文教委員会速記録第十九号

平成十七年十二月十三日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事服部ゆくお君
理事野上ゆきえ君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
坂本たけし君
上野 和彦君
泉谷つよし君
秋田 一郎君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長南雲 栄一君
教育庁教育長中村 正彦君
次長比留間英人君
総務部長志賀 敏和君

本日の会議に付した事件
 意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百九十六号議案 旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百九十七号議案 東京都学校経営支援センター設置条例
・第百九十八号議案 東京都教職員研修センター設置条例の一部を改正する条例
・第百九十九号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百号議案 東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百一号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二号議案 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三号議案 学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百四号議案 東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百五号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第二百六号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第二百七号議案 東京都立高等学校の寄宿舎使用料徴収条例の一部を改正する条例
・第二百八号議案 東京都立学校校外教育施設設置条例の一部を改正する条例
・第二百四十一号議案 東京都江戸東京博物館外五施設の指定管理者の指定について
・第二百四十二号議案 東京都立大島セミナーハウスの指定管理者の指定について
・第二百四十三号議案 東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定について
・第二百四十四号議案 東京体育館の指定管理者の指定について
・第二百四十五号議案 駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理者の指定について
・第二百四十六号議案 東京武道館の指定管理者の指定について
・第二百四十七号議案 東京辰巳国際水泳場の指定管理者の指定について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書二件につきましては、調整がつかない旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○村松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査、請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百九十六号議案から第二百八号議案まで及び第二百四十一号議案から第二百四十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○大山委員 第百九十七号議案、東京都学校経営支援センター設置条例外九議案に反対の立場から意見を表明します。
 百九十七号議案は、全都に六カ所の学校経営支援センターの所と支所を設置する条例です。
 都立学校経営支援センターは、全国でも例がない行政機関であり、条例案自体はわずか六条で、目的も、どのような権限を持つのかも、支援の対象や範囲もわからない、不十分な条例案です。
 第一の問題は、学校経営支援センターが、行政による教育への不当な支配を制度化させるものだということです。
 経営支援チームは、平均二十二校を担当し、教育活動支援を行いますが、その内容は、教育課程の管理、教育課程編成、実施などを初め、本来なら法で限定している、指導主事が行う授業内容改善なども含め、職の位置づけなどが条例上も全くない者、行政系の職員も含めたチームが行うことになります。同様のチームが、人事管理支援として教職員の人材情報の収集、人事異動、人事考課の実施などを、月一回の学校訪問を業務として行い、授業の参観や職員会議等への参加も行い、学校のすべてのことに学校経営支援センターが容喙することになります。
 また、支援の名のもとにこれまで行ってきたことが、七生養護学校などで行った性教育を発端にした教育への介入であり、子どもたちの内心に踏み込む、日の丸・君が代の強制です。
 また、今定例会では、さらに生徒への強制を強めるために、学校経営支援センターを設置することが教育長から表明されています。学校経営支援センターは、教育基本法第十条で禁じている教育への不当な支配であることは明白です。
 また、学校経営支援センター計画で、都立学校に平均六人いる学校事務職員を四人に減らすことになり、子どもたちへのきめ細かな対応が保障できるのか、また、教員以外の職員が減ることは、児童生徒の安全面からも危惧せざるを得ません。
 今、都教委がやらなければならないことは、戦前の管理、統制の教育が軍国主義の温床になったという痛苦の反省からつくられた教育基本法第十条をしっかりと守ることです。都立学校経営支援センター条例案は反対です。
 百九十八号議案は、現在目黒区にある東京都教職員研修センターを文京区にある現在の分館に移転させ、それに伴って、分館で行っている生徒実習を廃止するものです。
 生徒実習はコンスタントに利用されており、機械が古いわけでもありません。拠点校で他校の生徒も実習できるようにするということですが、それは現在の分館での実習を廃止する理由にはなりません。
 よって、百九十八号議案と連動する二百三号議案、二百四号議案を含めて反対です。
 第二百八号議案は、大島セミナーハウスを廃止する条例案です。
 保護者の経済状況が厳しくなっている現在、高校生の宿泊費が無料である大島セミナーハウスは、部活の合宿などを初め、なくてはならないものです。
 二百七号議案は、大島セミナーハウスの廃止と連動する条例案、また、二百四十二号議案は、同セミナーハウス廃止が前提の指定管理者の指定であるため、反対です。
 第二百四十四号議案は、東京体育館、二百四十六号議案は、東京武道館、二百四十七号議案は、東京辰巳国際水泳場の指定管理者の指定についての議案です。
 これらの議案で問われたことは、指定管理者制度に移行しても、都立の社会体育施設としての役割や使命を果たすことができるのかどうかです。施設の専用利用の優先受け付けは従来どおりという答弁はしているものの、事業計画書では、収益性の拡大にも積極的に取り組むとあることから、収益を上げる事業に重点が移動することが危惧されます。
 質疑の中で明らかになったことは、現在、東京体育館のプールで行われているプログラムや教室と、指定管理者での提案の同様の事業を比較すると、料金が大幅にふえ、自主事業での公共性の担保、低廉な料金でだれもが利用できるということにはならないことが明らかになりました。
 また、実質的には指定管理者が行う自主事業しか使えないスタジオを新設しますが、この工事費は委託料の中に入っており、公金が支出されることになります。
 施設の使用の承認、利用料金の徴収を指定管理者が握り、しかも施設の改修、修繕は都の責任でやるということであり、結果として、公益性、公共性へのしわ寄せが来るということになります。よって、反対です。

○村松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百九十七号議案、第百九十八号議案、第二百三号議案、第二百四号議案、第二百七号議案、第二百八号議案、第二百四十二号議案、第二百四十四号議案、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○村松委員長 起立多数と認めます。よって、第百九十七号議案、第百九十八号議案、第二百三号議案、第二百四号議案、第二百七号議案、第二百八号議案、第二百四十二号議案、第二百四十四号議案、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百九十六号議案、第百九十九号議案から第二百二号議案まで、第二百五号議案、第二百六号議案、第二百四十一号議案、第二百四十三号議案及び第二百四十五号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、第百九十六号議案、第百九十九号議案から第二百二号議案まで、第二百五号議案、第二百六号議案、第二百四十一号議案、第二百四十三号議案及び第二百四十五号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○村松委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、中村教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中村教育長 所管両局を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきましてご審議をいただきまして、まことにありがとうございました。ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえまして、これからの事業執行に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○村松委員長 発言は終わりました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十三散会

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