文教委員会速記録第十七号

平成十四年十一月二十一日(木曜日)
第三委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長渡辺 康信君
副委員長服部ゆくお君
副委員長河西のぶみ君
理事執印真智子君
理事中嶋 義雄君
理事遠藤  衛君
福士 敬子君
小美濃安弘君
野島 善司君
相川  博君
石川 芳昭君
大西 英男君
曽根はじめ君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
教育庁教育長横山 洋吉君
次長幸田 昭一君
理事斎藤 尚也君
総務部長中村 正彦君
学務部長比留間英人君
人事部長臼井  勇君
福利厚生部長岡本 宏之君
指導部長近藤 精一君
生涯学習スポーツ部長鈴木 雅久君
教育政策担当部長石川  武君
都立高校改革推進担当部長山際 成一君
参事星川 敏充君
参事瀧川  清君
参事渋井 信和君

本日の会議に付した事件
 教育庁関係
  事務事業について(質疑)
  報告事項(質疑)
  ・都立高校改革推進計画・新たな実施計画について
  請願陳情の審査
  (1)一四第四三号 都立水元高校の統廃合改編計画の見直し等に関する請願
  (2)一四第四八号 八王子市内の都立高校四校の統廃合反対に関する請願
  (3)一四第四七号 都立高校改革推進計画・新配置計画(案)の見直しに関する陳情
  (4)一四第五〇号 都立富士高等学校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情
  (5)一四第五一号 新配置計画案の見直しと決定の延期に関する陳情
  (6)一四第五三号 東京都立杉並高等学校定時制課程の存続に関する陳情
  (7)一四第五四号 都立荻窪高校全日制課程の存続に関する陳情
  (8)一四第五五号 都立定時制高校五校(上野・両国・墨田川・小岩・小松川)の存続に関する陳情
  (9)一四第五六号 都立三鷹高校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情
 (10)一四第五七号 都立武蔵高等学校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情
 (11)一四第六〇号 大島高等学校定時制課程大島南分教場の廃校反対に関する陳情

○渡辺委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りをいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○渡辺委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業及び報告事項に対する質疑並びに請願陳情の審査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業及び都立高校改革推進計画・新たな実施計画についての報告並びに請願一四第四三号、請願一四第四八号、陳情一四第四七号、陳情一四第五〇号、第五一号、陳情一四第五三号から第五七号及び陳情一四第六〇号を一括して議題といたします。
 事務事業及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中村総務部長 去る十月二十九日の事務事業説明におきましてご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会資料の目次をお開きいただきたいと思います。今回要求のございました資料はごらんの十四件でございます。
 一ページをお開き願います。学習指導要領における国旗・国歌の取り扱いでございます。学習指導要領に定められております国旗・国歌の取り扱いについて校種別にお示ししてございます。
 二ページをごらん願います。卒業式及び入学式における国旗・国歌の実施状況についてでございます。五ページにかけまして、過去五カ年間について校種別にお示ししてございます。
 六ページをごらん願います。平成十四年度出席簿における男女混合名簿の実施状況についてでございます。校種別ごとに実施率を平成十四年度及び平成十二年度についてお示ししてございます。
 七ページをごらん願います。平成十四年度学期中、四月から九月までの土曜日の講習の実施状況についてでございます。公立小中学校において実施している区市町村名と実施校数、教科、目的等についてお示ししてございます。
 次の八ページ及び九ページでございますが、5が都立学校における学校週五日制対策についてでございます。
 八ページは、都立高校における土曜日の講習の実施状況でございます。実施校数と講習の目的別の校数をお示ししてございます。
 九ページは、都立盲・聾・養護学校の状況でございます。土曜日の活動を、教職員、保護者が中心となって企画運営する活動など、三つの項目に大別して、それぞれ主な内容と実施校数についてお示ししてございます。
 一〇ページをごらん願います。児童生徒に対する教師によるわいせつ・セクハラ事件の状況でございます。学校種別ごとに事件数を平成三年度から平成十三年度までお示ししてございます。
 一一ページをごらん願います。区市町村教育委員会におけるCAPの活用状況でございます。実施している区市名とその実施年度及び校数をお示ししてございます。
 一二ページをごらん願います。不登校児童生徒が相談・指導を受けた機関等の件数でございます。表中の〔1〕から〔6〕までは相談等を受けた機関名、〔7〕から〔9〕までは相談等を受けた職名等を記載してございます。
 一三ページをごらん願います。就学援助についてでございます。(1)は、在籍児童生徒に対する就学援助受給者比率の推移で、五年間の就学援助受給者全体の比率とその内訳をお示ししてございます。
 (2)は、準要保護認定における生活保護基準額に対する所得倍率でございます。五段階に区分いたしまして、該当する区市町村数をお示ししてございます。
 なお、その他の基準の欄につきましては、注4に説明を記載してございます。
 一四ページをごらん願います。都立全日制高等学校における新入生の出身校別内訳でございます。過去五年間の入学者数とその出身校別内訳を記載いたしました。さらに、新中学校卒業者は、国立、公立、私立ごとにお示ししてございます。
 一五ページをごらん願います。学校選定理由でございます。中高一貫六年制学校、総合学科高校などの区分ごとに主な選定理由をお示ししてございます。
 一六ページをごらんいただきます。高校改革に伴う施設整備の状況でございます。実施計画ごとに、その対象の学校名とそれぞれの整備内容などについてお示ししてございます。
 一七ページをごらん願います。高等学校におけるパソコン整備についてでございます。(1)で整備の考え方、(2)で改革対象校の状況についてお示ししてございます。
 一八ページをごらん願います。平成九年度から平成二十三年度までの都立高校の配置図でございます。一八ページ、区部の右下、凡例をごらんいただきたいと思います。凡例にあります学科別記号とともに、その学校名をお示ししてございます。
 次の一九ページから二一ページにかけまして、同様に多摩・島しょ全日制高校、区部の定時制高校、多摩・島しょの定時制高校の配置状況についてお示ししてございます。
 以上、甚だ簡単でございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 次に、請願陳情について理事者の説明を求めます。

○山際都立高校改革推進担当部長 都立水元高校の統廃合改編計画の見直し等に関する請願など、請願二件、陳情九件について一括してご説明申し上げます。
 最初に、一四第四三号、都立水元高校の統廃合改編計画の見直し等に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、都立水元高校を守る会会長、嶋村清治さん外四千四百八十三名から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について、学校関係者や地域住民の意見を反映したものとするため、次のことを実現していただきたいといたしまして、1、地域の実情とニーズに基づいた学校づくりを目指すため、水元高校等の統廃合改編計画の見直しを行うことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画を策定したところでございます。水元高校については、本所工業高校と発展的に統合し、両校の伝統や教育実践を生かした葛飾地区総合学科高校を平成十九年度に設置いたします。
 今後とも、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指して、着実に都立高校改革を推進してまいります。
 2、地域住民、学校関係者の意見を再度くみ上げ、計画に反映させることでございます。
 現在の状況ですが、基本計画の策定に当たっては、該当校の校長、教職員が参加する検討委員会で検討するとともに、中間のまとめを作成して、保護者や地域関係者の声を基本計画に反映させるよう、中間のまとめの説明会を実施したところでございます。
 3、実施計画にかかわる情報の開示や意見聴取の機会を十分に設けることでございます。
 現在の状況ですが、基本計画策定後も関係者への説明を行っており、今後も必要に応じて説明を行い、学校関係者の理解を得るよう努めてまいります。
 次に、一四第四八号、八王子市内の都立高校四校の統廃合反対に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、八王子高校問題連絡協議会代表、平野幸司さん外三千六百七十人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、八王子工業高校と第二商業高校の統合をやめることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画、本年十月二十四日には、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、都立高校改革の締めくくりとなる新たな実施計画を策定したところでございます。
 新たな実施計画におきましては、八王子工業高校と第二商業高校を統合して八王子地区産業高校を設置し、幅広い視野と確かな勤労観に裏づけられた職業人の育成や、商工業の知識をもとに将来みずから起業を目指そうとする志あふれる人間を育成することといたしております。
 今後とも、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指して、着実に都立高校改革を推進してまいります。
 2、都立高校の募集定員削減をやめることでございます。
 現在の状況ですが、都立高校全日制の募集定員の減は、公立中学校卒業者が減少していることによるものであり、具体的な募集定員は、教育委員会、生活文化局、東京私立中学高等学校協会で構成する公私連絡協議会で合意した就学計画に基づき設定しているところでございます。
 なお、この就学計画では、学ぶ意欲と熱意のある生徒が一人でも多く進学できるように、計画進学率を、公立中学三年生全員を対象とした進路調査による入学志望率を上回る率として設定しているところでございます。
 3、定時制高校を一校に統合するのをやめることでございます。
 現在の状況ですが、定時制については、多様化する生徒、保護者のニーズにこたえ、全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決するため、夜間定時制を統合して昼夜間定時制独立校の整備を図っていくこととしております。八王子地区では、第二商業高校定時制、南多摩高校定時制、富士森高校定時制、八王子工業高校定時制を統合して、八王子地区昼夜間定時制高校を平成十九年度に設置いたします。
 4、拙速な決定をやめ、広く地域や当該高校関係者の意見を聞くことでございます。
 現在の状況ですが、都立高校改革推進計画・新たな実施計画の策定に当たっては、六月二十七日に新配置計画(案)を該当校に提示し、保護者、同窓会、教職員等の学校関係者や地元自治体等への説明を積極的に行って、計画に対する理解を得られるように努め、十月に実施計画を策定したところでございます。
 今後とも、関係者の理解を得るよう努めてまいります。
 次に、一四第四七号、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立富士高校定時制PTA会長、西川昇さん外六千五百九十一人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について、次のことを実現していただきたいとして、1、計画案の中にある、荻窪高校、新宿高校、富士高校、杉並高校、武蔵高校、三鷹高校の定時制を募集停止にする計画の見直しを慎重に検討することでございます。
 これに関する現在の状況ですが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画、本年十月二十四日には、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、都立高校改革の締めくくりとなる新たな実施計画を策定したところでございます。
 定時制については、多様化する生徒、保護者のニーズにこたえ、全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決するため、夜間定時制を統合して昼夜間定時制独立校の整備拡充を図っていくこととしております。杉並地区では、荻窪高校全日制及び定時制、新宿高校定時制、富士高校定時制、杉並高校定時制、武蔵高校定時制、三鷹高校定時制を統合して、杉並地区昼夜間定時制高校を平成十九年度に設置いたします。
 今後とも、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指して、着実に都立高校改革を推進してまいります。
 2、各学校の関係者、教職員、保護者、生徒、地域の声を誠実かつ具体的に聞き、現場の希望をできる限り尊重し、必要があれば計画案全体の変更を含む見直しを行い、よりよい教育改革を行うことでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの請願一四第四八号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 次に、一四第五〇号、都立富士高等学校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立富士高校定時制を守る会代表、西川昇さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立富士高校定時制課程を存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、富士高校定時制については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 2、中野区内の夜間定時制高校の統廃合(新配置)計画案を見直すことでございます。
 現在の状況ですが、中野区内の夜間定時制高校については、定時制の課題に対応するため、新たな実施計画で富士高校定時制を杉並地区昼夜間定時制高校に、四谷商業高校定時制及び鷺宮高校定時制を中野地区チャレンジスクールに統合してまいります。
 3、生徒、保護者、卒業生、現場の教職員、地域住民の意見と要望を尊重し、抜本的に見直すことでございます。
 現在の状況ですが、新たな実施計画の策定に当たっては、六月二十七日に新配置計画(案)を該当校に提示し、保護者、同窓会、教職員等の学校関係者や地元自治体等への説明を積極的に行って、計画に対する理解を得られるように努めており、今後、着実に計画を推進してまいります。
 4、関係者との意見交換の機会を継続的に持ち、一方的な決定をしないこと。また、慎重な検討を保障するため、平成十四年十月決定を延期することでございます。
 現在の状況ですが、新たな実施計画の策定に当たっては、関係者への説明を積極的に行って、この十月に実施計画を策定したところでございます。
 今後とも、関係者の理解を得るよう努めてまいります。
 次に、一四第五一号、新配置計画案の見直しと決定の延期に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、第三学区都立高校を守る会代表、武山隆さんから提出されたものでございます
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、計画案の決定に当たっては、十分に慎重な検討を保障し、拙速に行わず、平成十四年十月決定を少なくとも一年は延期することでございます。
 これに関する現在の状況ですが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画を策定いたしました。その後の教育を取り巻く環境変化を踏まえ、都立高校改革の締めくくりとなる新たな実施計画を策定するため、六月二十七日に新配置計画案を該当校に提示し、保護者、同窓会、教職員等の学校関係者や地元自治体等への説明を積極的に行って、計画に対する理解を得られるように努め、十月二十四日に実施計画を策定したところでございます。
 2、荻窪高校全日制及び第三学区の夜間定時制高校を存続するなど、生徒、保護者、卒業生、現場の教職員、地域住民の意見と要望を尊重し、計画案を抜本的に見直すことでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 次に、一四第五三号、東京都立杉並高等学校定時制課程の存続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、杉並高校定時制を守る会会長、斉藤美恵子さん外二千四百六十三人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立杉並高等学校定時制課程を廃校にせず、存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、杉並高校定時制については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 2、計画案については、地域住民、保護者及び学校関係者の声を十分に聞き、拙速に行わず、平成十四年十月決定を延期することでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 3、計画案を抜本的に見直すことでございます。
 現在の状況ですが、都立高校改革推進計画の新たな実施計画については、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指して、着実に推進してまいります。
 次に、一四第五四号、都立荻窪高校全日制課程の存続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立荻窪高校全日制を守る会代表世話人、真木基行さん外五千九百六十一人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立荻窪高校全日制課程を存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、都立荻窪高校全日制については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 2、計画案について、生徒、保護者、卒業生、教職員、地域住民など学校関係者の声を幅広く聞き、計画案の見直しも含む抜本的な検討を行うことでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの陳情一四第五〇号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 3、計画案の拙速な決定を行わず、平成十四年十月の決定を延期することでございます。
 現在の状況ですが、計画の決定については、さきの陳情一四第五〇号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、一四第五五号、都立定時制高校五校(上野・両国・墨田川・小岩・小松川)の存続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立小松川高校定時制を守る会代表、園田まり子さん外一万三千六十四人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立定時制高校五校にかかわる統廃合計画を撤回し、五校を存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画、本年十月二十四日には、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、都立高校改革の締めくくりとなる新たな実施計画を策定したところでございます。
 定時制については、多様化する生徒、保護者のニーズにこたえ、全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決するため、夜間定時制を統合して昼夜間定時制独立校の整備拡充を図っていくこととしております。上野高校定時制、両国高校定時制、墨田川高校定時制、小岩高校定時制、小松川高校定時制については、台東商業高校全日制及び定時制とともに統合して、台東地区昼夜間定時制高校を平成十八年度に設置いたします。
 今後とも、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指して、着実に都立高校改革を推進してまいります。
 2、現場の教職員や保護者、生徒、卒業生、地域住民の意見を尊重し、一年以上時間をかけて話し合いを行う中で計画案の必要な見直しを進め、一方的には実施しないことでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 次に、一四第五六号、都立三鷹高校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立三鷹高校定時制を守る会代表、服部容子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立三鷹高校定時制に関する統廃合計画を撤回し、存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、都立三鷹高校定時制については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 2、計画案については、現場の教職員や保護者、生徒、卒業生、地域住民の意見を尊重し、時間をかけて話し合い、一方的に実施しないことでございます。
 現在の状況ですが、関係者への意見聴取等については、さきの陳情一四第五〇号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 次に、一四第五七号、都立武蔵高等学校定時制課程の存続と新配置計画案の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、都立武蔵高等学校定時制を守る会代表、長谷部未央子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立高校改革推進計画・新配置計画(案)について次のことを実現していただきたいとして、1、都立武蔵高等学校定時制課程を存続させることでございます。
 これに関する現在の状況ですが、都立武蔵高校定時制については、さきの陳情一四第四七号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 2、生徒、保護者、卒業生、現場の教職員、地域住民の意見と要望を尊重し、抜本的に見直すことでございます。
 現在の状況ですが、計画の決定については、さきの陳情一四第五〇号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 3、関係者との意見交換の機会を継続的に持ち、一方的な決定をしないこと。また、慎重な検討を保障するため、平成十四年十月決定を延期することでございます。
 現在の状況ですが、計画の決定については、さきの陳情一四第五〇号と同様ですので、説明は省略させていただきます。
 最後になりますが、一四第六〇号、大島高等学校定時制課程大島南分教場の廃校反対に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、大野秀憲さん外三人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、大島高等学校定時制課程大島南分教場を廃校にしないでいただきたいでございます。
 これに関する現在の状況ですが、東京都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画及び第一次実施計画、平成十一年十月に第二次実施計画、本年十月二十四日には、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、都立高校改革の締めくくりとなる新たな実施計画を策定したところでございます。
 新たな実施計画において、大島高校定時制大島南分教場については、現在の生徒数では十分な教育効果が期待できないこと、代替施設として本校の定時制があること、生徒数と教員数が同じであり、効率の点から課題があることなどから、本校への通学手段の確保や教育課程を工夫するなどの条件整備をした上で、平成十五年度末に廃止することとしたところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより、事務事業、報告事項及び請願陳情に対する質疑を一括して行います。
 発言者に申し上げたいと思いますが、先ほど理事会で発言者の時間を集約させていただきましたけれども、このままの時間でいきますと、かなり夜遅くなるという状況なので、発言者におかれましては、できるだけ簡潔に、ひとつ要領よくまとめていただいて、質問していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 それでは、発言を願います。

○服部委員 今回、重要施策及び平成十五年度の重点事業が策定されましたが、その中に創設される自律経営推進予算の効果的な展開についてお伺いいたします。
 都教育委員会は、都立高校の教育の質向上のため、平成九年九月、第一次実施計画、平成十一年十月には第二次実施計画を打ち出しました。各都立高校が個性化、特色化を推進できるよう、総合学科高校や単位制高校、あるいはチャレンジスクールなど新しいタイプの学校づくり、さらに、タブー視されてきた進学対策の充実、学区制の見直しなど、多種多様な改革を行ってきましたが、この点については高く評価をいたします。
 さきの都立高校改革推進計画・新たな実施計画の特色としては、都立高校へのマネジメントサイクルの導入など、学校経営の視点に立ったソフト面の改革をハード面の改革と一体化したということは大変重要だと思います。すべての都立高校に学校経営の視点に立ったソフト面の改革を進めて、魅力ある都立高校として都民に選ばれるようにするためには、まず校長がリーダーシップを発揮して、学校みずからが改革を進めることが必要だ、そのように思います。
 この新たな実施計画の施策の柱である、都民に信頼される学校経営の確立について、施策の基本的な考え方をまずお伺いいたします。

○星川参事 都民に信頼される学校経営の確立を図る基本的な考え方として、まず第一に、都立高校にPDCA、計画、実施、評価、改善のマネジメントサイクルを導入し、都立高校の個性化、特色化を図り、自律的改革を推進する仕組みの構築を目指してまいります。
 第二に、校長がリーダーシップを発揮し、学校が組織的取り組みを進められるよう、主幹制度を導入し、学校運営組織を充実するとともに、自律経営推進予算の創設や人事に関する校長の権限の拡大を図り、学校が経営体としての自律性を確立することを目指してまいります。
 第三に、学校経営内容の都民への公表や授業公開の推進、学校運営連絡協議会の外部評価を含む学校の評価などを通して、都民への説明責任を果たしてまいります。

○服部委員 今月六日、私、平成十三年度各会計決算特別委員会の質疑で、学校現場の経営者である校長のリーダーシップが発揮できるよう、校長の権限の拡大を図るために、予算あるいは人事面における校長の裁量権限の拡大が必要である、そのように申し上げましたが、今申し上げた平成十五年度重点事業にあります、また今ご答弁にもありましたように、自律経営推進予算の創設が盛り込まれているわけでありますけれども、どのような基本的な考え方なのか、この点について伺います。

○星川参事 自律経営推進予算は、学校独自の特色ある教育活動を推進し、教育の質向上を図るよう、学校の教育活動をマネジメントする仕組みでございます学校経営計画を予算面で支えるため、校長の裁量権限の拡大を図るものでございます。各学校の校長が主体的かつ弾力的に、画一的でない予算執行計画の策定ができる仕組みを構築することを目指してまいります。

○服部委員 学校が経営体として自律性を確立して、また、校長が経営者として教育活動に創意工夫ができるよう、ただいまの自律経営推進予算の創設は非常に重要である、私はそのように考えます。都民に理解できるように、自律経営推進予算について、具体的な事例について説明をお願いします。

○星川参事 校長が生徒や保護者などのニーズに即応した教育活動の実現を図れるよう、各都立高校は、自律経営推進予算の枠の範囲内で節約した経費を、個性化、特色化を図ることに活用できる仕組みを目指してまいります。目指す学校づくりについて、例えば、教員がコピーなどの経費節減を行うことや、生徒が教材の器具やロッカーなどの物を大切にする心を育て、これによって節約した経費を、生きた英語教育を行うため外国人講師を招いて講演を行ったり、物理の実験でシミュレーションを行うためのIT活用を推進するためにパソコンを重点的に配置することなど、校長の経営方針を実現しやすくしてまいります。

○服部委員 ひとつ意欲的にお進めいただきたいと思います。
 今、学校経営の改革について質問いたしましたけれども、さらに重点事業の中で、特色ある学校づくりについて何点か質問をいたします。
 この中には、中等教育学校・併設型中高一貫教育校、あるいは産業高校や総合芸術高校などが盛り込まれていますね。質問に入る前に、特色ある学校づくりについて、小中学校なんですけれども、幾つかの事例を述べさせていただきたいと思います。
 いずれも台東区の学校で恐縮ですが、一つは、区立忍岡中学校です。ことしの一月下旬にこの文教委員会で視察いたしましたので、簡潔に申し上げますけれども、冬の寒い時期に五日間にわたって、朝七時から八時までの一時間、男女の生徒が、柔道、剣道あるいはジョギング、そういった耐寒訓練を実に四十年間も続けているんですね。四十年間です。これはもちろん学校と生徒だけでできるものではありません。PTAや地域の方々、また指導に当たるボランティアの皆さんが一体となって協力しているからこそ四十年間も続いている、そのように思います。
 二つ目ですが、区立金竜小学校です。これは、今までいい音楽の教師にも恵まれました。PTAや地域の方々に支えられて、全国の合唱コンクールで連続三回優勝しています。台東区は、ウィーンの第一区と姉妹都市の提携をしている、そういうこともありまして、校庭には大きなヒマラヤ杉が何本も植栽されています。そういった中で、今回、都の下水道の幹線の工事のために、四年三カ月の間、校庭を一部使用されていたわけなんですけども、その貸していた校庭の一部を、今回、ビオトープとして整備して、ちょうど来週、二十九日には金竜小学校が創立九十周年を迎えますが、その際にお披露目をすることになっています。そこにはアシを植えて、トンボとかスズムシとか、場合によってはホタルまで飛ばそうという、大変夢のあるビオトープで、これを金竜の里と命名されます。自然と触れ合いがない、そういう都会の下町っ子が、情操教育とともに、小さな昆虫と過ごすことによって、生きることの喜びとか、あるいは死ぬことの悲しさ、そういったものをみずから体験するのではないかな、そう思います。
 三つ目ですが、これも区立根岸小学校なんですが、全国に先駆けてオープンスペースを設置して、活動や体験を重視した教育活動が展開されています。また、地域の方に指導をお願いして、能とか狂言、あるいは歌舞伎など、日本の伝統文化を伝える教育を行っています。さらに、チームティーチングを導入して、個に応じた指導法を工夫したり、生活科や総合的な学習の時間の実践的な研究を進めたりするなど、東京都の小学校の先導的な役割を果たしている、そのように思います。
 なおまた、中高一貫教育校では、平成十七年度より実施される都立白鴎高校における開設に向けて、今、台東区教育委員会も決意を新たに取り組んでいるところです。
 もちろん、これは台東区に限らず、それぞれの小中学校で、また区市町村がそれぞれの方法で、教育の個性化あるいは特色化を推進するために、まさに学校ぐるみ、地域ぐるみ努力をされていると思いますが、こうしたことに対してどのように評価をされているのか、まず伺います。

○近藤指導部長 台東区では、古きよき伝統と文化にはぐくまれる中で、創意工夫を生かした特色ある教育活動が進められております。お話の台東区立忍岡中学校におきまして長年行われております耐寒訓練は、現代の日本の子どもたちに失われつつある礼儀や忍耐力などをはぐくんでおります。また金竜小学校では、環境教育や音楽教育を通しまして、豊かな感性や自然を愛する心、生命への畏敬の念などを培っております。さらに根岸小学校では、特色ある教育を進め、すぐれた伝統の継承や新しい文化の創造など、社会に貢献する実践的な力を育てております。このほかにも、台東区におきましては、地域の伝統や文化などを生かした特色ある教育活動、特色ある学校づくりを積極的に推進しておりまして、すばらしい成果を上げていると認識しております。
 今後とも、こうした各学校のすぐれた特色ある教育活動を広く全都に普及啓発してまいりたいと考えております。

○服部委員 とにかく教育というのは、地域の教育力といいますか、また教育にかける情熱、そういったのが一番大事だ、そのように思うんですよ。私は、その辺をぜひ評価しなければならない、そう思うんですね。
 それで、十月二十四日の教育委員会で、都立九段高校の千代田区への移譲が決定され、新聞にも大きく報道されました。地方分権が進展する中で、基礎的自治体の主体的な取り組みを都として支援することは重要で、千代田区が中等教育学校を設置しようとするときに、これを支援していく、これも当然であると考えます。
 一方、九段高校は、大正十三年ですか、第一東京市立中学校として開校して、八十年を超える伝統がある高校でもあります。同窓会など学校関係者の間に、移譲について不安の声が上がっているのも伺っています。そこで、九段高校の移譲について何点か伺います。
 東京都ではこれまで、公立高校に関しては、基礎的自治体が設置者となる高校は設置されていない状況にありましたね。こうした中、千代田区はなぜあえて区立の中等教育学校を設置しようとしているのか、まずその真意を都としてどのように受けとめているのか、お伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 千代田区の設置理由の、その真意についてでございますが、第一に、公立学校の児童生徒離れが進む中で、教育の千代田の伝統の維持発展と公立学校の復権を図ること、そして第二に、高校進学率が九六%を超える中で、住民の身近な声を反映できる区が、みずからの責任で後期中等教育の分野にも積極的に対応し、きめ細やかな教育を進めることが基礎的自治体としての責務であるというふうに考えていることなどの理由から、千代田区として主体的に中等教育学校の開設を行うところでございまして、千代田区のこうした強い思い、あるいは要望を受けとめまして、九段高校の移譲を決定したものでございます。

○服部委員 千代田区は、昭和五十九年に、教育と文化のまち千代田区宣言というのを出しています。千代田区は、都立にはない、また都立にはできない、区立ならではの特色とか、あるいは魅力にあふれる立派な学校を開設したいんだ、そういうことで、平成十年度から、中等教育の将来像についての検討がずっと行われてきたわけですね。私は、そういった千代田区の、あるいは千代田区教育委員会の教育にかける情熱というんでしょうか、あるいは責務といってもいい、そういった気概について大変評価をしたいと思うんですが、ただ、財政の負担もふえるわけです。千代田区が主体的に中等教育学校の開設に踏み切ったことを高く評価するとともに、一方で、こうした千代田区の熱意にこたえる東京都教育委員会の基本的な考え方についてお伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 東京都教育委員会の千代田区の移譲要望に対する対応といたしまして、第一に、地方分権が本格的に展開する中で、区市町村が主体的に中高一貫教育校を設置しようとする際には、都として積極的に支援を行うこと。第二に、中高一貫教育校の設置に際し、区市町村が都立高校の移譲を希望する場合、移譲を希望する理由が妥当と判断され、移譲後の当該校の充実発展のために必要な条件が整う場合には都立高校を移譲する。この二点を基本的な考え方といたしております。

○服部委員 九段高校は伝統ある都立高校ですが、区へ移譲後も、その伝統、それから校風が損なわれることはないのか、伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 九段高校の移譲の決定に先立って、東京都と千代田区との間で協議会を設けまして、六回に及ぶ協議を行い、九段高校の移譲のための条件について種々検討してきたところでございます。この中で、九段高校の伝統、校風の継承、発展のために、例えば教養教育の充実を柱に、文武両道の九段高校の伝統、そして校風を継承する。さらに、至大荘行事などの伝統的な学校行事については尊重し、継承する。また、九段の校名は継承する等の条件が定められております。千代田区立の中等教育学校におきまして、こうした条件が履行される中で、九段高校の伝統、校風は継承されるというふうに考えております。

○服部委員 今、至大荘行事という答弁がありました。九段高校では、大きく至る、至大荘ですね、これは孟子の言葉から出ているそうですが、浩然の気を養う、そういう意味で、至大至剛という意味だそうですが、この至大荘行事をやり終えて初めて真の九段生になれるんだ、こう九段高校の方の資料には書いてあります。これは外房の守谷にある施設ですが、こうした長く続いた伝統ですとか校風、これは当然ながら尊重し、また継承していかなければならないと私も思います。
 温故知新という言葉もありますけれども、あるいは温故創新ですね。故きを温めて新しきを創り上げる、そういった気概で、今回、千代田区は立ち上がられたのではないかな、そう思います。そうした移譲に関してさまざまな意見もありますが、よりよい学校づくりのために、今後も学校関係者との話し合いは引き続き、よくご理解を得られるように行うべきだと思いますが、どうでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 十月二十四日の教育委員会における決定の際にも、教育委員長より、同窓会あるいはPTAの間にさまざまな意見がある、これからも関係者の間で十分な協議を行い、新しい学校について共通の認識を深めるようにというような発言がございました。私どもといたしましても、引き続き同窓会等の学校関係者の理解を得られるように努めてまいります。

○服部委員 全国的に見れば、区市町村等の基礎的な自治体が設置者となる高校は多いんですね。例えば東京の近隣の県でも、神奈川県では十五校、千葉県では八校、埼玉県では九校ありますが、全国的にも有名な市立の高校があるわけです。例えば市立船橋高校のように、体育関連の諸活動において特色化を図って、県立高校をしのいで全国レベルで実績を残している市立高校もあります。また、平成十一年には岡山県岡山市で、あるいは平成十二年には秋田県秋田市で、併設型の中高一貫教育校が設置されたということも承知しています。
 こうした状況を考えたときに、都立九段高校を母体とする千代田区立の中等教育学校が、ほかの都立の中高一貫教育校と場合によっては切磋琢磨する中で、区立のオンリーワンの学校として特色化あるいは活性化を図っていくことは、都民の学校選択幅を拡大するとともに、東京における公立学校教育自体の活性化につながっていく、私はそのように思います。今後の取り組みに強く期待いたします。
 終わります。

○石川委員 先ほど委員長からお話がありましたように、大勢の委員が発言を求めておりますので、私は、これまでもいろいろ議論してまいりましたけれども、きょうは都立高校改革に関連してのみ若干質問をさせていただきたいと思います。
 ご案内のとおり、都立高校改革推進計画の推進に当たりましては、ひとり都教育庁の努力のみで計画が実現できるものではありません。学校関係者はもちろん、家庭や地域社会など幅広い関係者の理解を得ながら、一体となって進めていかなければ、改革の実を上げることはできないと考えております。そのためには、学校関係者はもちろん、計画内容が広く都民に周知されている必要があります。
 そこで、お伺いしますが、都教委では、新たな実施計画の決定に先立ち、本年八月から九月にかけて、都の教育モニターを対象としてアンケート調査を行ったと聞いておりますが、実施計画案の内容を事前に知っていたと答えた教育モニターはどのくらいいたのか、また、新配置計画案の基本的考え方及び施策の方向についてどのような結果が出たのか、伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 ご指摘の本年八月に実施いたしました教育モニターアンケート調査につきましては、都立高校改革推進計画・新配置計画について教育モニター百人から広く意見を聞くために行った調査でございます。
 その設問の中で、この計画案に対する教育モニターの事前の周知状況を聞いているところでございますが、回答率九六%で、内容をよく知っているが四・二%、内容までよく知らないが公表されたことは知っていると答えたのが五〇・五%でございました。次に、新たな実施計画案の策定に当たっての基本的な考え方及び施策の方向についての意見でございますが、肯定的な見解が九五%、否定的な見解は約一%というような結果でございました。

○石川委員 今、答弁がございましたように、一般都民より教育に関心の深い教育モニターは、そのほとんどが、内容を知れば高校改革を支持しているにもかかわらず、約半数が計画案の公表されたことすら知らない状況であります。こうしたことから推察しますと、新たな実施計画が広く都民に周知され、理解のもとに実施されていくのか、不安を感ずるのは私一人だけではないと思います。
 そこで、お尋ねしますが、都立高校改革で最も影響を受ける小中学生やその保護者が今回の新たな実施計画を知っているとして認識しているか、その辺の所見を伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 昨年実施いたしました都立高校に関する都民意識調査におきましては、都民の約七割が都立高校改革を知っているというふうな結果が出ております。今回の新配置計画案につきましても、六月二十七日の計画案の発表後、例えば「広報東京都」あるいはホームページ等を通じまして、都民への広報に努めているところでございます。
 また、改革対象校の関係者につきましては、学校長を通じての周知を図るとともに、要望があった場合には、個別の学校ごとに、同窓会あるいはPTA関係者等への説明も行ってきたところでございます。こうした取り組みを通じまして、今回の計画について一定の理解を得られているものと考えております。
 なお、一般都民より影響が大きい中学生、あるいはその保護者につきましては、改革の具体的中身まで十分承知しているといえない面もございまして、さらに周知を図る必要があるというふうに考えているところでございます。

○石川委員 都立高校改革に関しましては、さまざまなメディアを通じて、都教委は高校改革を進めているというが、本当に教育は変わっているのかとか、高校改革の結果、将来の学校の姿はどうなるのかといった声が都民の間にあることは事実であります。
 そこで、都民、特に中学生やその保護者に対して、都立高校改革を通し変わりつつある都立高校の姿を、都教委として責任を持ってPRしていく必要があると考えます。例えば、仮称でありますが、生まれ変わる都立高校ガイドブックなどを作成して努めていくべきと思いますが、所見を伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 都立高校改革を着実に推進するに当たりましては、中学生あるいはその保護者を初め、広く都民の理解と協力が不可欠であるというふうに考えております。そのために、改革によって都立高校がどのように変わるのか、そして、新しいタイプの高校とは一体どのような学校で、どこにあるのかというようなことをできるだけわかりやすく知らせることができるように、ガイドブックというふうなご指摘がございましたが、都立高校改革に関する普及版を作成いたしまして、年内に都内の公立中学校の生徒及び保護者を対象として大々的に配布するように、現在検討しているところでございます。
 今後とも、都立高校改革が広く都民に理解を得られるように、PRについては最大限充実していくように努めてまいります。

○石川委員 新たな実施計画は、高校改革の締めくくりの実施計画でございますので、これから都立高校に入学する可能性のある子どもたちとその保護者に、都立高校がこう変わるということを積極的にPRしていただきたいと思います。
 さらに、第三回都議会定例会における我が党の主張も反映されていると思いますが、都立高校改革推進計画・新たな実施計画を決定した十月二十四日の教育委員会において、教育委員長から、今後とも学校関係者との話し合いの場を設けるとともに、新たな学校づくりについて、地域や学校関係者も参加する新たな仕組みづくりを行うようにとのコメントがありました。この第一次、第二次実施計画策定時とは異なる新しい仕組みについてはどのようにしていこうとしているのか、そのお考えを聞かせてください。

○山際都立高校改革推進担当部長 新しい学校づくりに向けまして、これまでは、関連する学校の校長、教員等を委員とする基本計画検討委員会を設置いたしまして、そこにおきまして教育課程等についての検討を行い、中間のまとめで学校関係者の意見を聴取するというようなことをやっておったわけでございます。
 今回は、より広く学校関係者の意見を受けとめるシステムのより具体的なあり方について、現在、鋭意検討を進めているところでございます。

○石川委員 議題になっております陳情請願も含めて、いわゆる改革の実施、推進に当たっては関係者等の意見を十分聞いてください、また反映してくださいという声が大半でございますので、ぜひ新たな仕組みづくりを行って、そうした声に十分こたえていただきたいと思っております。
 次に、具体的にお伺いいたしますが、昼夜間定時制高校の設置に関して、統合対象校である夜間定時制課程の関係者の間で、新しい昼夜間定時制高校でそれまでの教育内容が保障されるのかといった点について不安に感じている声がございます。例えば、大泉高校や石神井高校の夜間定時制課程は、四谷商業を母体校とする中野地区チャレンジスクールに統合されることになりますが、新しい学校で、こうした高校のこれまでの普通科の教育は受けられるのかどうか、その辺についてご説明してください。

○山際都立高校改革推進担当部長 中野地区のチャレンジスクールにおきましては、これは総合学科の高校となるわけでございまして、四谷商業を初め統合対象となる高校のこれまでの教育実践を継承いたしまして、多様な教科、科目を設置する中で、大学進学を含め、生徒の多様な進路希望に対応できる教育課程の編成に努めてまいります。

○石川委員 次に、中高一貫教育校の開校時期の関係で、平成十八年度から、小石川高校の夜間定時制課程は千代田地区昼夜間定時制高校に、両国高校の夜間定時制課程は台東地区昼夜間定時制高校に、それぞれ通学場所が変更になります。あわせて、台東地区昼夜間定時制高校に移動する高校では、既存の定時制三校四課程が併存、同居するという問題が生じますが、それらの対応についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 中高一貫教育校設置に伴う通学場所の変更についてでございますが、こうした通学場所の変更により影響を受けます、平成十五年度以降に両校に入学する生徒に対しましては、受検時、入学時ですね、十分な周知を図るとともに、入学者の了承を得ることにいたします。
 そして、通学場所の変更後には、通学時間帯の弾力化、例えば、これまで夜間の学習時間帯でございましたが、午前あるいは午後の授業も受けることができるというような授業時間帯の弾力化、あるいは、これまでは四年で卒業するということでございますけれども、三年でも卒業できるような三修制の導入、さらには、多様な教科、科目の受講を可能にするなど、教育条件の改善に努めてまいります。

○石川委員 ご答弁がありませんでしたけれども、台東地区昼夜間定時制高校の三校と四課程、これは十分対応してください。よろしくお願いいたします。
 次に、学校の伝統、校風の維持の面でも、また、新しい学校の開校に向けて、古い体質を打開していくためにも、校名は非常に重要であります。平成十七年度以降に開校する昼夜間定時制高校の校名についてはどのように考えていくのでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 校名につきましては、学校関係者のさまざまな思いにかかわる問題でございまして、今後、学校関係者等と十分話し合う中で、新しい学校にふさわしい校名を定めていきたい、かように考えております。

○石川委員 都立高校改革推進計画は、新たな実施計画を策定して、十年間の実施計画がすべて出そろいました。これからは計画を具体化していく段階と考えます。計画に基づいて新しいタイプの学校が次々と開校していくわけでありますが、ここでは、十八年度に開校を予定している青梅地区の総合学科高校について若干お尋ねをいたします。
 この学校は、平成十一年六月二十二日に示されました第二次計画案で改革が示されたわけであります。示された当時は、同窓会を初め関係者からさまざまな声が寄せられ、後の検討委員会の場で種々話し合いをいたしまして、同窓会また関係者も新たな総合学科の設置を求めて動き出した、こういう経過をたどっております。そして、十八年度の開校を目指しまして、現在、検討委員会の結果が公表され、まとまり、そして二年前に、ですから十六年度になるんでしょうか、今度は開設準備室が置かれるというような状況下にある学校でございます。
 この青梅地区総合学科は、東京都で初めての農業系の系列を置く総合学科高校で、バイオテクノロジーであるとか、環境であるとか、その他の高校ではなかなか学ぶ機会のない科目が数多く盛り込まれるようで、大変期待をいたしております。そのためには、実習などを行う施設設備について、新しい総合学科高校にふさわしいものに整備していく必要があると考えますが、青梅地区総合学科高校において、専門教育のための施設設備などをどのように整備していくのか、まず伺います。

○比留間学務部長 青梅地区総合学科高校におきます専門教育のための施設整備につきましては、設置場所である農林高校が持っております農場や演習林を活用いたしますとともに、今後、農業系の系列を置く総合学科としてふさわしい実習室等につきまして検討し、整備してまいります。

○石川委員 農林高校の校舎は、建築後二十年以上経過して老朽化が進み、また増築を重ねてきているので、動線が複雑で使いにくいものになっております。新しい学校に生まれ変わるに際して、現在の校舎については改築するのが最も望ましいと思われますが、校舎の老朽化対策等の今後の予定について伺います。

○比留間学務部長 現農林高校の校舎につきましては、必要な整備を行えば十分使用できる状況にございますので、建物の躯体を残す大規模改修を行う予定でございます。その際、電気給排水設備は一新いたしまして、内装、外装につきましても全面改修し、新しい学校にふさわしい校舎として、また、特別教室につきましては使用頻度を考慮して配置するなど、生徒の動線にも配慮してまいります。

○石川委員 青梅地区総合学科の場合には、あの校舎の状況を思うと改築が望ましいと考えますが、仮に改築が難しいとしても、新しい学校を魅力あるものとするため、さまざまな工夫を行っていく必要があります。例えば、校門の位置をより駅に近い場所に移して、生徒の安全面から望ましい形にするとともに、林業という産業を抱える青梅の地域特性に配慮して、施設整備に当たって地場産の木材を積極的に活用していくなど、施設の整備には特段の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○比留間学務部長 校門の位置の移動につきましては、用地確保等の問題がありますことから、必要性を含めて、今後十分検討してまいります。
 また、校舎の改修に当たりましては、エレベーター設置など、バリアフリー対策を行いますとともに、今お話しの内装に木材を取り入れることにつきましては、設計の段階で検討してまいります。

○石川委員 最後に要望だけしておきますが、統廃合等によって新しいタイプの学校が生まれてくるわけでありますけれども、各学校ともそれぞれ課題や要望を抱えております。十分検討して、それらの要望にこたえられ、よりよい学校として誕生しますことを要望いたしまして、質問を終わります。

○相川委員 私から二点ばかり質問させていただきます。
 まず一点目は、先ほど服部副委員長の質問にも出てまいりました、台東区立金竜小学校でつくられました、ホタルの飼育が可能なくらいの本格的なビオトープに関連して幾つか質問させていただきたかったんですが、先ほどのご質問と重複する部分がございますので、委員会進行に協力する意味で、きょうは取りやめたいと思います。
 次に、高尾自然科学博物館の問題につきまして質問させていただきます。
 まず初めに、高尾自然科学博物館の過去三カ年の実績につきまして、入館者数及び地域別の入館実績を伺いたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 入館者数の実績でございますが、平成十一年度八万五千八百四人、平成十二年度十万三千四百三十一人、平成十三年度十一万七千八百八十七人となっており、毎年増加しているところでございます。
 一方、地域別の入館者数でございますが、入館料が無料ということでオープンな対応をとっておりまして、この数字につきましては実数を把握しておりません。しかしながら、地域別実数値を把握しております博物館の主催事業の参加者では、おおむね区部が四八%、多摩地域が五二%でございます。

○相川委員 今のご回答のように、入館者数も年々増加してきて、さらに、入館者というか、公開講座とか体験講座の参加者の分布を見れば、八王子市民だけが利用しているわけじゃなくて、都内全域をカバーしているというふうに考えますと、平成十四年度から小中学校に導入されました総合学習ですとか、あるいは週五日制に関しまして体験学習の重要性が改めて認識される中で、従来から博物館がやってきた学校支援事業を初めとして、高尾自然科学博物館の需要というものが今後ますます高まってくるものと私は考えているわけなんですが、平成十二年に総務局が行いました事務事業評価によりますと、こういうふうに書かれています。高尾山の自然を背景に持つ地域性の強い小規模な博物館であり、都として今後も所有し続ける意義は薄く廃止が適当である、こういうふうに書かれているわけですね。また、同年に発表されました都庁改革アクションプランでは、効率的、効果的な組織体制の整備として、そのあり方を抜本的に見直すということになっています。
 こうした中で、高尾自然科学博物館の今後のあり方について、地元の八王子市と協議の場がつくられたという話を聞いているんですが、その状況を伺いたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十三年十二月に、高尾自然科学博物館を所管する都教育委員会と、館の所在地でございます八王子市との間に、東京都高尾自然科学博物館問題検討協議会を設置し、博物館の土地、建物の活用、収蔵資料の利用方策、仮に八王子市に移管することとなった場合の条件等を含めまして、高尾自然科学博物館のあり方について、これまで八回の協議を行ってきたところでございます。

○相川委員 高尾自然科学博物館には、高尾山とか奥多摩周辺で収蔵されているような標本だけじゃなくて、例えば、日本橋の地下鉄の駅工事で出てきたナウマンゾウの化石とか、都民にとって大変貴重な財産である収蔵物がたくさん収蔵されているわけですね。仮に八王子市に移管するとすれば、これは仮の話なんですが、こうした収蔵物の取り扱いというのはどういうふうになるんでしょうか。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 ご指摘のナウマンゾウの化石のほかに、都内最後と思われるギフチョウの標本等、都民の貴重な財産としての収蔵物が多数ありまして、現在行っている博物館機能を継続することを前提として、所蔵資料の移譲について今後市と協議してまいりたいと考えております。

○相川委員 こうした収蔵物というのは、保管しているだけではなくて、多分あそこの機能の半分以上は、一般都民向けの公開講座ですとか、あるいは自然体験というようなものにあるんだというふうに思っているわけです。
 実は、先日、八王子市のある幹部と、この問題についてちょっと話をしてきたんですが、どうも八王子市は、仮にこの博物館の移譲を受けたとしても常設展示しかしないんだというような、私が受けた感触なんですが、感触でありました。ということは、つまり、博物館としての機能が半分以上停止してしまうことになるというふうに考えられるわけです。そうした状況の中で、今後八王子市が移管を受け入れるとすれば、どのような形で活用されることを東京都として望んでいるのか、所見を伺いたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 現在行っておる博物館機能を基本的には継続し、引き続き多くの方々に利用していただきたいと考えております。館の立地条件等を踏まえた八王子市の活用策につきましては、今後協議の中で調整していくことになると考えております。

○相川委員 今の館を取り巻く状況というのは大分変化していると思うんですね。例えば、総務局がやった事務事業評価の関連データでいきますと、入館者数の目標値というのが十万人ということで設定されていて、平成十一年度までのデータでこれを判断されているわけですね。十二年度からは既に十万人の目標値を達成していて、伺ったところによれば、今年度につきましても、十月末でもう既に十万人を達成している。こういうふうに、この博物館そのものを取り巻く状況が変化しているとすれば、教育庁として改めて総務局に対して事務事業評価の再評価をいうべきではないかと、私は実は思っています。
 同時に、幸いなことに、今の総務局長は七月まで環境局長でいらしたわけですから、子どもたちへの体験学習ですとか環境学習の重要性というのは十分に認識されているというような希望的感触も私は持っておりまして、ぜひ教育庁として事務事業評価の再評価を総務局に申し入れていただきたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わります。

○渡辺委員長 この際、暫時休憩したいと思います。十分間休憩いたします。
午後二時二十一分休憩

午後二時三十二分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○曽根委員 最初に、盲・聾・養護学校に関連して幾つか質問します。
 盲・聾・養護学校については、最近、何校か見学に行きましたけれども、どこも生徒児童がふえて、教室や先生やスクールバスやトイレや、ありとあらゆるものが不足しているという状況でした。都の方も、盲・聾・養護学校の改善検討委員会が始まっているというふうに聞いていますが、どういう検討が行われて、いつまで検討が行われるんでしょうか。

○比留間学務部長 都教育委員会は、都の心身障害教育が抱える諸課題に対応するため、本年七月に、学識経験者や区市町村教育長なども加えた東京都心身障害教育改善検討委員会を設置し、これからの都における心身障害教育の基本的な方向について諮問を行ったところでございます。
 検討委員会におきましては、教育内容、方法の充実、教育環境の整備、区市町村への支援のあり方の三点を主要な検討事項といたしまして、来年五月を目途に答申をまとめるよう審議を進めているところでございます。現在まで三回審議を行いまして、これまでに、改善の理念及び改善の指針や、都立盲・聾・養護学校の教育内容、方法の充実などについて検討を行ってきたところでございます。

○曽根委員 今、国の方でもある方向を出そうとしていて、それは、障害にはいろいろな種別がありますけれども、その種別をいわば無視したような、いろいろな種類の障害を持った子どもたちを一つの学校に集めるようなやり方まで検討されていると聞いています。
 問題は、こうした今ある東京都の盲・聾・養護学校の中に何とかうまく詰め込めばいいというような段階ではなく、決定的に都内の養護学校が不足しているのが東京の現状です。したがって、根本的な解決のためにも、養護学校の増設、そして本当の意味で、子どもたちが今、一時間半以上、長い子どもは片道一時間四十分バスに乗って通っている現状の根本的な解決を目指すべきだと思っています。
 同時に、きょう具体的にお聞きしたいのは、もう待ったなしの状況にある学校です。一つは、青鳥養護の久我山分校ですが、ここは、分校ができ上がってからもう十三年になり、ずっとプレハブ校舎です。すぐにでも本校になるかと期待していた父母の方や生徒たちの期待を裏切って、いまだにめどが立ちません。なぜもっと早く本校として独立できなかったのか。設置できなかったのか。この経過についてお知らせください。

○比留間学務部長 青鳥養護学校は、当時、中学部及び高等部から成る知的障害養護学校でございましたけれども、在籍者数の増加に伴い、教室不足が大きな課題になるとともに、調布養護学校に通学している世田谷区在住の小学部児童の通学条件の改善を図る必要がございました。しかしながら、青鳥養護学校は校地が余り広くないために増築が難しく、また、世田谷区内に新たな校地を確保することも困難であったため、比較的校地に余裕があり区内に立地する久我山盲学校の敷地に、平成二年四月、小中学部から成る久我山分教室を開設するとともに、青鳥養護学校は高等部単独校として改編を行ったものでございます。その後、久我山分教室につきましては平成四年に分校として整備を行いました。
 平成四年度の久我山分校開設当初の児童生徒は五十八人でございまして、その後、平成十三年度まではほぼ六十人前後と、他の知的障害養護学校に比較すると小規模な人数で推移してまいりました。また、久我山分校は久我山盲学校と同一敷地内にありまして、校地が狭隘であることから増築が困難という事情もございます。こうしたことから、久我山分校の本校化については実施してこなかったものでございます。

○曽根委員 この二、三年、急速に小学部に入学する児童の数がふえて、現在八十名近く、そして来年も二十人ぐらいふえる可能性があるというふうに聞いています。したがって、もう使える教室はほとんど、特別教室も何もかも普通教室に切りかえておりますので、最後に残ったプレールームあたりがもう犠牲になるのかなというふうに思います。先ほど少人数だというお話がありましたが、とにかくプレハブ校舎ですから、一人当たりの子どもに対する面積でいっても劣悪過ぎるというのが私の実感です。お聞きしますと、青鳥養護の本校の方も、高等部がふえてきて大変だというお話も聞きますが、何にも増して、このプレハブ校舎で十数年我慢し続けた方々に、一日も早い本校化、そして、場所は手狭ですから、場所を探して移すということは、全体の計画と同時に並行して急いで進めなければならないと思います。この点でぜひ最優先で対策をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○比留間学務部長 久我山分校ではこれまで、児童生徒数の増につきましては、教室の転用や間仕切りの設置により対応を行ってまいりました。平成十四年度に、児童生徒数がそれまでの六十人規模から七十六人というふうに増加いたしましたために、実習室を転用して普通教室を確保するとともに、スクールバスを大型化するなどの教育環境の整備を行ったところでございます。今後さらに児童生徒数が増加することも見込まれるために、盲・聾・養護学校全体の教育環境整備を検討する中で、総合的な対策を講じていきたいというふうに考えております。

○曽根委員 全体の中でやるということはやむを得ないかもしれないけれども、その中でも最優先にこの学校の改善について取り組んでいただきたいことを、重ねて要望しておきます。
 もう一つは、昨年、ことしの春、それから二定のときにも取り上げましたが、港養護です。
 マンションの建設が既に隣地で始まっており、私、ことし二月に申し上げましたように、このマンションが建設されると、午前中の日差しが完全に遮断され、さらに午後になると、もう一つ、既に建っているマンションの影で午後三時までの日照がなくなります。したがって、朝から午後三時まで日が当たらないという状況になってしまいます。しかも、前にはモノレールが走り、新幹線の引き込み線が走り、そして産業道路に高速道路羽田線と、本当に道路と鉄道と、裏側は運河と、全く逃げ道がないという状態の、教育環境としてはもう成り立たない場所になってしまいます。したがって、来年あたりマンションが建ち上がって日が差さなくなるまでに、急いでこれも移転先を決めて動かなければならない場所だと思います。適地を探す努力をされていると思いますけれども、具体的にはどういう動きになっているんでしょうか。

○比留間学務部長 港養護学校の教育環境につきましては、都教育委員会としても重要な課題であるというふうに認識をしてございます。現在、都の財政状況が厳しい状況にあること、都心の周辺地域で必要となる校地が適切に確保できるかなど難しい課題がございますけれども、港養護学校の教育環境の向上のために、今後、先ほどお話を申し上げました心身障害教育改善検討委員会の審議も踏まえながら、移転も含めて、総合的に検討を進めてまいります。

○曽根委員 私、地元の方にお聞きしてみたんですけど、まず、近くに港南四丁目の都営住宅の建てかえを今進めるところですか。で、お聞きしたら、半分ぐらいの土地を使って、今度、新しいやり方による入札をやって、五百数十戸、今ある戸数よりもはるかに大きい戸数の都営住宅をつくると。残り半分用地があくんじゃないかと思ったら、そっちは民間に売却して、民間のマンションを建てる計画になるんだそうです。貴重な都有地であり、しかも、この学校が入るスペースが十分にある。団地全体で七千平米の貴重な土地があるにもかかわらず、民間のマンションに売却するというのはいかにも惜しいと。しかも、この港養護自体が道路に面し、一級地に建っているわけで、その土地を活用することも考えれば、そんなにお金をかけなくても移転できる方法は幾らでも工夫できるんじゃないかと思います。
 このほかにも、お聞きすると、今使っていない下水道局の処理場の跡地とか、自衛隊があって、今はもう移ってしまっている跡地とか、少し手狭だそうですけど、いろいろ探せば、国有地、都有地はあるというお話で、ぜひ一刻も早く適地を探して、移転できるように手を打っていただきたいということをお願いしておきます。
 それでは、高校改革問題について質問します。
 既に九月二十七日に一回質疑をしておりますが、その後、教育委員会の決定があり、また、この間の新しい動きとして私が注目したいのは、定時制高校を初めとする生徒の皆さんの運動が始まったことです。東京全体の定時制高校の生徒に声をかけて、呼びかけてつくられた、生徒の会というのがあって、報道やその方々からのお話を聞くと、十月三日に教育庁に一回要望書を提出に来たんだけれども、教育庁は、現役の生徒には直接会わないと、校長を通さなければ会わないという態度をとって、そのときいた卒業生の人には会うということで、卒業生の人が要望書を受け取るように交渉したらしいんですけれども、そのときの担当課長の姿勢で、そのように、校長を通じてしか会わないということになった。その後、十月二十一日には、改めて生徒の会が要望書と、その二週間ちょっとの間に集めた定時制の生徒へのアンケートを含めて提出したというふうに聞いています。この当事者である定時制高校の生徒の会の要望書について、その要望内容についてはどう受けとめておられますか。

○山際都立高校改革推進担当部長 要望についてどう受けとめたかというふうなお尋ねですが、夜間定時制高校に通っている生徒が、自分の高校の統廃合に関しまして学校存続の要望を出したことについて、理解できる部分はございます。今回の計画が定時制教育の条件改善につながることを引き続き学校関係者に対して説明しまして、生徒の理解も深めてまいりたい、かように考えております。

○曽根委員 多少でも理解できるということであれば、なぜ校長を通じてしか会わないというような態度をとるのか。それから、出された要望書を、教育委員会の際になぜきちんと報告し、資料として提出しなかったんですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 生徒の要望書の提出についての基本的な私どもの考え方でございますが、生徒が主体的に物事を考え、そして、みずからの考えをまとめ、高校生として相応な意見として表明することは大切であるというふうに考えておりますが、意見表明の手段、方法につきましては一定のルールが必要である、このように考えております。生徒が意見を表明するに当たりましては、教育の専門家たる校長などが、生徒の適性あるいは能力を踏まえまして、必要な指導助言を与えることが重要でございまして、教育的な配慮のもとに、日ごろから生徒の考え方や学習状況を把握している校長を通じて行うことが原則であるというふうに考えております。
 なお、二点目に、教育委員会で、生徒の要望があったかどうか、あるいは、それについて反対であるというようなことを伝えたかどうかというふうなお話でございますが、私ども、この定時制の改革については、これまでもるる教育委員会で議論していたところでございます。教員、関係者あるいは生徒を含めて、この定時制の統合についてはかなり強い反対意見がある、一部に強い意見がある、このようなことについては既にお話をしているところでございます。

○曽根委員 事実上、生徒の人たちが--教育委員会では本格的な議論は既に十月十日にもやられていると聞いていますが、しかし、生徒の会が要望書を提出したのは十月二十一日で、二十四日の教育委員会の直前です。それだけに、私は、この一番新しい生徒たちの動きについて、一番重要な情報の一つとして教育委員会に改めて報告するのが筋だと思うんです。それを無視したやり方は非常に問題だと思います。
 それから、三日に、事前に提出のやり方について交渉した卒業生の人と担当課長のやりとりが生徒の会のホームページに公開されておりましたので、これはテープレコーダーで録音したようですけれども、読ませていただきました。生徒の会のメンバーは、第一に、生徒の会は団体としてまとまった要望を提出するのであるから、計画案の作成部署に直接提出するのが当然である、個々の生徒の校長を通じて要望を出すことは筋違いだし、無理だというふうに述べています。また、学校ごとに対応が違って、かなりの学校では、生徒自身が休み時間に署名活動をするのさえやめさせられるなど、校長や教頭の妨害に遭っている。協力どころか、生徒同士の署名や対話さえやめさせようとする人に要望書を託すことはできない。三つ目に、都は、生徒の意見は校長を通じて聞いているというが、自分たちの意見は聞かれたことがない。生徒の意見は、計画案をつくっている人に直接届けるしかないと判断したと。以上三つの点をきちんと述べています。
 これに対して、応対した担当課長は、ただ、ルールが必要とか、校長を通じてとかを繰り返すだけでした。明らかに生徒の会の主張に道理があると思いますが、いかがですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 先ほどお話をさせていただきましたが、定時制に通っている生徒が、自分の高校の統廃合に関しまして学校存続の要望を出した。その中で、学校統合に対して寂しさを感じる、そういう感情について私は理解できるところでございます。私も要望を読ませていただきましたが、生徒が、現状はかなりいいんだと、現状はいいんだというようなことで、現状をこのまま生かしていただきたいというようなお話を私も聞いておりますが、しかし、私としますと、今の教育はさまざまな課題があるわけで、今どんなところが身の回りに問題があるのか、定時制は現在の夜間だけでいいのか、そして、これからどういうふうになったらいいのか、そういうことも十分に生徒の中でも議論していただきたい、かように考えているところでございます。

○曽根委員 私は、手続論について申し上げたんです。その生徒の主張についての評価については後でまたお聞きしますけれども、大体、校長を通じてとか、校長立ち会いとかいっているのは、私の知る限り東京ぐらいなもので、この間、統廃合が行われている各県の状況を調べてみましたが、例えば大阪府でも、去年も大きな統廃合問題があって、ある新聞のニュースに載っていましたけど、大阪府の教育委員会に高校生自身が要望書を提出しているわけですよ。当事者にお聞きしましたが、提出すること自体には何の問題もなかったと。もちろん要望書が受け入れられたわけではありませんけれども、実現したわけじゃありませんけれども、しかし、提出することにまで、校長を通じてとか、直接会わないとかいう教育委員会の態度は一切なかったと。何で東京でそんなことが問題になるんですか、という話です。
 それから、先日、埼玉県でも、男女共学の高校づくりの問題について、生徒が意見があるということで教育委員会に要望の提出に行きました。NHKが取材して、テレビのニュースに出ていましたが、それも、職員に会うことは何の問題もなかった。知事が会うかどうかについては、よく考えたいというようなお話だった。
 したがって、校長を通じてとか、教育的配慮といっているのは東京だけの事態で、私は異常だと思うんです。
 現実には、二十一日にはどういう方法で、私は直接要望書を渡したというふうに聞いたんですが、どういう方法でそれが実現したんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 二十一日に要望書をどのように受け取ったかというお話でございます。その前に、ちょっとお話をさせていただきますが、私どもとして生徒に説明する、あるいは生徒のことを聞くということをいとうているわけではございません。生徒の意見には参考になることもあるし、あるいは生徒の社会参加を促す意味もある。しかし、学校である以上、生徒の行動には当然一定のルールがあるだろうというふうに考えております。通常、校長あるいは教員を通じて意見を開陳する、そのようなルールになってございます。したがって、私どもは、そうしたルールに沿って対応すべきというところで考えておるわけです。しかし、校長の判断、あるいは校長の同席のもとで対応することはあり得るし、また実際に対応したところでございます。十月二十一日につきましては、校長同席のもとで要望書を受理しております。

○曽根委員 おかしいんですよね。さっき生徒の会の人がいったように、団体としてまとまった要望書を提出するんですから、しかも、当日二十一日は複数の生徒が要望書の提出に来ているのに、どの校長が立ち会ったんですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 定時制を守る生徒の会のメンバーそのものについては詳しくわかりませんが、しかし、会長が、はっきり申し上げて八潮高校の生徒でございます。その会長の所属であります校長、八潮高校の校長が同席したところでございます。

○曽根委員 何の意味があるのかなというふうに私は思うんですね。八潮高校の校長が、生徒の会の活動全体について何らかの責任を負う立場にあるのか。それとも、教育的指導をその後やれるのか。そういう団体との関係じゃないと思うんです。しかも、これは会長の生徒さん自身の了解をとったんでしょうか。もしとってないとすれば、校長先生の立ち会いは困りますというふうにいった場合、生徒は拒否できるんですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 先ほどから申し上げているとおり、私どもが生徒と会う際には校長の同席、あるいは校長の判断のもとに同席するということに、私どもの考え方として、そういう考え方で対応しているところでございます。先ほどの質問の中で、生徒の方で同意があったのかどうかというようなことがございましたが、それは私どもの基本的な考え方でございまして、生徒もそれに従ったものというふうに受けとめております。

○曽根委員 たまたま八潮の校長先生は、その会長さんの活動に対しては、校内で署名活動することについても文句はいわない人だったそうです。しかし、これが仮に、ほかの高校であったように、校長先生がみずから妨害する、学校の外でやれというような人だったらどうなるのか。当日、教育庁が校長の立ち会いを何としてもやれという態度をとったために、定時制の中でも、推薦で大学を受けたいと思っている生徒がいて、非常な不安を感じたといっていました。そういう点で、これは教育的な配慮どころか、教育の名による生徒の自主性への威圧ではないかと思います。生徒に不利益が生じるようなことがあり得た場合、校長の立ち会いというのは、教育的配慮じゃありません。自主活動に対する、ある意味ではバリアを張っているようなものです。こういう時代錯誤のやり方は今後は一切やめるように。ほかの県でやっている当たり前の、一般市民と同じに、基本的に社会的常識を守って要望書を提出しているんですから、そのルール以上の余計なルールをつける必要はないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、生徒の会が取り組んだ、短期間でしたけれども、八百人に及ぶアンケートの結果、これは当然、提出を受けているわけですから、ご存じだと思います。最初に会ったとき、担当課長が、君たちは少数派だ、マイノリティーだと決めつけたようですけれども、しかし、この八百人のアンケートの結果を見ると、まず半数の生徒が計画を知らなかった、先ほど都民のアンケートの結果もありましたが。そして、知ってみると、賛成、反対については、どちらかといえば賛成、賛成を含めても六%しかいない。反対が五四%、わからないというのが三一%という、ある意味では非常に正直な結果が出たと。教育庁が彼らを少数派と決めつけることはできないと思いますが、どうですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 アンケートの結果について私も話を聞いておりますが、これが定時制の全体の声なのかどうか、あるいは、アンケートがどういうふうな経緯を経て、だれが展開したのかについてつまびらかにわかりませんが、しかし、反対が多いということについては受けとめておきたい、かように考えております。

○曽根委員 生徒の会の提出した書類の中にも、どういう方法でとったアンケートか、恐らく書いてあったと思います。各定時制の高校の生徒会あてに郵送でアンケート用紙を送って、郵送で回収したもので、したがって、統廃合の対象校以外の学校にも送っていて、そういう学校からも返答が来ているそうです。これは、自分の学校がなくなるので寂しいとかいうだけじゃなくて、夜間定時制というもののあり方そのものに対する、まだ対象校になっていない学校の生徒も含めた意見だという点で、極めて客観的なやり方だと思います。これに対抗するだけの教育庁の調査なんかないと私は思うんですよ。ですから、夜間定時制がなくなっては困ると生徒たちの多くは思っているんだという、これについて少数派だと決めつけるのは、今後一切やめていただきたい。根拠はないんですから、教育庁の方にも。
 それで、問題は、生徒たちの声を受けとめるというのであれば、三部制に全部まとめてしまうという将来の構想については、この際、撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 私ども、定時制教育そのものについては、今、多様な子どもたちが学んでいる、中退を含めて、あるいは不登校の子どもたちが学んでいる、そうした定時制教育そのものについての重要性は十分に認識しているつもりでございます。
 しかしながら、じゃ、定時制で学ぶ生徒たちの実態はどうなのかという点からしますと、かつてのように勤労青少年が学ぶ、どうしても夜間でなければならない、そういう理由は見当たらない。しかも、定時制で学んでいる子どもたちが全日制のある意味での片隅に追いやられて学んでいる、そういうようなこともあるわけです。さらに、登下校時間が制約されている。あるいは、施設についても五時から。それ以前に運動場とか、図書館で学べない、こういうような問題点がある。
 したがって、私どもは、そういう生徒の実態あるいは課題に対応して、周辺の定時制高校、夜間定時制を統合して、昼夜間定時制独立校を設置するということでございまして、これは定時制教育の充実につながるものであるというふうに考えているところでございます。

○曽根委員 るる勝手な解釈を述べられたんですけど、……。
〔発言する者あり〕

○渡辺委員長 静かにしてください。

○曽根委員 例えば、夜間定時制に通う生徒さんが正規の従業員として企業で働いているのかという統計があるのは知っています。一割弱であるといつもいう。しかし、じゃ、アルバイトも含めて、どれぐらいの生徒が仕事を持っているのかという調査はかけたことがあるんですか。そのほかにも、夜間の定時制に通う生徒たちが、不登校体験者はどれぐらいいるとかいう詳しい調査をこの間やったことがあるんですか。

○近藤指導部長 ご指摘のありました調査につきましては、現在やってございません。

○山際都立高校改革推進担当部長 勤労青少年ということで、いわゆるそういうふうな職がないというような話が今、曽根委員からございました。かつてはそういう勤労青少年、今はアルバイトというふうな形になっております。しかし、そうした雇用状況というものについてはかなり弾力化されている。例えばマクドナルドなどについては、高校生がかなり就業している。これは、全日制の子どもも定時制の子どもも、同じような時間帯で学ぶことが可能である。昼間学ぶことではなくて、午前の時間も学べる。午前、午後、あるいは夜間についても働ける。そういうような実態でございまして、働いているから、勤労しているから、夜間学ばなきゃいけないというふうな実態ではございません。

○曽根委員 調査があったかないかだけ聞いているんですけど、いよいよ解釈の世界に入っていくようです。
 先ほどもご紹介があったように、三定の公明党さんの討論の中でも強調されていたように、今度の昼夜間定時制独立校の設置に伴って--これをちょっと読ませていただきますが--周辺の夜間定時制高校の閉校が計画されているが、これには生徒の通学上の負担が増大することを初め数多くの問題が指摘されていると。そこで、夜間定時制に通う生徒の実態を詳細に調査し、学校数が減ることによる通学上の課題などを十二分に検討、検証することが重要だと。したがって、この再配置案については慎重な対応あるいは再検討を求めるものだというご意見もありました。
 私、やっぱり、先ほど指導部長がおっしゃったように、生徒の意向はもちろん、生活実態、そして、今ふえているといわれている不登校経験など、一体どういう生徒が夜間定時制に通ってきていて、その夜間定時制で何を学んで、どう改善してほしいと思っているのか、それが果たして三部制でかみ合うのかということを何も本格的には調査もしないで決めてきたということ自体が大問題だと思うんです。この点では強く、改めて調査を行い--今度の教育委員会では行政計画として決められてはいますけれども、必要な再決定はもちろんあり得るわけですから、やっていただきたいと思います。
 あと、個々の請願陳情でも非常に重要なものがありますので、幾つかあわせて聞いておきたいと思うんです。
 まず、荻窪高校に集約されようとしている中央線沿線の定時制高校について。
 これ、さっき資料をいただいて、ずっと見ていたんです。請願者の方にお話をお聞きしたら、新宿から武蔵境まで定時制普通科の高校がなくなるんだというお話だったんですが、ずっと見ると、西は立川高校に普通科が残ります、これ、地図で出ていますけど。あと、中央線をずっと東にたどってきても、新宿を越えて、千代田、秋葉原をさらに総武線でたどっていっても、江戸川高校まで定時制の普通科はないんじゃないですかね。ですから、立川から東は平井、小松川のところまで、江戸川高校まで、小岩の手前まで、夜間定時制普通科高校はなくなると思うんです。これはひどいじゃないかというこの方々の訴えは、本当にもっともなことだというふうに思います。
 ある対象校の先生がおっしゃっていたのは、三部制が必要な子どももいるだろうから、そういう高校を仮につくったとしても、夜間定時制をすぐに廃校するんじゃなくて、何年か併存させてみれば、生徒たちがどっちを選んでいくのかというのがわかってくるじゃないか、そういうアイデアもありました。それから、西は立川、東は小岩まで、ずっと定時制をなくしてしまうというのは余りにもひどい、何校かだけでも残してほしいとか、切々たる訴えがありました。こういった、生徒たちがこれから三部制を選ぶのか、夜間定時制を選ぶのかという選択ができるようにしていくという考え方についてはどうでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 これからの定時制教育のあり方については、このたびの新たな実施計画の中でも明らかにしたところでございます。私ども、基本的な考え方としましては、定時制教育については将来的には全定併置の解消を図っていく、これが基本的な考え方でございます。

○曽根委員 何ら変える考え方はないようですけれども……。
 もう一つ、荻窪高校の請願も出ているんですね。これは、三部制をつくることによって全日制が廃校になるわけですが、先日、荻窪高校に伺って校長先生に会ってきました。ここでは、今回、統廃合の対象になる前から、この数年間、学校ぐるみの取り組みによって生徒の問題行動も激減したと。校長先生の話では、三けたの数いた、特別指導生というんだそうですけど、万引きをしたり、昼休みに勝手に学校を抜け出したり、そういう生徒がこの三年間に激減して、一けたになったそうです。それは、地域との交流会を行って、商店街や地域のイベントにも生徒が参加したり、それから、目の前に保健所があるんですけれども、その行事に参加したり、地域との協力関係、連携を強めてきた成果だというふうにおっしゃっていました。また、定時制の方も、この間、入学者が非常にふえていて、百二十名ぐらいになるそうです。それは、杉並区内にある中学校に通えない子どもたちの、何というんでしょうか、指導学級というんでしょうか、さざんか学級というそうなんですが、ここからの推薦で、荻窪高校の定時制は非常によくやってくれている、不登校だった子どもが、定時制の荻窪に通うようになってから学校に定着したということで、代々ここも通うようになっているそうなんです。そういう点で、校長先生、内心では、ここが統廃合されてしまうことについて、じくじたる思いがあるんじゃないかと思うんです。校長先生ですから、いいませんでしたけど。
 私は、全日制が三部制にされる高校についても、これまでの努力が無になってよいのかと、台なしになってよいのかというふうに思うんですが、この荻窪高校の実践、この成果についてはどう受けとめておられますか。

○山際都立高校改革推進担当部長 荻窪高校につきましては、新たな実施計画によりまして、杉並地区昼夜間定時制独立校に改編することにいたしております。ただいま曽根委員ご指摘のように、荻窪高校の教育実績につきましては、私どもも評価しているところでございまして、きめ細かな生徒指導あるいは地域活動への参加など、こうした教育実績が無にならないように、今後設置いたします杉並地区昼夜間定時制独立校に引き継ぐべきであるというふうに考えております。

○曽根委員 私は、全日制の高校として地域と連携を図っていこうと努力してきた、この実践こそ、今、進学校だの、中堅校だの、教育課題校だのと分類して競争させるというやり方ではなくて、その学校ごとのまさに特色化、そういう努力こそ尊重して、学校にそれぞれ奨励していく問題だと思うんです。そういう点では、荻窪高校が全日制としての努力を引き続き全日制として続けていけるように保障するのが、教育委員会としてとるべき態度ではないかということを申し上げたいと思います。
 それから、先ほどもちょっと紹介されましたが、小石川高校や両国高校は、中高一貫校になることに伴って、定時制が、当初の計画案はどうだったかわかりませんが、いずれにしても早く台東商業に統合されるという話が出ました。これは、中高一貫校が立ち上がる平成十八年にはどうしても夜間定時制を併存させないという方針に基づくものだそうです。ほかの学校では、新しいタイプの高校ができても、夜間定時制は卒業までは残るにもかかわらず、中高一貫校だけ。しかも、昼間の高校なんですから、全定併置で、夜間は学校は使えるわけですね。にもかかわらず、どうしても新しい高校の方へ統合させてしまうという。なぜここだけが、中高一貫校だけがこういう扱いになるんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 先ほど申し上げましたが、私どもの基本方針として、全定併置の解消を目指していくというような観点に立っているわけでございますが、ただいまのお尋ねについてでございますが、中高一貫教育校に定時制課程を併置しない理由について、中学校と高等学校が併存します中高一貫教育校におきましては、定時制課程を併置した場合に、例えば部活動の拡大に伴う施設利用の制約が大きくなる、また、中等教育前期課程の生徒と定時制課程の生徒ではかなり年齢差も大きい、生徒への心理的影響等についても十分考慮する必要があるなどの理由によりまして、中高一貫教育校の開校に合わせて高等学校の全定併置の解消を図ることにしたものでございます。

○曽根委員 私、随分だと思うんですよ。北区でも城北高校が桐ヶ丘高校になり、また、かつては北高校が飛鳥高校になったときも、必ず前の高校は、門の片側に看板をかけて、卒業までは、ちょっと寂しい思いもありますけど、その学校で卒業させたんです。ところが今度は、定時制に通っている生徒を、長いところでは、この間もデータをいただきましたが、一時間もかかる台東商業まで、学年進行の途中で移すということをやるわけですね。平成十八年には、先ほど石川委員もおっしゃったように、台東商業全日制の二年生と三年生、台東商業定時制の二年生、三年生、四年生、両国高校定時制の二年生、三年生、四年生、さらに新しく誕生する台東地区昼夜間定時制高校の一年生と、三つの学校、四つの課程が台東商業のあの狭い校地に同居することになる。一体これは入るのかというぐらいのぎゅうぎゅう詰めですよ。これ、まともに計画したんでしょうかね。校門というのは、門柱は大体二つしかなくて、そこに四つの看板をどうやってかけるのかという問題ですよ。まともな計画とは到底思えないんです。例えば募集停止を一年前にするとかいうようなことは、計画をつくる側でいろいろ考えられたと思うんだけど、それはしないで、全部、台東商業に四つの学校を集めるというのは、一体どういう発想なんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 十八年から、今お話しのようなことをやらせていただきますが、これについては既に、平成十六年に開校いたします大田地区単位制工業高校、これは仮称でございますが、そこにおきましても、全日制、定時制、さらには羽田高校の定時制、羽田工業高校の定時制、三高校、四課程が併存するというようなことで対応していくところでございます。台東商業について、施設が狭隘であること自体はそのとおりでございますが、十分対応できるような、そういう方法をとってまいります。
 なお、移転に関連しまして、該当生徒の教育条件の確保を図るということは非常に重要でございます。学習時間帯の弾力化は先ほどお話をさせていただきましたが、今は夜間だけですが、午前、午後の授業も受けることを可能にする、あるいは三年でも卒業することができる、そうした昼夜間定時制高校のさまざまなメリットを享受できるように対応してまいります。

○曽根委員 これに比べて、新しくできる両国高校の中高一貫校は、中高一貫校だけで全部使える。何といいますか、余りにも露骨な差別じゃないかということを申し上げておきたい。
 次に、大島定時制の分教場の廃止が一年先送りにされました。その理由は何でしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 大島高校の南分教場の定時制の廃校を一年延ばしたわけでございますが、その理由につきましては、南分教場に通っている生徒の学業の継続、あるいは本校と分教場の交流による本校への移行の円滑化を図るために、こうした対応をしたものでございます。

○曽根委員 私は、この間、教育委員会が大島の定時制の分教場についてどういう見解を持つのかなということを注目してきました。十日に一回、これは公開じゃなくて、懇談という形で論議がされているということを聞きましたし、二十四日にも一定の議論があった。これは議事録を読ませていただきました。教育委員のメンバーは、生徒一人に千七百六十万円かかっているという担当部長の報告に、そんなことは世間では通用しないんだというような発言をした方を初めとして、この費用の問題に非常にこだわっておられました。しかし、教育の機会均等を保障するためには、学校にかかる費用に違いがあるのはやむを得ないことで、まして島の学校はどうしても費用がかかってしまうのは周知のことです。ましてや、それは、通っている生徒や地元住民の責任に属さない問題であります。その点で、私は、今回のやり方について、わざわざ生徒一人にかかる費用を報告したりするやり方についても、非常に憤りを感じます。
 教育委員は全体として、この問題については、最初に出されていた今年度いっぱいに廃止という案に特に異論はなかった。しかし、教育庁、いわば教育委員会事務局である皆さんの側で一年先送りの判断をしたんだと思うんです。一年たって、来年度まだ生徒の皆さんの状況や考え方が変わらないという場合、それでもやっぱり、一年送りだから、決定したんだから廃止だというふうになるんでしょうか。今回、一年送ったということは、来年もまた、その段階での状況を見るということになるんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 南分教場についての一年延伸については、先ほど理由を述べたとおりでございまして、十五年度末をもって廃止をいたします。

○曽根委員 今回は延ばすけれども、来年度はどんな状況であっても、生徒の状況が変わらなくても--来年延ばしても、高校に四人ぐらいまだ残るわけですね。それでも必ず廃校にするというのでは、この間もいいましたけど、一年間、また生徒の皆さんは蛇の生殺しみたいに、繰り返し繰り返し説得を受け続けるという状況になってしまうんだと思うので、私は、今回、生徒の人たちがここで学び続けたいという願いが強くて、教育委員のメンバーじゃなくて、皆さんが提案する側で一年先送りにしたんですから、来年も状況を見て、生徒の皆さんの気持ちが変わらなければ、これに対しては、担当事務局として配慮して、決定を先送りするなり、凍結するなり、判断すべきだと思います。それが道理あるやり方じゃないかと思うんです。私は、大島定時制の、波浮、差木地、あの地域での定時制高校の存続を願う地元の声にこたえられるように、担当の方々があらゆる工夫をするように求めておきたいと思います。
 定時制のグループ給食が今行われていますが、これと定時制の統廃合とがある意味でバッティングしてきています。お聞きしたいんですけれども、いわゆる親子給食、グループ給食の中で、調理校、つまり、そこの学校でつくって、ほかの学校に給食を配送する調理校になった学校は、一次、二次計画の対象校で何校、今度の計画では何校で、そのうち、これから厨房の改修をする学校はどこなのかをお聞きします。

○比留間学務部長 高等学校定時制夜間課程の給食におけるグループ方式につきましては、生徒の減少による小規模化に伴い、給食調理が非効率になっている状況に対応して、給食の質を確保するとともに、経費負担の適正化を図るため、平成十三年度から導入したものでございます。このグループ方式は、隣接する複数の学校をグループ化いたしまして、適正規模の食数を調理校で調理し、グループ内の他の学校に配送する方法で、大規模校や、施設などに制約がありグループの組めない学校を除きまして、すべての学校に導入するという方針でございます。
 今回の都立高校改革の新たな実施計画の中で、定時制夜間課程が廃止となる学校のうち、グループ方式の調理校、いわゆる親の学校でございますけれども、これは、十四年度から実施しておりますのが八潮高校、小石川高校、上野高校、三鷹高校の四校、それから、十五年度に新たに実施いたしますのは、杉並高校、墨田川高校、小岩高校の三校でございます。
 なお、一次、二次の既定の計画の中で調理校というふうにしておりますのは四校でございます。

○曽根委員 つまり、既に一次、二次で廃校と決まっている学校でも調理校が四校、それから、今度の配置計画では七校が調理校になっている。何年か後には廃校される運命の学校に、厨房をわざわざ改修して、大型の高速冷凍機ですか、を入れて、そこから配送する施設をつくる。これ、一校当たり改修費、冷凍庫の備品費でどれくらいかかっているんでしょうか。

○比留間学務部長 今年度から実施いたしました調理校六校の改修に要しました経費は、一校当たりで、段差の解消工事でございますとか、調理の効率化や衛生管理の改善のための給排水衛生工事等の経費、これらが二百五十万円、それから、電源等の工事が約三百万円、合計約五百五十万円。整備に要する経費はこういう内容になってございます。

○曽根委員 備品の方は幾らぐらいでしょうか。

○比留間学務部長 備品の方は、これはグループ全体で必要なものになってまいりますので、グループ全体で申し上げますと、急速冷却機等の導入で約三百五十万円、消耗品等で約百万円、使用料、賃借料、これは、配膳車でございますとか配送車、あるいはパソコンに要する経費でございますが、一グループ当たり全体で九百五十万円程度の経費になります。

○曽根委員 改修で約五百五十万円、備品その他、配送車も使うので、九百五十万円、合わせて一千五百万円、一グループ当たりかかるわけですね。しかも、廃校にする、全日制では使わない給食室、調理室にこのような改修をするというのは、片方で、財政の問題もあって夜間定時制を削っていき、また一方ではグループ給食にして経費を削りとやっていったら、一方でむだ遣いが出てしまうということだと思うんです。私、こういうやり方をするのをそれぞれ考え直すという中で、少なくとも、これから廃止していこうとしている学校に、一回冷凍して解凍し直した給食を出すというやり方ではなくて、その学校の自校方式、三十三校は自校方式で残るそうですが、それぐらいの温情があっていいんじゃないかということを申し上げておきたいと思うんです。別に統廃合に賛成するわけじゃないけど、統廃合にかけた上に、給食までこういうふうにして、しかもお金は、なくす学校まで厨房の工事をやる、何が何でもやるぞという、その姿勢はちょっと変えた方がいいと思うんです。
 それから、水元高校についても請願が出ていましたので、お聞きしておきます。
 水元高校については、学校内外で、地元の関係者すべてが、この廃止をやめて、計画の見直しをというふうに求めています。お聞きしたら、四十五万人の人口がいる葛飾区に三つの普通科高校しかない。その一つをつぶす。学校が余っているわけでもないのに何でだということで、既に区議会で、全会一致で二回、意見書が決議され、さらに東京都に対しても、都議会への請願は三回目だという話です。地元の議員の方々も紹介議員になり、商店街、地元の自治会関係者、生徒、先生方こぞって、父母の皆さんも含めて、何とか残してほしいという声を上げている。
 私は、これは、学校をなくすわけですから、地元の理解とか協力とか、何か基本検討委員会という、そういったことの余地がないわけで、残った方法は、計画を変更して何らかの形で学校を残すという方向に見直すしかないと思うんです、地元にこたえるには。今の計画では理解の得られようがないと思うんですね。この点で、この請願にはどう答えようとしているのか、お聞きします。

○山際都立高校改革推進担当部長 水元高校につきましては、都立高校改革推進計画・第二次実施計画におきまして、旧六学区区内の都立高校の規模と適正化を図る観点から、同じ区内に位置する本所工業高校と発展的に統合しまして、葛飾地区の総合学科高校を平成十九年に設置するものでございます。
 統合に当たりまして、私どもも、学校関係者との話し合いに応じまして、さまざまな意見を聞いた上で決定をしたところでございます。私どもとしましては、第二次実施計画は広く都民の理解を得られており、また、総合学科高校についても高い評価を得られていることから、同計画を着実に推進していきたいというふうに考えています。
 なお、今後とも、必要に応じまして学校関係者との話し合いに応じ、理解を得るように努めてまいります。

○曽根委員 本所工業高校の関係者はそういうことがあり得るかもしれませんが、水元高校はその地域に学校が何も残らないわけで、その点では理解のしようがないと思うんですよ。都民全体が理解しているからといわれても、葛飾区で三校しかない普通科高校を二校に減らされてどうするんだという意見は消えないと思うんです。
 これは、嶋村さんという地元の名士の方だそうですが、私どもにも手紙をくださって、とにかく学校ぐるみで頑張っているんだと。八年前から、各類型制というんですか。類型制を全都に先駆けて導入して、他校もこの例を見習って導入しているほどで、中途退学者も激減していると。PTAも活発に活動し、生徒たちも、この問題が起きて、なお一層、愛される学校になるように、金町駅頭などで自分たちの学校の存続を訴えている。この声を酌んでいただきたいということで、切々とした文面の手紙をいただきました。
 また、地元の議員さんで、これはうちの党の議員じゃないのでお名前は伏せますけれども、この運動に共感して手紙を出されているんです。地域の多くの方々の膨大な署名を提出し、生徒の代表の方が涙ながらの訴えをした翌日に、まるで何事もなかったかのように決定するという当局の心ないやり方に改めて強く抗議をする、皆さんの犠牲的な努力を考えるとき、無念の思いに身がよじれる思いだと、ある党の議員の方がメッセージも寄せておられるそうで、地元挙げて、水元については第二次計画でありますけれども、見直しを求めております。そういう点で、これを一方的に押し切ることのないように、ぜひこの請願の趣旨を酌んでいただきたいことを重ねてお願いしておきます。
 それから、八王子の四校の統廃合についても、請願をいただきましたので。
 私は、この問題について地元の方からいろいろお話を聞いて、どうも解せないといいますか、わからないのは、この不況で厳しいときに、職業人教育を柱とする職業高校として、商業高校、工業高校、それぞれ非常に歴史もあり、また実績も上げている高校を二つくっつけて、全く新しいコンセプトの産業高校というのをつくると。一体、新しい高校で、本当に職業人の育成、資格の取得、見通しがあるのか。今、普通に、高校全体でいえば三三・四%、史上最悪の就職内定率です。超氷河期といわれた昨年の三七%からさらに落ち込んで、何と名づけていいかわからない事態ですよ、今。そういうときに、新しい経営に対する総合的な何とかというのがあるのかもしれませんが、果たして本当に資格を取り、それから、就職にも間違いない見通しが持てるという高校が、つくって、すぐにスタートできる見通しがあるんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 産業高校につきましては、生産、流通、消費の基礎と相互の関連を学んだ上で、自己の進路目標に沿った専門教科を学び、幅広い視野と確かな勤労観に裏づけられた職業人を育成する専門高校として位置づけておるところでございます。例えば、起業家精神と職業生活というような学校設定科目を設けまして、地元企業と連携した授業形態を導入したりして、企業内安全教育から社会人としてのルールやマナーを幅広く学ぶ、このようなことを考えておるわけで、こうした学びを基礎に、インターンシップを実施し、職業観、勤労観を身につけさせることで、就業に必要な技術の習得、あるいは資格取得への意欲を高め、さらには職業教育に発展させていく、このように考えております。

○曽根委員 私、九月の審議のときにも王子工業のことを紹介しました。あそこでは、この間も校長先生にちょっとお会いしたんですけど、銭になる資格という合い言葉があって、その資格によって、例えば就職したときに間違いなく給料が二、三万違うという、生徒自身に必ず還元できる資格というのを重視しているということで、電気工事士の資格を取る。夏休みが終わったら、二、三カ月かけて、放課後に、先生が希望する生徒に全部ついて、徹底して受験勉強して、それでも半分か三分の一しか受からないという厳しい試験、それに定時制の生徒が見事に合格したという話を紹介したんですけどね。
 八王子もやっぱり同じようなことをやっているんですね。商業高校は、とにかく今、情報の時代だということで、ITの資格について、全国一を目指そうということをやってきた。これは、この間、公明党の議員の方も紹介していたように、銭になる資格になるわけですよ。職業人として即戦力になる。こういうものを育てなければこれは、今、この就職氷河期の時代に乗り切れない。これが、職業高校で生徒の人たちを教えている先生方の共通の声なんです。工業高校でも、CADが使えなければ、もう服飾デザイナーとして役に立たないです、今。そういうものを必ず身につけさせて卒業させる。
 こういう先生たちの努力があるからこそ、この間も生徒の皆さんの話を聞きましたけど、どうしても八王子工業を残してほしい、二商を残してほしいという生徒の声を聞かせていただきました。私、さっきの部長の話を聞いても、極めてあいまいな、そして、この就職戦線の異常事態の中で、一体どれだけの生徒たちに責任を持てるのかと。
 私、小石川工業の問題を以前質問したときに、小石川工業も同窓会がすごく力があって、就職が決まっていない生徒がいた場合には、同窓会の中を人脈でずっと探して、その生徒の引き取り先というか、就職先を全力で探すと。就職が決まらない生徒を出さないという努力を同窓会がしているという話をしました。そうしたら、部長さんは、もし世田谷に移って就職率が落ちるようなことがあったら、教育庁は就職のために挙げて応援に行くというような話をされましたね。これは八王子の場合も同じですか。新しい高校ができて就職率が下がったりなんかしたら、本当に全力でバックアップするために動くんですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 産業高校の将来的な、できたときの実績でございますが、私ども、最大限努力いたします。学校を規定するのは、例えば教育システム。産業高校という一つのハード、それと、あとは、確かにおっしゃったように教員、さらに同窓会。これについては、八王子工業については、同窓会、応援しようと。二商についてもそういうお願いをしているところですが、それについては今後いろいろとお願いをしたいということで、働きかけをしたいと思います。同時に、地元の支援ということが非常に重要でございます。地元について、商工会議所でございますが、支援しようというようなスタンスはございます。
〔「委員長、ちゃんと時間を決めたんだろう。決めたようにやってちょうだいよ」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 決めてあるの。
〔「何分やるんだ」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員 私、一時間二十分としているんですが、できるだけ早く終わるように努力はします。
 それで、私、職業高校については、小石川のときにも、王子工業のときにも申し上げましたが、今の時代に生徒を責任を持って送り出せる職業高校としての責任がある。また、責任を持てる高校のあり方を必ず実現してもらいたい。その点で、八王子は、地元の産業界、また商店街、二商と工業高校の存続を求めている方がたくさんいるということを申し上げておきたいと思います。
 小石川工業の問題について一つだけ聞いておきたいんですが、決定の段階で、今まで小石川工業の跡地について計画がなかったのに、急に総合芸術高校を持ってくるという話が出ました。聞くところによると、八月に同窓会のメンバーにだけ、この話が情報として伝わっていたと。校長先生も、この間お会いしたら知らなかった。学校関係者も知らないのに、同窓会のところにだけ情報が流れて、そして十月二十四日、公式には何も出てなかったのに、突然、総合芸術高校を持ってくるという話になる。非常に不可解な経過なんですが、これは一体何でこういう、一部にだけ情報を流して、決定するというようなやり方をとったんですか。

○山際都立高校改革推進担当部長 学校の設置場所については、当然のことですが、行政の判断により選定しているところでございまして、学校の統廃合により利用が可能になった土地などから、総合芸術高校が立地するにふさわしい土地について、関連の部署も含めて検討を行った上で、十月二十四日の教育委員会で、小石川工業高校の敷地を、総合芸術高校の設置場所としてふさわしいということで正式に決定したところでございます。
 なお、小石川工業高校の同窓会の関係者とはさまざまな形で意見交換を行っているところでございまして、跡地利用について話題になったことはございます。

○曽根委員 もともと三年前に計画が出されたときには、ここは道路が、環状四号ですか、入ると。そのために、二万平方メートル以上の敷地が二つに分断されて、一万八千平米になってしまうので、高校としては非常に立地が悪くなるということが、廃校の理由の大きな一つになっていた。で、当時、我が党の、くぼた議員が、建設局の方に道路計画はどうなっているんだと聞いたら、道路は、学校として廃校することが前提ですという説明があった。委員会で若林部長が、高校として難しいという答弁もしていますし、関係者に対する岡田副参事ですか、という方の説明でも、高校は無理だという話が出ている。それが突然、今回は、芸術高校なら入るという話になっている。全く不可解だと思うんですよ。地元の関係者はこれでは納得できないということを申し上げておきたいと思うんです。
 最後に、中高一貫校について。
 先ほども問題にしましたが、中高一貫校については、請願陳情はまだ出ていませんが、私は、早晩大きな反対の意見も、また、待ってくれという声も出てくると思うんです。私の母校でも、小石川高校でもそういう動きがあります。
 中高一貫校について、中身はまだ都民に知られていないと思うんですが、この中高一貫校の中学、高校の教科書はだれが採択することになるんですか。

○石川教育政策担当部長 都立学校の教科書採択につきましては、東京都教育委員会の権限で行うことになっております。

○曽根委員 この中高一貫校のカリキュラムのモデル案というのを見ると、中に、偉人、賢人などの歴史について重視するということとあわせて、日本人のアイデンティティーについての教育を、道徳特別活動などの中で重視していくということが書き込まれています。ここにある日本人としてのアイデンティティーというのは、今、教育基本法の見直し論議の中でも同じ言葉が出てきているわけです。これは同じ意味で使っているということでよろしいんでしょうか。

○近藤指導部長 東京都教育委員会では、教育目標におきまして、我が国の歴史を愛し、日本人としてのアイデンティティーを育成する、そうした趣旨のことを明言しているところでございます。それを受けまして、このカリキュラムの中でも入れているところでございます。

○曽根委員 やっぱり教育基本法の見直しの審議会で出ていることと同じですね。日本人のアイデンティティー。ここには解説があって、伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心というふうに解説されていますね。今の部長のお話もそういうことですね。つまり、平たくいえば愛国心ですね。愛国心をどのように教育課程に取り入れて教えていくのかということで、その中身として、非常に重要な関連を持つのは、日本の国の歴史や社会をどう学ぶかですよ。私たちは、昨年の異常事態、振り返るまでもなく、新しい歴史教科書をつくる会が主導してつくった歴史教科書の文部省採択は誤りだと。明らかに歴史観が、当時の太平洋戦争を大東亜戦争と呼び、戦争を賛美する内容を持っている教科書で、日本の歴史を子どもたちに学ばせる。それを日本人のアイデンティティーという内容でやっていくという内容を持った、中学、高校、六年間の学校なんだということが都民の中に知れ渡っていけば、私は、そんなところで六年間、自分の子どもに教育を受けさせてよいのかという都民は数多くいると思います。そういう点で、それはこれからの問題ですけれども、改めて議論する機会もあろうかと思いますが、こういう危険な問題があるということも指摘して、私の質問を終わります。

○大西委員 委員長、議事進行について。質問者はあと何人ぐらいいるの。

○渡辺委員長 あと七人いますね。

○大西委員 まだ七人いるんですか。
 この委員会の運営というのは、それぞれお互いが地域を代表し、あるいは会派を代表して、それぞれの問題意識や、あるいは意見を持ってきているんですよ。しかし、この文教委員会の限られた時間の中で、お互いが自制しながら、委員会の運営のために努力をしている。そういった中で、共産党の、一政党の一議員だけが、もう約一時間二十分やっている。そういうような形で恣意的な活動をしていくのであれば、委員会の秩序というのは保てない。したがって、私は、理事会の場で正式に、この文教委員会に限っては時間制を導入するべく、前向きに検討していただきたい。そうでないと、このまま九時過ぎ、十時過ぎまでやっているんですか。私もたくさんの質問の課題を持ってきているけれども、これでは、良識的な議員はその質問時間を短縮せざるを得なくなってくるじゃないですか。自由な言論が保障されない。その点について、ぜひ理事会の場で時間制の導入について真剣な論議をしていただきたいということを要望しておきます。

○渡辺委員長 今、要望にとどめますが、時間制の導入の問題については、この委員会独自の問題というよりも議会全体の運営の問題にかかわる問題ですから、それについてはまた別のところで相談をしたいと思います。

○山本委員 委員長、議事進行。何でよその委員会に関係あるの。我々のこの中でやるんですから、この中で理事会のみんなで決めて、時間制でやるというなら、多数決で決めればいいじゃないの。よそのは関係ないよ。それは議会としては、言論の自由を認めるという意味では、各委員会共通だけれども、この委員会で話をするのに、何も他の委員会のことを考えてやることはない。どうぞ理事会で多数決で決めてください。

○曽根委員 確認だけしておきたいんですが、よろしいですか。

○渡辺委員長 運営ですか。

○曽根委員 運営について。
 これは議会局の方に確認したいんですが、委員会の持ち時間制など、運営の根本にかかわる問題は、会期の当初にある委員長会議で合意していることで、これを変更するのであれば、議運の審議事項になると私は思うんですが、いかがですか。確認だけしてください、議会局に。

○大西委員 関連。そういった問題については、例えば行財政改革特別委員会で論議をやる場合に時間制を導入した例もある。あるいは、私も財政委員長として財政委員会として、論議をする場合に、限られた時間ということで、時間制を委員会独自に導入した前例もある。これは委員会の自主的な判断にゆだねられるもので、余りにも委員会の運営について問題点が多過ぎる場合に、議会運営委員会に頼ることなく、委員会の自主的な判断によって、そういった申し合わせをすることを何ら妨げるものはない、そう思いますよ。その辺はよく調べていただければわかる。ですから、このままこの問題で論議をしていくと、ますます時間が長引きますから、理事会でしっかりと論議をしていただきたい。そのように要望いたしますし、我が党の理事の皆さん、委員の意見を受けて、ひとつよろしくお願いいたします。

○渡辺委員長 理事会で協議しますが、基本的な問題については、先ほども私、いいましたけれども、時間制の導入という問題については全体にかかわる問題だし、議会運営委員会という場でやっぱり議論しなきゃならないというふうに思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください。この委員会につきましては、やはり理事会でいろいろ出し合いをして、お互いに時間をそれぞれ確認し合っている、こういうことで進めておりますので、ご協力いただきたいというふうに思います。

○執印委員 それでは、質問させていただきます。
 何度か質問した件でもあるんですが、私もどうしたものかと思っていたんですけれども、十月十九日に、着服や飲酒で教員六人処分という記事が載りました。その中には、わいせつに関するものもありました。また、これは十一月に入ってからだったと思いますが、教師が男児にわいせつ容疑ということで、江戸川の方で懲戒免職になったんですね。強制わいせつの疑いで逮捕されたことがわかったというような記事が載っておりました。この件に関しては、学校の中で起こる大変な人権侵害ですから、対応をお願いしておりましたわけですが、これまでのわいせつ、セクハラ事件の状況につきましては資料でいただいたわけですが、平成十四年度、ことし一体どれぐらいのこういったことが学校の中で起きてしまったのか、まずそれをお尋ねいたします。

○臼井人事部長 わいせつ行為等の件数でございますけれども、今年度につきましては、十一月十三日時点で、教員のわいせつ行為等に対する懲戒処分八件を行っております。このうち児童生徒に対するものは四件でございます。また、昨年度のわいせつ行為等に対する懲戒処分は十一件で、うち児童生徒に対するものは二件でございまして、今年度は、児童生徒に対するわいせつ行為が増加しています。

○執印委員 この表を見ましても、少しずつ表に出るものはふえてきていると。しかし、これまでも確認してきましたように、表面に出てきて、こういった形で処分されるのは本当に一部分で、氷山の一角であろうというふうに思っております。また、ことしに入ってふえているということでもありますので、その対策をお願いしたいわけですが、私、これまで、東京都にも教育委員会にも、セクシュアルハラスメントの防止に関する要綱というものがございまして、この中に、児童生徒を保護の対象とするということをきちんと入れて、そして児童生徒にも、そういったことに遭ったときにどうしたらいいかということをきちんと知らせていく必要があるということを発言してきたわけですが、要綱の改正についてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、小学校、中学校、高等学校、高専というふうに出していただきましたけれども、小学校、中学校でもかなりの数が起きているわけですが、人事権は東京都の教育委員会にあって、服務監督権は自治体の教育委員会にあるという中で、その辺の問題というか、なかなか子どもの立場に立って、きちんとそこに対応できないという問題があると思います。区市町村の教育委員会に対してはどのように働きかけていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

○臼井人事部長 セクハラ要綱の件でございますけれども、児童生徒に対するわいせつ、セクハラにかかわる事故が増加していますことにつきましては、まことに遺憾というふうに考えておりまして、児童生徒が一層相談しやすいような校内体制を確立することが重要であるというふうに認識しております。東京都のセクハラ要綱は平成十一年に策定しておりますけれども、今回、この要綱の改正も含めて、厳正に対処していく所存でございます。
 なお、要綱の改正を行った場合につきましては、各区市町村教育委員会に対しましても、改正の趣旨について徹底を図り、セクハラの防止に努めてまいりたいというふうに考えております。

○執印委員 今、まことに遺憾であるということで、そういうふうにしかおっしゃりようはないと思うんですけれども、被害を受けた側からしますと、そんな言葉でくくられるような簡単な問題ではないというふうに思います。
 文教委員会で、前の委員のメンバーで、島根県に視察に行ってきたわけですけれども、島根県では、各学校ごとに相談窓口を設置しまして、セクハラ防止対策委員会というような名前でしたけれども、セクシュアルハラスメントの防止に向けて校内体制を整備したというふうに聞いております。こういった形で、「セクハラと子どもの人権」という冊子をつくって、全部の方に配っている、教職員に配っているということでしたけれども、そういう形でやってても実際に事故が起きて、事故が起きたところは、たまたま小規模の学校で、こういったセクハラの対策委員会がないところだったというようなお話もございました。
 要綱を改正して、きちんと整えることが必要としましても、改正しただけでは、こういう加害者になる方というのは、やっちゃ悪いとわかっているんだけど、やってしまうということが多いわけです。そういう方なのだろうと思いますので、私が今申し上げましたような島根県のやり方ですね、このような例を取り入れる考えはないかどうか、お伺いいたします。

○臼井人事部長 各学校に相談窓口を設置する方向で検討してまいりたいと思っております。セクハラ防止体制の整備につきましては、校内でセクハラを実質的に防止できるような体制づくりを目指してまいりたい。

○執印委員 これまで、法律ができて、各事業所には、こういったセクシュアルハラスメントの対策の委員会をつくるというふうになってきているわけですが、その中できちんと対応されてこなかったことが、今のご回答の中で、対応されていくというふうに思います。
 さらに、これをつくったとしても、ただつくっただけじゃ意味がありませんので、児童生徒に、こういう仕組みをつくったことをどういうふうに伝えていくかということが大事だというふうに思います。高校生ぐらいになったら、校長先生が直接生徒に向けて、今回こういう相談窓口をつくったので、何かあったら必ずいいなさいと。で、このセクシュアルハラスメントの対応窓口というのは、申し出を受けたら必ず対応しなきゃいけないということになっています。大体、男性一人、女性一人が対応に当たることにはなっているわけですけれども、それでも、学校の中ですから、何がどういうふうに起きるかわからないという不安がありますので、校長先生が子どもたちに話をするときに、それでも解決できないときは校長へ、または教育委員会へ、それでもだめなら外部の相談機関という方法もあるんだときちっと伝えるということをしていただきたいと思います。
 それから、先日、生活文化局で質疑をしましたときには、ウィメンズプラザでスクールセクシュアルハラスメント講座というのをやっておりまして、そのやっている理由というのは、スクールセクシュアルハラスメントの相談がウィメンズプラザに数多く寄せられているからという理由でした。十一年から始まっていて、最初の年が三十二人、次の十二年が二十七人、十三年が四十二人、ことしが五十人、講座を受けた方がいらっしゃったということで、私は随分前から、このことについては関心と怒りを持って見てきたわけですけれども、やっといろいろな意味で緒についた部分かなというふうにも思っております。
 そこで、私がお話ししましたようなことも含めて、ぜひ具体的に児童生徒へ周知徹底をしていただきたいわけですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○臼井人事部長 児童生徒がセクシュアルハラスメントを受けた場合につきましては、児童生徒がためらわず相談できるようにするため、東京都教育委員会としては、啓発のリーフレットを児童生徒に全校配布しまして、セクシュアルハラスメント防止についての理解を深めるとともに、相談窓口等の充実を図ってまいります。

○執印委員 この件については徹底的にやっていただきたいというふうに思っております。
 それで、新聞によって、処分されたわいせつ以外の理由というのは、児童から集めたお金を着服したとか、スーパーで物を盗んだとか、お酒に酔ってよその家のテラスに侵入して、家の人を殴ってけがをさせたとか、当然処分されて仕方がないかなというふうに私自身は思うわけですが、先ほどもちょっとありましたけど、日の丸に斜線をかいた教員は、私は処分しなくてもいいと思います。(「何いっているんだよ」と呼び、その他発言する者あり)そんなことがありましたら、白地に赤い水玉の服を着ていたり、私のように赤い服を着ていたら、日の丸の色の服を着るななんていうふうにいわれないとも限りませんから、処分に当たっては、何というんですか、何をどういうふうに考えて処分するかということは本当に考えてもらわないといけないと思っていますけれども、特にセクシュアルハラスメント、わいせつの教諭については、絶対に許してはならないことだという自覚を持っていただきたいというふうに思います。
 私、今回あえて、男女比というか、女性の先生が処分されたものも出してもらったんですけれども、この十一年間で三十九件の中で一件、女性がこういう事故を起こしたということで、割合は〇・〇二五%です。ここにいらっしゃる職員の方も男性が多いですから、幾ら対応しても男はそういうものだよというふうに思っていたら、この問題は絶対解決しませんので、ぜひそこはきちんと対応していただきたいと思います。
 それから、私、こういう記事を見て、処分される先生は本当にしようがないと思うんですけれども、もう一つ、すごく心配なのは、こういった被害に遭った子どもたちが一体どういう思いで今を過ごしているんだろうかということが大変心配になるわけですが、子どもたちのケアについて、東京都はどのような対応をしているのでしょうか。

○近藤指導部長 教員による子どもたちへのわいせつ行為は、子どもを正しく教え導く立場にある者として許しがたい行為でございます。このような行為は、都民の学校への信頼を根底から覆すものでありまして、絶対あってはならないことだと考えております。
 都教育委員会では、学校や家庭からの要請に基づきまして、東京都教育相談センターの専門職員やアドバイザリースタッフを派遣し、直接子どもたちの心のケアを行っております。また、電話や電子メールなどによる相談も受けており、相談内容に応じて、個別に適切な対応をしているところでございます。

○執印委員 私が住んでいる自治体でもこういう事故があったことがありましたけれども、大体、校長先生というのは、あんまり情報を外に出さないように対応しようとするものですから、PTAの会長さんなんかも含めて、これ以上、情報を表に出すのはやめようということだとか、それから、その先生が例えば五年なり六年なり同じ学校にいたら、さかのぼって被害に遭った子どもがいないかどうか見ていくのは当然のことだというふうに思うんですが、今のところ、それはまだできていませんし、校長先生の中で、そこまで対応しようというふうに腹をくくってやっていらっしゃる方はいないと思うので、そのことは今後の課題として指摘しておきます。
 それから、CAPについて区市町村で取り組んでいるところを出していただきました。このCAPについては、アメリカで開発された、子どもが暴力から自分を守るための教育プログラムで、ノー、拒否、ゴー、逃げ出す、テル、人、大人に話すの三つを柱に、ロールプレーを中心とした教育プログラムとして存在しているということで、NPOなどの市民グループがこのプログラムを実施しているというところまでは、東京都の教育委員会に調査をしていただきました。時間の都合もありますので、次の質問に入りますが、東京都の教育委員会は、こういったCAPの導入も含めて、児童生徒にノーといえる力、嫌なときは嫌といっていいんだという、大人からのメッセージを伝えていく必要があるというふうに思いますが、こういった危機回避能力の育成について、学校にはどのように指導しているのでしょうか。

○近藤指導部長 児童生徒が暴力等の危機をみずから回避する能力や知識を身につけることは非常に大切なことであります。都教育委員会は、性教育の手引を各校種ごとに五種類、さらにセクシュアルハラスメントの防止、児童虐待防止、体罰防止などの指導資料を作成し、各学校で活用を図っているところでございます。また、スクールカウンセラーによる生徒向けの相談室便り等の発行やワークショップの開催、非常通報装置、学校一一〇番の訓練などを通しまして、児童生徒の危機回避能力の育成に努めるよう指導しているところでございます。
 今後とも、家庭や地域、関係機関と連携し、児童生徒の安全教育を一層推進してまいります。

○執印委員 区市町村の教育委員会の考え方もありますので、いろいろなものを東京都の教育委員会から区市町村に強制していくというようなやり方は私は賛成できませんけれども、こういうことに関しては、東京都が人事権を持っている教職員の方の問題ですから、子どもたちにノーといえる力をきちんと渡すためにも、CAPの導入について、情報交換しながら、市区町村との連携をぜひ深めていただきたいというふうに思います。ゼロになることを私は願っておりますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。あわせて、子どもたちに力をきちんとつけていきませんと、こういった問題が陰に隠れていくということは十分考えられますので、そのこともあわせてきちんと見ていっていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 都立高校の車いすの使用についての調査もお願いしておりましたが、今年度の結果をお教えください。

○近藤指導部長 九月二十日現在で、車いすを使用している生徒がいる学校は、全日制が二四校で二十七名、定時制が七校で九名であり、昨年度より、全日制では二校、三人ふえ、定時制では三校で七人少なくなってございます。その中で、日常的にエレベーターを施錠している学校は、全日制十九校、定時制五校であり、かぎを当該生徒に渡している学校は、全日制十八校、定時制三校でありました。エレベーターのかぎを自分で操作できない生徒は、全日制一人、定時制二人でございます。
 以上でございます。

○執印委員 生徒さんの数は増減があるようですけれども、エレベーターを使用するに当たっての生徒さんへの対応というのは、昨年とそんなに変わっていないのかなと思うわけですが、かぎを渡されていない生徒さんと、自分でかぎを操作できない生徒さんに対する学校の対応はどのようになっているのでしょうか。

○近藤指導部長 かぎを渡されていない生徒に対しては、朝、教職員が解錠し、使用できる状態にするなど、当該生徒が支障なくエレベーターを使用できる体制をとってございます。かぎを自分で操作できない生徒に対しましては、エレベーター使用時に教職員や友人がかぎを操作し、当該生徒が支障なく使用できるように指導しているところでございます。

○執印委員 こういった車いすを使用している生徒さんが支障なく学校生活を送れるようにするために、当該の学校に対してどのような指導を行ったのかということと、また、こういう調査は、四月に生徒の方が入学、卒業されて、新しい状況になっていきますので、少なくとも一学期中には調査を行って、きちんとした対応をしていただく必要があると思うんですが、今後についてのお考えをお伺いいたします。

○近藤指導部長 当該校の校長に対しまして、生徒の状況を確認し、支障なくエレベーターを使用できるよう指導してきたところでございます。また、全都立学校の校長が出席いたします校長連絡会においても、同様の指導を行っているところでございます。
 なお、調査時期についてでございますが、ご趣旨を踏まえまして検討するとともに、日ごろから当該生徒及び保護者の要望を聞きながら、支障なく学校生活を送れるよう、各学校を指導してまいります。

○執印委員 調査時期についてもまだ検討中ということなんですけれども、私の質問の趣旨は、いつもお話をさせていただいているように、車いすのお子さんに不便がないように対応していただきたいということなんですね。調査するのが目的じゃありません。こういう調査って、何年も続けていくと、調査するのが目的のように調査されるというふうになっても、それは困るので、その後どういうふうに対応するかということが問題だというふうに思います。
 また、子どもたちは、大人、つまり、教育委員会とか、校長先生とか、学校の先生の対応をしっかり見ているというふうに思います。そのことを通して、車いすのお子さんだけではなくて、さまざまな障害がある生徒さんへの大人の対応を見て、そのことで学んでいくものが大きいというふうに思いますので、それこそ、心の部分をどういうふうに子どもに引き渡しながら、車いすのお子さんの対応をしていくかということだと思いますので、ぜひ十分に対応していただきたいと思います。
 次に、都立高校及び都立盲・聾・養護学校の冷暖房の整備はどのように進んでいるのでしょうか。普通教室、特別教室、管理諸室別に示してください。

○比留間学務部長 冷暖房の整備ということでございますので、暖房から申し上げますと、都立学校の暖房につきましては、すべての普通教室、特別教室、管理諸室に整備してございます。
 冷房につきましては、交通騒音のある学校、さらには肢体不自由養護学校につきましては、原則として、普通教室を含めたすべての部屋に冷房を設置してございます。この結果、本年度の普通教室の冷房の設置の整備状況でございますけれども、都立高校では二百十四校中六十三校で、約三〇%、盲・聾・養護学校では五十六校中二十八校で、設置率は五〇%でございます。これは普通教室についてでございますが、特別教室について申し上げますと、特別教室のうち、設備機器の保護あるいは特別教室で音を遮断することが必要な部屋、具体的にはパソコン教室、音楽室、図書室、さらには盲・聾・養護学校の養護訓練室、生活訓練室、職能訓練室などの自立活動の諸室につきましては冷房化を行っているところでございます。管理諸室について申し上げますと、常時職員が在室いたします職員室、保健室、事務室、これらについては冷房を設置してございます。

○執印委員 暖房については全教室設置ということですが、冷暖房を入れる時期というのがあるんだと思うんです。この辺は柔軟に、季節になったから入れる、時期が来たから入れるとかということではなくて、柔軟に対応していただきたいということを一点お願いしておきます。
 それから、障害のある児童生徒さんについてなんですけれども、その学校を建てるときに、例えば、近隣の方との約束の中で窓をあけられないというような、それから、体育館の窓もあけられないというような学校もあるというふうに聞いておりまして、東京のヒートアイランド化が指摘されている中で、いろいろなところで、障害を抱えていながら、非常に暑いところで勉強せざるを得ない、活動せざるを得ないということについては、私、本当に大変だろうなというふうに思いますし、心が痛むわけです。大人はこうやって、大体夏はどこのビルも、どういった場所に行っても冷房化されておりますので、そういった意味で胸が痛むわけですけれども、その冷房化についても、障害のある児童生徒の学校をまず優先すべきだというふうに思います。その点についてはいかがでしょうか。

○比留間学務部長 肢体不自由養護学校につきましては、先ほど、既に普通教室を含めて冷房化の整備が進んでいるというふうに申し上げましたけれども、肢体不自由養護学校を除く盲・聾・養護学校の普通教室の冷房化につきましては、本年度から五カ年計画で整備に着手いたしまして、初年度の今年度は八校の整備を行ったところでございます。今後も計画的に盲・聾・養護学校の普通教室の冷房化を進めて、平成十八年度までに完了させる予定でございます。この過程で、個々の具体的な学校の個別の事情については十分に考慮してまいりたいというふうに思います。

○執印委員 ぜひ前倒ししながら、これはやっていただきたいと思っているんです。
 今、文部科学省では、普通のクラスの教室に冷房を入れようということで、予算化が検討されているというふうには聞くんですけれども、そういった予算を勝手にこちらに使うということも、もちろんできないことだとは思いますけれども、何が大事かということはよく考えていただきながら、今後の対応をしていただきたいというふうに思います。
 次に、都立高校の改革について質問いたします。
 まず、学校経営計画の試行となりますスクールプランというのが出されておりまして、いただきまして、読ませていただきました。二十九校、研究指定校ということで指定されているということですが、これをずっと読ませていただくと、例えば男女平等の視点で問題を感じる。多分男子生徒が多いところなんでしょうけれども、男子生徒向けの募集というか、男子生徒向けの学校としか受け取れないような表現があるとか、それから、大人にとってはおもしろくても、子どもにとっては白けるのではないかなと思うようなスローガンがあるとか、何としても生き残る必要があるというふうに書いてある学校があるとか--これは気持ちはわかるんですけれども、生徒の方を本当に向いているのかなという意味で、ちょっと不安を感じたという意味ですが、そういうふうに書いてある学校ですとか、それから、生徒、保護者は顧客ですという表現をされているところもあります。教育をするということと、学ぶ力を子どもにつけさせていくということと、顧客、つまりお客であるということが、どういうふうにこれからとらえられていくのだろうかというふうに思ったわけですが、この学校経営計画の策定に当たっての基本的な考え方を、まずお伺いいたします。

○星川参事 都立学校は、校長がリーダーシップを発揮して、教職員が一丸となって自律的改革に取り組む必要がございます。このため、学校経営計画は、すべての都立学校が教育の質的向上を図るため、マネジメントサイクルの仕組みを導入して、中長期的な展望に立ち、当該年度の学習指導、当該年度の生活指導、進路指導等の教育活動の具体的な目標と方策を設定し、教職員全員がその具体的な目標に向かい共同体制を確立し、都立学校の自律的な改革を進めるため策定するものでございます。

○執印委員 今お答えがありましたけれども、これをずっと読ませていただきますと、かなりいろいろなタイプの学校が出てきた中で、予算化を一体どういうふうにしていくのだろうなと、それぞれ学校の問題点というのがあると思いますから。この中には、リーフレットをつくって各中学校に配らなきゃいけないと思っている学校とか、いろいろな学校の姿が見えるわけです。
 先ほども、校長の裁量権を拡大させていくというお話がありましたけれども、その拡大に伴っての学校への予算配分というのは、これまでどおり運営費標準というのですか、生徒数とかクラス数とかいろいろなもので決まっているというふうに伺っておりますけれども、それを基礎に配布をするのかどうか、この点をお伺いいたします。

○星川参事 都教育委員会では、校長裁量権限を予算面で拡大するため、自律経営推進予算の創設を考えているところでございます。
 都教育委員会が各都立学校に配布する自律経営推進予算の配布額は、今までどおり運営費標準により決定し、都立学校におきまして校長が主体的に予算の執行計画を作成し、効率的、工夫を凝らした執行を行う仕組みを構築することを目指しているところでございます。

○執印委員 またさらに思ったのは、今の校長の裁量権を拡大することによって、いい面もあると思うのですけれども、経営しなくちゃいけないということと、教育者であるということのはざまで、悩みも起きるのじゃないかなというふうに正直思いました。
 それで、これを見ていくと、かなりいろいろな学校がありますから、東京都の教育委員会がどういうふうに、その学校の課題と学校の判断を尊重するのだろうかと一つ思ったのと、それから、例えば一つの学校の予算を削って、東京都の教育委員会がよしとするような、そういう意味で成果を上げている学校に積み上げるというような意図的なことがされていくと、それは東京都の教育全体にとって決していいことではないなというふうに思いながら、これを読んだわけですが、その意図的な額の増減などないのかどうか、お伺いいたします。

○星川参事 自律経営推進予算の運用についてでございますが、都教育委員会は、都立学校の校長がリーダーシップを発揮し、自律的改革を進めるよう、すべての都立学校に対しまして、運営費標準で算出された額を基本に自律経営推進予算を配布いたします。

○執印委員 いろいろお答えありましたけれども、私、今後これはよく見ていかなければならないなというふうに感じております。
 二つあるんですけれども、一つは、このスクールプランを読む限りでは、学びの主体となるべき子ども、それからその主体となるべき子どもの後押しをする保護者、その真の思いが本当に反映されるのかどうかという不安を感じるということです。それは、学校として維持をしなければならない、子どもを集めなければならないという中で、乖離が起きるのではないかということを、一点感じました。
 それからもう一つは、先ほど他の方とのやりとりの中で、例えば校長の裁量権を拡大することによって、印刷の紙代の節約や、備品を大切に使うことで、その費用を特色化に充てるというふうにおっしゃっていましたけれども、そのやりくりにはやはり限度があると私は思うので、教育には十分な予算をとっていただきたい。それがなかったら校長先生が苦しくなるだろうな、学校が苦しくなっていったら、どちらに校長先生の頭が向くかによって、子どもは二の次になってしまって、教育そのものがおかしくなってしまうということは十分考えられるのではないかなというふうに思いましたので、教育的な視点で経営計画のチェックをされるように要望しておきますし、きょうは質問しませんけれども、教育委員会の視点だけで都立高校のチェックが行われないように、子どもや保護者の視点のチェックを入れていただくことをお願いしておきます。
 次に、エンカレッジスクールについて質問させていただきます、地元の方からの不安の声もありますので。
 まず、エンカレッジスクール、指定されたわけですけれども、力を発揮できずにいる生徒を受け入れて、いわば学び直しのできる学校として、基礎学習や体験学習を重視した教育活動を通じて、生徒の個性や能力を伸ばす学校であるというふうになっておりますが、既設校の中から足立東と秋留台の二校を指定した理由をまず伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 指定の理由でございますが、各学校における中途退学者数の状況あるいは地域バランス等を考慮いたしまして、パイロットスクールとして二校を指定したものでございます。

○執印委員 次に、十五年度の開校に向けて準備が進められているというふうに思いますが、普通高校としての在校者のカリキュラムと、エンカレッジスクールとしての新一年生のカリキュラムというのが当然異なるというふうに思います。三十分の授業なども計画されているということですけれども、これに伴って、教職員の配置などについては柔軟な対応が求められるというふうに思いますが、現状を伺います。

○臼井人事部長 エンカレッジスクールの今後の人事配置につきましては、計画の内容、また計画の中身等につきまして逐次精査をいたしまして、必要な人員を措置していきたいというふうに考えております。

○執印委員 一番最初に申し上げましたように、地元では、なぜこの学校が指定されたのかという不安とか混乱というのが、生徒本人や保護者にもあるというふうに聞いておりますが、例えば、この足立東高校と同じ区内にあります足立新田高校というのは、かつて中途退学者が多かったそうですけれども、校長先生ほか学校関係者の取り組みで、大変特徴ある学校として評価されてきているということです。こうした、学校の内部からの改革を積極的に支援することが大事だというふうに考えます。学校そのものの定義づけを行政が変更してというか、看板をかけかえたというようなところがあるわけですし、しかも在校生がいて、在校生は在校生の思いを持ってこの学校を選んで、今通っているわけです。そういう学校を指定することが適切といえるのかどうか、その辺をどのようにお考えか、お伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 課題のある生徒を受け入れ、適切に指導していくためには、学校として、課題を持つ生徒に対して積極的に取り組んでいるという教育実践を重視する必要があることから、両校を選定したものでございます。
 私自身、両校のうちの一つの学校に行きまして、保護者の方々とお話をしているところでございますが、そのご意見は、こうしたエンカレッジスクールについては肯定的な見解が多かった、このような状況がございます。

○執印委員 肯定的な意見が多かったということですけれども、最初に申し上げたように、いろいろ周りから不安の声があるということで質問をしているわけなんです。このエンカレッジスクール、将来的にはどの程度の設置を考えているのでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 将来的には、中途退学者の状況あるいは地域のバランス、そしてパイロットスクール二校の実績等を踏まえまして検討していくことになりますが、現在のところ全都で五校程度していきたい、かように考えております。

○執印委員 今、五校ということですけれども、二校を指定したことによる成果というのはどのように検証されて、その検証の結果、今の計画が変わることもあり得るのかどうか、どう検証するか、お伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 エンカレッジスクールについては、これは全国的に関心を呼んでいるところでございます。新たな実施計画において、エンカレッジスクールに学ぶ生徒が、みずからの進路を明確にできる生徒の割合について、例えば数値目標を立てるなどして、その達成度を成果の指標としていく、そういうことができるのではないかというふうに考えております。
 各学校におきましては、こうした指標等に基づきまして学校経営計画を作成いたしまして、計画達成に向けて取り組み、その成果等については、教育庁内に設置いたします学校経営支援委員会において評価していくことになります。

○執印委員 それでは、次に、中高一貫教育校と定時制について伺います。
 先ほど来少し質疑もありましたけれども、両国高校を母体といたします中高の一貫教育校は、地元関係者の強い要望があって、開校時期を平成十八年度に一年前倒しするということです。この開校時期の前倒しに伴って、同校の定時制課程は、新たに設置する台東地区昼夜間定時制独立校に移転をされて、在校生は、両国高校の生徒でありながら、同定時制独立校が開校される現台東商業高校の地に通学することになります。
 この件に関しては、入学募集の際に事前通告をするというふうにご説明を伺っておりますが、学習環境が激変することは望ましくないというふうに思いますし、働きながら通学している生徒にとっては、通学や通勤経路の変更などの負担も予想されると考えます。生徒にとってどのようなメリットがあると考えていらっしゃるのでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 移転することによりまして、閉課程により学校が小規模化し活力がなくなる、そういうようなことを回避できる。あるいは、これは先ほども何度か答弁させていただいておりますが、台東地区昼夜間定時制高校の午前や午後の授業、あるいは多様な選択科目の授業を受講することができるなど、昼夜間定時制独立校のさまざまなメリットを享受することができるかと思います。

○執印委員 中高一貫校の開校を一年早めるという理由のもう一つに、二十三区東部地域には、地域の生徒を引きつける学校が少ないことがあるというふうに書かれているわけですが、この生徒を引きつける魅力というのはどういうことだと考えているのか。それから、そのように生徒を引きつける学校づくりは、中高一貫教育校でなければできないということなのか。
 エンカレッジスクールの質疑もさせていただきましたけれども、それほど自信を持っているエンカレッジスクールであれば、この形態の学校や夜間の定時制高校などでも、生徒を引きつける学校になるのではないかと思いますが、こういったことを書かれることについてのご見解を伺います。

○山際都立高校改革推進担当部長 一般的に地域の生徒を引きつける魅力というのは多々あろうかと思います。エンカレッジスクールあるいは産業高校についても、そういう魅力を備えた学校であると思います。学校自体の特色、あるいは学校における特色ある教育活動が、そうした魅力の、一般的にいえば一つの源であろうかというふうに思います。
 ご質問の、資料に記載された、地域の生徒を引きつけるとは、そうした一般的な見解ではございませんで、地域の信頼を得ている伝統校であり、各方面に人材を輩出している、都立中高一貫教育校設置のねらいに合致するような学校という特質に限定をしているものでございます。

○執印委員 だんだんご回答を伺っていくと、本当にこの新配置計画の問題点というのは、今までもいろいろいわせていただきましたけれども、その姿が透けて見えるような気がするわけです。
 次の質問は、このままでいきますと、先ほども指摘ありましたけれども、台東商業の全日制課程の三年生と、定時制課程の二年生、三年生、四年生、台東地区昼夜間定時制高校の一年生、そして両国高校定時制課程の生徒の二年生、三年生、四年生が現台東商業高校で学ぶことになるということで、三校が併設される。一つの施設に、生徒、教職員、カリキュラムが異なる人たちが一緒にいるということになるわけですけれども、それぞれの学校が独自に教育活動を行っていくことが本当に可能なのか、生徒にとって不都合な状態を生じないのか、そこをお伺いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 台東地区昼夜間定時制高校に併設される学校の教育活動につきましては、各フロアごとに専用教室の設置、生徒指導における教員相互の連携、カリキュラムの工夫などによりまして、各学校の教育活動に支障が生じることはないというふうに考えております。

○執印委員 通常の人間社会であれば、後からできるものが少し待つということがあってもいいと思うんですけど、このことについては、本当にこんな形でしか進められないのかなと、非常に私は感じております。
 それから、最後に九段高校の件で質問させていただきます。
 今回、移譲を決めたわけですけれども、九段高校の定時制の課程については、千代田区立中高一貫教育校の開校を準備する中で、どのような計画となっているのでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 千代田区の移譲要請に基づく九段高校の今後のスケジュールというような趣旨のご質問だと思いますが、千代田区におきましては、平成十八年度に中高一貫教育校を設置するというような考えでございます。
 これに関連をしまして、今後の全日制あるいは定時制の募集時期につきましては、千代田区あるいは千代田区の学校関係者とさらに協議を行う中で検討をしていきたいと考えております。
 なお、教育課程等につきましては、都教育委員会もメンバーとする検討委員会を設置しまして、具体的な検討を行ってまいります。

○執印委員 それで、エンカレッジスクールのことですとか、定時制に関するいろいろな質問をさせていただいたわけなんですけれども、前回もお尋ねしましたが、この基本計画の検討委員会の中に、特に定時制の統配合については、きちんと保護者や生徒が入って、同じテーブルの中で話し合いをして、その中でいろいろな問題が出てくるはずですから、一つ一つアイデアを出し合いながら問題解決をしていくということがどうしても必要だというふうに思うんですね。それがなかったら、強硬に東京都の教育委員会が決めた改革を都民に押しつけるという形になってしまいまして、その形というものが、お互いの関係性がこれからどうなるかということが、一番私にとっては心配な点なんです。この基本計画の検討委員会というのは、カリキュラムをつくるためのものだから専門家が入ればいいんだ、そういうお考えのようですけれども、それをつくるに当たっての基本的な地域の考え方とか保護者の考え方とか、生徒がそこで学んで、何を学校から受けとめ、例えば、これから統廃合になるとしても、それを次の世代にどう引き継いでいきたいか、そういう丁寧な話し合いがぜひとも必要だというふうに思うのですが、その点をお尋ねいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 都立高校改革を推進するに当たりまして、学校関係者、広くは都民の理解を得る、これは非常に重要なことだというふうに思っています。今後につきましては、より広く学校関係者の意見を受けとめるシステムについて、より具体的なあり方について、現在、鋭意検討を進めているところでございます。

○執印委員 具体的に入れていくというお答えではないわけですけれども、今、東京都もいろんな形で、例えばコーディネーターというものを使いながら、まちづくりについて行政と市民の考えをつくり上げていくというようなことも試みられるようになったわけです。教育委員会でもやはりそういう試みが必要だし、そのことが地域の教育力をつくっていくわけですから、一番大事なことが今のままでは抜けてしまうので、ぜひ積極的に考えていただきたいということをお願いして、質問を終わります。

○渡辺委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩をいたします。
午後四時四十分休憩

午後四時五十分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福士委員 それでは、最初に、高校改革については、新たな実施計画に沿って質問させていただきます。
 第一次、第二次に続いて出された新実施計画ですが、第一次、第二次の実施計画について拝見しましても、都立校の統廃合と学区の廃止くらいしか変化は見えません。成果とか評価とされるものは、スクールカウンセラーの配置による中途退学者の減少ということが理解できただけです。
 さらに、学校長の経営手腕をリーダーシップ発揮とする一方、この間、日の丸・君が代を押しつけて、そして校長の裁量権もなく、どこに飾ったかまでチェックして精神的に抑圧されるなど、自由も学校の個性もない教育を、校長にまで進めているように見えます。
 今までの高校改革計画の実施で何の効果があったのか、少しは成果が上がったのか、今すぐでなくとも少しずつよくなるのか、問題点が出てきたのか等、ほとんど不明な中で、新たな実施計画が策定されております。
 大きく社会が動くとき、それに追いつく大変さはあると思いますけれども、だからこそ、常に一本筋を通した基本教育が必要だというふうに私は考えております。新たな実施計画を策定するに当たり述べられている、グローバリズムや情報技術革命の進展は、特にここ二、三年だけの問題ではないはずです。そして、例えば学区制改革については、その是非も確認せず二次計画まで進めてきただけであるというふうに思われます。子どもの教育を猫の目のようにくるくると変えて、子どもたちに不安を与えることに、教育として問題はないのかどうか、非常に疑問に思っております。
 六月までは、議会も含めて、三次計画が出されるとばかり考えられていたものが、突然、新たな実施計画として出されました。そこでは、社会の変化に対応できる人間の育成外四項目を課題とされています。
 そこで伺いますが、この社会の変化に対応できる人間の育成の根本というものは、どのような条件下にあっても的確に判断できる人間の形成であって、基礎的教養とさまざまな生活の実体験でしかないと思うのですけれども、新計画ではどういうふうに考えているのか、なかなか見えてきません。そこをお伺いしておきたいと思います。

○近藤指導部長 これからの子どもたちに大切なものは、基礎的、基本的な学力の定着とともに、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断するなどの生きる力をはぐくむことであると考えております。
 このことを踏まえまして、新たな実施計画では、これからの都立高校教育の進むべき方向性として、日本の未来を担う人間の育成を掲げ、ボランティア活動などの多様な体験学習を通して豊かな人間性を培うとともに、大学との連携やITの積極的な活用などを通して、学ぶ力をはぐくんでまいります。

○福士委員 みずから課題を見つけたり考えたりする前に、こう次々と組織改正で動いていたら、子どもも、教師も、親たちも振り回されるだけではないかと危惧しますが、社会的変化として掲げられている経済社会のグローバル化の進展については、国際競争力と地球環境問題の取り組み強化というものが挙げられています。
 例えば、地球規模で破壊されている環境問題については、ヨーロッパなどでは幼稚園から環境教育が行われていたりします。それが、他国の状況を考えたり、経済と命をどうはかるか考える教育になっていたりしますが、日本では単にお題目だけで、どれだけの教育が行われているかの調査もされていないように思います。そしてまた、それがこの実施計画にどのように位置づけられているかも見えてきません。何をもって国際的感覚を持たせるのか、また、国際的日本人の育成というのはどういうことなのか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 新たな実施計画では、地元の企業と連携したインターンシップや、地域の人材を活用した体験学習の推進など、地域とのパートナーシップを築く学校づくりを通して、郷土に対する愛着や誇りをはぐくむこととしております。また、日本の文化や世界の文化に触れ親しむ交流会の実施などを通しまして、世界の中の日本人としてのアイデンティティーを育てる教育を推進しております。

○福士委員 海外に出た学生から聞いたことがあるのですが、戦争体験について聞かれて、何も知らなかった、答えられなかったという子がいまして、その後、話ができなかったということを聞いたことがあります。(「正しい歴史教育をしていないからだよ」と呼ぶ者あり)いや、その正しい歴史教育も含めてですが、日本における歴史の中の戦争を含む近代史ですけれども、この教育をおろそかにして、文化交流だけでアイデンティティーが育つのでしょうかね、という感じがするんですね。臭いものにふたをせず、本当に事実を明らかにして、思慮深い子どもを育ててこそ初めて、国際社会で対応できる人間教育となるのではないかというふうに思うのですが、それを抜きにして、この実施計画では、突然にぎやかに、さまざまな学校スタイルが提案されています。
 その中で、特に中高一貫教育だけが、調査結果の数字まで掲げて、いかにも市民の要求というような書き方をされております。この調査によりますと、平成十三年の中高一貫教育校を必要と考える人の割合を、六〇%と数字を出しております。これは高い数字ですが、表面的な数字で考えるよりは、なぜこういう数字が出たのかという中身の解析がちゃんとされていなければ、教育の本質はとらえられないのではないかというふうに思います。
 このままでは、中学の入試のために、真の教育がされずに、目先あるいは手先、そういうテクニックを小学生から覚える子どもたちがふえるというような心配をしておりますし、それはもう文部省の中でも出ていたように思いますが、これはよいことなのかどうか、どういうふうにお考えか、伺っておきます。

○山際都立高校改革推進担当部長 昨年実施いたしました都立高校に関する都民意識調査、ここにおきまして、公立中高一貫教育が必要な理由といたしまして、個性やすぐれた才能を発見して伸ばす、これが五三%でございます。ゆとりある学校教育を送る、これは四五・二%、そして、体験学習など多様な学習活動を行う、これはやはり四三%、といった回答が多くなっておりまして、中高一貫教育の特質を理解した上で、多くの都民の方々が公立の中高一貫教育校の必要性を感じている、このように受けとめております。
 また、都が設置いたします中高一貫教育校につきましては、教養教育を継続的に行っていこうとするものでございまして、こういった学校設置のねらいを実現するためにも、入学者選抜方法につきましては、受験のために小学校で特別の準備をする必要がないように、学力検査を実施せず、学校の個性、特色に応じ、面接、小学校長の推薦、作文、調査書あるいは抽せんなどを適切に組み合わせて行うほか、実技や技能検査等の実施も検討をしてまいります。

○福士委員 この中高一貫教育の特質というのは、本当に理解されているのでしょうかね。実施計画の方は、実にうまく数字を使っておられます。
 もう一つ、入学希望の数字を、同じ意識調査から拾ってみますと、入学させたいというのは確かに四〇%あるんですが、入学させたくない、それから、わからないという不安材料、これを足しますと五三%になるんですよね。
 それから、子どもは、男女ともに入学したい子が三〇%台ですが、不明、入学したくないという子を合わせますと五六%から六二%くらい。男の子……。(「すべての中高一貫制じゃないでしょうが」と呼ぶ者あり)いや、中高一貫教育に関してですよ、これは。そのデータです。それから大人の方も、五四%くらいから六三%くらいまでになってしまいます。しかも、うんと高い入学させたいという数字を出している、五十、六十歳代の方、もうほとんど大学卒業生を持つくらいの年代の五五・八%という一番高い数字を入れて四〇%ですから、本当に入学したいかどうかよくわからない。それから、むしろ不安材料を持っていらっしゃる方の方がはるかに多いのじゃないかというふうに思うんです。
 これは、もう一つ別のぺージにもありまして、九九ぺージでいきますと、中高一貫教育の必要性については、十校程度でいいという今の計画に対しては、二〇%しか賛成していらっしゃらない。むしろ都立校の半分くらいとか、区市町村にも半分くらいやってくださいという方が四六%。必要ない、わからないを入れると約四〇%くらい。十校程度の今の規模でいいよねという感じですと、これは二〇%くらいにしかならないという数字が出ております。
 さらに、この回答の中で必要理由を挙げてみますと、六年間の継続的な中で個性とかすぐれた才能を伸ばしたいとか、高校入試がないので、心身ともにゆとりのある生活を送ることができるといったような、ゆったりとしたものに対しては、五三・三%、四三・二%、五四・二%と、かなり高い数字が出ておりますけど、リーダーシップを求めたものに対しては二〇・三%しか出ていないんですよね。
 そうすると、ここの実施計画に書かれているのは、かなり数字の操作みたいなことをやられて、回答は、行政の意図されたリーダーシップを目指す一貫教育ではなく、期待をしていらっしゃるのは、むしろ反対のゆとりを期待したものというふうにしか読めないですよね。
 そうしますと、教育者の方たちがこういうデータをねじ曲げたり、この程度の解析もできないで、数字をご都合主義に使っていいのかなというふうに思うわけです。その辺のところは、きちんと中身がどうなのか、表に出た数字と、こういう後にくっついた中身の数字と、やはりきちんと解析をされて、方向性は出していかなければいけないのじゃないかというふうに思います。お答えがあったら、してください。
 それと同時に、公立校としての意義というものは、もうちょっときちんとした考えを持っていることが重要だというふうに私は思っておりますし、私立校は、今いわれている、それぞれの個性を生かした教育とか、入学も、それによって選択する自由を私たちも持っていたわけですし、すみ分けをしてきたという経過があります。都立高校がその形を追い求める必要がどこまであるのだろうかというふうに疑問に思っているところですが、今回の新しい実施計画を見ますと、ほとんど私立を追いかけているように見えます。都立校には公立校としての意義というものがあるはずだと私は思いますし、満遍なく教育をするという意味では、それはとても大事なことではないかというふうに思っておりますけれども、私立化することに何の意義があるのか、お伺いをいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 都民意識調査が厳格に行われてないのではないかというような疑問が提示されましたが、そんなことは決してございません。なおかつ、ほかにもさまざまなご質問がございましたが、また別途、質疑の方であれば、お答えをさせていただきます。
 私立化することに何の意義があるのかというふうなご質問だと思います。生徒の能力、適性、興味、関心、進路希望の多様化などが進展する今日、これらに対応いたしまして、生徒や保護者の学校選択幅を拡大する観点から、公立学校においても中等教育の複線化、あるいは高等学校教育の一層の多様化を図っていくことが極めて重要である、必要であるというふうに考えておりまして、今回の中等教育学校を設置する、あるいは中高一貫教育校を設置するということは、私立化を目指す、私立化を図るというようなことではございません。

○福士委員 公立の学校がリーダーシップを目指すとか、そういうことではなくて、公立高校というのは、ともかくきちんと教育をする。リーダーになるかならないかは、それぞれの個性と、それから、大人になってから、その人たちの伸びぐあいで生まれていくということであって、最初からリーダーを目指すというような形で教え込むというか、それがゆとりのある学校という中でやれるのならいいですけれども、そうじゃない形になってしまうことは、逆にリーダーをつぶすのではないかというふうに、私は心配しているわけです。
 例えばスイスなんかでは、大学に進学する率というのは非常に少ないわけですけど、じゃあスイスの国が非常にリーダーが出てこないかというと、そういうことでもないし、各種職業学校の中から非常に優秀な技術者が出たり、そういう中でリーダーシップはとられているということもあるわけです。最初からつくり上げられたリーダーというのは逆に伸びにくいということは、私の経験の中でもあるわけで、例えば、私の知り合いの中に大学教授がいるんですけれども、大学入試のときに目いっぱい、精いっぱいで受験をして入った子というのは、やはり大学に入った後、伸びにくいという経過があります。(「作文したらだめだよ」と呼び、その他発言する者あり)いや、作文じゃないですよ。女性の方が、割と緩やかな形で入ってくる分だけ、卒業のときにたくさん優秀になって出ていくということがありますので、リーダーを育てようと思ったらリーダーができるとは必ずしも限らないということを、しっかり考えていただきたいというふうに思います。(「直接にはつながらないとはいえないんだよ、それぞれの分野で頑張る」と呼び、その他発言する者あり)
 それぞれの分野でという話が、今、周辺から出ておりますけれども、リーダーというのは、育てるというよりは、自分で育つものだというふうに思っております。そういう中で、ですから、ベース的な教育をきちんとしていただくことをまずもってやっていただきたいというふうに思います。
 新たな実施計画ですけれども、情報公開、市民参加が問われる中で、六月、新配置計画が発表されて十月決定という今回のやり方は、拙速ではないかという質問が今までもたくさん出ていたと思います。もう一度確認しておきたいと思います。

○山際都立高校改革推進担当部長 新たな実施計画の策定に当たりましては、改革の対象となる学校の新配置計画案を、計画決定に先立って六月に発表いたしました。そして、発表以降、保護者、同窓会、教職員等の学校関係者あるいは地元の自治体等への説明を積極的に行って、計画に対する学校関係者等の理解が得られるように最大限努めてきたところでございます。
 新たな実施計画については、都教育委員会として決定したところでございますが、統合等に関しまして、さまざまなご意見を持っている学校関係者の方々とは、今後ともお話をする機会を設けまして、反映できるものについては、できるだけ多く取り入れていくように努めてまいります。

○福士委員 理解を得られてないからこそ、今も請願陳情がたくさん、次々と出ているのじゃないかというふうに思うんですけれども、学校関係者等との話し合いの中で反映できるものというのは、どんなものがあるんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 例えば、新しい学校について、学校の教育のあり方、あるいはボランティア活動などにおける地域との連携の方法その他、地域や保護者からの学校運営についての意見をどう反映するか等について、建設的なご意見をいただければ、その内容につきまして検討し、学校づくりに反映をしてまいります。

○福士委員 建設的な意見というのは、いろんな形の中で、思いどおりの意見ということじゃなければいいんですけれども、配置計画その他、新計画の中枢をなしているものは、何といわれても変えられないというような感じで受けとめておりますが、教育者は--例えば、情報公開、市民参加のあり方、それから段取りというんですか、こういうルールをきちんと理解しないで、決まったことは押し通すよ、それで枝葉の分だけ、手直しができるものだったらやりますよというのが、理解を得るといういい方でいいのかどうかというのは、非常に大きな疑問を持ちます。
 そこで、もう一つ、次の質問をさせていただきます。
 この統廃合については、定時制高校の現状と課題では、平成九年度に百三校であったのが平成十四年度には百一校と、若干減ってはおりますけれども、新入学者は、九年度が三千四百五十二人、十四年度には三千八百八十七人と、四百三十五人ふえております。急いで統廃合する理由というのが見当たらないような気がするんですが、なぜこんなに急がなきゃいけないのかということをお伺いしておきます。

○山際都立高校改革推進担当部長 定時制高校に通う生徒については、昼夜間定時制高校でございます桐ヶ丘高校、そして世田谷泉高校が開校したことによる定員増によりまして、新入学者の数がふえているところでございまして、全定併置の夜間定時制高校への入学者数はほぼ横ばいの状況でございます。
 今回の昼夜間定時制高校の整備拡充につきましては、夜間定時制課程に通う生徒の多様化に対応し、全定併置校が抱える、施設利用あるいは指導時間の制約などの課題を解決して、定時制教育の条件改善を図るために行うものでございます。

○福士委員 全定併置が横ばいだったら、定時制高校がなくなれば、やはり行き場のない生徒が出るのじゃないでしょうかね。昼夜間定時制が本当に希望どおりのものになっているかどうかということに関しては、これは現状調査というのは行ってこられているんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 現状調査という直接的な目的を持って実施はしておりませんが、例えば、退学率が他の定時制と比べて非常に低い、そういうこともありますし、また、毎年の応募倍率が非常に高い、都民の関心がありニーズが高い、そういうような状況はございます。

○福士委員 そうしましたら、そういうことをもうちょっと様子を見てから、先ほど来出ておりますけど、その上で、定時制高校の統廃合というのはやられてもいいのじゃないかというふうに私は思うんです。
 子どもたちが希望するものであって、そこで本当に授業をきちんと受けられるような体制ができるということは、私も全面否定しているわけではありませんが、どうも何か拙速に過ぎるというのは、先ほど来の情報公開とか市民参画とか、あるいは、意見を聞きながら制度を変えていくということに反するのではないかということも含めて、申し上げておきたいというふうに思います。
 これが、今の財政難の折から、財政削減のためにやられているのじゃないかという気がしないでもないんですが、この財源削減効果みたいなものはどういうふうに考えられて、どのくらいあるんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 初めにお断りしておきますが、都立高校改革は、都民に信頼され、魅力ある学校づくりを目指すものでありまして、また、日本の未来を担う人間の育成、これを主眼としているものでございます。
 財政効果というお話でございますが、平成九年度と二十三年度を比較をしまして、全日制で二十八校が削減されるということで、これは自然減、当然減るということも含んだ数字でございますが、合計百五十三億、さらに、夜間定時制の減については三十三億円の削減効果が見込まれます。

○福士委員 そうしましたら、これは単純に生徒の減少というよりは、学校を削れば、その分だけ当然教師の経常経費も含めて全部浮くわけですから、学校さえつぶせばお金は減るよね、というような感じに受け取れないわけでもないんですね。
 この間も多分ご議論あったんだろうと思いますけれども、私が文教委員会に所属していない間にも、建設してまだ間もないというか、相当時間たっていない校舎もつぶして、廃校にして、それでもいいのだろうかというご議論もあったんじゃないかというふうに思いますが、そういう数字は含まれてませんよね、多分。
 表面的な財源の削減のために、子どもたちへの教育そのものをおろそかにすることのないように。そういうことになってしまうと、今後の世代にツケが回っていく形になりますので、そこはしっかりとお考えいただきたいと思います。
 時間がありませんので、次に移ります。
 今回、文部科学省の初等教育局から、課長名による「心のノート」配布状況の調査があったようです。児童生徒への配布状況や活用状況、ここまで細かく調査されているようですけど、今までに、このような副読本の調査というのはあったのでしょうか。
 ついでに聞いておきます。
 また、実際に沿って、例えば、環境問題などから人間の命などを大切にする、あるいは他人や他国の人々の分まで大切にするというような根本的な問題についても、副読本は作成されたりしているのじゃないかと思うんです。そういう教育の調査の方がむしろ重要じゃないかと思うんですが、そのような調査もされたのか、ついでに伺っておきます。

○近藤指導部長 「心のノート」は、道徳の指導内容を児童生徒にわかりやすく書きあらわし、学校や家庭が連携し、児童生徒の道徳性の育成を図ることを目的として作成されたものでございます。
 この「心のノート」の配布状況の調査は、既に実施しております。また、都内の小中学校の児童生徒にすべて配布済みでございます。
 なお、活用状況につきましては、今後、国の方で調査をする予定でございます。
 なお、東京都教育委員会で作成しております副読本「環境と公害」についても、配布や活用状況について調査を実施しております。小中学校ともに、社会科や総合的な学習の時間等において、この「環境と公害」等は活用されているところでございます。

○福士委員 ゆとりとか自主性とか、また各所に、今回の中でも学校長の裁量をうたっていながら、本来、自律して身につけるべき心という観念論を押しつけて、どうにかなるのだろうかなという気がするんです。こういうものをうるさく調査することに疑問はないんでしょうかね。
 学校長までがんじがらめに縛ってしまって、お上に従わせるという感じに、私なんか受けとめてしまうわけですが、そういう形で自由も自主性も、それから自己判断もできないで、常に戦々恐々とする教育がはびこるのではないかと、非常にこれは、私、危惧しております。校長もリラックスして初めてゆとりある教育ができるのじゃないかというふうに思うんですけどね。
 私も、中学校などで、校長が、学らんを着たような茶髪の子どもたちをなるべく排除するという風景を見てまいりました。その子が、卒業式のときに証書をいただきながら、長い間お世話になりましたと大きな声を出したら、途端に校長は、今までの意識でずっと子どもを見てますから、それに対する返事もできないというような状況もあったりして、大人が何か大人になってないなという気がするんですね。それは余りにもいろいろ縛られているから、いつも自由に発想ができなくなるのじゃないかというふうに心配をしてしまうわけです。
 これはご答弁いただかなくても結構ですけれども、国も教育者も、思いどおりにならないから排除するということもやめるべきだと思いますし、この間の都民意識調査でも、ゆとり、ゆとりということがみんなの中では一番心配されているということであれば、もっとゆとりある教育、それから自由に自分が判断できる教育というものを、教育委員会の方こそ、あるいは教育庁の方こそしっかり考えることが非常に重要になっていくのではないかというふうに思いますので、ぜひお考えいただきたいと思います。
 時間になりましたので、これで終わります。

○小美濃委員 それでは、まず冒頭に、先ほど国旗反対服の女性教師に対して処分は要らないのじゃないかという発言もあったわけでございますけれども、私はとんでもないことだと思っております。校長の命令にも従わないだけではなくて、これは本当に児童に対する影響もかなり大きいものと思いまして、私はむしろ処分は甘いと、あえてこう申し上げておいて、質問に入りたいと思います。
 さて、そういったこともるる行われているわけでございますけれども、小中学校における平成十三年度卒業式及び平成十四年度の入学式において、国旗掲揚、国歌斉唱率は一〇〇%になった、これは評価をするところであります。
 学校には、卒業式や入学式以外にもさまざまな行事があると思いますけれども、国旗掲揚、国歌斉唱はどのような行事で実際行われているのか、ご答弁をお願いいたします。

○近藤指導部長 国旗を掲揚し、国歌を斉唱する行事は、入学式や卒業式のほかに、主なものといたしまして、創立記念式典などの儀式的行事や、運動会などの健康安全、体育的行事などが挙げられます。これらの機会を通しまして、児童生徒に国旗及び国歌に対して一層正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てていくことは、日本人としてのアイデンティティーを育成する上でも極めて大事なことであると考えております。

○小美濃委員 そういうご答弁なわけでございますけれども、現実には卒業式と入学式のみ、国歌斉唱や国旗掲揚が行われているといった小中学校はまだまだ多いのではないかと私は考えております。
 しかし、こうしたことは、児童たちにとっては、国歌や国旗が特にこういった特別な式にだけ行われるといった感覚を与え、国旗・国歌は特別なものだ、そういった感性を植えつけてしまう可能性もあるわけでありまして、もっと自国の国歌や国旗に親しみを持って、日本人としての誇りや国を愛する心を児童たちに親しませるためにも、教職員と児童が一堂に会する機会、今ご答弁がありました運動会や開校記念日などだけではなくて、各学期の始業式や終業式などにも積極的に取り入れていくよう、都教委としても各市区町村教育委員会に指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、卒業式や入学式などの学校行事におきまして国旗・国歌の指導を行っていると先ほどご答弁がございましたが、実は、教師が国歌を教えないために児童が歌えなかったり、国歌斉唱のピアノ伴奏を教師が拒否をする、こういった現状も聞いております。都の教育委員会はこのことをどう考えているのか、ご答弁をお願いいたします。

○近藤指導部長 入学式、卒業式における国旗掲揚、国歌斉唱は、全校で実施されるようになりましたが、その実施態様につきましては、依然として課題のある学校がございます。
 お話の国歌の指導につきましては、小学校の学習指導要領音楽科におきまして、国歌君が代はすべての学年において指導するとされており、児童は必ず学習しなければならないものである、教員の個人的な考えで国歌の指導をしないということは決してあってはならないことであると考えております。
 今後とも、各学校におきまして、音楽科の指導はもちろんのこと、学校の全教育活動を通して、日本人としての自覚を培い、郷土や国を愛する心を育てるとともに、国際社会において尊敬される、信頼される日本人の育成に努めるよう、各区市町村、学校に対して指導してまいります。

○小美濃委員 実際、指導要領でそうなっていても、音楽の授業で教科書を使わなければ、生徒たちは、教えられる教育の場すらも、偏見を持った、偏狭的な考えを持った教師によって教えられもしない。こういった不幸なことが起きないように、しっかりと教科書を使用するように、各市区町村委にもご指導をお願いしたいと思います。
 さて、次の質問に移ります。これは生活文化局のところでもお伺いいたしましたが、男女平等行政についてお伺いしたいと思います。
 まず、基本的なことですが、学校教育における男女平等教育について、都教育委員会のお考えをお伺いいたします。

○近藤指導部長 都教育委員会は、学校教育において人権教育の推進に努めるとともに、東京都男女平等参画基本条例に基づき、男女が互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を児童生徒に理解させ、その具現化を図るよう努めてきたところでございます。
 学校教育における男女平等教育の推進を図るため、東京都の計画に沿って、その充実に東京都教育委員会は努めているところでございます。

○小美濃委員 生活文化局がつくっております男女平等参画のための東京都行動計画・チャンス&サポート東京プラン二〇〇二というのがあるわけであります。ここに、教育庁の所管の中に、混合名簿の導入の推進というのがございまして、出席簿において男女に順序をつけるような取り扱いをしないため、都立学校においては混合名簿の全校実施を推進する、公立小中学校については、区市町村教育委員会と連携の上、全校での導入に向け理解を求めていく、こう書いてあるわけでございます。
 私も、男女混合名簿につきましては、確かに男女平等教育の一つの手段であるとは認識をしているわけでございますが、これをしなければ絶対に男女平等教育は行えない、そうは思っていないわけであります。つまり、各学校の男女混合名簿の実施はあくまでも学校長の判断だと、こう思っているわけでございますけれども、これまで区市町村の教育委員会に対してどのような指導を行ってきたか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 平成十三年七月に東京都男女平等参画審議会答申が出され、出席簿等の名簿において男女に順序をつけるような取り扱いをしないために、都内の各学校における男女混合名簿の導入を推進することが、東京都の求める取り組みの方向として示されております。
 この答申を受けまして、都教育委員会は、出席簿の取り扱いによって児童生徒に男子優先の固定観念を植えつけることがないよう十分配慮することが大切であると考え、男女混合名簿の導入に向けて啓発を行ってきております。
 しかし、出席簿等の名簿の取り扱いについては、校長の権限と責任において行われるべきものであり、学校の実態に即して校長が判断するべきものであると考えております。

○小美濃委員 ただいまのご答弁で、学校の実態に即して学校長が判断をする、こういった答弁は評価をするところであります。
 先ほど質問したように、男女混合名簿は、男女平等教育の中の本当に一つの手段でありまして、例としては、一日置きに男女交互に名前を呼ぶという方法もあるわけでありまして、それはあくまでも学校の判断によって行われるべきだと考えております。
 次に、都教育委員会は、区市町村の教育委員会に対して男女混合名簿の実施率を調査する、こういうことをしているわけでありますが、これは一体どういう意図で行っているのか、都教育委員会のお考えをお伺いいたしたいと思います。

○近藤指導部長 都教育委員会は、男女混合名簿の実施につきまして、各学校の実態に即して議論を深めるよう指導してきたところでございます。各学校の実態を把握する必要は、そのためにございます。
 なお、男女混合名簿の実施率の調査につきましては、一斉実施を求めるためのものではなく、あくまでも実態把握のためのものであり、今後とも隔年で調査は続けていく予定でございます。

○小美濃委員 一斉実施を求めるものではないということでありましたので、つまり実施を強制するものではないと、こう解釈をさせていただきたいと思います。(「じゃあ何のための調査だ」と呼び、その他発言する者あり)
 済みません、質問を続けさせていただきます。あくまでも、実施率の調査が市区町村の教育委員会のプレッシャーにならないように、お願いをしたいと思っております。
 同じく実施率の調査をすることの一つの例といたしまして、国歌斉唱率、国旗掲揚率があるわけでございますが、これは国旗・国歌法というしっかりとした法律の根拠があるわけであります。男女混合名簿の実施は、男女共同参画法にもどこにも規定をされていないわけでありまして、法的根拠もないものに対して、市区町村委員会に対してプレッシャーをかけることは決してしないように、ここで要望しておきたいと思っております。
 次に、ボランティア活動、奉仕活動についてお伺いいたしたいと思います。
 私は、ボランティア活動と奉仕活動の考え方、用語の使い方について、教育界の中で、ある意味ばらばらにその意味合いをとらえていらっしゃるのじゃなかろうか、精査する必要があるのではなかろうか、そう考えているわけでございますが、このボランティア活動と奉仕活動について、都教育委員会の考え方と今後の姿勢をお伺いいたしたいと思います。

○近藤指導部長 学習指導要領ではボランティア活動という用語を用いております。また、中央教育審議会、教育改革国民会議などの答申では奉仕活動と示され、学校教育法では、ボランティア活動などの社会奉仕体験活動と示されてございます。
 いずれにいたしましても、奉仕活動は、自分の時間を提供し、対価を目的とせず、他人や地域社会のために役立つ活動と幅広くとらえることができます。
 都教育委員会は、学校教育におけるボランティア活動は奉仕活動の中に含まれるものと考えており、このような活動を体験することにより、将来みずから進んで行うボランティアなどの社会貢献ができるようになると考えております。
 今後とも、児童生徒が豊かな人間性や社会性をはぐくむため、各学校において奉仕活動などの体験活動を積極的に取り入れていくよう、指導いたします。

○小美濃委員 ただいまのご答弁でも明らかなように、人や社会のために役立つ行動などなどに対して、学習指導要領と中教審また教育改革国民会議で、それぞれ用語の使い方、また意味合いがばらばらであります。しかし、言葉には魂があるとよくいわれておりますけれども、その意味をしっかりと認識して、目的意識を持って児童が社会活動を行っていく、こういったことが実は一番重要ではないかと思っております。教育現場ですから、なおさらこういった用語の使い方は精査をされるべきだと思います。
 今のご答弁では、奉仕活動とボランティア活動は大体同じように扱っているわけでございますが、実は、基本的な話ですけれども、ボランティアを英和辞典で調べてみても、奉仕という意味合いの言葉は全く出てこないんです。奉仕は、英語でいうところのサービスですね。奉仕活動というのは社会奉仕、ソーシャルサービスということなんです。ですから、本来でしたら、奉仕活動やソーシャルサービスといわなきゃいけないんですけれども、ボランティア活動、こういった言葉が使われているわけであります。
 また、これは英和辞典に書いてあるんですけれども、ボランティアは、別な意味では志願兵という意味があります。奉仕、さっきのサービスには、逆に徴兵という意味があるんですね。同じ国のために兵士として戦場に行くにしても、志願して行くのか、徴兵されて行くのか、これくらいの違いが実はあるわけでありまして、それを同時に使うというのはやはり無理がある、私はこう思っているわけであります。
 日本では、そういった意味では、かなりこのボランティアという意味を誤解して使っている場面が多いわけでありまして、その辺はしっかりと精査をしていただきたい、そんなふうに思っているわけであります。
 しかし、考えようによったら、この奉仕活動という言葉は、戦中の滅私奉公とか、ある意味では、用語を使用するのにも、すぐに戦争をほうふつさせる可能性が今までも否定はできなかったわけでありまして、都教育委員会といたしましても、また国の教育現場におきましても、なかなか使用できなかったのかな、それは想像ができるわけであります。しかし、このたび都教育委員会が奉仕活動という用語を積極的に取り入れたことは、大変これは評価をするところであります。
 そこで、確認の意味で再度お尋ねしますけれども、さまざまな理由があったとは思いますが、学校教育におけるボランティア活動は、この場合、奉仕活動と置きかえてよろしいのかどうか、お尋ねをいたします。

○近藤指導部長 委員のおっしゃるとおりでございます。

○小美濃委員 大変明確なご答弁で、ありがとうございます。
 もう一点、確認をさせていただきます。
 実は、都立高校の推進計画には、ボランティア活動の単位認定を推進する、こういった表現があります。ここでいうボランティア活動の単位認定も、奉仕活動に対する単位認定と考えてよろしいですか、お答えをお願いします。

○近藤指導部長 委員のお考えのとおりでございます。

○小美濃委員 そもそもボランティアは自発的かつ自由意思で行われるものでありまして、反面、ある意味では自己実現のために行うということでありますので、自己満足で終わってしまったりすることもあります。したがって、他人の評価というものを期待しない場合がもちろんあります。当然です。つまり、学校教育において評価、単位を認定するものじゃないんですよね。ボランティアは、事、教育の現場にはなじまない、私はそう考えております。
 しかし、かわって奉仕ということは、先ほど英語でサービスと申し上げましたが、徴兵という意味があるとおり、ある一定の強制力がそこに働く場合があります。そもそも学校教育自体、児童に対する指導、これを強制力といいかえてもいいかもしれませんけれども、そういったものがあるわけでありまして、教育現場でしっかり奉仕活動を通して、児童は社会に貢献する喜びを学ぶことが重要であります。
 つまり、学校教育における奉仕活動は社会性をはぐくむ教育手段であり、奉仕活動により社会性の芽をしっかり育てて、児童が将来自発的に、自分の自由意思で社会貢献できるようになる、すなわちボランティアができるようになることが一番大切なことであると考えております。
 そういうことからも、教育現場における奉仕活動に対しては、それをしっかりと第三者が評価をし、場合によっては単位認定といったことにつなげることにより、よりレベルの高い社会性のある活動につなげていく、そういった励みになることは、児童にとってとてもいいことだと思い、評価をいたします。
 るる申し上げましたが、ボランティアと奉仕活動は、それによって得られる結果や満足は同じでも、基本的に違うものである、こう申し上げたいと思います。
 国の指導要領や文科省の諮問機関が何と理屈をつけようと、今まで申し上げましたとおり、ある意味では児童に誤解を与える可能性があるボランティアという横文字をいつまでも使っていくことはないと私は思っておりますし、学校における社会性を養う活動などに対して、奉仕活動、この一本でいいじゃないですか。統一したっていいじゃないですか。石原知事もいつもおっしゃっておりますけれども、国がだめなら東京都から変えていく、これくらいの気概を持って都教委も取り組んでいただきたいと思っております。
 東京の公立学校で学ぶ児童が、学校教育における奉仕活動を体験して、将来、本当にボランティアができる人間に育っていくことをご祈念いたしまして、次の質問に移ります。
 次は、学校週五日制についてお伺いをいたします。
 本年四月から学校週五日制が導入されまして、はや半年が過ぎました。しかし、新聞初め各メディアは、この五日制について余り好意的に報じていないのが事実であります。
 そこで、改めてお伺いをいたしますけれども、学校週五日制の意義とは何なんだろう、これを確認しておきたいと思います。

○近藤指導部長 学校週五日制は、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を明確にし、それぞれが協力して、豊かな社会体験や自然体験などのさまざまな機会を子どもたちに提供し、みずから学び、みずから考える力、豊かな人間性などの、いわゆる生きる力をはぐくむことを目的としております。

○小美濃委員 生きる力をはぐくむ、こういったご答弁でございましたが、それでは、生きる力をはぐくむことについて、都教委の基本的な認識を、まず学校教育についてお伺いしたいと思います。

○近藤指導部長 生きる力は、これからの学校教育において児童生徒に身につけさせるべき最も重要な資質であると考えております。すなわち、社会の激しい変化にあって、いかなる状況においても、みずから考え、みずから判断し、みずからの進むべき道をたくましく切り開き、我が国の将来を担い得る人間としての基盤となる力、それが生きる力であると認識しております。
 都教育委員会は、この認識に立ちまして、各学校が、教室での学習に加え、なすことによって学ぶ体験的な学習を積極的に教育課程に位置づけ、生きる力の育成に努めるよう、指導してまいります。

○小美濃委員 それでは、同じく生きる力をはぐくむことについて、社会教育の立場から、基本的な考えと、その取り組みをお伺いしたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 社会教育におきましては、学校、家庭、地域が協働し、地域の人々の参画を得て、地域社会全体で子どもを育てていくことが重要であると認識しております。
 これまでの取り組みといたしまして、平成十四年度からの完全学校週五日制に向けて、平成十二年十一月に完全学校週五日制対応行動プランを作成し、全区市町村教育委員会に周知したところでございます。
 都教育委員会では、アドベンチャースクールなどを実施し、子どもたちへの自然体験や奉仕体験の機会の提供とともに、地域のリーダーとなる指導者の育成に努めております。また今年度から、国の委託事業、子ども放課後・週末活動等支援事業を活用し、都及び区市町村のモデル事業を通して、地域の住民の参画を得た取り組みを実施しております。
 今後とも、身近な地域で子どもたちが生きる力をはぐくめるよう、区市町村を初めとする関係機関と一層の連携を図ってまいります。

○小美濃委員 ただいまご答弁のありましたアドベンチャースクール、これについてもう少し具体的にご説明をお願いいたします。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 アドベンチャースクールは、心の東京革命の一環といたしまして、小中学生が自然体験や異年齢集団による生活体験などの活動を通して、自然に感動する感性を高めるとともに、豊かな人間関係を築く力を培う機会を提供することを目的として実施しているものでございます。また、本事業は、将来、教育関係の職を志す大学生などが子どもたちのリーダーとしての経験ができる場、あるいは公立学校教職員の初任者研修の場としても活用しております。
 平成十四年度は、伊豆大島の豊かな自然環境の中で、小中学生九十六名が一週間にわたり、伊豆大島の特性を生かした自然体験活動、キャンプ体験、奉仕活動などのさまざまな活動を行いました。実施後、保護者からは、この事業に参加したことを契機として、自分のことは自分でやるようになった、他人への思いやりを持つようになった、などの感想が寄せられております。

○小美濃委員 ただいまのご答弁のとおり、自然体験などを通じて子どもたちに生きる力といったものをはぐくませる施策、アドベンチャースクールに対して、大変評価をいたしたいと思います。
 しかし、広域自治体であります東京都の施策としては、これから長期的に行うには、いささか規模に問題があるのではなかろうか。東京都といたしましては、アドベンチャースクールの効果を、行っていくことによってしっかりと把握をした後には、次のステップとして、市区町村におろしていって、独自に市区町村が展開できるような方向に持っていっていただければな、そんなふうに思っております。
 また、この施策は、心の東京革命の一環としても展開されているということでございますので、なおさら東京都としては力を入れていただきたい、そんなふうに思っているところでございます。
 さて、今後、学校、家庭、地域社会が連携して、先ほどから議論されております生きる力をはぐくむためには、どのような対応が必要であると考えていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

○近藤指導部長 都教育委員会は、習熟度別学習などによる少人数指導の充実や、教員養成系大学等の大学生を小中学校におけるティーチングアシスタントとして活用するなどして、個に応じた指導を充実させ、児童生徒に確かな学力の育成を図っているところでございます。
 また、総合的な学習の時間などにおいては、地域の方々の教育力を学校の教育活動に導入するなどして、自然体験や奉仕活動などの体験学習を充実させ、人を思いやる心や、みずから困難を克服する力などの育成を図っております。
 今後とも、学校、家庭、地域社会との連携を深め、生きる力の育成を図ってまいります。

○小美濃委員 さて、ただいまのご答弁で、総合的な学習などにおいて、自然体験などを通じて生きる力を養っていく、こういったご答弁があったわけであります。
 私の地元の話で恐縮でございますけれども、この生きる力を育てるための施策として、武蔵野市では学校教育の中にセカンドスクールというものを取り入れております。これは、学校の中で行われる教育がファーストスクールというのに対して、農村などにおいて自然体験活動を、セカンドスクールというところでさせるという意味であります。
 簡単に説明しますと、小学校五年生と中学校一年生を対象に、通常授業日数を使用して自然体験をさせるというものでありまして、学校によって四泊五日から九泊十日まで、さまざまであります。長野県や富山県、山梨県などなどで、子どもたちは、地びき網や苗を植えたり、イナゴのつくだ煮をつくったり、そば打ちをしたり、本当にさまざまな自然体験をじっくりと、親元から離れて行っております。
 こうしたセカンドスクールで、子どもたちは、暑さや寒さ、疲れなどなどの生命体としての体験、自然のすばらしさ、農林漁業の生産の重要性、集団での規律などなどを学ぶわけでありまして、少人数に分かれて民宿に寝泊まりするために、民宿の人たちを初めとした地域の子どもたちの親切さにも心を打たれているということであります。帰りのバスに乗り込むときは、子どもたちと民宿の人たちは本当に涙、涙でお別れを惜しむそうであります。一般的に、現代の子どもたちは何事にも無感動、無関心で、夢や希望を持てない、こういわれているわけでありますが、自然体験を通して農村の人々と触れ合い、心も体も成長したと、多くの保護者が評価をしているところであります。
 そこで、総合的な学習として、自然体験により生きる力をはぐくませると、先ほどの答弁がありましたが、武蔵野市が実施しているセカンドスクールについてどう評価をしておりますか、ご答弁をお願いいたします。

○近藤指導部長 セカンドスクールは、武蔵野市独自の特色ある事業として実施していると伺っております。他の区市町村におきましても、規模や形態は異なりますが、学期中に移動教室として自然体験活動などを行い、豊かな人間性の涵養に努めているところでございます。
 今後、武蔵野市のセカンドスクールを初め、その他の事業事例を参考にしながら、体験学習の充実に向けまして、区市町村教育委員会や都立学校に対して指導助言してまいりたいと考えております。

○小美濃委員 実は、このセカンドスクールは、東京都の発行している「とうきょうの教育」というのにも取り上げられておりまして、自分で考え自分で決める、生きる力を育てる段階的な総合学習ということで、大変高い評価をいただいております。
 私は、こういったものは特定の、例えば私どもの市だけではなくて、都内全域の小中学校で行われたらいいな、そんなふうに望んでいるわけであります。しかし、問題は財政なんですね。武蔵野市の場合でも、保護者負担が現在、食費代として二千円掛ける宿泊数、公費負担が一人当たり七万円しております。市では今、約一億円をかけてこの事業を行っているわけでありまして、幾らいい施策でも、財政的な面からやりくりできない自治体も出てくるのかな、そんなふうに思っております。せめて、食費以外の費用は、国庫補助二分の一、都と市で四分の一ずつくらい経費補助ができるならば、どこの自治体でもできるのじゃないか、そんなふうに思っております。
 また、この事業は実は農村にとっても、地域の活性化、不足がちな農業継承者の育成などにもつながっておりまして、国家的事業としても十分補助対象になり得ると考えているわけであります。セカンドスクールの都内全域実施に向けて、ぜひ東京から国へ向けて発信をしていただきたいな、そんなふうに思っております。
 さて、学校週五日制が余り好意的に受け取られていない原因の一つが、その意義を保護者などが完全に理解をしていないのではないか、そう考えております。
 先ほど来議論をしておりますとおり、週五日制の意義は、みずから学び、みずから考える力や豊かな人間性などの、生きる力をはぐくむということでありますけれども、そのために、学校は教育の中で、地域は社会活動の中で、そして家庭は親と子の触れ合いを通じて生きる力を学んでいく、こういったことが望まれていたわけであります。そのために二日の休みもとってあるわけでありますが、都民のどれだけの方が、こういった二日の休みにしたことの理解をされているのか、私はこの点は大変疑問に思っているわけであります。
 この意義がしっかりと理解されていないために、保護者の多くは子どもの基礎学力の低下を心配して、それを受けて、先ほど資料を出していただきましたけれども、もう独自でいろいろな学校が補習授業を行い始めました。こういったことを考えても、学校も地域も家庭も余り週五日制の意義を理解せず、この制度が見切り発車をしてしまっているのではないか、そう考えざるを得ないわけであります。結局、休みだけふえた子どもたちは、テレビゲームを一日して過ごしてしまう、そういったこともあり得るのではないか、そんなふうに思います。まるで、子どもは二階に上げられて階段を外されてしまった、そんな状態でありまして、一番大切な保護者一人一人の理解を深めていく、こういったことがこれから大変重要なことになってまいると考えております。
 そういったことを考えて、学校週五日制の趣旨をさらに保護者にPRすべきだと考えておりますけれども、教育庁のお考えをお伺いします。

○近藤指導部長 保護者に対します学校週五日制の趣旨等の情報提供については、これまでも各学校において、保護者会や学校便り等を通しまして情報の提供を行っているところでございます。
 また、都教育委員会においても、本年六月、広報誌「とうきょうの教育」やテレビ番組を通しまして、学校週五日制や新教育課程に対する学校の取り組みを紹介するなどして、PRに努めております。なお、文部科学省のリーフレットの発行や、ホームぺージによる情報提供も行っているところでございます。
 今後とも、保護者や地域の方々に学校週五日制の趣旨を理解していただくよう、区市町村教育委員会や都立学校に対して指導助言をしてまいりたいと思っております。

○小美濃委員 とにかく、今のまま推移をしていけば、週五日制はどんどん悪者になっていってしまうのではないか、そんな懸念をいたしております。まだ実施半年でございますので、総括できる時期ではございませんけれども、問題ありと、多くのメディアも指摘をしているところでありまして、早急に五日制を本来の目的のために位置づけていかなければ、都民の信頼は到底得られないものだと考えているわけであります。
 また、そういったことをしないと、市区町村の委員会や各学校が、こうした独自のさまざまな行動をもっともっととっていってしまうのではなかろうか。これは法の趣旨に反しますので、お願いをしたいなと思います。本当にこれが正しいということで補習をやるくらいだったら、六日制にもう一回戻した方がいい、私はそれくらいに思っておりますし、国が決めたことだからしようがないじゃないかと、都教委も絶対あきらめることなく、こここそ腕の見せどころというところで、ぜひとも頑張っていただきたい、そう思っております。
 さて、最後の質問に移らせていただきますが、高校改革についてお伺いをいたします。
 先ほど来ご議論をされておりますけれども、都立高校改革推進計画が策定をされました。他県の県立高校に比べて、都立高校の地盤沈下は本当に著しいところでありまして、納税者である都民の期待に十分にこたえているとはいいがたい状況であります。こうした中、学校経営の確立の視点などを新しく盛り込んだ新たな実施計画は、都民に信頼される魅力ある都立学校を実現するために必要な多くの施策を計画している、こういったことを認識しております。
 二次にわたるベビーブームと、高校への進学率が九六%を超える中で、昭和六十年代の前半までは、都立高校の整備は量的、数の拡充にその主眼が置かれていたと認識しております。しかし、昭和六十年代以降、少子化による生徒数の激減と高い進学率のもとで、多様な生徒が入学してくる中、量的な整備が一区切りついた都立高校では、今度は質的な充実を図ることが重要になってまいりました。その中で、都立高校自体の役割については、特に新たな視点から、これから考えていかなければならないと思っております。
 今回の都立高校改革の推進計画は、新たな実施計画において、中高一貫教育を初めさまざまな新しい、例えばエンカレッジスクールやトライネットスクールなど、小中学校時代にさまざまな理由で十分に力を発揮できなかった生徒にも光を当てようとする施策は、都立高校の役割を考えますと、重要な取り組みであると考えております。
 しかし、今回の計画によって、都民の期待にすべてこたえられているとはいえないわけであります。都民意識調査におきましても、進学指導面や学習指導面での私立高校の評価が高い。一方で、都立高校の選択理由は、学費に関して、学費が安い、こういったことが一番多いわけでありまして、私立が万が一学費を安くすれば、都立の存在価値自体がなくなってしまう、こういった危険性もあるわけであります。
 こうした視点から考えますと、今回の計画で直接の計画対象になりませんでしたけれども、中堅校といわれる多くの都立高校については、その特色化、活性化がどう図られるか、こういったことが今後の改革の重要なかぎになってくると考えております。
 平成十五年度の入試から、都立高校の学区が廃止されるということでございますが、学区廃止の理由として、適切な競争原理のもと、都立高校が互いに切磋琢磨して特色ある学校づくりを推進できる、こうしているわけであります。一方で、都立高校に学区があったことは、都立高校の特色の一つである地域の学校の役割、こういったものがあったわけであります。都立高校の地域性は小中学校と異なると考えておりますけれども、特色を高める上では、この地域性というものは大変重要なことであると思います。都立高校が立地する地域の人材、環境を生かして、その地域の将来を担う人材育成といったことも、これから学校の特色としてしっかりと認識をしていただきたいと思います。
 そこで質問させていただきます。都立高校の特色化と関連いたしますけれども、さきに触れたように、今後の都立高校における最大の課題は、学力は平均的で、生活指導にもそんなに課題の少ない、いわゆる中堅校の活性化であると思っております。地域性も、中堅校の活性化、特色化の一つでありますけれども、今回の新たな実施計画において、中堅校の活性化に向けた取り組みは一体どうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○星川参事 中堅校の活性化についてでございますが、学校ごとの個性化、特色化を図り、自律的改革を推進するため、すべての都立高校におきまして、マネジメントサイクルを導入した学校経営計画を平成十五年度より作成し、計画を立て、実施し、評価を行い、改善を図ってまいります。
 また、特に自律的改革が顕著な学校につきまして、重点支援校と指定し、予算、施設、人事、カリキュラムの作成等で支援することによりまして、学校の活性化を一層促進してまいります。

○小美濃委員 重点支援校の指定を行ったということでありますが、指定を行った学校に対して予算や人事上の支援を行うだけでは、都立高校全体の活性化にはつながらないのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

○星川参事 すべての都立高校の活性化を図るため、校長がリーダーシップを発揮して、数値目標を含んだ具体的な組織目標等を含む学校経営計画を策定してまいります。また、学校が組織的な取り組みを進められるよう、主幹の配置など学校運営組織を充実するとともに、予算、人事等に関する校長裁量権限を拡大してまいります。
 加えまして、重点支援校の活性化は、他の都立高校における個性化、特色化を促進する波及的な効果を持っていることから、都立高校全体のレベルアップにつながるものと考えるところでございます。

○小美濃委員 都立高校のあり方を考えますと、先ほども触れたように、都立高校の個性化や特色化を発揮する一つの方策として、地域に根差した学校づくりをする必要があると思っております。この観点から、今回の重点支援校の中に、地域に根差した学校づくりを方針としている学校が含まれているのか、ご答弁をお願いいたします。

○星川参事 都立高校の経営戦略の重要な一つとして、地域に根差した学校づくりが重要と考えられているところでございます。今回、重点支援校に指定した中で、広尾高校、飛鳥高校は、地域の教育センター的役割を果たしたいとの積極的な意欲を示しております。また、八王子北高校は、地域との連携を図りつつ、地域社会の一員としての生徒の自立を目指しております。さらに、足立工業高校は、地域との交流、地元中小企業との連携の推進を図ることを方針としておりまして、地域連携の工業高校におけるモデルとなることが期待されるところでございます。

○小美濃委員 都教育委員会は、平成十三年度に進学指導重点校四校を指定したのに引き続きまして、新たに平成十四年度、進学指導重点準備校として三校を指定いたしました。この進学指導重点校と進学指導重点準備校の違いは一体何なのか、お答えを願います。
 また、実は三多摩の方には、立川高校といった、進学校としては大変伝統のある学校がございます。こういった学校は、すぐに進学重点校として指定してもいいのではないかと思うわけでございますが、いかがなんでしょうか。

○星川参事 進学指導重点校は、進学実績の向上を目指し、進学実績及び組織的取り組みが評価できる高校を指定したものでございます。一方、進学指導重点準備校は、地域バランスを考慮しつつ、進学実績の向上を期待いたしまして、進学指導重点校として指定することを念頭に指定いたしたところでございます。
 都教育委員会は、教員の公募制の導入等、進学指導重点準備校に対しまして、進学指導重点校と同様の取り扱いを行っているところでございます。
 ただし、進学指導重点準備校の進学指導重点校への指定は、平成十六年度入学選抜で学力検査の自校作成を実施することを前提に、組織的取り組み体制を整え、進学実績向上の状況、実績向上を目指した取り組み努力の状況を見まして、平成十六年度までに決定する予定でございます。

○小美濃委員 とにかく、都立に入ったら浪人は当たり前だなんていう風評が流れるようでは、本当に情けないわけでありまして、実は私は、議員になる前は、九年間、民間の会社にいたんですけれども、埼玉に営業所がありまして、埼玉では、浦和高校というとっても有名な高校があるんですが、その高校を卒業するということは物すごいステータスなんですね。ほかの高校を卒業して東大を出た人よりも、浦和高校を出たということは、地元の人にとって物すごいステータスがあります。私は、ある意味では、公立学校というのはそういう一面を持っていていいのではなかろうか、そういうふうに思っております。
 地域のリーダー育成や産業界のリーダー育成など、こういったものに対してしっかりと公費を投入していく、そういうことが都民の信頼も得られていくのではなかろうかな、そんなふうに思います。
 先ほど、量的拡充のために整備された都立高校の時代があったというお話がございましたが、少子化によって、今その対応に迫られているのではないかと思っております。つくってしまったものだからこのまま残すんだ、そういった理由だけでは、到底、莫大な税金を投入することに対して、都民の負託にこたえられるとは思っておりません。やはり、国立には国立の、例えば国の研究機関といった役割がありますし、私学には私学の、創設者の建学の精神というものがしっかりと根づいているわけであります。それでは一体、都立高校は何のために設置するのか、何の目的があるのか、こういった設置目的や設置理由といったものを明確にしなければ、都民は納得をしないのではないか、そんなふうに考えております。
 ですから、進学校のあり方や準備校のあり方、中堅校のあり方、また産業高校やエンカレッジスクールなどなどのあり方、こういったものをしっかりと都民にわかるように明確に示していただくことを要望いたしておきます。
 さて、都立高校における中途退学者が依然として少なくありません。なぜ多くの生徒が充実した高校生活を送っている中で中途退学をしなければならないのか、これは大変不幸な話であります。
 聞くところでは、都立の一次募集が終わって二次募集が始まった、その二次募集は、自分よりレベルが高いんだけれども、枠があるから応募したと。枠にいっぱいに、定員にならないと、入れちゃうんですよね。しかし、入学しても、レベルが高いものだから、授業についていけずにやめてしまった、こんな子どもがいます。また、中学校における進路指導で、生徒や保護者が、ここの高校に入りたいんだけれども、こういった希望があるにもかかわらず、指導する先生が、あらゆる冒険を恐れて、いや、あんたはここしか入れないから、ここを受けなさいと。で、入学をするんだけれども、結局、不本意で中途退学をしてしまう、こういった生徒も聞いているわけであります。
 いわゆる本来の進路指導が実際に機能しているのか、私は大変危惧をしているわけでございますが、中学校の進路指導はどのように行われているのか、お伺いいたしたいと思います。

○近藤指導部長 各中学校におきましては、高等学校の選択に当たりまして、進路先において不適応を起こしたり、中途退学に至ったりしないよう、本人の適性、能力、進路希望等に基づきまして、学校の教育活動全体で、組織的、計画的に進めているところでございます。
 具体的には、高等学校が実施する体験入学や学校説明会に中学生を積極的に参加させるなど、高等学校との連携を図り、生徒及び保護者との面談を繰り返し行い、生徒一人一人の進路希望を実現するよう、懇切丁寧な進路指導に努めております。
 今後とも、都教育委員会は、進路指導推進協議会を設置し、進路指導啓発資料を作成、配布したり、区市町村教育委員会の指導助言を適宜行ったりいたしまして、充実した進路指導の実現を目指してまいります。

○小美濃委員 本当にしっかりとお願いをいたします。不幸な子どもが都内で一人でも発生しないように、お願いをいたしたいと思います。
 さて、最後の質問になりますけれども、つばさ総合高校などに民間人校長を起用いたしました。学校経営に民間の経営感覚を取り入れて実績を上げていることに関しては、大変高い評価を私はいたしております。こうした民間人校長の起用によって、中堅校を含め、都立高校の活性化を図っていくべきではないのかな、そんなふうに思っております。
 都教委といたしましては、今後、民間人校長の任用についてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

○臼井人事部長 民間人校長につきましては、現在、四名を採用しまして、そのうち二名が実際に校長として学校経営に携わっているところでございます。既に、学校経営計画の策定などの面におきまして民間の経営感覚を生かしたプランを策定するなど、他の校長の学校運営に対して影響を与えてきております。
 今後、学校経営の成果を検証した上で、民間人校長の任用のあり方について検討していきたいというふうに思っております。

○小美濃委員 今までるる申し上げてまいりましたけれども、学校の魅力を高める、特に中堅校の魅力を高めるということは、本当に校長先生のリーダーシップにかかっているといっても過言ではないと私は思っております。先ほどご答弁がありましたけれども、都立高校において、マネジメントサイクルを導入して学校経営計画を策定したりとか、教職員の研修を行ったり、主幹制度を導入したりと、さまざまな施策をこれから展開していくようですけれども、しかし、組織的にこれらを運営できる校長先生のリーダーシップがここに働かなければ、これは何の意味もないわけでありまして、そういった意味では、校長のリーダーシップが欠けて組織的に機能していない高校がまだまだ多いと私は聞いております。
 今回の高校改革は、本当に抜本的なすごい改革でありますので、制度だけではなくて、思い切って民間校長をばしっと大勢導入するような人事改革も推進すべきである、こう思っております。
 私、先日、とある都立高校の民間校長を取材しましたら、学校経営の中にCS、いわゆるカスタマーズサティスファクションを取り入れておりました。長期目標をしっかりとつくって、教職員にその目標を与えて、達成率によって評価していく。まさしく民間の手法によって、その高校は大変いい環境で運営されておりました。こうしたいい環境が整って初めて、その次に都立高校が独自の魅力づくりに取り組める、そういうふうに考えておりますし、組合系の教職員になすがままにされているような、そういった学校では絶対に改革はできない、私はそう思っているわけであります。
 最後に大変厳しい話をさせていただきますけれども、私学にお子さんを通わせている保護者から、こういうお話を伺いました。その方は、今、都立にはとても子どもを通わせる気にはならないと。その方のお子さんは私学に入学させて、ある意味では高い授業料を払っているわけでございますが、都民でありますから、都税も払っているわけであります。今、その都税の中から都立学校の授業料が一部払われている。こういったことに対して、私は納得ができないというお話でございました。大変厳しい意見だと思っております。
 しかし、また別にこういうお話もあります。その方は田舎から出てきて東大に入った方なんですけれども、当時の都立は本当にあこがれの的だったと。田舎者のその方にとっては、手の届かない、魅力的な、都会センスにあふれた、本当にすばらしい存在だった。そういったお話も聞くわけであります。
 今、確実に、そういった意味では都立の高校に対する都民の目はさめ始めているわけでありまして、学費が安いという魅力だけではなくて、都民の負託に全面的にこたえることができるような都立学校を目指して、都教委といたしましても本当に真剣に今回の改革に取り組んでいただきたいことをご祈念申し上げ、ご要望いたしまして、質問を終わります。

○中嶋委員 きょうは、まさに文教委員会らしい、アイデンティティーなどという形而上学的な質問がたくさん出ましたが、私はぐっと形而下に、今もありましたが、組合系の教職員の服務の問題について、質問を何点かしたいと思います。
 最初に、まず確認させていただきたいんですが、学校教職員の就業時間内の違法な組合活動、実態は、組合活動といいながら、特定の政党あるいは特定の党派に偏った政治活動が実態であろうとは思いますが、これについては、平成十二年六月、国立の市議会公明党の太田政男市会議員が議会で取り上げまして、さらに監査請求も行って、まず国立市で問題になりました。その後、都教委、つまり教育庁が調査に乗り出しまして、違法な組合活動に対する給与返還の措置が行われたところであります。
 この給与返還の対象となったのは、何区、何市、何町、何村、そして何校、何人、そして総額は一体幾らになり、そこに狛江市は含まれているのかどうか、まず最初、確認の意味でご答弁願います。

○臼井人事部長 委員ご指摘の、時間内組合活動の不適正な手続によります給与返還請求は、十区十五市三町一村、学校が四百五十校、三千百二十三人、金額にして約一億三千万でございます。
 なお、この給与返還の請求には狛江市は含まれておりません。

○中嶋委員 狛江市は含まれていなかった。ところが、きのう、一般紙、産経新聞ですが、これですね。五段抜きの記事、異例の大きさの扱いです。狛江市の組合所属の小中学校教職員半数が不正活動という五段抜きの見出しで、平成十一年、十二年に多数の教職員が就業時間中に不法な組合活動を行っていたと、こう報じました。この記事は、その二日前の十一月十八日、狛江市の全小中学校教職員が不法に得た給与を、五年間さかのぼって調査の上、返還せよとの監査請求、この監査請求も先ほどの太田市議が出したんですが、これが監査事務局に出された監査請求書のコピーですけれども、この監査請求が出されたことを報じた新聞記事でございます。
 国立の問題の発生を受けて、平成十二年七月に都教委は、同様の問題がないか、全区市町村への調査を依頼したはずですね。その結果が、先ほどの答弁の十区十五市三町一村、そして四百五十校、三千百二十三人、約一億三千万円の給与の返還につながったと。今の答弁では、ここには狛江市は含まれていない、こういう答弁でした。
 では、この調査のときに、狛江市は一体どのような回答をよこしたのか、記録があるはずですから、お答え願いたいと思います。

○臼井人事部長 平成十二年七月の都教育委員会からの調査依頼に対しまして、狛江市教育委員会からは、問題ないという報告を受けております。

○中嶋委員 そうなんですね。実はその狛江市の、持っているなら初めから質問するなといわれるかもしれませんが、調査票があるんですね。
 ご存じのとおり、就業時間内の組合活動参加のためには、さまざまな書類の提出が必要です。それについての調査票を読みますと、構成員名簿の提出あり、適正だ。月間行事日程表の提出あり、適正だ。学校長への許可承認通知あり、適正だ。職免及び給与減免申請あり、適正だ。職員団体からの参加票の提出あり、適正だ。学校長への参加票の承認通知あり、適正だ。学校長の本承認あり、適正だ。これを見ちゃうと、まさに問題なしと思えるんです。しかし、後から申し上げますが、実に白々しい限りの調査票であります。
 これもちょっと嫌みな質問で恐縮ですが、この調査票だけで、都教委は、狛江市においては不正はないと、本当にこう判断されたんでしょうか。

○臼井人事部長 法律上、県費負担教職員の服務監督権者であります狛江市教育委員会からの報告でございますので、不適正な手続はないものと判断いたしました。

○中嶋委員 短い質疑にするために貢献できる、本当に簡潔な答弁で感謝いたしますが、でも、ほかにいいようがないんですね。あくまでも調査依頼だから、したがって、狛江市が調査をした調査票を出してくれた、これによって判断をする。しかし、正直いいますと、こんなことで調査になるのかと、文句の一つも実はいいたくなる気持ちでございます。
 今おっしゃったとおり、服務監督権は、小中学校は区市町村に存在する。したがって、こうした問題に対して都教委がどこまで直接的な調査ができるか、実は疑問がありますし、まして、一方で分権の流れもございます。ただ、それだけに区市町村に対しては、特に今回の場合、私、後で申し上げますけれども、狛江市には真摯な対応が強く求められたはずです。分権なんですからね。ところが、実はこの調査票は全くでたらめであったということが、狛江市議会の質疑で判明しております。
 これはコピーですが、ここに狛江市議会の本会議一般質問の議事録のコピーがございます。長くなって恐縮ですが、引用は短い方がいいんですけれども、しかし、聞いていらっしゃる皆さんによくわかってもらうために、一部紹介をさせていただきたいと思います。狛江市議会公明党の西村雅司さんというまじめな議員さんの質疑です。一般質問の中で、このように西村議員は指摘しています。
 さっき狛江市は適正に行われているといいました。一点でももしそれが不備であれば、それは適正ではないということを明確にいいましたね。では、一年のうちの--この一年というのは、平成十一年のことです。これは平成十二年十二月の本会議一般質問。平成十一年の中の三カ月間に限って、つまり四月から六月までに限って、一部具体的にお伺いいたします。四月十九日、狛江第八小学校で二時から四時まで行われた地区役員会、三人で会合が持たれたうち、一人が参加票の提出がありません。四月二十日、第一小学校、二時から四時の間、地区委員会、十一人の会合が持たれて、そのうち二名が申請書がなかった。四月二十日、第一小学校で三時から五時、女性部委員会があった。一人で参加しておいて、参加票がない。そもそも、たった一人で会合をやっていて、だれがその参加を確認する参加票を出すんですか。こういう質問もしていました。五月十日、第八小学校、二時から四時の会合で、地区委員会がありまして、五人出席して、二名参加票がなかった。五月十一日、第一小学校で二時から四時、十三人の方が参加して、一名参加票がなく、二名申請書がなかった。五月十八日、第一小学校、三時から四時、女性部委員会があって、十一名が集まって、六名が申請書がなかった。五月十九日、ちょっとしつこいですが、第一小学校で二時三十分から四時までの会合で、六十五人が参加して、二十名の申請書がなかった、こう指摘しています。後で申し上げますが、一人の議員の単なる一方的な質疑じゃありません。
 それで、西村議員が書類を一生懸命調べた結果がこれです。全部は読みませんが、これもコピーですが、一部だけ紹介いたしましょう。五月十八日、おおむね二時から四時の間、女性部委員会が開かれて、会場は書いてございませんが、十名参加しています。そのうち申請書がない人が五人に上っております。実は、こういう具体的な調査をもとに、この新聞記事で報じられた監査請求が出されたわけです。
 それから考えますと、この調査票の全く問題がなし--いいですか、名簿の提出あり、行事日程あり、許可通知あり、給与減免申請あり、参加票あり、参加承認あり、学校長の本承認あり。この調査票は一体何なんだと、そういいたくなります。
 こうした質疑を経まして、それまで狛江市はこの質問に対して、すべて適正にやってきた、繰り返し繰り返しこういう答弁を狛江市教委はやってきましたが、ついに平成十三年三月の本会議で、適正だったという答弁を撤回して、当時の狛江市の教育長職務代理者は、こういう趣旨の答弁をしています。
 提出すべきものが欠けていたとか、承認の印がないものがあった。また、施設の利用--さっきも申し上げましたけれども、学校の中で組合の会合をいっぱい開いているんですね。施設の利用も、口頭ではなく文書で許可を出すようにしたいと答弁をして、はっきりと市の誤りを認めました。
 ということは、繰り返しになりますが、この調査票、狛江市は全く虚偽の報告を行ったか、あるいは、調査を依頼されながら何の調査もせず、または、調査したとしても形ばかりで、何一つ事実を明らかにしなかった、こうなります。
 この狛江市の責任は極めて重大。まして、当時、教育長は不在です。市長と議会の折り合いが悪かったり、いろいろな理由があるでしょうけれども、教育長は不在。そんなときに、こんなずさんなことをやっている。
 十区十五市三町一村が問題をみずから明らかにして、給与返納にも応じたんです。それに比べたら、狛江市の対応は余りにも無責任であります。当然、当時の--今は人もかわったでしょうから、当時の教育委員会そして市長の責任も当然厳しく問われてしかるべきであります。
 したがって、こうした問題に対して、これから調査をするんでしょうけれども、都は厳正に対処すべきでありますが、今後どのように対応されるのか、方針を明示していただきたいと思います。

○臼井人事部長 十一月十八日に住民監査請求が出されたとの連絡を受けまして、狛江市教育委員会に対しまして、早速、事実確認をするため、調査を依頼しました。
 今後、調査結果を検討しまして、不適正な事実があれば厳正に対処いたします。

○中嶋委員 またもや、調査の依頼と、今、人事部長がおっしゃいました。これも繰り返しになりますが、都教委の調査権がどこまで及ぶのかという議論はありますけれども、そういう制度的限界は踏まえつつも、それでも踏み込んだ調査をぜひやって、事実を明らかにしていただきたいと思います。
 後でいいますけれども、学校改革を一生懸命やっているときに、一回もうクリアしたと思っていたやさきにまた出てきた問題ですから、これはやっぱり責任は厳しく問うべきです。
 先ほどの話に戻りますけれども、小中学校の教職員の服務監督権は区市町村にあって、任命権と給与に関しては都が所管する、この制度に矛盾がある。ここでいっても、国の制度ですから、実はせんない話なんですが、この制度に矛盾があります。
 これはあえて答弁できないかもしれませんが、事務職に関しては、私は世田谷区議会にいたころ、よく耳にいたしました。同じ学校の中の事務職の県費職員と区の職員、あつれきが現にあります。県費職員は働かない、いうことを聞かないと。こんな県費職員はとんでもないという声が、実は二十三区、世田谷区、僕のいたころの学校には蔓延しておりました。こんな職員がいる学校をだれが信頼できますか。そんな話は必ず父兄に漏れてまいります。
 この県費職員の制度、今後の課題です、国の制度ですから。ぜひ改善方を検討すべきではありますが、とりあえず、現行制度のもとでも、せめて監査はできるはずです。地元自治体の監査もさることながら、服務監督は区市町村にあっても、任命権、給与は都教委が握っているわけですから、そういう観点から、こんな問題がもう出ているんであるならば、東京都が監査すべきですよ。その適正な監査について、都教委の見解はいかがでしょうか。

○臼井人事部長 県費負担職員の身分は、勤務する区市町村の教育公務員でございまして、教職員に課せられました義務が守られるよう監督し、必要に応じて指示命令を行うことは、服務監督権限を有する区市町村教育委員会の責務であると考えております。しかしながら、一部の区市町村によっては、この趣旨が理解されておらず、学校に任せっきりで、教育委員会が服務監督を怠っている例もあると聞いております。
 都教育委員会としましては、区市町村教育委員会が定期的に学校に対して教職員の服務状況を調査し、必要な改善を指示するなど、服務監督の体制を整えるよう指導してまいります。

○中嶋委員 そうですね。質疑を短くするのに協力するために、ちょっと省きますけれども、おっしゃるとおり、国立と狛江はかつて全く監査をやっていません。全くやっていません。もう現場のいいなり。僕は学校へ行ってきましたから、校長から話を聞きました。現場も見てきました。それから、さっき施設の利用をいいました。狛江でも施設の利用、口頭で、組合活動に勝手に使わせていた。ところが、行ってみたら、政治的なスローガンなり、旗なり、いっぱいだあっと、輪転機まで置いてあった。そういう実態をよく見詰めて、改善方にぜひ取り組んでいただきたい。
 ちなみに、いっておきますけれども、狛江の場合、議会の質疑で、書類は一年間しかとっていない、こういう答弁だった。一年間ですよ。で、監査請求で、五年前にさかのぼって給与返還させたわけでしょう。何か問題があったら五年前にさかのぼるわけですから、最低五年間は書類は保管すべきですよ。それすら守られていない。こんなずさんなことはないと僕は思います。もちろん、これから調査の上で結論を出すんでしょうが、そのこともしっかり含んで調べていただきたいと思います。
 ちなみに、これはもっと一般的な話ですが、学校の給食の時間は、給食指導だからといって、四十五分間は休みじゃない、この四十五分間は別に休憩をもらうんだと。で、四時から四十五分、そのかわりの休憩をもらう。それから、四時四十五分から五時まで、これも休息と休憩をくっつける。結果的に四時で仕事が終わっている。四時以降はもう仕事がないんだから、組合活動をやっても自由だ。で、申請書を出さなかった例とかね。四時から五時の間、たとえ休憩であっても、これは就業時間ですから、当然、書類を出すべきなんだけれども、出さなかった。そもそも、担任でもないのに、給食指導もやっていないのに、何でその教師まで四時から四十五分、給食指導の代替措置で休憩が動かせるんですか。これもおかしい。これは徐々に是正の方向に向かっていると聞いております。だから、あえて答弁を求めませんが、ぜひそういう改善をしっかりと行っていただきたいと思います。
 どっちにしても、現在、学校の改革が教育問題の大変大きなテーマでございます。本日もさまざまな議論がありました。しかし、最も重要なことは、釈迦に説法でしょうけれども、教職員の意識の改革にほかなりません。どんな制度であっても、その制度の成否は、それを動かす人間によって決まります。
 ちょっと横道にそれますが、例えば、あまねく社会経済的な平等を目指した社会主義も、結局、人間の権力志向によってゆがめられてしまって、公務員制度の腐敗とか、あるいは党官僚の独裁、あるいはノーメンクラトゥーラという特権階級の誕生、むしろ社会的公正が全く存在しない国家社会をつくってしまった。
 これはわき道にそれますが、要するに、制度も重要だが、それ以上に、その制度を動かす人間が大事なわけです。学校改革をやるというのであるならば、学校の形態、運営システムの検討、これももちろん重要です。しかし、より根源的には、人間の問題、校長、教頭を初め教職員の意識の問題、ここにまず焦点をしっかり当ててもらいたい。もっというと、既得権にあぐらをかいて平然と不正な行為を行う、そして、本来それを監督すべき市がそれを隠蔽しようとする、まさにこんなことは道理も何もあったものじゃありませんよ。改めて、改善について教育長の決意を一言いただきたいと思います。

○横山教育長 教職員をめぐります服務の問題につきましては、これまでのあしき慣行が行われていた、こういった実態を踏まえまして、都教委も含めまして、各区市町村教育委員会がまずみずから反省した上で、その是正に努力をしているところでございます。
 そうした中にあって、今回の狛江市教委にかかわる住民監査請求が提出をされましたが、この調査の結果が、それが事実であるとするならば、まさにこれは都民の信頼を裏切るものといわざるを得ません。
 私どもは、現在、公教育に対する都民の信頼を回復するために懸命の努力を払っているところでございますが、その要諦の第一は、ただいまご指摘がありましたように、直接子どもに接する教員が、教師としての使命を自覚して、まず襟を正すことであろうと考えております。
 こうした観点から、私どもは、今後とも、服務監督者でございます区市町村教育委員会と緊密に連携しまして、教職員の服務規律の保持に努めますとともに、規律違反に対しましては厳正に対処し、都民の期待にこたえてまいる所存でございます。

○河西委員 それでは、二問質問させていただきます。
 まず、学校におきます結核の集団感染及び検診の問題についてお尋ねします。
 最近、学校や病院、高齢者の施設などでの集団感染が社会的な問題となっています、結核の問題についてお尋ねをするのですけれども、ご承知のとおり、結核はかつては国民病といわれておりまして、戦後、我が国の代表的な疾病の一つでありました。それが、医療や公衆衛生の向上に伴って劇的に改善し、学校におきましても、半世紀以上にわたり、徹底した結核対策を実施してきたことによって、私の調べたところによりますと、五歳から十四歳の結核罹患率は、昭和三十七年に十万人に対して二百五・一人であったものが、平成十二年には十万人に対して一・二人まで著しく低下をしてきております。
 しかしながら、国民全体の結核罹患率の状況を見てみますと、昭和五十年代ごろから改善のスピードが鈍化してきておりまして、平成九年にはついに罹患率が上昇に転じて、平成十一年に、当時の厚生大臣が結核緊急事態宣言を出して注意を喚起する、こういうところまで至ったということは、皆さんご記憶にも新しいところだと思います。
 また、学校におきまして、平成六年度以降、集団感染の増加傾向が見られたところでありまして、今後も、学校における集団感染の発生には十分に注意を払う必要があるとの指摘もされています。
 そこでお尋ねをするのですけれども、まず、結核罹患率が再び上昇している背景は何なのか、また、学校における集団感染の原因は何なのかについてお答えいただきたいと思います。

○岡本福利厚生部長 学校における今後の結核対策を検討するために文部科学省が設置しました専門家の会議、これは正式名称、学校における結核対策に関する協力者会議と申しますが、この会議が去る九月にまとめた報告によりますと、最近の結核罹患率上昇の背景として、第一に、かつて結核の感染を受けた高齢者の再発、すなわち、人口の高齢化に伴う発病危険者の増加、第二といたしまして、従来からの治療薬でございますストレプトマイシンなどが効かない、いわゆる多剤耐性菌の出現、第三に、診断のおくれにより感染が広がりやすいという傾向、こういったことなどが指摘をされてございます。
 また、学校における集団感染の原因といたしまして、教員の結核罹患というものが挙げられていることが少なくない、このような分析もしているところでございます。

○河西委員 ただいま、学校における結核の集団感染について、原因等をお尋ねしてまいりました。そこで、都内の学校におきます集団感染の状況がどうなっているのか、それから、感染の原因について、教師から感染した事例も含めてどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○岡本福利厚生部長 結核の集団感染というのは、定義いたしますと、一人の感染者が二十人以上に感染させた場合、このように定義されるわけでございますが、確かに、全国的に学校における集団感染の増加傾向が見られております。平成六年には発生が年間三件でございましたけれども、それが平成十二年では十四件の発生、こういうことで、約五倍近くの増加というふうになっているわけでございます。
 東京都におきましては、これは国公立あるいは私立すべて含んでございますが、平成六年から平成十三年までの八年間に、十七件の学校における集団感染が発生しております。全国の傾向と同様に、近年、発生件数が増加しているということでございます。
 感染原因でございますけれども、結核の感染経路にはさまざまな要因がございまして、特定することの困難なケースもございますけれども、この十七件を調査したところによりますと、教師からの集団感染が疑われる事例が四件程度あるものと把握しております。

○河西委員 今お答えいただきまして、学校の教師の罹患が、発症が、その学校の子どもにうつっているという、この件数もふえているという、大変ショッキングな現状をお聞きしたわけですけれども、実はことしの一月に、多摩地区のある市の中学校の男性教諭が結核で入院をしまして、生徒約四十人が集団感染の疑いがある。この新聞報道、三月の末だったと思いますが、私、目にいたしました。教師から四十人の生徒に感染をした、これなども、今ご報告いただきました典型的なケースだろうというふうに思います。
 ちょっとこのケースについてお尋ねをしたいと思いますが、少し時間が経過しておりますけれども、このケースで、当該の学校と市教委、そして東京都教育委員会、どのように対応したのか、また、その後、現在どのような状況になっているのか、お尋ねしたいと思います。

○岡本福利厚生部長 ことしの一月に多摩地域の公立中学校で発生した集団感染への対応でございますけれども、当該の市の教育委員会と学校は、一月二十九日に保護者にお知らせを配布するとともに、二月四日と六日に、保護者及び生徒に対し説明会を行っております。また、三月四日から八日にかけまして、教職員及び生徒全員に対して、ツベルクリン反応検査及び胸部のレントゲン撮影を実施しております。その結果、約四十人が感染している疑いがあるとされまして、内服薬を服用するという予防内服、こういう方法で経過を見ることとしております。
 また、東京都教育委員会は、健康局とも連携を図りまして、都立学校と区市町村に対しまして、結核定期健康診断の受診の徹底について依頼したところでございます。
 なお、このケースのその後の経過でございますけれども、六カ月後の平成十四年九月に該当者の定期外検診を行ったところ、全員異常が見られなかったとのことでございます。対象者につきましては、今後、平成十六年度まで経過観察を行うことになっております。

○河西委員 ただいま、集団感染が発生してからの経過をお伺いいたしました。実は、ことしの一月にわかったわけですけれども、この当該の教諭は前年の九月に発症しているということです。それから、一月二十九日に初めて保護者にお知らせが行く、こういう時間があるわけですけれども、こういった場合、事件、事故というんですか、感染事例が表面化して、速やかな対応策をとるということ、これは何よりも大事だと思いますけれども、同時に、未然に防止をするということが一番大切だというのは、だれもが納得するところだというふうに思います。
 先ほど、結核増加の背景の一つに、診断のおくれというのが指摘されておりましたけれども、何といっても、健康診断を徹底してやるということが予防対策では重要かというふうに思っています。
 そこで、次にお伺いしたいのですけれども、東京都の教職員の結核の検診の受診状況はどうなっているか。特に、事例の起きた市部の状況はどうか。また、差し支えなければ、当該市の状況と、感染の原因となった教員もこの受診者の中に含まれていたのかどうか、そこら辺について教えていただきたいと思います。

○岡本福利厚生部長 呼吸器系の定期健康診断でございますが、平成十三年度受診状況を申し上げますと、東京都の公立学校教職員全体では、対象者七万六百六十一人のうち受診者は五万三千二百九人、受診率七五・三%というふうになっております。
 また、そのうち、お尋ねの市部の公立学校でございますが、対象者一万五千三百九人のうち受診者一万二千四百五十七人ということで、受診率八一・四%。平均より六・一%高くなっております。
 それから、当該市の小中学校でございますが、対象者二百五十九人のうち受診者二百十七人、受診率八三・八%となっております。ただ、そのほかに、この定期健康診断受診者のほかに、人間ドックの受診者というのが三十六人おりますので、それも含めますと、トータルの受診率は九七・七%ということになっております。
 また、感染の原因といわれている教師につきましては、平成十三年度定期健康診断の未受診者であったというふうに聞いております。

○河西委員 東京全体、それから市部、そして当該市の受診率をお伺いしたんですが、市部の方が二十三区に比べて高いということと、それから、今回の集団感染があった当該市では九七・七%という受診率にいっていた。ただ、この感染の原因と思われる教諭については未受診者だったということです。
 直接担当者からいえば、これだけ頑張っているのに、それでも発生してしまったのかという思いがあっただろうと思うんですが、私も、当該市で過去のこともちょっと聞いてまいりましたけれども、それまで六〇%とか七〇%。徐々には上がってきているんですが、ちょうどこの事件発生の前年といいますか、十三年度、九七・七%になったんですね。受診の方法なども大変工夫をして取り組んでいた。九七・七%というのは、規模が小さいために、対象者のうちのわずか六人が受診をしなかった数だということなんです。それでも、その中に一人でもいれば、こういう集団感染ということで、生徒に四十人もの疑いがあるという状況になって、大変大きなショックと心配を地域にもたらしたわけです。
 したがって、私は、九七・七だからいいとか、あるいは九九・九だからいいとかいえないのが、この結核の受診率かなというふうに改めて思いました。
 この市では、十四年度は一〇〇%の受診率を達成した。このやり方を聞いてみますと、普通の第一次の健康診査の期間を一応設定するわけですけれども、そこで無理な人、出張ですとか、さまざまな理由で受けられない人については、別の機会を持って、七月十六日から八月十日までというふうにいっていましたが、人間ドックを受けていただくとかいうことで、未受診者がゼロになるような工夫をして、きちっと点検を校長にも強化した。いってみれば、こういう集団感染が起きたから一〇〇%になったということだろうと思いますが、それ以前も九七・七という高い受診率があっても、一人でも、未受診者の中に結核菌を持って発症している人がいると、こういう事態になるということで、やっぱり対象者全員が受診する一〇〇%受診率、これは関係者すべてが努力をして達成しなければいけないというふうに思っています。
 そもそも、教職員の健康診断は、どのような根拠で、だれが行うことになっているか、ちょっと簡単にご説明いただければと思います。

○岡本福利厚生部長 教職員の健康診断につきましては、労働安全衛生法、結核予防法及び学校保健法に定めがございます。そのうち学校保健法では、その第八条で、職員の健康診断といたしまして、ちょっと引用させていただきますが、学校の設置者は、毎学年定期に、学校の職員の健康診断を行わなければならない、このように規定しているところでございます。この規定に基づきまして、都立学校の教職員については東京都教育委員会が、また、区市町村立学校の教職員につきましてはそれぞれの区市町村教育委員会が、設置者として健康診断を実施しているところでございます。

○河西委員 ありがとうございました。
 それでは、教育委員会、例えば東京都の教育委員会は、都立学校の受診率アップのため、受診促進のため、どんな努力をされているのか。また、確かに小中学校の職員の受診促進というのは、お話のように市区町村の教育委員会が努力をしなければならないんですけれども、都教委としても、それらの教職員の任命権者としての立場から、区市町村教育委員会に、受診率の向上のために支援できることがあるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○岡本福利厚生部長 結核の集団感染防止のために健康診断の受診促進に努めるということは、大変重要なことだというふうに考えております。そのため、東京都教育委員会におきましては、都立学校について、一つには、巡回検診の際に受診できなかった、しなかった教職員については、学校長に対し、検診機関での受診を指導するように通知をしております。
 また二つ目に、今年度からでございますけれども、教職員の比較的受診しやすい夏季休業中に検診機関で受診できる体制を整備して、受診機会の拡大を図っております。
 さらには、前の年、前年度に受診率が低かった学校に対して、健康診断の実施時に、私どもの担当の職員が訪問調査に行きまして、受診の指導を行っております。
 こういったようなことを実施しまして、受診率の向上を目指しているところでございます。
 また、区市町村立学校への支援ということでございますが、先ほど申しましたように、健康診断の実施は設置者の義務ということではございますけれども、ただいま申し上げましたような都立学校での受診率向上のための手法でありますとか、あるいは各区市町村の教育委員会と学校などが一体となって受診率一〇〇%を達成している事例などについて、情報提供を行うとともに、従来から個別には行っておりますけれども、区市町村からの相談に適切に対応するなど、支援を行ってまいりたいというふうに思っております。

○河西委員 この問題は終わりたいと思うんですが、先ほどの集団感染があった当該市では、都費の教職員はもちろんですが、市費を含めて、カウンセラーですとか、心の相談員から非常勤で代替で来ている職員を含めて、とにかく子どもと接触をする人は、週に二日、三日勤務であろうと、全員がこの検診を受けるということで徹底をして、一〇〇%の受診率に到達したということです。
 いろいろその費用負担の問題等々でもあると思いますけれども、子ども相手の現場では、何といっても、健康で、こういった集団感染が発生しないような、一人一人の心がけが大切だということを改めて思いますし、教職員本人の健康の維持管理、保持増進といいますか、これもさることながら、生徒の健康保持のためにも、健康診断受診率アップのために、ぜひ東京都としても適切なアドバイスを含めたご支援をお願いしたいというふうに思っております。
 それで、この結核に関連して、児童生徒の新たな結核対策として一点お伺いさせていただきたいのですが、学校における結核対策が来年度から大きく変わるということで、今、十五年度四月、新年度に向けて、準備がされているというふうに思います。今まで、小学校一年生、中学校一年生全員ということで行われていたツベルクリン反応の検査、そしてBCGの接種が廃止されて、そのかわりに、問診などによって結核の可能性のある者を見つけて、教育委員会が保健所、結核の専門家及び学校医などの意見を聞きながら、精密検査が必要な方にはしていただくということだそうです。
 現在、東京都教育委員会としてはどのような対応をされているのかをお伺いしておきます。

○比留間学務部長 文部科学省では、平成十五年度からのツベルクリン反応検査及びBCG接種の廃止に伴う小中学校の新たな結核検診に関しまして、本年十二月までに実施マニュアルを作成するということにしてございます。このマニュアルの発表から、新たな結核検診の実施、これは来年度の新学期ということになりますけれども、この間までの期間が短いために、区市町村教育委員会等が適切に対応できるよう、東京都教育委員会としても、国の情報をできるだけ早期にわかりやすく示すように努めますとともに、今年度中に、学校医や養護教諭等を対象とした説明会を開催してまいります。
 また、今回の改正で、区市町村教育委員会は、精密検査の対象となる児童生徒を選定する委員会を設置することとされましたが、結核の専門家の確保あるいは教育委員会と保健所との連携など、検討すべき課題が幾つかございます。このため、都教育委員会といたしましては、健康局、保健所、結核の専門家、学校医、区市町村教育委員会、養護教諭等を構成員とする東京都公立学校における結核対策の検討会を設置いたしまして、すべての小中学校で結核対策の水準が保たれるよう、必要な検討を行い、区市町村教育委員会を支援してまいります。

○河西委員 来年四月から大きく変更をされるということですが、まだ実施マニュアルなども来ないという中で、これから大変だということで、それぞれの市区町村の教育委員会も、どうしたらいいんだろうという戸惑いがあるというのを、私も地元の教育委員会からも聞いております。
 それで、具体的に、精密検査対象となる児童生徒の選定委員会を設置するにしましても、それぞれの市区町村の教育委員会に設置するのか、保健所単位なのかとかいう問題も、保健所単位でやろうということになっているようですけれども、そこら辺もどうするのか。それから、校医が問診票をもらって、校医がそれを見てというんだけど、今の校医さんで、結核に詳しい校医さん何人いるんだろうかというような現場の不安も出ていることは確かです。さらに、問診だけで、疑いがあるから要検査ということになる。問診票だけで本当に大丈夫なのだろうかとか、さまざまな疑問を、学校の関係者もそうですし、児童生徒の保護者も持っております。
 ツベルクリン反応の検査を全員にやって、BCGをやるという従来の対策がどうかという問題は、以前から検討されてきているわけですので、こういう変更もあるのかなということはありますけれども、残された時間が余りないということと、それから、大きく変わりますので、これの理解と協力というのを求めていくには、かなりの努力をしなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。
 そんなことを考えて、もしこの委員会を保健所単位で立ち上げていくことになりますと、今、私のところも二市で一つの保健所です。ご存じのとおり、三多摩の保健所は、十二の保健所が五つに統合されるという東京都の方針のもとで、来年四月の実施は少し先に見送られそうだということで、さらに引き続き市町村との協議を十分にしていこうということになりましたけれども、そんなことを考え合わせますと、まだまだ保健所の機能も、余り拠点化するよりも、身近なところにあったらいいのになという感じも同時に持っています。
 いずれにしましても、児童生徒の新たな結核対策について、十分な理解と対応がとれるような対策を、ぜひ東京都からも、市区町村を支援していくという立場で、よろしくお願いしたいということを申し上げておきます。
 二問目は都立高校の改革なんですが、きょう、もう何人もの方が質問されました。私も用意した質問がありますけれども、端的に二点だけお伺いしておきたいと思います。
 一つは、中高一貫教育校についてです。
 これについてもいろいろありましたけれども、中高一貫の教育校は既に私立で実績があります。これから都立で設置していくということについては、やっぱり私立の後追いではないかな、私はこういう思いを持っています。
 そこでお尋ねしますけれども、中高一貫教育校はどんな理由で設置をするのか、改めてのご質問になりますが、お願いいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 どのような理由で設置をするかというお尋ねでございますが、昨年実施をいたしました都立高校に関する都民意識調査におきまして、都民の、公立中等教育学校あるいは中高一貫教育校に対する大きな期待が明らかになったところでございます。こうしたことなどから、中等教育の一層の多様化を促進し、生徒や保護者の学校選択幅を拡大する観点から、都立学校におきましても中等教育を複線化しまして、従来の中学校、高等学校に加えて、中高一貫教育校を設置することが必要であるというふうに考えたところでございます。

○河西委員 今までご答弁いただいた、あるいはこの計画書の中に書いてある範囲のご答弁でございます。
 都立の中高一貫教育校は、今までいろいろ出てきました、例えばリーダー育成を目指しているとか、あとは、すぐれた才能や個性を伸ばしていく、ゆとりのある学校生活を等々ございます。いずれにしましても、入学者の選抜があるわけです。したがって、この選抜の方法というのは大変難しいんじゃないかなというふうに思っています。リーダー育成を目指すからといって、受験戦争の低年齢化を招くような方法はとるべきではないし、かといって、全員抽せんで入学させるような方法では、入学者が極めて多様化して、授業が成り立たなくなるおそれもあります。
 そこでお尋ねしますけれども、中高一貫教育校ではどのような選抜を考えているのか、お尋ねいたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 都が設置をいたします中高一貫教育校における入学者選抜につきましては、学校設置のねらいでございます、社会のさまざまな分野、場面でリーダーとなり得る人材の育成を実現する観点から、学習活動への適応や学ぶ意欲等について判定可能な選抜方法を選択する必要があるというふうに考えております。このため、面接、小学校長の推薦、作文、調査書、抽せん等を適切に組み合わせて行うほか、実技あるいは技能検査等の実施を検討してまいります。

○河西委員 この選抜の方法についても、今、具体的にございました、これをやるにしましても、私は改めて、公立の高校の、都立の高校の性格と私立の学校の違いを一定明らかにしていかなきゃいけないというふうに思っています。私立高校、都立高校の個性化とか特色化、こういうことをいっていますが、その違いとはどういうものなのかということについて簡潔にお答えいただければと思います。

○山際都立高校改革推進担当部長 私立高校につきましては、詳しくは承知しておらないところでございますが、建学の精神などを踏まえて、個性化、特色化を図っているというふうに受けとめております。
 都立高校につきましては、都立高校に学ぶ生徒の実態あるいは社会や保護者のニーズ等を踏まえて、個性化、特色化を図っているところでございます。

○河西委員 言葉ではそういうことになろうかと思いますけれども、大変ここが難しいところだろうというふうに思います。ご答弁のように、私立の方は建学の精神ということで、学校創立の理念とか目標とか持ってスタートしておりますから、それに沿った形での選抜の方式、方法もあるだろうし、判定基準というものを持っていると思います。都立高校は、今おっしゃったように、都立高校に学ぶ生徒の実態、保護者等のニーズというふうにいわれますけれども、この中高一貫の教育校設置については、入学時には何らかの選抜をするけれども、六年間、途中ではやりませんよということになりますと、本当に学校の特色、創立の理念なり目標というものを前面に出して、そのもとでの選抜方法を考えないと、何だか中途半端になるという感じは私は持っております。
 そこで、この計画書の中でも具体的に、理数教育に重点を置く学校ですとか、国際理解教育に重点を置く学校とか、中高一貫教育校の中でも特徴を出してということになりますけれども、そこら辺、私立との違いを明確にするということをやらないと、先ほどから指摘しているような、中高一貫はつくったけれども、途中で中途退学者も出てくるかもしれないし、あるいは六年間行き切れなくて、そのまま長期欠席が出るかもしれないし、逆に、自分の期待等に合致しないでおもしろくないということで、そのほかの補習的なところに、塾等に行く時間を大幅にとっていくとか、いろんな現象が出てくるんだろうというふうに思います。
 私は、私立が長年の経験の上に立って、経営面もそうですし、学校運営についての多くのノウハウを持っているわけですから、それに比較すると、これからつくっていく中高一貫教育というのは、よっぽど頑張らないと私立には太刀打ちできないだろうし、逆にこれが拡大していきますと、私立を圧迫するということにもつながっていって、現時点でどういうふうにとらえていいのかと。わずか十校だということでありますけれども、都立の高校が中高一貫をやるということについては、新しい受け皿としては考えられるかと思いますけれども、もう一度基本のところをきちっと明確にして、都立高校の中高一貫の特色ということを明確にしていかなければいけない。それがあれば、選抜の方式も、あるいは判定の基準もおのずと明らかになってくるだろうというふうに思っています。
 今のところ、ずっと議論を聞いておりまして、またこの計画を読んでも、そこら辺についてはまだ十分に納得できるということには至っていないということだけ申し上げておきます。
 それからもう一つ、定時制の高校の問題なんですが、たくさんの関係者からの要望なり要請を受けております。今の夜間定時制の課程は、かつては勤労青少年を受け入れるというところが大きな役割としてあったと思いますけれども、この計画の中でもいわれているように、多様な生徒を受け入れている、これが実態ではないかというふうに思っています。
 まず、この実態をどのように把握されているのか、お尋ねします。

○山際都立高校改革推進担当部長 夜間定時制課程の在籍者数は、昭和四十年度のピーク時に比べまして、平成十四年度では七八・二%減の一万千九百三人であり、その中でいわゆる勤労青少年、正規雇用の方あるいは自営業の方でございますが、全体の六・七%というような状況がございます。
 現在の夜間定時制に通う生徒は、勤労青少年にかわりまして、小中学校時代に不登校経験のある生徒、あるいは他の高校の中途退学者、学ぶ意欲を持つ社会人等、多様な学習歴、学力、学習希望、そうしたものを持つ生徒でございます。

○河西委員 改めて、今の定時制高校の生徒の実態ということでお伺いをいたしました。そういう中で、定時制高校の改革ということで、昼夜間高校等が一つの方策として出されてきたんだろうというふうに思います。同時に、どうして夜間に行かざるを得なかったのかということ、そこをきちっとつかむことが大事だというふうに私は思っています。
 過日も、定時制を守る会の生徒たちが直接お見えになって、二回ほどお話し合いをしました。とにかく残すんだ、守るんだということだけで、そういう意向を聞いてくれない東京都の教育委員会は悪いんだ、この話ばっかりをやっていましたが、ちょっと待ってということで、皆さんは本当に最初から定時制を希望して行ったんですか、本当はどう進学希望を持っていたんですかというような話から始まって、定時制の高校をどう改革していったらいいのか、反対だけでなくて、こうしてほしいという中身を出すような、そういう話し合いを教育委員会としたらどうか、こういうご提案をして、実は同席していただいて、お話し合いを持ったことがあります。
 その子どもたちも率直に、まさに勤労夜間高校生ということではない範疇の子どもたちがほとんどで、もちろん、昼間からアルバイトをしているとか、そういう子どもたちがほとんどでしたけれども、本来、自分が行きたかった高校に行けない、入ったけれども退学せざるを得なかった、それに、学級の規模の問題もありましょうし、さまざまありましたけれども、そこのところの問題を解決しないで、定時制ということで、昼夜間三部制でこれをやっていくということだけでいいのかなっていうことを感じたのも事実でございます。
 ただ、私は、本末転倒するような議論で教育委員会を批判するということはしたくありませんので、今後、具体的に基本計画をつくっていく過程で、本当に関係者からきちっと意見を聞いて--小中学校と違って、高校はより一層、子どもたち、当事者である生徒たちの思いとか、あるいは具体的な提案もお持ちのようですから、そういった意見表明をするという権利をきちんと保障する方法をぜひ考えていただきたい。
 基本計画の検討委員会に入るということも、先ほど提案されました。そんな道があれば、それも進めていきたいですし、逆に、教育委員会に、新しい学校づくりについて支持をして、積極的な意見を持っている生徒などがいたら、聞いていただきたいな、その声を聞いて、生かしていただきたいなとも思うのですけれども、こういった生徒たちの声をどのように聞いていくのか、最後にお伺いしたいと思います。

○山際都立高校改革推進担当部長 新しい学校づくりに対する生徒の意見につきましては、教育的配慮から、原則として当該校の校長を通じて聞くことといたしております。
 なお、高校改革に絡みまして、校長の要請に応じて、必要があれば、校長同席のもと、生徒から意見を聞き、取り入れられるものについては取り入れてまいります。

○河西委員 原則はそうだということですが、今後、その回路も考えたいということですので、今、校長同席のもとといいましたが、実際に進める中で、ほかに方法もあれば、一緒にご検討いただいて、当事者の声の反映ということについてぜひ心がけていただきたいということを申し上げて、終わります。

○渡辺委員長 速記をとめてくれませんか。
〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を始めてください。
 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
午後七時十三分休憩

午後七時十八分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○野島委員 二点にわたってお尋ねをさせていただきます。
 実は一点目は、先ほど我が同僚の小美濃委員から質疑がございました国旗・国歌に関する件でございます。極めてポジティブな、積極的なご質問をいただいたと認識しておりますし、質疑、答弁は、私、先ほど聞いておりましたので、同じ立場に立つ、こういう前提でお話をさせていただきたいと思います。
 学習指導要領に「など」という表現があって、その答弁は先ほどお聞かせいただきましたから、それは結構でございます。
 さて、いささか旧聞に属するんですが、実はことしの五月に、私のすぐ近くに東久留米市立第六小学校という小学校があるんですが、そこで運動会がとり行われました。当然のことながら、「など」という中に入るわけでありますし、校長先生は国旗を掲揚し、国歌を流した、こういうことでございます。もちろん、国旗・国歌あるいは学校におけるそういうことに対する取り扱いについて、いろんな意見があるということは私も承知しておりますし、主張は主張として大いにやっていただいても結構だろうというふうに思うんですね。それに対して、そういうことをやるのはとんでもない、学校でそういうことをやって強制するのかということで、大変な反対運動が起こっていますよということを報道した、市議会議員の活動報告があるんですね。これには、いや、そういう運動が起きていることを紹介しただけですよみたいな、産経新聞のコメントというのかな、インタビューがあるんですが、これは、それぞれの議員さんの活動ですから、いろいろな立場でおやりになっているでしょうし、そのことはこの場で取り上げる課題じゃないというふうに私は思っております。
 そこで、実は、なぜそういうふうになったのかなと。ただ単純に、その議員さんが現場に行って見聞して、これはとんでもないよということではどうもないのじゃないかなという気がしたんですよ。そこでいろいろ調べてみました。調べてみましたといっても、調査能力に限界がありますから、そんなに調べられなかったんですが、過日、産経新聞がこのことについて報道をいたしました。「校長への抗議煽動」「校長自宅」。いわば校長先生の自宅の住所に抗議のはがきを送れというふうなことを掲載したと。「悪質な個人攻撃」こんなふうな産経新聞の記事がありました。
 ごらんになっていると思っておりますので、その前提でご質問させていただきますけど、実は東久留米の市議会でも、本件につきましては九月議会で取り上げられたんですね。これは議事録の写しなんですが、これ、全体的に判断しますと、どうも自宅あて抗議のはがきを教職員組合の方が組織的に行ったということのようなんですね。
 私は、いろんな意見があるし、それはそれでいいと思うんです。しかし、自宅にというのはいささか解せない。学校に抗議に行くのは大いに結構だと思うんですよ。あるいは校長先生に、そういうことはしないでくださいって、これは、父兄であれ、地域の住民であれ、議員さんであれ、それはそれで意見ですからいいんですが、自宅に対して抗議のはがき等を送りつけた、このことについて東京都教育委員会はどんな見解をお持ちなのか、まずこの一点をお尋ねいたします。

○近藤指導部長 東久留米市立第六小学校の運動会において国旗の掲揚を行ったことは、学習指導要領に基づいた校長の適切な判断でございます。校長が適切に判断して実施した国旗掲揚に反対して、職員団体に属する教職員が校長の自宅にまで抗議のはがきを送りつけることは、校長の家族に不安や心労を与えるなど、人権上の観点からも決してあってはならないことだと思います。

○野島委員 全く私もそのとおりだと思うんですね。
 そこで、実はこういう件に類似した事件が、平成十一年九月十七日に東京地裁で判決が出ているんですね。訴訟物は、戒告処分取消請求事件、こういうことであります。論点は、概要を整理しますと三つあるんですが、要は、これと同様に、個人情報である校長の自宅住所を記載し、反対要請のはがきを書くよう依頼する文書を、卒業生であるとか、あるいは歴代のPTA会長とかに送付をした。いわば同じですわな。扇動したわけですよね。その後また、注意したにもかかわらずやって、地公法違反で東京都教育委員会が戒告処分をした。それは懲戒権の乱用である、こういうふうな訴訟なんですね。
 ここでいわれていますのが、争点は三つほどあるんですが、一つだけにとどめますと、校長の自宅住所は個人情報として保護されるべきものである、こういうことですよね。みだりに本人の承諾なく公表されるべきではないという限度では、依然として個人情報として保護されるべき法益を持っておる、こういうことだと思うんですね。したがって、そういう行為はしてはいけませんよと。結果として、ほかの争点もありますが、懲戒権の乱用にはならないという判決が出ているんですね。
 先ほど、市区町村の教育公務員の服務監督権は当該市区町村の教育委員会にあるというふうに伺いました。ですから、私にしてみれば、私の地元の恥をさらすようなんですけれども、東久留米市教育委員会がしっかりと対応しなければ--現場で一生懸命校長先生がやっている、それも全く正しいことをやっているのに、自宅まで送りつけるということに対して、教職員組合がやったといったって、教職員だから組合を構成しているんで、やっぱり、その行為者は問われなきゃだめですよ。私はそう思うんですね。
 それで、東久留米市の教育長はこういう答弁をしているんですね。私はそういう立場に立ちますから、当然、その教育委員会がしっかり対応すればいい、厳重注意するなり、あるわけですよ、それは。先生だって勇み足というのもあるだろうから、それぞれでやればいいんだけれども、東京都教育委員会に指導を仰いだという答弁を、さっきの九月定例会でしているんですね。しっかり自分のところで対応すればいいんですが、教育長のこういう答弁を好意に解釈すれば、とんでもない、追ってさたをするよと。いわば処分権は東京都教育庁ですよね。それだから指導を仰いだのかなとは思いつつも、それでは、どういうふうに東京都教育委員会は指導をなさったのか、そんなところを教えていただけますか。

○近藤指導部長 都教育委員会は、東久留米市教育委員会に対して次のように指導いたしました。運動会における国旗掲揚等は、校長の権限と責任のもとに適切に実施した教育活動であること、そして、抗議のはがきを自宅にまで送りつけたことについては、職員団体に申し入れる必要があることなどの指導助言を行いました。これを受けて、市教育委員会は、校長の自宅に抗議のはがきを送らないよう、当該職員団体に申し入れたと聞いております。

○野島委員 今、東久留米市の教育長の答弁は、指導を受けたと。それで、そういう指導があったのかどうかわからないけれども、そんな指導がなくたって、これは当然、当該教育委員会がぴしっとやらなきゃいかぬ話なんでね。で、職員団体の方からメークされて行ったということで、その部分については指導させていただいたと。させていただいたなんて、指導したでいいんですよ、とんでもない話でね。
 それで、自宅に抗議のはがきを送るとか、こういういわば扇動をすることは、今までの質疑の中でも、答弁からも、妥当でないというご答弁をいただきました。人権上の観点からもあってはならないと。平和、人権、民主主義、恐らくそういうことを一番大事にされている方だと思うんですよ、私は。じゃ、なぜ職員団体--職員団体が別に手足があるわけじゃなくて、その構成員がやるわけですから、それは教職員ですよ。どういう考え方で、こんな不法、不当な行為を行って扇動したのか。こういうことについて、私は事情は聞いておりません。東久留米市教育委員会が事情聴取したかどうかも、実は私は聞いていないんです。したがって、これはあくまでも推測になっちゃうんですが、実は先ほどの市議会議員さんが産経新聞の取材に答えているんですね。「抗議先として校長の自宅住所を掲載することは校長の人権やプライバシーを侵害していると思わないか」。括弧書きの発言取材ですから、「思わない」こうなっているんですね。「校長は議員同様、公の立場の人間。いろいろな市民の意見を聞く必要がある」。いろんな市民の意見や保護者の意見を聞きながらやるのは当たり前ですよ。それはそれでいいんですが、自宅でなく学校に申し込めばいいではないかと。これに対して、「私が抗議を呼び掛けたのではない」と。私は市民の中でそういうこと--全体の議事録等を見ますと、教職員組合が組織的にということであります。そういうことをしている人がいると報告しただけで誤解をしないでほしい、こういうコメントになっているんですね。
 どうもこの根っこというのは、私は邪推に過ぎるところがあるんですが、一つになっちゃうんじゃないかという気がするんですね。平素、平和、人権、民主主義、こういうことでやっている皆さん、とりわけ教員の方はそうでなきゃ困るわけですよ。私も人後に落ちません、人権、平和、民主主義はね。そういうことがありながら、自分たちと違う意見のところには、人権侵害を犯してまで抗議をあおるというような行為が、教育公務員としてあっていいのかどうかということです。
 議員さんは政治活動ですから、私はそのことをとやかくいう立場にはないというのは、前提に最初に申し上げました。選挙で審判を受けるわけですから、そのことは私とて同じ身分ですから、そんなことはこっちに置いておきます。
 そういうふうに考えますと、やっぱり学校の先生方ね、多くの先生方はまじめに取り組んでいただいております。しかし、こういう行為をする先生方がいて、そのことが新聞ざたになるようなことというのは--これから研修もしっかりやっていくやに伺っております。ライフステージに応じたとか、いろいろありますけれども、ある意味では、そういう世間のというかな、いろいろな社会通念とかなんとかに欠けちゃうわけですよね。
 私は、組合活動なんか全然否定していない、どんどんやったらいいと思う。しかし、それには一線がありますよ。公務員として学校に籍を置いて、校長の指揮監督の下に子どもの教育に当たるということと、組合としての意見開陳を堂々とする場合の社会通念上の人権を守るとか、そういうことはしっかりやっていきませんといけないなというふうに思うんですね。
 そんなことで、この件については最後にしますけれども、なお、私もこれからもいろいろ調べてみたいとは思いますけれども、そういう校長さんを、東久留米市教育委員会もそうですけれども、東京都教育委員会としてもしっかりバックアップをしていってほしいというふうに要望しておきます。
 そこで、その学校長さんが、学校便りというのを出しました。正しいことをやって、自分が人権侵害にも及ぶようなことをされながらも、さきの新聞報道でいろいろご迷惑をおかけしたとは書いてありませんでしたが、きょうはちょっと持ってこなかったわけですが、要は、父兄の皆さん、ご心配をおかけしました、学校運営は正常にやっておりますので、どうぞご安心くださいという便りを出していました。私はそれを見たときに、やっぱりこれは、東京都教育庁もさることながら、当該市区町村の教育委員会がしっかり機能していくということがなければ、またこんなことが累犯すると思うんですよ。そんなことを思っております。
 ちなみに、その市議会議員の方は警察に告訴をしたそうでございます。大事な時間を資料探しで経過して申しわけありませんけれども、赤旗新聞の報道によりますと、脅迫をされたと。おまえはそんなことをしているとどうのこうのということで脅迫をされて、身の危険を感じたから告訴した、こういうことでございまして、やっぱりコメントとして、民主主義を守り抜くために断固として闘い抜くというふうなコメントをされておりましたことを、最後に申し添えておきたいと思います。
 これについては以上で終わりたいと思います。
 次に、先ほど中嶋理事の方から狛江の関係等のお話もございました。私は、そういうところまで至らない話なんですが、教育研修の件について伺いたいと思うんです。
 教える側がより資質を高めていく、能力を向上させていかなきゃいけない、これは当然でありますし、先般の重要施策の説明でも、ライフステージに応じて研修体系の再構築を図っていく、こういうことであります。また、正式な法令名は忘れましたけれども、いわば教育公務員特例法だったか何か、要するに研修を奨励しているということは当然承知しております。
 そういう中で、さまざまな研修があると思うんですね。内容についてはきょうはやりませんが、実施主体としては、当然ながら東京都教育委員会なり市区町村教育委員会が研修をして、それに対して、職務命令を出して、研修をしました、こういうことですよ、という復命があるでしょうね。あと一つは、職員団体が主催する教研集会。教研集会、教研集会といわれておりますが、そんな形。
 実施主体によっての分け方でお尋ねをしたいと思うんですが、都立学校とか小中学校において、こういうふうな教研集会が実施されております。年間の実施回数だとか参加人員、あるいはまた、教研集会の取り扱いに対し、研修として参加を認めている市区町村はどのくらいあるのか、その辺の実態についてお尋ねをいたします。

○臼井人事部長 教研集会は、職員団体が自主的に行う研修会でございまして、全国あるいは都道府県、区市町村、さまざまなレベルで実施されておりまして、開催回数、参加人員の把握は困難でございます。
 また、教研集会の服務上の扱いでございますが、現時点で研修としての扱いを認めていますのは、十九区八市、合計二十七区市の教育委員会でございます。

○野島委員 それでは、都立学校についてはどんな取り扱いになっているのか、教えていただけますか。

○臼井人事部長 都立学校につきましては、本年六月に、教研集会につきましては研修の扱いを認めない旨、通知文書で徹底したところでございます。今後、教研集会が勤務時間中に行われるような場合には、年次有給休暇等を取得して参加することとなります。

○野島委員 ことしから、そういうことで、扱いをしないことにしたということのようでございます。恐らく長い制度の歴史があると思うんですね。そういうものを、いろいろな背景がある中で、今回からそういうふうな扱いにした、こういうふうに理解をしております。
 大体いつごろから始まったんですか、こういう制度が。それから、今まで認めていたのはなぜなのか、この辺をお尋ねしたいと思います。

○臼井人事部長 教研集会の参加につきまして、研修の扱いをいつごろから認めていたかというお尋ねでございますけれども、調査をいたしましたが、必ずしもはっきりわかりません。ただ、平成七年四月に出しました、出張等の取り扱いという通達文書におきまして、研修扱いが認められておりますので、多分、それ以前だというふうに思っております。
 今回、その平成七年の通達を改めまして、教研集会については研修の取り扱いを認めないこととしたものでございます。

○野島委員 いわば教研集会といっても研修ですから、研修の効果があるというふうな前提に立たなければ、この制度そのものが成り立たないという形になると思うんですね。そういうふうに考えますと、研修の成果というのは、例えば、今まで一時間に五百個つくっていたものを、いろいろ研修をすることによって六百五十個つくれましたというふうに、定量的にはかれるものであれば、物すごく理解がしやすいわけですね。ただ、教育公務員の皆さんは、そういうところに参加をして、どういう効果があったのかと。
 我々だってそうです。行政視察とか研修に行きますけれども、百聞いて一つ足しになっているかどうか、僕も自信がないぐらい。ただ、トータルとしては価値があるなというふうに思っているんですね。
 じゃ、恐らくは研修ですから、それも職務専念義務違反にならないわけですよね、当然。そういう中でやっているわけですから、それを受けて、当然、教育の現場というか、教育の場において授業等に還元されているだろうというのが、制度の上からの推定になるわけですね、私にとっては。では、そういったふうな仕組みがあるのかどうか。例えば、私はこういう研修を受けてきました、これを授業の中で生かしていきたい、というふうに校長先生に報告が義務づけられているとか、本当に熱心に研修をやっていただいて、報告まで自主的にやっていただいているのか、その辺のところをちょっと教えていただけますか。

○臼井人事部長 先ほど答弁をちょっと漏らしまして、申しわけございません。
 なぜ研修として認めてきたのかということについてお答えをしなかったんですけれども、なぜ研修として認めてきたかということにつきましては、教研集会も教員の研修という側面もあったことから、従来、研修として認めてきた経緯がございます。
 また、今のご質問、研修としての側面があるけれども、それを還元する仕組みについてはどうかというご質問ですが、教研集会の参加は教員の自主的な判断でございまして、また研修内容については、校長や教育委員会で十分把握をしている状況にはございませんし、報告義務もございませんので、研修の成果を検証することはできない実態だというふうに認識をしております。

○野島委員 わかりました。要するに、明確な因果関係というのか、研修なんていうのはしょせんそんなものだと思うんです。明確な因果関係というのはなかなか出しにくい。しかし、全く実態が把握できないということに対して、職務専念義務違反を解除して研修までする必要があるのか、これが私の考え方です。
 それでは、今回、東京都教育委員会が、この教研集会について今まで認めてきたけれども、これからは認めませんという判断をした背景が何なのか、それについてご答弁をお願いいたします。

○臼井人事部長 教研集会はあくまでも、教育委員会と立場を異にいたします職員団体が主催しているものでございます。勤務時間内の職員団体活動の見直しを行うべき現状におきまして、たとえ研修という名称であっても、教研集会は職員団体活動であることに変わりはございません。したがいまして、勤務時間に給与を受けながらその活動に参加することは、到底都民の理解を得ることができない、不適当であるというふうに判断をいたしまして、今回、研修の取り扱いを認めないことといたしました。

○野島委員 全くそうだと思うんですね。一つの団体の活動ですから、それも、いろんな団体が、いろんな構成員を持って、いろんな考え方を持っております。そのことに、職務専念義務違反に該当しないように、職務をしながらそれを認めていきましょうということになりますと、すべからく、いろんな団体からいろいろ出てきますよ。
 あと一つは、扱いをめぐって一番苦労するのはだれかといったら、校長先生ですよ。この間あれを認めたけど、これは認めないじゃないかというふうなことがしょっちゅうあるんですよ。校長先生はその判断で悩むんですよ。
 と同時に、校長先生、それから先生方といったって、同じところで職員室があり、校長室があるわけですから、余りぎすぎすしたくないなというのが本音ですよ。であるならばということで、実態の調査はされていないというふうに伺いましたけれども、かなりの部分がそうなっているのが実態だと私は思いますよ。
 私は、組合活動を否定する立場にない、どんどん活動していただいて、どんどんいいことは発信したり行動してくれればいいわけですから。しかし、そういう実態の中で、ながら条項も今回、適法な交渉並びにという「並びに」をなくしますよ、こんな新聞報道がされておりました。
 そういう意味では、かつて、公務がいろんなものを引っ張っていくという、公務の率先垂範性というのがあったんですね、労働運動華やかなりしころ。私は、もうそういう時代じゃないと思うんです。そういう意味では、私は今回の判断は適切だろうというふうに思っております。
 さて、そういうことでやっていきますと、もちろん、さっきの答弁にありましたように、服務監督の権限は区市町村教育委員会にあります。しかし、区市町村教育委員会というのは、これもまた横並び意識ですから、どこかでやめたらやめちゃおうかとか、どこでやっている限りはやっていようかとか、いや、三分の二がやめたら、うちはその三分の二からちょっと先にやめようとか、そういう考え方に立つわけですよ。しかし、私は、公費、公教育の中において、何の負担によって成り立っていて、何のために学校があり、校長先生があり、先生がいるのか、こういう観点に立ったときには、やっぱりきちっとして、その辺もぜひ各区市町村教育委員会に考え方をしっかりと伝えてほしい。
 指導するとか従えとかいうことじゃないです。区市町村教育委員会の考え方と都教委の考え方に落差があるとするならば、どっちが正しいかは、広く都民、市民が判断する、こういうことでありますから、しっかりそれを伝えてほしいと思うんですが、今後の取り組みはいかがでしょうか。

○臼井人事部長 今回、この件を受けまして、調査を行いまして、その調査の結果によりますと、大半の区市教育委員会におきまして、今回の教研集会の取り扱いについて見直しを検討しているというふうに聞いております。
 今後とも、こうした趣旨の徹底が図られますよう、厳正に指導してまいります。

○野島委員 わかりました。
 私は、もう何回もいってるように、組合の活動はどんどんやってもらっていいと思うんです、専ら自前で、給料を受けながらじゃなくて。それで、そういう組合が研修をどんどんやって、その構成員である先生の評価が上がれば、それはすなわち組合の評価も上がるわけですよ。そうしますと、組織率も上がるし、高い評価を受ける組合だから、私もそこへ行って研修しよう、こういういい循環になっていくと思うんです。それを、効果もよくわからないような、それも、ながらで研修を受けられるようなことを放置していくと、それが見えなくなっちゃうと思うんですね。ですから、組合の方が聞いているかどうかわかりませんが、私の方からそんな提案を組合にも申し上げておきたいと思っております。
 さて、これで終わりにいたします。
 実は、戦後教育、東京都の教育改革、いろいろ取り組みをなさっております。戦後教育とは、という歴史を語るほど、私は賢者ではありません。いささかの経験の中で、経験を語るのは愚者でございますけれども、語らせていただきますと、私、思うんです。教育行政とは何なのかといったときに、実はある種の運動体、ある種の人たちは、教育行政というのは、人、物、金を教育行政の中で用意しなさい、いわば施設をつくりなさい、教員を用意しなさい、必要な金は振りなさい、あとは私たち現場がやりますと。これが私は実態だというふうに思っておりますよ。そういうことでいきますから、当然のことながら、教員の横並び意識ということになります。私たちは現場を預かり、日々、児童生徒と接しながら教育をしておりますと。みんなイコールですから、横並び意識になります。したがって、主任制が機能しないわけですよ。そこに主幹制を導入するという、これもすばらしい改革だろうというふうに私は思っております。
 校長先生が学校の経営責任者として授業を参観しますと、先生は、校長先生が来るなら私は授業をやりませんというふうな話が実はされている。国旗・国歌について、現場でそれに反対する先生方は何といっているか。国旗・国歌といいません。旗、歌という表現を使っているんです。これが現場の実態でございます。そういう意味からいたしますから、当然のことながら、改善はされました。
 校長の権限じゃなくて、職員会議がその学校経営の最高意思決定機関であるというとんちんかんなことがここに出てきちゃっているわけですね。そういう意味では、今の東京都の教育改革、人事制度をいじるということも、九月に教育長の方から、私どもの萩生田光一議員の質問に対して、異動の関係とか、ありました。高校改革という部分で、それはどことどこを統合して、どこが一緒になってといういろんなパターンがあります、一貫教育とかね。それは目に見えるからわかりやすいんです。私は、こういう部分をぜひ東京都教育委員会が責任を持って改革をしていっていただきたい、こんなことを強く要望するとともに、教育長の答弁を求めたいんですが、先ほど中嶋委員の方に、狛江の件について決意の披瀝がありましたので、同様の答弁だろうというふうに善意に推測をいたしまして、予定の三十分でございますので、質疑を終わります。
 ありがとうございました。

○渡辺委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますけれども、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認め、事務事業、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時五十一分散会

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