文教委員会速記録第十五号

平成二十五年十一月二十七日(水曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事村上 英子君
神野 次郎君
里吉 ゆみ君
野上ゆきえ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
川松真一朗君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長横山 英樹君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
理事雜賀  真君
総務部長中山 正雄君
スポーツ事業部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
オリンピック・パラリンピック大会準備部長松永 竜太君
事業広報担当部長山中 康正君
組織委員会設立担当部長平山 哲也君
競技計画担当部長延與  桂君
施設担当部長荒井 俊之君
教育庁教育長比留間英人君
次長直原  裕君
教育監高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長堤  雅史君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
全国高校総体推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
スポーツ振興局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)メインアリーナ棟新築工事(その二)請負契約
・武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)サブアリーナ・プール棟新築工事(その二)請負契約
・駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理者の指定について
教育庁関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都立学校の敷地に係る土地明渡請求事件に関する和解について
報告事項(説明・質疑)
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について
請願陳情の審査
(1)二五第一〇号 公立小中学校の給食の充実に関する請願
(2)二五第四七号 平成二十六年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情
(3)二五第五二号 都立高校の防災訓練における自衛隊との連携及び駐屯地での宿泊訓練の中止に関する陳情
生活文化局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都計量検定所設置条例の一部を改正する条例
・東京文化会館(二十五)改修工事請負契約
・東京文化会館(二十五)空調その他設備改修工事請負契約
陳情の審査
(1)二五第三七号 祝日の国旗掲揚の呼び掛けに関する陳情
(2)二五第四七号 平成二十六年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情
(3)二五第五八号 高等学校等就学支援金制度等の維持・拡充を求める意見書の提出に関する陳情

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局、教育庁及び生活文化局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び教育庁関係の報告事項の聴取並びに教育庁及び生活文化局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行うこととし、報告事項については、説明聴取の後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、スポーツ振興局長から紹介があります。

○細井スポーツ振興局長 公務のため、過日の委員会を欠席いたしました幹部職員をご紹介申し上げます。
 先般の組織改正に伴いましてオリンピック・パラリンピック大会準備担当理事になりました雜賀真でございます。また、先般の人事異動に伴いまして就任いたしました組織委員会設立担当部長の平山哲也でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○小竹委員長 紹介は終わりました。

○小竹委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○細井スポーツ振興局長 十一月二十九日開会の平成二十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しておりますスポーツ振興局関係の案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、平成二十五年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらん願います。
 表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。こちらに記載のとおり、今回提出を予定しております議案は、契約案二件、事件案一件の合計三件でございます。
 初めに、契約案でございますが、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)メーンアリーナ棟及びサブアリーナ、プール棟を新築工事するものでございます。
 次に、事件案でございますが、駒沢オリンピック公園総合運動場の管理運営を行う指定管理者の指定につきまして、地方自治法の規定に基づき、議会にお諮りするものでございます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中山総務部長 それでは、局長からの概要説明に引き続きまして、私からは、議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 引き続き、資料第1号、平成二十五年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんいただきたく思います。
 初めに、契約案の詳細につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、目次の次の一ページをお開きください。
 先ほど局長から説明のありましたとおり、今回提出を予定しております契約案は二件でございまして、いずれも武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)の新築工事に係るものでございます。
 一つ目は、メーンアリーナ棟新築工事でございます。工事場所は調布市飛田給一丁目一番四十一号ほか、契約相手は竹中・奥村・株木・白石・東起業建設共同企業体、契約金額は百四億七千六百九十万円、契約の方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成二十九年一月三十一日まででございます。
 二つ目は、サブアリーナ、プール棟新築工事でございます。工事場所は同じでございまして、契約相手は鹿島・東急・TSUCHIYA・京急建設共同企業体、契約金額は七十一億九千二百五十万円、契約の方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成二十九年一月三十一日まででございます。
 次の二ページに整備図を載せておりますので、ごらんいただければと思います。
 続きまして、事件案の詳細につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、次の三ページをお開きください。
 駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理者の指定についてでございますが、特命により公益財団法人東京都スポーツ文化事業団を当該施設の指定管理者の候補者とすることといたしました。
 特命とした理由についてでありますが、駒沢オリンピック公園総合運動場は、施設設備の劣化が著しく、現在、大規模改修工事を計画しているところでございます。
 工事の実施に際しましては、事前の課題の洗い出し、工事の設計、施工、さらには再開に向けたハード、ソフト両面に関する検討、準備、実施に至るまで、東京都と指定管理者との綿密な連携が必要であります。
 それには、施設運営の実績と蓄積されたノウハウを持つ現指定管理者が一貫性を持って管理運営に当たることが不可欠であり、公益財団法人東京都スポーツ文化事業団を特命により候補者として選定したところでございます。
 指定の期間は、平成二十六年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの五年間でございます。
 なお、お手元配布の資料第二号、平成二十五年第四回東京都議会定例会議案につきましては、実際の議案になりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 以上で今定例会に提出を予定してございますスポーツ振興局関係の議案三件につきましてご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、資料要求させていただきます。
 一つは、駒沢オリンピック公園及び総合運動場、都立公園及び体育施設の管理者及び管理費の推移を過去十年間お願いします。
 また、公園と運動場を一体的または別々に管理することの項目ごとのメリットとデメリット。
 また、指定管理者候補者事業計画があればお願いいたします。
 以上です。

○小竹委員長 ほかにありませんか。--ただいま里吉委員の資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。

○小竹委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、教育長から紹介があります。

○比留間教育長 さきの人事異動に伴い、異動のございました教育庁の幹部職員をご紹介申し上げます。
 全国高校総体推進担当部長の鯨岡廣隆でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○小竹委員長 紹介は終わりました。

○小竹委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○比留間教育長 平成二十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております事件案の概要につきましてご説明申し上げます。
 東京都立学校の敷地に係る土地明渡請求事件に関する和解についてでございまして、当事者間で和解に向けた基本了解に達しましたので、地方自治法の規定に基づき、東京都議会の承認をお願いするものでございます。
 以上が教育庁関係の案件でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松山総務部長 議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十五年第四回東京都議会定例会議案(事件)に基づき、事件案のご説明をさせていただきます。
 一ページをお開き願います。東京都立学校の敷地に係る土地明渡請求事件に関する和解についてでございます。このページから四ページの別紙、物件目録までは、議案文となっております。
 恐れ入りますが、五ページをお開き願います。訴訟の詳細についてご説明いたします。
 本件は、東京都豊島区南池袋一丁目十六番十五号、株式会社プリンスホテルが東京都に対して訴訟を提起したものでございます。
 原告の主張でございますが、東京都立第五商業高等学校の敷地内に、原告の登記名義となっている土地が二筆あり、これらは原告が使用貸借契約により東京都に無償で貸していたもので、契約後相当期間が経過したことから、都に対して本件土地の明け渡しを求めるというものでございます。
 一方、都側は、本件土地については昭和十七年に買収済みであるか、仮に売買が成立していなかったとしても、既に時効が成立していると主張し、東京地方裁判所において審理が行われてきましたが、今般、裁判所から双方に対し和解の勧告があり、当事者双方で検討した結果、和解条項(案)のとおり、和解に向けた基本了解に達したものでございます。
 三の和解条項(案)でございますが、(一)、都は、原告に対し、解決金として金八千万円の支払い義務のあることを認め、平成二十六年二月二十八日限り、原告から本件土地の所有権移転登記手続を受けるのと引きかえに、原告代理人名義の預金口座に振り込んで支払う。なお、振り込み手数料は、都の負担とする。
 (二)、原告は、都に対し、都からの解決金の支払いを受けるのと引きかえに、昭和十九年四月二十日時効取得を原因とする所有権移転登記の手続をする。ただし、登記手続費用は都の負担とする、が主な点でございまして、この内容で和解に応じたいと考えております。
 六ページの四の裁判所が和解を勧告する理由(概要)でございますが、(一)、昭和十七年に、当時の東京府が府立第五商業学校敷地として本件土地を含めた敷地全体の買収を決定しているが、都が本件土地の売買代金を支払った事実を裏づける証拠がないことから、当時の土地所有者との間で売買契約が締結されたと認めることは困難である。
 (二)、原告が主張する都との間の使用貸借契約の存在を裏づける証拠もなく、買収決定後、何らかの事情で買収漏れとなったものと考えられる。
 (三)、都は、時効取得により本件土地を取得した可能性が高いが、代金を支払わない状態で長期にわたり占有してきたことになり、本来避けるべき事態である。
 七ページに移りまして、(四)、本件土地が学校敷地であることを考えると、都は適切な負担をした上で、所有権の争いを終了させ、今後の使用継続を確保することが相当である。
 (五)、本件土地の時価評価額は約八億円相当であり、使用期間が七十年という長期にわたることも考慮すると、解決金は時価評価額の一〇%が相当である、ということでございます。
 五の訴訟の経過でございますが、原告が東京地方裁判所に訴えを提起した平成二十二年七月からの経過を記載してございます。
 私からの説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○小竹委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松山総務部長 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例についてご報告させていただきます。
 お手元の平成二十五年第四回東京都議会定例会議案(条例)の一ページをお開き願います。
 東京都人事委員会勧告等を踏まえ、今年度の公民較差等に基づく学校職員の給料の規定改正などを行うものでございます。
 恐れ入りますが、二一ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の概要を記載してございます。この概要により、主な改正内容をご説明させていただきます。
 まず、1、公民較差等に基づく学校職員の給与の改定でございますが、教育職の給料表を東京都人事委員会から勧告された給料表に改めるものでございます。
 次に、2、その他の制度改正でございます。
 (1)は、分限処分において降給を新たに規定したことに伴い、規定を整備するもの、(2)は、再任用職員への僻地手当等の支給につきまして規定を整備するものでございます。
 施行日は、それぞれ記載の日を予定しております。
 私からのご説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○小竹委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 今回、学校職員の給与に関する条例の一部改正について一言意見を申し上げます。
 今回の改正は、賃金引き上げで国民の所得がふえなければ不況が打開できないことは政府も財界も否定することができなくなっている一方、国による地方公務員給与削減や消費税増税など、公務員賃金、労働条件に対する厳しい情勢が強まる中での判断となったと聞いております。
 内容が基本的に人事院勧告どおりとする方向で妥結されたことについては尊重するものです。雇用と年金の接続を実現させるという高齢雇用制度の確立に関しても、基本的には希望者全員への雇用が確保され、任用方法についても、希望によって短時間勤務の職への任用、更新を保障することとなったということも評価しております。
 今後、学校職員の給与については、国の動向も踏まえ、引き上げることも一言ご要望して発言を終わります。

○小竹委員長 ほかにございませんか。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○小竹委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二五第一〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○前田地域教育支援部長 請願二五第一〇号、公立小中学校の給食の充実に関する請願について説明いたします。
 本請願は、豊島区新日本婦人の会東京都本部会長、新千明さん外四千五百五十六人から提出されたものでございます。
 恐れ入りますが、お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 本請願の趣旨は、都において、公立小中学校の給食の充実に関して、三点のことを行っていただきたいというものでございます。
 初めに、1、給食費の無償化を実現するために、区市町村へ食材費の補助を行うことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、学校給食法第十一条第二項の規定により、学校給食の食材費は、児童または生徒の保護者が負担することとされておりまして、その上での保護者負担の軽減策等については、地域の実態を踏まえ、学校の設置者である区市町村の判断のもと、適宜、行われております。
 次に、2、三多摩地域でも、全ての公立小中学校で給食が実施できるよう補助を行うことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、多摩地域において給食を実施していない公立小中学校は現在五校ですが、これらの学校は学校の敷地内に寮が併設されており、学校で給食を行う必要がないなどの理由により、設置者の判断により給食を実施していないものでございます。
 最後に、3、公立小中学校で給食を自校直営方式で実施できるよう補助を行うことでございます。
 これに関する現在の状況ですが、自校で学校給食を調理するいわゆる自校調理方式や、共同調理場で調理を行い、各校に配送される共同調理場方式といった給食の実施方法につきましては、給食実施者である区市町村が地域の実情を踏まえて決定しております。
 設置者がいずれの実施方法を選択した場合であっても、学校給食の実施に必要な施設及び設備に関する経費は、学校給食法第十一条第一項の規定により、学校設置者の負担とされており、また、学校給食施設の改修等にかかわる経費については、学校施設環境改善交付金により、自校調理方式、共同調理場方式のいずれの場合も補助の対象となっております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 今回、小中学校の給食についての請願ですので、初めに、公立小中学校の給食は学校教育の中でどのように位置づけられているのか、まず伺います。

○前田地域教育支援部長 学校給食法第一条により、給食は、児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものと位置づけられております。

○里吉委員 今ご答弁いただきましたように、学校給食の位置づけは、学校給食法というところに述べられております。
 先ほど説明の中で、ほとんどの学校で、都内、給食が実施されているというようなご説明だったと思うんですが、最近、確かに中学校でも学校給食を実施する自治体がふえています。改めて、都内での完全給食の実施率について伺います。

○前田地域教育支援部長 平成二十四年度の都内の完全給食実施率は、小学校が千三百四校中千三百校で九九・七%、中学校六百二十一校中六百七校で九七・七%でございます。

○里吉委員 未実施校が五校というご説明でしたけれども、実施校の中にはミルク給食、補食給食というカテゴリーもあるということを私は勉強する中で知ったんですけれども、都内では、ミルク給食、また補食給食はどれくらい実施されているのかお伺いします。

○前田地域教育支援部長 平成二十四年度の都内のミルク給食実施校は、小学校で二校、中学校で十一校でございます。補食給食実施校はございません。

○里吉委員 現在、多摩地域で学校給食を実施していない小中学校は、敷地内に寮などがあって、給食が必要ないとのご説明でしたが、それ以外に、いまだにミルク給食のみの学校が小学校二校、中学校十一校あることがわかりました。
 それから、完全給食といっても、民間調理業者が調理をしたお弁当を提供している自治体、学校が大変三多摩ではふえております。これは外部調理委託方式といわれておりますが、どれくらい導入されているか伺います。

○前田地域教育支援部長 平成二十四年度、都内では八市の中学校九十校で外部調理委託方式が導入されております。

○里吉委員 外部調理委託方式を導入している自治体、学校、これも私もいろいろお伺いしてきましたけれども、弁当併用外注給食方式といいまして、家庭からお弁当を持ってくるか、民間調理業者から学校に配送されているお弁当を食べるか選択する方式になっているんですね。
 いわゆる給食、民間業者がつくって学校に配送されているお弁当を食べている生徒がどれくらいの割合いるか、都教育委員会ではつかんでいらっしゃるでしょうか、伺います。

○前田地域教育支援部長 配送される弁当を選択するか、自宅から弁当を持参するかは、日によって異なりますので、都教育委員会としては把握してございません。

○里吉委員 日ごとに違うというお答えでしたけれども、日ごとというふうにはなかなか選択できないのが現状のようでして、大体、食べるか、お弁当を頼むか頼まないか、毎月決めるということでした。
 どちらにしましても、幾つかの自治体を調べましたら、確かに月ごとに変動はありましたので、正確な数字を把握することは難しいかもしれません。
 しかし、私、ある自治体のことしの中学校給食の給食申し込み状況を担当者の方に伺ってまいりました。ことし四月から十一月までの申し込みを見せていただいたんですが、一番多い月が二一・三七%、一番少ない月が一四・四一%でした。一番多い月は、何と四月なんです。一番少ない月は、十一月でした。ずっと減り続けているわけではないんですが、多少変動はありますが、そういう結果なんです。
 大きな違いはありませんので、全体としては二割程度の生徒しか配送される給食を食べていないと。二割の生徒しか食べていないけれども、ここの学校、自治体も完全給食というふうにカウントされているということなんです。
 ですから、完全給食九七・七%とおっしゃいましたけれども、保護者の皆さん、毎日お弁当をつくっていらっしゃる皆さんもたくさんいらっしゃいますから、こうした皆さんの実感とは大分違うなと思うんですね。
 この配送されるお弁当は、私がお伺いした自治体以外でも、どこでもやはり食べている生徒さんが少ないようです。理由を聞きますと、お弁当が冷たい、余りおいしくないということだそうです。これは基準がありまして、おかずは冷まして運ばなければいけないということで、いろいろ調理法を工夫しても、冷ましたものを運ばなければいけないということで、メニューを考えている担当者の方も頭を悩ませていました。
 それから、別の自治体なんですけれども、これも給食ではなくてお弁当を配送している自治体、昨年二月に行った中学校給食についてのアンケート結果がホームページで掲載されていたので、見させていただいたんですが、味についてというところで、回答は、食べた生徒さんの全体の三分の二が不満、やや不満というものでした。こういった自治体では、最近、温かい汁物を時々つけるなどの工夫もしているようですが、それでも申し込みは余りふえていないのが現状だそうです。
 それからもう一つ、これがなかなかふえない理由かなと私が感じたのが、申込制なので、毎月申し込むんですが、前の月の二十日までにお金を入れて、入金して申し込むというシステムなんですね。
 例えば、学校で給食費を集めている場合は、銀行口座に残金がなくて引き落とせなかったとしても、後から入金することで給食は食べられると思うんですが、この配達のお弁当の場合は、持参弁当との選択ですから、入金がなければだめなんです。入金をもし忘れたら、もしくはそのとき手元にお金が用意できなかったら、一カ月間は配達のお弁当は食べられないということになるんです。
 三多摩にふえている外部委託方式というのは、こういう点でいろいろ課題があるのではないかと思いました。
 請願者の方にもお話を伺いましたが、三多摩地域で給食が実施できるようにとのこの願意は、外部調理委託方式のお弁当ではなくて、自校方式の給食を、調理している人や献立を考えてくれる人の顔が見える給食をという願いなんです。
 私は、東京都としてもこの方向を目指すべきだと思いますが、都教委の見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 学校給食の実施方法に関しましては、給食実施者である区市町村が地域の実情を考慮の上、決定しております。
 なお、献立を作成する区市町村立教育委員会は、生徒児童や保護者に対して、給食だよりなどを通じて、献立の考え方や調理方法等について説明しているところでございます。

○里吉委員 もちろん最終的には自治体が判断することなんですけれども、東京都としてあるべき姿、本当に全ての子供たちがちゃんと給食を食べられるように、どうしたらいいのかということは考える必要があるんじゃないかと思うんです。
 それで、配達のお弁当は二割しか食べられていないというお話をしましたが、その自治体の栄養士さんからもいろいろお話を伺ってまいりました。
 今の子供は魚料理が苦手で、食べ残しも多いそうですけれども、例えば、同じような料理が小学校で出た場合、多くの学校が自校調理方式なので、栄養士さんが学校を回って、きょうのお魚料理はこういうお魚だよ、こういう工夫をしてつくったから食べてごらん、こういうふうな話もして、食べてみようかなという気持ちを後押しすることもできると。しかし、配達のお弁当の学校には、栄養士さんもいませんから、それもなかなかできないのが残念だとおっしゃっていました。
 今、食育は、学習指導要領にも位置づけられておりますが、調理している人や献立を考えている人の顔が見える給食を提供できてこそ、食育も進められるのではないでしょうか。
 給食だよりもご苦労してつくっていらっしゃると思いますが、配達の弁当で、しかも食べている子が二割台ということでは、二割台--二割を切る場合もあるんですが、なかなか厳しいのではないかと率直に思います。
 そこで、食育についても伺いますが、学校給食法には、学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とするというふうにあります。
 食育については、東京都でも平成十八年三月に東京都食育推進計画を策定して、平成二十三年三月には第二次食育推進基本計画も策定しております。この中での公立小中学校における食育、特に給食との関係では、どのような目標や方針を掲げて取り組んできたのかお答えください。

○前田地域教育支援部長 学校給食は、学習指導要領において特別活動として位置づけられており、平成二十年度に公示された学習指導要領では、食に関する指導は他の教科と連携しながら、適切に実施することとしております。
 都教育委員会は、学習指導要領での位置づけを踏まえ、平成二十五年度四月の東京都教育ビジョン(第三次)において、食に関する指導を教科横断的な指導として学校の教育活動全体を通じて行うこととし、学校給食との関係においては、学校給食を食育の生きた教材として活用し、食育を推進しております。

○里吉委員 学校給食との関係においては、学校給食を生きた教材として活用するというふうに今ご答弁ありましたけれども、何度も申し上げますけれども、こういった学校では、給食、お弁当ですけれども、二割の生徒しか食べていないわけですから、これが現状ですから、なかなか難しいんじゃないかと思うんですね。
 それから、栄養教諭、栄養士の配置という点でも、大きな違いが出てくると思います。共同調理ですとか、親子方式ですとか、それから自分の学校でつくる給食、こういうところと、いわゆるお弁当を配達してくる、こういう自治体では、栄養教諭や栄養職員の配置はおのずと違ってくると思うのですが、具体的に内容を教えてください。

○前田地域教育支援部長 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第八条の二により、栄養指導及び管理をつかさどる栄養教諭及び学校栄養職員については、学校給食を自校で調理する単独実施校であるか、共同調理場であるかにより、配置基準が決まっております。

○里吉委員 当然ですよね。自分の学校に調理室もなくて、調理もしないわけですから、栄養士さんはそこにいてもやる仕事がないわけです。
 ですから、例えば、二十三区と今お話ししたような三多摩では、実施しているところと実施していないところ、自校方式をやっているところとやっていないところ、共同調理のところでは、全然栄養職員の数も違ってくるのは当然だと思うんですね。
 それだけではなくて、今話してきたような内容の配送されてくるお弁当をもって完全給食が進んできているという認識に立っていては、本当の意味で給食を生きた教材にした食育というのはできないと思いますし、それから、今、子供の貧困も大きな社会問題になっていますが、お昼にきちんと栄養のある食事をみんなでとる、おいしく食べる、その中で食育、伝統の料理を食べたりですとか、季節のものを食べたりですとか、そういう教育ができていくと思うんですね。
 中学生であれば、本当に体をつくっていくときですから、そして、いろいろなことについても興味、関心を持つときですから、自分の地域の郷土料理または自分の地域でつくった食材を使っての給食というのは、東京都としてはぜひ目指してほしいと思うんです。
 先ほど申し上げましたけれども、三多摩地域の小中学校の給食ということで、請願は、配達の弁当か家から持参の弁当ではなくて、みんなで一緒に食べられる給食を実施してほしいということでありました。
 請願書にもありますように、本来、学校給食は教育の一環として位置づけられなければならないものですし、成長期の子供にとって給食は、給食法にもありましたように、心身の健全な発達に資するものです。
 子供の貧困の問題でいいますと、配達の弁当か持参の弁当かを選ぶ、こういう自治体では、代金を払えず、また配達弁当も食べられない、家から弁当を持参せずに何も食べていない子がいるということを伺いました。
 実際に、私がお話を伺った栄養士さんも、一年間かけて全部の学校を回るとおっしゃっていましたけれども、そのときに、菓子パンの子もいれば、いわゆるゼリー状のものを飲んで給食のかわりにしている子もいれば、何も食べていない子もいて、本当に心配だとおっしゃっていました。
 請願では、給食費の無償化を求めていますが、教育費無償化を進める中で、給食費も無償の方向にすべきだと考えます。
 平成二十三年には、兵庫県相生市が幼稚園、小中学校の給食無償化を実施しております。ほかにも、北海道三笠市とか、ここでは小学校の給食が無償、また、茨城県大子町も小中学校の給食費無償などを行っています。
 東京都としても教育費無償化の立場に立って、区市町村への食材費補助をとの願意は理解できるものです。よって、私は趣旨採択を主張いたしまして、この質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言ございますか。--発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小竹委員長 起立少数と認め、よって、請願二五第一〇号は不採択と決定いたしました。

○小竹委員長 次に、陳情二五第四七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○堤都立学校教育部長 陳情二五第四七号、平成二十六年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
 この陳情は、東京都公立高等学校定通PTA連合会会長、池見恒太さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、定時制通信制教育振興のために、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁の所管は1から5の内容でございます。
 まず、1、全ての都立定時制、通信制高校において、スクールカウンセラー等の教育相談員を生徒下校時までの勤務とし、相談日数を増加することでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、スクールカウンセラーの配置は、いじめ、不登校、暴力行為等の問題行動の未然防止、早期解決のために、平成七年度から国の活用委託事業として実施してきております。
 高等学校におけるスクールカウンセラーは、中途退学等の課題を抱える学校に配置し、平成十八年度には六十校に配置を拡大いたしました。
 平成二十年度から国の補助が経費の二分の一から三分の一となり、都の負担が増加している中にありましたが、平成二十三年度には、都立高等学校においては百校に配置を拡大するとともに、平成二十五年度からは都立高校全校に配置いたしました。
 各学校では、週一回、一日七時間四十五分の勤務の中で、勤務時間の割り振りの工夫をするなどして教育相談体制の充実を図っております。
 次に、2、全ての都立定時制、通信制高校に司書を配置し、図書室の開館時間を生徒下校時までとすることでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、学校図書館法第五条第一項では、学校には、学校図書館の専門的職務をつかさどらせるため、司書教諭を置かなければならないとされております。
 また、同じく第五条第二項では、司書教諭は、主幹教諭、指導教諭または教諭をもって充てるとされており、都教育委員会では、学校図書館に関する職務を司書教諭の資格を有する教諭に校務分掌として担当させております。
 学校図書館の利用指導については、司書教諭を中心に、学校の全ての教職員の協力体制のもとで行われるべきであるものと考えております。
 なお、平成二十三年度から、学校司書に欠員が生じる学校については、順次、業務委託を導入しております。業務委託導入校においては、業務の終了時刻を定時制生徒が下校する時刻よりも遅い時間とすることで開館時間を拡大するとともに、長期休業期間においても業務日とすることで開館日数を拡大させるなど、学校図書館の利便性を向上させ、生徒の読書活動を推進しております。
 次に、3、給食制度及び給食費補助制度を堅持し、給食の安全性を確保することでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、都立高等学校定時制課程における給食について、生徒数の減少による調理の非効率を解消するため、円滑な事業執行及び給食の質の確保を図りながら、グループ方式を導入するなど、効率的な運営方法への改善に努めるとともに、勤労学生の在籍割合や給食の喫食状況の変化の背景など、給食のあり方を多面的に分析し、提供方法の見直しを図るため、平成二十三年度から庁内検討会を立ち上げ検討を行っております。
 また、安全・安心な学校給食を提供するため、学校給食法第九条第一項に基づく学校給食衛生管理基準に従い、安全を確保しております。
 次に、4、部活動振興促進を目的とする施設整備の拡充を図ることでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、定時制、通信制課程における部活動に必要な施設、設備については、夜間照明設備や部室、更衣室を含め整備しております。施設、設備の活用に当たっては、各都立高校がそれぞれの創意工夫により運用を図っております。
 最後に、5、定時制課程専用教室、フリースペース等の確保を目的とする施設整備の改善、拡充を図ることでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、定時制課程においては、現在、職員室、生徒会室、教材室、厨房、食堂を専用に設置しております。
 普通教室及び体育館などにつきましては、全日制と定時制が共用することになっているため、定時制の専用施設を確保することは困難な状況でございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○きたしろ委員 私からは、本文教委員会に付託されました陳情二五第四七号、平成二十六年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情の1について質問をいたします。
 不登校、いじめ、暴力行為などの児童生徒の問題行動の未然防止とその解消を図るためには、児童生徒一人一人の悩みを受けとめ、心のケアを行うことが重要であると考えます。
 スクールカウンセラーは、学校において、日常的に児童生徒の心の悩みや保護者からの相談に応じるとともに、万が一、学校で事件、事故が起こった場合には、その後の児童生徒の心のケアにも当たるなど、児童生徒の健全育成に大きな役割を果たしております。
 学校におけるいじめ問題を初めとする多種多様な相談に応じるためには、児童生徒の臨床心理に高度の知識と経験を有する人材を配置する必要があることはいうまでもありません。
 東京都議会自由民主党は、学校におけるスクールカウンセラーの専門性を確保しつつ、全校配置の必要性について従前から認識し、都議会の場でその実現を主張してまいりました。
 我が党の要望に応え、都教育委員会は、平成二十五年度には全ての小学校、中学校、高校、中等教育学校に臨床心理士等の資格を有するスクールカウンセラーの配置を実現させております。このことは高く評価するものであります。
 ところで、全校配置になった都立高校には、全定併置校や通信制など、さまざまなタイプがあります。いずれの課程に通う生徒に対しても、相談に応じることができる環境を整えることが必要であると考えます。
 そこで、お伺いいたします。全定併置校などのスクールカウンセラーの勤務状況についてお伺いいたします。

○金子指導部長 スクールカウンセラーは、東京都公立学校スクールカウンセラー設置要綱によりまして、東京都非常勤職員として、一校につき週一回、一日七時間四十五分、年間三十五回勤務することになっております。
 全定併置校では、校長は生徒からの相談に対して十分な時間を確保できるようにするため、スクールカウンセラーの勤務時間について、全日制、定時制のどちらの生徒からの相談も受けやすいように、例えば、勤務の開始を正午からに設定するなど工夫しておりまして、また、通信制では、生徒のスクーリングの日に合わせてスクールカウンセラーが勤務するようにしております。
 また、教員との情報交換やスクールカウンセラーを講師とした校内研修を実施し、学校の教育相談体制の充実を図るとともに、緊急の場合には、東京都教育相談センターのアドバイザリースタッフとも連携して対応しております。

○きたしろ委員 いじめ問題を初めとする児童生徒や保護者、教員からの相談など、学校ではさまざまなニーズがあります。小中学校を含む全ての高等学校に、専門性の高い人材をスクールカウンセラーとして配置することは喫緊の課題であり、特に思春期後半の悩み多き高校生や、その保護者にとって、まことに喜ばしいことであると思っております。
 スクールカウンセラーは、週一回の勤務の中で、配置された学校の状況に応じて多くの生徒や保護者からの相談を受けるように工夫して、対応していることがわかりました。
 また、勤務しない日についても、教員等と連携した対応がなされていることも十分理解ができました。
 これらの状況を確認する意味で、少し詳しくお伺いをいたします。昨年度、都立高校には百校にスクールカウンセラーを配置していますが、昨年度の全定併置校などの学校数と課程別の相談件数についてお伺いいたします。

○金子指導部長 平成二十四年度における課程別の相談件数でございますが、全日制単独校五十三校では一万五千八百六十七件、全定併置校三十六校では九千九百十六件、定時制単独校八校では二千九十七件、定通併置校三校では八百五件であり、合計は配置校百校で二万八千六百八十五件となっております。
 相談の主なものは、友人関係の悩み、学習、進学に関する悩みとなっております。

○きたしろ委員 平成二十四年度には、多くの相談があったことがわかりました。
 次に、今年度は、都立高校全体にスクールカウンセラーが配置されましたが、現時点で配置校の管理職からどのような意見が寄せられているかお伺いしたいと思います。今年度、管理職からどのような意見が寄せられているんでしょう。

○金子指導部長 スクールカウンセラーの全校配置によりまして、さまざまな悩みを抱いている生徒が、臨床心理の専門家に自分の心の中で抱いている悩み等を相談できる環境を整備することができました。
 学校の管理職からは、スクールカウンセラーの助言等により、配慮の必要な生徒への対応が充実するとともに教員の教育相談技術が向上した、保護者からの相談にきめ細かく対応することで学校に対する信頼感が高まった、外部の関係機関との連携が図られ問題解決に向けた取り組みが充実したなどの報告があり、スクールカウンセラーの配置は、学校内の教育相談体制の充実に効果を上げております。

○きたしろ委員 心理の専門家として、そして教員とは異なる専門的な立場から、さまざまな相談に応じるスクールカウンセラーの果たす役割の重要性は、今後ますます高まっていくことと思います。
 今年度から全校配置になり、これまで配置されていなかった学校でも、心理の専門家による相談を受けられるようになった意義は、まことに大きいことだと思います。
 さらに、スクールカウンセラーは、配置された学校ごとに、週一回の勤務の中で少しでも多くの相談に応じるよう努力を重ねておられます。
 今後は、各学校における教育相談活動の一層の充実を図っていくことが重要であると思います。そのことを申し述べて、私の質問を終わります。

○里吉委員 私からも、スクールカウンセラーについてまずお伺いします。
 先ほどもいろいろご答弁ありましたけれども、改めて、都立高校全校に配置したことで、成果、いろいろ出ていると思います。それから、学校から上がっている声などを教えてください。

○金子指導部長 学校からは、スクールカウンセラーからの助言等により、配慮の必要な生徒への対応が充実するとともに教員の教育相談技術が向上した、また、保護者からの相談にきめ細かく対応することで学校に対する信頼感が高まったなどの報告があり、スクールカウンセラーの配置は、学校内の教育相談体制等の充実に効果を上げております。

○里吉委員 配置の効果が具体的に出ているということが現場の声で、今、よくわかりました。
 私たちも、スクールカウンセラーの全校配置は繰り返し要望してまいりましたので、大変喜ばしいことだと思います。しかし、同時に、今回こういう陳情も出ておりますのは、なかなかそれではまだ足りないというご要望だと思うんですね。
 全日制でも、全日制、定時制の併置校でも、午前、午後、夜間の三部制をとっている定時制単独校でも、一校に一名ということでしか配置されません。
 スクールカウンセラーの方、今お話がいろいろありましたが、週一回で七時間四十五分の勤務ですから、全日制、定時制の併置校や三部制の定時制単独校では、生徒がいる時間全てにスクールカウンセラーがいてくれるとは限らないということで、この陳情が出ております。
 生徒が下校するまでの時間いて、相談に乗ってほしい、また、時間が短い分、日数をふやしてほしい、これが陳情者の方の要望だと思います。
 先ほど、校長先生が生徒からの相談に対して十分な時間が確保できるように、いろいろ工夫しているというご答弁がございました。でも、定時制の生徒は九時過ぎまで授業をしています。スクールカウンセラーが昼ごろ来たとしても、夜の七時か八時には帰らなければならない。授業は九時過ぎまであるわけですから、授業をサボるわけにはいきません。なかなか、もっと相談に行きたい生徒がいても、気軽に相談に行けない、乗ってもらうのは大変、こういう現実があるんじゃないでしょうか。
 先ほど、全日制単独校、それから全定併置校の全日制、定時制、定時制単独校それぞれのスクールカウンセラーの相談実績、相談件数、それから特徴などもお答えいただきましたが、もう一度改めて、総数だけで結構ですので、お答えください。

○金子指導部長 平成二十四年度における課程別の相談件数でございますが、全日制単独校で一万五千八百六十七件、全定併置校で九千九百十六件、定時制単独校で二千九十七件となっております。
 相談の主なものは、友人関係の悩み、学習、進学に関する悩みとなっております。

○里吉委員 大変相談件数が多いということで、これ、件数を今述べていただきましたけれども、私はスクールカウンセラーの方にも具体的にお話を伺ったことがあるんですが、本来は七時間四十五分の勤務だけれども、相談者の時間に合わせて時間を延長して、時間を超えてしまっても親身に相談に乗ってくれている、こういう方も少なくないということも伺いました。
 より多くの相談に対応できるようにということで、頑張っていただいているのがスクールカウンセラーの方だと思います。
 ですから、そうした頑張っていらっしゃるスクールカウンセラーの皆さんの頑張りにも応えて、相談体制そのものを充実することというのも、本来の意味で東京都がやるべきことだと思うんです。
 先ほどもお話ありましたけれども、不登校を経験した生徒や、生活習慣や、それから学習習慣等に課題がある生徒、全日制から転校した生徒、途中退学を経験した生徒、外国人の生徒、特別な支援を必要とする生徒など、定時制課程には多様な生徒が在籍して、また、なかなか就学を続けることが困難で途中退学者も多いと、都教委自身がこういうことをいっているわけですよね。
 ですから、定時制課程に、より丁寧なスクールカウンセラーの対応というのは、全校配置ができた今、そこに新たな光を当てて対応することがやはり今求められていると思いますが、都教委の見解を伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識、経験を有する臨床心理士をスクールカウンセラーとして配置しており、全日制、定時制ともに生徒等からの相談に対応しております。
 定時制に通う生徒の不登校や中途退学などの悩みに対しましては、スクールカウンセラーは教員と連携し、きめ細かな対応をするとともに、外国籍の生徒など特別な支援を必要とする生徒に対しましては、東京都教育相談センターとも連携するなど、生徒のケアを図っております。

○里吉委員 今、いろいろと学校側とも連携して対応しているというご答弁、大事なことだと思いました。
 ですが、あわせて陳情は、定時制の子が帰るまで--特に全定併置ですと、本当は二つの学校が設置されている中でスクールカウンセラーの方が一人という状態ですから、ここは人数をふやすとか、相談日をふやすとかということで、さらにきめ細やかな相談に乗れるということで、これは大変意義があることだと思いますが、改めて都教委の見解を伺います。

○金子指導部長 スクールカウンセラーは、都の設置要綱に基づき、東京都非常勤職員として、一校につき週一回、一日七時間四十五分、年間三十五回勤務することになっております。
 校長は、生徒からの相談に対して十分な時間が確保できるようにするため、スクールカウンセラーの勤務時間について、例えば、定時制の授業が始まる前に相談ができるようにするなど、生徒からの相談を受けやすい時間を設定しております。
 なお、週一回のスクールカウンセラーに加えまして、東京都教育相談センターは、事件、事故が発生した場合や生徒の心のケアなど、必要性が高い場合には、学校からの要請を受けまして、必要に応じてアドバイザリースタッフを派遣し、生徒の心理的なケアの充実に努めております。

○里吉委員 アドバイザリースタッフの派遣もありますということで、今、ご答弁いただきました。
 アドバイザリースタッフの方は、先月、大島の台風被害でも大きな役割を果たしていただきましたし、大変重要な役割を持っているということだと思います。大変重要だと思います。
 同時に、そういった個別具体的な案件ではなくて、定期的に学校に来ていただいて、気軽に相談できる、そういうスクールカウンセラーの体制を充実し、相談時間や相談日数もぜひ拡充していただきたいということを申し上げておきます。
 そして、次に、給食費補助制度についても幾つか伺ってまいります。
 まず初めに、夜間定時制課程にはなぜ給食があるのか、意義と役割について伺います。

○堤都立学校教育部長 夜間定時制におけます給食でございますが、昭和三十一年に制定されました夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に基づき行っております。
 夜間学校の給食は、勤労青年教育の重要性に鑑み、働きながら高等学校の夜間課程において学ぶ青年の身体の健全な発達に資し、あわせて国民の食生活の改善に寄与することを目的としております。

○里吉委員 夜間課程において学ぶ青年の身体の健全な発達に資して、あわせて国民の食生活の改善に寄与することを目的としているとのことでした。
 そこで、都立高校改革推進計画では、この定時制課程の給食のあり方の見直しを行って、今年度はモデル校で実施となっておりますが、どのようなことを行っているのか伺います。

○堤都立学校教育部長 定時制課程の高校におきましては、勤労学生の在籍割合が低下していることに加えまして、生徒のライフスタイルが変化し、さらに外食産業等学校周辺環境も変化していることなどから、給食の喫食率が低下しております。
 このような喫食状況の変化の背景などを多面的に分析し、見直しを図っていく必要がございます。このため、現在、これからの給食のあり方について事業モデルを検討中でございます。

○里吉委員 計画では、今年度、モデル校での実施となっているのが、現在、モデルを検討中ということですから、実際の計画よりはおくれているのかなと思いますが、これがどういう方向に行くかということが、陳情された方々は大変不安で、こういうものが出てきたのではないかと思うんですね。拡大しようというよりは、縮小しようという方向での検討が進んでいるのではないかというふうな不安の気持ちから、こういう陳情が出たというふうに思います。
 そこで、基本的なことをお伺いしますが、給食を食べている生徒のうち、補助対象となっているのは何割いらっしゃるかわかるでしょうか。また、給食補助費の金額と、給食費に占める割合はどのようになっているか。それから、生徒全体の給食を食べている率の推移を教えてください。

○堤都立学校教育部長 平成二十四年度の定時制生徒の総喫食数でございますが、四十六万八千七十三食でございました。このうち、補助対象となるものの喫食数は八万二千三百九十四食でございまして、割合としては一七・六%でございます。
 次に、給食補助費の額でございますが、一食当たり一律六十円でございます。給食費は、平均して三百七十二・九一円でございまして、給食費に占める補助の割合は一六・一%となっております。
 また、生徒全体の喫食率の推移でございますが、平成二十一年度三二・九%、二十二年度三〇・二%、二十三年度二九・四%、二十四年度二七・八%でございます。

○里吉委員 喫食率、この数年でも、今お話しいただいたパーセントで五%落ちているということでした。
 都教委の皆さんは、食べている生徒が減っているという原因を勤労学生の在籍の割合の低下ですとか、生徒のライフスタイルの変化、外食産業等学校周辺の環境の変化、こういったことで外部の要因のようにおっしゃっていますが、それだけではないと思うんですね。
 先ほど、中学校給食のところでも話しましたけれども、自校方式では、ほとんどの子供がおいしく給食を食べているのに、外から運んでくる仕出し弁当のような給食では、二割ぐらいの子しか食べていない。自分の学校でつくっている温かい給食だったら食べたいけれども、遠くから運ばれてきて冷めているものだったら、お金を払ってまで食べたくない、こういう子もいるかもしれません。
 それから、これは都立の定時制高校、かつてどういう給食だったか、先輩議員にも聞いたり、議事録を読んでみたんですけれども、かつては全ての定時制高校が自校方式で、正規の栄養士さんと調理員さんがいて、デザートに至るまで手づくりで、腕を振るって温かい給食を、たくさん食べる子には大盛りにしてあげたり、提供していたと。
 ところが、だんだんそれが効率化の名のもとに、グループ方式で遠くの定時制高校から運んでくる方式になったり、いわゆる仕出し弁当のようなデリバリー方式も導入されて、それから給食費も三カ月から半年の前払いで、食べるか食べないかを二週間前までに決めて申し込まないと食べられないというシステムになったりして、ちょっと食べづらい、食べたいと思わない給食に変わってきているのではないかなというふうに、こちらの側が、都教委の側が変えてきてしまっているのではないかというふうにも思うんです。
 私は、給食や食育についての教育委員会の姿勢が、どれだけ給食を食べる子がふえていくか、反映してくると思います。
 今、定時制高校の栄養士の方も非常勤化を行っていますが、現在、栄養士、栄養職員の方、配置している定時制高校は何校でしょうか。また、そのうち非常勤職員を配置しているのは何校でしょうか。今後、非常勤の栄養職員をふやす計画があるのかどうかお伺いします。

○堤都立学校教育部長 栄養職員を配置しております学校は三十四校でございまして、このうち六校に非常勤栄養職員を配置しております。平成二十六年度には、非常勤栄養職員を三十四校中八校に配置する予定でございます。

○里吉委員 生徒の健全な発達を保障する給食を提供するのに、栄養士の方の果たす役割は重要です。こうした条件をどんどん切り下げて、喫食状況が下がっているなどというのではなくて、陳情にありますように、給食制度及び給食費補助制度は堅持し、給食の安全性も確保し、温かくて、おいしくて、食べたくなる給食を提供して、子供たちの心と体が大きく育つようにしていただくことを強く求めます。
 最後に、陳情では、定時制の生徒の居場所となる専用教室や、フリースペース等の確保を目的とした施設整備の改善、拡充を図ることが求められていますが、現在、全定併置校で、定時制課程の生徒の居場所やフリースペース的な場所を設けている学校はどれぐらいあるのか伺います。

○堤都立学校教育部長 全日制課程、定時制課程を併置する都立高校四十二校では、定時制課程の生徒の居場所等を各学校の創意工夫により確保しております。
 各学校では、全日制課程生徒の下校時間及び定時制課程生徒の登校時間を定めておりますが、事情により始業時間前や給食時間前に登校する定時制課程生徒のために、食堂や図書室、自習室、談話コーナー等を開放しております。

○里吉委員 学校の創意工夫により確保しているというお話でした。
 私も最近、定時制高校を卒業した方にいろいろ伺ってみました。その方は、二十を過ぎてから一念発起して定時制に入学したので、もう精神的にも大人だったし、ある意味では吹っ切れていたけれども、十五歳、十六歳で入学してくる定時制の生徒の中には、本当は全日制希望だったのにという思いを抱えていたり、家庭的に困難だったり、勉強を続ける上でいろいろな悩みもあると。学校に居場所があれば、少し早く来て、いろいろお友達としゃべったり、それからフリースペースのようなところに、本当はスクールカウンセラーの要望もしましたけれども、相談の日にはスクールカウンセラーの方がいてくれて、自然な形で子供たちの悩みを聞いてくれたり、元気のない子に声をかけてくれたりすると頑張れる子も多いのではないか、こういうふうに話しておりました。
 そうしたことからも、施設整備は都教委の役割ですから、今、工夫しているところもあるというふうにお伺いしましたけれども、なかなかそれがうまくいっていないところもあるということを実際伺いました。
 ある高校では、なかなか中にスペースがないので、始業時間前、外でいろいろ、何人かの生徒たちが居場所がなくて、外にいるという状況もあるんだというようなお話もありましたので、ぜひそれぞれの学校の実情に合わせて施設整備、都教委の役割として確保するための支援をしていただくことを要望したいと思います。
 それから、陳情は、図書館の司書の配置の充実や部活動の施設整備の拡充の項目もございますが、これらを含めて趣旨採択を主張して、質問を終わりたいと思います。

○小松委員 陳情第四七号について、都議会生活者ネットワークとして、願意に賛成する立場から意見を述べます。
 定時制高校は、かつての昼間働く若者が夜間通う学校という性格から事情が変化してきており、昨年二月に策定された都立高校改革推進計画第一次実施計画においても、今日では、勤労青少年だけでなく、不登校を経験した生徒、生活習慣や学習習慣等に課題がある生徒、全日制高校から転学してきた生徒、中途退学を経験した生徒、外国人の生徒、特別な支援を必要とする生徒など、多様な生徒が在籍しており、生徒の状況に応じた指導を行うことが課題となっていますと述べられています。
 さらに、全日制課程の高校と比較して、中途退学者や卒業時の進路未決定者が多い状況にありますとも書かれ、陳情書に述べられた内容と重なります。
 東京都においては、このような状況にある生徒たちが社会で自立するところまで見守り、その自立を応援する教育制度であるべきと考えます。
 スクールカウンセラーや学校司書配置の拡充、施設整備の改善など、教育庁にご尽力を求めるものであり、また給食については、この機会に生徒たち自身の意向調査を実施し、引き続き温かい食事が提供されるよう努めていただくことを求めます。
 よって、本陳情に対しては全ての項目について趣旨採択すべきと主張いたします。
 以上です。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、本件は生活文化局所管分もございますので、決定は生活文化局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、よって、陳情二五第四七号は継続審査といたします。

○小竹委員長 次に、陳情二五第五二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金子指導部長 陳情二五第五二号、都立高校の防災訓練における自衛隊との連携及び駐屯地での宿泊訓練の中止に関する陳情についてご説明申し上げます。
 説明表の四ページをお開き願います。
 本陳情は、新日本婦人の会西東京支部支部長、松本良子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において、次のことを実行していただきたいというもので、二点の内容でございます。
 まず、1、平成二十六年二月に予定されている訓練を含め、今後の自衛隊駐屯地での宿泊訓練を中止することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、平成二十四年二月に策定いたしました都立高校改革推進計画第一次実施計画におきまして、都立高校防災教育推進校を指定し、生徒が防災に関する取り組みの企画、立案を行う新たな防災組織、都立高校防災活動支援隊の結成や、上級救命講習の受講、消防庁、警視庁、自衛隊や大学、病院、研究所などと連携した災害時支援活動の疑似体験、一週間程度の宿泊訓練などに取り組むことで、自校の防災と近隣住民の安全を支える高い社会貢献意識と実践力を持つ人間を育成しますとしております。
 次に、2、都立高校の防災訓練は消防庁関係などと行い、自衛隊を参加させないことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、これまで、都立高校における一泊二日の宿泊防災訓練は、消防庁、警視庁、自衛隊など、さまざまな組織や機関と連携して実施してきております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古賀委員 私は、本委員会に付託されました陳情二五第五二号、都立高校の防災訓練における自衛隊との連携及び駐屯地での宿泊訓練の中止に関する陳情について幾つか質問と意見を申し上げます。
 今回陳情を提出された方は、都立高校が防災対応に関して自衛隊と連携することについて反対しているようでありますけれども、私は以下のように考えます。
 自衛隊は、東日本大震災において、日常生活を支える基本的基盤が崩壊した状態でも、物資や燃料などを独自に調達し、その能力を大いに発揮し、被災地住民から感謝されたことは周知の事実であります。
 内閣府が平成二十四年一月に調査した自衛隊・防衛問題の世論調査では、東日本大震災にかかわる自衛隊の災害派遣活動に対する評価について、これを評価すると回答した者の割合が九七・七%となっています。
 また、去る十月十六日の台風二十六号により大きな被害を受け災害救助法が適用された東京都大島町における災害派遣活動に加え、最近では、フィリピンでの台風被害に対して、医療や輸送、防疫活動を行うため、災害地派遣のための部隊を組織し、国際緊急救助としては最大規模となる千百八十名を派遣しております。
 こうした自衛隊の災害派遣活動が、国防という第一義的任務とともに、国民生活を安定させ、同時に国際社会の一員としての役割を果たしていることは、何人も否定できない厳然たる事実であります。
 しかしながら、陳情提出者は、陳情提出の理由として、防災という名のもとに、保護者の同意を得たからといって、軍事訓練を行う組織に子供を連れていき訓練を受けさせることは、自衛隊の存在それ自体が憲法上問題になっている現在、やるべきではない、東京都教育委員会は、世論を無視して軍隊を教育に取り込もうとする狙いが見えてくると述べています。これは、自衛隊に対する偏見に満ちた独断的な意見であり、全く理解不能であります。
 そこで私は、改めて東京都教育委員会に確認したいと思いますけれども、先ほど若干触れられましたけれども、都立高校生が自衛隊朝霞駐屯地で宿泊防災訓練を行った目的を述べていただきたいと思います。

○金子指導部長 宿泊防災訓練は、災害発生時に、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに避難所など地域の防災活動に貢献できる、自助、共助の心を持った人間を育てることを狙いとしております。
 朝霞駐屯地での宿泊防災訓練は、高校生が自衛隊員から防災にかかわる知識や技能を体験的に学ぶだけではなく、隊員と寝食をともにすることで集団での規律やルールを学び、災害時における実践力の育成と社会貢献する意欲の向上を図ることを目的に実施したものでございます。

○古賀委員 今の答弁でもおわかりのように、朝霞駐屯地での宿泊防災訓練の目的は明白であります。陳情者の意見は、反自衛隊の独善的な偏った考え方であることが如実にわかります。
 災害発生時に若い力が求められることから、都立高校生一人一人が被災された方々を勇気づけ、集団の規律を守り、頼もしい組織となって危機的な状況を打開していくことが期待されているわけです。
 こうしたことから、自己完結型の組織、また指導力、集団統制、こういったあり方を熟知した自衛隊員と寝食をともにした宿泊防災訓練は、生徒にとっても大変有意義であることは自明のことであります。
 そこで、自衛隊朝霞駐屯地で行った宿泊防災訓練の具体的な内容と成果について伺います。

○金子指導部長 朝霞駐屯地で行った宿泊防災訓練の主な内容でございますが、応急救護訓練、応急担架の作製、搬送、ロープワーク、止血法、包帯法、また、阪神・淡路大震災や東日本大震災時の実際の災害派遣活動にかかわる防災講話などでございます。
 また、この宿泊防災訓練に参加した生徒は、町の復興と、町全体が混沌とする中で、住民が安心して生活するために必要な集団の秩序とリーダーシップのあり方について学習いたしました。このことは、まさに災害復旧の中心となって活動した自衛隊員から指導を受けたからこそできたものといえます。
 参加した生徒は、宿泊防災訓練終了後、校内の部活動などにおいてリーダー的な役割を果たし、先日の東京都・あきる野市合同総合防災訓練におきましては、三角巾の使い方を小学生に教えるなど、指導的な立場で地域の防災訓練にも主体的に参加しております。

○古賀委員 自衛隊だからできるということがあるんですね。今のご説明でもそういうことがわかりました。
 私は、今後とも自衛隊との取り組みは一層推進すべきであるという私の考えに間違いはないということを確信したわけです。
 都立高校は災害発生時に防災拠点となることから、生徒は長期化した避難生活を支える強い精神力を養っておく必要があります。災害発生時に地域の避難、救護、救援の中心的な役割を担う都立高校への期待に応えるためにも、生徒が朝霞駐屯地における宿泊防災訓練を通して体得した防災にかかわる知識、技能、また高い志、こういったものは非常に貴重であるというふうに考えます。
 昨年度の消防学校での宿泊防災訓練に加えて、今年度、新たに自衛隊と連携することにより、訓練内容の充実が図られたことを高く評価いたします。これからも、都立高校における防災教育の推進に当たっては、自衛隊を初め防災に係る専門機関との連携を一層強化していくべきと考えます。東京都教育委員会の、この件に関する見解はいかがでしょうか。

○金子指導部長 全ての都立高校で実施している一泊二日の宿泊防災訓練や、防災教育推進校十五校の取り組みにおきましては、これまでも関係機関と連携して実施してきておりまして、例えば自衛隊からは、被災地の復興に向けた強い志、ロープワークや搬送の技術を学び、日本赤十字社からは、心肺蘇生法など的確な応急救護の方法を身につけ、東京消防庁からは、応急救護の方法に加え、初期消火の方法を学ぶなどの成果を上げております。
 今後は、生徒による防災サミットや教員を対象とした防災フォーラムを開催いたしまして、こうした成果を全都立高校に普及するとともに、防災に関する社会的な要請や都立高校生に対する期待に応えるため、自衛隊、東京消防庁、日本赤十字社等の関係機関との連携を強化した取り組みを一層推進してまいります。

○古賀委員 この陳情者のような考え方は、まだ一部には色濃くこういう主張をする人たちが存在しているということは、私どももよく承知をしているんですけれども、近いところでは、民主党政権時代の菅直人内閣のときに仙谷さんという官房長官がいましたけれども、この人は自衛隊を暴力装置といったんですね。正義のない力のことを暴力といいますけれども、自衛隊で働いている人、消防、警察もそうですけれども、そういう職業的に何か特定の立場の人をおとしめるような発言を平気でやる人が政権の中枢にいたということ、国民の中にもまだそれに同調するような人がいて、こういう陳情が出てくるというふうに私、思います。
 トロツキーとかマックス・ウエーバーが、いわゆる国家が所有する実力を暴力装置といって、いまだにそういった古典的な、しかも破綻をした考え方に固執しながら政権の中にいたということは、大変、私、一つの大きな悲劇だったと思いますし、阪神・淡路大震災のときは村山内閣、この東日本大震災では菅直人内閣、いずれも対応に大きな禍根を残した。こういった考え方の帰結として、対応のおくれや人命の損傷というものが起こるということを、私たちはそのような教訓から学んでおかなければいけないというふうに思います。
 自衛隊の防災訓練への反対というのは、よく申し入れが行われているんですね。東京都の総合防災訓練、二十三日ですか、今月行われましたけれども、ことしはどういうわけか、日本共産党都議団の人たちは、いつも行っている自衛隊の防災訓練参加反対を申し入れていなかった。理解されたのかなと思っていたんですけれども、大島町の自衛隊の皆さんの活躍というのが現在進行形で続いていましたので、災害防災訓練に反対を申し入れるのはまずいという判断があったのかなというふうに私は思ったわけですけれども、ぜひ東京都教育委員会、せっかくこれだけの高校生に対する防災宿泊訓練を実施したわけでありますので、先ほど申し上げましたような視点で、これからも事業の充実を図ってもらいたいというふうに思います。
 今までのやりとりから、防災訓練に関する社会的な要請に応えていくために、自衛隊と連携した宿泊防災訓練が必要だということは、もう明々白々なんですね。私は自衛隊を初めとして、警視庁、東京消防庁は、今後も東京都の主要な防災機関であり続けると認識しております。
 東京都議会は、この陳情を当然、不採択とすべきであります。東京都の防災教育を進めていく上で、自衛隊を含めた全防災機関が一層有効に機能し、生徒一人一人が地域で救護活動ができる人材へと育成されていくことを願い、私の質問を終わります。

○里吉委員 私からも引き続き質問させていただきます。
 東京都教育委員会は、都立高校十五校を防災教育推進校に指定し、東京消防庁、日本赤十字社東京都支部、防衛省自衛隊東京地方協力本部の協力を得て、二泊三日の宿泊防災訓練を実施しております。
 十月二日の都教育庁のプレス発表によれば、東京消防庁との連携は十一校、日本赤十字社東京都支部との連携は三校、防衛省自衛隊東京地方協力本部との連携は一校という発表がされております。
 そこで、指定校の多くは東京消防庁との連携となっていますが、東京消防庁と連携している理由をまず伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、平成二十四年二月に策定いたしました都立高校改革推進計画第一次実施計画に基づき、防災教育を通して生徒の社会貢献意識と実践力を持つ人間を育成するため、災害発生時に中核的な役割を担う消防庁と連携した宿泊防災訓練を実施することといたしました。

○里吉委員 中核的な役割を果たすということでしたが、消防庁の任務は消防組織法に定められております。その第一条に、消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災または地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とすると。つまり、火災や地震などの災害から国民の命や財産を守り、災害を防ぎ、災害による被害を軽くするのが消防の仕事です。
 そして、第二十九条には、都道府県の消防に関する仕事、事務が書かれております。そこには、消防思想の普及宣伝に関する事項という項目も含まれているんですね。ですから、そもそも東京消防庁の任務は、防災や救命救急が含まれています。その内容を国民に広く伝えるという任務も持っているわけです。
 ですから、そういう意味では、都立高校生の皆さんが防災訓練、学習する、連携するというのは私も当然だと思います。
 先日、私は、都立久留米西高校の一年生が渋谷区にある消防学校で行った二泊三日の防災訓練、中日でしたけれども、視察をさせていただきました。生徒の皆さんが消防学校の体育館で熱心に上級救命講習を受講していました。この消防学校での訓練には、東京防災救急協会というところの方も参加しておりましたが、どういう経緯でここに参加されていたのか伺います。

○金子指導部長 防災教育推進校は、都教育委員会が定めた防災教育推進校実施に関するガイドラインに基づきまして上級救命講習を受講することとなっており、その実施に当たりましては、東京消防庁が東京防災救急協会に講師を依頼したと聞いております。

○里吉委員 私も調べてみたんですが、この公益財団法人東京防災救急協会というところは都の監理団体で、防災及び救急に関する公益法人として、防災と救急関係事業を行っているところでした。事業概要を見ますと、その中には、防火管理者、危険物取扱者等の防災業務関係者を育成するための事業もあれば、応急手当及び救急についての普及啓発に関する事業もありました。
 高校生たちが受けていた上級救命講習など、さまざまな講習をもともと行っているところです。実際に二日目の訓練を視察させていただきましたが、包帯法の実習中でしたが、約十人の生徒さんに一人の講師がついて、丁寧に三角巾の使い方を指導されていました。いつも講習会をやっている方らしく、指導もわかりやすく、子供たちにポイントを伝えていました。
 使っていたテキストを私も見せていただいたんですが、上級救急講習テキストは東京消防庁、東京都福祉保健局、東京都医師会が監修し、編集は東京防災救急協会、こういうテキストを使っておりました。それからもう一つ、消防庁、こういうところと防災訓練を行うというのは非常に意味があることだと思いました。
 それから、今回、三校が日本赤十字社東京都支部との連携となっていますが、日本赤十字についても調べてみました。東京都支部のホームページによりますと、赤十字は民間の団体であること、世界的な組織で、世界の独立国のほとんど全てに組織されていて、各国の赤十字などがお互いに対等な立場で協力関係を保っていること、赤十字の使命は人の命と尊厳を守ることであるなどの説明がありました。
 そして、災害救護活動を赤十字の使命に基づく重要な活動と位置づけるとともに、救急法救急員を養成する、こういう講習など、講習普及事業、こういうものも積極的に行っているということでした。
 ですから、この二つはもともとこういう救命救急ですとか、それを広く市民の方に伝える、そういうこともやっている、そういうところなんですね。
 一方で、自衛隊との連携はどうかと。私は、東京消防庁や日本赤十字社東京都支部との連携で高校生の皆さんの防災訓練、目的は十分果たせると思うのですが、高校生の防災訓練の連携先として自衛隊がなぜ含まれているのか、その経緯を改めて伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、平成二十四年二月に策定いたしました都立高校改革推進計画第一次実施計画に基づいて、防災教育を通して生徒の社会貢献意識と実践力を持つ人間を育成するため、災害発生時に中核的な役割を担う自衛隊と連携した宿泊防災訓練を実施することとしたものでございます。

○里吉委員 自衛隊も中核的な役割ということで、確かに災害時に自衛隊が大きな役割を果たしていること、これは私も十分認識しております。しかしほかの、国民に救急救命する、そういう仕事はしていないわけです。
 それから、そもそも自衛隊と連携した宿泊防災訓練、どこからこの話が来たか。これは、石原前知事が破壊的教育改革として、韓国は徴兵だがといいながら、青年を二年ほど自衛隊や警察、消防、青年海外協力隊に入れるべきだと主張したことに端を発しているわけです。
 二〇一二年四月十一日に開催された教育再生・東京円卓会議第三回目の議事録を読ませていただきましたが、当時の石原都知事が、教育は体罰だとか、刷り込みだとか、大人も自堕落になってきたとか、そういう話をした上で、政府がその気になってやってもらいたいなと思うのは、高三を卒業した年代で、二年間はやっぱり兵役、消防、警察、最低限、海外協力隊みたいなところに組織的な奉仕活動の体験をさせられたらいいと思うんですね、こういう発言をされています。
 当時の猪瀬副知事がそれに答えて、兵役とか、例えば消防とか、そういうインフラが足りないんですよ、消防の人に全部の高校生を任せるインフラがないんですね、それでことし考えたのは、体育館に被災地の状況と同じように、夏休みに体育館にとにかく何泊かするという発言をしました。
 今の猪瀬知事が、石原前知事の主張を都立高校の宿泊防災訓練で実現しましたと述べています。高校生が防災からいかに身を守るか、防災訓練を行うかという話からスタートした防災訓練ではないのです。そして、昨年は施設の関係で自衛隊には泊まれなかったけれども、ことしは田無工業高校の男子生徒三十三人を朝霞駐屯地に宿泊させることができたというわけです。
 自衛隊の任務は自衛隊法に定められております。宿泊訓練を行う根拠法令は何でしょうか。具体的に自衛隊法のどこに基づいているのか伺います。

○金子指導部長 防衛省陸上幕僚監部広報室に確認いたしましたところ、防衛省設置法第四条十七号に基づき実施したと伺っております。

○里吉委員 防衛省設置法第四条十七号には何と書いてあるんでしょうか。

○金子指導部長 防衛省設置法第四条、防衛省は、次に掲げる事務をつかさどるとしまして、十七号には、防衛に関する知識の普及及び宣伝を行うことと定められております。

○里吉委員 防衛に関する知識の普及、宣伝を行うこと、その目的で宿泊訓練が行われたということですね。全く防災とは関係ないではありませんか。
 それで、今回、宿泊訓練、東京地方協力本部から朝霞駐屯地に隊内生活体験についての依頼を行っています。この依頼書も私、入手いたしましたが、この地方協力本部はどのような任務を持っているところなのか、改めて伺います。

○金子指導部長 自衛隊法第八十三条、災害派遣には、天変地異やその他災害に際して部隊を派遣し、救助、救援に当たることが定められております。この活動は防衛の際にも求められるものであり、自衛隊の所掌事務である防衛に含まれるというものでございます。

○里吉委員 今の答弁ですが、教育庁さんはそういう思いでいらっしゃるのかもしれませんが、先ほどご答弁いただいたように、防衛省に聞いたら違う答弁だったということですよね。根拠法令を自衛隊そのものに聞いたときに返ってきた答えは、最初にいった、防衛に関する事務というところが該当するという答弁だったということで、それで教育委員会は違う見解を持っているということですか。

○金子指導部長 防衛省陸上幕僚監部広報室に確認しておりまして、防衛省設置法第四条十七号の防衛に防災は含まれるかという点と、自衛隊法第八十三条、災害派遣に定められていることにつきましては、防衛省陸上幕僚監部広報室にいずれも確認をいたしております。

○里吉委員 この防衛の中に防災が含まれるという見解をいただいたということでよろしいでしょうか。

○金子指導部長 そのとおりでございます。

○里吉委員 ちょっと苦しいかなと思いますが、次に行きます。それは後でまた議論したいと思います。
 先ほど質問しましたが答えていただいていませんので、もう一度質問いたします。今回の宿泊訓練については、東京地方協力本部から朝霞駐屯地に隊内生活体験についての依頼が行われております。これは生徒三十三名と、それから付き添いの教員の皆さん、それから教育庁の皆さんが宿泊をする際に、この申し入れ、依頼を行っているんですね。この東京地方協力本部というところは、どんな任務を持っているところなのか伺います。

○金子指導部長 防衛省陸上幕僚監部広報室に確認をいたしましたところ、自衛隊地方協力本部の組織等に関する訓令第一条に基づき、東京地方協力本部は、部外との連絡及び協力に関すること、広報に関すること、自衛官等の募集に関することなどを任務としていると伺っております。

○里吉委員 外部との連絡及び協力に関すること、広報に関すること、自衛隊の募集というご答弁でした。それで、この朝霞駐屯地やその他の駐屯地で自衛隊以外の方が宿泊する、こういう例がほかにどういうものがあるのか、私、調べてみましたが、大学生等サマーツアーなど、自衛隊生活体験ツアーというのがございました。
 私は防衛省の方に出向きまして、申し入れと懇談を行ってまいりました。このときに、都立高校生が駐屯地に宿泊するというのは大変珍しいケースだと思うが、ほかにこのような宿泊は過去にあったのかと伺ってまいりました。広報の方が対応されたんですが、全ての駐屯地を調べたわけではないが、自分はほかの例は知らないと。広報担当の方は、今回の宿泊訓練は東京都教育委員会から申し入れがあったので引き受けたと。防衛省としては、自衛隊について広く国民に広報することが必要だと考えているので、できるだけ協力することが基本的な考え方だとおっしゃっておりました。
 そして、ここは自衛隊員の募集もしているところですから、高校生が隊内体験してくれるということで、これはぜひということだったんじゃないかと思うんですね。
 消防庁が行った訓練と自衛隊が行った訓練と、私はそれぞれ特徴があって違いがあるということも具体的に調べてまいりましたが、教育委員会としてはどういう違いがあったのか、それぞれの特徴、違いについてお答えください。

○金子指導部長 東京消防庁からは、D級ポンプを使った初期消火や心肺蘇生法など応急救護の方法を学び、自衛隊からは、応急担架の作製、搬送、ロープワークなど災害支援に関する知識、技能を初め、被災地の復興に向けた隊員の強い志を体験の中から学んでおります。

○里吉委員 最後の方で今、自衛隊員から強い志と殊さらおっしゃいましたけれども、これは消防や赤十字の方だって、被災地の復興に向けた隊員の強い志は持っていると思いますよ。
 それで、二つの訓練の違い、私、ここではっきりといたしますが、都教委からいただいた資料、それから防衛省からいただいた資料、これ、比べてみますと、自衛隊は独自の訓練として基本教練、敬礼とか行進など自衛隊の基本的な動作の訓練が二時間行われております。また、避難呼集、そして駐屯地内行進がありました。行進は約四十五分行われていました。これらは、大学生などが自衛隊生活体験を行うときに、そこの中で行われていたプログラムです。軍隊のまねごとのような訓練、防災訓練のメニューの中でやっているのではないかと思いました。
 さらにいえば、田無工業高校の行った訓練については、陸上自衛隊隊内生活体験申込書、高校から出されていて、行動予定表には、初日の朝は着隊式が行われて、最終日のお昼には離隊式、行われております。都教委としては防災ということでこれを行っているんだということかもしれませんが、これは自衛隊としては、軍事を専門とする防衛のPRですね。自衛隊にすれば、ここで訓練した高校生、ぜひ入隊してもらいたいということだって当然あると思います。
 一方で、東京消防庁の訓練には、D級ポンプ訓練がありました。私が視察した高校では、この訓練後、この地元の住民の皆さんが行う防災訓練に参加する予定だというふうに伺いました。防災教育という点でも、いざというときの実習という点でも、自衛隊とわざわざ連携する必要性は全くありません。
 基本的に自衛隊の任務は、国を防衛することです。災害時に派遣されることはもちろんありますが、国民に救急講習を行うための専門家がいるわけではありません。保護者や教員を初め都民の中から、軍事訓練を行う組織に子供を連れて訓練を受けさせることは自衛隊の教育活用となり、やめるべきだと声が出されるのも当然だと思います。
 そして、来年二月の自衛隊との二泊三日の訓練は、今回は東京スポーツ文化館BumBで行うと伺いましたが、今後、駐屯地で行うことはないのか、行うべきではないと思いますが、見解を伺います。

○金子指導部長 来年二月の宿泊防災訓練はBumB東京スポーツ文化館で行います。
 次年度も自衛隊の駐屯地における宿泊防災訓練は実施する予定でございます。

○里吉委員 高校生が防災教育を受けることは重要なことだと思いますが、改めて、今、質疑をしてまいりました中身を見ましても、軍事を専門とする自衛隊と訓練を行う必要は全くなく、これは何としても中止することを強く求め、陳情は採択を主張して質問を終わります。

○小松委員 既に他の委員から出された質問もありますが、ご答弁よろしくお願いいたします。
 ただいま他の委員の質疑から、なぜ自衛隊朝霞駐屯地で宿泊防災訓練を行うことになったのか、その経緯については、都立高校改革推進計画第一次実施計画に基づいて実施されたとのことでした。この実施計画は昨年二月策定とのことですので、宿泊訓練はことしで二回目になりますが、昨年度は自衛隊と連携した学校はなく、ことしの田無工業が最初で唯一のケースです。
 宿泊防災訓練は全ての都立高校で実施され、そのうち防災教育推進校十五校では、他の連携先機関の施設に宿泊しているとのことです。しかし、連携先はほとんどが消防庁であり、ことし、日本赤十字社と自衛隊が加わっています。
 今年度、東京消防庁消防学校と連携しているのは足立工業、六郷工科、つばさ総合、八潮、三宅、神津、杉並総合、調布南、八王子北、南平、久留米西の十一校、日本赤十字社と連携しているのは農芸、板橋、府中西の三校であり、田無工業だけが自衛隊となっています。
 それでは質問ですが、今回の宿泊防災訓練を自衛隊朝霞駐屯地で行った目的、何か伺います。

○金子指導部長 宿泊防災訓練は、災害発生時に、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに避難所など地域の防災活動に貢献できる、自助、共助の心を持った人間を育てることを狙いとしております。
 朝霞駐屯地での宿泊防災訓練では、自衛隊員から防災にかかわる知識や技能を体験的に学ぶだけでなく、集団での規律やルールを学び、災害時における実践力を育成することが目的でございます。

○小松委員 一般の宿泊行事と同様、保護者の同意が前提と伺っています。田無工業の場合も保護者の同意が得られた生徒だけの参加と聞いています。結果的にその規模はどのくらいだったのでしょうか。自衛隊朝霞駐屯地で行った宿泊防災訓練に参加した生徒数及び引率者の人数について伺います。

○金子指導部長 当日参加した生徒は、校内の防災活動支援隊の生徒三十四名、引率した学校職員は六名でございました。
 朝霞駐屯地の受け入れ体制の関係で、今回の宿泊防災訓練に参加できなかった生徒百五十六名は、平成二十六年二月にBumB東京スポーツ文化館で自衛隊と連携して実施する宿泊防災訓練に参加するものでございます。

○小松委員 それでは、朝霞駐屯地で行った宿泊防災訓練の内容について、実際にどのようなものだったのかお伺いします。

○金子指導部長 朝霞駐屯地で行った宿泊防災訓練の主な内容は、応急救護訓練、応急担架の作製、搬送、ロープワーク、止血法、包帯法などの実技と、阪神・淡路大震災や東日本大震災時の実際の災害派遣活動にかかわる防災講話などでありました。

○小松委員 ご答弁の内容とすると、自衛隊でなくても学べるような内容だと思います。なぜ駐屯地で訓練を受けなければならなかったのか理解できません。
 今後、自衛隊と連携した防災教育推進校の宿泊防災訓練を広げていくのかについてお伺いします。

○金子指導部長 自衛隊と連携した訓練では、防災にかかわる知識、技能の習得を初め、自衛隊員から被災地の復興に向けた隊員の強い志を講話の中から学ぶことができ、地域に貢献しようとする意識が向上いたしました。
 今後とも、自衛隊等と連携した宿泊防災訓練を推進してまいります。

○小松委員 防災教育推進校の宿泊防災訓練を実施する際には、自衛隊よりも地域の消防団等との連携こそ重要なのであり、推進すべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○金子指導部長 全ての都立高校が取り組む一泊二日の宿泊防災訓練では、これまでも学校が立地する地域の特性や実態を踏まえ、地域の消防団を初め関係団体と連携した訓練を実施してきております。今後も、防災教育推進校が行う二泊三日の宿泊防災訓練におきましては、自衛隊を初め東京消防庁や日本赤十字社と連携し、防災にかかわる専門的な知識や技能を身につけさせる取り組みを推進してまいります。

○小松委員 東日本大震災の経験が教育施策に残した教訓の一つは、防災教育の大切さです。災害に備えて日常的にさまざま準備しておくことや、災害時に生き延びるためのスキルを身につけること、それを学校の授業として行うことが必要であることはいうまでもありません。
 一方、自衛隊は、国際法的には軍隊とみなされ、災害被災地に赴いて救助救援活動を担うことがあるものの、他の国の紛争地帯に派遣され軍事的な活動に従事することもある組織であり、教育現場との連携には慎重でなければならないと考えます。
 今回の田無工業高校の訓練に関しては、学校長が決定し、保護者からの異論もなかったと聞いていますが、学校教育における防災訓練が自衛隊駐屯地で実施されなければならない必要性は、質疑を通して認められませんでした。高校生が災害時に行う地域貢献活動としては、自衛隊ではなく、地域の消防団や防災会との連携こそ進めるべきです。
 したがって、都議会生活者ネットワークとして、本陳情は採択すべきと主張いたします。
 以上です。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小竹委員長 起立少数と認め、よって、陳情二五第五二号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。

○小竹委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○小林生活文化局長 平成二十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております生活文化局関係の議案についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、条例案二件、契約案二件の計四件でございます。私から議案の概要をご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。お手元の資料第1号、平成二十五年第四回東京都議会定例会議案の概要をごらんください。
 表紙の次のページをお開きください。目次に今定例会に提出を予定している議案を示しております。
 初めに、旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、旅券法の一部を改正する法律が施行されたことに伴い、規定の整備を行うものでございます。
 次に、東京都計量検定所設置条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、来年一月の東京都計量検定所の移転に伴い、位置を改めるものでございます。
 続きまして、契約案についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しておりますのは、東京文化会館で行われる建築の改修工事、空調その他設備改修工事に係る契約案二件でございます。
 これらは、老朽化に伴う設備の更新や利便性、安全性の向上等を図るものでございます。
 以上で私からの議案の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○桃原総務部長 局長からの概要説明に引き続きまして、私から、今定例会に提出を予定しております議案の詳細についてご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 恐縮でございますが、お手元の配布資料の資料第1号、平成二十五年第四回東京都議会定例会議案の概要の表紙と目次をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。
 1、旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 (1)、改正理由をごらんください。旅券法の一部を改正する法律が施行されることに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 (2)の改正内容をごらんください。法改正により、旅券の名義人の氏名等に変更が生じた場合に旅券の記載事項を訂正する規定及びこれに関する手数料の規定が削除されることに伴いまして、東京都が徴収する手数料についての規定を改めるものでございます。条例第二条第二項中「記載事項の訂正若しくは」を削りますとともに、額を定めた別表の規定を整備するものでございます。
 なお、本条例の改正以前に申請された旅券の手数料に関する経過措置を附則に設けてございます。
 施行期日でございますけれども、(3)、施行期日に記載のとおりでございます。
 続きまして、二ページをお開き願います。2、東京都計量検定所設置条例の一部を改正する条例でございます。
 (1)、改正理由をごらんください。現在、港区海岸にございます東京都計量検定所は、老朽化が著しかったため、移転改築を進めておりまして、来年一月から新たな庁舎にて業務を開始する予定となってございます。このための規定を整備するものでございます。
 (2)、改正内容でございますが、本条例第二条表中、位置の欄を東京都江東区新砂三丁目三番四十一号に改めるものでございます。
 施行期日につきましては、(3)のとおり、平成二十六年一月一日としております。
 続きまして、契約案についてご説明申し上げます。
 今回提案を予定しております契約案は二件でございます。三ページの方をごらんいただきたいと存じます。
 まず、東京文化会館(二十五)改修工事請負契約でございます。工事場所は台東区上野公園五番四十五号、契約相手は清水・池田建設共同企業体でございます。契約金額は十六億二千七百五十万円、契約の方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成二十六年十一月二十一日まででございます。工事概要は、建築にかかわる改修工事一式でございます。
 次に、東京文化会館(二十五)空調その他設備改修工事請負契約でございます。工事場所は、同じく台東区上野公園五番四十五号、契約相手は新日空・五建・當木建設共同企業体でございます。契約金額は十四億六千四百七十五万円、契約の方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成二十六年十一月二十一日まででございます。工事概要は、熱源設備工事、空気調和設備工事、換気設備工事、自動制御設備工事ほかでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○小竹委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二五第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○関文化振興部長 祝日の国旗掲揚の呼び掛けに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 陳情二五第三七号、西東京市、稲垣賢吾さんからの祝日の国旗掲揚の呼び掛けに関する陳情でございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、都民に向けて、祝日には自宅に国旗を掲げましょうとの呼びかけをPRしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、国旗に関する法律として、国旗及び国歌に関する法律が制定されておりまして、第一条において、国旗は日章旗とすること及び日章旗の制式が規定をされております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古賀委員 これはいわずもがなのことなんですけれども、意見を簡単に申し述べます。
 この陳情者の、我が国に対する誇りと現状に対する憂いというものが伝わってくる思いがいたします。平成十一年の二月に、広島県で国旗・国歌に反対をする教職員組合の抵抗に悩んだ校長先生が自殺をするという痛ましい事件がありました。それを受けて、政府において、従来は、国旗・国歌は、成文法と慣習法の慣習法として長く定着してきている法的根拠もあるものとして、多くの国民が認めていたわけでありますけれども、法的根拠がないということを議会なんかで盛んに指摘する党派がありましたものですから、それではということで平成十一年の八月、先ほど説明にありましたように、国旗・国歌法が制定をされるということになったわけです。
 現在、地球上に幾つ正確に国があるかわかりませんけれども、国旗のない国というのはありませんね。在外公館、この東京にも大使館等たくさんありますけれども、必ずその国の旗、国旗を出しています。その国を象徴するものとして国旗を掲揚するということで、当然であります。
 これは独立とか主権をあらわす一つの表象として、誰もが尊重しなければいけないということであります。単なる目印じゃないということですよね。その国の歴史、伝統、文化、宗教、それから、その国の建国の理想とか理念、そういったものをあらわすものが国旗でありますので、これを、この陳情者がおっしゃっているように、旗日に掲揚するというのは、国旗を尊重する国民の気持ちとして当然のことであろうというふうに思います。しかし、そのことがなかなか実行されていないということから、この陳情が出てきたものだというふうに思います。
 皆さんもご存じだと思いますけど、日の丸の歴史というのは非常に古いんですね。建武の中興、後醍醐天皇の歴史で勉強いたしましたけれども、笠置山に行幸される折に、その後醍醐天皇をお守りする軍の旗印として用いられたという歴史が残っています。今の日の丸とほとんど同じ意匠です。
 今から七百年ちょっと前に、元寇の役、文永の役、弘安の役というのがありまして、大変な国難だったんですけれども、このときも国旗というのは日本で用いられているんですね。国旗といいますか、日章旗が用いられているわけです。時の征夷大将軍が日蓮上人に軍旗を考えてもらいたいという、意匠をつくってくださいということを命じられて、その折、日蓮上人が考えたのがこの軍旗、軍の旗、日章旗でありました。これは真っ赤な紅の日輪の中に、南無妙法蓮華経の七文字が配されていまして、日輪のその周囲には四天王などの像が描かれているわけです。
 その後も、有名な武将である武田信玄とか上杉謙信とか伊達政宗、それから豊臣秀吉、こういった人たちが日章の旗を用いています。
 それから、江戸時代になって、シャム国の内乱を鎮定して王様として処遇された山田長政、この山田長政も戦のときには日章旗を掲げていたということであります。
 それから、嘉永六年の日本に開国を迫ってペリーの艦隊がやってくる、それから外国の船も盛んに日本の近海に出没をするということから、外国船と日本の船舶を区別するために何か目印が必要だということから、当時の島津斉彬という薩摩藩主が、自分の薩摩藩の軍船に、帆かけ船ですから、帆に大きな赤い丸を描いて日章旗をつくり、そして外国と区別をする。
 さらに、船のへさきにも日の丸の小旗を立てたということから、これが外国船と峻別をするために必要だということで、江戸幕府によって御国総標というふうに定められて、それが明治になって、明治三年の正月二十七日に太政官布告、これ、今の内閣告示に当たるやつですね、もって郵船商船規則というものが公布されて、日の丸が日本の旗として布告をされたわけです。
 この布告によって、あらゆる船は国旗を掲揚するようになりました。それから、アメリカ合衆国の首都ワシントンの在外公館でも初めて、それに合わせて国旗が、日の丸が掲揚されるようになっております。これは明治四年のことです。だから、歴史はそれだけ長く続いてきているわけです。
 それから、明治五年になって、東京-横浜間に鉄道が開通します。これは吉村昭の「ポーツマスの旗」という本をお読みになった方はよくおわかりだと思いますけれども、当時、日の丸の旗を立てて、みんな開通を喜ぶわけです。当時、旗ざおがないので、測量に使った旗ざおを使った。それが白黒のまだらの旗ざおということで今日に伝わっているわけです。このときにかなり一般に日の丸が掲げられるようになった。
 その後、太陰暦から太陽暦に暦を明治政府が変えますので、そのときにも新しくお正月がやってくるということで、一般国民も誰からも命じられることなく、国民はこぞってそれぞれの門に、各戸ごとに日の丸の旗を立てて、新しく太陽暦に変わったお正月を迎えるということであります。
 だから、建国以来、日本は長い間この日の丸というものを尊重し、それが外国との交際等において、やはり制度として定めなければいけないということで、さまざまな要因はありましたけれども、今日に至っているということです。で、国旗・国歌法の制定ということになりました。
 この悠久の歴史を貫く日の丸の旗、いわずもがなのことだというふうに申し上げましたけれども、日本民族の理想をあらわしているものでありますから、白についても、赤についても、それぞれいろんな解釈がなされています。中心の深紅、赤はまさに日章ですけれども、民族の生命の根源をあらわすということで、人を愛するとか国を愛するとか情熱、真心の色ということになっていますし、純白の白は、潔白であるとか純真であるとか、公平、正義をあらわすということで、永遠に平和を祈念する日本人の、日本の国家の理想がそこにあらわれているわけです。
 私はこの陳情者の方がいっておられることは全く同感でありますし、国歌とともに、万邦に比類なき国歌であり国旗であるというふうに思いますので、ぜひ、これは採択してもらいたいというふうに私個人は、また私どもの会派は思いますけれども、会派間のいろいろ調整の中で、今回、継続の扱いが行われるやに聞いておりますけれども、その協議を尊重しておきたいというふうに思います。
 以上、意見を申し上げました。

○里吉委員 今回の陳情は、東京都で都民に祝日には自宅に国旗を掲げましょうというPRをしてほしいとの陳情です。この陳情について意見を申し上げます。
 先ほど理事者から国旗・国歌法のご説明がありました。国旗・国歌が法律で定められているということは、国が公的な場で国の象徴として公式に用いることを意味するものであり、国民への強制は許されていません。この原則は民主主義の当然のルールです。
 政府も一九九九年の国会答弁で、当時の小渕恵三首相が法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し義務づけを行うことは考えておらず、したがって、国民の生活に何らの影響や変化が生じることはないと表明してきました。法制定時にも、義務づけとか尊重規定を入れるべきという議論がありましたが、当時の自民党に対する答弁で、国務大臣は、憲法十九条の思想及び良心の自由の関係を十分踏まえなければならないと答弁いたしました。
 先ほど生活文化局よりご説明のありましたとおり、国旗は日章旗、国歌は君が代とするだけの法律となっております。日本に限らず世界のどこでも、国旗に込められる意味合いは、その時々の状況や社会情勢、歴史的背景、個人個人の世界観や考え方によりさまざまです。自国のスポーツ選手を応援するために国旗を振る人もいらっしゃいます。また、時の政権への支持、不支持を意味することもあります。
 日本では、日の丸が侵略戦争の歴史につながる、また、悲惨な戦争を思い出させることから抵抗を感じる人もおり、その気持ちを否定することはできません。
 陳情者は、祝日には国旗を掲げるのが国民として当然、掲げないのはゆゆしき問題だと主張していますが、国旗を掲げるかどうかは個人の問題であり、東京都がPRするような内容ではありません。
 したがって、日本共産党は、この陳情は不採択を主張いたします。しかし、理事会の中で継続審議という対応が図られるということはお伺いしておりますので、それは尊重したいと思います。
 以上で意見といたします。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、よって、陳情二五第三七号は継続審査といたします。

○小竹委員長 次に、陳情二五第四七号及び陳情二五第五八号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○武市私学部長 公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情及び高等学校等就学支援金制度等の維持・拡充を求める意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。お手元に配布しております陳情審査説明表の二ページをごらんください。
 陳情二五第四七号、調布市の東京都公立高等学校定通PTA連合会会長,池見恒太さんから提出されました、平成二十六年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、公立高等学校定時制、通信制の教育振興のために、都における現行の奨学金制度の維持拡充を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、東京都では、勉学意欲がありながら、経済的な理由により修学が困難な生徒に対しまして、東京都育英資金条例に基づき育英資金貸付事業を実施しております。平成二十六年度につきましても、今年度予算とほぼ同規模の予算要求を行っております。
 続きまして、三ページをお開きください。陳情二五第五八号、千代田区の東京私立学校教職員組合連合代表、鴨志田勇さん外六十一人から提出されました、高等学校等就学支援金制度等の維持・拡充を求める意見書の提出に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、国の平成二十六年度予算編成に当たり、高等学校等就学支援金制度、私立高等学校等経常費助成費補助について、維持拡充を求める意見書を国に提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、東京都は、学校に対する経常費補助を通じて授業料の抑制を図りますとともに、所得に応じて授業料の一部を補助する特別奨学金制度を実施し、国の就学支援金制度とあわせまして保護者の経済的負担の軽減を図っているところでございます。
 国の高等学校等就学支援金及び私立高等学校等経常費補助金につきましては、私立学校の教育条件の維持向上、公私格差是正の観点から、保護者の経済的負担の軽減がより一層図られますよう、国に対して就学支援金制度の拡充及び経常費補助の充実を要望しているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 陳情二五第四七号中、教育庁所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、簡単に質疑と意見を申し述べたいと思います。
 この陳情は、高等学校就学支援金制度等の維持拡充を求める意見書を国に出すことを求めております。今、なぜこの陳情が出されたのかといえば、国で高校授業料無償化に所得制限が導入されるという動きの中で、私立高校に通っている子供たちへの影響はどうなるのか、来年度予算で教育費無償化へ取り組んでいくという流れがさらに進むように、国に働きかけてほしいということだと思うんですね。
 そこで、国は所得制限を導入して低所得層へは支援を拡充するとしていますが、その場合は、東京都が現在行っている低所得層に対しての支援はどうなるんでしょうか。授業料以外にも学費負担はあります。東京都の補助を減らすことなく拡充すべきと思いますが、見解を伺います。

○武市私学部長 国の就学支援金制度は、現在、見直しが進められている状況にございます。このため、都の特別奨学金制度につきましては、国の制度改正の状況を注視しつつ、今後の対応を検討してまいります。

○里吉委員 昨日、参議院では、高校無償制度の廃止法案が委員会で可決されました。国の試算では、二割を超える高校生が就学支援金の支給対象外になるとしています。高校授業料無償化への明らかな逆行です。
 陳情書にもあるように、高校の機会均等を保障する観点でいえば、東京都では補助を減らすことなく、拡充することを求めておきます。
 また、東京都としても公私間格差是正に向けて引き続き取り組むべきだと思いますが、確認します。見解を伺います。

○武市私学部長 都はこれまでも、公私格差の是正を図る観点から、学校に対する経常費補助を通じて授業料の抑制を図るとともに、保護者の所得に応じて特別奨学金を支給するなど、私立高校生の修学支援に取り組んできたところでございまして、今後とも適切に対応してまいります。

○里吉委員 今までも取り組んできたし、今後も適切に対応するとのご答弁でした。
 先日の事務事業質疑でも質問させていただきましたが、東京は約六割の高校生が私立に通っているという点からも、東京都としても、さらに授業料無償化に向けて、例えば入学金の支援など、さらなる拡充を改めて求めておきます。
 さて、日本政府が二〇一二年九月に経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第十三条二項(b)、(c)の規約に係る留保を撤回し、高校、大学の無償教育を漸進的に導入すると国際的に宣言をいたしました。今回の陳情では、このことを受けて、国に対し高等学校就学支援金制度の拡充を求めております。
 改めて、今、世界で高校授業料の無償化がどこまで進んでいるのか調べてみました。十一月六日、衆議院文部科学委員会で我が党の宮本議員が明らかにした最新の調査結果によりますと、現在、OECD三十四カ国で高校の授業料を徴収している国は三カ国です。三十一カ国は不徴収。しかも、授業料を取っている中でもイタリアは十五ユーロ、年間授業料約二千円程度だということです。また、韓国は来年度から順次、高校授業料を無償にすると。二〇一七年までに全体で高校授業料の無償化を実現するそうです。もう一カ国はスイスですが、有償は一部の州であって、あとは無償であるということでした。後期中等教育の無償化が名実ともに世界の流れであることは明らかです。
 また、国は、低所得家庭への援助は厚くするといいますが、それは高校生支援の予算をふやさずに行うということで、これは問題だと思います。
 現在、日本はどれだけ教育に予算をかけているのか。二〇一〇年の日本の国内総生産に占める教育機関への公的支出は三・六%で、加盟国で比較可能な三十カ国中、最下位。最下位は四年連続です。高額所得者には学費など負担してもらってもいいのではないかという議論もありますが、高額所得者の方には、所得にふさわしく税を負担してもらう。そして、全ての子供の学びは社会全体で応援していくべきです。
 以上を述べまして、陳情については趣旨採択を主張して、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二五第四七号をお諮りいたします。
 本件中、第一項及び第六項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二五第四七号中、第一項及び第六項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情二五第五八号をお諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小竹委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二五第五八号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後三時二十七分散会

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