文教委員会速記録第七号

平成十六年三月十九日(金曜日)
第三委員会室
午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長東ひろたか君
副委員長臼井  孝君
副委員長大塚 隆朗君
理事野上じゅん子君
理事山口 文江君
理事松原 忠義君
村上 英子君
福士 敬子君
山下 太郎君
石川 芳昭君
遠藤  衛君
山本賢太郎君
曽根はじめ君
樺山たかし君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
広報広聴部長島田幸太郎君
都政情報担当部長二ノ宮 博君
文化振興部長荒川  満君
都民協働部長高島 茂樹君
交通安全対策担当部長脇  憲一君
私学部長中澤 正明君
消費生活部長高田 茂穗君
参事田村 初恵君
参事奥秋 彰一君
参事八木沼今朝蔵君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十四号議案 東京都江戸東京博物館条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都写真美術館条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都現代美術館条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都美術館条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京文化会館及び東京芸術劇場条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
・第七十号議案  東京都青少年センター条例を廃止する条例
・第七十一号議案 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律関係手数料条例を廃止する条例
陳情の審査(質疑)
(1)一五第八七号 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名ですが、傍聴希望者が定員以上と思われますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○東委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の平成十六年度予算の調査、付託議案の審査並びに陳情の審査を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分並びに第六十四号議案から第七十一号議案まで及び陳情一五第八七号を一括して議題といたします。
 予算及び付託議案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○嶋津総務部長 去る二月十九日の本委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料をごらんいただければと思います。
 一枚お開きいただければと思います。資料は、目次にございますように、1の私立学校経常費補助予算額の推移から、7の青少年問題協議会の答申と東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案の概要までの七件でございます。
 一ページをお開きいただければと思います。私立学校経常費補助予算額の推移でございます。
 平成十二年度から十六年度までの五年間につきまして、高中小学校、幼稚園の各区分ごとの予算額の推移及び対前年度増減と、その内訳を記載してございます。
 二ページをお願いいたします。学校法人立以外の幼稚園数及び園児数の推移でございます。
 平成十一年度から十五年度までの五年間につきまして、都内の学校法人立以外の幼稚園の数及び園児の数の推移を記載してございます。
 三ページをお願いいたします。財団法人東京都歴史文化財団への委託費等の推移でございます。
 平成十二年度から十六年度までの財団法人東京都歴史文化財団に対する委託費等の予算額及び決算額の推移につきまして記載してございます。
 なお、表の注意書きにございますように、平成十四年度から、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館及び東京芸術劇場の四つの文化施設が教育庁から生文に移管してございます。
 四ページをお願いいたします。青少年センターの利用状況の推移でございます。
 平成五年度から平成十四年度までの過去十年間につきまして、青少年センターの利用者数の推移及び貸出施設利用者数並びに相談者数の推移を記載してございます。
 また、表の(2)、下段でございますが、青少年センターの主な事業内容につきまして記載してございます。
 五ページをお願いいたします。青少年センター廃止についての青少年問題協議会委員の意見でございます。
 青少年センターの廃止につきまして、青少年問題協議会でご審議いただきました各委員の意見につきまして、右の表の区分ごとに概要をまとめてございます。
 六ページをお願いいたします。文化施設の条例で定める利用料金の上限額と実際に適用している料金でございます。
 本定例会でご審議いただいております文化施設関係の利用料金の上限額の改正案と現在適用しております料金につきまして、表の区分ごとに整理してございます。
 次のページをお願いいたします。最後でございますが、青少年問題協議会の答申と東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案の概要でございます。
 青少年問題協議会の答申及び本定例会でご審議いただいております条例改正案の概要につきまして、表の区分ごとに取りまとめてございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 次に、陳情について理事者の説明を求めます。

○高島都民協働部長 それでは、お手元に配布させていただいております陳情審査説明表をごらんいただきたいと思います。
 表紙をお開き願いたいと思います。陳情番号一五第八七号、東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、千代田区の東京都青少年健全育成条例改正に反対する市民有志代表世話人山口貴士さん外二万五千五百二十五人でございます。
 陳情の要旨は、東京都青少年健全育成条例の今回の改正等に反対する立場から、不健全な図書類の規制について、いわゆる包括指定制度を導入しないようにしていただきたいなど六項目でございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、都は、昨年十月二十八日、第二十五期青少年問題協議会に対しまして、有害情報の効果的な規制、青少年の深夜外出の防止策などについて諮問し、本年一月十九日に答申をいただき、条例の一部改正について提言されたところでございます。
 現在、この協議会答申及び都民からの意見を踏まえ、本平成十六年第一回定例都議会、本議会に条例の一部改正案をご提案し、ご審議をお願いしているところでございます。
 以上、陳情に関するご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。

○東委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより、予算、付託議案及び陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山本委員 昨今の青少年を取り巻く社会環境というものは、病んでいるとしかいいようがないと思うんですね。毎日、新聞やテレビで報じられていることは、人殺し、強盗、かっぱらい、親殺し、子殺し。これは尋常な社会環境だとはどうしてもいわれません。それを反映して、青少年の犯罪が激増しております。規範意識の低下はまさに目に余ると、どなたも感じていることだと思います。
 最近行われた、中学、高校生の意識調査で、万引きは問題ないと答えた人たちが二割いるというんです。万引きは問題ないといったのが二割いるというんですね。驚くべきことだろうと思うんです。また、渋谷の繁華街で、夜十時過ぎても制服を着た女子高校生の姿が目立っているといわれる。
 こういうことを踏まえまして、私はこの三年間、青少年健全育成審議会の委員として、不健全図書類の指定について審議してきました。不健全図書、有害図書といってもいいですが、諮問されるものの内容はまさに悪くなる一方でありまして、特に問題なのは、このような図書類が普通のコンビニあるいは書店で売られているということです。いつでも手にとれる。
 よその国では、ひどい本はあるようでありますが、それは特殊な固定的な店でありまして、こんな状態にあるのは残念ながら日本の国だけだ、こういわれております。
 それだけでも問題があるのにかかわらず、最近はまた、いわゆる生セラ、ブルセラ、さらにスカウトという、従来では全く我々が考えることができなかった性風俗の問題も起きております。何とかしなければならないという焦りにも似たものが、今回の青少年健全育成条例の改正に踏み切ったのではないだろうかと私は思います。
 考えてみますと、歴代の青少年部長あるいは都民協働部長である高西さん、谷川さん、中島さん、そして今の高島さんを初め課長さんたち、職員たちが一生懸命、小人数でありながら、この環境問題に対応していることは、私はよく知っております。
 この青少年を取り巻く環境の悪化は、従来の対応ではもはや改善不能な状態に至っている。そのために、規制の強化は緊急の問題である。
 そこで、今回の条例改正のまず考え方についてお伺いいたしましょう。

○高島都民協働部長 今回の条例改正の考え方につきましてご説明させていただきます。
 現状の認識につきましては、ただいま山本委員からお話がございましたように、青少年を取り巻く環境は看過できない、非常に悪化しておるという状況にございます。
 こういう状況を踏まえつつ、私どもは、青少年が健全に育つ環境を整備するために、やはり大人や、そして事業者の方々に規制を行い、青少年の健全な育成環境を保っていきたいということでございます。
 今回の改正に当たりましては、大人の世界と青少年の世界を区分けする、いわゆるゾーニングということでございますが、これをより徹底いたしまして、それに伴う実効性のある規制を行い、さらに条例でこういう規定を定めることによりまして、社会の規範意識に対しまして警鐘を鳴らし、一定の規範化、そういうものの宣言的効果の発揮を目指したところでございます。
 以上でございます。

○山本委員 先ほどから述べましたように、青少年を取り巻く環境をつくってきたのは我々大人、そしてそれに関係する事業者であるために、その規制を行うことは、健全育成の上ではまず取り組むべき課題でありますが、先ほどいいましたように従来の規制が十分な効果を上げてこなかった、そういうことと、親や子どもの規範意識が低下したといわれている、このことも確かであると思います。
 今回、今までにない環境の悪化に対処するために、新たな規制を導入することでありますが、その内容と、この条例によって期待される効果というのは何だと考えておいでになりますか。

○高島都民協働部長 今回の条例改正の主な内容と期待する効果につきましてお答えしたいと思います。
 今回の条例改正、まず一つは、有害情報の規制といたしまして、出版業者が成人向けと思う図書につきまして、自主的にその旨を本に表示していただいて、表示していただいた本をさらに包装していただく。そしてさらに販売業者については、それを区分陳列していただく。それぞれの立場、役割に応じて努力義務を定めたというのが一つございます。
 一方、こういう自主規制で表示なり包装されるべきにもかかわらず、されていない図書につきましては、従来どおりの不健全図書指定を行って対処してまいりたいと考えております。
 さらに、いわゆる自動販売機でございますけれども、成人向けビデオなどを自動販売機で売っている、こういう場合につきましては、年齢識別機等の設置、それから、その稼働なども義務づけるということにいたしたところでございます。
 さらに、有害環境の規制につきましては、少女の着用済み下着などを買い受けるいわゆる生セラ、性風俗店に勧誘しますスカウトの禁止、それからカラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェ、最近新しい業態で出てきたお店でございますけれども、こういうところに子どもが深夜立ち入っているという現状にかんがみて、これらを新しく深夜立入制限施設に追加するというようなことを内容としております。
 そのほか、子どもが犯罪に巻き込まれることを未然に防止するために、いわゆる深夜に青少年を連れ出すことを禁止し、また、保護者に対して親の責任というものの回復を求めるためにも、青少年を深夜外出させないという努力義務を、宣言的に今回の条例改正に盛り込ませていただいた次第でございます。
 これら種々の規制を行うところでございますが、いずれも子どもを規制するということが目的ではなく、先ほど申しましたように、子どもを守り、健全に育成する環境をつくるために、大人側、大人及び事業者に節度ある行動と責任感を求めるために規制を設けた、そういう趣旨でございます。
 以上でございます。

○山本委員 いろいろ説明がありましたように、極端に悪化している社会状況、これに対して、全国で東京都が初めてなわけです。よく他県では包括規制とかいろいろやっていますが、東京都は個別規制で、これが実効性を上げているんです。また、これについてもいろいろ論議があると思うんですが、いずれにいたしましても、今度の条例案は全国でも初めての画期的なすばらしいものだと私は思うんです。
 このことについては評価いたしますが、一方、図書類について、自主規制団体を設けて自主規制を尊重するという立場を東京都は今度もとっていくんですけれども、ここで確認のためにお聞きしたいんです。社会的にこのような反響の大きい、特にお母さん方は、うちの子どもにはそういう本なんか見せたくない、困りますよ、そういうような不健全図書、先生方きっとごらんになったことがあると思うんですが、この指定の対象を広げていくか、あるいは広げない場合には環境の改善が図られていくのかどうか、この点についてどうですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 今回の改正に伴う指定のあり方についてのお尋ねでございます。
 現在、東京都の不健全図書の指定方式につきましては、いわゆる個別指定方式と申しまして、個別図書ごとに、有識者で構成します青少年健全育成審議会の答申を経まして都が指定する、そういう個別個別の本を指定するという指定図書制度をとっております。この方式は今回の改正でも特に変更しているものではございません。
 それから指定対象につきましても、従来から成人向けの漫画、コミック、グラビアなどを指定していますが、これについても特段、認定基準等を見直すということを予定していませんので、変わりございません。
 一方、今お話がございましたように、規制の対象につきましては、考え方については従来どおりでございますが、実効性を確保するために、一つは、私どもが指定いたしました定期刊行物につきまして、その次号から、いわゆる業界側の自主規制としての表示図書としていただけるよう勧告するという制度を設けたり、都民の力をかりまして、区分陳列などを促進する青少年健全育成協力員制度、こういうものを設けまして、今お話がございました事業の自主性を重んじつつ、その協力を促し、青少年の健全な育成に努力していくというような考え方で、制度をお願いしているところでございます。
 以上でございます。

○山本委員 そういうことなんですが、我々、コンビニにちょっと入ってみる。一生懸命コンビニの従業員がおでんを売ったり、卵を売ったり、あるいはお握りを売っている。しかし、こちらに少女たちが固まって何か見ている。それ、だめですよ、そこのはだめですよと、いわなきゃいけないんだけれども、なかなかいいにくい。
 今いったような表示図書というのは、十八歳未満の人は見ちゃいけないという本でありますから、それを表示してある図書でありますから、それは区分といって、区分指定、区分の場所に、ここに置きなさいと決まっている。だけど、それがなかなかできにくくて、とって下で見ているというような現状なんかがある。
 不健全図書の数は、皆さん、売っている書店やコンビニに行けばわかりますが、売っている不健全図書数と--毎月、青少年健全育成審議会で、先ほど話がありました、私も一人でありますが、この本は有害図書で、子どもには見せたくないですよという指定をする、これが何と一回に十冊か十一冊か、そこらより指定ができない。しかも、これは職員の皆さんが一生懸命一カ月も集めて、四百冊とか三百冊集めてきて、それから選んで出てきたものを、十冊か十一冊ぐらいより指定できない。だから、指定すべき本が漏れているという印象を私たちは持っているわけです。
 また、表示図書、先ほどいいましたように成人向けの図書、これが表示されて売られているか。本当は表示図書とすべきものが表示されないで売られているんじゃないだろうか、そんな疑念も私は持っております。
 そこで、指定図書については諮問がなければ審議されない。指定漏れがないように、諮問の仕方を工夫すべきではないか。また表示図書制度、今いったように成人向けというものですね。表示図書制度が本来の機能を発揮するような工夫もまた必要ではないだろうかと思うんですが、どうですか。

○高島都民協働部長 指定図書、表示図書につきまして、本来指定図書にすべきものがされてないんじゃなかろうか、それから、本来表示図書とされるべきものがされてないんじゃなかろうか、そういうお尋ねだろうと思います。
 先ほどお答え申し上げましたように、私ども今回、抑制的な個別指定方式を維持しておりますし、また、その指定基準も認定基準も特に変更を予定しておりませんが、ただいまお話がありましたような議論がございまして、青少年問題協議会、青少年健全育成審議会の中におきましても、現行の指定制度の実効性の確保、それから自主規制のより一層の実効性の確保、これについて工夫する余地があるんじゃないかというご指摘をいただいております。
 具体的には、まず指定図書の方でございますけれども、これは、先ほどお話がございましたように、青少年健全育成審議会の方に毎回私どもが諮問いたしまして、ご答申いただいて、その答申によって指定するという形をとっておりますけれども、青少年健全育成審議会に諮問する図書の数が少な過ぎるんじゃなかろうかというご指摘がございまして、具体的に青少年問題協議会におきまして、諮問図書の選定基準を設け、適切な諮問を行う必要がある、ありていにいえば、もう少し諮問する数をふやしたらどうかというご提言がされております。
 この提言を受けまして、今回、これは今後になりますが、青少年健全育成審議会に諮りまして、諮問図書選定指針を設けまして、諮問図書選定の透明性の向上と、それから、私どもの諮問漏れが原因で本来指定すべきものが指定されることがない、そういう指定漏れがないような形で工夫してまいりたいと考えております。
 それから二点目でございますけれども、表示図書制度。これも、業界側の自主規制による表示図書制度についての実効性の確保でございますが、青少年問題協議会の答申において、このことにつきましては、実効性を確保するためにも、条例において自主規制を促す規定を設けることも検討すべきであるという提言がなされております。
 このため、今回の条例改正案に新たに盛り込ませていただきましたのは、いわゆる表示図書を選定する際に、指定図書の認定基準が東京都規則で定められますので、この基準に照らしながら表示図書を選定していただく努力を出版業者の方に努力義務として求めていく、このような規定を条例改正案に盛り込ませていただいているところでございます。
 以上でございます。

○山本委員 憲法で保障されている出版の自由でありまして、なかなか難しい問題もいろんな点で含んでまいりますが、図書の規制は特に、この間の「週刊文春」ではありませんが、社会的関心の高い分野でありますために、コミックは今回の条例改正で新たに規制されるわけではないということですね。そのことと、また規制する対象も変わらないという、正しい情報を提供することが大事だと思うんですよ。
 コミックはだめだなんて考えさせないような、そういうようなPRも大事であるし、一方、規制されるべきものが規制を免れているという、この現状もやっぱり改善していかなきゃならないことだと思いますね。
 有害情報の問題には、不健全図書のほかにも自動販売機等の問題もあります。自販機の中のビデオを先生方ごらんになったことはありますか。大変なのがたくさん入っております。
 それとともに、新たな規制とともに、今度、改正条例の十七条第二項で、警察官に立入調査権を付与するとしておりますね、この条文の中で。この点で令状主義に反しないか、また犯罪捜査につながらないかということが指摘され、議論されております。
 ご承知のように、刑事訴訟法百六条では令状主義をうたっております。裁判官の発する捜索令状がなければ、調査、捜索はできない、こういう主義をとっているわけであります。これは皆さんもご承知のとおりでありますが、そこで、立入調査権の権限を警察に与えることは、強制捜査の、先ほどいいました令状主義、憲法三十五条でもうたわれているところですが、定めている刑事訴訟法の法文を空文化するものではないかという意見があります。この点についてはどうお考えになっておりますか。

○高島都民協働部長 警察官の立入調査についてのお尋ねにお答えいたします。
 いわゆる憲法なり刑事訴訟法で定められている令状主義に反することになるのではなかろうかというお尋ねだろうと思います。
 この立入調査の権限につきましては、一つは、条例の施行に必要な限度において認められている。二つ目としましては、あくまで営業時間内に立ち入るということに限定されている。三つ目として、行政調査を行うために認められているものである。それから四つ目として、あくまで警察官が行う場合であっても、犯罪捜査のために認められたものではない。このような極めて限定的な制約を設けて認めていただきたいということで条例案に盛り込んでおりますので、決して憲法なり刑事訴訟法で定める令状主義を空文化させることにならないというふうに思っております。
 このことを具体的に担保するために、一つは、十七条の四項で、立入調査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということをはっきり明示しております。これによって誤った運用をいさめるとともに、都民の誤解を未然に防ぎたいということをまず定めております。
 それから、調査に際しましては、立入調査証票を携帯しまして、あらかじめ関係者に提示しなければならない。これを同じく十七条の三項で規定しております。
 これはよく誤解されるのでございますけれども、例えば今回の警察官の方も、立入調査される場合は、いわゆる警察手帳でなく--ちょっときょう持ってまいりましたけれども、私ども、既に行政は立入調査していますので、立入調査証票というのをつくっておりますが、警察官の方もこういう立入調査証票に基づいて立ち入っていただくということになります。そういう意味で、何の目的で立ち入られたかということが、立ち入りを受ける事業者側の方にもはっきり理解していただけるということでございます。
 それからもう一つ、このような適正な手続のもとに立入調査が行われるためには、私ども知事部局職員、警察官の方々が、この立入調査の趣旨、内容、目的また限界等を十分理解した上で調査に入るべきだという認識をしておりますので、知事部局職員それから警察官に対しまして、このような内容について十分な研修を徹底していきたい、かように考えております。
 以上でございます。

○山本委員 今、部長のお話で明らかなように、警察官はだれでもできるというんじゃなくて、令状にかわるといったら変ですが、ちゃんと調査証票を持って、この事案についてやるんですよと、しかもそれをちゃんと打ち合わせをして出かけていく、いわば行政調査であるということですね。
 ただ、これを法律的にいうと、この調査によって、犯罪の事案の端緒になることは仕方がないんですよね。端緒になります。犯罪の端緒になるということは当然あらなきゃならないわけなんだけれども、しかし、それは別であって、それは本条例では目途とするところじゃないから、私はこれでいいと思います。いいと思いますね。
 だから、外で今いろんなことでいわれて、我々に送ってきているのを、私は精査して読みましたが、この問題には該当しないと思いますので、どうぞひとつ胸を張って、この条例をきちんとやっていっていただきたいと私は思います。
 次代を担う青少年が健全に育つためには、望ましい環境を我々自身がつくっていくということ、これは我々の責務であって、その所期の目的を達成するための条例の設置は大賛成であるということであります。
 さて、その次の問題に移ります。
 この条例の中に青少年センターの廃止条例も出ております。今回の青少年センターが廃止されることですが、この廃止の是非は、前から何度も何度も、青少年センターの話も出てきております。青年の家のことから続いて、ずっと私もこの委員会で話していますが、そこにおいて提供される機能の必要性と継承の観点から判断すべきであります。これを廃止するということは、ハードの問題だけじゃなくて、機能の必要性、それから、どういうふうに継承していくか、そういう点から判断されるべきだと思うんです。
 そこで、青少年センターは今までどのような機能を果たしてきたと考えておりますか。

○高島都民協働部長 青少年センターが今まで果たしてきた機能についてのお尋ねでございます。
 青少年センターにつきましては、青少年の社会参加を促進いたしまして、青少年の健全な育成を図るために、青少年に活動の場を提供する施設貸出事業それから相談事業、これを実施してまいりました。
 施設貸出事業についてでございますが、具体的には、青少年の社会文化活動、スポーツ・レクリエーション活動、青少年自身による情報の発信、参加交流の場として、集会室、音楽室、創作活動室、多目的ルームなどを貸し出してきたところでございます。
 それから二つ目としまして、相談事業でございますが、青少年の悩みに答える一般相談、親と子の悩み電話相談などの特別相談、こういうものを実施してきたところでございます。
 以上でございます。

○山本委員 それではもう一回、くどいようですが、今回廃止することになったその理由ですね、それと、現在の、今まで持ってきた青少年センターの機能は今後どこで、だれが担うのですか。分担するのですか。

○高島都民協働部長 青少年センターの廃止することになった理由と、現在の機能を今後どこで担うか、二点のお尋ねでございます。
 まず廃止する理由でございますけれども、本年三月三十一日に類似施設でございます区部ユース・プラザ、東京スポーツ文化館でございますが、これが江東区の夢の島に開設されるようになりました。それから、区市等における青少年相談事業がかなり拡大され、実施されてきているということを踏まえまして、平成十六年三月三十一日をもって廃止したいというものでございます。
 また、平成十三年度に実施されました行政評価においても、同様の趣旨から、廃止が適当であるとされたところでございます。
 それから二つ目としまして、現在の機能を今後どこが担うかということでございますが、先ほど申しました施設貸出事業、こういう居場所機能の確保、これにつきましては、今申し上げましたように、新しくつくられます区部ユース・プラザ、東京スポーツ文化館において継承していただくというふうに考えております。
 二つ目の青少年の相談についてでございますけれども、これにつきましては、相談事業の性格からいいまして、早期解決するためには、できるだけ身近な区市町村相談、もしくは相談の内容に適した各種それぞれの専門相談、そういうところで対応していただくことが大切ではなかろうかというふうに認識いたしております。
 青少年の一般相談機能につきましては、青少年センター開設以来、十一区市町村で増設され、四十九カ所の窓口がふえるなど、順次、市区町村の窓口が充実されてきております。区市町村にゆだね、本来の身近な区市町村で相談事業をやっていただくことが、役割分担上適当であるというふうに考えております。
 それから専門的な相談機能につきましては、都の各部局でやっておりますけれども、今回、青少協の答申にもございましたが、青少年の新たな社会問題になっております社会的ひきこもりにつきましては、その実態等を解明することも含めまして、平成十六年度から、ひきこもり等相談事業を開始し、対応してまいりたい、かように考えております。
 以上でございます。

○山本委員 厳しい財政状況の中にありますので、重複投資を避けるという意味で、都と区市町村が役割分担をするということは、それなりに意味があると私は思います。そして、ゆだねていって、施設と事業の見直しは、スクラップ・アンド・ビルドじゃありませんが、見直しはぜひ必要なことであると思います。
 また、社会的ひきこもり対応事業を今度立ち上げるようになると、スクラップすべきところはスクラップし、ビルドすべきところはビルドするという姿勢も、これは当然あってしかるべきだろうと思います。
 今後、ユース・プラザが青少年の居場所として十分に機能し、ひきこもり等相談事業が有意義な成果を上げていただきますように、努力をしていただきたいと思います。注文をしておきます。
 次に、もう一つ条例の改正の点についていいますが、文化施設の条例改正についてお伺いいたします。
 現在、都には文化施設として江戸東京博物館、写真美術館、庭園美術館、現代美術館、東京都美術館、文化会館、芸術劇場の七つの施設がありますね。この施設は、その管理運営をすべて両国にある東京都歴史文化財団に委託しております。そして財団は、展覧会や博物館の観覧料、劇場ではホールの使用料を取って運営しているわけですが、観覧料や使用料は都が条例で上限を決め、その範囲内で財団が決定し、自分の収入とする利用料金制度を導入しておりますね。
 先ほど説明がありましたように、当委員会の要求資料の説明の中に、文化施設の場合は、条例で規定している利用料金の上限額と実際に適用しているものとの二本立てになっておりますよね。例えばこの資料によりますと、江戸東京博物館の常設の観覧料は、大人の場合、現行条例では七百九十円となっていますが、今適用しているのは六百円ですね。
 そこでまず、今回の条例改正をして、文化施設の利用料金の上限額を引き上げようとした理由は何ですか。

○荒川文化振興部長  今お話のありました、江戸東京博物館などの文化施設におきまして利用料金制度をとっているわけですけれども、その上限額は原価主義をとっておりまして、人件費、維持管理費、減価償却費、この三つを合計した原価に基づいて算定しております。
 今回の条例改正は、第二次財政再建推進プランの中に受益者負担の適正化という方針がございまして、その方針に基づきまして、実際にかかっている原価と現条例で定めている上限額との間で乖離が生じているものにつきまして、原価の一・五倍を限度に上限額の改定をお願いするものでございます。

○山本委員 十年後に値上げをするか、二年後にするか、これはいろいろあるわけですが、そのときの情勢によって、値上げをする判断は、行政にとっても都民にとっても大変つらい立場の時期ではあるわけですね。
 今回、利用料金の上限額を引き上げて原価に近づけようとするのは、受益者に本来負担すべき額を明示する上でも、利用する利益を受ける人にそれは必要なことであるとは理解できます。
 しかし、実際に利用する料金はどうかというのは、これまた別問題ですよ。理解はできるけれども、別問題であるわけですよ、使う人にとっては。だから、先ほどの江戸東京博物館の常設展でいえば、現在の観覧料は六百円だが、条例改正後はどうなるか、そのところを都民や我々は知りたいところなんです。
 今回、各美術館や博物館、劇場のほとんどの上限額が変更されておりますね。だけれども、実際に引き上げを本当のところ予定しているものはあるのか。あったら、どうぞ教えてください。

○荒川文化振興部長  実際の利用料金をどう設定するかということにつきましては、条例で定めました上限額の範囲内で、先ほど先生からお話がありましたように、東京都歴史文化財団が都の事前承認を得て決定することになっております。
 歴史文化財団の方では、今回条例を改正いたしましても、できるだけ経営努力をいたしまして、実際の料金は値上げしない方針を出しているところでございますが、しかしながら、その中に、類似の展覧会とか施設と比較しまして実際の料金が著しく低くなっているものがございまして、それが、写真美術館の収蔵展と映像展の観覧料と現代美術館の講堂、研修室及びロビーその他施設の施設使用料でございます。これについてのみ値上げを現在検討しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、写真美術館の観覧料につきましては、現在、収蔵展と映像展を二つ見まして五百円、一つ見ますと二百五十円なんですが、これを一つの展覧会で七百円に改定する。
 それから、現代美術館の講堂につきましては、一日借りて二万五千円ですが、これを三万五千円に、同じく研修室、これも六千円なんですが、それを七千円に改定する予定でございます。それから、同じ現代美術館の中で、これらに連動して、ロビーその他の施設につきましても、一日平米六十円を平米九十円に単価をそれぞれ改定することにしております。
 他の料金につきましては、現在、値上げしない予定でございます。

○山本委員 よくわかってきました。実際に適用する料金を設定する場合に、管理を委託している団体が、ここでいえば歴史文化財団がいかに経営努力を発揮するかがポイントであるように思いますね。そういう意味で、実際料金の引き上げを抑えるのは、我々都民から見れば本当に望ましいことなんですよね。
 しかし、私は木場の現代美術館を知っているんですが、あの広いエントランスホール及び野外のサンクンガーデンというのがありますが、随分広いですね、あのずうっとした。あそこが一日三百万円と今ここに出ている、料金が設定されているんですが、一日三百万円というのはちょっと高いという印象なんです。実際、これだけ高く取っていて、利用が考えられますか。どうなんでしょうね。

○荒川文化振興部長  今回の条例改正では、全体の上限額の引き上げというほかに、今、先生からお話があったような、新たな利用料金の設定というのがございますけれども、特に現代美術館のエントランスホールとサンクンガーデンにつきましては、先日の予算特別委員会で私どもの局長が答弁申し上げましたように、この二つの施設につきましては、新たな利用料金を設定しまして、施設の有効利用ということで、休館日などにファッションショーですとかパーティーの会場などに利用できるようにするものでございます。
 具体的な上限額としては、民間企業が休館日などに一日じゅう使った場合に三百万円とさせていただいております。これは、現代美術館の施設を動かすために必要な人件費というのがかかるわけでございますけれども、その人件費とか維持管理費、類似の施設でのそのようなファッションショーとかパーティーをやった場合の相場、それから、実際に現代美術館で今まで協賛金をいただきながらファッションショーとかパーティーをやった経験がございまして、そのときにいただいた協賛金の額などを勘案して設定したものでございます。歴史文化財団の方でも、この上限額を実際の利用料金に設定する予定でございます。
 ただ、地元自治会などが利用する場合には、通常利用に準じまして減免措置を設けるよう指導してまいります。

○山本委員 これで最後にいたしますけれども、あそこの広いところで外車の展示ショーだとかをやったらすばらしいですね。二千平米以上あるずうっと長い、あの環境もいいし、自動車もとめられるしね。ああいうところでやれればいいと思うんですが、今回の料金の値上げは、先ほどいいましたように、歴史文化財団が努力してもなお苦しい、市場の形態から見て苦しいということで、引き上げざるを得ない料金だろうと思うんですが、しかし、それはそれとして、財団が一生懸命努力して、そのことによって、料金の引き上げは一応条例では決めたんだけれども、それ以下に抑えることができるならば、都民としてはこれ以上の喜びはないわけですから、利用者にとっても大変喜びであるわけですから、今後、生文局では財団をよくご指導いただきまして、適正にやられるようにひとつ応援してあげていただきたいということをもって、最後の私の質問といたします。お願いいたします。
 以上です。

○大塚委員 私からは、平成十六年度の事業、予算も計上されております交通渋滞対策についてお伺いしたいと思います。
 交通渋滞、本当に都心部ではまだ大変激しい状況が続いております。人間の体に例えますと、血管が詰まれば人間も病気になってしまうわけでございまして、道路の都市施設としての渋滞解消というものは大変重要な政策だと思いますし、また、都市計画局、建設局、努力をされて、外かく環状道路並びに圏央道とか環状二号線、大規模な都市計画道路、そしてまたそれぞれの都市計画道路の見直しをされて、優先順位を今つけて、鋭意進めていくということでございますが、何といっても財政が厳しい折でございます。都市計画道路の充足率というのは五十数%ですから、そう簡単に、一気にそれを上げようと思っても、なかなか難しいと思います。いずれにしましても、生文局が知恵とアイデアを絞ってそういった渋滞対策をしているということで、その点について質問させていただきたいと思います。
 私は、昨年の第三回定例会で、都市交通政策について質問いたしました。スムーズ東京21に関連いたしまして、タクシープール整備の重要性や、タクシープールを利用するタクシー運転手の声を反映すべきであるという意見も述べさせていただきました。
 効果的に事業を実施するという観点からは、東京都の組織の中で事業の所管をまず明確にし、また、関係する局の間で連絡を十分とるということも重要であると考えます。交通渋滞の解消にかかわる事業について見ますと、道路事業は建設局、駐車場対策は都市計画局及び建設局、違法駐車の取り締まりは警視庁と、それぞれの所管ごとに事業を行っていることがわかるわけでございます。そして、事業の関係局の連携事業でありますスムーズ東京21は生文局、そしてスムーズ東京拡大作戦は知事本部ということで、こちらも所管が分かれておりまして、大変わかりづらい部分が今まであったわけでございます。
 そこで、お伺いいたしますが、生文局が所管するスムーズ東京21における各局の役割分担と事業協力の仕組みについてお尋ねいたします。

○脇交通安全対策担当部長 スムーズ東京21は、平成十三年度から、靖国通りや明治通りなどの四路線と新宿、渋谷、池袋の三繁華街を対象にいたしまして、違法駐車対策のパイロット事業として、都市計画局、建設局、生文局の三局と警視庁が共同して推進しているものでございます。
 お尋ねのこの事業における各局の役割分担についてでございますが、基本的には、ただいま副委員長ご指摘のように、都市計画局は駐車場の有効利用のあり方など計画面を担当し、建設局は交差点の改良など道路管理者の役割を、また、警視庁は違法駐車取り締まりなど交通管理者の役割を分担しているところでございます。
 また生活文化局といたしましては、交通指導員の配置等による普及啓発活動を分担いたしますとともに、効果的に事業を推進するため、事業計画の総合調整や進行管理を行っているところでございます。
 次に、この事業の連携協力の仕組みについてでございますが、まず予算面での工夫といたしまして、生活文化局が関係局と事業調整を行った上で、一括して予算要求を行い、実施段階でそれぞれ関係各局に執行委任していく、いわゆる執行委任方式を採用しております。
 また、関係局による事業推進組織を設置、運営いたしまして、事業調整や進行管理などを適時適切に行っているところでございます。

○大塚委員 渋滞対策のように関連する施策が多岐にわたる場合は、計画段階で対策箇所や対策メニューを調整して、今ご答弁のように、総合調整を行う局に予算を一括計上した上で執行する局に配分していくことは有効であるというふうに思います。
 私の第三回定例会での質問で、スムーズ東京21のタクシープール整備について、都市計画局長から、池袋地区においてタクシープールの整備を検討しているとご答弁がありました。この取り組みにつきましても、先ほど説明がありましたように、関係局の連携が不可欠と考えますが、生文局としては具体的にどのような調整を行ったのか、また、タクシー運転手など現場で働く人たちの声をどのように反映したのか、あわせてお尋ねいたします。

○脇交通安全対策担当部長 池袋東口タクシープール整備に当たっての関係局などとの調整についてのお尋ねでございますが、全体的な整備計画の立案とか業界団体との連絡調整は、都市計画局が中心となって行いました。また、工事の施行は建設局、通行方法など交通規制は警視庁が担当いたしまして、生活文化局といたしましては、関係局と連携しながら、主に地元区や商店会等との調整に当たったところでございます。
 具体的には、新たなタクシー待機列を生じさせない、あるいは交通安全の確保を図るという観点から、タクシープールへのタクシーの進入方法とか、それを円滑に行うための案内誘導装置の設置、あるいはタクシー業界など関係機関による指標、ルールづくりなどについて調整を行いまして、これらについて基本的な合意を得まして、現在、工事を施行しているところでございます。
 また都市計画局では、昨年十一月に、副委員長のご質問を踏まえまして、池袋駅東口のタクシー乗り場を利用しているタクシー運転手さんに対しまして、利用実態や、新しく設置するタクシープールについて利用の意向などを聞き取り調査いたしました。これらの調査結果は、今後の管理運営等の実施内容に活用していくこととしております。

○大塚委員 今ご答弁のように、タクシープールを例として、スムーズ東京21が各局と連携して実施されたことはよかったと思いますし、大変理解をいたしました。
 そしてまた、交通渋滞解消のための違法駐車対策であるスムーズ東京21は、平成十三年から十五年にかけての三カ年の事業であったわけでございますが、今年度事業を終えるに当たって、その成果と実績についてお尋ねいたします。

○脇交通安全対策担当部長 スムーズ東京21では、交通の妨げとなる交差点付近の違法駐車を排除するために、駐停車禁止区間、法定では五メートルでございますけれども、これを三十メートルに拡大いたしまして、この区間を赤く舗装して、わかりやすく明示いたしました。
 また違法駐車車両に対しましては、所轄警察署から音声で警告する駐車抑止テレビシステムもあわせて整備いたしました。
 また、交通指導員も各交差点に配置いたしまして、普及啓発活動に当たったり、あるいは付近の駐車場の利用促進などを訴えてまいるなど、ハード、ソフトの両面から対策を実施いたしました。
 事業実績でございますけれども、平成十三、十四年度におきましては、靖国通りの十交差点を初め、新宿、渋谷のエリアにおいて対策を実施いたしまして、また今年度、平成十五年度におきましては、先ほどお話しの池袋東口タクシープールの整備や明治通りの交差点対策に取り組んでおります。三カ年全体を合計いたしますと、区道を含め、四十六カ所の交差点で違法駐車対策を講じてきたところでございます。
 次に、事業の効果についてでございますが、対策の進んでいる靖国通りの市ヶ谷駅前から浅草橋間でございますが、この間では、平成十四、十五年とも、施行前の十三年に比べまして同区間の交通量は増加しているにもかかわらず、通過に要する時間、いわゆる旅行時間と申しますが、それが約二割も短縮しております。また、違法駐車車両は約二割減少し、渋滞の長さも約四割短縮するなど、多くの指標で交通の流れが円滑化する効果が確認されたところでございます。

○大塚委員 スムーズ東京21では、今のお話のように、大分効果が出ていることもわかったわけでございますが、しかしながら、先ほどの池袋のタクシープールや明治通りなどの事業効果は、昨年の調査ではまだ--策定されておりません。
 ぜひとも来年度、十六年度におきまして全体的な検証を行うように要望いたしまして、次のスムーズ東京21拡大作戦についてお尋ねしたいと思いますが、拡大作戦は、平成十五年度に知事本部において、スムーズ東京21の成果や課題を踏まえて、集中的な渋滞対策として再構築したものであります。
 平成十六年度から生文局へ移管されると聞いておりますけれども、拡大作戦はどのような観点からどのように再構築したのでしょうか。そしてまた、スムーズ東京21との相違点についてもお聞かせいただきたいと思います。

○脇交通安全対策担当部長 スムーズ東京21で実施した違法駐車対策は、先ほどご説明申し上げましたとおり、靖国通りの調査結果からもわかりますように、幹線道路の渋滞対策としては極めて顕著な効果があらわれたというふうに思っております。
 しかし、交通渋滞の原因といたしましては、違法駐車以外にも、道路構造の問題などさまざまな原因が考えられます。一方、冒頭、副委員長からお話がありましたように、都内の慢性的な交通渋滞は、都民の日常生活や企業活動に多大な経済的損失を与え、環境悪化や交通事故の原因ともなっておりまして、まさに交通渋滞は緊急に取り組むべき課題となっております。
 こうしたことから、スムーズ東京21拡大作戦は、これまでの生文局で行ってきましたスムーズ東京21の成果と課題を踏まえつつも、即効性のある既存道路の有効活用といった観点から、渋滞原因に対応した集中的な渋滞対策として再構築していったものというふうに理解しております。
 具体的には、国道も含め、渋滞の激しい都内幹線道路の交差点に対象箇所を大幅に拡大いたしますとともに、その特性に応じて、道路施設の改善や違法駐車対策などのさまざまな対策を組み合わせて整備を行うこととしております。
 また、拡大作戦におきましては、新たに各対策区間の所要時間を、ピーク時二〇%、平均でも一〇%減少させるという事業目標を掲げまして、これから取り組んでいくこととしております。

○大塚委員 今の答弁で大体十六年度の事業がわかったわけでございますので、最後の質問は重なってしまいますので、要望だけ最後に申し上げておきますが、今お話がるるあった成果そして実績を踏まえて、十六年度にかかわらず、今お話しのように慢性的な渋滞の解消に向けて、ハード、ソフト、いろんな知恵を絞って、都心の渋滞解消に当たっていただく。息の長い話だと思いますけれども、ぜひ頑張っていただくことを最後に要望いたしまして、質問を終わります。

○石川委員 私からは、東京都青少年健全育成条例の改正についてお伺いさせていただきます。
 一月十五日に出されました第二十五期東京都青少年問題協議会答申の初めに、今回の答申は、昨年の十月三日、子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会の緊急提言を受けて、同じ年の十月二十八日、協議会に知事から、不健全図書類の効果的な規制のあり方、その他青少年の深夜外出の防止方策等の事項を検討するよう諮問を受けまして、一月十九日提言が出され、諮問が出されましてから百日に足らない短期間で答申が出された。その背景には、先ほど山本委員からもお話がありましたように、今日の青少年をめぐる社会環境の悪化、これを一日も早く改善しなければならないという大きな目的があってなされたんだろうと私は思います。
 したがって、今回の改正案、新設、改正等が行われておりますのはやむを得ないとは思いますけれども、今回の本会議また予算特別委員会でもるる論じられておりましたように、この育成する条例のあれを見ますと、第二条に図書類、こういうふうに記載されて、その内訳はこうこう、こうですよと非常に細かく記載されている。また第八条では、不健全な図書類等の指定という形で用語の定義がなされているわけであります。残念ながら、今回の改正の部分で新設されたところは、その図書類の一部でありまして、この答申にもありますが、図書の持つ影響というのは他の情報メディアに比較すると影響は少ないといわれるけれども、しかし、改めてこの不健全図書を規制しなければならないんだ、こういう視点で今回の改正がなされているわけであります。
 指定図書等の販売形態につきまして、るる新設が設けられましたけれども、私は、この中でいわゆる自販機による販売について若干質疑をさせていただきたいと思います。
 私も、昭和五十八年当時、都議会の場で、当時は約三千台を超える自販機がありまして、青少年に与える影響が非常に大きいということで、自販機のあり方について質問させていただき、約二十年弱経過いたしまして、この答申にありますように、まず設置台数も減ってきている。またその販売のあり方も、業界の種々の努力によってさまざまな自主規制をされてきた、こういう評価は述べられて、しかし、一部にアウトサイダーといいますか、いわゆる団体に属さない方々が今なお、簡単にいえば悪質な販売方法をとっているということで、さらなる規制をいたしますよ、こういうふうになっているわけでありますけれども、この自販機に対する現況につきまして、また、これまで業界が行ってきました自主規制努力、そういうものに対して生文はどういうふうに評価されているのか、伺いたいと思います。

○高島都民協働部長 石川委員の質問にお答えいたします。
 いわゆる自動販売機に関します業界の状況と自主規制のあり方についてのお尋ねだというふうに認識いたしております。
 自動販売機につきましては、現在の条例上、その設置に当たりましては都の方に届けていただく。そして、その中に不健全図書、特に指定図書が入っていた場合は、入っているものについては出していただく。それから、そもそも指定されているものについては入れないというような規制を設けて、業界の方でも自主的にいろいろ取り組んでいただいています。
 特にここ二年ほどでは、平成十四年五月に都と業界団体で取り決めを結びまして、いわゆる年齢識別機、これを自主規制でそれぞれの自動販売機につけていただくというご努力をお願いしてまいりました。これにつきましては、大変業界側のご協力を賜りまして、一年半という短期間に、約九割の販売機に年齢識別装置が設置されたということでございます。
 年齢識別機につきましては、ご案内のとおり、運転免許証により年齢確認をしないと本を買えないということで、区分陳列といいますか、ゾーニングの観点から極めて望ましい装置でございまして、大多数の事業者にこのことにご協力いただいたことについては御礼を申し上げてまいりましたし、またこの場で、このことについて高く評価しているということを申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

○石川委員 九割の自販機には自主規制によっていわゆる年齢識別機というものが設置されている。しかし、数でいえばあと一割、これが残されているので、今回新たに条例で、この年齢識別装置の設置ということを義務づけされた。これはこれで、私は、自主努力をしてきた業界の皆さんへのまたさらなる支援ということで、評価をいたします。しかし、自販機というのは、ご案内のとおり世の中にいろんな種類の実は自販機がございまして、法律で禁止されているものも自販機で売られているというのが現実ですよね。私は何とは申しませんけれども、おわかりになろうと思います。物によっては、十一時以降午前五時まで稼働できないような装置のついている自販機もあります。
 図書類を販売する自販機によって販売する業種、業界の皆さんにとりますと、なぜ我々が自主努力して年齢識別機を開発して、設置してきて、一方では、売ってはならない、買ってはならないと法律で明記されている自販機にこうしたものが普及していかないんだろうかという疑問、これは私は素朴な疑問だろうと思うんですね。我々一般都民も、もしそういう装置があるならば、健全な青少年を育成するために、法律等で販売してはならないという自販機につけてくださいという要望が出てくるのは当然だろうと思うんですが、なぜこの二十五期の協議会でそうしたことが議論にならなかったのか、その点だけ、ちょっと部長、教えていただけませんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 自動販売機の業界側が自主規制努力を重ねてきたにもかかわらず、なぜ今回、罰則つきの条例で規制するのかということでございます。
 これは、青少年問題協議会におきましても、実は自動販売機業界の代表の方に来ていただきまして、意見陳述していただきまして、自主規制の取り組み等のご説明いただきました。委員の中からも、その自主規制の努力について評価するという声がございました。
 ただ、先ほど申しましたように、大多数の事業者の方は都の要請を真摯に受け、ご協力いただいておりますが、一部の方が、約一割の自動販売機につきましてはまだ設置されていない状況があるというのが一つ。それから、これは私どもが夜間に調査したところ、年齢識別機を設置した販売機でも、夜でございますので、青少年が来ないということを前提にしたのかもしれませんが、約六割が稼働していないというような状況もございました。
 そういう実態をご説明しましたところ、青少協、青少年問題協議会の中におきましても、一定の規制を設けて年齢識別機を徹底し、青少年がこういう有害図書、不健全図書を買わないように環境づくりをしていくべきじゃないかということで、今回の条例改正案におきましては、この年齢識別機の規制を新たにお願いしているところでございます。
 なお、この罰則でございますけれども、これは東京都のほかの規制でも同様でございますが、直ちに罰則を適用させるものについては罰則を適用させますが、基本的には、業者側の不注意もしくは過失等がある場合がございますので、そういう場合につきまして、いきなり処罰するということは目的でございませんので、実は警告を前置させております。そういう意味では、業界の方、特定事業者の方にまず警告をした上で、その警告に従わなかった場合のみ処罰するというような形にしておりますので、直ちに処罰するというような、処罰ありきのような規制とは考えておりません。
 また、もう少し申し上げますと、実は警告につきましても、条例に基づく警告も、直ちに警告を発するというよりも、最初はいわゆる行政指導、口頭指導で注意申し上げまして、ほとんどの事業者の方、これは書店も含めてそうでございますけれども、ご指導すれば従っていただいております。そういう形で、不備があった場合でも、あくまで業界側の自主的な取り組み、事業者の自主的な取り組みを喚起しまして、是正させていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○石川委員 この年齢識別装置というものについて伺いたいんですけれども、これは条例で規制する、新たに設けるわけですから、この識別機そのものの性能といいますか、これは確立されたものというふうに認識してよろしいんですか。

○高島都民協働部長 お答えいたします。
 年齢識別機についてのお尋ねでございますけれども、大きく二つの方法を予定いたしております。実は、これは既に業界側がとられている方法なんですが、一つは、先ほど申しましたように免許証を入れて、本人の年齢を確認して、成人であるということが確認できれば、未成年でないと確認できれば、明かりがついて本が買えるという仕組みになるもの。それからもう一つは、遠距離監視で、実際カメラがついていまして、遠距離の事務所から、来た人を確認した上で売る。それは、例えば明らかに大人であれば誰何しませんが、子どもであれば、マイクで帰りなさいと指導したり、もしくは青少年か大人かわかりにくい場合は、ビデオで免許証を見せてくださいということで、免許証をカメラの方にご提示いただいて、確認した上で売る、そんな方法が実は確立しております。
 今回も、条例またそれに基づく規則におきましては、こういう確立した二つの方法、これをどちらでも選択できるんですが、年齢識別機として設置していただけるよう規制をお願いしております。
 既に、先ほど申し上げた九割の普及しているものにつきまして、その二つの方法がとられておりますので、これにつきましては技術的な問題、導入の問題については特に支障がないだろうというふうに思っております。
 以上でございます。

○石川委員 新たに年齢識別機設置を義務づける。もう一方、いわゆる納品されているものが見えないように、今、マジックミラーというんでしょうか、昼間ですと暗くて見えない状況になっておりますよね。これも自主規制で実はやってまいりました。
 しかし、今回の条例では、さらに踏み込んで、見えてもいけないと。識別機でさまざまな努力をして、今、遠隔装置で対面で売られるような自販機も出てきている時代に、今度は見えるだけでいけませんよというところまで来たんですが、その背景は何でしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 今回の自動販売機につきましては、大きく二つ義務づけしておりまして、一つは、今お話し申し上げました年齢識別機の設置の義務づけ。それから二つにつきましては、今、委員の方からご指摘ございました、いわゆる見えなくする装置。これはいろんな方法がございますけれども、基本的には、マジックミラー等をつけて、年齢を確認しない限りは明かりがつかずに、中の本が見えない、そんなマジックミラー等の見えなくなる装置の義務づけ、この二つを大きくお願いしているところでございます。
 後段の、見えなくなる装置がなぜ必要なのかというお尋ねでございますが、青少年問題協議会などの議論の中で、実はこういう議論がございまして、よく問題になりますのは、学校の近くなどでこういう機械が置かれている。そうすると、子どもたちが興味本位に学校の行き帰りにそういう機械に入っている本を眺めて、みんなでたむろしている。それを保護者の方からご指摘いただいて、警察もしくは我々の行政当局に何とかしてくれないかというお話があるということがございます。
 自動販売機に入っておりますビデオなり雑誌というのは、基本的にできるだけ売りたいというようなあれがございますので、表紙とかパッケージは、中身と同様にかなり問題のある写真、絵等が掲載されているのが通例でございます。
 これに対応する方法としましては、青少協の中で幾つかご議論されたわけですが、一つは、本来そういう学校の近くもしくは病院、公園等、そういう公共施設の近くに置かなくする、いわゆる距離制限を置くということもございました。それからもう一つは、今申し上げました見えなくなる装置をつけるというような話がございました。
 そういうことで、いろいろな方法がございましたけれども、結局、当面、罰則つきできっちり義務づけるのはこちらの見えなくなる装置、これについて業界の方のご理解を得ながらやらせていただければ--今申し上げましたように、子どもたちが、買うわけではありませんけれども、自動販売機のところを通るだけでそういうことに気がつく、もしくは関心を持つ、不健全な環境に染まってしまう、そういうことがないようにしなくてはいけないんじゃなかろうか。
 特に、一般のお店と違いまして、自動販売機には制止する店員は通常おりませんので、そういうこともかんがみまして、こういう内部が見えなくなる装置の設置を義務づけて、青少年の健全な環境を保つ一つの手段にしたいというのが今回の改正の趣旨でございます。
 以上でございます。

○石川委員 今、学校帰りの子どもたちということで、十三条の六で距離制限を設けたわけですよね。年齢識別機、距離制限、で、今度は見えないようにしろと。この業界にとっては大変厳しい。しかも、この見えない装置というのは、今、完璧なものがあるんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 見えなくなる装置、これは先ほどいいましたマジックミラーなどが一つ代表的なものでございますけれども、それ以外にも、ふたをするとかいろんな方法がございまして、それにつきましては業界側とよく話し合って、その方法につきまして今整理しまして、今後、規則の中で定めていきたいと思っております。実は技術的に開発がもうかなり進んでいるものもございますし、これから技術が開発されるというようなものもあろうかというふうに聞いております。
 以上でございます。

○石川委員 店頭の方では包装、それから縛る。しかし、これは多分黒い包みで包装する業界はないと思うんですね。当然透明なもので包装するんだろうと私は思いますよ。要するに、店頭販売は包装でも見えてもいいですよ、しかし自販機は見えちゃいけませんよというのでは、余りにも、自販機がこうした問題の諸悪の根源、こういうふうに条例では見ているのかなと、こういうふうにとらざるを得ない。
 もう一つ実は危惧されますのが、いわゆる調査権。これまで調査というのはどのような方々が行っていたんでしょうか、改めてちょっと教えてください。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 自動販売機に関するいわゆる立入調査権の行使でございますけれども、これにつきましては、私ども知事部局の職員がこの調査に当たっておりました。
 以上でございます。

○石川委員 それでは、改正される条例ではどんなふうになるんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 今回の改正案におきましては、新たに警察官の方々にもこの自動販売機につきまして立入調査権を付与し、警察官の方々にもこの調査を行っていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○石川委員 先ほど山本委員の質問にもありました。新たに警察官。しかし、警察官も全員じゃありませんよ、いわゆる立入調査証票を認めた警察官ですよと。で、先ほどの答弁で、調査に際しては立入調査証票を携帯し、あらかじめ関係者に提示しなければならないこととするとありますよね。
 条例の立入調査、第十七条二項の三で、自動販売機等業者の営業の場所、ここに立ち入りができますよということですね。この場所というのは、自動販売機を置いている事業者の事務所なんでしょうか、それとも自販機が置いてある場所なんでしょうか。

○高島都民協働部長 条例で定めております立入調査の場所としまして、改正条例案の十七条の二項第三号で、自動販売機等業者の営業の場所と書いておりますが、これは通常は自動販売機が設置されている場所、そこを営業の場所と考えております。
 ただ、先ほどちょっと申しましたが、遠距離操作でこの自動販売機を操作しているというような事業所形態もございます。そういうこともありますので、いわゆる事務所といいますか、自動販売機を設置している方々の事務所もこの立入調査の対象になる場合もあるのではなかろうかと考えております。
 以上でございます。

○石川委員 今までは都の調査員十名程度。今回は新たに警察官約四千人にも調査権を付与する。当然、自販機を置いているところには原則人はいません。調査証票を提示するわけにもいかないわけですよ。まさに出入り自由ですね。
 そうしますと、先ほど、いきなり罰則とか云々じゃありませんよというお話がありましたけれども、まさに自販機業者にとっては、常に立入調査の対象の場所として監視されている、こういうふうに受け取ることも、私は、決していい過ぎといいますか、思い過ごしではないような気がいたします。
 したがいまして、こうした自販機に対する今回の条例の適用に当たりましては、条例の本来の目的をきちっと踏まえて運用し、また対応していただきたい、私はこのようにお願いする次第ですけれども、その辺の危惧に対する生文のお考えはいかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 警察官の立入調査を初め、この条例の権限行使に基づきまして、業者側もしくは受けられる方々の個人の人権、そういうものに対して配意すべきだろうというお尋ねだろうと思います。
 これにつきましては、実は、この青少年健全育成条例の第三条に、もう既にそういうことを想定した規定がございまして、第三条をちょっと読みますと、「この条例の適用にあたつては、その本来の目的を逸脱して、これを濫用し、都民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」こういう規定がございます。そういう意味では、あくまで青少年の健全育成の目的のために必要な範囲において必要な規制を、大人社会の事業者の方、大人の方にかけていくということだろうと思います。
 いずれにしましても、この条例をご審議いただいて、議会の方で通していただけますならば、この条例の運用に当たりまして、今ご指摘の点につきましては十分注意しながら、警察当局とも連携をとりながら、適切に対応し、個人の人権に対する配意をしつつも、条例の効果が最大上がるような方策を検討し、適切に対処していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○石川委員 まさに条例ができてしまいますと、その判断は紙一重であります。したがいまして、今、第三条の規定を読まれましたけれども、まさしくこの第三条の規定をきちっと運用におきましては重視していただきたいことを改めて要望しておきたいと思います。
 それから、今回新たに深夜外出への規定が盛り込まれました。これを盛り込まれました背景、目的について改めてお伺いいたします。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年の深夜外出に対する規制でございます。この規定につきましては、青少年が深夜外出することにより犯罪に巻き込まれる、もしくは犯罪に関係するような環境に置かれることによって、青少年の非行もしくは健全な育成が妨げられる、そういうことを未然に防ぐために、あらかじめ、努力義務を含めてでございますけれども、青少年を子どもに持つ親御さん、周辺の大人の方々、それからコンビニ等の事業者の方々に、深夜になりましたら子どもさんたちを早く自宅に帰していただく、そういうような義務を設けまして、先ほど申しましたように、深夜子どもが出歩いて、子ども自身が犯罪なんかに巻き込まれない、また非行化しない、そういう環境をつくっていくということを目的に、今回、青少年に関します深夜外出の制限規定を設けた次第でございます。
 以上でございます。

○石川委員 ある程度こうした努力規定を設けるのは、今日の社会状況を考えますと必要なのかなとも思います。しかし、東京には、さまざまな青少年がさまざまな健全な活動をされて、深夜外出をされている方々もいらっしゃるわけでありますから、これも運用に当たっては最善の注意をしていただきたいと思いますし、新たに設けたこの努力義務を都民にどう知らしめるかということは大事であります。この効果的な周知方法について、どのようなことをお考えになっているんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 深夜外出をさせないための各親、大人に対する責務の周知徹底方法についてのお尋ねでございます。
 これは、条例で宣言することにより、一つのアナウンスメント効果があろうかと思いますが、やはりこの具体的内容につきましては、委員ご指摘のように、大人の方々、親の方々に十分理解していただくことが必要だろうと思っております。そのために、都及び区市町村の広報で、今回の条例の改正内容につきまして周知徹底いたすとともに、またマスメディア等も活用してまいりたいと思っておりますし、それから、私どもの都民協働部で行っております心の東京革命、こういう運動、この中の一環としてのキャンペーンなど、さまざまな運動の中で積極的に周知を図っていきたい、そういうふうに思っております。
 以上でございます。

○石川委員 それじゃ、最後に、文化施設の改正条例について意見だけ申し上げておきます。
 今回、最高限度額を改定する条例案が出ておりますけれども、利用する側また展覧会等で入場料を支払って利用する方々、こうした方々への配慮というものを十分踏まえながら、実質の料金については決めていっていただきたいことを最後に要望しておきます。

○東委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時三十二分休憩

午後二時四十八分開議

○東委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 発言を願います。

○曽根委員 きょうは予算の審議なので、本来であれば、生活文化局所管の多くの分野についてそれぞれ質疑をしたいところですが、時間の関係もあって割愛せざるを得ない分野もあります。
 最初にちょっと意見だけ述べておきたいんですが、特に生活文化局の仕事の中で予算上も大きく占めている私学助成については、予算特別委員会の代表の中でも申し上げましたように、今日の不況の中で、私学に通わせている父母、家族の教育費の負担は大変重いものがあります。そういう点でも、家計急変や所得に応じた授業料の減額制度、減免制度などについては一層の拡充、また、私学助成が第二次財政再建プランで名指しされているということについても、改めてこれが基本的な都民にとっての不可欠な事業として、今後削減などがないように努力していただきたいということを最初に申し上げておきたいと思うんです。
 きょう質問したいのは、最初に、青少年センターの廃止条例についてです。
 この問題は、もう何年か前から廃止の動きがあり、行政評価の中でも指摘をされてきました。私たち日本共産党都議団としても、最近現地を調査しまして、利用状況を見ましたが、確かに利用が飯田橋のころに比べても下がっているし、場所から見ても、なかなか日中の利用がしにくいという弱点を持っています。
 しかし、それでも、近くの都立芝高校ですか、の高校生など近隣の青少年にとっては、いつでも使えるフロアや、印刷機なども紙を持ち込めば利用できるなど、気軽に利用できる施設としての活用もされているわけです。
 こういう点から、今回廃止ということが条例で出されましたが、どういう根拠、また今後の青少年対策の上でのセンターの役割をどう引き継いでいくのかという考え方について、幾つかただしていきたいと思います。
 まず、廃止の最初のきっかけとなりました平成十三年度、二〇〇一年度の行政評価で、このセンターの実績評価だとかコストの問題で厳しい評価がされていますが、どういう問題点がこの点で指摘されたのか。そして、当局としてその問題点の原因は何だというふうに考えておられますか。

○高島都民協働部長 曽根委員の質問にお答えします。
 青少年センターについてのお尋ねでございます。
 平成十三年度の行政評価での指摘された問題点でございますけれども、東京都青少年センター類似施設、これは具体的にいえば東京スポーツ文化館、先ほど申しましたユース・プラザのことでございますが、この開設、それから区市等における青少年相談事業の実施を踏まえて、廃止することが適当とされたものでございます。
 この原因でございますけれども、基本的には今申し上げたことがその原因でございますが、社会経済情勢の変化に応じて施設のあり方を見直していくということだろうと思っております。
 以上でございます。

○曽根委員 きょうは私ども時間が限られているので、聞いた問題に的確にお答えいただき、簡潔にやっていただきたいんです。
 私が聞いているのは、センターの実績評価、コスト問題などで、この行政評価で何が指摘されているかということを具体的にお聞きしているので、総合評価を聞いているんじゃありません。その問題点の原因は何かということをお聞きしているんです。

○高島都民協働部長 行政評価におけるコスト評価、それからもう一点は何でございましたか……(曽根委員「実績評価」と呼ぶ)実績評価でございますか。具体的に行政評価での様式のどこを先生が指しておられるかというのがあれでございますが……(曽根委員「実績評価ですよ、ここに書いてある」と呼ぶ)これでございますね。コスト評価という欄はちょっとないんですが、実績評価、二次評価でございますけれども、年間利用者数は目標を大きく下回り続けており、達成状況に問題があるというのが、実績評価に記載されている内容でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 時間が限られておりますので、的確な答弁をお願いしたいと思うんです。
 こういうふうにはっきり書かれています。しかも、そのすぐ上の欄が投入費用のチェックということで、これは要するにコスト評価になるわけです。そこには、一人当たりの利用の経費が高いということも指摘されています。この原因は何だと考えているんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 コスト、投入費用のチェックのところでございますが、この二次評価を見ますと、一人当たりの利用に対する経費は、平成十二年度上昇したということでございます。これは一人当たりの利用に対する経費でございますので、原因としましては、全体の経費が人件費の増嵩等により膨れ上がったということに対して、一方、利用人員が減少傾向にあったということで、その結果、一人当たりの利用に対する経費が上昇してきたということではなかろうかと思います。
 以上でございます。

○曽根委員 ちゃんと全部答えてもらえないので、次に行きますけど、利用数の減少についても、目標を下回り続けている原因は何か、はっきりしていると思うんですね。
 青少年センターの利用状況、資料をきょういただきましたが、利用者数を見ると、よくわからないんですよ、これはだれでも入れる施設ですからね。ところが、貸出施設利用者数を見ると歴然としているわけです、これは青少年の施設ですから。わざわざここに来て部屋を利用するという青少年が、平成五年、六年、七年までは三万人以上いたのが、八年、九年度に下がってきて、十年度以降は一万五千人台。最近ちょっとふえていますけど、半分に減ったわけですよ。これは明らかに、八年度末ぐらいですか、飯田橋のセントラルプラザから臨海に移った直後から、部屋の利用が落ちているわけです。
 こういう点も歴然としていますし、先ほど人件費とおっしゃいましたが、平成十二年度になる前に、このセンターに係る費用は、平成八年度を境に、それまでかかっていなかった飯田橋に比べて、年間大体数億円の床賃料を払う施設になっちゃったわけですよ。したがって、それがはね上がったことがまず一つあって、平成十二年度になぜ上昇したか。この年、床の賃料の値上げがあったんですよ、テレコムセンターの。それに応じちゃったわけですよね、東京都は。ほかの民間のテナントはほとんど応じなかったといわれているんです、当時は。だって、賃料は下がっているんですから、オフィスビル全体は。しかも、臨海は場所が悪いということです。それが、東京都だけは、テレコムセンターの赤字が大変だからということで、わざわざ賃料値上げに応じてやって、それが反映したと私は思うんですよ。そういう経過を見ても歴然としているように、飯田橋セントラルプラザから移ったのが間違いであって、青少協でもそういうふうに指摘を私はしました。
 このセンターが利用が落ちたからということで、かわりの施設もできたから廃止するというのでは、私は、利用者の立場、都民の立場からいえば、納得いかない問題だと思うんです。
 この間、テレコムセンターに移ってから払った賃料の総額はお幾らでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 飯田橋からの移転関係費用と、平成八年十二月から平成十六年三月まで支払いました賃料は、約二十億五百万円でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 大体七年ちょっとですから、年間三億円近い床賃料になります。これ、移転費用も入っていますから、単純じゃありませんけれども、坪単価にならすと、大体四万円から五万円になるんじゃないでしょうか。移転費用を除いたとしても、恐らく三万円ぐらいの床賃料を坪単価で月々払っていると思うんです。
 東京都は、かわりの施設があるといいますが、こうしたいつでもフロアや印刷機などを使える、同様の機能を持った施設は、例えば区市町村でいえば幾つの区市町村にあるでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 きのうご質問いただきまして、急なお尋ねでございましたので、各施設ごとに印刷機などを使えるかどうかという機能確認はできませんでしたが、青少年を対象としました類似の施設は十一区五市一町ございます。そのほか、青少年がこういう目的に利用できる施設としましては、公民館、区民センター、市民センター等々があろうかと思います。
 以上でございます。

○曽根委員 十一区五市一町といえば、都内の自治体の半分以下なんですね。ましてや三多摩の方はほとんどありません。前に立川の教育センターの中に市民活動サポートコーナーというようなのがあって、印刷機が使えて、ちょっとした小さな集会室があったんですが、これはもう廃止されてしまいました、教育庁の方で。
 それで、私のいる北区も含めて、こういう機能を持ったところは余りないんですよ。公民館とか区民館という話もありましたが、青少年自身が申し込みできるかというと、大抵の場合、無理です。高校生以下は申し込みできません。親もしくは保護者が必要です。そういう点では、都としてのセンターの機能は、区市町村で単純に今引き継げるという状況じゃないことははっきりしていると思うんです。
 そこで、都としては代替施設を持っているのかということで、先ほど区部ユース・プラザの話がありました。私、区部ユース・プラザの質疑、これは教育庁の方でやりましたが、これは完全な有料施設であり、公共施設ではなくて、基本的には民間施設です。PFIで完全に民間事業者が運営するものです。
 それで、そこでの機能と比べて、この青少年センターの機能は引き継げるというふうに考えておられるんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年センターで実施しておりました事業のうち、音楽室や集会室の施設貸出業、これにつきましては、何度も申し上げていますが、平成十五年度末に開設されます東京スポーツ文化館に引き継ぐということで、私ども考えておるところでございます。
 以上でございます。

○曽根委員 施設と比べてみても、有料だということももちろんなんですが、青少年センターの料金表をさっき見ていたら、音楽室なんかも手ごろな値段で借りられるわけです。ちょっとした会議室も一こま数百円の単位なんですよ。しかし、このユース・プラザの方には、まず第一、音楽室自体がもう半分以下になっちゃいます。それから、活動室というか、そういうものはほとんど、大したものはついていません。区部ユース・プラザはほとんどが宿泊中心なんですね。機能的にいうと、こうした自由に使えるフロアもありませんから、気軽に行って、何か打ち合わせをしたり、ちょっと印刷機を借りたりということはあり得ない施設なんですよ。こういう点でも、機能的には全く違う。同じ青少年対象ではありますけれども、機能は違うというふうにいわざるを得ないし、第一、場所的にも今よりも便利になるとはいえません、夢の島体育館のところですから。確かに新木場駅からは歩いてそんなにはかかりませんけれども、都心からいうと、かなり距離があります。そういう点で、私は、代替機能としては極めて不十分になるだろうというふうに思います。
 で、廃止を検討する前に、青少年対策で今いわれていることは、例えば、深夜のコンビニ前でたむろしているのは、善導策として、この後条例やりますけれども、なるべくうちに帰らせようよと。深夜とか、昼間でも同じですよね。たむろしている青少年を見たら、なるべくちゃんと自分の居場所に行きなさいといいながら、あんまり居場所はないわけなんですよ。居場所づくりというのが今後の課題だということは、青少協でも何度も確認されているんです。その居場所の一つというか、東京都として用意している青少年の居場所はこれだけなんですよ。それをなくすというのは、私は、青少年施策全体から見ても後退になってしまうと思うんですよ。
 それで、廃止を検討する前に、例えば飯田橋のプラザも含めて便利な場所に移せば、利用もふえて、行政評価で指摘されたような欠点も補って、青少年の居場所として大いに活用できるものが再建できるんじゃないかというふうに私は思うんですが、こういう検討はされたんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 飯田橋に戻すべきじゃないかというお話かと思いますが、先ほど申しましたように、この青少年センターにつきましては、近傍隣地にユース・プラザが新しくでき、ほぼ同じ機能が代替できる。さらに、相談事業については区市町村において充実していくということを踏まえて、今回廃止するという条例案を提出している次第でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 何を聞いても、ユース・プラザしか出てこないんですけど、例えば飯田橋のプラザ、今、床あいているんですよね。私もびっくりしたんですけど、あんないい場所が何であいているのかと思うんですが、飯田橋セントラルプラザの空き床をちょっと調べてもらったら、確かに東京都の持ち床、区分所有分はわずかしかあいてないんですが、一番いい場所ですね、三階、四階のところ、東京燃料林産って、これは特殊法人でしょうか、ここが所有している三階の全フロアと四階の半分ぐらい、合わせて千三百平方メートルぐらい、今あいているんですね。テナントを探しているそうなんです。坪単価どれぐらいですかねと聞いたら、大体一万五千円程度だと。そうすると、今のテレコムセンターの半額ですよ。しかも、飯田橋から歩いてすぐでしょう。歩く必要ないぐらい。何でこういうところを検討しないのか。家賃も下がり、しかも青少年センターがもともとあったところですからね。こんないい話はないと思うんです。全く検討してないんですね。聞いてみたら、そんな問い合わせ全然来ないといってました。ほうっておくと、何か認証保育所になるそうなんですけど、それはともかくとして……。
 私は、本当に青少年の居場所を、東京都として広域的な行政としても確保していくということを考えるなら、ちょっとまともに考えたら、こういう飯田橋のプラザもあいているということで、検討する余地は十分にあるだろうというふうに思います。
 それから、今回は廃止に向けて、手続上の問題、私、随分あると思うんです。例えば、廃止しますよという周知は、いつ、どのように利用者に行ったんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 廃止の周知の徹底のお話でございます。
 この廃止につきましては、この廃止条例の提案に先立ちまして、昨年の十一月、当文教委員会に報告させていただきまして、それが新聞等にも出ておりますが、これがございます。それから本年一月には、各区市町村の青少年の行政主管課長会などにおきましても、この説明をさせていただきました。こういう形を通じまして、利用者を含めた都民の方々にこの情報が流れるように配慮しましたが、あわせまして、この青少年センターに来ていただいている方々には、職員が状況を説明し、必要に応じて代替施設を紹介してきている。また、青少年センターのホームページにも、この廃止については掲載させていただいて、周知を図っているところでございます。
 以上でございます。

○曽根委員 いつ、ホームページなどに載せたんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年センターのホームページに登載しましたのは三月の一日でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 余り比較する対象じゃないかもしれないけれども、青年の家の場合、教育庁所管ですが、一年前に廃止を決定して、つまり廃止を決定してから一年間は、予約があるために運営を続けるわけですよね。例えば、去年、水元青年の家は廃止が決まってから、最終的に閉鎖されるのは、ことしなんですよ。ことし、今、府中がかかっていますけれども、恐らくまたしばらくはね、予約が入りますから。
 このセンターの場合どういうふうにしたか。これ、お聞きすると、また時間がかかるから、いっちゃいますけど、三カ月ぐらい前に、施設を改修中ということで予約をとめたんですね。それで、改修が終わるかなと思ったら、廃止だと。で、四月からもう施設は使えませんと。ホームページに載ったのは三月一日で、利用者の中でホームページを見ない人はたくさんいますから、施設に掲示されたのかというと、ほんの小さな掲示があるだけ。じゃ、利用者に回っているニュースにはいつ載るのか。三月三十日付のセンターのニュースに初めて載せる、こういう状態で、生文局としては本格的な施設の廃止は初めてだから、なれてないのかもしれません。教育庁はなれているから、やり方、非常に手際がいいんですけど、しかし、少なくとも利用者がまだ現実に日々利用している施設を、万やむを得ず廃止するとしても、通常は周知期間というのはあるわけです。それを、議会にかける前に公表するのはまずいとか考えたのかもしれませんが、こういうものは利用者のことをまず考えなくちゃいけないと思うんです。
 この点は厳しく申し上げておきたいと思いますし、私は、私たちは認められませんけど、今回たとえ廃止を決めたとしても、やっぱり予約が入る分ぐらいは延長して運営したって別にいいじゃないですか。そういうことを申し上げておきたいと思うんです。
 それから、ここで働いている職員の方は、ごく一部を除いてほとんど非常勤職員だそうです。何人ぐらいの非常勤職員がいて、その中で再就職が決まっている方はどれぐらいおられるんでしょうか。そして、都としては、この非常勤職員の再就職に対して、きちんと責任を持って援助すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年センターの非常勤の職員でございますが、昨年の十二月十六日現在でございますが、専門員の主任が、定数が三のところ現員が二でございます。それから、専門員が定数十三に対しまして現員十二人となっております。
 それから、再就職の支援のお尋ねであったと思いますけれども、施設が廃止されることにかんがみまして、再就職の支援につきましては、自主的な求職活動に資するよう、都の他の職場での非常勤職員募集などの情報を速やかに提供したところでございます。
 以上でございます。

○曽根委員 それで、その再就職決まった人は何人ぐらいいるんですかね、都も支援、情報は提供しているというけど。

○高島都民協働部長 各個人の再就職の状況につきましては、承知いたしておりません。
 以上でございます。

○曽根委員 この非常勤の方々というのは、社会指導主事だとか、資格は持っているけれども、今そういう施設が非常に少ないので、再就職は極めて困難というお話でした。しかし、年齢的には、テレコムセンターに移ってから入った方が圧倒的ですので、まだ三十代前半ぐらいの年齢で、これからまだいろいろ仕事を探して頑張らなきゃならない。にもかかわらず再就職が非常に難しいということで、まだ一人しか決まってないそうなんですよ。
 もともと直営施設ですから、やっぱり常勤職員で対応すべきだったんじゃないかなと。確かに開館時間の問題とか、青少年相手の仕事ということの専門性とかいう問題はありますが、例えば都立の図書館で見れば、専門性も持って、常勤職員が夜間までちゃんと勤務体制をつくってやっていますし、同じ社会教育分野で、現実にそういう職場もあるわけですね。ですから、私は、青少年センターも常勤職員でやるべきだったなと。今、廃止ということになって、非常勤の方がこれだけ、もう都としてはほとんど責任持たないわけですよね。そういうふうになることを見ると、やっぱり都としての公共施設のあり方というのは、常勤職員をちゃんと配置して、都民に対して責任持ったサービスができるようにするというのが基本だなというふうに改めて痛感したわけです。
 それにしても、非常勤の方々が再就職見つかるように、最後まで誠実に対応してほしいと思います。例えば、ここで行っている事業で、これは非常勤職員の中に入ってないかもしれませんが、ひきこもりを含めた相談活動、相談事業があるわけです。この相談事業で、数はまだそんなに多くはないかもしれませんが、継続的に、ひきこもりの本人や、その家族が相談をかけているというケースがあるそうです。そういう方々にとっては、ようやく相談場所が見つかって、相談員の方が決まって、その人とわずかでもコンタクトがとれるということが、社会への窓になっている。もしくは、さまざまな困難を抱えたひきこもりや、その家族にとっての非常に貴重な相談場所になっているということで、人と人との関係で、信頼関係がないと、この相談というのはうまくいかないそうで、やっているそうなんです。
 それが今回は、ひきこもりの相談事業そのものは、生文の本局でやるということですので、ここでの相談で継続になっている方を、きちんと責任持って引き継ぐためには、この相談員の方に都の事業にかんでもらうということは当然だと思うんですが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 ひきこもり相談事業、新規事業で、新たな相談事業を予定しておりますが、これにつきましては既に、何というんでしょうか、ひきこもり相談につきましてかなりの経験と専門性を有している、そういう方にお願いしようというふうに現在考えております。ひきこもり相談の実績を有する大学の研究室、NPO、こういうところを中心に、現在委託先を検討している最中でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 確かに信頼できる一定の力量を持った人が集まっているところにお願いするというのは、場合によってはあり得るかもしれませんが、しかし、東京都としては唯一の相談場所だったと思います、そこで経験を積んでいる相談員の方に一定の報酬も払って協力してもらうということは、当然可能だと思いますが、いかがですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 先ほどから申し上げましたように、ひきこもり相談事業につきましては、ひきこもり相談を過去かなり経験していただきまして、指導の経験豊富な、そういう機関もしくは人にこの事業の委託をお願いしようと思っておりますので、せっかくのご提案でございますけど、現在のセンターの相談員をこの事業で活用するということは現時点において考えておりません。
 以上でございます。

○曽根委員 東京都がやっている施設で、せっかくそこを見つけて相談をかけてきた。で、ここは閉めますから、次は本局行ってくださいとなるんでしょうね。しかし、ある相談員の方の話として聞いたんですが、そういうことはなかなかできないと。一たんその人に相談を始めた以上は、どこになるかわからないけど、その人が次に就職する相談場所があれば、そこに行きたいということなんですよ。東京都として責任持って--ひきこもりになっている方々で東京都に相談に来ているのは、まだごく限られた範囲ですよね。実態調査もやりたいというふうなお話だったので、そういう事業をやるのであれば、今までせっかく積み上げてきた相談の実績やノウハウについて、ここでゼロからまた再スタートということは、本当にもったいない話だと思います。再検討を求めておきます。
 それから、先ほども申し上げましたが、青少年健全育成の中で、青少年の居場所や活動場所づくりというのは、今後の大きな課題です。今日ではその拠点がセンターであって、役割はますます重要だと思います。都がみずから生み出した臨海開発のむだ遣いのツケを青少年センターにしわ寄せした上で、ほとぼりが冷めたら、今度は、センターとしての機能低下を理由に、頑張ってやっている独自の事業やひきこもりを含む相談の、十分ではないけれども貴重な蓄積を放棄してしまうのは、私は断じて認められません。
 センター機能も、有料のユース・プラザや区市町村の一部にしかない施設では代替できません。廃止できる段階ではないと考えます。廃止を一たん中止して、当面継続し、場所も含めて、むしろ拡充の方向でセンターは再検討すべきだということを申し上げておきます。
 次に、青少年の健全育成条例の改正案について幾つか質問していきます。
 私も、青少年問題の協議会の段階から、部会には入っておりませんが、検討に加わってまいりました。その際、基本的立場も申し上げてきましたが、社会状況を反映して、青少年をめぐるさまざまな問題に、場合によっては規制も含む対策を打たなければならないということは当然だと思っています。しかし、健全育成条例の中にも明記されているように、この基本は、青少年自身はもちろんですけれども、関係業界も含めて自主的な努力、そして青少年問題の都民への普及啓発、こういった問題を中心とすべきで、何よりも青少年が自分で考え、行動できる力、そして人権という問題をやはり最も重視して考えなければならないと思っています。
 その点で、答申づくりの中で、私、最初に、この間の経過、先ほども指摘があったように、極めて短期間の間に数多くの内容についての答申が出され、そして条例化されるということ自体、本当に十分検討がされたのだろうか、また、される余裕があったのだろうかという疑問を持たざるを得ないわけです。
 主な項目だけでも、不健全図書の規制についてのいわゆる個別指定と包括指定の問題、業界の自主規制の問題、また自動販売機の規制の問題、深夜外出の制限、深夜立入施設の制限、刃物の販売制限、古物買い受け等の制限、スカウト、キャッチなどの規制の問題、生セラの規制の問題、調査指導体制の充実ということで警察官の立入調査権を付与する問題、緊急指定の問題や、部分的ですが、買春処罰規定の整理もある。
 中でも、私、非常に解せないといいますか、疑問に思っているのは、答申では明記されなかった罰則規定が、条例案段階で次々と出されている、つけられているということなんですね。それで、資料をいただいたんですが、余りよく明記されてないんですけれども、答申では規制が必要というふうな表現にとどまったものの中で、条例案段階で罰則がつけられたというのは、どういう問題があるんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 答申において規制が書かれているものが、条例案でその罰則がついてきたものがある、答申に書かれてなかったものもあるんじゃないかというお尋ねだと思います。
 青少協の答申の中では、この罰則についてご議論があったわけでございますけれども、青少協の中でのご議論の趣旨としては、罰則を不要とする趣旨でなく、行政側の検討にゆだねるという趣旨で、あえて規制に罰則を設けるべきだということに触れないというようなご議論がございました。
 答申を踏まえての条例案の検討に当たりましては、この規制の実効性を担保する観点から、既存の規制とのバランス、さらに実効性の担保、そういう観点から考慮しまして、個々の項目について論議をし、罰則を設け、提案させていただいた次第でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 これがなかなか、量も質も非常に膨大なもので、私も整理し切れないぐらいなんですけれども、例えば、今回、犯罪類型というと、法律用語でかたくなりますけれども、こういう規制、こういう規制という角度を拾っただけでも、二十三ぐらいの種類の犯罪類型が入っている。そのうち十一の類型が新しく今回加わったもので、それ以外にも、深夜の立入施設の規制、これも施設が新しく加わっているわけですね。それも入れると十二、ほぼ半分ぐらいが新しい罰則規制になっているわけですよ。
 しかも、今、青少協の議論というのがありましたが、これは部会の中とか起草委員会の中でやられているわけですけど、起草委員会は非公開ですね。私も、部会の中での議論を記録をもらって読ませてもらったんですが、例えば包装の問題一つとっても、委員の中では--例えばある販売店で、うちは、包装を義務づけなくても、ちゃんとそういう区分陳列になっていますから、そっちの方に子どもが行けば、店主が見つけてちゃんと注意するというふうな規制の方法にしたいんだという本屋さんがあっても、これが包装が義務づけということになれば、販売店の責任で包装しなきゃならない。そういう方法はとりたくないといっても、これは義務づけであり、しかも罰則がついているんですよね。そうすると、それを守らないと、店主が罰則を受けることになるわけです。青少年のことを考えれば、そういうところに近寄らない方がいいよということで声をかけてあげる方が、私は、青少年健全育成の立場からいうと、大人のやり方としてはいいな、誠実だなと思うんですけれども、今回は、そういうことが許されない仕組みなんですね、というようなことをるる訴えている委員がいて、しかし一方では、いや、例えばコンビニのように、先ほどちょっとお話がありましたが、店員がとてもそんな暇がないという店もあるんだから、一律にやる必要があるという意見があったと。一方、それに対して、コンビニではどれぐらい区分陳列やられて、指定図書を売っているんだというと、コンビニではほとんど実態としては売ってないわけですよ。じゃ、何でそういうことをいうんだといったら、一般論としてそういうふうにいっているんだと。果てしない議論がいろいろあったわけですよ。あった中で、それじゃ、これは罰則明記という形にはなかなかならないから、議会なり都民にゆだねるということにしましょうということで、答申は、罰則は明記しなかった。
 ただ、その際強調されたのは、この部会の話し合った論議は公開されるから、これをよく読んでもらって、青少協では、部会ではこういう議論してますよと、それを踏まえて議論をしてもらおうじゃないかということがここでいわれているわけですよ。
 ところが、私は、その委員の方から後で連絡を受けて、私はここでこういうふうにして意見をいってますので、ぜひ記録を読んでくださいといわれたので、取り寄せて、この部会の記録をもらいました。しかし、その後、審議する文教委員の議員の方に、この部会の記録がちゃんと公表される形で回っているという話は聞いてないんです。私はたまたま自分でもらったんだけど、これは公表されて、ちゃんと俎上にのっているんでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申します。 
 青少年問題協議会での総会、専門部会、小委員会、これはすべて公開で行っております。また、その議事概要につきましてはホームページで公表しております。
 以上でございます。

○曽根委員 一番大事なのは、十二月に一回答申案が出されました。私も、拡大部会ということで出席して、そうしたら、その場で部会のメンバー同士でいい合いになったわけですよ、率直にいえば。起草委員会だとか部会の中で、ここの罰則とか、こういう規制について論議された記憶がない、論議されてないことが何でこの答申案に入っているんだという意見まで出て、それで、一回そこで答申案について固めるのはやめにして、一月九日に再度この部会を開いたわけですね。ですから、この一月九日の部会が重要なんですが、これはもうホームページに載っているんですか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 一月九日の協議会でのやりとりもホームページで掲載されていると理解しております。

○曽根委員 後で確認します。私もそれは確認してないんで、確認しますが、私、むしろ青少協なり、その事務局を務めている生文局の方で、こういう議論があったんですから、当然、文教委員会の前に、この部会のやりとりを、例えば要約版だけでも、文教委員に積極的に配らないと、我々は自分で求めないと、そういう議論が行われたということはわからない。私はたまたま青少協のメンバーだから、答申とこの条例案が大きく違うなということがわかるわけだけれども、そうでもなければなかなか積極的につかむことは難しいですよ。
 そういう点、やっぱり時間的に見ても、一月十九日でしたっけ、答申が決まって、そして今日、二カ月で最終決定の場面を迎える。文教委員会は我々審議できますが、果たしてこれで、都民の中にどれくらい本当に浸透して、それを踏まえた議論になるのかなということは疑問を持たざるを得ないので、指摘をしておきたいと思うんです。
 次に、この中で一番問題になった不健全図書の指定の問題なんですけど、確かに包括指定は見送られたということになりました。しかし、個別指定にしても、今回新たに条文の中に、今までになかった、東京都の基準に基づいて個別指定をするという、東京都の基準に基づいてという言葉が入ったわけです。この基準というのは、今までも内規としてはあったようですけれども、今後は、条例上の規定として、どういう基準をつくるのかが問われることになります。
 私が一番心配しているのは、率直にいえば、ほかの県で決まっている包括指定のように、例えばわいせつな図画が冊子全体の半分とか六割とかを占めた場合、それは基準としてひっかかりますよという基準が、この基準の中に盛り込まれれば、事実上の包括指定になってしまうわけです、その基準に基づいて個別指定しているということになりますから。そういうことが絶対あり得ないのかどうかも含めて、この個別指定の基準について都の考え方をお聞かせいただきたい。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。 
 個別指定に当たっての基準のあり方についてのお尋ねでございます。
 これにつきましては、今ご指摘ございましたように、従来は知事決定ということで、行政の内部決定の形で、公表はされていたんですけれども、必ずしも一般の方に知らしめる形にはなっておりませんでした。今回これを条例に基づく規則に格上げいたしまして、その透明性を高め、事業者も含みます一般都民の方に、その内容について理解していただけるよう、規則の形で内容を定めたいと思っております。
 その内容につきましては、一部、多少文言整理がございますが、基本的には現在の認定基準と同じ内容のものを定める予定でおります。
 以上でございます。

○曽根委員 個別指定の中身については、これまで以上に、今回、罰則も強化されるということもあって、どういう基準なのかということは、条例審議の本質的な中身として重要だと私思います。今まで内規だからということで、同じだからということで出さないということでしょうけれども、改めてこの規定の中身について、今後、文言整理があるというお話ですが、社会状況の変化ということを理由に改定されるということは当然あり得ると思うんですが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。 
 規則で定めます基準でございますので、今後の社会状況変化によって改定もあり得るかというご質問に対しては、率直に答えれば、それはあり得るんだろうと思いますが、私どもは、今回の改正条例案、それから、先ほど申しました現在の認定基準とほぼ同様の新しい規則案といいますか、私どもが考えております基準案、それを、現時点においては、個別指定方式において使いますものとしては一番有効なもの、現時点においては一番実効的なものというように考えております。
 そういう意味では、当議会でご審議いただきまして、ご了解いただきましたならば、条例案、それに基づく規則案をもとにしまして、最大限個別指定の実効が上がるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○曽根委員 今までの条例上、基準についての厳格な規定がない場合と、今回は厳格に規定が設けられて、しかもその基準は都が定めるというふうにされた場合とでは、現状は同じでも、スタートの時点では同じでも、今後に大きな開きが出る可能性があると思います。特に、都が、社会状況などの変化ということを理由にして、例えばわいせつの問題、それから、私もさらに心配なのは、非常に残虐なもの、残虐なシーン、そうした写真や図などを一定の割合含むもの、こういうふうに客観的な基準ということで設けた場合、例えば戦争物のルポルタージュだとか、そういったものがひっかかってくる危険性が現実にあると思うんですよ。
 そういう規制、中身の質だとか物によらないで、単なる量的な基準だけではかられるという仕組みを導入すべきでないし、そういう基準が持ち込まれる危険性を、入り口をあけるという点では、こういう規定の仕方は非常に問題があるということを指摘せざるを得ないと思います。
 それから、私、青少協のときにも申し上げましたが、古書の買い取りの問題でちょっとお聞きしたいんです。
 確かに古物の買い取りの中には、青少年にふさわしくないものがいろいろあるということで、規制をかけているのは今までもあったわけですが、今回、古書も含めて親の同意が必要、原則禁止ということになりました。しかし、聞いてみれば、多くの県で古書、つまり古本の持ち込みについては、古物全体とは区別している県が非常に多いというふうに聞いているんですけども、ほかの自治体では、どれくらいの県のところで書籍を除外した古物買い取りの禁止規定になっているでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年からの古物買い受け等の規制を行っている県は四十道府県に及んでおります。そのうち、今ご質問にございました書籍の買い受け等を除外している県は十九県でございます。
 以上でございます。

○曽根委員 そういう県がなぜ除外しているかという理由ははっきりしていると思うんです。つまり、子どもたちにとっても、自分が読み終わった漫画とか雑誌、その他の本、子どもの児童書などもありますよね。そういうものを本屋さんに持っていくというのは、いわば日常的にあり得ることなんですよね。確かに中学生以下でも何でも無制限でいいのかということはありますが、この場合は十八歳以下全部禁止になりますので、高校生であっても、自分でアルバイトなどで稼いでいる子どもであっても、原則禁止、親の承諾書を持ってきなさいという話なんですね。しかし、自分で稼いだお金、お小遣いで買った本を、何で本屋さんに持っていってあれできないんだというのは、常識的に見てもちょっとやり過ぎというふうにやっぱり思わざるを得ない。だからこそ、半分の県で除外しているんだと私は思うんです。別の形で、そういうことに悪用されないように、万引きなどに悪用されないようにという手は、ほかで打っていると思う。
 私は、この点も案外、小さいことのようですが、青少年のいわば自主的な活動や、自分自身で何がいいか悪いかを考えて判断する力を養っていく、そういう力を養うというよりは、とにかく規制していくという考え方があらわれている問題として、私はこの点は手直しをした方がいいというふうに指摘をしておきたいと思います。
 それから、先ほども話題になりましたが、警察官の立入権の問題で、これは幾つか質問もあったので、ダブらないようにします。
 令状主義云々の問題ももちろんありますが、基本的に行政職員が今まで調査していた。今回は、カラオケルームだとか漫画喫茶その他対象が大きく広がるから、行政職員では賄い切れないで警察官にお願いするということだと思うんですね。確かに一千カ所以上のカラオケルームがありますから、そういう意味じゃ、対象、大変だと思いますよ。しかし、基本的にはこれは青少年健全育成の立場で行う立入調査なんですから、行政の責任として必要な職員を配置するというのが基本だと思います。場合によっては都民の協力その他も得ることはいいと思うんです。しかし、犯罪捜査を主たる任務としている警察官に、代行とはいえ、証明証票を持っているとはいえ、これをかわりにさせるということが果たして適切なのかという点では、非常に大きな疑問があります。
 犯罪捜査のあれに乱用してはならないというけれども、先ほどどなたかおっしゃったように、犯罪を見つけるきっかけにはなるという意味でいえば、積極的に立入調査に警察官が乗り出すということはあり得るわけですよ、そこでいろんなことを見つけられるからね。そうすると、事情上犯罪捜査の入り口になる可能性というのはどんどんあるわけですよ。それはもちろん、実態として悪いことしているのがあれば、それは規制するのは当然ですよ。しかし、そういうふうに本来の青少年健全育成の立場でのやむを得ざる立入調査がねじ曲げられることがありはしないか。この点でのお考えを聞いておきたいと思うんです。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 警察官の立入調査についてのお尋ねでございます。
 これはもう先ほどから何度かお答えしておりますが、青少年健全育成条例の施行に必要な限度において、いわゆる行政調査として行うものでございます。また、営業時間内に行うものでございます。また、この条例において、先ほど申しましたように、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないというふうに規定しております。
 いずれにしましても、この条例施行に当たりまして、こういう趣旨が徹底して立入調査が円滑に行えるよう、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○曽根委員 もし警察官をそういうふうに代行で使うのであれば、本当に厳密な、そのための運用の規定が必要だと思います。しかし、本来、本当に健全育成ということをまともに考えるならば、青少年センターのときもそうなんですけど、要するに金をけちらないでほしいんですよね。金と手間。職員をちゃんと配置して、本当にきめ細かく、それで、現場で見つけたときに指導できる人というのは、警察官だと難しいですよ。そういう点でも、そのための職員、できれば、青少年に直接接することができる訓練も受けた専門の職員。いろんな分野がありますから、福祉もあり、健康局もあり、教育庁もあるでしょうが、連携してそういう分野をふやしていくということを基本にしなければならないということを強く申し上げておきたいと思うんです。
 最後に、条例を今審議して決めてしまうということは、私、非常に拙速になりはしないかということを危惧しているんですが、二つの問題をお聞きしたいんです。
 一つは、都民の意見を聞くこと。特に、この規制の対象となる当事者である青少年の意見を、どういう形かは工夫が必要ですが、きちんと聞く場を設けないで、青少年のことを我々が決めてしまうということは、私はやっぱり危惧するんですよね。今は、子どもたちにも当然ながら、国際条約になった子どもの権利条約によって、意見表明権もあれば、人格権も大人と同じというのが基本です。したがって、自分たちの問題にかかわる、こうした重大な条例改定については、意見をいう権利は持っているはずです。これを全く認めないというのであれば別ですが、これは本来認めるのが当然で、そういう場を、決める前にやはり設けるべきじゃないかと思いますが、都民全体の意見も含めていかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 青少年を含めて都民各界各層の意見を聞くべきではないかというお尋ねであろうかと思います。
 今回の条例改正に当たりましては、まず青少年問題協議会に諮問し、都民の代表の方々にまずご意見を伺っています。特に、その中でご報告しなくちゃいけないのは、いわゆる一般都民からの公募委員も二名いらっしゃる、そのような方々からお話をお聞きしているというのがございます。それから、青少年問題協議会の審議の中で関係業界の方にもおいでいただきました。また、学識経験者の方にもおいでいただきまして、幅広く意見をお聞きしております。それから、青少年問題協議会の答申が出た後につきましては、パブリックコメントということで、青少年の方々の意見も含めて、多くの都民の方々から意見をいただいております。そのような各界各層の意見を聞きながら、今回の条例改正案を作成し、今都議会に提案し、ご審議をお願いしているところでございます。
 以上でございます。

○曽根委員 青少年の意見を聞く場はどうなんですか。

○高島都民協働部長 青少年の意見だけを聞く場を設定すべきじゃないかというお話でございますが、こういう、何と申しますか、青少年の健全育成につきましては、先ほど申しました大人の責任、親の責任ということが一義的じゃなかろうかと思っております。そういう意味では、子どもの立場の、青少年の立場の意見を聞かなくてもいいということを申し上げるつもりはありませんが、やはり基本的には、子どもを守る、青少年を守る大人、親御さんからの意見を聞いて、それを逆に、大人の方々、親の方々に対する規制につなげていくという形での条例改正案を作成したわけでございます。
 今回は、そういう意味で改めて場を設定してはございませんが、ただ、私ども、先ほど申しましたように、決して青少年の意見を聞くことを排しているわけではございません。パブリックコメントなどを通じまして、青少年を含めて都民各界各層のご意見を聞き、それを踏まえて今回の条例案の提案に至ったという経緯でございますので、ご理解賜りたいと存じます。
 以上でございます。

○曽根委員 条例を決めるのは大人で決めなきゃならないんですよ。だからこそ、だからこそ、大人の勝手な決め方をしないために、有権者でない、選挙権を持ってない、政治的な権利を持っていない子どもたちの意見を聞かないと、どこもそれを反映される場所がなくなるんですよ。そのことを私は申し上げている。(「責任能力ないんじゃない」と呼ぶ者あり)子どもの意見表明権というのは認められているんですよ。樺山さんなんか責任能力ないっていうけど、とんでもないですよ。(発言する者あり)渋谷のまちをうろついている子の意見を聞くのかって、それは必要ですよ、私にいわせれば。どういう考え方で渋谷のまちをうろついているのか、そこをつかまないで一方的な規制をかけると、大きな間違いを犯すことになりかねないんですよ。
 例えば、きょうは質問の趣旨は持っていませんが、十六歳以下の青少年を深夜連れ出し同行、これは禁止ですよね。罰則も厳しいですよ。それはもちろん、ああいう事件があったからだと思います。ああいう事件を想定すれば、これは必要だということになると思うんです。
 ところが、この条例というのは、つくられればひとり歩きしますから、この規定に当てはまる場合は、いろんな場合が考えられるわけですよ。例えば、私自身が深夜歩いていたら、そこにどうも素行のおかしい若い女の子がいたとしますね。どうもおかしいな、明らかに例えば援助交際やろうとしているんじゃないかとか。それに声かけたらどうなるか。その子が私の善意を認めないで、ぬれぎぬを着せられたら、どうしようというふうに考えますよ、それは。私がぬれぎぬ着せられたらと。例えば警察などに、私が無理やり何かを迫ったというふうに、その子に証言されたりした場合、これにひっかかるわけだ。だから、正当な理由なくの正当というのが証明できるかどうかというのは、非常に微妙な問題があるんです。(発言する者あり)だから、そういう問題が、危険性があるからこそ……

○東委員長 お静かに。

○曽根委員 大人が若い人たちの行動に対して、大人なりの善意の目を向けて、いろんな声をかけたり、何といいますか、ここでは善導というような言葉もあったけど、やりやすくなるのかどうかということをよく考える必要がある、いろんな角度から、この問題は。こういう規定をつくる以上は、いろんな場合があり得るということを考える必要があります。(発言する者あり)そういう点では、運用上非常に心配なものもあるわけですよ。
 例えば法律でも、何年たったら、改めて見直しをして、必要な改正を行うということを法律の制定の際に明記することがあります。例えば臓器移植の問題でもありましたよね。したがって、この条例も、もしつくるのであれば、やっぱり一定の年限で運用を見直す、もしくは規定を見直すということを当初から明記するということはあってしかるべきと私は思うんですが、全くそういうことはないんですけど、いかがですか。
〔発言する者あり〕

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 今後とも、青少年健全育成という条例の目的を踏まえて、適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

○曽根委員 高島さんの答えは極めて楽天的なんだけれども、一たん運用が始まったら、私、やっぱりいろんな事例が起きてくると思います。ですから、なおのこと、決める前に、青少年自身も含めた、これに対するいろんな受けとめ、意見、十分に酌み尽くす必要があるんですよ。私のところにも、例えばエッチな漫画を書いている漫画家の方からも意見が来ましたので、率直にお聞きしました。それから、若い人たちからの意見も来ました。全国津々浦々からメールが入ってきますよ、毎日のように。ちょっと、この人何なんだろうなというような人もいますよ。しかし、そういうマニアックな人も含めて、やっぱりそれなりに、東京都の規定が一番厳しくなるから、その人たちなりの良心や善意でもって心配しているわけです。
 そういう点では、私は、条例全体について全部だめということはいいません。しかし、一部ですけれども、非常に厳し過ぎる規定や、今後に、大きな包括指定につながるような危険な入り口があいてしまうという問題がある。
 したがって、私、青少協のいきさつからいっても、これが条例で決まってしまったら、青少協の一部の委員は、もう青少協にいてもしようがない、答申で決まった以上のことが条例で出てきちゃうというふうに反発する方もたくさんいると思います。そういう点でも、改めて青少協に戻して審議するとか、都民の意見、特に青少年の意見をもっと聞くとかいう場が必要だということを申し上げて、質問を終わります。
 以上です。

○山口委員 初めに、来年度から始まります、ひきこもり相談事業の方について少しお伺いしたいと思います。
 全国で五十万人とも百万人ともいわれる、ひきこもりが大きな社会問題になっています。その原因は、親子関係によるものか、学校生活によるものか、あるいは精神的なものなのか、個々のケースによって違うだけに、解決策も大変難しいようです。昨年、NHKが、ひきこもりサポートキャンペーンを実施して、大きな反響を呼び、ことしの四月からNHKの方でもその相談室を開催すると聞いていますが、都が実施するひきこもり相談事業の体制など、概要について伺います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 ひきこもり等相談事業の概要についてのお尋ねでございます。
 この事業につきましては、ひきこもる青少年本人でも利用する例が多いといわれるインターネット、これを活用した相談事業や、このことを通じた実態把握、それからNPO、行政機関等の所在情報の提供、行政、NPOの連絡調整会議による連絡調整、相談要員の育成事業、こういう各種ひきこもりに関連します事業を予定いたしております。
 以上でございます。

○山口委員 ちょうど十三日でしたか、十五年間ひきこもっていた三十一歳になる青年を追ったドキュメントがNHKの方で放送されていました。彼も、自分自身も、こういう状況がよくはないと、何とか社会とつながりたいといいながら、非常に悩みながらも、なかなか一歩が踏み出せないというときに、それでも自分の思いを伝えたい、だれかに自分の気持ちをわかってほしいということが反面あるわけですよね。そのときに相談する相手として、自分の気持ちがよくわかってくれるということで、たまたま知り合った、これもNHKがひきこもりの青年たちを集めた討論会みたいのをやったときに知り合った、自分自身もひきこもっていたけど、そこから脱したという女性と知り合って、その方と少しコミュニケーションできたということですので、相談要員の育成というようなところには、ピュアカウンセリングというようなことの導入をぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、見えにくいひきこもりですので、東京都の方がその実態をどのように把握されているかというのは、厳しいかと思いますが、一応伺わせてください。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 ひきこもりにつきましての東京都の実態でございます。
 正直申しまして、この実態は不明でよくわからないところでございますが、青少年問題協議会でのひきこもりの答申によりますと、全国のひきこもり人口、推定では百万人前後いるのではないかと考えられているというような記述もございます。しかし、都内におけるひきこもりの実態は現在のところ把握されておりません。
 そこで、先ほど申しました平成十六年度から行います、ひきこもり等相談事業を開始しまして、具体的な相談事業を通じまして、ひきこもりの実態を把握し、行政としての対応策を、民間との役割分担のあり方も含めて、連携策も含めて、検討していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○山口委員 相談事業とか、たまり場みたいな形で提供しているNPOや市民団体の方が、地域では先んじて活動していると思うんですけれども、不可欠なネットワーク化に行政が主導となるべきではないかという意見も聞くんですが、お考えを伺います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 ネットワーク化に関しますお尋ねでございます。
 社会的ひきこもりにつきましては、その原因、生活の実態、必要とする支援等もさまざまでございます。そのため、個々の実情に適切に対応するため、柔軟かつ機動的に活動できますNPO等の民間団体の果たす役割は大きいものだというふうに考えております。
 また、ひきこもる青少年が多様な問題を抱えているということに応じまして、それぞれ民間団体にも得意分野といいますか、そのひきこもりに対応できる範囲というものがあるように思います。
 そこで、行政と民間団体、それから民間団体間の連携が重要でありますので、先ほど申しましたひきこもり等相談事業におきまして、行政とNPOなどの連絡会議を設けまして、都の関係各局、それから区市町村、民間団体との情報交換を行い、その方々とともに連携のあり方などについて検討していきたい、かように考えております。
 以上でございます。

○山口委員 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 それでは、青少年健全育成条例の一部改正について何点か伺います。
 今回の条例改正について、生活者ネットワークは、代表質問また予算特別委員会の一般質問でも、大人を規制するものとはいえ、行き着くところ、子ども自身への規制につながる危険性をはらんでいること、また、この規則が問題の根本解決にはならず、本来子ども自身がみずから考え、判断する能力を養い、危険を避ける能力を高めていくことこそ重要である、喫緊の課題であると提案してきました。
 不健全図書の規制強化についても、出版関係者から、知る権利や表現の自由が侵害され、出版界を萎縮させるおそれがあるとして、私どもの方にも抗議が相次いでいます。このことについては、その危惧するところは十分理解を示していますが、初めに、今回の提案は、現在行っている個別指定制度と表示図書制度の改正ですが、他県が行っている緊急指定あるいは包括指定制度までの規制強化への方向は、表現の自由の観点からも慎重な議論が必要だと思います。
 今回、改正案の中で、第四章の東京都青少年健全育成審議会に関する第二十四条の二のところに、小委員会を審議会の中に置くものとするという改正案が出ています。これは、以前の置くことができる、というのが変わったわけです。この小委員会で東京都が行おうとしているのはどのようなことなのか、伺いたいと思います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 小委員会設置での今回の改正についてのお尋ねでございます。
 都は、不健全図書を緊急に指定する必要性に応じる、他県で行っております緊急指定に対応するものとしまして、青少年健全育成審議会に小委員会を置くことができると定め、この制度により指定の迅速性と公平性、適正の両立を図ろうということでやってまいりました。しかしながら、現在この小委員会というのは、設置できるということで、必ずしも設置されておりませんので、現実には十分に機能しておりません。そこで、今回条例を改正しまして、小委員会を常設化することにより、緊急の必要に応じつつ、公平、適正に指定できる体制を整備したいというものでございます。
 以上でございます。

○山口委員 ちょっと一点確認させていただきたいんですけど、そうすると、今まで小委員会は開かれたこともなく、例えば緊急指定も行っていないということですね。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 小委員会は、設けられ、開かれたことはございます。しかしながら、緊急指定に対応するような小委員会での指定をしたという例はございません。
 以上でございます。

○山口委員 そうすると、今回の改正によっては緊急指定もあり得るというふうにとらえてよろしいんでしょうか。

○高島都民協働部長 今回の小委員会設置は、設置することにより直ちに、他県でいう緊急指定に対応するような事態に対応するということをすぐに予定している、行うというものではございません。少なくとも他県において行っている緊急指定と同様のことができるような体制整備を図るということで、小委員会を設けたものでございます。
 ただ、他県で行っている緊急指定につきましては、いわゆる行政当局の判断で当初指定しまして、事後的にそれを報告するということが、その指定に当たっての公平性、公正性の担保が十分なされるかという疑問があるものですから、こういう小委員会制度を設けることにより、体制的にそういう指定の対応をできる形に制度を整備したということでございます。
 以上でございます。

○山口委員 確かに、現状、余りにも人権を無視したような性的表現、それから性の商品化には、私たちも憤りを感じています。こうした情報が青少年の性非行の要因とまでは思いませんが、女性べっ視につながり、男女平等を阻害するものと考え、不健全図書や生セラへの規制には一定の理解をするものです。
 次に、有害広告物の措置を命ずることができるという、有害広告物とはどのようなものなのか、具体的に伺います。

○高島都民協働部長 有害広告物についてのお尋ねでございます。
 有害広告物とは、青少年に対し著しく性的感情を刺激し、また甚だしく残虐性を助長し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められる広告物でございます。具体的には、成人映画館の広告看板などが対象とされます。
 以上でございます。

○山口委員 公共の目に触れるものが対象ということですが、いわゆる中づり広告など、目に余るものが多く、無防備に目に飛び込んでくるものが野放しになっていることについて東京都はどのように考えているのか、伺います。

○高島都民協働部長 この私どもの条例上規定されています有害広告物の規制、これは、立法経緯から固定的な工作物を前提としているものでございますので、今お話しの中づり広告のような規制に直ちに適用することは難しいんじゃなかろうかというふうに思っております。各電鉄会社におかれましては、広告掲載基準などを設けまして自主規制されておられますので、その自主規制の徹底により対応していただくことが適当ではないかというように考えております。
 以上でございます。

○山口委員 この問題は多分、一挙に片づくということではないんだと思いますけれども、広告物に関しては、見る意思がなくても飛び込んでしまうということで、確かにころころ変わっていくとはいいながら、変わりながら常に何かが電車の中では見られるというような状況がありますので、こちらの方も私どもとしては何とか考えていただきたいなという気はありますが、これ以上これについては追及はいたしません。
 次に、自主規制団体について、概要と主な自主規制制度を図書を例にとって説明していただきたいと思います。

○高島都民協働部長 自主規制団体についてのお尋ねでございます。
 図書関係の自主規制団体とは、図書類の発行、販売もしくは貸し付けを業とする者により構成する団体で、倫理綱領等により自主規制を行うものをいうとされております。
 具体的には、昭和三十九年にこの健全育成条例が制定されたのを機に、青少年の健全育成の重要性にかんがみ、出版倫理の向上と出版の自由の確保に資することを目的に設立された出版倫理協議会。これは雑誌、書籍、取次、書店などが入っておりますが、こういう出版倫理協議会などがございます。この出版倫理協議会の活動内容でいきますと、主な活動内容としまして、私ども東京都が連続三回個別指定しました指定図書につきましては、いわゆる帯紙をつけた形で流通させることを義務づける、流通を制限するとか、成年コミックマークの表示ですとか、それから成年向け雑誌マークの制度、出版物の区分陳列の促進を目的とする出版ゾーニングマーク制度、いわゆる十八禁のマーク設定、こういうものを設け、運用されているところでございます。
 以上でございます。

○山口委員 今回の改正までに、過去三回条例改正が行われているわけですけれども、功を奏してこなかったための今回またさらなる改正となるのでしょうか。
 再三申し上げるように、単に規制を強化するだけでは根本的な問題解決にはなり得ません。青少年が性犯罪被害者や加害者にならない、また性の商品化の対象とならないためには、正しい知識や情報が学べる性教育を受けることや、メディアリテラシーを身につけることが不可欠です。条例にも、青少年の性に関する判断能力の育成に、普及啓発、教育、相談等の施策の推進に努めるとありますが、残念ながら具体的な施策が見えてきません。こうした施策は生活文化局だけで実現できるものではなく、当然、教育庁、健康局、福祉局など局間連携で行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 事業の推進における局間の連携についてのお尋ねでございます。
 青少年のこういう育成の問題につきましては、青少年の全人格的な成長を図る中ではぐくまれるものでございまして、家庭、学校、地域、社会、行政が連携を図りながら進めていかなければならない課題だろうというふうに思っております。
 そういう観点からも、関係者、私どもの都庁の中では各局間の連携を図りながら、それぞれの局の施策が講じられていくことも必要であるというふうに考えております。
 以上でございます。

○山口委員 最後に局長にお伺いしたいと思うんです。
 今、答弁の中に、局間の連携を図りながら各局の施策を講じていく必要があるというふうな答弁をいただきました。こういった取り組みは、答申にも、即効性のあるものもなく、特効薬もないと記されています。だからこそ、子どもの最善の利益を考えるならば、条例の提案元である生活文化局が、憶することなく、各局の具体的な施策を継続してリードする責任を毅然と負うべきと考えますが、局長、いかがでしょうか。

○高島都民協働部長 失礼いたします。先ほどちょっと、私、勘違いしておりまして、小委員会での緊急指定につきましては実績がございます。平成十一年三月と平成十二年八月に小委員会が設けられ、開かれておりますが、小委員会の方で、平成十一年三月には五冊、平成十二年八月には四冊それぞれ指定されております。訂正させていただきます。おわびいたします。

○三宅生活文化局長 条例に書かれております青少年の性に関する判断能力の育成、非常に難しいテーマでございます。もちろん、これのみでやっているわけではございませんが、生活文化局が中心になってやっております心の東京革命など、各局を横断したテーマについて、いろいろ議論、検討しておりますので、そういった中で青少年の全人格的な成長を図るという意味で頑張ってまいりたいと思います。

○山口委員 二〇〇四年度は福祉局で、次世代育成支援推進対策法に基づく行動計画が策定されます。対策法の指針には、乳幼児期から修業に至るまで、十八歳未満の子どもの育ちを支援することが明記され、当然ながら全庁の連携を必要とするものです。ご提案の青少年健全育成条例は、大人不健全規制条例というしかありません。本質的には、青少年が真にエンパワーメントするための施策転換が必要とされ、子どもの権利に立った子ども自身の意見を反映させた取り組みを強く求めて、質問を終わります。
 それから、ちょっと意見を、最後。
 大変厳しい質問を私どもはさせていただいたかと思いますが、この条例そのものに対しましては、反対する立場は今とっておりません。ただ、今回、これに関する陳情が上がっております。陳情の内容は、反対をしてくださいということではなく、反対者の立場からこういった取り組みをしてくださいという陳情の中身です。私どもが今提案してきた項目などもかなり含まれておりますので、陳情につきましては趣旨採択ということで臨みたいと思っています。
 終わります。

○東委員長 速記をストップしてください。
〔速記中止〕

○東委員長 速記を再開してください。

○福士委員 それでは、私から何点か質問をさせていただきます。
 先ほど、不健全な図書類の指定について、規則に定める基準というのはご質問がありましたので、その前段にありますもう一つの優良図書類の指定について、新たに規則で基準を定めるようになりましたけれども、これについてもちょっと確認の意味で伺っておきたいと思います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 優良図書の指定につきましての規則での基準の定めの内容についてのお尋ねでございます。
 優良図書類等の推奨の基準、これにつきましても、先ほど申しました不健全図書の基準と同様に、従来、知事決定ということで、行政内部の認定基準において定めていたわけでございます。これは先ほど申しましたものと同様なんですが、透明性を高めまして、都民に対する説明責任を果たす、都民にわかりやすくこの内容を理解していただくという観点から、今回、東京都規則で定めるということで、条例改正をお願いしている次第でございます。
 なお、内容につきましては、これも一部の文言整理はございますが、基本的に今までの内容、青少年の社会に対する良識と倫理観を育てるもの等々と同様の基準を設定するつもりでおります。
 なお、平成十四年度には十三本の優良映画を推奨したことをあわせてご報告させていただきます。
 以上でございます。

○福士委員 不健全の方も、質の問題からいえば、だれがどういうふうに、著しく卑わいなところというふうに判断するかという問題もありますし、結構こういうものを条例でやるのも難しいのかなと。先ほど来、規則でだんだん変わっていくんじゃないかというお話もありましたけど、やはりそのあたりも心配する部分はあるかなというふうに思います。
 もう一つ、私はもう単純に伺っていきますが、不健全図書類の指定でいわれている犯罪の誘発とはどのような根拠によるものか、お示しください。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 犯罪の誘発という概念の内容についてのお尋ねでございます。
 これは具体的に申し上げますと、著しく犯罪を誘発するものとは、刑罰法規に触れる行為を賛美し、またはこれらの行為の実行を進め、または唆すような表現をしたもの、これが一つでございます。及び、刑罰法規に触れる行為の手段を模倣できるように詳細に、または具体的に描写または表現したものとしております。
 以上でございます。

○福士委員 どんどん伺っていきます。
 じゃ、第九条の四にある東京都青少年健全育成協力員というのはどのように定めるんでしょうか。また、どのような仕事内容となるのか。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 東京都青少年健全育成協力員についてのお尋ねでございます。
 この協力員につきましては、青少年にとって有害な環境を改善したいとする意欲を持ち、地域で健全育成活動に既に携わっていただいている都民を、この健全育成協力員に委嘱する予定で現在作業を進めております。
 その活動内容は、地域の書店やコンビニエンスストア等における不健全図書類の包装と区分陳列の状況を調査し、都に報告していただくことを予定いたしております。
 以上でございます。

○福士委員 確認させていただきますけど、この協力員は置くことができるということですから、都内全域に全部一斉に決めますよとか、そういうことはないですよね。
 それから、もう一つ、今ご答弁いただきましたように、都に報告するだけというふうに理解してよろしいですよね。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 健全育成協力員についてお尋ねでございますが、まだ具体的なスキームというのは現在検討している最中でございまして、各区市町村にどの程度置くとか、について具体的な詳細な内容はまだ私ども決めておりません。まだ具体的には詰まっておりません。
 それから、仕事内容につきましては、基本的には都に報告していただくということで、いわゆる権力的な、そういう通常の行政が行うことに関与していただくということは想定いたしておりません。
 以上でございます。

○福士委員 次に、十三条の二にある指定刃物の販売等の制限による効果って、どんなことを考えていらっしゃるのか、教えてください。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 刃物についてのお尋ねでございます。刃物が使用される犯罪、これは刃物の持っている性格から、結果が非常に重大であり、軽視することはできないということはご理解いただけると思います。そういう観点から、青少年が安易に不必要で危険な刃物を持つことがないよう、青少年の興味を引き、携帯しやすく、かつ日常生活において所持する必要のない刃物を指定しまして、青少年への当該指定刃物の販売を規制するものでございます。この条例で規定することによりまして、青少年に販売を規制するという直接的な効果を上げますとともに、販売業者や社会一般の皆さん方の注意を喚起し、規範意識の向上を図る宣言的効果もあわせて持ち得るものと考えております。
 以上でございます。

○福士委員 お上にいわれなければ、自分たちが、業界の中で考えることができないというのも問題かなというふうに思いますが、同じく十五条の古物売買の未成年への制限は、書籍の万引きによる対策と、前に、何か請願でしたか陳情でしたか、出ておりましたけれども、そういう対策というふうに仄聞しておりますけど、そういう理解でよろしいんでしょうか。
 また、青少年が万引きなど非合法に得た書籍を売る方法ですけど、大人の人に預けて売ってもらうとか、幾らでも抜け道はあるのかなというふうに思うんですけれども、そうした場合の対策というのは、これでどうなるんでしょうか。

○高島都民協働部長 古物売買についてのお尋ねでございます。
 青少年からの古物買い受けの制限、これは、青少年が安易に多額の金銭を入手することが可能になり、健全な金銭感覚を失い、ひいては非行に走るという悪循環を防止するということが一つ。それから、二つ目としましては、今お話がございました、換金目的で書籍等を万引きする誘引をなくすことが目的でございます。
 なお、抜け道があるのではないかというお尋ねでございますが、これについては、万引きは本来犯罪でございますので、青少年のこういう問題についての認識を高めるための普及啓発を行っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○福士委員 今まで、ほかの方の質問も伺ってきておりますので、私は、条例というたがをはめて、それで何とかなるとは思えないというのが基本的な考え方です。例えば殺人の場合、刑罰があるから殺人が起きないかというと、そんなことはないわけですね。(「いや、ありますよ」と呼ぶ者あり)いや、そんなことないですよ。関係なしに起きる場合は起きる。(「抑止力だってある」と呼ぶ者あり)抑止力じゃなくて、起きた後の対策としてそれはあるだけですよ。
 ちょっと話が飛んで恐縮ですけど、前に私、福岡県の柳川市というところに行ったことがあります。そこは川の町です。で、ここは日常の水の使い方が非常に上手なんですが、川そのものはさくも何にもないんですね。道からストーンと落ちていて、結構深いところもあったりするんですよ。そこに行ったときに、ところどころに、川におりていって、川の水にさわれるような階段がついているんですけど、小さい子どもも含めて事故はないですかって聞きましたら、小さい子も危ないことを知っているし、水の遊び方も知っているので、事故はほとんど起きないというようなご返事がありました。
 何をいいたいかといいますと、生きていく中……(「たまたまだよ」と呼ぶ者あり)いや、たまたまじゃないんですよ。海のそばでもそうですけど、どんなに嵐の海に遊びに行っても、そこの中に巻き込まれないというのは、私も海のそばで育ったので、体験的にわかるんです。生きていく中で、いろんな危険とか、犯罪とか、おぞましいことにはたくさん出会う可能性というのはありますよね。そのときに、飲み込まれるか、自分で自分を律することができるかというのが、私は大事なことではないかなと思うんですね。
 どれほど不健全な図書を青少年に買わせないようにしても、ごみ置き場から拾ってきたりなんかすることはいっぱいあるわけで、私の息子も小学校のときに何か拾ってきて、うちでこそこそ見ているので、私は、これはきれいとか、これは嫌だねとかいいながら一緒に見た記憶があります。が、その後、余りそんなことをしなくなりました。
 一時期、泥棒しようという本の話がやっぱり出ていまして、ピッキングをするやり方なんかもずっと教えたりするという話も出ていたことがありますけれども、例えば、あれをなくしたらという話じゃなくて、それを読んだことがいけないんじゃなくて、それを読んで、実際に泥棒に入られないようにどう対策するかということを考えるのか、あるいは、それを見たから、実際に泥棒しようかというふうに実行に移す行為につなげるかどうかが問題なんだろうというふうに思われるんですね。
 確かな自己判断がきちんとされていけば、何を読むかどうかじゃなくて、それを読んだときにどうなるか。例えば、親でも家族でもそうですけど、飲んだくれの親がいたら、必ずしも子どもが飲んだくれになるわけじゃなくて、そういう子もいるけれども、そうじゃなくて、反面教師でしっかり育つ子もいるわけですから、そっちの方をきちんとどれだけできるかということが重要になってくるのじゃないかなというふうに私は思っています。(「理想論はね」と呼ぶ者あり)いや、理想論じゃなくて、今の教育問題も、もとが違うんですよね。
 もちろん、個人的なことも含めていろいろあるから、一律にどうにかできるというふうには思えないんですけれども、私、きのうも申し上げましたけど、どんなことが起きているのか解析しないで、ただただいっていくというのは問題じゃないかなというふうに思っています。
 今回、深夜外出のデータというのも出されていますけど、これ、データの数字は変えないけれども、データの読みかえをしていらっしゃる方が、私の方にも、多分ほかの方にも送ってこられたんじゃないかと思いますが、資料を送ってこられてまして、三回以上深夜の徘回をしているという子、それから、深夜の徘回はゼロという子の数字の置きかえをしていらっしゃるんです。そうしますと、三回以上深夜の徘回をしている子を全部ひっくるめてやって、ひったくりを絶対しないと思うのは八〇・三%。それから、してしまうかもしれないというのが一九・七%。長くなりますから、ちょっと間を飛ばしますけど、深夜の徘回がゼロの子は、ひったくりを絶対しないと思うというのは九四・一%。そして、してしまうかもしれないというのが五・九%。これで見ると、数字からいうと、やっぱり徘回をしないゼロの子の方が、ひったくりをしない方が多いのねというふうに感じるんですが、絶対数で見ますと、徘回三回以上の子でひったくりをしてしまうかもしれないのが六十九人で、徘回ゼロでひったくりをしてしまうかもしれないのが二百二十人と、絶対数値になると今度は大きくなっちゃったりしているんですよね。
 そういうこともありますし、それから、これ、ちょっと古い資料なんですが、メディアと少年凶悪化ということで、東大助教授の広田照幸さんが朝日新聞の夕刊の文化欄に書いていらして、これは青少年条例とは関係ないことでお書きになっているんですが、そこのデータだけ見ますと、ちょっと古いので、恐縮なんですが、九八年までしか出てないんですけれども、六〇年代が一番、十万人当たりの殺人、未遂も含んで殺人の検挙者が多いんですね。それを見ますと、二十から二十四歳だと、十万人当たり十人をちょっと超えるぐらい。それから、十八、十九になると、七人ちょっと。十六、十七歳になると、三・五人弱ぐらいですかね。それから、十四、十五だと、一人にならない、〇・七とか八とか、そういう感じです。
 ところが、九八年にはずっと下がってきているんですね。二十から二十四歳がずっと下がっておりまして、十四、十五とか、十六、十七がそれをちょっと超えているもんですから、多くなった多くなったといういい方をしていますが、数字で見ると、二十から二十四歳は、一・二か三ぐらいですよ、グラフなのでよく読み取れないですが。そこを超えて十四、十五、十六、十七が一・五六ぐらいですかね。一・六人ぐらい。だから、超えたといっても、〇・幾つぐらいの差の中で多いとか少ないとかいっていて、十万人対十人になっているわけじゃないんですね。こういう数字の読み方というのはすごく大事なんじゃないかというふうに私は思います。
 これ、専門部会で出された、先ほどの深夜徘回以外に、街頭犯罪検挙人員に占める少年の割合、これも出ております。これを見ますと、ひったくりが六八%とか、オートバイの盗難が、九五%が少年の占める割合になっていますから、ああ、やっぱり多いのねなんていうふうな感じはするんですけど、現実に考えたときに、自転車を盗んだり、自動販売機を荒らしたり、あるいはオートバイを盗むというのは、大人の人はやらないんじゃないかというふうに私は思うんですよ。二十過ぎで、三十、四十になった人たちがこういうことするかなという感じなんですね。そうすると、ある年代の中で少年の年代を出していくと、こういう数字になるのかなと。
 ですから、この読み方もそうですし、データがきちんと正直にどれだけ出されるか、正直に解析されるかということが大事なわけで、それをつかまないで、ただ感情論で、だから条例が必要とか。それから、今、マスコミの方、ここにもいらっしゃいますけど、マスコミの方は非常にショッキングな話で、いろんな事件をテレビも新聞も同じに何回も何回も取り上げたりしますよね。そうすると、すごくその事件が多くなったように、私たちも錯覚をしてしまいます。だけど、数字で見れば、本当にそうなのかどうかわからない。
 こういうことを審議されるときには、きちんとした数字を挙げて、本当に少年犯罪がふえているかどうかということをきちんと審議をするもととして出していただきたい。そうじゃなければ、多くなったという気分だけでこういう条例をおつくりになるのはいかがなものかなというふうに私は思っております。
 以上です。

○山下委員 私からは、我が党の代表質問においてもそうですし、せんだっての予算特別委員会においても初鹿議員から質問のあった、自動販売機の規制と刃物の規制について伺っていこうと思っております。
 青少年が健全に育つ環境をつくることは大人の責任であり、そのために大人や事業者に対して一定の規制を課す必要性は十分に私も理解しているつもりであります。
 そこで、まず確認のために伺おうと思ったんですが、先ほどご答弁もありましたので、自動販売機の義務づけの必要性という点については、三百四十カ所、都内にはそういうアダルトビデオ等の自動販売機があるが、そのうち約一割が年齢識別装置が未設置であり、また夜間になると、約六〇%がその装置も稼働していないということがあるということですので、これもよくわかりました。
 しかし、大きな意味で考えますと、青少年を守らなければならないのは、何も不健全図書あるいはビデオといったものだけではないようにも思っております。法律で禁止されているお酒、たばこの自動販売機については、そういった動きはあるそうですが、一部でテスト導入はされているみたいなのですが、現在はそういうものは設置していないわけですよね。こういったこと自体、私はバランスを欠いていると思うんですが、ご見解を伺います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 自動販売機の規制に関連しまして、いわゆる酒、たばこの自動販売機などとのバランスが欠けるんじゃないかというお尋ねだろうと思います。
 酒、たばこにつきましては、現在、自主規制により深夜の自動販売機では購入できないとされております。これは切ってしまいますので、大人の方も含めて購入できないということになっているわけです。ただ、昼間は購入可能でございます。そういう意味では、これについて、先般の竹花副知事の私的諮問機関としてつくりました少年を犯罪に巻き込まないための方策を提言する会におきましても提言されておりましたけれども、青少年が購入できない措置をとる必要があるということを感じております。
 いずれにしましても、酒、たばこにつきましては、法律で販売の許認可、いわゆる国の許認可になっておりますので、そういうことも勘案する必要があるんじゃなかろうかというふうに思っております。
 以上でございます。

○山下委員 今のご答弁、まさしくおっしゃるとおりだと思いますね。青少年が購入できない措置をとる必要があると感じているということなんですが、まさしく青少年を守るということであれば、お酒、たばこからも青少年を守るように国に働きかけていただきますように、私からは要望させていただこう、そんなふうに思っています。
 次に、自動販売機のお話に戻りますが、先ほど高島部長のご答弁の中で、年齢を識別する方法として、一つは、免許証を年齢識別装置に入れるという方法がある、もう一つは、遠隔操作できるビデオカメラによって、帰りなさいと注意を促したり、それによって判断されるといったようなご答弁があったんですが、私、この後者について大変危惧を抱いております。年齢識別方法として、遠隔操作できるビデオカメラによる方法というのは認められているのか、お伺いいたします。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 石川委員にはちょっとおわび申し上げなきゃいけないんですが、先ほど私の方から、年齢識別の方法としまして、二つありますというお話を申し上げました。一つは、いわゆる免許証を入れて年齢識別装置として機能させるもの、もう一つは、カメラで見ていて遠距離で監視するものということで、この二つは、実は自主規制の方法として今まで講じられていたわけでございます。
 実は、今般、この条例に当たっての義務づけに当たりましては、今、山下委員からご指摘もありました、そういう年齢識別の方法として徹底させるのであれば、そういう遠隔監視はいかがなものかというようなお話もございます。そういうことも含めまして、まだ確定しているわけではございませんが、今後規則で定める内容につきましては、またお時間をいただきたいと思うんですけれども、今までの自主規制ではその二つの方法を認めておりましたけれども、より徹底するという観点から、その方法についてより厳しくやっていくということも検討していかなくちゃいけないんだろうと思っております。
 石川委員には、私、先ほどちょっと不正確なことを申し上げまして、この場をかりておわび申し上げたいと思います。
 それから、おわびついでといったら申しわけないんですが、もう一点だけ訂正させていただきたいと思います。
 先ほど曽根委員の方からお話がございました、一月九日の青少年問題協議会の議事録のホームページ掲載でございますが、一月九日の分を載せているというふうに私お答えしたんですが、これは申しわけございません、私の全く事実誤認でございます。これは起草委員会でございまして、いわゆる作業部会に当たるものでございまして、これについては、ほかの会もそうなんですが、ホームページには掲載しておりません。ただ、いわゆる専門部会、それから、曽根委員にもおいでいただいています総会、これについてはすべてホームページで公開しておりまして、先ほど私、不正確なことを申し上げまして、心からおわび申し上げ、また訂正させていただきます。
 いずれにしましても、私の不注意で、お二人の委員にご迷惑をかけたことを、この場をかりて深くおわび申し上げて、訂正させていただきます。

○山下委員 何も私は部長を責めているわけじゃございませんけれども、私が危惧しているのは、実際問題、そういった遠隔操作ができるビデオカメラを設置しているところというのは、そんなに多くはないのでしょうが、そういう状況の中で、私が夜中にビデオを買いに行きます。ビデオカメラはちゃんと私の顔も認識していますし、当然識別するわけですから、私の免許証をそこに入れて、本なりビデオなりを買うわけです。そうすると、何時何分に、だれが何を何冊、あるいは何個ビデオを買ったかというようなことがデータとして、業者には、ビデオカメラには残るわけですよね。で、その機械自体には記憶装置がないということですが、そういった情報の扱い方、プライバシーの保護という観点についてはどのようにお考えなのか。
 昨今、いわゆる大量の個人データが流出したり、あるいは、かけてもいない相手への電話、風俗的なサービス的なところから請求書が来たり、そういう時代の中で、本当にこういうものは--もちろん、私個人としては年齢識別装置は必要だと思いますが、それをやることによって、今まではビデオだけで済んでいて、だれがだれだかわからなかった。それを、ちゃんとルールを守る人に対しての保護というのはどのようにお考えなのか、お聞かせいただければ幸いです。ここが私が一番危惧しているところです。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 規制に当たりましての個人のプライバシーの確保ということだろうと思います。
 まず、技術的なことでご説明しますと、先ほど申しました運転免許証を入れて年齢識別する装置がございます。何社かで、この年齢識別機を出されておりますが、いずれも、現在出されている社のものの年齢識別機の機能からいいますと、運転免許証の生年月日の部分だけを読み取るそうでございます。生年月日を読み取り、機械的に年齢を計算して、十八歳未満の青少年でないことが判明した場合は購入することができるというものでございます。したがって、あくまで年齢識別機が読み取りますのは生年月日だけでございまして、生年月日以外の住所や個人名は読み取ることがない仕組みになっているそうでございます。
 それから、読み取った生年月日のデータが残るかということですが、これについてもデータを記憶する装置はございません。ログは残りませんので、個人が特定されたり、記録が残ることは、現在の数社で出しております年齢識別機においてはないということでございます。
 もう一つ、いわゆる遠隔操作での監視カメラ、これは、最近の治安対策でつけております街角の防犯カメラと同じような問題があるんだろうと思います。防犯カメラにつきましては、治安対策本部の方で今いろいろルールづくりとか、そういうことをやっていると聞いております。
 そういう意味では、この監視カメラ、みずから本をその自動販売機に買いに来ているということで、肖像権を放棄しているというような見方もできるかもしれませんが、今、委員がご指摘になったように、そういう監視カメラがついているところに入られた方の個人データが自動的に記録に残り、それが何かに悪用されるというおそれもあると思いますので、そういうことについても、我々行政当局の方では十分留意して、そういう個人のプライバシーが担保できるようなことは絶えず気を使っていくべき話じゃなかろうかなというふうに思っております。
 以上でございます。

○山下委員 ぜひ、その辺はお願いをしたいと思います。
 本音をいえば、もうちょっと伺いたいところがあるんですが、やめておきまして、次に刃物の規制について伺っていきます。
 刃物の規制についてでありますが、青少年が刃物を使用した凶悪犯罪の加害者になったり、被害者になったという報道を耳にするたびに、そういった方々の心中を察しますと、大変心を痛めるところであります。また、私自身も何とかしなければならないといったような気持ちにもなります。しかし、新しく規制をするということであれば、その効果や内容について十分な検討が必要と私は考えます。
 そこで、まず、刃物を指定する必要性について伺います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 刃物の指定の必要性についてのお尋ねでございます。
 刃物が使用される犯罪、これに青少年を巻き込まないために、先ほど申しました日常生活において所持する必要のない刃物、こういうものを指定いたしまして、青少年に対する販売を規制することを通じ、青少年が犯罪に巻き込まれる、犯罪を犯す、そういうことのないように、青少年の健全育成の環境を守っていきたい、こういう趣旨で今回この制度を設けたものでございます。
 以上でございます。

○山下委員 それでは、さらに伺います。他県の規制状況というのは、どのような刃物を指定しているのか、あわせて伺います。

○高島都民協働部長 他県の規制状況についてのお尋ねでございます。
 平成十四年七月に行いました照会結果によれば、三十七府県で指定刃物に関する規定が条例で明文化されております。刃物の指定と青少年に対する販売規制がされているところでございます。
 以上でございます。

○山下委員 他府県で規制がされている状況は、今のご説明でわかりました。刃物といっても、販売している店は多種多様でありまして、販売状況を把握することは大変困難であると私は考えております。実際問題としてどのように規制を徹底するのか、甚だ疑問なんですが、その点について伺います。

○高島都民協働部長 お答え申し上げます。
 販売状況の把握、徹底の仕方についてのお尋ねでございます。
 これにつきましては、計画的な立入調査を行うこと、それから業界との定期的な連絡会議を行うこと、こういうことを通しまして、販売状況の徹底した把握に努めてまいりたいというふうに考えております。また、これらの活動を通しまして、販売業者に対する条例の啓発、理解いただけるよう行ってまいりたいと思っております。
 それから、もう一回申しわけありません。ちょっと疲れてまいりまして、答弁漏れが先ほどございました。どのような刃物を指定しているかという内容につきまして、ちょっと漏れました。申しわけございません。
 他府県で最も多く指定されている刃物は、三十三府県においてバタフライナイフという形のものが指定されております。そのほかペンナイフのような、いわゆる仕込み型のナイフを指しているんですが、こういうナイフなども比較的多く指定されております。
 以上でございます。

○山下委員 まさにご答弁の最後にありました、いわゆる販売業者に対する条例の啓発と意識づけをあわせて図っていかれるという、この点が重要であると私も考えています。
 先ほど来申し上げている刃物の件について、自動販売機の例だけではなくて、いろんなこの条例の中に含まれているものは、一〇〇%違反したものを把握できるわけではないと思います。この条例が示す、東京都が青少年を取り巻く環境を改善するんだという意思を一人でも多くの都民に理解していただいて、協力が得られるように最大限努力していただくことを強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○東委員長 いいですか。ほかにありませんか。--それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、予算、付託議案及び陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十五分散会