委員長 | たぞえ民夫君 |
副委員長 | 泉谷つよし君 |
副委員長 | 鈴木 一光君 |
理事 | 伊藤まさき君 |
理事 | 服部ゆくお君 |
理事 | 石川 芳昭君 |
大松 成君 | |
早坂 義弘君 | |
坂本たけし君 | |
初鹿 明博君 | |
木内 良明君 | |
古賀 俊昭君 | |
中村 明彦君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員教育庁 | 教育長 | 中村 正彦君 |
次長 | 松田 二郎君 | |
理事 | 近藤 精一君 | |
総務部長 | 志賀 敏和君 | |
学務部長 | 山川信一郎君 | |
人事部長 | 松田 芳和君 | |
福利厚生部長 | 橋本 直紀君 | |
指導部長 | 岩佐 哲男君 | |
生涯学習スポーツ部長 | 三田村みどり君 | |
学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 | 新井 清博君 | |
人事企画担当部長 | 直原 裕君 | |
国体準備担当部長 | 関口 修一君 | |
参事 | 石原 清志君 | |
参事 | 荒屋 文人君 |
本日の会議に付した事件
教育庁関係
事務事業について(質疑)
○たぞえ委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、今後の日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより教育庁関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます
○志賀総務部長 去る十月十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。次のページにかけてお示ししてありますように、今回ご要求のございました資料は二十件でございます。
それでは、一ページをごらん願います。日本語学級の所在地、児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語でございます。
このページから二ページにかけまして、日本語学級を設置している学校、在籍している児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語の種類についてお示ししてございます。
三ページをごらん願います。都立高校における日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況でございます。
海外帰国生徒や在京外国人生徒など、日本語教育が必要な生徒の都立高校における受け入れ状況についてお示ししてございます。
四ページをお開き願います。区市町村立小中学校施設の耐震診断及び改修状況でございます。
区市町村立の小中学校施設における耐震診断の実施状況及び耐震化の状況についてお示ししてございます。
五ページをごらん願います。教育庁所管の廃止終了及び見直し事業でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの過去五年間において、廃止終了または見直しをいたしました事業について、年度別に事業名とその内容をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。平成十八年度において学級編制の弾力化を実施する道府県の状況でございます。
このページから七ページにかけまして、学級編制の弾力化について、各道府県における実施状況の概要をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。区市町村立小中学校の学級規模別学級数でございます。
区市町村立小中学校における一学級当たりの人数別の学級数について、区市町村別、校種別にお示ししてございます。
九ページをごらん願います。東京都公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移でございます。
就学援助は、区市町村が経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、学用品等購入のために行う扶助制度でございまして、平成十三年度から十七年度までの五年間における就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移を、要保護、準要保護の別にお示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。平成十八年度都立盲・ろう・養護学校の保有普通教室の状況でございます。
平成十八年五月一日現在における各学校の保有普通教室数と、そのうち管理諸室等を転用している教室数についてお示ししてございます。
一一ページをごらん願います。東京都特別支援教育推進計画に基づく増設教室数でございます。
平成十六年十一月に策定いたしました東京都特別支援教育推進計画に基づき、知的障害養護学校に増設している教室の数について、学校別にお示ししてございます。
一二ページをお開き願います。都立盲・ろう・養護学校のスクールバスの平均運行時間及び最長乗車時間の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの五年間におけるスクールバスの平均運行時間と最長乗車時間について、障害種別ごとにお示ししてございます。
一三ページをごらん願います。公立学校教員の年代別退職者数でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの五年間における退職者数について、年齢別、校種別にお示ししてございます。
一四ページをお開き願います。学校経営支援センターによる学校訪問の実績でございます。
平成十八年度に開設いたしました学校経営支援センター三所、三支所の計六所が四月から九月までに訪問した学校数とその回数について、訪問事由ごとにお示ししてございます。
一五ページをごらん願います。学校訪問時に提示を求めている書類でございます。
学校経営支援センターが学校を訪問する際に学校側に提示を求めている書類について、四月から十月までの実績をお示ししてございます。
一六ページをお開き願います。学校経営支援センターの事務室業務と学校事務室との関係でございます。
学校経営支援センターの開設に伴うセンター事務室と学校事務室の関係について、実例を挙げてお示ししてございます。
一七ページをごらん願います。初任者研修の期間、時間数、主な内容でございます。
新任教員を対象とする初任者研修の期間等について、研修方式ごとにお示ししてございます。
一八ページをお開き願います。心身障害学級の設置状況でございます。
各区市町村における心身障害学級の設置状況について、校種別にお示ししてございます。
一九ページをごらん願います。都内公立小中学校及び都立高校における図書購入費の推移でございます。
平成七年度から平成十六年度までの十年間における図書購入費について、校種別にお示ししてございます。
二〇ページをお開き願います。都内公立図書館資料購入費の推移でございます。
平成九年度から平成十八年度までの十年間にわたる公立図書館における資料購入費の当初予算額について、設置者別にお示ししてございます。
二一ページをごらん願います。都立体育施設の建設から現在までの改修、改築、増築などの推移でございます。
東京体育館などの都立体育施設における竣工、改築、大規模改修などの工事の推移を施設ごとにお示ししてございます。
二二ページをお開き願います。スポーツ関連予算でございます。
教育庁所管のスポーツ関連予算について、過去十年間にわたり、予算費目ごとにお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○たぞえ委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、事務事業に対する質疑を行います。
発言を願います。
○服部委員 今まで、当委員会を通して、私どもは、教育のあり方あるいは正しい教育のあり方、あるいはまた都立高校改革等、さまざまな教育の課題に取り組ませていただきました。しかし、このところ、教育にかかわるさまざまな問題、課題が非常に出ているという状況の中で、最近では、いじめによる児童生徒がみずから命を絶つ、そのような痛ましい事件が相次いで発生しています。将来ある児童生徒がいじめによる苦しみに耐え切れず、悲しみのうちにみずから命を絶ってしまったことは、極めて遺憾なことであります。
また、最近では、いじめを原因とする自殺予告の手紙が文部科学大臣に届けられるなどしており、都民からは、学校や教育委員会による迅速な対応が期待されています。
東京都においては、今月八日に教育長みずから緊急アピールを東京都の子どもたちに送るとともに、いじめ等問題対策室において二十四時間体制で相談に応じてきた、そのように聞いております。
きょうの各新聞報道にもありますけれども、いじめ等問題対策室では、具体的にはどのような体制で取り組んだのか、また、相談件数と主な相談の内容、この点についてお伺いをいたします。
○岩佐指導部長 いじめ等問題対策室におきましては、緊急電話相談を十一月八日から十一月十二日の午前九時まで、二十四時間、職員十人体制で実施をいたしました。
相談件数は、四日間で六百三十九件に上りまして、内容といたしましては、子どもや保護者からの相談あるいはいじめ問題に対する意見などがございました。
具体的には、一人でいじめに悩んでおりました子どもの話を相談員が保護者と学校に伝えまして解決の糸口となった事例や、相談内容から学校が特定されまして当該の教育委員会に情報を提供したところ、新たにいじめ解決に向けた学校の対応が始まった事例などがございました。
○服部委員 未履修の問題からこのいじめ問題は、東京都の教育委員会の職員の皆様方、また各学校の先生方も同じと思いますが、皆さんが本当に徹夜でずっとこの問題で対応していたというような話も伺っておりますが、教育委員会がこうした時機を逸することなくいじめ問題に迅速に対応されてきたことは、我が党としても評価をいたしておりまして、今後ともよりきめの細かな対応に努めていただきたい、東京都の子どもたちの命を守るために取り組んでいただきたい、そのように思います。
ただ、今、こういった事件、問題が起きますと、やれ学校が悪い、先生が悪い、教育委員会が悪い、あるいはマスコミの過激な報道、例えば校長先生初め先生方が謝る姿を殊さら何度や何度もテレビ画面で放映される、果たしてそういったことが--マスコミの報道の役割というのはあるかもしれませんけれども、全体的に、総合的に考えながら、やはりこの教育問題というのは取り組んでいただきたいなと思います。
もちろん学校や先生方や教育委員会も、正すべきものは正して、また改むるべきものは改めて改善をしていく、そういう姿勢は当然重要でありますけれども、今日までの一連のことを見ながら、私なりにそのような感想を持ちましたのと、やはり子どもに命の大切さを教えるのも大変大事なことですし、そのとおりだと思いますけれども、子どもの命というのは、自分の命であると同時に、親から与えられた命、神様あるいは仏様から授かった命、そのようなことも、子どもたちに、自分たちの命であると同時に授かりものの命なんだ、預かった命なんだということをまた子どもたちに訴えることも、私は大事なことだと思うんです。
このところ、教育基本法の改正等論議をされておりますが、今の教育基本法の中には、要するに個人の尊厳という言葉、文言はあるんですけれども、家庭、家族の大切さ、そういう文言は欠落しているんですね。私は、家庭とか家族、これがやはり一番の社会の基本的な単位であると思います。これは、いじめられる側もいじめる側も、健全な青少年というのは、やはり健全な家庭から育成をされるという一方でのとらえ方も、私は大事だと思うんですね。
アメリカの文明評論家でありますアルビン・トフラーは、人類の危機が到来するとするならば、核兵器や地雷などではなくて、人々が家庭本来のとうとい意義を喪失し、それに由来して家庭が崩壊してしまうときであろうといわれています。私は、それだけ家庭の役割というのが非常にこれからも大事になっていくと思いますし、また、先ほどのように自殺をする、授かりものだということも、中国の本には「身体髪膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり」、親孝行の始まりですよ、そのようなこともいわれているわけですね。ですから、まず、人間の命の大切さを教えるときに、そうしたことをよく踏まえた上で、これからも子どもたちに我々は教えていかなければならないというふうに私は思います。
そして、家庭のことについても、私は、三年前になるでしょうか、都議会本会議で、教師と児童生徒、そして保護者、父兄、そういった信頼関係をやはり取り戻していく、そのためには、まず子どもや親から、先生ありがとうという感謝の意味で、感謝をする日を制定したらどうかということを石原知事に申し上げたことがあります。石原知事も、そのとき、親は一生涯の教師である、そのようにいわれてましたが、その教師の日というのは、今、東京都の教育の日として残されています。
十一月の第一土曜日が教育の日ということでありますけれども、特に何を教育の日にされているかということは問いませんが、つい先日の教育の日に関連した事業で、未来を開く体験発表会がこの本庁舎の会議室で行われたということも伺っております。
子どもたちの未来に向けてのさまざまな取り組み方などがこの発表会でなされたわけでありますけれども、毎日毎日がまさに教育の日なんですが、この教育の日も、やはり家庭と学校、また地域社会、これが本当に一体となってこそさまざまな教育の成果は上がってくるものだ、そのようなことを特に私から申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、教育環境の整備に関連して、都立学校の空調設備の整備についてお尋ねいたしたいと思います。
都立高校の教室の冷房化については、生徒や保護者の強い要望を背景にして、本会議やさきの委員会で議論が尽くされていると思います。我が党は、本年の第二回定例都議会において、私学あるいは他府県、区部などの他の設置者による学校の空調設備の普及状況を示した上で、都立高校の冷房化の必要性について主張してまいりました。その答弁として、教育長から、環境への配慮や必要な経費の保護者負担のあり方なども含め、教室内の温熱環境改善について十八年度中に検討委員会を設置し、総合的に調査検討していくと、大変前向きな答弁があって、今年度早々から精力的な検討が行われております。
この検討委員会については、生徒、保護者も大きな期待を寄せていると思います。我が国のあすを担う子どもたちの良好な教育環境を築くためにも、早期に結論が出るよう期待しておりますが、さて、この件について、教育庁は、平成十九年度主要事業予算見積もりで、都立高校の空調設備の導入について要求を行った、このように聞いております。一部、これは新聞にも報道されました。
導入の対象としている学校と教室の範囲について、今の教育庁の考え方を伺います。
○山川学務部長 教育環境改善につきましては、今ご指摘がございましたように、まだ検討委員会で検討中の段階でありますが、これまでの検討の中で、都立高校の教室においても空調が必要な状況となっている、あわせて、学校全体の中で省エネルギー化を図るとともに、効率的な環境対策にも努めていくことにより、環境負荷の軽減を図っていく必要があるとの共通認識が得られたところでございます。
このことから、普通教室、講義室及び食堂につきまして、空調が未整備の全都立高校を対象に空調設備を導入したいと考えており、あわせて都立高校における省エネルギー化や環境対策についても要求したところでございます。
○服部委員 都立高校の普通教室とか食堂の冷房装置については、多くの生徒、保護者が長い間待ち望んできたもので、それだけに、この事業が一日も早く実現してもらいたい、そういう思いがあります。
そこで伺いますが、この空調設備の導入事業が実施されたとして、都立高校の普通教室の空調設備はいつごろから使用になるんでしょうか。
○山川学務部長 要求どおり予算が確定したと仮定をいたしますと、来年度早々から空調設備の設置に必要な調査設計を行いまして、夏ごろから早急に配管や受変電設備等の工事や空調機器の取りつけ工事に着手をし、十九年度の冬には暖房として使用していけるよう工期の短縮の工夫を行うなど、早期の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
その結果、二十年度には、全都立高校の普通教室で冷房設備として使用できるようになるというふうに考えております。
○服部委員 今回、教育庁で、全都立高校の普通教室に冷房の導入をしたいという要求は、生徒、保護者にとって大変喜ばしい投げかけとなるに違いないわけですね。しかし、先ほど申し上げたように、私どもにもさまざまな要望もいただきましたし、陳情、請願等もいただいていますけれども、とにかく一日も早く設置してほしい、そういう願いがあります。
これまで普通教室の冷房については、騒音対策によって必要な学校を前提として整備をしてきたというようなこともあるわけですけれども、学校間に格差があったといいますか、差があったというのも事実ですけれども、事業の実施に当たっては、できるだけ学校間に差が出ないように工夫することはもちろんですけれども、とにかくこの事業が少しでも早く着実に実現できるように、さまざまな工夫を凝らしながら、特にまたこの辺は要望しておきたい、このように思います。
ところで、都立学校には、高等学校のほか、盲・ろう・養護学校があります。障害のある児童生徒の教育環境の整備という観点から、その冷房化も、高等学校と同様に大変重要な課題であると考えます。
まず、確認の意味で都立盲・ろう・養護学校の教室の冷房化については、現在どのような状況になっているのか、お伺いいたします。
○山川学務部長 盲・ろう・養護学校の教室の冷房化につきましては、肢体不自由養護学校は、平成八年度までにすべての普通教室の冷房化を終えました。肢体不自由養護学校を除きます盲・ろう・養護学校につきましては、大規模改修や特別支援教育推進計画の実施に伴い、改修等の予定がある学校以外について、平成十七年度までに既に普通教室の冷房化を完了したところでございます。
なお、音楽室、パソコン室、視聴覚教室、図書室、保健室及び食堂につきましても、基本的に整備は完了しております。
○服部委員 平成十九年度の主要事業の予算見積もりとして、都立盲・ろう・養護学校の空調設備の整備が挙げられています。これは具体的にどのような内容なんでしょうか。
○山川学務部長 肢体不自由養護学校の児童生徒は、体温調節機能が著しく低く、外部の温度変化の影響を受けやすい、夏場閉め切った体育館では、児童生徒の健康を損なうおそれがございます。そのため、肢体不自由養護学校の体育館の空調設備の整備について、平成十九年度予算要求を行ったところでございます。
○服部委員 肢体不自由養護学校の児童生徒の状況を考えますと、大変重要なことであると思いますので、ぜひ着実に整備を図っていただきたい、そのように思います。
教育環境を整備することは極めて重要と考えます。都立学校の教育環境の整備で、今回予算見積もりとして出された空調設備の整備の内容の意義は大変大きいものです。ぜひ都立高等学校、そして都立盲・ろう・養護学校において、児童生徒の教育環境が確実に改善されるよう、その実現に向けて一層努力されますよう重ねて要望して、次の質問に移ります。
これに関連してまいりますが、都立の盲・ろう・養護学校ですが、これに設置されています寄宿舎について、まず何点かお伺いさせていただきます。
東京都教育委員会は、平成十六年七月に、東京都特別支援教育推進計画概要(案)を発表して、その中で、寄宿舎の適正な規模と配置(案)を公表しました。その後、八月には、一般の都民の方に委嘱している教育モニター制度を活用して、推進計画のアンケート調査を実施したり、都民や学校関係者等への説明会を行うなど、推進計画の理解、周知を図ってまいりました。その上で、平成十六年十一月には、東京都特別支援教育推進計画を策定し、発表したと伺っています。
この特別支援教育推進計画では、寄宿舎の現状と課題、また、改善の方向及び計画についての考え方が示されており、現行の入舎基準を見直して、新たな入舎基準を来年、平成十九年四月一日から適用する、このようにしています。
盲・ろう・養護学校に設置されている寄宿舎は、制定当時の規則により、通学困難、家庭の事情、教育上の理由という三つの理由を定めて、この三つのいずれかの理由に該当する児童生徒が入舎していると聞いております。
平成十八年度に寄宿舎に入舎している児童生徒の入舎理由と具体的な人数を教えてください。
○荒屋参事 平成十八年五月一日では、病弱教育の久留米養護学校を除きますと、寄宿舎入舎生は二百三十四名でございます。
その内訳は、通学困難による入舎生六十三名、家庭の事情による入舎生三十九名、教育上の入舎による入舎生が百三十二名でございます。
○服部委員 就学を目的として設置している寄宿舎には、通学困難、家庭の事情、教育上の理由による入舎生は、合わせて、ただいまの答弁では二百三十四名であるということですが、この推進計画の寄宿舎の適正な規模と配置における入舎基準の見直しでは、原則、通学困難による入舎に限定するとしています。
入舎基準が制定された当時、昭和三十二年ですが、その当時の状況と、今回、その入舎基準を見直すことになった理由をお聞かせください。
○荒屋参事 現行の入舎基準が定められている寄宿舎の管理運営規則は、昭和三十二年に制定されたものであります。規則制定当時は、家庭や学校において問題があったり、生活態度の改善や基本的生活習慣、生活リズムを養う必要がある児童生徒が多いことから、そうした児童生徒を入舎させてきた経緯があります。
しかし、現在では、家庭の養育状況が改善されたり、福祉サービスが整備されるなど、社会情勢の変化に伴い、当時とは寄宿舎の入舎実態が大きく変化していることから、入舎基準を通学困難に限定する見直しを行うものであります。
○服部委員 社会情勢等の変化に伴って、入舎基準を通学困難に限定するとのことですけれども、通学困難の状況の一つであるスクールバスの長時間乗車についても配慮が必要だと、私は、委員会でもいろいろ質疑もありましたけれども、思います。
そこでお伺いしますけれども、盲・ろう・養護学校の就学支援という観点から、平成十九年度には、現在、乗車時間が九十分以上要しているバス路線を解消していくとしていますけれども、この進捗状況はどうなっていますか。
○荒屋参事 スクールバスの通学時間の短縮につきましては、ご指摘のように、平成十九年度には、現在、乗車時間が九十分以上要しているバス路線を解消する計画でしたが、本年度途中で、乗車コース再編によりまして、九十分以上のバス路線をすべて解消したところでございます。
なお、今後新たに設置する永福学園養護学校や青梅東学園養護学校、仮称でございますが、これらに知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を併置していくなど、肢体不自由養護学校の通学区域の縮小を図ることを含め、スクールバス乗車時間のさらなる短縮を進めていく計画でございます。
○服部委員 今の九十分以上要しているバス路線の解消が計画より早く解消された、そのようなことで、盲・ろう・養護学校の就学支援のかなめであるスクールバスの整備が着々と行われており、スクールバスの長時間乗車を解消することによって通学困難な状況の改善に努めて、さらなる短縮を進めるという、今のご答弁にもありましたが、都教委の取り組み姿勢を高く評価したい、そのように思います。
さて、先ほどの寄宿舎の入舎基準を通学困難に限定するということでしたが、入舎基準の見直しの内容について伺います。
○荒屋参事 入舎基準の見直しによりまして、家庭の事情及び教育上の理由をなくしまして、通学困難による入舎に限定いたします。
ここでいう通学困難の場合とは、第一は、島しょ地区に在住する児童生徒の場合でございます。第二は、常に九十分以上の通学時間を要する児童生徒の場合でございます。第三は、視覚障害があり、通学における安全性を確保する必要がある場合でございます。第四は、家族に複数の障害児や障害者がいたり、保護者が長期の病気や家族の介護などの理由によりまして、通学の付き添いの困難な状況が長期で継続的な場合でございます。
なお、新しい基準は、平成十九年四月一日から適用したいと考えております。
○服部委員 ただいま、通学困難とする場合に四点ある、そういう答弁でした。その中で、視覚障害のある児童生徒の通学の安全を確保する必要がある場合は、通学困難とすることが明確になりました。
私も、昨日、文京区後楽にあります都立文京盲学校に伺って、概要についても伺ってまいりました。なかなかすばらしい施設の中で、二年後は創立百年を迎えるんだということで、先生方も、また子どもたちも大変生き生きと、学習に、また部活動に励んでおられましたけれども、通学の付き添いが困難な状況が長期で継続する場合についても通学困難とすることは、就学の保障という観点から必要な配慮であると思います。
そこで、平成十九年の四月から通学困難に限定した新たな入舎基準が適用されるとのことですけれども、十八年度に家庭の事情、それから教育上の理由により入舎している児童生徒についての配慮も必要だと思うんですが、見解を伺います。
○荒屋参事 今回の入舎基準の見直しによる通学困難の内容に照らし合わせますと、十八年度に家庭の事情により入舎している児童生徒のほとんどは、第四の、家族に複数の障害児がいたり、保護者が長期の病気や家族の介護などの理由により、通学の付き添いの困難な状況が長期で継続的な場合に該当し、入舎できることとなります。
また、家庭の事情が通学困難に該当しない場合につきましても、経過措置として、平成十九年度の一年間に限り、入舎を認めることを考えております。
十八年度に寄宿舎設置校に在籍している児童生徒で、教育上の理由による入舎を希望している者は、平成十九年度に限り、教育上の理由による入舎を認めることを考えております。
○服部委員 一年の経過措置を考えているということですけれども、寄宿舎を利用している児童生徒が抱えている問題や各家庭の事情等については、さまざまだと思うんですね。各家庭の事情をよく勘案して、そして児童生徒の就学の保障という観点からぜひ配慮していただくことを、これは強く要望しておきます。
寄宿舎は、盲・ろう・養護学校のすべてに設置されているわけではありません。寄宿舎が設置されていない学校の児童生徒が家庭の事情で通学の付き添いが困難になった場合、寄宿舎へ入舎する必要があると思いますが、見解を伺います。
○荒屋参事 現在は、寄宿舎が設置されている学校の児童生徒のみが寄宿舎を利用できるようになっております。
今後は、寄宿舎が設置されていない学校の児童生徒が寄宿舎へ入舎する必要が生じた場合には、同一の障害種部門の寄宿舎の設置校へ転学の上、入舎できるようにすることを考えております。
○服部委員 寄宿舎が設置されていない学校の児童生徒が寄宿舎を利用できるようにすることは、就学の保障という観点から大変大きな改善だと思います。
一方、教育上の理由の入舎では、基本的生活習慣の確立や自立心を育成する等の教育上の役割を果たしてきたということを伺っています。教育上の理由による入舎がなくなることにより、この影響を直接受ける児童生徒に対しては、生活訓練を充実することなどの対策が私は必要だと思いますが、この点についても見解を伺います。
○荒屋参事 寄宿舎は、基本的な生活習慣の確立や集団生活におけるマナーの習得などの役割を果たしてきました。しかし、身辺処理、日常生活動作の習得、基本的生活習慣や生活リズムの確立、生活態度、能力の育成は、寄宿舎の設置の有無にかかわらず、盲・ろう・養護学校としての重要な指導内容であります。
今後は、教育課程の中で生活指導や宿泊行事などの内容の充実を図り、児童生徒一人一人の社会参加、自立に向けた計画的、継続的な指導を行うことを考えております。
そのため、学校内に生活訓練室を整備していきたいと考えております。
○服部委員 ただいま答弁いただきましたように、盲・ろう・養護学校においては、児童生徒の社会参加、自立を目指す指導はとても重要です。生活訓練室を整備して、生活指導や宿泊行事などの内容の充実を図るよう要望しておきます。
そこで、校内宿泊行事などを充実するためには、長期休業期間中においても寄宿舎を利用していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○荒屋参事 長期休業期間中に寄宿舎を利用することにより、各学校での生活指導など、計画的、反復的に行うことができるようになります。基本的な生活習慣の確立や集団生活におけるマナーの習得など、一層の教育的効果が期待できます。そのため、長期休業期間中に寄宿舎を校内宿泊行事などで利用することを検討いたします。
○服部委員 最後に意見を申し上げておきますけれども、盲・ろう・養護学校における寄宿舎は、社会情勢等の変化に伴い、そのあり方等について見直しをしていくことが必要だと思います。
今回、寄宿舎の適正な規模と配置の実施に当たり、入舎基準を通学困難に限定するということですけれども、十八年度に家庭の事情により入舎している児童生徒のほとんどは、通学困難を理由として入舎できるものとなり、該当しない児童生徒に対しては、経過措置を設けるなどの配慮をした見直しとなっています。
また、教育上の理由による寄宿舎の果たしてきた役割については、教育課程の中で生活指導や宿泊行事などの内容の充実を図り、生活訓練を充実することなどの対策を行うなどの配慮がなされております。
盲・ろう・養護学校の児童生徒の社会参加、あるいは自立に向けた計画的、継続的な指導の充実を図られることを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員 私の方からは、高校の未履修問題について何点かお聞きしたいと思います。
文部科学省のまとめによりますと、二日時点で五百四十校、全国の高等学校で履修漏れがあったということが公表されております。
朝日新聞によりますと、十一日時点で六百二十八校ということが報道されておりまして、今、再調査中の教育委員会もございますから、これからますますふえてくるのではないかという心配をしております。
全国的にこれだけ大きな問題になりましたので、学校現場の責任だけを追及して終わりということではなくて、この問題の奥にどういう問題があるのかということをしっかりと調査する必要があるという認識から、以下、質問したいと思います。
まず、都教委では、都立高校全校を訪問して実態調査をしたというふうに聞いておりますけれども、どういう目的で、そして、どんな方法で調査を行って、そして、その結果をいつごろ発表されるんでしょうか、お答えください。
○岩佐指導部長 十一月一日から教育課程の実施状況を詳細に把握するとともに、都民の不安を解消するために、全都立高等学校への訪問調査を実施いたしました。
訪問調査では、校長、副校長、教務主幹、教務主任への聞き取り調査を行ったほか、都教育委員会に提出されました教育課程表と時間割表との照合を行うなどして、実態の把握を行ったところでございます。
現在、資料の分析を進めているところでございまして、調査結果につきましては、まとまり次第公表する予定でございます。
○伊藤委員 まとまり次第公表するということですけれども、これはもういわれていることですけれども、受験を間近に控えて、年を越えて、いきなり高校が未履修で補習しなさいといわれても、受験生にとっては非常に大きなダメージになりますから、ぜひとも早急に調査をしていただきたいと思いますし、仮に問題がわかったときには、その都度きちんとご報告なり、また発表なりしていただきたいというふうに思います。
先ほど、答弁の中で、詳細な調査をしているということでありましたけれども、一部の学校関係者にお聞きしましたところ、たくさんの資料を用意しておいてくださいということで待っていましたけれども、「情報」という新しい教科が履修されているかどうかということだけをチェックして帰ったということも聞いております。恐らく時間が限られております。全高校を調査しなければいけないので、そんなことになってしまったのかなというふうに思いますけれども、ぜひとも、その場しのぎの調査ということではなくて、しっかりと調査をしていただきたいということだけ、意見として申し上げておきます。
今までのチェック体制について確認をしたいんですけれども、各学校から提出をされた教育課程届について、必修科目が未履修となることのないように、今までどんな点検を行われてきたんですか。
○岩佐指導部長 各学校から提出されました教育課程届につきましては、学習指導要領に照らしまして、定められた必履修科目がすべて設置されており、その単位数が適切であるか、また、卒業までに修得すべき単位数が規定どおりになっているかという点を中心に点検をしてまいりました。
○伊藤委員 学校からやってきた教育課程届ですか、性善説で、これは間違いがないだろうということで、今までは未履修かどうかということは実態的にはチェックをしていないということがわかりました。
それで、都立校で現在のところ一校だけ問題になっておりますけれども、八王子東高校では、どのように教育課程を実施していたために未履修の問題が起こったんでしょうか、事実関係を確認したいと思います。
○岩佐指導部長 現行の高等学校学習指導要領では、公民科の必履修科目につきまして、現代社会を履修するか、政治・経済及び倫社をあわせて履修するかのいずれかが要件として示されているところでございます。
同校では、二年生で政治・経済を履修いたしまして、三年生で倫理を履修して、必履修の要件を満たすようになっておりまして、教育課程届にもこのように記載がございました。
ところが、教育課程の届け出に違背いたしまして、三年生三百二十名のうち百八十一名が、公民科の必履修科目である倫理を履修していないことが判明したものでございます。
○伊藤委員 これも、残念ながら、マスコミ、たしかあれは夕刊だったと思いますけれども、新聞に発表されてから、東京都も後追いのように実態を把握しているということは、大変私としては遺憾に思いますし、本当に残念に思います。
また、これも事実として確認をしておきたいんですけれども、この八王子東高校では、進学指導重点校に指定をされてから、どのような成果が上がったんでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 八王子東高校でございますけれども、進学指導重点校に指定された後に、着実に大学への進学実績が上がっておりまして、特に現役での合格者がふえている状況でございます。
国公立大学への進学実績を例にとりますと、進学指導重点校に指定する前の平成十二年度から十六年度の五年間の国公立大学への現役合格者数が平均七十名であったのに対しまして、指定後に入学してきた生徒が大学を受験した平成十七年度の現役合格者は百八名、十八年度は九十八名となっておりまして、三十名程度の増加を見ている状況でございます。
○伊藤委員 今まで平均七十名ほどであったのが、指定を受けてから、百八名、そして九十八名と、まあ一定の成果が上がっているんだなというふうに思います。
それでは、この八王子東高校は、都教委が最初に進学指導重点校に指定をした学校の一つでございますけれども、これまでに同校に対してどのような支援を行ってきたんでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 都教育委員会は平成十三年九月に、八王子東高校を初め、日比谷高校、戸山高校、西高校の四校を進学指導重点校に指定をいたしました。
これらの学校に対しましては、公募制人事によりまして指導力のある教員を確保するなど人的な支援を行ったり、進学指導の充実に向けた取り組み状況と成果を都民へ積極的にPRするなどの支援を行ってきてございます。
○伊藤委員 都としては、教員の配置や、また学校のPRなど支援を行ってきているという答弁でございましたけれども、今回の事件が何で起こってしまったのかというのは、後ほどお聞きしたいというふうに思いますが、先日の新聞にこんな記事が載っておりました。
東京私立中学高等学校協会の近藤会長のコメントとして載っていたわけでありますが、私学には独自性、文科省批判という記事でございます。近藤さんによりますと、学習指導要領は、標準としての役割を認めつつも、自分の学校に当てはめてみたときに、余りにも合わないところがあったら、現場で調整するのは当たり前だという認識を示されております。私立では、ゆとり教育、国家斉唱、国旗掲揚などを実施していない学校が多いことにも触れ、これにはいろいろな議論があるでしょうけれども、文科省のいうとおりにやっていないから今の教育が残っているということまでお話しされているんですね。
私も何人か高校の教師を友人で持っておりますけれども、やはりお話を聞くと、私は、学習指導要領そのものがもう形骸化してしまっているのじゃないかという思いを強くしてしまうわけであります。
これを前提に、それではなぜ八王子東高校でこのような事故が起こったのでしょうか、現時点での認識を教えてください。
○岩佐指導部長 同校では、三年生全員が倫理を履修すると届けていましたが、実際には、倫理、世界史、日本史、地理から一つを生徒が選択して履修するようにしておりました。
現在、東京都教育委員会といたしましては、このようなことが起こった原因の究明に当たっているところでございます。
○伊藤委員 私は、理由は簡単だと思うんですね。平成十五年に学習指導要領が改訂をされて、高等学校では新たに「情報」と「総合的な学習の時間」が加わって、さらに、いわゆるゆとり教育で学校週五日制が実施をされて、週当たりの時間が三十二時間から三十時間、一週間当たり二時間、授業のこま数が減って、さらに二つ新しい教科を教えなければいけない。これはどういうことが起こるかというと、当然、今まで教えていたものが少なくなってしまうということが、当たり前の足し算、引き算で、そういう状況が客観的な状況としてあるわけであります。
各学校、特に進学指導重点校では、教育課程の編成に大変苦労しているというふうに聞いておりますけれども、都教委としてはどのような認識でしょうか。
○岩佐指導部長 各都立学校におきましては、学校週五日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育を展開し、豊かな人間性や基礎、基本を身につけさせ、個性を生かし、みずから学び、みずから考える力など、生きる力を培うことを基本的なねらいといたします学習指導要領の改訂の趣旨を生かすべく、教育課程を編成、実施しているところでございます。
進学指導重点校では、生徒、保護者の大学進学への希望にこたえていくために、授業で高いレベルの内容を扱うことや、七時限の授業の実施、土曜、日曜や長期休業日における補習、補講の実施などによりまして、生徒の学力の向上に取り組んでいるところでございます。
○伊藤委員 土曜、日曜日まで、または夏休みまで補習をやったり授業をやって、それでも追いつかないで、倫理を、ああいう形になってしまった。私は、ぜひとも、都教委としての支援を、または現場に対しての指導というものを、やはりもうちょっとやりようがあったのじゃないかというふうに思いますし、今回の一連のこの事件で、二人の校長先生が残念ながら自殺をされたというところにまで行ってしまっているわけです。
茨城県の高校の校長先生が自殺をしたときには、お願いと題した遺書の中には、生徒には瑕疵はありません、生徒に不利益にならないご措置をお願い申し上げますという遺書を残して、みずから命を絶たれてしまったわけであります。人命が奪われるまで現場を追い込んでしまったというこの事実を、ぜひとも重く受けとめるべきだというふうに思います。
再発防止のために、しっかりとした対策をとっていかなければいけないというふうに思いますが、都教委ではどのような検討が行われておりますでしょうか。
○岩佐指導部長 現在、都教育委員会では、学識経験者、都立高校長、都立高校副校長、PTA関係者、庁内関係者などによる都立高等学校教育課程問題検討委員会におきまして再発防止策を検討しているところでございまして、十二月中には報告をまとめ、改善を図っていく予定でございます。
○伊藤委員 都教委では、今まで、学校の特色づくりということで、さまざまなことをやっております。進学指導重点校ということもその一つでありますけれども、問題が明るみになったこの高校では、都の支援も受けて一定の成果を上げている、これは評価をされてもいいんだというふうに思いますが、そうした自治体の独自の創意工夫、また私学の独自性、建学の精神みたいなものを国が制度でがんじがらめにしてしまって、それでも特色を出せといっても、これはもう現場に無理がたたるのは当たり前であります。私は、これこそ今回の事件の、また問題の本質なんだというふうに思います。
現場が違法行為をしなくてはならないこの状況を何とかしなくてはいけないというふうに思いますし、今、政府の一部からは、教育の地方分権にブレーキをかけて国の権限を残そうという発言もございます。せっかく地方分権の流れが進んで、教育行政も、都教委がもっと、または各自治体の教育委員会が積極的に教育行政を展開できる、その矢先にこうした問題が起きてしまったわけであります。
ぜひとも、都教委としても、現実と理想のギャップまたは制度のひずみを正確に認識していただいて、地域の特色に合った教育が地域の責任においてしっかりと運用できる教育制度となるように、ぜひとも努力をしていただきたいという要請だけして、私の質問を終わりたいと思います。
○石川委員 私からも三点ほどお伺いいたしたいと思います。
まず、盲・ろう・養護学校に設置されています寄宿舎の適正な規模と配置の実施に伴いまして、現在は、寄宿舎の設置校の児童生徒のみが入舎できていたものから、今後は、寄宿舎を設置していない学校の児童生徒であっても、入舎基準に合致すれば、同一の障害部門の寄宿舎に入舎できるようになる、このことは、教育上の配慮の観点からも評価できると私たちも思っております。
しかし、先ほど服部理事からご質問のありました東京都特別支援教育推進計画では、入舎基準を通学困難に限定し、平成十九年四月から適用するとあります。
そうなりますと、先ほど服部さんからご質問がありましたので重複は避けますが、十八年度に家庭の事情で入舎している児童生徒の問題、それから、教育上で入舎している児童生徒の方々の扱い、こういうことについては、先ほど答弁がありましたので重複は避けますし、また、教育上の理由についても、単に入舎ということから、実は基本的生活習慣の確立という任務を行っておりまして、こうしたことはどうなるのかなと思っておりましたところ、先ほどまた服部さんの方から質問があり、回答がありましたので、重複は避けますが、実は、この背景には、区市町村の福祉サービスが整ってきたという背景もあるんだろうと思います。
ところが、確かに充実していることは充実しておりますけれども、今、区市町村のそうしたサービスも、利用者で実はもういっぱいだ、新たにそうした人をぜひ受け入れてくださいよといっても、なかなか容易に展開するのかどうか、実は私は危惧をいたしております。
そこで、こうしたことに対しまして、学校が区市の福祉サービスと連携し、保護者が活用できるようにすべきだと考えておりますけれども、見解を伺っておきたいと思います。
○荒屋参事 区市町村においては、ショートステイなど短期入所事業や、円滑な外出を支援する移動支援事業等の福祉サービスの充実が図られつつあります。
このような区市町村による福祉サービスを総合的にできるよう、教育委員会や各学校において、保護者に福祉施策についての情報を提供してまいります。
○石川委員 ぜひお願いしたいと思います。特にやっぱり保護者の方は、その児童生徒を抱えるだけで実は手いっぱいの実態にありますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
時代の変化に対応して、教育上必要なものを充実していくことは当然のことだと思います。また、家庭と連携協力して指導の充実を図ることも必要なことだと思います。寄宿舎の再編整備に当たりましては、特に保護者の個々の事情にきめ細かく対応していただくことを要望し、質問の時間の節約もありますので、重複を避けたいと思いますから、よろしくお願いいたします。
次に、平成十七年四月ですか、国において栄養教諭制度が創設されました。平成十七年四月には食育基本法が施行、平成十八年三月、国において食育推進基本計画が策定されました。
このような流れの中で、栄養教諭はどう位置づけられているのでしょうか、お伺いします。
○山川学務部長 平成十八年三月に国が策定いたしました食育推進基本計画におきまして、栄養教諭は、学校全体の食に関する指導計画の策定、教職員間や家庭、地域との連携調整などにおいて中核的な役割を担う職であると位置づけられております。
○石川委員 ご案内のとおり、栄養教諭の位置づけは国でもはっきりされたわけでありますけれども、東京都におきましては、この制度は、実はいまだに導入されておりません。
学校栄養職員は、機会あるごとに、現在の「総合的な学習の時間」、あるいは教科の学習の時間、あるいは学級指導、それから給食時間等において、実は食の大切さを非常にアピールしているということで、この食の問題に大変活躍をされております。
また、個別に相談に乗ったり、一人一人の子どもを大切にした対応もされております。しかし、これらの食に関する相談は、現在は、個々の学校栄養職員の対応に任され、指導のための時間や機会が保障されているとはいいがたいと、私は実は思っております。
しかも、ことしの三月には、食育推進会議において、これは国ですけれども、具体的な目標とともに、栄養教諭の食育に対する役割を大きく取り上げている状況なんですね。
そこでお伺いいたしますが、昨年、ことしの夏、それぞれ家庭科などの教員免許既得者に対し認定講習会が実施されておりますけれども、受講者は何名で、免許取得者は何名になりますか、教えてください。
○松田人事部長 栄養教諭の認定講習は、平成十七年度九十名、平成十八年度は百七十五名が受講しております。
また、平成十八年十月十六日現在ですが、百八十九名が栄養教諭の免許状を取得しております。
○石川委員 栄養教諭になりますと、給与が、教員給与表が適用される、しかし、栄養職員でありますと、栄養職の給与表が適用される。大体、給与表にはどれぐらいの差があるものなんですか。
○松田人事部長 給与についてでございますが、教諭になった場合の給与の決定方式についてはさまざまな方式がございまして、現段階では、どのようになるか申し上げることはできません。
また、人事委員会と協議も必要でございまして、先生お尋ねの、どの程度差があるかについては、現時点では正確なことは申し上げられない状況でございます。
○石川委員 今、東京都の段階では正確に述べられないということでありますが、大体導入されております道府県なんかと比較しますと、約百万円ぐらいの実は差があるんだそうです。現に、百八十九人の、要するに免許を取得した方は、教員という免許を持ちながら、学校栄養職員として低い給与で働かなければならないという現実。
もう一つは、いよいよ来年、短大卒業生で実はこの栄養教諭が誕生いたします。実は、この方から伺ったんですが、東京都に対しまして、こういう資格を取りましたので、採用試験はあるんでしょうかと問い合わせましたら、実は制度がありませんから、東京都では採用がありません、こういうご返事があったということで、大変失望しておりましたし、また残念がっておりました。
この学校栄養職員につきましては、それぞれ東京都においてはさまざまな経過があって、今後この制度についてどうするかということは検討中だろうと思いますが、そうした、もう既に免許を取得していらっしゃる方が働いている、しかも、来年からそうした人材が卒業してくる、それを的確に受け入れ、また配置をすべく、この問題に対して私は取り組んでもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山川学務部長 都教育委員会では、公立学校における食育のあり方を検討するため、本年三月、公立学校における食育に関する検討委員会を設置いたしまして、食育の目標と基本方針、学校における食育の指導体制、学校、家庭、地域の連携などについて幅広く検討し、七月に報告書としてまとめたところでございます。
栄養教諭につきましては、本年十月、食育指導体制における栄養教諭の庁内検討プロジェクトチームを発足させまして、栄養教諭制度の導入に当たって、配置基準、給与負担などのさまざまな課題を整理し、東京都の実情に見合った栄養教諭のあり方について現在検討しているところでございます。
○石川委員 課題はあろうかと思いますけれども、一日も早く結論を出していただいて、制度を導入していただきたいとお願いいたします。
次に、小石川工業高校の建築科の問題に関連して、幾つかお伺いいたします。
ものづくりの施策を進める上で専門学校の役割は大変に重要であると考えております。小石川工業はこれまで多くの卒業生を輩出し、とりわけ建築学科では多くの建築士を育成し、東京の建築業界を支えてまいりました。
平成十八年四月には東京都立総合工科高校が開校し、都立総合工科高校の目指す学校について、まず伺います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 総合工科高校でございますけれども、小石川工業高校と都立世田谷工業高校を発展的に統合いたしまして、本年四月から開校してございます。
建築科も新たに導入しておりまして、小石川工業高校の伝統を引き継ぎながら進めているところでございます。
○石川委員 建築科も導入して、優秀な工業人を育成していく学校をつくっていくということでありますけれども、とりわけ、先ほども述べましたが、幾多の建築士を養成してきました小石川工業建築科の伝統と実績を受け継ぎ、都立総合工科高校でも二級建築士の免許が取れるようなカリキュラムにすべきと考えますが、所見を伺います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 総合工科高校でございますけれども、高校卒業後に都道府県知事が行います二級建築士試験の受験が可能となりますように、計画、構造、施工、法規等及び設計製図等の専門科目につきまして、卒業までに二十八単位の履修ができる教育課程の整備を進めているところでございます。
○石川委員 二級建築士の資格取得に向けて着実に教育課程を整備しているということですが、現在の学校の取り組み状況と今後の条件整備に向けた支援について伺います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 小石川工業高校におきましては、都立において数少ない建築系の学科がありまして、多くの一級、二級建築士を輩出しておりまして、東京の建築業界に貢献してきたところでございます。
東京都教育委員会は、このような母体校の貴重な伝統を生かすためにも、総合工科高校が進路講演会等を実施したり、インターンシップ先を開拓するに当たりまして、学校とともに、同窓会を含めた卒業生等に協力を依頼して、生徒の進路実現に資する取り組みが実現するように支援をしていきたいというふうに考えております。
○石川委員 ぜひ、母体校であります小石川工業建築科の同窓の有能な先輩の皆さんの人脈というものを活用していただいて、新しい高校ですから、新しい卒業生の就職、雇用が、ぜひ、小石川建築科同窓生の皆さんの力をかりながら、また応援をいただきながら、拡大されますように、また対応をお願いして、質問を終わります。
○たぞえ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時十八分休憩
午後二時三十二分開議
○たぞえ委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○大山委員 まず最初に、盲・ろう・養護学校の施設設備について質問します。
教育基本法第十条二項で、教育行政の役割は、「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」、こう規定されているわけですね。この諸条件の整備については、もちろん三十人学級なども入るわけですけれども、きょうは盲・ろう・養護学校の施設整備を中心に質問をします。
毎年、障害児学校のPTAの皆さんが要請に見えるわけですけれども、毎年のように施設整備だとか、スクールバスの増車だとか、中型化だとか、いろいろな要望が出されています。出してもらった資料要求の中の一〇ページの資料8でも、普通教室が足りずに転用している教室が、知的養護学校だと保有教室の四分の一が転用教室、全体でも二三%が転用教室ということで、常態化しているということですね。一つの教室をアコーディオンカーテンだとか、簡易な壁で仕切るとか、カーテンで仕切って使っている学校もある。普通の学校では考えられないようなことが行われているわけです。私、肢体不自由児の養護学校であります光明養護学校を訪問して、校舎内も案内していただいて、丁寧に説明もしていただきました。
まず、スクールバスからなんですけれども、スクールバスの乗車時間も一二ページの資料10に出していただきましたけれども、平均乗車時間が、十三年度から昨年度までで短縮されたのが一分間なんですね、平均で。最長乗車時間は、肢体不自由養護学校で百十五分。往復で三時間五十分も毎日毎日バスに乗っているということなんですね。これはどういうことかというと、一日三時間五十分がバスの中ですね。一カ月に二十日通学するとして、一カ月で七十六時間四十分、三日と四時間四十分が車の中なんです。一年間で、夏休みや冬休みがありますから十カ月として、三十一日と二十二時間四十分がバスの中なんですね。一年間のうち一カ月以上をバスに乗り続けている。成長期の貴重な時間、さまざまな働きかけができる時間をこんなにも長時間バスに乗せておくこと自体、子どもの豊かな成長を保障するということからも許されないと思います。私たちだって六十分も八十分も乗ったらどうでしょう。疲労こんぱいですよ。毎日遠足のよう。まして肢体不自由の児童生徒ですから、姿勢を維持するだけでも大変な負担。
スクールバスの運行は業者委託しているわけですね。その業者に対して、個別の児童生徒ごとの配慮するべきことを伝えています。具体的にどういうことかというと、例えばAちゃんは高血圧で配慮が必要、その子は乗車時間が一時間十分。姿勢の維持で配慮する子がやはり一時間十分、片道ですね。けいれん発作を持っている子が一時間。シャントの子が一時間十分。シャントですから、透析のための入り口ですから、つぶれちゃったりするとまたほかにつくらなければいけないですから、大変なわけですね。傷ついたら血が吹き出てしまう。そのほかにもさまざまな配慮が必要な子が大勢いるわけです。
先ほど質疑がありましたけれども、その答弁の中でも、特別どう解消していくのかということでは、特別支援教育推進計画で、スクールバスの乗車時間については平成二十七年度までに平均六十分程度にすることを目標にして、十九年度当初までに九十分以上を要しているコースの解消を図るということで、計画に基づいて着実に短縮していくんだというような答弁があったわけですけれども、平均乗車時間が六十分ということ自体、長過ぎると私は思います。
しかし、一二ページの資料10でもあるように、この五年間で一分間しか平均乗車時間が短縮されていないのに、具体的にこれから九年間で八分間をどう短縮しようということなんですか。できるんでしょうか。
○荒屋参事 スクールバスについて事業の効率的運用も含めた充実に努めるとともに、特別支援教育推進計画に基づく肢体不自由養護学校の設置などにより、児童生徒の通学負担の軽減を図ってまいります。
○大山委員 具体的に、五年間で一分しか平均が少なくなっていないのに、九年間で八分、大丈夫なんだろうかという話なんですよ。光明養護学校だけでもバスが十五台今ありますね。ことし一台ふやしたということですけれども、それでも一時間十分だとか、一時間半だとかという時間帯なわけですね。
根本的には、養護学校が余りにも遠い、それから不足している、そういうことじゃないんでしょうか。
○荒屋参事 特別支援教育推進計画に基づき、肢体不自由養護学校についてはスクールバスの乗車時間を平成二十七年度までに平均六十分程度とすることを目標に、平成二十一年度に永福学園養護学校及び青梅東学園養護学校(仮称)に肢体不自由教育部門を設置するなどによりまして、現在の肢体不自由養護学校の通学区域の縮小を図ることとしております。
○大山委員 通学区域の縮小を図る、増設するんだということなんですけれども、平成二十七年度ということですから、十年、九年先ということです。子どもたちは日々生きているわけです。成長するわけですから、例えば増設するということは前提ですけれども、大型のバスとともに、中型だとかタクシーも含めて考える、知恵と工夫を出して一刻も早く短縮するべきだと思いますが、どうですか。
○荒屋参事 スクールバスについては、養護学校における児童生徒の増加の状況に緊急に対応しつつ、事業の効率的運用に努めながら乗車時間の縮減を図っているところであります。今後とも学校の要望を踏まえつつ、スクールバス事業の充実に努めてまいります。
なお、タクシーの導入につきましては、乗務員の体制及び安全の確保、登下校時の駐車場所、車両の確保など多くの課題があり、現段階で導入することは困難であると考えております。
○大山委員 乗車時間の縮減を図っていくということが前提にあるわけですよね。しかし、五年間で一分間の短縮しかしていないというのは、事実なんですよね。だから、短縮するにはどうしたらいいのか。子どもたちの健康だとか成長を保障する立場で、スクールバスの概念も、バスなんだということではなくて、ワゴンのタクシーもあるわけだし、そういうことも含めて固定させないで対応してほしいと思いますし、乗務員は、例えばタクシーでも二人必要だとか、駐車場だったら近所に確保すればいいことですし、車両だって、ワゴンタクシーをやっているところだって結構あるわけですから、それは知恵も、それから予算もつけるという立場に立たなかったらできないことだと思います。
資料をいただいた一一ページの資料9ですけれども、教室の増設状況の資料をいただきましたが、中野養護学校は完了しましたね。伺ったんですけれども、美術室などもできて、校長先生たちも喜んでいらっしゃいました。しかし、やっぱり満杯なんですね。当初の二倍の生徒数ですし、永福に何人かは移れるとしても、改善する見通しが持てない状況なんだということ。それから羽村養護は、新入生はことし五十四人、来年七十人、そしてもっとふえる見通しなんだと。校舎を今増築していますけれども、来年でいっぱいになって、それ以後はどうするのかという話なんですね。少しぐらいふやしても間に合わない。スクールバスの乗車時間の短縮を考えても、それから教室不足のことを考えても、根本的には学校の増設が必要だということを再確認しておきます。
光明養護学校に通学している児童生徒は現在百六十九人ですね。エレベーターが一台しかないんです。しかも車いすが四台しか乗らないので、登校時間は集中するわけですよね。一時間なり一時間何分なり乗ってやっと学校に着いても、今度はまたエレベーターで待つ。一刻も早く体を伸ばしてあげたいというのがやはり必要なわけですよね。ほとんどが車いすを利用しています。伺ってみたら、廊下に車いすがずらっと並んでいる状況です。学校では、ここだったらエレベーターを設置できるんです、一階と二階も同じ部屋の大きさなんですといって、そこまで、場所まで考えて要望しているわけですね。
エレベーターを増設することが求められますが、どうですか。
○山川学務部長 都教育委員会といたしましては、肢体不自由養護学校の教育環境の改善のため、本年度、城北養護学校におきましてエレベーターの増設工事を実施いたしました。また、二十一年度に肢体不自由部門を設置いたします永福学園養護学校におきましても、エレベーター三基を設置するなどの対応を行っていく予定でございます。
ただいまご指摘のありました光明養護学校につきましても、学校の要望を踏まえ、エレベーターの増設の必要性については私どもも十分認識をしているところでございますが、今ご指摘のありました設置スペースについての技術的な課題がありまして、これまで学校と協議を続けているところでございます。今後とも、学校の意向を十分把握してまいりたいというふうに考えております。
○大山委員 ぜひ設置する方向で協議をして続けていただきたいと思います。
トイレなんですけれども、肢体不自由養護学校だと、それぞれの教室からトイレに行けるようになっているところもあるわけですね。光明養護学校の場合はそうでない上に、数が少ないんだと。エレベーターもそうですけれども、トイレだって休憩時間に集中するわけですから、それなりの数が必要なわけですね。学校からは足りないんだということですから、やはり増設の要望にきちんとこたえていくことが重要ですが、どうですか。
○山川学務部長 光明養護学校の平成十八年度五月一日現在の児童生徒数は、男子九十五名、女子七十四名、合計百六十九名でございます。これに対応する現在の便器の数でございますが、男子大便器二十六、小便器二十七、女子四十一であり、また、平成二十一年度には永福学園養護学校に肢体不自由教育部門が開設をされ、児童生徒数の減少も見込まれることから、現在の状況で対応可能ではないかというふうに考えておりますが、いずれにせよ、学校より十分意見を聞いてまいりたいと考えております。
○大山委員 ぜひ学校から意見をきちんと聞いていただきたいと思っています。やはり生活の質を向上させるということは非常に重要なことですから、快適にトイレを使えるというのは重要な要素なわけですね。便器の数とともに、洗浄器つきのものだとか、教室とトイレと廊下の気温の変化を最少にする、そういうことも含めてきちんと学校からも意見を聞いて改善していっていただきたいと思っています。
体育館のことなんですけれども、雨が降った翌日にちょうど訪問したんです。体育館の機械室に上から雨漏りのように水が垂れてきて、大きなポリバケツ二つで天井から落ちてくる水を受けていたんですね。電気関係だったら大丈夫なんだろうかというような心配もあるわけですけれども、その水漏れというのは、その日が初めてじゃないというんですね。直ちに修繕されたのでしょうか、必要だと思いますが。
○山川学務部長 本件につきましては、学校におきまして既に調査を行っているところでございますが、機械室の雨漏りではなく、加湿器の排水管の詰まりが原因と判明をいたしておりまして、早急に対応することといたしております。
○大山委員 排水管なども大分古くなっているということなんですね。早急に的確に対応していただきたいということと同時に、さっきも話がありましたけれども、体育館は、暖房はあるけれども冷房がない。巨大な、よくドラマで暴風をつくるような扇風機があって、音もすごいんだと。これは大変なわけですけれども、先ほどの答弁で、体育館のエアコンについては十九年度予算要求を行ったということなんですけれども、その肢体不自由養護学校の冷房化は、もちろん光明養護学校だけではなくて全校が、まだ設置されていない学校すべて、冷房化、エアコン設置ということが求められているわけですけれども、全校設置分になっているのでしょうか。
○山川学務部長 計画的に整備をしてまいりたいというふうに考えております。
○大山委員 計画的にですけれども、本当に条件としては同じわけですから、ぜひ一緒に設置できるようにしていってほしいと思います。
私、びっくりしたのは、渡り廊下なんですね。三つ校舎が並んでいて、その校舎をつなぐ北側と南側に渡り廊下があるんですけれども、片側の廊下は建物の一部になっていて、窓もあるし、壁もあるんですけれども、もう一方の渡り廊下が、屋根と一メートル程度の高さの壁はあるんだけれども、その上は本来の建物では何にもなくて、吹きさらしなんですね。苦肉の策だということで、そのあいているところに厚手のビニールをカーテンのようにかけて風を遮っているわけですけれども、校舎と校舎の間ですから風は吹き抜けるわけですね。しかも、校舎と渡り廊下の間の扉というのが観音開きなものですから、車いすの子はあけられないわけですね。ですから、その観音開きの扉はあけておくということで、まさに風が吹き抜けるという状況なんです。
学校を訪問したのが十月二十五日です。既にそのときも風は冷たかったんですけれども、真冬になったら本当にどんなに冷たい、寒いのかということなんですね。どうしてこんなことを放置しておくのだろうと思うわけです。一刻も早く対応しなければならないと思いますけれども、どうですか。
○山川学務部長 ご指摘の箇所の工事につきましては、私どもも問題認識を持っておりますが、独立をした三つの校舎を一体的に改修することにつきましては、消防法上の課題もありまして、校舎全体を視野に入れた大規模な改修工事となるため、盲・ろう・養護学校全体の要望や施設の状況を把握しながら、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○大山委員 財政的な問題もあるんだということですね。渡り廊下については、しかし、認識は持っている、それは重要なところだと思っています。とりわけ体温調節が苦手な肢体不自由の児童生徒ですから、本当に早急に対応してもらいたいと要望しておきます。
抜本的な改善、大規模改修でかなり大規模な改築が必要なんだということですけれども、それと同時に、それを待つのではなくて、せめて校舎と渡り廊下の間のドアをあけ放しておかなくてもいいように、あけ放しておかなければ、閉めておけば、風は少なくともそこの校舎の部分は通り抜けないわけですから、自動ドアにするぐらいのことは直ちにできるのではないでしょうか。
○山川学務部長 光明養護の渡り廊下への自動ドアの整備につきましては、既に一カ所の一部の箇所で実施をしているところでございますので、さらに設置が必要かどうかにつきまして、学校から必要性等について十分話を伺った上、検討してまいりたいというふうに考えております。
○大山委員 校長先生を初め要望をされていたから、私、ここでいっているわけですから、きちんと話を伺って対応してもらいたいと思っています。
これは光明養護学校だけの問題じゃないんですよね、この施設整備、スクールバスというのは。ほかの学校でも同じようなことが何度も何度も要望で出されているわけですね。例えばスクールバスでいうと、小金井養護学校だと自宅からバス停まで毎日徒歩三十分だとか、車や路線バスでスクールバス停まで行くとか、あと、八王子東養護だとバス停まで行くこと自体が負担が大きい、車でバス停まで送迎する親もいるとか、それからエアコンのことだと、体育館、教室、それから全館の冷房をしてほしいとか、教室不足は、学区の見直しを含めて、あきる野だとか、南花畑だとか、小金井、田無、王子第二だとかというのが検討してほしいとか、それから避難経路として屋外スロープをちゃんと設置してほしいというふうに府中養護のPTAの皆さんがいったり、それからトイレなんかも、小金井養護は数が不足して、床面積が大変狭くて腰洗いなどのスペースもないとか、大泉養護は暖房設備を効率のいいものにとか、洗浄器つきの便器にとかというふうに、本当に多くの学校から要望が出ているわけですね。
ぜひ、盲・ろう・養護学校全体の要望、それから状況を把握して、思い切って予算もつけて改善してほしいと思いますけれども、どうですか。
○山川学務部長 施設整備につきましては、学校要望や施設の状況、さらには財政の状況などを総合的に勘案いたしまして、優先順位を決めて計画的に実施してきているところであります。今後も、学校要望を踏まえつつ、教育環境の改善に努めてまいります。
○大山委員 どうも、財政面のこともおっしゃるわけですね。
もう一つちょっといっておきたいのがプールのことなんですね。プールは屋外のものしかないんですね。体温調節が苦手な児童生徒ですから、気温が低かったり、気温が上がっても水温が上がらなければ入れないということで、今年も、例えば光明養護なんかでも、今年の夏前は四回ぐらいしか入れなかったのかな。夏休みはそれなりに入ったけれども、九月も一日しかできなかったということなんですね。
養護学校の温水プール化というのは、父母の皆さんや教員にとっては長年の要望で、九六年当時、八王子東養護学校のプールを温水プールにするための実施設計の予算がついていたんですよね。それを延期ということになって、いまだに養護学校の温水プール化は実現していないわけですけれども、延期した理由というのは何で、どうしてなのかということと、いつまで延期する気なのかということを伺いたいです。
○山川学務部長 大変申しわけありませんが、十年前のことですので詳細な記録が残っておりませんが、八王子東養護学校につきましては、平成十二年度に温水が供給できる加湿プールとして整備をしたところでございます。
○大山委員 加温プールとしてね。加温ですね、八王子東は。
加温できるといっても、晴れていなければ室温が上がらないわけですから、なかなか難しいわけですね。それで、これは九六年十一月二十七日の文教委員会なんですけれども、プールの温水化を延期したのはどういう理由なんだというふうに、私、聞いたんです。そうしたら、渡辺施設部長さんが、今回計画しましたのは、改造時期に来ておりますので、この学校につきまして温水プールをやってみたいということで計画したわけでございます、温水化するにつきましては、事前にも十分検討したつもりなんだけれども、年間を通してプール指導が可能かどうかだとか、カリキュラムの問題だとかということで引き続き時間をかけたいというふうにいっているわけですね。
これは九六年ですから、もう随分たっているわけです。それでもまだ、カリキュラムの研究なんというのは、いろんなところで進んでいるわけですよね。障害児のプール指導については、さまざまな研究だとか実践報告もあるわけです。例えば「障害児の体育-その考え方と具体的展開」とかというのを見たら、脳性麻痺の子が浮き身ができるようになる、浮けるということで彼らが成就感を喜んで水との新しいかかわりを結ぶことができるとか、自閉症児の子どもたちにとっても、プールで十分遊び切って帰ってくると彼らは落ちついて次の課題に移れるとか、遊び切るということで他の面の活動が促されるとか、いろいろな非常によい面という実践が報告もされているわけですね。
私、新宿ですけれども、新宿養護学校、区立ですけれども、肢体不自由の養護学校ですけれども、温水プールがあるんですね。それで校長先生にもお話を伺いましたけれども、毎週必ず五月から三月までは入れるようになっていて、身体緊張が肢体不自由の子どもたちは強いんだけれども、プールだと動ける度合いが高まるし、効果があるというんですね。水が好きな子が多いし、プールがあるのを楽しみにしているし、地上より水中の方が体を動かしやすいので非常に効果的なんだとおっしゃっているし、それから、気管切開の子は配慮が必要ですから小さなプールを使いますけれども、胃ろうの子は全く大丈夫で入れるんだということなんですね。障害児を持っているお母さんも、緊張が強いから温水の中はいいんだけれども、家庭のおふろでは体を伸ばせないんですというんですね。そのとおりですよね。江東区でも、今、養護学校は浅いプールできちんとしたプールをつくって、地域にも開放していけば交流にも役立つではないかというようなご意見もあるわけです。
プールですから、もちろん人員配置というのはきちんと必要で、十分なければならないわけですけれども、光明養護学校を初めとして養護学校の温水プール化は一刻も早く具体的に検討することを求めますけれども、どうですか。
○山川学務部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、施設整備等につきましては、各学校の要望を聞き取り、緊急性や必要性に応じて計画的に工事等を行っているところでございます。今後とも、各学校の状況を把握しながら教育環境の改善を図ってまいります。
○大山委員 盲・ろう・養護学校の施設整備費の推移の一覧表をいただきました。それを見たら、九九年度と比べると、九九年度が七十四億二千四百万円なんですね。今年度は四十四億六千七百万円ですから、九九年度と比べると約六割に激減しています。昨年度はどうかといったら、約二十一億なんですね。九九年度の約三割しかないわけですよ。オリンピックには毎年一千億円も積み立てる。非常に財政のことを気にしていらっしゃいましたけれども、その一方で障害児学校は施設整備費も激減されているということでは、本当に教育条件を整備するということからもそれは外れているのではないかと思いますよ。パラリンピックだというんだったら、障害児学校のプールを温水プールにするぐらいは当然なんじゃないかと思っています。
盲・ろう・養護学校の施設整備費を抜本的に増加すること、それから、学校と相談して着実に予算も抜本的にふやして進めていってもらいたいという要望をして、この質問は終わりにします。
次は、日本語教育のことです。日本語の教育が必要であるけれども受けられていない外国人、それから日本語学級のことなどについて質問したいと思っています。
今、引揚者だとか帰国者の割合と、いわゆるニューカマーといわれる、新渡日といわれる人たちが人数的にも逆転するという状況にあるわけですけれども、初等教育は義務的なものであるとして、すべての者に対して無償とすることが求められている、これは国連人権規約ですけれども、これを持ち出すまでもなく、どこの国にいても教育を保障することは責任でありますし、子どもにとっては権利として保障しなければいけないと、それを求められているわけですね。
例えば新宿の区役所に聞きましたら、外国人登録人口というのは三万三百二十六人なんです。そのうち十六歳未満が二千六百二十四人です。十六歳未満のその二千六百二十四人のうち、永住だとか長期滞在が九割前後だというふうに推測されるというんですね。ですから、日本語教育が必要だろうと思われる子どもたちは、十六歳未満で二百六十人程度だということですね。十二歳以下は約百人。ですから、十三から十六歳未満は、つまり中学生の年代は約百六十人になるわけですね。この中には、例えばお母さんは外国人、お父さんは日本人という場合は、二十歳になるまでは大体重国籍の場合が多いですから、その人数は入っていません。ですから、日本語教育が必要な子どもはもうちょっとふえるというふうに予測がつくわけです。そこに、日本語学級の在籍はどうかというと、小学校の四十人だけしかないんですね。
資料1で出していただきましたけれども、区市町村で、小学校で日本学級がある自治体は十一区三市です。その十九校で児童数が三百五十九人ですね。これは十八年度ですが、十七年度は三百三十一人でした。十七年度の文科省の調査では、小学生で日本語指導が必要な児童数は八百四十七人ですから、四百八十八人は日本語学級に通っていない小学生だということです。中学生は、同様の調査で四区一市の六校ですから、百四十七人しか在籍していないんですね。文科省の調査は六百二十七人が日本語指導が必要というふうになっていますから、四百八十人、在籍している生徒の三倍以上の生徒が、中学生の場合は日本語学級に通えていないということなんです。
日本語指導が必要であるにもかかわらず日本語学級に通えていない児童生徒の方が、通えている児童生徒よりも多い、このことに関してどのように認識して、どのように対応しようとしているのでしょうか。
○岩佐指導部長 区市町村教育委員会は、地域の実情に応じまして、それぞれの判断に基づき日本語学級を設置するとともに、日本語指導加配教諭の活用、語学指導員の配置、通訳補助員の派遣、日本語適応教室の配置など、日本語指導が必要な外国人児童生徒への指導を行っているところでございます。
○大山委員 日本語学級があったり、加配教員がいたりということで学校でやっていますし、例えば新宿だったら、小学生は五十時間、中学生は六十時間の日本語適応指導として、まずは全く日本語がわからない子どもに対してマン・ツー・マンで母国語がわかるバイリンガルな人を派遣しているわけですね。さらに必要に応じて二十時間プラスということなんですけれども、それでも、これでも比較的進んでいるというふうにいわれているんですけれども、日本語で授業がわかるようになるには、これではもちろん不十分なんですね。それにしても、この指導を受けられた、バイリンガルの人を派遣してもらったりした子どもたちは日本語学級に通うことはできるわけです。
しかし、新宿には中学校が、さっきの表であるように、ありませんから、不十分なまま中学に出されるし、その後、中学生になってからどうしているかというのはわからないんですね。一回も日本語学級に行ってもいないという子どもたちは、本当にどうしているかわからないという状況なんです。
日本語学級に通っていない児童生徒がどうしているのかということを、その実態を調査して対策を立てるということが求められていますけれども、どうですか。
○岩佐指導部長 都教育委員会では、毎年文部科学省が実施いたします日本語指導が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況等に関する調査を通しまして児童生徒数を把握するとともに、区市町村教育委員会から取り組み状況について聞き取りを行いまして、状況を把握しているところでございます。
なお、平成十八年度の同調査におきましては、日本語指導の形態や、日本語指導等特別の指導を受けていない場合の理由についての項目が追加されておりまして、さらに詳しく実態を把握して、適切に対応していきたいと考えております。
○大山委員 毎年の文科省の調査があるんだということですね。毎年の調査では、日本語学級に何人受け入れているのかというさっき私がいった資料で、昨年の調査までは、それでは日本語学級に行っていない子どもがどうしているのかというのは把握できない調査だったんですね。それを今年は、少なくとも文科省は、日本語学級などに行けていない児童生徒がどうしているのかという問題意識は持ったんだということなんですね。これはこれで重要だと思っています。文科省が調査するんですから、東京都内にいる児童生徒については、区市町村と相談して日本語指導が受けられるようにしていくことを求めておきます。
日本語学級ですけれども、日本語学級は、小学校に比べて中学校が少ないですね。しかし、自治体ごとの在籍生徒数を見ますと、品川も北区も、それから板橋区も、中学生の方が多いですね。江戸川も八王子もほとんど人数は同じです。中学校の増設が必要ではないかと思うのですけれども、都教委としての認識を伺います。
○山川学務部長 日本語学級の設置につきましては、第一義的には区市町村教育委員会が児童生徒の状況、学校施設や地域の実情を踏まえ判断すべきものであり、東京都教育委員会としては、区市町村教育委員会からの協議に対し、同意する立場でございます。
○大山委員 本当に他人事のようないい方で、つらいわけですけれども、東京に住む子どもたちのことなんですね。毎日新聞が七月十三日に、三回の連載をしたんです。「ニッポンの壁・来日少年は今」という連載ですね。一日目は、神奈川県横須賀市の少年院で、日本で初めて国際科を設けたという記事なんです。日本語がわからないのに一家で来日するケースが多くて、母国では成績優秀でも、日本語がわからないために不就学になり、非行に走る子もいるというんですね。読み書きが満足にできる子はほとんどいない、住所もきちんといえず、生年月日の意味もわからない。ここでは本当に、二十四時間日本語を教えてもらって日本語漬けで、褒められて自信がつくわけですけれども、初めから、日本に来たときから日本語漬けのこういう環境があれば、少年たちはここに--というのは少年院ですね、来ていなかっただろう、そう思わせる熱心さだったというふうに記者は書いています。日本語を習得できるようにすること、それから教育を保障することがいかに重要かということの一つのあらわれだと思います。
まずは現状を把握することが必要で、実態を把握しているというんだったら、区市町村教育委員会と相談して、日本語指導が必要な児童生徒は日本語学級に皆通えるように、教育が受けられるようにしてほしいということを強く要望しておきます。
高校の問題ですけれども、これは区市町村教育委員会などのことなんだと逃れることはできません。直接的に東京都自身の問題です。
第一の問題は、高校に入学すること自体が困難であるということなんです。近県の状況はどうかと調べますと、埼玉県は県立高校五校で五十人、特別枠で受け入れています。千葉県は四校で三十六人、神奈川県は県立六校、私立一校で六十九人の外国人の受け入れ枠です。埼玉県は五十人の受け入れ枠に対して十六人が受験しています。神奈川県も六十七人の受け入れに対して七十一人ですから、倍率は高くても一・一六倍です。東京都は、外国人生徒対象の学級を設置しているのは国際高校のみですね。今年度の募集を、今まで二十人だったのを二十五人に、例年よりはふやしましたけれども、それでも受検倍率は二・六倍です。他県と比べても受け入れ枠が非常に少ないわけです。高校に入学すること自体が至難のわざになっている。
国際高校だけではなくて、ほかの学校でも受け入れ枠、特別枠をきちんと設けることが必要だと思いますけれども、どうですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 東京都教育委員会は、都立高校改革推進計画・新たな実施計画の中で、多摩地域においても国際理解教育を推進する学校として、立川地区中高一貫六年制学校を平成二十年度に設置することとしてございます。平成十八年三月に発表いたしました立川地区中高一貫六年制学校基本計画検討委員会の報告書におきまして、同校におきましては、一般生徒とは別に一定の枠を設けて帰国生徒及び在京外国人生徒を受け入れることとしておりまして、今後、都教育委員会といたしまして新たな受け入れ体制を確保してまいります。
○大山委員 中高一貫校を立川につくるから、そこで受け入れるんだということですけれども、それだと中学での入学しかないわけですね。国際高校と第二国際高校ということですけれども、日本語指導が必要な生徒は全都にいるわけですから、その二校だけで事足りるというわけではないわけですね。国際理解教育だというんだったら、特別の学校で行うのではなくて、もう少し、せめて近県並みの受け入れ校をふやしていいはずだと思っています。
高校は今、全入時代というふうにいわれていますけれども、日本人の子どもであれば、本人が希望すれば高校に入って勉強できる条件を曲がりなりにも東京都は整備しているわけですね。外国人の子どもだって、希望する全員が高校に学べることが当然必要なわけです。これは国際的に見たら、本当に当然のことですね。中卒でといったら仕事につくのも難しい、それから日本語もままならないということだったら、本人の将来にとっても、それから社会にとっても、高校で受け入れるというのは非常に重要なことだと思っています。
神奈川県立愛川高校というのは、外国人受け入れ特別枠を持っている高校です。昨年九月に、早稲田大学大学院の川上郁雄教授に依頼して、外国人生徒の日本語能力を調べたそうです。滞在期間が長くても読み書きが十分できない子がいるなど、書く、話す、読むのレベルは個々に違って、どの子にも個別指導が必要だとわかったというんですね。例えば中国人のT君という子は、英語だけマン・ツー・マンでやっているけれども、高校二年生の授業を受けていて、将来は日本の国立大学の理科系に進みたいんだと。そういう子がいると思えば、二年半前にブラジルから来たAさんは、ブラジルの学校は六年生でやめちゃったから、その続きをやりたいと、さまざまなんですね。
川上教授は、今の学校現場にあるのは日本人のための教育だけ、英語圏にあるような小学校から高校まで一貫した外国人指導システムがない、教員養成課程から日本語指導をカリキュラムに加え、日本のシステムを変える必要があるというふうに指摘しています。
学校現場の教員だとか専門家だとか、区市町村の小中学校とも、教育委員会とも相談しながら、東京都でも高校での受け入れを都自身の問題としてとらえて充実するということを求めておきます。
続きまして、日の丸・君が代についてです。
九月二十一日、東京地裁で国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟、いわゆる予防訴訟の判決が出されました。判決は、その主文で、入学式、卒業式等の式典会場において、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務がないことを確認し、起立斉唱しないこと、ピアノ伴奏をしないことを理由としていかなる処分もしてはならないこと、同時に、原告の要求額どおりの賠償、それから裁判費用、これをどっちが払うかというので決定的なわけですけれども、裁判の費用は都と都教委に支払いを命じました。まさに原告教職員の全面勝利の判決が出されたわけです。
判決文の事案の概要というところには丁寧に事実が書き込まれて、被告と原告それぞれの主張、争点、処分、議会でのやりとりなど、これだけのことがあるのだから何とかしなければならない、そういう思いが伝わってくるような判決文です。
中村教育長は、第三回定例会での我が党の代表質問に対して、判決後の再検討についてですが、教員は、教育公務員として、法令や学習指導要領に基づき、国旗・国歌について指導を行う責務がございます、教員が校長の職務命令に反した場合は、今後も毅然とした対処をしてまいりますというふうに答弁していますけれども、教員が法を破っているということではないわけですね。一〇・二三通達と、それに基づいて校長に職務命令を出させることなど都教委がやっていることが憲法違反であり、教育基本法違反だというふうに断じられたわけです。
しかも、この判決は、憲法と教育基本法、そして旭川学力テスト事件の最高裁判決に基づいたごく常識的なものです。にもかかわらず、東京都と都教委は控訴しました。その控訴の理由は何でしょうか、要点を簡潔にお願いします。
○岩佐指導部長 第一審の東京地方裁判所は、東京都教育委員会教育長が発しました入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施に関する通達が違憲、違法であるといたしまして、原告の請求を容認したため、東京都及び東京都教育委員会はこれを不服として控訴したものでございます。
○大山委員 判決が不服だから控訴するわけですね。その理由を伺いたいわけです。通達が違憲、違法でないとする理由は何ですか。
○岩佐指導部長 本通達は、法的根拠のある学習指導要領に基づきまして、教育課程の適正な実施を求めるために発出したものでございます。地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく都教育委員会の権限におきまして、学習指導要領に基づき適正に実施するよう各学校を指導することは、違法ではございません。
○大山委員 という理由なわけですね。九・二一判決というのは、旭川学力テスト判決を踏まえて、学習指導要領の大綱的基準としての法規制を認めた上で、学習指導要領の個別の条項が大綱的基準を逸脱し、内容的にも、教職員に対し一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制するようなものである場合には、教育基本法第十条一項所定の不当な支配に該当するものとして、法規としての性質を否定するのが相当であるというふうに述べて、学習指導要領の国旗・国歌条項は法的効力を有しているが、学習指導要領の国旗・国歌条項が、教職員が入学式、卒業式等の式典において、国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務、ピアノを伴奏する義務までを導き出すことは困難だというふうに断じたわけです。
つまり、都教委が根拠としてきた学習指導要領から一〇・二三通達を出すことはできないとの判決にほかならないわけですね。九・二一判決は、丁寧に事実を検証して、憲法十九条違反であり、教育基本法十条に違反であること、全面的に都教委のいい分を否定したんです。
このように、憲法十九条違反であり、教育基本法十条一項違反であると断じられている事実を、どう反論するというんですか。
○岩佐指導部長 判決は、これまでの判例や国会におきます政府見解に反するものでございまして、今後、都教委の主張の正当性を訴えてまいりたいと思います。
○大山委員 何をいっているのかというところですけれども、九月の文教委員会で、岩佐指導部長は、学習指導要領の法的根拠について、旭川学力テスト事件や伝習館高校事件などの最高裁判例からと答弁していました。九・二一判決は、旭川学力テスト事件の最高裁大法廷の判決を踏まえて丁寧に論じているんですね。
知事は、あの判決に喜んでいるのは、多分共産党と、今やかなりたそがれてきた日教組の残党と、それから当の裁判官くらいなものじゃありませんでしょうかと、いかにも判決を支持するのは少数派だというような答弁をしました。しかし、東京弁護士会が都教委に対し、教職員らの思想、良心の自由への侵害を繰り返さないよう求めるものであるというふうに声明を出しましたね。東京第二弁護士会も、東京地裁判決を支持する会長声明を出しました。判決内容は直ちにNHKの三時のニュースで報道され、翌朝の全国紙は、産経を除いてすべて一面トップでした。外国紙も詳しく報じて、地方紙の社説でも三十数社が扱い、テレビ報道や週刊誌、月刊誌でも、その後も取り上げられています。少数派は都教委なんじゃないんですか。
○岩佐指導部長 我が国の国旗と国歌は、長年の慣行によりまして広く国民の認識として定着しておりまして、全国民を代表する選挙された議員で組織されております国会において法律として定められていることから、学校教育において児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、それを尊重する態度を育てることは、国民の総意を尊重するものであると認識しております。
判決後には、教育庁の担当課の方に、都民から、初めてこうした電話をするが、どうしてもいいたい、判決はおかしい、控訴すべきであるなど、都教委の方針を支持する声が多数寄せられております。
○大山委員 強制がだめなんだといっているわけですね、判決は。国旗・国歌法の立法趣旨については、第二回定例会の代表質問でもただしています。国旗・国歌法を制定するとき、野中官房長官は、学校現場での内心の自由の質疑の中で、起立する自由もしない自由もあるし、斉唱する自由もあれば斉唱しない自由もあるというふうに答弁していますね。これが立法の趣旨です。
その後の文教委員会で岩佐指導部長は、「平成十一年六月の衆議院本会議におきまして、文部大臣も、国旗及び国歌に関する法律制定時の国会で、学習指導要領に基づく学校におけるこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではないと答弁しております。」と答弁しています。つまり、起立する自由もしない自由もある、歌う自由もあるし歌わない自由もあるということですね。しかも、今回の判決では、我が国において日の丸・君が代は、明治時代以降第二次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあることは否定しがたい歴史的事実であり、国旗・国歌法により日の丸・君が代が国旗・国歌と規定された現在においても、なお国民の間で、宗教的、政治的に見て、日の丸・君が代が価値中立的なものと認められるまでには至っていない状況にあることが認められるのが日の丸・君が代に関する現在の状況だとして、このような世界観、主義主張を持つ者を含む教職員らに対して処分をもって強制することは、結局、内心の思想に基づいてこのような思想を持っているものに対し不利益を課すに等しい、したがって、教職員に一律に起立斉唱、ピアノ伴奏を課すことは、思想、良心の自由に対する制約となるというふうに断じているんです。
また、都と都教委が主張している、外部的行為を命ずるものであり、当該教職員の内心領域における精神活動まで制約するものではない、この主張についても、人の内心領域の精神活動は外部的行為と密接な関係を有するのであり、これを切り離して考えることは困難かつ不自然--本当に明快な審判ですね。クリスチャンの教員がまるで踏み絵ですといっていましたけれども、まさにそのとおりだと思います。
先ほど答弁の中で、判決後には、都民から控訴すべきであるという声が多数ありと答弁しましたが、具体的にはどういうことですか、数なども含めて教えてください。
○岩佐指導部長 先生の方から、前回、六月の文教委員会で、文部大臣のコメントのところで、これまでの考え方を変えるものではないというお話がありましたけれども、その内容の意味は、前回申し上げましたけれども、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するという今までの、それまでの考え方と変わるものがない、そういう意味でございます。
なお、判決後の反応についてということでございますけれども、全部で、判決後から九月末までに五百二十一件ありましたうち、控訴せよ、判決は不当であるという趣旨の声は三百五十九件、七〇%でございまして、控訴するな、判決に従うべきだという趣旨の声は百三十五件、二五%でございました。
○大山委員 今、九月二十一日から、九月末ですから二十九日ですか、それの都民の電話、メール、手紙、はがきというところの数をいってくれたんだと思うんですけれども、都民の声、九月分--九月分ですよ。今おっしゃったのは九月二十一日から二十九日までですね。しかし、都民の声、九月分を見てみたら、五百三十三件で、都の見解に賛成が二百四十八、都の見解に反対が二百六十七ですよ。ここでももう既に都の見解に反対だという方が多いわけですね。しかも、団体はどうですか。
○岩佐指導部長 控訴前までには六十三団体から要請をお受けいたしました。うち六十件が控訴をするなという内容でございました。
○大山委員 団体から見たら、控訴するなが六十三中六十でしょう。団体数からいったら、圧倒的に控訴してはいけないという意見が多いわけですね。しかも、先ほどいったように、生活文化局に九月分の「都民の声」月例報告でいったら、都の意見に反対の方が多いわけです。その後の団体でも、さっきおっしゃったのは控訴前までですね。控訴前までの数字でも六十件ですから、圧倒的に控訴するなということが多いわけですね。
その後の団体の意見はどうかといったら、七十四団体の要請が来て、控訴を取り下げなさいという意見が七十三件ですよね。圧倒的に、控訴してはいけない、取り下げなさい、都の意見には反対ということではないですか。都合のいいところだけを切り取って、(発言する者あり)どちらが都合がいいところを切り取って、いかにも多いような、とんでもない。(「そんな手前勝手なことをいっちゃいけないよ」と呼び、その他発言する者あり)
○たぞえ委員長 質問が聞こえません。静粛にしてください。
○大山委員 今、手前勝手なこととおっしゃいましたけれども、事実を数で見てみてくださいよ。数で見たら、圧倒的に控訴するなということが多いわけですね。
ところで、都教委が金科玉条のようにしている学習指導要領には、卒業式、入学式の国旗掲揚・国歌斉唱の指導が書かれていますけれども、周年行事などのことについては書いていません。文部省が出している学習指導要領の解説、これは「高等学校学習指導要領解説特別活動編」です。そこには、始業式、終業式、運動会、開校記念日に関する儀式などあるが、これらの行事のねらいや実施方法は学校によりさまざまである、したがって、どのような行事に国旗の掲揚、国歌の斉唱指導を行うかについては、各学校がその実施する行事の意義を踏まえて判断することが適当であるというふうになっています。つまり、各学校に任せなさいということですね。
この時期、今、周年行事など、つまり学習指導要領の解説でいう開校記念日などの何十周年記念など行われている学校が多いわけですけれども、学習指導要領を重んじる教育庁だとしたら、国旗掲揚・国歌斉唱については、その周年行事などでは各学校に任せるということですね。
○岩佐指導部長 入学式、卒業式を初め周年式典、開校式、閉校式、落成式は儀式的行事でございまして、学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、新しい生活の展開への動機づけを行うものでございます。都教育委員会は、これらの行事についても学習指導要領や通達に基づいて国旗・国歌の指導が適正に行われるよう、各学校を指導してまいります。
○大山委員 学習指導要領や通達に基づいて各学校を指導というわけですけれども、第三回定例会で教育長は、知事が本会議で答弁した、学習指導要領に国旗は日の丸、国歌は君が代と書いてあるという間違いをごまかすために、小学校学習指導要領社会の解説には、日章旗が国旗であり、君が代が国歌であるという記述がございますというふうに学習指導要領の解説書まで持ち出しました。しかし、これまで東京都教育委員会は、二〇〇三年十一月十八日の文教委員会で近藤指導部長が、「東京都教育委員会では、学習指導要領に基づいて卒業式、入学式等を行っているわけでございます。あくまでも解説書は学習指導要領ではございません。」と答弁していたんですね。解説書は学習指導要領ではないんだというふうにいっていたんです。
つい最近の第三回定例会では、学習指導要領の解説書には日の丸と書いてあるんだと、日章旗が国旗だと書いてあるんだというふうにいうわけですね。
そして、今度はどうかといったら、学習指導要領にも書いていないわけですよ。入学式、卒業式しか書いていないわけですよね。私がいっているのは周年行事です。で、学習指導要領にも書いていません。学習指導要領の解説書には、入学式、卒業式以外の儀式的行事で国旗・国歌をどうするかは、各学校の判断で、やってもやらなくてもいいということになっているわけですね。それを強制しようとしているのが--それを強制しようとしているわけですよ。ご都合主義でごまかしを重ねて、結局何がなんでも都教委のいいなりの学校にするということじゃないですか。
今、答弁で、学習指導要領に基づいて各学校を指導といいましたけれども、学習指導要領には基づかないということなんですね。周年行事の国旗・国歌は各学校の判断に任せますということですから、学習指導要領には基づいていないんですよ。学習指導要領というんだったら、周年行事などの国旗・国歌の扱いは学校の判断に任せることです。改めて強く求めます。
さらにいえば、入学式、卒業式の形式も、席の並べ方や卒業証書の受け取り方など、学習指導要領に書いてあるわけではありません。以前の学校の伝統だとか、生徒や保護者、先生も含め、みんなで話し合ってつくり上げてきたやり方でできるようにすることを求めておきます。
ということで日の丸・君が代でした。
次、学校支援センターです。(「共産党はどんな旗がいいんだよ」と呼び、その他発言する者あり)強制するなといっているんでしょう。
○たぞえ委員長 質問中は私語を慎んでください。聞こえません。
○大山委員 学校経営支援センターです。
学校経営支援センターは、経営支援ラインと業務支援ラインがあるんですけれども、きょうは、業務支援ライン、事務室の仕事について質疑します。
まず、もともと学校経営支援センター設置の理由として、各学校の事務室で行っている業務をセンターにまとめれば、事務量も少なく、効率的になって、教材や施設の修理の代金なども数をまとめることによって安くできるという話だったわけですね。しかし、実際には、時間もお金も手間も余計にかかるということが起きています。
例えば、教材の蚕が来たけれども、えさの桑がなくて、先生たちが桑を求めて走り回ったとか、江東区の業者が足立区の学校にカセットテープを何本か届け、その後、大田区の学校にまでまた届けるというふうに、当初の目的とは全く逆のことも起こってしまっています。そこで、やり方を少しずつ手直ししているようですけれども、学校の修理だとか修繕については、四、五月は住宅供給公社が契約している業者が行ったけれども、最近は公社を通じてもとの出入りの地元の業者に頼めるようになったとか、それで納期が早くなったとかということもあります。それは改善、手直ししてきたわけですね。
まず、営繕のことなんですけれども、百五十万円未満の修理などの営繕は、学校から住宅供給公社にファクスで発注するというふうに聞いていますけれども、住宅供給公社の役割というのは何なんですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 住宅供給公社でございますけれども、学校からの修繕依頼を受けまして、専門的、技術的な観点から修繕内容を検討して適切な業者を選定し、発注を行うものでございます。
○大山委員 学校からの修繕依頼を受けて、専門的、技術的観点からということなんですけれども、これは、都立学校支部、つまり学校の事務職の皆さんが業者にアンケートしたものなんですね。意見がびっしり書いてあったというんです。専門的、技術的観点から検討というふうに答弁されましたけれども、例えば業者の皆さんのこのアンケートの中で何て書いてあるかというと、住宅供給公社の建築係が管理していますが、住宅改修はプロですが、学校の営繕に関しては余り実績もなく、担当者も詳しくありませんとか、公社の工事店ですが、年間の単価契約なので、学校現場の状況によっては無理な単価を押しつけられています、また、公社からの一方的な指名なので、営業活動もできず、工事の発注も読めませんなど、さっきおっしゃっていましたけれども、答弁とちょっと違う意見が出されています。
無理な単価を押しつけられたという意見も一人ではないんですね。トイレの扉だとかは壊れたらなるべく早く直すとか、割れたガラスは一刻も早く入れるということが求められているわけです。
今まで、学校が急いでくださいというと、地元の業者ですから、ガラスが割れたら大変だということで、どこか壊れたら大変だということで、ほかの仕事をさておいても来てくれていたというんですよね。業者の人たちが手をかしているから学校が成り立っているという自負を業者の方々は持っていましたし、学校への愛着もあったし、信頼もあったんですよね。業者が自分たちで直す、直したところがどうなっているのかということも時々学校に見に来てくれるとか、ちょっとネジを締めておいたよとか、まさに地域の中の学校として信頼されて、業者も学校を支えているという誇りを持っていたわけですよ。
せめて公社発注の百五十万円以下の営繕工事というのは、昨年までと同じように、学校契約にしてほしいという要望が強いんですね。身近なだけに、また学校経営支援センターもいろいろ改善しているようなんですから、せめて百五十万円未満の営繕は学校契約に戻すことも検討すべきだと思っています。
そのための仕事の対応のためには、もちろん六人から四人に減らした事務職の定数をもとに戻すということは必要ですから、それらも含めて要望をしておきます。
この改善できることはやはり改善してほしいと思うんですね。供給公社に提出する書類が異常に面倒だとか、書き方が難しいなどの声が異口同音にいわれているんですね。書類などの改善は早急にできることではないんでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 修繕が完了いたしまして、支払いを受けるに当たって業者が住宅供給公社に提出をするのは、完了確認簿と完了報告書兼請求書という書類各一枚でございます。特段面倒で書き方が難しいという事実はないというふうに認識しております。
○大山委員 私も、一人や二人がいっているんだったら個別の問題かなというふうに思いますけれども、事務職の職員の人たちも聞いているし、アンケートにも結構書かれているんですね。写真を施工前、施工中、施工後と撮って、現像して添付する。どうしてそれが必要なのかというふうに聞いたら、これまで学校の事務室でやったときは、実際に見て、工事がきちんと行われていることをすぐ確認できたけれども、公社は一々現場に来ないから写真をということなんですね。学校でやればすぐのところを、公社に委託したために手間がかかって、業者さんも大変になっているわけです。実際に書類を書いている業者から意見が出ているわけなんですね。
先ほど特段面倒で書き方が難しいという事実はないと認識しているとおっしゃいましたけれども、実際にやっている、書類を書いている業者から意見が出ているわけですから、どこが面倒なのですかとか、どこがわからないのかということぐらい聞いてみるぐらいやってもいいんじゃないですか。どうですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 先ほどもお話しいたしましたように、完了確認簿と完了報告書兼請求書という書類各一枚でございます。具体的に支援センターの方に、そういう面倒であるという書き方の事実があるということは聞いておりません。
○大山委員 ぜひ、もう少し、意見が出ているんですから、わからない、聞いてみるぐらい、ちょっとやってみてください。
私、非常に気になることがあるんですけれども、ある高校で毎年のように割れるガラスがあって、野球部か何かのボールが当たるんですね。昨年は二万三千円で入ったガラスが、ことしもまた同じところが割れちゃったわけですね。公社を通してガラスを入れたら、四万八千七百二十円だったというんですね。去年は二万三千円、今年は四万八千七百二十円、同じガラスだというんですけれども、これはどういうことなのかと。同じガラスなのにどうしてこんなに値段が違うのかということが非常に疑問なわけです。ぜひこれはちょっと調べてください。
物品購入ですけれども、第一の問題というのが、学校が希望を出してから納期が長いということなんですね。納期が二カ月。昨年度までは、先生が欲しいといえば、二週間もすれば入ったわけですね。計画的に見通しを持ってやるんですよというわけですね、学校経営支援センター、教育庁はね。しかし、子どもがいて学校は動いているわけですよ。生きているわけですね。ですから、いろんなことがあるんです。
第二の問題は、意思疎通ができにくいということなんです。ある学校で、校庭が狭いものですから、体育のときなんかは三つに仕切って、ここはテニス、ここはサッカーとか、ここはバレーボールとかというふうに校庭を仕切って使っているんですけれども、その仕切るのは、自立ネットというさくですね。学校から仕様書を出しますけれども、大きさ、縦一メートル、横二メートルとかと書くわけですね。用途も書いて出しました。来たものは、大きさもネットの細かさなども合っていました。しかし、重さがなかったので、風で倒れてしまって使えないわけですね。業者は、持ち出し覚悟で土嚢を持ってきて、これでどうでしょうかといって持ってきてくれたということなんですね。四十万円までの学校で購入できる、直接の契約で購入するもう一つ別のを、倒れないようなのを購入することにしたけれども、結局、センター経由で買ったものは使い勝手が悪いから使わないことになってしまうんだろうというふうにいっているわけです。
学校と業者が直接やりとりできないというのは、今のケースでいったように、お互いに不都合なんじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 学校経営支援センターにおきましては、規格等の内容に不明な点があれば、学校に確認をしております。学校からの依頼内容を踏まえた適切な対応を行っているというふうに考えております。
○大山委員 依頼内容を踏まえた適切な対応になっているというふうにいっていますけれども、今、実際、事実として、ケースとして出したわけですね。業者からも、納品内容、規格等について学校に直接問い合わせることが禁止されている、センターからの資料では必ずしも明確でない場合がある、そのため、細かい品の交換などがあって手間暇がかかるというふうにいわれているんですね。しかも、さっき答弁されたように、学校経営支援センターがわからなかったら、学校に問い合わせをするわけですね。結局、学校に問い合わせするんだったら、学校と業者がやりとりした方がずっと素直だと思うんです。間にわざわざ学校経営支援センターが入って伝言ゲームのようなことをやらなくても済むわけですから、そうした方がずっと効率的だというふうに思います。
納品の範囲のことなんですけれども、例えば東部経営支援センターは足立区から大田区までの範囲ですね。かなり広い範囲ですね。それから、西部のセンターだったら多摩全域ですね。教材にしても、まとめて入札して、競争入札で落札するわけですけれども、例えば業者のこのアンケートで見てみると、車で一時間のところに折り紙一個のときがありましたとか、十数個一括契約で、遠方に少数納品などがあって、競争入札でわずかな利幅で落札したので赤字になったと、全く非効率じゃないのかというふうに思うのですけれども、どうですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 都立学校にも一定額の契約権限が残してありまして、少量の物品をセンター契約で行うということは一般的には考えにくいのでございますけれども、学校経営支援センターが契約を行うに当たりましては、可能な限り納品範囲を考慮するなど、適切に対応しているところでございます。
○大山委員 だんだんだんだん改善しているんだということなんでしょうけれども、事実としてさっきのようなことがあって、業者さんも困らせているということは明確なわけですね。ですから、さらにきちんと状況を把握して、改善することが必要だと思います。
業者への支払いのことなんですけれども、特に中小業者というのは資金繰りが大変なんですね。業者への支払いというのは納入完了日から一カ月以内というふうに約束されているようなんですけれども、三カ月かかっただとか、四十五から六十日かかっただとか、期限が守られていないようなんですけれども、どうなっているんでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 都における業者への支払い条件でございますけれども、検査完了後、適法な支払い請求書を受理した日から三十日以内ということになっております。
○大山委員 さっきから何度も、そういうことになっているとか、そうなっているとかというふうにいいますけれども、今も受理した日から三十日以内になっていますというふうにおっしゃいますけれども、そうなっていないんですという業者さんが大勢いるんです。だから、そうなっているはずというふうにいうんじゃなくて、実態がどうなっているのか、以前は四月、五月、六月ぐらいまではそうだったけれども、今は改善されているのかとか、その現状ぐらいは、なっているはずですじゃなくて、把握してもらいたいと強く要望しておきます。
それで、支払いについては、業者にとっては死活問題なんですよ。遅いとか、たくさんの書き込みがあって遅いとか、大変遅いため資金繰りが困りますとか、納品終了後一カ月以内に支払われる約束が守られていない、請求すると、今、込んでいるのでおくれるという返事、資金繰りに追われて大変迷惑、書類がたまっているので書類を出さないでくださいといわれたなど、非常に激しいわけですよ。
なれていないからそうなのか、それとも、必要な人員をきちんと配置していないからそうなっちゃうのかということなんですが、業者は困っているわけですから、現在どうなっているのか、実態を把握して、センターの人員が足りないなら、きちんと配置することも含めて対応することが求められていますけれども、どうですか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 学校経営支援センター開設当初におきましては、センターと業者間で、それのやりとり等で一部に円滑に進まなかった事例があったことは確認しておりますが、請求から支払いまでの期間につきましては、適切に履行されておりました。現在、書類のやりとり等を含めまして、円滑に業務の運営がなされているということでございます。
○大山委員 きちんと状況を把握して、おくれないようにしてもらいたい。足りないんだったら、きちんと人も配置しなければいけないと思っています。
この事業者アンケートでは、昨年度に比べて都立学校の売り上げは変化しましたかというふうな都の問いがあるんですね。三十九社のうち三十社が大幅に減少した、それから、減少したが四社ですから、圧倒的に、大幅に減少したか減少したなんですね。増加したとか大幅に増加したというのはゼロです。
昨年の第四回定例会のときの文教委員会の答弁では、「地元の中小業者の育成、これは都政として大きな課題でございますので、適切に対応してまいりたいと考えております。」というふうに答弁していらっしゃいます。まさにこれは反対のことが起こっているのではないかと指摘せざるを得ないわけです。
配達に時間と人がかかる、受注が減った、学校と直接対応ができないためにそごが生まれる、無理な単価を押しつけられる、これでは地元の中小業者の育成にはならないんじゃないでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 学校経営支援センターにおきましては、これまで都立学校と契約実績のある中小業者が公平に受注機会を確保できるよう配慮しているところでございます。
○大山委員 そんなことをいうけれども、さっきのアンケートでも、昨年度に比べて都立学校の売り上げは大幅に減少したが七六・九%なんです。ですから、実際はどうなのかということです。いろんな意見がありますけれども、購入ジャンルが広くなり過ぎ、パソコン機器と教材など同一にするため、扱い外の商品仕入れが高くなるとか、入札価格等を決定するまでに、件数が多いため時間がかかり過ぎる、入札なので必然的にトータルの価格が下がり、納入場所が何十カ所と多くなってくると、納入日、手間賃等もかかるので利益が全くないなど、さまざまな問題があるわけです。結局、大企業には都合がいいシステムになっているんじゃないかということなんですね。
この意見の中でも、大を重んじ小を軽んずる、地元密着をモットーにしてきた業者にとっては余りにもデメリットが大きい、地元業者泣かせなどなど、多くの意見が出されています。さっきいったように、地元の中小業者の育成が都政として大きな課題である、ですから適切に対応していきたいということと、本当に全く違うのではないかと指摘せざるを得ません。
このアンケートの中では、学校契約がいいというふうに回答した業者が九二・三%なんですね。校長先生を初め教職員も、直接契約にしてほしいということを望んでいます。やり方を見直すことが求められているのではないのでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 学校経営支援センターにおきましては、学校で行う施設整備事務を集中化することによりまして学校の事務量を軽減させ、効率性の向上と経費の削減を図るとともに、事務室の経営、企画機能を強化することを目指しております。しかし、一方におきまして、緊急の場合に柔軟な対応ができるように、一定額の契約権限等を学校にも残しているところでございます。
○大山委員 さっきから幾つもいっているように、それが当初の設置目的からなかなか実現できていないじゃないですかということをいってきたわけですね。
これは十八年六月八日付の学校における物品の買い入れ契約等の取り扱いについてという連絡文書ですけれども、学校執行分の案件を指定し、指定案件以外についてはセンター長に協議が必要との取り扱いを示してきたが、だから、学校で買うものについてもセンター長に協議が必要ですよというふうにいってきたんですよね、教育庁は。しかし、四、五月はなれていないので事前協議は必要ない、六月も継続したけれども、七月以降も協議は必要ないという事務連絡を出したわけですね。学校経営支援センターの設置目的が、学校業務を集約し、集中的に処理するという設置目的を踏まえて協議が必要ですというふうにいってきたのだけれども、実質的にそれは不必要だったということなんですね。学校経営支援センター自体、不必要なんじゃないかということをいわざるを得ないわけです。
学校に戻してもらうことを、校長も、教員も、事務職も、業者も望んでいるわけです。その際に、事務職を戻してもらわないといけないわけですね。実際、病欠も出ていますし、四人は既に退職をしました。サービス残業で毎晩八時、九時、月に百時間残業したという人もいたと聞いています。これでは子育てもできないということなんです。児童生徒にも、学校にも、それから業者にも矛盾が大きい。今、この四月からここまでやってきて、本当に矛盾が大きいわけです。
きちんと学校の現状だとか業者の状況だとか意見も聞いて、改善するところはする、不必要なら学校経営支援センターの存在そのものを勇気をもって見直すということが必要ではないのでしょうかということを述べて、質問を終わります。
○たぞえ委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○たぞえ委員長 速記を再開してください。
続行します。
○古賀委員 国歌斉唱義務不存在確認等請求事件判決について質問をいたします。
東京都及び東京都教育委員会は、去る九月二十一日の国歌斉唱義務不存在確認等請求事件における東京地方裁判所の、私どもから見れば非常識な偏向判決に対して、平成十八年九月二十九日、東京高等裁判所に控訴状を提出いたしました。
いうまでもなく、学校はすべての子どもたちにひとしく同水準の教育を受けさせなければなりません。それが、教員の愚にもつかない不健全な思想と行動によって、自国や他国の国旗・国歌を尊重するという世界共通の常識を教えてもらえないなどということがあっていいはずはないのです。ましてや、それに反することを教え込まれるなどということがあってはならないわけです。
それを、内心の自由があるなどと承服しがたい詭弁を弄して、日の丸や君が代を通しての国民としての教養や知識を学ぶ機会を奪われるとすれば、子どもを安心して学校に通わせることはできなくなります。だから、全国どこの学校においても一定の水準の教育が受けられるように、学習指導要領というものが定められているわけです。
さきの十月二十七日の決算特別委員会におきまして、我が会派の吉野利明議員の質問に対し、こう答弁しています。今後とも学習指導要領や通達に基づき、国旗・国歌の指導が適正に行われるよう各学校を指導し、教育課程の適正化を図り、児童生徒に対し国際社会に生きる日本人としての自覚や資質を育成していく、こう答えています。当たり前のことであります。
また、先般、我が党の宮崎幹事長名で、九月二十二日に、当該判決に対する抗議談話を我が党は発表いたしました。「驚くべき不当な判決を下した、わが党は、学校教育、ひいては青少年の人格形成をゆがめる歴史に残る不当な判決と考え、強く抗議するものである。」「かつて学校では、子どもたちの晴れ舞台である卒業式において、国旗を引きずりおろしたり、一部の教員がTシャツやサンダル姿で出席したり、本来厳粛であるべき式典は惨憺たるものであった。そのため、都教育委員会は長年にわたり学校運営の正常化に向けて取り組んできており、ようやくその成果が出てきて、都民の信頼を得てきたところである。また多くの教員も正常化に取り組んできたが、この判決はそれらの努力を否定し、学校を十年前の状態に引き戻すものである。」要約すればこういう抗議談話を我が党が発表いたしました。
わが国には国旗・国歌に関する法律がもちろんあります。圧倒的多数の国会議員の賛成を得て成立したものです。法に基づいて定められている学習指導要領が存在し、教員には子どもたちに国旗・国歌を尊重する態度を育てる責務があるのであります。このことは、去る十月三十一日、第百六十四国会、教育基本法に関する特別委員会においても議論がなされました。
ここで、いわずもがなのことでありますけれども、確認をしたいと思います。学習指導要領の国旗・国歌条項にのっとって、教員には、入学式や卒業式において国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する職務上の義務があるかどうか、この点についてどのような議論がなされてきたか、また、それに対する都教委の見解をお答えください。
○岩佐指導部長 先生がお話しのとおり、去る十月三十一日、第百六十四国会、教育基本法に関する特別委員会におきまして、伊吹文明文部科学大臣は、国会で決めていただいた学校教育法に基づいた政令により、当時の文部大臣の告示として発出されている学習指導要領は法律の一部である、したがって、これに従って学校現場の管理、指導をしていただくということは当然であるという趣旨の答弁をしているところでございます。
都教育委員会は、これまでも、国旗・国歌を指導する責務のございます教員に対して、学習指導要領に基づいて責務を果たしていただきたいということを校長に指導しているところでございまして、今回の政府答弁は、都教育委員会と同様の見解であると考えているところでございます。
いずれにいたしましても、公立学校の教育は、法に基づき公正、中立に行われていくべきものであると認識しているものでございます。
○古賀委員 今のお答えのように、教員には職務上の義務があるわけです。国会では政府が、国旗・国歌について教職員に職務上の義務があると明確に答えています。この質疑の中では、民主党も同様の見解をきちんと示しています。我々と意見が合わないところも、当然、政党が違いますからありますけれども、この点に関しては民主党の答弁は見事なものになっています。
これは、大臣答弁の後、民主党の考え方、意見はどうだという、稲田朋美さんというなかなか筋の通った議論を行う議員が質疑に立っているんですけれども、これに対して民主党は立派な答弁をしているんですね。公立の小中高の入学式、卒業式においての国旗・国歌の指導について、当然のことながら教職員はそれに従う義務がある、その第一の理由は、いろいろありますけれども、ご存じのように、ワールドカップとかオリンピックの中で日の丸・君が代が定着している、第二の理由として、学習指導要領において、入学式や卒業式においては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとする、こうあることから、公立学校の教職員にはこれらの告示等に従うことが要求されている、明快に民主党は答えています。これが常識だろうというふうに思います。それが理解できない政党や人がいるというのは、ちょっと情けない気がいたします。
教育は、中立性、普遍性を確保して、国民全体の意思に基づいて行われるべきものであります。国民によって選ばれた、国民の代表で構成される国会で制定された法律によって学校教育は行われる、当然のことであります。今まで一部の教職員団体、全教や日教組は、教育基本法第十条を歪曲して解釈し、教育行政が教育内容や方法にかかわることは不当な支配であるという主張を展開してきました。その結果、好き勝手なことをやる学校現場を生み出して、教育現場が混乱しているわけです。
そこでお尋ねいたしますけれども、こういったさまざまな、国旗・国歌の実施について、校長がやろうとするとそれを妨害する、また、国歌斉唱時に起立しなかったり、儀礼の場にふさわしくない服装で出席したりする教員がいたために教育委員会が出した通達は、果たして不当な支配に当たるのかどうか、見解はいかがですか。
○岩佐指導部長 本通達は、法的根拠のある学習指導要領に基づきまして、教育課程の適正な実施を求めることを目的として発出したものでございます。これは、卒業式等において、実施対応上、実に不適切な問題があったため、それを是正するために発出したものでございます。その内容も方法も教育課程の適正な実施のために必要かつ合理的なものであり、不当な支配に当たるものではございません。
○古賀委員 この判決の内容を踏まえて、先ほど共産党の委員の方の質疑にもありましたけれども、これは確定判決ではないので、これで何か舞い上がって何かが決まったように主張することは、大きな間違いであります。いろいろチラシ等も出ておりますけれども、全面勝利判決をかち取るとか、何か決まったかのようなビラが出ていますけれども、これは今後、高裁の場でまた争われるわけでありますので、余り非常識な、こういうあきれた判決に浮かれない方がいいというふうに私は思います。
東京都は、判決後、控訴するとともに、都教委の従来からの方針は変えないということを校長先生たちを集めて指導しています。適正に今後実施していくために、都教委が学校現場をさまざまな形で支えていくというのは当然のことあります。今後、この判決を盾にとって、憲法違反だとか、違法だとか、不当な支配だとか、判決を守れというような混乱をさせる組合活動や運動が予想されるわけです。
先般、もうその例は、一つ顕著なものを申し上げますけれども、あらわれているわけです。ある学校行事で、正門の横に国旗掲揚の金具が取りつけてありまして、そこに国旗が出されていたわけでありますけれども、何と旗ざおの上部に、二カ所でとめる国旗のひもがありますけれども、それを一カ所にくくりつけて、まさに、校長が出せといったから出すけれども、おれたちは可能な限りの妨害をしてやろうということだったと思いますけれども、正門の横の国旗がそのような形で掲揚されていたという例も起きているわけです。だから、既に、この判決を盾にとったそういう妨害というものが現に発生をしているわけです。
東京都教育委員会は、今後、学校現場が混乱をしないように、第一線でそういう不逞なやからと対決をしている、そういう対決を強いられている校長を初め管理職を守り、支えるという姿勢が大変重要だというふうに思います。
都教委は、東京都もそうですけれども、東京高等裁判所に控訴いたしました。この点は正当な対応であったというふうに思いますし、今後、学校長に対して必要な支援を、既に行っているわけでありまして、そのことも私の立場で評価をして、質問を終わりたいと思います。
○たぞえ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後四時十三分休憩
午後四時二十八分開議
○たぞえ委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開します。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○初鹿委員 文教委員会に入りまして、初めて質問させていただきます。
この文教委員会に配属されまして、十月から、葛飾の盲学校、そして文京盲学校、久我山盲学校、そしてきのうは光明養護学校寄宿舎と、幾つか、時間の許す限り視察をさせていただきました。本当にお時間のお忙しい中、対応してくださった理事者の皆さん、ありがとうございました。また、文京盲学校には服部先生も行かれたということで、同じ思いを持っている方が委員の中にいるということで大変心強く思いますので、これから視覚障害教育について、ともに頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私、今まで厚生委員会に三年間おりまして、障害者の問題について取り組んできましたので、きょうは特に盲・ろう・養護学校に関して、何点か質問をさせていただきます。
まず、教員について伺います。
盲学校、葛飾、そして久我山、文京と伺いまして、授業を拝見させていただいて、やはり非常に大変だなということを感じました。
まず私がなぜ盲学校を最初に行かせていただいたかといいますと、自分が最も理解するのが難しい、それが目の見えない障害ではないかなと思って選んで行ったわけですが、やはり行ってみて、本当に難しいなと。なかなか理解も難しいし、対応するのも非常に難しいなということを感じました。特に盲学校の場合は、全盲の生徒もいれば、弱視の生徒もいるということで、全盲の生徒は点字を使って授業を行う、弱視の生徒は大きな字の教科書を使ったり、拡大をする機械を使って授業を行うということで、これは教員の方もかなりの経験と専門性を有しているということ、そしてまた障害の特性をよく理解しているということが必要なんだということを、改めて認識をさせていただきました。
恐らくこれは、ろう学校でも、また知的の、また肢体不自由の養護学校でも同様なことがいえるのだと思います。つまりは、この盲・ろう・養護学校の教員には、それぞれの障害の特性を理解して授業に取り組むという高度な専門性が求められているんだと思います。
まずそこで確認をさせていただきますが、現在、盲・ろう・養護学校における盲・ろう・養護学校の教育免許状を有する教員は実数として何人いて、その割合はどうなっているのか、またその推移も含めてお伺いさせていただきます。
○松田人事部長 平成十七年の五月一日現在でございますけれども、教員の免許状の取得状況は、盲学校で百七十七人中百三十三人が取得しておりまして、取得率は七五・一%、平成十五年と比較いたしますと、二・二ポイントふえております。
ろう学校におきましては、三百二十一人中二百一人が取得しておりまして、取得率は六二・六%、同じく平成十五年と比較しますと、四・九ポイント増でございます。
養護学校では、三千八百八十二人中二千二百十四人が取得をしておりまして、取得率は五七・〇%、平成十五年と比較して七・八ポイント増でございます。
全体といたしましては、四千三百八十人中二千五百四十八人が取得済みで、取得率は五八・二%、平成十五年と比較いたしますと、七・四ポイントふえております。
○初鹿委員 この二年間で、大体平均して七%を超えていて、取得率は六割に近づこうとしているということで、かなり努力をされているんだと思いますが、やはり根本的に免許を持って新規採用されるという方が少ないことが、こういう取得の割合が低いということにつながっているんだと思います。
そこで、現在の免許法では、盲・ろう・養護学校に勤務をする教員が必ずしも免許を持っていなければならないわけではないですね。前提条件にはなっていません。しかし、持っていることが望ましいことは、皆さんも、そう理解をされているんだと思います。
そこで、新規採用者について、盲・ろう・養護学校の免許を取得している取得者の数と、その取得率はどのようになっておりますか。
○松田人事部長 平成十七年度の新規採用者では、盲学校は、十一名中、免許取得者は三名で、取得率は二七・三%、ろう学校では、九名中、免許取得者は五名、取得率は五五・六%、養護学校では、百六十六名中、免許取得者は九十六名、取得率は五七・八%でございます。合計では、百八十六名中、免許取得者は百四名でございまして、取得率は五五・九%となっております。
○初鹿委員 やはり盲学校はかなり低いなというのが印象なんですが、そもそも盲学校やろう学校の教員免許を養成する大学自体が全国的にも少ないわけですから、この数字はやむを得ないと思います。しかし、先ほど一問目でもありましたとおり、かなり、その中で採用されてから免許を取得させるように、またするように取り組んでいることが、全体として六割ぐらいまで、特に盲学校は取得率七五%まで上がっているわけですから、努力をされているんだなということは一定の評価をします。必ずしも、盲・ろう・養護学校の免許を持っていれば、高い専門性を有しているということではないと思いますが、やはり一定の目安になるんだろうと思いますので、今後も引き続き、その点については努力をしていただきたいとお願いをさせていただきます。
ところで、今後、この盲・ろう・養護学校の免許が統合されていくというふうに伺っております。その統合されていく過程の中で、もともと大学で盲の免許、ろうの免許を養成する学校が少なかったわけですから、養成が統合された免許の中でしっかりと行われるのかというと、多少不安を感じるんです。視覚障害教育、また聴覚障害教育の専門性が重要だというのは変わりがないわけで、新しい免許になったからといって、その養成の段階でおろそかになってしまってはならないということをまず感じております。
先ほどもいいましたけれども、免許を持っているからといって専門性があるというわけではないというふうに私は思いました。やっぱり現地に行って感じたのは、実際に生徒と接して、実際に教えてみて、その上でさまざまなことを学び、そして気づいて、いろいろな工夫をしながら専門性が高まっていくんだなということを改めて感じるわけで、やはりその経験を積んでいくということが重要なんだと思います。
しかし、だれもが最初は経験はないわけですし、だからといって専門的な能力の高い教員だけに頼っていては、その教員がいなくなった後、当然困ってしまうわけです。後に続く者がいないということになっては。つまりは、免許を取得していない、また、経験もないという新規の職員を育てていって、高い専門性を持つ教員へと伸ばしていくということが必要なんだと思います。
そこでお伺いしますが、盲・ろう・養護学校の専門性の高い教員をどのように育成をしていくのか、ご見解を伺います。
○岩佐指導部長 盲・ろう・養護学校におきましては、児童生徒の障害の特性等に応じた授業ができる専門性の高い教員の育成が重要でございます。そのため、初任者研修や十年経験者研修などでは、障害種別の発達特性の理解や指導法の工夫等の研修を行っております。また、教員採用四年次に実施いたします授業観察や、今年度開設した東京教師道場では、心身障害教育専門の指導主事等が、授業研究を通しまして、教員一人一人に直接、指導、助言をしております。
今後も、心理、医療、福祉等の関係機関とも連携いたしまして、研修内容、方法を充実し、より専門性の高い教員の育成を図ってまいります。
○初鹿委員 ぜひ頑張って、よりよい教員を育成していただきたいと思います。
ところで、現在、これは盲・ろう・養護学校に限ったことではない話だと思いますが、新任の教員に対する保護者の見方というのは大変厳しいものがあります。これは本当に盲・ろう・養護学校に限ったことではないと皆さんもご理解をされていると思いますが、特に障害の特性を理解して教育に当たらないとならない盲・ろう・養護学校においては、やはり新任の教員や、他の校種から転任をしてきた教員が、果たして自分の子どもたちの障害を理解して授業を行ってくれているのか、またくれるのか、そもそも障害の特性をわかっているのかということを、非常にPTAの皆さん、不安に感じているんですね。しかしながら、新任の教員も専門性を上げて、専門性の高い教員の数をふやしていかなければならない、それは皆さん方の立場としては当然そうあるべきだと思います。ここが私は非常に難しいところだと思います。
親の要望としては、できる限り自分の受け持つ先生は経験の積んでいる人がいいと思うのは当然です。しかし、そういう先生ばかりで学校を運営していたら、いつまでたっても若い先生たちが育っていかない。これは本当に皆さん方もジレンマに感じているのではないかと思います。
学校の将来、都の教育委員会としての将来、また教員としての将来を考えれば、やはりいろんな先生を育成して、専門的な知識を身につけさせていくということは必要です。しかし、一生徒、一親からすれば、貴重な一年間、新任の教員に教わって、それで、本来だったらもっと伸びていくところが、そこが不十分になってしまったらどうしようかという、そういう不安を持つのは、やはり当たり前のことだということを、まずぜひご理解をしていただきたいと思うんです。
ですから、ここで私がいいたいのは、やはり子どもたちに最良の教育を行うためにも、新任の教員や他の校種から転任をしてきた教員へのサポートをしっかりすることが必要だと考えますが、この点についてはどのように行っているのか、お伺いいたします。
○岩佐指導部長 現在、盲・ろう・養護学校におきましては、校内で専門性の高い教員が授業の持ち時数の軽減を受けまして、指導教員として、初任者へ年間三百時間の授業研究等の指導を行っているところでございます。
また、他校種から転任した者に対しましても、年度当初から校内研修を実施したり、複数担任による授業の中で経験豊かな教員が指導、助言したりすることで専門性の育成を図っているところでございます。
今後も、管理職による授業観察などを通しまして、教員一人一人の専門性の程度を把握し、新任教員や他校種から転任してきた教員の育成を一層充実してまいります。
○初鹿委員 非常にきめ細かくサポートをしているということは理解をします。
しかしながら、もう一歩提案をさせていただきたいんですが、今、皆さん方も認識をされていると思いますが、数年後に団塊の世代が大量に退職をされて、多くの、元気なんだけれども、そしてまた社会貢献をしたいという気持もあるんだけれども、退職をされるという方が教員の中でも出てくると思います。そういった方をうまく活用して、新任教員の指導やサポートをするような役割を担ってもらったらどうだろうかと思うんです。
ボランティアというのが多分好ましいと思うんですが、その辺は皆さんで工夫をしていただきたいと思いますが、やはり盲学校で長く教鞭をとっていて、それなりに自負を持っている、そういう方が退職をされたら、そのノウハウというのを、そのまま退職されて、家に持って帰ってしまうのはもったいないと思うんです。ろう学校でもそうですし、養護学校でもそうだと思います。そういう、非常にすぐれた教員の方、退職された方をうまく活用して、新任の教員のサポートということをしていただけると、もっともっと、よりよい教員が育っていくのではないかと思いますので、この点は提案とさせていただきます。
ところで、視察を行った際に、多くのPTAの親御さんとお話をさせていただきました。その中で、一つ、彼、彼女たちが不安に思っていて指摘をされたことがあります。それは、せっかく盲学校に入って、専門性もついてきて、なれてきて、いい先生になってきたなと思った矢先に、ほかの学校に、しかもほかの校種の学校に異動してしまう、これはもったいないのじゃないかというような指摘を受けました。
事実関係も含めてちょっと確認をさせていただきたいんですが、都では、この教員の異動に関して、どのような考え方を持って、どのような対応をとっているのか、お伺いいたします。
○松田人事部長 盲・ろう・養護学校教員の定期異動についてでございますが、現任校において引き続き三年以上勤務する者を異動の対象としておりまして、そのうち、引き続く勤務年数が六年に達した者は異動するものとしております。けれども、校長の具申に基づいて、学校経営上、引き続き勤務させることが必要であると東京都教育委員会が認めた者については、異動の対象としないこととしております。
今後とも、校長の意向を尊重しながら、適材適所の配置と人材育成に資する人事異動を行ってまいりたいと考えております。
○初鹿委員 つまりは、勤続年数だけにのみこだわることではなくて、学校の実態に応じて、特に学校の経営に当たっている校長先生の意向を尊重して柔軟に異動を行っているということでよろしいんですよね。今後も、学校の教育力が低下することがないように、学校の実態に配慮をしながら人事異動を行っていただきたいと思います。
しかし、今回の視察でも私は感じましたし、以前から養護学校などを訪れて感じてきておりますが、非常に今、障害が重複している児童生徒さんがふえていますよね。盲学校でも知的な障害のある生徒、また盲とろうをあわせ持つ盲・ろうの生徒さんもいて、その授業を拝見させていただいて、本当にコミュニケーション一つとるのも大変な努力が要るんだなということを感じさせていただきました。
こういったことを考えると、やはり幾つかの業種というか、幾つかの校種を経験していくということもやはり必要なんだということを思いました。しかし、特に専門性の高い、例えば盲の専門性が高い先生は、やはり盲の学校でその力を発揮できるようになることが望ましいとは思うんです。ですから、できるだけ若いうちに二つなり三つなり、幾つかの校種を経験させていって、その中で、その教員が、例えば盲学校を一生懸命やりたい、そして盲学校の専門性が高いということであれば、複数経験した後にまた盲学校で頑張ってもらえるような、そういう人事異動ということをぜひお願いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ところで、盲・ろう・養護学校については、こちらの特別支援教育推進計画にも書いてありますけれども、小中学校に在籍する障害のある児童生徒についての支援などのセンター的機能の充実というものが求められております。現在、その点については特別支援教育コーディネーターというものを教員の中から指名して、そのコーディネーターが中心となって対応しておりますが、どうも非常に業務が忙しいように感じました。
例えば、私、ちょうど久我山盲学校に行ったときに、その話をさせていただいたんですが、特に盲学校は全都で四つですね。そうなると、非常にコーディネーターが受け持つ範囲というのが広いんですね。非常に広い。そこでいろいろな相談を受けていくわけですが、一つの学校に出向いていかなければいけないというと一日仕事になってしまう。そうすると、出ている間、だれかがその穴埋めをしなければならないということになるわけで、やはり非常に負担も多いし、学校にとってもコーディネーターが頑張ってもらいたいという気持はあるかもしれないけれども、頑張ると学校の方も支障を来すということになっているんだと思います。
その点を踏まえて、私は、この特別支援教育コーディネーターについては専任配置を図るべきではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○荒屋参事 教職員定数につきましては、国の、いわゆる標準法に基づき配置しているところであります。しかしながら、特別支援教育コーディネーターにつきましては、標準法に専任としての定めがないため、都教育委員会は校務分掌の一つとして位置づけているところでございます。
なお、盲・ろう・養護学校が転換する特別支援学校が、地域の特別支援教育のセンター的機能を発揮するために必要な教員配置等に対する財政措置につきましては、国に対して要望しているところでございます。
○初鹿委員 ぜひ、この要望が実現するように、我々議会も頑張っていきたいと思いますし、皆様方も頑張っていただきたいと思います。
そもそも、今の総理大臣は、教育が大切だといいながら、教員の定数を削減していこうという方針を出していること自体、私は非常に矛盾しているなと感じておりますので、ぜひ皆さんも声を上げていただきたいと思います。
次に、盲学校の専攻科について伺います。
文京盲学校を視察させていただきまして、特に専攻科の授業や教材など拝見させていただいて、非常に驚きました。専攻科は中途障害の方が多くて、年齢も比較的高い方が多い。また、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といった国家資格を取得することを目的としているということはわかってはおりましたが、実際に見てみて、その三つの資格を取るのが非常に難しいんだなということを感じました。
恐らくこの中にいる人も、この三つの資格を取得しようと思ったことがある人は一人もいないと思うので、どういう内容の勉強をすればいいのか、服部先生は行かれたので見ていると思いますが、見るまで、そんなに難しいことをやっているのかということに気づかないと思うんです。はり師、きゅう師になると、解剖学から何からやっているということで、これは本当に、難しいからこそ、取った後にしっかりと仕事ができるんだなということを再認識させていただいたんですが、これだけ難しい資格です。入学して、卒業した方が全員国家資格が取れているのか、やはりちょっと不安になるわけです。
そこで伺いますが、国家試験の合格状況はどのようになっておりますか。
○荒屋参事 盲学校高等部専攻科には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を取るため、理療科と保健理療科を設置しております。このうち、あん摩マッサージ指圧師の資格のみを取得できる保健理療科の平成十七年度卒業生十名のうち七名があん摩マッサージ指圧師の試験に合格しております。
一方、三つの資格が取得できる理療科につきましては、平成十七年度卒業生十八名のうち十六名があん摩マッサージ指圧師を持って卒業したほか、はり師、きゅう師の試験には、それぞれ十二名ずつが合格しております。
○初鹿委員 保健理療科では七名が、そして理療科ではあん摩マッサージ指圧師で十六名、はり師、きゅう師で十二名ということですが、裏を返してみると、五名の方が卒業したけれども、国家試験に合格できずに資格を取れないまま卒業してしまったということですね。専攻科に三年通って、国家試験を目指していたにもかかわらず合格できない、これは本人の責任もあるかもしれないけれども、やはり現状で目の不自由な方が、それ以外に就労先を見つけるということがなかなか難しいことを考えると、やはりできる限り、卒業してしまった後も勉強して資格が取れるようになってもらいたいと私は思うんです。もう一踏ん張りすれば取れるかもしれない方というのも、その中にいると思います。
そこで、卒業をしてしまったけれども、取れなかった方に対して、何らかのサポートやフォローをまずしていただきたいと思います。
それと、やはり最近、この理療の世界でもなかなか技術の進歩が激しいということで、資格を取った後もいろいろと新しい知識を習得していかなきゃいけないというふうに聞いております。福岡県や北海道では、国家資格を取得した後の卒業生に対してサポートをする、福岡県では研修科という呼び方、そして北海道では理療研修センターという呼び方をしますが、そういう、卒業生をサポートするようなコースというものが設けられております。
東京都においては、このような取り組みを行うつもりはあるのかないのか、お伺いいたします。
○荒屋参事 国家試験に合格できない者につきましては、現在でも、進路指導の一環として、学校の教員がフォローしているところでございます。一方、研修科につきましては、学校教育としての位置づけや福祉政策、障害者雇用施策との関係で、かなり難しい課題であると考えております。
いずれにいたしましても、盲学校における職業教育の充実という観点での検討を行ってまいります。
○初鹿委員 なかなか難しい課題もあると思いますが、ぜひ卒業生のことを最大限に考えて、対応していただきたいと思います。
続きまして、寄宿舎について伺います。
先ほど来服部理事、そして石川理事からも質問がありましたので、重複しないようにいたしますが、私も盲学校の親御さんとお話をして、この通学困難というのが時間で切られると非常に不安だというお話がありまして、先ほど服部理事への答弁の中で、視覚障害というのも通学困難なんだという答弁をしっかりといただきましたので、これは本当にしっかりそのような方向で進めていただきたいと思います。
それで、私、盲学校に何度か足を運んでいたからだと思いますが、盲学校の寄宿舎に入れている方から手紙をいただきまして、お会いしたときにはなかなか話ができなかったので手紙を書きますということで渡されました。そこには、お二人いるんですが、一人の方は車で二十分ほどかけて通っているということなんですが、盲・ろうのお子さんだそうです。車内で、手を離すと、自分の顔を強くたたいて自傷行為をしてしまう、家の中でも私の手を取り、離れてしまうと顔をたたきます、食事の支度、戸を閉めるとき、トイレに行くときなど、すべてにおいて離れることができません、仕方なく手を離すと、すぐたたき始めるからです、娘が寄宿舎に泊まっている二泊で、私はレスパイトされています、また、兄弟にもかかわる時間もつくれますというようなことが書かれております。
本来の寄宿舎の役割とは異なるかもしれませんが、やはり寄宿舎にお子さんを入れる、入舎させるということによって、その間、随分と親御さんたちもレスパイトされているんだな、休息されているんだなというふうに感じます。
さて、この親のレスパイトという観点でも、私は寄宿舎の意義はあるのだと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○荒屋参事 これまでも親のレスパイトの理由では入舎を認めていませんが、児童生徒が入舎をした結果、親のレスパイトにつながったことが推測されます。親のレスパイトなど、保護者の休養、リフレッシュの機会を確保するには、区市町村が提供する総合的な福祉サービスを利用していただくことになると考えます。
○初鹿委員 私も、今の答弁はもっともだなと思います。しかし、親御さんたちがなぜこのような手紙を送ってくるかというと、やはり現状、区市町村の福祉サービスが十分ではないからなんだと思うんです。二十七年度までに十一ある寄宿舎を五つに減らすという方針を出しておりますが、二十七年度までに皆さん方からもぜひ福祉の分野に働きかけをして、今まで寄宿舎が担ってきた役割がしっかりと地域の福祉サービスの中で実現できるように、ぜひ皆さんの方からも働きかけていただきたいと思います。
もう一通の手紙は、寄宿舎は、多岐にわたる年齢層の人々が共同生活を送っています、そこでの人との交わりは社会性を身につけるために欠くことのできないものであります、また、周りには自分より障害の重い者がいて、今までの甘えた考え方、生き方を自然と正してくれるかのように、我が身を振り返ることが多くなったようです、障害を持つ自分が他人の役に立っていることを実感できる喜びが大きな自信につながっていくのだと思います、家庭から通学しているだけでは決して得られない有形無形の教訓を寄宿舎での生活の中で学び取り、楽しく生活しているのが手にとるように伝わってきますというふうに書いてあります。
つまりは、教育上も意味があった、意義があったということなんだと思います。やはりこの寄宿舎で生活することによって、これが日常生活の中の訓練にもつながっていたと。それに対して、先ほど、生活訓練や宿泊行事の充実、また長期休暇中の利用などを通じて、寄宿舎のある学校ない学校を問わず、そういった部分についてはしっかりとこれから取り組んでいくという答弁をいただきまして、それはしっかり進めていただきたいと思います。
特に今、障害者自立支援法というものができまして、障害を持った人たちは施設から地域で暮らすということになります。つまり、そのためには、この高校を卒業するまでの十八年間で地域で生活できるような能力を身につけさせるということが、やはり今、非常に求められていると思いますので、その点を十分に配慮をしていただきたいと思います。
それともう一点、これは私も親御さんとお話をするまで気づかなかったことですが、伊藤まさき議員も決算委員会でも質問をされたようですが、障害を持っているお子さんというのは、地域で暮らしていないので、家に帰ってしまうと、地域に友達がいないんです。そうすると、家に帰ると、いつも母親とずっと向かい合って過ごさなければいけない。しかし、寄宿舎に入舎をすれば、そこで友達と遊ぶことができる。子どもの教育ということを考えたときに、やはり友達と遊ぶということも重要なんだと思うんです。そのことなくして子どもは発育できないといっても過言でないぐらい、やはり友人との結びつき、つながりというのは必要だと思います。
このような観点からも、やはり教育上の入舎も必要ではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○荒屋参事 これまで、教育上の理由による入舎により、友達と過ごすことを通して、集団生活におけるマナーなどを身につけたりするなどの役割を果たしてきました。友達と過ごすことを通して集団生活におけるマナーなどを身につけることは、寄宿舎の設置の有無にかかわらず、ろう学校や養護学校の児童生徒にも必要なことでございます。このため、盲・ろう・養護学校では、集団生活における指導については、生活指導や宿泊行事等の充実に努める必要があると考えております。
○初鹿委員 そうはいっても、そもそも地域に遊ぶ友達がいないということも問題なんだというふうに私は思います。学校を卒業してしまえば、自分の自宅を中心に地域の中で暮らしていくようになるわけですから、そこで結びつきが全くないというのは、やはり生徒にとっても親にとってもいいことではないのではないかと思うんです。
そこで、この盲・ろう・養護学校に在籍する児童や生徒が地域の小中学校とつながりを持つということが必要だと思いますが、どのように考えておりますか。
○荒屋参事 盲・ろう・養護学校に在籍する児童生徒は、子ども同士の触れ合いの場が主に在籍校に限定され、居住する地域とのつながりが希薄化してしまう傾向にあります。このため、都教育委員会では、平成十七年度からモデル事業の成果をもとに、居住地域の小中学校を地域指定校として、副次的な籍を持つ副籍制度を全都的に展開し、児童生徒の障害の程度や状況に応じ、学校、学級便りの交換、学校行事への参加、教科等の共同学習を実施していきます。このことを通じて、障害のある子どもと地域の子どもたちとのつながりができていくと考えております。
○初鹿委員 この副籍制度を本当に実効の上がるものにするためには、区市町村の教育委員会、また学校というんですか、障害を持っている子の副籍の、在籍することになる学校の協力というものが非常に重要になってくると思いますので、その協力をしっかり得られるように、ぜひ努力をしていただきたいと思います。
この問題を考えていくと、障害児の放課後の過ごし方ということに最後は行き着くんではないかと思うんです。今、一般の学校だと、すべての学校が、全児童対策ということで、学校にそのまま五時まで残れるようにしましょうということが進んでおりますが、そこには、この盲・ろう・養護学校に行っているような障害を持っているお子さんのことが全く視野に入っていないように感じます。
私は、そういうことを考えると、障害を持っているお子さんたちの放課後対策というものも、やはり取り組んでいかなければならないのではないかと思っておりまして、一つ提案ですけれども、養護学校の授業が終わった後、学校施設を、そういう活動に取り組んでいるようなNPOなどに開放して、学校の中で何らかの活動を、スポーツでもいいですし、音楽でもいいですし、できるようにさせてあげたらどうなのかと思いますので、ご検討をいただければと思います。
最後に、就労支援についてお伺いいたします。
この推進計画の中でも書いてありますけれども、職業的自立に向けた職業教育の充実ということが書かれておりまして、特に知的障害の軽い生徒を対象とした職業教育の充実ということが挙げられております。
先日、皆さん方教育庁のところに南大沢学園養護学校の職業科の学生がインターンシップに来ているということで、十一月十日に、実際に働いている現場にお伺いして、仕事ぶりを拝見させていただきました。
私、大変驚いたんですが、パソコンを使って何か資料をつくっていたんですが、エクセルの知識が非常にあるんですね。簡単にというか、的確にこなしていました。また集中力も非常にあって、私が話しかけても、なかなか答えが返ってこないように集中していたという状態でした。また、担当してサポートしている職員の方からもお話を伺いましたら、会議で配る資料を束ねてホチキスどめをさせてみると、最初はなかなかうまくいかなかったけど、だんだんなれてくると、だれよりもきっちりと四隅をそろえてとめていくということだそうです。そういうことを見てみると、実際に就労もできるんではないかなというような感じを持っていくんですが、そういうインターンシップを経験させていくというのは非常に重要だと思います。そこを教育庁が率先して取り組んだということは、評価いたします。
そこで、この取り組みを都庁全体にぜひ広げていただきたいんですね、ほかの局にも。局の中には福祉局や産業労働局といったように、障害者の雇用について何らかのかかわりがあるところはそういったことに理解があるかもしれないんですが、その他の局はどうなのかなというふうに感じております。この取り組みを他の局にも広げていくべきだと考えますが、いかがでしょう。
○荒屋参事 東京都教育庁における養護学校生徒の現場実習の受け入れは、養護学校の生徒により多くの現場実習の場を提供し、さまざまな経験を積ませ、卒業時に企業等への就労促進に資することを目的に本年度より実施することとしたもので、先週、十一月六日から五日間、六名の養護学校生徒の実習受け入れを行いました。来年度以降も引き続き本事業を実施するとともに、その充実を図ってまいります。
今後、本年実施した実習内容につきましては、他局へも情報を提供してまいります。
○初鹿委員 ぜひよろしくお願いします。特に、採用に関することをやっている局には、どことはいいませんが、積極的に働きかけをお願いいたします。
ところで、養護学校に伺って校長先生とお話などをしていると、インターンシップでいろいろな企業に受け入れをお願いするのに、個々に当たったりして非常に苦労されているようなんですね。さらに、インターンシップではなくて就労先ということになると、これも非常に苦労をされているということです。そこで私からの提案なんですが、このインターンシップの実習の受入先や卒業後の就労先を開拓する上で、幾つかの経営者の団体をうまく活用したらどうかなと思うんです。
私、地元でライオンズクラブに所属をしているんですが、ライオンズクラブ、またロータリークラブやJCなど、そういった団体は基本的に奉仕団体で、障害者の方の支援を行ったり、さまざまな奉仕活動をしているわけで、恐らく皆さん方がインターンシップをお願いしたときに理解を示してくれる企業が非常に多いんではないかと思うんです。こちらにいる中村議員のお兄さんは、つい二年前はライオンズクラブの東京の全体のリーダーをしていたこともあるように、議員の中にもそれぞれのクラブなどに所属している方も多いと思いますので、ぜひ、そういう団体に対して組織的な働きを含めて考えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○荒屋参事 平成十七年度から、養護学校などの生徒の実習先、就労先の確保のため、東京都教育委員会は企業向けセミナーを実施しております。ご指摘のライオンズクラブなどへも企業向けセミナーの参加を呼びかけるなど、障害者雇用に向けた組織的な働きかけを検討してまいります。
○初鹿委員 ぜひよろしくお願いします。
最後に一つ、これは提案ですけれども、文京盲学校に行ったときに、企業内ヘルスキーパーに就職をしている卒業生が最近ふえているということを伺いました。企業内ヘルスキーパーというのは、企業の中にはり、きゅう、あんま師の施術室を設けて、そこで視覚障害の方を企業が雇用して、企業で働いている社員の方がそこでマッサージやはりやきゅうを受けるという、そういうところなんです。IBMが最初につくって、今では導入企業が、ここに導入企業一覧というものをいただいたんですが、約百社あります。これを盲学校の校長会の皆さんが、全国産業教育フェア東京大会でブースを出しまして、導入の実態と成果という冊子を配って普及を図ったようですけれども、これも経団連とか東京経営者協会とか商工会議所とか、ある程度大企業じゃないとできないと思いますので、そういうところを通じて、こんな取り組みもぜひ行っていただければということを提案したらどうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○大松委員 都立の専門高校についてお伺いいたします。
その前に、国旗・国歌につきまして、ただいまもさまざまな議論がございましたけれども、この問題の本質は、やはり特定の政治的意図を持った人によって、本来、静穏であるべき学校現場が混乱をしている、こういう側面を絶対に見逃してはならないわけでございます。私も都立の高校の卒業式によく参加をさせていただきますけれども、校門の外でビラを配っておられる方がいらっしゃいます。この人は、本当に子どものことを考えて、かわいいと思っているのかと私は率直に思うわけでございます。この問題につきましては、今、裁判で係争中ではございますけれども、先ほどの共産党の論調にあおられて、再び学校現場が混乱をすることがないように、教育庁には適切な対応をお願いしたいわけでございます。
先ほど、共産党の論調に対して手前勝手と申しまして、お気に召さないようでございますけれども、お気に召さないのであれば、独善的であると、このようにいわせていただきたいと思います。
本来、民主的な裁判制度の中において控訴する権利はあるわけでございますので、それさえも否定的ないい方をすることにつきましては、私はどうかと、このように思うわけでございます。
それでは、本論の都立の専門高校についてお伺いいたします。
少子化に伴う生徒数の減少や生徒の価値観の多様化といった変化に対応するために、今、東京都の教育委員会におかれましては、特色ある学校づくり、また学校の適正配置など、都立高校の改革を進めておられるわけでございます。この中にありまして、工業、商業、農業高校など専門高校におきましても新しいタイプの高校づくりなど、改革が進められているわけでございますけれども、今なお、専門高校は入りやすいから入ると、こういう消極的な評価があることは残念でございます。先ほども小石川工業高校のお話がございましたけれども、この専門高校からは多くの人材が輩出しまして、それぞれの歴史や伝統がございます。こうした専門高校のよさをもっと伸ばして、それをアピールしていく改革、取り組みが必要である、このように思うわけでございます。
そこで、まず専門高校の第一の魅力として挙げられますのは、何のために学ぶのかという目的観、職業観が正しく培われまして、就職におきましても大変有利であるということでございます。この何のために、これは人によりまして、また時代によりましてさまざまということもございますけれども、自分だけのためということではなく、他者のためにという、この大きな目的観は普遍的なものとして共有できる、このように思うわけでございます。
困っている人を助けたい、人の役に立ちたい、また人を喜ばせたい、こういうだれしもが持っている感情でありますけれども、これが具体的な目的観に結びつき、そこに勉学がかみ合ったときに、教育の真価は発揮されるわけでございます。そして、こうした理想的な教育を実践していただいておりますのが、工業、商業、農業の専門高校である、このように思うわけでございます。
こうした専門高校のよさを伸ばしていくためには、生徒さんが、自分が学んでいる技術、知識が人々の暮らしの中でどのように生かされて、また貢献をしているのか、こういうことが実感できるような環境を整えることが大事である。それには、地域社会との接点をふやしていくということが大変有効であると思っております。
そこでお伺いをいたします。東京都の教育委員会は、平成十六年度から、都立の六郷工科高校に学校と現場を行き来しながら学べるデュアルシステム科を創設するなど、地元の企業と連携した教育に力を入れておられますけれども、生徒の皆さんにどのような変化があったのか、まずその評価をお伺いいたします。
○岩佐指導部長 平成十六年度に全国に先駆けて開校いたしました六郷工科高校のデュアルシステム科は、百社以上の地元企業の協力を得まして、生徒にインターンシップや長期就業訓練を実施しております。長期就業訓練を体験した生徒は、創意工夫して物をつくる力や事業内容への興味、関心がより一層高まるとともに、コミュニケーション能力などの社会性を身につけてきているところでございます。
○大松委員 専門高校の就職率が高いのは、地元企業とのつながりもあるわけでありますけれども、やはり生徒の皆さん自身が頑張って、職業人としての資質を上げているからでございます。このデュアルシステム科においても、そうした教育成果が上がっているものと期待をしているものでございます。
次に、また新しいタイプの専門高校として、来年、産業高校が開校する予定になっております。商業、工業を融合いたしまして、ものづくりから流通、販売までを一貫して学べるという意欲的な取り組みでございます。この産業高校におきましても、地域社会との連携は不可欠でございますし、さらに大学との連携も行われると聞いております。その取り組みの状況についてお伺いいたします。
○岩佐指導部長 お話のとおり、専門高校と地元企業、あるいは大学とが密接に連携して実践的な教育を行うことは、生徒がより高度で専門的な知識や技術、技能を身につける上で重要なことと考えております。このため、産業高校では、地元企業や大学等と密接な連携のもとに、将来、みずから起業を目指そうとする人間を育成するため、産業界で活躍している人や先端的研究をしている大学教授などによる授業を実施するとともに、地元企業でのインターンシップなどを積極的に行っていく予定でございます。
○大松委員 この六郷の第一期生が来年卒業されます。そして、産業高校には第一期生が入学をされるわけでございます。学校の評価は卒業生で決まるわけでございますので、六郷の生徒さん、またこの新しい産業高校の生徒さんが、すばらしい進路が開けますように、しっかりと応援をしていただくとともに、このデュアルシステム科、そして新しい産業高校が、こうした施策の効果がより上がるような取り組みをお願い申し上げるものでございます。
そこで、専門高校と企業との連携の中におきまして大変大切なことは、企業が求める技能、そして専門高校で学習をしている技能がしっかりとマッチしていくということが大変重要になるわけでございます。二〇〇七年問題、この大量退職時代を迎えまして、企業も人材を求めているところでございます。かつては専門高校卒業生は即戦力、このようにもいわれているわけでございますけれども、最近では、ものづくり産業などでは、技術革新に伴って技能レベルが上がり、また技術も多様化しまして、専門高校などで修得する技能との間のギャップが広がるのではないか、こうした心配の声も聞かれるところでございます。
この専門高校におきまして、時代が変わりましても変わらない、いかなる先端技術においても不可欠な基礎的な技術もございますけれども、新しい企業ニーズに対応したこうした教育がより的確に進められますように、専門高校と企業がより密着した連携ができるような取り組みを、産業労働局との連携もあるかと思いますけれども、そうした取り組みを求めるものでございます。これは要望にとどめさせていただきます。
続きまして、専門高校の第二の魅力は、やはり専門的な学習ができるということでございます。この魅力を伸ばすためには、大学や研究機関との連携が非常に有効になってくるわけでございます。特に、工業、農業、理系の生徒さんにとりましては、先端技術の研究現場に触れることは大変大きな刺激になりまして、学習意欲の向上につながるわけでございます。
よく石原知事がおっしゃられるお話でございますけれども、NASAのスペースシャトルのパーツの中身の多くは日本製である、このようなお話をよく紹介されます。また、ハイテク以外にも、目に見えないところで、日々の暮らしの中で、そうした暮らしを豊かにしている先端技術も無数にあるわけでございます。そして、こうした先端技術、いかなる技術も、やはり最後は人間の手作業で完結をさせなければものにならないわけでございまして、そこを担っていただいておりますのが、世界に誇る日本の中小企業の技術力であるわけでございます。
ものづくりに携わる人たちは、とかく学者や研究者が独占をしていると思われがちな数学や物理の高邁な理論や概念も、手作業の感触の中で感得されているというのが私の持論でございますけれども、専門高校の生徒さんが、ものづくりの現場と教育機関を往復しながら学ぶこの教育効果は大変大きいと確信をするわけでございます。
そこでまた、これも要望でございますけれども、東京都教育委員会は、大学などにおける受講を単位として認定する高校をふやしておられますけれども、この単位認定の高校を専門高校にももっと広げていくべきでございます。
専門高校の卒業に当たって、選択肢がふえまして、また進路が具体的になるということは、専門高校の魅力をアップすることにおいて大変有効であるわけでございます。そういう観点から、専門高校から大学進学への道をぜひ大きく広げていっていただきたいとお願いするわけでございます。これが、済みません、前後いたしましたが、専門高校の魅力を増す大きなポイントになると思います。
大学推薦入学を推進する高大接続教育プログラムを拡充するなど、専門高校からの大学への推薦枠がふえるような取り組みをお願いするものでございます。
最後に、専門高校、生徒さん自身が大変頑張っていらっしゃる、大変すばらしいと、このことをさまざまな角度から宣揚するべきであります。
先日、文部科学省から、目指せスペシャリスト事業に指定されました都立荒川商業高校を訪ねまして、大変感銘を受けました。校内にレガロ工房という仮想の株式会社を設立いたしまして、地域の商店などから注文を受けて、ポスターやチラシを製作しておられます。社長以下、取締役、社員、全員同校の生徒さんでございます。そして、その商品がまた大変すばらしいわけでございます。遊園地のポスターとか、商店街のキャラクター、都電のラッピング、いずれも優良企業による仕事と変わらないできばえというのが、私の率直な感想でございます。
実は、この高校の取り組みはテレビ番組でも報道されまして、この番組が放映をされた直後から学校に仕事の注文が電話で入り出したということでございまして、やはり多くの人が私と同じ感想を持ったのであろうと思うわけでございます。
そして、この番組の中で、私、大変印象的なシーンがございました。それは、商店街の弁当屋さんからメニュー表の注文を受けた生徒さんが、デザインの案を持ってお店にお伺いいたしました。そうしましたら、その依頼主から、そうじゃなくて、ぱっと見てお客さんが食べたくなるような、そういうメニュー表にしてくれ、こういう趣旨のことをいわれて、頑張ってつくっていったデザインを突き返されます。しかし、その生徒さん、そのお客さんの声をしっかり受けとめて頑張り抜いていくところがございまして、大変いい教育を受けているなと、このように思いました。
私も学校にお邪魔いたしましたときに、この取締役の皆さんと懇談をさせていただきました。社長も女生徒、経理担当取締役も女生徒で、女性が中心でございましたけれども、本当にこの仕事をやり切っていったという自信というか、貫禄みたいなものもあり、本当に青年らしいすがすがしさ、りりしさに大変満ちあふれておりました。次、どんなことをしたいですかと聞きましたら、代表取締役が、もっと多くの人に使っていただけるようなラッピングを今度はつくっていきたいと、大変意欲的な姿勢も印象的でございました。
そこで、こうした荒川商業高校のように、生徒さんが地域に出まして、社会の一員としての自覚を身につけさせる、こうした取り組みをしている専門高校がほかにあるのかどうか、お伺いいたします。
○岩佐指導部長 多くの専門高校では、地域社会と連携いたしまして、生徒に社会の一員としての自覚を身につけさせるとともに、地域社会に貢献する取り組みを進めているところでございます。
例えば田無工業高校では、平成十五年度から都市工学科の一年生全員が、自分たちの学んだ土木工事の技術を生かしまして、地域の歩道をれんが敷きのきれいな道に変える取り組みを行って、安全で美しいまちづくりに貢献をしております。また農産高校では、学校近くの亀有駅前に、高齢者と生徒が一緒になって花壇づくりを行います花のまちづくり運動を行いまして、学校と地域社会が一体となったまちづくりに貢献しているところでございます。
○大松委員 都庁の花壇の手入れも都立高校の生徒さんにやっていただいている、こういうお話も伺っておりますけれども、本当に東京都は、こうした高校生の皆さんに感謝状を出さないといけないのではないか、それほどよくやっていただいているわけでございます。ぜひ、こうしたすばらしい、都立高校生の取り組みをもっと広げていくべきでございます。
そこで大事なことは、頑張っている生徒さんを大いにやっぱりたたえてあげることでございます。また励ましていく、これが大変重要なポイントでございます。例えば学校を超えて、生徒さん同士がそれぞれの活動を発表し合えるような場をつくるなど、いろんな形で都立高校の生徒さんの励みになるような取り組みを行うべきと考えます。
所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○岩佐指導部長 都全体の専門高校の取り組みを一層活性化するためには、地域と連携して取り組んだすぐれた学習活動をたたえ、その成果を他の専門高校に広げることが重要であると考えております。これまで、都教育委員会の広報誌でございます「教育庁報」や、「とうきょうの教育」で特色のある専門高校を取り上げるなどして、広く都民に周知するとともに、東京都産業教育振興会と連携いたしまして、工業高校におけるすぐれた学習活動の成果を表彰してきているところでございます。
今後、これらの取り組みに加えまして、新たに専門高校の生徒が互いに学習活動とその成果を発表する場を設定するとともに、すぐれた取り組みを行った学校や生徒を表彰することなどを検討してまいりたいと思っております。
○早坂委員 都立高校での必修科目の履修漏れ問題について伺います。
現在、全国の高校の十校に一校の割合で履修漏れがあることがわかり、大きな社会問題になっています。都立高校でも八王子東高校で履修漏れがあったことが明らかになっています。
そこで、この問題が判明してからの学校側の対応がどのようなものであったか、伺います。
○岩佐指導部長 同校におきましては、十月二十七日に全校生徒集会、三学年集会、臨時全校保護者会を開催いたしまして、校長が生徒、保護者に謝罪をしたところでございます。また、すべての生徒が卒業できるようにするため、未履修者に対する倫理の授業につきましては、来年三月中旬から、教室での五十時間の授業とレポートの提出により履修させることを、十一月七日に公表したところでございます。
○早坂委員 八王子東高校の事件が判明したのを受け、東京都教育委員会は、校長、教務主幹を対象として臨時連絡会を開催したと聞いています。東京都教育委員会としてどのような指示をしたのか、お伺いいたします。
○岩佐指導部長 都教育委員会は、この事故の重大性にかんがみまして、十月三十日に臨時連絡会を開催いたしました。都教育委員会では、同日付で教育長名によります通達、「教育課程の適正な編成・実施・管理について」を発出いたしまして、この臨時連絡会においてその内容の徹底を図りました。さらに、教育課程届に基づいて適切に授業を実施していくことが重要であることを改めて指導したところでございます。
○早坂委員 八王子東高校の生徒のことを考えてみると、生徒自身には全く責任がないにもかかわらず、この履修漏れによって、大学入試を控えたこの重要な時期に不安感を持ち、また補講という負担を負うことになってしまったわけであります。
このような事件を起こした学校の校長には、当然重い責任があると考えますが、ご見解を伺います。
○松田人事部長 校長は、公務をつかさどる中で、学習指導要領に基づいて教育課程を適正に管理する責任を負っております。今後、事情聴取等によりまして事実確認を速やかに行いまして、服務規律に違反する事実があれば厳正に対処してまいります。
○早坂委員 高等学校における必修科目の履修漏れ問題で、都立高校でも履修漏れがあったことについて、教育行政の最高責任者として、教育長に再発防止への決意を伺います。
○中村教育長 都立高校の中に残念ながらご指摘のような学校があったこと、これはもう生徒、保護者、都民の方々の信頼を根底から覆すというふうに考えておりまして、まことに遺憾に感じております。
今後、教育庁全庁を挙げまして、再発防止の改善策を示しまして、教育課程の適正化に努めていく、こういうふうに考えております。それによって都民の不安を解消していくというふうな決意でございます。どうぞよろしくお願いします。
○泉谷委員 私の地元には都立高校が四校ありますが、本日は特に千早高校、大塚ろう学校に関連した質問を幾つかしたいと思いますので、よろしくお願いします。
千早高校についてまずお尋ねします。
千早高校は、池袋商業と牛込商業が合併して、東京で初めて進学型専門学校として平成十六年四月に開校し、本年度末、平成十九年三月に初めての卒業生が出ます。これまで、三年間の取り組みの集大成だと思いますが、そこで、お伺いします。
進学型専門学校とはどのような学校で、どのような特色を持っているのか、お尋ねいたします。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 千早高校でございますけれども、簿記会計や国際経済などのビジネスの基礎基本に必要な専門科目、それと外国語等を学習いたしまして、ビジネスに必要な教養、経営の知識とセンス、資格等を身につけて、それらを生かして大学等への進学を目指す高校でございます。特に国際社会で活躍できるよう、英語を重視しており、本年四月に文部科学省の平成十八年度スーパーイングリッシュランゲージハイスクールの指定を受け、生徒の英語力やコミュニケーション能力の向上を目指しております。
○泉谷委員 千早高校では、専門知識を生かして大学等に進学する専門高校であり、特に英語に力を入れ、国際社会で活躍できる人材を育成しようとしているということが、今の説明でよくわかりました。
今後、ますます国際社会で活躍できる人材が求められていると思います。そのためには、海外の大学への留学や進学も考えられると思います。中国や韓国の学生が海外の大学に進学していることと比べても、日本ではなかなか海外の大学へ進学をしていません。千早高校では、海外大学への進学など、海外大学との連携が必要と考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 千早高校では、今年度から英国のウエールズ大学バンガー校など海外の四大学と指定校推薦入学の協定を締結するとともに、通信英語教育プログラムであるとか、語学研修などの教育連携プログラムを積極的に実施してございます。
本年八月にウエールズ大学バンガー校への夏期語学研修を行いまして、二十六名の生徒が参加しました。また、同大学の指定校推薦入学制度によりまして、一名の生徒が進学を予定しているところでございます。
国際社会で活躍できるビジネスのスペシャリストの育成には英語は欠かせないものであることから、都教委としても、学校のこのような取り組みを支援してまいります。
○泉谷委員 今、お聞きして、非常に期待できるなと思っています。海外でいろいろな勉強をしてくるということは、日本で学ぶのとは一味違った勉強方法でございますので、自己負担というものも非常にかかると思いますが、東京都でもなるべく安価で行けるようにしていただければと思っております。
また、来年三月に初めての卒業生が出るわけですが、みずからの進路実現がかなうように、私としても願っております。
続きまして、民間人校長についてお伺いいたします。
千早高校では、企業出身の方を民間人校長として迎え、民間のいいところを取り入れていこうとしております。多様化する現在の社会においては、外部の方を学校に入れていただき、学校運営をしていくことは、新しい可能性を見出すことができるなど、メリットがあると思います。しかし、一方で教員中心で運営してきた学校の中には、企業出身など新しい考えを持った人が入ってくると、戸惑いなどがあると思います。
そこで質問します。東京都では、平成十三年度の高島高校を皮切りに順次拡大を進めてきておりますが、現在、都内の小中高において民間人校長は何名いらっしゃるのでしょうか、学校種別ごとにお答えいただければと思います。
○松田人事部長 都内公立学校には五人の民間人校長が配置されております。内訳といたしましては、小学校が一人、中学校が一人、高等学校が三人でございます。
○泉谷委員 平成十三年度に導入してから大分ふえていると思います。
では、都教委では、このように民間人校長を導入した後、いい面や課題などを検証したことはあるんでしょうか。初等中等教育企画課で、いわゆる民間人校長任用に係る調査の結果というのは、こういう、ホームページで出ておりますけれども、検証などをしたことがあるか、お伺いいたします。
○松田人事部長 民間人校長導入の検証についてでございますが、民間人校長は、学校の現状をきめ細かく分析し、明確な数値目標を掲げた学校経営の確立、企業人として培った幅広い人脈を活用したキャリア教育の推進、新たなビジネス教育への生徒、保護者のニーズにこたえるための教育活動の展開など、民間で培った経営手腕と従来にない発想によりまして、学校経営を推進してきております。このような成果は他の学校にも大きな影響を与えまして、学校全体の活性化に寄与したと考えております。
今年度、庁内に検討委員会を設置いたしまして、民間人校長の導入による成果の検証を改めて行いまして、今後のあり方について検討してまいります。
○泉谷委員 民間人校長というのは、鳴り物入りで導入した制度です。生徒や保護者は、やはり高校生活は一生に一度しかない、いい高校生活を過ごさせてあげたいという思いは皆が持っております。私も私立高校の英語の教員をやっておりましたけれども、学校での常識というのは社会に出て非常識なことが非常に多くありまして、学校だけにとらわれてしまうと、民間でなかなか適応できない生徒も非常に多くなっています。例えば就職する中で、実際に民間で就職したことのない先生が進路指導に当たったり、なかなか民間の考え方というのが学校で培われないということもありますので、こういった中でも、やはり今後、民間校長の検証をしていただき、今後の取り組みに活用していただきたいと思っております。
続きまして、大塚ろう学校の話ですが、先ほど我が党の初鹿委員の質疑で、大分先輩がおっしゃっていただいたので軽く触れさせていただきますが、盲・ろう・養護学校に所属する教員の専門の免許状取得状態につきまして、先ほど盲学校で七五%、ろう学校で六三%、養護学校で五七%、全体では五八%であるという答弁がありましたが、全体で四割程度の教員が専門の免許状を持っていないことがわかりました。
こういった学校での教育活動の一層の活性化を図るためには、盲・ろう・養護学校に勤務する教員に対して、その専門の教員免許状の取得率の向上を図る必要があると思いますが、どのような取り組みをしているのでしょうか、お伺いいたします。
○松田人事部長 教育職員免許法の規定によりまして、教員として三年以上の勤務経験を有し、かつ指導法など専門教育に関して四講座六単位の認定講習を修了することによりまして、盲・ろう・養護学校の免許状が取得できる制度がございます。そのため、従来から都教育委員会では、盲・ろう・養護学校に勤務する教員を対象といたしまして、盲・ろう・養護学校の各校種に応じた免許状の取得に必要な認定講習を開設しております。
なお、開設期間は、修得する単位数に応じまして、夏期休業中に二日間から十二日間で実施をしております。
○泉谷委員 認定講習を受講させて、専門の免許状の取得を促進しているというお話がただいまございました。例えば、小学校の教員免許状しか持っていない教員に対して、夏休みの期間に二日から十二日間くらいの認定講習が実施されているということです。
そこで、最近三年間の認定講習の受講者数をお伺いいたします。
○松田人事部長 認定講習は部分的に受講することも認めておりまして、それらを含めた受講者数ですが、平成十六年度は、盲学校九十六人、ろう学校百四十三人、養護学校七百六十人、合計で九百九十九人。十七年度は、盲学校八十四人、ろう学校百九十一人、養護学校七百四十六人、合計で千二十一人。平成十八年度は、盲学校七十八人、ろう学校百九十七人、養護学校七百二人、合計で九百七十七人となっております。
○泉谷委員 毎年千人前後の受講者となっているようでございますが、盲・ろう・養護学校に勤務する教員の専門の免許状の取得率を高めていくには、希望者がすべて認定講習を受講できるような状況になっているのか。そして、受講枠の拡大をさらに進めていかなければならないと思いますが、所見をお伺いしまして、私の最後の質問といたします。
○松田人事部長 盲・ろう・養護学校において専門の免許状の取得率を高めていくことは重要であると認識をしております。今後とも、校長を通じまして、認定講習の受講促進のための働きかけを行うとともに、希望者すべてが受講できるよう、必要に応じて受講枠の拡大を行ってまいりたいと考えております。
○坂本委員 私からは、最初に都立学校の部活動の振興について伺います。
学校の部活動でありますが、私が住んでおります板橋区の小中学校では、学校が地域の指導者の協力を得て、充実した活動を行っているという例が多く見られます。その一方では、顧問や指導者が不足して生徒が困っているという部活動もあると聞いております。五、六年前に板橋区の小中学校入学時の学校選択制導入以来、部活動の充実度が入学希望者の数においても、学校の人気におきましても反映されているということもありまして、部活動の振興は重要な要素であると考えております。同時に、都立高校におきましても、部活動は重要な教育活動の一環であると思われます。
そこで、都立学校におきましてどの程度外部指導者を導入しているのか、また東京都教育委員会としてはどのような支援を行っているのか、現状を伺います。
○岩佐指導部長 部活動を充実するためには、担当する顧問教諭が生徒の指導に直接かかわるとともに、必要に応じて専門的な指導力を有する外部指導員などの協力を得る体制を整えることが必要でございます。現在、都立学校の部活動においては、計千四百七十二人の外部指導員を導入しているところでございます。各学校が、専門的な指導者の確保や競技力の向上などにより部活動の振興を図るため、都教育委員会は外部指導員の報償費を措置するなどいたしまして、都立学校の部活動の活性化を支援しているところでございます。
○坂本委員 今後、都立高校改革を推進する中で、すべての学校が特色ある学校づくりを進めるためにも、今後も地域の指導者や専門的な外部指導者の導入を拡大していくことを期待いたします。
その中で、都教育委員会は、ことしの八月に管理運営規程の一部を改正いたしました。教育活動における部活動の位置づけを明確にするなど、評価すべき点が多いと思われます。当然ながら、規則の改正に伴う新たな振興策がさらに必要であると考えます。
スポーツの振興にとりまして、部活動の果たす役割は極めて大きいと思われます。東京国体の開催や東京オリンピック招致の機運を学校から高めていくことも、東京都の重要な課題であります。
そこで、今後の部活動振興について所見を伺いたいと思います。
○岩佐指導部長 我が国のスポーツの振興にとって、学校教育が担う役割は大変大きく、東京オリンピックへの機運を高める上でも、運動部活動の振興は不可欠でございます。
都教育委員会は、部活動の一層の振興と特色ある学校づくりに向けまして、学識経験者や民間企業関係者を交えました課外活動振興協議会を設置したところでございます。今後、本協議会におきまして、部活動の活性化の方策、指導力の向上、東京国体に向けたスポーツの普及、強化策などについて振興計画をまとめてまいります。
○坂本委員 東京国体の開催に向けまして、都民が一体となりまして準備を進めることや、東京オリンピックの招致に向けて、大人も子どもも機運を高めていくことは極めて重要な課題であります。ぜひ、学校におきましても部活動の推進を進め、スポーツの振興を図っていただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、志村高校跡地の利用につきまして質問をいたします。
都教育委員会は、都立高校改革推進計画第二次実施計画に基づいて、板橋区内の北野高校と志村高校を発展的に統合し、北野高校の跡地に板橋有徳高校を平成十九年四月に開校するとのことで、大いに期待をしております。
そこで、新たに開校いたします板橋有徳高校の教育理念や特徴につきまして伺います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 板橋有徳高校は、単位制を活用した全日制定時制併置の普通科高校でありまして、自由と規律を教育理念とし、国際社会で先駆的、指導的役割を担う人材の育成を教育目標としてございます。また、学校の特色といたしまして、少人数指導の実施、基礎基本の徹底、興味関心に沿った多様な選択科目の設定と選択制の導入により、確かな学力と高い教養をはぐくんでまいります。
また、公正さと倫理観の育成を目的としためり張りのある生活指導を実行いたしまして、国際人にふさわしい豊かな感性と品位を育てていきます。
○坂本委員 一方、現在の志村高校閉校後の跡地利用でありますが、私はこれまで何度かこの問題を取り上げてまいりました。平成十七年度の事務事業質疑で初めて、この志村高校跡地につきまして質問いたしました。そのときは、今後、教育財産といたしまして利用するかどうかは検討していくということでありましたが、ことしの三定の一般質問では、教育財産として活用していくという教育長の明確なご答弁をいただいたところであります。
地域におきましては、志村高校跡地に大型マンションができるのではないかというような不安の声も上がっておりましたが、引き続き教育財産といたしまして活用となったということで、まずはほっとしているところであります。
そこで、志村高校閉校後の跡地利用につきましては、教育財産といたしまして引き続き活用するとのことでございますが、その後の検討状況と、具体的にどのような施設ができ、それはいつ発表されるのか、伺いたいと思います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 平成十八年度末をもって閉校となります志村高校の跡地につきましては、教育財産としてどのように活用するかにつきましては、現在検討しているところでありまして、公表できる段階ではございません。公表できる段階になりますれば、速やかに公表してまいりたいというふうに考えております。
○坂本委員 さらに、志村高校が廃校した後、生徒や教職員、すべての人々が学校からいなくなるわけでございますが、一般に閉校した学校の施設はどのように管理することになるのか、伺いたいと思います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 閉校後の施設でございますが、学校としての使用がないことから、施設を閉鎖いたしまして、電気、水道、ガスの供給を停止するのが通例となっているために、現在、開放されているグラウンド等は使用できなくなります。また、施設の管理につきましては、機械警備費用を含む最低限度の維持管理経費をもって充てていくということになります。
○坂本委員 閉校後のグラウンド等を地域に開放したということがあるかどうかということでありますが、あわせて、そのときの開放手続について伺いたいと思います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 閉校後のグラウンドの開放につきましては、グラウンド使用者から都教育委員会に提出されたグラウンド使用申請に基づきまして、区市教育委員会等と都教育委員会が協議をし、グラウンドの使用について話し合った上で使用を認めている例はございます。
○坂本委員 現在、志村高校のグラウンドや剣道場を開放してもらい、地域住民がスポーツ等の活動を行っております。閉校後、すぐに電気、水道、ガスの供給を停止されますと、スポーツ等の活動も停止せざるを得ないなど、地域住民への影響も大きいと思います。志村高校の閉校後も、これらの施設が引き続き活用できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
○新井学校経営指導・都立高校改革推進担当部長 地元の板橋区から、志村高校閉校後もグラウンド等の一部をスポーツ活動に使用したい旨の要望が出ていることでもあり、閉校後の施設活用のあり方に関しまして、板橋区等と協議をしてまいりたいと考えております。
○坂本委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと要望いたします。
地元区の板橋区は、平成十九年の四月から志村高校の跡地を利用いたしまして、総合型地域スポーツクラブを実施したいと考えております。都教委が志村高校跡地に新しい事業を開始するまでの間、ぜひ地元区に跡地を利用させていただきたいと希望いたします。
今後、都教委から志村高校跡地の新しい利用についての発表が出され、具体的に活動が開始されたときに、来年四月から地域との交流が必ず将来に役立っていくと確信をいたします。また、そのかかわりが大切であると考えます。ぜひ、地元区との交流、それから調整をしっかりとしていただき、円滑な志村高校跡地利用ができますように期待し、あわせて本年度を最後に約五十年の歴史に幕を閉じます同校の最後の三年生がより充実した高校生活を送れますようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○たぞえ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○たぞえ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時一分散会
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