文教委員会速記録第十号

平成十七年九月十四日(水曜日)
第三委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事服部ゆくお君
理事野上ゆきえ君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
坂本たけし君
上野 和彦君
泉谷つよし君
秋田 一郎君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長南雲 栄一君
広報広聴部長高西 新子君
都民生活部長和田 正幸君
消費生活部長岳野 尚代君
私学部長新行内孝男君
文化振興部長 山本 洋一君
参事三森 生野君
参事産形  稔君
参事萩原まき子君
教育庁教育長中村 正彦君
次長比留間英人君
理事近藤 精一君
総務部長志賀 敏和君
学務部長齊藤 一男君
人事部長松田 芳和君
福利厚生部長橋本 直紀君
指導部長井出 隆安君
生涯学習スポーツ部長山川信一郎君
参事三田村みどり君
参事新井 清博君
参事沼沢 秀雄君
参事伊藤 一博君
参事川澄 俊文君
国体準備・事業推進担当部長関口 修一君
参事直原  裕君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
事務事業について(説明)
報告事項(説明)
・第十八次東京都消費生活対策審議会の答申について
・「東京都配偶者暴力対策基本計画」中間のまとめについて
・都立文化施設における指定管理者制度の導入について
 教育庁関係
事務事業について(説明)
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
・都立八王子地区産業高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約
報告事項(説明)
・第二次都立図書館あり方検討委員会報告について
・都立大島南高等学校学科改編及び都立大島セミナーハウスの運用に係る実施方針について

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及び教育庁関係の事務事業の説明聴取並びに教育庁関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに生活文化局及び教育庁関係の報告事項の説明聴取を行います。
 なお、本日は、事務事業、提出予定案件及び報告事項につきましては説明を聴取し、資料要求を行うことにとどめ、事務事業の質疑は後日の委員会で、また、提出予定案件及び報告事項の質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、生活文化局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○山内生活文化局長 生活文化局長の山内隆夫でございます。
 委員長初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、当局所管の事務事業の円滑な推進に向けて努力してまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、生活文化局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 総務部長の南雲栄一でございます。広報広聴部長の高西新子でございます。都民生活部長の和田正幸でございます。消費生活部長の岳野尚代でございます。私学部長の新行内孝男でございます。文化振興部長 の山本洋一でございます。参事で都政情報担当の三森生野でございます。参事で男女平等参画担当の産形稔でございます。参事で文化施設改革担当の萩原まき子でございます。最後に、当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の中山正雄でございます。
 以上で当局の幹部職員の紹介を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○村松委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○村松委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○山内生活文化局長 生活文化局が所管しております事務事業の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、白茶色の薄い方の冊子でございますが、事業概要の要約版でございます。それの三ページをお開きいただきたいと思います。生活文化局の機能という欄がございます。
 生活文化局は、社会の変化を的確に把握しながら、豊かで潤いのある生活を求める、都民の多様なニーズにこたえることを基本的な役割としております。このため、都民生活とかかわりの深い各種の施策につきまして、関係各局と密接に連携しながら、その推進に努めているところでございます。
 それでは、お開きの三ページの下半分、1から5まで掲げております計六つの施策につきましてご説明申し上げます。
 初めに、1、広報広聴及び情報公開のための施策でございます。
 都民の皆様に、都政に関する情報を迅速かつ的確に提供するとともに、幅広い都民の声を集約し、都政に反映させていくため、各局とも密接に連携を図りながら、広報広聴活動を展開しております。
 また、条例に基づき、情報公開制度及び個人情報保護制度を運営し、開かれた都政の推進と個人の権利利益の保護に努めております。
 次に、2、法人の許認可等、男女平等参画推進等の施策でございます。
 まず、法人の許認可等でございますが、近年、社会的にも定着しつつあります、ボランティア団体やNPO法人などによるいわゆる社会貢献活動に対する各種支援や、これら団体との協働を全庁的に推進しておりますほか、公益法人の許認可やNPO法人等の認証を行っております。
 また、男女平等参画推進等の施策では、男女一人一人が自立した個人としてその能力を十分に発揮し、多様な生き方を選択できる社会の実現を目指しまして、雇用分野での男女平等参画の促進や、家庭等における暴力に関する総合対策など、各種施策を推進しております。
 次に、3、消費生活の安定と向上のための施策でございます。
 規制緩和や、インターネット商取引の発展など、消費者を取り巻く環境が急激に変化する中、消費者がトラブルに巻き込まれるケースもふえております。このため、消費生活情報の収集、提供を行うほか、消費者被害の未然防止のための不適正取引行為の是正、指導、商品やサービスの安全性の確保、表示の適正化の推進など、公正な取引環境の整備を推進しております。
 次に、4、私学の振興等のための施策でございます。
 都内の私立学校に在学する児童生徒等の割合は、高等学校で五割を超えるほか、幼稚園で九割に達するなど、私立学校は、東京都の学校教育に大きな役割を果たしております。このため、都では、私立学校振興助成法等に基づき、私立学校に対する経常費補助や保護者の経済的負担の軽減など、さまざまな助成策を講じまして、私立学校の振興に努めております。
 最後に、5、文化振興のための施策でございます。
 東京は、芸術文化に関する情報にあふれ、多様な文化資源を抱えております。こうした中で、東京の活力を一層高め、世界に向けて文化を発信する魅力ある都市とするとともに、文化を創造するための環境の整備や、文化を支える社会的な仕組みづくりなど、総合的な施策を精力的に展開しております。
 以上、当局が所管しております事務事業の概要を説明させていただきました。
 豊かな都民生活の実現に向けて、職員一同全力を尽くしてまいる所存でございます。委員の皆様におかれましても、さらなるご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

○南雲総務部長 局長からの概要説明に引き続きまして、私からは、事業の詳細につきましてご説明申し上げます。
 本日、お手元には、資料第1号から第6号までお配りしております。資料第1号が当局の事業概要、第2号がその要約版でございます。本日は、資料第2号の事業概要の要約版に基づきましてご説明申し上げます。
 それでは、表紙を一枚おめくり願います。目次でございます。
 以下、ここに記載の各項目に沿ってご説明申し上げます。
 三ページをお開きください。初めに、機能と沿革でございます。
 まず、この三ページには、生活文化局の機能を記載しております。先ほど局長からご説明申し上げましたので、省略させていただきます。
 次に、四ページをお開きください。生活文化局機能と事業体系図でございます。
 左から右に、機能区分、事業区分、所管組織及び主な事業を掲げております。
 続きまして、六ページをお開きください。生活文化局の沿革でございます。
 生活文化局は、昭和五十一年八月に設置された都民生活局をもとに、昭和五十五年十二月、都市化の進展等に伴う新たな行政課題に対応するため、組織を再編し、発足した局でございます。その後も時代の要請に応じて組織改正を重ね、今日に至っております。
 本年八月一日には、新たに設置された青少年・治安対策本部へ、安全・安心まちづくりの推進及び交通安全対策等の施策並びに青少年健全育成等に係る施策を、それぞれ移管したところでございます。
 詳しい推移につきましては、お隣の七ページ及び折り込みの九ページをご参照ください。
 続きまして、一一ページからは、組織、定数でございます。
 印刷の都合上、恐縮でございますが、資料の位置を変えてごらんいただきたいと存じます。
 まず、一一ページには、青少年・治安対策本部への一部事業移管後の、平成十七年八月一日現在の当局の機構図を記載しております。
 機構図の中段に記載されておりますが、本庁組織は六部でございまして、総務部、広報公聴部、都民生活部、消費生活部、私学部、文化振興部となっております。また、当局所管の事業所として、東京ウィメンズプラザ、消費生活総合センター及び計量検定所の三つの事業所がございます。
 一二ページをお開きください。このページから一七ページにかけましては、各部及び各事業所の分掌事務を課別に分けて掲げてございます。
 後ほど、各部、各事業所の主要事業をご説明申し上げます。
 一八ページをお開きください。平成十七年八月一日現在の課別職員定数表でございます。
 表の左上の数字が合計になっておりまして、生活文化局の職員定数は、事務、技術及び技能を合わせまして四百四十二名でございます。
 一九ページからは予算・決算でございます。
 一九ページには、当局の平成十七年度の当初の予算額を記載しておりますが、本日は、青少年・治安対策本部への一部事業移管後の予算及び決算につきましてご説明申し上げたいと存じます。
 二〇ページをお開きください。平成十七年度の一部事業移管後の予算額は、上段のア、総額にございますように、歳入が百八十五億六千万余円、歳出が千四百二十四億二千二百万余円でございます。また、歳入予算及び歳出予算の科目別構成につきましては、イ及びウに記載しております。
 次に、二一ページ及び二二ページでは、事業別歳出予算を記載しております。
 また、続く二三ページ及び二四ページでは、平成十三年度から平成十七年度までの五年間にわたる歳出予算額の推移を記載しております。
 二五ページは、債務負担行為の一覧でございます。
 平成十七年度の債務負担行為限度額は、それぞれ計欄に記載のとおり、債務負担行為のⅠが五件、百四億六千九百万余円、債務負担行為のⅢが四件、二千七百十億八千五百万余円でございます。
 次の二六ページは、平成十六年度の決算について掲げております。後ほどごらんいただければと存じます。
 お隣の二七ページをごらんください。各部及び各事業所が所管いたします事業の概要でございます。
 以下、記載しております1から5までの各施策につきまして、順を追ってご説明申し上げます。
 二九ページをお開きください。初めに、広報広聴部が所管しております広報広聴及び情報公開のための施策でございます。
 都政の重要課題や都民の関心の高い事業を中心に、積極的に広報広聴活動を推進し、都民の都政に対する理解と関心を高めるとともに、都民意識の動向を的確に把握し、都政に反映させるべく、施策を推進しております。
 事業の体系を三〇ページに掲げておりますので、ごらんください。
 上段の広報広聴連絡調整では、都における円滑な情報の連絡調整及び広報広聴関連施策の充実を図るため、庁内各局の広報広聴担当部長により構成される東京都広報広聴会議を主宰するほか、都庁第一本庁舎三階の都民情報ルームにおいては、最新の都政情報の提供や各種都政資料等の閲覧、貸し出し等を行うとともに、都が編集、発行する刊行物の販売を行っております。
 次に、広聴事業でございます。
 知事が直接都民の意見を聞く知事と議論する会の開催や、世論調査の実施などにより、幅広い都民の意見等の聴取、把握に努めております。
 また、都民の日常生活の諸問題について、各種の相談事業を実施するほか、都民からの苦情、要望等を受け付けまして、関係部局との調整やあっせんを行うなど、都民の信頼確保に努めております。
 次に、広報事業でございます。
 月一回、全都民を対象に発行している「広報東京都」を初め、テレビやラジオを活用した都政広報、都庁総合ホームページの運営を行うなど、多様なメディアを積極的に活用し、都政情報を広く都民に提供しております。
 次に、情報公開についてでございます。
 条例に基づき、都が保有する情報を請求に応じて開示することを義務づける情報公開制度を運営するとともに、都における個人情報保護制度を円滑に運営し、個人の権利利益の保護を図っております。
 次に、三一ページをごらんください。都民生活部が所管しております法人の許認可等、男女平等参画推進等の施策でございます。
 公益法人等の許認可やNPO法人等の認証事務、男女平等参画に関する施策の推進及び渡航事務などの事業を行っております。
 三二ページの事業の体系をごらんください。
 まず、法人の許認可等では、災害時にボランティア支援の広域的拠点ともなる東京ボランティア・市民活動センターに対する運営費補助を初め、市民活動を促進するための各種の施策を実施しております。また、民法第三十四条に定める財団法人や社団法人の許認可等並びに宗教法人法に基づく宗教法人及び特定非営利活動促進法に基づく法人の認証等の事務を行っております。
 次に、男女平等参画施策の企画調整及びその一つ下に掲げます東京ウィメンズプラザの運営でございます。都は、東京都男女平等参画基本条例を基本に、すべての都民が個人として尊重され、男女が対等な立場であらゆる活動に参画し、責任を分かち合う社会の実現を目指しております。東京都男女平等参画審議会の運営、事業者団体との連絡会の開催及び家庭等における暴力問題対策などを初めとした総合的な取り組みを広く推進するほか、東京ウィメンズプラザを運営いたしまして、講座、研修、情報提供、相談等の事業を行っております。
 次に、渡航事務でございます。国からの法定受託事務として、新宿、有楽町、池袋及び立川の計四カ所におきまして、パスポートの発給や渡航相談などの事業を実施しております。
 次に、三三ページをごらんください。消費生活部が所管しております消費生活の安定と向上のための施策でございます。
 市場メカニズムを重視する規制緩和の進展、科学技術の進歩や経済のグローバル化に伴う電子商取引等の新たな取引形態の出現など、昨今の消費者を取り巻く社会経済環境は急激に変化しております。このような状況を踏まえまして、商品事故や取引被害の防止を初めとした各種の取り組みを推進し、消費者が安全、安心に商品を選択できる環境整備に努めております。
 三四ページの事業の体系をごらんください。
 まず、消費生活行政の企画調整では、消費生活対策審議会の運営などを、また、次の取引指導事業では、不適正取引防止や品質、サービスなどに関する商品の表示、包装等の適正化などを、さらに安全対策事業では、くらしの安全情報サイトの運営等を通じて商品、サービスに関する情報の収集、分析、都民への情報提供等をそれぞれ実施しております。
 次いで、消費生活協同組合の育成指導でございます。
 消費生活協同組合法に基づく検査等のほか、設備資金の貸し付けなどの助成策を講じております。
 次の公衆浴場対策につきましては、都民の入浴機会の確保と浴場経営の安定化を図るために、適正な入浴料金の決定及び施設、設備改善等に対する各種助成等を実施しております。
 次の流通環境改善事業では、環境負荷を軽減させる経済社会の実現を目指して、消費者や事業者等との連携により、環境に配慮した商品、サービスの普及、推進を図っております。
 次に、消費生活総合センター事業でございます。
 消費生活総合センターでは、消費者被害の救済を図るため、消費生活に係る相談や苦情等の受け付け及び処理を行うとともに、情報誌やホームページを通じた消費生活情報の提供を行っております。また、消費者教育のための講座の開催や教材の開発を行うほか、商品の品質や安全性を確認するための各種テストを実施しております。
 次に、計量の適正化でございます。
 計量検定所では、適正な計量を確保するために、都内で生産及び修理される各種特定計量器の検定を初め、計量関係事業者の事業の届け出、登録、申請並びに使用中の特定計量器等に対する立入検査などを行っております。
 三五ページをごらんください。私学部が所管しております私学の振興等のための施策でございます。
 都内、私立学校の振興を図るため、学校教育法、私立学校法及び私立学校振興助成法を基本として、さまざまな事業を実施しております。
 次の三六ページの事業体系をごらんください。
 まず、私立学校の認可、指導でございます。都知事が所管する私立学校の設置、廃止等の認可を初め、学校法人の設立及び解散の認可等の事務を行っております。
 次に、私立学校教育助成でございます。
 これは、私立学校の教育条件の維持向上、修学上の経済的負担の軽減及び学校経営の健全化などを目的とした基幹的な補助制度として、経常費補助を実施しているほか、学校設備の整備など各種補助事業を行っております。こうした学校への助成とあわせまして、保護者の負担軽減事業や関係団体を通じた教職員の福利厚生に関する補助等を実施しております。
 次いで、東京都育英資金でございます。
 育英資金事業は、経済的理由等により修学が困難な方々に対しまして、教育を受ける機会の拡充を図り、次代に貢献し得る人材の育成を進めるもので、社会のセーフティーネットの役割を担う重要な施策でございます。本年四月、高校奨学金事業の国から都への事業移管にあわせまして、育英資金事業について都から東京都私学財団への移管を行うなど、事業全体の再構築を行っております。
 次に、三七ページをごらんください。文化振興部が所管しております文化振興のための施策でございます。
 文化は、人々の暮らしに豊かさと潤いをもたらすものであると同時に、都市の魅力と活力の根源となるものでございます。このため、東京の持つ多様な文化資源を生かし、東京から時代をリードする文化を創造できるよう、各種施策を総合的に展開しております。
 三八ページの事業の体系をごらんください。
 まず、文化振興施策の企画調整では、都立の公園等に設置しております野外芸術作品の保守管理及び助成金情報やコンテスト情報等を提供するアーチスト総合支援情報サイト、東京アートインデックスの運営などを行っております。
 次の展示映像文化の発信では、若手アーチストなどを対象として作品発表の場を提供するトーキョーワンダーサイト等の事業を実施しておりますほか、東京国際映画祭の共催や、映画やテレビドラマ等の撮影許可に関する総合窓口である東京ロケーションボックスを運営して、東京からの文化の発信力の向上に努めております。
 次に、文化事業の推進でございます。
 まず、文化行事等では、十月一日の都民の日を記念しまして、さまざまな行事を実施するほか、名誉都民などの顕彰制度を実施しております。
 また、舞台芸術の振興では、都民に低廉な料金で舞台芸術の鑑賞機会を提供する都民芸術フェスティバルの開催等を行っております。
 その下の、公共空間の開放では、都発行のライセンスを所持したアーチストが公共空間でパフォーマンスを繰り広げるヘブンアーチスト事業や、都立の施設の壁面をアーチストに開放するストリートペインティング事業などを実施しまして、都民が気軽に芸術文化に親しむことができる環境づくりを推し進めております。
 さらに、花火大会助成では、江戸以来の伝統的な行事であります隅田川花火大会などの事業を支援するほか、三月十日の東京都平和の日の記念事業の実施を初め、東京空襲犠牲者を追悼する平和を祈念する碑の維持管理を行うとともに、東京空襲犠牲者名簿の追加登載等の事業を行っております。
 次に、国際交流事業でございます。
 地域国際化推進検討委員会を設置し、外国人にも住みやすいまちづくりなどを検討して都政に反映させているほか、国際交流、国際協力を推進するための普及啓発活動等を行っております。
 さらに、続きまして、財団法人東京都歴史文化財団助成等及び、その一つ下に掲げます文化施設の管理運営等でございます。
 財団法人東京都歴史文化財団が実施する芸術文化イベントや、芸術文化団体等による創造活動に対する支援を行うとともに、江戸東京博物館、写真美術館及び東京文化会館などの文化施設各館の管理運営等を当財団に委託しております。
 以上が、生活文化局の事業概要でございます。
 次に、東京都が基本財産に出資等を行っている団体のうち、当局が所管している団体につきましてご説明申し上げます。
 白表紙の資料第3号の財団法人東京都歴史文化財団の経営状況説明書でございます。
 財団法人東京都歴史文化財団は、都の事務事業をより弾力的かつ効率的に行うために設置されたもので、庭園美術館、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館及び東京芸術劇場の管理運営等を行っております。
 なお、経営状況の詳細につきましては、大変恐縮ではございますが、後ほど資料をごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして事務事業の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 この際、事務事業について資料要求のある方はご発言を願います。

○大山委員 六点、お願いします。
 一つ目は、私立学校経常費補助の生徒一人当たりの単価及び全国順位の推移。
 二つ目は、私立学校の授業料及び初年度納付金の推移。
 三番目が、東京都育英資金一般貸付の予算及び決算並びに規模の推移。
 四番目が、私立学校学費減免の実施の状況をお願いします。
 五番目が、各都道府県の私立幼稚園への依存率。
 六番目は、幼稚園における預かり保育の実施状況。
 以上、六点です。

○村松委員長 ほかに、資料要求はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○村松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○岳野消費生活部長 それでは、私の方から、第十八次東京都消費生活対策審議会の答申につきましてご説明したいと思います。
 済みません。ちょっと風邪を引いておりまして、お聞き苦しくて、お許しください。
 資料第4号、(概要)と書いてございますが、そちらでご説明を申し上げたいと思います。
 まず、一ページをお開きくださいませ。本答申は、昨年の十一月に、消費者の自立支援に向けた事業者団体・消費者団体等との連携による新たな消費者施策のあり方についてというテーマにつきまして知事から諮問を行いまして、審議会の総会における意見や都民の皆様のご意見を踏まえまして、本年の七月に答申されたものでございます。
 中段の、まず、第1と書かれているところでございますが、消費者の自立支援に向けて都が事業者団体・消費者団体等との連携を推進するための基本的視点でございます。この1、新たな消費者行政の展開と事業者団体・消費者団体等との連携についてといたしまして、昨今の社会経済状況の変化や国の消費者保護基本法の大幅な改正などによりまして、消費者施策の軸足がこれまでの消費者保護から自立の支援へと行政の施策が移されたこと等を踏まえまして、都の消費者行政についても、事業者団体、消費者団体等との連携という視点から見直し、検討するとしております。
 恐縮ですが、二ページをお開きください。中ほどにございます、2、施策連携の現状と課題でございます。これまで都が行ってきた協働事業に加えまして、実効性のある連携の取り組みを拡大する必要があるとしまして、不適正業者を指導、処分する規制分野での連携等、新たな視点について述べてございます。
 次に、三ページをごらんください。3、都と事業者団体・消費者団体等との施策連携の方向性でございますが、今後、連携して強化すべき施策につきまして、目標別に三つ、整理してございます。
 具体的には、同じページの下の方にございます第2、事業者団体・消費者団体等と連携して都が取り組む新たな施策の中で、この三つの主たる施策について具体的に述べております。
 一番目の施策は、消費者への教育・啓発や情報提供の推進でございます。
 四ページをお開きください。(1)でございますけれども、一番上にございます、事業者団体・消費者団体等との連携による消費者教育・啓発の強化でございます。講師が都民のもとへ出かけていく出前型消費者教育の拡充などが述べられております。
 次に、五ページをごらんください。五ページの下の方でございますが、(2)、学校との連携による若者の被害防止に向けた啓発事業の推進では、私立学校等と連携した消費者教育の推進など、具体的な事業が提言されております。
 恐縮です。六ページをおめくりくださいませ。中ほどのところにございますが、(3)といたしまして、ふえ続ける高齢者の消費トラブルによる被害に対応するため、介護事業者などとの連携による高齢者の被害防止の仕組みづくりが必要であるとしております。
 下段の方に参りまして、二番目の施策、不適正な事業者に対する監視や規制・指導の強化に対する取り組みがございます。
 七ページにお移りください。まず、(1)といたしまして、現在、国で検討を進めております消費者団体訴訟制度における団体訴権適格消費者団体等との連携による消費者被害の防止につきまして、次の(2)では、社団法人日本広告審査機構など民間自主規制機関との連携による広告表示適正化のための仕組みづくりなどが述べられております。
 次に、八ページをおめくりください。(3)といたしまして、大学との連携による不当表示・広告の収集調査の強化では、特に若者が被害に遭いやすいインターネットや携帯電話による電子商取引におきまして、大学生など若い年齢層からの協力が必要であるとしております。
 また、(4)、消費者団体等との連携による不適正取引行為の調査、指導に関する情報収集の強化についても提言されております。
 九ページにお移りください。三番目の施策といたしまして、一番上の3、事業者の消費者志向を高めるための取り組みが挙げられております。企業不祥事が多発いたしまして、事業者に対する信頼が揺らいでいる状況のもと、事業者による消費者を志向した経営の促進のための情報提供や啓発事業の推進などが必要であるとしております。
 最後でございます。一〇ページをお開きください。第3、施策連携の促進に向けてでは、事業者団体と消費者団体との間の信頼関係の醸成が必要であり、東京都の積極的な役割が求められていること等が述べられております。
 また、これに付随いたしまして、資料の4の中に、A3判で今回の答申の内容を一枚にまとめたものをつけてございますので、後ほどご参照いただければ幸いでございます。
 大変簡単でございますが、以上をもちまして第十八次東京都消費生活対策審議会答申のご説明を終わらせていただきます。
 都といたしましては、この答申を十分に生かしまして、消費者の自立支援のための施策を着実に進めてまいりたいと考えております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○産形参事 それでは、私の方から、東京都配偶者暴力対策基本計画の中間のまとめにつきましてご説明申し上げます。
 この計画は、昨年改正されました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に基づき、策定するものでございます。
 お手元にお配りしてございます資料第5号になりますが、東京都配偶者暴力対策基本計画、中間のまとめの一ページをお開き願います。計画策定の趣旨について記述しております。
 二ページをごらんください。2の計画の性格でございますが、本計画は、配偶者暴力防止法第二条の三に基づき、国の示す基本的な方針に即して策定する法定計画であり、かつ第二期東京都男女平等参画審議会における配偶者暴力に関する被害実態の把握、分析及び対策についての調査審議を踏まえて、東京都における配偶者暴力対策の施策を体系的に示すものでございます。
 3の計画期間でございますが、平成十八年度から平成二十年度までの三年間でございます。また、配偶者暴力防止法が三年後に見直すことが予定されていることから、この計画も三年後に状況に応じた見直しを行うこととしております。
 三ページをお開き願います。ここから一三ページまでにわたりまして、配偶者暴力をめぐる現状と課題について記述しております。
 まず、配偶者暴力の現状についてでございます。三ページには相談件数、四ページには一時保護件数の推移を示しておりますが、平成十三年度以降、ともに大幅に増加しております。
 五ページをお開き願います。グラフにありますように、東京地方裁判所管内で発令された保護命令の件数も年々増加傾向にございます。
 続いて、被害者の状況ですが、六ページをごらんください。
 図4では被害者の年代を示していますが、三十代、四十代が多くなっております。図5では子どもの有無を示していますが、子どもを持つ方が八〇%以上となっております。
 七ページをお開きください。七ページの上段には被害者の職業のグラフを掲載していますが、被害者の半数が無職となっております。
 子どもに及ぼす影響につきましては、八ページの図7にありますように、子どもにも直接暴力が及んでいる事例が半数あり、また、図8のように、子どもの前で暴力を行っていたとする事例が四割あるなど、深刻な状況がうかがわれます。
 九ページをお開き願います。九ページ及び一〇ページには、加害者の状況を記述しております。
 図9にありますように、加害者は三十代、四十代の年代が多く、図10のように、勤め人など有職者が八割以上を占めております。
 一一ページをお開き願います。一一ページ及び一二ページには、各機関・団体の取り組み状況を記載しております。
 一三ページをお開きください。ここでは、配偶者暴力対策を進めるに当たっての課題として、(1)の早期発見、未然防止への対応など、五つを記述しております。
 一四ページから一七ページまでは、この計画の基本的な考え方でございます。
 基本認識として、(1)の配偶者暴力は重大な人権侵害など、一五ページの上段にわたって六つの基本認識を示しております。
 一五ページをお開き願います。基本理念として、(1)の被害者の安全を確保し、本人の意思を尊重した継続的な支援を行うなど、三つの基本理念を掲げてございます。
 一六ページ中段から一七ページにかけて、基本目標として、(1)の暴力の未然防止と早期発見の推進、(2)の多様な相談体制の整備など、七つの基本目標を示しております。
 一八ページをごらんください。一八ページから二〇ページまでは、施策の体系を一覧に示したものでございます。
 七つの基本目標を柱に、それぞれに施策目標、具体的施策を体系的に記載しております。中間のまとめの段階では、七つの基本目標に対して十七の施策目標と五十五の具体的施策を提示しております。再掲を除きますと、五十一の具体的施策となっております。
 二一ページをお開き願います。二一ページから三五ページまでにわたって、基本目標、施策目標を受けた具体的施策について、その内容を個別に記述しております。
 三六ページをごらん願います。三六ページから五九ページまで、参考資料として、相談件数、一時保護の状況等のバックデータと本文に関連するグラフ、改正配偶者暴力防止法の条文などを掲載してございます。
 また、冊子の最後には中間のまとめの概要をつけてございますので、後ほどご参照いただければ幸いでございます。
 資料の説明は以上でございます。
 なお、今後の予定でございますが、今月、九月六日に公表いたしまして、現在、都民の意見募集を行っているところでございます。今後、検討を重ね、今年度中に計画を策定することとしております。
 以上で東京都配偶者暴力対策基本計画の中間のまとめについてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○萩原参事 続きまして、都立文化施設における指定管理者制度の導入につきましてご報告いたします。一枚ものでございますが、資料第6号をごらんいただきたいと存じます。
 これは、平成十五年六月の地方自治法の改正によりまして、公の施設の管理運営について、従来の管理受託者制度が廃止され、新たに指定管理者制度が導入されることとなったものでございます。
 これまで、公の施設の受託主体は、地方公共団体の出資法人等に限定されておりましたが、民間においても十分なサービス提供能力を保有する者が増加したことなどから、受託主体の公共性に着目してきた従来の考え方を転換し、受託主体を広く民間事業者に拡大することとなったものでございます。
 これにより、公の施設におけるサービスの質の向上やコストの削減などが期待されるものでございます。都立文化施設につきましては、本年第一回都議会定例会におきまして、関係条例を改正いたしております。
 2でございますが、対象となります施設は、江戸東京博物館以下、記載の六館でございます。
 次に、制度の導入方法でございます。
 制度の導入は、平成十八年四月一日を予定しております。制度導入に当たっては、平成十八年四月から平成二十一年三月までの三年間につきましては、暫定的に現行の管理受託者である東京都歴史文化財団を指定管理者として特命することとし、平成二十一年四月以降の指定管理者は、平成十八年度に公募により選定したいと考えております。
 これは、各文化施設におきましては、企画展等の展覧会や種々の企画事業を行っておりますが、これらの実施に際しては、最低でも二年程度の準備期間を必要としております。また、準備期間が必要であることを踏まえた上で公募、選定等を行い、現行の管理受託者と新たに参入を希望する民間事業者との間の公平性を確保する必要があることから、このような導入方法をとることとしたものでございます。
 なお、東京都歴史文化財団を特命するに当たりましても、財団は三年間の事業計画を策定し、東京都に提出することとし、都は、外部委員を含めた審査委員会を設置した上で、厳正な審査を行うこととしております。
 今後、十二月の第四回都議会定例会に、平成十八年度から二十年度までの三年間の指定管理者の指定議決案を提出させていただき、十八年四月から指定管理者制度に移行したいと考えております。
 また、十八年度中に二十一年度以降の指定管理者の公募、選定等を行い、指定議決案を議会に提出したいと考えております。
 報告は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○村松委員長 報告は終わりました。
 この際、報告事項について資料要求のある方は発言を願います。

○大山委員 消費生活対策審議会の答申に関して、都と区市町村別の消費者相談件数と相談員数をお願いします。
 配偶者暴力に関しては、都道府県におけるDV対策の単独事業の実施状況、もう一つは、各都道府県における行動計画の策定状況をお願いします。
 指定管理者については、都立文化施設各館の利用状況と、もう一つは、各施設、各館の職種別職員数をお願いします。
 以上です。

○村松委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○村松委員長 それでは、教育庁関係に入ります。
 初めに、教育長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○中村教育長 教育長の中村正彦でございます。
 このたび、文教委員会の委員に就任されました皆様におかれましては、教育行政につきまして、一層のご指導、ご助言をよろしくお願いいたします。
 今後とも、都民の期待にこたえるべく、積極的に諸施策を推進し、東京都の教育改革に努めてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、教育庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の比留間英人でございます。理事の近藤精一でございます。総務部長の志賀敏和でございます。学務部長の齊藤一男でございます。人事部長の松田芳和でございます。福利厚生部長の橋本直紀でございます。指導部長の井出隆安でございます。生涯学習スポーツ部長の山川信一郎でございます。参事で教育政策担当の三田村みどりでございます。参事で学校経営指導・都立高校改革推進担当の新井清博でございます。参事で学校経営支援センター開設準備担当の沼沢秀雄でございます。参事で特別支援教育推進担当の伊藤一博でございます。参事で人事企画担当の川澄俊文でございます。国体準備・事業推進担当部長の関口修一でございます。参事で特命担当の直原裕でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます、参事で総務課長事務取扱の松山英幸でございます。
 以上で紹介を終わらせていただきます。よろしくどうぞお願いします。
   〔理事者あいさつ〕

○村松委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○村松委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○中村教育長 教育庁関係の事務事業の大要につきましてご説明を申し上げます。
 都教育委員会は、子どもたちが知性、感性、道徳心や体力をはぐくみ、人間性豊かに成長することを願いまして、互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間、社会の一員として、社会に貢献しようとする人間、みずから学び考え行動する、個性と創造力豊かな人間の育成に向けた教育を重視する、これを教育目標に掲げて、現在、教育改革に向けた具体的な施策を積極的に進めているところでございます。
 このうち、特に重要な課題でございます三つの事項についてご説明させていただきます。
 第一は、児童生徒の健全育成でございます。
 これまでも東京都教育委員会は、児童・生徒の健全育成推進本部を設置しまして、すべての子どもたちの心と体の健康づくりを目指しまして、健全育成にかかわる諸施策の充実を図ってまいりました。引き続き、「心の東京革命」教育推進プランに基づきました取り組みを着実に実施することによりまして、心の教育を具体的に推進し、子どもたちが豊かな人間関係を育て合うことができますよう、学校、家庭、地域社会との緊密な連携のもとに、健全育成の一層の充実に努めてまいります。
 いじめや不登校などの課題への対応につきましては、その未然防止や早期解決を図るため、公立中学校全校にスクールカウンセラーを配置しまして、児童生徒、保護者からの相談に適切に対応する体制の充実を図ってまいりました。都立高等学校につきましても、その拡大を図っているところでございます。
 児童生徒の非行防止、犯罪の被害防止への対応といたしましては、学校における情報モラルの育成、キャリア教育の充実などの諸事業や、警視庁など関係機関あるいは地域との連携のもと、警視庁職員等の指導によるセーフティー教室を実施しております。
 都教育委員会は、二十一世紀の東京の創造的発展を担う人間の育成を目的としまして、学校、家庭、地域に期待されるそれぞれ役割を明らかにしました東京都教育ビジョンを平成十六年四月に策定いたしました。今後は、教育関係者を初めとした都民に対してさらに周知を図るとともに、都と区市町村との連携、国への積極的な提言、他局との組織横断的な連携などによりまして提言の実現を図ってまいります。
 第二は、学校教育についてでございます。
 子どもたちが今後、変化の激しい社会に適応し、世界の中で日本人として生きていくためには、みずから学ぶ意欲を育て、生涯を通じて学び続ける姿勢を身につけさせるとともに、児童生徒一人一人の基礎的、基本的な学力の向上を図り、日本人としての自覚と誇りをはぐくむことが大変重要でございます。
 このため、都教育委員会は、都内の公立小学校五年生と中学校二年生全員を対象としました児童生徒の学力向上を図るための調査を引き続き実施し、各学校ではその結果分析に基づきまして、授業の改善推進プランの作成、実施、検証、改善を行ってまいります。
 自国の文化や伝統を理解する教育につきましては、国際社会に生きる日本人として必要な郷土や国に対する愛着、誇り、他国の文化や伝統を尊重する意識をはぐくむため、平成十九年度から都立高校におきまして都独自の教科を設置することといたしました。今年度は、このカリキュラムの開発を進めております。
 また、都教育委員会の教育目標でもある、思いやりと規範意識のある人間の育成に向けました教育を進めるため、平成十九年度から全都立高校において奉仕体験活動を必修化することにいたしました。
 このような新たな学校教育にかかわります取り組みを着実に定着させるためには、都民に信頼される学校運営の確立、教員の資質能力の向上が不可欠との観点から、都教育委員会は、全国に先駆けまして、平成十五年度から主幹制度を創設いたしました。
 また、教員の資質能力の向上策といたしましては、今年度から、初任者研修を修了した都立学校の二年目、三年目の教員に対しまして、二年間の研修である二・三年次授業研究を実施するとともに、他の教員を指導する資質能力を有する教員を育成するため、平成十八年度から東京教師道場、仮称でございますけれども、これを設置いたします。
 高等学校教育につきましては、都教育委員会はこれまで都立高校改革推進計画に基づきまして、生徒の多様な学習希望、進路希望をかなえることができるよう、魅力ある学校づくりを進めてまいりました。今年度は、都立で初めて中高一貫教育校である都立白鴎高等学校附属中学校を初めとする八校が開校したところでございます。また、平成十八年度には、初の中等教育学校である文京地区中高一貫六年制学校を初めとする七校の開校が予定されております。今後とも都立高校改革を着実に推進してまいります。
 工業高等専門学校の改革につきましては、平成十八年四月に現在の都立高等専門学校二校を統合再編しまして、新たに産業技術高等専門学校、これも仮称でございますが、これを設置いたします。この学校には、本科五年間の上にさらに二年間の専攻科を設けまして、首都大学東京との連携により、ものづくりの人材育成に向けた教育体系の構築を図ってまいります。
 障害のある児童生徒の教育につきましては、これまでも障害のある幼児、児童生徒の教育条件を改善、充実するため、都立盲・ろう・養護学校の教育環境整備及び個別指導計画に基づきまして、教育内容、方法等の充実に努めてまいりました。
 平成十六年十一月には、これまでの心身障害教育から特別支援教育への転換に当たり、都立盲・ろう・養護学校が抱えます課題の解決を図り、今後の展望を明らかにするとともに、区市町村における特別支援教育に対する支援のあり方を含む東京都特別支援教育推進計画を策定、公表したところでございます。平成十八年度は、この計画に基づきまして、中高一貫型の中央ろう学校と知的障害養護学校の高等部単独校である大田地区養護学校を開校いたします。
 今後は、この計画に基づき、幼児期から学校卒業後までのライフステージを見通した多様な教育を展開しまして、社会的自立を図ることができる力や地域の一員として生きる力を培う教育を着実に推進してまいります。
 このほか、都立学校の学校経営と教育活動につきまして、個別の学校のそれぞれの課題に応じて支援する体制を強化するため、平成十八年度から学校経営支援センターを開設すべく、現在準備を進めております。
 また、最近大きな社会問題となっておりますアスベスト対策についてでございますけれども、都立学校につきましては、昭和六十二年に文部省からの通達に基づきましてアスベストの使用状況調査及び除去工事を行いました。また、平成六年にも、都独自の調査に基づく除去工事を行っております。
 このたび、文部科学省が改めてアスベスト使用状況についての全国調査を行うことといたしましたが、都では国の調査に先立ちまして都立学校の状況調査を開始しておりまして、この結果に基づきまして迅速に必要な対策を講じてまいります。
 第三は、生涯学習、体育・スポーツ及び芸術文化についてでございます。
 都民一人一人が生涯を通じて、いつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果を地域活動に生かすことができる、生涯学習の仕組みづくりの推進や、文化・芸術活動やスポーツに親しみ、社会参加できる機会の充実が求められております。
 今年度も都立学校公開講座を実施しますとともに、都立学校の体育施設や特別教室、図書室などの学習・文化施設の開放を行い、さまざまなスポーツ・学習活動の機会の提供を図ってまいります。
 また、平成二十五年に東京で開催する国民体育大会に向けまして、準備を着実に進めるほか、世界に向けて観光都市東京をアピールするとともに、スポーツ振興や地域活性化の契機とすることを目的としました東京大都市マラソンにつきまして、平成十八年度の開催に向け準備を進めてまいります。
 以上、東京都教育委員会の事務事業につきまして、概括的にご説明いたしました。今後とも都民の期待にこたえるべく積極的に諸施策を推進し、東京都の教育改革に努める所存でございます。よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。

○志賀総務部長 事務事業の説明に入ります前に、お手元にお配りしてございます資料につきましてご説明申し上げます。
 まず、教育小六法でございます。教育関係の諸法令を収録してございます。
 東京都の教育は、教育庁の事務事業の執行状況を取りまとめたものでございます。
 財団法人東京都生涯学習文化財団経営状況等説明書は、財団の平成十七年度における事業計画、収支予算及び平成十六年度における事業実績、収支決算等について掲載してございます。
 それでは、お手元の資料、平成十七年度事務事業大要によりまして、教育庁の事務事業の概要をご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。先ほど教育長からご説明申し上げました東京都教育委員会の教育目標でございます。
 二ページをお開き願います。教育目標を達成するための基本方針でございます。
 人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成など四つの基本方針を、次の三ページにかけて掲げてございます。
 四ページをお開き願います。東京都教育委員会の組織でございます。
 教育委員会は、地方自治法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいて設置されております合議制の執行機関でございます。東京都におきましては、木村孟委員長を初め六人の委員で構成されております。委員の任期は四年、委員長は委員の互選により決められております。
 教育委員会には教育長が置かれ、教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどることとされております。教育長は、教育委員のうちから教育委員会により任命され、また、教育委員会の事務局として教育庁が置かれております。
 五ページは、教育庁の組織図でございます。教育長、次長以下、六部三室二十三課をもって構成されております。
 六ページをお開き願います。教育庁が所管しております教育事務所、出張所、事業所の一覧と、財団法人東京都生涯学習文化財団の概要を七ページにかけてお示ししてございます。
 財団法人東京都生涯学習文化財団は、東京都の監理団体に指定されており、都教育委員会から委託を受けて、体育施設などの管理運営や埋蔵文化財の調査等の事業を行っております。
 八ページをお開き願います。法律、条例に基づき教育委員会に設置されている附属機関の一覧でございます。
 九ページをごらん願います。職員定数でございます。
 (1)は、事務局職員の定数でございます。平成十七年度は七百九十七人で、前年度と比べ十二人の減となっております。
 (2)は、学校職員の定数で、学校の種別ごとに掲載してございます。平成十七年度は六万二千二百人で、前年度と比べ百四人の減でございます。
 一〇ページをお開き願います。都内の公立学校の学校数、学級数、児童生徒数を、学校種別に分けて記載してございます。
 一一ページをごらん願います。平成十七年度の教育庁所管予算の総括表でございます。
 歳出の総額は、表の中段の計の欄にございますように、七千七百六十一億九千万円で、前年度に比べ〇・三%の減となっております。
 歳入の総額は、同様に表の下段の計の欄にございますように、一千八百二十九億二千六百五十万円余で、前年度に比べまして二三・九%の減でございます。
 一二ページをお開き願います。次の一三ページにかけまして、歳入予算及び歳出予算の内訳をそれぞれお示ししてございます。
 一四ページをお開き願います。教育庁関係の歳出予算を給与関係費、物件費など、その性質により分類しております。教職員の給与関係費が全体の約九二・一%を占めております。
 一五ページは、東京都の一般会計のうち、教育庁所管予算の占める割合でございます。百分比の歳出予算欄にございますように、一三・三%となっております。
 一六ページ以降に、教育庁の主要事業の概要を記載してございます。以下、順次ご説明申し上げます。
 まず、一六ページの1、児童生徒の健全育成についてでございます。
 (1)の、心と体の健康づくりの推進として、児童・生徒健全育成推進協議会の設置や、小中高校生を対象に、警視庁と連携してセーフティー教室を実施しております。
 一七ページをごらん願います。いじめ、不登校、学校不適応などの問題を解決するための諸事業を掲げてございます。
 一八ページをお開き願います。中ほどの、コ、東京都教育の日でございます。
 都教育委員会は、都民の教育に対する関心を高め、次代を担う子どもたちの教育に関する取り組みを都民全体で推進し、都における教育の充実と発展を図るため、毎年十一月の第一土曜日を東京都教育の日といたしまして、この日を中心に、学校や地域で、この趣旨を生かしたさまざまな取り組みを行ってまいります。本年度は、記載してあります学校での取り組み、地域等での取り組みに加えまして、広く都民から教育の日に関するポスターの募集を行ったところでございます。
 一九ページをごらん願います。(3)の、東京都教育ビジョンの実現に向けた取り組みでございます。
 都教育委員会は、平成十六年四月に二十一世紀の東京の創造的発展を担う人間の育成を目的とした東京都教育ビジョンを策定し、問題解決のために必要な十二の方向と、それに基づく三十三の提言を示したところでございまして、ビジョンにおいて示した提言の実現に取り組んでまいります。
 二〇ページをお開き願います。(6)の、学校における情報モラルの育成でございますが、社会におけるIT化の進展に伴い、インターネットを通じた有害情報等が青少年に与える影響をかんがみ、児童生徒がインターネット等を適切に活用できるようにするため、学校における情報モラルの育成に取り組んでおります。
 次に、二〇ページ下段の2、高等学校教育の振興についてでございます。
 (1)、平成十七年度就学計画でございますが、二一ページにかけまして、十七年度の計画と実績を一覧表にしてお示ししてございます。
 次に、(2)、新しいタイプの高等学校等の設置でございます。
 このページから二五ページにかけまして、都立高校改革推進計画に基づき、平成十八年度から二十三年度までに開校予定の総合学科高校やチャレンジスクール、中高一貫六年制学校などの新しいタイプの学校の内容等を記載してございます。
 平成十八年四月開校の学校は、この二一ページから二三ページにかけて記載してございます。
 なお、新たな学校名につきましては、今回の第三回定例会に議案として提出予定でございますので、後ほどご説明させていただきます。
 二六ページをお開き願います。既設の新しいタイプの高等学校等を一覧にして、二七ページにかけましてお示ししてございます。
 三〇ページをお開き願います。エ、奉仕体験活動の必修化でございますが、生徒が奉仕体験を通して、他人に共感し、他人を思いやり、社会の一員としての自覚を身につけさせるため、平成十九年度から全都立高校で奉仕体験活動を必修科目とすることといたしました。本年度は、実践・研究校の指定や、カリキュラム開発委員会の設置等を通じて準備を進めております。
 次に、三一ページ下段の、(10)、高等学校入学者選抜制度でございます。
 これまで入学者選抜における学区制度の廃止、自己PRカードの導入、調査書への絶対評価の導入、文化・スポーツ等の特別推薦の導入などの改善を行ってまいりました。平成十八年度の入学者選抜におきましても、全日制高校での学力検査問題自校作成など、これまでの改善内容の趣旨を徹底し、一層の定着を図ってまいります。
 三二ページをお開き願います。(11)、東京未来塾の設置でございます。
 首都大学東京及び高等学校の連携により、日本の将来を担い得る改革型リーダーとしての資質を持つ人材を育成することを目的とした東京未来塾を、平成十六年四月に開講いたしました。講座の内容等は、特別講義、課題解決学習、ゼミナール、体験学習で、土曜日、夏季休業日等を使って実施しております。
 次に、このページ下段の(12)、学校経営計画策定でございます。
 学校の個性化、特色化を図り、自律的な改革を進めるため、平成十五年度から全都立学校において、計画、実施、評価のマネジメントサイクルの仕組みを取り入れた学校経営計画を策定することといたしました。年度末に、各学校は、達成状況の自己評価を行い、学校経営報告書を作成、公表することとしております。都教育委員会は、今後、この学校経営計画などに基づき、学校を総合的に評価し、学校に対する具体的な支援等を推進してまいります。
 次に、三三ページ下段、(13)、重点支援校の指定でございます。
 自律的改革を進めている学校や改善への取り組みに成果を上げている学校に対して、予算、人事等の面で支援を行い、学校の改革を一層推進するため、重点支援校として指定しております。このページから三八ページにかけて、平成十五、十六、十七年度に重点支援校として指定した学校名、地区と取り組みの概要を一覧表にしてお示ししてございます。
 四〇ページをお開き願います。(17)、工業高等専門学校でございます。
 後ほど議案でも説明いたしますが、近年の産業構造の変化、技術の高度化、複合化等を背景とする産業界や都民の新たなニーズに対応するため、平成十八年四月に工業高等専門学校及び航空工業高等専門学校の二校を統合再編し、新たに産業技術高等専門学校(仮称)を設置してまいります。同校は、本科五年間の上にさらに二年間の専攻科を設け、首都大学東京が開設予定の産業技術大学院(仮称)への進学を視野に入れた、九年間一貫のものづくり人材教育体系を構築してまいります。
 続きまして、3、心身障害教育の振興についてでございます。
 四三ページをお開き願います。下段の(10)、特別支援教育の推進でございます。
 平成十六年十一月に東京都特別支援教育推進計画・第一次実施計画を策定、公表したところでございます。具体的には、ア、盲・ろう・養護学校の適正な規模と配置にありますように、新たなタイプの学校として平成十八年度から、ろう学校の中高一貫型教育校及び病弱養護学校高等部、次の四四ページをお開き願いまして、大田地区知的障害養護学校を開設してまいります。
 次に、下段のイ、盲・ろう・養護学校における個に応じた教育の充実についてでございますが、職業教育の充実や、肢体不自由養護学校での自立活動における外部専門家の導入などに取り組んでまいります。
 四五ページをごらん願います。ウ、盲・ろう・養護学校の教育諸条件の整備についてでございますが、知的障害養護学校における普通教室の確保や、児童生徒に対する通学時間の負担軽減に努めてまいります。
 四六ページをお開き願います。エ、小中学校における特別支援教育の充実への支援についてでございますが、LD、ADHD、高機能自閉症等を含めて障害のある児童生徒の特別な教育ニーズに対応するため、特別支援教育体制モデル事業を引き続き実施してまいります。
 四七ページをごらん願います。4、学校教育指導の充実についてでございます。
 (1)、基礎的・基本的な学力の向上ですが、ア、児童生徒の学力向上を図るための調査は、児童生徒一人一人に確かな学力の定着を図るために、公立小学校五年生と公立中学校二年生を対象に実施するもので、この調査の結果分析に基づき、イにあります授業改善推進プランを作成し、指導方法の改善充実に生かしてまいります。また、授業改善研究推進校を小中学校六校に設置し、その成果を都内すべての小中学校に提供するなど、授業改善や教員の指導力向上に取り組んでまいります。
 四八ページをお開き願います。下段の(3)、教員の資質向上についてでございます。
 都教育委員会は、教員の資質の向上を図るため、教員のライフステージに応じた体系的な研修を実施しております。
 このページから五三ページにかけまして、新規採用時の初任者研修から教育管理職としての研修まで、経験年数や職層に応じた研修を実施することで、さらなる指導力の向上及び教育公務員としての資質向上に努めてまいります。
 五三ページをごらん願います。セ、東京教師養成塾の設置でございますが、教育に対する熱意と使命感、実践的指導力や社会性を持つ教員を採用するため、教員を養成している大学と連携して、高い志を持った教員を学生の段階から養成する東京教師養成塾を、平成十六年四月に開講いたしました。講座の内容といたしましては、公立小学校で四十日以上実習する特別教育実習、ゼミナール、講義及び体験活動などでございます。
 五四ページをお開き願います。(6)、日本の伝統・文化理解教育推進事業でございます。
 国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを養うとともに、多様な文化を尊重できる態度や資質をはぐくむ教育を推進いたします。このため、平成十九年度から都立高校において日本の伝統・文化を教科・科目として設定することとし、本年度はそのためのカリキュラム開発等に取り組んでおります。
 五五ページをごらん願います。(7)、都立高校における総合的な健康づくりの推進についてでございますが、児童生徒を取り巻く社会状況の変化に伴い、心の健康問題、性感染症の増加、薬物乱用等の健康危険行動などのさまざまな問題が生じております。このような危機的状況を克服するために、都教育委員会は、平成十七年二月に都立学校における健康づくり推進計画を策定いたしました。今後はこの計画に基づきまして、児童生徒の健康づくりに実効性ある取り組みを推進してまいります。
 また、室内化学物質対策といたしまして、すべての都立学校に簡易測定器を配布し、ホルムアルデヒド、トルエンの定期測定を実施し、学校環境の向上に努めております。
 五六ページをお開き願います。5、生涯学習・体育・スポーツ及び芸術文化の振興でございます。
 まず、(1)、生涯学習の充実でございますが、生涯学習の振興に関し、長期的な展望に立って広い視野から検討するため、東京都生涯学習審議会を設置しております。
 五七ページにございますように、本年一月に、第五期の諮問事項である「子ども・若者の『次代を担う力』を育むための教育施策のあり方について~社会教育行政の再構築に向けて」について答申をいただいたところでございます。これを受けまして、都教育委員会といたしましては、東京都地域教育推進ネットワーク協議会を設置して、企業、経済団体、大学、NPO等が有する専門的教育資源を子どもたちの教育活動へ効果的導入を図っていくとともに、学校・家庭・地域の協働を通じた地域教育力の再構築を図る仕組みづくりとして、地域教育プラットフォームモデル事業を実施してまいります。
 五九ページをお開き願います。オ、ユース・プラザの整備についてでございます。
 ユース・プラザにつきましては、青年の家を再編整備し、PFI事業として実施しており、区部に東京スポーツ文化館を平成十六年三月に、多摩地域に高尾の森わくわくビレッジを平成十七年四月に、それぞれ開館したところでございます。
 六〇ページをお開き願います。下段の(3)、スポーツの振興でございますが、平成十四年七月に策定した都のスポーツ振興基本計画であります東京スポーツビジョンに基づきまして、区市町村やスポーツ関係団体、民間団体等とも連携協力をしながら、スポーツ活動の場の整備や指導者の育成、地域スポーツクラブの育成など、都民のスポーツ振興を図っております。
 六二ページをお開き願います。エ、スポーツ施設の整備でございますが、平成十五年六月、地方自治法の改正により、指定管理者制度が導入されたことを受けまして、体育施設四施設について平成十八年四月の指定開始に向けて手続を進めております。
 進捗状況でございますが、東京体育館、東京武道館、東京辰巳国際水泳場につきましては、六月に募集要項を発表し、八月五日に受付を終了いたしました。現在、外部委員を含めた指定管理者選定委員会で事業計画書等を審査しており、十月中には教育委員会において候補者を決定し、第四回都議会定例会にお諮りする予定でございます。
 また、駒沢オリンピック公園総合運動場につきましては、施設改修のため特命により候補者を決定することとしております。
 このページの中段、オ、東京国体の開催準備についてでございますが、平成二十五年の開催に向け、第六十八回国民体育大会の準備を遺漏なく進めてまいります。
 また、東京大都市マラソンの開催について、世界に向けて観光都市をアピールするとともに、スポーツ振興や地域活性化の契機とすることを目的として取り組みを進めてまいります。
 続きまして、六二ページ下段の6、都立学校等の施設整備についてでございます。
 (1)、老朽校舎の改築及び(2)、高校改革推進計画に基づく改築ですが、教育条件の整備と安全対策の向上を図るため、老朽化した都立学校の校舎及び都立高校改革推進計画に基づき改築が必要な校舎につきまして、改築を進めているところでございます。改築校につきましては、六三ページの表に記載のとおりでございます。
 また、六三ページ下段から六四ページにかけまして、大規模改修を行う学校について一覧表にして、記載してございます。
 六四ページの下段の、(4)、都立学校の震災対策についてでございますが、都立学校の校舎等の耐震補強工事を引き続き、計画的に実施してまいります。
 以上が、教育庁の事務事業の概要でございます。
 また、関係資料といたしまして、六六ページから七六ページにかけまして教育庁所管予算の主要事業を、七七ページに私立学校の概要を、七八ページ以降に教育庁所管事業所の概要を記載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。

○大山委員 十四です。
 一つ目は、日本語学級の所在地と児童生徒数と教員数。この教員数の中には、都費のものと区市町村費の別でお願いします。それから出身国といいますか、使用言語の別もお願いします。
 それから二つ目は、区市町村別の小中学校栄養職員の人数。このうち、教員免許を持っている人数。
 それから三つ目は、都道府県の栄養教諭免許法認定講習実施状況。
 それから四つ目は、学校のアスベスト使用状況。
 五つ目は、都内の公立小中学校の耐震診断及び耐震改修の区市町村別実施状況。
 それから、教育庁所管事業の廃止、終了及び見直し事業、この五年間でお願いします。
 次が、二〇〇五年度において学級編制の弾力化をしている都道府県の状況。
 次が、都内公立小中学校において一学級四十人を超える学級数。
 次が、東京都公立小中学校児童生徒の就学援助の受給者の推移。
 それから次が、都立盲・ろう・養護学校の施設整備費の推移。
 それから、盲・ろう・養護学校の保有普通教室の状況。
 それから、盲・ろう・養護学校のスクールバスの平均運行時間及び最長乗車時間の推移。
 それからもう一つが、教員の年代別退職者数。これは、都内の公立小中学校、高校別、五年間でお願いします。
 最後が、東京スポーツ文化館の利用実績。これは、ビジネス利用と一般利用の別でお願いします。
 以上です。

○村松委員長 ほかに資料要求はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○村松委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中村教育長 第三回都議会定例会に提出を予定しております議案の概要について、ご説明申し上げます。
 本定例会におきましてご審議いただきます教育庁関係の案件は、条例案七件、契約案一件でございます。
 初めに、条例案七件の概要についてご説明申し上げます。
 第一は、学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。これは、都立初の中等教育学校の設置に伴いまして、職員定数の取り扱いを定めるものでございます。
 第二の学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例、第三の学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、第四の都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例及び第五の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例につきましても、中等教育学校の設置に伴いまして規定の整備を行うものでございます。
 第六は、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。この条例は、中学校一校、高等学校三校、中等教育学校二校、高等専門学校一校、ろう学校一校、養護学校一校の設置及び高等学校一校の廃止を規定するものでございます。
 第七は、東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。これは、中等教育学校及び新たな高等専門学校に設置する専攻科につきまして、入学考査料、入学料、授業料の額を定めるものでございます。
 次に、契約案、都立八王子地区産業高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約について、ご説明申し上げます。
 都立第二商業高等学校及び都立八王子工業高等学校を発展的に統合しまして、平成十九年四月に都立八王子地区産業高等学校(仮称)を開校するため、現在の都立八王子工業高等学校の校舎などの改築・改修工事を行うものでございます。
 以上が、平成十七年第三回都議会定例会に提案を予定しております教育庁関係の案件でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○志賀総務部長 お手元の資料、平成十七年第三回東京都議会定例会議案(条例)に基づきまして、条例案の説明をさせていただきます。
 目次をお開き願います。今回提案を予定しております条例案は、ごらんの六件、次ページの一件の合計七件でございます。
 一ページをお開き願います。学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、二ページをお開き願います。中学校の職員定数に中等教育学校の前期課程を、高等学校の職員定数に中等教育学校の後期課程を、それぞれ含めることとするものでございます。
 施行日は、平成十八年四月一日としております。
 三ページをごらん願います。学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、四ページをお開き願います。職員の定義に、中等教育学校の前期課程の職員を加えるものでございます。
 施行日は、平成十八年四月一日としております。
 五ページをごらん願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、七ページをお開き願います。中等教育学校に勤務する教育職員に適用する給料表については、高等学校等教育職員給料表といたしますが、後期課程の教科を担任しない教諭等または後期課程の業務に従事しない教育職員については、小学校・中学校教育職員給料表の適用を受けることとしております。その他、諸手当の規定に中等教育学校を加えるものでございます。
 施行日は、公布の日からとしております。
 一一ページをお開き願います。都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、一二ページをお開き願います。都立の中等教育学校及び区市町村立の中等教育学校の前期課程を対象に加えるものでございます。
 一三ページをごらん願います。義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、一四ページをお開き願います。義務教育諸学校等の定義に、中等教育学校を加えるものでございます。
 一五ページをごらん願います。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、二一ページをお開き願います。上段、一、中学校の、東京都立両国高等学校附属中学校でございます。これは、併設型中高一貫教育校でございまして、両国高等学校の敷地に設置いたします。
 次に、二、高等学校のうち、下段の東京都立九段高等学校でございますが、千代田区立九段中等教育学校の設置に伴いまして、平成二十一年三月末をもって廃止いたします。これは、平成十八年四月に千代田区立九段中等教育学校が開校いたしますことから、本定例会におきまして、都立九段高等学校の廃止について提案させていただくものでございます。
 二二ページをお開きください。上段の浅草高等学校につきまして、昼夜開校の定時制単位制高校でございます。設置に当たりましては、台東商業高等学校の全日制・定時制課程、上野高等学校、墨田川高等学校、小松川高等学校、小岩高等学校の定時制課程を発展的に統合するものでございまして、台東商業高等学校の敷地に設置いたします。
 次に、総合工科高等学校につきましては、全日制・定時制課程併置の工業高校でございます。設置に当たりましては、小石川工業高等学校と世田谷工業高等学校とを発展的に統合するものでございまして、世田谷工業高等学校の敷地に設置をいたします。
 次に、青梅総合高等学校につきましては、全日制課程・定時制課程併置の総合学科高校でございます。設置に当たりましては、青梅東高等学校の全日制課程と農林高等学校の全日制・定時制課程を発展的に統合するものでございまして、農林高等学校の敷地に設置をいたします。
 二三ページをごらん願います。三、中等教育学校でございますが、都立初の中等教育学校といたしまして、小石川中等教育学校及び桜修館中等教育学校を設置いたします。小石川中等教育学校につきましては小石川高等学校を、桜修館中等教育学校につきましては都立大学附属高等学校を、それぞれ改編いたしまして、六年間の体系的で一貫した教育を行ってまいります。
 次に、四、高等専門学校についてでございますが、現在、二校設置しております工業高等専門学校と航空工業高等専門学校を発展的に統合再編いたしまして、新たに産業技術高等専門学校を工業高等専門学校の敷地に設置いたします。
 二四ページをお開き願います。上段の中央ろう学校につきましては、昨年策定いたしました特別支援教育推進計画に基づき、都立初の中高六年間の一貫教育を行うろう学校として、平成二十年度までは中学部を大塚ろう学校に、高等部を石神井ろう学校の敷地に設置いたします。
 七、養護学校の田園調布養護学校につきましては、知的障害養護学校高等部単独校として、大田ろう学校の施設を活用して設置いたします。
 施行日は、公布の日からとしております。
 二五ページをごらん願います。東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容につきましては、二七ページをお開き願います。第二条にございますように、中等教育学校の設置に伴い、後期課程の授業料を年額十一万五千二百円、入学料を五千六百五十円及び中等教育学校の入学考査料を二千二百円といたします。これは、都立高等学校全日制課程と同額でございます。
 また、新たな高等専門学校である産業技術高等専門学校に設置いたします専攻科につきまして、授業料を年額二十二万八千円、入学料を四万二千三百円及び入学考査料の額を一万二千六百円といたします。これは、本科と同額でございます。
 施行日は、公布の日からとしております。
 以上で条例案の説明を終わらせていただきます。
 次に、お手元の資料、平成十七年第三回東京都議会定例会議案(契約)に基づきまして、契約案の説明をさせていただきます。
 一ページをお開き願います。今回提案を予定しております契約案は、都立八王子地区産業高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約、一件でございます。
 契約の方法は、一般競争入札、契約金額は、十七億七百三十万円、契約の相手方は、東京都千代田区九段北四丁目三番一号、前田・田中建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成十九年三月九日まででございます。
 三ページから七ページにかけまして、学校の案内図、配置図及び各階平面図等をお示ししてございます。
 この工事は、都立第二商業高等学校及び都立八王子工業高等学校を発展的に統合し、平成十九年四月に都立八王子地区産業高等学校(仮称)を開校するため、現在の都立八王子工業高等学校校舎などの改築・改修工事を行うものでございます。
 八ページには、契約案の概要をお示ししてございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。

○大山委員 三つです。
 都立高校の統廃合計画の全体像と、それから現在の状況をわかりやすく、一次から三次までお願いします。
 二つ目は、都立高校の授業料の減免の状況。
 それから三つ目が、都道府県の公立高校の授業料の状況の三点です。
 以上です。

○村松委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○村松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○直原参事 第二次都立図書館あり方検討委員会報告について、ご報告申し上げます。
 お手元に「都立図書館改革の基本的方向」と題した報告冊子と三枚紙の概要版をお配りしてございます。説明は概要版にてさせていただきます。
 この報告書は、都立図書館の今後のあり方について検討するため教育庁内に設置した検討委員会が、先般取りまとめた検討結果でございます。全体で二部構成となっておりまして、第Ⅰ部では都立図書館の今後のあり方についての考え方、第Ⅲ部では具体的な取り組み内容をまとめております。
 まず、第Ⅰ部の1、都立図書館と国立国会図書館、区市町村立図書館との役割分担では、平成十四年一月の都立図書館あり方検討委員会第一次報告で整理したそれぞれの役割分担について述べております。
 国立国会図書館は国会の立法調査への支援を基本とし、区市町村立図書館は図書の貸し出しなど住民へのきめ細かな直接サービスを中心としています。これに対し都立図書館は、ここで広域的総合的な図書館サービスと記しておりますが、レファレンスなどの情報サービスと、区市町村立図書館への協力支援がその役割であるとしております。
 2では、第一次報告後の主な業務改善の取り組みと残された課題をまとめています。残された課題としまして、(1)のサービス面では、情報通信技術の活用等がいまだ不十分であること、(2)では区市町村立図書館との役割分担を踏まえた一層の連携協力が必要であること、(3)の組織運営面では、日比谷図書館のあり方を抜本的に見直すとしたが未着手であること等を述べております。
 3では、今後の都立図書館のあり方を考える上で考慮すべき社会経済状況について、第一にインターネットの急速な普及について述べております。インターネットによりまして情報入手が極めて容易になりましたが、ネット上の情報には未整理なものも多く、図書館は情報の収集と整理のノウハウを生かして、その案内役を果たしていくべきであるとしております。
 第二に、専門的知識や資格を得るための学習意欲や、起業に関する情報などへのニーズが高まっていることから、図書館は、こうした具体的な課題解決につながる情報を都民に提供すべきであるとの考えを述べております。
 第三に、区市町村立図書館が蔵書をふやし貸し出しを充実させている中で、区市町村立図書館に対する支援の今後のあり方が問われているとしております。
 4では、こうした状況を踏まえまして、都立図書館が果たすべきこれからの役割を四つ掲げております。第一に、都民の課題解決のための情報サービスとして、広範かつ豊富な所蔵資料をもとに、都民に対して的確な情報を提供すること。第二に、東京に関する情報センターとして、東京に関する情報の最終的なよりどころとなるよう、情報を収集し提供すること。第三に、区市町村立図書館の支援及び連携協力として、区市町村立図書館との役割分担の明確化を図り、専門書を中心とした協力貸し出しを行うこと。第四に、都立図書館も都の行政機関の一つとして各局の行政施策と連携し都政に貢献すること。以上をこれからの役割であるとしております。
 これらの役割を果たすために、今後、図書館改革を進めていかなくてはならないわけですが、5ではその基本的考え方を整理しております。
 第一が、「待ち」の姿勢から積極的発信へということでございます。都立図書館が行っているレファレンスサービスは、情報を求めている人に対して参考となる文献や資料を提供するサービスでありまして、多くの方に役立つものと考えられますが、利用者が固定化している現状にあります。これからは図書館から積極的に情報発信し、利用者の拡大を図っていこうということでございます。
 第二に、民間サービスの活用ということで、データベースやインターネットの検索サイトなど、民間のすぐれたサービスを積極的に取り入れていこうということでございます。
 第三に、印刷資料と電子資料の複合利用。これは、インターネット時代にあっても知識のストックとして不可欠な印刷資料と、速報性に富み検索が容易な電子資料との、それぞれよいところを組み合わせて活用していこうということでございます。
 第四に、図書館もサービス施設であるという原点を確認し、顧客満足度の向上に努めることを掲げております。
 次に、第Ⅲ部として、改革の具体的取り組みを掲げております。
 1の情報サービスの積極的発信では、タイムリーな企画展の実施、都政の重要課題に即した重点的情報サービスなどに取り組みます。
 2の都の行政施策との連携では、子ども読書推進活動への取り組みや、学校への教育活動支援を行います。
 3の図書館サービスの向上では、民間データベースの導入やレファレンスサービスのワンストップ化などに取り組みます。
 4の他の図書館等との連携では、限られた財源の中でより効果的に図書の収集保存を行うため、区市町村立図書館との間で分担のあり方を協議すること等を行います。
 5の組織と業務運営の見直しでは、日比谷図書館の地元区への移管を検討すべきこと、業務委託の一層の推進等を述べております。
 6の人材育成では、司書に必要な能力として、図書の選定や整理に関する専門的知識だけではなく、今後は行政課題についての幅広い理解や企画力等が重要になってくるため、こうした能力を育成するための能力開発計画を策定するとしております。
 以上が報告書全体の概要でございますが、この中で、組織と業務運営の見直しのところで言及しました日比谷図書館の地元区移管につきましては、今後、条例改正にもつながってくる内容でございますので、抜き出しまして三枚目の資料でご説明いたします。
 1の現状ですが、広域的自治体の図書館としての役割は、現在、中央図書館と多摩図書館で担っているところでございます。
 これに対し日比谷図書館は、図書の個人貸し出しを中心に業務運営を行っておりまして、区市町村立図書館とサービス内容が重複しております。中央図書館を開館した昭和四十八年当時は、まだ区市町村立図書館が整備途上であり、都民に図書の貸し出しサービスを提供するため日比谷図書館を都立として残すことといたしましたが、区市町村立図書館が飛躍的に充実した現在では、都と区市町村の役割分担の観点から、都が日比谷図書館の運営を継続する必要性は薄いとしております。
 そこで、2の今後の方向でございますが、その前に、下の米印の見直しの経緯について若干ご説明いたします。
 平成十三年に文部科学省が都道府県立図書館と市町村立図書館との役割分担の考え方を告示いたしまして、これを踏まえ都では第一次あり方検討委員会報告において、日比谷図書館のあり方を抜本的に見直していくといたしました。さらに本年の行政監査報告におきましても、日比谷図書館は広域的自治体の図書館としての機能が十分に果たされていない、今後のあり方を抜本的に検討されたいと、このように求められたところでございます。
 このような経緯を踏まえまして、日比谷図書館の今後の方向としましては、現在、年間約七十万人の都民が利用していることから、この利用者サービスの継続を可能とするため、地元区に移管することを検討すべきである。一方、都立図書館は中央と多摩の二館体制に集約して運営を効率化し、先ほど述べました都立図書館としての今後の役割を果たすため、一層の充実を図るとしているところでございます。
 報告書の全体概要と、その中の日比谷図書館移管の考え方につきましては以上でございます。
 今後の取り組みですが、現在、この検討委員会報告につきまして、広く都民の皆様から意見を募っているところでございまして、また、今議会でのご審議を踏まえまして、本報告を具体化する行政計画を策定し、都立図書館の改革に取り組んでいくこととしております。また、日比谷図書館の扱いに関しましては、議会審議を踏まえ東京都教育委員会としての方針決定を行った後、地元千代田区と正式協議に入っていきたいと考えているところでございます。
 ご報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○齊藤学務部長 都立大島南高等学校学科改編及び都立大島セミナーハウスの運用に係る実施方針について、ご報告申し上げます。
 お手元の概要版で説明させていただきます。
 東京都教育委員会では、都内唯一の水産科を持ちます大島南高等学校が抱える課題に対応するため、昨年十一月に庁内に学科改編検討委員会を設けまして検討を重ねてまいりまして、六月にその報告書を公表したところでございます。
 また、大島南高等学校の近隣に所在いたします校外教育施設である都立大島セミナーハウスにつきましては、その稼働率の低さから、行政評価等におきまして抜本的見直しが必要との指摘を受けておりまして、施設のあり方について検討を進めてまいりました。
 このたび、これらの検討の結果を施策として具体化するに当たりまして、今後の計画の概要を実施方針として定めましたので、その概要をご報告させていただくものでございます。
 まず、大島南高等学校の学科改編でございますけれども、目的としましては、職業教育としての水産・海洋教育を見直しまして、現有資産を最大限に活用し、海を通して世界を知るという観点のもとに、国際感覚豊かな人間を育成する学校を目指しまして、海洋国際科へ改編するというものでございます。
 改編年度は、平成十八年度としてございます。
 学科改編の内容は、現在の海洋科を充実・発展させまして、普通科、海洋科を海洋国際科に改編するというものでございます。
 生徒数は、現在、普通科四十人、海洋科三十五人、三学年で二百二十五人でございますけれども、改編後は、海洋国際科四十人二学級、三学年で二百四十人という規模になります。
 海洋国際科に国際社会類型及び国際海洋類型の二類型を設けまして、国際社会類型は文系大学への進学、国際海洋類型は理系・海洋系大学及び海洋系の上級学校を目指すカリキュラムといたしまして、第二学年進級時にそれぞれのコースを選択いたします。
 教育の特色といたしましては四つございまして、一つ目が国際航海など海を通して世界を知る体験型国際教育、二つ目といたしまして、寄宿舎を活用した全人教育、三つ目といたしまして、進路・進学指導の重視、四点目としまして、寄宿舎を利用した国際交流事業の実施を掲げてございます。
 次に、寄宿舎の整備でございます。
 現在は、海洋科の生徒のみが寄宿舎に入っておりますけれども、新しい海洋国際科はすべて寄宿舎に入る全寮制といたしまして、集団生活を通しまして人格形成していくこととしております。このため、寄宿舎が現在のものでは足りなくなりますので、近隣にある校外教育施設の大島セミナーハウスを寄宿舎に活用していこうというものでございます。
 次に、Ⅲといたしまして、その大島セミナーハウスの今後の運用を示しております。
 大島セミナーハウスは、昭和五十年八月に開設されておりまして、昭和五十三年のピーク時に四万人あった利用者が現在は一万六千人程度となっておりまして、そのうち、相当数が本来の目的でございます都立高校の生徒ではなく、社会教育団体の利用となっておりますことから、行政評価等で抜本的見直しを指摘されているところでございます。
 このため、これまでセミナーハウスのあり方について検討を重ねてまいりましたが、設置目的に見合った利用が果たせない現状を踏まえまして、十八年度末で廃止し、その後の施設の一部を大島南高等学校の新しい寄宿舎として整備し、一部を大島町へ移管することといたします。
 大島南高等学校の海洋国際科は十八年四月に新一年生を受け入れますので、十八年度中はセミナーハウスの機能を部分的に維持しながら、一部を寄宿舎として活用することになります。
 また、大島町へは、野球場、サッカー場、グラウンド等を移管しまして、都民への開放を引き続き行う予定でおりまして、基本的な方向について町との調整を進めている状況でございます。
 以上をもちまして、都立大島南高等学校学科改編及び都立大島セミナーハウスの運用に係る実施方針の報告を終わらせていただきます。
 なお、本件にかかわります条例案につきましては、次回の第四回定例会に上程いたしたいと考えておりまして、改めてご説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○村松委員長 報告は終わりました。
 この際、報告事項について資料要求のある方は発言を願います。

○大山委員 六点です。
 一つは、都立図書館各館の蔵書数、利用者数、貸出数。これは個人と区市町村別の推移、十五年間でお願いします。
 二つ目は、第二次都立図書館あり方検討委員会の委員会と専門部会及びその作業部会の会議記録と会議資料。
 それから三番目は、二〇〇一年度以降の除籍資料の内容と冊数。これは、年度別で、図書館別でお願いします。
 四番目は、二〇〇一年度以降の再活用資料の内容と冊数。これは年度別です。
 五番目は、二〇〇一年度以降の都立中央図書館と多摩図書館の資料費、それから購入図書冊数、それから購入図書の書誌数、それから購入雑誌タイトル数、これは年度別でお願いします。
 六番目が、二〇〇一年度以降の協力貸出件数の推移。
 以上です。

○村松委員長 ほかに資料要求はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

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