委員長 | 古館 和憲君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 門脇ふみよし君 |
理事 | 斉藤あつし君 |
理事 | 鈴木 一光君 |
理事 | 石川 芳昭君 |
伊藤 ゆう君 | |
松葉多美子君 | |
中山 信行君 | |
伊藤まさき君 | |
古賀 俊昭君 | |
大山とも子君 | |
服部ゆくお君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員教育庁 | 教育長 | 中村 正彦君 |
総務部長 | 志賀 敏和君 | |
学務部長 | 新井 清博君 | |
人事部長 | 松田 芳和君 | |
福利厚生部長 | 秦 正博君 | |
指導部長 | 岩佐 哲男君 | |
生涯学習部長 | 皆川 重次君 | |
特別支援教育推進担当部長 | 荒屋 文人君 | |
人事企画担当部長 | 直原 裕君 | |
参事 | 石原 清志君 | |
参事 | 森口 純君 |
本日の会議に付した事件
教育庁関係
契約議案の調査
・第百五号議案 都立青梅東学園養護学校(仮称)(H十九)改修その他工事(その二)請負契約
○古館委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の契約議案の調査を行います。
契約議案について申し上げます。
契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十年二月二十八日
東京都議会議長 比留間敏夫
文教委員長 古館 和憲殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百五号議案 都立青梅東学園養護学校(仮称)(H十九)改修その他工事(その二)請負契約
2 提出期限 平成二十年三月三日(月)
○古館委員長 これより教育庁関係に入ります。
契約議案の調査を行います。
第百五号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
それでは、ご発言を願います。
○門脇委員 今、委員長からお話がありましたとおり、当委員会としては調査ということでございますので、議案そのものの中身については財政委員会で審議をされると思いますので、私は簡潔に概略、幾つかのことについてお伺いいたします。
知的障害が軽い生徒を対象とした養護学校高等部として平成二十一年に開校する青梅東学園養護学校(仮称)の、まず最初に学校の規模、それから生徒数などについてお伺いいたします。
既に先日の一般質問でも触れさせていただきましたけれども、永福学園とは人数的にも学校の規模も若干違うように聞いておりますので、そのことからお伺いいたします。
○荒屋特別支援教育推進担当部長 青梅東学園養護学校(仮称)は、知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を併置した学校であり、特に知的障害教育部門は、知的障害が軽い生徒を対象としました養護学校高等部を設置いたします。
知的障害教育部門は一学級十名で、一学年四学級、全校百二十名の規模でございます。
肢体不自由教育部門は、現在、あきる野学園養護学校に通学している小学部、中学部、高等部の生徒のうち、青梅市、奥多摩町の生徒を中心に、地理的要件を勘案しまして在籍校の変更を行う予定でございます。
生徒数につきましては、現在のところ未定でございます。
○門脇委員 ありがとうございました。
基本的には、永福学園と同じということでありますが、今、荒屋さんの答弁で全体が百二十名ということですから、永福学園が全体で三百名ということですから、永福学園よりは小規模な高等部になるんだなということがわかりました。
冒頭申しましたように、過日の一般質問でも取り上げて、ちょうど間もなく永福学園も一年になろうとしております。この四月からは新しい新一年生が入って、来年また新一年生が入って、それで全体的に三百名になるということでありますが、この一年間、永福学園の教育の中で、実績としてどのようなことが評価すべき点であったか、この学校にもいい点は伝えていかなければならないと思いますので、そのことについてお伺いいたします。
○荒屋特別支援教育推進担当部長 今年度開校しました永福学園の成果の主なものとしましては、まずハローワークや経済団体等との連携により、二月末現在で延べ七回、九十社の企業の人事担当者に対し、学校説明会を実施し、障害者雇用に関する理解啓発を行ったところでございます。
また、教育関係者、福祉関係者、障害者団体等に対する学校視察も三千人を超えるものとなっております。
さらに、生徒の授業での取り組みといたしましては、雇用現場に通じる実践的な職場経験を重ねるため、一学年百名の生徒が七月、十一月、二月と三回にわたりまして、延べ百九十事業所において就業体験を実施し、働く力を養ったところでございます。
また、授業での到達点を確認するため、例えば情報処理技術につきましては、ワープロ検定をみずから進んで受検する生徒もおり、授業以外の活動にも積極的な取り組みが行われているところでございます。
○門脇委員 ありがとうございました。
せんだっての私の質問に対して、中村教育長から、たしか、中小企業に対するアナウンスを行っていただきたいということに対して、具体的に商工会議所という団体の名前が出てまいりました。あと経団連とか、いろいろあると思いますが、このことについては期待をいたしておりますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
それで、当該、この青梅東学園養護学校、これは簡単なパンフレットというか、リーフレットがありますけれども、特に教育部門のうちで職業に関する教科、指導の重点として、エコロジーサービスというものがあります。
まだ開校まで一年ありますから、準備の段階ではあると思いますけれども、これを見ますと永福学園にはない教育科目だと思いますので、簡潔にこのことについてお伝えをいただきたいと思います。
○荒屋特別支援教育推進担当部長 知的障害教育部門における職業に関する教科としましては、エコロジーサービスコース、ロジスティクスコース、食品コース、福祉コースを計画しております。
エコロジーサービスコースでございますが、具体的には、青梅市やあきる野市など西多摩地域の園芸組合と連携いたしまして、学校内にビニールハウスを設置しまして、園芸組合の花づくりの専門家を市民講師に招き、年間を通して季節の花づくりを行う予定でございます。
また、旧農林高等学校で現在の青梅総合高校や瑞穂農芸高校とも連携いたしまして、両校の農園芸に関する高い専門性を取り入れ、教育活動に生かしていきたい、このように考えております。
○門脇委員 まだ実際に教育がスタートしたわけではありませんから、いろいろ乗り越えなきゃいけない部分もあると思うんですけれども、私は今の荒屋部長の答弁をお聞きして、大変楽しみな思いを抱いたところでございます。
申し上げるまでもないことですけれども、この学校も生徒全員の就労を目指すためには、当然、就労に向けて企業の開拓をしていかなければならないと思います。
青梅東学園養護学校は、青梅市という自然環境に恵まれた西多摩地域に立地をいたしております。これを見ますと、青梅線の河辺駅から歩くと二十五分というところにあって、私はもちろん行ったことはないんですが、かなり自然が豊かなところなんだなという思いはいたしております。
そのことを踏まえて、逆に区部である永福学園と比べまして、就労先の確保という部分では苦労があるのではないかと思っております。多摩地域という地域性、特色を考えて、いろいろいいこともあるし、そうでない部分もあると思うんですけれども、就労に向けた方策について、どのようなことをお考えになっているか、お伺いいたします。
○荒屋特別支援教育推進担当部長 青梅東学園養護学校(仮称)のある西多摩地域は、広大な土地を利用し、物流ターミナルの企業が集まりまして、また青梅線沿線には大手IT企業の工場も多くございます。
知的障害教育部門高等部の生徒は全都からの募集となっており、そのため、居住する住所を勘案しますと、就労先は都全域を対象とすることとなります。そのため、企業は、全都の民間企業等との積極的な連携によりまして、職業教育の充実を図ってまいります。
具体的には、就業体験や校内模擬実習、産業現場等における実習を充実いたしまして、生徒全員の企業就労を目指してまいります。
○門脇委員 今の答弁の中にもありましたけれども、やはりロジスティクス、いわゆる物流ターミナルの件ですけれども、私も聞くところによりますと、この学校の近くに将来は一大物流拠点が、ちょっと企業の名前はわかりませんけれども、できるように聞いておりますので、そのことについては大いに期待しているところであります。
最後の質問になりますが、この学校が来年、二十一年に開校し、それから二次計画に盛り込まれた板橋学園が二十五年、それから東部地区学園、これは葛飾区の水元地区だったと思いますけれども、これが二十七年に開校すると、知的障害が軽い生徒を対象にした養護学校高等部は、全校で五校配置されることになります。
少し先の話になりますけれども、この五校が開校されたら、各地域に基本的にゾーン別というか、一校ずつ配置されるようなことになると思いますが、私はこれはゾーン制で--かつての学区域のようなことをやってほしいという趣旨ではございませんので、誤解のないようにしていただきたいんですけれども、そのような募集の方式も含めて、見直し等は現段階で考えているのかどうか、そのことをお伺いして質問を終わります。
○荒屋特別支援教育推進担当部長 特別支援教育推進計画では、障害が軽い生徒を対象としました高等部は、通学区域を設けず、都内全域から生徒を募集しております。
永福学園養護学校では、家政系列の食品コースがあり、青梅東学園養護学校(仮称)では、流通サービス系列のエコロジーサービスコースを予定しているなど、それぞれの学校において特色のある職業に関する教科を設定しております。
したがいまして、これら特色ある教科を生徒が選択できるよう、引き続き都内全域から生徒を募集していくこととしており、現在のところ、学区域についての見直しは考えてございません。
○大山委員 青梅東学園養護学校ということで、都立青梅東高等学校を統廃合した高校の跡地を利用して、肢体不自由の小中高等部と、軽度の知的高等部を併置するということは、今、質疑の中でいわれていたことですけれども、私たちは併置校にするということについては意見はあります。
しかし、せっかく新しい学校をつくるのですから、子どもたちにとって最善の教育環境になるよう努力することが重要だし、大前提だと思っています。ですから、その立場で質疑したいと思います。
議案にある配置図や平面図、見せていただきましたけれども、現場の先生たちにも見てもらって意見も聞きました。その上で幾つか気になるところを伺いたいと思います。
まず最初は、バスターミナルのことです。
肢体不自由の小学部、中学部、高等部ですけれども、現在のあきる野学園養護学校の子どもたちが移動するだろうと考えるのが妥当なところだと思いますけれども、あきる野学園養護学校の肢体不自由部門に通学している児童生徒七十四人中、三十九人が重度です。ですから、過半数が重度だということなんですね。中度の児童生徒を合わせますと約九二%です。
青梅東もほぼ同様な割合になるんじゃないかと見てよいと思うんですけれども、それだけに、バスからおりて、なるべくスムーズに校舎に入れることが重要だと思っています。
バスターミナルから渡り廊下を通って昇降口に入るようになっていますが、どう考えても、昇降口のところでバスの乗りおりができるようにした方がよいんじゃないかと思うんですが、渡り廊下も、話を聞くと、屋根はつけるけれども壁はつけないわけですよね。風よけなどの壁はつけないということですから、校舎のところまで行けばそれなりにいいんでしょうけれども、北風、冬など北からの風が直撃して、いわゆる吹きさらしという状況になるわけです。
この配置図で見るというか、平面図で見ても、昇降口の前は広いスペースがあるわけですから、昇降口のところにバスをつけるなどの工夫が必要なんじゃないんでしょうか。
○新井学務部長 バスターミナルの設置でございますけれども、バスターミナルを昇降口の正面に設置した場合に、緊急車両、保護者の車両など、来訪者の出入り等に支障を来すことになるために、昇降口に近接した位置にバスターミナルを設置したものでございます。
○大山委員 近接にバスターミナルを設置したといいますけれども、さっきいったみたいに吹きさらしなんですよね。ですから、緊急車両だとか保護者の車両というのがあるといいますけれども、この図だけで見れば、バスターミナルよりも広いような場所になっていますので、ぜひ学校の中では今後検討して、使い勝手なども学校で相談しながら使っていった方がいいと思いますけれども、それについてはどうですか。
○新井学務部長 雨の、暴風雨の日とか、そういうことも具体的にあるかと思いますので、そういう場合の利用方法については、学校でまた具体的に検討していくことになると思います。
○大山委員 ぜひその学校での使い勝手のよさというのは、検討できるようにしていってほしいと思います。
二番目は、保健室なんです。
平面図を見ますと、保健室がスクールバスの駐車場のところになっていますけれども、肢体不自由の教育部門では医療的ケアが必要な児童生徒が多くなっていること、これは自明のことなわけですけれども、そういうことを考慮しますと、保健室の位置というのは教室からなるべく近いところが望ましいということなんですね。
これを見ると、教室からちょっと離れ過ぎているんじゃないかと。例えば、経営企画室と書庫等というところが教室の並びに配置されているんですね。同じぐらいの面積に見えるわけですので、例えばそこと交換するような検討ということも必要なんだと思うんですが、どうですか。
○新井学務部長 保健室の配置でございますけれども、児童生徒のけがや体調不良などに適切に対処するために、教室、グラウンド及び昇降口の位置等を総合的に勘案して適切な配置としたものでございます。
また、保健室での登校時の検温等を考慮いたしますと、バスターミナルに近いことも有効であろうというふうに考えております。
○大山委員 登校時の検温などを考慮するとということですけれども、日常的には、学校での生活の中で、やはり吸引なども含めて、肢体不自由の教育の部門との関係が多いわけですよね。圧倒的に肢体不自由の子どもたち、普通教室にいる時間が長いわけですから、そこに近いということは非常に重要なことです。
保護者が迎えに来たときなども、予定している経営企画室の前には玄関を設置するようになっているわけですから、ちょうどいいわけですね。ですから、ちょっとその辺も含めて検討してもらいたいと思います。
第三には、トイレです。
肢体不自由教育部門の児童生徒にとって、トイレは非常に重要な位置を占めていますね。だからこそ、現場の先生たちもトイレにはこだわるわけですね。
北養護学校と、それから墨東養護学校のトイレの平面図もいただきましたけれども、例えば一番最近できている北養護学校の女子のトイレですけれども、ベッドの置けるところが二カ所あるんですね。それから、男子の方も一カ所あるんです。
何でベッドが必要かというと、肢体不自由の子どもたちは中度、重度の子どもが多いわけですけれども、すんなりトイレに移動できるという子はほとんど余りいなくて、ベッドでトイレの支度をしたり、それから一度車いすからベッドに移動して、そこでおむつをかえたり、排せつの処理をしたりということがあるわけですね。ですから、長年の実践で改善してきたことなんです。
青梅東学園養護学校は、そのスペースがとれないようなんですけれども、現場の先生たちの意見を聞いて、今からでも改善できることはした方がいいんじゃないでしょうか。
○新井学務部長 青梅東学園養護学校(仮称)の設計に当たりましては、あきる野学園養護学校から校長、副校長二名、それから主幹、教諭、経営企画室等、七名及び羽村養護学校から副校長、教諭計二名、合計九名が加わる実施設計検討委員会を設置いたしまして、委員会三回、分科会三回を開催して、学校の意見を反映させているところでございます。
例えば、学校の要望に基づきまして、ベッドトイレ、これを設置しております。また、スロープ棟を四階まで設け、その出入り口を児童生徒の動線を考慮した南側とすることなど、学校の意見を十分に反映させてございます。
○大山委員 現場の声を反映したんだというんですけれども、ベッドトイレはトイレなんですよ。学校などを設計するとき、これでいいなと思っても、やっぱり使っていると、もっとこうした方がいいとかということが出てくるからこそ、トイレの改善、ベッドが必要だというような、スペースが必要だという今の到達点があるわけですよね。ですから、その到達点をやはり生かすということは必要だと思いますし、改修ということで、校舎の躯体はそのままにして、そのスペースの中での設計ですから、当然、無理が出てくるということもあると思いますので、現場の声をもう一回よく聞いて、改善するところは改善してほしいと思っています。
四番目は、上下肢訓練室です。
肢体不自由教育では教育の柱といわれている上下肢訓練室ですけれども、配置図を見る限り、どこにも見当たらないんですね。例えば訓練器具も、多様で数も多いし、大きいものはありますけれども、どこに置いて、どこで訓練するんですか。
○新井学務部長 上下肢訓練室でございますけれども、肢体不自由教育部門の児童生徒の普通教室に近い場所に設置するというために、別途工事のプール棟南側に上下肢訓練室を設置することとしております。設置までは暫定的に視聴覚室を利用することとしております。
○大山委員 別途工事でやるんだということですけれども、暫定的に視聴覚室を使う、つまり、開校一年目から転用教室だということじゃないですか。本当に情けないと思わないんでしょうか。
確かに、配置図を見ると、今回工事と別途工事となっていますね。プールと上下肢訓練室というのは、プールでの訓練や授業、それから上下肢訓練室での訓練というのは、やはり肢体不自由教育にとっては重大な二大要素ですよね。どうしてプールと肢体不自由、こういう重要な場所を別途工事でやるんでしょう。それはなぜそういう工事にするんですか。
○新井学務部長 当初ですが、プール棟と一体的に工事を発注する予定でございましたけれども、契約が不調となったために、校舎本体の改修工事を平成二十一年四月開校に間に合わせるように工事量の調整を図り、別途工事としたものでございます。
プール棟につきましては、開校後なるべく早く完成するように、スケジュール調整について検討しているところでございます。
○大山委員 プールと上下肢訓練室は、児童生徒が入学してから工事をするということなんですね。なるべく早くとおっしゃいましたけれども、子どもたちが移動してきて、その学校にもなれていない、それに加えて大工事を片やしている、そんな状況の中なわけですよね。しかも、子どもたちにとって二つの重要な施設、入学しても使えない。本当に子どもたちのことを考えているのかと私はいいたいです。
どうして入札が不調などということになったんですか。
○新井学務部長 契約の不調の原因、さまざま原因は考えられると思いますけれども、青梅東学園養護学校(仮称)の当初の契約が不調になった理由については、具体的には承知しておりません。
○大山委員 具体的には聴取していないといいますけれども、入札の経過調書をもらいました。
十月のときには確かにプール棟も入っていて、ですから、上下肢訓練室も入っているわけですよね。それが入っていて十五億二千四百六十万円、これが不調になったわけです。十二月にやり直しをして、これにはプールと上下肢訓練室は入っていません。それが十四億九千六百二十五万円です。これは契約できたものですね。プールの改築、プールは改築ですよね。そして、上下肢訓練室を設置するということですから、現在のものを壊してつくり直す。プールは二十五メートルで四コースということですけれども、それと同時に上下肢訓練室も建てる。十月と十二月の予定価格の差というのは、わずか二千八百万円なんです。二千八百万円でプールや上下肢訓練室ができるとは、私はとても思えません。
青梅東高校が廃校になってから丸二年ですね。しかも、二十一年四月開校というのは都教委みずからが決めたことなんですよね。開校するときに間に合わない、本当にこれは責任重いと思いますよ。どう思っているんでしょうか。
○新井学務部長 青梅東学園養護学校(仮称)の改修、増築につきましては、平成十六年十一月に策定されました東京都特別支援教育推進計画第一次計画に基づきまして、十七年度は基本設計、十八年度は実施設計、十九年度に工事契約を行うという当初の計画に基づいて進めてきたところでございます。
二十一年四月の開校に当たりましては、教育活動に支障がないように万全の体制をとってまいります。
○大山委員 教育活動に支障がないようにといったって、プールがないんですよ。上下肢訓練室がないんですよ。転用して使うというんでしょう、上下肢訓練室は。本当に、すごくこれは、教育庁の責任、重いと思いますよ。きちんと二十一年四月に開校するんだ、しかも、間があるにもかかわらず、わかっている期間であるにもかかわらず、重要なプールや上下肢訓練室を四月の時点で、開校する時点できちんと建てていない、教育条件の整備をしていない、この責任はしっかりと重く受けとめてもらいたいですし、今後、まだ高校を転用してつくるというものもあるわけですから、二度とこんな、開校時にできていないなどということはないようにしてほしいと思います。
なるべく早く着工して、青梅東についても、子どもたちが入学してからの工事期間がなるべく短くなるようにする努力、これは当然だと思いますけれども、具体的にどういうことを考えていますか。
○新井学務部長 先ほどもお話ししましたように、プール棟につきましては、開校後なるべく早く完成するようスケジュールについて検討してまいります。
○大山委員 なるべく早くということで、子どもたちが入学してくる時点で、できればきちんとそろっていることが望ましいと思いますよ。しかし、この段階ですから、とにかくなるべく早く終了するように、ぜひ努力してほしいと思います。(発言する者あり)
○古館委員長 静粛にお願いします。
○大山委員 もう一つ、肢体不自由の子どもたちにとってプールは重要なわけですけれども、体温調節が苦手な子どもたちが多いからこそ、先生たちも保護者も温水プールを望んでいますけれども、新しくつくるんですから、当然、温水プールだと思うんですが、どうですか。
○新井学務部長 プールにつきましては、設計内容については、別途工事の内容について、今後また新たに検討してまいります。
○大山委員 やはり新しくつくるところから改善していくということが求められているわけですから、ぜひ、温水プールということも含めて検討してほしいというか、温水プールにしてください。
ところで、上下肢訓練室に視聴覚室を使うといっても、視聴覚室、どうなるんでしょう。
○新井学務部長 視聴覚室につきましては、教室等を活用することによって、視聴覚の機材等が活用できるように検討してまいります。
○大山委員 知的の高等部というのは、一年生から入っていくからそういうことができるんでしょうね。
それで、肢体と知的、併置校となるわけですけれども、音楽室や美術室を初めとして、特別教室、それぞれ一教室ずつしかないんですけれども、これは共有で使うということなんでしょうか。共有部分での子どもの安全確保などにどんな配慮をしているのかということと、二つの教育部門があるにもかかわらず、一つずつでは教育活動に支障を来すんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○新井学務部長 音楽室等につきましては、軽度知的の子どもたちの作業活動等に使う教室等を十分確保しておりまして、軽度知的の子どもたちの音楽、美術のカリキュラム等を総合的に考えまして、これで十分であるというふうに考えております。
○大山委員 バリアフリーにするというのは当然ですけれども、知的障害部門の高等部の子どもたちにとっても、美術や音楽、重要な要素なんじゃないんでしょうか。ですから、実習室があるからいいんだ、そういうことではないと思っています。
最後に、いろいろ心配なことがあったわけですけれども、現場の先生たちの意見をきちんと丁寧にもう一度聞いて、そして、何度も話し合いを重ねてよりよいものをつくってもらいたいと思っています。
今回、都立高校の躯体そのままで改修で済ませるというような状況になっていますので、その躯体の中でのやりくりということが、トイレの大きさ、それから保健室の場所ということも、制約があると思うんですよね。だから、今後、高校を転用するということについても、より現場の人たちの意見を聞きながら、よりよいものをつくってもらいたいと思っています。
以上です。
○伊藤(ゆ)委員 それでは、質疑をさせていただきたいというふうに思います。
今回の学校建設、学校の工事に当たって、学校で使われる建材についての質疑を少しさせていただきたいというふうに思います。
これまで以上に、アスベストの問題であったりとか、あるいはシックハウスの問題などあって、見た目や、あるいは機能面以上に、建物の建材などにも関心が非常に高くなってきているというふうに思います。
そこで、お伺いをしていきたいんですけれども、特に日本の場合は、他国に比べても、木を使う文化がこれまでずっと長く続いてきたというふうに思います。そこで、今回の工事に当たってもですけれども、この木材の使用について伺ってまいりたいというふうに思います。
まず、一つ目の質問ですが、今回、学校の木材の使用について、どのような通知に基づいて使用されているのか、お伺いしたいと思います。
〔「多摩産材を使うんですよ」と呼ぶ者あり〕
○新井学務部長 一般的な木材の使用についてでございますけれども、これは大分古いんですが、文部省が昭和六十年に発出いたしました学校施設における木材使用の促進についてという通知がございます。
また、多摩産材の活用につきましては、産業労働局が平成十八年十二月に策定いたしました、多摩産材利用推進方針及び多摩産材利用推進方針の運用という通知がございます。さらに、都教育委員会では、平成十八年に都立学校什器共通仕様書を策定いたしまして、学校什器に多摩産材を使用するなど、学校において木材の活用を図っているところでございます。
○伊藤(ゆ)委員 ぜひ、多摩産材など、木材を使っていただきたいというふうに思っているんですけれども、木材を使うに当たっては、コンクリートの比較などで、使用上での留意点があるというふうに思うのですけれども、都立青梅東学園養護学校では多摩産材をどのように使用されていくのか、お伺いしたいと思います。
○新井学務部長 木材でございますけれども、やわらかな手ざわりとか温かみの感じられる外装などのメリットがある一方で、コストや可燃性、遮音性、吸音性、耐久性等、留意する点があることも事実でございます。
これまで多摩産材につきましては、都立学校の改築や改修におきまして、保健室等の内装材の一部として活用を図ってまいりました。青梅東学園養護学校(仮称)では、多摩産材を地場産業としている青梅市に設置するということから、モデルケースといたしまして積極的に活用を図ることとしております。具体的には、普通教室二十七室、特別教室十二室で多摩産材を使用する設計となってございます。
○伊藤(ゆ)委員 大いに結構なことだというふうに思いますので、今後、その活用をさらに検討していただいたらいいんじゃないかと思います。
ちなみに、今、遮音性の問題やら、あるいは耐火性の問題などをご指摘いただきましたけれども、専門家によれば、木材は余分な音を吸収する性質があるとか、あるいは反響が長く尾を引かずに、耳に優しいだとか、あるいはまた、地球温暖化対策に対しても、木材の需要を高めることによって植林がふえて森林が活性化される、そのことによって光合成の働きが盛んになって、二酸化炭素を吸収し酸素を排出するんだという指摘もありますし、同時に、花粉症対策にとっても、まさに多摩産材を積極的に活用してもらって、植林をすることによって対策になるのではないかという指摘もるるありますので、ぜひ、こうしたことを踏まえて、多摩産材の利用拡大を図っていくべきではないかというふうに思います。
それと、もう一つ、あわせて伺いたいんですけれども、こういう新しい材質、新しいとはいいませんけれども、木材などを使って、その後、どういう子どもたちに対しての心理的な影響だったり、あるいは皆さんの評判などあるのかということをこれから把握をしていくことが非常に重要なんじゃないかなというふうに思います。
ある進学塾では、コンクリートの壁を、それこそ木目調に変えたことによって成績がよくなったんだとかいうことも、どうやってこれを正確に把握するかは難しいところだと思いますが、しかし、心理として、コンクリートの壁よりも木の方がいいのかどうかとか、さまざまなアンケートのとり方などもあろうと思います。そういうことが、こういうものを積極活用するための一つのツールになるというふうに思いますので、こうした整備後の状況把握の必要性についてもご所見を伺いたいと思います。
○新井学務部長 多摩産材の活用につきましては、先ほどお話ししました多摩産材利用推進方針及び多摩産材利用推進方針の運用を踏まえまして、木材の持つ特性や教室の利用形態も考慮しながら、他の都立学校普通教室や特別教室の腰壁等の利用を拡大したく考えてございます。
お話しの青梅東学園につきましても、整備後の状況の把握に努めてまいります。
○伊藤(ゆ)委員 ぜひお願いしたいと思います。
最近、私も知ったんですけれども、日本のすぐれた技術の一つとして、何百年という樹齢を迎えた木から〇・二ミリぐらいの薄さで削り取って、そしてそれを、いってみれば、本当に薄い壁紙のようなものを壁に張るというだけでも、随分、木を使っているような印象を与えるということです。もっとも、多摩産材を積極的に使っていただきたいというのは質量ともにのことですけれども、コスト面を考えれば、そういう使い方も含めて積極的にご活用いただいて、日本文化の象徴だというふうに思いますので、木材の積極活用を図っていただければということを要望して、質問を終わります。
○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議がない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古館委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十二分散会
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