文教委員会速記録第一号

平成十五年一月三十日(木曜日)
第三委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長渡辺 康信君
副委員長服部ゆくお君
副委員長河西のぶみ君
理事執印真智子君
理事中嶋 義雄君
理事遠藤  衛君
福士 敬子君
小美濃安弘君
野島 善司君
相川  博君
石川 芳昭君
大西 英男君
曽根はじめ君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長鎌形 満征君
管理部長飯塚 宏子君
調整担当部長久保  大君
改革推進担当部長菊地 輝雄君
参事清水 克則君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
広報広聴部長佐藤  広君
都政情報担当部長二ノ宮 博君
文化振興部長荒川  満君
都民協働部長中島 建夫君
交通安全対策担当部長脇  憲一君
心の東京革命推進担当部長島田幸太郎君
私学部長中澤 正明君
消費生活部長高田 茂穗君
参事金子 良江君
参事保持眞二郎君
参事奥秋 彰一君

本日の会議に付した事件
 請願の取り下げについて
 大学管理本部関係
  第一回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 大学管理本部所管分
  ・平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 大学管理本部所管分
  ・東京都立大学条例の一部を改正する条例
  ・東京都立科学技術大学条例の一部を改正する条例
  ・東京都立保健科学大学条例の一部を改正する条例
  ・東京都立短期大学条例の一部を改正する条例
  陳情の審査
  (1)一四第八九号 都立新大学の昼夜開講制の採用等に関する陳情
 生活文化局関係
  第一回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
  ・平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 生活文化局所管分
  ・東京都情報公開条例の一部を改正する条例
  ・特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
  ・東京都男女平等推進基金条例を廃止する条例
  ・東京都国際平和文化交流基金条例を廃止する条例
  報告事項(説明)
  ・「心の東京革命行動プラン」の改定について
  ・東京国際フォーラムの民営化について
  ・(財)東京都私立学校教育振興会と(社)東京都私学退職金社団の統合について
  請願の審査
  (1)一四第一七三号 すべての子どもに豊かな高校教育を保障することに関する請願
  (2)一四第一七六号 すべての子どもたちへの行き届いた教育と心の通う学校づくりに関する請願
  (3)一四第一七七号 私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額に関する請願
  (4)一四第一八七号 ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願
  (5)一四第一七五号の一 食品安全確保政策の充実に関する請願
  (6)一四第一八三号 「青少年健全育成条例」の一部改正等に関する請願

○渡辺委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、請願の取り下げについて申し上げます。
 請願一四第一八四号につきましては、お手元配布のとおり、議長から取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○渡辺委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、大学管理本部及び生活文化局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに生活文化局関係の報告事項の聴取並びに大学管理本部及び生活文化局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 また、平成十五年度から健康局へ移管予定の生活文化局所管の食品表示指導業務関係予算につきましては、健康費に計上されておりますが、現時点では事業移管前ですので、この部分の審査については、生活文化局関係の際、審査していただきたいと思いますので、ご了承願います。
 これより大学管理本部関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○鎌形大学管理本部長 平成十五年第一回都議会定例会に提出を予定いたしております大学管理本部関係の案件につきまして、ご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、予算案二件、条例案四件の合わせて六件でございます。
 それでは、初めに、平成十五年度大学管理本部所管の一般会計予算案につきまして、お手元の資料第1号、平成十五年度一般会計予算説明書に基づきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと思います。総括表でございます。
 歳出予算の提案額でございますが、平成十五年度予算の見積もりに関する副知事依命通達に基づきまして、できる限りの事務執行の効率化に努めまして、諸経費の削減を行うとともに、平成十七年度に予定いたしております新しい大学の開設に向けての必要経費を計上させていただきました。その結果、この表の中ほどにございますように、総額で二百二十二億八千七百万円となりまして、平成十四年度当初予算に比べますと、金額で八億九千六百万、率にして四・二%の増となっております。
 これを事業別にご説明させていただきます。
 まず、大学管理費でございます。これは、当本部が重要施策として取り組んでおります大学改革の推進に係る経費などを計上したものでございまして、提案額は三十九億一千三百万円で、前年度と比べて二十四億七千五百万円の増となっております。これは後ほど管理部長から詳しくご説明申し上げますが、その大半は、新しい大学において基礎教養教育を充実するために必要な施設と、大学院に先端科学技術研究科を新設するために必要な施設整備に要する経費でございます。このほか、新大学の法人化に向けての準備的経費や産学公連携推進拠点の整備経費などを計上いたしております。
 次に、都立大学費でございます。これは都立大学の運営に係る経費でございまして、提案額は百二十九億九千七百万円でございます。前年度と比べて十三億円余りの減となっておりますが、これは、外部資金研究費を大学管理費に組み替えたことによる減と、給与改定等に伴う職員費の減などによるものでございます。
 なお、都立大学費には、四月に都庁舎を活用して開設いたしますビジネススクールと、十六年度に開設を予定しております法科大学院、ロースクールの準備に要する経費を計上いたしております。
 次に、科学技術大学費でございます。これは科学技術大学の運営に係る経費でございまして、提案額は十八億六千万円でございます。
 続きまして、保健科学大学費でございますが、これは保健科学大学の運営に係る経費でございまして、提案額は二十億八千八百万円でございます。ここには、十六年度に予定いたしております大学院博士課程の開設準備経費を計上いたしております。
 最後に、短期大学費でございますが、これは都立短期大学の運営に係る経費でございまして、提案額は十四億二千九百万円でございます。
 以上の事業に充てます特定財源といたしまして、授業料などの使用料及び手数料、国庫支出金、寄附金、諸収入並びに都債を合わせまして、七十一億七千二百万円余りを見込んでございます。
 差引一般財源の充当額は百五十一億一千四百万余りでございます。
 また、一番下の債務負担行為でございますが、先ほどご説明申し上げました新大学の施設建設にかかわるものでございまして、事業が十六年度にまたがるため、四十四億八千七百万余りを設定したものでございます。
 以上が平成十五年度の大学管理本部の一般会計予算案の概要でございます。
 続きまして、当本部関連の平成十四年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。お手元の資料第2号、平成十四年度大学管理本部所管補正予算説明書の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 今回ご提案申し上げます補正予算は、給与改定等に伴う給与費を更正するためのものでございまして、歳出を二億三千三百万余り減額するものでございます。減額が各項にわたるため、人件費の一番大きな都立大学費に一括して計上させていただきました。提案額の補正後の平成十四年度歳出総額は二百十一億五千七百万余りとなります。
 続きまして、今回改正をお願いいたします条例案でございます。
 お手元に、資料第3号、条例改正の議案、それから第4号、平成十五年第一回都議会定例会提出予定条例案の概要をお配りさせていただいております。
 条例案は、都立の四つの大学条例の一部を改正するものでございまして、いずれも各大学の研修料等の額を改定するものでございます。
 以上、大学管理本部が提出を予定しております予算案並びに条例案の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては管理部長からご説明申し上げます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○飯塚管理部長 ただいま本部長からご説明申し上げました、平成十五年度の予算案並びに都立の各大学条例の一部を改正する条例案の詳細につきましてご説明させていただきます。
 まず最初に、平成十五年度の予算案でございます。お手元の資料第1号、平成十五年度一般会計予算説明書をお開きいただきたいと存じます。
 一ページは、先ほど本部長よりご説明申し上げました総括表でございます。
 二ページから五ページにかけましては、これから順次ご説明いたします各事業別の提案額と財源内訳等とを記載した概要一覧でございます。
 六ページをお開き願います。最上段に事業名、その下に、左から十五年度提案額、十四年度予算額、増減額を記載し、表の中段からは説明欄になっております。
 まず番号1、大学改革の推進でございます。
 歳出予算として、大学管理費の管理費八億三千八十八万余円を計上しております。前年度に比べ一億八千九百五十九万余円の減となっております。その理由は、事務情報システムの再構築に係る開発委託経費などの減によるものでございます。
 説明欄の2の事業規模でございますが、(1)の職員定数は、大学管理本部の管理部の定数でございます。
 説明欄の3の経費内訳でございますが、(1)の職員費は、大学管理本部の管理部職員の給料その他の経費で、三億六千七百九十五万円でございます。
 (2)の一般管理経費は、大学管理本部全体の再雇用職員報酬のほか、管理部の管理事務等に要する経費で、二億八千三百四十三万余円でございます。
 (3)の大学改革の推進は、一億七千九百五十万余円でございます。
 アの産学公連携推進拠点の整備は、都が現在進めている大学改革の柱となる重点事業の一つでございますが、都立の大学が核となって、大学と中小企業等とのネットワークを構築し、産学公の連携を推進するための拠点を整備していくもので、十七年度の本格稼働を前に準備室を立ち上げまして、大学の研究シーズと企業ニーズのマッチングを図るコーディネーターの配置などを進めます経費でございまして、提案額は二千五百万円でございます。
 イの公立大学法人化による大学運営の革新は、これも大学改革の大きな柱でございます都立の大学にふさわしい法人化の実現のために、学長予定者を選任し、第三者評価を試行的に導入し、法人化後に備える経費でございまして、提案額は三千万円でございます。
 ウの生涯学習支援は、都立の四大学が共同で実施する四大学共同公開講座等や、学習意欲の高い都民に一般の学生と同じ授業を低廉な聴講料で提供する社会人聴講生などで、合わせて二千百十二万余円でございます。
 エの事務情報システムの再構築は、都立の四大学の再編統合による新たな大学の設置に向け、教務などの事務情報システムの再構築を行うもので、提案額は九千四百五十五万余円でございます。
 オの新大学入試準備は、新たな大学で実施を予定してございますAO入試など、多様な入試事務を処理するシステムの構築を行うものでございまして、新大学の入試の準備経費として、提案額は八百八十一万余円でございます。
 六ページの下段には、大学管理費の管理費に係る特定財源一千七百七十二万余円の内訳をお示ししてございます。
 次に、七ページをお開き願います。番号2、外部資金研究費等でございます。
 大学管理費の研究奨励費は、都立の大学における産学共同研究や受託研究など、民間企業等の外部資金を受け入れて研究を実施する経費でございまして、六億七千九百三十一万余円でございます。
 特定財源は、産学共同研究費に係る研究料、提案公募型研究費や受託研究費などに係る受託事業収入等の諸収入でございまして、合わせて七億一千百五十一万余円でございます。
 前年度まで各大学費に計上しておりました提案公募型研究及び研究補助金間接経費につきましては、実績を精査するとともに、外部資金による研究費として大学管理費に組み替えて、ここに一括計上させていただいております。
 八ページをお開き願います。番号3、新たな大学の施設整備でございます。
 大学管理費の施設整備費として二十四億二百七十九万余円を計上しております。これは、十七年度に設置する新たな都立の大学の施設として、詳しくは後ほどご説明いたします二六ページの債務負担行為に規模等を掲げてございますが、文系、理工系の教養基礎教育校舎二棟と先端科学技術系校舎などの建設や改修に係る経費でございます。東京都大学改革大綱に示した基礎教養教育の充実や先端科学技術研究科を新設するために必要な施設を建設するものでございます。
 新大学では、入学定員を千五百人で計画し、そのうち一年次の基礎教養などの学部教育は南大沢キャンパスに一元化することとしたため、既存施設を最大限活用してもなお、これらの施設が必要となるものでございます。
 特定財源といたしましては、都債十六億六千三百万円を計上してございます。
 次に、九ページをお開き願います。番号4、都立大学の管理運営でございます。
 都立大学費の管理費として百十九億千二百六十八万余円を計上しております。前年度に比べ六億二千八百九十七万余円の減でございます。その主な理由は、給与改定等による職員費の減などによるものでございます。
 特定財源は、授業料、入学考査料などの使用料及び手数料と入学料などの諸収入でございまして、三十一億八千三百十九万余りとなっております。
 続きまして、説明欄の2の事業規模でございます。
 (1)の学部学生数の予算総定員は四千二百九人、一学年の入学定員は千人でございます。
 (2)の大学院学生数の予算総定員は千二百五十八人、一学年の入学定員は五百六十九人でございます。
 (3)の教職員の定数は八百十人でございます。
 続いて、一〇ページをごらんくださいませ。(4)、入学志願者予定数は、学部、大学院などで九千三百三十人を見込んでおります。
 続きまして、3の経費内訳のうち、(1)の職員費は、都立大学教職員の給料その他に要する経費で、八十四億四千九百五十六万余円でございます。
 (2)の管理費は、都立大学の管理運営に要する経費で、三十四億六千三百十一万余円でございます。
 その内訳として、アの一般管理経費は、都立大学の管理事務等に要する経費で、一億六千六十九万余円でございます。
 イの非常勤講師報酬等の教員経費は四億四千七百二十四万余円でございます。
 ウの学生教育用経費は、実験実習費など学生の教育に充てる経費で、三億八千九百九十三万余円でございます。
 エの図書館・情報処理等に要する経費は、大学図書館の運営及び教育研究用の大型コンピューター等の運用に要する経費でございまして、八億九千三百八万余円でございます。
 オの校舎維持管理経費は、建物維持に係る委託料や光熱水費など十四億三千八十七万余円でございます。
 カの入学考査経費は、学部及び大学院等の入学考査に要する経費でございまして、六千九百三十万余りでございます。
 キのビジネス・スクールは、国際的に活躍できるビジネスリーダーや起業家を養成する、都立大学の新たな大学院で、都庁舎をキャンパスとして本年四月の開設を予定しております。前年度は大学管理費で計上いたしておりましたが、実施部門であります都立大学費に組み替えて、二千三百二十二万余りを計上しております。
 クの法科大学院も、大学改革事業の一環といたしまして、二十一世紀の司法を担う、質量ともに豊かな法曹を育成するための新たな大学院でございまして、平成十六年四月に都立短期大学晴海キャンパスで開設することを予定してございます。十五年度提案額は開設準備に至る経費でございまして、四千八百七十五万余円でございます。
 続きまして、4の特定財源の内訳でございますが、その主なものといたしましては、(1)の使用料及び手数料の中のア、授業料二十六億一千二十二万余円、次の一一ページの中ほどにございますが、キの入学考査料一億六千三百五万円並びに(2)の諸収入の中のア、入学料二億七千八百十九万余円などでございます。
 一二ページをお開きくださいませ。番号5、都立大学の研究奨励でございます。
 都立大学費の研究奨励費九億三百二十二万余円で、前年度に比べまして六億五千五百七十三万余円の減となっております。大幅に減じておりますのは、先ほどご説明申し上げましたように、前年度予算のうち、提案公募型研究と研究補助金間接経費とを大学管理費に組み替えたためでございます。
 2の経費内訳のうち、(1)、研究奨励は八億七千三百五万余円でございます。このうちアの教員の研究奨励費は、都立大学の研究機能を維持発展させるための経常的研究費でございまして、七億七千三百五万余円でございます。
 イの総長特別研究費は、社会ニーズの高い研究や先端的研究などについて学内で公募を行い、研究費の重点配分を行うもので、一億円でございます。
 (2)の都市研究費は、都立大学の都市研究所で行っております都市問題に関する研究に要する経費でございまして、提案額は三千十六万余円でございます。
 一三ページをお開き願います。番号6、都立大学の施設整備でございます。
 これは、既存施設の改修や高額備品の購入など、教育研究環境の整備に必要な経費でございまして、一億八千百九万余円を計上しております。前年度に比べ千九百二十九万円余りの減となっております。
 2の経費内訳のうち、(1)の国庫補助事業が四千二百九十六万余円、(2)の都単独事業が一億三千八百十二万余円となっております。
 なお、特定財源は国庫支出金千七十四万余円でございます。
 次に、一四ページをお開き願います。番号7、科学技術大学の管理運営でございます。
 以降の各大学に係る事業につきましては、事業内容が都立大学とほぼ同じ構造でございますので、提案額を中心にご説明をさせていただきます。
 科学技術大学費の管理費は十七億五千四百三十七万余円でございまして、前年度と比べ八千四百六十八万余円の減となってございます。
 特定財源は五億九千百九十万余円でございます。
 続きまして、説明欄の2の事業規模でございます。
 (1)の学部学生数の予算総定員は七百二十人、一学年の入学定員は百八十人でございます。
 (2)の大学院学生数の予算総定員は二百十六人、一学年の入学定員は百二人でございます。
 (3)の教職員の定数は八十六人でございます。
 (4)の入学志願者予定数でございますが、学部、大学院などで千五百七十九人の志願者を見込んでおります。
 一五ページをお開き願います。3の経費内訳のうち、(1)の職員費は九億五千六百五十五万余円でございます。
 (2)の管理費は、科学技術大学の管理運営に要する経費で、七億九千七百八十一万余円でございます。
 一六ページをお開き願います。番号8、科学技術大学の研究奨励でございます。
 研究奨励費八千二十四万余円でございまして、前年度に比べ千八百九十四万余円の減となっております。これは、都立大学費と同様、大学管理費への組み替えを行っているためでございます。
 一七ページをお開き願います。番号9、科学技術大学の施設整備でございます。
 施設整備費二千五百三十八万余円でございまして、前年度に比べまして三千百三十六万余りの減となっております。
 2の経費内訳は、(1)の都単独事業が二千五百三十八万余円となっております。
 次に、一八ページをお開き願います。番号10、保健科学大学の管理運営でございます。
 管理費十九億七千二百七十万余円でございまして、前年度に比べ二千六十万余円の減となっております。
 特定財源は五億七千九百八十一万余円でございます。
 2の事業規模でございますが、(1)、学部学生数の予算総定員は八百人、一学年の入学定員は二百人でございます。
 (2)、大学院学生数の予算総定員は六十人、一学年の入学定員は三十人でございます。
 (3)、教職員の定数は百十二人でございます。
 (4)、入学志願者予定数でございますが、千三百九十七人を見込んでおります。
 続きまして、3の経費内訳のうち、(1)、職員費は十一億八千五百五十七万余円でございます。
 一九ページでございますが、(2)の管理費は七億八千七百十二万余円でございます。
 一番下のキ、保健科学研究科に要する経費では、本年度開設いたしました修士課程の学年進行に伴う経費と、十六年度に予定しております博士課程の開設の準備経費を計上いたしております。
 二〇ページをお開き願います。番号11、保健科学大学の研究奨励でございます。
 研究奨励費九千四百八十六万余円で、前年度に比べ千五十四万余円の減となっております。
 恐れ入りますが、二一ページをお開き願います。番号12、保健科学大学の施設整備でございます。
 施設整備費二千四十三万余円でございまして、前年度に比べ六百八十五万余円の減となっております。
 2の経費内訳のうち、(1)の国庫補助事業が六百三十万円、(2)の都単独事業が千四百十三万余円となっております。
 特定財源は、国庫支出金二百十万円でございます。
 次に、二二ページをお開き願います。番号13、都立短期大学の管理運営でございます。
 管理費十三億八千二百五十二万余円でございまして、前年度に比べ九千二百三十七万余円の減となっております。
 特定財源は四億一千二百四十二万余円でございます。
 説明欄の2、事業規模でございますが、(1)の学生数の予算総定員は千百九十人、一学年の入学定員は五百十人でございます。
 (2)の教職員の定数は九十一人でございます。
 (3)の入学志願者予定数でございますが、九百七十七人を見込んでおります。
 続きまして、二三ページをお開き願います。3の経費内訳のうち、(1)の職員費は十億百四十六万円余りでございます。
 (2)の管理費は三億八千百六万余円でございます。
 二四ページをお開き願います。番号14、都立短期大学の研究奨励でございます。
 研究奨励費四千五百四十七万余円でございまして、前年度に比べ五百五万余円の減となっております。
 二五ページをお開き願います。番号15、都立短期大学の施設整備でございます。
 施設整備費百万円でございまして、前年度に比べ四百五十六万余円の減となっております。
 次に、債務負担行為につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、二六ページをお開きいただきたいと存じます。債務負担行為のⅠとして、新大学校舎等新改築工事に四十四億八千七百六十一万余円を計上するとともに、右の欄の事項説明に全体計画等を記載させていただいております。
 以上、簡単ではございますが、平成十五年度の予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、当本部所管の平成十四年度補正予算についてでございます。
 お手元の資料第2号、平成十四年度大学管理本部所管補正予算説明書の一ページをお開きくださいませ。説明書の一ページは補正予算総括表でございます。
 今回ご提案申し上げます補正予算は、歳出が二億三千三百三十一万円余りの減でございます。提案額を補正いたしますと、平成十四年度歳出総額は二百十一億五千七百六十八万余円となります。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。補正予算額の内容でございます。
 今回の補正は、給与改定等に伴う給与費の更正によるもので、その内訳は、人件費その他職員関係費及び時間外勤務手当等の減でございます。
 引き続きまして、改正をお願いいたします条例案についてご説明を申し上げます。
 資料第3号、平成十五年第一回東京都議会定例会議案(条例)をお手元にお配りしてございますが、資料第4号の平成十五年第一回東京都議会定例会提出予定条例案の概要に基づきましてご説明をさせていただきたいと存じます。
 表紙を含め二枚めくっていただき、一ページをごらん願います。今回、改正の提出を予定しております条例案は、1に掲げましたとおり、都立の四つの大学条例をそれぞれ一部改正するものでございます。
 次に、2の提案理由でございます。
 原価やほかの国公立大学等の状況を勘案し、研修料等を改定するものでございます。
 続きまして、3の改正内容でございます。
 まず、研修料の改定についてご説明申し上げます。
 研修員が大学で研究する際に要する使用料について、平成十五年度から、教員実験系に該当する者につきましては、現行の月額三万三千百五十円を三万四千四百円に、教員非実験系に該当する者につきましては、現行の一万六千五百八十円を一万七千二百円に、それ以外の者につきましては、現行の四万一千四百四十円を四万三千円にそれぞれ改定するものでございます。
 次に、学位論文審査手数料でございます。博士課程の学位を得るために提出された論文審査に係る手数料につきまして、平成十五年度から、一件当たり五万五千円を五万七千円に改定するものでございます。
 続きまして、寄宿料でございます。都立大学内にございます寄宿舎、いわゆる学生寮でございますが、その寮費につきまして、現行の月額三千三百円を四千七百円に改定するものでございます。
 これらの条例案の施行日は、平成十五年四月一日を予定いたしております。
 以上で、大学管理本部が提出を予定しております予算案並びに条例案につきましての説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 二点お願いしたいんですが、一つは、昨年の委員会でお願いしました新しい大学の入試その他の概要について、現時点で構想が出ているものについて資料をお願いしたいと思います。
 二つ目に、公立大学の法人化の法整備の現状と今後の見通しについての資料をお願いいたします。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 なければ、ただいま曽根委員から資料要求がありましたけれども、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○渡辺委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情一四第八九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○飯塚管理部長 一四第八九号、都立新大学の昼夜開講制の採用等に関する陳情について、お手元にお配りしてございます資料第5号、陳情審査説明表に基づいてご説明申し上げます。
 表紙を含め、二枚おめくり願います。
 本陳情は、志田昇さん外七百九十八名から提出されたものでございます。
 陳情は二項目ございます。
 まず一点目の要旨は、大学で学ぼうとする女性を中心とした社会人が働きながら学ぶことができる昼夜開講制を採用することでございます。
 都立大学の昼夜開講は、夜間において、男女を問わず勤労学生に教育の機会を提供することなどを目的として実施してまいりました。しかし、現在では、定職を持って働き、夜間でないと学べないという学生が減少する一方、夜間の大学院などで学びたいという社会人のより高度な学習に対する需要が増大する傾向にございます。こうした状況を踏まえ、東京都大学改革大綱では、新大学には学部の夜間課程を置かないこととしたところでございます。
 また、いわゆる昼夜開講制は、学部に昼間主コースと夜間主コースを置き、夜間のみで卒業できる教育課程を用意するという点では、夜間課程を置くことと同様でございまして、新大学での導入は予定してございません。
 新大学においては、夜間における教育の重点を学部レベルから大学院レベルに移し、主に社会人を対象に都心で夜間に大学院を開講するなど、都民の学習ニーズへの対応に取り組んでいるところでございます。
 次に、二点目の要旨でございますが、現在の都立四大学からの移行において、非常勤講師の雇用継続と労働条件の維持改善を図ることでございます。
 大学の非常勤講師は、専任教員のみではカバーし切れない分野や、欠員等により専任が一時的に不在となっている分野等について、学部ごとの教授会が各年度の教育課程上の必要性を判断し、予算の範囲内において、一年以内の単位で委嘱しているものでございます。
 新大学の運営は独立行政法人化を予定してございまして、非常勤講師の採用、勤務条件などは、今後、制度設計などの中で検討してまいります。
 以上、甚だ簡単ではございますが、説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件についての発言を願います。

○曽根委員 首都圏大学非常勤講師組合、この団体からは、昨年もたしか短大の問題なども含めた陳情が出されていたと思います。そのときに、これは2の項目にかかわることなんですが、非常勤講師の労働組合としてつくられている団体なので、当然、雇用主側の大学側が労働条件に関する交渉には応じることが法的には求められるんじゃないかということで、ちょっとやりとりはありましたけれども、交渉には応ずるというお話でした。
 これ、一点確認をしておきたいんですが、その後、この講師組合との交渉は行われているということでよろしいんですね。

○飯塚管理部長 非常勤講師組合との交渉はたびたび行ってございます。

○曽根委員 その中で、この項目では、非常勤講師の雇用継続、それから労働条件の維持改善というのが要望で、議会にもぜひ応援してほしいということだと思います。
 私、昨年は夜間の授業を見学させていただいたりしながら、夜間というのは、授業を受ける側も教員の側も、なかなか厳しい条件の中で教育が行われているわけですが、にもかかわらず大変熱心な授業が行われ、また、七割方、八割方の学生がちゃんと授業を聞きにきているという点では、昼間の一部の授業よりもむしろより熱心であるというような印象を受けました。
 そういう点では、こういう仕事に携わっている非常勤講師の雇用を安定させるということは、大学教育にとっても大きな役割、意味があるというふうに考えますので、この点はぜひ、交渉を通じても当局側の努力をお願いしておきたいと思います。
 今回、1の項目が新しいといいますか、女性を中心とした社会人が働きながら学ぶことができる昼夜開講制を採用してほしいという要望が出されております。女性を中心としたというふうにわざわざ書き込んでおられるのは、私が見学したときも、受講者の半分以上が女性で、しかも年齢の幅もいろいろありまして、働いている方もいるんでしょうけれども、家庭におられる方もいるかもしれない。いろんな意味での女性の多様な生活や仕事に対応した大学教育のあり方ということで、単純に夜間ということでなくて、ここには昼夜開講制の採用ということが要望されています。
 今のご説明ですと、管理部長のお話では、昼夜開講制は、いわゆる夜間のみで卒業できる教育課程を用意するという点では、新大学での導入は予定していないというお話でした。夜間のみで卒業できるという意味では、夜間課程ということになります。しかし、この要望は昼夜開講制ということを求めているので、もう少し幅広い、多様なあり方があり得るのかなというふうに思います。
 それで、ちょっと今の全体の傾向をお聞きしておきたいんですが、私立大学でも昼夜開講制を採用する大学が、この間、割とふえてきているというふうにお聞きしているんですが、どのように把握しておられるでしょうか。

○菊地改革推進担当部長 全体の状況についてご説明申し上げますが、文部科学省の調査によりますと、専ら夜間に教育を行う大学の状況といたしましては、夜間大学院を持つ大学数は増加している一方で、夜間学部は減少していまして、夜間学部数は全体で、平成七年度、百二十一だったものが、平成十三年度は八十となっています。
 また、昼夜開講制を採用している学部を持つ大学数は、平成八年度に三十八大学だったものが、この十二年度では六十八大学と増加しています。この増加につきましては、国公立大学では大きな変動がない中で、特に私立大学における増加が顕著でございまして、これは、私立大学が夜間学部を廃止する一方で、昼夜開講制を採用する傾向にあるためであると考えられます。
 都といたしましては、限りある資源を、夜間の大学院教育など都民のニーズの高い分野に振り向けていくため、夜間課程を置くことと同様である昼夜開講制については、新大学において導入することは考えていないところでございます。

○曽根委員 私も、私学で昼夜開講制がふえているというのは今まで余り聞いたことがなかったので、中教審の資料を取り寄せてみたんですね。ちょっと拡大してきたんですが、これは、中教審の答申から直接拡大してコピーしたものですけれども、確かに国立大学は、平成八年度二十六から平成十二年度二十七と、一校しかふえていない。公立が平成八年度ゼロになっているんですね。平成十二年度が三になっている。それに対して、私学が十二から三十八と、三倍以上にふえているわけですよね。
 ちょっと興味深いのは、平成八年度に公立大学で昼夜開講制がゼロということは、都立大が入っていないということになりますね、ゼロですから。つまり、国の整理では、都立大学は夜間を主とする大学というふうに整理されているわけですね。しかし、実際の機能としては、都立大学の学生で夜間だけで卒業する人はごくわずかで、実際は昼間部の授業も受けながら卒業できるという制度を活用しているわけですね、皆さん、大半の方が。そういう意味では、ある意味、機能はここは混在しているんじゃないかなと。公立大学の中にある都立大学も、昼夜開講制の役割も最近はより多く持つように実質はなってきているというふうにいえると思うんです。それに対して私学は一層ふえているということ、これをどう見るかということなんです。私立大学は経営のことを絶えず考えておりますので、つまり需要がないところには授業はつくらないわけで、開講しないわけですから、恐らく大都市東京なども含めて、昼夜開講制を求める四年制の学生の需要はある、ふえてきているということが、この私学の十二から三十八大学にふえてきたことに反映されていると思うんです。この点は、認識、一致していると思うんですね。
 問題は、都立大学は今後、独立法人化を考えておられるわけですが、いずれにしても、新しい時代に見合った大学になるに当たって、いつも管理本部がおっしゃるのは、都民に喜ばれる、都民に求められる大学ということですね。その点は、私たちも大きな意味では同じなんです。東京で、私立大学がこうやって講座を開く傾向が強まっているぐらい昼夜開講制が需要が高まっていることが、現実にこういうふうに数字にあらわれているとすれば、都立大学は都民のニーズにこたえるという点で、今考えていないというお話でしたが、客観的に見て、都民のニーズがこういうふうに大きく広がっているのであれば、考えてしかるべきじゃないか、自然に考えればそういうふうになると思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○菊地改革推進担当部長 ただいまの、都民に喜ばれる大学ということで、都民のニーズにより適した大学、限られた資源の中でそういうものを追求していくわけでございますが、多様な履修形態といたしましては、昼夜開講だけではなく、さまざまな長期履修制度ですとか、また学部レベルよりも大学院レベルのニーズであるとか、そういう社会的メニュー全体を勘案いたしまして、今回のような選択をしているわけでございます。

○曽根委員 あとは水かけ論にいつもなるので、意見にしておきますけれども、私は、パートタイマー学生制度、こういう制度も、いろんな運用の仕方によって限りなく昼夜開講制、例えば国の統計でとれば、昼夜開講制という扱いになる可能性だってあると思うんですよね。この三つのパターンで、夜間か、昼間部か、昼夜開講かという三つのパターンどれに入るのかといえば、パートタイマー学生制度もどちらかといえば昼夜開講に当たるのかもしれない。そういう意味では多様な形を当然考えて、名前にこだわらないでもらいたいということが一つです。
 それから、先ほどいいませんでしたが、何といっても私学については、国立、公立大学の二倍もしくはそれ以上の学費がかかるというのが平均的な現状です。学生の中には、不況の中で非常に家庭も厳しい、仕送りもなかなか、増額はもちろん、減額という事態だって起きている。学生も昔は遊びの費用をアルバイトで稼いだが、今は生活や授業、勉学のための費用まで自分で稼がなきゃならないという学生がふえている傾向にあるとさえ聞いています。そういう点でいえば、学費負担のまだ相対的に少ない国公立大学がこういう学生のニーズにこたえるのは当然であるという点で、昼夜開講制を導入してほしいというのは、大きな意味で大学として積極的にとらえてほしいということを要望して、質問を終わります。
 以上です。

○執印委員 それでは、質問させていただきます。
 この陳情は、一項目めが、女性を中心とした社会人が働きながら学ぶことができる昼夜開講制を採用することというふうになっておりますが、改めて夜間課程と、それから都立四大学の男女比というのをお聞かせいただきたいと思います。

○飯塚管理部長 都立の四つの大学の男女比は、学部生でお示しいたしますと、平成十四年五月一日現在、全学生数七千八百九十一人のうち、男子は四千七百六十三人、女子は三千百二十八人で、男女比は六〇・四対三九・六でございます。
 夜間課程では、千六百九人のうち、男子千四十八人、女子五百六十一人で、男女比は六五・一対三四・九でございます。しかしながら、短大夜間課程だけは、男女比は五一・二対四八・八となっているところでございます。

○執印委員 今のお話ですと、短大の夜間課程では男女比が、多少違いますけれども、ほぼ半々に近い形になっているということで、そういった実態を反映させた請願項目かなというふうに思います。
 次に、これは、その上で昼夜開講制を求めているものなんですが、この昼夜開講制については、現学生からの継続の要望もありまして、私としても、昼夜開講制を初めとした改革全体について、大学管理本部としても学生の意見を聞いて反映させてほしいというふうにお願いをしてきましたけれども、この間どのような対応をされてきたのかということと、対応されていましたらば、その中でどのような意見が出され、その対応の状況というものをお聞かせください。

○菊地改革推進担当部長 学生の意見についてでございますが、これまでも、都立の四大学での検討の段階に応じまして、改革の状況を説明し、直接学生からの意見を聴取する機会を各大学で持ってまいりました。具体的に申し上げますと、十二年度に三回、十三年度、五回、十四年度、四回でございまして、直近ではこの一月に開催してございます。
 学生に対しましては、限られた資源を効率よく活用し、都立の大学の存在意義にかなった人材を輩出していくことの重要性等の観点から説明してまいりました。
 一方、学生からは、自分たちの卒業は大学統合後、新大学発足後になるが、夜間のまま卒業できるのかといった質問や、夜間課程を廃止したとしても、何らかの形で働きながら学べる機会を残してほしい。また、授業内容を改善してほしい。それから、新大学で導入を予定しています課題別に総合的な学習のできるプログラムですとか、一年次からの基礎ゼミナールについては、おもしろい、ぜひやってほしいなどの意見が出されたと聞いております。
 これらの意見に対しまして、現在の在学生について卒業まで責任を持って教育を行うことは当然のことでございまして、また新大学では、授業評価改善の仕組みの導入や、夜間における教育の重点を大学院レベルに移し、ビジネス・スクールなど社会人向けの大学院を開設し、より都民の需要に即した学習機会の提供に努めることなどを計画してございます。
 今後とも、検討の段階に応じまして、学生、都民、有識者の方々等からも意見を聞きながら、平成十七年度の新大学開設に向けて準備を進めてまいります。

○執印委員 夜間の開講については難しい部分があるけれども、聞いて、できる限り意見を反映させていくということなので、ぜひそのあたりはよろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、もう一つ、具体的に陳情の理由の中に述べられておりますが、長引く不況のもとで、不規則な勤務形態によるアルバイトやかけ持ち勤務がふえてきている、そういうふうにここの請願には書かれているわけですが、大学管理本部としては、調査は四月の入学のときにしているということはこれまでも伺ってまいりましたけれども、雇用形態の変化というものを調査されて、どのように把握と分析をされているのかを伺います。

○菊地改革推進担当部長 学生数の一番大きな都立大学についてでございますが、隔年で実施してございます学生生活実態調査におきまして、学生の就労形態についても把握しているところでございます。
 その結果につきましては、まず、B類学生のうち定職ありと回答した者は、平成三年からこの十年間、一〇から一四%の範囲で推移してございます。
 次に、従事している職種については変化が見られます。これは大学院生を含めた学生全体からのアンケート結果でございますが、家庭教師及び塾講師につきましては、平成元年に四〇%台でございましたものが、平成十三年には二〇%半ばと減少しております。また、各種の店員につきましては、平成元年に一七%台であったものが、平成十三年には三〇%強と増加しております。
 このように、B類生の定職率には変化は見られないものの、社会の就業構造の変化とともに、学生全体のアルバイトについては、その就労先に変化が見られるところでございます。

○執印委員 今回、集計というものも出していただきまして、私も手元にいただいたわけですけれども、隔年度調査ということで、調査の内容も年ごとに少しずつ変わっているというふうに伺っているんですけれども、今お話しいただいたような状況で、学生も社会の一員ですから、社会の状況によって、いろんな仕事を選びながら、何とか学生生活を送ってきたというのが実態だと思いますので、ぜひ有効に調査を活用して、そして、その変化に対応して、大学も、昼夜開講制についてはなかなか折り合えない部分があるわけですけれども、学生それから社会の状況というものを見ていっていただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。
 最後に、非常勤講師の方への大学改革の経過説明はどのように行われているのか。先ほど、労使交渉はされているということでしたけれども、説明会のお願いもしてきたわけですけれども、その辺の状況をお知らせください。

○飯塚管理部長 非常勤講師の先生方への大学改革に関する情報提供は、これまでも節目節目で行ってまいりましたが、全体への説明会といたしましては、昨年十月に、昭島、晴海の両キャンパスでそれぞれ行ってございます。
 参加者は、昭島で四名、晴海で四名。両方に参加なさった方がいらっしゃいましたので、参加者の実数は七名でございました。
 大学改革の概要説明の後、懇談会形式で質疑応答を行いましたが、そこで出されました主な意見としては、本務を持たない非常勤講師にとって雇用の問題は非常に重大だ、夜間部の教育需要にこたえるため昼夜開講制について再考してほしい、新しく設けられる基礎ゼミナールなどで非常勤講師を活用できるのではないかなどでございました。
 今後とも、必要に応じて情報提供を行ってまいりたいと存じております。

○執印委員 今のご説明ですと、説明会はしていただいたんですけれども、参加者、数という面では、全体の非常勤講師の方の数からすると、非常に少ないなという感じが私どもするわけですけれども、ただ、それだけいろいろな仕事を、いわゆるかけ持ちをしながら生活をしていらっしゃる、仕事をしていらっしゃるということだというふうに私は受けとめますので、いろいろな形で労使交渉もされているし、こういう説明会もされているわけですが、ぜひ陳情の願意を酌んでいただいて、雇用の問題について、雇用の確保という意味からも十分な話し合いをしていただきながら、この点については進めていただきたい。私どもとしては陳情は採択の立場であるということを主張しまして、質問を終わります。

○福士委員 いろいろ議論もありましたので、私の方からは意見のみいわせていただきたいと思います。
 この間、大学の夜間廃止の根拠については薄いのではないかということを私も申し上げてきたこともございますし、それから、議論の中のご答弁の中でも、フリータイムパート労働者の夜間の必要の実態というのは、数字としてはあらわれていても、それをどう生かすかというのはどれだけ加味されているか、非常に疑問のまま今日まで来ております。
 今回提案された夜間開講制については、関係者の議論の材料としては私は歓迎したいというふうに思います。ただ、授業料が安いから夜間にという学生には、夜間開講によって授業料が全日制と同額になった場合にどうなのかなという、関係者間の問題整理はし尽くされたとはちょっと考えられない点はあるかなというふうには思っております。新たな大学への移行についての問題点としては、このような今回の提案も含めて、きちんと議論をされたいというふうに思います。
 なお、陳情者からもありましたし、先ほどのご説明でもありましたけれども、私立大学でも昼夜開講制が進んでいるというご説明がありました。相互の利点があるから、そういう昼夜開講の大学の数がふえているんだろうということと同時に、経営上もそれなりに成り立っているのかなというふうな思いもあるんですね。その点も含めますと、やはりきちんと考えていくべきではないかということで、私は趣旨採択の方向でいきたいというふうに思っております。
 二番目の方ですけれども、私の方で資料をいただいて、非常勤の方の割合もちょっと拝見させていただきました。一年ぐらいの雇用とか、一年、二年とか、三年がなぜか六・九%と非常に少ないんですが、四年ぐらいの雇用の方は一〇%台で移行しておりますけれども、五年以上の方が四四・六%と、かなりの方が長い間非常勤、一年、一年、一年と五年以上いらっしゃるわけで、その方たちの労働問題もあるというふうに思いますし、これだけ頑張って働いていらっしゃるから雇用が継続しているのかなというふうに思いますので、常勤者と同様の役割を担っているという点では、労使交渉のことも含めて、しっかり話し合いが進められることを要望しておきたいと思います。その意味で、この件については趣旨採択ということで考えたいと思います。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一四第八九号は不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で大学管理本部関係を終わります。

○渡辺委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者からの説明を求めます。

○三宅生活文化局長 平成十五年の第一回定例会に提出を予定しております生活文化局所管の案件につきまして、ご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案四件、予算案二件の合計六件でございます。
 初めに、条例案四件につきましてご説明させていただきます。
 お手元の資料第1号でございます。平成十五年第一回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
 目次をお開きください。一、東京都情報公開条例の一部を改正する条例案でございます。
 本件は、公文書の開示請求につきまして、従来からの方法に加え、インターネットを活用して、東京都のホームページから直接公文書の開示請求ができるようにするものでございます。
 続きまして、二、特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例案でございます。
 本件は、関係する法律の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 続きまして、三、東京都男女平等推進基金条例を廃止する条例案及び四、東京都国際平和文化交流基金条例を廃止する条例案でございます。
 今日の都財政を取り巻く社会経済情勢の変化に伴いまして、二つの基金を廃止するものでございます。
 条例案の説明は以上でございます。
 引き続きまして、予算案の説明をさせていただきます。
 初めに、平成十五年度予算案につきまして、お手元配布の資料の2、平成十五年度生活文化局所管予算説明書に基づきまして、概要をご説明申し上げます。
 一ページをごらんいただきたいと存じます。平成十五年度生活文化局予算総括表でございます。
 歳入歳出の科目別内訳及び債務負担行為につきまして、それぞれ記載しております。
 表の一番上の歳入欄にございますように、歳入予算の総額は二百十九億九千百万余円でございます。対前年度二十四億八千百万余円の増となっております。
 次に、歳出予算の総額でございますが、表の中ほどの歳出欄に記載してございますように、千五百十四億二千百万円でございます。対前年度十九億九百万円の減となっております。
 また、債務負担行為につきましては、一番下の欄にございますように、百十九億七千三百万余円、対前年度五億四千百万余円の減となっております。
 平成十五年度の予算見積もりにつきましては、厳しい財政状況のもと、財政再建推進プランや平成十五年度予算編成方針に基づき、徹底した事業の見直しを行う一方、新しい行政課題に即応した新規施策等を提案させていただいております。
 平成十五年度予算案の説明は以上でございます。
 引き続きまして、平成十四年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、平成十四年度生活文化局所管補正予算説明書の一ページをお開きください。補正予算総括表でございます。
 表の補正予算額の欄にございますように、歳入三百二十二億八百万余円、歳出一億一千三百万円の増額補正を行うものでございます。
 以上で、条例案及び予算案の概要説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○嶋津総務部長 引き続きまして、今定例会に提出を予定しております案件につきまして、少し詳しく説明をさせていただきます。
 最初に条例案でございます。お手元の資料1、平成十五年第一回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開きください。東京都情報公開条例の一部を改正する条例案でございます。
 内容につきましては、新旧対照表で説明をさせていただきます。一枚お開きいただきまして、二ページから三ページでございます。上段が改正案、下段が現行条例となってございます。また、右横に線の引いてある箇所が改正部分でございます。
 上段の第六条第一項をごらんいただきたいと存じます。公文書の開示の請求方法につきまして、現在は開示請求書を提出して行うということになっているところでございますが、東京都規則または知事を除く実施機関の定める規則その他の規程で定める方法により行うこととしたいというぐあいに考えております。
 なお、規則等におきまして、現行の開示請求書の提出による方法に加え、インターネットを利用して、東京都のホームページ上に公開された文書件名から公文書を検索、特定し、開示請求する方法を規定するものでございます。
 六条の二項及び第十六条は、開示の請求方法の規定を改正いたしますことに伴って、規定を整備するものでございます。
 本条例案は、所要の準備期間を考慮いたしまして、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において、東京都規則で定める日から施行することを予定してございます。
 次に、五ページをお開きいただければと思います。特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例案でございます。
 これも、六ページの新旧対照表をごらんいただければと思います。上段の第二条第二項でございますが、特定非営利活動促進法において、特定非営利活動法人の設立等の認証申請に当たって必要となります各役員の住所または居所を証する書面について規定する条文が改正されました。それに伴いまして、当該条文を引用する規定を改めるものでございます。
 また、第三条は、同法において、特定非営利活動法人の定款に記載しなければならない事項として事業年度が追加されたことに伴いまして、規定を改めるものでございます。
 本条例案は、特定非営利活動促進法の一部改正が施行されます、ことしの平成十五年五月一日から施行することとしてございます。
 次に、七ページでございますが、東京都男女平等推進基金条例を廃止する条例案でございます。
 また、次の九ページは、東京都国際平和文化交流基金条例を廃止する条例案でございます。
 先ほど局長からも申し上げましたところでございますが、都財政を取り巻く社会経済情勢が変化したことから、これらの基金を廃止するものでございます。
 なお、これまで基金の運用利子で実施してまいりました事業につきましては、今後とも一般財源を充当して必要な事業を行ってまいりたいというように考えております。
 本条例案は、平成十四年度補正予算案とともにご審議いただき、公布の日から施行することを予定してございます。
 条例案の説明につきましては以上でございます。
 続きまして、十五年度の予算案につきましてご説明をさせていただきます。
 お手元の配布資料の2、平成十五年度生活文化局所管予算説明書をごらんいただければと思ってございます。
 一ページは先ほどの総括表でございます。
 次の二ページから四ページは、事業区分別の予算額と財源内訳等を記載してございます。
 五ページをお開きいただければと思います。まず、1の管理・男女平等参画施策でございます。
 私ども生活文化局が所管しております内部管理事務等に要する経費のほか、男女平等参画施策の企画調整及び東京ウィメンズプラザの運営などの経費を計上しており、六十四億三千二百万余円で提案してございます。
 九ページをお開きいただければと思います。2の広報広聴事業でございます。
 テレビ、ラジオなどによる都政広報、情報公開事務、調査広聴、相談事業などの経費を計上してございまして、三十七億一千三百万余円を提案してございます。
 次に、一三ページをごらんいただければと思います。3の文化振興施策でございます。
 ボリュームがございまして、二六ページまで続いてございますが、江戸開府四百年やアジア舞台芸術祭、トーキョーワンダーウォール、トーキョーワンダーサイトの運営、財団法人東京都歴史文化財団への助成などに係る経費を計上してございまして、百一億二千万余円で提案してございます。
 次に、二七ページをごらんいただければと思います。4の市民活動促進・青少年施策・交通安全対策等でございます。
 市民活動の促進、青少年総合施策、心の東京革命の推進、違法駐車対策等の事業を計上しており、三十億四千五百万余円を提案してございます。
 三二ページをごらんいただければと思います。五番目の消費生活対策でございます。
 取引指導及び表示適正化事業、危害防止対策事業のほか、消費生活協同組合の育成指導や公衆浴場対策などに要する経費を計上しており、十五億一千四百万余円で提案してございます。
 なお、平成十五年度から、食品の安全、安心に関する機能を集約するために、JAS法の施行に関する事務の一部や食品安全行政連絡会議の運営など、消費生活対策事業の一部を健康局の方に移管することといたしてございます。
 それから、三八ページをごらんいただければと思います。6の計量検定所でございます。
 計量検定所の管理運営、タクシーメーターや水道メーターなどの計量器の検定に要する経費を計上しており、二億六千六百万余円を提案してございます。
 四一ページ、7の私立学校管理でございます。
 私立学校振興事務に従事する職員の給料、諸手当等の職員費、その他管理事務に要する経費を計上してございまして、四億四千九百万余円という形で提案してございます。
 四四ページをお開きいただければと思います。8の私立学校教育助成事業でございます。
 経常費の補助など、私立学校等に対する教育振興費として、一千二百五十億二千百万余円を提案してございます。また、新規の事業といたしまして、私立学校安全対策促進事業費補助を、平成十五年度、十六年度の二年間で実施することといたしております。
 四八ページをごらんいただければと思います。9の育英資金貸付事業でございます。
 提案の額は、育英資金貸付費八億五千七百万円でございます。
 恐縮ですが、五〇ページをお開きいただければと思います。債務負担行為総括表でございます。
 債務負担行為のⅠといたしまして、生活協同組合設備資金利子補給など三件、五億四千七百万余円、それから、債務負担行為のⅢといたしまして、生活協同組合設備資金融資損失補償など三件、百十四億二千五百万余円、合計六件、百十九億七千三百万余円を提案してございます。
 次の五一ページから五四ページまででございますが、今申し上げました債務負担行為の事項別の説明でございます。ご参照いただければと存じます。
 以上が十五年度予算案の説明でございますが、引き続いて、十四年度の補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の、薄手になりますが、資料3をごらんいただければと思います。平成十四年度生活文化局所管補正予算説明書の一ページをまずお開きいただければと思います。先ほど局長からもご説明申し上げました総括表でございます。
 二ページをお開きください。今回ご審議いただく補正予算の内訳でございます。
 表の上段及び中段にございますように、歳入が三百二十二億八百万余円、歳出が一億一千三百万円の増額補正を行うものでございます。
 順を追って、各項目につきましてご説明をさせていただきます。
 まず初めに、歳入でございます。
 財産貸付収入といたしまして、東京国際フォーラムの平成十四年度の建物賃貸料九千五百万余円を計上してございます。
 次に、債権等売り払い収入でございます。財団法人東京女性財団の解散及び残余財産の処分議決に伴う財産の受け入れといたしまして、二億九千八百万余円を計上してございます。
 次に、基金繰入金でございます。東京都国際平和文化交流基金条例及び東京都男女平等推進基金条例の廃止に伴う基金残高の受け入れといたしまして、合計三百十八億一千五百万余円を計上してございます。
 次に、歳出でございます。
 平成十四年人事委員会勧告に基づく給与改定及び給与削減による人件費といたしまして、生活文化費の目の管理費で九百万余円の更正及び学務費の目の管理費で一千百万余円を更正してございます。
 次に、前後いたしますが、生活文化費の目の文化振興費をごらんください。東京国際フォーラムの大規模修繕対応経費といたしまして、東京都社会資本等整備基金への積立金一億三千四百万余円を計上してございます。
 以上、今定例会に提出を予定してございます条例案四件、予算案二件の合計六件につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○渡辺委員長 次に、理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○島田心の東京革命推進担当部長 資料第4号の心の東京革命行動プランの改定についてご説明申し上げます。
 心の東京革命行動プランは、心の東京革命を推進していくため、家庭、学校、地域、そして社会全体がそれぞれどのように取り組んでいくか、その指針を示すとともに、行政の役割を明らかにしたものでございまして、平成十二年八月に策定いたしました。同年十月に設立されました心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)が運動主体としての役割を担いつつあること、また、平成十四年度を終了年度といたします都の施策を見直す必要があることなどから、このプランの一部を改定し、去る一月九日に発表したものでございます。
 恐縮ですが、一ページ目をお開きください。「はじめに」では、ただいま申し上げましたプラン策定後の状況、改定の目的などを明らかにしております。改定に当たりましては、心の東京革命推進の基本理念でございます、第一章、子どもたちの現状、第二章、心の東京革命が目指すものは、平成十二年八月版のままとしております。具体的な事業推進のための第三章、心の東京革命の具体的行動、2、東京都の取組以降を、事業の重点化、民間団体や区市町村の取り組みの重視などのポイントから見直したものでございます。
 今申し上げましたように、第一章、子どもたちの現状及び第二章、心の東京革命が目指すものは変更がございませんので、ご説明は省略させていただきます。
 大変恐縮ですが、二二ページをお開きください。二二ページから三〇ページまでが東京都の取り組みでございます。平成十二年八月版のプランでは、四十七の事業でございましたが、この改訂プランでは、戦略的な取り組みといたしまして、二六ページからの三十五の重点事業を、平成十五年度からおおむね三カ年の間、展開していくこととしております。
 次に、三一ページをお開きください。三一ページから三三ページまでが民間団体等の取り組みでございます。民間団体や企業などが中心となって設立されました心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)を、この運動の推進母体と位置づけまして、機動的かつ柔軟性に富んだ事業を展開することといたしました。
 三四ページをお開きください。三四ページ、三五ページが、区市町村や民間団体との連携でございます。都は、区市町村が、それぞれの地域の特性に応じ、さまざまな取り組みができるよう協力してまいります。また、民間団体の活動への支援など、積極的に協働を進めてまいります。
 三六ページが「むすび」でございますけれども、行動プランの推進に向けて、今後さらに、広く都民、地域団体を初め、この運動にかかわりを持つ多くの団体などにその趣旨を訴え、運動への参加を呼びかけてまいります。また、区市町村はもとより、企業やマスコミ等への働きかけを行うことによりまして、社会全体の運動への展開を目指してまいります。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○保持参事 東京国際フォーラムの民営化につきまして、現時点での進捗状況をご報告申し上げます。
 お手元の資料第5号にございますように、来る四月にも東京国際フォーラムを運営させるための新会社を設立いたしまして、現在、東京国際フォーラムを運営しております財団法人東京国際交流財団及び民間企業から増資をいたしました後、財団からの事業譲渡などを経まして、七月から本格稼働させる予定でございます。
 これは、平成十三年四月に、「機能するバランスシート」におきまして見直しの指摘を受けました後、お手元の資料の参考に記載しておりますとおり、平成十三年十二月二十一日に、東京国際交流財団の株式会社化方針を発表いたしまして、準備を進めてまいりました。このたび、出資企業及び会社名が決まりまして、新会社の概要を固めるに至ったものでございます。
 新設する株式会社の概要でございますが、会社名は、株式会社東京国際フォーラムとすることといたしております。資本金額は五億円程度といたしまして、東京都が過半を出資することといたしております。出資企業は、国際フォーラムの周辺地域の企業、ホール等の運営に実績のある企業、公益的企業からの七社でございます。役員でございますが、民間から積極的に登用する予定でございます。施設使用料等でございますが、事務室賃料及び施設使用料として、事業収入の一〇%程度を東京都に支払う予定でございます。
 また、東京国際交流財団につきましては、株式会社の本格稼働に合わせまして解散をする予定でございます。これまで国際交流財団が行ってまいりました国際交流事業につきましては、東京都などに移管することとしております。
 以上、簡単ではございますが、ご報告をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○中澤私学部長 財団法人東京都私立学校教育振興会--以下教育振興会と申し上げます--と社団法人東京都私学退職金社団--以下退職金社団と申し上げます--の統合につきまして、ご報告を申し上げます。
 お手元の資料第6号をごらんください。
 教育振興会と退職金社団は、私学振興事業の推進体制を強化するため、平成十五年四月一日をもって統合することを決定いたしました。これは、お手元の資料にも参考として記載しておりますように、教育振興会では、東京都の監理団体総点検を契機に、平成十二年七月に私学振興のあり方検討会を設置し、退職金社団との統合を検討いたしました。さらには、二団体の理事の方々によります統合に関する協議会を設置いたしまして、統合に向けた協議を重ねてまいったものでございます。そして、教育振興会では平成十四年十二月十一日に開催されました理事会で、また、退職金社団では平成十四年十二月十七日に開催されました社員総会で、それぞれ二団体の統合に関しまして機関決定がなされております。
 統合による法人の概要でございますが、名称を財団法人東京都私学財団とし、新宿区神楽河岸一番一号、セントラルプラザ十一階を法人所在地とし、主な事業といたしましては、私立学校教育振興資金貸付事業、私立高等学校等授業料軽減助成事業、私立学校教職員研修研究事業、私立学校等教職員退職金資金交付事業を行う予定でございます。
 簡単ではございますが、以上、ご報告させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 この際、第一回定例会提出予定案件及び報告事項に対して資料要求のある方は発言を願います。

○野島委員 今、東京国際フォーラムの民営化についてご報告をちょうだいいたしましたが、これはもう設立したのか、設立途中なんですか、いずれにしても、会社を新しくつくるわけですから、その中で、定款だとかいろいろあると思うんです。あるいは目論見書とか。増資の場合は目論見書を出しますけど、商法の規定でいろんな絡みがあって、株主が参加するわけですから、どういう会社になるのかなと。極論すると別に法定の書式が必要というふうなことで要求するのじゃないんですが、もうちょっと新設会社の概要というか、何を目的に何をやっていくとか、大体収支バランスはこういうふうにやっていこうとか、そんなものがわかるものがあったら、わかる範囲で結構ですから、資料提供いただければ幸いでございます。
 以上です。

○曽根委員 まず一点目、私学助成の予算額の推移をいただきたいんですが、特に内訳として、財政健全化計画やその後の財政再建プランなどの影響額、また生徒減、また標準的運営費の基準の変更などの影響が内訳でわかるような形のものをいただきたいと思います。
 二つ目に、社会的不適応行動としての青少年の引きこもり問題など、全国と東京における実態や、国や都の対策の現状がわかるものをいただきたいと思います。
 三つ目に、心の東京革命関連のこれまでの主な事業について資料をお願いします。
 四つ目に、青少年センターについて、臨海部に移転する以前からの利用状況の推移を、現在までお願いします。
 最後ですが、生活文化局が行っている事業の中で、視力障害者向けのサービスが幾つかあったと思うんですが、それがどうなっているか、この間の推移をお願いいたします。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 ただいま、野島委員、曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○渡辺委員長 次に、請願の審査を行います。
 初めに、請願一四第一七三号、請願第一四第一七六号、請願一四第一七七号、請願一四第一八七号は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中澤私学部長 私学助成の拡充等に関する請願についてご説明を申し上げます。
 ご審査いただきますのは、国分寺市の三多摩高校問題連絡協議会代表河津マサヱさんほかからの一四第一七三号、すべての子どもに豊かな高校教育を保障することに関する請願外三件でございます。
 請願の趣旨につきましては、お手元に配布しております説明表の一ページから八ページに記載されておりますように、私立学校に対する各種補助金の拡充、新設、学校における教育環境の整備充実、国に対する要望事項の拡大などに関するものでございますので、現在の状況について、審査説明表に記載されております事項ごとではなく、一括してご説明をさせていただきます。
 まず、私立学校の運営費等に対する補助についてでございます。
 私立学校経常費補助につきましては、標準的運営費の二分の一の補助を維持するという基本的な考え方に基づいて行っております。経常費補助のうち、私立幼稚園経常費補助につきましては、平成十四年度に補助率二分の一を達成し、充実に努めております。
 また、学級規模の縮小につきましては、四十人学級編制の達成を目指し、特別補助制度などにより、その誘導と制度の定着に努めております。
 家計急変及び家計状況への対応につきましては、経常費補助の特別補助の中で、学校が授業料を減免した額の三分の二を補助しているところでございます。
 三歳児の就園につきましては、経常費補助の特別補助の中で、三歳児就園促進補助を設け、状況を踏まえ、その充実に努めているところでございます。
 また、預かり保育に対する補助につきましては、平成十四年度に私立幼稚園預かり保育推進補助を新たに設け、補助の充実を図っているところでございます。
 私立幼稚園障害児教育事業費補助につきましては、補助単価を増額するなど、充実に努めているところでございます。
 また、私立幼稚園教育振興事業費補助につきましては、現在、経常費補助の補助単価の三分の一が補助単価になっておりますが、個人立等の幼稚園には学校法人会計基準の適用がないことなどを考慮したものでございます。
 なお、私立学校の財務状況につきましては、学校法人の自主的な判断によって可能な限り明らかにしていくよう働きかけてまいります。
 次に、保護者の経済的負担の軽減についてでございます。
 私学助成の基幹的補助である経常費補助を補完するものとして、授業料軽減補助制度等を設けているところでございます。
 特別奨学金補助につきましては、平均的な所得の都民が対象となるような支給基準を設定しているほか、生活保護世帯や住民税非課税世帯などには一般より増額するなど、補助の充実に努めているところでございます。
 また、私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助につきましては、これまでの所得制限を堅持し、生活保護世帯など一定の所得階層に配慮をした上で、保護者の所得に応じた補助事業として実施しているところでございます。
 次に、学校施設の教育環境などの整備についてでございます。
 都は、財団法人東京都私立学校教育振興会が実施しております長期で低利な施設設備資金の貸し付けに対し利子補給を行っております。また、同会は、老朽校舎建てかえ整備事業に係る利子助成を行うなど、施設改善の促進に努めているところであり、都はこれに対しましても財政支援を行っております。
 なお、平成十五年度より、防犯及び防災対策に係る施設整備補助を新たに行う予定でございます。
 次に、国への要望についてでございます。
 都は、経常費補助の拡充につきまして、毎年国に要望しているところでございます。また、私立専修学校の専門課程につきましては、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、国に助成制度の創設などについての要望をいたしております。
 いずれも、都議会におかれまして、同趣旨の意見書を提出しているところでございます。
 最後に、育英資金貸付事業におきましては、今年度の募集から貸付要件を大幅に緩和したほか、これまでと同様、家計急変に対して特別貸付を実施しているところでございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 私学助成全般にわたる四つの請願について、今、一括しての説明があったんですが、この間、予算の検討の中で、局が求めてきた障害児対応の予算の増額と、今お話のあった防災などの耐震診断補強について、復活でついてきたと。耐震補強の方は局が求めなかった、たしか復活要求しなかったと思いますが、知事の方でつけたという点では、やっぱり私学関係者のこの間の努力が大きく影響したんだなというふうに思うんです。
 しかし、私、昨年、これはやっぱり請願関連もあって申し上げたんですけれども、全体として私学助成は、まだまだ実質二分の一補助にはなっていない。標準的運営費といいますが、実際に都立高校や公立の小中学校などに比べて、そこにかかっている費用の二分の一にも届いていない。むしろ実質は四割から三割台へと下がってきているという実態については、昨年明らかにしまして、実質二分の一に近づける努力というのをお願いしたところです。
 そういう観点から、どうしても後退をしている問題について絞ってお伺いしたいんですが、一つは、私学助成を進める都民の会の方々から、私立幼稚園についての請願で、一番に掲げております、私立幼稚園保護者負担軽減補助の補助対象枠を広げ、補助単価を増額してほしいと。現在の状況の説明を見ると、保護者の所得に応じた補助事業として実施し、所得制限を維持しているというふうに、現状維持かのような説明に見えますが、実際には、今年度から来年度にかけて、大幅な負担の増額が所得階層に応じてやられているということになるわけです。で、来年度は二年目になるわけです。この二年間で、どういう内容で負担の変更が行われるのか、その中身について紹介をしていただきたい。

○中澤私学部長 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助事業についてでございます。平成十三年度に行った見直しの内容でありますけれども、従前の生活保護、住民税所得割非課税世帯と、標準世帯の年収でおおむね七百三十万円までの世帯の二区分を、生活保護、住民税所得割非課税世帯と、おおむね年収三百六十万円まで、そして六百八十万円まで、七百三十万円までの四区分といたしまして、所得状況に応じた補助制度といたしました。
 なお、保護者の経済的負担を考慮いたしまして、実施に当たっては経過措置を設けましたほか、同一世帯から同時に私立幼稚園等に在籍をしています第二子以降の幼児につきましては、従来の補助水準を維持したところでございます。

○曽根委員 この見直しの影響なんですけれども、今年度においてはどれぐらいの人数とどれぐらいの額の負担増が影響しているのか、来年度はどうなるのか、教えてください。

○中澤私学部長 見直しによります平成十四年度の影響額でございますが、約九億六千万円でございます。経過措置の終了によります平成十五年度の影響額は約二億円と見込んでおります。
 また、影響を受ける人数は、平成十四年度で補助単価を見直した第一子の幼児を持つ標準世帯の年収で、おおむね三百六十万円を超え七百三十万円以下の世帯の該当幼児数は、約七万九千七百人であります。また、経過措置が終了する平成十五年度は、おおむね六百八十万円を超えて七百三十万円以下の世帯が影響を受け、その該当幼児数は約一万五千六百人と見込んでおります。

○曽根委員 今年度が人数が大きいわけですね、七万九千七百人。来年度は一万五千六百人。これを合計すると約九万五千三百人、こういう人数になりますが、この保護者負担軽減事業費補助の対象人数、これは来年度主要事業の原案の中に人数が出ているんですけれども、全体でも十万二千六百四十六人ですから、二年かけて九割方の方が負担増になるということになりますね。
 ですから、所得階層に配慮したというけれども、大半の方は負担増になるという事実なわけですよ。それを免れている方は一割程度で、恐らく生活保護か、それに近い方でしょう。七百三十万円といえば、一般的勤労者の平均所得程度ですから、十万人近いそれ以下の方々に対してさえ、こうした負担増をかけるというのは、このご時勢で、若い、子どもさんがまだ小さい夫婦にとって非常に重いということはよくわかっていると思うんですが、私学助成、ほかの分野は曲がりなりにも前進が多いんですけど、この私立幼稚園の保護者負担だけ、があっときているんですよね。これはどうしても、全体の公平性という点でも納得いかないなと思うんですが、この影響についてはどう受けとめておられますか。

○中澤私学部長 最初に、今、委員ご指摘で、十万人に対して、合わせれば九万人だから、九割だとおっしゃいましたが、十四年度の影響を受けた七万九千七百人、その中で十五年度は一万五千六百人でございますから、足すのではありませんで、あくまでも七万九千七百人でございまして、そういう意味では影響は八割を切っている、七〇%台だ、こういうふうに思っております。
 これをどう考えるかということでございますが、平成十三年度に行った私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の見直しは、東京都の私立幼稚園の保育料に対する公費負担率が、政令指定都市の中で最も高く、その結果として保護者の実負担額は全国でも低い水準に位置していること、生活保護、住民税所得割非課税世帯以外で、標準世帯の年収おおむね七百三十万までの世帯が同額の補助単価となっておりまして、所得に応じた負担となっていないこと、そして、私立幼稚園における預かり保育の充実など、都民の新たな保育ニーズにこたえた施策の展開が求められていることから、見直しを行ったものでございます。

○曽根委員 都は、こういうところに限って全国との比較をよくやるんですけれども、自分の都合の悪いのは余り全国比較しないんですよ。去年私もやったけれども、千葉、埼玉、神奈川なんかと比べて東京は私学が多いわけですね。その分、公立の教育費は随分助かっているわけですよ。私、正しいかどうかはともかくとして、いろいろ計算して、局にもよく調べてもらいたいんですけど、一千億ぐらい違うと思う。その分私学に負担してもらって、公立は浮いているわけですよ。そういうことも考えれば、全国比較というなら、私学助成に全体としてもっと力を入れるということがあっていいわけなんですよ。
 こういうところだけ全国比較をしながら、東京は割と負担が軽いんだとおっしゃいますけど、東京の生活と地方の生活では、実質的な暮らしの負担というのは大きな違いが実際にあるんです。それはもう生活費や家賃や、全体にやっぱり高いわけですよ。そういうことをぜひ配慮しなければならないというふうに思うのと、最近、私立幼稚園は生き残りをかけて頑張っていますけれども、公立幼稚園は、私のいる北区も含めて次々と廃園しているわけです。つまり、幼稚園は、もう選択の余地なく私立を選ばざるを得ないんですね。したがって、父母は、公立に比べてはるかに高い負担をやっぱり負わざるを得ないんですよ。
 そういう中で、父母負担軽減、今まで大変喜ばれている、幼稚園関係で一番喜ばれているこの制度、直接の父母への補助ですから、これが切られていくというのは何とも情けないなというふうに思いますので、これは改めて充実方を求めておきたいと思うんです。
 もう一つなんですけれども、私立幼稚園障害児教育事業費補助という事業がありますよね。これを増額してほしいという要望が、この五項目めに入っているんですが、これは恐らく、この事業とあわせて養護学校の方の何か経費も、もう一つの事業が入っているんじゃないかと思うんですけど、対象の人数としては、幼稚園の障害児に対する補助が、何人ぐらいの子どもさんに対応になっているのか。そして、この間の経過もあわせてお聞きしますけど、増額をずっとしてきたんじゃないかと思うんですが、ことしから来年にかけては何か据え置きというふうな話を聞いているんですが、いかがでしょう。

○中澤私学部長 まず、幼稚園の障害児に対する補助対象人数等でございますけれども、平成十三年度の実績で申し上げますと、盲・聾・養護学校等経常費補助金につきましては、五十八園、三百人、障害児教育事業費につきましては、百十三園、二百七人、幼稚園障害児全体では百七十一園、五百七人に対して補助を行っております。
 そして、その補助単価のお話でございますけれども、障害児教育事業費補助の補助単価につきましては、盲・聾・養護学校等経常費補助の国庫補助単価と同額に設定をしております。平成十年度の単価は三十八万円でございまして、平成十四年度には単価三十九万二千円と、毎年増額をしております。なお、平成十五年度は平成十四年度と同額の予算単価となっております。

○曽根委員 対象の人数そのものも限られている。それにしても五百人以上いるわけで、障害児を抱えた家庭が、障害児施策についても最近大変大きな削減の中にいるということを考慮して、これは予算案の中身になりますので、また別の機会に審議したいと思いますが、ぜひ増額の努力をしていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 全体として、私立幼稚園も含めて私学助成は、請願の中にもありますが、家計急変や家庭の事情で勉学を断念せざるを得ない子どもが出ないようにということは、共通の願いだと思うんですね。しかし、今非常に厳しいです。そういう点では、もちろん三分の二補助という制度ができて非常に喜ばれてはいるんですけれども、使っている学校がまだ三分の一程度しかないということですから、残り三分の二の学校に通っている生徒さんにも--東京都の、家計急変、家計の悪化によって学校断念で泣かなくて済むような、直接補助という要望がありますけれども、こういったこともぜひ検討していただきたいということを最後にお願いして、私の質問を終わります。

○福士委員 私も今まで私学助成に関しては、これらに関する議事録も拝見してきましたので、あえて質問はいたしませんが、本日、問題点の質疑も出されておりますので、意見だけ申し述べさせていただきます。
 私学の負担増が進んでいるということは今のお話でもありましたし、それから助成の増額については、私も理解しております。で、何点か、私もちょっと請願の方々の願意に沿いがたい部分がありますので、その点から先に申し上げさせていただきます。
 助成額ですけれども、高額所得家庭までというふうには私は困難だと思いますので、増額幅の議論は必要だと思いますけれども、一定の所得制限はやむを得ないというふうに思っております。ですから、一律という言葉が入った部分もありますけれども、その辺のところはどうかなということと、それから、もう一つ、直接補助制度でなければならないというふうにはちょっと考えておりませんので、その点は願意に沿いがたいかなというふうに思っております。
 それから、あと二点ですが、大規模校にしたいかしたくないかというような点も出ておりましたけど、こういうことは行政からどうこうではなく、学校の自律にそこまで行政が踏み込んでいいのかなというところも疑問に思いましたので、その点。
 それから、もう一つ、経理公開促進に関しては、ご説明のところで、財務状況の透明性については、行政の働きかけや努力をするというふうにおっしゃっておりますので、これこそ自助努力というんですか、それと同時に、保護者会などからもきちんとチェックと提案をしてくださることの方がまずベターではないかと。その意味で、助成制度というところまではいかがなものかなというふうに思いましたので、この辺あたりがちょっと願意に沿いがたいかなというふうに思っております。
 ただ、もう一つ、老朽校舎に対しては、私立学校教育振興会の方から設備資金貸付や利子補給も行っておりますけれども、地震対策などでは、今もちょっと出ておりましたけど、命にかかわることであるということから、ある程度の予算も--さっきも入っておりましたようですが、被害の対応を考えると、かなり踏み込んだ助成も含めた対応が必要かなと思いますので、別にこちらから要望をしておきたいというふうに思います。
 もう一つ、幼稚園ですけれども、これも杉並の場合は、公立の幼稚園というのが私立の幼稚園の補完的な形でつくられておりまして、数的にいえば絶対に少ない。公立が少ない以上、近くでなければとか、あるいはさまざまな要因があって、私立幼稚園に通わざるを得ないということがあります。その意味では請願の方々の願意に沿って考えていただくように要望します。
 その他すべて採択をしていきたいと思います。

○渡辺委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 発言がなければ、初めに、請願一四第一七三号及び請願一四第一七六号をお諮りいたします。
 本件は、教育庁所管分がありますので、本日のところは、いずれも保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一七三号及び請願一四第一七六号は、いずれも保留といたします。
 次に、請願一四第一七七号をお諮りいたします。
 本件のうち、第二項、第四項及び第五項を趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一七七号中、第二項、第四項及び第五項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一四第一八七号をお諮りします。
 本件のうち、第一項から第三項まで、第五項、第七項及び第十一項を趣旨採択とすることにご異議ざいませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一八七号中、第一項から第三項まで、第五項、第七項及び第十一項は趣旨採択と決定をいたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時五十六分休憩

午後三時五分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、請願一四第一七五号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高田消費生活部長 整理番号5、一四第一七五号の一、食品安全確保政策の充実に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 説明表の九ページをお開きください。
 請願者は、中野区の東京都生活協同組合連合会会長理事浅井康男さん外千二百十二人でございます。
 請願の趣旨は、都において、基準のない食品添加物等について独自の安全性の評価、食品安全の管理体制の強化、消費者が参加する多様なリスクコミュニケーションなどを行い、次に掲げる施策を推進することにより、食品安全確保政策を抜本的に充実させていただきたいというもので、1は、国の新しい行政システムを受けて、都民が参加し、その意向を尊重して、東京都における食品安全確保対策にかかる基本方針を改定すること。3は、食品等の安全管理施策を充実強化するために、(1)、農場から食卓までの生産流通履歴、トレーサビリティーシステムの開発と指導を行うこと。(3)、わかりやすい食品表示デザインに関する都民協議及び都民参加による表示監視の制度化を行うことでございます。
 続きまして、現在の状況についてご説明申し上げます。
 まず、1でございますが、東京都における食品安全確保対策にかかる基本方針は、都が食品の安全確保対策を進める上での基本的な考え方、施策推進の方向及び施策の体系を示したものでございます。都といたしましては、本基本方針に基づく施策を展開し、都民の健全な食生活の確保に努めてきたところでございます。
 次に、国の動きといたしましては、食品の安全性の確保を総合的に推進することを目的とする食品安全基本法及び食品衛生法改正案を今通常国会に提出する準備を進めているとのことでございます。
 これに対し、都は、昨年十一月に発表いたしました重要施策で、食の安全・安心確保に向けた現場を動かす都独自のしくみの構築について、取り組みの方向を示すとともに、食品安全条例、仮称でございますけれども、の制定につきまして、国における食品安全基本法制定の動向などを見ながら、関係局が連携し、課題の整理など、準備作業を行っております。
 この条例は、今後の都における食品安全行政の基本的な指針となるものであり、食の安全、安心確保に向けた大きな戦略を示すものでございます。基本方針は、条例の制定に向けた検討の中で、その取り扱いについて整理してまいります。
 次に、一〇ページをお開きください。3の(1)でございますが、国は、平成十四年度に牛の個体識別システムを構築し、インターネットによる個体情報の公開を開始いたしました。また、牛肉のトレーサビリティーシステムについて、屠畜場から小売段階においてモデル的に実施し、十五年度にシステム全体の導入及び定着を推進するとしております。
 他の生鮮食品につきましても、十四年度にトレーサビリティーシステムの開発、実証実験を行っており、十五年度にシステムの確立、導入が予定されております。
 都は、消費者が感じている食品の安全や表示の不安を解消するため、小売段階でも食品の原産地や生産履歴について社会的な検証が行えるよう、国に対し法的仕組みの充実を提案要求してきたところでございますが、国の取り組みを踏まえまして、平成十五年度には、牛肉や豚などの畜産物について、JAS法に基づく表示が適切になされているか、DNA鑑定を新たに実施するなど、食品表示の監視強化を図っていく所存でございます。
 最後に、3の(3)でございますが、食品の表示事項や表示方法は、JAS法及び食品衛生法において詳細に規定されております。都は、消費者が商品を購入する際、容易に適切な商品が選択できるよう、平成十三年十二月に、バイオテクノロジー応用食品について独自のマーク表示を定めました。マークは、都民からデザインを募集し、わかりやすく親しみの持てる図柄を選定したところでございまして、事業者が適宜使用できますよう、ホームページで公開をいたしております。
 また、都民参加による表示監視の制度といたしまして、平成十四年度から消費生活調査員制度を創設し、都民二百人がJAS法に基づく食品表示の定期調査を実施しております。調査員が不適正またはその疑いがある食品表示を発見した場合には、職員による確認調査、改善指導を行う体制をとっております。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件についての発言を願います。

○曽根委員 まず、この請願は、食品安全問題についての主な仕事は、既に健康局の方で中心にやっていて、きょう、厚生委員会の方でも別の項目がかかっているということですから、食品安全の中心的な課題についての論議はそこで行われることになるわけですが、全体として、私どもは昨年の本会議一般質問でも、今まで基本方針でやってきたけれども、情勢の進展や時代の要請から、条例化をして、より法的に強力な制度をつくる必要があるということを中心に提案をしたところです。重要施策の中では条例化ということがはっきりうたわれておりますので、この1の項目に関連していえば、基本方針で今まで実績を上げてきたものについて、これは十分に盛り込んでいく必要があるだろうし、より実態に合った中身も含めて条例化を進めてもらいたいということをまずお願いしておきたいと思います。
 で、具体の問題で、こちらで審議すべき項目に関してちょっと具体的にお聞きしておきたいのは、今年度から始まりました消費生活調査員制度、この現状といいますか、都民二百人を調査員ということでお願いをして、都民協力のもとで食品の適正表示について監視するということなんですが、私たち、都民の協力を得るということについては、これは大いにあってしかるべきだと思うんです。ただ、これは都の側がお願いして、事実上ボランティアですよね、やってもらうということになります。しかも、責任も伴ってやってもらわなきゃならないということになりますから、当然、元締めである東京都の担当部署は、それを担っている二百人の方々以上に一生懸命やらなきゃならないということだと思うんですね。その辺の関係がうまくいっているかどうか。これはことし初年度ですけれども、実情についてお聞きしたいと思うんです。
 二百人というので都内の食品表示にかかわる。恐らく網羅できないと思うんですね。ですから、担当している調査員の方々にとっては、この膨大な商品量に対して自分は何をすればいいのかという、いろんな不安や不満もあると思うんですよ。基本的には拡大していく方向で考えていく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

○高田消費生活部長 消費生活調査員制度は、JAS法に基づく食品表示の監視、この部分については、お話がございましたように、都民二百人の方に調査をお願いしているということでございますが、制度全体といたしましては五百人の都民の方にお願いしてございまして、そのほかに景品表示法の調査が二百人、それから計量調査が百人、こういうふうな割り振りでお願いをしてございます。
 私ども、都民の方々にお願いをしました調査結果の受けとめ方でございますけれども、幾つかの段階に分けて、その調査の結果なりを確認したり、あるいは必要な指導を行うというふうな形をとってございまして、まず表示調査について申し上げますと、調査員の方からいろいろな結果報告を受けまして、その次の段階で、嘱託員の職員がその結果に基づきまして出向いて、調査員の方々から受けた調査についての事実確認、それから法に抵触する表示等が見受けられれば、その時点で必要な指導を行うというふうな第二段階での調査を実施する。それだけではまだ十分とはいえない面もあると思いますので、さらに職員がバックアップするということで、表示担当の職員五名が担当することになってございまして、計画全体の立案から二次までの調査結果の分析、あるいは違法行為に対する立入検査その他等々、帳簿等の確認とか事実関係の把握等を行って、さらに必要な指導等が出てくれば、その時点で必要な指導を行うというふうな形の三段階に分けた調査で、せっかくお願いした調査が適切に実施されるように、仕組みをつくって実施しておるところでございます。

○曽根委員 実情はわかりました。今のお話ですと、二百人が直接的には食品の表示についての調査員だが、多少融通をきかすといいますか、五百人ぐらいの全体の枠の中、もう少し柔軟にその制度を活用できるというようなニュアンスなのかなというふうに受けとめました。どこまで組織すれば全体が見えてくるのかというのは何ともいえませんけれども、私は、調査員については、もう少し手厚く制度をつくっていくべきだろうなというふうに思っておりますので、それは要望しておきたいと思います。
 その上で、今、第二段階といいますか、嘱託の方が調査に行くと。で、最終的に必要な場合はさらに職員が行くというようなお話がありました。職員と嘱託員、要するに局にいる担当部署の人数とか体制はどういうふうになっているんでしょうか。

○高田消費生活部長 三段階に分けて調査を実施しているというふうに申し上げまして、その第二段階においての嘱託員の数でございますけれども、表示関係については六名の嘱託員が従事してございます。

○曽根委員 私、頑張っておられると思いますが、職員の数が一けたではやっぱり不十分かなという印象を受けました。ここは今特に焦点が当たっている分野でありますので、増員や充実を求めておきたいと思うんです。
 それと、もちろん研修などを行って、それぞれの調査員のレベルを引き上げていくために努力をされているということは当然あると思います。残念ながら、私の個人的な知り合いには調査員になっている方がいないもので、そのご意見を聞く機会はなかったんですが、担当の部署の方から聞きますと、こういう問題について非常に意識の高い方が今なっているわけですね、恐らく。したがって、非常にいろんな要望もあるし、意見もあるというふうにお聞きしました。中には、東京都はやっぱりまだまだ甘いというような厳しいご意見もあるというふうに、率直にいえば聞いているので、そういう意見を、この問題に限らず消費者行政に大いに生かしていくというのが、これからの都政としては非常に重要だろうと思うので、そういう意見交換の場、要望を反映できるシステムをぜひつくっていただきながら、この制度の充実に努めていただきたいことをお願いしておきます。
 終わります。

○執印委員 それでは、質問させていただきます。
 この食品安全確保の政策の充実に関する請願ですが、きょうは、新聞記事で韓国産のセリから残留農薬が検出されたということで、厚生労働省が市場に流通させないようにするということを発表したということです。農薬のクロルピリホスというものが出たということで、そして、昨年一月以降のセリの輸入は二十五トンだというような記事が載っておりました。さまざまなものが輸入され、こうやって水際で予防できるものもあるわけですけれども、何せたくさんのものが輸入されますので、水際で予防できなかったものについてなど、東京都がこれまでさまざまな対応をされてきたということが、大きな役割がそこにあったというふうに思います。
 食品の安全については、八九年の直接請求も受けて進んできた部分もあるかと思いますが、この請願が十二月に出され、十二月議会での各会派の指摘を受けて、知事が来年度の重要施策にされたということですので、この間の生活文化局の取り組みがさらに生かされるような形で進めていただきたいという立場からも質問をさせていただきます。
 まず、私も、その当時の食品安全条例の直接請求の運動には地域で参加をいたしましたけれども、東京都全体の取り組みという立場で質問させていただきたいんですが、この請願の一番の項目にもあります基本方針ですね、この基本方針の策定の経過をまず伺います。

○高田消費生活部長 今お話もございましたように、食品安全条例の制定に関する直接請求が平成元年に、輸入食品の放射能汚染やポストハーベスト等の問題を受けて提出をされました。直接請求につきましては、ご案内のとおりと思いますが、都議会で二度継続審議となるなど、慎重に審議がされまして、平成二年第一回定例会で否決されているということでございます。
 基本方針の策定の経過についてですけれども、この審議を踏まえまして、東京都は、食品安全対策を総合的に推進するため、平成元年十月に庁内に食品安全行政連絡会議をまず設置いたしました。基本方針は、この連絡会議で検討されまして、都が食品安全確保対策を実施する上での基本的な考え方、施策推進の方向及び施策の体系を示すものとして、平成二年十二月に制定されたものでございます。

○執印委員 そういう形で策定されたものですけれども、これについては一度改定をされているというふうに伺っておりますが、改定された経緯と、それから位置づけ、また、そのときに都民参加がどのような形になったのかを伺います。

○高田消費生活部長 基本方針は、平成二年十二月に作成された後、新たに食品にかかわる国際規格基準の統一化でありますとか、製造物責任法の施行、食品衛生法の大幅な改正、またO157による食中毒、輸入食品の増加、内分泌攪乱化学物質の影響、遺伝子組みかえ食品の登場など、新たな課題が出てまいりまして、これに適切に対応するため、施策の充実強化を図るなど、平成十一年四月に改定を行ったところでございます。
 位置づけは、基本的には、先ほど申し上げましたように、食品安全確保対策を実施する上での基本的な考え方、施策の推進の方向等を定めるものということで、さらに改定に当たりましては、パブリックコメント等の都民参加によりまして、都民、消費者団体等の意見の反映を図ったところでございます。

○執印委員 なかなか国が国民の不安にこたえる食品安全行政ができない中で、東京都もこの基本方針に沿っていろいろ頑張ってきていただいたなと思っているわけですが、この基本方針は東京都としての政策基準でありますけれども、国とか都内の自治体との連携など、活用というのはどのようにされてきたのか、伺います。

○高田消費生活部長 最初に、都内自治体との連携についてお答え申し上げますが、食品安全行政連絡会議の構成員といたしまして、区市の代表者に入っていただいておりまして、基本方針に基づく施策の連携を進めているところでございます。
 また、国に対しましては、制度の創設や施策の充実強化などについて、この基本方針に基づき提案要求を行っております。

○執印委員 日本の食を取り巻く状況の中で、販売の側からの法律などがいつもつくられてきたわけですが、消費者の権利または都民の権利というものがうまく入れてこられなかったということがあるわけですが、お話がありました改定された段階で、都民の権利というもの、買う側の権利というものは前文にどのように位置づけられたのでしょうか。

○高田消費生活部長 お話の消費者の権利につきましては、まず消費生活条例で、生命及び健康を害されない権利を初め五つの権利をうたっております。
 改定前の基本方針は、健全な食生活の基礎的条件は食品が安全であることである、そういう認識を示していたわけでございますが、改定に当たりまして、このことは、都民の生命及び健康を害されない権利を確立することであるという文言を加えまして、都民の視点に立脚した基本方針であるということを明らかにしたところでございます。

○執印委員 この改定の段階で、その方針の中に、未然防止の観点ですとか消費者の権利がうたわれたということだと思いますが、こうした基本的な事項、これは今検討されている条例の中に引き継がれるべきであるというふうに考えますので、これまでの生活文化局の積み重ねが十分に生かされるよう、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 そこで、これまでは、今いろいろお話しいただきましたように、基本方針は生活文化局の所管であったわけですが、今後、総合調整機能はどのようになっていくのでしょうか。

○高田消費生活部長 東京都といたしましては、総合的な食品安全行政のための体制整備といたしまして、食品安全対策推進調整会議を設置することとしてございます。来年度からは健康局が中心になりまして、各局の役割や連携について調整を行っていくことになります。

○執印委員 次に、現行では、いろいろお話をいたしました食品安全条例の直接請求の経過もありまして、食品衛生法の体系では都民の参加システムというのがつくれませんで、これも先ほどお話がありました消費者参加を、消費生活条例でカバーしてきたのだというふうに思います。基本方針の改定については都民の意見募集はあったわけですけれども、この消費生活条例の役割も非常に大きかったというふうに思うんですが、具体的には八条の申し出制度だというふうに思います。これについては、昨年度の決算の委員会の中でも、どのような申し出が出されて、それが調査されてきたのか伺ったわけですが、こういったものを使って、国に対して意見をいうということも行われてきたわけですけれども、この参加のシステムは今後どのように担保されていくのでしょうか。

○高田消費生活部長 お話がございました消費生活条例第八条は、消費者の権利の侵害に対しまして、都民の立場から知事に対して申し出ができる旨を明示し、それに対する知事の対応義務を定めたものでございます。都は、この八条の申し出を受けまして、食品安全に関する各種の調査及び事業者への働きかけ、さらには国への提案要求等を行ってきてございます。
 都民参加のシステムにつきましては、こうした経緯を踏まえ、八条の申し出制度も含め、その具体的な取り扱いについて、新たな食品安全条例制定の検討の中で整理してまいります。

○執印委員 今、検討の中で整理していくということでしたけれども、これからは、食べる側の理論、または消費者の側の理論で食べ物がつくられ、製品がつくられていくということが非常に重要になってきますし、また、それが産業の活性化にもつながるという発想が必要だというふうに思いますので、ぜひこういった形で積極的にお願いしたいと思います。
 それで、最後に、(3)の請願の項目にかかわりますことについて質問いたします。
 食品表示の問題がここで書かれておりますけれども、食品の表示については、ユニットプライシングなど、東京都は、消費者の選択の権利を確保する立場で、都独自の施策を展開してきたというふうに思います。こうした選択の権利は、施策としてカバーされるべきだというふうに思いますが、今後、役割分担の中でどのように分かれ、どのように確保されるのでしょうか。今後の生活文化局としての食品施策の内容がどのようになっていくのかをお尋ねいたします。

○高田消費生活部長 消費生活条例では、消費者が商品やサービスを購入するに当たりまして、その適切な選択、使用ができるようにすることなどを目的といたしまして、事業者に対し、商品の品質表示事項やサービス表示事項、それから単位価格や販売価格の表示を義務づけております。
 都は、食品の安全、安心確保に向け、検査、監視体制を再構築することとしておりますが、JAS法及び条例に基づく食品の品質表示適正化事業については、来年度から健康局に移管されます。生活文化局は、景品表示法に基づく食品の不当表示、それから消費生活条例に基づく単位価格表示等の適正化の各事業につきまして、今後とも積極的に取り組んでまいります。

○執印委員 ありがとうございました。
 これまで、今ある条例も使いながら、都民の権利というもの、食べる側の権利というものを進めてきていただいたわけですけれども、そこに都民参加の視点を含めてやってきた成果というのは大きいというふうに思います。直接請求したときに、この食品の担当が公衆浴場の窓口にあったという、伝説のような話として私どもいつも聞いているわけですけれども、そこから考えますと、大変、隔世の感もいたしますが、生きる上で、何がなくても食べるものだけはないと生きていけませんし、それが安全でないと命にかかわる問題ですので、これまでの生活文化局の成果を十分に生かして、そして消費者の権利を確立することを目指して今後とも頑張っていただきたいということをお願いいたしまして、本来は採択がいいと思いますが、趣旨採択の立場でいるということを表明いたしまして、質問を終わります。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一七五号の一は趣旨採択と決定いたしました。

○渡辺委員長 次に、請願一四第一八三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中島都民協働部長 一四第一八三号、「青少年健全育成条例」の一部改正等に関する請願についてご説明申し上げます。
 説明表の一一ページをお開きください。
 請願者は、千代田区の東京都書店商業組合理事長萬田貴久さん外三百二十八人でございます。
 請願の要旨でございますが、書店等における万引きを防止するため、古書店、新古書店が青少年から書籍等を買い取る際に親の同意確認など、万引き防止のための取り組み状況の把握と、条例で年齢や親の同意の確認を義務づける規制を求めたものでございます。
 現在の状況についてご説明申し上げます。
 書籍等の買い取りにつきましては、古物営業法及び質屋営業法により、青少年に限定したものではございませんが、古物商及び質屋が書籍等物品を買い受け、質受けする際には、盗品の売買を防止するために、相手方を確認し、不正品の疑いがある場合は警察官にその旨申告する義務を課しております。なお、古物営業法では、対価の総額が一万円未満の書籍につきましては、相手方の確認の義務を免除しております。
 青少年からの書籍の買い取りにつきまして、古書業界の自主規制がございますが、東京都古書籍商業協同組合では、書籍の買い取りは行っておらず、やむなく買い取る場合は、保護者の同意書または電話確認による保護者の同意を得て買い入れております。いわゆる新古書店におきましても、業界として統一的なものはございませんが、古書店と同様な保護者の同意確認の自主規制を行っているというふうに聞いております。
 東京都青少年の健全な育成に関する条例では、青少年の保護や育成に主眼を置き、規制する事項は最小限にとどめ、都民の自由と権利を不当に制限することのないよう配慮すべきであるという基本的な考え方に基づきまして、青少年からの物品の質受け及び古物の買い受けにつきましては規制を行っておりません。
 他府県の条例では、青少年からの物品の質受け及び古物の買い受け等の制限を四十道府県で規定しておりますが、このうち二十一県は、本の処分や買いかえは日常的に行われていることから、書籍について古物の買い受け制限から除外しております。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野島委員 説明はよくわかりましたので、そんなに長くは時間はとりません。最大でも二十分ぐらいで終わりにしたいと思います。
 新聞に、書店の万引き平均二百十万、年、一店舗当たり、こんな記事がありました。実は、先年、六月一日から六月三十日を調査期間として、経済産業省が全国二千五百三十店舗を対象に、この実態を調べているんですね。回収率が四百八十幾つですから、そんなに高い回収率じゃないんですけど、そのアンケート結果がここに出ているんです。特徴的なものを申し上げますと、かっぱらうときは複数持ってっちゃいますよ、こういうことであります。それから、被害一件当たりどんな商品別かというと、コミック本が圧倒的に多いそうなんですね。これが六・六冊平均持ってっちゃう。年齢別ですと、中学生、高校生が全体の六三%を占めていますと。目的が、自分で読むためが五〇%なんですね。換金するためというのは一四%なんですよ。あとは、ここ数年で万引きがふえたと思っていますという人は、全体の八三%。じゃ、なぜそんなにふえちゃったんですかということについては、換金目的ではないでしょうかというふうに見ている人が圧倒的に多い、こういうことなんですね。実は、その辺の実態がありまして、さあどうする、こういうことに相なろうかというふうに思ってます。
 一点目は、これは全国規模で調べたことですから、なおかつ、すべてにわたって、例えば犯罪があれば、それは捜査という形になるでしょうけれども、アンケートにこたえる形ということになっていますので、なかなかその原因を特定したり、因果関係で、結果、青少年の健全育成に望ましくないという結論を導くにはなかなか困難だと思うんですが、東京都はその辺で、いろいろ権限の問題もあろうかと思いますが、東京都版のこういうものというのは把握をされているのかどうか、その辺のところをひとつお伺いしておきたいと思います。

○中島都民協働部長 今、委員がおっしゃられたように、青少年の万引きと古書店、今回問題になっている新古書店への換金のための持ち込みについてでございますが、まずその因果関係というのが明確ではないという認識を現在しております。
 東京都は、古書籍商業協同組合におきましては青少年からは原則として買い取らないということにしているわけですが、先ほどお話ししましたように、大手古書店本社の責任者から買い取りの実態調査をしてございます。実態調査といいますか、お話を伺っております。それによりますと、本を売りたいという希望者全員から、金額を問わず、その都度受付で、住所、氏名、年齢、電話番号等を本人がその場で記入した書類を提出させているということでございまして、なおかつ青少年の場合には保護者の同意書を提出させているというふうに聞いております。
 実際の書籍の買い取り価格でございますけれども、内容とか発行日ということにかかわりなく、本がきれいであるかどうかということで判断しているようでございます。一冊大体数十円から高くても数百円、これが標準的であろうということでございまして、なお、同じ本が二冊以上持ち込まれたような場合は買い取らないというふうに決めているようでございます。これらの取り扱いについて、マニュアル化をしているようでございまして、店員への研修も行っているというふうに聞いております。

○野島委員 実は、その辺で確かに古本屋さんというのかな、古書籍商業協同組合さんも自主的に規制をして、青少年が持ち込んだ場合には買い取らない、こんなことで伺っているんですよ。実態が、因果関係がはっきりしないことを、公の場で滑った転んだというのは正しいことではないと私は思っていますけれども、きょうはちょっと資料を持ってこなかったんですが、近くに新古書店ができたら、えらく万引きがふえたと。これは、新古書店が積極的に盗めとはいってないけれども、買い取るという話があるからと、こういう業界の関係者のお話と、実はそういう実態なんだということをあらわしたものがあったんですよ。だけど、そこは、必ずしもそうなのかなと私も思っているんですがね。
 それで、実態調査は今わかりました。そのことが直ちにすべてを解決するというふうには思いませんけれども、社会的な警鐘として、所管局の権能の問題がありますけれども、ぜひ今後もその辺のいろんな事情を、可能な範囲内でいろいろご調査いただけたら、こんなふうに思っております。
 次に、青少年健全育成条例の絡み、要するに、それを改正してくれというわけですね。本屋さん、古物商が買い取らないようにするには、青少年健全育成条例の中に規制をすれば、追っついちゃう、こういう話になると思うんですね。実は、各都道府県の青少年健全育成関係の条例をいろいろ見ました。その中には、四十道府県が青少年からの物品の買い付け制限している。あるいは二十一の県で書籍を規制対象から除外している。こんなことですね。先ほど、説明の中で、いわば東京都の青少年健全育成条例は、どうやって青少年を健全に育成していくかという、ある種の奨励条例だと。したがって、むやみやたらに自由と権利を制限されないように配慮されている、こういうことだということでございます。それぞれ立法の趣旨と、条例化するに当たってのいろんな都道府県の考え方があると思うんですけど、その辺はさっきのご説明を伺ったので、結構でございます。
 それで、要は科罰条例をつくれば追っついちゃう話だというふうに思うんですが、万引きは刑法の窃盗罪になるのかな。そうすると、刑法という法律が厳然としてあるわけですよね。それから、古物営業法というのがあって、いろいろ制約をしている。最後、古物営業法が、しかるべき営業を逸脱した場合には免許の取り消しとか、こういうことがあるわけですね。それについて、このことを科罰条例で健全育成条例の中に入れるということになりますと--いわばそういう法律がありながら、なおかつ青少年の万引きを放置しますと、青少年の健全育成はさることながら、いわば社会の安定とか、あるいは経済取引の安定性が損なわれてしまう、こういう理屈が成り立たないとなかなか困難だと思うんですね。いわば科罰条例をするには、一つは社会防衛という観点がなければ、それは科罰性を与えられないんじゃないかと思うんです。あと、そういうことを放置すると、社会全体が不安になるという部分での社会防衛、それと、今いったように相当因果関係がありませんとね。いわば盗むという行為と、換金するという行為、そのことが一体となって青少年の健全育成が害される、こういうことがないと、なかなか困難だというふうに私も実は正直なところ思っているんです。
 そんな視点から、さっきの話に戻っちゃって恐縮なんですが、例えば、調査の結果、換金目的というのはそんなに高くないんですよね。自分で読むが五〇%です。換金目的が一四%。それをどうしちゃったかというのは、警視庁の調査もあると思うんですが、それらを見ますと、邪推はよくないんですけれども、子どもたちが盗んだときに、実は売ろうと思って盗みましたということですと、犯罪の蓋然性が高くなっちゃうわけですね。いや、出来心で、自分で読もうと思いましたということになると、まあ、これからはちゃんとお金を払って買ってくださいよと、一種の出来心ということになりますけれども、最初から売っちゃうとなると、出来心じゃなくて、明確な目的を持っているわけです。このアンケートでも、万引きをした人が、あんたは何で盗んだということに対する、盗んだ側の回答なんですよ。その辺になりますと、正直なところ、僕は必ずしも、自分で読むための五〇%がすなわち--だというふうには思わないんです。
 警視庁の実態調査がどんなところにあるのか、その辺ちょっと教えていただければと思います。

○中島都民協働部長 いわゆる万引き全体ということになりますと、万引きは刑法による窃盗犯ということになりますので、全体像を生活文化局で調査しているわけではございませんけれども、警視庁の統計によりますと、平成十三年の都内の刑法犯、これの少年でございますね、そのうち窃盗犯は六千二百二十五人ということで、そのうち万引きは二千三百三十七人というふうになっております。
 ただし、このうち書籍の万引きがどのくらいあるかというのは、その資料からはわからないという状況でございます。

○野島委員 ここは書籍の問題になっていますから、その辺が、確かに盗んで何だったという項目は実は警視庁にもないようなんです。その辺も、警視庁と生文は所管が別々でしょうけれども、何らかの形の--僕は警察にお世話になったことが全くないんで、どういう取り調べをするか知らないんですけれども、何を盗んできたんだと、パンやコーラを古物店に持っていくというのはないですわな、これは自己消費になっちゃうでしょう。それから、あれはいい宝石だからひとつ身につけちゃおうとか、こういうこともあると思うんですね。そういう意味では、盗んだやつを持ち込むケースというのは、かなり少なくなると僕は思うんですよ。商品券か何か盗んで、しっかり番号でも入っていると、ばれちゃいますけれども、そのまま使っちゃえばいいという形になりますから、そういう意味では、僕はぜひ警視庁とも協議の上、何を盗んだんだ、何のためにと。これは本屋さんがちゃんと犯罪化しなきゃ、警視庁だってできないわけですから、そういう意味では本屋さんの関係者も、悪いことは悪いとはっきりいっていく、あとは捜査当局がどう判断するか。で、出来心なのか、最初から金にかえるために、それは、捜査する人は専門家だからわかりますよ。だから、本屋さんも、変な親切心を出して、自分で読むために買ったんだと、ああ、これは警察に通報しちゃ悪いとか、保護者にも通報しないようにしようとか、そんなことじゃなくて、僕は本屋さんにもいいたいと思うんですよ、しっかりと、悪いことは悪いということをしていかないとと。その反面として、ぜひ警視庁とも連携して。そういうことが可能なのかどうかわかりません。そういうふうに前向きに取り組んでいただけるかどうかというのが一つ。
 それから、あと一つの健全育成条例の話は、概要わかりました。そういう実態が明らかにならないと、科罰条例というのはなかなか困難だと僕は思うんですね。いわばそれだけ取り出して罰するよということになりますと、因果関係と社会防衛、こういう二つの側面が相当出てこなければ、はっきりしないわけですから、その課題は前段の実態調査。こんなところで警視庁とかその辺でぜひご相談いただいてと思うんですが、いかがでしょうか。

○中島都民協働部長 いわゆる窃盗犯の内容、細かくというところに関して、警視庁と私どもの方の関係はそれなりの、業務的な面ではいろいろつながりがございますので、情報交換はさせていただいておりますが、具体的な刑法犯そのものの内容を細かくというところになりますと、どうしても限界はございます。ただ、傾向としてどういう傾向を持っているかということは、警視庁からもご教示いただける点は大分あろうかと思います。ですから、そういう点では、委員おっしゃられるような形で、できるだけ我々も実態をつかんでいきたい、そういうふうに思っております。

○野島委員 終わります。
 さっき話しましたように、実は古書組合の皆さんも自主規制をされていると。新古書店という表現がいいのかどうかわかりませんが、それもそれなりに努力をしている。それぞれが努力しているわけです。それから販売側も、大きい店舗になりますと、空港のチェックゲートみたいに、持ち出すと鳴っちゃうよというのがあるんだけれども、そんじょそこらの本屋さんが、そんじょそこらなんていっちゃ悪いんだけれども、そんな設備投資なんてできないですよね。本を買うのは、やっぱり立ち読みしたりしながら、この本を買っていってゆっくり読もうとか、こういうことですから、そこに麗々しくチェックゲートなんかあったら、商売にならぬと思いますよ。コミック本なんていうのは、単価何ぼでもないのに、ゲートを設備投資したら、それは商売として成り立たないでしょうから。いろいろ苦悩していることも現実だと思いますので、ぜひ青少年の健全育成という視点から、業界の努力も必要、あるいは行政体としてできる限りのことはやっていく。それで実態調査をしながら、その後どうしてもそういうことをしなきゃいけない、こういう段階では、ぜひそういう視点から青少年健全育成条例も見詰め直す、こういうことも必要かというふうに思っておりますので、最後、意見を述べて終わります。ありがとうございました。

○曽根委員 ほとんどの質問、野島委員とダブッていたので、簡潔にやりたいと思います。
 まず、青少年健全育成条例は規制が中心ではないと。なかんずく青少年に対する科罰を含む、規制をかけるようなことは厳に慎重でなければならないということは大前提です。しかし、この請願の文章、裏表を読みますと、非常に切迫しているということはわかるんですよ。これは、厳しくやってほしいという要望を出すからには、よっぽどのことがあるんじゃないかなと思わせる文章なんですね。先ほど、因果関係についてははっきりしないというお答えがありました。私も聞こうと思ったんですけれども。ただ、この文章の中には二つの要素があるんですね。一つは、青少年の書店における万引きがふえていて、小学生の割合が高くなっている。それが、被害額でいえば一軒当たり年間二百万を超えている実情があるんだということとあわせて、これが新古書店などの進出の影響なんだということですね。両方が入っているわけです。
 新古書店の進出がふえてきたためによるものかどうかははっきりしないというお答えがあった。ただ、現実問題として、今、書店における子どもたちの万引き、特に低年齢層の子どもたちの万引きが現にふえて、本当に書店の方々の経営を脅かす、存亡がかかるところまで来ているのかどうか。この認識についてはどうなんでしょうか。

○中島都民協働部長 今、委員おっしゃられたように、経済産業省による調査、平成十四年の十二月に発表された調査でございますが、先ほど来話が出ておりますように、中高校生の万引きが圧倒的に多いですよというのが一つございます。それから、先ほど野島委員もおっしゃいましたけれども、換金目的は一四%程度だという結果も出ておりますし、一店舗、各店舗で一年間の被害額というのは、平均で約二百十万円という数字も出ております。実際それが各書店の経営にかなりの影響を及ぼしているというのは、その文面からも、あるいは日本書籍商業組合連合会が別に調査をしていますが、そこの調査でも同じような結果が出ております。ただ、経営が悪化した、いわゆる影響を受けているということと、中学生、高校生の万引きがふえたということと因果関係がどうだということになりますと、私どもの方としても因果関係ありということまでは認定するような資料がないという状況でございます。ただ、いわゆる新古書店ができたことによる影響を受けたという指摘は、各種書店の関係の調査でも出ておりますので、それは承知しております。

○曽根委員 最後の方、また混同されているんですけれども、青少年の万引きがふえたという事実は、これはいろんな調査で見ても、ほぼ共通して出ているので、間違いない。新古書店との因果関係は、これはまだはっきりしないわけですよね。万引きがふえていて、書店は苦しいということは事実ですよね。うそ偽りじゃないと思うんですね、この文章は。そういう点では、まずそれは重く受けとめる必要があると私は思います。ですから、その点の実態調査も、客観的に都として都内の実態は調査すべきだということがまず一点です。
 それから、新古書店の影響かどうかの調査、これは調査自体が極めて難しいと思うんです。ここで都が答えているように、新古書店側のいい分といいますか、マニュアルをつくっていますとか、氏名、住所を書かせていますとかいうことを聞いただけでは、全体的な客観的調査になるかどうか、私、ちょっと疑問があるんですよ。例えば、本当に悪意を持って売りにいこうとする側は、マニュアルがあるのがわかれば対応しますよ。いろんな抜け道を考えますよ。ですから、マニュアルがあるというだけで、それが因果関係がないとはやっぱりいえないわけで、客観的にどうなのかというのは大変難しいですけど、ある程度これはつかまないとならない問題かなというふうに思うんです。
 そういう点では、一項目めにあるように、都内の実態調査は、もちろんこれは、プライバシーや、ましてや子どもたちの権利や行動の制限につながらない範囲でやる必要があると思います。その上で、条例の改正については、私は厳に慎重でなければならないという立場です。
 したがって、一つは、新古書店を含む書店の方々の協議の場を持つ必要もあるでしょうし、それから基本的には自主規制の中で、最も適切な--本当に犯罪に結びつくような事態があるのであれば、それを規制していく方策をまず徹底してとるべきだろう、その点で東京都も大いに力をかしていくべきだろうということを申し上げておきたいと思います。
 終わります。

○福士委員 私も、これは意見だけ申し述べます。
 今回の請願ですが、業界の実態把握は、全面否定はいたしませんけれども、まず使える制度はきちんと使うということでしかないであろうというふうに思っております。親の同意確認をとる新制度をというお話ですが、こういう制度ができたとしても、今度は友人間で無理に買わせるようなことになっても困りますし、そういう制度で何か解決できるというふうにはちょっと私は考えられないんですね。要は、万引き非行防止ということが重要なんじゃないかというふうに思います。
 私自身も本を売った経験はあるんですけれども、シェークスピアのすごく古くて、かなり値段が張るかと思って古書店に持っていったら、ほとんどただで、二冊だけ千円で買ってもらった。二冊合わせて千円ですよ。本て、そんなにお金になるものじゃないわけですよ。それを子どもたちが、先ほどもご答弁にありましたように、百円、十円のお金を今の子がどれだけの価値観を持って見るかということになると、私は、売るかどうかよりも、万引きをまず防止する、そっちの方が大事なんだろうというふうに思います。
 これに関しては、周辺の大人たちが常に注意して、公共概念を教えるほかないんじゃないのかなと。そのためには、今回の請願の方々も、こちらの組合の方々だけじゃなくて、新古書店の組合の方々ともお話し合いになられるなり、協議をして、頑張っていただくほかないんじゃないのかなと思いまして、この件については、私は願意に沿いがたいというふうに思います。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件のうち、第一項を趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立多数と認めます。よって、請願一四第一八三号中、第一項は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で、執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五分散会

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