文教委員会速記録第五号

平成十三年三月二十一日(水曜日)
午後一時四分開議
 出席委員 十二名
委員長村松みえ子君
副委員長羽曽部 力君
副委員長大河原雅子君
理事服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
織田 拓郎君
田代ひろし君
田中 智子君
田中  良君
井口 秀男君
桜井  武君
小林 正則君

 欠席委員 一名

 出席説明員
生活文化局局長高橋 信行君
外務長田邊 隆一君
総務部長幸田 昭一君
交通安全対策担当部長宇波 興宣君
東京二〇〇〇年祭担当部長高橋 敏夫君
コミュニティ文化部長三好 勝則君
調整担当部長尾崎 眞幸君
国際部長山口 一久君
女性青少年部長高西 新子君
心の東京革命推進担当部長村松  満君
消費生活部長中澤 正明君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第五十三号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)  一二第七五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (2)  一二第七六号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (3)  一二第七七号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (4)  一二第七八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (5)  一二第七九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (6)  一二第八二号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (7)  一二第八三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (8)  一二第八四号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (9)  一二第八五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (10) 一二第八六号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (11) 一二第八七号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (12) 一二第八八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (13) 一二第八九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (14) 一二第九〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (15) 一二第九一号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (16) 一二第九二号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (17) 一二第九三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (18) 一二第九四号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (19) 一二第九五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (20) 一二第九六号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (21) 一二第九七号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (22) 一二第九八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (23) 一二第九九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (24) 一二第一〇〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (25) 一二第一〇一号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (26) 一二第一〇二号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (27) 一二第一〇三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (28) 一二第一〇八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (29) 一二第一一〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (30) 一二第一一二号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (31) 一二第一一三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (32) 一二第一一四号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (33) 一二第一一六号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (34) 一二第一一七号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (35) 一二第一一八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (36) 一二第一一九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (37) 一二第一二〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (38) 一二第一二二号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (39) 一二第一二三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (40) 一二第八〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (41) 一二第一〇九号 東京女性財団の存続と東京都男女平等参画基本条例の有効な推進に関する請願
  (42) 一二第一一一号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (43) 一二第一一五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (44) 一二第一二六号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (45) 一二第一二九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (46) 一二第一三〇号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (47) 一二第一三三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (48) 一二第一三四号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (49) 一二第一三五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (50) 一二第一三七号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (51) 一二第一三八号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (52) 一二第一三九号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (53) 一二第一四一号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (54) 一二第一四三号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (55) 一二第一四四号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (56) 一二第一四五号 東京女性財団の廃止反対に関する請願
  (57) 一二第七六号 東京女性財団の廃止反対に関する陳情
  (58) 一二第八〇号 東京女性財団の廃止反対に関する陳情

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の平成十三年度予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算のうち、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分、第五十三号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例及び請願陳情審査件名表に記載の整理番号1から58までの、一二第七五号、東京女性財団の廃止反対に関する請願外請願五十五件、陳情二件を一括して議題といたします。
 予算案及び付託議案については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○幸田総務部長 さる二月十六日に開かれました当委員会で要求がございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 お開きいただきますとまず目次でございます。要求のございました資料は、ここに掲げてございますとおり、全部で九件でございます。以下、順次ご説明させていただきます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。生活文化局における組織改正による新体制案でございます。
 当局の組織は、表側にございますように、総務部、広報広聴部、文化振興部、都民協働部、私学部、消費生活部の六部体制で、平成十三年四月一日から発足する予定でございます。
 各部の主な分掌事務を掲げてございますが、備考欄にございますように、広報広聴部は政策報道室から、都民協働部のNPOを除く法人の許認可等に関する事務は総務局から、また、私学部は総務局から、それぞれ当局に移管される予定でございます。また、下段の(注)にございますように、当局で所管しております国際部における都市外交の機能を知事本部に、コミュニティ文化部における観光振興に関する事務を産業労働局に移管する予定でございます。
 次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。東京国際交流財団と東京都歴史文化財団の予算額推移でございます。
 両財団の収入及び支出につきましては、平成八年度から平成十二年度までの五年間の予算額推移を記載してございます。
 次に、三ページをお開きいただきたいと存じます。平成十三年度緊急地域雇用特別基金事業一覧でございます。
 表側に掲げました生活文化局所管の九事業につきまして、その事業内容、予算額、効果をそれぞれ記載してございます。
 次に、四ページをお開きいただきたいと存じます。コミュニティ文化費事項別予算額推移でございます。
 表側の事項に従いまして、平成八年度から平成十三年度までの六年間の予算額推移を記載してございます。
 次に、五ページをお開きいただきたいと存じます。他県等の青少年健全育成関係条例における規制等の状況でございます。
 表の規制内容の欄にございますように、自殺及び犯罪の指定、区分陳列規制、自動販売機に関する規制について、平成十二年四月現在の道府県数及び道府県名を記載してございます。
 次に、六ページをお開きいただきたいと存じます。東京都青少年健全育成審議会における専門委員設置の考え方でございます。
 設置目的、委員の任期、専門分野についてそれぞれ記載してございます。
 次に、七ページをお開きいただきたいと存じます。東京ウィメンズプラザの事業内容及び予算額の推移でございます。
 補助事業、委託事業、賃借の区分に応じまして、平成十年度から平成十二年度までの事業内容及び予算額推移をそれぞれ記載してございます。
 次に、八ページをお開きいただきたいと存じます。東京女性財団事業直営化後の東京ウィメンズプラザの事業及び平成十三年度の予算案でございます。
 事業及び賃借の区分に応じまして、その内容、金額を記載してございます。
 次に、九ページをお開きいただきたいと存じます。都内及び他県の女性センター一覧でございます。
 九ページには、1として都内の女性センターの状況を、一〇ページには、2として他県の女性センターの状況を、その名称、事業内容、設置年月日、運営形態につきまして、それぞれ記載してございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一二第七五号外請願五十五件、陳情二件について理事者の説明を求めます。

○高西女性青少年部長 東京女性財団の廃止に関する請願陳情についてご説明申し上げます。
 ご審査いただきますのは、請願五十六件、陳情二件でございます。
 請願陳情の要旨につきましては、お手元に配布しております説明表の一ページから一六ページに記載されておりますように、東京女性財団の廃止反対などに関するものでございます。
 現在の状況でございますが、東京女性財団につきましては、監理団体総点検の中でゼロベースで見直した結果、直営に近い組織であり、自立した経営体として存続するのは困難であること、財団の行っている普及啓発事業を継続する必要があること、また、男女平等参画の新たな段階に対応するため、本庁とウィメンズプラザが一体となって、行政として責任を持って施策を推進していく必要があることから、財団事業を直営化し、廃止する方針を決定いたしました。
 したがって、財団事業の直営化は平成十三年四月より実施いたしますが、財団の廃止につきましてはさまざまな意見がありますので、今後の財団のあり方について、基本的には、財団みずからがその存廃を含め根本から見直し、十三年度内に結論を出していただきたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めて、これより本案及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 青少年健全育成条例に関しまして質問いたします。
 いわゆる不健全図書類というのがございます。それの指定制度を設けているわけでありますが、一般都民の感覚がいかに麻痺に近い状態とはいえども、余りにも目に余るものが多いのじゃないかなと感じるわけでございます。毎月の指定はどのようになっているのか、それからまた、基準はどのようになっているのか、まず、この二点お伺いします。

○高西女性青少年部長 青少年健全育成条例第八条では「青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、またははなはだしく、残虐性を助長し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」を不健全な図書類として指定できると規定しております。
 具体的には、青少年が容易に入手または閲覧可能な状態で販売されている成人向け図書類等の中で、特にその内容が青少年の健全な成長を阻害するおそれが大きいと認められるものを不健全指定しているものでございます。
 なお、指定に当たりましては、自主規制団体や健全育成審議会の意見を聞いた上で、個別の図書ごとに判断しているものでございます。
 なお、この三年間の指定の冊数でございますが、平成十年度、図書類五十七冊、ビデオ三十九本、計九十六件、十一年度は、図書類が九十六冊、ビデオ四十五本、計百四十一件、十二年度は、図書類百三十六冊、ビデオ四十七本、計百八十三件となっております。

○桜井委員 次に、今答弁にありました自主規制団体、あるいはまた健全育成審議会などの意見を聞くということでありますが、そういう場合に必ずといっていいぐらい出てくるのが、いわゆる憲法で規定している表現の自由、出版の自由との絡みなわけでございますけれども、そういうものと、不健全図書の指定など条例の規制をどのように考えているのか、少し詳しく答弁してください。

○高西女性青少年部長 憲法で規定している表現の自由、出版の自由と、不健全図書の指定、販売制限などとの関係でございますが、都の条例では、不健全図書指定を個別指定の方法により行っておりまして、指定に際しましても、自主規制団体の意見聴取及び健全育成審議会への諮問を行うなど、適正な指定となるよう配慮しているところでございますが、指定された場合には青少年への販売が禁止されることになります。
 また、憲法第二十一条、これが表現の自由でございますが、それと有害図書類の販売制限等の関係につきましては、岐阜県青少年保護育成条例違反事件に関しまして、平成元年九月の最高裁の判例がございます。その判決の要旨でございますが、条例の対象とする有害図書類が青少年の健全育成に有害であることは、社会の共通認識となっている。有害図書類の販売制限は、成人に対しての図書類の流通を幾分制約する面はあるものの、青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴うやむを得ない制約であるから、憲法第二十一条に違反しないとなっております。こうした判例も踏まえまして、表現の自由との均衡を図りながら、適正な条例の運用を図ってまいります。

○桜井委員 今般、この不健全図書類についての条例改正を行うというわけでございますけれども、不健全図書類の区分陳列の義務づけが行われますが、店舗の規模等を踏まえて区分陳列がきちんとなされるべきである、このように考えられますけれども、どのように考えているのか、お答えを願います。店によっては、大きい店、小さい店、あるいはまたコンビニ。大体このコンビニが一番いけないらしいんですけど、その点についてお答えを願います。

○高西女性青少年部長 区分陳列の規制は、青少年にとって有害な図書類を、容易に入手、閲覧できないような環境を整備するため、今回新たに導入するものでございまして、原則として、店舗の規模にかかわらず、青少年への配慮として求めるものでございます。具体的な陳列方法につきましては規則で定める予定にしておりますが、その際には、小規模な店舗も含めて、各種店舗での状況に合わせて選択できるように検討していくつもりでございます。

○桜井委員 要望をしておきますけれども、今お答えされましたようなことが十分に周知徹底されるように、きめ細かく指導していただきたいということを要望しておきます。
 以上です。

○田中(智)委員 私は、まず、青少年条例の改正案について伺います。
 青少年の健全育成にとって明らかな不健全図書類等について、指定事由に自殺や犯罪を誘発するものを加えること、不健全図書類の販売について区分販売を義務づけること、また、自動販売機について届け出を義務づける等、今回の条例改正案は、我が国の青少年を取り巻く深刻な状況から、必要な措置として基本的に賛成するものです。同時に、この問題は、表現の自由や、言論、出版の自由との関係、営業の自由との関係で、十分な検討も必要であると考えます。以上の立場から、幾つか伺います。
 今回の条例改正により、不健全指定図書類の指定事由が追加になるわけです。具体的には認定基準を改正することになると思いますが、これは、だれが、どのように決めるのでしょうか。

○高西女性青少年部長 認定基準は、不健全図書指定の諮問機関である健全育成審議会の委員のご意見や、また、他県の状況等も参考にしながら、知事の決定により定めることになります。

○田中(智)委員 具体的には、この認定基準がどういうものになるかということが大変重要な問題なわけです。例えば、犯罪誘発ということについてなんですけれども、一口に犯罪といっても、本当に多様なものがあるわけですね。すべての犯罪が対象になるのか、また、犯罪を扱っている図書の種類、ジャンルと申しましょうか、例えばノンフィクションだとか、推理小説とか、こうしたものはどうなるのか。自殺についても同様の問題があると思いますけれども、その辺、きちんとしておく必要があると思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 対象の図書でございますが、自殺や犯罪の手段、方法等を詳細に、いわばマニュアル的に記述し、青少年に対し自殺や犯罪を唆すような内容の図書類を想定しております。

○田中(智)委員 これは、表現の自由、出版の自由を保障する上で重要な点だというふうに思います。
 青少年問題協議会の答申も、指定に当たっては、健全育成審議会の慎重かつ十分なチェック機能を期待すると。また、自殺や犯罪を、青少年を唆しているかどうか、慎重に検討し判断する必要があるとしているわけです。運用におきましては、答申のこの内容、趣旨を尊重していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 著しく自殺もしくは犯罪を誘発するおそれのあるものについて、個別、具体的な図書を審査する際には、青少年問題協議会の答申を踏まえ、健全育成審議会に新たに専門委員制度を設置しまして、青少年問題や心理学の専門的見地からの意見を聴取する等、慎重に審査を行ってまいります。

○田中(智)委員 ぜひ慎重な審査をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、区分陳列の義務づけに伴って、先ほども桜井委員の方からもありましたけれども、零細書店などに対しては、区分陳列をすること自体が難しいといいますか、スペース的にも大変狭隘な書店があったりとか、いろいろな問題があるということがいえると思うんです。過大な負担にならないように、実施方法など一定の配慮が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 区分陳列の規制は、原則として、店舗の規模にかかわらず実施を求めるものではございます。しかし、具体的な区分陳列方法につきましては規則で定めますが、その際には、零細店や小規模店も含めて、各種店舗での状況に合わせて選択できるように検討してまいります。

○田中(智)委員 青少年への配慮は、書店の規模にかかわらず必要だということについては当然だと思います。店舗の広さが限られている零細書店でも、ぜひ可能なやり方を開発する必要があるということだと思いますので、お答えのように、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 もう一つ、関連をしまして、立入調査について伺いたいと思います。
 条例の中に、関係公務員が立入調査をするというふうにありますけれども、警察官がこれにかかわること、これはあるんでしょうか。

○高西女性青少年部長 立入調査の権限を有する職員は、条例により、知事の権限に属する事務を執行する部局の者に限られておりまして、具体的には、生活文化局女性青少年部青少年課の職員が行うことになります。

○田中(智)委員 したがって、警察官が立入調査を行って、また、警察官が立入調査にかかわるようなことはないということでよろしいわけですね。ぜひそうしていただきたいと思います。
 ご承知のように、我が国は諸外国と比べても、子どもたちが、暴力や性を初めとして退廃的な文化に最も無防備な状態に置かれている国として、法整備を含む措置をとるよう、国連子どもの権利委員会からの勧告を受けているわけです。今回の条例改正は、社会的に必要な措置だと考えます。
 同時に、こうした問題は、法による規制だけでは、本当の意味での実効性は確保されないわけです。他県でも、条例ができたら、かえって県民の関心が弱まった、そういう例もあると聞いております。条例の整備をもって事足れりとせず、都民の自主的な世論と運動をどう広げるかが決定的だと思います。カナダやアメリカでは、民間におけるそういう組織が非常に発達していて、大きな力を発揮していると聞いております。我が国もそういう方向での発展が重要だと考えます。都としても、そういう方向での取り組みをあわせて強めていただきたい、そのことを要望して、次の問題に移ります。
 次は、女性財団の廃止問題について伺います。
 この問題が持ち上がって以来、さまざまに論議がなされてまいりました。この間、明らかになったことは、なぜ今廃止なのか、このことについて何一つ道理がないこと、また、手続的にも余りにも一方的だということです。女性財団の設立の趣旨である男女平等の社会的風土づくりについては、終わっていないこと。また、その役割も、男女平等参画条例ができて、むしろこれから一層求められること。また、財政的に見ても、わずかな削減にしかならないということ。財団の意向を反映するどころか、初めに廃止ありきで強行されること。どれをとってみても、廃止の理由はないといわざるを得ません。
 知事は、盛んに、おんぶにだっこ、自立していない団体といいますけれども、都が一〇〇%近くを出資している団体は、何も女性財団だけではないわけですね。しかし、女性財団だけは廃止をされる。納得できないのは当然だと思います。
 改めて伺いますけれども、もともと女性財団は、男女平等の社会的風土づくり、普及啓発を趣旨としている性格上、自主財源を確保することが困難であること、また、財団として設立された意味は、民間の知恵を広く活用し、弾力的な運営や、都民女性の運営への積極的な参加をくみ上げるために、公設民営方式の方が女性たちが自主的に参加しやすいというところから判断されたということだと考えます。いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 女性財団の設立当時は、ウィメンズプラザの管理運営や男女平等の社会的風土づくりに当たって、民間の人材の活用や弾力的で柔軟な事業展開が可能であるという点に注目して財団を設立したものでございますが、男女平等の社会的風土づくりを行うという事業の性質上、自主財源を確保することはなかなか困難でありますが、出版事業や一部有料の講座等の事業収入は期待していたと考えられます。
 また、平成九年度以来、監理団体経営評価におきまして、自主財源の確保等の指摘を受け、改善を促してきたところでございますが、今回の総点検で、現段階での社会状況の変化等を踏まえ、改めて見直してみますと、極めて直営に近い運営形態であり、本来自立的経営を目指すべき財団のあり方としては問題があるといわざるを得ません。
 また、男女平等参画の新たな段階に対応するため、行政として責任を持って施策を推進していく必要があることから、財団事業を直営化することとしたものでございます。

○田中(智)委員 もともと自主財源を確保することは困難だとおっしゃっていますよね。そうだと思うんですよ。私たちは、ウィメンズプラザの開設当初、直営化を求めてまいりました。やはり男女平等施策ということは、行政として主体的に取り組む必要のある重要な問題だからと考えたからです。しかし、開設に当たっては、さまざまな論議、運動がある中で、民営が適切と判断され、財団が設立された経過があります。
 設立から八年たって、それまでの女性たちの長い運動の積み重ねの結実、そして、その後の普及啓発に大変重要な役割を担ってきたということ、また、これから、NGOを含む多様な市民の参画が求められる時代ということを考えますと、今、財団を廃止する何の理由もないと考えるものです。
 伺いますけれども、行政と民間との協力があってこそ、男女平等施策を進めることになるというふうに考えますけれども、いかがですか。

○高西女性青少年部長 財団事業を直営化する理由につきましては、ただいま申し上げたとおりでございます。女性財団は、自立的な組織としてその存続が困難であり、また、男女平等参画の新たな段階に対応しまして--これは、いろいろな、男女雇用機会均等法あるいは男女共同参画社会基本法、あるいは東京都の条例等の整備あるいは、区市におきましても、多数の女性センター等が設置されてきているということでございますが、そういう段階に対応しまして、行政が責任を持って施策を推進する必要があることから、財団事業を直営化し、財団を廃止することとしたものでございます。直営後のウィメンズプラザの運営に当たりましても、民間団体の方々とは連携してまいりたいと思っております。

○田中(智)委員 一月二十六日に「男女平等参画のための東京都行動計画の基本的考え方 中間のまとめ」が出ましたけれども、この中で、考え方のポイントが三つあるというふうにいわれております。一つは、働く場での男女平等参画の推進、二つ目が、個人の尊厳の確立を目指す施策の充実、三つ目が、男女平等参画を推進する社会づくりの一層の充実ということですね。この行動計画がより実効性のあるものとして設定されることを望むものですけれども、問題は、これらのことを進めていくのに女性財団の役割がないのかということなんですね。私たちは、この行動計画の推進に当たっても、今こそ一層その存在や役割が重要になっているというふうに考えるわけなんですけれども、その点、いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 女性財団の事業の直営化後におきましても、基本的に財団事業は東京都の直営事業として引き継ぐこととしております。ただ、その内容につきましては、時宜に応じましたテーマに即して、実践的、あるいは施策に反映されるような調査研究、あるいは講座等々、適宜見直していくことはあろうかというふうに考えております。そういうことで、今度新たな行動計画を策定いたしますが、それは直営事業でやっていけるというふうに思っております。
 ただ、直営で行う場合に際しまして、先ほども申し上げましたけれども、さまざまな事業展開をする中で、都民の方、団体の方、あるいは企業等と幅広く連携はしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○田中(智)委員 別に都の役割を否定しているわけじゃなくて、都の女性施策については、もう十分行っていっていただいていいんですよ。それは、もちろん都がやるべきこと、あるでしょう。ですけれども、今求められているのは、やはり共同参画という立場で考えた場合に、都民との共同参加、一緒にやって、共同してやっていく、そういった立場が非常に求められているんじゃないですか。その三つのポイントのどれ一つをとってみても、役割は欠かせないというふうに思うんです。
 そうした立場で考えた場合に、長い間、都と一体となって女性施策を行ってきた方たち、財団の廃止について納得していないんです。反対しているんです。民間と連携する、共同する、そういうようにいいますけれども、私、その言葉が非常にむなしく響くんですよね。言葉とは裏腹に、民間との協力関係、信頼関係を東京都みずからが壊しているんじゃないですか。都は都でやるから、自分たちで勝手にやれ、財団を自分たちで運営しなさいということでは、本当の意味で協力ができるんですか。大体、東京都に、このような民間の、財団と一緒になって運営してきた、こういう方たちの信頼を壊している、そういう認識はあるんですか。いかがですか。

○高西女性青少年部長 一部に、財団存続を要望される方がいらっしゃることは認識しております。ご理解いただけないのは大変残念ではございますが、今後、直営化事業の中で、さまざまな事業展開の中で連携、協力を図るということで、また新たな信頼関係を築ければというふうに思っております。

○田中(智)委員 部長は今、一部とおっしゃいましたけれども、評議員会の中で財団の廃止が決められないわけですよね。一月十一日に評議員会がありましたけれども、一部じゃないですよ。一人を除いて、そのときはすべての方が反対を表明されているんですよ。このような状況なんですね。理事長さんも、大変残念だ、無力感がある。そして、評議員の皆さんがこぞって、どうして廃止なのか、疑問を投げかけているんです。それに対して納得していないんです。いまだに納得していない。そのことは今でもあるんですね。これから共同、連携するんだといいましたけれども、今まで何十年間も女性問題を本当に地道に行ってきた、こうした方々の協力なくして、これからの都の施策の充実、発展なんて、私はあり得ないというふうに思いますよ。こうしたことは、こういう信頼関係を崩したということは、都みずからが、東京都が一方的に財団の廃止を決めたことが原因とお認めになりますか。

○高西女性青少年部長 一方的に財団廃止を東京都が決めたというふうな今のご発言でございましたけれども、財団の廃止の方針決定は、確かに東京都の方針でございます。財団を廃止するかどうかということは、財団の理事会、評議員会でお決めになることではございますので、今後、十三年度中にご議論して結論を出していただきたいというふうにお願いしているところではございますが、そもそも財団の廃止ということを、事前に、いかがいたしましょうかという形でお願い、事前にお話しする筋合いのものではないというふうには考えております。東京都の方針ということで決定させていただきまして、それをお伝えしてご議論いただくということでお願いしているところでございまして、さまざまな機会を得てご理解を求めてきたところでございます。

○田中(智)委員 では、財団の自主性というのはどうなんだということになるわけじゃないですか。十三年度は、自分たちで廃止を決められないんだったら、早いうちに存廃を見直しをしなさいということかもしれません。しかし、東京都が補助金を引き揚げ、人も引き揚げ、じゃ、あなたたちが勝手にやりなさいといっても、実際的にはやれないわけですよ。そういうことをしておいて、勝手にやりなさいということでは、本当に今までの活動、納得していないというこれらの方々の思いは--東京都は、実際、これから男女平等施策を充実させるといっても、なかなか納得できないというのは当然のことだといわざるを得ないと私は思うんです。
 財団は、特に全国の女性施策のリード役だったわけなんですよね。全国の女性センターにも大変大きな影響を与えるということが指摘をされております。だからこそ、きょうの請願にもありますように、見ていただけばわかりますけれども、東京だけじゃないんですよ。全国各地から請願が来ているじゃないですか。請願陳情が来ているんですよ。それは、やはり東京の財団がどうなるかということは、大きな影響を与える。そして、その全国のリード役を果たしてきたのが女性財団だったということの証明じゃないんですか。
 私は、もし本当に東京都が民間と協力をして、これからも男女平等施策の前進を図りたいと考えているなら、少なくとも女性財団の一方的な廃止はやめることが、最小限都としてやるべきことだというふうに思います。それもせずに、本当に男女平等前進のために民間との協力がスムーズに進むのかどうか、私は大変疑問だと思います。
 ところで、直営にすることを賛成するという意見に、直営になったら議会のチェックが受けやすくなるという議論がありますけれども、どうお考えですか。

○高西女性青少年部長 東京女性財団への補助金であれ、直営後のウィメンズプラザの運営経費であれ、都民からお預かりしている税金で賄っていることには変わりはございません。都民の代表である議会において、予算案の審議及び決算審議を行っていただくのは当然のことでございますが、直営の場合の方が、より直接的なご審議をお願いすることが可能であると考えております。

○田中(智)委員 今のお答えですと、変わらないということですね。ことしの一月の女性財団の評議員会で、ある議員が、都が行う男女共同参画社会の具体的な都の施策について、議会が直接チェックする、議会の監視機能、批判機能というものも及びやすくなるという面は一つ認めなければいけないといっているわけです。また、財団が作成したジェンダーチェックの冊子について、従軍慰安婦問題など、市民団体への助成についても、都議会の一部に批判がありましたね。その方は、生活文化局の女性のあり方、ジェンダーフリーのあり方を、知事がかわったんだから、やっぱり行政は知事の施策を実現することが第一の目的だと思うから、しっかり受けとめてやってくださいと、知事の政策を受けとめてやってくださいと、ここまでいっているわけですよね。
 今までも、企画する講座、出版物の内容に都から細かくチェックが入ったということも聞いております。変わらないとはいうものの、都議会の影響を受けやすくなるとはいわれましたけれども、直営になれば、講座や出版物にしても、より都の政策に沿った形での側面が強まり、自主的な、自由な活動というよりは、そういった都の政策に沿った形での側面が強まるのは当然のことだというふうに思うんです。
 こうした経過が具体的にあったからこそ、今回の財団廃止の本当の理由が、石原知事のもとで、男女平等、嫌い、こういう流れがあるのではないか。そのもとで直営化されることになれば、もっと活動が制限され、手足を縛られるのではないかと、強い懸念が各方面から持たれているんです。この懸念が当たらない、そういえますか。

○高西女性青少年部長 都知事の男女平等参画に対する姿勢というふうなご発言がございましたけれども、昨年都議会で制定していただきました男女平等参画基本条例、これは現知事の提案によるものでございます。知事は、男女平等参画はどんどん推進するべきということで、このたび出されました東京構想二〇〇〇におきましても、推進プランというところに掲げているところでございまして、これを受けまして、私ども生活文化局女性青少年部におきましては、男女平等参画をなお一層進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 今後、さまざまなところで制約を受けるのではないかということでございますが、東京都の直営でございますから、東京都の政策に沿って推進するのは当然のことではございます。ただ、それに際しまして、先ほども申し上げましたが、民間の方々のご意見等伺いながら進める、これはどの分野についても同じだと思いますが、男女平等参画につきましても同様でございます。

○田中(智)委員 知事のもとで条例も制定され、行動計画も進められるというふうにおっしゃいましたけれども、それは事実としてはそのとおりだというふうに思います。
 しかし、その論議をする過程で、今まで女性問題の数々の答申をしてきた女性問題協議会から、条例をつくるための審議会を別につくったわけですけれども、そのメンバーががらっと総入れかえになるとか、それまでの経過が全然わからない人たちによって条例は制定されるとか、いろんな意味での問題がその中でもあったというふうに私は聞いております。
 しかし、その中で、そうした意味で、基本条例の中でも盛り込まなければいけないことも盛り込めなかったという、いろんな思いを持っている方もいらっしゃいますし、これを知事がつくったからというのは、いささか単純な論議じゃないかなというふうに私は思わざるを得ません。
 しかし、これからも、講座や、時宜に応じた重要なテーマに即した民間の活動支援などを実施するということですけれども、じゃ、今まで財団がやってきた事業が具体的に保障されるんでしょうか。

○高西女性青少年部長 先ほどの女性問題協議会の答申を受けて条例をつくったわけでございますが、その条例に答申されていたものが多々盛り込まれていないのではないかというご発言がございましたけれども、基本的に、当然のことではありますが、女性問題協議会の答申は尊重しております。その中で、協議会の中でも議論のあったものにつきましては、検討がまだ十分されていないということで条例に盛り込んでいないものはございますけれども、基本的に尊重して条例をつくったものであるということをご理解いただきたいというふうに思います。
 それから、これまでやってきた財団事業がすべて保障されるのかというお尋ねでございますけれども、先ほども申し上げましたが、基本的に財団事業は、講座ですとか、相談ですとか、あるいは情報提供ですとか、そういうものは継続はいたします。ただし、これはどの事業についても同じでございますが、社会状況の変化等によりまして見直していくのは当然でございまして、常に同じ事業をやっていくということは妥当性を欠くというふうに思っております。
 直営化後におきましては、さらに、今現在、問題になっております企業における参画促進、あるいは、家庭内等における暴力も非常に問題視されておりますけれども、これについても対策を強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○田中(智)委員 民間活動支援、都の施策に応じた活動を行っていくということですけれども、そうした側面というのは、行政が上から啓蒙するというか、上から啓発するというような形のことではなく、財団が設立された趣旨というのは、民間の本当に多様な活動を保障したり、自主的な活動や主体的な活動が男女平等参画施策にとってはやはり必要だということから設立されたというふうに私は思っておりますし、今、東京都が充実させるといっても、その役割そのものは何ら終わっていないというふうに私は思いますし、ますます重要になっているというふうに思うんです。
 その事業のことなんですけれども、一言あれなんですけれども、例えば、女性財団の評議員をやっております山口さんという方がいらっしゃいますけれども、この方は、市川房江記念会ということで普選会館を建てて、自前でホールを持ってやっておりますね。市川房江記念会ですね。この方なんですけれども、私たちは政府の補助金とか自治体の補助金をもらわないでやっていますと。大変貧乏な財団なんだと。その予算の中で研究開発とかテーマ研究というのは、貧乏財団にはできないんです、そういうことこそ東京都の女性財団でやっていただきたい。それを今までやってきたんだと。これが予算として削減されているということは驚きだと。これは、社会状況の変化等によって事業を終了するといわれていますけれども、とんでもないことだと。こういうことをやらないと、具体的な施策は進まないんですよと。ここまでいっているんですね。自分たちはやりたいけれども、人もないしお金もなくてできないんだと。そういうことこそ財団が行ってきた。それが今いろんなテーマ研究の成果となって出版されているというふうに私は思います。
 私は、先日、DV関係の施設を調べようと思っていましたところ、結局は女性財団が出したDV関係の本が、一番よくわかって、後ろに資料もついていた。結局は女性財団に帰ってきたという経験があるんですね。
 そういうように、本当にそうした研究が、自主的な研究が、大変大きな成果として今まであったというふうにいえると思うんです。資料にもありますけれども、その部分の研究開発が今回はゼロというふうになっているわけですね。こうしたところにも、後退はさせないというけれども、果たしてどうなのかといわざるを得ないというふうに思います。
 知事がだれにかわろうが、社会状況がどう変わろうが、男女平等社会をつくることは重要な課題であります。都は、男女平等基本条例を制定し、これからが一番大事なときに、今までその最前線で頑張ってきた女性財団を廃止する。これでは、民間との共同にとっても、都の施策を実現する上でも、非常にマイナスだといわざるを得ません。したがって、あくまで廃止をやめ、自分たちで考えろというような補助金の打ち切りを直ちにもとに戻すよう要求して、質問を終わります。

○石川委員 それでは、私の方から、初めに、青少年健全育成条例の一部改正に関連して伺います。
 昨年八月に発表されました心の東京革命行動プランでは、家庭や地域の教育力の低下を助長する社会環境として、売れ行きを最優先にしたマスメディア等による享楽的な情報のはんらんや、一部営利至上主義的な企業活動を挙げています。こうした状況が広く社会全体に,
物質的な欲望やせつな的な快楽を優先させる風潮をもたらし、子どもの心の荒廃に拍車をかけていると指摘し、社会全体で有害情報を子どもの目に触れない仕組みをつくるよう呼びかけています。
 また一方、昨今、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境から、青少年の保護に関する施策を総合的に推進する視点から、法制化の必要性も議論されているところであります。青少年の健全育成は、これまで、都道府県が条例で定めてこれに取り組み、都におきましては、本定例会に、不健全図書類について、著しく自殺または犯罪を誘発するおそれのあるものを指定事由に追加するほか、コンビニなどでの区分陳列、自動販売機の制限の導入を盛り込んだ、青少年健全育成条例の一部改正が提案をされているわけであります。
 こうした議論をいたしますと、先ほどもありましたように、表現の自由、言論の自由、出版の自由という、憲法で保障された基本的人権の分野と議論をされるわけでありますけれども、第二十四期の青少年問題協議会で、こうした条例改正を行う報告をまとめるに当たって、そうした視点についてはどのような議論がされたのか、一度整理をさせていただけますか。通告しないで、大変恐縮なんですが。

○高西女性青少年部長 第二十四期東京都青少年問題協議会中間答申、平成十二年十二月二十日に出されました。「メディアを中心とした社会環境の変化と青少年の健全育成-東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部改正について」でございます。
 今、先生がおっしゃられました、表現の自由あるいは営業の自由と、青少年健全育成の観点からの規制ということでございますが、基本的には、やはり言論や出版の自由が侵されることはなるべく最小限にとどめるべきである、不健全の枠が拡大されると、言論や出版の自由が侵害される懸念が生じるということでございます。
 不健全と呼ぶには、いろいろ個人差といいましょうか、その時々の社会情勢に応じましても、見方の差というものもございまして、ある人に不健全と感じられるものが、他の人には、排除するほど、規制するほどではないと判断される場合もあるということでございまして、いたずらに不健全の枠が拡大されると、言論や出版の自由が侵害される懸念も生じるということでございます。
 そうした状況を視野に置くと、規制は最小限にとどめたいが、青少年が不健全な環境に接して育つのは、また決して好ましくはない。もちろん、また、不愉快なものを見たくない自由ということを保障することも必要なので、将来的な方向としては、きちんとした、地域や陳列する場所を区分する、すみ分けの視点が重要になるというふうな答申になっております。

○石川委員 それらの議論を経過して、今回、改正の提案をされたわけでありますけれども、そこで幾つかお伺いいたしますが、今回の区分陳列の規制は、どのような図書類が対象となりますか。また、販売業者は、対象図書類をどのように判別したらいいのか、伺います。

○高西女性青少年部長 条例上の区分陳列の対象は、知事が青少年の健全な成長を阻害するものとして指定した不健全指定図書類と、発行者が青少年に好ましくない旨の表示をした表示図書類というものがございます。
 不健全図書類につきましては、月に一回指定しておりますが、指定の都度、都内のすべての書店やコンビニ等を対象に、周知用のはがきで周知をしているところでございます。
 また、表示図書類につきましては、雑誌等の表紙の見やすい箇所に発行者が表示をするもので、区分陳列の対象であることがわかるようになるはずでございます。

○石川委員 そうしますと、販売する方は、不健全指定図書類については通知がありますよ、表示図書類については出版社側の責任で見やすいところに示しますよ、この二つの図書類について区分陳列をすればいい、こういうことでよろしいんですね。
 都内には、約一万の雑誌や図書の販売店があるそうでございます。店舗の規模も、相当広いものから、それこそ数坪の狭い店まで、千差万別であります。そこで心配になりますのは、特に零細、小規模店舗の取り扱いです。スペースが狭い上に、さらに区分陳列となると、書店に過大な負担をかけることにならないか。青少年を有害な図書から守る配慮は当然しなくてはいけません。書店等も、その協力を惜しんではならないと思います。しかし、そうした零細、小規模店舗における区分陳列については、対面販売が可能な場合には、青少年に不健全な図書について、いわゆるビニールがけ等をしていれば、区分陳列と同等の配慮がなされていると認めるなど、販売店への配慮を認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 区分陳列の規制は、原則として店舗の規模にかかわらず実施することを求めるものでございます。ただ、都内約一万店の書店のうち、約半分がコンビニでございますが、残りの書店の中には、確かに先生のおっしゃいますように大変規模の小さい書店等があるのも事実でございます。
 そういうことで、具体的な陳列方法につきましては規則で定めますが、その際には、そういった大変小規模な書店でありましても何らかの手だてがとれるような選択肢も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

○石川委員 規則で区分陳列のモデルをつくるということでございますから、今ご答弁にありましたように、零細、小規模店舗に十分な配慮をしたモデルをつくっていただきたいと思います。
 それから、最近、とじ込みでCD-ROMが入っている雑誌をよく見かけるようになりました。雑誌の本体はごく普通の情報誌ですが、こうした付録の中に不健全な内容が含まれているような場合は、販売店の関係者も判別がつかないと思います。この場合、区分陳列はどのように考えればよろしいでしょうか。

○高西女性青少年部長 ご指摘のとおり、昨今、CD-ROMやDVDのついた図書類で、青少年に好ましくない内容を含むものが増加傾向にございます。一見すると普通のグラビア雑誌というふうに見えるのですが、とじ込みのCD-ROM等がありまして、その中をあけてみますと、驚くべき内容のものがそこに大量に入っているという雑誌等でございます。こういうものが、一見してわからないものですから、普通の書店で、普通の本棚に、パソコンの雑誌等に挟まって売られているという現状がございます。
 条例で規制対象となる図書類には、雑誌や書籍のほかに、こうしたCD-ROMやDVD等の電磁的記録媒体も含まれております。したがいまして、雑誌の付録部分であるCD-ROMやDVDにのみ青少年に好ましくない内容があるものにつきましても、知事が個別に指定する不健全指定図書類と発行者が青少年に好ましくない旨の表示をした表示図書類につきましては、区分陳列を行っていただくことになります。

○石川委員 この種類につきましても通知と表示がある、こういうふうに理解してよろしいんですね。
 じゃ、この項の最後に、罰則について伺います。
 今回、これまでは関係業界の自主規制にゆだねていた区分陳列を条例にきちんと規定し、青少年を有害な図書から守る取り組みを進めていくとのことですが、実効性を担保するために、ある程度の制裁措置が必要なのは理解するところです。しかし、書店にとっては、違反の場合、即罰金等の処罰が科せられるのではないかと、大変不安に思っているところも多いと聞いております。悪質な書店はともかく、良心的な書店がほとんどだと思いますので、事前に指導等を行うことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 指定図書類の区分陳列義務に違反した場合は、事前に書面により警告を行うこととなっております。警告に従わず、なお違反を続ける場合には、罰則の適用の手続をとることになりますが、条例改正に当たりましては、条例公布後施行までの間に、普及用のパンフレットあるいはビデオ等、あるいは巡回指導等によりまして、適切な区分陳列がなされるように指導していきたいというふうに考えております。

○石川委員 ぜひ必要な措置を講じていただきたいと思います。
 それでは、次に、女性財団の廃止問題について幾つか伺います。
 この問題については、本会議、また予算特別委員会でも若干質疑をさせていただきました。財団が廃止されることによって、都民の皆さん、また関係する団体、機関の皆さんが、東京都の男女平等参画社会推進のための事業がおくれるのではないかという疑念を抱くことを、私は一番懸念するわけであります。
 そこで、何点か改めて伺わせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、東京都は昨年、条例を定めて、そして十三年度中に条例に基づく行動計画を作成する、今こういう段階であります。そこで、先ほども幾つか議論がありましたけれども、財団がこれまで行ってきた事業等が、直営化、財団廃止により、どこが、どのように変化するのか、場合によっては変化しないのか、都民にとってそのことが関心が高いと思いますので、改めてお伺いしたいと思います。

○高西女性青少年部長 これまでウィメンズプラザにおいては、会議室等の場の提供や、情報提供、活動助成などを行い、都民活動を支援してまいりました。直営化後のウィメンズプラザにおきましては、これまで財団が行ってきた普及啓発、民間活動助成、相談事業等を基本的には継続いたします。ただ、内容的には、本庁企画部門と一体となって、時宜に応じた重要課題解決に向けた取り組みを強化するため、再構築を図ることとしております。
 具体的に申し上げますと、企業に対する指導、研修など参画促進に取り組むとともに、暴力専門相談、夜間相談など、相談機能の充実を図ってまいります。さらに、インターネット等、情報基盤を充実し、積極的な情報提供を行ってまいります。
 なお、十三年度に三事業を廃止する予定をしておりますが、テーマ研究につきましては、これは計画年次の終了でございます。それから、パネル等の展示貸し出しにつきましては、これは相当ストック等もございまして、目的を達成したというふうに考えております。また、刊行物の販売につきましては、刊行物そのものは作成、配布をいたします。ただ、販売につきましては、東京都の仕切りの中で、他の刊行物と同様、都民情報ルームを通じて販売することになるということによるものでございます。

○石川委員 事業の関連につきましてはわかりました。
 そこで、女性財団にかかわる予算について、平成十二年度いわゆる直営化前と、十三年度、直営化後の違い。これはどう変わるのか。また、あわせて、職員の体制はどう変わるのか、お答えください。

○高西女性青少年部長 東京女性財団の予算についてでございますが、平成十二年度の歳出ベースの予算額は、補助金と委託料で五億四千五十五万六千円でございます。直営化後のウィメンズプラザの運営に係る予算につきましては、十三年度、三億二千四百四万三千円を予定しておりまして、その差し引き二億一千六百万余円の削減となっておりますが、その内訳につきましては、直営化に伴う人件費の組み替え、それから財団役員費等、直営化の効果、その他の経費節減等でございます。
 また、職員体制についてでございますが、ウィメンズプラザにおける職員体制は、平成十二年度は、財団の職員として常勤職員が十二人、非常勤及び再雇用職員が十九人でございました。十三年度は、直営になりまして、常勤職員が八人、非常勤及び再雇用職員二十二人が配属される予定になっております。直営化に伴いまして、管理運営部門で常勤換算で約四人分の削減、また、事業充実分として再雇用職員三人が増員となります。

○石川委員 予算規模で約二億一千万余、それから職員の方では、常勤が四人削減をされるということですが、前に答弁いただきましたけれども、そうした予算状況あるいは職員体制が変わっても、従来どおりの事業、運営等々は行っていきますということですから、ぜひその方向でお願いをしたいと思っております。
 ところで、財団については、十三年度中に、その存廃を含め財団みずからが根本から見直し、結論を出すとのことですが、その検討は、理事長を初め理事会や評議員会で行うことになると思います。十二年度は、こうした費用にどのぐらいかかっておられたのか、それを示していただきながら、こうした会議等にかかわる経費は十三年度はどういうふうになるのか、そして基本財産はこうしたことに使えるのか使えないのか、その辺を具体的に教えていただきたいと思います。

○高西女性青少年部長 財団の理事会、評議員会の開催等に係る経費でございますが、平成十二年度の今現在までの実績で申し上げますと、十二年度は、懇談会等も含みます、あるいは持ち回りもございますが、理事会を五回、評議員会を三回開催しておりまして、それにかかりました費用は、報酬あるいは会場費等で総額約百二十四万円でございます。
 今後、財団が検討を進める間に必要な経費につきましては、財団みずからにお考えいただく問題ではございますが、財団が自主的に最大限の努力を行って、なおかつ財団からの要請があった場合には、今回提案している予算の中で、時限的、特例的な配慮を検討することもあり得ると考えております。
 なお、基本財産につきましては、財団の寄附行為第八条により、基本的には処分できないことになっております。

○石川委員 これまで財団は、男女平等の社会的風土づくりに向けて、各種講座の開催、研究活動助成、研修、相談事業など、さまざまな普及啓発事業を通じて成果を上げてきたことは事実であります。先ほどの事業内容のところでも聞きましたが、こうした事業は、直営になっても、財団が特に要望しなくとも、きちっと都に引き継がれることを改めて確認をさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

○高西女性青少年部長 東京都は、直営化後のウィメンズプラザにおきまして、基本的には、これまで財団が行ってきた事業を継続いたしますが、男女平等参画の新たな段階に対応して、広域センターとしての人材養成に重点を置いた講座や、時宜に応じた重要テーマに即した民間活動助成などを実施してまいります。
 さらに、事業実施部門でありますウィメンズプラザと本庁企画部門の緊密なコミュニケーションのもと、参画促進に向けた、企業に対する積極的な働きかけや、家庭内等における暴力に対する相談の充実など、行政としての取り組みの強化を図ってまいります。

○田中(良)委員 私は、消費者行政についてお尋ねをしていきたいと思います。
 この四月から消費者契約法が施行になるということでございますけれども、この法律は、労働契約を除くすべての消費者契約を対象にしているということで、事業者と消費者のトラブル解決のためのルールを定めたものとして聞いておりますけれども、今の時代、いろいろトラブルが多いので、この法律の施行に対して、いろいろ期待もあるんだということでございます。
 そこで、幾つかお尋ねをしていきますけれども、事業者と消費者の契約のトラブルというのは、最終的には裁判において解決をされるということですけれども、実際問題として、個々さまざまなトラブルに巻き込まれた場合に、裁判という形で争うようなケースというのは、ごくまれではないかなというふうに思います。実際に消費者の多くは、泣き寝入りみたいな形で終わるのが、ほとんど多いんじゃないかなというふうに思います。
 そういう中で、消費生活センターというのがあるわけですが、裁判以外の紛争処理機関として役割を果たしていこうということで、こういう機関があるということですね。聞くところによると、現在、九万件を超える相談が寄せられているというふうに聞いております。具体的には、キャッチセールス、路上で声をかけて、言葉巧みにエステ契約などをさせるとか、それから、電話で呼び出して強引に契約させる、こういうのをアポイントメントセールスというんですか。それから、お年寄りに高額な羽毛布団を販売する訪問販売。最近は、携帯電話にどんどん電話がかかってきて、どういうふうに商売になるのか、ちょっと詳しくはわからないですけど、しょっちゅう携帯電話が鳴って、何だと思うと、そういうセールスの電話だというようなことをよく聞くんですよね。いろんな形態でこういったトラブルがふえてきているし、今後も増加する傾向にやっぱりあるんだろうなというふうに思います。
 こういうようなトラブルの解決に、この四月から施行される消費者契約法というのは、どういうふうに役に立つのか、現場ではどういうような評価をされているのか、このあたりについてちょっとご答弁をいただきたいと思います。

○中澤消費生活部長 これまで、消費者契約に係る相談につきましては、民法やら個別法によりまして対応してきておりまして、民法の場合には、詐欺あるいは脅迫、錯誤の要件が非常に厳格になっております。個別法では、法の適用が限定されたり、あるいは、私人間の権利義務に直接的な効果をもたらさないというようなものが多くて、消費者被害の救済に現段階では一定の限界があったものでございます。
 ただ、この消費者契約法の制定によりまして、事業者の不適切な事業行為につきまして、それによって締結された契約の取り消しでありますとか、あるいは、不当条項の無効などの要件が明確になります。そこで、迅速かつ容易に消費者被害の救済が図られるものだと期待をしているところでございます。
 なお、消費生活相談におきましては、民法や個別法では解決が難しいトラブルにつきまして、消費者契約法の趣旨を踏まえまして、その公正、円滑な解決に努めてまいりたい、こう思っております。

○田中(良)委員 この消費者契約法の審議過程では、消費者の相談にとどまらず、より中立的なあっせん、調停を行う苦情処理機関の必要性がいろいろ議論をされて、附帯決議として、そういった苦情処理機関の充実というものが求められている、こう聞いております。
 都においては、消費生活条例の中で被害救済委員会というものを定めて、今までも紛争処理に当たってきたということですけれども、昭和五十年から今日までの被害救済委員会によるあっせんというのは、伺ったところでは十八件ということでございました。そういう意味では、あっせんという形で十八件というのは極めて少ない。全体のトラブルの数とか相談とかと比較すると、もう〇・〇何%とか、そんな感じなんでしょうかね。極めて少ない事例だということだと思います。この消費者契約法という新たなルールができた後でも、こういった都が独自に今までやってきた施策の運用が、これまでのような形でいいのかどうかということを再検討する必要があるのじゃないかというふうに思うわけであります。
 そこで、一つの提案ですけれども、被害救済委員会というのは、委員が現在十八人で構成されていらっしゃるということですけれども、もう少し迅速な、柔軟な対応をしていくために、例えば、その三分の一とか四分の一とかの人数で何かうまく進めていけるというような形で、運営方法を改革するというようなことはどうかと考えるわけですね。ほかのやり方が何かいい案があれば、それはそれでどんどん進めていただいていいんですけれども、そこら辺のお考えをお聞かせいただけますか。

○中澤消費生活部長 今ご指摘いただきましたように、消費者トラブルの解決策として、消費生活センターでの相談処理に加えまして、特に解決困難な、都民の消費生活に及ぼす被害が重大な案件について、広域性があったり重大であるというものにつきまして、東京都消費者被害救済委員会によるあっせんや調停によって、公正かつ速やかに処理をしてきたところでございます。
 今後、消費者契約法の施行によりまして、裁判外紛争処理機関としての消費者被害救済委員会の役割は、一層重要性を増すものと考えております。このために、あっせん、調停などの部会構成等について、今、見直し中でございますが、貴重なご意見と受けとめまして、より一層迅速かつ機動的な運用が図れるよう取り組んでいきたいと思っております。

○田中(良)委員 それでは、ぜひいろいろ検討していただきたいと思います。
 次に、この消費者契約法というのは、すべての消費者契約に適用になるということで、医療サービスとか介護保険福祉サービスとか、賃貸住宅、それからサラ金ですとか、あらゆる消費生活に及ぶということです。そういうあらゆる面に及ぶということは、都庁内の所管する部署というのも多岐にわたるということになろうかと思いますが、その意味では、こういった問題が生活文化局だけで必ずしも対応し切れるかというような心配もあるわけです。
 そこで、全庁的にこの法律の趣旨を徹底して、連携をして当たっていく、そういう意識とか、具体的な方法というのを考えていくべきではないかと、こう思っているんですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。

○中澤消費生活部長 現在、消費生活総合センターでは、複雑多様化し、広域的に多発しています消費者被害に対応するために、相談対応の専門性の向上を図るとともに、住宅相談などの都の専門相談窓口との連携も図ってきております。消費者契約法につきましても、法が活用できますように、庁内関係部署を対象に説明会を既に開催してきてございますし、周知を図ってまいりました。
 今後は、消費者契約法が円滑に執行されますように、庁内外の相談機関等との連携を一層密にいたしまして、消費者被害の回復に努めてまいりたいと思っております。

○田中(良)委員 次に、今は、トラブルがあって、相談があったときにどういう対応をするかとか、そういうことでお話ししてきたんですけれども、もう一つ大事なのは、そういうトラブルが起こらないように事前に啓蒙するというか、あるいは、起こったときになるべく早期に、それぞれの消費者が自分でできる防衛策を講じるということが必要だろうと思います。そのためには、こういう法律、消費者契約法の内容というものをPRする必要があるだろうと私は思っています。
 たまたま、こういう質問をしようかなということで、資料を取り寄せたところ、「解説 消費者契約法について」ということで、これは経済企画庁の国民生活局というところがつくっているパンフレットなんですよね。担当の部長さんは多分、これはもちろんご存じだと思いますが、局長さんはこれをごらんになったことありますか、こういうパンフレット。ないともいえないかもしれないけれども、別に答弁しなくていいですよ。
 私は、これを見て、全く驚いているんです。これはだれのためにつくっているパンフレットか。これをあけますと、消費者契約法をそのまんまそっくり書いてあるんですよね、そのまんま。大体、こういうのを読む人、自分が何か契約するときに、六法全書でどういうことかと知ろうとするような人が、そういうトラブルに巻き込まれることはまずないわけですよね。だれのためにこれは書いているのかなというふうに、私なんかは思うわけですよね。大体、皆さんだって、自分の所管と関係なきゃ読まないんじゃないかなと私は思いますよね。我々だって、読んだ方がいいに決まっているけど、要するにこのポイントは何だろうということで、大体知ればいいわけですよね。
 これは何も生活文化局の方々がつくったわけじゃないから、皆さんをどうのこうのいうわけじゃないんですけど、これがいわゆるお上の意識なのかなという感じがするわけですよね。幾らお金かけたかわかりませんしね、何万部刷って、どこに配ったのかわかりませんけど、こういうものを何部つくっても、これは税金のむだ遣いだと私は思います。
 それで、上手に自治体としてPRをしていくために、こういうものは一つの反面教師というか、反省材料として十分に生かしていただいて、わかりやすいものをつくって周知徹底していただきたいし、そういうことをやるのがむしろ自治体の仕事なのかなというふうに思っています。
 ちなみに、この消費者契約法の経企庁のパンフレットとは、そういう意味では大分ましというか、これは、高校生向けに東京都消費生活総合センターでつくったものですけれども、これでもちょっと詳し過ぎるぐらいいろいろ詳しい、ページ数が多いかなという感じもしますけれども、工夫の跡は十分にうかがえるわけですね。
 そういう意味で、このPRの取り組み方、そこら辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○中澤消費生活部長 消費者契約法といいますのは、消費者契約にかかわるトラブルをみずから解決するために非常に役に立つ包括的な民事的なルールでございますので、都民自身が十分その内容を理解しているということが非常に大事なことでございます。わかりやすく周知を図る必要性があるということは、ご指摘のとおりだと思っております。
 今、都では、先生にもご紹介いただきましたけれども、消費生活総合センターにおいて、「東京くらしねっと」などの消費生活情報、それからホームページもございます。あるいはまた、ご紹介いただきました高校生向けの副読本、いろんな方法でPRに努めてございます。そのほかにも、どこかでごらんいただいているかもしれませんが、若者向けのポスターやリーフレットなんかもやっています。こういうポスターなんかでは、若者に人気のあるタレントさんを登用いたしまして、例えば「おいしい話はよーくチェック」とか、あるいは「うますぎる話ははっきりNO!」とか、比較的若い方にも理解されるようなフレーズを使いながら訴えているところでございます。
 今後とも、さまざまな手段を使いながら、都民の方に本当にわかりやすいPRに努めていきたい、そのことによって消費者契約法の一層の周知を図っていきたい、こう思っております。

○田中(良)委員 最後に、この消費者契約法が制定された趣旨というのは、直接的には、ふえ続けるこういった契約トラブルに対処するという目的でありますけれども、背景としては、やはり時代の流れ、規制緩和の流れの中で、これまで、さまざまな規制をかけて、事前に大体行政が管理していこうという社会から、一定のルールをつくって、その中で市場の競争原理というか、市場活動の自由ということを一方で活性化させましょうと、こういう一つの流れの中に位置づけられる法律の制定だろうと。つまり、いわゆる構造改革が進められていくという中で、当然その裏腹として、消費者なり事業者なりの自己責任というものがきちんと問われる時代ということになるんですけれども、それが結果として弱肉強食を助長するとか、弱い立場の人たちにさまざまな不利益が集中するというようなことにならないように、一定のルールづくりが必要だということだろうと思います。
 そういう意味で、自由な活動の一方で、きちんとそういうことを管理するセーフティーネットというものを構築することが、この時代の背景、この法律の背景にあるんだろうというふうに思います。
 そこで、最後になりますけれども、このようなことを踏まえた上で、消費者、事業者の自己責任を問い得る環境の整備が、これからの消費者行政の大きな課題ということでございますけれども、今後の消費者行政に取り組んでいく基本的な理念、方針というものについてお尋ねをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○中澤消費生活部長 消費者が、市場におきまして自己責任の原則のもとに行動するためには、事業者が公正かつ透明な自由競争を行うこと、それから商品サービスに関する十分な情報が消費者に提供されていること、そして消費者が自立して判断をする、選択する能力を有していること、こういうことが前提条件でございます。その条件が整うように、消費者行政は新たな取り組みを進めなければならないと思っております。
 とりわけ、次の三つの取り組みに力を注いでいきたいと思っておりますが、第一には、市場ルールを逸脱して、悪質かつ巧妙な手口で消費者被害を引き起こす不適正取引事業者を厳しく取り締まっていく、第二に、消費者が自己責任によってより適切に行動をとれますように、情報提供、学校等における消費者教育支援等を充実強化していくこと、第三には、消費者被害を適切に処理するために、裁判外紛争処理機能を強めていくということでございます。
 そのために、本年四月に不適正取引事業者対策の体制を強化するとともに、今後さらに施策の総点検を行いまして、時代の要請に応じた新たな消費者行政を構築していきたいと考えております。

○大河原委員 私からも、青少年健全育成条例の改正問題から伺っていきたいと思います。
 日本ほど町じゅうにポルノがあふれている国はないというふうにいわれております。子ども買春防止、ポルノ防止法、処罰法ですか、それもやっとできまして、そのときも、日本は子どもポルノの大生産国である、そして、アジアの諸国への子ども買春ツアー、そういったものも大変厳しい批判を浴びました。しかし、書店やコンビニなどで、ポルノと見まごうばかりの雑誌が、本当に日常の品物と一緒に並べられている現状がありますし、それから通学や通勤の電車のつり革広告、これなどにも必要以上に女性の水着姿が多かったり、場面にもよりますけれども、漫画だからいいのかというような際どい描写があったりします。こうした現状には常々不快感を持っているわけですけれども、それ以上のことになすすべもなく、こうした風景が日常化しているというのが現実だというふうに思っています。
 もちろん青少年への影響はもとよりですけれども、女性の人権への面から問題のある性的な写真や言葉のはんらんといったもの、こうしたものも、私は個人的には何らかの形で規制を望んでおります。
 そして、この第二十四期青少年問題協議会の中間答申の中でも、今の日本の現状について非常に的確な表現がされておりました。それは、今の日本の現状は、歴史的に見てもかなり異常な事態といえる。人類史上どの社会でも、公的な場面、パブリックなところから性的なものを隔離してきた。しかし、現代の日本では、商業主義が肥大化し、人類社会に普遍的といえる公共と性の切り離しが侵食されてしまっている。まさにこのとおりだと思いますね。私たち大人が、子どもたちをすくすく育てていきたい。そこにはすべての有害な情報をシャットアウトする。そんなことは今、不可能だということは、十分だれでも知っております。そして、こうした公的なものと性的なものを明確に分離すること、そのことは、表現の自由や性に関する自由を否定するものではない、こうしたこともきちんととらえた上で、今回、この条例の改正を見ていきたいというふうに思います。
 こういったところでは、公共の場で見たくないもの、見ない自由というものも尊重されなくてはならないというふうに思いますし、そうした工夫が必要かというふうに思います。
 今回の、不健全図書指定に追加が提案されております、著しく自殺または犯罪を誘発するおそれのあるものという事項、このことについても概念がひどく広くて、そして大変あいまいです。その時代的な背景のようなものに大きく影響されるということもありますし、このようなあいまいなものを、指定に至るまでにどのように限定をしていくのか、その手続の方法を伺っていきます。

○高西女性青少年部長 自殺や犯罪を事由に不健全図書の指定を行うには、いわゆる写真やグラフ、コミック誌と異なりまして、文字表現が中心となっておりますので、判断に困難を伴うことが予想され、慎重に対応していく必要があると考えております。審査に当たりましては、他県の状況等も参考にしながら、条例の運用の基準となる認定基準に基づいて行います。
 また、諮問機関である青少年健全育成審議会に新たに専門委員制度を設け、青少年問題や心理学等の専門的見地からの意見を聴取する等、慎重に審査を行ってまいります。

○大河原委員 自殺マニュアルなどは、本全体が一つのテーマということで、非常に明確なものなわけですけれども、一部に盛り込まれている、そういう本などについては、どのように対処していくんでしょうか。特に、自殺などは文学の大きなテーマでもあったりしますので、非常に難しいと思うんですが、その点はどうでしょうか。

○高西女性青少年部長 本の一部でありましても、その内容が、指定事由や認定基準に照らして、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められ、青少年健全育成審議会から指定が妥当との答申が得られれば、不健全図書の指定を行うことになります。個別の図書類ごとに、条例にのっとり慎重に判断していく必要があると考えております。
 基本的には、先ほど申し上げましたが、自殺や犯罪の手段等を詳細に記述している、いわゆるマニュアル的なものが該当するかというふうには考えておりますが、単純な分量ではないというふうにも考えております。

○大河原委員 運用だというふうに思うんですよね。やはり自殺というのも、いい方を変えれば一つの自己決定だったりします。しかし、今回、この条例の改正に盛り込みたいのは、私たち大人が子どもたちに対して、命の大切さや、死んでほしくないんだということを全面に主張する、そういう意味で今回の追加が行われるものというふうに私は理解をいたします。
 それで、現在行われている他の指定図書についてなんですけれども、都民が当然指定されると考えている図書の数と、実際に指定されている図書との間に数に大きなギャップがあります。このような課題について、都はどのように対処していくんでしょうか。これについては、だれもが納得できる明確な基準が欠かせないというふうに思いますけれども、その基準をどのようにつくっていくんでしょうか。

○高西女性青少年部長 東京都は、不健全図書類の指定に当たり、その判断基準となる認定基準を設けまして、審査をしております。さらに、公正性、適正性を重んじる立場から、業界の自主規制団体から意見を聴取するとともに、学識経験者や業界関係者などで構成される東京都青少年健全育成審議会の意見を聞いた上で、個別の図書類について指定を行っているところでございます。
 また、書籍取り次ぎ、書店等の関係業界で構成する出版倫理協議会におきまして、新たに学識経験者などから成る審査機関を設け、青少年に好ましくない図書類につきましては、発行者が自主的にその旨を表示することとしております。
 改正案におきましては、この表示をした図書類を表示図書類と名づけまして、書店等において他の図書類と明確に区分し、容易に監視することのできる場所に区分陳列する制度を導入することとしたものでございます。このことによりまして、青少年が不健全な図書類を容易に閲覧、入手できないような環境を整備することができると考えております。

○大河原委員 この書店や書籍取り次ぎ、関係業界で構成する出版倫理協議会もそうですし、こちらの都の方の審議会もそうですが、男女平等の観点からいえば、そのメンバーの方たちの男女の構成比というのも注文をつけておきたいというふうに思います。これは、やはり指定される数のギャップに大きく関係しているんじゃないかなというふうに私は思っております。
 それで、区分陳列の義務、それから、すみ分けというのは欠かせない条項というふうに考えているわけですけれども、区分販売というのは、推進されてはいるけれども、いまだに約七割が混売状況というふうに聞いています。この条例の制定によって区分陳列義務が生じるわけですけれども、この問題をどのように解決されていくんでしょうか。

○高西女性青少年部長 青少年にとって不健全な図書類を容易に閲覧、入手できないような環境を整備するために、今回新たに区分陳列規制を導入することとしたものでございます。その方法は、具体的には規則で定めますが、その際、狭小、零細な店舗でも実施可能な方法を選択できるように検討しまして、すべての書店で区分陳列等を実施していただきたいと考えております。
 また、違反に対しましては、指定図書につきましては罰則を科すこととし、表示図書類も勧告制度を設け、実効性の確保を図っていくこととしております。

○大河原委員 問題は、書店の半数を占めているというコンビニですね。このことは、だれでも承知しているわけなんですけれども、大手のチェーン店ならば比較的徹底ということが可能だというふうには聞いているんですが、それ以外の店に対してどのように周知徹底をしていくのか。そしてまた、常時のチェック体制というものが必要だというふうに思うんですが、その点はどのようになさるんでしょうか。

○高西女性青少年部長 コンビニは都内で五千店を超しておりまして、雑誌等販売店の約五割を占めております。また、青少年の居場所になっていることもありまして、都民からも関心が高いのはご指摘のとおりでございます。このため、従来からも、日本フランチャイズチェーン協会加盟のコンビニ本部のほか、非加盟のコンビニ本部とも定例的に意見交換を行ってきておりまして、周知徹底を図ることができるものと考えております。
 それ以外の個別の店舗につきましては、条例施行後、事業者向けのリーフレットや啓発ビデオの作成など、広報活動を十分に実施するとともに、立入調査等の個別対応を図っていきたいと考えております。
 また、区市町村の所管課、地区委員等関係機関の理解と協力を求め、チェック体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

○大河原委員 コンビニなどでは、レジの担当の人がアルバイトの大変若い方だったりしますと、どうしても同年代、ちょっと下の人たちにはなかなか声がかけづらいという現状もあると思うんですね。酒屋さんなどではステッカーなどが張られて、二十歳以下への酒類やたばこの販売禁止や声かけ運動などが今も行われているわけですけれども、このような取り組みも必要ではないかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 何よりも区分陳列を徹底していただくことが、青少年を有害な環境から遠ざけることとはなりますが、その上でなお、例えば十八歳未満の方は購入禁止などの表示につきましても、規則で規定する予定にしております。また、声かけ等、関係業界の自主的な取り組みにつきましても、業界との連絡会等で要請してまいります。

○大河原委員 この問題は、地域の中でさまざまな活動との連携が必要だというふうに思っています。それには、単にその図書が指定されたものであるか否か、そういうものではない態度が社会に求められていると思います。
 指定に至るまでの審議内容は、現在、インターネットなどでも公開しているようですけれども、この審議会の前に、疑わしい図書を東京都が実際にはたくさん買って、選別をしているわけです。このような決定過程の情報や、俎上に上った図書などすべてを公開して、社会風土づくりを推進すべきだというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。

○高西女性青少年部長 現在、東京都は、青少年の社会環境を広く調査するという立場から、相当広い範囲にわたりまして図書類を購入しております。都が調査購入した図書類をすべて公表した場合、その購入したすべての図書類が不健全な図書として指定されたものとの誤解を招きかねません。したがいまして、購入した図書類全部について公表することは適切ではないというふうには考えております。
 今後、新たに導入しました表示図書類によりまして、都民の方々の関心は高まるものというふうに考えております。

○大河原委員 幅広い範囲で買っているということなので、少し無理かなというふうに思いながらも、ちょっと質問させていただきました。
 次には、インターネットでキャッチされる情報をどのようにしていくのかというのが、今後の課題であるというふうに思います。対症療法的な解決策ではなくて、根本的な解決策を、今こそ、大人も地域も子どもも、それぞれが考えていくということが必要だと思いますが、今後の中心的な課題の一つは、たとえ不健全図書があっても、そういったものに惑わされない、影響を受けない、子どもたちの判断する自己決定能力を伸ばすこと、そのことを支援する具体的なプログラムをつくっていくことだというふうに思っています。
 大人社会の複雑な価値観や利害関係が本当に見え隠れする情報社会ですが、こういう中に生まれて子どもたちが獲得しなければならない能力の一つが、メディアリテラシーであります。子どもたちが自立した判断力を高めるためには、まず子どもから大人まで、自分の持つ他者から絶対に侵害されてはならない人権、このことを知り、同時に、他者の持つ同じ権利の尊重と自己の責任、このことをきちんと会得すること、学校や地域、家庭、あらゆる場面から会得することが重要だというふうに考えています。
 今日の子どもたちの問題を解決するために、今、東京都が最も力を注ぐべきこと、それは、既に提案されているにもかかわらず、おくれがちになっている子どもの権利条例の制定、そのように私は思うわけですが、既に二月十五日の厚生委員会の中でも、このことは大分大きな議論になり、各会派、条例の必要性については、ご意見を皆さんお出しになったということで聞いております。生活文化局としての認識を伺います。

○高西女性青少年部長 子どもの権利条例につきましては、都としても、これまでも関係各局でさまざまな角度から検討してまいりましたが、子どもの権利の概念につきましては、多様な意見がございます。また、その権利保障をどうとらえ、施策を進めていくかにつきましても、慎重に対応していく必要があると考えております。
 今後、東京の子どもが置かれている状況を幅広い視点からとらえ、家庭、学校、地域など生活の場において、子どもの健全育成のための環境整備に努めていく必要があると考えております。

○大河原委員 これまでどおりの、子どもの権利についてはさまざまな意見があるというお答えに終始するわけなんですけど、国際条約で、子どもの権利というものが、それぞれ条約の章を挙げて世界の約束になっている、そのことを考えても、ちょっとやっぱり東京都のこのお答えというのはおかしいのじゃないかというふうに私は思っております。
 女性行動計画の方に移らせていただきますが、昨年四月に施行されました東京都男女平等参画基本条例の推進、これは、行動計画など施策の実効性にかかっております。性別役割分業意識による社会制度や慣例、女性への間接差別などが依然として存在しますし、両性にとって、男女平等の推進、そしてあらゆる場での意識改革は改めて重要だというふうに申し上げておきます。
 東京都男女平等参画基本条例制定後の初の女性行動計画となる「男女平等参画のための東京都行動計画の基本的考え方 中間のまとめ」が一月二十六日に発表されております。これを受けて、都民、事業者、市区町村からの意見募集が行われたわけですが、意見募集の応募の状況、それから、今後その意見の反映をどのように行っていくのか、その点についてお答えください。

○高西女性青少年部長 中間のまとめに対しましては、ファクスやインターネット、また、直接意見を聞く場としての公開講座等を通じまして、都民や団体の方々から意見が寄せられました。現在、集計中でございますが、三月十九日現在で五百十五件というふうにカウントしております。
 今後、男女平等参画審議会で、こうした意見を参考にしまして、行動計画の基本的考え方についてご審議いただき、答申をいただく予定でございます。

○大河原委員 私も、その意見を広く受けるウィメンズプラザでの会に参加をさせていただきましたが、大変残念ながら時間が短くて、皆さん意見を十分にいったというふうには思えないのですね。インターネットやファクスなどでも五百件以上のものが来ているということなので、ぜひ都民意見をこの計画の中にしっかりと反映させていただきたいというふうに思います。
 行動計画を実現させていくためには、全庁的な体制、横断的な調整機能を有する推進体制が不可欠であるというふうに思います。国の方では、内閣府に男女共同参画局が設置されまして、もうそのリーダーシップをとってやるぞという感じがみなぎっておりますけれども、一方、東京都の方は、部局の再編によって、女性青少年部の廃止というか、二つに分けて、青少年部と女性の問題は分けるということで、特化する、専門化するというふうにおっしゃっているわけなんですけれども、どちらかというと、それはなかなか私たちが望んでいる男女平等参画推進局みたいなものが明確に打ち出されていないので、非常に後退というふうにも見えるわけなんですね。調整能力という点では不十分なんじゃないかなと、始まる前からいうのは申しわけないんですけれども、大変危惧をしております。独立した推進体制など、その強化の点で伺います。

○高西女性青少年部長 男女平等参画施策につきましては、これまで、女性青少年部におきまして、青少年施策とともに所管してきたところでございます。今般の組織再編におきましては、男女平等参画施策の所管を総務部に移すとともに、新たに専管の部長級職員を設置することにより、現場であるウィメンズプラザと本庁企画部門との緊密なコミュニケーションのもと一体的に事業運営を行えるよう、体制の強化を図ったところでございます。
 あわせて、生活文化局長を長として、主な関係局の部長級職員による男女平等参画推進会議におきまして庁内調整を図るほか、新たに事業者との連絡会を設置して意見交換を図るなど、男女平等参画の着実な推進を図ってまいります。

○大河原委員 ぜひ強力な推進体制というものを、都民の目に見える形で設置をし、強化を図っていただきたいというふうに思います。
 さきの予算特別委員会の総括質疑で、自民党の近藤やよい議員の質問で、ウィメンズプラザで開催された講座に対して、実はある局からクレームがついたというふうに指摘されました。局は、予特の場面では、調査しますというふうにお答えになっているようですけれども、もしこうしたことが本当にあったのなら、縦割り、それから区分争い、これはあってはならないことだというふうに思っています。
 今後、進めようとしている庁内調整において、生活文化局がどのようなリーダーシップを発揮しようとしているのか、その点についてお答えください。

○高西女性青少年部長 男女平等参画施策は、各局にわたる施策であるため、総合的に推進する必要があると認識しております。そのため、行動計画の策定や男女平等参画推進会議等を通じまして、各局との緊密な連携を図ってきたところでございます。
 今後、ウィメンズプラザ事業につきましても、直営化を機に、本庁企画立案部門が各局との一層の連携を図り、現下の重要課題であります企業における参画促進や、家庭内等における暴力対策等、取り組みの強化を図ってまいります。

○大河原委員 行動計画を策定するに当たっては、すべての施策に数値目標を設定して、都民に対して目標を明確に示すべきだというふうに思っています。男女平等という、一人一人の概念や認識が異なるものに対して、社会の風土づくりをするためには、こうした数値というものも示しながら進めていかなければならないというふうに思います。
 所管局の生活文化局が、各施策を推進する各局に対して、数値目標の設定を働きかけるべきだというふうに思いますが、この課題についてはどのように取り組んでいかれるんでしょうか。

○高西女性青少年部長 男女平等参画の促進は、社会経済の状況や、また人々の意識などさまざまな要因に影響を受けるものでありまして、施策ごとに数値目標を設定するということは困難であるかというふうにも考えております。
 現在、審議会等への女性委員の任用計画や、保育所の待機児童の解消などにつきましては、既に数値目標を設定しているところでございますが、今後、男女平等参画推進会議等を通じまして関係各局に働きかけ、新たな行動計画には可能な限り数値目標を盛り込む等、取り組みを推進してまいります。

○大河原委員 男女平等の風土づくりというのは、非常に難しいですよね。女性財団の役割が終わったという議論を蒸し返すわけじゃありませんけれども、なかなかこれは判定ができません。ですから、やはり可能な限り数値、データを出すということは、局がこのことを推進していくことの手助けになるというふうに私は確信をしております。
 そして、設定された数値目標を、毎年、進行管理していくことによって、実効ある行動計画となるというふうに思うんですが、都民参画での監視、評価、公表、つまりプラン・ドゥー・シーの仕組みですね、及び苦情や問題が発生した場合の解決の仕組み、こういったものを用意していくことが必要だというふうに思います。
 これまで東京都は、この進行管理については生活文化局が行ってきたわけですけれども、今後は客観的な評価というものが必要ですし、都民への説明責任を果たしていかなくてはなりません。この女性問題を積極的に解決する、そのために活動している労働関係、あるいはDV、ドメスチックバイオレンスに関する活動をしている団体、あるいはシングルマザー、こういう関連団体、各種のNPO、市民団体が参加した第三者機関をつくって、行動計画の進行管理を進めるべきだというふうに思います。
 説明責任を果たすために、東京都としてはどのような仕組みづくりをしようとしているのか、また、客観性を担保するために、NPOなどの市民活動団体が果たす役割をどのように認識しているのか、伺います。

○高西女性青少年部長 行動計画の進ちょく状況につきましては、毎年、生活文化局で全庁的なものを把握しまして、年次報告として取りまとめ、広く都民に公表してまいります。
 また、NPOなどの市民団体につきましては、行政から独立した立場で、民間団体として独自の男女平等参画促進のために活発に活動されることを期待しているところでございまして、行動計画等につきましてのご意見等についても、都民からの申し出ということで常時受け付けて、参考にしてまいります。

○大河原委員 民間団体として独自に活発に活動されることを期待しているというのは、ちょっと何か突き放したいい方だなというふうに、今、思うわけなんですけど、やはり連携というのは、全庁的にも、NPOとの関係というのは、協働していくという方向性が示されていまして、公設民営という形で進めてきた、ウィメンズプラザを中心としてやってきた施策の推進については、既にやってきているんじゃないかというふうに思うんですね。そんなことからも、この点についてはぜひしっかりと連携を方向づけていただきたいというふうに要望しておきます。
 次に、埼玉県では、男女共同参画推進条例及び行動計画における第三者機関、ここで民民の問題解決をするというふうになりました。訴訟支援や財政的な措置も明記されています。この点について東京都はどのように見ておられるでしょうか、考え方を伺います。

○高西女性青少年部長 東京都におきましては、行政の施策に対する苦情については、各局の窓口や都の総合窓口がそれぞれ対応しておりまして、私人間の苦情についても、都の各機関が専門の分野で相談等を実施しているところでございます。この上、改めて行政から独立した第三者機関を設置する必要があるかにつきましては、引き続き研究してまいります。

○大河原委員 引き続き研究するというところに期待を持ちたいと思いますが、今、最も求められている施策の一つに、仕事と家庭の両立支援ということがあると思います。積極的にこれを進めていく必要があるわけですが、実態はなかなか進んでおりません。男女雇用均等法やパートタイム労働法、介護・育児休業法、これらの現行法の中で一体何がネックになっているのか、課題となっているのか、東京都及び審議会での議論で出た認識、それぞれの法についてお答えください。

○高西女性青少年部長 雇用の分野における男女平等参画の促進に関しましては、男女雇用機会均等法、パートタイム労働法、育児・介護休業法など、法の整備は進んできておりますが、ご指摘のとおり、実態としては進まない状況がございます。雇用につきましては、採用や配置管理における機会均等の周知徹底、パートタイム労働につきましては、賃金や福利厚生等の労働条件の整備、また育児・介護休業につきましても、職場でとりにくい状態があるなどの問題点が議論されておりまして、重要な課題であると認識しております。

○大河原委員 今までの、これまでつくられてきた女性行動計画の中には、国際社会への参画と協力として、国際化の進展に対応した女性への支援が盛り込まれていました。しかし、今回の行動計画中間のまとめには全くその視点が見受けられません。この部分における現行行動計画の総括と評価、そして、それを受けて、審議会としての審議状況というものを伺いたいと思います。

○高西女性青少年部長 中間のまとめは、審議会の審議に都民、事業者の意見を反映させるために、現在までの審議内容を取りまとめ、基本的考え方と取り組みの方向性を示したものでございまして、行動計画については、今後、審議会の答申を受けて検討してまいります。現行動計画では、外国人相談や在日外国人緊急保護事業等、外国人にも住みやすいまちづくりの推進に努めることとしているところでございます。

○大河原委員 政治や経済の枠組みを超えた市民間の国際協力や、また交流というものを既に市民が実践する時代になっています。実質的な交流を深めるためのネットワークを形成するためにも、女性、教育、環境など、自立支援の視点でNPOやNGOと協力した事業、支援策が必要だというふうに思っています。
 北京会議やニューヨーク会議など世界女性会議で採択された事項を、首都東京が率先して積極的に取り組むべきだというふうに考えます。社会の風土づくりは、国内においての着実な取り組みと同時に、世界に向けた自立支援の視点でのネットワーク、こうしたものが欠かせません。そして、特にその中心はアジアであるべきだというふうに思っています。これが同時並行して行われてこそ実現するという、そういう意識が都庁の中にも欠かせないのではないかというふうに思います。
 女性施策において、交流から協力へという課題を都としてどのように取り組んでいくのでしょうか、伺います。

○高西女性青少年部長 都は、国際協力の分野を含め、男女平等参画に関する活動を行っているNPO等民間団体に対して、情報提供や場の提供、また活動助成などの支援を行ってきたところでございます。今後も、支援を行うとともに、連携協力を図ってまいります。

○大河原委員 国際交流の面でも、女性問題というのは、各国、大小はあれ、共通しているものが大変多くあります。そういったことからも、特に東京がアジアとの交流を図ろうとするならば、こうした視点をぜひ組み込んで、NPOとの連携を欠かさないでいただきたいというふうに要望します。
 続いて、最後になりますけれども、女性財団の関係について三つほどお聞きいたします。
 女性施策のプロパーとして東京ウィメンズプラザを運営してきた東京女性財団でありますけれども、廃止を延期し、十三年度中に財団の存廃を評議員会で決定してほしいということなわけですが、予算が盛り込まれていない以上、兵糧攻めでなかなか厳しい状況に置かれたということです。自主財源の確保のための働きかけを財団はなぜしてこなかったのか、また、所管である生活文化局は改善の働きかけをどのように行ってきたのか、そして、それに対して財団は何をしてきたのか、その点について改めて伺います。

○高西女性青少年部長 東京女性財団につきましては、平成九年度、十年度の経営評価において、自主財源の確保を図り、公設民営のメリットを生かした経営に努力されたいと指摘されまして、都は改善を促してきたところでございます。
 東京女性財団では、これを受けて、出版物等の販売収入を上げるための販売方法等の工夫、講座の有料化の拡大、あるいは寄附金の受け入れ等を行ってきました。しかし、これらの努力も収益の増大には結びついておらず、組織経営という観点から見ますと、財団は公設民営のメリットの発揮ができにくい性格であることを改めて認識しているところでございます。

○大河原委員 ちょっと今のお答えの中で、三番目の寄附金の受け入れ等を行ってきたというふうにおっしゃっているんですけど、このことについてもう一つ深い説明をお願いしたいんですが、どういうことですか。

○高西女性青少年部長 財団におきましては、寄附金の受け入れは二件ございまして、いずれも基本財産に組み入れたところでございます。
 寄附金等の等でございますけれども、いわゆる協力会員あるいは賛助会員というふうなものを募集できないかということを考えたようでございますが、他県等の状況を調査したところ、余りそれは展望がないということで、実現には至っていないということでございます。

○大河原委員 資料に、都内と府県の女性センターの一覧表を出していただきました。やはり府県レベルですよね、三分の一ですね、直営は。三分の二は公設民営。しかも、女性財団ができた後できたところは、ほとんど公設民営になっているんじゃないかというふうに思います。東京都が最初に女性財団の設立に当たって、ウィメンズプラザの運営をしていくときに、公設民営ということがいいんだと、大論争をした上でこれを決めてきた、その影響がこういうふうに出ているんじゃないかなというふうに私は思うわけなんですが、私が住んでいる世田谷区でも、女性センター、ここには今、直営というふうに出ていますけれども、今回の予算議会の中で、公設民営にしていくという方向性がやはり示されていますね。やはり公設民営は時代の流れというふうに私たちは思っております。直営になってできなくなってしまうテーマ研究、これはやはり風土づくりには本当に欠かせないもの、そしてまさに東京が全国に先駆けて進めてきた男女施策というものを考えるならば、やはり都民の期待するところは大きいというふうにいわざるを得ません。
 それで、先ほども基金の三億円について話が出ましたけれども、もう一度確認になりますが、この三億円はそのまま残されるんでしょうか。また、出版、図書の版権、これは女性財団固有のものというふうに思っていますが、これは確保されるんでしょうか。そして、財団との共同事業として研究や出版の可能性、こうしたものはないんでしょうか。それについてはどうでしょうか。

○高西女性青少年部長 東京女性財団の基本財産につきましては、財団がその存廃について結論を出した後、寄附行為に基づき適正に対処していただきます。
 また、出版、図書の版権は、東京女性財団の財産でございまして、財団がその存廃について検討する中で、版権の活用方法についても検討していただきたいと考えております。
 また、東京女性財団は現在、存廃について検討していただくことにしておりまして、財団と共同して事業を実施する考えはございません。

○大河原委員 兵糧攻めで、この基本財産も取り崩せませんし、財団が解散しなければ、この基本財産は東京都には戻らないわけですけれども、非常に厳しいということはいえると思いますが、例えば寄附の受け入れ、あるいは会員制にする、そういったこともなかなか都民は知らなかったということもありますね。今こうやって問題になっているときに、それじゃカンパをしたい、応援していきたい、支えていきたい、そういうチャンスですね。もう一度というか、初めてといってもいいと思うんですけど、新しい支え方として、このことは考えられるんじゃないかというふうに思うんですね。
 女性財団は民間団体だというふうに、つくっておいて、いうわけですけれども、そういうふうにいうのだったら、この女性財団が新たにスタートできるような、そうした夢も断ち切らないでいただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、都の直営になるときに、この担当になる職員の方たちのジェンダー意識というものが大変重要になってくるというふうに思います。ジェンダーバイアス、だれもが持っているわけですけれども、これは、それぞれ個人個人の生い立ちや生活の環境状況が深くかかわってくる問題です。短期間の研修や学習では、自分の意識改革にはなるけれども、即効的な研修では、今後、生活文化局が行わなければならない問題を直接解決していけるような、そういう実効性、実行力のある体制はつくれないのではないか、そのように危惧します。また、他局のような人事では、対処が困難な状況もたくさん生まれてくるのではないかというふうに思うわけですが、それだからこそ専門職員が必要ですし、直営では難しいのではないか、そのように主張してきました。もし、今回の都の決定のまま、直接東京都がこれまでの事業を進めるならば、このような課題についてはどのように解決しようとしているんでしょうか。

○高西女性青少年部長 東京ウィメンズプラザにおきましては、直営化後につきましても、相談員等の専門的非常勤職員を配置することとしております。

○大河原委員 予算特別委員会でも、この文教委員会でも、二度にわたって、こうして議論がされてきているわけですけれども、今だからこそ、東京都の直営方針、抜かりはないのかというふうに思います。私たちは、この時代の状況を見ても、まさに経営効率が悪かった、確かにその点はあるかもしれません。でも、それの改善のためにどれだけのことをしてきたのかといったらば、一〇〇%改善努力したとはいい切れないのじゃないか、そのように思います。
 知事の本会議場での答弁もあり、直営方針は変わらないというふうになっていますが、この一年間の財団の中での議論についても、都民に広く知らせていくことが必要だというふうに思います。
 終わります。

○田代委員 私も、女性財団事業の直営化と財団廃止についてのお話を伺いたいんですけれども、先ほどから、高西部長、大変ご活躍で、ほかの方たちの活躍の場がないと、きょうが最後になるかもしれないということでもありますし、心優しい田中先生が、高西さんばっかり立つのは大変だろうというお話なものですから、ちょっと順番を変えさせていただいて、一つ教えていただきたいんです。
 この理事者の名簿の中に、東京二〇〇〇年祭の担当のお仕事も書かれているんですけど、私も不勉強で申しわけないんですけど、何人かの委員、理事の先生に伺っても、ちょっとどんな仕事だかよく把握できないというか、二〇〇〇年祭というぐらいですから、今からどのように対応していらっしゃるのか。随分ご活躍いただいて、ご苦労いただいているんだと思うんですが、改めて、その功績を、十秒でも二十秒でもいいんですけど、教えていただけたら大変ありがたいと思います。

○高橋東京二〇〇〇年祭担当部長 東京二〇〇〇年祭の概要でございますけれども、西暦二〇〇〇年を契機に、東京の持っている魅力やダイナミズムを内外にアピールし、活力ある都市を再生することを目指しまして実施してまいりました。
 一昨年の十二月三十一日のカウントダウンから始まりまして、ことしの一月一日まで、主催事業として十五イベントを実施しております。十五イベントの動員数といいますか、参加人数は二百七十万人でございます。それから、この事業に賛同していただいた民間が実施します事業を共催事業として位置づけておりまして、これは百一イベントを共催事業として登録していただきまして、これの参加人員が五百万人ということで、合計七百七十万人の動員規模を達成しております。
 総事業費は約二十五億円という形でございまして、実行委員会で、協賛金、あるいはほかの事業者のイベントごとの協賛という形で事業を実施いたしまして、この三月で解散するということになっております。
 以上でございます。

○田代委員 ありがとうございました。七百七十万人ですか、すばらしいご活躍で、心より感謝と敬意をささげる次第でございますけれども、ということは、ことしの三月で--そうだと思うんですね、二〇〇〇年祭というんですから、いつまで二〇〇〇年祭をやるのかちょっと心配だったんですけど、これで終わりということでよろしいということなんですね。
 もう一つちょっと教えていただきたいんです。調整担当部長という職があるわけですけど、この調整担当部長というのは随分重要な、考えようによっちゃ局長さんと並ぶほど非常に重要なお仕事だとは思うんですが、これはどういうようなことを調整なさっているのか、総務部長さんとの関係はどうなっているのか、わかりやすく教えていただきたいと思います。

○尾崎調整担当部長 調整担当部長、現在は、主にはNPO法人の認証事務を行っております。したがいまして、事務の中では当然、局長以下、指導していただきながら事務を進めております。

○田代委員 そうであれば、名前がちょっと、何か調整担当というと、随分幅広くお仕事、大変だなというイメージがあるんで、もうちょっとわかりやすいような名前があってもいいのかなという感じがしますけれども、大変重要なお仕事であるということは理解いたしましたので、今後ますますご活躍をお願いしたいと思います。
 それでは、高西部長もそろそろ出番で、寂しいでしょうから、トリをとっていただきまして、女性財団事業の直営化と財団廃止について二、三質問をさせていただきたいと思います。
 この女性財団というのは、男女平等の社会的風土づくりというのが、個人の意識や価値観に深くかかわる側面を持っているということから、行政が実施、いろいろしていくには限界があるだろうということで、従来の行政の枠にとらわれずに自由な事業展開が可能な民間団体が実施することが適当であると考えられて、平成四年に、男女平等の社会的風土づくりの事業を展開する実施主体として設立されたということだそうです。そして、その設立以来、ウィメンズプラザを拠点に、きょうもたくさんの理事者のご出席をいただいているわけですけれども、皆さん方のご努力によって、研究、研修、情報提供、各種の相談事業などを通じて、男女平等の社会的風土づくりに一定の役割を果たしてきたことは大変評価されることだと思っております。
 また、この間、財団の当初からの目的だった男女平等の社会的風土づくりは、法制度の整備も進んできまして、さらに区や市にも女性センターが設置されるなど、基礎的な普及啓発は、身近な我々の区市町村にも任される状況も出てきておりますので、かなり着実な進展が見られると思っております。
 しかし、いろいろなご意見を伺っていますと、これまでの財団のあり方が、すべてが百点というわけにはいかなかったのかなという点も幾つかあるわけですね。財団が進めてきた事業の中には、都民のいわゆる価値観というもの、これはもう千差万別、いろいろな考え方を持っているわけですから、逆にいえば慎重過ぎるぐらいにきちっと対応すべき、余り焦って拙速に物を進めてしまうと、せっかくの気持ちというものが逆に伝わってしまうなんていうことがあったら大変残念なわけですから、そういうところの配慮にある程度欠けていたり、あるいは、普及啓発といいながら、観念的過ぎて、都民の皆さんに真意が、今申し上げたようにしっかりと伝わらなかった事業も多いのじゃないかと思います。
 また、東京都の方も、自由な発想あるいは柔軟な運営に頼り過ぎて、もう任せっきりにして、都としてのしっかりとした管理、関与というものが少しおざなりになっていたんじゃないかなという感じもいたします。
 こうした中で、都としては、一般的な普及啓発よりも、広域的な観点からの取り組み、いいかえればウィメンズプラザを拠点としたセンター・オブ・センターズとしての機能の発揮がより求められていると思うんですが、ウィメンズプラザは、渋谷という大変条件のよい場所に立地しており、都民の皆さん方のアクセスも大変便利である。こういうメリットを生かした施策をこれからも進めていくべきだと思うんです。
 特に、昨年三月には、全会派一致で男女平等参画基本条例が制定されておりまして、この条例は、すべての都民が性別にかかわらず個人として尊重され、男女が対等な立場で、あらゆる活動にともに参画し、責任を分かち合う、男女平等参画社会の実現を目指すということになって、基本理念や基本的な政策が定められているわけですけれども、これまでの財団の事業展開の中に、この条例の趣旨から見て、いろんな考え方があると思うんですけれども、いささか偏りがあったといわれても、とり方によっては否定できないということもあったような気がするんですね。
 ですけれども、このような女性財団のあり方について、いろいろな考え方があるのは事実ですが、それにしても、財団事業の直営化、財団の廃止方針の決定というのは、余りにも唐突な思いで皆さん受けとめるのではないかなと思うんですね。
 ここで改めて、都の財団廃止の考え方、今後の対応について再度お尋ねしたいと思います。

○高西女性青少年部長 財団廃止の考え方及び今後の対応についてでございますが、今般の監理団体総点検におきますゼロベースでの見直しの中で、女性財団は自立的な経営体として存続することは難しいと判断し、また、男女平等参画の新しい段階に対応しまして、現下の重要課題となっております企業における参画促進、また、家庭内等における暴力に行政機関として責任を持って取り組む必要があることから、財団事業は直営化するとしたものでございます。
 しかしながら、財団の廃止につきましては、さまざまなご意見があることから、関係者間で十分議論を尽くすことも必要と考えております。したがいまして、財団事業の直営化は四月から実施いたしますが、今後の財団のあり方については、基本的には、財団みずからがその存廃を含め根本から見直し、十三年度内には結論を出していただきたいと考えております。

○田代委員 ただいまの答弁の中で、今後、直営化して、家庭内の暴力の問題など、今、大変問題になっている重要課題に行政として責任を持って対応していきたいと。
 この問題は、よく新聞、テレビ、ラジオの報道なんかを読んだり聞いたりしますと、かなりひどい事例というのがあるんですね。奥さんやパートナーに対して本当に暴力的な、犯罪行為といった方がいいような事件もある。こういうことが、日本の今までのいろいろな慣習もあるんでしょうけれども、家庭内という密室の中で事件が起きて、相談もできずに悩んでいるという方がかなりたくさん多いということです。こうした問題に対して、二十四時間の相談体制の整備や緊急時の措置的な対応、一時保護の充実など、東京都としても積極的に進めていくべき施策があると思うんですが、この点についていかがお考えでしょうか、教えていただきたいと思います。

○高西女性青少年部長 ご指摘いただきましたように、家庭内等の暴力につきましては、相談件数も急増しておりますし、また一時保護についても、緊急の際に対応できないという場合もございます。こうした状況に対応するため、平成十三年度には、ウィメンズプラザにおきまして、新たに暴力専門相談、夜間相談、区市の女性センターの相談員の研修などを実施しまして、相談体制の強化を図ることとしております。
 さらに、今後、区市の福祉事務所、警察、民間シェルターなど関係機関のネットワークや総合的な窓口の整備など、初期相談から自立支援に至るまで一貫してサポートするシステムづくりに向けて検討を進めてまいります。

○田代委員 先ほど副委員長の大河原先生からお話がありましたけれども、基本的な三億円の問題ですね。その点について、先ほどの答えをもう一度確認したいので、教えていただきたいと思います。

○高西女性青少年部長 基本財産につきましては、財団がその存廃について結論を出した後、寄附行為に基づき適正に対応していただくことになります。

○田代委員 適正に対応というのは、具体的にどういうことでしょうか。

○高西女性青少年部長 東京女性財団の寄附行為第八条に定めがございますが、「財団の基本財産は、これを処分することができない。ただし、やむを得ない理由があるときは、理事会において理事現在数の四分の三以上の同意を得、かつ、主務官庁の承認を得て、その一部に限り、これを処分し、又は担保に供することができる。」ということでございます。
 もう一つ、寄附行為第三十五条の第二項につきましては、解散する場合の残余財産の処分ということでございますが、「解散後の残余財産は、理事会の議決を経、かつ、主務官庁の許可を得て、地方公共団体又はこの法人と類似の目的を有する公益法人に寄附する。」ということになっております。

○田代委員 そうしますと、理事会決定に対しても、都の方は何らかの制約を課すことができるということですか。

○高西女性青少年部長 基本的には、理事会、評議員会の決定を尊重するということになろうかとは思いますが、それが適正であるかどうかということは、審査するということにはなると思います。

○田代委員 どこで審査するんでしょうか。

○高西女性青少年部長 東京都の所管します主務官庁ということでございます。

○田代委員 具体的には。

○高西女性青少年部長 現在におきましては、総務局の行政部ということでございます。

○田代委員 わかりました。
 これを始めるとちょっと長くなっちゃうんで、今度僕がここにまた座ることになるかどうか、これは時の運でわからないんですけれども、そういうことも含めて、理事あるいは委員の先生方にも、また続けて質問していただきたいと思いますけれども、時間の関係もありますので、先に行きます。
 女性財団というものについては、理念、理想に基づいた活動が十分期待できるようになれば、いわゆる良質な女性財団として発展していくのであれば、私個人の考えとしては、財団は残していくべきだと考えています。
 そして、財団のようなシンクタンクで、先ほどお話しいただいた、あるいは私が申し上げたように、家庭内の暴力、いわゆるDV、そういうことですけれども、いろいろ急いで対応していかなくちゃいけない課題というものが今たくさんあるわけですね、現実に。そういう行政の対応のために施策を実行していく、時代状況の変化に対応して、都民の意見、都民の皆さんたちのいろいろな悩みだとか、考えだとか、意見というものを幅広くモニターしていくのが財団であって、その対応策、実際に施策を実施に移していくのは行政といった、こういう役割というものは、これからも大変重要な時代になってくるんだろうと思っています。
 しかしながら、今後の財団のあり方については、先ほど答弁もいただきましたけれども、基本的には、財団みずからがその存廃を含め根本から見直して、平成十三年度に結論を出すという方向が出されていますので、私としても、その検討の推移を見守っていきたいと思いますが、やはりできましたら、検討の結果、名実ともにきちっとした良質な女性財団として再出発して、適正な運営が行われるということであれば、財団としての存在理由は大変大きいということを意見として申し上げ、終わらせていただきます。

○村松委員長 ほかに発言ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願陳情に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、本案及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十六分散会

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