文教委員会速記録第十五号

平成十四年十月二十九日(火曜日)
第三委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長渡辺 康信君
副委員長服部ゆくお君
副委員長河西のぶみ君
理事執印真智子君
理事中嶋 義雄君
理事遠藤  衛君
福士 敬子君
小美濃安弘君
相川  博君
石川 芳昭君
大西 英男君
曽根はじめ君

欠席委員 二名

 出席説明員
大学管理本部本部長鎌形 満征君
管理部長飯塚 宏子君
調整担当部長久保  大君
改革推進担当部長菊地 輝雄君
参事清水 克則君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
広報広聴部長佐藤  広君
都政情報担当部長二ノ宮 博君
文化振興部長荒川  満君
都民協働部長中島 建夫君
交通安全対策担当部長脇  憲一君
心の東京革命推進担当部長島田幸太郎君
私学部長中澤 正明君
消費生活部長高田 茂穗君
参事金子 良江君
参事保持眞二郎君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長幸田 昭一君
理事斎藤 尚也君
総務部長中村 正彦君
学務部長比留間英人君
人事部長臼井  勇君
福利厚生部長岡本 宏之君
指導部長近藤 精一君
生涯学習スポーツ部長鈴木 雅久君
教育政策担当部長石川  武君
都立高校改革推進担当部長山際 成一君
参事星川 敏充君
参事瀧川  清君
参事渋井 信和君

本日の会議に付した事件
 大学管理本部関係
  事務事業について(説明)
 生活文化局関係
  事務事業について(説明)
 教育庁関係
  事務事業について(説明)
  報告事項(説明)
  ・都立高校改革推進計画・新たな実施計画について

○渡辺委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりとさせていただきます。ご了承願います。

○渡辺委員長 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情につきましては、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりであります。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、大学管理本部、生活文化局及び教育庁関係の事務事業の説明聴取並びに教育庁関係の報告事項の説明聴取を行います。
 なお、本日は、事務事業及び報告事項について説明を聴取した後、資料要求を行うにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより大学管理本部関係に入ります。
 初めに、大学管理本部長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○鎌形大学管理本部長 大学管理本部長の鎌形満征でございます。
 当委員会の委員長初め委員の皆様のご指導を賜り、当本部が所管しております事務事業の円滑かつ適切な運営に全力を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、大学管理本部の幹部職員をご紹介させていただきます。
 管理部長の飯塚宏子でございます。調整担当部長の久保大でございます。改革推進担当部長の菊地輝雄でございます。参事で調整担当の清水克則でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます、参事で総務課長事務取扱の鈴木登美子でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○渡辺委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○渡辺委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○鎌形大学管理本部長 大学管理本部につきまして、概要をご説明申し上げます。
 大学管理本部は、都立大学を初めとする都立の三つの四年制大学と短期大学の設置者機能を一元化して、都としての総合的な高等教育行政を遂行するとともに、今日、都立の大学が都民や都政から求められている役割を十分に踏まえまして、そのあり方を抜本的に見直し、これらの大学の改革を推進することを目的に設置された組織でございます。
 急速に進展するグローバル化と長期にわたる景気低迷の中で、大学を取り巻く環境は大きな転換期を迎えております。世界規模での競争の激化は、大学に対しまして、国際競争力を持つ産業の育成への貢献と、我が国をリードし国際社会で活躍できる人材の育成を強く求めております。
 また、一方におきまして、学生の学力や主体的に学ぶ意欲の低下が懸念されるなど、教育そのもののあり方が問われておりまして、特に教育のターミナルといわれております大学の果たすべき責任はまことに大きなものがあると存じております。
 こうした状況の中で、国立大学においては大胆な再編統合が進められるとともに、本年三月には、新しい国立大学法人像についての最終報告が発表され、平成十六年度の独立行政法人化に向けて立法化の準備が進められております。
 また、私立大学も、二〇〇九年問題といわれておりますように、十八歳人口の急激な減少の中で、生き残りをかけた大規模な改革が展開されております。
 大学管理本部におきましても、こうした動きにおくれることなく、都立の大学が、東京都の設置する大学としての存在意義を明確にし、都民や社会に求められる役割を十分に果たし得るよう、抜本的な改革に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、昨年十一月に発表した東京都大学改革大綱に基づき、都立の四つの大学を統合して独立行政法人化した新しい大学を平成十七年度に設立するため、これまでも、入試の改善、都立高校との連携、ビジネススクールの十五年度開設など、大綱に盛り込んだ改革への具体策を可能なところから順次実施しているところでございます。
 さらに、本年五月には、新大学の開設と改革を確実に実現するために、行政と大学共同の検討組織といたしまして、都立新大学設立準備委員会を発足させております。
 また、外部有識者から成る東京都大学運営諮問会議におきましても、昨年から引き続き活発なご議論をいただいております。
 今後とも、都議会でのご議論をいただきながら、都立の新しい大学開設に向けての改革をさらに具体化し、その実現を目指してまいります。未来を切り開く人材を育成し、都民や社会に大きく貢献できる大学づくりに全力を挙げて取り組んでまいりますので、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、当本部の概要につきましてご説明させていただきました。
 なお、詳細につきましては、引き続き管理部長から説明を申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○飯塚管理部長 それでは、お手元にお配りしてございます資料、事業概要によりまして、大学管理本部が所管しております事務事業につきましてご説明をさせていただきます。
 恐縮でございますが、表紙を含め三枚おめくりくださいませ。三ページでございます。大学管理本部の設置目的が記載してございます。こちらにつきましては、先ほど本部長からご説明申し上げましたので、説明は省略させていただきます。
 次に、四ページから五ページにかけましては、都立の四つの大学の開学から現在に至るまでの沿革を図でお示ししたものでございます。
 九ページをお開きくださいませ。大学管理本部の組織図でございます。大学管理本部は、設置者機能を一元化した本庁組織としての管理部と四つの大学で構成されております。
 一〇ページをお開き願います。大学管理本部の分掌事務でございます。管理部は、本部全体の事務の総括や調整などのほか、都立の大学の改革に関することなどを所管しております。
 なお、各大学の分掌事務につきましては、後ろの方、三七ページ以降の大学別事業概要に掲載してございます。
 引き続きまして一一ページは、大学管理本部の教職員数でございます。本年八月一日現在、行政系職員が、管理職三十四名、一般職員二百四十名の計二百七十四名、それと教員の八百五十名と合わせまして、全体で千百二十四名となってございます。
 一五ページをお開きくださいませ。平成十四年度の予算概要でございます。
 上段の表をごらん願います。総括表でございますが、本年度の歳入額は五十六億四千百万余円、歳出額は二百十三億九千百万円でございます。
 下段の表をごらんくださいませ。歳入につきまして、各大学別に内訳を載せてございます。授業料などの使用料及び手数料が、四大学合わせて三十九億六千二百万余円、研究費や入学金などの諸収入が、同じく四大学合わせまして十五億一千六百万余円などとなっております。
 一六ページをごらんくださいませ。歳出につきまして、同じく各大学別の内訳を載せてございます。人件費など管理運営費が、四大学合わせまして総額百八十八億六千九百万余円、教員の研究奨励費が、同じく四大学合わせまして二十二億百万余円などとなっております。
 続きまして、一九ページをお開き願います。都立の四大学の学生収容定員及び現員について、学部、学科ごとに、また昼間課程、夜間課程別に載せてございます。四大学を合わせました学生現員は、ページ右下の合計欄にありますように七千九百十人となっております。
 続く二〇ページでは、大学院を設置しております三つの大学について、大学院の学生数を掲載してございます。修士課程、博士課程の両課程合わせまして千八百七十二人が在籍しております。
 続きまして、二一ページをごらんくださいませ。各大学の学部、学科ごとに、次のページ、二二ページには大学院の研究科、専攻ごとに、志願者、入学定員、入学者数及び競争率につきましてそれぞれ掲載してございます。
 二三ページをごらんくださいませ。本年三月の都立の大学の卒業者につきまして、各大学の学部、学科別に、就職、進学などの進路状況をお示ししてございます。
 二四ページをお開きくださいませ。学費等でございますが、授業料、入学料、入学考査料等につきまして、一部、二部などの区分別に、平成十年度からの推移をお示ししたものでございます。
 二七ページをお開きくださいませ。大学改革につきまして、これまでの取り組みの経緯を記載してございます。
 平成十二年八月に、大学改革を担当する組織を教育庁内に設置し、行政と大学で合同の検討体制を構築する中で、昨年二月に東京都大学改革基本方針を策定し、都立の大学の改革の基本理念と改革の方向性をお示ししたところでございます。昨年七月には、私ども大学管理本部が発足するとともに、東京都大学運営諮問会議を設置し、大学改革に貴重なご意見をいただいてまいりました。
 これらの検討を経まして、昨年十一月には東京都大学改革大綱を策定し、改革の具体策と改革後の大学像を明らかにしたところでございます。さらに、本年五月には、教育長、四大学の学長等で構成する都立新大学設立準備委員会を設置し、大綱に基づきまして、新大学の設立準備及び改革の推進に努めているところでございます。
 続く二八ページは、大学改革大綱策定以降の主な具体的取り組みについてお示ししております。大綱に盛り込んだ改革への具体策を可能なところから実施しているところでございます。
 三三ページをお開き願います。産学公連携についてでございます。
 都立の大学では、企業等との共同研究や受託研究、研究成果の公開などを通じ、新技術開発、新産業創出を支援し、東京の産業活力の向上に寄与するため、産学公連携を積極的に推進しているところでございます。また、都立の大学と都立の試験研究機関につきましても、連携大学院や共同研究等、連携協力に努めているところでございます。
 三七ページからは、大学管理本部が所管しております四つの大学の大学別事業概要が記載してございます。後ほどごらんいただければと存じます。
 以上をもちまして、大変簡単ではございますが、大学管理本部の事務事業につきましてのご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 まず一点目に、昨年の改革大綱の、事業概要の中にも若干ありますが、検討している中身も含めて、その進捗状況を資料でいただきたいと思います。
 例えば、大学運営の制度の変更、また、短大、B類の募集停止後の計画、また、学部、学科の配置、職員の身分や施設の配置などについて、できるだけ現状を詳しくご説明いただきたいと思います。
 それから二つ目ですが、国立大学の法人化の動きと都立の大学の法人化、この二つの流れがありますが、共通している点と異なっている点が比較できる資料をいただきたいと思います。
 また、都独自の法人化の進め方をしているものについては、その根拠や理由についても、できれば入れていただきたいと思います。
 それから三つ目ですが、新しい大学で夜間の授業を行う予定の履修課程、どういうものがあるか列挙していただきたいと思います。
 それから四番目、各大学の過去五年間の教員と事務職員の定数の推移。また、教員、事務職員それぞれ一人当たりの学生数はどの程度になっているのか。
 以上、資料をお願いします。

○渡辺委員長 ほかにありませんか。--なければ、ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
 以上で大学管理本部関係を終わります。

○渡辺委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、生活文化局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○三宅生活文化局長 生活文化局長の三宅広人でございます。
 渡辺委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、当局所管の事務事業の円滑な推進に向けて努力してまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、生活文化局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 総務部長の嶋津隆文でございます。広報広聴部長の佐藤広でございます。都政情報担当部長の二ノ宮博でございます。文化振興部長 の荒川満でございます。都民協働部長の中島建夫でございます。交通安全対策担当部長の脇憲一でございます。心の東京革命推進担当部長の島田幸太郎でございます。私学部長の中澤正明でございます。消費生活部長の高田茂穗でございます。参事で男女平等参画担当の金子良江でございます。参事で団体調整担当の保持眞二郎でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます、総務課長の室星健でございます。
 以上で当局の幹部職員の紹介を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○渡辺委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○渡辺委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○三宅生活文化局長 生活文化局が所管しております事務事業の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 生活文化局は、社会の変化に的確に対応し、豊かで潤いのある生活を求める都民の多様なニーズにこたえることを基本的な役割としており、都民の日常生活と深いかかわりのある各種の施策を、各局と連携を図りながら積極的に展開しております。
 具体的には、初めに、男女平等参画施策の推進についてでございます。
 都は、すべての都民が個人として尊重され、男女が平等な立場であらゆる活動に参画し、また責任を分かち合う、男女平等参画社会の実現を目指しております。本年一月には、男女平等参画のための東京都行動計画を策定し、都の施策、都民並びに事業者の取り組みを総合的かつ計画的に推進しております。また、家庭内暴力に関する対策や、雇用の分野での男女平等参画の促進など、広く施策を推進しております。
 次に、都民とのよりよいコミュニケーションのための施策でございます。
 都政情報を迅速に都民に提供するとともに、幅広い都民の声を集約し、都政運営に的確に反映させるため、各局と連携を図りながら、積極的な広報広聴活動を展開しております。
 次に、文化振興のための施策でございます。
 東京の活力を高め、世界に向けて文化を発信する魅力ある都市とするため、文化創造環境の整備や、文化を支える社会的な仕組みづくりを目標として、総合的な文化施策を展開しております。
 次に、市民活動の促進でございます。
 近年のボランティアやNPOなどの市民活動が拡大している状況を踏まえ、活動団体の特性を生かした協働を全庁的に推進し、都民ニーズへのきめ細かい対応や行政の効率化を進めてまいります。
 次に、青少年対策でございます。
 青少年が、家庭、学校、地域社会等のあらゆる生活の場におきまして、社会性をはぐくみながら生き生きと成長できるよう、関係機関との緊密な連携のもとに、総合的な健全育成施策を推進してまいります。
 次に、交通安全対策の推進でございます。
 都内の交通安全対策に関する総合的な企画調整を行うとともに、交通安全思想の普及啓発を進めております。また、違法駐車が交通渋滞や交通事故の原因となり、環境面でもさまざまな問題を引き起こしていることから、警視庁などの関係機関と連携を図り、その対策に取り組んでおります。
 次に、私立学校の振興等にかかわる施策についてでございます。
 都内の私立学校に在学する児童生徒等の割合は、高等学校で五割を超え、幼稚園で約九割、専修学校、各種学校でほぼ十割となっており、東京都の学校教育に大きな貢献を果たしております。そのため、都では、私立学校振興助成法などに基づき、経常費補助を初め、保護者の経済的負担の軽減などさまざまな助成策を講じて、私立学校の振興に努めております。
 次に、消費生活の安定と向上のための施策についてでございます。
 規制緩和やIT革命、グローバル化の進展など、今日の消費者を取り巻く環境は複雑多様化の度合いを一層強めております。このため、消費者被害の未然防止を図り、不適正取引行為の是正、指導、商品やサービスの安全性の確保、表示の適正化の推進など、公正な取引環境の整備を進めるとともに、自己責任に基づいた適切な消費行動がとれるよう、必要な情報の提供に努めております。
 以上、当局が所管しております事務事業の概要をご説明させていただきました。豊かな都民生活の実現に向けて、職員一同全力を尽くしてまいる所存でございます。委員の皆様におかれましても、さらなるご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。

○嶋津総務部長 引き続き、事業の詳細につきまして、私の方からご案内申し上げます。
 お手元に四冊の資料がございます。この二番目の事業概要の要約版、これに沿ってご案内申し上げたいというように思います。
 それでは、早速でございますが、一ページをお開きください。生活文化局の機能と沿革でございます。
 一枚おめくり願いたいと思います。初めに、生活文化局の機能でございますが、局長から先ほどご説明申し上げましたとおりでございますので、省略をさせていただきます。
 次に、折り畳みになってございますが、五ページをお開きいただければと思います。生活文化局機能と事業体系図でございます。左から右に、機能区分、それから事業区分、所管組織、それに主な事業を掲げてございます。
 七ページをお開きいただきたいと思います。局の沿革でございます。
 生活文化局は、昭和五十五年の十二月に、都市化の進展等に伴う新たな行政課題に対応するということで、当時の都民生活局を中心に組織を再編成して発足したものでございます。その後、時代の変遷とともに組織改正を重ね、今日に至ってございます。直近では、ことし、十四年の四月に、文化施策の充実強化を図るために、東京文化会館や東京芸術劇場などの文化施設四館を教育庁から移管するなど、文化行政の一元化を図ったところでございます。
 なお、詳しい推移につきましては、八ページ及び折り込みの九ページに記載してございます。
 続きまして、一三ページをお開きいただければと思います。局のことしの四月一日現在の機構図でございます。本庁の組織は六部ございまして、総務部、広報広聴部、文化振興部、都民協働部、私学部、消費生活部の六部でございます。
 一四ページには事業所を掲げてございます。東京ウィメンズプラザ、青少年センター、消費生活総合センター、それに計量検定所の四つの事業所でございます。
 一五ページをごらんいただきたいと思います。このページから二〇ページにかけましては、各部所の分掌事務を、課、室別に掲げてございます。後ほど各部所の主要事業をご説明申し上げますので、ここでは分掌事務の説明は省かせていただきます。
 二一ページをごらんください。平成十四年四月一日現在の組織別の職員定数表になってございます。一番上が合計欄になってございますが、生活文化局の職員定数は、事務、技術、それから技能・業務を合わせまして五百十二名でございます。管理職の数は、表中の括弧書きで再掲してございます。
 二三ページからは、予算、決算を記載してございます。
 二五ページをお開きいただければと思います。平成十四年度予算は、上段の(1)、総額にございますように、歳入が百九十五億一千万余円、歳出が一千五百三十三億三千万円でございます。また、歳入予算及び歳出予算の科目別構成につきましては、中段の(2)及び下段(3)に記載してございます。
 二六から二七ページにつきましては、事業別の歳出予算を表示してございます。
 その次に参りまして、二八、二九ページでございますが、これは平成十年度から十四年度までの五年間の局の予算額の推移を掲げてございます。
 三〇、三一ページにつきましては、債務負担行為及び平成十三年度の決算を記載してございます。
 次は三三ページでございます。事業の概要、以下順を追ってご説明申し上げます。
 事業数が多岐にわたってございますので、主な事業の説明にとどめさせていただきたいと思いますが、三五ページをお開きください。男女平等参画施策でございます。
 先ほど局長からもご説明申し上げましたように、東京都は、男女平等参画に関する施策を積極的に推進するために、東京都男女平等参画基本条例に基づく行動計画を本年の一月に策定するとともに、配偶者暴力相談支援センターとしての東京ウィメンズプラザの機能を充実させるなど、家庭内暴力対策の強化に取り組んでいるところでございます。
 続きまして、三六ページをお開きいただきたいと思います。都民とのよりよいコミュニケーションのための施策でございます。
 都政の重要課題や都民生活に直接かかわる情報につきまして、積極的な広報広聴活動を推進しております。また、都民意識の動向を的確に把握し、都民の声を迅速に都政に反映させるために、各種の施策を推進してございます。
 その事業の体系を三七ページに掲げてございます。これに沿いまして、もう少し詳しくご説明申し上げます。
 まず、広報事業でございますが、インターネットを活用した東京都ホームページの運営や、テレビ、ラジオによる広報、「広報東京都」などの刊行物による都政広報など、いろいろなメディアを積極的に活用して、都政情報を広く都民に提供してございます。
 下の方の広聴事業でございますが、情報公開事務では、開かれた都政の推進を図るため、条例に基づきまして情報公開制度を運営するとともに、個人の権利利益の保護を図り、都政の適正な運営に資するために、個人情報保護制度を運営してございます。また、都民情報ルームにおきましては、各種都政資料等の閲覧や貸し出し、あるいは東京都が編集・発行する刊行物を、有償ですが、頒布してございます。
 三八ページをお開きいただければと思います。文化振興のための施策でございます。
 文化は都市の魅力の根幹を形成するものであり、東京を創造性あふれる都市とすることを目指して各種の施策を総合的に展開しております。具体的には、平成十二年の十二月に作成いたしました「当面の東京都文化政策手法の転換と取組」というものに基づきまして、都の文化施策を総合的に展開してございます。
 三九ページ、事業の体系をごらんいただければと思います。
 まず、文化振興施策の企画調整といたしまして、ことしの八月に開催いたしましたアジア舞台芸術祭や、来年が四百年となります江戸開府四百年事業などの施策を展開しております。
 次の都市美対策の推進では、歴史的建造物の保存事業などを実施しております。
 さらに続きまして、財団法人東京都歴史文化財団助成等でございますが、この財団では、フレッシュ名曲コンサートなど芸術文化イベントの実施、芸術文化団体等による創造活動に対する支援及び、庭園美術館、写真美術館、江戸東京博物館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館、東京芸術劇場のそれぞれの施設の管理運営を行ってございます。
 次に、文化事業の推進でございますが、公共空間を芸術活動の場として提供するヘブンアーティスト、トーキョーワンダーウォール、トーキョーワンダーサイトなど、さまざまな事業を実施しているところでございます。また、江戸時代以来の伝統的な行事といたしましての隅田川花火大会、あるいは都民芸術フェスティバルなど文化行事に対する助成を行うほか、顕彰制度といたしまして、名誉都民などの事業を実施してございます。
 また、財団法人東京国際交流財団に対しましては、国際的な文化交流、市民交流などの推進を図るため、事業の支援を行うとともに、東京国際フォーラムの管理運営を委託してございます。
 四〇ページをお開き願います。市民活動の促進、それから青少年施策、交通安全対策等の施策でございます。市民活動推進事業の実施や青少年に関する施策の推進を初め、心の東京革命の推進、交通安全対策の推進及び渡航事務などの事業を実施しております。
 四一ページの事業体系をごらんいただければと思います。まず、市民活動の推進及び法人の許可・認証等でございますが、ボランティアやNPOなどの市民活動を促進するため、東京ボランティア・市民活動センターへの助成、それからNPO総合支援プログラムなどの施策を推進しております。また、公益法人等の許認可事務や、宗教法人、NPO法人の認証事務なども実施してございます。
 次に、青少年総合施策の企画調整でございます。これにつきましては、東京都青少年問題協議会の運営などを行ってございます。
 次の、心の東京革命の推進でございますが、これにつきましては、心の東京革命行動プランに基づきまして、関係団体や区市町村等との連携を図り、社会的運動として大きく展開しているところでございます。さらに、青少年健全育成審議会や青少年健全育成条例の運用などを通じて、青少年を取り巻く健全な環境づくりに努めているとともに、東京都青少年センターを、青少年の交流、活動の場として活用しているところでございます。
 次いで、交通安全対策でございますが、これにつきましては、交通安全運動の推進等を通じ交通安全思想の普及啓発を行うほか、放置自転車クリーンキャンペーンの実施などに取り組んでいるところでございます。また、違法駐車対策として、渋滞の多い主要幹線道路や繁華街エリアで重点的に違法駐車対策を推進しているところでございます。
 次に、渡航事務でございます。パスポートの発給や渡航相談などを、新宿、有楽町、池袋、立川、この四カ所で実施をしております。
 四二ページをお開きいただきたいと思います。私学の振興等のための施策でございます。私立学校の振興を図るためにさまざまな事業を実施してございます。四三ページに、その事業の体系を掲げてございます。ごらんいただければと思います。
 まず、私立学校の認可、指導でございますが、都知事が所管いたします私立学校の設置、廃止等の認可を初め、学校法人の設立、解散の認可等の事務を行ってございます。
 次に、私立学校教育助成でございます。これは、私立学校の教育条件の維持向上、それから修学上の経済的負担の軽減、学校経営の健全化、これらを目的といたしまして、基幹的な補助制度といたしまして経常費補助を実施してございます。そのほか、設備の整備などの各種補助を行ってございます。こうした学校への助成とあわせまして、保護者の負担軽減事業や、関係団体を通じた教職員の福利厚生に関する補助等を実施しているところでございます。
 次いで、育英資金の貸し付け、返還でございます。修学意欲のある者の教育を受ける機会の拡充に寄与するために、条例に基づきまして育英資金の貸付事業を実施しているものでございます。
 四四ページをお開きいただければと思います。消費生活の安定と向上のための施策でございます。消費者を取り巻く社会経済環境が急激に変化する中で、新たに発生する商品事故、取引被害を防止するとともに、表示の適正化など、消費者の自由な商品選択の確保策を講じるとともに、消費者が自己責任に基づいて行動できる環境を整備するために、いろいろな施策を展開してございます。四五ページが事業の体系でございます。ごらんいただければと思います。
 まず、消費者行政の企画調整では、消費生活対策審議会の運営などを、また、取引指導事業及び安全表示対策事業では、不適正取引防止や割賦販売業者に対する指導などのほかに、品質、保証、サービスなどの商品にかかわる表示規制や指導を行うなど、消費者が適切に商品を選択できるような施策を推進しているところでございます。
 次いで、消費生活協同組合の育成指導でございますが、消費生活協同組合法に基づく検査等のほかに、設備資金の貸し付けなどの助成策を講じているところでございます。
 次の公衆浴場対策につきましては、都民の入浴機会の確保と浴場経営の安定化を図るために、適正な入浴料金の決定及び施設、設備改善等に対する各種助成等を実施してございます。
 次に、消費生活総合センターの運営でございます。このセンターでは、消費生活に伴います相談や苦情の受け付け、処理を行うとともに、情報誌やインターネットを通じた消費生活情報の提供、消費者教育のための講座や教材の開発、商品の品質や安全性などの各種テストを実施しているところでございます。
 最後に、計量の適正化でございます。適正な計量を確保するために、計量検定所では、都内で生産、修理される各種特定計量器の検定を初め、計量関係事業者の事業の届け出、登録、申請及び定期検査などを行う使用計量器検査や計量器の立入検査などを行ってございます。
 以上が生活文化局の事業概要でございますが、もう一つ、東京都が二五%以上出資等を行っている団体のうち、私ども生文が所管している団体につきましてご案内を申し上げたいと思います。
 資料といたしましては、白表紙の資料第3号と資料第4号でございます。それぞれ財団法人東京国際交流財団、財団法人東京都歴史文化財団の経営状況説明書でございます。
 これらの団体につきましては、都の事務事業をより弾力的かつ効率的に行うために設置されたもので、東京国際フォーラム並びに庭園美術館、それから写真美術館、江戸東京博物館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館及び東京芸術劇場の管理運営等を行ってございます。この二つの団体の経営状況の詳細につきましては、大変恐縮ではございますが、後ほど資料をごらんいただければというぐあいに思います。
 以上をもちまして事務事業の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 最初に、私学助成の基礎になります公立学校の標準的運営費の額と算定方法の推移。この間、若干の変更があったと思うので、それがわかるもの。それから、実際に公立学校の教育費として使われている額との違い。できれば、財政健全化計画の前の段階からの推移をお願いしたいと思います。
 それから二つ目に、都内の私立高校の毎年の新入生の数を、出身校別に五年分お願いしたいと思います。出身校というのは、例えば公立中学とか私立中学とか他県の公立中学、その他というような分け方でお願いします。
 それから三番目に、私立学校の授業料減免制度の活用状況。
 それから、最近、生活文化局所管になりました文化施設、都の美術館、現代美術館、文化会館、芸術劇場ですか、この四施設の都費による補助の推移、五年分お願いします。
 それから、消費生活センターの相談件数の推移、三年分。ことしは、できれば直近までお願いします。
 六番目に、都民相談室の相談件数についても三年分、同じく直近まで、種類別にお願いします。
 最後に、多機能型公衆浴場の改築支援事業ですか、この実績をお願いします。
 以上です。

○執印委員 まず、ドメスチックバイオレンスの関係で、女性相談の数字と、ドメスチックバイオレンスに関する相談、区市町村分も把握できていれば、五年分お願いしたいと思います。
 それから、ドメスチックバイオレンス相談の他府県の相談数、できれば五年分。
 三つ目が、ドメスチックバイオレンスによって死亡した人数、全国と東京都分、五年分。
 四つ目が、相談後の、シェルターを含めた福祉局との連動について。
 それから二点目が、フリースクールに通っている子どもの数、五年間の推移。
 それから三点目が、こちらの資料の事業概要、資料第1号の一三〇ページにあります青少年施設対策の都有地の一時開放について、事業開始年度は昭和四十一年度となっておりますが、開始年度からの状況について資料をいただきたいと思います。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかにありますか。--ただいま、執印理事、曽根委員から資料要求がありましたけれども、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○渡辺委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、教育長からあいさつ並びに幹部職員の紹介がございます。

○横山教育長 教育長の横山洋吉でございます。
 このたび、文教委員会の委員に就任されました先生方には、教育行政につきまして一層のご指導、ご助言をいただきますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 微力ながら、都民の期待にこたえるべく、今後とも積極的に諸施策を推進しまして、東京都の教育水準の維持向上に努めてまいる所存でございます。
 それでは、教育庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の幸田昭一でございます。理事の斎藤尚也でございます。総務部長の中村正彦でございます。学務部長の比留間英人でございます。人事部長の臼井勇でございます。福利厚生部長の岡本宏之でございます。指導部長の近藤精一でございます。生涯学習スポーツ部長の鈴木雅久でございます。教育政策担当部長の石川武でございます。都立高校改革推進担当部長の山際成一でございます。参事で学校経営指導担当の星川敏充でございます。参事で局務担当の瀧川清でございます。参事で人事企画担当の渋井信和でございます。当委員会との連絡をいたします、参事で総務課長事務取扱の松田芳和でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○渡辺委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○渡辺委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○横山教育長 教育庁関係の事務事業の大要につきましてご説明を申し上げます。
 都教育委員会は、平成十三年一月に新たな教育目標を策定しまして、子どもたちが、知性、感性、道徳心や体力をはぐくみ、人間性豊かに成長することを願い、思いやりと軌範意識のある人間、社会に貢献しようとする人間、個性と創造力の豊かな人間の育成に向けた教育を重視するなどの教育目標に基づきまして、現在、教育改革へ向けた具体的な施策を積極的に進めているところでございます。このうち、特に重要な課題でございます三つの事項につきましてご説明させていただきます。
 まず第一は、児童生徒の健全育成でございます。
 次代を担う子どもたちが、未来に向かって明るい希望を抱き、心身ともに健康で、知性と感性に富んだ人間性豊かな、社会のよき形成者として成長することは、都民の共通した願いでございます。
 児童生徒の健全育成につきましては、都教育委員会の教育目標に示すとおり、互いの人格を尊重し、思いやりと軌範意識のある人間や、社会の一員として社会に貢献しようとする人間を育てることが特に重要であると考えております。
 これまでも都教育委員会は、心の教育の推進を重要な施策としまして種々の事業を進めてきたところでございますが、昨年度に引き続き「心の東京革命」教育推進プランを着実に実施し、トライ&チャレンジキャンペーン、道徳授業地区公開講座を展開するほか、アドベンチャースクールなどの諸事業を推進しまして、心の教育の一層の充実に努めてまいります。
 また、いじめや不登校等の問題への対応を図るため、公立中学校全校にスクールカウンセラーを配置することとしまして、都立高等学校につきましても、その拡大を図っているところでございます。
 アドバイザリースタッフにつきましては、これまで同様、学校や家庭の要請に応じて派遣をしまして、いじめや不登校等の問題を初め、児童生徒の心の健康などの多様な問題の解決に努めております。
 さらに、東京都教育相談センターを中心としまして教育相談ネットワーク等を充実させ、関係諸機関との連携を強化しますとともに、不登校児童生徒等への支援を行うなど、教育相談体制の充実を図ってまいります。
 このような取り組みを通して、今後とも、学校と家庭、地域社会との緊密な連携のもとに、児童生徒の心と体の健康づくりを目指す健全育成を一層推進してまいります。
 第二は、学校教育についてでございます。
 子どもたちが、今後、変化の激しい社会を生き抜いていくためには、みずから学ぶ意欲を育て、生涯を通して学び続けることを身につけさせることが必要でございまして、基礎的、基本的な学習内容の確実な定着と、体験学習等を通して、みずから学び、みずから考える力などの生きる力をはぐくむことをねらいとした、新しい学習指導要領の趣旨の実現を図ることが何よりも重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、総合的な学習の時間の充実や、選択教科の内容の工夫等に関する指導の充実を図るほか、東京都独自の、基礎的・基本的な内容の定着に関する調査を昨年に引き続き実施してまいります。
 さらに、国の第七次定数改善計画を活用しまして、小中学校における少人数授業のための定数改善を計画的に行うとともに、少人数学習集団による効果的な指導法の開発、研究を進めているところでございます。
 また、児童生徒の学力向上を支援する新たな方策としまして、今年度から、大学生をティーチングアシスタントとして活用するモデル事業を推進しております。
 このような新たな学校教育の内容を確実に定着させていくためには、都民に信頼される学校運営の確立と、教員の資質、能力の向上が不可欠の課題でございます。
 都教育委員会は、国に先駆け、平成十五年度から学校運営組織に主幹職を計画的に設置しますとともに、現在、その準備を進めているところでございます。この主幹の設置は、学校を組織として適正に機能させ、学校の組織的な課題対応能力を高めることによりまして、学校が抱えるいじめや不登校など数多くの課題に、組織として迅速的確に対応し、児童生徒の教育環境を向上させますとともに、より質の高い教育を提供することを目的とするものでございます。
 また、教員の資質、能力の向上策といたしましては、人事考課制度における授業観察等により、教育職員の資質、能力を的確に把握しまして能力開発を進めますとともに、人事考課制度と連動した、教職員のライフステージに応じた研修体系の再構築に取り組んでおります。
 一方、指導力不足教員に対しましては、ステップアップ研修を引き続き実施をしまして、区市町村教育委員会とも連携をし、適切な対応を図っているところでございます。
 次に、高等学校教育についてでございます。
 都教育委員会は、平成九年九月に都立高校改革推進計画を策定しまして、特色ある学校づくりの推進や開かれた学校づくりの推進、都立高校の規模と配置の適正化の推進及び教育諸条件等の整備を基本的な方向としまして、都立高校の改革を進めてまいりました。現在、平成十二年度から十四年度までを計画期間とします第二次実施計画に基づき、進学重視型単位制高校、総合学科高校及びチャレンジスクールなど、新しいタイプの学校の設置等を推進しているところでございます。
 また、過日、二十四日の都教育委員会におきまして、都立高校改革推進計画の新たな実施計画を決定し、公表したところでございます。
 この計画は、学校の統合、改編による、中高一貫教育校を初めとします特色ある学校の設置等のハード面の改革と、学校経営計画の策定を初め、自律的な学校改革を目指した学校経営のあり方を改善していくソフト面の改革を一体化させますとともに、生徒の個性や創造性を伸ばす教育の推進や地域との連携、教育諸条件の整備等を行うことにより、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を図っていくものでございます。今後、この新たな実施計画の実現に向けまして、全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
 次に、心身障害教育でございます。
 障害のある児童生徒の教育につきましては、障害の状態や発達段階に応じた適切な教育を行いまして、能力を最大限に伸ばし、可能な限り社会参加ができるようにしていくことが重要でございます。
 都立盲・聾・養護学校では、在籍する児童生徒の教育の充実はもちろんですが、障害のある幼児に対する就学前からの教育相談を充実する一方、卒業後の就労等を見通した対応の充実に努めております。
 また、心身に障害のある児童生徒の教育環境の改善といたしまして、今年度から五カ年計画で、都立盲・聾・養護学校全校の普通教室の冷房化を図ってまいります。
 次に、三宅島の児童生徒の避難生活は現在も続いておりますが、学習活動を初め日常生活に支障のないよう、三宅村教育委員会等と連絡を密にとりながら、必要な対応を行っているところでございます。
 第三は、生涯学習、体育・スポーツ及び芸術文化についてでございます。
 今日、都民一人一人が生涯を通じてみずから学び、文化やスポーツに親しみ、社会参加できる機会の充実が必要となっております。今年度も、都立学校公開講座を実施しますとともに、特別教室、図書室などの学習、文化施設の開放を行いまして、さまざまな学習活動の機会の提供を進めてまいります。
 ユース・プラザにつきましては、PFIによる事業手法を活用することとし、区部ユース・プラザにつきましては事業者との契約締結を終えたところでございまして、多摩ユース・プラザにつきましても、平成十七年四月の開設に向け着実に準備を進めてまいります。
 さらに、平成二十五年の多摩を中心とする国体の開催に向けまして着実に準備を進めていく一方、都民があらゆる場所でスポーツに親しみ、生涯を通じて明るく豊かで健康的な生活を送ることができるよう、区市町村、学校及びスポーツ団体と密接に連携して、地域スポーツクラブづくりを支援する広域スポーツセンター事業を新たに実施するなど、諸施策を推進してまいります。
 以上、東京都教育委員会の事務事業につきまして概括的に説明いたしましたが、今後とも積極的に諸施策を推進しまして、東京都の教育水準の維持向上に努めてまいる所存でございます。よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願いを申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明を申し上げます。

○中村総務部長 事務事業の説明に入ります前に、お手元にお配りしてございます資料につきましてご説明申し上げたいと思います。
 まず、教育小六法でございますけれども、教育関係の諸法令を収録してございます。その下の東京都の教育平成十三年度版は、教育庁の事務事業の執行状況を取りまとめたものでございます。その下の東京都学校名簿、これは、都内の国立、公立、私立の幼稚園、小中高等学校、盲・聾・養護学校、大学、専修学校、各種学校について掲載してございます。「財団法人東京都生涯学習文化財団」は、財団の平成十四年度におきます事業計画及び収支予算について掲載してございます。
 それでは、お手元の、この平成十四年度事務事業大要に基づきまして概要をご説明申し上げたいと思います。
 まず、一ページをお開きいただきたいと思います。東京都教育委員会の教育目標及び基本方針でございます。
 先ほど教育長からご説明申し上げました教育目標に基づきまして、人権尊重の精神と社会貢献の精神の育成など、四項目の基本方針を三ページにかけて掲げてございます。
 次に、四ページをごらん願います。東京都教育委員会の組織でございます。
 教育委員会は、地方自治法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして設置されております合議制の執行機関でございます。東京都におきましては、そこに名簿がありますとおり、清水司委員長を初め六人の委員で構成されておりまして、任期は四年間、委員長は委員の互選により決められております。教育委員会には教育長が置かれ、教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどることとされております。教育長は、教育委員のうちから教育委員会により任命されております。また、教育委員会の事務局として教育庁が置かれております。
 五ページは、教育庁の組織図でございます。教育長、次長及び理事以下、六部二室二十三課をもって構成されております。
 六ページをごらん願います。教育庁所管の事務所、事業所等でございます。
 七ページは、教育庁が所管しております財団法人東京都生涯学習文化財団の概要でございます。
 この財団は、都の監理団体のうち特別監理団体に指定され、都教育委員会から委託を受けて、八ページにお示ししてございます文化・スポーツ施設などの管理運営や埋蔵文化財の調査等の事業を行っております。詳細につきましては、お手元配布の参考資料に記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 九ページは、教育委員会に設置されている附属機関の一覧でございます。
 次の一〇ページは、職員定数でございます。
 最初に事務局職員の定数でございまして、平成十四年度は八百四十五人で、前年度と比べ三十二人の減でございます。次が、学校職員の定数を学校種別に記載してございます。平成十四年度の学校職員の定数は六万二千四百八十七人で、前年度と比べまして百五十七人の減でございます。
 一一ページをごらん願います。公立学校の学校数等を、幼稚園二百三十四園以下、学校種別に分けて記載してございます。
 一二ページをごらん願います。平成十四年度の教育庁所管予算の総括表でございます。
 歳出の総額は、計の欄にございますように八千十億八千万円でございます。前年度に比しまして〇・六%の増となっております。
 歳入の総額は、同様に計の欄にございますように二千六百十四億一千七百六十万四千円で、前年度と比べて七・二%の増でございます。
 一三ページは、歳入予算の内訳を記載してございます。
 一四ページをごらんいただきたいと思います。歳出予算の内訳を、教育管理費から施設整備費に分けてお示ししてございます。
 また、一五ページは、歳出予算を、給与関係費、物件費など、その性質により分類しております。教職員の給与関係費が全体の約九一%を占めております。
 一六ページをごらん願います。東京都の一般会計の中で教育庁所管予算の占める割合でございます。百分比の歳出予算欄にございますように、一三・六%を占めてございます。
 一七ページ以降に教育庁の主要事業の概要を記載しております。以下、順次ご説明申し上げます。
 まず、最初の児童生徒の健全育成でございます。
 都教育委員会は、児童・生徒の健全育成推進本部を設置し、すべての子どもたちの心と体の健康づくりを目指し、他を思いやる心や正義感などを育成することをねらいとして、施策の一層の推進を図っているところでございます。心と体の健康づくりの推進として、健全育成推進協議会やいじめ等対策関係機関協力会議など、学校、家庭、区市町村教育委員会、関係諸機関と連携、協力して取り組んでおります。
 一八ページをごらんいただきます。いじめ、不登校、集団不適応などの問題を解決するために、学校や保護者などからの要請に基づきまして、医師及び臨床心理の専門家や学生等を派遣するアドバイザリースタッフ派遣事業を行っております。
 また、一九ページに移りまして、心の東京革命の一環といたしまして、とうきょう親子ふれあいキャンペーンを実施しております。自然体験、文化活動などにより親子が触れ合い、また、感動を共有することを通して子どもが豊かな人間性を身につけ、社会の基本的ルールを体得できるようにするものでございます。
 二〇ページをごらんいただきたいと思います。そこにありますアドベンチャースクールは、現在の青少年に不足しております自然体験や生活体験、社会体験等の直接体験などを通して、青少年の自律心を育成し、社会性を養うものでございます。
 二一ページをごらん願います。家庭教育の振興につきましては、子育てパートナー事業の支援などの施策を実施しております。
 次に、東京都教育相談センターにおける相談事業につきまして、その相談件数をその表にお示ししてございます。
 二二ページをごらん願います。高等学校教育の振興でございます。
 平成十四年度の就学計画でございますが、計画と実績につきまして、一覧表にしてお示ししてございます。
 次に、新しいタイプの高等学校等の設置でございます。二六ページにかけまして、平成十五年度から二十年度までに開校予定の学校を記載してございます。
 恐れ入ります、二七ページをごらん願います。本年四月に開校しました、つばさ総合高校を初めとしまして、既設の新しいタイプの高校をお示ししてございます。
 次に、二八ページのコース制の充実でございますが、学習内容の重点化を図り、生徒の能力、適性、進路希望等に応じた教育を行う全日制普通科のコース制の概要をお示ししてございます。
 二九ページをごらん願います。東京都教職員研修センターの分館であります総合技術教育センターにおける事業の概要をお示ししてございます。
 次の三〇ページでございますが、高等学校入学者選抜制度につきましては、他学区入学者限度枠の緩和、分割募集の実施及び全日制検査問題の自校作成等の拡大を図っております。また、平成十五年度入学者選抜からは、学区制を撤廃するとともに、学習指導要領の改訂に対応しまして、自己PRカードや調査書への絶対評価の導入などを進めております。
 三一ページをごらん願います。学校経営計画策定と東京都教育委員会の評価、支援でございます。
 学校の個性化、特色化を図り、自律的な改革を進めるために、平成十五年度から全都立学校に学校経営計画を導入してまいります。この学校経営計画は、計画、実施、評価を行うマネジメントサイクルの仕組みの一環でございます。都教育委員会は、この計画などを総合的に評価いたしまして、組織的な学校支援を行ってまいります。
 三二ページからは、心身障害教育の振興でございます。
 三三ページをごらんいただきたいと思います。心身障害児理解教育の充実につきましては、都立盲・聾・養護学校と幼小中高等学校との交流教育の拡充や、地域の人々との交流活動などの充実を図ってまいります。
 三四ページになりますが、職業教育の充実を図るために、知的障害養護学校高等部に職業学科を設置しておりますほか、職業教育アドバイザーの派遣などの事業を行いまして、社会的、職業的な自立を目指した教育を行ってまいります。
 また、盲・聾・養護学校の給食及び寄宿舎におきます賄いの改善充実を図るため、平成八年度から七カ年計画で調理業務の民間委託を進めるとともに、献立内容の多様化に対応して、調理器具等の整備を行っております。
 学習障害児への対応といたしましては、文部科学省の研究事業として、本年度から二カ年にわたりまして実践的な研究を行ってまいります。
 三五ページをごらん願います。学校教育指導の充実でございます。
 まず、教員定数の改善として、小中学校の少人数授業及びチームティーチング、中学校の選択履修の拡大、高等学校における習熟度別学習指導につきまして、それぞれ教員定数改善を図っております。その状況をお示ししてございます。
 三六ページをごらんいただきたいと思います。教員の資質の向上を図るための、ライフステージに応じた体系的な研修についてでございます。
 まず、新規採用の教員に対しましては、初任者研修として、採用後一年間、計画的な研修を行っているところでございます。
 現職研修につきましては、在職年数に応じまして、現職研修Ⅰ部からⅢ部を実施するとともに、都立学校主任研修を実施しております。
 三九ページにかけましては、教育管理職の研修でございます。管理職につきましては、教育改革や多様な教育課題に対応した適切な学校経営を推進するために、教育管理職研修を行っております。また、校長、教頭への任用候補者に対して、管理職に必要な資質、能力の向上が図れますよう、校長任用前研修や教育管理職候補者研修を実施しております。
 このほか、現職教員を行政機関及び民間企業などに派遣いたします、教員の長期社会体験研修を実施しております。
 四〇ページにかけましては、国際化に対応した事業といたしまして、外国人英語等教育指導員及び英語等指導助手の配置、外国人児童生徒のための日本語学級の設置などを行っております。
 情報化に対応した事業といたしましては、社会の情報化の進展に対応しまして、指導教員の養成を目的とした研修を行ってまいります。
 四一ページになりますが、小中高校生の薬物乱用を防止するために、教員を対象に研修会を実施するなどして、指導の徹底を図っております。
 性教育につきましては、児童生徒向けのエイズパンフレットの作成等、発達段階に応じた総合的な性教育の推進を図っております。
 四二ページをごらん願います。5として、生涯学習、体育・スポーツ及び芸術文化の振興でございます。
 現在、生涯学習審議会におきまして、これからの都市社会における中高年世代の社会参画についてご審議いただいているところでございますが、本年十二月に答申の予定となっております。
 次に、生涯学習情報ホームページについてでございますが、都民の生涯にわたる学習活動を支援するため、今年度新たにホームページを開設いたしまして、生涯学習情報の提供などを行っております。
 また、都立学校の公開講座につきましては、今年度も三百講座実施する予定でございます。
 四四ページをごらん願います。都立学校施設の開放でございますが、生涯学習やコミュニティ・スポーツの振興に資するため、音楽室、会議室などの学習、文化施設については十九校、体育施設については二百六十八校、それぞれ地域に開放しております。
 ユース・プラザにつきましては、青年の家を再編整備いたしまして、新しい青少年社会教育施設を、区部、多摩地域にそれぞれ一カ所、PFIの事業手法を導入いたしまして建設、運営してまいります。区部ユース・プラザにつきましては、民間事業者との契約締結を終えまして、平成十六年三月三十一日の開館を目指しているところであり、また、多摩ユース・プラザにつきましては、今年度中に民間事業者の選定を行う予定でございます。
 次に、四五ページにかけましてお示ししてございますように、文化財保護の充実に関しまして、十一月に文化財ウイークを開催いたします。文化財を広く公開し、都民の文化財保護に対する興味、関心、理解を高めるとともに、都民が文化財の保護、管理にさまざまな形で参加できるようにするものでございます。
 また、体力づくりの推進といたしまして、広域スポーツセンター事業、都民体育大会の開催、体育指導者の養成など、諸事業を推進しているところでございます。
 四七ページをごらん願います。都立学校等の施設整備でございます。
 教育条件の整備と安全対策の向上を図るため、老朽化した都立学校の校舎及び都立高等学校の改革推進計画に基づき改築が必要な校舎につきまして、改築を進めているところでございます。改築校につきましては、四八ページにかけて表に記載しているとおりでございます。
 四九ページをごらん願います。校舎等の大規模改修についての状況でございます。都立学校の震災対策につきましては、今後、平成十八年度までに耐震補強工事を実施していく予定でございます。
 以上が教育庁の事務事業の概要でございます。
 また、関係資料といたしまして、五〇ページから五九ページにかけまして教育庁所管予算の主要事業、六〇ページに私立学校の概要、六一ページから六三ページにかけまして教育庁所管の事業所の概要を記載しております。後ほどごらんいただきたいと思います。
 以上をもちまして、簡単ではございますけれども、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 次に、理事者より、都立高校改革推進計画・新たな実施計画についての報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山際都立高校改革推進担当部長 都立高校改革推進計画・新たな実施計画についてご報告を申し上げます。
 都立高校改革推進計画につきましては、去る九月十三日に開催されました文教委員会におきまして、その考え方についてご報告申し上げましたが、十月二十四日に新たな実施計画が策定されましたので、ご説明申し上げます。
 お手元に、A4判の資料一枚と、新たな実施計画、冊子がございます。そのうちA4判両面の資料、都立高校改革推進計画・新たな実施計画についてをごらん願います。
 都立高校改革の推進に当たりましては、生徒の多様化と、少子化に伴う生徒数の減少に対応し、都民にとって魅力ある学校づくりを進めるため、十カ年の長期計画である都立高校改革推進計画と第一次、第二次実施計画を策定して、着実に計画を推進してまいりました。
 その後、経済、社会のグローバル化、情報技術革命等の進展、学習指導要領の改訂、都教育委員会の教育目標の改定など、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、第一次、第二次実施計画に続く新たな実施計画を策定することといたしました。
 実施計画の策定に先立って、六月二十七日には、新たな実施計画により設置する新しいタイプの高校を示す新配置計画案を明らかにいたしました。その後、学校関係者や地元関係機関等への説明及び意見聴取を重ね、十月二十三日の段階で、実施した説明会は八十二回、提出された請願陳情は十一件、寄せられた署名は計八万六千四百九十三筆となっております。こうした経過を経まして、十月二十四日に教育委員会において新たな実施計画を策定したところでございます。
 新たな実施計画の基本的な方向は、3の(1)のとおりでございます。後ほど、実施計画の冊子に沿ってご説明申し上げます。
 生徒数及び学校数の動向でございますが、都内の公立中学校卒業生は、平成八年度には九万六百五十六人でございました。都立高校改革推進計画の規模と配置の適正化は、平成九年度の教育人口推計による平成二十二年度の都内公立中学校卒業生の推計七万二百十四人をもとに策定されておりました。しかし、その後、推計値に変動がございまして、平成十四年度の推計では七万五千五百四十二人と、九年度の推計と比べて五千人余り増加することが見込まれております。
 裏面をごらん願います。
 全日制課程につきましては、産業高校の設置、校地の狭隘な学校の統合、昼夜間定時制独立校の設置などにより、新たな実施計画で七校削減され、平成九年度に二百八校ありました全日制の都立高校は、平成二十三年度には百八十校となります。
 定時制課程につきましては、将来的に全定併置の解消を目指すこととし、昼夜間定時制独立校を設置して、周辺の夜間定時制を統合してまいります。その結果、平成九年度に百校ございました定時制の都立高校が、平成二十三年度には五十五校となる予定でございます。
 (3)の新しいタイプの学校の主なものでございますが、新たに設置するものといたしまして、中等教育学校及び併設型中高一貫教育校、産業高校、総合芸術高校、トライネットスクール、昼夜間定時制高校がございます。都教育委員会が指定するものといたしまして、進学指導重点校、エンカレッジスクール、東京版デュアルシステム、ITを活用した教育推進校がございます。
 このうち東京版デュアルシステムは、企業と高校の連携によりまして、卒業後の就業に役立つ実践的な技術、技能を身につけるシステムで、平成十六年度に開校する大田地区単位制工業高校の昼間の定時制課程に導入することといたしました。
 また、ITを活用した教育推進校につきましては、基礎、基本の定着や学習指導の個別化などにITを徹底的に活用するとともに、ITを活用した学習指導方法や学び方の新たなスタイルを研究し、授業革新を行う学校として、北園高校、府中西高校、多摩地区単位制高校を指定いたします。
 (4)の学校経営の改革についてでございますが、学校経営計画の策定を初めとし、学校別バランスシートの作成、学校経営の重点支援の実施、校長の裁量権限拡大、主幹制度の導入などを通じ、これまでの都立高校が、学校組織として機能が必ずしも十分でなかったことの反省に立ち、経営の視点から学校のあり方の見直しを図ってまいります。いずれも十五年度から実施してまいります。
 次に、お手元にございます都立高校改革推進計画・新たな実施計画の冊子の八ページから九ページをごらん願います。第1部の第3章で、新たな実施計画の策定について記述しております。この中で、都立高校改革推進計画策定後の状況の変化といたしまして、先ほど触れました経済、社会のグローバル化の進展等三項目を挙げております。
 一一ページから一二ページにかけてごらん願います。一一ページの中ほどの(2)にございますが、このような状況の変化を受けまして、新たな実施計画における改革の基本的な方向として、ア、日本の未来を担う人間を育成する教育の推進、イ、生徒の多様な希望にこたえる学校づくり、一二ページにございますウ、都民に信頼される学校経営の確立、エ、地域とのパートナーシップを築く学校づくり、オ、少子化時代の質の高い教育の場の確保の五点を掲げております。
 こうした基本的な方向のもとに策定しました新たな実施計画の体系は、一三ページから一七ページにあります体系図のとおりでございます。
 体系図に沿ってご説明申し上げます。
 一三ページをごらん願います。左側から二番目の網かけをした縦書きの部分に、1、日本の未来を担う人間を育成する教育の推進とございます。先ほどご説明いたしました基本的な方向の一点目に挙げられておりました事項で、本計画の具体的展開の第1章に位置づけられております。枠囲いで1と表示された、かけがえのない存在を目指す教育の実現から、2の豊かな人間性の育成、3の学ぶ力のはぐくみと確かな学力の向上が盛り込まれております。
 1のかけがえのない存在を目指す教育の実現には、一人一人の豊かな個性や創造性を伸ばす教育の推進や、世界の中の日本人としてのアイデンティティーを育てる教育の推進、2の豊かな人間性の育成には、人権教育やボランティア活動の推進、3の学ぶ力のはぐくみと確かな学力の向上には、基礎的、基本的な学力の着実な定着などが盛り込まれております。
 一四ページをごらん願います。4の生きる力の基盤となる健康・体力づくりの推進まで含めまして、第1章では、大きく四つの項目のもとに施策を推進してまいります。
 第2章は、生徒の多様な希望にこたえる学校づくりでございます。
 1の中高一貫教育校の設置を初めとして、2の普通科高校の改善、3の専門高校の改善、4の定時制・通信制課程の改善を挙げております。普通科高校の改善の中にはエンカレッジスクールの指定、定時制・通信制課程の改善の中にはトライネットスクールの設置なども盛り込まれております。
 一五ページをごらん願います。5の新しいタイプの高校の設置等といたしましては、既に申し上げました中高一貫教育校のほか、総合学科高校や単位制高校、産業高校、総合芸術高校、チャレンジスクール等を掲げております。
 6の入学者選抜における特色化も、推進してまいります。
 第3章は、都民に信頼される学校経営の確立でございます。
 これまでの都立高校が、学校組織として機能が必ずしも十分でなかったことの反省に立ち、経営の視点から学校のあり方の見直しを図ろうとするものでございます。それぞれの学校が、学校経営計画の策定などを通じて、1にございます、各学校へのマネジメントシステムの導入を図ってまいります。
 一方、都教育委員会におきましては、2の東京都教育委員会の組織的支援にございますように、学校が策定する学校経営計画に基づき学校経営診断書を作成いたしまして、組織的な学校支援を行ってまいります。
 また、3の経営体としての自律性確立を目指して、校長の裁量権限の拡大を図るとともに、校長がより長期にわたって一つの学校で計画的な学校運営を行うことができるよう、在任期間の延長を進めてまいります。
 一六ページをごらん願います。4の学校を支える人材の採用・活用、あるいは5の学校のアカウンタビリティーの向上も進めてまいります。
 第4章は、地域とのパートナーシップを築く学校づくりでございます。
 1の地域の教育力の導入・活用を進め、ボランティア活動など地域でのさまざまな体験を教育活動に取り入れていくとともに、公開講座の実施や施設の開放を行って、2の学校の教育機能の地域・社会への提供を進めてまいります。
 また、3の地域の諸機関との連携も進めてまいります。
 第5章は、少子化時代の質の高い教育の場の確保でございます。
 質の高い教育を担っていくのは、まず何より教員です。1の教員の資質能力の向上を図るために、各種の研修を推進してまいります。
 2の都立高校の適正な規模と配置につきましては、先ほど、全日制、定時制それぞれご説明申し上げたとおりでございます。
 職業学科のホームルーム定員を三十五人とする、3のホームルーム定員等の改善や、4の学校の施設・設備の整備充実を進め、5のPR活動も積極的に行ってまいります。
 一八ページをごらん願います。新たな実施計画における総事業数は百五十五でございまして、そのうち、年度ごとの進行管理を行う進行管理事業が七十一でございます。進行管理事業につきましては、可能な限り具体的な年次目標を掲げて、計画の着実な推進を目指してまいります。
 以上が、都立高校改革推進計画の新たな実施計画の概要でございますが、本計画決定に先立ち、都議会において、計画決定に当たっては関係者の理解と協力を得ることが不可欠であるとのご指摘がございました。都教育委員会といたしましては、都議会のご議論も踏まえて、今後とも、実施計画の推進に当たりましては、学校関係者等との話し合いの機会を設け、都立高校改革に対する幅広い理解を得るよう努めてまいります。
 以上で、都立高校改革推進計画の新たな実施計画についての説明を終わらせていただきます。

○渡辺委員長 報告は終わりました。
 この際、事務事業及び報告事項について資料要求のある方は発言を願います。

○小美濃委員 それでは、資料要求をしたいと存じます。
 平成十三年度卒業式、また十四年度入学式の公立小中学校における国歌の斉唱率、国旗の掲揚率を区市町村別にお願いいたします。
 また、卒業式や入学式以外で、区市町村で国旗掲揚、また国歌斉唱をどんな形で行っているのかわかるような資料をご提出願いたいと思います。
 また、教職員組合のながら条例にのっとって行われた組合活動、実数と時間、小中高別にお願いをいたします。
 それと、十三年度、混合名簿を採用している割合、これは公立小中学校で結構でございますが、区市町村別でお願いいたします。
 それと、週五日制になってから、区市町村がいろんな施策を行っていると思うんですが、小中学校で行われている土曜の施策についてわかる資料、そして、平均利用児童数がもしわかりましたら、お願いいたしたいと思います。

○執印委員 まず、教員のわいせつ行為、平成十四年度も含んでこの十年間、疑いがあったものと処分者数、処分内容、これを小中高別に、男女別にお願いいたします。
 それから、その十年の間、被害の児童生徒に対するケアはどのように行われてきたのかということと、教員全体に対する教育委員会の対応。
 三点目は、CAPというものがございますが、これはチャイルド・アゾルト・プリベンション、子どもの虐待防止というものですが、これは一体どういう内容のものなのか。また、どれくらい日本の国内でこういうものを行っているところがあるのか。それから、区市町村でのこのCAPの取り組み状況。それから、都立高校でももし取り組みがあれば、教えてください。
 それから、不登校の子ども、今合わせて九千九百七十人ぐらいでしたか、不登校の子どもたちの行き先の把握があれば、小中高別に、わかれば五年間分ぐらいでお願いいたします。
 以上です。

○曽根委員 就学援助について、小中学校の援助率の推移。区部、多摩、島部別に五年間の推移をお願いします。
 それから、区市町村別に独自の就学援助の上乗せをやっているところは、その中身についてお願いします。
 二つ目に、都立高校の毎年の新入生について、出身校別に推移をお願いします。五年間分、公立、私立それぞれの中学、もしくは他県からの転入その他。
 四番目に、都立高校の今ご報告のあった改革推進計画について、計画終了後の配置図が出ていますけれども、現状との比較がわかるような配置図の資料をお願いします。
 同じく、この高校改革の計画、統合または廃止対象の学校について、個別の統合、廃止の理由の一覧をお願いします。
 それと、都立高校と盲・聾・養護学校の五日制対策について一覧をお願いします。
 以上です。

○石川委員 都立高校改革で一点だけ。
 第一次、二次、それから新たな実施計画で、新しいタイプとして生まれる学校の施設整備、それとITの設備、備品をどの程度設置するのか。今度廃校になる方の財産処分、備品処分の基本的な考え方。
 以上、お願いします。

○渡辺委員長 ただいま、執印理事、小美濃委員、曽根委員、石川委員から資料要求がありましたけれども、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いします。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十八分散会

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