委員長 | 古館 和憲君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 門脇ふみよし君 |
理事 | 斉藤あつし君 |
理事 | 石川 芳昭君 |
理事 | 鈴木 一光君 |
伊藤まさき君 | |
伊藤 ゆう君 | |
松葉多美子君 | |
中山 信行君 | |
服部ゆくお君 | |
川井しげお君 | |
古賀 俊昭君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化スポーツ局 | 局長 | 秋山 俊行君 |
総務部長 | 小林 清君 | |
広報広聴部長 | 石原 清次君 | |
都民生活部長 | 平林 宣広君 | |
消費生活部長 | 清宮眞知子君 | |
私学部長 | 小笠原広樹君 | |
文化振興部長 | 廣瀬 秀樹君 | |
スポーツ振興部長 | 細井 優君 | |
東京マラソン事業担当部長 | 岸本 良一君 | |
参事 | 萩原まき子君 | |
参事 | 高橋 博君 | |
参事 | 桃原慎一郎君 | |
参事 | 池田 俊明君 |
本日の会議に付した事件
生活文化スポーツ局関係
付託議案の審査
・第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 生活文化スポーツ局所管分(質疑)
・議員提出議案第十六号 東京都奨学費給付条例(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・東京都消費生活基本計画について
・東京都スポーツ振興基本計画について
○古館委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百五十七号議案、東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、生活文化スポーツ局所管分を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
ご発言を願います。
○早坂委員 私立学校の震災対策について伺います。
本年五月に発生した中国四川大地震では、多くの学校が倒壊し、子どもたちが犠牲になりました。国内でも岩手・宮城内陸地震など大地震が頻発しており、改めて学校施設の耐震化を急ぐ必要性を感じています。
このような中、東京都では平成十五年度より校舎などの耐震化に係る補助制度を設け、耐震化の促進に努めてきたところですが、私立学校の校舎などの耐震化の現況はどのようになっているのか、伺います。
○小笠原私学部長 平成二十年四月一日現在におけます私立学校の耐震化率を学種別に見ますと、現時点での集計では、幼稚園六一・六%、小学校七七・一%、中学校八四・六%、高等学校七三・〇%で、これら全体では六八・七%となっております。平成十九年四月一日現在における耐震化率は六六・五%であったことから、この一年間で二・二ポイント上昇しております。
○早坂委員 東京都では、私立学校の校舎などの耐震化についてどのような目標を掲げているのか、伺います。
○小笠原私学部長 都では、平成十八年十二月に策定いたしました「十年後の東京」におきまして、平成二十七年度までに私立の小学校及び中学校の耐震化率を一〇〇%とすることを目標としております。また、それ以外の幼稚園、高等学校等につきましては、東京都耐震改修促進計画におきまして、同年度までに九〇%の耐震化を目指しております。
○早坂委員 東京都では、平成二十七年度までに九〇%から一〇〇%の耐震化を目標としていますが、先ほどの私学部長ご答弁にもありましたように、現在の耐震化率は六八・七%にとどまっています。このままのペースでは、東京都の計画の目標値達成はできないのではないかとも思われます。
そこで、我が党は、学校の耐震化については児童生徒の安全確保及び地域住民の避難場所の確保という位置づけから、都民にとり喫緊かつ重大な課題であると位置づけ、とりわけ私立学校に関してはなかなか進んでいない耐震診断の早期実施に対する支援、充実を知事に対して強く要望しました。
そこで、私立学校の耐震診断の実施状況はどのようになっているのか、また、それを踏まえ、東京都として補正予算案においてどのような支援策の充実を組んだのか、伺います。
○小笠原私学部長 昭和五十六年以前の旧耐震基準により建設された校舎等の建物のうち、平成二十年四月一日現在、耐震診断を実施している建物の比率は約五六%になっております。このように、私立学校につきましては耐震診断を実施していない建物が依然として四割強残っているという状況から、都としましては、まず耐震化の前提となる耐震診断を早急に進める必要があると考えております。
そこで、耐震診断に対する補助率は、今年度より二分の一から三分の二に改善したところでございますが、副委員長お話のご要望も受けまして、このたび補正予算案におきまして、さらに五分の四に引き上げることとしたものでございます。これによりまして、各私立学校の早急な耐震性能の把握を支援することとしてございます。
○早坂委員 平成十九年度に比べ、耐震診断に対する補助率を二分の一から五分の四に引き上げ、耐震化の加速につなげようとする姿勢は、我が党の緊急要望にも沿ったものであります。しかしながら、補助制度を幾ら改善しても、私立学校がその制度を積極的に活用しなければ、耐震化は進まないことになり、せっかくの補助制度も意味のないものとなります。この点を踏まえ、東京都としては、どのように耐震化を促進していくのか、所見を伺います。
○小笠原私学部長 先生ご指摘のとおり、耐震化を促進するためには、制度の活用が重要であると考えております。都といたしましては、耐震化の促進に向け、経常費補助金説明会や私学団体主催の会議など、さまざまな機会をとらえまして、私立学校に対し補助制度の説明を行い、積極的な活用をお願いしてまいりました。今後は補助制度の実効性を高めるため、これまで以上に説明会や建築相談などを充実することによりまして、私立学校に対して制度の積極的な活用を働きかけ、耐震化を促進してまいります。
○早坂委員 私立学校の関係者から、耐震化工事期間中の仮校舎の確保が困難なため、なかなか耐震化に取り組めないという話を耳にしました。これに対応するため、東京都では遊休都有地を優先的に私立学校に貸し出す制度をつくり、既に数件の貸し出し事例があると承知しております。大変よい制度であると思いますが、現実的には、必ずしも近隣に都合よく遊休都有地があるとは限りません。特に耐震化率が低い私立の幼稚園の場合、地域に密着して保育を行っていることから、近隣に代替施設を確保できることが望ましいものであります。
このように考えると、もっと貸し出し対象とする施設を拡大した方がいいのではと思います。例えば、現在各区市には、生徒数の減少により空き校舎などとなっている学校があると聞いています。耐震化工事期間中に私立の幼稚園がこれらの施設などを優先的に使用できれば、さらに耐震化が加速されるのではないかと思います。以上、意見として申し上げます。
終わります。
○古館委員長 ただいまのは意見でございます。
○中山委員 公立、私立を問わず、学校に通う子どもたちの命は守らなければならないと私も考えております。当然、耐震化そのものは、学校を経営される法人そのものの責任が第一でございますけれども、学校の経営に当たっていらっしゃる皆さんは、営利主義ではなくて、情熱を持って教育に当たっていらっしゃる。それが原点ではないかと思います。
そういった意味で、当然、新築の場合は最新の法規に基づいて建てられるわけですけれども、いわゆる耐震のために改築する、耐震補強するということが途中で発生した場合に、それだけの大きな費用を賄うために、経営上の利潤を積み立てておくということはなかなか大変なことであって、やはり公的にもこれをしっかりと応援していかなければならないと私も思っております。
先ほどのご答弁で、この一年間で、耐震化率の進捗は二・二%ということでございましたけれども、そのような形で、私立学校の耐震化率は年々上昇してはいらっしゃると思いますが、思ったほどのペースでは進んでいないという指摘もございます。どのような理由があるというふうに把握しているか。また、把握しているとすれば、それに対してどのような対策をとってこられたのか、お伺いをいたします。
○小笠原私学部長 平成十九年度に実施いたしました私立学校施設の耐震改修状況調査におきまして、耐震改修が未定または耐震診断の実施が未定の建物について、その理由を調査いたしました。その結果、資金が不足を理由とするものが四二%、建てかえについての補助制度がないことを理由とするものが三一%などという結果でございました。
都では、この結果を受けまして、平成二十年度当初予算におきまして、耐震診断及び耐震改修の補助率を従来の二分の一から三分の二に改善するとともに、新たな補助対象といたしまして、木造の校舎等や、耐震化のために必要な建てかえ工事を加えたところでございます。これに加えまして、耐震診断につきましては、このたびの補正予算案におきまして、補助率をさらに五分の四まで引き上げることとしたものでございます。
○中山委員 今ご答弁がありましたとおり、学校側の理由としては資金が不足するということがあって、それに対しては、二分の一から三分の二に引き上げられた。また、建てかえについての補助制度がないということについても、耐震化のための必要な建てかえ工事を補助の対象として加えられたということで、的確な対応が図られているというふうに考えております。
私立学校の耐震化を促進するため、補助制度を充実していくことは今後も重要でございますけれども、これらの制度が学校側に活用されるように対策を講じていくことも重要な視点であります。
そこで、まず一般論としてお伺いいたしますが、私立学校を含む耐震上危険性のある建築物の耐震診断や耐震改修の促進に関して、法律上の規定はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○小笠原私学部長 阪神・淡路大震災の教訓から、建築物の耐震改修の促進に関する法律が平成七年十二月に施行されました。私立学校もこの法律の適用を受けるものでございまして、この法律では、地震による建築物の倒壊等の被害から、国民の生命、身体及び財産を保護するため、多数の者が利用する一定規模以上の建築物などで、耐震上危険性があるものの所有者に対しまして、耐震診断や耐震改修に関する努力義務などが定められております。
○中山委員 耐震診断や耐震改修に関する努力義務が定められているということで、なかなか努力義務をさらに一歩進めた形というのは難しいというふうに思うんですね。聞くところによれば、一定期間、そういう工事が、対応が行われないという場合には、耐震診断、耐震改修の命令といいますか、指示を出したということの公表はするけれども、耐震上どういう課題があるのかという内容とか、そういうものは、当然プライバシーでありますとか、営業の問題ですとかにかかわるので、そこまでは明らかにはしない。また、できない状況もある。そういう中で、どのように耐震化を進めていくかということが一般的にも大変課題になっているということだろうと思います。
ところで、ことし六月に改正された地震防災対策特別措置法では、地方公共団体が設置する公立学校の耐震化について、特別な規定があるというふうに仄聞しておりますが、どのような内容のものなのか、お伺いをいたします。
○小笠原私学部長 先生お話の地震防災対策特別措置法では、特に地方公共団体が設置する、小学校、中学校等の校舎、屋内運動場及び寄宿舎のうち、耐震上危険性のある建築物につきまして耐震診断を行うことを義務づけております。
また、同法では、地方公共団体に対しまして、耐震診断を行った建築物ごとに診断の結果を公表することも義務づけております。
○中山委員 税金を使って助成したりしていくわけですので、その結果としての耐震診断を行った建築物ごとに公表を義務づけているということが公立学校に対してはあるということでございました。
そのように公立学校では、地震防災対策特別措置法で耐震診断の実施及び結果の公表が義務づけられておりますけれども、私立学校については法規上どのようになっているのか、お伺いいたします。
○小笠原私学部長 先ほどの地震防災対策特別措置法では、私立学校に関しましては、国及び地方公共団体が、地震防災上必要な整備のため、財政上及び金融上の配慮をするものとするとの規定があるのみで、公立学校に対するような耐震診断の実施及び結果の公表についての規定は設けられてございません。
○中山委員 公立学校に対しては公表を当局としても義務づけられるけれども、私立学校に関してはなかなか難しいというのがあって、私も、生徒を通わせるご両親とか、ご家族の立場からすれば、できる限り早く耐震化を進めてほしいという声がある。と同時に、学校側からすれば、耐震上課題があるようなことが、もし流言飛語であったとしても、流れると大変経営にも影響を及ぼす。いろいろな大変難しい課題があるんだと思います。もちろん、生命を守るということが一番大事ですから、そのことのためにどのように工夫、苦心して、これから耐震政策を実効性あるものとしていくか、大事な視点であると思います。
ただ、私立学校につきましては、耐震化を進めようとした場合に、一体どのくらいの経費がかかるのかとか、あるいは自分の学校でどのような工事が必要なのかとか、そういう技術的な課題をまず認識しないと、その計画を立てるというところにおいても二の足を踏んでしまうのではないかと思います。その点につきまして、都におきましては、専門的なアドバイスを求める私立学校側に対してどのような対応をしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○小笠原私学部長 私立学校からの耐震化に関する技術的な相談に応じるため、平成十九年度より専門家による無料の建築相談を実施しているところでございます。都といたしましては、今回の補正予算案におきましても、その充実を図ったところでございまして、今後とも私立学校に対する技術面での支援に努めてまいります。
○中山委員 都が費用面だけの対策ではなくて、技術的な面でも支援を行っているということが今のご答弁でわかりました。ぜひ今後は個別のご相談を受け付けるだけじゃなくて、できれば時期を一カ月とか二カ月とか指定して、集中的にご相談を受けて、一緒に対策を考えるというような機会を、私立学校の皆様ともご意見を伺いながら、設けていってはどうかということをご要望させていただきます。
今回の補正予算案で、耐震診断に関する補助率を五分の四に引き上げ、耐震化に関する建築相談なども充実するとのことだが、私立学校にとりまして、耐震化は緊急かつ重要な課題であり、早急にやっていかなければならないものでございます。そこで、補助率も上げるし、それから、技術的な面でもアドバイスを徹底して行っていくということで、これからの進捗を大いに期待しているものでございますが、まずはこれから一年間ぐらい、耐震診断の補助率を五分の四に上げたという段階での私立学校側の反応、どれぐらいの耐震化に向けての着手、具体的な動きが開始されていくか、そのことをしっかり踏まえて、次のステージに向けて、さらに制度を必要に応じて充実し、高めていくという機会を設けていくべきではないかと思いますが、所見をお伺いいたします。
○小笠原私学部長 学校の耐震化は、児童生徒の生命、安全にかかわる大変重要な課題であり、私立学校についても早急に耐震診断を実施し、耐震化を促進していくべきと考えております。私立学校の耐震化につきましては、先生の冒頭のご質問にもございましたとおり、耐震化実施状況調査を踏まえまして、補助対象の拡大や補助率の改善を行ったところでございます。今後とも、私立学校の耐震化の状況や私立学校への制度周知の状況などを把握しつつ、私立学校に対して補助制度の積極的な活用を働きかけ、耐震化を促進してまいります。
○中山委員 今ご答弁がありましたとおり、この一年間ぐらいの進捗を見ていただきまして、それで、大きく進んでいくものと期待しておりますけれども、その上で、次にどういうものが場合によっては必要になるか、わかりません。学校側のご要望等もはっきりしてくるかもしれませんし、そういうものをしっかりと見ていただいて、また、委員会にも、学校側の対応の動きをデータとしてご提示いただいて、本当の意味で私立学校のお子さんたちの命を守れる、そういう耐震化が進展していきますように、ともどもに施策の内容を高めてまいりたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○古館委員長 次に、議員提出議案第十六号を議題といたします。
本案について、提出者の説明を求めます。
○大山委員 東京都奨学費給付条例案について、趣旨説明をいたします。
私たちは、教育を受けたいと思う子どもたちが、経済的な理由によって教育を受ける権利を阻害されるようなことがあってはならないと考えています。今、都民の中に貧困と格差が広がり、子育て世帯にも確実に貧困が広がっています。そのことは、都立高校の授業料減免の生徒が急増し、石原知事就任時の九九年度は、全日制の都立高校生のうち減免を受けている者は四・五九%でしたが、〇六年度には一三・二九%と、三倍近くに増加したことからも明確です。
また、九月二十三、二十四日の両日で、日本高等学校教職員組合が行った高学費・高校つぶし・教育格差告発ホットラインには、非正規で年収百八十万円以下の母子家庭とか、親が病気で、アルバイトをダブルでやっている生徒、父親のぐあいが悪くて働けず、休学願を出す、自己破産など、子育て家庭に深刻な貧困が広がっていることを実感させるものでした。
高校に通うための費用について見ると、都立高校は授業料が二年ごとに値上げが繰り返され、とうとう全国でも二番目に高い授業料になってしまいました。都立高校も私立高校も、授業料だけでなく、その他の学校納付金、教科書代、通学のための交通費や制服代、部活などさまざまな費用がかかります。国民金融公庫総合研究所の教育費負担の実態調査、平成十九年度版によると、学校に通うために必要な費用は、国公立高校が年間四十八万円、私立高校が九十四万八千円であり、低所得者ほどより大きな負担となっています。
家庭の経済状況によって、教育を受ける権利さえ奪われ、格差が親から子に世襲されていくことが社会問題になっています。こども未来財団の調査では、子どもに大学進学を希望する家庭は年収二百万円未満の場合は三六・七%ですが、年収が上がるに従って高くなり、一千万円以上の家庭では七八%に及ぶというように、経済的な格差が教育格差につながっています。実際、高校に入るために保護者が借金せざるを得ない。経済的な問題で修学旅行に参加できない生徒がクラスの半分以上いる。学費が払えずに学校をやめざるを得ないなどの状況も出てきています。
現在、授業料減免や授業料補助の制度はありますが、それだけでは学校には通えません。授業料減免の対象となっている収入の家庭なら、小中学校のときには各区市町村で就学援助が受けられましたが、高校生にはありません。現在、中学生で就学援助を受けている生徒の割合は二四%です。また、都には貸与制の奨学金制度、東京都育英資金がありますが、不安定雇用、収入の低下がふえている現在、借りても返済の展望が持てないために、奨学金を受けたくても受けられない状況が広がっています。
また、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏によると、子どものある世帯の貧困率について、OECD諸国の中で日本だけが社会保障など所得を再分配した後の相対的貧困率が高くなっています。つまり、子育て世帯への日本の社会保障給付が極めて貧困だということです。
したがって、経済的な問題で教育を受ける権利を阻害されないよう、教育の機会均等を東京都として保障することが緊急に求められています。そのための対策の一つとして奨学費を給付する条例を制定するものです。
なお、千葉市、川崎市、横浜市、京都府、京都市、神戸市、大阪市、札幌市などは給付の奨学金を既に実施しています。
今回提案した条例案は、生徒本人に奨学費を給付するものです。
対象は、国公立、私立の高校生、高等専門学校生、専修学校の高等課程に就学している生徒です。
収入基準は、生活保護基準の一・三倍程度にしました。
給付を受ける生徒を扶養している者の課税所得を基準にします。夫婦と高校生と中学生の子ども二人の四人家族の場合、年間収入は約四百五十五万円です。
対象人数は約五万九千人です。
給付額は現在の東京都育英資金の貸与と同額で、国公立学校の生徒は月額一万八千円、私立学校の生徒は三万円です。
必要経費は、約百五十三億円となります。
以上の趣旨をお酌み取りの上、委員各位のご賛同を心からお願いを申し上げ、提案説明といたします。
○古館委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
ご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○古館委員長 次に、報告事項、東京都消費生活基本計画について外一件に対する質疑を行います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小林総務部長 去る九月十六日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明を申し上げます。
お手元に配布してあります平成二十年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、三件の資料がございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、東京都スポーツ振興基本計画の原案に寄せられた意見と基本計画の考え方でございます。
本年七月に策定いたしました東京都スポーツ振興基本計画につきまして、その原案に寄せられた意見の概要とそれらの意見に対します基本計画の考え方を整理して記載しております。
二ページをお開き願います。2、人口百万人当たりの体育施設の整備数でございます。
地方公共団体が設置いたしました体育施設で、表の欄外に記載しておりますとおり、一定規模以上のものにつきまして、人口百万人当たりの整備数を都道府県別に記載しております。
三ページをお開き願います。3、都内自治体の体育施設の整備状況でございます。
都及び区市町村とが設置した体育施設の整備数につきまして、区市町村別に記載しております。
以上簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○古館委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
ご発言を願います。
○早坂委員 今回の東京都消費生活基本計画には四つの緊急対策が掲げられていますが、その中で消費者被害の防止と救済のためのいわば車の両輪ともいえる悪質商法の撲滅と消費生活総合センターの強化について、伺います。
我が党はかねてから消費者被害の拡大、悪質化に対して迅速な対応をすべきであることを主張してきました。これを受け、東京都では、いち早く消費生活条例を改正して、指導から処分へと悪質事業者に対する取り締まりを強化し、訪問販売などを対象とした特定商取引法による処分にも積極的に取り組んできました。
特定商取引法に基づく悪質事業者への業務停止など、行政処分は、国はもちろん、自治体では広域自治体である都道府県のみが権限を有しており、都民の消費者被害の未然防止のためには有効です。悪質事業者を排除し、良質な市場環境を築くことは、まじめに商取引を行っている事業者のためにも必要なことです。
そこで、まず悪質商法撲滅のため、処分に取り組んでいる特別機動調査班の体制と現在の取り組み状況について伺います。
○清宮消費生活部長 特定商取引法及び消費生活条例を有効に執行するため、東京都では総勢十四名の特別機動調査班が悪質事業者の取り締まりに取り組んでおります。
特別機動調査班には、現職の警察官である警視庁併任職員一名と、昨年からは経験豊富な警視庁OB三名を非常勤職員として配置しまして、立入調査等の能力を高めるとともに、効果的な取り締まりを実施してきました。
昨年度は、指示や業務停止命令など、四十七件の行政処分等を実施し、この実績は国の処分件数四十件を超えるものとなっております。今年度も既に十四件の処分を実施したところでございます。
○早坂委員 消費者被害は相談にあらわれないものも多いといわれ、また、高齢者など本人が被害と気がつかない間に高額な商品を契約している場合もあるかと思います。こうした都民のためにも徹底した排除が望まれます。これまでの処分事例を踏まえて、悪質事業者を排除していく上で、どのような課題、問題点があるか、伺います。
○清宮消費生活部長 大きな課題といたしましては二点ございます。
一つには、広域的に活動する事業者の問題でございます。都が悪質事業者の徹底排除を図りますと、都内で活動していた事業者が、埼玉や千葉などの隣接の県に移動いたしまして、同じような不適正な行為を続けるケースが見られます。また、広域的に事業を展開する悪質事業者に対しては、都の処分の効果が他県に及ばないため、悪質商法の排除が限定的になってしまうことがございます。
第二には、消費生活関連の法律だけでは限界があり、対象業者の事業内容に係る法律の適用が必要になるケースがあることでございます。例えば、過去に購入した原野を、整地すれば高く売れるといって高額な契約をさせる、いわゆる原野商法の二次被害がございますが、この場合、特定商取引法では、整地工事は処分の対象になりますが、土地の取引は対象にはなりません。一方、宅地建物取引業法では、土地の取引は処分の対象ですが、逆に整地のための工事は対象にはならないと。このような場合には、関係法律を効果的に適用することが必要になると考えています。
○早坂委員 今のお話では、東京都の処分では、他道府県での営業をとめることができないということでありました。確かに、都道府県が行う処分ですから、他県には及ばないことは当然といえば当然のことですが、事業者の方は、特に都道府県の境があるわけではありません。また、原野商法を例に説明をいただきましたが、業者の業務内容に関する法律はいろいろあるわけで、それを適用していくには、法律を所管する局との連携も重要かと思います。
広域事業者への対応や関係局との連携について今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
○清宮消費生活部長 広域的に事業を展開する悪質事業者に対しましては、隣接県で同時に処分や指導を行うことが有効でございます。これまでも埼玉県や神奈川県、千葉県などと連携をし、緊密な情報交換、合同立入調査、同時行政処分等を行ってまいりました。今後はさらに連携を強化いたしまして、悪質事業者情報を関係都県が速やかに共有して、市場監視機能を高め、被害の拡大の前に迅速な対応がとれるように進めてまいります。
また、住宅のリフォーム事業や若者を対象とするマルチ商法など、大都市の特性にねらいを定める悪質商法もございます。こうしたものに対しては、例えば大阪府など、大都市とも連携してまいります。
関係局との連携についてでございますが、悪質事業者の事業内容に係る法律は、先ほどの宅地建物取引業法のほかにも貸金業法、医療法、薬事法など多くの法律がございます。特定商取引法に加え、こうした関係法律についても効果的な適用を行い、法適用の包囲網を構築することにより、行政処分権限をフルに行使し、悪質商法の撲滅に積極的に取り組んでまいります。
○早坂委員 悪質な事業者は、手をかえ品をかえ、消費者を食い物にしています。こういう状況に対しては、これまでご答弁いただいた具体的な取り組みをしっかりやっていただくことが大切であります。それと同時に、行政処分を行っている特別機動調査班の体制を強化していくことも必要です。ぜひ都民が安心して商品やサービスを購入できるよう体制をしっかり整備して、悪質な事業者の排除に取り組んでいただくよう要望いたします。
ところで、悪質事業者の処分の端緒は、その多くが都民からの相談だと聞いています。消費者問題解決の入り口である消費者相談も大変重要です。消費生活相談は、東京都の消費生活センターと区市町村の消費生活センターにおいて実施されています。相談件数だけで見れば、東京都のセンターは四万件であり、区市町村は十万件と、区市町村のセンターが果たしている役割も大きいものがあります。そこで、消費生活相談について、東京都消費生活総合センターは区市町村の消費生活センターとの関係でどのような役割を担っているのか、伺います。
○清宮消費生活部長 東京都の消費生活総合センターは、複雑高度な相談内容に対応しながら、区市町村にそのノウハウ等を提供するというセンター・オブ・センターズとしての広域的な役割を果たしています。具体的には、相談員が不動産、金融などの分野ごとに専門グループを構成いたしまして、それぞれの分野に関する相談情報を集積、分析を行いながら、区市町村では対応困難な相談事案について対応し、都民の消費者被害の救済に努めています。
また、区市町村の消費生活センターに対しては、相談に関する情報や相談処理マニュアルの提供、困難事案などの統一処理などの支援を行っているところでございます。
○早坂委員 今後、土曜日の相談窓口の開設など、相談体制の充実強化を図るとのことですが、そのためには自治体の相談に対応する専門的な知見を持った経験豊かな消費生活相談員の確保が不可欠であります。しかしながら、東京都の消費生活相談員の報酬は、二十三区の平均や国民生活センターよりも低く、そのためもあってか、ここ数年、転職してやめていく人もいるとのことです。
消費生活相談員の現状と、今後どのように相談体制を強化していくのか、伺います。
○清宮消費生活部長 東京都消費生活総合センターでは、現在、三十四名の相談員が、法律や商品等に関する専門的な知識はもちろん、消費者問題に関する豊かな経験を踏まえ、交渉力を駆使しながら、消費者相談の解決に当たっています。
一方で、区市町村の消費生活センターなども充実してきておりまして、都の消費生活相談員の報酬は、お話にございましたように、二十三区の相談員の平均報酬よりも低いことなどから、優秀な人材の確保が次第に難しくなっているところがございます。東京都消費生活総合センターの相談体制の強化につきましては、消費生活相談員という専門的な人材を質を維持しながら確保していくということが求められます。そのため、センター・オブ・センターズとしての役割をも踏まえ、高度専門的な相談対応ができるよう適切な処遇や人材の育成などの環境の整備に努めてまいります。
○伊藤(ま)委員 私の方からも、東京都消費生活基本計画の改定についてお聞かせいただきたいと思います。
この件につきましては、我が会派として、先般の代表質問でもお聞かせいただきましたし、また、きょうも同僚議員からさまざまな観点から質問があると思いますので、私の方から二点に絞って伺いたいというふうに思います。
今回のこの消費生活基本計画の改定のご報告でありますけれども、食の安全にかかわる事件だとか、悪質商法が発生し、また、身の回りの商品等の危険など、今、都民の消費生活に幅広い不安が広がっております。こうした中で、関係各局の消費生活関連施策も含めて、消費生活基本計画が改定されたということは、大変時宜にかなった適切な対応だったと高く評価させていただきたいと思います。
しかしながら、幾ら立派な計画を立てても、実際に実行されないことには、全く意味がございません。そこで、お伺いしますが、計画の実効性を確保するために、どのような視点から、どのような仕組みで取り組むんでしょうか。
○清宮消費生活部長 消費者をめぐる状況に的確に対応し、深刻な消費者被害から都民を守るには、機動的に施策を実行していくことが重要でございます。このため、今回の消費生活基本計画では、毎年度ごとに消費生活に関する具体的施策の進捗状況について消費生活対策審議会に報告し、その意見を施策に反映しながら着実な推進を図ることといたしました。
例えば緊急対策の一つでございます悪質事業者を効果的に排除するため、関係各局と緊密な連携を図りながら、機動的に実施し、成果を消費生活対策審議会に報告して、都民の消費者被害を防止する観点から検証するなど、実効性ある取り組みを図ってまいります。
○伊藤(ま)委員 毎年毎年ローリングして、審議会に諮って施策の進捗状況をチェックするということでありますので、これはきちんと着実にやっていただきたいと思います。
この計画を私も読ませていただきましたけれども、例えば緊急に取り組む四つの対策であるとか、都政全般にわたる政策もすべてここに盛り込まれているというふうに思います。恐らく現状で今起きている問題は、この計画をきちんとやれば、ほとんどのものが防げるんだろうなというふうに思います。
また、この計画は平成二十四年度まで五年間という期間を設定しておりますけれども、先ほどのやりとりもいろいろございましたが、消費者問題は、次から次へと新たな問題が生じてきます。消費生活をめぐる状況の大きな変化にも的確に対応していくべきと考えます。そこで、基本計画について、社会状況等の変化に応じて見直していくなど、柔軟な対応をすべきだと考えますが、ご見解を伺います。
○清宮消費生活部長 基本計画は、東京都の消費生活に関する施策を計画的、総合的に推進していくための基本指針として都が目指す方向を明らかにしたものでございます。今後、計画期間中に新たな消費者問題の発生や、法令の改変など、計画を見直さなければならない大きな変化が生じ、必要がある場合には、この計画に新たな内容を盛り込み、または見直しを行っていくことを基本計画に明記しているところでございます。
なお、架空不当請求の急激な増大など、これまでも予期しがたい状況が発生したことがございました。その都度緊急的な対策を講じてきたところであり、今後同様な事態が生じた場合にも臨機応変に対応してまいります。
○伊藤(ま)委員 この分野で東京都が果たしてきた役割というのは大変先進的なものがあるというふうに思っておりますし、国もやっと重い腰を上げて消費者庁をつくるという動きもありますけれども、引き続き東京都が国の施策を引っ張っていくという気概を持って当たっていただきたいということをご要望いたしまして、質問を終わります。
○松葉委員 十一年ぶりに改定されました東京都消費生活基本計画について、何点か伺いたいと思います。
東京都消費生活対策審議会の答申に合わせまして、国の消費者行政一元化の取り組みを踏まえた東京都への提言が行われ、それを受けて四つの緊急に取り組む対策を掲げられたと理解しております。その答申に合わせて行われました提言の中に、一つは、東京都の消費生活総合センターを思い切って強化する。二つは、有用な情報を収集、分析、活用する機動的な取り組みを強化するとありますが、今回はこの二つを大きくとらえて、質問させていただきます。
まず最初に、緊急対策の3の東京都消費生活総合センターを強化しますとありますが、確認の意味を込めて、東京都消費生活総合センターと多摩消費生活センターのそれぞれのセンターの役割分担はどうなっているのか、お伺いします。
○清宮消費生活部長 飯田橋にございます東京都消費生活総合センターと、立川にございます多摩消費生活センターに関するご質問だと思います。飯田橋の東京都消費生活総合センターは、消費者行政の第一線の窓口としまして、東京都全域を対象に、消費者相談や消費生活講座の開催、消費者団体への支援、情報誌の発行などの事業を展開するとともに、区市町村の消費者行政に対しまして、相談に関する情報提供や統一処理、マニュアルの提供など、センター・オブ・センターズとしての広域的な役割を果たしています。
一方、立川にございます多摩消費生活センターは、東京都消費生活総合センターのブランチとして、多摩地域の都民の利便性の観点から、消費生活講座の開催、消費者団体の活動の場の提供、図書資料室などの行政サービスを提供してございます。また、多摩地域の市町村を支援するため、共催で講座を実施したり、連絡会の開催、消費者情報の提供などを行っているところでございます。
○松葉委員 それでは、今回の東京都消費生活総合センターを強化しますという、この強化の目指すところは何かということにつきまして、飯田橋の東京都消費生活総合センター並びに立川にあります多摩消費生活センターについて、それぞれの強化の点も含めて、伺いたいと思います。
○清宮消費生活部長 東京都の消費生活総合センターは、消費者相談を初め、先ほど申し上げましたような消費生活講座などによる消費者教育、消費者団体への支援や消費生活関係の情報提供など、多くの機能を持ってございます。今日、さまざまな消費者問題によって、消費生活に関する都民の不安が高まっている中で、現場の最前線でございます消費生活総合センターを強化していくことといたしました。特に、消費者トラブルの迅速な解決を図るため、来年度早期に土曜日にも相談窓口を開設するとともに、高度専門的な対応ができるよう、相談体制を強化してまいります。
また、立川にございます多摩消費生活センターにつきましては、調理設備を整えた教室の整備や図書資料室の充実を図るほか、多摩地域の特性を生かし、地産地消を進める消費者教育の推進など、機能を強化してまいります。こうした取り組みを行いまして、都民一人一人の消費生活の安定を目指していきたいと考えています。
○松葉委員 今、ご答弁で、それぞれの強化の中身について、よくわかりました。
そこで、相談機能につきましては、東京都消費生活総合センターの土曜日にも相談窓口を開設ということで強化を図られていくということでございますが、五月十七日の土曜日と六月二十一日の土曜日に、休日における都内の消費生活相談に関する需要等を調査するため、土曜特別相談を実施されたと伺っておりますけれども、この状況はどうだったのか、お伺いしたいと思います。
○清宮消費生活部長 先生ご指摘のとおり、消費生活総合センターで、休日における都内の消費生活相談に関する需要を調査するために、本年の五月十七日と六月二十一日に、土曜特別相談を実施いたしました。二日間の相談の受け付け件数は百二十七件で、相談の内容といたしましては、平日と同様に、架空請求や多重債務に関する相談が多く寄せられていました。土曜日に相談してきた事情を調査いたしましたところ、平日は忙しいと答えた相談者の多くの方は給与生活の方でいらっしゃいました。
○松葉委員 今ご答弁ございまして、今回、ホームページ上で開設しますというお話のようでしたので、それでもこれだけの件数があったということは、やはり土曜日等の需要が大きいというふうに私も考えます。ですので、来年度から早期に土曜日を開設するということは非常に高く評価いたしますし、また、今後、平日は四時までということですし、また、日曜日ということも含めて、さまざまな、こういった特別の相談の開設等も含めて、そういう動向調査も、今後調査していただければということを要望いたしておきます。
続きまして、緊急対策の2の「待ち」から「攻め」へ、情報を収集し発信しますということについて幾つか質問をいたします。
この中で、ヒヤリ・ハット体験など、表面にあらわれていない情報の収集に努めますという内容がございますけれども、一対二十九対三百のハインリッヒの法則がありますけれども、こういったものを視野に入れたものであると考えますが、大事な視点であると思います。
そこで、身の回りの生活用品等に起因する事故の情報収集に関して伺いたいと思います。まず、現在、国や都において生活用品等に起因する事故はどのように情報収集しているのか、伺います。
○清宮消費生活部長 生活用品等に起因する事故情報については、国が収集する情報と、これに加えまして、都が独自に収集している情報とがございます。
まず、国が収集する情報についてでございますが、一つには、国民生活センターが全国の消費生活センターに寄せられました相談情報を集約する、全国消費生活ネットワークシステム、略称としてはPIO-NETといってございますが、そのシステムを使って、危害危険情報を入手しています。
二つには、国の独立行政法人でございます製品評価技術基盤機構、略してNITEと申しておりますが、消費生活用製品安全法に基づき、事業者等から収集している事故情報でございます。
都は、これら国からの情報のほか、消費生活総合センターから速やかに危害危険情報を得るとともに、東京消防庁等と定期的に事故に関する情報交換を行っています。こうした情報を有効活用し、海外からの情報の収集、分析も行いながら、生活用品等に起因する事故の防止に努めているところでございます。
○松葉委員 事故の情報の収集にはいろいろな方法があり、また、都としても独自の情報収集に努めているということがよくわかりました。
それでは、このPIO-NETによる危害危険情報やNITEの事故情報は、どれぐらいの情報件数があるのか。また、事故の実態把握に十分といえるのかどうか、その考えについて伺います。
○清宮消費生活部長 PIO-NETにおけます平成十九年度の危害危険に関する情報は約一万三千件でございます。また、NITEにおける事故情報の収集件数は約七千件でございます。一方、平成二十年一月に国民生活センターが実施いたしました国民生活動向調査によれば、商品やサービスに不満を持ったり、経済的、または身体的に被害を受けたことがある人が消費生活センター等の窓口に相談した割合は四・一%でありました。このように、消費者が経験した事故に関する情報が、行政機関等に届けられる割合が極めて低いことから、相当数の事故情報が潜在化しているのではないかと推測しています。
○松葉委員 実際に被害を受けて、消費生活センター等に相談した人の割合が四・一%であるということでございまして、そういった意味では、PIO-NETなどの危害危険情報だけでは、事故の実態を把握するためには不十分な情報量ではないかということを率直に感じた次第でございます。
そこで、危害危険情報や事故情報が潜在化しているのではないかということでございましたが、都がこれまで取り組んできた調査等の中で、潜在化している事故情報を掘り起こした例などがあるかどうか、そして、ありましたら、その中身について説明していただきたいと思います。
○清宮消費生活部長 事故情報を掘り起こした具体的な例というご質問でございますが、平成十八年度に都が調査検討いたしました子ども用衣類の安全確保の場合には、子ども服に起因する事故情報は、PIO-NETやNITEに一件も見当たらなかったにもかかわらず、子どもを持つ世帯にアンケート調査をしたところ、子ども用上着の引きひもが引っかかったなどで実際にけがをしたり、ヒヤリ・ハットした体験がある人が、実に七七%に及ぶことがわかりました。
都は、こうした事実を踏まえ、子ども服の製造事業者団体に対し、安全対策について要望を行い、業界自主ガイドラインの策定に至りました。潜在化している情報の掘り起こしの必要性を痛感したところでございます。
○松葉委員 子どもを持つ世帯にアンケート調査したところ、実際にけがをしたり、ヒヤリ・ハットした体験がある人が七七%もいたという中にあって、一件も事故情報が行政に届いていないという、そういうことがあったということで、この取り組みは非常に評価すべきことであると考えております。
それでは、今後、潜在化しているヒヤリ・ハット体験はどのように収集して、活用していくのか、今後の都の取り組みについて伺います。
○清宮消費生活部長 これまでのPIO-NETやNITEの情報は、相談や通報、報告が寄せられるのを待つ、いわば待ちの情報収集でございましたが、今回改定しました消費生活基本計画では、ヒヤリ・ハット体験についても積極的に掘り起こしていく攻めの情報収集に力を注いでいくことにいたしました。得られました情報は、商品テスト等により、科学的な調査分析を行うとともに、消費者、事業者、学識経験者から成る商品等安全対策協議会で安全対策の検討を進め、都民や事業者等に積極的に発信してまいります。
○松葉委員 この埋もれたヒヤリ・ハット体験の掘り起こしを通じまして、重大事故が起こってしまってからの事後の対策ではなくて、未然防止に向けた対策が講じられていることを期待するものであります。今回、策定されました東京都消費生活基本計画をもとに、真に都民生活の安心・安全が守られますように期待をいたしまして、質問を終わります。
○大山委員 それでは、私もまず、消費生活基本計画について質疑します。
消費生活基本計画の策定については、私も委員でしたけれども、消費生活対策審議会で何度も議論して、まとめてからも、総会での最後の意見も取り入れて、答申と提言をまとめました。その答申と提言に沿って行政計画である消費生活基本計画がつくられているわけですね。その基本理念で消費者の権利を明確にしというふうに、きちんと基本理念が座っているということは重要だと考えています。
この間、規制緩和の矛盾が次々いろいろな面で噴き出して、最近では汚染米の不正流通もありますし、食品偽装も続いたわけです。規制緩和一辺倒でなくて、消費者の権利を保障するための事前の規制を含めて、消費者行政を抜本的に強化することが求められてきたわけですけれども、この間は、東京都は消費者センターは縮小して、職員の削減など、強化するどころか、縮小してきたわけです。しかし、今回、消対審の答申と提言を受けて、四つの緊急対策を明確にして、その中に東京都消費生活総合センターの強化を位置づけたことは評価いたします。
消費者の権利を保障する上でも、消費者をめぐって何が起こっているのかを把握する上でも、消費生活総合センターに来る都民からの相談は、都民の権利回復と都の施策を進めていく上で欠かすことができないと考えています。緊急対策の3で、消費生活総合センターを強化しますとありますけれども、この場合、先ほどからも出ていますけれども、消費生活相談員の拡充は欠かすことができません。
消費者相談は、都民からの相談はどんどん上がって、非常に多いところで安定しているわけですけれども、内容が複雑になっている。したがって、仕組みを解明して、どのような取引で、どの法律が適用されるか、それによる規制は何かなど、日々検討した上で、事業者との交渉も重ねていると相談員さんからも聞いています。
事業者との交渉というと、体を張って交渉することもあるというようなこと。また、不動産関係のトラブルなどのときには、消費生活相談員がブローカーだとか、売り主だとか、本人も含めて、不動産業者なども呼び出して交渉することもあるんだということなんですね。まさに経験に裏づけられた専門性が発揮されるときです。
このような消費生活相談員は、専務的非常勤という位置づけのために、東京都の消費生活相談員、月十六日の勤務で月額十九万七千円、年収二百三十六万四千円。まさにワーキングプアだといわざるを得ません。消費生活相談員の報酬について先ほどもありましたけれども、専門性の高さからいっても、弁護士等の報酬額などを参考とすることが必要だと思いますけれども、どうでしょうか。
○清宮消費生活部長 東京都の消費生活相談員は、悪質商法などの消費者被害を未然に防止し、救済を図るために、相談の受け付けから助言、あっせん、解決まで、一貫した対応をしております。既に先ほどご答弁申し上げましたとおり、適切な処遇など環境の整備を図ってまいります。
○大山委員 適切な処遇など環境の整備を図っていくと答弁されていますけれども、さっきいったように、専門性の高さなどから含めても、弁護士などの報酬を参考にした方がいいと思います。
基本の報酬を職に見合ったものにするということと同時に、全く何年たっても、報酬が上がっていかないということもやはり矛盾だと思っています。杉並区などでは、年齢加算があります。経験者は当然責任も重くなって、若い人たちを教育する役割も持っているわけですから、経験で高くなっていくというのは必要なことですから、これについても、ぜひ検討をしていただきたいと考えています。
基本計画の一六ページに、消費生活に関する専門的知見と豊かな知識経験を持ち、消費者に信頼される相談員による相談体制を確保しますとありますように、専門的知見と豊かな知識経験は、消費生活相談員にとってとりわけ重要だということが、この基本計画でも強調されているわけです。データの積み重ねと蓄積の力、情報量の多さが重要だといわれています。
東京都の消費生活総合センターへの相談の件数は、十九年度で年間四万百四十件。単純に計算すると、一人当たり千百八十件です。二十三区全部合わせても年間七万三千六百四十四件ですから、一人当たり二百二十件から多いところでも八百件弱です。ですから、この積み重ねの多さからいうと、東京都の消費生活相談員は群を抜いているといえるわけです。
このように、消費生活相談員が経験を積むこと、それから、集団的に議論することを含めて、多くの相談を通して消費生活相談員は熟練して、力量を向上させていくといわれていますが、そのことについてどう認識しているでしょうか。
○清宮消費生活部長 消費生活相談員は、特定商取引法などの法律や、商品、サービス等に関する専門的な知識を持ち、消費者問題に関する豊かな経験を踏まえて、交渉力を駆使しながら、都民等の消費者トラブルの解決に努めているものでございます。経験に当たりましては、相談員は都のセンターばかりではなく、区市町村の消費生活センター、国民生活センター、企業、消費者団体等の相談窓口での経験も生かしながら、トラブルの解決を図っています。今後とも、専門的な知識と豊かな経験を持った人材の確保に努めてまいります。
○大山委員 豊かな経験が重要なんだということですね。そのためにも、経験を積むということは重要だと。しかし、東京都は専務的非常勤に対して、六十五歳定年ということをなくしたかわりに、一年契約を四回までの更新としましたね。このことは、実質的に五年間での雇いどめではないかと消費生活相談員の皆さんに大きな不安を広げています。実際展望をなくして、やめようかと考えた人もいるわけですね。安定した雇用の状態で働いてもらう。これは基本的な問題だし、とても重要だと思うんですけれども、どう認識していますか。
○清宮消費生活部長 消費生活相談員の方は、先ほど申し上げましたような専門的知識等を駆使していただきながら、消費者のトラブルの解決に当たっていただいている都の非常勤職員でございます。今後とも、制度にのっとり、都民の消費者トラブルが迅速に解決できるよう、専門的な知識と豊かな経験を持った人材の確保に努めてまいりたいと考えます。
○大山委員 豊かな経験と専門的な知識を蓄積していくというのは、やはり安定した雇用が重要なんですね。この六十五歳の定年をなくして、一年契約を四回までとしたこの件で、ことし三月の総務委員会で質疑がされています。総務局の中井理事が答弁して、今回の専務的非常勤の主な改正内容でございますが、定年年齢の撤廃と雇用契約更新回数の限度の設定でございます。その趣旨は、まず、定年年齢の撤廃でございますが、雇用対策法の改正による職員の募集及び採用における年齢制限が禁止されたことに対応して行ったといっているんですね。
また、更新回数の限度設定は、常に適切な事業執行体制の確保を図るための仕組みなんだと答弁しているんです。
つまり、雇用対策法で年齢制限が禁止されたので、六十五歳までというのはなくして、そのかわりに更新回数は四回までにしたということなんですね。しかし、厚労省の見解はどうかというと、雇用対策法十条の年齢制限禁止にかかわって、有期雇用労働者--つまり、消費生活相談員も有期雇用労働者ですね--の募集、採用にかかわる年齢制限禁止は定年制そのものを禁止するものではありません。有期雇用労働者の契約更新は、雇用対策法でいう募集、採用には該当せず、契約更新の際の年齢制限は雇用対策法が規制するものではありませんということなんです。
つまり、更新限度年齢は設置して全く問題はないということと、六十五歳以上の人の扱いは採用してから一定の規定を設けて運用すればいいということなんですね。今までどおり、六十五歳までということで、更新は四回までなどということは決める必要がないというのがこの厚労省の見解から引き出されるわけですね。
生活文化スポーツ局でこれは決められるものじゃないんだということなんでしょうけれども、五年での雇いどめといわざるを得ない、この更新四回までというのは、雇用を不安定にするということでしかありませんから、やめるように総務局にいってほしいと強く求めておきます。
同時に、土曜日の相談も開始するなど、事業を拡大するということですから、当然人員増も必要であることを指摘しておきます。
消費生活総合センターを思い切って強化するというとき、相談員の力量向上とともに、センターの職員が消費者行政の実態に精通していることが必要だと思いますけれども、どうですか。
○清宮消費生活部長 東京都の職員は適正な配置管理のもとで職務に従事し、都民の負託にこたえているものでございます。消費生活総合センターの職員につきましても、それぞれの職責を果たしているところであり、今後とも複雑、高度化する消費者問題に的確にこたえるように、人材育成には努めてまいります。
○大山委員 人材育成という場合、やはり職員も二年や三年で異動させるんじゃなくて、腰を落ちつけて、消費者行政にかかわれるようにしてほしいということを求めておきます。
それでは、スポーツ振興基本計画についてです。
最初に、基本的なことについて確認しておきたいんです。一般論として伺いたいんですけれども、ユネスコの体育及びスポーツに関する国際憲章は、体育・スポーツの実践は、すべての人にとって基本的人権であると、その第一条に定めています。オリンピズムの根本原則でも、スポーツを行うことは人権の一つであるとしています。スポーツをすることは、基本的人権の一つであるということについて、どう認識しているでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 ユネスコの国際憲章、また、オリンピックの根本原則でございますけれども、それぞれ重要な意義を持っているというふうに考えております。また、その理念は尊重すべきものでございますが、現行国内法におきまして、体育・スポーツの実践はすべての人にとって基本的権利であるとの規定はございません。また、国のスポーツ振興計画、他の道府県のスポーツ振興計画におきましても、そのような表記はございません。
○大山委員 私、本当に聞き違いかなと思うぐらいなんですけれども、ユネスコの国際憲章はユネスコ総会で採択されたものですね。当然日本も尊重していくものです。国際憲章は、第一条に、体育・スポーツの実践は、すべての人にとって基本的権利であるとして、一つ目には、すべて人間は、人格の全面的発達にとって不可欠な体育、スポーツへのアクセスの基本的権利を持っている。体育・スポーツを通じて、肉体的、知的、道徳的能力を発達させる自由は、教育体系及び社会生活の他の側面においても保障されなければならない。
二番目、三番目、ありますけれども、その国際憲章の前文では、人権の効果的な行使のための基本的条件の一つは、すべての人が肉体的、知的、道徳的能力を自由に発達させ、保持するべきであること。したがって、体育・スポーツへのアクセスがすべての人々に保障されるべきものであることを確信し、人間の肉体的、知的、道徳的能力を保持し発展させることは、国内的及び国際的レベルでの生活の質を向上させるものであると確信しと続いているわけですよ。
日本国憲法、どう書いてあるか。十三条では、すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする--幸福追求権ですね--としています。
二十五条は、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。どうして国内法に規定がないといえるんでしょうか。
さらに、オリンピックの根本原則さえも尊重できない、国内法に規定がないから。そんな知らぬ顔をするようなことでオリンピックを招致する資格さえない。そういえるんじゃないんでしょうか。
二〇一六年に、東京オリンピックを招致することを前提に書かれているスポーツ振興基本計画で、オリンピズムの根本原則に知らぬ顔。基本が疑われます。
パブリックコメントの資料としていただきましたけれども、人権としてのスポーツと位置づけるべきであるという意見に対して、基本計画の考え方としてコメントしているのは、スポーツの意義については、本来的な意義、社会的役割、期待される経済的効果として幅広くとらえている、こうなっていますね。やはり権利としてのスポーツという基本的な考え方が座っていない。これがこの基本計画であるということなんです。このことがどう基本計画の中にあらわれているのかということですね。
まず一つ目は、スポーツ予算のことです。一八ページに計画推進のための財源確保の項目があります。基金の有効活用とスポーツ振興くじの助成金まであてにしようとしています。
スポーツ振興くじといえば、サッカーくじのことですね。サッカーくじといえば、運営している日本スポーツ振興センターが、赤字隠しをしていたことを二〇〇五年に会計検査院から指摘されたことは記憶に新しいことです。その後、日本スポーツ振興センターは、収益増に躍起となって、コンビニや競技場での販売、当選確率の高いtotoを実施したり、インターネット販売、携帯電話販売などに踏み込むなど、ギャンブル性を強める方向に走りました。それでも赤字ですね。スポーツ振興にならない。赤字や借金は隠す。ギャンブル性だけを追い求めるサッカーくじは、百害あって一利なしの実態が浮き彫りになっているわけです。
サッカーくじについて、どういう認識を持っているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 お答えの前に前回の質問で、スポーツ振興基本計画の基本理念としましては、都民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでも、それぞれの年齢や技術、興味、目的に応じてスポーツを楽しむことができる社会、すなわちスポーツ・フォア・オールを目指しておりまして、オリンピック憲章などの趣旨と一致しているというふうに考えてございます。
それから、サッカーくじについてどういう認識を持っているのかということでございますけれども、スポーツ振興くじtotoは、スポーツ振興に必要な財源の確保をするために実施されているものでございまして、その収益金は、主に地域スポーツの振興を目的とした事業に助成されることから、都においても、多様な財源を確保する観点から、有効に活用していこうということでございます。
○大山委員 さっきユネスコのスポーツ憲章、国際憲章も尊重するんだ、オリンピズムの根本原則も尊重するんだ。そういうんだったら、国内法に規定がない。憲法にちゃんと明確に書いてあるじゃないですか。それをどうしてきちんと権利としてのスポーツなんだということを、ちゃんと国際憲章でも書いてあるわけですから、ちゃんと据えればいいじゃないですか。それをどうして据えられないんですか。私は聞いているわけです。どうして据えられないんですか。サッカーくじのことは後にします。
○細井スポーツ振興部長 先ほど申しましたとおり、ユネスコの憲章またオリンピックの憲章につきましては本当に重要な意味を持っておりまして、それを尊重しているわけでございます。ただ、現時点、国内法では、そういった基本的権利との規定はございません。また、国や都道府県でもそういった認識はございません。したがいまして、オリンピック憲章やユネスコの国際憲章の重要性は認識しておりますけれども、私どものスポーツ振興計画につきましては、基本理念、スポーツ・フォア・オールを目指しておりまして、オリンピック憲章などの趣旨と一致しているというふうに考えてございます。
○大山委員 オリンピック憲章と一致しているんだったら、オリンピック憲章と同じように、スポーツを行うことは人権の一つであると書いたらいいじゃないですか。
それはそれにしますけれども、さっきサッカーくじは有効に活用している、こういうふうに答えましたね。有効に活用しているといいますけれども、実際にこの助成を受けているんでしょうか。受けているんだったら、いつ、どれぐらい受けたんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 これまでのスポーツ振興くじ助成金としまして、東京都が受け入れた決算額で申しますと、平成十六年度で二百二万三千円、平成十七年度決算で七十八万六千円の収入がございまして、広域スポーツセンター指導者派遣事業に充当したところでございます。
○大山委員 有効に活用しているということですけれども、私、また耳が悪くなったかなと思いましたけれども、十六年度で二百二万円、十七年度で七十八万円。十八年、十九年、二十年--二十年はこれからですけれども、十八年、十九年はおっしゃらなかったから、ないということですね。もう話にならないと。全くあてにならない不安定なものだとしかいいようがありません。
しかも、子どもたちの健やかな成長とスポーツ振興に責任を持つ東京都なんですから、ギャンブルのようなサッカーくじに頼るようなことはやめるべきです。こんなことでどうして子どもたちの健全育成などといえるんでしょうか。国に対して、サッカーくじの中止、廃止を求めることこそ東京都の役割です。
ネーミングライツが、味の素スタジアムで成功したといいますけれども、何をもって成功したというふうに評価しているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 東京スタジアムは公営施設として国内初のネーミングライツを導入しまして、長期的に安定した収入を確保することで、悪天候による試合の中止を初めとする収入の不安定要素を取り除き、経営基盤を安定させることに成功したものと評価してございます。
○大山委員 安定したんだということなんですね。
もう一つ、PFIなどを取り入れると書いてありますけれども、具体的にはどこにどういうふうに導入するのか、取り入れるのか、具体的に何を指しているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 PFIなどというふうに表記してございますけれども、公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行うものなどを想定してございまして、例示として取り上げたものでございます。公費支出の増減とは別に、実質的により多くの財源をスポーツの振興に充てる手法があれば、それを積極的に推し進めていることを指しているものでございます。
○大山委員 具体的には想定していない。けれど、PFIなどを取り入れると書いたんだということですけれども、PFIについては、そのやり方自体に各方面から疑問が出されて久しいわけですね。昨年の十一月十五日には、国の民間資金活用事業推進委員会から報告が出されています。その現状認識として、PFIは、手間がかかり、使いやすい手法となっておらず、その反面、効果が明確に確認し得ないこと、本来、事業進捗のプロセスの中で内容や質の向上がなされるべきものの、現実には必ずしもなされていないことにより、満足する効果が出ていない。透明性の高い制度となるよう改善しというふうに書いてあるんですね。進めてきた国の委員会が、手間がかかる、使いにくい、内容や質の向上もなされていない、こういう認識なんです。
こういうことだったら、PFIなどの手法を使う必要はない、そう思うんですけれども、どうでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 民間活力活用の手法として、PFIを例示として取り上げてございまして、実際の導入に当たってはそれぞれ詳細な調査をして、経済効果、それからサービスの質等々を検討しながら進めていくことになろうかと思っております。
○大山委員 PFIなんていうのは、こうやってやっているところからも、さっきみたいな認識が出ているわけですから、わざわざこんな基本計画に書き込むような代物ではない、必要ないと思います。
今求められているのはスポーツ予算の抜本的な拡充です。スポーツ予算の推移を見ますと、項目が変わってしまったので、教育庁から生活文化局にかわったり、組み立ての仕方を変えたりして、非常に比較しにくくなっています。それでも、今ある東京体育館、駒沢オリンピック公園、東京武道館、辰巳水泳場、この四つの館の運営費は比較できます。石原知事が就任した九九年度には、合計で二十七億五千五百七十八万七千円でした。今年度は十五億二千七百二十五万二千円、約五五%にまで激減です。スポーツ関連予算総額で比較しますと、九九年度は五十一億五千七百九十四万円、今年度予算は四十八億一千三十七万円。ですからマイナス約三億五千万円。今年度、マイナス三億でとどまっているのは、東京国体やオリンピックに向けたスポーツ振興の予算十六億円が含まれているからなんです。だから、マイナス三・五億円。本来のスポーツ振興予算がいかにやせ細ってしまったのかということじゃないでしょうか。
パブリックコメントにも、都のスポーツ関連予算の大幅増額という指摘があります。対応した基本計画の考え方を見ますと、基本計画を踏まえて、毎年度必要な予算を計上すると書いてあります。基本計画の考え方だったら、施設整備費とだれもが利用できる低廉な使用料を保障する維持管理運営費を保障できるんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 お尋ねの施設整備費につきましては、施設需要など、必要性を総合的に勘案した上で、財源の確保ができたものにつきまして毎年度予算において計上されるものでございます。また、こうして整備された施設の使用料につきましては、原価計算の上、受益者に対して適正な負担を求めているものでございます。
○大山委員 受益者に対して適正な負担を求めているんだって、そんなこといっていますけれども、都立体育施設に対する予算は切り下げられた一方、使用料は大幅な値上げになっています。指定管理者の導入もあって、例えば東京体育館のプール使用料、個人で見ますと、二〇〇四年七月に一回四百五十円から一回六百円に値上げされました。二〇〇六年には、その一回が二時間六百円に相次いで値上げされたんですね。辰巳の水泳場では二〇〇四年に貸し切り料金が三三%値上げ。ほかにもライフガードの有料化とか、前日設営の際の使用料減額措置の廃止など、大会開催が非常に困難。この負担が重い足かせとなっているんだとスポーツ団体は困っているわけですよ。
私は、二〇〇五年十二月の議会で指定管理者を指定する案件の質疑をしました。そのとき、東京体育館のプールで行われていたプログラムや教室、それと指定管理者が提案した同様の事業を比較すると、料金が大幅にふえて、自主事業での公共性の担保や、低廉な料金でだれもが利用できるということにはならないということを明らかにしました。また、施設の使用の承認、利用料金の徴収を指定管理者が握り、しかも、施設の改修、修繕は都の責任でやるということであって、結果として公益性、公共性へのしわ寄せが来ることになるということを指摘しました。今まさにそういう状況になっているんじゃないでしょうか。
スポーツ関連の予算では、もう一つ、団体への補助金と共催大会への負担金というものがありました。決算の数字を見たんですけれども、東京都スポーツ文化事業団補助が十四年度決算では三億三百六十万円でしたが、十八年度決算では三億三百六十万円が一億九百六十五万円ですから、約三六%にまで激減しました。東京都体育協会への補助も、同じ五年間で二千万円程度減っています。
都民のスポーツ振興だ、そういうんだったら、都民のスポーツ団体への補助こそ拡充するべきではないんでしょうか。サッカーくじだとか、ネーミングライツだとか、PFIなどに頼るのではなくて、スポーツ予算の抜本的な拡充こそ必要だということを指摘しておきます。
スポーツをしたいと思う人がスポーツできるような環境整備、これは重要で、低廉な使用料、今話題にしましたけれども、それはその重要な要素です。同時にもう一つ、四一ページで、スポーツを行わない理由ということで、仕事が忙しくて時間がないから、これが断然トップで、四三・五%。だからこそ、この基本計画でもワークライフバランスを推進するとなっているんだと思います。しかし、非正規雇用がふえ、経済的にも不安定。あしたの展望もないというところでスポーツしようということにもならないし、正規雇用者は長時間で過密労働です。何といっても、人間らしく働けるルールをきちんとつくっていかなければならないことだと考えています。
ワークライフバランスの推進と書き込んだことはとても重要だと思います。しかし、具体的にどうしていくのかということは書かれていません。労働時間の短縮、サービス残業をなくすこと。派遣労働の規制など、国に働きかけていくことと同時に、都として、企業などに働きかけることができることじゃないんでしょうか。とりわけアンケートでも明確なように、労働時間の短縮ができるように、都として正面から取り組むことが必要だと考えますが、どうですか。
○細井スポーツ振興部長 都としてはワークライフバランスの機運を醸成する子育て応援とうきょう会議の設置や、企業の取り組みを支援するための中小企業両立支援推進助成金制度を設けるなど、関係部署においてワークライフバランスの推進に取り組んでいるところでございます。
○大山委員 今、答弁していただいた中小企業両立支援推進助成金は、産労局の事業ですね。男女とも育児休業などを取得できるように支援していくというものです。もちろん、子育ての分野でもワークライフバランスは重要なんですけれども、せっかくスポーツに関してのアンケートをして、スポーツを行わない理由で、仕事が忙しくて時間がないからが断然トップになった。だからこそ、この基本計画にワークライフバランスを推進するとしたわけですね。
正面から受けとめて、どうするのか。仕事でとられてしまう時間が長過ぎてスポーツをする時間がなくなっているわけですから、これは労働時間の短縮が重要なわけですね。これは一つの企業ではできないことですから、東京都の役割が発揮できるところです。生文局としてどうするのか、きちんと検討していくことが必要なんじゃないんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 ワークライフバランスの推進は極めて重要なことでありまして、全庁を通しまして、その実現に努力していかなければならないと思っております。
もう一つ、働く世代へのスポーツ振興という意味では、例えば簡単にできる、そういうTOKYO体操とか、もう一つはメタボリック症候群に対するスポーツ振興、そういった意味での取り組みもあろうか、このように思っております。
○大山委員 全庁を通して、本当に努力してほしいし、ワークライフバランス、こうやってきちんと、せっかく位置づけたわけですから、生文局としても全庁の世論をリードするということで、政策をリードするということで頑張ってやってほしいと思っています。
TOKYO体操もつくったわけですね。メタボリックの対応だって必要なんでしょうけれども、やっぱり何をやりたい。自分がやりたいスポーツ、これがやりたいスポーツなんだ。サッカーをやりたい人もいるだろうし、野球をやりたい人もいるだろうし、マラソンをやりたい人もいるわけですね。だから、それを実現する。あなた、これやりなさいというようなことでは、本当に権利としてのスポーツではないし、さっき尊重しますといっていた、ユネスコの国際憲章にも、尊重しますといっていたそのものにもたがうことなんじゃないかと。だからこそ、権利としてのスポーツというのはきちんと位置づけないから、こういう状況になるんじゃないんでしょうか、ということですね。
第二章、これは二〇一六年の東京の姿が書かれています。この姿にしようというのがこの基本計画だと思うので聞くわけですけれども、三一ページ、二〇一六年の姿として、スポーツ施設においても、障害の有無に関係なく、地域住民がともにスポーツを楽しむことができるようになります。これは重要ですよね。具体的にどのようにして二〇一六年にこのような姿にしようとしているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 スポーツ振興基本計画にあるとおり、障害者が身近でスポーツに親しめる環境を整えるため、区市町村に設置されている公共スポーツ施設を中心に、設置者の責任により、ユニバーサルデザインの施設改修を推進するとともに、指導員などを対象に研修会を実施し、障害への理解推進を図り、利用者の利便性を向上させます。また、障害者スポーツ指導員を養成し、地域における障害者スポーツ活動を支援する。また、障害者スポーツ大会を開催し、障害者スポーツの振興と障害者の社会参加を促進する。これらの取り組みを関係部署と連携して実施することにより、目指すべき姿を実現しようということでございます。
○大山委員 指導員を対象に研修会を実施するとか、ユニバーサルデザインの施設改修を図るとか、障害者スポーツ指導員を養成するとか、本当に一つ一つが重要なことなわけですね。だからこそ、二〇一六年までにこうなるには、どうやって具体的に実施していくのかという計画も含めて必要だと思っています。
同時に、ユニバーサルデザインの施設改修というところでは、設置者の責任によりということで強調していますけれども、せっかくユニバーサルデザインの施設改修といって進めるんだったら、東京都は、区市町村の現状を把握して、二〇一六年までの具体的な計画を持つことが必要なんじゃないでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 スポーツ振興基本計画の記述にもございますが、区市町村の施設については設置者の責任により行うものである、このように考えているところでございます。
○大山委員 設置者の責任というのはもちろんあるんですね。しかし、本当に計画を実践する気があるのか、そう疑わざるを得ない状況ですね。現状をきちんと把握して、区市町村から話も聞いて、都として何をしたらいいのか。この二〇一六年までに、例えばユニバーサルデザインの施設改修をできなかったら、望ましい姿が実現できないわけですから、きちんと現状把握と、区市町村から話を聞くのと、都として何をしたらいいのか、それを検討するべきだということをいっておきます。
スポーツ施設に障害者スポーツ指導員が配置されているというのは重要です。都及び区市町村の現状はどうなっているんでしょうか。どのような計画で配置を進めるんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 東京都のスポーツ施設では、指定管理者の管理基準におきまして、プールやトレーニングルームに一名以上の東京都障害スポーツ指導員講習会などの受講者を常時配置することを指定管理者に課しておりまして、今後も同様に取り扱うものでございます。
また、区市町村の施設につきましては、設置者の責任に応じて行うものであるというふうに考えてございます。
○大山委員 東京都全体の計画をつくったわけですね。だから、区市町村任せにするんじゃなくて、きちんと区市町村の状況も把握しながら一緒にやるという姿勢が重要だと思っているんです。と同時に、今答弁された、東京都の施設では、指定管理者の管理基準には入っているということですね。実際何人いるんでしょうか。障害者がいつ行っても対応できるようになっているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 現在、障害者スポーツ指導員は都内で千七百名おります。
○大山委員 千七百名が都立の施設できちんと障害者がいつ行っても対応できるようになっているんですか。
○細井スポーツ振興部長 失礼しました。先ほどの千七百名というのは都内にいる有資格者でございまして、都立施設におきましては、常時一名以上配置しているということでございます。
○大山委員 なっているんですとおっしゃるから、実際いつ行っても大丈夫なんですかと聞いたわけですね。実際は、どう運用されているのかというのは把握していないということなんでしょうか。もしも把握してないんだったら、きちんと把握する必要があるでしょうし、また、区市町村の現状の把握も必要だと思いますけれども、どうですか。
○細井スポーツ振興部長 これは管理者である指定管理者が把握しているわけでございまして、東京都としては完了届で把握しているところでございます。
○大山委員 計画をつくっているわけですね。二〇一六年の望ましい姿をきちんと書いていて、それで着実にやっていかないと、その姿というのは実現しないわけですね。にもかかわらず、現状さえも把握していない。それはちょっとひど過ぎると思うんです。ですから、現状がどうなっているのか、把握することから始めてください。
三二ページにはユニバーサルデザインのまちづくりが進み、障害の有無や年齢、国籍にかかわらず、だれもが気軽に町歩きやスポーツを楽しめますとありますけれども、どのぐらい、何を整備すれば、だれもが気軽にスポーツができるようになると考えているんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 基本計画の第2章で描いた二〇一六年のスポーツ都市東京の姿は、「十年後の東京」に示されたさまざまな施策の展開によって実現される、近未来の東京の理想像を示したものでございます。これは都を初めとしまして、区市町村、関係団体、民間企業、都民など、さまざまな主体との連携、協働により推進して実現していくものであると考えておりますので、単に施設の整備状況のみに限ってこれを論じることは適当でない、このように考えております。
○大山委員 二〇一六年の東京の姿としてはっきりこう書いてあるわけですよ。明確に書いてあるわけですね。それはただの理想なんだ。そんなことをいわれたら、この計画は何なんだということですね。だから、したがって、(「そんなこと一言もいってないじゃない」と呼ぶ者あり)だって理想像を示したものなんだと。だって理想像っていって、これは実現するための計画ですよね。実現しないための計画だったらいいですよ。でも、実現するための計画をつくったというんだったら、二〇一六年の姿と。その姿に近づけるために東京都は具体的に何をするんですか。施設設備だけではもちろんないですよ。さっきの人だって必要ですし、養成だって必要なんですよ。だからどうやって、どれぐらいふやしたり、整備したりするのかというのをわかりやすく話してほしかったわけですね。
三四ページにも、スポーツしたい、体を動かしたい、そう思ったときに気軽に参加できる場所やスポーツプログラムの選択肢が増しますと、こうあるわけですね。具体的にどんな場所が--だって、これ場所って書いてありますからね。場所がどれぐらいあれば、この姿が、だれもが実現できると考えているんでしょう。
○細井スポーツ振興部長 二〇一六年のスポーツ都市東京の姿は、「十年後の東京」に示されたさまざまな施策の展開によって実現された近未来の東京の目指すべき姿を示したものでありまして、したがって、ワークライフバランスの推進、高齢者、障害者への理解促進、スポーツを普及するための社会環境が総体として整っていくということが前提としておりまして、単に場所とか施設の状況とかいうことでは論じられない、このように思っております。
○大山委員 近未来といっても、何十年も先じゃなくて、二〇一六年ですから、八年ですよ。すぐ目の前なんですよ。施設の整備状況のみに限ってこれを論ずることは適当じゃないなんていっても、基本計画に少なくとも参加できる場所の選択肢がふえる、こういうわけですから、選択するためには絶対量がふえなきゃ選択できませんよね。ふえなければ選択しようにも選択できないわけですよ。東京都が選択できますといっても、例えば選択しようにも絶対数が足りない保育園のようなものですよ。スポーツしたい人、これが保育園の待機児みたいなものだ、そう思いませんか。
○細井スポーツ振興部長 先ほど申し上げましたとおり、二〇一六年の近未来の東京の目指すべき姿を示したものでございまして、各区市町村、関係団体、民間企業、都民など、さまざまな主体と連携と協働によって推進して、これを実現していこうというものでございます。ご理解いただきたいと思います。
○大山委員 せっかくの理想の姿をかいても、どう実行していくのかというのがなかなか見えてこないわけですね。絵にかいたもちにならざるを得ないという状況です。
具体的に幾つか提案したいんです。これは実現するためにこうしたらどうですかと積極的に前向きに提案するわけですから、積極的に前向きに答えてもらいたいと思いますが、さまざまな工夫でいろいろなスポーツをできる場所を確保すること。これを書いてありますけれども、東京都の重要な責任ですね。例えば、養護学校のプールは温水プールでないところがほとんどなんです。これを例えば温水プールにすれば、より身近なところで、障害者も使いやすいわけですね。こういうことを教育庁に働きかけること、これも全庁的に、いろいろな総合的なもので実現していくんだということですから、教育庁に働きかけることが必要じゃないんでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 養護学校のプールにつきましては、管理者の判断で管理運営するものと考えてございます。
○大山委員 さっきから、自分たちだけじゃなくて、全庁的に、それから東京全体の力を使って理想の姿に近づけていくんだといっているわけですから、私は教育庁にも働きかけることが必要なんじゃないんですかと、こう提案しているわけですね。管理者の判断でやるというのは当然ですよ。しかし、障害者も含めて、スポーツする場所が圧倒的に足りない。これをふやしていくこと、確保していくことというのは基本計画にもあることです。今、障害者がちゃんとスポーツできる、指導員もいるといったら、一つだけですよ。王子の障害者スポーツセンターだけですよね。それをどう実践するかが問われているわけです。東京都の計画になっているんですから、全庁を挙げて取り組むんだ、全体で取り組むんだというんだったら、相談するとか、申し入れるとかということをしたっていいと。やらなきゃいけないと思っています。
地域スポーツクラブの設置目標が示されていますけれども、審議会でも委員から、スポーツクラブをふやそうと思っても、スポーツする場所がないからふやせない旨の発言がありますね。そんな状況でどのようにスポーツクラブをふやすんでしょうか。ふやしても活動できない状況になってしまうんじゃないんですか。
○細井スポーツ振興部長 既に代表質問でもお答えしておりますけれども、都は情報提供やクラブマネジャーの育成などによりまして、スポーツクラブの設立支援を行うこととしております。クラブの活動場所については、活動内容や地域の実情を踏まえて、さまざまな工夫を行うものと考えております。
○大山委員 さまざまな工夫を行うとおっしゃいますけれども、実際、どういう工夫を考えているんでしょうか。具体的に場所がないといった地域で、クラブをふやしたり、工夫して活動場所を確保した事例などがあるんだったら、教えてください。
○細井スポーツ振興部長 地域スポーツクラブは自主的な運営を基本としておりまして、みずからの工夫によって活動場所を確保してございます。例えば、区市町村の体育施設の指定管理者となることで活動拠点を確保しましたり、先ほどご指摘のスポーツ振興くじを活用しまして、自前のクラブハウスをつくったクラブもございます。また、狭い場所で、室内でも活動できるように、種目の選択にも工夫しているところでございます。空き教室を借りて卓球をやるとか、そういった工夫もしてございます。
○大山委員 指定管理者になって、自分のところで体育館の指定を受けて、それでやれるようなところはいいですよ。しかし、都民一人一人がだれもがといっているわけですね。それができるのかということですよ。スポーツ振興審議会の中の委員さんが、地域で総合スポーツクラブを広げようという委員さんが、場所が足りなくて、クラブをつくろうったって、つくれないんですよって発言しているじゃないですか。サッカーくじでつくったといいますけど、全都で七十八万円だとか、二百二万円でしょう。本当に情けないといわざるを得ません。
ですから、きちんと一人一人の、それこそ権利としてのスポーツ--このスポーツをやりなさいと押しつけるようなスポーツ行政じゃだめなわけですね。だれもがどこでもやりたいスポーツができる、それを保障するんだというんだったら、きちんと環境整備をしていく。それから、人も育てていく。配置もしていく。それから、区市町村も東京都の施設もどうなっているのかということを現状をきちんと把握しなきゃいけないといっておきます。
パブリックコメントの資料をお願いしましたけれども、「オリンピック招致は、白紙に」などの意見は、何と欄外に書かれています。オリンピックに関して、この意見を出すというのは、この基本計画を見れば当然のことじゃないでしょうか。最初のところに、知事の署名入りの前書きで、「十年後の東京」の施策展開と連携しと述べ、第2章では、「十年後の東京」で示した政策の方向性の八つの目標をそのままで書かれているわけです。その「十年後の東京」は何かといえば、二〇一六年の東京オリンピック・パラリンピック招致を目指す十年後の東京の姿と、それに向けた政策展開の方向性を都市戦略として内外に明らかにしたということですから、まさにオリンピック招致のための計画なんです。しかも、今年度から三カ年の事業費一兆六千七百億円のうち、四五%が三環状道路などの交通インフラ整備によって占められているなど、そのねらいがオリンピックをてこにした大型開発にあることは明らかですね。オリンピックの名でスポーツ行政がゆがめられるということは、スポーツを愛好する都民の皆さんにとっては耐えがたいことじゃないんでしょうか。
パブリックコメントで寄せられた意見の、自分たちに都合の悪いことは基本計画とは関係ないかのような扱いをすること自体、都民に対して不遜だといわざるを得ません。都民の意見を真摯に受けとめることが東京都の役割です。都民の意見をさらに聞いて、基本計画を抜本的に練り直すことを求めて、質問を終わります。
○古館委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時五十九分休憩
午後三時十二分開議
○古館委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○古賀委員 秋になりまして、さわやかな秋風を受けながら、大人も子供も運動競技に汗を流すにはとてもいい時期を迎え、同時に、五年後、平成二十五年の東京多摩国体の成功、あるいは来年決定されますオリンピック招致について、いろいろ思いをはせる時期でありますけれども、この夏に、七月、東京都スポーツ振興基本計画が発表されましたので、これについて質問いたします。
石原知事は冒頭で、躍動するスポーツ都市を目指してということで、この振興計画の目的について、東京が目指すべき都市の姿を描いた「十年後の東京」の施策展開と連携し、都市づくりとスポーツという新しい視点からスポーツの振興を図り、だれもが生涯にわたってスポーツに親しみ、健康的な生活を送ることができるスポーツ都市を、この東京で実現することを目指したものということで、この計画の性格を位置づけているわけであります。
私も、体育協会等で地元にかかわっておりますし、自分自身も多少そういうことをやっておりますので、丹念に読みました。読みましたけれども、一つ、どうしても私、理解できなかったといいますか、ちょっと残念に思ったのは、武道について記述がないんですね。これは個々のスポーツ競技について、いわゆる運動競技について論ずるものではありませんから、目指すべき理念であるとか、方向性を示すものとして、これはこれでいいんですけれども、武道について一言記述があってもいいのではなかったのかなという思いを強くいたします。
どこにあればよかったのかということになるんですが、一一ページの東京都のスポーツ行政の課題というところがありますので、その辺にでも一つの項目としてあってもよかったのではないかというふうに思うわけです。
なぜそういうことを申し上げるかといいますと、二年前、平成十八年十二月に五十九年ぶりに教育基本法が改正されて、伝統文化、また愛国心というものが明記されました。それを受けて、ことしの三月に、新しい学習指導要領が官報において大臣から告示されたわけであります。その中に、小学生については平成二十三年度から、中学校は平成二十四年度から、これが実施される。道徳教育とか、その他のこともこの中に新しく盛り込まれているわけです。中学校の平成二十四年度実施の新しい学習指導要領の中に、中学校において武道が必修化されるということがうたわれました。
武道という言葉は、長い間、我々は当たり前に使っておりますけれども、実は、受難の歴史があるんですね。マッカーサーが昭和二十年に大東亜戦争に破れた日本に乗り込んでまいりまして、真っ先にやったのは武道授業の禁止であったわけです。それから、武道免許を持った人の資格を停止する。また、武道をすべてまとめていた大日本武徳会という武道各団体を束ねていました団体も、解散させられる、活動を停止させられるということで、これがずっと、実にサンフランシスコ講和条約が発効する昭和二十七年の翌年まで、その影響は我が国を覆ったわけです。やっと、昭和二十八年におおっぴらに堂々と剣道や柔道というものができるようになったわけです。それぞれ根性のある武道家たちは、個々にはやったんですけれども、日本社会として国家としてはそのことができなかったという時代がありました。
昭和三十三年に、やっと中学校の学習指導要領で、相撲であるとか、剣道とか、柔道という武道が選択科目として採用されたんですね。しかし、このときは、まだ日本人は骨抜きにされていますから、武道という言葉は使っちゃいかぬのじゃないかという自己規制をやって、格技と呼んだんですね。格闘技の格技。やっと武道という表記を行うようになったのは何と平成に入ってからなんです。文部省も情けなかった。だらしなかったわけです。
そういった経緯をたどりながら、今回、新しい学習指導要領の中で武道というものが中学校で必修化されるということで、今まではダンスとの選択だった。ダンスが好きな人はダンスをやる、柔道や剣道をやりたい人はそっちをやってもいいよということで、義務教育を終えるまで、武道に全く触れないで義務教育を終える子供たちもたくさんいたわけです。
これが今度、必修化されるということでありますから、これからは施設の整備、指導者の育成、そういった大きな課題が控えているわけで、この時期に、三月に新しい学習指導要領ができたんですから、当然、七月にまとめる基本計画の中にそういった歴史をたどれば、武道についての一つの項目、用語ぐらいがあってよかったのではないかというふうに思うわけです。
この中に武道という言葉がないわけじゃないんです。それは施設整備のところで、東京武道館とか、駒沢オリンピック公園運動場とか、辰巳の国際水泳場とか、こういうのが施設整備の対象、つまり、改修、改築の対象として考えられるよということで、東京武道館ということで出てくるだけなんです。ですから、私、もしかすると、前の局長だったと思うんですね、これをまとめたときは。武道が嫌いだったということじゃないと思いますけれども、なぜか一言も登場しない、記述されていないということで、非常に私は寂しく思います。
ですから、そうでないということであれば、武の精神を養うということは精神的な強さを養うということでもありますし、ぜひ、振興基本計画に欠けているといったら失礼なんですけれども、この東京都議会の文教委員会の場で、そのことを何か補うような発言がもしあれば、私は納得できるわけです。
なぜこういうことを申し上げるかといいますと、今いろいろいいましたが、一つは、去年の九月にブラジルのリオデジャネイロで世界柔道連盟の総会が開かれて、理事選挙をやったんです。ここで理事選挙に、当然、日本を代表する、将来は日本のIOCの委員になってもおかしくない、昭和五十九年、ロサンゼルス五輪の金メダルをとった山下泰裕氏が再選を目指したんですけど、何とアルジェリアの候補に倍以上の差をつけて敗れたんですね。ですから、日本が世界柔道連盟に加盟して以来、理事が一人もいなくなったんです。情報も入ってこなくなるし、競技規則の改正とか、今はどんどん変わっていきますから。そういうものを決めていく、世界の柔道の今後をいろいろ決める場に、日本お家芸、国技、柔道日本、いろいろいい方はありますけれども、一人も理事の方がいない、役員がいなくなったということです。
それから、五輪の競技、皆さん、ごらんになってて、幾つあるか、私は正確にはわかりませんけれども、五輪の競技団体で、世界の競技団体の会長を務めている人というのは日本に一人もいないんです。そういう状況です。ですから、せめて柔道の理事選挙で日本の候補が敗れるというようなことはあってはならないし、そこだけは死守してほしかった。しかし、世界の人はそう見ていない。
そういったことを考えると、やはり嘉納治五郎じゃありませんけれども、いかにも日本人らしい、そういう精神を備えた、国際的にも堂々と通用する人を輩出していくためには、武道教育というのは、私は、非常にこれから重要になってくる。また、そこに着目したからこそ、遅きに失した感はありますけれども、これから武道教育というものを生徒に教えていくということが国の施策として決まったわけです。
ですから、ここに一言も掲載されていないというのは、情けないというか、非常に私、残念に思うわけです。ぜひ生活文化スポーツ局として、武道に対する認識、武道振興に対する考え方、ひとつ改めて述べてもらって、これをさらに実のあるものにしていただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○細井スポーツ振興部長 古賀委員ご指摘のとおり、青少年が武道に打ち込むことは健全な心身を鍛える上で極めて有効であり、スポーツ振興基本計画では記述はございませんが、その重要性を踏まえ、多くの事業の中で武道の振興を図ることとしてございます。具体的には、東京アスリートの育成においては、五年後に迫った東京国体に向けジュニア世代の競技力向上に取り組むことを掲げており、その一つであるジュニア特別強化事業対象四十種目のうち、武道は、柔道、剣道、相撲、空手道など、七種目を占めてございます。
また、スポーツを通じた国際交流の分野でも、ジュニアスポーツアジア交流大会において、今年度から柔道を加え、アジアの十三都市の選手が交流試合を行ったほか、指導者を対象としたフォーラムや選手対象の実技指導を実施しました。その中で、柔道の歴史やわざの解説など、日本柔道について学ぶ機会を設け、日本武道の普及振興を図ったところでございます。
さらに、地域スポーツの振興においても、都が設置促進しています地域スポーツクラブの活動種目に空手や柔道、剣道が取り入れられているケースも多く、武道普及の一助となっております。
今後、東京武道館のスポーツ振興事業の中でも、武道教育必修化に連携した取り組みの実施を検討していきたい、このように思っております。都としては、今後も武道の重要性を認識し、その普及振興に力を入れて取り組んでまいります。
○古賀委員 武道の重要性を認識しということが述べられましたので、それで、あとは実行される姿を、私、見ていきたい、こう思います。
今、電車に乗っても、まちを歩いていてもそうですけれども、規範意識であるとか、公の精神とか、そういうものもいわれて久しいんですけど、指摘をされながら、そういうものの欠如が至るところに見える。尊属殺人も多い。どこかで日本の教育は間違ったし、狂ったということを指摘せざるを得ないわけです。これは、教育ということになれば、当然、教育委員会との連携になってくるわけですから、教育委員会でも、それを私は求めていきたいと思っていますけれども、ぜひ武道というものが、単なる競技スポーツ、運動競技としての側面、勝ち負けを決めるだけの競技としてだけではなくて、日本のそういう今の社会のさまざまな社会病理的な状況を改めていく上でも、私は非常に有効だというふうに思いますので、これからの取り組みというものを、そういう視点で見ていただければと思うわけです。
私、今月の--私は産経新聞とかいろいろな新聞、赤旗ももちろん読みますけれども、ある本を、私、知ることになったんですけれども、今月の十九日に評論家の櫻井よしこさんが産経新聞に「君に伝えたい、日本。」ということを書いていまして、読まれた方があると思うんですが、この本を書いたのは、例の長岡藩、戊辰戦争のときに旧幕府諸藩の中で、会津もそうですけれども、唯一戦闘を新政府軍とやった、長岡藩の国家老の娘、家老は稲垣平助という人ですけれども、その娘に、明治六年に生まれていますけれども、稲垣鉞子という人がいるんですね。この人が書いた本に、「武士の娘」というのがあるんですが、この本が紹介されている。これは何と英語で書かれているんです。英語で書かれた本。
私は、英語で書かれた本で、日本精神や日本の文化というものを西洋に決して劣らないといって紹介したのは、例えば岡倉天心の「茶の本」とか、「東洋の理想」、新渡戸稲造の英文「武士道」とか、内村鑑三の「代表的日本人」とか、ああいうのは学生時代も読みましたし、十分知っていましたけれども、「武士の娘」という英語で書かれた本があることは、私、知らなかったんです。櫻井よしこさんに教えられました。これは英語で書かれて、七カ国語に訳されて出ているわけです。私も図書館に頼みましたら、すぐに来ました。「武士の娘」。
読みましたけれども、当時の武士というものの、侍の精神、まさに武道に通ずる、武道を通して養われる、また日本人の生活の中で養われていく、そういう誇りであるとか、きずなとか、そういうものが見事に描かれています。これを読みますと、今の教育者も読んだ方がいいと思いますね。六歳で--六歳といえば、小学校一年生。火の気がないところで、真冬でも武士の娘は正座を二時間して、四書五経--四書ってありますね。中庸、大学、孟子、論語、これの素読をやるわけですよ。それだけじゃなくて、もちろん、裁縫とか、機織りとか、料理とか、お花とか、家事全般について、武士の娘は修養する。そして、立派な気品のある日本人として育っていくんですけれども……。
武の精神であるとか、侍の心とか、そういう日本人の心というものが、いかに当時、そういう研ぎ澄まされたような形で、生き生きと庶民や侍、一般国民の中に生かされていたかということがよくわかります。武道を通して、単なる競技で勝ち負けを決めるだけじゃなくて、そういうことも同時に教えるということが非常に大事だというふうに思うんですね。
戊辰戦役のときに、もちろん新政府軍に、薩長軍に破れるから、お城を明け渡す。国家老は、結局、とらわれの身となって、江戸へかごに乗せられて送られていく。そのとき、真夜中に、雨の降る日、ある若い侍、武士が訪ねてきて、今晩城下を通るから、最後の別れになるかもわからない別れをしてくれということで、稲垣鉞子さんのお母さんのところへある侍が訪ねてくる。
そうすると、見たこともない人間、しかも、負け戦の後です。どんなことになるかわからないけれども、御身は侍かと聞くんです。あなたは侍なのか。侍であるということはうそをつかないということです。敵であろうと、味方であろうと。侍であることの重みがどれだけの意味を持つかということを、この本の中から感ずることができますね。そして、夜中、稲垣鉞子さんのお母さんは、ひとり若い侍の後をついて、雨の中、ご主人との別れに出かけていくんです。そういうことがここに書かれているんですよ。
教育は百年の大計といいますけど、百年たって、日本の教育はどうなったかということを反省しなきゃいけない。六十年たってこのざまですから。しかし、かつてはそういう日本人がいたということを、武道教育等を通して、柔道や剣道や空手道や、その他なぎなたとか、相撲とか、いろいろありますけれども、そういうものを通して、肉体を鍛え、なおかつ精神力を鍛える中で、こういった自分の、かつて日本人が持っていたものに対する価値観というものに触れることもできるわけです。
ぜひ先ほどの答弁のとおり、生活文化スポーツ局では、一言も書きませんでしたけれども、振興計画の中に、そういった重要な意味合いを、私は、願いを込めて指摘をさせていただいて、今後、その取り組みが確実に行われることを期待しています。
終わります。
○斉藤委員 古賀先生の力の入った質問の後だと、とてもやりにくいのですが、(笑声)じゃ、まず順番で、消費者対策の方からです。
今回の消費生活基本計画、大変多岐にわたりますけれども、それなりに細かく、各項目ありまして、担当局のやる気というのも感じます。昨今の事故米の問題は、業者のみならず、農林水産省もぜひ襟を正していただきたいと思いますし、最近、メラミンの入った牛乳の輸入など、子どもを持つ、私を含めて、多くの人からしてみれば、言語道断の話だと。もちろん日本でもかつて砒素ミルク事件など、現在も後遺障害に苦しむ方がいらっしゃいますが、そういった事件がありましたが、そこでの反省を、ほかの業種やほかの国に対して生かす努力を日本はしなければならないというふうに感じます。
さて、今回は、この計画について、消費者を初め、事業者、区市町村など、多くの主体に参加と協力を求めていくための計画を策定したというふうなことで伺っておりますが、なかなか区市町村の方も、取り締まる力とか、もしくは広域の被害に対して対応するとか、被害に遭った方や事業所に対して補償するといった、消費者問題に対する中でも割と大きな課題に関して、なかなか力を市区町村ということで持っているわけではありませんで、そこに任せきりということになるのではなくて、東京都がリードする中で、協力をお願いしていくというようなことで、頑張っていただきたいと思います。
そこで、伺うんですけれども、一点目として、この計画の中で、現場主義視点から緊急に取り組む四つの対策と、都全般にわたる五つの政策課題に分けて策定をされております。これはどのような考え方で整備しているということになるのか、そこを伺いたいと思います。
○清宮消費生活部長 今回の基本計画の策定に当たりましては、東京都消費生活対策審議会に諮問しまして、その答申と国の消費者行政一元化の動向を踏まえて出されました提言、この二つをもとに策定したものでございます。
提言は、都消費生活総合センターの思い切った強化など三つの機動的、実効的な取り組みを求めており、基本計画ではこれを具体化し、都民の消費生活を守るための四つの緊急対策として取りまとめ、積極的に取り組むことといたしました。
一方、五つの政策課題につきましては、答申を踏まえ、都政全般にわたり、衣食住、健康、環境など、暮らしの全般にかかわる百三十三の消費生活関連施策を確実に推進していくものとして取りまとめました。
○斉藤委員 今、百三十三の具体的施策ということで、大変多岐にわたるということを、答弁の中であったわけですが、実際に、今回計画そのものは、一般的にいうマニフェストとはちょっと違うので、割と大枠な形でも、マニフェストみたいな形で事細かくならなくてもいいのかなというふうに思うんですが、ただ、見ますと、関係する各局の部分の方も割と細かくて、逆に、予算的なものがないとちょっと心配だなみたいな、予算的な裏づけがなかなかないと実行できないんじゃないかなというふうに、ちょっと心配するような面もございます。
ただ、今やっていることの延長線上で対応がとれるというものと、全く延長線でなくて、新たに本当のことを突き詰めれば、実際にやろうと思って突き詰めれば予算的な裏づけが必要になってくるというものが幾つか分れるんじゃないかと思うんですが、今回、予算の委員会ではございませんので、少し大枠で伺いたいんですけれども、この計画において、新たな取り組み事業、もしくは拡充する事業というのが、どのようなものがあるのか、そこを選んでご紹介いただきたいと思います。大変厚みもあるものでございますので、ざっと見ただけではなかなかわかりづらいので、そこを確認したいと思います。
○清宮消費生活部長 今回の計画の中では、緊急対策に関する事業、ここが新たに取り組み、または拡充する事業ということで、まとめてございます。例えば新たに取り組む事業としましては、消費生活総合センターの来年度の早期の土曜相談窓口の開設やヒヤリ・ハット体験の掘り起こしなどでございます。
既存の事業を拡充するものとしましては、例えば悪質事業者を取り締まる特別機動調査班の体制強化や、学校などで消費者教育を普及する出前講座などでございます。
○斉藤委員 こういった計画をつくると、予算的な裏づけみたいなものについては、なかなか心配してしまうところであります。特にこれだけ、各局足並みをそろえてというのは大変だろうと思うようなボリュームになってきますと、なおさら、実際にどこまでできるのかなと心配になります。
ただ、今伺っている中では、実際に見た中ではわかりづらいけれども、実際には今ある事業の中の延長のものが大変多くて、逆に、各局に頑張っていただく。結果的に、もしもそのときにどうしても今のボリュームではできないということがあれば、当然、そのときには、また予算的にどうしようかという話になると思いますので、今後、その中で、今わかっている部分では二つの消費生活総合センターと特別機動調査班の話でございましたが、ほかの部分で必要があれば、随時、多分予算対応ということになると思いますので、ぜひともその部分は臨機応変にやっていただきたいと思います。
もう一つ、ちょっと気になるんですが、国の方でちょうど今やっている最中になりますので、いい方は難しいんですが、国の方で、消費者庁の方の準備がなされていると思います。もちろんこれについては、各都道府県に対して、それができたことで、何かどういうふうな施策の支援があるとかというのも、今後恐らく具体的になってくると思うんですが、なかなか今の段階では読み切れないところがありますし、この計画に生かすというにはタイミング的に少しまだ早いのかなと思います。
したがいまして、そのあたりの影響というのは気になるところなんですが、今回の基本計画を実施するに当たりまして、国への要望という項目もございます。消費者庁設置の準備に入っている中で、国との連携については、消費者庁設置など、国の動きが何らか影響するのか、その辺について伺いたいと思います。
○清宮消費生活部長 国は、現在消費者庁の設置に向けまして、関連法案を国会に提出するなど、準備を進めているところでございます。東京都は、これまでも地方自治の立場から主体的に消費生活行政を展開するとともに、国の関係各省庁とも密接に情報交換を行い、連携を図ってきているところでございます。
消費者庁の設置を機に地方自治体の消費者行政の現場が充実強化されるとともに、一元化の効果が発揮されまして、国との連携がさらに強固なものとなることを期待しているところでございます。
○斉藤委員 今の感じですと、直接具体的に影響を受けるようなところがないように受けます。もちろん、効率がよくなれば、その部分がプラスになってくるというふうに思います。今既にこの計画に関してはそれぞれ具体的に各局進むということでもありますので、今後様子を見ていきたいと思います。
では、ここで、もう一つの方のスポーツ振興基本計画について、一つ伺います。
今回の計画では、現在三九・二%のスポーツ実施率を六〇%にすることを数値目標としていますが、概要の、こちらのカラーの印刷物を、まとめたものを見させていただきますと、逆に、これ以外の数値目標というのが書いてなくて、数値目標をもう少し入れないと、目標の地点がわかりづらい。数値目標が幾つかの項目であれば、いいんじゃないかなというような印象を受けました。これだけ見ますと、具体的な六〇%のスポーツ実施率に持っていくというロードマップがイメージしづらいかなというふうに思います。
例えば地域スポーツクラブの目標も、本当に市民団体の話ですから、なかなか都合よくふえてくれないというのがあると思いますし、そういう点では、もう少し具体的な道筋があるといいのかなと思います。
何で、こんなことをいうかというと、先ほど大山先生の方から質問の中で、なかなかやる場所がなくてスポーツクラブができないという話が審議会の中であったという話なんですが、たまたま今回、この計画をやる上で、担当課とやりとりをしまして、そのときに、今年度につくられた東京都の広域スポーツセンターというチラシをいただきました。担当課が読み込んでいるのか、少しぼろぼろになったやつをもらったんですけれども、その中で、現在、五十四団体、東京都の中に地域スポーツクラブというふうな登録をしているところがあるというんですね。
改めて見ていったら、小平市、一つだけあるんですけれども、実は、私の前任者からのご縁で、うちの事務所が郵送連絡先になっているNPO小平スポーツクラブというのが入っておりました。私、実は、この団体に関しては、過去二回ぐらい、場所を確保するときにお手伝いしたことがあって、そのときには、この団体は、大変まじめな方で、非常に一生懸命やられていた印象があるんですが、自分は文部科学省などが推奨している地域スポーツクラブなのでというようなことを、余りアピールすることなく、なかなか場所の確保が難しくてという話をされていたんです。
非常に大変そうだったので、私も、いろいろ伺ったら、たまたま地元の学校の職業訓練校の体育館を貸していただいて、非常にうまくいったという経緯があったんですが、今まさに、場所がないからできないんじゃなくて、できてからの場所がないというのは、ちょっと余りにもかわいそうかなという。何も特権もなければ、支援もないというか、助成金はともかくとして、何かしらやりやすくなるというような底上げもないという感じを受けました。
それなのに、計画に入っているというのは、そういう点でいえば、僕も感覚的に違和感を感じましたので、そういったところなどにきちんと、ちゃんとこういうふうな枠組みで活動していただくのだから、こういった部分については逆に不便しないように支援しますよというのがないと、実際にはクラブの部分をあえて項目に出すとなれば、何かしら考えてあげるべきものなのかなと思います。
私としましても、不勉強な部分があったので、知らなかったとはいえ、逆に、そういうふうに地域で本当にまじめにやっている人たちが、せっかくこの枠組みで動いていただいているわけですから、そこは何かこたえてあげる方法を考えなきゃいけないのかなと思います。
また、こちらの方の戦略の1のところに、区市町村に対する未利用都有地の暫定的な貸し付けなども、この計画の中で、具体的に予定する場所なんかいってくれというふうにいうのはちょっといい過ぎかと思うんですが、ただ、この辺なんかも期待するところでありますので、実際にやってほしいと。こういう部分がもう少しはっきりしていれば、道筋というものがわかるんじゃないかなという気がいたします。
そういったことの積み重ねで、恐らく実施率というのは上がっていくのかなというふうに思うんですが、私も、決して詳しい方じゃございません。どういうふうにやったらこういった実施率がふえるのかという方程式に対しては不案内でございますので、今後の展開の上で大変不安を感じるわけです。このような例は、スポーツクラブなどは一つの例なんですけれども、冒頭に申し述べたスポーツ実施率の向上の具体策というのが十分に見えてこないということで心配しておりますので、実際には今後スポーツ実施率向上のためにどのような施策展開を図っていくのか、そこを伺いたいと思います。
○細井スポーツ振興部長 スポーツ実施率は、スポーツ実践層のすそ野の広がりを示す最も一般的な指標でございます。国のスポーツ振興基本計画でも数値目標としているわけでございます。東京都においても、都民に対し計画の到達点をわかりやすく示すため、スポーツ実施率を計画全体の数値目標として設定したところでございます。
目標の実現に向けて、スポーツ実施率の低い二十代から四十代の世代を対象に、気軽に楽しめる体操プログラムの提供や親子で参加できるスポーツ大会などを実施し、スポーツに取り組むきっかけづくりを図るほか、生活習慣改善のためのスポーツを奨励するなど、さまざまな角度からスポーツ人口の拡大を図っていきます。スポーツ実施率については、今後定期的に調査を行いまして、事業効果の評価を行うとともに、施策の見直しに反映させていきます。
こうした取り組みを重ねることによりまして、早期に年代ごとのスポーツ実施率を現状より一〇%向上させることを実現した上で、都がオリンピック・パラリンピックの招致を目指す平成二十八年度までに成人の週一回のスポーツ実施率を六〇%以上としていきます。
○中山委員 私の方からは消費生活基本計画とスポーツ振興基本計画について、それぞれお伺いさせていただきます。
初めに、消費生活基本計画につきまして、多重債務問題についてお伺いいたします。
今回、都は、消費生活基本計画を改定されましたが、その計画においても、施策の方向の一つである消費者被害の救済の中で、多重債務問題対策の推進と、多重債務者の支援を掲げております。
都は、十九年八月に行政と民間団体が連携して多重債務問題に取り組むために、東京都多重債務問題対策協議会を設置し、あわせて庁内にも多重債務問題対策庁内連絡会議を設置されました。その後さまざまな取り組みを進めていらっしゃると聞いております。私見ではございますが、多重債務対策では、未然防止、被害発生時の相談対応、生活再建の三点が重要な柱になると考えております。私は、本年の第一回定例会の一般質問で、多重債務の未然防止のため、若年者向けの積極的な金融経済教育の推進を求めたところ、初等教育向けの金融経済教育の副読本の作成と、大学生協との連携による被害防止の取り組みを行うとのご答弁がありました。そのことは、改定された東京都消費生活基本計画の四五ページにも記載されているところでございます。
そこでまず、金融経済教育の取り組みについて、第一回定例会でご答弁をいただいた後の進展についてお尋ねいたします。
○清宮消費生活部長 進捗状況でございますが、新たな多重債務者を生み出さない、そのための金融経済教育の強化につきましては、引き続き東京都多重債務問題対策協議会において検討を進めているところでございます。
まず、小中学校に向けた教育につきましては、都内の幾つかの区市の協力を得まして、金融経済教育モデル事業を実施することとしています。このモデル事業に使用する教材につきまして、検討会を設置し、来年度初めには提供できるよう作成する予定でございます。
一方、大学生向けの金融経済教育でございますが、大学の生協と連携し、学生向け学習会を七月に開催いたしました。今後もこのような学習会を実施し、参加した学生たちが中心となりまして、各大学で金融経済教育を広めていけるよう、啓発及び支援を行ってまいります。
○中山委員 今のご答弁で、それぞれの取り組みが着実に進展していらっしゃるということをお伺いして安心いたしました。これからも未然防止という点では、若年者に対してそういう知識を普及していくということは大事なことであるかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、先ほど申し上げました三点のうち、生活再建の取り組みは、福祉保健局が所管する多重債務者生活再生事業の中に取り組まれており、セーフティーネット貸付制度がつくられたところでございます。したがって、本日は、先ほどの三本柱の二点目の被害発生時の相談体制の充実について何点か質問させていただきます。
実は、国の消費者庁設立に向けての動きの中で、骨格となる考え方を取りまとめられる際に貢献されましたユニカねっと、すなわち消費者主役の新行政組織実現全国会議の代表の皆さんからも、都議会公明党への予算要望にお越しいただいた際に、私自身、お話を伺う機会がございました。その際、都の金融経済教育の推進と生活再建の取り組みには高い評価をいただいたところでございますが、相談事業に関しては、何点か注文をいただいたところであります。
ちなみに、ユニカねっとのユニカとは、ご案内のとおり、ユニフィケーション・オブ・コンシューマー・アドミニストレーション、消費者行政の一元化の頭文字をとったもので、消費者庁の設立を目指している団体でございます。
ユニカねっとの皆さんのご注文は、国の消費者庁ができたとしても、それを実質的に支えていくのは、大消費地である東京の消費者行政であるとの強い期待を込めてのお話であるというふうに私は理解しております。したがって、多重債務にかかわるさまざまな対策の中で相談対応は特に重要と考えておりますが、まず、東京都におけます多重債務に関する相談件数についてお伺いいたします。
○清宮消費生活部長 平成十九年度に都内の消費生活センターで受け付けました多重債務相談件数は七千四百八十四件で、そのうち東京都の消費生活総合センターで受け付けたものは千六百十件でございました。今年度は、六月末現在の数字でございますが、都内の消費生活センターで受け付けた件数は千九百十五件となっており、そのうち東京都消費生活総合センターで受け付けたものは三百九十四件でございます。前年度と比較いたしまして、ほぼ同様の状況と考えられます。
なお、ついこの間の九月四日と五日の二日間、東京都と十八区十二市が弁護士会、司法書士会と共同で実施いたしました無料特別相談、多重債務一一〇番には、合計で五百八件の相談が寄せられました。
○中山委員 今のご答弁で、都の消費生活総合センターでは積極的に多重債務相談に取り組まれていらっしゃることを評価したいと思います。特に九月四日、五日の二日間の相談で五百八件も来たということは、話には聞いておりますけれども、まだまだ被害というものが続いているということを物語るものではないかと思います。
多重債務相談に当たりましては、相談者を確実に法律の専門家につなげる仕組みでございます東京モデルが実施されております。これは大変よくできた仕組みであり、ユニカねっとの皆さんもその点は評価されていらっしゃいましたけれども、これがどのように具体的に機能していくかということが今後の課題であります。
そこで、東京モデルの実施状況と実際に弁護士会などの専門家につなげた実績がどの程度あるのか、お伺いいたします。
○清宮消費生活部長 委員のお話にもございましたが、東京都では多重債務相談者を都及び区市町村の消費生活センターから弁護士会等の法律専門相談窓口に確実につなぐ東京モデルを構築し、本年一月から東京都の消費生活総合センターにおいて試行を開始いたしまして、四月から本格実施をしています。
その後、区市町村の消費生活センターへも説明を行うとともに、相談員の方へのマニュアルを作成しまして、東京モデルの普及を図りました。その結果、九月に実施いたしました無料特別相談多重債務一一〇番では十三区五市が東京モデルの活用を始めたところでございます。
また、法律家につなげた実績でございますが、平成二十年一月の試行開始から八月末までに都の消費生活総合センターでは百七十一件ございます。
○中山委員 今のご答弁で、都のセンターが開始されました東京モデルが十三区五市で活用を開始されたということで、区市町村の相談窓口においても少しずつ広がり、定着し始めているということがわかりました。
ユニカねっとの皆さんからちょうだいした注文の一つが、東京モデルが実際に適用された事例が少ないという点でございました。確かにもともとの相談受け付け件数に比較しますと、十分の一に達していないという状況でありますから、少ないという印象があるのかもしれません。しかし、相談受け付けの多くが電話による相談ということだそうでございまして、しかも、ご本人以外の家族やご友人などからの電話相談も多く件数に含まれているということで考え合わせますと、決して少な過ぎるというわけではないと私は感じます。
電話で相談を受けた件数のうち、東京モデルの活用に至らなくても解決したような事例もあるのかもしれませんけれども、ただ、大切なことは、電話相談をきっかけにわざわざセンターまで出向いてくださって、そういう事例がどのくらいの割合で解決などの望ましい状態に到達していくかということが施策の評価としては大事なのではないかと私は考えます。あくまで大事なのは、東京モデル活用に至った百七十一件へのその後の対応の進捗であろうというふうに思います。
そこで、先ほどご答弁がありました百七十一件の相談の処理において、どのような形で解決への道筋が立てられているのか、内訳と概要をお教え願いたいと思います。
○清宮消費生活部長 多重債務整理の方法には、自己破産のほかにも、債権者の合意を得ながら行う任意整理、簡易裁判所で行います特定調停、また、ローン支払い中の住宅を手放したくない場合などに行われます地方裁判所による個人民事再生といったものがございます。
東京モデル活用件数百七十一件のうち、弁護士会、司法書士会からの報告によれば、任意整理が九十六件と最も多く、次いで自己破産が二十八件、個人民事再生が六件、ヤミ金関連で警察通報となったものが三件、その他相談継続など三十八件となってございます。
○中山委員 今のご答弁では、任意整理または自己破産を勧められるケースが多いということが理解できました。これは多重債務被害を解決する手だてとして、相談に当たっている法律の専門家の目から見ますと、まずは当面の債務を整理して、一たんけじめをつけることが最良の選択肢として選ばれやすいということであると思います。
しかし、多重債務者の中にはさまざまな事情により自己破産を望まない人もいるでしょうし、保証人への連鎖被害などを考慮して、自己破産したくてもできない状況にあるという方もいらっしゃいます。さらに任意整理をしたくても、安心して相談できる金融機関がわからないなどの理由で二の足を踏む場合もあるかと思います。自己破産を選択できない、あるいは選択できないような場合に債務の一本化を図り、債務整理を目指すことになりますが、この点におきまして、先ほどのユニカねっとの皆さんからは、金融の専門家が多重債務被害の相談体制の中に直接組み込まれないと効果が薄いとのご注文がございました。生活再建も大事だが、相談に出向くことができた事例をいかに確率高く、多重債務被害の解消や軽減に結びつけていくかが大事であるとの思いからであろうと思います。
そこで、都の消費生活総合センターでは、東京モデルの活用の中で、債務整理などのために金融の専門家への相談が必要となる場合、どのように対処していらっしゃるのか、お伺いいたします。
○清宮消費生活部長 都の消費生活総合センターでは、先ほどお話し申し上げました任意整理や自己破産などの多重債務整理の各方法につきまして、相談員が丁寧に説明し、相談者が希望する窓口に確実につなぐようにしています。また、さまざまな多重債務者の状況に合わせまして、例えば債権者との間で任意整理が必要な場合には、弁護士会や司法書士会などを紹介しています。
なお、相談者が金融機関への窓口の相談を希望されている場合には、金融機関の団体が設けている相談窓口も紹介することとしています。
○中山委員 今のご答弁で、東京モデルでは、できる限り信頼できる金融機関の体制というものをご紹介できるように、準備をされて、紹介を実際にされるということが理解できました。
金融機関による具体的な相談対応は、当然相談の中身が金融による融資とか、貸し付けとか、そういうことになりますので、過度な期待を抱かせるような大ぶろしきな表現はできませんけれども、かといって、余りビジネスライク過ぎても、多重債務被害からの脱却に結びつきにくいと私は考えます。その意味で、金融機関による相談に至った事例については、今後とも注意深くデータを取り寄せて分析していただいて、改善すべきことは何かあるかということをよく見詰めていただきたいと思います。
多重債務者は、一人で苦しんで借金生活に耐え続けてきたため、疲れ切って、やっと相談窓口にたどりつくという場合も多いかと思います。気力を振り絞って相談窓口にたどりついても、何かのきっかけで気力を失い、途中で断念してしまう確率も高いのではと危惧します。東京モデルで、法律専門家につなぐため予約しても、いざ実際に専門家と相談する日になってキャンセルしてしまうという事例もあるとお伺いしております。債務の解消や生活再建という一応の目的地に着くまで、それを支える精神的なケアも重要だと思います。
専門家につないで紹介して終わりということではなく、消費生活総合センターの相談員が多重債務者の手をとって、一緒に専門家を訪れたり、あるいはその後も精神的なケアをしていくといった細やかな対応が必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
○清宮消費生活部長 多重債務問題の解決には、まずは相談者の方が問題解決をあきらめない、そういうことに私どもの方も努力をしていきたいと思います。
消費生活総合センターでは、専門家の窓口と連携しながら、予約日をキャンセルしました--先ほど先生からお話しございました、そういう予約日をキャンセルした相談者の方に対しても、意向を再度確認しまして、再度予約を確保するなど、問題解決の方向性が定まるまで、相談員が丁寧にフォローしてございます。お話のように多重債務問題によって、精神的にも疲れ切ったという相談者の方も見受けられます。センターにおいては、相談員が相談者に対して多重債務問題は必ず解決すると伝えて安心をさせながら、信頼関係を築きながら相談に当たることとしています。
今後とも、多重債務問題を抱える都民の方が、一人でも多く確実に解決に結びつくようきめ細かな対応に努めてまいります。
○中山委員 地方の自治体の中には相談を受けた消費生活相談員の方が、弁護士などの専門家への相談に同行する仕組みをとられている実例もあるというふうに聞いております。多重債務問題に悩む相談者に対してはできる限り手厚く対応すべきであり、可能であれば、相談者と一緒に専門家の窓口へ同行するようにお願いしたいと私も思います。
東京モデルの実例は八カ月間に百七十一件ということでございますから、一月当たり二十人強というような計算になるかと思いますが、同行はあながち無理難題というわけでもないかと思います。大切なことは、繰り返しになりますけれども、せっかく窓口までたどりついた被害者を解決まで至らせる確率を高めていくことだと思います。
今後は、相談員が相談を持ちかける人の希望に応じて、弁護士や金融の専門家との面談に同行するなどの取り組みを視野に入れ、また、そのために必要な体制整備、人員増強についてもご検討いただくことを要望させていただきます。
続きまして、競技力の向上と生涯スポーツの振興についてお伺いいたします。
都がこの夏に発表した東京都スポーツ振興計画について伺います。
先日終了した北京オリンピック・パラリンピックでは日本人選手が大活躍して、私たちに大変大きな夢と希望、活力を与えてくださいました。特に東京の選手が金メダル六個、銀メダル二個、銅メダル五個を獲得されて、都民にとって大いなる誇りとなったことだと思います。しかし、二〇一六年東京オリンピック・パラリンピックでは、開催地としてさらなるメダルの量産を目指さなければならない状況にあります。平成二十五年に開催される東京国体まで余すところ五年、東京オリンピックまでは八年と、残された時間はわずかであり、早急に対応を急ぐ必要があります。
これまで都は、本年三月に東京都競技力向上基本方針実施計画を策定し、選手強化体制の整備、指導者の確保育成、医科学サポートによる支援の三つの柱により、総合的に東京アスリートの競技力の向上を推進されてきました。東京都スポーツ振興計画におきましても、世界を目指す東京アスリートの育成を重要な柱の一つとして位置づけております。
そこで、まず東京国体や、東京オリンピック開催時期に中心選手となっている小中学生を--現在の小中学生ですけれども--中心としたジュニア選手の育成について具体的な取り組み状況をお伺いいたします。
○池田参事 ジュニア選手を計画的に育成、強化していくため、本年度区市町村の体育協会などと連携して実施しているジュニア育成地域推進事業の予算を拡充して、競技種目の数や参加人数を拡大いたしました。
また、競技団体によるジュニア特別強化事業の対象を二十競技から国体対象全四十競技に広げたところでございます。
さらに、今月の九月二十日でございますけれども、大分国体の結団式に合わせまして、競技団体からの推薦に基づき、小学校四年生から中学校三年生までの将来有望な選手九百八十四名を東京都ジュニア強化選手として認定いたしました。今後、認定選手には強化練習や強化合宿などを実施するほか、保護者に対しても栄養講習会などを実施するなど、さまざまなサポートを行ってまいります。
○中山委員 九百八十四名のジュニア選手の認定が行われたということで、大変期待をいたしております。さまざまな事業を通じて、ジュニア選手の育成に力を入れていらっしゃることが今のご答弁でわかりました。
しかし、競技団体や区市町村体育協会が把握されているジュニア選手以外にも将来有望な才能を持った児童生徒さんがいらっしゃると思いますし、そうした方々を掘り起こしていく取り組みも重要であると考えます。この点につきまして、スポーツ振興基本計画におきましては、東京都におけるジュニア選手発掘の仕組みづくりを掲げていらっしゃいますが、具体的にどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
○池田参事 競技団体の取り組みでは捕捉し切れない才能あるジュニア選手を発掘育成し、その選手に最も適した種目を見出すなど、オリンピックなどの国際舞台で活躍が期待できる選手を見つけ、育て、生かすタレント発掘の仕組みも重要でございます。そのため、東京都競技力向上推進本部強化部会のもとに、JOCや国立スポーツ科学センターのメンバーを迎えまして、ワーキンググループを設置し、基本的な制度設計、セレクションの実施方法や育成プログラム等について検討してまいります。
○中山委員 ぜひ埋もれているダイヤモンドの原石ともいうべき将来有望な選手を発掘していただきたいと思います。
日本と同じぐらいの人口、もしくはもっと少ない人口の国でも優秀なスポーツ選手を多種多様に輩出している国もございます。スポーツの場合、身体能力や運動神経などの潜在的才能のいかんが大きく将来性を左右する部分があるかと思います。しかし、どれほどすぐれたダイヤモンドの原石であっても、しかるべきタイミングで発見してこれを磨いていきませんと、その才能を開花させていくことは困難になってしまいます。ジュニア選手を発掘する取り組みの意義もそこにあるかと思いますので、これからもどうかよろしくお願いしたいと思います。
次に、指導者の確保育成についてお伺いいたします。
競泳の北島康介選手は、本人のご努力はもちろんですが、平井コーチを初めとして、多くのトレーナーやスポーツドクターのサポートがあったからこそ、アテネ、北京オリンピックで世界記録を更新して、二連覇を達成されたと思います。このように優秀な選手を育成するためには、熱意ある優秀な指導者の継続的な指導はもちろん、選手強化に関する専門的な知識を持ったトレーナーやスポーツドクターのサポートが重要と考えます。また、一流の指導者のアドバイスを受けることで、パフォーマンスが向上したという実例も数多く聞いております。
スポーツ振興計画におきましても、指導者の確保、育成を進めることとされていますが、具体的にどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
○池田参事 優秀な指導者の確保につきましては、本年度からトレーナーや栄養士、スポーツドクターなどのいわゆる人材バンクをつくりまして、競技団体のニーズに合わせて、強化練習や強化合宿に派遣する取り組みを進めております。また、競技団体が実施する強化練習や強化合宿に一流の指導者を招聘できるよう、指導者への謝金限度額を五千円から六万円に増額したところでございます。
指導者の育成につきましては、今後、運動生理学やスポーツ心理学等に基づく科学的トレーニング方法、スポーツ障害の予防、あるいは疲労回復のための休養や栄養摂取、ジュニアの成長段階に応じた適切なトレーニング方法などを内容とする研修会を実施してまいります。
○中山委員 ただいま人材バンクをつくったり、謝金の限度額を大幅にアップさせたりということで、トップアスリートの育成のために優秀な指導者、スタッフを確保していく力強い取り組みをお述べいただきました。大きく期待したいと思います。
今回のオリンピックでも、優秀な指導者が国外に流出するといいますか、さまざまな実情はございますけれども、なかなか日本の国内で確保し切れないという状況があることの指摘もございました。そういう意味で、東京が率先して、優秀なスタッフ、指導者の確保育成に今後とも力を入れていただきたいと思います。
次に、医科学サポートによる支援についてお伺いいたします。
先ほど言及した北島康介選手の記録向上には、国立スポーツ科学センターの医科学サポートが有効であったと聞いております。今や努力と根性だけで競技力を向上させていくということは大変困難な状況であります。東京都スポーツ振興基本計画では医科学サポートによる支援を掲げていらっしゃいますが、東京都は、国立スポーツ科学センターのような機能を備えた施設を自前では持っておりません。そのような状況のもとで、医科学サポートをどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
○池田参事 都内にはスポーツ医科学分野の施設やスタッフが充実している体育大学やスポーツ系学部、学科を有する大学などが多数設置されております。このため、こうした都内のスポーツ医科学機能を有する大学と連携して医科学サポートを実施していく予定でございます。
具体的には、モデル競技種目を選定した上で、日本体育大学、国士館大学、日本女子体育大学の協力を得まして、各競技種目の高校生を対象に、筋力、持久力測定やトレーニングメニューづくり、栄養サポートなどを行うことを検討してまいります。
○中山委員 民間のすぐれた研究機関のお力をおかりして活用させていただくことは、オリンピックの開催に向けたさまざまな取り組みの経費的な面での削減とか適正化といいますか、そういうものを図る上でも大事な視点であると私は思っております。
また、協力してくださる研究機関の側におかれましても、すぐれた研究素材を得て、また、やりがいのある研究テーマをつかんで、日本のスポーツ振興に向けて医科学の飛躍的な向上を今回の取り組みを通じてつかむきっかけになるのではないかと期待しております。ただいまご答弁いただきました事業をぜひ着実に実施していただきたいと思います。
東京国体や東京オリンピックで東京アスリートが活躍するためには、その前提としてスポーツを行う人をふやすこと、すなわちスポーツ実践層を拡大することが重要かと考えます。スポーツ振興計画では、子どもから高齢者まで、だれもがスポーツを楽しむことができる社会を実現し、スポーツ実施率の向上を目指しています。都民が生涯を通じてスポーツを行うためには、身近な地域においてスポーツに取り組める環境を整備する必要がございます。
そこで、地域におけるスポーツ活動の担い手である地域スポーツクラブが大きな役割を果たすものと考えます。地域スポーツクラブでは、キンボールなど、だれでも楽しめるニュースポーツにも取り組んでおり、世代を超えた、スポーツを通じたコミュニティづくりに役立っていると私は思います。
我が党は、このたび第三回都議会定例会の代表質問におきまして、地域スポーツクラブの設立促進の重要性を述べました。地域スポーツクラブのよさを都民が理解していただくためには、クラブの活動を体験していくことが一番の方法かと思います。そこで、できる限り多くの都民が地域スポーツクラブに参加して、クラブ活動自体が活性化していくことを導いていくためにも都はどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。
○細井スポーツ振興部長 地域スポーツクラブを普及発展するには、都民の理解と参加が不可欠でございます。東京都では、地域スポーツクラブに対します地域住民の理解を深めるとともに、スポーツを始めるきっかけとなるよう、今年度からだれもがクラブの活動を体験できる都民参加事業を開始したところでございます。この事業は、地域スポーツクラブが主体となって行う体験活動に対して都が支援するものでありまして、多くのクラブがこの制度を活用しております。
今後、スポーツ実践層のすそ野を広げ、都民のスポーツ実施率の向上につながるよう、この体験事業の支援の拡充を検討し、地域スポーツクラブの活性化を図り、地域スポーツの振興に取り組んでまいります。
○中山委員 これからも地域スポーツクラブの育成を積極的に推進していただいて、あわせてその中でお子さんから高齢者までだれもが簡単に参加できるニュースポーツの普及にも積極的に取り組んでいただきたいと考えます。
例えばサッカーなんかにつきましても、その普及版というわけではありませんが、フットサルというものもございますし、新しいスポーツの形態というものをいち早く察知して、都民への普及とか、あるいはスポーツ参加の機会を広げていくことは、都民全体がスポーツに親しむ機会を増強することにもつながると思います。今の参加型地域スポーツクラブへの支援につきましては、大いに期待をさせていただきたいと思います。
これからも都民が生涯にわたりスポーツに親しみ、健康的な生活を送ることができるスポーツ都市東京の実現を目指して、都民のスポーツを大いに応援していただくことを期待して、私の質問を終わります。
○門脇委員 TOKYO体操についてお伺いをいたします。このTOKYO体操については、過日の本会議場での一般質問にもありましたが、そのときは質問及び答弁ともに、概要についてありましたので、そのことと重複しない範囲で、幾つかお伺いをいたします。
先ほどからお話がありますように、東京都スポーツ振興基本計画、今まさに審議している基本計画でありますけれども、だれもが生涯を通じて、スポーツに親しみ、そして、楽しむことによって健康で豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指し、その具体的な取り組みの一つとして、これからご質問いたしますTOKYO体操を開発し、普及していくということであります。概要版の戦略1ですね。
現在、これも先ほどからのやりとりの中で出ておりますけれども、子どもの体力は長期的に見ると残念ながら低下傾向にありますし、私たち現役の世代でもいろいろ仕事上での疲労の蓄積やメタボリックの問題などが話題になっていて、それと同時に、高齢化が急速に進展し、高齢者の健康維持や介護が重要な課題となっております。体力向上や健康づくりのためには、日常生活の中にスポーツを取り入れるべきことは当然でありますけれども、これもきょうの質疑の中でもう何度も出ておりますので、詳しく申し上げませんけれども、いろいろな統計で週一回以上--いろいろな統計じゃないですね。今回の基本計画の中でも書いてありますとおり、週一回以上、運動やスポーツを実施している人は、残念ながら四〇%に達していない。このことも基本計画に書いてあります。
このような状況の中で、今回東京都が、生活文化スポーツ局がTOKYO体操を開発し、そして、ふだんスポーツを行わない、あるいは行いたくてもなかなか諸事情によりできない都民に対して普及を図っていくということは私も高く評価しているところであります。
以下、TOKYO体操の普及策について何点か質問をいたします。
まず、このTOKYO体操にはツーバージョンあります。私自身もインターネットを見て、インターネットのモニターを前に置いて、動きが反対なので、ちょっとやりにくかったんですけれども、実際にツーバージョンを試してみました。きょうは文教委員会ですから、その感想については特段申し上げませんけれども、一つのバージョンは、かなりきつかったかなという思いでございます。
改めて、それぞれのツーバージョンの特色と、そして、どのような層を、年代をターゲットにしているのか、まずお伺いいたします。
○細井スポーツ振興部長 TOKYO体操にはアクティブバージョンとシッティングバージョンと、二種類のバージョンがございます。アクティブバージョンは、楽しくリズミカルに体を動かせる体操でございまして、スポーツ前のウォームアップ、けがや障害の予防、体の発育、発達、柔軟性の向上の効果などが期待できるものでございます。対象のターゲットとしましては主に若い世代を中心としてございます。
一方、シッティングバージョンは比較的簡単でゆっくりとした動きのものでございまして、ストレッチを組み合わせた体操をすることで、気分転換、腰痛や肩こりの改善、エコノミー症候群のリスク軽減、メタボリック症候群の予防、介護予防効果などが期待できるものでございます。対象としましては、幅広い世代で活用できる体操となってございます。
○門脇委員 余談ですが、先ほど申し上げたダウンロードは、ストリーミングの方もできるし、それからダウンロード、PCにハードディスクに落とすこともできますので、私は著作権の関係がどうなっているか、よくわからないんですが、あれはとてもいいことだと思います。一言申し上げておきます。
今お話の中にもありましたツーバージョンの中のシッティングバージョンなんですけれども、私も、先ほど申しましたように、実際にやってみて、その体操そのものはとてもいいことだと思うんですけれども、ちょっと気がついたことがありまして、というのは、もちろんいすに座ってやるからシッティングバージョンなんですけれども、例えば今、このいすもそうですけれども、下にキャスターがついていて、よく見ると、キャスターどめがないんですね。仮にキャスターどめがあったとしても回ってしまうんですね。今皆さんがお座りの、後列二列の皆さんのいすは、ビデオもそういういすでやっているんです。ただ、実際は、いろいろな職場だけではありませんけれども、仕事場、事務所等では、ほとんど多くはキャスターがついているものが多いと思います。これは答弁は結構でございますけれども、何か今後、シッティングバージョンについて、でき上がったばかりのものですから特段欠点を指摘するとかそういうことではないんですけれども、実際に普及していくということになると、シッティングバージョンはいすとの関係で少し考えていただきたいなと。私は本当にTOKYO体操を普及してもらいたいから申し上げているわけですので、その点はご理解をいただきたいと思います。
さて、TOKYO体操のイメージリーダーとして、AKB48の若い女性の皆さん方ですけれども、起用というか、出演されております。AKB48のような、広く若者に人気のあるグループ、私、実は、このTOKYO体操を知るまで、このグループを知りませんでしたけれども、顔になってもらうというのは、PRとしてとてもいいことだと思うんです。ただ、ちょっと心配なのは、別な方向性に行ってしまうと、心配な部分もあるんですけれども……。
また、聞くところによると、ボランティアでAKB48の皆さんには出演というか、していただいていると思います。今後の普及展開にかなりインパクトがあるものだと思います。こうしたイメージリーダーの活用のほかにも、いろいろな手法や機会を使って、このTOKYO体操の普及に努めていく必要があると思います。
そこでお伺いしますけれども、具体的にTOKYO体操をどのようにPRしていくのか。それから、先だってDVDを作成されまして、これですけれども、(実物を示す)都議会議員全員に送付していただいたと聞いております。ありがとうございました。こういったものを通じて、どのように普及し、活用していくのか、お伺いをいたします。
○細井スポーツ振興部長 普及方策でございますけれども、門脇副委員長のおっしゃったとおり、東京都のホームページやAKB48の公式サイトで、TOKYO体操の動画や振りつけカードについてダウンロードができるようにするとともに、既にできるようになってございます。十月一日付の「広報東京都」の一面への掲載など、東京都の広報媒体を活用して、広く普及宣伝を行っていきます。
また、DVDにつきましては、既に区市町村、東京都体育協会加盟団体、東京都レクリエーション協会加盟団体にも配布しているところでございまして、今後、指導、普及に活用してまいります。
また、先ほどNHKの方にDVDを配ったところ、十月八日の「こんにちは!一都六県」でも放送していただけるというようなことでございます。
○門脇委員 広報広聴部長いらっしゃいますけれども--いや、答弁じゃないですよ。アクセスの数は、私、後で教えていただきたいんですが、かなりアクセス数、いっていると思います。このTOKYO体操を広めるためには、地域社会で普及活動の核となる人材の、今はハードの部分ですけれども、今度はソフトの部分で人材の育成を推し進めていく必要があると思いますけれども、これについてどういう方向性を持っているのか。例えばインストラクターとか、そういうことですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○細井スポーツ振興部長 普及の核となる人材でございますけれども、地域社会におきましてスポーツ振興の中心的役割を担っています体育指導委員、スポーツ活動の中核となる地域スポーツクラブの指導者に対して、TOKYO体操の普及活動の核となっていただくよう協力を求めていきます。
また、ついこの間の日曜日、一昨日開会されました都民スポレクふれあい大会でも実演指導を行いまして、二千人がこの体操を体験してございます。今後もこのような都が主催、共催するスポーツ大会などの機会をとらえて、普及活動に努めてまいります。
○門脇委員 広くTOKYO体操を普及啓発していくためには、皆さん方というか、ある意味私たちもそうかもしれませんけれども、都庁の職員の皆さん、生活文化スポーツ局の皆さんを中心としてということになるんですけれども、TOKYO体操を実践することも、私は重要なことの一つだと思います。
生活文化スポーツ局、今申しましたように、あるいは当該局であるスポーツ振興部で、この東京都庁の中で、この体操を実践するような用意はあるのか。ただ、私、質問していても、一庁の二十八階で皆さん方が一斉にシッティングバージョンでTOKYO体操をやっている姿を想像すると、ちょっとそれはそれなりに考える部分があるんですけれども、ただ、そういうことじゃなくて、それは、来庁者が見たらどうするとか、勤務時間中にそういうことをやっていいのかとか、いろいろ問題はあると思いますけどね。まず皆さん方がしっかりと--ラジオ体操なんか、私たち長年教えられているというか、やってきましたから、大体すべて頭の中というか、体で覚えていますね。皆さん方にそこまで要求ということはいたしませんけれども、みずからやってみるということは、私は、それはそれで意義のあることだと思うんですけれども、ちょっと答弁が難しいのかな、お答えをいただければ幸いです。
○細井スポーツ振興部長 我々都庁職員も、メタボリック症候群等々、いろいろ健康上の問題もございまして、ぜひスポーツを通じて健康づくりを行う必要があると考えておりますので、都庁でのTOKYO体操の実践につきまして、今後検討していきたいと思います。
○門脇委員 ありがとうございました。それはすぐということじゃないし、いろいろな制約がおありになることも、私はよく理解をいたしておりますけれども、先ほど、同じことを申し上げて恐縮ですけれども、みずからが実践する、そういった姿勢も、人も見ているでしょうし、大切なことであることは間違いがないと思います。
最後の質問になりますけれども、TOKYO体操、せっかく企画して、制作して、いろいろ普及啓発に向けて、一昨日の日曜日の都民スポレクふれあい大会で早速おやりになったというご報告もありましたけれども、私自身は、将来に向けて、ラジオ体操に負けないぐらい、せっかくつくったんだから、普及啓発していただきたいという高い目標を持つべきだと、そのように考えております。最後になりますけれども、この体操を企画開発した部署の責任者としての考え方をお示しいただいて、私の質問を終わります。
○細井スポーツ振興部長 TOKYO体操は、都民のだれもが元気に健康な毎日を過ごすことができるよう、スポーツへの興味関心の喚起、都民の健康増進に向けた意識向上を図るため、みんなで楽しくできる体操として開発したものでございます。TOKYO体操を都民のスポーツ実施率の向上を図る重要な施策の一つとしてとらえるとともに、平成二十五年の東京国体開催やその三年後のオリンピック・パラリンピックの東京招致に向けたスポーツムーブメントの高揚を図るため、その魅力や効果を可能な限り多くの場面でPRしまして、普及を推進してまいります。
○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十六分散会
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