文教委員会速記録第十二号

平成二十二年十月四日(月曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長大西さとる君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事岡田眞理子君
理事谷村 孝彦君
理事馬場 裕子君
畔上三和子君
遠藤  守君
島田 幸成君
滝沢 景一君
服部ゆくお君
遠藤  衛君
古賀 俊昭君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
スポーツ振興局局長笠井 謙一君
次長総務部長事務取扱細井  優君
スポーツ事業部長安藤 英二君
スポーツ施設担当部長板垣 一典君
国体・障害者スポーツ大会推進部長皆川 重次君
大会運営担当部長西海 哲洋君

本日の会議に付した事件
 スポーツ振興局関係
報告事項(質疑)
・第六十八回国民体育大会の開催決定等について
・武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画の策定について
・駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画の策定について

○大西委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 報告事項、第六十八回国民体育大会の開催決定等について外二件に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○板垣スポーツ施設担当部長 去る九月十六日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただきまして、駒沢オリンピック公園総合運動場指定管理料をごらんください。
 本資料は、平成二十年度から平成二十二年度までの各年度における駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理料の推移について記載をしてございます。
 なお、平成二十一年度の指定管理料につきましては、第二種公認陸上競技場の認定更新に伴う備品購入などによる一時的な増でございます。
 以上、簡単でございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大西委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○滝沢委員 まず初めに、武蔵野の森総合スポーツ施設の基本計画についてお伺いしていきたいと思いますけれども、国体会場の一部となる補助競技場を含む武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画が策定されたということですけれども、この施設の完成後、アクセスについてお伺いをしたいと思います。
 一般に、武蔵野の森総合スポーツ施設を利用する際には、どのような交通手段を用いるのか。また、コンサートなどのイベント時には都内から、また都外からも多くの来場者が訪れると思いますけれども、来場者の利便性を高めるために、また、周辺の交通環境への影響を抑えるためにどのような対策を講じるのか、お伺いしたいと思います。

○板垣スポーツ施設担当部長 本件施設へのアクセスでございますけれども、鉄道では最寄り駅である京王線飛田給駅から徒歩五分、また、JR中央線武蔵境駅と武蔵小金井駅、西武多摩川線多磨駅及び小田急線狛江駅から発着している路線バスによりアクセスが可能でございます。
 通常は、これら公共交通機関のほかに自家用車でも来場できますけれども、イベント等の集客時には、施設周辺が混雑いたしませんよう、よりスムーズな観客輸送を行う必要があると考えております。
 本件施設で最も多くの集客が見込まれるのは、メーンアリーナでのコンサートなどイベント時で、約一万人規模の来場者を予定しておりますが、このようなイベント時には、周辺道路の混雑を避けるため、自家用車ではなく、基本的には公共交通機関を利用していただくこととしております。
 このため、現在、隣接する味の素スタジアムで大規模イベント時に実施されておりますJR中央線、西武多摩川線、小田急線などと連絡するシャトルバスの運行を参考にいたしまして、具体的な検討を今後行っていきたいと考えております。

○滝沢委員 駒沢もありますけれども、国体を開催するときには、シャトルバスなど交通網に対しての配慮をぜひ今後ともお願いしたいと思います。
 次に、国体全体の補助制度についてお伺いしていきたいと思います。
 東京国体にかかわる東京都の補助制度の中で、施設の整備については二分の一の補助が実施され、運営費についても二分の一の補助が予定されていますけれども、会場地区、市町村の中でも、とりわけ複数の競技を開催する会場地においては、施設整備費や運営費の負担が大きくなります。
 そこで、負担の軽減をするために、施設整備費の補助については上限を撤廃し、運営費の補助率については先催県と同じように三分の二の補助にするべきだと思いますけれども、お答え願いたいと思います。

○皆川国体・障害者スポーツ大会推進部長 競技施設整備費補助制度は、これまで国体を開催してきた各県で実施しております制度を参考に、国体での競技実施に必要不可欠な整備事業を対象といたしまして、補助率二分の一、上限額原則一億円、特例三億円という内容で、平成二十年度から実施しております。
 上限額は他県よりも高く設定しており、また、平成二十一年度からは、福祉のまちづくりに資する整備事業を補助対象に加えるなど、区市町村の負担の軽減ときめ細かな対応を行っております。
 一方、運営費につきましては、平成二十五年の本大会と二十四年からのリハーサル大会を対象として、補助率二分の一の補助を実施する予定でございます。
 現在、区市町村の意見を聞きながら、詳細な検討を進めているところであり、引き続き、区市町村の状況を的確に把握の上、十分な連携を図って開催準備を進めてまいります。

○滝沢委員 国体に対する自治体の負担が多くならないよう、また、自治体のいろんな要望等もあると思いますけれども、できる限り、国体に対するその地元自治体や、運営するところのいろんな問題点も今後出てくると思いますので、ぜひとも耳を傾けていただいて、成功裏になりますようご協力をお願いして質問を終わります。

○遠藤(衛)委員 私からも武蔵野の森総合スポーツ施設の基本計画について何点か質問いたします。
 平成二十五年の東京国体まで残すところあと三年であります。国体は、国内最大、最高のスポーツの祭典であり、開催に向けての選手の競技力、あるいは精神力の向上を進めるほか、選手や観客と地域住民の触れ合いなどを通してコミュニティの活性化が図られるなど、都民に多くの夢をもたらすものであります。とりわけ、多摩地区においては、地域の魅力を全国に発信する絶好の機会として大きな期待が寄せられているところであります。
 東京国体の特色の一つは、先日決められた大会の愛称にあらわれているものと思います。
 これまで、トキめき新潟国体、ゆめ半島千葉国体のような愛称を使用するものが通例でありましたけれども、東京都におきましては、スポーツ祭東京二〇一三として全国障害者スポーツ大会もあわせて東京の多様な魅力を発揮する祭典であるということを明確にしているところであります。
 しかし、祭典といっても、当然のことでありますけれども、ただ楽しむだけの祭典ではありません。あすの日本のスポーツ界を背負う選手の育成、あるいは発掘にもつながらなければ本来の意味がないと私は思っております。
 これまで開催している各県でも、それぞれにその県らしさを発揮するため、いろいろな工夫を凝らし、県を挙げた取り組みが進められているところでございます。
 東京都においても、東京らしさを全国にアピールする大会の実現に向け、全力で取り組んでほしい、そんな思いから何点か質問させていただきます。
 昨年策定された武蔵野の森総合スポーツ施設基本構想に基づき、より具体的な内容となる基本計画を策定したということですので、幾つかお伺いします。
 最初に、今回建設される補助競技場については、陸上競技大会が開催できる陸連公認の陸上競技場ということで、期待が大きく寄せられているところであります。
 しかし、特に陸上競技団体からは、現在使っている多くのグラウンド等に打ち合わせの場所がなく困っているという話をよく聞いております。新たにつくる補助競技場の機能や設備がどうなっているのか、まずお伺いいたします。

○板垣スポーツ施設担当部長 今回、第一期事業として先行整備いたします補助競技場は、一周四百メートルのトラックを持つ第三種公認陸上競技場でありまして、陸上競技だけでなく、サッカーやラグビーなど、多様な屋外スポーツができる施設としております。
 また、あわせて八百席程度の観客席を設置したスタンド棟も整備いたします。このスタンド棟にはロッカー室やシャワー室などのほか、ご指摘の大会関係者のミーティングや選手控室等にもご利用いただける部屋を設けることとしてございます。

○遠藤(衛)委員 次に、運営面に関して確認をしたいと思います。
 その前に、まず改めて武蔵野の森総合スポーツ施設の設置の意義についてお聞きいたします。

○板垣スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設は、隣接する味の素スタジアムとあわせて、多摩はもとより、東京の一大スポーツ拠点を形成することで多摩地域のスポーツ振興に貢献するとともに、周辺地域のにぎわい、活性化など、まちづくりにも貢献する施設として位置づけております。
 このため、都民の多様なスポーツニーズにこたえるのはもとより、国際的競技大会やスポーツイベントのほか、コンサートなどの文化イベントの開催により、まちににぎわいと潤いをもたらすランドマーク的な施設を目指していくこととしてございます。

○遠藤(衛)委員 武蔵野の森総合スポーツ施設は、多摩地域の一大拠点として整備される大規模施設であります。ランニングコストも相当かかると思います。
 そのため、都民の負担を可能な限り抑え、安定的な経営を継続していくには、採算性にも配慮しなければならないと思います。
 既存のスポーツ施設は、どのような経営努力をされているのかお伺いします。

○板垣スポーツ施設担当部長 一般に都立スポーツ施設では、受益者負担の原則を踏まえつつも、スポーツ・フォア・オールを実現していく立場から、できるだけ多くの方々に利用していただけるよう比較的低廉な料金設定でサービス提供を行っております。このため、一般のスポーツ利用による収入だけで採算をとることは難しい状況にございます。
 ご質問の既存のスポーツ施設の経営努力でございますが、味の素スタジアムを初め、既存の大規模スポーツ施設では、ネーミングライツの導入、広告看板の設置、あるいは大型コンサート等の興業系イベントの誘致など工夫を凝らし、できる限り赤字を出さない運営に努めていると聞いております。

○遠藤(衛)委員 それでは、この施設を都としては今後どのような経営を行っていこうとしているのかお伺いいたします。

○板垣スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設におきましては、一大スポーツ拠点を形成し、まちづくりにも貢献するという位置づけを果たすとともに、運営に当たりましては、極力都民負担の軽減を図っていくことが重要な課題と考えております。
 そのため、都といたしましては、今後管理運営手法の検討を進めてまいりますとともに、計画にもお示しした三つの戦略に基づき経営を行ってまいります。
 戦略の第一として、高い収益が見込めるコンサート等、興業イベントを開催するなど、メーンアリーナの多目的活用を行い、収益力を強化いたします。
 第二に、利用目的に応じた料金体系を設定することとし、都民のスポーツ利用には配慮する一方で、興業系イベント開催については市場価格を反映してまいります。
 第三に、周辺スポーツ施設との機能的連携でございますけれども、周辺には味の素スタジアムを初め、多様な屋外スポーツ施設が集積しておりますことから、これらとの連携関係を構築いたしまして、イベント誘致やセールス活動に強みを発揮していきたいと考えております。
 さらに、これらの戦略のほかに、一層の利用促進と安定的経営を図るためには、地元三市との連携は欠かせないと考えております。
 そこで今回、三市のご協力を得まして、都と地元三市等とで構成いたします経営戦略委員会、仮称でございますが、これを設置していくことといたしました。
 地元自治体ならではの利用促進策や、稼働率向上策をアイデアとして出していただき、利用拡大につなげてまいりたいと考えております。

○遠藤(衛)委員 道路を挟んですぐ隣が味の素スタジアムでありますけれども、ここでは大型コンサートなど、年間どのぐらい行われているんですか。

○板垣スポーツ施設担当部長 五万人規模の観客席を持ちます味の素スタジアムでのコンサートは、年によって異なりますけれども、本来目的であるスポーツでの使用にも配慮しながら、年一、二回程度と聞いております。

○遠藤(衛)委員 コンサートの誘致は、採算性の確保と地域の活性化にも貢献するものと思います。けれども、利用者、特にスポーツ施設の利用者、競技者の利用とのバランスも十分配慮すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

○板垣スポーツ施設担当部長 武蔵野の森総合スポーツ施設でのコンサート誘致は、基本的に大規模な観客を収容できるメーンアリーナが対象となってまいります。
 また、メーンアリーナでは、国際大会、全国大会、興業系スポーツイベントなど、スポーツを見る楽しみを享受できるよう、スポーツイベント開催についても誘致を行ってまいります。
 これらのイベントの開催は、収益確保だけではなく、文化やスポーツを振興し、地域の活性化にも貢献するという武蔵野の森総合スポーツ施設の本来目的に合致していると考えております。
 その上で、委員ご指摘のとおり、都民利用に関しましては、武蔵野の森総合スポーツ施設の施設全体の中で、十分配慮した運営に努めてまいります。

○遠藤(衛)委員 メーンアリーナは、大規模な競技大会やコンサートが行われるということでありますけれども、サブアリーナでは柔道などの武道系の競技も実施可能でありますけれども、これにはどのような機能が持たされているのかお伺いします。

○板垣スポーツ施設担当部長 メーンアリーナは、畳を敷設することで柔道などの大規模な大会の実施が可能でございますが、サブアリーナにおきましては、武道にも対応した施設として整備する計画でございまして、観客席を三百五十から四百席程度設けますとともに、通常は木製の床使用でございますけれども、非常に短時間で設営ができる可動式の畳を常備いたしまして、柔道など武道種目の練習や地域の大会にも実施できる機能を考えております。

○遠藤(衛)委員 我が党では、いろいろ要望してきた中で、地元三市、これは三鷹、府中、調布になるわけでありますけれども、それと利用者の意見も十分取り入れ、充実した機能を持つ施設ができることになるということで、非常に評価をしているところであります。
 運営に当たっては、スポーツ振興の拠点と収支のバランスの確保のみに偏らず、本来の目的である都民のためのスポーツ振興や地域振興を十分図っていただきたいと思っています。
 ただ、国体の本来の目的、あるいは総合施設の役割、これの目的は、やっぱりスポーツの振興のみならず、選手の発掘等にもつながるものであります。
 特に東京都においては、生活文化スポーツ局からスポーツ振興局を独立させた石原知事のスポーツにかける熱い思いがあったんだろうというふうに思っております。
 そこで、この期待にこたえるべく、局長の熱い思いをひとつ聞かせていただきたいと思います。

○笠井スポーツ振興局長 従来、都におきましては、スポーツに関する部署が複数局にまたがっておりました。スポーツ振興につきましては生活文化スポーツ局、国体については総務局、それから、障害者のスポーツについては福祉保健局がそれぞれ担当していたわけでございます。
 そこで、スポーツに関する部署を一つの局に集約して、国に先駆けて総合的、一元的にスポーツ施策を推進するスポーツ振興局を設置し、連携のとれた施策を展開するとしたわけでございます。
 スポーツ・フォア・オール、よくいわれておりますけれども、これはだれもが、いつでも、どこでも、そしていつまでもスポーツを楽しめる、こういったことでございます。
 私どもはこの精神にのっとり、スポーツ都市東京の実現に向け、スポーツ振興局が先頭になって、都庁一丸となって取り組んでいきたいと思っております。そして、スポーツの可能性をどんどん追求していきたいと思っております。
 スポーツの力で東京を元気にし、社会に活力をもたらしていきたいと思っておりますので、ぜひ皆様方のご協力、よろしくお願い申し上げます。

○遠藤(衛)委員 どうもありがとうございました。大変力強いお話を聞きました。
 恐らく都民全体が、国体が大成功に終わることを望んでいると思いますので、局長初め、皆さん方のより一層の努力をお願いして質問を終わります。ありがとうございました。

○遠藤(守)委員 今、笠井局長の熱い決意を聞かせていただきました。
 私たち公明党も、二元代表制の上からいうべきことはいいつつ、その上でしっかり局の皆さんとも連携を図りながら、都民のスポーツ向上を目指して、全力で取り組ませていただく決意を冒頭お伝えさせていただきます。
 さきのお二人の委員から、武蔵野の森総合スポーツ施設について質疑がございましたが、私は選挙区の近隣でもございます駒沢オリンピック公園総合運動場の改修・改築基本計画について質問をさせていただきます。
 既にご案内のとおり、駒沢オリンピック公園総合運動場は、昭和三十九年の東京オリンピックの会場としてできたわけでございます。私もそれから三年後の昭和四十二年の生まれですので、全体的に老朽化が進んでいるということは、私の身に当てはめても大変よくわかるわけでございます。
 バリアフリー等の対応も十分でない。抜本的な改善が必要と認識をしておりました。そのところ、このたび、駒沢オリンピック公園総合運動場の改修・改築基本計画を策定したと、こうした報告がございまして、私も大変喜んでいる一人であります。
 そこで、この改修、改築後に、競技施設として機能が向上する箇所はどんなところなのか、まずご報告いただきたいと思います。

○板垣スポーツ施設担当部長 今回の基本計画におきまして、競技施設としての機能が向上する点についてでございますが、まず、屋内球技場は競技フロアを拡大いたしまして、公式サイズのバスケットコートを二面とれるようにいたしまして、また、要望の高かった冷暖房設備についても完備をいたします。
 第一球技場は、競技フィールドを拡大いたしまして、公式サイズのサッカーコートをとれるようにいたしましたし、また、フィールド表面を人工芝化し、雨天後もすぐに利用できるようにいたします。
 テニスコートは、国体競技施設基準を満たす公式サイズのコートに拡大をいたしますとともに、表面を砂入り人工芝化し、雨天後もすぐに利用できるようにしてまいります。
 弓道場は、観客席、巻きわら練習場を設置いたしまして、大会運営や選手のウオーミングアップにも配慮してまいります。

○遠藤(守)委員 まさに最先端の技術またはノウハウを導入する、こうした答弁だと思います。
 ところで、この運動場を都民の施設の拠点として充実をさせていくには、今ご答弁ありました機能の向上とあわせて、利用者の利便性を十分に確保していくということが重要かと思います。
 そこで、計画に書かれている利用者のサービス施設はどのようなものなのか、また、これについて、これまで利用者等からどのようなご要望があったのか、お聞かせいただきたいと思います。

○板垣スポーツ施設担当部長 現在、陸上競技場内に設置しております案内窓口については、来園者の方から、場所がわかりにくい、目立たないという声が寄せられております。
 また、指定管理者の評価委員会におきましても、都民が訪れやすい雰囲気にしてほしいといったご意見もいただいてございます。
 このような声を反映いたしますために、公園及びスポーツ施設の利用者の方々へのワンストップサービスを提供する利用者サービス施設などの設置の可能性について、整備手法を含め、今後検討してまいります。

○遠藤(守)委員 今、答弁にありましたさまざまなご要望を、ぜひこれからの中で反映をしていただきたいと思います。
 そこで、今、答弁にありました利用者サービスの施設を設置する機能としては、具体的には現段階でどのようなものが考えられるか、お答えいただきたいと思います。

○板垣スポーツ施設担当部長 現時点の案でございますが、総合案内窓口のほか、利用者アンケートにおいて、レストラン、カフェ等の休憩施設や、更衣、シャワー室等の設置の要望も寄せられておりますことから、これらについても、今後検討してまいります。

○遠藤(守)委員 施設並びに利用者サービスについてはわかりました。
 次いで、環境についてお伺いいたします。
 今回のこの運動公園の改修、改築以外にも、このような大規模な施設を整備するに当たりましては、現代社会の要請として、環境面の配慮というものは欠かせないわけであります。
 今回示されました計画の基本方針には、環境に優しい施設の整備と、このようにうたわれていますけれども、環境先進都市東京がつくるスポーツ施設として、具体的にどのような配慮を行ったのか、ご報告をいただきたいと思います。

○板垣スポーツ施設担当部長 施設を改築するに際しましては、省エネ設備を導入するなど、設備システムを高効率化し、CO2の削減を図ってまいります。
 また、第一球技場の観客席の片側を芝生化することによりまして、緑地面積をふやしてまいります。

○遠藤(守)委員 国体では全国の方々が見えられます。そして、将来的には各国のさまざまな方も利用されると思いますので、東京のスポーツ施設の代表施設として恥じないような環境配慮の側面をぜひ残していただきたい、このように思うわけであります。
 最後に、駒沢運動場をすべての人に開かれたスポーツ施設としていくために、これについて一点お伺いをいたします。
 冒頭申し上げましたとおり、この運動場の各施設は老朽化が進んでいる上、バリアフリー等の改修もこれまでほとんどなされてきませんでした。例えば、室内球技場内にはエレベーターさえなく、施設内の上下の移動には、残念ながら階段を利用するしかなかったわけであります。
 また、陸上競技場については、競技場内からは観客用のトイレに階段でしか行けない、このような現実があります。
 スポーツ祭東京二〇一三の全国障害者スポーツ大会も開催される予定であり、だれもが使いやすい施設としての整備が必要不可欠と考えます。
 今回の改修・改築基本計画において、この点はどのような配慮がなされたのか、お伺いをいたします。

○板垣スポーツ施設担当部長 屋内球技場、第一球技場の改築におきましては、スロープ、エレベーター、だれでもトイレ、授乳室の設置等、ユニバーサルデザインを導入いたしまして、子どもから高齢者まで、障害の有無や体力にかかわらず、だれもが生涯を通じてスポーツに親しめる施設を目指し、整備をしてまいります。
 全国障害者スポーツ大会では、フライングディスクの会場として陸上競技場が、また、卓球の会場として体育館が使用されます。
 特に、陸上競技場につきましては、これまで車いすでは観客席から一度競技場外に出て、斜路を下らなければトイレに行くことができませんでしたけれども、今回の計画の中でエレベーターを設置いたしまして、競技場内から速やかに行くことができるようにしてまいります。

○遠藤(守)委員 先日の我が党代表質問でも述べましたとおり、障害者スポーツの振興を初め、都民のだれもが、いつでも、どこでも、そしていつまでもスポーツを楽しむことができる社会を目指すことが、スポーツ立国への大きな追い風になると同時に、今回まさにスポーツ振興局が設立をされた使命であると思っております。
 今、私、スポーツ立国ということで申し上げましたけれども、我が国日本に本格的なスポーツ、そしてスポーツマンシップ、こうした概念が取り入れられたのは、明治時代だということであります。イギリス人のウィリアム・ストレンジさんという方が、こうした近代のスポーツまたはスポーツマンシップという概念を日本に導入したということであります。
 ウィリアム・ストレンジさんの薫陶を受けて、日本では武田千代三郎先生という方が、この方は後日日本体育協会の副会長になられた方でありましたけれども、その方が、スポーツは、知力、徳力、体力、この三つを総合的に育成することがスポーツの目的であると、このような理念を提唱されたようでございます。
 しかし、明治政府の初代文部大臣でありました森有礼氏が、知育と徳育と体育をそれぞれ別の科目に分類し、以来、日本ではスポーツイコール体育と、このように多くの方が認識をされて、その結果、知力、徳力がスポーツの中に含まれているということが、いささか事実誤認をされていたという、このような歴史があるようでございます。
 今申し上げたのは、スポーツは決して体を育成するのみならず、頭、知力ですね、知育または心、道徳、徳力をしっかりと育成するものであるという認識であろうと思います。
 現に例えば徳育、知育という観点におきましては、イギリスのある名門ラグビー校で試合が行われた場合、監督というのは、自分たちの選手の試合風景と応援風景を両方見ているということであります。
 仮に生徒が汚いやじを発した場合、生徒の胸ぐらをつかんで、きさまと、スポーツを理解しているのかということで、激しく叱責をするようであります。
 また、運動生理学の点でいえば、スポーツは脳の前頭連合野という部分を鍛えるということであります。(発言する者あり)そうですね。
 前頭連合野というのは、人間が物事の折り合いをつける能力、また、機能を持っているようで、ここをスポーツによって鍛えることが全人的な人格の育成につながると、このようにいわれておりまして、まさにスポーツマンシップの発祥の地イギリスでは、教育ソフトとして最もふさわしいのがスポーツであると。まさにこのスポーツを通じて、頭ではなくて、体を通じて腑に落とすと。これがスポーツの意味だと、このようにいわれております。
 それゆえに、欧米ではスポーツマンとは信頼に足る人物であると。信頼できる。彼はスポーツマンであると。これはいいかえると、彼は信頼できる人物であると、このように最高の褒め言葉であるといわれております。
 都民からスポーツ振興局の職員の皆さんが、このスポーツマンであると。すなわち、信頼できる職員であり、そして、信頼に足る局であると、このように広くいわれますことを心から願う次第でございます。
 いずれにいたしましても、駒沢運動場を、だれもが利用しやすい施設として、基本計画に従って、着実に改修、改築を進めていくよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。
 まず、武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画についてです。
 これまで、地元の調布市や三鷹市、府中市との協議を重ねて策定された計画と伺っています。多摩地域のスポーツ施設の拡充になり、賛成をしたいと思います。
 幾つか伺います。
 メーンアリーナについては、最大観客席数一万人規模の施設として、国際的、全国的な大規模スポーツ大会やイベント興業の空間として位置づけられているということでありますが、メーンアリーナの規模や機能は、現在の東京体育館と同じと考えてよろしいんでしょうか。

○板垣スポーツ施設担当部長 先ほども少々ご案内いたしましたが、武蔵野の森総合スポーツ施設は、隣接する味の素スタジアムとあわせまして、多摩はもとより、東京の一大スポーツ拠点を形成することで、多摩地域のスポーツ振興に貢献するとともに、周辺地域のにぎわい、活性化など、まちづくりにも貢献する施設として位置づけております。
 このため、都民の多様なスポーツニーズにこたえるのはもとより、国際的競技大会やスポーツイベントのほか、コンサートなどの文化イベントの開催により、まちににぎわいと潤いをもたらすランドマーク的な施設を目指してまいります。
 規模は東京体育館とほぼ同等とする予定でございまして、競技フロアはバレーコート四面分の広さ、最大観客席数は一万人規模といたします。スポーツ利用としてはもちろん、イベント興業も開催可能とするため、多目的に利用できる機能を備えたアリーナとする予定でございます。

○畔上委員 現在の東京体育館の稼働率はどのような状況か教えてください。

○板垣スポーツ施設担当部長 東京体育館の稼働率でございますが、メーンアリーナの平成二十一年度の稼働率は九九・七%でございます。

○畔上委員 東京体育館は、東京の大会だけでなく、国際大会、全国大会でも使用が多いわけですが、市民レベルの大会はなかなか入れないのが実情のようです。
 ある団体の大会は、それでも何とか年間十回ぐらいメーンアリーナを使っていらっしゃるそうですが、土日は年間一回ぐらいしかとれないということを伺っています。
 武蔵野の森総合スポーツ施設では、サブアリーナは都民団体の大会などの利用を想定しているようなんですが、例えば、卓球台は十面しかとれないということになっています。メーンでは二十面ということで、市民レベルでも、このぐらいの大会は普通にあるというふうに伺っています。
 優先使用についての条例や規則がつくられると思いますけれども、東京体育館の稼働率は、先ほどお話のように九九・七%、ほぼ一〇〇%で、予約をとるのも大変な状況もありますし、そういう点では、武蔵野の森でも、非営利の市民レベルの団体の大会もメーンのアリーナも使えるようにしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 次に、利用料金ですが、非営利目的のスポーツ利用については、料金水準に配慮するとともに、利用時間、エリア設定の細分化をして、アマチュアスポーツや地域団体が利用しやすいように工夫するとありました。
 ぜひ負担にならない料金設定をお願いしたいと思うんですが、その工夫の一つとして照明設備などについて伺いたいんですが、東京体育館では放送設備や特別の照明設備は何時間単位となっているでしょうか。

○板垣スポーツ施設担当部長 東京都体育施設条例におきます施設附属設備の利用料金のうち、放送設備や特別照明設備の貸出単位は四時間となってございます。
 これは、アリーナ自体の貸し出しが、利用実態に合わせて午前、午後、夜間のそれぞれ四時間単位になっていることによるものでございます。

○畔上委員 今、アリーナの時間帯と同じということだったんですが、市民レベルの大会だと、例えば、実際に午後から夜間にかけて利用する場合でも、夜、四時間目いっぱい使わないこともあるということで、一時間単位にぜひ変えてほしいという要望も出ております。
 照明などの利用料は、要は電気代なわけでありますから、使った分だけ払うということで、一時間単位にしている、そういう自治体もありました。
 時間単位に変えて、利用者の要望にこたえて、武蔵野の森の施設の利用料設定でも、ぜひ工夫をしていただきたいと思いますし、同時に、あわせて既存の施設の利用料金の設定についてもぜひ検討していただきたいと思います。
 先ほども出ていたので、これは要望にしますが、せっかくよい施設ができるのですから、やはり交通環境を向上させる、このことも大事だと思います。
 シャトルバスの検討というお話がありましたが、ぜひ三鷹からのバスを走らせるなど、要望しておきたいと思います。
 それから、駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画について伺います。
 駒沢の屋内の球技場やテニスコートなどの劣化、老朽化への対策、例えば、テニスコートなどは、コートの白線の外側の面積が狭くてなかなか試合には使えないと。練習にしか使えないということで、利用者から改善を求める声がありました。
 先ほども、改修、改築で向上したところのご説明をいただきましたが、今回、そういう点では、面数を減らさないで面積を確保していただけると。改築もしていただけるということで、全体としては利用者の要望を踏まえての改善に期待の声が寄せられているわけです。そういう点でも、この計画についても賛成したいと思います。
 利用者や地元の住民の方から聞き取った要望をぜひかなえていただきたいということで、二点だけ伺いたいと思います。
 一点は、計画には軟式野球場のフェンスの改修についての記載がなかったんですが、軟式野球場のフェンスが低いということで、ボールが越えてしまうことがあるそうです。フェンスを高くしてほしいという要望があるんですけれども、いかがでしょうか。

○板垣スポーツ施設担当部長 軟式野球場につきましては、これまでも来園者から防球フェンスの高さについてご要望をいただいておりますが、フェンスには来園者に親しまれている桜並木が密接しておりますことから、樹木の保全に配慮した改善の可能性について、技術的に検討を行っているところでございます。

○畔上委員 私も現地を見てきたんですが、確かにフェンスと桜並木が密接していて、技術的にはなかなか大変なのかなというふうに思ったんですが、ぜひその辺を検討して、お願いしたいと思います。
 それから、計画の九ページに、新たな駐車場計画というのがあったんですが、どこに何台ふやす計画なのかお示しください。

○板垣スポーツ施設担当部長 整備場所は、公園西側の都立産業技術研究センター跡地を想定してございます。
 交通管理者との協議も必要でございまして、道路づけやレイアウト、台数につきましては、今後具体化してまいる所存でございます。

○畔上委員 台数はまだはっきりしないということなんですが、産業技術研究センターについては、我が党は存続を求めていたんですが、駐車場について地元の皆さんのご要望を聞いたんですが、新しい駐車場の周りは住宅街ということで、住宅街に配慮した交通ルートになるようにしていただきたいという要望が出ておりました。ぜひこの辺は配慮していただきたいなと思います。
 また、これは交通問題なんで警察なんですけれども、駒沢通りですが、現在は公園の中だけ片側二車線のうち一車線は路上駐車になっていまして、きのう、私も見てきたんですが、車がずらっと並んでいるんですね。
 駐車場ができたら、ぜひ二車線でやってほしい、原状に戻してほしいという地元からの要望が出ております。ぜひこうした地元住民の意向を関係機関に伝えていただきたいと思います。
 そのことを申し上げまして質問を終わります。よろしくお願いします。

○古賀委員 運動競技のまさに本番、秋を迎えたわけでありますけれども、報告事項、第六十八回国民体育大会の開催決定等についてについて、準備状況等につき、質問をさせていただきます。
 明日、今、行われております千葉国体の総合閉会式が行われるわけで、今、国体の開会中であります。
 千葉国体は、先日九月二十五日の土曜日に、千葉県の千葉マリンスタジアムに天皇皇后両陛下をお迎えして総合開会式が行われました。東京都選手団は現在六百七十六人、郷土の名誉と栄光を担って、今、奮闘しているわけです。
 先ほど来、お話にありますように、平成二十五年、実に五十四年ぶりに東京で国民体育大会が開催されます。昭和二十四年、昭和三十四年に続き、三回目となるわけです。
 この五十四年目という年数、大変間が長かったわけでありまして、待望の国体の開催がいよいよ近づいたということだと思います。
 私、今、体育関係の仕事もいろいろしておりますので、去年は新潟国体の視察に行きまして、去る二日の土曜日には千葉国体の視察に行ってまいりました。
 新潟国体のキャッチコピーは、「トキはなて 君の力を 大空へ」となっています。トキは新潟県の県の鳥で、これを表象するものとして、トッピーとキッピーという二つのトキを漫画化しまして、合わせてトッキッキというそうですが、これが各地に旗や縫いぐるみであちこち置かれていました。ちょうど去年は天皇陛下御在位二十年記念ということで、そのこともうたわれて第六十四回国民体育大会が開かれたわけです。
 新潟国体は、その前は昭和三十九年に開かれています。昭和三十九年は、ご存じのように、東京オリンピックが開催された年で、戦災からの復興を象徴する高度経済成長、新幹線も開通しましたし、新潟県出身の三波春夫さんが、東京五輪音頭を全国に流していたその時期です。
 新潟は昭和三十九年以来、実に四十五年ぶりに昨年開催をしたわけです。東京は五十四年ぶり、こちらは四十五年ぶり。
 今行われております千葉国体、ゆめ半島千葉国体、これは、「今 房総の風となり この一瞬に輝きを」ということがうたわれておりまして、これがスローガンです。
 マスコットキャラクターは、チーバくんという千葉県の県の形をキャラクターに描いていまして、舌、べろのところが浦安市。浦安市を地図で見ますと、やっぱり飛び出ているんですね。だから、チーバくんにはちゃんと舌が出ている。この浦安市で空手道競技が行われておりましたので、土曜日、開会式も全部見てまいりました。
 この千葉国体は、前回昭和四十八年に、第二十八回国民体育大会、いわゆる若潮国体として開いておりますので、その開催から実に三十七年ぶり、二回目の千葉での国体が今行われている。
 千葉は三十七年、新潟は四十五年、それを上回る五十四年ぶりということに東京はなるわけで、何としてもやはり成功に向けて渾身の努力をしていかなければならないということであります。
 開催まで残すところあと三年ということになりましたので、準備状況を伺います。
 東京国体は、私どもは多摩地域でございましても、多摩移管百年の記念事業として、東京スタジアム、今の味の素スタジアムをつくるときから国体の会場とするんだということを、多摩地域全員、合い言葉に取り組んでまいりまして、そういうことから、多摩・島しょ地域を中心に開かれるわけで、私どもは東京多摩国体ということを常に呼称として使っております。
 しかし、東京全域で開催されるわけでありまして、競技会場についてはほぼ選定が終わっているようでありますけれども、現在の状況と今後の予定についてはどうなっているか、まずお答えください。

○皆川国体・障害者スポーツ大会推進部長 平成二十五年に開催いたします国体につきましては、平成十九年の東京都準備委員会第一回総会におきまして策定した開催方針の中で、多摩・島しょ地域を中心に、東京都全域で開催することを目標に掲げております。今、委員がご説明いただいたとおりでございます。
 この目標を達成するために、多摩の全市町村では、三十七の正式競技、三つの公開競技のいずれかを開催することといたしました。また、多くの都民が参加するデモンストレーションとしてのスポーツ行事を含めて、すべての区市町村で何らかの競技を実施することにいたしました。
 現在、馬術、クレー射撃、ライフル射撃の三つの競技の会場がなお調整中でございますが、今年度中を目標に、すべての競技会場を決定していきたいというふうに考えてございます。

○古賀委員 残り三つの競技の会場がまだ決まっていないということですけれども、今年度中に決定のめどが立っているということですので、大体これで会場についてはすべて正式決定がなされるということであります。
 すべての市町村がいろいろな形で、デモンストレーションであるとか、ニュースポーツと呼ばれております新しい運動競技等を含めて、何らかの形でこの国体に参加をするということですので、大変意義あることであり、東京都全体で盛り上げていかなければならない。
 私の地元の日野市でも、去る八月三十日に第六十八回国民体育大会日野市準備委員会の設立総会を行いました。各地域で同じような動きが、準備が行われていると思いますので、都の方でもまたその支援をお願いしたいというふうに思います。
 その国体でございますけれども、これを成功させるためには、地元の選手がやはり活躍しなきゃいけないわけです。それは欠かせないわけで、東京都選手団について調べてみましたら、平成十九年秋田国体以来、連続して、開催県に次ぐ第二位の成績をおさめています。しかし、三年後の東京多摩国体のときには、やはり当然といいますか、天皇杯、皇后杯を獲得する、そういった努力が今求められているというふうに思います。
 私ども、いろいろ予算要望の時期には、今まで選手育成について要望を重ねてまいりましたけれども、競技力向上の取り組みについて、やはり国体の選手を目指すとか、五輪選手を目指すというような具体的な目標を掲げながら、実際には青少年の選手、ジュニア選手の育成に力を入れていくのは当然のことであります。
 そこで、ジュニア選手を中心とした、現在、東京都はどのような取り組みを行っているのか、お答えください。

○板垣スポーツ施設担当部長 国体や将来のオリンピックなどで活躍できる選手を養成するためには、ご指摘のように、ジュニア期から有望な選手候補を発掘、育成、強化していくことが重要であると考えております。
 このため、都は、まず地域におけるスポーツの普及とすそ野の拡大を図るジュニア育成地域推進事業を、平成十八年度から都内五十九地区体育協会等と連携をいたしまして実施しております。
 都内各地で実施しておりますスポーツ教室等の事業への参加者数は、二十一年度には七万二千人となりまして、前年度の五万四千人から三割以上の大幅な増加となっております。
 また、四十競技団体と連携をいたしましたジュニア特別強化事業では、強化練習や強化合宿を行っておりまして、参加した選手が、本年八月に開催されたシンガポールユースオリンピック体操競技で金メダルを獲得するなど、ジュニア選手の競技力の向上へとつながっております。
 さらに、競技人口の少ない種目に対しましては、すぐれた運動能力を有する中学生を、競技転向によりトップ選手へと育てるジュニアアスリート発掘育成事業を開始いたしました。現在、第一期生二十二名がボートなど対象の七競技から種目を選択し、競技団体による本格的なトレーニングを開始したところでございます。
 今後もジュニア選手層のすそ野の拡大からトップ選手の育成まで、多角的な取り組みによりまして、ジュニア選手の強化を推進してまいります。

○古賀委員 優秀な選手を育成するということで、すぐれた運動選手ということになりますと、思い浮かぶのは、やはりイチロー選手なんですね。ことしは、長い歴史を持つ大リーグで初めて十年連続の二百本安打という偉業を達成いたしました。
 日本に最初に野球が伝わったのは、明治六年の東京開成学校、今の東京大学にアメリカの先生が来て、ベースボールを教えて、その後、伊予松山から正岡子規が上京して、ベースボールを野球と訳した。イチローは野球をやっている、アメリカの選手はベースボールをやっている。ベースボールは野球に学べとアメリカのスポーツ紙が書く。そこまで正岡子規がベースボールを野球と訳した言葉は、今、世界共通語にもなりつつあるわけです。
 イチロー選手は今までいろんな記録を達成してきましたけれども、イチロー選手の言葉で私が印象に残っているのは、僕はナンバーワンを目指すといっているんですね。ただ参加すればいいなどというのは嫌いだとはっきりいっています。
 やはりこれは、たゆまざる精神的な鍛錬、集中力、それから毎朝奥さんがつくったカレーライスを食べているそうでありますけれども、奥さんの役割も大きいだろうし、そういったイチロー選手が一番を目指すために重ねているような努力を支えるのも、行政のさまざまな取り組みであろうというふうに思います。
 東京都はこれから、この人を見なさいというような具体的な人物として--今、政治家や経済界にはなかなかこの人を見習えというような人はいないわけですよ。あの人みたいにはなりたくないというのでよく挙げられるのが政治家……。やっぱりこの人を見習いなさいというような人物、日本人として、イチロー選手は大変意義ある存在だというふうに私は思います。運動競技という分野ではありますけれども、こういう選手に続く選手育成に意を注いでもらいたいというふうに思うわけです。
 天皇杯、皇后杯を目指してということを申し上げましたけれども、天皇杯は男女総合成績一位の都道府県に与えられ、皇后杯は女子総合成績第一位の都道府県に授与するということが授与規程に書かれています。
 この授与規程というのは三条から成っていまして、授与された都道府県は次の各項の義務を要するということで、その保管についても大変厳格な規定が書かれています。この天皇杯、皇后杯を目指して、優秀な選手の育成に努めていただきたいというふうに思います。
 今日、国体の誘致に向けてはいろんな経過があって、先ほど申しましたように、私たちは多摩で国体をということから、東京多摩国体の開催ということを常に主張してまいりました。その中で、ことしの七月七日、日本体育協会の理事会において正式に決まったわけで、これから準備が加速してまいります。その大会の愛称が、スポーツ祭東京二〇一三というふうに定められました。
 新潟も千葉もキリスト教暦を使っておりまして、二〇一三というのはこれが一つの定番かなとは思うんですけれども、そういう名称に決まった。しかし、この中には国体という言葉が入っていないわけですね。スポーツ祭東京二〇一三ということで、国民体育大会、国体という言葉はこの中には入っていません。
 私たち多摩地域では、東京多摩国体ということにこだわり続けてまいりました。ですから、東京都としては、こういう多摩地域の自主性であるとかその思い、そこに込められた願いというものについてはどのように判断されるのか、ひとつ所見をお聞かせください。

○皆川国体・障害者スポーツ大会推進部長 本年七月七日、国体の開催が決定されましたけれども、ここに至るまでの東京多摩国体推進議員連盟を中心といたします都議会の皆様の力強いご支援に、まず心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 都では国体の開催に当たりまして、スポーツを通じて障害のある人とない人の連帯の輪を広げるため、第十三回全国障害者スポーツ大会と合わせまして、一つの祭典として開催するということにいたしました。
 この大会愛称につきましては、東京から二つの大会が一つになった新しい国民スポーツの祭典の姿を全国に発信するという思いを込めまして、スポーツ祭東京二〇一三としたところでございます。
 関係者の皆様には、こうした大会の趣旨にご理解とご協力をいただきたく、我々もそうしたことをきちっと説明していくと。この趣旨はこういうことなんだということでご理解とご協力をいただきたいというふうに存じます。

○古賀委員 今のご答弁では、東京多摩国体という名称は遠慮してもらいたいとか、控えてもらいたいとか、そういうお話は全くありませんでしたので、禁止の意向は何もないようですので、私ども多摩地域の関係者とすれば、引き続き東京多摩国体、島しょ地域ももちろん入りますけれども、その名称を意識的に使っていきたいと思いますので、その点はひとつご了解願いたいというふうに存じます。(「賛成」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 もういろいろお聞きするのはあれなんですが、先日の千葉国民体育大会の開会式は、まさに晴天、秋晴れの青空のもとで行われました。これに花を添えたのは、日本の空の国防の任につく航空自衛隊宮城県松島基地に配置されている第十一飛行隊ブルーインパルスの編隊飛行、六機の展示飛行が行われました。
 赤旗には何か、けしからぬとか書いてありましたけれども、多くの参加者は、青空に描かれた編隊飛行、スモークをたいて飛行しまして--昭和三十九年の東京五輪のときも世界じゅうの青空を持ってきたようだという名文句の中継がありましたけれども、あのときも五輪のマークを航空自衛隊が描いて、世界の人たちが驚いた、感心したということがあります。
 国体でも今まで、千葉が初めてではなくて、過去にも行われておりますので、東京国体ではこれを上回るような演出をぜひ実現してほしいというふうに思います。今後、細かく式典の内容については工夫が凝らされていくことだというふうに思いますけれども、式典等の工夫についてはどのようにお考えか、所見をお聞かせください。

○西海大会運営担当部長 国民体育大会、そして全国障害者スポーツ大会のそれぞれの開会式及び閉会式は、スポーツを通じて人々に夢と感動を与えるものとして実施してまいります。全国からの大会参加者を温かく迎え、東京の多様な魅力を全国にアピールするとともに、参加者が一体となって、感動と喜びを共有できる式典を目指しております。
 そのため、実行委員会において今後策定する式典計画の中で、東京ならではの工夫を凝らし、スポーツ祭東京二〇一三を象徴する式典をつくり上げてまいります。

○古賀委員 もう質問はこれで終わりにいたしますけれども、今、国のスポーツ行政についてはいろいろ、よく見えない部分もあります。不安もあるわけです。
 文部科学省が先般、今後十年間の国のスポーツ政策の指標となるスポーツ立国戦略というのを発表いたしまして、これからできるだけオリンピックで、五輪でメダルをねらっていこうと、メダルを確保しようということで、そういう目標を掲げたものを発表いたしました。
 今までの夏の五輪では、メダル獲得数最高は平成十六年のアテネの三十七個、冬は平成十年の長野の十個なんですね。これを上回る成績を目指していこうというのが一つの柱になっているわけですけれども、当然、予算というものがこれに伴わなければいけない。
 それで、例の事業仕分けで、民主党政権になりまして、スポーツ関係予算も切り込みが行われたんですね。今年度は日本オリンピック委員会に対する補助金が、前年度比で五%削減となりました。
 ただ、これとは別に、マルチサポート事業という事業が組まれていまして、これは十八億八千万円ほど計上されているんですけれども、日本オリンピック委員会の各競技団体に配分する予算は、事業仕分けの何とか大臣という人気者がいらっしゃるんですけれども、あの人たちが少し削ってしまったということで、今度は、日本オリンピック委員会を通さずに、国が直接関与している、国立スポーツ科学センターであるとか筑波大学を通して補助金を配ると。
 確かにその予算は、日本オリンピック委員会への補助金を上回る額が今度概算要求で出ているようでありますけれども、国立スポーツ科学センターが配る補助金というのは競技が限られているんですね。我々がよく、これは日本のお家芸だといわれているものはもちろん含まれますけれども、細かく申し上げませんけれども、十七競技ぐらいにしか補助金が配られないということで、そういう面での、今後、選手育成、競技団体の組織強化等については、いろいろな意味でまだ課題があるというふうに思います。
 そういった中で、やはり私は、日本オリンピック委員会の従来から選手育成等を行ってきた、この組織が中心に補助金等の配分等を行っていくのが、やっぱり現場が一番わかっているわけですから、そういう方向にまた是正されることを望んでおきたいと思います。
 そういった中で、五輪はちょっと頓挫いたしましたけれども、当面、国体を目指しての東京都の我々の取り組みが非常に重要になってくる。国の見えない部分はありますけれども、我々は一丸となって、東京多摩国体の成功に向けてスポーツ振興局と都民と一体となって、また議会も一体となって取り組んでまいりますので、ぜひ事業局としての先ほど示された熱意というものを、今後とも具体的な施策の中に生かしていただきたいと思います。終わります。

○大西委員長 ほかに発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十分散会

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