文教委員会速記録第十五号

平成二十一年十月二十九日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長大西さとる君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事岡田眞理子君
理事谷村 孝彦君
理事馬場 裕子君
畔上三和子君
遠藤  守君
島田 幸成君
滝沢 景一君
遠藤  衛君
古賀 俊昭君
大津 浩子君
服部ゆくお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化スポーツ局局長秋山 俊行君
総務部長小林  清君
広報広聴部長石原 清次君
都民生活部長平林 宣広君
消費生活部長清宮眞知子君
私学部長小笠原広樹君
文化振興部長桃原慎一郎君
スポーツ振興部長安藤 英二君
東京マラソン事業担当部長岸本 良一君
参事高橋  博君
参事萩原まき子君
参事藤井 秀之君
参事板垣 一典君

本日の会議に付した事件
 生活文化スポーツ局関係
事務事業について(質疑)

○大西委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小林総務部長 去る九月三日の当委員会におきまして要求のありました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元に配布してあります平成二十一年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、十六件の資料がございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、東京ウィメンズプラザ相談件数の推移でございます。
 平成十六年度から二十年度までの過去五年間におきまして、東京ウィメンズプラザに寄せられた相談件数につきまして、配偶者暴力相談とその他の相談の区分ごとに記載をしております。
 なお、括弧内には男性のための悩み相談に寄せられた相談件数を内数として記載をしております。
 二ページをお開き願います。2、消費生活相談件数の推移及び特徴でございます。
 平成十六年度から二十年度までの過去五年間におきまして、東京都消費生活総合センター及び各区市町村に寄せられた消費生活相談件数の推移並びに各年度における相談内容の特徴につきまして、それぞれ記載をしております。
 三ページをお開き願います。3、都立文化施設等に係る予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に記載している施設ごとに、平成十七年度から二十年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十一年度の当初予算額を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、都立文化施設等の職種別職員数の推移でございます。
 表の左側に記載している施設ごとに、平成十七年度から二十一年度までのそれぞれ四月一日時点におけます常勤職員数につきまして、雇用形態別及び職種別に区分して記載をしております。
 五ページをお開き願います。5、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に記載の区分ごとに、平成十七年度から二十年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十一年度の当初予算額を記載しております。
 なお、備考欄には当該事業区分に係る主な事業等をそれぞれ記載しております。
 六ページをお開き願います。6、都立体育施設の改築、改修等の状況でございます。
 東京体育館や駒沢オリンピック公園総合運動場など、当局が所管する四つの都立体育施設において、これまで実施してきた大規模改修や改築等の状況をそれぞれの施設ごとに記載をしております。
 なお、これらの都立体育施設につきましては、平成二十一年二月に公表された主要施設十カ年維持更新計画において、今後の改築、改修等が予定をされております。
 七ページをお開き願います。7、都民芸術フェスティバル等の予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に記載している事業ごとに、平成十七年度から二十年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十一年度の当初予算額を記載しております。
 八ページをお開き願います。8、公衆浴場対策に係る予算及び決算の推移でございます。
 当局が実施しております公衆浴場対策につきまして、平成十七年度から二十年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十一年度の当初予算額を記載しております。
 九ページをお開き願います。9、私立学校の耐震化の状況でございます。
 平成二十一年四月一日現在の都内私立学校の耐震化の状況につきまして、表の左側に区分した学種ごとに、全棟数とそのうちの耐震性のある棟数、その割合である耐震化率を記載をしております。
 一〇ページをお開き願います。10、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位の推移でございます。
 平成十六年度から二十年度までの過去五年間におけます私立学校経常費補助に係る生徒一人当たり単価及びその全国順位について、学種ごとに記載をしております。
 なお、注に記載しておりますとおり、都では、この表でお示ししている経常費補助のほかに、耐震化を促進するための私立学校安全対策促進事業費補助や、幼稚園につきましては私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助などを実施しておりまして、私立学校の教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減等を図っているところでございます。
 続きまして、一一ページをお開き願います。11、私立学校経常費補助における授業料減免補助実績の推移でございます。
 都は家計状況の急変などの理由によりまして、私立学校が生徒の授業料を減免した場合には、私立学校経常費補助の中で、学校に対して減免額の一部を補助しております。この補助の実績につきまして、表の左側に記載の学種ごとに、平成十六年度から二十年度までの過去五年間における補助校数及び補助額の推移を記載しております。
 一二ページをお開き願います。12、私立高等学校等授業料軽減助成事業の実績の推移でございます。
 都は、財団法人東京都私学財団を通じまして、私立高等学校等に通う生徒の保護者のうち、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成しておりますが、この事業の実績として、平成十六年度から二十年度までの過去五年間における補助総額及び補助対象生徒数の推移を記載しております。
 一三ページをお開き願います。13、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。
 平成十六年度から二十年度までの過去五年間につきまして、(1)に貸し付けの計画額及び実績額の推移を、(2)に表の左側の区分ごとに貸付人員数の推移をそれぞれ記載しております。
 なお、平成十七年度以降は、新規の貸付事務を財団法人東京都私学財団に移管しておりますが、表中の括弧内の数値は、移管前に都が貸し付けを開始し、都が修業年限まで直接貸し付けを行うものを内数で記載したものでございます。
 一四ページをお開き願います。14、私立高等学校(全日制)中途退学者理由別内訳の推移でございます。
 全日制の私立高等学校を中途退学した生徒数の理由別内訳につきまして、平成十六年度から二十年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 一五ページをお開き願います。15、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の実績の推移でございます。
 都は、私立幼稚園等に通う幼児の保護者の負担軽減のため、区市町村が行う保護者負担軽減事業に係る経費の一部を補助しておりますが、その補助総額と補助対象となっている延べ幼児数につきまして、平成十六年度から二十年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 一六ページをお開き願います。16、私立幼稚園における預かり保育の実施状況の推移でございます。
 幼稚園の教育時間終了後も引き続き園児を預かる預かり保育を実施している私立幼稚園数及びその割合につきまして、平成十七年度から二十一年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大津委員 都民の命と安全を守ることのできる消費者行政について、きょうはお伺いをいたします。
 犯罪や災害や事故や事件から都民の命と安全を守ることももちろん大切な仕事の役割ですが、実は注意すべき点は、毎日の衣食住を通じた普通の生活の中で命や安全にそうした危険がつきまとっている、また命を落としてしまう事故も後を絶たないことです。
 例えば、介護ベッドの転落防止用のさくの六センチのすき間に首を挟まれて亡くなられたご高齢者の患者さんの窒息事故が昨年二件ありましたし、また、ベビーおやつとして販売されているおやつを食べたにもかかわらず、窒息事故を起こしたベビー。このように、眠っていたり物を食べていたりする生活の中で命が奪われることのないよう、生活の中の危険の芽を摘み取る、こうした消費者行政に都民の期待がかかっています。
 この半年、髪染めをしてから何だか調子が悪い、鎖骨がおかしい、皮膚がかぶれてかゆいという、何だかおかしいのだけれども、確信がつかめずに悩んでいるという五十代、六十代の婦人から、三人ぐらいの声を拝聴しました。
 きょうは具体的には髪染めを例に挙げながら、都の消費者行政の取り組みについて質問をいたします。
 髪染めについて調べていただいたのですが、髪染めについてどのような危険があるのか、また、都内の消費者センターに届いている相談の件数と内容についてもお伺いいたします。

○清宮消費生活部長 いわゆる髪染めにはしらが染めなど、一たん染めると長い期間色持ちがする染毛剤と、ヘアマニキュアのように、一時的に髪を染める染毛料とがございます。
 このうち、特に染毛剤にはかぶれやアレルギーを発症する原因となるパラフェニレンジアミンなどの物質も含まれているため、使用方法を誤ると皮膚障害等を起こすおそれがあり、また、使う方の体質によっては、まれに重いアレルギー反応を引き起こすこともございます。
 都内の消費生活センターに寄せられた相談件数では、平成二十年度全相談件数は約十二万五千件でございますが、危害、危険に関するものは、そのうち千四百三十三件あり、そのうち髪染めに関するものは八件でございました。また、これも含めて、過去五年間の相談件数は三十四件でございます。
 主な相談内容といたしましては、頭皮がかぶれた、全身がかゆくなった、発疹ができたなどでございます。

○大津委員 髪染めにアレルギーやかぶれを引き起こすおそれのある物質が平気で含まれているということでもあります。美容院の髪染めも市販の髪染めも成分は同じと聞いております。まさか髪染めでとまで思わない消費者も多いため、多分相談件数の数十倍は、何だかおかしいと思いながら使用して、それが一定の量に達してアレルギーを起こしている可能性もあります。
 染毛剤の使用上については、消費者に対しましては、この染毛剤を生産している責任者であるメーカーは、そもそもどんな注意喚起をされているのか教えてください。

○清宮消費生活部長 染毛剤は薬事法により、医薬部外品に分類されてございます。製造、販売に当たりましては、厚生労働大臣、または都道府県知事、都においては、具体的には福祉保健局になりますが、その承認が必要となります。
 また、メーカーは使用説明書に、使用の前に毎回必ず皮膚アレルギー試験、いわゆるパッチテストを行うことやアレルギーのおそれのある成分について記載することによって、消費者に対し、注意喚起をしてございます。

○大津委員 それでは、東京都といたしましては、過去どのような注意喚起等を都民に促してくださったことがあるのか教えてください。

○清宮消費生活部長 先ほどお話し申し上げましたように、使用上の注意については、メーカーが注意喚起をしているところでございますが、最近、本来想定されていない子どもの髪染めが目立つことから、平成十八年度に東京都が調査をいたしました。その結果、約四%の子どもが髪染めをしていることなどがわかりました。
 このため、都では、子どもへの染毛剤の使用をやめることについて、ホームページ、くらしの安全情報サイトへの掲載や消費生活情報誌「東京くらしねっと」、リーフレットの配布などにより、都民への注意喚起を行っています。

○大津委員 中立な行政の立場から、子どもへの染毛剤の注意喚起について、攻めの情報収集でいち早く積極的に取り組み、実行されたことを高く評価したいと思います。
 業界団体等ある中で、なかなかいい出せない人も多い中で、中立的な行政の立場というのは重要かと思います。
 例えば、市販されている髪染めを買った場合に、その説明書の中に細かい字で、パッチテストを行ってくださいという、確かに注意喚起の文言が入っておりますけれども、なかなか面倒でそれを読んでいないという方も多くおります。
 染毛剤の使用上の注意は、薬事法による都道府県知事あての通知で、商品の使用説明書にパッチテストの記載が義務づけられてはいますが、また一方、美容院で毛染めをする場合は、実際にパッチテストが行われているかについては、美容師法では指導権限や立入検査などについては規定されていないと聞いております。これもやはり福祉保健局になります。実際、パッチテストを美容院で説明がなかった、受けなかったという方が結構多く、声が届いています。
 そういう意味では、子どもだけでなくて、大人やご高齢者にも皮膚障害で今もなお苦しんでいる多くの方がおりますので、今後さらに東京都からの広報をお願いしたいと思います。
 また、染毛剤ばかりではありません。折り畳みいす、こうした折り畳み製品の指挟み事故も後を絶ちませんし、冷凍ギョーザの問題もありました。また、挟まれやすいスニーカーがエレベーターやエスカレーター等に挟まって、事故、そして、足の指を切断することもありました。
 衣食住の身の回りの安全について、不安なとき、困ったとき、被害に遭ったとき、こうしたときには、どこに、どのように気軽に相談できる体制が整えられているのか。また、危険な情報をどのようにして、逆に都民の皆様へ届けているのか。それらの都の取り組みについてもお伺いいたします。

○清宮消費生活部長 東京都では消費生活総合センターの周知を図るとともに、一般の相談窓口とは別に、高齢者被害一一〇番や身近にいるホームヘルパーの方が地域の高齢者被害について、通報や問い合わせをするためのホットラインなどを設けています。
 また、インターネットではホームページ、くらしの安全情報サイトによる危害、危険情報の提供や消費生活情報誌「東京くらしねっと」に身近な危害防止に関する記事の掲載を行うなど、都民に情報発信をしているところです。
 さらに、事故防止のためのリーフレットを作成し、例えば、子ども向けのものは保護者の方に配布するなど、必要な情報が必要な人に行き届くように努めているところです。

○大津委員 そうした危険な情報をまとめて、そして、どう取り組んでいくかについてですが、例えば、家電製品を初め、暮らしの中で日常使っている商品には、使用方法によってはけがをしたり、健康への影響が懸念される商品があります。
 そこで、都がこれまで取り組んできたものの成果、そして、今年度取り組んでいるものの状況について、具体的にお伺いします。

○清宮消費生活部長 東京都はこれまでも商品等に起因する危害、危険を防止するため、さまざまな商品テストや調査等を行ってきています。例えば、圧力式炊飯器につきましては、炊飯以外の調理方法によっては内容物が飛び散る再現テストを行ったほか、子ども用のトレーナーや帽子等に含まれるホルムアルデヒドについて調査をしました。
 これらの調査によって得られた結果については、それぞれ国や業界団体に情報提供を行うとともに、消費者へ注意喚起いたしました。
 また、ベビー用のおやつによる窒息事故防止のための安全対策につきましては、国や業界団体に提案、要望しましたところ、国は新たに母子健康手帳に注意喚起の記述などを追加し、業界団体は注意表示に関するガイドラインを制定したところです。今年度はライターの子どもに対する安全対策について検討を行っているところでございます。

○大津委員 これからも引き続き、ぜひ行っていっていただきたいと思います。
 私の友人も子どもがチョコボールを詰まらせて、子どもが亡くなってしまいました。生文のこの間のベビーおやつのアンケートのときにも出ていましたけれども、だれにも相談をできなかったというのが九七・五%に上っています。おやつを上げた自分を、またちょっと目を離したすきに食べたということを、家族は自分を責めて、なかなか表に出せなくて、そのうち外になかなか出にくくなってしまったりという現象が起きています。
 そういう中、果たしてベビーおやつや食べ物と子どもののどの大きさがどれだけ合っているのか、湿気の状況だとか、そうしたものもちゃんと開発をして販売していくのが本来のメーカー責任であると思います。
 そうして、どこにも相談できないでいた人たちが余りにも多かったので、本年の第一定例会の本会議で質問をさせていただきました。そのとき東京都は、生活の中の危険の芽を摘み取るために、攻めの情報収集で、平成二十一年度にヒヤリ・ハット体験をインターネット調査で行うとの答弁でありました。ちょうど半年経過をいたしましたので、中間報告を、わかる範囲で結構ですので教えていただきたいと存じます。

○清宮消費生活部長 ヒヤリ・ハット体験の調査は、昨年の八月に改定いたしました東京都消費生活基本計画にあります、待ちから攻めの情報収集と発信の実現のために、本年度から実施するものでございます。
 調査の内容は、都民が日常生活の中で商品、サービスにより、ヒヤリ・ハットした事例を積極的に掘り起こし、分析調査をして、その結果を都民に情報発信していくものです。
 年間四テーマにつき、合計一万二千人を対象にインターネット調査を行う予定であり、現在、事故が起こりやすいと思われる台所をテーマに調査中でございます。

○大津委員 消費者庁が九月に発足しましたけれども、首都東京は既に昭和四十四年から消費者センターを発足させ、国に先駆けて、消費者行政を推進してまいりました。衣食住、一番身近に普通に生活している中で、商品やサービスで命や安全を脅かされるような危険が存在してはなりません。
 海外に目を向けますと、ヨーロッパでは、平成四年に、一般製品安全指令が制定されています。アメリカでは、昭和四十七年に、米国消費者製品安全法が施行、消費者製品安全委員会が設置され、既に消費者保護に取り組んでいます。
 こうした消費者行政は、都民の命と安全を守ることのできる首都東京のこれからの重点政策の一つになり得る施策と考えておりますので、秋山局長から、ぜひこの点におきまして、決意をお伺いできればと思います。

○秋山生活文化スポーツ局長 消費者問題につきましては、行政が具体的な事案をどのように把握できるかという観点から見ますと、大きく二つに分けられるかなというふうに思っております。一つが商品やサービスによる危害、危険など、もう一つが悪質商法など取引によるトラブルだろうというふうに思っております。
 ただいまの大津委員よりご質問いただきました内容は、前者の商品やサービスの危害、危険に関するものだというふうに考えておりますけれども、このケース、生活の中に埋もれて、重大事故に至らないと行政がなかなか把握できないのが大きな特徴でございまして、そこで、先ほど部長からも答弁いたしましたとおり、待ちから攻めの情報収集をしようということで、インターネット調査などの対策を講じたところでございまして、今後一定の効果が出てくるものというふうに期待をしているところでございます。
 一方、悪質な商法による取引に関するトラブルにつきましては、これは当事者間の争いがすぐ、比較的直接、消費者センターなどに持ち込まれるという性質でございまして、この点につきましては、この四月から消費生活総合センターの相談員の増員、それから処遇改善、それから専門性の向上策などを含めまして、センター機能の強化を図ったところでございます。
 さらに、この一年余りでございますけれども、悪質事業者を直接取り締まる職員の増員、それから他県と広域的な事案への共同した対応、それから、すき間事案に対応するために、各局が合同で悪質業者に対応する仕組みづくりも行いました。
 また、行政処分へ協力していただいた消費者の方に事業者が嫌がらせをするというふうな事例もございましたので、そういった消費被害者を法的に支援するための保護プログラムというものなど、相当充実してきたというふうに考えております。
 このように、現場で起きている事象に対しまして、現行の法令や仕組みをフルに活用いたしまして、具体な対策を講じてきたものと認識しておりますけれども、経済活動や消費現場は時々刻々と変化しております。都民の安全と安心を守るために、今後とも現場感覚に根差した対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○村上委員 私からは、まず私立学校に対する助成についてお伺いをさせていただきます。
 次代を担う子どもたちの教育については、地方自治体が設置する公立学校と、個人が私財を投じて設置する私立学校がそれぞれ分担しております。とりわけ私立学校は、建学の精神と独自の教育方針に基づく教育を実践しています。
 ところで、全国における私立学校の割合は、高等学校で約三割、中学校で約一割となっております。東京では、全国平均に比べて私立学校の比率が高く、高等学校で約六割、中学校でも約三割の生徒が私立学校に在学しております。このことは、東京の私立学校が都の公教育においていかに重要な役割を果たしているかを示すものと考えます。
 このような重要な役割を担っている私立学校ですが、経営という観点からすると、生徒数の減少などの影響により、高等学校の三分の二が赤字となっているなど、大変厳しい経営環境に置かれております。
 そのため、私立学校が公教育を実践していくためには、経常費補助を初めとする都の私学助成が不可欠となっております。都の私学助成全般について、学校運営という面から考えた場合、経常的な教育経費に対する補助である経常費補助は基本的に重要であります。学校施設や設備の整備に対する補助も、また大切であります。
 とりわけ私立学校の校舎などの耐震化については、児童生徒の生命の安全を確保するという観点から極めて重要な課題であると考えます。そこで、まず私立学校の耐震化についてお伺いをさせていただきます。
 初めに、私立学校の校舎などの耐震化の進捗状況についてですが、今回提出された資料によりますと、平成二十一年四月一日現在の耐震化率は全体で六八・五%とのことですが、昨年度の率に比べて伸びていないように感じます。どのような理由があるのかご説明、お願いいたします。

○小笠原私学部長 都では、毎年七月に都内私立学校を対象に耐震化状況調査を実施し、四月当初の耐震化率を算出しております。
 昨年度までの調査では、学校ごとに建物の全棟数及び耐震化が完了した棟数並びに耐震診断を実施した棟数など、私立学校が自主的に判断した棟数の報告を受けておりました。
 耐震化率の平均が、副委員長ご指摘のとおり、七割に近づいたことを踏まえまして、より正確に建物の耐震化率を把握するため、今年度から、棟ごとに校舎や体育館などの種別を明示した調査方法に改善をし、改めて耐震性の有無を確認してもらったところでございます。
 その結果、校舎以外の建物が新たに報告されたケース、従来一棟としていたものが実態に合わせて複数の棟に修正されたケース、耐震性の有無を再度確認したことに伴いまして、耐震性なしと修正されたケースなどがあったことにより、副委員長ご指摘のような状況が生じたものでございます。

○村上委員 耐震化率が伸びていないのは、調査方法をより詳細な方式に変更したことなどに起因するということはご説明でわかりましたが、問題は、耐震化が進んでいるのかどうかということであります。
 そこで伺いますが、平成二十年度の補助実績はどのようになっているのかお伺いいたします。

○小笠原私学部長 平成二十年度における校舎等の耐震化に係る補助実績でございますが、補助率や補助対象の拡充によりまして、耐震補強工事につきましては、幼稚園から高等学校までを合わせて五十八校、耐震化のための改築工事につきましては同じく七校で、合計で六十五校となっておりまして、十九年度の三十三校に比べても、私立学校の耐震化は着実に進んでおります。
 なお、耐震診断に対する補助につきましては、平成二十年度の補正予算において、耐震性能の早期把握を支援するため、補助率を五分の四まで引き上げたこともありまして、十九年度の八十校に対して、倍増に近い百四十九校を対象に補助を行ったところでございます。

○村上委員 多くの学校に対して補助を行っており、耐震性のある建物の棟数は着実に伸びているということはわかりました。今後も耐震化率の的確な把握に引き続き努めていただきたいとお願いを申し上げます。
 次に、私立学校の耐震化促進のための取り組みについてお伺いいたします。
 実行プログラムでは、都内の私立小中学校の建物を平成二十五年度までにすべて耐震化する目標を上げています。目標達成年度まで、あと数年と迫っていることから、耐震化を促進していく方策を講じることが必要であると考えます。
 都では、補助制度の拡充や補助率の改善などを行ってきたことは承知しておりますが、平成二十一年度にどのような取り組みを行っているのか、補助実施面など工事に対する補助率のほかに改善点があれば、それを含めてご説明願いたいと思います。

○小笠原私学部長 平成二十一年度は、倒壊の危険性が高いと判定された校舎等の耐震補強工事などに対する補助率を従来の三分の二から五分の四へと大幅に引き上げるとともに、補助対象経費に算入できる実施設計費を従来、工事費の一%以内のところから、実勢に合わせまして五%以内に引き上げたところでございます。
 さらに、事務スケジュールを見直しまして、補助金の交付を九月上旬と十一月上旬の二回に分け、耐震化工事などの進捗状況に応じて書類を提出できるよう改善を図ったところでございます。
 また、東京都私学財団と連携して行っている耐震化促進事業説明会におきまして、新たに阪神・淡路大震災を経験した私立学校の理事長を招き、体験談を交えて講演してもらうとともに、東京都建築士事務所協会の協力のもと、耐震化工法に関するパネル展示を行うなど、私立学校に対する普及啓発事業の充実を図ったところでございます。
 今後とも、このような取り組みを行うことによりまして、私立学校における耐震化の一層の促進を図ってまいります。

○村上委員 私立学校の経営が大変厳しい中で、補助率のアップを図ったことや、耐震化の普及啓発に当たり、新たな内容を盛り込んだことは、私学の耐震化の促進にさらに役立つものと評価をいたします。今後も引き続き耐震化の促進に向け、さらなる創意工夫を凝らして目標達成に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、私学助成の重要性についてお伺いいたします。
 今回は、都が実施している多くの私学助成策の中で、校舎などの耐震化について質問をいたしましたが、最後に、都の私学助成全体にわたる質問をしたいと思います。
 我が党は、東京の公教育における私立学校の役割の重要性から、これまでも私立学校に対する助成制度の充実に努めてまいりました。冒頭でも申し上げたとおり、現在の私立学校は経営上、大変厳しい状況にあり、私学助成はなくてはならないものとなっております。
 このような状況にあるからこそ、都がさらなる私学振興を行っていくことが必要であり、そのためには、私学経営の根幹ともなっている経常費補助を初めとする私学助成全般の充実が極めて重要であると考えます。
 また、各会派から共通提案でありまして、国への意見書も提出をさせていただきました。そしてまた、ついこの間、私の第三支部では、私学振興拡充大会においても大変強い思いを感じてまいりました。ぜひこの点に関して、局長の見解をお伺いしたいと思います。

○秋山生活文化スポーツ局長 私立学校の公教育に果たす役割が極めて大きいというのは全く言をまたないところだというふうに思っております。とりわけ東京では、独自の特色ある教育を現に展開されていらっしゃる。また、その視野についても極めて大きいということを考えますと、私立学校の存在抜きに教育が語れないというふうな状況にあろうかという認識をしております。
 そういった状況の中で、例えば私立の高校の三分の二が経常的な教育活動で赤字に陥っていると。その結果として、経常活動で赤字でございますから、教育施設や設備への投資もなかなか困難な状況が起こっているという厳しい経営環境にございます。
 副委員長ご指摘のとおり、公教育の担い手でございます私立学校の経営をいかに支援していくかと、こういったことを真正面から見据えて施策を考えていくことが極めて重要だろうと思っておりまして、経常費補助など、これまでもその充実に努めてきたというのが実情でございます。
 実はこのところ、国政を中心に保護者への負担軽減、支援策が極めてクローズアップされている。また、大きく光が当たっているということがございますけれども、その影になってしまって、私学の経営の観点からの議論が万が一置き去りにされると、これは大変なことだなという危惧も担当者としては持っているところでございます。
 もちろん保護者の負担軽減につきましては、極めて重要な施策の柱でございまして、都としてもこれまでさまざまな施策を講じてきているところでございますけれども、学校の経営支援のための経常費補助が間接的には保護者負担軽減につながる。それからまた、耐震化助成が生徒の、子どもの生命を守ることに結びつくという政策効果があることを忘れてはならないと思っております。
 このような情勢に立ちまして、東京都の中で私学振興を担当する者といたしまして、都の公教育を民間経営という形で担っている私立学校の現状を十分に踏まえた上で、必要な支援を行っていくという視点を常に念頭に置いて、今後とも東京の私立学校の振興に努めてまいりたいというふうに思っております。

○小笠原私学部長 先ほど村上副委員長のご質問、三点目の平成二十一年度における補助に対する取り組みの答弁の中で、事務スケジュールを見直しまして、補助金の受け付けを九月上旬と十一月上旬の二回に分けと申し上げるべきところ、事務スケジュールを見直し、補助金の交付を九月上旬と十一月上旬の二回に分けというふうに申し上げてしまいました。誤りましたので、申しわけありませんが、訂正させていただきます。

○村上委員 ご訂正ありがとうございました。
 今、局長の答弁を伺いまして、今後も私学助成、こういったことについてはぜひ力を注いでいただきたいなということをお願いさせていただきます。
 続きまして、地域の底力再生事業助成について何点かお伺いをさせていただきます。
 町会、自治会の地域を活性化する事業に助成をする地域の底力再生事業助成は、予算額も年々ふえ、我が党の要求もあって、事業発足当初の三倍を超え、一億円となっております。
 私の地元渋谷区においても、住民の事業所が一体となって取り組む地域の防災力向上事業や、子どもたちに環境イベントを通じて地域に愛着を深めてもらう意識啓発事業などに助成を受けて、異世代間交流の機会がふえるなど、地域連携が一層進み、大変有意義な事業になったと聞いています。
 都市化が進展し、地域のつながりが大変薄くなっていく中で、地域の活性化、住民相互の連携を促進する成果が上がっているこの助成事業は、町会、自治会から大いに期待をされています。
 特に今年度は、実際に事業を企画し、実施する町会、自治会では、事業のイメージがわかりやすいスポーツ振興、伝統文化、国際交流、市民活動の四分野のモデル事業は、大変申請しやすく、事業を実施しやすいと好評です。
 そこで、新設した分野別モデル事業がどの程度町会、自治会から活用されているのか、その進捗状況についてお伺いいたします。

○平林都民生活部長 地域の底力再生事業助成は、町会、自治会が実施する事業に助成し、地域力の向上を図ることを目的に、平成十九、二十年度に二カ年のモデル事業としてスタートしたものでございます。
 今年度は、新たに分野別モデル事業を新設し、第一回から三回までの申請で、平成二十年度の申請件数百二十件を上回る百四十四件の申請がございました。そのうち新設した分野別モデル事業の申請は百六件、約七四%で、内訳といたしましては、スポーツ振興が十一件、伝統文化が十八件、国際交流が八件、市民活動が六十九件でありまして、町会、自治会活動に地域住民の参加を促進するなど、市民活動を強化する分野の申請が多くなっております。

○村上委員 地域の底力再生事業助成に分野別モデル事業が設けられたことにより、町会、自治会が積極的に申請をしているという状況はよくわかりました。
 さて、この助成事業は、三月の申請を含めて四回の申請や、地域が取り組みやすい分野別モデル事業の新設など工夫されており、使いやすくなったという意見も出ています。
 特に、平成十九、二十年度、地域の課題へのチャレンジ事業、他団体との共同事業などの申請で助成対象となった団体がさらなる地域の活性化を目指し、地域の特性に合わせた分野別モデル事業に再度申請できることは、地域から高く評価されているところです。
 地域力向上に意欲的な活動をしている団体が申請していると思われますが、平成二十一年度分野別モデル事業に再度申請した団体は何件あるのかお伺いいたします。

○平林都民生活部長 分野別モデル事業百六件のうち、十九、二十年度に助成を受けた団体が再度申請した件数は三十六件でございます。このうち、広域的な活動をしております連合組織について見ますと、分野別モデル事業の申請件数は三十八件であり、再度申請しているのは二十件、約五三%となっております。
 再度申請した例を見ますと、地域の企業や学校と連携して防災活動に取り組んだ団体が防災で培った知識とネットワークを基盤に、地域の在住外国人と連携して国際交流を行う事業などがございます。

○村上委員 分野別モデル事業に再度申請している団体の活動が地域のつながりを深め、地域の再生に役立っていることが答弁でわかりました。当初、私が分野別モデル事業の効果について考えていたことと同じなので安心いたしました。
 次に、地域の底力再生事業助成の普及啓発についてお伺いいたします。
 この事業は、連合組織はもとより、単一町会、自治会にも周知されて、より一層助成事業の活用を深めていくことが不可欠だと考えます。
 また、助成事業の取り組み成果を広く普及啓発することで、これまで助成金を申請、活用していない団体の関心度を高め、新たな事業展開を促進することで、都内各地域で地域力が向上すると考えられます。
 都のホームページに若干の事例が紹介されておりますが、高齢化が進む中、多様な媒体を通じて、町会、自治会はもとより、都民に幅広くこの助成事業の成果を普及啓発し、波及していくことが重要と考えられますが、所見をお伺いいたします。

○平林都民生活部長 これまでも地域の底力再生事業助成につきましては、東京都町会連合会や区市町村への事業説明、都のホームページ掲載や電話相談窓口の設置などを通じまして、町会、自治会はもとより、広く都民に対して町会、自治会活動について普及啓発を行ってきたところでございます。
 今後、これまでの助成事業の中から地域活動を活性化させた事業、町会、自治会が取り組みやすい事業などの事例集をつくりまして、各地域での町会、自治会活動の促進を図るとともに、都民に対して町会、自治会活動への興味、関心を喚起し、地域活動への参加を促進してまいります。

○村上委員 都内における町会、自治会の数は八千以上あり、この助成事業を活用して、さらに地域力を高めようとチャレンジする団体を支援することが必要ですし、まだ助成事業を活用していない区市町村もあると伺っております。
 また、渋谷区の町会、自治会からは、今年度で事業は終了するのか、あるいは今年度、分野別モデル事業の市民活動で申請したけれども、来年度は申請できないのでしょうか、ぜひ事業の継続をお願いしたいなど、助成事業の将来を心配する声がたくさんありました。
 この地域の底力再生事業助成については、来年度以降もぜひ事業継続を望む声が地域から上がってきております。
 今、幾つか渋谷区の事例を申し上げたいと思いますけれども、先ほど部長が再度申請をした団体が五三%あるというお話でした。実はこの再生事業の中で、昨年は渋谷区では防災訓練という形で、局長にもお出ましをいただいて、エレベーターに閉じ込められた方たちをいかにして救うかということを、子どもたちを交えながら防災訓練の実施もさせていただきました。
 また、今年度はさらに一歩進めた段階で、国際交流という視野の中で、外国人を巻き込んだ震災対策、防災対策ということの取り組みを行うわけですけれども、実は、こんな中で特に外国人を巻き込んでということで、今回の第三回目では、台東区、服部先生のところの竹町地区町会連合会でも外国人が参加する地域コミュニティのイベントを通じて、交流を促進する国際交流事業というものが申請をされています。
 実は、ここの中でちょっと大きな問題点がありまして、チラシをつくるにしても、一般の区民、要するに日本人に向けてのチラシと、やっぱり国際交流という観点で、外国人に向けてのチラシの日本語のとらえ方というのが大変難しいものがあるというような現場の声を伺いました。
 例えば防災訓練といっても、防災といっても外国人ではなかなか理解ができない。そして、訓練という言葉自体もなかなかニュアンスが違うといいますか、練習というような表現でチラシの中にはあらわさざるを得ない。
 こんな中で、通訳の方を通じながら、日本語をそれこそ外国語に変えたとき、どんな言葉が果たして的確なのかということ。あるいは、あわせて大使館にも何度も足を運ばれて、幅広く大勢の方に参加をいただきたいというような取り組みをされているようですけれども、先ほどちょっと申し上げたとおり、それが一回の助成事業として終わってしまうには、余りにも地域の方々が本当に力を入れて、長い時間をかけてご苦労されているのがそれで終わってしまうのは残念である。そしてまた、あわせて各区単位だけではなくて、本当に区境の地域もたくさんあるわけですから、防災拠点という一つの考え方をしたときに、お隣の区と連携をして事業を立ち上げていくということもひとつお考えをいただけたらいいのかなという気がいたしました。
 また、来年は国勢調査が開始する年でございます。こんな中で、所管は総務局でありますけれども、この国勢調査にしても、今まで町会、自治会の皆さん方に大変ご苦労をかけてきているわけですから、ぜひ地域の核として、町会、自治会の皆さんを本当にうまく活用という言葉が妥当かどうかはわかりませんけれども、お手伝いをいただける、そんな仕組みをぜひ総務局とも連携をして、おとりいただければありがたいな、こんな思いでいっぱいでございます。
 先ほども申し上げたとおり、昨年の防災訓練、局長にもお出ましをいただきました。ぜひここで地域の底力再生事業助成について、局長の強いご決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○秋山生活文化スポーツ局長 都庁の中ではよく地域社会という言葉が使われまして、またその活性化が極めて重要だという議論も多々行われております。しかしながら、議論がたくさん行われる割には、実はこれまで余り地域社会に対する直接的な支援が行われてこなかったというのが実態だろうと思います。
 一つには、都と区市町村との役割分担、地域社会については、第一義的に区市町村さんの仕事である。町会、連合会の面倒は区や市で見てもらうんだという、ちょっとした、いわばステレオタイプの観念論からなかなか抜け出せなかったというのが実態だろうかと思っております。
 これに対して、先ほど村上副委員長からご指摘もございましたけれども、都議会の強力なご支援をいただいて、地域社会の活性化を進めるために、十九年度からこの地域の底力再生助成事業が設けられたという経緯にございます。
 お話に出ましたけれども、私も渋谷区以外にも幾つかの事業もこの目で見させていただきました。実際の渋谷区の事業で申せば、先ほど先生がご説明したとおりではございますけれども、中身を見させていただきましたら、行政主導のものにまさるとも劣らない実践的訓練が展開されているということで大変びっくりいたしまして、また、そこで培われた地域のきずながさらに発展して、さまざまな事業を行っていこうという動きになっているということで、非常に高い効果を上げているなというふうに感じております。
 また加えまして、本当に地域のさまざまな活動をボランティアで支えてきた町会、自治会の方々が、それそのものが活性化もしているという効果も上がっているというふうに理解をしているところでございます。
 このように私も実情を目の当たりにしておりますので、この事業が自治の基本でございます地域社会の活性化にとって有意義で欠かせないものという認識をますます強くしております。
 今後とも、さらに地域を高める事業にチャレンジしたいという町会、自治会の皆様方をご支援させていただきまして、地域社会の崩壊がさまざまな課題を引き起こしているといわれております大都市東京においてこそ必要とされる地域社会の底力再生に、積極的に引き続き取り組んでまいります。

○村上委員 局長、ありがとうございました。
 私も都議会自由民主党の町会・自治会等振興議員連盟の事務局長をさせていただいておりますけれども、まさに今、局長のご答弁の中にあったように、地域の活性化に意欲的な団体の事業継続の要望というのは大変強いものがありますし、これからも地域のコミュニティをつくるためにも、ぜひ応援をしていっていただきたいな、こんなことをお願いさせていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。

○遠藤(守)委員 この週末からは十一月に入るということで、いよいよ本格的な芸術文化、秋の到来であると思います。東京都においては、さまざまな各種芸術文化活動を展開しておりますけれども、その中心となっております東京都美術館の改修について、きょうは一点に絞ってご質問させていただきたいと思います。
 いうまでもなく、東京都美術館は建築以来、ことしで三十三年目になりましょうか、経過し、設備面中心に劣化が進んでおるため、平成二十二年から二十三年の二カ年度にかけて全面休館をして、改修工事を行って、平成二十四年春にリニューアルオープンと。このような予定で進んでいると承知をいたしております。
 そこで、まず、この改修工事に向けての現在の検討状況がどうなっているのかお示しいただきたいと思います。

○藤井参事 東京都美術館の大規模改修工事につきまして、昨年度、実施設計を実施いたしまして、本年八月に実施設計が完了したところでございます。
 実施設計によりまして、例えば床材につきまして、現在、展示室のPタイルにかえまして、照明が反射せず、足音が抑えられるタイルカーペットを採用する一方、ホワイエや吹き抜けとなっている一部の展示室の美観上すぐれているタイルを残しまして、前川建築の持つ趣を後世に伝えることとしたなど、工事の細部が現在ほぼ固まったというところでございます。
 現在、工事発注の手続、準備を進めているところでございまして、二十四年のリニューアルオープンに向けて今後進めていきたいというふうに考えております。

○遠藤(守)委員 この東京都美術館におきましては、さまざまな常設、また企画展と並びまして、広く美術団体が主催をする公募展、この二つで大きく利用が進んでいたかと思います。
 この美術団体によります公募展のあり方につきましては、ちょうど一年前になりますけれども、昨年の十月二十四日に行われました特別委員会、これは決算特別委員会の分科会で、私はこの問題について取り上げさせていただきました。
 その際、このような主張をさせていただいたわけでありますけれども、平成十九年一月に、国立の新美術館が港区の六本木に誕生いたしました。公募展用の大規模会場は、国立新美術館がオープンするまで、東京都美術館が我が国唯一であったわけでありますけれども、ただ、しかしながら、平成十九年一月に国立新美術館ができてからも、公募展示の会場の利用ニーズというのは依然として高く、この二つの施設とも利用率はほぼ一〇〇%であったという現状でありました。
 そして、昨年の質疑の際では、東京都美術館に限っても、平成十九年度の利用団体は、一年間で二百五十四団体が使用しておりましたけれども、この二百五十四団体のうち、内規上、団体が二つのカテゴリーに分かれていると。一つは継続使用団体、もう一つは抽せん使用団体、この二つのカテゴリーに分けられていて、会場使用は、まず継続使用団体が優先的に確保する。その上で、余った枠を文字どおり抽せん使用団体が抽せんをして利用できる、こうした仕組みになっておったわけでございます。
 その結果、平成十九年度に限って見ても、継続使用団体が公募展会場を九割以上の割合で利用していたと。ですから、二百五十四団体トータルで利用したけれども、継続使用団体が九割ですから、約二百二十団体が、継続使用団体が使っていたということで、事実上、抽せん使用団体というのが排除される現状にあったということでありました。
 こうした現状を踏まえまして、長くなりましたけれども、私は昨年の秋の質疑で、この使用の承認に当たっては、首都美術館にふさわしい一定の格式、またはレベルを尊重する一方で、公立の美術館として広く開かれていることも重要であり、リニューアルを機に、ぜひ公正、公平なルールづくりをすべきである旨を訴え、答弁では、現在のあり方を見直す考えを明らかにされました。
 そこで、このリニューアル後の公募展示室の使用ルールづくりについて、その後の検討状況は現時点でどうなっているのか、ご説明をいただきたいと思います。

○藤井参事 東京都美術館は、東京芸術文化評議会から提言を受けまして、大規模改修を機に、新たな表現形態に門戸を広げたり、アートを通じた教育普及活動に力を入れるなど、新たな取り組みが必要であるという提言を受けているところでございます。
 これまで提言を踏まえました運営のあり方を検討してまいりましたけれども、公募展示室の運営につきましては、本年の五月から実際に貸し出しを行っております東京都歴史文化財団が新たに専門家による検討会を設置して検討を続けているところでございます。

○遠藤(守)委員 今、参事にご答弁いただきました新たな専門家による検討会とありましたけれども、では、この専門家による検討会はどういった方々がメンバーなのかお示しいただきたいと思います。

○藤井参事 検討会につきましては、洋画、日本画、それから彫刻、書道などの専門家、また、美術に関する学識経験者六名で構成されてございます。

○遠藤(守)委員 この公募展示室の運営については、今後、どのような観点からこれから先検討していくのか。また、新たな利用のルールづくりはいつごろ最終的に決まるのかお示しいただきたいと思います。

○藤井参事 公募展示室の運営につきましては、東京都歴史文化財団が現在具体的な検討を行っておりますが、これまでの公募展事業を充実発展させるために、まず利用団体を広く集める、公募展の開催実績などを評価する、それから、貸出基準をこれまで以上に明確にするという三つを観点といたしまして、また、時期につきましては、平成二十四年度のリニューアルオープンの際に利用する団体の募集等のスケジュールに合わせまして、来年度の早い時期には利用団体に周知できるよう進めているというふうに聞いているところでございます。

○遠藤(守)委員 今のご答弁では、来年度二十四年のリニューアルを目指して、その一年前である来年度の早々に新たなルールを示すといった答弁だと思います。
 これまでも、現在の都美においても、大体公募展の抽せん結果はおおむね一年ということで聞いておりますので、今回はそのルールを抜本的に変えるということでありますので、ぜひ一刻も早いルールづくりをしていただきたいのとあわせて、先ほど冒頭、昨年の質疑を紹介いたしましたけれども、これまでは約九割が、いってみれば継続団体ということでありますので、少なくとも同じような概念を当てはめるのであれば、継続団体が五十、そして新しい団体、新規参入が五十というような形で、フィフティー・フィフティーぐらいの形で門戸が開かれた、こうした新しい都美に向けて取り組みを進めていただきたいことをお願いし、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○畔上委員 私からは二点伺いたいと思います。一点は消費者行政、もう一点は私学助成です。
 まず、消費者行政についてですけれども、真に国レベルで消費者行政を機能させていくには、身近な地方の相談窓口を充実させて、気軽に消費者が相談に行ける消費者相談に結びつけていくことが重要であると考えます。
 私も仕事柄、区の消費者相談につなげたケースというのが何件かあるんですけれども、特に被害が拡大している、また深刻化している高齢者にとっては、まだまだ人に相談するというところまでいかない方が多いのが現実です。
 国民生活センターの調査では、不満や不安、苦情を抱く人の五%ぐらいしか相談窓口に来ていないということですから、先ほどもお話ありましたが、宣伝や情報発信の抜本的な強化も非常に大事だと思いますし、同時に相談事業の拡充、私はこれが大事だと思います。
 その点でちょっと伺いたいんですが、各自治体の相談窓口の開設状況、そして、相談員の配置状況などの現況はどうなっているんでしょうか。

○清宮消費生活部長 都内の区市町村の消費生活相談窓口の状況でございますが、檜原村及び島しょ地域を除くすべての自治体に設置されているところです。
 平成二十年度に区市町村の消費生活センター等が受けた相談は約九万件ございまして、東京都消費生活総合センターが受けた相談件数の約二・五倍となっています。
 相談員の配置についてでございますが、それぞれの自治体における相談件数、窓口の開設状況及び相談員の勤務体制などによって異なりますが、おおむね五名前後であり、区市町村全体では約二百三十人の相談員が配置されています。

○畔上委員 相談員の配置は、各自治体おおむね五名前後というご答弁でしたが、私は区市町村のばらつきがあると伺っています。例えば、区部ではどこでも複数配置しているにもかかわらず、市部では二十六市中十一市で一人体制であると。先ほども檜原村というお話がありましたが、相談員を雇用していない自治体もあると。そういう点では、都内どこにいても同じような相談ができる体制の整備が私は求められていると思うんですが、なかなか自治体任せでは進まないのが現状だと思います。
 そういう点で、東京都として全体の底上げをするためにも適切な支援を行うべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○清宮消費生活部長 区市町村におけます消費生活相談は、人口や相談件数、それぞれの地域における被害の発生状況など、自治体が地域の実情に応じ、それぞれ判断しながら対応しているところです。
 消費者被害を防止していくためには、身近な相談窓口の充実は重要でありますので、このため、都は、区市町村の消費生活センターに対して、相談に関する情報や相談処理マニュアルの提供、研修の実施、困難事案の統一処理など、さまざまな支援を行っているところです。
 また、平成二十年度に設置いたしました消費者行政活性化基金につきましても区市町村に重点的に配分し、相談窓口の強化が図られるよう、多くの機会をとらえて働きかけております。

○畔上委員 都民の消費者被害というのは非常に深刻で、消費者相談の内容も複雑化、また多様化していると伺っています。相談員が相談の内容を的確に把握して対処していく、そうした専門性を積み上げていくということが非常に重要だと思っております。
 そういう点では、相談員の処遇改善というのは不可欠だと思うのですが、都はどのように取り組んでいらっしゃるんでしょうか。

○清宮消費生活部長 東京都の消費生活相談員は、相談の受け付けから助言、あっせん、解決に向けて一貫して対応し、消費者被害の救済を図っています。
 相談員には高度な知識と豊富な経験が必要であり、今後ますます複雑多様化する相談需要に的確に対応できるよう、適切な処遇や研修の充実など、環境の整備に取り組んでいます。
 この四月には、高度専門的な機能を強化するため、相談員の専門分野別グループ制を拡充し、新たに主任相談員を置くとともに、相談員の報酬額を全体で二割近く増額したところでございます。

○畔上委員 専門性を磨くための研修の充実の強化と同時に、私はやっぱり安定した職業として成り立つようにするということが大事ではないかと思っております。
 そういった点で、東京都が相談員の任用を五年の有期としたことは、消費者行政の逆行といわざるを得ないと思っております。さらなる処遇改善とともに、この有期雇用の問題は撤回するように強く求めたいと思います。
 次に、消費者の安全法との関連で伺いたいと思います。
 消費者安全法の十二条では、知事が重大な事故情報を得たときは、被害拡大のおそれがあるとき、内閣総理大臣に通知する義務が発生をいたしました。これは被害の予防原則的対応がいかに重要かということを示しているんだと思います。これを適切に履行するには、事故情報の集約、分析が重要となるわけですけれども、東京都における消費者事故情報の取り扱い、そして活用について伺います。

○清宮消費生活部長 消費者事故情報の取り扱いに関するご質問でございますが、ご要望の中でお話がございました相談員の任期につきまして、一言ご説明を申し上げます。
 消費生活相談員は、東京都の専務的非常勤職員でございまして、任用期間は原則一年以内となっています。都の専務的非常勤職員設置要綱では、四回まで更新することができるとされており、また、四回更新した専務的非常勤職員につきまして、職務の性質上必要がある場合には、選考によって再度採用される可能性があるということになっているものでございます。こういった任期が五年だということとは、ちょっと違うものだということを申し上げておきたいと思います。
 続きまして、ご質問の消費者事故情報についてございますが、本年九月に消費者庁の設置とあわせて、消費者安全法が施行されました。消費者安全法では、消費者事故を防止するため、全国の事故情報を国が一元的に集約することとし、都道府県知事や区市町村長等は、国に通知するように義務づけられました。
 都はこれまでも都民を製品事故などから守るため、都内の消費生活センターや東京消防庁などの関係機関から幅広く危害、危険情報を収集して、調査分析し、必要な場合には、都民に対する注意喚起などを行ってきています。
 国に通知される都内の消費者事故情報につきましても、庁内各局及び区市町村との連携協力のもとに、消費生活部が一元的に把握し、都民の安全を確保するため、適切に活用してまいります。

○畔上委員 今ご答弁の任用の問題なんですけれども、基本的には国会の決議でも、処遇の改善、安定した身分ということが打ち出されておりまして、そういう点では、私は非常勤でなく、やっぱり専門性を積み上げるという点においては、正規で本来しっかりと雇用していくべきだということを考えております。そのことを意見として申し上げたいと思います。
 今、事故情報の問題を伺いましたけれども、なぜこのことを伺ったかと申し上げますと、二〇〇六年にシンドラーのエレベーターの、十六歳の少年が挟まれて亡くなったという重大事故がありましたが、この事故の際に、国交省が警察庁の犯罪調査を優先させて、事故調査を行ったのは事故発生時から二年半もたった二〇〇八年の十二月だったんですね。やっぱり事故調査というのは、私は再発防止や被害の拡大を防いで、安全性向上のためにしていかなくちゃいけないものだというふうに思うんです。そういう点では、やはりその後も同社のエレベーター事故が起こってしまったということがありました。
 これから消費者庁ができて、警察の捜査と同時進行でやるということになると思うんですけれども、私はこの事故の分析の問題で、東京都としても、こうした重大事故情報があった場合に、一つは国との関係で、では、どうやって仕分けをして分析調査をするのか。それから、その情報を、全部担当局に集約するということになっているんですが、その辺の連携がどうなるのか。その辺をやっぱり明確にしていく必要が、今後必要になってくるんじゃないかというふうに考えたからです。
 やっぱり原則的に、消費者が泣き寝入りをしない、また重大事故を繰り返さない、そのためにも都の役割は大きいと思いますので、ぜひ消費者行政を強化する、その仕分けと仕組みづくりを本格的に進めていただきたいと。このことは強く要望して、次の質問に入りたいと思います。
 次は、私学助成なんですけれども、政府は来年度の予算から国公立の高校の授業料の無償化を打ち出し、私学との関係では、二十三日の新聞報道によりますと、私学に通う高校生に対して、年収五百万以下の家庭には、公立の倍額を上限に支給すると。さらに報道によりますと、年収三百五十万以下の家庭には上乗せをして無償化できるように、文科省から今総務省に求めているということが報道されておりました。
 私たちは、私立学校の授業料補助につきましては、生保世帯で公私格差の三分の二の助成という現行の都の補助制度の考え方ではまだ不十分であって、低所得者世帯は全額補助できるようにすることを初めとして、公私格差をなくして、都立でも、私立でも安心して高校に通えるように、補助の拡充を求めてまいりました。
 そういう点では、今回の動きは大きな一歩だと感じているんですけれども、既に十月から学校説明会が始まっておりまして、進路決定の時期を迎えております。経済的負担の大きい中で、保護者にしてみれば、最終的にどのぐらいのお金がかかるんだろうかと、期待と不安、心配の声が出ております。
 また、三百五十万以下の無償化は地方交付税でという報道もありました。それに関しては、私立学校の関係者の皆さんから、どういう補助体系になるんだろうかと、まさに死活問題だという声も私どものところにも寄せられております。
 私は基本的には公立にとどまらず、先ほども申し上げましたが、私立高校も含めた無償化こそ進めていくべきだと考えていますが、そこで伺いますが、まず現行の都の保護者の負担軽減策について伺いたいと思います。

○小笠原私学部長 都では私立高校生の保護者の経済的負担を軽減するため、学校への基幹的補助である私立高等学校経常費補助を通して授業料の抑制を図るほか、家計状況の急変等により、学校が授業料を減免した場合に、減免額の一部を補助しております。
 また、財団法人東京都私学財団を通じて、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成するほか、経済的理由により修学が困難な高校生等に対して、育英資金の貸し付けを行っております。

○畔上委員 今、私立高校の全国の平均授業料は約三十五万円ですが、東京は四十二万円ということであります。国の制度がどうなろうと、都として、その差はしっかりと埋めていく必要があると考えています。
 都の特別奨学金、今、ご説明があったこの奨学金を上乗せしたといたしましても、非課税とか、それから生保以外の世帯では、現行のこの都の特別奨学金を上乗せしても、公私の格差というのは解消されません。
 また、概算要求されています高校の奨学金、この事業は入学料と教科書に充てるとしていますが、このことは重要だと思うんですけれども、やっぱり学費としては、ほかにも修学旅行や教材費、通学費など必要になってくる。さらに、私立の場合は、入学料も国の要求では都の平均も及ばないし、また施設の補助費も初年度で二十万以上必要だということであります。
 こうした現状を踏まえますと、やはり私は東京都としてきめ細かな、まだ今、国の予算が流動的ということでありますけれども、都としてきめの細かい上乗せなどして、ぜひ公私格差の是正を図る、それを前進させると。そのためにご努力をお願いしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、先ほどの私学の耐震補強の工事の進まない要因のことで、調査方法を変えたからだと、実績は伸びているんだというお話がありました。しかし、現時点でどうかということでは六八・五%ということでありますが、それはなぜでしょうか。

○小笠原私学部長 耐震化率は現在で六八・五%というのはなぜかというご質問ですが、本日ご提供いたしました資料の中でもございますとおり、私立学校の方に全棟数及び耐震性のある棟数を改めて調査をいたしまして、全棟数二千八百二十九に対しまして、耐震性のある棟数が千九百三十七ということで、六八・五%でございます。

○畔上委員 そのことは先ほどもご答弁いただいたので、わかっているんです。だから、現実に六八・五%というこの数値、公立の小学校、中学校、高校から比べると低いのはなぜかということを伺っているんです。

○小笠原私学部長 私立学校、公立高校についての比較ということでございますが、私ども本年七月に都が実施いたしました、先ほど申し上げた耐震化状況調査におきまして、耐震化の進まない理由を調査いたしました。
 その結果ですが、建物規模が比較的大きい小中高等学校の回答では、今後、取り壊す予定があるが最も多く、次いで、工事期間中の代替施設がない、自己資金が不足しているなどの理由が挙げられております。

○畔上委員 今お話あったように、代替施設と資金不足ということがあるわけですね。代替地の補償については、都有地の貸し付けなどの制度はないのでしょうか。

○小笠原私学部長 都は私立学校の耐震化を促進するため、学校法人等が校舎の耐震改修工事等を行う場合に、未利用の都有地や建物を代替施設として貸し付ける事業を平成十九年度から実施しております。これまでには、耐震化のための校舎建てかえに際して、未利用の都有地を運動場として貸し付けている例などがございます。
 今後とも、都は私立学校に対して本事業を周知するなど、制度の活用を促してまいります。

○畔上委員 私はもちろんそばにあるかどうかという問題もあると思うんですけれども、周知の問題だけではないんじゃないかと思うんですね。例えば、都有地の無償貸付制度、こういった制度を私はつくって促進を図る必要があるのではないかと考えます。
 というのは、やはり先ほども申し上げましたように、耐震化というのは命にかかわる問題で、私立であろうと、それから公立であろうと、早急な耐震化が必要なわけです。その都有地の無償貸付制度をぜひ検討していただきたいと思いますし、また、先ほども耐震補強についての補助の拡充ということもお話ありました。さらなる拡充を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

○星委員 私からは都民生活部、男女共同参画推進事業から配偶者暴力対策についてお聞きをいたします。
 内閣府の公表によりますと、全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談は、二十年度六万八千百九十六件、十九年度には六万二千七十八件、十八年度には五万八千五百二十八件で、毎年四千人、五千人と増加しています。
 夫や家族、恋人などのごく親しい間柄から受ける暴力、いわゆるDVについての認識が広まりつつある中で、相談件数もふえていることもあるかと思いますが、実際に警察が暴力事案として取り扱った件数も昨年で二万五千二百十件、その前の二万九百九十二件より大幅にふえており、大変深刻な状況であると考えます。
 配偶者暴力防止法におきましては、被害者を女性とは限定していませんが、配偶者からの暴力の被害者は多くの場合、女性です。相談件数や調査結果等から少数の人だけが被害を受けているのではなく、多くの人が被害を受けていることがわかります。私も市議時代、何件か相談を受け、一時避難措置をとっていただいたこともあります。
 暴力の原因としては、夫が妻に暴力を振るうのはある程度仕方がないといった社会通念、アルコールや薬物依存症、男女の経済的格差など、個人の問題として片づけられないような構造的問題も大きく関係しており、予防、解決のためには行政の役割が大変重要です。
 都としても、これまでさまざまな取り組みを進めてきたと認識していますが、最近の東京都の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。

○萩原参事 平成十九年七月の配偶者暴力防止法の改正により、保護命令の範囲の拡大や区市町村における配偶者暴力相談支援センター機能の整備が努力義務とされるなど、被害者の立場に立った、より実効性のある対策が求められることとなりました。このため、平成二十一年三月に東京都配偶者暴力対策基本計画の改定を行ったところでございます。
 現在、改定した計画にのっとり、区市町村における配偶者暴力対策充実のための支援と、相談から自立まで被害者の視点に立った切れ目のない支援との二点を中心的な視点に据えまして、暴力の未然防止と早期発見の推進、関係機関、団体等との連携の推進など、配偶者暴力対策に総合的に取り組んでおります。

○星委員 ありがとうございました。法改正後、区市町村の役割の強化がされ、身近なところでの受け皿の充実ということが求められているのは承知しています。都としては、今後も市区町村の後押し、助言など、私は市区町村によってかなり力量が違うように、今感じておりますので、ぜひ東京都全体の底上げという形で、引き続き後押しをお願いしたいと思います。
 次に、高校生や大学生など、若者の間でも親密な関係になると大人のDVと同様のことが起こっており、そのことはデートDVと呼ばれ、今日、各地の教育関係、福祉関係の機関も対応策に乗り出しています。大人同様、相手を尊重する、思いやる気持ちの欠如、暴力を振るう側の精神疾患、過度のストレスなど、背景、原因はさまざまだと思いますが、暴力的な言動、行為、力による支配に対して寛容な社会であっては絶対にならないと思います。暴力の継承、連鎖を生まないために、次代を担う若い世代だからこそ根絶に向けた取り組みを強化していく必要があると思います。
 最近の若い世代を見たり、相談に乗ったりしていると、特に女子に対して、自分自身の体や人としての尊厳というものについてもっと敏感であってほしいと感じております。
 そこで質問をいたします。デートDVについて、現在、都はどのような取り組みをされていますでしょうか。

○萩原参事 若年層における交際相手からの暴力については、執拗なストーカー行為が繰り返されるケースや生命の危険にさらされるケースなど、深刻な事例も見られますことから、配偶者暴力の未然防止の観点からも啓発を行っております。
 今年度、基本計画に基づき、若年層に向けて、交際相手からの暴力についての相談機関を周知するなど、啓発資料を作成し、配布する予定でございます。
 また、相談を受ける立場にある中学、高校の教職員に対して、交際相手からの暴力に関する研修を実施するなど、教職員の理解を促していくこととしております。

○星委員 どうもありがとうございました。今年度中に啓発資料は作成、配布をするというご答弁を今いただきましたけれども、ぜひお願いしたいのは、例えば東京都がせっかくそういうすばらしいパンフレットないし資料ないし作成いたしましても、それを配布の段階で公共機関、あるいは公的なスペースなどにぽんと置かれたままになっているというようなところをよく目にするんですけれども、このデートDVに関しましては、多くの若者が直接手にする、あるいは目にすることができるように、ぜひ配布方法などに工夫をお願いしたいと思います。
 特に公共機関ということではなくて、繁華街だとか、最近では多分カラオケボックスであるとか、ネットカフェなんかもいいと思いますけれども、実際、若者の行動、多く若者が行き交っているようなところに置かれるような工夫をぜひお願いしたいと思います。これは要望しておきます。
 次に、視点を変えますけれども、女性の積極的な地域参加、自立促進という観点で、今日、災害と女性というキーワードが注目をされていると思います。災害発生時には避難所が設置されますが、神戸の震災、その後の中越地震などでも、プライバシーが保たれない劣悪な環境の中で、授乳スペースがない、あるいは生理、衛生用品が入手しにくい、トイレや洗濯などの問題でも、女性にとって大変過ごしにくい環境だったということが、その後、次々に報告をされています。長時間、車の中で過ごし、エコノミー症候群で亡くなった女性の報道も記憶に新しいところです。
 避難生活というところでも女性の視点が必要であり、災害復旧という場面でも男性同様、積極的に地域で役割を発揮するために、男女平等参画を所管する部局として、私はぜひ取り組めることがあるんではないかと思いまして、ご所見をお願いいたします。

○萩原参事 平成十九年三月に策定をいたしました男女平等参画のための東京都行動計画においては、政治や行政、企業活動、地域活動など、さまざまな分野において女性の参画を進め、多様な価値観、発想を政策に取り入れていくこととしており、防災分野においても女性の視点を反映させていくことが重要でございます。
 今後とも計画に従い、多様な分野での女性の参画が進むよう、関係局で構成する東京都男女平等参画推進会議を活用して、庁内に働きかけてまいります。

○星委員 ご答弁ありがとうございました。女性行動計画の次のプランの改定まではあと二年ありますけれども、今のお答えですと、常設の推進会議で活用していただけるというお答えをいただきました。大変心強く思います。
 最近では、大分県の男女共同参画のセクションがかなり地域防災の中で積極的なアプローチをしておりますので、ぜひ東京都としても、今後とも取り組みの強化、この災害対策に関しましては総務でございますので、私は男女共同参画の視点でぜひ関係機関との調整の中で発言を、アクションを起こしていただければなと思います。ありがとうございました。

○岡田委員 私からは、ワークライフバランスについて三点質問させていただきます。
 都では、このワーク・ライフ・バランス実践プログラムを昨年度作成されましたが、今年度、そのプログラムを実践に取り入れた企業での具体的な取り組みはどのような内容となっているでしょうか。また、社員の満足度など、そういった声が届いていれば、お知らせください。お願いいたします。

○萩原参事 ワーク・ライフ・バランス実践プログラムの作成に当たっては、多くの企業からヒアリング等を行っております。その中から具体的な取り組みをご紹介いたしますと、長時間労働の削減のために、結婚記念日など家族の記念日に有給休暇の取得を呼びかけている事例や、出産、育児休業を予定する女性に、先輩社員など複数の相談役を決め、継続的な就業を支援している事例など、企業の実情に応じたさまざまな取り組みが展開されております。
 社員の声としては、有給休暇の取得を促進した企業では、家族との時間が持てるようになったという声や、出産、育児休業予定者のサポートを充実した企業では、この取り組み以降、目に見えて出産退職が減少したなどの報告が寄せられております。

○岡田委員 私も昨年、大手企業の取り組みを視察してまいりましたけれども、社屋ビルのそばに、近隣の幾つかの企業との共同保育所がありました。そこでは、社員の方たちが大変助かっているということで、仕事も、そして子育ても充実されているという声を聞き、とても安心いたしましたけれども、これは非常に大きな企業で、大企業ですからできることであって、今、この厳しい雇用情勢の中で、中小企業への取り組みはどのように行われていますでしょうか。また、その指導や推進の実情をお知らせください。そして、中小企業に対しての今後の展望なども教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

○萩原参事 中小企業への働きかけとしては、これまで中小企業家同友会や東京経営者協会等と連携して、経営者や人事担当者などを対象としたシンポジウムを開催するとともに、両団体が実施する経営者セミナーや研修会の場での実践プログラムの活用を働きかけております。
 中小企業を取り巻く経済環境は大変に厳しい状況でございますが、中小企業では、経営トップのリーダーシップで大胆に改革を進められることや、従業員が少ないからこそ、個々の従業員の状況に合わせた柔軟な対応ができるという利点を生かしまして、ワークライフバランスを実現している中小企業もございます。
 今後は、昨年度から行っている企業との意見交換会の中で、中小企業での具体的な成功事例を情報提供するなど、業種や規模に応じたワークライフバランスの推進に努めてまいります。

○岡田委員 中小企業に対しての温かい、そういった推進、よろしくお願いしたいと思います。
 このワークライフバランスを推進していくためには、生活文化スポーツ局だけではなく、産業労働局や福祉保健局との連携が不可欠でありますけれども、そういった点に関して、具体的な取り組みはどのように行われているでしょうか、お知らせください。

○萩原参事 東京都では、平成十九年三月に改定した男女平等参画のための東京都行動計画において、ワークライフバランスの推進を重点課題の一つに掲げ、その取り組みを総合的に進めてまいりました。その推進には、男女平等、雇用、子育て支援、教育など、多くの分野での取り組みが必要であることから、関係局で構成する東京都男女平等参画推進会議を活用し、各局が協力して取り組みを進めていくよう働きかけております。
 個別の連携事例といたしましては、福祉保健局所管の次世代育成支援東京都後期行動計画にワークライフバランス推進の視点を盛り込むことや、産業労働局所管の中小企業の相談業務やセミナーなどで実践プログラムを活用するなど、必要に応じて具体的な連携を図っているところでございます。

○岡田委員 昨今の雇用事情の悪化により、過重労働や過重勤務の体制が強いられ、その結果、うつ病や自殺などに追い込まれているといった声も大きく聞かれております。
 好不況問わず、仕事と子育て、親の介護、地域活動など、仕事以外の生活との調和がとれた生活が自己管理のもとに行われるという、このワークライフバランス、絵にかいたもちにならないように着実に推進されることを望んでおります。そのことを要望いたしまして、私の質問は終わりといたします。

○滝沢委員 それでは、私は、まず初めにスポーツ・文化交流基金についてお伺いしていきたいと思います。
 ジュニアスポーツアジア交流大会をバドミントンと柔道という種目で開催しているということですけれども、この種目を決めた理由は何かお伺いしたいと思います。

○板垣参事 ジュニアスポーツアジア交流大会の種目を決めた理由でございますけれども、バドミントンはアジアにおいて非常に競技水準が高く、人気も高いことから種目として選定をいたしました。また、柔道は世界において日本の競技水準が最も高く、海外から参加した選手、役員が競技力向上、審判技術の向上などの成果を得るにふさわしい種目として、競技団体と相談をいたしまして、選定をいたしました。

○滝沢委員 そうしますと、参加する選手の選抜はどのように決めているのかお伺いしたいと思います。

○板垣参事 選手の選抜につきましては、バドミントンは十六歳未満の中学生を、柔道は十八歳以下の高校生を対象としておりますが、いずれも東京都バドミントン協会や東京都柔道連盟といった競技団体からの推薦をいただいて決めております。

○滝沢委員 東京都のスポーツ振興基本計画によると、東京都では平成十四年に策定したスポーツ振興基本計画を全面的に見直し、平成二十五年、東京国体や、その三年後にこの当時開催される予定だったオリンピック・パラリンピックの競技大会を視野に入れて、平成二十八年度までを基本計画の期間とする新たなスポーツ振興基本計画を策定しましたということで載っているんですけれども、その後に、今後は区市町村や都民の皆さんと連携、協働により基本計画に基づく取り組みを推進し、躍進するスポーツ都市東京を実現して目指していきますということなんですけれども、国際大会においてもこういった東京都のスポーツ振興基本計画に基づいた取り組みをされていくのか、いかないのか。先ほどのバドミントンだったりとか柔道というのは、そういう連盟や協会にお伺いしてということですけれども、この振興基本計画との整合性についてお伺いしたいと思います。

○板垣参事 振興計画との関連につきまして、区市町村との連携についてでございますけれども、今回のこのアジアスポーツ大会につきましては、海外からの参加者がその年代におけるトップレベルの選手を派遣しておりまして、大会の競技レベルの維持のために、諸大会の上位入賞者を競技団体から選抜するという方法が最もふさわしいというふうに考えておりまして、それ以外のさまざまな協力は、また区市町村と連携をしてまいりたいと思いますが、このスポーツ大会につきましては、そのような理由で選抜をさせていただきました。

○滝沢委員 国際大会において、市区町村が知っているのか、その協会が知っているのか、地域によって情報収集ということで今後もしていただきたいと思います。
 次に、東京マラソンについてお伺いしたいと思います。来年、東京マラソン二〇一〇年は二月二十八日に開催されるというところですけれども、その一週間前の二月二十一日に青梅市が主催する青梅マラソンが開催されますけれども、東京マラソンの開催日を青梅マラソンの一週間後に設定した、その日程の基準をお伺いしたいと思います。

○岸本東京マラソン事業担当部長 東京マラソンの開催日につきましては、財団法人日本陸上競技連盟などで構成いたします東京マラソン組織委員会において決定されるものでございます。
 ことしの六月二十二日に開催されましたこの組織委員会におきまして、オリンピック代表選手などの全国の選考会になっていますマラソンレースの日程ですとか、それから参加者にとって記録が出やすい時期などを考慮いたしまして、大会開催日を二月の第四週と決定し、来年につきましては二月二十八日に決定したと。そういう経緯でございます。

○滝沢委員 その東京マラソンという大きな大会の開催に当たるには、各市町村だったり、自治体とかが既存にやっているマラソン大会もあって、青梅市を初めとした多摩地域でもいろんな団体がやっていると思いますけれども、マラソンや大会用の施策に行うべき地域の考え方というのはどう考えられているのか。配慮についてお伺いしたいと思います。

○岸本東京マラソン事業担当部長 地域におけますさまざまなマラソン大会への影響ということでございますが、例えば青梅マラソンでございますが、来年の二月に開催いたします第四十四回の青梅マラソンにおきましては、以前よりも非常に人気が出まして、早期に定員に達したというふうに聞いております。
 その原因でございますが、東京マラソンの開催がきっかけとなりまして新しいランニング人口を掘り起こしたことにより、伝統のある青梅マラソンへの参加者が増大したことや、東京マラソンが高倍率となっておりますので、結果といたしまして、日程が近い青梅マラソンへの参加者がふえたのではないかというふうに分析しておるところでございます。
 したがいまして、青梅マラソンだけでなく、東京近辺で行われておりますさまざまなマラソン大会につきましても、参加者が軒並みふえているというふうな状況にございまして、この東京マラソンと青梅マラソンを初めとする地域のマラソン大会というのは、ともに繁栄している関係にあるというふうに認識しております。

○滝沢委員 多摩地域市区町村の他のスポーツイベントというのは、前には青梅マラソンと直接日程がぶつかってしまったりとかということで、その地域のスポーツイベントとしての東京都の配慮を実施される必要があると思いますけれども、その辺についての考え方をお伺いしたいと思います。

○安藤スポーツ振興部長 都は、これまでも都民体育大会などにおいて、区市町村の体育協会を通じて、スポーツ振興基本計画にもございますように、地元と連携しながらスポーツイベントを実施したところでございます。
 また、昨年度から開催しております多摩川ウオーキングフェスタでは、多摩川沿いの二区八市を紹介するブースに地元からも出展してもらい、区市町村と調整しながら実施しているところでございます。
 引き続き、区市町村と配慮を行いながら、スポーツイベントを開催するようにしてまいります。

○滝沢委員 ぜひ地域のスポーツの振興、全体的に東京都で振興できますようお願い申し上げるとともに、次に、東京ビッグトークについてお伺いしたいと思いますけれども、石原知事と議論する会ということで、東京都含め多摩地域などでいろんな行事を、東京都としての実施をされていると思いますけれども、それの連携を深めた中で、多摩地域や東京都の広域の中での各地域での開催ということを考えられているのかどうかお伺いしたいと思います。

○石原広報広聴部長 東京ビッグトークでございますが、都庁舎での開催を基本としつつ、設定テーマによりましては都内各所で開催をしております。
 都庁舎外での開催例を申し上げますと、中小企業支援をテーマにした回では大田区の産業プラザで、首都東京の再生をテーマにした回は東大和市の市民会館、魅力的な水辺空間の創出をテーマにした回は品川区のウオーターフロント地域で開催をしております。
 今後ともこうした考え方に基づいて実施をしてまいります。

○滝沢委員 各政策課題で議論をする会ということを開催されるということで、東京都内いろんな地域があって、政策課題もあると思いますので、広域の面で見た中での開催をぜひお願いしたいと思います。
 次に、都民から都政に対する提言や苦情、要望等というのを東京都で集計したり分析して、都政にフィードバックしているということでございますけれども、その事例や結果について、どのような結果があるのかお伺いしたいと思います。

○石原広報広聴部長 都民の声総合窓口に寄せられた提言、要望等は、各局にすべて送付をいたしまして、連携を図りながら、その内容を都政にフィードバックをしております。
 各局の施策や事務改善に生かした事例といたしましては、医療における連携体制の整備を求めるご意見を受けまして、体制の再点検を急務と考え、協議会を開催して検討を進めた事例、施設の使用上の不便についての指摘を受けまして、施設の改修、あるいは案内を充実させた事例、事業の窓口などをホームページにわかりやすく載せてほしいという要望を受けまして改善をした事例、職員の応対につきまして、職員の不快な言動への苦情を受け、謝罪をするとともに、接遇の向上を図るため研修を実施した事例などがございます。
 今後とも、寄せられた提言、要望等を真摯に受けとめ、都政運営に生かしてまいります。

○滝沢委員 ぜひフィードバックをしてということで、そこまでいっていますので、その結果がさらにどうなったかというのも今後公表していただきたいと思います。
 次に、シンボルマークの管理についてお伺いしますけれども、東京都のシンボルマークをどのように管理、使用されて、最終的にだれが決定をするのかお伺いしたいと思います。

○石原広報広聴部長 シンボルマークの使用につきましては、東京都のイメージを統一し、効果的に伝達をするため、シンボルマークの使用方法を解説いたしました東京都基本デザインマニュアルを定めております。
 具体的な使用につきましては、マニュアルを基本として、使用する対象物等の事案に応じ、それぞれの事案の決定権者が決定することが原則でございます。

○滝沢委員 そのマニュアルに沿ってシンボルマークということで、下水道では水のマークを入れた中で使えないということで新しくつくり直したという中で、いろんな検討されて、そのマニュアルに沿ってやったんだけれども、最終的には使えないものをつくってしまったということで、石原知事はそれでもそれを使えるよという判断をされた中で、どこが最終的にそのシンボルマークの決定機関であって、どこが最終的に判断して、それがいい、悪いというのをもう一回改めて精査していただきたいと思います。
 次に、地域の底力再生事業助成についてお伺いいたしますけれども、助成事業の対象団体というのは、地縁団体、町会、自治会ということで規定をされていますけれども、例えば地域ごとに青年会議所等があって、国際交流センターで外国人におみこしの団体を呼んで担ぎ方教室をしたりとか、もしくは市民を多く募って、子どもたちに水辺の学校を開いたりとか、そういった事業も地域、町会と連携をしたり、もしくは単独でやっている事業もあるかもしれないんですが、そういった事業についてもこういった助成の対象になるのか、ならないのか、まずお伺いしたいと思います。

○平林都民生活部長 地域の底力再生事業助成は、地域の担い手である町会、自治会の活動に助成し、地域力向上を図る事業でございます。既に、助成対象事業の中に他団体との協働事業という事項を設けておりまして、PTAや大学を初めとして、さまざまな団体と協働する事業も対象としております。

○滝沢委員 そうすると、PTA、NPO等と書いてあるんですけれども、その中にも町会を通じれば、青年会議所や地域のほかの団体でも使えるということでよろしいんでしょうか。

○平林都民生活部長 PTAやNPOだけでなく、大学、青年会議所等も対象となります。

○滝沢委員 それでは次に、渡航事務についてお伺いいたしますけれども、現在、パスポート等の旅券の発行事務自体はありますけれども、各市町村や自治体がその旅券の発券業務に携わりたいということができるのか、できないのか、まずお伺いしたいと思います。〇平林都民生活部長 旅券業務は法定受託事務であるために、さまざまな制約がございますけれども、市あるいは区が権限移譲ですとか再委託という方法によって、パスポートのセンターを設置することは可能ではございます。

○滝沢委員 各自治体、区市町村が設置することは可能なんですけれども、設置するに当たって、再委託なり自治体が運営するに当たって、立川だったりとか、新宿でしたりとか、分室を含めた中での業務の違いというのはあるんでしょうか。

○平林都民生活部長 都では、新宿あるいは三カ所の分室におきまして旅券発給業務を行っております。
 東京都では、旅券の申請、作成、交付というものをその事務所で行うことができますけれども、外務省の方針によりますと、市がそういうパスポートセンターを設置した場合には、申請、交付のみとなっておりまして、作成は都道府県レベルで行うこととなっております。

○滝沢委員 例えば、自治体が旅券の場所を設置した場合に、自治体によっては、東京都が国から委託を受けていて、再委託を受けて旅券を自治体でやろうとする場合には、その自治体が、Aという市がもし受けてしまった場合に、Aという市民はその自治体でしか発行や手続、申請ということができないということで、もしほかの新宿でしたりとか立川の分室ですとかに行こうとすると、その弊害が、Aという自治体だけでしかできないという現実があるそうですけれども、それは本当ですか。

○平林都民生活部長 今ご質問がございましたけれども、例えば市が権限移譲、あるいは再委託によってパスポートセンターを受けた場合には、その市の市民というのは、その市の中に設置された旅券事務所のみで申請をするということになります。ですから、例えば勤め先、通学の先である新宿ですとか、あるいは池袋、有楽町といったところでの申請はできなくなるということになります。

○滝沢委員 今お伺いしてきて、自治体では再委託でしたりとか、そういう申請とかをしたいというところがあっても、やはりそういった大きな壁があったりして、広域的な東京都として、今後、現在の既存の申請窓口以上にふやす気は多分ないと思うんですけれども、そういった自治体の要望に対して、東京都としては今後どう対応されていくのかお伺いいたします。

○平林都民生活部長 区や市からパスポートセンターの設置についてお問い合わせがあった場合には、現在申し上げましたような制約について情報提供をさせていただいております。
 先ほど、作成については東京都でしか行えないというふうに申し上げましたが、その結果、例えば市がパスポートセンターを設置した場合には、市で申請を受けたものが都に輸送されまして、都で作成したものをまた送り返して、そこで交付するということになります。そういった意味で、市民の利便性がかえって低下する面もあるかと考えております。
 こうしたこともありまして、都では、島しょ地域におきましては、離島という地域特性を考慮いたしまして、旅券業務の再委託を行っておりますけれども、市に対する旅券業務の権限移譲や再委託というのは考えておりません。

○島田委員 私からは、東京国体に向けての競技力強化活動についてお伺いしたいというふうに思います。
 オリンピック招致はまことに残念ではありますけれども、うまくいかなかったということでございますが、二〇一三年には東京国体が開催されます。オリンピックはコンパクトなオリンピックという計画だったわけですけれども、東京国体は島しょ地域も含む東京全域、そして特に多摩地域でも多くの競技が開催されるということで大変期待しているところでございます。
 私の地元羽村市においてもバレー競技が開催されますが、東京アスリートの活躍する姿が多くの都民に夢や感動を与え、東京のスポーツ振興の機運を大きく盛り上げることにつながるというふうに思っております。
 各開催会場の施設や設備の準備は国体推進部の方で進められていくと思いますが、大事なのは、目前の四年後に迫った東京国体で活躍できる人材の育成であると思います。そのためには、選手の競技力向上が課題であり、関係者が一丸となって戦略的な強化に取り組んでいかなければならないと考えますが、まず、その検討体制がどうなっているのかお伺いしたいというふうに思います。

○板垣参事 競技力向上の検討体制についてでございますが、東京国体や国際大会に向けた競技力向上施策を総合的に推進するために、都におきましては、副知事を本部長に、日本オリンピック委員会、国立スポーツ科学センター、中央競技団体からの有識者等で構成された東京都競技力向上推進本部を平成十九年の七月に設置いたしまして、強化部会、指導者部会、医・科学部会の三部会を置きまして、専門的見地からの戦略的な強化策を検討できる体制を整えております。

○島田委員 東京都競技力向上推進本部とありましたが、この本部ではどのような戦略が立てられたのか、その現状の取り組みがどうなっているのかをお伺いしたいと思います。

○板垣参事 平成二十年三月には、東京都競技力向上基本方針・実施計画を策定したところでありまして、ジュニア層の発掘、育成、強化を含めました選手強化体制の整備とともに、指導者の確保、育成、医科学サポートによる支援等の柱を定めまして、総合的に施策を推進していくこととしております。
 既に本年度、東京アスリート育成推進校の指定とともに、ジュニアアスリート発掘・育成事業や三大学の連携によります医科学サポート事業も開始をいたしまして、基本方針・実施計画で予定された事業のすべてに着手したところでございます。

○島田委員 私自身、学校教育に携わった経験もある中で、特にジュニアの選手の強化、育成が重要であるというふうに認識しております。
 ただいま答弁のあった東京アスリート育成推進校はどのような形で指定され、そうした学校ではどのようなサポートが行われているのかお伺いいたします。

○板垣参事 東京アスリート育成推進校は、公立、私立を問わず、各種の大会で競技実績が顕著な学校や、今後国体での活躍が見込まれる高校を東京アスリート推進校として指定するものでございまして、平成二十一年度は二十八の競技において合計百五十五校を指定いたしました。
 この事業の目的は、基本的には東京国体に向けた生徒や学校のモチベーションを高めていくということが主眼でありまして、東京都ホームページ上のスポーツTOKYOインフォメーションでの都民へ向けた指定校の紹介も行ってございます。
 なお、これらの学校に在籍する優秀な選手への支援につきましては、学校ごとのサポートというよりも、競技団体を通じて統一的かつ継続的な強化を図っていくことが効果的であると考えておりますことから、競技団体を主軸とした強化支援を行っているところでございます。

○島田委員 先ほど申し上げたとおり、ジュニアの育成、非常に重要だと思いますので、ぜひその辺の強化支援、よろしくお願いいたします。
 さらに、先ほどの中で、医科学サポートによる支援というふうにあるとお伺いしました。私も、従来型の経験則のみに基づいた指導だけでなく、科学的根拠によるスポーツ医科学面からのサポートはとても重要だと思います。今年度からの取り組みだということですが、現在どのように進められているのかお伺いいたします。

○板垣参事 医科学サポートによる支援でございますが、これは高校生の国体候補選手に対しまして、ビデオによる動作解析による指導、あるいはトレーニングメニューの作成、栄養指導など、医科学的な見地から総合的なサポートを行うもので、さきの方針に基づきまして本年度から開始をしております。
 事業の実施に当たりましては、相当の施設設備と専門スタッフが必要になりますので、都内にあるスポーツ医科学機能の充実している三大学と連携をいたしまして、その機能を効果的に活用しながら、今年度はモデル的に陸上競技、柔道などの七競技について、高校生の国体候補選手約百六十名を対象に事業を展開してございます。

○島田委員 東京国体に向け、非常に多角的な競技力向上策に取り組んでいるということがわかりました。今後とも一歩たりとも後退することなく、東京のスポーツ振興を進めていただくとともに、来る東京国体を契機として、さらに東京のスポーツ界が大きく前進していくことを祈念申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○大西委員長 ほかに発言はありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五分散会

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