文教委員会速記録第二十四号

平成十五年十二月十五日(月曜日)
第三委員会室
午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長東ひろたか君
副委員長臼井  孝君
副委員長大塚 隆朗君
理事野上じゅん子君
理事山口 文江君
理事松原 忠義君
村上 英子君
福士 敬子君
山下 太郎君
石川 芳昭君
遠藤  衛君
山本賢太郎君
曽根はじめ君
樺山たかし君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長山口 一久君
管理部長飯塚 宏子君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長鮎澤 光治君
総務部長比留間英人君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第二百二十号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第二百二十一号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 ・第二百二十二号議案 東京都立大学条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

消費者保護基本法改正に関する意見書(案)
 我が国の消費者政策は、昭和四十三年に制定された消費者保護基本法を基本的な枠組みとして展開されてきた。
 近年、経済のグローバル化、IT化の進行等により、消費生活は利便性、多様性が増した反面、消費者と事業者との情報力・交渉力等の格差が拡大している。また、規制緩和の進展に伴い、消費者政策も、従前の事前規制から、市場メカニズムを活用する事後チェック型の手法に移行してきている。このように消費者を取り巻く環境が大きく変化する中で、消費者被害は増加、深刻化しており、消費者政策の大胆な変革が今、求められている。
 このため、政府は、国民生活審議会消費者政策部会の最終報告を受け、本年七月、消費者保護会議において、消費者保護基本法の見直し、公益通報者保護制度の整備・消費者団体訴訟制度の導入の検討及び消費者保護会議の改革を決定している。
 健康で安全かつ豊かな消費生活を送ることができるようにするためには、消費者保護会議の決定の具体化を図り、時代の変化を見据え、消費者保護基本法を抜本的に見直すなど、二十一世紀にふさわしい消費者政策を再構築することが不可欠である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、消費者保護基本法の改正に当たっては、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 「消費者の権利」を消費者政策の理念として位置付け、行政・事業者の責務と消費者の役割を明らかにし、消費者の権利の実現のため行政施策を展開していく旨を規定すること。
二 広域化、専門化する消費者問題の解決のために、消費者団体・事業者団体の役割とその取組について規定すること。
三 多様化、複雑化する消費者取引の適正化に関する規定を新設すること。
四 苦情処理・紛争解決の機能を拡充し、消費者被害の救済を図るために、苦情処理に関する都道府県及び区市町村の役割と消費者被害救済委員会の設置について規定すること。
五 法の実効性を確保し、国の消費者行政を強力かつ効果的に進めるために、多岐にわたる諸施策の総合調整を行う推進体制について規定すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十五年十二月 日
         東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣 あて

○東委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○東委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百二十号議案から第二百二十二号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 第二百二十二号議案、法科大学院の設置に関します都立大学の条例改正について、我が会派は、この条例改正案については賛成ですけれども、一言意見を申し添えたいと思います。
 本条例については、授業料設定が現在の大学院よりは引き上げられるとはいえ、他の公立大学に比べて、実質引き下げて、都立のロースクールの学生の負担を軽減しようとの工夫は多とするところです。
 しかし、この間に発生した四人の都立大学法学部教員の辞職表明による試験日程のおくれは、大学改革というものが大学関係者の理解と合意に基づく協力がなければなし得ないものだという痛切な教訓を示すものというべきです。
 しかし、これに対する大学本部の四人の教員の社会的責任を云々する見解は、みずからの新大学構想発表以来のやり方が招いた事態の本質をわきまえないものといわざるを得ません。
 都立の大学に対する都民の期待と、これまで築いてきた成果と蓄積を継承発展させたいという大学関係者の声をもとに大学づくりを進めるよう、改めて求めておきたいと思います。
 以上です。

○山口委員 私も同じく、第二百二十二号議案について意見を述べさせていただきます。
 今回の法科大学院が出願、試験の延期を余儀なくされた教員の退任は、そもそも八月一日以降の大学改革の進め方に端を発していると思います。
 大学の自治を守り、政策決定過程の透明性を図ることと、学生初め関係者への説明責任を大学の責任として突き放すのではなく、設置者責任として、大学管理本部は真摯な姿勢を示し、事態の収拾に当たっていただきたいと思います。
 以上です。

○福士委員 私も、二百二十二号議案について一言意見を申し述べます。
 法科大学院の設置については否定いたしませんが、委員会での審議で気になったことがありますので、一言申し上げておきます。
 今回、法科大学院の専任教員予定者の突然の辞任により、大学院の試験日程に支障を来しました。その経緯について、まだ混乱の起きていない六月時点での承諾書を盾に、今回の日程変更の責任はあたかも契約不履行による教員のためであるとばかりの答弁に終始されました。
 そこには、二〇〇一年から二年間にわたり築き上げた改革方針、内容の大きな変革という大学管理本部側の責任は一切ふたをされたままです。その間、二年の議論は、知事及び関係部局の方々にも報告されていたものと思いますが、一朝にしてひっくり返され、人事まで変更されたことに対する疑問は、だれしも持ち得るものです。
 教員の方々の直前の辞任は、一点の非もないといえるとは思いませんが、その上でなお、教育関係者でありながら、他に責任転嫁をしてはばからない大学管理本部側の態度に、大きな大きな疑問を持つことを申し上げます。
 教育現場でこそ自由濶達な議論と、望むべき方向性を打ち出せるだけの理解を得られる方策をとられ、ぜひ受験生にとって実りある大学改革を進めていただきたいことを申し上げておきますし、同時に、法科大学院も有効に機能するよう改革を進められることを意見として申し上げておきます。
 以上です。

○東委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第二百二十号議案から第二百二十二号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○東委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○東委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、横山教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○横山教育長 所管三局を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 本定例会に提案申し上げておりました議案等につきましてご審議をいただきまして、まことにありがとうございます。ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご要望を踏まえまして、これからの事業執行に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも引き続きまして、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○東委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

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