文教委員会速記録第十三号

平成十四年十月二日(水曜日)
第三委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長東ひろたか君
副委員長福島 寿一君
副委員長服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
理事遠藤  衛君
理事執印真智子君
後藤 雄一君
野上じゅん子君
小美濃安弘君
野島 善司君
曽根はじめ君
山本賢太郎君
和田 宗春君

 欠席委員 一名

 出席説明員
大学管理本部本部長鎌形 満征君
管理部長飯塚 宏子君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長幸田 昭一君
総務部長中村 正彦君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百九十六号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例
 ・第百九十七号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書五件につきましては、二件の意見書にまとめ、お手元配布の案文のとおり調整をいたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

私立学校助成に関する意見書(案)
 私立学校に対する助成については、私立学校振興助成法において国の姿勢と財政援助の基本的方向が明らかにされている。しかし、国は、平成六年度に、国庫補助の都道府県に対する誘導的役割は終わったとして、私立高等学校等経常費助成費補助金の削減を行い、地方交付税で措置する一般財源化を実施したところである。国庫補助金の総額は平成十二年度に、一般財源化以前の水準を取り戻したものの、国庫補助割合は、依然として低い水準にとどまっている。
 そもそも、私学助成の一般財源化は、同法の精神にもとるのみならず、教育水準の地域的不均衡の要因ともなるものである。特に、財政再建途上の東京都においては、地方交付税の不交付団体であることともあいまって、影響が非常に大きく、看過することはできない。
 私立学校は、国公立学校とともに公教育を分担し、国民の教育を受ける権利や教育の機会均等を実現する上で大きな役割を果たしている。しかし、近年の児童・生徒数の減少や長引く景気低迷の中にあって、保護者が負担する教育費の公私格差も拡大したままの状態で推移するなど、私立学校を取り巻く環境は、極めて厳しい状況にある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成十五年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
二 授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度を創設し、保護者負担の軽減を図ること。
三 私立高等学校等施設高機能化整備費補助金を充実すること。
四 私立高等学校等IT教育設備整備推進事業を拡充強化すること。
五 私立専修学校専門課程に対する助成を充実するとともに、高等課程及び障害者教育事業に対する国の補助制度を創設し、保護者の経済的負担の軽減を図ること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十四年十月 日
      東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 
財務大臣
文部科学大臣 あて

義務教育費国庫負担制度等の堅持に関する意見書(案)
 義務教育費国庫負担制度は、国と地方自治体との役割分担の下に、教育の機会均等とその水準の維持向上を図る制度として完全に定着しており、現行教育制度の重要な根幹をなしているものである。
 しかし、政府は、昭和六十年度以降、義務教育費国庫負担制度の見直しを進め、教材費等を国庫負担対象から除外するとともに恩給費等の一般財源化を行い、加えて東京都に対しては、地方交付税の不交付団体であることを理由に、義務教育費国庫負担金について、財源調整措置を行ってきた。
 さらに、現在、地方分権改革推進会議及び経済財政諮問会議において、教職員の退職手当や共済費長期給付等の一般財源化など、国庫負担対象経費を見直すことによる負担額の大幅な縮減、廃止等が議論されている。
 こうした国の財政事情による地方への一方的な負担転嫁は、厳しい状況にある都財政の運営に重大な影響を与えるだけでなく、義務教育の円滑な推進に大きな影響を及ぼすものである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 現行の義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
二 義務教育教職員等給与費国庫負担金における財源調整措置を廃止すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十四年十月 日
      東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

○東委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承を願います。

○東委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百九十六号議案及び第百九十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百九十六号議案及び第百九十七号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、第百九十六号議案及び第百九十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○東委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、閉会中に会議規則第六十条の規定に基づき委員の派遣が必要となった場合は、その取り扱いを委員長にご一任いただきたいと思います。ご了承を願います。

○東委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、横山教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○横山教育長 所管三局を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案等につきましてご審議をいただきまして、まことにありがとうございます。
 ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、要望等を踏まえまして、今後、それぞれの局の事業執行に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

○東委員長 それでは、この際、私からも一言ごあいさつを述べさせていただきたいと思います。
 まず、本当に皆さんありがとうございました。
 今期は、通常より少し長くて、ほぼ一年二カ月ぐらいになりますでしょうか、大変長い期間だったんですけれども、私どもの委員会に課せられましたいろんな課題については、滞りなくと申しますか、大過なく委員会を運営できましたことは、ひとえに服部副委員長、福島副委員長を初め各理事、それから各委員の皆さん、また局では横山教育長、三宅生活文化局長、鎌形大学管理本部長を初め理事者、職員の皆さん、そしてまた衣川さんを初め議会局の皆様方の本当に温かいご協力のおかげだと、心から感謝申し上げたいと思います。
 委員の皆さんは、お聞きしますと、引き続き文教委員会に、十四人のうち八人の方がお残りになるという話を聞いておりますし、また、私を含めまして、ほかの各委員会にそれぞれ移るわけでありますけれども、どうか引き続き皆さんお元気で、それぞれの部署でご活躍なされますことを心から願っております。
 また、各局の理事者の皆さんは、考えてみますと、私学関係が生活文化局にことしから移ったわけですが、そうしますと、教育庁、生活文化局、また大学管理本部と、東京の教育の大半に責任を負う部局がそろうわけであります。そういう点では、教育は国家百年の計と申しますけれども、現在の東京の青少年の教育、それからまた将来の、これは東京というよりも日本ということになると思いますが、本当にそういう歴史的なといいますか、長いスタンスの仕事に責任を持っていらっしゃるわけで、皆さんそれぞれ、いろいろ課題に直面されているわけですけれども、どうか本当に重要な部署の責任を立派に果たされるように、ひとつ立派な教育行政を行っていただくことを、私は心から念願申し上げている次第です。
 長い間、皆さん本当にありがとうございました。
 これをもちまして私のごあいさつにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る