委員長 | 畔上三和子君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
副委員長 | 山内れい子君 |
理事 | 中村ひろし君 |
理事 | 栗林のり子君 |
理事 | いのつめまさみ君 |
野上ゆきえ君 | |
関口 太一君 | |
小山くにひこ君 | |
鈴木 勝博君 | |
野上 純子君 | |
きたしろ勝彦君 | |
古賀 俊昭君 | |
村上 英子君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化局 | 局長 | 小林 清君 |
総務部長 | 遠藤 雅彦君 | |
広報広聴部長 | 横山 英樹君 | |
都民生活部長 | 飯塚美紀子君 | |
消費生活部長 | 藤井 秀之君 | |
私学部長 | 榎本 雅人君 | |
文化振興部長 | 関 雅広君 | |
都政情報担当部長 | 梅田 弘美君 | |
男女平等参画担当部長 | 菊地 俊夫君 | |
文化施設改革担当部長 | 北村 俊文君 | |
スポーツ振興局 | 局長 | 細井 優君 |
次長理事兼務 | 岸本 良一君 | |
総務部長 | 中山 正雄君 | |
スポーツ事業部長 | 板垣 一典君 | |
スポーツ施設担当部長 | 三浦 隆君 | |
スポーツ祭東京推進部長 | 川合 純君 | |
大会運営担当部長 | 松村 博君 | |
招致推進部長 | 松永 竜太君 | |
広報戦略担当部長 | 早崎 道晴君 | |
競技計画担当部長 | 延與 桂君 | |
施設計画担当部長 | 福田 至君 |
本日の会議に付した事件
スポーツ振興局関係
事務事業について(質疑)
生活文化局関係
事務事業について(質疑)
○畔上委員長 ただいまより文教委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局及び生活文化局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これよりスポーツ振興局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○中村委員 それでは、スポーツ振興局の事務事業について質問します。
平成二十二年七月、都は、都のスポーツ振興をより一層総合的に推進するために、障害者スポーツなど複数の局で所管していたスポーツ施策を国に先駆けて一元化し、スポーツ振興局を設置しました。その後、全国初となる東京都障害者スポーツ振興計画の策定や、都民体育大会と東京都障害者スポーツ大会の合同開会式の開催等、障害者スポーツと一般スポーツの施策を一体的に展開し、障害のあるなしにかかわらず、だれでも身近な地域においてスポーツを楽しめる環境の整備に努めています。
しかし、実際、スポーツ振興局の職員の多くは、国体とオリンピックの担当になっています。特殊なイベントがあるという状況は承知していますが、都民が日常的にスポーツに親しみ、そうしたすそ野の広がりがあってイベントもあるわけですから、幅広く取り組んでいただきたいと思います。事実上、部が局に昇格になったわけですから、他局と連携しながら全庁的な取り組みを進め、都民の生活の質の向上につなげていただきたいと思います。
やはりスポーツは特別なものではなく、生活の一部、ゆとりや豊かさにつながるようなまちづくりを求める必要があり、教育や産業振興、福祉、医療、まちづくりなど、さまざまな分野の政策と相乗効果を発揮させていくべきと考えますが、所見を伺います。
○板垣スポーツ事業部長 スポーツ振興局では、これまでも東京都スポーツ振興基本計画に基づきまして、教育庁、産業労働局、福祉保健局等、庁内各局と連携を図りまして、各施策の相乗効果を発揮させながら、都民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを通じて健康的で豊かな生活を送ることができるよう、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
さらに、現在、都は、スポーツを通じて日本の復興を後押しするとともに、スポーツ祭東京二〇一三から二〇二〇年オリンピック・パラリンピックへと都民が一層スポーツに親しめる環境を整備していけるよう、東京都スポーツ振興基本計画の改定作業を行っております。この改定に当たりましても、庁内検討委員会を設置いたしまして、庁内各局とのさらなる連携を図りながら新たな計画づくりを進め、今後一層、都におけるスポーツの力を総合的に発揮して、スポーツ都市東京の実現に取り組んでまいります。
○中村委員 ぜひ各局とも協力しながら、全庁的な取り組みで進めていただきたいと思います。
さて、スポーツには大きく社会や人を変える力があります。スポーツの意義は健康増進含めてさまざまありますが、例えば非行少年についてスポーツを通じての社会復帰や更生を求める福祉的側面に取り組む国もあるようです。
都では青少年の更生については他局が担当しているかもしれませんが、そうしたスポーツが持つ力がいろいろな場面で効果を発揮できることから、常に新たな視点を持って取り組んでいただきたいと思います。
さて、都内では各地域でも都市化が進み、子どもが簡単に遊べる場所もありません。都のスポーツ施設は大きなものを幾つか持っているだけで、多くは建設局の都立公園の中にあります。都全体としてスポーツ施設をどう整備していくかという計画について、スポーツ振興局が取り組んでいくことが必要ではないかと考えますが、所見を伺います。
○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ振興局では、東京都スポーツ振興基本計画に基づき、都民の身近なスポーツ活動の場である市区町村の施設との役割分担を踏まえ、地域や市区町村を超える全都、全国的なスポーツ大会や国際大会も開催できる広域的な機能を重視したスポーツ施設の整備に取り組むことを基本方針としております。
また、建設局が所管する都立公園内の施設は、公園の立地特性等に応じて環境保全や防災、景観形成、レクリエーションなど公園の機能を適切に発揮できるよう多角的に計画されており、その中で運動施設については、都民が気軽に利用できる施設として設置されております。
これらの都や市区町村のスポーツ施設が、おのおのの目的や役割を踏まえ相互にその機能を補完することにより、スポーツの力を総合的に発揮し、都民の多様なスポーツニーズにこたえてまいります。
○中村委員 昨今では、スポーツでもいろんなところで注目されていますので、例えば都立公園の整備等をすると、野球場が欲しいとかサッカー場が欲しいとか、また昨今ではバスケットコートが欲しいとか、いろんな声とか要望が出てきます。建設局だけでなかなかその声が拾い上げられるかというところもありますので、例えばそういう整備があるときには、スポーツ振興局もそういったスポーツをやる人の声を受けとめていただいて、そういったところに反映されるようにしていただきたいというふうにも思います。
さて、そういった意味では、種目によっては会場を確保するのに本当に苦労しているという話も聞きますから、新しく独立した局をつくったわけですから、積極的に他局とも連携しながら、場の確保に取り組んでいただきたいと思います。
さて、障害者のスポーツは福祉保健局から移ったという意義はありますが、都が持っているのは二カ所センターはありますが、健常者と違い、長距離の移動はなかなかできないので、どうしても利用される方の多くは近くの市区の障害者の方になります。全都的な取り組みになっているということがいえるかどうかということは、考えていかなければならないと思います。
そこで、市区町村と連携、支援をして、障害のある方が都内どこに住んでいてもスポーツを楽しめるようにすべきと考えますが、所見を伺います。
○板垣スポーツ事業部長 ご指摘のように、障害のある人が気軽にスポーツに親しむためには、市区町村等の身近な地域における障害者スポーツの場づくりが重要でございます。
このため、都内二カ所の障害者スポーツセンターでは、障害者スポーツの中核施設として、日常の施設利用支援やスポーツ教室の開催など各種事業を展開しておりますが、それだけでなく、より身近な地域でスポーツに親しんでいただけるよう、市区町村や地域の福祉施設等から障害者スポーツ教室等の運営協力の依頼があった場合には、センター職員が地域に出向き、地域でスポーツができる環境づくりの支援を行っております。
さらに、これと並行いたしまして、都では、障害者が身近な地域でスポーツに親しむことができますよう、新たな場の開拓整備を進めております。具体的には、地域開拓推進員を新たに設置いたしまして、市区町村や地域スポーツクラブを訪問し、地域の実情に応じたスポーツ教室等の企画、提案、実施までをサポートするという地域開拓推進事業を二十三年度からモデル事業として実施し、今年度からは本格的に展開してございます。
これによりまして、これまでに十月三十一日現在で三十八団体において七十事業の実施に結びつくことができました。今後とも、障害のある人が身近な地域で気軽にスポーツを楽しめるよう、地域の開拓に努めてまいります。
○中村委員 区市町村との連携や、また福祉施設からの協力ということでの連携というお話がありました。また、その他にも、各地域にはいろいろ障害者の方を支援するさまざまな団体もありますから、そうした団体の行事等に参加することでスポーツに接する機会が多いかと思いますので、そうした福祉団体に障害者のスポーツに関して積極的にPRをして、活動の提案ができるようにしていただきたいというふうに思います。
次に、スポーツ祭東京二〇一三について伺います。
多摩地域では、多摩地域が中心に行うという意識も強くて、多摩国体という方も多くいます。多摩の市町村が取り組む東京での国体の開催が来年に間近に迫ってきました。
ことしはリハーサル大会が都内各地であり、私の三鷹市でもアーチェリーやサッカー、ソフトボールが開催され、観戦もいたしました。ソフトボールでは、週末、近所のグラウンドで見るのとは違って、全国レベルの選手が投げるボールを間近に見ることができ、やはり実際に見てみるのでは違うなという思いもいたしました。
ただ、一方では、その関心度というのはそれぞれの人に温度差がありますので、これは国体が年一回、全国の都道府県が持ち回りで開催をしていますが、そういった昨今では国体開催の意義が問われることもあり、国民の間でも温度差があり、さまざま意見があるように思います。そこで、東京で国体を開催することの意義と効果について改めて伺います。
○川合スポーツ祭東京推進部長 国民体育大会は、二万人以上の選手、監督が参加する我が国最大のスポーツの祭典として、国民の健康増進と体力の向上、スポーツの普及発展や地域づくりの推進に大きく寄与してまいりました。
東京で国体を開催することにより、都を代表して出場する選手の競技力が向上するだけでなく、トップアスリートの活躍を目の当たりにすることなどにより、多くの都民がスポーツに親しむきっかけにつながると考えております。
東京におきましては、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会をスポーツ祭東京二〇一三という一つの祭典として開催し、障害のある人とない人が相互に支え合う社会の実現を目指しております。また、この大会は、単なる競技会の開催にとどまらず、多摩・島しょ地域を初めとする東京の多様な魅力を全国に発信する絶好の機会となると考えております。
開催の準備に当たりましては、大会運営ボランティアなどの都民参画を進め、大会期間中、全国から集まる選手、観客の皆様を温かいおもてなしの心でお迎えさせていただきます。こうした取り組みにより、スポーツ祭東京二〇一三を都民、国民にスポーツの夢と感動を伝える最高の大会としてまいります。
○中村委員 今、意義と効果の方については伺ったわけですけれども、いずれにしても、国体にかかわらず、いろいろ事業費がかかるイベントについては、そういった効果については常に検証することは必要かと思いますので、そういったこともお願いします。
ただ、もちろんこれから開催する大会ですから、できるだけ多くの方に趣旨をPRしていただけるよう努めていただきたいと思います。そこで、より多くの都民に国体の開催について理解してもらうためには、大会のPRを工夫して行うことが重要と考えますが、所見を伺います。
○川合スポーツ祭東京推進部長 多くの都民の皆さんに大会を知っていただくために、これまで開催競技や注目選手の紹介など、さまざまな形で国体競技の魅力をPRしてまいりました。特に大会開催までのこの一年間は、大会を周知する上でとりわけ重要な時期となります。このため、競技会のPRだけではなく、多様な広報活動を展開していきたいと考えております。
具体的には、都民参加によるゆりーとダンスコンテストや都内産の食材を活用したグルメ紹介イベントなどを継続的に実施していくとともに、情報提供やグッズ販売を行う広報拠点を設置するなどして、幅広い層の都民に訴えかけてまいります。こうした取り組みを時期をとらえて効果的に展開し、市区町村の取り組みとも連携して、スポーツ祭東京二〇一三の魅力を都民の皆さんの間に浸透させてまいります。
○中村委員 いろいろと注目選手の紹介などさまざまなPRをしているというお答えもありましたが、都道府県別の代表者が優勝を目指して競うわけですから、この自分の住んでいる東京都に、ましてや自分の住んでいる市区町村の代表が出ているということはもっともっと知っていただければ関心も高まるであろうと思いますので、そういったPRも工夫していただきながら、また、このスポーツ祭東京二〇一三を成功に導いていただきたいというふうに思います。
来年は大会本番を迎えることになるんですが、競技会を運営する市町村の財政負担は相当なものになるということも予想されます。地元の自治体の方ではかなり多くの人を出したりもしますし、市長会からも要望がありましたので、できるだけ市町村の負担を軽減していただくよう求めまして質問を終わります。
○村上委員 私からは、まず初めに、高齢者を対象としたシニアスポーツについてお伺いをいたします。
高齢化の進展に伴い、シニア世代の方々がいつまでも健康で生き生きと活動できるようにしていくことが、今後ますます重要になってきています。シニアの方々がお幾つになっても明るくはつらつとしている地域は、地域全体が活気に満ちているといえます。
都は、いつでも、どこでも、だれでも、いつまでもスポーツに親しめる、スポーツ都市東京をつくっていくことをスポーツ振興の目標としており、シニア世代のスポーツ振興も重要な政策目標の一つです。シニアの方々がスポーツを通じて活発に活動することにより健康を維持し、一層長生きしていただける明るい社会をつくっていくため、今年度から我が党の提案を受けて開始したシニアスポーツ振興事業について、初年度の実施状況についてお伺いをいたします。
○板垣スポーツ事業部長 都では、スポーツへの興味、関心を喚起し、都民の生涯を通じたスポーツへのかかわりを促進するため、さまざまなスポーツに参加する機会の創出に取り組んでおります。
お話のように、平成二十四年度におきましては、高齢者のスポーツ実施率の向上を図り、もって高齢者の健康の維持増進に寄与することを目的に、高齢者を対象としたスポーツ振興事業を新たに開始いたしました。本事業は、スポーツに関する講演会、講習会を初め、各種スポーツの競技会などに対し、おおむね三分の二以上が六十歳以上の都民を対象とするなどの要件を満たせば、競技種目を問わず支援する事業でございます。
今年度は、東京都体育協会や東京都スポーツ文化事業団に対し、ゲートボール大会、グラウンドゴルフ大会、健康体操講習会など全都で合計百四十五事業の申請がございまして、現在、各地域で順次開催をされております。各大会の参加者からは、これまで光が当たらなかったシニアスポーツに光が当たり大変感謝しているとの声が届いてございます。
○村上委員 今のご説明で、事業開始初年度にもかかわらず、都内各地域から百四十五事業もの申請が寄せられて、実績が上がっているということがよくわかりました。また、ご答弁の中で、三分の二以上が六十歳以上の高齢者がいるスポーツであれば、何の種目でも大丈夫であるということですから、多分これからさらに要望は高まってくるだろう、こんなふうに思います。
これから一層進展する高齢社会において、シニアの方々に生きがいを持って元気に過ごしていただくということは、社会全体にとっても極めて重要なことだと考えます。そのためにも、もっともっと身近な地域でスポーツに取り組める環境を整えていけるよう、本事業のさらなる充実を期待申し上げます。
こうした取り組みは、シニア世代を初め、多くの都民がスポーツへの参加意欲や関心を持つことにつながります。スポーツへの関心が高まると、目の前でトップアスリートによる最高のプレーを見てみたい、感動を味わいたいという気持ちにもつながっていくものです。
とりわけ、シニアの皆さんにとっては、二回目の日本開催のオリンピック・パラリンピックをぜひ見たいという思いもお持ちだというふうに私は伺っております。現在、東京が開催を目指しているオリンピック・パラリンピックは、その最たるものであります。そこで次に、オリンピック・パラリンピック招致について質問させていただきます。
オリンピック・パラリンピック招致委員会が実施したロンドン・オリンピック直後の支持率は六六%でした。今月六日に発表された支持率調査においても支持率は六七%となっており、ロンドン・オリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍やさまざまな招致活動を通じて、都民、国民の皆様の支持は一定レベルを保っているといえます。
ここにいただいた調査資料を見ますと、五月二十四日にIOCが調査をしたときには、賛成が四七、反対が二三、そしてその後、招致委員会が七月十四日から二十二日の間に調査をしていただいたのが、賛成が五八、反対が一六、そして、今回、六日に調査を行っていただいたのは、賛成が六七、そして反対が一三ということでございますから、この調査の結果を見ただけでも、賛成が確実に上がってきている、伸びてきている。そして、それと同時に、反対が本当に減ってきているという状態がこの調査の結果を見てもわかります。
こんな中で、今後、支持率をさらに、やはり今の六七%で満足することではなくて、七〇%から八〇%、さらには九〇%を目指して伸ばしていくように取り組んでいくべきと考えます。
支持率向上の一つの取り組みとして、東京都議会オリンピック・パラリンピック招致議員連盟では、都民、国民の皆様と一体となった招致活動を進めたい、そういう思いから九月から署名活動を実施しているところです。署名活動では、東京都町会連合会を初め、各種団体の皆様にご協力をいただいています。各種団体の皆様が積極的に招致支援活動をしていただき、わずか一カ月余りで、きのうの段階では約二十四万人の署名が、そして昨日、私も受け取りましたけれども、十一万五千人の署名をプラスさせていただくと、本日現在で三十五万人の署名が集まっているということです。また、東京都町会連合会では、さらに百万人の署名を目指して取り組んでいると聞いています。
このようなオリンピック・パラリンピック招致の署名が多数集まっている事実を確実に支持率向上に結びつけていくべきと考えますが、都のご見解をお伺いいたします。
○早崎広報戦略担当部長 都民、国民の皆様の自主的な活動により、オリンピック・パラリンピック招致のため、短期間にこのように多くの署名が集まったことについて深く感謝申し上げるとともに、このことを招致機運の一層の盛り上げにつなげていきたいと考えています。
都としては、オリンピック・パラリンピック招致議員連盟の皆様、オリンピック・パラリンピック招致委員会と連携し、集まった貴重な署名について、十二月上旬を目途に、都庁において、その思いをしっかりと受けとめる場を設定させていただきたいと考えております。さらに、これを広く周知することで、集まった署名による都民、国民の皆様の声援を確実に招致PRに結びつけ、支持率向上を図ってまいります。
○村上委員 すばらしい答弁ありがとうございました。都は、署名をしていただいている方々の思いをしっかりと受けとめるべきと考えます。そして、こうした場を活用して、オリンピック・パラリンピック招致を願う多くの都民、国民の声を機運醸成につなげていただきたいと思います。
IOC世論調査は、ことし十二月から来年一月の間にかけて行われると伺っております。調査まで残された期間は本当にわずかであり、機運醸成の取り組みのための最終段階を迎えていると考えます。
石原前都知事が十月三十一日をもって退任したところですが、石原前都知事が退任したことにより、招致に対する不安が高まっているのも事実です。その不安を払拭するためにも、署名を受け取る場を活用すべきと考えます。開催都市決定まであと三百日と迫っており、このような状況の中、招致実現に向けた局長の決意を改めてお伺いいたします。
○細井スポーツ振興局長 東京都としては、石原前都知事が退任しても、その招致推進体制は何ら変わることなく、都民の皆様とともにオリンピック・パラリンピック招致実現に向けて取り組んでまいります。
村上委員ご指摘のとおり、招致を求める都民、国民の皆様からの署名を受け取る場、機会を、この確固たる都の姿勢をアピールする場として位置づけ、さらに都民、国民の広範な支持が得られていることを内外に発信し、招致機運の醸成を一層図り、都民、国民の不安を払拭することにつなげていきたいと思っております。
いよいよ来年九月七日に迫りましたIOC総会での二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市決定に向けまして、スポーツ振興局長として、みずから先頭に立って全力で取り組み、必ずや招致をかち取る決意でございます。都議会、そして文教委員会の皆様のさらなるご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
○村上委員 局長の大変強い決意を聞いて安心をいたしました。十二月の上旬に署名を受け取るセレモニーをスポ振中心としてやっていただけるということでありますけれども、オリンピック・パラリンピック招致議連、これは超党派の議連でございます。一部反対をしている会派もあるように聞いておりますけれども、やはり全員でオリンピックをかち取るんだ、こんな思いの中で一致団結をして頑張っていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げて質問を終わります。
以上です。
○野上(純)委員 第三十回オリンピック競技大会は、八月十二日に閉会式が行われ、十九日間にわたった熱戦に終止符が打たれました。皆様の中にも寝不足の日々が続いていたことを思い出される方も多いと思います。
ロンドン・オリンピックが終わってはや三カ月が過ぎようとしております。今回のオリンピックで日本人選手は健闘いたしまして、金メダル七個、銀メダル十四個、銅メダル十七個の、合わせて三十八個のメダルを獲得いたしました。これは二〇〇四年のアテネ大会の三十七個、このときは金が十六個、銀が九個、銅が十二個を上回る、史上最多の記録でもありました。メダルの色とか種類はともかくも、史上最高となる三十八個のメダルを獲得し、日本じゅうが大変な熱狂に包まれました。
私の地元、葛飾区のスイミングクラブで育った渡部香生子選手も二百メートル平泳ぎ競技に出場いたしました。最初の準々決勝は、八月一日の暑い夜でしたが、大型画面を用意して、葛飾区の堀切地区センターでパブリックビューイングが行われました。全員が、これ、ちょっと持ってきたんですけれども、こういう決勝と書いて、ロンドン五輪出場記念、渡部香生子と、これをみんなで鉢巻きして、それから渡部香生子のうちわ、これはちょっと人に上げたので現物がないんですけれども、これで暑いのであおぎながら、本当にかたずをのんで見守っておりました。
準々決勝の場合は勝ちまして、準決勝に進むことができ、会場内は歓喜雀躍で、すごく盛り上がりました。次の準決勝戦は深夜でしたので、私は青少年なもので会場にはちょっと行けなかったんですけれども(笑声)家のテレビで応援をいたしましたが、残念ながら入賞はできなかったんですが、会場に行った人の声を聞くと、本当にみんな涙ながらに応援して、残念だったんだけれども、大変な盛り上がりがあったということをお聞きしております。
地元出身の選手がこうした大きな大会で活躍することが、地域の活力、活性につながるということを改めて実感いたしました。
ところで、その渡部香生子選手というのは弱冠十五歳、高校一年生、これは最年少の選手なんですが、帰国後も合宿練習を行って、長岡でのインターハイは百メートル、二百メートルともに平泳ぎで優勝、ジュニアオリンピックでも百メートル、二百メートル平泳ぎが優勝、そして、この前、ぎふ清流国体では百メートル平泳ぎで優勝をなし遂げております。
帰国後も、オリンピックで味わった不安と挫折、これはやっぱりかなりプレッシャーがあったみたいなんですけれども、それを練習により払拭させて、この優勝をなし遂げてきたということでございました。若いので、これからも一層の活躍が期待されるところでございます。
都は、平成二十二年七月十六日にスポーツ専管の局としてスポーツ振興局をつくり、国に先駆けてスポーツ振興に積極的に取り組んできました。このコンセプトとしては、都民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでも、それぞれの年齢や技術、あるいは興味、目的に応じてスポーツを楽しむことができるスポーツ都市東京を実現し、健康な東京をつくるという、このすばらしい理念は、日ごろ参加している区行政でもこの言葉が徹底されてきております。
一つは、高齢者になっても介護を必要とせず元気で暮らしていける状況、つまり、日ごろの生活の中に何らかの運動を取り入れて、寝たきりにならない、また医療費の削減効果等、長いスパンで見たときに、スポーツの持つ効用もたくさんありますが、もう一方で、子どもたちの健全育成分野でのスポーツの取り組みも重要視されております。
学校週五日制になったころから土曜日の午前か午後を利用して、地域スポーツがより一層盛んになってまいりました。サッカーとか野球、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、柔道、剣道、合気道、空手、卓球教室、水泳教室等々さまざまでございますが、そうした中から監督、あるいは指導者、コーチが自分の指導しているスポーツの中で、子どもがよりすぐれた能力を見出して伸ばしていこうという気持ちになってくる、そのことも非常に大事なことだと思っております。
さきの渡部香生子選手は、東京都のジュニア強化選手の認定を受けていたとお聞きいたしました。ジュニアスポーツの国際交流大会の開催もあります。世界に通用するようなトップアスリートを育成していかなければなりません。ジュニアアスリートの発掘、育成など、次代を担う子どもたちがスポーツを通じて大きく飛躍できるよう、さまざまな取り組みを進めていく必要性があります。
最初に、東京都におけるジュニア選手の育成強化の取り組みについてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 国体やオリンピックなどで活躍できるアスリートを養成するためには、小中学生の中から有望な選手候補を計画的に育成強化していく必要がございます。特にジュニア選手の養成には、地域や学校などが連動して強化を行うことが重要であると考えております。
そこで、都では、東京で選ばれた選手としての誇りと自覚を促すとともに、才能ある選手を計画的、継続的に育成し強化へつなげていく、ジュニア強化選手の認定や東京アスリート育成推進校の指定などによりまして、そのモチベーションアップを図りますとともに、都体育協会及び競技団体との連携のもと、認定されたジュニア選手を中心に強化練習や合宿、対外試合等を年度を通じて行うジュニア特別強化事業などを重層的に実施しておりまして、これにより都内の小中高校生の資質をレベルアップし、その能力向上に取り組んでおります。
ちなみに、平成二十四年度のジュニア強化選手は、小学四年生から中学三年生まで三十三競技、千六十八名を認定しております。また、東京アスリート育成推進校は二十九競技、百二校となってございます。
○野上(純)委員 まだまだ育成の途中なので、すぐに結果を求めるわけにはいかないと思いますけれども、これまでの各事業で育成強化されたジュニア選手の競技会での成績はいかがな状況でしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 これまでジュニア強化選手として認定、育成された選手の中から、陸上競技、体操、弓道などの中学生の全国大会で入賞者を出しております。また、今年度の全国高等学校総合体育大会では、これまで都が認定したジュニア強化選手百七十三名が出場し、六十六名が入賞を果たしております。
ことしのぎふ清流国体でも、委員からもお話がございましたが、水泳の渡部香生子選手が二年連続の優勝を果たすなど、都が育成した選手が出場、活躍したことにより、開催県に次ぐ第二位を維持するという成果も示すことができました。
このほかにも、二年前にシンガポールで開催されました第一回ユースオリンピックの体操男子総合で優勝し金メダルを獲得した体操競技の神本雄也選手や、ことしの一月にオーストリアのインスブルックで開催されました第一回冬季ユースオリンピックで六位入賞したフィギュアスケート競技の庄司理紗選手のように、国際大会にも出場し活躍する選手も出てきております。
○野上(純)委員 国際的な舞台で活躍するジュニア選手も育ってきているとのことであり、大変すばらしいことだと思います。これまでの国体などの強化だけではなく、四年後のリオデジャネイロ、八年後の二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えて、トップアスリートの育成に取り組まなければならないと思っております。今後の都のトップアスリート育成に向けての取り組みについてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 ただいまご紹介いたしましたとおり、これまでの総合的な競技力向上施策を展開する中で育った東京のアスリートは、全国大会にとどまらず、国際大会でも成果を出す者があらわれ始めております。
都では、JOCや競技団体と連携をいたしまして、世界トップクラスの競技力を実現することを目標の一つとしておりまして、今後は、これまで培ってきた国体強化の取り組みをレガシーとして生かし、国際競技力の強化に力点を移しながら、世界レベルの選手の輩出を目指してまいりたいと考えております。
○野上(純)委員 東京育ちのトップアスリートの育成は、二〇二〇年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けても非常に重要であるとともに、トップアスリートが活躍する姿を示すことが、地域でスポーツを始めた子どもたちのやる気を促す大きな力となります。一方で、都民のスポーツ参加へのきっかけともなり、スポーツ実施率の向上へとつながっていくことになると思っております。
ぜひ、これからもジュニア育成を基盤とし、世界を目指す東京アスリート選手育成強化に向けて力を注いでいただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○山内委員 二〇一一年度にモデル事業として開始いたしました障害者スポーツコーディネート事業は、今年度からは地域開拓推進事業として実施しています。地域でいろいろな話を伺いますと、知的障害の方や身体障害の方々のスポーツ教室は、少しずつではありますけれども、実施しているようですが、精神障害の方のスポーツ教室は難しいと聞いております。それぞれの障害やその程度によって対応が異なることを配慮して、ニーズに沿った対応が必要であると考えますが、都の見解とその対応状況についてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 障害者スポーツの支援の仕方につきましては、障害の種類や程度に応じたきめ細かな配慮が必要であり、一律には論じられないという難しさがございます。また、ご指摘のとおり、精神障害の人の事業においては、症状の不安定な時期や再発の可能性への対応があることなど、他の障害のある人とは異なる配慮も必要となりますことから、事業実施に際し難しい課題があることも事実でございます。
そのため、東京都障害者スポーツ振興計画では、障害の種類や程度の違いを超えて共通する課題に対応できるよう、方向性や施策を位置づけており、具体的な支援に当たりましては、別途、障害の違いや程度の違いに応じた対応が図れるよう、障害者スポーツ取り組み事例集第一版を作成いたしまして、情報提供を行っているところでございます。ご指摘の事例につきましては、現在、課題の整理を行っているところでございまして、第二版以降の掲載を目指しております。
現在、地域開拓推進事業におきまして市区町村や地域スポーツクラブを訪問し、障害者スポーツ教室の実施を支援する過程で、精神障害の人への対応も含めた支援のノウハウを蓄積しているところでもありまして、今後、課題の整理ができ次第、事例集でその情報を提供していくこととし、そのニーズにこたえてまいりたいと思います。
○山内委員 地域開拓推進事業について、事例を挙げる等、工夫をしながら、ぜひ精神障害の方のスポーツの場もふえるよう取り組みをお願いしたいと思います。
さて、その地域開拓推進事業については、三月の文教委員会でも質問させていただきましたが、計画策定に当たって実施した実態調査の中で、スポーツをやらなくなった理由に、学校を卒業したからというのがありました。三月の答弁では千代田区の事例も紹介していただきましたが、こういった取り組みが広がることで、学校を卒業した後でもスポーツの場や仲間、また情報とも途切れることがなく、地域で生き生きとスポーツを続けられるよう要望いたしましたが、現在の取り組みについてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 地域開拓推進事業では、市区町村や地域スポーツクラブのほか、地域で自主的に障害者スポーツを企画する団体にも支援を行っております。その取り組みの例といたしまして、特別支援学校の卒業生のグループが特別支援学校を会場として開催したハンドサッカー体験会等に対しまして、地域開拓推進員が他の特別支援学校や地域の社会福祉協議会への呼びかけなどの支援を行うことによりまして、学校や関係団体との連携が強まり、多くの方の参加や審査員等ボランティアの協力も得ることができたということでございます。
今後とも、必要に応じてこうした自主的な活動への側面的な支援を行いまして、身近な地域で障害のある人がスポーツに親しめる環境の整備に努めてまいります。
○山内委員 また、その実態調査の中で、スポーツを勧めてくれた人として、家族、自分自身が決めた、福祉施設の職員の方に勧められたという次に、医者や理学療法士などの医療関係者に勧められたからというのが挙がっておりました。
障害のある方がスポーツを行う際に、医学的な観点からの配慮も要望させていただきましたが、都としてはどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 医学的な観点からの対応は、障害の状況や医療の必要度など個々の障害者により異なるもので、障害の種類や程度の違いと同様、障害者スポーツ振興に当たって一律に論じられない部分がございます。そのため、地域開拓推進事業では、障害のある人にスポーツを指導する際には、その方が主治医等の医療機関から指示されている情報をできるだけ詳細に把握いたしまして、その障害等の状況に配慮した対応ができるよう助言を行っております。
○山内委員 障害のある人がスポーツをする際には、さまざまな視点からの配慮が必要となるので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
最後に、障害のある人からは、スポーツをしたいが、どこの施設が使えるのか、また、どこで何をやっているのかわからないという声を多く聞きます。以前、障害者スポーツポータルサイトの開設を準備しているとお伺いいたしましたが、情報弱者になりやすい障害の方たちにどのように情報提供を取り組んでいるのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 障害のある人がスポーツに親しむためには、利用できるスポーツ施設や参加できるスポーツ教室などの各種情報を容易に入手できる環境が必要でございます。
そこで都は、障害者スポーツに関する専門ポータルサイト、TOKYO障スポ・ナビを十月に開設したところでございます。この障スポ・ナビは、都内全域の公共スポーツ施設の詳細なバリアフリー情報を網羅した全国初のサイトでございまして、所在の市区町村のほか、施設内段差やスロープの有無などバリアフリー等の項目から利用したい施設を検索できる機能を有してございます。また、スポーツをする人はもとより、見たい人などに対しても、する、見る、支える等の目的別に入り口を設け、必要な情報をわかりやすく提供しております。
今後は、情報の更新のほか、イベント情報や障害者スポーツ種目の紹介など、その情報の充実を図ってまいります。
○山内委員 障害者スポーツセンターは都内に二カ所しかありません。障害のある方々がスポーツを楽しむ場は極めて乏しいのが現状です。
特に、学校を卒業するとスポーツをする機会が極端に減ってしまう現状はこれまでも指摘し、場の一つとして、特別支援学校の放課後や休日等を障害のある方々へ開放を進めることを要望してまいりました。
今回伺った都立小平特別支援学校が行っているハンドサッカー体験会は、卒業後も生涯スポーツとして楽しめるよう、環境の構築を図ることを目的として企画、実施したと聞いております。卒業生たちがみずから立ち上がった熱意に、敬意を表したいと思っております。
また、先ほどご答弁にもありましたが、特別支援学校の教員が審判等のサポートスタッフとして協力をしたり、日ごろから小平市の社会福祉協議会の事業を協力している小平市や、近隣の地域住民の方々がボランティアとして加わったり、まさに教育と福祉、地域等、関係団体の連携、教育のたまものであり、地域開拓推進員の果たした役割は大きなものであったと思います。
また、さらに、これからも都の支援を要望いたしますが、一方、特別支援学校の開放を進めるためには、何よりも、学校や保護者、地域の理解や協力なしでは実現ができません。スポーツ振興局はこうした成功事例をさらに広げるように、積極的に関係機関との協力、調整に努めていただきたいと思います。
また、スポーツを指導する際に、本人から、医療機関から指示されている情報を聞いて対応できるようにしているとのことでありましたが、医師や理学療法士から勧められてもちゅうちょしてしまう人がいるとも聞いています。スポーツをするしないは本人の判断によりますが、より多くの方が気軽にスポーツを楽しめる機会を広げるために、地域の障害者団体や家族の会等と医療機関とをつなぎ、講習会の開催や新しいプログラムの開発など、スポーツ推進にもっとかかわっていただきたいとお願いをいたしまして、私からの質問を終わります。
○小山委員 まず、スポーツ祭東京二〇一三の総合開閉会式の運営についてお伺いをいたします。
いよいよ来年二〇一三年に第六十八回国民体育大会、第十三回全国障害者スポーツ大会が五十四年ぶりに東京で開催をされます。都を初め各市区町村では、プレ国体である競技別のリハーサル大会を終えまして、各課題に対応しながら、本大会開催に向けて準備が行われているところであります。
過日、九月二十九日に都議会東京多摩国体推進議員連盟で、本年岐阜県で開催されましたぎふ清流国体の開会式に参加し、視察をしてまいりました。開会式には多くの選手や来場者、さらには、セキュリティーチェック等で開催県は大変なご苦労をされていらっしゃいました。四月に岐阜県を視察したときも、この開閉会式のことについては大変入念な準備をされていらっしゃいました。
そこで、来年開催をされますスポーツ祭東京二〇一三の総合開閉会式の会場となります味の素スタジアムの運営についてお伺いをしたいと思います。この会場となる味の素スタジアムで行われます総合開閉会式においては、同じように多数の来場者が見込まれておりますが、近隣の交通動線を含めてどのように考えているのかお伺いをしたいと思います。
○川合スポーツ祭東京推進部長 来年九月二十八日に開催するスポーツ祭東京二〇一三、第六十八回国民体育大会の総合開会式の会場となる味の素スタジアムには、当日、五万人を超える来場者を見込んでおります。来場者の方々には、公共交通機関を利用していただくことを基本としております。このため、鉄道駅からの歩行者動線につきましては、車両動線と極力分離をし、わかりやすい案内を行ってまいります。
○小山委員 ただいまのご答弁で、今回の東京での開催については公共交通機関を中心に行われるということでございます。公共交通機関といえば、この味の素スタジアムの近隣にあるのは京王線の飛田給駅、それからもう一つ、西武多摩川線の多磨駅という二駅であろうと思います。
そこで、今回の開閉会式は、特に開会式は夕暮れどきの開催ということを予定されております。岐阜県は、昼間、大変明るい中での開催でございましたので、この動線についても非常にわかりやすく、また誘導がなされていたと思います。しかし、今回、東京都は夕暮れどきの開催予定とのことでございますので、ぜひこの動線についても安全かつスムーズに会場への誘導がなされるように、対策を講じていただきたいというふうに思います。
また、先ほども申し上げましたが、会場でありますこの味の素スタジアムの最寄り駅は、京王線の飛田給駅、こちらがもちろん利用者が最も多いと思います。そして、もう一方の西武多摩川線の多磨駅もございますが、国体についてはこの多磨駅周辺の地域や地元も大変歓迎をいたしております。そこで、この多磨駅についてもどのような活用のされ方をし、国体を盛り上げていかれるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○川合スポーツ祭東京推進部長 総合開会式の来場者の大多数は飛田給駅を利用すると見込まれますが、お話の多磨駅を利用する方々に対しても、要所に案内看板を設置するなどの対応を行ってまいります。
スポーツ祭東京二〇一三の開催に当たりましては、歓迎のぼり旗の設置や、花いっぱい運動など、地元と連携した盛り上げ活動を行います。多磨駅周辺を含め、地元市区町村及び地元団体と協力しながら進めてまいりたいと考えております。
○小山委員 ぜひこういった周辺地域の声や、あるいは地元市などとも十分連携協力をしながら、当日を迎えていただきたいというふうに思います。
次に、武蔵野の森総合スポーツ施設について伺います。
先ほど申し上げました味の素スタジアムに隣接をいたします武蔵野の森総合スポーツ施設におきまして、多摩地域のスポーツ振興の拠点施設として、近隣住民を含め多摩都民、大いに期待をされているところであります。
そこで、武蔵野の森総合スポーツ施設は、一期工事でございます補助競技場の整備が本年三月に完了いたしました。そこで、アリーナ施設等の二期工事についてはどのような方向性で整備をされていくのか、整備計画についてお伺いをしたいと思います。
○三浦スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設は、多摩地域における都のスポーツ振興拠点として整備をするものであり、平成二十二年八月に基本計画を策定いたしました。
整備工事は二期に分けて実施をし、第一期工事では、来年開催されるスポーツ祭東京二〇一三の会場整備の一環として、味の素スタジアムの補助競技場である西競技場と、都民の憩いの場となるみどりの広場を整備し、本年四月より供用開始をしております。
第二期工事では、国際的、全国的なスポーツ大会やコンサートなどのイベント興業も開催できるメーンアリーナと、武道などの広域的な大会も開催できるサブアリーナを整備する予定です。また、屋内プールは可動壁による分割が可能な五十メートル国内公認プールを整備し、さらに地域の方も個人で利用できるトレーニングルームやカフェなどを整備してまいります。
これらの整備によりまして都民の多様なスポーツニーズにこたえ、多摩地域のスポーツ振興を推進するとともに、周辺地域のにぎわいのあるまちづくりにも貢献する施設となることを目指してまいります。
○小山委員 それでは、その二期工事の現状、進捗状況と今後の整備スケジュールについてもお伺いをしたいと思います。
○三浦スポーツ施設担当部長 第二期工事につきましては、昨年七月に施設の配置や機能などの概要を検討する基本設計を終了し、現在は基本設計に基づき、さらに詳細な実施設計を行っております。実施設計は本年十二月に終了し、その後、工事契約に係る準備を行います。アリーナ施設等の整備工事は来年のスポーツ祭東京二〇一三終了後に着工し、平成二十八年度に完成をする予定であります。
○小山委員 ただいまそれぞれ、二期工事の施設整備計画と、そして、今後の整備スケジュールについてもお伺いをさせていただきました。
一期工事が完了いたしまして、二期工事が着工するこの段階において、申し上げておきたいことがございます。一期工事の西競技場の使用料金についてでございます。近隣自治体の市民を初め、利用者や団体から、この利用料金が他施設に比べても高いという声が寄せられております。先ほどのご答弁の中にありました、多摩地域のスポーツ振興を図るための整備であるということでございますから、ぜひともこういった都民が利用しやすい料金の設定が必要であろうかと考えております。そこで、二期工事のアリーナ施設等の使用料金はどのように設定をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
○三浦スポーツ施設担当部長 一般的に都立施設では、受益者負担の考え方に基づき、原価計算や類似施設の料金との均衡を考慮して利用料金を設定しております。
アリーナ施設等につきましては、詳細な実施設計の結果を踏まえ、今後、管理運営費や最終的な収支見込み等のシミュレーションを行うこととしております。その際、都民利用におきましては、広く都民が利用しやすい施設となるよう、類似する都立施設等の料金を参考にしていくとともに、興行イベントにおきましては、コンサート等の施設需要や市場動向を考慮した利用料金を検討することとなります。
○小山委員 ただいまのお答えの中で、今の東京都の考えはよくわかりました。類似施設の料金との均衡を考慮されているということでございます。
いろいろお話を伺いまして、特に駒沢オリンピック公園総合運動場との比較というか、こういった関係をお考えになられてのある種の設定だというふうに思いますけれども、こちらの方でこの陸上競技場の使用料を見ますと、全日、一日終日利用ということでございますが、この場合は、スタンドの未使用で全面使用した場合は九万円、そして、スタンド使用した場合は十四万円という使用料となっております。
そして、西競技場について申し上げますと、こちらは、特にスタンド利用料金はもうそれに含んでいるということでありますから、一概に即比較はできませんけれども、同じように終日利用した場合、芝の不使用の場合は九万四千五百円、そして、芝を利用すると十四万七千円ということでございます。
多くの方からいわれるのが、やはり駒沢オリンピック公園と比べても高いということが都民としては実感として映っているようですし、また、芝の利用ということに関しては十四万七千円ということでございますので、駒沢の利用料金に比べても七千円高いと。これは二十三区と多摩地域の施設、あるいはさまざまなこういった利用料金については、ぜひともそういった地勢的なところの状況を考慮していただきたいというふうに思っております。
一期工事の西競技場、二期工事のアリーナ施設等の利用料金については、多摩地域の都民が利用しやすく、都民のスポーツ振興につながるような料金設定や支援策をぜひとも講じていただくことを求めておきたいというふうに思います。
次に、ジュニアアスリート発掘・育成事業についてお伺いをさせていただきます。先ほど野上委員からも質疑がございましたので、重複する部分もあろうかと思いますが、質疑をさせていただきたいと思います。
まず、都ではジュニア層に対して、中学生から世界レベルのアスリートを目指す選手を発掘する事業を実施しておりますが、その取り組み内容について改めてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 都では、来年のスポーツ祭東京二〇一三や、その後のオリンピックなどの国際大会で活躍できる人材を育成することを目的といたしまして、平成二十一年度から、都内の中学二年生を対象に、すぐれた運動能力を有するジュニア選手を体力テストの結果などから選考し、中学三年生の一年間をかけて育成するジュニアアスリート発掘・育成事業を実施しております。
本事業は、ボート、ボクシング、アーチェリー、ウエートリフティングなどの七競技の中から適性のある競技を選択し、高校入学後に活躍できるよう支援する事業でございます。運動能力にすぐれたジュニアアスリートが、野球やサッカーといったメジャーな競技から、比較的競技人口が少なく、高校生から始めてもトップクラスを目指すことができる競技転向型にしている点が本事業の最大の特徴でございます。
これは、先ほど野上委員から出されたジュニア強化事業と両輪で今進めておる事業でございます。一流アスリートとしての資質向上のためのスポーツ教育プログラムを初め、オリンピック選手と同様の最先端トレーニングの実施や、競技別の実践的な専門プログラムなどを行ってございます。
○小山委員 まさしく今ご答弁いただいたように、今回のこの事業については競技の転向という部分が私は非常に重要なのではないかなと思います。なぜならば、やはり小学校までの間を通じて、いろいろさまざま、どちらかというと主要な部活動から、中学校を経て、この段階で、また広く、いろんなさまざまなスポーツにめぐり合うことが多いというふうに思います。そういった中で競技転向する際に、何らかの支援策がやはり必要だというふうに考えていたところ、こういった東京都がまさしく時宜を得てこの事業を始められたというふうに思っております。
そこで、これもこれまでカリキュラムを修了されました選手の競技会での成績がいかがであったかお伺いをしたいというふうに思います。
○板垣スポーツ事業部長 これまでカリキュラムを修了いたしました一、二期生は、現在、高校生となり、競技団体や各学校での指導のもと、本格的に競技に取り組み、各競技大会に出場しております。
現在、高校二年生である本事業の一期生のボート競技の選手は、競技転向してからわずか一年半の期間にもかかわらず、ことしのぎふ清流国体ボート競技のシングルスカル種目で見事優勝を果たしております。さらに、同じ一期生の中には、全日本女子アマチュアボクシング選手権大会で第三位を獲得した選手もおります。
ほかにも、ことしの国体やインターハイでのアーチェリー競技やウエートリフティング競技、自転車競技において入賞を果たすなど、事業を開始してから短期間で早くも大きな成果があらわれております。
○小山委員 ただいまのご答弁で、大変すばらしい成果が出ておると。特に、お答えの中にもありましたけれども、ボート競技の選手が競技転向後わずか一年半で国体で優勝するという快挙をなされたということで、大変すばらしいことだと思います。
では、こうした取り組みについて、都はどのように総括をして評価しているのかお伺いをしたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 才能ある選手を発掘、育成する競技転向型のタレント発掘事業の中には、英国のように、既にロンドン・オリンピックで金メダルを獲得する事例などもあらわれております。
東京都ジュニアアスリート発掘・育成事業におきましても、育成開始からわずかな期間のうちに、国体の優勝者や全国大会での上位入賞選手を輩出するなど、本事業の成果が着実に出てきているものと認識しております。
今後も才能ある選手の育成に向けて、修了生がオリンピック等の国際大会でも活躍できるサポートをしていくとともに、これまでの成果なども検証しながら、国際競技力の向上に向けた方策を検討するなど、世界レベルの選手の輩出へとつながるようにしてまいりたいと考えております。
○小山委員 ただいまお伺いしましたように、予想以上の成果が上がっておりますし、ぜひ、このせっかくの流れが来年のスポーツ祭東京二〇一三で途切れてしまうことがないようにしていただきたいと思います。
スポーツの世界におきまして第一級の選手やスター選手が出現することが、子どもたちに夢や希望を与えることにつながっておりますし、それは、まさしく二〇二〇年の東京オリンピック招致を目指す都としては、ぜひともこの東京からトップアスリートを発掘し、育成していくということが大変意義のあることだというふうに考えております。
東京育ちのジュニアアスリートの発掘・育成事業は、スポーツをする子どもたちに夢をもたらすだけではなく、来年のスポーツ祭東京二〇一三が終了した後にあっても、世界を舞台に活躍できる地元選手を育てる貴重な事業であるというふうに考えております。ぜひとも、引き続いてこの事業を積極的に取り組んでいただくことを申し上げて、私の質問を終わります。
○山崎委員 私からは、ゴルフ利用税の観点と、冬季国体のことに関して何問か質問をさせていただきたいと思います。
都は現在、都民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめる、スポーツ都市東京を実現するため、だれもがスポーツを楽しめる環境整備を推進しております。
中でも、ゴルフは老若男女を問わず楽しむことのできるスポーツであるだけでなく、国民体育大会、国体では正式な競技になっており、そして、オリンピックでも二〇一六年のリオの大会から追加競技に決定をされているなど、競技スポーツとして広く認知をされております。だれもが気軽にゴルフに取り組める環境を整備するとともに、競技力向上を図ることは、都のスポーツ振興にとって大変重要であると考えます。
私もゴルフが大好きでございまして、(発言する者あり)そうでもないんですが、娯楽でなくスポーツとして、今、ゴルフに取り組んでいるところでございます。しかし、最近、なかなかゴルフに行けず、たしか二日前に、夢の中でゴルフをやっている、ホールインワンを出した夢を見ました。
本当のプレーでそういうことができればいいなと思っているんですけれども、なかなかそんなことは多分できないと思いますが、そんなことはいいとして、質問をさせていただきたいと思います。
そこでまず、都内のゴルフ場の状況と都民のゴルフの実施状況について伺います。
○中山総務部長 都内のゴルフ場は、平成二十四年九月末現在、区部に四施設、多摩に十七施設、島しょに一施設で、合計二十二施設でございます。
都民のゴルフの実施状況につきましては、先月、生活文化局が発表しました都民のスポーツ活動に関する世論調査によりますと、この一年間にゴルフを行ったと回答した人の割合は一〇・九%となっております。
この数字は、全部のランクで八位なんですけれども、一二・九%であったランニング、あと一〇・四%のボーリングと同じ程度の数字でございまして、また、最近話題となっているサッカー、フットサルが三・九%、あとテニス、ソフトテニスが三・四%という数字がございまして、そういった数字と比べても高く、そういった意味で都民に親しまれているスポーツの一つであるというふうに受けとめております。
○山崎委員 今の答弁の中でも、ゴルフがどれだけの方がやられているかということが、よく皆さんもわかっていただいたことと思います。
しかしながら、現在、ゴルフ場においてゴルフを行うと、消費税のほかに地方税であるゴルフ場利用税が課税をされており、特定のスポーツに課税される仕組みに私は本当に疑問を感じるわけでございます。また、ゴルフ場の設置状況やスポーツ環境等は地域によって異なるにもかかわらず、全国一律に課税されることは、各自治体が独自のスポーツ振興を進める上で問題があると考えます。
そこで、ゴルフ場利用に対し特別に課税されている点について、スポーツ振興の観点からどのように受けとめ、どのように考えるか伺います。
○中山総務部長 スポーツ振興の観点からいえば、特定のスポーツに課税されることは望ましいものではないと考えております。また、ゴルフ場利用税が全国一律に課税されていることは、やはり各自治体が地域特性に応じてそのスポーツ振興を図る上でも、そぐわない面があるというふうに認識しております。
今後、このゴルフ場利用税のあり方につきましては、例えば各地方自治体が自主的に課税できるよう国に対して要望を出すことなども含めまして、関係各局と協議しながら検討を行ってまいりたいと思います。
○山崎委員 去年施行されたスポーツ基本法第八条では、政府は、スポーツに関する施策を実施するため必要な税制上の措置を講じなければならないとされております。そのことからも、国はゴルフ場利用税の見直しに向け、税制改正を行う必要があると考えます。
都においても、スポーツ都市東京を実現するため、各地方自治体がみずからの地域の実情に合わせ、みずからの判断で課税、または課税しないことを決定できるよう、国に求めていくことを要望したいと思います。
国にしっかり要望を求められない場合には、私たちも何らかの方法をとらざるを得ないと思っております。ですから、そういったことがないように、しっかりと都が国に要望を求めていただきたいことをさらに要望して、次の質問に入らせていただきたいと思います。
次に、来年はスポーツイヤー東京のスタートとして、その先頭に、まずは一月には冬季国体が開催をされるわけでございます。東京での冬季国体の開催は、平成十七年にアイスホッケー競技会を開催して以来、二回目となりますが、スケート競技会の開催は初めてと聞いております。
昨年十二月に冬季国体の開催が決定されてから準備を着実に進めていると思いますが、冬季国体についても秋の本大会に負けないくらい、すばらしい大会としていただきたいと思います。また、冬季国体の開催時期は、IOCによるオリンピック・パラリンピック支持率調査の時期とも重なる可能性があるといわれております。
都として、このような重要な時期に行われる冬季国体をどのような工夫で盛り上げていくのか伺います。
○松村大会運営担当部長 冬季国体は、平成二十五年一月二十六日から二月一日の七日間の会期で、都内四会場と福島県郡山市で実施するものでございます。都内では、ショートトラックを江戸川区、フィギュアを渋谷区、アイスホッケーを東大和市と西東京市で開催し、福島県郡山市ではスピードスケートを開催いたします。
冬季国体の盛り上げでございますが、十二月九日にはスピードスケートの清水宏保さんや人気子役の本田望結ちゃんなどのゲストを招いて、一カ月前イベントを国際フォーラムで実施いたします。
また、都内で行う開始式は、一万人規模の観客を収容できる国立代々木競技場第一体育館で実施し、荒川静香さんを初めとする日本や海外のトップスケーターにエキシビションを行ってもらうなど、過去に例のない首都東京ならではのものとしてまいります。加えて、各競技会場においても、地元のご協力を得、大会を大いに盛り上げてまいりたいと考えております。
このような取り組みにより、二〇一三年のスポーツイヤー幕あけにふさわしい大会とするとともに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致機運の一層の盛り上がりにつながる大会としてまいります。
○山崎委員 今の答弁の中にもございました、来月の十二月九日にはキックオフ・フェスティバル、ここからはじまる、二〇一三東京スポーツイヤー、こういうチラシも出ております。東京都の広報の方にもこれは載っていると思いますが、そして、来年の一月二十六日には開始式。荒川静香さんやステファン・ランビエル、本田望結ちゃんとか本田選手、こういう形でいろいろと皆さんのところにもプレス発表されて資料もいっていると思いますが、ぜひそうした観点からしっかりと振興局、スポ振の皆さんに先頭を担っていただいて、盛り上げていただければと思います。私たちもしっかり応援をしていきたいと思います。
また、昨年、我が党は、被災地の復興支援の取り組みを交えた冬季国体の開催を提案いたしましたが、郡山市における大会はどのような取り組みになっているのか伺います。
○松村大会運営担当部長 被災地復興支援の一環として、福島県郡山市内で行うスピードスケート競技の開催に当たりましては、開催記念イベントをあわせて実施いたします。
具体的には、地元郡山市出身の本田武史さんによるエキシビションやスケート教室などを行うとともに、地元観光協会の協力を得て、名物のつるりんこなべや足湯の提供を行うなど、地元の方と一体となって多くの方々に会場にお越しいただく工夫をし、にぎわいの創出に努めてまいります。
また、地元に経済効果があらわれますよう、競技会場の設営や宿泊場所の確保等については、地元業者を積極的に活用するとともに、被災者の皆さんを開催記念イベントにご招待いたします。
これらの取り組みにより、スポーツの力で被災地の人々を元気づけ、復興に向けて歩みを進める被災地の一助となる大会としてまいります。
○山崎委員 ぜひ被災地のことを思いながら、また、被災地のことをしっかり支援していく観点からも、ぜひ皆様のご協力をよろしくお願いしたいと思います。
そして、この冬季国体が、スポーツイヤーの幕あけにふさわしく、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致機運の一層の盛り上がりや、被災地の支援の一助となることを期待して、私からの質問を終わります。
○畔上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畔上委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上でスポーツ振興局関係を終わります。
○畔上委員長 これより生活文化局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○関口委員 私から、まず私立高校の留学支援についてお尋ねしたいと思います。
未来を担う子どもたちにどういうスキルを身につけてもらうかを考えた際には、英語力というものが必要不可欠であるというのが私の考えでありまして、東京の子どもたちに国際経済共通語である英語でコミュニケーションする力をつけてもらいたい、そうした考えに基づいて、この間、公教育における英語のあり方について、さまざまな場面で議論を展開してまいりました。
世界の若者と渡り合える日本の若者を東京から多く輩出させたいというのが私の願いであります。しかしながら、巷間いわれるように、昨今の若者は内向き志向とされ、海外留学する若者の数も年々減少しております。事実、OECD等の調査によれば、平成十六年に八万二千九百四十五人だった海外留学者数は、平成二十一年には五万九千九百二十三人まで減少しております。
そうした中、昨年度から、小学校五年生からの英語授業がようやく義務化となったわけであります。小学校で英語になれ親しむ力を養い、中学校では、読む、書く、聞く、話すの四技能をバランスよく学んだ子どもたちが、高校生になった段階ではどういう英語学習の環境が必要であるのかと考えた結果、私は海外留学という結論に至り、高校生の海外留学支援制度を提案してまいりました。
そして、都は今年度から都立高校生を対象とした留学支援事業を開始し、多くの都立高校生が海外へ飛び出していくこととなりした。公費、つまり税金で子どもたちを海外に送るというこの新たな事業、昨年の本会議で私から提案した際にも申し上げましたが、公費で送り出すことにこだわっていたのは、子どもたちに税金で海外留学する意義をしっかり伝えて、使命感を持ってもらう必要を感じたからであります。使命感は、いうまでもなく、困難を乗り越える大きな力となります。そういう強い気持ちで留学先でさまざまな経験を積んでもらい、将来、東京、日本を引っ張る人材になってもらえれば、こんなにすばらしいことはないなと考えております。
さて、この新たな留学支援制度、初年度百五十名の都立の高校生を海外に送り出す計画で募集を開始しました。私は、若者の内向き志向が叫ばれる中、定員割れとなりはしないかと心配しておりましたが、結果はおよそ七百名近い応募があったということで、うれしく思っております。このことは、海外に留学したいが、経済的な理由もあってあきらめている子どもたちが多く存在していることを意味し、高校生の海外留学への潜在的需要は大きいものと考えます。
さて、この留学支援制度は、これまで申し上げてきましたとおり、都立の高校生のみを対象にしたものです。しかし、東京の高校生の半数以上は私立高校に通っていることから、私立の高校生の留学への何かしらの対応が、公平性の観点から、そして、人材育成の観点からも当然求められます。私立高校においては、各高校が独自の留学制度を持ち、生徒を海外に送り出していると思いますが、まず、私立高校生の留学の状況についてお尋ねします。
○榎本私学部長 私学団体の調査によりますと、都内の私立高校では、既に約八割の学校が海外留学に取り組んでおりまして、その内容といたしましては、二週間程度のものから一年を超えるものまで、幅広く実施されております。全体で約七千人の生徒が海外留学に行っております。しかし、そのほとんどは四週間未満の短期の留学にとどまっております。
○関口委員 今のご答弁の私学団体の調査でありますが、海外留学制度に対する課題として、各私立学校はどういうものを課題として挙げられているでしょうか。あわせてお尋ねします。
○榎本私学部長 参加するための費用が高いという回答が調査の中では最も多く、約半数を占めております。
○関口委員 今のご答弁からもおわかりのように、海外留学制度の一つの課題として、費用の高さを各私立高校は第一位に挙げられている学校が多いということがわかりました。
都立高校生の留学支援制度において、初年度のことしは定員を大きく上回る応募があり、海外留学への潜在的需要の大きさについて先ほど触れましたが、私立高校生においても、経済的問題が解決できれば、海外で学びたいと思っている子どもが多いということが今の調査結果からも明らかになっているものと思われます。
よって、都立高校生と同様に、私立の高校生の留学も都が支援することによる効果は大きくなるものと期待され、その支援の必要性を改めて感じます。
さきの議会において、局としては、私立高校生に対して留学支援を検討しているとのことでありましたが、その支援の中身についてお尋ねしたいと思います。
○榎本私学部長 海外留学によって異文化に触れるということは、留学期間の長短にかかわらず、人材育成に意義のあることであります。
しかしながら、語学力の習得や国際感覚の醸成には、ある程度まとまった期間の留学が望ましいとされています。こうしたことから、施策の効果を考え、おおむね三カ月以上の留学を対象とした補助制度として予算要求をしております。
○関口委員 先ほどの私学の調査結果では、海外留学制度は、ほとんど四週間未満の短期留学ということでありましたが、今、局がご検討されております支援の対象というものは、三カ月以上の留学を対象にするということ。これは一学期がおよそ三カ月ということであったり、あるいは留学先での学びの効果などを考えれば、三カ月以上を対象にするというのは適切なご判断であろうかと思います。
そして、このような私立高校生に対する支援策ができれば、都立とあわせて、東京の高校生の留学への道はさらに大きく広がると思います。この支援により、世界の若者と渡り合える日本の若者を東京から輩出することにつながることになると私も考えておりますので、来年度からの新規事業としてスタートできるよう、私も後押ししてまいりたいと思っております。
さて、ことしから始まった都立高校生の公費留学制度について、地元の方に説明をいたしますと、税金で行かせることに対して疑問を持たれる方ももちろんいらっしゃいます。それは当然のことで、税金で何かを行うとさまざまな義務が生じます。
その一つが、報告義務であります。我々も政務調査費については、その使途をすべて公開し、納税者たる都民に報告する義務があります。また、補助金を受けた団体はどういう団体であれ、役所に対してさまざまな報告書類の提出義務があります。
同様に高校生も、税金で留学した以上、都に対して、そして納税者たる都民に対して一定の報告義務が生じるものと思います。都や都民に報告することで、留学の成果を広く共有していくことが必要であります。
都立の高校生に対しては、都に対して報告書の提出や都民に対して体験発表会を行う予定であると聞いておりますが、私立高校生の留学支援制度を新たに構築するに当たっては、私立高校生に対しても、都への一定の報告を義務づける必要があると考えますが、見解を伺います。
○榎本私学部長 各私立高校では、これまでも留学した生徒の学習の成果を学校で確認した上で、例えば留学時の活動を冊子にまとめたり、体験報告を行うシンポジウムを開催するなど、他の生徒へ成果を普及する取り組みが行われています。
留学支援制度の詳細な設計に当たっては、さまざまな検討課題がありますが、補助の対象となる具体的な留学プログラムについては、こうした各私立学校の取り組み内容を尊重するとともに、一人でも多くの生徒が長期留学へ参加できるよう、生徒を後押しするような制度とすべきだと考えております。
本制度を利用した生徒が海外留学での経験を生かし、世界に通用する人材へと成長することで、将来、都民を含め、広く社会に貢献していくことを都として期待するものであります。
○関口委員 今、留学支援制度が、生活文化局として、私立高校生の留学支援制度の詳細設計にはさまざまな検討課題があるということでございました。私から今申し上げた報告というものについても、ぜひ、今まさにスキームを検討されているものと思いますが、報告義務というものもしっかりご検討の対象にしていただいて、私立高校生の可能性を大きく広げる、またそれが都民、都に対してフィードバックできるような制度設計にしていただくことを改めてご要望しておきたいと思います。
さて、次に、ワンダーサイトとウィメンズプラザ、生活文化局が所管をしている施設、この二つの施設について質問を行いたいと思います。
青山にあるコスモス青山という信託事業でありますが、東京都が持つ土地を信託銀行に提供し、その銀行がそこに建物を建てて、テナント収入を得、そのテナント収入から一部配当金を都に渡すという仕組みであります。
ワンダーサイトについては、平成十八年からコスモス青山に入りました。ワンダーサイトが信託銀行側に支払っている賃料は、九千三百十五万七千九百八十円であります。年額でありますが、これは調整のときにお尋ねすると、入居以降不変だということであります。
この年間賃料、九千三百十五万七千九百八十円で契約した際、それが妥当であるかをどのように判断したのかお尋ねします。
○関文化振興部長 コスモス青山に入居している施設のうち、トーキョーワンダーサイト青山は、土地信託事業計画に基づくウィメンズプラザとは契約形態が基本的に異なっておりまして、賃借料については、東京都歴史文化財団が賃貸人である信託銀行との交渉により決定したものでございます。その金額は、契約当時の市場価格を勘案して設定されたと聞いております。
○関口委員 このコスモス青山の信託事業でありますが、大変残念なことに、平成七年からスタートしておりますが、バブルの崩壊等々もありまして、都に入ってくる配当金額の見込みが二十年間で一千四百五十億円と見込んでおったのが、平成二十三年度末、残すところ二年強になりますが、三億六千百万円ということで、達成率が約〇・二%という、甚だ残念な結果になっております。
つまりは、総賃料収入が大幅に減っているというのが、この信託事業がうまくいっていない一番の理由であります。
つまり、このコスモス青山にはほかにも多くのテナントが入っておりますが、平成七年からスタートし、賃料が減額されてきている。これが一つのこの要因になっているわけであります。
そこで、お尋ねしますが、ワンダーサイトが平成十八年に入って以降、減額交渉をしてきた経緯はあるのかお尋ねします。
○関文化振興部長 トーキョーワンダーサイト青山につきましては、賃借料の水準が適正であることから、東京都歴史文化財団は減額交渉を行っておりません。
○関口委員 適切な市場価格等々ということで、減額交渉は行ってこなかったということでありますが、先ほど申し上げたとおり、総賃料収入がコスモス青山全体として大幅に、(資料を示す)このグラフから見ても急激な右肩下がりになっているということからも、ほかの民間のテナントさんは減額交渉をしているということでありますし、例えば東京都の外郭団体の一つであるJKK、これもコスモス青山に入っておりますが、JKKも最近減額交渉を行って、減額に結びついたというような例もあると聞いております。
つまりは、市場価格を勘案するということで家賃を設定しているんだ、交渉しているんだということであれば、市場価格はまさに下がっているわけでありますから、ワンダーサイトが信託銀行に払う賃料も値下げ交渉を行って、税金になりますから、一円でも安く入れるような努力を行っていくべきであると考えますが、局の見解をお尋ねします。
○関文化振興部長 当局といたしましては、東京ワンダーサイト青山の賃借料については、近傍物件と比較して妥当な額で契約するよう、東京都歴史文化財団を指導してまいりました。
現時点では、賃借料は妥当なものと考えておりますけれども、今後とも市場価格の変動等に合わせまして、適切な賃借料による契約を行うよう指導してまいります。
○関口委員 公金、税金を扱う我々は、よりより高いコスト感覚であったり、モラルであったり、道徳観であったりというのが求められると認識しております。一円でも安くできるよう、今、ご答弁にあったように適切に歴史文化財団を今後指導していただきますように要望を申し上げておきます。
さて、次に、もう一つの施設、ウィメンズプラザについてお尋ねしたいと思います。
ウィメンズプラザは平成七年、このコスモス青山ができた当初からここに居を構えて、さまざまな男女平等参画事業等々を推進されているものと思われます。
このウィメンズプラザがコスモス青山、いわば信託銀行側に支払っている年間賃料も、この平成七年からの十七年間ほぼ不変ということであります。変わったのは、消費税が三%から五%に上がったとか、そういう要因でのみ変わったということで、実質は変わっていないということであります。
この東京ウィメンズプラザが直近、平成二十三年度に支払った年間賃料は六億八千三百八十二万五千九百五十二円ということになっておりますが、この根拠はどうなっているのかお尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザは、土地信託契約に基づき、当初から約二百五十人を収容できるホールや、複数の貸出用会議室、図書資料室などを備えた公的施設として建設されたものであります。
土地信託契約においては、公的施設部分の賃借料については、受託者である信託銀行が作成した土地信託事業計画を基本として定めることとしており、これに基づいてウィメンズプラザの賃借料を定めております。
○関口委員 今ご答弁にありました土地信託事業計画書を基本として家賃の金額を定めているということでありますが、ということは、家賃の契約締結に当たって、周辺の賃料と比較するということはなかったのでしょうか、お尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 賃借料は、先ほどご説明しました土地信託の枠組みの中で決定して、市場価格に左右されるものではないと考えております。
○関口委員 つまり、市場価格というものに左右されない、よって、市場価格が賃料の妥当性の判断材料にはならないということであろうかと思います。
ということは、六億何がしの今払っている家賃が妥当かどうかというのは、何を基準に生活文化局としては判断し、これは妥当だと思って、平成七年に契約書に印鑑を押したのか、改めてお尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 先ほど土地信託契約についてご説明しましたが、まず、公的施設の部分を都が借りる場合の賃料は、土地信託事業計画を基本として、都が信託銀行と協議して定めるものでございます。
生活文化局が公的施設でありますウィメンズプラザを借りるに当たりましては、信託銀行と賃貸借契約を締結するわけでございますが、当初、土地信託事業を所管し、土地信託事業計画を持っております財務局と調整し、賃料を信託銀行と協議して定めたものでございまして、生活文化局としましては、所管局と調整して、土地信託契約に基づき、都として賃料を定めております。
○関口委員 この賃料の設定に当たっては、土地信託事業計画書を基本として定めるということが再三ご答弁の中で出てくるわけでありますが、では、この土地信託事業計画書というのは、どことどこが中心になって作成するものなんでしょうか、お尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 土地信託事業計画は、信託銀行が提出しておりまして、その内容につきましては、土地信託事業計画の枠組みの中で決めております。所管局は財務局になっております。
○関口委員 では、この土地信託事業計画書は所管の財務局と信託銀行側が作成していると。それに基づいて賃借料が出ているという答弁だったと思います。
それでは、この土地信託事業計画書に、この六億何がしの賃貸料、家賃というのは、この計画書の中には明記されているものなのでしょうか、お尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 信託銀行が都に提出しております当初の土地信託事業計画書に記載されていると伺っております。
○関口委員 信託銀行側と財務局が土地信託事業計画書を策定し、その中に家賃の金額も明記されているということであります。
つまり、このウィメンズプラザが信託銀行側に払っている家賃というのは、いわば土地信託事業計画書が大原則、大基本になって、それがすべてということになるわけでありますが、その土地信託事業計画書の中身というのは、生活文化局としてはしっかりと細かに把握、あるいは確認をされているのでしょうか、お尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 当初の土地信託事業計画書の内容につきましては、所管であります財務局が詳細に把握しております。
生活文化局としましては、ウィメンズプラザの賃貸契約を結ぶに当たりまして、賃料を決定していくわけでございますが、所管している財務局と調整して、最終的に六億八千万余の金額となっております。
○関口委員 つまり、土地信託事業計画書がすべての基準であるということでありますが、その事業計画書は財務局と信託銀行がつくる、こしらえると。その中に賃料も明記されている。つまり、その中で財務局と信託銀行側が賃料の決定をしている。それを生活文化局が受けて印鑑を押して、お金を毎年払っているということでありますから、いわば契約当事者は生活文化局でありますが、その賃料設定がどういう経緯で六億何がしになったのかということを含めて、契約当事者の生活文化局は、ある意味、その詳細の中身を知らないまま印鑑を押しているということになるわけであります。
では、生活文化局が信託銀行と賃料設定をする際、印鑑を押して契約を交わしますが、その今払っている年額六億何がしの契約書、この契約は何年間有効である契約になっているのかお尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 賃料の決定に当たりましては、土地信託事業を所管し、土地信託事業計画書を持っている財務局と調整して決めていくものでございます。それに基づいた賃料でございますが、その契約書につきましては、生活文化局が信託銀行と協議して締結するわけでございます。
期間は一年で締結しておりまして、契約上、一年更新で今日に至っております。
○関口委員 一年更新ということは、場合によっては、契約当事者、生活文化局が信託銀行側と更新の際に話し合いの場を持つ、つまり賃料設定について話し合いの場を持つということは否定をされていないということでしょうか、お尋ねします。
○菊地男女平等参画担当部長 契約するに当たりましては、当初、賃料が決定されたわけでございますが、それは土地信託事業の枠組みの中で妥当な金額として決定したわけでございます。その妥当な金額をもって、今日まで生活文化局としては契約を続けております。
○関口委員 私の質問が否定されていないということでありましたから、それに対する答えがよくわからなかったんですが、否定はされていないということと認識してよろしいですか。
○菊地男女平等参画担当部長 契約については、今の金額が妥当というふうに考えて契約しております。
○関口委員 私の日本語がおかしいのかちょっとわからないんですけれども、(「英語ばっかりやっているからだよ」と呼ぶ者あり)英語も大事ですけれども、いわば、契約上はそういう交渉をするということは否定されていないわけです。
ただ、ウィメンズプラザは、ホールがあったり特別な仕様になっておりますから、特別な仕様の分の建設コストもあるでしょうし、生活文化局が借りる前提で建設された建物でありますから、信託銀行側からすると、二十年間借り続けてもらわないと困るという思いはあるかと思います。
それは、信託銀行側の発想であって、生活文化局としては、二十年間借りるけれども、周りの賃料が変わっている中で、市場価格も変わっている中で、ほかのJKKすら賃料減額を行っている中で、減額交渉を行っていくということは必要なことであると私は納税者の立場としても感じるわけであります。
さらに、特別なしつらえといいましても、もともとワンダーサイトが入る前は国連の研究機関がそこに入っていましたけれども、国連の研究機関もまさに特別なしつらえで、国連の研究機関が入る前提で、その建物が特別な仕様で建設されたわけでありますが、その国連の研究機関は平成十五年に突如移転となりまして、賃料収入が大幅にここでも減ったわけであります。つまり、特別なしつらえというものが、契約を縛らないということを改めてここでも明らかにできるわけであります。
これまでのやりとりの中で、財務局が所管であるから六億何がしの賃料設定を含めて、それはすべて土地信託事業計画書に基づいてやっているという答弁に終始しておりましたが、生活文化局が契約の当事者であるわけでありますから、この賃料設定については、財務局に任せっ放しの対応ではなくて、生活文化局でも主体的にこの賃料設定について交渉にかかわってもらいたいというのが一つ私からの要望であります。
また一方で、信託銀行側が建設コストを今返済しているわけです。この返済が二十年間で完済できるかどうかが極めて重要な問題、信託事業についてこれは重要な問題であります。つまり、二十年間の契約が終わった後、借入金が残ったままであると、今度は借入金の負担を東京都がどれだけ持つのか、信託銀行側がどれだけ持つのかということが重要な問題になってくるわけであります。
よって、六億何がしという賃料設定というのは、借入金返済という意味でも、信託銀行側にとってはかなり重要であるし、それは結果として東京都にとっても重要なことになるわけでありますが、この借入金が返済できるかどうか、これもその賃料設定には大きく影響してくるものと私は考えております。
恐らく生活文化局は、今、借入金がどれぐらいあって、二十年の間に借入金が完済できるかどうかすら把握はされていないと思いますが、仮に借入金が返済されたのであれば、恐らく信託銀行側は、交渉すれば減額交渉に応じてくれるものと思います。
そういうことも含めて、契約当事者である生活文化局が賃料設定については、シビアな目線を持って対応していただきたいということを切にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○畔上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分休憩いたしたいと思います。
午後二時四十八分休憩
午後三時五分開議
○畔上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山崎委員 私学振興についてお伺いをいたしたいと思います。
我が党はこれまで、私立高校生に対する留学支援の必要性を強く主張し、さきの第三回都議会定例会の代表質問においてもこれを取り上げ、積極的な答弁をいただいたところでございます。
こうしたことを踏まえ、きのう、都が発表した来年度予算要求には、私立高校生に対する留学支援事業が新たに盛り込まれました。我が党の主張と、長年にわたる保護者、私学団体の悲願をかなえる第一歩として高く評価をしたいと思います。
私学団体の調査によれば、ほとんどの高校が既に独自の留学制度を持ち、長年にわたって海外の学校との姉妹校提携により、多くの高校生を海外に派遣するなど、成果を上げているわけであります。
そこでまず、現在、各私立学校が海外留学にどのように取り組んでいるのか、また、特徴についてお伺いをいたします。
○榎本私学部長 都内の私立高校では、北米地域を中心とした英語圏に加えまして、アジア、ヨーロッパなど、多様な留学先へ生徒を派遣しております。
また、留学制度を持っている学校のうち、約半数が自校と提携している学校に生徒を送り出しております。さらに、約七割の学校では、海外留学の担当者を置いております。
○山崎委員 各私立学校が独自の留学制度に対し、きちっと責任を持って取り組んでいることがわかりました。これを踏まえると、新たに支援策を構築するには、私立高校の現場の意見をよく聞いて、現状を踏まえることが重要であると考えます。
そこで、今回の支援策の立案に当たり、私立高校からはどのような意見があったのか伺います。
○榎本私学部長 支援策を制度設計するに当たりましては、私学団体や現場の先生方と意見交換を重ねてまいりました。その中でいただいた意見といたしましては、多くの私立高校が多様な留学制度を実施していることから、こうした学校ごとの独自の取り組みを生かせる支援制度としてほしいという要望が最も多くありました。
また、留学としての十分な効果を得るためには、おおむね三カ月以上の留学期間が必要であるということ、さらに、留学には多くの経費を要することから、留学に参加する生徒、保護者の負担を直接軽減する支援制度としてほしいというご意見をいただいております。
○山崎委員 今の答弁にもあったように、とにかく私立高校の皆様の意見をしっかりと聴取をしながら進めていることを高く評価したいと思います。
そして、留学には多くの経費が必要になるわけでございまして、そういった支援制度をしっかり構築していただきたい。これは我が党からの代表質問にもありましたけれども、積極的に進めていただきたいと思います。
私立高校は、それぞれの建学の精神に基づく教育を行っており、留学への取り組みも私学の個性を発揮する重要な場であります。各学校がみずから留学先を開拓し、海外の教育機関との連携も積極的に行っており、こうした私学のこれまでの努力とその成果を生かしてほしいという意見は当然であり、これにこたえていくことは重要なことであります。
さらに、留学により海外生活を経験し、みずからの目で見、日本とは異なる文化にさわることは生徒にとって貴重な経験となるが、これの費用負担は相当なものになるわけであります。あわせて、留学する意欲、能力が十分であっても、本人の費用負担を考えると、先生方も生徒に勧めにくいといったケースもあるのではないかと思います。
こうした課題を踏まえて支援制度をつくっていくことが求められているわけでありまして、学校独自のすぐれた取り組みを生かすとともに、生徒、保護者の負担軽減を図るという要望をどのように支援策に反映させていくのか、支援制度の考え方もお伺いをしたいと思います。
○榎本私学部長 現在検討を行っております支援制度につきましては、まず第一に、各学校の海外留学に関するこれまでのノウハウや教育方針が生かせるよう、支援の対象となるプログラムは学校が主催するなど、その内容に責任を持つものに限定しました上で、具体的なプログラムの内容につきましては、各学校の取り組み内容を尊重すること。
第二に、留学の効果が高いとされるおおむね三カ月以上の長期的な留学に集中して支援を行うことで、各学校における留学への取り組みを促進するということ。
そして、第三に、留学期間の長さに合わせまして、段階的な補助単価を設定することで、生徒、保護者の費用負担に応じた効果的な補助制度とすること。
以上をポイントに制度設計を行っておりまして、来年度の予算要求におきましては、対象学校数を七十校、補助金額を四億円ということで要求しているところでございます。
○山崎委員 今、四億円という数字も具体的に出てきました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
各私立学校のこれまでの取り組みを生かしつつ、留学プログラムの内容については、各私立学校が責任を持つことから、学校としても制度を活用しやすく、質的な面も担保される仕組みではないかと期待をします。
生徒、保護者の負担軽減については、留学期間に応じた段階的な補助ということで、工夫をしていただいたことを高く評価したいと思います。
日本の若者の内向き志向が指摘をされる中、私立学校においては、これまで学校関係者の努力によって、多くの高校生が海外で得がたい経験を積んできたわけであります。その一方で、多額の経費負担を賄えず、海外留学の夢を断たれた高校生がいたかもしれません。(「おれだ」と呼ぶ者あり)はい。
グローバル人材の育成が急務といわれておりますが、一朝一夕になし得るものではない。私立学校がこれまで積み上げてきた貴重な取り組みに、さらに行政の支援を重ねることで、時代の要請にこたえることができるのであります。
日本は資源に恵まれていない国だといわれております。その中で、世界の主要国として成長し続けていくには、優秀な人材を育てることが必要不可欠であり、教育というのは、まさに国家の命運をかけた投資にほかならないわけであります。
そういう意味では、すぐに目に見える短期的な成果を求めるのではなく、むしろ数年先、数十年先を見据えた息の長い取り組みを続けることが重要な分野であります。都としても、そうした大局的な見地を忘れず、この留学支援を推進していただきたいと思います。
そして、さまざまなこの留学支援も、私学の皆様からいただいている公私間格差の一つに必ずつながるわけでありますから、積極的な情報発信と、そして学校との連携をさらに深めていただきたいことを強く要望させていただきたいと思います。
そして、さらに、都教委の方では、次世代リーダー育成道場という形のプログラムがあるわけであります。そういった次世代リーダー育成道場のようなネーミング、私はすばらしいネーミングだと思います。ですから、ぜひ皆様も、ただの留学支援制度、そういうものではなくて、何かすばらしいネーミングを再度考えていただきたいことを要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、私立学校の安全対策について何問か伺います。
まず、非構造部材の耐震対策について伺います。
学校に通う児童生徒等の安全を確保する上で、校舎等の耐震化を進めることは極めて重要です。
都では、これまでもすべての私立学校を対象として、最大で五分の四という高い補助率を適用した耐震化に係る補助を実施し、学校の耐震化を進めてきました。
しかし、東日本大震災では、千代田区の九段会館において、これまで余り問題とされていなかった天井材の落下による死亡事故が起きるなど、非構造部材による被害が発生をいたしました。このような事故が、万が一、学校で発生した場合、とうとい子どもたちの命が失われることになりかねないことを大変危惧しております。
都は、私立学校の安全対策のさらなる促進に向けて、これまでの取り組みに加え、非構造部材の耐震対策への取り組みを進めていくべきと考えますが、お伺いをいたします。
○榎本私学部長 都は、これまでも私立学校における児童生徒等の安全を確保するため、校舎等の耐震化工事への補助を行うなど、積極的な支援を行ってまいりました。
しかし、非構造部材の耐震対策の実施状況につきましては、ことしの夏に調査したところ、耐震実施率が、これは学種によって違うのですけれども、約三割から四割強ほどということで、校舎本体の耐震対策に比べまして、進んでいないという状況が明らかになりました。
このため、平成二十五年度予算では、これまでの校舎等の耐震補強に加えまして、新たに非構造部材の耐震対策に係る経費補助を要求しております。
○山崎委員 今回の非構造部材の耐震対策補助の要求は、喫緊の課題に対応した極めて適切なものだと評価をいたします。ぜひ補助事業の実現に向けて努力をしていただきたいと思います。我が党としても、積極的にこれを支援してまいりたいと思います。
次に、私立幼稚園の防災備蓄物資に関連して伺います。
都が、我が党の要請を受けて実施している防災備蓄物資の補助は、すべての生徒に行き渡るよう、昨年度から二カ年にわたって進められており、今年度じゅうに事業が完了することとなっております。
しかし、一方で、私立学校の中でも、とりわけ幼稚園は施設規模が小さいことから、物資をまとめて保管する場所がないことや、やむを得ず、事務室や遊戯室の一角に一時的に分散をして保管しなければならない状況があるため、災害発生時に備えたさらなる支援を求める声が数多く寄せられております。
このため、第一回定例会の文教委員会で、我が党の村上委員が、子どもたちの一層の安全確保の観点から、備蓄物資の着実な整備と有効活用に向けた倉庫の設置に対する支援策を要望いたしました。
そこで、こうした声にどのようにこたえていくのか所見を伺います。
○榎本私学部長 他の学種に比べまして、施設規模や経営規模が小さい私立幼稚園は、園舎内に防災備蓄物資の収納場所が少ないことに加えまして、防災備蓄倉庫の導入は高額な費用が生じ、経済的な負担が大きいということから、物資の適切な保管場所を確保することが困難な状況にあるということでございます。そうした私立幼稚園に対しまして、子どもたちの安全を確保できる環境を早急に整備する必要があります。
このため、希望するすべての私立幼稚園が、平成二十五年度中に防災備蓄倉庫を整備できるよう、その経費の二分の一を補助するというための予算要求を行ったところでございます。
○山崎委員 私立学校の安全対策についてさまざまな工夫を凝らし、適切に対応していることを聞いて安心いたしました。
去年の緊急対策事業においても、都は、我が党の要望により、さまざまな取り組みを行っておりますが、私立学校の安全対策について、今後も手を緩めることなく、制度にふぐあいがあれば見直すとともに、学校現場の改善要望にこたえていっていただきたいと思います。
例えば、都の省エネ補助について、施設規模が小さい幼稚園の設置者からは、補助対象となる事業費の下限額が五百万円と大きいため、LED照明などを導入しようとしても、工事金額が低いために、補助の対象とならないという声もいただいております。本当にこれは切実な思いで、皆様も我々にお訴えをしておりました。
この件については要望だけにとどめますが、例えば限度額を見直すなど、省エネルギーへの取り組みを促進し、より使いやすい制度とするため、現場のニーズをよく聞き取り、より一層きめ細かい配慮をお願いして質問を終わります。
○野上(純)委員 私の方からは、配偶者暴力対策について質問させていただきます。
配偶者暴力対策に関連して、デートDVについて今回は質問させていただきます。
東京ウィメンズプラザに寄せられた夫婦間の暴力問題についての相談件数は、事業概要の五八ページにございますように、年間約五千件に達しております。配偶者暴力対策は、都として、今後も力を入れていかなければならない重要な課題の一つでございます。
中でも、新たな問題として喫緊の対策が求められているのは、結婚をしてない交際相手からの暴力、いわゆるデートDVということでございます。
内閣府が、二〇〇五年に、十歳代、二十歳代のDV経験について全国調査を行っております。交際相手から身体に対する暴力を受けた、あるいは精神的な嫌がらせや恐怖に感じる脅迫を受けた、あるいは性的な行為を強要された、この三つのうち、いずれか一つでもあったと回答した女性は二二・八%、約五人に一人、四人に一人というんですかね、それぐらいの割合でございました。
配偶者間のDVでは、同様の調査で、女性は三三・二%で、三人に一人がDVを受けている割合に上りますので、大体、数としてはそういうものなのかなというふうに思っております。
最近でこそ、新聞などでデートDVを扱った報道を目にすることも多くなってまいりましたけれども、まだまだ一般の人たちにデートDVが十分に理解されているとはいえない状況でございます。
例えば、私が相談を受けた事例といたしましては、親が自分の娘さんのデートDVというか、暴力を受けているということを知ることはなかなか難しいし、発覚したときにはかなり重症化している場合が多いです。つき合っている相手の男性は、娘さんを自分の支配下に置いて、一種の奴隷のように扱います。その被害を受けている娘さん自身が、支配されて、服従させられていても、自分でなかなか気づかないうちにそういう状況になっていることがあります。
親が、自分の子どもがデートDVの被害に遭っているということに気づいても、その娘さんが相手と別れようとしないと。暴力を振るわれていることがわかっているのに、なかなか別れられない。それはなぜかというと、一つの洗脳状況に置かれていることがあるということで、もう逃げられないわけですね。
最近、それに似たような状況のいろいろな事件もありましたけれども、身体的な虐待とか、精神的な虐待があるからこそ、これが洗脳状態になり、相手のいいなりで逃げられなくなるということがありました。
もう一つの事例では、私もよく知っている人だった、相手の男の人は社会的にも非常に立場がある人で、外から見たらすごい立派な方なんですけれども、やっぱりつき合っている女性が、束縛されている、あるいは干渉されていることが愛情と勘違いをしたり、好きだからこういう行為をするんだろうということで、なかなか相手と別れることを渋っている。
親が幾ら、そんな変な人と別れなさいといっても、なかなか別れられないし、自分の気持ちを相手に伝えるのが怖くなってしまって、相手への恐怖心から、逆に思いどおりに振る舞えなくなってしまうんですね。相手が不機嫌になって、身体的な暴力を振るうことを避けるために、自分の感情を自分でコントロールして、すべて相手の機嫌をとるような対応をせざるを得ない。なかなかDVから逃れることができない。
それから、相手側の男性もさんざん暴力を振るっておきながら、振るった後で、ごめんねとか、すごい優しくなったり、自分を責めたり、時には、自分はどうしようもない人間だから自殺しなくちゃいけないとかといったり、あるいは自分で自分の腕を切ったりとか、自傷行為に走ったりするんですね。そうすると、もう嫌だと思っていても、別れたいという気持ちはあるのに、相手の人が本当に自殺したらどうなのかとかという気持ちもあって、なかなか別れられないというケースがございました。
この二つの例なんですけれども、都は、これまでデートDVについて、若年層向けの携帯カードの配布や、また相談を受ける立場にある教員等を対象に、研修等を実施してきたことは承知しておりますけれども、デートDV対策をもっともっと進めなければならないと思います。
都営大江戸線のつり革、中づり広告の中に、デートDVについて、デートDV特別電話相談を行うということが書いてございました。デートDVについての特別電話相談は、あしたの九日と、あさっての十日の二日間にわたり、東京ウィメンズプラザで行うという内容でございました。
そこで、今回のデートDV特別電話相談を実施する意義についてお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザで受けつけた交際相手からの暴力に関する相談は、平成十八年度には二百二件でございました。平成二十三年度は四百八十一件と、五年間でほぼ倍増しております。
また、内閣府の男女間における暴力に関する調査によると、交際相手からの暴力を受けたことがある人のうち、約四割が相談していないとの結果が出ております。
このような状況から、今回、特別に電話相談を実施し、暴力に悩んでいる人たちに相談を呼びかけるとともに、これを機に、若年層を対象とするインターネット広告や中づりを使った交通広告等を活用し、交際相手からの暴力に関する啓発を通じて、配偶者暴力の未然防止を図ることを目的としております。
○野上(純)委員 今、説明がございましたように、近年、相談件数がふえているデートDVについて、都が特別電話相談を実施することは大変に意義があると思います。このように集中的な取り組みは、多くの人にデートDVの存在を知らしめるとともに、人知れず苦しんでいた人たちに対して、相談の場を与える意義のある取り組みだと思っております。
しかし、デートDVの対策を行うに当たって、対象となる若年層は、学生から社会人まで幅広く存在をしておりまして、年齢や職業もまちまちであります。暴力の認識や、暴力に対してとるべき行動の考え方についても幅があります。とらえにくい面がございます。
今後は、今回の特別相談の成果を生かし、若い世代に対して、暴力に関する認識を深める啓発をより効果的に進める必要があります。そのためにも、デートDVについて若年層の実態を把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 今年度は、特別電話相談に加え、都内の若年層を対象に、交際相手からの暴力に関するインターネット調査を行います。
具体的には、暴力を受けた側、振るった側双方に、暴力の内容や理由、また相談の有無、相談しない場合にはその理由等を調査し、年度末までにまとめる予定です。
この調査により把握した実態を踏まえ、交際相手からの暴力防止に向けて、より効果的な施策を具体的に検討してまいります。
○野上(純)委員 東京都で初めて行う調査ということで、若い人たちの認識や実態をしっかりと把握した上で、効果的な施策展開が図られることを期待して、次の質問に移ります。
次は、ワークライフバランスについて質問いたします。
共働き世帯の割合が、過去最高の五五・三%になったとの新聞報道がございました。今後増加が見込まれる共働き世帯にとって、過度な長時間労働の改善を含め、仕事と子育てや介護、また地域生活等の仕事以外の生活の調和を図る、いわゆるワークライフバランスの取り組みは大変重要なことであると考えております。
ことし三月に改定した、男女平等参画のための東京都行動計画においても、四つの重点課題の一つとして取り上げており、私も、この計画の改定内容について議論した男女平等参画審議会委員の一人として、大いに注目しているところでございます。
そこで、ワークライフバランスの推進について、具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 仕事と生活の調和、ワークライフバランスを推進するため、都や区市町村が取り組む支援や、企業等の先進事例などを紹介するウエブサイトを通じた情報発信や、多くの都民、事業者に向けて、その意義や重要性の理解を深めるシンポジウムを開催しています。
また、仕事と育児や介護の両立について、企業がワークライフバランスを進める上でのポイントや手順などをわかりやすく説明し、具体的事例や支援制度も掲載していますワークライフバランス実践プログラムを活用するなどして、さまざまな方法で普及に取り組んでおります。
○野上(純)委員 今、答弁がありましたように、実は、あす、シンポジウムがウィメンズプラザで昼と夜に開催されるということで、お時間のある方は、どうぞいらしていただければと思います。
ワークライフバランスの推進を図るため、さまざまな普及を行っていることがよくわかりました。しかし、ここ二、三年の間に、育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の改正などがありまして、企業の取り組みに大きな変化が見られます。
とりわけ企業においては、中核となる役割を担っている世代が介護と仕事の両立で悩んでいることが多く、働き盛りの従業員の介護離職は深刻な問題になっております。高齢化が進むにつれ、突然、親の介護を担うことになり、仕事と介護に挟まれて悩み、仕事をやめざるを得ない人が増加することが予測されます。
こうした最近の社会状況の変化を踏まえ、ワークライフバランスの推進について施策の充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 仕事と介護の両立については、子育てと違い、介護は期間が不透明なことや、職場に相談しにくいこと、また介護のための短時間勤務制度など、企業が進めている制度や取り組みが従業員に十分理解されていないことなどが問題となっています。
また、東京の特性として、働く人は都内に住みながら、遠くに離れて暮らす親を介護する遠距離介護が挙げられます。
このような問題点に対して、企業が創意工夫をしながら実践している最新事例を収集するため、都は、企業の人事担当者などに対しヒアリングを始めたところです。
今後、このヒアリング結果を踏まえ、平成二十一年三月に策定した実践プログラムを改定する予定であり、ワークライフバランスを推進する取り組みについて、一層の充実を図ってまいります。
○野上(純)委員 ヒアリングの結果を踏まえて、実践プログラムを改定するということでございました。
仕事と介護との両立で悩み、苦労している人たちに役に立ち、また企業が進めようとする取り組みのヒントになるように、ぜひとも実践プログラムを改定することを要請して、終わります。ありがとうございました。
○山内委員 消費生活行政についてお伺いしてまいります。
ことし八月、消費者安全法が改正され、消費者安全調査委員会を設置すること、法律のすき間の詐欺的取引停止などの勧告、命令が出せるとの規定が盛り込まれました。消費者安全調査委員会は、十月一日に発足いたしました。
この委員会は、消費者事故の原因究明を目的としていますが、課題も指摘されているところです。この法改正に伴って、東京都が果たす役割がどのように変わるのかお伺いいたします。
○藤井消費生活部長 消費者安全法の改正により、新たに設置されました消費者安全調査委員会につきましては、都道府県が関与する仕組みは定められておりません。都道府県に関係のある改正は、消費者の生命、身体に重大な被害を与える事案に加えて、新たに多数の消費者の財産に被害を与える事案についても、取り締まりの対象となったことであります。
具体的には、財産事案に係る事業者への報告聴取、立入調査の権限について、国から都道府県に委任することができることとなり、国は、来年四月の法施行を目途に委任の準備を進めていると聞いております。
しかし、その対象範囲は被害の実態にかかわらず、当該自治体の区域内に存在する事業者に限定されております。また、勧告、命令の権限は国のみにあり、都道府県には付与されておりません。
○山内委員 消費者安全調査委員会は、対応する事案の範囲が広いということですが、国会で附帯決議が出されたように、委員や事務局体制などの課題があります。
折しも、シンドラーのエレベーターの死亡事故がまた起こってしまいました。委員会による原因究明とともに、再発防止を図っていかなければなりません。
また、今お伺いしたとおり、東京都が調査する範囲も広がるということですが、法律のすき間のグレーゾーンをねらったような新たな手口が考え出され、消費者被害が起こっています。来年の法施行に向けて準備を進めていただきたいと思います。
八月に成立した消費者教育推進法の趣旨を踏まえ、今後どのように消費者教育を進めていくのかが大きな課題であると中間のまとめには述べられていますが、地域、学校、職場など、さまざまな場における消費者教育の推進のためには、これまでのように行政中心ではなく、NPOを含めたような主体との連携が重要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
○藤井消費生活部長 都は、これまで消費生活総合センターにおいて、東京都消費者啓発員による出前講座、大学の落語研究会や社会人ボランティアによる出前寄席、消費者団体との協働学習会など、都民や消費者団体との連携による消費者教育の取り組みを進めてまいりました。
東京都消費生活対策審議会の中間のまとめでは、教育機関や消費者団体はもとより、新たに事業者、事業者団体、民間ADR機関、NPO等の多様な主体との連携により、これまでより幅広い対象に効果的な消費者教育を展開していくことについて提言されております。
今後予定されている審議会の答申を踏まえ、消費者教育の推進について検討してまいります。
○山内委員 消費者被害というところで、特に高齢者が金融商品などのトラブルに遭う事例が多いことから、高齢者の相談件数が増加しています。若い世代と違って、みずから求めないと学ぶ場や機会を得にくいため、対処も難しいといわれていますが、啓発活動の工夫はどのように行っているのかお伺いいたします。
○藤井消費生活部長 高齢者の消費者被害を防止するためには、家族や民生委員、介護事業者など、高齢者の身近にいる方々の協力により被害を早期に発見し、速やかに対処することが重要であることから、都は、これまで高齢者本人はもとより、高齢者の周囲の方々への啓発に積極的に取り組んでまいりました。
毎年九月には、高齢者被害防止キャンペーンを実施し、ポスターやリーフレットの作成、配布、交通広告や新聞広告などにより注意喚起を行っています。平成二十四年度には、消費生活総合センターの相談電話番号を刷り込んだシルバーパス用のケースを作成、配布し、相談窓口の周知を図りました。
また、高齢者や周囲の方々を対象に、消費者問題に詳しい講師が地域に出向いて、悪質事業者の手口をわかりやすく解説する出前講座のほか、介護事業者などを対象に、高齢者の被害を発見するポイントや、発見した際の対応等に関する研修を区市町村と連携して実施しております。
○山内委員 消費生活相談が、身近な区市町村で実施するようになったことは重要だと考えます。この相談事業を充実するために、都はどのような支援を行っているのかお伺いいたします。
○藤井消費生活部長 都の消費生活総合センターは、高度専門性と規模のメリットを生かし、区市町村の相談窓口では処理が困難な相談事案に対応しつつ、そのノウハウを区市町村に提供するセンター・オブ・センターズとしての役割を担っております。
このため、区市町村の消費生活センターに対して、相談に関する情報や事業者情報のほか、相談処理マニュアルを提供するとともに、困難事案に対応できるよう、弁護士等からアドバイスを受ける機会を提供しています。
さらに、相談員の資質向上など、人材育成を図るため、新任研修を初めとして、最新の消費者問題に関する研修を実施しています。
今後とも引き続き、区市町村の支援に取り組んでまいります。
○山内委員 地域の消費生活相談について伺いますと、自治体によっては相談員が定着できないなど、悩みを抱えている話も耳にします。
これまでも、国の交付金を使って相談場所の確保や、相談日数をふやすなどの取り組みを進めてきましたけれども、相談員の人員確保と定着を図るには、相談員の処遇についても改善する必要があります。地域が抱えている課題を解決するために、研修だけではなく、相談員の処遇や労働環境の整備などの支援にも、都として取り組んでいただきたいと思います。
次に、NPO法改正を受けて、何点かお伺いしたいと思います。
NPOが活動しやすくなるように、NPO法の改正があり、それに伴って都条例が改正され、施行されました。内閣府から東京都に所管が移ったNPO法人を含めて、認証NPO法人の状況はどうなっているのでしょうか。
また、新認定NPO法人制度になって、都として、認定や仮認定の申請が始まっていますが、その状況についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 都における平成二十四年四月一日現在のNPO法人数は、特定非営利活動促進法の改正に伴い、内閣府から移管された千八百六十二法人を含めて九千百九法人でございます。また、法改正に伴い、認定NPO法人に関する事務が国から移管されたところです。
新制度では、認定基準の一つであるパブリックサポートテスト、いわゆるPST基準が緩和されるとともに、PST基準が免除になる仮認定が設けられました。
平成二十四年四月一日から十月三十一日までの申請件数は、認定が四十件、仮認定が四十三件でございます。認定したNPO法人は、二法人でございます。
○山内委員 NPO法人にとって、所管が東京都に変わったことによるメリットはどのようなものでしょうか。
○飯塚都民生活部長 改正NPO法施行前は、複数の都道府県に事務所を設置しているNPO法人の窓口は内閣府、事務所を一つの都道府県にのみ設置しているNPO法人の窓口は都道府県、認定NPO法人に関する窓口は国税庁と、所管が三つに分かれていました。
今回のNPO法の改正で、これら三つの窓口がNPO法人にとって身近な都道府県、または政令指定都市に一元化されました。これにより、NPO法人にとっては、同一の所轄庁で手続等が完結することとなりました。
○山内委員 東京都には、認証も認定もNPO法人が非常に多いということは、それだけ市民活動が豊かであり、地域の課題解決に役立っているということです。相談件数がふえていると思いますが、法改正は地域での活動をしやすくするのがねらいですから、NPOを育てる視点で対応に当たっていただきたいと思います。
ところで、さまざまな課題に取り組むNPOの活動現場は、区市町村であることが多いのです。そのため、都がNPO支援を行う上で、区市町村との連携は欠かせません。東京都は、区市町村NPO担当職員連絡会議を実施しているとのことですが、その役割と内容についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 区市町村NPO担当職員連絡会議は、区市町村のNPO担当者を対象に、NPO支援や協働に関する情報の共有を図ることを目的に、年一回開催しております。
会議の内容は、区市町村からの事例報告や意見交換などでございます。
○山内委員 では、次に、新しい公共支援事業についてお伺いしていきたいと思います。
昨年度と今年度の二年間で、新しい公共支援事業を実施しています。モデル事業は、NPOと自治体が一緒に取り組む事業を後押ししようとするものです。
都の事業計画では、モデル事業については、行政を含むおおむね五団体以上が協働して地域の諸課題解決に向けて取り組む一般枠のほか、事業の目的にNPO等に対する支援を含むNPO等支援重点化枠と、東日本大震災への対応に関する取り組みを行う震災支援枠の三つの枠を設け、それぞれに予算額を設定しています。
モデル事業の選定は終わりましたが、一般枠全体の結果について、採択された分野や構成団体数など、概要についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 新しい公共の場づくりのためのモデル事業、一般枠の採択数は二十一件であり、分野ごとの内訳では、環境保全とまちづくりがそれぞれ六件、子どもの健全育成と地域安全活動がそれぞれ三件、福祉保健医療、社会教育、職能開発雇用拡充がそれぞれ一件でございます。
構成団体数は、二十一事業の合計で百五十団体でございます。
○山内委員 モデル事業の中で、震災支援枠やNPO等支援重点化枠においては、東京都社会福祉協議会が東京都と組んで実施する多額な事業が採択されています。この事業の内容についてお伺いいたしたいと思います。
○飯塚都民生活部長 東京都社会福祉協議会が参画しているモデル事業の採択数は全部で四件であり、東日本大震災への対応事業である震災支援枠が三件、NPO等支援重点化枠が一件でございました。
このうち震災支援枠の事業は、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地の災害ボランティアセンターにボランティアコーディネーターを派遣して、県外からのボランティアの受け入れを円滑化し、被災地復興に貢献することを目的とした事業や、都内への避難者が転居先の地域で円滑に生活を始めることができるように支援する事業でございます。
また、NPO等支援重点化枠の事業は、改正NPO法の施行に伴い、認定NPO法人の取得と新たな会計基準の導入など、適正な組織運営が促進されることを目的に、NPO法人に対する研修や相談などを行う事業でございます。
○山内委員 残念ながら、震災支援枠については、計画額に達しなかったと聞いております。それに対して、どのような対応をしたのかお伺いします。
○飯塚都民生活部長 震災支援枠は、二カ年度分一億円の計画額に対して九件の応募があり、七件の事業が選定されました。交付額は、総額約八千六百万円でした。
計画額との差額については、新しい公共支援基金を有効活用し、より多くの団体が交付金による事業に取り組めるようにするため、一般枠とNPO等支援重点化枠で取り組まれる事業に振りかえを実施いたしました。その総額は、約七百五十万円でございます。
○山内委員 震災支援枠について、区市町村で取り組む事業が少なかったのは残念ですが、各地で小さいNPOが被災地支援のさまざまな活動をしているにもかかわらず、国で示したガイドラインのつくりが自治体との連携を前提にしているために、この支援事業を活用することができなかったのではないかと思います。
今後のNPO支援を考える上でも、自治体との関係をどう位置づけるかは考えていく必要があると思います。
もう一つのNPO等支援重点化枠ですが、今回実施している認定NPO法人取得のための支援事業によって、認定NPO法人がふえ、寄附控除が活用されて、市民活動がさらに活発化することが期待されるところです。
日本では、寄附文化がなかなか育たないといわれてきていましたが、最近では、目的が明確なカンパ活動の取り組みはだんだん広がってきています。とりわけ、昨年の大震災以降、各地で実施されているカンパや支援バザーなど、社会的なミッションにお金を出す人がふえています。
NPO法の改正によって、認定NPO法人に手が届きやすくなりました。とりあえずは仕組みができたので、今後は社会全体で市民活動を支える実態をつくることが重要だと思います。
新しい公共支援事業は二年限りの事業で、終了後に評価するとのことですが、次のNPO支援策にぜひ生かしていただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○中村委員 それでは、生活文化局の事務事業について、大きく三つの項目について質問します。
初めに、市民活動の支援について伺います。
今、社会が大きく変わり、すべて国が決めていた方が効率よく大きな規模で事業を進められるという時代から、細かく地域のニーズにこたえるために、地方分権、地域主権の時代に変わりましたが、これは国の役所から、単に都庁や市役所への移管という意味だけではなくて、むしろそこにいる都民や市民が、より近い行政と積極的にかかわっていくということに変わっていったんだというふうに思います。
そういった点で、市区町村では、多様な市民のニーズにこたえるために、市民参加と協働ということが当然になってきています。
既にNPO法が制定されて長い時間がたち、NPOを初め、多くの市民団体が活動の場を広げています。市民団体との協働が大切であり、都でも積極的に取り組む必要があると考えますが、所見を伺います。
○飯塚都民生活部長 都では、平成十三年八月に、社会貢献活動団体との協働を目指して、協働の推進指針を策定し、福祉や環境、まちづくりなど幅広い分野で、これまで市民活動団体との協働関係を築いているところでございます。
また、都や市区町村の職員を対象に、研修や連絡会を開催し、行政との協働事業例を情報提供するなど、協働への積極的な取り組みを働きかけてございます。
○中村委員 取り組みの方をやっていただいているということはわかりましたが、前の指針をつくったときが平成十三年で、十年以上たっていますので、よりよいものにするために、常に検証というものはしていただきたいというふうに思います。
市民団体の中には、市区町村を超えて活動する団体も多くあり、こうした団体を支援することは、広域行政である都が行う役割だと考えます。
市区町村の市民活動センターでも、市民団体への支援を行っていますが、広域的な観点から、市民団体に対して都はどのような支援を行っているのか伺います。
○飯塚都民生活部長 都は、東京都社会福祉協議会が運営する東京ボランティア市民活動センターを通じて、NPOなどの市民活動団体に対し、さまざまな支援を実施しております。
具体的には、団体が実施するイベントやスタッフ募集に関する情報提供のほか、会計、労務、資金調達などの運営に関する相談対応、団体スタッフに対する研修、団体同士の交流機会の提供、会議室の貸し出し等を行っております。
○中村委員 会議室の貸し出し等も行っていただいているのですが、まだまだ都の施設というのがたくさんあるわけではないので、市区町村の施設を借りて活動することはあるかと思っています。
ただ、先ほどもいいましたが、市民団体が自治体の枠を超えて活動しているので、例えば、これは自治体の税金の使い方のあり方にもあるとは思うんですけれども、そこの区や市の施設を借りようと思うと、じゃ、住民が何割いなければいけないとかというときが時たまあって、広域的な活動をする場合、なかなか借りにくいところがあります。これは逆もあって、お互いさまなところもありますから、そういった活動を活性化するためにも、積極的に都がそういったことの要件を緩和するような働きかけというのもあってもいいのかなと思いますので、今後、ご検討をお願いしたいと思います。
また、NPO法人が活動していくには資金調達が欠かせませんが、その方法の一つとしては、寄附金を集めるという方法があります。
NPO法人が寄附を集めやすくするための制度として、認定NPO法人制度がありますが、平成二十四年四月の改正特定非営利活動促進法の施行により、認定に関する事務を新たに都道府県と政令指定都市が行うことになりました。
新しい認定NPO法人が始まりましたが、現状どうなっているか伺います。
○飯塚都民生活部長 平成二十四年四月の改正特定非営利活動促進法の施行により、税制上の優遇措置を受けることができる認定NPO法人に関する事務が、国から都道府県、または政令指定都市に移管されました。
新たな認定NPO法人制度では、認定基準の一つであるPST基準が緩和されるとともに、PST基準が免除になる仮認定制度が設けられました。
平成二十四年四月一日から十月三十一日までの認定の申請件数は四十件、仮認定の申請件数は四十三件で、認定したNPO法人は二法人でございます。
○中村委員 まだ制度が始まったところですから、これからその数がふえていくということを期待したいと思いますし、また、NPO法人等が社会の主要な構成要素にもなるということも期待したいと思います。
認定NPO法人が寄附をたくさん集めるには、寄附文化が醸成されることが必要だと思います。そのために、単にNPOに制度を知らせて認定取得を促すという広報だけではなくて、住民に寄附を促すようなPRもすべきではないかと考えますが、所見を伺います。
○飯塚都民生活部長 NPO法人に対する寄附を促進するためには、健全な認定NPO法人制度の発展とともに、寄附する側である都民の正しい理解と選択が不可欠であります。
そのため、都では、ホームページによる認定NPO法人制度の周知や、申請を希望する法人を対象とした個別相談などを行っております。
一方で、都民が認定NPO法人の活動情報などを容易に知ることができるようにするために、都のホームページ上にあるポータルサイトを整備する予定です。
そのほか、寄附に関する情報を広く紹介することを目的とした都民向けリーフレットも作成中でございます。
○中村委員 政権交代後につくられたこの認定NPO法人制度が画期的とされるのは、まず国税の税額控除の判断に、自治体がNPO法人の認定ということで関与することになること。そして、認定NPOに寄附をすれば、その一定割合の税金が控除されるので、見方を変えると、行政に納税するかわりにNPOに寄附をする。すなわち、行政かNPOかを選択できる効果があります。ぜひとも積極的にPRしていただきたいと思います。
さて、新しい認定NPO法人制度は、NPO法人が自立的に活動できるようになるための支援策ですが、国が創設したNPO支援策としては、新しい公共支援事業があります。
都では、現在、国からの交付金に基づく事業に取り組んでいます。新しい公共の場づくりのためのモデル事業では多くの団体が活動していますが、その成果はどうでしょうか、伺います。
○飯塚都民生活部長 新しい公共の場づくりのためのモデル事業は、国からの交付金により、都や市区町村とNPO等が協働して、地域の諸課題解決に向けて行う取り組みに対して助成する事業でございます。
平成二十三年度は三回の公募を行い、応募のあった六十二件について、第三者機関である新しい公共支援事業運営委員会が審査を行いました。
その結果、三十八件の事業が選定され、延べ二百四十の団体がそれぞれのモデル事業に取り組んでおります。
支援事業の成果につきましては、国のガイドラインに準拠して、事業終了後に成果を取りまとめた上で、新しい公共支援事業運営委員会による第三者評価を行い、事業の効果を検証する予定でございます。
○中村委員 ぜひ検証していただいて、これをまた都の政策に反映できるものがあればしていただきたいですし、ほかの団体などでも情報をPRしていただければ、これは自分のところでもできるなというものがあればやることもできるでしょうから、そういったこともしていただければと思います。
さて、国の新しい公共支援事業は二年間で終わりますが、活動を始めた団体の活動で、継続することが望ましい団体もあります。もとより二年間での自立をすることが条件だったとはいえ、まだ助成を受けて二年未満の団体もあり、地域で育ち始めた芽をつぶすことはないと思います。
少なくとも事業が定着するまでの一定期間は、引き続き財政支援が求められています。
国に対しては制度の継続を求めたいと思いますが、都からも求めていただきたいと思います。
新しい公共支援事業については、現場で市民団体と活動している市区町村は、場合によっては単独で助成を検討する場合が出てくるかもしれません。その場合、国の補助を、都を経由して市区町村にという制度から、市区町村が行う助成の一定割合を国や都が助成する新たな制度の枠組みがあると、一層の活性化が図られます。
都として新たな制度の創設が必要ではないかと考えますが、ご所見を伺います。
○飯塚都民生活部長 新しい公共支援事業は、平成二十三年度から二十四年度までの時限事業であり、国がみずから行っていることしの行政事業レビューにおいても、本事業は改めて廃止と判断されております。
都は、支援事業終了後、運営委員会による第三者評価を通じて、成果や事業効果の取りまとめなどを行ってまいります。
○中村委員 行政が少し予算をつければ、市民団体が大きな効果を得るということがあったり、行政本体にはそぐわなくても、市民団体を補助することで社会に大きく貢献することもあります。
都は、同じ部の制度ですけれども、地域の底力再生事業助成として、町会、自治会の支援をしています。地域での活動を都が支援するものですが、市民の活動を支援するという点では、特定の地域で活動する町会、自治会という市民活動への支援を行っているものです。
一方、ボランティア団体やNPOなどは、必ずしも特定の地域だけではない課題を地域を超えて取り組む市民活動であり、同じように課題解決に取り組む団体の支援に差をつける理由はありません。
地域のつながりが希薄化する中で、町会、自治会のような地域的なつながりも本当に大切なんですが、それだけではなくて、地域を超えてのつながりも含めて、さまざまなつながりができることが現代社会に求められています。市民団体への事業助成について検討していただけるよう要望して、次の質問に移ります。
次に、情報公開制度について伺います。
生活文化局では、都民に対する都政の説明責任を全うし、開かれた都政の推進を図るため、情報公開制度を運用するとされています。
都民からすれば、行政について知る権利があり、また、知ることは健全な民主主義において必要不可欠なことです。
平成二十三年度は、一部開示二千三百十七件、非開示四十九件、不存在等四百九十八件とのことです。この不存在という場合、そもそも存在していない場合もあるでしょうし、保存年限を過ぎて適切に廃棄した場合もあるとは思いますが、紛失をしたり、あるのに隠したりということは、当然のことながらあってはなりません。
そこで、情報公開制度について不存在という場合に、所管局が紛失したというときには、実際にはどのように確認をするのでしょうか。公文書を適切に開示する制度は必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
○梅田都政情報担当部長 公文書の開示請求があった場合には、情報公開条例に基づきまして、公文書を所管する局におきまして、開示または非開示の決定を行います。
その際、不存在を理由とする非開示決定を行う場合には、私ども生活文化局の担当に協議するほか、開示請求者の方に対しまして、書面で非開示の理由を示すことなどにより、適切な運用を確保しております。
○中村委員 情報公開制度による開示請求は、年々件数がふえています。公文書開示等決定数は、十年前の平成十三年度には二千二百四十九件であったのが、五年前の十八年度には四千六百二十一件、二十年度は五千八百三十三件、そして昨年、二十三年度は一万一千六百三十五件と急速にふえています。
制度を前提にしてきちんと開示請求に対応できるようにしないと、本来業務に支障を来したり、公開がおくれるなどして、結果的には都民にも弊害を来すことになります。
情報公開制度は、公正で透明な都政を実現していくために非常に大切な制度であり、開示請求に的確に対応するためには、職員が制度を理解して対応する必要があると思いますが、今後の情報公開制度の運用について所見を伺います。
○梅田都政情報担当部長 情報公開制度におきましては、職員一人一人が制度の重要性を認識し、開示請求に適切に対応することが必要です。このため、毎年、各局の職員向けに情報公開に関する研修、説明会を実施しております。
今後とも職員の資質の向上を図り、適切な情報公開の運用に努めてまいります。
○中村委員 情報公開制度は都民の権利でありますので、その運用は適正に行わなければならないとはいえ、件数としては一件でも膨大な量の請求があり、対応が大変な場合もあるとは聞いています。とはいえ、透明な行政は民主主義にとって必要不可欠であり、それに必要なコストというのは当然に発生します。制度を前提にした職員配置も検討されてもよいかと思います。
ただ、何が請求されるかはわかりませんから、各局で事前に備えることは難しいでしょうが、例えば生活文化局に、そのための人員として職員OBなどをアルバイトで雇っておいて、所管局を支援することなども考えられます。
いずれにせよ、情報公開制度の適正な運用を今後ともお願いいたします。
さて、三つ目の項目として、消費生活行政について伺います。
先日、消費者と事業者と都が協働して、実行委員会形式で新宿の西口広場で開会していたくらしフェスタを見学しました。多くの方が来場して、都民の関心も高いんだと思います。
というのも、昨今の消費者問題は、高齢者の資産をねらった悪徳商法、食品の安全性の問題など、内容が複雑、高額、多様化、そして被害も広範化しています。
そして、立川にある多摩消費生活センターは、消費者生活講座の開催など、多摩地域の都民を対象に行政サービスを提供していますが、消費者行政の重要性が増しているにもかかわらず、平成十三年に相談事業が飯田橋のセンターに統合され、廃止をされました。
多摩地域の消費者行政の活性化のためにも、多摩消費生活センターの役割は重要です。
そこで、多摩消費生活センターの取り組みを拡充させるなど、多摩地域における消費生活行政をさらに推進すべきであると考えますが、所見を伺います。
○藤井消費生活部長 東京都消費生活総合センターは、都内全域を対象に、センター・オブ・センターズとして高度専門的、広域的な役割を果たしており、多摩地域の都民の利便性の観点から、多摩消費生活センターにおきまして、消費生活講座の開催、消費者団体の活動の場の提供、図書資料室などの行政サービスを提供しています。
また、多摩地域の市町村を支援するため、共催で講座を実施したり、情報連絡会の開催などを行っています。
今後とも、消費者教育や市町村支援などを通じて、多摩地域における消費生活行政を着実に推進してまいります。
○中村委員 昨今は、直接面接だけではなくて、電話とかいろんな相談方法もあるようですけれども、平成二十三年度で、全体の相談件数が三万三千八百四十八件もあるようですから、いろんな内容や地域もあるんだと思います。
困ったときに相談したいときに、身近な相談場所が必要だという場合もありますから、もちろんこれは住民に一番身近なのは市町村ですから、そこへの支援も含めて、より積極的に行っていただきたいと思いますし、都として、さらに専門的な問題に対応できるよう、多摩消費生活センターが市町村消費生活行政のセンター・オブ・センターズになるように、多摩地域での消費生活行政のさらなる拡充をお願いします。
さて、現在、中間のまとめに関するパブリックコメント中ですが、消費生活基本計画の改定の趣旨は何でしょうか、お伺いします。
○藤井消費生活部長 現在の東京都消費生活基本計画は、平成二十年度から二十四年度までを計画期間としており、今年度で最終年度を迎えます。
都はこれまで、基本計画に基づき、高齢者、若者等をねらう悪質商法の撲滅、消費生活関連情報の積極的な収集、発信、東京都消費生活総合センターの相談、あっせん等による被害救済機能の強化など、全国で最も先進的な取り組みを実施してまいりました。
前回の計画改定から、この間、少子高齢化の一層の進行、インターネットを利用した電子商取引の飛躍的な拡大など、消費生活をめぐる状況は大きく変化しています。
また、国では、消費者教育推進法を初め、消費生活関連法の制定、改正等が行われました。
今回の計画改定は、今後の消費生活行政をさらに積極的に推進していくため、こうした状況の変化を踏まえた、向こう五年間の指針を策定するものであります。現在、東京都消費生活対策審議会におきまして、計画の改定について審議を行っております。今後、都民意見の募集結果も踏まえて、審議会でさらに議論を重ね、計画改定に関する答申をいただき、基本計画を改定する予定でございます。
○中村委員 国の方でも消費者庁を設置するなど、消費生活行政は本当に重要であり、注力されています。
今、計画改定の趣旨としてお答えのあったように、とりわけ法律で消費者教育を行うようになりましたが、その都の取り組みを伺います。
また、市区町村への支援も必要になりますので、その取り組みも伺います。
○藤井消費生活部長 都はこれまで、消費生活総合センターにおいて、都民や教員等を対象としたさまざまな講座を開催するとともに、子ども、若者、高齢者など、対象を絞った効果的な教材の作成など、消費者教育の取り組みを進めてまいりました。
審議会の中間のまとめでは、これらの成果も踏まえ、消費者教育の推進を基本計画の重点施策と位置づけるとともに、対象者の年齢や特性に応じた体系的な消費者教育を推進していく必要があるとしています。
また、市区町村が行う先駆的な取り組みへの支援、消費者教育に係る取り組み事例等の情報の収集、提供など、市区町村支援にも積極的に取り組むよう提言されております。
今後予定されている審議会の答申を踏まえ、消費者教育の推進について検討してまいります。
○中村委員 まずは消費者が賢くならなければならないので、消費者教育への積極的な取り組みをお願いします。
しかし、消費者対策は、個人がいかに気をつけようと、巧妙で悪質なわなにひっかかることはあり得ます。とりわけ高齢化が進む中、都として悪質な事例の取り締まりを強化する必要があると考えますが、どのように取り組むのか伺います。
○藤井消費生活部長 多発、深刻化する消費者被害の防止のためには、不適正な取引行為を是正し、悪質事業者を市場から排除する必要があります。
そのため、都では、警視庁の現役警察官及び警察官OBを含む六班体制の特別機動調査班を設置し、立入調査や行政処分を積極的に行っております。
また、他の道府県にまたがり、広域的に暗躍する悪質事業者を市場から排除するため、近隣の他県等と連携した同時行政処分を強化しています。
こうした取り組みにより、都はこれまで、悪質事業者に対し、全国をリードする取り締まり実績を上げてまいりました。昨年度は、十八件の業務停止命令などの処分を行い、うち十一件は高齢者が主な被害者となっている案件でありました。
今後とも、悪質事業者に対する取り組みを着実に推進してまいります。
○中村委員 悪質な事業者に対しては、ぜひしっかりと対応していただきたいと思います。
今のように、都が権限を持って立入調査や行政処分を実施していることはわかりました。
一方では、誇大広告など、不当な表示を行う事業者を積極的に指導すべきと考えますが、所見を伺います。
○藤井消費生活部長 広告表示は、消費者が商品やサービスを購入する際の重要な判断材料であることから、都内の小売店舗などにおける表示の適正化を図るため、職員による立入調査や都民二百人を消費生活調査員に委嘱し、その報告に基づき、必要に応じて行政指導を行っています。
また、近年、インターネットショッピング市場が拡大し、インターネット上の誇大広告などが増加している状況を踏まえ、年間二万四千件のネット広告を監視しています。二十三年度は、そのうち五百八十二件の広告表示の改善を指導いたしました。
さらに、事業者が法令を遵守した事業活動を行うよう、広告表示に関するコンプライアンス講習会も開催し、表示の適正化に努めております。
○中村委員 ご答弁ありがとうございます。
インターネットの普及や高齢化の進展など、社会の変化の中で、ますます巧妙で悪質な事例もふえていきます。
刑事事件とまではならない事例によって、消費者が損害を受けることが多くありますので、都が消費者行政の中でしっかりと取り締まり、同時に、賢い消費者を育成していただくよう、より積極的な取り組みをお願いしまして質問を終わります。
○きたしろ委員 まず、食の安全という立場から一件お伺いをいたしたいと思います。
オフィス街の路上などで、弁当を販売しているという光景をよく見かけるわけです。店舗できちんとした登録をし、そして衛生管理状態で販売されている弁当と比べて、温度管理やほこりなど、消費者にとって不安な要素も多い商品だと思うわけです。
都には、食品製造業等取締条例というものがあります。行商としての保健所への届け出義務や衛生基準などが定められておりますけれども、実際、まち中で弁当を販売している事業者が届け出をしているのか、また、衛生基準等をきちんと守っている信頼できる製造業者なのか、消費者が判断できる状況には必ずしもないのが実情ではないでしょうか。
食の安全が叫ばれる中、こうした現状を消費者が十分理解した上で商品選択をできるようにすることは、消費生活行政にとって重要ではないかと考えるわけです。
そこで、条例に違反した事業者の取り締まりは、保健所の所管であることは十分に承知しておりますけれども、消費生活行政の立場からもできることがあると考えますが、見解をお伺いいたします。
〔「結構安くてうまいんだよね」と呼ぶ者あり〕
○藤井消費生活部長 都民が消費生活を営むために必要な情報を速やかに提供することは、消費生活行政において重要であり、この中に食品の安全に関する情報も含まれております。
都はこれまでも、消費者教育講座や広報紙のテーマとして食品の安全を取り上げるなど、普及啓発に取り組んでまいりました。
ご指摘の、路上での弁当販売につきましては、食品製造業等取締条例に基づき、届け出事業者であることを証明する記章の掲示や、運搬容器への販売事業者名等の記載、食品衛生法に基づく弁当への製造業者名等の表示などが義務づけられております。これらの情報は、消費者の商品選択や安全性の確認のために重要なものでございます。
今後、購入前に確認すべき事項や留意点などにつきまして、ホームページで注意喚起を行うなど、消費者への情報提供に努めてまいります。
○きたしろ委員 まさに食の安全ということは非常に大切なことですので、先ほど不規則発言がありましたけれども、安くてうまいんだというわけよね。確かにそのとおりなんです。それはそれとして、やはり安全という面から、しっかりと対応してもらいたいなというふうに思います。
次に、地域の底力再生事業助成についてお伺いをいたします。
地域の底力再生事業助成は、我が党が平成十七年度に町会・自治会等振興議員連盟を立ち上げ、地域力向上の必要性を提言することにより、平成十九年度に東京都の重点事業として実現したものであります。
昨年度まで、モデル事業として五年間実施されてきたところでありますが、我が党は、これまでの実績を踏まえ、本格実施とするよう要望を行ったところです。
これを受けて、都は、事業の再構築を行い、広く地域の課題解決に取り組む町会、自治会に対し、継続的な助成を可能とする制度として、今年度から本格実施に移行いたしました。これまでの取り組みを高く評価するものでございます。
この制度改正によって、本事業助成を活用して、昨年度以上に多くの町会、自治会が積極的に地域の課題解決に向けた取り組みを行うようになったと聞いておりますけれども、今年度の申請状況がどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○飯塚都民生活部長 今年度の地域の底力再生事業助成は、既に第三回までの募集が終了しており、現在の申請件数は三百三十六件、申請総額は一億一千八百五十六万四千円となっております。昨年度第三回までの助成件数が百七十八件、助成総額が七千四百八十七万円であり、モデル事業から本格実施への制度改正によって、件数、助成申請額とも大幅に伸びております。
今年度申請の特徴としては、まず、新規団体からの申請件数が多かったことが挙げられます。これまで本助成を一度も活用したことのなかった団体から二百十三件の申請があり、申請全体の六割以上を占めております。
また、東日本大震災の発生を受け、地域の防災力向上に向けて多くの団体が防災訓練等に取り組んでおり、防災事業に関する申請件数は百八十七件となっております。
○きたしろ委員 今回の制度改正に合わせて、我が党としても、各地域において制度の周知に努めてきたところであります。この結果、新規団体からの申請がふえたことは非常に喜ばしいことであると思います。
高齢化の進展、近隣の人間関係の希薄化などを背景に、地域力が弱まっていることが東京における長年の課題であったわけです。前知事が隣組などという言葉も発したわけですけれども、それと同じように、今般の東日本大震災を契機として、地域における自助、共助の重要性が明らかになり、改めて地域の中で中核的な役割を果たしてきた町会、自治会が見直されることになりました。
都民の多くが期待している町会、自治会の活動を活性化させるために、地域の底力再生事業助成が大変有効に機能していると私たちは感じております。これまで以上に地域力の向上を図るべく、より多くの町会、自治会が本事業助成を活用できるよう、財源の確保を含め、事業の充実に努めていただきたいと思うわけです。
今後の取り組みに向けた局長の決意をお伺いいたし、私の質問を終わりたいと思います。
○小林生活文化局長 大都市東京は、その都市の特性といたしまして、今お話のありました高齢化の進行、あるいは住民の頻繁な転出入、単身、小規模世帯の増加などから、地域のつながりが極めて希薄化しているといわれてきているところでございます。
一千三百万の都民が生活する東京でありますから、さまざまな形でのコミュニティが存在するわけでありますけれども、地域に根差した町会、自治会の活動は、いわばお互いの顔が見えるつながりを強化し、防災や治安などの安全・安心、福祉、教育、環境、まちづくりなど、さまざまな課題を解決する、まさに自治の原点であるというふうに思っております。
こうした地域社会の自治力を高めながら地域の結びつきを強化し、共助を推進するため、広域的な立場から、都内全域における町会、自治会の組織力の底上げを図ることは、都の重要な役割と考えているところでございます。
しかし、地域社会の活性化が議論されている割には、この地域の底力再生事業助成がスタートするまで、都による地域社会に対する直接的な支援はほとんど行われてこなかったのではないかと、それが実態ではないかというふうに思っております。
そうした中、先ほど議員連盟のお話がございましたけれども、都議会の強力なご支援をいただきまして、平成十九年度からこの地域の底力再生事業がスタートいたしました。
事業開始当初は、三千万円という予算規模でスタートいたしましたが、その都度、都議会の協力を賜りまして、平成二十年度に七千万円、二十一年度からは一億円という形で予算規模を拡大してまいりました。
また、内容面におきましても、助成対象事業の拡充や手続の簡素化など、使い勝手をよくするような改善に努めるとともに、区市町村や東京都町会連合会と連携をいたしまして、本事業の周知徹底に努めてまいりました。東日本大震災以降は制度を改善しまして、地域の防災対策や節電対策の促進も図ったところでございます。
こうした経緯を踏まえまして、五年間のモデル事業を経て、いよいよ今年度から本格実施となったところでございます。
今回の本格実施によりまして、先ほどもありましたように、既に現時点で前年度を上回る町会、自治会の皆様に本事業を活用いただき、それをもとに、活発な地域活動が展開されていることに大きな手ごたえを感じております。
とりわけ防災事業につきましては、昨年度は二百十件と全申請件数の七〇%を占め、今年度も現時点で、先ほど答弁いたしましたように百八十七件と高い申請件数となっております。
具体的な事例で一例申し上げますと、いわゆる海抜ゼロメートル地帯にある連合町会におきまして、災害時の津波被害を想定し、専門家の助言を得ながら地域の浸水マップ作成や河川を利用した避難用ボートを使用した訓練が行われると、こういった取り組みも行われております。町会、自治会がその特性を生かして活動していることに支援をすることができたと思っております。
そうしたことから、地域の課題解決を図るとともに、地域社会の活性化にとって、この事業が有意義で欠かせないものという思いをますます強くしております。活動内容の充実が図られ、申請件数も伸びていることから、来年度予算は一億二千万円の増額要求をしたところでございます。
今後とも、地域を担う町会、自治会に本事業助成を活用していただくことによりまして、地域力の向上と活性化が図られるよう全力で取り組んでまいります。
○村上委員 先生方、お疲れさまでございます。最後の質問者となりました。(「大トリです」と呼ぶ者あり)大トリです。
私が今回質問をしたかったのは、それぞれの部の、今、部長さんからもご答弁がありましたけれども、大変地味な部でありまして、かといって、とても重要な部であります広報、広聴の関係の活動について質問をしていきたいと思っております。
都政広報は、都民と都政を結ぶ接点として、都政の重要施策や取り組みなどの情報を発信し、都民に共有してもらうため、非常に重要なものであります。
現在の都政において、東京の防災力向上、スポーツ祭東京二〇一三の開催や二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致機運の醸成など、力を入れて取り組むべき課題は数多くあります。
そこで最初に、都における広報活動についてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○横山広報広聴部長 都の広報活動についてご質問をいただきました。
都の広報活動は、施策の内容などを都民に対して正確に、わかりやすく、そしてタイムリーに伝え、都政に対する理解と関心を高め、都の政策、事業の円滑な推進を図ることを目的に実施をしております。
このため、生活文化局では、各局の広報部門と密接に連携をしながら、広報の目的や内容に応じ、適切な広報媒体を活用し、効果的な都政情報の発信に努めているところでございます。
「広報東京都」の約四百二十万部の発行を初めといたしまして、テレビやラジオによる八つの都政広報番組や都庁総合ホームページなど、さまざまな媒体を活用し、都民にわかりやすく情報を発信しております。
○村上委員 都民に伝えたい内容を正確に、わかりやすく、タイミングよく情報発信するために、幅広く各媒体を活用して都政の広報活動を展開しているとのことですが、先ほど野上先生からデートDVのお話がありましたけれども、まさにこの十一月号の広報紙の中にもしっかりと触れられております。やはりこういったことが的確なタイミングで発信をするという一つの必要性だろう、こんなふうに思っています。
中でも一番身近な「広報東京都」の内容と配布方法についてお伺いいたします。
○横山広報広聴部長 今、ご紹介のありました「広報東京都」でございますが、毎月一回発行いたしまして、都の施策についてわかりやすい解説や都民生活に必要なお知らせなどを掲載しているものでございます。
具体的には、重要な施策や大きな出来事のトピック記事、都の事業をお知らせする解説記事、各局の実施するイベント等の告知欄、時期に応じた特集記事などにより構成され、都民に多様な情報を提供しております。
都政が緊急的に取り組むべき課題に応じて、臨時号や号外の発行なども行っておりまして、さきの東日本大震災発生直後には、都民に節電の協力などを呼びかけております。
また、配布につきましては、主要日刊紙六紙への新聞折り込みを主体といたしまして、新聞非購読者への対応として、区市町村、福祉事務所、保健所、郵便局の窓口や都営地下鉄の駅などにおいても配布をしております。
○村上委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致が正念場を迎える中「広報東京都」の力も活用して機運の盛り上げを図っていただくことを期待しています。
さて、今の答弁で「広報東京都」は、多くの都民が新聞折り込みを通じて目にしていることがわかりましたが、一方で、近年、新聞を購読する人が減ってきているとも聞いております。特に若年層では、いわゆる活字離れがいわれており、都政情報を若年層へ確実に届けるための働きかけが大切であると考えます。
そこで、若年層が「広報東京都」を手軽に見られるような工夫についてお伺いいたします。
○横山広報広聴部長 今後、社会を担う若年層に「広報東京都」を読んでもらうということは、非常に重要な課題というふうに認識をしております。
そこで、インターネットを通じた入手を可能とするため、都庁総合ホームページにウエブ版「広報東京都」を掲載しております。
このウエブ版につきましては、昨年五月からレイアウトに工夫を加えましたことで、これにアクセスをしていただいている件数は、昨年四月号はレイアウト変更前の段階ですが、一万四千件から、本年十月号につきましては約五万七千件というふうに大幅に増加をしているところでございます。
また、昨年七月から開始をいたしました東京都庁広報課ツイッターによりまして、毎月「広報東京都」の発行をお知らせするとともに、ホームページ上のウエブ版への誘導も行っているところでございます。
○村上委員 ウエブ版を活用して「広報東京都」の読者拡大に取り組んでいるということはよくわかりました。
これから社会に出て活躍が期待される若者たちには、「広報東京都」に親しみを覚えてもらい、読んでもらうための働きかけをぜひとも続けていただきたいと思います。
また、ツイッターを活用した取り組みの話がありましたけれども、若者たちを中心に、かなり多くの人々が日常的にツイッターを使って情報のやりとりをしている状況があります。
そこで、ツイッターの広報媒体としての活用の現状についてお伺いいたします。
○横山広報広聴部長 情報発信をより一層強化するために、報道発表を中心にいたしまして、都民生活にかかわるお知らせやイベント情報など、さまざまな都政情報をタイムリーにツイッターで発信しております。
都庁広報課ツイッターにつきましては、昨年開始をいたしました当初の七月末時点でのフォロワーの数が約九千人でございましたが、これが本年十月末現在では約三万九千人というふうに着実に増加をしているところでございます。
これらの方々には、発信をいたしました情報が直接届くということとともに、さらにこれらフォロワーの方々が、内容を引用して広めるリツイートという仕組みを通じまして、案件によりましては三十万人を超える利用者に情報が届いているところでございます。
○村上委員 案件によっては三十万人にも情報が伝えられるとのことで、ツイッターの活用が効果を上げているということはよくわかりました。今後も都政広報の発信力を強化してもらいたいと思います。
近年のメディアの発達は目覚ましく、ツイッターのほかにもインターネット上の動画サイトなども、若年層を初めとして広く普及してきていると聞いています。
こうした動画サイトを都政広報に活用することも重要と思いますが、具体的な事例やその効果についてもお伺いいたします。
○横山広報広聴部長 動画サイトにつきましては、ユーチューブなどに東京都の公式チャンネルを開設いたしまして、新たな広報媒体の一つとして活用しております。
最近の事例では、九月の防災週間に合わせまして、都政広報番組で地域の防災力向上等に関する取り組みを紹介した際、そのダイジェスト版を動画サイトで発信するとともに、同時にツイッターでもPRを行っております。
テレビ用に制作をいたしましたこうした番組を、インターネット上の動画サイトという新たな広報媒体と組み合わせることによりまして、幅広い世代に、いつでも、何度でも視聴を可能とし、その訴求効果を高めているところでございます。
○村上委員 これからも新たなメディアがいろいろ普及をしてくると思いますけれども、東京の高齢化も進む中で、幅広い世代に対して都政の情報がしっかりと行き届くようにしていくことが重要であると考えます。
ツイッターや動画サイト等の新たなメディアを上手に活用することは非常に重要でありますが、一方で、年配の方々にとっては、まだまだなじみが薄いものであることも確かであります。
このため、都民のニーズを踏まえつつ、従来からの広報紙やテレビ番組なども十分に活用しながら、新たなメディアもあわせて活用することにより、それぞれのメリットを生かした効果的な広報を一層推進していくことを期待いたします。
また、「広報東京都」を見ますと、大変小っちゃいんですが、第八百六号というふうにナンバーが打たれています。これ、単純に月一回の発行で考えますと、六十七年と二カ月ということです。先ほどのご答弁の中で、臨時号であったり、号外号ということがあるようですけれども、やはり八百六号続いているということは大変大事なことですので、これからもぜひその辺についてはよろしくお願い申し上げます。
来年は、いよいよスポーツ祭東京二〇一三が開催をされ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催都市が決定するスポーツイヤーです。
この夏のロンドン・オリンピック・パラリンピックは、日本国じゅうに大きな感動、そして夢と希望をもたらしたことは記憶に新しいところであります。これから、さらなる招致機運の盛り上げを図るために、私たち議員も各方面への協力要請を初めとして、最大限努力をしてまいります。
先ほどのスポーツ振興局にもちょっと質問をさせていただいたんですが、今は数多くの団体に署名活動をしていただいております。おかげさまで、本日までで三十五万人を超える署名が集まってまいりました。
先ほどのスポーツ振興局のお答えでは、十二月上旬に署名を受け取る都民大会をぜひ開催したい、こんな決意を局長からいただいたわけですけれども、この招致機運を盛り上げるために、執行機関としても全庁挙げて取り組んでいただきたいと思いますが、とりわけ都民への情報発信を担う都政広報の果たす役割が重要になると考えます。
そこで最後に、都政広報の展開に向けた局長の決意を伺い、質問を終わりたいと思います。
○小林生活文化局長 東京は、約千三百万人を擁する人口を抱え、世帯数は、若者や高齢者の単身世帯がふえたことによりまして、近年大きく増加し、約六百七十万世帯となっております。
こうした大都市東京におけます都政広報は、都民と都政のよりよいコミュニケーションを図り、施策を強力に推進する上で重要な役割を担うものと認識をしております。
例えば、先ほど来お話に出てまいります「広報東京都」について申し上げますと、若干繰り返しになるところもあるかと思いますが、都内で約四百万部発行されている主要日刊紙すべてに折り込み、各世帯に届けられておりまして、各公共施設や都営地下鉄の駅にも配布され、都政広報において基幹的な役割を果たしております。
また、ご指摘のありました、近年の若年層を中心とした新聞購読率の低下という問題にも対応するため、都庁の総合ホームページにおいても「広報東京都」を紙面と同じ形で読むことができるよう掲載するなど、昨今の情報通信技術の進展を踏まえた、若者を中心とした層への認知度の向上や情報提供の充実にも努めてきております。
お話の、来年のスポーツイヤーに向けたムーブメントの推進という視点からの都政広報の取り組みといたしましても、「広報東京都」におきましては、ロンドン・オリンピック・パラリンピックのメダリストからのメッセージや、銀座におけますパレードのシーンを掲載しております。
加えて、紙媒体以外でも、ロンドン・オリンピック・パラリンピックで活躍した選手を起用した招致PR動画をトレインチャンネル等で放映するなど、スポーツの感動や喜びを都民に伝え、招致機運の醸成に努めてまいりました。
今後、スポーツ祭東京二〇一三の開催や二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市決定が迫る中、都政広報におきましても「広報東京都」の臨時号の発行を初め、都政広報番組や駅、空港の大型ビジョンなど、さまざまな媒体を活用し、一層の機運の盛り上げを図ってまいります。
今後とも、都政の重要課題や都民の関心の高い事業を中心といたしまして、各局と緊密に連携し、積極的な都政広報を展開してまいります。
○村上委員 今回は、都政広報について取り上げました。
一見地味でありながら、実は非常に重要な仕事だと思います。広報のよしあしによって事業の成否が左右されるといっても過言ではありません。ぜひそうした気概を持って、これからも積極的に取り組んでいただくことを期待して質問を終わります。
○畔上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畔上委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四十一分散会
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