経済・港湾委員会速記録第九号

令和八年六月二十二日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長吉村 恵一君
次長理事兼務関口 尚志君
理事奈良部瑞枝君
総務部長阿部 泰之君
中央卸売市場市場長猪口 太一君
次長松田 健次君
管理部長飯野 雄資君
スタートアップ戦略推進本部本部長佐久間巧成君
理事片山 和也君
戦略推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務鈴木  成君
港湾局局長田中  彰君
次長福崎 宏志君
技監村田 拓也君
総務部長原   郁君
労働委員会事務局局長岩野 恵子君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百二十三号議案 令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第百三十一号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分及び第百三十一号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○上田委員 今回の補正予算は、中東情勢による原材料、エネルギー価格の高騰への緊急対策という、都民の暮らしに直結する名目を掲げて編成されました。
 しかし、委員会質疑において提出された要求資料及び理事者側の答弁を精査した結果、浮き彫りになったのは、国際危機の深刻化に便乗して、従来の環境政策や長期投資を滑り込ませた、まさに火事場泥棒ともいうべき予算編成の実態であります。
 反対する第一の理由は、補正予算の目的と手段の致命的なタイムラグ、手段の目的化です。
 今回の補正予算全体の基本方針は、中東情勢の影響が長期化している現状を踏まえ、足元の都民、事業者の不安を払拭していくために、前倒しで着手すると明記されています。現在進行形のコスト噴騰にあえぎ、まさに今、今日の存続に頭を抱えているのが都民や中小企業の切実な現状です。
 しかしながら、今回の新規事業の多くは、最長三年間の債務負担行為を伴う中長期の技術開発投資や、令和十年まで三か年にわたる長期プロジェクトとなっております。特にスタートアップ戦略推進本部が所管する資源・エネルギー等レジリエンス強化事業は、総額十三億円もの予算枠をあらかじめ固定化する長期プロジェクトです。
 これに対し、当局は、本事項は構造転換の加速が担当であって、足元の不安払拭事業ではないという趣旨の見解を抱かれていることは看過できないものです。知事が全庁一丸となって取り組むべきとした補正予算の大義名分から、局の都合で足元の不安払拭は対象外と切り離す予算の立て方には疑問が残るところです。
 我が会派は、令和八年度中に石油消費を何キロリットル削減し、電気代や物流費を具体的に何円下げるのかという極めてシンプルな、当然の費用対効果の数値を再三にわたり問うてまいりました。しかし、答弁は、中長期的な構造転換を生み出すといった抽象論に終始し、足元の危機を令和八年度中にどれだけ軽減できるのかという実利の数字は示されることがありませんでした。
 反対する第二の理由は、制度設計の甘さに起因するガバナンスへの懸念と、都民の貴重な税金の他県や他国への流出リスクです。非石油由来製品等開発支援をはじめとする新規の補助事業において、肝腎の採択審査基準は全て、今後、募集要項等で決めると後回しにされており、あまりにも白紙部分が多い設計となっております。
 さらに、既存の中小企業制度融資においては、信用保証協会の代位弁済、すなわち焦げつきの実績が令和二年度の八十三億円から令和六年度には五百八十一億円と急増を遂げており、財政的な危機感を持たざるを得ません。
 民間市場では、ミライズエネチェンジが民事再生の手続に入ると、油断のならないような状況がありますことから、こうした現実を前に、入り口の審査基準を曖昧にしたまま要件緩和を急ぐことは、今後の運営において採算の取れない低効率の投資のばらまきを招きかねないという懸念を指摘しておきます。
 その上、前述のレジリエンス強化事業では、SusHi Tech Globalプロジェクト選定企業からの選抜をするという極めて限定的な参加要件でありながら、登録企業の二割を超える十七社が都外に本店を持つ事業者であり、都民の一般財源を原資とした一社最大二億円もの公金が投じられた場合、その実利リターンが他県あるいは他国へ流出してしまうことを懸念するものです。
 そればかりか、実証実験が完全に頓挫した場合の都独自の明確な撤退、中止基準や、補助金、海外に行ってしまったとか、補助金返還規定すら事業者の手元に委ねるような仕組みは、公金を預かる行政としてリスク管理がなされていないのかといわざるを得ません。
 第三に、予算配分の著しい不公平性と特定層の選抜的支援の不条理です。高額な車両を購入できる特定の事業者や富裕層に利益が集中する電気自動車補助など、令和五年度の執行率が四六・四%と半分以下に低迷しているにもかかわらず、価格上昇を理由に、上限額を百三十万円と引き上げています。
 一方で、台風被害や原油高の荒波で崖っ縁に立っている島しょ地域の漁業者が直面する魚箱等の資材高騰補助は、過去数年間、僅か三千万円から七千万円だという極めて低い予算規模ですり替えられていました。現在、八丈島の水産加工、特に伝統食であるくさやの現場では、魚箱だけではなく、加工に不可欠な真空パック用の袋関係が一気に三割アップという異常な高騰に直面し、コスト高から加工場が減少しかねないという伝統食文化の断絶、事業者のリアルな撤退危機に直面しているのです。
 いまだ実績も未確定な環境農業には上限額を二百万円と一気に倍増させる一方で、汗を流して都民の食や伝統文化、食文化を支える島しょ地域の悲鳴には数千万円レベルの引上げで体制を整える、このような小池知事鳴り物入りのゼロエミッションファースト、環境偏重の予算配分を行う姿勢は言語道断であります。
 エネルギー安全保障の観点から申し上げれば、中東情勢の緊迫化する本来の対応は、石油を悪者にして特定の代替技術へ補助金で誘導することではないということを強く再び申し上げます。必要なのは、燃料調達先、供給インフラを確保し、危機時にも都民生活と中小企業の事業継続を守ることであります。石油依存を減らすといいながら、電気自動車、蓄電池、水素、持続可能な航空燃料、再生可能エネルギーといった高コストで未熟な技術に莫大な公費を投じることは、都民生活を苦しくするだけで、危機対応には全くなっていません。
 また、電気自動車においては、石油の中東依存を減らす目的で電池や重要鉱物の特定国への依存度を能動的に高めるという、安全保障上の本末転倒なリスクすら抱えています。
 都が今やるべきことは、抽象的な構造転換やゼロエミッションの看板を掲げることではなく、都内中小企業のエネルギーコストを実際に幾ら下げるのか、物流、製造、食品加工、島しょ産業の事業継続を何件守るのか、そして、そのために最も費用対効果の高い支援は何かを数字で示すことであります。成果目標、採択基準、事後検証、失敗時の打切り条件を明示できない補助事業は、緊急対策の名に値しないのではないでしょうか。
 以上のことから、地域政党自由を守る会は、本補正予算が危機に便乗した理念先行の予算であり、都民の暮らしと現場の事業を守る実利がある予算とは到底思えないことであることから、反対の意を表明して、私の意見表明を終わります。

○大山委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百二十三号議案、令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大山委員長 起立多数と認めます。よって、第百二十三号議案、令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十一号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十一号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○大山委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大山委員長 この際、所管五局を代表いたしまして、田中港湾局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○田中港湾局長 本委員会所管五局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 大山委員長をはじめ、委員の皆様方には、本定例会に提案いたしました議案につきまして、ご審議の上、ただいまご決定を賜り、誠にありがとうございました。
 また、請願陳情、報告事項を含め、ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指導をしっかりと受け止め、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会