文教委員会速記録第六号

平成二十四年三月二十一日(水曜日)
第三委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長今村 るか君
副委員長山内れい子君
副委員長村上 英子君
理事西沢けいた君
理事島田 幸成君
理事大松あきら君
野田かずさ君
くりした善行君
畔上三和子君
高木 けい君
野上 純子君
野上ゆきえ君
小沢 昌也君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長井澤 勇治君
総務部長遠藤 雅彦君
スポーツ振興局局長細井  優君
総務部長安藤 英二君
教育庁教育長大原 正行君
次長庄司 貞夫君
総務部長松山 英幸君

本日の会議に付した事件
 意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 文教委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第四十七号議案 東京都新しい公共支援基金条例の一部を改正する条例
・第四十八号議案 特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
・第四十九号議案 東京都消費生活条例の一部を改正する条例
・第五十号議案 東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例
・第五十一号議案 計量法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 東京都計量受託検査条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 東京都立図書館条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○今村委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書中一件については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略をいたします。

学校におけるスポーツ指導に関する意見書(案)
 学校におけるスポーツ中の事故が毎年報告されている。しかし、現状では、こうした事故情報を網羅的に蓄積し、分析する仕組みが存在していない。
 また、新学習指導要領に基づき、平成二十四年四月から中学校の保健体育の授業時間が大幅に増え、一・二年生では武道及びダンスが必修化されることになる。これに対し、保護者からは、指導者不足や重大事故の発生を心配する声が上がっている。
 こうした状況の中、文部科学省においては、平成二十三年八月より体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議が開催されているが、保護者の間にある不安が払拭されているとは言えない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、学校におけるスポーツ指導に関し、地区体育協会や医療関係団体、柔道整復業団体など専門的な知識・技能を有する関係団体と連携しながら、教職員に対する科学的知見に基づく研修や事故発生時のための救急救命講習、過去の重大事故の分析や防止策の研究等により、子どもたちが安心して学ぶことのできる万全な安全対策を講ずるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十四年三月 日
東京都議会議長 中村 明彦
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
文部科学大臣 宛て

○今村委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○今村委員長 本日は、お手元配布の会議日程どおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○くりした委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十四年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 厳しい財政環境の中、一般会計の予算規模は、前年度比一・四%減の六兆一千四百九十億円と四年連続の減となり、政策的経費である一般歳出も、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円に抑制をしています。投資的経費については、前年度比一・二%増の八千五百七億円として、新たな雇用や需要の創出などにも配慮したものになっています。
 事務事業評価においては、報告団体への支出などにも対象範囲を拡大し、百九十八件を見直し、二百二十億円の財源を確保するとともに、歳出を精査して一千百六十億円の事業費を削減しています。こうした取り組みを通じ、基金の取り崩しを最小限に抑えたことは、不安定な都税収入に支えられている都財政を運営する上で当然のリスク管理であり、評価するものです。
 昨年三月に発生をした東日本大震災は、都政のあらゆる分野に新たな課題を投げかけました。そこで、都は、こうした都政環境の変化を反映した都市戦略「二〇二〇年の東京」計画を発表し、大震災を乗り越え、日本の再生を牽引するとしています。
 本予算案では、首都直下型地震や三連動地震へのさらなる防災対策の強化、災害に強く環境負荷の少ない省エネルギー型の都市づくりや放射能対策などに戦略的な対応を行うとしています。また、急激な円高に苦しむ中小企業を支え、雇用を守る取り組みを行うことや子どもや子育て家庭への支援などについても確実に取り組むとしています。
 一方で、住宅耐震化の対象拡大、救急搬送時間の短縮に向けた取り組みやがん対策など、医療に対する都民ニーズの多様化や高齢化、高い失業率などに迅速に対応し、真に都民の安心を得るためには、さらなる施策の充実が必要です。
 また、都財政運営にとって重要な課題である法人事業税の暫定措置廃止については、国の社会保障・税一体改革大綱において、撤廃に向けた方針が明記をされました。しかしながら、今なおその実現には乗り越えるべきハードルや異論があり、私たちも、撤廃が完全に実現するまで、引き続き国に対して取り組みを行ってまいります。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 初めに、教育庁関係について申し上げます。
 一、次世代リーダー育成道場では、海外留学への準備段階として、都立高校生に使命感の醸成とともに、日本の誇るべき歴史と文化をしっかり学ばせ、海外で出会う人々に自信を持って自国のことを発信できるよう指導を行うこと。
 一、学校と地域の活性化につなげるため、区市町村のPTA活動や学校支援ボランティア推進協議会の設置を一層促進すること。
 一、防災教育において、実践型の防災訓練や宿泊訓練を実施し、特に都立高校生に対しては、社会貢献力の育成を図ること。
 一、主体的に情報をとらえて判断する能力や、本質を見抜く力であるメディアリテラシーなどの情報活用能力の育成を早急に進めること。
 一、都立高校改革推進計画の成果検証を実施し、その結果を広く都民に公開すること。また、検証に当たっては、学校評議員などの外部人材に助言を求めるなど、客観的な検証とすること。
 一、都立高校生が卒業までに習得すべき学力水準を明確にし、教員の資質向上などを通して、学習指導を充実させること。
 一、職業教育における技術と技能の高度化を図ること。
 一、都立高校改革において、理数教育を充実させ、理数系の進路に進む生徒への進路実績を向上させること。
 一、都立高校において中途退学者の追跡調査を行い、何もしていない者に対する復学支援などの取り組みを実施すること。また、中途退学者を減少させる取り組みにおいて、履修の弾力化を行う際には、単に生徒を卒業させることにとどまらず、その後の進路も含めて対応すること。
 一、区市町村の要望に応じて、指導主事及び統括指導主事の派遣が可能になる体制を構築すること。
 一、発達障害の児童生徒が社会生活を送る上で抱えるさまざまな困難を克服するため、医療、福祉等との連携を通じて、学習環境や指導の工夫を講じること。
 一、特別支援学校の教員配置において、現場の状況に合わせた対応をとること。
 一、病弱教育を縮小させず、引き続き進めていくこと。
 一、無形文化財の保存、継承を区市町村と連携して行うこと。
 一、PFI事業について、事業効果の検証と情報開示に努めること。
 一、教育庁人材バンクの法人化を検討する際は、幹部職員の再就職ありきで議論をしないこと。
 次に、生活文化局関係について申し上げます。
 一、新しい公共支援事業では、NPOの自立活動を支援し、東京都に寄附文化が根づくよう、あらゆる施策を講じること。
 一、NPO法人の認証、認定事務に当たっては、迅速、的確な対応に努めること。
 一、消費者被害救済委員会の機能強化による幅広い消費者被害の救済と、都民への適切な情報発信を行うこと。
 一、東京の魅力を発信する芸術文化創造基盤の整備のため、都立文化施設の適切な維持管理、芸術活動の発信支援、文化事業の推進を行うこと。
 一、私立学校における教育内容の向上、学校経営の健全化等を図るため、経常費補助などの各種助成を実施するとともに、保護者負担軽減補助の充実に努めること。
 一、外国人に対する防災情報提供対策を強化すること。
 一、新たに改定される男女平等参画のための東京都行動計画においては、これまで以上に規制を強化しないこと。
 次に、スポーツ振興局関係について申し上げます。
 一、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致に向けた、国内の機運醸成に努めること。
 一、総合型地域スポーツクラブを各自治体にきめ細やかに設置されるよう支援すること。
 一、都民のスポーツ活動を支援するため、競技団体や都民からの要望や意見を吸い上げ、施設の利便性の向上や施設の有効活用を図ること。
 一、スポーツ祭東京二〇一三に向けて、多摩・島しょ地域の振興につながるよう、市町村と連携を図り、総合的な競技力向上策を推進するとともに、さまざまなスポーツイベントの開催を行うこと。
 一、東京マラソン、東京大マラソン祭りは、すべての参加者が楽しめるイベントとなるよう運営の改善を図ること。また、チャリティーランの普及に努めること。
 一、障害者スポーツセンターのメリットを最大限に生かし、だれもがスポーツに親しめるために、障害者スポーツの振興をきめ細やかに図ること。
 一、東京都障害者スポーツ振興計画にパラリンピックの意義を盛り込み、推進を図ること。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○高木委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、文教委員会に付託された平成二十四年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十四年度予算案は、厳しい財政環境が続く中で、都民の安全・安心を取り戻す確かな手だてを講じるとともに、東京の成長と発展に向けた取り組みを戦略的に推進するものとなっています。
 とりわけ注目すべきは、歳出総額を抑制しながらも、経済波及効果の高い投資的経費を八年連続で増加させている点であります。同時に、事業評価を初め、むだをなくす取り組みを徹底して行い、基金残高を八千三百億円確保するなど、今後の備えも講じています。真に必要な施策の推進と、それを支える財政基盤の堅持という二つの課題を両立させたものとなっており、評価するものです。
 今後も都税収入の好転が見込めない中、将来にわたり責任ある財政運営を行っていくためには、自己改革努力を不断に進め、堅実な財政運営に徹することが必要です。そして、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、生活文化局関係について申し上げます。
 一、地域の底力再生事業について、制度改正後の積極的な運営に努めるとともに、周知、広報の充実に努められたい。
 二、男女平等参画審議会の答申を踏まえ、男女平等参画施策の一層の充実に努められたい。
 三、新たに設置するアーツカウンシルを活用し、東京文化発信プロジェクトを初めとして、伝統芸能などに対する文化施策のさらなる充実に努められたい。
 四、都民を消費者被害から救済するための取り組みを強化するとともに、悪質事業者の取り締まりを強化されたい。
 五、浴場経営の安定化を図るため、引き続き公衆浴場支援のための諸施策を推進されたい。
 六、私立学校の役割の重要性にかんがみ、基幹的補助である経常費補助を初め、各種助成の一層の充実に努められたい。
 七、幼稚園就園奨励費制度について、引き続き国に制度変更に伴う保護者負担増の改善を求めるとともに、激変緩和を図るための臨時的措置を実施されたい。
 八、耐震補強、改築工事に対する補助の充実など、生徒等の安全確保に向け施策を推進されたい。
 続いて、スポーツ振興局関係について申し上げます。
 一、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会招致を着実に推進されたい。
 二、スポーツ祭東京二〇一三に向けた選手強化やジュニア選手の発掘、育成など、総合的な競技力向上施策を着実に推進されたい。
 三、スポーツ祭東京二〇一三に向けた競技施設整備等の開催準備を着実に推進されたい。
 四、スポーツ祭東京二〇一三の開催機運を醸成するため、区市町村や関係機関と連携を図りつつ、積極的な広報展開を図るなど、大会の周知、普及に努められたい。
 五、スポーツを通じたムーブメントを繰り広げるため、東京都スポーツ振興基本計画の改定を図られたい。
 六、高齢者の健康の維持増進を図るため、高齢者を対象としたスポーツ振興事業を推進されたい。
 七、障害者スポーツの振興に向けた施設等の環境整備や情報発信など、障害者スポーツ振興計画の着実な推進を図られたい。
 八、東京マラソンについて、チャリティーなどさらなる充実を図るとともに、東京大マラソン祭りを引き続き実施されたい。
 次に、教育庁関係について申し上げます。
 一、児童生徒の学力向上を図るため、悉皆の学力調査を実施し、結果を児童生徒一人一人に還元するとともに、授業改善を一層推進されたい。また、理数教育の充実に努められたい。
 二、子どもの体力向上を図るため、都内公立学校の全児童生徒を対象とした体力調査を実施し、結果を一人一人に還元するとともに、子どもたちの体力向上やスポーツ教育の推進に向けた施策を充実されたい。
 三、学校教育のさまざまな分野で外部人材の活用を進め、教育内容を充実するとともに、外部人材の円滑な導入に向け、教育庁人材バンク事業を推進されたい。
 四、学校と家庭の連携を推進し、課題を抱えた児童生徒の保護者を支援するとともに、公立小学校のスクールカウンセラー配置を充実されたい。
 五、日本の歴史の価値を正しく認識させる取り組みにより、郷土や国に対する愛着や誇りを持つ日本人を育てるとともに、道徳性をはぐくむ教育の充実を図られたい。
 六、東日本大震災を踏まえ、より実践的な防災教育を推進し、自助、共助の心を育成されたい。
 七、次世代リーダー育成道場による都立高校生の留学支援など、新たに策定された都立高校改革推進計画に基づく施策を推進されたい。
 八、特別支援教育推進計画第三次実施計画を着実に推進し、障害のある子どもの状況変化に的確に対応するための施策を充実されたい。
 九、教員の専門性を高める研修などの充実とともに、再任用教員を活用した新採教員の育成などにより、急増する若手教員を計画的に育成されたい。
 十、都立学校の老朽校舎改築や大規模改修など、主要施設十カ年維持更新計画に基づき、施設整備を推進されたい。
 十一、公立小中学校施設の耐震化及び普通教室冷房化への財政支援等を継続するとともに、十分な予算措置を講ずる旨、国へ強く働きかけられたい。
 十二、小一、小二の三十五人以下学級化のための教員配置や、中一ギャップなどの課題に対応するための教員加配を確実に実施されたい。
 以上で私の意見開陳を終了いたします。

○大松委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十四年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十四年度の一般会計当初予算案は、都政史上初の五年連続都税収入減収という厳しい財政環境の中、歳出総額が抑制されたものとなっており、政策的経費である一般歳出は、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円と二年連続の減となっています。
 しかし、その中身を見れば、施策を厳選し、限られた財源を重点配分することで、都民の負託に的確にこたえるものへと練り上げられた予算となっていることがうかがえます。
 具体的には、依然として日本経済の低迷が続く中、雇用創出効果や中小企業の受注機会の拡大など、景気対策にも密接に連動する投資的経費を八年連続で増加させております。また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、金額、構成比ともに過去最高としています。
 加えて、防災力強化やエネルギー対策など、東日本大震災により浮き彫りになった東京の新たな課題にも積極果敢に対応するものとなっています。とりわけ、全国自治体の先頭に立って災害廃棄物の受け入れを推進するなど、引き続き被災者、被災地支援にしっかりと取り組む姿勢は高く評価するものであります。
 都財政を取り巻く環境が厳しさを増す中において、このような予算を編成できたのは、都が公明党と手を携え、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、事業評価を初めとした都庁の自己改革努力を重ね、堅実な財政運営に徹底して取り組み、財政の対応力を培ってきたからにほかなりません。
 平成二十四年度予算案においても、むだをなくし、個々の施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底するとともに、都債や基金を適切に活用するなど、まさに施策展開とそれを支える財政基盤の堅持とのバランスのとれた予算案といえます。
 厳しい財政環境が当面続くことが見込まれますが、いかなる状況にあっても都民生活を守っていけるよう、今後とも将来に向けて責任ある財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて予算の執行に当たりましては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効率的、効果的に行うことを要望します。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、生活文化局関係について申し上げます。
 一、多様な広報媒体を活用し、わかりやすく、きめ細かい広報広聴活動を進めること。
 一、東京ウィメンズプラザの相談事業のほか、配偶者暴力対策を推進し、民間団体や関係機関と協力、連携し、被害者支援に努めること。
 一、東京文化発信プロジェクトによって、芸術文化を通じた国際交流や青少年の健全育成に貢献するとともに、取り組みの充実に努めること。また、国際音楽の日に合わせた大規模なフェスティバルを開催するほか、東京都交響楽団を積極活用すること。
 一、東京芸術劇場の改修を効果的に進めるほか、庭園美術館などの他の都立文化施設でも計画的に改修を進めること。
 一、東日本大震災で被災された方々の心をいやし、夢や希望を与える芸術文化活動による被災地支援を継続的に展開すること。
 一、東京都消費者行政活性化基金の積極的な活用などにより、消費生活総合センターの機能を強化し、相談、情報の収集・提供、学習・活動支援などを充実すること。さらに、区市町村への必要な支援を講じ、都内全体の相談機能を向上させること。
 一、生活用品に起因する事故に子どもや高齢者が巻き込まれないよう、未然防止など安全確保に向けた取り組みを強化すること。
 一、深刻な問題となっている多重債務問題に関し、金銭管理能力の不足等により返済困難に陥った方に対するカウンセリングを実施すること。
 一、私立学校が公教育の一翼を担っていることの重要性にかんがみ、私立学校に対する助成水準の堅持、充実に努めること。
 一、私立学校に対する基幹的補助である経常費補助について充実を図ること。
 一、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の充実を図ること。また、国の就園奨励費補助の見直しによる保護者負担増に対しては、国に強く制度改善を求めるとともに、激変緩和の臨時的措置を講じること。
 一、コミュニティ形成に貢献する地縁団体、NPO、公衆浴場等への支援に努めること。
 次に、スポーツ振興局関係について申し上げます。
 一、スポーツ振興施策について、地域スポーツクラブの育成、支援から、世界レベルで活躍できる選手の育成、国際的なスポーツ大会の開催まで、多様な事業を総合的に推進すること。
 一、平成二十五年のスポーツ祭東京二〇一三に向けて、開催準備を着実に進めるとともに、区市町村の競技施設整備等に対する総合的な財政支援を行うこと。
 一、大会開催に向けた機運が醸成されるよう、区市町村や関係団体と連携し、積極的な広報展開を図るなど、大会の周知、普及に向けた取り組みを行うこと。
 一、スポーツ祭東京二〇一三の成功を目指して、国体候補選手強化やジュニア選手の発掘、育成など、競技力向上事業について一層の拡充を図ること。
 一、被災地とのスポーツ交流事業について、さらなる充実を図ること。
 一、障害の有無にかかわらず、だれもがスポーツに親しむことができるように、場の開拓、人材育成、情報発信など、障害者スポーツ振興計画の着実な推進を図ること。
 一、東京体育館などの都立スポーツ施設の計画的な改修を進めること。
 一、東京マラソン、東京大マラソン祭りについて継続して実施すること。
 一、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会招致を着実に推進すること。
 次に、教育庁関係について申し上げます。
 一、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業などの諸施策を推進するとともに、小中学校施設の耐震化及び冷房化が確実に進むよう支援すること。
 一、いじめの未然防止策と早期発見、早期対応に努め、夜間、休日における相談体制の充実や、スクールカウンセラー等の専門家を活用した支援体制を全校に整えること。
 一、有害な電子情報やいわゆるネットトラブルから子どもたちを守るため、情報モラル教育を推進し、ネットの正しい利用の仕方等について啓発を図ること。
 一、児童虐待の防止を強化するため、課題を抱えた児童生徒の家庭との連携を図り、スクールソーシャルワーカーや福祉事務所などの活用を進め、十分な配慮に努めること。
 一、小一、小二の三十五人以下学級化や中一ギャップなどの課題に的確に対応するための人的措置を講じるほか、少人数指導を進めて児童生徒の理解力を高めるとともに、学力、体力の実態把握を効果的、計画的に事業等に反映させ、各学校のチーム力を高めて、学力、体力の向上を図ること。
 一、校種を問わないキャリア教育や社会貢献活動の推進、ものづくり等の専門高等学校の魅力向上に努めること。
 一、東日本大震災を踏まえ、より実践的な防災教育の充実を図ること。
 一、環境教育を充実し、学校現場の環境負荷の低減にも取り組むこと。
 一、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画の効果的な推進を図るとともに、放課後の居場所づくり等を進めること。
 一、寄宿舎の閉舎については、利用中の児童生徒の円滑な移行を確保するため、区市町村福祉施策との連携を含め万全の配慮に努めること。あわせて、閉舎後も施設の有効活用を図るとともに、存続する寄宿舎については、新たに全都的な活用を図ること。
 一、教職大学院への派遣を拡充し、教員の資質向上を図るとともに、再任用教員を活用した新人教員の育成策の充実に努めること。
 一、校務改善を推進し、教員が子どもと向き合う時間を長く確保するほか、授業改善や教員の資質向上、職層、職種を超える一体となった学校運営などの充実を図ること。
 一、メンタルヘルス対策のため、ストレス検査などの諸施策を推進し、教職員の健康保持に努めること。
 一、栄養教諭を都内全域に配置し、食育リーダーや学校栄養士との連携を深め、食育の推進を図ること。
 一、都立高校生の海外留学を積極的に支援するとともに、留学の意義について多くの生徒に啓発を図ること。
 一、帰国子女や外国人子女に向けた日本語教育については、夜間中学校等を活用する指導を含め、必要な法整備を国に強く要請すること。あわせて、相談窓口の充実と指導方法の効果的な改善を進め、必要な教員の確保を図るほか、ボランティアの活用を含め人員、経費の支援に努めること。
 一、放課後子ども教室について、広く都内全域での推進を図ること。
 一、定時制高校の体制充実と柔軟な定員対応に努めること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○畔上委員 日本共産党都議団を代表し、来年度予算案に対する意見の開陳を行います。
 来年度の教育庁予算は、石原都政になってからの十三年間で最低の予算額となっています。
 東京の児童生徒数はここ数年増加していること、子どもの貧困率が七人に一人と深刻な事態になっていること、さまざまな障害や発達のおくれを持った子どもたちがふえていることなど、児童生徒を取り巻く環境は厳しい状況に置かれております。
 また、福島第一原発事故による放射能汚染対策として、都立学校の空間線量の測定を初め、給食食材の測定など、放射能から子どもを守る取り組みの強化が求められています。
 教育予算を拡充し、一人一人の成長発達を保障する教育条件の整備をすることが求められているのに、予算の減額は逆行です。予算を減額するのではなく、少人数学級のさらなる拡充など、教育条件の整備こそすべきです。
 また、私学助成を拡充し公私格差をなくすこと、消費相談事業の拡充や都民スポーツ活動への助成などの実施を求めるものであります。
 以下、各局関係で申し上げます。
 まず、生活文化局関係です。
 一、男女平等にかかわる調査、普及啓発活動などの施策を拡充すること。
 二、消費者相談の増加、多様化、複雑化に対応するため、消費生活総合センターの事業費を増額すること。多摩消費生活センターの商品テスト、直接相談を再開すること。
 三、消費相談員、婦人相談員の待遇改善を行い、五年での雇いどめは行わないこと。
 四、公衆浴場耐震化補助を拡充すること。
 五、東京都平和祈念館の建設に向けた準備をすること。都民から寄贈された資料など、活用に努め、研究に着手すること。
 六、小中学校などでの芸術鑑賞教室に助成を行うこと。また、体験型芸術プログラムを拡充すること。
 七、新進音楽家の登用に道を開くためのフレッシュ名曲コンサートを拡充すること。
 八、在京オーケストラで恒常的にスポンサーを持たないオーケストラに運営費補助を行うこと。
 九、都立文化施設の運営費、収蔵費など予算を増額すること。
 十、私立学校経常費補助を増額するとともに、私立幼稚園教育振興事業費補助を増額すること。
 十一、少なくとも年収三百五十万未満の世帯は授業料無償となるよう、私立高等学校等特別奨学金補助を拡充すること。
 十二、私立学校等の入学金、施設費等の負担を軽減するための補助を行うこと。
 十三、私立幼稚園保護者負担軽減補助の単価、対象を拡充すること。
 十四、私立幼稚園の入園料への助成制度を創設すること。
 十五、私立専修学校専門課程の学生への授業料補助を行うこと。
 十六、公立、私立高校生に給付する奨学金制度を創設すること。
 十七、私立学校老朽校舎の改築、改修及び施設設備に関する補助を増額し、対象を拡大すること。また、耐震診断、補強への助成、太陽光発電等の省エネ設備導入への補助をさらに拡充すること。
 十八、専修学校の防災備蓄、省エネ設備導入への補助を実施すること。
 十九、私立学校の放射能対策費補助を行うこと。
 二十、外国人学校運営費補助に朝鮮学校への補助も加えること。
 二十一、被災地へのボランティア派遣支援などを強化すること。
 次に、スポーツ振興局関係です。
 一、二〇二〇年オリンピック招致活動はやめること。
 二、都民スポーツ活動や自主的、広域的なスポーツ大会への助成を行うこと。
 三、身近にスポーツを享受できる環境の整備に努めること。
 四、障害者のスポーツ活動や大会への助成を行うこと。
 五、障害者が利用しやすくなるよう、都立スポーツ施設の改修、設備改善を行うこと。
 次に、教育庁関係です。
 一、中学校一年生で三十五人学級を早急に実施するとともに、小中学校の三十人学級を計画的に実施すること。
 二、小中学校の学級維持制度を存続すること。
 三、給食の放射能検査機器を購入する区市町村への補助を実施すること。
 四、小中高等学校の養護教諭の複数配置の基準を国基準に引き上げること。
 五、学力と体力の悉皆調査はやめること。
 六、食育の推進のため、栄養教諭を順次任用すること。
 七、小中学校の日本語学級をふやすなど、日本語指導の必要な子どもたちへの教育を拡充すること。
 八、小学校の特別支援学級の大規模校に教員を増配置すること。
 九、小中学校に専任司書を配置できるようにすること。
 十、小学校の耐震化促進の事業を充実すること。また、改築への助成制度を創設すること。
 十一、学校経営支援センターを廃止し、学校事務職員定数はセンター設置前に戻すこと。
 十二、夜間定時制高校の増設、増学級等を行い、募集をふやすこと。
 十三、夜間定時制高校の給食費を補助すること。
 十四、都立学校の改修費を増額し、必要な改善、改修を行うこと。
 十五、都立学校の展示用や照明などの非構造物の耐震化を進めるとともに、防災備蓄物資の拡充を図ること。
 十六、都立学校の太陽光発電など再生可能エネルギーの導入目標を引き上げ、設置を拡大すること。
 十七、都立高校のスクールカウンセラーを全校配置すること。また、スクールソーシャルワーカーを配置すること。
 十八、都立学校の学校図書館業務の民間委託をやめること。直ちに学校司書の新規採用を行うこと。
 十九、都立高校の特別支援教育推進のための教員の増配置をすること。
 二十、都立高校の部活動予算を増額すること。
 二十一、特別支援学校を新設するとともに、特別支援学校の普通教室確保を緊急課題として進めること。
 二十二、城北特別支援学校を初めとする特別支援学校の寄宿舎を存続させ、寄宿舎の入舎は教育的理由を認めること。
 二十三、肢体不自由部門の自立活動担当教諭の削減はやめ、定数どおりに配置すること。
 二十四、知肢併置校や寄宿舎設置校などの栄養士を複数配置すること。
 二十五、大規模併置校の養護教諭の配置基準をさらに改善し、増配置すること。
 二十六、特別支援学校のスクールバスをふやし、長時間乗車を解消すること。また、利用者アンケートを実施すること。
 二十七、特別支援学校の重度重複学級を児童生徒の実態に合わせてふやすこと。
 二十八、特別支援学校の特別支援コーディネーターは、センター校にすべて専任配置すること。
 二十九、時間講師の待遇を改善すること。
 三十、新多摩都立図書館の建設計画について、書庫を確保し、将来の蔵書の増加に対応するスペースを拡充すること。また、資料購入費をふやし、図書館司書の新規採用を促進すること。
 三十一、視覚、聴覚障害者の生涯学習のための事業を拡充すること。
 以上で意見開陳とさせていただきます。

○山内委員 私は、都議会生活者ネットワーク・みらいを代表し、本委員会に付託された二〇一二年度予算関係議案についての意見開陳を行います。
 昨年三月の東日本大震災後、初の当初予算は、前年度に比べて一・四%減の六兆一千四百九十億円で、その中の一般歳出は、前年度に比べて一・三%減の四兆五千二百三十一億円、二年連続の減となりました。
 大震災や夏の集中豪雨、タイの洪水などの相次ぐ災害、またヨーロッパの信用不安による急激な円高など、景気、経済をめぐるさまざまな状況によって都税収入は落ち込んでおり、先行き不透明な経済状況で、財政環境の将来を見通すことは困難ですが、少子高齢化、人口減少といった今後の東京の課題を見据えて、それに着実に対応していかなければなりません。
 一般歳出を抑制する一方で、投資的経費は八年連続増額で、前年度に比べても〇・二%増としておりますが、下水道や橋梁の老朽化に見られるように、社会資本整備の面からも、新たなものをつくるのではなく、メンテナンスや再整備に大きくシフトしなければならない時代に入っている中、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致を前提にしたインフラ整備には疑問が残ります。
 若者の就職難、貧困世帯の増加など、都民生活はさらに厳しさを増しています。だれもが地域で生活できるように、職や住まいの確保、地域医療の充実と福祉の連携、障害者、若者の自立に資する施策などでセーフティーネットを構築し、環境、福祉重視のまちづくりへしっかりと方向を示すとともに、実際に事業を担う区市町村の主体的な取り組みを支援すべきです。
 放射能対策は、これから長期にわたって食品などの内部被曝が問題になります。子どもへの影響に対する十分な対策が必要です。
 また、子どもや子育て家庭への支援の重要性が増しています。子どもの育ちを見守り、下支えする環境整備が必要です。今回、社会的養護の取り組みを推進する事業が盛り込まれましたが、困難を抱える子どもや若者へのきめ細かい支援を求めます。
 以下、各局別に申し上げます。
 生活文化局。
 一、男女平等参画社会の実現を目指し、都のすべての審議会、協議会の女性委員の割合を早急に五〇%にするようポジティブアクションを進め、具体的なプログラムを策定するとともに、年度ごとに成果を公表し、達成できない理由を明確にすること。
 一、ワークライフバランスについての普及啓発を行い、仕事と生活の両立が可能な雇用環境を整備するため、中小企業を支援すること。
 一、DVの未然防止としてデートDVを防ぐ取り組みを進めること。
 一、配偶者暴力相談支援センターを各区市町村に設置し、機能を強化するための支援を行うとともに、被害者支援を行うNPOなどと連携を強化すること。
 一、東京都の消費者相談の機能を充実させ、市区町村の消費者行政を支援するとともに、消費生活相談員の人材養成と処遇を改善すること。
 一、高齢者、若者、子どもの消費者被害の未然防止のため、消防、警察、病院との連携を強め、商品事故情報を速やかに提供すること。
 一、消費者教育の積極的な推進や消費者情報の効果的な提供に取り組むこと。
 一、食品表示の適正化については、消費者にとって必要な情報を正確にわかりやすく伝える制度を確立し、不正表示の一掃と監視の強化を行うこと。
 一、新しい公共支援事業を拡充して、NPOや市民事業などが取り組めるよう支援すること。
 一、災害ボランティアが継続的に活動できるよう、コーディネーターを育成すること。
 一、国際的な視野を持つ若い世代を育てるために、国際交流事業を支援すること。
 一、幼稚園から高校、専修学校までの私学に対する経常費補助、授業料軽減補助等の助成を拡充すること。
 一、私立学校、幼稚園の老朽校舎及び耐震化への改築、改修に対する補助を充実すること。
 一、東京都内の私立学校施設においても化学物質子どもガイドラインの理解と活用を図るよう関係機関に働きかけること。
 次、スポーツ振興局について。
 一、地域スポーツ活動への支援を強化すること。
 一、障害の有無や種別にかかわらず、身近な地域でだれもがスポーツに親しめるよう環境を整備すること。
 一、障害者スポーツ振興計画の推進に当たっては、当事者や医師、理学療法士などの意見を反映すること。
 次、教育庁について。
 一、教員の定数増を国に求め、必要十分な教員数を確保すること。
 一、複数担任制やチームティーチング、教員の事務作業を補佐する教員クラークなど、現場の状況に応じて対応できるような柔軟な教員配置を行うこと。
 一、栄養士、図書館司書、学校安全員など、学校内に子どもにかかわる人材をふやし、教員が子どもにかかわれる時間を確保すること。
 一、都立高校、中高一貫校の保健室施設、設備を充実し、養護教員の複数配置を進めること。
 一、教員のためのメンタルサポートなど相談体制を整備すること。
 一、教育庁に外国人教育の専門部署を設置し、外国人の子どもの母語教育や、日本語が十分でない児童生徒への語学指導を充実するため教員を加配するとともに、都立高校に外国人や帰国子女枠をふやし、入学試験においては特別の配慮を行うこと。
 一、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡大し、教育と福祉の連携を図ること。
 一、中途退学者や進路が決まらない卒業生に対して、再チャレンジを支援する仕組みを拡充すること。
 一、学校への太陽光エネルギーの導入を進めるとともに、校庭の芝生化や緑のカーテンづくりに際しては、継続的な維持補修が行える補助制度をつくること。
 一、教育環境におけるユニバーサルデザイン化を早期に実現し、地域に開かれた社会資源として、都立学校も含めた学校施設を開放すること。
 一、学校における避難訓練を見直し、防災教育を徹底すること。
 一、中学校の武道必修化に当たっては、施設の整備と外部人材の活用で安全を確保すること。
 一、学校給食の放射能検査体制を充実強化すること。
 一、学校給食では有機栽培農産物や地場産の食材を積極的に活用し、遺伝子組みかえ食品は使わないこと。
 一、特別な支援を必要とする子どもの増加による過大、過密を解消するため、新設または学級増を行い、各学年が一教室を確保できるようにすること。
 一、特別支援教育では個々のニーズに応じた教育課程の設定、指導の充実を図ること。
 一、特別支援教育コーディネーターの担い手は兼職を避け、事務量も削減するなど、職務に専念できる環境整備を整えること。
 一、特別支援学校や通級学級に通う生徒児童の交通負担を軽減するため、スクールバスの小型化や民間移送サービス利用、タクシー通学などの助成も検討すること。
 一、すべての施設や学校で同性介護、介助が可能となるよう人員配置を行うこと。
 一、学校図書館支援センターの設置を支援し、授業での学校図書館の活用を促進すること。
 一、学校や教育施設への多摩産材の活用を進めること。
 以上で生活者ネットワーク・みらいの意見開陳を終わります。

○今村委員長 以上で予算案に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○今村委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十七号議案から第五十二号議案まで及び第五十四号議案から第五十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○畔上委員 日本共産党を代表して意見を表明します。
 まず、第五十四号議案についてです。
 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例ですが、この条例改正により、平成二十四年度の職員定数は計六万二千九百七十三人となり、今年度に比べ四百四十四人の増員となります。
 その主な増要因は、小学校二年生の三十五人学級の新たな実施、中学校生徒数増による中一ギャップ加配増などによるものです。この間、少人数学級を求める議会内外の世論の反映です。
 また、特別支援学校の特別支援コーディネーターの三人の増員及び四月開校の知肢併置の特別支援学校である府中けやきの森学園における養護教諭の配置基準の見直しによる二人から三人への増は前進です。
 よって、本議案に賛成をするものです。
 しかし、都立高等学校の図書館の学校司書を二十一人減らすことや、用務員の二十二人の削減、学級維持制度の廃止、肢体不自由児特別支援学校の介護人材導入校の拡大に伴う自立活動担当教員の削減などは問題であり、撤回を求めるものであります。
 次に、第五十七号議案について申し上げます。
 都立学校設置条例の一部を改正する条例ですが、この条例により、府中特別支援学校と府中朝日特別支援学校が廃止されることとなります。二校を統合して新たにできる府中けやきの森学園については、九十六学級、四百四十七人と規模が大きくなり過ぎるとともに、教職員が二校分に分かれていたときよりも減らされるということで、教育条件の低下につながり、保護者からも懸念する声が上がっています。
 このたび養護教諭についてのみ一名増配置することとなったものの、栄養士や事務職員など改善はありません。
 南大沢学園特別支援学校の廃止についてですが、これは知的の南大沢学園が知肢の多摩養護に移転統合し、多摩桜の丘学園となったことに伴うものです。
 この移転統廃合には経緯があります。もともと都は、都立南野高校の跡地に軽度の知的高等部の特別支援学校をつくろうと計画していたものの、当該の多摩市への説明が不十分で、最終的にはつくれなくなってしまいました。そこで、南大沢学園を軽度の知的高等部の学校にし、南大沢にいた小中高等部の生徒を多摩養護に順次移すこととしたものです。
 そのため、先ほどの府中けやきの森学園のような大規模校、併置校の問題に加え、一校分の敷地に二校分の児童生徒が入るために、校庭をぐるりと囲む形で校舎を増設するなど、教育環境の後退を招く結果となりました。
 特別支援学校の生徒増への対応や教室不足の解消は学校の増設で対応すべきであり、このようなやり方は認めることはできません。
 よって、本条例改正には反対をするものであります。
 最後に、三月十六日の文教委員会における教育長の発言について一言申し上げます。
 都教委の作成した「江戸から東京へ」のアジア太平洋戦争の記述にかかわり、教育長は、一方的に日本が侵略したとか、そういう特定の考え方を押しつけるものではなくてと、日本が侵略戦争したというのは特定の考え方であると発言されました。
 この発言は、日本が植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えたとする、一九九五年、戦後五十周年の終戦記念日に当たっての首相談話、いわゆる村山談話を初めとする政府見解とも異なるものです。
 第二次世界大戦の悲惨な経験を通じて、国際社会は、どの国であれ、植民地支配や侵略戦争を行わないという方向に歴史を前進させました。そして、その前提のもとに、平和と友好の関係を築いていこうというのが現在の国際社会のあり方です。
 そのためには、過去の歴史の清算は重要なことです。例えば、日韓共同宣言の中で、当時の小渕首相は、韓国への植民地支配への反省とおわびを述べ、両国国民、特に若い世代が歴史の認識を深めることが重要だと述べています。その上で、両国が過去の歴史を乗り越えて友好と協力の関係を発展させていこうとしているのです。
 教育長の発言は看過できないものであり、発言の撤回を求めるものであります。
 以上、意見表明といたします。

○今村委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第五十七号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○今村委員長 起立多数と認めます。よって、第五十七号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十七号議案から第五十二号議案まで、第五十四号議案から第五十六号議案まで及び第五十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認めます。よって、第四十七号議案から第五十二号議案まで、第五十四号議案から第五十六号議案まで及び第五十八号議案はいずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○今村委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきました。

○今村委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程どおり、理事会において申し合わせいたしましたので、ご了承願います。

○今村委員長 この際、所管局を代表いたしまして、大原教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○大原教育長 所管三局を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 本定例会では、それぞれの所管に関する平成二十四年度東京都一般会計予算案及び平成二十三年度東京都一般会計補正予算案のほか、生活文化局関係では、東京都新しい公共支援基金条例の一部を改正する条例外六件の条例案及び一件の報告事項を、スポーツ振興局関係では、東京都障害者スポーツ振興計画(原案)について外一件の報告事項を、教育庁関係では、学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例外四件の条例案及び、都立小岩高等学校(二十三)改修及び改築工事請負契約外一件の契約案並びに一件の報告事項につきましてご審議をいただきました。
 また、このほか生活文化局及び教育庁関係におきまして三十件の請願陳情審査がございました。
 いずれの案件につきましても、今村委員長初め委員の皆様には、さまざまな観点からご審議いただきまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえまして、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○今村委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十五分散会

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