文教委員会速記録第十一号

平成二十三年九月三十日(金曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長原田  大君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事新井ともはる君
理事笹本ひさし君
理事中山 信行君
桜井 浩之君
西沢けいた君
畔上三和子君
神野 吉弘君
岡田眞理子君
野上 純子君
吉住 健一君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
スポーツ振興局局長細井  優君
理事産形  稔君
総務部長安藤 英二君
スポーツ事業部長板垣 一典君
スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務佐野 克彦君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長早崎 道晴君
招致推進部長松永 竜太君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 スポーツ振興局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十二号議案 東京都スポーツ振興審議会に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致について

○原田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○原田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百三十二号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○原田委員長 次に、報告事項、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○西沢委員 それでは、このオリンピック・パラリンピックの招致につきまして質問させていただきたいと思います。
 二〇一六年の招致に敗れてから、今回、二〇二〇年に手を挙げられたわけですけれども、私ども議会としてどういう判断をするのか、民主党の会派としてもどうしていくのかをしっかりとこの質疑を通じて明らかにするべきところは明らかにしてまいりたいと思いますので、端的なご答弁を賜れれば幸いでございます。
 それでは、まずオリンピックを招致するための理念というような部分についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 先日の代表質問、我が党からの質問についても、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の意義や理念についてもお尋ねをさせていただきました。今回は、震災から復興という大きな目標というものがあるわけでありますが、具体的に前回の招致の際とどのように意義や理念というものが変わっているのかというものをお伺いいたします。

○松永招致推進部長 招致の意義や理念についてでございますが、国際交流や世界平和といった普遍的価値に関する部分は、前回と同様に変わってございません。今回は、それに加えて震災という要素がありまして、人に夢や希望を与えるスポーツの力をより強調しております。
 震災後の日本でオリンピック・パラリンピック競技大会を開催することで、こうしたスポーツの力を世界に示していくこと、震災後に日本人が示した助け合いの精神や礼節、日本のすぐれた環境技術などをもって、アスリートに最高の舞台を提供することなどを国内外に訴えてまいります。
 招致活動を通じまして、被災地の復興支援とともに、オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向かう国民の意思を日本再生の原動力にしていきたいと考えております。

○西沢委員 基本的には前回と同様で変わらない、さらに今回は震災という要素が加わっているので、震災の復興というものも重要だというように理解をいたしました。
 東京都の方で最初、二〇一六年のときも環境のためにやるといっていたり、その後にコンパクトにやるのかといったり、今回、復興のためにやるのかといった感じで、都民にやはりしっかりと伝えていかなければならない重要な意義や理念というものがありますので、これをしっかりと発信をしていただかなければいけないというように感じます。
 それで、原発の問題でございますけれども、海外からも風評被害というべきような報道が多々されているわけであります。これによりまして、日本での開催に関しましては否定的な意見をするのではないか、否定的な見方をするのではないかというIOCの委員の方々もいるというようにいわれます。
 こうした懸念があるのに対しまして、どういった形で払拭していくのか、どういった対応をしていくのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 お答えいたします。十月の世界体操のほか、十一月のバレーボールワールドカップや競泳ワールドカップなどといった国際大会の実施が東京で予定されておりまして、国際スポーツ界において、そうした懸念は既に解消されていると考えてございます。
 東京都におきましては、福祉保健局や水道局が大気や水道水の中の放射線量を継続的に観測しておりますが、いずれも基準値を大幅に下回っておりまして、健康には全く問題のない範囲でございます。
 今後、開催計画を策定し、それを国内外に説明していく中で、こうした情報を正確に発信してまいりたいと思います。

○西沢委員 全く問題ないと、既にこれは解消されているんだというようにおっしゃる答弁でもありましたが、例えば九月二十九日のスポーツニッポンの記事では、大きく、ロシアの工芸品展が中止だと、福島第一原発に近いとの理由で開催中止になったというようなことが明らかになりました。これは福島県の近くということでございまして、東京都では当然ないですけれども、海外からは日本についてまだ怖いんだというような声もあるんではないでしょうか。
 また、この九月二十一日の記事では、日本はまだ放射能が怖い、海外楽団員が来日拒否なお続くという見出しで、ドイツの名門、バイエルン国立歌劇場の来日公演を主催する日本舞台芸術振興会の広報者が困っているんだというような、二〇一一年九月から十月にかけて行う公演では、参加予定だった団員の約四百名のうち百人が来日を拒否したというような記事も出ています。
 当然、これは二年後に結果が出るわけでありますけれども、それまでに払拭をする努力というのを当然していかなければいけないんだというように感じます。
 そうした中で、東京都が招致をしていくと、主導的にやっていくという中で、既に懸念が解消されているであるとか、福祉保健局や水道局、東京都内の結果で全く健康に問題がないんだというような話でご答弁されるのはいかがなものかなというように私は感じます。
 事実、私の事務所や各議員の事務所を初め、放射能に関しては、当然大丈夫です、大丈夫ですというような発表があるにもかかわらず、いまだに不安だと、どうなんだろうかというような問い合わせが相次いでいるのが現状でもございます。
 そうした中ですから、やはり国内でもそういった状況ですから、この不安を払拭をしていく努力というものをしていかなければいけないんだというように私は感じます。ですから、既に払拭しているというようなご答弁でありましたけれども、これからもぜひそういう懸念を払拭していく必要があるんだということを申し述べておきたいと思います。
 それで、次の質問に参りますが、先日の代表質問の中でもありましたオリンピックスタジアムについてでございます。
 今後、国が国立霞ヶ丘競技場の建てかえ方針を決定した場合には、都としてもオリンピックスタジアムとして活用していくことを考えていくというようなご答弁がありました。
 国の方針については、奥村文科副大臣が記者会見の中で、調査費を概算要求に盛り込むということを公表したということで明らかになったと考えられますが、霞ヶ丘の競技場、オリンピックスタジアムとしての活用について、改めて見解をお伺いいたします。

○松永招致推進部長 お答えいたします。文部科学省が霞ヶ丘競技場の建てかえのための調査費を概算要求に盛り込む方針を公表したことを受けまして、都といたしましても、今後、霞ヶ丘競技場をオリンピックスタジアムとして活用していく方向で、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

○西沢委員 具体的な検討を始めていくということですが、実際、現場も見てみますと、あの競技場を改修して、建てかえて大きなものにしていくとなると、当然周りにある都有地にかかわる部分が出てくる可能性があります。
 当然、国が建てかえることですから、まだわからないというような現状でありますが、都有地にかかわる部分のときになりましたら、この都有地を例えば国に提供する、もしくは売るというときに、国に対して都が負担を強いられるというような可能性があるんじゃないのか。
 当然招致に失敗すれば、国がやりますから、それは大丈夫ですという話があったとしても、都が幾らかを負担して、そして招致に失敗すれば、それは払ったままですとなると、都が全くそこを負担しませんでしたというようなことにはならないわけでありますが、そういった可能性があるのかどうか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 現段階では、文部科学省が概算要求をするという調査費による実際の調査が行われておりません。その調査の中で具体的な計画が決まるものでありますので、現時点ではそのご質問にはお答えしかねるというところでございます。

○西沢委員 これ以上は答えられないということでございますが、少なくともこれが決まれば、早々に明らかにしていくべきではないのかなというように感じます。
 続きまして、招致の顔についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、二〇一二年のロンドンでは、陸上競技のセバスチャン・コー、二〇一六年ではリオのサッカーのペレ、二〇一八年での平昌の招致ではキム・ヨナが招致の顔として活躍したというように聞いているところもございます。
 このように招致をかち取るためには、国際スポーツ界を初め各界で知名度のあるシンボリックな顔を持つ人物がいわば顔として、国際プロモーション活動を展開することが不可欠であります。今回はどのような人物を持ってくるのか、現段階でわかれば教えてください。

○松永招致推進部長 お答えいたします。今回の招致活動におきましては、JOCの、招致委員会の竹田理事長や水野事務総長など、招致委員会幹部が中心となりまして国際プロモーションを進めていくこととしております。
 今後、より重層的、複合的に招致活動を進めていくことは重要でございまして、招致の顔のあり方についても検討していきたいと思います。

○西沢委員 現時点では、今の理事であるとか、都の幹部であるとか、そういった方であると思いますが、これは大変重要でございます。
 続いて、招致経費についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 招致経費については、前回の招致活動経費から半減をさせるということも考えているという答弁がありました。それは、どのような根拠をもって、具体的にどの金額まで可能なのかということを詰めさせていただきたいと思います。お答えください。

○松永招致推進部長 招致経費の具体的な金額につきましては、平成二十四年度予算編成の中で精査していくこととなりますが、代表質問でご答弁したとおり、前回の招致活動で得られた有形、無形の財産を最大限活用するとともに、めり張りのある効率的な予算の使い方とすることで、前回から半減させることも可能と考えております。

○西沢委員 もう少し具体的にお伺いしたいんです。というのも、前回の招致が百五十億円総額でかかりましたが、都税でいえば百億円かかりました。百五十億円の半額の七十五億円なのか、それとも百億円のうちの五十億円なのかというところ、いかがでしょうか。

○松永招致推進部長 総経費百五十億円に対しての半減でございます。

○西沢委員 つまりは、七十五億円程度にできるというようなことだと思いますが、では、なぜ半額なんでしょうか。つまり、具体的に前回の効率的にめり張りをつければ、当然予算が圧縮できるというのはわかりますが、例えば中には招致をもっと活用的にやるためには、それこそ倍のお金を使ってでも招致を手に入れるべきなんだと、こういう意見も当然あってしかるべきでしょうし、効率的にやるのであれば、さらに三分の一なり四分の一なりとできるんじゃないかという意見もありますから、当然その根拠があってしかるべきだと思いますが、なぜ半額なのか、その根拠を教えてください。

○松永招致推進部長 先ほどもご説明いたしましたとおり、具体的な予算の中身につきましては、平成二十四年度の予算編成の中で精査していくものでございまして、現時点ではお答えできないということでございます。

○西沢委員 答えられないというのは、私はちょっとおかしいと思うんです。根拠があるから半額にするということだと思います。当然、百五十億円の招致経費については、一部からは莫大な経費なんだ、税金のむだではないのかみたいな、そういった意見が、都民の関心が非常に高い中にあるわけでございますから、それは半額にすることが可能ですということであれば、じゃ、何が圧縮できたのかというものもしっかりと示していかなければだめなんじゃないでしょうか。
 少なくとも、この招致経費が圧縮をされるという根拠は、私は予算編成の中の前でも早々にお示ししていくべきではないのかなというように感じます。判断基準になりませんので、そういうことを意見として申し述べておきたいと思います。
 続いて、税金のむだという話がありましたが、前回のオリンピック招致の際に、我が党としても、学習本であったり、プレゼン映像であったり、バスのラッピング事業などのようなものが税金のむだ遣いじゃないのかと、使い方の指摘をさせていただきました。
 今回の招致において、これらについてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 個々の活動方針につきましては、今後検討してまいりますが、前回の経験を踏まえまして、真に必要なものを選択して実施することで、効率的、効果的な招致活動ができると考えてございます。

○西沢委員 ぜひこういった指摘がないようなことにしていただきたいと思います。
 それで、前回の招致で生じた六・九億円の負債についてお伺いをしていきたいと思います。
 電通から借入金として、現在、国際スポーツ東京委員会が七億円近い負債を抱えている団体です。これは、二〇一六年のときのNPO法人の招致委員会が看板をかけかえて、今、国際スポーツ東京委員会として残っています。
 これが今は七億円の借金を抱えているという状況でございますが、今後、具体的にどのような手段で借入金を返済していくのか、また返済のめどというものがあるのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 NPO法人国際スポーツ東京委員会は、今後、定款及び名称を変更し、任意団体であります東京オリンピック・パラリンピック招致委員会と統合してまいります。
 六・九億円の負債につきましては、統合後のNPO法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会に引き継がれるものでございます。
 今後、招致委員会が企業に対して理解を求めながら、前回培ったノウハウや経験を有効に活用し、効率的、効果的な予算執行を行う中で、必要な招致経費を確保しつつ、借入金を返済してまいります。
 大幅に招致経費を圧縮するとともに、協賛企業等の獲得に努めることで、借入金の返済は可能であると考えてございます。

○西沢委員 つまり、国際スポーツ東京委員会という団体のままではなくて、オリンピック招致委員会の方に統合して、統合した後に借金を返済していく。
 招致活動を進める上でということですが、これは当然、協賛金をいただいて、その協賛金の中から借金を返済していくことになるわけであります。
 つまり、招致委員会、今、任意団体ですが、統合して、新たに二〇二〇年に向けた招致委員会が発足するわけでありますが、この団体は前回の招致委員会が抱えて、現在の国際スポーツ東京委員会が背負っている六・九億円を抱えたまま船出を始めるというようなことであります。ですから、マイナスからのスタートということなんですね。
 つまり、国際スポーツ東京委員会のままでは返せるめどがないというようなことですから、今回招致がなかった場合はどうなっているんでしょうか。国際スポーツ東京委員会の現状の活動状況と、今回招致がなければどのようになっていたのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 国際スポーツ東京委員会は、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会を改組し、平成二十二年七月に設立されたNPO法人でございまして、スポーツムーブメントの推進や国際スポーツ大会などの招致等に係る諸活動を行い、もって東京が国際スポーツ都市として発展することを事業目的としております。
 平成二十二年度は、障害者スポーツの普及啓発のためのパラリンピック写真展やアスリートとの交流事業、メジャーリーグベースボール選手による学校訪問、ユースオリンピック体験、人材育成支援事業などの事業を実施しております。
 旧招致委員会の定款変更に際しまして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致を行う際には、運営体制を再構築することが当時の理事会で了解されてございます。
 今回、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会への立候補を正式に決定したことから、今後は定款及び名称を変更し、任意団体である招致委員会と統合して、招致活動を行ってまいります。

○西沢委員 それでは、オリンピックの招致がもしないのであれば、この団体の実施事業で借金の六・九億円を返済していくということでよろしいんでしょうか。

○松永招致推進部長 今回、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会への立候補を正式に決定いたしましたことから、今の仮定はなくなっておりますので、お答えできません。

○西沢委員 つまり、オリンピック招致ありきだったといわざるを得ないんじゃないのかなというような気がします。六・九億円の借金を返すめどは、招致に手を挙げるから返せることになるんだということになるわけで、国際スポーツ東京委員会という団体は、まさに借金を抱えたまま凍結しておいた、ただの幽霊団体のようなものだといわざるを得ないんじゃないでしょうか。
 実際、この団体がある場所というのは、本庁舎の四十一階にあるわけですけれども、行ってみますと、看板もかけてなければ、そこのフロアはがらんとしているような状況であります。活動の実態がなかったんじゃないかと、ないというふうに思われても、これはしようがないんじゃないかと思います。
 今事業があったというようなお話もありますけれども、私が情報公開でこの団体の収支状況というのを調べてみますと、昨年は一千五百万円の事業収入というものがあったというようなことでございますから、この一千五百万円で七億円近く返していくとなると、四十数年間かかるわけですよね。
 これは、去年三月三十一日までですけれども、ことしはどういった活動をやったのかというものをお伺いしていきたいと思います。ことしの二十三年四月から現在までどんな活動をしていたんでしょうか。

○松永招致推進部長 今年度につきましては、震災等の影響もあり、またオリンピック招致に立候補するかどうかの時期でもあったことから、事実上休眠状態としております。

○西沢委員 つまり活動してないわけですね。ですから、この団体は、まさに六・九億円の借金を返すため、オリンピックをやってくれなけりゃ困る団体であったということもいえるわけであります。
 では、オリンピックがなかった場合で考えて、今、答えられないことでもありましたが、一応確認をさせていただきたいんですが、電通への六・九億円の借金の返済計画というものがあったんでしょうか。それから、事務局体制というものがどういうふうになっていたのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 電通への返済計画は立案しておりました。
 また、事務局体制につきましては、二十二年度につきましては、事務局長のほかに五名が在籍しておりました。

○西沢委員 電通への返済計画は立案していたわけですか。ではその詳細を教えてください。何年で返すのかとか、そういったところは少なくともあったと思いますが、立案したのであれば、その返済計画がどのようなものであったのかお答え願います。

○松永招致推進部長 現在、手元に数字は持っておりませんけれども、十年程度かけて返済するという計画であったと記憶しております。

○西沢委員 計画が十年計画であったとありますから、これは詳細なものを後ほど提出していただきたいと思います。この場で理事会がどうとかではなくて、後でお答えいただきたいと思います。
 それから、電通の借金があったわけですが、今、利子はどれくらい払っているんでしょうか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 NPO法人と電通との関係の問題でございますので、お答えできません。

○西沢委員 お答えできないということですけれども、六・九億円の利子というものを少なくとも毎年払っていかなければいけないわけです。事務局体制も今五人とおっしゃいました。
 要するに、これだけの事業をやっていく気がなかったんじゃないかといわざるを得ないと私は思います。もしオリンピック招致をしなければ、電通への利子を払い続けるだけの団体になっているということが明らかになったわけでありますから、オリンピック招致というものは、当然、夢や希望という大変重要な役割を担う名のもとに、借金を返すためにオリンピックをやるんだというようにいわれても仕方がないのではないかと、こういうふうに都民の中には思う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
 この六・九億円の借金について、少なくとも遺憾である、陳謝をするというような姿勢で都民の理解を得られる努力をするべきだと感じますが、いかがでしょうか。

○松永招致推進部長 前回の招致で生じました六・九億円の借入金につきましては、平成二十年秋の世界的な金融危機、いわゆるリーマンショックでございますが、を契機とした日本の社会経済状況の急激な変化によりまして、予定しておりました招致委員会の資金調達が不足し、結果的にそれが借入金となってしまったものでございます。
 今後は、こういったことのないようにしていきたいと思います。

○西沢委員 当然、今後こういったことがないようにというご答弁をいただきました。
 次の質問に行きたいと思います。それでは、今回の体制についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、先日の報告、ご説明の中で、招致体制というものに関しては、東京都と、それから当然招致委員会というものがあって、その間に計画委員会というもの、この三者が役割を分担して活動していくというようなご説明がありました。
 この計画委員会という組織がどのような組織で、なぜ東京都や招致委員会と別組織としているのか。そして、この計画委員会のメンバーについては公表されるのかをお伺いいたします。
 また、計画委員会は東京都の税金で活動資金を賄うとしておりますが、税金を投入する以上は、この経費の使途について透明性を担保していなければいけませんから、その辺はいかがでしょうか。お伺いいたします。

○松永招致推進部長 計画委員会は、開催計画について決定権を持ちます招致委員会の理事会メンバーと同一の委員と関係省庁との調整を行いながら、実際に計画を策定する事務局によって構成される任意団体でございます。その計画委員会の委員につきましては公表してまいります。
 計画策定を担う事務局は、実際に会場となる施設やインフラを所管しております東京都が担っていきます。
 招致委員会の理事会メンバーと事務局が計画委員会という同一組織において活動することによりまして、意思決定の迅速化、招致委員会との連携の円滑化が期待されるところでございます。
 計画委員会は、全額都費によって賄われ、その事務手続等の基準は、東京都の制度に準拠しておりまして、透明性は確保されるものでございます。

○西沢委員 東京都の都費が投入されるのが任意団体です。東京都であれば、当然情報公開の請求もできます、議会の報告の義務もあります、予算や決算での審議の時間がありますが、任意団体である以上、それができない。
 今のご答弁では、会計基準を東京都の制度に準拠しているというようなご答弁でありましたが、任意団体である以上、幾らでも変えられてしまうわけですね。当然、柔軟に招致の活動をする上で必要だという、そういった意図があるということもわかりますが、少なくとも、税金の使われ方について、もしくは巨額の税金が投入されたという批判が前回あるわけですから、税金の使途を都民の皆様にしっかりと説明をしなければいけない。それが議会に報告をされるような仕組みになっていなければいけないんだと私は思います。
 幾らでも変えられてしまう、後から知りませんでしたでは済みません。少なくとも議会の求めに応じては、計画委員会の事業であるとか、契約内容というものは公開されるんでしょうか。

○松永招致推進部長 計画委員会の事務局処務規程におきまして、計画委員会の保有する文書等につきましては、東京都情報公開条例に準拠する旨が定められておりまして、請求のあったものについては、条例の趣旨を踏まえて開示してまいります。
 また、それ以外にも議会からの求めがあれば、透明性の確保のために必要と考えられるものにつきましては、積極的に情報提供をしてまいります。

○西沢委員 積極的に公開してくれるという前向きなご答弁をいただきました。
 では、その制度というものが任意団体の規程で決められているということでしたが、この任意団体の規程というものはだれが決めるんでしょうか。議会の承認が必要なんでしょうか。お伺いいたします。

○松永招致推進部長 計画委員会の総会で決めることとしております。

○西沢委員 では、計画委員会の総会の中には、議会の人間が入っていることではないと聞いておりますから、これは、つまり招致委員会のメンバーの中で、総会で決めるということですから、その総会の範囲であれば、変えられている、情報公開にも応じないというようなことが決定されれば、それもできるというようなことになるわけでしょうか。一応確認のためお伺いいたします。

○松永招致推進部長 先ほどご答弁しましたとおり、議会の求めがあれば、透明性の確保のため必要と考えられるものについては、積極的に情報提供してまいります。

○西沢委員 この計画委員会が事業を行ったり、契約を結ぶことはありますか。お伺いいたします。

○松永招致推進部長 計画委員会につきましては、申請ファイル等の計画を策定すること、あるいはIOCへの対応等を業務としておりまして、基本的には事業というものはございませんけれども、調査委託等をする予定はございます。

○西沢委員 当然ここにも大きなお金が使われる可能性があるということでございます。
 それでは、先ほどこのメンバーについて公開をされるというような話がありました。このメンバーは、委員について公表するということでございましたが、この事務局体制の方については、どのような人間が入っているのかというのは公表されるんでしょうか。お伺いをいたします。

○松永招致推進部長 事務局につきましては、スポーツ振興局の我々招致推進部の職員が兼務をしております。

○西沢委員 先日の代表質問の中で、この計画委員会の中に復興委員会というものがあり、被災地の方々に入っていただいて、復興のことを考えていくというようなご答弁がありました。
 それ自体は大変すばらしいことでもあるとは思いますが、復興委員会であるとか、そのほかにいろんなものが検討中だと思いますけれども、例えばうがった見方をすれば、ここに例えば広告代理店の方がメンバーとして入って、そして業務委託をするという先方の会社さんと大変深いつながりがあるというようなことがあり得るんではないかという懸念がありますが、そういったことをされるメンバーも公表されるんでしょうか。お伺いいたします。

○松永招致推進部長 計画委員会の事務局につきましては、専門性やノウハウを持つ人物が必要になる場合、民間企業等からの応援も予定しております。ただし、民間企業等から応援をいただく場合においては、受発注の関係にあるようなセクションには配置する考えはございません。

○西沢委員 今、受発注の深い関係のところにはないというご答弁をいただきました。前回、本当に招致委員会の中にも公費が投入されていて、ここの使われ方について大きな問題になったわけです。
 ですから、今回、せっかく東京都と招致委員会の財源に関しては明確に分ける。東京都は都税であり、招致委員会は民間から募るということを決めているわけでありますから、この計画委員会というのが何なのかと、別団体、お財布団体なんじゃないかというような懸念があることがわかったわけですから、積極的な情報公開をこれからもしていくようにお願いをさせていただきまして、次の質問に参りたいと思います。
 前回の招致では、当初から懸念されていた国内世論の支持率というものが最後まで上昇が乏しく、都民、国民の盛り上がりに欠けたということは否めないわけであります。
 今後、効果的に国内世論の盛り上げを図っていくということならば、適切な時期に世論調査を実施して、その結果を招致活動に反映していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○松永招致推進部長 世論調査の結果を平成二十四年二月に提出いたします申請ファイルに記載する必要がございますため、申請ファイル提出前の適切な時期に実施する予定でございます。
 世論調査で得られました結果は、今後の広報戦略等に活用してまいります。

○西沢委員 この結果に対しては、手を挙げる前に都民の意見を聞くべきではないかというような意見も一部ではあります。結果に対して、今からでも世論調査を早急に実施して、例えば都の見解を述べるべきだというような意見があることに対してはいかがでしょうか。

○松永招致推進部長 申請ファイルに記載するために実施する世論調査は、その結果を申請ファイルに記載することによって結果を公表していくことになります。
 各種調査が行われる中で、それぞれの結果に一喜一憂するものではないと考えますが、より一層都民の理解が深まるよう、世論調査の結果につきましては対応を検討してまいります。

○西沢委員 対応を検討していくというようなご答弁でございましたが、この結果をもとに、世論喚起のためにはあらゆる機会をとらえて、オリンピック招致の意義や理念を訴えていくというようなお話がありました。
 具体的に新たな取り組みをどのように検討しているのかをお伺いいたします。

○松永招致推進部長 今回の招致活動は、国やスポーツ界、経済界などのオールジャパンで取り組むこととしております。限られた財源の中で、招致の意義や開催の理念を国内外に浸透させるためには、関係団体の協力は欠かせないものと考えてございます。
 例えば、国内広報に関しましては、企業の協力で社内報を活用するなど、それぞれができることを最大限実施して、世論の喚起を図ってまいります。

○西沢委員 世論の喚起についてはわかりました。
 それでは、オリンピックの招致について、オリンピックよりも震災復興が先ではないかというような、反対をされる意見が中にはありますが、これに対しては、都はどのように対処していくのか、お考えをお伺いいたします。

○松永招致推進部長 ご指摘の反対意見に対しましては、オリンピック・パラリンピック招致が震災復興の目標となり、日本再生の原動力ともなるという招致理念を丁寧に説明していくことなどにより、理解を求めてまいります。

○西沢委員 丁寧に説明をしていくというようなことだけなんでしょうかね。ほかにも、今回の招致に対しては、いわゆる大陸ローテーションの問題、韓国の方で平昌が決まったことによって、招致は難しいんじゃないかというような意見があるのも確かです。
 これらの意見に対しては、どのようにその懸念を払拭していくつもりなのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 大陸間のローテーションの問題についてでございますが、IOCのロゲ会長も、大陸間のローテーションのルールの存在は否定しておりまして、平昌の招致決定が東京の招致にマイナスの影響を与えることはないと考えてございます。

○西沢委員 私は、それで都民の懸念を払拭できる材料だとは思えないんですけれども、少なくとももう少しこれに対して調査をして、都民の理解が得られるような努力をするべきなんではないかと思います。
 そしてもう一つ、招致に対しては、そもそもオリンピックに経費をかけることが税金のむだ遣いだというような反対意見もあります。これに対してはどうでしょうか。

○松永招致推進部長 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、東京の社会資本の充実などさまざまな効果をもたらすものであり、税金のむだ遣いになるとは考えてございません。
 加えて、オリンピック開催は、東京だけではなく日本経済全体に好影響を与える大きな経済波及効果を伴います。これらを積極的にアピールしていくことで理解を求めていきたいと思っております。
 なお、二〇二〇年招致に関しては、現時点では計画がまだ定まっていない段階でございますので、経済波及効果につきましては算出しておりませんが、前回招致の際には全国で約二兆九千億円の経済波及効果を見込んでおりました。

○西沢委員 やることによってむだではない、経済波及効果もあるということで、経済波及効果についてちょっとお伺いいたしますが、二〇一六年のときでは二兆九千億円ありました。
 二兆九千億円、今回に関しては、まず算出をする予定があるのかどうかということと、前回から例えば格段に下がるとか、格段に上がるとか、そういう見込みが少しでもあるんであればお願いいたします。特に格段に下がるということであれば問題だと思いますが、いかがでしょうか。

○松永招致推進部長 経済波及効果の算出につきましては、計画が定まった時点で算出をしたいと考えてございます。
 二〇二〇年大会招致計画につきましては、基本的には二〇一六年の大会計画を踏襲する方向でございますので、経済波及効果が大きく下がるということは考えてございません。

○西沢委員 当然、前回と全く違う計画ではないわけですから、そうだと思いますし、そうであるべきだとも思います。
 オリンピック競技大会を開催するには多額の費用が必要だというのは、当然事実であります。一方で、大会組織委員会には、放映権による収入やスポンサー収入など大きな収益ももたらされるわけであります。
 近年のオリンピック・パラリンピック大会では収益がどの程度出ていたのかということと、今回はどうなのか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 オリンピック・パラリンピック競技大会の収支についてでございますが、一九八四年のロサンゼルス・オリンピック以降、大会組織委員会に赤字が発生した事例はございません。
 近年のオリンピックで見ますと、二〇〇八年の北京オリンピックでは約百四十億円の黒字となってございます。
 二〇二〇年大会の収支計画は今後策定してまいりますけれども、赤字が発生することはないと考えてございます。

○西沢委員 念のため、ここの確認をもう一度させていただきたいんですが、招致経費が半額であった、例えば七十五億円として、プラス四千億円の基金をすべて使ったとして、これでも黒字になるということでよろしいでしょうか。

○松永招致推進部長 オリンピック・パラリンピック大会の収支につきましては、IOCやスポンサーからの交付金、あるいは入場券収入等で賄うもので、大会運営に係る部分を費用として賄うものでございまして、今、委員ご指摘の四千億円の基金等とは別のものでございます。

○西沢委員 それでは、ちょっと意地悪な聞き方かもしれませんが、四千億円をかけてオリンピックをやっても、マイナスになるという可能性があるということでよろしいですか。

○松永招致推進部長 四千億円の基金につきましては、施設整備に係るものでございまして、大会運営とは別のものでございます。

○西沢委員 当然、四千億円がすべての経費とは私も申しません。ほかにもいろいろなものがあるでしょうし、国もお金をかけるでしょうから、一概に赤、黒というのはいえないのかもしれませんけれども、やはり都民の皆様からして莫大な経費をかけることに不安があると、震災に回すべきであるというような先ほどの説明もありました。
 丁寧に説明をしていくというようなご答弁もありましたから、こうした部分に都民の皆様の税金が使われて、それをもってしても経済波及効果もある、そして黒字にもなるんだと、お金は経済的に見ても問題はないんだというように、胸を張って、私は説明できるべきだと思うんですが、今の答弁ではなかなかそれが伝わらないんじゃないのかなというように感じました。
 次に参りますが、招致活動については、その費用対効果を検証する仕組みというものも導入するべきではないかと思います。
 前回の招致経費百五十億円のうちには、多くの税金のむだ遣いがあったと私ども民主党も指摘をさせていただいたわけです。そして、そうしたことによっても、都民の理解が得られない部分がある。
 これを払拭するための努力をしていくために、例えば国でやっているような事業仕分けや、東京都でも財務局がやっているような事務事業評価といったものを前招致事業に導入する。後から検証できます、だから、使っても大丈夫なんだというような説明があってもいいんじゃないかと思いますが、こういったことは検討されないんでしょうか。

○松永招致推進部長 招致活動を担います東京都、計画委員会、招致委員会のうち、東京都と計画委員会につきましては、東京都による監査が行われます。NPO法人であります招致委員会につきましては、監査法人による監査が行われます。これらを通じて、事業の適正性がチェックされることになります。
 加えて、招致活動終了後には、前回と同様にしっかりとした検証を行うことを予定しております。

○西沢委員 まず、東京都と招致委員会の監査についてでありますけれども、監査は適法性の問題を指摘したりとか、会計上の違法性があるかないかというようなところを主に監査していくわけでありますから、そうではなくて、その事業が効果的だったのかどうかというものを検証するべきなんだというように私は聞いているわけであります。
 加えて、終わった後、検証をするというような方針を今おっしゃいました。この検証はどのようにされるのか。前回であれば、オリンピック招致報告書というものをつくって、その中で検証されたといいますが、この分厚いオリンピック招致報告書の中には、個々の事業の費用対効果といったものに関しては明記されていませんでした。ですから、それを超えるような報告書をつくるのか、またその検証の仕方がどういったものなのかということをお伺いいたします。

○松永招致推進部長 現時点では、検証方法についてはしっかりと定めたものはございませんが、最低でも前回並みのものはつくっていきたいと考えてございます。

○西沢委員 最低でも前回並みということでありますが、私どもは検証ワーキングチームもつくりまして、招致報告書をつぶさに検証して、さまざまな問題を指摘しましたから、前回以上にこうしたものを払拭されるようなものをぜひつくっていただきますように要望させていただきたいと思います。
 それと、もう一つ次の質問に移りますが、最後ですが、前回の招致活動においては、招致委員会の活動資金について、民間からの寄附を募るといいましたけれども、都の外郭団体から寄附を集めていたということが明らかになりました。
 東京都の外郭団体は、ご存じのように東京都からも税金が入っています。補助金という形で税金が入り、その団体から寄附をもらうというのは、結局、百五十億円を超えた税金の還流だというような指摘があったわけであります。
 今回の招致では、外郭団体からの資金の寄附などというものがあるんでしょうか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 外郭団体からの協力は、それぞれの団体の独自の経営判断に基づくものでございます。したがいまして、東京都が一方的に押しつけるものではなく、各団体が招致活動への協力にメリットがあると判断した場合に、それぞれの自主財源の中から協力していただくものであると考えておりまして、税金である補助金の還流というご指摘は当たらないと考えております。
 なお、国際競技大会の招致及び開催の資金面での支援をうたっておりますスポーツ基本法が成立いたしましたことから、国からの支援についても期待しているところでございます。

○西沢委員 外郭団体の中には赤字団体がありますが、赤字団体からも寄附を受ける可能性がある。赤字に対して都は補てんしているわけでありますが、赤字団体からも寄附を受ける可能性もあるということでよろしいんでしょうか。

○松永招致推進部長 今申し上げましたとおり、外郭団体からの協力は、それぞれの団体の独自の経営判断によるものでございまして、東京都が一方的に押しつけるものではございませんので、各団体が招致活動にメリットがあると判断した場合にやるものでございます。

○西沢委員 赤字団体からも受けるということがどうなのか。少なくとも、今ご答弁にありましたように、メリットがあると考えた場合は、寄附を受ける可能性があるということでございますが、最後に、もう一度ちょっと確認ですけれども、明らかにメリットがある場合に関してのメリットでございますが、その外郭団体が広告であったりとかに関して、収益の向上が明らかにイメージアップになるということについて、受けるということでよろしいんでしょうか。
 つまり、道路の団体とかがオリンピックの広告に出しても、収益が本当に上がるのかどうか疑問だというようなところがあったりします。そういったところも含めて明確に収益の向上がその外郭団体にとってメリットがある場合に受けるということでよろしいのか、確認をしたいと思います。

○松永招致推進部長 メリットにつきましては、外郭団体それぞれが判断すると思いますが、基本的に今、委員がおっしゃったように、例えばそこが会場になるであるとか、そういう直接効果のほかに、オリンピック・パラリンピック開催によって、世界じゅうからお客様がいらっしゃる。そのことで東京の経済が活性化する。それを通じて、その外郭団体もメリットを受ける。そのような間接的な部分もあると考えてございます。

○西沢委員 そうしたら、自主的な判断に基づくということですから、今の答弁ですと、その外郭団体が周りから見て明らかにメリットがないんじゃないかといわれても、その外郭団体が、いや、メリットがあるんだといい張れば、自主的な判断ということで、これはオーケーということになってしまうんでしょうか、お伺いいたします。

○松永招致推進部長 やはり、先ほど申しましたように、外郭団体独自の経営判断に基づくものであると考えてございます。

○西沢委員 そうすると、結局、明らかにメリットがあるものだけは寄附を受けますということの前提が崩れてしまうんじゃないのかと私は思います。その基準というものを例えば定めるであったりとか、もしくは議会に報告をする。特に監理団体に関してはそれぐらいやってもいいのではないかなと思いますが、検討いただけないでしょうか。ご答弁をお願いいたします。

○松永招致推進部長 外郭団体の協力につきましては、東京都が一方的に押しつけるものではなく、各団体がメリットがあると判断した場合に、各団体の経営判断に基づき行うものでございまして、そのような考え方はございません。

○西沢委員 考えることもしないということですね。つまり、外郭団体からの寄附は今後も受け付けますといっているようにしか聞こえないです。私は改善を要望して、質疑を終わらせていただきます。

○吉住委員 先日の民間の報道機関が実施した世論調査で、二〇二〇年オリンピック招致については、六二%が賛成との結果が出ました。最も多くの賛成意見として挙げられるのは、景気回復につながるで六八・一%、続いて子どもに夢を与えられる、復興する姿を海外にアピールできるという意見が三五%、二六%となっております。
 招致に手を挙げた直後の、今のこの段階での数字は悪くはないと思いますが、今後、この支持をさらに広げていかなくてはならないと思います。
 都内はもちろん、国内に対して、二〇二〇年のオリンピックを開催することの意義をどのように訴えていくのか、そしてオリンピック招致の理念について改めて伺います。

○松永招致推進部長 委員ご指摘の世論調査における賛成理由の上位は、今おっしゃっていただきましたが、景気回復につながる、子どもに夢を与える、東日本大震災から復興する姿を海外にアピールできるといったものでございまして、スポーツに日本を再生する力があるということが、都民、国民の皆様に正しく伝わっていることの結果であると理解してございます。
 都としては、今後とも、スポーツが人に夢や希望、感動を与え、人々を結びつける力を持つこと、オリンピック・パラリンピック開催という共通の夢が日本人を結びつけ、震災からの復興を後押しすることなどを訴え、都民、国民の皆様に支持の輪を広げていただきたいと考えております。

○吉住委員 被災地に対する復興支援については、我が党の代表質問に対しまして、復興委員会を設置するとの答弁がありました。この復興委員会とは具体的にどのようなものなのか、その点について伺います。

○松永招致推進部長 復興委員会につきましては、先日の委員会でご報告いたしました計画委員会の中に設置する予定でございます。そこでは、競技の実施や文化プログラムなど、IOCに提出する計画に盛り込むべき内容についてご意見を伺うとともに、招致活動期間中の復興支援策についても意見を取り入れてまいります。
 早急に委員を選定し、被災県等との調整を開始いたします。

○吉住委員 さきの世論調査をまた引用しますが、反対理由上位には、震災復興などほかに優先させるべきことがある、税金のむだ遣いだと思うというものがありました。オリンピック招致が復興支援につながるということは、なお一層の理解を得られるよう努力をしていくべきだと思います。
 一方、税金のむだ遣いという意見には、きちんとした対応をとらなくてはならないと思います。
 都では、前回の招致活動で蓄積したノウハウを活用することで、招致経費を半減させることも可能と考えているとのことですが、具体的にはどういった経費を節減できるか。多少重なりますが、お答えをいただきたいと思います。

○松永招致推進部長 前回の招致活動を通じまして、東京都は、JOCを初め、国内スポーツ界との強固な関係を築くことができたと考えております。今回は、この関係を基盤といたしまして、スポーツ界が前回以上に自主的、積極的にオリンピックムーブメントの推進のための事業等に取り組み、オリンピアンなどのトップアスリートもボランティアで参加するなどの協力を得ることで、そのための経費を節減できると考えております。
 また、前回、実績や専門性から特命随意契約とした契約につきましても、都が蓄積したノウハウや経験を活用することにより、分野ごとの分割発注や広く競争を行うことで、経費を低減できるものと考えてございます。

○吉住委員 経費の削減の努力の中身については、ある程度わかりました。
 それでは、都内に目を向けてみますと、前回の計画の折には、多摩地域へのかかわりがやや少なかったのではと感じております。
 そこで、オリンピック招致の機運を都民全体のものとするためには、多摩地域での競技の開催なども必要ではないかと思います。サッカー会場に予定されていた味の素スタジアムのさらなる活用はもとより、スポーツ祭東京二〇一三に前後して整備される武蔵野の森総合スポーツ施設でも競技を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○松永招致推進部長 武蔵野の森総合スポーツ施設の中に、平成二十八年度に完成予定のメーンアリーナにつきましては、東京体育館と同程度の規模で都内最大級の屋内スポーツ施設となる計画でございます。
 競技の実施につきましては、コンパクトな会場計画を求めるIOCからの評価であるとか、既存施設の活用、幅広い都民の支持という観点など、さまざまな条件を考慮に入れて、総合的に判断してまいりたいと思います。

○吉住委員 やはりコンパクトさを求めるですとか、招致委員会といいますか、IOCの方のいろんな基準もあろうかと思います。また同時に、都内全域が招致をする主体であるんだと、そういうことをやはり共感を持っていただきたいと思いますので、そういった配慮をしていただいていることは評価できる点ではないかと思います。
 それでは、招致活動を実のあるものにするには、国内の支持が非常に大切なものであると思います。そして、最終的には国内の支持を背景にしながら、投票権を持つIOC委員にいかに多重的、重層的にアピールをしていくか、そこが勝負になると思います。
 今後、国際招致活動に臨むに当たっての基本的な考え方を伺いたいと思います。

○松永招致推進部長 オリンピックは、いうまでもなく世界最大のスポーツイベントでありまして、その開催都市を決定するに当たりまして、国際スポーツ界の人脈が大きく物をいうことは明らかでございます。JOCを初めとする日本スポーツ界が総力を挙げて取り組んでいく必要がございます。
 具体的には、招致委員会理事長である竹田JOC会長と同事務総長であります水野JOC副会長を中心に、IOC委員への働きかけを行っていくことになります。
 また、スポーツ界以外にも、政府外交ルートや経済界ルートなど、あらゆるネットワークを活用し、オールジャパンの体制で取り組んでまいります。

○吉住委員 私は、二〇二〇年のオリンピックを日本に招致するということについては、大変大きな期待を持っています。あの大震災の際、原子力発電所の事故も相まって、仕事や留学で来日してきていた人々が日本から避難をしていきました。日本は危険で、退避せよという指示が国家機関、あるいは外資系の企業から出たということも聞いております。放射性物質が流出しているという状況ではやむを得ないことであったと思います。
 また、それと同時に、多くの国の多くの人々が、日本頑張れと支援の手を差し伸べてもくれました。今から九年後の日本が世界に対して、日本は復興しました、日本は安全ですという姿を見せることが恩返しであり、世界における日本の安全度のアピールになると考えています。
 この大きな役割を首都東京が果たしていくことは、自治体としての規模や経験からいっても自然なことだと思います。前回の招致活動の経験を長所も短所もひっくるめて、今回の招致活動に役立てていただき、必ずや二〇二〇年のオリンピックの招致活動を成功させていただきたいと思います。
 前回の挑戦を踏まえて、どのような取り組みで今回の招致活動に当たられるのか、伺いたいと思います。

○松永招致推進部長 今回の招致では、前回培ったノウハウを最大限活用し、より効果的で強力な招致活動を行ってまいります。前回招致では、都心近くに競技会場を集中して配置したコンパクトな開催計画がIOCからも高く評価されており、こうした基本線を生かしつつ、被災県でのサッカー予選や聖火リレー、文化プログラムを行うことなどにより、震災から復興し、再生した日本の新しい姿を世界に発信することを目指してまいります。
 開催都市をかち取るためには、スポーツ界のみならず、国や経済界など日本全体が一体となった招致活動が不可欠でございまして、各界と連携し、IOCに日本でのオリンピック開催の意義を強く訴えかけてまいります。

○吉住委員 一連の答弁をお聞きしまして、今回の招致活動の取り組みが被災地への復興支援の観点が盛り込まれていること、前回の経験を生かしたより効率的な経費の使い方をするということが理解できました。
 いいことをしようとしても、やり方が理解されなければ共感を得ることは難しいと思います。どうかより多くの都民の共感を得られるようご努力をお願いいたします。
 また、東北地方を聖火ランナーが走る、一部の競技の予選等を東北地方で開催するなど、被災地への思いがこもった計画が検討されていることもわかりました。
 きょうは午前中に、超党派の議員で構成する防災都市づくり推進東京都議会議員連盟の総会が開かれ、東京都の被災地支援の取り組みの説明を受けました。さらには、議連の役員で被災地に義援金を届け、視察をしてきたご報告もいただきました。
 私自身も、知人を通じて福島県にお邪魔をし、その際、いろんな方々にお会いいたしました。現地の人たちは、とにかく東北に来てください、私たちはここで生活しているんです、叫びにも似た言葉をお聞きしてまいりました。
 先ほどの質疑でもございましたが、群馬県で行われる展覧会に外国からの品物を送ってもらえない、あるいは花火を岩手県でつくったものでしたっけね、日進市の方で花火大会をしようとしても、根拠のない話も中には含まれて、ただこちらもちゃんとした根拠を示していないところもあるんですけれども、あれがかなり批判を受けていますけれども、一部の反原発運動の一環としての声もまざった中で中止になってしまった。そういうことが今、国内で起きております。
 災害や事故が発生して、急性期を過ごし、既に過ぎております。今、復旧するとき、そして九年後の段階では復興期に当たると思います。そのときには何をしなくてはいけないか、私たち東京が東北に対して何ができるか、その一環の取り組みでもあろうかと思います。
 いろんな立場はあろうかと思いますが、多くの会派の皆様方にも、できればご協力いただきながら、やらなきゃいけないこと、きちんとしなきゃいけないことはあると思うんですが、協力していただける点は協力していただきながら、日本再生をかけて、どうかオリンピック実現に協力をしていただきたいと発言しまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○野上委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会招致について質問させていただきます。
 皆さん、二〇〇九年十月二日、私もきょう朝、自分の日記を見てまいりました。この日記によると、一回戦は勇躍歓喜、勝ちましたよね。二回戦目に敗れて意気消沈と書いてありまして、本当にこの日も夜遅くまで詰めておりまして、残念だなと思いながら帰ったことを思い出します。
 初めのころはオリンピック・パラリンピックに対する盛り上がりが少なかったんですけれども、だんだんだんだんと地元の中でも盛り上がってまいりまして、私は葛飾なんですけれども、葛飾区民を挙げて、オリンピック・パラリンピックを招致したいという機運が本当に盛り上がった十月二日だったなということを感じているんですね。
 今回は、特に批判が多かったことがあるんですけれども、招致経費の額と使途について、前回の招致体制と招致経費についても、ちょっと話を整理する上で改めてお伺いしたいと思います。

○松永招致推進部長 前回の招致活動につきましては、主としてNPO法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会と東京都が担ったところでございます。
 招致経費につきましては、招致委員会の支出分が七十四億円、東京都の支出分が七十五億円の合計百四十九億円でございました。財源区分につきましては、民間資金が四十九億円、都費が百億円でございました。

○野上委員 今回の招致活動の体制、招致体制と、それから財政に関してどういうふうになるのか、もう一回ちょっと、先ほどの質問にもあったんですけれども、もう一回整理する上でお願いいたします。

○松永招致推進部長 今回の招致におきましては、民間資金と都費との経費区分を明確化するため、東京都、そして任意団体であります計画委員会、NPO法人であります招致委員会の三者がそれぞれの役割を果たす体制といたします。
 東京都は、主に国や区市町村との調整を行い、計画委員会は計画策定やIOC評価委員会への対応等を担うこととし、これら二者の活動には都費を充て、一方、国際プロモーション活動や国内外広報等を担う招致委員会の活動経費には都費を投入しないことといたします。
 また、招致委員会には、JOCを初めとするスポーツ界を中心に、国、経済界などの参画も得て、オールジャパンの招致体制をつくってまいります。

○野上委員 JOCを初めとして、スポーツ界を中心として、国、経済界などの参画も得て、オールジャパンで招致活動を行っていくということでございます。
 しかし、スポーツ界といっても、JOCが先導してやるというのはなかなか難しいことがあると思います。それよりもむしろ、一人一人のアスリートが地域とかに入り込んで、都民とか国民の支援を広げていくことが大事ではないかと思っております。
 今回の被災地支援にいたしましても、被災地の子どもたちを東京に呼んで、サッカーや野球を行いました。子どもたちが地域の子どもたちの家に泊まって、ホームステイをしながら交流を重ねていって、ずっと野球ができなくて困っていたとか、サッカーをしたいのになかなかサッカーができないでうずうずしていたという子どもたちが、本当に伸び伸びとそういうスポーツができたということで、大変に喜んでいたわけでございますけれども、そういうふうに、一人一人のアスリートの方たちが、市民と一緒になって全体的に盛り上げていくということも大変大事ではないかと思っております。アスリートの招致活動への貢献についての見解をお伺いいたします。

○松永招致推進部長 オリンピック・パラリンピックは、いうまでもなく世界最大のスポーツの祭典でございまして、そのすばらしさを最も的確に伝えられるのは、ほかでもないアスリート自身でございます。
 近年、アスリートの社会貢献意識は高まっておりまして、殊に東日本大震災以降、自主的に被災地に赴き、ともに体を動かすことで、避難所の子どもたちを元気づけたり、東京都のアスリート派遣事業に積極的に協力したりするなど、さまざまな活動に取り組んでいると認識しております。
 二〇二〇年大会の招致活動におきましても、スポーツ振興のためのイベントにボランティアで参加することなどを通して、招致機運の盛り上げやオリンピックムーブメントの普及に積極的に関与してもらえるものと考えてございます。

○野上委員 もう最後です。スポーツフェスティバルというのを地域でもいろいろやっていると思うんですけれども、子どもから高齢者までがいろいろなスポーツを通して交流をして、技術を高め、よさを引き出していくという行事がありますけれども、今、トップアスリートというのは、企業の協賛金とかがなかなか得られなくて、自分でアルバイトしながら、生活費を稼ぎながら練習をしてという大変厳しい状況も続いているようでございます。
 私は、招致活動において下からの盛り上がりというのは、やはり高齢者、障害者、それから私たちすべての人たちが、自分に適したスポーツを通して、自分自身がどんどん盛り上がって、周りの人たちも盛り上げていくことではないかと思っているんですね。
 だから、トップアスリートの人々はそれなりにスポーツにいざなっていく役割は持っていると思うんですけれども、私たち自身も含めて、スポーツの持つ効用性というんですかね、を広めていくことが大事だと思っております。
 私も自分の支持団体というんですかね、支援者の方は少ないんですけれども、いるんですけれども、その人たちに今度、東京がもう一回、オリンピック・パラリンピック招致に手を挙げるんだけれども、皆さん、どう思いますかという意見を聞きました。そうしたら、やっぱり今、経済も非常に内向きで、なかなか夢、希望、生きる喜び、そういうものが少ない時代なので、もう一回東京オリンピックのような、飛行機が五輪の輪をかいて、青い空に五輪の輪が舞ったみたいな、もう一回日本がすごいという夢と希望を持てるようなオリンピックを招致していただきたいという意見が多かったです。
 それからもう一つは、復興の起爆剤になるんじゃないかと。やっぱり高齢の方たちは、戦後の日本を経済面でも引っ張ってきて、経済大国にしていったというものがあって、もう一回、日本を世界に冠たる日本という形でアピールしていきたいという思いがありました。
 それから、復興とともにオリンピックをやることによって、外交面でも経済波及効果もあるでしょうし、やっぱり日本はすごい国だ、底力があるなというものが出せるんではないかということで、賛成意見が非常に強かったです。ですから、ぜひ頑張っていただければと思っております。
 以上でございます。

○畔上委員 まず、都民世論についてです。
 先ほど来、都民の理解を得られるようにすることが大事だというお話があったんですが、私は今、都がやるべきことというのは、やっぱり都民の意見をしっかり聞くということだと思うんですね。
 石原知事は、第二回の定例議会の所信表明で、二〇二〇年のオリンピックの東京招致について、都民、国民の皆様にもぜひ被災地を初め、広く日本全体としてスクラムを組んで、東京にオリンピック・パラリンピックを再び招致することを考えていただきたいというふうに表明されたわけです。
 しかし、その後、都民、国民がどう考えたのかを問うこともなく、都議会の意向を確認することもなく、七月十六日の日本体育協会、日本オリンピック委員会創立の百周年記念の祝賀レセプションの中で立候補を正式に表明されたわけです。
 二定で招致することを考えてほしいといいながら、都民などには意見を全く確認しないままの正式な表明だったわけですけれども、これは一体どうなっているんだろうかというふうに思いましたけれども、どのような議論があって、どの段階での判断になったのか、まず伺いたいと思います。

○松永招致推進部長 今回の立候補につきましては、第二回定例都議会の知事の所信表明でのオリンピック・パラリンピック招致の呼びかけを受けたJOCなどのスポーツ界や経済界、被災地からの要望、賛否を含めた都民からのご意見などを踏まえて、総合的に判断したものでございます。

○畔上委員 七月十四日に商工会議所から要望書が出ていたのは聞いています。その二日後に表明をされているわけですが、議会には一回も諮っておりません。
 そもそも、石原知事は二年前に、二〇一六年の招致失敗の直後に、民意をしんしゃくして一方的に決めることではないんだと、そういった旨の表明をされました。また、二〇〇九年の第四回定例議会では、我が党のたぞえ議員の代表質問に対しても、知事は、再挑戦については、都民、国民の意向を十分にそんたくし、都議会の皆さんとの議論も踏まえた上で、東京として結論を出していくべきものと、この認識はいささかも変わっておりません、このように答弁されているんです。
 今回のやり方は、こういった都民の声を聞いてから招致を判断するという約束に反しているんじゃないでしょうか。

○松永招致推進部長 ただいま申し上げましたとおり、今回の立候補は、さまざまな都民の意見等をもとに総合的に判断したものでございます。
 また、第二回定例会におきましても、議会での議論を踏まえたものでございます。

○畔上委員 表明のことは議会で議論なんかしていないでしょう。総合的判断とおっしゃったけれども、直接都民の声課に寄せられた反対は八二%でした。本会議の答弁で、先ほども六二%というお話がありましたが、東京新聞の世論調査でも、都民はどうかといえば、賛否は半々で、全国よりも東京での支持が低い結果となっております。
 産経新聞に載った調査でも、賛成は四九%で、反対は五一%。朝日新聞に載った調査では、反対が七九%、日経新聞の調査でも賛成は四四%でした。
 調査の方法により偏りはありますけれども、全体としてオリンピック招致が支持されている状況ではないということは、私は明白だというふうに思います。どう総合的に判断して立候補になるのか。結局、今、都としてきちんと都民の声を聞くような調査をやってしまったら、十分な支持を得られる結果にならないと、不都合だから、だから約束を守れなかったんじゃないでしょうか。違いますか。答えてください。

○松永招致推進部長 都民の声につきましては、反対意見だけではなく、一方では賛成の意見も多く寄せられております。
 今後とも、招致理念や開催意義等をアピールしていくことで、都民の理解を得ていきたいと考えてございます。

○畔上委員 今、都民の声はというふうにおっしゃったんですが、声課に寄せられた声は、八二%が反対で、賛成は九%だったわけです。
 先ほど、申請ファイル提出前の世論調査というお話がありましたが、都民の反対が多かったら、対応を検討していくというふうにご答弁されていましたけれども、ということは、都民の反対が非常に多かったら招致を中止するという判断もあり得るということですか。

○松永招致推進部長 先般の委員ご指摘の世論調査でも、日本世論調査会が実施しました世論調査では、六二%の方々が招致に賛成しておられます。
 今後とも、開催理念をわかりやすく都民にアピールしていくことで、支持率を向上させてまいります。

○畔上委員 結局、都民の声は聞かないということじゃないですか。反対が多くても進めるということでしょう。
 私は、都民の声の総合窓口課にどんな声が寄せられたのか、オリンピック招致に関する寄せられた意見をこの六月から八月まで、情報公開請求で取り寄せました。全部目を通して集計しました。
 先ほどいった結果のようだったわけですけれども、反対の理由で一番多かったのは、やはり五輪よりも被災地の復興、東京の防災対策などにこそ優先すべきだというもの、次が都民の税金はむだ遣いしてほしくないというもの、また原発事故、放射能が深刻で、招致すべきでないと、困難であるというものも多数ありました。さらに、都民の意見を聞くべきであって、勝手に決めないでほしいと、復興を理由にしないでほしいという意見も多くありました。
 例えばこういう声がありました。東北の被災者である、また、五輪招致に何千億円もかけて立候補する、応援してくれた外国への返礼の意味もあると聞いて、悲しく、悔しい、知事は被災者のことを全くわかっていない、東京の人たちのために、福島原発は発電、送電してきた結果、今多くの農漁民、サラリーマンが家も仕事も奪われ、家族や地域のつながりも崩壊した、九年後の夢よりも現実に苦しんでいる、五輪に莫大な投資をするお金があるなら、被災者を支援してほしい。
 また、石原知事をかなり支持しているという方からもこういう意見がありました。オリンピック招致だけには賛成できません、日本が原発と震災で大変難しい状況の中、オリンピックに支出される莫大な税金の支出は、都民の意とするところではありません。そういう意見が寄せられていました。
 一都民としての普通の感覚ですが、都の行政を任せていると思いますが、五輪招致というのは行政とは異なる事項ではないですか、それまで任せた覚えはないのですが、それならばきちんと、それで都民に説明をすべきだ、こういう声もありました。
 前回招致のときに、市議会が招致決議を行いました札幌市、ここでは札幌開催の経費をきちんと試算をして、それを公表して、市民にアンケート調査を行いました。その結果は、賛成、反対ともに三分の一ずつでした。しかし、市長はこの結果を受けて、市の財政状況も勘案して、札幌開催を見送る決断をしたわけです。
 私は、やっぱりこうした都民の声をよく聞く、こういう立場に立っていただくことが今求められているんだというふうに思います。そのことを強く求めたいと思います。
 次に、石原知事の招致活動に対する姿勢について伺いたいと思います。
 九月十三日の東京ビッグトークで、石原知事はオリンピック招致について、国家をかけての利益の争奪戦だと。オリンピックは裏も表もあるゲームだ、このように発言されておられました。
 国家をかけての利益の争奪戦、オリンピックは裏も表もあるゲームというのはどういう意味でしょうか。

○松永招致推進部長 ビッグトークでの知事の発言は、オリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動は、その開催権をかけた国家間の熾烈な競争であり、開催計画のみならず、日本が持つさまざまな外交ネットワークを活用してかち抜く必要があるという意味のことであると理解しております。

○畔上委員 この間、知事は同じような趣旨の発言を繰り返されておられますが、単純に競争が熾烈だとか、外交のネットワークを活用するなどということを表現しているととても受け取れなかったんですね。
 一昨日の我が党の大山とも子議員の代表質問に対しても、オリンピックというのは、いかにとにかく裏の裏の裏があるんだと。どろどろしている招致運動かということや、大きな利権があって、そのことを知らなかったら戦いには勝てない、こういう旨の答弁をされています。
 八月の産経新聞の対談では、招致を成功させる決め手はと問われたら、それはわけのわからない金をつくることですよ、とにかく裏も表もわかって、総力戦をやらないと、同情は絶対票にならないから、そういうふうに答えていました。わけのわからないお金をつくるとはどういうことでしょうか。

○松永招致推進部長 お答えすることはできません。

○畔上委員 ビッグトークではこういうふうにおっしゃっています。ODAを使って、脅せとはいわないけれども、うまく外交交渉で、あなたも困っているし、こんなもの欲しいでしょうから、日本もお手伝いしますからね、欲しいでしょう、いや、ぜひお願いします、それならちょっということ聞いてという話を日本の外務省はやらないが、それをやるのがフェアなんだ、このように知事は発言しました。
 ODA支援と引きかえに、うまく東京に票を入れてもらうよう外交交渉すべきだという趣旨としかこの発言は受けとめられないと思うんですね。どうなんですか。こんなことを本当にやっていいんでしょうか。こんなことをやっていいんですか。お答えください。

○松永招致推進部長 日本が持つさまざまな外交ネットワークを活用してかち抜く必要があるという意味でございます。

○畔上委員 オリンピック招致の行動規範には、当然いかなる贈与をすることも、受け取ることも禁止しているわけです。これは、都市及び都市の属する国のオリンピック協会、立候補都市の代表者、そして立候補の支援者すべてに適用されているわけですね。
 石原知事のこのような発言そのものが行動規範を冒涜するものだと思いますし、実際に東京やJOCが、また知事や国がいわゆるその裏の招致活動を進めるんだということになったら、まさに違反行為をするということになるじゃないですか。これ、大問題ですよ。
 また、もし仮に知事のいうとおり、オリンピック招致が裏の裏の裏のあるどろどろしたわけのわからない金の必要な大きな利権で動くもんだということであったら、そんなことに東京都が本当にくみしていいのか、私はそう思うんですね。
 復興五輪のために、子どもたちに夢を与えるために、裏でわけのわからないお金を使って招致を買ってきたんですよ、こんなことをいったら、被災地の皆さん、本当に喜びますか。復興はきれいごとで、実はどろどろしたものなんですよ、そんなことで子どもたちに本当に夢や希望を与えられますか。私はとてもそうは思えません。
 こんな知事のような姿勢で招致をするということは、私はとても認められないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、招致経費についてです。
 先ほど来お話がありまして、招致経費は半減できるんだと、七十五億というお話がありました。特命を分割で発注したり、オリンピアン、ボランティアでやったりするというようなお話もありました。
 しかし、具体的に、どれだけのお金を削減して半減になるのかというご説明はなかったわけですけれども、半減ということで仮に考えますと、七十五億、都費を上回る民間資金を集めるというふうに先ほどいってましたが、そうなると、七十五億の半分だと三十七億五千万円以上は民間資金で集めるということですよね。
 民間資金が都費を上回る根拠というのはあるんですか。あるなら具体的に示してください。

○松永招致推進部長 民間資金が都費を上回るように集めるということでございますけれども、JOC初め各界と連携しながら、協力いただける企業に招致の理念等を訴えながら、獲得していく予定でございます。

○畔上委員 結局、具体的なものはないわけじゃないですか。招致経費とムーブメントをそれぞれ圧縮するというのは、これから精査するというお話でしたが、例えば今年度のオリンピック招致に関する経費はどうするんでしょうか。
 スケジュールの表でいいますと、来年の二月十五日までには申請ファイルを提出するというふうになっています。今年度のオリンピック関連予算は一円も組んでおりません。前回は、この申請ファイル関連で七億四千九百万円かかっております。
 申請ファイルに幾らかかるのか、今年度のオリンピック関連経費は現時点で幾ら必要と考えて、どこから捻出するのか、お答えください。

○松永招致推進部長 今年度にかかります主な経費でございますが、申請ファイルの作成に係る経費が主でございます。この経費につきましては、前回の開催計画策定の経験やノウハウを活用することで、前回要しました費用であります、先生ご指摘の約七・五億円を、大幅に圧縮させる予定でございます。
 なお、今年度に必要となる経費につきましては、局予算の経費節減に努めまして、その費用を捻出してまいります。

○畔上委員 大幅な圧縮といっても、予算を組まずに局内の予算でということですから、こんな大きなお金を出すのに、一体局の中の何を削減してできるんですか。

○松永招致推進部長 スポーツ振興局におきましては、さまざまな事業をやっております。その中で、契約差金等を活用して、こちらの経費に充てていきたいと思います。

○畔上委員 決算も終わっていないのに、契約差金がどれぐらい出るかなんてわからないじゃないですか。結局、どの経費を削減するか、具体的な根拠は示せないわけですね。そもそも予算にないものを、しかもこんな大きな事業をどんどん進めているということ自体、私は問題なんだと思うんです。
 また、区市町村との調整の関係ですが、都費を使うというふうになっていましたが、どのような内容で、どのぐらいの経費を考えているんでしょうか。

○松永招致推進部長 招致活動につきましては、東京都及び区市町村との連携が極めて重要でございます。そのための連絡調整関係の経費を想定してございます。
 具体的な内容につきましては、今後検討していく予定でございます。

○畔上委員 まだ具体化されていないということですが、前回も勝つために区市町村の招致機運を盛り上げようということで、招致本部が各区市町村にムーブメント事業ということで税金が投入されたわけですけれども、この経費が九億円かかっているわけです。
 例えば、私の地元である江東区では、三日前まで内容が明らかにされないまま、学校の全校遠足などの行事まで変更させられて、バス八十五台で六千五百人の子どもたちや区民が夢の島公園などに集められて、ムーブメント事業というのが実施されたんですね。子どもも学校も振り回されたような事態だったわけですけれども、保護者の方からも批判の投書が新聞にも載りました。
 それも、なぜ急にこんな形で実施したんだろうということで、学校内でも大きな話題になったんですけれども、結局、IOCの国際評価委員会の視察に合わせて、そこに行かされたということもわかったわけです。
 その一日の経費も二千三百万円だったわけです。これももちろん、都民の税金なわけですね。
 都内が盛り上がっていないと先ほど来お話がありましたが、結局盛り上げるためのイベントだということで、これからもどんどんそういう形で税金が投入される、またあんなことをされてしまったらたまったもんじゃないというのがやっぱり区民の思いだと思うんですね。
 ところが、先ほど来お話しのように、区市町村とどういう調整をするのか、幾ら使うのか、今の段階では幾ら投入するのかも明らかにならないわけですね。そういう点では、私は本当に問題があるというふうに思います。
 次に、招致体制なんですが、先ほど招致体制については、いろいろご説明がありました。今回は、計画委員会をつくったということで、その計画委員会は申請ファイル、立候補ファイルなどの開催計画策定、IOCの公式行事などを受け持ちますよと、そして、メンバーは招致委員会の理事会と同じですよと先ほど説明がありました。
 この計画委員会なんですけれども、ここは申請ファイル、立候補ファイルをつくるわけですけれども、先ほどのご答弁の中で、応援の民間企業が入るというお話がありました。前回、先ほどもちょっとお話があった招致委員会には、事務局に電通が大きくかかわっていましたが、今回は、委託することはあり得るんでしょうか。計画委員会には入るんでしょうか。

○松永招致推進部長 現時点で計画委員会にどこの民間から応援に来ていただくかはまだ定まっておりません。

○畔上委員 まだ不明だということであります。
 それでは、招致委員会なんですけれども、招致委員会は、この九月十五日に第一回の理事会が開催されて、招致委員会が発足したわけですね。この招致委員会の事務所はどこにあって、事務所体制は何人で、都の派遣職員、企業や他団体からの派遣職員、固有職員、それぞれ何人なのか、伺います。

○松永招致推進部長 招致委員会の事務局につきましては、今後設置する予定でございまして、民間企業などの協力を得ながら、順次スタッフを充実させていく予定でございまして、まだ詳細は決まってございません。

○畔上委員 そうすると、詳細は決まってないということは、ここに電通が入るかどうかも決まってないということでよろしいんでしょうか。

○松永招致推進部長 現時点では決まってございません。

○畔上委員 先ほどの質疑の中で、電通の借金の六億九千万、このお金の話がありました。結局、先ほどのお話だと、国際スポーツ東京委員会が東京オリンピック・パラリンピック招致委員会と統合して、それで、国際スポーツ東京委員会の借財は引き継ぐというお話でしたよね。
 必要な招致経費を確保しつつ、同時に借金も返済できるんだと先ほどご答弁されていたんですけれども、今回の招致経費、先ほども半減させるんだというお話があって、それの半分以上というと三十七億五千万以上ですよね。
 そうなると、借金返済の六億九千万合わせますと四十四億四千万になるわけですね。前回は五十億集める計画で、実際に集まったのは四十一億七千万、必死で集めたというお話だったけれども、結局集まらなかったわけですね。
 今回は、先ほどは集められるんだというお話をしていたけれども、全く根拠は示されなかった。どうやって集めるのかというのも全く示されなかった。そういう意味では、私は随分甘い、希望的な見積もりだなというふうに伺っていて思いました。
 きょうの質疑を通して、私ははっきりしたなというふうに思ったのは、結局、都民の声に真摯に向き合おうとしない、そして、招致経費も具体的に示すことはまだできない。そして、民間の資金をどう集めるかというのも、努力はするということはわかりましたけれども、具体的にはわからない、借金の返済も申請ファイルの金額も大変あやふやで、そういう中での立候補だということなわけですね。私は大変ひどい話だなというふうに思うんです。
 しかも、先ほどもちょっと申し上げましたが、知事の招致に対する姿勢、これは本当にオリンピック精神とほど遠いといわざるを得ないんですよね。
 九月十六日の東京新聞に、オリンピックと震災復興というスポーツ文化論の専門家の方の記事が掲載されていました。大学の先生でしたけれども、このようにおっしゃっているんですね。一刻も早く放射能に汚染された土などを除去して、子どもたちが外で元気にスポーツができるようにしてほしい、それがスポーツ国際の最優先項目に据えられるべきだと。私も本当にそう思います。
 先ほど原発事故のお話もありましたけれども、原発事故というのは、日本がかつて経験したことのない、本当に未曾有の事態なわけです。そして、ましてや収束をしているわけではありません。
 せめてその見通しが立った段階で、どれだけ税金がかかるのかもちゃんと都民に示して、どうするのかを、都民、国民の民意を聞いて判断する、それが本来のあるべき姿だということを私は思います。
 そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。

○原田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十九分休憩

   午後二時五十五分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○新井委員 私からは、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの招致について、施設面と被災地への支援策についてお聞きしたいと思っております。
 まず、文部省が国立霞ヶ丘競技場の建てかえのための調査費を概算要求に盛り込む方針を公表したことから、東京都としましても、今後、霞ヶ丘競技場をオリンピックスタジアムとして活用していく方向性で検討を進めるというご答弁をいただきました。
 我が党の都議会民主党としましても、先日、国立霞ヶ丘競技場を視察させていただきました。そこの案内をされた方が、オリンピックのメーン会場としましては、今の収容人数を五万四千二百人から八万人規模に広げなければならない、また、要人を迎える客室につきましてもご案内をしていただきまして、本当に手狭なところを見させていただきました。もしそういった国立競技場をメーンスタジアムにするんであれば、そのような施設改修も必要だと考えております。
 まず初めに、オリンピックスタジアムに関します施設等の要件についてお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 オリンピックスタジアムは、開閉会式といったセレモニーと、陸上やサッカーなどの競技に使用されます。IOCテクニカルマニュアルでは、これらの使用を前提に、六万人の収容が求められております。
 なお、最近の大会では、二〇〇八年北京大会は九万一千席でありました。また、二〇一二年ロンドン大会では八万席が準備されております。

○新井委員 次に、選手村に関します施設等要件についてお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 選手村は、選手やチーム役員等を対象に、少なくとも一万六千人が収容可能な宿泊施設が求められております。また、選手村と各競技会場は近接することとされ、距離で五十キロメートル、あるいは車で一時間以上の場所にある競技会場には、追加の選手村が必要になります。

○新井委員 メディアセンターに関する施設等の要件についてお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 メディアセンターには、IBC、国際放送センターとMPC、メーンプレスセンターの二つの機能が必要になります。
 IOCテクニカルマニュアルでは、IBCは床面積七万五千平方メートル以上で、一階から二階建ての施設が、また、MPCは床面積四万平方メートル以上で、一階から三階、最大でも五階建て以下の施設が求められます。
 また、メディアセンターは、メディア宿泊施設や主要会場に近いことが重要とされております。

○新井委員 次に、選手村についてお伺いしますが、二〇一六年の大会招致の計画では、施設の民間設備によるむだのない選手村の計画となっておりました。
 やはり都民の方からも、そういった選手村などをつくる場合には、後利用とかむだのないようなことを指摘もされています。その件についてお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 二〇二〇年招致における選手村計画につきましても、二〇一六年招致の際の考え方と同様に、大会に必要な恒久施設を民間事業者が整備し、大会後、改装の上、良質な住宅として販売することで、施設整備費の縮減を図っていく計画としたいと考えております。

○新井委員 ぜひむだのないように、後利用も考えて選手村について検討していきたいと思います。
 二〇一六年の大会招致の計画では、コンパクトな会場設置として、射撃会場とほかの都市で行われるサッカー会場を除く、すべての会場が八キロ圏内に位置するもので大変評価もされたと思っております。
 二〇二〇年の招致につきましては、その辺についての考え方はどうなっているでしょうか。

○松永招致推進部長 二〇一六年招致の計画につきましては、IOCから高い評価を得たところでございます。
 二〇二〇年招致におきましても、それを参考に、引き続き、コンパクトな会場配置を考慮した計画を検討してまいります。

○新井委員 二〇一六年の招致の計画では、コンパクトな会場計画のため、オリンピックスタジアムを中心とした八キロ圏内に多くの競技場が設置されました。これも大変評価されたと思うんです。しかしながら、区部に会場が集中したと考えております。
 そのため、多摩地域の方から見ますと、やはりオール東京でオリンピックを、招致の機運を盛り上げてもらいたいなと思ったのが本当の、正直なところだと思っております。
 多摩地域を含みますオール東京でのオリンピック招致機運を盛り上げるためには、多摩地域での競技開催が必要だと考えています。その上で、オリンピックの競技場として十分な施設要件を備えた、味の素スタジアムの活用について見解を伺います。

○松永招致推進部長 二〇一六年招致では、味の素スタジアムは、サッカーのグループリーグの会場とする計画でございました。今後、サッカー以外の競技会場として活用するに当たりましては、コンパクトな会場計画を求めるIOCの意向や、既存施設の活用など、さまざまな観点から総合的に検討してまいります。

○新井委員 国立霞ヶ丘競技場がオリンピックスタジアムとなるならば、二〇一六大会の招致計画としました晴海よりも多摩地域に近づくということです。ぜひ多摩地域も含みますオリンピック・パラリンピックの競技会場の活用を求めたいと思っています。
 三月十一日の大震災後に、電源確保について大変その重要性が増したと考えております。特に国際放送センター、メーンプレスセンターなどがありますメディアセンターでは、安定した電源確保が重要だと考えております。大会開催時の電源供給についての考えをお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 オリンピック大会時における安定した電源供給は、当然担保されるべきものでございます。
 メディアセンターを初めといたします大会関係施設への電力供給は、申請ファイルでも問われている項目でありまして、現在、関係機関と調整しているところであります。
 今後、電力供給の概要につきましては申請ファイルで、詳細につきましては立候補ファイルで記載してまいります。

○新井委員 オリンピック・パラリンピックの施設の検討を今後すると思いますが、安定した電源確保につきましては、ぜひとも検討していただきたいと思っております。
 二〇二〇年の大会招致におきます施設設備に関します都市環境問題、その取り組みについてお伺いします。また、施設整備などについて、多摩産材の積極的な活用についても考えをお伺いします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 二〇二〇年招致につきましては、二〇一六年招致同様、アスリートに最高の競技環境を提供するため、環境に配慮した大会を実現していきたいというふうに考えております。
 なお、現在、競技会場の検討をしているところでありまして、施設整備等への多摩産材の活用につきましては、招致の決定後、各施設の整備方針を立てる中で検討してまいりたいと考えております。

○新井委員 ありがとうございます。多摩産材の活用につきましては、競技会場が決定した後、施設設備の内容がかたまった後、検討いただくということで、大変ありがとうございます。ぜひ多摩産材の活用を積極的にしていただきたいと思っております。
 次に、被災地への復興策についてお伺いします。
 被災地の経済面での復興支援として、被災地企業への優先発注や旅行代金、航空券代、チケット代や大会関係者の宿泊するホテルの宿泊利用への復興支援金の上乗せといった考え方についてお伺いします。

○松永招致推進部長 ご指摘の被災地企業への優先発注につきましては、都内企業との関係等も踏まえ、今後検討してまいります。
 また、チケット代や大会関係者が宿泊するホテルの宿泊料金への上乗せにつきましては、より安価な価格設定により、多くの人々の大会参加を求めているIOCの考え方によりまして、困難であると考えております。
 航空代金、旅行代金につきましては、組織委員会ではなく民間企業の取り組みでございます。

○新井委員 被災地の経済面での復興支援策として、被災地企業への優先発注、旅行代金や航空券代への復興支援金の上乗せ、これは制度的に可能なのでしょうか。

○松永招致推進部長 東京都発注事業の場合は、公共調達の観点から、公平性、透明性、競争性の確保が原則でございます。したがって、被災地の特定の企業に優先的に発注することは制度上困難でございます。しかし、今後、被災地支援の趣旨を踏まえ、検討していくことは可能と考えております。
 また、旅行代金、航空代金につきましては、制度上の制約はなく、民間企業の判断によるものと考えております。

○新井委員 被災地支援の趣旨を踏まえて、被災地の特定企業の優先的な発注、積極的に検討していただきたいと思っています。ありがとうございます。
 また、旅行代金や航空券代などの復興支援金の上乗せなどは、民間の働きかけを積極的に行っていただきまして、ぜひそれが実現できるようよろしくお願い申し上げます。そのことを要望しまして、私からの質問を終わりにします。

○桜井委員 先ほどオリンピックに際しましては、私どもの会派の吉住委員の方から質疑等をさせていただきましたので、私の方からは、パラリンピックの招致について質問させていただきたいと思います。
 もう一つのオリンピックと呼ばれるパラリンピックでありますが、近年、健常者のスポーツと障害者のスポーツとは、大きく近づいてきているというふうに思っております。
 ことしの世界陸上において、両足義足のピストリウス選手が出場されて注目を集めたというのは、皆さんご承知だというふうに思うんですけれども、また、都も二年後に開催する国民体育大会と全国障害者スポーツ大会をスポーツ祭東京二〇一三という一つの大会として実施するということになっておりますが、こうした障害者スポーツを取り巻く状況の中で、二〇二〇年パラリンピック招致の意義、開催の理念は何か。これを最初にお伺いいたします。

○松永招致推進部長 パラリンピックは、障害を持つトップアスリートが集う、世界最高峰の大会であり、オリンピックに引き続いて開催される、まさにもう一つのオリンピックであります。
 パラリンピックの開催には、障害者スポーツのさらなる普及、障害者自身の社会参加の促進、スポーツ施設を中心とした公共施設や、公共機関のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化の進展といった意義がございます。
 二〇二〇年東京パラリンピックにおきましては、宿泊や輸送など、選手に提供されるサービスはもとより、さきに申し上げたようなことを通じまして、社会の関心、テレビ放映、選手が受ける尊敬などの点におきまして、オリンピックと同等の大会とすることを目指してまいります。

○桜井委員 それでは、次に、バリアフリー整備についてお伺いをしたいと思うんですが、パラリンピアンがいかに屈強なアスリートであるとしても、車いすで階段を上るわけにはいきません。
 また、一般の障害者が観客として多数来場することも考えなければいけないわけでありますが、パラリンピックを開催するためには、競技会場を初めとする施設の整備に当たっても、オリンピックとは異なる配慮が必要であるというふうに思いますが、これについて見解をお伺いいたします。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 二〇一六年大会招致の際の計画では、パラリンピックの会場は、オリンピックで使用した施設を引き続き使用することを予定しており、オリンピック開催時から、すべての会場のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を徹底することとしておりました。
 二〇二〇年大会でも、この方針を踏襲いたしまして、選手、関係者、観客のすべてに対してすぐれたアクセシビリティーを提供するよう、必要な整備を行う計画としてまいります。

○桜井委員 それでは、最後の質問なんですけれども、施設に関しましては、パラリンピックの招致に向けた取り組みだけでなく、障害者が日常的にスポーツに親しめる環境を整備していくことが重要と考えます。
 オリンピック・パラリンピックで利用する大規模な施設のみならず、障害者スポーツの拠点である障害者スポーツセンターのような施設の整備にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 健常者のスポーツと障害者のスポーツが一層近づく契機となる二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致は、ぜひ成功させなければならないと考えております。今後、招致活動に向けた局長の決意をお伺いしたいと思います。

○細井スポーツ振興局長 健常者と障害者のスポーツを一体となって取り組むため、昨年全国に先駆けまして、スポーツの専管組織としてスポーツ振興局を設置いたしました。
 国の方は現在、オリンピックは文部科学省、パラリンピックは厚生労働省と、縦割り行政のままになっておりますけれども、今般、六月に成立いたしましたスポーツ基本法では、その附則で、スポーツ庁設置が検討課題となっておりまして、先般の報道によりますと、来年度の概算要求で調査費が計上されたとの報道がなされているところでございます。
 都としては、全国に先駆ける障害者スポーツの施策を推進するために、現在その施策をスポーツ振興審議会の部会で議論しているところでございます。
 今後も、障害者スポーツ施策に積極的に取り組んでまいります。
 また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致につきましては、前回の経験やノウハウを最大限有効に活用いたしまして、国、JOC、スポーツ団体、経済界、そして被災地とも連携いたしまして、オールジャパンの体制で、招致獲得に取り組んでまいります。
 何よりも大切なことは、今までお話にもございましたように、都民、国民のより多くのご支持をいただくことでございます。このため、オリンピック・パラリンピックの開催が、震災復興の目標となり、日本の再生の原動力となり、国民を一つにできる、その意義や効果などをあらゆる機会を通じまして、幅広く訴えてまいりたいと思っております。
 そして、招致をかち取りまして、閉塞感の漂います日本社会に明るい展望を切り開くことによりまして、東京、日本の再生、活性化、さらなるスポーツの振興を図っていきたいと、このように思っております。
 都議会の皆様もぜひご理解いただき、九年後のすばらしいオリンピック・パラリンピックが東京、日本で実現できるように、今後とも、ご助言、ご指導、ご協力よろしくお願い申し上げます。

○笹本委員 局長の決意の後に質問をするのは、予定も大分早いし、もうやめようかなと思って、ちょっと今複雑な気持ちで決意を聞かせていただいておりましたが、もう少しだけご辛抱とおつき合いをいただきたいと思います。
 今、局長の話にありましたけれども、復興と再生のために国民の心が一つになれる夢という、この言葉をもう一度今聞きながら、私からは、招致の、あえて活動といいましょうか、招致の活動について質問をさせていただきたいと思います。
 二〇一六年の招致は、はたから見ると、都知事主導というか、石原さん主演の招致活動だったというふうな印象があり、先ほど来から、あるいは本会議質問でもあったようですけれども、招致機運が果たしてどこまで高まっていたのかなという部分は、やはり冷静に考えていくべきことだなというふうに思っております。
 立候補地の中で、最後の方までなかなか世論が高まらなかったり、支持が広がらなかった原因というものは、やはりしっかりと原因を分析していくということは大切だと思います。これから立候補ファイルの提出に向けて、世論調査もするというお答えもいただいているわけですし、ぜひ前回の経験はしっかりと生かさなくてはいけないというふうに思います。
 これは多分、二〇〇九年の十月四日のインタビュー、記者会見だと思います。石原知事は誘致を獲得したブラジルのリオデジャネイロに対して、本来はスポーツマンシップであれば、やはり国を挙げてやったところが勝利をかち取ったということをいえば、とてもきれいでスポーツマンシップだなというふうに思うんですけれども、あろうことか目に見えない政治的な動きがあったと、先ほども何かありましたけれども、ブラジルのオリンピック委員会がIOCに抗議を送るということで、結構な、日本のメディアの使い方は、温度差はあったようですけれども、やはりこういう発言は気をつけなくてはいけないのかなというふうに私は思います。
 というのは、前回の敗因の大きな部分は、IOCとの関係というか、つながりというか、パイプというのは、やはり大きかっただろうなというふうに思います。
 聞くところによると一定期間、日本からは委員が不在になる期間が生じてしまう。その昔は、柔道の講道館の神様といわれたんですかね、嘉納治五郎さんから始まって、多分こういうことというのは初めてなんですか。--ということは、やはりこれは非常に大変な状況だなということも認識しつつ、やはり、石原都知事にはしっかりとIOCとの関係をよくするということが必要だと思います。
 いろんなところで発言が歩いていきますから、先ほどもあったように、招致はどろどろしているんだとか、きれいごとでは済まないだとかという部分の発言も、やはり慎重にするべきだなというふうに感じます。
 今後、招致活動を展開していくに当たって、こういうことがないようにもちろん注意をしていただけるであろうということは期待したいと思いますが、今回、東京都は二〇二〇年の誘致に手を挙げたというわけですが、前回のちょっと苦い経験を生かしてどのような、先ほどもありましたけれども、体制というと何か割とさらっと聞こえてしまうんですけれども、やっぱり戦略的な働きかけを政治的にしないと、一筋縄ではいかないのが、今のオリンピックの招致だということですので、そういうことも含めて、国と、そして東京、委員会、JOC、どういうことで取り組んでいくのか伺います。
 私が思うには、前回は、国のいろいろな法律、今、局長からもありましたけれども、ことし六月、スポーツ基本法、それまではスポーツ振興法ということで恐らく施設整備をするがための、五十年前につくったのは東京オリンピックの施設を整備していくための法律だったものが、少し前提が変わってきた。
 これは、入ってない党もあるかもしれませんけれども、超党派でつくったというふうに理解をしておりますが、そういうところを加味しながら、どのような役割でそれぞれが取り組んでいくのかということについてお伺いしたいと思います。

○松永招致推進部長 理事ご指摘のとおり、オリンピック招致はJOCや国内競技団体、NFと申しますが、を初めとするスポーツ界や、国、経済界など各界が総力を結集し、日本全体が一つとなって、オールジャパンの体制で取り組んでいくことが肝要であります。
 既にJOCにおきましては、平成二十一年十一月に、五輪招致戦略本部を設置するなど、二〇二〇年大会の招致活動準備を着々と進めております。
 東京都及び計画委員会では、国等との調整、国と連携した開催計画策定やIOC公式行事等への対応を担う予定でございます。
 一方、先日発足しました招致委員会では、IOC委員等に対する国際プロモーション活動を主体的に行うほか、国内外の広報活動などを実施する予定であります。
 国に対しましては、理事ご指摘のように、スポーツ基本法を踏まえた国立競技場の整備のほか、社会的機運の醸成、開催に必要な資金の支援等、全面的なバックアップを期待しているところでございます。

○笹本委員 先日の本会議の答弁の中でも、私はもう少し踏み込んでもよかったんだけれども、時期的にしようがないんでしょうけれども、国立競技場の改修という、建てかえということが報道されている。今の時点だとそういういい方になるんだろうけれども、そういうこともあったり、こちらの先日いただいたスケジュールを見ると、来年の立候補ファイルの提出のときに政府の財源保障等などというふうに書いてありますので、そういうことも含まれるのかなというふうに思います。
 今議会の本会議の代表質問の中でも、先ほどもありましたけれども、何度も繰り返していいませんが、知事のいろんな発言はありましたけれども、前回の二〇一六年のときは、私、久しぶりにこれまたちょっとぱらぱらっと見るんですけれども、(資料を示す)これの中身の評価というのは、これ自体は非常にいいものだったというふうに聞いております。
 前回の招致活動では評価が高かった。招致の顔とかいろいろあるとは思いますけれども、そんな中で、やはりIOC委員への働きかけというんですかね、何というんですかね、このつながり、パイプというものが、やはり致命的に欠けていたのかなということが敗因の分析の大きなポイントかなというふうに思います。
 簡単に招致といっても、これは非常に政治性を帯びていますし、IOCとの関係というのは、ある意味政治的な力量ということになるので、ここらはかなり高度な戦略的な構築をしていかなければならないのかなというふうに感じております。
 それから、質問に入りたいと思いますけれども、敗因である、いわゆる国際的なプロモーションというか、働きかけを今後どのようにしていくか、東京都の立場で国にどういうことを希望するとかということも、ちょっと重複はすると思います、あると思いますが、都のお考えを確認したいと思います。

○松永招致推進部長 国際プロモーション活動につきましては、招致を国家プロジェクトとして位置づけ、招致委員会が、国、JOCや国内競技団体などのスポーツ界、経済界などと連携して推進していく必要がございます。
 日本が持ち得るネットワークを活用し、あらゆる機会を通して、戦略的にIOC委員等に働きかけていくことが重要であると認識しております。

○笹本委員 今、答弁の中にありました日本が持っている、広い意味があるんでしょうけれども、あらゆるネットワーク、いろんなところがあるでしょう。恐らく経済界だとか、ありとあらゆる、具体的にはちょっと私、想像できる部分、できない部分、たくさんありますけれども、これを活用してというふうな答弁をいただきましたので、その部分は期待をしたいとは思うわけです。
 今のあらゆるネットワークというところを、国際プロモーションということに関して、少し具体的にもうちょっと説明していただければと思います。

○松永招致推進部長 ネットワークについてでございますが、具体的には、IOC委員への積極的な直接PRはもちろんのこと、JOCや国内競技団体が持つ諸外国のオリンピック委員会や、その国の競技団体とのネットワークを活用し、間接的にではありますが、IOC委員や、国際競技連盟に働きかけることも重要でございます。
 また、在外公館や国際協力機構などの政府系機関のネットワーク、商社ネットワークなども積極的に活用し、重層的、複合的な国際プロモーション活動を展開していくことが必要と考えてございます。

○笹本委員 ぜひ、よく聞きますけれども、重層的、複合的、そして戦略的にプロモーションというか、働きかけをやっていただくのかなというふうに思います。
 二〇一三年一月からがその期間、決められた期間というのがあるとは思いますけれども、その範囲の中でやること、あるいはいろんなタイミングでやること、いろいろあるんでしょうけれども、それがきっと実を結んでいくのかなというふうに思います。
 しきりにオールジャパンという言葉が出ますけれども、本当にさまざまな立場と、さまざまな形で招致活動に取り組んでいただくということを要望するんですが、もう一度、先ほど私、ちょっと確認をしていたんですが、六月にできたスポーツ基本法の前文というところを見ると、スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略として、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するというふうに明記をしている。さらに、施策の策定と実施を国の責務とする。国家戦略として位置づけられたということは、前回とはかなり違っているのかなというふうに思います。
 そうすると、これはきっと政府の課題というか、ある意味要望事項になるかもしれませんが、先ほど来、局長の答弁の中にもありましたスポーツ庁ですとか、あるいは、担当大臣ですとか、今後そういう動きも期待をするだけではなく、積極的に我々もやっていくということも含まれるのかなというふうに思います。
 あと一つ、これは個人的に、ちょっとこれをいって終わりますが、やはりオリンピックは国家的事業ですから、政治的な政局にするのもどうなのかなというふうに感じております。決してオリンピック自体に是非云々ということでは決してないというふうに思いますので、ぜひそういう中で理解を深く都民の方にも求めていくことが、支持も高まるのかなというふうに感じております。
 以上です。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十分散会

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