文教委員会速記録第十二号

平成十八年十月三日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事野上ゆきえ君
理事服部ゆくお君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
秋田 一郎君
上野 和彦君
泉谷つよし君
坂本たけし君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長渡辺日佐夫君
次長荒川  満君
総務部長山本 洋一君
教育庁教育長中村 正彦君
次長松田 二郎君
総務部長志賀 敏和君

本日の会議に付した事件
 意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百七十六号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第二百五号議案 旅券の申請受理及び交付等に係る事務委託について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   私学振興に関する意見書(案)
 東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、社会や都民の多様化する要請に応じて、個性的で特色ある教育を積極的に展開している。しかしながら、少子化の進行による児童生徒の減少等から、私立学校の経営は極めて厳しい状況にある。
 現在、政府は国と地方の役割の見直し、財政面での地方分権改革を進めているが、その中で「私立高等学校等経常費助成費補助金」が廃止され、一般財源化されるようなことがあった場合、地方交付税の不交付団体である東京都においては、私学振興に多大な影響を与えるおそれがあり、決して看過することはできない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成十九年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
二 授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。
三 保護者が負担する教育費の公私間格差を是正するため、私学教育費減税等新しい支援制度を創設すること。
四 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金及び私立高等学校等IT教育設備整備推進事業費補助金を拡充強化すること。
五 都道府県の私立高等学校奨学金等事業に対する国の支援を拡充すること。
六 私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十八年十月 日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣  あて

○村松委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○村松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百七十六号議案及び第二百五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○大山委員 第百七十六号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例に反対する立場で意見を述べます。
 この条例改定は、都立高校の統廃合を前提とし、新しいタイプの高校を設置するものです。そのため、全日制は五校、夜間定時制は十五校の募集停止が行われます。
 質疑を通じて、このまま統廃合計画を進めると、生徒の学習機会、高校へ行きたいという権利さえも奪ってしまうものであることが明確になるとともに、それでも計画を見直すこともなく着実に進めるだけという教育行政にあるまじき姿勢が改めて明らかになりました。
 夜間定時制だからこそ通学時間を少しでも短くすることが求められているにもかかわらず、中央線の沿線の駅から通える学校が西八王子駅、立川駅、荻窪駅にしかなくなってしまうこと、総武線沿線には、浅草橋駅、水道橋駅にしかなくなります。これでは通える範囲の学校は極めて限定されるとともに、たとえ入学しても、通学すること自体が大きな負担になってしまいます。
 深刻なのは、十五校もの夜間定時制高校を募集停止するために、入学したくても定員がいっぱいで、入学さえできなくなる可能性が高いということも明らかになったことです。
 とりわけ八王子市内の学校は、四校の夜間定時制を募集停止にし、一校の昼夜間定時制だけにするというもので、深刻です。
 学級の数は、現在の夜間定時制四校分と同じ数を確保するといいますが、昼夜間定時制高校は、これまでの経験から、夜間定時制高校の受検生だけでなく、全日制の高校を受検する生徒も受検しますから、一次募集でほぼ定員いっぱいになってしまう可能性が高いことです。しかも、周辺の夜間定時制高校の二次募集に申し込もうにも、周辺に学校はないのです。このままでは、高校に行きたくても行けない生徒を大量につくってしまうことが明確になったにもかかわらず、都教委は、全都的には数は足りているという姿勢に固執するものでした。
 しかも、八王子の生徒たちのことを考えたら、せめて一校ぐらい募集停止の延期を検討することを求めたことについても、計画を着実に進めるという冷たい答弁でした。改めて再検討することを求めておきます。
 また、都民の要求から始めたものではなく、先に統廃合ありきというものであるために、矛盾は拡大していることも明らかになりました。全日制普通科の水元高校と本所工業高校の全日制を統廃合して全日制の総合科高校をつくり、その敷地に本所工業高校の夜間定時制を同居させるというものです。都教委が都立高校の統廃合の口実に全定併置の課題を解決するといってきたことからも、全く奇妙な事態です。統廃合する必然性は全くありません。
 水元高校は受検倍率の向上、住民の増加、住民の存続を求める要望の強さからも、廃校にする理由はありません。本所工業高校定時制についても、夜間定時制工業高校の存続が必要だから、総合科にせず、存続させるのですから、これまでどおり水元高校は全日制普通科として、本所工業高校は全定併置校として存続させれば、全く矛盾はありません。
 統廃合先にありきという姿勢を根本から反省し、これまでの経験から学び、生徒の学ぶ権利を保障するために教育条件の整備をするのが行政の役割という教育基本法第十条の立場に立つことを求め、意見表明とします。

○村松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百七十六号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○村松委員長 起立多数と認めます。よって、第百七十六号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百五号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、第二百五号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○村松委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 この際、所管二局を代表いたしまして中村教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中村教育長 所管両局を代表いたしまして、ごあいさつをさせていただきます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきましてご審議をいただきまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえまして、これからの事業執行に万全を期してまいりたいというふうに考えております。よろしくどうぞお願いします。
 また、委員長初め委員の皆様には、本委員会の委員就任以来、私どもが所管しております事務事業を通しまして、数々のご指導、ご鞭撻を賜りました。厚く御礼申し上げますとともに、今後もどうかよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。

○村松委員長 発言は終わりました。
 この際、私からもごあいさつを申し上げます。
 山田副委員長、馬場副委員長、そして理事の皆さん、委員の皆さんのご協力によりまして、都民の皆さんの暮らしに非常に身近な教育の問題や消費者行政の問題、文化行政の問題を活発に議論することができました。
 理事者の皆さんには、ぜひ今後の事務事業に役立てていただきたいというふうに思います。
 理事者の皆さんと、そして書記さんあるいは議会局の皆さんのご協力、本当にありがとうございました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

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