文教委員会速記録第三号

平成二十八年二月二十九日(月曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長植木こうじ君
副委員長里吉 ゆみ君
副委員長高木 けい君
理事栗山よしじ君
理事ほっち易隆君
理事野上 純子君
小松 久子君
山崎 一輝君
野上ゆきえ君
今村 るか君
鈴木貫太郎君
鈴木あきまさ君
古賀 俊昭君
斉藤あつし君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長多羅尾光睦君
次長桃原慎一郎君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武市 玲子君
広報広聴部長樋渡 幸生君
都民生活部長山中 康正君
消費生活部長山本  明君
私学部長加藤  仁君
文化振興部長鳥田 浩平君
都政情報担当部長濱田 良廣君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長越  秀幸君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
準備会議担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
運営担当部長田中  彰君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
教育庁教育長中井 敬三君
次長松山 英幸君
教育監金子 一彦君
総務部長堤  雅史君
都立学校教育部長早川 剛生君
地域教育支援部長粉川 貴司君
指導部長伊東  哲君
人事部長江藤  巧君
福利厚生部長太田 誠一君
教育政策担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
安部 典子君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長松川 桂子君
指導推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長鈴木 正一君

本日の会議に付した事件
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 教育庁所管分
生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 生活文化局所管分
オリンピック・パラリンピック準備局関係
契約議案の調査
・第九十五号議案 オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約
・ 第九十六号議案 有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約
・第九十七号議案 平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
付託議案の審査(決定)
・第百十四号議案 平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 文教委員会所管分

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十八年二月二十五日
東京都議会議長 川井しげお
文教委員長 植木こうじ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第九十五号議案 オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約
 第九十六号議案 有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約
 第九十七号議案 平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
2 提出期限 平成二十八年二月二十九日(月)

○植木委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁、生活文化局及びオリンピック・パラリンピック準備局関係の中途議決にかかわる付託議案の審査並びにオリンピック・パラリンピック準備局関係の契約議案の調査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、教育庁所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。

○植木委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、生活文化局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○植木委員長 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第九十五号議案から第九十七号議案までを一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木総務部長 去る二月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につき、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、主な都立体育施設の稼働率でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの五年間の稼働率の推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料2、主な都立体育施設の利用目的別件数でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、国際大会や全国大会など、利用目的別の件数をそれぞれ平成二十四年度から平成二十六年度までの三年間の推移として記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 資料ありがとうございました。
 それでは、三つの施設の契約案件に対する質疑を行います。
 我が党は、オリンピック・パラリンピックのそれぞれの競技場について、アスリートファーストは大前提ですが、その上で、整備費は必要最小限に抑えること、また、大会後は、競技団体はもちろん、都民スポーツの場などの拡充となることを求めてきました。
 この視点から三つの施設について質疑を行いたいと思います。
 まず、海の森水上競技場についてです。
 我が党はこれまで、この場所は海風があり、波が立つという立地条件がボート、カヌーの競技場としては適切でないこと、四百九十一億円という整備費も都民の納得は得られないこととして、別の場所、彩湖など、仮設会場として使用することを提案してまいりました。
 まずお伺いしますが、風対策として盛り土や防風林を行うというふうにされていますが、防風林は全体の四分の一程度の風しか軽減できないというふうに書かれております。まず、この風対策で十分という認識なのか伺います。

○花井施設輸送担当部長 海の森水上競技場につきましては、これまでもたびたびご議論をいただいてございますが、改めてお答え申し上げます。
 風の対策につきましては、これまで国際、国内競技団体と協議しながら取りまとめを行ってまいりました。
 その結果、風速シミュレーションを踏まえまして、競技水域内でほかの場所よりも風速の大きな区間に対しまして効果的な位置に防風林を設置することといたしました。
 防風林の設置によりまして、競技水域内の他の場所と比べて風速の大きい区間を含む二千メーターコース全体の約四分の一程度の範囲で風速が低減すると予想しており、国際競技団体から一定の理解を得ているところでございます。
 引き続き、効果的な対策につきまして競技団体と協議し、後利用も含め、よりよい競技環境の確保に努めた対応を行ってまいります。

○里吉委員 一定の理解を得られているということでしたが、一方で、引き続き効果的な対策を協議していくというご答弁でした。
 これ、オリンピック・パラリンピックの特別委員会の方には配られたと思うんですが、この基本設計の概要を私も読ませていただきましたけれども、まだ風対策ができていない地域が残されていることは明らかになっておりますし、新聞などでもこの問題が持ち越しされているということが報道されております。
 同じように、波対策ですけれども、これも垂直護岸だと波のはね返りが強いので、傾斜をつけたこういう護岸にするべきというのが当初から競技団体から要望が出されていました。
 しかし、基本設計では、消波装置というんでしょうか、波を消す装置をめぐらせることで対応することになっています。これで不十分だということで、特別委員会でも議論されたと思うんですが、この装置を使って競技を行った会場、オリンピック会場として使ったところはあるんでしょうか、事例についてお伺いいたします。

○花井施設輸送担当部長 ボート競技会場で類似の消波装置を設置している例といたしましては、世界ボート選手権等の競技会場になっておりますスロベニアのブレッド湖などがございます。
 なお、波の対策につきましては、これまで国際、国内競技団体と協議しながら取りまとめを行ってまいりました。
 その結果、護岸におけます反射波を低減させるために、国際競技団体から紹介された事例を踏まえまして、消波装置を護岸沿いなどに設置することといたしております。この消波装置の設置によりまして、波の高さが約六割程度低減すると想定しております。
 引き続き、効果的な対策につきまして競技団体と協議し、後利用も含め、よりよい競技環境の確保に向けた対応を行ってまいります。

○里吉委員 五輪会場としては使ったことはないということでしたね。そして、六割の軽減でいいのかということも課題として残ると思います。引き続き効果的な対策について、よりよい競技環境の確保に向けた対応を求めていくというわけですから、引き続き考えていくということだと思うんですね。
 そうすると、問題になるのが事業費です。今でさえ、当初予算から比べれば七倍の四百九十一億円という総事業費になっていますけれども、この内容について伺います。

○花井施設輸送担当部長 整備費につきましても、これまでたびたび取り上げていただいてきております。改めまして、経緯なども含めましてお答えいたしますので、少々答弁が長くなりますが、ご容赦をお願いしたいと思います。
 立候補ファイル時の整備費は、本体工事費のみを計上したものでございました。開催決定後、本体工事費の見積もりを実勢に合わせて精査したことや、基本設計等の調査委託費、上下水道等のインフラ整備費や支障物の撤去、移設経費等の周辺整備費を計上いたしますとともに、着実に会場整備を進める観点から、今後の建設物価上昇分や工事中のセキュリティー経費、消費税の増分も見込んだものでございます。
 さらに、開催決定後に実施いたしました地質調査の結果を踏まえまして、締め切り堤の構造変更や、廃棄物処分場に建物を整備するために必要な基礎構造の変更などを行いました。この結果、整備費が千三十八億円と大きく増加することがわかりました。
 そこで、整備内容の抜本的な再検討を行いまして、競技団体の協力のもと、競技コースやウオーミングアップエリアを初めとする会場レイアウトを大幅に変更することに伴いまして、新設締め切り堤の延長を縮小すること等により、整備費を四百九十一億円に縮減いたしました。
 基本設計におきましては、締め切り堤につきまして、経済性を考慮した比較検討を踏まえまして、構造形式の見直しを行うなど、コスト縮減に努め、追加工事費等が生じた場合の対応費を確保しております。
 引き続き、実施設計などを進めていく中で整備費の縮減に努めてまいります。

○里吉委員 今、私、聞いていないこともいろいろお答えいただきましたけれども、そもそも廃棄物処分場につくるということで、土壌としてどうなのかということ、これ以外にも特別委員会の方でいろいろ議論されてきたと思います。
 だからこそ、途中経過の中では一千億円を超える試算も示されて、ここまで縮減したというご説明だと思いますが、立候補ファイルで、幾ら本体工事だけだといっても、そこから現在でも七倍もの予算に膨れ上がっている。縮減、これからも考えていくといいますけれども、アスリートファーストの立場に立てば、風対策も波対策も不十分であり、レースの公平性という点からもさらなる対策が求められると思います。
 そうなれば、さらなる整備費がふえる可能性もあるということで、この場所での整備は見直すべきだということを改めて申し上げたいと思います。
 次に、オリンピックアクアティクスセンターについて伺います。
 アクアティクスセンターの観覧席なんですが、IOCの基準では一万二千席で整備すればよいことになっておりますが、改めて二万席で計画したのはなぜか伺います。

○根本競技担当部長 オリンピックアクアティクスセンターの計画につきましても、これまでもご質疑をいただいているところでございますが、改めてご答弁をさせていただきます。
 水泳につきましては陸上競技、体操と並んでオリンピックの中でも主要競技といわれておりまして、競泳会場の観客席は北京大会で一万七千席、ロンドン大会で一万七千五百席を用意しておりました。
 これら過去大会の状況や競技団体の意向を踏まえますとともに、日本におきましては水泳はメダルも期待され、非常に人気のあるスポーツであり、多くの観客を見込めるということから二万席の計画としているところでございます。

○里吉委員 しかし、大会のときは二万席だけれども、その後は一万五千席を減築するということになっています。残るのは五千席ですよね。
 大規模な工事となると思いますが、どのような工法が考えられているのか伺います。

○小野寺施設整備担当部長 アクアティクスセンターにつきましては、大会後の建物の規模の適正化や将来の維持管理費の低減等の観点から、約二万席の観客席を約五千席に縮小する計画でございます。
 基本設計段階におきましては、約一万五千席の仮設席部分を撤去いたしまして、撤去した部分の外壁を新たに設置する設計としております。

○里吉委員 仮設の座席を撤去して、そこに外壁をつくるという簡単な説明でしたけれども、将来の維持管理を考えて減築するというご説明でしたけれども、減築にかかる費用、現在のところ七十四億円かかるといわれています。具体的な工法をこれから決めていくわけですから、その金額でおさまるのかどうかということも心配されるところだと思います。
 観客席が二万席埋まるのは、オリンピック・パラリンピックのときしか考えられないと。世界大会でも五千席あれば十分だと。だから五千席に減らすということだと思うんですね。
 しかし、だからこそ開催国に多大な負担とならないように、IOCの基準も一万二千席となっているわけです。それを仮設も含めて二万席分整備するということ、そのために減築費用に七十四億円もの費用がかかるということでは都民の理解は得られないと考えます。
 次に、有明アリーナについて伺います。
 これもメーンアリーナの問題なんですが、バレーボールコートが四面分とれる広さがあるということなんですが、床がコンクリートとなっているということで、改めてこの理由について伺います。

○小室施設調整担当部長 有明アリーナの後利用につきましては、これまでも特別委員会にて質疑されておりますが、改めてお答えいたします。
 有明アリーナは、国際大会を含みますスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しております。そのような用途を考慮し、メーンアリーナの床は、アリーナ内に車両が直接乗り入れ、資機材の搬出入や設営が容易に行えるコンクリート床仕様としております。

○里吉委員 コンサートを初めとする各種イベントなど、多目的な活用を想定しているというお答えでした。
 つまり、メーンアリーナは一般都民のスポーツ利用は考えていないということでしょうか。資料を出していただきましたが、これ、見ていただきますと、同じような大きい体育館、東京体育館のメーンアリーナの稼働率は今年度九九・七%、駒沢オリンピック公園の体育館も九六・七%と、ほぼ満杯ですよね。
 ですから、有明アリーナのメーンアリーナも、大会後、都民がスポーツ施設として使えるようにするべきだと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

○小室施設調整担当部長 有明アリーナのメーンアリーナは、一万五千席の観客席を有することから、国際的なスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しております。
 有明アリーナのメーンアリーナにおきましては、一万五千人規模の大人数の観客を擁するような都民利用の大会を催す頻度は少ないと考えております。都民のスポーツ利用に応える場としましては、主にサブアリーナを想定しており、メーンアリーナの可動席の観客席をサブアリーナの応援席として利用可能とするなど、小規模なスポーツ大会でも、皆で楽しめる工夫を講じております。

○里吉委員 小規模なスポーツ大会を楽しめるような工夫もしていただくのは大事なことなんですが、大規模なスポーツ大会も、アマチュアのスポーツ団体も開きたいと思っているんですね。
 都民のスポーツ利用はサブアリーナで十分だということではありません。確かに一万五千席もの観客席は必要ないと思います。しかし、一度にたくさんの試合を一堂に行える会場として、このメーンアリーナと、それからサブアリーナを使って、アマチュアのスポーツ団体が大会を開く場所としてだって使ってもらいたい、使わせてあげるべきだというふうに思うんですね。こういう要望が出てくると思うんです。
 床をコンクリートにすると、スポーツ仕様に一々張りかえる必要があるわけですから、お金がかかります。世界大会など大きな大会、そういうものでなければ使えないというふうになるんじゃないかと思いますね。
 ほかに床がコンクリートの施設、調べてみましたら、さいたまスーパーアリーナが該当するということで、お話を伺いました。床をスポーツ仕様にかえる料金、普通のスポーツ団体が出せる金額ではないと。いろいろな軽減を使っても、二桁違うと。百万円台だということをおっしゃっていました。
 私は、オリンピック・パラリンピックの競技会場として東京都が新しく整備する施設なのだから、やはり一部の興行とか世界大会も大事ですが、それだけじゃなくて、それよりももっと大事にしなければ、一番大事にしなければいけないことは、都民がさまざまなスポーツの大会を開ける会場、そういうものとして整備することが大事だと思うんですね。
 近くの有明コロシアム、ここもスポーツ以外の利用をふやしておりますけれども、資料を見ていただくとわかりますように、稼働率は六割台です。この資料を見ますと、今スポーツ以外の利用が二十五ということで、ほかのものに比べて一番多くなっています。それでも稼働率はまだ六割台という、六〇%ということですから、ここで十分対応できると考えます。
 すぐ近くの有明アリーナをイベント会場というようにする必要はありません。都民がもっとスポーツを楽しめるように、体育館として整備するべきだと考えますが、改めて見解を伺います。

○小室施設調整担当部長 有明コロシアムはテニスのための全天候型コートとして整備されたものであり、有明アリーナのように、各種イベントなど多目的な活用を想定した仕様の施設ではございません。
 そのため、結果としてイベント会場としての稼働率は必ずしも高くない状況でございます。有明アリーナは、国際大会を含むスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しており、そうした用途にふさわしい仕様を備えた施設として整備してまいります。

○里吉委員 稼働率が高くないのは、多目的を目的にしたものではないからというお答えでしたが、でも、これ、見ていただくと、スポーツ以外の利用、単位は件数ですから、何日間やったのかというのはちょっと比べられませんが、東京体育館から五つ、今、東京都の体育施設でスポーツ以外の利用を見せていただきましたが、資料をいただきましたが、二十五件で一番多いじゃないですか、これ、活用しているんじゃないですか。二十四年度六回、二十五年度十七回、二十六年度二十五回ということで、ふえていますから、これからここをもっとそういうふうに使えるようにしていけばいいんじゃないかと思いますよ。
 それからもう一つ、交通の便もあるんじゃないかと思います、稼働率が低いということは。私も世田谷からここに何回か行きましたけれども、そういうふうに感じました。その近くにもう一つ同じような施設をつくる必要はないと思います。
 それから、私が気になっているのは、この予定地のすぐ近くに小学校、中学校、それから私立の中学校、高校、たくさんの学校があるということが大変気になっております。この場所をスポーツ、文化やにぎわい機能を配置するとしていますが、すぐ近くに小中学校などがある地域にさまざまなイベント、興行が中心となる施設はふさわしくないと考えますが、見解を伺います。
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○小野寺施設整備担当部長 有明北地区のまちづくりの指針でございます臨海副都心有明北地区まちづくりガイドラインでは、有明アリーナの敷地について、公共公益系用地として位置づけており、土地利用の基本方針といたしましては、東西両入り江の周辺にはウオーターフロントの景観を生かした公園や公共公益施設を配置する、公園はにぎわい機能を初め多様な機能を備えるものとして整備していくとしております。
 また、都市計画区域マスタープランでは、有明北地区は、緑豊かな旧防波堤や海の眺望、景観を生かし、潤い豊かな都市型住宅と活力とにぎわいのある商業・業務機能、魅力あるスポーツ、文化、レクリエーション機能、学校などの公共公益機能、都市型工業、流通機能などがバランスよく複合した市街地を形成することを地区の将来像としております。
 有明アリーナの整備に当たりましては、これらの方針を踏まえ、まちの活性化やにぎわいの創出につなげ、地域にふさわしい施設となるよう計画しております。

○里吉委員 今いろいろおっしゃいましたけれども、にぎわいですとか文化、レクリエーション機能というのが、すなわち一万五千席もあるコンサートなどの興行を中心に行うための施設だということにはならないと思います。小学校、中学校のすぐ近くにこういう施設ができるというのは、私は子供たちが日々学ぶ環境としてふさわしくないと思います。
 さらにいえば、この有明アリーナの建設予定地は第一種住居地域です。有明アリーナの施設用途は体育館、観覧場等となっておりますから、江東区の用途地域を見ますと、使えないということになっていますよね。
 今後、都市計画審議会を行って有明アリーナの建設予定地を使えるようにするということだと思うんですけれども、この都市計画審議会はことし五月の開催予定ですから、まだ決定されていないと思うんですね。
 都市計画審議会でまだ議論されていないところにこういうイベント中心の施設をつくるということで、先に契約までして行ってしまうというのは、私は手続上も問題があるのではないかと考えます。
 体育施設として一度にバレーボールコートが六面もとれる都立の体育館であれば、基本は体育館として整備するべきであり、床をコンクリートにして、メーンアリーナを一般都民が使えないような施設はつくるべきではないと、これからスポーツを楽しむ都民をもっともっとふやしていく、その受け皿として整備するべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○斉藤委員 それでは、私の方からも契約案件について何点か確認をしたいと思います。
 昨年の第三回定例会の代表質問で都議会民主党の尾崎大介幹事長が、都みずから整備する新規恒久施設の整備内容や費用について、いま一度検証すべきであり、整備費の縮減についても検討すべきと提言し、その際、中嶋局長よりるる説明があった後、確実に進行管理を行い、予算の適切な管理と整備費の縮減に努めながら整備をするという大変前向きな答弁をいただきました。
 そこで一点伺うんですが、三番目にあります海の森水上競技場の案件というのが、工期が平成三十一年の三月までという、少し早目になっております。これについては、この海の森の上に中央防波堤内五号線橋梁をかける工事など、複数のほかの工事が同時進行するということがありますので、この海の森水上競技場の工程がちょっと複雑化するんじゃないかな、そんなふうな心配もしております。
 橋梁工事の契約はほかの委員会、財政委員会などで議論されているということでありますが、心配なのは、やはりほかの工事との兼ね合いを考えて、この契約の工期の設定に無理がないのかというのが気になりますので、改めて無理がないかどうか確認をしていきたいと思います。

○花井施設輸送担当部長 工期の設定につきましては、設計期間に加えまして、施工条件などを踏まえて、工事の種類ごとに必要な作業日数を算出した上で、天候や準備日数等を考慮して適切に設定してございます。
 また、技術提案型総合評価方式による入札におきまして、工期内に確実に履行できる施工方法や工程管理につきまして評価を行い、落札者を決定しております。
 工事の実施に当たりましては、隣接工事等との調整が図られますよう、関係各局と連携し、着実な整備の推進に向けて取り組んでまいります。

○斉藤委員 それでは、三件の中の前二件についてもちょっと伺います。
 この二件については、工事契約案はほかの工事との兼ね合いがないということで、期日も平成三十一年の十二月ということになっているんですが、一方で、一般の都民からすれば、開催期日が決まっているオリンピック・パラリンピックの東京大会の施設でありますので、通常の工事に比べて、後ろが決まっていると、おくれられないというふうなことで、こういった工期についても無理がないのかどうか気になる人は多いかと思います。
 この二つの施設の工期がどのようにして設定されたのか改めて確認するとともに、確実に進行管理を行う上でも、実施設計段階、工事段階での確実な進捗を図ることが非常に重要だと考えますが、このあたりはどのように取り組むのか、そこを伺います。

○小野寺施設整備担当部長 アクアティクスセンター及び有明アリーナにつきましても、工事の規模等に応じまして、適切な工事期間を設定して発注してございます。
 三件の契約議案では、設計と施工を一括して発注しておりまして、実施設計段階から施工計画の検討が可能であるなど、確実な工程管理が期待できるものとなっております。
 また、都の監督員を中心といたしまして、基本設計を行ったアドバイザリー業務受託者も活用しながら、実施設計から工事段階までの事業期間を通じた監理マネジメントを行うことにより、工程、品質をチェックして着実な工事の進捗を図ってまいります。

○斉藤委員 よくわかりました。
 それでは、ちょっと最後に確認ですが、工事着手後に、一般的に、万が一のトラブルで、その対応などで時間を失うということがあるかと思います。そのときに取り戻す際にどうしても工事費がかかってしまうということが一般的にはあるかと思います。
 局長のいう予算の適切な管理をこれら三件の契約議案の工事の中ではどのように実際に工夫を行っていくのか、所見を改めて伺います。

○花井施設輸送担当部長 三件の契約議案につきましては、地盤や敷地条件等の調査を十分行い、基本設計を実施しております。またその際、工程に影響を及ぼすさまざまな事態を予測いたしまして、適正な工期を確保し、発注してございます。
 これらの案件は、設計施工一括発注方式で発注していることから、工事中に発生した問題に対しましても、設計を熟知した施工者が迅速な対応が可能であることなど、着実な工事監理が期待できるものでございます。
 また、落札者の決定に当たりましては、民間技術を活用するよう技術提案を求めまして評価する技術提案型総合評価方式を採用し、工期や施工方法などに関する創意工夫を経て、着実な施工を図っております。
 これらの取り組みによりまして、工事中の問題発生を未然に防止いたしますとともに、万が一問題が発生した場合でも迅速な対応を可能として、工程や工事費への影響を最小限に食いとめてまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。
 最後にちょっと意見としていわせていただきます。
 大変大きな工事であります。また、大変一般の都民の注目もある工事だというふうに思います。そしてさらに、時間管理も大変難しい条件が幾つかあります。そしてまたそれがコスト面に影響してくるということも絶対にないとはなかなかいえないと思います。
 ですので、今のような工期に関してかなり工夫をされていますので、そのあたりについて都民に説明をし、また情報開示をしっかり行って、大会後も末永く使えるような適正な工事になるように整備を進めていただくことを強くお願い申し上げます。
 また、答弁の中にありました設計施工一括発注方式、いわゆるデザインビルドと呼ばれているものについてですが、これについては工期短縮のメリットなどがある一方で、発注者側から見れば、客観的に品質や工程、コストなどを管理するという部分の客観性が若干弱いかなというふうな課題があります。
 この方式については、東京都、具体的にいえば財務局などでは、この方式を採用することについては慎重な姿勢を示しておりますし、私どももそのようにぜひしていただきたいと思います。先ほどお話がありましたアドバイザリー業務受託者なども適切に活用しながら対応していただきたいと思いますので、そこをしっかりよろしくお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、意見を述べます。
 第九十五号議案、オリンピックアクアティクスセンターについて。
 観客席数が仮設を含めてIOC基準から見て大幅に多くなっていること、その分、建築費は増大する。さらに、その観客席を二万席から五千席まで減築するのに七十四億円かかる。整備費は当初見込みより大幅にふえている。五輪の他の経費の膨張も懸念され、都民の心配の声がある。開催都市の経費節減を目指したアジェンダ二〇二〇の方針をどう実行していくかは、今後の五輪開催都市にも影響を与える重大な問題である。
 以上のことからこの議案に反対いたします。
 第九十六号議案、有明アリーナについてです。
 バレーボール競技場であるのに、床がコンクリートとなっています。後利用として国際大会など大きな大会は開けるが、アマチュアのスポーツ団体はメーンアリーナを使えません。周辺は住宅地で学校が多い地域であり、興行イベントを誘致することを中心とする施設はふさわしくありません。床を木製にするなど、体育施設として整備するべきです。
 以上のことから反対いたします。
 第九十七号議案、海の森水上競技場について。
 海風があり波が立つという立地条件がボート、カヌーの競技場としては適切ではありません。当初の立候補ファイルでは整備費について六十九億円でしたが、総事業費四百九十一億円、七倍にも膨れ上がりました。しかし、風対策、波対策などまだ不十分であり、場所を変更すべきです。
 以上のことから反対いたします。

○植木委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○植木委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○植木委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、第百十四号議案、平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る