文教委員会速記録第十五号

平成十五年十月二日(木曜日)
第三委員会室
午後一時六分開議
 出席委員 十四名
委員長渡辺 康信君
副委員長服部ゆくお君
副委員長河西のぶみ君
理事執印真智子君
理事中嶋 義雄君
理事遠藤  衛君
福士 敬子君
野島 善司君
相川  博君
石川 芳昭君
小美濃安弘君
山本賢太郎君
曽根はじめ君
大西 英男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長山口 一久君
管理部長飯塚 宏子君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長鮎澤 光治君
総務部長比留間英人君

本日の会議に付した事件
 議案の撤回について
 ・第百九十四号議案 都立目黒地区中等教育学校(仮称)(十五)増築及び改修工事請負契約
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百八十一号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○渡辺委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、理事者から発言を求められておりますので、これを許します。

○横山教育長 今定例会でご調査いただきました第百九十四号議案、都立目黒地区中等教育学校(仮称)(十五)増築及び改修工事請負契約につきましては、昨日、契約の相手方でございます日本国土・森本建設共同企業体から、契約辞退の申し出がございましたため、仮契約を解除し、本議案を撤回させていただくことになる旨、財務局より通知がございましたので、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
 なお、撤回いたしました工事につきましては、再度必要な契約手続を行いまして、次回の平成十五年第四回定例会に提案させていただく予定でございます。よろしくお願い申し上げます。

○渡辺委員長 発言は終わりました。

○渡辺委員長 次に、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書二件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

私立学校助成に関する意見書(案)
 私立学校に対する助成について、国は平成六年度に、私立高等学校等経常費助成費補助金を削減し、地方交付税で措置する一般財源化を行った。私学助成の一般財源化は、私立学校振興助成法の精神にもとるのみならず、教育水準の地域的不均衡の要因ともなるものである。特に、財政再建途上の東京都においては、地方交付税の不交付団体であることも相まって、影響が非常に大きく、看過することはできない。
 私立学校は、建学の精神に基づき、個性的で特色のある教育を展開し、公教育の発展に先導的な役割を果たしている。しかし、近年の少子化の進行や長引く景気低迷の中にあって、保護者が負担する教育費の公私格差が拡大したままの状態で推移するなど、私立学校を取り巻く環境は、極めて厳しい状況にある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成十六年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
二 授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。
三 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金を充実すること。
四 私立高等学校等IT教育設備整備推進事業を拡充強化すること。
五 私立高等学校生徒に対する奨学金の拡充を図ること。
六 私立専修学校専門課程に対する助成を充実するとともに、高等課程に対する国の補助制度の新設及び第三者評価制度の創設に対する支援を行うこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十五年十月 日
        東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

義務教育費国庫負担制度の堅持等に関する意見書(案)
 義務教育費国庫負担制度は、国と地方自治体との役割分担の下に、教育の機会均等とその水準の維持向上を図る制度として定着しており、現行教育制度の重要な根幹をなしているものである。
 しかし、政府は、従来から義務教育費国庫負担制度の見直しを進めており、加えて東京都に対しては、地方交付税の不交付団体であることを理由に、義務教育費国庫負担金について財源調整を行ってきた。
 さらに、平成十五年六月二十七日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」では、教職員の退職手当、児童手当等に係る国庫負担金の取扱いについては平成十六年度予算編成までに結論を得るとし、現在、国庫負担対象経費の見直しによる負担額の大幅な縮減、廃止等が検討されている。国の財政事情による地方への一方的な負担転嫁は、厳しい状況にある都財政の運営に重大な影響を与えるだけでなく、義務教育の円滑な推進に大きな影響を及ぼすものである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
二 義務教育教職員給与費等国庫負担金における財源調整措置を廃止すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十五年十月 日
        東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

○渡辺委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、そのほかの意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○渡辺委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査、調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 第百八十一号議案に対する日本共産党の意見を述べます。
 本議案は、来年四月開校予定の五つの都立学校の設置を条例に加えるものですが、いずれも九七年以来の都立高校統廃合計画の一環であり、複数の全日制もしくは定時制高校の統廃合を伴うものです。
 我が党は、昨年十月に最初の実施計画が出されました都立高校改革推進計画については、全体で二十八校の学校削減、夜間定時制高校の半減など、都民の願う都立高校の目指すべき方向と大きく乖離するものであり、その撤回と、都民参加による再検討を求めています。
 本議案も、五校いずれも新設といっても、多くの全日、夜間の学校廃止と直結したもので、単独の新設はありません。したがって、我が党は、百八十一号議案には反対をいたします。
 以上です。

○福士委員 第百八十一号議案について。
今回の条例の一部改正は、高等学校の位置指定ではありますけれども、各校それぞれ高等学校統廃合の結果としての設置でございます。
 それで、統廃合のあり方については、多くの生徒、保護者からの疑問あるいは問題提起を解決することなく強引に推し進めた結果であり、反対をいたします。
 以上です。

○渡辺委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百八十一号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十一号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○渡辺委員長 次に、遠藤理事から発言を求められておりますので、これを許します。

○遠藤委員 去る二十九日の文教委員会での質疑に関する共産党機関紙の「赤旗」の報道について一言申し上げさせていただきます。
 私は、今回の大学改革が五十年に一度の大改革であり、それには痛みが伴うことはやむを得ないが、現大学の学生などに対しては、不安をあおることなく、きちんと説明することを求めたものであります。
 これに対し、大学管理本部は、新学期の始まる九月三十日から十月一日に各大学において、現在の学生の教育には責任を果たしていく旨の文書を掲示するなど、迅速な対応を行ってきました。
 しかしながら、都立大学人文学部のみが抗議声明を掲示し、引き続き学生の不安をあおっています。我々のところに届く意見等も人文学部関係がほとんどで、その特異な状況についても委員会の中で明らかにしたところであります。
 しかし、「赤旗」は、何の取材もなく、私の質疑の一部だけを引用し、私の名前を使って、あたかも共産党の主張と同じであるがごとき報道を行いました。これは、事実を不正確に伝えたものであり、二度とこのようなことが行われないよう、強く意見を表明しておきます。

○渡辺委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、閉会中に会議規則第六十条の規定に基づき委員の派遣が必要となった場合は、その取り扱いを委員長にご一任いただきたいと思います。ご了承願います。

○渡辺委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、横山教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○横山教育長 所管三局を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきましてご審議をいただきまして、まことにありがとうございます。
 ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご要望を踏まえまして、これからの事務事業の執行に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも引き続きまして、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○渡辺委員長 発言は終わりました。
 この際、私からもごあいさつを申し上げたいと思います。
 この一年間、副委員長を初め、理事の皆さん、そしてまた委員の皆さんから大変ご協力いただきまして、本当に心からお礼を申し上げたいと思います。
 また、理事者の皆さんにおかれましても、いろいろと長い間お世話になりまして、ご協力いただきましたことに心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 教育の改革のあり方の問題、あるいはまた文化振興のあり方の問題等々につきましては、広く都民からいろいろなご意見が寄せられているところでもございます。これからも、理事者の皆さんを初め、また議会におかれましても、入れかわりはございますけれども、引き続きこの教育の改革のあり方、あるいは文化振興のあり方について熱心な議論をしていただきますことを心から願ってやみません。
 いろいろと本当に長い間ご協力いただきましたことに心から改めてお礼を申し上げて、ごあいさつとさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十五分散会

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