委員長 | 今村 るか君 |
副委員長 | 山内れい子君 |
副委員長 | 村上 英子君 |
理事 | 西沢けいた君 |
理事 | 島田 幸成君 |
理事 | 大松あきら君 |
野田かずさ君 | |
くりした善行君 | |
畔上三和子君 | |
高木 けい君 | |
野上 純子君 | |
野上ゆきえ君 | |
小沢 昌也君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化局 | 局長 | 井澤 勇治君 |
総務部長 | 遠藤 雅彦君 | |
広報広聴部長 | 櫻井 和博君 | |
都民生活部長 | 飯塚美紀子君 | |
消費生活部長 | 藤井 秀之君 | |
私学部長 | 石井 玲君 | |
文化振興部長 | 関 雅広君 | |
都政情報担当部長 | 梅田 弘美君 | |
男女平等参画担当部長 | 菊地 俊夫君 | |
文化施設改革担当部長 | 北村 俊文君 | |
スポーツ振興局 | 局長 | 細井 優君 |
理事 | 産形 稔君 | |
総務部長 | 安藤 英二君 | |
スポーツ事業部長 | 板垣 一典君 | |
スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 | 佐野 克彦君 | |
スポーツ祭東京推進部長 | 川合 純君 | |
大会運営担当部長 | 早崎 道晴君 | |
招致推進部長 | 松永 竜太君 |
本日の会議に付した事件
スポーツ振興局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 スポーツ振興局所管分
報告事項(質疑)
・味の素スタジアム西競技場の開業について
・「東京都障害者スポーツ振興計画」(原案)について
生活文化局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十七号議案 東京都新しい公共支援基金条例の一部を改正する条例
・第四十八号議案 特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
・第四十九号議案 東京都消費生活条例の一部を改正する条例
・第五十号議案 東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例
・第五十一号議案 計量法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 東京都計量受託検査条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都男女平等参画審議会答申について
○今村委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程どおり、スポーツ振興局及び生活文化局関係の予算の調査及び報告事項に対する質疑並びに生活文化局関係の付託議案の審査を行います。
これよりスポーツ振興局関係に入ります。
予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、スポーツ振興局所管分及び報告事項、味の素スタジアム西競技場の開業について外一件を一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○板垣スポーツ事業部長 去る二月二十日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりいただきまして、資料1、スポーツ振興施策に係る予算の推移をごらんいただきたいと存じます。
スポーツ振興施策に係る予算額につきまして、表の左側に記載の区分ごとに、平成二十年度から二十四年度までの推移を記載しております。
一枚おめくりください。資料2、各都道府県の主な公立スポーツ施設の設置状況でございます。
地方公共団体が設置いたしました一定規模以上の体育館や水泳プールなどのスポーツ施設につきまして、その設置数を都道府県別に記載しております。
一枚おめくりください。資料3、スポーツムーブメントの内容と予算でございます。
都民のスポーツ機運の醸成を目指し、都民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催や、さまざまなスポーツ情報の発信などを行いますスポーツムーブメントの予算額につきまして、表の左側に記載の区分ごとに、平成二十二年度から二十四年度までの推移を記載しております。
一枚おめくりください。資料4、地域スポーツクラブ区市町村別現況でございます。
本年三月十五日現在で、区市町村ごとに設立されております地域スポーツクラブの数を記載しておりまして、百七カ所となっております。
もう一枚おめくりください。資料5、スポーツ施設における障害者スポーツ指導員の区市町村別配置状況でございます。
平成二十二年十月現在で、障害者スポーツ指導員を配置している区市町村につきまして、その配置施設数を記載してございます。
一枚おめくりいただきまして、最後に資料6、障害者スポーツ教室の区市町村別開催状況でございます。
平成二十二年十月現在で、障害者スポーツに関する教室を開催している区市町村を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○今村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○西沢委員 先日、原案が公表されました東京都障害者スポーツ振興計画についてお伺いいたします。
本計画策定に際して、東京都は、障害者のスポーツ活動に関する実態調査を行っているということでございます。実態に即した計画とするためには、このような調査を通じて現状把握し、課題を抽出する必要がございます。計画策定の貴重な基礎資料である調査については実施概要や、対象者についても計画本文において明確にしておくべきであると考えます。
とりわけ障害当事者を対象とした調査については、スポーツや運動を行うことのできる比較的障害が軽度な方々を対象として実施したのではないか、対象が偏った調査になっているのではないかという指摘も出てくるのではないか、誤解を未然に防止するため、東京都としてどのように対応するのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 本計画策定に際しましては、都における障害者スポーツに関する実態調査を三種類実施いたしまして、障害者スポーツに係る現状や課題を多角的に把握し、計画に反映させてございます。
具体的には、障害のある当事者を対象とした調査、スポーツ推進委員協議会を対象とした調査、そして障害者スポーツ指導員を対象とした調査の三種類であり、多くの貴重なデータを得ることができました。
特に、障害のある当事者を対象とした調査につきましては、障害のある人全般のスポーツ、運動の実施状況や意識などを把握するため、年齢、性別や障害の程度、スポーツ活動の有無にかかわらず、無作為的に実施をしてございます。
これら実態調査につきましては、実施概要や対象者、回答者の属性等について、改めて計画本文中及び計画資料編の中で記載をいたしまして、ご指摘のように明らかにすることによりまして、都民から的確なご理解をいただくよう努めてまいります。
○西沢委員 明らかにしていただきたいと思います。
あわせまして、実態調査での障害当事者の要望等の把握とあわせて、東京都は、原案公表時にはパブリックコメントを実施いたしました。
このパブリックコメントの状況や寄せられた意見についてお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 東京都障害者スポーツ振興計画原案公表に際しまして実施した都民の方からの意見募集に対しましては、計七通のご意見をいただいてございます。
主なものとして、障害者スポーツの理解促進、普及啓発に関連して、スポーツ祭東京二〇一三を競技力強化だけでなく、障害者スポーツを広げる機会とすべきであるとのご意見、また、障害者スポーツの場の整備に関連をいたしまして、公立スポーツ施設に点字ブロックやフラッシュライトなど、障害者に必要な設備を加えるべきとのご意見、また、人材の育成に関連いたしまして、地域での競技会や講習などへの障害者スポーツ指導員の派遣を推進するべきであるとのご意見がございました。
今回いただいたご意見につきましては、可能な限り計画に反映させてまいりたいと存じます。
○西沢委員 ここでは、パブリックコメントそのものについては議論いたしませんが、計七通というのはちょっと寂しいような気が私はいたしますが、いずれにしても、貴重なご意見でございますから、しっかりと、可能な限り計画に反映していただきたいと思います。
それでは、計画の内容について幾つかお伺いをしたいと思います。
計画原案には、身体、知的、精神の障害の違いや程度の違いに応じた支援方法についての記載がございませんが、今後どのように対応をされていくのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 障害者スポーツの振興に当たりましては、支援の仕方も障害の種類や程度に応じたきめ細やかな配慮が必要であり、決して一律には論じられない難しさがございます。
今回の計画では、障害の種類や程度の違いを超えて、障害者スポーツ振興に際して共通する課題を抽出し、それに対する方向性と施策を位置づけてございます。
ご指摘の障害の違いや程度の違いに応じた支援方法につきましては、今後作成いたします障害者スポーツ取り組み事例集に盛り込むなどいたしまして、その具体化と周知を図ってまいります。
○西沢委員 承知いたしました。ありがとうございます。
さきの本会議における我が党の代表質問でも指摘をさせていただきましたが、障害者スポーツの世界最高峰の競技大会ともいわれますパラリンピックなどを目指して頑張る障害者もいらっしゃると思います。
障害者に夢や目標を与えるものとしてのパラリンピックの意義について記載をされたらいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 パラリンピックを初めといたします障害者スポーツのトップレベルの競技大会などで、障害のあるアスリートがそれぞれの持てる力を発揮し競技に打ち込む姿は、多くの人々に勇気と感動を与えます。
委員ご指摘のとおり、とりわけ障害者にとっては、パラリンピックなどでの活躍が人生の目標や夢ともなり得るものでございます。
こうしたパラリンピックの意義などについても、計画に反映してまいりたいと存じます。
○西沢委員 ありがとうございます。
また、パラリンピック等で活躍なさるアスリートの育成を図るなど、障害者スポーツの競技力の強化に向けて、東京都はどのような方策を考えているのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 原案でも触れておりますとおり、障害者スポーツの振興に当たっては、より多くの人がスポーツを楽しめるような環境づくりを進めますとともに、あわせて人々に勇気と希望を与えるアスリートの育成も重要でございます。
このため、都は、全国障害者スポーツ大会、さらにはパラリンピックなどの国際大会におきまして活躍できる東京都選手の計画的、継続的な育成を図ることを目的といたしまして、今年度から強化練習会を新たに開催しております。
また、こうした取り組みとあわせまして、国レベルでの国際競技力の向上に向けたスポーツ環境整備を促すため、都は国に対しまして、ナショナルトレーニングセンターや国立スポーツ科学センターについて、パラリンピック強化選手が施設を利用できる仕組みを構築するよう、引き続き要望してまいります。
○西沢委員 では、最後に、障害者スポーツ振興における区市町村や地域スポーツクラブとの連携についてお伺いをいたします。
○板垣スポーツ事業部長 障害のある人が身近な地域でスポーツを日常的に楽しむためには、区市町村のスポーツ施設や地域スポーツクラブにおいて、障害者スポーツの場が用意されていることが重要でございます。
そのため、都は、地域に対して、ノウハウの提供や、指導者の派遣などを行う東京都障害者スポーツ協会と区市町村等との連携の仕組みづくりを現在進めてございます。
今後も、引き続き地域との連携を強化しながら、障害者スポーツの振興に取り組んでまいります。
○西沢委員 ありがとうございます。障害者スポーツ振興計画の策定は、先進的な取り組みであるということでございます。
本日の質疑の中でも、さまざま反映をしていただけるというご答弁も多くいただきました。原案をブラッシュアップして、よりよい計画としてこれを着実に進めていくことが大切でございます。よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○高木委員 初めに、未利用都有地を活用したスポーツ振興についてお伺いしたいと思います。
平成二十年第三回定例会で、この問題について我が党の代表質問で取り上げさせていただきまして、都は、利活用の予定がない都有地を運動場等として暫定的に貸し付ける新たな仕組みをつくる、こう答弁をしていただいたわけであります。
これは、だれもが身近にスポーツをする場があることは望ましいことですから、地域のスポーツ活動の拠点の確保に向けての環境整備の一環として、そういうご提案もし、また、答弁をいただいたわけであります。
そこで復習になりますが、この制度の概要についてお伺いしたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 未利用都有地の貸し付け制度は、スポーツや体を動かすための場の整備を促進させるため、財務局が提示いたします当面利用計画のない都有地を運動場等の用地として、区市町村に対して五割減額して貸し付けるもので、平成二十二年四月から開始をいたしました。
○高木委員 区市町村に対して、それでは現在までどれぐらいの物件を提示して、また、これまでの貸し付けの実績を教えていただきたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 財務局から提示のございました七カ所の都有地を該当の区市に紹介いたしまして、運動場としての利用をあっせんしてまいりました。
しかし、これら都有地は、地形や広さ等で区市のニーズとマッチをいたしませんで、これまで貸し付けに至った案件はございません。
なお、これら都有地の一部につきましては、運動場としての活用の希望がありませんでしたことから、現在では他の用途に利用されております。
○高木委員 七カ所の未利用都有地が財務局から提示があったと。私もその資料をいただきまして、場所、それから、広さ、そうしたものをつぶさに拝見させていただいたんですが、実はこの制度をつくるときというか、ご提案をするときに、私たちが考えていたのは、財務局が提示をしてきた七カ所の都有地のような、こんなに大きくないところでいいんだというふうに実は考えていたと。
今回提示をしていただきました七カ所のうちの幾つかをご紹介させていただきますと、例えば練馬区で提示されたスペースは一千三百平米、それから、葛飾区の例は一千七百平米、三多摩の事例でいきますと、例えば国分寺は二万八千平米、これはかなり大きな土地を提示していただいているんですけども、むしろ未利用都有地というのは、私たちが考えたのは、もっとまちにあって、あの土地はだれが持っているのかねといって、ああ東京都だね、使わないんだったら貸してほしいよねというようなイメージだったんですね。
利用の形態としては、例えば大きくても小さくてもいいんですが、小さければ小さいでフットサルに使うとか、あるいはバスケットボールのスリーオンスリーでやるとか、いろんな使い方があるもんですから、暫定利用ですからね、そういうところを中心に活用したらどうかということだったわけです。
ただ、出していただいたのは、非常に大きな土地をとにかく区市にどうぞといわれても、区市の方も困る部分もあるんでしょうから、この辺をもう少しお考えいただいて、財務局とよく打ち合わせをしていただきたいなというふうに思っているんです。
さらにいうならば、どこまで財務局がお考えになっているのかわからないんですけども、もっと都有地があるんだと思うんですよ。使っていないところがね。ですから、それはぜひスポーツ振興局からも、これは財務局に--やはり私は、こういう制度をせっかくつくり上げて、これからスポーツのすそ野を広げていこうというふうにしているわけですから、もう一段、ちょっとご努力をいただけないかなというふうに思っているわけであります。
ですから、大きくても小さくても、とにかく使っていない土地を暫定利用してもいいよというところを洗いざらい出してくれというふうに財務局にいってもらいたいと思うんですけども、どうでしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 区市町村にとりまして、当該制度を活用しやすくするには、候補地の選択肢が多いことが望ましいと考えます。
スポーツ振興局といたしましては、これまでも財務局に対して候補地の提示を求めてきたところでございますが、地域住民のスポーツ環境の向上に努める区市町村に対して、より多くの選択肢を示せるよう、引き続き働きかけてまいります。
○高木委員 よろしくお願いします。
それで、これ、やはり今、場の確保というのが一番大変なことですから、できるだけ多くの場所を提供していただけるように、ぜひご努力をいただきたいと思っております。
続きまして、障害者スポーツについてお伺いしたいと思います。
障害者スポーツセンターについて今回は特に取り上げたいと思いますが、平成二十二年七月にスポーツ振興局が設置をされ、二十三年四月に障害者スポーツセンターが福祉保健局から移管をされて、スポーツの振興という意味では、健常者も障害者も分け隔てなく一元化をしていく、推進する体制が整ったということだと思っています。
また、今回、障害者スポーツ振興計画を策定して、今後、都の障害者スポーツ施策が大きく前進をするものというふうに私は期待をさせていただいております。
障害者スポーツセンターは、これまでリハビリとか、あるいは機能回復に視点が当てられていたわけでありましたけども、これからの障害者スポーツというのは、やはり障害者がみずからの健康づくり、あるいは人生の楽しみとしてスポーツに親しめる環境を整えることが重要であろうというふうに思うわけであります。
そこで、障害者スポーツの振興において、障害者スポーツセンターが果たすべき役割についてお伺いしたいと思います。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 障害者スポーツセンターは、都における障害者スポーツの拠点といたしまして、昭和五十九年に、国立市に多摩障害者スポーツセンターが、また、昭和六十一年には、北区に障害者総合スポーツセンターが設置されました。
両センターでは、施設の貸し出しのほか、健康スポーツ相談やスポーツ教室の開催など、障害特性に応じたさまざまなプログラムを提供しております。
また、障害者が身近な地域で日常的にスポーツに親しめる環境づくりを推進するため、地域の福祉施設などからの要望に応じまして、障害者スポーツ指導員を派遣するなどにより、障害者スポーツ教室や体験会の開催を支援しております。
今後は、地域において障害者スポーツ振興を担う人材育成の場などといたしましても、センターの活用を図ってまいります。
○高木委員 今お話があったように、障害者スポーツセンターというのは、障害者スポーツにとっては非常に重要な拠点でもあると思っていまして、これからさまざまな障害者の皆さんのスポーツ振興に、中心的にここが機能していくことが必要なんだろうと思うんですが、今ご説明があったように、多摩障害者スポーツセンターは昭和五十九年の設立、それから、北区は昭和六十一年ということで、障害者スポーツの重要な施設であるということなんですけども、施設の老朽化は、やはり非常に進んでいるといわざるを得ないと思っています。
私も地元にこのセンターがありますから、時々お伺いするんですが、やはりだんだんと老朽が進んできたなということは方々に見えるわけであります。
今回、全国初の行政計画として障害者スポーツ計画を策定する機会を得たわけですから、私は、やはり局を挙げて、目に見える形で、その象徴的な存在であるセンターを、それにふさわしい施設にしていくべきだというふうに考えているんですが、ここはぜひ局長の見解をお伺いしたいと思います。
○細井スポーツ振興局長 高木委員ご指摘のとおり、障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンターは、開設から二十五年以上経過いたしまして、建物や設備の老朽化が懸念されております。また、多様化する施設利用者へのニーズへの対応も求められているところでございます。
そこで、二十四年度には、両センターにおいて施設の劣化度診断を行いまして、施設の状況を把握するとともに、長期的な保全計画を策定いたしまして、必要な改修内容を検討いたします。
また、利用者のニーズ調査を行いまして、利用者の利便性向上や施設の有効活用についても検討して、改修に反映させていこうと考えております。
あわせて、最新の省エネや環境に配慮した機器など、時代に即した設備の導入も検討していきたいと思っております。
このような対応によりまして、両センターを東京都の障害スポーツ振興の拠点としてふさわしいような施設へとリニューアルし、全国に先駆けて障害者スポーツの振興計画を策定いたします東京都の障害者スポーツへの取り組み姿勢を内外にアピールしていきたいと、このように考えております。
○高木委員 ただいま、局長の力強いご答弁をいただいて、大変うれしいなと思うんですが、オリンピック・パラリンピックのこともありますので、東京都の障害者スポーツセンターは、障害者スポーツの拠点として、これは日本全国のモデルになるということはもちろんなんですが、やはり世界の障害者スポーツの殿堂として、そういう大きな目標を持って、ぜひリニューアルをしていただきたいな。そして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの招致が成功するというふうに私は信じて疑わないんですけども、そのときには、日本の障害者スポーツというのはすばらしいなと。この施設を通じて、世界にやはり日本の障害者施策というのはすばらしいなということが訴えられるような、そういう大きな目標を持って、ぜひお願いしたいなと思っています。
それともう一つは、今度の文教委員会でも視察にお伺いをするんだろうと思いますが、多摩のスポーツセンターは、これから大規模改修にかかるんだろうというふうに思っておりますけども、大規模改修の工事期間中に、利用者がその施設を利用できないわけですから、その間のスポーツ活動は、残念ながら制限をされる可能性がある。しかしながら、そうならないように、近隣のスポーツ施設の情報を提供するとか、いろんな形で障害者の皆さんが継続してスポーツが続けられるように、ぜひ配慮していただきたいなと思っています。
都のこのセンターがリニューアルをされて、私はその基本計画とともに、障害者のスポーツが一層促進されることを期待いたしておりますので、ひとつどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
以上であります。
○野上(純)委員 昨日、実は、局長等も一緒にスポーツをしてまいりました。ニュースポーツEXPO二〇一二in多摩というのがございまして、味の素スタジアムでいろいろなニュースポーツを二十三種目紹介しているイベントがあったんですね。
そこに福島の方の支援の方もいらしていて、いろいろと大変楽しい一日を過ごさせていただいたんですけれども、この中で、我が党が提案いたしました卓球バレーという競技がやっぱり行われておりまして、この卓球バレーそのものは、もともとが筋ジストロフィーの子どもたちのために開発されたということで、これは歴史が長くて、今から三十八年ぐらい前に開発されたスポーツなんですね。もし資料を持っていらっしゃる方がいたら、四十一ページに書いてありますので、ごらんになっていただければと思います。
卓球台を通常六人一チームで囲み、中に鉛玉の入った玉を台とネットの間に通して打ち合うスポーツということで、卓球のネットを少し上に上げて、玉を下をくぐらせて通す卓球みたいなもので、長方形のかまぼこ板のような形をしたもので、速くやってもいいんですけれども、すうっと押し出して、一、二、三で向こうに返すので、バレーのような形なので、卓球バレーというふうに名前がつけられているものです。
きのう、うちの同僚の栗林のり子さんも一緒に行ったんですけど、初め、卓球バレーってふうんといったんで、ちょっとばかにしていたところがあったんですって。それが実際に自分たちが一緒にやってみると、何ておもしろいスポーツなんだろうとすごい感動して、ぜひ東京都でも、卓球バレーがはやるように支援していただきたいなというふうに思っているところなんですね。
やってみるとすごく乗り乗りで、例えば自民党対公明党とかいろいろできる。民主党さんとか共産党さんが一緒になってできるような非常にすばらしい競技です。(「得点はどうなってるの」と呼ぶ者あり)得点は、ワン、ツー、スリーで返せなかったら。要するに、バレーボールと同じで、自分のチームに玉が来たら、一、二、三のうちに向こうに返せばいい。それが返せなかったり、玉が下に落ちてしまったりすると相手方の得点という。
要するに、座ったままでやるので、目が見えない人も、耳が聞こえない人も、それから、手が動かない人もみんなできるんですね。だから、障害があってもなくても、みんなでできるという非常にすばらしいスポーツだと思います。ぜひ今度一緒に皆さんでやりませんかみたいな感じで。
それで、東京都障害者スポーツの振興計画は、私は大変すばらしい内容だと思っております。全部読ませていただきました。これは、行政計画の中では全国初ということで、意義があるものと思っております。
この中で、特に注目したいのは、区市町村の施設をいろいろ利用して、地域スポーツクラブの活動に障害者の方が参加するときに、地域スポーツ施設で障害者スポーツ教室を開催できるように、地域開拓推進員という方を設置して、その方が区市町村の地域スポーツクラブに出向いていって、いろんなスポーツを紹介したり、障害者の方と一緒になって競技をやったりとか、そういうことをやっているんですけれども、実際に地域開拓推進員の人数が少ないこともあって、状況としては非常に厳しい状況があるということで、もう少し障害者スポーツの場を拡大するという意味で、地域開拓推進員の枠を広げたらどうかなと思うんですけども、そこら辺はいかがでしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 ご指摘の障害者スポーツ地域開拓推進事業につきましては、モデル的に実施しております今年度の取り組みを一層拡大するため、来年度からは、障害者スポーツに係る専門知識と豊富な実務経験を有する地域開拓推進員を三名から四名に増員いたします。
これにより、開拓先の範囲の拡大を図り、地域における場の掘り起こしや働きかけの取り組みを強化してまいります。
○野上(純)委員 さっき、三名から四名に開拓推進員を増員するというふうにお話をいただきました。これは、非常にすばらしいことで、ぜひ開拓推進員になった方には、広げていただくように頑張っていただきたいと思っております。
もう一つ課題だと思っておりますのは、障害者スポーツには、競技用車いすを初めとして、例えば目の見えない人には、先ほどいったように、玉の中に鈴が入って音が出る玉とか、ビーチバレーの中にも鈴が入っていて音が出るようにしたものとか、それから、ハンドサッカーのときなんかは、やっぱりこの前見せていただいたんですけども、自分で玉を押し出す力がなかなかない子どもたちでいるんですね。そういうときに、傾斜板を利用して、ちょっと手で触れれば、玉をころころと転がす傾斜板とか、そういうものがあるっていうことが大事じゃないかなというふうに思うんですね。
でも、なかなかお金がかかって大変だということもありますので、例えば地域開拓推進員が開拓した障害者スポーツ教室などの場に、地域にそのスポーツを根づかせるためには、そういった障害者スポーツ専用の用具を地域でみんなで買うというのはなかなか大変だと思うので、東京都が一たん買って、要するに、スポーツが定着するまで一定期間貸し出しをするような支援が必要なんじゃないかなというふうに思うんですね。その点はいかがでしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 障害者スポーツで使用される用具の中には、障害者が取り組みやすいように工夫を施したものが多くございます。
委員ご指摘のとおり、用具が高額である等の理由から、地域におきます障害者スポーツ教室等が単発的な開催にとどまっている段階では、主催団体がすぐに用具を購入することをちゅうちょするケースもあると認識してございます。
各地域で障害者スポーツの取り組みを開始するに際して、用具の問題から、せっかくの取り組みにブレーキがかかることのないよう、都は来年度、新たなメニューといたしまして、障害者スポーツ用具の貸与にも取り組んでまいります。
これにより、各地域における障害者スポーツの取り組みを後押しいたしますとともに、障害者が日常的にスポーツを楽しめるよう、取り組みの定着化を図ってまいります。
○野上(純)委員 開拓指導員の増員と、それから、高価なスポーツ用具等の貸与、貸し出しですね、これをやっていただけるということで、大変喜ばしいことだと思っております。
最後に、要望なんですけれども、例えばきのうのようないろいろなスポーツをやっているときに、地域にあります体育協会の会長、会長じゃなくても実質に動く人とか、自治会とか町会の、そういう運動をしっかりと推進していけるような人もたくさん周知をしていただいて、連絡していただければと思っております。
多分、これ、インターネット等で紹介はしてあると思うんですけれども、地域ではどういうスポーツを広げたいかというのをすごく悩んでいるんですよ。狭い場所でもできるスポーツ、あるいは、屋外でも、少しの場があればできるスポーツ、それから、障害種別に関係なくできるスポーツとか、頭がよくなるスポーツとかいろいろ考えておりまして、知恵を働かせて、何かそういう情報がないかなということをいつも気にかけておりますので、ぜひこういうことがありましたら、そういうところにも周知徹底を広げていただければと思っております。
以上でございます。
○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。
現在、都内には、身体障害者手帳をお持ちの方が四十五万人、愛の手帳が七万人、精神障害者の保健福祉手帳が六万人と、五十八万人もの方々が障害を持っていらっしゃるわけですね。
このたびの障害者スポーツ振興計画は、さまざまな障害のある人がスポーツに親しむことができるようにするための十カ年計画ということであります。
障害者権利条約に定めております障害者の文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加が保障されるような計画が求められているんだと思います。
しかし、先ほども部長からもお話があったんですが、障害といっても本当にさまざまで、多種多様な配慮と、それから、仕組みが求められているんだと思います。
私が障害者の方たちや団体から伺った要望をもとに、幾つか質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、開拓推進員の増員と用具の貸し出しについては、今、野上委員のお話がありましたので、その点については了解いたしましたが、例えば個人でそれを借りられる、そういう仕組みがつくれないだろうか。それから、貸し出す用具としてはどんなものを検討されているのか、ちょっと伺いたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 障害者スポーツ用具の貸与につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、地域開拓推進事業の一環といたしまして、主催団体に対して、ニーズの高い用具から貸し出せる仕組みとする予定でございまして、あくまでも身近な地域での取り組み支援を行うもので、個人への貸し出しは想定してございません。
この主催団体への貸し出し品目に対しましては、今後、需要調査などを行いまして、適切に対処してまいります。
○畔上委員 確かに、そういう身近な地域の支援というのは大事だというふうに思うんですが、例えば雪上スポーツをやっている方からお話を伺ったんですが、バイスキーというスキーで、車いすをふだん使っていらっしゃる方が使えるスキーなんですけれども、あれは一台四十万から五十万すると。そんなにしょっちゅうスキーをやるわけではないので、こういうものも個人では買えないので、借りようと思っても借りられるところも限られているということで、ぜひ貸してもらえるところはないだろうかというお話もありました。
そういう点では、ぜひそういった地域の支援と同時に、貸し出し用品の品目や台数もふやしていただいて、個人も借りられるような、そういった検討も今後進めていっていただきたいなと、これは要望しておきたいと思います。
それから、次に、プールの使用についてなんですが、昨年の十一月の委員会でも、自閉症のお子さんを持ったお母さん、それから、視覚障害者の方の声を紹介させていただきましたが、肢体不自由のお子さんの場合も、おむつをしている子が結構いまして、一般のプールに入るためには、更衣室で着がえのためのベッドが必要だったり、スロープが必要だったり、施設設備面での改善が必要になってきています。もちろん早期に改善というのが一番いいわけですけれども、なかなか現実的には大変だと思います。
そういう点では、特別支援学校の場合は、施設設備はそれなりに整っております。大いに活用できるんじゃないかと私は思っています。
ただ、特別支援学校のプールといいますと、温水化されていないとか、そういうことで季節に限定されるものがありますので、私は特別支援学校のプールの温水化など、障害者が利用しやすいスポーツ施設の拡充を図ることを求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 スポーツ施設の整備は、東京都スポーツ振興基本計画に基づきまして、都と区市町村との役割分担を踏まえて実施するものでございます。
障害者が利用しやすい環境の整備につきましては、基本的には、各施設の設置者の判断で行うものと考えておりますが、都立スポーツ施設におきましては、エレベーターやスロープを設置するなど、障害者に配慮した整備を行っております。
○畔上委員 確かに、都立の施設の方が設備はいいなというふうに私も思っていますが、例えば都立のプールの場合は、障害者用更衣室もあるんですけれども、着がえの簡易ベッドはありません。ベンチでの着がえとなっています。また、スペースもそんなにとれないということで、一度に入れる人数は三人ぐらいということになっています。
そういう点では、整備されている都立施設でもそういった状況ですから、車いすを利用している方など、身体障害を持った人たちができるプールというのは、やっぱり限られているというふうに思います。それが現実だと思います。
そういう点では、都立障害者スポーツセンターも、この広い東京に二カ所ということで、先ほど改修して拠点としてふさわしいものにするという局長のお話がありましたけれども、それはそれとして大事なことだと思いますが、やはり私は、同時に都立特別支援学校、同じ都の所管なんですから、障害者のスポーツ振興の立場で、ぜひ温水化を求めていただきたいなと思います。
作成していただきました資料では、都内の区市町村のうち、三十区市が障害者スポーツ教室を開いているということもわかりました。しかし、単発なものもあれば、恒常的なものもあるということであります。
単発の障害者のスポーツ教室も、きっかけづくりという意味では一つの施策であると思いますけれども、それをきっかけに自主サークルに入るというのは、障害にもよるんだと思うんですけれども、なかなか大変だというふうに伺っています。
そういう点では、恒常的な障害者のスポーツ教室ができるような支援をぜひやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○板垣スポーツ事業部長 都は、今年度から地域開拓推進員が区市町村等を訪問いたしまして、事業開催の提案を行う障害者スポーツの場づくりのほか、スポーツ推進委員や地域スポーツクラブを対象とした障害者スポーツセミナーの開催など、人材育成事業を始めてございます。
こうした取り組みを積み重ねることによりまして、地域にノウハウが蓄積され、恒常的な取り組みが進むものと考えております。
○畔上委員 確かに、人材育成というのは大切なことだと思いますし、また、地域のスポーツクラブでできるようになるというのは大変大きな前進だというふうに思います。しかし、受け入れる側の体制を整備することなど、困難は多いことから、時間がかかるのではないかというふうに思っております。
例えば、恒常的な教室を進める一つとして、障害者施設内にスポーツクラブ活動を位置づける、こういったこともいいんじゃないかと私は考えています。
それから、葛飾でやっているんですけれども、水元中央公園で障害児を対象とした乗馬教室も非常にいいなと思っています。この乗馬教室は、近くに特別支援学校もあって、長年定着しているというふうに伺っています。こうした恒常的な障害者スポーツ教室がふえるように、都立公園内の活用なども含めて、都として、ぜひ支援をしていただきたいと、これも要望しておきたいと思います。
また、区市町村のスポーツ施設における障害者スポーツ指導員の資料もつくっていただきましたが、一区二市と本当に少ないことがよくわかりました。
都内スポーツ施設において、指導員を配置しているのは四・八%ということで、やはり私は、障害者スポーツ指導員の数値目標を定めて拡充することが必要なんじゃないか、そのことを求めたいと思いますが、いかがですか。
○板垣スポーツ事業部長 少々長くなりますが、きちんとお答えをさせていただきたいので、よろしくお願いします。
まず、障害者スポーツ指導員の数の問題でございます。
これにつきましては、東京都を活動地として登録している障害者スポーツ指導員は、現在約一千六百人おりますが、アンケート調査などによりますと、年間活動回数が六回以上の比較的活動頻度が高いものは六割にとどまると見込まれます。
一方、指導員からは、活動の場や障害者スポーツに関する情報が欲しいが四割を超えておりまして、最も高くなっております。
今後、指導員に対する情報発信を強化いたしまして、一層の活性化を図ることが第一義的に重要であると考えております。
そのため、都は、関係団体と連携をいたしまして、障害者スポーツ指導員に対して必要な情報が適切に提供されるような仕組みを検討してまいります。
もう一点は、今、ご指摘のありました各区市町村での配置の問題でございます。
資料にもございましたとおり、現状はまだまだこれからでございます。
ただ、施設への指導員の配置は、各区市町村のニーズや実情が異なりますことから一律には論じられないために、都としての目標というよりは、設置者ごとに定めるべきものと考えてございます。こうした厳しい現在の実情をしっかりと踏まえ、把握した上で、ただ手をこまねいて区市町村の動きを待っているということではなくて、都としても、不在のところには指導員を派遣いたしまして、教室やイベントを開催して、そのきっかけづくりを現在行っているところでございます。
障害者スポーツを支える人材育成の場であるセミナーなどにおいて、区市町村等に対し、障害者スポーツ指導員資格取得制度について、積極的に情報提供を行いますとともに、地域開拓推進員の活動の中で、取得に向けた促しを行うなど、今後とも働きかけを行ってまいります。
○畔上委員 確かに、各区市町村の設置者ごとの目標というのは大事だなというふうに思うんですけれども、やはり同じスポーツ振興局で取り組んでいらっしゃる、例えば総合型の地域スポーツクラブも各区市町村でやっているわけですけれども、二〇一六年には、都内に百以上の地域スポーツクラブの設置を目指すというということで、成果をかなり上げているわけですよね。そういう点では、やはり私は、数値目標というのは非常に重要じゃないかというふうに思っております。
例えば、水泳でご意見を伺ったら、障害者の指導をしてくださるスポーツ指導員の方は高齢者が意外と多いと。若い人につなげる仕組みをぜひつくってほしいという声も伺いました。
また、ボッチャという障害の重い方もできるスポーツですけれども、これは指導員がいればどこでもできるスポーツということで、指導員がふえれば大いに障害者スポーツの振興になるんじゃないかというご意見も伺っております。
例えば、アンケートでも、障害者施設でやっているというのが結構あったんですけれども、障害者施設の職員に障害者スポーツ指導員の資格を取ってもらうように助成をするとか、私はそういう工夫をして、数値目標を持って、指導員の育成や配置の抜本的な拡充を図ることも一つの方策ではないかというふうに思っております。ぜひその辺も検討していただけたらなと思います。
また、都のアンケート結果にも示されていたんですが、障害者がスポーツに親しむためには、やはり安全にスポーツできる場所と指導員とそこへのアクセスが重要です。都立障害者スポーツセンターでは、最寄り駅から送迎もございます。しかし。障害者がスポーツを行う場所へ行く、そのアクセスを確保する、そのことは大事だと思うんですが、その点についてどのような対策を考えているのか伺います。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 東京都では、だれもが使いやすいユニバーサルデザインのまちづくりを推進しておりまして、交通機関や公共空間のバリアフリー化を進めております。
なお、障害者総合スポーツセンターでは、最寄り駅から施設まで点字ブロックが敷設されておりまして、利用者が来所しやすいよう配慮しております。
また、障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンターでは、施設に無料駐車場を設置し、車で来所する利用者に対応するほか、施設の最寄り駅から無料送迎バスを運行し、利便性の向上を図っております。
○畔上委員 障害者スポーツ施設は、そういう点では、非常にアクセスの保障をきちんとやっていらっしゃるなというふうに思っているんですが、やっぱり障害者の方は、アクセスの不安というのを解消しないと、なかなか気軽にスポーツをする場所に行くことができないという点では、例えば都立の特別支援学校、こういう施設を大いに活用したり、それから、各自治体で移動支援ボランティアをやっているんですけれども、こういうものも大いに活用する、また、情報提供していくということも大事なんじゃないかというふうに思っております。
東京都としても、ぜひ移動ボランティアなどを各区市町村にも要請していただきたいなと思います。
最後に、障害のある都民のスポーツ振興の上で、都立施設の役割が決定的だと思います。都立体育施設において、障害者スポーツを促進するために、施設改善と指導員の増員を求めたいと思いますが、いかがですか。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 東京体育館や東京武道館では、大規模改修にあわせまして、スロープの拡幅やオストメート対応トイレの設置など、障害者がさらに使いやすい施設となるよう整備しております。
また、指導員につきましては、各施設で一定の体制を整えておりますけれども、今後も各施設の職員等に対しまして、障害者スポーツ指導員養成講習会などの受講を奨励いたしまして、引き続き体制を整備してまいります。
○畔上委員 都立施設は、頑張って改善していらっしゃるというふうには私も理解しているんですが、さまざまな障害者の声にこたえていただいて、例えば視覚障害者の方の、先ほどの卓球のお話もありましたけれども、そういう卓球室なんかは障害者スポーツセンターにしかないんですね。こういった卓球室の設置など、あと、先ほどいったような更衣室の簡易ベッドの設置など、ぜひ障害者も気軽に使える、そういうスポーツ施設に、さらに改善をしていただきたいということを要望しまして、質問を終わりたいと思います。
○山内委員 お伺いいたします。スポーツ振興の予算は二百三十八億円、国をも上回る予算案となっておりますが、ほとんどがスポーツ祭東京、オリンピック・パラリンピック招致に関する予算です。
スポーツ局として、都民が気軽に、けがをしないで、体の元気を持続するためのスポーツを広める役割があると考えます。
四月末に、二日間にわたってウオーキングフェスタ東京が小金井公園を中心に開催されます。ことしで十七回を迎え、全国各地から参加者が集う大会です。私も以前参加したことがありますが、初心者でも家族でも参加でき、ウオーキングの達人のような人たちも、何年も連続で参加する人がいるほど盛り上がっております。
勝ち負けを競い合わず、体の負担が少なく、だれでも参加できる、こうしたスポーツが広がっていくことが、生活習慣病やメタボ対策等にも効果があり、ひいては医療費削減に大きく貢献すると考えます。
そこで、生涯スポーツというのが年々広がってきておりますが、都としてどういう取り組みをしているのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 都におきましては、スポーツへの興味、関心を喚起し、都民の生涯を通じたスポーツへのかかわりを促進するため、さまざまなスポーツに参加する機会の創出に取り組んでおります。
平成二十三年度におきましては、だれもが楽しく気軽に参加できる東京ウオーク二〇一一を都内五カ所で実施し、一万五千人もの参加者を得たほか、多摩川の河川敷等を利用した散策路、たまリバー五十キロを歩く多摩川ウオーキングフェスタなどを実施しております。
また、ことし二月に開通いたしました東京ゲートブリッジの完成を記念し、実施いたしました、東京ゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタでは、二日間で延べ二万四千人の参加者それぞれが、ランニング、ウオーキング、サイクリングなどで、橋からの眺望を楽しみました。
さらに、昨日は、お年寄りから小さいお子様まで、だれでも参加できるニュースポーツEXPO二〇一二in多摩を味の素スタジアムで開催いたしまして、スポーツ祭東京二〇一三のデモンストレーション種目を中心に、二十三種目のニュースポーツに挑戦する機会を提供いたしました。
このように、さまざまな取り組みを通しまして、都民の生涯を通じたスポーツの普及、振興に努めております
○山内委員 オリンピックのような大きなイベントよりは、日常的に体を動かすことができる機会が欲しいという意見も多いです。人生八十年代の時代になり、寝たきりになりにくい、健康で充実した生活を送るために、スポーツを生活の中に取り入れるようになってきています。
二〇〇九年、都が実施したスポーツ・運動に関する世論調査によりますと、スポーツや運動を行わなかった理由を年代別に見ると、二十代、三十代、四十代では、仕事や家事、育児が忙しく、時間がないというのが多いけれども、六十歳代、七十歳代になりますと、体が弱いからが多くなります。こうした課題に、どのように対応していくのかの検討が必要だと思います。
都主催、共催による都民参加型の生涯スポーツ大会が実施されていますが、この世論調査によりますと、今後、マラソン、ウオーキングなどのスポーツイベントや大会に参加したいと思う人は三〇%にいきません。全く参加したいと思わない、余り参加したいとは思わないを合わせると六五%にもなります。
多くの人が望んでいるのは、華々しい大会より、もっと身近なことではないかと思います。実施しているスポーツも、今後やってみたいスポーツも、ウオーキングや体操が断トツです。日常的にスポーツを楽しみたいと思っているのではないでしょうか。
何げなく始めるウオーキングや体操も、注意点を知らずに間違った方法で頑張ってしまうと、かえって体調を崩したり、ひざに負担をかけたり、腰痛の原因になったり、悪化させてしまうことがあると聞いています。
スポーツや運動は、安全が第一。スポーツや運動する場、指導者等人材派遣、魅力的なプログラム、情報提供等、ニーズに合わせた身近でスポーツを楽しめる支援を要望いたします。
次に、障害者のスポーツ振興についてお伺いします。
生活者ネットワーク・みらいは、これまで障害児、障害者が身近な地域で気軽にスポーツを楽しめるよう、場の整備、障害者スポーツを支える人材の育成、確保、障害者スポーツの情報発信など、環境づくりを進めていくように求めてまいりました。
二〇〇八年に策定されました東京都スポーツ振興基本計画において、基本理念をスポーツ・フォア・オールとしながらも、障害者の日常のスポーツには余り触れられていなかったことは非常に残念でした。
昨年六月、スポーツ基本法が公布され、スポーツ振興法が制定されて、五十年ぶりに改正されました。
それを受けて、障害者スポーツ分野について、短、中、長期的な視点から、体系的、継続的な振興を図っていくためとして、今回、東京都障害者スポーツ振興計画原案が策定されています。
策定に対して、都では、障害のある人の実態調査を実施しましたが、障害者専用スポーツ施設の利用者や障害者福祉施設に入所、通所している人、団体に所属している人を対象に実施された調査であることに課題は残りますが、これまでこうした当事者等への調査がなかっただけに前進と思います。
これらの調査から、障害のある子どもも障害のある人も、身近にスポーツができるようにするための環境整備を図っていく上で、配慮していただきたい点を質問していきたいと思います。
まず、スポーツや運動を行う上での困り事について、身体、知的、精神の障害でそれぞれの要望の違いがあるのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 平成二十三年八月にスポーツ振興局が実施をいたしました障害のある人のスポーツ・運動に関する実態調査によりますと、スポーツや運動を行う上での困り事として上位に挙げられた項目は、回答数の多かった順に、身体障害者では、練習場所の確保、施設までの移動が大変など、場所や移動に関するものでございます。
知的障害者では、家族への負担、周りの人とのコミュニケーションが難しいなど、家族や周囲の理解に関するものでございます。
精神障害者では、練習場所の確保、メンバーが少ないなど、場所や仲間に関するものとなってございます。
○山内委員 スポーツや運動をしない理由では、それぞれの障害で異なることや特徴はあるのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 今までスポーツをしたことがないと回答した人の、スポーツや運動しない理由として上位に挙げられた項目は、身体障害者では、障害の程度が重く、運動やスポーツは無理であるため、また、運動やスポーツが嫌いだからというもの。
知的障害者では、医者にとめられている、あるいは何の運動、スポーツをやったらよいかわからないためというもの。
精神障害者では、体力がないため、運動やスポーツが嫌いだからなどとなってございます。
○山内委員 今のご答弁で、障害によって困り事や、スポーツや運動をしない理由が異なることがわかります。障害者と一くくりにはできません。障害を理解してスポーツ振興していく必要があります。
二〇一一年度から、障害者スポーツコーディネート事業をモデル事業として実施しているとのことですが、この事業で各区市町村を回っていると、知的障害者や肢体不自由の方の教室はそれぞれ実施されているけれども、精神障害の方の事業がなかなか難しい。精神障害の方のスポーツ振興を協議して拠点をつくっていこうという話があり、都としても、参画して情報を共有していきたいという意見が障害者スポーツ部会で出ていると聞いています。
今回の調査では、三つの障害を対象に実施されましたが、その他の障害も含め、それぞれの障害を理解し、程度によって違うことも配慮して、ニーズに沿った対応を検討していくことを要望いたします。
障害の種別によって、それぞれ特徴的な内容が見えてくる一方で、障害者スポーツ振興を図る上で、共通した課題も見えてきます。同じ実態調査の中で、スポーツを中止した理由に、学校を卒業したというのがありました。これまで学校の体育の授業や部活動などでスポーツ活動をしていたけれども、学校を卒業したことで、スポーツの場所、仲間、介助者、情報が途切れてしまうためと思われます。
そこで、都は、これらの調査結果から、把握した課題に対してどのように対応していくのかお伺いいたします。
○板垣スポーツ事業部長 実態調査の結果を踏まえまして、都といたしましては、場の整備や人材の確保、情報発信等のさまざまな取り組みを進めていく必要があると考えております。
具体例を申し上げますと、例えば千代田区では、地域開拓推進員がノウハウの提供や指導員の派遣を行うことで、義務教育を修了した知的障害者の交流会にボッチャ体験が取り入れられることとなり、スポーツを通した仲間同士の交流と情報交換が図られました。
この交流会の企画運営には、区の職員、スポーツ推進委員、ボランティアなど多くの方々が関与し、用具の扱い方や指導方法を学ぶことで、障害者スポーツを支える人材の育成にもつながったと伺っております。
今後とも、こうした取り組みを通して、障害者が身近な地域でスポーツに親しめる環境の整備を図ってまいります。
○山内委員 施設の面やスポーツのプログラム等で、区市町村でかなり違いがあるといいます。担当者が障害者や高齢者のスポーツを推奨しているかどうかで違い、そのため、ニーズがあっても、区市町村の担当者が把握していないこともあるそうです。
地域開拓推進員は、区市町村を回って、担当者に障害者スポーツの事例を紹介し、指導員も派遣するし、ノウハウも伝授するから、ぜひやっていただきたいと勧めて回っているそうですけれども、多くの区市町村が取り組むよう頑張っていただきたいと思います。
また、地域開拓推進員が回れない地域には、障害者スポーツ事例集、障スポプロデュースマニュアルというんでしょうか、それを作成し、地域での障害者スポーツ教室等の開催を推進していくということなので、期待したいと思います。
障害者の方からは、スポーツをしたいが、どこで何をやっているかわからないという声も多く聞きます。
先日も車いすの方と話しておりましたら、引っ越してくる前の埼玉県までスポーツをしに行くといっていました。仲間がいることもあるでしょうけれども、情報を検索しやすいシステムが必要であり、障害者スポーツポータルサイトの開設を準備しているとのことですが、情報弱者になりやすい障害者の人たちに、わかりやすい情報提供を要望いたします。
今回の質問では取り上げませんでしたが、スポーツを勧めてくれた人として、家族、自分自身で決めた、福祉施設の職員の次に、医者や理学療法士などの医療関係者というのが挙がっていました。医学的観点からも、どのようなスポーツ、運動がその障害の方にとって必要かを検討していただきたいと思います。
次に、障害者スポーツセンターについてお伺いいたします。
先日、東京都多摩障害者スポーツセンターに行ってまいりました。
車いすバスケに挑戦してみようという内容で、障害のある人もない人も、子どもから大人まで参加していました。車いすを初めて体験した人もいたようで、障害の理解も進むと考えますが、実施状況についてお伺いいたします。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 障害者スポーツセンターでは、障害者スポーツの普及、支援を図るため、利用者やその家族、地域住民が参加できる地域交流教室を開催しております。
ただいま副委員長よりお話のありました教室は、多摩障害者スポーツセンターで、障害の有無に関係なく、だれでも参加できる事業として、レッツ車いすバスケを平成二十三年度は十一回実施しております。
このほかにも、ティーボールや卓球、バドミントンなどの交流教室を開催しております。
○山内委員 多摩障害者スポーツセンターにはグラウンドがありません。車いすテニスを楽しみたい人や、お日様のもとで伸び伸びと体を動かしたい人からは、近くの校庭もなかなか借りられずに困っているという話を聞きます。
例えば、そういう人たちが集まってスポーツをしたい場合、どのように情報提供しているかお伺いいたします。
○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 多摩障害者スポーツセンターでは、車いすテニスを楽しみたい方のニーズを受け、体育館を車いすテニスの利用に供しております。
また、近隣の公園におきまして、グラウンドゴルフやティーボールなどの教室を開催しております。
なお、必要に応じまして、屋外施設がある障害者総合スポーツセンターをご案内するとともに、近隣施設及び施設のバリアフリー情報の提供や、ホームページ上で施設検索ができるサービスを実施するなど、施設利用に関する支援を行っております。
○山内委員 障害者がスポーツや運動するにも安全が第一です。障害のない人とともに楽しんだり、高齢者と一緒にできるスポーツもあります。バリアフリーを進め、身近な地域でのスポーツ、運動が可能となるよう進めていっていただきたく要望いたします。
東日本大震災の後、工事がありまして、障害者の方がスポーツができなくて非常に残念だとおっしゃっていました。こういうときにも、継続して楽しめるように、近隣施設との連携を進めていっていただきたいと思います。
また、都有地であいている土地、先ほどもお話があったようですが、すぐに使い道のないところは、障害者に開放、提供していただきたいと思っております。
国分寺市では、都有地がございますけれども、先ほどかなり広い場所と出ておりました。一部を運動場として借りたいという地元市民の声も出ています。この多摩障害者スポーツセンターと一駅しか違わずに、非常に近い地域ですので、先ほどは区市町村で五割で貸与というお話も出ておりましたが、ぜひとも都の施設と近いこともあるので、その働きかけを東京都としても積極的に行っていただきたい、そして五割といわずにお願いしたいなというふうに思っております。
また、多摩障害者スポーツセンターの最寄りの駅は、南武線の谷保駅という駅です。ここはエレベーターがないものですから、利用客の中に、遠回りをしていらっしゃる方が多いんですが、そういった意味でも、都の施設に一番近いという意味で、都はアクセスの利便性に積極的に取り組んでいただきたいと要望したいと思います。
次に、招致予算についてお伺いいたします。
二〇二〇年度の招致推進費として二十億四千九百万円が計上されていますが、その内訳を具体的にお伺いいたします。
○松永招致推進部長 平成二十四年度は、七月から八月、九月にかけて、ロンドン・オリンピック・パラリンピックの開催、来年一月にはIOCへの立候補ファイルの提出、同じく二月から四月に、IOC評価委員会視察という二〇二〇年大会の開催都市決定に向けた極めて重要な一年となります。このため、二十四年度予算案には、招致推進事業等として五億一千五十万円を計上しております。その内訳は、シティー装飾などの国内広報活動で二億七千九百万円、その他、ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会等国際活動費、立候補申請手数料などでございます。
また、招致計画委員会補助として十五億三千八百五十万円を計上しております。その内訳は、立候補ファイルの策定で六億九千四百万円、その他、IOC評価委員会対応等に要する経費でございます。
○山内委員 二〇一二年度予算については、招致推進事業にかかわる経費が約五億一千万円ということです。
さきのオリンピック・パラリンピック招致特別委員会において、二〇一六年招致活動で行った区市町村とのオリンピックムーブメント、共同推進事業については、二〇二〇年招致活動に盛り込んでいないことが明らかになりましたが、招致機運の盛り上げ経費はどのように圧縮を図っているのかお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○松永招致推進部長 前回の二〇一六年招致活動を通して、都民、国民の方々に、オリンピック・パラリンピックへの理解が一定程度深まったものと考えております。
こうした点を踏まえながら、招致機運盛り上げ経費の圧縮を図ってまいります。
そうした中で、スポーツ祭東京二〇一三における冬季大会、リハーサル大会、デモンストレーションとしてのスポーツ行事などと連携をとりながら、招致機運を盛り上げてまいります。
また、都民参加型のスポーツイベントは、都民が実際に体を動かすことで、スポーツの楽しさを体感できるものでありまして、こうした場も活用しながら、招致機運を盛り上げてまいります。
例えば、先ほど答弁がありましたように、二月に開催いたしました東京ゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタでは、多くの参加者がランニングやウオーキングなどを楽しみながら、招致ロゴを体に張ってPRに協力してくれるなど、招致機運を大いに盛り上げることができたところでございます。
○野田委員 それでは、私からは、武道振興について、二点お尋ねをいたします。
ことしの四月から、中学校で武道教育、武道の必修化が始まるわけでありますけれども、武道は、我が国固有の伝統文化であり、武道によって継承されてきた価値観、しきたり、感性は、武士道精神として国際的にもその普遍性は高く評価されており、誇りを持って後世に正しく伝えていかなければならないと考えております。
こうした点からも、武道の必修化は大変結構なことでありますし、私も賛同するものであります。
私自身、長年にわたり武道に取り組んでおり、武道が今日の私の基礎をつくったといっても過言ではありません。しかしながら、現在、日本の武道は危機的状況にさらされております。
例えば、日本の古来からの武道であると世界じゅうの人がそれを認める合気道におきましては、韓国がパプキドと称して、さもその起源が韓国にあるかのような宣伝をいたしておりますし、日本の剣道も、韓国の歴史には、日本刀のような形をした刀がないにもかかわらず、その発祥を韓国と偽っております。
そして何よりも、韓国の国技であるテコンドーは、戦前、日本の空手を取り入れたものでありまして、その証拠に、テコンドーの道着、テコンドージャケットといいますが、これがいかに空手着に似ているのか。
なぜ、そういうことが起こるかといいますと、日本の空手着は何で柔道着と同じなのかというと、もともと沖縄から東京に出てきた際に、何か適当な道着はないかということで、空手そのものが柔道着を軽量化して取り入れたという歴史があるわけでございまして、その空手を起源とするテコンドーは、おのずと柔道着に似ているああいうジャケット、道着を着ているのが実情でありますが、しかしながら、韓国は、これもやはり韓国古来の、数百年の歴史のあるテコンだかテキョンという、そういった武道がもとであって、日本の空手がその原点ではないといういい方をしております。
テコンドーにおきましては、韓国政府が長年にわたって、国が後押しをした成果もありまして、今や北米大陸においては、日本の空手道場よりもテコンドーの道場の方が多いといわれておりますし、世界の競技人口も、実は空手よりもテコンドーの方が多いのではないかといわれるにまで至っております。
したがって、私は、日本の伝統である武道をぜひ海外にPRして、あくまで、これは日本の発祥のものなのだ、日本の伝統なのだということを、いま一度しっかりと主張することが必要ではないかと思っております。
日本の伝統である武道を国内にとどまらず、海外に対しても積極的に発信していくべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 武道は、日本固有の文化であり、伝統的な考え方や行動の仕方というものが脈々と受け継がれております。
また、日本に興味を持ち、日本の心を理解しようとする人々にとって非常に魅力ある存在であり、これを継承し、普及、発展させることが重要であると考えております。
このため、東京都は、ジュニアスポーツアジア交流大会において、アジアで盛んな柔道を平成二十年から対象競技として開始いたしました。
昨年は、アジア十三都市から、ジュニア選手と指導者、合計百五十六名を招待し、東京の選手との交流試合や講道館における合同練習を行うとともに、各都市の指導者に対して、講道館から招いた講師による指導法の講習を行うなど、アジア各都市に向けた日本の柔道の普及に努めております。
さらに、平成二十二年には、日本柔道連盟と共催をいたしまして、五十二年ぶりに世界柔道選手権大会を東京で開催し、世界に対して、日本の伝統である武道を発信してまいりました。
今後、こうした取り組みに加えまして、新たにポータルサイト、スポーツTOKYOインフォメーションに武道の魅力や歴史等を紹介するページを掲載いたしまして、国内外に広く発信し、積極的に日本武道への理解と普及を促進してまいります。
○野田委員 ただいまのご答弁を高く評価いたしたいと思います。
本来であれば、こういった取り組みは、今まで国が率先してやるべきだったんだろうと思いますが、武道のPR、普及に対して、戦後、全く無策であったために、今日のような現状を招いているんだろうと思っております。
これは、いうなれば、単なるパクりとかそういう話ではなくて、私はもう第二の竹島になるのではないかと思っております。
ぜひとも、日本古来からの伝統文化である日本固有の武道というものを、しっかりと積極的に海外に発信していただきたいと思う次第であります。
続きまして、二点目の質問に移らせていただきます。
都は、一昨年、スポーツを専管するスポーツ振興局を設置いたしました。
武道をさらに振興していくためには、武道を推進する体制を整えるべきと考えますが、都の見解をお答えいただきたいと思います。
○板垣スポーツ事業部長 東京には、武道振興の中核となる武道競技団体がございます。都は、これらの組織と一体的な連携を図ることで、さきのさまざまな取り組みを展開してまいりました。
あわせて、東京における武道振興の拠点施設として東京武道館を設置し、柔道や剣道など、各種武道団体が行う競技大会やけいこの場として活用するほか、初心者を対象とした体験会、講習会を開催するなど、武道の普及に努めております。
また、今後新たに建設する武蔵野の森総合スポーツ施設のメーンアリーナでは、国際的な大会の開催が可能であり、さらにサブアリーナは、空手や剣道などで活用できるほか、可動式畳を設置いたしまして、柔道を初めとしたさまざまな武道の大会も開催できるようにするなど、多摩地域における武道活動の拠点施設となるよう計画をしてございます。
今後とも、武道競技団体と連携するとともに、これら拠点となる施設を活用しながら、あらゆる機会をとらえて、日本の伝統文化である武道の振興と世界に向けた発信に取り組んでまいります。
○野田委員 最終的には、私が要望しておりますのは、東京都のスポーツ振興局の中に武道担当の課を設置するとか、そもそももっと大胆に、スポーツ振興局の名称を変えていただいて、武道・スポーツ振興局にするとか、そういった形で、ぜひ東京都が率先して武道振興に取り組んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今村委員長 ご異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上でスポーツ振興局関係を終わります。
○今村委員長 これより生活文化局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分、第四十七号議案から第五十二号議案まで及び報告事項、東京都男女平等参画審議会答申についてを一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○遠藤総務部長 去る二月十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
お手元に配布してあります平成二十四年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。
目次に記載のとおり、五件の資料がございます。
それでは、一ページをお開き願います。文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
表の左側に記載の区分ごとに、平成二十年度から平成二十二年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十三年度及び平成二十四年度の当初予算額を記載しております。
なお、備考欄には、当該事業区分に係る主な事業を記載しております。
恐縮ですが、一ページ開きまして、二ページをお開き願います。2、東京文化発信プロジェクトの内容と予算でございます。
東京文化発信プロジェクトの予算額について、表の左側に記載の主要事業の区分ごとに、平成二十二年度から平成二十四年度までの過去三年間の推移を記載しております。
三ページをお開き願います。3、都道府県別私立高等学校授業料軽減補助でございます。
平成二十三年度の各都道府県における授業料軽減補助の実施状況について、こちらのページから六ページまでに記載しております。
恐れ入りますが、七ページをお開き願います。4、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額でございます。
平成二十三年度における授業料、入学料、施設設備費といった生徒納付金の平均額について都道府県別に記載しております。
八ページをお開き願います。5、東京都育英資金の貸付を受けた都立高校生及び私立高校生の人数の推移でございます。
平成十八年度から平成二十二年度までの過去五年間における東京都育英資金の貸し付けを受けた都立高校生及び私立高校生の人数の推移を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○今村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○くりした委員 私からは、地域の底力再生事業助成について質問させていただきたいと思います。
この取り組みについては、平成十九年度から開始され、来年度で五年目を迎えるということですが、局の皆さんのご尽力のかいもありまして、多くの町会、自治会の方々に対して、活動の幅を広げる支援施策として定着をしてきたと実感いたしております。
これまで本事業は、トライアルという位置づけでありましたが、来年度からは、晴れて本格実施という形で開始されるということでありますが、そこでまず、これまでと比較して、来年度はどういった変更が加えられていくのかお伺いをいたします。
○飯塚都民生活部長 来年度から本格実施となる地域の底力再生事業助成の変更点についてでございますが、これまでは、事業分野を限定した上で、他の地域のモデルとなる先駆的な取り組みを助成の対象としてまいりましたが、今後は、地域の課題解決のための取り組みであれば、幅広く助成の対象といたします。
また、補助率は原則二分の一として、同じ内容の事業であっても、希望があれば次年度も継続して実施できるようにいたします。
さらに、助成対象となる事業のうち、地域の防災、防犯、高齢者の見守り、青少年の健全育成など、都が取り組む特定施策の推進につながる取り組みや、これまで一度も本事業を利用したことのない町会、自治会に対しては、初年度の補助率を十分の十といたします。
○くりした委員 ご答弁いただいた中で、活用できる事業の幅が広がった、また、複数年度も、希望があれば継続をして使えるようになったというのが今回の改正の二つの大きなポイントだと思いますが、私もこれまで、この制度が年度前に変更を加えられる中で、ともすれば制度が複雑化して、地域の方々に利用しづらくなってしまっていたのではないか。また、基本的に一回使い切りの形でありましたから、継続的な取り組みにおいては、なかなか利用がしづらかったのではないかという課題について申し上げてまいりましたけれども、このたびの改正は、年々活力を失いつつある町会や自治会を中心とする多種多様な地域コミュニティの課題解決のために、継続的な活動を行っていけるようになったという意味で、私も適切な変更であったのではないだろうかと高く評価をいたしているところであります。
続いて、この取り組みがどれだけ認知をされて、活用されているのかという目安として、本事業における昨年度と、そして今年度の申請件数についてお伺いをいたします。
○飯塚都民生活部長 昨年度の申請件数は百三十四件、今年度の申請件数は三百六件でございます。
○くりした委員 昨年度が百三十四件、そして今年度が三百六件、やはり順調にふえてきているんではないかなと私も思っておりますけれども、今年度は、この制度が例年と比較しても非常に数多く活用されたというふうに伺っておりますが、これが一体どのような要因によるものであったと都として認識をされているのかお伺いをいたします。
○飯塚都民生活部長 今年度の助成対象となった事業のうち、防災訓練の実施や防災マップの作成など、防災対策関連の申請件数が二百十二件あり、全体の七割を占めたところでございます。
東日本大震災の影響により、地域における防災力向上への関心が高まり、多くの町会、自治会が本事業助成を活用し、防災対策事業に取り組んだものと認識しております。
○くりした委員 ありがとうございます。
東日本大震災の影響を受けて、防災対策関連の申請がその多くを占めていたということでありました。
私も活用の実例を実際に拝見させていただきましたけれども、防災マップの作成や訓練の実施において、行政主体だけのものではなくて、町会、自治会が主体的に行うことによって、より柔軟かつ実効性の高い対策を行えるのではないかと感じました。
昨年の漢字は、ご存じのとおり、「絆」という一字でありましたが、東日本大震災を受けて、東京のみならず、全国各地で地域コミュニティの価値を見直す動きが出てきていると私も感じております。
そういった世論の後押しを受けて、これまで地域コミュニティが希薄化を続けてきた、そういった流れがあったわけでありますけれども、その流れを断ち切って、新たな形での再構築に向けて動き出すべきときが今だと私も感じております。
この流れを、本制度を活用していただくことによって強力に後押しをして、そして、まさに地域の底力を再生することにつなげていっていただきたいと私も大いに期待をいたしております。
ぜひ、本事業のさらなる周知徹底と積極的な運営を行っていただけますよう最後にお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
○高木委員 私からも地域の底力再生事業について最初に一つだけ確認をしておきたいと思っています。
先般、予算特別委員会で、初日の代表総括質疑で我が党の鈴木隆道議員の質問に対して、町会、自治会を中心とした共助の取り組みを一層推進するために、我が党の提案により実現した地域の底力再生事業助成を来年度から本格実施するとの局長の答弁をいただいたわけであります。
基礎的自治体である区市町村が、町会、自治会と手と手を携えて地域を支えることは当然のこととして、東京都が広域にわたる町会、自治会の支援を本格化させたことは、都の地域コミュニティに対する昨今の強い危機感というんですかね、このままでは、地域コミュニティの維持が極めて難しい情勢になるんではないかというような強い危機感のあらわれであるというふうに私たちは受けとめているわけであります。
東日本大震災では、過酷な状況の中で、被災地の人々が助け合う姿が世界じゅうの人々に感銘を与えたわけでありまして、改めて人と人とのきずなの重要性が再認識をさせられたと思うわけであります。
人々の関係が希薄になったといわれて久しいこの東京において、この時期を逃さずに、地縁団体としての地域での中核的な役割を果たしてきました町会、自治会に対する支援を本格化させた都の判断は、私は極めて正しいというふうに思っています。
この事業を通じて、改めて町会、自治会の役割が見直され、多くの住民の参加を得て、地域の活力が高まることを大いに期待をしているわけでありますが、しかしながら、来年度から制度改正ということになって、これまで事業助成を受けて成果を上げてきた町会、自治会が、私は本事業をひょっとしたらうまく活用できなくなるんではないかという懸念を実は持っているわけであります。
これは、いろんな制度の問題はあるんですけども、モデルとして五年間やってきたことは、町会、自治会に非常に定着をしてきたわけですから、これが本格実施ということになって変わるというところに、やはり多少の不安と懸念があるわけですね。助成の割合ですとか、金額ですとか、あるいはその対象ですとか、その手続のやり方とか、そういうこともろもろを考えますと、私どもがかかわっている町会、自治会の皆さんとお話をしてみると、この事業はいい事業だけに、来年からどうなるのかなという懸念が非常にあるわけであります。
そこで、これは懸念をぜひ払拭していただくべく、局長に一言お伺いしたいと思っております。
○井澤生活文化局長 この五年間のお話がございましたように、モデル事業ということで、地域の底力再生事業助成を展開してまいりました。町会、自治会による地域力の向上、それから、地域社会の活性化を図ってまいりました。これまで町会、自治会の皆さんには、本助成事業を使いました本当にさまざまな地域活動に取り組んでいただきました。
しかし、実際に助成制度を使用された町会、自治会の皆さんから、例えば書類を見ただけで嫌になる。これは、我々も簡単にしたつもりではありますけれども、たくさん書き込むことになれていらっしゃらないということで、これは我々も勉強になったんですけれども、なるべくチェック式にするとか、あるいはその対象となる事業区分が複雑である、それから、一回限りのイベントが中心となって、効果の出る翌年に事業実施できない。先駆的な取り組みといわれても、一度実施するのが精いっぱいである、こういう要望が寄せられておりました。
今回の制度改正は、これまでのモデル事業を受け継ぎながら、これらの要望を受けて改善を図り、いよいよ本格実施するものでございます。地域の問題解決に日々尽力されている町会、自治会の皆様にも活用しやすい制度になっていると確信しております。しかし、いずれにしましても、この事業の目的、あるいはその存在自体を知っていただかなければ意味がないと考えております。
今後、町会連合会、それから、区市町村と連携いたしまして、本事業の周知の徹底を図り、地域を担う町会、自治会に、この制度を積極的に活用していただくことによりまして、地域が横につながり、地域力の向上と活性化が図られるよう全力で取り組んでまいります。
○高木委員 大変心強いご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
地域の底力を再生する、あるいは地域の底力をさらに強めていく、私は、ネーミングも含めて非常にいい事業だなと思っているんですね。始まったときからそう思っていますけども、ぜひこれからも、そういう意味で、地域社会を担う町会、自治会がそれぞれの地域に応じて、創意工夫を持って地域のコミュニティをしっかりと維持し、また、そのことによって都民生活がより充実をしていくということに還元されていくことが大事だと思いますから、ぜひそうした視点で、さらなる制度の使いやすさを含めて本格実施になるこの事業に大変期待をいたしておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。
次の質問に移ります。東京都芸術文化発信事業助成についてお伺いをしたいと思います。
都は、これまでも、世界に向けた東京の文化の創造、発信力を高めるために、さまざまな文化事業を展開してまいりました。
今後、さらなる文化の振興を図るためには、芸術文化の活動を担う芸術団体の役割というのが極めて重要、肝心になりまして、その活動に対する支援の充実が一層求められていると私は思っています。
つまり、芸術文化の振興というのは、都市において、やはり衣食住とは別の次元で、都市に住んでいる住民、あるいはその都市を訪ねてくる観光のお客様、あるいは外国人、そういう皆さんにとって、こうした、いわゆる文化に対する施策の厚みがあるということは、まさに生活の潤いでありますとか、あるいはその都市を訪ねてみたいと思う一つの大きな要因になるだろうというふうに私は思うわけでありまして、その意味で文化事業というのは、やっぱり都市生活の厚みを一つつくり上げるものだというふうに思うわけであります。
そこで重要になると思われるのが、東京の芸術文化を世界に発信する創造活動を支援することを目的に、作品や表現手法に先駆性があり、かつ企画力の高い公演や展示などの活動を行っている団体に対して助成を行う東京都芸術文化発信事業助成があるわけであります。
まず最初にお伺いしたいのは、この事業の直近三年間の応募状況と、それから、採択の実績及び予算額の推移についてお伺いしたいと思います。
○関文化振興部長 東京芸術文化発信事業助成の直近三カ年の応募状況及び採択の実績でございますが、平成二十一年度、応募百二十四件に対して採択三十四件、二十二年度は百二十七件に対して二十九件、二十三年度は百三十八件に対して三十五件となっております。
予算額でございますが、二十年度に六千万円でございましたものを二十一年度に八千万円に増額いたしました。来年度の予算案では九千万円を計上してございます。
○高木委員 平成二十年度に六千万円の予算だったものが八千万円、そして、来年度は九千万円ということで、予算の増額に対しての努力は私も認めてはいるんですけども、来年度九千万円ですから、もう一声というところかなという気がいたしております。
というのは、採択されている団体というのが、それぞれ二十一年は百二十四件に対して三十四件、パーセンテージでいうと二七・四%、二十二年は百二十七件に対して二十九件ですから二二・八%、二十三年は百三十八件に対して三十五件ですから二五・三%ということで、残念ながら三割にも満たないという数字になっているわけで、これは申請をしてくる中身によって当然変わってくるんだろうと思いますが、中身の判断はともかくとして、この数字だけを見ておりますと、東京都が目指している世界的な文化創造都市東京の発信というのが若干弱いかなという気がいたしますので、もう少し採択団体をふやしていただくという努力が必要なんじゃないかなと思っています。
それで、これは金額、一団体に対してどれだけ助成をするのかというのを、もう少しいろいろな形をつくってもいいのかなというふうに思っていまして、少額のところがあってもいいだろうし、この事業はやはり大きくした方がいいだろうという判断の中で、予算の中でいろいろと金額の多寡を決めていただくなんていうのも、本当はあってもいいんじゃないかなというふうに思っていますので、そういう工夫も含めて、私は、これからもう少し採択団体をふやす努力というのをぜひしていただきたいなと思っています。
私の感覚では、この助成制度を利用したいと思っている芸術文化団体というのはもっといるんじゃないかと思っているんですね。つまり、毎年百二十件から百三十件ぐらいの団体が応募してきているんですが、その収支がどうかという問題はもちろんあるにしても、ハードルが高いというふうに思っていて、最初からあきらめているところが随分あるんじゃないかと思っているんですね。
ですから、そうした団体が応募してこない理由というのは何があるのかなと思うんですけども、一般論なんですけども、役所の助成金については制約が多かったり、使い勝手が悪かったりというのはよく聞く話なんですが、そういうことが応募のネックにもしかしてなっているのかなとも実は思っているわけであります。
生活文化局には、そうした助成についての要望、こうしてほしいとか、こうあるべきだというようなことも恐らく聞かれているんだろうと思いますが、そうしたものはどういうものがあるのかとか、そういうものにどうこたえてきたのか。今までの努力の成果というものを、ぜひ披瀝いただきたいと思います。
○関文化振興部長 これまで芸術文化団体等からは、広告費や準備経費も助成対象にしてほしい、また、助成金を早期に受け取れないか、外部資金を確保したときに助成金を減らさないでほしいなどの要望が寄せられ、そうした声を踏まえまして、対象経費の拡大、一部前払い金の導入、外部資金を理由とする助成金減額の撤廃などの改善を行うなど、努力をしてまいりました。
そのほかにも、決定時期を前倒ししてほしいなどの要望が寄せられております。
○高木委員 そうした要望にこたえてきたということは大事なことですから、これからもぜひお願いしたいし、そうした努力については大変ありがたいなと思います。
すべての要望を聞いてほしいというわけではないんですが、都内の芸術団体には小規模の団体も多いわけでして、資金繰りなども大変厳しい中で、せめて助成の決定時期を前倒しできないかというような切実な要望には、これからもぜひこたえていただきたいと思っています。
この多くの芸術団体を支援していくために、芸術文化発信助成を、さらに私は、今まで申し上げたような形も含めて改善していくべきと思いますが、ご所見をお伺いしたいと思います。
○関文化振興部長 今後とも各団体の置かれた状況などを的確に把握し、団体にとってさらに利用しやすい助成金となるよう決定時期の前倒しに努めるとともに、引き続き制度改善について検討するなど、芸術文化団体等の活動を積極的に支援してまいります。
○高木委員 ただいま大変重要なご答弁をいただきまして、決定時期の前倒しに努めるということですので、ぜひお願いしたいと思います。大変ありがとうございます。
引き続き制度の改正について検討していくということもありますが、例えば、これ、ちょっと他局の事例になって申しわけないんですけども、ちょうど四月の初めごろに桜祭りとかあるわけですよ。そうすると、三月から四月にかかる年度がわりのところの活動というのが、三月分が年度末で助成にならないというようなケースが結構あるんですよ。
そうすると、同じように、芸術文化の助成にもそういうものがきっとあるんじゃないかなと思いながら聞いているんですが、年度がわりというのは役所の都合ですから、民間の都合じゃないんですよ。民間は別にいつやってもいいわけで、その時期、その時期にしかるべきやることをやっているという中で、四月の当初の事業をやるためには、三月に広告宣伝をしなきゃいけない。
その場合に、例えば二月にポスターを発注したりして、事業自体は四月と。年度がかわってからやるということになると、二月、三月の分が入りませんよなんてことがよくあるんですよ。ですから、こういうこともぜひ柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
これは、検討の課題でありますので、全庁的に、恐らく生活文化局だけではなくて、年度がわりの問題というのはぜひ検討していただきたいと思っています。
東京都の来年度の文化予算の額というのは約百八十九億円であります。国内の道府県と比較いたしますと、東京都の百八十九億円というのは突出して額が多いんですけども、ただ、残念ながら、欧米の諸都市と比べると、やっぱり見劣りするかなと思います。
芸術文化というと、一番先に頭に浮かびますのは、花の都パリなんですけど、ちなみに、パリの芸術文化に対する予算は約三百十億円、音楽の都ウイーンは二百九十億円、そしてベルリンは何と七百十億円ということでして、為替の問題もありますから単純に比較できないんですけども、私はなぜここで諸外国の文化予算を出したかというと、これ、一年だけのことじゃないんですよ。つまり、経年で考えていくと、十年とか五十年とか百年という単位で考えると、例えば一年間に百億の差があったら、十年だったら一千億、百年たったら、文化予算で一兆円の差が出ちゃうんですよ。
ということは、それはすぐに欧米のレベルに到達してほしいとはいいませんけども、やはり東京都が考えている世界の文化都市東京と、千客万来の世界都市東京を考える上では、そういうことも含めて、文化事業の充実というものをぜひ考えていただきたいなと思っています。
都内では、さまざまな地域で、多くの団体が特色ある芸術文化活動を繰り広げています。その活動が今よりも活発になれば、相乗効果をもたらして、東京の文化の創造発信力を高めて、都市の魅力向上につながるものと考えられますので、ぜひ今後とも、予算の充実とあわせて制度改善を着実に実施することを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○野上(純)委員 東京都配偶者暴力対策基本計画の改定に当たっての基本的考え方についてという、平成二十四年一月十八日に、東京都男女平等参画審議会が出した答申について何点かお伺いいたします。
私もこの審議会のメンバーで参加をさせていただいておりました。DV被害者救済には、被害者に寄り添う民間団体への支援が欠かせないということを主張してまいりました。
その結果、今回の答申の中では、民間団体との連携協力について、被害者に対するきめ細かく切れ目のない支援体制を確立することを目指し、民間団体の有する専門的能力を活用するなど、民間団体との連携を強化し、その活動を支援していく必要がありますというふうに提言の中に書かれております。このこと自体は大変にうれしいことだと思っております。
また、昨年十一月の文教委員会の質疑の中で、住民生活に光をそそぐ交付金を活用したステップハウスの設置なども、民間団体を支援する立場から、具体的な提案をしてまいりました。
その際、民間団体がステップハウスを立ち上げたり、複数の団体が連携して新しい取り組みを行う場合に、助成することを検討するとの答弁をいただきました。
その後、東京都は、民間団体への支援について新しい助成を始めたということを聞いております。
その新しい助成ということなんですけれども、その内容についてお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 都は、昨年末に、光交付金を活用し、ステップハウス立ち上げ事業や連携支援モデル事業に、新たに取り組む民間団体に対して支援を行うDV被害者支援体制整備費等助成を開始いたしました。
ステップハウス立ち上げ事業では、民間団体が配偶者暴力被害者の社会復帰準備のための施設を立ち上げる際に、敷金、礼金など、不動産賃貸に係る初期費用等を助成いたします。
連携支援モデル事業では、被害者が行政窓口等へ出向く際に、民間団体がお互いのスタッフを融通し合い、同行支援を行う取り組み等に対し助成をいたします。
○野上(純)委員 昨年末に助成を開始したということなんですけれども、今年度からこの事業を開始するに当たって、そういう団体がどれぐらい集まるのかというのをすごく心配しているところなんですけれども、その数とステップハウスの立ち上げを行う団体の数等もお聞かせ願えればと思っております。
○菊地男女平等参画担当部長 今年度、事業を開始する団体は十四団体、事業数は七件となっております。
ステップハウス立ち上げ事業では、一戸建てやビルの集合住宅部分の借り上げにより、計三施設が設置されております。
施設内では、被害者に対して居室を提供するとともに、運営スタッフによる日常的な生活支援や就労に向けた相談など、被害者の自立に向けたサポートを行うこととなっております。
○野上(純)委員 もう一つ、前の質疑のときに心配していたんですけれども、連携支援モデル事業についてはどうでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 連携支援モデル事業については、募集開始前には二、三団体の連携による取り組みを予想していましたが、実際には、NPOを初めとする八つもの団体がスタッフを融通し合い、被害者への同行支援が行えることになりました。
このほか、被害者の心の傷の回復を支援するためのプログラムの作成や、被害経験を持つ講師が自身の回復体験を伝えることなどを通じて、被害者の心理的サポートを行う事業が実施されることとなっております。
○野上(純)委員 非常にびっくりした内容なんですけど、NPOを初めとする八つの団体がスタッフを融通し合って被害者の同行支援を実施したり、あるいは傷ついた心をどうやって回復するかということで、実際に自分もDV被害者だった方等が講師になって、自分の体験等を語る中で、同苦しながら回復体験を伝えていくという非常に心理的なサポートを行う事業とかが取りざたされております。
ステップハウスに関しては、東京都は大変地価が高いところなので、なかなか立ち上げるのが難しいのかなと思っていましたけれども、一応三施設が立ち上がったということと、それから連携支援モデル事業では、これまで横のつながりが弱かった、これは個人情報の保護ということがあるので、なかなか厳しかったところがあるんですけれども、そういった団体間において協力し合う取り組みが育っているということが明らかになったと思います。
DV被害者の救済に向けた今まで行ってきた提案が都の施策となって具体化し、このような民間団体の動きにつながってきたことは大変に喜ばしいことでありまして、都の取り組みに対して大いに評価をするものでございます。
しかし、これらの事業は、今、スタートラインについたばかりで、これからいろいろと懸念されることもたくさんあるんですけれども、事業が進むにつれて、それぞれの事業者がいろいろな具体的な場面で戸惑ったり、悩んでどうしたらいいんだろうかというようなことも多くなると思っております。
せっかく立ち上がった民間団体が、新しい取り組みがうまく軌道に乗るように、ぜひとも東京都にバックアップをしていただきたいと考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 都は、助成対象事業の進捗状況を随時把握しながら、民間団体による新しい取り組みが円滑に進むよう、積極的に助言を行ってまいります。
また、助成対象団体が一堂に会し、意見交換を行う場を設けることにより、被害者支援のノウハウを共有、蓄積し、それぞれの団体の自立支援機能が高まるよう支援してまいります。
このように、民間団体の活動を活性化していくことによって、配偶者暴力対策の充実を図ってまいります。
○野上(純)委員 民間団体への支援、あるいは連携強化については、非常に前向きな答弁をいただきました。引き続き民間団体と積極的に意思疎通をしながら、ともにDV対策のさらなる充実に取り組んでいただくよう要望します。
次の質問に移ります。次は、災害ボランティア活動の支援についてでございます。
東日本大震災から一年が経過したわけでございますが、東京都がほかの自治体に先駆けて実施しましたこの都民ボランティアの派遣は、被災地からも大変高く評価されて、非常によい活動であったと思いますが、昨年の七月にこの事業が終了した後、都の活動支援は普及啓発によるボランティア活動への参加促進と、被災地でのボランティア活動に対する支援を行っておりまして、いろいろホームページを見てみましたら詳しく書いてございました。
まず最初に、都民のボランティア活動への参加促進について、これまでどういう取り組みを行ってきたのか、その主な事業内容と実績についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 東京都は、都民ボランティアの派遣終了後も、都民のボランティア活動への関心を高め、より多くの方に被災地での活動に参加していただけるよう、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
具体的には、都民ボランティア報告会を二回実施し、被災地での体験を振り返るとともに、現地で求められている支援の現状を報告いたしました。
また、社員や学生による被災地での活動を促すため、企業や大学などに出向いて説明会を五十五回開催いたしました。
あわせて、普及啓発リーフレットを一万五千部作成したほか、ホームページや都の提供番組などを通じ、ボランティア活動への参加促進に向けたPRに取り組んでおります。
さらに、災害ボランティア専用ダイヤルを開設して、被災地におけるボランティアの受け入れ状況や参加方法など、ボランティアに関心を持った人が具体的な行動に結びつくよう、さまざまな問い合わせや相談に応じております。
○野上(純)委員 いろいろ具体的に回数等のご答弁がありました。被災地においては、ボランティア活動に対する支援として、都はどのようなことを行っているのか、その内容と実績についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 被災地からは、ボランティアの受け入れや活動先の調整等を行うボランティアコーディネーターが不足しており、都から派遣してほしいという強い要請がありました。
ボランティアコーディネーターは、現地のボランティアセンターを運営する上で不可欠な存在であることから、都は、都民ボランティア経験者等をボランティアコーディネーターとして、昨年七月から年度末までの予定で派遣しております。
具体的には、長期派遣型のボランティアコーディネーターを宮城県気仙沼市及び岩手県陸前高田市の災害ボランティアセンターに常時三名派遣しております。
加えて、一週間単位で交代する短期派遣型のボランティアコーディネーターを宮城県南三陸町、多賀城市、登米市、岩手県陸前高田市、遠野市、釜石市の六市町の各災害ボランティアセンターにそれぞれ常時一名派遣しております。
長期派遣型と短期派遣型の合計で延べ約百名のボランティアコーディネーターを派遣する予定です。
○野上(純)委員 都民ボランティアの派遣終了後も、ボランティア活動への参加推進や被災地での活動支援など、さまざまな取り組みを通してボランティア活動を支援していただいていることがよくわかりました。これから百名を派遣する予定ということでございます。
それから、ただいまの答弁で、ボランティアコーディネーターの派遣は年度末までということでございました。しかし、陸前高田市、これは名古屋市が全面的に入って支援をしているということですけれども、まだまだスタッフが足りないということがいわれております。災害ボランティアセンターを運営するスタッフの大半が被災し、いまだに人材不足で大変だという話も聞いております。
現地の災害ボランティアセンターの状況も、それぞれの地域によってはさまざまな違いがあります。ニーズもさまざまな違いがあると思います。
こうしたことから、四月以降のボランティアコーディネーター派遣についても、いろいろと柔軟に対応していくことが大事だと思っておりますが、いかがでしょうか。
○飯塚都民生活部長 多くの地域では、地元の社会福祉協議会が中心となり、市内で活動する支援団体等との連携により、自立的にボランティアセンターが運営できる体制が確立してきており、これらの地域についてはコーディネーター機能が回復しております。
しかし、一方で、被害の大きさなどから、まだそうした体制づくりが進んでいない地域も残されております。
ボランティアコーディネーターの派遣については、現時点では原則として年度内としておりますが、現在、都から被災地に派遣されているボランティアコーディネーターなどを通じて地域ごとの実情を的確に把握し、地元からの要請がある地域については、東京ボランティア市民活動センターとも協議しながら、四月以降についても、必要に応じてボランティアコーディネーターの派遣の延長に対応してまいりたいと考えております。
○野上(純)委員 地元から要望がある地域については、四月以降についても、派遣の延長に対応していくということでございます。
現地から要望のあった場合というふうにいわれているんですけれども、必要があるかないかを現地に問い合わせていただいたら、多分、ほとんど必要ですという回答が来ると思うんですけれども、ぜひ前向きに対応していただきたいと思います。
震災から一年を経て、被災地におけるボランティアをめぐる状況もいろいろと変わってきておりまして、都に求められる役割も変化しております。
今後とも、都においては、被災地の復興を支援する立場から、被災地の状況に応じたきめ細かな取り組みをお願いしたいと思っております。
私たちもいろいろと支援をしてまいりまして、一番最初に必要としたものと、だんだんと月日がたってきて、支援してほしいという内容が支援物資も含めて変わってまいりました。ですから、そういう細かいところまできめ細かに把握をして、具体的な支援をお願いしたいと思います。
最後に、被災地支援に取り組む局長の決意をお伺いいたしまして、終わります。
○井澤生活文化局長 生活文化局では、これまで未曾有の災害に見舞われました被災地の一日も早い復旧、復興を願いまして、さまざまな支援活動を行ってまいりました。
被災地でのボランティア活動の支援はもちろんのこと、被災者の方々の心のケアも重要でありますことから、ヘブンアーチストや東京都交響楽団の出張公演など、文化的な側面からも継続的な支援活動を行ってまいりました。
昨年、気仙沼、陸前高田のボランティアの方々を激励に参った中で、亘理町でヘブンアーチストの公演に足を伸ばさせていただきましたけれども、当日ちょうど三十三度ぐらいで非常に暑いときでした。炎天下でテントを張らせていただきましたけれども、二時間、市長さん、それから仮設から通われてきたお年寄りの方々、子どもたち、最後まで手をたたいて喜んでくれました。
それから、石巻の方に行った東京都交響楽団からは、局の方へ手紙が参りました。正直、出かけるまでは非常に心が重かった。しかし、仮設へ入って、二千世帯ぐらいの大きな石巻の仮設住宅だったらしいんですけれども、会場に来られた方が三名しかいらっしゃらなかった。東京都交響楽団が来られたということで、主催者の方が気の毒に思われたんでしょう、三十名集めていただいた。お話を伺うと、仮設住宅は抽せんで皆さん入られているので、二千世帯といっても、隣の方々を恐らくだれも知らないということで、ほとんど住宅から出てこられないということだったそうです。
ところが、演奏を始めますと、その三十名の方々は皆さん話もしないで下を向かれていたのが、上を向いてにこにこされて、隣の方々とお話をされ始めたと。最後は「故郷」をみんなで大合唱したときに、都響のメンバーも涙で最後まで演奏できなかったそうでございます。終わってから、おばあちゃんたちが仮設に戻って、おまんじゅうを差し入れてくれたということです。
彼らはいつも大きなホールでクラシックファンを相手に演奏しているわけですけれども、心を通わせるという音楽家としての重要な使命を改めて実感したということです。
これからも都民に愛される、愛され続けるオーケストラ、心を通わせるオーケストラとして、積極的な活動をやりたい、そして局に対して、被災地支援コンサートを援助していただいてありがとうございますというから、こちらの方が本当はありがとうございますといわなくちゃいけないんですが、今後も避難生活を送られている方々に思いを寄せ続けたいと結んでおりました。
これからは、被災地の復興に向けた息の長い取り組みが必要になると思います。今後とも、被災地の要望等を的確に把握しまして、局が持つ資源やノウハウを最大限利用いたしまして、現地のニーズに即した被災地支援に全力で取り組んでまいります。
○今村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時十分休憩
午後三時二十一分開議
○今村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。
まず、災害ボランティアについて伺います。
先ほどもお話がありましたが、東日本大震災から一年がたちましたが、被災地の皆さんが本当に心が折れそうな中でも、必死に前を向いて歩まれようとされています。
しかし、今も約三十四万四千人が避難を余儀なくされていらっしゃいまして、復興は遅々として進んでいない現状でございます。
昨年の暮れに岩手県の宮古市に私も行ってきましたが、地域によってはやはり必要な支援の内容が異なってきていますし、まだまだボランティアは必要だということを実感しています。
例えば、大船渡市の仮設住宅では、住んでいらっしゃる方の平均血圧は百三十の後半、健康管理の支援や調理の支援などができる人たちが本当に切望されていることも伺いました。これは全域でいえると思うんですが、高齢者のみの世帯では、買い物支援や通院支援なども必要な状況でございます。
都は、ボランティアコーディネーターの派遣にシフトするということで、昨年七月の十七期までのボランティア派遣で被災地への都民ボランティアは停止をしたと。先ほどのご説明では、ボランティアコーディネーターは長期型の派遣が三人と、そして短期型が六市町にそれぞれ一人ということで、延べ百人のコーディネーターを派遣されているというご答弁がありました。そして、コーディネーターは、四月以降は必要に応じて派遣だということも伺いました。そういう点では、大事なコーディネーターの方たちが役割を果たしているというふうに思います。
先ほども少し触れましたが、時間の経過とともに、やはり求められる支援の内容は少しずつ変わってきているように思います。また、地域によってかなりの状況が違うようにも思います。
しかし、ある被災地の方がこうおっしゃっていたのが私は忘れられません。潮を引くようにボランティア支援者が減ってきた。そう語っていたわけですが、そういう点ではまだまださまざまなボランティアが必要だというふうに思います。
被災地の把握している状況について、まず伺いたいと思います。
○飯塚都民生活部長 被災地の状況につきましては、東京都の現地事務所や現地の各社会福祉協議会、都から被災地に派遣しているボランティアコーディネーターなど、多様なチャンネルを通じてその把握に努めているところでございます。
被災地におけるボランティアにつきましては、地域によってその復興状況に大きなばらつきがあることや、ボランティアに求められる活動が瓦れき撤去等の作業から被災者に対する生活支援等に移行するなど、量的にも質的にも複雑多様化しており、単純に過不足を論ずることはできない状況にあると認識しているところでございます。
○畔上委員 私も単純に過不足をいっているつもりはありません。しかし、全国の社会福祉協議会の集計では、昨年五月の時点でのボランティアは約十七万二千人でしたが、十二月にはその一割強の一万九千人となってしまいました。
そうした中で、沿岸部では、今も瓦れき撤去や泥出し、物資の仕分け、こういったボランティアが不足しているというふうに伺っていますし、写真の洗い、また仮設住宅での孤立化の防止、こういったものも切に求められております。
同時に、何か自分でもできることがあるんじゃないかと考えるけれども、どうしていいかわからないという方もまだまだいらっしゃいまして、ボランティアセンターの力の発揮というのが求められていると思います。
被災地で活動するボランティアがもっとふえるようにするために、東京都としても、やはり努力すべきだと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
○飯塚都民生活部長 都は、都民ボランティア活動への関心を高め、より多くの方に被災地での活動に参加していただけるよう、普及啓発リーフレットの配布やホームページを通じた情報発信、災害ボランティア専用ダイヤルでの相談対応など、さまざまな取り組みを行っております。
今後とも、被災地の状況を的確に把握し、現地のニーズに即した継続的な支援活動を行ってまいります。
○畔上委員 ぜひ丁寧に状況を把握していただいて、必要なボランティア派遣の支援をしていただきたいというふうに思います。
同時に、この東京にも九千人を超える避難者の人たちがいらっしゃいます。特に福島の方が多いわけですが、私もずっとこの間、生活相談活動などに取り組んできているんですが、その中で大変痛感しているのが、やはり先が見えない、そういう中で本当に不安をいっぱい抱えていらっしゃいます。
例えば、お父さんは仕事の都合で福島に残っていて、母子で東京に避難されている、そういう方もいらっしゃるわけですが、一時的に保育をしてくださるボランティアさんが必要だったりもしています。
東京都は、社会福祉協議会の協力を得て、新しい公共事業を活用して、避難者の生活不安解消のための相談窓口も実施していることは大事なことだというふうに思っておりますが、余り知られておりません。ぜひ東京にいる避難者についても、必要なボランティア派遣ができるようにしていただきたいと、そのことを要望して次の質問に移りたいと思います。
次は、男女平等参画のための行動計画についてです。
男女共同参画社会基本法制定から十三年がたちました。法律上は男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の改正、またDV防止法の制定などが一定行われまして、都としても、男女平等参画の基本計画を策定して、具体的な施策を進めてきたわけです。
しかし、現実には、都も、そして国も計画は道半ばで、国の第三次計画においても、男女平等の参画が必ずしも十分には進んでいなかったというふうに反省している状況が続いております。
一昨年の世界経済フォーラムが公表しました社会進出や政治参加の性別格差ランキングでは、日本は百三十四カ国中九十四位と主要先進国で最下位でした。こうした日本の女性差別是正への取り組みのおくれに対して、国連の女性差別撤廃委員会からは厳しい勧告も出されております。
東京都は国をリードする首都だとよく知事はおっしゃっていますけれども、国連女性差別撤廃条約と日本国憲法を生かし、男女差別の是正の取り組みで国をリードするような先陣を切っていただけるよう求める立場で幾つか質問したいと思います。
まず、防災対策、震災復興での男女平等参画についてです。
先ほども東日本大震災の復興が遅々として進んでいないというお話をしましたが、同時に、このたびの大震災で、防災備蓄品においても、避難所運営においても、女性の視点、意見を取り入れるということがいかに大事か、これが大きな教訓として浮かび上がっていると思います。
しかし、政府の東日本復興の構想会議は、委員が十五人中、女性はわずか一人、六・七%で、同検討会は十九人中二人、原発事故調査・検証委員会は十人中二人と、政府自身が第三次計画で示した三〇%の目標にほど遠い現状です。
そこで、まず伺いますが、このたびの男女平等参画のための東京都行動計画の改定に当たっての基本的考えの答申の中で、都の取り組みとして、防災復興における女性の参画の促進というのがありましたけれども、具体的にはどういう内容を考えているのか伺いたいと思います。
○菊地男女平等参画担当部長 審議会の答申では、防災分野について、東日本大震災の際に、救援物資の配分や避難所の運営等において、男女のニーズの違いに対応できないといった状況が見られたことから、防災や復興に関する政策、方針決定の段階から女性の参画を拡大し、男女平等参画の視点を取り入れることが重要であると提言しております。
行動計画の改定に当たりましては、この答申の趣旨を踏まえ、関係局と調整し対応してまいります。
○畔上委員 答申においては、政策、方針決定の段階から女性の参画と提言しているということでありましたが、今現在は、東京都の防災会議には一人も女性が参画していません。本会議で、その理由は災害対策基本法と防災会議条例によって定められているからというご説明がありました。
確かに、災害対策法の第十五条五項によって、防災会議の委員の規定がありました。女性の比率の低い教育長や市町村長、こういった方々が指定されておりますが、その条文の五項の五では、知事がその部内の職員から指名する者という規定もありました。知事の姿勢いかんでは女性の参加はできるわけです。
地域防災計画の修正の検討部会には、女性を含めたということがわかりました。そこで私は、検討部会で女性参画の状況を伺おうと思いましたら、その人数は把握されていなかったと。そして、所管は総務局だということでありました。
しかし、男女平等参画の推進の担当所管が結局そうした現状でいいのかと。私はやはりこの間、理念はあっても、結局遅々として進まない原因に、所管局には何も権限がない、イニシアチブを発揮する仕組みがない、こういうところに問題があるんじゃないかというふうに思います。
防災会議、検討部会の女性の参加目標をしっかりと定めて女性の参加をふやす努力を行うよう、男女平等参画推進の担当局として知事及び総務局にぜひ働きかけていただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、働く女性への差別の是正を図ることについてです。
正規で働く女性は約二十年前、六一・九%、現在は四六・二%と減る一方です。非正規で働く女性がふえておりまして、今や雇用女性労働者の二人に一人までとなっております。非正規の雇用の全体に占める女性の割合というのは、総務省の労働力の調査では約七割となっております。賃金格差は縮まるどころか広がり、女性の賃金は厚生労働省の毎月の勤労統計調査によりますと、非正規を含めると男性の五一%、半分というのが実態でございます。
近年、公務職場における非正規化が急速に広がっておりますが、総務局の取りまとめによりますと、東京都の知事部局における非常勤職員は六千二百四十七人ということでありましたが、総務局では、女性職員の数については取りまとめていないということでありました。非常勤の女性職員が何人いらっしゃるのか、生文局では把握されているんでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 生文局では把握しておりません。
○畔上委員 実態をどこも把握していないということにも驚きなんですが、ぜひきちんと女性の労働実態の一つとして、私は生文局でも把握していただきたいと要望しておきたいと思います。
保育、看護、学校の教員、給食調理員など、資格を持つ専門職に低賃金の非正規の女性が多いのが特徴なわけですが、都においても非常勤職員に女性が多いと思われますが、男女平等参画という観点で見て、こうした事態をどう認識されているのか伺います。
○菊地男女平等参画担当部長 非常勤職員については、例えば専務的非常勤職員の場合、東京都専務的非常職員設置要綱に基づき、職務の遂行に必要な知識及び技能を有する者のうちから、選考の上で任用することとされています。
知事部局の非常勤職員に占める女性の割合については承知しておりませんが、性別にかかわらず、設置要綱に基づいて採用されております。
○畔上委員 今のご答弁を伺っていましても、都が率先して男女平等参画を推進しようという構えが低いといわざるを得ませんね。官製ワーキングプアと呼ばれる社会問題になっていますけれども、その多くが女性と思われるわけです。
私がお話を伺った女性の方は、少しでも生活費を節約したいと通勤にバイクを購入しようと思ってローンを組みたいと申し出たら、収入が少な過ぎるということでローンが組めずにだめだったと。お金がないからローンを組むしかないのに、非正規労働者は社会的にも認められていないのだと痛感しましたとおっしゃいました。
また、ある方は、公務員と同じ仕事をしていて、責任と負担だけは同じ、それで一時金もなく退職金もないと。女性の多い職場や職種に非正規が多いのは、女性に対する差別が根底にあるのではないかというふうにおっしゃっていました。
東京都自身が多くの官製ワーキングプアを生み出している現状を、男女平等参画の立場からも改善することが求められているんだと思います。ぜひこうした視点も計画策定に反映していただきたいと要望したいと思います。
また、女性の就労継続に不可欠なのが保育です。
女性の社会参加が進んだといわれる現在でも、我が国の典型的な就業パターンが、三十代後半から四十代前半が低くなっている。いわゆるM字カーブですが、ちょうどその年代が仕事にもなれてキャリアを積む大きな節目で、女性にとっては働き続けたいと思いながら仕事を離れざるを得なかったり、また、続けていても、子どもが熱を出してしまったり思いがけないことで、母としても、また、職業人としても大変悩む時期だと思います。安心して預けられる保育や学童クラブがなければ、仕事を続けることはできません。
三十代後半から四十代前半の女性の潜在的労働力率が八割近いにもかかわらず、実際には六割台と、働きたくても働けない実態が都の労働力調査でも明らかになっていますが、こうした実態をどう認識して、それをどう打開しようとする計画でしょうか。伺います。
○菊地男女平等参画担当部長 男女を問わず、育児等のために離職した人が意欲と能力を生かして仕事の場に復帰できるような環境をつくることは、男女平等参画社会の実現に向けて重要であります。
審議会の答申では、再就職や起業が実現できるまでの支援を行うことや、再就職の機会の提供など、事業者等の取り組みを促進することを提言しております。
行動計画の改定に当たりましては、この答申の趣旨を踏まえ、関係局と調整し対応してまいります。
○畔上委員 再就職支援というのも私も大切だというふうに思いますが、なぜ日本の場合、女性が妊娠、出産で離職する人が多いのかといえば、やはり長時間労働による仕事と子育ての困難など余りにも、男性もそうなんですが、女性もともに仕事と家庭の責任が果たせるような条件整備がおくれているからだというふうに思います。
例えば、ヨーロッパ諸国では、当たり前のように残業の上限を法律で制限して長時間労働の是正を図っていますが、日本は法律規制がありません。労働時間を短縮できることは、女性のみならず、男性にとっても大切なことだというふうに私は考えています。労働時間の短縮で人間らしい家族団らんを取り戻すためにも、ぜひ計画に明記をしていただきたいと思います。
また、女性の就労継続に不可欠な保育については、東京都が面積基準を改悪する条例案をつくり、今議会に提出されているわけですが、安心して子育てしながら働く環境づくりに逆行するものであることを指摘しておきたいと思います。
最後は、女性差別撤廃条約の選択議定書の速やかな批准を国に求めることについてです。
女性差別撤廃条約選択議定書は、条約締結国の個人または集団が条約に定められた権利の侵害を女性差別撤廃委員会に直接通報する権限を認め、国連が通報に基づく調査、審査を行って、通報のあった当事者、そして政府に意見や勧告を送付する、こういう内容のものです。
同条約の実効性を高めるために、一九九九年の国連総会で採択されたわけですが、ことしの二月現在では、オーストラリア、イギリス、カナダ、韓国、タイなど、締約国の百八十七カ国中、百四カ国、OECDの加盟国三十カ国中では、日本とアメリカを除く二十八カ国で批准がされております。
東京都としても、政府に対して速やかに選択議定書を批准するよう求めるべきだと考えますが、いかがですか。
○菊地男女平等参画担当部長 国の第三次男女共同参画基本計画では、女子差別撤廃条約の選択議定書について、早期締結について真剣に検討を進めると明記しており、今後とも国の状況について把握してまいります。
○畔上委員 憲法の男女平等の立場はもとより、国連の女性差別撤廃条約など、国際的な基準を国民に広く知らせる、こういう活動が私は非常に大事だというふうに思っています。ぜひ東京都としても、そういった活動を進めていただきたいと思いますし、私も憲法の男女平等の立場を貫いて頑張っていきたいというふうに思っております。
終わりに一言、憲法についてですが、生文局関連の先日の委員会におきまして、日本共産党の日本国憲法制定時の態度についてのお話が出ておりましたので、一言発言をさせていただきます。
我が党が憲法制定時に憲法草案の採択に反対した主な理由は二つ。
一つは、主権在民の明記を早い段階から主張するとともに、天皇条項がそれと矛盾すると考えたからです。
それからもう一つは、急迫不正の侵害から国を守ることを明確にするよう求めたのですけれども、当時の首相が憲法九条のもとで自衛権はないという立場をとったので、反対したものです。
その後、戦争を放棄して戦力の不保持を定めた憲法九条のもとでも、急迫不正の侵害に対する自衛権を持っているということは広く認められるようになりました。
なお、我が党は当時も今も、そして国民の私有財産を否定したことはありません。現在、日本共産党は、日本国憲法の全条項を守り、実施する立場をとり、そのことは我が党の綱領にも明記しております。
そのことを一言加えさせていただきまして、きょうの質問を終わります。
〔発言する者多し〕
○今村委員長 ご静粛に願います。
○山内委員 新しい公共支援事業について質問させていただきます。
この事業は、NPOなどの地域活動がしやすくなるという観点で注目しています。二年限りの事業であるため、手を挙げる団体にとっても、継続的な事業を実施するための二年間という位置づけであり、悩みが多いようです。
モデル事業の選定を終えて交付決定された事業の継続性についてはどのように考えているのかお伺いいたします。あわせて、参加している自治体の状況についてお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 国からの交付金を活用した新しい公共の場づくりのためのモデル事業は、行政とNPO等が協働して取り組む地域の諸課題解決のための事業に対して助成するものであります。
モデル事業については、震災支援枠での申請を除き、事業成果が一時的なものとならないように、新しい公共支援事業終了後も地域の諸課題解決のための取り組みが継続されることを募集要領で要件として定めております。よって、今回、都が交付決定した事業は、助成終了後も取り組みが継続されるものと考えております。
今年度交付決定したモデル事業は二十九事業であり、自治体別の内訳としましては、区が八、島しょ一を含む市町村十八、都三となっております。
○山内委員 今回の事業は二カ年の事業であるのに、単年度ごとの交付決定となっているため、年度がわりの時期が不安の声も聞いています。選定したモデル事業には区市町村がかかわっており、当該自治体にとって必要な事業です。
自治体とNPOが協力して取り組んでいる事業が次年度につながるように、二〇一二年度交付に向けた取り組みを都としてどのように行うのかお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 既に交付決定したモデル事業のうち、二カ年度にわたって取り組まれる事業については、今年度の事業計画が適正に遂行されているかどうかの確認を行った上で、来年度の交付決定を行うこととしております。
そのため都は、現在、立入検査等を実施しており、その結果、適正に取り組まれていることが確認された事業については、新しい公共支援事業運営委員会における審議を経て、速やかに平成二十四年度の交付を行います。
○山内委員 NPOによる事業が地域で展開されることによって、新たにさまざまな取り組みが実施されています。
今後の新しい公共の担い手を広げていくためにも、事業を学び合う場をつくるという点で、今回のモデル事業を広く知らせる発表の場をつくることが有効ではないかと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 内閣府策定のガイドラインによれば、モデル事業の取り組み成果は報告書として取りまとめた後、新しい公共支援事業運営委員会に報告するとともに、公表を行うこととなっております。
都としては、このガイドラインに基づく報告や公表等を通じて、都民やNPO等に対する成果等の紹介を行ってまいります。
○山内委員 今回の事業は、募集の準備から決定までの時期が短かっただけでなく、実施後についても、単年度ごとの予算執行であるため、二〇一一年度の事業期間がとても短かったということがあります。最初からわかっていたこととはいえ、厳しいスケジュールだったようです。
二〇一二年度、国の当初予算にはこの事業が盛り込まれていないようですけれども、次回実施する際には、この経験を生かして、NPOが取り組みやすい方法を考えていただきたいと思います。さらに、国の事業があるから実施するということにとどまらず、都としても積極的な取り組みを望みます。
次に、特定非営利活動促進法施行条例についてお伺いいたします。
法律改正で活動分野が広がり、さらに各活動に準ずる活動として条例で定めることができるようになっています。都条例検討に当たって、条例で追加できる独自の分野について検討が行われたのかお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 いわゆるNPO法では、特定非営利活動として、保健、医療または福祉の増進を図る活動、子どもの健全育成を図る活動など十七分野が定められておりました。
今回の法改正では、これらの活動分野に、観光の振興を図る活動、農山漁村または中山間地域の振興を図る活動の二分野が追加されたほか、条例で独自に分野を定めることができるように改められました。
都としては、条例改正に当たって検討を行った結果、NPO法人の活動分野については、新設を含む十九分野で必要なものは満たされているとのことから、現時点で条例で独自の活動分野を定める必要はないと考えております。
○山内委員 事務処理特例で認定認証事務を区市町村に移管することができます。区や市が手を挙げて移管を求める場合、その可能性があると考えていますが、その見解をお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 都は、平成二十四年四月からの改正NPO法の円滑かつ適正な施行に向けた取り組みを進めているところであり、事務処理特例による区市等への事務移管について検討する段階には至っておりません。
○山内委員 事務移管はすぐに実施されるとは思いませんが、今後そのようなケースがないとは限らないので、視野に入れておく必要があると考えております。
認定機関が国税庁から東京都へと移ります。認定する際の手続について、提出書類や処理機関がNPO法人にとっては重要な問題となります。PST、パブリックサポートテストが改善され、三千円寄附する人が年平均百人以上でクリアできるようになりました。この認定基準の変更は既に実施されており、国税庁からの移管はスムーズに行われるものと推察しております。
NPOからは、移管によって認定審査が厳しくなるのではないか、処理期間が長くなってしまうのではないかと心配する声も聞いております。
そこで、提出書類や処理期間などの手続はどのようになるのかお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 都が行う認定事務については、初めて認定を受ける法人への実地確認調査を含め、現在国税庁で行っている手続に準拠して行う予定です。
また、仮認定事務は、認定基準の一つであるPST、パブリックサポートテスト基準が免除になること以外は認定事務と同様の手続となるため、これについても現在国税庁で行っている手続に準拠して行う予定です。
処理期間については、今後、具体的に認定事務を行っていく中で事務量等を見きわめ、行政手続条例に基づき適切な標準処理期間を定めてまいります。
○山内委員 東京都はNPO法人の数が多く、都で認証された団体が全国の約一六%となっています。当然、認定を申請するNPO法人の数も多くなると考えられます。
認定と仮認定の申請をするNPO法人の数はどのぐらいと予測しているのかお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 認定及び仮認定法人については、認定基準の大幅な緩和が図られることから、相当数の認定、仮認定申請が行われるものと推定されております。
なお、内閣府が行った全国レベルの試算を事務移管時の都所管NPO法人の母数に当てはめてみますと、一年間で認定申請が約百九十法人、仮認定申請が約百二十法人となります。
○山内委員 法改正に伴って、認定NPO法人の報告は東京都に提出されることになります。もともとNPO法人の活動や財務状況については、情報公開によって社会的にチェックされるというのが法の趣旨であり、自由な市民活動が豊かに展開され、その必要性を社会が見定めるという市民社会のあり方を展望するものです。
今回の法改正は、NPO法人が活動しやすくなることをねらいとしたものです。これを踏まえて、都は、NPO法人を所管する機関としてどのような姿勢で臨み、事務移管に当たってどのような準備をしているのかお伺いします。
○飯塚都民生活部長 都では、今回のNPO法改正に関して、仮認定制度の導入や事務移管に伴う権限付与などの課題を国に提起し、見直し等を求めてきましたが、都の考え方が制度改正に十分に反映されてはおりません。
引き続き国に対して制度の改善を要望しつつ、増加する業務に対応するため、来年度予算では、事務費として約二千三百万円の予算措置を行うとともに、非常勤職員を含め必要な人員を確保し、四月からの申請受付等に臨んでまいります。
○山内委員 今回の法改正では、ほかにもさまざまな仕組みが盛り込まれました。寄附した人の税額控除や条例による個別指定、認定NPO法人のみなし寄附金の拡大など、画期的ともいえる制度改正だと考えます。これによって寄附する人が広がり、NPO法人の活動が活発になることを期待しております。そのために、このような改正点を広く知らせるように広報に努めていただきたいと考えます。
また、先ほど新しい公共支援事業でも述べたとおり、NPOを初め市民活動が今後担う役割を考えると、NPOの育成や支援についても積極的に取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、私からの質問を終わります。
○小沢委員 今、山内副委員長から質問がありまして、私も課題が全くぶつかっておりますので、なるべく重ならないように質問させていただきたいと思います。
今回の条例改正は、昨年の六月に特定非営利活動促進法が改正されまして、この四月一日から施行されることに伴う改正でありまして、これは衆参両院ともに全会一致の賛成で成立した法律でございますので、積極的に活用していく必要があるかなと思っております。
質問に先立ちまして、この法律改正についてちょっと触れさせていただきますけれども、この法律は、ボランティア活動を初めとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的に、平成十年七月に施行された法律でございまして、現在に至るまで順調に伸びておりまして、昨年の十月現在で四万三千八百二十九法人というふうに伸長しているところでございます。
このように社会に定着して、かつプレゼンスの高まりを背景としながら、NPO法人の財政基盤強化につながる措置を中心に今回改正が行われたところであります。
ちょっと繰り返しになりますけれども、重要な改正は三点ありまして、法人に関する事務を地方自治体で一元的に実施するということですね。認証事務が内閣府から、そして認定事務が国税庁から都道府県、もしくは一部指定都市へと移ることになります。
そのほかに、二点目としまして、制度の利便性や信頼性を向上させる。申請手続を簡素化、柔軟化するとともに、会計も明確化しまして、従来の収支計算書から活動計算書に変更されるということでございます。
そして、大きな改正が認定制度を見直したということで、認定基準の緩和と税制優遇等が実施されるということでございますので、今回の条例改正について順を追って質問させていただきたいと思います。
昨年の第四回定例会、我が会派の代表質問におきまして、三月、今、審議しているところですけれども、四月一日施行までの期間が余りにも短いと指摘をさせていただいた上で、周知の迅速、的確な対応を求めてまいりました。
これに対し局長からは、条例改正前においても積極的に周知、広報活動を行い、NPO法人が法施行後、速やかに申請できるよう対応するという旨のご答弁をいただいております。
そこで、NPO法人に対して新制度に対する周知、広報について、今日までどのように取り組んできたかをお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 今回の特定非営利活動促進法改正に伴う周知、広報については、都のホームページで法改正の概要を知らせるとともに、「広報東京都」二月号でも改正NPO法の施行に関する告知を掲載しました。また、三月五日と十五日にはNPO法人向けに説明会を開催し、二日間で百二法人、百四十五名の参加がございました。
今後、現在ご審議いただいている改正条例の成立後は、速やかに申請の手続等をホームページに掲載するなど、引き続き周知、広報に努めてまいります。
○小沢委員 ありがとうございます。早速ホームページも見させていただいておるんですけれども、これは内閣府の資料二点ほどが張りついているだけなんですね。それと、今回の説明会のことも書いてありました。二月十四日付でホームページに載っておりましたけれども、やはり余りにも性急過ぎたのかな、余裕がなさ過ぎたのかなと思っております。
今回、百二法人が参加されたということですけれども、この数に対しての評価というのはとり方でいろいろあると思います。先ほどのご答弁の中では、仮認定と認定合わせて三百十法人を予定されているというふうにお聞きしていますので、三分の一が参加されたという見方もあれば、この制度が余りまだ周知されていないということで、東京都で管轄している七千百法人と比較すると、わずか〇・一四%という見方もありますので、いずれにしても、今後、できる限り広報、周知を徹底していただきたいなと、このように申し上げさせていただきます。
この辺の予算措置ですとか想定している、これは国の試算からすると、二十四年度の認定及び仮認定の法人数の試算というのは、恐らく国の二十三年度の税制改正及び新認定制度に関する調査報告書のアンケート結果を利用してつくられた、国レベルで認定法人が九百、仮認定が五百五十という数字に基づいて東京都も試算されたんだと思っております。
それでは、次に、この認定のNPO法人についてもう少しお聞きしたいと思いますけれども、パブリックサポートテスト、PSTというのが認定を受ける上で非常に難関であったと聞いております。このほか、設立の日から一年を超える期間が経過していること等々、八つの項目をクリアする必要があると認識しておりますけれども、今回、難しいPSTが、先ほどお話がありましたけれども、三千円以上の寄附者が百人以上いればクリアできるという、これは大変大きな緩和だと思っております。この辺をまたよく周知していただきたいと思うところです。
そこで、認証NPO法人が認定を取得することによって具体的にどのようなメリットが生ずるのかをちょっとお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 認定NPO法人として認定されますと、NPO法人自身に対する税制優遇としては、いわゆるみなし寄附金制度があり、法人の収益事業の収益の一部を、収益事業以外の事業への寄附金として算入することができるようになります。
寄附者に対する優遇としては、認定NPO法人に対して個人が寄附した場合には、その寄附金の一部が所得税、住民税から控除され、法人が寄附した場合には、損金算入限度額の枠が拡大され、相続人等が相続財産等を寄附した場合には、その額が非課税となります。
○小沢委員 NPO法人にとっても、個人、また団体の寄附者にとっても大変大きなメリットがあるという制度でございます。これをどんどん活用して、NPO法人の活動が活発になっていっていただきたいと願っておりますけれども、今回、新たに仮認定という制度が導入されましたけれども、認定NPO法人と仮認定のNPO法人、税制面での優遇に何か違いがあるんでしょうか。
○飯塚都民生活部長 仮認定NPO法人については、寄附者に対する税制優遇措置は認定NPO法人と同じですが、いわゆるみなし寄附金制度と相続人等が寄附した相続財産への非課税措置の二つについては適用されないこととなっております。
○小沢委員 認定制度設立後、十年経過するんですけれども、昨年の八月一日現在で、全国でわずか二百三十一法人しか認定されていないんですね。全体の〇・五四%でございます。
今回の法改正、そして条例改正に伴って、財政面で非常に優遇されるという環境が整ってまいりましたので、ぜひともこの制度を周知していただきたいと思っております。
次に、これも山内副委員長と重なってしまいました、新しい公共という観点から、最後、一点だけご質問させていただきたいと思います。
そもそも新しい公共というのは何かといいますと、新しい公共円卓会議では、人々の支え合いと活気のある社会。それをつくることに向けたさまざまな当事者の自発的な協働の場が新しい公共であると宣言をされています。
また、平成二十二年六月には政府の新成長戦略において、新しい公共を支える資金の流れを強化すること、寄附税制の優遇策を拡大するよう方向づけること、政府として個人寄附額の目標を設定することなどが示されました。
一方、NPO法人の現状は、多くの法人が活動資金とそれに伴う人材不足に悩んでいるところであります。その背景には、欧米諸国と比較して我が国には寄附文化が根づいていないということが挙げられます。
(資料を示す)こちらは、内閣府のホームページからとった資料ですけれども、二〇〇七年から八年とちょっと古いデータですけれども、寄附総額が、米国三十六兆二千二百五十八億円、英国一兆八百十二億円に対して、日本では五千九百十億円にとどまっております。
これを名目GDP比で比較しますと、米国二・二%、英国〇・八%に対し、日本では〇・一一%となっており、さらにその内訳を見ますと、個人寄附の割合が、米国では八二%、英国九四%に対して、日本では約一九%となっております。我が国の寄附文化、特に個人寄附の慣習が希薄であるということがここでも指摘されるところであります。
このような背景の中で、昨年六月から施行されている新寄附税制とともに、ことし四月一日から施行される改正NPO法は、新しい公共の担い手の中核となるNPO法人の活動の活性化に寄与することが期待されるところであります。
さて、現在、都では、新しい公共の拡大、定着を図るための事業として、国からの交付金により、NPO法人等の自律的な活動支援事業を二年度にわたり実施しておるところであります。
そこで、新しい公共の担い手の中核となるNPO法人に対して、国からの交付金による時限事業にとどまらず、都独自にNPO法人に対して積極的に支援、育成していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○飯塚都民生活部長 現在、都は、国からの交付金により、平成二十三年度から二十四年度までの時限事業として、新しい公共支援事業を実施しております。その中で、NPO法人が組織運営に必要な知識や技術を高めることを目的とするNPO向けの研修、講座などの基盤整備事業に取り組んでおります。
都としては、この新しい公共支援事業を着実に実施し、事業の効果を検証するとともに、国の動向等を注視してまいります。
○小沢委員 この新しい公共支援事業を着実に実施していっていただける。ただ、国の動向を注視していくというご答弁でありましたけれども、まさに地方自治体こそが、この新しい公共の担い手であるNPO法人等を積極的に支援していかなければならないんではないかと思っております。
これからの日本の社会、いわゆる自助、共助、公助、この適正な役割分担がなされなければ成立をしていかないんではないのかなと考えておるところでございます。
地域に密着した事業を効率的に展開するには、今後、自治体とNPO法人等がさらに連携を深めていくことが求められます。NPO法人の自主性を尊重しつつ、基礎自治体はもとより、都の事業においてもNPO法人を積極的に活用していくべきと要望いたしまして、質問を終わります。
○古賀委員 東京都配偶者暴力対策基本計画の改定に関する男女平等参画審議会の答申では、計画の名称変更に関する提言がなされ、現在、東京都は、今月末を目途に計画の改定作業を進めています。
私は、計画の名称変更に反対する立場から質疑を行うとともに、意見を申し上げます。
配偶者暴力防止法でいう配偶者の定義では、いわゆる事実婚をしている人、離婚をした人、つまり、法的には婚姻関係にない人たちまで含めています。都の現行計画も同様に定義し、計画名称も配偶者暴力対策基本計画としています。
ところが、本年一月に計画名称の変更を提言する審議会答申が発表されました。きょうの報告事項です。該当箇所を読み上げてみますと、都としても、若年層の男女間における交際相手からの暴力を防止するための取り組みを一層進める必要があり、基本計画の名称を配偶者等、などですね、暴力対策基本計画に変更することについて、今後検討する必要がありますと記述されています。要するに、配偶者の後に等を加えるよう検討しなさいと書いてあるわけです。
私は、審議会の委員を務めております。審議会の場でも計画の名称変更の必要はないと一貫して意見を述べてまいりました。
東京都は、若年層の男女間の暴力の問題について既に対策を実施していると承知していますが、確認のために、その取り組みについて具体的に伺います。
○菊地男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、若年層からの相談を受け付けるとともに、相談者の安全確保が必要な場合には、東京都女性相談センターと連携して保護を行うなど、配偶者間の暴力と同様に対応しております。
普及啓発としては、交際相手からの暴力についてわかりやすく解説するとともに、相談先を記載した携帯用のカードを作成し、都内の大学、専修学校や区市町村のイベントで配布するなど、取り組みを実施しております。
また、若年層からの相談を受ける立場にある中学、高校の教員等を対象に、交際相手からの暴力についての対応方法等に関する研修を実施しております。
このように、都は、若年層における交際相手からの暴力に対して、さまざまな取り組みを進めております。
○古賀委員 ただいまの答弁でも明らかなように、東京都は、これまでも若年層を対象とした取り組みを実施しているわけです。あえて計画名称を変更する必要はないのであります。
計画の名称変更をめぐっては、審議会委員の間でも意見が分かれていましたが、昨年十一月に実施した都民意見の募集でも賛否両論があったと聞いています。賛成反対の意見はそれぞれ何件あったのか、また、反対意見はどのような内容であったかを教えてください。
○菊地男女平等参画担当部長 男女平等参画審議会では、平成二十三年十月に中間のまとめを公表し、都民意見の募集を行いました。
その結果、配偶者暴力対策については、全体で四十一件の意見が寄せられたところです。そのうち、計画の名称の変更に関する意見が九件あり、賛成意見は五件、反対意見は四件でした。
反対意見は、いずれも計画名称変更は法律の配偶者の定義から踏み出すものであり、等を入れることで内容もあいまいになる懸念があるため、名称変更は必要ないとの趣旨でありました。
○古賀委員 審議会で意見が分かれたように、都民意見も二分されているわけです。
都民意見にもありましたように、配偶者等暴力対策では対象とする暴力の範囲が全くわからなくなります。暴力ならば、親子間の暴力、兄弟姉妹間の暴力、さらには同性愛者間の暴力まで含んでいるという誤解を招き、混乱をするだけで有害無益であります。
今回の名称変更を求める意見の背景には、同性愛者、最近は、いわゆる性的少数者という言葉が使われていますが、そういう人たちにも、配偶者等の等を突破口にして、配偶者暴力対策の対象を広げようという意図があるように思えてならないのであります。
同じような違和感を覚える動きが、平成二十二年十二月に閣議決定された国の第三次男女共同参画計画に見られます。性的指向という男女共同参画基本法にもない言葉が初めて登場いたしました。計画には性的指向、つまりは、同性愛者や両性愛者であることを理由とする差別を受けることがないよう取り組むということが書かれています。
このような考え方を敷衍していくと、婚姻関係にある男女と性的少数者の問題を同価値に扱う流れとなり、家族制度や婚姻制度の崩壊へつながることになってしまいます。この流れは絶対阻止しなければなりません。
配偶者間の暴力対策は、あくまで男女間の暴力問題を取り扱うことが大原則であり、都の計画は、こうした大原則にのっとってまとめられるべきであります。
性的少数者が交際相手との間で起きる暴力問題は、人権問題として取り扱うものであり、現に人権侵犯事件として法務省の人権擁護機関が対応しています。
審議会の答申は、基本的には尊重すべきものでありますが、しかし、名称変更の件については、若年層の男女間における交際相手からの暴力防止の取り組みを進める上で必要がなく、かえって誤解を招きかねないこと、かつ男女間の暴力問題と性的少数者の間の暴力問題を同価値に扱おうとする流れを許さないためにも、都は慎重に対応すべきであります。
私は、計画名称について、今後も反対の立場を貫く決意であることを改めてこの場で、文教委員会で表明するとともに、都に対して拙速な名称変更をしないことを強く求めて質疑を終わります。
○西沢委員 私からは、その男女平等参画のための東京都行動計画の改定に関する男女平等参画審議会について、特段、男女平等参画とメディアの部分についてお伺いをしていきたいと思います。
この中間のまとめについては、青少年健全育成条例の改正の影響によって、この部分、男女平等参画とメディアの項目に多くの都民意見が寄せられたと聞いております。
審議会の答申には、都民意見の募集結果が載っているわけですが、これはすべての意見を網羅しているのかどうかお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 東京都男女平等参画審議会の中間のまとめに対しては、合計で四百七十六件の都民意見があり、このうち約七割に当たる三百三十七件が男女平等参画とメディアの項目に関する意見でありました。
都民意見の答申への掲載に当たっては、意見の趣旨を尊重しつつ要約するとともに、趣旨が同じ場合には複数の意見をまとめ、お寄せいただいたすべての意見を反映しております。
○西沢委員 私がこれを聞くのは、青少年健全育成条例の改正に当たってのパブリックコメントの原本を見たいという話を当時したところ、情報公開条例に基づいて申請をしてくれという話がありました。
当時、条例を審議するに当たって、そのときは件数なども出ていなかったものですから、審議する材料はそろっていないじゃないかと、そういう話をしまして、申請をしたわけですけれども、これは三十日以内に出すという条例になっておりまして、さらに延長すれば最大六十日と。要するに、もう定例会が終わっている状況でようやくこれが出てくるということになっているわけでありまして、このパブリックコメント、都民の意見を要約するのは、当然議論を円滑に進めるためには必要なんですが、このまとめは事務局の方がされていると聞いておりますから、うがった見方をすれば、意図的に何か主観が入ってしまうんではないかというようなことがございますから、これをすべてしっかりと網羅するということが必要だと私は思うわけであります。
それで、今回に関しましては、この審議会の委員の方は当然都民意見を見ることができる、原本を見ることができる。これは審議会の委員ですから当たり前のことでありますし、私なんかは取りまとめに関しても、事務局だけではなくて、委員の方の意見を聞きながら取りまとめる必要もあるんじゃないかと思いますけれども、その委員の方が文教委員会には三名いらっしゃるわけですね。
今回、報告事項という形ですが、三名の方も都議会議員として入って文教委員会で質疑をする、議論をするという中で、その方々は、当然原本を見ることができて、私は見ることができないというような状況でありまして、これは都議会の意見、文教委員会の意見を含めて、答申に沿って行動計画も変えていくという話ですから、ぜひこういった状況におかれましては、文教委員の議論の際に、求めに応じて閲覧を認めていただくということも、今後検討していただきたいと要望をしておきたいと思います。
そして、この内容について聞かせていただきたいと思うわけですけども、メディアに関する規制がさらに強化されるんじゃないかと不安に思う都民の方が多くいらっしゃったということでありますが、審議会としては、これらの意見を受けましてきちんと議論がされたのかどうか、その結果どのように対応したのかお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 都民意見の募集が終了した後、十一月に審議会の部会、十二月に総会を開催し、事務局から募集結果を報告した上で、都民意見に対する審議会の考え方について審議を行いました。
その結果、審議会が中間のまとめで提示したメディアに関する提言については、これ以上に規制を強化する趣旨ではないことを確認し、答申の取りまとめを行ったところです。
○西沢委員 これまで以上に規制を強化する趣旨ではないということを確認して、答申を取りまとめたというご答弁がありました。
実際に、規制強化を懸念するという多くの意見があるというのは事実でございまして、この主な意見に対する審議会の考え方について確認をしていきたいと思います。
私の事務所にも多くのメールやお電話もありまして、こうした状況に、私からも呼びかけておりまして、意見をいただきたいという話もして、多かったものについて、特段確認をしておきたいと思いますが、まず、公的機関がメディア事業者に自粛を促すことは事実上の検閲に当たる、また、表現の自由の侵害につながるという部分の意見についてはいかがでございますでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 審議会では、都がメディア事業者に自主的な取り組みを促すことについては、最高裁判所の判例における検閲の要件に該当せず、検閲に当たらないと判断いたしました。
また、業界団体がみずから定めた倫理規定の遵守など、メディア事業者自身の努力による自主的な取り組みが現在の行動計画に引き続き行われることを求めているにすぎず、表現の自由を侵害しないと判断いたしました。
こうした考え方を確認した上で、答申の取りまとめに当たっては、表現の自由を十分に尊重するとの文言を追記し、都民の懸念を払拭するための配慮を行ったところです。
○西沢委員 この男女平等参画審議会第四回男女平等参画部会の議事録を読ませていただきますと、おっしゃるとおり、取りまとめの前の議論の中では、ここの部分について武石部会長の方から、二八ページのところですけれども、条例から踏み込んだ表現はしないということを基本にするということでいいと思いますというふうにおっしゃっていただいた上で、「表現の自由が尊重されるべきですが、」を「表現の自由を尊重しつつ」としてはいかがでしょうかというような形で、十分この辺については議論がなされているのかなということは理解をいたしました。
さらに、今、答弁がありましたけれども、現在の計画に引き続き行われることを求めているにすぎずということでございまして、新たに何かを求めるというようなことではないということの確認ができました。
続いて、この青少年健全育成条例の改正に関連して、不健全図書類の区分陳列の強化を懸念する意見もあります。それから、携帯電話等のフィルタリングの義務化は家庭への介入であるのではないかという、こういった意見もあるようでございますが、これらについてはいかがでしょうか。
○菊地男女平等参画担当部長 不健全図書類の区分陳列や携帯電話等のフィルタリングについては、審議会は青少年健全育成条例に沿った取り組みが行えることを求めているところです。
こうした考え方を確認した上で、答申の取りまとめに当たっては、今後も同条例に基づき対応すべきことを明記いたしました。
○西沢委員 これまでと同じだというように理解するんですけれども、青少年健全育成条例は改正されたわけであります。ここについて、これ以上ではないということだと思います。
今回、青少年の条例に至っては多くの議論があったところでございますが、これを超えて、先ほど部会長の話があったように、条例から踏み込んだものでは表現しないということを基本とするという趣旨に沿って、この条例に基づき対応すべきと、こういうふうに明記したというように理解をいたしました。
それで、最後にですけれども、私がこの質疑をするに当たって、考えをめぐらす中で、先日、この文教委員会の中でも女性専用車両の議論があったと思うんです。
それで、これは古賀委員の方から、中国人専用車両だったらどうかとか、韓国人専用車両だったらどうだとか、そういった意見があって、私は、なるほどなと思ったわけなんですね。
つまり、男女平等というところではいいけども、中国人専用車両、さらに日本人専用車両というものがもしあったとすれば、それは差別以外の何ものでもないんじゃないかという議論になろうかと思います。
ここについて、私は、先日もう請願陳情の議論は終わっていますから、申し上げるわけではないんですけども、男女平等の名のもとに、男女平等参画を名目とした新たなメディア規制というものを危惧する声があるわけですけども、今回この答申を受けて、行動計画の改定作業を進めているわけですが、メディア規制のさらなる強化を行うというような改定ではないと理解をしていいのかどうかお伺いいたします。
○菊地男女平等参画担当部長 審議会の答申では、表現の自由を十分に尊重しつつ、メディア事業者自身による暴力や性表現の自粛など、自主的な取り組みを促すことや、情報の受け手がメディアを主体的に読み解き、メディアを使って自分の考えを表現していく能力の育成を図ることなどを提言しております。
今後、この審議会答申の趣旨を踏まえ、男女平等参画のための東京都行動計画を改定してまいります。
○西沢委員 メディア規制のさらなる強化を行う改定ではないのかとお聞きしましたところ、部長の方からは趣旨を踏まえてと、趣旨を強調していただいて、男女平等参画のための東京都行動計画を改定というようなご答弁でありました。
この答弁の趣旨というのは、先ほどこれまで以上に規制を強化する趣旨でないことを確認して、答申を取りまとめたというご答弁がありましたから、これまで以上に規制を強化する趣旨ではないという趣旨を踏まえて行動計画を改定していくということを確認させていただいて、理解をいたしましたし、そういったことが暗に行われるような行動計画の策定にはなっていただきたくないということを要望しまして、私の質問を終わります。
○村上委員 東日本大震災の発生から一年余りが過ぎました。改めて、被災地の復興を力強く支援していかなければならないという思いを強くいたしました。
私立学校、あるいは幼稚園防災力向上の観点から何点か質問をさせていただきます。
東京では、首都直下地震がいつ起こってもおかしくないといわれており、子どもたちの命を守るという観点から、教育施設の防災対策を一刻も早く、さらに最新の研究や想定を踏まえた効果的な対策を速やかに実施することが必要です。
先日、文科省の研究チームが発表した首都直下地震の想定において、従来考えられていたよりも震源プレートが浅い位置にあると判明したことから、これまでの想定である震度六強を超えて、震度七の揺れが発生するおそれがあるとしています。当然想定される被害の規模は大きくなることから、防災対策をスピードアップしなければなりません。
都は、昨年十二月二十二日に、新たな長期ビジョンとして「二〇二〇年の東京」計画と、この計画を着実に達成するための三カ年のアクションプランである実行プログラム二〇一二を策定しました。
これらの計画は、大震災を通じて明らかになった防災力の向上やエネルギー政策など、新たな課題にも対処していくとしています。
そこで、私立学校の耐震化がどう位置づけられているのか、また、計画上の到達目標、さらには、その目標を達成するためにどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
○石井私学部長 「二〇二〇年の東京」では、防災上、重要な建築物の耐震化の完了を目標とした耐震化一〇〇パーセントプロジェクトを掲げ、私立学校をこの防災上重要な建築物として位置づけております。
実行プログラム二〇一二では、平成二十五年度までにすべての私立小中学校の耐震化を完了させることを目標としております。
平成二十三年四月一日現在、都内の私立小中学校の耐震化率は、約九二%に達しています。引き続き、耐震診断、耐震化工事に対する補助を実施していくほか、新たに開始した建築士の学校への派遣事業により、各学校における耐震化計画の策定を支援するなど、目標の達成に向け、私立学校における耐震化を一層推進してまいります。
○村上委員 今のご答弁を聞いていて、校舎等の耐震化の目標達成ということで、二十五年度までに私立の小中学校を完成していくということですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
耐震化の推進にとどまらず、二十四年度予算案では、発災時における電力確保の効果も期待される太陽光発電などの省エネ設備の導入に対する補助や、防災用品の備蓄に対する補助について大幅に予算を増額しており、その積極的な姿勢を高く評価するものです。
このうち防災用品の備蓄については、平成二十三年度補正予算でいち早く立ち上げた事業であり、平成二十三、二十四年度の二カ年で緊急的に私立学校の防災用品の備蓄を支援するものです。
また、この事業は、メニュー方式を取り入れたことにより、私学の関係者からは大変使いやすいということで高く評価する声が上げられております。
こうした中で、都と内閣府で構成する首都直下地震帰宅困難者等対策協議会が昨年十一月に一斉帰宅抑制の基本方針を決定し、また、今定例会に東京都帰宅困難者対策条例が提案されています。
事業を開始した後に、大きな方針や条例案が出てきたわけですが、いずれも企業等に対し、水、食料等の物資の備蓄に努めるよう求めています。
これらの条例案等と防災用品の補助事業との関係についてお伺いいたします。
○石井私学部長 都は、東日本大震災の教訓、東京の私学の実情や学校現場の声を踏まえて、都内の私立学校の防災力の向上を図るため、昨年六月の補正予算において、私立学校防災用品緊急整備事業費補助を新規に事業化いたしました。
本事業は、生徒等が学校にいる間に震災が発生した場合であっても、少なくとも三日間は子どもたちの安全を確保する環境を緊急に構築するため、水、食料、毛布等の備蓄物資の購入に要する経費に対して、生徒一人当たり一万円を限度として補助するものでございます。
その後、昨年十一月二十二日に決定した一斉帰宅抑制の基本方針、今定例会で提案している帰宅困難者対策条例では、首都直下地震発生直後の円滑、迅速な応急活動のため、震災発生時に一斉帰宅の抑制を促すこととあわせて、企業などに三日分の物資の備蓄に努めるよう求めております。
本事業は、基本方針及び条例案に定めるこの努力事務に、私立学校が速やかにこたえることを支援するものとなっており、都は来年度も引き続き本事業を着実に実施してまいります。
○村上委員 備蓄物資への補助制度は、現場の声を聞いて、施策を先取りしたものといえます。
耐震化の推進とあわせて備蓄物資の整備は、防災力向上の最も基本的な事項であり、速やかに必要な物資が備蓄されるよう積極的に事業を進めていただきたいと思います。
さて、大震災で明らかになったことの一つに、発災時にどう対応し、行動するかが被害の大きさに大きくかかわっているということがあります。
例えば、地震発生後、大津波の到来前に敏感に避難し、全員が助かった釜石市立鵜住居小学校と釜石市立釜石東中学校の事例が、津波てんでんことして広く紹介されています。平常時から震災に遭遇した場面でどう行動するべきかを児童生徒等、学校の先生や職員の方々がきちんと身につけておくことが必要です。
それらをまとめたものが防災マニュアル、または危機管理マニュアルであり、各私立学校がそれぞれの実情を踏まえ、策定しているところです。
しかし、東日本大震災では、これまでに想定されてこなかったさまざまな課題が明らかになり、その教訓を踏まえて、各学校の防災マニュアルを適切に見直すことが今求められています。
都は、今年度の補正予算で各私立学校の防災マニュアルの策定、見直し支援を新規に事業化いたしました。
先日の予算特別委員会において、我が党の吉原総務会長から質疑があり、東京の私学の実情に応じ、都の総合的な防災対策と連動した取り組みを提示する手引を現在策定しているとのことでありました。
私立学校にとって、よき指針となるわかりやすい手引とすべきと考えますが、ご見解を伺います。
○石井私学部長 防災マニュアル改訂支援の手引の作成に当たりましては、東京という地域の特性や、東京の私立学校の実情に応じた対策を提示することが重要でございます。
例えば、今回の大震災では、大津波や液状化による被害などに目を奪われがちでございますが、東京における直下型地震では、建物の倒壊のほか、大規模火災への対応という視点を絶対に忘れてはなりません。
特に、木造住宅密集地域にある学校では、周辺で火災が発生した場合に、備蓄物資を整えるなどにより、生徒等を安全に守れる体制を構築した学校であっても、むしろ離れて、学校の外に避難すべきか、それとも学校にとどまるべきか、責任者が速やかに判断することが重要であると明記いたします。
また、東京の私立学校における先進的、効果的な取り組みを事例集として紹介することは、他の私立学校にとって大変参考となり、私学全体のレベルアップにつながります。
そこで、事例としては、災害対応マップの作成、これは通学途中に被災した場合の対策として、学校を中心とした広い範囲で避難先や医療機関、公衆電話等の場所を記載したものでございますが、このような具体的な取り組みを掲載していくことといたします。
これらの実践的な対応策を盛り込んだ私立学校にとって有効な手引とし、私立学校全体の防災力の向上を図ってまいります。
○村上委員 都が今回作成する手引に基づいて、各学校の防災マニュアルが充実することを期待いたします。
将来を担う子どもたちの命は、何にもかえがたいものであり、しっかりと守っていくことが重要と考えます。
我が党としても、都の取り組みをしっかりと支援してまいりますが、私立学校の防災力向上について、局長のご決意をお伺いさせていただきます。
○井澤生活文化局長 今回の東日本大震災における犠牲者には、津波の犠牲となりました幼稚園児や小学生など、未来ある数多くの子どもたちが含まれております。こうした悲しい事態が二度と起こらないよう、でき得る限りの対策を講じていかなければならないと考えております。
私立小学校の父母会の皆さんとお話をする機会がございましたけれども、三月十一日当日、子どもたちの安否が確認できるまでの不安な一夜のことを忘れることができない、皆さん異口同音におっしゃっておりました。
私立学校は、遠距離通学のために電車やバスを乗り継いで通う生徒の割合が多い、そういう実態もございます。
都内の私立学校は、少子化で経営環境が厳しい中、それぞれが建学の精神に基づいた独自の教育を実施しております。また、各校が責任を持って、現状に応じた防災対策や体制整備に取り組んでいただいております。
しかし、子どもたちの命を守るという一点からは、都として積極的に私学の実情に応じた防災対策を支援していく必要があると考えております。
今回の大震災では、津波の恐ろしさとともに、都内においても、帰宅困難者の発生や安否確認の困難さなど、これまで想定しなかった新しい課題、新たな課題が浮き彫りになりましたけれども、今回の大震災は、それでも大地震の一端をかいま見たにすぎない、そういう専門家もおられます。
今後とも、都は、大切な子どもたちの命を守るため、国や都の総合的な防災対策と連動させながら、耐震化対策、防災備蓄用品の整備、防災マニュアルの改訂支援など、私立学校の防災力の向上にスピード感を持って取り組んでまいります。
○村上委員 局長のご答弁を聞いて、大変心強く思いました。
今回、この東日本大震災によって、私たちは大きな教訓をいただいたわけです。ぜひとも強力に進めていただきますようにお願いを申し上げます。
都では、かなり充実した施策を展開していると考えてはいますけれども、防災力向上に向け、さらにさまざまな工夫を凝らしていただきたい。
例えば、幼稚園では施設の規模が小さく、収納場所も限られており、園内の複数箇所に防災用品を分散している例も多いと聞いています。緊急事態に迅速に対処することはもちろん、長期にわたって品質や性能を維持するためにも、適切な機能を有する防災備蓄倉庫に一括して保管することが望ましいものと考えます。
しかし、こうした倉庫の設置には高額な費用が生じることから、幼稚園はなかなかそこまで踏み切れない状況もあります。こうしたきめ細かな対策が課題としてまだまだ残されています。
また、この秋には、改定された地域防災計画が公表されるなど、発災時に都として実施しなければならない施策の全体像がより明確になるものと考えています。
現状の震災対策を着実に進めることに加え、今後も子どもたちの安全確保のため、残された課題や新たな課題に対するさらなる対策の充実を図っていただくよう要望して、質問を終わります。
○野上(ゆ)委員 私からは、省エネ設備等導入の事業費補助について伺いたいと思います。
東京都は、これまで低CO2型社会への転換促進のため、省エネルギーへの取り組みをオール都庁で、環境局主導で行ってまいりました。
また一方で、昨年東日本大震災を受けましてから、今後とも電力不足が見込まれ、今後二、三年は特に電力関連の課題が多いとされている中で、まさにこれから新たな、省エネルギーへの取り組みが重要であるというふうに考えております。
我が党としても、昨年の第二回定例会で、災害に強く環境負荷の少ない世界に誇れる省エネルギー型の都市づくりを推進していくことを目的に、東京都省エネルギーの促進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例を提出いたしました。今後は具体的な取り組みが期待されるところでございます。
東京都は、震災発生前から私立学校に対して省エネ設備補助事業を実施しておりますが、昨年六月の補正予算において拡大した事業内容について改めて伺います。
○石井私学部長 私立学校省エネ設備等導入モデル事業費補助は、低炭素型社会への転換を促進するため、太陽光発電設備等の省エネ設備を導入する私立の小学校、中学校及び高等学校を支援するモデル事業として平成二十一年度から実施しております。
今年度は、緊急対策事業として自家発電設備を補助対象設備に加えるとともに、新たに幼稚園も補助対象といたしました。補助率も二分の一から三分の二に引き上げ、さらに節電目標を設定し、かつ節電教育を実施する場合には、それを条件に補助率を五分の四まで引き上げることといたしました。
○野上(ゆ)委員 小学校、中学校及び高等学校に加えて、学校教育法附則第六条の規定による私立の幼稚園を含む幼稚園を対象としたこと、補助率を上げたことについては非常に評価できると思います。
この補助事業は、やはり以前から私立学校については経常費補助の拡大を求めていたことから、こうした設備投資に関してのインセンティブが働くような事業というのは非常に心強いですし、また、これを機に省エネルギーを促進する上で非常に重要だと考えられます。
そこで、この事業の平成二十二年度の実績と今年度の対応状況について伺います。
○石井私学部長 平成二十二年度の補助実績は、小学校、中学校及び高等学校合わせて十一校に対して約六千七百万円を補助しております。
今年度は、全学種で七十六校に対して補助を予定しておりまして、そのうち幼稚園は五十園となっております。
○野上(ゆ)委員 この事業を拡大したことにより、平成二十二年度に十一校であったものが今年度七十六校にふえたこと、また、新たに補助対象となった幼稚園の申請が多い状況がわかりました。これは、この補助事業が有効に活用され、着実に実施されていることがうかがわれます。
そこで、太陽光発電設備などの省エネ設備の整備をさらに促進するため、来年度に向けた取り組みについて伺います。
○石井私学部長 緊急対策事業としての補助率の拡大は、原則今年度限りでございますが、太陽光発電設備及び自家発電設備につきましては、今年度中に事業計画を提出した私立学校に対して、来年度についても引き続き最大で補助率五分の四を適用して実施いたします。
また、予算につきましても、昨年度実施した各学校への意向調査を踏まえ、当初予算と補正予算を合わせた二十三年度予算六億円から、二十四年度予算案では十八億六千万円に増額して計上し、省エネ設備の導入を積極的に促進してまいります。
○野上(ゆ)委員 当初予算と補正予算を合わせた二十三年度予算六億円から、二十四年度予算案では十八億六千万円ということですから、三倍強に増額をされたということで、非常に心強いなというふうに感じております。
東京都が昨年末に策定した長期計画であります「二〇二〇年の東京」においては、世界で最も環境負荷の少ない最先端の低炭素都市を実現するという目標が掲げられております。さきに都議会民主党が議員提出をした省エネ条例に基づき、今後も積極的に省エネルギーの推進に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○野田委員 三月十六日の産経新聞の一面で、朝鮮学校生、正恩氏に忠誠というタイトルで、全国選抜の百人が北で歌劇披露という記事が一面で取り上げられております。
全国の朝鮮学校から選抜された児童生徒約百人が一、二月に北朝鮮を訪れた際、故金正日総書記と新指導者、金正恩氏に永遠の忠誠を誓う歌劇を披露していたことが十五日、民間団体が入手した映像からわかった。金親子への過剰な礼賛ぶりに保護者らからも反発が起きているという。正恩体制後の思想教育強化のあらわれと見られ、高校無償化適用や自治体からの補助金支給問題にも影響を与えそうだとの記事であります。
ちょうど時を同じくして三月十六日の、これは朝日でしょうか、北朝鮮ミサイル発射へという記事であります。これはもうメディア等々でさんざん取り上げられておりますが、長距離弾道ミサイルを北朝鮮が発射するのではないかということであります。
私が昨年の十二月に朝鮮学校の補助金廃止を求めて知事に質問をいたしました。それ以降も、いろいろな新聞報道等を拝見しておりますと、やっぱりこれは今回の東京都の予算不計上という決断は正しかったんだろうと思っております。
それでは、なぜこのような団体、このような国の影響下にある朝鮮学校に対して補助金を初めとするさまざまな公の資金が投入される経緯に至ったかというのは、そもそもでいいますと、美濃部都知事の時代に、朝鮮大学を各種学校として認可をしたということがきっかけであります。
ここに美濃部さんが書かれた本があるわけですが、随分強引に認可に持っていったんだなということが、みずからこれを書いているわけですので、明らかになっているわけであります。
そこで最初に、この朝鮮大学校認可の経緯について伺いたいと思います。
○石井私学部長 昭和四十一年に東京朝鮮学園から朝鮮大学校を各種学校とする認可申請書が提出され、二年後の昭和四十三年に知事が設置を認可いたしました。
○野田委員 今、当時の経緯をさらっとご説明いただいたわけでありますが、昭和四十年の十二月、当時の文部省が全国の都道府県に事務次官通達として以下のような通達、朝鮮人のみを収容する教育施設の取り扱いについてという通達を出しております。
その内容は、朝鮮人としての民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮学校は、我が国の社会にとって各種学校としての地位を与える積極的意義を有するものとは認められないので、これを各種学校として認めるべきではないという通達であります。
そこで確認いたしますが、この文部省事務次官通達を当時の東京都は把握していたのかどうか明らかにしていただきたいと思います。
○石井私学部長 国から昭和四十年に、朝鮮人学校は我が国の社会にとって各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められないので、これを各種学校として認可すべきでないなどを内容とした文部事務次官通達が出ておりまして、収受しております。
○野田委員 当時の経緯を調べてみたんですが、無論当時は自民党政権でありましたけれども、この際の自民党政権は外国人学校法を制定して、朝鮮学校を含む外国人学校の法的管理を行おうとしたが、朝鮮総連とそれを支援する社会党などの激しい反対のために、法案は国会を通らなかったという事実があったようでございます。
昭和四十三年に、今お答えがあったように、当時の美濃部知事が政府や自民党などの反対を押し切って朝鮮大学校を各種学校として認可しました。昭和五十年にはすべての朝鮮学校が各種学校として認可され、学校法人となったとのことであります。
この認可を美濃部さんが出したことによって、美濃部さんは北朝鮮から招かれておりまして、当時の金日成と会談をしております。
これはその会談といいますか対談なんでしょうかね、そのやりとりをまとめてある当時の資料をちょっと読ませていただきますと、美濃部都知事、私はお世辞でいうのではなく、金日成首相の指導されておられる社会主義建設に全く頭が下がるばかりで感心しておりますと。これは昭和四十六年の十月に北朝鮮を訪問したときのやりとりです。
金日成首相と書いていますね。金日成首相、ありがとうございます。美濃部都知事、資本主義と社会主義の競争では、平壌の現状を見るだけでその結論は明らかです。我々は資本主義の負けが明らかであると話し合いました。これから残っている数日間にできるだけたくさん見て回り、非常に困難な状況にある東京都の建設に我々が利用できるものはできるだけ利用したいという考えを持っております。
金日成、私はまず、あなたが朝鮮人民に対し好意を抱いており、朝鮮民主主義共和国に対し友好的で親善的な態度をいろいろ示されたことに謝意を表します。報告によれば、あなたは東京都知事に就任して以来、帰国事業や、特に認可問題について朝鮮人民のためになるよいことをいろいろしてくださったということです。
かいつまんで抜き出しますが、美濃部知事、東京にいるときに比べれば本当に楽しく過ごしております。この迎賓館も都知事の公邸に比べれば本当に立派ですし、食事もおいしい。空気もきれいですし、水も澄んでいます。東京では私はいろいろな問題で悩んでいたのですが、こちらへ来てからは大変愉快に過ごしていますと、このようなやりとりがされているわけであります。
また、これはまた別の機会に発言しているんですが、美濃部知事の発言です。私は一九二五年に大学を卒業して以来、約四十年間、マルクス経済学を勉強してまいりました。それゆえに私は社会主義者であり、社会主義の実現を理想とする人間です。金日成元帥がなされたような活動はできませんでしたが、日本国内で私のなし得ることはやりました。このような立場に立っている私としては、貴国で進められている社会主義建設の速いテンポには非常に尊敬の念を抱いていました。このように発言をしているわけであります。
当時の社会情勢等々もあったと思うんですが、全く私には一言も共感できないやりとりだなというふうに思っているんですが、残念ながら美濃部さん本人は、東京都政を社会主義建設の突破口にしたいという思いがあったようなんですけれども、そのために朝鮮学校に認可を出したということであると思うんですが、これは単なる自己満足の世界でありまして、その後、認可を出した後も日本人は拉致し続けられているわけであります。したがって、この学校認可が完全に間違いであったと現在にあってはいわざるを得ないわけであります。
東京都は、そもそもこの文部省事務次官通達、いわば国の方針と異なる判断を当時したのか。ちょっと昔過ぎて、正直記録が残っていないというのもあるのかもしれませんけれども、これをやっぱりいま一度検証することが必要ではないかと思っております。
美濃部さんは、そうはいいながらも、一方でこのようにも述べております。これは認可を出したときの考え方を直接発言しているのか、何か文書で出したのかちょっとわからないんですが、このような考え方を述べております。昭和四十一年四月に私立各種学校として設置認可の申請があった朝鮮大学校について、認可することに決定いたしました。その理由を述べております。
中略しますが、各種学校として認可した場合には、私立学校法第六十二条によって、知事に朝鮮大学校に対する監督権が生じますと。これは美濃部さんがいっていることですね。したがって、朝鮮大学校が憲法と法令及び公序良俗に反していると判断した場合には、私は解散を命ずることができるわけであって、私というのは美濃部さんです、知事は認可することによって将来、都も法的責任を持つ体制になっていますと。このような発言を認可を出した美濃部さん自身がしているわけでございます。
したがいまして、私は、その後、日本人拉致問題がこれだけ明らかになっておりますし、まだ被害者の方は全員救出されておりません。にせ札の問題、そして覚せい剤の密輸の問題、または、先ほど申し上げましたが、ミサイル発射、核の問題、こういったものを含めたときに、やっぱりこれは明らかに問題がある学校であろうと思っておりますので、朝鮮学校の認可見直しを強く要求しまして、次の質問に移りたいと思います。
元中華料理店勤務の原敕晁さんが拉致されたのは、この認可がされた十二年後の昭和五十五年六月のことであります。この実行犯であり、警視庁より国際手配を受けている金吉旭がかつて大阪朝鮮初級学校の校長でありました。金吉旭は大阪朝鮮学校の校長であったということを把握しているかどうか伺います。
○石井私学部長 大阪府議会の議事録によりますと、平成二十三年九月定例会、教育常任委員会において担当の課長が、委員お示しの朝鮮学校の元校長が拉致に関与していたということでございますけれども、これにつきましては、大阪府が学校を認可する以前の昭和三十一年当時校長であったということで認識をいたしておりますと答弁をしております。
○野田委員 この事件は、まさに朝鮮学校が日本人拉致に大きくかかわっている証拠の一つだろうと思っております。
これ、別に大阪の話だから関係ないというわけではなくて、やっぱり全国で日本人拉致というものが各地で行われたわけでありますので、私はこの事実は大変重いことだと思っておりますので、ぜひともこういったものも参考にしながら、今後の施策に反映していただきたいと思っております。
そして、金正日が日本人拉致を認めてから、ことしの九月で十年がたつわけであります。絶対に日本人被害者全員を我々は奪還しなければなりません。現政権でも拉致担当大臣を設置しておりますが、残念ながら具体的に機能しているのか甚だ疑問であります。拉致担当大臣は都道府県の取り組みを把握し、全国自治体と連携し、圧力をかけなければならないわけであります。
そこで伺いますが、松原拉致担当大臣サイドから東京都の取り組みに対して問い合わせがあったのか、東京都に対しての協力要請があったのか、または、松原大臣サイドから協力の申し入れがあったのか明らかにしていただきたい。
○石井私学部長 松原拉致問題担当大臣から、朝鮮学校への補助金の問題に関し何らかの働きかけがあったという事実はございません。
○野田委員 今の部長の答弁を伺いましても、本当に、いうなれば自民党時代からこれは全く進めていないことなので、殊さら私は今の大臣を責め立てるつもりではないんですけれども、しかし、松原さんはもともと都議会の出身じゃないですか。選挙区は東京都内です。何でこういうおひざ元の自治体に対してそういった働きかけがないのかなというのが私には疑問ですし、それがむしろ本当にやる気があるのかなと。我々は松原さんに期待しているがゆえに、ちょっと残念な思いがするわけであります。
松原仁さんにつきましては、都議会議員時代に日朝友好議員連盟の役員であったとの情報提供を受けております。そして、松原さんが都議会在職中の平成七年に朝鮮学校補助金を含む私立外国人学校教育運営費補助金が立ち上がった経緯があります。
松原さんは、過去の都議時代に朝鮮学校補助金を推進した手前、東京都の取り組みにあえて触れないようにしているのではないかなというふうに思ってしまうわけです。なぜならば、大阪で二月五日に行われた拉致問題を考える国民大集会で、松原大臣は橋下市長や松井知事と会談し、以下のような発言をしております。新聞記事より抜粋いたします。
これは二月五日発信の記事ですが、橋下市長は、大阪府、大阪市では拉致問題は許さない、不法国家である北朝鮮が正常な国になるまでつき合いは一切しないという意思をはっきり示していきたいと強調。自身が府知事時代に打ち出した朝鮮学校に対する補助金支給要件の厳格化を挙げ、全国の自治体でやればできる、これぐらい国が何で指示を出せないのかと指摘した。集会に先立ち、橋下市長は松原仁拉致問題担当相と会談、松原氏は朝鮮学校の補助金厳格化について、他の都道府県も大阪の先例に大きく学ぶべきだと評価したとあります。
もう一つの記事も似たような内容なんですが、今の記事が集会の前の会談のときにこういう発言をしたというものでありますが、もう一つの記事は、拉致集会の中でもやはり同じような発言をしている。
橋下氏は府知事就任中、朝鮮学校への補助金支出の厳格な要件を定めており、松原担当相は、高く評価できる、他の都道府県も学ぶべきだと、やはりここでも述べております。しかも、集会に先立ち、松原担当相は、特定失踪者のうち、大阪府分のリストを松井知事に手渡し、情報収集などで協力を求めたと、このようにもあるわけであります。
以上、新聞記事を引用したんでありますが、これらの記事で共通するのは、松原大臣がどういう考えで発言しているかわからないんですけれども、可能性があるのは、まず東京都の取り組みを全く把握していなかったのか。もしくは、東京都の取り組みを把握していながら、あえてこのような発言を行ったのか。もしくは、全く何も考えがない中で、ただ橋下市長の人気にあやかりたいと思って、持ち上げる発言がこういうものになったのかと。これはちょっと私にはわかりませんが、いずれにしても、大臣は他の都道府県も学ぶべきだといっているんですね。
いうなれば、東京都の取り組みは、昨年の十二月八日、私が一般質問で取り上げて以来、石原知事の定例会見などでも明らかにされていますように、補助金を廃止した、予算不計上したわけです。ですから、全国の自治体で一番取り組みが進んでいるのは東京都なんです。しかし、大臣は、他の都道府県も大阪に見習えという発言をしているので、今後、国と自治体の連携というものをもう少し深めていって、この問題を解決しなければならないんだろうと思っております。
この数カ月間、全く新聞やテレビの情報などを把握していないとはちょっと考えられないし、事務方が情報を上げていないとも考えられません。したがって、拉致問題の解決のため、そして朝鮮学校の調査のために、やっぱり国と自治体は一層連携することが必要だろうと思いますが、見解を求めたいと思います。
○石井私学部長 朝鮮学校に対する調査は、現在調査途上にございまして、ご指摘の点を含め、その内容についてご答弁申し上げることができる段階には至っておりません。
○野田委員 なかなか手のうちを出してはいけないというご答弁でありましたが、私もそのように思うんですけれども、やっぱりもう少し国と自治体が連携しない限りは、この問題の解決は難しいと思っております。
といいますのも、少し前に拉致被害者の家族会の方と救う会の方が石原都知事と面会をされたわけであります。私もその面会の前にごあいさつに伺ったわけですが、やっぱり家族会の方は随分お年を召されているわけですね。ちょうどことし代がわりをして、そして拉致を認めて十年という年でありますので、やっぱり絶対にこのチャンスを逃してはならないんだろうというふうに思っております。
したがって、これは民主党政権だろうが自民党政権だろうが、しっかりと全員救出しなければならないことは当たり前のことですので、国だろうが地方だろうが、これは連携してやっていただきたいと思います。
以上要望して私の質疑を終わります。
○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今村委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時十二分散会
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