文教委員会速記録第一号

平成十八年二月十六日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時八分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事服部ゆくお君
理事野上ゆきえ君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
坂本たけし君
上野 和彦君
泉谷つよし君
秋田 一郎君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長南雲 栄一君
広報広聴部長高西 新子君
都民生活部長和田 正幸君
消費生活部長岳野 尚代君
私学部長新行内孝男君
文化振興部長 山本 洋一君
参事三森 生野君
参事産形  稔君
参事萩原まき子君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
・平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 生活文化局所管分
・東京ウィメンズプラザ条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・「東京都文化振興指針(仮称)」[素案]について
請願陳情の審査
(1)一七第一七三号 私立幼稚園父母負担軽減補助の拡充及び私立幼稚園に対する補助の大幅増額に関する請願
(2)一七第一八〇号 豊かな教育、私学助成の拡充に関する請願
(3)一七第一八二号 すべての子どもに行き届いた教育を進めることに関する請願
(4)一七第一八三号 私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額に関する請願
(5)一七第一八四号 私立専修・各種学校の教育・研究条件の改善と父母負担の軽減に関する請願
(6)一七第一八六号 すべての子どもに豊かな高校教育を保障することに関する請願
(7)一七第八〇号 平成十八年度東京都公立高等学校定時制及び通信制教育の振興に関する陳情
(8)一七第七三号 東京都情報公開条例の改正を求めることに関する陳情
(9)一七第九四号 歌舞伎町のこれからをテーマにした東京ビッグトークの開催に関する陳情

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますけれども、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行いたいと思います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山内生活文化局長 平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております生活文化局関係の案件について、ご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、予算案二件、条例案一件の合計三件でございます。後ほど総務部長から詳細を説明いたしますが、私からは、概要をご説明申し上げます。
 初めに、平成十八年度予算案についてでございます。
 お手元、カラー刷りの参考資料1でございますが、平成十八年度生活文化局所管予算案の概要をごらんいただきたいと思います。
 生活文化局では、私学助成等の着実な充実、消費者被害の防止、文化創造基盤の整備などの重要課題に積極的に取り組み、平成十八年度予算案においては、前年度比一・九%増の千四百六十二億三千五百万円を計上しております。
 主な事業の概要をご紹介いたします。
 まず、資料の左側、赤い枠で囲まれた生活文化局重点事業をごらんいただきたいと思います。
 まず、重点1、悪質事業者等から都民を守る対策の強化でございます。悪質事業者による消費者被害の拡大、深刻化を踏まえ、警視庁と連携した徹底的な取り締まりと迅速な処分、並びに高齢者被害の防止対策を行うものでございます。
 次に、重点2、外国人に対する防災情報提供対策の強化でございます。災害時に、日本語を理解できない多くの外国人が、いわゆる災害弱者となることを防止するため、外国人に対する防災情報提供対策の充実強化を行うものでございます。
 次に、重点3、東京の魅力を発信する芸術文化創造基盤の整備でございます。世界に向けて東京の文化を積極的に発信するため、内外の若手・新進アーチストの交流、創造活動の支援を行うとともに、都民が東京の文化的魅力を実感できる基盤整備を行うものでございます。
 以上、これら三つの重点事業に係る経費として、新規に、約八億二千六百万円を計上しております。
 次に、資料の右側、黒い枠で囲まれた私立学校教育助成事業をごらんいただきたいと思います。
 私立学校については、本事業の基幹となる経常費補助の増額を初め、耐震補強工事や、アスベスト除去工事に対する助成事業の充実強化を行った結果、前年度比一・五%増、約十八億四千七百万円増の約千二百五十億五千四百万円を計上しております。
 以上、当局所管の平成十八年度の予算案の概要をご説明申し上げました。
 また、今定例会には、予算案として、このほかに、平成十七年度補正予算案の提出を予定しております。
 これは、学校施設に使用されているアスベスト建築材について、早急な対応を図るため、除去等工事を行う私立学校に対する補助経費として、歳出約一億三百万円の増額補正を行うものでございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の資料第3号、平成十八年第一回東京都議会定例会議案(条例)をごらんいただきたいと思います。
 表紙を一枚おめくり願います。今定例会に提出を予定しておりますのは、東京ウィメンズプラザ条例の一部を改正する条例案でございます。
 公の施設の管理に関する、平成十五年六月の地方自治法の改正を受けまして、条例の規定整備を行うものでございます。
 詳細につきましては、後ほど総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○南雲総務部長 局長からの概要説明に引き続きまして、私から、今定例会に提出を予定しております議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、平成十八年度予算案について、お手元に配布の資料第1号、平成十八年度生活文化局所管予算説明書に基づき、ご説明申し上げます。
 表紙を一枚おめくり願います。予算総括表でございます。
 歳入、歳出の科目別内訳及び債務負担行為について、それぞれ記載しております。
 まず、歳入予算の総額は、表の一番上、歳入欄に記載のとおり、百九十二億一千三百万余円、対前年度六億五千三百万余円の増となっております。
 次に、歳出予算の総額は、表の中ほど、歳出欄に記載のとおり、千四百六十二億三千五百万円、対前年度二十七億三千八百万余円の増となっております。
 次に、債務負担行為につきましては、一番下の欄に記載のとおり、百十一億五千四百万余円、対前年度三億八千九百万余円の減となっております。
 なお、網かけの部分は、文化施策の一元化を目的に、新年度、教育庁から当局に移管予定の財団法人東京都交響楽団関係の予算でございます。既に議案書上では、当局の予算として東京都交響楽団に係る経費が計上されておりますが、現時点では、正式な事業移管前でございますので、本件に係る予算のご審議につきましては、教育庁で担当させていただくことになります。あらかじめご了承のほどお願い申し上げます。
 続きまして、二ページをお開きください。このページから四ページまでは、事業区分ごとに予算額と財源内訳などを一覧にして記載しております。
 五ページをお開きください。このページからは、事業区分ごとに主要事業及びその予算額などを掲げております。以下、事業区分ごとに重点事業や新規事業などの主要事業を中心にご説明申し上げます。
 初めに、お開きの五ページ、表の上段左側、番号1、生活文化管理の事業区分でございます。
 表の中ほど、説明欄に記載のとおり、職員の給料、諸手当及び管理事務費に要する経費を計上しております。予算額は、表の上段中ほどの予算額の欄の金額のところに表記しておりますけれども、総額四十四億二千七百万余円となっております。
 八ページをお開きください。次に、番号2、広報広聴事業の事業区分でございます。
 ここでは、テレビ、ラジオなどによる都政広報、情報公開事務、調査広聴及び都民の声事業などの事業経費を計上しておりまして、予算額は、総額二十七億六千三百万余円となっております。
 一二ページをお開きください。次に、番号3、市民活動促進・国際交流・男女平等参画施策等の事業区分でございます。
 ここでは、ボランティアやNPOなどの市民活動の促進、公益法人等の許認可、国際交流事業、男女平等参画施策及び渡航事務などの事業経費を計上しておりまして、予算額は、総額二十億六百万余円となっております。
 主な事業をご説明申し上げます。
 まず、一四ページをお開きください。説明欄に記載の3、外国人に対する防災情報提供対策の強化は、先ほど局長からご説明申し上げましたとおり、十八年度の重点事業でございまして、インターネットやDVDを活用した防災知識の普及啓発等の経費として、三千二百万余円を計上しております。
 次に、一五ページをお開きください。5、東京ウィメンズプラザの運営には九億一千四百万余円を計上しております。このうち、(2)、配偶者暴力相談支援センター事業では、都の配偶者暴力施策の指針として間もなく策定予定の東京都配偶者暴力対策基本計画を踏まえ、事業の充実を図ってまいります。
 一八ページをお開きください。次に、番号4、消費生活対策の事業区分でございます。
 ここでは、取引指導及び表示適正化事業、危害防止対策事業のほか、消費生活協同組合の育成指導や消費生活総合センターの運営経費、並びに公衆浴場対策などに要する経費を計上しておりまして、予算額は、総額十二億一千万余円となっております。
 主な事業をご説明申し上げます。
 まず、二〇ページをお開きください。説明欄に記載の5、公衆浴場対策には六億四千四百万余円を計上しております。十八年度予算案では、十七年度予算と同規模の予算を確保し、都民の入浴機会の確保と公衆浴場経営の安定化を引き続き図ってまいります。
 次に、二一ページをお開きください。8、悪質事業者等から都民を守る対策の強化は、十八年度の重点事業でございまして、新たに高齢者専用相談や、介護事業者等に対するいわゆる出前式の研修などを実施する経費として、二千六百万余円を計上しております。
 二四ページをお開きください。次に、番号5、計量検定所の事業区分でございます。
 ここでは、計量検定所の管理運営、タクシーメーター等の計量器の検定などの事業経費を計上しておりまして、予算額は、総額二億四千六百万余円となっております。
 二七ページをお開きください。次に、番号6、文化振興施策の事業区分でございます。
 ここでは、文化を創造するための環境の整備や、文化を支える仕組みづくりなどに要する経費を計上しておりまして、予算額は、総額八十二億一千二百万余円となっております。
 主な事業をご説明申し上げます。
 まず、三一ページをお開きください。4、文化施設の運営には、文化施設各館の管理運営に要する指定管理者への委託経費として、四十四億三千二百万余円を計上しております。
 ご案内のとおり、当局所管の江戸東京博物館や東京文化会館などの都立文化施設では、指定管理者制度の導入に伴いまして、財団法人東京都歴史文化財団に、本年四月から三年間、管理運営等を委託することとなります。次の三二ページにかけまして、文化施設ごとの内訳を記載しております。
 次に、三四ページをお開き願います。7、東京の魅力を発信する芸術文化創造基盤の整備は、十八年度の重点事業でございまして、新進・若手アーチストを支援するための拠点施設を渋谷区神宮前の旧国連大学高等研究所に整備するなど、七億六千六百万余円を計上しております。
 三八ページをお開き願います。次に、番号7、私立学校管理の事業区分でございます。
 ここでは、私立学校振興事務に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務費のほか、私立学校に対する指導監督事務などに要する経費を計上しておりまして、予算額は、総額四億九千五百万余円となっております。
 四〇ページをお開きください。次に、番号8、私立学校教育助成事業の事業区分でございます。
 ここでは、私立学校に対する各種の助成を行うための経費を計上しておりまして、予算額は、総額千二百五十億五千四百万余円となっております。
 主な事業をご説明申し上げます。
 まず、お開きの四〇ページ、説明欄に記載の1から6までは、私立学校助成の基幹的補助であります私立学校経常費補助でございます。十八年度予算案では、十七年度予算に引き続き、高等学校から幼稚園までの全学種で増額しており、合計千四十六億八千万余円を計上しております。
 次に、四一ページをお開きください。説明欄に記載の8、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助は、区市町村が行う保護者負担軽減事業の経費の一部を補助する事業でございます。十八年度予算案では、二人以上の園児を抱える保護者の方々の経済的負担の一層の軽減を図るため、第二子以降の園児に適用する補助単価額を大幅に増額するなど、四十九億六千二百万余円を計上しております。
 次に、四二ページをお開きください。19、私立学校安全対策促進事業費補助は、私立学校が行う校舎等の耐震補強工事の経費の一部を補助するものでございます。十八年度予算案では、十七年度をもって終了予定であった本事業の継続を図ることといたしまして、七億円を計上しております。
 その一つ下の項目、20、私立学校施設環境整備事業費補助は、後ほどご説明いたします平成十七年度補正予算案とも合わせ、私立学校が行うアスベストの除去等の工事経費の一部を補助するものでございまして、二億二千五百万余円を計上しております。
 四五ページをお開きください。次に、番号9、育英資金事業の事業区分でございます。
 ここでは、勉学意欲がありながら、経済的理由により修学が困難な方々に対しまして、修学に必要な学資金の一部を貸し付けるための事業経費を計上しておりまして、予算額は、総額十八億一千八百万円となっております。
 次に、四七ページをお開きください。債務負担行為総括表です。
 債務負担行為のⅠとして、公衆浴場確保浴場融資利差補助など二件、四億三千六百万余円、また、債務負担行為のⅡとして、生活協同組合設備資金融資損失補償など三件、百七億一千八百万余円、合わせまして、合計五件、百十一億五千四百万余円を予定しております。
 次の四八ページから五〇ページまでは、今申し上げました債務負担行為の事項別の説明を記載しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 以上が十八年度予算案でございます。
 次に、当局関連の平成十七年度補正予算案について、お手元に配布の資料第2号、平成十七年度生活文化局所管補正予算説明書に基づき、ご説明申し上げます。
 初めに、一ページをお開き願います。Ⅰ、補正予算総括表でございます。
 表頭の三つ目、補正予算額の欄に記載のとおり、歳出一億三百万余円の増額補正を行うものでございます。
 次に、二ページをお開き願います。Ⅱ、内容でございます。
 今回の補正予算は、アスベストによる重大な健康被害の実態、また、昨年、文部科学省が行った学校施設等における吹きつけアスベスト等使用実態調査の結果を踏まえまして、アスベスト建材の除去等工事を緊急に実施する必要がある私立学校への助成のための経費として、学務費の目、助成費に一億三百万余円を計上するものでございます。
 以上が平成十七年度補正予算案でございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の一枚ものの参考資料の2というのをお開きください。東京ウィメンズプラザ条例の一部を改正する条例案の概要でございます。以下、この概要に基づきまして改正内容をご説明申し上げます。
 地方自治法改正による指定管理者制度の導入に伴い、改正法の経過措置期間満了後、公の施設の管理運営につきましては、指定管理者による管理代行か、自治体による直営か、いずれかとなりまして、従来の管理委託方式が廃止されることとなっております。これにより、現在都が直営している東京ウィメンズプラザについて、管理の委託を定める現行規定の整備を行う必要が生じたものでございます。
 なお、本条例案は、公布の日から施行することといたしております。
 以上、今定例会に提出を予定しております予算案二件、条例案一件の合計三件につきましてご説明させていただきました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。

○大山委員 九つお願いします。
 一つ目です。ウィメンズプラザの相談件数と主な内容と対応。これは過去五年間でお願いします。
 公衆浴場対策の主な施策と予算と決算の推移。
 それから、文化振興施策の事業別予算と決算の推移。
 それから、消費生活相談件数の推移及び特徴。これは区と市町村別にお願いします。
 この推移はみんな五年間でいいです。
 五番目が、専修学校の経常費補助の他県の実施状況と、実施しているところはその理由をお願いします。
 それから六番目は、専修学校の授業料等納付金額別の学校数。
 それから七番目が、都内の高校卒業生の進路。これは大学、短大だとか専修学校、就職、その他ということでお願いします。
 八番目は、私立学校の耐震化の状況。
 九番目は、私立学校の一学級の生徒別の学校数、幼小中高でお願いします。
 以上です。

○村松委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これらを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○村松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山本文化振興部長  それでは、このたび作成いたしました東京都文化振興指針(仮称)素案につきましてご説明させていただきます。
 お手元に配布してございます資料第4号、東京都文化振興指針(仮称)素案をごらんください。
 表紙をお開き願います。一ページ目は目次でございます。
 全体の構成は、Ⅰ、指針が目指すものから、【5】、施策までの五つとなっております。
 二ページをごらんください。中ほどから下に、本指針策定の背景を述べております。
 都では、平成十二年十二月に、文化を取り巻く社会環境の変化などを踏まえ、「当面の東京都文化政策手法の転換と取組」を策定し、文化施策の展開を図ってまいりました。国におきましても、平成十三年十二月に文化芸術振興基本法が制定され、文化芸術の振興についての基本理念が示されました。
 このたび、都における文化のさらなる振興を図るため、東京都の文化施策を語る会の提言を踏まえ、東京都文化振興指針(仮称)を策定することとし、その素案をまとめたものでございます。
 三ページをお開きください。指針の目標年次は、指定管理者制度の導入などを踏まえ、平成十八年度からおおむね十年間としております。
 四ページをごらんください。東京の文化の特徴と課題を六点にわたり要約してございます。以下、五ページから一六ページまで、左側のページに特徴、右側のページに課題を掲げております。
 一七ページをお開きください。今後の文化政策の視点を五つ要約しております。この五つの視点は、文化と文化を取り巻くさまざまな要因との関係を明らかにするものでございます。以下、一八ページから二二ページまで、それぞれの視点の説明を掲載しております。
 二三ページをお開きください。ページの上段には、東京都の文化施策を語る会のご提言を受け、基本目標として、Ⅰ、世界が文化的魅力を感じる都市・東京、Ⅱ、都民が文化的豊かさを誇れる都市・東京、Ⅲ、文化創造の基盤が充実する都市・東京の三つを掲げております。
 少し飛んで、二六ページをお開きください。表の下段の左側に、三つの基本目標を掲げ、右側には、その基本目標を達成するための施策として九つの施策を列記しております。
 二七ページをお開きください。施策1は、新進・若手アーチストの支援でございます。新進・若手アーチストが、東京という魅力的な舞台から羽ばたいていくことができるよう、発掘し、制作、交流する機会を提供します。
 二八ページをごらんください。施策2は、芸術文化の創造と発信でございます。多彩な文化を東京から世界に向けて発信する環境を整備します。
 二九ページをお開きください。施策3は、芸術文化を支える人材の育成でございます。首都大学東京等と連携することにより、芸術文化を支える人材を育成します。
 三〇ページをごらんください。施策4は、子どもたちの豊かな感性の育成でございます。子どもたちに表現することや創造する楽しさを体験させ、他者とのコミュニケーション能力や文化のリテラシーをはぐくみます。
 三一ページをお開きください。施策5は、都民の文化活動の促進でございます。文化芸術に関する情報提供や、都民の鑑賞、創作・発表、支援に関するサービスを向上させます。
 三二ページをごらんください。施策6は、文化の継承、発展でございます。江戸東京四百年の歴史を保存、活用するとともに、新たな伝統となる現代の作品や文化も次代に継承していきます。
 三三ページをお開きください。施策7は、観光・産業振興、まちづくりなどとの連携でございます。さまざまな政策分野との連携により、文化施策を総合施策として推進します。
 三四ページをごらんください。施策8は、都立文化施設の改革と魅力向上でございます。都立文化施設は、ミッション(使命)を明確化し、企画力やサービスの向上に取り組み、東京が持つ豊かな文化の潜在力を引き出し、開花させていく場として重要な役割を果たしていきます。
 三五ページをお開きください。施策9は、文化振興推進体制の整備でございます。都は、広域自治体の立場から、文化事業のあり方を見出し、さまざまな主体の取り組みを支援していきます。
 最後に、A3判で素案の概要版をおつけしてございます。ご参照いただければと存じます。
 今後の予定でございますが、議会でのご審議と並行いたしまして、都民の皆さんからのご意見もいただくこととしております。
 大変簡単ではございますが、以上をもちましてご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。

○大山委員 四種類お願いします。
 一つは、都立文化施設の職種別職員数と収支状況です。これはトーキョーワンダーサイトも含んでください。過去五年間です。
 二つ目は、都立文化施設の利用状況。これも過去五年間。
 それから、道府県と政令市の公立文化施設の、直営だとか指定管理者だとかPFIその他の数とその内容、お願いします。
 それから四番目は、指定管理者への特命を受けた歴史文化財団の各館の事業計画書をお願いします。
 以上です。

○村松委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これらを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におきましては、要求された委員と調整の上、提出をお願いいたします。

○村松委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願一七第一七三号、請願一七第一八〇号、請願一七第一八二号、請願一七第一八三号、請願一七第一八四号、請願一七第一八六号及び陳情一七第八〇号は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新行内私学部長 私学助成の拡充等に関する請願及び陳情につきましてご説明申し上げます。
 ご審査いただきますのは、渋谷区の新日本婦人の会東京都本部、上伸子さんほかからの一七第一七三号、私立幼稚園父母負担軽減補助の拡充及び私立幼稚園に対する補助の大幅増額に関する請願など、請願六件、陳情一件でございます。
 請願及び陳情の要旨につきましては、お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表に記載されておりますように、私立学校に対する各種補助金の拡充新設、学校における教育環境の整備充実、国に対する要望事項の拡大などに関するもので、重複する部分もございますことから、現在の状況につきましては、審査説明表に記載されている事項ごとではなく、一括してご説明させていただきます。
 まず、私立学校の運営費等に対する補助についてでございます。
 私立学校経常費補助につきましては、標準的運営費の二分の一を補助するという基本的な考えに基づき補助を行っております。なお、私立幼稚園経常費補助につきましては、平成十四年度に補助率二分の一を達成し、その充実に努めております。
 学級規模の縮小につきましては、経常費補助の特別補助におきまして、四十人学級編制推進補助を設けるなど、その誘導と制度の定着に努めております。
 また、家計急変及び家計状況への対応につきましては、経常費補助の特別補助におきまして、学校が授業料を減免した場合に、その減免額の三分の二を補助しているところでございます。
 三歳児の就園につきましては、経常費補助の特別補助におきまして、三歳児就園促進補助を設けており、状況を踏まえ単価を改定するなど、その充実に努めておるところでございます。
 私立幼稚園教育振興事業費補助につきましては、第二次財政再建推進プランにおきまして、私立幼稚園の学校法人化を促進するため、平成十六年度から二十年度までの五年間の経過措置を設けた上で、学校法人に対する経常費補助単価の三分の一から四分の一の補助単価とするよう見直しを行ったところでございます。これは、学校法人化を促進するという私立学校振興助成法の原則を踏まえ、都としてもこのような対応を行っているものでございます。
 私立幼稚園障害児教育事業費補助につきましては、状況を踏まえ補助単価を増額するなど、その充実に努めているところでございます。
 預かり保育に対する補助につきましては、平成十四年度に早朝保育や長期休暇中の保育などを経常費補助等の特別補助から外枠化し、平成十七年度には補助単価を増額するなど、その充実に努めているところでございます。
 私立専修学校教育振興費補助につきましては、私立学校振興助成法の対象となっていないため、都が単独で補助を行い、補助率を堅持するなど、その充実に努めているところであり、高校経常費補助並みの大幅な増額につきましては、一定の限界があるところでございます。
 私立学校の財務状況につきましては、私立学校法が改正され、平成十七年四月一日から、学校法人には、利害関係人に対する財務情報の公開が義務づけられたところでございます。
 次に、保護者の経済的負担の軽減についてでございます。
 私学助成の基幹的補助である経常費補助を補完するものとして、授業料軽減補助制度等を設けているところでございます。
 特別奨学金補助につきましては、平均的な所得の都民が対象となるような支給基準を設定しているほか、生活保護世帯や住民税非課税世帯などには補助額を一般より増額するなど、充実に努めているところでございます。
 また、経常費補助を通して授業料の引き上げ抑制を誘導しております。
 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助につきましては、これまでの所得制限を維持し、生活保護世帯など一定の所得階層に配慮した上で、保護者の所得に応じた補助事業として実施しているところでございます。
 次に、学校施設の教育環境などの整備についてでございます。
 平成十七年度に私立専修学校教育設備整備費補助と私立専修学校専門課程研究用図書等整備費補助を私立専修学校教育設備等整備費補助として統合し、予算を増額するなど、その充実に努めているところでございます。
 また、財団法人東京都私学財団が実施しております、長期で低利な施設設備資金の貸し付けに対しまして利子補給を行うとともに、私立学校が国の事業団から借り入れた施設高度化推進事業の対象となる老朽校舎建てかえ整備事業に係る借入金の利子に対し助成を行うなど、施設の改善に係る支援に努めているところでございます。
 あわせまして、防災対策に係る安全対策促進事業費補助を実施しております。
 次に、国への要望についてでございます。
 都は、経常費補助の拡充につきましては、毎年国に要望するとともに、私立専修学校の専門課程につきましては、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、助成制度の創設を、また、高等課程につきましては、高等学校と同様の助成制度の創設を要望しております。
 最後に、育英資金事業につきましては、平成十七年度に国の高校奨学金の移管を受けまして、貸付人員の大幅な拡充を行うとともに、事業全体を再構築し、財団法人東京都私学財団に事業を移管したところでございまして、貸付単価についても、充実に努めているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○野上(純)委員 今回、私学関係の請願陳情が合計で七本出されておりますが、これに関連して何点か質問したいと思います。
 最初に、今さっき説明がございましたけれども、経常費補助についてでございます。
 請願の中にも、経常費補助について、標準的運営費の二分の一の補助の堅持という要望がございますけれども、この標準的運営費方式の考え方及び標準的運営費の二分の一補助を達成したのはいつなのか、これを幼小中高別でお願いいたします。

○新行内私学部長 経常費補助の関係のご質問でございますが、経常費補助の標準的運営費方式につきましては、都内の公立学校経常費の決算値をもとに私立学校の標準的運営費を算出いたしまして、その二分の一を補助する、こういうものでございます。
 また、その二分の一の補助の達成時期ということでございますが、小中高等学校につきましては平成二年度から、幼稚園につきましては平成十四年度からとなっております。

○野上(純)委員 二分の一を堅持しているということですけれども、先ほど説明がありました来年度の経常費補助の予算案では、総額一千四十六億八千六十八万一千円ですか、対前年比で十五億七千八百十一万八千円ですか、の増になっております。生活文化局の予算の大半をこの経常費補助の予算で占めていると思うんですけれども、今回十五億ほどふえておりますが、この来年度予算案が増額した理由についてお聞きしたいと思います。

○新行内私学部長 経常費補助が増額された理由ということでございますが、これは生徒数等の基礎数値が増加したことによるということでございます。

○野上(純)委員 この請願の中にもあるんですけれども、私立専修学校教育振興費を専門学校まで拡大して、経常的経費補助を行うこと、そして、私立専修学校教育振興費(高等課程)を私立高等学校経常費補助並みに増額すること、という請願も出ているんですが、専修学校専門課程なんですが、経常費補助すべきとの意見もたくさん聞いております。この考え方に対して、都の基本的な考え方についてお伺いいたします。

○新行内私学部長 専修学校専門課程の経常費補助に関する都の基本的な考え方、このお尋ねでございますが、私立学校振興助成法におきましては、経常費補助の対象を学校教育法第一条に定める学校に限定しております。専修学校は、学校教育法第一条に定める学校ではございませんので、その補助の対象とはなっておりません。
 また、専修学校の専門課程は、大学、短大と同じく、高等教育機関として位置づけられておりますので、国と都の役割分担に基づきまして、国の責任において補助制度を創設するよう国に要望しておるところでございます。

○野上(純)委員 引き続きこの標準的運営費の二分の一を堅持しつつ、施策の充実を図っていっていただきたいと思います。また、国に対してもそういった要望を引き続き出していただければと思います。
 次に、奨学金についてお尋ねいたします。
 私は、前回、奨学金について、東京都の私学財団への移管に際していろいろと質問をさせていただきました。特に喜ばれておりますのは、保証人の年齢制限の緩和などができるようになりまして、現場的には大変にこの制度が喜ばれております。
 私学部長の説明にもございましたが、貸付人員が大幅に拡充したとありますが、具体的に数字でどの程度ふえたのか、説明していただければと思います。

○新行内私学部長 貸付人員の増加についての具体的な数値ということでございますが、育英資金の貸付者数は、国からの高校奨学金の移管もございまして、八百名の増加ということになっております。

○野上(純)委員 移管によって効果が出ていることがあれば、ぜひ具体的に説明していただければと思います。

○新行内私学部長 移管に当たってのサービスの向上、どういう効果か、こういうお尋ねでございますが、育英資金貸付事業と関連の深い私立高等学校授業料軽減助成事業や入学支度金貸付事業など、一元的に実施することを通じまして、修学資金につきましても、入学から卒業まで連続したサービスが可能になったということでございます。

○野上(純)委員 私立学校の入学金というのは大変高い初年度納入額がございますけれども、この入学金を用意することができなくて、せっかく受かったんだけれども辞退をしたという子どもたちにとっては、入学金の貸付事業が始まったということで大変喜ばれているのではないかというふうに思っております。ぜひこれからも続けてしていただければと思います。
 次に、私立学校の安全対策についてお伺いいたします。
 文科省の方でも結構、国の方でもいろいろな、昨年十一月と十二月に広島と栃木で小学校一年生の女の子が殺害されるという痛ましい事件がございまして、子ども安心プロジェクトというのを立ち上げております。その中で、子どもの安全に関する情報の効果的な共有システムに関する調査研究ということで新規事業がかなり多くついておりまして、国の方は、昨年が大体十億、ことしが二十六億ということで、十六億も今、予算をつけていただいております。ぜひこういった予算をしっかりと東京都の方にも持ってきて活用していただければいいのかなというふうに思っておりますが、その中でも、この前私も、ある私立の小学校の安全対策について視察をさせていただきました。特に私立学校の防犯対策に対して、都としてはどのような支援策をしていらっしゃるんでしょうか。

○新行内私学部長 学校の防犯、安全対策というお尋ねでございますが、平成十三年六月に起きました大阪教育大附属池田小学校での事件に端を発しまして、平成十三年度に、いわゆる学校一一〇番、非常通報装置の設置費補助を実施いたしたところでございます。平成十五年度からは、私立学校安全対策促進事業費補助によりまして、防犯カメラ、門、フェンスなどのハード面の整備に対する補助を実施いたしました。
 また、昨年二月に起きました寝屋川、中央小学校の事件を踏まえまして、校内体制の整備などソフト面での対策を一層推進する観点から、生徒等の安全対策推進補助を経常費補助の特別補助として新設いたしまして、平成十八年度から、前年度の実績に基づきまして補助を実施する、こういうふうにしてございます。

○野上(純)委員 これまで、池田小とか寝屋川の小学校の教師への殺人事件とかがございましたが、それは学校の中の安全対策ということで、防犯カメラを設置したり門とかフェンスなどの整備ということで、学校に子どもたちが来た中での安全対策というのはかなり充実をしてきたのではないかと思いますが、これからは、先ほどの三件続いた殺人事件はすべて通学過程ですね、学校を出て家に帰るまでの間に連れ去られたり何かした、そういう通学過程での安全対策、これもかなり進めていっていただければというふうに要望しておきます。
 それから、最後になりますけれども、昨年、平成十七年の第三回定例会で、我が党の強い要望により、アスベスト対策が平成十七年の補正予算も含め計上されたことに対しては、高く評価いたします。
 校舎等の耐震あるいはアスベスト対策の施設整備費に対する支援は計画的に実施すべきと考えておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○新行内私学部長 校舎等の耐震、アスベスト対策についてのお尋ねでございます。
 まず、耐震補強工事の関係でございますが、耐震補強工事への補助事業は、平成十五年度から私立学校安全対策促進事業費補助として実施してまいりました。しかしながら、都内私立学校の耐震化率は六割強であること、耐震改修促進法が改正されまして、国の耐震化率の目標が九〇%となったこと、こういったことを考慮いたしまして、九〇%以上の耐震化率を目標に、平成十八年度から計画的に実施していきたいと考えておるところでございます。
 次に、アスベストでございますが、私立学校のアスベスト対策は、学校が、児童生徒が一日の大半を過ごす場である、こういうことから、緊急的かつ集中的に実施する必要があるため、私立学校施設環境整備事業費補助を新設いたしまして、平成十八年度から計画的に対応していくことといたしました。さらに、速やかな除去を進めるため、今年度におきましても補正予算をお願いしておるところでございます。

○野上(純)委員 一億三百万という補正予算という先ほど説明がございましたけれども、さらなる安全対策を進めていただければと要望して、終わります。

○大山委員 私学助成に関しての請願陳情ですけれども、主には保護者負担の軽減、それから経常費補助の拡充ということがそれぞれの請願陳情に共通しているわけですけれども、まず、保護者負担軽減のことについて伺いたいと思っています。
 保護者負担軽減ですけれども、幼稚園のケースを中心に、まずはお聞きしたいと思っています。
 幼稚園はとりわけ九割以上が私立幼稚園ですから、多くのお子さんたちが私立幼稚園に通っているわけですね。どういう状況で保護者が幼稚園に通わせているのかというところなんですけれども、保護者の平均収入、実収入というのが非常に減っているということに私もびっくりしたんですけれども、東京都の生計分析調査で比較しましたら、石原都政になった平成十一年度と、十六年度まで出ていましたから十六年度を比べますと、多分幼稚園にお子さんが行っているであろう三十歳から三十四歳の実収入が、年間で約三十一万円も減少しているんですね。
 その一方で、幼稚園の平均学費、毎年増加を続けています。平成十一年度が、初年度納付金が四十万一千九百四円ですね。十八年度の調査というのが生文局のホームページに載っていましたので、見せていただきましたら、十八年度の都内私立幼稚園児納付金調査では、合計四十三万二千九百六十一円ですから、この十一年度と比較しますと、三万一千五十七円増額になっているわけですね。実収入は約三十一万円以上減って、納付金は三万円以上ふえるというわけで、若い子育て世代には非常にダブルパンチだという状況だと思っています。
 幼稚園にお子さんを通わせていらっしゃる、もしくは一年生になったようなお母さんからお話を伺ったんですけれども、本当にきちょうめんに家計簿をつけていらっしゃる方がいて、例えば保育料、預かり保育だとか、給食費だとか、幼稚園で使うファイルだとか、ペンだとか、そういうのも要るんですね。ですから、冷暖房費なんかで二万八千円かかったとか、上履き千五百円とか、卒業アルバムが九千八百円だとか、結局年間で四十二万八千七百三十円、大体平均ちょっと上かなというぐらいの負担金でしたね。
 幼稚園に二人お子さんを通わせていたお母さんが、一人目入園したときは、とにかく貯金ができないという状況だったというんですね。その子が年長になって、年少組に下の子が入園して、そうしたら、貯金ができないどころか、若いときに貯金していた貯金を切り崩して、保育料を払わざるを得ないという状況だったというんですね。
 友達のお母さんなんかどうかなといったら、例えば保育料を払うために、早朝パン屋さんで働くとか、深夜お父さんが帰ってきてから、ファミレスだとか、それからコンビニ弁当をつくるところでアルバイトをするとか、牛丼屋さんでアルバイトをするというのは、案外よくいるんだということなんですね。必死に保育料を、お母さんもアルバイトをしたりしながら、稼いでいるわけですね。
 と同時に、例えば新聞代一カ月大体四千円弱かかりますから、そうすると、一週間は食費が浮くので、食べられるので、新聞をとらないという方もいるんだと。例えば上の子は三年保育にしたけれども、下の子は二年保育にして、公園などに遊びに連れていって、その一年間は次の年中組で幼稚園に行くための保育料を貯金したということだとか、スナップ写真だとか運動会の写真だとかは一枚百五十円もするんだとか、集合写真は六百円、七百円なんだというようなことから始まって、かなり若い世代の人たちに負担がかかっているということなんですね。
 こういう状況だからこそ、時事通信の調査というのがこの間出ていまして、去年の五月に成人男女五万四千百三十一人から回答を得たということですけれども、少子化に危機感を抱く国民が八割に達していると。これに歯どめをかける施策としては、教育費への軽減を求める声が五一・九%で最高なんですね。ですから、教育費への負担軽減は非常に切実だし、少子化対策としては非常に重要なんだと、多くの国民がそういう認識を持っているということなんですね。
 そこで、伺いますけれども、幼稚園保護者負担軽減の単価設定、一番基本になる額が年間七万四千四百円ですけれども、この単価の設定の考え方はどういうことですか。

○新行内私学部長 園児保護者負担軽減費補助の単価設定についての考え方ということでございますが、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助は、私立幼稚園等に在籍する幼児の保護者に対しまして区市町村が行う軽減事業の経費を都が補助する事業でございまして、現在の第一子の補助単価は、所得区分に応じまして、七万四千四百円、五万四千円、四万二千円、二万八千八百円と、それぞれ設定してございます。
 この補助単価につきましては、他の政令指定都市等の保育料の実態や保護者の実費負担額の比較等を踏まえまして、所得の階層に応じた負担の適正化を図る観点から設定したものでございます。

○大山委員 今私が聞いたのは、その一番基準になるというか、最高額のところの七万四千四百円はどういう考え方で設定したんですかということなんですけれども。

○新行内私学部長 生活保護世帯等に対する補助単価というものが七万四千四百円でございまして、これの設定の考え方と申しますのは、保育料の公私格差と国の就園奨励費等を勘案して、設定したものでございます。

○大山委員 勘案して、だから、国の就園奨励費と公私格差をどういうふうに、どのぐらい、どこまで是正しようという考えなんですか。

○新行内私学部長 繰り返しになって恐縮でございますが、もろもろの状況を踏まえまして、保育料の公私格差と国の就園奨励費とを勘案して設定する、こういうことでございます。

○大山委員 違う。だから、国の就園奨励費と幼稚園の保護者負担軽減の額がありますね。七万四千円で公私格差を全部、全部というか、ほとんどゼロにしようという考えなんですか。

○新行内私学部長 今ご指摘の全部ゼロにする、そういう考えで設定しているということではございませんで、そういった私どもの予算の状況等いろいろ踏まえまして、先ほど申しましたように、保育料の公私格差と国の就園奨励費、そういったもの全体を勘案して設定しておる、こういうことでございます。

○大山委員 基本のところですから、はっきりしたいんです。公私格差を是正するという基本があるわけですね。それで、国の就園奨励費があります。それと、保護者負担軽減を七万四千四百円というのに設定したのは、公私格差をおおむねゼロにしようということで、設定したんじゃないんですか。

○新行内私学部長 大山委員はおおむねゼロにしようということで設定したのではないかということで、ともかく七万四千四百円の設定というのは公私格差をゼロにする、こういう考えがあるのではないかという点についての重ねての質問でございますが、私どもの方といたしましては、何度も繰り返して恐縮でございますが、保育料の公私格差と国の就園奨励費と勘案しまして、都の財政状況等を踏まえまして設定しており、その結果として、一〇〇%とはなっておりませんが、十六年度で見ますと、九八%の公私格差が是正されておる、こういうことでございます。

○大山委員 公私格差を勘案してというのは、基本的にどこまで--単価を設定するというのは根拠がなきゃいけないわけですね。ですから、それは適当に、どうやって勘案するといったって、勘案するというのは非常に便利な言葉ですけれども、どこをどういうふうに、根拠は何なんですか。どこまでどう、例えば九八%埋めようとしたんだとか、何か根拠がなかったら、非常にいいかげんな数字だということなんじゃないんですか。

○新行内私学部長 勘案してということで、根拠数字がなければということでございますが、私は先ほど、十六年度で九八%の公私格差が是正された、こういうふうにご説明いたしましたが、その根拠数字といたしましては、公私格差が二十一万七千円余りございまして、就園奨励費が十三万七千円余り来る。その中で、都の補助単価が七万四千四百円、こういうことでございますので、九八%が達成されている、こういうことでございます。

○大山委員 基本的には、目標があって、きちんと額を設定したんじゃないんですか。だから、九八%設定しているというのは、公私格差をなくそうという目標があって、それで、就園奨励費とそれから保護者負担軽減を設定するわけですね。
 今、保護者負担軽減と就園奨励費ですけれども、教育庁からもらってきた十八年度の幼稚園就園奨励費補助の概要というのもありますけれども、十八年度の国の就園奨励費の基準額というのは十四万五千円ですね。それで、幼稚園の全国平均が二十八万五千円ですから、公立幼稚園の全国平均、七万七千円です。ですから、それを合わせても、二十一万七千五百円ですから、六万七千五百円足りないわけですね。ですから、公私格差を是正しよう、限りなくゼロに近づけよう、そういう設定の仕方だったら、まだまだ足りない。これでも足りないわけですね。
 東京都は保育料だけの補助という考え方ですけれども、国の就園奨励費だって、保育料と入園料が対象になっているんですね。保育料以外にも入園料だとかさまざまかかるわけです、さっき申し上げましたように。だからこそ、平均額が年間四十二万円にもなっているわけですね。ですから、国の基準でさえも、就園奨励費でさえも、保育料と入園料を合わせたものを基準にしているわけですから、せめて東京都も補助対象を入園料などにも拡大することが求められますけれども、どうですか。

○新行内私学部長 私立幼稚園に通園する保護者の負担軽減につきましては、経常費補助を基幹といたしまして、さらに十七年度には預かり保育の補助単価を大幅に増額し、また、これからご審議願います十八年度予算案におきましては、園児保護者負担軽減補助の第二子以降の補助単価を増額するなど、そのほかの施策の充実にも努めておるところでございます。
 したがいまして、園児保護者負担軽減補助の補助対象経費を入園料その他まで拡大するということにつきましては、現時点では考えておりません。

○大山委員 なら、聞きますけれども、公私格差をなるべく減らしていこうという考え方は基本的にはあるわけですね。ちょっとそこを確認してください。

○新行内私学部長 公私格差の是正ということにつきましては、私ども、一つの私学助成の考えという形で持ってございます。と申しますのは、経常費補助の目的、これは私学振興助成法に掲げられる目標でございまして、三つの目標がございます。私立学校の教育条件の維持及び向上、児童生徒の修学上の経済的負担の軽減、そして、三つ目が私立学校の経営の健全性を高める、こういうことでございまして、この二つ目の児童生徒の修学上の経済的負担の軽減、こういうところから、公私格差是正ということを私ども掲げておるということでございます。
 ただし、言葉のあやと申しますか、言葉の問題でしょうけれども、公私格差是正ということと、その差をなくす、ゼロにするということについては、若干の隔たりがあるかのように理解しております。

○大山委員 きちんと聞いておいてくださいね。公私格差を是正する基本的な考え方はあるんですねという質問をしたわけですよ。だから、今、経済的な問題でも、差を縮めていくということがあるわけですから、それはきちんとより実態に合ったものにするべきだと思いますよ。全国平均は二十八万五千円ですけれども、東京都の平均は四十二万円ですから、それをきちんと認識して、公私格差を是正していくということだったら、より実態に合ったものにするべきだと考えています。
 先ほどから、来年度の第二子の単価を上げるということでは出されていますけれども、子育て支援だということですけれども、第二子の単価を上げる、その理由というか、考え方というのをもう一回聞かせてください。

○新行内私学部長 第二子単価を上げるという、その考え方でございますが、十八年度予算案におきまして、子育て支援策の一環として、私立幼稚園に同時期に子どもを二人以上就園させている保護者の経済的負担の軽減を図るため、第二子以降の補助単価を、生活保護世帯と住民税所得割非課税世帯以外は、現在一律に五万四千円となっておるものを、所得区分に応じまして、七万四千四百円、六万七千二百円、六万円と増額するものでございます。

○大山委員 まさに今回単価を上げるという考え方は子育て支援だと、より子育てがしやすいように、経済的な支援が重要だという認識があるからこそ、今回増額するわけですね。それは賛成ですし、重要なことですね。
 同時に、圧倒的には第一子が多いわけですよ。ですから、第一子からより経済的支援を強化するということは、もう一人産めるかな、そういう気持ちを激励するわけですから、せっかく経済的支援が重要だという認識に立っているわけですから、同時に二人通園している、二人目という--やらないよりはいいですよ。でも、非常に狭いんじゃなくて、第一子から、今増収もあるわけですから、ちゃんと拡大すると、もっと支援になるというふうに要望しておきます。
 と同時に、区市は、対象者の拡大と補助単価の上乗せというのは結構しているんですね。区の職員に聞きましたら、どうして上乗せしているんですか、それから対象者を広げているんですかといったら、とにかく率直にいうと、東京都の単価が低いからなんですということなんですね。
 対象拡大についていえば、例えば地元の新宿区は、年収一千万円まで助成を拡大しました。それから、所得制限ないということで継続しているところも多くあります。例えば対象を入園料の補助まで拡大しているのは二十区ですね。多摩地域では七市です。ですから、区市の上乗せ状況というのは、今ざっと述べただけでも、結構区市によって差があるわけですね。広域行政として区市での差を埋める、どこに住んでいても、東京の子どもたち、同じように幼稚園に通えるようにするというのは、やはり東京都の役割だということはいわざるを得ないわけですね。
 公立の保育園だと、例えば入園手数料は、新宿の場合だったら千五百円ですよ。保育料は月額六千円ですから、十一カ月分あればいいわけですね。多く見積もっても、年間八万円ぐらいで公立の幼稚園には通えるということなんです。
 東京都内の私立幼稚園の依存率というのは、先ほども述べましたけれども、九一・〇%です。全国的に見ても、これは大きな依存率ですから、公立に預けていても、それから私立に行っても同じように、経済的な負担についてもなるべく小さくしていくこと、依存率が高いだけに非常に重要だと思うんですけれども、この辺の認識はどうですか。

○新行内私学部長 園児保護者負担軽減補助そのものが、先ほどからご説明してございますように、保護者の経済的負担を軽減していく、そういう事業でございますので、それを時宜に応じ、状況に応じて充実させていくということは、これは大事なことだと思います。
 ただ、冒頭の考え方で説明してございますように、私立幼稚園等に在籍する幼児の保護者に対し区市町村が行う軽減事業の経費を都が補助することで、幼稚園教育の振興というふうなことに資するということでございますので、区市町村は区市町村の事業として充実されるということも必要かと思います。

○大山委員 充実させていくということは、基本的にはそうですよ。しかし、例えば入園料だけを見てみれば、二十区で拡大しているけれども、市町村だったら、七市なんですね。やはり財政の多寡によって、幾らやりたくてもできないというところはあるわけですね。ですから、単価を上げていく。それから拡大していく。東京都がやっていくことによって、底上げができるわけですね。それはやはり東京都の役割ですから、再度求めておきます。
 経常費補助のことですけれども、私立幼稚園に九割依存しているわけですが、幼稚園の経常費補助、昨年十月の事務事業質疑のときに資料でいただいたのをもう一回見直してみたら、十二年度から比べると、児童一人当たりの経常費補助、昨年度実額で一万二千九百四円、十二年度から比べると減額になっているんですね。全国順位は何と十二年度は九位だったんですけれども、十六年度は四十五位に転落をするという状況です。私立幼稚園の経常費補助、一人当たりの単価が十二年度から毎年下がっているわけですけれども、これはどういう理由ですか。

○新行内私学部長 幼稚園の経常費補助が十二年度から一人単価で見ると下がっている、その理由というお尋ねでございますが、その主な理由といたしましては、財政健全化計画や財政再建推進プランに基づきまして、適正に見直しを行ったことによる結果だと思います。

○大山委員 財政再建推進プランと財政健全化計画での削減だということなんですね。経常経費五〇%を守るというのは重要ですし、さらに率を引き上げていくということを目指していくべきだと思います。
 その経常経費について、やはり財政再建推進プランと財政健全化計画で、削減がいかに子どもたちにも冷たくて、痛みを押しつけてきたかというのは、それは経常経費の減額とそれから保育料などの納付金の増額が対応するわけですね。例えば一人当たり単価が毎年減額されていたわけですけれども、十二年と十六年を比べると、幼稚園では一万二千九百四円の減額ですね。それで、その間、幼稚園の初年度納付金は一万七千四百円の増額になっています。経常経費が減ると、父母負担がふえるということですね。
 これは幼稚園だけではありません。高校は、経常経費の単価が十二年度と比べると、一万五千七百二十五円の減額で、初年度納付金は二万九百八十六円の増額、中学校では、同じく千七百三十一円の減額で、二万四千二百三十六円の増額、小学校は、一万三千十八円の経常費補助の減額で、四万千五百七十二円の父母負担の増額です。結果として、経常経費の減額が納付金を上げている。とりわけ小学校は五・五%の減額で、納付金は一〇四・七になっているわけですね。幼稚園は八・六%の減額で、十二年を一〇〇とすると、一〇四・三になっている。ですから、より若い世帯に負担がよりふえているということをいわざるを得ません。
 中学校二年生と小学校五年生のお子さんを私学に通わせているお母さんは、家計の大部分を学費にとられている。それでも、三十人学級の学校で喜んで子どもたちは行っているので、経済的には苦しいけれども、行かせているんですと。子どもが希望したときに、だれもが懐を気にしないで行けたらと語っていました。これは多くの保護者の声を代弁している発言だと思っています。
 あと、高校なんですけれども、授業料補助です。他県と比べると、授業料補助の額というのが、東京は非常に少ないんですね。例えば生保世帯、それから住民税非課税世帯、これが授業料補助の基準になって、それの所得で、ふえるごとに減額されていくわけですけれども、その生保基準、それから非課税世帯の基準、これは基本ですから、ここを増額させるということは、ほかの所得のところも引き上げるわけですから、これは非常に重要な設定だというふうにいえると思っています。
 他県がどうなっているのかといったら、生活保護世帯と住民税非課税世帯は授業料全額補助という県が九県ですね。それから、生活保護世帯が全額補助というところが五県ということで、全額補助しているところが多いわけですね。
 生活保護でカバーされるじゃないかというふうにいわれるかと思いますけれども、生活保護でカバーできるのは、都立高校の授業料分です。十六年度だと十一万千六百円、学用品費は月額五千三百円までです。入学料だとか修学旅行費は扶助されませんから、奨学金だとか生活福祉資金などの借り入れで賄わなければならないわけですね。
 他の県はこうやって全額補助するというところも多くあるわけですから、経済的な理由で私立高校を選択肢に入れられないようにすることをなくそうと、だから、生活保護を受けていても、非課税世帯でも、私立高校が選択肢の一つになるようにしようというわけですね。私、この考え方というのは非常に重要だと思うんですけれども、どうですか。

○新行内私学部長 私学助成についての考え、いろいろございます。その中の、今私立高等学校等授業料軽減補助の関係でございますけれども、東京都におきましては、先ほども答弁いたしましたが、私学助成における基幹的な補助である経常費補助によりまして、保護者負担の軽減を誘導し、さらにこれを補完するものとして、保護者の所得状況に応じて授業料の一部を補助する授業料軽減補助を実施しておる、こういうことでございまして、現下の財政状況等もろもろ勘案いたしまして、この支給水準については妥当なものと考えております。
 なお、経常費補助の考えについて、先ほど大山委員るるお述べになっておられましたけれども、ご理解いただく点が二点ございまして、一つは、経常費補助というのは二分の一を上限として補助する、こういうことでございますので、先ほど野上理事のご質問にも答えておりましたように、その二分の一は既に達成し、それを維持しておるということでございます。
 あるいはまた、経常費補助が減ったから納付金が増になった、そこにあたかも因果関係があるかのようにお話しなさっておりましたけれども、私どもの方としては、そういう数字として、結果として、そういうことが出ているというふうに理解しております。

○大山委員 私の質問にちゃんと答えてもらいたいわけですよ。しかし、今ご答弁しましたから、私もしゃべりますけれども、二分の一を達成したといっても、実質的に財政再建推進プランと財政健全化計画で減額しましたということをちゃんと答弁しているじゃないですか。減額しているわけですね。そして、経常費補助をするのは、経済的な負担も含めて軽減できるように、それは学校に補助するんですよというのをさっき答えたじゃないですか。
 それを自分から減らす。しかも、今財政が厳しいだとかなんとかいいましたけれども、税収は予定していたよりも多かったわけでしょう。六年間で二兆円も多かったわけですよ。それを、財政が苦しいんだ、財政健全化計画をやるんだといって、増収しているのに補助を平気で減額するという、それはおかしいと。
 因果関係がないといいましたけれども、そうやって経済的な保護者への負担も軽減できるように補助するんだということを、それを減らしているわけですし、それから、実際納付金が、平均がふえているわけですから、それは事実としてきちんと認識してもらわなきゃ困ります。
 と同時に、私が質問をしたのは、経済的な理由で私立学校を選択できない、選択肢に入れることができない、これは避けなきゃいけないことですねということを伺っているわけです。

○新行内私学部長 経済的理由によって私学への進学を断念する、そういうケースについてというお話でございますけれども、私どもが先ほどから説明してございますように、ただいまの高等学校等授業料軽減補助、生活保護世帯に対する補助は十六万四千円でございまして、十七年度からはこれに、生活保護基準が改正されまして、私立高校に通学する場合にも、生活保護費として、授業料については公立高校、都でいえば都立高校の授業料相当額の十一万五千二百円が支給されるようになってございます。
 さらにまた、福祉施策として行われております生活福祉資金貸付、あるいは私どもが行っている入学時の貸付金、そういったものもろもろ総体として勘案して、ぜひ私立学校の方への進学をお願いしたい、このように考えております。

○大山委員 だから、総体的に勘案して、ぜひ私立学校へもということですから、行きたい学校というか、ぜひとも都立だけじゃなくて、私学も選択肢に入れたいという子どもたちを、きちんと東京都はそれを保障していくという立場に曲がりなりにも立っているというふうに認識するわけですけれども、授業料だけいっていますけれども、授業料だって、都立高校の授業料と私立高校の授業料は違うわけですね。それから入学金もあれば、修学旅行だってあるわけですね。
 それで、これは十月のときに確認したわけですけれども、奨学金だとか育英資金、三年間でそれを借りると百八万円、入学時の支度金が二十万円、これは入学金なんかで必要なわけですね。ですから、低所得の人が高校を卒業して社会に出た、そのときから百万円以上の借金を抱えているという状況になってしまうわけですね。ですから、まさに貧困の再生産になりかねないという状況なわけです。
 先ほどの生計分析調査ですけれども、世帯主三十五から三十九歳の世帯の実収入は、平成十一年から十六年で、年間約七十四万円も減収になっています。この世帯の収入が減っているということを考えれば、やはり学費を心配せずに希望する進路を選べるようにするためには、保護者負担軽減、そして私学への経常費補助、これを拡充することがますます切実に求められていることを強調しなければならないと思っています。
 ちょっと伺っておきたいんですけれども、父母負担軽減の制度で、定率減税の半減による影響が出ないようにしなきゃいけないと思うんですけれども、これはどのようにしようと考えているんですか。

○新行内私学部長 定率減税の半減による影響についてのご質問でございますが、所得税及び個人住民税の一定割合に相当する額を減税する定率減税につきましては、平成十七年度税制改正で、平成十八年度分の個人住民税については所得割額の一五%相当額が七・五%に縮減されることから、住民税額を補助の対象の基準とする私立高等学校授業料軽減補助の受給者に影響が出るであろうということは認識してございます。その対応については、現在検討中でございます。

○大山委員 ぜひ保護者負担軽減、それから授業料補助、定率減税の影響が出ないように、要綱の改正など準備していただきたいというふうに思います。
 専修学校なんですけれども、今東京都は、先ほどのご答弁の中でも、経常費補助しないんだということですね。しかし、ほかの県はどうかなということで、東日本二十二都道県を見てみますと、専門学校への経常費補助を行っていないのは宮城県と東京都だけなんですね。他県はちゃんと経常費補助をやっているわけですね。
 専門学校というのは結構授業料が高くて、幾つか調べてみますと、例えばミュージシャン科百二十二万円とか、それからビジュアルアーツ、芸術っぽいのは百三十九万円とか、あとほかのところも二年間で二百五十万円とかということですから、やはりその学費を軽減していく。それから、都内の専門学校は本当にふえているわけですから、安心して学べるように、この経常費補助もきちんとしていくべきだというふうに思っています。
 それにしても、教育に対する負担感、さっきも時事通信のアンケートでもあったわけですけれども、少子化対策にとっても、経済的な支援、とりわけ教育費への支援というのが、皆さん要望されているわけですね。
 四十年前の一九六六年には、国連で国際人権規約第十三条の二項のb、c、これで高校、大学における無償教育の漸進的導入、これを約束したわけですけれども、日本は何とこの条項を留保しているんですね。留保しているのは日本とルワンダとマダガスカルの三国のみです。日本は国連から留保の撤回を検討するようにというふうに求められているわけですね。
 世界の先進国は高校、大学の学費を無償にするために努力をしてきたわけですし、実際、無償にしているわけですね。一九六一年には、ユネスコ及び国際教育局が就学前教育、幼稚園ですね、無償制の導入を求めています。これもまさに考慮されていないわけですけれども、都は国にもきちんと要求して、この留保を撤回することと、世界の国々が努力している高等教育それから就学前教育の無償化を日本も進めるように、国にも要望するし、そして、東京都自身も努力することを要求しておきます。

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 これより採決を行います。
 初めに、請願一七第一七三号を起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○村松委員長 起立少数と認めます。よって、請願一七第一七三号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願一七第一八〇号をお諮りいたします。
 本件中、第一項から第三項まで、第五項、第七項及び第十一項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八〇号中、第一項から第三項まで、第五項、第七項及び第十一項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一七第一八二号をお諮りいたします。
 本件は、教育庁所管分がありますので、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八二号は、本日のところは継続審査といたします。
 次に、請願一七第一八三号をお諮りいたします。
 本件中、第二項、第四項及び第五項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八三号中、第二項、第四項及び第五項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一七第一八四号をお諮りいたします。
 本件中、第三項、第四項及び第五項の(1)を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八四号中、第三項、第四項及び第五項の(1)は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一七第一八六号をお諮りいたします。
 本件は、教育庁所管分がありますので、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八六号は、本日のところは継続審査といたします。
 次に、陳情一七第八〇号をお諮りいたします。
 本件は、教育庁所管分がありますので、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第八〇号は、本日のところは継続審査といたします。

○村松委員長 次に、陳情一七第七三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○三森参事 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表、八ページをお開き願いたいと存じます。
 一七第七三号、東京都情報公開条例の改正を求めることに関する陳情について、ご説明を申し上げます。
 陳情者は、渋谷区の樋口徹さんでございます。
 陳情の要旨は、東京都において、みずからが保有する情報を公開する場合に、できる限り情報開示請求せずに都民に情報提供がなされるよう、東京都情報公開条例を改正することということでございます。
 現在の状況をご説明申し上げます。
 東京都情報公開条例は、公文書の開示を請求する都民の権利を明らかにし、開示請求の対象となる公文書の範囲、開示請求の具体的手続等を定めたものでございます。
 あわせて、本条例第三十条から第三十二条におきましては、開示請求を待つことなく各種の都政情報を公表、提供することにより、都政に関する正確でわかりやすい情報を都民が迅速かつ容易に得られるよう、情報公表制度及び情報提供施策の拡充も定めているところでございます。
 情報公表制度といたしましては、都の長期計画や重要な基本計画、主要事業の進行状況などの公表を義務づけるとともに、同一の公文書につき複数回開示請求を受けてその都度開示をした場合等で、都民の利便及び行政運営の効率化に資すると認められるときは、当該公文書を公表するよう努めるものとすることが定められております。
 情報提供施策としましては、知事の施政方針、環境、保健衛生、防災、都の行事などの都民生活と密接な関係のある情報について、インターネット、広報紙などを通じて広く都民に提供しているところでございます。
 以上、陳情に関するご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○村松委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第七三号は不採択と決定いたしました。

○村松委員長 次に、陳情一七第九四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高西広報広聴部長 それでは、お手元の請願・陳情審査説明表の九ページをお開き願います。
 一七第九四号、歌舞伎町のこれからをテーマにした東京ビッグトークの開催に関する陳情について、ご説明申し上げます。
 陳情者は、新宿区の影野臣直さんでございます。
 陳情の要旨は、新宿歌舞伎町の各種風俗店で働く人々や排除される側の人々などを集め、彼らの意見を施策に反映させたり、排除された人々を更生させるために、歌舞伎町のこれからをテーマにした、東京ビッグトークを開催していただきたいというものでございます。
 東京ビッグトークについて、現在の状況をご説明申し上げます。
 東京都におきましては、都民と都政のよりよいコミュニケーションを図るため、生活文化局と各局広報広聴部門のそれぞれが連携、協働し、都庁全体で積極的に広報広聴活動を展開しております。
 生活文化局所管の「~東京ビッグトーク~石原知事と議論する会」は、都政の重要課題について、集会の場を通じて、知事が直接都民から建設的な提言をお聞きするとともに、知事自身が肉声で政治方針や都政の方向性を発信していくことを目的といたしまして、年に三回程度開催しているものでございます。
 東京ビッグトークは、都政を取り巻くその時々の社会経済状況などを勘案し、都政全体の重要課題についてテーマを選定し、議論するものであり、新宿歌舞伎町の各種風俗店で働く人々や、排除される側の人々といった特定の人の意見を聞く場ではございません。
 以上、陳情に関するご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第九四号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十一分散会

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