文教委員会速記録第十号

平成二十三年九月十五日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長原田  大君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事新井ともはる君
理事中山 信行君
理事笹本ひさし君
吉住 健一君
桜井 浩之君
西沢けいた君
畔上三和子君
神野 吉弘君
岡田眞理子君
野上 純子君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長井澤 勇治君
総務部長遠藤 雅彦君
広報広聴部長櫻井 和博君
都民生活部長飯塚美紀子君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長石井  玲君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長梅田 弘美君
男女平等参画担当部長菊地 俊夫君
文化施設改革担当部長北村 俊文君
スポーツ振興局局長細井  優君
理事産形  稔君
総務部長安藤 英二君
スポーツ事業部長板垣 一典君
スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務佐野 克彦君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長早崎 道晴君
招致推進部長松永 竜太君
教育庁教育長大原 正行君
次長庄司 貞夫君
理事高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長谷島 明彦君
指導部長坂本 和良君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長前田  哲君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
人事企画担当部長白川  敦君

本日の会議に付した事件
 スポーツ振興局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都スポーツ振興審議会に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致について
請願の審査
(1)二三第五号の一 城北四区(板橋区・練馬区・北区・豊島区)への公認陸上競技場整備に関する請願
 生活文化局関係
請願の審査
(1)二三第八号 希望する全ての中学卒業生に高校教育の保障を実現することに関する請願
(2)二三第九号 都立高校の新増設、全日制・定時制募集枠の大幅拡大及び私立高校の無償化に関する請願
 教育庁関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約
・東京都立学校における誤えん事故に伴う損害賠償の額の決定について
請願陳情の審査
(1)二三第八号 希望する全ての中学卒業生に高校教育の保障を実現することに関する請願
(2)二三第九号 都立高校の新増設、全日制・定時制募集枠の大幅拡大及び私立高校の無償化に関する請願
(3)二三第三六号の二 放射性物質による汚染からの子どもたちの安全な生活の保障を求めることに関する陳情
(4)二三第三七号 中学校社会科教科書(公民的分野)の採択に関する陳情
(5)二三第三八号 八王子地域の都立高校に夜間定時制課程を復活させることに関する陳情

○原田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局及び教育庁関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及びスポーツ振興局関係の報告事項の聴取並びにスポーツ振興局、生活文化局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、スポーツ振興局長に細井優君が就任されました。
 また、幹部職員に交代がありましたので、細井局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○細井スポーツ振興局長 七月十六日付でスポーツ振興局長に就任いたしました細井でございます。よろしくお願い申し上げます。
 原田委員長を初め、文教委員会の委員の皆様方におかれましては、平素よりスポーツ振興局の事務事業にご理解とご協力を賜り、まことにありがとうございます。
 私どもスポーツ振興局は、多摩・島しょ地域を中心に、二年後の平成二十五年に開催されますスポーツ祭東京二〇一三の着実な準備や、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会招致を初め、スポーツの力で東京、日本を元気にするべく、職員一同、全力を挙げまして事務事業の運営に取り組んでまいります。
 文教委員会の委員の皆様方を初め、都議会の皆様方には、引き続きご指導、ご鞭撻のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、さきの人事異動に伴いまして就任いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、理事でスポーツ祭東京担当の産形稔でございます。総務部長の安藤英二でございます。スポーツ事業部長の板垣一典でございます。スポーツ施設担当部長の佐野克彦でございます。なお、佐野は施設計画担当部長を兼ねてございます。スポーツ祭東京推進部長の川合純でございます。大会運営担当部長の早崎道晴でございます。招致推進部長の松永竜太でございます。
 以上のメンバーでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○原田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○原田委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○細井スポーツ振興局長 私から、第三回都議会定例会に提出を予定してございます議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 本定例会で委員の皆様にご審議いただきますスポーツ振興局関係の案件は、条例案一件でございます。東京都スポーツ振興審議会に関する条例の一部を改正する条例でございます。スポーツ基本法の施行に伴い、所要の規定整備を行うものでございます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。委員の皆様におかれましては、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○安藤総務部長 それでは、局長からの概要説明に引き続きまして、私から、ご審議いただきます条例案の詳細についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成二十三年第三回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんいただきたいと存じます。
 表紙を一枚おめくりください。東京都スポーツ振興審議会に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案でございますが、先般、五十年ぶりに改正されましたスポーツ基本法が八月二十四日に施行されたことに伴いまして、当審議会の設置に係る根拠法名をスポーツ基本法に改めるとともに、法からの引用条文の規定を改正するほか、所掌事項に係る規定整備を行うものでございます。
 改正後の条例の施行日につきましては、公布の日を予定しております。
 なお、お手元配布の資料第2号、平成二十三年第三回東京都議会定例会議案につきましては、実際の議案となりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 以上で、今定例会に提出を予定してございますスポーツ振興局関係の議案につきまして、説明を終わらせていただきます。委員の皆様におかれましては、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○原田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松永招致推進部長 私からは、お手元の資料第3号、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会招致についてご説明いたします。
 初めに、1のこれまでの動きでございますが、都は、去る七月十六日、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会に立候補表明を行い、同日付で、JOC、日本オリンピック委員会において、国内立候補都市として決定されました。そして、この九月一日、IOC、国際オリンピック委員会へ立候補を申請したところでございます。
 続きまして、2の招致活動の基本方針についてでございます。
 第一に、都、国、スポーツ界、経済界等が一体となり、オールジャパンでオリンピック・パラリンピックをかち取ることでございます。
 第二に、前回招致の経験やノウハウを活用した効果的な招致活動と、それに伴う招致経費の大幅な圧縮でございます。
 そして、第三に、東日本大震災被災地の復興促進につなげていくことでございます。
 なお、大会計画の策定に当たりましては、既存施設の活用を基本といたしております。
 以上三点を基本方針といたしまして、オリンピック招致に取り組んでまいります。
 次に、3の招致体制でございます。
 招致体制につきましては、経費区分の明確化を図り、効率的、効果的な招致活動を行うため、東京都、計画委員会、招致委員会がそれぞれの役割を果たしてまいります。
 東京都は、主に国や区市町村との調整等を行います。
 任意団体の計画委員会は、オリンピック開催計画の策定及びIOCの公式行事に関する対応等を行います。
 招致委員会につきましては、国際プロモーション活動及び国内外の広報等を行います。
 なお、招致委員会につきましては、本日、規約等を定め、任意団体として発足する予定でございますが、今後、NPO法上の法人となる予定でございます。
 活動資金につきましては、東京都と計画委員会が都費で、招致委員会は全額民間資金といたします。
 また、計画委員会の委員は招致委員会の役員と同一とし、計画策定と招致活動等の連携を図ってまいります。
 続きまして、4の今後のスケジュールでございます。
 来年二月十五日までに申請ファイルを提出し、五月下旬にはIOC理事会において立候補都市が選定されます。立候補都市に選定された場合には、二〇一三年一月七日までに立候補ファイルを提出し、最終的には同年九月七日、IOC総会において二〇二〇年大会の開催都市が決定されます。
 また、時期については公表されておりませんけれども、IOCによる世論調査が申請ファイル提出前後及び立候補ファイル提出前後に行われる見込みです。
 なお、二〇一三年はスポーツ祭東京も開催される年であります。この年をスポーツ振興局ではスポーツイヤーと位置づけまして、局を挙げて普及啓発、盛り上げ等に取り組んでまいります。
 最後に、5の他の申請都市の状況でございます。
 ヨーロッパではアゼルバイジャンのバクー、トルコのイスタンブール、スペインのマドリード、イタリアのローマが、そして、アジアではカタールのドーハが申請都市となっております。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○原田委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求がある方はご発言願います。

○畔上委員 一点お願いしたいと思います。招致体制の計画委員会の名簿をよろしくお願いいたします。

○原田委員長 ほか、よろしいでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 ただいま畔上委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○原田委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二三第五号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○佐野スポーツ施設担当部長施設計画担当部長兼務 お手元に配布しております資料第4号、請願・陳情審査説明表をお開きいただきたいと思います。
 二枚目に件名表がございます。請願二三第五号の一、城北四区(板橋区・練馬区・北区・豊島区)への公認陸上競技場整備に関する請願についてご説明申し上げます。
 三枚目をごらんください。
 本請願は、練馬区城北四区に陸上競技場を造る会代表、加藤春雄さん外四千三百十五人から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、都において五年以内に次のことを実現していただきたい。城北四区、板橋区、練馬区、北区、豊島区の中に日本陸上競技連盟第三種公認陸上競技場をつくることでございます。
 現在の状況でございますが、平成二十二年度に実施いたしました東京都における公立スポーツ施設調査によりますと、都内に設置されている公立陸上競技場は四十施設であり、そのうち、公益財団法人日本陸上競技連盟による第三種以上の公認を取得している陸上競技場は十三施設でございます。
 都では、東京都スポーツ振興基本計画に基づき、スポーツ施設を効果的、効率的に運営していくため、区市町村との役割分担のもと、大会開催の施設需要や都民のスポーツニーズ、財政状況などを踏まえ、全都、全国的な大会を開催できる広域的施設の整備を行っております。
 その方針によりまして、昨年度は、駒沢オリンピック公園総合運動場の陸上競技場フィールド改修工事を実施し、第二種公認の更新を行いました。
 また、現在、平成二十五年に開催されるスポーツ祭東京二〇一三に向けて、味の素スタジアムの第一種陸上競技場化改修工事を行い、隣接する都有地に、新たに補助競技場となる第三種陸上競技場の整備工事を行っているところでございます。
 このため、現在のところ、城北四区において新たに陸上競技場を設置する計画はございません。
 なお、城北四区に隣接する足立区の都立舎人公園内には、第三種公認陸上競技場が設置されております。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認めます。よって、請願二三第五号の一は継続審査と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。

○原田委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、生活文化局長に井澤勇治君が就任されました。
 また、幹部職員に交代がありましたので、井澤局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○井澤生活文化局長 去る七月十六日付をもちまして生活文化局長に就任いたしました井澤勇治でございます。
 委員長を初め、委員の皆様方のご指導を賜りまして、当局の所管しております事務事業が適切かつ円滑に推進できますよう真摯に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、八月一日付人事異動で生活文化局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 消費生活部長の藤井秀之でございます。文化振興部長の関雅広でございます。文化施設改革担当部長の北村俊文でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○原田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○原田委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二三第八号及び請願二三第九号は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○石井私学部長 私立高校の授業料等無償化に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 ご審査いただきますのは二件でございます。
 お手元に配布しております請願審査説明表の表紙と、もう一枚、請願件名表をおめくりいただき、三枚目をごらんください。請願二三第八号、国分寺市三多摩高校問題連絡協議会代表者、古賀禧子さんからの、希望する全ての中学卒業生に高校教育の保障を実現することに関する請願の5、経済的理由で私立高校に行けない子がたくさんいるため、私立高校の授業料を無償にするとともに、入学金、施設費などを無償にすることでございます。
 続きまして、四枚目をごらんください。請願二三第九号、目黒区都立高校のいまを考える全都連絡会代表者、国松芳美さんからの、都立高校の新増設、全日制・定時制募集枠の大幅拡大及び私立高校の無償化に関する請願の3、私立高校の授業料を無償にするとともに、入学金、施設費など納付金を無償にすること。
 以上二件でございます。
 請願の要旨につきましては、説明表に記載されておりますように、いずれも私立高校の授業料を無償にするとともに、入学金、施設費など納付金を無償にすることに関する請願でございますので、現在の状況につきましては一括してご説明させていただきます。
 私立高校への就学支援については、私立高等学校等特別奨学金補助において、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得状況に応じて授業料の一部を補助するとともに、育英資金や入学支度金貸付事業など幅広い施策を総合的に活用し、私立高校への就学を支援しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 発言がなければ、請願二三第八号及び請願二三第九号につきましては、教育庁関係もございますので、決定は教育庁関係の審査の際に行い、現在のところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認めます。よって、請願二三第八号及び請願二三第九号は継続審査といたします。
 請願の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○原田委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、大原教育長より紹介があります。

○大原教育長 さきの人事異動で教育庁幹部職員に交代がございましたので、紹介させていただきます。
 次長の庄司貞夫でございます。理事の高野敬三でございます。総務部長の松山英幸でございます。地域教育支援部長の谷島明彦でございます。指導部長の坂本和良でございます。福利厚生部長の前田哲でございます。特別支援教育推進担当部長の廣瀬丈久でございます。人事企画担当部長の白川敦でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○原田委員長 紹介は終わりました。

○原田委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○大原教育長 平成二十三年第三回都議会定例会に提出を予定いたしております議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 ご審議いただきます教育庁関係の案件は、条例案二件、契約案一件、事件案一件でございます。
 初めに、条例案でございますが、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例外一件でございます。
 次に、契約案でございますが、都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約の一件でございます。
 次に、事件案でございますが、東京都立学校における誤えん事故に伴う損害賠償の額の決定についての一件でございまして、地方自治法の規定に基づき提出するものでございます。
 以上が教育庁関係の案件でございます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松山総務部長 それでは、私から、議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 まず、お手元の資料、平成二十三年第三回東京都議会定例会議案(条例)に基づきまして、条例案のご説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は二件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をお開き願います。東京都特別支援教育推進計画に基づき、新たに三校の特別支援学校を設置するものでございまして、練馬特別支援学校、府中けやきの森学園、武蔵台学園を設置いたします。
 施行日は、公布の日からとしております。
 次に、五ページをお開き願います。東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 六ページの新旧対照表をお開き願います。平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法の施行に伴い、手当の認定、支給事務を処理するため、同条例における引用法律名の改正などを定めるものでございます。
 施行日は、公布の日からとしております。
 次に、お手元の資料、平成二十三年第三回東京都議会定例会議案(契約)に基づきまして、契約案のご説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提出を予定しております契約案は一件でございます。
 一ページをお開き願います。都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十二億九千五百七十万円、契約の相手方は東京都中央区日本橋本町四丁目十二番十九号、佐藤・淺川建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成二十五年三月八日まででございます。
 主要施設十カ年維持更新計画に基づき、老朽化した校舎棟の改築工事を施行する必要があるものでございまして、三ページから七ページにかけまして案内図、配置図及び各階の平面図を、八ページに契約議案の概要をそれぞれ記載してございます。
 次に、お手元の資料、平成二十三年第三回東京都議会定例会議案(事件)に基づきまして、事件案のご説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提出を予定しております事件案は一件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都立学校における誤えん事故に伴う損害賠償の額の決定についてでございます。
 平成二十年六月十八日、東京都立江戸川特別支援学校中学部修学旅行の際、担任教諭の過失により生徒に食物を誤嚥させ、窒息による低酸素状態により失明させたこと等による損害について、賠償を行うものでございます。
 損害賠償額は三千八百十二万三千六百七十五円、相手方は東京都江戸川区船堀六丁目五番四の千二百六号、山上亘さんでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○原田委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二三第八号、請願二三第九号及び陳情二三第三八号は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○直原都立学校教育部長 お手元に配布いたしました文教委員会付託請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。請願二三第八号、希望する全ての中学卒業生に高校教育の保障を実現することに関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、三多摩高校問題連絡協議会代表者、古賀禧子さんから提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、教育庁の所管は1から4まででございます。
 まず1、充実した教育を保障するため、中学卒業生の増加に見合った都立高校を増設することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、教育人口等推計による都内公立中学校卒業者の今後の推移から、現状の公私間合意による計画進学率、公私分担比率で推計すると、現在の学校数で対応できると考えております。このため、都立高校の増設は考えていません。
 次に2、九〇%を割っている都立高校の全日制の進学率を都の約束する九六%にするために、募集枠を大幅に拡大することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都内全日制高校の就学計画は、私学関係者とで構成する公私連絡協議会において、学ぶ意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れるため、前年度に公立中学三年生全員を対象に行った都立高校全日制等志望予定調査結果の全日制等志望率を上回る九六・〇%を計画進学率とし、公私でそれぞれ分担して受け入れ数を定めています。その分担数に基づき、都立高校、私立高校でそれぞれ募集人員を適切に定め、募集を行っています。このため、就学計画を上回るような募集人員の拡大は考えておりません。
 次に3、高校教育を希望するすべての中学卒業生を受け入れるために、都立高校の夜間定時制の枠を大幅に広げることでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、定時制の募集枠については、第一次募集の応募状況等から判断して、当初から定時制を希望する生徒の受け入れ枠は確保していると考えており、募集人員をふやす予定はありません。
 次に4、三多摩地区の閉課した夜間定時制課程を復活することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都における交通要件を勘案すると、通学困難ではないと考えており、閉課程した夜間定時制高校の募集を再開することは考えておりません。
 四ページをお開き願います。次に、請願二三第九号、都立高校の新増設、全日制・定時制募集枠の大幅拡大及び私立高校の無償化に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、都立高校のいまを考える全都連絡会代表者、国松芳美さんから提出されたものでございます。
 都において次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は1及び2でございます。
 1、中学卒業生の増加に見合った都立高校を増設すること及び2、都立高校の全日制、定時制の募集枠を大幅に拡大することでございますが、これらに関する現在の状況は、さきの請願二三第八号でご説明したことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 七ページをお開き願います。次に、陳情二三第三八号、八王子地域の都立高校に夜間定時制課程を復活させることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、八王子高校問題連絡協議会代表者、二木憲夫さんから提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において八王子地域の都立高校に夜間定時制課程を復活させていただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、定時制課程に入学する生徒の多様化に対応するとともに、全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決し、定時制教育の条件改善を図るため、都立高校改革推進計画に基づき、周辺の夜間定時制課程を統合しながら、チャレンジスクールを含む昼夜間定時制独立校を全都に十校整備してきたところです。
 夜間定時制高校の募集枠については、第一次募集の応募状況等から判断して、当初から定時制を希望する生徒の受け入れ枠は確保していると考えており、募集人員をふやす予定はありません。
 また、東京都における交通要件を勘案すると、通学困難ではないと考えており、閉課程した夜間定時制高校の募集を再開することは考えておりません。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○野上委員 それでは、請願二三第八号と九号に関連して質問をさせていただきます。
 次代を担う人間を育成していくという観点から、これまで以上に公私の緊密な連携によりさまざまな教育課題に適切に対応し、その解決に向けた取り組みを協力して行っていかなければならないと思っております。
 東京都の高等学校就学対策につきましては、一人でも多くの学ぶ意欲と熱意のある生徒を高等学校に受け入れ、都民の期待にこたえていくという観点からの就学計画を策定していく必要があります。
 二十四年度の高等学校就学計画は、進学率を九六%、都立高校と私立高校の受け入れの分担比率を五九・六%対四〇・四%として合意されております。第三次中期計画の合意による計画進学率は、都立高校四万二千人、私立高校二万八千五百人となっております。
 就学計画は、生徒の受け入れの基本的な考え方、あるいは公私それぞれの受け入れ数を示すもので、その達成については、公立、私立、そして、それぞれの学校が最大限の努力をして受け入れていく必要があると思っております。
 しかし、確かに現在、計画進学率と実績進学率の間に乖離がありまして、例えば二十三年度でいえば、私立の場合、二万七千八百人を受け入れる計画でしたが、実質の受け入れは二万三千二百七十八人ということで、四千五百二十二人受け入れ不足があるわけです。
 私立で受け入れる予定だった、その四千五百二十二人はどうするかというと、そのうちの一部の生徒は公立で受け入れることになります。今年度でいえば、公立高校の計画の人数からさらに枠を広げて六百五人多く受け入れていると。これが現状です。
 都立高校は、昨年から無償化になり、無料ということで非常に人気が高くて、全日制高校の倍率も高くなって、この全日制高校の不合格者が定時制の二次募集に流れるという傾向が続いておりまして、平成二十一年度入学者選抜から都立高校定時制の二次募集において、応募者が募集枠を上回って不合格者が出てしまいました。また、二十二年度には三百人を超える不合格者が出てしまって、追加募集を実施いたしまして、現場は大変大混乱だったと思います。そういう事情については現場からよくお聞きいたしました。
 それでは、ことしの平成二十三年度の定時制の二次募集の不合格者は、区部、それから多摩部で何人になったのか、お伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度の定時制第二次募集の不合格者は、区部で五十一人、多摩地区で七十七人であり、合計百二十八人でございました。

○野上委員 都の教育委員会では、公私連絡協議会で、私立側との協議によって、公私の分担数とは別に緊急対策枠を設定するという対策はとったということですけれども、前年度に比べ大きく改善したとの見方もできると思いますが、実質百二十八人が不合格だったというのも、これは事実でございます。この不合格となった受験生は、この子たちにどういうような行き先があるのかについてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都立高校では、定時制の第三次募集を募集枠二百六人で行うとともに、通信制で三百七十人の募集を行いました。

○野上委員 二十三年度に関しては、三次募集で二百六人、そして通信制で三百七十人という募集があったということで、どこにも行き場のない生徒が出ないように、今後とも都教育委員会として対応していかなければならないと思っております。来年度に向けての対応についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 平成二十四年度入学者選抜において、定時制で不合格となり、行き場のなくなる生徒が出ることのないようという内容でございますが、平成二十四年度の就学計画では、従前の公私合意に基づく都立全日制高校の受け入れ数四万二千人に、定時制第二次募集で募集人員を上回ると想定される二百人を緊急対応枠として加えることにしたところでございます。
 現在、学校ごとの募集学級数について、地域バランスを考慮しながら検討を進めており、十月に決定する予定でございます。

○野上委員 最後です。緊急対応枠の二百人を効果的なものにするために、この地域的な偏在をよく考えて検討していただきたいと思っております。
 もう一つは、各私立高校の積極的な対応を求めるということも、公私間の連携を強化して、就学計画達成のために、より一層公私による工夫、あるいは努力が必要ではないかと思っております。
 それから、都立高校改革がかなり進みまして、我が党からもさまざまな提案をさせていただいて、チャレンジスクールとかエンカレッジスクール、昼夜間定時制等、中途退学の生徒をなくしたい、自己実現させたいという思いがございます。
 一人でも多くの学ぶ意欲と熱意のある生徒を高等学校に受け入れるという目標は大前提なんですけれども、例えば、中学校でいじめによって不登校になっていたとか、学力不振で、やっとの思いで高校進学を決意したとか、引きこもっていたけれども、やっと学校に通う気持ちになったりとか、いろいろなケースがあると思っております。
 もう一つの課題は中途退学の件になりますけれども、これは都教委がかなり努力をされたんだと思うんですが、平成十二年度には全日制で退学率が三・一%だったものが、二十一年度には一・八%になりました。また、定時制でいえば、平成十二年度には一七・二%だった退学率が平成二十一年度には一二・九%というように、現場の努力、それから都教育委員会のさまざまな努力により、だんだんと下がっていったということがあると思います。
 これから進学に関しては進学人口の増減があると思うんですね。それを都教育委員会はがちがちな気持ちでこたえるんではなくて臨機応変に、例えば非常にふえた場合は定時制の学級数をふやす等のちょっとやわらかい対応をしていただきますことをご要望して終わります。
 以上です。

○畔上委員 それでは、今の質疑を踏まえて伺います。
 まず、都立高校の来年度募集枠についてですが、今のご説明ですと、来年度は二百人の緊急対応策をとるということなんですが、緊急対応策をとったということは大変重要なことだと思います。
 しかし、先ほど来、公私協の設置目的のお話がありましたが、意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れ、行き場がなくなる生徒が生じないようにする、これがやっぱり目的なわけですから、その観点からいいますと、果たして二百人でいいのか、もっとふやすべきではないかというふうに思います。
 そこで伺いますが、先ほど二百名の根拠は、全日制進学を希望しながらも不合格となって、夜間定時制の第二次募集に応募して、その募集人員を上回ると想定された人員だというご説明だったんですが、今、都内には、三・一一の大地震で被災された子どもたちもたくさん来ております。その被災して都内に避難している中学生の応募も含めての緊急枠ということなんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 就学計画は、五月一日現在の都内公立中学校第三学年の在籍生徒数に基づいて策定しておりますが、この在籍生徒には、被災により東京都内に転居してきた生徒も含まれております。このため、特に被災生徒数を想定して計画を策定しているわけではございません。
 緊急対応枠については、全日制進学を希望していながらも不合格となった生徒が定時制第二次募集に応募する流れが生じているため、都立高校全日制に追加して設置する募集枠でございます。

○畔上委員 そうすると、今のご説明では、五月一日には東京にもう大方避難しているから、被災生徒は都内の中学生として既にカウントして、緊急対応策ではないということですよね。
 私は、被災生徒が先の見通しもなく、不安と経済的にかなり困難な中で高校進学をあきらめるようなことがあってはならないというふうに考えております。私立も含めて受け入れるということであれば、やっぱり経済的な負担の公私格差をなくすべきですし、そうならないのであるならば、やはり被災生徒は都立で希望者全員受け入れますよという姿勢が必要なんだというふうに私は思います。
 本来なら緊急枠にその分をしっかり上乗せすべきだというふうに私は思います。同時に、希望するすべての高校進学を保障する枠をしっかりと確保することが求められているんだと思うんです。
 実は、来年度の卒業生の見通しなんですが、七万六千八百八人ということで、ことしよりも卒業生が約二千人ふえるという見込みなんです。都立高校の全日制希望は、ことし、過去最高の七七%でしたが、女子については都立希望が八割を超えました。そして、経済的な事情から都立の単願の子どもたちもふえているのが実態です。
 そもそも進学計画率を九六%にして、最初から三千八人の生徒を高校進学から除いて考えていること自体、私は是正されるべき問題だというふうに思っておりますが、公私協で合意した進学率九六%で推計したとしても、私立と都立の進学希望者は千七百人ふえるわけですね。
 先ほどの議論では、そういう中でも何とか二百人で対応できるだろうというお話だったんですけれども、じゃ、今年度の状況はどうだったのかと振り返ってみますと、生徒が今年度に限って減ったわけですけれども、そういう中でも百六十人の枠の拡大がありました。それでも都立に希望しながら入れなかった生徒があふれて、定時の二次でも百二十八人の不合格が生まれたということであります。
 ことしは生徒もふえているのに対して、ことしに比べて来年は四十人ふやしただけということで果たして大丈夫なんでしょうか。私は、枠についてはもっと議論をして、都立の枠をもっとふやすべきだったのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 まず、緊急対応枠についてでございますが、夜間定時制第二次募集に応募して、その募集人員を上回ると想定される人員を適切に推計し、それを公私連絡協議会で協議の上、定めたものでございます。
 昨年度の募集人員に比べて全体としてどうなのかと申しますと、この緊急対応枠を含めまして、昨年に比べて一千四十人の募集枠の増ということになってございます。

○畔上委員 進学者そのものは千七百人もふえるわけですね。ましてや被災地の子どもたちも入っている。ですから、私は、その推計は本当に甘いんじゃないかということをいっているわけです。
 行き場のない生徒をつくってはならないという、そのためには、もちろん私は私学助成を拡充することは非常に大事なことだというふうに思っておりますが、同時に、まだまだ公私の格差が大きい。そういう現状の中で、やっぱり都立の募集枠をふやすことは本当に必要なんだというふうに思うんです。そのことを強く求めたいと思います。
 次に、定時制高校の問題、夜間定時制についてですが、都教委は定時制の一次募集の応募状況から判断して、当初から定時制を希望する生徒の受け入れ枠は確保しているから枠を拡大する考えはないんだというご説明が先ほどありました。ことしの三月の進学状況結果というのがホームページにも出ておりますが、これを見ても、進学を希望していたにもかかわらず家庭にいる、在家庭ですよね、在家庭の生徒は二百二十三人もいるわけです。
 そもそも都教委は、夜間定時制高校のセーフティーネットとしての役割も認めながらも夜間定時制を半減してきたわけですね。私は、その責任は重大だというふうに思っています。減らし過ぎた結果が、結局こういう行き場のない生徒をつくり出したということは、先ほど申し上げたようにはっきりしているんだと思うんです。
 今年度の応募のときも既に、昼夜間の定時制の例えば八王子拓真では、一次の応募倍率が普通科で二・五七倍、分割後期でも二・一五倍ということで、半数以上が不合格にならざるを得ない。そういう状況で、結局受からなかったら夜間定時制の二次募集が頼りなわけですね。しかし、多摩地域の夜間定時制高校の二次の枠は八十三人ですよね。これに対して百六十人と、応募倍率は約二倍になっているわけです。
 広い多摩地域に夜間定時制はたった十一校しかないと。しかも、八王子拓真がだめだったからと二次募集で夜間で入れる状況ではないわけですね。しかも、八王子市内に都立高校は九校あるわけですが、夜間定時制はあるのかというと、夜間定時制は全くないわけです。結局、希望しても入れなかった、そういう生徒をこの間つくり出している。そういう状況をどう総括されているんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 当初から、定時制を希望する生徒については第一次募集で入学できる定時制募集枠を設定しております。また、全日制につきましても、全日制進学希望率を上回る計画進学率を設定し、それを公私で分担して受け入れる就学計画を定めていることから、適切な募集枠が設定できていると考えております。

○畔上委員 何かかみ合っていないんですけれども、実際に進学を希望しているのに在家庭の子どもが二百二十三人もいる。本当にそういう子どもたちが今どういうふうになっているのか、胸が痛むわけですけれども、そういうことをきちんと総括すべきだというふうに私は思っています。
 しかも、夜間一次ですべての学校が入学できるという状況なんでしょうかね。夜間定時制で一倍を超える学校があるんじゃないでしょうか。超えた学校がどこだかお答えいただきたいと思います。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度の入学者選抜では、夜間定時制高校全体で四十四校で募集を行いましたが、その第一次募集において最終応募倍率が一倍を超えたのは、調布市にある神代高校、杉並区にある農芸高校、葛飾区にある農産高校、府中市にある農業高校、東久留米市にある東久留米総合高校の五校でございます。

○畔上委員 やはり多摩地域が多いわけですね。一倍を超えている学校があるということがわかったわけですが、それでは、多摩地域で定時制の三次募集はどのような状況だったでしょうか。

○直原都立学校教育部長 第三次募集の募集人員は、多摩地域では一名でございました。

○畔上委員 定時制の二次募集で百二十八人も不合格だったのに、三次募集では、多摩地域ではたった一人ということなわけです。
 都教委は、請願の多摩地域の閉課した夜間定時制課程の復活をという声に対して、東京における交通要件を勘案すると、通学困難ではないから復活する考えはないんだというふうにおっしゃっていますが、二次募集を見ますと、やはり二十三区においても四百五十二人の募集枠に対して四百五十一人と、全体的にも全く余裕などない状況なわけですね。
 同時に、夜間定時制の場合、通学時間、それから通学費用は非常に大きな問題だというふうに私は思っています。
 先日、私たち文教委員会で夜間中学を視察したんですが、その際も一時間目に間に合わない生徒がいました。やっぱりそのことが学校に通い続けることを困難にしているという現実を私たちは目の当たりにしたわけですけれども、通学時間というのは本当に大事なことだというふうに私は思うんですね。
 夜間定時制高校生の通学や就労、それから生活などの実態をきちんと把握すべきだというふうに私は思うんですが、実態調査を求めますが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 定時制の生徒につきましては、居住地や就業実態を毎年調査しているほか、必要な情報は学校から得ております。

○畔上委員 就労状況も把握することは大事なんですけれども、生活全体の把握をしていただきたいということを申し上げているわけです。
 今、貧困家庭も非常にふえていまして、家族構成も、母子家庭等もふえております。家族構成がどうなのか、どんな生活実態になっているのか、通学にどれぐらい時間がかかるのか。こういうことをしっかり都教委が把握することによって、本当に高校進学をしっかり保障する体制を組むことができるんじゃないでしょうか。私は、ぜひ実態調査をやっていただきたいというふうに求めたいと思います。
 先ほどもいいましたが、多摩対策は本当に待ったなしだというふうに思います。この間、多摩地域で閉課程した学校はどこでしょうか。

○直原都立学校教育部長 全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決し、定時制教育の条件改善を図るため、都立高校改革推進計画に基づき、小規模化した夜間定時制課程を統合し、昼夜間定時制独立校の整備を進めてまいりました。
 平成十二年度以降で見ますと、多摩地域で閉課程した定時制は、多摩高校奥多摩分校、北多摩高校、昭和高校、農林高校、富士森高校、南多摩高校、武蔵高校、三鷹高校、久留米高校、八王子工業高校、第二商業高校の以上十一課程でございます。

○畔上委員 現在、十一課程ですから、十一校ですから、多摩地域では文字どおり半減したということであります。
 南多摩高校、北多摩高校、武蔵、三鷹高校などは、閉課程した学校自身は今もあるわけですから、私は復活できるんじゃないかと思うんですが、復活できない理由はあるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度の入学者選抜では、夜間定時制四十四校で募集を行いましたが、その第一次募集において、募集人員二千五百二十人に対し応募人員は千五百六十六人、応募倍率〇・六二倍でございました。
 当初から、定時制を希望している生徒につきましては募集枠は十分に確保されていることから、中学校段階で適切な進路指導を行うことにより、現行の募集枠で受け入れることが可能と考えております。

○畔上委員 ということは、復活できない理由はいえないということですよね。
 二月七日付発表の定時制の一次募集の応募倍率を見ましても、ほとんど合格とはとてもいえない状況がありました。貧困が本当に深刻化する中で、経済的に全日制高校で学べない、そういう生徒たちの学びの場であり、また中学まで不登校だった生徒や高校中退した生徒たちの学び直しの場として、後期中等教育を保障する定時制高校の役割、私はさらに大きくなっていると思います。
 都教委もその役割を認識しているわけですから、私は、やはり夜間定時制高校の増設は強く求めたいと思います。とりわけ来年度募集に間に合うように、今ある高校も活用して、多摩地域の復活を強く求めたいと思います。
 次に、都立高校の増設についてですが、この間、教育人口等推計による都内公立中学校の卒業生の今後の推移を見ましても、毎年のように今後も七十から八十学級規模で臨時増学級をせざるを得ない状況があることは都教委も認められているところなわけです。
 臨時増学級、臨時増学級と都教委はおっしゃっているんですが、これから毎年毎年、十校分ぐらい学級をふやさざるを得ない、とてもこれは臨時なんていえる状況じゃないというふうに思うんですね。
 何でこんな状況が起こってしまったのか。それは、やっぱり一九九七年に策定して今年度までとした都立高校の改革推進計画で、全日制を二十九校、定時制を五十五校も減らす。これは本当に減らし過ぎたからで、そのことが先ほど来お話ししているような深刻な矛盾を生み出しているんだというふうに私は思うんです。まさにそういう点では、この改革推進計画の破綻だというふうに思うんですが、違いますか。

○直原都立学校教育部長 都立高校は、進学を希望する意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れるよう、地域バランスを考慮して十分な募集枠を設定しているところです。

○畔上委員 十分な募集枠ということですけれども、枠が足りなくて、入れない生徒をつくり出して、また毎年のように臨時増学級ということをやらざるを得ないのが実態じゃありませんか。
 大体、既に九年前の二〇〇二年の第二次計画のときに、生徒数が今後ふえる見通しが出たわけですね。その時点でも、学校を減らすようなこういう改革推進計画は見直してほしいという切実な声が都民からも上がって、私は、まだそのときは議員ではありませんでしたけれども、再三、我が党も議会の中で求めてきたわけなんですが、かたくなに都教委は従来の計画にしがみついてきた。そういう結果、毎年、増学級せざるを得なくなったというのではないでしょうか。
 来年度は、一体どれぐらい学級をふやすつもりなんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 来年度の募集学級数につきましては、十月に決定する予定でございます。

○畔上委員 十月だから、まだわからないということでしょうけれども、一昨年の都教委の推計の表を見ましたけれども、これでいきますと来年度は六十学級増となっています。一校当たり三学年で十八学級を基本にしていますから、一学年六学級で十校分ふえるということになるわけですね。
 この間も、学校を減らし過ぎたために、ずっと学級増で対応してきたわけですけれども、本当にこれで学年進行で教室不足が起こってもおかしくない、こういう状況にまでなっているんじゃないでしょうか。
 あくまでも学級増でできるというんだったら、推計は、もう六十学級というふうに出ているわけですから、どこでふやすか具体的に検討しているんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 現在、地域バランスを考慮しながら、学校ごとの募集学級数の検討を進めており、十月に決定する予定でございます。

○畔上委員 今、地域的なバランスというお話があったんですが、全体の枠をふやさないで地域的な調整をしようというようなお考えのようですが、私は、それでは本当の解決にならないというふうに思います。
 実際、臨時、臨時と、ずっと無理に学級をふやしたために、この間、都立高校では特別教室とか、あと防災備蓄の部屋などを普通教室に変えた、こういう学校も生まれていると伺っています。
 学校現場では、多展開で授業を行って、本当によりよい、中身の充実した授業を進めていこうというふうに努力されているのに、そういった取り組みに、実際には弊害が出てきてしまっているんじゃないでしょうか。
 私は、この間、都立増設を求めて、統廃合などによって都立高校として使っていない跡地の二十三校について伺ってきました。その中で、財務局に引き継いだ跡地で、まだ暫定利用中というところが数カ所あるということもはっきりしてきました。
 現実に普通教室がもう本当に不足しているという状態になっているわけですから、やっぱり都立高校の増設はもう避けることができない、そういう課題だというふうに思います。都立高校の増設を改めて求めますが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 教育人口等推計による都内公立中学校卒業者の今後の推移から、現状の公私間合意による計画進学率、公私分担比率で推計すると、現在の学校数で生徒の受け入れができると考えております。このため、都立高校の増設は考えておりません。

○畔上委員 その都の推計によっても、これから十年間、毎年六十から八十五学級ふえますよと、そういうふうになっているわけですね。一体どこにそのような学級をふやす空き教室があるんでしょうか。
 必要な学校は、やっぱりきちんと増設をする。そして、先ほども申し上げましたが、私学助成もしっかり充実して、本当に公立でも、それから私立でも、高校進学は希望する子どもたちがすべてできるように環境を整える。これは行政の責務だというふうに私は思います。希望するすべての子どもたちの高校進学を保障する、その体制整備を強く求めて、質問を終わります。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、請願二三第八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○原田委員長 起立少数と認めます。よって、請願二三第八号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願二三第九号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○原田委員長 起立少数と認めます。よって、請願二三第九号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二三第三八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○原田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二三第三八号は不採択と決定いたしました。

○原田委員長 次に、陳情二三第三六号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○直原都立学校教育部長 請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。陳情二三第三六号の二、放射性物質による汚染からの子どもたちの安全な生活の保障を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、北区ほっと村代表、古賀由希子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質による汚染から子どもたちの生活を安心なものにするために、行政における生活保障の一環として次のことを実現していただきたいというもので、教育庁の所管は4、学校の屋外プールにおける放射線測定は日次測定とすることでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、学校の屋外プールに関連する放射線は、水、降下物及び大気からのものが考えられます。
 まず、水についてですが、学校の屋外プールの利用開始に当たっては、たまっていた水を排水し、清掃を行った上で、新しく注水して使用しています。通常、プールで使用する水道水については、新宿区内の東京都健康安全研究センターで測定を行っており、五月以降は、七月二日にセシウム137がごく微量検出された以外は不検出となっております。仮に、これがプールに注水されたとしても、健康への影響はありません。
 次に、降下物についてですが、雨やちりなどにより放射性物質が降下してプールに入ることが考えられますが、センターで測定している降下物は、五月以降、セシウム134及びセシウム137が合計八回検出されましたが、いずれも微量であり、仮に、これがプールに降下して蓄積したとしても、健康への影響はありません。
 次に、大気についてですが、センターによる大気中の環境測定結果については、五月以降、震災以前の平常時に観測されていた測定値の範囲内で推移しています。また、福祉保健局が六月十五日から六月二十二日まで都内百カ所で測定を行っており、いずれも健康に影響を与える数値ではありませんでした。
 都においては、このように水道水、降下物、大気を毎日測定しており、その結果、おのおので安全性が確認されています。これらの環境から受ける放射線の結果をあわせても、健康への影響は問題なく、学校の屋外プールにおける放射線測定を日次測定する必要はないと考えています。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○畔上委員 福島の原発事故から半年がたちました。東京電力福島原発事故によって、大量かつ広範囲に放射性物質、死の灰が放出されて、都民の放射能への不安というのが大変広がっております。
 七月二十七日の衆議院の厚生労働委員会参考人質疑におきまして、福島第一原発から放出された放射性物質は、ウラン換算で広島型の原爆の二十個分だという見解も出されました。
 こうした中で、放射能への感受性が高い子どもたちの健康を守る、こういう迅速な取り組みは、私は最重要課題だというふうに思います。同時に、その取り組みは、長期間継続されるべきものとなっています。
 都教委においては、この陳情に対して、学校の屋外プールにおける放射線測定はしない、必要ないと考えているということでありましたが、調査しないとの判断はどこでの判断になるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 学校のプールにおける放射線量は、供給する水、降下物、大気に影響されると考えられますが、これらについては福祉保健局が毎日測定しており、安全性が確認されております。このことから、東京都教育委員会として、学校プールの放射線測定は必要ないと考えております。

○畔上委員 例えば、都立特別支援学校に子どもが通う保護者から、学校の近くの保育園では区が調査しているのに、どうしてうちの学校では調べてくれないんだろうかという不安や疑問の声を聞いているんですが、私は、そういう不安というのは当然だというふうに思います。
 私たち都議団は、この間、専門家の先生の方のお力もおかりして測定をしてきたんですが、同じ保育園の敷地内でも場所によっては高いところもあって、砂場の砂を取りかえたり、雨どいの下の土を削ったり、少しでも子どもたちが吸い込まない、そういう取り組みもしてきました。
 場所によっては、空間線量が文科省の除染対象の毎時一マイクロシーベルトを超えるところもありまして、やはり測定というのは各学校においてきちんとやるべきだということを痛感しています。
 それは、何よりも子どもの命は守り抜くんだという確固たる姿勢を持つことだというふうに思うんです。だからこそ、学校ごとに測定している、そういう自治体が都内でもふえているんじゃないでしょうか。
 都教委は、プール測定はやる必要なしと、その判断の理由を、水、降下物、大気の測定結果があるからというふうに先ほどご説明があったんですが、すなわち、空気中の放射線量はどの学校で調査されたんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 福祉保健局は、都内を四キロメートルメッシュで分け、百カ所で空間放射線量を偏りなく網羅的に調査しております。四キロメートル四方のどこで測定するかは各自治体が選定することとしておりまして、特段、学校を指定しているわけではございません。

○畔上委員 つまり、都教委として、子どもの影響を考えて、特別支援学校とか、そういう都立学校ではかってほしいという要望はしていないということですよね。
 じゃ、プールサイドはどこかで測定したことがあるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 福祉保健局における百カ所の測定については、土の上一メートルと五センチメートルで測定しており、安全性が確認されております。プールサイドということで、放射線量が他の場所と特段違うということは考えられないと考えております。

○畔上委員 安全性が確認されている、だからプールサイドがほかの場所と違うとは考えられないというお話だったんですが、福祉保健局の測定というのは、ホットスポットなどの測定はやっているわけではないわけですね。
 プールサイドは、子どもたちが直接座るところなわけです。やっぱり私は放射能の汚染物質が溝などについているんじゃないかという不安もあるわけですから、それは測定しなければわからないわけですね。だから、しっかり測定をするということが大事なんだと思うんです。
 測定して、万一、高い場合があったら、それは子どもたちが使う前にブラシで一生懸命掃き出して除染をすればいいわけですから、放射能の汚染の怖さというのは、やっぱり見えないし、におわない。だから、はかることによってのみ、実態を知ることができる。そういうものなわけですから、やっぱりきちんと測定する、これが大事なんだというふうに私は思うんです。
 もうプールの時期は過ぎてしまったわけですけれども、放射能汚染の問題というのは、これからも何年も監視が必要な問題になるわけです。それは、さまざまな専門家の先生がそのように指摘をされております。やっぱり、プールサイドは大丈夫なんだろうか、子どもたちの毎日通う学校の校庭の中はどうなんだろうか、滑り台の下はどうなんだろうか、そういう不安があるわけです。
 測定問題というのは今後も続く問題だというふうに私は思うんですね。保護者の皆さんから、そういう心配する声が私のところにも来ていますけれども、都教委にもきっとそういう声がいっぱい寄せられているんじゃないかと思うんですが、いかがなんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 東京都教育委員会に対しまして、都立学校に関して保護者から直接、または校長等を通じて数件の問い合わせがございました。これらに対しまして、福祉保健局の測定結果などを根拠に、プール使用の安全性について丁寧にご説明したところであり、不安等の声は上がっておりません。

○畔上委員 プールについては確かに季節的な問題があるので少ないかもしれませんが、私の実感としては、給食とか、あと土や大気についての心配はもっと大変大きいというふうに思います。
 とりわけ幼い子どもというのは大人の感度の三倍もあるわけですね。子どもの一生にかかわる問題で、大変切実な、しかも心配な声だというふうに思うんです。そういう声にどうこたえていくのかというのが自治体として問われているんだと私は思うんです。だから、こうした声にこたえて、自治体独自に測定をして対策を講じているという自治体がどんどんふえているんだというふうに私は思うんですね。
 千葉県の野田市では、放射線量の被曝限度を一時間当たりで〇・一九マイクロシーベルトとする独自の暫定基準値を設定しました。
 それから、私の地元の江東区でも、そういう基準値は定めてはいないんですけれども、学校や幼稚園、保育園、こういった子どもたちの生活圏のところは測定して、三カ所で除染をしておりますし、一カ所使用禁止にしております。
 このように、都内でも独自に測定をして対策を講じている自治体が出てきているわけです。自治体で測定して対策を講じたところが都内にあるという事実を都教委はどう受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 都内でも、独自の基準を設け、砂場の砂の入れかえ等を実施した自治体があることは承知しております。これらは、土壌の入れかえに対する国の補助基準を下回るレベルでの対応であり、自治体が自主判断で行っているものと認識しております。

○畔上委員 国のレベルを下回っているというお話だったけれども、やっぱり何よりも子どもたちに無用な被曝を受けさせないんだという立場での測定や対策なんだというふうに思うんですね。
 私は、学校給食の安全確保も含めて十分な測定を行って、必要があれば万全の対策を講じていく、しっかり子どもを守っていくんだというその姿勢が、やっぱり都教委に求められているんだというふうに思います。
 横浜市では、全校に測定器を配置したというふうに先日報道されていました。県レベルでも、千葉県など、私も電話して聞いたんですが、千葉県でも埼玉県でも茨城県でも県として特別支援学校などの測定をされています。
 都立特別支援学校でも、プールサイドなども含めて学校のさまざまな場所の線量を測定して、やっぱり保護者の不安にきちんと対応する。そのことを強く求めて陳情の採択を主張して、質問を終わりたいと思います。

○西沢委員 今回の陳情に関しまして東京都側は、水について、それから降下物について、大気について、福祉保健局でいろいろと調べているということで、検出もされていない、もしくは検出されたものが仮にプールに入ったとしても、それは健康に影響を与えるものではない。だから、大丈夫なんだというようなお話がありました。確かにそういった部分はあろうかと思います。
 しかし、連日の放射能に関する報道というものに関して、都民、国民の皆様の関心がすごく高いというようなことも事実であり、そして、特に子どもを持つ親の立場、気持ちからすると、どんなに大丈夫だというようなことをいわれても、なかなか安心できないというのも実態なのではないかと思います。
 先ほどの質疑の中で、都教委の方にはそういった心配の声はもうないというような話がありましたが、本当にそういうことであれば、こういった陳情も上がってこないのではないのかなというように私は思います。
 今回の陳情に関しては、もともとプールのシーズンの前に出される意向があったというように聞いております。今、シーズンが終わりまして、毎日やることの妥当性などから、私どもがこの陳情に対して賛成することはできませんけれども、当然、シーズンが終わってからだって心配の声は上がると思います。
 今回、不安を取り除くというような作業に関しては、今後もあらゆる努力をしていくべきであるということを意見として申し添え、発言を終わらせていただきます。

○桜井委員 自民党として意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴って、広く拡散した放射性物質により、自来、国民の生活は大きな不安にさらされているというふうに考えております。
 健康の確保は、すべての国民に等しく保障されるべきであり、政府が責任を持って安全性の確保に努めるべきであると思います。とりわけ未来を担う子どもたちへの放射線の影響は、保護者だけでなく、私ども自由民主党としても非常に心配をしているところであります。
 責任主体は政府であるわけですが、ぜひ教育庁としても関係各局と連携を図って、幼児、児童生徒の安全対策に全力を挙げて取り組まれることを要望いたしておきます。
 以上です。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○原田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二三第三六号の二は不採択と決定いたしました。

○原田委員長 次に、陳情二三第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○坂本指導部長 請願・陳情審査説明表の六ページをごらんいただきたいと思います。陳情二三第三七号、中学校社会科教科書(公民的分野)の採択に関する陳情についてご説明を申し上げます。
 本陳情は、練馬区教科書正常化ネットワーク二三事務局、空花正人さん外三十名から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、地球市民などという幻想を説く教科書は選ばないでいただきたいということでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都道府県教育委員会は、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第十条の規定により、教科書の採択の適正な実施を図るため、教科書の調査研究を行うことになっております。
 また、都道府県立の義務教育諸学校において使用する教科書の採択は、無償措置法第十三条第二項の規定により、あらかじめ教科用図書選定審議会の意見を聞いて行うことになっております。
 東京都教育委員会は、都立中学校、都立中等教育学校前期課程及び都立特別支援学校中学部用教科書の採択に当たり、学習指導要領の各教科の目標や、東京都教育委員会の教育目標等を踏まえて教科書の調査研究を行い、各教科書の違いがわかるよう、教科書調査研究資料及び教科書採択資料を作成しております。これらの資料は、東京都教科用図書選定審議会に諮問した上、答申を受けているものでございます。
 東京都教育委員会は、教科書見本はもとより、これらの資料を参考にして慎重に検討を行い、平成二十三年七月二十八日に開催した教育委員会において、平成二十四年度に都立中学校等で使用する教科書を適正かつ公正に採択しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○原田委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○畔上委員 中学校の公民の教科書採択に関する陳情なわけですが、まず、教育委員会における教科書の選び方について伺います。
 都教委は、七月二十八日に、来年度使用の都立中学校や特別支援学校の教科書を採択しました。基本的なことを伺いたいんですが、特別支援学校は障害種別に採択することとなっているわけですが、その理由は何でしょうか。

○坂本指導部長 義務教育諸学校において使用する教科書の採択は、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の規定に基づき、教科用図書選定審議会の意見を聞いて行うものとなっております。
 都教育委員会は、東京都教科用図書選定審議会の答申を受け、都立特別支援学校の児童生徒の障害の状態や特性等を考慮して、障害種別ごとに教科書の調査研究を行い、採択を行っております。

○畔上委員 今のご説明では、障害の状態や特性を考慮するために障害種別にしたんだよということですね。
 以前、教育委員の皆さんが教科書採択で何を参考に採択されているのかということを文教委員会のお話の中で、部長さんが、教科書採択資料が主たる参考であるというふうに答えられました。そこで教科書採択資料を読んでみたんですけれども、そこでは、障害種別に、それぞれの障害を持った生徒にとってどうかという視点からの分析がなされていました。
 陳情にある公民の場合なんですが、聴覚障害特別支援学校ではどうかということですが、聴覚障害のある生徒が興味、関心を持って取り組むことができる単元という項目で、そういう項目が多いという教科書は、実は採択されていなくて、少ないとなっている自由社の教科書が採択されています。
 肢体不自由、病弱の特別支援学校はどうかというと、生徒が興味、関心を持って取り組むことができる単元が多いとしている教科書が二冊あったんですが、そのどちらかではなく自由社がやはり採択されていました。
 特別支援学校の教科書の採択の場合は、障害種別にして、それぞれの障害に即したもののをと、わざわざそういう項目を起こしているわけなんですが、その項目に対する評価が高くない、そういう教科書が採択されているというのが実態なわけです。
 ちなみに、国語や算数、理科といった科目はどうなのかと思って調べたんですが、その国語、算数、理科は、障害を持った生徒が興味、関心を持って取り組むことができる単元が多いと評価されている教科書が採択されていました。
 教科書採択資料は、前回と今回の違いもありました。今まで個別具体的な教育内容にかかわる項目というのはなかったわけですが、今回の資料にはその項目が入っておりました。公民では四項目でしたが、その項目には、北朝鮮による拉致の問題を扱っているページ数、我が国の領域をめぐる問題を扱っているページ数などとなっていましたが、例えば基本的人権の項目とか子どもの権利条約に関する項目というのはありませんでした。
 教科書採択資料の内容にかかわるこういう項目は、一体だれが判断して決めるんでしょうか。

○坂本指導部長 都立特別支援学校の教科書調査研究資料及び教科書採択資料の調査項目につきましては、学校関係者、教育委員会関係者及び学識経験者で構成される都教科用図書選定審議会の答申を受け、都教育委員会が選定しております。都教育委員会は、児童生徒の障害の状態や特性等を考慮し、学習指導要領の各教科の目標等を踏まえ、調査項目の選定を行っております。

○畔上委員 教育委員会が選定しているということですね。そもそもどういう教科書を選ぶのかということは、やっぱり子どもたちの教育を受ける権利の基本にかかわる問題だと思うんです。子どもたちの教育に直接責任を負う現場の教職員がやっぱり項目についても検討したり、また教科書を選ぶのが本来のあるべき姿だというふうに私は思っています。
 それは、私が思っているだけじゃなくて、実は、自民党政権時代の一九九七年の内閣におきましても、将来的には学校単位の採択に向けて検討していく必要があるんだという閣議決定もされております。しかし、実際には都教委が決めているということでありますから、少なくとも、なぜその教科書なのか、現場の意見がどう反映されたのか、やっぱりだれの目にもそのことを明らかにしていくという責任が都の教育委員会にはあるんだというふうに私は思うんですね。
 伺いますが、今回の教科書採択に当たって、七月二十八日の教育委員会では、都立特別支援学校の公民教科書についてどのような意見があったんでしょうか。

○坂本指導部長 都教育委員会は、教科書の採択に当たって、教科書見本はもとより、教科書調査研究資料及び教科書採択資料等を参考にして慎重に検討を行っております。
 七月二十八日に行われた都教育委員会での教科書採択については、投票による採決の前に各委員が意見を表明する機会を設けておりましたが、都立特別支援学校の公民教科書についての意見はありませんでした。

○畔上委員 教育委員からの意見はなかったということです。結局、なぜ採択されたのか。障害種別の教科書選定で障害の状態に配慮したり特性を生かした教科書が採択されるのかと思ったらそうでもなく、意見も出されることもなく、しかも無記名投票で採択された、これでは説明責任が果たされたとはいえないんじゃないでしょうか。
 私は、地元の教科書の展示会に行って教科書を見せていただきましたが、本当にびっくりしたのは、今回採択された自由社の公民教科書の日本国憲法の記事が記載されているページの最初が天皇の国事行為でした。ほかの教科書は、憲法といえば、まず基本原則の国民主権、基本的人権、平和主義が書いてありました。
 例えば日本国憲法は、戦争の反省から日本は武力を放棄し、平和主義に基づき、世界の信頼関係を築くことを憲法で宣言したことを説明しているんですけれども、自由社の教科書は、戦争の勝利を願う国民はよく働き、よく戦った、さきの戦争に対する批判や反省は見つけることができませんでした。
 今の世界は、どの国であれ、侵略戦争や植民地支配を否定した上に成り立っているわけですね。第二次世界大戦などの教訓から、人類は歴史を一歩前に進めたわけです。日本がやった戦争は正義の戦争だったと教えることは、やはり日本国憲法の体制と公教育の目的を根底から否定するものであるというふうに私は思います。
 同時に、教科書は、陳情者が求めているような、こういう教科書を選ばないでくださいということを都議会に求めているわけですけれども、それは都議会で決めることではないというふうに考えます。よって、陳情は不採択とすべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

○古賀委員 私は、一議員の立場から、本陳情の趣旨並びに主張の柱には賛意を表すべきものがあるとの立場から意見を申し上げます。
 今、日本国憲法の話が出ましたけれども、日本国憲法を制定した最後の帝国議会では、日本共産党全議員は日本国憲法の制定に反対をしています。そのことは歴史の事実として申し上げておきます。
 平成十八年に教育基本法が改正をされ、伴って学校教育法の改正、学習指導要領の全面改訂を受けて、文部科学省は平成二十一年、新しい教科用図書検定基準を告示いたしました。
 その中で、教科書というのは、公共の精神をとうとび、国家、社会の形成に主体的に参画する国民及び我が国の伝統と文化を基礎として国際社会に生きる日本人を育成するために、豊かな情操と道徳心、伝統文化の尊重や、我が国と郷土を愛することなどの教育基本法の目標並びに学校教育法及び学習指導要領の示す目標と一致するよう求めているわけであります。
 昨年度、小学校の教科書採択が完了しております。今年度は、来年度から使用される中学校の教科書の採択が行われるということで、事務手続等はここで完了しているわけであります。
 こういった今申し上げたような趣旨が十分に反映されているかどうか、そういう趣旨を踏まえて採択がなされるという立場から、この陳情は提出されているものだと私は判断いたします。
 しかしながら、今までの公民教科書の内容を見てみますと、愛国心であるとか公共の精神というものが必ずしも重視されたものではなかった。今回も、そういった言葉が一字も出てきていない教科書も幾つかあるわけであります。
 その代表的な例として、この陳情で上げております地球市民という言葉が誕生してまいりました。比較的採択率が高いといわれている東京書籍の中に、この地球市民という言葉がかなり強調されて出ているわけです。グローバルな市民社会、地球市民の立場に立ってとか、地球市民の一人として三十年後の理想の地球社会の姿について考えようとか、そういったことがるる述べられているわけであります。
 しかしながら、今回、都教委が採択を決めた教科書の中には、作家の曽野綾子さんの随筆を引用しています。これは極めて妥当な指摘だと私は思いますけれども、曽野綾子さんはこういっています。人は一つの国家にきちんと帰属しないと、人間にもならないし、他国を理解することもできないんです。地球市民なんていうものは現実的にはあり得ないと書かれているということも紹介されています。つまり、よき日本人であり、よき国際人になることが、この公民教科書の教育及び教科書の目的でなければならないわけです。
 こういったことを今までおろそかにしてきた一つの事例として、前、総理大臣をやった鳩山由紀夫さんという人がいますけれども、この人が総理大臣のときに、沖縄アメリカ軍基地の問題で、学べば学ぶほどアメリカ軍基地の戦争抑止力が大切であることがわかったというような発言をいたしております。彼がそれまで、まともな公民教育、国家についての教育というものを、あるいは国防というものについての教育を受けてこなかったということのあかしであろうというふうに思います。
 また、昨年秋の尖閣諸島での事件のぶざまな政府の対応というのは、やはり戦後公民教育から必然的に生まれてくるものではないかというふうに思います。
 公民教育は国家論、あるいは国家の役割というものを、公民としての国民がどのような意識を持つか、こういったことをきちんと教えていくという観点がこれから特に求められているのではないかと思います。
 公民教科書というのは、これからやがて親になる中学生というものに対して、家族を持つこと、あるいは国家、社会の一員としての社会的な使命を自覚させるということが中心でなければなりません。そういったことを踏まえますと、この陳情につきましては、その趣旨において最初に申し上げましたように、酌むべきものがあると私は個人的に判断をいたします。
 これ以上、無国籍な人間を育て続けるということは、一刻も早く是正されるべきであって、私は個人として、この陳情に対して賛成の意見を表明するものであります。
 以上です。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二三第三七号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十四分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る