委員長 | 植木こうじ君 |
副委員長 | 大河原雅子君 |
副委員長 | 和田 宗春君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
理事 | くぼた 光君 |
理事 | 井口 秀男君 |
田代ひろし君 | |
石川 芳昭君 | |
鈴木 一光君 | |
桜井 武君 | |
西田ミヨ子君 |
欠席委員 なし
出席説明員教育庁 | 教育長 | 横山 洋吉君 |
次長 | 中野 英則君 | |
総務部長 | 加島 俊雄君 | |
学務部長 | 小海 博指君 | |
施設部長 | 神山 隆吉君 | |
人事部長 | 上條 弘人君 | |
福利厚生部長 | 梶井 稔君 | |
指導部長 | 斎藤 尚也君 | |
生涯学習部長 | 小栗愼次郎君 | |
体育部長 | 土村 孝夫君 | |
同和教育担当部長 | 嶋津 隆文君 | |
都立高校改革推進担当部長 | 若林 尚夫君 |
本日の会議に付した事件
教育庁関係
報告事項(説明・質疑)
・国立市の公立小中学校の卒業式における問題等について
○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○植木委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の報告事項の説明聴取及び質疑を行います。
これより教育庁関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、教育長に横山洋吉氏が就任いたしましたので、ご紹介いたします。
それでは、横山教育長からあいさつがあります。
○横山教育長 去る七月十四日付で教育長を命ぜられました横山洋吉でございます。
微力ではございますが、職員とともに全力を傾注し、課せられた職責を全うする所存でございます。
委員長初め委員の皆様方におかれましては、今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○植木委員長 あいさつは終わりました。
○植木委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○斎藤指導部長 国立市の公立小中学校の卒業式における問題等についてご報告申し上げます。
まず第一に、国立市における国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況についてでございます。
国立市においては、これまで、教職員等の反対が強く、卒業式、入学式における国旗掲揚、国歌斉唱の適正な実施が困難な状況にありました。国立市教育委員会は、平成十二年一月二十八日付の「卒業式及び入学式における国旗及び国歌の指導について」により、国立市立小中学校長に対して、平成十一年度卒業式及び平成十二年度入学式においては、学習指導要領に基づき適正に実施されるよう、通知いたしました。
国立市立小中学校の平成十一年度卒業式及び平成十二年度入学式では、小学校八校、中学校三校のすべてが国旗を屋上に掲揚し、国歌斉唱は実施されませんでした。
次に、第二番目として、国立市立小中学校での問題と対応の経緯についてご報告いたします。
まず、国立第二小学校の卒業式等についてでございます。
概要の、卒業式の前日までの経過につきましては、平成十一年十二月から卒業式前日まで、職員会議において八回にわたって、校長は、学習指導要領に基づく教育課程の完全実施に向けて教職員に要請し、話し合いが行われてきました。
平成十二年三月二十二日の職員会議で、校長は、今年度の卒業式は、屋上に国旗を掲揚して実施するという判断を示しましたが、教職員はこれに反対し、さらに話し合いを継続するよう求めました。
三月二十三日の職員会議で、校長は再度最終結論を示しましたが、教職員は反対し、話し合いを続けてほしいと強く要望し、職員会議は深夜に及び、校長が明朝質問に答えることを約束し、終了しました。
次に、卒業式当日及び卒業式開始前の状況についてでございますが、教職員は、国旗掲揚後、校舎内に入れることとしておりましたので、朝七時、校門の外で、校長から教職員に質問の回答を行いましたが、教職員は校長の決定に不服を唱えました。
七時五十分ころ、校長、教頭は、屋上に国旗を掲揚した後、教職員を校舎に入れました。
八時過ぎ、十数名の教職員が校長室に来て、式辞に目を通していた校長に対して、国旗を掲揚したことに抗議し、国旗をおろすよう求めました。
九時四十分ころ、六年担任は、六年生全員を視聴覚室に集合させ、前日の職員会議の様子及び、校長の判断で国旗掲揚されたが、担任はこれに反対であることを、子どもたちに伝えました。
卒業式中の状況ですが、十数名の教職員が、日の丸・君が代の押しつけに反対の意思を表明するピースリボンをつけて出席しました。
卒業式終了後の状況につきましては、卒業式終了後、七、八名の卒業生が、校長に、なぜ日の丸を揚げたのか等の質問をしてきました。校長が応答しているうちに、児童は三十名ぐらいにふえ、その様子に気づいた教員や保護者も集まってきました。
児童の、国旗をおろすようにという要求や謝罪を求める声が大きくなったので、校長は、その場をおさめる配慮から、国旗を降納することとし、屋上に向かいました。その場にいたほとんどの児童が屋上についてきて、校長は、教頭に指示して国旗を降納しました。教員の一部も屋上に来ており、その後も、児童が校長に質問を繰り返したり、謝罪を求めたりする発言が続いたので、事態を収拾するために、校長は、君たちにつらい思いをさせて悪かったとわびました。
この間、教員も、国旗をおろすことや、児童に謝罪することを求めましたが、教員が児童を諭したり、あるいは国旗掲揚の意義について話したりすることはございませんでした。
この件に関する対応についてでございますが、東京都教育委員会は、国立市教育委員会に対して、卒業式実施にかかわる教員の言動について、事実の把握を求める一方、国立市教育委員会とともに、校長及び教員から直接聞き取り調査を五月中旬に行いました。
このことにつきましては、六月中旬、中間報告として、事実関係が国立市教育委員会から都教育委員会に報告されております。
現在、国立市のすべての公立学校の教育活動の実施状況を調査するとともに、国立市教育委員会に対して、教育活動の正常化に向けた改善策を盛り込んだ最終の報告を求めているところでございます。
また、国立市教育委員会から提出された、教員の服務事故についての報告等に基づき、関係者から事情聴取を進めておりますが、法令等の違反があれば、厳正に対処する所存です。
次に、国立第五小学校の卒業式についてご報告申し上げます。
概要についてでございますが、卒業式開始前の状況については、卒業式当日の朝、七時四十分ころ、屋上に国旗を掲揚しようとした校長、教頭に対して、教員が、やめてくださいとの抗議を行っております。
また、八時三十分から四十分の間、職員朝会の折に、国旗掲揚に反対する抗議文を読み上げ、職員室の校長の机上に置いた教員がおりました。
九時ころ、保護者向けの抗議文を、拡大コピー機を使用して作成し、校門に掲示した教員がおりました。玄関前及び体育館入り口にも、拡大された抗議文が張り出されました。
九時十五分ころ、校長は、近くにいた教員に、拡大された抗議文を取り外すよう指示し、九時二十分ころ、取り外されたことを確認しました。
卒業式終了後の状況についてでございますが、抗議文、ビラを保護者に配布した教員がおりました。
次に、この件に関する対応についてでございますが、国立市教育委員会から五月下旬に提出されました、教員の服務事故についての報告等に基づき、関係者から事情聴取を進めておりまして、法令等の違反があれば、厳正に対処する所存でございます。
最後に、教室の不正使用等についてご報告いたします。
まず、国立第二小学校についてでございます。
東京都教職員組合北多摩西支部国立地区協議会は、平成八年度から教室を同地区協議会の会議のために使用したい旨の念書を校長に提出し、使用していました。しかし、実際には、電話を設置するとともに、パソコン、印刷機、書棚等を搬入し、ふだんは施錠するなど、組合員以外は使用できない状態となっておりました。
現校長は、平成十二年一月以降、同地区協議会議長に対し、三月末までに教室を明け渡すよう求めていました。
最終的には、平成十二年六月十日に、教室明け渡しを校長が確認いたしました。
次に、国立第六小学校についてでございます。
東京都公立学校教職員組合の多摩・島しょ地区教職員組合国立支部は、平成十二年度から、校長に口頭で申し出て、同校の教室を組合事務所として使用しておりました。
国立市教育委員会が教室明け渡しを求め、六月二十六日に、明け渡しを校長が確認しました。
なお、同国立支部は、平成十年度及び十一年度については、国立第三中学校の教室を同様に使用しておりました。
この問題に対する対応についてでございますが、国立市教育委員会から、両校における施設の不正使用について聞き取り調査を行いました。
なお、全区市町村の小中学校における、職員団体による施設の目的外使用の実態について、今後、区市町村教育委員会を通じ調査を行ってまいります。
現在、両校を初め、国立市内小中学校の勤務時間内の職員団体活動について、国立市教育委員会を通じて実態調査を実施しているところでございます。
国立市の公立小中学校の卒業式における問題等についてのご報告は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○植木委員長 報告は終わりました。
本件について、ご質問のある方は発言を願います。
○井口委員 国旗・国歌法として制定された今日、東京都のすべての公立学校において、国旗・国歌が学習指導要領に基づいて適正に実施されることであろう、このことは当然と思っています。
しかるに、国立市における国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況についての説明を聞いて、いささか理解に苦しむところがあります。教職員等の反対が強く、卒業式、入学式における国旗掲揚及び国歌斉唱の適正な実施が困難な状況にあったということでありますが、国立市教育委員会また国立市民の感覚というのはどういうふうに判断したらいいのか、お聞かせいただきたい。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会においては、教職員団体の反発がある中、卒業式、入学式において国旗・国歌が実施されるよう、学校への指導に努めており、その適正化を目指してきたと認識しております。
国立市の市民の感覚でございますが、最近では、学習指導要領に基づいた教育や、国旗・国歌の適正実施を求める市民の活動が活発になってきており、国立市の学校教育の正常化を求める意識が高まってきているものと受けとめております。
○井口委員 法律が制定されていることでありますから、それに従うというのは当たり前のことでありまして、私たちは至極当然と思っています。
先ほどの報告によれば、国立市立小中学校の平成十一年度卒業式及び平成十二年度の入学式では、小学校、八校あるようでありますが、中学校三校、すべてが国旗を屋上に掲揚したということでありますが、国歌は実施されなかった。国旗は掲揚したけど国歌は実施されなかった。これはどういうことなのか、お聞かせいただきたい。
○斎藤指導部長 国立市の各学校長は、国旗・国歌の完全実施を目指して努力してきましたが、教職員の反対の状況等から、各学校長がそれぞれに屋上での国旗掲揚を決断したものと聞いております。教職員の反対や、これまでの経緯から、国旗を屋上に掲揚することが限界であり、国歌斉唱まで及ばなかったというのが実情でございます。
○井口委員 国旗・国歌ということは並んで法律に載っていることでありますが、片方だけやった、片方の国歌についてはそこまで行けなかった。これはいろいろ努力があると思いますけれども、何か、当然のことを二分しているような扱いで、私らとしては大変理解ができない。これは大変よろしくないことのように思えてなりません。
次に、国立市立小中学校での問題と対応の経緯についてお伺いいたします。
まず、国立第二小学校卒業式、これは三月二十四日のようでございますが、平成十二年三月二十二日の職員会議で、校長は、今年度の卒業式は屋上に国旗を掲揚して実施するという判断を示したということであります。「教職員はこれに反対しさらに話合いを継続するよう求めた。」とありますが、話し合いを強要することで実行されない場合は、学習指導要領に反しないのかどうか、このことについてはどのように解釈をしたらいいのか、お聞かせ願いたい。
○斎藤指導部長 卒業式、入学式におきまして、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することが、学習指導要領に示されており、子どもたちに我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、それを尊重する態度を育てることは大切なことでございます。
校長がその実施の方向を示し、教職員が反対した場合、話し合いで教職員に理解させることは必要でございますが、話し合いの決着がつかないからといって校長の方針を妨害すること等は、許されることではございません。
○井口委員 これはこれとして、また後ほどいろいろ議論があると思います。
次に、教職員の反対の姿勢についてお伺いいたしますが、第二小学校の教職員の組合はどのような組合の人たちであるのか。教育職員が組合に加入している割合はどういう率になっているのか、これを明快にお願いしたい。
○上條人事部長 国立第二小学校における教育職員の職員団体の加入者は、平成十二年三月末現在で、東京都教職員組合に七名、東京都公立学校教職員組合に十名、アイム八九・東京教育労働者組合に一名と聞いております。職員団体の加入は、在籍者二十一名中十八名となっておりまして、加入率は八六%でございます。
○井口委員 大変高い加入率になっているところだと思います。
校長が、卒業式には国旗を屋上に掲揚すると判断を示したにもかかわらず、なお教職員が、日の丸・君が代の押しつけに反対する旨の意見を表明すべく、リボンを衣服に着用して出席したということでありますが、教育公務員として自覚に欠ける行為ではないかな、こう思わざるを得ません。今後かかることがないように、教職員の指導の徹底を一層図っていただきたいと、ひとまずお願いをしておきます。
そういうことは、校長先生あるいはまた先生の、お互いの努力があると思いますけれども、やはり教育の場という場所をしっかりと先生にも認識していただく必要があるので、私たちは、一般の場所とは違う、このように今申し上げておきたいと思います。
続いて、この件に関する対応についてのお伺いをいたします。
国立市教育委員会から中間報告として事実関係が報告されたということであります。六月下旬、こういうことであります。現在、国立市のすべての公立学校の教育活動の実施状況を調査するということであります。国立市教育委員会に対して、教育活動の正常化に向けた改善策を盛り込んだ最終の報告を求めている、こういうことであります。
では、都教育委員会が行う実施状況の調査というのがまとまるのはいつであるのか、どういう内容であるのか、お聞かせいただきたい。
○斎藤指導部長 国立市すべての学校の教育活動の調査につきましては、第一段階の調査を終了し、結果を整理、分析しているところでございます。その調査結果に基づき、九月中には、国立市の教育正常化に向け、国立市教育委員会及び各学校に改善策を示していくとともに、都教育委員会として、国立市教育委員会や各学校への指導や助言に努めてまいる予定でございます。
○井口委員 私の意見として申し上げておきますが、国立市教育委員会からの教員の服務事故についての報告に基づき、東京都教育委員会では、現在、関係者から事情聴取等を行うなど、鋭意調査検討を進めていると聞いておりますが、調査内容をうやむやにすることなく、地方公務員等の関係法令等にのっとり、法令等の違反行為の有無について十分に検討し、厳正に対処するよう願うものであります。
何かというと、こうしたことに関しては、明確にされないで済んできた歴史が今までもあります。私は、地元の市議会を通してやってきましたので、市議会を通し、あるいはまた今日、都議会に来ても、経過の中では、多少そういう面が私たちの記憶にあります。したがって、このようなことに関して、あいまいに過ごすことのないように、まずこのことを明確に申し上げておきます。
次に、教室の不正使用についてお伺いしたいと思います。
先ほど、報告によると、現在、国立第二小学校、国立第六小学校両校を初め、国立市内小中学校の勤務時間内の職員団体活動について、国立市教育委員会を通じて実態調査を実施しているということであります。まとまりはいつなのか、また、それに東京都教育委員会はどう取り組むのか、お聞かせいただきたい。
○上條人事部長 現在、国立市教育委員会に対して、一つは、いわゆるながら条例に基づいて認めている範囲を超えた職員団体活動が行われていたのかどうか、それから、時間内の職員団体活動を行うに当たって、ながら条例に基づいて所定の手続がとられていたかどうかについて調査を依頼しております。国立市教育委員会からは、八月上旬には調査結果について報告ができると聞いております。
東京都教育委員会といたしましては、ながら条例に基づく手続に問題があったり、あるいは認めている範囲を超えた職員団体の活動があれば、厳正に対処していく所存でございます。
○井口委員 また、報告によりますと、国立市だけではなく、全区市町村の小中学校における職員団体の施設の目的外使用の実態について、今後、区市町村教育委員会を通じて調査を行うということになっています。いつまでにこれがまとまるのか、また、その内容がどういうところに視点があるのか、明確にお願いをしたい。
○上條人事部長 全区市町村対象の、職員団体における学校施設の使用状況につきましては、現在、区市町村教育委員会を通じまして、職員団体による使用の有無、あるいは使用手続の具体的な内容、あるいは職員団体が使用している場合の建物の使用状況について、八月二日までに報告するよう調査を行っているところでございます。調査の報告を受けまして、できるだけ早期に、是正すべきところがあれば、区市町村教育委員会に対して厳正な措置を依頼する所存でございます。
○井口委員 本会議の質問や、先ほどのいろいろな報告をお聞きして、今日の国立市の問題を解決していくためには、都教育委員会と国立市教育委員会の緊密な連携と信頼関係が不可欠であると思います。
そこで、最後にお伺いいたしますが、東京都教育委員会と国立市教育委員会との信頼関係はどうなっているのか、学習指導要領について一貫性があると考えていいのか、あるいは違いがあるのか、それらについて明確にお願いをしたい。
○斎藤指導部長 国立市では、平成元年の市議会で学習指導要領の撤回を求める意見書が可決されたことから、国立市教育委員会においては、学校に対して十分な指導がし切れなかったという課題がございますが、平成八年度からは、学習指導要領に基づいて適正に実施するよう各学校を指導しており、その改善を目指しております。
また、今回の一連の問題について、国立市教育委員会では、国立市すべての学校の教育が、法令等にのっとり、校長を中心に組織的、計画的に行われるよう環境を整えていくことが課題であるとの見解を示しておりまして、都教育委員会としても、今後、その実現に向けて、国立市教育委員会と十分連携を図りながら、支援、指導してまいりたいと思っております。
○井口委員 最後に意見として申し上げておきますが、学校においては、国旗・国歌を含め、学習指導要領に基づいた教育課程の適正な実施が、都民の求める学校であることはいうまでもないと思います。
都教育委員会は、その有する責務と権限を十分に発揮して、正すべきことは正し、改めることは改めるように、今後の努力をお願いしておきたいと思いますが、今日このようなことが大変問題視されたということは、やはり、このときにしっかりとこのことを見詰めて、この取り組みをしてもらう必要がある、こう思います。
委員会の活動の中でもいろいろ議論がありましたが、やはり明確にそこらは整理をして、教育委員会が責任を持って進めていく、また、地元教育委員会とも十分な連携の中で、その成果を上げていく、このことをぜひお願いしたい。このことを申し上げて、私の質問を終わります。
○くぼた委員 今報告をされました「国立市の公立小中学校の卒業式における問題等について」という教育庁の作成した文書をいただきました。それについて報告されたわけですけれども、そもそも私たちは、ここに書かれてある卒業式の関連のことについては、国立の教育現場の出来事であり、国立の教育委員会がその自主性に基づいて解決を図っていく問題だというふうに考えています。
教育行政の仕組みからいっても、戦前の軍国主義教育の誤りの反省に立って、介入を許さず、教育の政治的中立を確保するために、教育行政と一般行政が独立しているわけです。さらに、昨今、教育においても地方分権が強調されているわけですから、なおさら、国立の教育委員会の自主性に任されるべき問題であるというふうに考えます。
それにもかかわらず、この事柄は、一部のマスコミが不正確な報道をして、それが政治的に扱われたり、子どもたちにも不当な脅かしがされるという事態になっているわけです。だから、学校側も、そのマスコミに対し、訂正を求める抗議文を送ったというふうに私は聞いています。
私たちは、そういう状況も勘案し、今回のこういった質疑や文書が、それらを助長するようなことには決してしてはならないという観点から、こういう形で出すべきではないと。国立の卒業式のことを万一扱うにしても、これまでの経過からして、政治的な動きに利用されたり、子どもの安全など、その影響を考えて、慎重に対処すべきだというふうに主張してきました。そして、皆さん方にもそういうふうに要請をしてきました。その考えは、今この委員会が開かれていても、変わるところはありません。
そこで伺うんですけれども、この報告というのは、一体何に基づいて書かれているんでしょうか。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会の要請を受けまして、都教育委員会が学校に対してさまざまな聞き取りを行いましたが、その聞き取りをもとにまとめてございます。また、国立市教育委員会から直接聞いたこともございます。
○くぼた委員 済みません。だれから聞いたんですか。だれから聞いた内容をまとめているんですか。もう一回答えてください。正確に答えてください。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会事務局の方と、それから、各学校長、教員でございます。
○くぼた委員 書かれていることは事実関係じゃないかなというふうに思われますけれども、二ページ目に、「事実関係が報告」と書いてありますが、その内容というのは、その扱いというのは今どうなっているんでしょうか。
○斎藤指導部長 ただいま非開示でございます。
○くぼた委員 現地では非開示のものを、その内容にも触れるようなことを、あえて教育庁がこのように書いたというのは、どういうことなんですか。
○斎藤指導部長 先ほど申し上げましたように、国立市教育委員会の要請を受けまして、東京都教育委員会事務局の職員が各関係者から聞き取った内容をもとにまとめてございまして、その報告書との整合性については、今お答えできません。
○くぼた委員 いや、そうじゃなくて、非開示なものをなぜわざわざ開示するような内容を書いたんですか、教育庁として。
一番初めに申しましたように、書かれた文書がいろいろな波紋を呼び起こすわけですよ。それを、なぜわざわざそういうことを教育庁みずからが行っているのかということを伺っているんです。
○斎藤指導部長 私どもが、さまざまな調査を国立市教育委員会を通じて行った中で、国立市内の小中学校全部とは申し上げませんけれども、その一部なり、一部の教員なりに、学習指導要領に基づいた指導等が行われていないという実態を聞き及んで、そして、それが調査内容になってきたわけでございまして、結果的に報告書の内容とそこがさわってくるという部分については、やむを得ないことかとも思っております。
もう一度申し上げますと、私どもも、国立市教育委員会の正常化に向けて、教育委員会独自として取り組みを始めた内容について報告しているところでございます。
○くぼた委員 私が伺っているのは、あなた方がこういう文書をつくるに当たってーー今までの経過からしたって、事実を正確に伝えないような文書がどんどん出て、それがいろんな問題に波及しているわけですよ。それから、子どもたちに危害が及ぶような状況が生まれているわけですよ。そういうことに対して教育庁の皆さんは配慮されなかったのかどうか、そこのところを伺っているんです。どうですか、明確に答えてください。
○斎藤指導部長 この文教委員会の報告書全体にわたりまして、個人のプライバシーあるいは直接教育指導にかかわりのないところ、教職員にかかわりのあるところに絞って書かせていただきました。そういう配慮は一定限度してございます。
○くぼた委員 そういう配慮だけであって、その書いてある文章がひとり歩きして、いろんな波紋を及ぼすという配慮は全くしてないということですね、今の答弁は。そういうのは非常に問題だと私は思いますし、この報告が教育庁の意思とは別に使われることがないように、きちんと対策をとるべきだというふうにいっておきます。
しかも、この内容は、事実関係にしても、書いてあることにしても、当然それに至った事実関係もあるわけだし、聞き取った内容すべてということではないはずです。当然、教育庁の判断で、書かれてある内容を取捨選択されているということであると思いますけれども、一体何を基準に、事実関係がいっぱいある中で取捨選択をしてここに書いたんですか。何が基準なんですか。
○斎藤指導部長 国立市内の小学校、中学校におきます教育課程、教育活動及び教職員の指導にかかわること、また服務にかかわることに絞って記入してございます。
○くぼた委員 そうはいったって、それに至る事実関係はいろいろあるわけでしょう、その中で取捨選択して、いろんなことを書いているわけですから、その一部を書いているわけですから。そうはいったって、その中で、皆さん方が指導監督するのに都合のいいような選択をしたといわれても、これは仕方がないと私は思うんですよ。
また、聞き取り相手が、さっきお話があったように、校長とか市教委ということをおっしゃいました。それにかかわったすべての方から話を聞いているわけじゃないということをお認めになりました。だから、その事実関係でさえも、先生や保護者からすれば、違うんじゃないか、誤った受けとめ方をされかねないような書き方だというふうないい分だってあるはずなんですよ。
したがって、この報告文はあくまでも教育庁の独自の判断基準で、つまり、先ほどもご答弁ありましたように、教員を指導監督するという特定の立場から見た一つの見方であって、加えて、現時点で事実経過もさらに調査中ということをさっきおっしゃいましたから、はっきりしているわけじゃないですから、したがって、事実をつかむ上では完全な報告ではないということですね。
○斎藤指導部長 現時点におきましては、公正中立の立場で、また教育行政の立場でまとめたものでございますけれども、今後事実が詳細に明らかになれば、さらに次の内容が盛り込まれていくということは考えられます。
○くぼた委員 今お認めになったのは、結局、教育庁から見た一部の見方であって、その事実を完全に反映するものじゃないということが、今、確認されました。
なぜ、そのことをあえて私が指摘したかといいますと、これも先ほど来申し上げているように、個々には事実であっても、さまざまな経過やそのときの状況があるわけです。それと切り離してしまえば、違った解釈にもなってしまうということもあるわけで、これまでも、そういう事実と違ったり、ある一面だけをとらえた情報が流れて、それがあたかもすべてのように受けとめられてきた状況がある。そういう中で、この問題がひとり歩きして、政治的に扱われたり、ましてや、子どもにかかわる教育現場で起こった問題を、配慮なく取り上げて、それによって結局は子どもたちにも不当な脅かしがされる、こういう重大な影響が及ぶような経過になっているからなんです。
だから、そういった形で、この報告書がひとり歩きするようなことは絶対にあってはならないし、そのように扱ってはならないということであります。
その上で、この報告書には、都教委が国立市教委に、二ページ目ですけれども、「教育活動の正常化に向けた改善策を盛り込んだ最終の報告を求めている。」と書かれていますが、私は、それが国立の市教委の自主性にかかわるようなことにならないかということを非常に危惧しています。
そして、この文章、文脈の書き方は、都教委が、国立の教育活動全体が正常でないと判断しているとも受けとめられる表現ですけれども、そういう解釈は正しくないということですね。いかがですか。
○斎藤指導部長 聞き取り結果によりまして、国立市内の小中学校の教育活動が、学習指導要領、法令等に基づいて正常になされている、すべてについてなされているということはございませんので、そういう意味でも、正常化をというのは、そういう方向でここに書いていることでございます。
○くぼた委員 教育活動すべてですか。学習指導要領に基づく指導がすべて行われてないということをおっしゃっているんですか。
○斎藤指導部長 先ほど申し上げましたように、そのすべてではございませんが、その一部なり、一部の教員なりが、学習指導要領等に基づいた教育活動、指導をしていない、そういうことを繰り返して申し上げます。
○くぼた委員 ごめんなさい。ちょっとしつこいようですけど、確認させていただきますが、今のご答弁だと、教育庁から見て、教育活動の一部に正すべき部分があった、大半は正常に行われていたということですね。
○斎藤指導部長 その大半か一部かという解釈のことですが、それは、事実関係をさらに詳細にこれから調査いたしますので、一部になるか、大半になるか……。ただ、今の調査の段階では、場面によってでございますけれども、場面によっては大部分の数、あるいは場面によっては一部、いろいろな場面がございますので、全体的にどうだというふうには明確に答えられません。
○くぼた委員 つまり、現時点では、一部かすべてかもわからないということですよね。それだったら、国立市の教育活動全部が正常化すべきであるような、そういうふうに受けとめられるような文章の書き方をすべきじゃないんですよ。その理由は、先ほどから何回も繰り返しているように、この文章がひとり歩きしているから。そのことをなぜ考えない。
私、そういった誤解を招くような表現は使うべきじゃないというふうに思います。先ほど来いっているように、どんなことであれ、教育庁の意図したこととは別の解釈をされることもあるわけなんです、中途半端な文章は。それが政治的な思惑と重なって圧力となったり、子どもたちに影響を及ぼすことにもなるんですから、そういうことを助長することのないように、こういうあいまいな表現を使うべきではないんです。
ですから、今の時点で、こういう書き方は誤りだと、教育庁の見解として、国立の教育活動全体がおかしいのではないということを確認しておきます。
教育庁がつくった報告をもとにして、さまざまな事態が予想される中で、このように皆さん方は非常に慎重さを欠いた報告書を作成したわけです。そのことに私は憤りを覚えますし、そうすべきじゃないということを、この間繰り返しいってきましたけれども、あなた方、全然そういうことを聞かない。そういうことに対して、改めて抗議をしておきます。
そして、今回の国立の場合、校長の判断で、報告書にもあるように、国旗を屋上に掲揚したわけです。地元の教委や現場の判断でそういうこともあり得るというふうに、国会でも答弁されているわけです。つまり、さまざまな状況を勘案して地元や現場が判断したことを、問題だとして、教育庁が正常化させるといったことは、今後ともすべきじゃないというふうに主張しておきます。
国旗・国歌法成立を契機に教育現場には押しつけをしない、こういうふうに国会答弁ではされているわけですよ。それとは裏腹に異常な押しつけがやられ、都教委もそれをエスカレートさせてきたわけです。今回の件でも、そういう押しつけ推進が背景にあることは明らかであります。結局子どもたちを巻き込んでしまったということなんです。この点からも、学校への押しつけをきっぱりとやめるよう、改めて強く要求しておきます。
さらに、そういう教育庁の一方的なやり方が、国立の子どもたちの日常的な教育活動に極めて憂慮すべき問題を助長させているということをよく考えてください。
この間、国立では、右翼の街頭宣伝車が学校周辺に大挙して押しかけ、入学式に君が代を流したりという異常な事態が起こっているというふうに聞いていますが、都教委、教育庁としてどのように事実を把握していますか。
○植木委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○植木委員長 速記を開始してください。
○斎藤指導部長 街宣車の抗議運動や脅迫状が送られてきたことにつきましては、ある程度の把握はしております。しかし、政治団体の行う情宣活動とか、あるいは今回の脅迫状については、教育委員会の所管する教育にかかわる事務の範囲外のものでございまして、当該関係機関の方でそれ相当の対応をなさっているというふうに受けとめております。
なお、安全指導については、これは教育活動にかかわることでございますので、国立市教育委員会と連携し、子どもの安全指導については十分行っているところでございます。
○くぼた委員 街宣車が六十数台も大挙して学校に来て、入学式に君が代を宣伝カーから流したり、子どもたち、出てこいといったり、校門のところで子どもたちに声をかけたりということだそうです。また、そういった状況の中で、授業を翌日に振りかえる、そういった措置もとられているというふうに聞いています。
脅迫状のことも今いわれましたけれども、具体的にも、内容をいうのがはばかれるような、子どもに危害を加えるという、そういう内容のものが学校や児童館に送りつけられているということであります。
こういう中で、具体的にどのような対応をされているんですか。
○斎藤指導部長 脅迫状につきましては、五月二十五日に立川警察署に届け出がありまして、同時に、全校の警戒強化に国立市教育委員会では取り組んでおります。また、同じ日に各学校長あてに、児童生徒の安全指導について通知を出し、それぞれの学校での安全指導の徹底をしております。また、学校行事に際しては、市の職員を学校に派遣して、安全確保に努めております。
○くぼた委員 それ以外にどういう対応があるんですか。とられているんですか。今いったことがすべてですか、あなた方がつかんでいるのは。
○斎藤指導部長 なお、子どもたちの安全にかかわる措置として、国立市が出した一連の報告書について、情報開示の対象とした場合、非開示扱いにするということを決めております。
○くぼた委員 そういうことを聞いているんじゃないんだけども……。
結局、警察に警戒を要請したり、先生や保護者の見守る中で子どもたちが集団下校するような事態が続いているということなわけでしょう。学校教育にも影響が出ている。それから、この前、保護者会なども行われたそうですけれども、これから夏休みを過ごすに当たっても、それから、それ以後のことを考えても、子どもたちの安全について、保護者の皆さんや先生方が非常に心配されているわけですよ。そのことが一番その中で論議になったというふうに、私、聞いています。
そういう状況の中で、対応を市教委だけに任せるんじゃなくてねーー報告を聞きましたみたいな、それで本当に安全を確保できるのか、要は子どものたちの安全のことですから。そういった中で、教育庁として事態をどのように受けとめておられるのか、どのように皆さん方は対処されてきたのか、そしてまた、これからしようとしているのか、そのことについてちょっと見解を伺わせていただきたいと思います。
○斎藤指導部長 一連の件につきましては、国立市教育委員会の方から私どもの方に相談がございまして、その都度相談し、助言をしてきたところでございます。
子どもたちの安全確保については、教育活動を守る意味からも極めて重要なことでございますので、今後とも都教委としては万全を期すよう、国立市教育委員会と連携しながら指導してまいりたいと思います。
○くぼた委員 私、別に市教委を飛び越えて都教委がやれといったわけじゃないですけれども、事は子どもの安全にかかわることですから、もっと迅速に動いて、積極的に安全確保のために最大限の支援を都教委としてもしていただきたいと思います。
結局、日の丸や君が代についての見解はどうであれ、子どもたちをめぐって、脅かしまで使ったこういう状況が続くことはあってはならないし、そういった圧力や政治的な介入に絶対に屈してはならないというふうに私は思うんですけれども、教育庁としてはどのように考えておられますでしょうか。
○斎藤指導部長 教育活動は公正中立でなければなりませんので、どのような形にしろ、それを脅かすものに対しては、断固として私どもは守っていくということで考えております。
○くぼた委員 それは理念だけでなく、具体的にもぜひそういう態度でやっていただきたいと思います。
このことは、さきの第二回定例会の我が党の代表質問でも知事に質問したわけですけれども、知事はそのことには直接答えず、その答弁を見ますと、すりかえというふうに受けとめられるような答弁をしました。少なくとも、教育行政に責任を持っていたり、教育にかかわっている者であるのならば、なぜこうした行為に対して沈黙するのかということは、私は非常に疑問に思います。
そして、きょうの報告にだって、具体的にそのことは一切書かれていないわけです。子どもたちに一番直接かかわることなのに、大事な問題なのに、重大な問題なのに、書かれていないわけです。どうしてそういうことは書かないんですか。
○斎藤指導部長 先ほど来申し上げましたように、私どもが、国立市教育委員会の要請を受けながら聞き取った内容について、特に教職員の指導にかかわること、教育課程一般にかかわること、そして服務等について聞き取った内容について今回お示ししてございます。
○くぼた委員 つまり、子どもたちの安全というのは全く関心がないということなわけですよね。何よりも率先して守らなきゃならない子どもたちの安全が脅かされているわけですよ。正常化をいうんだったら、安全な学校教育を一刻も早く取り戻すこと、そのことが一番大切じゃないですか。私は、教育庁が子どもの存在をきちんと据えて物事を考えていない姿勢がここにあらわれていると思いますよ。これで果たして、先ほどいわれたように公正で中立な教育行政が保障されるのか、子どもたちが大切にされる教育がされるのか、疑問であります。
国歌・国旗をいかに実施させるかということを中心に躍起になって、実際に現地に皆さん方行っているわけでしょう。それがどうなっているのか、どうされているのかということを指導に行っているわけです。教育庁の皆さんが調査をしているわけです。その目の前で子どもたちの安全が不当な脅かしにさらされている、こういう状況なのに、そのことには一切触れない。関心も対策も示さない。異常だというふうに私思いますね。そういう姿勢は改めるべきだと思います。
国旗・国歌をいかに実施させるかで、現場への押しつけが行われ、結局子どもたちを危険な状況に追い込んでしまったということじゃないですか。学校への押しつけは、この点でもやめるべきだということを再度いっておきます。
そして、学校現場については、教育の自主性や地域の自主性を確保して、それを尊重することが最も早い解決につながると考えますし、教育庁はそういう立場をとるべきだというふうに思います。
最後に、この報告では、「法令等の違反があれば厳正に対処する。」こういう記述があります。この問題について、議会でも、マスコミ報道や独自の調査に基づく論拠に立って処分すべきと質問がありました。また、一部のマスコミも処分問題について報道しています。私は、そういったことが都教委の判断に影響を与えるようなことがあってはならないというふうに考えていますが、この点についてはどうでしょうか。
○上條人事部長 任命権者として厳正に対処いたします。
○くぼた委員 厳正に対処するのは当然なんですけれども、そういったいろんなマスコミで取り上げたり、議会でいろんな質問が出たりということに判断が影響されてはならないというふうに伺ったんですが、その点はどうでしょうか。
○上條人事部長 東京都教育委員会が、任命権者の責任におきまして厳正に、すなわち厳格で公正な処分を行います。
○くぼた委員 外部の判断に影響されちゃならない、そういうことではどうなんですかと聞いているんです。そのことについて答えてください。
○上條人事部長 ただいま申し上げたとおり、公正に行います。
○くぼた委員 外部の圧力に揺らぐことなく自主的な判断をするのは当然であると主張しておきます。
いうまでもなく、戦後の教育行政というのは、戦前の絶対天皇制のもとでの教育の否定と反省の上に、教育基本法に基づいて、一つは地方分権、二つ目には一般行政からの分離、三つ目には民主化の原則で出発したわけです。そんなことは皆さん方にいっても、よくご存じだと思いますけれども。
教育基本法の第十条には、第一項で「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」そういうふうに書かれてあります。第二項では「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」このように明記されています。このことは、教育行政が公権力として教育内容に介入してくれば、そこには必ず人間の精神の自由に対する侵害が行われるという、戦前、教育行政が内容に深く立ち入り、国定教科書などで国家主義及び軍国主義教育を行って、国民を戦争に駆り立て、結局は国民や世界の人々に多大な被害をもたらした、そういった厳粛な反省が込められているわけです。
私は、こういった時代を逆戻りさせないためにも、都教委や教育庁が日本国憲法や教育基本法の精神に常に立ち返って、教育におけるさまざまな国家統制をやめさせ、教育の自主性を確保していくために、不当な介入や圧力に屈することなく、またみずからも介入することなく、公正中立な教育行政を行うことを厳しく要求して、質問を終わります。
○石川委員 私から、さきの本会議の代表質問で、組合等が行っている行為について質問をさせていただき、それぞれ教育長、知事から答弁をいただいたところでありますので、国立市における組合活動につきまして、若干詳細に伺わせていただきたいと思いますが、その前に、いわゆる国旗・国歌問題につきまして、この問題を調査する中で、校長先生方から、学校の現場で、いわゆる掲揚するとか斉唱する前に、国旗とは、あるいは国歌とは何かということを教えたいんだ、しかし、その教える機会がないんです、こういうふうに切実に訴えられてきましたけれども、この国旗・国歌、斉唱、掲揚は別にしまして、これをどうとらえるんだということを、小学校におきましてはどのように教えていくことになっているのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○斎藤指導部長 小学校におきましては、社会科の授業で、国旗・国歌の意義について学習することになっております。また、音楽の時間には国歌斉唱について学習することに、学習指導要領で定められております。さらに、特別活動の領域におきましては、学校行事、特に卒業式、入学式における場面での指導を明記してございます。そういう場面で小学生は学習しております。
○石川委員 小学校で、いわゆる何学年の授業で教えるんですか。
○斎藤指導部長 小学校三年、四年、社会科でございます。我が国や外国には国旗があることを理解させ、それを尊重する態度を育てるよう配慮するという項目がございます。それから、五年生の社会科でもございますし、六年の社会科でもございます。
○石川委員 それでは、国立市の小学校では、その学年、授業帯で、国歌・国旗については授業がなされているんですか。現況を教えてください。
○斎藤指導部長 それぞれの各教科の子どもたちの活動状況につきましては、現在、校長を中心に聞き取っている関係で、校長が把握している限りでは、さまざまでございます。全くやっていないということではないんですけれども、やっていない場合もあると。ただし、これは校長が実際に授業を見ての答えではございませんので、そこのところは今後もう少し調べていきたい、そういうふうに思っております。
○石川委員 ぜひ調査をしていただいて、その実態を報告していただきたいというふうに思います。
実は、さまざま話題になってまいりました、いわゆる児童の権利条約、先ほども、実は午前中にある団体が見えまして、この日本が批准している子どもの権利条約には、子どもの意見表明権がうたわれております、こういう文言がありましたので、それじゃ、この権利条約の第二十九条ではどのようにうたわれていますか。
○斎藤指導部長 教育の目的について記してございまして、「締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。」ということで、まず五点ほど示してございます。
それから、もう一つございまして、「この条又は前条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。」というようなことも追記してございます。
具体的に申し上げた方がよろしゅうございますか。
○石川委員 具体的に。
○斎藤指導部長 では、申し上げます。
先ほどの教育の目的の一番目として、児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。二つ目、人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。三番目、児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の間の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。次が最後でございます。自然環境の尊重を育成することでございます。
○石川委員 国旗・国歌になぞらえるならば、いわゆる自国の国歌・国旗も大事だけれども、他国のいわゆる国歌・国旗についても尊敬の念を抱くという条文だろうと私は解釈をいたしておりますので、そうした学習がきちっとなされているかどうか、国立市での現況をもう一度正確に調査をして報告をしていただきたいと思います。
組合関係について質問をさせていただきますが、二小においては、報告書にありましたような事実関係。ところで、六小と三中の関係を具体的にお伺いしたいんですけれども、この報告によりますと、六小は、十二年度、校長に口頭で申し出があって、六月の二十六日までに明け渡したと記載されておりますが、この東京都公立学校教職員組合の多摩・島しょ地区教職員組合国立支部は、それ以前は、十年度、十一年度、この報告によると、国立第三中学校で同様に、いわゆる教室を使用していた。なぜ、三中から六小に移ったんですか。
○上條人事部長 この支部の書記長が所属している学校に移っております。
○石川委員 そうしますと、組合の幹部の所属する学校が変わってしまったために、いわゆる学校使用場所も違ってきたということで間違いありませんか。
○上條人事部長 そのように聞いております。
○石川委員 そうしますと、この組合は、三中の使用は合法だったんですか、それとも違法だったんですか。
○上條人事部長 三中におきましても、正規の手続をとらずに使用していたというふうに聞いております。
○石川委員 それじゃ、六小に移るときの手続はどうだったんですか。
○上條人事部長 六小に移る場合におきましても、きちっと国立の教育委員会に届け出て、その許可を受けているというふうには聞いておりません。
○石川委員 聞いていないわけですね。
この間、代表質問でもお伺いしましたけれども、いわゆる学校の教室を外部の団体が利用する場合には、公有財産の規則に従い正式な届け出が必要であるということが、私たちの調査でもわかりました。なぜ、組合幹部の異動に伴って、その使用する場所が安易に変更できたのか。学校の校長は施設管理にすぎないし、教育委員会がありますが、手続が行われないで、また借りることができたのか、私たちにとっては大変不思議でしようがないんですけれども、その辺の実態はどうなっていますか。
○上條人事部長 使わせるに至った詳細な経緯はわかりませんけれども、いずれにいたしましても、職員団体の方から校長に申し出があり、それを許したということのようでございます。
○石川委員 校長の許可で許したと。都教委としては、そうしたやり方というのは、これは適法なんですか、合法なんですか、やむを得ないんですか。
○上條人事部長 行政財産は、その用途または目的を妨げない限度においてその使用を許可することができることになっておりますが、当該施設の目的外使用は、国立市教育委員会が基本的には判断することでございます。しかし、教室を職員団体の事務室として継続的に使用させるということは、目的外使用の趣旨に照らして、到底認められないものであるというふうに認識しております。
○石川委員 立川へ行って関係者の皆さんに聞きますと、常に、慣行だとか、これが習慣なんですとか、そういう言葉がよく出てくるんですけれども、こういうことが国立市としては長年行われてきたと、都教委の方はつかんでおられるんですか。また、これに対して、都教委としては何らかの指導はされてきたんですか。
○上條人事部長 今回、このような教室の不正使用の実態については、初めて明らかになったものでございまして、これまで具体的な指導をしてきた経緯はございません。
○石川委員 こうした問題に着目し始めましたのも、国立市の私どもの同僚議員が、ある市民からの一通の電話で、この事実を知りまして、いろいろ調査をしていくうちに、これはおかしいんじゃないか、あれもどうしたんだろう、これもどうしたんだろうということで、次から次に疑問点が洗い出されてきたわけであります。そうした使用については、違法だというような答弁もありましたし、前回の本会議でも、また、ただいまもありましたように、もう一度、学校の施設が組合にどのように使われているのか、区市町村すべて実態調査をしてくださいよ。そして、きちっとその実態を明らかにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○上條人事部長 全区市町村の小中学校の使用実態について、既に調査を開始したところでございます。
○石川委員 これはいつごろまでにまとまりますか。無理のないスケジュールをきちんと教えてください。
○上條人事部長 八月二日までに報告を受けることになっておりますので、報告を踏まえて厳正に対処してまいります。
○石川委員 よろしくお願いいたします。
それでは、次に、いわゆる教員の勤務時間中に行う組合活動について、これも詳細にお願いをしたいと思います。
教師でありましても、当然、地方公務員法が職員の団結権を保障し、その交渉権を尊重すべきものとしております。したがって、例外的に、職務専念義務を免除して勤務時間中に職員団体のための業務に従事していることは認められていると、私も承知をいたしております。東京都は、職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例、いわゆるながら条例に基づいて、この活動については厳格に対処しているというふうに伺っております。
そこで、勤務時間中に労働組合活動を行うために、どのような書類で、どのような手続が必要なのか、一度説明をしていただけませんでしょうか。
○上條人事部長 ながら条例に基づきまして職員団体の機関運営に参加する場合には、まず職員団体から月間行事日程表というものを地教委を通じて校長に提出することになっております。校長は、それを踏まえて職免の仮承認をいたしまして、実際に職員が参加した場合には、参加票というものを校長に提出いたしまして、それが認められれば本承認になるという手続がございます。
○石川委員 そうすると、その手続の中で、書類として準備されているものは何と何があるんですか。
○上條人事部長 職免申請書と給与減額免除申請書でございます。
○石川委員 参加した場合の参加票というのは、書類じゃないんですか。
○上條人事部長 当然、参加票を提出させまして、それを確認して、職免あるいは給与減額免除の承認をするという手続になります。
○石川委員 そうしますと、職免申請、給与減免申請、そして参加票、この三つがそろって初めて、勤務時間中に行った活動に対する給与というのは保障される、こういうふうに理解してよろしいんですか。
○上條人事部長 ご指摘のとおりでございます。
○石川委員 国立市の小学校、中学校で、いわゆる職務中に、時間内に組合活動をするということで組合活動が行われたという件数は相当多いんでしょう。じゃ、実態は、今申し上げました三つの書類が、この国立の小中学校では現実にどういうふうになっているか、調査されたことありますか。
○上條人事部長 国立市全体の調査につきましては、現在行っているところでございますけれども、国立第二小、第六小、第三中については、既に概略の報告を受けております。それによりますと、都教組国立地区協議会は、平成十一年九月以降の月間行事予定表を提出していない。また参加票につきましては、従来から提出してこなかったという経緯がございます。これらの正規の手続を経ることなく、この間、職務専念義務免除の処理が行われていたというふうに聞いております。
○石川委員 それは正規なんですか、不正なんですか。
○上條人事部長 明らかに不正でございます。
○石川委員 不正が明らかになった場合には、どんな対応をされますか。
○上條人事部長 現在、詳細な調査を行っておりますけれども、いずれにいたしましても、職免の取り消し等を含めた厳正な対処をしていきたいというふうに考えております。
○石川委員 ぜひ、その調査についてもその結果を明らかにし、その結果に基づいて厳正な対応をされますようにお願いしておきたいと思います。
これも、ある学校で、調査に行きましたら、組合員の教員が組合活動に参加したいと、その当日に校長に口頭で申し出てきまして、校長が、勤務時間内に認められる活動ではないとの判断から、年休をとって参加するようにと話をしましたところ、教員がそれに反発してトラブルになってしまったことがありましたと。そのようなことは、その校長の前任校では考えられないことでありました、正規の手続も踏まず、年休もとらず、校長黙認のもとで勤務時間内に組合活動に不正に参加することが当たり前になっているのではないかと、疑念すら実は持ち始めていますと。こういう実態があるわけでありますから、ぜひ厳正に調査をお願いしたいと思います。
それと、学校へ行ってみますと、これが正常な職員室なのかなという現場に出くわしました。理事会でパネルを使うことを了解していただきましたので、委員長、よろしゅうございますか。
いわゆる短冊というんでしょうか、壁新聞というか、のぼりというんでしょうか、この写真の実態をどう思われますか。
○上條人事部長 職員団体の掲示板の設置を、生徒への影響がないよう配慮の上、職員室内の一定の場所に限って許可することはあり得ますが、そこに政治的目的を有する文書を掲示することは、教育公務員として当然許されないことであるというふうに考えております。
○石川委員 まさに私も、この現場を見ましたときには、何といいますか、言葉もありませんでしたよ。もっとざっくばらんにいいますと、例えば、私たちが行政機関に視察で行きますと、意外と、組合の強い施設であっても、視察に行く前にはすうっと整理されまして、翌日そこへ行ってみますと、また張ってあるという、これ、よく耳にすることなんです。伺いますよといっていて、堂々と掲示されているわけですから、私は、教頭や校長先生もどんな気持ちでおられたのか、また、教職員の皆さんもどういう気持ちでこれをそのままにしておいたのかということを、見ましたときに、いろいろ詭弁を使っていますけれども、土足で教育の現場に政治の課題を持ち込んでいるのは、まさに大人の方の責任じゃないか、こういうことを痛切に感じてまいりましたよ。さすがに、この間行き直しましたら、なくなっていました。改めて行きましたら、さすがに。
直接の権限は市の教育委員会かもしれませんけれども、指導するのは都教委でありますから、やはりこうした現実を本当に深刻に受けとめて、強い行政の指導力というものを発揮していただきたいと思うんですよ。ましてや、今、子どもたちをめぐるさまざまな課題があって、それこそ、大人も家庭も学校も何とかしなければならないという時代じゃないですか。政治的にどうのこうのという時代じゃありません。それこそ関係者が本気になって、こうした現場を改善し、そして、よりよい、日本の将来を背負う青少年を育てていかなければならないときだと私は思います。
以上、私からは組合関係の話に絞りまして、詳細調査もお願いいたしまして、一日も早い調査報告を求めまして、質問を終わります。
○和田委員 この国立第二小学校の卒業式問題というのは、私にとっては、本会議質問がまずその問題の意識を持つきっかけでありました。思い出しますと、土下座というような言葉も出てきたわけでありますし、そのような学校環境というのは、どんな学校環境であるのか。通常、私どもが、卒業、入学で出入りする公立の小中学校では全く考えられない、異次元の話と受けとめたからであります。
さて、この国立市という大きなくくりの中でこの問題をとらえていいのか、第二小学校という局所的な問題でとらえていいのか、ここで大変悩むところであります。しかし、きょうのこの報告を読みますと、第六小も第五小もあるわけでありますから、大小の個別の問題ではないのかなという印象を、この報告書から持ちました。問題が広がり過ぎると、焦点がぼけますので、極めて限定した形で、これから質疑を取り交わさせていただきます。
さて、この第二小の卒業式にかかわる問題を我々が考えるときに、教育指導の面から何が問題だったのか、教育庁の方はどういうふうに認識をされておりますか。
○斎藤指導部長 教育指導面から申し上げますと、教員が学習指導要領に基づいて国旗・国歌の指導をしていないこと、教育課程が適正に実施されていないこと、そのほか、管理運営規則に基づいた職員会議の運営等が問題になっていると受けとめております。
○和田委員 今、教員が学習指導要領に基づいて国旗・国歌の指導をしていないということでした。教員がなのかな。学校現場の責任者というのは、教員ももちろんそうですけれども、校長なり教頭という存在もあるわけですね。ここの責任はどうなるんですか。
○斎藤指導部長 教育課程の実施につきましては、最終的に校長の責任で編成、実施するものでございますので、当然、校長の責任もございますが、今回の経緯を調査している段階で、校長はその意思決定をしているにもかかわらず反対によってできなかった、そういうような経緯も一部ございますので、一概に校長だけの責任、あるいは校長もという、その辺も含めて、その責任の問題は、厳密にいえば学校全体にかかわることではないかと思っております。
○和田委員 このレポート、四枚あります。二小に関しては、その中の部分的なものかもしれませんが、この記述だけを読みますと、一ページ目の卒業式の前日までの経過の中で、「校長は『今年度の卒業式は屋上に国旗を掲揚して実施する』という判断を示したが、教職員はこれに反対しさらに話合いを継続するよう求めた。」というふうな形で、少なくとも、今答弁いただいたように、校長はその意思あり、しかれども教員がそれを遂行させなかったというふうに、一貫してこのレポートは書かれています。これに対する何かがまたあるのかもしれませんけれども、私ども、今はこれが教育委員会の公式な一つの調査結果だというふうに受けとめておりますから、教員が学習指導要領に基づいて国旗・国歌の指導をしなかったということが、この指導面からいえば何か問題の一つになっているという認識をせざるを得ないと思うんですが、そういう確認でよろしいですか。
○斎藤指導部長 教員の指導も含めて問題があるということでございます。
○和田委員 今、教員の指導も含めということは、主語はだれなんですか。校長がという意味ですか、校長のという意味ですか。
○斎藤指導部長 先ほど申し上げましたように、教育課程の編成、実施の最終的な責任者は校長でございますので、最終的に教育課程のすべてについて校長に責任がございます。権限もございます。しかしながら、繰り返しになりますが、この経緯につきましては、教育指導と深くかかわっておりますので、校長の意思にそぐわない形で最終的に実施されているというような形では、この点については、その責任の所在は厳密にはなかなか定めがたく、学校全体の問題として私どもはとらえているところでございます。
○和田委員 苦しいご答弁だと思います。
また、二点目に挙げられた、教育課程の編成、実施が適正に実施されていないというのは、具体的な事例が何かありますか。
○斎藤指導部長 先ほど来申し上げましたように、第一段階の調査のところでございまして、その正確性あるいは実際の授業場面までまだなかなか調査が終わっていないような状況がございますけれども、例えば、年間の授業時数はほぼ確保されているものの、週単位の時間数については、校長が必ずしも全部把握できていないような状況があるとか、例えば、今申し上げましたのは、短縮授業に切りかえたというような状況が、校長が十分に把握しないまま、そのまま活動に移されているようなこともございます。場面によってさまざまでございまして、これも途中でございますけれども、指導の実態としまして、例えば道徳の時間数が法定どおり確保されているかどうか。計画上はあるんですけれども、結果的に確保されたのかどうか、あるいはどの程度確保されなかったのかとか、そういう調査は、具体的にもう少しやってみませんと、場面場面の問題でございますのでーーただ、さまざまな場面の問題性だけは今何点か出てきておるところでございます。
○和田委員 年間の授業時数のトータルはある基準を満たしているけれども、その週単位、月単位といってもいいかもしれませんが、そこの部分では過不足が出てきているということの報告と理解しました。
それから、道徳の時間の問題についても、実際に行われたかどうかという問題も、もう少し詳細に調査をする必要があるということです。これも当然のことだと思います。
生徒の立場から見ますと、自分が授業を受けたときもそうですが、先生が休むというと、うれしいものでありまして、短縮授業というとうれしい。生徒はそういうふうに部分的に思うものですが、ただ、当然受けるべき授業数がそこで欠けることによって、年間に進む教科書のページも、単元ごとの消化もおくれてくるわけですから、子どもは喜んでも、指導する側はそのおくれを取り返さなければいけないということで、相当無理な駆け足授業も行われてくるようになるわけです。
どちらかといえば、一貫した安定した授業課程を進めるという意味では、きちっきちっと計画に基づいた単位消化をしていくということが当然好ましいわけでありますが、学校の先生方の進め方によっては、早く行って少し緩めちゃおうというところですかね、そういうこともあったりして、子どもたちの正常な形での授業参加を阻害するような、そういう傾向があるとすれば、これはきちっと直していく必要があるだろう。これは、組合活動とか、日の丸とか君が代と関係ない話ですけれども、そういうこともまさに正常化、ノーマライゼーションといっていいかもしれませんが、この際、そういう形での確保をぜひ強く要望しておきたいと思うんです。
三点目にお答えいただいた、管理運営規則に基づいて職員会議が行われていない節がある、行われていないと言明されましたが、これはどういうことですか。
○斎藤指導部長 国立市の教育委員会におきます管理運営規則に基づいたいわゆる補助機関としての位置づけ、あるいは、校長権限で行うことを職員会議において決定するとか、そういう傾向が一部ございますので、そういった意味での問題を今調査しているところでございます。
○和田委員 校長権能、権限というものが明確化されることによって、校長そのものの責務といいましょうか、校長そのものの責任感あるいは指導力、場合によっては包容力といっていいかもしれませんが、そういうものが培養されてくるだろうと思うんです。ところが、その権限、権能があいまい化されることによって、言葉は悪いんですが、校長先生もいいかげんになる、それから、教職員の皆様方の方も、自分たちもそういう権能があるかのように錯覚をして、あいまいになるというようなことから、教育現場の中における秩序、そういうものが欠けてくるきっかけになりはしないかというふうに危惧をするわけです。
職員会議は職員会議の本来の意味がありますし、教頭や校長にも本来の役職、分掌事務があるわけでありますから、それをこなした上で、多少の出っ張り、引っ込みがあってもしようがないんでありますけれども、この第二小の職員会議の運営のされ方が、管理運営規則にどの程度そぐわない形で行われてきているというふうに把握されていますか。
○斎藤指導部長 先ほどちょっと申し上げました補助機関としての位置づけであるならば、校長が意思決定をしたものについて、その職員会議の中で長時間にわたって、それの撤回あるいは反対を表明する、そういう趣旨に基づいた話し合いが続くということは、本来の職員会議の性格ではない、管理運営規則に定めた職員会議の位置づけではない、そういうふうに受けとめております。
○和田委員 いや、形態はわかるんですよ。それが例えば、職員会議が一カ月に二回、三回あるとすると、どの程度の頻度、そういう補助機関ではないと思われる働きかけがあったんですか。
○斎藤指導部長 少なくとも卒業式の前の日については、今申し上げたとおりでございまして、それ以前につきまして、正確に何回、何時間という形では、今手元に調査した内容は持ってございません。
○和田委員 平常行われる職員会議、卒業式の前の職員会議と違って、平常の補助機関としての職員会議もあるわけでありますから、そういう中で、校長の意見に職員会議の方が何か異議を唱えられて、なおかつそれが強硬に長い間続くというようなことを私は問うているわけで、たまたまこの卒業式直前の職員会議だけにそのようなことが起こるのではなくて、平常的にそういう職員会議と校長先生の意思の対立というとあれですが、そごといいますか、それがあったのではないかということを問うているわけです。
○斎藤指導部長 職員会議の位置づけとしまして、校長が校務に関する決定等を行うに当たって、教職員の意見を十分聞いて、あるいは納得しない分には、説得をして、共通理解を図って、その後、校長としての責任で決定をする、そういう流れがございますので、当然ながら、内容によっては、事項によっては、時間が長くかかる場面はございます。
どの程度ということになりますと、どうしても国旗・国歌については教職員の反対が強いという傾向がございますので、職員会議でそれを話題にした場合にはどうしても長くなる、そういう傾向はございます。
○和田委員 言葉は悪いんですが、平常的というか、恒常的に、校長先生と教職員の方々がーーそれは卒業式に限らないんですよ。年間を通じて、そういう意思の疎通といいましょうか、合意といいましょうか、それが困難な状態であれば、当然、卒業式直前にもそういう形が惹起される可能性は十分高い。したがって、通年そういうことが見受けられるんですかということを聞いているわけです。
○斎藤指導部長 一般的に、国立市内の小中学校、特に小学校の職員会議の位置づけは、先ほど来申し上げておりますように、補助機関で位置づけされておりませんので、当然ながら、校長がその意思決定をするために教員からさまざまな意見を聞くという形態ではなくて、もう少し、そういう決定を前提としない話し合いの場の傾向がありますので、どうしても全体的に長くなりますし、あるいは校長と教員の意見が対立する場面も事項によってはあろうかと思います。一般的に、例えば校長が招集して職員会議を開催するという形ではなくて、教員が開いて、そこに校長がやってきて、意見を求められれば話すというような形態も一部ございます、全部ではございませんけれども。
いずれにしても、一言で申し上げれば、補助機関としての位置づけが明確ではない、そういうところから出てくる問題が、多少というか、さまざま学校によってあるというようなことでございます。
○和田委員 今そういうご認識をお話しになったんですが、それを受けて、じゃ、どういうふうにされようと思いますか。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会の方で管理運営規則で、職員会議の位置づけについては定めておりますので、その定めに従って、各学校で職員会議を位置づけ運用するよう、国立市教育委員会に指導助言してまいりたいと思います。
○和田委員 次に行きますが、冒頭、例の土下座云々ということで私はこの問題に関心を持ったと申し上げましたが、今回のこの報告書の中には、そのことが書かれていないのかなと思うんです。例えば、二ページ目には、卒業式終了後の状況の中に、「卒業式終了後、七~八名の卒業生が、校長に『なぜ、日の丸を掲げたのか』等の質問をしてきた。」こう書いてある。ここには確かに、生徒さんが、卒業生さんが、そういうことをこのような口調で質問してきたということになっているんですが、この報告の中には、例えば、土下座をしろとか、土下座をして謝れとかというようなことが一行もないのはどういうわけでしょう。
○斎藤指導部長 子どもと教師との関係ということでございますので、これは今まだ調査を続けているような状況でございまして、教員からの聞き取りでは、土下座しろというような言葉を聞いたとも、聞いてないとも、両論がございます。校長は確かに聞いたというようなことは話しておりますけれども、いずれにしましても、子どもに直接かかわる部分でございますので、不確定要素を残したままここに記載するというのはどうかと思いまして、削除したというような意図がございます。
○和田委員 そうすると、指導部長は、児童が、土下座をしろと発言をした可能性があるという認識をお持ちなんですか。
○斎藤指導部長 聞き取りがまだ不十分でございますので、事実はどうであったのか、これからさらに調査に努めてまいりたいと思います。そういった意味で、私は、どちらかということは今申し上げる立場にございません。
○和田委員 私は、土下座という言葉が大変古い言葉でありますし、またショッキングな言葉なので、あえてこれを何度も何度も使っているわけですが、それに象徴されるように、平常の教育環境なり、教育運営、学校経営というものがどうだったのかということに基本的な問題意識を持っているわけです。ただ、そんなことは本当はあり得てはいけないのかなというところから、きっかけに、その土下座という言葉を使っているのでありまして、少し過剰な言葉ではありますが、そういうことが、今の私どもと同じ生活をしているこの平成の時代にあってほしくないという気持ちも込めて、質問を続けてきたわけです。
若いときに、私どもも、今から考えれば相当過激な言葉を発したこともあるし、行動に出たこともあります。したがって、それが子どもたちの純粋な情熱というか、そのときの思い込みから出てきた言葉であるとするならば、これは十分しんしゃくをする必要があると思うんです。
ただ、このペーパーで見ますと、二ページ目に、卒業式当日、「九時四十分ころ、六年担任は、六年生全員を視聴覚室に集合させ、前日の職員会議の様子及び校長の判断で国旗掲揚されたが担任はこれに反対であることを子どもたちに伝えた。」こういう文言があります。これは、ここの行間から読み取ることは、六年生の担任が生徒を集めて、自分たちの姿勢なり、自分たちの価値観をそこでお話しになったのかなというように思うので、こういうことの中で子どもたちが、国旗・国歌に対してどういう印象なり、あるいは校長先生にどういう評価をしてくるのかなと、この二行をもっても、私は相当不安を禁じ得ないところなのです。
したがって、単に土下座発言に限らず、通年、一年間を通じて、この小学校の中に広がっている何かすっきりしないような校長対職員会議、教職員の皆さんの雰囲気、そういうものが一つ火山の噴火点のように卒業式にあらわれてきたのかなというふうに思うときに、通年的なチェックを、意思疎通なり何なりを含めて、この二小を中心にした国立の、ここに報告されている各教育機関に、こういう現状があったということを前提に、東京都は当該の国立市の教育委員会などにもしっかり指導していくべきだ、こういうふうに思うのでありますが、重ねて所感をお伺いいたします。
○斎藤指導部長 各学校の教育活動につきましては、特に教員の指導の問題につきましては、設置者であり、あるいは監督権を持っている当該国立市教育委員会が第一義的に行うものでございます。国立市教育委員会の方も、二小に限らず、さまざまな教育課程の場面について今後調査していくというふうにいっておりますので、それについて都教委としても支援していきたい、そういうふうに思っております。
○大河原委員 私からは、子どもの内心の自由を守る、子どもの権利という立場からご質問させていただきます。
今、和田委員の質問からも感じましたが、一部のマスコミの報道が、本当に一般の人に多大な影響を与えるんだということがよくわかりました。マスコミの報道等を契機として、この国立第二小学校の卒業生の通う、卒業後行った中学校の周辺に街宣車があらわれて、教育環境の悪化がもたらされたことは明らかです。授業の中止などという事態もあったわけなんですね。こういう行為によって、子どもたちが、学校のバッジを外してじゃないと登校できないというような、そういう異常な事態を引き起こし、子どもたちや保護者に多大な不安を与えました。
私たちは、この子どもの安全を守る、子どもの最善の利益ということを考えれば、都教委の責任は、一番この点を把握して守っていくことにあるというふうに思うんですが、この点、都教委はどのように把握していらっしゃるでしょうか。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会及び学校は、児童生徒の安全指導について通知しておりまして、警察署との連携を図りながら、安全確保に努めているところでございます。
公立学校の教育は、法に基づいて公正中立に行われるということでございますので、それを阻害する行為については排除しなくてはならないと思います。
都教育委員会につきましては、今後とも、安全指導の確保、徹底を図るよう、国立市教育委員会に対して指導助言または支援してまいりたいと思います。
○大河原委員 もう一度伺いますけれども、今、子どもたちが安心して学校にみずから登校できないような状態とか、そういった意味では、まさに子どもたちが勉強する権利、学習権を奪われているというふうに私は思っているんです。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会から、子どもたちの学習権が奪われている、そういうような報告は現在のところ受けておりません。
○大河原委員 マスコミの報道の発端になっているのは、三月二十八日付で報告されている、校長先生から市教委への報告書ですね。卒業式の実施報告書。それは大変珍しい形といいますか、その式の当日の状況が会話形式で記載されているような形です。そしてその中で、先ほど部長が、大変センセーショナルな言葉をとらえて、あったかなかったかわからない、そういうことは今報告をするような状況じゃないとおっしゃったとおり、それは実際あったかどうかもわからない。たとえあったとしても、その場で、もしいうならば、教師として、粗暴な言動だった、そういうようなことが、当然、生徒に向けて注意があるとか、そういうことがあってしかるべきようなことで、今大事なことになる、この国立第二小学校の子どもたちの学習権なり内心の自由を守る問題とは別個の問題なんですね。ところが、マスコミは、こういった一部の会話を表に大きく打ち出して、非常に関心を呼ぶような形で報道しました。
今回、この卒業式の行事の遂行に当たって、生徒児童の内心の自由を守ること、このことについては、東京都の教育現場でどのように周知されたんでしょうか。
○斎藤指導部長 学校教育において、国旗・国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てることは極めて重要でございますし、学習指導要領に基づいて、校長、教員は、児童生徒に対し、国旗・国歌を指導するものでございます。このことは、児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではなくて、あくまで教育指導上の課題として指導を進めていくことでございます。この指針も含め、各区市町村教育委員会に周知しているところでございます。
○大河原委員 くしくも、きょうは七月の二十一日で、昨年のちょうどきょう、有馬文部大臣が児童の内心の自由にかかわる答弁を国会でしているんですが、それをもう一度ここで確認したいと思います。
○斎藤指導部長 申し上げます。
我が国の国民として、学校教育におきまして国旗・国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てることは極めて重要であることから、学習指導要領に基づいて、校長、教員は児童生徒に対し、国旗・国歌の指導をするものであります。このことは、児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではなく、あくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくことを意味するものでございます。この考え方は、平成六年に政府の統一見解として示しておるところでございまして、国旗・国歌が法制化された後も、この考え方は変わるところはないと考えます。
平成十一年七月二十一日、衆議院内閣委員会内閣総理大臣答弁でございます。
○大河原委員 文部大臣は、もうちょっと具体的にもいっているんですけど、その点についても政府見解があるんじゃないですか。
○斎藤指導部長 学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させまして、そして、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるということが重要なことでございます。学習指導要領に基づきます国旗・国歌の指導は、憲法、教育基本法に基づきまして、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者としての国民を育成することを目的として行っているものでございまして、憲法に定めております思想及び良心の自由を制約するものではないと考えております。
平成十一年七月二十一日、衆議院内閣委員会文教委員会連合審査会での文部大臣答弁でございます。
○大河原委員 文部大臣の答弁でも、内心の自由には立ち入らないということをはっきりいっているんですね。
私たちも、その指導については否定するものではありませんけれども、強制はしないということがとても大事なことだというふうに思っています。今ご紹介いただきました答弁もありますけれども、もっとさらに各論的にいえば、文部大臣は、例えば長時間にわたって指導を繰り返すとか、精神的な苦痛を伴うような指導をするとか、無理やり口をあけてまで歌わせない。それには、国歌を歌わないことのみを取り上げて不利益な扱いはしないというようなことまで言及したんです。この点、こういう答弁があったわけですけれども、東京都の見解としてはどうでしょうか。
○斎藤指導部長 単に児童生徒が斉唱しないということだけで、それだけの理由で、いじめや差別や、あるいは何らかの被害を受けるというようなことはあってはなりませんし、そういう影響を及ぼさないよう指導をしていくということが大切でございます。
○大河原委員 内心の自由を守ることの中には、歌わないということも、あるいは黙っているということもあるんですよね。もちろん指導する立場からは、こういう歌わない自由があるよ、歌わないのは権利でもあるよということは大変いいにくいことかもしれませんが、指導するならば、必ずもう一方の権利もきちんと教えていかなければならないというふうに思います。
その点では、どんな指導が行われていたんだという各委員のお尋ねがありましたけれども、私は、その点は、調査をするなら、一緒にきちんとやっていただきたいというふうに思います。
そして、現場に対する周知のほかに、大変未熟な判断に基づいた発言や態度であったかもしれませんけれども、卒業式の当日、自分の考えを、校長先生に素朴な問いを発した子どもたちという現実があるわけですね。自分の考えがほかの人と違っていることを恐れるということではなくて、実際に自分の思いを出してみて、それが違えば、そこでしっかりと議論をしていく、そういうことが本当に子どもを育てることだと思いますし、大人の責任として、理解ができるように、それにはっきり答えていくというのが、教師の役割であるというふうに私は思っております。
先ほども紹介していただいた、内心の自由を守る、そういう意味では、そういった態度がいじめや差別につながらないということ、そのことを校長先生や教員は守ることが不可欠の義務だというふうに私は思っておりますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○斎藤指導部長 我が国の国旗・国歌を大切にすること、他国の国旗・国歌も同じように大切にすること、そういう意義を教えると同時に、今ご指摘の内容についても、それについて異を唱えるだけで、あるいはしなかったことだけで差別を受けたり、そういうことはあってはならない、そういう指導はあわせてすべきだろうと思います。
○大河原委員 ただ、今実際には、内部的なそういう差別ではありませんが、外部の方から子どもたちに対してさまざまな圧力がかかっているということは明らかですよね。街宣車が来て、国立第二の卒業生のだれが出てこいというようなこととか、学校から出ていく子どもたちに対して、日の丸・君が代をどういうふうに思っているのかというようなことを、外部の人間からすごく高圧的に聞かれるというような、半ばおどしのような形で、子どもたちの心が乱されているというのが現実なわけです。
一部報道などでは、マスコミによって、第二小学校の卒業生に対して、取材ですとか、プライバシーの侵害に当たるような調査が行われているというふうに聞いているんですけれども、子どもたちの人権や教育環境を守る立場からは、こうした事態について東京都としては当然見解を持ち、今後の対応を考えていると思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○斎藤指導部長 マスコミ等による卒業生に対する取材については、国立市教育委員会から特別の報告は受けておりません。ただ、取材が行われ、プライバシーの侵害にかかわるような、そういう事態があれば、適切に対応するよう、当該教育委員会を通して各学校に指導助言してまいりたいと思っております。
○大河原委員 一番もとになっているのは、三月の二十八日の報告書だと思います。これは、子どもたちが、あるいは保護者が確認をするという手順がなくて、校長先生がお書きになった報告書という形になっています。子どもたちにいわせれば、これは自分たちの実際にあったものではないというふうな思いを持っていれば、デマといいますか、違う報告によって名誉が傷つけられ、しかも、それを回復する、そういう手だてもないわけですね。テープレコーダーがあったわけでもなくて、その発言についても証明のしようがないというところでは、大変に、この報告書の出し方自体がおかしいというふうに思います。
今回の事態については、従来培ってきた信頼関係と異なる、学校の新しい管理職と子どもたちとの関係にも問題があるのじゃないかというふうに思うわけですが、この件については、学校管理職の態度そのものに問題があるのじゃないかという指摘も、地域の中には大きくあります。
今回の事態について、教員だけではなくて、保護者や児童を含めた幅広い層の市民の意見、議論が必要だというふうに思うわけなんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○斎藤指導部長 学校教育は、児童生徒及び保護者との信頼関係に基づいて行うことが極めて重要でございます。
国立市教育委員会への聞き取りによりますと、校長は、学習指導要領に基づいて国旗掲揚、国歌斉唱の適正な実施を図るとともに、児童との信頼関係を築くよう努めてきたところということでございます。しかし、一部の教員等の反対により適正な実施ができなかったということでございます。
今後、学校が児童生徒や保護者との信頼関係の修復に努めるよう、当該教育委員会を通して指導助言してまいります。
○大河原委員 信頼関係を回復するには、出しっ放しのその報告書についても、これは開示されているものですから、大勢の人の目に触れます。しかし、この報告書が当日の正確な状況をあらわしたものでない、そういった情報も、私たち市民の間で、それが長く問題になると思っています。実施報告書の出し方その他をめぐっては、今後のこともあって、再度検討を要するものだというふうに思っています。その点については、今後の報告書の提出手順ですか、つくり方ということで、検討をぜひしていただきたいというふうに思っています。
視点を変えますと、東京都の教育委員会は、今回の事態について、国立市教育委員会に対して再三報告の提出を求めています。現場の実態を離れて、分権の時代ということを考えれば、逆の締めつけをしている、縦型の締めつけをしているというふうにとれるわけなんですね。地域で、都教委に対する不信というのもあるわけなんですけれども、政治的中立性を踏まえると、都の関与というのは極めて抑制的でなければならないというふうに、私は思います。
教育の自治を進める立場からは、東京都の教育委員会として、国立市教育委員会の自治というものを最大限尊重すべきだと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
○斎藤指導部長 都教育委員会は、区市町村教育に対して調査権を持っておりますけれども、国立市の問題は、市の公立学校の設置者で教育課程の管理者である国立市教育委員会がまず第一義的に解決していくことがふさわしいと思います。
国立市教育委員会では改善への努力を開始しておりまして、東京都教育委員会は、今後とも市教育委員会の主体性を尊重しながら支援してまいりたいと思います。
○大河原委員 都教委の方へ、国立の保護者の方々からも、二十八日付のその報告書については書き方がおかしいというようなことも、来ていると思うのですよ。
国立市教委がそれを出してきた、その尊重をするというのは、逆の立場の尊重を使っていて、実は都教委がもう一つ大きなところでやるべき児童の保護、安全を守る、そういった立場には都教委が立っていないのじゃないかと、極めて懐疑的にならざるを得ません。
個別の卒業式だけではなくて、卒業の行事について、子どもたちが積極的に意見を述べてきた、自分たちの卒業式だからこそ先生に説明を求めた、そういうことからこのことは始まっていますよね。子どもの権利条約においての意見の表明権の具体化であるというふうに思うわけなんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
○斎藤指導部長 卒業式や入学式は、学習指導要領に基づき、児童が学校生活に有意義な折り目をつけ、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活への動機づけとするため、校長の責任において行うものでございます。
また、卒業式に関連する祝う会などの児童会活動は、学校生活の充実と向上のために、児童生徒の話し合いや協力を通して、その考えや意見を生かしながら実施されるべきものだろうと思います。
○大河原委員 学習指導要領で指導されている卒業式、いわゆる卒業証書の授与と国歌斉唱、国旗掲揚という三点セットですね。それが卒業式というふうに教委の方は思っていて、子どもたちあるいは教職員の人たちは、六年間学校生活をともにしてきた、その旅立ちの式として考えているわけです。そこにあるのは、この卒業式を非常に晴れやかな場所として組み立てていく、そういう学校全体の雰囲気であり、保護者や地域の大人たちのサポートだというふうに思います。その点では、今回のことは大変不幸な結果だというふうに思うのです。これは、学校にとっても、国歌・国旗のことを説明するチャンネルをというか、チャンスをみずから切ったというか、失った、そういうとらえ方もできるのですね。
教育現場については、開かれた学校教育を目指すという明確な方向性が提起されているわけなんですけれども、この解決については、縦型の権力など、ピラミッド構造の上意下達のやり方では解決できないというふうに思います。
問題は、地域の教育力を踏まえて、地域の子どもたちや保護者を含んだ、本当に開かれた場で解決すべき問題だというふうに思うのですが、その観点からは、今回どのような見解をお持ちでしょうか。
○斎藤指導部長 学習指導要領に沿って学校教育が正常に行われるよう、学校運営に保護者や地域住民の参画を求め、意見交換を行う場を設けるなどして、地域全体から学校及び校長への支援体制をつくることが、開かれた学校づくりにとって重要なことだろうと思っております。
○大河原委員 学校長の権限を明確にする、学校を地域の核としてつくっていくときに、という都教委のお考えは、さまざまな場面であらわれているわけですけれども、やはり学校の主役は子どもだというふうに私は思います。
この件に関していえば、卒業式について、日の丸・君が代の是非ではなくて、つくり上げてきた卒業式に、自分たちが知らないところで別のプログラムが加わったようなものですよね。卒業式についての説明も当然受ける、その内容について知るという子どもたちの権利、知る権利が侵害されているのが一点。そして、一方的に発言をとらえられて、誤った報道をされて、これがもちろん公文書として残っているわけですね。プライバシーの侵害ですよね、これは。本人の確認もなく、こういった問題が表に出て、しかもそこから不利益をこうむっている。実態として、子どもたちの意見表明権や内心の自由が奪われる、そういう事態だというふうに、ぜひ都教委には認識を改めていただきたいと思います。
そして、今後、学習指導要領にのっとって指導ということがあるわけですけれども、当然、内心の自由を守るという、そのことについても同時にきちんと知らせる、教えていくべきだというふうに思います。
ここで答弁をいただけないと思いますので、今のことを、ぜひとも地域の中でもご意見を受け、それから、子どもたち自身からも聞き取っていただきたいと強く要望して、終わります。
○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時十五分休憩
午後三時三十分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○桜井委員 国立市の公立の小中学校の卒業式等における問題について、マスコミを通じましてさまざまな情報が流されているというか、伝えられておりますし、私ども文教委員としても、当然ながら関心を持たなきゃならない立場にありますが、何が正確な事実なのかということについて、いろいろと確かめなきゃならない状況に置かれているわけでございます。
きょう、この質疑の冒頭において教育庁の方から報告がありまして、それを踏まえて質疑がスタートしたわけでございます。したがって、最初に、先ほど来の質疑で出てきたことについて、一、二点確認をしておきたいのであります。
まず、この出された教育庁の文書、これは中途半端な根拠に基づいた文書なのか。(笑声)いや、極めて重要なことでございますので、あえて確認しておきますけれども、あるいは、あいまいな内容の文書なのか、慎重さを欠いている文書なのか、その点についてはっきりした確認をとっておきたいと思いますので、答弁をお願いします。
○斎藤指導部長 本日報告申し上げました内容につきましては、一定の事実に基づいて記載したものでございます。
○桜井委員 極めて重要な質問をした割には、答弁は簡潔なんでありますが、自信に満ちた答弁のように受けとめましたので、そのように受けとめさせていただきます。
次に、この報告が当委員会に報告されることについて、もう少し早く報告があってもよかったのじゃないか、このように思うわけでございます。言葉を変えるならば、少し手間をとったというふうにも感じるわけでございますが、私なりの解釈の一つとしては、東京都の教育委員会と地教委との役割分担が、こういう報告がおくれるというか、ある程度時間がかかることの原因になっているように思われるものでございますので、極めて原点的な質問をまず一つ二つさせていただきます。
まず、教員の人事管理に関して、都教委と区市町村の教育委員会、学校長が、それぞれどのような役割、あるいはまた権限を持っているのか、この点をしっかりとまず踏まえさせていただきたいと思います。
例えば、仮に教職員に服務上の問題が生じた場合、それぞれがどのような手続をとるのか、これについて答弁を願います。
○上條人事部長 区市町村立の小中学校の教職員は、区市町村の職員でございますが、その給与は東京都が負担する、いわゆる県費負担教職員でございます。
そして、東京都教育委員会は、任命権者として、職員の採用、それから昇任、懲戒処分、異動などの権限を有しております。
また、区市町村の職員として、当該区市町村の学校教育の事務に当たっていることから、区市町村教育委員会が服務監督権者となっております。
学校長は、学校教育法に基づく固有の権限または区市町村教育委員会の指示により、所属職員を管理しております。
教員に服務上の問題が生じた場合には、学校長の報告を受け、区市町村教育委員会から東京都教育委員会に報告がございます。これを受けまして、任命権者たる東京都教育委員会が調査検討の上、処分を行っております。
○桜井委員 そういう仕組みに本来なっているわけでありますが、これはあくまでも仕組みのとおりに行わなければいけないのでしょうけれども、現場というか、現実には、教職員の服務の問題ができた場合でも、それを校長先生が自分でもって抱え込んじゃったり、あるいはまた区市町村の教育委員会が都教委になかなか内申してこない、こういったことがあるのじゃないか、このように思います。これは私のさまざまな、さまざまなといったって、そんなに何百、何千じゃございませんけれども、幾つか伺った限りにおいては、そういったような事実もあるようでございます。
国立の場合は、私が考える限りにおいては、まさしくそうであって、だからこそ東京都の教育委員会が今回、この問題に乗り出さざるを得なくなった、このように思われるのでありますけれども、いかがですか。
○上條人事部長 国立市教育委員会からの報告が、通常の場合に比べて遅くなったのは事実でございますが、東京都教育委員会の指導の結果、国立市第五小学校関係につきましては五月末に、国立市第二小学校関係につきましては六月末に、それぞれ服務事故報告書が提出されております。その後、内申も受けております。
東京都教育委員会といたしましては、これらの報告書等をもとに、現在、調査検討を行っているところでございます。
○桜井委員 これは、五月末、六月末と、かなりたってから、一カ月とか二カ月とかの経過の後に出されてきているということは、先ほど私が冒頭に申し上げたようなことを裏づけているのじゃないか、このように思います。
次に、国立市立第二小学校、この職員会議録というのですか、これを読ませていただきましたが、卒業式の前日の深夜まで、校長先生にこの撤回を求めて先生方が抗議を続けたというようであります。また、発言の中身についても、いささか穏当を欠くような、もう少し違う表現をしてもいいくらいでありますが、私は控え目に表現しますけれども、穏当を欠くような発言をされたり、日の丸というのは戦場の印だなんという、そういう発言もされているようであります。これは、ある意味においては、職員会議という名のもとの暴力といっても過言じゃないと思うのでございます。こういうことについて、見解の相違があって、違うんだよという方もあるかもしれませんが、私はそのように考えます。
それで質問するのでございますけれども、国旗あるいは国歌といったものの指導、その意義の指導というのですか、それは学習指導要領に示されていると思うのでございますけれども、現行の学習指導要領というのはいつ告示されて、いつから実施されているものなのか、これをまず一つ質問します。
○斎藤指導部長 現行の学習指導要領は、平成元年に告示されまして、小学校が平成四年度から、中学校が平成五年度から、高等学校が平成六年度から、それぞれ実施されております。
○桜井委員 それでは続けますけれども、東京都の教育委員会とか区市町村の教育委員会は、国旗・国歌、こういうものの指導について、今日までどういうような形でもって徹底を図ってきたというか、指導してきたのか、その点について答弁を願います。
○斎藤指導部長 東京都教育委員会は、各学校の入学式などにおける国旗の掲揚、国歌の斉唱が学習指導要領に即して行われるよう、都立学校に対しては、通達や校長会、研修会等を通じて、また区市町村教育委員会に対しては、通知文や教育課程説明会等を通して指導してきたところでございます。
また、区市町村教育委員会におきましては、通知文や校長会、研修会等を通じて、学習指導要領の趣旨の徹底を図ってきたというところでございます。
○桜井委員 国旗・国歌の指導は学習指導要領に示されておりますし、さらに、国旗・国歌法という法律まで制定されているわけでございますから、国旗の掲揚、国歌の斉唱、こういうものに抗議するというか、反対するというか、こういう姿勢というのは、学校の教職員という職業に携わっている方にとりましては、教育公務員というのですか、そういう自覚に欠けているというふうに思わざるを得ないのでありますけれども、いかがでございますか。
○斎藤指導部長 教員は、学習指導要領に基づき教育指導を行わなければならず、また、教育公務員としての身分を有する以上、関係の法令や上司の命令に従わなければなりません。
国旗・国歌は学習指導要領に基づいて実施されるものでございますから、教員は、その実施について職務上の責務を負うものでございます。したがって、職務に関して国旗掲揚、国歌斉唱に反対をする、こういう教員は、教育公務員として自覚に欠けるということがいえると思います。
○桜井委員 職員会議において長時間にわたって校長先生を責め立てて、国旗の掲揚を阻止しようとした学校の教職員の先生方の行為について、東京都の教育委員会は、以上の観点から考えた場合に、どのようにお考えになられますか、質問します。
○斎藤指導部長 職員会議は、校長が校務に関する決定等を行うに当たって、所属職員等の意見を聞くために開催されるものでございまして、校長の決定を補助するためのものでございます。
第二小学校では、職員会議中に校長は何度も屋上での国旗掲揚を決定しているにもかかわらず、長時間にわたりその撤回を求めることについては、職員会議の性格を逸脱したものであり、問題がございます。
○桜井委員 ちょっと話は飛ぶかもしれませんが、都内全体の公立学校の平成十一年度の卒業式における国旗・国歌の実施状況はどのくらいになっておりますか。
○斎藤指導部長 国旗掲揚の実施状況でございますが、小学校で九九・九%、中学校で一〇〇%、高等学校で九九%、盲・聾・養護学校で一〇〇%でございます。
国歌斉唱の実施率でございますが、小学校で九三・一%、中学校で九四・八%、高等学校で八八・五%、盲・聾・養護学校で九八・二%でございます。
平成十一年度卒業式における状況でございます。
○桜井委員 申すまでもないことでありますけれども、この数字につきましても、さまざまな圧力がかかったとか、あるいはまた嫌々やらせたとかいうような発言もあるようでございますが、そういったことは決してなく、こういう数字が出てきた、このように思いますけれども、この点はいかがですか。
○斎藤指導部長 小学校、中学校、盲・聾・養護学校、それぞれの学校において、どのような状況で実施したかにおいては、それぞれでございまして、校長が責任を持って実施した場合、あるいはほとんどの教職員が協力してやった場合、あるいはそういう協力が得られないままやった場合、さまざまでございます。
○桜井委員 先ほど和田先生も質問されておったことにちょっと触れるのでありますけれども、校長先生に対して子どもたちが、学童が謝罪を求めたり、あるいは土下座を求めたりということがあったというふうに伺っているんですね。
きょうの報告書には、先ほど和田先生も指摘されていますけれども、土下座云々については書いてない。それについての説明は先ほどありましたけれども、この点についてもう一度答弁。謝罪を求めたり土下座を求めたりするなど、こういったことがありましたか。また、あったとするならば、そういったことはよいことなのか悪いことなのか。これは簡単明瞭にはっきりした方がいいですな。いかがですか。
○斎藤指導部長 子どもたちが校長先生に対して謝罪あるいは土下座という求め方をしたかどうかについては、特に土下座については、今確認している最中ですが、謝罪をしなさい、そういうことは事実、今のところ確認されております。
いずれにしましても、教えを受ける子どもたちが、校長先生に対してもしこのようなことも含めてあったとすれば、当然、教育は信頼関係に基づいて行うものでございますので、本来あってはならないということであろうかと思います。
○桜井委員 国家の将来を担うべき子どもですから、国家にとりましては宝ですね。大切な宝物でありますので、立派な教育をしていただいて、立派なというか、しっかりとした、ちゃんとした教育をしていただいて、そして中学校に進み、高等学校に進んでいく、こういうふうにきちんとやっていただきたいと思います。このように思うのは、恐らく国民全部がそう思っているんじゃないかと思うんですよ。
正しいことは正しいし、正しくないことは正しくない。勉強を教えてもらう子どもたちが、いやしくも校長先生に向かって謝罪を求めたり、土下座を求めたりするということは、どなたが考えたって、これは決して正しいということはないと思うんですね。
そういった点について、東京都の教育委員会ははっきりとした意思表示をするべきだ、それが基本じゃないかな、私はこのように思いますので、重ねて申し上げておきます。
二番目は、どうも私は下町育ちで、言葉ががさつで申しわけないんでありますが、ざっくばらんに申し上げるのですが、私が住んでいるような地域、墨田区ですけれども、そんなような動きはほとんどないんです。そもそも国立第二小学校ではどうしてこういう状態が起こるのか、私どもの感覚ではちょっと考えられないんですが、どうなんですか、ここの場合。
答えにくいかどうか知りませんが、やはり質問しておかないといけないと思うものでございますので、いかがですか。
○斎藤指導部長 子どもと校長、教員との関係の問題もございますし、それから日常の指導の問題もございます。また、国旗・国歌をめぐって教職員が強く反対し、あるいは保護者の方も一部反対を表明しているような、そういう状況が背景としてございますので、そういうもろもろの状況の中でこういう事態が発生したということも考えられるかと思います。
○桜井委員 学校の先生といっても、全部じゃない、全員じゃないと思うのでありますけれども、学校の先生のほかに、国立市の一般の市民の方たち、これも全部じゃないと思うのでございますけれども、それからまたPTAの方たち、これも全部じゃないと思うのでありますけれども、そういった方たちが、学校の卒業式に国旗を掲揚し、国歌を斉唱することに反対だ、それは間違っている、そういうことを強くいっている方が大勢いるから、こういうような事態が発生したというように考えていいんですか。いかがですか。
○斎藤指導部長 この問題につきましては、直接の原因と、それからそれを取り巻く背景と、単一に考えるべきではないだろうと私は受けとめております。
いずれにしましても、国立市内の教育の現状をきちんと調査し、把握し、その上で問題の解決を図るべきだろうと私は思っております。
○桜井委員 指導部長、やはり東京都の教育庁なんですから、いうべきときは自信を持ってしっかりといわなければいけないと思うんですよ。今の答弁は、何か奥歯に物が挟まったような答弁に聞こえます。立場上やむを得ないのかもしれませんが、やはりいうべきことはきちっという、じゃないといけないと思うのであります。
次に、当たり前のことだと思うのでありますけれども、自分の国の国旗、自分の国の国歌、こういったものに、別に尊敬を払えとか、そんな難しいことまでいわなくても、自分の国の国旗を掲げて、自分の国の国歌を歌うというのは当然じゃないか、こういうふうに思うんですね。こういうことが日本人としてのアイデンティティー、そういったものを確立する第一歩だと思うわけです。
そういった観点に立って、東京都の教育委員会は、これは国立第二小学校に限らず、国立市内の公立学校の問題を今後どのように指導、改善していくおつもりなのか、ご答弁をお願いします。
○斎藤指導部長 都教委は、これまでも、学校教育における国旗及び国歌に関する指導について、学習指導要領の趣旨の徹底を図ってきたところでございます。
今後とも、東京都内公立学校並びに校長に対して、実態に即した個別の指導を行うなど、すべての公立学校において国旗及び国歌の取り扱いが適正に実施されるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
○桜井委員 終わります。
○西田委員 今いろいろ議論を聞いておりまして、やはりどうしても確認をしておかなければならない、あるいは意見を述べておかなければならないという問題もございましたので、私からも発言をさせていただきたいと思います。
まずお伺いいたしますが、一体、国立二小で何が起こったのかという問題をしっかり確認しておく必要があると思うのです。
卒業式に反対する教員がいたということが盛んにいわれましたけれども、卒業式そのものは、妨害されたり、あるいは進行が妨げられたり、開会がおくれたり、きちんと終了しなかった、こういう事態かどうか、お答えください。
○斎藤指導部長 第二小学校の卒業式について、当初校長が予定したとおりの進行で終わったかと思います。ただ、その前後においては、先ほど報告したようなことがございました。
○西田委員 卒業式そのものはきちんと行われたわけですね。これは、この報告書にも、国立のすべての学校が屋上に国旗を掲揚するという形、同じ形で全部終了したということですよね。何も問題ではないじゃないですか。何が問題なのか。
問題の発端は、その卒業式終了後のやりとりの中で、産経新聞が、子どもたちが土下座を求めたと。今もそういう報道がなされているわけですね。あの記事を読む限りは、あたかも子どもたちが集団で、校長に土下座を求めて謝罪を求めた、このような報道になっているわけです。これがもとになって国会でも取り上げられた、そういうことですよね。経過についてはどうですか、まず
○斎藤指導部長 四月当初の産経新聞の記事によって、国立二小で何が起きたのかということが世に周知されたのは、そのとおりでございます。
○西田委員 そこで、きょうの質疑でも、この土下座があったのかなかったのかということ、それで国立二小できちんとした教育がやられていたのかいないのか。あたかもきちんとした教育がやられていない、このように受けとめられる委員の皆さんの発言も、いまだにあるわけですよね。しかし、都教委は、これが調査中ということで、あったともなかったとも、その事実の確認がまだできないから報告はしないのだ、このようにいっておられるわけですよね。
私は、もしこれがなかったとしたら、いいですか、土下座がなかったということになってーーこの新聞の報道でこれだけ大きな問題になって、全国に知れ渡ったわけですよ。国立二小の子どもたちはこういうことをする子どもたちだ。それで、ある新聞では、あの十七歳の少年犯罪等と同じような次元で、こういう教育がやられているからああいう事件が起きるといわぬばかりの論評まで行われて広まっていくということになっているわけですよ。
この問題について、都教委は、東京都の子どもたちの人権と権利、そしてそこで起こった事実を正確に科学的に都民に周知する、そういう立場からいって、そのもとになった報道に対して、何らかの抗議や申し入れ、意見表明をやられたのでしょうか。どうですか。
○斎藤指導部長 一連の報道について、都教委として抗議を行ったことはございません。子どもたちの人権を真に守るために、私どもは事実の調査を今確実に行おうとしているところでございます。
○西田委員 この報告なんですが、先ほど来、中途半端かどうかというのが、今、質問もありました。私、この報告書を読みまして、これは非常に一方的な報告書ではないでしょうか。
例えば、二小の卒業式終了後の状況を見ましたら、このように書いてありますね。「児童の国旗を降ろすようにという要求や謝罪を求める声が大きくなったので、」。私は率直にいって、一都民として考えたときに、あの産経新聞等の報道で大問題になっているやに私たちは受けとめられますね。そういう状況が一体どういう事態に現実にはなっていたのか、リアルな報告はないんですけれども、この「大きくなったので」というのは、だれが確認したものなんですか。
○斎藤指導部長 国立市教育委員会とともに聞き取りを行った、その聞き取りの中での総合的な事実から、このように書かせていただきました。
○西田委員 校長先生の主観の報告とは違うんですか。もう一回答えてください。
○斎藤指導部長 先ほど来申し上げていますように、この報告書は、校長からの報告書をもとに作成したものではございません。
○西田委員 校長の報告書に基づいたものでなく、あなた方が聞き取ったという話なんでしょう。だから私はそこで聞いているわけですよ。この報告書の卒業式終了後の状況というのは、これは校長先生の立場に立つた、そのことだけが中心になった聞き取りの中身じゃないですか。
私は、お母さんたちにもお伺いいたしました。そうしたら、子どもと校長先生のやりとりというのは、極めて両方とも丁寧で、最初のうちは、子どもたちが何をいっているか、そばにいる人もわからないような小声で話をされていたというお話も伺いました。いいですか、校長先生も生徒さんも丁寧なやりとりで、終始穏やかにやられていたというふうにお聞きしているんです。それが事実なのか事実じゃないのか、この報告書では全くわからないわけですよ。そのそばにいたお母様方のお話も伺っているわけですよね。
そういうのにもかかわらず、先ほど、くぼた理事の方からもお話しいたしましたけれども、この報告書がとにかくひとり歩きをする、正確な事態は何もわからないのに。この校長先生の立場に立ったと思われる、いいですか、「大きくなったので、校長はその場を収める配慮から国旗を降納することとし」た、こういうふうにいっているわけでしょう。これは校長先生の考えなんですよね、この問題は。
そういう立場だけ一方的に報告をするということが、あの産経新聞が本当に教育に無配慮に報道したこととあわせて、これがひとり歩きをしていくということになったら、さらに大きな問題になるというふうに思うのです。
私は、行政ですから、ちゃんと必要な聞き取りがあるとか、あるいは報告書を出さなければいけないという問題はあると思うのですよ。しかし、お母様方や校長先生、あるいは教職員や子どもたち、みんなとにかく話を聞いた上で、本当に何がどういう形で起こっていたのか、何も問題がなかったのか、ないのにあるように書かれたのか、そういうものを全部明らかにしなければ、こんな報告書はつくってはいけないというふうに私は思うのですよ。
そういう点で、もう一つ伺いますが、この二枚目、「六年生全員を視聴覚室に集合させ、前日の職員会議の様子及び校長の判断で国旗掲揚されたが担任はこれに反対であることを子どもたちに伝えた。」というふうに書いてあります。あたかも、子どもたちを集めて、先生たちが、自分たちは反対なんだよということだけをいう、そのために集めたように書かれていますが、この文章そのものも非常に欠落しているのじゃないでしょうか。
校長先生と教職員の皆さんとの話し合いの中で、屋上に日の丸を掲揚するということになるならば、これは子どもたちに話をしなければならないということについて、校長先生は了解をされて、こういうことが行われたわけですね。
そういう点で、欠落した部分を残しながら、一方的なこういう報告を出す。あたかも日の丸・君が代反対ということだけを子どもたちに教え込んだ、押しつけた、こういうふうにとられる印象の文章というのは、私たちは報告書としては認められません。
そこで伺いますが、都教委は、国立二小の教育が一体どのような教育として行われていたのか、そのことについてどのようにお考えですか。教育活動ですよ。教育ですよ。子どもたちにとって、父母にとって、どういう教育だと評価されているというふうにお考えですか。
○斎藤指導部長 第二小学校の教育活動については、私どもも直接お聞きしましたけれども、先ほど来何点か問題になっておりますが、全体的に申し上げまして、学習指導要領に基づいた正常な教育活動が全面的になされているというふうには受けとめておりません。
○西田委員 それは、あなた方が学習指導要領をとにもかくにも現場に徹底しなければならないという立場からだけ物を見た発言だというふうに思います。
先ほど来、週の授業時数がどうだとか、指導計画についての発言や、職員会議が校長の附属機関としての役割を果たしていないとか、いろいろな話がありました。こういう問題については、私はこれまで、人事考課の問題について、あるいは学校の管理運営規則の問題についていってまいりました。本当に文部省から都教委、そして市教委、学校へと、上意下達の体制をつくるものだ、こういう批判を行ってまいりました。今回のあなたの答弁も、まさにそういう立場に立った答弁としかいいようがないですね。
お母さんたちは、この国立二小の教育というのはすばらしい、多くの方々がこういうふうにいっていらっしゃるわけですよ。行事は、子どもたちも先生たちも、そして校長先生も当然、保護者の皆さんも、本当に開かれた学校として協議が行われて、これまで積み重ねられてきた。さっき、あなたはいったじゃないですか。そういう教育活動が望ましいのだと、おっしゃったでしょう。そういう問題を国立二小は積み上げてきたということを、私は、先生からではなく、お母さんたちからいわれているわけであります。
そういう点からいっても、皆さんのおっしゃっている、全部が全部正常だったとはいえないという問題のありようが、本当に子どもたちにとってどうなのか、子どもたちにとっていい教育が行われているというのはどういう問題なのか、こういうことについて、基本的な観点で、私は、ずれているのじゃないかというふうに思います。
子どもたちの一人一人の人格の完成、ここでは、子どもの権利条約で規定されている意見表明権というのは当然あるわけですよ。さっきのご答弁でも、教える立場の校長先生に子どもが謝罪を求めるというのはとんでもないとか、それも事実かどうかわかりませんけれども、とんでもない、そういう立場のご発言がありました。私は、そのような発言を本当に都教委がこういう場でなさる、そういうこと自体が大問題だと思うんです。
今、親と子の関係でも、教師と子どもたちの関係、先生同士の関係、校長先生と教員の関係、どんな関係でも、やっぱり教育の場ですから、物をつくる場じゃないんですから、一人一人の子どもの心を育てていく、そして科学的な知識をちゃんと教えていく、そして、徳育も体育も全部総合的に人格形成のためにやらなければいけないわけですよ。そういう中で、先生が子どもに謝らなければならないなんというのは、私、いっぱいあると思いますよ。あってしかるべきだと思います。完成された、どこからも非の打ちどころのない校長先生なんかいませんよ。先生だってそうです、お母さんだってそうです。みんな、そういう子どもからの批判や、あるいは教員同士の批判や、いろいろなかかわりの中で、お互いに成長し合い、子どもたちのためにいい教育を求め続けていける、それが教育活動じゃありませんか。
もともとこの問題は、学校の中で卒業式はきちんと行われた、その終了後の事態について、こういう日の丸・君が代が絡まって政治問題化して、とんでもない教育が国立で行われているような印象を全国にばらまいた。そういうことに、あなたたちは何も抗議もせず、そしてそれを肯定するかのような答弁をなさる。これは断じて許せないことだというふうに私は思います。
先ほどの質問で、日の丸・君が代、国旗・国歌といいましたね、これをどのように指導しているか、また報告をしろなどという発言がありましたけれども、とんでもない話だと思いますよ。それは教育活動の中できちんと行われていくということであれば改善されていく問題であって、一々一々この委員会に報告を求めるような中身ではありません。
いずれにしても、上意下達で子どもたちの教育はよくなりません。先生が物をいうことができなくて、子どもがちゃんと自分の意見を表明することができなくて、どうして、二十一世紀に本当に子どもたちのひとみ輝く教育ができるでしょうか。私は、断じてそのような教育のありようは考え直すべきだ、このように申し上げて、質問を終わります。
○中嶋委員 どうも腑に落ちないんですね。何点か最初に確認したいんですが、右翼の街宣車等で子どもが脅かされているという発言がしきりにございました。夏休みに入るまで、ずっとそういう状態が続いたんですか。教えてください。
○斎藤指導部長 脅かされているという報告は、その後受けておりません。
○中嶋委員 あと、今、盛んに、校長の報告書の内容が不正確だと。で、けさ私のところにも配られましたこのチラシにも、全部読ませてもらいましたが、校長に書かせたうそで固めた報告書、こうあるんですね。先ほども質疑の中でーーこれは校長の人格にかかわる問題ですね。校長さんの人格を否定することにもつながりかねないと思うんです。
どんな発言があったのかという話が今もございましたけれども、前後の状況から類推するに、当時、校長の周りには教頭もいたし他の教員もいた、保護者もいた、子どもたちもいた。これほどまで校長の報告書の内容に疑念が差し挟まれるのであるならば、改めてきちんと事実の関係を調べるべきだ、事実関係を明らかにすべきであると思います。何だか産経新聞と校長が悪者なのかという印象を持ってしまいますから、だったら一体何があったのか、改めてしっかりと事実関係を明らかにしたいと、やはり思います。関係者の方から直接、一体何があったのか、話を聞いてみたいくらいな思いがいたします。
いずれにしても、中間報告、中途半端な報告等々といわれましたから、ぜひともしっかりとした報告をしていただきたいと思います。これは最初の要望です。
それからもう一点、具体的な質問に入る前に、先ほどからも質疑がございました教室の不正使用、それから、職員室に政治ポスターがべたべた張られている状況がございました。さらにまた、勤務時間内の手続を経ない組合活動の実態等も明らかになっております。どうもやはりこれはいささか常軌を逸していると思わざるを得ません。
こうした服務にかかわる問題に関しては、東京都としてもしっかりと実情を調べた上で、改めるべき点は改めるべきでございます。不正に占拠されていた教室の中には、政治スローガンが大書きされたのぼりまで置いてあったそうでございます。学校の教室で、正当な組合活動ではなく、政治活動が行われていたとするならば、これはやはり問題だといわざるを得ません。この辺の事実もしっかりと調べていただきたいと思います。
それで、具体的な質問、何点か入ります。
まず、授業時間について伺いたいと思います。
これについては、先日、横山教育長あてに改善を求める要望書が提出されていると聞いております。
聞くところによりますと、国立では、教員が勝手にA時程、B時程、C時程などと呼称をつけて短縮授業を行っている、こういう話を伺っておりますが、そうした事実をつかんでいらっしゃるのかどうか。こうした恣意的な教師による短縮授業、五分短縮したり十分短縮したり、きょうはA時程だからといいながら授業が始まるという話も伺っております。こうした実態をどう把握されて、どう判断されるのか、お答えいただきたいと思います。
○斎藤指導部長 今回の調査で、教員の判断による授業の短縮が行われている実態は、判明いたしております。
その中で、授業時数の管理は校長の管理のもとで適正に行われる必要がありますので、この辺についても含めて是正を、国立市教育委員会を通して指導していきたいと思います。
○中嶋委員 この学校にお子さんを通わせている父兄、父母の方から、そういう短縮授業が教師の判断で行われると、先ほども和田副委員長からも議論がありましたけれども、教育進度に、学校間、学級間で大きな格差が出てしまうと。既に一部の学校の父母からは、一年間で教科が終了しないという声、あるいは教員の出張が多過ぎて不安だ、子どもが先生の話がわからなくて困っている、悩んでいる、こんな声も寄せられております。こうした父母の声をちゃんとつかんでいらっしゃるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○斎藤指導部長 そのような苦情を受けているということは、把握しております。
なお、改善につきましては、先ほどのとおり、国立市教育委員会を通して是正をしてまいりたいと思います。
○中嶋委員 さらに、教育内容に関連しまして、お聞きしたいと思います。
先ほども一部出ましたが、年間指導計画、これは今いった学級の学習進度にも密接にかかわる問題ですが、年間の指導計画、月間及び週の指導案づくり、これも実は学校に義務づけられているはずです。これが一体どうなっているのか。
過日、国立市を訪ねまして、何校か学校を訪問させていただきました。役所の方、学校の関係者、議会に関係する方、何人かからお話を聞きましたけれども、調べてみると、もともと全く作成していない学校、年度によって作成したり作成しなかったりする学校がある、大体おおむね作成されていないのが実態のようである、こう聞きました。また、校長が計画案の作成を教員に呼びかけても全く提出されない、週の指導案などは皆無に近い、こういう状況があるようでございます。これも、教育、学習内容、学習進度への影響が心配されますが、これについてはいかがでしょうか。
○斎藤指導部長 学校の教育計画につきましては、教育課程に関する法令等に従い、学校の実態、児童の実態に合わせ、教育内容を授業時数との関連において組織し、計画的に実施される必要がございます。
今回の調査で、それぞれ学校によって違いはございますが、一部の学校あるいは一部の教員において、そういう計画がなされていなかったというような事実は出てございます。
○中嶋委員 今後の改善方が必要だと。
それから、もう一点、教育内容について伺います。これも国立の方から伺いました。
六月七日に、国立第二小学校の三学年の二クラスが合同で授業時間中にビデオを見た。そのビデオが「パパママ、バイバイ」というもので、米軍の飛行機が民家に墜落し、救助に向かった自衛隊のヘリが、米軍人だけ助けて家族を見殺しにしてしまった、生き残った少年が自衛隊機に怒りをぶつけるという内容だそうでございます。
この保護者からは、恐怖心だけが植えつけられてしまったようで、生命の尊厳を学ぶためとはとても思えなかった、こういう声があると。あるいは、憎悪だけが残ったようだ、こうした話も聞いております。
これは、事実関係はどうなんでしょうか。
○斎藤指導部長 第二小学校の三学年の合同授業時に放映されたという報告を受けております。
合同授業につきましては、校長は許可しておりますが、ご指摘の内容のビデオを使用することについては無許可、あるいは知らなかったということでございます。
○中嶋委員 これは第二小だけでなくて、どうも国立の学校の運営あるいは学習の進め方、いささか心配になってまいります。
続いて、職員会議についても伺いたいと思います。
先ほども議論がございました。職員会議はあくまでも校長、学校の補助機関である、当たり前ですが、学校の意思決定機関ではないと答弁もございました。
ところが、国立の小学校では、八校のうち五校が学校要覧に学校の組織図を載せておりまして、五校のうち四校は、職員会議があたかも学校の意思決定機関かのような位置づけの組織図にしているんです。残る一校は、実は従来のものを校長が修正して、補助機関にきちんと位置づけたような組織図に変えようとしたところ、教員から反対が出て、結局、職員会議も校長も教頭も一切何もない、削除された組織図になってしまった、こういう事情があったそうでございます。
改めて職員会議の位置づけを明確にして、こうした組織図を含め点検の上、修正すべきは修正すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○斎藤指導部長 職員会議の位置づけにつきましては、国立市教育委員会の管理運営規則で定めておりますので、その規則に定めております位置づけについて適正に行うよう、運用も適正に行うよう、国立市教育委員会を通して指導してまいりたいと思います。
○中嶋委員 これも職員会議のあり方の問題ですけれども、先ほども桜井委員から議論がございました。これはわかりやすい例ですから、あえて出すんですけれども、卒業式の前日に深夜まで職員会議が開かれた、大変シビアな内容のやりとりがあったと伺っております。
職員会議と校長の職務の関係、先ほども答弁がありましたけれども、これはやはり明らかにしないと、いつまでたっても同じことが繰り返されるおそれがあるような気がいたします。今、答弁がございましたから、これ以上答弁求めませんけれども、ぜひともきちんと整理をしていただきたいと思います。
それからもう一つ、これは担任の服務の問題ですが、これも先ほど議論がございました。議論があったんで、あえて聞くんですけれども、卒業式の始まる前に、卒業生を視聴覚教室に集めて、そこで前日の職員会議の内容を、児童、子どもたちに、しかも卒業生そのものに担任が伝える。職員会議の内容を、教員が子どもたちに伝えるということは、服務に照らして一体どう判断できるのか、されるべきなのか、ちょっと判断をお示し願いたいと思います。
○上條人事部長 職員会議の内容につきましては、児童生徒に伝えることの是非を一律に論じることは難しく、内容によって、児童生徒に伝えることが望ましくない場合もございますし、反対に望ましい場合もあるというふうに考えております。個別の内容に応じて校長が判断することが基本であろうというふうに考えております。
なお、児童生徒に伝える場合には、当然のことでございますけれども、誤解を生じさせることがないよう、伝え方には十分な配慮が必要であるというふうに考えております。
なお、国立第二小学校の今回のケースにつきましては、現在、調査検討中でございまして、その結果を待って判断したいというふうに考えております。
○中嶋委員 まさに卒業式にかかわるさまざまな問題があったわけですから、担任の立場としたら、職員会議の内容を子どもたちに伝える場合、より以上、十二分の配慮をするべきであると思います。常識で考えても、これは当たり前の話ですから、そういう通常の常識が通じるように、きちんとしてもらいたいと思います。
もう一点、学習内容にかかわる問題で、総合的な学習の時間について伺いたいと思います。
新学習指導要領によりますと、平成十四年度から、この時間が義務づけられて、今年四月から移行期に入って、徐々にボランティア活動なりインターネットの活用など、取り組みが始まっていると聞いておりますが、国立では大変この取り組みがおくれている。おくれている理由は、教職員組合が反対しているからだ、こういう話も伺っておりますが、実情はいかがでしょうか。
○斎藤指導部長 従来から都教育委員会は、準備が整った学校から積極的に試行するようという指導をしていたところでございますが、国立市立学校の一部において、積極的な取り組みがまだなされていないというような実態がございます。
平成十四年度から全面実施ができるよう、移行期間を計画的に使って、総合的な学習の時間が、実践的研究、研修を行いながら試行が行われるよう、今後とも指導に当たってまいりたいと思います。
○中嶋委員 いろいろと話をお聞きしたり、調べていきますと、周辺の多摩の市、または二十三区に比べても、明らかに違っている部分がたくさんあるんですね。それをどう評価するかというのは、いろいろな立場があるでしょうけれども、しかし、我々のところには不安の声も寄せられてきております。
今、どんなことを聞いても、すべて調査の途中であり、改善方を図りたい、こういうお答えしか返ってこないのでしょうけれども、ぜひともこの問題をきっかけに、正すべき点、改善すべき点はきちんと改善できるように、取り組みを行っていただきたいと思います。
確かに、右翼の街宣車が町中を走り回るという事態があったならば、それは不幸なことでございます。また、教育を過度に政治化することはよくないのも、これは当たり前であります。ただ、我々が学校を回ってみてしみじみ感じたことは、一体、教育現場を政治化してしまったのはだれなんだ、何なんだということを、改めてきちっと検証すべきだと思います。石川委員もいっておりましたが、事、国立だけではなくて、学校を、二十三区も含めてきちんと点検して、ぜひとも報告をいただきたい。このことを要望して、質問を終わりたいと思います。
○田代委員 最後の質問となりました。時間もかなり過ぎておりますし、皆さん方も大変お疲れだと思いますが、大変重要な問題ということで、連休の、皆さんにとっては一番重要な日になるかもしれないときに、こういう時間をとったわけですから、最後まできちっと質疑をいたし、問題の解決にさらに一歩近づくようにしたいと思います。
これだけ話をずっと伺っておりますと、もうちょっと最初の順番で質問をさせていただこうかなと思ったんですけれども、皆さん方のお話も伺いたいということで、最後の最後という順番になったわけです。
私、もう四十年くらい前から、国立はいろいろな関係があって、よく行っていました。そして、さらにその後、医者になってから十数年、精神障害者の人たちの治療に関するボランティア活動をずっと、国立市を中心としてやってきたものですから、ある意味では思い入れがあるんですが、私の知っている国立と、きょうお話に出ている国立が同じなのかどうか、ひとつ今わからないんですね。
というのは、国立の教育環境は非常に良好であるというご意見、これは都民の代表としてーー私、都議会議員は代表とは思っていない、代理と思っているんですけれども、代表という言葉もありますから、都民の代表として選ばれただろうと自認している先生たちの中で、非常にいいところだとおっしゃる方がいらっしゃる。もう一つ、どうも余りいいところじゃないという、問題があるんじゃないかというご意見もある。
私も、国立は何十回か、この問題の後からも出向いていろいろ調査をしたつもりですが、公明党の皆様方も大変誠実に見て回られて、いろいろな問題点を持っていらした。けれども、それが別の教室、別の教職員の場所を見てきた、ビラがあったという話じゃないのかと思うほど、右左が分かれちゃっているんですね。国立市というのが、都議会議員として大変不勉強ですけれども、二カ所あるのであれば、私の質問は成り立たないわけですけれども、一カ所として限定して、少し各論から入らせていただいて、最後に総論でお話をいただいて、問題を整理させていただきたいと思っております。
まず第一に、なぜ国立のすべての学校の教育活動というものを調査しなくてはならないのか、それについてお答えいただきたいと思います。
○斎藤指導部長 第二小学校の卒業式をめぐる問題は、職員会議の運営のあり方や、日常の教育活動を背景にして発生したものと考えられます。これまでの国立市の状況から、第二小学校が抱える課題は、その他の学校にも同様であるのではないかとも想像されます。教育課程の適正な実施は、公立学校の責務でございまして、都民や市民の信託にこたえるための必要条件でもございます。このため、都教育委員会は、いずれの学校においても指導助言していくつもりでございます。
○田代委員 いわゆる第二小学校の卒業式をめぐる問題というのは、職員会議の運営のあり方ですとか、今おっしゃられたような日常の教育活動が背景にあるというお答えなんですけれども、その是非はともかくとして、その調査の内容と方法というものを、お話しできる範囲でお話しいただきたいと思います。
〇斎藤指導部長 教科の年間授業計画など、教育課程の計画やその実施状況について、また職員会議の運営方法や日常の教育活動について聞き取りを行っております。
また、都教育委員会職員が、国立市教育委員会の同席のもとに、各小中学校校長からの聞き取りも行っております。
○田代委員 校長先生からの聞き取りというのは、さっき何か随分あやふやなところがありましたけれども、今のお答えのとおり校長先生から聞き取りをしているんだとすれば、わかったことは何でしょうか。
○斎藤指導部長 範囲とか学校数、それから学級とか、そこまで詳細にはまだつかめてはおりませんが、問題があった部分についてだけ事項的に申し上げます。
不登校生徒が極端に多い学校がございます。それから、入学式、卒業式の実施の仕方が、例えば卒業作品が壇上に展示され、国旗を掲揚する場所がないというような事態もございます。(発言する者あり)それから、中学校で、四十分授業や四十五分授業がかなり多く行われているというような実態もございます。それから、道徳の時間が確保されず、全体計画もないというような事態もございます。また、副読本もない学校もございます。それから、授業計画案を校長に示せない教員もいるというような事態がございます。
○田代委員 何か問題がない地域だと思おうと思っていたんですけれども、若干問題があるような、かなり問題があるようなお話なんです。
今、雑音的に、どんな形で卒業式をやってもいいじゃないかという、これは雑音じゃなくて、実は僕自身もそうは思っているんです。ただ、全部、こういう方式で生徒さん方がやってほしいということの意思の確認がないと、ごくごく一部の人たちが、しかも政治的に、しかも、それがある意味でビジネスに結びつくような形でやるようなことが、仮定の話ですけれども、あるとすれば、これはゆゆしき問題で、子どもの権利の侵害に当たると思われるんですが、これは後ほど伺います。
そして、国立市の教育の正常化に向けて、今行われている調査というものをどのように活用していくお考えなのか、教えていただきたいと思います。
○斎藤指導部長 改善すべき課題を整理分析し、国立市教育委員会に対して、教育活動の正常化に向けた改善策を盛り込んだ報告を、九月を目途にまとめていきたいと思っております。
また、国立市教育委員会や学校に対して、改善の具体的な実践を求め、都教育委員会として、国立市教育委員会を経由しながら、直接、指導助言を行っていくことも考えております。これはその後の十月以降でございます。
また、東京都教育委員会の委員の方々にも報告し、そこでいろいろ協議し、ご相談を図ってまいりたいと思っております。
○田代委員 せんだっての本会議で、いわゆるながら条例について質問させていただいたわけですけれども、見直しに取り組んでいる、時間内の組合活動の範囲の見直しを図るというお答えをいただいたんですが、どのように取り組んでいかれるのか、ご所見を伺いたいと思います。
○上條人事部長 都教育委員会といたしましては、現在、全区市町村の小中学校を対象にして調査を行っておりますけれども、それらを踏まえまして、機関運営の活動に重複はないか、あるいは機関運営の趣旨に沿った運営実態があるかどうかなどの観点から、時間内職員団体活動のあり方を検討した上で、関係職員団体と協議をし、その範囲の見直しを図っていく考えでございます。
○田代委員 国立第二小学校にかかわらず、先ほどからお話を伺っていますと、国立市の小中学校においては、いわゆるながら条例による時間内の組合活動の正規の手続が行われていないことがはっきりしたわけですね。このような事態を果たして放置しておくのかおかないのか、今からの体制について、お話をいただきたいと思います。
○上條人事部長 いわゆるながら条例に基づく手続がとられているかいないかにつきましては、現在、実態調査を行っているところでございますが、正規の手続をとらずに職場から離脱していた実態が明らかになれば、ノーワーク・ノーペイの原則から、給与減額を行うことになるというふうに考えております。
○田代委員 それでは、国立の第二小と第五小の卒業式における関係教職員の言動について、今までいろいろお話があったわけですが、今、事実関係を調査し、先ほどお話がありましたように厳正に対処するということですけれども、これは、委員会のメンバーの先生方からもお話がありましたように、とりようによっては名誉毀損にもかかわるし、また事実無根のことがあれば、これはとんでもない結果をもたらすわけですから、しっかりとした裏づけのある調査を、しかし変に引いたところのないように。いつまでたっても結果が出ないような調査では調査にならないわけですから、ある部分では両論併記のようなものをあわせても、調査というものは着実に進んでいかなくちゃならないわけです。この調査の結果がいつ出るかはともかくとして、どの程度まで今進んでいるのか、そして、処分を行うとすればいつごろになるのかということを、ある意味では仮定の話になるかもしれませんが、お答えできる範囲でお知らせいただきたいと思います。
○上條人事部長 現在、関係職員に対する事情聴取は一通り終了したところでございます。今後さらに検討を進めまして、早期に厳正に対処する考え方でございます。
○田代委員 わかりました。
これまで国立市の公立学校で行われた教育というのは、今回報告があったことだけではなくて、教育の内容にもかかわって大きな問題があるという意見もあるわけです。正しい、正しくないは別ですよ。そういうご意見があるということです。
ですから、大きな問題があるかないかということを調査した結果、大きな問題があるということであれば、関係職員の処分だけ行っていれば全部問題が片がついてしまうというわけではないわけですから、これから国立市における公教育、というより東京都全体に抜本的に改革していくことが必要なことがあるとすれば、どのように対処するおつもりなのか、心構えを教えていただきたいと思います。
○横山教育長 都教委としましては、今回の卒業式の件につきましては、単に、今おっしゃったように国立第二小学校あるいは国立第五小学校の問題としてではなくて、国立市の公立学校教育全体の問題であるととらえております。
私どもは、いかなる公教育の場にあろうとも、学習指導要領に基づいた教育課程が混乱なく適正に実施されることが、都民あるいは市民の信託にこたえる前提であろうと考えます。そのことが公立学校の責務であるとも考えております。
こうした観点に立ちまして、国立市の公立学校教育の正常化に向けまして、今後、国立市教育委員会に対して、都教育委員会として直接、指導助言を行っていく考えでございます。
○田代委員 今まで質問を各論的にさせていただいたのは、実はある程度通告をして、こういうことを質問しますという、私の考え方は一応発表してあったんですけれども、実際私がお伺いしたいのは、先ほど申し上げましたように総論。今から総論なんですが、これについて一番知っておきたいと思うのです。
きょう、これだけ時間をかけて、いろいろお話があった中の、大きな中心となる問題、一つあるのでーー国旗・国歌に対して国立市の教育現場というものが強く反対をしている、それが現実であるとすれば、やはり教育庁の立場として、その反対理由、なぜ反対であるのかと。決まりが決まったのだから、何でもかんでも頭からそのとおりにやるべきだというのでは、やはり私としても何となく解せないところが出てくる。何がどういう理由で反対なのかということを皆さん方がご理解されているのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思うのです。
○斎藤指導部長 反対している理由につきましては、教職員等の意見はさまざまでございますけれども、いずれにしても、その一端をご紹介しますと、学習指導要領にまず法的根拠がないのだからそれを守る必要がないとか、あるいは国旗・国歌については、戦前の歴史の経緯があるのでそれを認めないとか、さまざまなご意見があって、それで反対をしているというような状況がございます。
○田代委員 罰則がないから何をやってもいいという考え方は、教育の現場にいる方としては随分奇妙な考え方だと思います。これは一方的に今のお話を伺ったから、国立の先生方がみんな、罰則がなきゃ、どんなに法律を破ってもいいと考えているとは、にわかには信じがたいのですが、そういう意見が一つある。
それから、戦前の考え方に結びつく。これは、どんなに愛国心を持って民族主義に徹する人間でも、もう一度何か大戦を起こしたいと思っている者は、僕は一人もいないと固く信じているわけです。これは私の意見ですよ。それが何で短絡的に、国旗・国歌の重要性を全く無視して否定しなくちゃならないのか。そういう何かしっかりとした、だれでも理解できるような理由があるんでしょうか。
そして、できれば東京都独自でも構いませんから、一つの具体的なーー何でこういう問題がいつまでも出てくるかというと、具体例がないんですよ。いつでも何か総論的な話、学習指導要領がすぐ引きずり出されて、そして、これに出ているんだからこうやらなくちゃいけない、でも罰則がないからやらなくていいじゃないか、そういうことではなくて、もっと根本的に、何で国旗・国歌なのかということを、東京都は東京都で一つの自主的な討論の結果、そしてある意味で、教育現場で使えるようなガイドラインみたいなものをしっかりつくっておかないと、いつまでたっても問題の本質が見えてこないと思うのですけれども、ガイドラインづくりみたいなものをなさる気があるのかないのか。
それから、先ほどの国旗・国歌の否定に対して、もうちょっと明確な理由が説明できるのかできないのか。あるいは、大変申し上げづらいところですけれども、否定する理由を皆さん方がちゃんとご理解いただいているのかどうか、それについてお答えいただけたらありがたいと思います。
○斎藤指導部長 従来から、国旗・国歌の指導につきましては、資料集をまとめて、都立学校の方にはそれぞれ校長あてに配っております。それから各区市町村教育委員会の方にも配っております。
ガイドラインという形で今おっしゃっておりますけれども、ガイドラインを作成するかどうかについてはちょっと検討させていただきたいのですが、いずれにしましても、私どもが申し上げているのは、学習指導要領に載っているからということは当然でございますけれども、二十一世紀を担う子どもたちに、国際感覚、国際社会の中で国旗・国歌を、よその国の国旗・国歌も尊重すると同じようにする、そのマナーの育成ですよ、それを私どもはいろいろなところで申し上げてきたつもりでございます。
そういうことについては、校長の意見を聞きますと、教職員の方は、そういうレベルであればということをいう教員はいるというふうには聞いております。
いずれにしましても、今ご提案のことにつきましては、今後少し検討させていただきたいと思います。
○田代委員 できたら教育長からお話しいただきたかったんですけれども、同じ立場でよいと理解させていただきますが、やはりそういうガイドラインづくりみたいなものも一歩進めて、東京都独自なものかもしれません、でもそれは、東京方式が全国方式になるかもしれないので、もう少し勇気を持って、国旗・国歌という問題については、何とかにふたではなくて、我々も誠意を持って当たっていかなくちゃならないのじゃないかなと思います。
特に、先ほどから、言葉の遊びではないと思うんですけれども、子どもたちが犠牲者、子どもたちを守れという話が、都合のいいところで随分出てくるような気がするんです。やはり、子どもたちの精神的な、あるいはもっと具体的な、物理的な安全というものも当然配慮すること、これは絶対必要なわけですけれども、やはりこの一番根本的な問題は、何でそういうことになってしまったのか。目の前にある事柄だけについて、例えば街宣車が来たからーー街宣車、来たか来ないかわかりませんよ。でも、だからそれをとめさせればいいという問題じゃなくて、何でそこまで問題がこじれてしまったのか。
平たくいえば、政治的介入は、本当に最初からどちらの立場でも、なかったのか。先ほど公明党の委員メンバーの先生からお話があったようなことが、実は何かの見間違いであって、教育現場に政治的なものが全く持ち込まれていなかったのかどうかということを、きちっと解決していかないとーー実は僕たちもそういう現場を随分見ているんです。個人的に、今傍聴にいらしてる古賀先生や、土屋先生や僕も、随分同じものを、先ほどの写真以上のものを見せていただいているわけですけれども、そういうものを、これを政治的介入といわないで、どういう言葉でご説明していいのかわからないんですけれども、政治的介入というものがなかったのかどうかが一つ。
それからもう一つ、国旗・国歌に対して、国立市に住んでいる子どもたち全員がーー僕たちもそれなりに、精力的にいろいろな子どもたちと、ある意味では、個人的には医師会という立場も通じて、学校医という立場も通じて、穏やかに穏やかに、それとなくお話は昔から聞いていることがあります。身の上相談その他のことも、体のことに関して聞くことがあります。
そうすると、その中で、国旗・国歌が死んでも嫌だという子どもたちがすべてかというと、僕の印象ではそうじゃなかったんですね。一部の意見に全部そうやって、教育現場の権力者たちの力によって牛耳られていって、国旗・国歌を全く知ることがなく青年期を迎えていくお子さん方にとって、国立という場所が教育として本当にフェアなのか。
いわゆる教科書問題のとき、よく私申し上げますけれども、南京大虐殺があった、なかったということじゃないんですよ、両方を書いてくださいといっているわけです。あったという意見もある、なかったという意見もある、中間だという意見、やはり両論、多論を併記していかなくちゃいけない。教育現場というのはそういうところですから、そういうものがきちっと対処されているのか。
国旗・国歌に対する、あるいは卒業式が先ほどのように、それは、僕もある意味じゃーーフロアでなされていて、いろいろな形で卒業式がなされるのがみんなの希望であれば、僕も決して反対するものではないんです。そこに国旗がなく、国歌を斉唱しないことがすばらしいことだと、全員が間違いなく思っているのであれば、これは自主権の問題ですから構わないと思いますけれども、そういうものに対して東京都としてはどのようなお考えを持っているのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○斎藤指導部長 学校教育に、政治的あるいは一定の考えを持った、思想を持った運動が入って、阻害されているのではないかということなんでございますが、本来、学校は、公正中立の立場で教育活動が行われる場所でございますので、そういうことがないよう、当該学校を所管する区市町村教育委員会がその責務を果たして、中立公正を守れるよう、日ごろから指導助言していくことが極めて大切だと思っておりますし、東京都教育委員会につきましても、そういう当該教育委員会の行政の立場を支援する立場から、今後とも指導助言あるいは支援をしていきたいと思います。
お答えになっていないとは思いますが、私どもの立場としてはそういうふうにお答えするということでございます。
○田代委員 お答えには全くなっていませんけれども、もう一つあわせてお願いした、国旗・国歌が大嫌いだという子どもたちがどのくらいいるのか、それもわかれば教えていただきたいと思います。
○斎藤指導部長 国旗・国歌について、そういう意識調査はしておりません。
○田代委員 そうしますと、国旗・国歌は、子どもたちがどうも嫌だ嫌だといっているというお話を随分聞くんですけれども、どこまでそれが本当なのかどうなのかということが一つ疑問なんですね。
中には、国旗・国歌をしっかりと掲揚して斉唱したいというお子さんがいるのじゃないかなという感じがするんです。そういうものは何でもどうにかして抑えつけちゃうという考え方があることはよくわかりますけれども、しかし、そういうものに我々が屈してしまっては自由国家にはならないので、崩壊してしまった独裁国家と同じことになっちゃうわけですよね。ですから、そういうところを東京都が一つの手本をきっちりと示して、両方の意見を聞く。嫌だという人も多分必ずいるはずでしょう。でも、いいという方もいらっしゃる。それをちゃんと聞くという体制を持たないと、ただ一方的に、政治的に、ある会派はこういったから、この会派がこういったからこうということに皆さんが流されてしまうと、結果的にはとてもおかしいことになってしまうのじゃないかなと思います。
さらに一歩を踏み込めば、東京都としては、これは教育庁、お答えづらいかもしれませんけれども、さっき内心の自由というのがありましたが、教育的な課題として、卒業式に果たして国旗・国歌は必要なんでしょうかね。これは答えが出ないとすれば仕方がないと思いますけれども、東京都がそういうものをしっかりと答えられない。背骨がない。
昔、ある行政の主たる方が、この委員会の中で、東京都の歴史観は何ですかと聞いたときに、これは当時の副委員長をやっていた土屋さんが聞かれたんですけれども、東京都の歴史観の背骨は、今使われている歴史教科書にありますという、まるで子どもも聞けないようなたわけた答えが出てきた。それで随分いろいろな紛糾があったわけですけれども、きちっとした背骨がない。国旗・国歌、国旗・国歌と非常に簡単に皆さん口になさいますけれども、それが本当に卒業式になぜ必要なのか。
先ほどのガイドラインにも触れることになりますけれども、そういうことについて明確なお答えをいただくことができるんでしょうか。できないとすれば、次回でも構わないんですが、できるかできないかだけでもお答えいただけたらありがたいと思います。
○横山教育長 実は、私が前任、総務局長のときに、いろいろな都の行事の中に国旗を掲揚し、国歌を斉唱するという導入を図りました。
その理由は、国旗・国歌法という法律が制定されたという背景もございますが、私は個人的には、例えば卒業式に国旗を掲揚し、国歌を斉唱するというのは、卒業式の意味合いを考えますと、少なくとも、例えば小学校では六年間の授業を修了し、厳粛な気持ちであるいは中学に出ていく、そういった節目節目において、国旗あるいは国歌というのは非常に意味があると、私は個人的に思っています。
○田代委員 まあ、それについてもいろいろなご意見はあると思うのですね。でも、そういうものをもうちょっと深く、しっかりとわかりやすく、お子さん方あるいはご父兄の皆様方、教職員の先生方、大変努力なさっていらっしゃるわけですから、きちっと東京都が話ができるような、一つの考え方を持っていていただきたいと思います。
それから、何回か先ほどから意見を申し上げておりますけれども、国立の状況、状態というのは、都内にどこでもあるようなことなんですか。先ほど申し上げましたように、国立という市が二つあるのかなと思いながら、きょうは一日話を聞いていたわけですけれども、こういうわけのわからない、いいというところと悪いというところが極端に分かれているところがほかにもあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○斎藤指導部長 それぞれの小中学校は、所管の教育委員会がございまして、その教育委員会の管轄のもとで、それぞれの学校が特色を出して教育活動を行っております。
ただ、学習指導要領にのっとってやっているかやっていないかという観点から見れば、毎年、教育課程届けは、それぞれの当該教育委員会が届け出をもって受理しているわけでございますので、その調査を通じては、私どもは特別な区や市があるというような把握はしてございませんでした
そういった意味からは、国立市の今回の問題につきましては、さまざまな経緯がございましたけれども、その一端が今、調査の中でわかっているような状況でございますので、そのほかの区市についても、引き続き個別に事情は聞いてまいりたいというふうには考えております。
○田代委員 そうしますと、報告書、調査書が出るわけですけれども、これはさっきもちょとお話が出たと思いますが、もう一度再確認したいのです。これは将来、マル秘に当たるんでしょうか、当たらないんでしょうか。
○斎藤指導部長 一般的に教育課程も含めた市の問題について、状況を把握した結果につきましては、当然ながら、公表すべき点はすべて公表するという方向で考えております。
○田代委員 そうしますと、先ほどから何回も問題になっているように、この報告書の調査の内容というのは非常に重要性が出てくるわけですけれども、場合によっては、この委員会メンバーの先生方のご意見では、産経新聞を初めとするーーこれは産経新聞だけじゃなくて、幾つかのマスコミで僕は見たんですが、土下座問題、あったかなかったかということも含めて、この問題の切り口というものが、いろいろ問題があるようなご意見をいただいております。基本的にはマスコミが悪いんだというお話が出ているわけですけれども、マスコミが悪いのだとすれば、しかも結果として土下座というものが全くなかったということが証明されてしまえば、これは仮定の話で申しわけないんですけれども、例えば文教委員会から正式な抗議文、名誉毀損とはいいませんけれども、何かそういうものを出されるお考えはあるのでしょうか。再度ちょっと教えていただきたいと思います。
○横山教育長 仮定の質問で、私どもも仮定で答えざるを得ませんが、あくまでもプレスの報道というのは、報道の自由に基づくものですから、当然、取材に基づいて書かれているわけですから、それについて私どもが言及するという立場にはないと考えております。
○田代委員 そうしますと、マスコミのあり方というものに対して、教育長を中心として、調査をなさる皆さん方は全く左右されないで、今から出てくる調査報告書というものも、公正で中立なものが出てくると信用してよろしいわけですね。再度お尋ねいたします。
○横山教育長 当然、私どもは、これまでの周辺事情を、私ども自体が現場にいたわけじゃないですから、現場におられた方、校長先生ほかの方々の聞き取り調査で客観的に判断するしかないわけで、そういった現実の聞き取り調査を通して事実を解明していく、こういうことでございます。
○田代委員 先ほどから幾つか問題になっておりますのは、校長先生の決定権の限度みたいなものですね。権限と責任みたいなものが幾つか問題になりました。校長先生がいろいろ決めていくこと、例えば今度の国旗・国歌にしてもそうですけれども、卒業式を延々と延ばすということができればいいんですけれども、時限的なものもあるわけですから、ある決定を校長先生がしたときに、それを阻止するというようなことが一部の職員の先生たちの力で行われるようなことがあるとすれば、それに対して、東京都の方では何か対処を地域にも要請するのか、指導するのか、その点についてお話をいただきたいと思います。
○上條人事部長 まず、先ほど、校長の命令に教職員が従わなかった場合、どうするのかというお話でございましたけれども、処分に関しましては、具体的な事実に基づきまして決定いたしておりますので、仮定の上で申し上げる内容ではないというふうに判断しております。
○田代委員 話し合いをすることは、深夜に及んでも、僕は実は個人的にはいいと思っているんですよ。教職員の皆さん方が熱意を持って校長先生と話をすることは、特段問題はないと、僕は個人的には思っています。
そして、いろいろな考え方があって、授業以外の時間を使って誠心誠意話していただけるということは、大変感謝の念を持つものですけれども、いろいろな行事というものは年間で一つのスケジュールが決まっていて、それまでに答えを出さないとうまく進めていけない。特に、先ほど教育長からも国旗・国歌についてのお考えをいただいたわけですけれども、公教育という、いわゆる私的な学校の教育とは違って、皆さんの血税によって運営されている、いろいろな考え方を持っていらっしゃる方の税金によってあがなわれている公教育というものを考えると、やはり部分部分ルールをつくっておきませんとーーどうも先ほどからの話、今までの話、この場ではいつでもそうなんですけれども、校長先生の権限というものが非常にあいまいもことしているんですね。そのあいまいもことしたものを、今からきっちりと一つの形にあらわせるようなものにしていくお考えがあるのかないのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
もう一つ、済みません、追加で。
簡単にいうと、教育の中立性を守るという言葉のもとに、決まり事は破ってもいいのか悪いのかということをお尋ねしておきます。
○上條人事部長 法令等に基づきまして、校長の権限において指示した事項については、当然従う義務があるというふうに考えております。
○田代委員 時間もあれですから、そろそろ締めるということなんですが、ちょっと細かい点ですけれども、学校労働運動の拠点として教室が使用されている、何なりかんなりという問題が幾つかあったんですけれども、こういうものすべて、今申し上げましたように公共の費用で運営されているわけで、ながら条例の中で特に届けを出さない、あるいは、もともとの組合活動とは全く逸脱して政治活動と見られるもの、そういうビラですとか、いわゆる事務連絡表みたいなものが私の手元にも幾つかあるんですが、せんだってもちょっとお尋ねしましたけれども、そういうものが延べ時間でどのくらい、一年間で東京都の中であるのか、もしも給与が減免されないで都民に返還されるとしたら、およそ幾らくらいになるのかということは、お金の問題を余りいうのは嫌なんですけれども、やはりこういうものは、都民の皆さん方の今の経済の実情を考えると、何でもかんでもそういうところは大ざっぱなお金でいいんだというわけにもいかないと思うんですね。それらに対してどのような状況になっているのか、試算したものを教えていただけたらありがたいと思います。
○上條人事部長 これまで、ながら条例に基づきまして職員団体の機関運営の参加を承認した延べ時間数について、実態の調査をしたものはございません。
現在、不適切な時間内組合活動の実態について調査をしておりますので、その調査結果を待って、厳正に対処してまいります。
○田代委員 堂々めぐりの答えになってしまうわけですけれども、このように教職員の団体の自浄能力であるとか、あるいは校長先生の職務権限の行使などは、今お話を伺っていると、かなり限度があるような感じがします。
いつまでたってもこういうものが解決しないと、被害者はいつでも、児童、子どもが被害者ということが決まっているわけですから、いろいろ問題があったときに、クリアカットにきちっと処分ができるような形。そしてそれは、処分を受ける方も理由が明確にわかる。自分が全く不当に、何のために処分されたか理由がわからないような処分では大変困るわけですから、だれが聞いても、それはいたし方がないなと。だから、相手の意見も両方聞くというような形で、話がいつでも速く進むような、一つの第三者機関のような、父兄の皆さん方、地元のいろいろな考えを持っていらっしゃる方を含んで構わないと思いますけれども、そういうようなものをきちっとつくっていくべきではないかと思うことが一点。
もう一つは、今度のこの問題、右も左もいろいろな考えーー右左というのは、右翼、左翼ということをいっているのじゃないんですよ。幅広くいろいろなご意見もあるようですから、これは各メンバーの先生方も余り反対はないと思いますけれども、できたらしっかりとした調査委員会みたいなものをおつくりいただいて、物の正誤、正しいのか間違っているのか。間違ったことで話が進んでいるとすれば、先ほどからもお話があるように、これはゆゆしき問題ですから、調査委員会のようなものをおつくりになったらどうなのか。
そして、これは土屋先生と古賀先生にいろいろとご発案いただいて、僕も今手伝わせていただいているんですけれども、地元の国立市の皆さん方を中心として、こういう問題について、もうちょっと情報交換を公にして、密室的ではなくて、どこでもみんなが集まってしっかり話をしようということを呼びかけているんですが、いろいろないいわけというか、おどし文句もちょうだいするんですけれども、我々の意見と反対側にいるかなと思われる、いわゆる国立の教育というのはすばらしいんだ、一点曇りもなくしっかり行われているんだとご主張なさる皆様方からは、参加する気が全くない、みんなの前で話す気は全くないというようなご返事をいただくんですけれども、こういうものは、今の情報化の時代ですから、東京都も少しお手伝いいただいて、地元の皆さん方のいろいろな幅広いご意見もいただく、そういうことによって問題解決に一歩進めていくというような努力も、できたらしていただきたいと思って、今盛んに呼びかけております。
呼びかけても呼びかけても、これはなかなか実行されていないんですが、今からも我々三人、力を合わせて少しずつ、微力ですけれども、そういう呼びかけをやっていきたいんですが、これは限度がありますので、ぜひとも東京都の方もそういうお考えを持って、役所だけで物を決定するのではなくて、現場のお父さん、お母さん、あるいは地元の方、お子さんがいらっしゃるいらっしゃらない抜きにして、地元のことを考える、そして東京のことを考える、国のことを考える人たちの意見を、あわせて聞かれてはいかがでしょうか。
それについて三点。調査委員会はどうでしょうか。第三者のいわゆる決定機関はどうでしょうか。それから、公開討論会と我々は名づけているんですが、こういうものに対してどのようなお考えがあるかをお尋ねして、終わりたいと思います。
○上條人事部長 処分に関しての調査委員会というご質問でございますけれども、処分につきましては、法令に基づきまして、都教委の責任において行うべきであるというように考えております。
○田代委員 処分についてというより、どういう考え方を持つべきかということを、少しサイドからフォローできるような考え方のところがあればと。その決定を第三者機関が持つなんということは、これは法令上ミスになっちゃうわけですから、そういうことではなくて、余りにも皆さん方の歩みが遅いとすれば、その決定を出すために、少しご意見を第三者機関からいただいたらどうでしょうかということです。
それから、残り二点について、お答えいただきたいと思います。
○横山教育長 まず処分の件ですが、私ども今、人事部長が申し上げましたように、都教委の持つーー任命権者というのは固有の権利で処分をやっております。その過程で、いろいろ話はお聞きします。ただ、それを、常設の第三者機関を設けて常に話を聞くという考えはございません。
それから、国立市の問題につきまして、調査委員会云々の話がございましたが、私どもは、第一義的には、国立市の中で事実を解明し、究明し、対応すべきものだと考えております。今回のことについて、かなり都教委として表に出ておりますが、これはやはり国立市教委との関係で、表に出ていくことが早期解決につながるという立場で出ておりますので、第一義的には国立市の中で真相を解明し、打開策を求めるべきだと考えております。
それから今、先生方が非常に努力されている広聴関係につきましては、これは先生方の活動の一環としてなされていることと認識しておりますので、私どもがそれについて言及することについては、遠慮させていただきます。
○田代委員 ごもっともなご意見で、そういうご意見になると思ったんですけれども、やはり国立自身が解決できるとすれば、これは理想ですね。そうだとすれば、先ほど何回も申し上げましたように、自浄能力がないとすれば、そこでどうにか手を差し伸べるということはとても必要なことなわけですよ。
我々の仕事だって、ほとんどそうです。患者さんがご自身の力で病気が治せるのだったら、我々なんか無用の長物で全く要らないわけであって、医者ごときがしゃしゃり出てくる理由というのは、何らかの手伝いが我々もできるんじゃないかというところで出ていくわけです。東京都さんが余り冷淡にぽんと切っちゃって、そこから先はそっちの責任だよ、トカゲのしっぽはすぐ切っちゃうよという態度ではなくて、やはり国立が大切ということは、東京都も一緒に大切なわけですから、全体で物を考えていくという考え方を持っていかないと、ただもうラインが引かれてないから、ここで切っちゃうんだという考え方で、こういう教育問題を考えていくと、なかなか答えというのはーーそれぞれの立場の横のつながりが見えないと、譲れるものも譲れなくなっちゃうわけですから、もうちょっと温情を持って地域の教育委員会とお話をいただけたら、大変ありがたいと思います。
我々の会は、先ほど申し上げましたように、公開討論会を呼びかけているわけで、ぜひとも皆さん方もそういうところでーーきょうの委員会に出席しないとしゃべれないというのであれば、やはり満足した討論というのはできないわけですから、どなたでも、例えば、バッジをつけていようといまいとだれでも話せる、国籍を問わず、性別を問わず、年齢を問わず話せるような状態というものを、東京都も認める体制は持っていただきたいと思います。
以上で終わります。
○植木委員長 ほかに発言がなければ、本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十分散会
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