暴力の根絶を強く願うものですが、そのためには、配偶者暴力の被害者に対する相談や支援の体制の充実は欠かせません。都民にとって、より身近な地域で気軽に相談でき、適切なアドバイスや支援を受けることができる相談機関の整備を進めることが重要です。
昨年の事務事業質疑では、都全体の配偶者暴力の相談件数が、平成二十六年度には統計開始以来過去最高となったとの答弁がございました。
そこで、改めて昨年度の相談件数の状況について、まず最初にお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 平成二十七年度において、東京ウィメンズプラザ、東京都女性相談センター、区市町村及び警視庁が受け付けた配偶者暴力に関する相談は、合計で四万九千八百二十九件となり、過去最高であった平成二十六年度の四万三千七百八十件を約六千件上回っております。
特に区市町村における相談件数は三万四千六百五十二件と、前年度から一割を超える増加となりました。
相談件数の増加の背景には、社会における配偶者暴力に関する認識が高まったことに加え、区市町村における配偶者暴力相談支援センターの機能整備など、区市町村の相談体制が充実されたことなどがあると認識しております。
○野上委員 配偶者暴力相談支援センターの整備を初め、区市町村が相談体制を充実してきた。それによって、これまで以上に多くの相談に対応することができたので、相談件数もふえたということがわかりました。
配偶者暴力の被害者が不安や悩みを抱える段階から、身近な地域で気軽に相談できる体制が整備されることは大きな安心材料になります。
特に、身近な地域で一元的に支援を受けることができる配偶者暴力相談支援センターの整備は重要と考えます。私の地元葛飾区では、平成二十六年度に支援センターを整備して以来、より多くの方から相談が寄せられるようになるなど、より重要な役割を果たすようになっております。
私は、これまでも都に対し、地域における専門相談窓口である区市町村の支援センターの機能整備に向けて取り組むようにお願いしてきましたけれども、現在の整備状況についてお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 都では、区市町村におけるセンター機能の整備促進に向け、相談のかなめとなる区市町村相談員の養成などの各種研修や、配偶者暴力に関するさまざまな情報を盛り込んだメールマガジンの発行などを実施しております。
さらに、センター機能が整備されていない区市町村に対しては、個別の出張相談であるアウトリーチ活動を行っております。こうした働きかけもあり、センター機能を整備した区市町村は、昨年度から三区増加し、現在、十二区となっております。
今後とも、被害者にとってより身近な区市町村の相談体制整備に向けて取り組みを強化してまいります。
○野上委員 都のさまざまな支援を通じて、区市町村の支援センターが着実に整備されていることがわかりました。現在、十二区に整備されているとのことですが、引き続き区市町村におけるセンター機能整備に向けて、都がセンター・オブ・センターズとしてしっかりと支援を続けていただきたいと思っております。
被害者支援については、都や区市町村に限らず、民間団体も大変重要な役割を果たしております。シェルターの運営や被害者が行政機関や裁判所での手続等に出向く際の同行支援、自立のためのプログラム実施など、安全確保から自立支援までのきめ細かい支援は、行政機関だけでは到底できるものではございません。
しかしながら、こうした支援を行う民間団体の中には、資金面での課題を抱えている団体も多いと聞いております。
昨年の事務事業質疑では、団体への支援の充実について答弁がありましたが、支援の状況についてお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力の被害者の自立に向けては、暴力行為をやめさせる当面の救済から始まり、法律的、心理的、経済的な側面から、息の長い支援が必要でございます。このため、行政による取り組みだけでなく、民間団体が地域で行うきめ細かい活動が継続的に実施されることが重要でございます。
都はこれまで、被害者の不安軽減のための同行支援や、民間シェルターの安全対策等に取り組む民間団体に対して助成を行ってまいりました。
平成二十七年度からは、被害者の自立に向けた多様なニーズにより的確に応えていくため、こうした民間団体が単独で行う活動に加え、それぞれの団体がみずからの強みを生かしつつ、複数の団体で連携して取り組む活動も新たに助成の対象といたしました。これにより、例えば同行支援事業では、被害者に同行するスタッフの確保がしやすくなったり、行き先に合わせて専門性を持った同行者の選択が可能になるなど、被害者のニーズにより的確に応えることができるようになりました。
○野上委員 被害者の支援には、民間団体がその専門性を生かして多くの役割を担っております。
一方で、民間団体の規模は小さくて、財政基盤が脆弱なところも多いという現状がございます。今後とも、都と民間団体の被害者への継続的な支援の充実に向けた連携、協力はもちろんのこと、民間団体の取り組みに対する支援の充実に取り組むよう強く希望いたします。
次に、女性の活躍推進施策について伺います。
女性活躍ということが盛んにいわれるようになりまして、子育てをしながら仕事を続ける女性も多くなっております。しかし、働く女性の多くは、仕事と家庭の両立や今後の自分のキャリアなど、さまざまな悩みや不安を持っております。
私は、女性たちが一人で悩みを抱え込まず、自分の働き方の見本となるような先輩から直接助言などを受けられるようにするため、人的ネットワークの必要性を指摘してまいりました。
都では、昨年度から東京ウィメンズプラザにおいて、働く女性の支援事業を開始しております。今年度は、既に管理職となった女性、あるいはこれから目指す女性も対象に事業を実施していくと聞いております。
そこで、今年度の事業内容についてお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 働く女性は、就業を継続する上での悩みや不安を社内で相談できる先輩や上司が少ない現状にあるといわれております。
そこで都は、働く女性が社会人の先輩から助言などを受けたり、同じ悩みを抱える者同士で語り合う場ともなる全四回の講座と交流会を開催し、就業継続を支援しております。
最近では、仕事と子育ての両立に加え、部下の育成方法などに悩む女性もふえていることから、今年度は講座の中で、管理職となった女性や将来管理職を目指す女性を対象に、子育てをしながら働く現役の女性管理職を講師として招き、パネルディスカッションも実施いたしました。
講座には、昨年度の講座参加者で、その後も引き続き他の参加者とSNSを活用した交流や勉強会などの自主的な活動を続けていた女性たちも参加しており、働く女性のネットワークの輪が広がりを見せております。
○野上委員 多くの働く女性が悩みを抱える中で、管理的地位にある女性は、職場の仲間も少なく、その悩みは深いはずでございます。さまざまな立場にある女性たちが悩みを乗り越え、就業継続できるよう、引き続き取り組んでいただくことを要望しておきます。
女性が仕事と家庭を両立し、活躍し続けていくためには、男性の育児参画が大変重要だと思います。育児の大切さや楽しさを知り、積極的に子育てにかかわろうとする父親も多い一方で、いざ行動に移そうとすると、ノウハウを知らなかったり、周囲が母親ばかりで、相談する相手もなく、孤独感から育児参加を断念してしまうケースもあると聞いております。
都は昨年度、東京ウィメンズプラザで実施している育児参画講座を見直し、講義に加えて、参加者が自分の体験や悩みなどを語り合うワークショップを取り入れ、参加者同士の交流に重点を置いた事業を実施していると聞いております。
こうした取り組みについては賛同するところでございますが、男性の育児参画に関してはまだまだ緒についたばかりであり、より発信力の高い取り組みなどで男性の参画意欲につながる機運醸成を図ることも必要であると考えます。
今年度の取り組みについてお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 都では、東京ウィメンズプラザにおきまして、平成二十六年度から男性のための育児参画講座を実施しております。
今年度は、夫婦向けの講座を追加し、事業を充実させるほか、新たに男性の育児参画の機運醸成を図るためのパネルディスカッション、イクメンサミットを今週末に開催いたします。イクメンとして子育てに励むタレントのセイン・カミュさんや、社内の働き方改革に取り組む経営者であり、三児の父親でもあるサイボウズ株式会社の青野慶久社長などをパネリストとしてお迎えし、イクメンをテーマに、仕事と家事、育児を両立させるための方策について議論をしていただきます。
議論の結果は、男性の参画意欲を行動につなげるメッセージとして取りまとめ、東京ウィメンズプラザのホームページやフェイスブックなども活用し、都民に発信してまいります。
○野上委員 実際に子育てに励まれているイクメンたちが参加するということで、大いに期待しております。今後も、東京ウィメンズプラザにおいて、女性活躍につながる取り組みをさらに積極的に進めていってほしいと思っております。
ここまで配偶者暴力対策と女性の活躍推進について質疑をしてまいりました。両事業ともに女性が輝く社会の実現に必要不可欠な取り組みでございます。
また都では、今年度、女性活躍推進計画を新たに策定することとしており、この計画が将来をしっかり見据えたものとなるように要望いたします。
最後に、東京の女性の活躍に向けた局長の力強い決意表明をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中嶋生活文化局長 都では、これまで時代の状況に柔軟に応じた女性活躍推進のための施策を展開してまいりました。
そして、人口減少局面を迎える今日におきまして、社会が持続的に成長し、活力を維持していくためには、女性がその力を最大限に発揮していくことがこれまで以上に求められておりまして、もはや必要不可欠な要素と考えております。本年四月には、女性活躍推進法が全面施行され、女性の活躍推進に向けた社会全体の機運が一層の高まりを見せており、知事も東京の活力を高めるため、女性の活躍推進を重要課題に上げております。
こうした中、悩みや不安を抱える女性の就業継続やキャリア形成の支援、地域で活躍する女性の応援など、女性に対するさまざまな支援策の充実を図ることはもとより、男女ともに家庭と仕事の両立を実現していく必要がございます。
このため、社会全体での働き方の見直しを推進するほか、男性の家事、育児参画を牽引していく取り組みをあわせて進めてまいります。
先ほど理事よりお話ございましたが、今年度新たに女性活躍推進計画を策定いたします。現在、東京都男女平等参画審議会に諮問中でございますが、女性活躍推進白書で明らかとなりました大都市東京ならではの課題も踏まえ、実効性のある計画を策定し、行政のみならず、民間などの多様な主体とも連携しながら、東京の女性の活躍を確実に前進させてまいります。
○里吉委員 それでは、私からはまず初めに、私立特別支援学校に対する補助について伺ってまいります。
都内には四つの私立特別支援学校があります。私は先日、その一つ、旭出学園に視察に行ってまいりました。旭出学園は、知的障害部門の特別支援学校です。創立六十六年、幼稚部、小学部、中学部、高校、さらに就労に向けた高等部専攻科までの一貫教育を行い、また生活自立に向けた寮を持ち、知的障害児者の自立を目指しております。
私が伺ったときは、小学校でも中学校でも二、三人の児童生徒に一人の先生がつき授業が行われておりました。寮も見させていただきましたが、ここでは生活自立の訓練をするため、最長三週間、そこで生活するそうです。お風呂に体を洗う順番が書かれてあったのが大変印象的でした。
また、麦を育てたり、豆腐づくりなど、独自の取り組みを幾つも行っておりました。
私学ですから、建学の精神、そして独自の教育理念に基づいて特色ある教育を展開していることが大変よくわかりました。
その一方で、一つ一つの学校は規模も小さいために、保護者負担もそれなりに本当にかかること、老朽化対策などもなかなか厳しいというお話も伺ってまいりました。
私立の特別支援学校に対しても、私立の高等学校、中学校、小学校、幼稚部などと同じように経常費補助が交付されておりますが、高等学校の経常費補助は、標準的運営費補助の二分の一で算定されているのに対し、特別支援学校については、まだ二分の一に達していないのではないかということも伺いました。
そこで、まず私立の特別支援学校に対する経常費補助の算定方法について伺います。
○加藤私学部長 都は、私立の高等学校等の経常費の算定に当たっては、原則として公立学校の決算値をもとに標準的な運営費を算出し、それに補助率である二分の一を乗じて算出しております。
しかし、現在、特別支援学校については、標準的運営費方式の二分の一で算出した単価が、教育環境の最低水準を維持するために必要な金額である国庫補助の単価よりも下回っております。そのため、都は、国庫補助単価で算定しております。
○里吉委員 現在は、標準的運営費方式の二分の一で算定された単価より高い国の補助制度と同額で、特別支援学校に対する補助が実施されているとの説明でした。
しかし、先ほどお話ししましたように、私学の特別支援学校は、ほかの私立の学校に比べて規模も小さいため運営状況は厳しく、校舎が老朽化しても財源もなく工事が実施できない学校もあると伺っております。もともと特別支援学校はほかの学校よりも費用負担が高いわけですから、二分の一負担でも相当大変なわけです。
国では、こうした私立の特別支援学校の現状を踏まえて、私立高等学校等施設高機能化整備費の中に、私立特別支援学校の老朽改築工事及び附帯工事の補助項目を昨年、二〇一五年度に新設をしております。これは、老朽改築制度で、構造上危険な状態にある特別支援学校の建物について、その改築の経費を三分の一以内で国が補助するというものだと伺いました。私立特別支援学校の施設改修に補助が必要だということを認めたということだと思います。
しかし、該当校では、さらに学校の保全、長寿命化を図り、改修への補助なども必要であり、さらなる支援を求めております。
都においても、私立の特別支援学校に対する独自の支援策を実施すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○加藤私学部長 都は、これまでも児童生徒の自立や社会参加に向けた特色ある特別支援教育を実践し、障害のある児童生徒の教育に大きな役割を果たしている私立の特別支援学校の運営に対し、毎年度、予算額の確保に努めてまいりました。
今後も、私立特別支援学校に対する支援策につきましては、国の動向や各学校からの要望などを踏まえ、必要に応じて検討してまいります。
○里吉委員 国の動向や各学校からの要望なども踏まえて、必要に応じて検討するというご答弁でした。
国も昨年度からそういう意味では新たな補助を始めたということで、私学として独自の障害児への教育を進めているこの特別支援学校に対して、さらなる支援の拡充について検討していただくように要望したいと思います。
次に、私立専修学校支援実証研究事業補助について伺いたいと思います。
この質問は、私、この委員会で繰り返し何度か質問させていただいております。
この事業は、意欲と能力のある専門学校生が経済的理由により修学を断念することがないよう、専門学校生に対する経済的支援策について、総合的な検討を進めるためということで、実証研究事業が行われているものです。
具体的には、私立専修学校専門課程に在籍する生徒を対象に、ファイナンシャルプランナーによる生活設計などに関するアドバイス、また経済的理由により修学困難な生徒に対して、学校が授業料の一部を減免した場合に、その二分の一以内の額で補助を行っております。
そこで、東京都の現在の協力校は何校になっているのか、また、対象の生徒数など、取り組みの現状について伺います。
○加藤私学部長 お話の私立専修学校修学支援実証研究事業は、昨年度から国の委託を受けまして、私立専修学校専門課程に在籍し、経済的理由により修学困難な生徒を対象に、授業料に対する補助や生活設計等に関するアドバイスなどを行うものでございます。
昨年度の本事業への協力校は十校、生徒数は六十名でございました。
今年度分は、現在のところ、十七校、八十九名の申請がございます。
○里吉委員 初年度に比べて、ある程度協力校も生徒もふえていることがわかりました。
しかし、都内の専門学校は三百校とも四百校ともいわれており、まだほんの一部にしか取り組まれていないということだと思うんですね。
この事業は、もともと文部科学省で専門学校生への効果的な経済支援についての検討が行われたことから始まりました。専修学校生への経済的支援のあり方について、中間のまとめが出されておりますけれども、ここでは専修学校で学ぶ学生は、同じ年齢層の生徒、学生が学ぶ学校種と比べて低所得層の者が多いこと、学費は専門学校も大学もほとんど変わらないこと、専門学校の方が資格取得などのためにカリキュラムも多く、朝早くから夜遅くまで授業もあり、アルバイトの時間を確保することが難しいことなどが調査結果としてありました。
そして、家庭の経済状況が厳しいからこそ、資格を得て働きたいという学生が専門学校に行くのだという分析をしておりました。
こうした意欲ある学生が経済的理由で修学を断念することがないよう、専門学校生への経済的支援が求められております。
来年度は実証実験の最終年度となり、その後に専修学校生への支援につなげるためにも、都としてさらなる取り組みが必要だと思います。
都としても、この事業を引き続き推進していくべきだと思いますが、例えばどのように協力校をふやす努力をしているのか伺いたいと思います。
○加藤私学部長 この事業につきまして、昨年度は年一回の募集でありましたが、今年度は八月の第一回募集に続き、今月中に第二回募集を行う予定です。
募集に当たっては、対象となる全ての専修学校に広く周知を図るとともに、制度の利用を検討している学校には個別に丁寧に説明をしてまいります。
○里吉委員 周知のために、昨年度よりもことし、さらに頑張るということで、募集をもう一度行っていただくということでした。
この制度を、実証実験はあと一年ですから、さらに拡充するための課題について、この間の取り組みでどのようなことが課題となっているか、都の認識を伺いたいと思います。
○加藤私学部長 本事業は、国の委託を受けた実証研究事業でございまして、その仕組みにおいて、学校の協力が不可欠でございます。より多くの学校が参加できるよう、引き続き情報提供などに努めてまいりたいと思います。
○里吉委員 そうなんですね。この実証研究事業では、学校が学費を引き下げるということをしないと、ここに参加できないということで、なかなか参加校がふえないということがあると思うんですが、国は、この結果を受けて、専修学校生への経済的支援のあり方についての検討会を改めて行って、今後、どのようにしていくかということを判断していくということでしたから、何とか専修学校生への授業料補助が制度化するように、都としても取り組んでいただきたいと。
この三年間の実証研究事業が終わった後、できるだけ多くの専修学校で学費軽減の制度に取り組めるように、都としても独自の制度の検討やさまざまな研究をしていただくよう、要望しておきます。
専修学校の問題の最後に、私立学校安全推進事業について伺います。
都において、二〇一五年度から、AEDや防犯カメラ、非常通報装置の設置等に要する経費の一部を補助する私立学校安全推進事業を実施しております。
ところが、この補助事業について、専修学校が対象となっておりませんでした。ぜひ対象にしてほしいという声もありましたし、今後は対象にすべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○加藤私学部長 私立学校安全推進事業につきましては、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校を対象としております。
これは、本事業が学校保健安全法に基づく国の学校安全の推進に関する計画を推進するための制度であり、当計画の対象学校種には専修学校が含まれていないためでございます。
なお、本事業は、平成二十七、二十八年度の事業であり、今年度で終了いたします。
私立学校に対する新たな助成策の実施に当たりましては、その事業目的に応じ、適切な対象学校種を検討してまいります。
○里吉委員 AEDや防犯カメラ、非常通報装置の設置、高等学校も対象になっていたわけですから、本来でしたら専修学校も対象にすべきだったのではないかなというふうに私は思います。
今後、ぜひ必要な安全対策事業から専修学校が漏れないように要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、情報公開制度について伺ってまいります。
情報公開制度は、全て公開が原則であり、都民の知る権利を保障し、住民自治への参加を促進するものとして大変重要な制度です。ところが、実際に開示請求をすると、都民の知りたい情報が黒塗りになっていて、十分に開示されていない状況が続いてきました。都政改革本部の会議で、都庁の政策立案の過程や意思決定の理由が必ずしも十分に公開されていないと指摘がありましたが、私もそのとおりだと思います。
九月二十九日、都政改革本部の情報公開調査チームは、検討状況報告を行い、その中でこれまでの都の情報公開への姿勢を大幅に転換、原則公開を徹底し、非開示部分を最小限にとの方向性を示しました。
この情報公開調査チームの報告後、情報公開制度においてどのような改善を行ったのかまずお尋ねをします。
○濱田都政情報担当部長 平成二十八年九月の都政改革本部におきまして、情報公開チームより、これまでの都の情報公開への姿勢を大幅に転換し、また、原則開示を徹底し、非開示部分を最小限にする方針が掲げられました。この方針に基づき、速やかに各局における非開示理由の公表など、具体的な取り組みを全庁に周知し、徹底を図っております。
具体的には、各局等における条例の趣旨を踏まえた非開示判断の厳格化、各局等のホームページでの非開示理由の公表、複数回請求を受けました公文書については、公文書開示制度によらない積極的な情報公開に取り組むこととし、これを徹底するため、十月には生活文化局と総務局との連名で各局宛てに通知文を発出するとともに、全庁の担当課長会を開催して、各局等に周知徹底したところでございます。
○里吉委員 これまでの姿勢を大幅に転換し、非開示部分を最小限に判断を厳格化するように通知したということです。判断を厳格化とのことですが、非開示や一部非開示、つまりこの部分は黒塗りにするという判断は誰が行うのか伺いたいと思います。
○濱田都政情報担当部長 公文書開示におけます開示、非開示の判断につきましては、実施機関である各局が行うものでございまして、具体的には請求の対象となる公文書を保有するそれぞれの局におきまして、東京都情報公開条例の趣旨及び条例の運用の指針を明らかにいたしました通達の趣旨に沿って、開示、非開示の決定をすることとしております。
なお、条例所管局でございます生活文化局は、知事部局等が公文書の全部または一部を非開示とする場合には、条例の統一的な運用を図る観点から、各局における決定前に協議を受けております。
○里吉委員 基本的には、資料を持っている局が自分で判断しているということですね。そうすると、やはり運用の指針があるといっても、これは大変抽象的なものですから、局として都合が悪かったり、都民に知られたくない情報は隠しておくというふうにバイアスがかかってしまうのではないかという懸念が生じます。
生活文化局が決定前の協議を受けているとのことですが、生活文化局がチェックをして、他局、つまり資料を保有している局が非開示と判断した部分でも、ここは開示が適当ですよ、開示しなさいということはあるのですか。その場合の基準はあるのでしょうか。伺います。
○濱田都政情報担当部長 生活文化局の協議では、各局におけます開示、非開示の判断が条例等に基づき適正に行われているかなどの観点から、必要に応じて助言等を行っております。
○里吉委員 必要に応じて助言を行っているということです。
しかし、事前にお伺いしましたら、最終的に判断するのはやっぱりそれぞれの局だということで、これは開示した方がいいという例えばアドバイスがあっても、最終的にその局がそのとおりにしたかどうかはわからないということだったんですね。
それから、大量の開示資料もありますから、生活文化局が他局の事業一つ一つについて理解し、開示、非開示を判断することは困難だと。一つ一つの非開示部分についてチェックすることはできないというお話でした。確かに、都庁全体でも昨年度だけでも一年間で一万四百四十一件の開示決定があったわけですから、逐一、生活文化局がチェックするのは難しいのかなというふうに私も思います。
しかし、せっかくこれまでの姿勢を大幅に転換し、非開示部分を最小限に判断を厳格化するという通知を出したわけですから、生活文化局としてもどこをどう転換し改善するか、積極的な提案と情報発信を行っていただきたいと思います。
ここで資料を配らせていただきます。一枚ずつとって回してください。今、資料を配らせていただきましたが、これは、私たち日本共産党が情報開示請求で入手した文書です。都市計画道路のうち、今後十年間でどの道路を優先して整備するかの計画、第四次事業化計画がことし三月末に決定、公表されました。地元住民や議会から強い反対や見直しの声が上がっている路線も数多く含まれ、なぜ自分の地元の道路が整備されることになったのか、計画決定前からその過程や理由を知り、パブコメなどで参画することは都民の当然の権利です。
第四次事業化計画では、道路の選定の基準に安全という項目が新設されました。この開示資料は、それに関する専門アドバイザー委員会の議事録です。黒塗りだらけの左が計画決定前、右が決定後に開示されたものです。一部非開示、つまり黒塗りは見直し候補路線が特定される部分、優先整備路線が特定される部分、建築制限についての部分、スケジュールの四つとなっております。要するに、どこがいつ優先整備路線になりそうかわかってしまう部分は、非開示にしましたよということだと思います。
それで、左と右を比較していただきたいのですが、例えば一番上の黒塗り、何が隠されているのかというと、ここを見ますと、事故軽減に資する道路について、どういう事故を考慮しているのかという部分が黒塗りですね。これのどこで見直し候補路線や優先整備路線が特定できるのかと。非開示理由と全然関係ないんじゃないかと思いました。他の部分もほとんどそうなんですね。
結局、これ全部よく見ていただきたいんですが、何が黒塗りになっているかというと、上から二番目の黒塗りのところなんですが、道路整備と事故件数との因果関係を明確に示すものはないが、生活道路では安全な道路が整備されれば事故は減るという前提としたということが書かれています。
つまり、新しい選定の基準に安全を加えたけれども、実は道路を整備すれば交通事故が減るというはっきりした因果関係はありません、根拠はありませんというふうに述べている部分なんですね。安全を道路選定の基準とする根拠がないことを事務局、つまり東京都自身がいっていることを隠すために黒塗りにしたんじゃないかとしか私には思えません。一たび優先整備路線に決定されれば、住民は住環境を破壊され立ち退きを迫られる、死活問題です。こんなやり方が許されるはずはありません。
これまでの姿勢を大幅に転換するというのでしたら、ぜひこうした一部非開示が起こらないように、生活文化局としてもイニシアチブを発揮していただきたいと思います。
また、これ納得できなければ不服申し立てができるというかもしれませんけれども、黒塗り文書だけ渡されたら、ここだけ黒塗りの部分だけ半分に折って見てください。何が書いてあるかわからなかったら、不服申し立て、不満だということが、私、いえないと思うんですね。何て書いてあるのかわからないわけですから、申し立てのしようがないんじゃないかというふうにも思います。
生活文化局として、全部チェックするということは難しいかもしれませんけれども、ぜひ幾つかの事例をピックアップして検討して、情報開示のあり方、姿勢を具体的に示していく、この程度までは開示すべきだという例を各局に具体的に示していくなどもしていただきたいと強く要望しておきます。
それから、もう一つ慎重に対応していただきたいものがあります。それは、企業の競争上、または事業運営上の地位が損なわれることを理由に非開示にすることです。例えば、東京都の税金支出の根拠や金額について、都民は知る権利があるわけですが、契約や委託調査など、そこに企業が絡む場合、その企業の利益が損なわれるからと非公開になる場合が多々あります。
しかし、この場合、企業の利益は守ったかもしれませんが、都民の利益は損なわれるわけです。非公開にして企業などの利益を守ることと、公開して都民の利益を守ることが相反する場合、どのように判断するのか、この点について伺います。
○濱田都政情報担当部長 東京都情報公開条例では、公文書に記載された法人等の情報については、公にすることにより、当該法人等の競争上または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれるものは開示しないこととしております。
一方で、事業活動によって、人の生命、健康、生活の保護、もしくは消費生活その他都民の生活を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報については、開示することが同条例で定められております。具体的には、事案ごとに個別の事情を考慮して各局が判断しております。
○里吉委員 具体例を挙げると、これまた長くなりますので、次の機会にしたいと思いますが、都民の税金を使う以上、企業にも公的な責任が生じてくるわけですから、非開示は最小限にとどめていただくように、この条例の七条の三号というところに書いてあるわけですけれども、ここに関する非開示も厳格に対応していただきたい。
また、生活文化局としても、よく事例研究をして、各局に示していただきたいと思います。
そして、一部非開示になったときの都民への説明ですが、どの開示でも情報公開七条の各号の文章がほぼそのまま記載されているだけで、抽象的ではっきりいってさっぱりわからないという声をよく聞きます。一部非開示の理由は、具体的に都民に説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
○濱田都政情報担当部長 一部開示決定、非開示決定を行う場合には、東京都情報公開条例に係る事務の取扱要綱等で、該当する非開示条項及び当該条項を適用する理由について、専門的な知識を有しない人にも十分理解できるよう、決定通知書にわかりやすく記載することと定められております。
このことにつきましては、先ほどご答弁申し上げました各局宛ての通知や担当課長会においても改めて周知徹底を図ったところでございます。
○里吉委員 改めて周知徹底していただいたということなので、これから注目していたいと思うんですが、大体、事務取扱要綱で、Aの部分は何々の理由により条例七条の二号に該当、こういう例文が示してあって、実際には条例に書いてあること以上の理由はほとんど示されていない。私は、大体これが今までの非開示の理由だったというふうに感じています。
なぜ開示ができないのか、都民にもわかるように理由をきちんと示すことは、むやみに非開示をふやさないことにもつながると思いますので、こちらもぜひ少し細かく改善を図っていただくよう、今ちょうど通知を出したところですから、今後の現状も見ていただきたいと思います。
最後に、開示手数料について伺います。
情報公開条例の全部改正が行われたのは一九九九年ですから、もう十七年が過ぎました。公文書の作成方法や記録媒体も大きく変化し、時代に合わせて変えるべき部分も生じてきていると思います。
東京都の場合、公文書の写しの交付は、白黒コピーの場合は一枚二十円、カラーコピーの場合は百円となっております。東京都の文書もどんどんカラーがふえ、それを白黒コピーで交付してもらうと判読できない、理解できないという場合も少なくありません。
しかし、カラーだと一枚百円、たった十枚で千円もかかってしまいます。これは本当に高過ぎるという声が上がっていますが、ぜひもっと安くするべきだと思いますが、都の見解を伺います。
○濱田都政情報担当部長 公文書の開示手数料は、地方自治法第二百二十七条に基づきまして、特定の者のためにする事務について徴収するものであり、その金額は事務に要する実費等を基準として定めております。
多色刷りの文書に係る写しの交付手数料につきましては、開示に要する人件費、複写機の費用、あるいは用紙の費用を積算したものをもとに、一枚につき百円としているものでございます。
○里吉委員 今、カラーコピーの話をしましたけれども、そもそも東京都の白黒コピー一枚二十円も、行政オンブズマンなどからは高いと指摘され続けております。他の自治体は十円のところがほとんどだと思うんですね。カラーの文書が当たり前に近くなる中で、一枚百円も手数料を徴収していては、都民がこの制度を利用できません。
生活文化局の東京都情報公開条例運用状況年次報告書によれば、請求の半分、二〇一五年度は四九・八%は工事設計書で、その大半は事業活動に利用するための請求、つまり、企業による営利目的での請求とのことです。
営利目的のものは、人件費なども含め費用の徴収があってしかるべきだと思いますが、都民の非営利目的の利用については、白黒でもカラーでも、複写機費用と用紙費用のみの請求にする、国などで実施しているように、PDFファイルにして、CD-ROMで交付するなど、都民の知る権利を阻害しない範囲での手数料とすることを強く要望いたします。
それから、CD-ROMでの交付については、東京都でも複写したものの交付が容易であるときには、紙媒体をPDFファイルにして、CD-ROMなど電磁的記録媒体で交付するということを伺いましたけれども、これはほとんど知られておりません。ぜひこうした大変受け取る側にとって便利な制度ですから、このことについては、都民に対しても、また各局に対しても、広く広報していただきたいと思います。
また、都議会議員に対する情報提供について申し上げたいと思います。
議会の審議に必要な情報であっても、都議会議員や会派が情報公開条例に基づいた請求を行うよう求められることがあります。しかも、開示決定の期限が条例の限度ぎりぎりまで延長され、決議までに必要な情報が提供されないことがあります。
これらは、情報公開条例を逆手にとった情報隠しであり、議員が議員としての都民への責任を果たすことを妨害するものです。議員が求める情報は速やかに提供するよう、この部分での改善も強く求め、質問を終わります。
○今村委員 私からもオリンピアン、パラリンピアンの私立学校派遣事業について伺いたいと思います。
東京都は、これまでも私立学校振興のために取り組みを進めてまいりました。教育基本法、学校教育法の規定に基づいて設置をされている私学の特色は、建学の精神に基づいた教育であり、それぞれの校風にふさわしい人材育成を行っています。
昨年十一月の文教委員会において、私立学校へのオリンピアン、パラリンピアンの派遣事業、特に特別支援学校への派遣に着目し質疑を行いました。障害があるとされる特別支援学校の子供たちが夢に向かって努力をし、困難を克服したりする意欲を培う機会を持てるようにすることは大変有意義なことですが、まさにこの事業はその機会の提供そのものであると考えます。
昨年度は、残念ながら都内に四校ある私立特別支援学校からは手が挙がらなかったと聞いています。そこで、本年における私立学校の参加状況、特に特別支援学校の状況について伺います。
○加藤私学部長 今年度は、私立学校十校にオリンピアン、パラリンピアンを派遣する予定でございます。そのうち、特別支援学校が一校であり、本年七月、当該学校の小学部にオリンピアンであるトランポリン選手が派遣されております。
当日は、新しいわざを会得するために必死に努力したアスリートの体験が語られるとともに、実際に児童たちの目の前でさまざまなわざが披露されました。さらに、児童たちが選手の指導を受けながら、競技を体験することもできました。
○今村委員 特別支援学校からの参加もあり、講演や実技指導などが行われたとの答弁がありました。
児童たちの様子や学校の反応はどのようなものであったのか伺います。
○加藤私学部長 児童たちからは、諦めないことの大切さを学んだ、できないと思っていたことができたのでうれしかったなど、多くの感動の声が上がったと聞いております。
また、学校からも、児童一人一人の目の輝きがこれまで教員も見たこともないものであり、児童たちにとって貴重な体験であったというような高い評価を得ております。
○今村委員 私立特別支援学校の児童たちにとって忘れられない貴重な体験になったことがわかりました。ぜひ来年度以降も本事業を継続し、そして二〇二〇年までに全ての特別支援学校に派遣され、児童たちが参加できることを期待しています。
また、私立学校へのアスリート派遣も多くの学校が参加されるよう、そして都の私学へのさまざまな支援の充実についても要望をしておきます。
さて、これまで一般質問や昨年の事務事業質疑でも、監理団体における障害者雇用促進法についてただしてまいりました。
そこで、改めて伺います。生活文化局所管の監理団体である東京都歴史文化財団及び東京都交響楽団における二〇一四年度から二〇一六年度のこの障害者の法定雇用者数と雇用状況についてお伺いします。
○鳥田文化振興部長 東京都歴史文化財団における平成二十六年度から二十八年度の障害者雇用の状況についてですが、法定雇用者数五名に対し、雇用者数は平成二十六年度及び二十七年度は三名、二十八年度は六名であり、法定雇用率に達しました。
一方、東京都交響楽団については、法定雇用者数二名に対し、平成二十六年度から二十八年度にかけて雇用者はおりません。
なお、東京都交響楽団の職員の大半がオーケストラの楽団員であり、演奏の技術で選考されていることから、障害者の優先雇用制度にはなじみにくい面があります。
○今村委員 歴史文化財団においては大変な努力をなさっていただいて、雇用率を達成されたということでありますので、大変うれしく思います。
また、ことし四月からは、障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法が施行され、障害に関する合理的配慮が義務化されています。
さらに、二〇一八年度からは法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加えられることとなります。
そこで、東京都交響楽団において、今後、障害者の雇用をどのように取り組んでいくのかお伺いします。
○鳥田文化振興部長 東京都交響楽団からは、特別支援学校の企業向け学校見学会への参加や教師への働きかけ、実習生の受け入れなどを活用しながら、法定雇用率の達成に向けた取り組みを行っているとの報告を受けております。
財団を所管する文化振興部としても、法定雇用率の達成に向け適正に指導してまいります。
○今村委員 東京都交響楽団の楽団員としての雇用は難しいことは一定の理解をいたしますが、例えば、雇用の大半が教員であり、これまで障害者雇用率が未達だった東京都の教育委員会の行っているチャレンジ雇用など、さまざまな雇用の形態があります。
二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会を迎えるまでには、法基準は最低クリアしておくということは強く要望をしておきたいというふうに思います。
さて、監理団体における障害者就労支援施設などからの優先調達についてもお伺いしたいと思います。
東京都歴史文化財団、東京都交響楽団は、ともに障害者優先調達推進法の対象ではありませんが、公益法人、また都の監理団体として、同法の趣旨を踏まえ、障害者就労支援施設などからの調達に努めるべきと考えます。
そこで、二〇一五年度における障害者就労支援施設などからの調達に係る契約件数と金額についてお伺いします。
○鳥田文化振興部長 監理団体は、障害者優先調達推進法の対象ではありませんが、その趣旨も踏まえ、障害者就労施設等からの調達に努めております。
東京都歴史文化財団の平成二十七年度の調達件数は、ポスター、チラシの発送や封筒印刷等で計十三件、契約金額は約五百四十九万円となっております。
東京都交響楽団の平成二十七年度の調達件数は、チラシの訂正シール張りで一件、契約金額は約五万円となっております。
○今村委員 東京都歴史文化財団、そして東京都交響楽団は、障害者優先調達推進法の対象ではなくとも、法の趣旨を踏まえて取り組まれていることがわかりました。
今後も引き続き充実されるように要望し、質疑を終わりたいと思います。
○宮瀬委員 私からは、DV対策について伺います。
先ほどご質問もございましたので、異なる切り口で、また、既に出ました質疑、答弁に関しましては割愛をさせていただきます。
まず最初に、今回の質疑に当たりまして、DV被害者の方の実際の声ですとか、ウィメンズプラザに実際に勤めていた方の話、また、DV被害者を支援しているNPOの方々にヒアリングをさせていただきました。
まず最初に、全体像を把握したいと思っておりますが、そもそも都が支援の対象としているDV被害者とはどういう方を指すのでしょうか。また、都内でDVに苦しむ方々は、トータルで何人と捉えているのかお伺いします。さらには、そのうち都が支援している方々は、全体のうちどれぐらいをカバーしているのかお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力には、殴る、蹴るなどの身体的暴力だけではなく、大声でどなったり、何をいっても無視して口をきかないなどの精神的暴力、性行為の強要などの性的暴力も含まれております。
都では、配偶者または事実婚のパートナーなど、親密な関係にある男女間におけるこうした暴力の被害者を支援しております。
都はこれまで、区市町村における配偶者暴力相談支援センターの機能整備など、区市町村の相談体制の充実を支援してまいりました。こうした取り組みの成果もあり、平成二十七年度に東京ウィメンズプラザ、東京都女性相談センター、区市町村及び警視庁が受け付けた配偶者暴力に関する相談件数は合計で四万九千八百二十九件と、平成十五年度の統計開始から過去最高となっております。
被害者からの相談は確実にふえておりますが、配偶者暴力は外部からの発見が困難な家庭内で起こるため、潜在化する場合が少なくありません。そのため、全件を把握することは困難であり、都では都内全体の被害者数については把握しておりません。
○宮瀬委員 注意深く答弁を聞いておりますと、DV被害者の定義でありますが、配偶者または事実婚のパートナーということでご答弁ありましたが、未婚者への暴力、すなわちデートDVといわれる被害者の方々は、都では支援の対象ではないのでしょうか。
○吉村男女平等参画担当部長 東京都では、配偶者暴力の未然防止を図るため、交際相手からの暴力につきましても相談を受け付けているほか、暴力防止に向けた啓発を実施しております。
○宮瀬委員 となりますと、東京都が行っているDV支援者の対象者というのは、配偶者、事実婚のパートナー、または未婚者ということで認識してまいりました。
そこで、私、全体像を東京都が把握されていないということを受けまして、大変違和感を感じました。さまざまな事業をやっていく上で、実際に都内にどれぐらいの方がDVで苦しんでいるのかということを的確に把握することがまず必要なのではないかと思っております。
そこで、資料を探してみましたら、平成二十八年の九月十六日付で内閣府が出しました配偶者からの暴力に関するデータというのがございまして、対象は二十以上の男女五千人に対する全国調査でございます。
DVの被害に何度も遭ったという方は九・七%、一回、二回ほど遭ったという方が一四%、合計二三・七%が被害経験があるとされております。
また、東京都が発表している数字でありますが、いわゆる未婚者の方のDV被害の経験、大声でどなったり、ばかにしたり、傷つく言葉を使うとされた方が一八・二%が最も多く、次いで交友関係や電話、メールを細かくチェックするが一六・九%、人と会うことや外出などの行動を制限されるというのが一五・四%、殴ったり蹴ったりするというのが一三・四%と、東京都が出している数字があるわけであります。
こういった数字が出ていると思うんですけど、もう一度確認いたしますが、都内のDV被害者の全体像というのは、推定でも構いませんので、把握されていないんでしょうか。
○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力は、外部からの発見が困難な家庭内で起こるため、被害者ご本人の気づきがおくれたり、被害が潜在化する傾向が見られます。
そのため、全件を把握することは困難でございまして、都では都内全体の被害者数については把握しておりません。
○宮瀬委員 今のご答弁だとちょっと矛盾するのが、では何で東京都の若年者に対するDVの被害の数字のデータは出ていて、東京都としては把握されていないということは、推定でも何割かということも実際数字で出ているわけであります。
私の方で、推定ではありますが--ここはきちっと調べてほしいと思っております。平成二十三年度の都の調査におきまして、二十以上の女性の数は大体五百四十万人ということとされておりまして、配偶者がいる場合でございますが、そこに結婚率を掛け合わせていきますと、実際、先ほどのデータから二三・七%がDVの被害に遭ったということを自覚されている方がいるわけであります。そうしますと、算数の話になるんでありますが、想定は百万人ほどの女性の方が配偶者がいる方であります。配偶者のいる方のみで、百万人ほど被害に遭われているのではないかと思っております。
これは、数字の取り方さまざまありますし、未婚者の方でとれば、さらに数字は上がっていくと思うんですが、実際に先ほどからご答弁を聞いていくと、どんどん件数がふえていると。全体では四万九千八百二十九件ということでお伺いしました。
そうしますと、人数で割りまして計算をしていくと、カバー率というのは大体五%にすぎないのではないでしょうか。すなわち、そのうちの約十分の一がウィメンズプラザ単体での件数でありますので、仮説ではありますが、約〇・五%のDVで苦しむ配偶者の方がウィメンズプラザの活用、いずれにせよ、〇・五なのかどうかは調査していただきたいですが、分母を知るということは、施策の有効性を図るためで非常に大事なことだと思っております。
いずれにいたしましても、今回、外部監査報告書でも東京ウィメンズプラザの電話応答率が低いことが指摘をされております。平成二十年度、三二・九%をピークに、平成二十六年度では一七・四%まで落ちてしまっていると。件数自体も千件ほどここ十年で対応している人数が減っているわけであります。
ここは強くいってほしいといわれたことでありますが、まず、DV被害者のお母さん方は、本当に外、特に行政機関に相談をするというのは大変勇気の要ることだと聞いてまいりました。そういった中で、勇気を出して電話してくれた方々がいる中で、一七%、約二割しかお電話がとれていないという状況は、やはり全体の母数からも対象としている人数にアプローチが足りていない、さらには、電話もなかなかとれていないということは大変深刻な状況だと思っております。
さらに拡充すべきだと思っておりますが、所見をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、被害者支援の強化を図るため、平成二十七年度から電話回線をふやすとともに、相談員を十二名から十六名体制に増員し、相談体制の拡充を図っております。
今後の拡充につきましては、区市町村における対応状況等も踏まえ、対応を検討してまいります。
○宮瀬委員 ぜひご検討をお願いいたします。監査報告書から指摘を受けて、回線をふやした、人数をふやしたことは、本当に大変私も応援したい気持ちでございます。
しかし、一方で先ほどのように思っているお母さんたくさんおりますので、せめて電話に出ていただける環境をさらに促進していただきたいと思います。
では、次に、実際に平成二十七年度では相談件数が五千六百二十五件と聞いております。ウィメンズプラザは改めてどういう業務を行っているのかと聞こうと思いましたが、先ほど答弁を聞いておりましたので割愛しますが、配偶者暴力の相談、電話相談、専門相談、法律相談、精神科医による面接、区市町村、他の支援機関への紹介等聞いております。
こういった業務を行っていると思うんですけれども、五千六百二十五件の方々の相談をしていただいた方の満足度をどうはかっているのか。さらには、五千六百二十五件というのは延べ件数でありますが、相談人数、また満足度をはかる仕組みと満足度を教えてください。
○吉村男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザにおきましては、委員のご発言のとおり、専門相談としての法律相談なども含めまして、被害者に対するきめ細かい対応に取り組んでおります。
平成二十七年度における配偶者暴力の相談件数は五千六百二十五件でございましたが、東京ウィメンズプラザでは、相談者の悩みに丁寧に対応し、相談者一人一人の状況や意向を尊重した支援を行うほか、必要に応じて他の支援機関につないでおります。
電話相談の多くは匿名でございますので、深刻な悩みを抱える相談者も多いことから、満足度調査の実施には適していないと考えております。
都では、さらに適切な被害者支援を図るため、関係機関の協力を得て定期的に実施している実態調査の中で、臨床心理士等の専門スタッフが被害体験者の心情等に配慮しながら、直接聞き取り調査を行い、意見やご要望を把握しまして、東京ウィメンズプラザにおける相談対応等に生かしております。
○宮瀬委員 答弁をお伺いいたしますと、匿名性があるということで満足度調査はしていないけれども、専門のスタッフがウィメンズプラザに相談した方に対して直接聞き取り調査をしていると認識いたしました。
そこで、私、実際に関係者ですとか、相談した方にお話を聞いてまいりました。その際に、大変好意的な意見も多くて、親身になって話を聞いてくれましたとか、何とか頑張れそうだと思いましたという声ももちろんございました。
今回の質疑、誤解していただきたくないのは、皆さんがだめだ、だめだというつもりではなく、より改善するためにはどうしたらいいのかという提言でございます。
ちょっと厳しい意見を聞いたことをいわせていただきますと、相談に乗るというよりかは、自分の考えを押しつける感じで圧倒されましたという声、また、ふだんDVに遭って、夫の目を盗んでウィメンズプラザに行ったのに、そこで全く解決はせず、役所を紹介されただけで、もう行くのが嫌になってしまいましたといった声。
もう一つは、一回で相談が解決するわけではないんですが、何回か相談はしましたが、そのたびに担当者がかわるので、一々最初から話さなければならないのが大変苦痛です、時間が惜しいので同じ人を指名できないかと尋ねましたら、ちょっと厳しいというご回答があったと聞いています。
そこで、他県の取り組みをちょっと勉強してまいりまして、例えば相談者にナンバリングの番号を振らせていただくと、あなたは何番ですよというナンバーをお伝えして、そのナンバーを名乗ればその履歴が残り、そのナンバーに応じてしっかりと積み上がる相談の仕組みをとることが可能だという自治体もございました。そうすることによって、相談件数ではなく、相談者人数がわかり、また関係機関との連携もスムーズにいくのではないかと思っております。
この辺のご答弁いただくのはまだ早いと思いますので、ぜひ一つの人数及び満足度を知るためのナンバリング方式というものをぜひ参考にしていただきたいと思います。
次の質問に参ります。そもそも都の考えますDV支援の解決というのは、どこをゴールとしているのかと。DVの法律ができて十年余りたっておりまして、盛んに聞こえてくる声は、実際には人を保護施設に逃がしていくということで、なかなか支援の内容は薄いんではないかという声が出ております。
しかし、ここで一つ、DV支援の法律の、大変苦しいお母さんからの声がありまして、要は離婚か別居していないとそのことが受け入れられない、そこで、逃げられない方が実際いらっしゃいまして、実際子供がいるので別れられないとか、逃げられないとか、離婚まではしたくない、そういった子供がいるから離婚ができない、別居ができないというお母さんもたくさんいるわけでございます。つまり、そういった方々は、女性センターですとか、警察等では対応し切れていないという叫び声を聞いてまいりました。
そこで、改めて都の考える支援、解決のゴールというのは何かと、当然、逃がすだけではなく女性のケア、社会進出もさらに応援すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力対策におきましては、暴力を早期に発見し、被害者の安全を確保した上で、本人の意思を尊重した継続的な支援を図るとともに、暴力の防止に社会全体で取り組む必要がございます。
そのため都は、被害者の生活再建と自立に向け、区市町村などの関係機関や民間団体と相互に連携を図りながら、被害者の個別の事情にその都度適切に対応し、支援を行っております。
具体的には、東京ウィメンズプラザにおきまして、配偶者暴力被害者の社会的自立を支援するため、カウンセラーによる心理的サポート、生活再建等に必要な法律に関する情報提供、就労準備に向けたパソコン技術の指導のほか、関係機関と連携して就労支援を行うなど、心理面と生活面の双方から支援を行っております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。ご答弁の中で、生活再建と自立に向けといった一言がございました。
具体的にまだまだ課題はあると思っておりまして、情報提供のみにとどまっているところもとても多いと思います。この後少し質問で触れますが、NPOの連携ですとか、そもそも加害者が減っていかないと被害者は減らないということですとか、はたまた教育の重要性というものが一つの回答の長期的な戦略であるのかなと思っております。
そのお母さんからは、実際にDVの被害に苦しむ方への作業所をぜひつくっていただけないかと。心に傷があり、実際に回復するまで時間がかかると。そのために、仲間も必要ですし、手作業しながら準備を整えていく、そういったところにお金を出していただくと、大変就労支援もなかなか孤立しがちで、孤独だといった声も聞かれました。ぜひ要望の一つとして上げさせていただきます。
また、今回、外部監査報告書の中におきましては、警察、区市町村、女性センターとの連携不足というのが挙げられております。東京ウィメンズプラザは、センター・オブ・センターズということで、中心機能を担っている施設だと思いますが、そこでの連携が滞ってしまいますと、まさに支援を必要とするお母さんが大変困るわけでありますが、改善すべきこの状況に対しまして、現状と所見をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、これまでも東京都女性相談センターはもとより、区市町村や警察を初めとする関係機関と密接に連携しながら、被害者支援に取り組んでまいりました。
また、区市町村、警視庁、東京都医師会、民間支援団体のほか、検察庁や裁判所などの司法機関が参加する東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議を開催し、連携強化を図っております。
平成二十六年度からは、広域連携を図るため、都と区の配偶者暴力相談支援センターが一堂に会し、配偶者暴力対策の課題について、情報共有等を行う連携会議を開催するなど、さらなる連携強化に努めております。
○宮瀬委員 ネットワーク会議と連携会議ということでありますが、実際にお母さん方が求めておりますのは、そういった行政機関の会議ではなく、個別の事案の連携でございます。
もちろん個人情報の問題があると思いますが、先ほどの匿名性を十分尊重しながら、例えばナンバリングのやり方で、きょうはこういう番号の方が警察に行きますということで、ぜひ改善を図れるような個別具体的な連携をしていただきたいと思っております。
今回ヒアリングをした中で、実際にウィメンズプラザに行っても、役所に回されるといるという指摘があったということは先ほどお伝えしました。
ただ、実際、ワンストップセンターというものがやっぱり必要なのではないかということで、一度そこに行けば、生活保護の手続、またいろいろ行政関係の手続もある程度はめどがつくといった状況が望ましいと思います。
そこで、ワンストップセンターのことにつきまして提案しようと思いましたら、実際、現行の計画の中で、被害者支援のためのワンストップセンターの整備など、被害者負担軽減に向けた支援のあり方について検討するということが、実は、ちょっと年数は定かではありませんが、五年ほど前に既に上がっていたはずであります。
ですので、早急に実行に移すべきだと思いますが、検討状況をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 現行の配偶者暴力対策基本計画におきましては、被害者がさまざまな手続を一カ所で行えるワンストップでの支援や、ワンストップセンターの整備など、被害者の負担軽減に向けた支援のあり方について検討するとしております。
都では、被害者の負担軽減のためには、身近な地域で一元的に支援を受けられることが望ましいことから、区市町村における配偶者暴力相談支援センターの整備について、重点的に働きかけを行ってまいりました。
現在、東京都男女平等参画審議会では、配偶者暴力対策基本計画の改定に向けた基本的な考え方についてご検討いただいておりますが、同審議会が先月公表した答申の中間のまとめにおきましても、同様の観点から、区市町村におけるセンター機能の整備をさらに進めるよう提言されております。
○宮瀬委員 もう既に最初の、冊子になっておりましたが、ワンストップセンターをつくると、検討するという冊子が五年前ですかね、私も現物見ましたが、担当者と打ち合わせをさせていただいたらご存じありませんでした。
もう本当に被害者のお母様からしてみれば、早急に実施してほしい項目で、審議会からも答申が出ているわけでありますので、ぜひお願いをしたいと思っております。
次に、ウィメンズプラザばかりで恐縮ではありますが、ウィメンズプラザが認知されていないと、そもそも活用率が低いということは、認知されていないという現状があるかと思います。
実際に、現在の認知はどうなっているのか、またどのような広報展開を実施しているのかお伺いいたします。また、さらには新たな取り組みが必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 都が平成二十七年度に二十歳以上の都民を対象に実施した男女平等参画に関する世論調査によれば、都が設置する配偶者暴力相談支援センターである東京ウィメンズプラザや東京都女性相談センターなど、都の相談窓口の認知度は五三・二%でした。
東京ウィメンズプラザ単独の認知度といたしましては、平成二十四年度に十八歳から二十九歳の都民を対象に実施した若年層における交際相手からの暴力に関する調査におきまして、五・四%となっております。
都では、東京ウィメンズプラザの認知度を高めるため、東京ウィメンズプラザの相談窓口はもとより、東京都女性相談センターや警視庁など、配偶者暴力の相談先を紹介したパンフレットや携帯用のカード等を作成し、都や区市町村を初めとした行政機関のほか、病院や弁護士会等の関係機関を通じて広く配布しております。
また、東京ウィメンズプラザのホームページ上に配偶者暴力被害者ネット支援室を設けまして、配偶者暴力に関して多く寄せられる質問への回答や具体的な支援情報とあわせて、被害者にとって身近な区市町村の相談窓口の情報についても掲載しております。
○宮瀬委員 こちらのご答弁を聞いていますと、認知率が五三・二%という声を聞きまして、ただ、これが配偶者暴力相談センターのウィメンズプラザと東京都女性相談センター、合わせた認知率ということでございました。
私の方が政務活動費を使いまして、調査費を使いまして、ウィメンズプラザの認知率をちょっと調べてまいりました。インターネット調査ではございますが、実際九割の方が知らないという回答をされています。
しかし、DVで実際苦しんでいる方というのが、私の調査では二・二%から三%ございまして、その二%、三%の方々にウィメンズプラザをご存じですかという調査をかけましたら、数字は八割が知らないということで、わずか一割しか上がりませんでした。
ウィメンズプラザの単独の若年層の認知率は五・四%というご答弁がありましたが、やはりまだまだ知られていないというのが実態ではないでしょうか。
そこで、実際にお母さんの声を聞いてまいりまして、どうすればウィメンズプラザの認知が上がっていくのかということで、まず、ウィメンズプラザの女子トイレの中にウィメンズプラザのカードを置くのは余り意味がないとおっしゃっておりました。なぜなら、もう既にそこに相談している方に、その施設のトイレに置いてあって、どうやって広がるのかというのをおっしゃっていました。
そこで、そのNPOの方からのご提案は、どんどん露出をふやしてほしいと。例えば母子手帳を配る際に、今回のウィメンズプラザのカードを入れていただきたいとか、例えばお母さんがよく立ち寄るのはスーパーであります。スーパーのレジのところに置いてほしいですとか、また、なかなか、DVに遭うお母さんは、実際にDVに遭うと逃げ場がないわけであります。そうなりますと、深夜やっているところはファミレスだと。なので、ファミレスにそういったカードを置くと認知が広がるんではないかと。また、漫画喫茶も同様でございます。
ぜひ認知拡大が解決の第一歩目の手段でございますので、検討していただきたいと思います。
次に、DVそのものを減らしていくためには、若いころから、学生のころから正しい、これがDVであり、私は今DVの被害を受けていると認識することが重要であります。
そこで、東京都の調査を、先ほどの若年層における交際相手からの暴力に関する調査ということで、調査結果を見てまいりました。
実際に、DVについて、言葉も、その内容を知っているという方は八八・二%、実際に交際相手からの暴力では六五・二%。学んだことがあるという方は四三・一%、学習機会の場としては、学校で聞いたことがあるという方が二二・七%でございます。
また、豊島区におきましては、中学校でDVに関する学校の授業をやっておりまして、正しいDVに関する教育を行っております。また、戸田市も同様に、DV教育を必ず必須でやっているわけであります。
やはりDVに関する教育というものは、教育庁の所管ではございますが、教育庁と連携をすべきと考えますが、現状と所見をお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 配偶者暴力を防止していくため、学校教育におきましては、子供のうちから暴力によらずにお互いを尊重する人間関係を築くことが大切であるということを人権教育の中で取り上げております。
また、東京ウィメンズプラザでは、指導者である中学、高校の教職員等を対象に、交際相手からの暴力に関する研修を実施しており、教育庁の協力も得て、各学校への周知を行っております。
さらに、都の関係機関が参加する東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議に教育庁の担当者も参加し、暴力の防止に向けた課題について、検討や情報共有をすることなどによりまして、連携を図っております。
○宮瀬委員 答弁を聞いておりますと、学校の先生を対象にした研修と、またネットワーク会議ということでありますが、やはりその教育、そのプログラムを学校の先生が実施するかどうかはもちろん学校の判断になるということでありまして、実際に子供にそういった教育をお伝えしているかどうかは、正確にはしっかりとやられるかどうかというのはわからないといったところが現状であります。ひとつ検討していただきたいと思っております。
終盤になりますが、DVに苦しむお母さんを減らすためには、DVの加害者を減らさないといけないわけであります。DVの法案も、基本的には被害者のお母さんを保護するということでありますが、実際に加害者である加害者側へ対しましては、野放しになって、そのまま放置されている現状も少なからずあるそうであります。加害者に手をつけないと、実際には被害者がどんどん減っていかないと。生活保護を実際にお母さんにお預けして、そのまま逃げていっても、被害者のお母さんとしては、またいつDVの旦那様なり配偶者に会うか、何十年たっても苦しまれているそうであります。
やはり、実際に加害者に対する指導といいますか、プログラムも重要だと思っておりますが、取り組みについてお伺いいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 加害者に向けた取り組みである更生プログラムにつきましては、被害者等の安全を確保しながら、加害者の更正を図るため、刑事司法制度のもと、強制的に実施等を義務づけることが必要でございます。
こうしたことから、都では、必要な法整備も含めた実効性ある加害者対策について検討を行うよう、従来から国に提案要求を行っております。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。
最後でございますが、NPOとの連携強化についてでございます。
これは、先ほど答弁をしっかりと聞いておりまして、行政としては、NPOとの連携を図っていくと、また、自主的な活動に対する助成を実施して、具体的には同行支援をしていくと答弁を聞いております。
ですので、最後、意見を述べて終わりたいと思いますが、私は今回、NPOの方々から聞いて、いわれてしまったのが、行政の取り組みと女性のニーズがマッチしていないことが多々あるとおっしゃっておりました。
一言でおっしゃっていたのは、行政は余りかかわり過ぎないでくださいと、ぜひ支援しているNPOを活用していただきたいといっておりました。民間は、選択肢がとても多く、また女性も行政機関に比べて相談しやすい環境にNPOはあると、NPOもいろいろございますが、あるとおっしゃっておりました。
民間ではお金がなくなって、実際シェルターを潰してしまっているNPOもどんどんふえてきておりまして、そういったNPOに対する支援と連携をぜひ強化していっていただきたいと申しておりました。私もそう思っております。
以上で質問を終わります。
○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十六分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小松委員 それでは、まず、私学での問題行動について伺います。
東京都は、先日、昨年二〇一五年度における都内私立学校の児童生徒の問題行動等の実態を公表しましたが、不登校の子供の数が依然高い水準で推移しており、不登校は社会問題となっている状況です。
私立学校における不登校の問題は、子供の個人的な問題として、自己責任論に終始する場合もあると聞いていますけれども、学校が教育的見地から不登校問題に取り組むことが重要ではないかと考えています。
そこで、不登校問題に取り組む私学に対し、東京都は支援を行うべきと考えますが、いかがか見解を伺います。
○加藤私学部長 各私立学校では、不登校の問題に対して、日常的に児童生徒及びその保護者に対する個別面談の実施や教職員間での情報共有を図るなど、それぞれの状況に応じた取り組みを行っております。
都は、こうした各学校の取り組みを支援するため、国がまとめた不登校問題に関する資料の提供などを行うとともに、学校から相談があった場合には、対応事例の紹介を行うなど、きめ細かに対応しております。
また、各学校における児童生徒への相談体制の充実を図るため、スクールカウンセラーの配置に係る経費の一部を補助しております。
今後も、引き続き不登校の問題に取り組む私立学校を支援してまいります。
○小松委員 スクールカウンセラーの配置に係る経費の一部補助、不登校の問題に取り組む私立学校支援といったように、東京都の取り組みといいますと、どうしても学校への対応が中心になるわけです。
しかし、学校の方だけに目が向いて、子供を孤立させることがないようにお願いしたいと思います。
不登校の子供を受け入れる地域の適応指導教室やフリースクールなどについての情報を提供し、子供のつらさに寄り添う取り組みを意識的に工夫していただきたいと思います。
不登校の原因として、最近ではSNS等の利用による友人関係のトラブルなども挙げられるようになっています。実態調査の結果からも、いじめの態様として、パソコンや携帯電話で誹謗中傷や嫌なことをされると訴える回答は、高校生の場合に特に高くなっています。SNSなどの情報ツールを適正に使いこなしていくための情報教育が必要であります。
都教委では、都内の公立学校を対象に情報モラル教育のための教材、SNS東京ノートを作成、配布するなどの取り組みを行っているところですが、私学でも情報モラル教育は必要です。
私立学校に対する都の取り組みについてお伺いいたします。
○加藤私学部長 都は、各私立学校の取り組みを支援するため、学校関係者が集まる会議等を通じて、SNS東京ルール等の都教育委員会の取り組み事例の紹介を行っております。
また、昨年度末には、都内の私立小中学校に対して、青少年・治安対策本部が実施しているネット等に関する生徒自身による自主ルールづくり支援事業の周知を行ったところです。
これは、各学校での情報モラル教育をサポートする専門講師を派遣する事業であり、本年度は、私立学校十一校に専門講師を派遣いたしました。
今後も引き続きさまざまな情報提供等を通じて、各私立学校の取り組みを支援してまいります。
○小松委員 青少年・治安対策本部が事業を行ったということです。
都教委の作成したSNS東京ノートは、公立学校の子供にしか配られていないわけですが、インターネットでダウンロードできるということでもあり、私学でも活用しようと思えばできるようになっています。東京都の情報提供による支援を今後もお願いいたします。
それでは、男女平等参画における性的マイノリティーの捉え方についてお伺いしたいと思います。
男女平等参画のための東京都行動計画と配偶者暴力対策基本計画における性的マイノリティーの捉え方が弱く、現実にそぐわないという声が性的マイノリティー当事者から多く寄せられています。
東京都は昨年、人権施策推進指針を改定し、新たな人権課題として性的マイノリティーもその中に加わったわけですが、両計画ともちょうど改定時期に当たっています。
行動計画、配偶者暴力対策基本計画双方とも都からの諮問を受け、現在、東京都男女平等参画審議会において、計画の基本的考え方について検討がされていると聞いています。
審議会が先月公表した中間のまとめでは、現行の行動計画は、法に基づく東京都女性活躍推進計画と一体化させて策定する方向性が示されているところです。
この審議会の女性活躍推進計画と配偶者暴力対策基本計画に関する検討において、性別違和や性的指向、性自認についてどのような議論がされたのかお伺いをいたします。
○吉村男女平等参画担当部長 東京都男女平等参画審議会におきましては、複数の委員から、計画の策定改定に当たっては、性的マイノリティーに関する問題を取り上げるべきとのご意見がございました。
ご意見の趣旨としては、人権尊重の観点から、性的マイノリティーであることを理由とした差別や嫌がらせに対する取り組みが必要、また、親密な関係にある同性間での暴力の問題についても対応が必要といったものでございます。
これらの意見は、審議会において取りまとめられ、先月、答申の中間のまとめとして公表されております。
○小松委員 性的マイノリティー、いわゆるLGBTの人権政策は、今、避けて通ることのできない重要課題です。
特に、二〇二〇東京大会を意識して、多様性を認める社会に向けてさまざまな動きがある現在、そのための制度の整備も急がれています。
東京都では、昨年の人権施策推進指針の改定を受けて、総務局が中心となって啓発活動を行い、教育委員会も人権教育プログラムに取り入れるなどの取り組みが進められ、東京ウィメンズプラザでは、LGBT当事者からの相談にも対応しています。
ウィメンズプラザの昨年の相談実績は、総数二万三千件のうち、LGBTに関する相談は二件と少ないと聞いていますが、よりそいホットラインという全国規模の相談機関がありますが、ここで性的マイノリティー専門ラインに一年間にかかってきた相談件数は、平均で約四十七万件もあるといいます。全体の約四%に相当するといいまして、悩みを抱えている人への支援は急務です。
相談実績の少なさは、当事者がいないからではなく、当事者が相談しやすい設定になっていないからではないかと考えます。セクシャルマイノリティーの相談も受け付けているという掲示がなければ、LGBTは相談する気にならない、できないのだと当事者が証言しています。
セクシャルマイノリティーの性同一性障害といういい方がありますが、これについては今後、性別違和という言葉で表現するように変えていこうと専門家たちが主張しているところでもありまして、二〇二〇年を控えた東京都が世界の中でおくれをとらないよう、迅速な対応を求めます。
続いて、消費者教育について伺います。
二〇一三年に消費者教育推進計画が策定されまして、一般質問においてライフステージごとの細かい取り組みが計画されたことについて評価し、その後の取り組みに期待を込めて消費者教育の充実を求めたところですが、二〇一七年までの計画期間は残すところ一年余りとなり、改定の準備が進んでいます。
生涯にわたって消費者被害に遭わないようにするためには、ライフステージに応じた消費者教育が必要であり、子供のころから金銭管理や食品表示、情報社会におけるモラルやリテラシーなど、基本的な消費者教育が求められます。
これらは、学校教育において学習指導要領に基づいて実施されていると思いますが、学校の先生たちは現場の忙しさに追われ、また、消費者教育についてどのように取り組めばいいのかわからないという声も聞いています。
そこで、都は学校における消費者教育への支援としてどのような取り組みを行っているのかをお伺いいたします。
○三木消費生活部長 学校における消費者教育を支援するため、東京都消費生活総合センターでは、消費者教育を担う人材の育成や教材の作成、提供、講師の派遣などを行っております。
具体的には、学校教員向けに消費者教育を実践するために必要な知識を身につけることを目的とした消費者問題教員講座を夏休み期間に実施し、平成二十八年度は延べ千二百五十七人の参加がございました。
また、児童生徒自身が社会の中で主体的に判断し行動できる力を身につけるための教材として、年代に応じたウエブ版の消費者教育教材を作成するとともに、教員がこの教材を使ってすぐに授業を行えるよう、指導のポイントをまとめた指導用資料やワークシートを作成しております。
さらに、消費生活相談等の経験を積んだ東京都消費者啓発員、コンシューマー・エイドを学校の希望に応じて派遣し、二十七年度は年間三十七校で携帯電話、インターネット、SNSや悪質商法、契約トラブルなどをテーマに講座を実施しております。
今後も効果的な消費者教育を実施するため、学校現場への支援を積極的に行ってまいります。
○小松委員 未成年者にスマートフォンが広く普及して、オンラインゲームやアダルトサイトに関して金銭トラブルに巻き込まれるなど、消費者被害に遭うケースがふえています。
若者をターゲットにするマルチ商法の被害も後を絶ちません。若者世代を対象とする普及啓発も重要だと思いますが、都の取り組みを伺います。
○三木消費生活部長 社会経験が乏しい若者は、さまざまな勧誘をされる機会がふえ、消費者被害に遭う可能性が高くなっております。
そのため、大学の新入生向けのガイダンスの機会を活用し、SNSをきっかけとしたアポイントメントセールスなど、大学生に被害の多い悪質商法の手口と対処法について出前講座を実施しております。二十七年度は十七校において実施し、一万一千五百一人が参加いたしました。
また、若者目線で消費者被害防止をアピールするため、若い世代に被害が多い悪質商法をテーマに、十二組の若手芸人が演じる漫才、コントなどを収録し、インターネットで公開する普及啓発事業を実施しております。
本年度は、十二月三日に池袋のサンシャインシティで公開収録イベントを実施するほか、学生との協働による大学祭イベントとして、三つの大学において若手芸人の実演を行うなど、広くPRしていく予定でございます。
さらに、毎年一月から三月を若者向け消費者被害防止月間とし、関東甲信越ブロックが連携したキャンペーンを行うなど、広域的な普及啓発にも取り組んでいるところでございます。
○小松委員 それでは、消費者教育推進計画と消費生活基本計画の改定に向けたスケジュールについて最後に伺います。
○三木消費生活部長 東京都消費生活基本計画及び東京都消費者教育推進計画は、現行の計画期間が二十五年度から二十九年度までであるため、本年五月に東京都消費生活対策審議会に三十年度からの計画の改定について諮問し、現在審議しているところでございます。
今後は、十二月に中間のまとめを出す予定としており、それに対する都民意見を募集し、本年度中に審議会から答申をいただき、その答申を踏まえて、二十九年度中に計画を改定する予定でございます。
○小松委員 消費者教育で取り組むべき課題は社会の動きによって変化しますので、その時々の教材づくりや情報提供など、学校への支援を引き続きお願いいたします。
また、NPOなどが出前事業を行う場合の支援なども今後検討するように求めて終わります。
○高木委員 私からは、私立高校における海外留学推進補助についてお伺いいたします。
来る東京二〇二〇年大会の開催を契機に、世界中の人々と交流する機会が飛躍的に増大すると思われる私たちのこの東京において、次代を担う若者が世界中の人々と積極的にコミュニケーションを図ることができる語学力並びに国際感覚を身につけることは、ますます重要になってきております。
都内の私立高校では、これまでも英語教育を初めとするグローバル人材の育成に力を入れてきており、私たち都議会自民党もその重要性を主張してまいりました。
都はそれを受けて、さまざまな事業を創設してまいりましたが、本日はその中でも平成二十五年度に創設された私立高校海外留学推進補助事業について質問いたします。
まず、これまでの本事業を活用した私立高校生の海外留学の実績をお伺いいたします。
○加藤私学部長 私立高等学校海外留学推進補助の実績でございますが、平成二十五年度は四十校、百七十七人、二十六年度、六十二校、二百八十六人、二十七年度は八十校、四百十人となっております。
また、今年度の現時点での申請状況でございますが、九十一校、五百一人と増加しております。
○高木委員 ことし三月の文教委員会では、二十七年度の実績見込みまでを確認いたしましたが、その後も順調に参加校及び生徒数がふえているということが今確認をできたわけであります。
しかし、本事業により経費の一部は補助されているとはいえ、やはり海外留学に伴う経済的負担は大きいと思われます。保護者からは、特に留学先の学校と日本の在籍校の授業料を二重に支払うのが負担であるとの声があったため、前回の質問の際、保護者の経済的負担をより軽減する工夫が必要ではないかと私が指摘をいたしましたところ、私学部長からは、保護者負担の軽減について検討していくという答弁をいただいたわけであります。
そこで、現在、その検討の結果はどのようになっているのかお伺いいたします。
○加藤私学部長 都は、本年五月の東京都私立学校助成審議会への諮問、答申を経て、私立学校経常費補助の一項目である海外留学制度整備促進補助を拡充することといたしました。
具体的には、各学校が海外留学中の生徒の授業料を減免した場合に、都がその一部を補助するものであり、平成二十八年度の実績に対し、二十九年度に各学校に補助をいたします。
○高木委員 早速、補助事業を拡充していただきましたということで、非常に安堵いたしました。
今年度留学に参加する生徒が増加している理由として、この保護者負担の軽減策が具体化した効果もあると思います。多くの保護者の要望に応えて、海外留学中の負担を軽減し、一人でも多くの高校生が長期の海外留学を体験できるよう、この制度を各学校に周知し、留学中の授業料の減免の実施をしっかりと働きかけていただきたいと思います。
また、若いうちに海外に行くことは、それだけでもさまざまな気づきがあると思われます。それはすごく意味のあることだと思うんですが、東京都からの補助を受け、いわば税金を使っていくのであれば、出発前にその国の言葉や歴史はもちろんのこと、我が国の誇る伝統や文化についてもよく学び、異文化コミュニケーションの仕方などをしっかり身につけてから行くべきであって、その方がよりよい効果が得られると思います。
このように、都の補助制度を使って留学する場合には、自国や留学先の国について事前学習を義務づけ、より効果的な研修となるよう工夫すべきと思いますが、所見をお伺いいたします。
○加藤私学部長 委員ご指摘のとおり、留学の効果をより高めるためには、留学前の学習により相互の国の文化等について理解を深めることが重要であると考えております。
現在、各学校における留学前の事前研修実施とその推進策について検討しているところであり、より効果の高い留学を体験できるようにするための各学校における取り組みを積極的に支援してまいります。
○高木委員 効果的な取り組みとなるように検討を進めていただきたいと思います。
東京二〇二〇年大会を目前に控える今、世界一の都市東京を実現するためには、この海外留学推進補助制度を初めとした都の施策を活用して、より広い視野と豊かな国際感覚を持った人材の育成を進めることが大変重要であると考えます。
最後に、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成のための取り組みの充実に向けた局長の決意をお伺いいたします。
○中嶋生活文化局長 都内の高校生の約六割が通学する私立学校におきましては、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、個性的で特色ある教育を展開しており、世界に通用する人材の育成に積極的に取り組んでおります。
二〇二〇年大会の開催とその先を見据え、また、東京ひいては日本が世界の中で確たる地位を維持していくために、世界で活躍できる国際感覚豊かな人材の育成と、それを担う私立学校への支援はさらに重要度を増しております。
グローバル人材の育成を加速させるためには、国際感覚の醸成や語学力の習得などに効果が高いとされる長期留学を高校生のうちに経験することや、中学生のころから自国の文化をしっかりと学び、その上で日常的に外国人と交流し、異文化への理解を深める機会をふやすことなどが重要でございます。
都は、こうした事業に取り組む私立学校を支援し、これまでも充実を図ってまいりました。
今後も引き続き、私学団体等とも連携し、東京の私学におけるグローバル人材育成の支援に全力で取り組んでまいります。
○高木委員 今、力強いご答弁をいただきましたが、今後も都のグローバル人材育成のための取り組みが大きな成果を生むように、制度のより一層の活用と充実を要望しておきたいと思います。
さて、先ほどきたしろ委員が私学助成の基本的な原則というんですかね、そのことに対してご質問をされました。
一言申し上げておきたいと思いますが、私たち都議会自民党は、私学助成に対して今までも大変重要な政策の一つとして取り組んでまいりました。私学助成を重要な政策の一つとして取り組んできたのは、当然、東京の事情として、高校においては六割以上の子供たちが私学に通っている、そして、次世代を担う私たちの国の人材をそこでつくっていただいている、だからこそ、公教育と同時に、私学の充実というものが必要である。そこで、やはり建学の精神に基づいたそれぞれの私学の支援をさせていただく。
あるいは、今申し上げたようなグローバル人材の育成は、これ、海外留学の話ですが、こういう一つ一つの政策をしっかりつくり上げて、その政策に基づいて子供たちの教育を行っていただく。こういうことが大事であるから、私たちはこれが重要な政策の一つとして取り組んできた、こういうことであります。
ところが、今、東京都は知事がかわられて、知事の顧問団という方々が都庁にいらっしゃるわけでありまして、この顧問団の方々は、大阪から来た方もたくさんいらっしゃるわけで、大阪の事例を東京に導入しようという動きがあるやにも聞いておりますし、これはまだ確定をしたお話ではないのかもしれませんが、そういう雰囲気も感じています。
それは何かというと、例えば今申し上げたような、私たちが今まで従前つくってきた制度、私学助成に対するさまざまな理念、考え方、そうした仕組み、そういうものとはちょっと違う形でこれからの予算編成に向かっていくという可能性を私たちは大変危惧をしているわけであります。
つまり、私学助成の基本は、当然、経常経費二分の一補助の問題があり、そしてさらにいうならば、今まで私どもがつくってきたような、こうしたさまざまな政策があって、それは私学に通う子供たちが、例えば高校でいえば三年ですけれども、三年なら三年すると、その子供たちはご卒業されてしまう。その次の子供たちにも同じように、あるいはより充実した教育を受けてもらうということでこの制度をつくってきたつもりなんですが、一方では、今、子供たちというか、その保護者に対して、授業料の減免をすると、授業料を全額補助していくというような話も漏れ聞こえてきているわけであります。
私たちは、授業料の直接的な補助というのは、民主党政権のときに高校の無償化という問題がありましたけれども、それもさんざん批判をしてきました。こういうことをやっても意味がないといいませんけれども、もっと有効な教育施策があるんではないかということで批判をしてきましたし、ましてや東京都は今まで私学助成に対して、経常経費二分の一補助を初めとするさまざまな制度をつくってきたわけですから、今までの歴史と議論と、そして制度の積み重ねというのをぜひ大事にしていただきたい、こう思っているわけであります。
したがって、私たちは、これからいろんな予算編成の過程の中で、私学教育の問題についても顧問の方々もいろいろとお話をされるのかもしれませんが、私たち都議会自民党としては、今までの制度、そして、今までの考え方、こうしたものを踏襲した生活文化局から予算編成に対する考え方というのをしっかり持っていただいて、これからの予算が決まるまでの間というのかな、ぜひ頑張っていただきたいとこう思っております。
少なくとも、子供たちの保護者に対する現金給付による私学助成のような形、あるいは私学振興のような形というのは、私たちは基本的に考えておりませんし、先ほど局長が答弁の中で、バランスよくいろんな政策を充実していくことで私学振興を行っていくんだということをご答弁されていたんで、私は大変安心をしているんですけれども、ぜひそれをもう一度確認した上で、今までの東京都のやり方、このことをしっかりと堅持をした上で予算編成に臨んでいただきたい、こう思います。もし局長、ご答弁があれば、どうぞお答えください。
○中嶋生活文化局長 ただいま委員ご指摘のように、私学振興につきましては、都政の最重要課題の一つという観点は、これまでもそうでございますし、これからもそのとおりでございます。
こういった観点から、私学の振興を通して、次代を担う子供たちをどう育成するか、ついては、どういう社会にしていくかという観点を含めながら、都議会の皆様とまた議論しながら一つ一つ施策を積み上げていきたいというふうに考えております。ひとつよろしくお願いいたします。
○小宮委員 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会は、スポーツの祭典であるというだけではなくて、文化の発信、また、文化振興の貴重な機会でもあります。既に東京大会に向けて文化プログラムが開始されたところですが、東京都では、リオ大会で好評を得た東京キャラバン、これは多種多様な文化、アーティストがともに創作し、日本各地を回る文化プログラムですが、これを主力事業として、被災地においても開催し、現地の皆さんとの文化交流を深めたと伺いました。
東京五輪大会開催という大きなテーマがスポーツや文化の振興だけでなく、被災地の復興支援につながることは大変意義深いことです。
今回の被災地での実施内容と成果、さらにそれらを踏まえた今後の展開について伺います。
○鳥田文化振興部長 東京キャラバンは、伝統文化や演劇、音楽など、さまざまな分野の芸術文化が一堂に会し、交わりながらパフォーマンスなどを繰り広げる文化プログラムでございます。
今年度は、宮城と福島で開催し、東京スカパラダイスオーケストラや能楽師の津村禮次郎さんらが地域に根づく伝統文化の継承者や地元の吹奏楽部の小学生などと交流しながら、一体となって舞台をつくり上げてきました。
参加した小学生からは、東京オリンピック・パラリンピックの開催が待ち遠しくなったという感想をいただき、また、観覧者からはさまざまなジャンルの文化がまじり合っていくプロセスを間近に見られて、貴重な体験であったという評価も数多くいただいております。
こうした取り組みは、文化プログラムの認知を高め、参加意欲の向上にもつながることから、今後は全国各地の各自治体とも連携しながら、東京キャラバンを展開し、地域特有のさまざまな文化に光を当てるとともに、二〇二〇年大会に向けてさらなる機運醸成と新たな文化創造につなげてまいります。
○小宮委員 文化交流を通じて、東京大会の開催が待ち遠しくなったという小学生の感想には、素直に心温まるところですし、被災地ですばらしい成果を上げたといえると思います。今後の全国展開に期待するところです。
人と人が交わるところに文化が生まれると東京キャラバンでうたわれているように、やはり文化事業は行って、見て、楽しんでこそ人の心を動かし、多くの共感を得るものだと思います。
ということで、私は一昨日、新橋、虎ノ門で行われた東京や東北の持つ文化の魅力を発信する東京新虎まつりの東北六魂祭パレードを見てきました。東北の六つの市の代表的なお祭りが一堂に集結するもので、初めて目にするものばかりでしたが、改めて文化というのは、人がつくり、支え、守るものであると感じました。
そして、人から人へと受け継がれてきた東北各地のすばらしい伝統文化を体感することができました。
そこで、主催者である都として、その内容と成果について伺います。
○鳥田文化振興部長 東京新虎まつりは、新たな都市空間として注目されている新橋、虎ノ門エリアを舞台に、被災地が復興に向けて歩む姿と、東京や東北が持つ文化の力を世界に向けて発信する目的で実施しました。
メーンイベントである東北六魂祭パレードでは、東北が誇る青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつり、福島わらじまつりの六つの祭りが都内に初めて集いまして、新虎通りを舞台に練り歩きなどを行いました。
当日は、都民はもちろんのこと、全国各地や外国からの観覧者が集まり、沿道からは大きな声援と惜しみない拍手が送られました。
また、パレードの様子をインターネットで中継し、会場に来られなかった人に対してもパレードの熱気をお届けすることができました。
さらに、パレードのほかにも、東北六市のPRや東京の伝統芸能のステージなどの催しを実施し、東北や東京の魅力を身近で感じていただきました。パレードを初めとする新虎まつりには、全体で約三万人の来場者がありました。
今後も、東京が持つ文化発信のハブ機能を生かし、被災地を含め、東京、日本の文化を多くの人に訴求する文化プログラムを展開してまいります。
○小宮委員 今ご紹介いただきましたこの東北六魂祭は、東日本大震災後に鎮魂と復興を目指して、これまで東北六市をめぐり開催されてきました。それを今回、東京で開催したということは、復興五輪を掲げる上で象徴的な文化イベントであったというふうに思います。
こうした大規模なイベントは、民間だけではなかなかできるものではありません。今後の取り組みに期待をするところです。
さて、規模の大きい文化行事というだけでなく、都内各地では多くの都民が太鼓や踊りやコーラスなど、日常生活の中で地域に根差した多彩な文化活動に取り組んでいます。
二〇二〇年東京大会の開催が決定してからは、そうした地域で頑張る文化団体の方からも、東京大会に向けてさらに活動を広めたい、東京大会の機運醸成にかかわりたいという前向きな要望を数多くいただくようになっています。
二〇二〇年大会に向けては、子供から大人まで多くの都民が参加し、活躍できるよう、こうした都民の思いや活動を文化プログラムとして支援すべきと考えます。見解を伺います。
○鳥田文化振興部長 文化プログラムを盛り上げていくためには、プロの芸術家によりつくり上げられた事業だけでなく、都民が主役となった文化活動を推進することが重要です。
これまで都は、東京地域芸術文化助成制度を創設し、祭りばやしやお神楽といった郷土芸能を支える都民の文化活動の支援に取り組んでまいりました。
二〇二〇年大会の大会ビジョンには、全ての人が自己ベストを目指すことが掲げられております。今後は、都民の日常生活に根差した文化活動を、より一層促進しまして、文化の面で自己ベストを達せられるよう、演奏や舞踊、美術等を楽しむ都民の多彩な活動に対して、さまざまな支援の充実を検討してまいります。
こうした取り組みを通じて、二〇二〇年に向けて東京全体での機運醸成につなげてまいります。
○小宮委員 リオ大会の開会式でも、人を中心とした演出がなされて、大変いい評価をいただいたところだと思っております。ぜひ東京大会においても、文化を支える多くの人々が大会成功にかかわれるよう、支援策の充実を期待します。
さて、二〇二〇年東京大会を期待し、地域における機運醸成に積極的にかかわりたいと考えているのは文化団体だけではありません。地域コミュニティの中核を担う町会、自治会の皆さんからも、何か自分たちの日ごろの活動とあわせて、その盛り上げに取り組みたいという方が大変多く、とても頼もしく感じています。
これは、かつて町会、自治会の皆さんに、オリンピック・パラリンピックを招致する際に、多くの署名、当時八十五万人もの署名を集めることに協力をしていただいた、そうした経緯もあるからのことと思います。
今年度から地域の底力再生事業助成の中には、そうした町会、自治会の思いに応えるオリ・パラ機運醸成事業が新たに追加されています。その枠組みを使って、杉並区でも地域の花壇に大会のPRメッセージを羽ばたけ日本、東京二〇二〇という形で掲示したり、盆踊りの演目に東京五輪音頭を加えるなど、地域に密着したアイデアがさまざま出てきています。
そこで、今年度、オリ・パラ機運醸成につながる活動の申請など、地域の底力再生事業助成の実績についてまず伺います。
○山本都民生活部長 今年度の地域の底力再生事業においては、年四回の申請回数のうち、第三回までの交付決定が終了しております。全体で四百三十五件の申請をいただいておりまして、昨年度の同時期に比べ一・三倍の増加となってございます。
このうち、東京二〇二〇大会の機運醸成につながる活動の申請件数は百八十三件で、全体の四二%に当たります。多くの町会、自治会で機運醸成に関する取り組みがされている状況でございます。
申請金額につきましても、約一億四千七百万円と昨年度の同時期に比べまして四千七百万円ほどの増加となっております。また、初めてこの制度を利用する団体数も百五十六件と昨年の同時期に比べまして一・二倍となっておりまして、制度拡充により活動に積極的に取り組む町会、自治会が増加したと考えております。
○小宮委員 オリ・パラ機運醸成に関する申請が全体の四割を超えたということ、申請件数や申請金額も大幅に伸びているということですが、やはり活動の内容が重要だというふうに思います。
各町会、自治会でさまざまな工夫をしていると思いますが、交付決定された活動の中で、機運醸成に効果的な取り組みは、これから広く普及を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○山本都民生活部長 機運醸成に効果的な取り組みの事例といたしましては、町会、自治会の地元に居住するリオデジャネイロ大会に参加したオリンピアンを招いた講演会や、障害者スポーツの体験を通じたパラリンピックへの理解促進を行うものなどがございました。
こうした事例は、実際に大会に参加したアスリートの生の声を聞いたり、みずから障害者スポーツを体験するものであり、オリンピック・パラリンピックの大会の意義についての理解や機運醸成だけでなく、地域の住民に町会、自治会活動に関心を持ってもらうための重要な取り組みでございます。
今後は、こうした事例を町会、自治会に配布している助成制度に関するガイドラインや東京都のホームページにおいて紹介いたしまして、他の町会、自治会の参考になるように周知してまいります。
○小宮委員 この後のオリンピック・パラリンピック準備局でも質疑をしたいと思っておりますが、地元のアスリートの活躍や育成を支援して大会を盛り上げようという事業をオリンピック・パラリンピック準備局が展開をしていますけれども、二〇二〇年大会の成功と地域の活性化を同時に図るこの事業についても、東京各地におけるさらなる充実を期待するところです。
さて、文化活動を通じて、あるいは地域での今のような活動を通じて、二〇二〇年大会にかかわるという方々への支援のほかに、生活文化局では外国人おもてなし語学ボランティアの育成を図っています。
組織委員会や東京都は、大会ボランティアを八万人、都市ボランティアを一万人、いわゆる大会関連ボランティアを九万人以上募集するとしています。
外国人おもてなし語学ボランティアは、大会関連ボランティアではありませんが、外国人観光客などが道に迷い困っているときなど、簡単な英語で助けてあげられるような日本人のおもてなしの心を実現するために必要な基礎講座であると思います。
講座を修了すると、余り知られていないと思いますが、メイ・アイ・ヘルプ・ユーと書かれた、小さいですけれども、江戸小紋をベースにした江戸紫色でデザインをされたバッジがもらえるということになっています。
平成二十七年から三十一年までに三万五千人の登録を目標にして、昨年七月に本講座がスタートしましたが、受講者はどれぐらいになったのか、また、大変人気の高い講座であると聞いていますが、受講したいという都民のニーズにどのように対応しているのか伺います。
○山本都民生活部長 外国人おもてなし語学ボランティア育成事業につきましては、昨年七月の講座開始以来、本年九月末現在で約六千名の方が受講し、ボランティアとして登録していただいております。
今年度は、東京都主催講座だけでなく、お住まいの地域でも受講できるよう、四十七区市町と連携した講座を本格実施するとともに、企業、大学が多く集積するという東京の特性を生かしまして、企業、大学等と連携した講座も開始するなど、昨年度よりも拡充して、一万人以上が受講できる規模で実施しております。
そのうち都主催講座が約三千人に対し、区市町村実施講座が約五千人、企業、大学連携講座が約二千人としており、多くの都民が身近な場で受講できる機会の提供を行っているところでございます。
○小宮委員 東京都は、二〇二四年までにボランティア行動率を、現在は二四・六%ですけれども、四〇%にする目標を立てています。このおもてなし語学ボランティアに登録するというような方は意識が高く、将来共助社会づくりの一翼を担ってくれるような存在であると思います。
私の近所に住む知り合いも昨年、この講座を受講し、さらにことしは、産業労働局が所管になりますけれども、観光ボランティアに申し込みました。このようにやる気と意識の高い都民にとっては、ボランティアやおもてなしの専門性を高めたいという意欲が強く、大会開催まで継続的にフォローして、大会後の共助社会づくりへとつなげていってほしいと思います。
そこで、受講した方々のモチベーションを維持していくために、どのような取り組みを行っているか伺います。
○山本都民生活部長 ボランティアとして登録いただいた方の声を聞きますと、駅や観光地などで外国人に声をかけ、道案内をして感謝されたという方もいる一方で、活動機会に恵まれないといった方もいらっしゃいます。
そこで、都の観光ボランティアの募集情報や日本の伝統文化に関する外国人向けイベントの紹介など、活動機会や本人のスキルアップにつながる情報をメールで提供いたしましたところ、登録者からはまた活動したくなった、改めて日本文化の勉強の大切さを実感したなどといった声が寄せられ、モチベーションの維持向上に効果的であったというふうに考えております。
こういった声を受けまして、新たに専門ウエブサイトを年度内に立ち上げ、東京二〇二〇大会のボランティアや他のボランティアを含めた情報やイベントなどの情報を一元的に提供してまいります。
あわせて、昨年度から実施しております登録者向けのフォローアップイベントも規模を拡大して実施する予定でございます。
これらによりまして、登録者のモチベーションの維持向上につなげてまいります。
○小宮委員 各局と連携をして、ボランティアの育成、また、二〇二〇年東京大会に向けてさまざまな情報発信をしていっていただきたいと思います。
今、二〇二〇年東京大会については、競技会場の見直しであったり、費用のあり方など、都民、国民からすると、とても暗いイメージが先行しているように思います。そんな中にあっても、大会に積極的にかかわりたい、盛り上げたいという多くの都民がいらっしゃいます。そうした思いに応えて、大会開催に向けて夢と希望を実感できる、そんな大会のよい機運がつくり出されるよう、これからもさまざまな施策を推進していただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
○栗山委員 まず、私立学校に通う児童生徒の保護者に対するがん検診受診への働きかけについてお伺いいたします。
がん検診の受診率は、仕事をしている女性に比べ、検診の勧奨機会が少ないと思われる専業主婦等の仕事をしていない女性の受診率が低くなっています。
専業主婦等の受診率を向上させるためには、子供が通っている学校を活用する方法が有効であると考えます。最近でも、有名な歌舞伎俳優の奥様が若くして乳がんを患い、社会的に大きな影響を及ぼしているところでございます。ぜひ一人でも多くの方ががん検診を受診し、がんの早期発見をすることは重要であると思います。
本年二月の第一回定例会における私の一般質問を受けて、本年度、都教育委員会では、がん検診の受診率向上に取り組む福祉保健局からの依頼に基づき、都立学校に通う生徒の保護者に、がん検診の重要性を周知するリーフレットを配布したところでございます。
都立学校と同様に、私立学校に通う児童生徒の保護者に対するがん検診受診への働きかけについて、福祉保健局との協力体制を整えるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○加藤私学部長 都は、これまでも都の各局が実施する事業のうち、私立学校に通う児童生徒やその保護者を対象とした取り組みについては、各局からの依頼に基づき、各学校を通じて周知等を行ってまいりました。
がん検診の受診率向上の取り組みにつきましては、私立学校に通う児童生徒の保護者の健康管理に資するものであり、保護者が健康を維持することは、児童生徒が安心して学校生活を送るためにも有用でございます。
今後、事業を所管する福祉保健局と協力しながら、各学校を通じた保護者への周知等を図ってまいります。
○栗山委員 ぜひとも局横断で、がん検診の受診向上に協力していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、都立美術館、博物館における開館時間延長についてお伺いいたします。
今月、日本政府観光局が発表したデータによると、ことし十月の訪日外国人の数は、十月としては過去最高を記録し、ことし一月からの累計では初めて二千万人を突破いたしました。
こうした動向を見ると、二〇二〇年に向け、東京を訪れる外国人は今後ますますふえていくと見込まれます。そのため、今後受け入れ環境の整備が不可欠でございます。
具体的には、日中だけではなく、夜間も楽しめ、東京の魅力を感じられる場があることが重要であり、東京の持つ貴重な財産である美術館、博物館の果たす役割は大きいと考えます。
また、多くの都民にとっても、仕事を終えた後に、美術館や博物館を気軽に訪れ、アートに触れることにより、日常の疲れを癒やしたり、生活の質を充実させていくことが非常に重要であると考えます。
しかし、現在、十七時や遅くとも十八時といった時間で閉館してしまう美術館、博物館が多いのが現状でございます。私自身も十月に東京都美術館で開催されているゴッホとゴーギャン展にお伺いしたとき、午後五時前に入館したため、ゆっくりと拝見することができませんでした。
そこで、まず都立美術館、博物館の開館時間の延長の現状についてお伺いいたします。
○越文化施設改革担当部長 都立美術館、博物館では、年間を通じ、江戸東京博物館においては、毎週土曜日に、通常十七時三十分の閉館時間を十九時三十分まで、写真美術館においては、毎週木曜日と金曜日に、通常十八時の閉館時間を二十時まで、東京都美術館においては、毎週金曜日に、通常十七時三十分の閉館時間を二十時まで、それぞれ延長しております。
また、平成二十五年度からは、各館において、七月から九月までの夏の期間の主に金曜日に、江戸東京たてもの園については二十時三十分まで、それ以外の館では二十一時まで開館時間延長の取り組みを実施しているところでございます。
こうした取り組みに加え、今年度は、夏の期間以外においても、館の催し等に合わせて開館時間を延長するなど、より柔軟かつ効果的に取り組んでおります。
○栗山委員 現状の取り組みについてはよくわかりました。今後、さらに、インバウンド需要に対応するためには、開館時間延長について、来館者ニーズ等を調査し、より多くの人が利用できるよう取り組みを進めるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○越文化施設改革担当部長 これまで夜間開館の際に来館したお客様からは、仕事帰りに鑑賞できるのがうれしい、混雑しない環境でゆっくり鑑賞できるのがよいなどのご意見をいただいております。
一方、実際の夜間開館時の入場者数を見ますと、一日の入場者数全体のうち一割程度であり、昼間の時間帯と比べて少ないのが実情でございます。
今後、こうした状況について調査、分析を進め、インバウンドを意識して、そのニーズを把握しながら、施設周辺のイベント開催時に合わせて開館時間を延長するなど、周辺地域とも連携し、集客が見込める効果的なタイミングを見計らい、取り組みを積極的に進めてまいります。
○栗山委員 ぜひ費用対効果やニーズも研究しながら、効果的に取り組んでいっていただきたいと思います。
都立美術館、博物館の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてお伺いします。
二〇二〇年に向けては、開館時間延長も重要な取り組みでございますが、やはり期待が高まるのが都立の美術館、博物館における展覧会の企画内容でございます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
○越文化施設改革担当部長 都立の美術館、博物館では、二〇二〇年まで実施する文化プログラムとして、例えば今年度は、東京都美術館においてゴッホとゴーギャン展、江戸東京博物館において戦国時代展を開催するなど、多彩な事業を展開しております。
今後も、二〇二〇年に向けた機運醸成を意識して、展覧会の企画の準備を着実に進め、東京や日本のさまざまな文化の魅力を広く国内外に積極的に発信するとともに、訪れた人が世界のすばらしい芸術文化にも触れていただける取り組みを進めてまいります。
○栗山委員 これまでも都立の美術館、博物館では、魅力的な展覧会を開催してきていますし、先ほどの質疑でも開館時間の延長など、多くの方に訪れていただけるよう取り組んでいることがわかりました。
また、ただいまの質疑で展覧会企画についても、多彩な取り組みが進められていることが確認できました。
今後も、東京の芸術文化の魅力を積極的に発信していただくことを期待しております。
そして、都立美術館、博物館の区市町村立美術館、博物館の連携についてお伺いいたします。
さらに今後、二〇二〇年に向けて、より一層東京の文化の魅力を発信していくためには、都立施設の取り組みだけではなく、文化施設同士の連携が必要だと考えます。
東京都の美術館、博物館と区市などの美術館等との連携の状況はどうなっているのか、あわせて今後の取り組みについてお伺いいたします。
○越文化施設改革担当部長 二〇二〇年大会の開催を契機に、誰もが芸術文化に親しめる環境を整備するため、昨年度から目黒区美術館、府中市美術館を初め、国立や民間の施設も含めて十七の美術館、博物館で構成される会議を設置し、開館時間延長などの先進事例の共有や情報交換を行うなど、美術館、博物館における連携の強化を図っております。
今後、二〇二〇年に向けては、各施設における多言語対応の充実のほか、共通入場券である東京・ミュージアムぐるっとパスの拡充による施設間の周遊性の向上など、文化施設全体の魅力向上に資するよう、さまざまな主体と連携しながら取り組みを進めてまいります。
○栗山委員 ぜひさまざまな団体とともに、力を合わせて文化施設の魅力を高め、二〇二〇年東京大会を盛り上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○川松委員 最後に質問させていただきます。
これまで私自身が折に触れて、さまざまな角度から政策提言、あるいは意見を述べてまいりました広報事業と文化事業について、二点についてお尋ねいたします。
まず、きょうは、ネットを活用しました東京都の広報についてです。
きょう、ここにもおられる高木けい先生が当時、都議会自民党政調会長のときに後押しいただきまして、去年の二月、都議会定例会一般質問におきまして、私自身は都庁総合ホームページの発信力をどう高めていくのかということを質問させていただきました。そのときに、知事と局長から全面的な見直しに着手するという答弁をいただいたわけであります。
加えて、近年、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などが急速に普及し、それと同時に情報の検索、入手経路についても多様化が進んでいるわけであります。
そこで、まず、本年行われました都庁総合ホームページのリニューアル後の状況と今後の取り組みについて伺います。
○樋渡広報広聴部長 本年八月、十年ぶりとなります都庁総合ホームページの全面的なリニューアルを実施いたしました。
今回のリニューアルでは、これまでの文字中心の構成を改め、画像を効果的に活用するとともに、閲覧者が求める情報を探しやすくするため、検索の機能を向上させ、閲覧者の興味、関心事項を大くくりで体系したグローバルナビゲーションを全ページに配置しました。
また、スマートフォンやタブレットなどでも、パソコンと同じ操作で円滑に閲覧できるよう、レスポンシブデザインを導入したところです。
今回のリニューアルによりまして、スマートフォンと親和性の高いSNSなどとの連携がこれまで以上に強化されたことによりまして、東京都広報課ツイッターからホームページを訪れた利用者も、前年同期と比べて約五倍に増加しました。
また、直近三カ月のトップページのアクセス数の合計は約二百五十万件となっており、前年同期と比べ三十三万件、約一五%の増となっております。
今後、各局のホームページにつきましても、メニューの配置やヘッダーのデザイン、スマートフォン対応など、利便性の向上を支援してまいります。
○川松委員 今、直近三カ月のホームページのアクセス数が前年同期と比べておよそ一五%増ということでありますけれども、知事の発信力を考えるとちょっと少ないような印象を受けています。
ですから、ホームページは、都の情報発信の基盤だという考えに立てば、もっと努力すべき点があるのかなと思います。
また、PC版もスマホの対応もデザインが大分見やすくなっているわけですし、今後も引き続きさらなる充実を図っていただきたいと考えております。
次に、テレビ番組について伺います。
都には現在、六つの提供番組があります。例えば、私がかつて在籍しておりましたテレビ朝日では、現在、平日の午後二時から生活に密着した都政の課題を放送している「東京サイト」という番組があり、中高齢者を中心に支持を得ているわけであります。
しかし、テレビ離れが今指摘される中、こうした番組、なかなか若者の目に触れにくいのではないでしょうか。「東京サイト」でいえば、ナビゲーターの林家きく姫さんのお人柄もあって、また内容も最近でいえばヘブンアーティストだったり、文化施設、都内の各施設をそれぞれ独自の視点で取り上げる、お伝えするという中身のある番組だと私は思っています。
とはいえ、平日の午後二時という時間に、視聴率区分でいうところの二十歳から三十四歳までのM1層、F1層、あるいはその下のティーンエージャー層になかなかターゲットするのは難しいんだろうと思います。
予算の都合もあって、実情はいろいろ大変だと思いますけれども、東京都の提供番組について、もっと多くの年齢層、幅広い人たちに見てもらう工夫が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○樋渡広報広聴部長 都提供のテレビ番組につきましては、公式ホームページや「広報東京都」だけでなく、SNSやデジタルサイネージにより放送内容を発信するなど、各種媒体を活用し、さまざまな年齢層の都民に興味を持ってもらえるよう、番組の周知に取り組んでいるところです。
テレビは最も身近で高い訴求力を持つ媒体でありますが、特に今お話がありましたように、若者の間でスマートフォンの普及やテレビ離れが進んでおります。そのため、スマートフォンやパソコンなどでも番組を視聴できるよう、東京都ユーチューブ公式チャンネルや、ツイッターで動画を見られる仕組みを活用し、提供番組のネット配信を順次拡大しているところでございます。
今後とも、都提供テレビ番組を多くの方にごらんいただけるよう、内容の充実を図っていくとともに、番組の一層の周知に向けてさまざまな取り組みを進めてまいります。
○川松委員 ありがとうございます。都民の皆様が情報を得る手段というのは、本当に多様化しています。今の部長の答弁にもありましたように、若い人たちはテレビよりもスマートフォンやそういったものから情報を得ているという話もよく聞くわけです。新聞の購読者も今、減少し続けています。
そうした中において、都政の情報がしっかり多くの人たちに行き届くようにしていかなければならないのではないでしょうか。そのためには、広報紙やテレビ、ラジオといったこれまでの媒体も重要です。そこから情報を得ている方もいます。
そして、そことはまた別の世界、新たな媒体を活用していく必要もあるのではないでしょうか。特にSNSや動画を積極的に活用し、情報発信をさらに強化していくべきというのは、これ、誰もが思う考えだと思いますけれども、今後の展開について伺います。
○樋渡広報広聴部長 都は、これまでツイッターでプレス発表情報やイベントのお知らせを毎日発信するなど、発信数の増加に取り組んでおり、現在、ツイッターのフォロワー数は、前年比四倍の約四十八万人となっております。
また、フェイスブックにつきましては、写真や記事を多く掲載できる特性を生かしまして、イベントの記録写真等により視覚的に印象に残る情報の発信に活用しております。
さらに十月からは、東京の魅力やイベント情報などを伝えるため、新たにインスタグラムによる写真等の発信を開始したところです。
今後、都政広報テレビ番組や各局で制作するPR動画のインターネットでの発信を強化するとともに、広報紙やテレビ、ラジオといった既存媒体とSNSを組み合わせたクロスメディアにより、より効果的な広報を展開してまいります。
○川松委員 今ありましたインスタグラムも大変多くの人たちに好評を得ていると聞いています。
また、動画により、わかりやすく都民に情報を伝えていくとともに、今ありましたSNS等の新たな媒体を活用し、幅広い都民にきめ細やかに広報を推進しているということがよくわかりました。
現在、都が実施しております若者向けボランティアのPR活動では、ちょいボラをキャッチコピーにし、イメージキャラクターとしてモデルのみちょぱさんを起用し、動画やSNSを活用するなど、これ、なかなか工夫されていて、本当にこれ見た人たちからは、私個人的にはあれいいねという声を多く聞いております。
また、ライツの問題もあると思いますけれども、先ほどお話ししたように、質の高い番組で好評だったもの、あるいは都として力を入れていくんだという事業については、テレビ番組の再編集なのか、またちょっと独自の組み合わせなのかわかりませんが、そういった工夫をしながら動画サイトに展開していく、こういう試みも必要なのではないかなと思います。
今後も、メディア環境の変化などに柔軟に対応し、より多くの都民に効果的に都政情報を発信していただくよう要望しておきます。
次に、文化事業についてお聞きします。
まず、地域と連携した文化事業についてです。小宮理事からもお話ありましたけれども、ことしの夏、リオデジャネイロ・オリンピックが終わりまして、いよいよ四年後は東京大会です。
そして、リオ大会の閉会を受けて、去る九月末には東京文化プログラムが発表されました。多彩で奥深い芸術文化をこれまで以上に強力に国内外に発信し、機運醸成を図ることで、二〇二〇年大会の大成功につなげなければいけない、改めてその思いを強くしたところであります。
今年度の文化プログラムは、百四十を超える事業が展開されると伺いまして、私自身も六本木アートナイトへ足を運びました。この六本木アートナイトは、六本木というまちを舞台とし、夜通しのアートの祭典でありますが、現代アート、音楽、映像、パフォーマンスなど、多彩な作品で六本木が埋め尽くされ、文化の力でまち全体が盛り上がっている印象を強く持っております。
今回の六本木アートナイトは、例年以上に盛り上がっていたということも聞いておるわけですが、事業実施に当たりどのような工夫を行ったのかを教えてください。
○鳥田文化振興部長 今年度は、東京がリオからオリンピックとパラリンピックのフラッグを引き継ぎ、二〇二〇年大会を文化の祭典としても成功に導くための文化プログラムのスタートの年でございます。
そのため、六本木アートナイトは昨年までの春の実施から文化プログラムが始まるリオ大会終了後の秋に時期を移すとともに、一夜限りの開催から二夜にわたる開催に会期を延長し実施してまいりました。
また、リオ大会でも好評を博した東京キャラバンやTURNを同時に開催し、六本木のまちからリオの熱気と東京が持つ文化の魅力を力強く発信しました。
さらに、今年度から港区が主催に加わりまして、近隣自治会との調整や区民に対する広報などで、地元自治体ならではの手がたく、きめ細かな対応を重ねていただき、これまでに増して安定的な運営につながりました。
こうした工夫や地域が一体となった取り組みにより、多くの来場者に楽しんでいただくことができました。
○川松委員 今回のこの事業の開催に当たりまして、さまざまな工夫がなされていたということはわかります。
今回の六本木アートナイトにも見られましたように、今後の事業展開において、まち全体で盛り上がり、そして発信力を高めるという視点は、非常に重要ではないかと思います。
一方で、歴史文化財団が運営しております都立文化施設は、各施設とも非常にポテンシャルが高いと私自身は高い評価をしておるわけですが、地域と連携して、まち全体で文化を発信していくんだという視点がまだ少し弱いのではないかなと感じております。こうした視点を強化した取り組みを進めていくことが東京の文化力を高めていき、地域の発展、そして東京を世界で一番の文化都市にするということにつながっていくのではないかと考えます。
オリンピック競技大会、パラリンピック競技大会、そして文化プログラムというこの絶好の機会を逃してはいけないんだと思います。
今、生活文化局には多文化共生社会の実現もテーマになっています。女性の活躍というテーマもある、LGBTなど--さまざまな国や地域出身者と東京を世界で一番のまちにしていくダイバーシティーの実現が今の課題であります。
今触れました都立文化施設は、それぞれが大きな特徴を持って、そして地域を含めた文化をもっと盛り上げていくポテンシャル、文化を中心とした地域づくり、まちづくりの種がそこにあるのではないかと考えています。
私の地元でいえば、トーキョーワンダーサイトのレジデンスがあります。ここでは、下町の地域性にグローバルなアーティストが共存共栄し、今後、地域との交流がさらに深まるにつれて、語学を使いこなせなくても、文化芸術を柱にした互いの異文化理解が進んでいくものだと思っています。つまり、スポーツもそうですが、文化もダイバーシティー社会を実現するためにはとてつもない力を発揮するのではないかと思っています。
今後、二〇二〇年に向けては、外国人観光客のほか、ふだん、芸術文化に興味のない人にも関心を持ってもらえる大きなチャンスの四年間だと思います。こうしたまたとないチャンスに都立文化施設が中核となり、地域と連携した取り組みを充実させていただきたいと思いますが、都の見解を伺います。
○鳥田文化振興部長 東京が文化都市として発信力を高めていくためには、都立文化施設と地域が連携し、一体となった取り組みを実施させていくことが有効であり、これまで各施設を中核としてさまざまな地域連携事業を実施してまいりました。
例えば、東京都写真美術館では、近隣の企業や恵比寿エリアに点在する文化施設、ギャラリーと連携し、アートと映像の祭典である恵比寿映像祭を開催してまいりました。
昨年度は、十日間で約四万三千人が参加し、インスタレーションやデジタルアート等でまち全体を盛り上げました。
九回目を迎える今年度は、さらに充実して実施していく予定でございます。
また、今年度、新たな取り組みとして、東京都現代美術館において、MOTサテライト事業を立ち上げます。清澄白河は、古きよき下町の風景と現代アートの発信拠点が融合を進めているエリアであり、今後、美術館が地元の商店街やギャラリーなどと協働しながら、作品展示やプロジェクトを展開し、新たなまちの魅力を掘り起こしてまいります。
今後、二〇二〇年大会に向け、こうした取り組みをさらに充実させながら、それぞれの地域の魅力の向上を図り、芸術文化都市東京の実現を目指してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。例えば今後、他局との連携も深めて、文化振興を発展させていただきたいと要望しておきます。
今、現代美術館の話がありましたけれども、木場公園の中に現代アートを多数仕込んでいって、新たな現代美術館へのお客さんを呼び込む、そういう種をまいたり、あるいは子供たちの関心を引き寄せて、次世代の東京の文化振興の担い手の掘り起こしを行っていく、そんな考え方もあってよいのかなと思います。
世界で一番の都市東京実現に向けて、新たな東京の輪郭を描き出そうとしているこの時期だからこそ、これまでにない新たな取り組みが始まっていくことに大変大きな期待を寄せております。
今後、清澄白河エリアの魅力がどう変わっていくのか、本当に心から楽しみにして、そして、こうした取り組みを今後さらにほかの地域でもどんどん広げていって、東京の文化力の向上につなげていっていただきたいと要望しまして、私の質問を終わります。
○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
○植木委員長 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について局長から紹介があります。
○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 去る十月二十日の本委員会を公務のために欠席しておりました幹部職員をご紹介申し上げます。
ラグビーワールドカップ準備担当部長で国際大会準備担当部長を兼務いたします土屋太郎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○植木委員長 紹介は終わりました。
○植木委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木総務部長 去る十月二十日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりください。資料1、区市町村別スポーツ推進委員委嘱数及び都内障がい者スポーツ指導員登録者数でございます。
上段の表に平成二十三年度から二十七年度までの区市町村別のスポーツ推進委員の委嘱数、下段の表に同じく平成二十三年度から二十七年度までの都内の障害者スポーツ指導員の登録者数を記載しております。
一枚おめくりください。資料2、平成二十八年度都立学校活用促進モデル事業スポーツ体験教室及び地域スポーツ交流会の実施状況等でございます。
都内の特別支援学校で開催した障害者スポーツの体験教室及び地域スポーツ交流会の実施状況及び今後の予定を記載してございます。
一枚おめくりください。資料3、平成二十八年度都立学校活用促進モデル事業登録団体数及び利用状況でございます。
本モデル事業に登録している団体数及び学校施設ごとの利用状況を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○植木委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○高木委員 それでは私から質問をいたします。
オリンピック・パラリンピックは、世界中から最高峰のアスリートが集う四年に一度の祭典です。
また、東京という都市の姿を世界中に発信できるまたとない機会であると思います。
ところが、最近、この五輪に関する経費の問題や競技会場変更等に関する極めて後ろ向きな報道が数多くなされています。私は、これらが都によるきちんとした事実に基づく情報発信なのか非常に疑問に思っているところであります。
行政による積極的な情報開示はもちろん大切であります。しかしながら、それが事実に基づくものではなく、よい意味で朝令暮改でもよいと考えるような発想だと、都民、国民に間違った認識、先入観を植えつけてしまうことがあるのではないかと憂慮するものであります。
よい意味で朝令暮改でもよいというのは、九月二十九日のオリ・パラ調査チームが書かれた報告書の中、三八ページにある言葉でありまして、調査チームはよい意味で朝令暮改でもよいという認識をお持ちになられているのかもしれませんが、私は極めて憂慮しております。
きょうは、そういった観点から質疑を行っていきます。
まずは、オリンピック・パラリンピック開催に要する総経費の問題であります。
きょう、読売新聞にも一部出ておりましたが、こうした記事が今いろいろと世間をにぎわすわけでありますけれども、これは今、巷間大会経費は三兆円と、こういわれているわけでありまして、これは都政改革本部の調査チームの報告書の記載がそうであるからであって、それがあたかも都の見解のように流布しているからだと思います。
まず、この三兆円というのは一体どういう内容の試算なのかお伺いいたします。
○雲田調整担当部長 大会経費の三兆円につきましては、都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームが九月二十九日の第二回都政改革本部会議で報告いたしました調査報告書、並びに十月十八日のトーマス・バッハIOC会長と知事との面会時に使われました調査チームの分析レポートに記載されているものでございます。
これは、この調査チームの報告書によれば、既に設計等に入っております恒久施設などのハード施設設備に係る経費のほか、ソフト経費はロンドン大会を基本に、大会参加者数、夏の暑さやエリアの広さ、警備レベルなど、東京大会とロンドン大会との条件の違いを要素として加え、これにガバナンス、調達、予算管理など、現在の大会全体の運営の仕組みを見るとさらにお金がかかると類推し、三兆円を超える可能性があるとしたものでございます。
○高木委員 調査チームの示した三兆円は、ロンドン大会をベースに、東京とロンドンの違い、さらには現在の大会全体の運営の仕組みを踏まえて試算をしている。しかし、今、類推というお言葉がございましたが、類推というのはどういうふうに理解をしたらいいのか、ちょっとにわかには私も判断しづらいんですが、類推した上で三兆円、そういうことだと思います。
それでは、この試算内容は都が考える大会経費の考え方と同様のものなのかどうか伺います。
○雲田調整担当部長 大会経費につきましては、現在、都、国、組織委員会のほか、IOCも加わりました四者におきまして精査中でございますが、都といたしましては、先進国、成熟都市であるなど、比較的状況が類似しておりますロンドン大会を一つの目安として参考にしております。
約二兆一千億円でありましたロンドン大会から、地震や台風、暑さ対策など、経費が変動する要素はございますが、リオデジャネイロ大会の状況も十分に踏まえしっかりと経費を精査し、大会の成功に必要な業務を具体化させ、これに要する経費を見積もってまいります。
その際、都民の皆様から理解、納得が得られるよう努め、ロンドン大会と同様に、その額から逸脱しないよう管理していく必要があると考えております。
○高木委員 要するに、都は現在、ロンドン大会を参考にしつつ、具体的な経費を積み上げ作業中であるということだと思うんですが、にもかかわらず、調査チームはロンドン大会を横引きした上で、積み上げではなく将来かかるのかよくわからない要素から類推して三兆円としているというふうに私は理解をいたしました。
このように不確かな内容にもかかわらず、上山特別顧問はこの三兆円という数字の入ったレポートをガバナーズオフィスとクレジットをつけ、これは後で取り消されましたけれども、公文書として知事からIOCのバッハ会長に手渡してしまったわけであります。
また、このレポートには、都は組織委員会の予算不足の問題に都内の仮設施設の費用を支援し関与すべき、一千億から一千五百億円という記載が見られるわけでありまして、この数字の根拠と、都が関与すべきとの表記は正式な都の意思表示だったのかどうかお伺いをいたします。
○雲田調整担当部長 仮設施設の費用を含めまして、大会経費につきましては、現在、都、国、組織委員会、IOCの四者におきまして精査中でございます。
また、その役割分担につきましては、現在、都、国、組織委員会の三者におきまして協議を行っているところでございます。
なお、この調査チームのレポートにおけます数字や表記につきましては、あくまで調査チームが研究、分析し、考え方をまとめたものでございます。
○高木委員 これについても、都の正式な意思表示ではないにもかかわらず、公文書として知事からIOCのバッハ会長に渡ってしまったということだと思います。上山顧問の対応は極めて不適切な対応だったといわざるを得ないと思います。
では、このレポートの作成や配布について、当該オリンピック・パラリンピック準備局はどのようにかかわってきたんでしょうか。
○鈴木総務部長 上山特別顧問は、このレポートにつきまして、都政改革本部オリンピック・パラリンピック調査チームの九月二十九日の報告書をベースに、知事と相談しながら作成したと発言されたと総務局から聞いております。
資料の作成、配布に当たり、当局は関与しておりません。
○高木委員 当局は関与しておりませんという答弁でありましたが、オリンピック・パラリンピック準備局が関与していないというのは、オリンピックの問題について、その担当局が関与していないで書類がつくられているということは、都庁のというか都政のガバナンスとしてどうなんだという気がしてならないわけであります。
都政のガバナンスという意味では、これは知事の責任に帰するところなんだろうと思いますが、担当局があるにもかかわらず、その担当局が知らないところで別のペーパーがつくられて、それが二〇二〇年東京大会の主催者であるIOCのバッハ会長に渡っていると。このことが問題だというふうに、都庁全体で思っているのかどうかというのが、私は非常に懸念をしているんですが、そこはちょっときょうは置いておきます。また聞く機会があるかもしれません。(「いやいや聞いてよ」と呼ぶ者あり)いやいや、それはちょっと。ということで、それはまた後ほど聞かせていただきたいと思います。
経費についても、先ほどの答弁のとおり、具体的な積み上げの数字は現在精査中ということですから、この三兆円は類推であるということであります。
そこで、現在の大会経費の検討状況についてまずお伺いいたしたいと思います。
○雲田調整担当部長 大会経費の検討状況につきましては、十月の知事とIOC会長との会談におきまして、都、国、組織委員会、IOCの四者による協議の場を持つこととされ、十一月一日から三日までの四者による作業部会を経て、現在、会場整備、輸送、セキュリティーなどについて経費を精査しているところでございます。
○高木委員 今、答弁があったとおり、現在、IOCも加わって、四者で経費の精査を行っているということであり、大会経費の最適化の観点から、ぜひ取り組みを進めてもらいたい、これがまさにオリンピックを前に進めていくという作業の一番大きな一つだというふうに思っています。
今月に入って四者で協議を進めている一方で、これまでも都、国、組織委員会の三者による協議を進めていると聞いています。
そこで、大会経費とその役割分担協議をこれからどのように行っていくのかお伺いいたします。
○雲田調整担当部長 まず、大会経費につきましては、四者協議やリオデジャネイロ大会のデブリーフィング、状況報告会でございますが、などを踏まえまして、さらなるコスト縮減を図ってまいります。
これらのコスト縮減は、今回にとどまらず、来年度以降も不断に行い、順次予算に反映させてまいります。
また、役割分担につきましては、現在、大会準備全般にわたり、都、国、組織委員会の三者において協議を行っているところでございますが、四者協議などによりますコスト縮減を図った経費を踏まえ、整理してまいります。
年内に大会業務の内容、経費などを公表できるよう、これらの取り組みを精力的に進めてまいります。
○高木委員 都は、一刻も早く関係者と協議しながら、大会経費について精査し、それを公表し、そしてまた、議会に対しても正確に報告することにより、現在、三兆円とひとり歩きしている根拠の薄弱な数字の払拭に努めていただきたいと思います。
先ほど来いっておりますけれども、これ、類推した数字ですから、積み上げていないんで、ですからこのことがひとり歩きをするということが極めて憂慮すべき事態に今なっていると思います。
次に、海の森水上競技場について伺うんですが、海の森水上競技場の検討過程において、長沼ボート場が候補地となった経緯等についてまずお伺いをしたいと思います。
オリンピック・パラリンピック調査チームは、九月一日に発足し、検討開始からわずか一カ月、九月二十九日には調査報告書をまとめ、ボート、カヌースプリント会場について、海の森水上競技場から宮城県長沼ボート場への移設の可能性を探るべきとの報告をしております。
ところが、報道等によりますと、調査チームの上山特別顧問は、検討が始まって間もない九月九日には、既に村井宮城県知事にメールを送って、長沼案を打診していたといわれております。
そこで、このころ、都は、調査チームにボート、カヌースプリント会場について、あるいは長沼ボート場案について、どの程度の説明をしていたのかお伺いいたします。
○花井施設担当部長 都は、平成二十六年の会場再検討の際、ボート、カヌースプリント会場につきまして、他会場での開催の可能性も含め、IFやIOCとの協議を重ねまして、宮城県の長沼ボート場につきましてもその候補の一つとしておりました。
検討に当たりましては、現地視察を二回行い、うち一回はIFも同行し、現地におきまして議論を行いました。
当時の調査結果につきましては、長沼ボート場は大会開催に必要となる敷地が限られており、新たな土地の確保や造成、競技コースに沿った桟橋の整備が必要となること、選手村の分村が必要となること、大会後の利用が限定的になる可能性があることなどの課題を整理いたしました。
これらにつきまして、調査チームに対し説明を行っております。
○高木委員 このあたりの時系列的な経緯というのを一度まとめてみたんですが、先ほど申し上げたとおり、九月一日にオリ・パラ調査チームが設置をされて、九日に上山特別顧問から村井宮城県知事に対して、これは都政改革本部として見直しを検討する際、村井知事の考えを聞きたい旨のメールが出されているのがこの九月九日というふうに、十月十二日の村井知事の組織委員会訪問時の囲み取材の発言からわかったわけです。
そこで伺うんですが、このメールというのは公文書でしょうか、どうでしょうか。私は、これは都政改革本部として、上山特別顧問が村井知事にお出しをしているメールなので公文書だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○鈴木総務部長 東京都情報公開条例によりますと、公文書とは、実施機関の職員が職務上作成しまたは取得した文書等であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして当該実施機関が保有しているものをいうとなってございます。
今回の場合、当該メールを組織的に用いたかどうかで判断することになると考えております。
○高木委員 組織的に用いているから、バッハ会長に渡されたあの文書ができているわけでありまして、それが公文書になっていて、そのもとがこのメールによる問い合わせというふうに私は思っている。
ですから、このメールのやりとり、多分一回ではないような気がするんですが、これはこれから私たちがこの問題を解明していく上で極めて重要な情報なので、これはぜひオリンピック・パラリンピック準備局として、上山特別顧問にメールの公開をお願いしていただきたい。そして、私たちにそのメールを公開していただきたいと思います。
どういう内容で村井知事にこのメールで問い合わせたのか、そしてどういう内容であったのかということをぜひ知りたいと思います。ぜひこれはお願いしたいと思います。
小池知事は、時系列的にいうと、その後、九月十三日に村井知事と非公式に、非公式に面会をされています。上山氏らとともに打ち合わせを行っています。このときに、この十三日の村井知事と非公式に面会をしたときに、村井知事、それから小池知事、上山特別顧問、ほかにもここに同席をした人がいると思いますが、これは誰でしょうか。
○鈴木総務部長 村井知事のほか、上山特別顧問、安川参与が同席をしております。
○高木委員 そうしますと、この九月十三日の非公式会議は、四人で行われたということでよろしいんですね。というふうに今、お聞きをいたしました。小池知事、村井知事、上山特別顧問、それから何だっけ、もう一人(「安川」と呼ぶ者あり)安川顧問(「参与」と呼ぶ者あり)参与ということでよろしいでしょうか。
○鈴木総務部長 大変申しわけございませんでした。ちょっとその時期を間違えてしまいまして、申しわけございません。その日の打ち合わせについては、私ども把握してございません。失礼いたしました。
○高木委員 たしかオリンピック・パラリンピック特別委員会で、このことはそのほかスタッフといういい方をされていたような気がしているんですが、ぜひお調べになって、きょうすぐに答えを求めませんので、この会議はどういうメンバーでやられていたのか、つまり、これは将来的に私たちが委員会でいろいろ参考人招致含めてする際の参考になることなので、誰が同席をしていたのかということはぜひお知らせをいただきたいというふうに思っております。
九月二十九日の調査報告書をまつまでもなく、長沼ボート場の課題について、事務方に詳しく確認をするわけでもなく、先方の宮城県知事と打ち合わせをして、一定の流れをつくり出そうとしていたのではないかと類推をされるような九月一日からの時系列なんですね。類推という意味でいえば。
実際、十月十五日に知事と関係者が長沼ボート場を視察した際には、被災地の仮設住宅が選手村仕様へ手際よく改修をされているなど、あたかも会場変更が既定路線になったかのような騒動だったという気が私はしております。
しかし、知事や調査チームはこの時点で初めて現地を視察したわけでありまして、オリンピック・パラリンピックの競技会場がどのような諸条件を備えなければならないのか、十分な認識があったのか、私は甚だ不安であるわけであります。
ここでさらに一つ伺いたいんですけれども、仮設住宅の改修というのは、いつの時点で、誰の指示で、誰が経費を負担して、誰がこれを改修したんでしょうか。
○花井施設担当部長 詳細なことについては十分把握しておりませんが、宮城県において改修されたものと認識しております。
○高木委員 それでは、ぜひ宮城県に聞いて調べていただきたいんですが、先ほど上山特別顧問のメールの公開の話もお願いをしましたけれども、仮設住宅を改修してここで見せようということは、誰の発想なのか、それをぜひ知りたいです。
ですから、誰がこれを指示して、どの時点で、誰が経費を負担してやったのかと。これ、宮城県にぜひ聞いていただいて、情報をぜひ公開していただきたいと思っています。
仮設住宅が改修をされて公開をされるということになれば、当然、今、私は手際よくといいましたけれども、これはやっぱり結構な日数と労力がかかっていると思うんですね。ですから、十月十五日に知事が関係者と長沼ボート場の視察をしますよと。そこに合わせてやったということは、さかのぼっていえば、そこを最終的なデッドラインにして、当然、いついつから始めればそこに間に合うよということになったんだと思いますから、先ほどのメールの公開と同時に、このことの情報をぜひ開示していただきたい、こう思っております。これはお願いをしておきます。
そして、結局、その後は長沼ボート場の話は、来日したIOCバッハ会長から、ルールを変えないことが重要、IOCを交えた四者、IOC、組織委員会、国、東京都でテクニカルな部分も踏まえた協議をと提案をされて、十一月一日に決定された都の案は海の森の経費縮減案の二つと長沼案が併記される形となって、今に至っているということであります。
私は、この一連の動きは、東京都には任せておけないというIOCの厳しいメッセージだったというふうに思いますし、私はバッハ会長が来て、ルールを変えないことが重要と改めていったり、IOCを交えた四者でテクニカルな部分を踏まえた協議をしなければいけないといったりするということは、これはやっぱり東京都は真摯に受けとめなければいけない、その必要があるというふうに思います。
今、宮城県の方々は、十一月の末に四者協議を経て会場決定がなされることについて、どのように受けとめていらっしゃるんでしょうかね。あれだけ、要は市民の皆さんも歓迎ムードで、ぜひお願いしますといってみて、結局のところ出てきた案は、海の森の経費縮減案が二つと長沼案が併記をされているということでありますから、結論はまだなんですけれども、長沼ボート場が仮に選ばれなかった場合は、あの十月の騒ぎ、一体何だったんだろうと被災地の皆さんの失望が広がるということに非常に私は懸念をしておりますし、そうならないことを願っているんですが、残念ながらどうもそんな雰囲気も感じるわけであります。
私は、少なくとも長沼ボート場がオリンピック・パラリンピックの競技会場として、五輪特有のさまざまな条件をクリアしているのか、冷静に検討した上で、相手方に打診すべきではなかったのかと率直に思います。
そのことは、先週金曜日のオリ・パラ特別委員会で我が党から逐一問題点は確認したところでありますが、改めて長沼ボート場の課題とこうした課題に対する現在の宮城県の検討状況についてお伺いしたいと思います。
○花井施設担当部長 宮城県に対しましては、十月三日に県職員が来庁した際、平成二十六年度当時、都が会場再検討を行った際の内容や、国際ボート連盟の規定などを取りまとめの上、お渡ししております。
十月七日には、日本ボート協会と日本カヌー連盟とともに現地調査を行い、改めまして都が過去に検討した資料や選手村分村の考え方を県にご説明し、意見交換を行いました。
その後、県の案で大会を開催した場合の課題等を整理いたしまして、説明も行ってございます。
現在、これらの課題や具体的な工程計画などにつきまして、県において検討していると伺っております。
○高木委員 先日のオリ・パラ特別委員会では、仮に長沼ボート場に競技会場を変更した場合、既に海の森水上競技場の工事に費やした経費、そして損害賠償等々を勘案すると、百億円もの経費が発生をするということが答弁をされました。
これは、東京都の公式見解、オリ・パラ準備局の公式見解でありますから、そういうことなんでしょう。
それでは、経費縮減の努力を行った海の森水上競技場整備案と、長沼ボート場に会場変更をし、こうした中止に伴う経費双方を勘案した場合、実際どちらが合理的な選択といえるのか見解を伺います。
○花井施設担当部長 ボート、カヌースプリント競技会場では三案を検討してございます。海の森水上競技場では、現行案をベースに、コストの縮減を検討する恒設コスト改善案の整備費三百二十八億円、大会開催に必要な最低限の仮設レベルで整備する仮設レベルスマート案の整備費二百九十八億円を想定してございます。
長沼ボート場は、復興した姿を世界に発信することから、今回の選択肢の一つとしたものでございまして、宮城県の試算によりますと、整備費は百五十から二百億円となってございます。
それぞれのメリット、デメリットを総合的に勘案し、最終的には四者協議の場で決められるものと考えております。
○高木委員 オリ・パラ準備局としてはなかなかいいづらいんでしょうけれども、今のお話は、例えば海の森が大体三百億円とした際に、長沼整備案は百五十億から二百億プラス損害賠償、工事の中止、その経費が百億ということですから、長沼整備案にそれを乗せるというのも失礼な話なんで、そういう話はしませんが、しかしながら、これはやっぱりどうなんだという検討の俎上に上げるべき数字がそろってきたんではないかというふうに思います。
私たちは、オリンピックのレベル感というのを実は従前から大事にしてきたんですけれども、ここへ来て経費節減の話が出て、当然経費は節減すべきだし、できるだけ都民に負担をかけない形で最大の効果を得られるような、そういうオリンピックにすべきだと。そのことは誰もが疑いの余地がないところだと思うんですね。
しかし、総経費の三兆円の話ですとか、あるいは会場整備のこうしたいろいろな建設経費の試算だとか、そういうのを見ていると、何か数字だけがひとり歩きをしていて、本当のところでこれ、オリンピック、ちゃんと進めることができるのかどうかという、今、不安があるんです。
ですから前々からこれはいっておりますが、バッハ会長が来たということを、もっとみんなが真剣に受けとめなきゃいけない。つまり、これはやはり時間が限られている中で、本当に間に合うのかと、東京に任せておいて大丈夫なのかといわれているのと同じなわけですから、早くコンセプトを決めて、レベル感も含めて、オリンピックという世界最大のスポーツの祭典が行われる、お祭りといったらあれかもしれないけど、その祭典のレベル感というのをどこに設定するのかと。
それは、どんどん安くするだけで、競技だけできればいいよというんだったら、そりゃやり方は幾らでもあると思いますよ。だけれども、先進国で、二回目で、この首都東京でどれだけのレベル感で最大の効果のオリンピックをやるのか。それをやっぱり考えなければいけないというときに、早く結論を出して前に進んでいかなければいけない。私たちはそう思っております。ですから、オリンピック・パラリンピックの特別委員会でもそういうことがずっと議論されてきております。
私たち都議会自民党としては、今、話題になっている三施設の問題を初めとして、全体の経費の縮減について、自民党案というのを近いうちに発表しておきたいと思うんですが、きょうは詳細には申し上げません。考え方だけとりあえず申し上げておきたいと思います。
私たちは、まず、現在行われている三施設の施設整備費の節減は大切な課題だというふうに認識をしておりますが、それ以上に、関係者間の強い信頼関係のもと、大会総経費の節減への努力及び国、組織委員会、都の役割分担と費用負担の見直しを図る努力の方がより重要であると考えております。これが第一。
二つ目は、時間軸を踏まえた現実を直視して、大会成功への道筋を真摯に追求していくこと。
そして、三つ目には、そのためには、知事が国及び民間関係者との積極的な協議によって法令改正への協力要請を含めて、経費節減への努力を惜しまないでいただきたいということ。
さらに、四つ目には、経費節減に取り組むべき個別の課題、項目については、これはまた後ほどというか、近日中というか、私どもの考え方は別途、ご要望を含めてお伝えを申し上げておきたいというふうに思っております。
私の質問はもうそろそろ終わるんですが、私の申告時間は一応一時間という申告をいたしまして、今、大体三十五、六分のところまで来ているんですけれども、これで終わると、多分、委員会の皆さんは、ああ、早く終わってよかったなということになると思うんですね。
これ、実はオリンピックの三兆円の話と同じことなんですよ。つまり、大きく見せておいて、それで最後は小さくなった。これが私たちの要は成果なんだというような話をされたんでは、こんなことがまかり通っていたんじゃ、私はいけないと思いますよ。
ですから、精緻に精査をした費用が本当に幾らなのか、そして、そのことがやはりオリンピックをやる上でどうしても必要なんだと。そして、それが国全体で合意をされて、さらに民間の皆さんも含めていろいろな協議をし、国とも協議をしながら、いろいろな努力をした上で、最終的にこうなりますということがなければ、私はいけないんだろうと思っておりまして、残念ながら三兆円という数字がひとり歩きをしてしまったのは、何かそうした意図があるんではないかなということを思わざるを得ない。この類推をされた数字がひとり歩きをするということは、都政にとって極めて憂慮すべき事態だと思います。
ですから、四者、あるいは三者できちんと費用負担の考え方を固めて、そして、誰がどのような役割を担うのか、そういうことも含めて早期に協議を進めていただいた上で、このオリンピックの総経費の問題、あるいは会場の施設をどうつくっていくのか、幾らでつくるのか、そうしたことをとにかく前に進めていただきたいと思います。
先ほど来何度もいっておりますけれども、時間が限られています。ですから、限られた時間の中で、現実的にきちんとした選択肢を私たちが用意しなきゃいけない。ですから、みんなで知恵を絞って、そこは一丸となって進んでいくべきだと思います。
この間、私は、東京オリンピックのこの迷走というか、なかなか方向が定まらなかったというのは、やはり知事がですね、招致をしたときは猪瀬知事だった。そして、その後、舛添知事にかわり、小池知事にかわった。三代の知事がかわるということによって、最初の猪瀬知事は、コンパクト開催というのが旗印だった。そして、舛添知事もコンパクト開催だけを追求したらやっぱり経費が膨大にかかるんで、もっと縮減をしようということで、二千五百億以上の経費を節減した。さらに小池知事になって、今、新しいコンセプトを模索しているんだろうと思っておりますから、これは早く方向性を決めていただいて、東京都がやる二〇二〇年オリンピックはこういうものなんだというそのコンセプトに基づいて、しっかり進めていくことが必要だろうということを思います。
私たちも、そして、当然、オリンピック・パラリンピック準備局もそのことに汗をかくということは、都政にかかわっている私たちの使命ですから、私たちも一生懸命頑張りますから、どうぞみんなで協力して、この課題を一つ一つ乗り越えていきたい、このように思います。
以上で終わります。
○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時十二分休憩
午後五時三十分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○野上委員 オリンピック・パラリンピック、最初の特別委員会に所属しているときから、一貫して危機管理について質問してきた経緯があります。
また、昨年の事務事業も取り上げてきましたので、一連の危機管理について、ぱんぱんぱんぱんと質問させていただきます。
一番最初に、ことしのバングラデシュのダッカで二十八名の方がテロでお亡くなりになられて、日本人も巻き込まれ、楽しい会食をしていたところ、七名の方が大変悲惨で痛い思いをしながら亡くなられた事件がございました。
また、ちょっとさかのぼると、昨年質疑したときに、ちょうどフランスのパリで、同時多発のテロがあったところでございまして、その後も、ことしの三月にはベルギーのブリュッセル、六月にはトルコのイスタンブール等、テロが続いているわけでございます。
例えば、マイナンバーカードの中にも顔認証というのがついておりまして、この人が本当にこのカードを持ってきた人と同じなのかという認証する仕組みとかもありますし、それから、生体認証システム等々で、犯人が特定できる仕組みもあります。目と目の位置と鼻、この三角形のラインを結んで犯人特定ができるという仕組み。確かに眼鏡していて、マスクをしているとなかなかちょっと難しいところがあると思うんですけれども、そうした顔認証とかの仕組みもどんどんつくられてきていると思います。
先日、金町浄水場で、十月二十日だったんですけれども、テロ対策の訓練がございました。不審者が金町浄水場に入って、薬物か爆弾かわからないんですけれども、そういったものを投げ込んだときに、どう対処するかということで、いろいろな組織の方々が連携しながら行っておりました。ただ、ドローンとかに危険な薬物を積んでぽんと落とせば、防ぎようがないのかななんて思ったりもしたものでございます。
テロ対策には、警察と消防との連携が不可欠であると思いますけれども、都は、二〇二〇年大会に向けて、連携の対応ですね、どういうふうにしているのか、最初にお伺いいたします。
○田中運営担当部長 都は、開催都市の責務といたしまして、都内全域において、国内外から二〇二〇年大会を訪れる全ての人の安全・安心を確保していく必要がございます。
このため、平成二十七年七月、庁内横断的な安全・安心部会を設置いたしまして、テロを初めとする治安対策、サイバーセキュリティーなどの視点から、各種事態を想定した対処要領策定に向けた検討を行っております。
この検討には、庁内各局に加えまして、警視庁、東京消防庁も参画しております。
今年度は、リオデジャネイロ大会の現地調査に関する情報共有なども行っておりまして、今後も緊密な連携のもと、大会時に想定されるリスクを踏まえ、平成三十年までに対処要領を策定してまいります。
さらに、実地訓練を重ねまして、平成三十一年のラグビーワールドカップ二〇一九の経験も踏まえた検証、見直しを行い、二〇二〇年大会に向けた危機管理体制を構築してまいります。
○野上委員 二〇二〇年に向けた治安対策が一層進んでいきますようにお願いいたします。
次に、サイバーセキュリティーに対して質問させていただきます。
いろいろとサイバー攻撃、たくさんあると思います。ネットバンキングなんかでも、不正送金があっても、犯人を特定するまではなかなかできない。ただ、ウイルスが来たときに、ウイルスが来ましたよというのは表示できるけれども、根本的な対策ができないということもあります。これは、国全体を挙げて非常に悩んでいるところだと思うんですけれども、このサイバーセキュリティーに対しては、やはり国が主導権を握ってやっていくものだと思っているんですけれども、サイバーセキュリティーについて、国とどういうふうに連携をとって、しっかりとやっていくのかについてお聞きいたします。
○田中運営担当部長 二〇二〇年大会に向けたサイバーセキュリティーを効果的に進めるには、国との連携が不可欠でございます。
都では、本年四月、緊急事態に迅速に対処する専門組織、東京都CSIRTを立ち上げまして、体制を強化したところでございますが、二〇二〇年大会に向けまして、内閣サイバーセキュリティセンターとも連携し、取り組みを進めているところでございます。
また、今年度から新たに、庁内横断的な安全・安心部会に国の参加を得たところでございまして、今後、国とさらに連携を深めながら、対処要領策定に向けた検討を進め、大会時のサイバーセキュリティーについて万全を期してまいります。
○野上委員 けさ五時五十九分に、震度五弱の福島県沖を震源とする地震が起きました。私もちょっと寝入ったなと思ったときの地震だったので、結構睡眠不足なんですけれども、本当にちょっと大変だなと思っております。私、マンションの十五階、最上階に住んでいるので物すごい揺れるんですね。だから、飛び起きたという感じでございます。
私が聞きたいのは、選手村の地震対策とか液状化対策についてなんですけれども、選手村の宿泊棟は、オリンピック大会時に約一万七千人、パラリンピック大会時には約八千人の選手が滞在をする施設となっております。
大会後は、六千戸の住宅を中心としたまちに生まれ変わる計画になっておりまして、この選手村の宿泊棟の地震対策、液状化対策を進め、大会時に選手等の安全を確保するのはもちろんのこと、大会後も生活する人々の安全を確保することが重要であるということで、昨年も答弁をいただきました。
耐震基準等に適合する建築物の設計を行って、必要に応じて地盤改良やくいの打設、液状化対策を適切に行うことによって、地震対策、液状化対策に万全を期するという答弁を昨年いただいたんですけれども、一年たった現在、宿泊棟の整備に向けて、地震対策、液状化対策に対するその後の取り組みについてお伺いいたします。
○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 選手村の宿泊棟につきましては、都が行います市街地再開発事業におきまして、民間事業者が整備する住宅棟を大会期間中、一時使用する計画となってございます。
大会期間中、選手等に安心して快適に滞在していただくためには、地震時における建築物の安全を確保することが不可欠でございます。昨年度実施いたしました地盤調査を踏まえまして、建築物につきましては、耐震基準に適合する設計とするとともに、支持ぐいにより支える構造とすることで、地震や液状化に対して安全性を確保してございます。
また、建築物の外周につきましては、必要に応じて地盤改良を行うことにより、液状化対策に万全を期していくこととしてございます。
今後とも、関係局や民間事業者と緊密に連携をしながら、選手村の整備を推進してまいります。
○野上委員 エネルギー対策について質問させていただきます。
大会時の電力需要に不安はないのかどうかということを常に心配しているんですけれども、今年度において、東京電力が公表した資料によりますと、二〇一六年夏季の最大需要発生日となった八月九日においても、最大電力が四千六百六十万キロワットであり、供給力の五千二百六十七万キロワットと比較しても、予備力として六百七万キロワットと、電力に関しては、一定程度の確保がなされている状況と考えられるということでございますが、一方、量としての電力の供給が十分であっても、各競技会場等への電力の供給に関する信頼性が不足すれば、大会の安定的な運営につながらないと思います。電力については、信頼性を高めていく必要があると考えます。
そこで、競技会場への電力供給に関する信頼性の向上についてお伺いいたします。
○花井施設担当部長 競技会場等への電力供給につきましては、IOCから高い信頼性を確保するよう求められておりまして、万が一の事故に備え、電源の供給ルートの多重化やバックアップ用の発電機の用意など、会場や設備に応じたさまざまな対応が考えられますことから、現在、これらにつきまして検討を進めております。
引き続き、関係者と連携し、各会場の状況に合わせた必要な電力の確保につきまして検討を進めるなど、確実な大会運営に向け準備を進めてまいります。
○野上委員 どうぞよろしくお願いいたします。
次に、被災地支援について質問させていただきます。
被災地では護岸整備が進み、道路や復興住宅が建設されるなど、復興への道筋が少しずつ見えてきております。しかし、まだ学校の校庭に仮設住宅が残っていたり、なかなか運動ができない子供たちや運動不足になっている高齢者の方々も多いと思います。
東日本大震災から五年九カ月が経過した今、改めてハード面の整備だけではなく、継続的なソフト面での支援が必要と考えます。
そこで、スポーツを通じた被災地支援について、都の取り組みと成果についてお伺いいたします。
○小室スポーツ推進部長 都は、東日本大震災の被災地に対して、スポーツが持つ力で元気を届け、復興への機運を高めるため、被災地支援事業を実施してまいりました。
具体的には、被災地にトップアスリートや運動の指導者を派遣いたしまして、現地で活動するアスリート派遣事業、被災地の子供たちを東京に招待してスポーツ交流などを行う被災地招待事業、そして、青森から東京まで被災地をたすきでつなぐ、未来(あした)への道千キロ縦断リレーを実施しております。
このうち、アスリート派遣事業については二種類ございまして、一つが、トップアスリートを被災地に派遣し、野球や卓球、バレーボールなどを現地の子供たちに教える事業と、もう一つは、運動の指導者を被災地の方に派遣いたしまして、狭い仮設住宅等で暮らす住民の方を対象に、歩く基本動作や、ボールを使って気軽にできる運動の講習を行いまして、日常生活における運動不足の解消を図るという事業がございまして、これら合わせて年間十回程度実施しております。
被災地招待事業につきましては三つございますが、被災地の子供たちを東京に招待し、東京の子供たちとスポーツを通じた交流を行う事業、国際大会等の観戦、そして、東京マラソンの十キロコースに招待する事業とございます。これらのうち、子供たちとの交流事業につきましては、今年度七回実施いたしました。
これら一連の事業は、いまだ復興途上にあります被災地の方々と、都民、国民のきずなを深め、かけがえのない心の財産になっていると認識しております。
今後も、こうしたスポーツの力を最大限活用しながら、被災地支援を着実に実施してまいります。
○野上委員 東日本大震災直後からこれまで、都はスポーツを通じた被災地支援を継続して実施してきました。
私の地元葛飾区でも、平成二十五年度に宮城県の石巻市の軟式野球チームの子供たちを招待いたしまして、試合やホームステイなどで交流を深めました。夜は焼き肉をやったりして、本当に楽しく過ごしたわけでございます。津波であらゆるものを流されてしまった子供たちに、野球の道具、ベースなども含めてプレゼントをして、大変喜ばれたことを思い出します。全部持って帰っていただきました。
千キロメートル縦断リレーは、オリンピアンやパラリンピアンが、全国から集まる参加者ととともに、青森から東京までたすきをつなぐもので、これまでも数多くのマスコミ等に取り上げられてきました。上野でゴールだったんですけれども、私も行ってまいりました。
一方で、五年九カ月を経過し、日本、そして世界で震災の記憶が少しずつ風化していることも感じます。改めて被災地への関心を国内外で呼び起こす取り組みが重要でございます。
そこで、千キロメートル縦断リレーで実施した新たな取り組みと成果についてお伺いいたします。
○小室スポーツ推進部長 千キロメートル縦断リレーは、ことしで四回目を迎えまして、これまで延べ四千名を超える方々に参加いただき、被災地と全国のきずなを深めてまいりました。
今年度は、新たに公式サイトの英語対応、海外メディアの現地への招待等、国内のみならず、海外に向けた取り組みを実施いたしました。
これにより、日本在住の英語教師や留学生など、約五十名の外国人の方々に参加いただくとともに、アジア、ヨーロッパなど、海外七カ国のメディアを通じて、復興に向かう被災地の姿を世界に発信することができました。
また、今年度は、車椅子の方を含む大勢の方々に参加いただくため、公道を封鎖した交通規制区間を、昨年度の青森県青森市に加えまして、岩手県宮古市、宮城県仙台市の三カ所で行い、その結果、地元を中心とした多くのメディアに取り上げられました。
今後とも、被災地の姿を国内外に積極的に発信し、被災地への関心を引き続き喚起してまいります。
○野上委員 二〇二〇年大会に向けて、都内全域でスポーツの機運を高めていくためには、競技会場の有無にかかわらず、全ての区市町村でオリンピック・パラリンピックのレガシーを実感できる取り組みを行っていくことが重要だと思います。
そのための取り組みの一つとして、二〇二〇年大会を機に、障害のある人もない人も、ともにスポーツを楽しむことができる環境整備を加速させることが必要だと思います。
区市町村のスポーツ施設には、バリアフリーが行き届いていない施設がまだまだ残っております。スポーツ活動を実施、継続するためには、身近な地域である区市町村のスポーツ施設のバリアフリー化が不可欠でございます。
そこで、区市町村のスポーツ施設のバリアフリー化を促進するために、都が行っている取り組みについて伺います。
○小室スポーツ推進部長 都は、身近な地域におけるスポーツ活動を促進するため、区市町村のスポーツ施設の整備費に対する補助制度を平成二十六年度に創設し、バリアフリー化のための工事などを支援する仕組みを整えました。
補助率は二分の一、ただし、国庫補助との併用の場合の補助率は三分の一とし、補助限度額は一億円としております。補助制度全体の今年度の予算額は、昨年度の十二億円から二十億円に増額いたしました。
平成二十六年度、二十七年度の二カ年で、本補助制度を活用して行ったバリアフリー工事の実績は、十二区市町村、二十件でございます。内容は、誰でもトイレ、手すり、スロープや点字ブロックの設置などでございます。
今後、区市町村の取り組みをさらに促し、障害者を初め、誰もがスポーツに親しめる環境づくりを積極的に進めてまいります。
○野上委員 バリアフリー化は、障害者だけではなく、子供にとっても高齢者にとっても優しい施設となります。二〇二〇年大会のレガシーとして、このような取り組みが加速し、誰もが身近な地域でスポーツ活動ができる環境が広がれば、オール東京での二〇二〇年大会に向けた機運醸成につながっていくと思います。
引き続き、この補助制度を活用し、積極的に区市町村と連携したバリアフリー化に取り組んでいただきたいと思います。
都は二〇二〇年に、週一回以上のスポーツを実施する成人の割合であるスポーツ実施率を世界トップレベルの七〇%に引き上げることを目標としてスポーツ施策を推進しております。スポーツ実施率を向上させることは、スポーツの推進に加え、都民の健康増進や、スポーツを通じた都市の活性化にもつながるものと考えます。
ところで、都が平成二十七年二月に公表した都民のスポーツ活動に関する世論調査では、都民のスポーツ実施率が六〇・五%に上昇したものの、二十代から三十代のスポーツ実施率は四〇%台と低い水準にあるとのことでございました。
スポーツ実施率七〇%達成のためには、この世代の実施率を向上させることが最も重要だと考えますが、働き盛り世代に対する都の取り組みについてお伺いいたします。
○小室スポーツ推進部長 都はこれまで、TOKYOウオークやスポーツ博覧会など、各種スポーツイベントを開催し、スポーツに触れる機会を創出するとともに、区市町村におけるスポーツ施設の新築、改修の支援等を通じて、身近な地域でスポーツに親しむ環境整備に取り組んでまいりました。また、高齢者を対象としたスポーツ競技会等の事業を支援するシニアスポーツ振興事業など、世代の特性に応じた施策を展開しております。
ご指摘のスポーツ実施率の低い働き盛り世代については、仕事が忙しく、時間のないことが主な理由とされていることから、都内の企業等を対象とした施策を展開しております。
具体的には、社員のスポーツ活動を推進する企業等を東京都スポーツ推進企業として認定するとともに、先進的、積極的な取り組み事例を広く紹介しております。
また、今年度は、東京商工会議所との連携のもと、都内中小企業へ指導者を派遣するなど、働き盛り世代の職場内でのスポーツ習慣の定着化に取り組んでおります。
こうした事業により、働き盛り世代にとってスポーツをしやすい環境づくりを進め、スポーツ実施率七〇%の達成を目指してまいります。
○野上委員 働き盛り世代に対する取り組みとして、都が企業に対して働きかけていることがよくわかりました。
仕事等で忙しく、スポーツをする習慣が定着化しない働き盛り世代のスポーツの実施率を底上げするためには、一日の大半の時間を過ごす企業への働きかけが重要でございます。
今後も、引き続き企業への働きかけを推進することで、都民のスポーツ実施率七〇%を達成するとともに、また、スポーツ習慣が定着したこの世代が、高齢者になって生き生きと豊かに暮らしている東京が実現することを期待しております。
最後になりますけれども、受動喫煙についてちょっと話させていただきます。
さんざん受動喫煙防止については申し述べてきたところでございますけれども、厚生労働省が規制強化のたたき台をまとめたわけでございます。その中で、官公庁などの建物内、あるいは医療機関、あるいは小学校、中学校、高校の敷地内を全面禁煙とする。これは、東京都は早くからできておりまして、頑張ってこられた成果だと思っております。
もう一つ、世界保健機構によると、たばこ規制枠組み条約というのが二〇〇五年に発効して、海外では対策が進んでおります。約五十カ国が、飲食店やバーを含む全ての公共の場所で屋内を全面禁煙とする法律を整備したわけでございます。
日本が最低レベルと判定されているのは、日本では健康増進法という法律があるにもかかわらず、防止措置の規定はあるんですけれども、努力義務にとどまっているためになかなか徹底していかないということで、世界保健機構からは、もっと頑張りなさいよといつもいわれているわけでございます。
IOCの方も、たばこのない五輪というのを掲げておりまして、近年の開催地や開催予定地は、罰則つきの受動喫煙防止策を講じている。多分、耳にたこができるぐらい聞いていると思うんですけれども、五輪の開催国として、日本もこの対策を加速していかなければならないと思っております。
その中で、一つ、たばこを吸わない人、非喫煙者の方が受動喫煙によって肺がんとかになるということが本当なのかどうかというのを、四百二十六本の免疫研究をしたものから複数の論文を統合して解析した、これをメタアナリシスというんだそうです。この手法によって、受動喫煙で肺がんのリスクが、たばこを吸っていないのに肺がんになるリスクが一・二八倍上昇するという結果が得られました。これは、今まで一・三倍という数値が国際的に使われていた数字なんですけれども、一・二八と大体同じぐらいになるということで、受動喫煙防止というのは、人々の健康対策にも非常に大事だと思っております。
産業労働局の方が十億円かけて、飲食店に関しては、喫煙できる場所、喫煙できない場所というふうに分けるという施策をやっているんですけれども、陰圧が低いので、どうしても煙が外に流れていってしまう。
そうなってくると、飲食店で働いている自分たちのかわいい息子や娘が、いつもいつも受動喫煙の害にさらされて、従業員ですね、アルバイトの人とか、さらされているということも挙げられますので、ぜひ皆様方のお力もかりまして、オリンピックまでに何とか全面禁煙等を頑張っていただければということを要望して、私の質疑を終わらせていただきます。
以上でございます。
○里吉委員 それでは、私からは障害者スポーツの推進について質問を行ってまいります。
スポーツを行うことは人権の一つであり、障害があってもなくても誰でもスポーツを楽しめる環境を整備することは、四年後にオリンピック・パラリンピックを開催する東京都に求められていることです。
特に障害者のスポーツ参加は、健常者に比べ、まだまだ少ないのが現状であり、思い切って支援を強めることが必要です。
東京都も、既に東京都障害者スポーツ振興計画を策定し、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。
私は、これまでも障害者スポーツの振興について質疑を行ってまいりましたが、今回は、特にこの九月からスタートした都立学校活用促進モデル事業について伺ってまいりたいと思います。
この事業は、都内にある特別支援学校の体育館やグラウンドなどの体育施設を学校教育活動に支障のない平日の夜や土日、祝日に開放し、障害のある方や障害者スポーツ競技団体などが身近な場所でスポーツ活動ができるように活用を促進するものです。
きょう、資料も出していただきましたが、それ以外にもさまざまなスポーツ教室なども今取り組まれているところです。
そこでまず、ことし九月から始まったこのモデル事業、資料には七十六団体が登録したとありますけれども、具体的にはどのような団体が登録しているのでしょうか、伺います。
○小室スポーツ推進部長 これまでに登録した団体は、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会の加盟団体、同協会に未加盟の法人格を持つ団体、その他の任意団体に分類されます。
競技種目としましては、車椅子バスケットボールや車椅子テニス、ゴールボールやブラインドテニスなどの活動を行っております。
○里吉委員 さまざまな団体が登録していること、そして、いろんなスポーツが行われていることがわかりましたが、さらに任意団体は、例えば作業所仲間でつくっている団体だとか、地域の健常者の方も含めた団体だとか、そういったことももう少し詳しくぜひつかんでご報告いただきたいと思います。
それから、障害種別についても差異があるのかどうか、そんなこともこれから一年ぐらいたったところでまとめていただけたらと思います。
そして、資料に利用実績も載せていただきましたけれども、だんだん埋まってきているように見えますけれども、資料の三ページ目にいただきましたが、まだ貸出可能日数と貸出日数であいているところがあるようですが、この利用時間が平日の夜間と土日、祝日ということで、実際に利用されている時間はどこが多いのか伺いたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 昼間に利用可能な土曜日、日曜日、祝日に利用が多い状況でございますが、開始から約三カ月が経過しまして、現在では、平日夜間においても利用がふえております。
○里吉委員 だんだん利用する団体もふえてきたり、夜間も定着してきたということで、引き続き進めていくことだと思うんですけれども、私、気になるのは、特別支援学校をスポーツの活動場所として開放することで、実際に新たな障害者スポーツサークルが生まれたり、今までは定期的に練習できなかった団体が、ここがあるから安心して練習できるようになるなど、実際に障害者のスポーツ団体がふえていくとか、安定的に活動できるとか、裾野が広がっているのかどうかということが重要だと思うんですね。
そこで伺いたいんですけれども、今、このモデル事業で特別支援学校を使っている団体は、今まではどこか別の場所で活動していたところから移ってきたのか、それとも新規の団体なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 これまでに東京都教育委員会で実施しております都立学校施設開放事業で利用していた団体が、継続して同一施設を活用している事例はございます。
それ以外の従前の活動場所につきましては、本事業のさらなる周知を図る観点から、把握に向けて準備を進めているところでございます。
○里吉委員 これから把握していただくということでしたので、ぜひ期待したいと思います。結果を見させていただきたいと思いますが、今まで学校開放事業で利用していた団体ばかりがもし利用しているとしたら、それだけでは大変もったいないと思うわけです。
学校開放事業で既に学校を利用していた団体以外に、今まで練習場所に苦労していた団体、それから、これを機会に新しくつくった団体があるのかなど、ぜひ全体把握していただきたいと思います。
また、これ今、開放しているのが体育館とグラウンド、テニスコートということになっていますが、特別支援学校の学校開放事業は、障害者を対象にプールも開放しております。教育庁の方でやっている事業ですけれども、これ、二〇一五年実績ですけれども、二十七校で二百八回、夏季休業期間中に都内在住、在勤等の障害者団体を対象に、利用希望を踏まえてプール施設を開放しているということで伺っています。
学校開放事業で行っているわけですから、プール施設もぜひこのモデル事業に加えていただけないかと、加えていただけるんじゃないかと思うんですね。
プールというのは、障害のある方にとても人気があります。障害者総合スポーツセンターがこれから改修に入りますけれども、改修に向けても、プールのコースをふやしてもらえないかという要望が大変多く出されましたし、休館中も代替のプール施設を用意してほしいという声がたくさん出されました。
自閉症のお子さんや知的障害の方や肢体不自由の方、重度の障害の方も、水の中なら浮力で体のこわばりもほぐれて、ふだんよりずっと体が自由に動かせる。そして、ふだんなかなかスポーツする場所がなかったり、そういう方も水の中だったら体が動かせて、ストレス発散にも健康増進にも役立つと。また、チームとかグループではなくても自分のペースで楽しむことができる。こんな点が人気がある点ではないかと思うんですね。
ぜひ今後、モデル事業ですから、これからいろいろ検討していかれると思うので、使用施設にプールを加えるなど、拡大していただきたいと考えますが、都の見解を伺います。
○小室スポーツ推進部長 都立学校活用促進モデル事業の対象施設にプールを加えることにつきましては、利用者の安全確保と、それに伴う人員の配置、指導者の育成、確保など、さまざまな課題があるとともに、あらかじめ学校側の理解を得る必要もございます。そのため、現段階では予定しておりません。
○里吉委員 課題があり、現段階では予定していないということでした。これはぜひ教育庁と協議をしていただきたいと思うんですが、私は、特別支援学校を障害者スポーツの拠点にするということで、このモデル事業、始まっていますので、そういうことであれば、そういった地域の障害者のスポーツ拠点になるような学校については、ぜひプールは温水化して、日常的に地域の障害者に開放するくらいのことができて当然だというふうに思います。
私の住む世田谷区では、現在四つの区立中学校で、地域に開放する目的で温水プールが整備されています。夏は中学生が授業として使っていますけれども、それ以外、授業で中学生が使わない時期は、一般の区民が温水プールとして活用しているわけです。
ですから、東京都でも、これから改築する学校など、新しく特別支援学校のプールを建設する際には、ぜひ温水プールにしていただいて、地域の障害者がもっとプールを楽しめるように、また、温水プールにすると、そこに通う子供たちにも大変いいと思うんですね。
特別支援学校に通う児童生徒たちは、その多くが体温調節が難しい子もいまして、少し水温が低いとプールに入れない。毎年、お父さん、お母さんたちからの要望で、ことしも年に三回しかプールに入れなかった、何とかもっとプールに入れるようにしてほしい、こういう要望も聞いているわけです。
ですから、特別支援学校のプールを温水化すれば、子供たちにもプールの機会を保障することができる、地域の障害者の方のスポーツの場としても活用できるというふうになると思いますので、教育庁と協議して、ぜひこれを進めていただくよう強く要望をいたします。
最後に、このモデル事業の参加者からは、どのような感想が出されているのか、また、モデル事業ですから、取り組んでみて明らかになってきた今後の課題があれば伺いたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 団体利用者からは、今まで使用できるテニスコートがなかったので助かるなど、好意的な意見をいただいております。
また、体験教室の参加者からは、とても楽しかったので、学校やお友達に広めたいなどの意見をいただいております。
課題としましては、利用団体をふやすための広報活動の強化が挙げられます。
今後は、障害者スポーツに取り組む地域スポーツクラブやスポーツ推進委員等に対して積極的に周知を行うほか、福祉施設等の職員連絡会や研修会等に出向き、本事業の利用促進を働きかけるなど、きめ細かな広報活動を行ってまいります。
加えて、体験教室の参加者同士によるグループでの施設利用を促すなど、さらなる利用者の確保に努めてまいります。
○里吉委員 最後の体験教室の参加者同士によるグループでの施設利用を促すというお話がありましたが、これ、私、本当に大事なことだと思うんですね。
障害者スポーツの裾野を広げるためには、体験教室で楽しいと感じた障害者の方が、引き続きスポーツに取り組めるような場をつくっていくことが必要だと思います。
利用団体をふやすためにも、もちろん福祉作業所などに出向いていただいて、利用者のニーズをつかむことなどもしていただきたいと思うんですが、継続的にスポーツ団体をふやしていくためには、障害者スポーツ協会などの協力も得て、ぜひ体験教室の参加者の皆さんが、今度は継続的にサークルをつくっていけるような取り組みのお手伝いもしていただくとか、区市町村とも連携するなど、ぜひそうした取り組みも進めていただいて、この特別支援学校の施設が地域の障害者の方のスポーツの場として発展するように取り組んでいただくことを要望いたしまして質問を終わります。
○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいと思います。
東京ゆかりのアスリートについて伺いたいと思います。
リオデジャネイロ大会には、私の地元町田市からは、陸上の大迫傑選手、関根花観選手、体操の内山由綺選手がオリンピックに、そして、自転車競技の鹿沼由理恵選手がパラリンピックに出場いたしました。
特にパラリンピックに出場した鹿沼選手は、出場直前に変速機のトラブルで、ギアがトップに固定をされたまま、変速できない状態のまま三十キロを走り抜き、ロードタイムトライアルで見事に銀メダルを手にいたしました。先日、地元で開催された報告会では、大変多くの市民の方々の祝福を受けていらっしゃいました。
地元にゆかりのあるアスリートがオリンピック・パラリンピックを初めとした国際スポーツ大会などで活躍する姿は、多くの人々に夢や希望、感動をもたらすものであると改めて感じたところであります。
ちょうどこの鹿沼選手は、今月、私の子供が通っている学校にも来ていただいて、子供たちの感動というものもじかに感じたところでありまして、大変いい取り組みをしてくださっているなというふうに感謝をしております。
さて、都は、長期ビジョンにおきまして、東京二〇二〇年大会に出場する、都が発掘、育成、強化をしたアスリートのオリンピック出場百人、パラリンピック二十五人の目標を掲げています。
そこで、二〇二〇年に向けたこの東京ゆかりのアスリートの育成策についてまず伺います。
○小室スポーツ推進部長 都は、一人でも多くの東京ゆかりのアスリートがオリンピックやパラリンピック等の国際大会で活躍できるよう、アスリートの競技力向上に取り組んでまいりました。
今年度は、東京ゆかりの選手を集中的に支援する東京アスリート認定制度を創設し、オリンピック・パラリンピックを目指す選手を合わせて約三百人認定いたしました。
認定選手には研修会を実施し、東京の選手としての自覚を促すとともに、メンタルトレーニングなどの医科学的サポートや強化合宿費、遠征費の財政的な支援を行っております。
また、ホームページでプロフィールなどを紹介し、地元の応援機運を醸成する取り組みを開始したところでございます。
○今村委員 都が、ゆかりのアスリートの育成に力を入れていることは評価をいたします。
アスリートの競技力向上に向け、多くのアスリートが高いレベルを目指し、お互いに競い合ってレベルアップしていくことも重要です。しかし、パラリンピックの場合には、オリンピックほど選手層が多くないというふうに聞いています。東京から一人でも多くの選手を二〇二〇年東京大会に送り出すためには、さらなる取り組みが必要ではないかと考えます。
都は、昨年より、パラリンピックを目指す障害者アスリートを発掘する事業を開始いたしております。二年目となる今年度は、どのように取り組んでいるのか伺います。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 パラリンピック選手発掘プログラムにつきましては、今年度は昨年度の実績を踏まえ、実施回数を三回から四回にふやすとともに、参加者からの競技に関する相談に応じる窓口を設置するなどし、有望な選手の発掘を行っております。
八月には、今年度の第一回目を実施し、百五十名の参加者がパラリンピック競技に挑戦いたしました。
また、この十一月にも第二回目を開催したところでございます。
引き続き競技団体と連携して、さらなる選手の掘り起こしを行ってまいります。
○今村委員 このような取り組みにより、東京ゆかりのアスリートが切磋琢磨し、競技力を向上し、世界を相手に大活躍する姿を見せることで、地元東京から、二〇二〇年東京大会が大いに盛り上がることを期待いたしております。
さて、次に、オリンピック・パラリンピック事前キャンプについて伺いますが、事前キャンプ誘致が実現をすれば、住民も大会をより身近に感じることができ、二〇二〇年大会に向け、地域の盛り上がりに大いに貢献すると思われます。
オール東京で大会を盛り上げるため、多摩地域においても誘致をぜひ実現させたいと考えています。
本年第一回定例会の本委員会で答弁いただいた補助制度拡充など、都内市区町村への積極的な支援が行われていると思いますが、リオ大会も終わり、事前キャンプ誘致の動きが本格化する中で、都として今後どのように支援をしていくのか伺います。
○井上自治体調整担当部長 事前キャンプ誘致は、都内市区町村にとりまして、大会に向けた開催機運を高めるだけでなく、地域振興や国際交流、スポーツ振興につながり、大変意義あるものでございます。
このため都は、都内市区町村に対し、過去大会の事例等の誘致の参考となる情報の提供や、PR用ホームページを開設するとともに、リオ大会に赴きまして、現地で各国オリンピック委員会、パラリンピック委員会の方と面談しPRするなど、情報発信を積極的に行ってまいりました。
また、財政面の支援に関しましては、本年度拡充した市区町村に対する補助事業を活用し、一部の自治体において、既に誘致PR資料作成などに取り組んでおります。
今後も、多摩地域を初め、都内への事前キャンプ誘致が実現するよう、都内市区町村のニーズを踏まえながら、各国オリンピック・パラリンピック委員会等へのPRや、視察受け入れの推進などの支援を引き続き行ってまいります。
○今村委員 ぜひ積極的に働きかけをしていただきたいというふうに思います。
二〇二〇年大会の前年に開催をされるラグビーワールドカップ二〇一九の開催機運を高めることも大変重要であります。
公認チームキャンプ地誘致やイベント開催など、都内市区町村の果たす役割は大きなものです。
そこで、これまで以上に、都は、市区町村の取り組みを支援すべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。
○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップの開催機運を高め成功させるためには、開催都市である都と市区町村が一体となった取り組みが必要でございます。
ラグビーワールドカップの公認チームキャンプ地につきましては、組織委員会が一元的に対応しておりまして、組織委員会において説明会や相談受け付けなどの対応を図られているところでございますが、公認チームキャンプ地は、受け入れた自治体にとって、世界一流のラグビー選手と地元の交流や、チームキャンプ地マークを使ったPRが行えるなど、機運醸成面でも多くのメリットがございます。
そこで、公認チームキャンプ地への応募を希望する都内市区町村に対して、適時適切に情報提供を行うなどの支援をしているところでございます。
また、都は、都内市区町村でのラグビーに関するイベントに対しまして、二〇一九年大会のPRブース出展や後援名義の付与、のぼり旗の貸与などを通じまして、その取り組みを後押ししております。
また、去る十一月五日に秩父宮ラグビー場で行われましたラグビーテストマッチ、日本代表対アルゼンチン代表戦では、府中市内におきまして、パブリックビューイングを行いまして、会場内で、府中、調布、三鷹の地元三市の観光ブースを出展いただくなど、地元と一体となって機運醸成に取り組んだところでございます。
今後、二〇二〇年大会に先駆けまして、ラグビーワールドカップにおけるキャンプ地誘致の支援を行い、また、イベントにおけるPRなどを実施することによりまして、二〇一九年大会に向けた開催機運を高めてまいります。
○今村委員 両大会が成功しなければならないわけでありますので、ぜひしっかりと取り組みを進めていただきますように要望をしておきます。
さて、改めていうまでもなく、二度目のパラリンピックを開催する都市である東京にとって、世界が注目し、多くの方々が海外から東京にいらしていただくとき、障害のある方たちが生き生きと働き、生活をしている様子が当たり前に感じられる社会でなくてはなりません。
そこで、オリンピック・パラリンピック準備局が所管をする監理団体における障害者雇用率と、都の指導と関与について伺います。
○小室スポーツ推進部長 当局所管の東京都監理団体は、公益財団法人東京都スポーツ文化事業団、一般財団法人東京マラソン財団、株式会社東京スタジアムの三団体でございます。
東京都スポーツ文化事業団につきましては、平成二十八年六月一日現在で、法定雇用障害者の算定基礎となる労働者数百二十五・五人に対しまして、障害者の雇用数が三人でございます。障害者雇用率は二・四%で、法定雇用率二%を上回っております。
東京マラソン財団と東京スタジアムは障害者を雇用しておりませんが、それぞれ職員が二十五人、十八人と少数でありまして、五十人未満の事業所として、法律上の雇用義務は生じておりません。さらに、各団体における職員のほとんどは、他団体からの派遣職員や出向職員で構成されているという状況にあります。
監理団体における障害者の雇用確保は、都としても重要なことだと認識してございます。監理団体に対しまして、職場環境の整備や、障害者に適した職務内容の見直しなどについて検討を求め、ハローワークなど関係機関等とも連携を図りながら、それぞれの実情に応じて指導してまいります。
○今村委員 東京都スポーツ文化事業団については、雇用率を達成されておりますし、今後も充実に向けて取り組んでいただくことを期待いたしております。
東京マラソン財団と東京スタジアムは、法律上の雇用義務はありませんが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会を開催する都市、その中心を担う局の監理団体として、いろいろと事情があるかというふうに思いますけれども、派遣先からの障害のある職員の派遣、また、仕事の工夫などを行い、チャレンジ雇用で取り組むなど、今後、努力をされるよう、さらにオリ・パラ局の支援も要望しておきたいと思います。
次に、障害者就労支援施設などからの優先調達について伺います。
東京都スポーツ文化事業団、東京マラソン財団、東京スタジアムの三団体は、この障害者優先調達推進法の対象ではありませんが、公益法人、また、都の監理団体として同法の趣旨を踏まえ、障害者就労施設などからの調達に努めるべきと考えます。
そこで、監理団体三団体における障害者就労支援施設からの物品調達の現状と、都の指導、関与について伺います。
○小室スポーツ推進部長 ご質問は、障害者優先調達推進法による障害者就労施設等への受注機会の確保を図る措置の状況についてのお尋ねかと存じます。
東京都監理団体は、地方公共団体等と異なりまして、こうした施設の受注機会の確保を図るための責務は課せられておりませんが、各団体へは、都から同法の施行時にその趣旨は周知しております。
しかしながら、障害者就労施設等からの物品調達の実績はまだ少なく、平成二十七年度においては、東京スタジアムで印刷請負契約が二十三件、契約金額は約二十三万円となっております。
平成二十八年度においては、東京都スポーツ文化事業団で印刷業務委託が一件、契約金額では約三十五万円、東京スタジアムで印刷請負契約が九件、契約金額が約六万円となっております。
今後、所管の監理団体に障害者優先調達推進法の趣旨を改めて周知するとともに、各団体の実情を踏まえながら、障害者就労施設等からの物品等の調達を促してまいります。
○今村委員 三団体ともに障害者優先調達推進法の対象ではなくとも、法の趣旨を踏まえ、しっかりと取り組まれていることがわかりました。
今後は、さらにその拡大を行えるよう引き続き充実されて、そしてまた、都の働きについても強めていただきますよう要望して質疑を終えます。
○宮瀬委員 私の方からは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の件で質問したいと思います。
さまざま質疑がされておりますが、民間企業出身の視点から、素朴な質問ではございますが、根本的な質問をしたいと思っております。
最近、私、地元が板橋なんですが、いろいろ歩いておりますと、何でこんなにオリンピックに費用がかかるんだと。被災地に回せばよいかといった厳しいご指摘を大変受ける機会がふえてまいりました。
私自身もとても残念に思っておりますし、それでもやっぱりオリンピックは、皆の夢と希望の祭典といわれておりますので、ぜひ進めていきたいと心から思っているわけでありますが、質を担保した上での費用の削減が重要であることはいうまでもございません。
改めてでありますが、どのような努力をして、その結果、どの程度の費用の削減に成功したのか、お伺いいたします。
○花井施設担当部長 東京での開催決定後、平成二十六年六月から、東京にどのようなレガシーを残せるか、都民生活への影響、整備費高騰の懸念への対応を視点といたしまして、会場計画の再検討を行いました。
その結果、既存施設の活用によります新規施設の建設中止や、会場レイアウトの変更等によりまして、都が整備いたします恒設施設につきましては、再検討前の試算より約二百億円縮減したものでございます。(「二千億円」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。二千億円縮減したものでございます。
また、海の森水上競技場、アクアティクスセンター、有明アリーナの三施設につきましては、実施設計の進捗によりまして、追加工事として予定していた経費などにつきまして、当初の見込みより縮減できる可能性がございますことから、引き続き詳細な検討をしてまいります。
○宮瀬委員 今回、数字がたくさんございますので、私も気をつけたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
努力は大枠で理解はできたのですが、改めて金額の推移を確認したいと思っております。
当初、都の考えていた見積もりと、現在の金額においては、大きな乖離があることがやはり都民の皆様にとって大きな不満であるかと思っております。
どういうふうに金額が改めて変わってきたのか、何で乖離が生じているのか確認いたします。
○花井施設担当部長 都が整備いたします施設等につきましては、立候補ファイルでは、本体工事費のみを対象といたしまして、千五百三十八億円を計上してございました。
開催決定後、整備内容をより精査いたしますとともに、調査設計委託費、周辺整備費、建設物価の上昇、工事中のセキュリティー経費等を加えますと、四千五百八十四億円となることが見込まれましたため、会場計画の再検討を行い、二千二百四十一億円に縮減したものでございます。
○宮瀬委員 私、民間企業にいたんですが、一千五百三十八億円が四千五百八十四億円になり、二千二百四十一億円となるということで、大変びっくりしております。つまり、何がいいたいかといいますと、結論としては、当初一千五百三十八億円だった予算が二千二百四十一億円に、約一・五倍に膨らんでいるということなんですが、理由としては、労務単価、建設資材の高騰などというのは毎度毎度挙げられております。しかし、その見積もりの仕方に大きな課題があるのではないでしょうか。
最初の時点で、なかなか難しいことでありますが、二千三百億円ほどかかると、しっかりと見積もりをある程度出していれば、乱高下する見積もりに対しての都民の不信感や疑念といったものは、やはり拭えたのではないかと思っております。
民間でありましたら、事業を縮小するか、代替地のプランを用意するか、建設はやめるかでありますが、いずれにしましても、もし民間企業でありましたら、見積もり担当者は責めを負うことになるわけであります。
都では、その責任に対しましてどう捉えて、どこに責任の所在があると考えるのか、また、どうけじめをつけ、今後の改善につなげていくのかお伺いします。
○花井施設担当部長 立候補ファイルの時点では、類似施設の建設費等を参考にいたしまして、本体工事費のみを整備費として計上いたしました。
開催決定後には、現地におけます詳細な調査結果を踏まえ、内容を精査いたしますとともに、建設物価が急激に上昇したこと、消費税率の引き上げ、必要な周辺整備、IOC等の調整の中で工事中セキュリティー対応が必要になったことなどを踏まえまして、全体整備費の試算を行いました。
開催決定後の試算につきましては、都議会のご審議もいただきながら、平成二十六年度に会場計画再検討を行い、約二千億円の縮減を行いますとともに、その後も経費の縮減に向けまして検討を続けてまいりました。
なお、検討の経緯は、都のホームページにも掲載してきたところでございます。
引き続き、お示ししております整備費の中で設計や関係者との調整を進めまして、整備の内容を精査し、コストの縮減に努めてまいります。
○宮瀬委員 ご答弁聞いておりますと、費用が乱高下する理由としては、上昇する理由としては、建築物価の急激な上昇と、また消費税の引き上げ、また周辺設備と、あとセキュリティー対策ということが挙げられました。
消費税八%が決定いたしましたのは平成二十五年十月でありますから、平成二十五年九月時点での立候補ファイルの時点では、消費税は五%で計算していたことは理解できます。その消費税分を一〇%と換算して差し引きをしましても、やはり当初の予算よりも一千八十億円の費用の増大であります。
民間企業でありましたら、建設物価の上昇というのはある程度見込んで見積もりを出すと。同時に、今回の、予想できなかった、最終的にはやはり結果責任だと思いますので、予想できなかった甘さに対する責任というのは、やはり私はあると思っております。
今のご答弁では、私、ちょっとよくわからなかった。再度お聞きいたしますが、今回費用のふえたり減ったり、一気に二千億減るというのも私はちょっとびっくりしておりますけれども、そういった見積もりの甘さに対しまして責任をどう捉えて、どこに責任の所在があると考えているのか、けじめをつけて、今後の展開をどう改善につなげるのか、改めてお伺いします。
○花井施設担当部長 整備費の試算につきましては、求められます時期ですとか、内容ですとか、段階ですとか、それぞれに応じまして、例えば詳細な調査の状況や経済や社会の情勢などを踏まえまして、その時点で想定されます経費を見積もってございます。
引き続き、計画の検討を進めてまいる中で、コスト縮減に努めてまいります。
○宮瀬委員 なかなか明快なご答弁が得られないように私は感じたのでありますが、費用を削減していくことがけじめということなんでございましょうか。やはり、いずれにせよ、そこはしっかりと原因を分析していただきたいと思います。
建設資材の高騰の急激な上昇というところも大きなネックになっておりますが、じゃあなぜその高騰を予想できなかったのかというところは、やはり根本的な問題だと思っております。ぜひお願いをいたします。
さて、費用が二兆、三兆といわれている根拠はどこにあるかとお伺いしようと思いましたが、先ほど答弁を聞いておりましたので、割愛をさせていただきます。
予算にキャップをかけていただき、経費削減に取り組んでいただきたいと心より思っております。その際、ロンドン大会で行われましたオリンピック・デリバリー・オーソリティー、予算管理だけではなく進行管理も一元的に担える組織がございまして、有効的に活用されたと聞いております。ぜひ参考にしていただくようお願いいたします。
さて、費用の話を続けてまいりましたが、今回のオリンピックの価値というところのプラスの側面についてお伺いしたいと思います。
ちょうど二年前に当たります平成二十六年十一月の文教委員会の事務事業質疑におきまして、大会の目指す姿について、都は二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックをどのような大会にし、何を目的としているのですかということを改めて原点確認をさせていただきました。
大会計画担当部長からは、アスリートが最大限力を発揮できる環境を用意すること、多くの外国人が東京、日本を訪れる機会を捉えて、日本人の持つおもてなしの心や伝統文化を伝えることで、東京、日本の魅力を世界に発信していくこと、また、大会開催を契機に、輸送インフラの整備、バリアフリー化の促進によって都市機能を向上させる、また、競技施設の整備等によって、都民がスポーツに親しむ機会を創出すると。さらには、ハード、ソフトの両面からレガシーを次世代に残していくと目的を発表されました。
一つ一つ確認をしたいのですが、二年たってまいりました。多くの外国人が東京、日本を訪れる機会を捉えるとありますが、現在、都内における訪問外国人数が発表になっておりますけれども、改めて聞き、また、二〇二〇年には何名を想定し、期間中は外国人が何人来日するとお考えなんでしょうか。
また、レガシーという言葉がありますが、二〇二〇年以降は何名であると考えていらっしゃいますでしょうか。国籍とともに教えてください。
○田中運営担当部長 産業労働局が実施いたしました調査によりますと、平成二十七年に東京都を訪れた外国人旅行者は約一千百八十九万人でございまして、このうち、大会が開催される七月から九月までの間には約三百二十三万人が東京都を訪れております。
また、中国、台湾、韓国からの旅行者が全体の約半数を占めております。
二〇二〇年及び二〇二〇年以降の外国人旅行者数でございますが、平成二十六年十二月策定いたしました東京都長期ビジョンにおきまして、訪都外国人旅行者数の目標を、二〇二〇年につきましては、大会期間も含めまして一千五百万人、平成三十六年、二〇二四年は一千八百万人としております。
○宮瀬委員 今、ご答弁を聞いておりますと、結局、オリンピックの期間中に訪れる外国人の数というのを現在把握されているのでしょうか。予想でも構いません。
○田中運営担当部長 繰り返しになりますが、平成二十七年七月から九月までの間には、約三百二十三万人が東京都を訪れております。
また、都は、大会期間中も含めまして、二〇二〇年に一千五百万人の外国人旅行者の誘致を目指しているところでございます。
○宮瀬委員 結論からいうと、把握していないと私は認識しておりまして、長期ビジョンから比率を単純計算しますと、二〇二〇年、四百七万人、自然増で約七十万人ふえる。さらには、オリンピックを観戦する人もふえると考えております。
この指標を、なぜ決定から既に三年たっていて私は聞いているかといいますと、全ての対策の最も基本となる数字の一つだと考えております。
例えば、東京に何人外国人が来るかによって、当然、セキュリティー対策、また、電車の本数を何本ふやしていくのか、またバスの本数を何本ふやしていくのか、またボランティアの人数をどれぐらいにふやしていくのか、そういった基本的となる大変重要な数字だと思っておりますが、どうして把握していないんでしょうか。
○田中運営担当部長 本年三月、近年の訪日外国人旅行者数が急増している状況を踏まえまして、国では、二〇二〇年の目標数を二千万人から四千万人に倍増させてございます。
都においても、外国人旅行者数が近年急増しておりまして、これらの動向を踏まえながら大会準備を進めてまいります。
○宮瀬委員 では、ちょっと開き方を、角度を変えますと、立候補ファイルによりますと、二〇二〇年大会では一千十万枚のチケット販売を見込んでいると書かれております。
では、過去の大会では、一人当たり複数チケットを買われる方もいらっしゃると思いますが、その購入チケットの一人当たりの枚数が何枚かにより、大体観戦をしに来る方の、来場者の推測ができるのではないかと思いますが、その平均値をお伺いいたします。
○田中運営担当部長 過去大会におきましては、一人当たりのチケット購入枚数については把握されてございません。
○宮瀬委員 やはりここは把握されてないというご答弁でありましたが、先ほど申し上げましたとおり、大事な数字だと私は思っておりますので、ぜひ、地理的要因もございます、ブラジルでの大会がそのまま日本の参考になるとも思っておりませんし、また、ロンドンも同様でございます。地理的要因を加味しながら、しっかりと、ある程度の想定を定めていただきたいと思っております。
次に、二年前の質疑の中で、日本人の持つおもてなしの心や伝統文化を伝えることで、東京、日本の魅力を世界に発信してまいりますということが、ご答弁がありましたが、改めて東京の魅力とはどう捉えているのでしょうか。
また、つまり何を軸に、戦略的に発信していくのか、また、何のために費用をかけて魅力を発信していくのかお伺いいたします。
○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 平成二十七年十二月に策定いたしました二〇二〇年に向けた東京都の取組におきましては、独自の伝統や文化の共存、観光資源、高度なテクノロジーといった東京の持つ魅力を世界に発信することとしております。
東京の魅力を世界に発信することによりまして、外国人旅行者や観光消費額の増加、企業の受注機会の拡大などを通じた東京のさらなる発展を目指しております。
○宮瀬委員 ただいまのご答弁で、今回、魅力を発信していくといった際のKPIが外国人旅行者数、観光消費額、企業受注機会数ということになると認識いたしました。
費用を計上するのであれば、当然効果が求められるわけでありますが、改めてゴールや指標は何でしょうか。
○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京の魅力を世界に発信するため、外国人旅行者の増加など、個々の事業別に目標を設定しております。これらの目標を達成することによりまして、東京のさらなる発展につなげていくということでございます。
○宮瀬委員 外国人旅行者数を増加するなど、個々に、事業別に目標を設定しているということでありますが、私、拝見いたしましたら、個々の数値目標となっていないものも一部あると思っております。
できましたら、速やかに数値目標を設定していただき、小池知事も全ての事業に終期を設けるといっておりますので、何をもって達成とするのか、その軸を大事にしていただき、しっかりと費用に合った効果であるか、私もしっかりと検証していきたいと思います。
次に、二年前のご答弁の中に、大会を契機に、輸送インフラの整備や、バリアフリー化の促進等により都市機能の向上を図ると、目的の一つに挙げられました。
また、ハード、ソフト両面から、レガシーを次世代に残すという目的の一つもあると思います。
ハードのレガシーというのは、私もよくわかっているつもりでありまして、具体的には、輸送インフラ、バリアフリー化の促進だと思っておりますが、関係局が多くある中で、オリンピック・パラリンピック準備局は、輸送インフラの整備のところに関しまして、どのような役割を担っているのかお伺いいたします。
○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 道路や鉄道など、輸送インフラにつきましては、都や国土交通省、首都高速道路株式会社などの各主体が整備を担当してございます。
そうした中、当局といたしましては、組織委員会とともに、大会に関係するインフラの整備状況を把握し、輸送連絡調整会議などを通じまして、必要に応じた調整等を行っているところでございます。その上で、大会時点の基盤整備状況を考慮しつつ、輸送計画の策定を進めてまいります。
○宮瀬委員 整備状況を把握するとのお話でありますが、輸送インフラの整備とは具体的に何を実施して、現在の整備率は幾つなのか、また、二〇二〇年の目標は何で、二〇二〇年以降の目標は何なのか、輸送インフラの整備が今回レガシーを次世代に残すということの一つの項目に挙げられておりますけれども、その整備率、目標、二〇二〇年以降も含めて教えてください。
○朝山輸送担当部長選手村担当部長兼務 大会の有無にかかわらず計画されていたインフラのうち、大会時の円滑な輸送等に資するインフラにつきましては、平成二十四年十二月に取りまとめました立候補ファイルの中で十五カ所と整理をしてございます。このうち、首都高速中央環状品川線の整備など五カ所はおおむね完成しております。
また、都営大江戸線勝どき駅の改修など残る十カ所は、現在、各主体が整備をしているところでございます。
また、これらのインフラを着実に整備いたしまして、二〇二〇年の大会時に有効活用するとともに、大会以降も、都市活動を支える重要な都市基盤として機能させてまいります。
○宮瀬委員 立候補ファイル時点で十五カ所を目標として、そのうち五つ、おおむね完成ということで、現状に対しましては約三割ということで、引き続き大会に向けて、大会後に向けて頑張っていただきたいと思います。
次に、ハード面のレガシーといたしまして、バリアフリー化についてお伺いしようとも思いましたが、先ほど出ておりましたので、質問はせず意見にしたいと思います。
バリアフリーと一言にいいましても、道路の段差解消や駅のホームドアの整備等いろいろあると思っております。
二〇二〇年に向けた整備率ですとか、現状の数字、二〇二〇年以降の数字というのはなかなか出しづらいというのを聞いております。
ただ、やはりオリンピックの目標の一つとして、まち全体がどのようにバリアフリー化をなされていくのか、個々の各局は各局ごとにバリアフリーの項目を立ててやっていると思いますが、まち全体がどうバリアフリーになっていくのか、その調整役なのか、はたまた牽引役なのか、そういった役目をオリンピック・パラリンピック準備局の皆さんに、進捗管理や現状を把握して、引っ張っていただきたいと思っております。
次に、ハード面のレガシーについてお伺いいたしましたが、ソフト面のレガシーということがございました。ソフト面のレガシーの中で、都民のスポーツ実施率について聞こうと思っておりましたが、先ほどちゃんと答弁聞いておりましたので、割愛いたします。ぜひスポーツ実施率七〇%に向けて頑張っていただきたいと思っております。
次に、レガシーという観点から、二〇二〇年に向けた東京都の取組といったこの冊子を拝見させていただきました。
やはり今回の大会に対する費用負担に対して、都民の視線は大変厳しいといったことを私も痛感しているとお伝えしましたが、大会期間中、また、閉会後に大会をやってよかったと思ってもらうためには、客観的な評価や費用対効果、目標数値とばかりいって恐縮ではございますが、わかりやすい効果、効能、そして物が見えることが大事であります。
しかし、今回、これを少し拝見して幾つか聞きたいと思います。
今回、中をめくりますと、数値等はほとんど入っていないんですが、この後ろの、巻末の二〇二〇年に向けた行動計画というところがございます。ここに各計画が入って、まとめているんですけれども、数値目標が設定されているものは全体の何割になるんでしょうか。
○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 二〇二〇年に向けた東京都の取組の中の行動計画に記載している事業のうち、二〇二〇年までに達成する数値目標を設定することが適切な取り組みにつきましては、全て設定しているものと考えております。
○宮瀬委員 答弁聞いておりますと、数値目標の設定が適切な事業については書いていますということなんですが、こちらを拝見いたしますと、例えば障害者スポーツ競技団体の強化とありまして、障害者アスリートを発掘し、競技大会等に向けた東京のアスリートの育成、強化と書いてあります、この項目ですとか、観光プロモーションの実施と、東京ブランドの推進といったことは、実際にプロモーションをやるわけでありますから、はたまた海外展示会の出展支援とか、そういった項目に関しては、数値目標を入れられるのではないかと思っております。
ですので、ぜひ今いった、入れられるものは入れていますというご答弁でありましたが、やはりよく見ていくと、まだまだ入っていないものが私はあると思っております。
この管理表に対しまして、誰がどう管理をして、また、この今の目標、進捗状況ですとか、達成状況というのはどうなっているのかお伺いいたします。
○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 二〇二〇年に向けた東京都の取組におきましては、スポーツ、文化、教育、環境、経済などの広範な事業を対象としてございます。
個別事業につきましては、進捗状況、達成状況を含めまして、その事業を所管する局が管理しております。
○宮瀬委員 この件、もうそろそろ終わりにしたいと思っているんですが、私の知人が、これは質問にしませんが、二〇二〇年に向けた東京都の取組ということで、大会後のレガシーを見据えてと書いてあります。
しかし、この表の中では、大会後のレガシーを見据えるための工程表はありますが、二〇二〇年以降を見据えた先が載っていないわけであります。なので、今回の取り組みは、今回のオリンピックをやる目的は、ソフト面、ハード面で、次世代にレガシーを残すといったことが目的として皆さんがいっていたことであります。
今すぐにでは難しいと思いますが、この工程表を、二〇二〇年以降もレガシーとして何を残していくのかというのを具体的に誰もがわかる形で示していただくよう要望いたします。
最後になりますが、オリンピックのテロ対策についてお伺いをいたします。
今回、都におきましては、前回の質疑でセキュリティー担当を設置し、警視庁、内閣官房、警察庁、関係機関の参加を得て、セキュリティーワーキンググループを設定して、緊密な連携体制を構築すると、また、人件費、諸経費の予算化を図っていくという答弁が二年前にございました。
当時は、体制を組み上げたところでありまして、予算化はまだ図られていないということでありましたが、現在のセキュリティーに対する体制や取り組み、予算の状況をお伺いいたします。
○田中運営担当部長 都は、開催都市の責務といたしまして、都内全域において、国内外から大会を訪れる全ての人の安全・安心を確保していく必要がございます。
このため、平成二十七年七月、治安を担う警視庁も参画いたします庁内横断的な安全・安心部会を設置いたしまして、治安、サイバーセキュリティーなどの視点から、対処要領策定に向けた検討を進めております。また、今年度から国にも参画を求め、検討体制を強化しております。
予算についてでございますが、平成二十七年度は五千万円の予算を計上いたしまして、調査費など約二千八百万円を執行いたしました。また、平成二十八年度は約六千万円の予算を計上してございます。
○宮瀬委員 今のところ、予算が大体一億にいかないという状況だと思っております。
そこで、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、内閣官房が出している役割分担表の資料がサイトに載っておりまして、この中で、実は関係各局と連携をしていくという表現があって、感染症対策は、まさに首都直下地震対策を含めて東京都の役割が多いと思っております。
治安に関しては警視庁だと思いますが、実は東京都の名前がこの中にほとんど出てきていないのが実態であります。役割分担が大変難しく、初めてのことでもありますので、そこは大変理解をするものでありますが、東京都全体を、治安も含めて、そして、都民全体を守っていく役割は当然東京都にもございますので、ぜひ役割分担を明確化して、予算に関しても検討していただきたいと思います。
といいますのが、最後の質問になりますが、ソチ五輪におきまして、サイバー安保課長によりますと、十万件のサイバー攻撃を受けたと。大会までに六年間の月日をかけてやってきたと。すなわち、すぐに専門家を育成しないと間に合わないという指摘をされております。
ロンドン大会におきましても、八百八十億円の危機管理費を費やして、単年度会計ではなく、複数年度会計で予算を組んでいるわけであります。また、ブラジルのワールドカップでありますが、リスク管理をアメリカの専門会社に一任したとも聞いております。
こういった体制、予防もさることながら、訓練も知事が最終決断できるように、前もってあらかじめ、あらゆるリスクをお渡しして、可能な範囲でシミュレーションや訓練をしていくことが大切だと思っております。
いろいろ申し上げましたが、いずれにせよ、都の取り組みが少し遅いように思われております。改善すべきと思いますが、所見をお伺いします。
○田中運営担当部長 都は、庁内横断的な安全・安心部会におきまして、大会時に想定されるさまざまなリスクを抽出いたしまして、対処要領策定に向けた検討を行ってございます。
これには、国、組織委員会も参画しておりまして、検討に当たりましては、内閣サイバーセキュリティセンターとも連携を行っております。
引き続き、計画的に検討を進めまして、平成三十年までに対処要領を策定いたしまして、実地訓練を重ね、二〇二〇年大会に向けた危機管理体制を構築してまいります。
○宮瀬委員 やはりオリンピック関連のマーケティング調査の結果を見ましても、テロ対策、非常に上位に来ている項目であります。万全を期し、そして迅速な対応をしていただくようお願いしまして質問を終わります。
○小松委員 それでは、地域スポーツの振興からお伺いいたします。
超高齢社会の到来を受けまして、健康増進や生きがいづくり、仲間づくりにも有効なスポーツに、誰もが身近な地域で楽しめる環境づくりを進めていきたいと思うわけですが、そのためにも、子供から高齢者まで幅広い世代がさまざまなスポーツに親しめる場として期待されている地域スポーツクラブ、この活性化が必要だと考えています。
杉並区には三つのクラブが活動しているんですが、小中学校の体育館や区立スポーツセンターなどで、幅広い世代の区民がスポーツに親しんでいます。
そこで、まずこの都内の地域スポーツクラブの現状についてどうなっているのかお伺いいたします。
○小室スポーツ推進部長 地域スポーツクラブとは、子供から高齢者まで、幅広い世代がさまざまな種目を、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向、レベルに合わせて参加できるという特徴を持ち、地域住民により、自主的、主体的に運営されるスポーツクラブでございます。
平成二十八年八月一日現在で、都内に百三十のクラブが設立されております。
地域スポーツクラブの活動を促進することで、身近な地域で、都民が主体的に多様なスポーツにかかわり、クラブへの参加を通じた新たなコミュニティの創出が期待できます。
○小松委員 今、都内に百三十のクラブがあるとのことですが、このような地域スポーツクラブに対して、都はどのような支援を行っているのかお伺いします。
○小室スポーツ推進部長 都は、平成二十六年度に策定しました東京都長期ビジョンにおきまして、地域スポーツクラブの全区市町村への設立及びその活性化を目指すこととしております。
そのため、地域スポーツクラブの設立、育成の支援を担う東京都の広域スポーツセンターと連携しまして、クラブ設立の理解促進を図るセミナーの開催や、専門家の訪問相談を行うなど、全区市町村への設置に向け、きめ細やかな支援を行っております。
また、平成二十七年度に文部科学省が行った調査で、都内のクラブが回答した結果によりますと、約六割が会員の確保、増大、財源の確保、指導者の確保を課題として抱えており、活動の継続、活性化に向けた支援が必要な状況にあります。
そこで、都は、設立後のクラブに対しては、人材養成、研修事業のほか、各クラブが抱える課題を共有し、課題解決を目指す各種交流会の開催や、会員獲得のためのクラブの取り組みに対する財政支援など、クラブの自立的、安定的な運営基盤の確立に向けた支援を行っております。
今後とも、こうした取り組みを通じて地域スポーツクラブの設立を促進するとともに、活動の活性化を促すよう努めてまいります。
○小松委員 引き続き、地域スポーツクラブの支援をお願いいたします。今後、さらに多くの地域スポーツクラブが設立され、都民の身近な存在として親しまれることを期待しています。
では、次に、オリンピック・パラリンピックの広報PRツールについてお伺いいたします。
オリ・パラ大会エンブレムを活用したグッズがさまざまありますが、これがアピールに一役買っています。
東京都は何に幾ら使っているのかという質問をよく受けますので、この際、確認しておきたいと思いますが、まずどのようなものを作成されたのかお伺いします。
○丸山連携推進担当部長 大会エンブレムを活用した機運醸成のため、組織委員会から開催都市に作成が認められている広報PRツールとして、ポスター、のぼり旗、横断幕、広報PR用バッジ、大会PRリーフレット、資料配布用の紙袋及びクリアファイルを作成いたしました。
○小松委員 ポスター、のぼり旗、横断幕などなどですが、ピンバッジはオリ・パラ局の皆さん、多くつけていらっしゃるようですが、これ、どのくらい作成して、費用は幾らかかったのか、そして、どこに配布したのかお伺いします。
○丸山連携推進担当部長 広報PR用バッジは、これまでに二百二十八万個作成し、その費用は約三千二百万円でございます。
主な配布先は、都内区市町村、町会、自治会、道府県政令市、スポーツ関係団体となっております。
また、リオ大会のライブサイトや、現在、各区市町村で実施しているフラッグツアーなどの各種イベントにおいても参加者に配布しております。
都民、国民の皆様から、バッジをつけて大会の盛り上げに参加したいとの声が多く寄せられていることから、都内のみならず、オールジャパンでの開催機運の盛り上げに向けて、組織委員会とも連携し、フラッグツアーなど全国でのイベントや、スポーツ団体等を通じた配布を行うなど、引き続き効果的に活用してまいります。
○小松委員 ピンバッジは二百二十八万個、三千二百万円とのことです。
では、ポスターは一体何枚作成して、どのぐらい費用がかかり、どこに配布されたのか、確認させてください。
○丸山連携推進担当部長 ポスターにつきましては、オリンピックとパラリンピックを一組として約二万五千セット作成し、その費用は約三百万円でございます。
大会エンブレム発表直後に、速やかに都庁舎及び議会棟の入り口などに掲出したほか、都内区市町村、道府県政令市、都内の学校の学校などに広く配布し、掲出していただいております。
○小松委員 ポスターは二万五千部で三百万円、そのほかにもリーフレットが四十五万部で二百三十万円、のぼり旗一万セットプラス横断幕で千四百万円というふうに伺っています。
競技会場の整備費に比べると小さな額ではありますけれども、都民の税金であることには変わりありませんので、PRグッズがオリ・パラ開催を盛り上げるように有効に使われることを要望いたしまして、競技会場の見直し案についてお伺いしたいと思います。
オリンピックは、アスリートファーストが重要であるといわれまして、今回、調査チームが見直し案を作成するに当たっては、改めてインタビューを行ったとのことです。インタビューの記録を見ますと、公式にはほとんど競技団体の役員等が対象となっています。
しかし、マスコミ等の報道から聞こえてくる選手の意見は、必ずしも団体役員と同じではないようにも感じるところです。
当事者といいますか、アスリートの意見を、アンケートを行うなどして広く聞くべきではないかと考えておりますが、今までに東京都が行ってきた競技会場の整備に当たっては、アスリートの意見をどのように反映させてきたのかお伺いします。
○小野競技・渉外担当部長 国内競技団体は、幅広くアスリートの声を集約し、国内の競技を統括する団体でございますが、アスリートとしての意見を代表する役割も担っております。
また、国際競技連盟は、各国の競技団体を統括する団体でございまして、オリンピックや国際大会の豊富な運営経験等を通じて、世界的に活躍するアスリートの意見を熟知しております。
都は、平成二十六年六月以降、競技会場の再検討を行ってまいりましたが、その際には、こうした役割を担うNFやIFとの意見交換や議論を十分に重ねることにより、国内外のアスリートの意見を反映させてきております。
○小松委員 アスリートの意見は反映されているのだというお話でした。
今回、東京都から複数の見直し案が提示されたわけですが、そして、今後は四者協議に諮られるということですが、幾つかの選択肢の中から、どのようにして決めるのか、どのようにして決まるのかお伺いします。
○根本大会施設部長 今月末の四者協議におきまして、都が提案した複数の検討案をもとに、会場見直しの結論を出す予定でございます。
IOCからの要望により、詳細なお話は申し上げられませんが、十一月初めに開催されましたIOCテクニカルミーティングでは、検討案について意見交換を行い、今後、複数の検討案を客観的かつ思慮深く評価できるよう必要な情報を集め、全体像をつかむことに注力していくこととしたところでございます。
引き続き、四者協議に向けて関係者と協議を進めてまいります。
○小松委員 今回の案では、アクアティクスセンターなどでは減築の案が消えています。減築はかえってお金がかかるからとの説明ですけれども、過大な建物をこの先ずっとメンテナンスしていくことを考えますと、本当にそうなのか疑問にも思っています。
減築の仕方にもいろいろと工費を安くする知恵などもあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小野施設整備担当部長 アクアティクスセンターにつきましては、大会時には二万席で整備し、大会後には後利用での適正規模や、維持管理費を考慮しまして、不要な部分を撤去する減築工事を行って建物規模を縮小し、座席数を五千席とする計画でございました。
今回の三つの検討案は、コスト縮減などの観点から、いずれの案も、大会後の減築工事は行わないこととしております。
具体的には、二万席の規模で建設して減築をしない案のほか、大会後の維持管理費なども考慮し、当初から建物の容積や延べ床面積を縮小した建物規模で、当初の予定地または場所を移動して建設し、座席数一万五千席の施設とする案を検討しております。
なお、大会後の減築を取りやめることにつきましては、減築に係るコストの縮減に加え、大会時の座席数に対応する空間を維持することができるため、大会後に、さらなる国際大会での活用も検討可能となるなど、施設利用の幅が広がるメリットもあると考えております。
引き続き、大会後のランニングコストも含めまして、コストの縮減に努めてまいります。
○小松委員 大会時の規模を維持することでメリットがあるんだというお話でしたけれども、本当にそうなのか、疑問を持っているところです。
ところで、先ほども他の委員から指摘があったんですが、これまで進めてこられた局と、そして調査チームとの連携、これはとれているんでしょうか、お伺いします。
○根本大会施設部長 都政改革本部の調査チームとは、オリンピック・パラリンピックの大会準備に係るヒアリングにおきまして、都がこれまで検討してきた資料を提供し、今日に至るまでの経過などを詳細に説明してまいりました。
○小松委員 情報のやりとりはあるということのようですけれども、それで連携がとれているということにはならないのではないかと思うところです。
ところで、見直し案を出していながら、一部を除いて、今、工事は続行している状況です。既に発注、契約を行っているわけですから、見直しとなると、その補償、そして賠償もあり、費用削減の効果を帳消しにしてしまうのではないかと懸念しているところです。
現在の見直し案の費用の見積もりには、既に発注した工事と、その後始末に係る費用も入っているのかどうか、現在の工事が取りやめになったときの協議などはいつ始めるのか、ちょっとお伺いします。
○花井施設担当部長 既に海の森水上競技場では締め切り堤の工事に、アクアティクスセンターでは準備工事にそれぞれ着手しております。
既に発注いたしました工事を中止した場合の経費は、調査チームから提案された費用には含まれていないものと認識しております。工事などを中止する場合には、受注者と契約解除や出来高精算、損害賠償について協議する必要がございます。
契約済みの工事の取り扱いにつきましては、今月末の四者協議の結果を踏まえまして、適切に対応してまいります。
○小松委員 今回の施設見直しについて、都議会は特別委員会も、この文教委員会でも、検討の土俵にのることさえできていません。四者協議に向けて見直し案が出されてからの報告を受けるにとどまっている状況です。
東京都の案として出すからには、都一丸となって進められることが重要ですが、また、小池知事もそのように発言されています。都議会も、そのプレーヤーとして知事や調査チームと一緒に議論し、進めていくよう要望して終わります。
○小宮委員 リオ大会が終わりまして、知事が持ち帰ったオリンピック・パラリンピックの旗が都内区市町村や被災地をめぐるツアーが始まっております。そうした地域では、いよいよ東京大会という夢と期待が膨らむことと思います。
他方で、施設の見直しであるとか費用のあり方であるとか、東京都だけでは決められないさまざまな課題に対して、先ほど高木委員からの質問もございましたけれども、都民、国民の中には、やはり今、生じているテーマが、果たして都民ファーストのものなのか、アスリートファーストは都民ファーストにまさるのか、あるいは復興五輪であるべきなのか、真面目に考えれば考えるほど、本当にその選考に至る過程、今の現状を大変不確かなものだというふうに思う、そのことを大変残念に思います。
東京大会まで四年を切りました。東京都としては、競技会場の整備だけでなく、都内全域の、既にお話がございました、治安対策であるとか災害対策、感染症対策といった安全策をどう構築していくのか、また、大会開催中も、首都東京の経済活動はしっかりと維持していかなければなりません。
都民生活への影響を考慮した輸送や物流のあり方など、検討すべき課題は本当に山積していますが、きょうの質問、質疑を聞いておりましても、関係者そろっての具体的な体制づくりは、やっといよいよ調整が始まったというふうに認識をいたしたところです。
きょうは、東京大会に向けて、これまで取り組んできたアスリートへの支援策、先ほどお話も出ましたので、いろいろ割愛もしながら、障害者スポーツの振興など、都民に身近な取り組みについて質問をしてまいりたいと思います。
大会の主役はアスリートということで、先ほどお話がございました。
東京都としては、平成二十一年から都内中学生を毎年三十名、トップアスリートとして育成をしているとか、今年度から東京アスリート認定制度で三百人を認定した、それをホームページで紹介し、地元の選手への応援機運を高めていこうと、そういう取り組みが行われているということです。自分が住んでいるまちに、二〇二〇年大会で活躍をするかもしれない、そういうアスリートがいるということは意外と知らないものです。ホームページなどで、どんどん情報発信をしていってほしいと思いますが、これらの事業の成果について伺いたいと思います。
○小室スポーツ推進部長 ことし、岩手県で開催されました二〇一六希望郷いわて国体におきましては、東京都は、女子総合成績で四年連続で優勝するとともに、男女総合成績では、東京国体以来三年ぶり、開催県以外では十四年ぶりに優勝いたしました。
先ほどの有望な中学生を発掘し、ボートや自転車など七つの競技で育成するトップアスリート発掘・育成事業におきましては、岩手国体に十二名の修了生が出場いたしまして、ボートとウエートリフティングで優勝するなど、好成績を上げました。また、国際大会に出場する選手も出てきております。
加えまして、東京アスリート認定選手につきましては、東京都選手団六百五十六名の一五%を占める九十八名が岩手国体に出場いたしました。
認定選手は、東京都の総合得点の約三〇%を獲得し、男女総合優勝にも大いに貢献するなど、目覚ましい活躍を見せました。
今後とも、東京二〇二〇大会に向け、一人一人の選手に着目した競技力向上施策をさらに強力に推進してまいります。
○小宮委員 東京アスリート認定選手の活躍によって、他府県で、岩手県で開催された国体で総合優勝してしまったということで、大変アスリート支援の取り組みが着実に成果を出しているんだというふうに感じます。
こうした東京のやる気や取り組みが他府県にとってもよい刺激となって、国全体の競技力を先導するような、向上するようなきっかけとなって、二〇二〇年大会が大いに盛り上がることを期待したいと思います。
さて、二〇二〇年パラリンピック大会を満員の観客で盛り上げるには、障害者スポーツのルールを知ることや、魅力の発信、観戦の促進というものが大変重要になってくると思います。
去る五月、有明コロシアムで行われた国際テニス大会、私も観戦に行ってまいりました。見ると聞くとは大違いといいますけれども、国枝慎吾選手の車椅子さばきと、そのスピード感には本当に圧倒されました。
しかし、こうした障害者スポーツの観戦をしたことがある都民はどれほどいるかというと、平成二十六年の調査ですが、わずか二%ということです。
今後、障害者スポーツの魅力発信や、さらに進んで、観戦促進をどのように推進していくのか伺います。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都はこれまで、障害のある人もない人も障害者スポーツを楽しめるイベント、チャレスポTOKYOの開催や普及啓発映像、Be The HEROの制作などを通じて障害者スポーツの普及に努めてまいりましたが、一人でも多くの方が障害者スポーツのファンとなって、競技観戦に足を運んでいただけるよう、今年度、新たな取り組みを開始いたしました。
まず、これまで障害者スポーツに触れる機会が少なかった方をターゲットに、メディアを活用した情報発信を行ってございます。
具体的には、本年九月、リオ・パラリンピックの期間中に、アスリートによる観戦コラムを新聞に掲載したほか、大会後の十月二十二日には芸能人と障害者アスリートの共演による特番を日本テレビで放映、さらに、障害者アスリートや競技活動を支える人を紹介する週一回のミニ番組をフジテレビで十月から三月まで放映してございます。
また、障害者スポーツを身近に感じていただくため、著名アスリート等にも応援いただき、今月十一月十一日にファンサイト、チームビヨンドをオープンいたしました。
このチーム名には 障害の有無など、あらゆる違いを乗り越えて、一人一人の個性が輝く社会を目指すという意味を込めてございます。
今後、ファンサイトでは、メンバーの一体感を醸成しながら観戦を呼びかけるとともに、競技会場では、ライブ解説やメンバーの特典を用意するなど、さまざまな工夫を行ってまいります。
こうした取り組みを通じ、都は、多くの方が障害者スポーツに親しみを覚え、実際に観戦に出かけたくなるよう、さまざまな方法で働きかけてまいります。
○小宮委員 私もチームビヨンドに登録しました。二〇二〇年大会を機に、障害者スポーツが都民にとって、子供から大人まで身近なものになれば、共生社会への一歩にもつながると期待したいと思います。
さて、東京都は、区市町村に対して、平成二十六年からスポーツ施設のバリアフリー化、先ほどお話に出てございましたハード面の補助事業に加えて、平成二十七年からは、普及啓発事業や障害者スポーツ地域振興事業など、ソフト面の補助事業を創設しました。
私も昨年度、杉並区でこの事業を活用した障害者サポーター講座に参加をいたしまして、障害の区分などについて理解を深めることができました。
障害者スポーツ地域振興事業というのは、補助率五分の四にしていただいておりまして、障害者スポーツを広めようという東京都の意気込みを感じるところですが、同じソフト事業である普及啓発事業などに比べて、障害者スポーツ地域振興事業は、まだ申請件数が少ないようです。
既に通年でさまざまなイベントを実施している区市町村のマンパワーなどを考慮しますと、単純に東京都の執行率で事業の効果というものははかれませんけれども、四年後のパラリンピック大会成功に向けて、障害者スポーツに関する効果的な取り組みを行っている事例を広く区市町村に情報発信すべきというふうに考えます。所見を伺います。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、今年度、障害者スポーツ振興に向けた区市町村の取り組みへの補助を、一区市町村当たり限度額二百万円から三百万円に引き上げましたが、各区市町村において、障害のある方が継続的にスポーツを楽しめる環境を整えるためには、委員ご指摘のとおり、制度拡充に加えて、制度を活用する区市町村に情報の提供をしていくことも重要でございます。
そこで、区市町村の担当職員を対象とした補助制度の説明会や事例発表会を開催し、他の区市町村の取り組み事例を紹介してございます。
特に、ことし八月に開催した事例発表会では、障害者スポーツの裾野を広げていく取り組みとして、北区から車椅子フェンシング教室を、障害者スポーツを支える人材の育成につながる取り組みとして、お話のあった杉並区の障害者サポーター講座について、当該自治体からご説明をいただいたところでございます。
会の終了後は、同様の事業の実施を考える多くの区市町村から質問が寄せられました。
また、各区市町村への個別訪問の機会を捉え、自治体の特性や規模等を勘案しながら、参考事例の紹介も行ってございます。
今後とも都は、障害者スポーツが大会後の東京に根づいていくよう、各地域の特性に応じた情報提供を行い、区市町村の取り組みを全力で支援してまいります。
○小宮委員 地域で、都民に身近なところで障害者スポーツを知る、親しむ、そうしたきっかけづくりをしっかりと地元自治体に担っていただきながら、それに加えて、さらに、やはりそれらを、活動を支援するリーダーの育成も重要です。
リオ大会以降、東京大会への機運が高まりまして、杉並区の地域イベントなどに足を運びますと、本当にさまざまなスポーツ関連ブースが設置をされるようになっています。そこではスポーツ推進委員が配置をされて活躍をしています。
杉並区では、現在二十六名の推進委員が登録をされておりまして、これ、区市町村ごとに、その人数や活動内容は異なるということですけれども、スポーツ推進委員には、ぜひ東京各地において地域スポーツの窓口、スポーツをやりたいと思った人が誰に聞いたらいいか、顔の見える、そういう立場にも、相手にもなっていただきたいなというふうに思います。
また、スポーツ推進委員の方が、障害者スポーツであるとか、あるいは今後の高齢者が生き生きと地域で暮らし続けるために必要な高齢者スポーツの振興というものに対しても、その役割をぜひ担っていってほしいというふうに期待をするところですが、都の見解を伺います。
○小室スポーツ推進部長 スポーツ推進委員は、区市町村が実施しますスポーツイベントへの協力や、スポーツを通じた子供の健全育成に取り組むなど、地区体育協会や地域スポーツクラブと同様、地域スポーツを支える重要な役割を担っております。
平成二十三年のスポーツ基本法の制定に伴いまして、従来の体育指導委員からスポーツ推進委員に名称が変わりまして、その役割も、スポーツの実技指導に加え、地域スポーツのコーディネーター役として活動をされることが求められております。
スポーツ推進委員の方々には、障害のあるなしにかかわらず、誰もがスポーツに親しめるスポーツ都市東京の実現に向けて、地域のスポーツ団体と福祉施設等関係機関とを結びつけ、より多くの障害者や高齢者にスポーツの魅力を伝えるコーディネーターとして、これまで以上に活躍していただくことを期待しております。
○小宮委員 スポーツ推進委員には、さまざまな関係者をつなぐ扇のような役割を担っていただきたいというふうに思います。
それから、私は先日参加した地域の集会所祭りであるとか防災訓練、そんなような場でもスポーツ推進委員の方が活躍されておりまして、ラダーゲッターというニュースポーツを教えていただきました。これは、両端におもしをつけたひもを、はしごに投げて得点を競うゲームでして、子供から高齢者まで幅広い世代の方々が楽しめる、そういうスポーツであります。
このようなニュースポーツは、高齢者だけでなく、障害のある方にも気軽に楽しめるものも多くありまして、障害のあるなしにかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる社会、そういうものを実現するためには、その普及が大事なんです。
スポーツ推進委員は、区市町村の非常勤職員であり、各地域での活動というものが基本ですけれども、その全体の資質を向上することというのは、東京都に役割があるというふうに考えます。どのように取り組みをしているのか伺います。
○小室スポーツ推進部長 都は、各区市町村のスポーツ推進委員で構成されます一般社団法人東京都スポーツ推進委員協議会と共催で、各地域の課題解決に向けたブロック別の研修会の開催や障害者スポーツの振興など、区市町村共通のテーマを取り扱う大規模な講演会や、各地域の取り組みを発表する機会を設けるなど、スポーツ推進委員の資質向上に努めております。
また、ニュースポーツの指導者養成等を目的として開催しますイベント、みんなのスポーツ塾への参加を働きかけるなど、理事からご紹介のありましたニュースポーツの実技指導にも努めております。
さらに、平成二十六年度からは、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会との共催で、スポーツ推進委員を対象とした初級障害者スポーツ指導員講習会を実施しました。都内約千五百名のスポーツ推進委員のうち、平成二十七年度末で二百三十八名が資格を取得しております。
引き続き都は、スポーツ推進委員が各地域で高齢者や障害者のスポーツ振興に貢献できるよう積極的に支援を行ってまいります。
○小宮委員 せっかくいるスポーツ推進委員が、子供から大人、障害者、まちで、地域でスポーツをやりたいというときに、どこでどんなスポーツができるか、そういうことをちゃんと把握して、そうしたスポーツ実行率ですか、先ほども話がありました七〇%という目標を達成できる、その主役にもなっていただきたいなというふうに思います。
それから、次に、特別支援学校の活用モデル事業についてなんですけれども、先ほど既にどなたかから質疑がございました。これは、ことしの予算特別委員会の締めくくり総括質疑の場におきまして、私、質問して、ご答弁をいただいて、ことしから都立特別支援学校の五校をモデル校として、障害者スポーツの場の整備に努めていただくという事業を始めていただきました。
事業開始からまだ三カ月ということで、利用実績が五割を超えない学校もあると聞いております。
今後の周知活動に関しては、先ほどご答弁ありました地域スポーツクラブやスポーツ推進委員などにも、広く普及啓発、周知を行っていただくということで、そのようにお願いをしたいと思っております。
教育庁との質疑ではございませんけれども、こうした特別支援学校の活用によって、障害者スポーツ団体や障害のある方だけでなく、学校のそばに住む、その地域に住む方々にとっても、その学校を身近に感じる、生徒を身近に感じる、開かれた学校の場となるような機会になればなというふうに私は願っているところです。一層の広報活動を御局においてもお願いをしたいというふうに思います。
また、今はモデル事業ですけれども、障害者スポーツといってもさまざまな競技種目があるわけです。ゴールボールのゴールは、規格が幅九メートル、高さ一・三メートルと、かなり横長なものになっております。
また、シッティングバレーのポールなど、通常の競技と違う特殊な大きさ、形態の備品というものを必要とする競技がありまして、これを全ての特別支援学校に整備するということは現実的ではないんだろうというふうに思います。だからこそ、今後はやはり学校ごとに特色ある事業運営が必要となるというふうに思いますが、見解を伺いたいと思います。
それと、また、場の提供だけでなく、実施をする障害者スポーツを指導する人の手配、これも考える必要があるんだと思います。先ほど質疑をいたしましたスポーツ推進委員や、障害者スポーツ指導員を活用すべきと考えますが、見解を伺います。
○小室スポーツ推進部長 障害のある方や、障害者スポーツ競技団体に継続的な活動拠点として特別支援学校をご利用いただくためには、競技用備品の設置や施設整備など、環境整備が必要でございます。
しかしながら、特別支援学校は、都立障害者スポーツセンターとは異なりまして、競技用備品の種類や保管場所に制約があるなどの事情から、多くの競技種目に対応することは困難な状況にあります。
このため、本事業の体験教室や地域スポーツ交流会は、学校の希望や運営を担当する障害者スポーツ競技団体との調整に基づき、学校ごとに競技種目を選定しております。
また、多くの障害者がスポーツに親しむためには、活動の場に加えて、障害者スポーツの普及促進を支える指導者等の人材確保が不可欠でございます。
そこで、理事のご意見も踏まえまして、体験教室等を初級障害者スポーツ指導員のボランティア活動の場として活用するなど、障害者スポーツの裾野拡大に資する取り組みを進めてまいります。
今後、都は、各学校の施設や利用状況に応じまして、学校ごとに特色ある事業運営を行うとともに、都立特別支援学校を、障害者スポーツを支える人材育成の場としても活用し、地域における障害者スポーツの拠点の一つとして定着するよう事業の拡充に努めてまいります。
○小宮委員 都内には、特別支援学校が五十八校あります。将来的には、全ての特別支援学校が、それぞれに特色ある障害者スポーツ事業を運営して、都民に開かれた場となるように期待をするところです。
さて、障害者スポーツの身近な場、拠点づくりというのは、既にある区市町村のスポーツ施設の改修や、今の各地の特支の活用を図るということになってまいりますが、そのほかにも、東京には広域拠点としての障害者スポーツ総合センターが北区と国立市にありまして、古くなりました、大規模改修が予定されています。
今年度から、まず北区にあるセンターが改修工事に着手をいたしますが、総合センターですから、障害者スポーツ振興の象徴的な場として、利用者目線で整備されるべきです。
そこで、大規模改修によって、障害者スポーツの場の拡充はもとより、どのように利用者の利便性が向上するのか、具体的内容について伺います。
○田中スポーツ施設担当部長 東京都障害者総合スポーツセンターは、建設から約三十年が経過し、老朽化が進んでいることから、大規模改修を行うこととしております。
改修後は、二階建ての増築棟を新設することなどで、障害者スポーツの場が大幅に拡充するほか、利用者の利便性や快適性の向上を目指した計画ともなっております。
具体的には、利用者の要望が高い家族更衣室を増設するほか、駐車場から車椅子使用者が雨にぬれずに施設に入ることができるよう、駐車場を増築棟の一階部分に一部移転し、駐車台数も三十三台から四十七台に増加します。
また、スポーツ講習会や、コミュニティ活動など、さまざまな利用が可能な会議室、集会室、研修室等の部屋を、現在の百八十平方メートルから五百八十平方メートルに拡充いたします。
宿泊棟につきましても、現在は障害者と介護者が利用できる家族風呂を順番で使っていただいているところですが、これを二カ所から三カ所に拡充し、男女別の浴室と家族風呂として、いずれも好きな時間に利用いただけるようにしました。
なお、改修工事期間中も、利用者がスポーツ活動を継続できるよう、多目的スペースやトレーニングルーム、卓球室などを有する仮設施設を改修工事に先立ち設置することとし、現在工事を進めております。こうした工夫により、利用者の利便性の向上を図り、都の障害者スポーツの拠点として、より一層都民に愛される施設として進めてまいります。
○小宮委員 オリンピック・パラリンピック大会の成功に向けた準備というのは、ここにいる誰もが経験したことのない、また、民間の事業としてはできない一大事業となるわけです。
この間、知事がたびたびかわるなど、変更を求められるという、そういう状況もありますけれども、また東京都だけで決められないというさまざまな課題もございますが、東京都として着実に、また積極的に取り組むべき課題に対応して、ぜひ二〇二〇年の大会の成功、またその先も豊かに発展できる都市東京を目指して頑張っていただきたいと思います。一緒に頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。終わります。
○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後七時四十三分休憩
午後八時開議
○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○鈴木(貫)委員 本題に入る前に、ちょっとお許しをいただき、局長に突然、当意即妙でお答えいただければと存じます。
それは、先ほどから出ていた高木先生の質問に関連いたしますけれども、バッハ会長と知事とのあの場面の、それからその隣に上山さんかな、それから局長がいましたね。あのとき座っておられて、私は何となく局長を見ていて沈んでいるなという感じがしたんです、率直に。私自身ですよ、ほかの方はどう見たかわかりませんけれども。あのときの感想をずばりお答えいただきたい。
○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 あのとき副知事がおりまして、上山さんがおりまして、私がいたわけでありますが、私としては、バッハ会長とはリオデジャネイロ以来の再会ではございましたし、今後、東京都が開催都市として責任を持って大会をやり抜くという気持ちで再会を果たし、そのつもりであの場所におったということでございます。
○鈴木(貫)委員 まあそれしか答えようはないですわな、率直にいって。もっと本音を聞きたかったんですけれども、いずれの機会にまた歴史が後ほど証明することでありましょうから、これ以上お聞きするわけにはいかないと思います。
当意即妙で何もコメントをあらかじめ出しておかないで、ご無礼をお許しいただきたいと存じています。これが委員会のやり方ですからね。ありがとう。
では、本題に入ります。
私から、それぞれ、さまざま各委員の方々から観点で質問が出ていますから、私はドーピング問題について二問だけお伺いをしておきたいと思います。
リオ大会は、ドーピングについて大きな関心を集めた大会でもありました。当然そうですよね。ロシアが、ソチ・オリンピックを含む二〇一一年から二〇一五年までの長きにわたって組織的にドーピング行為を行っていたこと、そしてまた、国家ぐるみで多くの検査サンプルのすりかえ、また廃棄を行っていたという大変おぞましい歴史を持ったことがかいま見られたわけであります。
それで、ロシアという国、私の友人であるロシア通の方が、本の中でこう書いていますよね。
このロシアの本質があらわれたのは、オリンピック選手のドーピング問題でありますと。彼は--プーチンということですな、彼はやりかねない男で--十二月十五、十六日に来るんですけれども別に非難をしているわけではありません、こういう問題は、いわゆるドーピング問題は、ロシアだけの問題ではないんだと。スポーツ界全体の問題で、政治化するのは大きな誤りだとまで彼はいい切っているんですよ、政治問題にすりかえるのはおかしいと。要は何を彼はいいたかったというと、ほかの国も堂々とやっているじゃないかと。何の文句があるんだといわんばかりの、こういう表現をしたと筆者は、私の友人は書いています。
そして、スポーツの新記録が出たとすれば、これは必ずドーピングをやっているに違いないとまでいい切っているんだよね。ロシアの発想だと、ここまでいい切っている。ドーピングをやるならば、薬の抜き方も確立をしなければならない。要は試験の一夜漬けと同じで、とにかく検査を通ればいいんだと、その場限り。逆にドーピングがばれても、カンニングがばれたからだと思えばいいんだと。まあ、ここまでいわれると本当に何だといいたくもなるわね。
ロシアでは、ある時期から薬を抜く技術が衰えた。ばれないように薬を抜いている。そこで、歴史的に検体をすりかえるということになったわけですね。これが成功することで、前の薬を抜く、その技術が衰えていった。その技術の衰えをプーチンが怒っていたんだとまでいい切っているんだ。僕は、こういう説は正しいと思います。正しいと思う。
そういうことが裏であったということで、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック、警鐘を鳴らしておかなければいけないなと、あえてこの問題に触れたのも、私はそういう観点からなんです。非常にこれはおぞましい。また、アルゼンチンだとかウクライナなんかも指定をされていますよね。フランスはその点評価をされているという、そういう時代背景がありますけれども。私は、繰り返しますけれども、二〇二〇大会は、本当にこれは、本来この問題は組織委員会に関する問題でありますから、これを真正面へ向かって皆様にご質問するのもまた失礼かなと思うんですけれども、開催都市でありますから、これは東京都から指摘をしておかなければいけないという思いで、あえて今回は触れさせていただきたいし、また、きつい言葉で今申し上げましたけれども、それだけ注目をされているということをご理解していただき、また皆様方もそう思っておられるということを前提に、二問だけ質問をさせていただきたいと思います。
ハンマー投げの室伏さんもこのようにいっていますよね。スポーツのいいところは、自分自身の生身の体を使って、どこまで自分の限界に挑んで、それを皆さんの前で、人類の限界にチャレンジしている姿を見せるかなんだと。それが薬の力であったならば、何にもならない。心の持っていき方であったり、体づくりだったり、技術の磨き方によって、人はここまで変われるんだということが、それがひいては皆さんの希望に通ずるんだと。ぜひそういうことで、若い方々にはこれから頑張ってほしいというエールを送られていますよね。そういうことを私は前提にして、きょうはご質問をさせていただきたいと思うわけであります。
ロシアの事件のように、ドーピング問題は国そのものの信用にかかわる問題でもありましょう。当然です。世界各地を転戦するトップアスリートの管理から、将来のアスリート候補である中学、高校の運動部の生徒に対する教育に至るまで、幅広いドーピング対策の取り組みは、国家を挙げて推進することが重要であると私は思います。東京都もそれなりに、組織委員会とも打ち合わせをしてやっていただきたいと懇願をさせていただきたいと思います。
スポーツ基本法では、国はスポーツの国際規約に従って、ドーピング対策に関する施策を講じることとしております。折しも、国のアンチ・ドーピング体制の構築・強化に向けたタスクフォースは、先日、二〇二〇年大会も見据えて、ドーピング対策の包括的な考え方をまとめた報告書を公表されました。
まず聞きたいのは、その概要についてつまびらかに教えていただきたいと思います。
○田中運営担当部長 日本アンチ・ドーピング機構や有識者等が参加する国のタスクフォースは、今月八日、ラグビーワールドカップ二〇一九及び東京二〇二〇年大会に向けたアンチ・ドーピング体制や国内の取り組み体制の構築、強化を図るため、検討すべき対策をまとめた報告書を公表いたしました。
本報告書では、ドーピング検査員の計画的な人材確保や、アスリートから生徒までを対象とする幅広い教育啓発活動等に喫緊に取り組むべきとしております。
また、二〇一九年及び二〇二〇年の大会におけるアンチ・ドーピング体制の構築に向け、関係機関が不正の疑いがある者の情報を共有することなどについて、法的措置の検討が必要と指摘しております。
なお、ドーピングの刑罰化につきましては、国際的な厳しいスポーツ上の制裁が存在する中、法的課題が多々ある一方、大会を控え、抑止力が必要との意見もあり、国民の代表により、政策的見地から判断されるべきとしております。
○鈴木(貫)委員 二問目でありますけれども、我が国は、アスリートの方々も知らずに禁止薬物を摂取してしまった事例、まあまあたまにありましたよね。オリンピック・パラリンピック大会で意図的なドーピング違反が日本は一度もなかったと私は記憶はしております。高い検査レベルを誇るなど、アンチ・ドーピングの世界では、先ほど申し上げたとおり、フランス、ドイツもそうなのかな、かつては東ドイツは違いましたけれども、高く評価をされております。
国の報告書が出たとき、ドーピングの刑罰化が見送りと報じられておりましたけれども、ドーピングでクリーンな日本がいきなり刑罰を科すこと、また、アスリートという身分の範囲が明確でもないのに、アスリートにだけ刑罰を科すことにも、確かに一部慎重な意見があることも承知しております。
ほかにも多くの法的課題があるとも仄聞はしておりますけれども、これから議論を尽くしながらも、大会までに適切な体制が本当に整えられてほしいと願わずにはおられません。世界が注目をしていますから。そういうことで、ぜひ二〇二〇年大会の開催都市である東京もまた、東京大会をドーピングのない大会にぜひともしてもらいたい。東京大会は、世界からの期待に何としてでも応える必要があると私は思います。ぽろり、ぽろりと後で金メダルが剥奪されたり、銀メダルが剥奪されたり、銅メダルが剥奪されたりするような、そういう大会にだけはしてほしくはないと私は思いますが、やはりその辺の東京都としての見解を承っておきたいと思っております。
○田中運営担当部長 ドーピングは、スポーツのフェアプレー精神に反し、競技者の健康を損ね、薬物の習慣性から社会的な害を及ぼすばかりか、人々に夢と感動を与えるオリンピック・パラリンピック競技大会そのものの意義を失わせることにもなり、決して許されるものではありません。
そのため、都は、国に対し、東京二〇二〇大会をドーピングのないクリーンな大会とするため、世界ドーピング防止機構が定める世界アンチ・ドーピング規程に基づくドーピング対策について、大会組織委員会と関係行政機関などが連携するための体制の構築を支援するなど、必要な措置を講ずることを提案要求してまいりました。
今回、国のタスクフォースがアンチ・ドーピング体制の構築等に関し、法的整備を含め、検討が必要な具体的な対策を取りまとめたことを踏まえまして、都は、開催都市といたしまして、法制化の動向等を注視しながら、今後もドーピング防止対策の強化を関係機関に強く働きかけてまいります。
○鈴木(貫)委員 じゃあ、最後に見解だけを述べておきたいと思います。ちょうど十五分という持ち時間でありますから、どんぴしゃりで終わるようにいたします。
確かに、いわれてみれば、ドーピング行為は、筋肉増強剤の分子構造を若干だけれども変えたり、検査にひっかかりにくくしたり、血液ドーピングといって、競技直前に赤血球をふやした血液を輸血したり、まあまあさまざまなことで巧妙化している。
それをプーチンは、なぜそういうことができないとなじったりする。ロシアのそういう不健全なやり方、名前を出して申しわけないんですけれども、というふうにいわれているということを私はあえて指摘しておるわけでありまして、内心はそうではないと思うんですけれども、勝てばいいということではないと思っています。
WADA、世界反ドーピング機関でも、国際基準の統一行動を定めたりして、二百種類以上もの禁止薬物リストを毎年のように更新しているわけでしょ。そういうものをやはりきちっとやっていかなければ、私はもたないと思っています。日本ならばできると。ですから、私はあえてこの問題を触れておきたいと思ったがゆえに、テーマとして掲げさせていただきました。私たちが東京都民として、全国民注視の中での二〇二〇、きょうはさまざまな論議がされておりました。どうか大成功をさせていただくためにも、この部門も置いてきぼりにすることはできないと私は思っておりまするがゆえに、あえてこの二問に絞って質問をさせていただきました。
冒頭、局長に失礼な質問をいたしたかと存じますけれども、ご寛容をいただければと思い、質問を終わらせていただきたいと思います。
○きたしろ委員 私にとっては二回目のオリンピックです。東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、開催まであと四年を切り、大会準備に残された時間は決して多くありません。
特に施設の整備は、限られた期間で必ず完成させなければならないため、何より着実に進めていくことが重要です。
オリンピックの全体経費については、高木委員から冒頭に全体の数字についての質疑がありました。もし根拠のない数字がひとり歩きするのは悲しい事柄だと私は思います。都民、国民に対しても失礼なことになるというふうに思います。
そのような中、報道等で多く取り上げられ話題となっているボート、カヌー会場の海の森水上競技場は、整備費が当初六十九億円、そして一千三十八億円、そして四百九十一億円と大きく変動しており、最近は三百億円という記事もありました。
報道の中には、おもしろおかしく数字ばかりを取り上げ、都の計画がずさんなものであるかのような、よくない印象を与えているものもあります。極端な人は、丼勘定というような言葉を発する人もいました。これでは都民も混乱をしてしまいます。そこを私は懸念しているわけです。
そこで、都議会でも、これまで特別委員会への報告などがあったとは思いますが、改めて、数字を含め、都の正確な説明を聞きたいと思います。海の森水上競技場の整備費について、これまでの正確な経緯と現在の状況をお伺いいたします。
○花井施設担当部長 まず、立候補時の整備費六十九億円は、本体工事費のみを計上したものでございました。開催決定後、本体工事費に加えまして、調査委託費、周辺整備費、建設物価上昇分や、工事セキュリティー経費、消費税の増分も見込みますとともに、開催決定後に実施いたしました地質調査の結果も踏まえまして、締め切り堤の構造を変更するなど、本体工事費の精査を行いました。この結果、整備費が千三十八億円と大きく増加することが判明いたしました。
このため、整備内容の抜本的な再検討を行い、競技団体協力のもと、会場レイアウトを大幅に変更いたしまして、新設締め切り堤の延長を縮小することなどによりまして、整備費を四百九十一億円に縮減してまいりました。
この整備費には、その後の工事発注段階で、今後措置する経費や追加工事等が生じた場合の対応費を含めることといたしました。
このうち、今後措置する経費につきましては、IF等と協議する施設といたしまして、テレビカメラ撮影用ポンツーンなどを計画しておりましたが、陸上の自転車走行路を兼用して撮影するよう調整してきており、ポンツーンが不要となる方向でございます。
また、追加工事等が生じた場合の対応費につきましては、実施設計が進捗したことに伴いまして、大幅な増額を想定せずに対応できる見通しが立ってまいりました。
さらに、契約中の競技施設整備工事におきまして、遮熱性舗装や中高木の植栽を取りやめますことや、建物を仮設レベルに低廉化することなど、コスト縮減を検討しております。
引き続き、コスト縮減に向けまして、競技団体や受注者など関係者とともに検討してまいります。
○きたしろ委員 やはりオリンピック経費というのは削減というのは非常に大切な視点だと思うんです。そしてまた税金を使うわけですから、やはり効果のあるお金の使い方をするべきだというふうに私は思っております。
今のお話ですと、ポンツーンが不要になるかもしれない。テレビでこうやって自動的に映すやつでしょう。あれがないと、ほかの国の人はどう思うんだろうかというふうにも思いますけれども、やはりそういう意味では縮減ということは大切な視点だと思いますので、そしてまた今月には、会場の検討に関して、都とIOC、国、組織委員会の四者協議が開催される予定となっておりますけれども、最善の結論が出されるよう、都としてしっかり議論をしてほしいと思います。
コペンハーゲンでの石原さんのIOCの総会、そして今回、我々が行ったブエノスアイレスでのIOCの総会、二回我々は経験しているわけです。あのときの感動を、みんなで、オールジャパンでもう一度取り戻さなきゃいけないというふうに思うんです。
それにはオリ・パラの皆さん方が真剣に、やっているとは思いますけれども、これ以上に真剣に、命をかけるぐらいの気持ちで、すばらしいオリンピック・パラリンピック大会にしたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
以上で終わります。
○栗山委員 それでは、大きく二点についてお聞きします。
まず一点目なんですが、都は、昨年度、障害のある方がスポーツ施設を訪れた際に、施設側ではどんな点に配慮すべきかについて取りまとめた障害者のスポーツ施設利用促進マニュアルを作成しました。
マニュアルでは、案内表示は大きく、はっきり、振り仮名をつけてなど、実際に行われている事例が写真入りで紹介されています。
私の地元目黒区のスポーツ施設も、片手しか使えない人のために、左右両側にスイッチがある給水器などが掲載されています。こういった配慮はスポーツ施設だけではなく、ほかの施設でも参考にすることができると思います。
そこで、都はこのマニュアルをどのように周知し、どういった活用をしているのかお伺いいたします。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、本年二月、スポーツ施設管理者向けに、障害のある方の利用に際し、配慮すべき点を取りまとめたマニュアルを作成いたしました。作成後は、区市町村や公立スポーツ施設、スポーツ関連企業等に冊子を配布するとともに、ホームページでも公開してございます。
本年三月には、区市町村スポーツ施設の管理者等を対象として、このマニュアルを活用した研修会を開催いたしました。
参加者からは、できることから取り組むことが大切だと思った、また、改修工事をしなくても、工夫で障害のある方を受け入れられることがわかったなどの意見をいただいたところでございます。
また、区市町村のスポーツ施設整備に関し、都に補助申請があった際には、このマニュアルを活用し、障害者が使いやすい施設のあり方について、適宜アドバイスを行ってございます。
このほか、スポーツ施設に限らず広く活用していただくため、区長会や市長会、町村長会等で本マニュアルを紹介、配布したほか、道府県にも送付したところ、学校や公共施設で活用したいとの声が寄せられてございます。
今後とも、さまざまな機会を捉えてマニュアルの活用を呼びかけ、バリアフリー社会の一層の推進を図ってまいります。
○栗山委員 これ、大変よくできたマニュアルだと思いますので、ぜひとも都庁内は横断的にもちろんのこと、関係団体や民間にも広く活用してもらえるように、さまざまな工夫をしていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、オリンピック・パラリンピック競技大会東京二〇二〇の練習会場についてお伺いいたします。
オリンピック・パラリンピックの開催には、競技会場はもちろんのことでございますが、選手が試合に向けて直前まで練習を行う練習会場が必要となります。立候補ファイルの時点では、オリンピックの練習会場については選手村から比較的近い自治体等が所有する体育施設等が練習会場候補とされたとお伺いしております。
そこで、まず、オリンピックの練習会場の検討について、現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○小野競技・渉外担当部長 練習会場とは、選手村開村から競技終了まで、全選手に対し組織委員会が提供する公式な練習施設でございます。選手村から三十分以内が理想とされており、各国際競技連盟及びIOCの承認が必要とされております。
この練習会場につきましては、多くの区立施設が候補とされており、各区の理解と協力が不可欠なため、本年二月の区長会において各区に協力依頼を行いますとともに、現在、組織委員会と連携し、各施設の現況調査や各区の個別事情等の把握、NFやIFとの調整に努めているところでございます。
○栗山委員 次に、パラリンピックの練習会場についてお伺いいたします。
オリンピックの練習会場については、立候補ファイル時においての候補施設のリストがあり、これを踏まえて調整を行っていることと思いますが、パラリンピックについては、こうした候補施設のリストは存在しないとお伺いしております。
パラリンピックの練習会場についてはどのように検討を進めていくのかお伺いいたします。
○小野競技・渉外担当部長 IOCやIPCによりますと、パラリンピックの練習会場はオリンピックの練習会場と並行して計画すべきとされております。現在、オリンピックの練習会場に合わせまして、パラリンピックの練習会場も組織委員会と連携して検討を進めているところでございます。
○栗山委員 私の地元目黒区の中央体育館は、立候補ファイル時点のリストでは、オリンピックのトランポリンの練習会場候補になっていると聞いていますが、区は、オリンピック・パラリンピックのレガシーをより大きなものとするためにも、ぜひパラリンピックの練習会場としても使ってほしいという意向を持っていると思われます。また、ほかの区市町村でもパラリンピックの練習会場となることに意欲のある自治体もあることと思います。
そこで、パラリンピックの練習会場は、オリンピック以上にバリアフリー化などへの対応が必要となることが想定されるため、早期に確定させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○小野競技・渉外担当部長 オリンピックの練習会場は、IOCの定める基準では、平成二十九年夏までに確定することとされておりまして、パラリンピックの練習会場につきましても、オリンピックに合わせて決めていくこととしております。
バリアフリーなど、施設改修を検討している区の事情も踏まえまして、事前の情報提供に努めますとともに、都も組織委員会と連携して取り組んでまいります。
○栗山委員 パラリンピックの練習会場もオリンピックに合わせて決めていくということであり、区側もぜひ協力したいと思っている区も多いと思います。区によっては、パラリンピックの練習会場になれば、レガシーとしてバリアフリーの改修をしたいと思っている区もあることと思います。ぜひ、そういった事情にも配慮して、パラリンピックの練習会場も早目に情報提供を行っていただきたいと思います。
この練習会場となる施設については、区における財政負担は非常に大きいものと考えます。我が党の提案を受けて、平成二十六年度に区市町村に対するスポーツ施設整備費の補助制度が創設されましたが、平成二十七年度決算は、予算額十二億円に対して補助金額は約五億五千万円と、執行率が五〇%に満たない状況であります。
そこで、まず、執行率が低い状況について、都の考えをお伺いいたします。
○小室スポーツ推進部長 区市町村に対するスポーツ施設整備費補助制度は、都民が身近な地域でスポーツを行う場を拡大し、誰もが利用しやすいバリアフリーを促進することで、二〇二〇年までに都民のスポーツ実施率七〇%を達成することを目的としまして、平成二十六年度に創設いたしました。
平成二十七年度は、ご指摘のとおり全体の執行率は低く、補助件数も二十六件にとどまりました。執行率が低かった理由としましては、平成二十七年度に新たに追加したメニューに対して、区市町村における補正予算等の対応が困難であったことなどが考えられます。
また、事前キャンプ誘致に関する工事につきましては、誘致の本格化がリオ大会後になることや、これまでは既存施設を活用して誘致を目指す区市町村が多かったことから、平成二十七年度は申請がございませんでした。
なお、今年度は、区市町村に対して活用事例を積極的に紹介し、さらなる周知を行ったことなどから、現時点で昨年度を上回る二十八件の申請を受け付けております。
○栗山委員 執行率が伸びなかった理由はいろいろあるようですが、せっかく確保した予算なので、都は、区市町村のために有効に活用することを考えていただきたいと思います。
二〇二〇年大会の練習会場を機に大規模な改修を計画実施している自治体もあると聞いていますが、目黒区もそうですが、この補助制度は、現状、スポーツ環境を拡大する工事やバリアフリー工事などに対して、補助率が二分の一、一施設当たりの上限額は一億円となっております。大規模改修に対しては、現状の制度では不十分であると思います。
そこで、練習会場になる施設の改修については財政支援を拡充させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○小室スポーツ推進部長 練習会場の候補となっている区には、練習会場の指定を機に施設の機能向上を図りたいという意向もあり、そうした区から施設の改修に財政支援をしてほしいという要望もあることは承知しております。
スポーツ施設整備費補助制度につきましては、これまでの間、区市町村の意向を踏まえ、利用時間の延長など、スポーツ利用の機会を拡大する工事を新たに補助メニューに加えるとともに、二〇二〇年大会に向けた事前キャンプのための工事も加えるなど、制度の充実を図ってまいりました。
練習会場となる施設の改修に対する財政支援につきましては、ご指摘の点を踏まえ、今後そのあり方について検討してまいります。
○栗山委員 複数の自治体から練習会場のための整備に本制度を活用したいという要望があると聞いていますが、練習会場となる大型施設の改修は一億円という上限額では区の財政負担が大きく、現行の補助制度では十分な改修ができません。
二〇二〇年大会に向けて、この機にスポーツ施設の充実を図り、より多くの国民にスポーツに親しんでもらうことを区も熱望しております。制度の拡大に当たっては、二〇二〇年大会を成功させるためにも、補助メニューや補助率、上限額の拡充を強く要望して、私の質問を終わります。
○川松委員 私からは、障害者スポーツの普及について伺います。
私自身もスポーツを、競技として取り組んでまいりましたけれども、それ以上に、さまざまなスポーツに側面から携わってまいりました。スポーツ振興のためには、その魅力を発信すること、伝えること、つまりは普及啓発が大きな力となることを身をもって経験してきたわけであります。
そこではメディアの力というのが大きな要素となるということは当然のことであります。マスメディアもソーシャルメディアも含めて、全ての意味でのメディアという意味であります。障害者スポーツについては、二〇二〇年の東京パラリンピック競技大会を契機にして、さきのリオ大会を中心に、メディアの露出というのも今ふえているんだと思います。
特に、大会招致時に、先ほどきたしろ先生からもお話がありましたけれども、あのブエノスアイレスのIOC総会における佐藤真海さんのスピーチに多くの人が心を打たれたにもかかわらず、昨年度都が発表した調査では、障害者スポーツに関心のない都民の方が、関心のある方を残念ながら上回っているわけです。
この実情を東京都はしっかりと受けとめて、障害者スポーツの魅力を広く都民の皆様に、必死になって伝えていく使命が今あるのだと思います。
また、過日の特別委員会でも少し触れましたけれども、リオ大会の閉会式におけるポジティブスイッチを押そう、あれもすばらしいものであったにもかかわらず、ほとんど知られていません。先日も、「東京は夜の七時」というのを私、口ずさんでいたら、何でそんな昔の歌を歌っているんだといわれたので、すぐさまプレゼンテーションの映像を見せて、こういうことなんだ、みんな応援してくれといったら、そこにいた人たちは納得してくれました。これが現状なんです。
そこで、都が昨年度、我が党からの強い要請に応じまして、東京都障害者スポーツ協会に対し二億円を出捐し基金を創設しました。この基金を用いて障害者スポーツの理解促進、普及啓発に向けた事業を開始しているわけですが、今年度、この基金を活用しどのような事業を展開しているのかを伺います。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 委員からお話があったとおり、都は、障害者スポーツの理解促進、普及啓発を機動的かつ柔軟に行うため、昨年度、東京都障害者スポーツ協会に二億円を出捐し同協会の基金設置により、事業を実施しているところでございます。
この基金は、平成三十二年度までの六年間を事業期間とし、メディアを活用した情報発信や障害者スポーツ大会の運営補助等を行っていくこととしております。
具体的には、昨年度から実施してございますMXテレビでの番組放映に加え、今年度は、障害者スポーツ大会を運営する競技団体への支援を開始いたしました。
また、今週の日曜日からは、インターネットテレビによる障害者スポーツ大会の生中継をスタートしたところでございます。
○川松委員 今の答弁にありましたとおり、東京都障害者スポーツ協会が障害者スポーツ大会のインターネット中継、これもAbemaTVを活用してのインターネット中継でありますが、これを始めるということを先週聞きました。
私も先ほど生活文化局の広報事業についても質疑を行ったばかりなんですが、常々、これまでの行政の広報に対して、興味のなかった層にどうやってアピールしていくかというのが今東京都に置かれている課題だと思います。
今までに想定していた媒体では限界があると感じていました。そういう点において、今回大変魅力的なメディアを選んだなということで評価させていただきたいと思います。
とにかく今、若い層ほど知っているメディアというのがこのAbemaTVだと認識しております。新たな層を開拓する広報ツールとしてとても有効であるのではないかなと思います。
今お話のありました今週日曜日は、中継された一回目ということで、グランドソフトボール、視覚障害者の野球であり、転がしソフトボールともいわれている競技でありますが、これが放送されました。実況中継つきで、初めて見る方もとてもわかりやすい内容で放送されていたんだと思います。ことしはリオデジャネイロでパラリンピック競技大会も開催されて、障害者スポーツの番組を目にすることがふえてきた。先ほど私、お話ししましたけれども、露出がふえてきた。
とはいえ、まだまだ少ないわけです。ましてや、大会が生中継されるなんていうことは、これまでほとんどなかったことだと思います。こうしたことから、インターネットを活用しての中継というのは非常に画期的です。
そこで、この取り組みの具体的な内容について、さらに詳しく教えてください。
○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者スポーツ大会のインターネット中継では、都内及び東京近郊で今年度開催される七つの障害者スポーツ大会について、実況解説つきの生中継を行うほか、大会後も録画映像を配信いたします。この取り組みによって、大会に行けなかった方や中継を見逃した方も、スマートフォンやパソコンで、場所や時間を選ばず、気軽に障害者スポーツを観戦していただけるほか、初めて観戦する方も、実況解説を聞いてルールや試合の見どころを理解していただくことができます。
あわせて、お話のあったグランドソフトボールのように、パラリンピック競技以外の競技も取り上げることで、障害者スポーツ全体の理解を促進することも事業の狙いとしてございます。
今回の生中継及び録画映像へのアクセス数は四万五千を超えるなど、多くの方にごらんいただいております。こうした取り組みを通じ、障害者スポーツ観戦の機会を広げ、その魅力を広く都民に情報発信してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。競技場にたとえ行けなかったとしても、ネット中継で観戦できるという機会をつくる、こういう取り組みは非常に重要だと思います。
そして、いわゆるさまざまなスポーツ団体が財政面で苦労をしている状況を鑑みますと、障害者スポーツ団体は本当に運営が大変なのではないかなと思います。それだけに、さらなる充実を図るためにも、今出ているこの基金に対しては、さらに厚みを持たせていただきたい。そういう支援を要望しておきます。
さまざまな競技団体が、大なり小なりのネット中継に取り組み始めています。さきの定例会でも一般質問で言及しましたけれども、障害者スポーツのみならず、オリンピック競技の中でも余り知られていない競技はたくさんあります。
二〇二〇年大会では、オリンピック競技大会も、パラリンピック競技大会も、全ての競技場を満員にして選手をお迎えする。このこともアスリートファーストの重要なテーマであると思います。
同時に、各競技会場の整備費用の金額だけが今ひとり歩きしている。それが世間の空気を形成している。この現状を見るにつけて、それぞれの競技を少しでも見ていれば、議論のあり方も変わってくるんじゃないかなと毎日思っているわけですね。
例えばボート競技。金額は毎日話題になっていますが、じゃ、その競技の運営だとか中身について話題になっているかというと、そうではないわけです。国内で行われた大会、例えばことしのいわて国体は、四日間だった予定を台風の影響で一日縮めて三日間の開催になったり、私たちの東京で行われた国体では四日間の大会を無理に五日間、期間を延ばして延長したにもかかわらず、最終日は増水で中止。つまり決勝はボート、行われなかったわけですね。
そもそも東京国体のときには、荒川でやると決まってから大会直前まで、あんなところでやれるかという声の中で競技の運営をやったわけです。リオデジャネイロ大会でもボートレースはレーススケジュールに変更が生じました。それだけ自然の影響を受けやすいボート競技。そして、この水位についても大変敏感になっていかなきゃいけない競技だということを多くの人に知っていただきたいななんていうことを毎日思っているわけです。
いずれにしても、認知度の低い競技をとにかく普及させることが、あと四年間の中で二〇二〇年の大会を成功に導く一つのポイントだと思います。ぜひ、インターネットテレビも含めて、新しい媒体をどんどん積極的に活用し、大会を成功に導くことを提案して質問を終わります。
○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時四十五分散会
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