文教委員会速記録第一号

平成二十八年二月十五日(月曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長植木こうじ君
副委員長里吉 ゆみ君
副委員長高木 けい君
理事栗山よしじ君
理事ほっち易隆君
理事野上 純子君
小松 久子君
山崎 一輝君
野上ゆきえ君
今村 るか君
鈴木貫太郎君
鈴木あきまさ君
古賀 俊昭君
斉藤あつし君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長多羅尾光睦君
次長桃原慎一郎君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武市 玲子君
広報広聴部長樋渡 幸生君
都民生活部長山中 康正君
消費生活部長山本  明君
私学部長加藤  仁君
文化振興部長鳥田 浩平君
都政情報担当部長濱田 良廣君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長越  秀幸君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
準備会議担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
運営担当部長田中  彰君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
・平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
・東京都障害者スポーツ振興基金条例
・東京都体育施設条例の一部を改正する条例
・オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約
・有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約
・平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
生活文化局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
・平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 生活文化局所管分
・東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例
・東京都消費生活総合センター条例
・東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)二七第四四号 ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願
(2)二七第四五号 全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願
(3)二七第四七号 教育費負担の格差を無くし、子どもたちに行き届いた教育を求めることに関する請願
(4)二七第四八号の一 東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(5)二七第四九号 私立専修・各種学校の教育・研究条件の改善と保護者負担の軽減に関する請願
(6)二七第五〇号 私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額を求めることに関する請願
(7)二七第一〇八号 東京都内の路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情
(8)二七第一〇九号 東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局及び生活文化局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに生活文化局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 それでは、私から、平成二十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定してございます議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 今定例会で委員の皆様にご審議いただきますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件は、予算案二件、条例案二件、契約案三件の計七件でございます。
 初めに、平成二十八年度予算案についてご説明申し上げます。
 ことしは、リオデジャネイロ大会が開催されるオリンピック・パラリンピックイヤーです。このリオ大会を機に、次回開催都市である東京を世界に向けて強く印象づけるとともに、都民の皆様の参加を得て、都内全域で二〇二〇年東京大会の開催機運を一気に高めてまいります。
 また、二〇二〇年大会の成功に向けては、障害者スポーツの振興が極めて重要でございます。二〇二〇年東京パラリンピックを契機として、障害のある人もない人も、ともにスポーツに親しみ、障害者スポーツが社会に溶け込んだと誰もが実感できるよう、障害者スポーツの普及啓発や環境整備に全力で取り組んでまいります。
 二〇二〇年大会の準備に当たりましては、庁内はもとより、国、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、区市町村や全国の自治体及び民間団体など、さまざまな組織との連携をより一層強化し、史上最高の大会を実現できるよう、開催都市としての責務をしっかりと果たしてまいります。
 また、昨年十二月に公表いたしました二〇二〇年に向けた東京都の取組-大会後のレガシーを見据えて-で明らかにしました取り組みを通じまして、価値あるレガシーを残してまいります。
 来年度は、引き続き競技施設関連整備など、開催都市としての準備を着実に進めるための事業のほか、リオ大会時に、リオ市内に設置いたしますジャパンハウスで行う開催都市PRや、都内や被災三県で実施いたしますライブサイトなど、二〇二〇年大会の機運醸成に向けて、さまざまな取り組みを実施してまいります。
 加えて、大会の成功及び大会後のレガシーにつながる区市町村の取り組みを支援するため、区市町村補助を大幅に拡充いたしますとともに、オリンピック・パラリンピックに向けた総合的な競技力向上に取り組んでまいります。
 障害者スポーツの振興につきましては、障害者スポーツの認知度向上や場の確保、競技活動支援などに、集中的、重点的に取り組んでまいります。こうした取り組みを下支えするため、新たに障害者スポーツ振興基金を創設いたします。
 さらに、スポーツ都市東京の実現に向けた取り組みを推進するとともに、ジュニア世代からシニア世代まで、あらゆる世代の方々に、スポーツに親しみ、楽しんでいただくための環境整備を効果的に行うことで、世界トップレベルのスポーツ実施率七〇%を目指してまいります。
 アジア初開催となりますラグビーワールドカップ二〇一九の開催準備につきましては、大会の成功に向け、ラグビーワールドカップ組織委員会や各開催自治体と連携し、大会の普及啓発や機運醸成に向けた取り組みを行うとともに、ボランティアや多言語対応など、可能なものにつきましては、二〇二〇年大会と一体のものとして戦略的に準備を進めてまいります。
 それでは、お手元の資料第1号、平成二十八年度予算説明書をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開きください。予算総括表でございます。
 上段の網かけの行をごらんください。歳入といたしまして三百四十七億五千万余円を計上してございます。前年度と比べ百十一億八千三百万余円の増となっております。東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金からの繰入金がその大半を占めてございます。
 続きまして、中段の網かけの行をごらんください。歳出といたしまして八百四十三億七千五百万円を計上してございます。前年度と比べ二百一億三百万円の増となっております。
 来年度は、ことし開催されますリオ大会での開催都市PRや、国内における機運醸成、障害者スポーツの振興などで、多くの新規、拡充事業を盛り込んだ予算案となっております。
 続きまして、下段の網かけの行をごらんください。繰越明許費でございます。十七億円を計上しております。
 最下段の網かけをごらんください。債務負担行為といたしまして、オリンピック・パラリンピック競技施設の整備など六件、五十六億七千九百万余円を計上してございます。
 続きまして、平成二十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、平成二十七年度補正予算説明書をごらんください。
 一枚おめくりいただき、補正予算総括表をごらんください。
 補正予算額として、歳入は百三十七億九千八百万円、歳出は百九十三億四千三百万余円の減額補正を行っております。
 以上、予算案二件につきまして説明を終わらせていただきます。
 続きまして、お手元の資料第3号、平成二十八年第一回東京都議会定例会議案の概要をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。こちらに記載のありますとおり、条例案は二件、契約案は三件を予定しております。
 初めに、条例案についてでございますが、東京都障害者スポーツ振興基金条例の新設及び東京都体育施設条例の一部を改正する条例の二件で、地方自治法の規定に基づき、議会にお諮りをするものでございます。
 続きまして、契約案についてご説明申し上げます。契約案は、オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約及び有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約並びに平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約の三件でございます。
 以上が平成二十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定してございます議案の概要でございます。
 詳細につきましては、引き続き、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木総務部長 引き続きまして、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 最初に、平成二十八年度予算案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、平成二十八年度予算説明書の一ページをお開きください。
 こちらの予算総括表につきましては、先ほど局長からご説明したとおりでございます。
 一枚おめくりいただき、二ページをごらんください。事業区分別の予算一覧でございます。
 スポーツ振興管理、オリンピック・パラリンピック準備、スポーツ推進の三つの事業区分ごとに予算額と財源内訳を記載してございます。
 事業区分ごとの歳出予算の内訳につきまして、順次ご説明いたします。
 一枚おめくりいただき、三ページをごらんください。第一の事業区分、スポーツ振興管理でございます。こちらは、管理事務に従事する職員費及び管理事務費で、九億九千三百万円を計上しております。
 続きまして、四ページをごらんください。第二の事業区分、オリンピック・パラリンピック準備でございます。こちらは、オリンピック・パラリンピック準備事業に従事する職員費及び大会の準備費でございまして、二百三億三千三百万円を計上してございます。
 主な事業についてご説明いたします。
 まず、資料中ほどの2の経費内訳、(2)、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催準備といたしまして、八十八億五百万余円を計上しております。
 主な内訳でございます。アの開催都市PRといたしまして、四十億七千七百万余円を計上しております。来年度は、リオ大会を契機とした開催都市PRなど、機運醸成に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。具体的には、リオ大会でのジャパンハウスや、オリンピックとパラリンピックの両閉会式で大会旗をリオ市長から引き継ぐハンドオーバーセレモニーなどで、次回開催都市として東京の魅力を世界中に発信してまいります。
 また、リオ大会の模様を都内や被災三県で生中継するライブサイトや、リオから引き継いだ大会旗をお披露目するイベントなどを、区市町村等と連携しながら効果的に展開してまいります。
 続きまして、ウの大会成功に向けた区市町村支援といたしまして、五億二千五百万余円を計上しております。
 大会の成功及び大会後のレガシーにつながる区市町村独自の取り組みを支援するための補助事業につきましては、大幅に拡充をいたしました。大会開催に向けた普及啓発などのソフト事業については、今年度予算の約二倍となる四億九千六百万円を計上してございます。
 続きまして、エの大会開催を通じた被災地支援事業といたしまして、二億七千二百万余円を計上しております。
 被災地とのスポーツ交流や千キロメートル縦断リレーなどを引き続き実施するとともに、力強く復興へ歩む被災地の姿を記録した映像を、リオ大会を初めとする国際スポーツ大会など、さまざまな機会を通じて世界に発信してまいります。
 このほか、オの多言語対応の推進といたしまして六千六百万余円、キのオリンピック・パラリンピック開催計画といたしまして十四億五千九百万余円を計上し、ボランティアの計画策定に向けた検討調査、セキュリティー対策など、二〇二〇年大会の成功に向けた準備を着実に進めてまいります。
 続きまして、(3)、オリンピック・パラリンピック競技施設等の整備といたしまして、七十八億三千三百万余円を計上しております。こちらは、有明アリーナ、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、カヌースラローム会場、大井ホッケー競技場、アーチェリー会場、有明テニスの森公園テニス施設の計七施設の整備と選手村関連の経費などを計上してございます。
 続きまして、二枚おめくりいただき、六ページをごらんください。第三の事業区分、スポーツ推進でございます。こちらは、スポーツ推進事業に従事する職員費及びスポーツの推進を図るための経費で、六百三十億四千九百万円を計上しております。
 主な事業についてご説明いたします。
 まず、資料中ほどの2の経費内訳、(9)、障害者スポーツセンターの運営といたしまして、七億六千百万余円を計上しております。こちらは、障害者総合スポーツセンターと多摩障害者スポーツセンターの指定管理料でございます。
 続きまして、(10)、体育施設の運営といたしまして、二十億一千九百万余円を計上しております。こちらは、当局が所管しております東京体育館外五施設の運営に要する指定管理料等の経費でございます。
 最下段、(12)、総合的な競技力向上策の推進等といたしまして、十六億八百万余円を計上しております。二〇二〇年大会に出場が期待される地元東京のアスリートが日本代表選手となれますよう、強化合宿や海外遠征などの競技活動への支援を拡充するとともに、国際的なトップコーチを招聘して優秀な指導者を育成するなど、新たな取り組みも進めてまいります。
 また、地区の体育協会を通じたシニアスポーツの拡充などにも取り組んでまいります。
 さらに、体育の日記念行事として毎年開催しておりますスポーツ博覧会など、さまざまなスポーツイベントを展開することにより、都民がスポーツに触れる機会の拡大にも引き続き努めてまいります。
 一枚おめくりいただきまして、七ページをごらんください。(13)、体育施設の整備といたしまして、三百二十六億八千百万余円を計上しております。都立体育施設等の計画的な改修、整備等を図るための経費で、平成二十八年度に竣工を予定しております駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場・第一球技場の改築工事や、武蔵野の森総合スポーツ施設の建設工事などでございます。
 また、区市町村向けのスポーツ施設整備費補助事業につきましては、今年度予算の約一・七倍となる二十億円の予算を計上するなど、区市町村の取り組みへの支援を通じて、都民のスポーツ環境の充実を図ってまいります。
 続きまして、(15)、ラグビーワールドカップの開催準備でございます。二〇一九年に日本で開催されますラグビーワールドカップの準備に関する経費といたしまして、六億六千九百万余円を計上しております。開催都市分担金として総額八億円をラグビーワールドカップ組織委員会に拠出するため、今年度予算に計上しております二億五千万円を除く残りの五億五千万円を計上するほか、競技会場や周辺等の調査を行うとともに、ウエブサイトの開設など、大会の普及啓発や機運醸成に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
 続きまして、(16)、障害者スポーツの振興といたしまして、三十四億四千万余円を計上しております。障害者スポーツの認知度向上を図るため、テレビなどのメディア等を活用して障害者スポーツの魅力を広く都民の皆様に発信してまいります。
 また、障害者スポーツセンターの改修を計画的に進めるとともに、身近な地域でスポーツに親しむことができるよう、教育庁とも連携を図りながら都立特別支援学校の一層の活用を図ってまいります。二十八年度は、モデル事業として五校を予定しております。
 このほか、二〇二〇年の東京パラリンピックを見据え、選手の発掘、育成、強化に向けた取り組みについても強力に推進してまいります。
 最後に、(17)、障害者スポーツ振興基金といたしまして、二百億円を計上しております。二〇二〇年の東京パラリンピックに向けて、集中的、重点的に進めていく障害者スポーツの振興を行っていくため、新たに基金を創設いたします。
 二枚おめくりいただきまして、八ページをごらんください。繰越明許費でございます。
 これは、オリンピック・パラリンピック競技施設の整備について、気象状況等の影響を考慮し、あらかじめ計上しているもので、平成二十八年度の計上額は十七億円でございます。
 続きまして、債務負担行為についてご説明いたします。
 二枚おめくりいただき、九ページをごらんください。債務負担行為総括表でございます。
 債務負担行為のⅠといたしまして、六件で五十六億七千九百万余円を計上しております。
 主な事項についてご説明いたします。
 一枚おめくりいただき、一〇ページをごらんください。上段1、オリンピック・パラリンピック競技施設等の整備でございます。
 債務負担の期間を平成二十九年度まで、限度額を二億一千六百万余円としてございます。
 債務負担の理由といたしましては、大井ホッケー競技場外二カ所の競技施設において、設計期間が複数年度にわたり、分割契約が困難なためでございます。
 その他の事項につきましては、以降、一二ページまでに記載したとおりでございます。
 続きまして、平成二十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、平成二十七年度補正予算説明書の一ページをお開きください。
 こちらの補正予算総括表につきましては、先ほど局長からご説明したとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページをごらんください。補正予算内容でございます。今回の歳入の補正予算額といたしましては、百三十七億九千八百万円を減額しております。
 これは、歳出予算の減額補正に伴い、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の繰入金の額を更正するものでございます。
 また、中段の網かけの行をごらんください。歳出の補正予算額といたしまして、百九十三億四千三百万余円を減額しております。給与費のほか、オリンピック・パラリンピック競技施設に係る実施設計施工一括方式での契約前払い金など、現時点で不用となることが見込まれる経費につきまして減額補正を行うものでございます。
 以上で、予算案二件の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、資料第3号、平成二十八年第一回東京都議会定例会議案の概要をごらんください。条例案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。今回提出を予定しております条例案は二件で、東京都障害者スポーツ振興基金条例の新設及び東京都体育施設条例の一部を改正する条例でございます。
 一ページをごらんください。東京都障害者スポーツ振興基金条例の新設についてでございます。
 誰もがスポーツに親しむことができる都市の実現に向け、障害者スポーツの振興に資する施策を計画的、継続的に推進するため、基金を創設し、安定的な財源を確保するものでございます。
 二ページをごらんください。東京都体育施設条例の一部を改正する条例でございます。
 駒沢オリンピック公園総合運動場弓道場の改築に伴い、受益者負担の適正化を図るため、利用料金の上限額を改定するほか、所要の改正を行うものでございます。
 続きまして、契約案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、三ページをお開きください。今回提出を予定しております契約案は、オリンピックアクアティクスセンター及び有明アリーナに係る新築工事並びに海の森水上競技場に係る整備工事の三件でございます。
 初めに、1、オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(二十七)新築工事請負契約でございます。
 工事場所は江東区辰巳二丁目二番、契約相手は大林・東光・エルゴ・東熱異業種特定建設共同企業体、契約金額は四百六十九億八千万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年十二月二十日まででございます。
 次に、2、有明アリーナ(仮称)(二十七)新築工事請負契約でございます。
 工事場所は江東区有明一丁目九番、契約相手は竹中・東光・朝日・高砂異業種特定建設共同企業体、契約金額は三百六十億二千八百八十万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年十二月九日まででございます。
 最後に、3、平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約でございます。
 工事場所は江東区青海三丁目地先、契約相手は大成・東洋・水ing・日立造船異業種特定建設共同企業体、契約金額は二百四十八億九千八百三十二万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年三月二十八日まででございます。
 四ページから六ページについては、ただいまご説明いたしました三施設の案内図及び配置図をお示ししております。
 最後に、お手元配布の資料第4号につきましては、提出させていただきます議案となります。後ほどごらんいただければと存じます。
 以上で今定例会に提出を予定してございますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件につきまして説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、資料要求させていただきます。
 一つ、東京都体育施設、これは東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場、東京武道館、辰巳国際水泳場、有明テニスの森有明コロシアム、若洲ヨット訓練所、以上の稼働率の推移を過去十年間。
 二つ目に、東京都体育施設の利用目的別、国際大会、全国大会、都民のスポーツ利用、学校利用、イベント利用などの利用日数の実績、過去五年間。
 そして最後に、駒沢オリンピック公園総合運動場球技場の現在の利用料金と、これまで過去十年間、もし変化があれば、それを教えてください。そして、利用者数についても過去十年間の実績、また改築について利用者からの要望があれば、それもお願いします。
 以上です。お願いいたします。

○植木委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○植木委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○多羅尾生活文化局長 平成二十八年第一回定例会に提出を予定しております生活文化局関係の議案についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、予算案二件、条例案三件の計五件でございます。私から、議案の概要をご説明申し上げます。
 初めに、平成二十八年度予算案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元に配布しておりますA3多色刷りの参考資料、平成二十八年度生活文化局所管予算案の概要をごらんください。
 平成二十八年度予算においては、東京都長期ビジョンが指し示す、二〇二〇年とその先の将来像の実現に向けまして、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした積極的な施策展開を図ることを基本とし、新規事業や既存事業の拡充を含めまして、必要な経費を計上しているところでございます。
 資料の一枚目をごらんください。当局の予算総額は、資料表題の下に記載してございますとおり、二千六十一億七千四百万円でございます。二十七年度比八十三億四千六百万円の減となっておりますが、二十七年度計上した芸術文化振興基金の積み立て百億円の影響を除きますと、十六億五千四百万円の増となっております。
 内訳につきましては、表の中ほど、歳出の欄をごらんください。
 まず、生活文化費のうち広報広聴費でございます。都民への都政情報を迅速かつ的確に提供するなど、広報広聴に係る経費といたしまして、二十八億三千七百万円を計上しております。
 次に、都民生活費でございます。町会、自治会の地域力向上に向けた事業のほか、ボランティア活動への参加促進や、多文化共生社会の実現に向けた取り組み、女性の活躍推進などに係る経費といたしまして、三十一億九百万円を計上しております。
 次に、消費生活対策費でございます。公衆浴場経営の安定化のための事業のほか、消費者被害の防止や、商品等に関する安全対策事業の強化、消費生活総合センターの運営などに係る経費といたしまして、十六億八千百万円を計上しております。
 次に、計量検定所費でございます。計量法に基づく検定、検査などに係る経費といたしまして、四億九百万円を計上しております。
 次に、文化振興費でございます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ二〇一九日本大会に向けまして、世界の注目が集まる中で、文化事業のさらなる充実を図り、東京の多彩な芸術文化の魅力を国内外に向けて強力に発信するなど、文化振興に係る経費といたしまして、百六十四億一千四百万円を計上しております。
 続きまして、学務費でございます。
 助成費につきましては、私立学校に対する経常費補助や施設整備への補助に加え、保護者負担軽減などに要する経費といたしまして、一千七百五十一億二千万円を計上しております。
 最後に、育英資金費でございます。奨学金の貸付事業に要する経費といたしまして、十四億八千百万円を計上しております。
 続きまして、平成二十七年度補正予算案についてでございます。
 恐縮ですが、お手元の資料第2号、平成二十七年度生活文化局所管補正予算説明書の一ページをお開き願います。補正予算総括表でございます。
 表の右から二つ目、補正予算額の欄をごらんください。
 表の上段、歳入は一億四千五百万余円でございます。
 表の中ほど、歳出はマイナス三千五百万余円でございます。
 歳入につきましては、国から交付される地方消費者行政推進交付金の受け入れや、東京都スポーツ・文化振興交流基金の取り崩しに伴う繰入金を計上しております。
 また、歳出につきましては、国からの交付金を活用した事業の実施などに必要な経費を計上するほか、人件費及びその他職員関係費の減額によりまして、給与費について更正するものでございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第3号、平成二十八年第一回東京都議会定例会議案の概要をごらんください。
 表紙をおめくり願います。今定例会に提出を予定している条例案をお示ししております。
 1、東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例でございます。
 基金の廃止に伴いまして、本条例を廃止いたします。
 2、東京都消費生活総合センター条例の新設でございます。
 本条例は、消費者安全法の改正に伴い、消費生活総合センターに係る規定を定めるものでございます。
 続きまして、3、東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、学校教育法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 詳細につきましては、引き続き、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 局長からの概要説明に引き続きまして、私から、今定例会に提出を予定しております議案の詳細についてご説明申し上げます。
 初めに、平成二十八年度予算案につきましてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元のA3多色刷りの参考資料、平成二十八年度生活文化局所管予算案の概要の二ページをお開き願います。
 施策ごとに主要事業をご説明いたします。
 まず、1、私学振興のための施策でございます。
 現在、都内の学校に在学する児童生徒等のうち、私立学校に在学、在園する割合は、高等学校で約六割、幼稚園では九割以上を占めております。私立学校が東京の公教育に果たす役割は非常に大きいことから、都では、都内私立学校の振興のため、各種事業を推進しております。
 平成二十八年度も本年度に引き続き、基幹的補助である経常費補助を堅持するほか、学校の安全性を高めるための耐震工事など施設整備に対する補助や、保護者の経済的負担を軽減する事業等を実施してまいります。
 まず、(1)、私立学校経常費補助でございます。
 私立学校の教育条件の維持向上、保護者の負担軽減、学校経営の健全化等を図るため、経常費の一部を補助するものでございます。
 このうち私立幼稚園につきましては、補助額の算定に用いる教職員給与の手当支給割合を引き上げることとしております。その結果、私立学校経常費補助は、合計で千百七十二億九千四百万余円を計上しております。
 次に、(2)、私立高等学校等特別奨学金補助は、私立高等学校等に通う生徒の保護者のうち一定所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成するもので、五十億三千五百万余円を計上しております。
 次に、(3)、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助は、私立幼稚園等に通う園児保護者の負担軽減を図るため、区市町村が行う負担軽減事業に係る経費の一部を補助するもので、五十三億五千五百万余円を計上しております。
 次に、(4)、世界で活躍できる人材育成支援といたしまして、四点の取り組みがございます。
 第一に、私立高等学校海外留学推進補助は、私立高等学校が行う留学に参加する高校生の負担軽減を図るもので、四億円を計上しております。
 第二に、私立学校外国語指導助手活用事業費補助は、外国語教育の充実のため、外国語指導助手の活用に必要な経費を補助するもので、八億八千四百万余円を計上しております。
 第三に、私立学校外国語科教員海外派遣研修事業費補助は、外国語指導力向上を目的とした教員の海外派遣研修を新たに支援するもので、二億四百万円を計上しております。
 第四に、オリンピック・パラリンピック教育の推進は、補助教材等を広く配布するとともに、オリンピアン、パラリンピアンの派遣を行うもので、千九百万余円を計上しております。
 次に、(5)、私立学校安全対策促進事業費補助は、私立学校の耐震補強工事などに対する補助を行うほか、非常時の安全の確保に向けたAED等や、災害時に対応できる学校環境の整備を促進するもので、八十七億五千六百万余円を計上しております。
 次に、(6)、私立学校省エネ設備等導入事業費補助は、省エネ型照明や太陽光発電等のさらなる整備促進を図るもので、補助限度額の引き上げなど、支援を拡充し、三億円を計上しております。
 次に、(7)、私立幼稚園等環境整備費補助は、遊具、運動用具、教具、保健衛生用品の整備を支援するもので、一億五千七百万余円を計上しております。
 次に、(8)、子ども・子育て支援新制度でございます。
 私立幼稚園等施設型給付費負担金は、区市町村が、新制度に移行した私立幼稚園や認定こども園に対して支給する施設型給付費の一部を負担するもので、三十六億六千五百万余円を計上しております。
 また、認定こども園新制度移行支援特別補助は、今年度の新制度施行時において、新制度の公定価格では減収となる認定こども園に対する補助を行うもので、一億九千八百万余円を計上しております。
 次に、(9)、私立高等学校等就学支援金は、私立高等学校等に通う生徒の授業料につきまして、国からの法定受託事務として家庭の教育費負担の軽減を図るもので、百九十九億二百万余円を計上しております。
 また、(10)、育英資金事業費補助は、経済的理由により修学困難な方々に向け、育英資金の貸付事業を実施するもので、十四億四千二百万余円を計上しております。
 続きまして、三ページをお開き願います。2、都民生活、男女平等参画推進の施策でございます。
 これは、町会、自治会活動の支援を行うとともに、ボランティア活動や多文化共生の社会づくりを進めるほか、男女平等参画施策を推進するものでございます。
 まず、(1)、「地域力」向上に向けた取組でございます。
 地域の底力再生事業助成金は、これまでの地域課題の解決に向けた活動に加え、東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成に資する地域活動を新たに支援の対象とするなど、制度の充実を図るとともに、助成総額を拡充いたしまして、二億円を計上しております。
 次に、(2)、ボランティア活動への参加促進に向けた取組でございます。
 このたび策定した共助社会づくりを進めるための東京都指針に基づく事業展開といたしまして、あらゆる都民のボランティア活動を促進するため、東京ボランティア・市民活動センターを中心に、地域の活動情報をわかりやすく発信するとともに、コーディネーターの養成を拡充するほか、企業やNPO団体等と連携した機運醸成を図るもので、二億八千七百万余円を計上しております。
 次に、(3)、多文化共生社会の実現に向けた取組でございます。
 今年度策定する東京都多文化共生推進指針に基づく事業展開といたしまして、区市町村やNPO等と連携し、東京で暮らし、働く外国人を支援するなど、日本人と外国人がともに東京で参加、活躍できる多文化共生の社会づくりを推進するもので、一億三千百万余円を計上しております。
 次に、(4)、外国人おもてなし語学ボランティアの育成は、二〇二〇年東京大会の開催を見据え、外国人をおもてなしするための語学ボランティアを広く育成するもので、二億九千七百万余円を計上しております。
 また、(5)、女性の活躍推進、ワーク・ライフ・バランス等の推進は、今年度公表いたします東京都女性活躍推進白書の内容も踏まえまして、男女平等参画のための東京都行動計画などの改定を行うとともに、女性の活躍推進等に向けた機運の醸成に取り組むほか、ワークライフバランスの普及啓発を推進するもので、二億七千六百万余円を計上しております。
 続きまして、3、消費生活の安定と向上のための施策でございます。
 これは、商品による事故や、悪質商法などによる取引被害を防止するとともに、消費者教育の充実等を図るものでございます。
 まず、(1)、公衆浴場対策による都民の利用促進及び浴場の経営安定化でございます。
 公衆浴場利用促進事業補助は、外国人旅行者や若者の利用拡大に向けた取り組みなど、補助対象となる事業を拡大するもので、一千七百万余円を計上しております。
 加えて、耐震化の促進など各種補助事業を実施するもので、これらを合わせまして、七億八千百万余円を計上しております。
 次に、(2)、都内全域における高齢者見守り支援ネットワークの構築による消費者被害防止は、区市町村の福祉部門や民間事業者との連携により見守り体制を構築し、直接、悪質商法の手口等の情報を高齢者に届けるため、区市町村等に対する活動支援を拡充するもので、五千二百万余円を計上しております。
 次に、(3)、危害防止対策は、商品等の安全対策を推進する東京都商品等安全対策協議会等の取り組みを進めるもので、四千三百万余円を計上してございます。
 また、(4)、消費者教育の推進及び(5)、区市町村における消費者行政の推進は、地方消費者行政推進交付金等を活用し、区市町村との連携を図りながら、消費者行政の推進に取り組むもので、所要の額を計上しております。
 続きまして、4、広報広聴の推進でございます。
 これは、都政の情報や東京の魅力を国内外の方々に迅速かつ的確に提供するとともに、幅広い都民の声を集約し、都政に反映させるなど、広報広聴活動等を展開するものでございます。
 (1)、都政広報の推進は、テレビ、ラジオ番組や「広報東京都」等による幅広い情報発信を行うほか、東京都公式ホームページについて全面リニューアルを図るなど、情報発信を充実するもので、二十五億三千四百万余円を計上しております。
 続きまして、四ページをお開き願います。5、文化振興のための施策でございます。
 これは、二〇二〇年東京大会を文化の祭典としても成功させ、東京の芸術文化のさらなる魅力向上を図るため、これまでにない多彩な文化プログラム等を展開するものでございます。
 まず、(1)、史上最高の文化プログラムを目指した東京の芸術文化の創造・発信といたしまして、四点の取り組みがございます。
 第一に、二〇一六年リオ大会におけるリーディングプロジェクトといたしまして、国や東北の自治体等と連携した、伝統文化、芸能の発信事業を実施するとともに、さまざまな分野の芸術家によるパフォーマンスで、東京の多彩な文化を世界に発信してまいります。
 第二に、「文化プログラム事業」の本格展開といたしまして、リオ大会以降、二〇二〇年東京大会の文化プログラムを牽引するため、都の主導による中核的事業を推進するとともに、東京と被災地を初めとした地方とが連携するオールジャパンでの取り組みを推進してまいります。
 第三に、「東京舞台芸術祭(仮称)」の構築による発信力強化といたしまして、東京における舞台芸術イベントの集積を生かしながら、大規模フェスティバルを構築するなど、舞台芸術の祭典としてのブランド化を推進してまいります。
 第四に、芸術文化支援助成といたしまして、新たに、オリンピック・パラリンピックの機運醸成に資する芸術文化の発信に対する助成制度を創設するなど、事業の充実を図ってまいります。これらを合わせまして、三十二億三百万余円を計上しております。
 次に、(2)、「アール・ブリュット」や「障害者アート」の普及啓発でございます。
 アール・ブリュット作品の効果的な普及啓発を図るとともに、展示、交流の拠点形成に向けた調査を行うほか、障害を持つ方や一般都民が、ともに創作活動を実施するプログラムを推進するもので、九千百万円を計上しております。
 次に、(3)、文化施設間ネットワーク化の推進等による美術館・博物館の魅力向上でございます。
 江戸東京の芸術文化の魅力を印象づける美術工芸品等を重点的に収集し、国内外への発信を強化するほか、海外からの観光客等に向けた美術館、博物館の周遊性を向上する共通入館券等の仕組みづくりなどを行うもので、一億九千六百万余円を計上しております。
 また、(4)、東京都交響楽団への助成は、東京都交響楽団による質の高い演奏活動を通じまして、広く都民に音楽文化の普及を図るもので、十億二千三百万円を計上しております。
 続きまして、6、都立文化施設の計画的な整備、改修でございます。
 施設整備を着実に進め、東京の文化の魅力を発信するため、写真美術館や現代美術館などの改修を行うもので、四十五億五千八百万円を計上しております。
 最後に、債務負担行為につきまして、東京都現代美術館改修工事外六件、百八十二億二千七百万余円を計上しております。
 以上が平成二十八年度予算案でございます。
 なお、詳細につきましては、お手元の資料第1号、平成二十八年度生活文化局所管予算説明書をご参照ください。
 続きまして、平成二十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第2号、平成二十七年度生活文化局所管補正予算説明書の二ページをお開き願います。歳入でございます。
 まず、表の上から五段目、生活文化費国庫補助金をごらんください。
 これは、消費者行政の充実に向けて、国が新たに創設いたしました地方消費者行政推進交付金を受け入れるもので、三億五千九百万余円を計上しております。
 次に、下から二段目、消費者行政活性化基金繰入金でございます。
 これは、生活文化局所管の消費者行政活性化基金からの繰入金を減額補正するもので、マイナス二億二千二百万余円を計上しております。
 また、最下段の項目、スポーツ・文化振興交流基金繰入金でございます。
 これは、所期の目的を達成したため、東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止することに伴いまして、基金残額の取り崩しを行うもので、七百万余円を計上しております。
 三ページをお開き願います。歳出でございます。
 表の上から五段目、生活文化費のうち管理費につきまして、人件費及びその他職員関係費の減額により、給与費について更正するもので、マイナス一億五千五百万余円を計上しております。
 次に、上から六段目、消費生活対策費でございます。
 国の地方消費者行政推進交付金を活用した事業の実施などに必要な経費として、一億三千七百万余円を計上しております。
 次に、最下段の項目、学務費のうち管理費につきまして、人件費及びその他職員関係費の減額により、給与費について更正するもので、マイナス千七百万余円を計上しております。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の配布資料の第3号、平成二十八年第一回東京都議会定例会議案の概要の表紙と目次をおめくりいただき、一ページをお開き願います。1、東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例でございます。
 (1)、廃止理由をごらんください。平成二十八年度予算案でご説明いたしましたとおり、スポーツ及び文化の振興に寄与する事業並びにスポーツ及び文化を通じた国内外との交流推進を目的とする事業について、所期の目的を達成したため、本条例を廃止するものでございます。
 (2)、施行期日につきましては、平成二十八年四月一日としております。
 続きまして、二ページをお開き願います。2、東京都消費生活総合センター条例の新設でございます。
 (1)、新設理由及び内容をごらんください。
 本条例は、消費者安全法の改正に伴い、消費生活総合センターの組織及び運営並びに情報の安全管理に係る規定を設けるものでございます。
 条例の内容でございますが、〔1〕、東京都消費生活総合センターは、消費生活に関する情報の提供、学習の推進及び相談並びに商品及びサービスのテスト及び研究に関する事務を行うこと。〔2〕、センターに所長及び必要な職員を置くこと。〔3〕、センターが消費生活相談を行う日及び時間は、知事が定めること。〔4〕、センターは、事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失または毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講じること。〔5〕、施行に必要な事項は、知事が定めることを定めたものでございます。
 (2)、施行期日につきましては、平成二十八年四月一日としております。
 続きまして、三ページをお開き願います。3、東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例でございます。
 (1)、改正理由をごらんください。
 本条例は、学校教育法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 (2)、改正内容につきましては、第二条第二項中、「中学校」の下に「、義務教育学校」を加えるものでございます。
 (3)、施行期日は、平成二十八年四月一日としております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 三点お願いします。
 一点目、私立高校の入学支度金貸付制度の貸付額、利用人数、貸付総額、都内私立高校の入学金の平均額の推移、過去十年間。
 二つ目、私立高校の初年度納付金、これは授業料、入学金、施設費、その他及び検定料の推移、過去十年間。
 三つ目、平和関連事業の事業別の予算額の推移、過去十年間。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○植木委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○植木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二七第四四号、請願二七第四五号、請願二七第四七号、請願二七第四八号の一、請願二七第四九号及び請願二七第五〇号については、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤私学部長 私学助成の拡充等に関する請願六件につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております請願・陳情審査説明表の表紙と次の請願・陳情件名表をおめくりいただき、一ページをごらん願います。
 まず、請願二七第四四号、豊島区の私学助成の拡充とゆたかな教育の創造をめざす都民連絡会、村田茂さん外一万六千八百七人からのゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願でございます。
 三ページをお開きください。請願二七第四五号、国分寺市の子ども・青年の未来を-三多摩子育て・教育問題連絡会、川上千恵さん外千八百八人からの全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願でございます。
 四ページをお開きください。請願二七第四七号、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外五十万五千八百四人からの教育費負担の格差を無くし、子どもたちに行き届いた教育を求めることに関する請願でございます。
 五ページをお開きください。請願二七第四八号の一、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外三万六千百三人からの東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 六ページをお開きください。請願二七第四九号、千代田区の東京私立学校教職員組合連合・専修各種学校部、鍵田哲さん外四千二百四十人からの私立専修・各種学校の教育・研究条件の改善と保護者負担の軽減に関する請願でございます。
 八ページをお開きください。請願二七第五〇号、千代田区の私学助成をすすめる都民の会、鴨志田勇さん外二十万四千五百三十二人からの私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額を求めることに関する請願でございます。
 以上の六件でございますが、請願の要旨は、説明表に記載されておりますように、私立学校の運営費等に対する各種補助の拡充、保護者の経済的負担の軽減、学校における教育環境の整備充実などに関するもので、重複する部分が多くございます。
 そのため、現在の状況につきましては、各請願ごとではなく、請願の趣旨、内容により事項を分けて、概略をご説明させていただきます。
 まず第一に、私立学校の運営費等に対する補助でございます。
 私立学校に対する助成は、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減、学校経営の健全性を高めることを目的としており、その充実に努めております。
 初めに、小中高等学校と幼稚園でございます。
 私立学校経常費補助については、私立学校の標準的運営費の二分の一を補助するという基本的な考え方に基づき行っております。
 高等学校の学級規模の縮小については、経常費補助において四十人学級編制推進補助を設けるなど、その実現に努めております。
 各学校における具体的な教員の人数や配置については、設置基準に基づき各学校の自主的な判断によって行われております。
 次に、私立幼稚園のうち、学校法人立以外の幼稚園に対する私立幼稚園教育振興事業費補助については、経常費補助の動向を勘案しつつ、その充実に努めております。
 私立幼稚園における三歳児の就園及び預かり保育については、経常費補助に就園促進補助や預かり保育推進補助などを設けており、国の状況等を踏まえ、その充実に努めております。
 次に、私立幼稚園の障害児に対する特別支援教育については、特別支援学校等経常費補助などを実施しており、同様に、国の状況等を踏まえ、その充実に努めております。
 次に、専修学校、各種学校でございます。
 専修学校の高等課程については、運営費補助として、私立専修学校教育振興費補助を行っております。
 専修学校高等課程は、高等学校とは学校教育法上、認可要件など位置づけが異なっており、国の助成制度がないため、高等学校と同様の助成制度の創設を国に要望しております。
 また、専修学校専門課程は、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、国に助成制度の創設を要望しております。
 第二に、保護者の経済的負担の軽減でございます。
 私立高等学校の生徒に対しては、私立高等学校等特別奨学金制度を設けて、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得状況に応じて授業料の一部を助成するとともに、平成二十六年度に創設した私立高等学校等奨学給付金事業費補助により授業料以外の教育費負担の軽減を図っております。
 また、私立高等学校の入学金については、保護者負担の軽減を図るため、入学支度金貸付事業を実施しております。
 さらに、私立の幼小中高等学校が家計状況等の理由により児童生徒の授業料を減免した場合に、学校に対して補助する授業料減免制度を設けております。
 私立幼稚園等への園児保護者負担軽減事業費補助については、平均的な所得の都民が対象となるような支給基準と所得階層に応じた補助額とを設定して実施しております。
 第三に、私立学校における教育環境の整備でございます。
 耐震化が必要な校舎等に対しては、安全対策促進事業費補助を実施し、平成二十一年度には、倒壊等の危険性が高い建物に対する補助率を引き上げ、二十五年度には、非構造部材の耐震化のための補助を設けるなど、その充実に努めております。
 また、老朽校舎の改築等については、東京都私学財団が実施している長期で低利な施設設備資金の貸し付けに対し利子補給を行うなど、支援に努めております。
 さらに、低炭素型社会への転換を促進するための省エネ設備等の補助については、必要な額を予算に計上しております。
 防災備蓄物資の整備に対する補助については、緊急対策事業として実施し、希望する全ての学校で整備を終えましたことから、平成二十四年度をもって事業を終了いたしました。
 最後に、専修学校の施設設備の整備につきましては、私立専修学校教育環境整備費補助を実施しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、請願に対する質疑を行ってまいります。
 請願二七第四七号、教育費負担の格差を無くし、子どもたちに行き届いた教育を求めることに関する請願は、五十万五千八百四人からの署名が寄せられるなど、今回も多くの方々から私学の拡充を求める請願が出されました。
 日本は、子供の六人に一人が貧困だという現状、そして、世界の中でも特に教育費が高いという中で、この請願の中身は本当に切実だと思います。
 本来であれば、教育費は無償であるべきだと思いますし、例えば東京では、高校生の六割が私立高校に進学することから、少なくとも一層の公私間格差是正に向けての取り組みが求められています。
 まず、私立高校の授業料軽減補助について伺います。
 私立高校の授業料軽減補助には、国の制度である就学支援金、都の独自制度である授業料軽減補助金があります。そのほかに、私立高校が独自に授業料減免を行ったときに、その一部を東京都が補助する特別補助があります。
 この特別補助についてですが、現在どれくらいの私立高校で使われているのか、実績を伺います。

○加藤私学部長 平成二十六年度は、対象私立高等学校二百三十七校中、三二・五%に当たる七十七校に対して補助を実施しております。

○里吉委員 全体の約三分の一、七十七校では、学校独自の授業料減免があるということでした。
 その学校独自の授業料減免ですが、二〇一四年度からだったと思いますが、制度が拡充されました。それまでは補助の対象が授業料だけだったのですが、その他納付金も含めるようになったわけです。
 これは、一歩前進だと思うのですが、改めて、この補助の対象が授業料と学校納付金となっているのはどうしてなのか、その理由について伺います。
 あわせて、学校納付金とは、例えば、どのようなものなのかもお答えいただきたいと思います。

○加藤私学部長 授業料減免補助につきましては、国の就学支援金や都の特別奨学金の制度改正に伴い、授業料に対する公費助成が充実されましたことから、各学校が行う保護者負担軽減の取り組みを促進するため、補助の対象範囲を授業料だけではなく、その他納付金まで拡大したものです。
 また、その他納付金でございますが、これは学校によって内容は異なりますが、例えば教育内容の充実を図るための教育拡充費、実習費などが挙げられます。

○里吉委員 学校納付金は、実習費など、いろいろ学校によってはその内容は違うということですが、授業料と同様に、ご家庭で負担しなければならないものだということだと思うんですね。
 ですから、今ご説明いただいたように、国の制度改正で公費助成が拡大されたことに伴って、保護者の負担軽減の促進のために補助の対象範囲を拡大したというご説明だったと思います。
 今回の請願では、東京都が行っている東京都独自の授業料軽減補助についても、補助対象を、授業料だけではなく施設整備費など、学費全体に広げることを求めています。
 特別補助と同じ考えに立てば、こちらも対象範囲を拡大して当然だと思いますが、現在、東京都の授業料軽減補助は、厳密に授業料だけが対象となっていて、学費全体となっていないのはどうしてなのか、対象範囲を拡大すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 都はこれまでも、私立高校に対し全国でも高い水準となっている経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めてまいりました。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により、授業料の保護者負担軽減を図るほか、育英資金や奨学給付金により、授業料以外の教育費負担についても軽減を図っております。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用し保護者負担の軽減に努めており、今後もこの考えに基づき実施してまいります。

○里吉委員 この東京都の制度を説明するときに、育英資金を入れるというのは、私はやめていただきたいと思うんですね。これは借金ですから、返さなければいけないお金なわけです。高校を卒業してから、また大学に行ったときに、そこでもやはり、今、支給されるということではなくて、返さなければいけない奨学金しかないわけですから、そのことはよく考えていただきたいと思います。
 それで、前回の請願の質疑のときにも議論したんですが、生活保護世帯以外で年収二百五十万円以下の世帯は授業料が発生しているわけです。そして、入学金も施設費も負担しています。
 国の制度で就学支援金が増額はされましたけれども、そのときに、東京都独自の授業料補助は十三万九千四百円から八万八千円に五万一千四百円減らされました。
 奨学給付金というものはありますが、これは、学校に支払う費用以外の学用品や修学旅行費として支払われる、学校生活を送る上で必要な経費の負担軽減のためのものとされていますから、これがあるからよしとはいえません。
 授業料として徴収すべきものと、施設費やその他の名目で徴収すべきものの区別は、公的にはあるのかという質疑を前回も行いましたが、各学校の学則で定めるものということも確認いたしました。どちらも必ず学校に支払うべきものであり、全体として学費とすることの方がむしろ自然ではないでしょうか。
 来年度は、国の就学支援金が一年生から三年生まで全学年での実施となります。この機会に、都としても、授業料負担軽減の対象拡大を行い、全体として支援拡充となるように強く求めておきます。
 次に、入学金について伺います。
 先ほどご説明にもありました私立高校の入学支度金貸付制度とは、どのような制度なのか伺います。

○加藤私学部長 入学支度金貸付制度は、私立高校に入学する生徒の保護者の負担軽減を図るため、東京都私学財団が、学校を通じて、入学時に必要な費用のうち二十万円を無利子で貸し付ける制度でございます。
 私学財団は、貸し付けの条件として、学校が借り受け人と連帯保証人の連署のある借用証書を徴していることと定めており、連帯保証人の要件やその責任範囲については、各学校が定めております。

○里吉委員 それでは、現在、この制度を使っている方はどれくらいいるのか、実績について伺います。

○加藤私学部長 平成二十六年度は、八百二十七人が利用し、貸付額は一億六千五百四十万円でございます。

○里吉委員 一定数これを使って入学金を払っている方がいるということだと思います。八百二十七人ということでした。
 以前にも、この問題を取り上げたんですけれども、実は、この話を聞くと、連帯保証人が必要だということと、それから金額が二十万円ということで、これでは入学金に足りないということで、なかなか使いにくいという声を何人もの方から私は伺っています。
 貸付金額二十万円というのは、前回も伺いましたが、昭和六十二年、一九八七年度の当時の入学金の平均が二十一万円で、それに合わせて二十万円にしたというご答弁をいただきました。三十年近くも前の金額がそのままなんですね。
 社会福祉協議会の教育支援資金というのがあるんですが、こちらは上限五十万円で、連帯保証人も原則不要ということです。こちらの方が助かるかもしれません。
 一方で、こちらは貸付対象者が本人なので、高校を卒業してから本人が返済しなければならないということになっています。
 学校で独自の授業料負担軽減、今、約三分の一の学校でやっているということを答弁いただきましたが、こういう学校の先生にお話を伺いました。
 そうしましたら、生活保護世帯の生徒が私立高校に通う場合、国や東京都の制度で、基本的には授業料負担はないんですが、それでも入学金が高いために、入学をちゅうちょしてしまう生徒が少なくないそうなんですね。貸し付けの制度しかないというのでは困るとおっしゃっていました。
 他県などの入学金への支援はどうなっているか見てみますと、近隣で見ますと、神奈川県や埼玉県では、所得制限はありますが、十万円の入学金補助を行っています。千葉県も金額は少ないですが、入学金補助の制度があります。
 今回も請願に上がっていますが、東京都としても、入学金についても補助制度を創設すべきと考えますが、改めて都の見解を伺います。

○加藤私学部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、都はこれまでも、私立高校に対し経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めております。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により授業料の保護者負担軽減を図るほか、育英資金や、先ほどご説明いたしました入学支度金及び奨学給付金により、授業料以外の教育費負担についても軽減を図っております。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用することによりまして、保護者負担の軽減に努めております。
 今後も、この考え方に基づき適切に実施してまいります。

○里吉委員 東京都の私学助成が大変拡充しているということは、私も何回もこの場でお話ししているんですけれども、十分承知しているんです。
 もう一方で、東京都の私学の学費も高くて、所得が低い方、生活保護を受けている方や、それと同水準の所得しかない家庭のお子さんが私学に行ったときに、他県よりも本当に多くの負担をしているという現実があるわけですね。
 それで、私は、入学金について補助制度を創設すべきということで、これからも申し上げていきたいと思いますが、少なくとも今ご説明いただいた親が借りる入学支度金貸付制度、二十万円では、入学金、全額借りられないんです。
 この金額については、ぜひ金額を引き上げることなども検討していただきたいということを要望しておきます。
 次に、私立の小中学校の授業料軽減について伺います。
 請願では、私立小学校、中学校の授業料を軽減する制度を新たにつくることを求めていますが、このご説明を読みますと、今の私学部のご説明ですと、小中学校は義務教育のため、国公立では授業料が無償で、経済的に困窮している家庭は区市町村が就学援助を実施している、こういうご説明を繰り返しいただいているんですね。
 しかし、昨年の質疑で、就学援助について、全ての市区町村で私立の小中学生が対象になっているのかと質問をしても、就学援助は、区市町村の事業として行われていると答えるだけで、きちんとしたお答えがいただけませんでした。
 そこで、改めて伺いますけれども、公立の小中学校は区市町村の所管、都立高校は都の教育庁の所管、私立高校は私学部の所管、私立の小中学校の所管はどこなんでしょうか、改めて伺います。

○加藤私学部長 私立の小学校及び中学校の教育振興につきましては、私ども生活文化局私学部が所管しております。

○里吉委員 私立の小中学校の教育振興は、生活文化局の私学部が所管しているんです。
 それで、少なくとも私が文教委員会に来てから、毎年、この私立の小中学校の授業料を軽減する制度を新たにつくってほしいという請願が出されているわけですから、これをきちんと受けとめていただきたいと思います。
 それで、今ある制度で就学援助というご説明をしているんですけれども、これは区市町村の事業ですから、この就学援助の項目や対象は、自治体ごとにばらつきがあるんですね。
 私立の小中学校を就学援助の対象にするかどうかの判断も、それぞれの自治体の判断に任されていると思いますが、それでいいですね。確認だけします。

○加藤私学部長 昨年のこの委員会でもご答弁させていただいておりますが、その事業につきましては区市町村が実施してございます。

○里吉委員 つかんでいないんでしょうか。私、自治体のホームページを見ましたけれども、少なくとも、二十三区も三多摩も、半数以上は、ホームページ上に就学援助の項目のところに、公立もしくは国公立のみが対象というふうに書いてありました。
 ですから、私学部の方で、生活が困窮している家庭は就学援助があるというご説明をいただいているんですが、この説明はちょっと成り立たないんではないかと思うんですね。
 話を前に進めますが、じゃ、私立小中学校に子供を通わせている保護者の皆さんへの負担軽減の制度は何かあるのかということなんですが、あるとしたらどのような制度なのか、お答えいただきたいと思います。

○加藤私学部長 私立の小学校及び中学校に対しましては、経常費補助金を交付しており、これをもって保護者の経済的負担の軽減を図っております。
 また、経常費の特別補助である授業料減免補助は、小学校及び中学校についても、高等学校と同様に実施しております。

○里吉委員 確認しますが、経常費の特別補助というのは、学校独自でやっている制度のことでよろしいでしょうか。

○加藤私学部長 先ほどご説明しましたとおり、そのとおりでございます。

○里吉委員 そうすると、私立高校と同じように、中学校も高校も、学校そのものに経常費補助を入れることで学費が高くならないように抑える、こういう制度はある。
 それから、学校独自で授業料の補助をする、そういう学校には、経常費補助を通じて支援している。
 唯一、高校の保護者にある、直接の保護者の負担軽減、これはやっぱりないということなんですね。具体的に私立高校に出されているような保護者の負担軽減は、東京都の制度としてはないということだと思うんですね。
 低所得の家庭への補助が高校で拡充されてきました。国の制度もあります。そうなった分、私立の中学、高校と通わせていると、高校の方が負担が少なくて、小中学校は義務教育なのにおかしいではないかという声を最近私はよく聞くんですね。
 お金がないなら、義務教育なんだから公立に行けばいいという方もいますが、東京都内にはさまざまな私立の小中学校があって、通える範囲に自分の子供に合った学校があれば、そこに子供を通わせてあげたいと思うのは当然のことだと思うんです。
 私の知り合いにも、地元の公立の小学校ではなじめずに、いじめのようなこともあって、小学校一年生の途中から私立に転校して通った方がいます。その後は、本当に楽しく学校に通って、逆に高校、大学は公立に進学したんですね。そういう方もいました。
 また、ある私立小学校にお子さんを通わせているお母さんは、うちの子は軽度の発達障害があるので、どの学校に入れようか悩んだけれども、今の私立小学校がうちの子には合うと思い入学をさせたら、経済的には本当に厳しいけれども、毎日楽しく学校に通っているので、何とか最後まで通わせたい、こういうお話も伺いました。
 決して経済的余裕がある家庭ばかりが私立小中学校に通わせているわけではありません。世帯の所得に応じた授業料軽減制度が求められています。私学部が私立小中学校の教育振興の担当なんですから、ぜひ検討していただきたいと思います。
 最後に、私立専修学校について伺います。
 私はこれまで、私立専修学校、各種学校の学生への授業料軽減についても、繰り返し求めてきました。
 職業人の育成という点でも重要な役割を果たす専修学校に、授業料軽減の制度をつくるべきという議論が国でも行われてきました。就職に役立つ学校ということで、通っている生徒、学生の皆さんは、実際には大学に進学する方々よりも低所得の家庭の子供が多いということも指摘をされています。
 今年度から、私立専修学校、専門学校に通う生徒の皆さんへの授業料補助を行う実証実験がスタートいたしましたが、現状はどこまで進んでいるのか伺います。

○加藤私学部長 私立専修学校修学支援実証研究事業は、今年度から国の委託を受け、私立専修学校専門課程に在籍し、経済的理由により修学困難な生徒を対象に、授業料に対する補助や生活設計等に関するアドバイスなどを行うものでございます。
 都はこれまで、全学校を対象とする事業説明会を行うとともに、本事業の活用を希望する十校にファイナンシャルプランナーを派遣し、生徒に対して個別相談などを実施したところでございます。

○里吉委員 まだ、補助を希望している学校が十校ということでした。都内には、いろいろな専修学校、専門学校があると思うんですけれども、この実証実験についても、この先どうなるのか注視をしていきたいと思います。
 あわせて、これまで繰り返し要望が出ているように、東京都としても、独自の助成を行うように改めて求めておきます。
 今、各学校について議論してまいりましたけれども、日本は本当に学費が高い、教育費が高いということで、これは飛び抜けて世界でも高いわけです。
 一方で、子供の貧困も深刻な事態になっている中で、どの子も本当に自分たちに合った学校に、公立でも私立でも通えるような、公私間格差是正、そのための私学の振興にしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○今村委員 それでは、私の方からも、四四号、ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願について幾つか伺ってまいりたいと思います。
 都においては、高等学校の生徒の約六割、幼稚園に至っては園児の九割以上が私立学校に通学するなど、この私立学校が公教育において重要な役割を担っております。私立学校に対する補助のさらなる拡充が求められているのは当然のことと思います。
 そこで、まず、私立学校の運営費補助であります経常費補助につきまして、直近三カ年の予算総額と、そしてまた、生徒一人当たりの単価について、この傾向をお伺いいたします。

○加藤私学部長 経常費補助につきましては、幼稚園から高等学校までの予算総額で、平成二十五年度は一千百三十七億五千三百万円、二十六年度は一千百五十億七千六百万円で、前年度比十三億二千三百万円の増となっております。
 二十七年度は一千百三十五億七千万円で、前年度比十五億六百万円の減となっておりますが、これは、子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、新制度に移行する幼稚園が施設型給付の対象となったことによるものでございます。
 また、生徒一人当たりの単価につきましては、全ての学校種において、毎年度増加しております。

○今村委員 経常費の総額も、子ども・子育て支援新制度の影響で、今年度は減となっているということでありましたけれども、増傾向にあることがわかりました。
 また、生徒一人当たりの単価についても、毎年度増加していることが理解できます。
 私立学校が、公教育の担い手として個性的で魅力ある教育活動を実践し、私立学校に通う生徒が、十分な教育環境のもとで生き生きと豊かな学校生活が送れるよう、引き続き経常費補助の充実に努めていただきたいと思います。
 そして次に、私立学校の施設整備についてお伺いをしたいと思います。
 生徒が豊かな学校生活を送るためにも、教育内容に加えて校舎等の施設設備の環境の向上も大切であります。
 そこで、私立学校の耐震化率の推移について伺います。

○加藤私学部長 都は、校舎等の耐震診断、耐震改築及び耐震補強工事の経費の一部を補助する私立学校安全対策促進事業費補助を実施し、児童生徒の安全の確保に努めております。
 私立学校の耐震化率につきましては、幼稚園から高等学校までの学校種全体で、各年四月一日現在、二十五年は八六・九%、二十六年は八九・九%、二十七年は九二%となっており、着実に向上しております。

○今村委員 耐震化率については、毎年度、順調に向上しているということでありました。
 これらについては、東京都の私学助成の成果でもあるかというふうに思いますけれども、児童生徒の安全を守るために、できるだけ早期に一〇〇%を達成できるように、引き続き助成を継続していただきたいというふうに思います。
 さて、私立学校省エネ設備等導入モデル事業を行っておりますけれども、この実績の推移についてもお伺いしたいと思います。

○加藤私学部長 私立学校省エネ設備等導入モデル事業費補助は、省エネ型の照明器具や空調設備、太陽光発電設備などを導入する私立学校に対し、その経費の一部を補助する制度でございます。
 東日本大震災に伴う緊急対策事業として実施いたしました二十四年度については百三校、約十億四千二百万円、その後、二十五年度は六十七校、約二億六千三百万円、二十六年度は四十六校、約二億六百万円の補助を行っております。

○今村委員 省エネについても、低炭素型社会への転換を促進するために、二十八年度より制度拡充を図るとのことなので、しっかりと行っていただきたいと思います。
 さて、専修学校の専門課程については、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、その助成制度の創立については、国に対し、都は要望をしているという説明でありました。
 さて、この高等学校程度に相当する専修学校の高等課程に対し、都はどのような助成を行っているのかお伺いします。

○加藤私学部長 専修学校の高等課程につきましては、運営費等の補助として、私立専修学校教育振興費補助及び私立専修学校特別支援教育事業費補助を行っております。
 また、保護者の経済的負担の軽減としまして、高等学校と同様に、都の特別奨学金、奨学給付金及び国の就学支援金の支給対象となっております。

○今村委員 高等課程については、運営費や保護者の経済的負担の軽減に対して、都の助成制度が設けられておりますけれども、専門課程の補助については、高等教育機関と中等教育機関の制度の谷間に入ってしまっているような印象を受けます。
 他県においては、助成を行っている県もあるというふうに聞いておりますので、そうした他県の状況なども調べていただきながら、引き続き助成制度の創設を国に対して強く働きかけていただきたいというふうにお願いをし、質疑を終わります。

○植木委員長 ほかに発言はありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、請願二七第四四号をお諮りいたします。
 本件中、第一項から第三項まで、第五項、第十項及び第十一項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二七第四四号中、第一項から第三項まで、第五項、第十項及び第十一項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願二七第四五号につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は二月十六日の教育庁所管分の審査の際に行い、本日のところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二七第四五号は継続審査といたします。
 次に、請願二七第四七号を採決いたします。
 本件は、起立によって採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、請願二七第四七号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願二七第四八号の一につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は二月十六日の教育庁所管分の審査の際に行い、本日のところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二七第四八号の一は継続審査といたします。
 次に、請願二七第四九号をお諮りいたします。
 本件中、第四項及び第五項(1)を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二七第四九号中、第四項及び第五項(1)は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願二七第五〇号をお諮りいたします。
 本件中、第四項から第六項まで及び第八項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二七第五〇号中、第四項から第六項まで及び第八項は趣旨採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二七第一〇八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鳥田文化振興部長 東京都内の路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております請願・陳情審査説明表の九ページをごらんください。
 陳情二七第一〇八号、町田市、横山哲也さんからの東京都内の路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、都において、次のことを実現していただきたい。
 1、ヘブンアーティスト制度の申請は、毎日専用のページでネットで受け付けできるようにし、審査を毎月最低一回行った上で、認定交付書を発行すること。
 2、認定交付書の発行を受けた者は、都が指定する活動場所において、都に申請手続さえすれば、演奏パフォーマンス活動ができるようにすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、1については、ヘブンアーティスト事業は、都がライセンスを与えたアーティストに都が指定する公共施設や民間施設を活動場所として開放し、都民が身近に良質な芸術文化に触れる機会を提供することを目的としております。
 このため、ライセンスの付与に当たっては、専門家で構成する審査会を設け、年一回、多数の応募者について映像による一次審査及び実技による公開審査を行い、厳正に、良質な演奏やパフォーマンスを提供できるアーティストを選定しております。
 2については、これまでも、ライセンスを交付されたアーティストは、都のホームページからいつでも活動場所の空き状況を確認することができ、電話で予約すれば演奏等を実施できる仕組みとなっております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いします。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情二七第一〇八号、東京都内の路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情について一言意見を申し上げます。
 ヘブンアーティスト事業については、都民が身近に良質な芸術文化に触れる機会を提供することを目的とするもので、陳情者のいう路上パフォーマンスとは少し性格が違うと思われますが、陳情で例として挙げられているのは、柏市のストリートミュージシャン認定のことだと思われます。
 柏市では、ストリートミュージシャンによる行き過ぎた行為が目立ち、市民から苦情が出てきたときに、一般のストリートミュージシャンを守るためにつくられたと伺いました。
 今回の陳情は、東京都でも一定のルールをつくって、それを守るストリートミュージシャンを認定するような制度をつくってほしいというものです。
 交通の妨げとならないように、ルールを設けた上で路上パフォーマンスの活動の場を保障することを東京都としても検討していただきたいということで、趣旨採択を求め、意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第一〇八号は不採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二七第一〇九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鳥田文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております請願・陳情審査説明表の一〇ページをごらんください。
 陳情二七第一〇九号、千代田区、「東京都平和祈念館(仮称)」建設をすすめる会代表、石山久男さん外三千八百七十三人の方々からの東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情でございます。
 陳情の要旨につきましては、都において、都民が、かつてアジア太平洋戦争の中で、アメリカの無差別爆撃のため未曽有の被害を受けたことに対し、この戦争の被害者を追悼し、戦争の惨禍を語り継ぎ、繰り返さないため、そして内外に平和を発信する拠点として、東京都平和祈念館(仮称)を東京にぜひ建設していただきたいというものでございます。
 現在の状況につきましてご説明させていただきます。
 東京都平和祈念館(仮称)につきましては、平成十一年第一回都議会定例会におきまして、次のような付帯決議が付されております。
 平和祈念館(仮称)については、次の事項に配慮すること。(1)、平和祈念館の建設に当たっては、都の厳しい財政状況と従来の経緯を十分踏まえ、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施すること。(2)、東京空襲犠牲者追悼碑の早期建立に取り組むこと。(3)、東京空襲犠牲者名簿の収集、作成を平成十一年度の早期に開始すること。
 これを受けて、平成十二年度には、東京都空襲犠牲者追悼碑の建立及び東京空襲犠牲者名簿の作成をいたしております。
 なお、東京空襲犠牲者名簿は、平成二十七年三月現在、八万三百二十四名を登載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情の質疑を行います。
 ことしは戦後七十一年目です。陳情にもあるように、当時、国民学校一年生であった方々は七十五歳前後になっています。
 戦後五十周年を迎えるに当たり、建設が具体化されていた東京都平和祈念館の計画が凍結されたまま、戦後七十周年を超えてしまいました。
 当時、この話が具体化されていたときも、議事録を読みますと、既に次世代にいかに戦争の惨禍を語り継ぐかということがいわれていましたが、それから二十年以上の時が過ぎています。
 東京都平和祈念館の建設をめぐる陳情は、平成十三年、二十一年、二十四年と出されて、今度で四度目の陳情になります。私は、この陳情を重く受けとめ、一刻も早く平和祈念館建設を進めるべきという立場から質疑を行いたいと思います。
 東京に平和記念館をという話は、一九七〇年代から東京都に寄せられていましたが、具体的に動き出したのは平成四年、一九九二年です。
 当時の鈴木都知事は、東京都平和記念館基本構想懇談会への諮問文手交の際に、東京都平和の日記念行事企画検討委員会から、平成七年、一九九五年には、戦後五十周年を迎えることもあり、犠牲者を慰霊するとともに、平和の大切さを内外に伝えるモニュメンタルな平和記念館のような施設について検討してほしいという提案を受けた、この提案は、大空襲の犠牲者を慰霊、鎮魂するとともに、平和を願う都民の気持ちを内外に示す上で極めて有意義なことと考え、早速、平和記念館の検討を始めることとした次第でありますと述べています。
 東京都平和記念館基本構想懇談会は、当時の都議会全会派から都議会議員も参加し、有識者の方々など、委員会では大変活発な議論を行っています。
 大阪国際平和センター、広島平和記念資料館、さらに沖縄のひめゆり平和祈念資料館等の視察も行って、東京都にふさわしい平和資料館とはどんなものか、なぜ今、東京に平和資料館が必要なのかといったところから議論がなされていました。
 懇談会の議事録を、全て改めて読ませていただきましたが、小委員会などでも議論を深めながら、本当に苦労してまとめたものだということがよくわかりました。
 東京都平和記念館(仮称)の建設に当たっては、当時の全ての会派がこの懇談会に参加し、検討を進めたと認識していますが、そこで一致した内容について伺いたいと思います。
 一つは、この平和記念館の設置の意義について、そしてもう一つは、施設の基本的性格について、あわせてお答えください。

○鳥田文化振興部長 平成五年に作成された東京都平和記念館基本構想懇談会報告においては、平和記念館の設置の意義は、一、戦争の惨禍を語り継ぎ、都民一人一人が平和の大切さを確認する拠点、二、都民の平和への願いを世界に向けて発信する拠点として設置されることとされております。
 また、施設の基本的な性格は、一、戦争犠牲者を悼み、都民の戦争体験を継承すること、二、平和を学び、考えること、三、東京の平和のシンボル、四、平和に関する情報センターとされております。

○里吉委員 今ご説明いただいたように、東京都平和記念館基本構想懇談会報告では、平和記念館の基本的な考え方について、設置の意義や基本的な性格等が示されています。ここまでは合意できていたということです。
 その後、平成八年、一九九六年から東京都平和祈念館(仮称)建設委員会での議論となったわけですが、付帯決議には、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施することということで、最後、こうなっているわけですね。
 これは、建設は中止ではなくて、いずれ建設するということだと思うんですが、これまで東京都として話し合いを再開させるための取り組み、どういうことを行ってきたのか伺いたいと思います。

○鳥田文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)の建設については、平成十一年三月の都議会における予算審議の中で、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議が付されました。
 その後、平成十三年、平成二十一年、平成二十四年と三回の陳情が出されており、その都度、文教委員会において議論が行われております。

○里吉委員 今の答弁は、私は余りにも無責任ではないかと思います。都民の皆さんから陳情が出てきたから、議論の場ができたということだけではありませんか。
 平成四年、一九九二年から始まった平和記念館をつくろうという取り組みは、改めて資料を読んで思いましたけれども、発案は東京都平和の日記念行事企画検討委員会でした。
 都として、この提案を受けて、先ほどもいいましたけれども、基本構想懇談会で議論を深めて、報告を出しました。
 さらに、建設を具体化するための東京都平和祈念館(仮称)建設委員会が設置されました。この委員会も、都議会全会派の代表、都議がそれぞれ出ました。公募委員の方も出ました。関係団体の方々、有識者の方々が集まって議論が進められてきたわけです。
 私は、当時、東京都も、都議会も、そして都民の皆さんも、できるだけさまざまな意見を出して、それをお互い聞きながら議論を進めてきたんだなということを資料を見て思いました。
 平和祈念館で活用するという前提で集められた三百三十人の証言ビデオや、遺族や戦争体験者の方々から寄せられた五千点以上の遺品が、ほんの一部だけしか使われず、倉庫に眠っている状態をこの先何年続けようというのでしょうか。
 凍結したままで仕方ないとは絶対にいえません。都議会は都議会として、議論を再開させて、合意のための努力をすることは当然のことです。
 我が党の小竹議員も、昨年、第四回定例会の一般質問で、知事と都議会各会派の皆さんに、東京平和祈念館、都立の戦争資料館の建設に向けた議論を開始し、一日も早く実現することを呼びかけました。
 東京都としても、東京都平和祈念館を所管している生活文化局として、その建設に向けてどのように取り組むのか、改めて見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)に関しては、平成九年から平成十一年にかけて、当時の都議会において、展示内容に係る歴史的認識や見解に相違があり、大方の合意が得られずに、付帯決議がなされたと理解しております。
 したがって、その建設については、改めて都議会での一定の審議と合意がなされなければ、対応が難しいと認識しております。

○里吉委員 対応が難しいということは十分わかっています。だから、ずっととまったままなんです。しかし、だからできませんということでいいのですかということを私は伺っているのです。東京都の平和行政への取り組む姿勢が問われています。
 私は、昨年、広島市の平和行政について学んでまいりました。お話を伺ってきました。
 広島市の平和担当は、現在、平和推進部で三課体制、課長が三人、職員十四名という体制です。
 そして、平和記念資料館は、条例で、原子爆弾による被害の実相をあらゆる国の人々に伝え、広島の心である核兵器廃絶と世界平和の実現に寄与するため広島平和記念資料館を設置すると目的が定められています。
 今でも、新たな事実の発掘にも力を入れていて、時にはアメリカ公文書館にも出かけていくそうです。
 また、現在でも、毎年六十人から七十人の方々から、三百点から九百点程度の寄贈があり、遺品の寄贈があったときには、原爆を伝える資料として残すために、誰の遺品なのか、どこで被爆し、その後どうなったのか詳細に調べて、展示の際には、よりリアルにそのことが伝わるよう努力しているというお話でした。
 新しい寄贈が一定数あるので、毎年、新着資料展も行っているそうです。
 広島には、こうした受け皿があるので、資料がまだ毎年新しく寄せられているのです。被爆の事実を後世に伝えたいという被爆者の思いに応えることのできる、そういう取り組みになっていると思いました。
 平和祈念館の建設も含め、首都東京にふさわしい平和行政を進めるためには、その体制も、ふさわしく拡充する必要があると思います。
 そこで、改めて伺います。
 生活文化局は、東京都平和の日の記念式典や東京空襲犠牲者名簿の収集などを行っていますが、東京都の平和事業などに関する仕事、どのようなことをすることになっているのか、改めて伺います。

○鳥田文化振興部長 生活文化局の平和事業に関する事務は、東京都組織規程第二十三条により、東京都平和の日に関することと定められております。

○里吉委員 お答えいただいたように、平和に関することを所管しているのは、文化振興部の文化事業課です。そして、そのいろいろある仕事の中の一つとして、東京都平和の日に関することとあるだけなんですね。
 広島市も、最初は市長室に平和記念資料館が所管されていたそうです。二十年ほど前に、市民局に平和推進課が設置されて、課長が一人に、そこからだんだん大きくなって、平和推進部、課長三名体制に拡充してきたということでした。
 東京都としても、本腰を入れて平和行政に取り組む体制を要望しておきます。
 繰り返し、東京都の平和祈念館の建設を求める陳情が出されてきました。東京空襲を初め、戦争を体験した方々が高齢化し、資料の収集なども、今後さらに大変になってまいります。
 私も、これを全部読ませていただきましたけれども、この東京都平和記念館基本構想懇談会の報告は、結びにこう書いてあります。
 世界情勢は大きく揺れ動いています、人々の平和に対する考え方もさまざまであると思われます、この報告書は、こうした多様な意見があることを前提に、その中で都民の平和を願う率直な気持ちを代弁できればと願いつつ、世界都市東京に設置するにふさわしい平和記念館のあり方について検討してきた、そして、これから具体化するに当たって、さまざまな意見が出たら、その意見に耳を傾けながら、検討を深めるように期待し、最後に、平和記念館が都民の平和を願うシンボルとなる施設として、世界の平和に寄与することを願ってやみませんと締めくくられています。
 私も、本当にそのとおりだと思います。戦争の惨禍を語り継いで、平和と命のとうとさを伝える平和祈念館の建設を早期に実現するために、ぜひとも陳情を趣旨採択して、一刻も早く進めたい、このことを申し上げまして、私の質疑を終わります。

○古賀委員 私は、東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情、二七第一〇九号について、不採択にすべきとの立場から意見を申し述べます。
 過去の陳情審査に当たっても、文教委員会等で直近の審議において意見を述べておりますけれども、重複をしない形で不採択の理由を述べたいと思います。
 今お話にもありましたように、平成六年五月に東京都平和祈念館基本計画が策定され、その概要が発表されました。
 それまでは、平和祈念館の建設というのは、アメリカが犯した戦争犯罪である東京に対する一般市民の殺りくを狙った行為、東京空襲について、その犠牲者を悼むということから記念碑を建設する、あるいはそういう施設を設けるということは誰しも異存がなかったわけであります。
 しかしながら、この平和祈念館基本計画の中身が明らかになり、そこで、都議会でも大きな議論を呼んだわけであります。
 その一つは、基本計画の中身は、まず展示については、AからGまで七部構成になっている、そういうものをつくろうという計画内容でありました。
 まず一つ、私たちが疑問に思ったのは、まずA、東京空襲という最初の項目で、軍事都市東京という言葉が登場したことです。東京が軍事都市であったと、だから、アメリカの戦略爆撃、カーチス・ルメイが指揮する無差別爆撃を受けることになった。
 つまり、人種差別主義者でもあったルメイの考え方を正当化するような展示内容が、まずここに登場しているということに疑問を感じたわけであります。
 ルメイの主張は、東京の民家では、子供から大人、女性まで、全て武器をつくっている、軍事物資を生産している、だから攻撃してもいいんだという、全くへ理屈でありますけれども、そのような主張を彼は行っています。
 つまり、東京が軍事都市であったなどということは、かつて日本の歴史教育の中で、小中学校で教えられたことはありませんでしたし、初めてここで登場してきたわけです。
 さらに次の部門では、語り継ぐ戦争体験というコーナーがあって、そこには、当時の抗日運動やアジアの人々に犠牲を強いた云々と、そういう展示も行われるということになっています。
 さらには、アジアの人々に犠牲を強いた事件や中国への都市爆撃から云々と、東京空襲の悲惨な歴史を語り継ぐ、祈念するということからは、かなり逸脱をしているものでありました。
 さらに次に、核時代の大都市、いわゆる核兵器--先般、北朝鮮が核搭載可能なミサイルを発射いたしましたけれども、この核時代と大都市というテーマでコーナーを設けるというものもうたわれていました。
 さらには、地球環境の悪化、こういったことも平和を脅かす今日的問題として展示をする。
 そういったことで、東京空襲に特化する展示内容、つまり、祈念館という性格からは、かなり大きく逸脱をしているということが明らかになったわけであります。
 そして、その後、建設計画を具体化するために、平和祈念館建設委員会というものが組織されましたけれども、この委員会には、もちろん都議会議員も入っていましたし、公募委員という人たちも入りましたけれども、その公募委員の中には、南京大虐殺を展示しろとか、さらには、これも戦後つくられた言葉ですけれども、従軍慰安婦の展示を求めるとか、こういったものを求める人たちが公募委員ということで入ってきていたわけです。
 そういう人たちの一つのリードの中で、この計画が具体化しようとしていたために、都議会では大変な議論になり、平成十年と平成十一年の都議会の予算審議の中で、先ほどご紹介があった付帯決議というものがついたということになります。
 では、こういう主張が本当に正しいのかということになるわけでありますけれども、我々は、かつて第一次世界大戦、第二次世界大戦という大きな戦争を、地球、世界は経験したわけでありますけれども、第一次世界大戦は、まず、バルカン半島の民族問題をきっかけに起こったわけであります。
 このとき、ベルサイユで開かれたベルサイユ講和会議において、アメリカ大統領ウィルソンが民族自決の原則を主張して、東ヨーロッパにフィンランド、バルト三国、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、ユーゴスラビアの八つの独立国が一挙に誕生したわけです。
 そのために、結果、ドイツ帝国、オーストリア帝国、ロシア帝国、トルコ帝国の四つが、この地球上から、地図上から消滅をしたわけです。これが第一次世界大戦の歴史的な意義ということになると思います。
 ただ、この原則が適用されたのはヨーロッパだけでした。つまり、広範な列強の植民地であったアジア、アフリカの植民地は一切独立できなかった。つまり、ウィルソンは、民族平等を認めなかったわけですね。建前だけで実際は、引き続きヨーロッパ列強の植民地支配が続いたわけです。
 それから二十年後に、第二次世界大戦が起こります。ヨーロッパのみならず、アジア太平洋が戦場になったことは、先ほど来、お話のとおりです。三百年、長いところは五百年にわたって列強による植民地支配体制がこの第二次世界大戦によって崩壊して、アジア、アフリカに多数の独立国が誕生いたしました。これが第二次世界大戦の歴史的な意義なんです。
 その中で大きな役割を果たしたのが日本であり、日本が唱えた民族独立が実現して、イギリスなど、アメリカもそうですけれども、戦勝国の植民地が終えんを迎えた。これが、歴史の事実として、私たちは語らなければならないと思うわけです。
 ところが、先ほどご紹介しましたように、この平和祈念館の展示計画の中には、全くそういうことが欠落していたわけです。
 これは、私だけがいっているのではなくて、マッカーサーも--日本の占領軍最高司令官として、いろいろ大手を振って仕事をしたわけですけれども、マッカーサーも昭和二十五年の十月、これは朝鮮動乱の最中に、ウェーク島というところで、当時のアメリカのトルーマン大統領に対して、東京裁判、つまり、極東軍事裁判は誤りであったという告白をしています。
 その翌年、昭和二十六年には、これは解任された後ですけれども、アメリカの上院で、日本が行った戦争は自国の正当防衛のためである、侵略戦争というべきではなかったと証言をしているわけです。
 さらに、イギリスの高名な歴史学者であるアーノルド・トインビーは、第二次世界大戦、つまり、大東亜戦争において、日本人は日本のためというよりも、むしろ戦争によって利益を得た国々のために偉大な歴史を残した、こう彼はいっています。
 さらに、昭和十六年、これは一九四一年、日本は全ての非西洋国に対して、西洋は無敵でないことを決定的に示した、この啓示が、有色人種の志気に及ぼした恒久的な影響は絶大であったと、これはトインビーの言葉です。
 さらに、インド元大統領のラダクリシュナン、この方は、インドは当時、これは一九四一年、イギリスの不沈戦艦を沈めるなどということは想像できなかった、それを我々と同じ東洋人である日本が見事に撃沈させた、驚きもしたが、この快挙によって、東洋人でもやれるという気が起こった、こうラダクリシュナンはいっています。
 さらに、そのほか、同じような発言をしている人が多いんですけれども、タイの元首相のククリット・プラモード、この人は、日本のおかげでアジア諸国は皆独立した、日本というお母さんは難産をして母胎を損ねたが、生まれた子供たちはすくすくと育っている、こういっています。
 つまり、新興国、独立した国々は、その後、国家として成長しているということをククリット・プラモードは述べています。
 さらに、東京裁判で日本を断罪したオーストラリアの判事、ウェッブという人が裁判長を務めたんですけれども、この人は、日本糾弾の急先鋒だったんですけれども、東京裁判について、帰国後、東京裁判は誤りであったと繰り返し述べています。
 また、主席検事を務めたアメリカのキーナンも、裁判後数年して、東京裁判は、幾つかの誤判、つまり、間違った判断を含むのみならず、全体として復讐の感情に駆られた公正ならざる裁判であったと告白しています。
 もう一人、皆さんもご存じのインドの、東京裁判で唯一の国際法の専門家であったラダビノード・パール判事は、日本は国際法に照らして無罪であるということをいっています。
 こういった世界の識者が述べていることについて、この平和祈念館の展示計画の中には全くそれが述べられていない。まことに私たちは、この計画のまま進んでは、都民の期待に応えられる議会としての役割を果たすことにはならない。
 そこで、議会として、行政がそれを進めようとする、ともに主権者である都民から選ばれた都議会、そして知事、知事部局に対して緊張感を持ってお互いに仕事をするわけですから、そういうことが、もし方向が誤っているとすれば、それを正すのが我々都議会の役割でありますから、文教委員会でそういった議論が行われ、なおかつ予算審議の中で付帯決議がついて、凍結ということになったわけです。
 ですから、空襲犠牲者の皆さんや関係者の方が強く求められていた慰霊碑は、きちんと都議会の決議の中でもその建設を求めて実現いたしましたし、今でも生活文化局が中心となって、犠牲者名簿の収集、そして、それを納めるということを行っているわけで、議会とすれば、その役割を私たちは果たしているということがいえるのではないかと思います。
 さらに、もう終わりにいたしますけれども、戦勝国であるアメリカは、日本を裁くに当たって、例えば東京裁判なんかもそうですけれども、自分たちの復讐心を、例えば正義とか、人道とか、平和とか、民主主義とか、文明とか、そういう名前でオブラートに包んで、日本に対して、憲法あるいは基本的な法律、皇室典範なども全部変えてしまったわけです。そういったことのアメリカの意図というものも、私たちは知らなければいけない。
 マッカーサーという人は、非常に優越感が、いい意味ではエリート意識が強かったんでしょう。日本との戦いにおいて、例えばフィリピンのコレヒドールからオーストラリアに、彼は部下を置き去りにして敵前逃亡したんですね。その屈辱感が常にあった。何とか復讐を遂げたいという気持ちが、あの東京裁判の、裁判所条例の制定にもつながっているわけです。
 このマッカーサーの嫌らしいところは--そういうものにみんな、私は、戦後、日本は洗脳されてしまったと思うんですけれども、東京裁判を行うに当たって、被告と呼ばれる人たちが起訴されたのは、昭和二十一年の天長節、すなわち四月二十九日、天長節に起訴をして、刑の執行を行ったのは、当時の皇太子のお誕生日、昭和二十三年十二月二十三日です。つまり、血塗られた日として日本の元首の誕生日をそういう位置づけにしてしまったわけです。
 先ほど申し上げましたように、バターン半島の攻略戦で、自分は部下をほっぽり出して、命からがらはだしで逃げ出したわけですから、それを何とか恨みを晴らしたいということで、その後、戦後の本間雅晴中将を処刑した日は、ちょうど本間中将司令官がバターン半島総攻撃を開始した同じ時間に、昭和十七年四月三日の同じ時刻に合わせて、どんぴしゃりに処刑するわけです。
 さらに、山下奉文大将の死刑の宣告は、我が日本海軍の真珠湾攻撃に合わせて、日本時間で昭和二十一年十二月八日になされています。
 このように、マッカーサーというのは非常に日付にこだわっているわけです。ですから、大日本帝国憲法の改正として、現行憲法の公布をしたのは昭和二十一年十一月三日です。この日は明治節ですから、アメリカの意図が大日本帝国の栄光を全面的に否定するという、彼は目的を達したわけです。
 そういった大きな世界史の中の流れと、それから当時の占領軍の司令官の意図というものを、私たちは、日本人は--彼は文明とか平和とか、そういう名前で日本を裁きましたから、すっかり日本人はそれに洗脳されましたけれども、独自の、自分たちの歴史を取り戻さなければいけない。
 そのためには、こういう極めて偏った内容の祈念館をつくるということは、私たち都議会が責任を果たすということにはならないということで、今回も不採択を主張して、私の意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第一〇九号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時八分散会

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