文教委員会速記録第七号

平成十九年六月二十一日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長たぞえ民夫君
副委員長泉谷つよし君
副委員長鈴木 一光君
理事伊藤まさき君
理事服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
菅  東一君
大松  成君
早坂 義弘君
木内 良明君
古賀 俊昭君
初鹿 明博君
大山とも子君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君
次長三橋  昇君
総務部長高西 新子君
広報広聴部長和田 正幸君
都民生活部長小笠原広樹君
消費生活部長宮川 雄司君
私学部長小濱 哲二君
文化振興部長 杉谷 正則君
文化施設改革担当部長並木 一夫君
スポーツ振興部長細井  優君
参事萩原まき子君
参事平林 宣広君
参事池田 俊明君
参事高原 俊幸君
教育庁教育長中村 正彦君
次長松田 二郎君
総務部長志賀 敏和君
学務部長新井 清博君
人事部長松田 芳和君
福利厚生部長秦  正博君
指導部長岩佐 哲男君
生涯学習部長三田村みどり君
特別支援教育推進担当部長荒屋 文人君
人事企画担当部長直原  裕君
参事石原 清志君
参事森口  純君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 生活文化スポーツ局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十九号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例
・第百四十号議案 東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十一号議案 東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例

○たぞえ委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たぞえ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○たぞえ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の付託議案の審査を行います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十九号議案及び第百四十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たぞえ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たぞえ委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。

○たぞえ委員長 これより教育庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 この条例案は、中部学校経営支援センターを本庁舎の四十一階から笹塚の就学相談室だったところに移転させるだけのものですけれども、私たちは、都立学校経営支援センターについて、第一に、経営支援チームが教育課程の管理、適正化を行い、教育課程編成だとか実施などを初め、本来なら法で限定している指導主事が行う授業内容改善などに口を出し、人事管理支援として教職員の人材情報の収集、人事異動、人事考課などにもかかわり、月一回の学校訪問を業務として、授業の参観、それから職員会議などへの参加も行い、学校すべてのことに学校経営支援センターが容喙することになり、行政による教育への不当な支配を制度化させるものだということ、それから第二番目には、学校事務職員の削減は、生徒へのきめ細かな対応や安全面からも危惧があるということで、その設置に反対をしてきました。
 設置されてから約一年三カ月ですけれども、私たちが懸念していた役割を学校経営支援センターが果たしているということが、徐々にといいますか、既に明らかになってきているということを指摘せざるを得ません。
 例えば、いろいろ問題がありますけれども、四月二十六日に、東京都教育委員会に、学校経営改善状況についてということが報告されました。学校運営の適正化に取り組んできたが、その後の改善状況を報告するというものでした。
 学校運営の適正化といえば、平成十三年に学校運営の適正化についてを出しましたね。その後、その通知をさらに強化する内容での十八年四月、学校経営の適正化について通知があるわけですけれども、この十八年四月に出した学校経営の適正化について、その主な内容と、十三年に出したものとの関係も含めて答えてください。

○森口参事 一部の都立学校において、職員会議での挙手、採決等により、校長の意思決定が制約されるなどの不適正な実態がありました。
 こうした学校経営を改め、学校運営が校長のリーダーシップのもとで適正に行われるよう、改めて通知を出したものでございます。
 その主な内容でございますが、一点目の企画調整会議を中心とした学校運営については、校務分掌組織における教職員の建設的な意見を踏まえた十分な議論を行う場として活性化させることを徹底したことでございます。
 二点目の職員会議の適正な運営については、職員会議において、挙手、採決等の方法を用いて職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないことを明確化したことでございます。
 三点目の委員会の適正な運営についてでございますが、校務に関する分掌組織や校内人事等を検討させる委員会を設置したり、組織や人事案に関する調整をさせたりすることは認められないこととし、また、委員会構成員の任命は校長の専管事項であり、委員等の互選は許されないことを徹底したことでございます。

○大山委員 つまり、平成十三年六月に出した学校運営の適正化について、添うような学校になるよう指導してきたけれども、そうなってない学校があるので、さらに新たな通知を出したということですね。
 主な内容が、今答弁されたように、一点目は、校長、副校長、主幹、主任などの人たちが参加対象の企画調整会議を学校運営の中心にしなさいということですね。
 二点目が、職員会議の適正な運営として、これは本当に出たときにマスコミなどでも話題になった、職員会議での挙手、採決の禁止ですね。
 その当時のを改めて見てみましたけれども、例えば、これは毎日新聞ですけれども、「職員の挙手、採決禁止」「職員会議--都が異例の通知」「校長主導の運営を徹底」、こういう見出しですね。
 ノンフィクション作家の吉岡忍さんが、校長の権威だけに頼る運営をせよという通知で、一般の教員の参加意欲をそいでしまい、学校を活力のないものにしていくのではないかというふうに危惧しているわけですね。
 さらに、毎日新聞だけじゃなくて、朝日新聞にも載っていますし、朝日と毎日は社説でも取り上げています。東京の先生は気の毒だ、挙手、採決禁止は大人げない、そういう批判的な論調ですね。多くの人が東京の教育の現場がどうなっちゃうんだろうかと心配したわけです。
 職員会議というのは何なのかということなんですね。どういうものとして行ってきたのかということです。
 朝日新聞に元都立高校の校長先生の教育の活力奪う挙手禁止という記事が載っていました。この元校長先生はこういっています。教職員一人一人の、目の前の生徒をどうとらえ、どう働きかけたらどうなったかという実践を核に、自由な論議を深め、互いに学び合い、より質の高い合意形成を図っていくことが欠かせません、その場が職員会議です。だから、この方は、多数決はなじまないというふうに考えていましたね。
 しかし、都教委の通知というのは、所属職員の意見を聞くことが必要な場合においてまでも、挙手、採決などの方法を禁止した。意向が反映されないで、だれが意見をいうでしょうか。意見をいえないで物を考えるでしょうか。これは物をいうな、物を考えるな、黙って従えということ、このように書いています。私もそのとおりだと思います。
 そして、通知の内容の三点目は、校務に関する分掌組織や校内人事等を検討させる委員会を設置したり、委員会等から分掌組織や校内人事案に関する調整をさせたりすることは許されないということですね。また、委員会等の互選は許されないことを徹底したということです。
 大体、こういう通知を出して、学校を縛ること自体、不当です。こんなことをしているのは東京の中だって、都立だけですよ。これでこの学校経営の適正化の中で、学校経営支援センターの果たしてきた役割について伺います。
 都教育委員会への報告では、学校経営支援センターと連携し、学校経営の適正化に取り組んだ、このように書いてあります。つまり、通知に基づいて、学校経営支援センターは具体的には何を行ったんでしょう。

○森口参事 学校経営支援センターは、校長からの相談を受け、それぞれの校内事情に応じ、適正化に向けた取り組みや校長方針の徹底などについて、具体的な提案を行い、校長を支援してまいりました。

○大山委員 毎月、業務として学校を訪問して、そのほかにも随時訪問して、通知の内容を徹底するために支援を行ったということですね。
 学校経営改善状況について、この都教委に報告されたプリントの中には、2として各校の状況という項目があります。課題と改善内容という欄になっているんですけれども、都教委にとって課題があった学校というのは何校なんでしょう。

○森口参事 平成十八年一月に都立学校全体で学校経営に係る自己点検を実施した結果、二十二校において、校長自身が、学校の管理運営に課題があり、支援を必要としているという実態が判明いたしました。
 このため、学校経営支援センターが全校への訪問を行い、学校経営の状況を把握し、校長と連携して、学校経営の適正化に取り組んでまいりました。その結果、課題のあった八校を含め、平成十九年二月までにすべての学校において学校経営の改善がなされました。

○大山委員 結局、すべての学校が都教委のいう学校経営が適正化されたんだということですね。各校の状況で、改善内容に何が書いてあるか。私もびっくりしましたよ。例えば、協議会などで校内人事を担う組織等が存在して、人事の決定に関与している。これを都教委は課題だとしたわけですね。それを改善内容、何が書いてあるかというと、人事を検討する会が存在していたが、校長は職員会議で一切の活動を認めないことを宣言し、情報を与えず、要望を聞かないことで校内人事を適正化した。有無をいわせずということですね。
 それから、職員会議の場で、挙手等の校長の意思決定を拘束しかねない運営がされているということについては、職員会議の司会など運営面では適正に運営しているが、賛否を求める不規則発言があった事例では、管理職を中心に毅然と指導しており、改善されている。およそ教育の場とは思えないような対応ですよ。
 結局、学校経営支援センターが教職員の人材情報の収集だとか人事異動、人事考課も行って、月一回の学校訪問を業務として行って、校長を支援するという言葉で、校長を通じて結局、異論は排除して、都教委のいうとおりにすべて従わせるということではありませんか。
 そもそも都教委が出しているのは通知であって、通達ではありません。絶対に従わなければならないものではありません。それを一校残らず、シラミつぶしに従わせるというのは、支援じゃなくて、強制だといわなければなりません。こんな学校経営支援センターの存在は認められません。教育の現場から活力も信頼もなくすことです。現場の教員はどんな校長を望んでいるのかということで、現場の先生からの声もいろいろたくさんあります。
 例えば、二十六年間に十二人の校長と出会い仕事を共にしてきたが、その中で、一番教師として尊敬し、感化された校長の校長室便りの一節を次に紹介するといって、議論なくして活力なし、納得なくして意欲なし、信頼なくして指導なし、尊敬なくして管理なし、この言葉を今かみしめている。自分の地位しか考えず、もし〇〇したら校長の私が責任をとらなければならないと教員に迫ったり、職務命令を乱発したりする校長は決して尊敬されない。一人一人の教師の教育活動を励まし、応援してくれる校長を待ち望んでいるのである。
 現場の先生は、こういう信頼関係で結ばれた活力のある、そして議論ができる、尊敬のある管理職、そして職場の状況を望んでいるわけですね。都教委は学校への行政の介入はやめて、教職員を分断するのではなくて、校長、副校長も含めて教職員が自由濶達に議論ができ、信頼関係が結ばれる中で教育活動ができるようにするべきだと思います。
 ということで、この学校経営支援センター、存在自体が私たちは反対ですので、この移転の条例も反対です。

○たぞえ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たぞえ委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十分散会

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