文教委員会速記録第二十号

平成十五年十一月二十七日(木曜日)
第三委員会室
午後一時五分開議
 出席委員 十二名
委員長東ひろたか君
副委員長臼井  孝君
副委員長大塚 隆朗君
理事野上じゅん子君
理事山口 文江君
理事松原 忠義君
福士 敬子君
山下 太郎君
石川 芳昭君
遠藤  衛君
山本賢太郎君
曽根はじめ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
大学管理本部本部長山口 一久君
管理部長飯塚 宏子君
参事大村 雅一君
参事宮下  茂君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
広報広聴部長島田幸太郎君
都政情報担当部長二ノ宮 博君
文化振興部長荒川  満君
都民協働部長高島 茂樹君
交通安全対策担当部長脇  憲一君
私学部長中澤 正明君
消費生活部長高田 茂穗君
参事田村 初恵君
参事奥秋 彰一君
参事八木沼今朝蔵君

本日の会議に付した事件
 大学管理本部関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都立大学条例の一部を改正する条例
  報告事項(説明)
  ・新大学の学部構成及び入試概要について
  ・東京都産業科学技術振興指針について
 生活文化局関係
  報告事項(説明・質疑)
  ・東京都青少年センターの廃止について
  請願陳情の審査
  (1)一五第三六号の三 「東京都ヤミ金融対策会議」の設置、相談活動の充実、取締りの強化に関する請願
  (2)一五第五一号 ミューズ音楽院等による専修学校設置基準等違反の是正に関する陳情
  (3)一五第五五号 消費者保護基本法の抜本的改正を求める意見書の提出に関する陳情

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、大学管理本部関係の第四回定例会提出予定案件及び報告事項の説明聴取、並びに生活文化局関係の報告事項の説明、質疑及び請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び大学管理本部関係の報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。
 また、生活文化局関係の報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、質疑終了まで行いたいと思いますので、ご了承を願います。
 これより大学管理本部関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○山口大学管理本部長 平成十五年第四回都議会定例会に提出を予定しております大学管理本部関係の案件につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、東京都立大学条例の一部を改正する条例案一件でございます。
 この条例案は、平成十六年四月に開講を予定しております法科大学院の授業料等の設定を行うため、規定の整備を行うものでございます。
 この法科大学院は、首都東京の企業活動や公益活動、さらには国際的な領域での活動など、さまざまな分野での法律的課題に対応できる高度な能力を備えた法曹の養成を目指すもので、晴海キャンパスに設置するものでございます。
 なお、詳細につきましては管理部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○飯塚管理部長 それでは、今定例会に提出を予定してございます東京都立大学条例の一部を改正する条例の詳細につきましてご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第2号の平成十五年第四回東京都議会定例会提出予定案件の概要をお開き願いたいと存じます。
 今回の条例改正は、平成十六年四月に都立大学に新たに法科大学院を設置いたしますことに伴いまして、その授業料を定めるものでございます。
 中ほどに、法科大学院の概要について記載してございますが、この法科大学院では、大都市東京にふさわしい法曹の育成を目指し、多様化する行政活動や企業活動などで活躍できる人材を育成してまいります。
 授業料の額につきましては、国立大学や私立大学で設置する法科大学院の授業料の状況等を勘案し、平成十六年度入学者については六十六万三千円としております。
 なお、入学願書の受け付けを十二月下旬から開始いたしますが、出願者が多い場合には、学部入試と同様に二段階選抜を行うことがございます。その場合の入学考査料につきまして、第一段階目の選抜と第二段階目の選抜のそれぞれの金額を授業料とあわせて定めることとしてございます。
 また、この条例案は東京都規則で定める日から施行を予定してございます。
 以上で、大学管理本部が今定例会に提出を予定してございます条例案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 議案の法科大学院関係で三点ほど資料をお願いしたいんですが、一つは、これにかかわる国の司法制度改革の要点がわかるもの。
 それから、都内での他の法科大学院の設置場所や規模が今の段階でわかる資料。
 それから、全国で数十あると思いますが、ほかの大学、国立や私立などとの授業料の比較ができるもの。
 以上三点、お願いします。

○東委員長 ほかにありませんか。--それでは、ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○東委員長 次に、理事者から二件の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○飯塚管理部長 このたび、平成十七年四月に開学する新しい大学の学部定員や学科、コースの内容、十七年度入試の概要を公表いたしましたので、ご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第3号の、東京都が開設する新しい大学の学部構成及び入試の概要についてをごらんいただきたいと存じます。
 表紙左上にございますように、現在、この内容につきましては、文部科学省への設置認可申請を準備しているところでございまして、今後変更となる場合もあり得るかと存じますので、よろしくお願いいたします。
 恐縮でございますが、一ページをお開きくださいませ。一ページには、新しい大学における教育の特色として、大都市東京が抱える課題について学び、大都市で活躍する人材に必要な幅広い知識や実社会に対する理解を深める都市教養教育や、学生一人一人に応じたカリキュラムに基づき弾力的な修学年数の設計を可能にする単位バンク制度などについて記載してございます。
 続きまして、二ページでございます。3、学部構成とキャンパスでございますが、都市教養学部を初めとして、都市環境学部、システムデザイン学部、保健福祉学部の四学部で構成されております。それぞれの学部について、定員とキャンパス、そして学部の目的を一覧にしてございます。定員は、四学部合計で千五百十人、キャンパスは、南大沢、日野、荒川の三キャンパスが拠点となります。
 各学部に設置いたします学科、コースの詳細につきましては、三ページから六ページにかけて記載してございます。お目通しいただきたいと存じます。
 また、学部等の名称についてはいずれも仮称でございます。
 二ページにお戻りいただきまして、5、大学院の設置についてでございますが、平成十七年度の大学院構成については、現行の大学の大学院と同じ研究科構成とし、十八年度につきましては、新大学の基本理念に基づいた大学院構成に再編するため、現在検討しているところでございまして、決まり次第発表してまいりたいと存じております。
 続いて、6、新しい大学の入試についてでございますが、学力試験を中心とする一般選抜以外にも、一般選抜でははかれない能力やキャラクターに着目してきめ細かな選抜を行うAO選抜などの多様な選抜を行うこととしてございます。入学者選抜につきましては、七ページに概要を載せてございます。
 また、八ページ以降には、一般選抜における十七年度の入試科目を載せてございます。
 最後に、現行の大学の在学生の扱いでございますが、十六年度までに入学する学生につきましては、原則として現在の大学を卒業することとなります。卒業までの間は、現在の大学が責任を持って教育できるよう対応したいと考えてございます。
 以上が今回公表いたしました新大学の学部構成及び十七年度入試の概要でございます。
 続きまして、本日、東京都産業科学技術振興・基本指針を公表いたしますので、ご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第4号の東京都産業科学技術振興指針のポイントをごらんいただきたいと存じます。
 このたび、東京の産業振興と経済の活性化を目指して、全庁的に産業科学技術振興施策を推進するため、科学技術基本法に基づき、東京都産業科学技術振興指針を策定いたします。
 表の右側に主な主要施策を掲げてございますが、中ほどにございます都の重点事業でございますナノテクノロジーセンターの設立や都市エリア産学官連携促進事業につきましては、国の補助金対象事業となってございまして、申請に当たっては、東京都として科学技術振興のための指針を策定することが条件となってございます。
 今般、この指針の策定に向けまして、その基本的方向性をお示しし、都民の意見を反映させるため、資料第5号の東京都産業科学技術振興・基本指針を公表するものでございます。
 そして、都民や外部有識者の方々のご意見をいただいた後、来年二月に東京都産業科学技術振興指針を策定してまいります。
 以上が東京都産業科学技術振興指針の概要でございます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 学部構成と入試の概要についてなんですが、これと関連してということになりますが、先日、新しい理事長予定者が発表されて、学長予定者がこれからということだと思います。それぞれについて、発表された方についての経歴や都政とのかかわりなどについての概要がわかる資料をいただきたいのと、学長予定者については、いつごろまでに決定する必要があるのか、今後の見通しとしてわかるものを教えていただきたい。
 それから、大学名について、先日ちょっと質問でやりとりしたんですが、どういう名前が候補に挙がっていて、いつごろまでに決める予定なのか、これも見通しをお聞かせいただきたい。
 それから、きょうの資料の中身で、一つは、文部科学省の指導で今後変更するかもしれないというお話がありましたが、今までで、当初計画していて、国の指導で変更した点があれば、それはどこを変更してきたのか。
 それから、各学部の各コースがありますが、それぞれについて、必修、選択科目について決まっていれば教えていただきたい。
 以上です。

○東委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 それでは、ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。理事者におかれては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
 以上で大学管理本部関係を終わります。

○東委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○高島都民協働部長 一件ご報告させていただきたい案件がございます。
 お手元の資料の二枚目になろうかと思いますが、東京都青少年センターの廃止について(報告)というペーパーでございます。
 東京都青少年センターにつきましては、順序がちょっと下でございますけれども、概要にございますように、現在、江東区の青海にございまして、青少年の社会参加を促進し、その健全な育成を図るため、青少年に活動の場を提供する施設貸し出し事業や一般相談事業などを実施しているところでございます。
 この青少年センターにつきましては、類似施設でございます区部ユース・プラザの開設、それから、区市等における青少年相談事業の実態などを踏まえ、平成十三年度に実施された行政評価において、廃止が適当であるとされたところでございます。
 このたび、平成十六年三月末に区部ユース・プラザが江東区夢の島に開設されることになりまして、このことから、今後、所要の検討を進め、東京都青少年センターの廃止につきまして、平成十六年、来年になりますが、第一回東京都議会定例会に条例案を提案し、当委員会も含め本会議等でご審議いただく予定でおります。
 ご報告させていただきました。どうもありがとうございました。

○東委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対して何かご質問がありましたら、ご発言を願います。

○曽根委員 本来であれば質問をしたいところなんですが、いずれにしても第一回定例議会に議案として出されるということですので、本格的な質疑はそこでやりたいと思いますが、何点か、現時点に立って意見を述べたいと思います。
 まず第一に、なぜ、きょうわざわざ報告をして、次の定例会で議案提出かという理由として、一つは、青少年健全育成の協議会にかける必要があるということだと思います。そこの場でも、私も委員ですので意見を述べていきたいと思いますが、青少年の健全育成にかかわる重要な施設であり、きちんとした論議を踏まえて事の結論を出す必要があると思います。くれぐれも、安易な、廃止先にありきということにならないように申し上げておきたいと思います。中身は議論でやります。
 もう一つは、きょう報告して、恐らく来年の四月に廃止をしてしまうということで、直ちに予約申し込みの停止をするんだと思うんです。条例が決まってもいない段階から、予約、つまり来年四月以降の使用の許可をさせないということは、東京都の行政のあり方として、いわば条例改悪の先取りだという点で許されないということを私は指摘しておきたいと思います。
 いずれにしても、青少年センターが利用のしにくい臨海部のテレコムセンターに、わざわざ高い床賃料を破綻した赤字の三セクに払ってまで移転したいきさつを含めて、この十年来、青少年センターがいかにひどい仕打ちを受けてきたかということについては、私も徹底的に議論していきたいというふうに思いますので、そのことを申し上げ、資料をもとにした質疑は次回の定例議会に譲りたいと思います。
 以上です。

○東委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○東委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願一五第三六号の三を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高田消費生活部長 それでは、お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんください。
 二枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願います。整理番号1、一五第三六号の三、「東京都ヤミ金融対策会議」の設置、相談活動の充実、取締りの強化に関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、中央区の全国ヤミ金融対策会議代表幹事宇都宮健児さん外お二人でございます。
 請願の要旨は、ヤミ金融被害の根絶のため、都において金融機関に対し、ヤミ金融の振り込み口座として利用された疑いのある口座については、適切な調査をし、口座を凍結するなどの措置をとることを求めるものでございます。
 次に、現在の状況についてご説明申し上げます。
 最初に、東京都消費生活総合センターにおいて受け付けました相談の状況でございますが、いわゆるヤミ金融に関連する相談は、平成十四年度で五百三十一件に上っておりまして、前年度と比較して十五倍にも増加しております。十五年四月以降もその増加傾向が見られました。
 また、平成十四年度のヤミ金融、アダルト電話サービス等の相談のうち、利用した覚えがないのに料金の請求を受けるなどの不当請求、これに関する相談も、三千九百九十件と前年度の一・五倍に増加しております。
 このため、都は、東京都銀行協会と対応策を協議いたしまして、都及び区市の消費生活センターに寄せられた情報を取りまとめた上で、本年六月に十一の銀行、一つの信用金庫に対しまして、ヤミ金融と思われるものを含め、不当請求に使われた五十一の口座情報を提供し、善処を依頼いたしました。
 また、口座情報につきましては、規制や監視に活用していただけるよう、関係機関である警視庁生活安全部及び産業労働局商工部に対しまして、あわせて提供してございます。
 他方、金融庁から本年九月に各金融団体に対し、法令や公序良俗に反する行為に利用され、もしくはそのおそれがあると認められた場合等の預金取引停止または預金口座解約が迅速かつ適切に行われるよう、実効性ある取り組みを求める文書での要請がございました。
 こうした状況を踏まえまして、都は十月にさらに銀行協会に対しまして、六月分の口座情報に加えまして、新たに二十五の口座について情報提供を行ったところでございます。
 今後も、銀行口座情報の提供や連絡会議等を通じまして、金融団体及び関係機関と連携を図り、ヤミ金融を初めとする不当請求被害の未然拡大防止に努めてまいる所存でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 この請願は、私どもの文教委員会が審議の初日になりますが、その大部分の項目、六項目はあすの経済・港湾委員会、さらには、二項目ぐらいが警察・消防委員会というふうに、三つの委員会に分かれて審議をされるという非常に特殊な審議の経過をたどることになって、文教委員会、最初のこの委員会での結論と次の委員会での結論が違った場合どうなるかということを含めて、非常に複雑な議会の対応の問題があるということを最初に指摘しておかなければなりません。
 私ども日本共産党としては、この請願全体の問題提起に対しては、当然これは趣旨を酌み取るべきだという立場です。いうまでもないことですけれども、最近、ヤミ金の帝王といわれた人物の逮捕、さらには、法的に認められているサラ金業者でさえ、盗聴行為などで幹部の逮捕になるかというふうにいわれている事態であります。したがって、金融業界、特にサラ金、ヤミ金にかかわるさまざまな社会的な弊害が叫ばれている中で、その被害を受けた方々の被害救済、未然防止を訴える請願には、全面的にきちんとこたえようという姿勢がまず議会としては大事だと思います。
 その上で、本文教委員会にかかわっている項目についてですが、この趣旨は、「口座を凍結するなどの措置を採ること」とありますが、もちろん東京都には口座を凍結する行政の権限はありませんし、むしろこれは、国の法的な措置や、また、それを前提とした銀行業界の自粛もしくは自己規制に強く求めていかなきゃならない問題だと思います。
 そのために、都民の相談がまず入ってくる窓口を持っている東京都の消費生活総合センター、こういうところが受けた情報や被害の連絡を国や関係機関に提供する。全体としては、ヤミ金の口座凍結も含めて、業界と行政が一体となってこういう業者を締め出していく。で、被害者を生まないという対策をとることが、この九項目めの本委員会への請願の趣旨だと思います。
 そういう意味では、私は、当然これは趣旨を生かした採択をすべきだというふうに考えますが、あしたからの委員会の審議もありますので、大部分の項目を審議するあすの経済・港湾委員会を初めとした委員会に最終的な結論をゆだねるという意味で、この委員会では保留をするということでいいのではないかと思います。
 以上です。

○福士委員 私も、ちょっと意見だけいわせていただきます。
 この請願者のお気持ちは理解できますし、現状の問題点の大きさも一応理解をしておりますし、把握をしているつもりでおります。ただ、消費者担当が直接口座凍結などの措置をとることにはちょっと無理があるかなというふうに私は思います。
 十月十七日に朝日新聞に、「ヤミ金口座 起訴前に凍結」という記事が出ておりました。これを拝見しますと、神奈川県警の請求で横浜地裁が業者と銀行に没収保全命令を出して、起訴前に貸金業者の口座を事実上凍結したというものです。
 こういう例もありますので、ご説明もありましたように、金融団体及び関係機関と連携を図って未然拡大防止を努力されるということは、私もぜひぜひ要請をしておきたいと思います。ただ、権限外のことまで権限を広げていいものと悪いものがあると私は思っておりますので、この件に関しては、最初に申し上げたように、口座を凍結するなどの措置については願意に沿いがたいというふうに思いまして、これは私は不採択としたいと思いました。
 以上です。

○東委員長 ほかに発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 それでは、発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、本日のところは保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第三六号の三は、本日のところは保留といたします。

○東委員長 次に、陳情一五第五一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中澤私学部長 一五第五一号、ミューズ音楽院等による専修学校設置基準等違反の是正に関する陳情についてご説明申し上げます。
 説明表の二ページをお開きいただきたいと思います。
 陳情者は、専門学校ミューズ音楽院労働組合代表境田雅之さんでございます。
 陳情の要旨は、渋谷区にあるミューズ音楽院及びミューズ・モード音楽院の専修学校設置基準等違反の是正に関するものでございますので、現在の状況についてご説明申し上げます。
 東京都では、専修学校に関する事務のうち、学校に対する指導等につきましては、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例に基づきまして特別区が処理することとなっており、同様の陳情が渋谷区議会にも提出されております。
 本陳情のうち東京都が所管する事務は、設置者である学校法人に関することであり、本趣旨にある全十一項目のうち、9の融資に係る負債額についての部分のみが該当いたします。
 準学校法人が融資を受けられるのは、負債額が準学校法人の総資産の三〇%以内とされておりまして、この負債基準を充足させる必要があるので、渋谷区の所管であるその他の事項とあわせまして連名で文書による指導を行うなど、区と協力をして指導を行っているところでございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○福士委員 なかなか難しい問題ですが、学校法人設立の認可後に都で行っているチェック体制というか、チェック内容についてちょっとお伺いいたします。

○中澤私学部長 学校法人設立認可後の法人に対するチェック内容についてでございますけれども、これは、法令で定められました変更等があった場合に、認可申請や届け出がなされることになっております。認可事項といたしましては、寄附行為の変更、法人の合併、解散などでございまして、届け出事項としては役員の変更などが定められておるところでございます。

○福士委員 済みません、一遍にいってしまえばよかったんですが、関連して、それじゃ、区ではどういうふうになっていますでしょうか。

○中澤私学部長 区の方は学校にかかわるものでございますけれども、区の方では、認可事項では、学校の目的や設置者等の変更、課程の設置、廃止など、あるいは届け出事項では、学則の変更や校地、校舎の変更などがそれに当たっております。

○福士委員 そうすると、チェック体制も割と書類的なものが多かったりとかということで、なかなか踏み込んだチェックができないみたいですが、もし届け出書に改ざんがあった場合、そういうときは改善策というのはどうなるんでしょうか。

○中澤私学部長 法人から認可申請や届け出があった場合には、その書類を審査した上で、認可や届け出の受理を行っているところでございます。
 しかし、今ご指摘がございましたような、届け出書類が改ざんをされていたり、あるいは届け出そのものがなされない場合などにつきましては、法律上、立入調査等の権限もありませんので、なかなか実態が把握できないというのが実情でございます。

○福士委員 権限的なものが余りない中で難しい問題が出てきているので、この陳情が出されたんだというふうには思いますけど、そうしますと、項目11について、人命にかかわる問題ですから、この避難口に関しては消防庁による立入検査とか、そういうことはできるんじゃないかと思いますけど、その辺はいかがでしょうか。

○中澤私学部長 項目11の避難口の話でございますけれども、これにつきましては学校に関することでございますので、学校を所轄する渋谷区から管轄の渋谷消防署に情報を提供しておられまして、消防署において改善指導を行っているというふうに伺っております。

○福士委員 まあ、立入検査といっても検査の目的が違うので、ちょっとどうなのかなという気はしないでもないんですけれども、なかなか立入検査ができないから、違法の建物が建っていたり、あるいはそれを届けと違う形で利用されていたりしても、なかなか見えにくいというところがあるというのはわかったんですが、ただ、立入検査の情報があれば、この請願項目の5から10に関しては、陳情がなくても早い段階で申し入れができたんじゃないのかなというふうに思ったんですが、それはとても難しいことなんですかね、ちょっとばかげた質問で申しわけないんですけれども。

○中澤私学部長 状況把握、これは、今のお話は学校のことでございますので、基本的には渋谷区が対応するということでございます。したがいまして、今、私が明確に把握をしているわけではございませんが、一般論的に申し上げますと、情報を把握すれば、それに従ってできることは直ちに対応するというのが基本的なやり方でございますし、このミューズ音楽院等につきましても、従来から苦情等がございまして、それに対しては一々対応してきたところでございます。

○福士委員 前にも、よその学校でもこういう、内容は違いますけれども、問題のある学校があって、なかなか立入検査ができないので難しいというお話も、今までも伺ったことがございます。
 学校というのは、今まで何か性善説みたいなところがあって、学校だからいいことをしているであろうというもとに、今までの制度ができ上がっているんだというふうに思いました。しかし、今やもう学校性善説に頼ってばかりもいられないんじゃないのかなという気はしないでもないですね。今も、区と共同されて頑張っておられるところですけれども、今後ともさらに努力していただいて、学生たちに余りしわ寄せが行かないように、それから、先生方も問題をいっぱい抱えていらっしゃって大変かなということもありますので、よい結果になることを期待いたしまして、もうしばらく経過を見させていただきたいとは思いますが、精いっぱいご努力をしていただきたいなというふうに思います。
 その意味では、私はもう趣旨採択にさせていただきたいところですが、保留というふうにさせていただきます。

○東委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、本日のところは保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第五一号は、本日のところは保留といたします。

○東委員長 次に、陳情一五第五五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高田消費生活部長 それでは、お手元の請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
 整理番号3、一五第五五号、消費者保護基本法の抜本的改正を求める意見書の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、中野区の生活協同組合コープとうきょう組合員委員会代表河野恵美子さんでございます。
 陳情の要旨は、消費者保護基本法の改正に関し、国に意見書の提出を求めるものでございます。
 内容といたしましては、1、消費者の権利を明記すること、2、消費者団体訴訟制度を導入するための根拠となる規定を盛り込むこと、3、関係省庁に対する勧告等を含めた消費者政策の総合的かつ一元的な推進を図る観点から、消費者政策の推進体制に関する規定について所要の見直しを行うことでございます。
 次に、現在の状況についてご説明申し上げます。
 まず、国の動きでございますけれども、国は、国民生活審議会消費者政策部会の最終報告、二十一世紀型の消費者政策の在り方を受けまして、本年七月、消費者保護会議におきまして、消費者保護基本法の見直し、消費者団体訴訟制度の導入の検討及び消費者保護会議の改革などを決定しております。
 そして、現在、消費者保護基本法の見直しの具体化につきまして、国民生活審議会消費者政策部会が検討を行っており、都も委員として審議に加わっております。
 次に、都の対応についてでございますが、都は、消費者行政を行う地方自治体としての立場から、本年九月、内閣府に対しまして、消費者保護基本法の見直しに向けて、要望、意見を提出しております。
 要望、意見のうち本陳情に関する内容といたしましては、一、消費者の権利を掲げ、その実現に向けて行政が施策を展開するとともに、事業者、消費者がそれぞれの責務を果たすことを規定する。二、消費者問題は、広域化、専門化しているため、消費者団体の果たす役割は大きく、解決に向けた取り組みに関する規定を設ける。三、法の実効性を確保するために、国の施策の企画、推進のみならず、調整権を付与した消費者行政の推進体制の整備について規定するでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 この基本法をつくるということに関して今意見が求められていて、東京都や、また我々議会も含めた都民全体にも問題が投げかけられているというふうに認識していますが、これに先立って、既に一昨年から昨年にかけて消対審の方でも、東京都の施策にかかわって、消費者被害をどう救済していくのかという議論がありました。そこで議論もされ、私も主張したことが、いわば今回陳情を出された三つの点に集約できるかと思います。
 一つは、今日の消費社会の拡大の中で、商品情報に関して、消費者とメーカーの側には決定的な知識、情報の差があるという現実を踏まえるならば、やはり消費者の権利確立と同時に、知る権利も含めた情報を受け取る権利をきちんと保障するということも含めた消費者の権利を明記することが重要であること。
 それから二つ目に、やはり消費者の代表や、またその運動の中でつくられてきた団体の活動がある意味で非常に重要であって、そういった団体の活動に行政としても一定の支援もしながら、メーカー側のさまざまな宣伝や、また虚偽のさまざまな商法が出た場合に、これを防止するといいますか、被害を防ぐための活動強化にこの団体の活動を大いに生かしていく必要があるということ。
 それから三つ目に、国や東京都、特に東京都の行政の権限、あっせんし、いろんなトラブルを解決する権限を強めていくこと。
 以上の三点について、その審議会の中でも確認をされてきたことだと思います。そういう点では、国の法律の中にもこうした趣旨が明確に書き込まれることは大いに奨励すべきだし、本委員会としても、制定に向けて今後努力していくということも必要だと思いますので、この陳情については採択をしていただくようにお願いしたいと思います。

○山口委員 私も同じく、この第五五号の陳情に対しまして、趣旨採択する立場から一言だけ意見を述べさせていただきます。
 ここにも書かれていますように、本当に今、消費者に対してのさまざまな問題が勃発していますし、それから、特に私たち生活者ネットワークは食の安全ということをずっと活動の基本にしているんですけれども、食品に関しましても、いわゆるBSEが発生したとき以来の不当表示ですとか、それから輸入野菜の残留農薬ですとか、そのほかさまざまな食品添加物の問題とか、この二年間でありとあらゆるものが出てきて、本当に今、国民の八割近くが食の生活なんかにも不安を覚えているというような状況の中で、ぜひ国の法改正の中に消費者の権利というものをきちんと盛り込んでいかなければ、なかなかこれは確立していかないのではないかということで、私たちもずっと主張してきましたので、ぜひ当委員会としてもこの意見書を提出することを私も強く希望して、特にこの消費者の権利を守るということを主張したいと思っておりますので、ぜひ採択をしていただきたいと思います。

○福士委員 私も、趣旨採択の立場からちょっと意見を述べさせていただきます。
 消費者権利の明記は当然のことでありますが、二番目の陳情項目に載っております消費者団体訴訟制度というの、これは非常に重要だというふうに私は考えております。国民生活審議会の最終報告でも、EUなどの例を挙げて、消費者団体訴訟制度は消費者政策において重要な意味を持つようになってきている、このように述べられております。
 昨年、私はヨーロッパの消費者行政をちょっと見てまいりましたけれども、EU全体でも消費者団体訴訟制度というのが非常に重要視されていたように思いました。ドイツの消費者センター連合会で伺ってまいりましたが、被害者保護ではなくて、被害が起きないための保護政策の一つとして団体訴訟権を行使していたように思われました。
 今、オンラインショップや健康関係のもの、食品に限らず、あるいは今お話がありましたように食料品の品質管理の問題など、問題は日本と同じようなことがあちらでも起きておりまして、一九六六年以来昨年までに約三百件ぐらいの訴訟を起こしているわけですけれども、勝訴したのが九〇%ということ。あとの一〇%は敗訴はしているんですが、これについては、消費者に対して問題点を公にするためにあえて訴訟したというようなお話も伺ってまいりました。
 それで、きちんとした訴訟費用も予算化されておりまして、ぜひ消費者被害の予防的観点を踏まえて、予算化も伴うような、そういう形のものをつくってほしいということを要望して、賛成をいたします。

○東委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第五五号は趣旨採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十一分散会

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