文教委員会速記録第四号

平成二十六年三月十八日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事川松真一朗君
松田やすまさ君
神野 次郎君
やながせ裕文君
里吉 ゆみ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長比留間英人君
次長直原  裕君
教育監高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長堤  雅史君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
全国高校総体推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
意見書について
教育庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 教育庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
・第五十九号議案 東京都生涯学習審議会条例の一部を改正する条例

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小竹委員長 予算の調査について申し上げます。
 平成二十六年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十六年三月十四日
東京都議会議長 吉野 利明
文教委員長 小竹ひろ子殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。

1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(木)午後五時

(別紙1)
文教委員会
第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為
文教委員会所管分
第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中 歳出 文教委員会所管分

(別紙2省略)

○小竹委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、教育庁所管分、第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出及び第五十二号議案から第五十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る二月二十一日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。
 ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、区市町村立小・中学校特別教室の冷房設備設置状況でございます。
 区市町村立小中学校の本年一月末における特別教室の冷房設備の設置状況について、区分ごとに記載してございます。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。2、都立中高一貫教育校における学校給食の提供方式の変遷でございます。
 都立中高一貫教育校における学校給食の提供方式について、平成十七年度からの状況を学校別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○松田委員 私からは、オリンピック教育についてお伺いをいたします。
 私は、日ごろより、オリンピックの崇高な理念であるオリンピズムを子供たちに教えていくことが大切であると考えております。
 先週の土曜日と日曜日、女子レスリングのワールドカップが私の地元の板橋区の小豆沢体育館で開かれ、日本が優勝を飾りました。両日とも観戦をさせていただきましたが、お父様を亡くされたばかりの吉田沙保里選手が遺影を抱いて戦う姿は、日本中、世界中の人々の気持ちを一つにさせてくれました。
 吉田選手は、父、栄勝コーチだったらどういうことをこんなときにいうだろうか、しっかり戦えというんではないかと、そういう思いでお父さんと一緒に戦ったと聞きました。
 こうしたオリンピック選手の活躍が間近で見られる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが、子供たちに夢と希望を与えるのみならず、いつまでも記憶に残るような大会になることを切に願っております。
 それとともに、このようなオリンピック選手の強い気持ち、また、オリンピック精神を子供たちに伝えていくことは大切なことであります。
 そこでまず、学校におけるオリンピック教育の現状についてお伺いをいたします。

○金子指導部長 現在、小学校では、社会科の授業において、東京オリンピックの歴史的な役割などを学習しております。また、中学校や高等学校では、体育の授業において、オリンピック・パラリンピックが国際親善や国際平和に果たす役割や、オリンピックムーブメントについて学習しています。
 さらに、都教育委員会は、こうした学校での学習を支援するため、平成二十年度から児童生徒がオリンピックの歴史や理念を正しく理解し、積極的にスポーツに親しむことができるよう、スポーツ教育推進校の指定やアスリートの学校派遣などを通しまして、スポーツ教育を推進しているところでございます。

○松田委員 ありがとうございます。都教育委員会が、子供たちのために積極的にオリンピックについて学ぶ機会を充実させてきていただいたことがよくわかりました。
 オリンピックやパラリンピックからは、努力によって見出される喜び、友情、フェアプレー精神、スポーツを通じた国際交流による相互理解など、人として大切なことを学ぶことができます。
 これまで我が党は、オリンピックの崇高な理念、歴史や文化を子供たちに教えていくことが大切であると強く主張してまいりました。
 二〇二〇年の開催都市として、子供たちがオリンピックやパラリンピックについて、より深く学べるようにしていくことが必要であります。
 そこで、オリンピック教育について、平成二十六年度は具体的にどのような取り組みをしていくのかをお伺いいたします。

○金子指導部長 平成二十六年度は、立候補ファイルに示している学校と三カ国が交流する一校一国運動や、若者によるボランティア活動などの実施に向けた土台づくりといたしまして、オリンピック教育を進めていく必要がございます。
 このため、オリンピック教育推進校を小中高等学校、特別支援学校から三百校を指定いたしまして、地域に住む外国人や留学生との交流、スポーツ大会の運営支援などに取り組んでまいります。
 また、児童生徒がトップアスリートと直接交流する全区市町村へのオリンピアン、パラリンピアンの学校派遣や、オリンピックの意義と国際親善に果たす役割などを学習する補助教材を作成してまいります。
 今後、さらに来年二月に策定されます予定の大会基本計画を踏まえまして、オリンピック教育のより一層の推進を図ってまいります。

○松田委員 ありがとうございます。ぜひ二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機として、子供たちが将来に夢と希望の持てる教育を引き続き東京都として行っていただきますことをお願い申し上げまして、早いですが、私の質問を終わります。

○上野委員 私からは、指導教諭の導入について幾つか質問します。
 学校における教育の成否は、子供たちの教育に直接携わっている教員の能力や人格にかかっているといっても過言ではないと思っております。その意味においては、教員の質の向上は最も重要な課題の一つであると、このように考えております。
 都においては、ベテラン教員の大量退職に伴う指導力の低下が懸念されている中、都教育委員会は、指導力にすぐれた教員を指導教諭に任用し、都内公立学校教員全体の指導力を高めると、このようにしております。
 これまで都立高等学校において指導教諭を導入してきましたが、来年度からはいよいよ小中学校においても指導教諭を導入することにしていると聞いております。
 そこで、改めて指導教諭とはどのような職か確認したいと思います。

○粉川人事企画担当部長 指導教諭は、学校教育法に定める職であり、具体的な職務は、みずから授業を受け持ち、児童生徒の実態等を踏まえ、模範となる授業を所属校だけでなく、他校の教員に見せるとともに、研究授業を通じてすぐれた指導の方法を伝えることでございます。
 また、他の学校からの依頼に基づき、授業を観察して改善策を提案するほか、すぐれた教科指導のための教材の開発などを行います。

○上野委員 ご答弁がありましたように、児童生徒の実態を踏まえて指導を改善するということは大変重要であると考えております。
 子供たちは一人一人興味や関心も異なりますし、積極的な子供もいれば、授業中に手も挙げられないような子供もいます。教員がそうした子供たち一人一人の性格、意欲や関心を把握して、いいところを伸ばし、励ましていく中で、子供たちは自信を持ち、みずから学ぶ姿勢を養うことにそれがつながると思います。
 都教育委員会は、これまでもその担い手である教員の人材育成を進めてきたところでありますが、このたびの指導教諭を導入した、まず目的をお尋ねいたします。

○粉川人事企画担当部長 都教育委員会は、これまでも教育に対する熱意と使命感、豊かな人間性と思いやり、子供のよさや可能性を引き出し伸ばす力などを都の教育に求められる教師像として明示し、人材育成を進めてまいりました。
 指導教諭の導入の目的は、これら都の教師像としてのすぐれた実践事例を広く普及し、個々の教員がみずから成長しようとする意欲を引き出すことにより、教員全体の指導力を高めていくことでございます。

○上野委員 指導教諭の授業がほかの教員の手本になって、東京全体の授業の質の向上を図っていく、このことを期待するところでございます。
 指導教諭は、みずからが専門性に裏づけられた質の高い授業を行うとともに、若手や同僚の教員を指導、育成することが求められます。そして、何よりも教育に対する熱意や思いやりを持ち、子供のよさを引き出す授業のできる教員、誰もが納得できる実践力のある教員を選んでほしいと思います。
 そこで、指導教諭をどのように選抜して任用されるのかお尋ねいたします。

○粉川人事企画担当部長 指導教諭は、他の教員に対して学習指導の改善のための指導や助言を行い、組織的、計画的なOJTの核となる職であることから、指導監督層である主幹教諭と同等の力量を持つ者を選考しております。
 その上で、校長などから日常の取り組み姿勢についてのヒアリングや研究実績などの確認に加えて、教育委員会の職員が直接授業観察を行い、教科の高い専門性とともに、子供たちのやる気を高め、達成感を引き出す授業を行う実践力をもとに任用をしております。

○上野委員 都立学校では、既に実践力で評価された教員が今年度より指導教諭として任用されております。都立学校では指導教諭の任用によりどのような成果があったのか、お尋ねいたします。

○粉川人事企画担当部長 都立学校では、今年度、高等学校及び特別支援学校でそれぞれ七名の指導教諭を任用しており、模範授業及び研究協議を既に四十回以上実施しております。
 各学校から参加した教員は、生徒のやる気を引き出す教え方や教材など実践に直結する指導方法を実感し、参加者自身の日々の授業に活用しております。
 さらに、模範授業に参加した教員による学校内での報告会やOJTでの活用などにより、学校全体で成果を共有する仕組みづくりが進んでおります。

○上野委員 都立学校では、指導教諭の模範授業を見て、それを参考に、自分もこんな授業をしたいという明確な目標を教員に持たせる取り組みが進められているということですが、いよいよ小学校では、これから取り組む中で、現在、大量採用が続いているという状況でもありますし、経験の少ない若手教員が多くなっていると。こうした中で、学校内で日常的にベテラン教員の授業を見て学ぶ機会というのが減少していると、このように聞いております。
 小中学校においても、学校内でのOJTの核となり、自己研さんの目標となるような、先輩の背中を見て学ぶ、そうした機会が必要であると思います。
 そこで来年度、小中学校に導入するに当たり、都立学校の成果などを参考にして、より効果のある取り組みをすべきであると考えますが、見解を求めます。

○粉川人事企画担当部長 豊かな経験を有するベテラン教員のすぐれた指導力を他の教員に継承していくことは、教員の大量退職、大量採用が続く小中学校においても急務でございます。
 都教育委員会は、来年度から小中学校にも指導教諭を導入し、児童生徒の心身の発達の段階を理解し、やる気や達成感を引き出す模範授業や研究協議を通して、指導教諭の高い専門性と経験に裏づけられた指導法を普及してまいります。
 その際、都立学校における成果も生かして、指導教諭に学んだ教員が教育に対する熱意やすぐれた指導法、工夫を凝らした教材を所属する学校の同僚に広め、学校全体で共有し活用することで、校内のOJTの質を高め、児童生徒の可能性を伸ばす教員の育成に取り組んでまいります。

○上野委員 指導教諭を活用して、教員の質の向上を図り、子供たちの力をしっかりと伸ばしていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○里吉委員 資料をご用意いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、私からはまず最初に、都立学校授業料の徴収条例の一部改正する条例について伺います。
 今回の条例案は、国がいわゆる公立高校授業料無償化制度を廃止したことに伴うものです。この法案について、我が党は国会で反対いたしました。公立高校授業料無償化制度を廃止し、無償教育から有償教育へと改変したこと、就学支援金の支給に所得制限を導入したこと、また、就学支援金の受給に所得証明書の提出を義務づけたことなどが主な反対の理由です。
 無償制度から有償制度への改変は、国が二〇一二年に留保を撤回した国際人権A規約にも明記される教育を受ける権利を無償教育の実現により保障していく、この世界の流れに逆行するものです。
 また、所得制限の導入についても、高額所得者に応分の負担を求めるのなら税制で対応すべきです。世帯年収九百十万円以上といっても、家族構成、例えば年の近い兄弟が二人、三人いる場合やそれぞれの家族の事情、例えば親が連帯債務者となって多額の借金を必死で働いて返済している場合など、経済的に厳しい場合もあると思います。ところが、そうした事情は考慮せず、一律世帯の年収九百十万円以上は就学支援金制度の対象から外されることになっています。
 そこで伺いますが、都立高校生で見ると、全体のどれぐらいの割合がこの対象から外れる、世帯の年収九百十万円以上に当たるのか、人数としては何人ぐらいと予想しているのかお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 平成二十六年度に、就学支援金の対象外となります都立高校の一年生は全体の二九・九%で、一万四千五百二十四人と想定しております。
 なお、今、家族構成というお話がございましたが、今回の制度につきましては、年収九百十万円以上という話がございますけれども、実際には、市町村民税の所得割額で計算をいたしますので、家族が多い場合の扶養控除等は、控除された後の金額で計算されることとなっております。

○里吉委員 家族が多い場合は、そういう税制の対応があるというお話でしたけれども、どちらにしても約三割の都立高校生が対象から外れるということが想定されていることが明らかになりました。
 いろいろな事情で経済的に厳しい、こういう家庭が含まれていることは、さまざまな専門家の方や現場の方からも指摘されていることは申し上げておきます。
 それで、今回、世帯収入九百十万円以上は対象から外されて、逆に低所得者層には手厚い支援を行うということがいわれております。しかし、そもそも日本は教育への予算が少ないわけですから、少ない予算の中でやりくりするような話ではないと思います。
 そして、特に問題なのが、保護者の所得が低くても、申請をしなければ制度から排除されるということです。今年度までは授業料は不徴収でしたから、所得の証明など必要なく無償になりました。ところが、来年度からは世帯の所得を証明する書類を提出しなければならないということです。
 国会の議論でも、非正規で幾つもの仕事をかけ持ちしているなど、親の所得の証明をとるのが難しい場合や児童虐待のある場合など、大きな困難を抱えた子供ほど救われない可能性も残されるのではないかということが議論されてきたわけです。
 私も具体的な心配例を現場の先生から伺いました。例えば親は、うちの子は高校に行く必要はないと、授業料も払ってくれないケースなどもあって、こういう親に課税証明書などを出してもらえるかと、本当に大変だと思うとおっしゃっていました。複雑な家庭環境の子もふえていると心配をしていらっしゃいました。
 そこで伺いますが、課税証明がとれないから制度から排除されかねない、こういう生徒への対応をどうするのか、都教委の見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 就学支援金の受給申請には、就学支援金受給資格申請書と課税証明書を提出する必要がございます。
 文部科学省によりますと、何らかの事情で課税証明書が提出できない場合には、受給資格申請書のみを先に提出していただき、追って課税証明書が提出されれば、申請書の提出があった月をもって提出がされたとみなされます。
 児童虐待等も含めまして、真にやむを得ない事情で保護者が受給資格申請書さえ提出しない場合、受給資格申請書は生徒本人も提出できますので、そのように指導を行い、課税証明書について、保護者のうち一方、または双方が提出できない場合には、当該事情を確認の上で、もう一方の保護者のみ、または生徒本人の所得により審査することとなります。

○里吉委員 子供の貧困、今大きな社会問題であり、国でも子どもの貧困対策法がつくられました。いろいろなケースが予想されますけれども、低所得でありながら制度から排除されることがないように、丁寧な対応を求めておきます。
 今回の条例改正は国の法改正に伴うものですが、以上のような問題点があることを指摘して、次に移ります。
 次は、特別支援学校の教室整備について伺ってまいります。
 十四日の予算特別委員会の小竹議員の質問で、都立特別支援学校では、今年度、特別教室など四百四十七教室が普通教室に転用され、また、二百五十三教室がカーテンなどの間仕切りにより複数の学級で使われていることが明らかになりました。
 したがって、今年度の特別支援学校の普通教室の不足数は四百四十七足す二百五十三で七百教室となります。しかし、都教委の特別支援教育推進計画では、来年度以降、二〇二〇年までに四百七十九教室しかつくらない計画であることもご答弁いただきました。
 私はこの間、町田の丘を初め幾つかの特別支援学校を視察させていただき、また保護者の方のお話も伺う中で、現場の先生は本当にいろいろ工夫して精いっぱい頑張っていらっしゃいますけれども、それでも、特別教室の転用やカーテン教室が教育内容や教育の質に深刻な影響を与えているということを痛感し、子供たちに十分な教育を提供できる条件の整備は都政の責任ではないかということを強く考えてまいりました。
 そこで伺いますが、そもそも特別教室とは、普通教室が足りなければ転用してもよいものなのでしょうか。また逆に、普通教室で特別教室での授業と同じような授業ができるものなのでしょうか。学校における特別教室の役割についてまず伺います。

○堤都立学校教育部長 特別教室の役割でございますが、体験的な学習や作業学習などを効率的、効果的に行うために、教科の特性に応じて普通教室とは別に設ける教室でございまして、代表的な例といたしましては、音楽室、美術室、調理室、実習室などがございます。

○里吉委員 つまり、特別教室とは、図工なら図工、音楽なら音楽という教科の特性に応じた授業を行うために必要な教室ということですよね。特別教室が不足すれば、多くの場合は普通教室でできる範囲の授業で済ませるしかないというふうになってしまいます。
 例えば、これも知り合いの先生に伺いましたが、図工室があれば、のこぎりやペンキを使って大きなものをつくり出すことも可能だが、普通教室では絵の具がせいぜいということでした。
 プレールームが転用されて不足すると、学年や学部などの大きな集団でできる授業の回数が減ってしまうそうです。子供たちの教育のためには、クラスの小さい集団から学年、学部、全校という大きな集団まで、さまざまな集団での活動を保障してやりたいけれども、プレールームが不足すると難しくなるというお話でした。
 しかも、普通教室はカーテン教室だったりするわけですから、例えば朝の会で歌を歌いたいと思っても、パーティションやカーテンで仕切られていた教室では、隣に迷惑がかかるので歌うことができないなど、本当にこれでいいのかなと思うお話が幾つもありました。
 そこで改めて伺いますが、特別教室の転用により、特別教室で行う学習活動に影響が生じていると思いますが、認識を伺います。

○堤都立学校教育部長 特別教室を普通教室に転用する場合には、教育活動に可能な限り支障が生じないよう、児童生徒の障害の種類や程度に応じた指導計画上の必要性を勘案いたしまして、転用する教室を選定するなど、最大限の配慮をしております。
 その上で、学校全体で指導方法を工夫いたしまして、教育活動を適切に実施をしております。

○里吉委員 可能な限り支障が生じないようにというお答えでした。
 私もいろいろ見てまいりましたけれども、それは当然、校長先生初め学校の先生方も工夫に工夫を重ねているという現場を見てまいりました。しかし、それももうとっくに限界になっているというのが現状だと思います。
 町田の丘の保護者の方もおっしゃっていましたけれども、今、世田谷の私が住んでいる地域もそうなんですけれども、小中学校で児童生徒数がふえています。特別教室を転用しても仕方がない、こんな話になるところは公立の小中学校ではないんですね。
 町田の丘は少し離れた市街地、小学校跡地だとお伺いしましたけれども、市有地に仮設校舎を来年度建設するとお答えいただきましたことは本当に感謝したいと思います。
 同時に、ほかの特別支援学校についても、可能な部分は計画を前倒しする、町田のように緊急対応できる部分は直ちに対応していただきたいと思います。
 そして、これからまだまだ児童生徒はふえるのに、現在の教室不足数と比べても、二百二十一教室少ない教室数しか整備できずに、結局、教室のやりくりで済ませるということで、これでは保護者の皆さんも到底納得できないということです。
 都としても、保護者や学校現場の意見をよく聞いて、計画の無理な大規模化などは思い切って見直して、新たな計画をつくって、普通教室や特別教室の広さや数、運動場、体育館やプール使用の時間も十分に確保できる、こういう適切な教育環境を確保できる学校を大幅に新設することを改めて求めておきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 次は、特別教室の冷房設置について伺います。
 資料の一ページのところに用意していただきました。
 私は昨年の十月の事務事業質疑で、小中学校の冷房施設について、音楽教室などでもまだ冷房化のされていないところもあると、冷房化に補助を行うよう求めていました。来年度以降、音楽室等の特別教室を新たな対象にするということは、大変評価をしたいと思います。
 そこでまず、小中学校の特別教室の冷房設置について、区市町村に支援を行うことにした理由を伺います。

○前田地域教育支援部長 近年の夏の猛暑を受け、平成二十二年度より公立小中学校の普通教室の冷房化について、区市町村に対する都独自の支援を行ってきており、この支援は今年度末で完了します。
 今回、特別教室のうち、防音性などが求められる音楽室、視聴覚室、図書室及びパソコン教室について、新たに補助の対象としました。

○里吉委員 小中学校の特別教室への冷房化への支援は本当第一歩なんですけれども、今回補助対象に音楽教室は入っていますが、図工室、美術室、理科室、家庭科室などは入っていません。これはなぜ対象ではないのかということを改めてご答弁ください。

○前田地域教育支援部長 今回は、防音性が求められたり、熱を発するICT機器が設置されている音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン教室を補助対象としております。

○里吉委員 防音性ですとか、機械が熱を発する教室だけを対象にしたということは、それ以外の教室は、暑い夏の間、窓をあければ何とかなるというふうにお考えなのでしょうか。ぜひその点お答えいただきたいんですが。

○前田地域教育支援部長 ただいま申し上げましたけれども、今回補助の対象とした特別教室につきましては、音楽室など防音性などが必要なもの、これに対して優先的に補助の対象として区市町村を支援していこうというふうに考えているところでございます。

○里吉委員 今回はということで、計画的に次もあるのかもしれないようなご答弁だったんですけれども、今、これ、特別教室ということで支援を始めたわけですけれども、保護者の方からは、ぜひ音楽室とか図書室とかだけに限るのではなくて、ぜひ計画的に進めてほしいという要望は本当に強く出ています。
 私は、今回の計画が終了しても、なお小中学校で冷房化できていない特別教室がどれくらい残るのか。自治体で独自に進めているところもあれば、財政力がないためになかなか進められないところもあるのではないかと。これは、普通教室のときにも議論したことですけれども、こういうこともありますので、ぜひ小中学校で冷房化できない特別教室はどれぐらい残るか調査するべきではないかと思うのですけれども、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 今回の補助事業は、五年かけて四つの特別教室の冷房化の補助を行うというふうにしておりまして、とりあえずはこの補助対象となる教室の冷房化の状況を正確に把握して、五年間で事業が着実に実施できるように努めていきたいと思っております。

○里吉委員 その答弁は、本当に冷たいと思うんですよ。この数年、夏は本当に暑いです。防音の必要のない教室も同じように、本当に今すぐにでもクーラーをつけてほしいという状況だと思うんですね。
 私もいろいろ聞いてまいりました。私は、個人的には、家庭科室や理科室は火を使うから、本当に暑いんじゃないかというふうに思ったんですね。実習や実験がありますから。
 そうしましたら、美術の先生から、逆に、美術は火を使わないから少しはいいと思われがちだが、とんでもないと。暑い中で作品をつくっていると、自分の汗が作品に垂れてしみになってしまうんだと。美術だって本当に苦労しているんですよと訴えられたんですね。
 理科の先生からは、確かに夏の暑い間は、理科室は暑くて使えないと、実験はやめると、そういう場合もあるんだというふうに聞きました。
 小中学校の音楽室等の特別教室への冷房設置の補助については、第一歩として歓迎いたしますが、予算案、五年かけて冷房化ということでしたが、そういわずに、手を挙げた自治体からどんどん冷房化していただきたいこともあわせて要望して、さらにその次に、全ての特別教室も対象としていただくよう強く求めておきます。
 先ほど特別教室の対象を音楽教室など四つにした理由は、防音性の問題だとしましたけれども、私は、それは都立学校の基準に合わせたのではないかなというふうに思っているんですね。
 都立学校の冷房設置は、前回、資料要求でいただいた資料にも書いてありましたけれども、図書室、視聴覚室、音楽室、パソコン教室など、標準的に冷房施設を整備するものとし、都立高校では冷房化を完了していると、資料にこういう記載がございました。今回の小中学校の特別教室もここに合わせているのではないかと推察されます。
 都立高校における冷房設備の導入をちょっと私調べてみたんですけれども、まず最初に冷房設備が導入されたのは保健室、次に警備員室、次いで事務室でした。これが昭和の時代です。
 それから、今回、区市町村の特別教室の補助対象となるような音楽教室、視聴覚室、図書室等に設置されたのは昭和六十三年から平成二年にかけて、そして、平成三年から十年にかけてパソコン教室、ワープロ室、職員室、用務員室等に設置されて、普通教室に冷房設備が設置されたのは一番後でしたね。平成十九年、二〇〇七年でした。
 都立高校の普通教室に冷房設置がされる前の議事録を見ますと、暑さ対策として、都内の私立高校や区立小中学校で冷房の設置が進んでいる状況を踏まえて、都立高校でも冷房化を進めるべきだという声がさまざまな会派から出されていました。
 暑さ対策として冷房設置したのは、都立高校は後ろの方だったと思うんですね。ですから、普通教室よりも大分前に都立高校の特別教室に冷房設置したときは、確かに防音とかコンピューター室の熱がこもる、こういう理由で冷房化が必要だと、そういう理由から設置したのかもしれませんが、冷房を設置しないと生徒が暑くて大変だという理由ではなかったということだと思うんです。
 しかし、今の状況は、本当に特別教室は、使用頻度が低いから冷房化は必要ないとはとてもいえる状態ではありません。
 そこで、改めて都立高校について、全ての特別教室に冷房設置を考えるときではないかと思いますが、これについてもお伺いしたいと思います。
 そこで最初に、都立高校で冷房化していない特別教室はどれぐらい残っているのか伺います。

○堤都立学校教育部長 既に冷房化が完了しております音楽室やパソコン室等以外の、例えば物理、化学の実験室ですとか、家庭科の調理室等の特別教室につきましては、平成二十四年十月一日現在で、改築工事等を実施中の都立高校を除きますと千二百五室ございまして、このうち冷房化されていないのは七百三十三室でございます。

○里吉委員 都の設置基準の対象じゃない特別教室、全都の都立高校で七百三十三の教室に冷房施設がついていないということがわかりました。
 猛暑が続くこの数年の夏の状況を考えれば、計画的に冷房化を進めることは緊急課題だと思いますが、ぜひ都立高校でも理科室、家庭科室、美術室の冷房化を計画的に取り組むべきだと思いますが、見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 都立高校の特別教室のうち冷房化する教室は、防音性が求められる部屋、熱を発するICT機器が設置されている部屋としておりまして、具体的には図書室、音楽室、パソコン室、LL室などでございます。
 理科室や家庭科室などは冷房化の対象としておりませんが、教室の配置や周辺環境等に配慮すべき事情がある場合には、冷房化の必要性を個別に判断し、適切に対応しております。

○里吉委員 冷房化の必要性、個別に判断ということでしたけれども、個別に判断するのは、教室の配置とか周辺環境ではなくて、少なくとも特別教室が夏の間、一体何度まで室温が上昇しているのか、実態調査するなりして対応すべきだと思いますよ。
 周辺環境とか教室の配置ということではなくて、この数年、毎年のように本当に暑い日を何日も記録しているわけですから、その実態をぜひ見ていただきたいと思います。
 冷房化の問題の最後に、特別支援学校の体育館の冷房化についても伺います。
 この問題も十月の事務事業質疑で、計画的に進めるように求めておりましたが、予算特別委員会では、他会派の方への答弁で、今後検討するというお答えがありました。どのように検討するのか、私からも改めて伺います。

○堤都立学校教育部長 先日の予算特別委員会の代表質問におきまして、秋田一郎理事のご質問にお答えいたしましたとおり、真夏日や猛暑日における特別支援学校の児童生徒の健康状態の急変やパニックなどを防止する必要性が高まっているということから、特別支援学校の体育館の冷房化につきまして、今後検討していくものでございます。

○里吉委員 代表質問と、それから予算特別委員会と、どちらでも質問されていたということで、多くの保護者の方からも要望が出ておりますので、ぜひこれは私からも進めていただくように求めておきたいと思います。
 そして次に、高校の中退者支援についての質問に移っていきたいと思います。
 高校中途退学者等への支援策について伺ってまいります。
 ひきこもりの支援について聞き取りを行う中で、新たなひきこもりを生まないための対策の一つとして、高校中途退学者への支援が大切だという話を足立区のひきこもり支援の担当者の方から伺いました。
 高校生を中途退学させない、進路未決定のまま卒業させない、何らかの支援機関に結びつけることが大切だとおっしゃっておりました。このことは、ひきこもり予防というだけでなく、一人一人の自立を支援するという点でも大事な観点ではないかと思います。
 東京都の調査でも、都立高校の中途退学者は三千人を超え、加えて進路未決定のまま卒業した者も二千人を超えているとされています。
 二〇一二年二月策定の都立高校改革推進計画の第一次計画の中で、中途退学の未然防止と中途退学者等に対する進路支援を掲げました。この中で、中途退学者の現状調査、退学に至った経緯の調査、再チャレンジを支援する方針を示しました。
 二〇一三年三月には、都立高校中退者等追跡調査報告書をまとめて、その結果を受けて、九月には都立高校における中途退学者の未然防止と、中途退学者への進路支援事業のモデル事業が区部と市部二カ所でスタートいたしました。
 私は、この事業について足立区の担当者の方からも大変期待しているというお話を聞いてきたんですけれども、まずこの事業の目的と事業内容についてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 この事業は、都立高校における在学中の生徒の進路を決定するための支援と中途退学の未然防止、さらに、進路が未決定のまま卒業した生徒と中途退学者に対する切れ目のない支援を目指した事業でございます。
 具体的には、若者支援に実績のあるNPOの職員を都立高校に派遣し、教員と連携しながら、生徒との個別面談や就労を初めとした次の進路につながる支援などを実施しております。
 また、中途退学者等に対して、学校を離れた後の一定の期間、就労支援機関に関する情報提供や就労に向けた働きかけなどの支援を行うものでございます。

○里吉委員 具体的なモデル事業が進んでいるということで今お話いただきましたが、国の方でも二〇一〇年七月に内閣府が子ども・若者支援地域協議会運営方策に関する検討会議報告という中で、高校中途退学は、フリーターや若年無業者など、社会的弱者に至るリスクが高く、とりわけ中途退学者の多い高等学校にあっては、彼らを守る最後のとりでとしての役割を期待したい。そこで、就労支援機関などの地域社会資源と緊密に連携し、高等学校在学中における早い段階から計画的に支援を行っていくことが必要である、こういうふうに述べています。
 先ほどご説明いただきましたが、今回のモデル事業も、高校に直接NPO法人の職員の方が訪問して、生徒と個人面談を行う、就労なども含めた次の進路につながる支援を実施するということで、高校生が自立していくための支援が期待されます。
 足立区なんですけれども、この担当者の方は、中学生までは区立中学生ということで区とつながっているが、高校生になった途端、自治体との関係が切れてしまうこと、そして、高校などを退学してひきこもり状態になってから、何年かしてから区の相談窓口に来るケースもあるということから、区としても高校生の支援をしたいと考えていたそうです。
 今回のモデル事業は、ひきこもり防止という点でも、高校生の自立支援という点でも、大変期待しているとおっしゃっていました。
 この事業をこれから進めていくわけですが、サポートステーションとの連携ということが書かれています。
 中途退学者や進路未決定者への支援の一つとして、就労支援を幅広く行うサポートステーションの活用が大変有効だとされていますが、どのように連携をしていくのかお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 昨年十二月には、区部で実施しているモデル事業において、地区内の都立高校とさまざまな就職支援プログラムを持つ地域若者サポートステーションなどの就労支援関係機関による協議会を設置し、中途退学者や進路未決定で卒業後の切れ目のない支援策について協議しております。

○里吉委員 今、切れ目のない支援策ということがいわれましたが、本当にこれが大切だと思います。高校生のときにちゃんと進路が決められていれば、もしくはサポートステーションなど支援団体とつながっていれば、何年もひきこもり状態にならなかったかもしれない、そう思う十代、二十代の子が、足立区の方にひきこもり相談の窓口に来るということで、ぜひこれを進めてほしいと、担当者の方も期待を述べておりました。
 また、中退などの背景には、貧困や家族の病気など、家庭の事情がある場合も多いと伺いました。高校段階でもスクールソーシャルワーカーがいて、家庭の状況を丸ごと見きわめて、福祉や医療も含めた行政などの支援につなげてもらえたら、中退せずに学校に通える高校生もふえるのではないかとおっしゃっていました。
 二〇一四年度予算案では、全ての区市町村にスクールソーシャルワーカーの配置を目指すとして、金額も拡充されたのは、私たちも要望してきたことでもありますし、大変うれしく思います。
 同時に高校生は、生徒の住んでいる区市町村もさまざまですし、学校の先生が地域の家庭の状況も含めて把握する小中学校に比べてもなかなか難しい面があると思います。
 福祉や医療に詳しいスクールソーシャルワーカーの役割は大変大きいことを考えても、ぜひとも今後、都立高校にもスクールソーシャルワーカーを配置、派遣していただくようなことも要望しておきたいと思います。
 それから、今お話ししたのはモデル事業だったんですけれども、全都的な中途退学者等への支援として、東京都教育相談センターの行っている青少年リスタートプレイス事業、これも私、初めて勉強させていただいたんですが、高校中退した人や中学で不登校になっている人などがこれからの進路について幅広く相談できる事業と伺いました。
 具体的にどのような事業を行っているのか、またどのように周知しているのか、あわせて伺います。

○金子指導部長 青少年リスタートプレイスは、平成十七年度に都教育相談センター内に設置されまして、高等学校の中途退学者、中学校で不登校の状態にある生徒やその保護者等への支援を主な業務としております。
 具体的には、子供や保護者等からの高等学校の入学、転学、編入学に関すること、就労に関することなどについて、電話や来所による相談に応じるとともに、各学校の教育課程や特色など、進路選択に当たり参考となる情報提供を行っております。
 この事業を周知するため、リーフレットを都内全ての公立中学校及び高等学校を初め、区市町村の適応指導教室や東京しごとセンターなどの関係機関に配布するとともに、当センターホームページに事業内容を掲載するなどいたしまして広報をしてございます。

○里吉委員 パンフレットを私も読ませていただきましたが、相談事業はもちろん、本当に多彩な取り組みが行われていると思いました。中退してしまったけれども、もう一度高校で学ぶにはどうしたらいいのか、転入や編入学の相談とともに、自信がないし不安だという方には、継続的な相談もできるし、保護者だけでも参加できるつどいでは、「揺れ動く子供の心と回復への道のり」とか、「社会とつながるはじめの一歩」など、多彩なテーマで専門家の方が話をしてくれる。年八回ほど開催して、参加した親御さん同士が学び、考え、語り合える、子供も含めてですけれども、こういう場を設けているということでした。本人だけでなく、家族にも寄り添った大事な事業だと思いました。
 リスタート登録ということをすれば、さまざまな情報や事業内容が送付される、こういうサービスも行っていました。
 実績を見せていただいたんですが、リスタート相談回数、この数年、七百件から八百件、つどいも毎回二十数人の参加ということでした。それなりに実績はあるんですけれども、率直にいってもっと利用されてもいい事業ではないかなというふうに思います。
 周知方法について、インターネットというふうにおっしゃっていましたけれども、インターネットでこの事業を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。東京都教育相談センターのホームページを開いても、すぐには見つかりませんでした。ぜひこの事業を必要としている世代、ネットを使っている世代は多いですから、検索しやすいように工夫してください。
 それから、中学校や高校に来ているスクールカウンセラーの方にも、この事業内容を伝えるなど、ぜひ必要な人に情報が届くように求めておきたいと思います。
 それでは、最後になりましたけれども、生活指導統一基準について伺ってまいります。
 今年度、都立高校十八校で先行実施されているそうですが、生活指導統一基準、この取り組みはどのようなものなのか、その内容と策定した目的、あわせてお答えください。

○金子指導部長 これまで都立高校におきましては、生活指導の指導基準が学年によって不統一であったり、全教員に共通理解が図られていないなどの課題がございました。都教育委員会は、こうした課題を解決するため、生活指導統一基準を策定することといたしました。
 この生活指導統一基準は、都立高校生の基本的なルール、マナーの理解及び実践する力の向上と、みずからの行動に責任を持つ意識を育むことを目的としております。
 その内容といたしましては、公共の場や交通機関でのルール、マナーを守るや、時と場に応じた身なりや所作がきちんとできるなどの身につけさせる規律、規範と、来年度策定予定の懲戒を含む特別指導の指針とで構成されております。
 各学校は、都教育委員会が作成いたしました生活指導統一基準に基づきまして、学校の実態に応じて統一した基準を作成し、組織的な生活指導を実施してまいります。

○里吉委員 今ご説明いただきましたが、生活指導統一基準、この内容として、身につけさせる規律、規範を決めると。それから、来年度懲戒処分を含む特別指導を決めるということでした。
 これは、これまで学校や教師がそれぞれ判断して、生活指導について行ってきたと思うんですが、都教育委員会がその内容を統一して示すということでよろしいんでしょうか。伺います。

○金子指導部長 生活指導統一基準は、各学校が組織的な生活指導を実施するための都教育委員会による大綱的な生活指導の基準でございます。
 各学校は、生徒の実態に応じまして、身につけさせる規律、規範に基づき指導内容を設定するとともに、懲戒を含む特別指導の指針に基づき、独自の規定を整備してまいります。

○里吉委員 そこがよくわからないんですけれども、各学校で決めるんであれば、統一基準をつくる必要はないと思うんですよ。都教委が統一基準を示せば、結局、各学校はそれにおおむね従うということになるんじゃないかと思います。
 ですから、あえて今、それぞれで指導を行っている中で、あえて統一基準をつくる、この必要性が本当疑問なんです。
 そもそも学校教育法第十一条では、校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲罰を加えることができる。ただし、体罰を加えることができないとか、施行規則第二十六条でも、校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当たっては、児童等の心身の発達に応ずる教育上必要な配慮をしなければならないなど、いろいろ決まっております。
 生活指導だとか、その先に今おっしゃっている懲戒処分、これに責任を持つのはやっぱり学校の現場なんですよね。ですから、今、学校の現場が最終的には決めるっておっしゃったと思うんですけれども、だったら、都教委が統一基準をつくるということをする必要はそんなにないんじゃないかなと思うんですね。
 それぞれ学校によって、子供たちの状況によって特徴があります。それぞれですよね。ですから、子供たちと日々接している、子供たちの教育に直接責任を持っている学校や教員が、そのことについては判断できると。
 ですから、先ほどご答弁では、大綱的な生活指導の基準とか、各学校の生徒の実態に応じてとおっしゃっていましたけれども、法律との関係では都教委の権限に属することではありませんから、表向きそうなるんでしょうけれども、一方で、今、私がいったように統一基準、統一した基準ということですから、学校それぞれではなく、都立高校全体で統一したいのではないかと思われてしまうと思うんです。
 高校生がこういう行為をしたら訓告、こういう行為は停学という感じで都教委が決めて、それに基づいて、最終的に決めるのは各学校というふうになるんじゃないでしょうか。
 生徒の状況や学校の状況によっていろいろ違うわけですから、統一基準などをつくるんじゃなくて、示すとしても参考例程度にするべきだと思います。
 懲戒処分についてはさまざまいわれていますので伺っていきたいんですが、特に懲戒処分を含む特別指導、これが策定されると、都立高校は厳罰主義に走るんじゃないか、こういう心配の声が出されています。具体的にはどうなるのか改めて伺います。

○金子指導部長 各学校は、都教育委員会の懲戒を含む特別指導の指針に基づきまして、校内規定を策定いたします。この校内規定に基づきまして、生徒の問題行動に対しては、その行為の重さなどを勘案いたしまして、説諭や懲戒などにより、当該生徒に責任を自覚させた上で、一人一人の生徒の実態に即して、改善のための指導を粘り強く実施するものでございます。

○里吉委員 この問題について、六月の教育委員会でも議論されておりました。議事録を読ませていただきましたけれども、竹花委員でしたけれども、これはいろいろな指導を経た上での、はっきりいって最後の手段というべきものだということをきちんと総論に入れなければならないと。つまり、これがあるからすぐに処罰だよということではなくて、いろいろ指導を経た上での最後の手段として懲罰があるんだよということをはっきり、きちんとこの文書の中に入れようと、こういう発言をされています。
 こういう考え方で、本当に罰則化ではなくて、それは最後の手段であって、まずは生徒に責任を、どうして怒られているのか、どうしてこのことが悪いことなのかわかってもらって、反省してもらう、こういう指導を粘り強く行う、これがまず必要なことだ、こういう理解でよろしいでしょうか。

○金子指導部長 問題行動を起こした生徒に対しましては、責任を自覚させることが必要でございます。学校におきましては、一人一人の生徒の実態に応じて、粘り強く改善のための指導を行うことで、本人の責任と自覚を促してまいります。その上で、問題行動の行為の重さなどを勘案し、必要に応じて懲戒処分を行う場合もございます。

○里吉委員 責任を自覚させることが大切と、私も本当にそうだと思うんです。
 私も都議会議員になってから、都立高校の保護者の方から、お子さんが受けた特別指導、まだ懲戒ではないですけれども、相談を受けることがあるんですね。その内容、そのお子さんが起こした行為がどういうものなのか、私、判断することはできませんけれども、気になるのは、問題行動を行ったら、もうしません、次にしたら退学になっても文句はいいませんというような誓約書を書かせて、次に学校に行くと、事あるごとに先生が生徒に対してそれを持ち出して、今度やったらだめだよということを持ち出すという話なんですね。
 つまり、生徒になぜその行為がよくないことだったのか、心から理解させ、納得させる指導ではなくて、謹慎や退学でおどかすようなものになっていると。少なくとも保護者の方にはそう見えているということなんです。
 もちろん多くの先生は、生徒が成長できるように心を砕いて指導してくださっていると思います。でも、統一基準をつくることで、処分を盾に押さえつけるようなやり方を助長させることにはならないかと心配なんです。
 そこで、懲戒処分について、これからこれを導入しようとしているわけですが、各学校で懲戒処分を含めた校内規定、説諭、訓告、停学、退学、こういう言葉が並んでいます。都立高校、これまで先ほどの特別指導、私も触れましたけれども、問題行動については、指導として登校謹慎、自宅謹慎、こういうことが行われてきました。例えば謹慎処分というのは、今後は停学という懲戒処分になるということなんでしょうか。お伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会の懲戒を含む特別指導の指針に基づきまして、各学校が定めた校内規定により、校長は問題行動の内容や個々の生徒の実態に応じまして、懲戒処分も含め生徒への指導方針を決定するものでございまして、全てが停学処分になるというものではございません。

○里吉委員 ちょっと確認しますけれども、今までの処分の謹慎処分と懲戒処分としての停学は、どちらもあるということでしたが、どういうふうに違うんでしょうか。生徒にとっては、どちらも学校に来るな、もしくは登校して自習室でということで、経過としては、事象としては同じだと思うんですが、どういうふうに違うのか、ちょっとその点だけお伺いしておきます。

○金子指導部長 懲戒は、学校教育法第十一条及び学校教育法施行規則第二十六条に基づいて行われるものでございまして、訓告、停学、退学があり、処分としての性格を有しております。
 一方、特別指導は、問題行動を起こした生徒に対しまして、深い反省と改善を促す指導であり、各学校が生徒指導上の措置として行うものでありまして、説諭、謹慎などがございます。

○里吉委員 今説明されたんですけれども、今、なぜ指導に加えて懲戒処分を含む特別指導の指針の策定を行ったのか、その違いについて聞いたんですけれども、具体的にはわからないというか、同じ行為ですけれども、一つは法に基づく、一つは法に基づかないという違いしかありませんでした。
 それで、先ほど議論いたしましたけれども、本人が行った行為、問題があるということを自覚することが大事だという議論がありましたけれども、その点でいえば、都教委がまとめた高校白書でも、生徒の規範意識が低下していると思っている都立高校生が約七割と示されていました。
 生徒自身がそういうふうに思っているわけですから、生徒自身に守るべき規範とは何か、どういう行為が危険行為なのか、人に迷惑をかける行為なのか、きちんとみずから考えて行動できる、こういう生活指導が改めて大切だと思います。
 そういう意味では、都教委として今回、先行してやっている学校でそのようなことをやっていると伺いましたけれども、その内容についてお伺いします。

○金子指導部長 平成二十五年度の規範意識向上先行実施校十八校におきましては、守るべきルールやとるべき行動について、生徒みずからが考え、それを実践する取り組みが行われております。
 具体的には、生徒会役員等が登校時間に校門に立って正しい制服の着用について呼びかける、規範意識向上にかかわるポスターを作成して校内に掲示する、ノーチャイムデーで時間厳守を全校生徒に放送で呼びかけるといった取り組みが行われております。

○里吉委員 生徒会がみずから自分たちで考えて行う、こういうこともやっているということでしたから、ぜひそういうことを今回、規範意識というときにぜひやっていただきたいと思うんですよ。
 今、都教委が上から生活指導統一基準、こういうものを決めて、これを守りなさいというふうにして、そして学校がそれをもとにして、これを守りなさいと子供たちにいってというふうにするのではなくて、ここに書かれていること、私も全部読みましたけれども、例えば自転車二人乗りはいけないとか、授業妨害はいけないとか、当たり前のことが書いてあるわけですよ。
 しかし、これができない生徒が多いということを変えようということですよね。ですから、どうしてこれが迷惑行為なのか、子供たち自身に考えさせる、そういう教育がやはり必要なんじゃないでしょうか。(発言する者多し)上から押さえつけて、これを守らなければ厳罰処分だよというやり方は、教育とは相入れないということだと思います。
 都立高校生の規範意識、守らなければいけない生活のルール……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○里吉委員 これを育てるためには、やはり生徒自身がみずからルールを考えて実践していく、自分たちで考えて行動する、これを応援する、そういう教育、指導、先生たちの力量がここに問われていると思うんですけれども、改めてこのことについて、都教委としての見解を伺います。

○金子指導部長 生徒一人一人の規範意識や思いやりの心を醸成し、社会的自立を図るためには、各学校が生活指導の基準を明確化して、組織的な生活指導を行うとともに、保護者や地域、関係機関と連携した指導体制を構築することが重要でございます。
 また、一方的に教員が指導するだけではなく、生徒みずからが守るべきルールやとるべき行動を考え、社会の一員としての責任と自覚を高めることが必要でございます。
 今後、都教育委員会は、生活指導統一基準を策定し、学校における生活指導の組織的な取り組みや継続的な指導を通して、生徒の規範意識を育成してまいります。

○里吉委員 生徒自身が規範意識というものを持つための生徒指導、そこを行うのではなくて、曲がりなりにもこういう基準があるから、これを守らなければだめだというような指導にならないように、ぜひ子供たち一人一人の人格の形成、それを応援する立場で、学校が、先生たちが本当に生徒と向き合えるような環境をつくって、生徒たちが社会に出ても通用するルールを身につけさせようということが教育委員会でも議論されていましたから、そういう考える力、そしてみずから行動する力、そういう自立する高校生を育てていっていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

○あさの委員 私からは、第五十八号議案について質問させていただきたいと思います。
 その中身に入る前に、全ての都立高校生の授業料を免除してきた高校無償化制度について、まず確認をさせていただきたいと思います。
 この制度は、保護者の所得に影響されることなく、全ての子供たちが平等に教育を受ける権利を保障していく上で一定の役割を果たしてきたと考えておりますけれども、まずこれについて、都教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律、いわゆる不徴収法でございますが、国会で文部科学大臣が法案の趣旨説明で述べておりますように、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することを目的として、平成二十二年度に制定されましたが、その施行後においても、低所得者世帯の生徒について、高等学校教育に係る経済的負担が十分に軽減されていないということを理由といたしまして、平成二十五年十一月に今回の法改正がなされたものと考えております。

○あさの委員 今、お話があったとおり、国会の議論の中では、低所得世帯の生徒たちについて、経済的負担が十分軽減されていないということになったわけですが、今回の法改正は、その分をいわゆる高額所得者というか、一定以上の所得を持っている人たちの分から、その人たちは、じゃ、十分だろうという意向なのかどうかわかりませんけれども、そこを切ってやるという話になっているわけですね。
 さらに伺いますけれども、都はこの条例上の授業料額、つまり平成二十二年度制定で、いわゆる不徴収で公立高校の無償化ということをやった制度について、この条例上の授業料額と国からの不徴収交付金ということで、差額が当時ありましたけれども、その差額を徴収しないで、実質、公立高校生の授業料無償化の取り組みというのを後押ししていただいたと思います。
 私たち都議会民主党は、この取り組みを大変評価しておりましたけれども、これについて今回はまたどうなるのかということについても含めて見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 不徴収法が施行されました平成二十二年度の時点で、条例に定める都立高校の授業料は、例えば全日制では十二万二千四百円でございました。
 不徴収法の第三条では、公立学校については授業料を徴収しないものとするとしておりましたことから、国から交付されます不徴収交付額との差額を含めた授業料全額を徴収しておりません。
 なお、今回ご提案しております条例案につきましては、三千六百円の部分を下げまして十一万八千八百円、不徴収交付額と同額ということに定めるご提案をさせていただいております。

○あさの委員 せっかくこれまで無償化という形で来ていました。これは後ほども述べますけれども、我々が政権をとったときに掲げた理念というのは、いわゆる困っている人を助ける、これもこれで大切なことですけれども、教育に関しては、無償で高等教育まで、日本における高校の教育まではただで受けられるようにしていこうというところが大出発点だったと思います。
 例えば先ほどの話にも一部出ておりましたけれども、国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約というものの第十三条の(b)には、種々の形態の中等教育、技術的及び職業的中等教育を含むものについては、全ての適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、全ての者に対して機会が与えられるものとすることとの条文があるわけです。
 いわゆる中等教育無償化条項というものですけれども、日本では長い間、この条項の内容を留保して実現してきませんでしたが、我々民主党政権のときにこれを撤回して、高校授業料無償化制度というのを開始いたしました。
 OECD諸国の中でも日本とわずかしかお金を取ってというのはやっていないわけですね。基本的にはみんなただでやるというのが常識になってきているわけです。
 世界各国を見てみましても、フランスやドイツ、イギリスなど、ほとんどの先進国も無償となっているため、ようやくそこに追いつく一歩を踏み出したといえるのではないかと思っていたんですが、残念ながら、この四月から入学される高校一年生からは、所得制限というのが導入され、保護者の収入によって授業料を徴収することとなってしまい、全ての都立高校生の教育の機会均等という意味からいくと、少し後退してしまったんではないかというふうに私たちは考えるわけです。
 東京都として、都立高校生の教育における機会均等に向けて、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、まず伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、授業料が不徴収となります平成二十二年度以前から、経済的な理由で授業料を納付できない生徒には、授業料減免の制度によりまして就学の機会の確保を図ってきたところでございます。

○あさの委員 東京都としては、減免ということを行ってきていただいたわけであります。東京都は、公立学校への今回、先ほどのご答弁にもありましたとおり、冷房導入ということで、受益者負担として高校生からは年間三千六百円というのを徴収しておりました。
 その後、東京都が平成二十年度に全都立高等学校のホームルームの冷房化を終え、平成二十五年度、全公立小中学校のホームルームの冷房化を終えたことから、冷房のランニングコストが残るものの、授業料から差し引くことを決めたということと伺っております。
 改正案で高校授業料を軽減することに対して、私たちはもちろんそれを評価しておりますけれども、ただ、できれば平成二十年度に高校の冷房化を終えたところで軽減をしておくべきだったんじゃないかと思ってはおります。
 また、所得制限に関してですけれども、四月の新年度から都立高校に入学する生徒のうち、高等学校等の就学支援金の支給を申請する生徒は、保護者の収入に関する書類を添付し、高校に届け出ることになります。
 これは先ほどのお話でもありました、国から就学支援金が支給される対象世帯は、年収で九百十万円未満、区市町村民税の所得割額が三十万四千二百円未満の世帯になると伺っております。
 それ以上の収入がある世帯の高校生は、いわゆる授業料を支払うということですけれども、これも満額支払うということになりますね。支給手続の意向確認書を提出しない場合、申請しない場合でも、もちろんこれは満額の高校授業料を支払うということになるわけであります。
 この制度の導入によって、いわゆる保護者の収入の詳細を初めとして、全都立高校生徒の極めてプライバシーにかかわる情報が都立高校に集約されることになると思うんですけれども、高等学校は、これらの提出されたプライバシー情報をどのような規定や取り組みをもって保護して、そして管理していく考えなのか、見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 都立高校が保有する個人情報は、東京都個人情報の保護に関する条例及び東京都教育委員会個人情報取扱事務要綱に基づきまして、各学校で保有個人情報安全管理基準を定めて、適正に対応しております。
 今回の就学支援金の受給申請に係る書類につきましても、持ち出し禁止に該当する非常に機密性の高い個人情報であることから、厳正に保護及び管理を行ってまいります。

○あさの委員 今、個人情報についての管理をしっかりやっていくというお話はありました。もちろん、これはやっていただけるでしょうし、これまで例えばICTというかIT化が進められたときも、USBだ何だということの問題もありました。最近はそれがもう本当に減ってきている。
 これは、都の教育委員会及び現場の先生方、管理職の皆様方のご尽力によるものだと評価をしておりますけれども、どちらにせよ、人がやることというのは、基本的に私はミスを前提にすべきだと思っているんですね。どのように仕組みをつくっても、どんなに意識を持って挑んだとしても、ほんのちょっとした予想だにし得ないようなミスというのがあって、そのミスがあって初めていろんなところが締まっていって、やっときちっとしたものになっていくものだと思います。また、それをある程度寛容する社会であるべきだという思いもあります。
 ただ、そのミスが起こることを前提にしておかないと、起きたときに物すごく泡を食うことになりますし、教育委員会としては、今のように厳正に保護管理していくというご答弁をいただきましたので、それはしっかりやっていただけるものだと思いますが、だとしても、現場には多少の混乱は発生するものだということは、これを導入されるんでしたら、理解をされていただいた方がいいということだけは申し添えておきたいと思います。
 平成二十六年の四月分から六月分、つまり来年度新しく入学される高校一年生ですね。四月分から六月分までの就学支援金を支給する、いわゆる第一回目の受け付け期間というのは四月の末日までとなっているようです。入学後、つまりすぐに準備をしなければなりません。
 そこで、自治体で課税証明書について聞いてまいりました。使用目的である高等学校等就学支援金の支給のために課税証明書を申請するときには、もちろん、当然、これは手数料もかかるんですね。
 そして、生活保護世帯は免除になりますけれども、その他の世帯は従来どおり、つまり変わらずに手数料が発生いたします。
 さらに、生徒が添付申請する区市町村民税の所得割額が確認できる書類、住民税の課税証明書の発行などを生徒が毎回手間をかけて行うことになり、そしてそのたびに手数料も払うという負担もあることについて考えていただきたいということも申し添えたいと思います。
 三年経過しますと、都立高校は申請した生徒と保護者の収入など、生徒のプライバシー情報を完全に把握して、授業料を徴収する生徒と徴収しない生徒ということも把握できることになると思います。
 保護者の所得や生徒の生活環境を原因として、生徒の間の人間関係が微妙に変化する、亀裂が入ったりしないように、都立高校はどのように対応していくのか伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 今回の制度の実施に当たりましては、就学支援金の受給申請を行う家庭だけではなく、全ての保護者から申請の意思確認書を都が配布した封筒に厳封して提出いただくこととしております。このことによりまして、受給申請の有無によって保護者の所得が推定されることを防ぐとともに、申請漏れを防止することができます。
 また、学校での書類確認は経営企画室のみで行うなど、必要最低限の人数での情報管理を徹底してまいります。

○あさの委員 先ほど申し上げたとおり、ミスだけじゃなくて、例えば今の情報の管理を徹底されるというやり方でも、当然、これは学校運営側からその情報が漏れることはないと思うんですね。
 しかし、当の申請する生徒自身はわかっているわけです。自分の家庭が申請する対象の家庭なのか、そうでないのかということがわかってくると思うんです。もちろん親が完全に生徒にも秘密にするのであれば、それは知らされないと思いますが、恐らく高校生ぐらいになると、自分の家庭は授業料を払うのか、払っているのか、それとも払ってないのかといったことは把握するようになる。
 それは、生徒自身が口に出してしまえば情報として流れていくわけですね。それは、別に個人情報の保護というところでは、自分でしゃべっているんですから問題にはなりませんけれども、今申し上げた人間関係の微妙な変化という部分については、実は漏れていくことになるのではないかと思います。
 その分も現場の先生方は、そこまで今度は気を使うというか、状況としてそういうことが起こり得るんだということも今考えておかなければならないところになるんだということも指摘をしておきたいと思います。
 今回の制度を導入した場合、高校は多数の所得階層を把握するとともに、分類、申請することになって、毎年多忙を極めることになると思うんですね。特に申請される時期、あと、入学の時期ももちろんそうだと思います。一遍に新しい生徒が入ってきて、やることがたくさんあるのに、そこにさらに新しく入ってきた人たちですから、所得が全くわからない中でどうなるのかということも全部分類、分析等しなければいけないということになると思います。
 制度改変によって、各都立学校への事務処理増の影響というのをどのように認識されているのか。また、各学校の混乱ですね、先ほども申し上げたいろいろな混乱が考えられると思いますけれども、これをどのように回避していく考えを持っていらっしゃるのか伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 事務処理に当たりましては、授業料が不徴収になります平成二十二年度以前から活用してまいりました授業料等徴収システムによりまして、各生徒が就学支援金受給の対象となるかどうかの審査や、授業料の納付状況の管理を行いますとともに、受給申請に必要な申請書類の回収、結果通知等の事務を委託いたしまして、学校現場の負担軽減を図ってまいります。

○あさの委員 先ほどの質問にもございましたけれども、東京都の九百十万円以上、これは推定値ですけれども、ことし入られる高校一年生の生徒数というのが、都立高校で四万八千五百七十一人ですか、その中に九百十万円以上というのが恐らく一万四千五百二十四名、九百十万円未満が三万四千四十七名というところで、大体三対七の割合で、三割ぐらいの人がいわゆる授業料を納めるというところになるんだと思います。
 この条例改正案で、授業料を徴収する、所得層を設ける、これはもちろん国の法律改正によって行われる改正ではありますけれども、私たちとしては、先ほど申し上げたように、世界的に見ても、今はいわゆる高等教育、特に今、高校というのもほぼ全員が入るとまでいわれるぐらいの時代になってまいりました。
 そういった時代で、授業料を世界的に見てもただでやるのが当たり前となっている中で、せっかくただにしてやってきたのに、それをあえて所得制限を設ける。それは、我々の発想は、救済措置ではなくて、あくまで教育は社会全体で、子供の教育というのは社会全体で行うものなんだと。少なくとも教育費は社会全体で負担しようじゃないかという理念で行った高校無償化制度でありましたので、そういった観点から見ると、正直、所得制限を設けるということには納得できない部分があります。
 都の条例改正案の課題と国の就学支援金を都立学校が受け入れることについての諸課題についていろいろ聞いてまいりましたけれども、保護者の所得に影響されることなく、全ての子供たちが平等に教育を受ける権利を保障していくという、本当に一律にみんなが受けられるんだということの上で、一定の役割を果たしてきた高校授業料の無償化制度を廃止するべきではないというのは私たちの思うことですし、社会全体で子供たちの学びを支える、教育の機会均等に向けて取り組む手だてということをこれから示していくということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○やながせ委員 私からはまず最初に、英語の教育の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 私も中高六年間、大学四年間を含めて英語の勉強をしてきたわけですけれども、残念ながら海外に行ったら英語はしゃべれぬと、非常に悲しい状況にあるわけであります。
 私特有の問題ではなくて、非常に多くの方が悩んでいて、それで社会人になってからの英会話教室等々が盛んであるということだと思うんですね。
 オリンピックに絡めて、英会話のさまざまな授業をやっていくんだというような知事の発言もありました。これ、そもそもちゃんときちんと中学校、高校の六年間の間に、会話を含めた英語でコミュニケーションがとれるというような授業が行われていれば、本来、こういった授業は必要なかったわけでございまして、これからどういった取り組みをしていくのかということが問われているんだと思います。
 国もこのことを非常に大きな問題だというふうに捉えていて、平成二十一年三月告示の高等学校学習指導要領において、英語の授業を大きく変えるということになったわけであります。
 どう変わったのかというと、英語の授業を基本的には英語でやるということになったわけですね。この指導要領を読みますと、授業は英語で行うことを基本とすると。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するようにするものとするということで、授業は英語で基本的には行えというふうに、これ、大きな転換だなというふうに私は思いまして、ただ同時に、本当に英語で授業ができるのかというところが非常に不安に思ったわけでございます。
 この学習指導要領に基づく教育課程が昨年の四月から実施されているということで、現在の高校一年生は新しい教育課程による授業を受けているということを聞いているわけであります。
 そこでまずお伺いしたいんですけれども、今年度から新しい授業が行われているわけですけれども、どれくらいの先生方が英語で英語の授業を行っているのか、またそれに対する認識、これをお伺いしたいと思います。

○金子指導部長 平成二十五年十二月に、文部科学省が授業における英語担当教員の英語使用状況に関する調査を実施してございます。この調査で、特に高等学校の必履修科目であるコミュニケーション英語Ⅰにおきまして、都立高校の英語教員のうち、発話をおおむね英語で行っている、または発話の半分以上を英語で行っていると回答した教員の割合は四一%という結果でございました。
 こうしたことから、今後は教員研修の充実を通しまして、英語の授業を英語で効果的に進めることのできる指導力をさらに高めていく必要があると認識しております。

○やながせ委員 これ、昨年の十二月にやった調査で、都立高校の教員のうち、授業の半分以上を英語で行っているという教員の割合が四割であるといった結果になっておるということなんですね。
 これ、教育指導要領上は、授業は英語で基本的には行えということになっているけれども、四割しか行われていないという現状だということであります。
 それで、これはいきなり変わったわけではないんですね。昨年の四月から、これを実施することになったわけですけれども、その四年前にこれが告示されておると。つまり、告示をされて、こういった形になるよといわれてから四年間たっているということなんですが、ちょっと過去の話をしたいということで、この四年間、過去どんな研修等々を行ってきたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○金子指導部長 都教育委員会は、英語の授業は英語で指導することを基本とすると、高等学校学習指導要領に明記されました。英語科の改善事項を徹底するため、指導資料を作成し、英語科教員を集めて、指導資料説明会を開き、英語で授業を行うための具体的な手法を教員に周知いたしました。
 また、文部科学省作成のDVDの配布を通しまして、英語の授業を英語で行うことの具体的な実践のあり方について意識啓発を図りました。
 さらに、教職員研修センターにおきましては、英語科における四技能を育成する授業づくりや、言語活動の充実を図る指導のポイントなど、学習指導要領の改訂の趣旨を踏まえた研修を実施してまいりました。

○やながせ委員 三つのことを大きくやったよと。説明会を開きました、DVDを配布しました、研修センターで研修を一部の方に行ったということで、残念ながらこれだけの研修で、そもそも日本語で授業をしていたものを英語で授業を行えるはずがないということで、この四割という結果に出ているんだろうというふうに思うわけでありますけれども、この状況を何とか打開しなければいけないと思うんですね。
 とすると、そもそも、じゃ、今の英語の先生がきっちり英語が話せているのかといったところに私は注目をするわけであります。そもそも私が中学校、高校時代に習った先生は、発音はとんでもなくて、とてもこの人が会話ができるのかというような先生だったわけであります。
 そこで私は、英語科教員の採用選考、これについて調べてみたわけですけれども、英語科教員の英語力を採用選考時にどうやってはかっているのかということを調べますと、まず第一次選考で英語の専門教養に関する筆記試験、これを実施しておると。次に、第二次選考で受験者が書いた英語の授業計画について質問をする個人面接ですね。人柄を見る面接。それから、英語での質疑応答の実技試験二十分ということ、この二つの段階を経て、英語科教員が生まれるということのようであります。
 そこで、私からの提案としては、これはしっかりと質の高い英語力、これを担保すると。コミュニケーションができる能力を担保するということが必要だろうと。そのためには、さまざまな資格がございます。TOEFL、これは代表的な資格でありますけれども、こういったTOEFLを、受験するに当たってしっかりと要件として加えていくと、こういったことが必要ではないかと考えるわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○加藤人事部長 英語科教員の採用選考においては、英語科の中学校教諭普通免許状及び高等学校教諭普通免許状を取得済み、または取得見込みであることを受験要件としており、広く受験の機会を与えるために、TOEFLなどの英語資格は受験要件としておりません。
 なお、第二次選考の実技試験では、英文を出題し、その内容に関し実技委員と受験者が英語で質疑応答することを通じて英語力を把握しておりますが、受験者のうち、TOEFL iBT百点以上、実用英語技能検定一級などに該当する場合は、実技試験を免除しております。

○やながせ委員 TOEFLのiBT百点以上あれば実技試験は免除されるよということなんですけれども、これ、そもそも千三百人もの方が受験者でいらっしゃるわけですね。千三百人の方に二十分の実技試験をするという、これは大変なコストでございまして、コストといった面から見ても、そういった能力を公平公正に見ることができる資格試験があるわけですから、これをしっかりと活用する、こういったことを検討してはいかがかなということを提案させていただきたいと思います。
 実技が免除される方は、TOEFLでいえばiBT百点以上ということでありまして、こういった実技が免除される方は一割ぐらいいるということでございますけれども、やはり私は、これぐらいあってほしいというのが願いでありまして、ですから、試験のときには百点なかったとしても、一年以内には百点をとれよというような自助努力を促すと、こういったこともぜひやっていただきたいと思うんですね。
 ただ、こういった選考、これも大事でありますけれども、これから検証していくということを聞いております。英語で英語を指導する、そのためには、都教委はこの指導力を高めるために、平成二十六年度、中学校及び高等学校の英語科教員百四十名、これを選抜して、三カ月間、英語圏の大学に派遣すると。そこで何をするかといったら、TESOLという英語で英語を教える技術、これを学んでいただくという研修をするということを聞いています。
 百四十名、非常に大規模な研修ということで、私は非常に有効な活動なんだろうというふうに思うわけですけれども、ただ、行くに当たっても、先ほども申し上げましたけれども、ある一定の能力がある方を派遣するということは当然だろうというふうに思います。
 ですから、こういった選抜をするに当たっても、より自助努力を促すという意味でも、先ほどのようなTOEFLのiBT百点以上といった要件を課していく、こういうことが必要なんではないかと思いますけれども、これはどういった教員を派遣する予定なのか見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 本研修の派遣者は、派遣先の大学等におきまして英語科教授法を学び、教育機関でのインターンシップを行うことができる語学力を有する者で、研修終了後に各地区の英語教育のリーダーとなる者を予定しております。

○やながせ委員 ですから、語学力をしっかり担保すると。これ、かなり大きな金額、予算をかけてやる事業ですから、向こうでしっかりとTESOLという指導法、これを確立してきていただきたいと思うわけであります。
 その予算をしっかり活用できるようにするためには、ある程度の語学力の担保が必要なんではないかと考えますので、ぜひこれは検討いただきたいと思います。多額のコストをかけてやる事業ですから、より効果を波及するように努力をいただきたいということでございます。
 次の質問一問飛ばしまして、こういったさまざまな取り組みが必要なんですけれども、英語で英語の授業をするというのはなかなか難しいだろうというふうに考えます。ですから、ここは硬直的に考えずに、その能力に合った指導法というのが必要なんだろうと。また、重点指導校とエンカレッジ等々では教え方が変わって、これは当然だというふうに思います。生徒がどれくらい理解力があるのかということによっても、これは左右されることであると思いますので、指導要領はこういうふうになっているわけでありますけれども、これ、必ずしも日本語を使っちゃいけないということではないというふうに思いますので、ぜひ柔軟に対応していただきたいということを申し上げ、次の質問に移ります。
 次は、中高一貫教育校の問題であります。
 中高一貫教育校は、六年間の一貫した教育を通し、社会のさまざまな分野で活躍する人材を育成すること、これを目的に設置されたということです。
 この目的を達成するためには、入学者決定の段階で学力をしっかり見る必要があるだろうというふうに私は考えるんですけれども、現状、学力検査ではなくて、適性検査というものをやっておると。それによって入学者を決定しているというふうに聞いています。その理由を伺います。

○堤都立学校教育部長 適性検査により入学者を決定しておりますのは、中高一貫教育校の入学の許可について定めました学校教育法施行規則第百十条第二項及び第百十七条により、公立の小中一貫教育校の入学者決定においては、学力検査を行わないものと規定されているためでございます。
 そのため、都立中高一貫教育校におきましては、適性検査によりまして一貫教育校における学習活動への適応能力、教科横断的な力、複数教科の知識、考え方を用いて課題を発見し、回答する力を見ております。

○やながせ委員 中高一貫校の入学者決定においては、学力検査を行わないものというふうに、これは学校教育法施行規則の第百十条第二項及び百十七条に規定されておるということでありますけれども、これはなぜそもそも規定されているのか、それに対してどういう認識を持っているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○堤都立学校教育部長 中高一貫教育制度の導入に係る学校教育法の一部改正が平成十年になされた際に、中高一貫教育校が受験エリート校化することがあってはならないということや、受験競争の低年齢化を招くことがないように、公立学校の場合、入学者決定に当たって学力検査を行わないことなどについて、附帯決議が付されたことによるものでございます。

○やながせ委員 二つの理由があるということで、中高一貫校は受験エリート校化してはいけないんだと。それから、受験競争の低年齢化、これを招いてはいけないんだという、この二つのことが理由でこうなっておるということなんですけれども、それはおかしいなというふうに思うんですね。
 そもそも学校教育法が改正されたのが平成十年ということでございまして、その後、社会の情勢やゆとり教育の見直しなど、教育を取り巻く状況は大きく変化をしてきているわけであります。
 世の中が学力を重視する流れにあって、中高一貫教育校の入学者決定に当たっても、学力検査、これは必ず必要だろうというふうに私は考えるんですね。ですから、こういった附帯決議が付されているということでありますけれども、私は、これは特区の申請とか、国に対して法改正の働きかけ、こういったことが必要なのではないかというふうに考えており、私たちもそれに取り組んでまいりたいというふうに考えているわけであります。
 実際には、よくCMとかでも見ると思うんですけれども、都立に強いとかというCMがありますよね。これはenaさんという塾が都立に強いということをうたい文句にしてやっているわけでありますけれども、残念ながら、適性検査なるちょっと変わった検査を中高一貫校ですることによって、さらなる受験競争が巻き起こっているんではないかというふうに私は思うんですね。
 普通の私立の受験の場合であれば、これは学校の勉強に一生懸命問題集だったりとか、そういった普通の勉強、学力をつけていけば、私学の方には入れるわけであります。しかし、都立の中高一貫校の適性検査、私も過去問全部見ましたけれども、これ一つには、ほとんどの学校で長い論文を書かせるんですね。あとは、ちょっと独自の、とても学校では教わらなかったような解法を用いなければできない問題が出てくるわけです。
 論文を書くというのは、当然採点してもらわなければいけませんから、採点してもらうというのは誰かにやってもらわなくちゃいけないわけですね。とすると、これは当然、塾にやってもらうことになるわけですよ。
 そうすると、学力で、自分で勉強してなかなかできないことが都立の中高一貫校では出てくるということで、独自の塾に通っていかなければ、なかなか受からない、こういった状況を生み出しているわけでございまして、私は、これはどうなのかなというふうに思っているわけであります。
 普通に学力検査をすると。当然のことですよ。学力検査ができるように、今は法の附帯決議に縛られているということでございますけれども、努力をしてまいりたいというふうに思います。
 過去の適性検査を見ましたけれども、十校とも非常に工夫されているという印象でありました。しかし、これだけの問題を毎年作成するに当たっては、作成上の負担や問題の質を維持向上することについて危惧があるわけでありますけれども、この点についてお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 これまで中高一貫校十校それぞれで作成してまいりました適性検査を、平成二十七年度の入学者決定から共同で作成した問題と各校で独自に作成した問題との組み合わせによりまして実施をいたします。
 このことによりまして、適性検査問題の質の一層の向上と問題の共同作成を行うことによります問題作成の効率化を図ることができると考えております。

○やながせ委員 そうですね、みんなで問題をつくれば、よりよい問題がつくれると思いますし、その質の維持ができるんだろうというふうに思いますので、共同で問題をつくるということ、これはすばらしい取り組みだろうと思いますので、ぜひやっていただきたいというふうに思います。
 それで、都立の中高一貫校に入るに当たっては、もう一つ私が考える不安な点がありまして、これ、学校から提出された報告書というのが必要なんですね。これと先ほどの検査を総合的に判断して入学者を決定するということでございます。
 学校からの報告書には、各教科の観点別学習状況の評価や評定等が記載されるため、その記載内容については、児童にとって不公平だといけないということ、このことを思うんです。
 このことから、小学校における評価、評定の妥当性を確保し、適正で信頼される評価を推進するため、学校及び都教育委員会がどのような取り組みを行っているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

○金子指導部長 各学校では、校長のリーダーシップのもと、全教職員が評価、評定の方法等について共通理解を図り、さらなる改善、充実に組織的に取り組んでおります。
 また、各教科の評価、評定についての説明責任を果たすため、保護者会等の機会を通しまして、評価の内容、方法、結果について理解が得られるよう努めております。
 都教育委員会は、各学校を訪問いたしまして、適正で信頼される評価の推進に向けてなどの指導資料を活用し、校内研修で指導助言するなど、区市町村教育委員会と連携して、評価、評定の妥当性と信頼性の確保に向けた取り組みを推進しております。

○やながせ委員 ぜひやっていることをもっとPRしていただきたいと思うんですね。というのは、私の子供も十二歳でございまして、ことし中学受験をしたわけですけれども、私立に行くんです。私も私立受験組なんですけれども、そうするといろんなうわさが飛び交っているわけですよ。
 息子の同級生なんかも都立をたくさん受けられるわけですけれども、どういううわさが飛び交っているかというと、あそこの学校のあの先生に頼めば、ちょっとおまけしてくれるよと。この学校はすごい厳しいらしいよというようなうわさが蔓延しているわけです。
 この都立にどうしても入りたいという子はたくさんいますよ。この報告書が一点刻みの点数化がされて、その一点によって受かるか落ちるかわからぬと、これが都立入学者決定ですね。だから、報告書のボリュームというのは非常に大きいわけであります。なかなかブラックボックスに見えるんだろうというふうに思うんですね。
 ただ、さっきおっしゃったように、これはしっかり複数の目で見ているんだよ、つまり担任の方が自分の好き嫌いによってマル、こいつは嫌いだからバツだなというようなことをやっているんじゃない、複数の目でしっかり見ているんだよということ、また、都による指導資料を活用してしっかりやっているんですよと。つまり、細かいポイントが決まっていて、それの積み重ねによってやっているんだということ、これをしっかりとPRをしていただきたいし、各末端の学校にもこういった形でやっているということをしっかりと伝えていただきたいということ、これを申し上げたいというふうに思います。
 最初の都立中高一貫教育校である白鴎高等学校附属中学校は平成十七年度に開校し、それから十年近くが経過しました。今年度十校のうち六校で卒業生を出すと。倍率も非常に高いと。都立中高一貫教育を一層充実させて、設置目的にある社会のさまざまな分野でリーダーとなる人材を輩出すること、これは都民から求められていることで間違いありません。
 この期待に応えて目的を実現するために、都立中高一貫教育の充実に引き続き取り組んでいただきたいと思いますけれども、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都立中高一貫教育校は、六年間の一貫した教育を行うことで総合的な学力を培い、さらに倫理感、使命感、社会貢献の心、日本人としてのアイデンティティーを育てる教育を行い、将来、社会のさまざまな分野で信頼されるリーダーとなる人間を育成することを狙いとしております。
 さらに、卒業生を送り出しました六校では、難関大学に一定の合格者を出すなど、進路面で成果を上げております。
 また、教育面でも小石川中等教育学校の生徒がポーランド科学アカデミー主催の国際物理学論文コンテストで受賞するなど、顕著な実績の事例が報告されております。
 今後も都教育委員会は、都民の期待に応え、都立中高一貫教育校の狙いに基づき、各学校の六年間を見通した計画的な教育活動など、一貫教育の利点を生かした教育を一層充実させ、着実に推進してまいります。

○やながせ委員 力強い答弁、ありがとうございました。こういったことは、知事がかわったから変更するとか、知事がかわったからこれまでの中高一貫をやめるとか、そういったことであってはならないわけであります。これまでどおり、この充実に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思うんですね。
 私は、この中高一貫教育校の役割というのは、これまで落ちこぼれの問題、これはさまざま話をされてきました。もう落ちこぼれという言葉は使わないと思いますけれどもね。それと同時に、吹きこぼれの問題というのがあったわけです。つまり、学力は高いけれども、公立中学というのはなかなか下に合わせて、下をどう拾い上げるかという指導に特化されているという中で、学力は高いけれども、なかなか高い教育は受けられないという人たちがたくさんいるわけです。
 その中でも、お金があれば私立に行くという選択肢もあるんでしょうけれども、なかなか経済的な環境でそれが許されないと、そういった子供たちをしっかりと拾っていく、これは、私は我が国の大きな発展につながることだというふうに思っています。
 ですから、そういった意義のある中高一貫校をさらに充実させていくことをぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 都立高校における老朽化の問題、これをお伺いしたいと思います。
 施設設備、トイレの話です。都立高校の卒業式に我が会派のある議員がお伺いしたところ、(発言する者あり)田中朝子議員が豊多摩高校にお伺いしたところ、残念ながら洋式のトイレではなかったということで話がありました。
 そこで、都立高校における洋式トイレがどれくらい整備されておるのかということをお伺いしたところ、校内のトイレのうち、半分以上が洋式トイレである学校は百九十校中六十校にすぎないということで、これはちょっと私も衝撃を受けたわけであります。都立高校全体では四四%程度しか洋式の大便器になっていないということでございました。
 昨今では、家庭でもトイレの洋式化が進み、和式のトイレを使ったことがない子供もふえていると聞くわけであります。和式トイレになれていない生徒が、和式しかないためにトイレの使用を我慢してしまう、こんなことがあれば健康面に影響を及ぼすことも懸念されるわけでありまして、そのようなことのないよう、今後、都立高校におけるトイレの洋式化、これをしっかりと進めていただきたいと考えますけれども、見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 都立高校におきましては、一カ所のトイレにつき一基以上は洋式とすることを基準としておりますけれども、実際の整備に当たりましては、学校からの要望に基づきまして洋式トイレの数を決めております。
 毎年度、老朽化したトイレ設備の改修を実施しておりますが、トイレの洋式化に対する学校からの要望が強いことから、和式トイレを最小限とし、それ以外は洋式とすることとして計画的に整備を進めております。
 また、主要施設十カ年維持更新計画に基づき、学校施設全体の改築や大規模改修工事を実施する際にも、同様にトイレの洋式化を積極的に行っております。
 今後とも、計画的に洋式トイレの整備を進めてまいります。

○やながせ委員 都立高校というのは、大規模災害のときには避難所等々で使用することもあるわけですね。そういったときに、高齢者の方がトイレを使用するということもございます。
 そういった観点からも、洋式のトイレをぜひしっかりと整備をしていただきたい、このことを申し上げて次の質問に移りたいと思いますけれども、これも先ほどの卒業式の話でありますけれども、我が会派の田中朝子議員が卒業式にお伺いしたところ、校長先生から体育館が雨漏りをして困っていると。また、昨年、バスケットゴールを体育館の天井までつり上げているワイヤーロープが切れて、ゴールがぱあんと下がったということで、大変冷や冷やしたというお話を伺ったということであります。
 このバスケットゴールの支柱は天井のはりに固定されているので、床まで落下したわけではないんですね。通常ゴールを使用するときの高さまで下がってきたということでありますけれども、この都立高校の体育館に限らず、都立高校には老朽化した施設設備も非常に多いと聞いています。これも一歩間違えば事故に至ったわけでありまして、これを未然に防止する、このことが必要だろうというふうに思います。
 日常的な点検を行い、危険箇所を見つけたら、速やかに修繕なりを施すことが重要であるというふうに考えますけれども、そこで、都立高校の老朽化した施設設備についてどのように点検作業を行っているのか、この点について伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 各都立高校におきましては、経営企画室の職員が目視等により日常的に施設設備を点検しておりますほか、各学校を所管する学校経営支援センターの技術職員が訪問、現地調査を行っております。
 また、建築物の劣化、損傷等の状況につきまして、建築基準法第十二条に基づきまして、専門家による定期的な点検を行っているほか、電気工作物やエレベーター等につきましても、関係法令に基づきまして保守点検を実施しております。
 さらに、全都立学校を対象に、昨年度は体育館、本年度は校舎棟などの非構造部材につきまして専門家による点検を行っております。
 そうした調査点検により危険箇所等が判明した場合には、緊急を要するものは速やかに学校経営支援センターを経由して委託業者に依頼し、緊急修繕を実施しております。それ以外のものにつきましては、学校からの要望等も踏まえ、優先度を考慮しながら計画的に補修、改修等を実施しております。

○やながせ委員 この例は、定期点検をやっていた、そのときには何も見つからなかったけれども、こういった実態が起こったということのようであります。点検の仕方というのはなかなか難しいですよね。トンネルなんかも目視でやっているわけですけれども、目視だとやっぱりなかなかわからない。それが崩落につながってきた、こんなことはよくある話でありまして、これは生徒の安全のことですから、しっかりと、特に老朽化した施設に関してはやっていただきたいということを要望申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 知的障害者特別支援学校の再編整備についてお伺いをいたします。
 都教育委員会は、知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の増加に伴い、東京都特別支援教育推進計画に基づき、学校の新設、増改築等の再編整備により、教室の確保を進めています。
 私の地元の大田区にある都立矢口特別支援学校は、知的障害のある小学部、中学部、高等部の児童生徒が通っておりますけれども、平成二十年度に二百四十三人であった在籍者数が、二十二年度には二百九十九人となり、五十六人もの増加でございました。
 都教育委員会は、特別支援教育推進計画に基づいて、平成二十三年四月に都立品川特別支援学校を開校、平成二十四年度から矢口特別支援学校に在籍する一部の児童生徒の通学区域の変更、これをやって過密解消を図ってきたということ、これは聞いているわけであります。
 地元の話ですので、私は生徒の親御さん等々と話をする機会が多いわけでございまして、保護者の皆さんの不安を解消するということ、これを目的として何点か質問してまいりたいというふうに思います。
 平成二十三年度の品川特別支援学校の開校による矢口特別支援学校の過密解消の効果、これはどの程度であったのか、また今後、どのようにさらなる過密解消を図るのか、その方策についてお伺いをしたいと思います。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、平成二十四年度から矢口特別支援学校小学部、中学部の通学区域の一部を品川特別支援学校に変更いたしました。この変更によりまして、平成二十四年度は、矢口特別支援学校の従来の通学区域から二十二名の児童生徒が品川特別支援学校に通学することとなりました。
 学級数につきましても、平成二十五年度までに、平成二十三年度と比較して三学級が減少しておりまして、転用教室や間仕切りをした教室の状況が改善されております。
 また、平成二十七年度から高等部を段階的に港特別支援学校と田園調布特別支援学校に移行するとともに、平成三十二年度に向けて老朽化した校舎を改築し、過密解消を図ってまいります。

○やながせ委員 三学級減少したということなんですけれども、状況は改善しているということはわかります。都教委はよくこの状況を何とか脱したいということで努力をされているということはわかるんですけれども、まだまだ間仕切り教室の現状というのはあります。
 これをしっかりと今後も解消に向けて、すぐになかなか学校をつくるのには時間がかかります。簡単にはいかないということもよくわかっています。努力をされていることもよくわかります。ただ、現状としては、もう一歩の状況にあるということでございますので、これをぜひ努力をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 そのためには、矢口特別支援学校も老朽化した校舎を改築すること、これが大事であります。小中学部の児童生徒にふさわしい校舎を整備していくことが必要なんですけれども、改築工事に先立ち、土壌概況調査、これを実施したところ、少量ではあるものの、有害物質が発見をされました。
 もともと大田区の町工場等々が多かった土地でございまして、何か掘ればすぐ有害物質が見つかるという場所ではあるんですけれども、有害物質が発見されて、汚染土壌対策工事が必要であるということを聞いています。
 保護者からは、有害物質が発見されたことによる児童生徒への影響や汚染土壌対策工事による完成年度への影響、グラウンドが長期間にわたり使用できないことなどについて、不安の声が寄せられているわけですけれども、そこで、平成三十二年度を完成目途として計画されていた校舎改築工事ですが、土壌改良工事の実施に伴い、改築工事スケジュールに影響があるのか、この点についてお伺いをします。

○堤都立学校教育部長 土壌改良につきましては、平成二十六年度、仮設校舎の建設予定場所となるグラウンド部分にございます基準に適合しない土壌を対象に、健全土への入れかえ工事を実施する予定でございます。
 仮設校舎につきましては、平成二十六年度に基本設計、平成二十七年度に実施設計及び建築工事を行い、平成二十八年度から供用開始する予定でございます。
 当初計画どおりに校舎が完成することを期待している児童生徒や保護者の要望もございますことから、改築工事への影響を最小限とするよう、現在、関係部署と調整を鋭意進めているところでございます。

○やながせ委員 改築工事の影響を最小限にできるようにぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。
 そこで、有害物質の影響についてなんですけれども、土壌改良工事実施までの間、そして工事実施期間中、それぞれについて、安全面で児童生徒にどのような配慮をしていくのか、この点についてお伺いをします。

○堤都立学校教育部長 現在は、土壌汚染対策法及び東京都環境確保条例に基づきまして必要な措置を講じ、児童生徒の安全確保に万全を期しております。
 具体的には、アスファルト舗装や樹木周辺の盛り土、グラウンドの一部をアスファルトで被覆した後、人工芝を敷設するなど、基準不適合土壌の飛散防止対策を実施しております。
 施工時には、条例に定める汚染拡散防止計画に基づきまして、散水やシート養生等により土壌の飛散防止を確実に行い、粉じんの飛散のないことを確認しながら、工事を実施する予定でございます。

○やながせ委員 グラウンドの一部をアスファルトで被覆するということを丁寧に進めていただいているということはよくわかりますので、しっかりと実施ができるように努力をしていただきたいというふうに思います。
 安全に対応に努めていただいているということで、大変ありがたいなというふうに思うわけですけれども、土壌改良工事や校舎改築工事を進めていきますと、長期間にわたってグラウンドが使用できなくなるんですね。
 矢口特別支援学校というのは、非常に広いグラウンドがあって、魅力的な学校の一つでありますけれども、現在グラウンドで行っている教育活動をどのように行っていくのか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。

○堤都立学校教育部長 グラウンドが使用できない期間は、体育館などの校内施設の活用や近隣の運動施設の借用を予定しております。さらに、校内のスペースを工夫いたしまして、屋外でのランニングや教育活動が可能な施設を整備する計画でございます。
 このような対応によりまして、現在グラウンドで実施している体育の授業や運動会を初めとする学校行事等を円滑に実施してまいります。

○やながせ委員 ありがとうございます。
 次に、平成二十七年度から高等部が段階的にほかの学校に移行していくわけでありますけれども、これまで中学部で一緒に学んできた友達同士が、本来であれば同じ学校に行く予定だったんですけれども、別々の港特別支援学校、田園調布の特別支援学校などに分かれて進学するということになるんですね。
 保護者の皆さんからは、これまで一つの学校であったことから、同級生の皆さんと別の学校に分かれてしまうということで寂しい思いをするんではないか、こういった不安の声を聞いているわけであります。
 そこで、このような状況を踏まえて、高等部に進学する際の学校の選択、これについては柔軟にぜひ対応していただきたいということを要望申し上げますけれども、見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、知的障害特別支援学校につきまして、通学に要する時間を考慮いたしまして、通学区域を設定しております。通学区域内に居住する知的障害のある児童生徒は、原則として該当する知的障害特別支援学校に在籍することになりますが、健康面、安全面等への配慮からやむを得ず通学区域の異なる学校に在籍する必要のある児童生徒につきましては、個別に対応いたしております。

○やながせ委員 ありがとうございました。一人一人丁寧に個別に対応いただきたいと思います。
 最後に、高等部の通学方法について質問をいたします。
 学部改編後は、矢口特別支援学校に通っている児童生徒も、中学部を卒業するとほかの学校の高等部へ、これは満員電車等で通学することになるということで、原則高等部はスクールバスの利用ができないことになっているわけです。
 これは障害の程度によっては、スクールバスの利用も可能にしていただきたいという要望があるわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 知的障害特別支援学校の高等部においては、スクールバスを利用しない、いわゆる一人通学を原則としておりますが、重度重複学級生徒等で一人通学が困難な場合には、学校長の判断で、東京都教育委員会へ協議の上、スクールバスの乗車を認めることといたしております。

○やながせ委員 ありがとうございました。丁寧な対応をいただけるということで、今不安に思っていらっしゃる方はたくさんいるんですけれども、私の方からもしっかりと説明を申し上げていきたいというふうに思いますし、学校の方からもこういった対応をするんだよということを伝えていただければというふうに思います。質問を終わります。

○小松委員 子宮頸がんワクチンの副反応に関連してお伺いいたします。
 子宮頸がんワクチン接種の副反応と思われる健康被害によって、女子中高生が学校に通学できないケースが生じています。頑張って登校していても、遅刻、早退せざるを得ない子であったり、あるいは体育の実技に参加できないなど、授業に支障が生じる子供が実際に存在しています。家庭学習に困難が生じることもあります。
 このような在学中に健康上の理由によって学ぶ権利が侵されている子供に対しての学習支援、学校は学習の支援を行う必要があると思いますが、見解を伺います。

○金子指導部長 学校におきましては、担任や養護教諭が児童生徒の健康状況の把握に努めるとともに、心身に疾患のある児童生徒に対しましては、学校生活でのさまざまな配慮を行っております。
 都教育委員会は、各学校に対しまして、けがや心身の疾病のため、児童生徒の欠席等が続く場合には、学習がおくれないよう補習等を行い、一人一人の状況に応じた配慮を行うよう指導しております。

○小松委員 さまざま配慮してくださるということですけれども、実際、子宮頸がんワクチンの接種の副反応症状として報告されるものの多くに、突然、自分の意思にかかわりなく手足が震え出してしまうというような、そして自分ではどうすることもできない不随意運動、それから、何の前ぶれもなくいきなり気を失って倒れてしまうというてんかんに似た症状がたくさん報告されています。
 このような体調不良のある生徒が都立高校を受検するというケースもありますが、受検するに当たって何らかの措置を講じる必要があると思います。見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 都立高校の入学者選抜を実施するに当たりまして、病気等の理由で通常の学力検査の方法では受検が困難な受検者に対しましては、受検者からの申請と在籍する中学校において、定期考査や日常の学習活動で行われている対応状況等に基づきまして、別室受検、検査時間の延長等の特別措置を実施しております。

○小松委員 今は入学試験のことについて伺いましたけれども、通常の定期テスト、今お話ありましたけれども、問題は当然起きるわけで、そういうときにも子供の立場に立った対応をお願いしたいと思います。
 子宮頸がんという病気ですが、これはほとんど性行為によるウイルスの感染が原因です。したがって、予防ワクチンの接種は、性交渉を経験する前に受けなければ意味がないことになります。
 法定化された子宮頸がんワクチンの接種ですが、これは対象が小学六年から高校一年までとされているのはこのためであるわけですが、ワクチン接種よりも前にきちんとした性教育を受けておくことが必要と考えます。
 性についての正しい情報をしっかり受けとめて、子宮頸がんという病気について理解した上で、ワクチンに関しては受けるかどうか、子供自身が自分のこととして判断することが望ましいと考えます。性の自己決定権をきちんと行使できる条件が整ってからのことだと思います。
 また、性感染症の一種と考えるならば、予防のために男子もこの病気について知っておくことが重要です。
 そこで、小中学校における性感染症についての教育がどのようになされているのかお伺いします。

○金子指導部長 各学校は、性感染症の予防につきまして、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて適正に指導をしています。具体的には、小学校では第六学年の保健の授業でエイズ感染の予防や体の抵抗力について指導しております。また、中学校では第三学年の保健の授業でエイズやその他の性感染症の予防について、疾病の原因や感染経路、予防方法等を指導しております。

○小松委員 子宮頸がんワクチンは、現在のところ、薬の予防効果が保証されている期間が九年間とされています。つまり、六年生が十二歳で接種しても、二十一歳でワクチンの予防効果はなくなっても不思議ではないということです。
 今のご答弁では、性感染症の感染経路について学ぶのは中学生になってからとのことでした。自分の性について考えることのない小学生のうちから痛い注射を打つ必要はないと考えますが、性交渉による感染症について正しい知識を身につけることが病気の予防のために重要と考えます。
 学校教育の中で位置づけられていることでもあり、きちんとした性教育にしっかり取り組んでいただきたいと要望いたします。
 そして、続けていじめについて伺います。
 学校でのいじめによって、子供がみずから命を絶つ事件が後を絶ちません。深刻な社会問題となって久しいものがあります。
 いじめは、いじめる側といじめられる側の対立構造だけに目が行きがちであって、一方を処罰の対象としてのいじめる側、他方を保護すべきいじめられる側として、対症療法や大人の側からの道徳的な価値感の押しつけでは真の解決にはならないと考えます。教育的な取り組みがすなわち求められるわけです。
 都教育委員会がいじめの問題解決に向けて本格的に取り組んでこられたことに注目してきました。昨年来、専門家会議を設置されて答申された報告書をもとに、先ごろ、いじめ防止教育プログラムを策定されています。
 いじめ問題の対策は、子供みずからの問題解決力を育むことが重要であって、子供の力を引き出す教育的な取り組みが必要と考えます。いじめ防止教育プログラムではどのような内容が示されているのか、また、これをどのように活用していかれるのかお伺いします。

○金子指導部長 いじめ防止教育プログラムには、子供がいじめ問題に主体的に向き合うことができるよう、いじめを見て見ぬふりをしない態度を育成するための授業等、道徳、特別活動、総合的な学習の時間などで活用できる学習指導案を掲載しております。
 あわせて、教員が一人で対応するのではなく、各学校がいじめ問題に組織的に対応できるようにするため、いじめに関する理解を図る内容やいじめの早期発見のための情報共有の工夫など、学年会や校内研修で活用できる研修内容を掲載しております。
 今後、都内の公立学校において、いじめに関する授業や各学校及び教育委員会での研修などに活用できるよう周知を図ってまいります。

○小松委員 子供が不登校になる原因で一番多いのはいじめです。そして、中でも先生に相談したけれども、わかってもらえなかった、まともに受けとめてもらえなかったというケースが一番多いといいます。教師の対応がいかに重要かということです。
 世田谷区では昨年、子供の相談、救済システムが開設されていますが、ここに寄せられた相談の実績によれば、主訴として最も多いのはいじめです。そして、いじめている側からの相談もあったといいます。
 いじめられる側も、いじめる側にとっても、第三者的な場から子供に寄り添う大人の存在が求められると思います。子供がいじめに関して学校外の機関などで相談できる体制を整備していくことが必要と考えますが、見解を伺います。

○金子指導部長 各学校では、子供からのいじめに関する相談に対応できるよう、スクールカウンセラーの協力も得ながら、相談体制を整備しております。
 一方、子供の中には、学校外の関係機関に相談を希望する場合もあり、都教育相談センターにおきましては、二十四時間対応の東京都いじめ相談ホットラインを設置いたしまして、電話番号を記したカードを都内全ての子供に配布するなどして、子供、保護者等からいつでもいじめに関する相談を受けることができるようにしております。
 また、都教育委員会は、東京都児童相談センターや警視庁少年相談室等の相談機関の連絡先、電話番号を記したリーフレットを都内公立学校に定期的に配布するなどいたしまして、関係機関にも相談できることを周知しております。

○小松委員 いじめ防止教育プログラムの中の資料として、各学校の実践例に民間が開発したいじめ防止プログラムが挙げられて紹介されています。先ほどもお話がありました。また、生徒会の活動として、子供自身が取り組む杉並区の事例が紹介されています。
 都は、このようなさまざまな実践を後押しして、成功例、それから失敗した事例なども一緒に共有できるように啓発していただきたいと思います。
 また、都は、来る年度にいじめ防止の条例制定を予定しておられます。いじめから子供を守るための法的な仕組みとして理念を規定するということかと思いますが、そうであるなら、子供を権利の主体として位置づけ、その自由を保障することをきちんと明記すべきと考えます。このことを要望して、次の質問に移ります。
 体罰についてです。
 一昨年、大阪市の高校でバスケットボール部活動での顧問教諭による体罰がもとで、生徒がみずから命を絶つという事件が起きまして、これをきっかけとして、都教委は昨年、体罰についての実態調査を行いました。そして、九月、体罰根絶に向けた総合的な対策、部活動指導等の在り方検討委員会の報告書をまとめられました。
 そして、その直後には、山形市の中学校の運動部活動において、教師が生徒に生徒を平手打ちさせていたことが発覚しています。いわゆる代理体罰です。この代理体罰は、見かけは生徒による暴力ですけれども、より巧妙な体罰です。そして、子供を二重に傷つける行為だと考えます。
 このような問題も含めて、体罰根絶にしっかり取り組んでいただきたいと考えますが、今後どのように取り組みを進めていかれるのかお伺いいたします。

○金子指導部長 体罰根絶のために新たに策定した体罰防止のガイドラインを活用して、校内研修を全校で行うとともに、経験や職層に応じた研修を体系的に実施してまいります。
 また、怒りをコントロールできない教員や体罰を指導の一環であると誤った考えを持つ教員に対する効果的な研修方法を開発してまいります。
 また、引き続き体罰調査を実施するとともに、保護者との意見交換や教育活動のより一層の公開を通しまして、学校の透明性と信頼性を高めてまいります。
 これらの取り組みを通しまして、区市町村教育委員会や学校と一体となって体罰の根絶を図ってまいります。
 なお、教員が児童生徒に指示をして他の児童生徒への暴力行為を行わせた場合には、教員がみずから体罰を行ったものとみなしまして対処することとなります。

○小松委員 体罰は努力次第で根絶が可能だと思います。ぜひよろしくお願いします。
 それでは、続きまして、校舎の環境改善に関連してお伺いいたします。
 都立学校の屋上などを利用して、太陽光発電装置を設置する取り組み、また、校庭の芝生化、それから屋上・壁面緑化など、このような再生可能エネルギー導入を拡大する意味でも、温暖化対策としても、それから環境教育の意味でも、さらに推進していただきたいと考えるものですが、これまでの取り組みの進捗状況をお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 これまでの累計で、太陽光発電設備につきましては、全都立学校の四分の一を超える六十五校に設置いたしまして、発電容量の合計では約一千百八十キロワットに達することとなります。これは、一般家庭約二百世帯が一年間で使用する電力を賄える規模に当たります。
 校庭の芝生化につきましては、全都立学校の三分の一を超える九十一校を整備し、面積にして約二十三万一千平方メートル、東京ドーム約五個分の芝生化を完了いたしました。
 また、屋上・壁面緑化につきましては、全都立学校の五分の二を超える百三校を整備いたしまして、面積にして約二万三千五百平方メートルの緑化を達成しております。

○小松委員 これらの取り組みの結果として、環境改善の事業、ただいまご報告いただきましたが、どのような効果があったのか、また今後もこの取り組みを継続して推進していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 現在稼働中の太陽光発電設備から得られる電気を使用することによりまして、電力会社等から供給される電気を使用する場合に比べまして、理論値ではございますが、一年間で約四百トンの二酸化炭素排出量を削減することとなります。これは、杉の木が一年間に吸収する二酸化炭素の量で換算すると、約二万八千本に相当いたします。
 校庭芝生化や屋上・壁面緑化につきましても、ヒートアイランド現象の抑制や教室の室温が下がることで電気の使用を抑制する効果がございます。
 また、校庭の芝生化は、グラウンドで生じる砂じんの飛散抑制に効果を発揮しているほか、芝生の上であれば車椅子から容易におりることができるため、特別支援学校では、児童生徒の活動の幅を広げることなどにもつながっております。
 今後とも、都立学校が環境負荷の軽減等に寄与できるよう、本事業を計画的に推進してまいります。

○小松委員 再生可能エネルギーの量をふやすということは、原発の依存度を下げるために欠かせない取り組みです。公共施設の屋根は全て太陽光発電装置を設置していただきたいと思います。
 そして、学校に設置するなら、これを教育のツールとして活用、工夫していただきたいと思います。
 また、エネルギーをどのように使って環境配慮行動に結びつけるのか、生徒、また、地域の人たちにも考えていただく取り組みをぜひともお願いして、質問を終わります。

○新井委員 私からは、特別支援学校におけるタブレット端末の利用について質問いたします。
 教育分野におけますICT利活用の推進には、事業の双方向性を高め、児童生徒の主体性、関心、意欲や知識、理解を高める等の効果があるという特徴があり、特にICTを活用した事業は、活用しない事業と比較して学力が向上するということが国内外で立証されております。
 社会の情報化が急速に進展する中で、児童生徒が情報や情報手段を主体的に活用する能力の育成が重要となっています。総務省では、ICTを利活用した協働教育の推進に関する調査研究ということで、平成二十二年よりタブレット端末を使って、フューチャースクール推進事業を小学校、中学校、特別支援学校で展開しています。
 また、平成二十三年四月、文部科学省から出された教育の情報化ビジョンの中においても、二十一世紀を生きる子供たちに求められている力を育む教育を行うためには、子供たちの学習や生活の主要な場である学校において、教育の情報化を推進することが必要であると明記されており、その活用例としてタブレット端末が挙げられております。
 特別支援学校においても、平成二十三年度の総務省、フューチャースクール推進事業及び文部科学省、学びのイノベーション事業の委託先に選ばれた特別支援学校では、障害のある児童生徒の認知機能の改善、基礎学習の向上、自立支援などに役立てて、校務の効率化にも活用したと聞いております。
 また、タブレット端末は小型、軽量で携帯性にすぐれ、操作が容易なほか、教育用アプリが豊富で、特別支援教育においても大きな教育成果が期待できると聞いております。
 特別支援学校において、タブレット端末がどのように利用されているのか、教職員への支援も含めその利用環境についてお伺いします。

○松山総務部長 特別支援学校におきましては、全校でICTネットワークを構築しており、各校最低二カ所の無線LANアクセスポイントを設置しております。
 都教育委員会では、タブレット端末の利用拡大に向け、来年度当初に特別支援学校全五十六校に百六十台の無線LANアクセスポイントを追加配備し、さらなる環境の整備を図ります。
 また、病院内分教室におきましては、病院と協議の上、無線LAN環境の整備を図ってまいります。
 なお、教職員へのICT活用支援につきましては、サポートセンターを設置して、ICT利用に関するさまざまな質問に応じております。

○新井委員 せっかくタブレットを導入したとしても、無線LAN環境がなければ活用に制限が出てしまいます。既に有線LAN環境が整っていると聞いておりますので、学校のネットワークにおけるセキュリティーポリシーの関係や病院内での医療機器の電波干渉にも配慮しながら、無線LAN環境の整備を整えていただきたいと思います。
 また、ICT活用支援や技術的トラブルに対応するサポートセンターにおいても、初心者の方にもわかりやすく対応していただきたいと思います。
 次に、ICTの特徴として、教材の情報共有が容易な点が挙げられます。既にタブレット端末を導入している特別支援学校があると聞いておりますが、タブレット端末を活用した教育事例はあるかお伺いします。

○松山総務部長 都教育委員会では、タブレット端末導入による効果的な活用事例を収集しており、平成二十五年度は十二校から二十九件の報告がございました。具体的には、音やイラストで興味を引きつけ、平仮名の正しい書き順を学ぶ事例や、話し言葉によるコミュニケーションが困難な児童生徒がタブレット端末により意思伝達を容易にした事例などがございます。
 引き続き活用事例の収集に努めますとともに、事例につきましては、都教育委員会のホームページに掲載するほか、情報教育に関する研究会等で活用してまいります。

○新井委員 活用事例の共有を考慮しますと、タブレットのOSはできるだけ統一化してほしいと考えております。せっかくよい事例ができたとしても、そもそもOSなどが違えば使えるソフトも違います。環境を統一化し、共有化の推進を図っていただきたいと思います。
 都教育委員会は、来年度から特別支援学校の病院や施設内に設置する分教室と訪問教育の現場にタブレット端末を導入すると聞きました。児童生徒の入院する病院や自宅での学習には、教員の指導時間や使用する教材におのずと限度があったりするなど、大きな制約があるので、タブレット端末の導入には私も大いに期待しております。
 そこで、都教育委員会は、こうした子供たちの指導にタブレット端末をどのように導入し、どのような効果を期待するのかお伺いします。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会では、来年度から病院内分教室や通学が困難で在宅訪問教育を受けている児童生徒などに対し、タブレット端末を活用した教育活動を実施してまいります。
 これによりまして、カメラ機能や動画を活用して、病室や自宅にいながら、実験や実習による学習内容の理解を深めることができるほか、主体的に自学、自習できるような教材やソフトを用意し、学習習慣の確立を図ってまいります。
 また、障害の重い児童生徒にとりましては、みずから画面操作を行うことにより、意思や感情の表現が可能となります。
 さらに、通信機能を活用した入院前の在籍校とのコミュニケーションも可能となり、児童生徒の孤立感の解消についても期待しているところでございます。
 都教育委員会といたしましては、タブレット端末の多様な活用によりまして、教育活動をより一層充実したものにしてまいります。

○新井委員 タブレット端末における多様な活用について、積極的な答弁がありました。どうもありがとうございます。
 平成二十六年度に、新規で都教育委員会がタブレットを活用した教育活動を実施することは大変評価いたします。掛け算、九九や漢字の書き順など、教育における無料ソフトも多く存在します。
 また、障害の重い児童生徒においては、言葉が出せない、キーボードが使えないという生徒もいます。その場合でも、指一本で感覚的に使用できるタブレットによって、現場の先生方がその子供たちの潜在的な能力に気がついたという事例も聞いております。
 特別支援学校におけるタブレット端末の利用実施に当たり、さまざまな苦労があると思いますが、実証研究を進め、課題の収集、分析を踏まえて、ICTの推進に取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○小竹委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十四分散会

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