文教委員会速記録第十七号

平成二十七年十一月二十七日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長植木こうじ君
副委員長里吉 ゆみ君
副委員長高木 けい君
理事栗山よしじ君
理事ほっち易隆君
理事野上 純子君
小松 久子君
山崎 一輝君
野上ゆきえ君
今村 るか君
鈴木貫太郎君
鈴木あきまさ君
古賀 俊昭君
斉藤あつし君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長多羅尾光睦君
次長桃原慎一郎君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武市 玲子君
広報広聴部長樋渡 幸生君
都民生活部長山中 康正君
消費生活部長山本  明君
私学部長加藤  仁君
文化振興部長鳥田 浩平君
都政情報担当部長濱田 良廣君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長越  秀幸君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
準備会議担当部長丸山 雅代君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
運営担当部長田中  彰君
競技担当部長根本 浩志君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
施設輸送担当部長花井 徹夫君
施設調整担当部長小室 明子君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
選手村担当部長安部 文洋君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
国際大会準備担当部長土屋 太郎君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
教育庁教育長中井 敬三君
次長松山 英幸君
教育監金子 一彦君
総務部長堤  雅史君
都立学校教育部長早川 剛生君
地域教育支援部長粉川 貴司君
指導部長伊東  哲君
人事部長江藤  巧君
福利厚生部長太田 誠一君
教育政策担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
安部 典子君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長松川 桂子君
指導推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長鈴木 正一君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京体育館の指定管理者の指定について
・東京武道館の指定管理者の指定について
・東京辰巳国際水泳場の指定管理者の指定について
・有明テニスの森公園テニス施設の指定管理者の指定について
・東京都障害者総合スポーツセンター外一施設の指定管理者の指定について
生活文化局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都情報公開条例の一部を改正する条例
・東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
・東京都特定個人情報の保護に関する条例
陳情の審査
(1)二七第五一号 平成二十八年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情
(2)二七第六六号 ヘブンアーティスト事業を公正、公平にすることに関する陳情
教育庁関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立多摩社会教育会館条例を廃止する条例
・都立南花畑学園特別支援学校(仮称)(二十七)改築工事請負契約
・都立小金井特別支援学校(二十七)改築工事請負契約
・東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定について
・地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
報告事項(説明)
・東京都教育施策大綱について
・都立高校改革推進計画・新実施計画(案)の骨子について
・東京都発達障害教育推進計画(案)の骨子について
請願陳情の審査
(1)二七第七号 東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する請願
(2)二七第三五号の二 ヘイトスピーチ禁止条例の制定及び学校教育へ取入れを求める意見書の提出に関する陳情
(3)二七第五一号 平成二十八年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局、生活文化局及び教育庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、教育庁関係の報告事項の聴取並びに生活文化局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 小山理事、岡安連絡調整担当部長、井上自治体調整担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 十二月一日開会の平成二十七年第四回東京都議会定例会に提出を予定しておりますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、平成二十七年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらん願います。
 表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。こちらに記載のとおり、今回提出を予定しております議案は、事件案五件でございます。
 東京体育館、東京武道館、東京辰巳国際水泳場及び有明テニスの森公園テニス施設の体育施設並びに東京都障害者総合スポーツセンター及び東京都多摩障害者スポーツセンターの六施設それぞれの管理運営を行う指定管理者の指定につきまして、地方自治法の規定に基づき、議会にお諮りをするものでございます。
 詳細につきましては、引き続き、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木総務部長 それでは、局長からの概要説明に引き続きまして、私からは、議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 引き続き、資料第1号、平成二十七年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらん願います。
 恐れ入りますが、一ページをお開きください。東京体育館の指定管理者の指定についてでございますが、特命により公益財団法人東京都スポーツ文化事業団グループを当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 二ページをお開きください。東京武道館の指定管理者の指定についてでございますが、特命により公益財団法人東京都スポーツ文化事業団グループを当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 三ページをお開きください。東京辰巳国際水泳場の指定管理者の指定についてでございますが、特命によりオーエンス・セントラル・都水協・事業団グループを当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 四ページをお開きください。有明テニスの森公園テニス施設の指定管理者の指定についてでございますが、特命により有明テニス・マネージメントチームを当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 以上の四施設につきまして、指定の期間は、いずれも東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けたさまざまな取り組みを大会後もレガシーとして確実に定着させるため、平成二十八年四月一日から平成三十五年三月三十一日までの七年間としております。
 特命とした理由につきましては、各施設は、いずれも次期指定管理期間中に開催される東京二〇二〇大会の競技会場または練習会場の候補施設となっており、改修のための工事、セキュリティーエリアの設定等、大会開催に伴う施設管理への影響が施設等の主要な要素に及び、相当の期間において施設の活用が見込まれないため、従前の指定管理者を引き続き特命により候補者として選定したところでございます。
 五ページをお開きください。東京都障害者総合スポーツセンター及び東京都多摩障害者スポーツセンターの指定管理者の指定についてでございますが、特命により公益社団法人東京都障害者スポーツ協会を当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 指定の期間は、利用者との関係で長期的に安定したサービスの提供が求められる施設であるため、平成二十八年四月一日から平成三十八年三月三十一日までの十年間としております。
 特命とした理由についてでありますが、両センターは、利用者の障害の状況に応じたサポートが利用者の継続的なスポーツ活動の支えになっております。また、次期指定管理期間中に両施設とも大規模改修工事を予定しており、都及び利用者との綿密な調整が必要となります。
 こうした状況において、個々の利用者ニーズに的確に応え、きめ細かいサービスを提供するとともに、都の障害者スポーツ施策に対して適切な助言を行い、かつ大規模改修工事に的確に対応できるのは、その実績と蓄積されたノウハウを有し、都における障害者スポーツの唯一の統括団体である従前の指定管理者のみであります。このことから、従前の指定管理者を引き続き特命により候補者として選定したところでございます。
 なお、お手元配布の資料第二号につきましては、提出させていただきます会議案となりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 以上で今定例会に提出を予定してございますオリンピック・パラリンピック準備局関係の議案五件につきまして説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、資料要求させていただきます。
 今回議案となっている各施設の指定管理者となる予定の事業者とその構成団体を一覧表で。
 二つ目に、各事業者が提出した事業計画、また各施設の指定管理料の推移、過去十年間。
 以上、よろしくお願いいたします。

○植木委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○植木委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○多羅尾生活文化局長 平成二十七年第四回定例会に提出を予定しております生活文化局関係の議案についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、条例案三件でございます。私から、議案の概要をご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第1号、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案の概要をごらんください。
 表紙をおめくり願います。今定例会に提出を予定している条例案三件をお示ししております。
 1、東京都情報公開条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、東京都特定個人情報の保護に関する条例の制定及び改正行政不服審査法の施行を踏まえ、所要の改正を行うものでございます。
 続きまして、2、東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例も情報公開条例と同様に、東京都特定個人情報の保護に関する条例の制定及び改正行政不服審査法の施行を踏まえ、所要の改正を行うものでございます。
 続きまして、3、東京都特定個人情報の保護に関する条例の新設でございます。
 本条例は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行等を踏まえ、都における特定個人情報の保護等に関する事項を定めるものでございます。
 詳細につきましては、引き続き、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○武市総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 局長からの概要説明に引き続きまして、私から、今定例会に提出を予定しております議案の詳細についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の配布資料の第1号、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案の概要の表紙と目次をおめくりいただき、一ページをお開き願います。1、東京都情報公開条例の一部を改正する条例でございます。
 (1)、改正理由をごらんください。本条例は、東京都特定個人情報の保護に関する条例の制定を踏まえ、非開示情報に特定個人情報を加えるとともに、改正行政不服審査法の施行を踏まえ、所要の改正を行うものでございます。
 (2)、改正内容をごらんください。〔1〕、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法の施行に伴う改正でございます。改正内容といたしましては、ア、開示請求の対象となる公文書の中に特定個人情報が含まれる場合を非開示事由として新設いたします。イ、裁量的開示の対象となる非開示情報から特定個人情報を除外する旨を追加いたします。
 次に〔2〕、改正行政不服審査法の施行に伴う改正でございます。主な改正点といたしましては、ア、不服申し立てを審査請求にするなど、文言の統一を図ること。イ、審理員による審理手続を適用除外とする規定を新設すること。ウ、不作為事件を東京都情報公開審査会への諮問対象に追加すること。エ、答申書の写しの審査請求人等への送付及び答申内容の公表を義務づけることなどでございます。
 続きまして、〔3〕、その他の改正でございます。東京都情報公開審査会に提出された資料の閲覧等の請求先を諮問庁から審査会に変更するものでございます。
 (3)、施行期日につきましては、記載のとおりでございます。
 続きまして、二ページをお開き願います。2、東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 (1)、改正理由をごらんください。本条例も情報公開条例と同様に、東京都特定個人情報の保護に関する条例の制定を踏まえ、非開示情報に特定個人情報を加えるとともに、改正行政不服審査法の施行を踏まえ、所要の改正を行うものでございます。
 (2)、改正内容をごらんください。〔1〕、番号法の施行に伴う改正でございます。改正内容といたしましては、ア、開示請求の対象となる公文書の中に他人の特定個人情報が含まれる場合を非開示事由として新設いたします。イ、裁量的開示の対象となる非開示情報から他人の特定個人情報を除外する旨を追加いたします。
 次に、〔2〕、改正行政不服審査法の施行に伴う改正でございます。主な改正点といたしましては、ア、不服申し立てを審査請求にするなど、文言の統一を図ること。イ、審理員による審理手続を適用除外とする規定を新設すること。ウ、不作為事件を東京都個人情報保護審査会への諮問対象に追加すること。エ、答申書の写しの審査請求人等への送付及び答申内容の公表を義務づけることなどでございます。
 続きまして、〔3〕、その他の改正につきましては、ア、東京都個人情報保護審査会に提出された資料の閲覧等の請求先を諮問庁から審査会に変更すること。イ、開示請求の決定期限についての特例延長規定を追加すること。ウ、情報公開条例と同様に、請求の趣旨が損なわれない場合に限って一部開示決定を行う旨の規定を追加することでございます。
 施行期日につきましては、記載のとおりでございます。
 続きまして、三ページをお開き願います。3、東京都特定個人情報の保護に関する条例の新設でございます。
 (1)、新設理由及び内容をごらんください。本条例は、番号法の施行等を踏まえ、都における特定個人情報の保護等に関する事項を定めるものでございます。
 条例の主な内容でございますが、〔1〕、番号法において規定されている特定個人情報の定義を、実務に合わせて、特定個人情報、保有特定個人情報、評価対象特定個人情報の三つに整理すること。〔2〕、マイナンバー及び特定個人情報の利用を法定の場合のみに限定すること。〔3〕、都が保有する特定個人情報の開示等を実施するため、東京都個人情報の保護に関する条例において認められていない任意代理人による開示請求等を認める規定や、他人の特定個人情報を非開示情報とする規定などを整備すること。〔4〕、個人番号利用事務等について委託を受けた者が、再委託を行うことができる旨を規定すること。〔5〕、特定個人情報保護評価の実施について具体的に規定することなどでございます。
 (2)、施行期日につきましては、平成二十八年一月一日などとしております。
 なお、特定個人情報などの用語につきましては、(3)、用語の説明をご参照願います。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○植木委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二七第五一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤私学部長 公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております陳情審査説明表の一ページをごらん願います。
 陳情二七第五一号、立川市の東京都公立高等学校定通PTA連合会会長高倉由紀さんから提出された、平成二十八年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、公立高等学校定時制通信制の教育振興のために、都における奨学金制度の整備拡充を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、東京都では、勉学意欲がありながら、経済的な理由により修学が困難な生徒に対しまして、東京都育英資金条例に基づき育英資金貸付事業を実施し、教育を受ける機会の確保を図っております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○今村委員 それでは、私の方から、質疑と一部意見表明をさせていただきたいというふうに思います。
 ただいまご説明のありました東京都育英資金の状況でありますけれども、過去五年間の状況について、貸し付けの人員がどのように推移をしているのか確認したいと思いますので、お願いいたします。

○加藤私学部長 東京都育英資金は、都内在住の国公私立の高校生等を対象にした奨学金の貸付制度でございます。
 その貸付人員は、平成二十二年度、五千八百八十六人、二十三年度、六千九十四人、二十四年度、六千二百十二人、二十五年度、六千四十八人、二十六年度、五千七百六人となっております。

○今村委員 ちょうど今ご説明いただいた五年前から高校無償化等が始まったわけでありますけれども、そういった中においても、多少の増減はありますが、一時ふえているものが、また減ってきているようであります。
 こういった近年の貸付人数が微減をしているという状況でということが確認できましたけれども、その原因について、都はどのように考えているのか伺いたいと思います。

○加藤私学部長 都では、例えば私立学校に関しましては、私立高等学校等特別奨学金及び就学支援金により授業料の一部を助成することで、負担の軽減に努めてきております。
 また、平成二十六年度からは、特別奨学金及び就学支援金を充実させるとともに、低所得世帯に対する私立高等学校等奨学給付金の新設により、授業料以外の教育費負担の軽減を図っております。
 育英資金の貸付人員につきましては、さまざまな要因がかかわっていると考えられますため、特定の原因を挙げることは困難ですが、先ほど申し上げた各種補助制度の充実や、景気が回復基調にあることなどが影響していると思われます。

○今村委員 奨学金等、また育英資金等の制度は、子供たちが生まれ育った環境に左右されず、将来に向け安心した教育が受けられるよう、教育の機会は均等であるとの理念のもと実施されてきたと考えます。
 知事も、貧困の連鎖が続かないよう、そして格差が世代間で継承されないことが大切で、現在の奨学金等は有利子のものが多いので、与えるものをふやすべきではないかということを公表しております。また、先日の報道で、OECD加盟国中、我が国の教育費支出割合が最下位であるということでありました。
 そうしたことからも、維持は当然でありますけれども、知事のいうように、給付をふやす、または、その後の進路によっては返却の負担が軽減される制度などを、ぜひご検討いただきたいというふうに考えます。
 よって、本陳情第六項は趣旨採択すべきであると考え、以上、質疑を終了いたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、本件は教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第五一号は継続審査といたします。

○植木委員長  次に、陳情二七第六六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鳥田文化振興部長 ヘブンアーティスト事業に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております陳情審査説明表の二ページをごらんください。
 陳情二七第六六号、世田谷区、戸田玲子さんからのヘブンアーティスト事業を公正、公平にすることに関する陳情でございます。
 要旨でございますが、都において、ヘブンアーティスト事業について、次のことを実現していただきたい。
 1、東京都のヘブンアーティストのホームページに、某アーティストのホームページのリンク先や、同じくフェイスブックに載っている画像、動画や、同一アーティストにかかわる記事が多く、偏りが目立つので公平に掲載すること。
 2、苦情の来た(物販禁止事項等)アーティストのヘブンアーティストTOKYO等の出演をさせず、資格を更新しないこと。
 3、物販禁止事項等に違反したアーティストに対し、過去にさかのぼって罰則を科すこと。
 4、担当課以外の関連局及び都の関連施設に持ち込まれた物販禁止等にかかわる証拠も、担当課と同様に公正に扱われるようにすること。
 5、物販禁止違反等の事実を調べる委員会(仮称)をつくって調査をすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、1については、ヘブンアーティスト事業は、都がライセンスを与えたアーティストに公共空間を開放し、都民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供することを目的としており、事業の実施に当たっては、アーティスト情報を公平に紹介するなど、これまでも適切な運営を行っております。
 2から5については、都は、物品販売の禁止その他遵守事項等を明示したヘブンアーティストライセンス取扱要領を定め、これまでも状況に応じアーティストの指導等必要な措置を講じており、陳情者に対してもその旨繰り返し説明を行っているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いします。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第六六号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○植木委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中井教育長 平成二十七年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、条例案でございますが、学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外二件でございます。
 次に、契約案でございますが、都立南花畑学園特別支援学校(仮称)(二十七)改築工事請負契約外一件でございます。
 次に、事件案一件についてでございますが、東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定についてでございまして、地方自治法の規定に基づき、同センターの指定管理者を指定するものでございます。
 次に、諮問一件についてでございますが、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関するものでございまして、審査請求人から東京都知事に対して、都教育委員会が行った退職手当支給制限処分の取り消しを求める審査請求がございましたので、知事が議会に諮問し、答申をいただくものでございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○堤総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、お手元の資料、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案(条例)に基づき、条例案をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は三件でございます。
 一ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都人事委員会勧告等を踏まえ、今年度の公民較差に基づく学校職員の給料の改定などを行うものでございます。
 恐れ入ります。少し飛びますが、一一ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の概要を記載してございます。
 この概要により、内容につきましてご説明させていただきます。
 1、公民較差等に基づく学校職員の給与改定についてでございます。
 (1)は、教育職給料表を東京都人事委員会から勧告された給料表に改定するものでございます。
 (2)は、特別給の支給月数を東京都人事委員会から勧告された月数に改定するものでございます。
 次に、2、その他の制度改正についてでございます。
 (1)は、地方公務員法の一部改正に伴い、等級別基準職務表を新たに定めるものでございます。
 (2)は、行政不服審査法の全部改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 (3)は、2、その他の制度改正、(1)による等級別基準職務表の新設に伴い、教育職給料表の表番号が別表第一から別表第二に変更となるため、本条例の附則により、義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の規定を整備するものでございます。
 施行日は、それぞれ記載の日を予定しております。
 恐れ入りますが、二二ページをお開き願います。都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 二四ページの新旧対照表をお開き願います。公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行等を踏まえ、介護補償の限度額及び補償基礎額を改定するものでございます。
 施行日は、公布の日からとしております。
 二六ページをお開き願います。東京都立多摩社会教育会館条例を廃止する条例でございます。
 東京都立多摩社会教育会館を廃止するものでございます。
 施行日は、平成二十九年一月一日からとしております。
 以上で条例案のご説明を終わります。
 続きまして、お手元の資料、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案(契約)に基づき、契約案をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております契約案は二件でございます。
 一ページをお開き願います。都立南花畑学園特別支援学校(仮称)(二十七)改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は百三億四千八百五十六万円、契約の相手方は東京都新宿区西新宿四丁目三十二番二十二号、フジタ・日本・共立・岡建建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成三十二年二月二十七日まででございます。
 三ページから一三ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、一四ページに契約議案の概要を記載してございます。
 一五ページをごらん願います。都立小金井特別支援学校(二十七)改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二十八億九千二百二十四万円、契約の相手方は東京都中央区京橋一丁目六番十一号、関東・菊池・関建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成三十年一月十五日まででございます。
 一七ページから二三ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、二四ページに契約議案の概要を記載してございます。
 以上で契約案のご説明を終わります。
 続きまして、お手元の資料、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案(事件)に基づき、事件案をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております事件案は、東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定についての一件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都立埋蔵文化財調査センターでは、都における埋蔵文化財の発掘調査に伴う出土品と調査記録等を保管するほか、隣接する遺跡庭園の保全管理や出土品等の展示による普及事業を行っております。
 今回、地方自治法の規定により、公の施設である同センターの管理を行わせる者を指定するものでございまして、指定管理者は公益財団法人東京都スポーツ文化事業団、所在地は東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目十七番一号、指定期間は平成二十八年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの五年間でございます。
 以上で事件案のご説明を終わります。
 続きまして、お手元の資料、平成二十七年第四回東京都議会定例会議案(諮問)に基づき、諮問についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております諮問は、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問についての一件でございます。
 一ページに諮問文を、二ページに審査請求の趣旨等を記載してございます。
 三ページをお開き願います。諮問の詳細につきましてご説明をいたします。
 一及び二は、審査請求人の氏名及び請求の年月日でございます。
 三は、審査請求の趣旨及び理由でございます。
 (一)の審査請求の趣旨は、東京都教育委員会が審査請求人に対し、平成二十五年一月十七日に行った職員の退職手当に関する条例に基づく退職手当支給制限処分の取り消しを求めるというものでございます。
 (二)の審査請求の理由は、本件処分は誤った事実認定に基づいてなされているため違法であるというものでございます。
 四が経緯でございます。本件処分を行った経緯を時系列に沿って記載してございます。
 (一)でございますが、請求人は、区立小学校の教諭であった平成二十三年五月十九日未明に、当時同校第六学年の宿泊行事中に女子児童が就寝している部屋に入り、女子児童Aの体を直接触るとともに、別の部屋で別の女子児童Bの体を直接触りました。また、同月二十日未明にも、女子児童が就寝している部屋に入り、再び女子児童Aの体を触ったというものでございます。
 (二)でございますが、このことから処分庁である都教育委員会は、平成二十五年一月十七日付で、地方公務員法の規定に基づき、請求人を懲戒免職処分とするとともに、退職手当条例の規定に基づき本件支給制限処分を行いました。
 (三)でございますが、これに対し請求人は、平成二十五年二月十九日付で、本件懲戒免職処分に係る審査請求を東京都人事委員会に対して提起するとともに、同月二十五日に、本件支給制限処分に対する審査請求を東京都知事に対して提起しました。
 五は、審査請求に対する処分庁の考え方でございます。
 (一)でございますが、処分庁である都教育委員会は事実を適正に認定しており、処分に違法はないと考えております。
 (二)でございますが、懲戒処分を不服として人事委員会に申し立てた審査請求は棄却されております。
 (三)でございますが、本件処分に関して事実の誤認はなく、懲戒免職相当の非違行為があったことは明らかであり、請求人の、看過しがたい事実誤認があり違法であるとの主張には根拠がございません。
 (四)でございますが、本件処分は、退職手当条例に規定する非違行為の内容などの事情を勘案して決定したものであり、妥当であると考えております。
 以上により、本件審査請求には理由がないことから、棄却の決定が相当であると考えております。
 六は、人事委員会裁決の経過を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、二点、資料要求させていただきます。
 埋蔵文化センターの人員体制、部署別に雇用形態別の職員、学芸員の人数。
 二点目に、同センターの指定管理料の推移、過去十年間。
 よろしくお願いいたします。

○植木委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○植木委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都教育施策大綱について、お手元に配布しました報告事項、資料1によりご報告申し上げます。
 本年四月に施行されました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、地方公共団体の長は、新たに、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めること、また、その策定に当たっては、教育委員会と総合教育会議において協議することとされました。
 都におきましては、六月、九月、十一月と三回の総合教育会議を開催し、これを受け、十一月二十日に知事が大綱を策定したものでございます。
 なお、大綱は施策の目標や根本となる方針を定めるものとされております。
 恐れ入りますが、東京都教育施策大綱の表紙をおめくりいただき、目次をごらんいただきたいと思います。
 大綱は三章構成となっており、第1章で大綱が目指す子供たちの将来像、第2章で特に重要で優先的に取り組むべき七つの重点事項と、それらをめぐる今日的状況、そして、第3章で重点事項に係る今後の取り組みを示しております。
 二ページをごらんください。大綱の基本的な考え方でございます。
 大綱は、東京都長期ビジョンで掲げる十年後の東京で活躍する子供たち、さらにはその先の二〇四〇年代を支える子供たちを着実に育成するため、平成二十九年度までの三年間で取り組むべき教育の根本的な方針を示すとしております。
 九ページをごらんください。大綱で定める七つの重点事項に係る今後の取り組みでございます。
 重点事項Ⅰ、個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実です。
 これについてですが、個々の子供たちの習熟度には依然として大きな差があり、基礎学力向上に向けた一層の取り組みが必要であることや、これからの時代を見据え、新たな時代に対応した教育へ改善することなどが必要となっております。
 そのため、基礎、基本を確実に習得するための習熟度別指導の推進、能動的な学習であるアクティブラーニングの導入、科学的思考力を育成するための理数教育の推進、学力等の教育効果向上に向けたICT機器の活用などの検討に取り組んでまいります。
 一〇ページをごらんください。重点事項Ⅱ、社会的自立を促す教育の推進ですが、礼節を重んじ、他者を思いやるなど、海外からも高く評価されている日本人のよき行動規範を子供たちに確実に伝えることや、金融、経済など、子供たちが将来直面する課題に対し、正しい知識や、これらを活用する力を身につけさせることが重要となっております。
 そのため、豊かな心を育てる道徳教育の推進、主権者教育、金融経済教育、税財政教育など、自立的で自分らしい生き方を実現するキャリア教育の推進、学校や家庭、地域が一体となった防災教育の推進などに取り組んでまいります。
 一一ページをごらんください。重点事項Ⅲ、世界で活躍できる人材の育成でございます。
 経済、産業、文化など、あらゆる分野で国際化が進展している今、日本人としてのアイデンティティーを確立し、豊かな国際感覚を醸成するとともに、多様性を受け入れる力を育成する教育を充実させることなどが必要となっております。
 そのため、使える英語力を身につける英語教育の推進や、英語村の開設、日本の伝統文化を体験したり、理解するなどの、日本人としての自覚と誇りを涵養する取り組みの充実、国際交流の拡大などによる国際感覚の醸成、世界で活躍できる人材を育成する都立学校の設置などに取り組んでまいります。
 一二ページをごらんください。重点事項Ⅳ、オリンピック・パラリンピック教育の推進です。
 東京大会は、子供たち一人一人の心と体に人生の糧となるかけがえのないレガシーを形成する絶好の機会でございます。
 そのため、全ての学校で、オリンピック・パラリンピック教育の展開、ボランティアを通じた自己肯定感の向上や、障害者理解の促進などに取り組んでまいります。
 一三ページをごらんください。重点事項Ⅴ、不登校、中途退学対策ですが、不登校、中途退学は、就労など子供たちの将来に大きなマイナスの影響を与えることが多く、教育上の視点だけでなく、社会経済的視点からも看過できない問題となっております。
 そのため、学校の指導体制の充実、高校でのチャレンジスクールの拡充などに加え、福祉や労働など、関係機関との連携にも取り組んでまいります。
 一四ページをごらんください。重点事項Ⅵ、子供たちの健全な心を育む取り組みですが、いじめや暴力行為などには、子供たちの心の問題や人間関係など、さまざまな要因があり、学校だけではなく社会全体で受けとめ、子供たちの心のケアや立ち直りを支援する取り組みが必要となっております。
 そのため、いじめ等の防止に向けた学校での組織的な取り組みを推進するとともに、学習への弊害や陰湿ないじめの温床となるSNSなどの適正な使い方について、学校、家庭などが一体となって進め、啓発などに取り組んでまいります。
 一五ページをごらんください。重点事項Ⅶ、特別支援教育の推進ですが、障害の種類と程度に応じた教育内容の充実や、発達障害のある子供たちへのきめ細かな取り組みなどが必要となっております。
 そのため、自立と社会参加に向けた職業教育や就労支援のさらなる充実、小中学校への特別支援教室の導入など、子供たちの教育環境の充実に取り組んでまいります。
 今後、この大綱をもとに施策の具体化に向けて取り組んでまいります。
 報告は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○出張教育改革推進担当部長 去る十一月二十六日、東京都教育委員会が公表いたしました都立高校改革推進計画・新実施計画(案)の骨子につきまして、お手元にございます資料2によりご報告申し上げます。
 表紙をおめくりください。
 一ページをごらんください。まず、都立高校改革推進計画の経緯についてですが、都教育委員会では、平成九年九月に都立高校改革の長期計画である都立高校改革推進計画を策定し、一人一人の生徒の多様性に対応した弾力的な教育を実施してまいりました。
 その後、平成二十三年九月に都立高校白書を作成し、都立高校の現状と課題を明らかにした上で、平成二十四年二月に十年間の長期計画となる新たな都立高校改革推進計画を策定いたしました。
 あわせて、当初、四年間の具体的な計画である第一次実施計画を策定し、都立高校のさらなる改革に取り組んでおります。
 二ページをごらんください。学力スタンダードの策定など、第一次実施計画の主な取り組みを掲載しております。
 三ページをごらん願います。(1)で、都立高校を取り巻く状況を示し、(2)で、都立高校改革推進計画の一部改定及び新実施計画の策定の必要性について、四ページにかけて記載しております。
 大学入試改革及び次期高等学校学習指導要領への対応やグローバル人材の育成に向けた取り組みの強化など、新たな課題に向き合い、よりよい都立高校を目指していくためには、教育内容の充実や教育環境の整備に向けて、中長期的視点に立ち、これまでの枠組みにとらわれない広範な取り組みが必要でございます。
 そのため、現在の都立高校改革推進計画を一部改定するとともに、今回策定する実施計画につきましては、第一次実施計画に引き続く第二次実施計画としてではなく、新たな取り組みを数多く盛り込んだ新実施計画として策定し、さらなる改革に取り組んでまいります。
 四ページをごらんください。(3)で、都立高校改革推進計画及び新実施計画の基本的な考え方について記載しております。
 本計画は、教育基本法の理念を踏まえ、都立高校が生徒を真に社会人として自立した人間に育成することを目的とし、この目的を具現化するため、教育内容、学校設置・課程改善等、教育諸条件の観点から三つの目標を定めるとともに、目標を達成するため、全ての生徒に個に応じた適切な学びを提供し、本人の希望、適正に応じた進学、就職につなげる学校づくりの徹底を基本的な考え方として各施策を展開してまいります。
 なお、新実施計画の計画期間につきましては、第二次実施計画として予定しております平成二十八年度から平成三十年度までの三年間といたします。
 五ページをごらん願います。計画の全体像を示す施策体系を掲載しております。
 一番左側に計画の柱となる三つの目標を記載し、十五の具体的な目標と平成三十三年度までの四十二の取り組みの方向を設定しております。
 七ページをごらんください。このページ以降、具体的な目標ごとに現状と課題及び取り組みの方向を掲載しております。本日は、取り組みの方向の主なものをご説明させていただきます。
 まず、社会的自立に必要となる知、徳、体の育成のうち、知の部分についてでございます。
 右側の八ページになりますが、(2)、個の状況に応じた学力向上の支援として、学び直しのための基礎的な科目の開発を行うとともに、個に応じた学び直し学習を支援するため、外部人材を活用した学習環境の充実を図ってまいります。
 九ページをごらん願います。2のICTを活用した学習の充実として、タブレットパソコンの特徴を生かした授業改善を図り、生徒の主体的で能動的な学習により学習向上を目指すICTパイロット校を指定してまいります。
 また、3の科学技術分野に関心と知識を持つ生徒の育成として、中高一貫教育校のうち一校を理数アカデミー校に指定し、六年間を見通した系統的な理数教育を推進してまいります。
 一〇ページをごらんください。徳の部分についてでございます。
 4の道徳教育の推進と規範意識の育成として、道徳教育とキャリア教育の一体化を図った、人間としてのあり方、生き方に関する新教科、人間と社会を開発し、平成二十八年度から全ての都立高校で実施してまいります。
 一二ページをごらんください。体の部分についてでございます。
 一番下の7の基礎体力や競技力の向上として、一枚おめくりいただき、一三ページになりますが、今年度に指定したスポーツ特別強化校におきまして、複数の運動部活動が全国大会や関東大会へ出場することを目的として競技力の向上を図るとともに、競技人口の少ない運動部活動の普及、活性化に取り組んでまいります。
 一四ページをごらんください。グローバル人材の育成についてでございます。
 一枚おめくりいただき、一五ページになりますが、1の使える英語力の育成として、進学指導重点校や中高一貫教育校等の中から英語教育推進校(仮称)を指定し、四技能、聞く、話す、読む、書くのうち、聞く、話すを特に強化するなど、個々の生徒へのきめ細かい指導を展開してまいります。
 一七ページをごらんください。オリンピック・パラリンピック教育の推進についてでございます。
 全ての都立高校で、オリンピック・パラリンピックの精神、スポーツ、文化、環境の四つのテーマと、学ぶ、見る、する、支えるの四つのアクションを組み合わせたプログラムを展開してまいります。
 一九ページをごらんください。社会的、職業的自立意識の醸成についてでございます。
 2の社会貢献意識とその実践力の育成として、二〇ページにかけて記載しておりますが、防災ブック「東京防災」と連係した防災ノート「東京防災」の活用を通して、学校と家庭が一体となった防災に関する取り組みを進めてまいります。
 二二ページをごらんください。国際色豊かな学校の拡充についてでございます。
 1の新国際高校(仮称)の設置検討について、目黒区にあります都立国際高校の入学者選抜の応募倍率が高いことを踏まえまして、都心部への新国際高校の設置を検討してまいります。
 二三ページをごらん願います。2の中高一貫教育校の充実として、中高一貫教育校のうち一校におきまして、日本人としてのアイデンティティーを育むとともに、国際交流や英語教育などに重点を置いた特色のある教育のさらなる充実を図ってまいります。
 また、3の小中高一貫教育校の設置として、中高一貫教育校のうち一校におきまして、附属小学校を設置し、早い時期から帰国児童生徒や外国人児童生徒とともに学ぶ国際色豊かな環境を整備してまいります。
 二四ページをごらんください。専門高校等の改善についてでございます。
 1の専門高校等の改善、充実について、平成三十年度を目途に、地域企業の求める人材の育成につながるデュアルシステム科を工業高校二校に設置してまいります。
 また、2の保育や介護の分野などを学ぶ学校の整備として、不足が見込まれる保育人材の育成を図るとともに、入学者選抜の応募倍率が高い調理師養成課程を有する家庭科及び超高齢化社会に対応した介護人材の育成を図る福祉科のある学校を設置してまいります。
 二五ページをごらんください。定時制課程、通信制課程の改善についてでございます。
 1の定時制課程の改善として、二十三区内及び多摩地区での新設を含めたチャレンジスクールの規模拡大を図りまして、不登校経験のある入学希望者がより多く入学できるよう、適正な規模と配置を実現してまいります。
 あわせて、昼夜間定時制につきましても、より多くの入学希望者が入学できるよう、受け入れ規模を拡大してまいります。
 また、これらの規模拡大と並行しまして、近隣の夜間定時制課程を閉課程し、全日制、定時制併置校が抱えるさまざまな制約を解消してまいります。
 二八ページをごらん願います。今ご説明を申し上げました学校の設置等の内容につきまして、具体の学校名及び都立高校等の新配置計画、学科の改編、学校の指定として示しております。
 二九ページをごらんください。組織的な学校経営の強化についてでございます。
 2の外部人材の活用として、校内で中心となって連絡調整や会議の運営等を担う教員の指定などにより、保護者、地域住民、関係機関等で構成する学校サポートチームとの連携を強化することで、迅速かつ適切に生徒の問題に対応できる体制づくりを推進してまいります。
 少し飛びますが、三六ページをごらん願います。課題を抱える生徒の自立に向けた支援の充実についてでございます。
 一枚おめくりいただきまして、最終ページ、三七ページになりますが、3の自立支援チーム(仮称)による支援の実施として、スクールソーシャルワーカー等による自立支援チームを創設し、中途退学の未然防止の取り組みや、中途退学者や進路未決定卒業生への就労等に向けた切れ目のない支援、いじめや不登校の問題への対応を行ってまいります。
 以上、計画案の骨子につきまして概要をご説明させていただきました。
 最後に、今後の予定でございますが、現在、この骨子に対して広く都民から意見を募集しているところでございまして、それらを踏まえまして、来年二月を目途に都立高校改革推進計画及び新実施計画を策定したいと考えているところでございます。
 ご報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 昨日、東京都教育委員会が公表いたしました東京都発達障害教育推進計画(案)の骨子につきまして、お手元にございます資料3によりましてご報告申し上げます。
 一ページをごらん願います。まず、計画策定の背景でございます。
 発達障害の児童生徒への支援につきましては、平成十七年の発達障害者支援法の施行や、障害者の権利に関する条約の批准、来年四月に施行となります障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の制定など、近年の国の動向がございます。
 また、都におけるこれまでの取り組みといたしましては、平成十六年度に策定しました東京都特別支援教育推進計画の実現に向けた三次にわたる実施計画の中で、発達障害教育に関する施策を推進してまいりました。
 二ページをごらん願います。(3)で現状と課題について、(4)で本計画策定の必要性について記載しております。
 また、2に計画の理念と計画策定の視点を示しております。
 発達障害の全ての児童生徒が将来の自立と社会参加を実現でき、また、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がともに学び合うことができるよう、多様な教育体制の整備、指導内容・方法の充実、推進体制の充実の三つの視点から具体的施策を展開してまいります。
 三ページに、3といたしまして、計画の性格を記載しております。
 本計画は、発達障害教育の充実に必要な施策を盛り込んだ今後の取り組みを明らかにする総合的なものでございまして、平成二十八年度から三十二年度までの五年間を計画期間としております。
 四ページをごらん願います。計画の全体像を示す施策体系を掲載しております。
 計画策定の視点を踏まえ、学校校種ごとの施策と、学校種別にかかわらず取り組む施策に分けまして、十一の中分類により二十八の取り組みの方向を設定しております。
 五ページをごらん願います。このページ以降、中分類ごとに現状と課題及び取り組みの方向を掲載しております。本日は、取り組みの方向の主なものをご説明させていただきます。
 初めに、小中学校における発達障害教育体制の推進として、中段にございますとおり、小中学校における特別支援教室の設置を促進してまいります。
 小学校におきましては、平成二十八年度からの円滑な導入に向けて区市町村を支援してまいります。
 また、中学校におきましては、特別支援教室の導入に向けてモデル事業を実施いたしまして、中学校における巡回指導体制のあり方等の検討を行ってまいります。
 六ページをごらん願います。小中学校における指導内容の充実と組織的な対応といたしまして、学習のつまずきを把握するアセスメント方法を確立してまいります。
 また、通常の学級における個別指導の内容、方法に関する指導資料を作成し、小中学校における発達障害の児童生徒の指導、支援を充実してまいります。
 八ページをごらん願います。小中学校における支援の充実についてでございます。
 医師やスクールソーシャルワーカー、臨床発達心理士等の外部専門家の活用について研究いたしますとともに、特別支援学校のセンター的機能を活用し、区市町村教育委員会と一層連携の上、児童生徒への指導、支援の充実を図ってまいります。
 九ページをごらん願います。高等学校における発達障害教育を行うための方策についてでございます。
 高校におきましては、教育課程外での特別な指導、支援を行う仕組みの構築に取り組んでまいります。
 一〇ページをごらん願います。高等学校における指導内容の充実と組織的な対応についてでございます。
 対人関係やコミュニケーション等が苦手な生徒に対し、社会性を身につけられる指導や、現場実習を含むキャリア教育を実施できるよう、学校設定教科、科目について実践的に研究開発を行い、各高校に在籍する生徒の状況に応じて活用できるようにしてまいります。
 一一ページをごらん願います。高校における支援の充実についてでございます。
 小中学校と同様に、医師やスクールソーシャルワーカー、臨床発達心理士等の外部専門家の活用に関する研究や、特別支援学校のセンター的機能の活用を図ってまいります。
 一二ページをごらん願います。研修の充実についてでございます。
 職層や経験に応じた研修の中で、発達障害に関する知識や、通常の学級における発達障害の児童生徒とのかかわり方などの基本的な事項を組み込み、教員の資質、能力の向上を図ってまいります。
 また、発達障害教育を中心となって担う教員を対象とする研修を行い、専門性の向上を図ってまいります。
 一三ページをごらん願います。人材育成、人材確保についてでございます。
 特別支援学校と小中学校の教員の異校種期限つき異動を促進することにより、発達障害に関する知識を深めるとともに、発達障害教育に対する意識が高く、特別支援教育に必要な資質、能力を持った教員を確保するため、公募人事を行ってまいります。
 一四ページをごらん願います。発達障害教育に不可欠な知識、能力を備えた人材の養成についてでございます。
 都独自で行っております教師養成塾において、発達障害教育に関する講義、演習などを行うことにより、教員を目指す学生に対する理解啓発を図ってまいります。
 一五ページをごらん願います。継続した支援の充実についてでございます。
 発達障害は、早期に発見し継続的に適切な指導、支援を行うことで、円滑な就学や社会適応につながりやすくなることから、継続した支援の充実策として、学校間や関係機関との連携を一層強化するためのガイドラインを作成し、一貫性のある継続した支援を図ってまいります。
 また、教育と保健、医療、福祉、労働の関係機関が協議する場を設け、さらなる相互連携のあり方を検討してまいります。
 一六ページをごらん願います。発達障害教育に係る理解の促進についてでございます。
 発達障害の児童生徒を適切な指導、支援につなげるために、児童生徒や保護者を初め、広く都民を対象に発達障害教育に関する説明会を実施してまいります。
 あわせて、就学を控えた五歳児の保護者を対象に理解促進用パンフレットを配布し、円滑な就学と適切な指導、支援につなげてまいります。
 以上、計画案の骨子につきまして概要をご説明させていただきました。
 最後に、今後の予定でございますが、現在、この骨子に対して広く都民から意見を募集しているところでございます。寄せられました意見を踏まえまして、来年二月を目途に東京都発達障害教育推進計画を策定したいと考えてございます。
 ご報告は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、三点、資料要求させていただきます。
 まず、閉課程の予定の定時制四校の現在の定員と学級数及び閉課程に対応して定員増する学校のそれぞれの増定員数及び学級数。
 二点目に、通信制高校の入学生数及びその中で中学校卒業後すぐに入学した生徒の人数、過去十年間、お願いします。
 三点目に、特別支援学校のセンター校一覧と特別支援コーディネーターの配置状況、どの学校に何人配置されているかお示しください。
 よろしくお願いします。

○植木委員長 ほかにありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ただいま里吉副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○植木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二七第七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○伊東指導部長 請願二七第七号、東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する請願についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の表紙をおめくりいただき、さらに一ページをお開き願います。
 本請願は、文京区の東京の英語教育をよくする会の代表瀧口優さん外千七百七十四人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、平成二十八年度から実施される中学校英語少人数指導について、二学級三展開だけではなく、一学級二展開の少人数指導の道も開いていただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、少人数指導については、二学級三展開を基本とし、二十五人以下の編制が望ましいとしております。
 しかし、各学校からの申請に基づき、各学校の状況を踏まえた上で一学級二展開とすることや、単元導入時等にチームティーチングを組み合わせて実施することも認めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、請願二七第七号、東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する請願についてお伺いしてまいります。
 この請願は、来年度から実施される中学校英語少人数指導について、二つの学級を三つに分ける二学級三展開だけでなく、一つの学級を二つに分ける一学級二展開の少人数指導の道を開くことを求めたものです。
 そこでまず、基本的なことからお伺いいたします。
 少人数指導を行うためには先生の人数が多く必要になるわけですが、都教育委員会は、国の加配定数を利用して、学校からの申請に基づき教員の加配を行っていると思いますが、現在、中学校への教員加配にはどのようなものがありますか。教科別、それぞれ何人を何校に加配しているのか伺います。

○江藤人事部長 平成二十七年度に習熟度別指導を実施するに当たり、英語は三百四十八人を三百四十七校に、数学は四百九十八人を四百九十八校に、理科は七十六人を七十六校に加配しております。

○里吉委員 都内の中学校数は六百二十一校ですから、英語の場合は三百四十七校、来年度も二十数名ふやす予定と伺っておりますので、半分強の学校に一人ずつ加配を行っているということです。
 これらの加配は昨年までも行われており、都教育委員会は一学級を二人の先生で教えるチームティーチングにも少人数指導の加配を行ってきました。
 しかし、今回示されているこの東京方式では、基本的にチームティーチングではなく、少人数、習熟度別授業を行うこととしております。なぜ少人数、習熟度別に限定しているのか、その理由を伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導におきまして、聞く、話す、読む、書くなどのコミュニケーション能力を総合的に育成するためには、生徒一人一人が実際に英語を使用して活動する機会を十分に確保することが重要でございます。
 こうしたことから、チームティーチングよりも、少人数学習集団による指導が有効であると考えております。

○里吉委員 学習集団を小さくすることが有効だとのことでした。その学習集団を小さくする場合に、今回の東京方式では、基本的に二学級三展開にすることになっていることから、学校現場ではさまざまな難しい問題が生じていて、今回の請願につながっているわけです。
 同じ少人数でも、一学級二展開だったら、よりきめ細かく効果的な学習ができる場合も少なくないと思います。二学級三展開する学校や学年があってもいいけれども、一学級二展開も認めてほしいというのが今回の請願です。
 この会には中学校の英語の先生もたくさん加わっていらっしゃるとのことで、また、一学級二展開も認めてほしいというのは校長会などからも要望を承っておりますので、学校現場の共通の願いなのだと感じております。
 お話を伺いますと、特定の授業だけ学級のまとまりを崩す二学級三展開では、安心して学習に取り組める学習集団を成り立たせ、また、学習効果を上げようと先生方は努力するわけですが、本当に大変な困難と苦労が伴うとのことでした。
 例えば、学校には当然課題を抱える生徒もおりますし、場合によってはいじめなどの人間関係も大変複雑な場合もあります。毎年のクラス編制では、先生方は、学力の平均化はもちろん、そうした生徒のさまざまな状況に配慮して、考えに考え抜いてクラス編制を行って、行事などでクラスの団結を図るなどして、生徒が気持ちよく勉強でき、また成長できる学級づくりに心を砕いているそうです。
 ところが、習熟度別の二学級三展開の場合、主に学力のみを基準にして学習グループをつくらなければいけないので、その集団が崩れてしまうという弊害があるとのことです。このことに対する都教育委員会の認識を伺います。

○伊東指導部長 都教育委員会は、少人数、習熟度別指導を実施するための学習集団を編制するに当たりましては、各学校において、教員が生徒それぞれの人間関係を的確に把握するとともに、生徒本人への面談や家庭との連携などにより、適切に決定するよう指導しております。

○里吉委員 人間関係を把握して編制するように指導しているということで、都教育委員会の皆さんも、思春期の中学生の複雑な人間関係への配慮が必要なことは認識していらっしゃるんだと思います。
 実際、都教育委員会がつくっているこの東京方式を進めるに当たってガイドラインをつくっていらっしゃいますが、この中にグループの編制が四つ載っていました。そのうち三つまでは、生徒同士の人間関係上の課題等を考慮しつつ編制する方式というふうになっています。そう書いてあります。
 残りの一つは学力だけを基準に分けるやり方で、四つのやり方が載っておりました。
 現場の先生にお伺いしたところ、既に人間関係に配慮して編制されている一学級を二つに分ける方が、二学級を三つに組み合わせ直すよりはるかにやりやすいし、うまく分けることができるとのことでした。これは普通に考えてもそうだろうと思います。だとしたら、やはり一学級二展開も都教育委員会として認めていくべきではないでしょうか。
 また、英語の授業だけ二学級三展開の学習グループで、一から人間関係をつくらなければならないことが、都教育委員会が重視している実際に英語を使ってコミュニケーションする量をふやすことも難しくするんだというお話も現場の先生から伺いました。
 英語学習は翻訳マシンではありませんから、感情と切り離して言葉を発することはできません。生徒同士がペアで、またグループで話す場合も、違う学級の知らない相手同士ではなかなか言葉が出てこないそうです。特に学年三学級の場合は、二学級三展開の学級の組み合わせと一学級二展開の組み合わせを入れかえたりして、何回も組分けをすることが多いそうです。そうなると、さらに大変だというお話を伺いました。
 一学級二展開なら、既にさまざまな学級活動を通じて知り合った者同士なので、そこがスムーズに進みやすい、こういうお話でした。
 また、習熟度別授業で学力差のみに着目してグループ分けをすると、一瞬効果が上がる場合もあるとは思いますが、長期的に見ると必ずしもそうではないというのは大学の先生の研究結果などでも示されておりますが、現場の先生の経験でも、やはりそうだということなんですね。
 習熟度別グループを分けた場合、上中下という言葉は余り使いたくありませんが、勉強がおくれているクラスの場合、小さな充実感はあるが、劣等感を持ちやすい。やんちゃな子が集まって、席に座りなさいとか、教科書を出しなさいとか、生活指導だけで時間が過ぎてしまうこともあると。
 また、じっくり教えたいと思っても、進度をそろえなければいけないので難しい。こういうお話でした。真ん中のグループでは、自分もあんなふうに話せるようになりたいというモデルとなる生徒がなかなか存在しないので目標を持ちにくい。英語の得意なグループは他人よりぬきんでようという意識が強くなって、自分の力を他人のために使おうとする姿勢が弱くなりがちであるというお話も伺いました。
 このようなことを聞いて、東京都教育委員会は、この心配の声をどのように認識しているのか伺います。

○伊東指導部長 学習集団が編制される場合には、一般的に生活指導が大変な生徒や、リーダー性を持たない生徒ばかりが習熟の遅いコースに集まったりしているわけではございません。
 また、習熟の遅いコースにつきましては、指導力の高い教員を配置するなど、適材適所の対応を行っております。
 いずれにいたしましても、各学校におきましては、生徒一人一人の習熟の程度や生徒が直面する課題に寄り添い、丁寧な指導を展開しております。

○里吉委員 もちろん先生は頑張って教えていらっしゃると思います。生徒の習熟の程度や、生徒が直面する課題に寄り添って丁寧な指導をやっていると思います。
 でも、それであっても、今起きている学力差のみのグループ分けにはこうした懸念があることは否定できないわけですね。そもそも学校は、さまざまな子供たちが通っていて、どんな生徒でも受け入れて、その成長と発達を保障するために頑張っているところです。
 その中で、生徒同士の学力向上や人間的な成長を最も図ることができると思われる学級編制、集団づくりに先生方は心を砕いているわけです。学びというのは先生から教えてもらうというだけではなくて、仲間からの学びが一番大きいといいます。二学級三展開の習熟度別編制にこだわるのではなく、一学級二展開も含め、生徒の状況に合わせて、学校の判断で一番適切な形態の学習集団を編制しての少人数指導が望ましいのではないかと考えます。
 また、請願者の皆さんは、二学級三展開では、一グループが二十二人とか二十七人になってしまって、少人数とはいえないと。一学級二展開なら一グループが十五人に近づくので、英語教育に有効だとおっしゃっております。確かに、十五人の方が実際に英語を使う、先生と会話する機会もふやせることは明らかです。
 そこで、改めてお伺いしますが、一学級二展開ではなく、二学級三展開を基本としたのはなぜなのか伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導において一学級二展開を実施いたしますと、年間授業時数や学級数等の関係から、時間割りの編成や教室の確保が困難になる場合がございます。
 そのため、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る教員の加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう二学級三展開を基本としております。

○里吉委員 今のお答えを伺いますと、一学級二展開にしなかったのは、加配の人数もあると思いますが、教室の数など、物理的な理由によるものということですね。これは確認したいと思います。
 私は、都教育委員会が今おっしゃった物理的な理由は、学校の工夫、裁量でどうにでもなると思います。そもそも一学級二展開が二学級三展開より時間割りなどの制約が大きいというのは、本当にそうなのだろうかと疑問にも思いますし、例えば週四時間の英語のうち二時間は一斉授業で文法などの学習、二時間は一学級二展開にして実際の英語を話す活動をするなども考えられると思いますし、学校の裁量で一番効果的だと考えられるやり方をすればよいことだと思います。
 ほかにも、学校の先生からお話を聞きましたら、二学級三展開を続けると、学級担任なのに、自分が担任する生徒の中に一年間ほとんど教えることのない生徒が出てしまうというお話、担任としてその生徒のことをよく知った上での的確な生活指導が難しくなり、大変つらいというお話も伺いました。
 また、そもそも二学級三展開だと、同じ教材が同時に三つ必要になるが、三つ買う予算もなく、教材が用意できないまま授業を行わざるを得ないという実態もあると伺いました。
 現場の先生方は、目の前の生徒たちの状況や、これらさまざまな状況や条件を総合的に考えて、どうすればよりよい教育ができるか判断しております。現場で英語を教えている教員の方々から出された声に応えて、一学級二展開も行えるようにすべきと考えます。もっと柔軟に対応していただきたいと考えますが、見解を伺います。

○伊東指導部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう、二学級三展開を基本としております。

○里吉委員 同じ答弁の繰り返しをされましたけれども、私、今の答弁は説得力ないと思いますよ。困難とおっしゃいますけれども、学校が加配を提案するわけですから、工夫してこうやりますといえば、当然認めるべきだと思います。
 子供たちに直接向き合う先生が、その子供たちに合った教育を考えて実践し、子供たちの学力向上や人間的成長を支えていく、それが学校の役割です。その条件を整備し、後押しするのが都教育委員会の役割ではありませんか。
 この英語の東京方式のガイドラインは、先生方の意見も反映させてつくられたともお伺いいたしました。だとしたら、それをもう一歩進めて、少人数の学習集団のつくり方も一学級二展開も含めて柔軟に認めていくことを強く要望し、この請願は採択を主張して質問を終わります。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、請願二七第七号は不採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二七第三五号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 陳情二七第三五号の二、ヘイトスピーチ禁止条例の制定及び学校教育へ取入れを求める意見書の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
 本陳情は、大阪府大阪狭山市の我が郷土を愛する会代表平野博義さん外一名から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、2の事項が教育庁の所管となっており、ヘイトスピーチを許さないという意識改革を学校教育で取り組むよう、国に意見書を提出していただきたいというものでございます。
 これに対する現在の状況でございますが、都教育委員会は、国が策定しました人権教育・啓発に関する基本計画を踏まえるとともに、東京都人権施策推進指針等に基づき、人権教育を推進しており、外国の人々や文化を大切にする心の育成につきましては、学習指導要領に基づき、社会科や道徳等で取り組んでいるところでございます。
 なお、都議会におかれましては、平成二十七年第二回定例会において、ヘイトスピーチ対策を含む、外国人の人権が十分尊重されることを求める意見書を採択し、平成二十七年六月二十四日付で国に提出されたと伺っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情二七第三五号の二について一言意見を申し上げます。
 この陳情は、ヘイトスピーチを許さないという意識改革を学校教育で取り組むよう、国に意見書を提出することを求めております。
 ヘイトスピーチへの対応については、都議会としても外国人の人権が十分尊重されることを求める意見書を提出しております。特定の民族や国籍の人々を排斥する民族差別をあおるヘイトスピーチは断じて許されない行為です。都教育委員会としても人権教育を行っている旨のご説明がありましたが、この問題の根本にある人種差別につながる偏見を根絶することが大切です。
 学校教育の中で、世界にはさまざまな国があること、人種や宗教があること、その多様性について理解を進めることが大切だと考えます。オリンピック憲章でも、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、オリンピック教育の一環としても取り組むべき課題です。
 以上から陳情は趣旨採択とすることを求め、意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第三五号の二は不採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二七第五一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○早川都立学校教育部長 陳情二七第五一号、平成二十八年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
 本陳情は、東京都公立高等学校定通PTA連合会会長高倉由紀さんから提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において、定時制、通信制教育振興のために次のことを実現していただきたいというもので、1から5までの事項が教育庁の所管となっております。
 まず1、給食制度、給食費補助制度の堅持及び給食の安全性を確保することについてでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、安全・安心な学校給食を提供するため、学校給食法第九条第一項に基づく学校給食衛生管理基準に従い、安全を確保しているところでございます。
 しかしながら、定時制課程の高校の給食は、勤労青少年の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化、外食産業等の学校周辺環境の変化などに伴い、喫食率が低下しております。
 このため、都教育委員会は、庁内に検討会を設置し、より生徒の実態に合った食の提供方法について慎重に検討を重ねております。
 次に2、全ての都立定時制、通信制高等学校に、生徒下校時までのカウンセラー等の教育相談員の配置を行い、相談日数をふやすことについてでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、スクールカウンセラーの配置は、いじめ、不登校、暴力行為等の問題行動の未然防止、早期解決のために、平成七年度から国の活用委託事業として実施してまいりました。高等学校への配置は、平成十八年度には六十校に拡大いたしました。
 平成二十年度からは、国の補助が経費の二分の一から三分の一となり、都の負担が増加している中ではありますが、平成二十三年度には百校へ配置を拡大するとともに、平成二十五年度からは都立高校全校に配置いたしました。
 各学校では週一回、一日七時間四十五分の勤務の中で、勤務時間の割り振りの工夫を行うなどして教育相談体制の充実を図っているところでございます。
 次に3、全ての都立定時制、通信制高校に司書を配置し、図書室の開館時間を生徒下校時までとすることについてでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、学校図書館法第五条第一項では、学校には、学校図書館の専門的職務をつかさどらせるため、司書教諭を置かなければならないと規定されております。
 また、同法第五条第二項では、司書教諭は教諭等をもって充てるとされており、都教育委員会では、学校図書館に関する職務を司書教諭の資格を有する教諭等に校務分掌として担当させております。
 学校図書館の利用指導につきましては、司書教諭を中心とした学校の全教職員の協力体制のもとで行われるべきものと考えております。
 なお、平成二十三年度から、学校司書に欠員が生じる学校につきましては、順次、司書業務の委託を導入しております。
 業務委託導入校におきましては、委託従事者の業務終了時刻を定時制課程の生徒が下校する時刻よりも遅い時間とすることで開館時間を拡大するとともに、長期休業期間においても業務日とすることで開館日数をふやすなど、学校図書館の利便性を向上させ、生徒の読書活動を推進しております。
 次に4、部活動振興促進を目的とする施設を整備、拡充することについてでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、定時制、通信制課程における部活動に必要な施設設備につきましては、夜間照明設備や部室、更衣室を含め整備しております。
 また、施設設備の活用に当たりましては、各都立高校がそれぞれ創意工夫を行い、運用を図っているところでございます。
 次に5、定時制課程専用教室、フリースペース等を確保することについてでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、定時制課程における専用施設としては、現在、職員室、生徒会室、教材室、厨房、食堂を設置しております。
 普通教室及び体育館などにつきましては、全日制課程と定時制課程が共用することとしているため、定時制課程の専用施設を確保することは困難な状況にございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。陳情二七第五一号中、生活文化局所管分に対する質疑は既に終了いたしております。
 本件について発言を願います。

○野上(純)委員 陳情二七第五一号の中の二項、全ての都立定時制、通信制高等学校に、生徒下校時までのカウンセラー等の教育相談員の配置を行い、相談日数をふやすこと、ここだけの質疑をさせていただきます。
 この前に、各決、あるいは文教委員会の中でもずっとスクールカウンセラーについて取り上げさせていただきました。特に、この前出していただきました不登校・中途退学検討委員会の中間まとめの中にもありますけれども、全日制で入学をした四万一千四百四人の都立高校生のうち、退学している子供たちが千二百六十四名。これは転出者、ほかの学校に行った子はちょっと除いて、未卒業率は三・一%、それに対して定時制、これは三修制と四年制とありますけれども、四千五百五十六人が入学をして、退学してしまった子供たちが千五百三十一名、未卒業率が三三・六%、つまり三人に一人の子供が中途退学をしているという現状がある中で、東京都教育委員会が大変努力をしていただきまして、平成十八年には六十校だったスクールカウンセラーの配置を、二十三年度には、国の補助が少なくなったにもかかわらず、都の負担分が多いにもかかわらず、百校配置、そして二十五年度からは、都立高校全校に配置したと、非常に努力をしていただいてきているわけでございます。
 今回は、都立高校の中の全日制課程と夜間定時制課程を併置している学校においての課題だと思っております。
 まず最初に、全日制と夜間定時制課程を併置している学校数、それと、通信制課程を併置している学校の数についてお伺いいたします。

○伊東指導部長 現在、都立高校の中で全日制課程と夜間定時制課程を併置している学校は四十二校でございます。
 また、通信制課程を設置している学校は三校でございます。

○野上(純)委員 都立高校全体にスクールカウンセラーを配置しておりますけれども、全日制課程と夜間定時制課程を併置している学校にもスクールカウンセラーの方が一人配置されているわけでございますが、勤務時間が、朝早くから定時制まで行くと非常に長いわけです。
 ですから、そこら辺は、それぞれの学校で工夫されていると思うんですけれども、この具体的な勤務時間についてお伺いいたします。

○伊東指導部長 東京都公立学校に配置されておりますスクールカウンセラーの一日の勤務時間は、休憩時間を除いて七時間四十五分でございます。
 全日制課程と夜間定時制課程を併置している多くの高校では、スクールカウンセラーが全日制に在籍する生徒と定時制に在籍する生徒のそれぞれから相談に応じることができるよう、勤務時間を午後零時三十分から午後九時までの時間などに割り振って設定しております。
 また、一部の学校では、一週置きに、午前九時から午後五時三十分までと、午後零時から午後八時三十分までの時間などに勤務時間を割り振って設定しております。

○野上(純)委員 いろいろとその学校によって工夫をして、全日制課程の子供たちも相談に乗れるし、夜間定時制課程の子供たちも相談に乗れる、両方にまたぐような形で設定している。あるいは、午前九時から午後五時半は全日制の子供たちと、午後零時から午後九時半までは夜間定時制を中心にという、一週置きに時間を変えているというさまざまな工夫をしていらっしゃるということでございます。
 スクールカウンセラーが夜間定時制課程に在籍している生徒から受ける相談の内容と、その対応についてお伺いいたします。

○伊東指導部長 スクールカウンセラーが夜間定時制課程に在籍している生徒から受ける相談内容は、友人関係に関すること、進路希望と成績に関すること、学業と仕事の両立に関することなど、さまざまでございます。
 スクールカウンセラーは、生徒から受けた相談内容について、学級担任や生活指導主事などに迅速に伝えるとともに、相談記録簿により文書で校長に報告をしております。
 学校はこうした報告に基づき、教職員間で情報を共有するとともに、生徒の悩みの要因となっている問題を解決するため、保護者や地域、関係機関等と連携しながら組織的な支援を行うよう努めております。

○野上(純)委員 全日制課程と夜間定時制課程の併置校では、学校ごとに勤務時間を工夫する、あるいは生徒からの相談に応じられる体制を整備している、あるいは夜間定時制課程には全日制課程と別の課題があることもわかりました。
 また、通信制課程も、生徒からの相談にスクールカウンセラーが対応できるようにする必要があると思います。今、通信制課程は三校ございますけれども、まだここにはスクールカウンセラーは配置しておりません。
 こうしたことから、定時制課程と、通信制課程にスクールカウンセラーを別途に配置することによって、一層、学校教育相談体制を充実させていくべきと考えております。都教育委員会の見解を伺います。

○伊東指導部長 定時制課程や通信制課程を設置している学校からは、生徒が直面する問題の解決を図るためには、スクールカウンセラーが生徒の相談に対応する時間を十分に確保することが必要であるとの要望を受けております。
 都教育委員会では、こうした状況を踏まえ、現在、定時制課程及び通信制課程におけるスクールカウンセラーの配置拡充に向け、平成二十八年度予算要求を行っているところでございます。

○野上(純)委員 最後です。ぜひ通信制課程にも別途スクールカウンセラーが配置され、そして、今現在配置されていない通信制課程三校にもスクールカウンセラーが配置され、都立高校生が中途退学とか不登校とかに悩むことが少なくなるように、そして、将来的にはしっかりと就労もして--私はいつも思うんですけれども、税金を払えるような子供たちになってもらいたいと思っているんですけれども、そういった将来、しっかりと展望を持てるように教育を進めていただきたいことを要望して終わります。
 以上です。

○里吉委員 それでは、私からも質疑を行っていきたいと思いますが、まず、夜間定時制の給食について伺ってまいります。
 定時制高校の給食はさまざまな理由から喫食率が低下しているとご説明がありましたが、かつては全ての学校で自校方式で、デザートに至るまで手づくりだったこともありました。それが効率化の名のもとに、グループ方式や外部委託方式に変わってきたことも私は影響しているのではないかと考えます。
 そこでまず、現在の定時制高校の給食は、その学校で調理する単独方式やグループ方式、外部調理方式などがあると思いますが、それぞれ何校あるのか、また、生徒全体の喫食率はどのように推移しているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会は、定時制高校における勤労青少年の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化等を踏まえ、調理方式を見直すとともに、衛生管理の徹底と、鮮度や味覚の保持にも努め、給食の提供を適切に行っております。
 定時制高校のうち、自校内の給食室で調理を行い、自校の生徒のみに提供する単独方式の学校は十九校でございます。
 また、自校内で調理した給食を他校にも提供するグループ方式の学校は、調理を担当する学校十五校と、他校で調理された給食が提供される学校二十校、合わせて三十五校でございます。
 調理業務委託業者の施設で調理された給食が配送される外部調理方式の学校は一校でございます。
 喫食率の推移でございますが、平成二十二年度は三〇・二%、平成二十六年度は二六・四%で三・八ポイントの減であり、年々低下しております。

○里吉委員 さまざまな理由から喫食率が年々微減しているということですが、給食の調理方式ごとの喫食率は特に調査していないということで、それはわからないということなんですが、この年々減っているという喫食率を引き上げるための取り組みを進めるべきだと思います。
 定時制高校に通う生徒は、家庭環境など、さまざまな問題を抱えている生徒も少なくありません。今、子供の貧困が社会問題となっていますが、小中学生の中でも学校給食だけがまともな食事という子供たちに対して、栄養のあるおいしい食事を無料で、もしくは安価で提供する子供食堂の取り組みも広がっております。
 定時制高校生の中にも、同じような貧困など困難を抱えた生徒が一定数おります。そういう生徒に給食を食べてもらうための取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
 私が幾つか入学式や卒業式でお伺いした定時制高校の校長先生からは、まとめての支払いが困難で給食を申し込まない生徒も多い、こういう話も伺っております。
 現在の生徒の負担は一食当たり幾らになるのか、この数年で値上がりはしているのかどうか、また、給食費の補助は一食当たり幾らなのか、金額はこの数年で変化しているのか、あわせて伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会では、都立学校給食事務の手引を定め、給食費の徴収回数の設定に関して、保護者等に過度な負担がかからないことに留意するよう各学校に指示しております。
 給食費は、それぞれの地域において学校給食にふさわしい食材の調達に必要な経費をもとに各学校が決定しており、平成二十六年度における給食費の平均単価は一食当たり約三百八十三円、前年度の約三百七十三円に比べ、およそ十円の増でございます。
 勤労青少年の定時制課程への就学を促進し、教育の機会均等を保障するため、有職者、求職中の者等を対象に、給食費のうち一食当たり六十円を補助しており、補助額は平成十八年度以降、同額でございます。

○里吉委員 補助率は十年間ほど変わっていないということで、一食当たり平均三百八十三円ですと、二十日間給食があるとすると、一カ月で七千六百六十円、六十円の補助があっても六千四百六十円と、この一カ月ごとの徴収にしたとしても、まとめて支払うことがきつい、こういうお話を伺ってきました。
 さらに、一度払ってしまうと、食べなくても一度払った代金は戻ってこないということを考えますと、それだったらカップ麺やコンビニのお弁当などを買って食べようと、毎食お金を出してその都度食べようということで、そういう生徒がふえてくるわけですね。
 これが毎食ということですと、本当に栄養的にも心配です。ここを生徒のライフスタイルの多様性で仕方ないと見るのではなく、育ち盛りの生徒の体をつくる給食を食べてもらうにはどうしたらいいか、ぜひ考えていただきたいと思います。
 改めて小中学校の就学援助のように、一定の所得以下の家庭については給食費免除、または減額するなどの対策も必要だと思います。国においては昨年から給付制の奨学金が始まりました。これが低所得のお宅に出るわけです。今、第一子の場合は給付額が三万七千四百円、大学生など兄弟がいる第二子は十二万六千円と格差があって、第一子、第二子とも同じ金額に引き上げるべきだという議論もあって、これは文部科学省も来年度予算概要で要求しております。
 こういうものも引き上げて、給付制奨学金なども使って、ぜひこういう制度も活用して、東京都としても、お金がなくて給食が食べられない、こういう生徒がいなくなるように努力していただきたいということを要望しておきます。
 少なくとも陳情にありますように給食制度、給食費補助制度の堅持及び給食の安全性を確保していただきたいということを強く求めておきます。
 次に、定時制高校へのスクールカウンセラーの配置、相談日数について伺います。
 これは先ほど質問がありましたので、重なる部分は割愛させていただきますが、全日制と夜間定時制高校を併設している高校において、スクールカウンセラーが定時制高校の課程の生徒から受けた相談件数、具体的にどれくらいあるのか、相談内容はどのようなものがあったのか伺います。

○伊東指導部長 全日制課程と夜間定時制課程を併置している都立高校四十二校におきまして、スクールカウンセラーが平成二十七年四月から九月までに定時制課程の生徒から受けた相談件数の合計は八百四十六件、一校当たりの平均相談件数は約二十・一件でございます。
 また、平成二十六年度からは、いじめの未然防止や早期発見などを目的としまして、第一学年に在籍する全ての生徒を対象に面接を実施しております。
 生徒からの相談内容につきましては、友人関係に関すること、進路希望と成績に関すること、学業と仕事の両立に関することなど、さまざまでございます。

○里吉委員 特に仕事と学業の両立にかかわることなどの相談というのは、定時制高校に通う生徒独特の本当に悩みだと思うんですけれども、この件数を見ますと、やっぱり、本来、一日きちんといれば、もっと相談に乗ってあげられるんじゃないかなというふうに思います。
 また学校では、こうした問題に対して、スクールカウンセラーとともにスクールソーシャルワーカーも注目されておりまして、今幾つかの学校に試行で入れていると、定時制高校にも入れていると伺っております。
 今年度、都立学校においては、スクールソーシャルワーカーの活用をどのように行っているのか、目的について伺いたいと思います。

○伊東指導部長 スクールソーシャルワーカーの活用の目的は、学校だけでは解決が困難な福祉分野からの支援を必要とする問題に対応することでございます。

○里吉委員 スクールソーシャルワーカーの活用、学校だけで解決が困難な福祉分野の支援に必要な対応をしていただけるということで、定時制課程の生徒は、こういった対応も本当に必要だと思います。
 全日制課程の生徒に比べて、さまざまな問題を抱えている。家庭にも抱えていたり、本人も不登校を経験していたり、いじめられたことを経験していたりと、そういう生徒たちも多く、中退者も多いことを考えますと、全日制以上に、スクールソーシャルワーカーもそうですし、スクールカウンセラーも必要としている生徒が多いと考えます。
 この点については学校からも要望が多いのではないかと思いますが、伺います。

○伊東指導部長 定時制課程に限らず、小中学校を含めて多くの学校から、スクールカウンセラーをより効果的に活用できるようにするために、スクールカウンセラーの常駐や、さらなる資質、能力を向上させるための方策など、さまざまな要望を受けております。

○里吉委員 さまざまな要望があって、都教育委員会としても前向きに検討しているということですから、ぜひスクールカウンセラーのさらなる配置、そしてスクールソーシャルワーカーも含めて、その配置を要望したいと思います。
 また、学校図書館については、意見を述べさせていただきますが、民間委託ではなく、正規の職員で定時制高校に司書を配置することを求めます。
 学校図書館法が改正されて、学校の図書館司書が法制化されました。この法律でいう学校司書は、学校設置者が雇用する職員であり、事業者が雇用して学校図書館に勤務する者は校長の指揮監督下にならないことから、学校司書に該当しないとされています。実際に業務委託導入校では、一年のうち学校司書が何人も入れかわるなどの事態も起きております。改正された学校図書館法にのっとった改善を求めます。
 その他の項目も、前年も含めてこれまで質疑してまいりましたが、毎年陳情が出てくるというその背景には、まだ改善の余地がある、もっと取り組んでほしいというご要望だと思います。
 定時制高校生にとって専用スペースの確保や、部活動のための施設などの整備は、学校生活を営む上で欠かせないと思います。さらに工夫し、改善していただくよう求めます。
 以上、陳情の全項目の趣旨採択を主張して質問を終わります。

○今村委員 それでは私からも、第五一号のうち、第二項の教育相談員の配置を行い、相談日数をふやすことということについてお聞きしてまいりたいというふうに思います。
 先ほどの議論からも明らかになったように、夜間定時制課程におけるスクールカウンセラーは、全日制課程との併置校に一人派遣されているということでありました。
 そこで、全日制課程と夜間定時制課程を併置しております都立校におけるスクールカウンセラーが定時制課程を対象に行った相談員の実績について確認させてください。

○伊東指導部長 全日制課程と夜間定時制課程を併置している都立高校四十二校において、スクールカウンセラーが定時制課程の生徒、保護者、教職員等を対象として行った相談の実績は、平成二十七年四月から九月までの相談件数が二千三百四十二件、一校当たりの平均相談件数が約五十五・八件でございます。
 このうち、生徒を対象として行った相談件数は八百四十六件、一校当たりの平均相談件数は約二十・一件でございます。
 また、平成二十六年度からは、いじめの未然防止や早期発見などを目的といたしまして、第一学年に在籍する全ての生徒を対象に面接を実施しております。

○今村委員 生徒のみならず、保護者や教職員に対する相談、そしてまた、全生徒を対象にした面接など、きめ細やかに実施されていることが理解できました。
 しかし一方で、先ほどから議論もありますように、限られた勤務時間の中でスクールカウンセラーの活動がされておるわけであります。生徒からの多様な相談内容に応じることができるようにするためには、そうしたスクールカウンセラーの一層の資質、能力を向上させることによって、対生徒や学校における問題をしっかりと解決していく、そういった必要があるかというふうに思いますけれども、都教育委員会の取り組みについてお伺いさせていただきます。

○伊東指導部長 都教育委員会は、スクールカウンセラーの資質、能力の向上を図るため、スクールカウンセラー連絡会を年二回開催しております。
 この連絡会では、生徒の問題行動に関する情報などを共有するとともに、生徒が直面している課題の解決を図るための協議を行っております。
 また、スクールカウンセラーが最新の研究成果から児童生徒理解を深めることができるようにするため、精神科の医師などによる講演を実施しております。

○今村委員 夜間定時制高校に在籍する生徒の中には、本人を初め、家庭の事情など、さまざまな問題を抱えている生徒が多いというふうに聞いています。生徒にとって、自分自身のことはもちろん、生活習慣や家庭のこと、そしてまた学習のことなどに問題があれば、学業に専念ができず、先ほども議論があった不本意な退学になってしまうおそれもあります。そのため、授業以外のことも含め相談できる環境をつくることは大切であります。
 さらにいえば、悩みや相談を話していいということをなかなかできずにいる生徒もいるのではないでしょうか。そうした一人一人の生徒に寄り添っていただきたいというふうに考えます。
 そこで、夜間定時制高校に在籍する生徒の問題を解決するため、スクールカウンセラーに限らず、スクールソーシャルワーカーなど多様な外部人材が学校を支援する体制を構築することが大切と考えます。都教育委員会の取り組みについて伺います。

○伊東指導部長 都教育委員会は、平成二十六年度から、問題行動の未然防止や早期解決を図るため、警察を退職したスクールサポーターや民生委員、保護司などの地域の関係者と学校関係者で構成する学校サポートチームを全ての都立高校に設置しております。
 また、平成二十七年度から全ての定時制課程の第一学年におきまして、心理の専門家などの外部人材を活用いたしまして、人間関係づくりの学習を通して、中途退学を未然に防止するための取り組みを実施しております。

○今村委員 ただいまの質疑の中におきましても、スクールサポーターの話や、そしてまた全第一学年を対象にした面接、そしてさらには、心理の専門家などを活用したさまざまな取り組みをされていることが理解できました。
 事務事業質疑の中におきましては、我が党の斉藤委員からも、こうした学校などにおけます問題解決を図るために、チームをつくって、しっかりとこの問題解決を図る必要性があるのではないかという議論をさせていただいたところであります。
 私も、ことしの海外調査の中で、フィンランドに調査視察に行かせていただいたわけでありますけれども、いろいろと制度が違いますけれども、大変合理的な考えをする制度設計をなさっている国であるなというふうに実感してまいりました。
 学校においては、教員は学習をしっかりとサポートするということで、例えば部活動など、スポーツは全て外部の地域スポーツクラブのようなところでしっかりとサポートするということでありますし、子供たちの問題や、そしてまた悩み事、そういったものも当然専門職が相談に当たるというふうに、それぞれ仕事を分けているようであります。
 制度が違うわけでありますけれども、いいところは見習ってしっかりと取り入れていただきたいなというふうに思いますし、本陳情におきましても、そうした子供たちの問題解決のために取り組んでいただきたいという保護者の願いでありますので、定通PTA連合会などともしっかりと意見交換をしていただいて、充実させていただくよう、第二項については趣旨採択すべきと考え、以上で質疑を終了いたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第二項及び第六項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。
 よって、陳情二七第五一号中、第二項及び第六項は、趣旨採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る