文教委員会速記録第十六号

平成二十五年十二月十日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事川松真一朗君
松田やすまさ君
神野 次郎君
里吉 ゆみ君
野上ゆきえ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長横山 英樹君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
理事雜賀  真君
総務部長中山 正雄君
スポーツ事業部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
オリンピック・パラリンピック大会準備部長松永 竜太君
事業広報担当部長山中 康正君
組織委員会設立担当部長平山 哲也君
競技計画担当部長延與  桂君
施設担当部長荒井 俊之君
教育庁教育長比留間英人君
次長直原  裕君
教育監高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長堤  雅史君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
全国高校総体推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
理事の互選
スポーツ振興局関係
契約議案の調査
・第百九十九号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)メインアリーナ棟新築工事(その二)請負契約
・第二百号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)サブアリーナ・プール棟新築工事(その二)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十号議案 駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理者の指定について
生活文化局関係
契約議案の調査
・第二百六号議案 東京文化会館(二十五)改修工事請負契約
・第二百十四号議案 東京文化会館(二十五)空調その他設備改修工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十八号議案 旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百八十九号議案 東京都計量検定所設置条例の一部を改正する条例
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百十八号議案 東京都立学校の敷地に係る土地明渡請求事件に関する和解について
報告事項(説明・質疑)
・いじめ総合対策(いじめに関する専門家会議報告)について

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 去る十二月五日の本会議におきまして、村上英子議員が本委員会から総務委員会に変更になり、新たに松田やすまさ議員が総務委員会から本委員会に所属変更になった旨、許可されました。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 松田やすまさ委員。

○松田委員 よろしくお願いします。

○小竹委員長 紹介は終わりました。

○小竹委員長 次に、村上英子議員の所属変更に伴い、理事が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。互選の方法はいかがいたしましょうか。

○松田委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○小竹委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、よって、理事には川松真一朗委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認めます。理事には川松真一朗委員が当選されました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○小竹委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十五年十二月六日
 東京都議会議長 吉野 利明
文教委員長 小竹ひろ子殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百九十九号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)メインアリーナ棟新築工事(その二)請負契約
 第二百号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)サブアリーナ・プール棟新築工事(その二)請負契約
 第二百六号議案 東京文化会館(二十五)改修工事請負契約
 第二百十四号議案 東京文化会館(二十五)空調その他設備改修工事請負契約
2 提出期限  平成二十五年十二月十日(火曜日)

○小竹委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局及び生活文化局関係の契約議案の調査及びスポーツ振興局、生活文化局及び教育庁関係の付託議案の審査並びに教育庁関係の報告事項の聴取を行います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百九十九号議案及び第二百号議案について一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 それでは、武蔵野の森総合スポーツ施設、メーンアリーナ及びサブアリーナ、プール棟の新築工事請負契約案件について、賛成の立場から質問をいたします。
 武蔵野の森総合スポーツ施設は、都民からの請願などの要望もあり、地元の調布市や三鷹市、府中市との協議も重ねて策定された計画と伺っております。多摩地域のスポーツ施設の拡充にもなります。
 東京都は、都民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめるスポーツ都市東京の実現を目指しておりますから、改めて武蔵野の森総合スポーツ施設を、地元も含め都民が幅広く使える施設とすることが重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設は、都の新たなスポーツ振興拠点として、国際的なスポーツ大会から都民の日常的なスポーツ活動まで、都民が幅広く利用できる施設として整備するものであります。

○里吉委員 国際的な大会から日常的な活動まで、都民が幅広く利用できる施設として整備していくというご答弁をいただきました。
 そこで、日常的に都民が幅広く利用するために、ぜひ検討していただきたいことがありますので、質問してまいります。
 一つは、屋内プールについてです。
 このプールは縦五十メートル、横二十メートルという大きさですが、横をもう少し広げて二十五メートルにすれば、横方向に泳げば二十五メートルプールということで、短水路としての競技にも使えるのではないかという関係者からの声が上がっております。
 今からでも変更できないか、また、この縦五十メートル、横二十メートルという大きさになった経緯についてお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設の競技施設につきましては、競技団体や地元の要望を踏まえ、限られた敷地内に必要な機能や競技スペースを確保できるよう設計をしており、プールの横幅を広げることは困難であります。
 屋内プールは縦五十メートル、横二十メートルの長水路のプールとして設計をしておりますが、可動壁がプールの中央に移動することにより、縦二十五メートル、横二十メートルのプール二つへと分割をし、短水路としても利用できるような設計となっております。
 さらに、長水路と短水路の各プールについて、国内公認基準を取得し、都民の大会需要に応えていくように考えております。

○里吉委員 ご説明いただきましたが、いただいた図面だけではよくわからなかったんですけれども、縦五十メートルといっても、実際は可動壁の分、少し大きく設計されていて、二十五メートルずつの短水路、きちんと二つ、このプールができる、そして二つとも利用可能だということ、確認させていただきました。
 次に、メーンアリーナについて伺います。
 このメーンアリーナの規模は東京体育館とほぼ同等で、競技フロアは、例えばバレーボールコートでは四面分の広さと伺いました。
 ところで、その東京体育館ですが、都民の皆さんから大変親しまれていますけれども、ここ数年は国際大会など大きな大会がふえた結果、都民の大会などの利用回数が減っているのが現状です。
 そこで、この数年間の都民団体の東京体育館の利用状況についてお答えください。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京体育館メーンアリーナの年間利用件数のうち、スポーツ以外のイベントとスポーツの国際大会、全国大会、学校利用、都主催事業などを除き、団体名などから都内のスポーツ団体の利用として区分した件数は、平成二十年度は四十六件、二十一年度は四十七件、二十二年度は三十六件、二十三年度は三十件であります。
 なお、平成二十四年度は大規模改修により休館となっております。

○里吉委員 この利用状況は事務事業の資料として提出をいただいたものですけれども、学校や都主催の行事も含めた都内団体で見ますと、二〇〇八年から二〇一一年までの四年間で四十三件減っております。そのうち、今ご説明いただきましたように、都内スポーツ団体というところで見ますと、四十六件から三十件へと、その利用件数が十六件も減っていると。
 その一方で、国際大会やイベント等は五十二件から六十五件へと十三件ふえています。国際大会は、一回行いますと日数も多いので、国際大会が一件ふえると国内団体の利用は何件も減るということになるのだと思います。こうした状況があるわけですから、これから新しくできる武蔵野の森では、より多くの都民が利用できるように工夫していただきたいと考えます。
 メーンアリーナについてですが、バレーコート四面とありますけれども、この広さが、四千八百十平米という体育館の大きさからいいますと、あと二面ぐらいふやせるのではないかと思うんです。
 一流選手の大会、国際大会ですとか、そういう大会ではある程度のゆとりも必要だと思いますが、都民が参加する大会では、参加希望も多いし、試合数もできるだけ多く組みたいということで、少しでも多くの面数をとれるようにしてほしいという強い要望がございます。そういったことも考えて、ポールを立てる穴をつくっておけば、市民大会などでも活用できると考えます。
 四面になった経緯について改めて伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 メーンアリーナではバレーボールやバスケットボールなどの公式競技大会が開催できるよう、コート間の幅や壁からの距離、各競技用の基礎金具の配置等を計算し設計をしております。
 メーンアリーナの長さは約八十九メートルであり、バレーボール競技基準に基づくコート一面に必要な幅は十九メートルであることから、同時に設置できるのは最大四面となります。

○里吉委員 今、幅が十九メートル必要というふうにご答弁いただきましたが、これは国際大会などの公式大会であって、国際規格の大会は、コートとフリースペースを合わせて、十九メートル掛ける三十四メートルが必要だといわれていますが、その他の大会は、コートの広さ、つまり九メートル掛ける十八メートル、これにコート以外にエンドライン、サイドライン、それぞれ三メートル以上必要だと。つまり、十五メートル掛ける二十四メートル以上というふうにいわれております。
 ですから、この四面分のコートをつくるためのポールを立てる穴とは別に、六面程度つくるための穴もあけていただければ、市民大会のときにはコート数をふやして練習や試合ができるのではないかという声が上がっておりますので、ぜひ検討していただきたいと思うんです。
 多くの市民がスポーツに親しめるようにという意味では、サブアリーナも同様の考え方でコートの面数をふやしてほしいという要望が出ていますので、これは工夫をしていただきたいとご要望しておきます。
 また、平成二十二年八月に都が作成した基本計画を見ますと、管理運営のあり方についてという項目の中に、個別戦略の第一番目として、メーンアリーナの多目的利用というのが挙げられています。そこには、公共スポーツ施設としての位置づけに配慮しつつも、高い収益が見込めるコンサートなど興行系イベントの誘致を行うことで施設全体の収益力を目指すとあります。
 公共スポーツ施設がまだまだ不足している中で、都民からも待ち望まれている施設ですから、やはり第一義的に大いに市民のスポーツの場として使ってもらえるような管理運営を行うこともあわせて要望いたしまして、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わりました。

○小竹委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百二十号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中山総務部長 去る十一月二十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、資料、駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理料の推移をお開き願います。
 駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理料につきまして、八年間の推移を記載してございます。上段に最初の指定期間三年間、下段に現在の指定期間五年間につきまして記載してございます。
 なお、平成十八年度から平成二十四年度までは決算額、平成二十五年度は当初予算額となっております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大場委員 駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理について伺います。
 私の地元世田谷にあります駒沢オリンピック公園は、都民に緑と潤いを提供する都心のオアシスとして、多くの都民の憩いの場になっています。約四十一ヘクタールにもわたる広大な敷地の中には、陸上競技場を初め、体育館や野球場、テニスコートなど十個のスポーツ施設が配置され、これらの施設の多くは昭和三十九年に開催された東京オリンピックで使用された施設であり、現在もなお国際大会や都民のスポーツ大会などで利用されています。
 私自身も週五日は駒沢でジョギングを楽しむ一人でありますが、休日ともなりますと、ランニングコースを走るランナーや、スポーツ大会に参加する子供たちなどで園内は大変なにぎわいとなり、ここが都民の重要なスポーツ拠点になっていると感じています。
 このように多くの都民に利用されている駒沢オリンピック公園総合運動場ですが、平成十八年度以来、東京都スポーツ文化事業団が指定管理者として駒沢を管理しており、平成二十六年度からの指定管理期間も特命で選定されています。
 本来、指定管理者制度は民間のノウハウ活用や施設の効率的な管理運営を行うため、候補者を公募すべきものでありますが、今回も特命となった理由について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園総合運動場では、複数の施設を利用したスポーツ大会の開催や同種類の施設間における利用調整など、総合スポーツ施設として特徴的な施設運営を行っております。
 しかし、各施設の老朽化が著しく、これまでも大規模な改修工事を繰り返し、そのたびに複雑な利用調整を行ってまいりました。そのため、平成二十二年七月に中長期的な対策として改修・改築基本計画を策定し、これに基づき計画的に改修を進めておりまして、平成二十六年度からは屋内球技場、第一球技場、弓道場の改築工事を実施する予定となっております。
 このような大規模な改修、改築工事の実施に当たりましては、事前の調整から工事の設計、施工、再開に向けた検討、準備に至るまで、都との綿密な連携のもと、一貫性を持って施設を管理運営することが必要となります。
 また、長期休館による利用者への対応や再開に向けた利用調整に関しましては、総合スポーツ施設としての利用に関する知識や経験、実績はもとより、利用団体との信頼関係に基づいた対応が不可欠であります。
 これらのことから、平成二十六年四月からの指定管理期間につきましても、駒沢のスポーツ施設管理について十分な実績とノウハウを持つ東京都スポーツ文化事業団を指定管理者とすることといたしました。

○大場委員 答弁にもありましたように、施設が長期にわたり休館する際の利用者の調整や施設リニューアル後の再開、準備など、スポーツ文化事業団がこれまで培ってきたノウハウを活用して適切に管理していただくようお願い申し上げます。
 また、これまではスポーツ文化事業団がスポーツ施設と公園管理を一体的に行ってきましたが、次回の指定管理期間からは、建設局が所管する公園部分については、防災公園同士のネットワークを構築するため、指定管理者を分けて管理することとなりました。
 スポーツ施設の管理について、これまでの一体管理による利用者サービスや効率的な施設管理を継続するため、どのような対策を講じるのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ振興局といたしましては、これまでの利用者サービスの水準を維持するため、指定管理者選定要綱の選定基準におきまして、駒沢オリンピック公園との連携、協力を定めております。
 この基準に基づき、東京都スポーツ文化事業団からは、公園との一体管理によるサービス継続を図るため、公園の指定管理者との連絡調整担当者を配置することが提案されました。
 また、スポーツ施設や公園のイベント等の情報やPRにつきましても、両指定管理者の連携により、一体的に情報を発信することとしております。
 さらに、公園管理と共通する委託業務などを一括契約し、コスト縮減を実現し、スポーツ施設と公園とで統一感を持った管理を行うことが提案されております。
 このように双方の指定管理者の協力と連携により、今後も利用者サービスを継続し、効率的な施設運営に取り組んでまいります。

○大場委員 これまでのサービスを継続するという説明を聞いて、安心いたしました。管理者は別になっても、常に都民利用を第一に考え、これからもスポーツ施設と公園の管理者が協力、連携していただくことを要望いたします。
 また、次の指定管理期間では単なるサービスの継続だけでなく、これまでの実績や経験を生かし、よりよいサービスを提供すべきと考えますが、スポーツ文化事業団からはどのような提案があったのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京都スポーツ文化事業団からは、これまでの経験とノウハウを生かした利用者サービスの充実について提案がありました。
 具体的には、働く世代や障害者のスポーツ振興を図るため、ウオーキング、ランニングビギナーズセミナーや、高齢者、障害者レクリエーション講座などの新たな事業が提案されました。
 また、利用者の利便性向上に向け、トレーニングルームの開場時間の延長や、一カ月定期、一日パスの導入などを検討することとしております。
 さらに、施設管理におきましても、企画、提案、プレゼンテーション方式により優良事業者と複数年契約できる仕組みを導入するなど、質の高い施設管理を実現する取り組みが提案されました。
 今後、事業計画の実施に向けて指定管理者と調整を行い、都民によりよいスポーツ環境を提供できるよう努めてまいります。

○大場委員 駒沢オリンピック公園総合運動場は、都民のスポーツ活動の拠点であると同時に、東京オリンピックのレガシーとなる都民の貴重な財産です。
 二〇二〇年の、次の東京オリンピックに向けて、駒沢スポーツの歴史を積み重ね、これからも都民に愛されるスポーツ施設となるよう、しっかりと管理していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○里吉委員 私からも、駒沢オリンピック公園運動場の指定管理者の指定について幾つか伺います。
 この駒沢オリンピック公園運動場、先ほどの大場理事と同じ、私も地元世田谷区でございますが、私の自宅からは少し距離がありまして、私は残念ながら余り利用しておりません。
 もちろん何度も足を運んだことはございますが、今回は改めて全施設をじっくり視察させていただきました。当日は天気もよく、スポーツを楽しんでいる方々もたくさんいました。公園でお子さんと遊んでいる方や散歩されている方など、本当に日常的に多くの都民の皆様に親しまれている場所だということを実感いたしました。
 現在、この駒沢オリンピック公園運動場は、公園部分もスポーツ施設の部分も、東京都スポーツ文化事業団が指定管理者として一体的に管理運営を行っております。公園の中に幾つもの運動施設が点在しているこの駒沢オリンピック公園運動場の特徴を捉えた管理体制であったと思います。
 今回、この指定管理が二つに分かれるということで、利用者の方からもサービスの低下など起きないか心配の声が出されております。そこで、今回、次回の指定管理期間からスポーツ施設と公園が別の指定管理者になるということで、窓口対応などについて利用者サービスはどのようになるのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京都スポーツ文化事業団からは、スポーツ施設と公園の一体管理を行ってきた経験とノウハウに基づいた利用者サービスの提供について提案されております。
 具体的には、公園指定管理者との連絡調整を行う担当職員を配置し、日々の業務についての連絡調整を行うとともに、窓口にはスポーツと公園の施設や事業に熟知した職員を配置し、スムーズな利用者対応を行うとしております。
 また、公園指定管理者との情報の共有化により、遺失物、拾得物の対応や、スポーツや公園の各施設に対する意見や要望に対しても、双方の指定管理者が同様の対応ができるよう連携、協力を図っていくとしております。
 都といたしましても、都民に質の高いサービスを提供できるよう指定管理者を指導監督してまいります。

○里吉委員 公園連絡調整担当職員を配置するとともに、施設や事業に熟知した職員を窓口に配置する、スムーズな利用者対応を行うとのご答弁でした。窓口が二つになって、公園のことはあっちに行ってくれとか、スポーツ施設についてはわからないなどと、縦割り対応にはくれぐれもならないように、日常の窓口対応がしっかり行われるようにしていただきたいと思います。
 次に、サイクリングコースやジョギングコースについて伺います。
 ここは道路ですから、公園部分の管理となりますが、スポーツと関連ある部分であり、利用者に不便は生じないか、このことについてお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園の中には、陸上競技場などの大規模なスポーツ施設のほかにも、ジョギングコースやサイクリングコース、ストリートスポーツ広場など、気軽にスポーツを楽しめる施設が配置され、多くの都民に利用されております。
 スポーツ施設と公園管理者が別になることにより、各施設の維持管理は双方の指定管理者が行うことになりますが、陸上競技場とジョギングコースを利用したランニングイベントや、公園の自然を活用したツリークライミング教室など、公園施設と連携した事業を今後も継続して実施いたします。
 さらに、多くのジョギングランナーも利用しているトレーニングルームにつきまして、開場時間の延長を検討するなど、公園管理者との連携により利用者の利便性の向上を図ってまいります。

○里吉委員 今後、さらに利用者の利便性の向上を図るとのご答弁でした。駒沢オリンピック公園総合運動場は、運動場や体育館など、施設を予約してスポーツを楽しむだけでなく、本当に多くの皆さんがジョギングをされています。
 トレーニングルームにシャワー室などもあって、ジョギングコースは公園協会の管理、ジョギングの後に使うシャワー室や更衣室はスポーツ文化事業団の管理と、利用者は日常的に管理者をまたいで利用することになるわけです。しっかり連携して対応していただきたいと思います。
 さらに、公園部分には、先ほどお話もありましたが、スケートボードやローラースケートを楽しむスケートパークというものがございました。本格的にスケートボードを楽しむことができる貴重な場所です。こうした場所もしっかり継続して管理していただけるよう要望しておきます。
 そして最後に、今回、指定管理者を二つに分けるのは、この公園を防災公園として位置づけるためだと伺いました。実際にいざというときに指定管理者が二つあって現場は混乱しないのか、問題が生じないのかと少し心配なのですが、緊急時の対応について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園は、東京都地域防災計画におきまして、大規模救出救助活動拠点に指定されているほか、陸上競技場が医療機関近接ヘリコプター緊急離着陸場候補地に、体育館が帰宅困難者一時滞在施設に指定されております。
 災害発生時には、防災公園を管理する公園指定管理者との連携のもと、スポーツ施設の安全確認と避難者の安全確保等に努める必要があります。そのため、双方の密接な連携のもと、系統立った緊急時体制を確保できるよう、共通のマニュアルを作成し、合同防災訓練を実施するなど、公園指定管理者と歩みを一つにした緊急体制を構築することなどが提案されております。
 今後、各指定管理者の役割分担やマニュアルの作成に向けて、都民が安心して公園を利用できるよう調整を図ってまいります。

○里吉委員 改めて日常の連携を強めながら、災害発生時に混乱のないよう、体制をしっかりとるように要望いたしまして、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。

○小竹委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百六号議案及び第二百十四号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 私からは、東京文化会館の改修工事について伺ってまいります。
 東京文化会館は昭和三十六年の開館以来、クラシックコンサートを初めといたしまして、オペラ、バレエなど、さまざまな音楽、舞台芸術の場として多くの人々に親しまれてきました。
 とりわけ大ホール、小ホールの音響はすばらしく、音楽ファンのみならず、国内外の演奏家からも高い評価を受けていると聞いております。また、レストランやカフェも好評でございまして、カフェのパンダメニューは子供たちの心をつかんでいるなと常日ごろから見詰めておるわけであります。
 そして、この東京文化会館ですが、こちらは同じ上野公園内にあり、昨年度やはり改修を終えました、リニューアルオープンした東京都美術館と同じく、前川國男さんの設計による風格のある外観を特徴としており、音楽ホールとしての機能だけにとどまらず、歴史ある文化の森上野における象徴的な建物としても大きな存在感を発揮していると思います。
 特にこの建物として、ル・コルビュジエ設計の国立西洋美術館、実施設計には前川さんも入っているわけですけれども、これとともに、上野駅公園口を出てすぐの立地でありまして、本当に誰もが目にし、接してきた建築物でございます。
 このモダニズムとしての文化も含め、建築物としての歴史も広く都民にこれから伝えていかなければならないのかなと思いますが、今回、その東京文化会館が大規模改修工事を行うことになりましたが、改修の趣旨と、そのスケジュールについて改めてお伺いいたします。

○濱田文化施設改革担当部長 東京文化会館は開館以来、既に五十二年が経過しております。これまでも舞台装置など設備機器の耐用年数に応じた改修を段階的に行ってきましたが、空調機器の経年劣化が進むなど、改修が必要になったことから、今回、休館を伴う大規模改修を行うものでございます。
 改修に当たりましては、前川國男氏設計の代表的な建築である建物の意匠の保存や、ホールのすぐれた音響特性の維持に配慮しながら工事を実施いたします。
 工事の予定といたしましては、本定例会で議決をいただいた後、速やかに契約を締結して、機械設備等の製作、工事の準備等を開始し、平成二十六年六月から十一月までの六カ月間、全館休館し、現場での工事を行う予定でございます。

○川松委員 建物の老朽化に対応するための改修工事ということがわかりました。そして、およそ半年間の休館を伴うということがわかりましたけれども、具体的にどのような工事を行っていくんでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 今回の工事では、経年劣化への対応や耐震性など安全性の強化、鑑賞環境の向上を図ってまいります。
 まず、経年劣化への対応として、建物の外壁等の補修を行うとともに、照明やせりなどの舞台関係の改修や空調機器、電気設備等の更新を行います。
 安全性の面では、東日本大震災時の他の施設におけるホール天井の落下等を踏まえまして、非構造部材の耐震性強化や防火扉の改修による耐火性能の改善などを行います。
 また、大小二つのホールについては、客席の座席の布の張りかえや空調の改善などによって、お客様の鑑賞環境の向上を図ります。
 これらの改修によって、お客様により安全かつ快適な環境で舞台芸術を楽しんでいただけるようにいたします。

○川松委員 ただいま答弁にございました工事につきましては、いずれも着実に進めていただきたいと思います。
 また、特に耐震化についてでございますけれども、さきの東日本大震災の際には、この東京文化会館は多くの帰宅困難者を受け入れた施設でもあります。帰宅困難者対策条例に基づく一時滞在施設にも指定されていることですし、先ほどもお話ししました日本を代表するターミナル駅の上野駅の目の前という立地でございますので、特に重要であると考えます。
 私からは最後でございますが、東京文化会館の今後の事業展開についてお尋ねいたします。
 先ほど答弁にありましたように、今回の工事によりまして、ハード面については整備され、より快適で安全な施設となっていくということでございます。
 一方で、七年後にオリンピック・パラリンピック開催も控え、この文化会館は日本を代表するホールとして事業面についても充実を図っていくべきではないかと考えますが、都はどのように取り組んでいくんでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 東京文化会館は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団や英国ロイヤル・バレエ団、ウィーン国立歌劇場などによる世界最高水準の公演にふさわしいホールとして高い評価を得ております。
 このようなすぐれた公演の場を提供する以外に、東京文化会館では、ここ数年、こうしたブランド力を生かして、昨年七月に就任しました小林研一郎音楽監督を中心に、新しい文化の発信や、将来の芸術の担い手である若手育成なども図ってまいりました。
 平成二十四年度からは、日本の伝統文化と西洋のクラシック音楽との融合を図る日本舞踊とオーケストラの公演により、伝統文化の魅力を新たな形で発信しています。
 また、秋に開催していますミュージックウィークス・イン・トーキョーでは、国内外の一流アーティストによる多彩なプログラムを、館だけではなく、多摩地域や近隣の文化施設等においても展開しています。
 若手育成の取り組みである東京音楽コンクールでは、国際的な地位の向上を目指して、外国人審査員の充実などを行っております。
 今後、こうした取り組みの強化を図り、東京文化会館の芸術文化の創造発信拠点としての機能を充実させてまいります。

○川松委員 私は先日の文教委員会でも文化施設の大規模改修には触れておりますし、さきの一般質問でも大規模改修には触れてまいりました。今後とも、この大規模改修を好機として、その機能をより高めるようなさまざまな取り組みを進めていただいて、音楽の殿堂と称されるこの東京文化会館をより有効に活用していただきたいと思います。
 そして、都民が文化に触れる機会を充実させるとともに、文化都市東京の魅力を国内外へ積極的に発信していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。

○里吉委員 私からも東京文化会館の改修、契約案件について、賛成の立場から質問いたします。
 東京文化会館は前川國男氏の設計により一九六一年に開館し、現在までクラシックコンサートやオペラ、バレエもできる音楽の殿堂として、世界中の音楽家の名演が繰り広げられてきました。たくさんの都民の皆様に親しまれております。東京都交響楽団の本拠地にもなっています。
 一昨年が五十周年とのことで、私も記念誌を見せていただきました。建設時のご苦労とともに、私がデビューしたころの日本には首都東京にさえコンサートホールはありませんでした、東京文化会館よ、永遠にというピアニストの中村紘子さんの寄稿を初め、著名な音楽家の方々が口々に文化会館の音響のすばらしさを褒め、会館が音楽を育んできたとおっしゃっているのが大変印象的でした。
 こうしたすばらしい施設を長く使い続けるためには、定期的な改修は重要だと思いますが、実は私が今回都民の皆さんからお伺いしたのが、東京文化会館はすばらしいホールだけれども、上の方の客席に行くのに階段しかなくて大変だというお声なんです。
 東京文化会館の大ホールは五階席まであります。バリアフリーの観点からも、改修するならエレベーターなどをぜひつけてほしいとの声が寄せられておりますが、現状はどのようになっているでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 都立施設の建設に当たっては、現在、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法や東京都福祉のまちづくり条例などにより、建物のバリアフリー化を図ることとしております。
 東京文化会館を建築した昭和三十六年当時はそのような法令が定められる前であり、ホール二階以上へ上がるエレベーターは設置されておりません。
 一方、障害のあるお客様に対する配慮が必要であることから、ホール一階に車椅子席を設けるとともに、係員がホール内への誘導補助を行うなどの対応を図っており、主催者や利用者への周知にも努めております。

○里吉委員 車椅子の方には配慮されているということで、これは本当に大事なことだと思いますが、高齢の方や、車椅子でなくとも足の弱い方など、階段で上がらなければならないのは大変です。
 記念誌の中にも、時代を超えてという章がございましたが、やはりこの東京文化会館を末永く都民の財産としていくためには、ハード面としては、老朽化した部分を改修するなど長寿命化を図るとともに、バリアフリー化や空調、座席の配置や舞台装置などもそうだと思いますが、設備を時代の進歩に合ったものに更新していくことが必要だと考えます。
 今後、エレベーターをつけてほしいという要望、大変強いものがございますが、いかがでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 建物の耐震性やお客様の通路の確保、また、建築基準法などの法令、法規制の遵守、加えて文化的価値のある前川建築の意匠の保存など、解決すべき多くの課題があることから、エレベーターの設置は現状では難しいものと考えております。

○里吉委員 クリアしなければならない条件がさまざまあるということをお伺いしました。同じ上野公園内にある東京都美術館も、前川建築という意味では同じで、建築事務所とも相談して、意匠を損なうことなく改修も行いました。
 それ以外にも、この東京文化会館の場合にはいろいろな問題があって、クリアしなければいけないことがあって、すぐには難しいということでございましたけれども、新しい技術なども活用して、ぜひ何とかバリアフリー化できるように研究していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○小竹委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百八十八号議案及び第百八十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○小竹委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百十八号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 二百十八号議案、東京都立学校の敷地に係る土地明渡請求事件に関する和解について、質疑を行います。
 本件は、現在の都立第五商業高校の敷地の中に原告名義の土地が存在し、その明け渡しを求めて訴えを提起されたものです。東京都は、第五商業高校の敷地として昭和十七年に原告の前身である箱根土地株式会社の分譲する一区画の土地の買収を決定しましたが、その一部が登記未了となり、その後、原告の名義になったと伺いました。
 当時は府立第五商業学校でしたけれども、ここは昭和十九年四月に現在地に移転しており、本件の土地の使用は七十年にもわたるという状況です。
 改めて、なぜこの問題が長期間にわたって解決できなかったのか、お伺いします。

○松山総務部長 この土地の取り扱いについて、昭和四十年ころから都と原告は断続的に交渉を行ってまいりました。その過程で双方の担当者は、買収時の公文書や原告所有の資料を確認するとともに、関係者に対して聞き取りなどを行っております。
 しかし、買収時期が昭和十七年ということもあり、売買契約書の有無、本件土地が原告名義となった経緯等を明らかにする資料を発見することはできず、当事者間での解決には至らなかったものでございます。

○里吉委員 そこで今回の裁判に訴えるということになってしまったわけですけれども、今回の東京都と原告の双方の主張について改めて確認いたします。

○松山総務部長 原告である株式会社プリンスホテルは本件土地について、使用貸借契約により東京都に無償で貸していたものであり、契約後、相当期間が経過したことから使用貸借契約は終了したとして、土地の明け渡しと賃料相当の損害金支払いを求めております。
 これに対し都は、本件土地は既に買収済みであるか、仮に売買が成立していなかったとしても、既に時効が成立していると主張しております。

○里吉委員 既に時効が成立しているという主張は私ももっともだと思うんですけれども、今回、和解勧告を受け入れることにしたのはなぜなのか、改めて確認いたします。

○松山総務部長 東京地裁の和解勧告では、都、原告双方ともその主張を裏づける証拠はないとした上で、都は時効取得により本件土地を取得した可能性が高いものの、代金を支払わない状態で長期間土地を占有してきたことは本来避けるべき事態であり、適切な負担をした上で争いを終了させるべきとの考えが示されました。
 解決金は、本件土地評価額約八億円の一〇%に当たる八千万円が相当としております。
 本件土地は学校敷地でございまして、所有権に関する争いを早期に終結させ、使用の継続を確保する必要がございます。また、和解に応じず、仮に勝訴しても、本件土地の登記名義を移すためには、都側から別途訴訟の提起が必要となり、さらに時間と費用を要することになります。
 こうした点を総合的に考慮し、今回の和解勧告を受け入れることとしたものでございます。

○里吉委員 学校の土地ということで、仮にこれから裁判を行って勝ったとしても、土地の登記名義を移すためには別途また争わなければいけないと、新たな時間もかかるということで、今回和解を受け入れて相当額を支払うということで理解をいたしました。
 こういったことは今の時代にはないことだと思いますけれども、やはりさまざまな公文書というのがいかに大事であるかということを私も勉強させていただきました。ぜひこのようなことがなく、都の施設がしっかりと管理されるように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○小竹委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○金子指導部長 いじめ総合対策につきましてご説明をいたします。
 報告資料の概要の一枚目をごらんください。
 この報告は、平成二十四年十月から平成二十五年八月までに行いましたいじめに関する専門家会議での検討結果につきましてまとめたものでございます。
 この間、国におきましては、いじめ防止対策推進法が本年九月に施行され、いじめ防止等のための基本的方針が十月に策定されました。こうした国の動きも視野に入れまして、総合対策を検討してまいりました。
 左下でございます。本年一月から二月に都内公立学校の児童生徒約九千四百人を対象として行いましたいじめに関する意識調査の結果でございますが、いじめられた経験がある子供が六六%おり、そのうちの四六%はいじめを受けたときに相談しなかったと回答しております。
 いじめを受けたときに誰に相談したかについて見ますと、相談した相手の多くは保護者でございまして、学級担任は三五%となっております。
 次に、周囲にいる子供についてですが、いじめを見たり聞いたりしたときにどうしたかの質問では、何もしなかった子供が四九%おり、その理由として、いじめにかかわりを持ちたくないと考えている子供が八五%という結果でございました。
 こうした意識調査からは、被害の子供や周囲の子供が声を上げられるようにするとともに、学校がしっかりとその声を受けとめること、また、子供の相談相手である保護者とともに学校は取り組む必要性があるということが明らかになりました。
 右側をごらんください。学校が、いじめの問題に常に念頭に置いて取り組むべき対応のポイントを四点まとめました。
 第一は、教員の指導力の向上と組織的な対応でございます。
 その方策といたしましては、特定の教員だけではなくて、組織として対応するための学校いじめ対策委員会の全校設置、子供の様子を観察するいじめ発見チェックシートの活用などが挙げられます。
 第二は、子供からの声を確実に受けとめ、子供を守り通すことでございます。
 その方策といたしましては、学校いじめ相談メールの実施、全校配置となりましたスクールカウンセラーによる全員面接の実施などが挙げられます。
 三点目は、いじめを見て見ぬふりせず、声を上げられる学校づくりでございます。
 そのための方策といたしまして、言葉の暴力撲滅キャンペーンなど、子供の主体的な取り組みへの支援、子供を守り通すことを宣言し、保護者や地域と連携した子供の安全確保などが挙げられます。
 第四といたしまして、保護者、地域、関係機関との連携でございます。
 その方策といたしまして、スクールソーシャルワーカーによる家庭訪問とケア、あるいは、いじめに関する情報を、保護者やPTA等に速やかな情報発信を行うなどが挙げられます。
 二枚目をごらんいただきたいと思います。今ご説明しました四点のポイントを、いじめの未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対処のそれぞれの段階ごとに取り組みの視点をまとめたものでございます。それぞれの具体的な取り組みにつきましては、お手元の報告資料の方にまとめてございます。
 右側のいじめ防止対策推進法に係る今後の予定についてでございますが、東京都いじめ防止条例を、平成二十六年第一回都議会定例会に条例案を提出する予定でございます。
 また、東京都いじめ防止基本方針につきましては、いじめ総合対策とあわせまして、平成二十六年三月に策定を予定しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○小竹委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○川松委員 私から、いじめ問題への対応について伺ってまいります。
 ことし九月、いじめ防止対策推進法がスタートしていく中で、いじめ問題の解決に社会全体で取り組んでいくということが規定されました。
 いじめは人間の尊厳を傷つける許されない行為でありまして、ましてや、いじめによりとうとい命を絶つという最悪の結果を生むことがあっては絶対にならないわけです。
 このたび、都教育委員会がいじめ専門家会議の報告を取りまとめ、公表したわけですけれども、いじめ問題に対する基本的な考え方について伺います。

○金子指導部長 いじめ専門家会議におけるいじめ問題の基本的な考え方といたしまして、まず、いじめは、いじめを受けた子供の心に長く深い傷を残すものであり、いじめはどの学校にも、どの学級にも起こり得るという認識のもと、日常的に未然防止に取り組むとともに、いじめを把握した場合には速やかに解決する必要がございます。とりわけ子供のとうとい命が失われることは決してあってはならないことであり、早期発見、早期対応を基本として取り組みを講じることが必要でございます。
 また、学校がいじめ問題に適切に対応するためには、教員の指導力を向上させ、組織的に対応すること、子供からの声を確実に受けとめ、子供を守り通すこと、いじめを見て見ぬふりせず、声を上げられる学校づくりを推進すること、保護者、地域、関係機関と連携することの四つのポイントを念頭に置いて進めていくことが重要でございます。
 以上のような基本的な考え方に立ちまして、いじめ専門家会議において総合対策を議論してまいりました。

○川松委員 いじめはどこの学校でも、どの学級でも起きる可能性があるわけですから、早期発見、早期対応のためには、若手の教員も、そしてベテランの教員も、全ての教員が確実にいじめを把握し、的確に対応できるようにすることが極めて重要であると考えます。
 そこで、全ての教員の指導力の向上が必要になると思いますが、どのように取り組んでいくのかを伺います。

○金子指導部長 いじめ問題に適切に対応できるようにするためには、個々の教員のいじめ問題への鋭敏な感覚と的確な指導力が必要でございます。
 このため、いじめへの対応のあり方や、スクールカウンセラーを活用した児童生徒理解につきまして、全ての都内の公立学校で校内研修を年三回実施してまいります。
 また、教員はいじめ発見チェックシートを活用して子供の状況を観察し、学校いじめ対策委員会において、その結果を集約、分析いたします。管理職は各教員のチェックシートを分析し、子供からのサインを見逃しがちな教員がいた場合には、チェックシートの重要性を改めて周知するなど、教員への指導を徹底してまいります。
 さらに、各教育委員会は、若手教員から管理職まで、経験や職層に応じた研修を実施いたしまして、全ての教員のいじめ問題に関する指導力の向上を図ってまいります。

○川松委員 これまで都議会自民党では、スクールカウンセラーの都内公立小中高校全校への配置を初め、いじめをなくすためのさまざまな施策を提案し、実現してまいりました。
 いじめを早期に発見するためには、子供たちが学級担任やスクールカウンセラーに相談することができるようにすることが大切です。この専門家会議の報告を見てみますと、スクールカウンセラーが小学校五年、中学校一年、高校一年の全員面接を実施することが示されているわけですが、全員面接を行う目的について伺います。

○金子指導部長 本年四月から都内全ての公立小学校、中学校、高等学校に配置しているスクールカウンセラーには、心理の専門家として、担任とは異なる立場から、子供との相談を通して、いじめに関する情報を積極的に把握することが期待されております。
 文部科学省の問題行動等調査によりますと、いじめの認知件数は、小学校では五年生、中学校では一年生、高等学校では一年生が最も多いという結果が報告されておりまして、小学校から中学校への進学などの際には特にきめ細かい対応が必要でございます。
 今後、スクールカウンセラーを活用し、年度初めから該当学年の全児童生徒を対象に面接を実施することにより、子供がスクールカウンセラーに相談しやすい環境を整え、いじめの早期発見に取り組んでまいります。

○川松委員 これはさまざまなニュースなどでも報じられていますけれども、昨今のいじめというのは複雑になっていますし、また陰湿化しております。教職員や保護者にますます見えにくくなっています。
 いじめた子供に対しては厳しく指導し、二度といじめをさせないようにすること、そして、いじめられた子供をケアすることは当然ですが、周りの子供たちが見て見ぬふりをするのではなく、いじめを見たら声を上げることができるようにすることが大切であると考えます。
 そのため、学校は子供たちがいじめの情報を発しやすくするためにさまざまな工夫をして、その情報を確実に受けとめるために、どのように取り組んでいくのかを伺います。

○金子指導部長 学校は、周囲の子供がいじめについて知っていながらも、いったら自分がいじめられるなどの不安を抱えていることを直視する必要がございます。学校は、勇気を持って教員等にいじめの情報を発信した子供を守り通すとともに、周囲の子供の発信を促すための子供による主体的な取り組みを支援する必要がございます。
 このため、周囲の子供がいじめを見て見ぬふりしないよう、道徳や特別活動等で指導するとともに、言葉の暴力撲滅キャンペーンなど、いじめ撲滅に向けた児童会、生徒会等による取り組みを支援してまいります。
 こうした取り組みに加えまして、いじめの情報を伝えた子供を守り通すことを宣言し、登下校の付き添いや休み時間での見守りなど、いじめから守るための取り組みを保護者や地域と連携しながら継続的かつ徹底して行い、周囲の子供の安全を確保してまいります。

○川松委員 いじめ問題の解決のためには、学校だけで解決しようとするのではなく、早期の段階から保護者に連絡して情報を共有していくことが重要ですが、そこで、いじめ情報に関して早期から保護者と情報を共有するために、どのようなことを取り組んでいくのかをお伺いします。

○金子指導部長 学校がいじめ問題を迅速かつ適切に解決できるようにするには、子供がいじめについて相談する相手として一番多く挙げている保護者との緊密な連携が不可欠でございます。このため、学校は年度当初から個別の保護者相談を実施し、保護者が相談しやすい環境を整備してまいります。
 また、学校がいじめを認知した場合は、いじめ対策保護者会を速やかに開催し、保護者に対して積極的にいじめについて情報提供を行うことにより、解決に向けた家庭との協力関係の構築につなげてまいります。
 さらに、PTAの役員等が被害、加害の子供の保護者に対して働きかけることが効果的な場合もあるため、学校はPTAと連携し、必要に応じて協力を依頼するなど、学校と保護者との連携を強化して、いじめ問題への対応の充実を図ってまいります。

○川松委員 いじめ情報については家庭との日ごろからの連携や、問題が発生した場合には早期に情報共有するということの大切さについては理解しました。
 一方、いじめ防止対策推進法に基づいて、今後、都としてはどのようなことに取り組んでいくのかを伺います。

○金子指導部長 都は、いじめ防止対策推進法に基づきまして、都において対策を推進するための基本となる事項を規定するため、東京都いじめ防止条例案を平成二十六年第一回都議会定例会に提出する予定でございます。
 その内容は、都の責務、東京都いじめ防止基本方針の策定、東京都いじめ問題対策連絡協議会の設置などでございます。
 また、東京都いじめ防止基本方針は、都における基本的な方向や事項を規定するものであり、平成二十六年三月を目途に策定してまいります。その内容は、対策を推進するために必要な都及び学校の基本的な取り組みや、設置する組織の概要などでございます。
 こうした東京都いじめ防止条例や、東京都いじめ防止基本方針及びいじめに関する専門家会議報告をもとに、都教育委員会として、いじめ総合対策を平成二十六年三月を目途に策定し、都内公立学校におけるいじめ対策に万全を期してまいります。

○川松委員 最後にお伺いいたしますが、いじめ問題を解決するためには、担任だったり、特定の教員だったり、特定の個の教員が抱え込むことなく、校長先生の強力なリーダーシップのもと組織的に対応していくことが必要だと考えております。
 この報告書では、全ての学校に学校いじめ対策委員会を設置するとありますが、この委員会の役割や構成についてをお伺いいたします。

○金子指導部長 学校いじめ対策委員会は全ての学校に設置するものであり、いじめ問題に関する指導計画の作成とその実行、いじめ実態調査や、いじめへの対応策の実施など、いじめ防止等に関する措置を実効的に行う役割を担う、学校の核となる組織でございます。
 この対策委員会は、当該学校の管理職を初め生活指導主任等の教職員、スクールカウンセラー等専門的な知識を有する者、その他校長が必要と認める者により構成されております。
 特定の教員がいじめ問題を抱え込むことなく、おのおのの教職員の役割と責任を明確にして、機動的かつ組織的な対応を行うためにこの対策委員会を設置いたしまして、学校が一丸となっていじめ問題の解決を図ってまいります。

○川松委員 特に今の答弁にありましたように、これまで特定の教員が個で抱えてきたことで生じる問題に対して、今後は組織として対応していく方向性が明確になりました。
 これにより、担当する学年を超えて、教科を超えて、学校内の教職員会のさらなるまとまりが生まれてくる可能性が高まってきたのかなと思います。今いる先生方、人々、そこにある環境でいじめ撲滅に向けて全力で取り組むことがわかりました。
 いじめ問題が複雑化、多様化する中、いじめを生まない土壌づくりや子供たちをいじめから守り通すことは我々大人に課せられた責務であります。学校、保護者、地域が社会総ぐるみで子供たちをいじめから徹底して守り通すため、子供たちを育て、子供たちの声をしっかり受けとめた対応を強く求めまして、私の質問を終わりといたします。

○里吉委員 いじめを起こさない、深刻化させないための取り組みの充実を図るために設置されたいじめに関する専門家会議がまとめたいじめ総合対策について、ただいまご報告をいただきました。
 子供たちがいじめを苦にみずから命を絶つという大変痛ましい事件は、今も続いています。いじめは、子供の死にもつながる深刻な暴力と人権侵害です。子供はいじめを受けることなく安全に生きる権利があり、子供の命を守れる学校と社会をどうつくっていくのか、いじめにどう立ち向かえばいいのか、私たち大人に問われている問題だと思います。
 そこで、このいじめ総合対策について幾つかお伺いしていきますが、まず、このいじめ総合対策では、いじめの未然防止として、学校いじめ対策委員会、教員研修、いじめに関する授業のためのいじめ防止教育プログラムの開発などが挙げられております。
 これらはそれぞれ新しい取り組みなのか、それとも今あるものを拡充するものなのか、具体的な内容と、それぞれどのように取り組むのかを伺います。

○金子指導部長 学校いじめ対策委員会は全ての学校に設置するものであり、いじめ問題に関する指導計画の作成とその実行、いじめ実態調査や、いじめへの対応策の実施など、いじめ防止等に関する措置を実効的に行う役割を担う、学校の核となる組織でございます。
 教員研修につきましては、各学校において、いじめへの対応のあり方や、スクールカウンセラーを活用した児童生徒理解について、計画的に校内研修に取り組むほか、各教育委員会は、若手教員から管理職まで、経験や職層に応じた研修を実施し、いじめ問題への教員の対応力の向上を図ってまいります。
 いじめ防止プログラムは、教員がいじめに関する授業を行う際に活用する指導資料であり、現在開発中でございます。今後、その効果的な使用につきまして、研修を通じて周知してまいります。

○里吉委員 お答えいただきました教員の研修に関連してなんですけれども、これはいじめの未然防止だけでなく、早期発見にもかかわる大事な問題、研修というのは大きな意味があるものだと考えております。
 私はこの報告書を読ませていただいた後、大津のいじめに関する第三者委員会の調査報告書がことしの一月三十一日に出されておりますが、これや、足立区いじめに関する調査委員会の調査報告書、これはつい先日、十一月二十一日に出されましたが、この二冊も読ませていただきました。
 どちらも教員がいじめをなかなか発見できなかったことについて、教員の感性を磨くことを求めています。私は感性とは、こういうことをいわれたり、されたら傷つくよね、こういう子供の気持ちに寄り添うことのできる想像力であったり、人権感覚であったり、また、子供たちの様子や変化や、口では何でもないといっていても目では違うと訴えている、こういうことに気づくことのできる力であったり、教員の皆さんの心の豊かさや柔軟さが求められているものではないかと思うんです。
 いじめは、これまでもいわれてきたように、大人に隠れたところで行われるものであり、個々の教員のいじめ問題への鋭い感覚を磨くことは欠かせないと考えます。そのための一つとして、教員研修が大事だということがいわれております。ですから、中身もやり方もぜひ吟味をしていただきたいと思います。
 足立区の報告では、各校の教師を一堂に集めて実施する研修よりも、校内研修の機会などを活用し、教師みずからが考える機会を設定する、その際、管理職や指導主事が適切な支援を行うなども重要であるとしています。
 上からの話を聞いたり、マニュアルを身につけるというよりは、教師たちがみずから考える機会が重要だということです。ぜひそのような、身になるような研修をしていただきたいと思います。
 また、いじめに対しては学校一丸となって取り組むことがうたわれております。学校いじめ対策委員会が全校に設置されるというお話でした。文字どおり学校一丸となって取り組むために、学校の教職員集団の団結力、集団の力が試されます。
 個人がいじめ問題を抱え込まないようにするためにも、教職員の中に気になることは何でも話し合える気風、例えば、それはあなたの指導が足りないからだ、こういうふうに冷たく批判するのではなく、親身に対策を考え合って、助け合えるような関係を先生の中につくっていく、そのための時間的なゆとりも必要ではないかと考えます。
 今、教員の長時間労働が問題になっていますが、学校いじめ対策委員会が有効に生かされるように、その条件整備も必要だと考えます。ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、いじめの早期対応について、具体的にさまざま提案がございました。ここでは被害の子供の安全確保や加害の子供に対する指導、保護者との連携というところが具体的に書かれておりますが、これについても具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。

○金子指導部長 いじめ問題の解決には、特定の教員が抱え込むことなく、機動的かつ組織的に被害の子供を守り、加害の子供を指導するとともに、保護者と連携して取り組むことが重要でございます。
 被害の子供の安全を確保するため、学校は子供の状況をきめ細かく把握してまいります。例えば、授業中や休み時間など、複数の教員による声かけや朝の打ち合わせなどを利用して被害の子供の情報を共有するとともに、保護者や地域と連携して登下校時の付き添いを行います。
 加害の子供に対しましては、いじめをやめさせ、再発を防止するため、担任だけに任せるのではなく、学校いじめ対策委員会が中心となって組織的、継続的に観察し、指導を徹底いたします。また、必要な場合には別室指導や懲戒を行ってまいります。
 さらに、学校がいじめを認知した場合は、いじめ対策保護者会を速やかに開催し、保護者に対して積極的にいじめについて情報提供を行うことにより、解決に向けた家庭との協力関係の構築につなげてまいります。

○里吉委員 今、具体的なお話がありました。子供が学校に、自分がいじめられていると先生にいったときに、先生たちが集団となって守ってくれる、見守ってくれている、それで元気に学校に行ける、こういう環境をつくることは本当に必要なことだと思いますし、子供も励まされると思います。
 そういう体制をぜひ学校でつくっていただきたいと思いますが、同時に、加害の子供に対しても、一人の人が単発で対応するのではなくて、必要に応じて継続的に組織的に対応するというご答弁でした。
 いじめを解決して繰り返さないためには、いじめをした子供が自分が行った行為がいじめという人権侵害であるということを納得して、心から反省して、いじめをやめることがどうしても必要です。多くのケースで語られていますが、いじめている子供自身が複雑な家庭環境であったり、親から虐待を受けていたなど、さまざまなストレスを抱えている場合も少なくありません。
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家とも協力しながら、いじめた子がいじめをやめるまで指導を粘り強く取り組む、こうした取り組みもぜひ行っていただきたいと思います。
 重大事態の対処の中で、先ほどお話ありましたけれども、別室での学習や出席停止などが挙げられました。いじめを受けた子供の安全確保のためにこれが必要な場合もあると考えますが、同時に、先ほど述べたように、いじめを行う子供の心のケアや指導とあわせて行わなければ、人間的更生の道からこの子供が排除されてしまいます。子供自身が人間的に立ち直れるように、愛情を持って支えることが大切だと考えます。
 そして、保護者との関係でも、学校と保護者が一体となって、いじめを許さない、いじめをなくすために力を合わせるんだという姿勢を子供たちに示すことは、いじめを受けている子供も励ますことになり、強いメッセージを送ることになりますから、この取り組みはぜひ進めていただきたいと思います。
 また三番目に、学校で相談がまだどうしてもできないという子供のために、子供の人権侵害という立場で救済できるオンブズマンなど第三者機関、こういう相談窓口もいじめの解決のために大きな役割を果たすと考えますが、東京都として、学校以外に、生徒児童がいじめについて第三者機関に相談できる、こういうものはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。

○金子指導部長 これまでも児童生徒のいじめに関する相談につきましては、東京都教育相談センターにおいて、二十四時間受け付けのいじめ相談ホットラインなどの電話相談や来所相談、メールによる相談などで対応しております。
 また、東京都児童相談センターや都立小児総合医療センター、警視庁少年相談室などの関係諸機関においても対応してきております。
 都教育委員会は、こうした各相談機関の連絡先、電話番号などを記しましたリーフレットを定期的に発行し、児童生徒に周知を図っているところでございます。

○里吉委員 いろいろな相談窓口があるというお答えでした。子供が一番身近な学校の先生に相談できることが解決のためにはいいと思いますけれども、さまざまな事情で学校の中に相談できる人がいない、親にも話せない、こういうときにも外に相談できる窓口があるということをぜひ多くの子供たちに伝えていただきたいと思います。
 それとあわせて、都の事業で、東京都児童相談センター内で行っている、通称東京子供ネットというんでしょうか、人権擁護の制度があります。子供の権利擁護のための相談窓口です。ここでは、解決のために弁護士二人と社会福祉または臨床心理の学識経験者一名、三名の専門員がいじめを初めとした体罰だとか虐待だとか、さまざまな子供の人権侵害の事例の調査や調整を行ってくれるというところで、ぜひこのような窓口も広く子供たちに周知していただくよう要望しておきます。
 最後に、先ほどから話してまいりましたが、いじめ問題解決のために重要なのは、教員がいかに子供たちを見守ることができるか、そして、子供が、いじめられているよということを先生に伝えられる、そのために日常的な信頼関係を先生と子供たちでどのように築いていくか、このことだと思うんですね。
 教員の多忙化は、いじめ問題に取り組む上でも大きな問題です。教員が子供と向き合う時間をふやすことで、いじめの兆候や子供の変化を察知するアンテナを磨くことができるといわれています。先ほども述べましたが、集団で子供たちの変化について議論したり、いじめ指導の相談も先生同士でする、こういう時間が本当に足りない、とれないということが繰り返し指摘されてきました。
 今回、学校いじめ対策委員会を設置することを初め、さまざまな対策がこの中で触れられていますけれども、これは先生の多忙化、教師の多忙化を解決しないまま委員会だけふやしても、問題は解決しません。
 同時に、教員の増員は大津でも足立でも、報告書の中で大変強い要望として述べられています。足立の方では、学校の指導体制を強化するために教員数の増員は不可欠として、各学校に教員を増加配できるよう、東京都や国に対して計画的な教職員定数増を要望しています。さらに、それができなかったとしても、区独自であっても、正規教員を配置するよう、この報告書では求めています。
 改めて、いじめ対策、実効性あるものにするために、校内体制の整備など教員の増員も必要であると考えますが、所見を伺います。

○加藤人事部長 いじめ問題への対応については、単に教職員数をふやすのではなく、教員がいじめ問題を一人で抱え込まずに、機動的かつ組織的な対応ができるようにするため、学校いじめ対策委員会を核として個々の教員の役割と責任を明確化し、学校全体で組織的に取り組んでまいります。

○里吉委員 単に教員数をふやすのではなくとのご答弁でしたが、これまでいろいろ質疑してきたように、さまざまな対策が必要なのは当然のことであります。ぜひ一つ一つ、本気で子供たちをいじめから守るために行っていただきたいと思います。
 その上で、教員をふやさなければ難しいのではないかといっているんです。この十一月二十一日に出た足立区のいじめに関する調査委員会の報告書、読まれたでしょうか。大津のこの報告書、読まれたでしょうか。
 滋賀では、中学校の全学年三十五人学級にするという予算案を発表いたしました。滋賀県知事は、大津のいじめ問題の報告書で先生のきりきり舞いに忙しい様子がわかった、財政は厳しいが、報告書に背中を押された、教員が子供と向き合う時間、あるいは余裕をいかに確保するかだというふうに述べて決断をしています。
 子供の命を守るために、いじめを本当に解決するために、できることは何でもする、そういう立場で都教委として取り組むことが求められています。いじめは子供の人権侵害であると最初にも申し上げました。子供はいじめを受けずに安全に生きる権利があり、子供の命を守れる学校と社会をどうつくっていくのか、私たちがこれから本気で考えていかなければならない問題だと思います。
 まだまだ触れたい問題はたくさんありますが、今後、この問題を本当に真剣に一緒に議論して解決のために取り組んでいくことを表明いたしまして、きょうの質疑は終わらせていただきます。

○新井委員 いじめ問題の対応についてお伺いします。質問の内容が同じものがありましたので、同じものは割愛させていただきたいと思います。
 いじめはどの学校でも、どの学級でも起こり得る問題です。また、子供がいじめによって心や体に深い傷を負うことのないよう、大人や社会がそれぞれに課せられた責任を果たさなければなりません。日々継続的にクラスの中からいじめを受け続けた生徒は深い心の傷を負い、心の傷と闘い続けています。いじめで心に深い傷を負うということは、その後の人生が大きく変わることも考えられますし、学校を卒業し、社会に出てからも、さまざまなところで問題になる可能性があります。
 そういう意味では、社会総がかりで取り組まなければなりませんし、子供のときからいじめ問題についてみんなで考え、いじめを見て見ぬふりをせず、全ての教員が危機感を持ち、子供の変化を見逃さずに確実に対応することが重要だと考えております。
 このたび、いじめ問題に対応する視点や取り組むべき内容を専門家会議で一年間検討、協議し、まとめを公表されたことは大変評価いたします。この専門家会議の報告書では、具体的な取り組みとして、未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対処の四段階に整理していますが、なるべく未然防止、早期発見の段階でいじめを抑えていかなければならないと思いますし、できるだけ早期に発見しないと、大人の見えない場所で深刻化が進んでいくと考えています。
 そのため、なるべく早期に発見することが必要になると思いますが、この総合対策の早期発見におけるいじめ発見のチェックシートはどのようなものでしょうか。いじめ発見のチェックシートの活用による確実な発見とありますが、その内容と活用の仕方について伺います。

○金子指導部長 いじめ発見のチェックシートは、笑顔がなく沈んでいるなどの子供たちの表情や態度、ノートや教科書に落書きがあるなど、持ち物や服装、笑われたり冷やかされたりするなどの友人関係等のチェック項目によりまして、教員が子供のいじめの兆候を確実に把握し、指導に生かすものでございます。
 全ての教員がチェックした結果は学校いじめ対策委員会が集約、分析いたしまして、子供の状況観察を行い、いじめの早期発見に生かすなど、いじめの解決に向けた組織的な対応につなげてまいります。
 また、管理職は各教員のチェックシートを分析し、子供からのサインを見逃しがちな教員がいた場合には、チェックシートの重要性を改めて周知するなど、教員への指導を徹底してまいります。

○新井委員 いじめ総合対策で重要としている早期発見におけるいじめ発見のチェックシートの取り組みについて、理解いたしました。
 他県でも、いじめ発見のチェックシートの活用をしているところがあります。教師用、家庭用に分けて活用したり、それぞれの工夫をしているようなので、今後、他県の取り組みについても参考にしていただきたいと思います。
 次に、いじめを受けていることをなかなか大人にも相談できない子供への対応についてお伺いします。
 子供たちがちゅうちょすることなく相談できる環境を整えてあげることも必要ですし、最近ではソーシャルネットワーキングサービス等、インターネットによる見えにくいいじめへの対応も急務です。
 そこで、いじめを受けていることを担任に相談できない子供や、表面的には把握しにくいいじめを受けている子供への対応について、どのように対応しているのかお伺いします。

○金子指導部長 いじめを受けた子供のうち、担任に相談するのは一部であるとの実態を踏まえまして、さまざまな方策を講じて、担任に相談できない子供が声を上げられるようにする必要がございます。
 いじめを受けている子供だけでなく、周囲で見ている子供が学校にいじめの相談をしやすくするため、スクールカウンセラーの助言により教員の相談技術の向上を図るとともに、子供とスクールカウンセラーとの面接を計画的に実施いたします。
 また、各学校において、いじめ実態調査及び学校いじめ相談メールの実施や、いじめ目安箱の設置などによりまして、いじめを受けている子供の声を確実に受けとめ、解決に向けた対応につなげてまいります。
 これらの取り組みに加えまして、都教育委員会は、いじめに対する具体的な行動のとり方などを記載いたしましたいじめ防止カードを子供たちに配布するとともに、都独自のいじめ相談ホットラインにつきましても周知してまいります。
 また、いじめの存在を把握しにくいネットいじめにつきましては、学校非公式サイト等の監視を実施し、誹謗中傷の削除要請を迅速に行うほか、監視結果を学校や区市町村教育委員会に提供するなどいたしまして、関係機関等と連携を図った対応を推進してまいります。

○新井委員 子供の情報をさまざまな方法で受け取ろうとする取り組みについて、理解いたしました。
 また、いじめは子供の心を傷つけるだけでなく、いじめにより不登校になる場合もあると聞いております。いじめを受けた結果、不登校になった子供に対してどのように対応しているのかお伺いします。

○金子指導部長 いじめを受けた結果、被害の子供が不登校になった場合には、まず加害の子供に指導を尽くし、問題の解決を図り、不登校になった子供が登校できる環境をつくることが重要でございます。
 また、学校は、いじめを受けたことによる心理的ストレスなどを軽減するため、スクールカウンセラー等を活用し、被害の子供やその保護者をケアしてまいります。
 さらに、本人だけでなく、家庭への支援も大切なことから、いじめにより不登校になった子供と保護者に福祉的な面から家庭への働きかけを行うスクールソーシャルワーカーも活用してまいります。
 こうした取り組みにもかかわらず、なお不登校が継続する場合には、学校は区市町村教育委員会と連携して、いじめが原因で不登校になっている被害の子供を適応指導教室に通級させるほか、被害の子供の状況に応じて保健室登校など一時的な緊急避難措置を実施いたしまして、問題の解決に取り組んでまいります。

○新井委員 いじめにより不登校になった子供への対応について、理解いたしました。長期の不登校にならないよう対応していただきたいと思います。
 また、不登校への対応として、進学面への対応や、場合によっては転校や医療面の対応など、それぞれの関係者とも連携しながら対応していただきたいと思います。
 今後は、各学校や教育委員会がこのいじめ総合対策を確実に実行するとともに、都教委は常にその取り組み状況を確認し、検証していくことを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○松田委員 今回から、村上先生と交代して本委員会に加わらせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。松田でございます。
 私からも、るる委員の先生方から質問がございましたいじめ総合対策について、先生方と重ならないように二点ほど質問させていただきます。
 今、いじめの問題ですが、多くの問題は子供たちの問題として捉えられておりますが、いじめの問題は、やはり私は親にあると考えております。子供は親を映す鏡でありまして、今の世の中は右を見ても左を見ても、大人の社会ではいじめが残念ながら横行しているのが現状であります。大人の社会を正さずして、子供のいじめはなくならないと考えます。
 ただ、そうはいっていても、子供たちを守っていかなければならないのが行政の責任でございます。それと並行して、どんなことがあっても、我が国の宝である子供たちを自殺に追い込んではいけない、必ず守らなければいけない、そういう観点からこの総合対策はつくられているというふうに伺っております。
 その観点で二点ほど質問をさせていただきます。
 まず、スクールカウンセラーのことに関しましては、川松委員初め、委員の先生からご質問がありました。全校配置、また全員面接を決めたということでございますが、私はこの件に関しまして、知り合いの教員、実は私の大学の同期で、商社に就職をして、どうしても子供たちのために仕事がしたいということで、今教員をしている者がおりまして、中野区と今、品川区で働いているんですけれども、その先生、同期の友達なんですが、スクールカウンセラーの状況について聞きました。
 その先生は非常に熱血な先生で、朝、子供たちにおはようと校門で声をかけて、終わると縄跳びしたり、一緒にグラウンドで遊んだり、そういった先生であります。そういうことをしていると、西村先生、朝学校に立って挨拶しているけど、そういうことができない、保育園に送っていく先生たちのこと、ほかの先生のこと考えたことありますかと。また、放課後遊んでいると、介護で帰らなければいけない先生のことを考えたことがありますかと。あなたのやっていることは迷惑ですと、主に日教組の先生から、はっきりいって、いじめに近いようなことをやられていると。(発言する者あり)はい、そうですね。都教組も含めて、はい。
 かなりひどい状況だったというふうに聞いております。そのときは校長先生が守ってくれたということで事なきを得たということなんですけれども、日教組の問題はまた別の機会に質問させていただくとして、きょうはいじめの問題でございまして、スクールカウンセラーについて彼に聞いたところ、今、自分の学校でも週一回は来ていただいていて非常に助かっていると。休み時間や、また放課後なんか、子供たちは積極的にスクールカウンセラーのところに相談しに行って、非常に役に立っているということを聞きました。ただ、授業時間中、少しもてあましている部分があるというふうに聞いております。
 そこで、都の方に見解をお伺いしたいんですけれども、いじめに関しまして、スクールカウンセラーのより効果的な活用方法についてお伺いいたします。

○金子指導部長 児童生徒の臨床心理に関して高度の専門的な知識、経験を有しているスクールカウンセラーには、いじめ問題解決のため、悩みを抱えている児童生徒や保護者に対して心のケアを行うことが求められております。
 そのため、子供たちの変化をいち早く把握し、教員と情報を共有して、いじめの未然防止、早期発見につなげるよう、相談室でのカウンセリングを行うだけではなく、校内を巡回して授業中や休み時間の子供の様子を観察するよう徹底してまいります。
 また、教員が子供の悩みに寄り添い、効果的な教育相談が行えるよう、スクールカウンセラーが校内研修の講師となって、教育相談技能の向上を図る取り組みを推進してまいります。
 こうしたことを都内公立小中高校の管理職を対象とした連絡会や、全てのスクールカウンセラーを集めた連絡会で徹底してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。ぜひ、なかなか担任の先生の目が行き届かないところの授業巡回等を通して早期発見、早期予防に努めていただければと思っております。
 また、今、いじめに関することは主に担任の先生が道徳の授業や総合学習の時間を使って行っているのが現状だと聞いております。
 そこで、ただ、担任の先生が子供たちと一番親密にかかわっている以上、ショッキングな出来事を教えたときに子供がトラウマに陥ってしまう。例えば、子供が自殺に陥ってしまった事例を説明したところ、子供が精神的に少しショックを受けてしまうということがある。こういったときに第三者が、別の人がそういった事例に関しては教えていただくのが効果的なのではないかという提案があります。
 そこで、教員以外の専門家による講話や授業なども有効と考えますが、見解をお伺いいたします。

○金子指導部長 子供たちがいじめ問題についての認識を深めるためには、教員以外の専門家の協力を得て指導を充実させることが大切でございます。
 例えば、いじめには暴力や金銭の強要など極めて犯罪性の高いものもあり、刑事罰や損害賠償請求の対象ともなり得ることなどから、今後、社会科の授業などで弁護士等の協力を得ることにより、法的な観点から実社会といじめとの関係について子供に学ばせてまいります。
 また、オリンピックで活躍したスポーツ選手など、著名人の協力を得て、子供たちがいじめ防止に関する講話を聞くことにより、いじめを許さないとする意識を啓発してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。ぜひ弁護士の先生やオリンピアンによる授業を進めていただければと思います。
 冒頭にも申し上げましたが、いじめの問題は親自身の問題でもありまして、特に親子関係が大事であります。東京都の教職員研修センターのアンケート結果によりますと、親子の関係がうまくつくられていないと考えている児童生徒は二〇・六%に対しまして、親は五〇%、教員は四三・三%がそう思っているというふうに結果が出ております。これはいかに子供たちが親のことを思っているかということと、もう一点、親がそれに気づけてあげられていない現状がそこにはあるのだと思います。
 国のいじめ防止対策推進法にもあるとおり、いじめの第一義的責任は親にある、そういったことをしっかりと認識した政策を展開していくことが今後求められていくと思います。昨晩も下村文科大臣とこの件について話をしましたが、東京都においても、しっかりとこのいじめ防止対策推進法にのっとって進めていただきたいということを申し加えさせていただきます。
 また、同東京都教職員の研修センターのアンケートによると、いじめを受けた子供たちが保護者に相談したというのは七三%いるのに対して、担任の先生に相談したというのはわずか三五%でありまして、きょう発表の文科省の資料によると、全く逆の結果が出ております。
 きょうの文科省の資料ですと、学校の担任に相談したというのは八〇%、親に相談したというのは二〇%。これは何でかと。これは私の推測なんですけれども、恐らくこちらの文科省のアンケートは学校に対して先生方が答えているアンケートで、こちら、東京都教職員研修センターによるアンケートは子供たちが答えているアンケート、ここにやはり大人と子供とのギャップがあらわれているのだろうと考えられます。
 つまり、この生の数字、三五%が担任に相談したというのが本当の子供たちの現状であろうと思います。つまり、三人に一人の先生しか子供たちは信頼をしていないという現状があります。今後は、東京都は、生徒から、子供から信頼される教職員を採用、そして育成していかなければならないということを申し述べさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十一分散会

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