文教委員会速記録第十四号

平成二十年十月十四日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長服部ゆくお君
副委員長大西さとる君
理事伊藤 興一君
理事吉原  修君
理事今村 るか君
遠藤  守君
早坂 義弘君
野上ゆきえ君
谷村 孝彦君
村上 英子君
古館 和憲君
古賀 俊昭君
初鹿 明博君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化スポーツ局局長秋山 俊行君
総務部長小林  清君
広報広聴部長石原 清次君
都民生活部長平林 宣広君
消費生活部長清宮眞知子君
私学部長小笠原広樹君
文化振興部長 廣瀬 秀樹君
スポーツ振興部長細井  優君
参事萩原まき子君
参事高橋  博君
参事桃原慎一郎君
参事池田 俊明君
教育庁教育長大原 正行君
次長影山 竹夫君
理事岩佐 哲男君
総務部長松田 芳和君
都立学校教育部長森口  純君
地域教育支援部長皆川 重次君
指導部長高野 敬三君
人事部長直原  裕君
福利厚生部長秦  正博君
教育政策担当部長石原 清志君
参事中島  毅君

本日の会議に付した事件
 生活文化スポーツ局関係
事務事業について(説明)
 教育庁関係
事務事業について(説明)

○大山委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりです。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の事務事業の説明聴取を行いたいと思います。
 なお、本日は、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は今後の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、生活文化スポーツ局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○秋山生活文化スポーツ局長 生活文化スポーツ局長の秋山俊行でございます。
 委員長初め、委員の皆様方のご指導を賜りまして、当局の所管事業が適切かつ円滑に推進できますよう、真摯に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 続きまして、当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 まず、総務部長の小林清でございます。広報広聴部長の石原清次でございます。都民生活部長の平林宣広でございます。消費生活部長の清宮眞知子でございます。私学部長の小笠原広樹でございます。文化振興部長 の廣瀬秀樹でございます。スポーツ振興部長の細井優でございます。参事で都政情報担当の萩原まき子でございます。同じく参事で男女平等参画担当の高橋博でございます。参事で文化施設改革担当の桃原慎一郎でございます。参事で調整担当の池田俊明でございます。最後に、当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の武市玲子でございます。
 なお、東京マラソン事業担当部長の岸本良一は、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○大山委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○大山委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○秋山生活文化スポーツ局長 生活文化スポーツ局が所管しております事務事業の概要につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元の資料第1号、事業概要の三ページをお開きください。生活文化スポーツ局の機能でございます。
 当局は、社会の変化を的確に把握しながら、生活の質的豊かさを求める都民の皆様の多様なニーズにこたえることを基本的な役割といたしまして、都民生活とかかわりの深い1から6までの施策を、各局と連携しながら実施しているところでございます。
 初めに、1、広報広聴及び情報公開のための施策でございます。
 都民の皆様に、都政に関する情報を迅速かつ的確に提供いたしますとともに、幅広い都民の方の声を集約し、都政に反映させていくため、広報広聴活動を展開しているところでございます。
 また、条例に基づき情報公開制度及び個人情報保護制度を運用し、開かれた都政の推進と個人の権利利益の保護に努めているところでございます。
 次に、2、法人の許認可等、男女平等参画推進等の施策でございます。
 公益法人の許認可等の事務を行いますとともに、ボランティア団体やNPO法人などによる市民活動の促進と、これらの団体との協働を推進しているところでございます。
 また、東京都男女平等参画基本条例に基づきまして、男女平等参画社会の実現を目指して各種施策を推進しているところでございます。
 次に、3、消費生活の安定と向上のための施策でございます。
 不適正な取引による消費者被害を防止するため、法令、条例に基づいた厳正な対処を行うとともに、消費生活相談や消費生活情報の収集、提供を行いますほか、商品やサービスの安全性の確保など、公正な取引環境の整備を推進しているところでございます。
 次に、4、私学の振興等のための施策でございます。
 学校教育に大変大きな役割を果たしております私立学校につきまして、認可や指導を行いますとともに、経常費の補助や保護者の経済的負担の軽減など、さまざまな助成策を講じ、私立学校の振興に努めております。
 次に、5、文化振興のための施策でございます。
 東京の活力を一層高め、世界に向けて文化を発信する魅力ある都市とするため、文化を創造するための環境の整備や、文化を支える社会的な仕組みづくりのほか、都立文化施設の運営など、総合的な施策を展開するところでございます。
 最後に、6、スポーツ振興のための施策でございます。
 都立体育施設の運営や、各種スポーツイベントの開催など、だれもがスポーツを楽しめるスポーツ・フォア・オールの実現を目指した施策を展開しております。また、東京国体やオリンピック・パラリンピックに向けた競技力向上策も推進しているところでございます。
 以上、当局が所管しております事務事業の概要をご説明させていただきました。
 豊かな都民生活の実現に向けて、職員一同、全力を尽くしてまいる所存でございます。委員の皆様におかれましては、さらなるご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、詳細につきましては、総務部長から説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○小林総務部長 局長からの概要説明に引き続きまして、事業の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 本日、お手元には、資料第1号、第2号及び第3号をお配りさせていただいております。第1号は今ございました当局の事業概要でございます。第2号は財団法人東京都歴史文化財団、第3号は財団法人東京都スポーツ文化事業団の、それぞれの経営状況説明書でございます。
 それではまず、資料第1号の事業概要に基づきましてご説明申し上げます。
 四ページをお開きいただきたいと思います。当局の機能と事業体系図でございます。
 先ほど局長よりご説明いたしました六つの施策に対応いたします事業区分、所管組織及び主な事業を掲げてございます。
 次に、一一ページをお開きいただきたいと思います。組織、定数でございます。
 まず、本ページには、平成二十年四月一日現在の当局の機構図を記載しております。本庁組織は七部ございまして、総務部、広報広聴部、都民生活部、消費生活部、私学部、文化振興部、スポーツ振興部となっております。
 また、所管の事業所といたしまして、消費生活総合センター、計量検定所、東京ウィメンズプラザなどがございます。
 続きまして、一二ページをお開きいただきたいと思います。ここから一七ページにかけまして、各部及び各事業所の分掌事務を掲げてございます。これらの主要事業につきましては、後ほどご説明を申し上げます。
 一八ページをお開きいただきたいと思います。平成二十年四月一日現在の職員定数表でございます。
 生活文化スポーツ局の職員定数は、表の左上に記載のとおり、事務、技術及び技能を合わせまして、四百三十四名でございます。
 一九ページからは、予算・決算でございます。
 平成二十年度の当初予算額は、上段の(1)、総額にございますように、歳入が二百三十七億五千九百万余円、歳出が千六百二十八億五千二百万円でございます。
 なお、さきの平成二十年第三回都議会定例会におきまして、私立学校の耐震改修促進を要する経費といたしまして、歳出約一億一千万円の増額補正が行われているところでございます。
 また、歳入歳出予算の科目別構成につきましては、(2)及び(3)に記載してございます。
 次に、二〇ページをお開きいただきたいと思います。この二〇ページ及び二一ページでは、事業別歳出予算額を記載しております。
 次に、当局各部において実施しております事業の概要につきまして、それぞれ事業体系に基づいてご説明をいたします。
 初めに、二九ページをお開きいただきたいと思います。このページから五四ページまでが、広報広聴及び情報公開のための施策でございまして、広報広聴部が所管をしております。
 三二ページの事業の体系をごらんいただきたいと思います。そこにございますように、広報事業といたしまして、知事と議論する会の開催や、「広報東京都」の発行、テレビ、ラジオによる広報等を行っております。
 また、広聴事業といたしまして、都民の声総合窓口におきます各種相談等を実施しております。
 さらに、条例に基づきまして、情報公開制度、個人情報保護制度を運用しております。
 次に、五五ページをお開きいただきたいと思います。このページから七九ページまでが、法人の許認可等、男女平等参画推進等の施策でございまして、都民生活部が所管しております。
 事業の体系につきまして、五八ページをごらんいただきたいと思います。そこにありますように、地域国際化推進検討委員会の運営、東京ボランティア・市民活動センターへの支援など、地域国際化や市民交流を推進いたしますとともに、公益法人、宗教法人及びNPO法人の許認可、認証事務を行っております。
 また、東京都男女平等参画審議会、東京ウィメンズプラザの運営などによりまして、男女平等参画施策を推進しております。さらに、新宿など四カ所におきまして、旅券の発給事務も行っているところでございます。
 続きまして、八一ページをお開きいただきたいと思います。この八一ページから一二七ページまでが、消費生活の安定と向上のための施策でございまして、消費生活部が所管をしております。
 事業の体系につきまして、八四ページをごらんいただきたいと思います。そこにございますが、まず、取引指導事業といたしまして、都民の消費者被害を防止するため、不適正な取引を行っている事業者に対しまして、関係局、近隣県とも連携しながら、法令、条例に基づいた業務停止命令などの厳正な処分を適時適切に行うとともに、商品の表示適正化対策を行っているところでございます。
 また、商品、サービスの利用に伴います危害、危険を防止するため、安全性に関します情報収集、調査、分析、都民の方々への情報提供を的確に行い、商品、サービスの改善等につなげているところでございます。
 消費生活総合センターにおきましては、消費生活相談員を配置いたしまして、都民からの消費生活相談を受け、問題解決のための助言、あっせん等のほか、消費者被害防止に向けた普及啓発等の事業を実施しております。
 さらに、そのページの中ほどでございますが、消費生活協同組合の指導、育成や、公衆浴場対策、また、一番下でございますが、計量検定所におきまして、計量器の検定、検査、スーパーや小売店などへの商品量目立入検査などによりまして、計量の適正化を図っているところでございます。
 次に、一二九ページをお開きいただきたいと思います。この一二九ページから一四四ページまでが私学の振興等のための施策でございまして、私学部が所管をしております。
 事業の体系につきまして、一三二ページをごらんいただきたいと思います。都内には、平成二十年五月現在、千九百七十の私立学校がございますが、私学部では、これら私立学校の設置、廃止等の認可及び各種指導を行っております。
 また、私立学校の振興のため、学校に対します基幹的補助である経常費補助を初め、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助等の保護者の経済的負担の軽減を図るための助成、また学校の安全性を高めるための耐震工事に関する補助等、そこにごらんのように、多岐にわたる各種助成事業を行っております。
 さらに、そこの一番下でございますが、経済的理由等によりまして修学が困難な方々に対します育英資金の貸付事業を実施しているところでございます。
 続きまして、一四五ページをお開きいただきたいと思います。この一四五ページから一八六ページまでが文化振興のための施策でございまして、文化振興部が所管しております。
 事業の体系につきまして、一四八ページをごらんいただきたいと思います。東京芸術文化評議会の運営を行いますとともに、まず、文化事業といたしまして、都民の日記念行事や名誉都民の顕彰などを実施しております。
 また、舞台芸術を振興するアジア舞台芸術祭、若手作家に作品の発表の場を提供するトーキョーワンダーウオールや、公共空間をアーチストに開放するヘブンアーチスト事業などの各種文化事業を実施しております。
 また、財団法人東京都歴史文化財団への助成を行うとともに、今年度からは、財団と協力いたしまして、東京ならではの芸術文化を創造し、内外に発信するため、東京文化発信プロジェクトを展開しているところでございます。
 また、昭和三十九年の東京オリンピックを契機に設立されました財団法人東京都交響楽団への助成も行っております。
 さらに、文化施設の管理運営でございますが、そこに記載しておりますように、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館、東京芸術劇場などの都立文化施設の管理運営を行っているところでございます。
 次に、一八七ページをお開きいただきたいと思います。この一八七ページから二〇六ページまでがスポーツ振興のための施策でございまして、スポーツ振興部が所管しております。
 事業の体系につきまして、一九〇ページをごらんいただきたいと思います。東京都スポーツ振興審議会の運営を行いますとともに、まず、生涯スポーツの振興を目的に、地域スポーツクラブの育成支援や、都民体育大会や都民生涯スポーツ大会等の各種大会の開催などを行っております。
 また、東京国体やオリンピック・パラリンピックに向けた総合的な競技力向上策の推進など、競技スポーツ振興のための取り組みを進めております。
 さらに、ジュニアスポーツアジア交流大会や、東京国際ユースサッカー大会などのスポーツ国際交流事業も実施しております。
 今年度三回目を迎えます東京マラソンにつきましては、参加定員を三万人から三万五千人に拡大するとともに、マラソンフェスタや沿道応援イベントなど、東京大マラソン祭りも引き続き開催し、大会を盛り上げてまいります。
 体育施設の管理運営につきましては、都立のスポーツ施設であります東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場、東京武道館、東京辰巳国際水泳場の管理運営を行うなど、スポーツ環境の整備にも取り組んでおりまして、だれもがスポーツを楽しめるスポーツ・フォア・オールの実現を目指した事業を展開しております。
 以上が生活文化スポーツ局の事業概要でございます。
 引き続きまして、資料第2号、第3号でございますが、これらは、東京都が基本財産に出資等を行っている団体のうち、当局が所管しております財団法人東京都歴史文化財団及び財団法人東京都スポーツ文化事業団の経営状況説明書でございます。
 それぞれ、各財団の平成二十年度におきます事業計画及び収支予算、平成十九年度におきます事業実績及び収支決算等について記載をしているところでございます。
 詳細につきましては、大変恐縮でございますが、後ほどごらんをいただきたいというふうに存じます。
 以上をもちまして事務事業の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○古館委員 それでは、何点かお願いいたします。
 一つは公衆浴場についてで、その一ですけれども、過去十年間、公衆浴場の推移。それから、二が補助金の推移。
 大きな二番目ですが、物価高騰、原油高騰に対して、都が行ってきた施策等について。
 三番目が、私立学校経常費補助、一般補助の生徒一人当たりの単価及び全国順位の推移。
 四番目が、東京都育英資金一般貸し付けの規模の推移。
 五番目が、私立幼稚園における預かり保育の実施状況。
 六番目が、私立幼稚園保護者負担軽減補助の実績、過去五年間で。
 七番目が、私立学校における学校規模別学校数。
 八番目が、私立高等学校中途退学者理由別内訳。
 九番目が、都立体育館施設の改修、改築、増築等の状況。
 十番目が、スポーツ振興施策にかかわる予算の推移。
 十一番目が、オリンピック関連施策についてですが、一つは、これまで実施してきた事業と財政支出。二つ目が、現在進行中の事業と財政規模。三つ目が、今後予定している事業と財政規模について。
 以上です。

○大山委員長 ほかに資料要求ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 ただいま古館委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。

○大山委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、教育長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○大原教育長 教育長の大原正行でございます。
 このたび、文教委員会の委員に就任されました皆様には、教育行政につきまして、一層のご指導、ご助言を賜りますよう、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 私ども、今後とも、都民の期待にこたえるべく、積極的に諸施策を推進し、東京都の教育改革に努めてまいる所存でございます。
 それではまず、教育庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の影山竹夫でございます。理事の岩佐哲男でございます。総務部長の松田芳和でございます。都立学校教育部長の森口純でございます。地域教育支援部長の皆川重次でございます。指導部長の高野敬三でございます。人事部長の直原裕でございます。福利厚生部長の秦正博でございます。教育政策担当部長の石原清志でございます。参事で人事企画担当の中島毅でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます、総務課長の江藤巧でございます。
 なお、本日は、参事で特別支援教育推進担当の高畑崇久は、病気療養のため、欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大山委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○大山委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○大原教育長 教育庁関係の事務事業の概要につきまして、ご説明を申し上げます。
 都教育委員会は、子どもたちが、知性、感性、道徳心や体力をはぐくみ、人間性豊かに成長することを願い、互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間、社会の一員として、社会に貢献しようとする人間、みずから学び考え行動する、個性と創造力豊かな人間の育成に向けた教育を重視することを教育目標に掲げ、現在、教育改革に向けた具体的な施策を積極的に進めているところでございます。
 また、都教育委員会は、平成十六年四月に東京都教育ビジョンを策定し、その実現に向け取り組んでまいりましたが、「十年後の東京」が示す方向性や、時代状況の変化を見据え、新たな教育ビジョンの策定が必要と考え、本年五月に東京都教育ビジョン(二次)を策定いたしました。
 本ビジョンは、東京都における教育振興基本計画としても位置づけられるものでありまして、東京都が目指すこれからの教育の柱として、社会全体で子どもの教育に取り組むこと、生きる力をはぐくむ教育を推進することを挙げ、今後五年間に取り組むべき二十七の重点施策と、その実現に向けた八十の推進計画を示しております。
 今後、都教育委員会は、本ビジョンに基づき、国、区市町村、民間も含めた関係機関の協力を得ながら、東京の教育を推進してまいります。
 なお、東京都教育ビジョン(二次)につきましては、参考として資料をお手元に配布させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
 それでは、お手元にお配りをいたしました資料、平成二十年度主要事務事業の概要の二ページをお開きいただきたいと存じます。
 私からは、教育目標を達成するための四つの基本方針と、それに基づく主要施策につきまして、概要を説明させていただきます。
 第一は、人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成でございます。
 子どもたちが思いやりの心や社会生活の基本的ルールを身につけるとともに、社会貢献の精神をはぐくむため、「心の東京革命」教育推進プランを引き続き着実に実施してまいります。
 また、都立高校では、他人への共感、社会の一員としての自覚、社会に役立つ喜びなどを学ばせることをねらいとして、平成十九年度から、全国に先駆けて、全都立高校において教科「奉仕」を必修化いたしました。
 今後も、体験先の開拓やプログラムづくりなどの支援を行い、引き続き、多様な奉仕体験活動の一層の推進を図ってまいります。
 第二は、豊かな個性と創造力の伸長でございます。
 都教育委員会では、かねてより、基本方針の中で基礎的な学力の向上を掲げ、一人一人の生徒、児童の生きる力を育成するという基本的な考え方に立って、確かな学力の育成に取り組んでまいりました。
 今後、児童生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準を策定し、児童生徒が学習指導要領の内容を身につけるために必要な知識、技能や考え方等とその指導方法を示し、各学校における授業改善に生かしてまいります。
 第三は、総合的な教育力と生涯学習の充実でございます。
 子どもたちの次代を担う力をはぐくむために、地域住民が主体となって、企業やNPO団体、大学等さまざまな機関と連携を図り、奉仕体験活動やキャリア教育など、学校内外を通じた教育活動や家庭教育を支援する仕組みをつくり、学校、家庭、地域の教育力の総合的な向上を図ってまいります。
 また、これまでの子どもの生活習慣確立プロジェクトの成果を踏まえ、人間形成の基礎となる乳幼児からの子どもの健やかな成長を支援する乳幼児期からの子どもの教育支援プロジェクトを実施し、家庭教育の機能及び地域教育の機能を高めてまいります。
 第四は、都民の教育参加と学校経営の改革の推進でございます。
 現在、社会状況や子どもの変化等を背景に、学校教育における課題は一層複雑多様化しており、今までの経験や方法では対応し切れない状況が生まれています。これからは、教員一人一人の資質、能力と学校の組織的課題解決能力を一層向上させ、学校全体の教育力を向上させていく必要があります。
 そのため、職の分化による統括校長、主任教諭の平成二十一年度からの任用に取り組みますとともに、各職層に応じて身につけるべき力や人材育成の仕組みを明確にした東京都教員人材育成基本方針を今後策定し、実施してまいります。
 以上、都教育委員会の事務事業につきまして概括的にご説明をいたしましたが、今後とも、都民の期待にこたえるべく、積極的に諸施策を推進し、東京都の教育改革に努めてまいる所存でございます。よろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明を申し上げます。

○松田総務部長 引き続き、お手元の資料、平成二十年度主要事務事業の概要によりまして、教育庁の事務事業の概要についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。先ほど教育長からご説明申し上げました東京都教育委員会の教育目標でございます。
 二ページをお開き願います。教育目標を達成するための基本方針でございます。
 次の三ページから八ページにかけまして、基本方針に基づく平成二十年度の主要施策についてお示ししてございます。
 九ページ以降に、教育庁の主要事務事業をお示ししてございます。
 以下、順次ご説明申し上げます。
 まず、九ページの第一、人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成についてでございます。
 都教育委員会は、人権問題の解決に当たり、教育の果たす役割が極めて重要であるとの認識に立ち、人権教育を推進するとともに、適正な男女平等教育を進めております。
 一二ページをお開き願います。3、思いやりの心や社会生活の基本的ルールの体得と社会貢献の精神の育成でございます。
 次代を担う子どもたちに対し、親と大人が責任を持って、正義感や倫理観、思いやりの心など、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく取り組みである「心の東京革命」教育推進プランを引き続き推進し、東京都教育の日に関する事業などを実施してまいります。
 一五ページをお開き願います。4、奉仕体験活動の推進でございます。
 規範意識や公共心を有する人間となる資質を育成するため、平成十九年度から、都立高校において教科「奉仕」を設置し、すべての都立高校生が在学中に必ず学習することといたしました。
 また、奉仕体験活動の学習効果を高めるため、学校外の人材を活用した教育支援コーディネーターの派遣などの取り組みを行っております。
 一六ページをお開き願います。5、平成二十年度児童・生徒の健全育成の推進でございます。このページから二九ページにかけまして、児童生徒の健全育成に係る事業についてお示しをしてございます。
 生活を大切にし、人権を尊重する、社会のルールを身につけ、思いやりの心を持つ、自律心を養い、社会へ貢献する、健康を保持増進し、体力を高めるの四点を心と体の健康づくりの基本方針として、さまざまな取り組みを行っております。
 三〇ページをお開き願います。6、不登校や中途退学などへの対応と相談機能の充実でございます。
 いじめ、不登校などの課題に適切に対応するよう、学校にスクールカウンセラーを設置し、相談体制の充実を図るとともに、東京都教育相談センターに、いじめ問題の相談窓口であるいじめ相談ホットラインを二十四時間体制で開設するなど、相談機能の充実を図っております。
 三三ページをお開き願います。第二、豊かな個性と創造力の伸長でございます。
 みずから学び、主体的に判断し、問題を解決する能力などの確かな学力を育成するため、多様な教育手法や制度の導入、拡充を行っております。
 三八ページをお開き願います。2、基礎的・基本的な学力の定着と個に応じた多様な教育の推進でございます。
 児童生徒の学力向上を図るため、問題解決能力等の把握及び学力の定着が不十分な児童生徒の実態を把握するための都独自の調査を実施し、指導の改善や児童生徒の学習意欲の喚起を促すなどの取り組みを行っております。
 今年度は、これらの調査結果を踏まえ、国語、算数、数学について、児童生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準、東京ミニマムを策定し、各学校における授業改善に生かしていく予定であり、確かな学力の一層の定着と伸長を図ってまいります。
 四四ページをお開き願います。3、勤労観・職業観の育成と進路希望に応じた教育の充実でございます。
 現在の子どもたちの社会性の不足、自立のおくれなどの現状を踏まえ、インターンシップの推進などの系統的なキャリア教育を通して、望ましい勤労観、職業観の育成を進めてまいります。
 四六ページをお開き願います。4、都立高校改革の推進でございます。
 平成九年に都立高校改革推進計画を策定し、現在まで中高一貫教育校やチャレンジスクールの設置など、日本の未来を担う人間を育成し、多様な生徒の希望にこたえる学校づくりを推進するとともに、都民に信頼される学校経営を確立するなど、さまざまな改革を進めてまいりました。
 内容につきましては、このページから五八ページにかけましてお示しをしてございます。
 それでは、五九ページをお開き願いたいと思います。5、ものづくり人材の育成でございます。
 東京には、日本のものづくりを担う中小企業が多数集積しており、産業界が求める多様な人材を、安定的かつ重層的に輩出する教育の仕組みが求められております。
 都教育委員会は、デュアルシステムやリーディングテクニカルハイスクールの指定など、工業高校全体の活性化を図るとともに、複線的教育システムの検討を進め、ものづくり人材の育成を進めてまいります。
 六四ページをお開き願います。7、特別支援教育の充実(東京都特別支援教育推進計画について)でございます。
 平成十九年四月に改正学校教育法が施行され、複数の障害種別に対応した教育を行うことのできる特別支援学校を創設することなどが規定されました。また、都においては、「十年後の東京」の中で、新たに三万人以上の障害者雇用を創出することを明示しております。
 都教育委員会は、こうした国の法改正の動向や都の取り組みを踏まえ、平成二十年度から平成二十二年度までを実施期間とする東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画を平成十九年度に策定いたしました。内容につきましては、このページから六八ページにかけましてお示しをしてございます。
 都教育委員会は、障害のある幼児、児童生徒の一人一人の能力を最大限に伸長するため、乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し、社会的自立や地域の一員として生きていける力を培い、共生社会の実現に向け、引き続き特別支援教育を推進してまいります。
 七二ページをお開き願います。11、日本の伝統・文化を学び世界の多様な文化を尊重する教育の推進でございます。
 都立高校においては、平成十九年度から都独自の教科・科目「日本の伝統・文化」を設定し、郷土や国に対する愛着や誇りを持ち、国際社会で信頼される日本人を育てる教育を進めております。
 七四ページ及び七五ページをお開き願います。13、スポーツ教育の推進、14、部活動の振興でございます。
 児童生徒が国体やオリンピックを初めとする国内及び国際的なスポーツ大会などの意義と国際親善や世界平和に果たす役割を正しく理解し、進んで平和な社会の実現に貢献していく精神と態度を育成するなど、学校として積極的なスポーツ教育を推進してまいります。
 また、学校における部活動は、生徒の個性、能力の伸長や、社会性、生涯にわたる文化、スポーツ等に親しむ態度を育成する上で重要な教育活動でございます。都立学校においては、平成十八年度に部活動を管理運営規則に位置づけ、職務との関連性を明確にいたしました。
 今後、専門的な指導者による能力開発や各競技団体と連携した指導者養成などを実施し、部活動による競技力を向上させていくことも含め、さまざまな部活動振興策を推進してまいります。
 七七ページをお開き願います。第三、総合的な教育力と生涯学習の充実でございます。
 都教育委員会は、地域教育力の再構築と生涯学習の仕組みづくりを推進し、社会全体の総合的な教育力向上を目指し、諸施策を展開してまいります。
 七九ページをお開き願います。2、学校・家庭・地域の教育力の総合的な向上でございます。
 学校、家庭、地域の協働を進め、教育力の再構築を図るため、地域教育プラットフォームの取り組みを推進してまいります。
 また、外部の教育資源を活用した特別支援学校を支援する仕組みを構築するため、モデル事業による検証を進めてまいります。
 さらに、乳幼児期からの子どもの教育支援プロジェクトにより、乳幼児期からの子どもの教育の重要性を、すべての親に伝えるための効果的方法を開発し、地域内での乳幼児と親とを支援する住民間のネットワークづくりを進めてまいります。
 八六ページをお開き願います。6、児童・生徒の健康・体力づくりの推進でございます。
 都立学校においては、健康づくり推進計画に基づき実効性ある取り組みを進めてまいります。
 また、公立学校における食育を推進するため、各学校に食育リーダーを置くとともに、今年度からは、栄養教諭を小学校二校、中学校一校、特別支援学校一校にモデル的に配置しており、今後とも食育の一層の推進に取り組んでまいります。
 九〇ページをお開き願います。第四、都民の教育参加と学校経営の改革の推進でございます。
 ピーク時の約半数となっている児童生徒数の減少に伴い、公立小中学校の小規模化が顕著となり、さまざまな教育上の課題が出てきていることから、区市町村が取り組む適正規模化を積極的に支援してまいります。
 九四ページをお開き願います。
 都教育委員会では、学校における防災対応能力を高めるため、平成十九年度に学校危機管理マニュアルを改訂し、防災体制の整備を進めております。
 また、公立小中学校及び幼稚園の耐震化は、次代を担う児童生徒のたっとい命を守ることはもとより、地域の避難場所を確実に確保するためにも極めて重要な課題となっております。
 第三回都議会定例会におきまして補正予算を認めていただいたことから、今後、公立小中学校等の耐震化が早期に完了するよう、区市町村教育委員会と連携し、補助制度の創設や人材面での支援など、都独自の支援策を早急に講じてまいります。
 九九ページをお開き願います。6、校長のリーダーシップの確立と自律的学校改革の推進でございます。
 このページから一〇七ページにかけまして、主幹教諭の設置や教員の定期異動実施要綱の見直しなど、都教育委員会の自律的学校改革の取り組みについてお示しをしてございます。
 続きまして、一一〇ページをお開き願います。8、教員の資質・能力の向上でございます。
 このページから一一五ページにかけまして、教員の資質向上を図るため、教員研修の充実、東京教師道場の設置、教育職員への人事考課制度の導入などの取り組みについてお示しをしてございます。
 一一六ページをお開き願います。9、学校施設・機能の開放や施設の効率的な運営でございます。
 平成十年度から、すべての都立学校において都立学校公開講座を実施するとともに、地域社会に開かれた学校づくりを推進するため、体育館、図書館などの都立学校施設開放に取り組んでおります。
 一二〇ページをお開き願います。平成二十年度の教育庁所管予算の総括表でございます。
 歳出の総額は、表の中段の計の欄に七千九百八億七千五百万円とありますけれども、第三回都議会定例会におきまして補正予算を議決いただきましたので、七千九百三十六億六千六百三十八万余円となります。
 歳入の総額は、同様に表の下段の計の欄にございますように、千五百三十二億二百六十九万余円でございます。
 次の一二一ページから一五九ページにかけまして、教育庁所管予算の内訳についてお示しをしてございます。
 それでは、一六〇ページをお開きください。事務局職員定数表でございます。
 平成二十年度は七百十四人で、前年度と比べて十四人の減となっております。
 続いて、9、学校職員定数表でございまして、学校の種別ごとに記載をしております。平成二十年度は六万一千九百七十八人で、前年度と比べて二十七人の減でございます。
 次の一六一ページから一六二ページにかけまして、東京都教育ビジョンの概要につきまして、一六三ページから一六六ページにかけまして、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八事業について、また、一六七ページには教育庁本庁組織と分掌事務について、それぞれお示しをしてございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○谷村委員 ただいまのご説明で、都内公立小中学校の児童生徒数は、昭和五十年代半ばをピークに急速に減少し、平成十九年度には最大規模時の約半分になっているというご説明がありましたけれども、特別支援学校も含めて、小中高別の教員及び児童生徒の男女別数と男女比率が経年変化でわかる資料をお願いします。

○古館委員 それでは、十九点にわたってお願いします。
 一つ、非常勤講師あっせん任用支援システムの区市別利用実態。
 二つ目が、部活動の振興予算の重点配付について。そのうちの一つが、平成二十年度部活動振興予算の重点配付について。通知ですね。二つ目が、平成二十年度都立高校部活動振興予算の重点配付額一覧。
 三点目が、東京都公立学校教員採用者数の推移。
 四つ目が、平成二十年度放課後子ども教室の実施状況。
 五つ目に、日本語学級の所在地、児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語について。
 六番目が、都立高校における日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況及び教員配置状況について。
 七番目、教育庁所管の廃止、終了及び見直し事業、過去五年にわたって。
 八番目、平成二十年度において学級編制の弾力化を実施する道府県の状況。
 九番目、区市町村立小中学校の学級規模別学級数、過去五年間にわたって。
 十番目、東京都公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移、過去十年間にわたって。
 十一番、公立学校教員の年代別退職者数、校種別、過去五年間にわたって。
 十二番、学校経営支援センターによる学校訪問の実績。
 十三番、学校訪問時に提示を求めている書類一覧について。
 十四番、特別支援学級の設置状況。
 十五番、都内公立小中学校及び都立高校における図書購入費の推移、過去十年間で。
 十六番、都内公立図書館資料購入費の推移、都立、区市町村立あわせてお願いします。
 十七番、特別支援学校の寄宿舎の入舎希望者数と受け入れ数、各学校ごと、過去三年間にわたって。
 十八番、障害の程度が重度である児童生徒の割合と重度重複学級数、過去十年間にわたって。
 十九番、平成二十年度都立特別支援学校の保有普通教室の状況について。
 以上です。

○大山委員長 ほかに資料要求ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 ただいま谷村委員、古館委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十一分散会

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