文教委員会速記録第十三号

平成十七年十月四日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事服部ゆくお君
理事野上ゆきえ君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
坂本たけし君
上野 和彦君
泉谷つよし君
秋田 一郎君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長南雲 栄一君
教育庁教育長中村 正彦君
次長比留間英人君
総務部長志賀 敏和君

本日の会議に付した事件
 意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百六十七号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十八号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十九号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十号議案 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十一号議案 義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十二号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第百七十三号議案 東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
陳情の審査
1 一七第五一号 東京都立目黒地区中等教育学校に関する陳情
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、今後の日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書中、一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

私学振興に関する意見書(案)
 東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、社会や都民の多様化する要請に応じて、個性的で特色ある教育を積極的に展開している。しかしながら、少子化の進行による児童生徒の減少や長期にわたる景気低迷の影響等から、私立学校の経営は極めて厳しい状況にある。
 現在、国は税財政制度改革を進めているが、その中で「私立高等学校等経常費助成費補助金」が廃止され、一般財源化されるようなことがあった場合、財政再建の途上にある都においては、地方交付税の不交付団体であることもあいまって、都の私学振興に多大な影響を与えるおそれがあり、決して看過することはできない。
 東京都並びに我が国の教育の発展には、私立学校の更なる充実が必要であり、そのためには国の財政的支援が不可欠である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成十八年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
二 授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。
三 保護者が負担する教育費の公私間格差を是正するため、私学教育費減税等新しい支援制度を創設すること。
四 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金及び私立高等学校等IT教育設備整備推進事業費補助金を拡充強化すること。
五 私立高等学校生徒に対する奨学金を拡充すること。
六 私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十七年十月 日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣  あて

○村松委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○村松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査、陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百六十七号議案から第百七十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○大山委員 日本共産党を代表して、第百六十七号議案から第百七十三号議案に反対する立場から意見を述べます。
 最初に、中等教育学校の設置についてです。
 我が党は、中高一貫教育一般に反対するものではありませんし、すべての子どもたちに分け隔てなく、よりよい教育環境を整える立場で行われる取り組みは尊重すべきだと考えています。
 ところが、東京都が行おうとしている中高一貫教育は、その教育目標に、日本人のアイデンティティーを身につけ、リーダーとなる人間を育てるという趣旨が盛り込まれ、新たな手法でのエリート教育になりかねません。
 そのため、旧制中学を中心に選定し、学力テストはないものの、適性検査という名の入試で全都から生徒を集めるものであります。中高一貫校に選ばれた各高校の生徒や保護者、OBから、都教委の進める中高一貫教育では、我が校の伝統や特徴は生かされないという批判の声が上がっているように、都民の納得も得られていません。
 また、受験競争の低年齢化を促進させることによる教育のゆがみが心配されます。
 しかも、中高一貫校がそれぞれの学校で特色を持たせるという位置づけでありながら、すべての学校が侵略戦争を美化し、正当化する扶桑社の歴史教科書を使うことになりましたが、選定のとき、教育委員会の議論は全くなく、都民には全く説明されていないことも明らかになりました。
 第百七十二号議案は、中等教育学校のほかに都立高校改革推進計画に基づく都立高校の統廃合と一体となった新設校の設置、また、都立高等専門学校は現在の二校を一校にしてしまうものですが、就職率一〇〇%、大学編入三割という充実した都立高等専門学校の入学定員が減ってしまうことになります。
 また、特別支援教育推進計画に基づき、大田ろう学校の場所に田園調布養護学校を、石神井ろう学校の場所に中高一貫校の中央ろう学校を設置するものです。現在、ろう学校の中学部は六校ありますが、三校のみになってしまいます。その上、中高一貫校である中央ろう学校は進学のための学校、葛飾と立川は職業教育が重点という計画になっているため、小学校五、六年生の段階で自分がどちらに行くのか判断せざるを得ないことになります。
 また、都立九段高校を廃止するものであり、反対です。

○村松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百六十七号議案から第百七十三号議案まで一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○村松委員長 起立多数と認めます。よって、第百六十七号議案から第百七十三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○村松委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情一七第五一号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○村松委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第五一号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○村松委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、中村教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中村教育長 所管の両局を代表いたしまして、ごあいさつをさせていただきます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきましてご審議、ただいまご採決をいただきまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえまして、これからの事業執行に万全を期していきたいというふうに考えております。
 今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。

○村松委員長 発言は終わりました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時九分散会

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