委員長 | 小竹ひろ子君 |
副委員長 | 小松 久子君 |
副委員長 | きたしろ勝彦君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 大場やすのぶ君 |
理事 | 川松真一朗君 |
松田やすまさ君 | |
神野 次郎君 | |
やながせ裕文君 | |
里吉 ゆみ君 | |
あさの克彦君 | |
新井ともはる君 | |
上野 和彦君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員教育庁 | 教育長 | 比留間英人君 |
次長 | 直原 裕君 | |
教育監 | 高野 敬三君 | |
総務部長 | 松山 英幸君 | |
都立学校教育部長 | 堤 雅史君 | |
地域教育支援部長 | 前田 哲君 | |
指導部長 | 金子 一彦君 | |
人事部長 | 加藤 裕之君 | |
福利厚生部長 | 高畑 崇久君 | |
教育政策担当部長 | 白川 敦君 | |
教育改革推進担当部長 | 出張 吉訓君 | |
特別支援教育推進担当部長 | 廣瀬 丈久君 | |
全国高校総体推進担当部長 | 鯨岡 廣隆君 | |
人事企画担当部長 | 粉川 貴司君 |
本日の会議に付した事件
教育庁関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
・平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 教育庁所管分
・学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
・東京都生涯学習審議会条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)二五第四三号 特別支援学校の寄宿舎の存続・充実に関する請願
(2)二五第四九号の一 東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(3)二五第五一号 全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願
(4)二五第一〇三号 東京都いじめ防止条例の制定に関する陳情
(5)二五第一〇五号 中学卒業生の増加に見合う都立高校の新設等に関する陳情
(6)二五第一〇六号 七生養護学校事件の最高裁判決を議会、議員、都教委に遵守させることに関する陳情
○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小竹委員長 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る二月十八日付をもって、野上ゆきえ議員が本委員会から環境・建設委員会に変更になり、新たに、やながせ裕文議員が公営企業委員会から本委員会に所属変更になった旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の委員をご紹介いたします。
やながせ裕文委員。
○やながせ委員 やながせでございます。よろしくお願いいたします。
○小竹委員長 紹介は終わりました。
次に、議席について申し上げます。
議席については、ただいまの着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小竹委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程どおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより教育庁関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。
○比留間教育長 平成二十六年第一回東京都議会定例会に提出を予定いたしております議案の概要につきましてご説明を申し上げます。
ご審議いただきます教育庁関係の議案は、平成二十六年度教育庁所管予算案一件、平成二十五年度教育庁所管補正予算案一件、条例案八件でございます。
初めに、平成二十六年度教育庁所管予算案についてご説明をいたします。
平成二十六年度の教育庁所管予算におきましては、習熟度に応じた指導の推進など、基礎的な学力の定着を図る取り組みの充実を初め、外国人指導者の配置拡大等による英語教育の改善、オリンピック教育の推進など、東京の教育の充実に向け、さまざまな施策を積極的に推進するための経費を計上しております。
歳出予算額は七千五百八十八億三千八百万円で、前年度に比べ二十九億一千五百万円、〇・四%の増となっております。
また、歳入予算額は千六百五十一億七千二百万余円で、前年度に比べ八十六億三千百万余円、五・五%の増でございます。
以上が平成二十六年度教育庁所管予算案の概要でございます。
なお、二月十八日に発表されました平成二十六年度同時補正予算案につきましては、後日改めてご説明をさせていただきます。
次に、平成二十五年度教育庁所管補正予算案についてでございます。
現時点において不用額になることが明らかな給与費などについて、二百四十五億九千五百万余円の減額補正を行うものでございます。
次に、条例案でございます。
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例外七件でございます。
以上が本定例会に提案を予定いたしております教育庁関係の議案でございます。
詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○松山総務部長 初めに、平成二十六年度教育庁所管予算案についてご説明いたします。
お手元の平成二十六年度教育庁所管予算説明書をごらんください。
目次をお開き願います。
教育庁所管歳入歳出予算につきまして、総括表と九つの項目及び債務負担行為のⅠを記載してございます。
二ページをお開き願います。教育庁所管予算の総括表でございます。
歳出予算及び歳入予算の総額等につきましては、ただいま教育長からご説明申し上げましたので、歳出予算につきまして、主要な事業を中心にご説明いたします。
三ページをお開き願います。1、教育委員会及び事務局の運営に要する経費でございます。
区分欄の上から三行目になりますが、二十六年度予算額の歳出計は二百四十八億八千六百万円でございます。
経費の内訳につきましては、このページ下段の(1)、教育委員会費から一二ページの(11)、冷房化事業推進費にかけて記載しております。
一二ページをお開き願います。(10)、耐震化事業推進費でございますが、平成二十五年度に引き続き、公立小中学校及び幼稚園の施設耐震化及び非構造部材耐震化の財政支援に要する経費を計上しております。
続いて、(11)、冷房化事業推進費でございますが、公立小中学校の特別教室における冷房化の財政支援に要する経費を計上しております。
一三ページをお開き願います。2、小中学校の運営に要する経費でございます。
上から三行目、二十六年度予算額の歳出計は四千二百八十六億二千八百万円でございまして、うち職員費として、一行目の四千百二億四千三百万余円を計上しております。
また、下から二行目、特定財源計として記載しておりますとおり、国庫支出金である義務教育費国庫負担金など、合計で一千四十九億二千六百万余円の歳入を見込んでおります。
経費等の内容でございますが、一四ページから二〇ページにかけて記載しております。
一四ページをお開き願います。(1)、小学校の運営でございます。
右の概要欄をごらんください。区市町村立小学校の規模は、学校数で千二百九十五校、一行飛びまして、児童数は五十五万七千五百四十九人でございます。
また、教職員定数につきましては、その下にございますとおり三万七百五人でございます。二十六年度は、全ての小学校の第三学年から第六学年の算数の授業で習熟度別指導を実施できるよう、教員の定数をふやしております。
一五ページをお開き願います。右の概要欄の2、事業費でございます。
このうちの(5)、オリンピック教育の推進でございますが、オリンピック教育推進校に指定された小学校の体育の授業を充実するため、非常勤講師を配置する経費を計上してございます。
一六ページをお開き願います。(2)、中学校の運営でございます。
右の概要欄をごらんください。区市町村立中学校数は、本校、分校合わせまして六百十九校で、うち一校には通信教育を併設してございます。
一行飛びまして、生徒数は、本校、分校が二十三万一千六百五十九人、通信教育が百六十人でございます。
その下に記載してございます都立中高一貫教育校は、学校数が十校、一行飛びまして、生徒数は四千三百二十人でございます。
一七ページをお開き願います。概要欄の四行目をごらんください。教職員定数は、区市町村、都立を合わせて一万五千六百二十四人でございます。
一八ページをお開き願います。概要欄の2、事業費の(3)、オリンピック教育の推進でございますが、小学校と同様、オリンピック教育推進校に非常勤講師を配置するための経費を計上してございます。
二一ページをお開き願います。3、高等学校の運営に要する経費でございます。
上から三行目、二十六年度予算額の歳出計は千二百八十三億九千七百万円でございまして、うち職員費として、一行目の九百九十五億八千百万余円を計上しております。
右の概要欄をごらんください。学校数は、全日制が百八十校、定時制は五十五校、通信制は三校でございます。
最下欄の生徒定員は、全日制が十二万九千五百十五人、定時制は一万八千六百三十人、通信制は二千八十人でございます。
二二ページをお開き願います。教職員定数は、概要欄の中段の合計に記載のとおり、一万千二百二十四人でございます。
経費の内容は、二三ページから二六ページにかけて記載してございますが、主な事業をご説明いたします。
二四ページをお開き願います。概要欄の(9)、高等学校就学支援金及び(10)、高等学校奨学給付金でございます。
公立高等学校の授業料不徴収制度の廃止に伴い、新たに実施いたします就学支援金制度に要する経費のほか、あわせて新設いたします奨学給付金制度に要する経費を計上しております。
二七ページをお開き願います。4、特別支援学校の運営に要する経費でございます。
上から三行目、二十六年度予算額の歳出計は六百三十二億九千六百万円、うち職員費として、一行目の五百十八億四千四百万余円を計上しております。
右の概要欄をごらんください。1の都立特別支援学校は、学校数が五十六校、一行飛びまして、幼児、児童生徒数は一万一千七百二十三人でございます。
その内訳といたしまして、(1)から(5)まで、二八ページにかけまして、障害種別ごとに規模を記載してございます。
二八ページをお開き願います。概要欄下段、2の区立特別支援学校でございますが、学校数は、肢体不自由、知的障害、病弱を合わせまして五校、一行飛びまして、児童生徒数は二百三十四人でございます。
二九ページをお開き願います。教職員定数は、中段の合計欄に記載のとおり五千七百七十九人でございます。
経費の内容は、三〇ページから三三ページにかけて記載してございますが、主な事業をご説明いたします。
三一ページをお開き願います。概要欄の(7)、特別支援教育の推進でございますが、平成二十二年十一月に策定いたしました東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく諸施策を進めるための経費を計上してございます。
三四ページをお開き願います。5、教職員の福利厚生に要する経費でございます。
一行目になりますが、二十六年度予算額は十七億七百万円でございます。
経費の内容は、公立学校共済組合東京都負担金や、三五ページの概要欄にございます教職員住宅の維持管理及び建設等に要する経費でございます。
三六ページをお開き願います。6、退職手当及び年金に要する経費でございます。
二十六年度予算額は五百九十億四千五百万円でございます。
経費の内容は、公立学校教職員の退職年金や、次の三七ページにございます教育委員会事務局職員及び公立学校教職員の退職手当等に要する経費でございます。
三八ページをお開き願います。7、教育指導の充実に要する経費でございます。
上から三行目、二十六年度予算額の歳出計は九十五億三千八百万円でございます。
経費の内容は、このページの下段から四五ページにかけて記載してございますが、主な事業をご説明いたします。
三九ページをお開き願います。右の概要欄の上、1、国際理解教育の推進では、外国青年招致事業により英語等指導助手などを都立高校に配置し、英語授業の改善や国際理解教育の推進を図るための経費を計上しております。
2、都立高等学校海外留学等支援事業では、国際社会で活躍できる人材の育成に向けて、都立高校生を対象に留学支援を行う次世代リーダー育成道場に要する経費を計上しております。
3、JICAと連携した国際貢献人材の育成では、都立高校生に青年海外協力隊の派遣前研修を体験させ、国際貢献への意欲を育む事業の実施に要する経費を計上しております。
4、英語科教員の海外派遣研修では、中学校及び高等学校の英語科教員を海外に派遣し、英語を母語としない者に英語を効果的に教えるための指導法の資格を取得させるなど、英語の指導力向上のための研修に要する経費を計上しております。
四〇ページをお開き願います。右の概要欄の13、オリンピック教育の推進でございますが、オリンピック教育推進校の指定やオリンピアン、パラリンピアンの学校派遣など、オリンピック教育の推進に要する経費を計上しております。
四一ページをお開き願います。右の概要欄の17、いじめ総合対策推進事業でございますが、いじめに関する教員研修の徹底など、いじめ総合対策の推進に要する経費を計上しております。
四六ページをお開き願います。8、社会教育の振興に要する経費でございます。
上から三行目、二十六年度予算額の歳出計は七十四億六百万円でございます。
経費の内容は、四七ページから五三ページにかけて記載してございますが、主な事業をご説明いたします。
五〇ページをお開き願います。概要欄一番下の16、企業等による体験型講座では、小中学生を対象とする企業、NPO等による体験型の講座を一堂に集めて実施し、教員等に公開して、すぐれたプログラムを共有することにより、今後の授業での活用を促進するための取り組みに要する経費を計上しております。
五四ページをお開き願います。9、都立学校等施設整備に要する経費でございます。
上から一行目、事業費の二十六年度予算額は三百五十九億三千五百万円でございます。
経費の内容は、五五ページから六一ページにかけて記載してございますが、主な事業をご説明いたします。
五六ページをお開き願います。右の概要欄にございますように、特別支援学校再編に伴う施設整備に要する経費などを計上してございます。
このほか、都立学校における非構造部材の耐震化に要する経費や、都立学校の改築等の用地取得に要する経費などを計上しております。
以上で歳出予算のご説明を終わります。
次に、債務負担行為のⅠについてご説明いたします。
六三ページをお開き願います。1、都立学校校舎等新改築工事に係る債務負担行為でございます。
特別支援学校再編に伴う施設整備等につきましては、工期が複数年度にわたるため、右の概要欄の3、全体計画にございます工事に関し、平成二十七年度から三十三年度までに支出を予定する経費について記載してございます。
六四ページをお開き願います。2、都立学校給食調理等業務委託に係る債務負担行為でございます。
給食調理業務の安定的な運用や内容の充実を図るため、平成二十七年度及び二十八年度に支出を予定する経費を記載してございます。
六五ページをお開き願います。3、多摩地域ユース・プラザ運営等事業に係る債務負担行為でございます。
多摩地域ユース・プラザの運営をPFI方式により実施するため、平成二十七年度から三十六年度までに支出を予定するサービス購入料を記載してございます。
六六ページをお開き願います。4、都立高等学校海外留学等支援業務委託に係る債務負担行為でございます。
都立高校生の複数年度にわたる海外留学等を支援するため、平成二十七年度及び二十八年度に支出を予定する経費を記載してございます。
六七ページをお開き願います。5、多摩図書館改築工事に係る債務負担行為でございます。
都立多摩図書館の移転改築工事に関し、平成二十七年度及び二十八年度に支出を予定する経費を記載してございます。
次の六八ページ及び六九ページは、既に議決をいただいております債務負担行為を参考として記載してございます。
以上で平成二十六年度教育庁所管予算案のご説明を終わります。
続きまして、平成二十五年度教育庁所管補正予算案についてご説明いたします。
お手元の平成二十五年度教育庁所管補正予算説明書をごらんください。
一ページをお開き願います。1、教育庁所管補正予算総括表でございます。
表の一行目、網かけをしてございます歳入予算の補正予算額は五十六億四千二百万余円の減額、次に、表の中ほど、網かけをしてございます歳出予算の補正予算額は二百四十五億九千五百万余円の減額でございます。
二ページをお開き願います。2、歳入予算の内訳でございます。
歳入予算につきましては、歳出予算事業の減額補正等に伴い、必要な額を更正するものでございます。
三ページをお開き願います。3、歳出予算の内訳でございます。
歳出予算でございますが、右の備考欄に記載しておりますとおり、給与費の不用見込み額のほか、退職手当や都立学校施設整備事業の不用見込み額など、現時点で不用額となることが明らかな経費につきまして減額補正を行うものでございます。
以上で平成二十五年度教育庁所管補正予算案のご説明を終わります。
続きまして、平成二十六年第一回東京都議会定例会議案(条例)に基づき、条例案についてご説明いたします。
目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は八件でございます。
一ページをお開き願います。学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。
平成二十六年度における児童生徒数の増減、学校の新設及び廃止等に伴い、学校種別ごとに学校職員の定数を改めるものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
三ページをお開き願います。学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
区市町村立の義務教育諸学校における指導教諭の設置に伴い、職員の定義に係る規定を改めるものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
五ページをお開き願います。東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
東京都特別職報酬等審議会の答申の趣旨を踏まえ、東京都教育委員会委員の報酬の額を改定するものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
七ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
区市町村立の義務教育諸学校における指導教諭の設置に伴い、職員の定義に係る規定を改めるものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
九ページをお開き願います。都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の施行を踏まえ、補償基礎額を改定するほか、引用法令の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
補償基礎額の改定につきましては公布の日から、引用法令の改正については平成二十六年四月一日から施行するものとしております。
一五ページをお開き願います。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
東京都特別支援教育推進計画に基づく都立鹿本学園の設置に伴い、都立江戸川特別支援学校及び都立小岩特別支援学校を廃止するものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
一九ページをお開き願います。東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
東京都立高等学校の授業料等の額を改定するとともに、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
二五ページをお開き願います。東京都生涯学習審議会条例の一部を改正する条例でございます。
生涯学習及び社会教育に関する施策の一体性を確保するため、東京都社会教育委員を廃止し、東京都生涯学習審議会にその機能等を統合するものでございます。
施行日は、平成二十六年四月一日としております。
以上で本定例会に提出を予定しております議案のご説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小竹委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○里吉委員 それでは、二点、資料要求させていただきます。
一点目は、小中学校の特別教室のことなんですけれども、小中学校の理科室、家庭科室、図工室、美術室でクーラー未設置数を、区市町村別でお願いをいたします。
もう一点が、都立の中高一貫校、学校別の中学給食調理方式の推移と計画についてよろしくお願いします。
以上です。
○小竹委員長 ただいま里吉委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○小竹委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
請願二五第四三号、請願二五第四九号の一及び請願二五第五一号は、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○堤都立学校教育部長 請願二五第四三号、特別支援学校の寄宿舎の存続・充実に関する請願、請願二五第四九号の一、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願及び請願二五第五一号、全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願の三件につきまして、ご説明を申し上げます。
お手元配布の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
請願二五第四三号、特別支援学校の寄宿舎の存続・充実に関する請願でございます。
本請願は、東京都寄宿舎連絡会世話人代表織田桂さん外六千百九十人から提出されたものでございます。
本請願の趣旨は、都において特別支援学校の寄宿舎について、次のことを実現していただきたいというもので、八点ございます。
まず、1、これ以上の寄宿舎の統廃合はしないことでございます。
現在の状況でございますが、寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障することを目的として設置しております。これまで特別支援学校の設置やスクールバスの整備を図り、通学困難の解消に努めてきたことにより、寄宿舎への入舎が減少した状況を踏まえ、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画において、十一舎あった寄宿舎を平成二十八年度末に五舎に再編することとしております。
次に、2、障害種別ごとに寄宿舎を存続させることでございます。
現在の状況、二ページでございますが、第三次実施計画では、寄宿舎の施設設備の安全性及び機能性を十分に確保した上で、複数の障害部門を併置する設置形態を導入していくことを基本的な考え方の一つとしております。
次に、3、病弱単独校の寄宿舎を存続し、専門的な教育を保障することでございます。
現在の状況でございますが、都立久留米特別支援学校は、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保が難しい状況にあることから、第三次実施計画において、平成二十九年度、都立光明特別支援学校に、寄宿舎を含めた教育機能を移転することとしております。
次に、4、知的障害校に寄宿舎を設置することでございます。
現在の状況でございますが、寄宿舎の施設設備の安全性及び機能性等を十分に確保した上で、複数の障害部門を併置する設置形態を導入していくという基本的な考え方のもと、都立八王子盲学校の寄宿舎で視覚障害と知的障害の両教育部門の児童生徒を受け入れております。
次に、5、入舎基準にある通学困難の解釈を広げ、通学保障としての障害の特殊性、家庭の事情も含め、寄宿舎を必要としている児童生徒の入舎を認めることでございます。
現在の状況でございますが、東京都立特別支援学校寄宿舎の管理運営に関する規則第九条に定める通学困難は、島しょ地区在住、常に通学時間が九十分以上、視覚障害により通学における安全性確保が必要及び家族、保護者等の理由により通学の付き添いが困難な状況が長期にわたり継続という場合に限られております。
次に、6、これまでの寄宿舎廃止で通学に困難が生ずる家庭に対して、責任を持って必要な支援をすること。また、転校等で寄宿舎が利用できること等広く都民に周知することでございます。
現在の状況でございますが、寄宿舎の再編に当たっては、児童生徒及びその家族の個別の事情に配慮した対応を行っており、その中で、同一の障害教育部門の寄宿舎を設置する他の特別支援学校への転学についても、一つの選択肢として検討しております。
次に、7、統合により、複数障害種を受け入れる寄宿舎については、寄宿舎の要求を十分に聞いて、必要な条件整備をすることでございます。
現在の状況、三ページでございますが、複数の障害部門を併置する場合、学校からの意見、要望等も踏まえ、施設設備の安全性及び機能性を十分に確保することを基本的な考え方としております。
最後に、8、希望する全ての児童生徒を受け入れることができるよう、寄宿舎指導員の定数基準の改善をすること。また、実態に合った定数基準を作成するよう、国に対して要望するとともに、都独自の基準も作成することでございます。
現在の状況でございますが、特別支援学校の寄宿舎指導員は、国のいわゆる標準法に基づいて定めた都の配置基準により、必要な数を配置しております。
なお、都は、教職員定数の一層の充実を国に対して要望しております。
恐れ入りますが、四ページをお開き願います。請願二五第四九号の一、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願についてご説明申し上げます。
本請願は、ゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表池上東湖さん外三万五千八百二十八人から提出されたものでございます。
本請願の趣旨は、都において全ての子供たちに行き届いた教育を進めるために、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁の所管は1から3及び5から8の七点でございます。
まず、1、公立の小学校、中学校及び高等学校の三十人以下学級、ただし、高等学校専門学科は二十五人、定時制は二十人を早期に実現すること。また、子供たちと直接向き合う教職員をふやすことでございます。
現在の状況でございますが、公立小中学校の教職員定数は、いわゆる標準法に基づき行っております。平成二十五年度から中学校第一学年で三十五人以下の学級編制を可能とし、これまで実施した小学校第一、二学年の加配とあわせて、小一問題、中一ギャップの解消に取り組んでまいります。
なお、教育の機会均等等の観点から、義務教育は国の責任が大きいため、国の動向を注視してまいります。
公立高等学校の一学級につきましては、国基準では、全日制課程、定時制課程とも四十人を標準としておりますが、都においては、定時制課程について昭和四十八年から三十人としております。また、全日制課程の職業学科については、平成十二年度からホームルーム定員を三十五人としております。
次に、2、小学校から高校までの修学旅行費、宿泊行事、教材費などへの公費負担をふやし、教育の無償化を進めることでございます。
現在の状況、五ページでございますが、義務教育にかかわる費用のうち、公費で負担すべきものについては既に無償化されております。
高等学校における修学旅行費、教材費などの経費は、都立高等学校運営費標準により受益者負担としていますが、修学旅行経費等の上限額を定めるなど、私費負担の軽減に努めているところでございます。
次に、3、震度七に耐え得る校舎と非構造部分の耐震化を行うことでございます。
現在の状況でございますが、区市町村立学校の校舎につきましては、学校設置者が国の耐震化に関する補助制度及び都の支援事業を活用して工事を実施しており、耐震化はほぼ完了しております。
また、非構造部材につきましては、都は、平成二十五年度に補助制度を創設し、耐震対策が確実に実行されるよう取り組んでおり、区市町村は、国及び都の制度を活用し、非構造部材の耐震対策を進めております。
都立学校については、特別支援学校は平成二十一年度までに、高等学校は平成二十二年度までに校舎等の耐震化を完了しております。
非構造部材については、体育館を優先して平成二十五年度から耐震化改修工事を進めており、平成二十七年度までに完了させる予定です。
校舎棟、武道場等につきましても、平成二十六年度から必要な耐震化改修工事を計画的に進めてまいります。
次に、5、障害のある全ての子供たちの教育の充実のため、教職員をふやし、教育条件を整備すること。特に、障害児学校の設置基準をつくり、過大、過密を解消することでございます。
現在の状況、六ページでございますが、特別支援学校では、第三次実施計画における再編整備により、教室の確保と教育条件の改善を図っております。
特別支援学校及び特別支援学級の教職員数については、いわゆる標準法に基づき、必要な定数を配置しております。
次に、6、通常学級に在籍する特別な手だてを必要とする子供たち、障害のある子供、学校に通えない子供、外国人などを支援する体制を整備すること。また、通級指導学級を維持し、さらに充実させる形で条件整備を行うことでございます。
現在の状況でございますが、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の対応については、都内全ての公立学校において、特別支援教育充実のための委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名など、体制の整備を進めてまいりました。
通級指導学級が抱える課題を解決するため、教員が在籍校を巡回する特別支援教室の導入を計画しており、平成二十四年度から小学校においてモデル事業を実施し、指導体制について検証を進めているところでございます。
不登校等の児童生徒に対しては、全ての公立小中高等学校に配置したスクールカウンセラーが児童生徒や保護者等の相談に応じる体制を整えております。
また、教員と連携し、保護者からの相談にも応じる家庭と子供の支援員の配置を初め、児童生徒の健全育成を推進しております。
通常学級に在籍する外国人児童生徒への対応については、日本語指導の指導内容や方法を日本語指導ハンドブックにまとめ、全ての都の公立学校に配布し、活用を促しております。
なお、都立学校においては、外部人材を活用した授業の補助等を行っております。
次に、7、大規模な特別支援学級、三学級以上を解消するため、区市町村が設置校をふやせるように、適正規模のガイドラインを示すことでございます。
現在の状況、七ページでございますが、特別支援学級は、いわゆる標準法に基づき、区市町村教育委員会が、児童生徒数の変化、通学負担の解消などさまざまな状況を勘案し、計画的に設置に努めております。
最後に、8、希望する全ての子供たちの高校進学を保障するため、公立、私立の高等学校就学計画の計画進学率、現在九六%を達成することでございます。
現在の状況でございますが、全日制高校の就学計画は、公私連絡協議会において、全日制等志望率を上回る九六%を計画進学率とし、公私それぞれ受け入れ数を定め、その数に基づき募集人員を適切に定め、募集を行っております。
恐れ入りますが、八ページをお開き願います。請願二五第五一号、全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願についてご説明申し上げます。
本請願は、子ども・青年の未来を―三多摩子育て・教育問題連絡会の代表古賀禧子さん外一千六百九十九人から提出されたものでございます。
本請願の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、四点ございます。
まず、1、高等学校就学計画を見直し、希望者全員が入学できるよう改善すること。生徒増に見合う高校の増設を行うこと。夜間定時制枠の拡大、廃校にした学校、特に三多摩地区を再開することでございます。
現在の状況でございますが、全日制高校の就学計画については、さきの請願二五第四九号の一の8でご説明したことと同様でございますので、説明を省略させていただきます。
生徒の受け入れに当たっては、都内公立中学校卒業予定者の増減に応じて募集学級数を定めており、今後とも、都立高校に入学を希望する生徒を適切に受け入れてまいります。
また、夜間定時制を希望する生徒については、募集枠は十分に確保されているため、受け入れ可能と考えております。
次に、2、どの子も大切にする教育を進めるために、一刻も早く三十人学級を実現すること。当面、三十五人学級を小学校一、二年生、中学校一年生以外で、全ての学年でも実施することでございます。
現在の状況でございますが、九ページに記載してございますが、さきの請願二五第四九号の一の1でご説明したことと同様でございますので、説明を省略させていただきます。
次に、3、都立高校、私立学校の教育費無償を所得制限なしで実施することでございます。
現在の状況でございますが、今回の公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の改正は、低所得世帯の経済的負担の軽減を適正に行うことを目的として、国会で決定されたものでございます。
最後に、4、障害のある子供たちに行き届いた教育ができるよう、教育条件の改善を早急に行うこと。寄宿舎の廃止は行わないことでございます。
現在の状況でございますが、特別支援学校の教育条件の改善については、さきの請願二五第四九号の一の5で、また寄宿舎については、さきの請願二五第四三号の1でご説明したことと同様でございますので、説明を省略させていただきます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○小竹委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○里吉委員 それでは、私から、まず寄宿舎問題について伺います。
特別支援学校の寄宿舎については、保護者の皆さんを中心に、寄宿舎をこれ以上統廃合しないでほしいとの切実な声が毎年上がっております。しかし、こうした声が上がり続けているにもかかわらず、十一舎あった寄宿舎は六舎、そして計画では久留米もなくして五舎にすることになっています。
私は、保護者の方々や関係者の皆さんからさまざまなお話を伺ってきました。そこで一番感じたのは、寄宿舎の存在意義は多様にあるということです。発足当時は障害のある子供の全員就学の実現とあわせて、通学困難な子供たちのためだった寄宿舎ですけれども、その後、教育的入舎や家庭の事情による入舎がふえてまいりました。
寄宿舎は、障害のある子供たちが生活のリズムを身につける、生活する力をつける、他人とのコミュニケーション力や自立して生きる力をつけるなど、子供たち一人一人の成長にとって大変貴重な場になっています。
かつて都教委も諮問機関の答申で、生活を通して豊かな人間を目指す寄宿舎教育は、家庭の事情や就学を保障するだけでなく、生活全体の中で学校教育の教育目標を推進するものであり、広く都民の期待に応える教育であると、このように寄宿舎教育の意義も認めていたわけです。
ところが、都教育委員会は、寄宿舎の存在意義を通学困難に限定してしまいました。平成十九年に特別支援学校寄宿舎の入舎基準が変更されたわけですが、改めて、なぜこの変更を行ったのか伺います。
○堤都立学校教育部長 昭和三十二年に寄宿舎の入舎基準を定めました東京都立特別支援学校寄宿舎の管理運営に関する規則が制定された当時は、家庭の事情、教育上の理由による入舎を認めておりました。しかし、こうした理由による入舎の判定に際して、基準の運用に不明確な点が多かったことから、規則の改正を行い、通学困難に限定するとともに、その具体的要件を明確にしたところでございます。
○里吉委員 それで、状況は変わったということでおっしゃいましたけれども、今、限定したことで、どういうことが起きているのか。例えば、限定してしまったことで、家庭にいろいろな養育状況があって今まで寄宿舎に入っていた子が入舎できなくなっている、こういうことが生まれています。
昨今、家庭の事情を抱える子供がふえております。子供の貧困も社会問題になっている。核家族化の中で子育てが孤立し、特に障害ある子供を育てている養育者の精神的負担も増大しています。家庭の事情で寄宿舎を必要とする子供たちがふえているのが実態だと思うんですね。そういう中で、今、入舎基準を限定してしまった、このことが本当に大きな社会問題を生んでいるんじゃないか、そんなふうに思うんです。
改めてお伺いしますけれども、今、寄宿舎の入舎対象を通学困難に限定しているということで、その中身を見ますと、島しょ地区に住んでいるお子さん、それから常に九十分以上の通学時間がかかるお子さん、それから視覚障害の場合、家庭の事情、こういう四つが挙げられておりますが、この中でいう通学困難の中の家庭の事情で入舎している児童生徒は一体何人いらっしゃるのか伺います。
○堤都立学校教育部長 先ほど請願の説明でも申し上げましたが、東京都立特別支援学校寄宿舎の管理運営に関する規則第九条に定める通学困難には四つの場合がございます。
一つ目が島しょ地区に在住する児童生徒の場合、二つ目が常に九十分以上の通学時間を要する児童生徒の場合、三つ目が視覚障害があるため通学における安全性を確保する必要がある場合、四つ目が家族の介護等の理由により通学の付き添いが困難な状況が長期にわたり継続する場合でございます。
現在、寄宿舎は六舎ございますけれども、全ての児童生徒が寄宿舎を利用する久留米特別支援学校を除く五舎の利用者で、家族の介護等の理由により通学の付き添いが困難な状況が長期にわたり継続する場合に該当する人数は十名でございます。
○里吉委員 通学困難な方はたくさんいると思うんですけれども、今、たった十名しか認められていないというお話でした。
それで、もう一つ伺いますけれども、通学困難のもう一つの理由、視覚障害というのがございます。これも、今年度、文京盲学校の入舎選定で、希望者のうち九名が入舎できなかったと伺いました。なぜ九名の方が入舎できなかったのか、その理由を伺っておきたいと思います。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎の利用につきましては、入舎を希望する生徒の障害の程度や、一人で通学することが可能かなどの状況を把握した上で、通学困難の基準に該当するかという観点から選考を行い、利用定員も考慮して入舎を決定しております。
今年度、入舎希望のあった生徒のうち九名につきましては、障害の程度が比較的軽く、一人で通学することが可能であるため、入舎ではなく通学と決定いたしました。
選考結果及びその理由につきましては、本人及び保護者に通知や説明を行い、ご理解を得るよう努めているところでございます。
○里吉委員 親御さんは一人での通学が難しいということで入舎させたいと希望したにもかかわらず、その中の九名もの方が断られたと。文京盲学校では、これだけ多くの方が断られたのは初めてのケースではないかというふうに保護者の中ではいわれておりました。
先ほど、ご答弁の中に、利用定員も勘案してという言葉がありましたけれども、この九名という方々、部屋とか、それから職員数の問題も勘案して、そして程度も勘案して、その両方の理由で九名の方が入舎を断られたという理解でよろしいんでしょうか。確認いたします。
○堤都立学校教育部長 ただいまもご答弁いたしましたが、通学困難の基準に該当するかという観点から選考を行い、利用定員も考慮して入舎を決定しているものでございます。
今回の九名の方々につきましては、障害の程度が比較的軽く、一人で通学することが可能であるということであるため、入舎でなく通学と決定したものでございます。
○里吉委員 何回聞いても同じ答えのようなので、これ以上聞きませんけれども、利用定員も考慮してという言葉がやはりつきました。ですから、程度が比較的軽いかどうかということは、一人一人、見る方によっても、対応する方によっても、判断基準が曖昧じゃないかと思うんですね。こういう理由で断られたということで、大変ショックを受けられたという方もいらっしゃいました。
私は、親が入舎させたいと希望してこれだけの方が断られたというのは本当に問題じゃないかなと思うんですね。一人一人の具体的な話ですから、これ以上伺いませんけれども、今私が問題にしている通学困難、入舎基準の話は、決して通学時間の長さだけじゃないと思うんですね。今申し上げてきたように、家庭の事情、いろいろあると思います。
しかし、今、答弁にあったように、通学困難の中の家庭の事情というのは非常に限定されている。その結果、今、その理由で入舎している方は十人しかいらっしゃらないということでした。しかし、通学が困難なのはいろいろな理由があるわけです。
お伺いしますけれども、例えば身支度や食事介助やバス停までの移動が、親御さんが大変困難だというケース、乗車時間が短くても体力的、精神的に耐えられない、緊張や発作のおそれがあり、通学の安全性に不安があるケース、さまざまこういったケースも認めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎は、通学困難な児童生徒に就学を保障するために設置しているものでございます。児童生徒は、できる限り地域や自宅から通学することが望ましいことから、通学に不安があるケースについては、個別の状況を踏まえまして、保護者と学校や都教育委員会との間で丁寧に相談を行いまして、最も望ましい通学方法等を設定しております。
○里吉委員 今の答えは私の質問の答えになっていないんじゃないかと思うんです。都教委のいう通学困難に当たらないケースでも、個々の事情を考慮するべきだと、対象をもっと広げるべきだということを伺ったんですが、一生懸命お話し合いをして、いろいろなケースを当たると。
保護者の方からいわせると、寄宿舎への入舎対象を狭く狭く、寄宿舎に入れないようにしているとしか思えない、こういう声が上がっています。寄宿舎への入舎対象を広げることは今考えていないというご答弁だったと思うんです。
それでは、この通学困難の中に入っている通学時間の問題についても質問したいと思うんですが、これは常に九十分以上の通学時間を要する児童生徒の場合というふうにされています。これはなぜ九十分以上なんでしょうか。
スクールバスの通学は六十分を目標としているわけですから、せめて常に六十分以上通学にかかる、こういう場合は通学困難と認めてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○堤都立学校教育部長 通学時間につきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して設定したものでございます。
なお、肢体不自由特別支援学校のスクールバス乗車時間につきましては、現在、平均六十分以内を目標に運行コースの設定の工夫等に努めておりまして、児童生徒のさらなる負担軽減及び利便性の向上を目指しているところでございます。
○里吉委員 今の答弁も大変わからないんですね。健康面、学習面への影響を考慮して、どうして九十分以上と設定できるんでしょうか。理由がわかりません。障害のある子供たちですよ。九十分近かった場合、通学に毎日往復で三時間かかるんです。そういう子たちが通学困難とは認められず、入舎できない、こういう現状です。片道六十分以上かけて通っているけれども、九十分はかからない、こういうお子さんが寄宿舎を希望しても、今認めてもらえないということですよね。どうして片道九十分以内の通学なら健康面、学習面に配慮したといえるのか。これは本当に冷たい答弁だと思います。
今聞いても同じ答弁しか返ってこないと思いますので、少なくとも、この九十分以内というのはぜひ見直していただきたいということを申し上げておきます。
そして、寄宿舎の問題、具体的な話を少し聞いておきますけれども、十一舎から六舎へと減らされてきた。これまで寄宿舎が廃止されてきた。昔入っていて、今入れていないお子さんの話なんですけれども、通学に困難が生じた、こういう家庭があったかどうか把握しているでしょうか。閉舎時に都教委として行った支援などはあるんでしょうか、伺います。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎を閉舎するに当たりましては、都教育委員会は、児童生徒の通学の事情に応じまして、スクールバスの増車や運行コースの設定の工夫による通学負担の軽減を図ったところでございます。
また、閉舎した後の通学について、学校とともに地元の自治体等と連携いたしまして、児童生徒及びその家庭の個別の状況に応じた具体的な支援策の検討を行い、就学を保障してきたところでございます。
○里吉委員 それでどうなっているかということなんですよね、問題は。かつて入舎していて、今自宅から通っている子、九十分以内で通えている、もしくはスクールバスで通っている、こういう子たちがどうなっているか。
これは前回も取り上げたお子さんなんですけれども、江戸川の元寄宿舎生の場合ですけれども、ひとり親の家庭。お母さんは、毎日六十キロ近くあるお子さんをベッドに寝かせるのもヘルパーさんと二人がかり。子供が自宅からの通学になっていて、そのために毎日毎日対応しなくちゃいけない。お母さんの持病も悪化している。本当に毎日大変な中で学校に通わせているけれども、お母さんが具合が悪くなった場合は、バス停まで送っていくこともできないので、仕方なく、この子供を学校を休ませることもあるというケースがありました。
それから、立川では、寄宿舎があったから部活動に取り組んで、大変元気に学校に通っていたけれども、部活動をやめざるを得なかったという話もありました。ほかにもたくさんこういう話があると思うんです。
先ほどの説明を聞いておりましても、本当は寄宿舎を必要としている子供たちがいるのに、寄宿舎に入れないように入れないようにしておきながら、そして、寄宿舎に入る子が少ないんだから減らしてもいいんだという形で統廃合計画が進められてきたというふうに思わざるを得ません。
一番最初にも述べましたように、寄宿舎を必要としている子供は、今、決して減っているわけではないと思うんです。障害のある子供たちの就学を保障するということを最優先に、寄宿舎のあり方を考えるべきだと思いますし、入舎基準は、もっと子供や保護者などの実情を考えて再検討することを改めて要望しておきます。
そして、寄宿舎の統廃合計画、今持ち上がっているのが、病弱校の久留米の寄宿舎を廃止して、肢体不自由の光明と統合するという計画です。
私、先日、久留米特別支援学校、寄宿舎も視察をさせていただきました。この学校は、肥満や糖尿、腎臓病やてんかんなどさまざまな病気を抱えた子供たちが、健康の回復や改善を図りながら学べる特別支援学校で、小学生から高校生まで通っています。月曜から金曜まで基本的には全員が寄宿舎で生活をしており、現在は三十二名のお子さんが在籍しておりました。
寄宿舎の看護師さんからもお話を伺いましたが、血圧測定など、朝夕の健康チェックを行って、朝食後には二十名以上でしたか、二十数名のお子さんがそれぞれ薬を飲んでから学校へ行くと。夜はインシュリンの注射を打つお子さんもいるということでした。
四人の看護師さんが交代で二十四時間いらっしゃるそうですが、夜中、ぐあいが悪くなって呼び出されることもあるので、二十四時間いることは絶対必要だとおっしゃっていました。
この学校は裏山もあって自然豊かな環境で、校舎も寄宿舎もまだ本当にきれいなんですよね。視察をして、できたらこのままここで学ばせたいというのが保護者の皆さんの思いだということはよくわかりました。
しかし、あくまで計画どおり進めるというのであれば、最低限、保護者の皆さんの要望には応えていただかなければならないと思いますので、幾つか質問をいたします。
久留米特別支援学校の寄宿舎については、機能を移転するという説明がされているようですが、寄宿舎の看護師さんは同じように配置するのか。また、施設面でも、クールダウンが必要な生徒児童のための個室の確保が欠かせないといわれていますが、これは確保するのかお答えください。
○堤都立学校教育部長 久留米特別支援学校の寄宿舎の機能移転に当たりましては、現在の寄宿舎の機能や生活環境を引き継ぐ予定でございます。
○里吉委員 引き継ぐ予定でございますと、非常に曖昧なお答えですが、引き継ぐといったわけですから、今私がいった看護師の数、きちんと同じように対応できるようにすること。今の子供の数では看護師さんは四名いましたけれども、それから、必要なクールダウンのための個室の確保など、これは最低限のものとして強く求めておきます。
それから、移転先とされている光明特別支援学校の寄宿舎なんですが、ここについては、今、光明の寄宿舎に行っているお子さんの保護者の方から、改修工事中も継続して使用できるようにするべきだと思うが、本当に継続して使用できるのかという不安の声が出されています。計画はどのようになっているのか伺います。
○堤都立学校教育部長 久留米特別支援学校の寄宿舎の機能移転に伴い、光明特別支援学校寄宿舎の改修工事を実施するに当たりましては、今後、児童生徒の安全な生活環境に配慮した改修計画を策定してまいります。
○里吉委員 安全配慮は当然なんですけれども、継続して使えるかどうかということは、今の段階では答えられないということでしょうか。それとも、そのときにどうなるかというのはわからないから答えられないということかもしれませんけれども、計画としては、当然、今、光明の寄宿舎に入舎している方たちを継続して入舎をさせながら、必要な改修工事を行う。つまり今、夏休みとか春休みはあいているわけですから、そういうときを使って改修するとか、もしくは、仮のものをつくるとか、何らかの方法で、一日も中断させることなく、きちんと寄宿舎改修工事をやってほしいという意見、そういう声なんですけれども、これはまだ計画の段階だと思いますけれども、どういう計画になっているのか答えられないんでしょうか。安全なのは当然だと思うんですが、お願いします。
○堤都立学校教育部長 ただいまも申し上げましたが、工事の実施に当たりましては、児童生徒の安全な生活環境に配慮するという改修計画を策定するということでございます。
○里吉委員 同じ答えだったので、これ以上聞きませんけれども、光明特別支援学校の保護者の方からは、寄宿舎を光明と久留米の子供たちが一緒に使うようになると、久留米の方は全員入舎ですから、光明の子の利用がさらに制限されるのではないかと、こんな心配の声も、もう既に出されています。今でさえ希望どおり利用できないという声が出ているのですから、当然の不安の声だと思います。
一日もあけることなく、ぜひ継続して使用しながらの改修工事ができるようにしてほしい、それからきちんと光明の子たちの利用が制限されることのないようにしてほしい、これらの声をしっかり聞いて対応するように求めておきたいと思います。
寄宿舎については、これ以上は統廃合しないということが一番の要望として書かれています。私は、逆にふやしてほしいくらいだと思いますが、少なくとも、これ以上の統廃合は行わないように求めておきます。
最後に、請願二五号第四九の一の項目6について一点だけ確認させていただきます。
通常学級に在籍する障害のある児童の対応についてなんですが、昨年度から、特別支援教室モデル事業というものが実施されていますが、これは、これまで行われてきた通級指導学級に子供を通わせている保護者の方からは、今までの通級指導学級は並行して行ってくれるのかと、どのようになるのかという声が出されているんですね。この通級指導学級は、今後どのように実施する予定なのかお答えください。
○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、発達障害のあるより多くの児童が、在籍学級において通常の教育を受けながら個別に専門的な指導を受けられるようにするため、通級指導学級方式から特別支援教室方式への転換を図ってまいります。
発達障害の児童に対する指導は、巡回による個別指導と小集団指導等を組み合わせて実施することが効果的である、こういうことのため、特別支援教室方式では、在籍学校における指導に加えまして、拠点となる学校における通級による指導も実施することといたしております。
○里吉委員 通級による指導も実施するという答弁だったんですが、それは、拠点となる学校には通級指導学級を設置するということでいいのかどうか確認します。
○廣瀬特別支援教育推進担当部長 今ご質問にある拠点となる学校については、通級による指導という機能をそこでは行うということでございます。
○里吉委員 通級指導学級ではなくて、機能を残すということですね。
ちょっとこれ、専門的でわかりにくいんですけれども、教室と学級では教員の配置基準など違ってくるんですね。ですから、通級指導学級を設置というのと、通級指導学級の機能を残すということでは、教員の数を初め、さまざまな問題が大きく変わってくるわけです。
それで、現在まだモデル実施中なので、これでどういうことが起きるのかということをきちんと明らかにしていただきたいんですね。子供たちにとってよりよい体制となるように、関係者の意見も聞きながら取り組んでいただきたいと思うんです。
通級指導学級はこれまで大変大きな成果を上げてきていますので、ぜひ学級は設置する方向で考えていただきたいということを申し上げておきます。
最後に、取り上げられなかった請願について一言だけ申し上げますが、少人数学級の推進については、これまでも繰り返し私も求めてきました。実施している自治体では、どこでもその効果がはっきりと出ています。山梨県に視察にも行ってきましたが、山梨では、不登校の子供の数が減少するなど、効果が大きかったというお話を伺ってきました。
教育の無償化への取り組みも、この委員会でも取り上げてまいりましたが、これは世界の流れであり、政府が国際人権規約社会権規約の中等高等教育無償化の漸進的実行留保撤回をしたというこの事実をもっても、この方向でも、東京都もさまざまな教育費が今高いわけですから、この教育費無償化の方向に向けて取り組むべきだという意見を申し上げまして、私の質問を終わります。
○小松委員 私から、ただいま質疑のありました寄宿舎に関する請願について質疑を行いたいと思います。
特別支援学校の寄宿舎については、ただいまの質疑にもありましたけれども、かつて特殊学校といわれた時代から教育的な施設として設置され、運営されてきた歴史を持っているわけですが、一部、質問が重なる部分がありますが、重ねてお伺いしたいと思いますが、特別支援学校において、寄宿舎というものはどのような目的を持ち、その寄宿舎を再編してきたその理由は何か、ここで確認させてください。
また、再編により、寄宿舎がそれ以前に担っていた教育的な役割というものがあったと思いますが、その役割は現在どのように実施されているのか、お伺いをいたします。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎は、通学が困難な児童生徒に就学を保障するために設置いたしております。
寄宿舎につきましては、平成十五年度の年間利用率が三八・八%という状況であったこと、都立特別支援学校の再編整備などによりまして、それ以降も一層減少することが見込まれたことなどから見直しを図ったものでございます。
また、日常生活に必要な着がえ、洗面などの基本的生活習慣や、集団生活におけるマナーの確立を目指した日常生活の指導は、教育課程に位置づけられるものでございまして、寄宿舎の有無にかかわらず、全ての特別支援学校において、一人一人の児童生徒の障害の程度に応じて、計画的、継続的に実施をいたしております。
今後とも、児童生徒一人一人の社会参加、自立に向け、指導の充実に努めてまいります。
○小松委員 この再編整備ですが、特別支援教育推進計画第三次実施計画で定められて進められているわけですけれども、寄宿舎の年間利用率が減少、低下したために寄宿舎を再編するということでしたが、なぜ入舎対象者が減少したのか、その理由をどう把握していらっしゃるのかお伺いします。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎の年間利用率が低下した理由でございますが、都立特別支援学校の増設やスクールバスの運行の充実等に伴う通学区域の縮小、さらには公共交通機関の発達等により、寄宿舎の管理運営に関する規則に定める通学困難に該当する児童生徒が減少したためだと把握しております。
○小松委員 通学負担の軽減ということ、先ほど改善されてきたというふうにおっしゃっておりましたけれども、気がかりなのは、寄宿舎の閉舎により通えない子供が生じていないかということです。この点についていかがかお伺いします。
○堤都立学校教育部長 寄宿舎の閉舎に当たりましては、都教育委員会は、児童生徒の通学の事情に応じて、スクールバスの増車や運行コースの設定の工夫による通学負担の軽減を図ったところでございます。
また、閉舎後の通学について、学校とともに地元自治体等と連携いたしまして、児童生徒及びその家庭の個別の状況に応じた具体的な支援策の検討を行い、就学を保障してきたところでございます。
○小松委員 特別支援教育においては、とりわけ福祉との連携が欠かせないわけです。福祉的サポートがきちんと受けられるためには、地元自治体との連携が欠かせませんし、寄宿舎についてはまた、私ども生活者ネットはこれまでも通学時間の短縮について求めてまいりまして、これらの点について都教委が努力されてきたということは、先ほどのご答弁の中でも理解はするところです。
ただ、全ての子供の学ぶ権利を保障するために必要な環境整備という点では、まだ十分とはいえない状況にありまして、請願者の懸念ももっともと考えます。さらなる支援を。その充実を求めるところです。この点を申し上げて、意見といたします。
○小竹委員長 ほかにご発言ありませんか。--発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願二五第四三号をお諮りいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○小竹委員長 起立少数と認めます。よって、請願二五第四三号は不採択と決定いたしました。
次に、請願二五第四九号の一及び請願二五第五一号につきましては、生活文化局所管分もございますので、決定は二月二十五日の生活文化局所管分の審査の際に行い、本日のところは、いずれも継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認めます。請願二五第四九号の一及び請願二五第五一号は、いずれも継続審査といたします。
○小竹委員長 次に、陳情二五第一〇三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○金子指導部長 説明表の一〇ページをお開き願います。
陳情二五号第一〇三号、東京都いじめ防止条例の制定に関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、(一般財団法人)いじめから子供を守ろうネットワーク東京都代表栗岡真由美さん外百三十二人から提出されたものでございます。
本陳情の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、二点ございます。
まず、1、平成二十五年九月二十八日に施行された、いじめ防止対策推進法を踏まえ、児童生徒の心身の健全な成長を阻害するいじめを防止することにより、いじめのない学校の実現を図り、もって学校を一層安心して学べる場とすることを目的とする、東京都いじめ防止条例を制定することでございます。
現在の状況でございますが、都教育委員会では、法に基づき、東京都いじめ防止対策推進条例(仮称)について関係各局と連携を図り、既に都議会への提案に向けて準備を進めております。
次に、2、条例を実効化するために、学校や教職員がいじめに加担、助長、いじめを隠蔽、放置、黙認した場合に、関係した教職員の処罰を規定することでございます。
これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会における教職員の懲戒処分の取り扱いについては、教職員の主な非行に対する標準的な処分量定で定め、公表しておりまして、これに基づき、当該教職員に対して懲戒処分を行うなど厳正に対処しております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○小竹委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認めます。陳情二五第一〇三号は継続審査といたします。
○小竹委員長 次に、陳情二五第一〇五号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○堤都立学校教育部長 説明表の一一ページをお開き願います。
陳情二五第一〇五号、中学卒業生の増加に見合う都立高校の新設等に関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、都立高校のいまを考える全都連絡会代表者国松芳美さんから提出されたものでございます。
本陳情の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、二点ございます。
まず、1、中学卒業生の増加に見合う都立高校の新設を行うことでございます。
現在の状況でございますが、都内公立中学校卒業者の今後の推移、現状の計画進学率、公私分担比率をもとに推計すると、現在の学校数で対応できると考えております。
次に、2、複雑化する教育課題に対応するため、都立高校の学級定員を全日制三十人、定時制二十人にすること。そのための年次計画を策定することでございます。
現在の状況でございますが、公立高等学校は、国基準では定時制課程、全日制課程とも一学級四十人を標準としておりますが、都では定時制課程について、昭和四十八年度から三十人としております。また、全日制課程の職業学科については、平成十二年度からホームルーム定員を三十五人としております。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○小竹委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○里吉委員 それでは、伺ってまいります。
人口減少社会、少子化といわれておりますけれども、東京では逆に子供の数がふえております。ずっと千二百万都民といわれていましたが、マンションの急増などで十年ほど前から人口はふえ続けて、二〇一〇年には一千三百万人を突破いたしました。
公立中学校の卒業生も二〇〇八年ごろから増加に転じ、都教委の新たな都立高校改革推進計画でも、公立中学校の卒業予定者数は二〇一一年度の七万六千八百八人から、二〇二四年度には八万二千三百七十三人に増加すると予想されております。
五千五百六十五人増加するということですから、単純に考えて、一学年六学級、二百四十人としましても、高校二十三校分、卒業生がふえるということです。こうした子供たちの高校進学の希望にしっかり応えて教育条件を整備していくことが重要だと考えます。
この陳情は、中学卒業生の増加に見合う都立高校の新設をしてほしいということですが、公立中学校卒業予定者の増加は、都立高校ではどのようにして受け入れようと考えているのか、まず伺います。
○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、都内の公立中学校卒業予定者の全日制高等学校進学希望率を上回る九六%を計画進学率といたしまして、公私協議のもと、毎年度、単年度の計画として就学計画を定め、都立高校に入学を希望する生徒を受け入れております。
都立高校へ進学を希望する生徒については、今後とも都内公立中学卒業予定者数に基づきまして、毎年度就学計画を定め、各学校において適切に受け入れてまいります。
○里吉委員 毎年度就学計画を定めて受け入れていくということでした。きちんと受け入れて、希望者全員の高校進学を保障する、これは当然のことだと思いますが、問題は受け入れ方だと思います。この間の生徒増、都立高校では、全て今ある高校の学級増で対応しています。
一つ確認なんですが、今後も学級増だけで対応するというふうに決めていらっしゃるのかどうか、お答えください。
○堤都立学校教育部長 都立高校におきましては、進学を希望する意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れられるよう、学校の施設の状況や地域バランス等も考慮いたしまして、十分な募集枠を設定し、対応してまいります。
○里吉委員 募集枠をふやすというご答弁でした。都立高校が今やっているのは学級増だけなんですよね。学校新設の予定は今のところ発表されていませんから、これからもそういうやり方でやるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、これは本当に学級増だけで、都立高校を希望する子供たちの教育環境、これでいいのかということは大変疑問なんですね。
過去五年間を振り返ってみますと、東京都は学級増で全て対応してきました。来年度も十八学級ふえるんですね。昨年十月に発表された来年度の都立高校募集人員の資料を見ますと、単純に十八校に一学級ずつふやすのではありません。戸山とか目黒高校とか、二十七校で二十七学級ふやすんですね。一方で、駒場や文京高校など、九校で九学級減らしているんです。差し引き十八学級ふえるというやり方なんです。こうした形になっているのはなぜなのか、その理由を伺います。
○堤都立学校教育部長 ただいまのご質問にお答えいたします前に、先ほどのご質問でございますけれども、陳情のご説明のときにも現在の状況でも申し上げましたが、教育人口等推計による都内公立中学校卒業者の今後の推移から、現状の公私間合意による計画進学率、公私分担比率で推計いたしますと、現在の学校数で生徒の受け入れができると考えてございます。
それから、ただいまのご質問でございますが、毎年度策定いたします就学計画に基づきまして学級増、学級減を行っておりますが、対象となる学校につきましては、施設の状況や地域バランスを踏まえて選定をいたしております。来年度学級減を行う九校につきましては、施設の状況等を踏まえて選定いたしたものでございます。
○里吉委員 高校をつくる必要ないという、これ以上ふやす必要ないというお答えとあわせて、今、なぜ九学級減らしたのかという理由をお答えいただいたんですけれども、施設の状況を踏まえて--要するに、その高校が持っている教室数が足りないということなんですよね。三学年全部で学級増できないということなんです。三年生で六学級あるけれども、二年生は七学級あったり、一年生は六学級など、こういうでこぼこにしながら、何とかあいている教室を探して学級増しているというのが現状です。
今、東京都教育委員会は一学年六学級を標準というふうに決めていて、多くても八学級までというふうにしているんですが、来年度だけでも、新しく戸山を初め九校の学校が九学級になります。学校新設をしなければ、こうしたことを少なくとも二〇二四年まで続けなければいけないわけです。
教育環境や教育の創意工夫のしやすさという点からも、望ましい形とはいえません。この間、子供が減ったといって高校を減らしてきたんですから、子供がふえたらきちんと学校もふやす、これが当たり前だと思うんですね。
改めて今後の見通しについて伺いますが、新たな都立高校改革推進計画で推計されているのは、二〇二四年度までに八万二千三百七十三人までふえるということです。その後はどうなるのか伺います。
○堤都立学校教育部長 最新の教育人口等推計、これは平成二十五年十一月に公表されたものでございますけれども、公立小中学校の児童生徒数を平成三十八年度まで推計いたしております。
その推計によります公立中学校三年生の生徒数でございますが、平成三十六年度が八万一千四百五十八人、平成三十七年度が八万一千八百二十二人、平成三十八年度が八万一千百七十六人となっておりまして、平成三十七年度をピークに減少に転じる見込みでございます。
○里吉委員 少なくともさらに二年先、増加したまま横ばいで続くということがわかりました。
それから、二〇二五年度をピークに減少に転じる見込みというふうにおっしゃったと思うんですが、年度と年の違いはあるのですけれども、出生数でいえば、平成三十九年、二〇二七年に中三になる子供の数は、また少しふえているんですね。必ずしも減るとはいえないと思うんです。
さらに、どうなるかわかりませんけれども、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを機に、一万七千人分の宿泊施設、選手村、大会後は住宅にするとか、さまざまなことが今いわれているわけで、都民がふえるようなことも予想されるわけです。
こうした政策を一方でつくっているのですから、都立高校を新設する計画はぜひつくるべきだと思うんですね。
例えば、この中にもありましたけれども、高校は三十人学級に、そして定時制は二十人にということをすれば、教室数が余るということはないと思うんですね。ですから、高校新設することは、教育条件の充実にも生かすことができると考えます。
ですから、都教育委員会は、子供の数が減ったといって高校を減らしてそのままにするのではなくて、ぜひ新設の計画もしていただくよう要望して質問を終わります。
○小竹委員長 ほかに発言ございませんか。--発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○小竹委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二五第一〇五号は不採択と決定いたしました。
○小竹委員長 次に、陳情二五第一〇六号を議題といたします。
この際、東京都議会委員会条例第十八条の規定により、古賀委員の退室を求めます。
〔古賀委員退室〕
○小竹委員長 理事者の説明を求めます。
○金子指導部長 説明表の一二ページをお開き願います。
陳情二五第一〇六号、七生養護学校事件の最高裁判決を議会、議員、都教委に遵守させることに関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、小林和さん外二百十一人から提出されたものでございます。
本陳情の趣旨は、次のことを実現していただきたいというもので、四点ございます。
まず、1、判決の確定を受けて、都議会は当時の当事者であった都議、都教委に反省を求め、司法判断を遵守することを明らかにさせること。特に、裁判の途中で示された、同校の教育、授業、教材が学習指導要領に違反するとの見解が誤りであったことを確認することでございます。
現在の状況でございますが、都は判決に基づき、昨年末、賠償金の支払いを行いました。
また、判決では、当時の七生養護学校における性教育は、学習指導要領に違反しない一つのあり方であるが、都教育委員会が主張するあり方もあるとしており、都教育委員会の見解を否定するものではございません。
次に、2、「性教育の手引」の記載から、当時の同校の実践をもとに例示されている不適切な例を削除すること。そのほか、司法判断に即した記述に改めさせることでございます。
これに関する現在の状況でございますが、判決では、都教育委員会が性教育のあるべき内容及び方法について調査検討し、基準を示すことは不当な支配には当たらないとしていることから、「性教育の手引」に記載されている不適切な例の削除、他の記述の変更はしておりません。
次に、3、都教委が不適切教材としたことで、当時の七生養護学校校長が移管した教材は都教委の保管とせず、取り扱いについては学校の判断に委ねることでございます。
現在の状況でございますが、一三ページになります。判決では、校長の了解を得て、教材等の提出を受け、不必要と判断されたものが都教育委員会に所管がえされたことは、合理性と必要性があり、不当な支配には当たらないとしていることから、教材類の返却はしておりません。
最後に、4、問題の根本は、都議、都教委に教育基本法違反、裁量権逸脱の行為を二度とさせないことである。教育現場の実態に即した調査もせず、教育現場の判断を尊重することもせず、政治的思料を優先させた今回のような教育への不当な支配を繰り返させないことを、都議会として確認することでございます。
現在の状況でございますが、判決では、学校における子供の教育に関して、都教育委員会は、より細目にわたる基準を設定し、指示、指導、助言を行うことができるとしており、都教育委員会の調査、指導、助言は、不当な支配には当たらないとしております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○小竹委員長 説明は終わりました。
次に、ただいま除斥されております古賀委員から、東京都議会委員会条例第十八条のただし書きの規定により、委員会に出席して発言したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
この申し出について同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小竹委員長 異議なしと認めます。古賀委員の入室を認めます。
〔古賀委員入室〕
○小竹委員長 古賀委員の発言を許します。
○古賀委員 私からは、本文教委員会に付託された陳情二五第一〇六号、七生養護学校事件の最高裁判決を議会、議員、都教委に遵守させることに関する陳情について、不採択の立場から意見を申し述べます。
今回、陳情の提出者は、去る平成二十五年十一月二十八日の最高裁判所の決定が都議や都教委の教育への不当な支配を認めるものであると考えているようでありますが、これは大きな誤りであります。
最高裁の上告棄却の決定により二審判決が確定したわけでありますが、そもそも二審判決は、都議及び都教委に対して賠償金の支払いを命じはしたものの、都教委が主張する性教育のあり方に関する見解を否定はしておらず、都教委が性教育のあるべき内容及び方法について調査検討し、その基準を示すことについても否定していません。
また、教材の所管がえや都教委が行った年間指導計画の変更に関する指導、助言も、不当な支配に当たらないと判断しているのであります。
にもかかわらず、今回陳情の提出者は、都議及び都教委が都立七生養護学校における性教育の適正化を図るために行った一連の行為を教育への不当な支配であると曲解しているようであります。
これは二審判決の趣旨を誤って解釈した独善的な見解であるというほかありません。これは二審判決の趣旨を誤って解釈した独善的な見解であるということを再度強調しておきます。
当時の都立七生養護学校において、性教育と称していかに不適切かつ異常な授業が実施されていたか。
例えば、男女の性器の名称の入った「からだうた」なる歌を、小学部一年生から全員一律に歌わせたり、実際の出産場面を撮影したビデオを小学部の児童に見せたり、高等部生徒に性器のついた人形を使って性交の仕方を指導したり、男性器の模型を使って射精の瞬間を再現した上に、避妊具の装着体験をさせたりなど、例を挙げれば切りがないほどであります。
都立七生養護学校は、知的障害の児童生徒が学ぶ学校です。知的なおくれのある児童生徒に対して、一人一人の障害の程度や発達段階を考慮せず、模型や人形、ビデオ等を使って性交の仕方を教えたり、避妊具の装着体験をさせたりする必要がどこにあるのでしょうか。私には全くもって理解できないことであります。
当時の都立七生養護学校で行われていた性教育は、今思い起こしても社会常識を大きく逸脱した内容であり、学習指導要領を踏まえない、教育の名にも値しない不適切なものであるといわざるを得ません。
都立学校における教育は公教育であります。公教育である以上、教員は国の定めた学習指導要領に基づいた教育を行う責務があります。当時の都立七生養護学校のように、個々の教員が自分の独占的、ひとりよがりの考えや価値観によって、学習指導要領に基づかない勝手な指導を行っている学校があれば、都教委が適正化に向けて指導を行うのは極めて当然であります。
二審判決にあるように、そのことによって各学校ないし各教員がみずからの思うとおりに性教育を行うことができなくなったとしても、不当な支配には当たらないと述べているのであります。
また、二審判決は、私たち都議が行った視察についても、議員が議会において政策について質問、討論するための情報を収集する目的で行政現場を視察することは合理性と必要性があると判断しているのです。
よって、都立七生養護学校における不適切な性教育を是正すべく議員として行動した私の信念は、今も何も揺らぐものはありません。
幸いにして現在では、都立七生特別支援学校を初めとして、全ての都立特別支援学校において適切な指導内容、方法で性教育が行われていると判断しています。
都教委には、今後とも都立特別支援学校において適切な性教育が実施されるよう、引き続き適切に指導、助言されることを強く期待して、私の意見表明を終わります。
○小竹委員長 古賀委員の発言は終わりました。
古賀委員の退室を求めます。
〔古賀委員退室〕
○小竹委員長 本陳情について発言願います。
○きたしろ委員 私からは、本文教委員会に付託された陳情二五第一〇六号、七生養護学校事件の最高裁判決を議会、議員、都教委に遵守させることに関する陳情について、不採択の立場から、幾つかの質問と意見を申し述べさせていただきます。
今、古賀議員が意見表明されましたけれども、まさにそのとおりだと思っております。不当な支配というのは一体何をいうんだろう。本当に不思議でなりません。
七生養護学校事件とは、平成十五年当時、都立七生養護学校において行われていた不適切な性教育について、この問題を指摘した都議の行動や適正化に向けた都教委の指導が教育への不当な介入に当たるか否かが争われたものです。これについては、去る平成二十五年十一月、最高裁判所において、原告及び都教委双方の上告が棄却されたことにより、二審の判決が確定をしたところでございます。
今回陳情を提出された方は、最高裁の上告棄却が都議や都教委の教育への不当な介入を認めたものであると考え違いをされているようなので、私は、ここで改めて当時の七生養護学校で行われていた不適切な性教育や学校経営の実態等を明らかにし、都議や都教委の適正化に向けた行動がいかに適切であったものかを申し述べます。
そこで、初めに、当時の七生養護学校において、どのような性教育が行われていたのかお伺いをいたします。
○金子指導部長 都教育委員会が行った調査の結果、七生養護学校では、男女の性器の名称が歌詞に入った歌を児童生徒に歌わせたり、実際の出産場面のビデオを小学部の児童に見せたり、高等部の生徒に性器のついた人形を使って性交の仕方を指導したりするなどの授業が行われていたことが明らかになりました。
○きたしろ委員 ただいまの答弁にもあったように、私も当時の七生養護学校では、性器の名称を取り入れた歌を歌わせたり、小学部の児童に性交の様子を図絵で示して性交について教えたり、大勢の児童の前で特定の児童に排せつ行為をさせて指導を行ったりなど、社会的な常識では到底考えられない不適切な授業が行われていたと聞いております。
そこで、都教育委員会は、当時の七生養護学校において行われていた性教育について、どのような問題点があったのか、認識していたのかお伺いをいたします。
○金子指導部長 七生養護学校で行われていた性教育は、児童生徒の障害の程度や発達段階、学習指導要領を踏まえない不適切なものであると判断いたしました。
また、七生養護学校では、一部の教員が個人の考えや価値感で性教育を行っていたことも判明し、不適切な性教育が行われていた要因は、教育課程を管理すべき校長が、その権限と責任を十分に果たさなかったことにあると認識いたしました。
そこで、都教育委員会は、七生養護学校において不適切な性教育が実施されていたことを重く受けとめ、都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会を設置いたしまして、都立盲・ろう・養護学校における性教育のあり方について、抜本的な見直しを行ったものでございます。
○きたしろ委員 ただいまの答弁によれば、都教育委員会では、七生養護学校における不適切な性教育は、組織的な学校経営が十分に行われていなかったことが要因であると考え、学校経営のあり方も含めて、都立盲・ろう・養護学校における性教育のあり方について抜本的な見直しを行ったとのことであります。
そこで、都教育委員会は、都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会における検討を受け、七生養護学校を初め、当時の都立盲・ろう・養護学校の性教育の適正化に向けて、具体的にどのような改善指導を行ったのかお伺いをいたします。
○金子指導部長 都教育委員会は、七生養護学校に対して、性教育の年間指導計画や指導内容、方法の改善に向けた指導を徹底するとともに、性交の指導が可能な性器つき人形や性交を取り上げた書籍やビデオなど、不適切な教材の所管がえや廃棄を実行いたしました。
また、全ての都立盲・ろう・養護学校に対して、校長の権限と責任により、児童生徒の障害の程度や発達段階、学習指導要領を踏まえた性教育を実施するよう指導を行いました。
さらに、性教育の全体計画の作成、提出を義務づけるとともに、「性教育の手引」の改定を行い、学習指導要領に基づいた性教育の実施指針を示しました。
こうした取り組みにより、現在は全ての都立特別支援学校において、校長のリーダーシップに基づく教職員の共通理解のもと、適切な性教育が実施されております。
○きたしろ委員 ただいまの答弁にあったように、東京都教育委員会の指導により、現在、都立特別支援学校における性教育は、学習指導要領に基づいて適切に実施されていると聞いております。
これは、当時の七生養護学校における性教育がいかに不適切であったのかを明らかにし、それを是正すべく立ち上がった都議会議員の行動が広く保護者や都民に理解をされ、報われた結果であると考えております。
あれから十年を経て、今回の最高裁の決定が出されたわけですけれども、都教育委員会は、都立特別支援学校における適切な性教育の実施について、今回の最高裁決定を受けて、今後どのように対応するのか、改めて都教育委員会の見解をお伺いいたします。
○金子指導部長 今回の最高裁決定により確定した二審判決では、都教育委員会が性教育のあるべき内容及び方法について調査検討し、基準を示すことの問題点は指摘されておらず、そのことによって各学校ないし各教員が、みずからの思うとおりには性教育を行うことができなくなったとしても、不当な支配には当たらないとしております。
したがいまして、都教育委員会が「性教育の手引」において示した学習指導要領や児童生徒の障害の程度、発達段階を踏まえた性教育を実施するという基本方針は、今後も変わることはございません。
都教育委員会では、引き続き、全ての都立特別支援学校における性教育が適切に実施されるよう、各学校への指導、助言を適時適切に行い、保護者や都民から信頼の得られる学校づくりに努めてまいります。
○きたしろ委員 ただいまの東京都教育委員会の答弁は、至極当然なことなんです。当たり前だと私は思っています。
最高裁決定により確定した二審判決は、都教育委員会が主張する性教育のあり方を認めており、都教育委員会が「性教育の手引」等において実施指針を示すことも不当な支配には当たらないとしております。
また、原告側の教材の返還請求も却下され、都教育委員会が行った年間指導計画の変更に関する指導も不当な支配ではないとしております。
さらに、判決は、都議が行った視察についても合理性と必要性を認めているのであり、こうしたことからも、今回の最高裁決定は、性教育の内容について、都議と都教育委員会側の主張が認められた重要な決定であると私は考えます。
よって、本陳情にあるように、都議や都教委の行為が政治的思料を優先させたものであるということは全く当たらず、ましてや教育への不当な支配を繰り返させないことを都議会として確認することなどあり得ないわけで、我が党は、都教育委員会に対し、今回の最高裁決定により確定した二審判決の趣旨を改めてしっかりと全ての都立特別支援学校に伝え、これまでの方針をより確固たるものとして、今後とも、都立特別支援学校における学習指導要領を踏まえた性教育の適正実施が図られることを強く要望して、私の発言を終わります。
○里吉委員 それでは、私からも幾つか質問してまいります。
先ほど来話がありましたけれども、今回の陳情は、二〇一三年十一月二十八日、東京都立七生養護学校--当時ですね、現在の七生特別支援学校の性教育に一部の都議や都教育委員会が介入したのは違法だとして、当時の教員、保護者ら三十一人が損害賠償を求めた心と体の学習裁判です。
最高裁第一小法廷は、昨年十一月二十八日付で、原告、被告双方の上告を棄却する決定をいたしました。当時の都議三人と東京都には、計二百十万円の賠償を命じた一審、二審判決が確定をいたしました。
そこで、まず確認しておきますが、当時の都議三人と都教委は、原告への賠償金の支払いはどのように行ったのかお伺いします。
○金子指導部長 判決は、東京都と三人の議員は連帯して、二人の養護教諭に対して、それぞれ五万円及びそれに対する遅延損害金を支払えということでありました。この賠償金の負担割合は、東京都が四分の一、三人の議員は四分の三でございます。
○里吉委員 二人の養護教諭に対する損害賠償金とは、七生養護学校を訪れた古賀議員、当時の土屋議員、田代議員の三人の言動が教育への不当な支配に当たり、都教委は同学校の教員らを不当な支配から保護する義務に違反したとして命じられたものですね。
賠償金の四者の負担割合は裁判では定められておりませんが、都教委が四分の一、三人の都議が四分の三を負担したということで、都教委が税金で支払ったのは四分の一だということを確認したいと思います。
陳情では、七生養護学校の教育、授業、教材が、学習指導要領に違反するとの見解が誤りであったことを確認してほしいとのことです。
そこで、先ほど答弁でさらっといっていたんですけれども、もう一度確認します。判決では、七生養護学校の性教育について、学習指導要領との関係ではどんな見解が示されていますか。お答えください。
○金子指導部長 判決におきましては、七生養護学校で行われていた性教育も都教育委員会が適切と考えていた性教育も、いずれも学習指導要領に基づいたものであるという判決でございました。
○里吉委員 今確認しました。今ご答弁にあったように、七生養護学校の性教育は、学習指導要領に違反するとした都教委の当時の見解は誤りであったということでよろしいですね。確認します。
○金子指導部長 都教育委員会が適切と考えておりました性教育が学習指導要領に基づくものという判決であるというふうに受けとめております。
○里吉委員 聞いたことに答えてください。都教委のいっている性教育は聞いていません。七生養護学校の当時行っていた性教育が学習指導要領に違反するとした、当時の都教委の見解は誤りであったということがこの裁判の結果ということでよろしいですね。確認します。
○金子指導部長 判決では、七生養護学校の行っていた性教育も学習指導要領に違反しない一つのあり方ではあるが、一方、都教委の主張する性教育も学習指導要領に違反しないあり方であるとしております。
今後とも、都教育委員会は、学校における性教育は、あくまでも学習指導要領に基づいて適切に行うべきであると考えております。
当時の七生養護学校の性教育は、学習指導要領や児童生徒の発達段階等を踏まえない不適切なものであったということで、最高裁決定後もこの認識は変わることはございません。
〔傍聴席にて発言する者あり〕
○里吉委員 聞いたこと以外にも答えていますけれども、学習指導要領に違反していなかったということが最高裁で確定したということは、先ほどお口から出ましたね。都教委は法治国家の中の行政機関ですから、裁判所から指摘されたことはきちんと受けとめていただきたいと思います。
判決では、七生養護学校の性教育は学習指導要領に違反しないと、それ、お答えいただきましたから確認します。ですから、改めていうまでもなく、それが違反だとした都教委の見解は否定されたんです。それはぜひ、きちんと最低限、まずこれは受けとめなければならないと申し上げます。
それで、次に、七生養護事件の後に改定された「性教育の手引」、この記載から、当時の学校の実践をもとに例示されている不適切な例、削除してほしいとの陳情項目も上がっています。都教委が当時、七生の性教育を不適切とした理由は、それが学習指導要領に違反していると判断したからです。判決で、七生の性教育は学習指導要領に違反していないと示されました。ですから、七生の性教育が不適切とされる根拠はなくなりました。したがって、不適切な例というところから削除するのは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
○金子指導部長 都立特別支援学校における性教育は、児童生徒一人一人の障害の種類や程度、発達段階等に配慮し、学習指導要領に基づいて適切に実施することが重要でございます。
都教育委員会は、この都立特別支援学校における性教育の基本的な考え方や進め方等について、「性教育の手引」に示したものでございます。この「性教育の手引」に示しました学習指導要領に基づかない教材、あるいは指導については、削除する考えは、したがいましてございません。
○里吉委員 またもとに戻っちゃうんですけれども、都教委がおっしゃる性教育も学習指導要領の中で認められていると裁判所はいっています。あわせて、もう一度、判決文を読んでください。ここにも書いてあります。皆さんの書いた文書にも、判決では、当時の本件学校における性教育は学習指導要領に違反しないと書いてあるじゃないですか。学習指導要領に違反しないんだから、不適切という言葉を外すべきじゃないですか。お答えください。
○金子指導部長 先ほども申し上げましたが、判決では、都教育委員会の適切と主張する性教育、これは学習指導要領に違反しないということが認められておりますので、私どもが不適切と考えるものについては、その撤回をするつもりはございません。
〔傍聴席にて発言する者あり〕
○里吉委員 都教委の最初のご説明で、判決で教育委員会が性教育の基準を示すことは許されている。そのことで、各学校も各教員がみずからの思うとおりに性教育を行うことができなくなったとしても、不当な支配には当たらない、こういう部分をご説明しましたね。私も判決文を読みました。でも、これは全体を読む必要があると思うんですね。文章、一文抜かしています。判決では、教育現場の創意工夫の余地を奪うような細目まで踏み込まない限り、それが必要かつ合理的なものとして不当な支配に当たらないものである限り、基準を示し、指導をすることが許されているとなっています。基準を示すとしても、その内容が教育現場の創意工夫を奪ってはいけないし、合理的な根拠が必要なわけです。
ここの判決文にもるる述べてありますけれども、性教育にはさまざまな方法があり、合理的な根拠なしに、これがいいとか悪いとか、都教委が主張する性教育のあり方に全て従えということはできないはずです。
当時の報告書や厳重注意などの処分の発表文書を見ますと、都教委が七生養護学校の性教育が不適切だとした理由は、一つは、発達段階に応じていないということでした。もう一つが、学習指導要領に違反しているということでした。学習指導要領で示されている学年より上の学年のことを教えたから発達段階を踏まえていない、学習指導要領に書かれていないことを教えたから学習指導要領に違反している、こういうことが書かれています。
一つ、発達段階に応じていないという判断についてなんですが、知的障害の子供たちの教育について、判決では、お持ちだと思いますから見てください。八九ページから書いてあります。被告ら、これは都教委と三人の都議のことですね。被告らはおおむね、より遅い時期に、より限定された情報を、より抽象的に教えるのが発達段階に応じたの意味であると考えているようである。まして知的障害を教育する養護学校においては、より強い理由で教科内容にしてはならないなどという主張にそれがあらわれている。しかし、肉体的には生徒と変わらないのに、理解力、判断力、想像力、表現力、適応力が十分備わっていないがゆえに、また性の被害者、あるいは加害者になりやすいことから、むしろより早期に、より平易に、より具体的、視覚的に、より明瞭に、より端的に、より誇張して繰り返し教えるということなどが発達段階に応じた教育であるという考え方も十分に成り立ち得るものと考えられ、これが明瞭に誤りであるというべき根拠は、学習指導要領の中には見出せないし、その他の証拠によっても、そのように断言することはできない。判決でこのように書かれています。今読み上げましたが、よろしいですね。こういう文章ありますよね。確認します。
○金子指導部長 判決文には、今おっしゃられた文章はございます。
○里吉委員 つまり、教育の中身について、裁判所は、こっちがいいとかあっちがだめとか、当然踏み込んでいないわけです。都教委の性教育についていいとか悪いとか、七生がいいとか悪いとか、そういうことは踏み込んでいないんですよ。だから、発達段階に応じていないから不適切だと、そういうふうに決めつけた都教委の主張は、全然合理的じゃなかったということなんです。
学習指導要領に違反しているということについては、学習指導要領はあくまでも大まかな基準、大枠が外れない限りさまざまな教育のあり方が認められる。これは判決でもそのことに触れられています。
先ほどいろいろお話ありましたけれども、この判決文の中では、例えば、都教委がペニス、ワギナという言葉が不適切だとしていますけれども、判決では、都教委自身が当時の「性教育の手引」に男性器をペニス、女性器をワギナとして取り扱うことがあると記載していたことや、小学校三、四年生の保健の検定教科書にペニス、ワギナの記載があるものが少なくないことから、文部科学大臣がこれを学習指導要領に反しないと判断しているということで、この用語が不適切だということにも根拠が乏しいとしています。
中学三年生にコンドームの使用について教えるのはよいが、装着方法を教えるのはだめだという都教委の見解に対しても、コンドームの装着方法を示さずに正しく着用し処理することを指導することも困難というほかないと、判決では述べています。
「性教育の手引」には、こうしたことが全て不適切とされているんですよ。不適切だという根拠は、今回の裁判で失われていると思いますが、いかがですか。お答えください。
○金子指導部長 学習指導要領には、まず冒頭の総則に、児童生徒の発達の段階を考慮して教育活動を行うという規定がなされております。また、障害のある児童生徒に対しては、その障害の種類や程度、発達段階に配慮して、適切に指導することが重要であるという規定が学習指導要領の総則にございます。
七生養護学校で問題となっている教材、指導はさまざまでございますけれども、例えば、性交が描かれており、性交の仕方について触れている絵本を全ての低学年の児童に一律に読ませて、性交や産道から生まれてくる新生児のイラスト、男女の生殖器、妊娠、出産などが示されているものを用いることは、小学校低学年の児童の発達段階を踏まえたものとはいえず、この観点からも不適切であるという認識をしたものでございます。
さらに、男女の性器があり、性交を具体的に掲示することのできる人形を使った指導につきましても、これらについても児童生徒に対して一律に性交の仕方を具体的に指導したものでございまして、学習指導要領、あるいは障害の程度、発達段階を踏まえたものとは到底いえないという認識をしております。
○里吉委員 都教委の見解は伺いましたけれども、それらのことを全てもってしても、今回の判決では書いてありますよね。今回の判決では、発達段階に応じていないというふうにはいい切れないというふうに書いてあるわけです。
それで、もう一つ聞きますけれども、当時の七生養護学校の性教育、どのようなことが行われていたか。この学校で生徒同士の性に関する問題行動が多発したことをきっかけに、知的障害を持つ児童や生徒にふさわしい性教育として、性の問題や成長するにつれての心や体の変化について、抽象的な説明では理解が難しい障害児の実態にあわせて、どうやったらこの子たちにわかってもらえるのか、保護者とも意見交換しながら、本当に試行錯誤を重ねてつくり上げられたものだったんです。
校長会、教頭会主催の研修でも、他校の校長や教頭に紹介されて、参考にされていました。そのことについて都教委は何もいっていないんですよ、そのとき。それが突然、一方的な都教委の判断で不適切とされた。そして、その一つの根拠が学習指導要領に違反する。今回の裁判でその根拠はなくなった。
ですから、都教委が進める「性教育の手引」をつくるとしても、不適切な例としてこれを掲載する、これはやはりおかしいんじゃないでしょうか。削除するのは当然じゃないでしょうか。現場の先生からは、七生養護事件があってから、とにかくどこの学校でも性教育は当たりさわりのないものとして授業が変わってしまった。子供たちにわかりやすい授業を工夫したいと思っても、具体的な教材を使うこともためらってしまう。教育に創意工夫を凝らすよりも、無難にまとめる方向に教育を萎縮させてしまっていると伺いました。都教委が手引をつくるなら、先生たちを萎縮させるのではなくて、より教育内容を豊かにするものでなければいけないはずです。
そこで、伺います。今、七生養護学校と同じような性教育を行ったら、都教委は厳重注意の対象とするのでしょうか、伺います。
○金子指導部長 都立特別支援学校における性教育は、児童生徒一人一人の障害の種類や程度、発達段階等に配慮し、学習指導要領に基づいて適切に実施することが重要でございます。また、都教育委員会は、都立特別支援学校における性教育の基本的な考え方や進め方等について、「性教育の手引」に示しております。したがって、都立特別支援学校は、学習指導要領及び「性教育の手引」に記載された内容を十分に踏まえて、組織的、計画的に性教育を行う必要がございます。
これらのことから、今後とも、学習指導要領や「性教育の手引」の内容を踏まえない指導を行う教員に対しては、まず校長による指導を行い、改善が見られない場合には、厳正に対処してまいります。
○里吉委員 学習指導要領は踏まえていたんです、七生養護学校の授業は。後からつくられた手引には不適切な例として書かれているんです。厳正な対処というのは、厳重注意のことでしょうか。
○金子指導部長 ただいま申し上げましたとおり、学習指導要領や「性教育の手引」の内容を踏まえない指導を行う教員に対しては、まず校長による指導を行い、改善が見られない場合には、厳正に対処していくというものでございます。
○里吉委員 七生養護学校の性教育は、学習指導要領に違反していないということが明らかになったわけですから、今ちゃんと答えられませんでしたけれども、厳重注意はできないと思いますよ。当然です。
次に、教材について伺いたいんですが、七生養護学校の性教育で不適切と判断された教材リストをいただきました。これは現在、全て都教委に保管されているということでよろしいのか。ちょっと見てみましたら、過去の授業を撮影したビデオのことが載っていなかったんですね、このものに。このビデオがリストになかったんですけれども、ビデオも含めて、都教委が教材は保管しているということでいいのか確認します。
○金子指導部長 リストにあるものにつきましては、全て保管しております。
○里吉委員 リストにあるものは都教委が保管しているということでしたけれども、授業の様子を撮影したビデオ、これ当時、指導部長さんが見たと議事録で答弁を読んだんですが、このビデオがリストにはないんですね。何でリストにないのかわからないんですけれども、この指導部長さんが見たという授業の様子を撮影したもの、これは現在どこにあるのか教えてください。お答えください。
○金子指導部長 今お話のビデオにつきましては、不明でございます。
○里吉委員 見たということが議事録に残っているわけですから、きちんとどこにあるのか、後で探していただきたいと思います。
リストに載っている教材ですが、これは絵本ですとかいろいろな本ですとか、それから手づくりの人形など、ある時期までは議員などにも貸し出されていましたが、古賀議員など三人の都議が借りたということも議事録に示されていますが、これ、途中から裁判の証拠物件だからということで貸し出しされなくなったと聞きました。事実はそれでよろしいですか。
○金子指導部長 現在、都教育委員会で保管しております教材は、学習指導要領を踏まえない不適切な教材として、学校から所管がえを行ったものでございまして、その取り扱いについては慎重に対応すべきであると考えております。
○里吉委員 途中で貸し出さなくなったときには、それまで貸し出していたのを貸し出さなくなったときには、裁判の証拠物件だから都教委が保管するんだというふうに説明をされたと伺いました。ただ、裁判は終わりました。そして、裁判の結果、この教材も指導要領に違反するものではないということが明らかになったわけですから、不適切な教材とはいえないと思うんですね。
この教材、ご存じだと思いますが、七生養護学校で、当時、自己肯定感をなかなか持ちにくい子供たちに、あなたも祝福されて生まれてきたんだよということを伝えるために、先生方が手づくりで作成した子宮体験袋など、さまざまな先生たちの創意工夫が含まれています。授業風景を撮影したビデオも、授業をよりよく向上させようと授業研究のために撮影して、大切にしていたものです。
保管している教材、ビデオはぜひ探していただきたいんですが、裁判も終わったわけですから、そして、繰り返しますけれども、学習指導要領を踏まえない教材ではないわけですから、今後、貸し出すことも可能だと思いますが、いかがでしょうか。
○金子指導部長 私どもは、あくまでも学習指導要領に反する指導を行っているその教材につきましては、これについては不適切な教材ということで保管しておるものでありまして、それにつきましては慎重に対応していくということに何ら変わりはございません。
○里吉委員 この判決文で探すと面倒くさいので、これ、もう一度使いますよ。皆さんがつくった文書の中に引用されています。判決では、当時の本件学校における性教育は学習指導要領に違反しない一つのあり方である。その次に、それが唯一のあり方ではなく、都教委が主張している性教育のあり方もあると。両方とも、都教委が進める性教育も七生養護学校が当時行っていた性教育も、学習指導要領に違反しない。これが判決文です。
ですから、学習指導要領に違反していない教材です。そういうことで、ぜひこれは、もし貸し出さないというんであれば、その理由を教えてください、学習指導要領を踏まえていないという教材ではありません。
○小竹委員長 傍聴人の皆さんに申し上げます。ご静粛にお願いします。
○金子指導部長 今回の最高裁決定により確定した二審判決では、七生養護学校から都教育委員会に教材の所管がえが行われたことは、合理性と必要性があるとしております。
また、所管がえされた教材は、児童生徒の発達段階や学習指導要領を踏まえない不適切な指導において使用されていた教材であるため、今後とも返却する予定はございません。
○里吉委員 繰り返しになりますから、もうそのことは聞きませんけれども、所管がえについて合理性と必要性があり不当な支配に当たらないというのは、その当時の話を述べているだけですよね。当時は都教委が不適切と判断したんだから、それを所管がえしたのは合理性と必要性があったということですよ。
しかし、都教委は、七生養護学校の性教育が学習指導要領に違反することなどを理由に不適切としたのですから、不適切の根拠がなくなったんですから学校に返却する。学校といっても当時の先生方はもういませんから、多様な性教育の研究のために貸し出せるようにするのは筋だと考えます。
それで、都教委が不適切とした教材のリストを見てみました。書籍が四十一点ありました。私が知っているものも、絵本もたくさん含まれていました。有名なところでいいますと、童心社「からだっていいな」、この本は、対象年齢三歳から。よい絵本として、第三回日本絵本賞を受賞しています。ポプラ社の「おちんちんのえほん」、これも五歳からの本です。私も保育園に通う子供がいますけれども、この本を持っている男の子のお母さんは結構多いんですよ。この本が学校では不適切なんだってって、周りの私の同年代の子供を持っているお母さんにいったら、多分皆さん信じられないと思いますよ。これは私の感想として、どういうものが不適切というふうになっているかという一端としてお話ししておきます。
最後に、都議会議員が都政に関連する現場がどうなっているのか、学校を含めたさまざまな施設などを視察すること、これは都政を知り、都議会議員としての責任を果たす上で大変重要なことだと私も思います。先ほども述べましたけれども、私も特別支援学校を含め、さまざまな施設を訪問させていただいて勉強しております。しかし、それが強圧的であったり、みずからの教育観を押しつけるものであってはいけないことはいうまでもありません。
判決は、都教委はより細目にわたる基準を設定し、指示、指導、助言を行うことができるとしていますが、先ほど申し上げたとおり、判決では、不当な支配に当たらない限り、また教育現場の創意工夫の余地を奪うような細目にまで踏み込まない限りとされており、都教委は、まず教育にはさまざまなやり方があることを認め、現場の努力や創意工夫を尊重する姿勢に立ち、基準をたとえ示すにしても、その内容は合理的な根拠のあるものでなければならない。これは当然だと思います。
七生養護学校のように、いきなり取り調べのような事情聴取を行い、厳重注意にするなどというやり方は、今後絶対に戒めるべきであることは当然です。こうしたことから、この陳情は採択を主張して、私の質問を終わります。
○新井委員 私からは、本文教委員会に付託された七生養護学校事件に関する陳情を審査するに当たり、幾つか質問をいたします。
都教育委員会は、当時の七生養護学校において行われていた性教育が学習指導要領や児童生徒の発達段階を踏まえない不適切なものであったとして、適正化に向けた指導を行っています。
そこで、まず初めに、そもそも適正な性教育の要件とはどのようなものであると考えているのか、都教育委員会の見解をお伺いします。
○金子指導部長 都教育委員会では、児童生徒の健やかな成長を願い、学校における性教育が適切に行われるよう、学校全体の指導計画に基づく組織的、計画的な指導であること、学習指導要領及び児童生徒の発達段階に即した指導であること、保護者との連携を図り、その理解を得られる指導であることの三つを要件として示しております。
○新井委員 つまり、当時の七生養護学校における性教育は、ただいまの答弁にあった三つの留意点を踏まえない不適切なものであったというのが都教育委員会の見解であると理解いたしました。
しかし、現場の先生方は、児童生徒一人一人のよりよい成長、発達を願って、日々の努力を重ねているのです。七生養護学校の性教育の適正化に向けた都教育委員会の指導をめぐっては、教育現場は萎縮しており、自由な教育が行えなくなっていると、こういった現場の先生方の声が私のところに寄せられています。こうした声があることについて、都教育委員会はどのように考えているのか、都教育委員会の見解をお伺いします。
○金子指導部長 都教育委員会は、学習指導要領や児童生徒の発達段階等を踏まえない指導について、「性教育の手引」の改定等を通じて改善指導を行ったものでございます。
今回の最高裁決定により確定した二審判決では、都教育委員会が性教育のあるべき内容及び方法について調査検討し、基準を示すことの問題点は指摘されておらず、そのことによって、各学校ないし各教員がみずからの思うとおりには性教育を行うことができなくなったとしても、不当な支配には当たらないとしております。
今後とも、都教育委員会は、学習指導要領を踏まえた適切な性教育の実施について、各学校への必要な指導と支援を行ってまいります。
○新井委員 確かに、障害のある児童生徒の成長発達や障害の程度は一様ではありません。七生養護学校でも、知的障害の重い児童生徒から軽い児童生徒まで、一口に知的障害といっても実に多様な障害の状況の児童生徒たちが学んでいます。
冒頭の答弁にあったように、児童生徒一人一人の発達状況を踏まえることも大切かもしれません。しかし、障害のある児童生徒の性的興味、関心の芽生えや、その対応策については、家庭における指導に悩んでいる保護者も多いのではないでしょうか。そのような場合には、学校における性教育を充実させることも重要であると考えております。都教育委員会の見解をお伺いします。
○金子指導部長 性教育を実施するに当たりましては、保護者の十分な理解と協力を得ることが不可欠でございます。また、障害のある児童生徒の性的な事柄に関する興味関心や行動のあらわれ方は、一人一人の成長発達や障害の程度等によってさまざまであるため、家庭との連携により、個別的、具体的に対応することが重要でございます。
そのため、都教育委員会は、今後とも各学校に対し個別指導計画等を活用して、家庭との連携を図りながら、児童生徒一人一人の発達段階に応じた指導の充実を図るよう指導してまいります。
○新井委員 これまでいただいた答弁により、障害のある児童生徒の性教育に関する都教育委員会の基本的な考え方はわかりました。
一般に、性に関する考え方や意識は、その人が生まれた時代の背景や、その時々の社会動向によっても大きく異なり、変化するものだと思います。しかし、いつの時代も普遍的なことは、学校における性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す人間教育の一環であるということでしょう。
私は、都教育委員会に対し、児童生徒一人一人が今後の生活において直面する性に関する諸課題に対して、適切な意思決定や行動選択ができるよう、学校における性教育の充実を図ることを要望しまして、私の質問を終わりにします。
○小松委員 それでは、七生養護学校事件に関する陳情につきまして、質疑を行います。
障害児に対する性教育はどうあればいいのかといった観点から、その性教育の考え方について確認させてください。
○金子指導部長 学校における性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環でございまして、生命の尊重、人格の尊重、人権の尊重などの根底を貫く人間尊重の精神に基づいて行われるものでございます。
とりわけ、都立特別支援学校における性教育は、学習指導要領に基づいて適切に実施することはもとより、障害のある児童生徒一人一人の障害の種類や程度、発達段階等に配慮して行うことが重要でございます。
○小松委員 ただいまのご答弁は、いわゆる健常児に対して、一般的な性教育の考え方を述べられたかと思います。後段でおっしゃった障害を持つ子に対する教育については、とりわけ知的な障害のある子供については、そのことプラス、より現実に即した教育が必要なわけです。
子供が一定の年齢になったとき、体は成長して変化していく一方で、性的な事柄に対する理解は十分ではない、でも、性への関心がストレートに行動に出てしまいがちな子供に対して、どこまで何を教えるか難しいことではありますけれども、避けては通れないという課題がありまして、この課題に正面から取り組んだその実践が、この心と体の教育だというふうにいえるかと思います。
そういう子供たちがきちんと理解できるように、体の仕組みがわかるように、模型として手づくりの人形などが使われていたわけでして、最高裁判決は、これを望ましい取り組み方であったと評価しています。ところが、これが没収されたままになっているということですが、この取り上げた人形等の教材、現在、都教委で保管されていると今お聞きしましたけれども、この裁判の結果を受けて学校に返却すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。伺います。
○金子指導部長 今回の最高裁決定により確定した二審判決では、七生養護学校から都教育委員会に教材の所管がえが行われたことは、合理性と必要性があるとしております。
また、所管がえされた教材は、児童生徒の発達段階や学習指導要領等を踏まえない不適切な指導において使用されていた教材であるため、今後とも返却する予定はございません。
なお、平成十五年に都教育委員会が行った立入調査の際に学校から提出された教材のうち、学習指導要領に照らして適切であると判断した教材は、既に学校に返却してございます。
○小松委員 余りにも硬直化したご答弁にちょっと驚いています。
七生養護学校、当時の性教育、いわゆる心と体の学習は、体の発達と知的な理解の間にギャップがある子供たちに対しては、現実に即した教育が必要だとして、必要に迫られて開発され、創意工夫を重ねて練り上げられていった教育実践だったと思います。
そして、そのきっかけとなったのは、性にまつわる深刻な事件が身近なところで起きてしまったことです。子供たちを加害者にも、そして被害者にもさせないというためにも、それから、もちろん人間性を学ぶためにも、この学習は復活されるべきだと考えます。
判決では、教員の創意工夫の余地を奪うような細目にまでわたる指示、命令等を行うことまでは許されないとされまして、さらに、先ほどもいわれていましたけれども、本件性教育は、学習指導要領に違反しているとはいえないというふうに明言しています。
今のご答弁では、学習指導要領を踏まえない、不適切だということが繰り返されましたが、ここまで強弁されることは都教委の信頼を失うことになりかねません。訴えを起こした元教員の方たちの教育者としての誇りを取り戻すためにも、都教委の信頼回復のためにも、都教委は今回の判決を真摯に、謙虚に受けとめるべきです。何より教材は速やかに学校現場に返却されるべきですし、また、陳情にあるような不適切の例として記載した「性教育の手引」は改正されるべきと考えます。
したがって、本陳情の採択を主張して私の質問を終わります。
○あさの委員 私からは、これまでの質疑も含めて、意見だけいわせていただきたいと思います。
この七生養護学校の件に関する陳情ですが、判決にもあるとおり、今までさまざまな引用も出ております。これまでの質疑の中でもいろんな部分を出してきまして、それぞれ自分の主張に合うところを取り上げるようにする傾向があるのは、ちょっと否めないかなという気がいたしますが、全体的に見て、この判決文に書いてあることは、要は裁判所としても、学習指導要領というのが余りにも多義的な解釈が可能であるということです。つまり、学習指導要領の中で、性教育について一義的にこれが正しいと決めることは無理で、さまざまな考え方があるということは、もう否めないよということです。
その中で、判決でいっていることは、要は、都教委としての判断が現場に正しく伝わるようにすること。そして、今回の件に関していえば、当時行われた侮辱行為は、あくまで違法ですけれども、そこに限定するものですよということ。そして、さまざまな不当な支配の話が再三出ていますけれども、これについても、不当な支配に当たるかどうかというのは、侮辱行為のみが認定されていて、それ以外は、主にそれがなっていないということだと思います。
そこから鑑みますと、この陳情に出されていること、例えば不適切な例というのも、確かにこれが学習指導要領に違反していると直ちにはいえないよという判断は判決で下されておりますが、一方で、都教委の考え方自体が既にだめだということもいわれていなくて、それがわかるようにしましょうということですから、それをわかるようにするためにこういったものを不適切な事例として残すことは、私は別に決して間違った判断ではないと考えます。
また同様に、その4にも、都議、都教委に教育基本法違反、裁量権限逸脱の行為を二度とさせないというようなことを書いていますが、そのようなことは判決には書いていないということを判断しますと、私としては、これは不採択にすべきが妥当かと思います。
ただ、最後に申し述べておきます。判決の中でもいわれているとおり、性教育については、これが答えというものがありません。その中でも、この七生養護学校に勤めていた学校の先生及び保護者の方々が、福祉園の方々の意見も事実認定の中でありましたけれども、反発、反対するような、つまり、このようなやり方がおかしい、性器教育だという反対の意見もありながら、一方で非常に肯定的に捉える意見もあると。
さまざまな意見の中で議論をしながら、何がすぐれているかを探していくことこそが一番大事なんだということが判決でもいわれております。これは我々、この都議会も含めて都教委も、これがいいというふうにこだわるのではなくて、こういった判決を受けて、未来、子供たちがよりよい教育環境に置かれることをどのように実現していくかということの契機にすべきであるということだけは申し上げさせていただきまして、私の意見とさせていただきます。
○小竹委員長 ほかにご発言ありませんか。--なければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○小竹委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二五第一〇六号は不採択と決定いたしました。
古賀委員の入室を求めます。
〔古賀委員入室〕
○小竹委員長 請願陳情の審査を終わります。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十三分散会
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