文教委員会速記録第十号

平成二十二年九月十六日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長大西さとる君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事岡田眞理子君
理事谷村 孝彦君
理事馬場 裕子君
畔上三和子君
遠藤  守君
島田 幸成君
滝沢 景一君
遠藤  衛君
大津 浩子君
古賀 俊昭君
服部ゆくお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長並木 一夫君
総務部長遠藤 雅彦君
広報広聴部長櫻井 和博君
都民生活部長飯塚美紀子君
消費生活部長小笠原広樹君
私学部長石井  玲君
文化振興部長桃原慎一郎君
都政情報担当部長高橋  博君
男女平等参画担当部長萩原まき子君
文化施設改革担当部長藤井 秀之君
スポーツ振興局局長笠井 謙一君
次長総務部長事務取扱細井  優君
スポーツ事業部長安藤 英二君
スポーツ施設担当部長板垣 一典君
国体・障害者スポーツ大会推進部長皆川 重次君
大会運営担当部長西海 哲洋君
教育庁教育長大原 正行君
次長松田 芳和君
理事岩佐 哲男君
総務部長庄司 貞夫君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長松山 英幸君
指導部長高野 敬三君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長谷島 明彦君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長前田  哲君
人事企画担当部長高畑 崇久君

本日の会議に付した事件
 スポーツ振興局関係
報告事項(説明)
・第六十八回国民体育大会の開催決定等について
・武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画の策定について
・駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画の策定について
 生活文化局関係
請願の審査
(1)二二第一一号 大学の学費負担軽減策の充実を求める意見書の提出に関する請願
 教育庁関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・都立羽村特別支援学校(二十二)増築及び改修工事請負契約
・都立練馬地区特別支援学校(仮称)(二十二)改築及び改修工事請負契約
報告事項(説明)
・東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画(案)の骨子について
陳情の審査
(1)二二第四六号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(2)二二第四八号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(3)二二第四九号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(4)二二第五〇号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(5)二二第五一号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(6)二二第五二号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(7)二二第五三号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(8)二二第五四号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(9)二二第五五号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(10)二二第五六号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(11)二二第五七号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情
(12)二二第五八号 東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情

○大西委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、スポーツ振興局及び教育庁関係の報告事項の聴取並びに生活文化局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正により、スポーツ振興局が設置され、局長に笠井謙一君が就任されました。
 笠井局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○笠井スポーツ振興局長 スポーツ振興局長の笠井謙一でございます。
 当局は、国に先駆けてスポーツに関する所管部署を一元化し、障害者スポーツも含め、スポーツ行政を総合的に推進する専管組織として七月十六日に発足をいたしました。
 都民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめるスポーツ都市東京の実現に向け、職員一丸となって取り組み、スポーツの持つ可能性を追求してまいります。スポーツの力で東京を元気にし、社会に活力をもたらしたいと考えております。
 大西委員長を初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 当局の次長で、総務部長事務取扱の細井優でございます。スポーツ事業部長の安藤英二でございます。スポーツ施設担当部長の板垣一典でございます。国体・障害者スポーツ大会推進部長の皆川重次でございます。大会運営担当部長の西海哲洋でございます。最後に、本委員会との連絡を担当いたします総務課長の西坂啓之でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○大西委員長 次に、理事者からの報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○皆川国体・障害者スポーツ大会推進部長 私からは、資料第1号、第六十八回国民体育大会の開催決定等についてご報告させていただきます。
 去る七月七日に開催されました財団法人日本体育協会理事会におきまして、第六十八回国民体育大会の東京都開催が決定されました。
 東京都では、これを受けまして、既に設置されていた準備委員会の組織改正を行い、スポーツ祭東京二〇一三実行委員会といたしました。
 スポーツ祭東京二〇一三は、平成二十五年九月二十八日から同年十月十四日までを会期とし、第六十八回国民体育大会と第十三回全国障害者スポーツ大会を一つのスポーツの祭典として開催するものでございます。
 なお、各大会の会期は、それぞれの所定の手続によりまして、平成二十五年九月二十八日から同年十月八日まで及び平成二十五年十月十二日から同年十月十四日までと定めております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○板垣スポーツ施設担当部長 私からは、二点についてご報告をさせていただきます。
 初めに、武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画につきまして、お手元に配布してございます資料第2号によりご説明を申し上げます。A3の折り込みになってございます。
 ご案内のとおり、この武蔵野の森総合スポーツ施設につきましては、昨年の四月に東京都と三鷹、府中、調布の地元三市で構成いたします調布基地跡地関連事業推進協議会における合意を踏まえ、基本構想を策定したところでございます。
 今回の基本計画は、基本構想を具体化するため、全体のゾーニングや各施設の機能、施設運営の基本となる考え方を定めたものでございます。
 資料左側、施設整備の全体計画の上段にございますとおり、建設予定地は調布市飛田給の味の素スタジアム西側に位置する都有地でございます。
 次に、ゾーニングをごらんください。西側の武蔵野の森景観ゾーン、屋外スポーツゾーンは、平成二十五年に開催いたしますスポーツ祭東京二〇一三の会場整備の一環として先行整備する第一期事業といたします。そして東側、その右側の方ですけれども、屋内スポーツゾーン、エントランスゾーンを第二期事業といたします。
 次に、資料右側の各施設のコンセプト及び規模等をごらんください。
 まず、第一期事業でございますが、補助競技場はスポーツ祭東京二〇一三のメーン会場となる味の素スタジアムの補助競技場として整備する第三種公認陸上競技場でございます。四百メートルトラックが八レーンで、フィールドには天然芝を敷設、観客席は八百席設ける予定でございます。
 緑地・みどりの広場は、景観の保全、散策路やみどりの広場の設置など、多くの都民が憩い、集う場として整備をいたします。
 次に、第二期事業の施設ですが、まずメーンアリーナは、国際的、全国的な大規模スポーツ大会が開催可能で、イベントの空間としても利用可能な多目的アリーナとします。競技フロアの広さはバレーボールコート四面分で、観客席は最大一万席規模といたします。
 次に、サブアリーナはメーンアリーナを補完するとともに、広域的な大会などが開催できるアリーナといたします。競技フロアの広さはバレーボールコート二面分で、観客席は三百五十から四百席規模といたします。自動制御の可動畳を配備いたしまして、柔道や剣道など、武道のけいこや大会も可能な施設といたします。
 次に、屋内プールでございますが、水深調整可能な五十メートル国内公認競泳プールとし、競泳や水球、シンクロナイズドスイミングのほか、水中ウオーキングなど、都民の皆様のご利用と広域的な大会が開催可能な施設といたします。
 次に、施設運営についてでございますが、スポーツ・フォア・オールの実現と地域の活性化、まちづくりへの貢献とともに、可能な限り都民負担を軽減し、安定的な施設運営を目指すという姿勢を徹底するため、戦略的かつ赤字を出さない運営を基本方針といたします。
 具体的には、一点目、都民のスポーツへの多様なかかわりを支援する施設運営として、子どもから高齢者まで、また、障害の有無にかかわらず、都民のだれもが安心してスポーツを楽しむことを支援するサービスの提供を目指します。
 二点目、地域の活性化、まちづくりに貢献する施設運営として、地域のまちづくりと幅広く連携した取り組みを行ってまいります。
 三点目といたしましては、一点目、二点目の方針を財政面から支え、安定した運営を継続して行うため、高い収益が見込めるコンサートを開催するなど、メーンアリーナの多目的活用、利用目的に応じた料金体系の設定、周辺に集積するスポーツ施設、特に味の素スタジアムとの連携という個別戦略を設けまして、規模のメリットと立地を生かした、採算性に配慮した経営を行うこととしております。
 次に、地元三市との連携ですが、地元の三鷹、府中、調布市等と経営戦略委員会、仮称でございますが、これを設置いたしまして、より一層の利用促進と安定的経営に向け、地元三市等と連携し、取り組んでいくこととしてございます。
 最後に、スケジュールでございますが、第一期事業につきましては、今年度、工事に着手いたしまして、二十三年度末に完成。第二期事業につきましては、今年度、設計に着手いたしまして、二十八年度に完成予定でございます。
 以上、武蔵野の森総合スポーツ施設基本計画についてご説明申し上げました。
 続きまして、駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画について、お手元にお配りしてございます資料第3号によりご説明申し上げます。
 駒沢オリンピック公園総合運動場は、東京都のスポーツ活動の拠点として多くの都民に親しまれ、利用されてまいりましたが、その各施設は、竣工から約四十五年が経過し、全般的に老朽化が進行しておりましたため、劣化診断、マーケティング調査等を実施いたしまして、その結果を踏まえますとともに、今後予定されているスポーツ祭東京二〇一三の開催も考慮し、中長期的な改修、改築の方向について、今回、基本計画を策定いたしました。
 それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。
 改修、改築の基本方針は、著しい老朽化に対処すること、スポーツ祭東京二〇一三の開催に向けて施設を整備すること、利用者ニーズを踏まえた施設の改修とスクラップ・アンド・ビルドを行うこと等の五点でございます。
 次に、改修、改築の主な内容及びスケジュールについてでございます。
 まず、屋内球技場、第一球技場におきましては、改築をいたしまして、観客席数の見直しによる競技フロアの拡大、選手控室、ウオーミングアップスペースの新設、人工芝化を行います。
 次に、スポーツ祭東京二〇一三の会場となりますテニスコートにつきましては、国体競技施設基準を満たすようコート面積を拡大いたします。
 この屋内球技場、第一球技場、テニスコートの三施設につきましては、建物の構造上、一体として二十三年度に基本設計を行いまして、二十四年度に解体、改築工事に着手する予定でございます。
 次に、弓道場につきましては、二十四年度以降、設計、改築工事を行い、観客席等を設置してまいります。
 次に、全国障害者スポーツ大会の会場となります陸上競技場、体育館でございますが、大会までにバリアフリー工事を実施し、新規の駐車場につきましても、スポーツ祭東京二〇一三までに公園の西側に整備していく予定でございます。
 次に、屋外プールにつきましては老朽化が著しく、また、周辺に年間を通して利用できる屋内プール施設の整備が進んでおりますことなどから、廃止といたします。
 また、公園及びスポーツ施設を利用される方々へのサービス施設などの設置について検討してまいります。
 駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画についてのご説明は以上でございます。
 なお、詳細につきましては、資料第3号の後ろにそれぞれの基本計画の冊子をおつけしておりますので、後ほどご参照いただければと存じます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○畔上委員 武蔵野の森総合スポーツ施設のランニングコストの見込みと、駒沢オリンピック公園総合運動場の現行のランニングコストと今後の見込み。
 二つ目は、武蔵野の森総合スポーツ施設と駒沢オリンピック公園総合運動場の施設利用料金の見込み。
 三番目は、武蔵野の森総合スポーツ施設と駒沢オリンピック公園総合運動場の利用率の推計。
 以上三点お願いいたします。

○大西委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 それでは、ただいま畔上委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で、スポーツ振興局関係を終わります。

○大西委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正により、生活文化局長に並木一夫君が就任されました。また、先般の人事異動に伴う幹部職員の交代及び管理職制度の改正による職務名の変更がありましたので、並木局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○並木生活文化局長 生活文化局長の並木一夫でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事業につきまして、ご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 ただいま、委員長のご案内にもございましたように、去る七月十六日付で組織改正が行われ、局の名称が生活文化局に変更されました。当局所管の事務事業の円滑な推進に引き続き取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、七月十六日付の人事異動によります幹部職員をご紹介申し上げます。
 まず、総務部長の遠藤雅彦でございます。広報広聴部長の櫻井和博でございます。都民生活部長の飯塚美紀子でございます。消費生活部長の小笠原広樹でございます。私学部長の石井玲でございます。都政情報担当部長の高橋博でございます。男女平等参画担当部長の萩原まき子でございます。最後になります。文化施設改革担当部長の藤井秀之でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○大西委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二二第一一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○石井私学部長 お手元に配布しております請願審査説明表の表紙をお開きください。
 請願番号二二第一一号、大学の学費負担軽減策の充実を求める意見書の提出に関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、武蔵野市の学費ZEROネット東京代表塚田幹人さんでございます。
 請願の要旨は、地方自治法第九十九条の規定により、大学の学費負担軽減策の充実を求める意見書を、政府、関係機関等に掲出していただきたいということでございます。
 現在の状況でございますが、大学の学費負担軽減に関して、東京都が実施しておりました育英資金事業につきましては、平成十一年度以降、国が大学生等に対する貸付規模の大幅な拡充を図ったことから、国との役割分担を整理し、平成十二年度をもって事業を終了いたしました。
 なお、都道府県の所轄である高校等に通う生徒に対する育英資金事業につきましては、都が引き続き実施しております。
 現在、国が実施しております大学生に対する経済的支援といたしましては、奨学金事業と授業料等の減免制度がございます。
 一、奨学金事業でございますが、独立行政法人日本学生支援機構が、学生の学力や家計状況等に応じて、無利子または有利子の貸与制奨学金事業を実施しております。
 同機構が発行している年報によりますと、平成二十年度実績では、全大学生約二百六十九万人のうち、約二十五万人が無利子の、約六十二万人が有利子の奨学金の貸与を受けており、これら貸与を受けた者は全体の三二%に当たります。
 次に、二、授業料等の減免制度でございますが、文部科学省令におきまして、国立大学法人は、経済的理由等により授業料等の納付が困難な者に対し、授業料等免除など、経済的負担の軽減を図るために必要な措置を講ずる旨の規定がされており、各国立大学において、それぞれの授業料等減免制度が設けられております。
 また、国は、学生が経済的に修学困難であることを要件として、私立大学がそれぞれに実施する授業料の減免事業等について、経費の一部を補助しております。
 以上、請願に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○畔上委員 二〇〇八年にも同様の趣旨の請願が出されておりましたが、継続審査となりました。しかし、今日、大学生をめぐる事態は一層深刻になっていると思います。
 請願者である学費ZEROネット東京の方たちがアンケート調査をされています。ことしの分はまだ集計途中なので、集計できた段階でのものを見せていただいたんですが、昨年の実績を見ますと、都内三十九の学園で二千五十八人の切実な声がいっぱい詰まっておりました。
 そして、ことしの調査の結果ですが、学費が負担に感じないと答えた学生はわずか一三%だった。そして、行きたい大学を学費であきらめた、同じサークルのメンバーが、親のリストラを理由に退学したなど、高学費は高等教育の機会均等に大きく影響していることが示されておりました。
 私立大学では、経済的理由で退学する学生は一万人を超えて、国立大学では、先ほど授業料減免のお話もありましたが、基準を満たしていても、実際には枠で受けられないといった学生が六千人を超えて、経済的な事情で進路変更を余儀なくされる、そういう高校生もふえているという指摘もあります。
 そこでまず伺いたいんですが、高校での進路指導の中で、こうした経済的理由による大学進学をあきらめている、こういう実態があるというふうに思いますが、都として、その実態調査を行っているでしょうか。

○石井私学部長 大学生に対する経済的支援は、国等が実施していることなどから、都としては調査を実施しておりません。

○畔上委員 調査していないということですが、それでは都の事業の育英資金の貸し付けを受けた都内の高校生の推移はどうでしょうか。

○石井私学部長 高等学校及び高等専門学校の生徒に対する貸付実績でございますが、平成十九年度が三千六百三十八人、二十年度が三千八百四十四人、二十一年度が四千三百四十七人となっております。

○畔上委員 年々ふえているということでありまして、育英資金の貸し付けの実績からも経済的困難が広がっていることがわかります。
 私も都立高校の先生に伺ったことがあるんですが、親の経済的事情を考えて私立大学をあきらめる、また、受験校を絞る、こういう傾向がここ数年強まっているというお話を伺いました。
 昨年度の東京都の暮らし向き調査によりますと、三人世帯のライフステージ別の用途別生計支出というのがあるんですが、これを見ましたら、子どもが大学生の世帯だけが、支出構成が食費よりも教育費の方が上回っているんです。
 貧困が広がる中で、切り詰めようにも切り詰めるところがもうなくなっているほどせっぱ詰まって、子どもの大学費用を捻出できなくなって、途中退学という事態を引き起こしているわけですけれども、私は改めて高校生や大学生を持つ家庭の生活実態、都としてもしっかりと把握して、国にいうべきことはいっていくということとあわせて、東京都として何をすべきか考える必要があると思っております。
 都としての実態調査を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石井私学部長 子どもを公立または私立の学校に通学させている保護者が、子どもの学校教育及び学校外活動のために支出した経費並びに世帯の年間収入の実態をとらえることを目的として、国は子どもの学習費調査を隔年で実施しています。都としては、重ねて同様の実態調査を行うことは考えておりません。

○畔上委員 今の実態からいうと、やはり私は高校生、大学生を持つ家庭の実態をきちんとつかんでいただきたいというふうに思います。
 大学に通う学費のほかに、テキスト代や通学の費用、サークル代、昼食代、駅の遠い子どもたちは、自転車で通えば駅の駐輪代と、本当に学生自身も、もうこれ以上親に負担をかけられないということでバイトをしている学生も多く見られるわけです。大学生のいる家庭の生活実態をしっかりつかむことが、やはり的確な支援策をできる保証になっていくというふうに私は思います。
 先ほど説明の中で、日本学生支援機構の奨学金は八十七万人が利用しているということでしたが、それは全体の三二%に当たっているんだというご説明がありました。利子のある奨学金を借りている学生はどのように推移しているでしょうか。

○石井私学部長 日本学生支援機構の公表数値によりますと、全学生数に占める有利子の奨学金貸与人員の割合は、平成十六年度一四・九%、平成十七年度一六・八%、平成十八年度一八・五%、平成十九年度二〇・五%、平成二十年度二二・九%となっており、増加傾向にございます。

○畔上委員 現在の奨学金は、先ほどもご説明があったように、無利子、有利子と両方ありますが、将来返済しなければならないローンであることは変わりないわけですが、有利子も借りる学生がふえているということは、それだけやはり逼迫してきているということだというふうに思います。
 私のところにも、二十代後半の方から、大学を卒業して就職しているけれども、二十代で六百万の借金があって、とても先が見えない、結婚もあきらめざるを得ないという声が寄せられました。
 返済額を考えたらとても不安で、就職だってできるかどうか、そんな状態でとても借りることはできないと、奨学金そのものもあきらめて大学を中退する学生の相談も受けました。
 請願理由にも載っていましたが、例えば月十万の有利子奨学金を借りれば、金利三%でで四年間の借入金が四百八十万円の場合、ほかに利子だけで二百六十六万円近くになって、返済総額は六百四十六万円です。日本の学費は世界一高いといわれております。返済の必要のない給付型奨学金は国の制度もありません。
 つい先日、九月七日には、日本の教育への公費支出はOECD諸国最低であることが明らかになりました。特に高等教育への公的支出というのは〇・六%で、私費負担が突出しているわけです。
 国際人権A規約の十三条二項のCでは、高等教育はすべて適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすることとしています。この漸進的無償化を留保しているのは、条約加盟国百六十カ国あるわけですが、残念ながら日本とマダガスカルの二国だけでございます。
 実際に先進国の多くでは、学費は無償か低額に抑えられている。日本としても、留保撤回と高等教育への無償化の施策の実施をしていかなければならないと私は思っております。
 よって、都議会として、この促進を図る立場から意見書を上げることは非常に重要だと考えます。請願を趣旨採択すべきであるということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

○大西委員長 ほかに発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立少数と認めます。よって、請願二二第一一号は不採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○大西委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴う幹部職員の交代及び管理職制度の改正による職務名の変更がありましたので、大原教育長から紹介があります。

○大原教育長 さきの人事異動で教育庁幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 総務部長の庄司貞夫でございます。教育政策担当部長の中島毅でございます。特別支援教育推進担当部長の前田哲でございます。人事企画担当部長の高畑崇久でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 紹介は終わりました。

○大西委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○大原教育長 平成二十二年第三回都議会定例会に提出を予定いたしております議案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 初めに、条例案でございますが、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例の一件でございまして、都立高校改革推進計画及び東京都特別支援教育推進計画に基づき、新たに都立学校二校を設置するため、規定を整備するものでございます。
 次に、契約案でございます。都立羽村特別支援学校(二十二)増築及び改修工事請負契約外一件でございまして、東京都特別支援教育推進計画に基づき、知的障害教育部門の児童生徒数の増加に伴う教室の確保及び教育環境の改善を図るため、既存校舎の増改築及び改修工事を行うものでございます。
 以上が教育庁関係の案件でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○庄司総務部長 議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 まず、お手元の資料、平成二十二年第三回東京都議会定例会議案(条例)に基づきまして、条例案のご説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は一件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をお開き願います。都立高校改革推進計画及び東京都特別支援教育推進計画に基づき、新たに二校の都立学校を設置するものでございまして、上段、改正案の二、高等学校で王子総合高等学校、四の特別支援学校で品川特別支援学校をそれぞれ設置いたします。施行日は公布の日からとしております。
 次に、お手元資料、平成二十二年第三回東京都議会定例会議案(契約)に基づきまして、契約案のご説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提出を予定しております契約案は二件でございます。
 一ページをお開き願います。都立羽村特別支援学校(二十二)増築及び改修工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十六億五千三百七十五万円、契約の相手方は東京都中央区新川一丁目二十四番四号、大豊・佐久間建設共同企業体でございます。
 工期は契約確定の日から平成二十四年六月二十九日まででございます。
 東京都特別支援教育推進計画に基づき、知的障害教育部門の児童生徒数の増加に伴う教育の確保及び教育環境の改善を図るため、校舎の増築及び改修工事を施行する必要があるものでございまして、四ページから七ページにかけまして各階の平面図を、八ページに契約議案の概要をそれぞれお示ししてございます。
 九ページをお開き願います。都立練馬地区特別支援学校(仮称)(二十二)改築及び改修工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は八億三千八百九十五万円、契約の相手方は東京都新宿区中里町二十九番地三、加賀田・仲岡建設共同企業体でございます。
 工期は契約確定の日から平成二十四年二月十日まででございます。
 東京都特別支援教育推進計画に基づき、新たに都立練馬地区特別支援学校(仮称)を設置するため、既存校舎の改築及び改修工事を施行する必要があるものでございまして、一二ページから一四ページにかけまして各階の平面図を、一五ページに契約議案の概要をそれぞれお示ししてございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大西委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 去る七月八日に公表いたしました東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画(案)の骨子について、ご説明申し上げます。お手元にございますA3の資料と一三ページの冊子により説明させていただきます。
 都教育委員会では、平成十六年十一月に、計画期間を十年間とする長期計画である東京都特別支援教育推進計画を策定し、その具体的な実現を図るため、第一次、第二次の実施計画を定めて事業を進めています。
 第一次実施計画策定後、平成十九年四月の学校教育法の改正による特殊教育から特別支援教育への転換により、特別支援教育を取り巻く環境は大きく変化しております。
 視覚障害、聴覚障害といった従来からの障害種に加え、新たに知的なおくれのない発達障害のある児童生徒が特別支援教育の対象となり、また、すべての学校で特別な支援が必要な児童生徒への適切な支援体制の整備を図ることが求められています。
 一方、都においては、知的障害特別支援学校の在籍者が、当初の想定を超えてふえており、小中学校の通常の学級に在籍する発達障害の児童生徒を対象とした通級指導学級の利用者も大きく増加しているという状況にあります。
 都教育委員会では、こうした国の法改正等の動向や都の特別支援教育を取り巻く状況を踏まえ、今回、長期計画の締めくくりとなる第三次実施計画を策定するものでございます。
 なお、計画に先立ちまして、計画の基本的な方向、配置計画案、主要事業などの計画概要を、本日ご説明させていただいているこの骨子としてお示しし、広くご意見をいただきながら計画策定を進めているところでございます。
 恐縮ですけれども、A3の資料右上の欄、冊子では二ページから三ページをごらんください。本計画の概要についてお示ししてございます。
 まず、計画策定の基本的な考え方として三点挙げてございます。
 第一に、すべての学校で実施する特別支援教育の推進です。特別支援教育の転換により、発達障害を含め、特別な支援を要する幼児、児童生徒が在籍するすべての学校で特別支援教育に取り組むこととなり、そのための専門的な教育を受けることができる教育環境の充実に努めてまいります。
 第二に、つながりを大切にした特別支援教育の推進です。特別な支援を必要とする児童生徒の支援に当たっては、児童生徒の障害の種類と程度、成長段階に応じて、これまで以上に、小学校、中学校、高等学校、さらに特別支援学校の間での連携を強化していくことが重要であり、そのための条件整備を進めてまいります。
 第三に、自立と社会参加を目指す特別支援教育の推進です。職業教育や就労支援等の充実を通して、児童生徒の自立と社会参加に向けた指導と支援を一層推進してまいります。
 次に、計画期間の延長についてでございます。計画策定に当たって行った児童生徒の将来推計では、今後、知的障害と発達障害のある児童生徒の増加が著しいことが見込まれています。
 こうした児童生徒の増加予測に対応して適切な教育環境を整備するために、今回の計画では、当初三年の計画期間を六年間に延長し、平成二十三年度から平成二十八年度までを計画期間としております。計画の体系につきましては、冊子の四ページから五ページをごらんください。
 次に、第三次配置計画(案)については冊子の六ページをごらんください。知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の増加等に対応した都立特別支援学校の再編整備計画、寄宿舎の再編整備計画等についてお示ししてございます。
 恐縮ですが、A3資料の上段、中央の欄をごらんください。第三次実施計画における対応課題として、知的障害特別支援学校在籍者数の増加への対応、発達障害児への支援体制の整備、第一次、第二次実施計画からの継続課題の三点を挙げてございます。
 A3資料の中段以下では、この三点の課題に対応した取り組みの概要についてお示ししてございます。冊子では七ページから一三ページまでをご参照ください。
 まず、知的障害特別支援学校在籍者数の増加への対応として、資料左下、1-〔1〕、知的障害特別支援学校の再編整備でございます。
 知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒数は、今回の推計では、平成三十二年度には九千四百九十人となり、平成二十一年度と比較して二千五百七人の増加となっております。この児童生徒数の増加に対応するため、知的障害特別支援学校の再編整備を行ってまいります。
 具体的には、都立高校跡地の活用や他の障害部門との併置化、既存校の増改築など、特別支援学校の再編整備を進めることにより、カーテン等で間仕切りした教室や、特別教室の転用の解消に努めてまいります。
 次に、A3資料、1-〔2〕、知的障害特別支援学校高等部における職業教育の充実です。
 知的障害のある児童生徒については、特に高等部段階での増加が著しく、また、障害の程度の軽い生徒が増加していくと見込んでおります。こうした生徒の職業的自立を促していくため、既存の普通科設置校に職業学科の併設などを行い、生徒の企業就労率の向上を図ってまいります。
 次に、対応課題の二点目、発達障害児への支援体制の整備です。A3資料中央の2-〔1〕、区市町村における特別支援教育体制の充実の欄をごらんください。小中学校に在籍する発達障害のある児童生徒が増加し、情緒障害等通級指導学級の利用は、平成三十二年には現状より約四千人ふえる見込みであります。
 このため、今回、新たな支援体制のあり方として、特別支援教室構想を打ち出しております。これは、すべての小中学校に特別支援教室を設置し、通級指導学級の教員が巡回指導を行い、児童生徒の障害の程度に応じた個別指導等を実施していくものでございます。あわせて、自閉症、情緒障害の固定学級の設置を進めていくことで、通常の学級、通級指導学級、固定学級の役割分担を明確にした重層的な支援体制を確立してまいります。
 なお、小中学校における支援体制の整備につきましては、区市町村の理解と協力が不可欠であるため、今後、区市町村と連携し、小学校を対象に特別支援教育の実施に関するモデル事業を実施してまいります。
 次に、2-〔2〕、都立高等学校における特別支援教育体制の充実をごらんください。チャレンジスクールを初めとする一部の都立高校には、発達障害のある生徒が相当程度進学している実態がございます。このため、チャレンジスクール等をモデル校として、個別指導計画等の作成による個に応じた指導の充実や、心理等の専門家による相談支援体制の整備を図ってまいります。
 また、知的障害特別支援学校高等部の取り組みを参考としながら、就労支援など、進路指導体制を充実させてまいります。
 対応課題の三点目、一、二次実施計画からの継続課題でございます。A3資料右側になります。3-〔1〕、肢体不自由特別支援学校における新たな指導体制をごらんください。
 第一次、第二次実施計画で、肢体不自由特別支援学校における児童生徒の重度重複化に対応して、介護の専門家や自立活動の専門家を導入し、チームアプローチによる新たな指導体制を検証してまいりましたが、第三次実施計画では、この検証の結果を踏まえ、さらに導入を進めてまいります。
 3-〔2〕、病弱教育の再編をごらんください。病弱特別支援学校の久留米特別支援学校では、医療の進歩などにより、在籍者数も減少し、今後も大幅な増加が見込まれない状況です。また、病院に入院している児童生徒の教育は、近隣の肢体不自由特別支援学校から教員を派遣するなどして実施しておりますが、訪問による教育は指導時間が制限されてしまうため、入院中の学習のおくれを心配する児童生徒や保護者からは、指導内容、方法の充実が求められております。
 こうした状況を踏まえ、病弱特別支援学校単独設置のあり方を見直すとともに、肢体不自由特別支援学校と病弱特別支援学校の併置化による病院内教育の拠点校化を推進し、病院内教育及び病弱教育の充実に努めてまいります。
 3-〔3〕、聴覚障害特別支援学校幼稚部における教育条件の改善をごらんください。聴覚障害は、早期に専門的な指導を行うことが、その後の言語能力や理解力の伸長に大きく寄与することから、聴覚障害特別支援学校幼稚部を早期相談、早期支援の地域拠点として整備し、外部人材も活用し、相談、教育の内容の改善を図ってまいります。
 最後に、今後の予定でございますが、現在、学校関係者、地元関係機関等への説明及び意見聴取を重ねているところであり、十一月には第三次実施計画として決定、公表を行うことを予定しております。引き続き、学校関係者、地元関係機関の方々に十分に説明し、理解を得られるよう努めてまいります。
 以上で、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画(案)の骨子の説明を終わらせていただきます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○岡田委員 私からは、四点資料要求させていただきます。
 一つ、都内における小中学校の情緒障害等通級指導学級の設置校及び各児童生徒数と担任数。
 二つ、情緒障害学級通級判定時の判定基準。
 三つ、大塚、葛飾、立川ろう学校の各幼稚部の児童数。
 四つ、都内の難聴、難言学級在籍の児童生徒数です。
 以上四点、よろしくお願いいたします。

○畔上委員 私からは、一つ、第二次実施計画の到達状況。
 二、パブリックコメントで提出された意見の反映状況。
 三、説明会で出された意見の反映状況。
 四、障害別児童生徒数の地域別推計。
 五、第三次推進計画を策定するに当たっての各検討委員会の開催状況と出席者。
 六、外部人材検証委員会で提出された資料。
 七、肢体不自由児特別支援学校の外部専門家と、外部人材の導入により削減された教職員の定数。それは機能訓練士は各年ごとと推計で、それから介護ヘルパーは永福、青峰の学校別にお願いしたいと思います。
 八番目、障害の程度が重度である児童生徒の割合と重度重複学級数。
 九、今年度の都立特別支援学校の保有普通教室の状況。
 十、特別支援学級の区市町村別設置状況。学校数、学級数、固定、通級別でお願いしたいと思います。
 以上十点です。よろしくお願いいたします。

○大西委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 それでは、ただいま岡田理事、そして畔上委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○大西委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二二第四六号及び陳情二二第四八号から第五八号は趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○庄司総務部長 お手元に配布いたしました文教委員会付託陳情審査説明表の二ページをごらんいただきます。
 整理番号1、陳情二二第四六号及び四八から五八号、東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、三ページに記載しておりますとおり、目黒区、目黒子どもと教育を守る会代表者三浦久美子さんほか八団体と三名からそれぞれ提出されたものでございます。
 恐れ入ります。二ページにお戻りいただきます。
 陳情の趣旨は、東京都教育委員会に対して、一、請願者の声を直接担当主管課が聞くようにすること、二、請願内容を教育委員会の会議で審議するようにすること、三、要請や質問等に対しても、請願と同様に主管課が直接聴取し、教育委員会の会議で審議するようにすること、四、請願者から要請があれば、教育委員会の会議の場で意見を陳述することができるようにすること、五、請願に対しては、請願内容に正対して具体的に回答することの五点を改善するように働きかけていただきたいというものでございます。
 これに関します現在の状況でございますが、東京都教育委員会では、請願の処理を迅速かつ確実に行うため、東京都教育委員会請願取扱要綱第二に基づきまして、広聴を所管する総務部教育情報課が窓口として、請願者から請願の趣旨や意見、要望等を十分に聴取して、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業を所管する主管課に送付しております。
 請願書を受理した主管課は、その内容を迅速かつ慎重に検討し、その結果を請願者に通知するとともに、必要に応じて、同要綱第四に基づき、教育委員会の会議に報告し、教育委員会委員の意見を聴取しております。
 なお、教育委員会会議の場において、請願者からの要請や質問、陳述等を受けることにつきましては、要綱等に規定していないため実施しておりません。
 要請や質問等の処理につきましては、請願処理の取り扱いと同様に、東京都教育庁における苦情等の取扱いに関する要綱に基づきまして、教育情報課及び主管課において要請者等から要請の趣旨や意見、要望等を十分に聴取し、その内容について事実確認を行い、要請者等に回答するなど適正に処理をしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○島田委員 私から、今ご説明がありました東京都教育委員会の請願制度改善に関する陳情に関連して、幾つか質問させていただきます。
 まず初めに、東京都教育委員会の請願制度、今、説明がありましたが、都民の声を教育行政に反映する手段の一つとして、私も大変重要なものと考えております。
 まず初めに、この請願制度に対する都教委の基本的な認識をお伺いいたします。

○庄司総務部長 請願制度は、請願法第五条に基づき、教育委員会に対して都民、団体から提出される請願は、教育行政に対する関心と期待のあらわれである、貴重な意見であると認識しております。
 以上の認識に立ちまして、東京都教育委員会請願処理規則及び東京都教育委員会請願取扱要綱等に基づきまして適正に処理をしております。

○島田委員 今、説明がありましたが、この請願というものは教育行政に対する関心と期待のあらわれである、貴重な意見であると認識されているということでございます。
 それに関連して、この請願ですが、受理した請願の件数、内容と、そのうち教育委員会に報告した件数について、過去三年分の状況をお伺いしたいと思います。

○庄司総務部長 請願の過去三年間の受け付け件数は、平成十九年度は九件、内訳は教科書採択関係八件、教職員の処分等関係一件であります。
 その九件のうち、教育委員会に報告したものは、教科書採択関係の五件、教職員の処分等関係一件の計六件であります。
 平成二十年度は十一件でございまして、内訳は、教科書採択関係六件、教職員の処分等関係二件、その他個別の人事案件等が三件であります。
 その十一件のうち、教育委員会に報告したものは、教科書採択関係の五件であります。
 平成二十一年度は二十件でございまして、内訳は、教科書採択関係十五件、教職員の処分等関係三件、その他個別の人事案件等二件であります。
 その二十件のうち、教育委員会に報告したものは、教科書採択関係の十件であります。

○島田委員 この請願制度ですけれども、請願制度の趣旨から、請願者が提出した請願が教育委員会に届くという点が重要であるというふうに考えております。
 受理した請願すべてが教育委員会へ報告されてない現状があったわけであります。お伺いした中で、過去三年間、毎年半数近くが教育委員会に報告されていないという現状があるというのがわかりました。
 そこで、受理した請願のうち、教育委員会へ報告するか否かの判断というのはどのようにしているのかお伺いしたいというふうに思います。

○庄司総務部長 総務部教育情報課で収受した請願は、東京都教育委員会請願処理規則、東京都教育委員会請願取扱要綱、東京都教育委員会事案決定規程等に基づき、教育委員会決定される特に重要な事項につきましては、教育委員会へ報告をしております。
 既に教育委員会で決定された基本方針等に基づく事項等につきましては、同要綱及び同事案決定規程に基づきまして、主管課において、当該事案について決定権限を有する者が適正に処理をしております。
 なお、平成二十一年度に教育委員会に報告しなかった十件の請願につきましては、既に教育委員会に報告している請願と同様の趣旨であるものや、個別の人事、訴訟に関する請願でございます。

○島田委員 ただいま、既に教育委員会に報告している請願と同様の趣旨であるもの、あるいは個別の人事、訴訟に関するものについては教育委員会に報告していないという答弁があったと思います。
 都教育委員会の請願の制度と、そして都議会の、こちらの請願陳情制度があるわけであります。都議会の方は、こうやって「都議会に請願・陳情をされる方へ」というガイドをつくっており、請願者の皆様方に周知徹底を図っているわけであります。
 その中では、この都議会の方のガイドの中では、継続中の裁判事件に関するもの、それから、都職員の個別の処分を求めるものとか、議決のあった請願または陳情と同一趣旨のもので、その後、特段の状況の変化がないものなどについては、その陳情については委員会では審議せずに、関係議員に写しを送付して閲覧をすることにしているということで、かなり陳情者の皆様方にそういうことをお知らせしているガイドがあります。
 都教育委員会においても、東京都議会のガイドで示されているように、請願を受け付ける基準を明確にするとともに、広く都民に周知し、都民のサービスの向上を図るべきだと私は考えております。
 そのことにより、現状でありましたが、受け付けても都教委に報告しない請願の件数、こういったものは減ると思いますし、請願制度の周知により幅広い層からの都民の声が聞けるのではないかなと、そんなふうにも思っております。
 そういう意味では、都議会の陳情制度は非常にオープンなものであると考えますので、この都議会の方も参考にされて、都教委の請願制度の見直しをしてはどうかなと考えております。これは意見でございます。よろしくお願いいたします。
 次に、今回の陳情にもありましたとおり、請願者と主管課とのかかわりについてお伺いしたいと思いますが、綱領によると、請願の受け付けは一元的に教育情報課が行い、その後、主管課が教育委員会へ報告するか否かの判断をするとともに、すべての請願について回答するというふうになっていると思います。
 この仕組みについては、特に請願者が直接主管課とのやりとりを行えないため、請願者から、請願の内容が届いていないのではないかという疑問が持たれているわけであります。
 そこで、請願者の思いをしっかり酌み取って、請願の趣旨に合った回答をするべきだと考えておりますが、この点はいかがでしょうか。

○庄司総務部長 請願の処理につきましては、広聴を主管する教育情報課が窓口として、原則としてすべての請願の趣旨やご意見、ご要望を十分に聴取し、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業の主管課に送付をしております。
 主管課では請願書とともに、請願者からのご意見等を参考に、東京都教育委員会請願取扱要綱第三の一に基づきまして、すべての請願者に対してその結果を通知することとしております。
 なお、請願者が主管課から通知された内容等について確認をしたい場合には、教育情報課が主管課と調整し、その内容を主管課が請願者に通知しております。

○島田委員 ワンストップで情報課が受けるという意義もあると思います。直接主管課とのやりとりが行えないのであれば、今ありましたとおり、情報課と主管課との調整をしっかりして、請願者に懇切丁寧な対応をしていただければと、そういうふうに思う次第でございます。
 最後に、質問ですけども、請願者の願意を、願いをしっかりと教育委員の皆様方に伝えるということが非常に大切なことだと私は考えております。
 請願内容について教育委員会へ報告する際には、請願者の意図を正確に教育委員に伝えるために、請願書の原文、あるいはその写しを配布することが大切だと、重要だと考えております。
 そこで、教育委員会へ報告する際に、請願書の原文や写しを配布し議事を行っているのかお伺いいたします。

○庄司総務部長 教育委員会決定とされる特に重要な事項といたしまして、教育委員会に報告する請願につきましては、主管課から教育委員会に対して、その請願内容及び趣旨等について説明を行っているところでございます。
 また、教育委員会会議の席上に請願書の原本を備えつけ、報告の最中に、委員がいつでも閲覧できるようにしております。
 今後は、請願者の意図を正確に教育委員会にお伝えする必要があることから、教育委員会に対し、請願書の写しを配布してまいります。

○島田委員 もう一回確認します。請願書の写しをすべて教育委員会に配布するということでよろしいんでしょうか。

○庄司総務部長 お話のとおり、教育委員会に対し、請願書の写しを配布してまいりたいと思っております。

○島田委員 今回、この請願に関する陳情に関しては、会派で鋭意検討いたしました。趣旨採択、継続審査という方向も検討いたしました。
 しかし、都教委が、今、ご説明ありましたけども、請願者に対して、すべての原本配布をするといったなど、誠実な対応をしていただけるということで、今回に限っては、この請願について、会派では不採択とさせていただきます。
 東京都教育委員会における請願制度は、冒頭に話されたように、都民の声を教育行政に反映させる大変重要な制度だと思っております。今回の質疑を踏まえ、さらなる制度の充実をお願いして質疑を終わります。

○畔上委員 それでは、今の質疑を踏まえて伺いたいと思います。
 請願制度の本来の目的が達成されていないんじゃないかと。ぜひ改善してほしいというのが陳情の趣旨で、私も全くそのとおりだというふうに思います。
 その立場で幾つか伺いたいんですが、現在、都民の皆さんが教育委員会に聞いてほしいと思って請願を提出する、また、意見や要望を提出しに行くわけですけれども、そのときに、その内容に詳しい所管の職員が聞いてくれないと。教育情報課の人が聞いて、所管に伝えますというだけで、本当に驚いたという話をよく聞きます。
 陳情者の方は、せっかく請願を提出しても、思いがちゃんと伝わらなかったり、これらの質問に正対で回答がなかったり、とても納得できるものではないというふうに受けとめられているわけです。
 その一つは、対応する窓口が所管でないために起きている問題ではないかというふうに思っています。私は、教育委員会が都民の声を聞くためにどんな仕組みを持っているのか改めて調べてみたんですけれども、都民の声を聞く制度として、都の教育委員会には二つの制度があるわけです。
 その一つが、先ほどお話しのあった教育委員会への請願制度です。そしてもう一つが、各所管への苦情や要望などを行う制度です。その苦情や要望などを聞く制度の根拠規定が、教育庁における苦情等の取扱いに関する要綱でございます。苦情等という「等」というのは、苦情と、それから行政施策への実現を望む要望のことです。
 そこでまず伺いたいと思いますが、この要綱に基づく苦情等の受け付け、これは要綱ではどこがやることになっているでしょうか。

○庄司総務部長 東京都教育庁に対する苦情等は、東京都教育庁における苦情等の取扱いに関する要綱第四の一に基づき、原則として担当課所において受け付けるものとしております。
 苦情等には、担当課所に直接寄せられるもの、広聴を主管する総務部教育情報課に寄せられるもの、また、生活文化局を初め、他部局に寄せられる教育行政に関する苦情等があります。
 そのうち、教育情報課に寄せられる苦情等及び他部局に寄せられる教育行政に関する苦情等につきましては、教育情報課でその苦情等を一たん収受し、担当課所に処理を依頼しております。
 なお、苦情等の解決に当たり、必要な場合は、担当課所は広聴を主管する教育情報課と協議し、その解決に努めております。

○畔上委員 今、要綱の説明をいただきましたが、私は要綱のとおりにやるべきだというふうに思うんです。
 今、ご説明あったように、情報課はあくまでも関与、要綱では原則所管課が対応すると定められております。でも、実際、所管にせっかく持っていっても、意見を持ち上げても、教育情報課へ回されてしまうというのが、今、実態になっているわけです。
 私は、こうした要望や苦情などについては、この要綱の原則に基づいた対応、きちんと定められた対応をしていただきたいというふうに思います。
 その場で一番事情がわかっている所管が要望の趣旨や意見を受けとめること、これがやはり回答するにしても、施策に生かすにしても、迅速で確実な対応ができるのは自然なことだというふうに思うんです。
 ほかの自治体もどうなっているか調べてみました。聞いてみましたが、埼玉県の教育委員会も要請などは担当課に直接提出できる、そういう仕組みだそうです。
 神奈川県では、意見や提案は担当課で受け付ける、そして教育委員会への請願は企画調整課で受け付けるというふうになっております。
 大体、都庁の、例えば交通局とか建設局など、ほかの局は担当課が対応するのが当たり前になっているのに、何で教育委員会だけが教育情報課なのかと。都民にしたら納得いかないのは、私は当然だというふうに思います。
 やっぱり意見や苦情や要望などについては、ぜひ要綱どおりの対応に改善していただきたいと思います。これは強く要望しておきたいと思います。
 それから、都民の声を聞くもう一つの制度が、教育委員会への請願制度でございます。これは都民の方が、教育庁の職員じゃなくて、特に教育委員に直接話を聞いてほしいというときに活用する制度だというふうに思います。
 教育庁の処務規則を見ますと、請願に関することは教育政策課が受け持つとなっております。それは教育政策課が教育委員会の会議の事務を担当しているからだと理解しておりますが、このことから見ても、請願は教育委員会に直接かけることを想定しているんだと思いますし、実際に二〇〇二年まではすべて教育委員会にかけられていました。
 ところが、八年前の二〇〇二年、請願取扱要綱がつくられました。先ほどもご説明がありましたが、そこで教育情報課が請願をまず受け取り、担当課に送り、その担当課が教育委員会の事案決定規程に基づいて教育委員会にかけるべきかどうか判断して、上げたり上げなかったりしているというふうになったわけです。だから請願を出しても、すべての請願が教育委員会にかかることがなくなっちゃったということなわけです。
 先ほど三年間の請願件数と報告された件数が出されました。これは、報告されたものは、例えば昨年度でいえば、二十件中十件だったということでございますが、結局、教育委員会に出されたものと出されなかったものがあったということですね。
 請願項目をつくったときの教育委員会の議事録を読んでみましたが、こういう議論をされているんです。従来のように、出された請願をすべて教育委員会にかけることはしないと。重要なものは教育委員会で審議するという教育庁の提案に対して、教育委員の間で、では、その重要なものは一体何だと。何を根拠に重要だというふうに判断するのかというふうにいろいろ議論があったんですね。
 そして、こういうご意見もあったんです。例えば、人事にかかわることでも、実は教育上、大きな背景がある場合もあって、一つ一つの請願の積み上げから見えてくるものがあるんじゃないか。こういう意見もあったわけです。
 だから最後、教育長はどうまとめているかというと、とりあえず一定期間、個別案件についても一応報告して積み上げていって、類型化していかないといけないですねと。総務部長も、規則の改正をさせていただいて個別案件を積み上げていきますというふうにまとめられているんですね。
 そこで伺いたいんですが、請願取扱要綱がつくられて既に八年たったわけですが、この間、請願問題について教育委員会で議論されたことがあるでしょうか。あるとしたら、いつの委員会か伺いたいと思います。

○庄司総務部長 東京都教育委員会請願処理規則の一部を改正する規則の制定についてを決定した平成十四年の教育委員会の会議以降、特段の状況変化がないため、請願処理の取り扱いにかかわる案件については審議をしておりません。

○畔上委員 先ほど教育委員会でも議論があって、積み上げていきましょうということだったんだけど、要綱をつくってどうだったのか検証もしていないと。議論もしてないということです。私はぜひ議論していただきたいというふうに思います。
 大体、先ほどのご説明のように、年間二十件とか、十一件、九件というふうに説明がありましたけれども、その区分をするくらい請願がたくさん出て、整理しなければ教育委員会が対応し切れないという事態ではないわけです。
 しかも、都民がせっかく請願を提出しても、今のルールでは教育委員の皆さんにどんな請願が出ているかもわからない。先ほど、請願の写しはすべて配布しますというふうにおっしゃって、それは私は一つ、一歩前進だというふうに思いますけれども、やはり私は審議するのが本来の教育委員会のあり方だというふうに思います。
 しかも、私は実際、議事録をずっと読んでみましたけれども、教育委員会に提出されたものでも、既に関連の議案が通ってしまえば、全く議論もしないというふうになっているわけです。一度決まったことはもう変えませんということで終わってしまって、議論しないということになったら、都民の声を生かす教育行政の民主的な発展なんてつくれないというふうに思うんですね。
 私は、ぜひそういう点では、すべての請願を審議する、この立場、そういうふうに改善をすべきだというふうに思います。
 請願者の意見陳述のことですけれども、請願内容を教育委員が深く理解する上で、私は有効な制度だというふうに思いますが、どう考えるでしょうか。

○庄司総務部長 畔上委員の方からお話がありましたが、先ほど島田委員の方にご説明した内容につきましては、教育委員会に報告する請願すべてについて、請願書の写しを配布をするというふうにお答えをしたものでございますので、確認をさせていただきます。
 また、請願の処理につきましては、広聴を主管する教育情報課が窓口として、原則としてすべての請願の趣旨やご意見、ご要望を十分に聴取し、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業の主管課に送付しており、請願者の意図は伝わっているものと考えております。

○畔上委員 意見陳述そのものに対する見解はありませんでしたけれども、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 これも神奈川県の教育委員会に伺いましたけれども、実施をしているんですね。神奈川県の教育委員会では、陳情者が意見開陳をやっていると。私は、これは非常に重要だというふうに思います。
 私自身もいろんな方から要望やお手紙などをいただきますけれども、やはりお会いしてお話を聞くと、なるほどなと合点がいくことが多々ありまして、直接お話を伺うということは、いかに大事なことかということを痛感しております。
 都議会では、青少年の健全育成条例や築地市場問題など、参考人という形で意見を聞いて、都民の意見、また、さまざまな意見を反映させるようなことがなされているわけです。教育委員会の基本方針でも、柱の一つに都民参加ということがうたわれているわけですから、私は意見陳述についても、教育委員会において検討することを求めたいというふうに思います。
 最後に、都民の請願が教育委員会で審議され、都民の声を教育行政に反映するように、私はやはり請願取扱要綱を改善して、請願はすべて審議するというふうにすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○庄司総務部長 請願処理に当たりましては、すべての請願を収受するとともに、請願者に対して迅速な回答を行っており、現在でも請願者の声を教育行政に反映した制度となっております。そのため、請願取扱要綱の見直しは考えておりません。

○畔上委員 現在、請願者の声が教育行政に反映されていないと。だから改善をしてほしいということが、こんなに十二件も陳情が出ているんじゃないですか。
 そもそも都民の要望というのはさまざまで、むしろそうした声をくみ上げていくことが請願制度の趣旨なんだというふうに思います。だから、以前の教育委員会はすべての請願を審議してきたわけですね。議論してきたわけです。
 都民の声が教育委員に届くようにするためには、やはり必要な改善はぜひしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 同時に、職員の皆さんが本当にいい仕事をしようというふうに思ったら、直接要望を聞くことも私はやっぱり大事だというふうに思います。そういう点では、担当課が聞くことを原則とした苦情等の取扱いに関する要綱に基づいて、これに定められた形できちんと対応することを強く求めたいと思います。
 そして、私は、陳情の趣旨採択を主張して質問を終わりたいと思います。

○星委員 請願処理規則など、請願の取り扱いについての改善を求める陳情ということですが、私はこの書かれている五つの願意は、教育がさまざまな課題で揺れているこの時代、また、議会も行政機関も開かれたものであるということが望まれている時代に、当然の要望であると思います。
 確認の意味もありますので、何点か、前に質問された方と重ならない部分で質問をさせていただきたいと思います。
 まず、現在の取扱状況についてお聞きをしたいと思います。
 平成十四年に規則改正がされて、扱いが大きく変わったというようにお聞きしています。改正前までは寄せられるすべての請願が会議に付されていたということですが、会議の効率化や迅速な請願処理ということを理由に、受け付け方法や処理方法を変えたということです。
 しかしながら、先ほど来審議の中でもありましたけれども、この三カ年の状況を見ましても、十九年、二十年、二十一年と、九件、十一件、二十件と、東京都の教育行政をつかさどる教育委員会に対しての請願にしては、私は数は決して多くない、少ないというふうに感じます。審議が煩雑になるほどの数ではないというふうにも感じます。
 現在の陳情請願の受け付け方法と、陳情請願の処理の流れが組織的にどうなっているか、わかりやすくお答えいただきたいと思います。

○庄司総務部長 請願の受け付けでございますが、東京都教育委員会請願取扱要綱第二に基づきまして、広聴を所管する総務部教育情報課が窓口として、請願者から請願の趣旨や意見、要望等を十分に聴取し、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業を所管する課に送付しております。
 処理の流れにつきましては、教育情報課から請願書を送付された主管課は、その内容を迅速かつ慎重に検討し、その結果を請願者に通知するとともに、東京都教育委員会請願取扱要綱第四に基づき、教育委員会の会議に報告をしております。

○星委員 お答えいただきました。
 情報課が所管課に振り分け、所管課が請願者に結果を知らせるというのは、特に請願でなくとも、もう一つの方法の意見、提案、あるいは苦情というところの中の部分と同様の扱いをされているということですよね。そうすると、請願法というものに基づかれた請願の、ある意味、区別化、請願と陳情、苦情や提案、要望といったものとの差別化というものが余りされていないのかなというふうにも感じます。
 また、年間受理する請願の数からいっても、情報課が精査しなければならない数なのかと非常に疑問に思います。窓口であったとしても、請願者と直接やりとりするための調整をするというのなら、現在の方法では、むしろ私は逆に教育庁全体の事務量がふえているんではないかなというふうに感じます。いわゆる屋上屋を重ねるという意味でそうではないかなというふうにも感じられるのですが。
 さらに、教育委員会で報告されるのは必要に応じてというようなお答えでしたが、教育委員会で審議されるものと報告されるもの、されないものというのは、その違いというものが非常にわかりにくいと思いますけれども、その違いをわかりやすく説明してほしいと思います。

○庄司総務部長 先ほど島田委員にご説明いたしましたが、総務部教育情報課で収受した請願は、東京都教育委員会請願処理規則、東京都教育委員会請願取扱要綱、東京都教育委員会事案決定規程等に基づきまして、教育委員会決定とされる特に重要な事項につきましては、教育委員会へ報告をしております。
 既に教育委員会で決定された教育方針等に基づく事項等につきましては、同要綱及び同事案決定規程等に基づき、主管課において当該事案について決定権限を有する者が適正に処理をしております。
 なお、平成二十一年度に教育委員会に報告しなかった十件の請願につきましては、既に教育委員会に報告している請願と同様の趣旨であるものや、個別の人事、訴訟に関する請願でございます。

○星委員 教育委員会決定とされる特に重要な事項が教育委員会で報告されるというふうにいわれましたが、そのことを定めている事案決定規程というものを私は見させていただきました。この中には、教育行政の運営では基本的な方針、大きな計画等に関しての方向性に関する要望などは、請願制度がよく当てはまるということを私は改めて確認ができました。
 しかし、先ほど来の件数からいっても、このことを知っている都民は非常に少ないのではないかと思います。改めて教育委員会の請願制度の利用について、もっと周知をする必要があるのではないかと私は思いますので、このことを要望いたします。
 さらに、この陳情文から、請願者がせっかく請願しても、具体的な内容が主管課に届いていない、思いが伝わっていないという実感をこの陳情文から持たれているようでございますが、特に事案を熟知している担当所管に直接説明をし、思いを酌んでもらいたいというお気持ちが述べられています。
 私は、至極当然の思いだと思いますが、このことをどのように考えておられますでしょうか。

○庄司総務部長 教育委員会に対して都民、団体から提出される請願は、教育行政に対する関心と期待のあらわれである貴重な意見であると認識しております。
 そのため、教育委員会では請願の処理を迅速かつ確実に行うため、東京都教育委員会請願取扱要綱第二に基づき、広聴を所管する総務部教育情報課が窓口として、請願者から請願の趣旨や意見、要望等を十分に聴取し、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業を所管する主管課に送付しております。

○星委員 都民のだれもが教育行政に敷居の高さを感じずに物をいうことができるのが望ましいと思います。私どもの文教委員会にも本当に多くの陳情請願が寄せられ、一つ一つ丁寧に審議をしています。
 議会では教育行政全般にわたってさまざまな請願陳情が出されていますけれども、請願制度を持っていながら、教育委員会には請願数も少ないし、報告されるものに至ってはほんのわずかであるというのは非常に残念に思います。
 東京都は、十四年に規定を改正してまで請願の効率化というか、請願処理の効率化についてこだわった目的がいま一つ理解できません。もっと都民の請願が教育委員会の議論に反映され、教育施策に反映されるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○庄司総務部長 平成十四年におきます規則改正前は、教育委員会で受理した請願はすべて教育委員会の会議に付議しておりましたが、その多くは人事異動の問題やいじめの問題など、個人的な請願でございました。
 また、請願者への回答は審議後に行われていましたが、会議の開催日が限定されているため、回答までに時間がかかっておりました。
 こうした点につきまして委員から指摘があり、会議の効率化及び請願の迅速な処理という観点から、請願処理規則の改正を行いました。
 また、規則第四条に、この規則の実施に必要な事項は、教育長が別に定めると規定されているため、請願の収受や処理の方法等の必要な事項につきまして、新たに東京都教育委員会請願取扱要綱を定めたところでございます。

○星委員 ちょっと質問の仕方が悪かったのかもしれません。この教育委員会が請願制度というものを持っているということ、この重要性にかんがみて、私はもっと都民の請願が濶達に教育委員会で議論されて、そして教育施策に反映されるべきではないかというふうに考えますけれども、そのことについてどうお考えなんでしょうかということです。

○庄司総務部長 失礼いたしました。広く都民から教育行政にかかわる施策の方向性や事業提案などの請願が提出されることは、教育行政に対する関心と期待のあらわれでございます。
 繰り返しになりますが、提出された請願につきましては、東京都教育委員会請願処理規則、東京都教育委員会請願取扱要綱、東京都教育委員会事案決定規程等に基づき、教育委員会決定とされる特に重要な事項につきましては、教育委員会へ報告することとしております。

○星委員 それでは、意見を申し上げます。
 都民に開かれた活気ある教育委員会、行政とは独立した機関である教育委員会制度の目的を達成するためにも、陳情項目に賛同することを意見といたします。

○大西委員長 ほかにご発言はございますでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二二第四六号及び陳情二二第四八号から第五八号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十一分散会

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