文教委員会速記録第三号

平成十四年三月四日(月曜日)
第三委員会室
午後一時六分開議
 出席委員 十四名
委員長東ひろたか君
副委員長福島 寿一君
副委員長服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
理事遠藤  衛君
理事執印真智子君
後藤 雄一君
野上じゅん子君
小美濃安弘君
野島 善司君
曽根はじめ君
山本賢太郎君
比留間敏夫君
和田 宗春君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長鎌形 満征君
管理部長二村 保宏君
生活文化局局長高橋 信行君
総務部長幸田 昭一君
男女平等参画担当部長高西 新子君
広報広聴部長浅井 憲彦君
都政情報担当部長村松  満君
文化振興部長三好 勝則君
都民協働部長中島 建夫君
交通安全対策担当部長宇波 興宣君
私学部長谷川 健次君
消費生活部長中澤 正明君
参事島田幸太郎君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長押切 重洋君
理事小田原 榮君
総務部長小海 博指君
学務部長比留間英人君
施設部長松田 紀子君
人事部長中村 正彦君
福利厚生部長小島 郁夫君
指導部長斎藤 尚也君
生涯学習部長嶋津 隆文君
体育部長桜井 武男君
人権・企画担当部長石川  武君
都立高校改革推進担当部長山際 成一君
局務担当部長千葉 和廣君
参事近藤 精一君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 生活文化局所管分
 教育庁関係
  契約議案の調査
  ・第百三十六号議案 都立立川養護学校(十三)改築工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 教育庁所管分
  ・諮問第一号 地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 文教委員会所管分
 ・諮問第一号 地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及び教育庁関係の付託議案の審査並びに教育庁関係の契約議案の調査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調整依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十四年二月二十八日
      東京都議会議長 三田 敏哉
文教委員長 東ひろたか殿
契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
  記
1 調査議案
 第百三十六号議案 都立立川養護学校(十三)改築工事請負契約
2 提出期限 平成十四年三月四日(月)

○東委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、生活文化局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○幸田総務部長 二月十八日に開かれました当委員会におきまして要求のございました資料のうち、本日ご審議いただく補正予算にかかわる資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料、生活文化局をごらんいただきたいと存じます。
 お開きいただきますと、まず目次でございます。
 ご要求のございました資料は、ここに掲げてございますとおり、全部で三件でございます。以下、順次ご説明させていただきます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。
 財団法人東京国際交流財団に対する事務室の貸付金額の根拠でございます。表側の区分ごとに、それぞれの積算根拠となる数値、貸付金額の算出式及び平成十三年度の貸付金額を記載してございます。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。
 東京国際フォーラム長期修繕計画でございます。表頭にございますように、平成九年度から平成二十八年度までを、五年ごとに区切り、表側の工種区分に従って、それぞれの五年間の合計金額を記載してございます。
 恐れ入ります。三ページをお開きいただきたいと存じます。
 東京国際フォーラムの運営形態にかかわる経緯でございます。東京国際フォーラムの運営形態にかかわりますこの間の経緯を、表側の時期ごとにその内容を記載してございます。
 以上をもちまして、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○後藤委員 資料をいただきまして、資料に関して、二、三お尋ねします。
 この東京国際交流財団だと思うんですけれども、ここのところの貸付面積はわかります。この貸付単価と減免率というのがあるんですけれども、これはどのような委員会で、委員会のメンバーを、できたらば教えていただけますか。

○三好文化振興部長  東京国際フォーラムの東京国際交流財団への貸し付けに当たっての貸付料を算定いたします貸付単価でございますが、これにつきましては、東京都財産価格審議会におきまして、平成十三年六月十五日に審議をされ、決定されたものでございます。
 また、減額率五〇%でございますが、これにつきましては、東京都公有財産管理運用委員会におきまして、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の規定に基づきまして、平成十三年五月二十三日に決定をされたものでございます。
 なお、財産価格審議会の委員は、いわゆる不動産の価格に詳しい外部の専門家を中心に構成されております。また、東京都公有財産管理運用委員会につきましては、財務局長を委員長とする庁内の職員で構成されております。

○後藤委員 ここでは、減免率が五〇%と書いてありますけれども、ほかにこういうふうな事務所のスペースが多々あると思うんです。減免率というのは、五〇%ぐらいが普通なんでしょうか。それとも、例えば、一〇%から九〇%までの幅があるのか、ちょっとお答えください。

○三好文化振興部長  この減免は、先ほど申し上げました財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の第四条第一項第二号に規定をされておるわけでございまして、その規定を読み上げますと、都の指導監督を受け、都の事務事業を補佐し、または代行する団体において、補佐または代行する事務事業の用に供するため、当該団体に無償貸付で、または時価よりも低い貸付料で貸し付けることができるとなっておりまして、実際に貸し付ける形態にはいろいろあるかと思いますが、私どもで同じく所管しております東京都歴史文化財団の例を申し上げますと、白金にあります財団事務所、それから両国にあります江戸東京博物館の事務所、恵比寿にあります写真美術館の事務所、いずれも、国際交流財団と同じく、五〇%の減額率となっております。

○後藤委員 次に、資料の三ページなんですけれども、知事の発言ということで、株式会社を目標になさるというふうに書かれているんですが、株式会社といいましても、漠然としているんじゃないかと思うんです。とりあえず生文が考えていらっしゃいます株式会社に移行するときのスケジュールみたいなのができているんじゃないかなと思うんですが、できていたらば、ちょっとお答えください。

○三好文化振興部長  国際フォーラムを運営するための株式会社の設立でございますが、現在、平成十五年度に稼働する予定で考えております。それに向けてのスケジュールということでございますが、まず一つには、平成十四年度に資本金及び都の出資割合を決定し、そのための予算、出資のための予算を要求する予定でございます。また、あわせて出資者につきましても、募ってまいりたいと思っております。
 その後、十五年度の予算が確定いたしました後に、十五年度できるだけ早期に、会社設立のための諸手続、例えば、発起人の就任でありますとか、発起人準備会でありますとか、株式申し込み等の説明会の準備、発起人会、株式事務取扱委託の実施、創立総会、設立登記、こういったことを平成十五年度のできるだけ早い時期に行いまして、株式会社が運営できるようにしてまいりたいというふうに考えております。

○後藤委員 今回は、三千九百万円、ただし、これは九カ月ですよね。株式会社の民間の形態に変えた場合に、大体でいいんですけれども、どのぐらいの、利益といってはおかしいんですけれども、例えば文化局の方に入ってくるお金を想定しているのか。多分お答えが難しいと思うんですけれども、何億円--何十億円ということはないと思うんですけれども、どのように考えられているのか。

○三好文化振興部長  株式会社の具体的な内容につきましては、先ほど申し上げたスケジュールの中で今後具体的に検討してまいりたいと思っておりまして、現時点で賃借料がどの程度になるかということにつきましては、ちょっと具体的なことは申し上げにくい状況でございますので、よろしくお願いいたします。

○後藤委員 そうしましたら、最後にお尋ねします。
 株式会社ということを考えられていると思うんですけれども、今民間もすごい厳しい状況にあると思うんです。株式会社化に移行なさろうと思っている問題点がいろいろあると思うんですけれども、できたらば、問題点と考えられているのを何点か挙げていただきたいのと、私は、国際フォーラムは何回も行かせていただきまして、担当者の方たちともいろいろお話ししたんです。結構あの方たち頑張っていらっしゃるんですよ。頑張っているのは認めるんですけれども、例えば、民間の会社でも、会社の形態が変わる、簡単にいえば、例えば倒産だとか、いろいろなケースがあると思うんです。例えば、職員の方たちのやる気がなくならないようなことを多少考えてあげないと、彼ら今まで一生懸命やっていらっしゃって、急に株式会社というふうな構想が出てきまして、この辺も考えながらやっていただければなと思います。

○三好文化振興部長  株式会社化をするための課題でございますけれども、例えば、会社としての具体的な経営方針あるいは収支見込み、それから、資本金をどの程度にするのか、それに対する出資の方法でございますとか、あるいは出資者、役員の構成などを今後検討していく必要があると思っておりますので、これら一つ一つにつきまして、着実に整理をしながら、解決をしていきたいというふうに考えています。
 また、株式会社に当たっての職員でございますけれども、現在、職員は、利用者サービスの向上でありますとか、経営改善、収支向上のために一丸となりまして、日夜職務に精励をいたしておりまして、当然今回の株式会社によりまして、なお一層の利用者サービスの向上、経営改善に努めるわけでございますので、そういった意味で、職員も一緒になってこの問題の解決に努力していただいておるところでございます。

○東委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○東委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百三十六号議案、都立立川養護学校(十三)改築工事請負契約を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○比留間委員 何点かご質問させていただきたいと思います。
 養護学校につきましては、平成十年の一定で、私の方から質問させていただいております。その趣旨は、府中には、府中養護学校と府中朝日養護学校というのが二校開設をされておりまして、それが急に、立川の養護学校が府中へ移る、そういうあれになりまして、市役所を含めまして、何で府中に三つもつくらなければならないんだろうと、いろいろご意見もあったわけですよ。ご意見がありましたので、私の方でご質問をさせていただいたんですけれども、そのときの説明を聞きますと、立川の地域では改築するだけの用地もないし、いろいろ条件が余りよくないものですから、府中の府中病院に隣接している場所に移転をしたいというようなご説明がありました。
 そのときにもちょっとお伺いしたんですけれども、初めから養護学校の施設ということでお買いになったんなら別ですけれども、そういう目的がなくてお買いになって、その中で、あの場所がいいだろうということで決定されまして、進めていくんだということの説明がありました。最終的には、今の場所より府中の方がいい場所だというお話ですし、西国分寺の駅からも近いですし、バス輸送につきましても、対応できるということで説明がございました。
 そのときにも申し上げたんですけれども、そういういろいろ問題もあったところですから、地元府中市や地域住民の皆さん方には、十二分に説明をして進めてくださいというようなお願いをしてありました。その辺につきましては、ちゃんと説明が全部終わっていますか。

○松田施設部長 この立川養護の移転問題については、比留間先生には日ごろから極めてご尽力いただきましていることを感謝申し上げます。
 まず、地元住民への説明でございますけれども、地元住民のご理解とご協力を得ることが、都教委としても大変重要なことと考えておりまして、まず、住民説明会を開催するに当たりまして、事前に地元の五つの自治会の自治会長さんに、改築の概要等についてご説明をさせていただいております。これに基づいて、平成十二年七月二十五日に改築の概要について、第一回の説明会をいたしました。
 次に、第二回の説明会を、これも事前に各自治会長さんにご説明した上で、平成十三年一月十九日に資料や具体的な図面に基づいて、また地元から要望の強かった樹木の保全についても、含めてご説明をしております。
 さらに、平成十四年二月八日には、第二回説明で配布いたしました具体的な資料を再度、住民の皆様方に配布しております。
 このような中で、皆様のご要望について十分伺い、コミュニケーションを図りながら対応してきたところでございます。
 さらに、三月の下旬には具体的な工事を実施するに当たりまして、工事説明会を予定しているところでございます。
 また、府中市に対する説明でございますが、平成九年から府中市の教育長を初め、市長や皆様方にご説明してきたところでございます。
 最近の動向を申しますと、具体的には平成十三年一月には、緑地の保全につきまして、また公開空地につきまして、府中市の公園緑地課と協議をしております。
 また、十三年六月には府中市の各課の代表、具体的には都市計画課、防災担当、公園担当、教育委員会等の代表と会議をしております。
 また、十三年八月には、計画課と住民からの具体的な要望事項について協議をしているところでございます。

○比留間委員 今のご説明を聞きますと、別に問題ないみたいに聞こえるんですけれども、実情というのはそうじゃないんですね、ないんだと思うんですよ。私の方へもいろいろと、自治会ですとか、商店街を通じまして、要望書が来ておりまして--自治会ですとか、地元の人の要望については、これからだということだと思いますよ、例えば、グラウンドを地元住民に開放してくださいとか。その前だと思うんですけれども、やっぱりこれらも最終的には、まだちゃんと決着をしてないように思うんです。
 それから、一番地元で心配をしていますのは、この場所が衛生局と教育庁と建設局と、三つにまたがっているわけですね。今、衛生局では東京ER整備工事というのをやっているわけです。これが十五年の三月に終わるかどうかわかりませんけれども、その辺までかかるわけでしょう。今度は、養護学校が十四年度から工事をして十五年度いっぱいで終わる予定です。すると、すぐ隣の西側になります三・三・八、これが十四年度から工事にかかる。三つ一遍にというか、三カ所一緒に工事が始まるようなところもあるわけですよ。
 商店街で一番心配していますのは、この工事現場へ入るところの国分寺三・四・三号線、これがふだんでもどうにもならない場所なんですよ。バスが入っていますし、今度は工事になってくれば大型車両も入ってくるわけでしょう。こちらの工事が物すごくおくれちゃっているんですね。今の予定でいきますと、十七年に工事がやっと始まるかな、そういう状況で、三つの工事が一遍に始まって、それで道路は狭いというんでしょう。商店街の皆さんはどうにもならないといっているんですよ。その辺の配慮は、三局で打ち合わせをしたんですか。

○松田施設部長 まず一点目のグラウンドなどについての地域開放でございますが、改築する立川養護グラウンドは、教育上支障のない限り、極力地元の住民に開放することとしております。このためにグラウンドには、学校開放用倉庫を設置いたしましたり、体育館についてはアプローチのよい位置に設置するなど、設計上配慮をしているところでございます。今後とも学校の施設の開放につきましては、住民の方々と十分協議しながら、開放について対応していきたいと存じております。
 また、三局による工事でございますが、ご指摘のとおり、東京ERと道路工事、それから立川養護の建設工事が三つ重なるという事情が出てくるところがございます。これにつきましては、衛生局、建設局、教育庁の三局で合同の事務的な打ち合わせを行っているところでございます。また、これに基づいて三局の合同の地元の説明会も開催してきたところでございます。
 ご指摘の道路の工事に伴う渋滞などにつきましては、三局の打ち合わせを十分行いまして、搬入搬出の時間調整を行うなど、対応をしていきたいと存じております。
 今後とも十分に三局の打ち合わせを取りつつ、整備をしていく所存でございますので、よろしくお願いいたします。

○比留間委員 要望書にもあるんですけれども、工事着工前に地域住民に説明会を開いてくれという要望もあるんです。例えば、契約案件がこのまま--こちらは意見だけなんでしょうけれども、議会で通りまして、工事が始まりますと、地元でいろいろご意見が出て、それが、いや、そんなこと今からいわれても困るよと、そうなった場合には、そのままずるずるいっちゃうわけでしょう。ですから、これはちょっと、今までのあれを聞いていても、これ、ちょっと調整不足だと思うよ。ここまで来て、まだ地元でそういうことをいっているんだから。前の道路を一方通行にしてください、工事車両は、入った車は出てきちゃいけない、養育センターの施設の整備工事については、入ってきた車は、出るときには国立の方へ出てくださいと。そういうふうなことをいっていますけど、そういうあれが必ずやってもらえるのかどうかもわからない。工事説明というのはこれからやるわけでしょう。その辺どうなんですか。
 地元から出てきたものは全部、大方了解してもらえるんですか。もらえるならいいんですけれども、地元は後になっちゃって、契約しちゃって、期限、終わりが決まっているわけでしょう、いつまでに完成しなきゃしようがない、そこまでに地元と合意が得られないで、工事は始まっちゃいました、そうなったらどうすればいいんですか。その辺はどうですか。

○松田施設部長 具体的な工事の説明会につきましては、三月の下旬に予定しているところでございます。この工事説明会の中で、車両の混雑等につきましても、十分協議をさせていただきたいと思います。いずれにしても、私どもとしては、十分住民の方々とコミュニケーションを図った上で工事を進め、また搬入搬出の車についても三局で十分な調整を図ってまいりたいと存じております。
 先生にも従来からこの立川養護の移転につきましては、ご尽力いただいてきたところでございますけれども、今後ともご理解、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。

○比留間委員 私は了解しているんですよ。つくらなきゃいけないということは了解しているんですよ、いろいろありましたけどね。つくらなきゃいけないというのは了解しているんですけれども、ですけど、今は工事期間中だとか、そちらの方でいろいろ心配なことが出てきているわけでしょう。その辺が、今聞いたのでは、ちょっと了解が得られないもんですから、この案については、後でちょっと、もう少し考えてみますから。

○執印委員 この契約案件、こちらで参考までに審議をするということだと理解をしております。私は市議をしておりました経験からして、契約が出されるときには、入札の参加業者の落札価格の全体ですとか、落札率が示されるというのが、市議会では通常でございましたので、落札率も出されていないということで驚いているところですが、いろんな委員会、公営企業の委員会などでも、この契約と入札、契約率の問題について、少し取り組ませていただいております。
 この議案については、落札率が九八・二二%、また契約の締結については、財務局の管轄というふうに把握しておりますが、幾つか関連で質問させていただきます。
 まず、教育庁にはどのような工事の契約が委任されているのでしょうか。

○小海総務部長 契約締結権限は本来知事にございますが、教育委員会の所掌に関する契約事務につきましては、東京都教育委員会の所掌にかかわる事項に関する契約の委任等に関する規則によりまして、教育庁に委任されているところでございます。
 その主なものは、他の局長同様でございますけれども、予定価格が八千万円未満の土木建設工事請負契約、二千六百万円未満の設備工事請負契約、一千万円未満のその他の請負契約及び委託契約でございます。

○執印委員 それでは、今十三年度ですから、平成十二年度の教育庁の工事契約案件の落札率というのはどのようになっているでしょうか。

○小海総務部長 平成十二年度の教育庁の工事契約案件の落札率でございますけれども、平均しますと、おおむね九〇%でございます。

○執印委員 先ほど申し上げましたように、この案件については、落札率が九八・二二%ということで、横須賀方式のような形で、例えば、八%落札率が下げられれば、かなりの金額が節約されるということになってくるわけですが、それは財務局の管轄としましても、教育の部局で、落札率を下げるためにどのような工夫をされているのか。お伺いいたします。

○小海総務部長 教育庁といたしましては、入札の公平性を確保し、また競争性を高め、結果として、安価に契約できるように、いろいろな方法をとっております。
 一つは、広く建設業者に工事発注情報を周知させるため、工事発注予定表の公表方法を改善しまして、従来の掲示板への掲示、業界紙への情報提供のほか、平成十三年四月から都立学校を含めた教育庁で発注する全工事入札案件を対象に、教育庁のホームページに、発注内容、工期、工事場所などの情報提供を行っているところでございます。こういうことによりまして、教育庁の工事を希望しなかった建設業者へも、工事発注情報を伝え、入札参加を促すことで、入札の競争性の向上につながるものと考えております。
 また、工事発注予定表を公表した結果、工事希望票の提出者数が一定数を超えた場合は、指名業者数を、原則十社でやるんですけれども、それを二十社または三十社指名しまして、より競争性の高い入札を執行しているところでございます。

○執印委員 ありがとうございました。落札率の公表につきましては、これまで東京都ではなかったわけですが、十五年度から公表するということが、二月の財政委員会で確認されたというふうに伺っております。教育委員会関連でも、これから事業別の落札率を出していただくことを要望するのとともに、これは財務局の管轄ということは十分にわかっているわけですが、税金を節約して、そして教育でいえば、子どもたちのところに充てていくという観点からも、教育委員会からも、財務局とともに、税金の節約ということでぜひ話し合いを進めていただきたいというふうに要望いたしまして、質問を終わります。

○東委員長 ほかにありませんか。--ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
午後一時四十三分休憩

午後一時五十二分開議

○東委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、教育庁所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○和田委員 補正予算の教育庁所管分に関連をしてお伺いをするわけですが、今回のこの補正予算は、国の緊急雇用対策を受けまして、その基金をもとにした補正予算であります。その中に、都立図書館の資料の再活用の問題と、その資料の移送の問題、動かす費用が補正予算の中身と心得ているわけであります。
 これについて、それぞれ、図書館の資料の再活用については、四百万円余、それから、資料の移送については、九百万円余となっておりますが、細かな説明についてお願いいたします。

○嶋津生涯学習部長 まず、都立図書館資料の再活用に関連いたしまして、四百九万五千円でございます。それから、図書資料の移送等でございますが、これは九百九十九万でございます。

○和田委員 さて、この緊急雇用対策はあくまでも臨時的なものでありまして、私ども承知するところ、特に人件費などについては、雇用対策ですから、六カ月間の間にAという人が、この制度の恩恵に浴する。七カ月目はもうAという人は継続してその仕事に従事することはできない。ほかのBさんやCさんにかわらなければ、緊急雇用対策にならないわけですから、期間的にも制約がある。それから、使う範囲についても制約があると思っているわけですが、これについて、今回の図書館再活用の問題、資料の移送ということに、この緊急雇用対策を充てたという理由についてお伺いいたします。

○嶋津生涯学習部長 今回の作業に当たりまして、このお金を、この仕組みを導入いたしましたのは、いずれも緊急を要しており、かつまた集中的に行うことが合理的であるというぐあいに考えましたところにゆえんがございます。

○和田委員 さきに、私ども、直近の文教委員会で都立の多摩図書館の問題を取り上げました。これは十万とも十四万ともいわれる、そういう図書の問題、それから、それを廃棄という説が流れてみたり、再活用という説が流れてみたり、図書館に関心を持つ人が相当動揺したという事実を、この委員会全体で確認をしながら、各会派や議員の議論があったところであります。
 それに向けて、今回この補正予算で、図書館の資料の再活用の問題あるいは移送の問題というふうに出てきたわけで、緊急かつ大変重要だという問題で、雇用対策のこの経費を充てたということであります。それでは、私どもが要求した、先月末、二月までに図書館の、多摩図書館に限るわけですけれども、再活用の原則を設けて、それを徹底して各自治体や関係者に一層のご協力をお願いしたいというような意向が、部長の方から開陳されたと記憶するわけでありますが、それとの関連性についてお伺いいたします。

○嶋津生涯学習部長 多摩の図書館における図書の再活用につきましては、一月の十七日に地元の教育長会にお話をした上で、各区市町村の教育長に連絡をいたしました。二月の九日に締め切りをいたしまして、(和田委員「四日じゃなかったっけ。九日でしたか」と呼ぶ)二月の五日でございます。(和田委員「二月五日ね」と呼ぶ)で、二月の二十八日に公表いたしました。その間、十万冊に対して三十五の区市町村、それから東京都の機関から二十三万冊余のリクエストがございました。

○和田委員 今私が聞いて、現況はわかったんだけど、この前の委員会のときには、原則を嶋津さんの方で設けられて、その原則に、いわゆるそのフォーマットに基づいて要望を選別し、優先順位を確認した上で、今いわれている十万という図書の再活用を動かしていくんだというようなご説明があって、それが先月中に結論を出すとおっしゃっていたわけですよ。で、もう今月になっているわけだから、当時の現状はわかったんですが、どういふうに再活用を動かしていくかということについて、今回の補正予算との関連でお答えをいただきたいということです。

○嶋津生涯学習部長 二月の二十八日に再活用計画として発表いたしました、その中身でございますけれども、まず前提といたしまして、選定基準というのを私どもは設けました。この前の委員会でもご説明申し上げましたように、まず区市町村立の図書館及び東京都を対象に基本的に活用を図ってもらう。特にその中で多摩、それから島しょ、及び人口一人当たりの本の数、蔵書の数が少ない区市町村立の図書館を優先する等々といった基準を設けまして、選定をしてまいりました。
 その結果、二十八日に各教育長等に通知をいたしました内容でございますが、九万九千冊の資料に対しまして、多摩、島しょ、それから、人口一人当たりの蔵書数の少ない区市町村というその基準に基づきまして配布をいたしまして、多摩と島しょの地域に五万七千冊、全体の六割弱でございます。それから、二十三区の図書館に三万七千冊、三八%、四割弱でございます。そういった区分けをいたしまして、それぞれの図書館に連絡を申し上げました。
 で、今月にその仕分け、こん包を完了次第、年度内には各関係館、あるいは関係機関にお送りを申し上げたいというぐあいに考えてございます。

○和田委員 今三月中に、今年度内にこん包したり、ご要望がかなったというか、合意された自治体に移送するという費用が、この一千三百万円余、一千四百万近くになりますけれども、それだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

○嶋津生涯学習部長 まず、私どもで今回の補正予算分として使いましたのは、都立の多摩の図書館で再活用のために引き出す、抜き出す分十万冊がございますが、これが四百九万でございます。それから、図書館の移送の分につきましては、日比谷から多摩に持ってくる分の費用でございます。各自治体の方に搬送する分につきましては、各自治体が搬送費を負担するということになってございますので、直接的にはこれに入りません。

○和田委員 わかりました。そうすると、都立図書館の資料の再活用という四百九万五千円というのについては、多摩図書館絡みのものであって、図書資料の移送という九百九十九万というやつは日比谷図書館絡みのものというふうに理解しますね。わかりました。
 そのように整理してお聞きしてみると、昨年末からこの年度末にかけて、多摩図書館を中心にして図書館問題が都民の皆さんの関心に相当上ったところです。私ども図書館を関心を持って、興味を持って見ている者からすると、この間の一部誤解が流れてみたり、あるいは、優先順位といいましょうか、原則の発表が最近になってみたり、自治体も含め利用者都民の皆さんに混乱があったようなことは否めないと思うんです。
 しかし、さきの委員会の中でも確認しましたけれども、中央図書館と多摩図書館の間の搬送車の回数を週二回を四回にするとか、あるいは中央図書館、多摩図書館の十六歳、十三歳の年齢制限を撤廃するとか、そういうソフト、ハードも含めて東京都が、これからの都民とより近い都立図書館のありようを模索していただくという意味で、今回のこの年末から始まって年度末まで続いてきた都民や各自治体との混乱といいましょうか、誤解といいましょうか、そういうことを他山の石としながら、積極的にこの補正予算を生かしながら、都立図書館のさらなる発展に努力してもらいたいというふうに要望しておきます。

○石川委員 私からも若干質問させていただきます。
 ご案内のとおり、都内の雇用情勢は大変厳しい状況にあります。したがって、これまで我が党としても都が積極的に雇用対策に取り組むべきだ、こういうふうに主張してまいりました。
 そこで、国の緊急地域雇用創出特別交付金というのが、平成十一年度から実施をされているわけでありますけれども、都教委としてのこの交付金に対する基本的な事業への取り組みの考え方、そしてまた、これまでどのぐらいの事業を展開してきたのか、ご説明願えますか。

○小海総務部長 東京都教育委員会といたしましては、国の特別交付金創設の趣旨を踏まえまして、雇用、就業の機会を創出することとあわせまして、教育、文化、スポーツなどの分野におきまして、直面する課題や社会環境の変化に速やかに対応する必要があるなど、緊急に実施する必要性が高いものを中心に事業を実施し、教育の一層の充実を図ることを基本的な考え方としております。
 また、実施する事業の選定に当たりましては、民間のノウハウを活用することによりまして、学校教育では、生徒の教育活動を支援し、その充実が図られるもの、教職員の資質、能力の向上を図るための事業、また、教育庁内におきましても、緊急を要するが、高い専門性と多くの労力が必要であり、内部職員では対応が難しいなどの事業を中心に選定をしております。
 展開した事業数でございますが、平成十一年度は七事業、十二年度は十一事業、十三年度につきましては、当初予算の十二事業と今回の補正予算での九事業を合わせまして、合計で二十一事業を実施しております。

○石川委員 この交付金は、先ほどの和田委員の方からお話がありましたように、なかなか制約条件が厳しい中にあって、都教委として、今ご答弁ありましたように、十三年度の当初で十二事業、そして今回新たに九事業を補正で提案をされているわけであります。
 この事業を一つ一つ点検していきますと、こうした事業が特別交付金でやられるのかなというような事業もあるんですけれども、例えば、今回の補正の中で、都立高等学校の床清掃委託というものが挙げられているわけです。これは平素はどのような形で事業を展開しているんですか。

○小海総務部長 都立学校の床清掃でございますけれども、通常は、都立学校の個々の標準運営費の中で年一回ぐらいだと思いますけれども、床清掃をしているところでございます。

○石川委員 そうしますと、今回この補正が認められますと、いわゆる運営費の中の予算というのは浮いてくるという勘定でよろしいんですか。

○小海総務部長 もう既に年の初めに年度計画のものは実施されておりますので、今回の補正の分につきましては、その後に改めてまた実施するという形になると思います。

○石川委員 そうしますと、引き続きこの事業は来年度は新しい基金事業として十六年度まで三年間継続をされるということになってくるわけですが、今回新たに追加した九事業は十三年度の補正で単独で終わってしまうのか、それとも、十四年度以降も継続されるのか、その辺、ちょっと教えてください。

○小海総務部長 都立学校の床清掃や樹木の剪定などにつきましては、学校の安全管理上からも必要でございまして、来年度以降も新たな基金を活用して計画的に実施していきたいというふうに考えております。

○石川委員 大変厳しい状況の中で、その事業について積極的に使ってほしいという要望もございますので、今後とも積極的に知恵を絞って、基金が使える事業を生み出していただきたいことを要望して質問を終わります。

○小海総務部長 ただいま説明した中で、来年度以降実施するものは、床清掃や樹木の剪定というお話をしましたけれども、床清掃につきましては、今年度だけだそうでございます。申しわけありません。

○曽根委員 初めに、補正予算にかかわって、今回二億二千万円余ですけれども、その半分以上を占めている情報教育アドバイザーという事業があります。これについて簡潔にお聞きしたいと思います。この情報教育アドバイザー事業の開始はいつからで、どのような内容のもので、いわゆる緊急雇用対策で位置づけられたのはなぜか、その点についてお聞きします。

○斎藤指導部長 まず、開始年度でございますけれども、平成十一年度から開始しておりまして、平成十一年、十二年、十三年と、三カ年続いております。
 内容でございますけれども、主な内容としまして、教員研修にかかわる、例えばワープロソフト表計算等のアプリケーションの操作技術でございます。それから教材作成の補助、それから授業の補助、これもパソコン教室等における授業の事前準備あるいは授業中の機器のトラブルへの対応等がございます。こういった内容で行っております。
 これが行われました理由、経緯でございますけれども、国事業として最初、厳しい雇用、失業情勢を踏まえまして、雇用、就業機会の創出を図ることを目的としまして、緊急地域雇用特別基金事業を受けまして、東京都教育委員会が具体的な事業内容、規模等を検討し、実施しているものでございます。
 特に、都立学校におきます情報教育の推進につきましては、極めて重要な課題でございまして、平成十五年度から高校において、あるいは高等部において、新教育課程が実施されまして、そこでは、新教科情報や、あるいは総合的な学習の時間が導入されるなど、教員自身の情報活用能力を高めることが課題でございました。そういったこともございまして、情報教育アドバイザー事業を実施したものでございます。

○曽根委員 これをお聞きしたのは、かつてパソコンが学校に導入されて、最初のころは一クラス二十台程度、二人に一台という感じで、どの小中学校でも導入していたと思うんですが、今どの学校に行っても、四十台ぐらいあるわけです。つまり、一人一台ずつ使わせて授業をやる。そうすると、担任の先生一人だとてんてこ舞いになるらしいんですね。勝手にいろいろ動き回る、子どもたちの方が使えますから。
 それで、やっぱり複数で担当するとか、もしくはパソコン関係の専門的な人が一緒に授業をやったり、もしくは準備の過程で相当綿密に準備しないと、きちんとしたIT教育の効果が上がらないというふうな声が現場から相当上がって、私にも聞こえているんですよ。
 したがって、私は、情報教育にパソコンを活用し--IT技術が進んでいる以上は避けて通れない課題だと思いますから、そういう意味では、緊急雇用の特別基金ではなくて、もっと本格的に情報教育のための専門家を教育分野で育てる必要があると思います。
 その点で、これは単年度ごとに切れていく事業ですね。これは今年度の補正ですが、来年度以降についてはどういう見通しになっているんでしょうか。

○斎藤指導部長 国におきましては、来年度もこの事業を継続するということでございまして、都教育委員会におきましても、これまでの事業の成果が非常に上がっていることもございまして、事業内容などをさらに工夫して実施していきたいと考えております。

○曽根委員 先生が大変助かっているのは確かだと思います。ただ、ここで要望にとどめておきたいんですけれども、一つは、これは人材派遣会社に人を出してもらっているわけですね。したがって、一つの学校でも、前回の事業がついたときの人と次に来る人とは全く別の人が来る。それで、今パソコンの使い方も微妙に違うんですね、だんだん進歩しているんでしょうけれども。そうすると、一つの学校でIT教育を進めるために、最初に来た人と次の人と、もう何回目か、三回目ぐらいになるんでしょうか、それぞれ微妙に違っていて、一貫性が必ずしも十分じゃない。
 それから、教育で使うということについて十分わかって、たけている人と、そうでもない人もいるということで、私は、さっき平成十五年ということは再来年度には高校でも本格的に始まる、それに向けてということですから、少なくともあと数年は、この分野での、いわば力を蓄えていくために必要な仕事だと思うんです。ですから、緊急雇用からもう少し格上げして、一貫性を持った人を育てながら、各学校に配置できるような制度、仕組みをぜひ考えてもらいたいということと、それから、一つの学校についていえば、先ほどいったように、一貫性を持たせるような統一的なマニュアルとか、もしくは人の配置での配慮とか、そういうことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、先ほど質問もありましたが、図書館に関連して、図書館資料の再活用及び移送等の費用、合計しますと、約千四百万円ですけれども、これが計上されています。これに関連してお聞きしたいんですけれども、まず、この予算で出てきている千四百万円弱の費用以外にも、今回図書を十万冊、九万九千ですか、処分するためのさまざまな費用がかかったと思うんです。
 特に、これは臨時雇用の特別基金ですから、一般職員の人件費は入っていないと思うんです。一般職員は、一般業務の中で、その片手間に図書の整理を、十万冊分リストをつくったり、やった部分もあるでしょうから、そこはなかなか見えにくいんですけれども、残業や休日出勤もあったというふうに思うんです。特に前回の委員会で、二月末という答弁があって、ちゃんと二月二十八日に、私たちのところにプレス発表の資料が来ました。突貫作業でやったというふうに担当の方はおっしゃっていました。そういった部分も含めた図書の再活用及び移送にかかわる全体の費用はどのくらいになっているんでしょうか。

○嶋津生涯学習部長 図書の再活用業務に関する補正予算以外の費用でございますが、まず超過勤務につきましては、この作業に入りました十月以降、トータルで百十二万円でございます。それから、休日出勤についてのお尋ねですが、休日出勤はございません。もっとも週休日の振りかえ等はやってございますが、休日出勤はございません。

○曽根委員 そうすると、再活用及び移送の費用は、千四百万円に今いわれた百十二万円を足した額ですべてであると見ていいんですか。

○嶋津生涯学習部長 基本的にはそのように考えてございます。

○曽根委員 私の実感では、もっと大変な作業がやられたというふうに聞いているんですが、とりあえず答弁があったので、それは確認しておきます。
 それから、処分されるリストも確定したようですので、九万九千冊余の東京都が手放す図書の購入時の価格はすべてわかると思うんですが、総計でどれぐらいになるんですか。

○嶋津生涯学習部長 購入価格でございますけれども、十万冊でございますものですから、すべてをまだ確定しているわけでございません。ただ、今ほぼ一割ぐらいを作業として進めてございまして、それを見る限り、平均単価が二千円余でございます。したがって、十万冊掛ける二千円余で、大体二億円ぐらいと想定してございます。

○曽根委員 これは少なくとも、東京都の財産として購入したものを、恐らく無償で各区市町村に譲り渡すわけですから、購入時の金額の総計ぐらいはきちんと押さえておく必要があると思うので、それは今回推計だそうですから、正確なところを次回の機会にまた質問するかもしれませんので、資料をお願いしておきます。
 二億円余の東京都の財産を市町村に譲り渡す、二十三万ぐらいの申し込みがあったということで、振り分けも決めたというところまで来ているわけですが、市町村の、受け取る側の図書館の館長さんたちがこのことで非常に苦慮しているという話が伝え聞こえています。もともと、館長会の要望としても、前回も取り上げたので繰り返しませんが、図書の再活用は慎重にという要望も、教育長会に出されていたのは、前回紹介したとおりであります。残念ながら二月いっぱいで、処分先も決めてしまうということになったわけです。
 それと、もう一つ、前回も確認しましたが、図書館協議会が、この問題について、きちんとした理解を得られていないという問題、これは前回、部長さんの答弁でもはっきりしました。図書館協議会の役割、私改めて法律など調べてみましたら、公立図書館が法律で定めることができる唯一の図書館の運営に関する協議機関ですね。したがって、法律の趣旨に基づけば、都立図書館のあり方を検討する際には、諮問、答申の制度があるわけですから、当然、図書館協議会の意見を聞くというのが筋だと思うんです。
 今まで、図書館協議会で、今回のように、都立図書館全体の基本政策にかかわるような問題について、例えば、都立図書館のあり方、体系の問題、日比谷図書館の今後の問題とか、そういうことについて、当然諮問をしたり、答申を受けたりしたことがあったと思うんですが、いかがでしょうか。

○嶋津生涯学習部長 図書館協議会の諮問につきましては、あるいは意見具申につきましては、この間幾つかのことをお願いしてまいりました。一番最近では、ご存じのように、二十期が、ITを活用した図書館サービスの向上のあり方についてというところをお願いをいたしました。
 それから、十九期では、児童、青少年の読書ということをテーマにいたしまして、児童、青少年に対する図書館のかかわり方をお願いをいたしました。
 今回の見直しに関連して申し上げれば、十六期で、都立図書館の資料の保存機能についてということで、保存が目いっぱいになる図書館のあり方として、例えば一点主義をとるべきであるとか、そういったことのご進言をいただいております。

○曽根委員 つまり、今回あり方検討会を教育庁内部につくって検討するとしても、その中身については、図書館協議会に対して、前回のようにきちんと諮問することは可能だったし、すべきだったと私は思うんです。
 それから、もう一つ、昨年十月十九日に最後の協議会を開いて以降、このあり方検討会の最終報告をまとめることしの二月まで、図書館協議会の新しい二十一期がいまだに立ち上がっていないんですけれども、過去の図書館協議会、大体二年任期でやっています。私、十五年ぐらいさかのぼって調べてみたんですが、空白期間が、今五カ月目に入りますけれども、五カ月も続くというのは初めてじゃないんですか。

○嶋津生涯学習部長 図書館協議会につきましては、大変貴重な存在である、機関であるというぐあいに認識してございまして、今回のあり方検討会につきましても、最初発足する段階で、こういう委員会をこういう趣旨で発足しますということをまずご報告をいたしました。
 それから、七月に、たたき台としてつくりました中間のまとめについても、各委員にご送付申し上げておりました。それから、八月九日でございますけれども、図書館協議会に中間のまとめを説明する機会を設けまして、ご議論いただきました。それから、十月十九日でございますけれども、改めて図書館協議会にこの内容をご報告し、いろいろのご意見を伺いました。
 それを踏まえまして、二十一期をどうするのかというお話でございますが、二十一期につきましては、ただいま公募委員の手続も終わりまして、ほぼ発足の準備は整いつつございます。ただ、基本的にどんなテーマでやるかにつきましては、ちょうど今、この委員会もそうでございますが、貴重なご意見を議会からも、区市町村からも、いろいろいただいているところでございます。その内容を見きわめまして、一番ふさわしいテーマは何かということを協議会にご案内を申し上げていきたいというふうに思ってございまして、この議会があけます四月早々には、発足に至るように努めてまいりたいと考えてございます。

○曽根委員 正確にちょっと、事実を答えていただきたいんですが、五カ月も、つまり四月になると六カ月目になるわけですが、六カ月間も空白になるというのは初めてじゃないんですか。

○嶋津生涯学習部長 今まで三カ月、四カ月という空白のあいたことがございました。五カ月というのは今回が初めてでございますが、先ほど申し上げましたように、まさに今議論が、いろんな形のご意見がございますものですから、様子を見ているということでございます。

○曽根委員 一番大事なときに図書館協議会を立ち上げないで、様子を見ているという自体が、私異常だと思うんですよ。
 それで、その図書館協議会というのは、まさに図書館の問題を考える専門家の集まりですが、これに対して、あり方検討会というのは、教育庁の内部につくられた組織です。このあり方検討会の中には、司書の方はいらっしゃるのですか。

○嶋津生涯学習部長 あり方検討会のメンバーでございますけれども、あり方検討会は、部長級の委員会と課長級で構成いたします幹事会とに分かれてございます。この幹事会の中に、司書の管理職が幹事として入ってございました。
 また、この委員会の設置要綱の中に、委員長が必要に応じて委員以外の出席を求めることができるという規定がございまして、これに基づきまして、図書館の司書を、いわばオブザーバーとして適宜、委員会に出席させてきたところでございます。

○曽根委員 あり方検討会のメンバーは、私たち検討会の報告をもらったときに巻末についていたのですが、どなたが司書の資格を持っているのですか。

○嶋津生涯学習部長 幹事の一人でございます、中央図書館の情報サービス課長、比嘉という者でございます。

○曽根委員 これは、括弧内は前任者氏名というふうに書いてあって、比嘉さんはこの幹事会の前任者ということになっているのですが、そこだけ、簡単なことなので、ちょっと確認いたします。

○嶋津生涯学習部長 人事異動がございました関係上、前任という形になってございます。

○曽根委員 わかりました。必要に応じて司書の意見を聞くことができるということで、実際には司書の方の具体的な協力は得たのでしょうか。

○嶋津生涯学習部長 一緒に仕事をしている仲間なものですから、十分意見を聞いてきたものと考えてございます。

○曽根委員 少なくとも東京都内部で、図書館の仕事に携わっている司書の方が、この問題について、私の知る限り、具体的な協力は一切してないというふうに聞いています。どこか外からの司書さん、だれか専門家をお願いしたのかもしれませんが、少なくとも片方で図書館協議会という、まさに図書館の専門家の集団がありながら、それを、ろくに報告もせず、論議もやらないで、しかも内部で協力--まあ、司書の方、一人いるようですけれども、やってきたというのは、非常に異常だと思うのです。
 それと、一番大事な問題なんですが、今回二十期で、先ほどご報告のあったように、ITを活用した図書館サービスのあり方についてという諮問をして、答申を受けられているわけですよね。ところが、そのITを活用した図書館サービスの前提である東京都の図書館のあり方が、検討会によって大きくさま変わりをすることになった。
 それで、議事録を教育庁からいただきましたが、最終日、十月十九日の協議会の議事録では、最後のところで、各委員の方が、タイミングが合わないというか、日比谷図書館のあり方というのはどうなるのだとか、今期は、つまりこの提言をまとめ終わったときにあり方の話が出てきたので大変困っている、そういう話ができなくて非常に残念だとか、むしろそういう状況を踏まえながら、検討会がやられていたという状況を踏まえながら、一緒にいろいろなことを考えられたらもっとよかったのだろうなというふうに思うのですけれども、そういうところは完全に切り離してというか、ずれてやらざるを得なかったというあたりが結果的にはロスだったかみたいな、という意見が、次々と最後のところで出ているのです。
 つまり、図書館サービスのあり方を諮問して、お願いして、答申をいただくのと並行して、その前提となる東京都の図書館のあり方そのものを、今後は一定量以上の図書の蔵書をやらないとかいうことを具体的に決めてしまうわけですから、こういう意見が出るのは当然だと思うのですが、そういう点では、この諮問や答申の前提を崩すような結果となったということは、お認めになるでしょうね。

○嶋津生涯学習部長 私どもは、図書館協議会の意見というのは大変重要なものというように考えてございます。
 ちなみに、今お話のございました、ITを活用したサービスの向上でございますけれども、この中に、今後、都立図書館の目指すべき方向ということで、二点、したためてございます。
 一つが、都民の高度な調査研究への援助、二つ目に、区市町村図書館への地域情報拠点を支援すること、この二点をポイントにしてございます。
 これはまさに、私どもの今回のあり方検討会の報告書の一番の基本をなすものというように考えてございまして、この報告書の趣旨は、そのまま生かされているというふうに考えてございます。

○曽根委員 そういう大まかないい方をしたら、だめなんですよ。例えばこの答申の中では、説明に出てきますけれども、あくまで東京都立図書館の役割というのは、市町村の図書館ではできない高度な情報提供や研究への援助が役割だということを前提として、その後の答申が書かれているのです。
 だから、まず第一は高度な情報の提供なんですよ。その次が、コミュニケーション機能の活用だったかな、三番目にやっと、区市町村との関係で、今後は、区市町村との相互検索をIT技術を活用してできる方向が開かれたよというのが、やっと出てくるのです、三番目の最後に。
 ところが、今回は、前回も議論はありましたけれども、東京都の図書館の本を市町村の方に譲り渡していくわけですから、むしろ、最後にあったこの市町村との相互検索を充実させることが、非常に重要な今後のあり方として考えなければならぬということは前回議論があって、わざわざこの図の矢印まで変えるということになったのでしょう。明らかに、前提条件があり方検討会によって変わったから、市町村との相互検索、つまり、お互いにやりとりするということを考えないとならないということになったのじゃないですか。

○嶋津生涯学習部長 先ほど、この報告書、すなわち図書館協議会の出された報告書で、都立図書館の目指すべき方向ということで、二つがございますということは、間違いもなく正面から書いてございます。
 もちろんITも重要でして、そのことにつきましては、まさに区市町村に対する都立の図書館のあり方として、高度な本であるとか、高価な本であるとか、そういったものをバックアップすることにつきましては、それもここで触れられていることでもございまして、最終のあり方の検討会の報告書の中にも、区市町村をバックアップする、それから高度な資料は購入して、その支援を続けるといったことについては、きちっと明記をさせていただいたつもりでございます。

○曽根委員 そういうことが今までどおりの前提でやれるのであれば、何もこの委員の人たちは、自分たちが検討している最後にこんなあり方が出てきているというふうにはいわないですよ。それは、結局、東京都の蔵書能力の限界がもう来てます、これ以上のものは、簡単にいえば、もう保存できませんという方向が出ちゃったので、みんな心配しているわけですよ。
 具体的に、都立図書館のいわゆる市町村に対するバックアップ機能、情報提供機能を本当にレベルダウンさせないで済むのかという問題で、前回は、部長さんはダブっている図書は都立図書館全体で一五%しかない、だから、ダブっているものを今回手放しても、協力貸し出しはできるのだ、レベルダウンしないのだというふうにおっしゃいましたが、多摩図書館で図書を再活用ということで、私にいわせれば処分していくわけですから、多摩図書館でダブっている本がどれくらいあって十万冊が消えていくことになるのか、そこが大事なんですよね。多摩図書館では、中央とのダブり本というのは、どれくらいの割合であるのですか。

○嶋津生涯学習部長 前提といたしまして、多摩図書館でダブっているということは、中央図書館でもダブっているということでございまして、その双方合わせての数字が、この前の一五%でございますが、今回、多摩図書館の所蔵する図書約七十万冊でございますけれども、そのうち、中央と多摩とでダブっているという形で申し上げれば二十九万冊で、全体の約四一%でございます。

○曽根委員 つまり一五%じゃなくて、問題は、多摩の本の四割がダブっていて、その二十九万冊のうち十万冊を手放すということによる影響が問題だと思うんです。
 それで、今まで多摩の市町村から貸し出し要請が来たうち、多摩図書館の蔵書で対応できたものは、どれくらいだったんでしょうか。

○嶋津生涯学習部長 約六七%でございます。

○曽根委員 そうしますと、今までは多摩図書館にも、中央とのダブりで本がありましたから、市町村から問い合わせがあって、市町村にない本がこちらに問い合わせが来る、そうすると、そのうち六七%、七割近くは多摩図書館に本があるので即対応できたと、しかし、今度は十万冊を処分、再活用した後は、それが維持できるかどうか、ここが問題だと思うのですよ。
 多摩図書館に利用者が来た、市町村の図書館になかったので、ここでないかという問い合わせがあった。そのときに、そこにあれば、それで今までどおりなんだけれども、処分してしまうわけですから、かなりの割合でそこにない、そうすると中央から取り寄せになる、その分、サービスはやはり違ってくるし、レベルダウンになると思うのですが、これがどれくらい維持できるのか、それともどれくらい下がるのかということです。

○嶋津生涯学習部長 中央の方から持ってくるものでございますけれども、従来も三割、三分の一は中央図書館から持ってまいってきてございます。
 今回の改革によりまして、私どもとしては、この辺のサービスは低下させないという方針の中で、中央と多摩の図書館の輸送力の強化を図る、すなわち、搬送車を週二便から四便というぐあいに倍増いたしまして、サービスの低下をもたらさないようにするという努力をしてまいりたいと思ってございます。

○曽根委員 実際に、今までの実績をよく調べればわかると思うのですが、七割くらいは対応できていたものが、今回十万冊を手放したことによって今後どれくらいまで落ちるのかというのは、まだ検討されていないですか、推測もないですか。

○嶋津生涯学習部長 詳細な数値は、まだでございます。

○曽根委員 六七%のレベルを維持することは無理だと思うのですよ。中央から取り寄せるということになれば、少なくとも来たときにはすぐには渡せないですから、早くて翌日、大体二日くらいかかることになるでしょうね。そういうことがある。
 もう一つ、私、中央と多摩の図書館の間の車を週二回を四回にするのは結構ですよ、いいことだと思います。しかし問題は、市町村の図書館から問い合わせがあって、中央にもらいに行って、多摩を通じて市町村の図書館に持っていく、このときに、最終的には、市町村の図書館と多摩図書館との間の車の便がどうなるかが問題だと思いますよ。中央と多摩との間は週四回になった、市町村と多摩の図書館との便は、今、週一回と聞いているのですが、これはふやすあれがあるのですか。

○嶋津生涯学習部長 ご指摘のとおり週一回でございまして、当面、このままの水準でまいりたいというふうに感じてございます。

○曽根委員 そうすると、市町村の図書館に申し込んだ人は--これは中央に直接申し込めないそうですね。多摩図書館に一回行って、そこになければ中央に行って、中央から本が来て、多摩図書館から市町村へ来る。そうすると、週一回の便が市町村と多摩の間で変わらないのであれば、幾らその先が週四回になっても、本の来る便は週一回なんですよ。
 そういう点では、余り私は、何というか、多摩図書館で即対応できない分だけのサービスダウンは免れないだろうというふうに思うし、今後、もし中央図書館と多摩図書館で置いておく本を、役割分担をはっきりさせるということをやるというならば、この種類の本は中央にあるのか、多摩にあるのかというのが、分けられていれば最初からわかるわけですから、そういう場合には、当然、中央図書館から直接、多摩の市町村の図書館にも車の便を出すというのが、考え方としては筋だと思うのですが、そういう計画というのはないのですか。

○嶋津生涯学習部長 基本的に、今、多摩の図書館と区市町村との関係は一週間に一度という仕組みを維持せざるを得ないという状況にございます。
 しかし、二便から四便にすることによって、幾つかの組み合わせによりますけれども、場合によってはかなり早目に入手できる、サービスを受けることができるという図書館もあり得る、というぐあいに考えてございます。
 それから、全体的に中央図書館、多摩図書館、あるいは区市町村の図書館の連携をどうするかにつきましては、今後、各自治体と区市町村との相互連絡ネットワーク等々を積み上げる中で、より合理的な仕組みを構築してまいりたいと考えてございます。

○曽根委員 余り細かいことは立ち入るとあれなので、これくらいにしておきます。
 それから、これは最後の点で、非常に気になっているのですが、引き取り先を決めて、できるだけ早く発送したいというお話でしたが、行った先の市町村でその本がどう扱われるのかという問題について、基本的にはもう東京都の手は離れるので、責任は持てなくなってしまうのですけれども、それにしても気になるのは、例えばこういう話があります。
 町田市では、今後、多摩の市町村で共同で使える方向で、デポジットというのですか、共同の書庫みたいな形で保管して、そういうシステムをつくる、ただし、それには二、三年かかるだろう。したがって、あそこは多摩の五万七千のうち五万冊くらいを町田が受けるらしいのだけれども、五万冊を、いわば多摩の市町村の共同の活用ということで引き受けて、しかし、二、三年はかかる。そうすると、その間、二、三年は行った先の図書が一般の人には利用できない状態に置かれてしまうと思うのですが、そういうことは事実でしょうか。

○嶋津生涯学習部長 町田の要望でございますけれども、私ども今回の図書の再活用計画につきましては、先ほどお話をしましたように、公表した基準がございます。その中で、多摩の地域を優先するという、まず第一のスタンダードがございます。
 それから、町田市からは教育長名で、全本、十万冊をすべて欲しいという強い要望がございました。あわせて、多摩の相互の自治体と連携をとりながら、お互いに利用できる仕組みをつくっていく、そういうコメントもございまして、そのことが、私どもの報告書に書かれてございます自治体間の相互協力ネットワークをつくる、そういう趣旨にも合致しておりますこともこれあって、地方分権の方向を踏まえまして、配布先として町田市に五万冊を提供するものでございます。(曽根委員「二、三年かかるのでしょう」と呼ぶ)新しい仕組みをつくる、そういう意気込みの中で、二、三年が有効に検討される期間というぐあいに考えてございます。

○曽根委員 これは、あり方として、私は町田市が全多摩の市町村のいわば共同書庫の管理者になって引き受けるというのは、市の財政の問題からいうと、ちょっと首をかしげるところがあるわけです。事務組合が共同でもって財政を出し合うならまだしも、そういう点でいうと、なぜ東京都がそういうことをやれないのかというふうな疑問もあります。
 ただ、町田市がそういうことで、十万冊全部受けてでも共同のあり方を検討したいと、それはいい、そういう意味では、その努力は多とすべきだ。しかし、二、三年かかるのだったら、なぜ二、三年図書を送るのを待って、その間、東京都の図書館で活用するということを考えないのですか。なぜ今、三月中に何が何でも送らなければならないのか。そうすると二、三年眠っちゃうわけですから。幾ら何でも二、三年で、五万冊ですか、置き場所がなくなるということはないわけで、その間だけでも、東京都の方で活用する、一般の方が利用できるようにしておくというくらいのことは考えられると思うのですが、いかがですか。

○嶋津生涯学習部長 そもそも、この図書館のあり方検討委員会のベースになりましたのは、地方分権一括法を含めた地方分権の流れの中で、どれだけ区市町村が主体的に図書館サービス、住民サービスを担っていくかというところに眼目があろうか、というぐあいに思ってございます。
 そういう意味では、町田市の強い熱意は、私どもとしては、まさに新しい芽出しとして、大いに期待を申し上げていきたいというぐあいに考えてございます。

○曽根委員 その活用することに、いろいろと期待を寄せるのは結構なんだけれども、その間、少しでも、行くことがもし決まったとしても、本を活用するくらいのことは、私は東京都として検討するくらいのことがあっていいのじゃないか。
 とにかく三月中に、年度末中に本を出してしまいたい、東京都から手放してしまいたいというのが最優先されているからそういうことにならざるを得ないのじゃないか、ということは申し上げておきたいと思います。
 私、まだ、実際には作業が、最終段階には来ているものの、各市町村での行き先のリストや、それからどこの市にどれくらいの本が行くのかということについても、最終的な公表がまだされていないようなので、まだまだ私は部分的にでも検討して、活用できるものは手元で活用するという余地がある以上、その努力をすべきだという意見を申し上げて、終わりたいと思います。

○執印委員 それでは、まず、今回の補正が出されるに至った状況というものを、ご説明ください。

○小海総務部長 今回提案しております補正予算は、平成十一年度から都全体で取り組んでいるところでございます緊急地域雇用特別基金を活用して、都における雇用、就業機会の創出を図る事業に要するものでございます。
 この基金を活用した事業は、平成十三年度も当初から実施してきておりますが、この九事業は、昨年秋以降のさらなる雇用情勢の悪化を踏まえまして、都教育委員会としましても緊急に対応したものでございまして、これらの事業に要する経費に関する補正予算でございます。

○執印委員 平成十一年度から三年間の基金というふうに、私も承知をしているわけです。
 次に、今回出された補正予算の全体の内容を、事業名、金額を示すという形でご説明ください。先ほどから都立高校の床の清掃ですとか、情報教育アドバイザー、また都立図書館にかかわるものということで、幾つか出てきてはいるわけですが、ぜひ全体のご説明をお願いしたいと思います。

○小海総務部長 今回の補正予算は、ただいまもご説明したように、緊急の雇用地域特別基金の事業として実施をするのですが、この事業は、一つは都立高校の床清掃委託、都立盲・聾・養護学校の樹木の剪定、東京における生涯学習の実態調査の委託、情報教育アドバイザーの派遣、都立図書館電算システム雑誌データの修正、貴重資料・東京資料分類目録の基礎入力、視覚障害者用録音テープのデジタル化、都立図書館資料の再活用、図書館資料の移送の九つの事業でございます。
 この九事業を合わせました予算額は、二億二千二百五十九万一千円でございます。

○執印委員 全体の補正予算額は示されておりますので、わかっているわけですが、それぞれの金額をご説明ください。

○小海総務部長 まず、都立高校の床清掃委託でございますが、四千四百一万です。それから都立盲・聾・養護学校の樹木の剪定、三千二十四万です。東京における生涯学習の実態調査の委託、八百三十四万八千円です。情報教育アドバイザー、一億一千九百七十万でございます。都立図書館電算システム雑誌データの修正が、二百三十九万一千円です。貴重資料・東京資料分類目録の基礎入力が二百九万円でございます。視覚障害者用録音テープのデジタル化が、百七十二万七千円でございます。次に、都立図書館資料の再活用が四百九万五千円でございます。図書資料の移送等が九百九十九万円でございます。以上でございます。

○執印委員 その中で、予算書に示されておりますのは大枠で示されておりますので、私はあえて詳しく聞いているわけですが、例えば情報教育アドバイザー、一億千九百七十万円ですね、これはいつ契約されたのか、お示しください。

○小海総務部長 情報教育アドバイザー事業の契約日は、平成十三年の十月二十五日でございます。

○執印委員 今の情報教育アドバイザーにつきましては、平成十三年の十月ということですから、つまり昨年の秋に契約されて、執行されつつあるということだと思います。当初予算であったものについても、今回の補正予算が三年間の積み立ての中でさらに使えるかもしれないということで、秋に選定をした中で契約をされてきたということですが、本来であれば、補正予算が議会で認められた後に契約をして執行というのが筋だというふうに考えますが、それが間違っていたら、後ほど、ご答弁をください。
 今回の補正が、今お話をしましたように、基金にかかわるものであるということで、国の雇用対策基金で、今年度が最終年度であり、残った場合、返すということになっているということがあって、いってみれば、予算消化の側面もあるのかなというふうに考えているわけです。
 それがこのような状況を生む原因、つまり、三月議会で補正が出されたけれども、既に計画をして、契約をされて、執行されているということになっている原因だというふうに思いますが、議会が予算を認め、行政が執行するという本来の形をとるためにも、せめて十二月に補正予算が出せないかどうかという検討を、ぜひお願いしておきたいというふうに思います。
 また、国の予算を有効に使うという点ではわかりますが、事業の吟味なしに行政が決定をしていくというあり方が問題になってくるというふうに思います。官庁会計の問題、それから現金主義の問題というのが、この背景にはあると思いますので、改善の取り組みをお願いいたします。
 いろいろ申し上げたいことはございますが、先ほど申し上げましたように、間違っていたら、ぜひご答弁をいただきたいと思います。
 次に、視点を変えて、NPOへの事業委託について質問いたします。
 今お示しをいただきました事業名の中で、NPOへの委託というのはあったのでしょうか。もともと、この緊急雇用に関する基金というのは、NPOにも委託していくという視点があったというふうに思いますが、現状はいかがなのでしょうか。

○小海総務部長 NPOについてのお答えでございますが、これまでも、教育庁におきます緊急雇用対策事業にかかわるNPOへの委託契約は、今回の図書館におきます視覚障害者用録音テープのデジタル化の一件のみでございます。

○執印委員 一件だということですが、これについては、なかなかNPOが参入しにくいということがあるのかと思いますが、NPOの参入を促進するための取り組みというのは、どのようにお考えでしょうか。

○小海総務部長 緊急雇用対策事業にかかわる契約につきましても、通常の契約手続にのっとりまして行われるわけでございますが、現在、入札参加資格を有するNPO法人が一社のみということでもございまして、都全体において、契約実績が極めて少ないというふうに聞いております。
 なお、東京都教育委員会で実施する事業につきましては、今後とも学校における教育活動を支援し、その改善充実が図れるものなどを中心に実施をしてまいります、という考え方で、事業の選定を行っていきたいというふうに考えております。

○執印委員 今、登録している業者がNPOでは一事業者ということで、当然こういう結果にもなってくるのかと思いますが、これまでのような発想で、雇用というものを考えて委託をしていくということになると、余り現状からは抜け出られないということになっていくと思いますので、そのあたりも含めて、緊急雇用の基金でどういう事業をやっていくかということも、今後もぜひ検討を進めていっていただきたいというふうに思います。
 NPOも、先日、本会議でもお話がありまして、具体的な数字は今出せませんが、かなり雇用の創出としても役立っているということですから、事業の登録事業者にないから一件しかない、そういう取り組みではなかなか進まないというふうに思いますので、そこをお願いしておきたいというふうに思います。
 NPOについての考え方も示されましたので、ぜひ今後に期待したいと思いますが、先ほども述べましたように、議会の承認後、予算執行するという点において、今回のこの予算の出し方というのは、ある意味、議会軽視ではないかと思うわけです。今後の対応をお願いした上で、私どもも判断をしたいと思いますが、議会軽視にならないように--これは教育委員会だけでできることではないというふうに、もちろん把握もしているわけです。しかし、こういう形で予算が執行されていくということが重ねられていくことが、都民にとっては非常に見えにくい、また税金がきちんと生かされているのかどうか、疑問を持つということになっていきますので、ぜひその辺への取り組みというものを、できれば教育長にお尋ねをしたいのですが、今の形ですと、予算の形としてはおかしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小海総務部長 今回の補正予算の提案につきましては、この十一年からの全事業の取り組みをしているわけですけれども、先ほども申し上げましたように、ことしの秋からさらなる雇用の情勢が悪化してきたということもございまして、都教委としては緊急に対応したものでございまして、先ほど委員がおっしゃったような仕組みの状況につきましては、今後、所管局の方にも伝えてまいりたいというふうに考えております。

○執印委員 いろいろな問題がありまして、国との関係もあって、いろいろはっきりおっしゃれないということもわかるわけですが、指摘をしましたことは、ぜひ十分に検討していただきたいというふうに思います。
 それについては、職員の皆さんは十分にわかっていらっしゃると思うので、いろいろなやりとりをしてきたのだというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 大変迷うところですが、消極的に賛成をしようと思います。

○東委員長 それでは、ほかに発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕

○東委員長 速記再開をお願いします。
 それでは、次に、諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直に質疑を行います。
 発言を願います。

○小美濃委員 それでは、時間もありますので、簡潔に数点、質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、ちょっと認識をしておかなければなりませんので、お伺いしたいのですが、今回は、公務傷病恩給という、恩給制度ということについての諮問でございます。我々、年金制度というのはよく耳にしているわけでございますが、恩給制度と年金制度、簡単に、特徴について、最初にお伺いしたいと思います。

○小島福利厚生部長 最初に、恩給制度は昭和三十七年十一月三十日以前に退職した公務員とその遺族を対象とした、恩給法及び東京都恩給条例に基づく年金制度であります。その財源は、使用者である東京都が負担する、国家補償的性格を有するものでございます。
 また、年金制度は、昭和三十七年十二月一日以降退職した公務員とその遺族を対象とした、地方公務員等共済組合法に基づく年金制度であります。その財源は、使用者と受給者が二分の一ずつ負担する、社会保険的性格を有するものでございます。

○小美濃委員 国家補償的性格と社会保険的性格ということでございますが、この方は既に年金受給の年齢に達していると思いますので、年金は受け取られているということでございますが、今回、審査請求にかかわる公務傷病による恩給と年金制度、これは年金をもらいながらも、恩給制度というものはもらえるものなのか、お伺いします。

○小島福利厚生部長 共済年金の対象者が、昭和三十七年十一月三十日以前に公務災害の認定を受け、退職時にその障害があるときは、退職共済年金に加え、公務傷病による恩給が支給されます。

○小美濃委員 委員会でございますので、事実関係をお伺いしますけれども、請求があった、今回は諮問もされているわけですから、棄却をされたわけですよね。棄却をした日時、これをお伺いをしたいと思います。

○小島福利厚生部長 公務傷病による恩給の請求の受理は平成七年三月十日で、棄却したのは、平成十二年三月二十二日でございます。

○小美濃委員 そうすると、平成七年に受理をして棄却を十二年にされたと、約五年間、経過をされておるわけであります。この五年間、期間があいてしまったというのはどういった理由からか、お伺いをいたします。

○小島福利厚生部長 複数の医療機関の診断結果や、医学的見地を踏まえて、総合かつ慎重に判断する必要がございました。
 また、都教育委員会から請求人に検診等を依頼いたしましたが、本人がその検診を受けるまでに、相当な時間がかかったためでございます。

○小美濃委員 検診を受けるまでに五年間かかったということで、これはこれで、ちょっと問題ですね。
 それでは、そういった検診を受けて、都教委が棄却をしたということなんですけれども、どういった観点から、どういった理由で棄却をしたのか、お伺いをしたいと思います。

○小島福利厚生部長 請求人が主張する、退職時の障害が公務災害によるものであるかについて、専門医の意見を求め、また、当時の勤務状況等を調査いたしました。
 その結果から、公務災害との因果関係は認められないと判断し、請求を棄却したものでございます。

○小美濃委員 非常にプライバシーにかかわることもありますので、余り細かいことをお伺いするのは控えようと思います。今お伺いしたことですと、本来だったら、この方は健全な生活環境の中で、教職という非常に誇りある仕事をしっかり励めたということでありますけれども、本当に残念ながら、公務傷病によりできなかった、このことにつきましては、本当に残念なことだと思っております。
 しかし、先ほどの部長さんからのご答弁によりますと、現在も、何らかの障害は一つでも残っているかもしれないけれども、それは、医師の意見や、また当時の勤務状況などなどによると、客観的に見ると、公務傷病によるものではないというご答弁だったと思います。
 恩給というのは、イコール税金でもございますし、この手の話は慎重に取り扱わなければならない、一応諮問でございますので、こう意見を申し上げて、質問を終わります。

○野上委員 小美濃委員からの割と詳しい質疑がございましたけれども、都教育委員会の請求棄却に対しての見解は、私の方ではよくわかりましたけれども、もう少し具体的に、この専門医の判断についてお伺いしたいと思っております。
 私も、いろいろ詳しく調べてみたのですけれども、確かに人権の問題がありますので、具体的には難しいと思うのですけれども、本人が訴えていた発熱とか、それから耳が聞こえにくいという難聴、視力障害、この三つの観点について、お医者さんたちの見解はどのようなものだったのか、詳しくお聞かせ願えればと思います。

○小島福利厚生部長 ご指摘の三つの障害について、新たな医師に検診を依頼し、それらの医師から診断書や医学的意見書をいただきました。
 また、この診断結果や意見書をさらに他の専門医に見せ、その意見を伺いました。その結果、いずれの医師も、公務災害との因果関係はないとの意見でございました。

○野上委員 今の説明からしますと、公務災害との因果関係が、複数の専門医の判断からはないと、客観性が高いという結果だったと思います。
 医者の判断も大事ですけれども、請求人が職場に復帰した後の客観的な勤務状況、そういったものも、どうだったのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。

○小島福利厚生部長 請求人の所属した複数の校長や教頭から、障害に関連した勤務状況等を聴取いたしました。
 それはいずれも、請求人は正常に勤務し、障害を訴えることもなく、授業への支障はなかった、との回答でございました。

○野上委員 この方は、二十五年間ずっとお休みをされていて、復帰されたわけですよね。そのときの様子というのが、校長、教頭、それからその他の方たちから出ているわけですけれども、もう少し具体的に、どういう状況だったのか、お話しいただければと思います。

○小島福利厚生部長 例えばマラソン指導を熱心に行っていたとか、あるいは夏休みにプールで、自分でもよく泳ぐとともに子どもの指導をしていたなど、障害があるようには見えなかったという所属長からの回答がございました。

○野上委員 職場の中でも、お医者さんの見解でも、そういうことがなかなか見受けられなかったということだと思います。
 それでは、次に、年金についてお伺いいたします。個人のプライバシーがありますので、一般的なことで結構なんですけれども、退職後における年金というのは、幾らくらいなんでしょうか。

○小島福利厚生部長 今お話がありましたように、一般的なお答えをいたします。
 年金額ですが、平成十二年度末における六十五歳以上の東京都公立学校元教員の年金の平均額は、約三百万円程度でございます。

○野上委員 三百万円ですね。月に直すと二十五万円相当ですか。もしも、この方が公務傷病恩給の支給があった場合、参考として、どの程度の額になるのかをお示しいただければと思います。

○小島福利厚生部長 公務傷病恩給の額は、障害の程度により異なりますが、請求人のような事例の場合、恩給額は年に約二百四十万円となります。

○野上委員 二百四十万円ということは、単純に割り算をして、月々二十万円の支給になるわけですね。これは、年金額二十五万にプラスして支給されることになるのでしょうか。そしてまた、この財源は東京都が負担するということでよろしいのでしょうか。

○小島福利厚生部長 公務傷病恩給は、退職年金に加えて支給されることになります。また、その財源は、最初にご説明したように、都の負担になります。

○野上委員 私も、さっきいわれました小美濃委員と同じような考え方なんですけれども、公務災害を受けたということは、本当に大変お気の毒な事実だと思います。でも、今お聞きしましたように、復職後、いろいろな障害を訴えることもなく、元気に勤めていたのに、さらに月二十万円が加算されるというのは、ちょっと私の方では理解できないことなんですけれども、しかもそのお金も財源は都だと、都が負担するということだと思います。
 多くの教師は、現場の中でまじめに勤務して、時間とか度外視して、一生懸命奮闘している人がほとんどだと思います。曽根さんもうなずいていらっしゃいますけれども、奥様も多分時間を度外視して一生懸命頑張っていらっしゃると思うのです。(笑声)
 そういうような教師との比較からしても、やはり、かなり不公平なのではないかというふうに思っております。私は、したがって、東京都教育委員会の判断を妥当と思っております。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。

○後藤委員 お尋ねします。質問が出てしまったのが随分あるので、カットしながらいきます。
 今回、この方の休業補償ですけれども、例えば何割カットだとかいうふうな話があると思うのですが、何年間は何割カット、何年間は何割カットというふうなのがあったのでしょうか。

○小島福利厚生部長 昭和三十六年から昭和四十九年の十月までは、給料相当額の六割が支給されております。それで、その後、新しい制度ができまして、昭和四十九年十一月からは、十割が支給されております。

○後藤委員 十割ということは、全くカットされてないということでよろしいですね。
 次にお尋ねします。休業補償が出ていた期間が二十五年間というのですけれども、何回くらい医師の診断書というのが出ていたのかというのが一点と、診断書を出していたお医者さんですけれども、例えば個人の医者なのか、病院といわれているところなのか、ちょっとお答えください。

○小島福利厚生部長 災害発生から復職までの間に、医師の証明書は合計八十八回受領をいたしました。年平均にすると、三・五回程度になります。
 なお、証明した医師は、初診は個人が経営する診療所でございましたが、すぐに法人病院の方に変わっております。

○後藤委員 今、部長がおっしゃいました法人病院ですけれども、この法人病院は幾つかの病院ですか、それとも、一つの特定の病院ですかということが一点と、これは先ほどから出ていますプライバシーに関することになるのかもわかりませんけれども、例えば、病院名というのは答えられるのでしょうか。答えられたらば、お願いします。

○小島福利厚生部長 最初のご質問ですが、これは単独ではなく、複数の病院でございます。
 それから次のご質問でありますが、本人も、審査請求をしている以上、ある程度、個人の情報が公開されることを覚悟していることかとは思います。しかしながら、個人の秘密に関する部分につきましては、できるだけ言及しないように、本日も、私はそのように答弁しているつもりでございます。
 したがいまして、この委員会での判断に不可欠でない限りは答弁は差し控えたい、そのように思っております。

○後藤委員 できたらば教えていただきたいなと思うのですけれども、これに関しましては、皆さんのご判断にゆだねたいと思います。
 例えば今回の場合は、休業補償が二十五年間というふうなことだったのですが、現在も、このようなことが起こった場合は、二十年でも三十年でも可能であるかということが一点と、病院の診断書なんですけれども、請求人の方が病院を選んでいたのではないかなと思うのですが、病院を教育委員会の方で指定することができるようにはならないのかどうか。その辺、例えば制度が変わっていたらば、教えてください。

○小島福利厚生部長 現在は、地方公務員災害補償基金が設置されておりまして、公務災害の認定は、専門機関として、この基金が実施しております。
 また、この基金においては、必要に応じ、医療機関に症状等の報告を求め、あるいは他の医師への受診指示を行うなど、適正な状況把握に努めております。
 したがいまして、私どもというよりは、この基金においてその事務をするのではないか、このように思います。

○後藤委員 最後にお尋ねします。
 恩給が月額二十万円出ているというふうに、先ほどおっしゃいましたけれども、現在、何人くらいの方が受給されているのか、できたらば教えていただけますか。

○小島福利厚生部長 ただいま調べておりますので、もう少しお待ちいただきたいと思います。--今、恩給を受給している人という意味でよろしいですね。これは、平成十四年の一月十八日現在ですが、一千百七十三名の方が恩給を受給しております。

○東委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本諮問に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
午後三時二十七分休憩

午後四時二十四分開議

○東委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百三十六号議案、都立立川養護学校(十三)改築工事請負契約を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対して意見のある方は、発言を願います。

○比留間委員 先ほど、立川養護学校の関係につきましてはいろいろご質問をさせていただきまして、答弁をいただきまして、態度保留をしておりましたけれども、できましたら、ここでちょっと意見を申し上げますから、それらを十分ご配慮をしていただけたら、本案につきましては、賛成をしたいと思います。
 ちょっと要望書を申し上げたいと思います。
 立川養護学校改築工事の実施に当たっては、近隣で複数の工事が同時期に予定されていることから、これらの工事に対する地元住民の意向を十分反映できるよう、説明会等、協議の方法について配慮をしていただきたいと思います。
 以上、意見とさせていただきます。

○東委員長 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○東委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分及び諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを一括して議題といたします。
 本案及び本諮問については、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 第百四十六号議案、補正予算の歳出の中で、文教委員会所管分につきましては、全体の中で額は少額ですけれども、都立図書館の図書の移送費及び再活用の予算が入っております。
 これについては、先日、二月十九日、並びに本日の質疑で明らかにしたように、最も信頼すべき都立図書館の審議機関である、都立図書館協議会について合意と納得を得られていないこと、また、多摩の市町村の関係者、特に図書館長協議会など、そうした方々の合意も得られていないことなどから、本来、慎重に扱うべきものであるにもかかわらず、今年度いっぱいで何が何でも処分をしてしまう、再活用に回してしまうということについてはどうしても納得できませんので、この部分について日本共産党は反対をし、したがって、百四十六号議案についても反対という態度を表明させていただきます。

○東委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○東委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十六号議案中、歳出、文教委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本諮問は、棄却すべきものと答申することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認めます。よって、諮問第一号は棄却すべきものと答申することに決定をいたします。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十九分散会

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