| 委員長 | 大山とも子君 |
| 副委員長 | もり 愛君 |
| 副委員長 | 渋谷のぶゆき君 |
| 理事 | 両角みのる君 |
| 理事 | 慶野 信一君 |
| 理事 | 藤田りょうこ君 |
| いいだ健一君 | |
| さとうさおり君 | |
| おぎの 稔君 | |
| 上田 令子君 | |
| 山田あさみ君 | |
| 三雲 崇正君 | |
| 福井ゆうた君 | |
| 山崎 一輝君 |
欠席委員 なし
出席説明員| 産業労働局 | 局長 | 吉村 恵一君 |
| 次長理事兼務 | 関口 尚志君 | |
| 理事 | 奈良部瑞枝君 | |
| 総務部長 | 阿部 泰之君 | |
| 産業企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 富岡麻紀子君 | |
| 企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 齋藤 順君 | |
| 企画調整担当部長 | 下羅 智宏君 | |
| 働く女性応援担当部長 | 金子しのぶ君 | |
| 国際金融都市推進総括担当部長 | 村本 一博君 | |
| 商工部長 | 福田 哲平君 | |
| 商工施策担当部長 | 大川 徳明君 | |
| 金融部長 | 若林 憲君 | |
| 金融支援担当部長 | 松田 義史君 | |
| 産業・エネルギー政策部長 | 米澤 鉄平君 | |
| 産業政策連携促進担当部長 | 岡野 守治君 | |
| 新エネルギー推進担当部長 | 佐藤 拓也君 | |
| 観光部長 | 江村 信彦君 | |
| 観光振興担当部長 | 前田 千歳君 | |
| 農林水産部長 | 板倉 広泰君 | |
| 安全安心・地産地消推進担当部長 | 三角知恵人君 | |
| 雇用就業部長 | 新田 智哉君 | |
| 事業推進担当部長 | 西田雄一郎君 | |
| スタートアップ戦略推進本部 | 本部長 | 佐久間巧成君 |
| 理事 | 片山 和也君 | |
| 戦略推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 鈴木 成君 | |
| イノベーション推進担当部長 | 小澤 常裕君 | |
| 東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 | 松本 克己君 | |
| スタートアップ戦略推進担当部長 | 岩井 志奈君 | |
| スタートアップ戦略推進担当部長 | 工藤 慎市君 | |
| スタートアップ戦略推進担当部長 | 前林 一則君 | |
| 港湾局 | 局長 | 田中 彰君 |
| 次長 | 福崎 宏志君 | |
| 技監 | 村田 拓也君 | |
| 総務部長 | 原 郁君 | |
| 企画担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 神戸 友成君 | |
| 調整担当部長 | 前山 琢也君 | |
| 港湾経営部長 | 石井 均君 | |
| 港湾振興担当部長 | 三浦 大助君 | |
| 臨海開発部長 | 水飼 和典君 | |
| 臨海総合調整担当部長 | 千田 敏君 | |
| 臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 渡邊 正也君 | |
| 港湾整備部長 | 佐藤 賢治君 | |
| 計画調整担当部長 | 廣松 智樹君 | |
| 港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 | 村岡洋次郎君 | |
| 離島港湾部長 | 儀間 潔君 | |
| 島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 松本 祐一君 |
本日の会議に付した事件
港湾局関係
契約議案の調査
・第百四十七号議案 新海面処分場(八)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百三十一号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
スタートアップ戦略推進本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 スタートアップ戦略推進本部所管分
産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和八年六月十七日
東京都議会議長 増子 博樹
(公印省略)
経済・港湾委員長 大山とも子殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百四十七号議案 新海面処分場(八)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事請負契約
2 提出期限 令和八年六月十九日(金)
○大山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の契約議案の調査並びに港湾局、スタートアップ戦略推進本部及び産業労働局関係の付託議案の審査を行います。
これより港湾局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百四十七号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○原総務部長 去る六月三日の当委員会において、契約議案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧願います。
表紙をおめくりいただきますと、目次に三件の資料の件名を記載してございます。このうち、1が契約議案に該当するものでございます。
それでは、一ページをご覧ください。1、新海面処分場(八)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事に係る入札参加条件、入札参加可能事業者数、入札辞退理由並びに低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容でございます。
(1)、入札参加条件及び入札参加可能事業者数でございます。本件に係る入札参加条件及び入札参加可能事業者数を記載しております。
二ページをご覧ください。(2)、入札辞退理由、(3)、低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容については、該当ございません。
以上をもちまして、契約議案に関して要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。新海面処分場護岸整備について質問します。
今回の工事契約は、新海面処分場Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事となっています。
初めに、新海面処分場護岸整備の目的と今後の予定について伺います。
○佐藤港湾整備部長 新海面処分場は、都内二十三区から発生する一般廃棄物やしゅんせつ土などの受入れを行っております。
現在、Dブロックの護岸整備を進めておりまして、引き続き工事を着実に実施し、求められる埋立処分可能容量を確保してまいります。
○藤田委員 新海面処分場では、二十三区から発生する一般廃棄物としゅんせつ土などを受け入れていまして、港湾局が行っている新海面処分場の護岸整備は、こうした廃棄物を受け入れるために、埋立処分できる場所の確保のために行われているということです。
貴重な水面を埋め立てて確保する処分場について、可能な限り受け入れる廃棄物の量を減らし、できるだけ長期に利用、使用できるようにすることは重要な課題です。
埋立処分場の残余年数、あと何年受け入れられるかについては、環境局が今後五十年以上の埋立てが可能と推計としています。
また、今年三月、環境局で作成した東京都資源循環・廃棄物処理計画では、家庭ごみの減量について触れられています。小池知事もこれからさらに一層の減量化が必要だと述べられていますが、家庭ごみにとどまらず、受け入れている廃棄物全体をいかに減らすかを政治の課題として考えていくことが重要だと思います。港湾局ではその努力を徹底して行っているということなので、質問でもお聞きしていきたいと思います。
新海面処分場の延命化のために、港湾局ではどのような取組を行っているのですか。
○佐藤港湾整備部長 都では、新海面処分場の延命化に向けまして、処分場内の海底面を掘り下げる深掘り工事や、これまで埋立てを行った地盤等を圧縮、沈下させる沈下促進工事、既に受け入れたしゅんせつ土を掘り返し、脱水、改良を行って土木材料として活用する減量化工事を実施することで、しゅんせつ土の受入れ容量の増大を図っております。
○藤田委員 一度埋め立てたものを圧縮、沈下したり、もう一度掘り返してさらに再利用するなどして減量しているということです。
新海面処分場の延命化のためには、港湾局の努力だけでは不可能なので、やはり埋立処分量そのものをどうやって減らすか、減らすために取組をさらに強化しなければならないと思います。
新海面処分場で受け入れている廃棄物には、家庭ごみや産業廃棄物を含む廃棄物系と、しゅんせつ土と建設発生土などを含む土砂系の二つがあります。
新海面処分場で受け入れている廃棄物は、二〇〇五年、平成十七年以降、どのように推移していますか。廃棄物系と土砂系に分けて、それぞれ五年ごとの実績を伺います。
○佐藤港湾整備部長 新海面処分場で受け入れております廃棄物系の処分量の実績につきましては、平成十七年度は約八十一万立米、平成二十二年度は約二十三万立米、平成二十七年度は約三十一万立米、令和二年度は約二十万立米でございます。
土砂系の処分量の実績につきましては、平成十七年度は約二百十二万立米、平成二十二年度は約百七万立米、平成二十七年度は約百十四万立米、令和二年度は約六十八万立米でございます。
なお、令和七年度の実績は集計中でございます。
○藤田委員 新海面処分場の受入れ処分量は、二〇〇〇年以降、大きくどちらも減っているということが分かります。
計算しますと、廃棄物系では約七五%、土砂系では六八%減量されているということになります。また、受け入れたもののうち、家庭ごみを含む廃棄物系が全体の約二割で、約八割が土砂系が占めているということも分かりました。
これらの受入れ量をどうやって減らしていくのか、その鍵がどこにあるのか検討したいなと思います。
なお、廃棄物系の内訳などについては、所管が環境局だということですので、今後、環境局で検討課題にしていきたいと思いますので、本日は港湾局で対応できる土砂系について伺っていきたいと思います。
土砂系にはどのようなものが含まれていますか。また、新海面処分場が受け入れている量は、それぞれ何割程度ですか。
○佐藤港湾整備部長 新海面処分場で受け入れている土砂系につきましては、都内の河川及び東京港内から発生するしゅんせつ土と都内公共工事の建設発生土等でございまして、年度によって一概にいえませんが、その割合は、過去五年間の平均で見ますと、しゅんせつ土が約七割、建設発生土等が約三割でございます。
○藤田委員 土砂系の中でも、しゅんせつ土が七割以上を占めているということです。
廃棄物の総量を減らすための取組についても伺っていきたいと思います。
しゅんせつ土を減らすために、港湾局ではどのような取組を行っているのですか。
○佐藤港湾整備部長 有効利用に適した性状の港湾しゅんせつ土につきましては、東京湾における漁場整備事業の用材として広域利用を推進するなど、全量を有効利用しております。
○藤田委員 ちょっと分かりづらかったんですが、有効利用に適した性状の港湾しゅんせつ土というものについては、全量有効利用しているということが分かりました。
ただ、その有効利用に適したしゅんせつ土というのは実際どのぐらいあるのか、伺いたいと思います。
○佐藤港湾整備部長 年度によりまして一概にはいえませんが、今年度におきましては、有効利用に適した性状である、処分場内の海底面を掘り下げる深掘り工事により発生するしゅんせつ土の約二十五万立米などを予定してございます。
○藤田委員 ありがとうございます。深掘りなどをして、そこからまたさらに減らしていくという努力をされているということが分かりました。
しゅんせつは、川や港湾などで、どうしても自然相手で発生してしまいますので、やらざるを得ない取組です。また、人間の社会活動の中では、このしゅんせつは欠かせないことですので、どうやって自然相手の中でも最終処分に行かないようにしていくのかという取組を進めている、努力をされているんだと思います。
一方、建設発生土はどうなのかも伺っていきたいと思います。
建設発生土等の等は何を指しているのですか。また、建設発生土等を減らすために、どのような取組を行っているのか、伺います。
○佐藤港湾整備部長 新海面処分場で受け入れている建設発生土等につきましては、都内公共事業から発生する建設発生土及び建設泥土でございます。
建設発生土につきましては、廃棄物等の埋立処分計画におきまして、発生抑制及び現場内利用を徹底し、工事間利用を積極的に推進するとともに、公的受入れ地等を活用した有効利用を推進するとしてございます。
○藤田委員 建設発生土は都内公共事業から発生するものということでした。
具体的にどういった公共工事を指しているのか、どういったものが公共工事として扱われているのかというのは、都市整備局がつくっている東京都建設リサイクルガイドラインというものに掲載されています。
具体的には、東京都政策連携団体、あと東京都ですね。東京都そのものと政策連携団体、事業協力団体及び区市町村で行われている工事というふうに一応は指定がされていて、ここから発生する建設発生土を新海面処分場で受け入れる。当然、その手前では、リサイクルをしたりとか、減らすために取組が行われるわけですが、最終的に利用できなかったものは新海面処分場に来るということです。
また、新海面処分場で受け入れている公共事業の発生土というものをいろいろ調べますと、一般会計で工事をするとさらに安くなるというふうにも書かれているんです。
最近では、例えば、一般会計で土壌汚染対策を行ったというもので記憶に新しいのは、旧築地市場跡地です。もともと築地市場、中央卸売市場では、土壌汚染対策、二メートルぐらいで二百億円の予算でできるかなと想定していたものを、三井不動産などに七十年間定期借地で貸して、再開発を行う計画が立った途端に、高い建物を建てるからということで、土壌汚染対策を行う範囲が大幅に深く、広くなったということで、金額も一千四百五十億円もかかる対策になってしまったと。
また、こういう一般会計で行われた土壌汚染対策によって発生した土が、再利用などを経てもなお利用できなかったものについて新海面処分場に来るのかなと思うと、こういう開発を進めていくことそのものが新海面処分場の期限を短くするんじゃないかという気もしてならないわけです。
そうして発生した公共事業による建設発生土については、人の力で減らすことができるものだと思っています。二十三区内の都心にある都有地を使った巨大再開発の在り方そのものが問われる問題だと思います。
新海面処分場の整備については、港湾局は、処分場は港湾の貴重な水面の埋立てであると述べています。限りある処分場の確保は重要です。
本日の質疑では、受け入れている廃棄物の大まかな分類、構成について確認をいたしました。廃棄物の減量のためにも、全体像の分析や個々の廃棄物の内容と対策などについて、さらに調査、分析を進めていただくことを要望し、また、私たちも独自にこれを進めていくことを申し上げて質問を終わります。
○上田委員 資料ありがとうございます。新海面処分場(八)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事の入札について伺います。
本件は、東京港における廃棄物や建設発生土の適正処理を支える極めて重要な基盤整備工事であり、高度な専門技術が要求されるものと認識しております。
ご提供いただいた資料によれば、本件の入札参加条件において、プレミックス船の所有、保有や過去の最高完成工事経歴などが厳格に定められており、入札参加可能事業者は十三者とされております。
また、資料内では、入札辞退理由及び低入札価格調査のいずれも該当なしと示されています。
専門的な施工能力が必要とされる大規模工事であるからこそ、参加可能な事業者が限定されているとは理解しますが、本件の契約手続が法令等に基づき公正、公平かつ公明に行われたのか、これまでの経緯と入札結果の妥当性について見解を伺います。
あわせて、決定した事業者の選定理由と、これまでの都における実績や評価について確認いたします。
○佐藤港湾整備部長 本件の契約方法につきましては、一般競争入札によるものでございまして、法令等に基づき適切に手続を行ってございます。
本件契約の相手方である事業者につきましては、河川工事について都と契約実績がございます。また、本件の入札参加資格を有していることを確認しております。
○上田委員 適正性、確認できました。
新海面処分場は、都民の生活や都内の経済活動から生じる廃棄物等を長期的かつ安定的に受け入れるための、東京港にとって極めて重要な最前線のインフラでございます。その要となる護岸の遮水や裏埋工事は、周辺の海面環境への影響を防ぎ、将来にわたって処分場を安全に機能させるための根幹であり、極めて高い信頼性と確実な施工が求められます。
入札手続の公正さが担保されているからこそ、決定した事業者におかれましては、その高い専門技術を遺憾なく発揮していただき、安全かつ確実な施工に努めていただく必要があります。
工事の方も多岐にわたっておりますので、港湾局においても、施工業者と適切な連携の下、工事管理、安全管理、特に進捗、進行の管理、着実に事業を執行していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○大山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百三十一号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○原総務部長 去る六月三日の当委員会において、条例案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧願います。
表紙をおめくりいただきますと、目次に三件の資料の件名を記載してございまして、このうち、2及び3が条例案に該当するものでございます。
それでは、三ページをご覧ください。2、京浜島ふ頭公園の移管に関する大田区との協議状況でございます。
本件に係る大田区との協議状況を記載しております。
四ページをご覧ください。3、京浜島ふ頭公園の区移管に係る処分方針及び処分状況でございます。
本件に係る京浜島ふ頭公園の処分方針及び処分状況を記載しております。
以上をもちまして、条例案に関して要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○おぎの委員 ありがとうございます。京浜島ふ頭公園の区移管について質問させていただきます。港湾審議会の方でも議論されまして、私も委員でしたけれども、内容も質問、審議もされましたが、地元大田区の話題ということで質問させていただきます。
海上公園は、都心に近い臨海地域に立地する緑豊かな海辺の空間であり、海と触れ合いながら憩い、安らぎ、楽しむことができる、スポーツなどレクリエーションの機会を提供する貴重な場であります。
私の地元大田区には数多くの海上公園があり、キャンプ場を備える城南島海浜公園などでは、非常に多くの人でにぎわっております。
一方で、主に近隣住民や周辺で働く方の利用が多い公園もあります。
例えば京浜島ふ頭公園は、工場や物流施設が集積する地区であることから、来園者の多くは、近隣に居住する住民の方々に加え、周辺企業に勤務されている方々であると認識しております。日常的な休憩や散策等の場として利用されるなど、いわば地域に根差した身近な憩いの空間としての役割が色濃い公園であります。
そうした公園は、利用実態やニーズを踏まえ、管理されることが必要であると考えますが、このような観点から、今回、区移管を行う京浜島ふ頭公園について状況を確認したいと思います。
まず初めに、大田区への移管に当たって、どのような考え方で行っているのか、伺います。
○千田臨海総合調整担当部長 平成十七年の港湾審議会では、海上公園の新たな管理主体についてが示され、利用者サービスの向上の観点から、地元区へ管理を委ねることが妥当な公園の基本的考え方について答申をいただきました。
具体的には、おおむね十ヘクタール未満の公園であり、湾岸道路、海側地域内で、近隣居住者等の利用が主体の公園等とされております。
この答申の考え方を受け、公園の機能、規模、利用実態等に照らして、地元区と協議が調った公園を移管しております。
○おぎの委員 今回は、海上公園の規模や立地、利用実態などを踏まえ、地元区による管理が適切と判断される公園について移管を進めてきたということであります。
それでは、こうした考え方を踏まえまして、海上公園の区への移管について、これまでの実績を伺います。
○千田臨海総合調整担当部長 海上公園の区移管につきましては、平成十七年の港湾審議会答申に基づく基準に該当し、区との協議が調った公園について、順次実施してまいりました。
平成十八年度以降、大田区では昭和島南緑道公園、大森緑道公園及び昭和島北緑道公園の三公園、そのほか中央区、品川区及び江東区におきまして合計で七公園、移管したところでございます。
○おぎの委員 これまで、区との協議が調った公園が順次移管されたとのことであります。
そのうち、大田区においては、三つの公園が既に区の管理となっているとのことですが、大田区へ移管した公園が、その後どのように整備され、活用されているのか、事例を伺います。
○千田臨海総合調整担当部長 大森緑道公園につきましては、区への移管後、森ヶ崎海岸公園として再整備され、海辺に面した地形を生かし、散策やウオーキングの場として、地元の方に利用されております。
また、昭和島北緑道公園は、昭和島二丁目公園として生まれ変わり、大田区空港臨海部において、緑の保全を一層推進するとともに、多目的広場やテニスコートが整備され、スポーツ等のレクリエーションの場として区民の憩いの場となってございます。
○おぎの委員 これまで移管された公園については、地域の方々に愛される公園として生まれ変わっていることが分かりました。そうした公園になることは、私自身も望んでおります。
そこで、今回の京浜島ふ頭公園についてでありますが、京浜島ふ頭公園の大田区への移管についての経緯や移管後の方向性について伺います。
○千田臨海総合調整担当部長 令和六年から区との協議を開始し、このたび移管の準備が整ったものでございます。
大田区におきましては、緑の基本計画グリーンプランおおたにおいて都立海上公園の移管整備の推進を位置づけており、住民に身近な区立公園として、今後、区において都市計画決定を経た後に、地域の方々の声を聞きながら整備を進めていくと聞いております。
また、都はこれまで、周辺地域との緑の連続性を意識しながら、海上公園の整備を進めてきております。区におきましても、海上公園の移管により、海辺の魅力を生かした公園、緑地を整備することとしております。
隣接する都立京浜島緑道公園につきましては、引き続き管理することから、今後、適切な樹木管理等を区と連携して行うことで、連続した緑空間を着実に確保してまいります。
○おぎの委員 これまでの実績や今回の経緯から、海上公園の利用実態などを踏まえ、区移管が進められていることが分かりました。
京浜島ふ頭公園においても、これまでに移管された公園と同様、区による再整備を経て、地域ニーズを踏まえた魅力向上が図られ、区民に親しまれる公園として活用されると期待しております。
今後も、地域のニーズに応じた公園づくりが進むよう取り組んでいただきたいと申し述べまして、以上で質問を終わります。
○もり委員 私からも、東京都海上公園条例の一部を改正する条例についてお伺いをいたします。
今条例の改正は、東京都京浜島ふ頭公園を大田区に移管することに伴い、規定の整備を行うものですが、まず、大田区京浜島内における港湾局所管の海上公園について、大田区への移管を進めたこれまでの経緯とその狙いについてお伺いをいたします。
京浜島は、羽田空港に隣接し、多くの中小企業が集積するものづくりの島であり、近年では鉄工島フェスや京浜フラワーアートウォークフェスティバル等のアートイベントの開催など、従来の工業団地の枠を超えた新たな活力も生まれています。
一方で、夜間や休日には、人口が極端に減少するインダストリアルエリア特有の課題もあります。
京浜島ふ頭公園は、広々とした広場に、春は桜の隠れた名所となっていて、ツツジなど四季の花と緑が美しい公園であり、地元のスポーツチームの練習場になっているなど活用されている一方で、駅から離れた京浜島の公園でありながら、駐車場が近くにない、ベンチが老朽化している等の声も聞かれました。
京浜島を含む埋立地のリスクとして、塩害による遊具やベンチなどの施設の早期老朽化、また、海岸線に面していることによる高潮、災害時の防災機能の維持が挙げられますが、規模が小さいとはいえ、これら港湾特有のハードウエアの維持管理に関して、これまでどのような方針に基づいて公園管理が行われてきたのか、お伺いをいたします。
○千田臨海総合調整担当部長 樹木や護岸等施設の管理に関しましては、局が定めた維持管理の手引に基づき、日常及び定期的な施設の点検と清掃等の保守管理を適切に行うこととしております。
○もり委員 都は、平成十七年の港湾審議会で、海上公園の新たな管理主体について答申を受け、広域的な利用に供する大規模な公園は、都が引き続き管理する一方、地域に密着した小規模な公園等については、地元区への移管を推進する方針を打ち出しました。今回の京浜島における公園移管は、その方針に沿ったものと認識しています。
先ほど質疑がございましたが、大田区とどのような協議により移管を進めていったのか、確認をさせていただきます。
○千田臨海総合調整担当部長 京浜島ふ頭公園につきましては、令和六年から大田区との協議を開始し、このたび移管の準備が整ったものでございます。
今後、区において、都市計画決定を経た後に、地域の方の声を聞きながら区立公園として整備を進めていくと聞いております。
○もり委員 都から区へ権限が移ることで、都民や地元地域によってどのようなメリットが生まれると考えているのか、お伺いをいたします。
○千田臨海総合調整担当部長 利用者が主に近隣居住者であるなどの公園につきましては、住民に身近な区の管理とすることで、利用者サービスの向上が図られると考えてございます。
○もり委員 この方針に基づいて、これまで区に移管された公園の数は、先ほどの答弁でも、審議会の答申に基づいて、十八年以降、大田区で三公園、中央区、品川区及び江東区において計七公園を移管したとの答弁をいただきました。
京浜島の公園、例えば京浜島つばさ公園などは、羽田空港を離発着する飛行機を間近に臨めるスポットとして広域的な魅力を持つ一方、島内のふ頭公園の多くは、主に周辺で働く方々の憩いの場として機能してきました。
移管後も、防災やインフラ整備における臨海部の全体のネットワークの視点から、この場所がどのように位置づけられるのか、港湾管理者として都が関与することがあるのか、移管後の連携についてお伺いをいたします。
○千田臨海総合調整担当部長 都はこれまで、周辺地域との緑の連続性を意識しながら、海上公園の整備を進めてきております。
区におきましても、海上公園の移管により、海辺の魅力を生かした公園緑地を整備することとしております。
隣接する都立京浜島緑道公園につきましては、引き続き管理することから、今後、適切な樹木管理等を区と連携して行うことで、連続した緑空間を着実に確保してまいります。
○もり委員 ありがとうございます。近隣の京浜島緑道公園については、引き続き都で管理をしていただくとのことで、これからも、移管後も、樹木管理などを区と連携して地域に愛される公園となりますことを願い、質問を終わります。ありがとうございました。
○上田委員 海上公園計画の変更、京浜島ふ頭公園の大田区移管についてです。私はちょっと手続論の方で進めたいと思います。
今回の計画変更により、京浜島ふ頭公園を都の海上公園計画から廃止して大田区へ管理移管することとされております。提供いただいた資料では、大田区は令和五年三月に改定した大田区緑の基本計画グリーンプランおおた、これもちょっと見せてもらったんですけれども、東京都港湾局から移管予定の海上公園について、区立公園として再整備を進めると公式に位置づけています。
そこでお伺いしますが、本公園は、もともと工業団地等で働く方々の憩いの場としての役割を担ってきた歴史があります。今回、大田区側の計画において、海辺のおもてなしの緑づくりや空港臨海部の特色を踏まえた活用が掲げられていますが、都としては、大田区からどのような具体的な活用の要望や周辺住民の利用見込みに関する意向を確認されているのか、これまでの協議を、ちょっと私、地元じゃないので、地元の議員さんが多いのですけれども、そこは本当に遊びに行ってにぎわうのかなというのを、すみません、江戸川もきっとそうだと思うんですけれども、ちょっと距離感が分からないので、その辺、きっと確実な成果を期待されてのこれまでの経緯と思いますが、協議の経緯を含めて伺いたいと思います。
○千田臨海総合調整担当部長 先ほども答弁させていただきましたが、京浜島ふ頭公園につきましては、令和六年から大田区との協議を開始いたしまして、このたび移管の準備が整ったものでございます。
今後、区におきまして、都市計画決定を経た後に、地域の方の声を聞きながら区立公園として整備を進めていくと聞いてございます。
○上田委員 区側の計画に本事業が位置づけられたのが令和五年の三月、都と大田区の間で具体的な区移管の協議が開始されたのが令和六年一月とのことです。
本公園の移管の根拠となっている十ヘクタール未満の公園は区の管理とするという港湾審議会答申の基準自体は、二十年以上も前、平成十七年に策定されたものです。
この基準が長期にわたり適用されてこなかった中で、今このタイミングで協議がスタートして、令和八年七月移管に向けて、急速に合意へどうして至ったのか、その直接的な契機や理由についてご説明をお願いします。
○千田臨海総合調整担当部長 大田区緑の基本計画グリーンプランおおたにおきまして都立海上公園の移管整備の推進が位置づけられており、平成二十四年度以降、昭和島南緑道公園等の三公園を順次移管してまいりました。
今般、京浜島ふ頭公園につきまして、区との協議が調ったことから移管するものでございます。
○上田委員 協議とともにタイミングを見て進めてきたということと受け止めました。
では、財産処分について伺いたいと思います。
大田区への移管に伴い、都議会定例会に条例案が提出されているわけなんですけれども、都民共通の貴重な財産である当該公園敷地の財産処分について、移管後の敷地の権利関係に関する基本的なところを伺いたいと思います。ご説明ください。
○千田臨海総合調整担当部長 海上公園の区移管につきましては、条例等に基づきまして、土地等を譲与することとしております。
○上田委員 譲与をして、都の手から離れて区立公園となった後も、これまで利用してきた就労者の憩いの機能は維持され、真に都民、区民益に資する空間として活用されるよう、都として大田区とどのように連携し、その活用を見守っていくのか、今後の方向性を最後に伺います。
○千田臨海総合調整担当部長 先ほども答弁させていただきましたけれども、都はこれまで、周辺地域との緑の連続性を意識しながら、海上公園の整備を進めてきております。区におきましても、海上公園の移管により、海辺の魅力を生かした公園、緑地を整備することとしております。
隣接する都立京浜島緑道公園につきましては、引き続き管理することから、今後、適切な樹木管理等を区と連携して行うことで、連続した緑空間を着実に確保してまいります。
○上田委員 今回の移管は、身近な自治体、大田区が主体となり、地域の特性やニーズに寄り添って再整備を進めるという大変前向きな意義のある取組であるということでしたので、評価をしたいと思います。
京浜島工業団地という特異な立地ではありますけれども、だからこそ区が掲げる周辺のおもてなし、特色を踏まえた利活用によって、地域を支えてきた就労者の方々はもちろん、新住民の皆様を含め、多くの皆様にとって、より魅力的に利活用される空間へと生まれ変わることを期待するものでございます。
都が引き続き管理する隣接緑道公園との連携などを通じて、移管後も責任を持って区の取組に伴走し、着実な緑空間の確保に向けて、丁寧なフォローアップと関与を続けていただくことを要望し、私の質問を終わります。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○大山委員長 これよりスタートアップ戦略推進本部関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百二十三号議案、令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、スタートアップ戦略推進本部所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木戦略推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 去る六月三日の当委員会において、要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の経済・港湾委員会要求資料の目次をご覧ください。
今回要求のございました資料は二件でございます。
一ページをご覧ください。1、SusHi Tech Global Startupsの企業名・本店所在地・事業概要について、一ページから六ページにかけて記載してございます。
次に、七ページをご覧ください。スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業における支援概要・債務負担行為・成果目標について記載してございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○山田委員 都民ファーストの会、山田あさみです。よろしくお願いいたします。
まず、スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業についてお伺いをいたします。
本定例会で、都は、中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえまして、エネルギー構造の転換や、足元の都民、事業者の不安払拭などのため、補正予算を編成したところでございます。
ナフサをはじめとします様々な物質の調達が困難になるなど、都内事業者や都民生活に対して広範な影響を及ぼしている中、物価高騰への支援の継続はもとより、エネルギー需給の逼迫に備えた省エネ、再エネの普及、利用促進など、エネルギー構造転換に向けた取組を加速させることも必要不可欠でございます。
都は、スタートアップの革新的技術を生かしまして、将来につながる資源、エネルギー構造転換の取組にチャレンジをしようとされておりますが、まず、なぜ本事業を二定補正のタイミングで実施をすることにしたのか、その意義を確認させてください。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の中東情勢では、資源の確保という世界共通の課題が認識をされました。その解決のためには、石油に頼らない社会の実現に向け、資源、エネルギー構造を転換していくことが重要でございます。
こうした構造転換に向けまして、石油代替技術や新エネルギーなど革新的な技術の社会実装を早急に進める必要がございます。
そのため、優れた技術を有するスタートアップと連携し、いち早く新技術を活用した産業モデルの構築に取り組むことといたしまして、今回の補正にて事業着手するものでございます。
○山田委員 ありがとうございます。こうした危機に直面している今こそ、レジリエンス強化に向けた取組を先送りすることなく着実に迅速に進めていただけるということのご意義がよく分かりました。ありがとうございます。
続きまして、具体的にこの事業をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
○小澤イノベーション推進担当部長 資源、エネルギー構造の転換に向けては、石油代替素材の活用など、石油化学製品の製造プロセスの転換や代替燃料等の次世代エネルギーの確立などの高度な技術が求められます。
革新的な技術を有する有望スタートアップを集めたSusHi Tech Globalプロジェクトには、そのような技術を持つ企業が数多く参画をしております。
その中から、本事業の趣旨に沿うプロジェクトの企画を募り、最大二億円の資金と伴走支援によりまして、最大十八か月間にわたりまして、社会実装までを強力にサポートいたします。
資金サポートに当たりましては、今年度予算一・五億円に加え、八・五億円の債務負担行為を設定するなどして、複数年度にわたり、切れ目なくタイムリーに支援し、新技術の社会実装につなげてまいります。
○山田委員 ナフサやレアメタルといった資源を海外からの輸入に大きく依存している我が国の現状を踏まえますと、特定の分野に限らず、幅広い観点からレジリエンスを高める取組が重要であるということが改めて認識できました。ありがとうございます。
債務負担行為を活用することで、複数年にわたりまして柔軟かつ着実に事業を推進することで、実効性のある成果を生み出していっていただきたいと思っております。
今回のレジリエンス強化事業は、SusHi Tech Globalで選抜されたスタートアップが持つテクノロジーを活用して実施をされるということですが、SusHi Tech Globalプロジェクトの中には、成長加速プログラムという、本事業と同じく最大二億円の資金を支援する事業があるかと思います。
そこで、SusHi Tech Globalの成長加速プログラムと本事業の違いについてのご説明をお願いいたします。
○小澤イノベーション推進担当部長 有望企業をえりすぐり、集中支援するSusHi Tech Globalの成長加速プログラムでは、今まさに海外展開のタイミングにある企業のグローバルな成長を促進することを目的に、海外市場販路の開拓や、そのための体制整備などをサポートしております。
一方で、今回補正予算に盛り込んだ本事業では、石油代替技術などの新技術を活用し、資源、エネルギー構造の転換につながる産業モデルの構築を行うことを目的に、プロダクトの開発、改良や実証、実装などをサポートいたします。
○山田委員 ありがとうございます。成長加速プログラムでは、スタートアップのグローバル展開を後押しする一方で、レジリエンス強化事業では、石油に頼らない社会づくりを目指して、新技術の社会実装を進めるということが、それぞれの目的に応じた取組内容となっているというふうに理解ができました。ありがとうございます。
今回の質疑を通しまして、中東情勢に端を発する資源の供給不安への対応、さらには資源、エネルギーの構造転換という世界共通の課題に対して、優れた技術を有するスタートアップと共に取り組んでいくことの重要性を改めて認識をすることができました。
新たな時代はまさにテクノロジーとともに切り開いていくものと考えられます。SusHi Tech Globalが誇る先進的な技術を最大限に生かしまして、未来につながる挑戦を力強く推し進めていただきたいと思います。
今般の危機を変革の契機としまして、チャンスへの転換としながら乗り越えていかれるよう、その強い意思の下に、取組を着実に前に進めていっていただきたいと思います。以上で質問を終わります。
○渋谷委員 それでは、スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業について質問をいたします。
近年の物価高騰や中東情勢に端を発する現在の状況など、東京、日本を取り巻く状況は厳しさを増しています。
事業者からは、石油製品などの供給不安や価格高騰に対する切実な懸念が相次いで寄せられており、都は、今回の補正予算に、保育、介護など価格転嫁が困難な業種への支援をはじめ、緊急対策を幅広く盛り込み、迅速に対応を進めようとしています。
さらに我が会派は、五月に行った緊急要望において、エネルギーの構造転換に向け、非石油由来製品の開発支援などを積極的に推進することも求めており、これに対して、都がスタートアップ戦略推進本部と産業労働局の補正事業として、スタートアップを活用した事業を盛り込んだことを評価いたします。
産業労働局の事業は、革新的な製品、サービスを有するスタートアップを対象に新たなビジネスモデルの実証を支援するものと聞いていますが、スタートアップ戦略推進本部のレジリエンス強化事業の具体的な進め方を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、スタートアップの革新的な技術を活用し、代替素材やリサイクル資源を用いた新たな生産ルートの確立など、資源、エネルギー構造の転換につながるプロジェクトを支援いたします。
各プロジェクトの実施に当たりましては、スタートアップだけではなく、新技術の実証、実装が可能な現場を持つ事業会社や自治体などを巻き込み、様々な関係者が協働することで、社会実装に向けた実効性を高めてまいります。
最長十八か月の支援期間のうちに、多様な支援者とともに、技術支援や知財戦略など、ニーズに即した伴走支援を提供しながら、幅広く展開可能な産業モデルの構築を図ってまいります。
○渋谷委員 多様なエコシステムプレーヤーとのつながりというスタートアップ戦略推進本部の強みを生かし、大企業や自治体などと連携し、スタートアップの新技術の実装と新たな産業モデルをつくり上げていく取組であると理解いたしました。
資源の乏しい日本においては、このような取組は非常に意義深いものと思います。だからこそ、本事業で創出した成果を全国にも広く共有し、波及させていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 資源、エネルギー構造の転換と都市、産業の強靱化は、東京だけではなく、日本全体が共通して抱える課題でございます。
SusHi Tech Globalに集う優れた技術を持つスタートアップと共に、東京が率先してこの課題に挑むとともに、SusHi Techの場で、全国の自治体をはじめとする参加者に向け、取組の成果を広く発信してまいります。
さらに、様々なプレーヤーが集まり交流するTIBのプラットフォームを生かし、課題意識を同じくする自治体等に対して、本事業を通じて得られた知見やネットワーク等を橋渡しするなどして、日本全体に本事業の成果を広く波及させてまいります。
○渋谷委員 都市のレジリエンスをいかに高めていくかは、東京のみならず、日本全体が直面する共通の課題です。革新的な技術を持つスタートアップの多くが集積する東京が率先して本事業のような将来を見据えた取組を推進することで、そこから得られる知見や成果を広く全国に展開していくことが可能となります。
都と地方という対立構造でなく、東京が先導的にモデルを示し、その成果を全国に波及させていき、日本全体として危機に強い社会構造を築き上げていくことが重要です。
本事業の成果が日本全体の持続可能性と成長を支える基盤となることを強く期待して、私からの質問を終わります。
○三雲委員 三雲です。私からも、スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業の四億円についてお伺いします。
まず、中東情勢の緊迫化による資源、エネルギーの危機は、今足元で起きている緊急事態です。
他方で、スタートアップの技術開発には通常何年もかかる、そういったイメージがあります。
支援対象五社の選定がどういった段階にあるかも含めて、この事業がすぐ効く緊急対策としてどういったスピード感を持って機能するのか、教えてください。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の中東情勢では、資源の確保という世界共通の課題が認識され、その解決のため、石油に頼らない資源、エネルギー構造への転換が必要であることから、石油代替技術や新エネルギー等、革新的な技術の社会実装を早急に進めることが重要でございます。
このため、優れた技術を有するスタートアップと連携し、いち早く新技術を活用した産業モデルの構築に取り組むこととし、今回事業着手するものでございます。
本事業では、SusHi Tech Global参加企業及び今後本事業の応募締切りまでにSusHi Tech Globalに参加が決定した企業から、資源、エネルギー構造の転換につながるプロジェクトの企画案を募集し、選定いたします。
○三雲委員 委員会要求資料に七十七社ありましたけど、これがもう決まっていて、それに加えて、また今後入ってくる企業も含めて、そこから選定をされるというふうに伺いました。
選抜する企業を五社に絞る分、手厚い支援が必要だというふうに思います。
資料では、支援上限額が最大二億円、支援期間が最大一年六か月というふうに書いているんですけれども、選ばれた五社が、資金不足であるとか、あるいはその実証実験の機会であるとか場所、こういったものの不足によって事業化を遅らせることなく、この一年半という限られた期間内でプロダクトを完成させて、市場に代替エネルギー等の供給を始められる、こういったことが求められていると考えるわけですけれども、これを的確に支援する伴走体制は整っているんでしょうか。
○小澤イノベーション推進担当部長 各プロジェクトの実施に当たりましては、スタートアップだけではなく、新技術の実証、実装が可能な現場を持つ事業会社や自治体等を巻き込み、様々な関係者が協働することで、社会実装に向けた実効性を高めてまいります。
最長十八か月の支援期間のうちに、多様な支援者とともに、技術支援や知財戦略などニーズに即した伴走支援を提供しながら、幅広く展開可能な産業モデルの構築を図ってまいります。
○三雲委員 ありがとうございます。
技術が幾ら優れていても、それが困っている現場に届かなければ事業には疑問符がつきます。
現在、都内の中小企業、また農林水産業の現場では、資源高や資材の納期遅延といった目詰まりが大きな問題となっています。
この四億円の事業で採択されるスタートアップの技術、例えば、CO2の再利用技術であるとか、あるいは非石油由来のプラスチック代替技術、こういったものがあると思いますけれども、これを産業労働局とも連携して、今まさに目詰まりで困っている都内中小企業の営業状態の改善に効果的に結びつける、こういった必要があると思いますけれども、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の補正は、中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえまして、足元の都民、事業者の不安を払拭していくとともに、石油のみに頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換等を加速化するものでございまして、本事業はこのうち、資源、エネルギー構造の転換につながる新技術の社会実装を推進するものでございます。
今回のプロジェクトで得られた知見やネットワーク等を、TIBのプラットフォームなどを生かし、庁内関係局はもとより、都内企業を含め様々なプレーヤーに共有するなどして、本事業の成果を広く波及させてまいります。
○三雲委員 この事業なんですけれども、産業労働局所管の補正予算に含まれているスタートアップを活用したナフサ代替素材等の社会実装促進事業、これと少し重複するようにも思われます。
スタートアップの方で行うこの事業は、新技術の社会実装に向けたプロダクトの開発、改良、実証関連経費などを支援する、こうしている一方、産労局の方では、革新的な製品、サービス等を有するスタートアップを対象に、ビジネスモデルの実証を伴走型で支援する、こういうふうにしているわけです。
いずれも支援対象は五社というところも共通しているわけですけれども、この二つの事業に何らかの関係はあるんでしょうか。ないとすれば、二つの部局が似ている事業を別々に実施する意義について教えてください。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、SusHi Tech Globalに参加する有望スタートアップの新技術を活用いたしまして、資源、エネルギー構造の転換につながる産業モデルの構築に向け、事業会社や自治体等を巻き込み、様々な関係者と共に、プロダクトの開発、改良や実証、社会実装などを行うプロジェクトを支援するものでございます。
一方で、産業労働局では、原油やナフサに依存しない代替素材の社会実装を促進するため、公募により選定したスタートアップが開発した石油代替素材等の製品化に向け、個社を伴走支援していくものと聞いております。
両事業は目的や支援対象、実施内容等が異なっておりまして、それぞれの目的に応じた施策を多面的に展開することで、資源、エネルギー構造の転換を促進してまいります。
○三雲委員 今回の予算説明書では、歳出四億円のうち七千五百万円は繰越明許費として計上していると。また、令和九年度から十年度にかけて八億五千万円の債務負担行為も設定されています。
当初予算直後の六月補正というタイミングで、複雑な年度またぎの財政措置を講じて、この事業の予算案を提出した意義についてお伺いします。
○小澤イノベーション推進担当部長 繰り返しではございますが、今回の中東情勢では、資源の確保という世界共通の課題が認識され、その解決のために、石油に頼らない社会の実現に向けまして、資源、エネルギー構造を転換していくことが必要でございます。
このため、スタートアップと連携し、いち早く新技術の社会実装に取り組むこととしたものでございます。
着実に事業を進めるため、複数年度にわたり、切れ目なくタイムリーに支援いたしまして、新技術の社会実装につなげてまいります。
○三雲委員 ありがとうございました。
中東情勢ですけれども、米国とイランの間で戦闘終結に向けた覚書が発効したというふうにもいわれています。
ホルムズ海峡の物流が回復すれば、資源、エネルギー不安による混乱も解消することが期待されますけれども、今回改めて浮き彫りになった、我が国の産業全体が抱える構造的なリスクに対する施策の必要性は失われていないというふうに考えています。
スタートアップによるイノベーションが現場の課題に即した有効な解決策を提示できるように、産労局をはじめとする各局と十分連携して、迅速に事業執行を進めていただくよう期待して、求めて質問を終わります。ありがとうございました。
○いいだ委員 私からは、補正予算事業、スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業について幾つかお伺いをいたします。
昨今の中東情勢の一層の緊迫化により、その影響は、エネルギー価格や資材価格の高騰という形で国内経済にも及んでいます。
私の地元調布市においても、市議会議員の皆様と緊密に連携しながら地域事業者の声を丁寧に伺っていく中で、原油由来の断熱材、またシンナーなどの資材不足が深刻化をし、建設事業者が新規受注の停止を余儀なくされる事例、また、団地の建て替え工事に遅延が生じるなど、地域経済や住民生活への影響が現実のものとなっているというふうに伺っています。
このような局面では、足元の供給確保が効果的である一方、資源、エネルギーの構造そのものを見直すことで、中長期的な観点から都民の暮らしの安定につなげていくべきというふうに考えます。
そこでまず、今回の補正で、スタートアップに着目して予算を計上した理由をお伺いいたします。
○小澤イノベーション推進担当部長 中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえまして、石油に頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換を加速させていく必要がございます。
こうした課題の解決には、革新的な技術や斬新なアイデアが必要でございまして、課題が顕在化したこの機を捉え、こうした技術等を有するスタートアップと連携し、資源、エネルギーの構造転換につながる新たな技術の社会実装に取り組むことといたしました。
○いいだ委員 ありがとうございます。
新技術の社会実装といえば、コロナ禍における大規模投資や規制緩和を契機に、スタートアップの技術が社会に大きなインパクトをもたらしたことが思い起こされます。
例えば、新型ワクチンの普及により、世界中で感染リスクが抑制されるとともに、オンラインツールの浸透を通じて、場所にとらわれない、そうした働き方が定着するなどしました。
また、私の地元である調布市、狛江市においても、こうした流れは決して遠い話ではありません。
調布市では、AIを活用したオンデマンド交通やNTTe-City Laboを拠点としたドローン、スマート農業との実証が進められています。また、狛江市では、ローカル5Gを活用した自動運転バスの実証や、ドローンを活用した災害対応力の強化など、地域交通や防災といった身近な課題に新技術を結びつける取組が進んでいます。
こうした取組は、単なる技術実証にとどまるものではありません。AIやロボティクス、省資源技術、次世代エネルギーなどの新技術を社会実装し、資源制約や人手不足といった社会課題を克服していくための重要な挑戦であり、その芽を育てていくことは東京の持続的な成長にもつながります。
今回、資源、エネルギー問題の解決に資するスタートアップの技術を生かして迅速に社会実装を進める観点から、来年度を待たずして補正予算を計上したことは評価をしたいと考えます。
一方で、こうした新たな技術を社会実装し、資源、エネルギー構造の転換につなげていくためには、資金面だけじゃなくて、その実現に向けて多角的にサポートしていくべきです。
そこで、新技術の社会実装に向けて、具体的にどのような支援を行っていくのかを伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、革新的な技術の社会実装に向けて、資源、エネルギー分野に精通する投資家や知財の専門家をはじめ多様なプレーヤーが、最長十八か月間にわたり、採択プロジェクトを伴走型で支援いたします。
各社のニーズに応じた開発のアドバイスや事業会社とのマッチングを行うなど、各プロジェクトをオーダーメード型で支援いたしまして、新技術の実証、事業化を経て、確実に社会実装につなげてまいります。
○いいだ委員 本事業では、実証にとどまらず、社会実装までを一体的に支援するということを理解いたしました。
社会実装につなげることが重要であることはもちろんでありますが、最も重要なのは、その成果が都民にどのような形で反映されていくかということです。
そこで、この事業が事業者の活動や都民の暮らしの安定にどうつながっていくのか、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 資源、エネルギーは、都民生活や事業活動の基盤でございまして、社会を取り巻く環境が様々に変化する中にあっても、人々の生活を支えていくため、その安定的な確保を実現することが重要でございます。
そのため、本事業では、革新的な技術を有するスタートアップと連携いたしまして、省資源や代替素材の導入、新たなエネルギーの開発など先端テクノロジーの社会実装を加速させることで、資源、エネルギーの構造転換につなげてまいります。
これらの取組を通じて、世界情勢など外的リスクへの強靱性を高め、都民生活や事業活動の安定に寄与してまいります。
○いいだ委員 資源、エネルギーをめぐる不安定な状況が都民生活に影響を及ぼしている中で、暮らしを守るためには、その場しのぎの対応ではなくて、資源、エネルギーの構造そのものを変えていくような、そういった取組が不可欠であると思います。
例えば、石油代替素材や省エネにつながる新素材などの技術を持つスタートアップの力を生かしていくことなども挙げられると思います。
こうした技術が社会に実装されることで、サプライチェーンが強化をされ、誰もが安心して暮らせる社会の実現という形で、都民に届くものとなることを期待し、質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
私からも補正予算案について質問いたします。
我が会派、日本共産党は、省エネ、再エネを抜本的に強化して、化石燃料から脱却を図ることが急務の課題であると一貫して提案してきました。
また、原油由来製品の代替製品の研究や開発を行う中小企業を支援することは極めて重要であると考えています。
そこで、今回、新規事業として計上されたスタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業について伺っていきたいと思いますが、本事業は、一社最大二億円、最長一年六か月、予算規模は四億円、債務負担行為九億円の総額十三億円に上るものになっています。今回、これが補正予算として計上されています。
この事業がどのような中身であり、本当に税金を使う補正予算として妥当なのかについて質問していきたいと思います。
初めに、スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業を補正予算としたのはどのような目的なのか、説明してください。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の中東情勢では、資源の確保という世界共通の課題が認識されました。その解決のためには、石油に頼らない社会の実現に向け、資源、エネルギー構造を転換していくことが重要でございます。
こうした構造転換に向け、石油代替技術や新エネルギーなど革新的な技術の社会実装を早急に進めていく必要がございます。
そのため、優れた技術を有するスタートアップと連携し、いち早く新技術を活用した産業モデルの構築に取り組むこととし、今回の補正にて事業着手するものでございます。
○藤田委員 石油代替技術などの社会実装を早急に進めるために、今までにない新たな産業そのものをつくり出すために補正予算を組んだということです。
新たな産業創出や社会実装という、目的を高く掲げていますが、期間内にそうした成果が出なかった場合はどうするのか、疑問になります。
そこで伺いたいと思いますが、期間内に製品化や社会実装ができなかった場合は、支援金は支払わないということなのですか。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、採択された各社が都と協議の上、成果目標、KPIを設定いたしまして、都において、その達成状況など取組進捗や成果を適切に評価し、それに応じて支払額を決定することとしております。
○藤田委員 つまり、製品化や社会実装という最終的な成果が出なかったとしても、途中の目標や進捗さえ評価されれば、それに応じて支援金が支払われる仕組みになっているということです。
資源、エネルギー構造を転換するために、いち早く新技術を活用した産業モデルの構築に取り組むなどと、補正予算で取り組む必要性を高く掲げているんですけれども、今回の補正予算でやろうとしている事業の実態は、最終成果が伴わなくとも、特定のスタートアップ企業が行う開発や実証実験の費用を資金提供してあげる仕組みにほかなりません。
それでは、この資金援助を受ける資格がある選定企業のエントリー条件について伺っていきたいと思います。
レジリエンス強化事業にエントリーするには、どのような条件が必要ですか。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、SusHi Tech Global参加企業及び今後本事業の応募締切りまでにSusHi Tech Globalに参加が決定した企業が対象となります。
なお、先ほどご答弁申し上げましたとおり、本事業では、採択された各社が都と協議の上、目標、KPIを設定いたしまして、都において、その達成状況など進捗や成果を適切に評価をして、その上で支払うこととしております。
○藤田委員 既に都が資金調達や海外進出などを総合的に支援するSusHi Tech Globalに選ばれている企業限定の支援事業だということです。選ばれていない企業は、応募することすら認められていないということです。
では、その前提となるSusHi Tech Globalの対象企業に選定される条件について伺っていきたいと思います。
SusHi Tech Globalに選定されるには、どのような条件が必要なのですか。
○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Globalの参画には、サステーナブルな社会の実現につながる具体的なプロダクトを有し、グローバル展開の実績や海外展開していく強い意思を持つこと、資金調達額二十億円以上、または革新的な技術を持つ大学発スタートアップなどについては調達額二億円以上などが条件となります。
○藤田委員 今の答弁でも明らかなように、選定されるための条件は、資金調達額が二十億円以上、それに至らなくても、資金調達が二億円以上であることに加えて、海外の投資家からの出資実績や、国から一億円以上の補助金を得ている実績が必要です。
これは、最初から、最低でも数億円あるいは数十億円という資金調達実績が既にあるということ、実力も資金力もある、ごく一握りのスタートアップだけをあらかじめ選定し、ふるいにかけて絞り込んでいるということです。
現在、SusHi Tech Globalに選定されているスタートアップは七十七社あります。
SusHi Tech Global選定企業の全七十七社、これは現在ですけれども、これのうち、外部からの累積資金調達額が十億円以上の企業及び百億円以上の企業はそれぞれ何社あるか、説明してください。
○小澤イノベーション推進担当部長 都が把握しているSusHi Tech Globalの現時点での資金調達済額は、十億円以上百億円未満が五十社、百億円以上が十社であるほか、十億円未満が十七社でございます。
○藤田委員 全七十七社のうち、およそ八割に上る六十社が十億円以上の企業ということ、そして、そのうちの十社に至っては百億円以上の資金力を既に獲得しています。これは実質的に大企業に匹敵するような資金力を持った企業たちだということです。
例えば、自動運転分野で全体のトップになっているティアフォーは、累計約三百八十一億円もの資金を調達完了しています。資源、エネルギー分野系の企業の中でも、核融合プラント技術を開発する京都フュージョニアリングは、累計約百六十二億円、国がエネルギー政策として推進し、強力に後押ししているアンモニア関連技術を手がけるつばめBHBは、既に自力で累計約七十六億円もの巨額の資金力を獲得しています。
SusHi Tech七十七社のうち、資源、エネルギー分野の企業は何社ですか。
○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Globalでは、参加企業を資源、エネルギー分野など特定の分野で分類しておりません。
なお、現在のSusHi Tech Global参加企業のうち、公開情報等から主な事業内容に資源、エネルギー分野と読み取れるのは三分の一程度と考えられます。
○藤田委員 対象となる分野の企業は、七十七社あるうちの、そこからさらに二十五社に絞り込む、二十五社程度しかないということです。
何より重大なのは、応募資格を持つ七十七社の実に八割が、既に累積十億円以上、最大で数百億円もの資金力を自力で獲得しているという事実です。これほど莫大な資金力を持つスタートアップに対し、今回の補正予算で、さらに最大二億円もの直接支援をする必要がどこにあるのでしょうか。そもそも、都民の税金を使って直接支援する必要性自体、理解できません。
一方で、今回の中東情勢の影響を受けて、材料が手に入らなくて仕事ができないとか、コストや燃料費が高騰して事業の継続が本当に危機的状態に陥っている、自前の資金力が乏しくて、明日の支払いにあえいでいる建設業や塗装業などの中小企業に対しては、金利を払わなければならない有利子の制度融資があるか、あるいは原材料費の縮減に資する設備を導入した際にその費用の一部を補助してくれる設備投資補助程度しかなくて、直接支援は一切ありません。
資金力がある特定のスタートアップ企業のみを優遇する補正予算の在り方は、都政の軸足が間違っているといわざるを得ません。最も事業継続が深刻な危機に直面している中小企業や事業者にこそ、直接支援が行き届く補正予算にすべきであると強く求めて、質問を終わります。(小澤イノベーション推進担当部長発言を求む)質問はしておりません。
○大山委員長 質問はしていません。質問していませんから大丈夫です。
○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。
東京都は、今補正予算において、中東情勢などを踏まえた足元の不足を補う支援に加えて、エネルギー構造の転換に向けて先駆的な取組を前倒しするとしています。
こうした取組の一つでありますスタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業について、事業の仕組みの深掘りと、SusHi Tech Global事業の趣旨に即した取組になっているかという観点から質問したいと思います。
まず前提として、この長期化する中東情勢による燃料費や資材費の高騰に関して、協業するスタートアップの企業からどのような声が寄せられているのか、また、そうした声にどのように対応していくのか、見解を伺いたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 中東情勢等を受け、一部のスタートアップから研究開発の進捗や梱包資材の不足などの影響が出ていると聞いております。
一方で、石油由来製品の代替や省エネルギーの実現など、今般明らかになったような状況の改善、予防等に寄与できる技術、製品等も数多くあると改めて確認したところでございます。
このような状況を踏まえ、石油に頼らない社会の実現に向け、優れた技術を持つスタートアップと連携し、資源、エネルギーの構造転換につながる産業モデルの構築に取り組むことといたしました。
○福井委員 ありがとうございます。まず、協業する企業からしっかりとヒアリングを実施しているということが確認できました。
この資材不足や原料費の高騰によって影響を受けるスタートアップ企業も一つの中小企業の一環だと思いますので、既存の制度だったり、または産労局との連携等を含めて、まずは丁寧に対応いただくということをお願い申し上げたいというふうに思います。
その上で、今ご答弁あったように、スタートアップ等による技術を活用して、石油由来の製品に代わる素材の登場や省エネ化の向上など輸入資源への依存を軽減させられる、こうした可能性も出始めています。新技術を活用し、資源、エネルギーの自給率を高めていくことが、今後ますます重要となってくると考えます。
都は、先ほどからお話が出ておりますが、昨年度からSusHi Tech Globalプロジェクトを推進しておりまして、この事業の趣旨は、都市課題の解決と新たな価値創造につながるテクノロジーを持つスタートアップ企業に対して、世界市場への挑戦も含めて、官民挙げて支援を行うということであると認識をしています。
ここに集う企業の技術をエネルギー構造の転換に生かすことは、SusHi Tech Globalのプロジェクトの趣旨を考えれば、時宜にかなった取組だというふうに考えます。
今回この補正予算に計上されているこの事業では、SusHi Tech Globalに選抜され参加している企業の中からプロジェクトを募り、選定していくということですが、まず、どのような資源、エネルギーの自給率向上に資する技術を持った企業がSusHi Tech Globalに参加しているのか、また、本事業を進めるに当たって参加企業を拡大していく予定はないのか、お伺いしたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 優れた技術を持つ有望企業が集うSusHi Tech Globalには、植物由来素材、CO2や廃プラスチックを活用した新素材、次世代バイオマス発電など、資源、エネルギーの構造転換に資する技術を持つスタートアップが数多く参加しております。
さらに、現在七十七社のSusHi Tech Globalに、七月、八月、九月に新たな参加企業を追加していくことを予定しておりまして、本事業の趣旨に沿う企業を広く掘り起こすことで、革新的な技術を持つスタートアップの力を生かし、将来にわたり持続可能で強靱な都市の実現につなげてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。SusHi Tech Globalには、この資源、エネルギーの構造転換につながる優れた技術を持つ企業が数多く存在し、今後もさらに加入が進んでいくと理解をしました。
一方で、この資源やエネルギー構造の転換につながる新技術の実装という大きなテーマですから、プロジェクトの選定に当たっては、この技術が社会に与えるインパクトの大きさや意義、それから実際にマネタイズをしていけるのか、そうした可能性など、様々な視点で検討を行うことが必要だと思いますが、本事業の実施に当たって、どのようにプロジェクトを選定していくか、伺いたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Global選抜企業から、各社の革新的な技術、アイデアを生かし、資源、エネルギー構造の転換につながるプロジェクトの企画案を募集いたします。
資源、エネルギー領域におきまして、専門的知見を有する大学教授や投資家、支援機関などの有識者等により、提案に係る新技術の社会実装の意義、早期に社会実装される見込みや実現性、国内外での横展開の可能性などの観点から審査し、優良なプロジェクトを選定してまいります。
○福井委員 ありがとうございます。投資家だけではなく、多様な外部人材も含めるということで、この技術の確からしさや社会的インパクトなど、しっかりと確認ができる体制を整えてプロジェクト選定を行っていただきたいというふうに思います。
次に、本事業では最大二億円の資金サポートを行うとのことですけれども、その資金はどのような用途に充てられ、どのように支払われていくのか、伺いたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 都からの資金は、スタートアップの革新技術を活用したプロダクトの開発、改良や、技術実証や社会実装に向けた経費などの原資として活用されることを想定しております。
本事業では、各社が都と協議の上、成果目標やKPIを設定し、都において、その達成状況など取組の進捗や成果に応じて支払額を決定してまいります。
○福井委員 ありがとうございます。都と協議の上で、成果目標やKPIの達成状況に応じて払われていくということで、この都と協議の上でというところが大事なのかなというふうに思いますので、しっかり都民の皆さんに伝わりやすい、理解していただきやすいようなKPI設定をしっかりと協議をいただきたいなというふうに思います。
資金を出して終わりにならないよう、このプロジェクトの実効性には留意しながら事業を展開するということで、こうした先進的な施策を実施する際には、やはりこうした都民の理解を得ることが大事だと思います。適切な成果目標やKPIになっているかどうか、我々も引き続き注視をしていきたいというふうに思います。
ここまでの質疑で、本事業がSusHi Tech Globalの企業から選抜して、資金サポートを行ってプロジェクトを支援していくということで理解ができましたが、SusHi Tech Globalに集う企業を支援する事業である以上は、このSusHi Tech Globalの趣旨に沿った事業であることがやはり大事だというふうに思います。
本事業で、このSusHi Tech Globalの趣旨でもありますスタートアップの成長、また、世界市場への挑戦というところにどのようにつなげていくのか、伺いたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、スタートアップの革新的技術を活用して、資源、エネルギーの構造転換につながる産業モデルの構築を図ってまいります。
こうした資源、エネルギーの構造転換と都市のレジリエンスの向上は、東京だけでなく、世界の都市が共通して抱える課題でもございます。
そこで、SusHi Techにおきまして、国内外に向けて効果的に成果発信を行うとともに、海外でのプロモーションの機会を活用して、本事業を通じて得られた成果や知見などを積極的にPRし、構築したモデルの横展開、普及を促進することで、スタートアップのグローバルな成長につなげてまいります。
○福井委員 資源、エネルギー構造の転換につながるモデルをつくり、社会実装していくことは当然重要なんですが、あわせて、それを国内外に積極的に売り込む体制を整えることで、ピンチをチャンスに変え、グローバルにスケールアップする企業が生まれてくることにつなげていただきたいと思います。
本事業を通じて、東京のレジリエンス向上を図るとともに、国内外に売り込んでいくことができる成功事例を生み出していっていただくよう求めて、質問を終わりたいと思います。
○上田委員 スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業に関して、ただしたいと思います。
この事業の説明には、選抜したスタートアップと連携し、資源、エネルギーなどの構造転換につながる新技術の社会実装を推進とありますが、それが、今回の六月補正予算全体の基本的考えである、中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえ、足元の都民、事業者の不安を払拭していくという方針とどのようにつながっていくのか。あまり関連性、連関性が私は感じないので、説明をお願いいたします。
現在進行形で物価高やエネルギー高騰にあえぎ、あしたの資金繰りに頭を抱えている−−特に江戸川区は町工場すごく多いんですよね。レジリエンスって何という感じだと思うんですけれども、そうした都内の中小企業や都民の足元の不安に対し、支援期間最大一年六か月、さらには令和十年度まで三か年にわたる総額九億円、限度額は八億五千万もの債務負担行為でどう応えていくのか、お答えをいただければと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の補正は、中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえ、足元の都民、事業者の不安を払拭していくとともに、石油のみに頼らない社会の実現に向けてエネルギー構造の転換等を加速化するものでございまして、本事業は、このうち、資源、エネルギー構造の転換につながる新技術の社会実装を推進するものでございます。
革新的な技術を持つ有望なスタートアップに対しまして、複数年度にわたり、切れ目なくタイムリーに支援することで新技術の社会実装につなげ、世界情勢など外的リスクへの強靱性を高め、都民生活や事業活動の安定に寄与してまいります。
○上田委員 長期的には構造転換を目指すとしていますけれども、その対象が極めて私からすると不透明なので、応募要件の公平性について確認したいと思います。
この事業者要件ですけれども、SusHi Tech Globalプロジェクト選定企業から選抜と、極めて限定的に設定されています。これでは新規に名のりを上げたい−−この事業自体、私は懐疑的なんですけれども、新規にやりたいという優れた技術や革新的なアイデアを持つ事業者は、まず、このプロジェクトにコミットして参加要件を満たさなければ、スタートラインにすら立てない構造となっております。
これは、過去に都の予算で一度お墨つきを与えた特定のスタートアップ、いわば身内だけで、SusHi Tech Global、この間、大いに盛り上がっていましたけれども、そうした身内だけで公金を回す既得権益化、囲い込みではないでしょうか。
広く都内の技術ある事業者に門戸を開放すべきと考えますが、なぜこのように参加要件を狭め、公平性を欠く設計にしたのか、理由を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Globalには、テクノロジーの力でサステーナブルな社会の実現を目指す有望なスタートアップが数多く参加しておりまして、本事業は、こうした企業の革新的な技術の社会実装を促すことで、資源、エネルギーの構造転換につなげるものでございます。
先ほどご答弁申し上げましたとおり、現在七十七社のSusHi Tech Globalに、七月、八月、九月に新たな参加企業を追加していくことを予定しておりまして、本事業の趣旨に沿う企業を広く掘り起こしていくこととしております。
○上田委員 結節点とか呼び水とか、本当にお使いになりますけれども、とにかく、私たちが活性化しているのか、費用対効果はどうなっているかという確認をするので、そのSusHi Tech Globalに一旦入れて、数を増やして、はい、成果が出ましたのために加入しているような感じが否めないという感じが私個人はします。
広く掘り起こすといいながら、現実のスケジュールが新規参入を阻んでいるのではないのでしょうか。具体的なスケジュールについて伺いたいんですね。
仮に、現時点でSusHi Tech Global選定企業として登録されていない事業者がこの事業に手を挙げたい場合、間に合うのか。具体的にどのようなスケジュールになるのか、伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、補正予算事業として今年度中に開始するものでございます。
現時点でSusHi Tech Globalに参加する企業に加えまして、今後、SusHi Tech Global参加が決定した企業につきましても、本事業の応募締切りまでの間、応募することは可能でございます。
○上田委員 応募締切りまでの間、応募が可能とのことでありますが、この事業は今年度中に開始される補正予算事業です。
新規の事業者が、まずSusHi Tech Globalへ申請し、その審査を経て登録され、さらに本事業に応募するというプロセスをたどる場合、どの程度の想定期間でSusHi Techへ申請しなければ、今回の事業の補助金の締切りに物理的に間に合うのか合わないのか、具体的なデッドラインのスケジュールを明確にお答えください。
それが示せないのであれば、本事業は、実質的に現存する七十七社のためだけの予約席であり、公平性を欠いた身内囲い込み事業といわざるを得なくなりますことから、説明をお願いしたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 繰り返しではございますが、SusHi Tech Globalにつきましては、七月、八月、九月で新たな参加企業を追加していくことを予定しておりまして、本事業の締切りまでに応募することは可能でございます。
本事業の趣旨に沿う企業を広く掘り起こし、本事業への応募につなげてまいります。
○上田委員 ちょっとスケジュールの説明を聞いても、正直、納得できる委員さんがいるのかなということですが、このスケジュールの不透明さに加えて、最も懸念されるのが、多額の税金を投入する上での財政規律、すなわち撤退基準の甘さではないでしょうか。
僅か五社に対して、この事業は一社当たり最大二億円もの巨額の公金を投入する、極めて破格の支援規模となっております。公金を原資とする以上、単なるばらまきに終わらせてはなりません。
先ほどほかの委員のご指摘もあったように、もう既に数億、数十億といった体力があるところに、さらに二億円を差し上げるというようなことになってしまうのではないかということで、過去の委員会質疑でも我が会派が一貫して指摘してきたとおり、巨額の投資を行うのであれば、実証実験が不調に終わった場合や、所期の成果が見込めないと判断された場合の明確な事業中止基準や、不適切な執行があった場合の補助金返還規定があらかじめ厳格に定められているべきではないでしょうか。
これら都民の血税を守るための担保措置の有無について伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、資源、エネルギー領域において専門的知見を有する有識者等により、提案に係る新技術の社会実装の意義、早期に社会実装される見込みや実現性、国内外での横展開の可能性などの観点から審査をいたしまして、優良なプロジェクトを選定いたします。
採択された各社が都と協議の上、成果目標、KPIを設定いたしまして、都において、その達成状況など取組進捗や成果を適切に評価し、それに応じて支払額を決定してまいります。
○上田委員 選定された各社において成果目標、KPIを設定するとのことですが、成果基準を都がリーダーシップをもって一律に規定するのではなく、補助金をもらう側のスタートアップ会社に自ら設定させるということですが、何度もいうように、二億投じる成果が得られ、事業としての財政規律が保てるのか、懸念するものです。
プロダクト開発や実証が完全に頓挫した場合に、都の判断で一律に事業を打ち切る都独自の明確な撤退、中止基準及び公金を返還させるための返還規定を設ける等、貴重な財源を毀損しない、実効性のある予防手段をどう実施するのか、ちょっと今伺っただけで曖昧なことから明確にお答えいただければと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、採択された各社が都と協議の上、成果目標、KPIを設定し、都において、その達成状況など取組進捗や成果を適切に評価いたしまして、それに応じて支払額を決定してまいります。
○上田委員 事業の打切り基準すら事業者任せである一方、その事業者を選ぶ審査のフェーズにおいても客観性が極めて疑わしい状況です。
外部審査員の選定基準について伺いますが、外部人材による審査会を設置して選定を行うとのことです。スタートアップ業界やベンチャーキャピタル、大手コンサルティング会社などのコミュニティは非常に狭く、それがゆえにSusHi Techも盛り上がるし、TIBも盛り上がっているんですけれども、実態として属人的なつながりが強い世界です。
一歩間違えれば、審査員と応募企業、あるいはそのバックによるVCが地続きとなり、身内びいきのお手盛り審査や利害関係が入り込むリスクを排除できません。これは、私、GovTechでもずっと指摘をしてきたことなんです。
審査員の人数、構成、どのような人材を予定しているのか、伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業の審査員は、資源、エネルギー領域において専門的知見を有する大学教授や投資家、支援機関など複数名の有識者等により、提案に係る新技術の社会実装の意義などの観点から審査を行うものでございます。
○上田委員 都の審査会というのは、大抵、ご用学者みたいなのが来るようなんですが、もうそんなこといってられないような緊急な状態だと思います。
審査員を選定するインサイダー防止など、コンプライアンスの具体的な体制について確認したいんです。
利害関係がある場合に審査から除外するインサイダー防止策など、審査の透明性と客観性を担保するためのコンプライアンス体制を具体的に伺いたいと思います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業の審査員に関しましては、審査対象となるスタートアップとの利害関係の有無なども考慮して選定することとしております。
○上田委員 審査員の人数及び利害関係者が審査に加わっていないことを事後的にどうやって都民にお示しし、情報提供、公開するのかが気になります。
想定している組織体制やスケジュール感をちょっと知りたいので、具体的に説明してください。
○小澤イノベーション推進担当部長 審査員の属性や人数、利害関係の有無などにつきまして、審査結果に合わせてホームページで公表することとしております。
○上田委員 もはや禅問答のようで、スケジュール感がやっぱり分からないままに、最後の方の質問に移りたいと思います。
最後に伺いたいのは、この事業における最大の懸念材料であります開発された新技術や成果、そして都民の投資そのものが海外や都外へ流出してしまうのか、これを防止することについて気になっているんです。
エネルギー構造の転換に資する革命的な技術の開発は確かに重要ですが、都が一社最大二億もの公金を投じて改良、実装されたプロダクトや新技術が事業完了後に海外資本に買収されたり、拠点を海外や都外へ移転されたりしては、都民へのリターン、雇用創出や、何度もいっている法人税の税収増は完全に失われてしまいます。
現時点で、契約上、一定期間の都内定着を義務づける都内定着要件や、流出した場合のペナルティー等の縛りを設ける設定があるのか、伺います。
また仮に、現時点では確定していない、今後検討するというのであれば、誰に渡すかも決まっていない、流出防止のガードレールすら未定の事業に対して、なぜ今議会で、三年先、総額十億円もの予算をあらかじめ確定させなければならないのか、併せて本部の見解をただします。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業への応募の前提となるSusHi Tech Globalでは、スタートアップの選抜に当たり、東京での事業展開を行っている、または行おうとしていることを要件としております。
また、本事業は、資源、エネルギーの構造転換につながる産業モデルを東京が率先して構築していくものでございまして、世界情勢など外的リスクへの強靱性を高め、都民生活や事業活動の安定に寄与するものかを審査項目に含めるなど、東京への貢献の視点も踏まえ、事業全体を運営することとしております。
○上田委員 東京での事業展開を行っている、また行おうとしていることを要件と、すごく易しい要件を説明されています。
しかしながら、要求資料の登録企業七十七社、頼みの七十七社ですよ、このリストを拝見しますと、千葉、神奈川、愛知、大阪、京都、北海道、沖縄など、実に全企業の二割を超える十七社もの企業が東京都外、すなわち他県に本店を持つ事業者です。
都民の貴重な税金を原資とした一社最大二億円もの巨額の補助金が、本店を他県に置く企業に渡った場合、その開発成果や将来的な雇用、それと何よりも法人住民税などの税収増という都民への実益リターンがそのまま他県へ流出してしまうことは、火を見るより明らかではないでしょうか。
また、拠点を海外や都外へ移転された場合の想定はどうしているのかも、今のご説明の中では明確になっていません。
この二億円の大金を使い切った後に、拠点を海外や都外へ移転しましたと持ち逃げされても、現状の仕組みでは何のペナルティーも科せず、ただただ指をくわえて見ているだけにはならないか、懸念するものです。
東京での事業展開などという曖昧な基準ではなく、都内に本店を置く企業に限定する、海外移転した場合は全額返金するといった、都民益を守るための厳格な縛りをなぜ設けないのか、最後に見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 繰り返しのご答弁になりますが、本事業は、資源、エネルギーの構造転換につながる産業モデルを東京が率先して構築していくものでございまして、世界情勢など外的リスクへの強靱性を高め、都民生活や事業活動の安定に寄与するものでございます。
本事業は、こうした点も含め審査項目に含めるなど、東京への貢献の視点も踏まえ、事業全体を運営することとしております。
○上田委員 確かに不安定な世界情勢ですけれども、六月十四日、トランプさんの誕生日に和平条約を結んじゃって、大変だ大変だ、これから大変なことになるぞといって、それというので、こうしたスタートアップだとか、GXだとか、予算の三割が、今それ必要かみたいな感じのものに、これも、事業も私からするとそうなんですけれども、投入しちゃっているわけで、しかも、私がいったような基準ですよね、都民益を損なうようなことがないように、明確な基準が結局ないままゴーということを、何か−−そんなことはないんだなと思って質問していたのですけれども、結局、見切り発車をするということは、ちょっと残念なように思いましたし、予算の審査の大きな参考になりました。
この補正予算の全体の基本方針は、中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえ、足元の都民、事業者の不安を払拭していくということを明確に掲げています。本部としては、エネルギー構造転換の加速が自分たちのミッションであって、足元の都民の不安払拭は関係ないというように思っていらっしゃるのかもしれないんですけれども、全庁一丸となって取り組むべきというふうに、私は補正予算という趣旨から−−都合よく自らの所管事業を切り離して弁明するということは、都民の目線から、やっぱりちょっと納得できないかなというふうに思います。
現在進行形で物価高やコスト高騰に苦しんでいる都民や事業者が求めているのは、今、今日、明日生き抜くための即効性のある支援です。にもかかわらず、一年六か月の支援期間、さらには三か年、総額十三億円、債務負担行為も含めます。この巨額の税金をあらかじめ囲い込み、僅か五社のスタートアップの長期的な研究開発に投じるタイムラグは極めて深刻だと受け止めています。
しかも、その選抜の前提となるリストの二割以上が都外事業であり、成果や投資が他県、海外へ流出したときのペナルティーや返還の仕組みすら、審査の中で考慮するといった抽象的な運営に終始している実態は、あまりに財政規律が甘いといわざるを得ません。
成果基準やKPIすら事業者任せにし、撤退基準も曖昧なまま、白紙委任状のようにこの予算枠を確定させる姿勢は、私は改めるべきではないのかと思っております。
スタートアップの技術開発そのものを否定することでは全くありませんが、都民の血税を原資とする以上、その実益は確実に都民に還元され、執行の透明性が担保されなければなりません。
本事業が特定の身内だけのばらまきや利権に終わらぬよう、今後の契約要件の厳格化と、また、この成果については定点観測、徹底した情報公開を強く求め、私の質問を終わります。
○さとう委員 スタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業は、最大二億円、五社程度の支援であり、SusHi Tech Global参加企業に対象を限定しています。
なぜその企業群から選ぶのか、補助終了後に何が残るのかを明確にすべきという観点から質問します。
本事業について、支援対象となるSusHi Tech Global選定企業五社の抽出範囲と選抜プロセスを伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、SusHi Tech Globalに参加する企業と、本事業の応募締切りまでにSusHi Tech Globalに参加が決定した企業の中から、資源、エネルギー構造の転換につながるプロジェクトの企画案を募集いたします。有識者等が、新技術の社会実装の意義、早期に社会実装される見込みや実現性などの観点からプロジェクトを選定いたします。
なお、SusHi Tech Global参加企業のうち、成長加速プログラムに採択された企業は、本事業の採択を受けることができないこととなっております。
○さとう委員 公費を最大二億円投入する以上、閉じたコミュニティの中で選ばれているとの懸念を持たれないよう、選定の透明性を高める必要があります。
資料要求にて、SusHi Tech Global選定企業七十七社の一覧を頂きました。詳細がほぼ記載されておりませんでしたので、独自にスコアリング評価をしました。その結果、今回の募集要項に直接該当し得る事業を展開する企業は二十七社でした。
先ほどほかの議員からも、七十七社のうち、資源、エネルギー分野に該当するのは何社かという質問がありまして、都としては、そのような分類では公開していないとのことですが、公開情報から資源、エネルギー分野の事業が読み取れるのは三分の一程度との答弁がありました。独自のスコアリング評価はおおむね合っていることが確認できました。
そしてまた、別の議員からも、七十七社のうち、本店が都外にあるのは二割以上だという指摘もありました。
今回、複数議員からも質問があったことから、事業者にとっても分かりづらいと思いますので、本店の要件、資源、エネルギー等の対象領域を明確に定義した上で、選定に用いる評価軸を、配点、重みづけを含めて事前に公表すべきと考えますが、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業に関心を寄せている企業が応募しやすいように、公募要項について、対象プロジェクトの具体的なイメージを例示するなど分かりやすく記載するとともに、審査項目や評価の視点、重みづけなどを明示することを想定しております。
○さとう委員 レジリエンスという言葉も、広く読めば、モビリティー、水、通信、物流、都市インフラ、災害対応など、何でも入り得ます。対象領域が曖昧なままだと、審査項目を明示しても、応募者側にも都民側にも、なぜその事業が採択されたのかが分かりにくくなりますので、対象領域を明確に定義することを要望します。
SusHi Tech Global選定企業を独自にスコアリング評価したところ、累計調達額五百二十五億円の企業から二億円規模の企業まで、各社の資本力には大きな差があることが分かりました。
自力で調達できる企業に二億円を上乗せしても、事業の成否を左右するものではありませんし、むしろ民間資金が集まらず、資金の壁で前に進めない有望な技術こそ公費で後押しすべきと考えますが、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、革新的な技術を持つスタートアップが、都からの最大二億円の資金サポートにより、資源、エネルギーの構造転換に向けたプロジェクトに取り組むこととしております。
審査に当たりましては、この資金サポートも生かして、社会的インパクトをいかに創出していくのかといった観点から、実効性の高いプロジェクトを選定いたします。
○さとう委員 自力で大型調達できる企業や、既にVC資金を、大企業からの資金を十分に得られている企業に対して、都が最大二億円を支援すれば、民間資金の代替になりかねません。
公費を使う以上、民間資金ではリスクが高くて資金が集まりにくいが、社会的意義が高い領域に支援することが重要です。そうでなければ、単に成長企業への上乗せ支援になってしまいます。採択審査に、なぜ民間資金だけでは実施できないのかなどの追加性審査を入れることを要望します。
資源、エネルギー分野の社会実装では、資金よりも、規制、許認可、インフラ調整がボトルネックになることが多いです。つまり、補助金を出すだけでは社会実装ができません。
本事業が対象とする中核技術の多くは、社会実装の障壁として、水循環システムの水道法との整合、ワイヤレス給電の電波法対応、走行中給電や自動運転に関わる道路インフラの整備など規制対応を挙げていることから、直接支援に加え、規制のサンドボックス対応や国家戦略特区、規制改革提案制度を通じた都から国への働きかけといった非資金的支援を講じるべきと考えますが、都の見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 都は、スタートアップの革新的な技術の社会実装を進めていくため、その障壁となる規制等について、これまで国に対して必要な提案を行っております。例えば、スタートアップの技術展開に向けて、ワイヤレス給電の普及促進に向けた電波の減衰規制の緩和などを提案いたしました。
引き続き、スタートアップのニーズなどを踏まえて、規制緩和等を求めてまいります。
○さとう委員 都はこれまでも、国に対して規制緩和等の提案を行ってきたこと、ワイヤレス給電に関する電波規制の緩和などを提案してきたことは理解しましたが、ニーズを踏まえて規制緩和を求めるという受け身の姿勢ではなく、本事業の中に規制対応支援を制度として組み込むなど、都として積極的な規制緩和の姿勢を見せるべきです。
むしろ、スタートアップ戦略推進本部の存在意義は規制緩和の推進にあると考えています。お金を出すことは民間でもできます。規制課題の解消件数、実証許可取得件数、国への提案件数なども成果指標として設定することを要望します。
本事業は最長十八か月を要することから、原油、ナフサ価格の高騰をはじめとする足元の資源危機に直接間に合わせるものではなく、中長期的な投資という位置づけと認識してよいのか、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえ、石油に頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換を加速させていく必要がございます。
こうした課題の解決には、革新的な技術や斬新なアイデアが必要でございまして、課題が顕在化したこの機を捉え、革新的な技術等を有するスタートアップと連携し、資源、エネルギーの構造転換につながる新技術の社会実装に取り組むことといたしました。
○さとう委員 資源、エネルギー分野のスタートアップといっても、社会実装までの時間は大きく異なります。既に製品があり、都内で実証先を探せばよい企業もあれば、規制対応や安全確認が必要な企業もあります。さらに、素材、電力、インフラ、水循環、モビリティーでは、必要な資金規模も、実装までの期間も、関係する行政機関も異なります。それを全て最長十八か月、最大二億円の一つの枠で扱うと、短期で見栄えのよい実証に偏るか、逆に長期技術を無理に短期成果として評価するリスクがあります。
社会実装までの期間が大きく異なる多様な技術を同列に支援するのではなく、それぞれの開発に要する資金規模の違いを事業設計に反映し、時間軸に応じた採択枠や予算配分の目安を設けるべきと考えますが、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、最長十八か月間のプログラム期間を設定いたしまして、最大二億円の資金サポートにより、資源、エネルギーの構造転換につながる新技術の社会実装を実現していくこととしております。
各プロジェクトの所要期間や資金計画は、この上限の範囲内で各企業が企画提案し、その内容に基づき適切に設定いたします。
○さとう委員 各企業が所要時間や資金計画を提案する柔軟性は理解します。しかし、資源、エネルギー分野の技術は、社会実装までの期間も、必要資金も、規制対応の重さも大きく異なります。これらを同一の採択枠で評価すると、短期間で成果が出やすい実証に偏るか、長期技術を無理に短期成果として扱うおそれがあります。今後は、短期実装枠、規制実証枠、中長期構造転換枠など、時間軸と技術成熟度に応じた採択枠を設け、資金交付もステージゲート方式にすることを要望します。
社会実装に長期を要する技術も対象となり得る中、最長十八か月という支援期間で、実証にとどまらず、社会実装の入り口まで到達し得ると見込んでいるのか、期間設定の考え方を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、製品、技術等を持つスタートアップが、技術開発、実証にとどまらず、新技術の社会実装までを後押しするプロジェクトの期間として最長十八か月と設定いたしました。
支援期間内に新技術の実装が図られるかという観点なども審査項目に盛り込み、優良なプロジェクトを選定いたします。
○さとう委員 十八か月で社会実装まで後押しするという考え方は理解いたします。ですが、社会実装という言葉を明確に定義すべきです。実証実験を行うことなのか、都内施設への導入なのか、有償契約や継続利用まで含むのかによって成果の意味は大きく異なります。十八か月の支援期間で到達すべき水準を、実証開始、実装完了、導入決定、商用利用など段階別に定義し、採択時点から確認することを要望します。
本事業の成果を厳密に評価するため、採択件数などのアウトプット指数と、成果目標であるアウトカム指標を明確に区別して設定すべきと考えますが、見解を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、スタートアップの革新的な技術を活用し、資源、エネルギーの構造転換につながるプロジェクトを五件程度採択いたします。
有識者等により、提案に係る新技術の社会実装の意義、早期に社会実装される見込みや実現性などの観点から審査を行った上で、優良なプロジェクトを選定いたします。
各企業がプロジェクトごとに成果目標やKPIを都と協議の上、設定し、それぞれ新技術の社会実装による産業モデルの構築を目指していくこととしております。
○さとう委員 五件採択した、KPIを設定した、実証を行ったというのはアウトプットの指標です。都民が知りたいのは、その結果として、どのような変化があり、どのような社会的影響があったというアウトカム指標です。
事業の活動目標は、実績を示すアウトプットだけでは都の事業全体として何を達成したのかが分かりません。期待する社会的インパクトにどの程度近づいたのか、変化があったのかを示すアウトカム指標が必要です。事業全体の共通アウトカム指標を設定し、補助終了後も含めて検証、公表することを要望します。
総予算十二・五億と直接支援最大十億円の差額である約二・五億円の外部事務局委託費等について、具体的な内訳を伺います。
○小澤イノベーション推進担当部長 今回の補正では、本事業につきまして、四億円を令和八年度に計上し、九年度及び十年度の債務負担行為として八・五億円を設定しております。各プロジェクトに対する資金サポートとして、令和八年度予算のうち一・五億円と、九年度及び十年度に設定した債務負担行為八・五億円を充てます。
令和八年度予算のうち二・五億円につきましては、各プロジェクトへの伴走支援に係る経費のほか、プロジェクト募集や採択、進行管理等に係る経費に充てるものでございます。
○さとう委員 五社程度の支援で二・五億円が事務局、伴走支援等に使われるのであれば、単純計算で一社当たり五千万円規模の間接経費になります。もちろん、専門家支援や規制対応、技術評価が含まれるのであれば一定の費用は必要ですが、その内訳が見えなければ、事務局費が膨らんでいないかを検証できません。
事務局費については、成果連動部分を設けるべきだと思います。単に会議や進行管理を行ったことではなく、実証先の確保、民間資金の調達、規制課題解決、都内への導入などの成果に応じて評価することを要望しまして、私の質問を終わります。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上でスタートアップ戦略推進本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後二時五十八分休憩
午後三時十九分開議
○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより産業労働局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百二十三号議案、令和八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○阿部総務部長 去る六月三日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
目次でございます。資料は全部で二十二項目ございます。
一ページをご覧ください。中東情勢に伴う中小企業相談窓口につきまして、これまでの体制、相談件数、その内容及び対応実績の一覧をお示ししてございます。
二ページをご覧ください。二ページから四ページにかけまして、中東情勢に伴う要望書等提出団体名及び要望・要請内容一覧をお示ししてございます。
五ページをご覧ください。持続可能な東京農業支援事業の事業内訳とそれぞれの当初予算額をお示ししてございます。
六ページをご覧ください。ナフサ代替素材等開発支援事業につきまして、選定基準、公募要件、都内における想定企業数、職種、積算根拠をお示ししてございます。
七ページをご覧ください。非石油由来製品等開発支援事業につきまして、選定基準、公募要件、都内における想定企業数、職種及び積算根拠をお示ししてございます。
八ページをご覧ください。スタートアップを活用したナフサ代替素材等の社会実装促進事業の選定基準、公募要件、都内における想定企業数、職種及び積算根拠をお示ししてございます。
九ページをご覧ください。国産SAF利用促進緊急対策事業の都内における想定数、積算根拠をお示ししてございます。
一〇ページをご覧ください。水素社会の実現に向けた自治体間連携事業につきまして、連携を想定している自治体の選定基準、連携体制構築のロードマップ及び積算根拠をお示ししてございます。
一一ページをご覧ください。持続可能な東京農業支援事業のうち、環境配慮型農業への転換促進につきまして、事業開始から現在までの予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一二ページをご覧ください。ZEV普及促進事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一三ページをご覧ください。シェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一四ページをご覧ください。地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一五ページをご覧ください。需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一六ページをご覧ください。HTTに取り組む事業者の実践推進に関しまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠、コールセンター等業務を請け負う民間事業者への委託料の総額及び契約形態をそれぞれお示ししてございます。
一七ページをご覧ください。ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
一八ページをご覧ください。中東情勢による原材料価格高騰に伴う価格転嫁等緊急支援事業につきまして、七万社へのプッシュ型アプローチを行うための選定基準及びその具体的実施手法をお示ししてございます。
一九ページをご覧ください。中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業につきまして、五百社の審査プロセス及び審査基準をお示ししてございます。
二〇ページをご覧ください。経営安定融資等の融資実績、信用保証料補助執行率及び代位弁済実績、代位弁済率につきまして、過去五年間の推移をお示ししてございます。
二一ページをご覧ください。島しょ漁業資材高騰緊急対策事業につきまして、予算額、決算額、執行率の推移及び積算根拠を事業開始から現在までお示ししてございます。
二二ページをご覧ください。中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業に関しまして、二二ページに予算額、実績額、執行率、想定件数、支給件数の推移を、二三ページに申請者の内訳、新規申請者数、継続申請者数及び割合の推移をお示ししてございます。
二四ページをご覧ください。中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業につきまして、事業規模設定根拠及び補助対象事業者数の考え方をお示ししてございます。
二五ページをご覧ください。信用保証協会の代位弁済に伴う都の損失補助割合、コロナ融資における代位弁済実績及び今後のリスク等を踏まえた関係機関、都の取組をお示ししてございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○おぎの委員 都民ファーストの会のおぎの稔です。
今回の補正ということで、中東情勢というのは本当に、中小零細企業までの皆さんを含めてとても苦しんでいるので、本当に必要なことかというふうには考えております。
当会派からも五月十七日に緊急要望等を出させていただきました。また、地元大田区からも、中東情勢等に伴うサプライチェーンの混乱に対する緊急対策への要望というところで出されておりまして、そうしたことも含めて質問をさせていただきます。
中東情勢に関わる金融支援について伺います。
私の地元大田区は、ものづくり企業が多く、中東情勢による物価高騰や資材不足により売上げの見通しも立ちづらく、資金繰りに苦しんでいるという声も聞いております。
これまで、新型コロナをはじめ、ロシアによるウクライナ侵攻があり、そして今回の中東情勢と、二、三年の周期で中小企業の経営に甚大な影響を及ぼす事象が次々と発生しております。
そのような中、中東情勢の影響を受ける中小企業に対し、予備費の活用や補正予算案を編成し、迅速に資金繰りの支援策を講じたことは評価をいたします。
まず、今回の支援策を取りまとめた経緯やその考え方について伺います。
○若林金融部長 中東情勢に起因する原材料不足や価格高騰により、都内中小企業の事業活動に影響が生じております。
これまで都は、特別相談窓口を設置し、丁寧に相談に対応するほか、金融機関に対し、企業の実情を踏まえた柔軟な資金繰りへの対応を要請してまいりました。
この間、様々な業界団体等からの要望や金融機関からのヒアリング等も踏まえながら支援策について検討し、まず当面の資金繰りに迅速に対応するため、予備費を活用して、つなぎ融資メニューを創設いたしました。
また、経営安定化に向けた長期的な融資メニューを補正予算に計上し、融資要件を緩和するとともに、信用保証料補助を拡充し、利用者の負担軽減を図ることといたしました。
○おぎの委員 現場からの声を踏まえて支援策を取りまとめたこと、また、企業の状況に応じて、短期、長期の資金需要にそれぞれ応える融資メニューが準備されていることが確認をできました。
今回の補正予算案の総額五百四十二億円のうち、産業労働局関係は約二百六十四億円であり、中小企業制度融資ではその一割、約二十五億円が計上されております。
資金繰りの不安は多方面に広がりを見せていると聞いており、融資を必要とする事業者が、こうした支援をしっかりと確実に受けられることが重要であります。
そこで、今回の中東情勢への対応について、予備費及び補正予算による支援策の規模が十分なものであるか、積算方法と併せて伺います。
○若林金融部長 今般の中東情勢の影響を受ける都内中小企業への資金繰り支援におきましては、資材不足や価格高騰などの影響を受けやすい複数の業種を想定して積算をしておりますが、融資に当たっては、業種等を限定せず、幅広く利用することが可能でございます。
融資規模につきましては、予備費及び補正予算によるものを合わせ、延べ約三万八千件、信用保証料補助の拡充に要する所要額は約二十八億円であり、多くの事業者の方々の資金繰りを支えることができるものと考えております。
○おぎの委員 融資規模の考え方について確認することができました。
中東情勢に関する金融支援について質問しましたが、中小企業の命綱ともいえる資金繰りを支える上では、この制度融資による支援が大変重要であります。本融資の実効性を高めるとともに、事業者に素早く必要な融資を届けてほしいと思います。
引き続き中小企業への影響について動向を注視し、状況に応じた柔軟な対応を行っていくことを要望いたします。
続きまして、中東情勢による緊急相談窓口等について伺います。
アメリカとイランの和平合意が成立するとの報道があり、国内のサプライチェーンの正常化が見込まれます。しかし、高騰した原材料費がすぐに元に戻るとはいい難く、引き続き経済への影響が残るものと推察いたします。
中東情勢に端を発したこの間の原材料価格高騰は、幅広い産業に影響を及ぼし、私の地元大田区の企業からも切実な要望、声が上がっております。
こうした中、都では、特別相談窓口を設置し、中小企業の経営や資金繰りなどの相談に応えていると聞いております。不安を抱える中小企業からの相談を待つだけではなく、都自らが出向いて、その声を聞き、解決につなげていく寄り添った支援が必要だと考えます。
そこで、これまで事業者からどのような相談があり、その課題にどう対応していくのか、伺います。
○福田商工部長 都は、三月に開設した特別相談窓口に加え、東京都中小企業振興公社による企業への巡回相談も活用し、中小企業の経営や資金繰りに関する相談対応や、都の支援メニューの紹介を行っております。
主な相談内容としては、原材料等の価格高騰に関することが二百三十七件、原材料等の納期遅れなどに関することが二百三十二件でございました。
こうした状況を踏まえまして、今回の補正予算では、原材料の取引状況等を把握するとともに、適正な価格での取引をサポートするため、アウトリーチによるきめ細かな支援を行う体制を強化してまいります。
○おぎの委員 ただいまの答弁で、価格転嫁に向けた支援を強化するとのことですが、都内には、この問題に悩む企業が数多くいます。また、受注という弱い立場にあり、思うように交渉ができない事業者や、そもそも交渉するためにどのような準備が必要なのか分からないという声も多くあります。
こうした実情にある中小企業が円滑に価格転嫁を行うことは、事業継続を図っていくことで欠かせません。
そこで、今回の緊急支援では、価格転嫁を進めるため、企業に対しどのようなサポートを行うのか、伺います。
○福田商工部長 都はこれまで、中小企業の適正な価格での取引に向け、取引に精通した相談員が年間一千八百社を超える企業に個別巡回するとともに、価格交渉や原価管理に関するアドバイスを行っております。
今回の補正予算では、これに加えまして、商工会議所等と連携し、約三千社に対して、価格改定に向けた交渉の進め方や、製品ごとの生産コストの把握などについてのノウハウを提供いたします。
また、こうした事例を商工会議所などと共有することで、都内の各地域での支援力の強化につなげてまいります。
○おぎの委員 現在行っている千八百件の巡回から、二倍となる三千件規模でのサポートを行うことが分かりました。都と商工会議所などの連携を深め、価格転嫁に苦しんでいる多くの中小企業の経営を支えていただくよう要望いたします。
続いて、経営基盤安定化緊急対策事業について伺います。
将来を見据えると、石油由来の原材料をほかの素材へ置き換えることに加え、事業の現場で利用する資源の再利用、いわば東京油田の掘り起こしを促進することで強固な事業構造に転換していく契機とも捉えることができます。中小企業の設備導入などを後押しする経営基盤安定化緊急対策事業は、まさに有効な支援と考えます。
そこで、この事業では、石油由来の原材料からの転換や資源の再利用をどのように支援していくのか、具体的な事例について伺います。
○福田商工部長 経営基盤安定化緊急対策事業では、中小企業に対して、石油由来の素材から代替素材への転換などに必要となる設備の導入や改良を支援いたします。
例えば、小売業におきまして、プラスチックから紙容器への切替えのための包装機器の改良や、建設業における油性塗料から水性塗料への切替えに必要な塗装機、製造業における潤滑油に混入する金属片を除去し再利用を可能とする設備の導入などを想定しております。
○おぎの委員 本支援は、外部環境に左右されにくい事業運営の実現に向けて、大変意義のある取組であります。引き続き、前向きに取り組んでいる中小企業をしっかりと支えていただきたいと思います。
続いて、地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業について伺います。
中東地域をめぐる不安定な国際情勢により、化石燃料価格の変動リスクが高まるなど、これまで海外に依存してきた我が国のエネルギー調達の課題が改めて顕在化しました。石油のみに頼らない社会の実現に向けては、都としても、エネルギー構造の転換に向け、取り得る施策を惜しみなく加速していくべきと考えます。
そこで、まずは、化石燃料に依存しない再生可能エネルギーの導入拡大として、地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業について伺います。
太陽光発電をはじめとした再エネの導入は、エネルギー自給率の向上に資する有効な方策であります。とはいえ、再エネ設備の導入は、初期投資でのハードルが高く、再エネが進まない要因ともなっております。
都はこれまでも再エネの導入支援を実施してきましたが、中東情勢を機にエネルギー構造の転換を一段と加速させるため、再エネの裾野拡大に向け、取組を強化すべきであります。
そこで、地産地消型の再エネ、蓄エネ設備の導入促進を図る本事業について、これまでの取組状況と、中東情勢を踏まえ、今後どのように再エネ拡大に取り組んでいくのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、脱炭素社会の実現に向け、都内事業者に対して、再エネ発電の導入に要する経費の一部を補助する取組を実施しており、これまで約五百二十件の導入を支援してございます。
中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー自給率の向上が喫緊の課題となる中、企業のエネルギー安定確保の観点からも、再エネの利用拡大に向けて一層の取組強化が必要となってございます。
このため、都は、再エネ、蓄エネ設備の導入促進補助に係る今年度の支援規模を、八百二十件から一千二十件へ拡大いたします。
これによりまして、事業者における再エネ発電設備の導入を加速し、脱炭素化とエネルギー構造の転換を図ってまいります。
○おぎの委員 中東情勢について、合意がなされたとはいえ、先行きは不透明でありますが、これを化石燃料に依存しない再エネ拡大のチャンスと捉え、事業を着実に実施していっていただきたいと思います。
次に、電力需給の最適化に向けた取組について伺います。
先ほど述べた再生可能エネルギーの導入拡大は、石油のみに依存しない社会の実現につながる重要な取組であります。
一方で、天候に左右されやすい再エネの導入に当たっては、電力の安定性を保つことが重要であります。
本年三月には、東京電力管内で初となる再エネの出力制御も実施されたと聞きます。せっかく導入した再エネが活用できないといった事態を招かないよう、電力のバランスを保つ取組を併せて進めることが重要と考えます。
今回、都は、需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業において計画件数の拡充を行うとのことですが、その狙いについての見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、エネルギーマネジメントなどの電力需給を最適化する取組を行う事業者に対して、事業の実施に必要な経費の一部を補助する取組を行ってございます。
再エネの利用拡大に当たっては、導入に合わせて、電力バランスの安定化を図るための調整力を確保する必要がございます。
このため、再エネ、蓄エネ設備の導入支援事業の規模拡大に合わせ、複数の再エネ設備等を束ねて電力需給を最適化する取組について、今年度の支援規模を六十八件から百十件へ拡大いたします。
これによりまして、再エネ利用拡大を支える調整力を着実に確保し、電力需給の安定化につなげてまいります。
○おぎの委員 再エネの拡大と電力需給の安定化を同時に実現し、石油に過度に依存しない東京を築いていくためにも、こうした先進的な取組の普及をしっかりと後押ししていただきたいと思います。
次に、ZEVの普及に向けた取組について伺います。
EVは、走行時にCO2を排出しないことに加え、化石燃料への依存を低減させる観点からも、その普及拡大が求められております。
また、近年は、所有から利用への変化が進む中、社用車でのカーシェアリングやレンタカーの利用も拡大傾向にあり、こうした車両のEVへの置き換えを進めることも重要であります。
一方で、今回の中東情勢の影響は、原油価格のみならず、様々な資材の価格上昇や供給不安を引き起こしており、これらの影響はEVを構成する部品等にも及んでおります。
今後、EVの車両価格の値上がりが見込まれますが、事業者の購買意欲を減退させることなく、エネルギー構造の転換に向けて、ZEVのさらなる普及促進を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、ZEVの普及拡大に向け、都内事業者に対して、その購入に係る経費の一部について、百万円を上限に補助してございます。
中東情勢等の影響により、EVで多く使われるアルミニウムや銅などの原材料価格が高騰しており、今後、EVとガソリン車との価格差の拡大が見込まれることから、購入時の事業者の負担を抑えるため、補助上限額を三十万円引き上げ、百三十万円を上限に支援を行います。
また、カーシェアリングやレンタカー用にEVを導入する事業者に対しましても、同様に補助上限額を百三十万円に引き上げ、都内におけるZEVの普及について、重層的な支援に取り組んでまいります。
○おぎの委員 石油のみに頼らない社会の実現に向けて、ZEVについても支援を強化していくことが確認できました。都としても、引き続きZEVの普及に向けた取組を推し進めてもらいたいと思います。
これまで答弁のあった再エネやZEV等の事業について、一つ一つは有効な支援策であっても、その内容が十分に周知されなければ、活用は広がりません。
再エネ導入等に向けた事業者の行動変容について伺います。
私の地元大田区においても、都の支援メニューを紹介すると、初めて知ったとの声を聞くことも少なくありません。脱炭素化に向けた取組は事業者にとって重要な経営課題であり、都としても、中小企業等がその必要性を理解して具体的な取組に踏み出せるよう働きかけることも必要であります。
都は、中小企業等における脱炭素化の取組を促すため、支援策の周知や、企業の行動変容に向けた働きかけなどを一層強化すべきと考えますが、都の具体的な取組内容について伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、都内中小企業に対して、再エネ導入などの脱炭素の取組を促す役割を担うHTT実践推進ナビゲーターを通じて、電話や企業訪問などにより、都の支援策の周知を図るとともに、事業者の取組につながる実践的なアドバイスを行っています。
中東情勢の影響を踏まえまして、中小企業の取組を加速するため、今回の補正予算では、架電件数を一万三千社から一万九千五百社、訪問件数を九百社から千三百五十社、ともに一・五倍の規模に拡充するために必要な予算を計上しております。
製造事業者に加えて、エネルギー価格や燃料価格の影響を受けやすい建設、運輸業、小売業の事業者や小規模事業者に対して重点的に働きかけることで、HTTの実践に向けた事業者の行動変容を促してまいります。
○おぎの委員 多くの事業者が、都の支援策をうまく活用しながら中東情勢の影響の回避や脱炭素化に向けた行動変容が進むよう、一刻も早く事業拡大に向けた支援体制を整備することを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、航空分野のエネルギー構造転換について質問いたします。
原油を海外に依存する我が国において、廃食油等を原材料とする持続可能な航空燃料、SAFは、脱炭素の推進に加え、エネルギーの安全保障等の観点からも極めて重要な燃料であります。
国内では、昨年、SAFの製造、供給が始まったものの、足元では中東情勢等の影響によりジェット燃料価格が高騰しており、より高価なSAFの需要減退が懸念されております。
こうした需要の不確実性は、新たに生産体制の構築を検討している事業者の投資判断にも影響し、我が国全体のエネルギー構造転換の停滞を招きかねない事態となっております。
都は、国産SAFの利用を促進する取組を開始し、昨年度は国産SAF約二百五十万リットルの供給に寄与したとのことですが、日本の玄関口である羽田空港を有し、廃食油等の資源も豊富な東京が、今こそ率先して国をリードし、このSAF導入の取組を一層促進すべきと考えますが、見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は現在、航空分野の脱炭素化に向けて、航空需要の多い羽田空港で国産SAFを供給する事業者に対しまして、海外産との価格差について、一リットル当たり最大百円を支援しております。
中東情勢の影響によりジェット燃料価格が急騰している状況を踏まえ、国産SAFへの切替えを維持拡大するため、今回の補正予算では、新たに既存の航空燃料との価格差についても一リットル当たり最大百円を支援し、合わせて上限二百円、四百五十万リットルの支援を盛り込んでおります。
これにより、羽田空港で供給される国産SAFの価格競争力を高め、我が国で使用される航空燃料のSAFへの転換を牽引し、SAFが国内で安定的に製造、供給される環境の整備や羽田空港の国際競争力の強化につなげてまいります。
○おぎの委員 地元大田区にある羽田空港の国際競争力の強化ということですから、期待もしております。
今回の支援により、SAF製造を検討している国内事業者の参入を確実なものとし、我が国における国産SAFの供給拡大につながることを期待いたしまして、次の質問に移ります。
次に、水素社会の実現に向けた自治体間連携事業について伺います。
これまでエネルギー構造転換に向けた方策について議論してまいりましたが、最後の鍵となるのが水素であります。
都ではこれまでも、水素に関する先駆的な取組を進めており、昨年十月には大田区京浜島において都内初となるグリーン水素製造施設がオープンし、私も開所式に出席いたしました。ちょっと遅れて行きましたけど。
また、エネルギーの構造転換が待ったなしの中、先月には、小池知事のリーダーシップにより、愛知県知事などと連携して、高市総理や赤澤大臣に水素の社会実装に向けた緊急要請が行われました。
今回の補正予算において水素社会の実現に向けた自治体間連携事業が計上されていることは、機を捉えた取組として評価いたします。
本事業の実施に当たっては、実効性を高めるため、各地域での実情を踏まえて取組を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
○佐藤新エネルギー推進担当部長 水素の社会実装を進めるため、都では、水素の活用に先進的に取り組む自治体とともに会議体を設置し、各地域の課題の共有や連携に向けた議論を開始いたします。
この中で、水素燃料電池バスやトラックなどを核とした広域的な需要形成や、各地域を結ぶサプライチェーンの構築に向けまして、自動車メーカー等も交えたワークショップや展示会の開催など、連携した取組を進めてまいります。
これらによりまして、各地での水素の需要創出と供給体制の構築を一体的に進め、水素社会の実現を着実に加速してまいります。
○おぎの委員 エネルギーの大消費地である東京は、都市活動に欠かせない電力の多くを他県からの供給に支えられており、こうした自治体と手を取り合い、共に発展する取組を進めていくことは重要であります。本事業はその具体的な一歩となるものであり、継続して実施することで、自治体間のネットワーク強化につながっていくものと考えます。
補正予算での取組ではありますが、継続して進めていくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○渋谷委員 今回の補正予算においては、中東情勢の影響により資材不足や価格高騰等に直面する中小企業に向けて、まずは経営の下支えや資金繰りなどの足元の支援を速やかに届けることが重要だと考えます。
また、石油のみに頼らない社会の実現に向けてエネルギー構造の転換等を進める、将来を見据えた支援も盛り込まれています。
それぞれの観点から、具体的な事業内容を伺ってまいります。
アメリカとイランとの和平合意成立に関する報道がありましたが、実現すれば、原油などの流通の正常化が期待できます。しかしながら、当面は国内のサプライチェーンへの影響は残るといわれており、とりわけ川下の中小企業においては、引き続き厳しい状況が見込まれています。
我が会派はさきの代表質問で目詰まり解消に取り組むべきと主張し、都からは、国とも連携して実態把握を行う旨の答弁がありました。
迅速な情報収集を行うためには、都内の支援機関が緊密に連携して取り組む必要があると考えますが、どのような体制で取り組んでいくのかを伺います。
○福田商工部長 都では、中東情勢の影響について、業界団体等を通じて、業種別に原材料の取引状況などを調査するとともに、国へ情報提供を行っております。
今回の補正予算では、これらに加えまして、商工会議所や商工会等と連携し、約七万社を対象に、ダイレクトメールや電話、訪問による仕入価格などの経営状況の把握を行います。
また、中小企業診断士等の専門家を約三千社に派遣しまして、経営のアドバイスや原材料不足の状況等の聞き取りを行うとともに、各種支援策につなげてまいります。
さらに、目詰まり、偏り解消等に取り組む国の情報提供窓口へ取り次ぐほか、国とも協力して企業を巡回するなど、情報共有の強化を図ってまいります。
○渋谷委員 ただいま、業種別の実態について国と情報共有を図っているとの答弁がありましたが、具体的にどのような声を都として把握しているのか、また、こうした調査の結果について、協力いただいた関係団体や事業者についても情報を共有することが、それぞれの事業者が業界の状況を把握する上で有効と考えますが、併せて見解を伺います。
○福田商工部長 都は、都内中小企業の事業活動への影響について、幅広い業種の業界団体や地域の支援機関などの協力を得て実態把握を行っており、事業者においては、取引先から、石油化学製品を中心に値上げや納期の遅延など、具体的な影響が出ております。
特に、製造業や建設業において、シンナーや塗料用溶剤、機械用の潤滑油などの品目への影響が生じております。
現在、業種別に取りまとめを行い、専門家の意見を聞いているところであり、今後、事業者等と情報共有を進めてまいります。
○渋谷委員 調査結果については、協力事業者への情報共有にとどまらず、より有効な活用方法についても検討をお願いいたします。
また、国へ情報提供を行うだけでなく、国からも情報提供を受け、これを事業者へ共有するなど、しっかりと都政にフィードバックして、都としての中小企業支援施策につなげていくように求めておきます。
目詰まりの問題に加えて、企業の現場では、仕入価格の上昇によって経営が圧迫されている、手元の資材を節約して使わざるを得ないといった声も多い。例えば、製造業の現場などでは、原材料の使用量を減らす設備や機器の導入などによって、コストや使用量を抑えていくことが必要です。
今回の補正予算案で提案されている経営基盤安定化緊急対策事業について、具体的な支援内容に加え、実際に中小企業において取り組む例として、どのようなものを想定しているのかを伺います。
○福田商工部長 経営基盤安定化緊急対策事業では、中東情勢の影響を受け、原材料の縮減や再利用などを図る設備や機器等を導入する中小企業に対し、補助率五分の四、上限額二千万円の支援を行います。
例えば、不良品を早期に発見し、原材料の歩留りを向上させる画像検査装置や、プラスチックの端材を回収しリサイクルを可能にする設備の導入のほか、製品の成形過程においてプラスチック原材料の使用を抑制できる重量センサーの取付けなど、機械の改良等を想定しております。
○渋谷委員 中小企業の経営の安定化に向け、大がかりな設備の導入に加え、小規模な機器の取付けでも本事業が活用できることが分かりました。確実に支援が届くよう、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
中東情勢に係る金融支援について伺います。
我々は、五月十二日に知事に対し、中東情勢の影響を受ける中小事業者の資金繰りに万全を期すため、制度融資の拡充を図ることを要望いたしました。都は本定例会に先立ち、五月二十九日に金融支援策を発表しており、素早い対応は評価いたします。
今回の金融支援は、予備費の活用や補正予算の計上により、複数の融資メニューによる支援の強化が図られています。
事業者の置かれた状況に寄り添った支援が求められますが、まず、予備費を活用して実施する融資について、どのような点を考慮して制度を構築したのかを伺います。
○若林金融部長 中東情勢の影響に伴い、資材不足や需要停滞により資金ショートに直面した中小企業を支えるため、都は、予備費を活用して迅速に資金繰りを支援することとし、公表と同時に融資の受付を開始いたしました。
また、経済を円滑に回す観点から、資金を迅速に届けるため、審査期間が通常の融資メニューよりも短い中東情勢対応クイックつなぎ融資を創設いたしました。
このメニューでは、中東情勢の影響を受けやすい小規模事業者などの当面の資金ニーズに十分に応えられるよう、融資限度額を一千万円に設定をいたしました。
さらに、利用者の負担軽減を図るため、信用保証料について、全事業者に四分の三の補助を行うなど、手厚い支援を行うことといたしました。
○渋谷委員 予備費を活用した支援策では、迅速な支援を重視したことや、保証料補助、融資限度額の引上げなど、事業者に配慮し手厚く取り組んでいることが分かりました。
次に、予備費の活用だけでなく、補正予算にも計上して事業者への支援を実施していく考え方についてを伺います。
○若林金融部長 補正予算におきましては、設備資金を含めた長期的な資金ニーズにも対応できる融資期間十年以内の経営一般融資につきまして、まずは売上げ減少等の数値要件を不要として、幅広い事業者が利用できるようにするとともに、保証料補助率を全事業者二分の一へと拡大いたしました。
また、実際に売上げ減少などの影響が生じている事業者に対しましては、本メニューの保証料補助率を、小規模事業者についてさらに四分の三まで引き上げるなど、負担軽減につながる支援を図ることといたしました。
引き続き、事業者への影響を注視しながら、適時適切な対応を講じてまいります。
○渋谷委員 長期的な資金ニーズに対しても、補正予算でしっかりと対応していることが確認できました。
今後も中小企業に寄り添い、その状況をよく見ながら、事業の継続、経営の安定化を資金面から着実にサポートしていただくよう要望いたします。
次に、漁業者の経営安定に向けた取組について伺います。
近年、燃油価格は高止まりの状況が続いており、今回の中東情勢の緊迫化を受け、その影響は燃料費にとどまらず、石油由来の資材価格の上昇へと波及しています。
こうしたコスト増は、都内の水産業においても例外ではありません。とりわけ、漁獲した魚の出荷に不可欠な発泡スチロール製の魚箱については、直近で価格が約三割上昇しているとの声を聞いています。こうした資材は費用に占める割合も大きく、資材の価格高騰は、漁業経営に深刻な影響を与えるものといえます。
将来的には水産業においても石油由来の資材からの転換も必要ではありますが、まずは足元の危機を乗り越え、操業継続を支えることが重要であると考えます。
そこで、こうした水産業の現場の状況を踏まえ、漁業者の経営安定化に向けた支援を一層強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○板倉農林水産部長 都は、厳しい環境に置かれている漁業者を支えるため、燃油価格が一定の基準を超え上昇した部分に補填を行う国の積立金制度を利用する漁業者に対し、通常、積立金の二分の一を補助するところ、さらに高騰した場合は五分の四に引き上げております。
これに加え、今回の補正予算において、魚箱や保冷剤等の出荷資材の平均単価が本年四月と比較して三〇%以上高騰した場合、その購入経費に対する補助率を従来の三分の二から五分の四へ引き上げることといたします。
こうした取組により、漁業者の持続的な経営や都民への水産物の安定供給につなげてまいります。
○渋谷委員 漁業者からは、資材高騰により経営が圧迫されているという話も聞いております。こうした声に応える支援策について評価するとともに、今後も現場の実情を把握しながら取り組んでいくよう求めます。
次に、中小企業における物価高騰対策について伺います。
都は、特別高圧電力や工業用LPガスを利用する中小企業の負担軽減に向けた支援金事業を令和五年度に開始しました。実績を伺ったところ、多くの事業者が継続して利用しており、改めて都内中小企業の経営を下支えする大変重要な事業であることが分かりました。
こうした状況の中、都は、都議会自民党が行った知事への緊急要望を受け、この支援金事業の延長を今回の補正予算に盛り込んだことは評価をいたします。
今後も必要な事業者に支援を着実に届けるためには、手続の負担軽減や利用者の掘り起こしなど、利用しやすさと周知の両面から取組を強化することが重要です。
そこで、都は、本支援金事業を継続するに当たり、より多くの中小企業が申請できるよう工夫すべきと考えますが、具体的な取組内容を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、エネルギー価格高騰等への対応として、特別高圧電力や工業用LPガスを使用する中小企業等のコスト負担を軽減するため、これまで六回にわたり、事業者からの申請に基づき、支援金を給付しております。
物価高騰が続く中、今回、令和八年七月から令和九年三月までの九か月間を対象に支援してまいります。
支援金の申請に当たっては、オンライン手続のさらなる簡素化や交付予定時期の提示などに取り組み、申請者の利便性向上に努めてまいります。
また、情報発信や商工会、業界団体等を通じた会員企業への周知等の取組に加え、テナント施設に入居している未申請者に対しまして申請を直接働きかけることなどにより、多くの中小企業の負担軽減が図られるよう取り組んでまいります。
○渋谷委員 継続利用が多いことは、それだけ現場の中小企業に切実なニーズがあることの表れです。新規事業者の掘り起こしや申請負担の軽減にも取り組みながら、厳しい経営環境にある中小企業に対し、経営を下支えする支援を着実に届けていただくことを求めます。
次に、地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業について伺います。
エネルギーコストの問題は、多くの中小企業にとって避けられない大きな課題となっています。
我が会派はこれまでも、エネルギー価格や物価の高騰に苦しむ中小企業に寄り添い、安定して事業活動が継続できるよう、都に支援策の強化を求めてきました。
中東情勢によるさらなるエネルギーコストの上昇が懸念され、事業者の先行きへの不安は一層深刻さを増しています。
こうした中、化石燃料の変動リスクの影響を受けにくい再生可能エネルギーの導入は、中小企業にとって、脱炭素化に貢献するだけでなく、コスト削減につながり、環境変化に負けない経営の安定化と強靱化にも大きく寄与いたします。
都として、再エネに対するニーズの高まりを踏まえ、支援規模を大胆に引き上げ、再エネ導入を一層拡大すべきと考えますが、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、脱炭素社会の実現に向け、都内中小企業等に対して、再エネ設備の導入に要する経費の一部を補助する取組を実施してございます。
中東情勢の不安定化に伴い、化石燃料価格の変動リスクが高まる中、本事業に対する問合せが三割ほど増えるなど、再エネ利用によってエネルギーコストの負担軽減につなげる取組への関心が高まってございます。
今回の補正予算では、都内中小企業等における再エネ発電設備の導入を加速するため、今年度の予算規模を約六十九億円から約九十二億円へと拡大し、脱炭素化と中小企業の経営の安定化を図ってまいります。
○渋谷委員 事業者からは、価格高騰に対する切実な懸念が相次いで寄せられています。不安定な国際情勢が続く中にあっても、都内中小企業の経営基盤を強固にする観点から、エネルギーの安定供給に向けた支援を今後も着実に実施していってもらいたい。
昨日、我が会派の田村都議の一般質問において、都内中小企業の技術力を生かし、石油への依存度を低減するための先駆的な技術革新を推進すべきと提案いたしました。都からは、中小企業への代替製品の開発に対する支援事業を開始する旨の答弁がありました。
こうした開発に取り組む中小企業をきめ細やかに支援することは、石油のみに依存しない社会へと転換するために重要です。
そこで、非石油由来製品等開発支援事業における取組内容、想定される支援例などについて伺います。
○大川商工施策担当部長 非石油由来製品等開発支援事業では、優れた技術を持つ事業者十社を選定し、石油のみに依存しない製品の開発に対しまして、補助率五分の四、上限額二千万円の支援を行い、ビジネスチャンスの拡大に結びつけてまいります。
例えば、廃プラスチックを液体へと変換し燃料油として再利用する装置や、廃棄された油を再利用した製品、自然由来素材を活用し環境に配慮した製品を作り出す技術の開発などを想定しております。
開発に当たりましては、製品の設計から試験評価に関しまして、専門家による技術的な助言を実施することにより、企業の技術革新を確実なものとしてまいります。
○渋谷委員 脱炭素やエネルギー構造の転換につながる取組であることが分かりました。
中小企業による新たなイノベーションが生まれ、それらが新しいビジネスに発展することを期待いたします。
生産者の高齢化や担い手不足、農地の減少など、東京農業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。
加えて、近年は、ウクライナや中東など海外情勢の影響により肥料や生産資材価格が高騰し、農業者は大変苦労をしていると聞きます。
この状況を打開するため、石油製品への依存からの転換や、最新の施設、機器の導入などにより農業経営の高度化を図ろうとする農業者もいますが、資材価格の急騰や納期の遅延による施設整備の長期化など、経営に対する不安は一層高まっています。
このため、我が会派は代表質問において、現場に寄り添った対策を講じるよう求め、都からは、補正予算等により経営を下支えすることに加え、構造転換を進めるとの答弁がありました。
そこで、改めて、都は農業者の経営をどのように支援をしていくのか、具体的な取組について伺います。
○板倉農林水産部長 都は、輸入依存度の高い化学肥料から都内の畜産農家が生産する堆肥等への転換や、ハウスを覆うビニールの長期使用可能な資材への変更を支援しております。
これに加え、石油由来製品の不足や資材価格の高騰の影響を受けている現場の声を踏まえ、農業用シートや苗を育てるポット等の資材について、バイオマス由来の製品を使用する場合に補助率を三分の二とするメニューを補正予算に計上いたしました。
さらに、資材の遅延により施設の完成が翌年度となる場合でも整備が行えるよう、こうした取組を支援する四事業について、総額約二十七億円の繰越し枠を設定いたしました。
これらにより、農業経営の下支えと非石油由来製品への構造転換を進め、持続可能な東京農業を実現してまいります。
○渋谷委員 農業は原材料の価格高騰を価格転嫁しにくい産業です。取り組んだ支援策がしっかりと農家に届くよう取り組んでいただくようお願いいたしまして、質問を終わります。
○三雲委員 三雲です。
補正予算に入っている事業、幾つかについて、お聞きをしていきたいと思います。
まず、価格転嫁等緊急支援事業二億円について伺います。
この事業では七万社へのプッシュ型アプローチであるとか三千社への巡回相談といったことを予定されていますけども、具体的にどのようなことを実施するのか教えてください。
○福田商工部長 価格転嫁等緊急支援事業では、商工会議所等と連携し、約七万社を対象としたダイレクトメールや電話、訪問による経営状況の把握を行います。
また、中小企業診断士等の専門家を約三千社に派遣し、価格改定に向けた交渉の進め方や、製品ごとの生産コストの把握などについてのノウハウを提供いたします。
○三雲委員 この事業は、単に価格転嫁のやり方を教える相談窓口にしてしまうのでは、事業者支援としては十分でないというふうに考えます。
海外からの物流の停滞であるとか、国内の川上、川中企業による売り控えといった物理的な供給の目詰まりがどこで起きているのか、その実態調査をこの七万社へのアプローチを通じて能動的に行うべきと考えますが、局の見解を伺います。
○福田商工部長 都では、都内中小企業における中東情勢の影響について、業種別に原材料の取引状況などの調査を行っております。
今回の約七万社を対象としたアプローチにおきましては、影響のある業種や企業の規模を踏まえまして、原材料の取引状況や資金繰りなどの経営実態を把握することとしております。
○三雲委員 実態に関しては経営実態の把握が不可欠であるということですけども、中小企業診断士らによる三千社の巡回相談の現場で、資材不足による操業停止リスクなど、事業者の厳しい実態を早急に集約する仕組みを設けていく必要があると思います。それについてお伺いします。
○福田商工部長 企業巡回によって得られた情報につきましては、定期的に集約いたしまして、商工会議所等が行う巡回指導などに反映させるとともに、目詰まり、偏り解消等に取り組む国の窓口へ情報提供することとしております。
○三雲委員 ありがとうございます。
仮に大手の元売であるとか川中の卸業者が不当に在庫を抱え込んでいるとか、あるいは下請に対して不当に価格の据置きを強要しているとか、こういった悪質な目詰まりであるとか下請法違反の疑い等が発覚した場合、都には取り締まる法的な権限がありません。
都の調査でつかんだ目詰まりの事実等を、法的権限を持っている公正取引委員会であるとか経済産業省へ迅速に通報して国を動かす、そうした連携体制が必要だと思いますけれども、見解をお伺いします。
○福田商工部長 都は、中小企業における取引の適正化を図るための専門組織を中小企業振興公社に設けており、法令違反が疑われる事例があった場合には、公社の紛争解決専門員が解決に向けサポートを行うほか、公正取引委員会などの相談窓口を紹介いたします。
また、原材料の納期に大幅な遅れが見受けられるなどの場合には、目詰まり解消等に取り組む国とも協力し、こうした情報の共有や企業の訪問を行うなど、適切に対応いたします。
○三雲委員 ありがとうございます。
中東の石油に依存し続ける限り、有事の際の供給不安というものは繰り返されます。
今回の補正予算には、新規のナフサ代替素材等開発支援事業三億円、そしてまた債務負担行為二億円が計上されています。
川上の素材から川中の製品を取り扱う事業者を支援ターゲットとしていて、最大三年間の息の長い支援ですけれども、これが都内産業における脱中東依存であるとか目詰まり解消にどう結びつくのか、具体的な期待効果を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、ナフサを原料としない素材の開発に取り組む事業者等への支援を開始いたします。
様々な製品の原料となる素材の多様化を進めまして、石油のみに依存しない経済への構造転換を目指していくこととしております。
○三雲委員 支援規模については二件ということでかなり限られていますけども、具体的にどういった事業を選定するのでしょうか。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業は、バイオマスや廃プラスチック由来の素材など、ナフサを原料としない素材の開発に取り組む事業者等を対象に広く公募し、選定いたします。
支援対象となる事業者等の選定は、公募の上、公募要領で定める基準に基づき、豊富な知識や経験を持つ外部の専門家等の意見を踏まえ、実施することを想定しております。
○三雲委員 ありがとうございます。
幅広く公募して選定する一方で、二件しか選定されないわけなので、かなりしっかり選んでいただいて、効果的に事業が活用されるような事業者を選んでいただきたいというふうに思います。
続いて、新規の非石油由来製品等開発支援事業二億円についてお伺いします。
この事業については、川中から川下製品を取り扱う事業者をターゲットとして、支援期間一年九か月以内、規模十件とされています。
先ほど伺った事業とは、川上から川中、あるいは川中から川下といった違いはありますけれども、これらを一体の事業とせずに、あえて分けた意図について教えてください。
○大川商工施策担当部長 ナフサ代替素材等開発支援事業は、大企業も含めた事業者等に対して、最大三年にわたり、ナフサを原料としない素材の開発を支援するものでございます。
一方、非石油由来製品等開発支援事業は、中小企業に対して、最長一年九か月にわたり、既に存在している素材を活用した代替製品の開発を支援するためのものでありまして、両事業は支援対象や実施内容等において相違しているため、別事業として実施するものでございます。
○三雲委員 ありがとうございます。内容であるとか対象が違っているということをご説明いただきました。
この事業に関しては、ナフサ代替素材等開発支援事業とは異なって債務負担行為は計上されていませんけども、これは年度内に支出が完了するといったことを予定されているんでしょうか。
○大川商工施策担当部長 本事業は、中小企業支援に豊富な知見を有する政策連携団体である東京都中小企業振興公社に出捐することで、最長一年九か月にわたり支援を行うものでございます。
○三雲委員 ありがとうございました。
それから、スタートアップを活用したナフサ代替素材等の社会実装促進事業〇・四億円、債務負担行為一億円に関しては、スタートアップ戦略推進本部所管のスタートアップによる資源・エネルギー等レジリエンス強化事業四億円、債務負担行為九億円と少し似ているところがあるかと思います。
先ほどスタートアップの方でその違いについてはお聞きしましたので、あえてご説明は求めませんけれども、こういった事業を緊急に行っていこうというときに、似た事業がある中で、別々の局で別々の事業を行っていて、それぞれ違うということは分かるんですけども、ある程度の関連性があるのであれば協働していくといったことも必要なのではないかというふうに思いましたので、その点は申し上げておきたいというふうに思います。
続いて、経営基盤安定化緊急対策事業についてお伺いします。
事業者の切迫した営業状態に応じた即応支援についての具体的な予算の使い分けを伺います。
今回の補正予算では、中東情勢の変化によって売上げ減少や利益率の低下等の影響を受けた中小企業等に対する支援として、資金繰り支援である中小企業制度融資二十五億円、これと、設備投資支援である中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業、これ百九億円なんです。二つの予算が用意をされています。
コロナ禍でのゼロゼロ融資の返済と昨今のコスト高騰で弱ったところに、中東情勢の変化によってさらに資金繰りが苦しくなってしまった企業、それと、コスト高騰で利益率が落ちているために設備投資を必要とする企業とは経営状態が全く異なりますけれども、こうした二つの予算を事業者の実態、状況に合わせてどのように的確に届けていくのか、その方針をお伺いします。
○福田商工部長 中東情勢による影響は様々な業種や規模の事業者に及んでいるため、企業の状況に応じた支援策を紹介する必要があることから、ホームページやSNS等による情報発信のほか、企業へのアウトリーチに加えまして、地域の商工会議所などの支援機関や金融機関などとも連携した周知を行います。
○三雲委員 地域の方とお話をしていくと、あまりこうした支援事業について情報をお持ちでない方が多いなという印象を受けますので、特にアウトリーチという言葉がありました、しっかりと情報提供していただいて、的確にこうした事業を使えるようにしていただければというふうに思います。
その上で、百九億円、規模五百社の経営基盤安定化緊急対策事業については、原材料費の縮減等に資する設備やシステム導入に向けた取組支援として、助成上限二千万円、助成率五分の四というふうになっていますけども、これ、即効性が求められると思います。どのようなスピード感でこれを執行していくのかについてお伺いします。
○福田商工部長 多くの中小企業が厳しい経営環境にあるため、補正予算成立後、速やかに事業者からの具体的な相談や問合せなどに対応できる体制を整備するとともに、申請受付の終了後、書類や面接審査を行い、おおむね二か月から三か月程度で交付決定を行うこととしております。
○三雲委員 ありがとうございました。
中東情勢については、米国とイランの間で覚書が締結されましたので、今後、少しずつ物流の回復というものも期待できるところかなというふうに思っておりますけども、今回、改めて我が国の産業構造全体の構造的なリスクというものが明らかになりましたので、今回上げていただいている予算については、その必要性、重要性は失われていないというふうに考えております。
こうした予算の成立後は、都内の事業者に確実に、迅速に支援を届けていただきたいということをお願いするとともに、今回、明らかになった課題を踏まえて、平時からの代替資源、素材、エネルギー源の社会実装に着実に取り組んでいただきたいということ、そしてまた、有事の際には、今回明らかになったように市場の一部に物資が偏在するといったことが起こりかねないので、こうした状況を防ぐための指導できる仕組みについてもご検討いただきたいと、このように申し上げて質問を終わります。
以上です。
○いいだ委員 まず、電力需給最適化に向けた取組について伺います。
中東情勢の影響により先行き不透明な状況が続く中、石油のみに依存しない社会の実現に向け、都は今回、再生可能エネルギーの導入拡大を進めることとしています。再生エネルギーの導入には、エネルギーマネジメントの取組などを併せて進めることが重要であります。
最近では、AIを活用した電力需要予測システムの導入や、再生エネルギー設備等をICTで統合制御して最適化するスマートグリッドの構築などの取組も始まっています。
例えば、私の地元調布市においても、市独自の環境基本計画の下で市民や事業者と一体となった脱炭素化が進められており、こうした基礎自治体での草の根の動きを広域的な都のインフラや最新技術が支えていく構図が求められるというふうに思います。
こうした先進的な技術を活用し、脱炭素化に向けた取組を戦略的に進めることが重要であると考えるが、都の見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、エネルギーマネジメントなどの電力需給を最適化する取組を行う事業者に対し、事業の実施に必要な経費の一部を補助する取組を行ってございます。
再エネの利用を拡大していくためには、より多くの再エネ設備や蓄電池等を活用するとともに、それらを統合して運用することで電力需給を最適化する必要がございます。
このため、本事業におきまして、AIによる需要予測などの最新技術やスマートグリッドの導入等によりまして、複数の再エネ設備等を束ねて運用するアグリゲーションビジネスの取組に係る今年度の支援規模を六十八件から百十件へと拡大いたします。
これによりまして、電力需給の安定化を図り、再エネを最大限活用することで、脱炭素化とエネルギーの構造転換を進めてまいります。
○いいだ委員 AIなどの先端技術を効果的に活用していただくことで、脱炭素化とエネルギーの構造転換を確実に進めていっていただきたいというふうに思います。
次に、ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業について伺います。
ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業、これについて、都はこれまで、都議会公明党の強い要望を受け、省エネ設備導入支援を拡充するなど、異常気象による猛暑やエネルギー価格の高止まりに苦しむ中小企業を守る対策を講じてきました。高く評価いたします。
しかし、中東地域が不安定化したことに伴い、エネルギー価格の変動リスクが高まるなど、不測の事態が生じています。我々の元へも中小企業等から電気やガスなどエネルギー価格に対する不安や窮状を訴える切実な声が多く届いており、燃料コストの低減を図る上でも、省エネルギーの取組の重要性が増しています。
私の地元狛江市の中小企業や商工会の関係者からも、電気代やガス代の負担が経営を圧迫しており、一刻も早く省エネ設備への更新を進めたいが、資金繰りが厳しいといったような切実な声が数多く寄せられております。
都として、省エネ設備の導入支援について規模を拡充するなど、より多くの事業者が活用できるよう強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、都内中小企業の消費エネルギーを削減し、脱炭素化を促進するため、省エネ設備の導入等に要する経費の一部を補助する取組を実施してございます。
中東情勢の不安定化に伴い、本事業に対する問合せが約四割以上増えるなど、エネルギーコストの低減に向けて、省エネに対する事業者の需要が高まっております。
今回の補正予算では、省エネ設備の導入を加速するため、今年度の支援規模を千百五十件から千五百五十件へと拡大し、都内中小企業の省エネ対策をより一層後押ししてまいります。
○いいだ委員 本事業は毎年度、募集規模を上回る、そういったニーズがあるというふうに聞いております。我が党はこれまで、募集枠の拡充、これも要望してまいりましたけれども、都内中小企業のニーズに適切に応えられるように、引き続きしっかりと対応していっていただきたいというふうに思います。
次に、中東地域の不安定化は、エネルギー価格の変動リスクにとどまらず、資材の供給不安や流通の停滞といった形で、建設業、製造業、塗装業など多くの業界に影響を及ぼしています。
こうした中、資材の調達遅延等により工事の進捗が滞り、契約どおりの期限内に事業を完了できない、そういった事例も生じており、企業の事業活動にも深刻な影響を与えつつあります。
実際に、省エネ設備を導入するため補助金を申請している企業が、資材不足により設備が調達できないなどの理由により、補助金の履行期限までに工事を完了できないとの声も多く届いております。
企業の省エネ対策の支援に当たっては、こうした現場の実態を踏まえ、工期の柔軟な対応など、実情に即した、そういった対策を講じていくべきだというふうに考えますが、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 中東情勢の不安定化により都内中小企業が直面している課題を踏まえて、適切に対応していくことが重要でございます。
このため、都は今月から、中東情勢や猛暑によるエネルギーコスト増などに直面する中小企業を支援するため、特別相談窓口を東京都環境公社に新たに開設いたしました。この窓口では、中小企業からの省エネ、再エネに関する相談に加え、補助金等の支援策に関する情報提供も行ってまいります。
また、補助事業の完了期限につきまして、中東情勢の影響による資材調達の遅延など、やむを得ない場合には延長を認めるなど、中小企業の実情に応じた柔軟な対応を図ってまいります。
○いいだ委員 中東地域の不安定化に伴う影響が様々な形で表れております。エネルギー価格の高騰や原材料の調達難などが広がり、中小企業の多くが不安感を抱いていることと思います。また、中小企業には多くの従業員の皆さんもいらっしゃいますので、そういったところにも波及していく、そういったおそれもあります。
省エネ化を進めることは、脱炭素社会の実現に寄与するとともに、事業コストの低減につながります。都の産業や雇用を支える中小企業が今後も持続的に事業活動が行えるように、切実な声に寄り添い、しっかりと支援に取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
補正予算について、私からも質問いたします。
イラン戦争による資材不足や価格高騰の影響は、建設業、製造業、医療、福祉、農業など広範に及び、深刻の度を深めています。
東京都にも要望を行った全建総連は、我が党との懇談の際に、このままだと倒産する、物すごいスピードで材料がなくなっている、引渡しができない、現場の資材が盗まれる、建設業界が破綻するという窮状を訴えられていました。
中小起業家同友会は、東京都への要望の中で、物が入らないために完成引渡しができず入金が途絶えるという、中小企業にとって致命的な事業継続の危機だと述べています。
一方、東京都は、おとといの代表質問の答弁でも分かるように、今回の事態を危機とは受け止めていません。何より、知事が所信表明で、現下の状況をむしろチャンスと捉えと述べられています。困窮した現場からは、これのどこがチャンスなんだと、怒りの声さえ聞こえてくるようです。先の見通しを持てるような支援を行ってからいうべき話だと思います。
初めにお聞きしたいと思います。今回の補正予算を組んだ目的について伺います。
○阿部総務部長 今回の補正予算につきましては、中東情勢の影響を踏まえ、石油のみに頼らない社会の実現に向けてエネルギー構造の転換等を加速するとともに、足元で厳しい事業者の皆様の不安を払拭していく観点から、措置を講じたものでございます。
なお、つなぎ融資の一部事項につきましては、予備費を活用して迅速に対応を開始しております。
○藤田委員 やはり、全く危機感がないといわざるを得ません。事業者の皆さんの足元にある不安というのは、差し迫った廃業の危機によるものなんです。
こうした事業者の皆さんが日々直面しているのは、今をどう乗り切るかということです。一つ工程が止まれば完成しない、一つの現場が止まれば次へも波及する、三月から仕事が止まって新しい仕事が受けられず、数か月先まで収入が途絶えるという状況です。そういうところでは、既に倒産、廃業だというお話になっています。仕事に必要な材料が手に入らないことが大きな原因です。
特に厳しいのが建設業です。ナフサは住宅建材の基礎原料となっています。プラスチック、塗料、接着剤、合成樹脂。壁紙も、断熱材も、水道管も、屋根も、外壁も、床も、そのほとんどがこのナフサから生まれています。
建設業界では、ナフサショックといわれていて、かつてない材料の供給危機に直面しています。これは事業者の責任ではありません。だからこそ、今を支える支援が必要なんです。
そうした支援策を考える上で必要なのが現場の実態把握です。中東の影響について、都内の中小企業に調査を行ったということですが、調査の目的と調査項目及びどんな業種に行ったのか、伺います。
○福田商工部長 都では、中東情勢の影響に関する実態把握のため、業界団体等を通じて、製造業や建設業を含む幅広い業種に対して、業種別に原材料の取引状況などの調査を行っております。
○藤田委員 製造業や建設業含めてということで、業種ごとに原材料の取引状況、材料が入ってこないとか、入りにくくなっているとか、価格が高騰しているといった調査を行ったということです。本来なら、こうした調査などの情報を基に補正予算の内容を検討すべきだと思います。
一方で、この調査は公表がされておりません。都が独自で行った調査を公表しないのはなぜですか。
○福田商工部長 現在、業種別に取りまとめを行い、専門家の意見を聞いているところであり、今後、事業者等へのフィードバックを行うこととしております。
○藤田委員 公表しないとはいわれませんでしたので、ぜひ公表していただきたいと思います。
業種ごとに取りまとめを行い、事業者にはフィードバックをすることになっているという答弁でした。早急に取りまとめていただきたいと思います。
日本共産党の区市町村議員団が都内の建設業者に話をお聞きしますと、六月までは何とかなるけれど、その後の見通しがない、六月、七月の給料が払えない、廃業しかない、シンナーは五千円だったのが五万円、従業員は五人いるけれども、入ってくるお金は一人分しかないなど、すぐに改善する見通しのない話ばかりです。
確認なんですが、この調査、今後も続けるべきだと思うんです。ぜひともこの調査、続けるということで予定はあるでしょうか。伺いたいと思います。
○福田商工部長 今後につきましては、引き続き中東情勢の影響に関する実態把握のため、業界団体やアウトリーチの手法を使いました調査に基づきまして実施する予定でございます。
○藤田委員 今行っている実態調査、継続していただきたいんですが、答弁で否定はされませんでしたので、ぜひ実態調査の継続を求めておきます。
仮にあしたホルムズ海峡の封鎖が解除されたとしても、原油が到着するのには三週間から一か月程度かかりますし、そこから原油を精製して製品に至るまでにもかなり時間がかかると。そして、通常どおりに資材が調達できるように、サプライチェーンが回るようになるまでにも数か月から数年かかるともいわれています。
また、政府や企業は代替調達を進めているということですが、原油というのは、産地が変わると日本で精製するための設備もその原油の性質に合ったものへと切り替える必要があります。量を確保できても、精製効率やコストが悪化すれば、今までと同じ割合でナフサが抽出されるとは限りませんし、さらなる価格高騰にもつながります。
イラン情勢の影響、ホルムズ海峡封鎖の影響は、流通だけにとどまらず、広範囲かつ長期に及ぶことが想定されますので、改めて、調査は引き続き実施するよう要望いたします。
今必要なのは現場の実態に見合った支援を行うことです。そして、実態を把握する上で最も力になるのは現場の生の声です。
中東情勢に関連し、どのような団体から要望を受けましたか。また、要望項目と、要望書を受けた際に聞いた声について、具体的に説明してください。
○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中東情勢に伴う各種要望を、経済団体や区市町村などから受領しております。
建設や塗装の団体等からは、中小企業の現場において、原材料不足や価格高騰により事業活動に影響が生じていることから、都に対して、資金繰りや経営支援などへの対策、エネルギーなどの経常費削減に向けた支援の充実など、様々な要望をいただいております。
○藤田委員 私は具体的にとお聞きしたんですけども、大分抽象的でした。
今回、委員会の資料に要望を行った団体と要望の項目をまとめてもらっておりますので、ご参照ください。
例えば、全建総連や塗装の団体は、中小建設事業者、専門工事業者の経営悪化を防ぐため、緊急の支援策などを求めています。
東京商工団体連合会は、電気、ガス代、資材の高騰に対し、負担を軽減する助成制度など直接支援や、工場、家賃、リースなどの固定費補助などを要望されています。物が入ってこないために仕事ができないけれど、事務所の家賃や光熱費などの固定費は必ず必要になりますので、今を乗り切るための直接支援が不可欠だということです。
建設業では、断熱材、防水材、塗料、シンナー、塩ビ製品、屋根材など多くの資材で価格高騰、受注制限、納期調整、生産停止などが相次ぎ、現場では、見積りができない、工期が読めない、このままでは建設業がなくなってしまうなど、深刻な声が上がっています。
例えば、住宅の外壁の塗料がなく塗れないままになっているけれども、一度組んだ足場は次の現場の契約がありますので解体しないといけないと、工期がずれるので次の現場にも影響が出たり、全く関係のない現場にまで波及すると話されていました。
五月十五日、産業労働局の皆さんもお聞きになったと思いますが、東商連の皆さんのお話では、ユニットバスの受注停止でお風呂が入れられないことで、壁や扉の工事もできないということで、ほかの業種にもやっぱり影響はする。一人親方の方というのは、ご自分で資材の調達をしたり、そして契約をして、また事務作業まで行っていて、そういう一人で行っている方というのはホームセンターで買物もするそうなんですが、ホームセンターにも断熱材は全然ないというお話もされていました。経験したことのないことが起きているということで、小さいところからやめていってしまうんだというお話もされていました。
直接要望を受けた団体からの声や要望というのは、補正予算を組む上で、どのような検討がされたのですか。
○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、経済団体や区市町村などからの要望のほか、業界団体等を通じた調査なども踏まえ、様々な観点から検討を行いました。
今回の補正予算では、経営の下支えによる事業継続と、石油のみに頼らない社会の実現に向け、制度融資の拡充や価格転嫁への支援、エネルギー等のコスト削減につながる省エネ設備の導入や代替素材の開発などを後押しすることで、中小企業の持続的な成長につなげることとしております。
○藤田委員 私は、直接要望を受け取った団体の皆さんからの声とか要望が今回の補正予算を組む上でどんな検討がされたのかと、踏まえていたのかということをお聞きしたんですけれども、もう一回伺いたいと思いますが、皆さんから寄せられた要望、そして実際に聞いた声、こうしたものは、今回の補正予算を組む上で検討されたんでしょうか。いかがですか。
○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、経済団体や区市町村などからの要望のほか、業界団体等を通じた調査なども踏まえ、様々な観点から検討を行いました。
今回の補正予算では、経営の下支えによる事業継続と、石油のみに頼らない社会の実現に向け、制度融資の拡充や価格転嫁への支援、エネルギー等のコスト削減につながる省エネ設備の導入や代替素材の開発などを後押しすることで、中小企業の持続的な成長につなげることとしております。
○藤田委員 質問に答えてください。答弁を繰り返さないでください。
様々な観点ということで、様々な団体から聞いたわけではなく、様々な観点からとお答えになりました。今お答えになった経済団体というのが、もしかしてこの全建総連や東商連のことをおっしゃっているんでしょうか。
この経済団体に、今回、直接要望してくださった団体も含まれているのか、いないのか、これだけお答えください。お願いします。
○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 経済団体には、要望があった団体ということで、資料にあった団体も入ってございます。
○藤田委員 そうであるなら、声や要望を踏まえて検討していたということであるなら、中小企業の経営の下支えとか、そういうふうには答弁でおっしゃいますけれども、今回の事態のように物がなくて仕事ができないという状況で、そこを支える支援策がないという状況なんです。
例えば、融資制度は繰り返し答弁でも強調されていましたので、ちょっと具体的にお聞きしていきたいと思うんです。
今回の融資制度では、新たに中東情勢対応クイックつなぎを創設して、制度融資の拡充を行ったということです。この狙いについて伺います。
○若林金融部長 中東情勢の影響を受ける都内中小企業の資金繰りを支援するため、当面の資金需要に迅速に対応するつなぎ融資メニューを創設するとともに、信用保証料補助を拡充し、利用者の負担軽減を図ることとしたものでございます。
○藤田委員 迅速に対応するためということです。しかし、幾らすぐに借りられるメニューをつくったといわれても、いつ仕事ができるようになるのか分からないという状況なわけですから、先の見通しが立たないので、返せるめどが立ちません。事業計画が立てられないので、そもそも金融機関は融資をしてくれません。何度もいいますが、これは事業者のせいではありません。
また、借りたいという方からも、融資制度への要望として最も多く出されたのは利子補給です。全建総連との懇談でも、ゼロゼロ融資はぜひともやっていただきたいと話されていました。しかし、今回の制度融資の拡充の中には利子補給は含まれていません。
制度融資を拡充する上で、利子補給の検討はしたのですか。
○若林金融部長 制度融資につきましては、金融仲介機能を通じた経済の循環を前提に、中小企業の信用力を補完し、預託金や保証料補助等による重層的な支援を行ってございます。
今回の資金繰り支援策は、様々な選択肢について検討を行い、経済を円滑に回す観点から、つなぎ融資メニューを創設するとともに、保証料補助の拡充による事業者の負担軽減を図ってございます。
○藤田委員 利子補給の検討はしたのかという質問に対して、まともに答える答弁ではなかったんですけれども、様々な選択肢に利子補給も含まれていたのです。しかし、結果的には利子補給は行わなかったということなんです。
一方で、中野区は、今回の事態を受けて、融資限度額二千万円のゼロゼロ融資を始めました。背景には団体要望で資金繰りが必要という話があったということ、しかし、実際には、より資金繰りをしやすくするために区として行ったというお話でした。
中野区にできて、東京都にできないはずがありません。コロナのときとは事情が違うとかいう話ではなく、現場が何を求めているのか、どうすれば事業が続けられるかという現場の実態から検討することが重要です。
廃業、倒産だという話、次々出ています。既に転職をしているという方もいらっしゃいます。そうした危機に直面した現場に軸足を置いて支援策を考えることが必要です。今からでも遅くありませんので、利子補給を行うよう求めておきます。
この補正予算の内容に対して、建設業の方から直接、補正予算どうですかと、ご意見をお聞きしました。全く使えないといわれました。ほかの事業者の方も、求めているものとはかけ離れた内容ですねというご意見も私の元に寄せられました。
ほかにも補正予算案には価格転嫁への支援や省エネ設備の導入支援なども含まれておりますが、そもそも材料がなくて仕事ができないのですから、価格転嫁という話ではありません。当然、収入が途絶えているので、設備投資などできません。
とりわけ今回、深刻な事態となっているのが建設業です。建設業では、国民の衣食住の住、住まいを守る仕事をされています。防災、減災、地域インフラなどを担う基幹産業となっています。
一人親方が多いという特徴があって、その一人親方は、優れた技術を持って一人で資材調達や施工、事務処理まで行うこともありますが、材料がなければどうにもならないんです。そして、既に防水などの専門業者が転職を始めたというお話を伺いました。ただでさえ少なくなっている職人が、いなくなってしまう可能性まで出てきています。地域の建設事業者が崩壊すれば、災害復旧やインフラ維持すら困難になってしまいます。
こうした方々は、商店会や自治会、町会、消防団なども担っていて、まさに地域のコミュニティを支える大きな力になっている人たちです。こうした方々を守ることができるのは、行政であり、皆さんなんです。声を伺っているというだけでなく、それをきちんと支援策に反映させていただきたいと思います。
今を支えることができれば、東京のインフラと都民の暮らしを支える建設業界を守ることができます。現場が必要とする施策を本気で実施していただくことを改めて強く要望いたしまして、質問を終わります。
○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。
我が会派は、都を取り巻く現下の状況を踏まえた緊急要望としまして、都内事業者の経営状況の急速な悪化を避けるための支援、省エネルギー化や資源の有効活用を求めてまいりました。
今補正予算において、都が、原材料の供給制約や価格高騰等の影響を受ける事業者の経営を下支えするために、中小企業等の資金繰りや適正な価格転嫁を支援する取組に予算を計上し、迅速に対応することを評価する一方で、エネルギー構造の転換や都市に眠る資源の有効活用等に向けた先駆的施策については、その必要性や効果についてより明確にすることで、都民に十分に説明を行っていく必要があると考えています。
まず、エネルギー構造の転換や都市に眠る資源の有効活用等に向けた先駆的施策全体についてお伺いします。
当初予算で実施中のZEV補助、SAF価格差支援、省エネ設備導入支援など、今補正予算は、多くの事業の規模拡充や上限引上げ、こういったものがございます。
改めて、当初予算で想定した規模では不十分であると都が考える理由をお伺いしたいと思います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、令和八年度当初予算において、エネルギー効率の最大化やZEVの普及拡大に向けた取組など、ゼロエミッションを達成し、持続可能な環境先進都市を実現するために必要な予算を編成してございます。
今回の補正予算では、中東情勢の影響を踏まえ、脱炭素化やエネルギー構造転換を加速するため、再エネや省エネの導入等の支援の規模拡充を図るとともに、今後、価格上昇が見込まれるEV等への補助上限額を引き上げます。
また、国産SAFの供給事業者に対し、従来の支援にさらなる上乗せを行ってまいります。
これらによりまして、東京の持続可能性を高めてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。東京都が、このピンチをチャンスに変えるという前向きな姿勢と決意を持って、エネルギー構造の転換に取り組むということは評価したいと思います。ただ、単にメッセージを示していくということで終始せぬように、根拠に基づいた支援方法や金額を設定し、実効性のあるものとすることが大切だと考えております。
そこで、ZEV普及促進事業及びシェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業についてお伺いしたいと思います。
電気自動車を導入する事業者を支援することで脱炭素化の取組を強化することは、時宜にかなった取組だと考えます。
中東情勢の悪化以降、世界各国でEVの需要が高まっている一方で、リチウムイオン電池に使用されるレアメタルの価格高騰や供給不安が車両価格を押し上げており、順調に販売台数が増えていくかは不透明な状況でございます。
都は、こうした情勢がZEVの普及にどのような影響を与えると考えているか、お伺いしたいと思います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 今後、EVとガソリン車の価格差の拡大が見込まれるものと考えておりまして、購入時の事業者の負担を抑えることで、引き続きZEV導入を推進し、運輸部門の脱炭素化を着実に進めるとともに、エネルギー構造の転換を加速し、東京の持続可能性を高めてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。今回の補助額上限の引上げは、今後見込まれるEVとガソリン車の価格差を埋めることが目的で、また、そこで購入時の事業者負担を軽減するためであると、そのように理解をしました。
その上で、この補助上限は、EVは百万から百三十万、PHEVは八十五万から百十五万に引き上げるとしていますが、その根拠について伺いたいと思います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 中東情勢等の影響により、EVで多く使われるアルミニウムや銅などの原材料価格が高騰しており、今後、EVの車両価格の上昇が見込まれてございます。
本補正予算では、EVとガソリン車の価格差につきまして、原材料ベースで価格上昇額を試算し、補助上限額を三十万円引き上げることとしてございます。
○福井委員 ありがとうございます。この三十万円という金額が、原材料ベースでの価格上昇額の試算によるものということで、一定の根拠に基づいた金額設定であるというふうに理解をしました。
今後も原材料の供給不安、また、需要の高まりなど、様々な要因によって、このEVの市場の状況は変化するものと考えます。引き続き市場の分析を行って、適切な補助金額となるよう検証を重ねていただくよう要望したいというふうに思います。
また、今補正における引上げ額の三十万円の内訳が、ベースの十万プラスGX取組の二十万という内訳になっておりますけれども、このGXの取組、具体的にはどのような要件になるかを伺いたいと思います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業では、基本補助額に加えまして、自動車メーカー別に補助額を設定しており、メーカーごとの上乗せ額といたしまして、自動車メーカーのGX実現に向けた取組等を総合的に評価してございます。
評価項目ですが、充電インフラの整備などユーザーが安全・安心に乗り続けられる環境構築や、バッテリーリサイクルなどライフサイクル全体での持続可能性の確保などが挙げられます。
今回の補正予算では、基本額の部分に十万円上乗せするとともに、GX実現に向けた取組を二十万円上乗せすることによりまして、自動車メーカーのGX実現に向けた意欲を喚起させ、ZEVの普及を後押ししてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。
メーカーごとに取組を評価して上乗せを行うものということで、どのメーカーが上乗せの対象になっていくかなど、事業者側が申請に当たり必要な情報が得られるよう、しっかりと周知徹底を行っていただくことを求めまして、次のテーマに移りたいと思います。
次に、価格転嫁等緊急支援事業について伺いたいと思います。
中小企業が適切な価格転嫁を行えるよう支援することは重要です。今補正予算における価格転嫁等緊急支援事業において、都は、七万社にアプローチ、三千社を巡回、二百社に診断士派遣を行い、プッシュ型で価格転嫁に向けた支援を行うとしています。
この数値目標は、約四十万社の中小企業という数字だと思うので、そのうちの七万社ということで、非常に野心的な数字なのかなと評価するところではありますが、都単独でなかなか達成が難しい数字でもあるのではないかなというふうに思っております。
例えば、商工会、商工会議所、また中小企業振興公社など関係機関と連携して達成をしていくべきだと考えますが、どのように役割分担を行っていくか、お伺いをしたいと思います。
○福田商工部長 価格転嫁等緊急支援事業では、中小企業の取引の適正化を図るための専門組織を持つ中小企業振興公社と、都内各地域にネットワークを持つ商工会議所などの支援機関が連携し、幅広く企業の課題を聞き取るとともに、専門家によるアドバイスなどにつなげることで、効果的に支援を展開いたします。
○福井委員 ありがとうございます。
また、価格転嫁を進めていくには発注側の取引先の協力も不可欠だと思います。発注側の監視、指導の枠組みと本事業をどのように整理をしているか、お伺いしたいと思います。
○福田商工部長 受注側の企業からの相談に対しましては、公社の紛争解決専門員と弁護士が連携し、発注企業への対応について助言を行うほか、法令違反が疑われる場合は、国の専門相談窓口や法律の専門機関を紹介しております。
今回の巡回相談におきましても同様に対応いたします。
○福井委員 ありがとうございます。
先ほど三雲委員からもご指摘がありましたとおりで、都が法令違反を取り締まる法的な権限を持っていないという点がございますが、ただ、今回、せっかく七万社へのアプローチをするというところでございますので、こうしたことをしっかりと価格転嫁につなげるためにも、国の専門相談窓口との連携強化を求めたいと思います。
次に、経営基盤安定化緊急対策事業について質問いたします。
原料価格高騰の影響で利益率の低下が見込まれる中小企業に対して、設備投資に要する経費を助成する事業でありますが、総額百九億円と、中小企業経営安定化に向けた取組の柱であると考えます。
この事業の対象要件について、利益率の低下が見込まれるという将来見通し要件だけでは審査が難しいように感じます。要件に該当しない不適切な申請を減らさなければいけないですし、また、本来支援すべき事業者の支援漏れを防ぐという意味でも、しっかりと審査で確認していくべきだと考えます。
直近の決算の利益率の比較など、どのように審査をしていくか、都の見解を伺いたいと思います。
○福田商工部長 経営基盤安定化緊急対策事業では、営業利益率が前期と比較して減少が見込まれる事業者も対象となりますが、その申請に当たっては、直近の決算書に加えまして、期中の仕入れや売上げに関係する書類を提出していただき、審査を行うこととしております。
○福井委員 ありがとうございます。今、期中の仕入れや売上げに関する資料提出で適正な審査をしていくということでご答弁がありました。
また、こうした審査基準に関してもしっかりと事業者に示して、支援漏れが起こらぬようにお願いしたいと思います。
また、この支援の対象となる原材料費の縮減に資する設備、システムについても、従来の省エネや生産性向上の事業との違いを事業者に明確にするためにも、しっかりと対象範囲を示していく必要があると思います。
この原材料費の縮減等に資する設備、システムとは具体的に何を想定しているか、伺いたいと思います。
○福田商工部長 本事業は、中東情勢に伴う原材料価格の高騰などへの対応として、企業が実施する使用量の縮減や代替素材への切替え等を支援するものでございます。
例えば、伸縮性のあるフィルムを使用する包装機の導入による資材の使用量の削減や、インクの在庫ロスを削減する発注管理システムの構築などの取組を想定しております。
○福井委員 ありがとうございます。改めてになりました、先ほどの審査の基準であったり、また、こうした対象の範囲というものをしっかりと周知をいただくようにお願いしたいと思います。
最後に、島しょにおける漁業者の支援について伺います。
先日、島しょ農林水産総合センターを視察しまして、島しょ部における農業や水産業の取組について、現場の職員からお話を伺いました。
その中で、水産業が農業や観光業と並び島しょ地域の基幹産業として重要な役割を果たしているということを強く感じるとともに、本土に比べて輸送コストが高く、市場規模にも制約があることから、単純に生産量を増やすだけではなく、農業や漁業の単価を高め、限られた資源で長期的に稼げる産業構造をつくることが重要だというふうに感じました。
こうした産業構造の中、現在、この中東情勢における燃料費や資材の高騰は、漁業者の経営にとって大きなダメージとなりかねません。
そこで、まず島しょの漁業において実際にどのような影響が生じているか、状況を伺いたいと思います。
○板倉農林水産部長 東京都漁業協同組合連合会によれば、島しょ地域の漁協に供給している燃油の価格は、本年三月に比べ、四月には約二割、五月には約三割上昇しております。
また、出荷に用いる魚箱等の資材価格は、五月から約三割値上がりいたしました。
漁業経営に必要なコストの中で燃料費や出荷資材が約六割を占めており、これらの価格の変動は、漁業者の操業に大きな影響を与えております。
○福井委員 燃油や資材の価格の上昇によって、漁業者の経営に大きな影響が生じているということが分かりました。
島しょ地域は、本土に比べて輸送コストや調達手段の制約が大きく、こうした影響をより受けやすい構造にあるといえます。先ほどの答弁にもあったとおり、実際に外部環境の変化により燃油や資材の価格が高騰しており、島の基幹産業である水産業を維持していくためには、行政による的確な支援がこれまで以上に重要であると考えます。
そこで、こうした島しょの漁業者の実情を踏まえ、都として今後どのような支援を講じていくのか、伺います。
○板倉農林水産部長 都は、燃油価格が一定の基準を超え上昇した部分に補填を行う国の積立金制度について、漁業者が負担する積立金の最大五分の四を補助しております。
これに加え、資材価格の高騰を踏まえ、今回の補正予算において、魚箱や緩衝材等の出荷資材の平均単価が本年四月と比べ三割以上高騰した場合、その購入費に対する補助率を従来の三分の二から五分の四へと引き上げることといたしました。
○福井委員 ウクライナ危機以降実施されている漁業経費の負担軽減の支援を継続いただきながら、資材高騰対策をスピード感を持って手を打っていると理解をいたしました。
漁業、農業、観光業といった島しょの基幹産業を担う事業者に必要な支援が届くよう、引き続き取り組むことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時三分休憩
午後五時二十四分開議
○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○上田委員 中東情勢による原材料価格高騰に伴う価格転嫁等緊急支援事業及び経営基盤安定化緊急対策事業についてですが、都は本事業の実施により、原材料高騰に苦しむ都内中小企業のコスト負担を令和八年度中に具体的に何円引き下げ、どのような経営安定成果をもたらすと見込んでいるのか、都が期待する具体的かつ定量的な成果と目標を伺います。
○福田商工部長 経営基盤安定化緊急対策事業では、中小企業が作成する事業計画において、原材料の縮減や代替素材への切替えなどによる取組効果の記載を求めることとしております。
○上田委員 審査基準すら未定のまま予算を先行させる中、事前のばらまきや特定の事業者への不透明な選択を排除し、審査の公平性と透明性を担保するための具体的なガバナンス体制についての見解を伺います。
○福田商工部長 支援対象事業者の選定においては、募集要項等で定める審査の基準に基づき、外部の専門家などによる書類や面接による審査を実施することとしております。
○上田委員 緊急対策といいながら、審査基準を白紙のまま予算だけを先に通すという、この補正予算の手法こそが、行政のブラックボックスを生む温床となりかねないかと。事前に選択企業を想定した当て込み予算じゃないのかという懸念を、納税者、私も含めて議会にも抱かせないよう、客観的で公平な選択基準の厳格な情報公開を強く求めます。
一つ一つの事業についてお尋ねさせていただいていく予定でございます。
非石油由来の製品等開発支援事業です。
非石油由来製品等開発支援事業について、今回の補正予算では、十件の規模に対し、補助率五分の四、上限二千万として約二億四千百九十二万六千円が計上されていますが、資料要求をさせてもらいました。本事業の具体的な選定基準は、今後、募集要項等で定めると白紙状態なんですね。都内での想定企業社数は約八百社と推定されています。
そこで伺いますけれども、都は本事業の実施によりまして、令和八年度中に具体的に都内の石油消費量を何キロリットル削減し、都内の中小企業にどれほどの原材料費抑制効果をもたらすと見込んでいるのか、都が期待する成果目標を伺います。
○大川商工施策担当部長 本事業は、中小企業の新たな成長の機会を創出するため、優れた技術を有する都内中小企業十社を選定し、石油のみに依存しない製品や技術の開発等を支援するものでございます。
○上田委員 八百分の十ということで、民間市場において補助金に依存しなければ成り立たないような低効率な投資を、税金で無理やり延命させることなく、持続可能な成果を出せる、真に健全な技術や企業をどう審査で見極めるのか、都の選定におけるリスク管理方針を伺います。
○大川商工施策担当部長 支援対象となる事業者の選定は、公募の上、募集要項で定める基準に基づき、豊富な知識や経験を持つ外部の専門家等の意見を踏まえ、実施することを想定してございます。
○上田委員 真っ当な再エネ、省エネ開発投資であれば、民間企業は、本来、補助金がなくても自発的に実施するはずです。補助率が五分の四と異常に高いビジネスに対して、具体的な石油削減見込みの数字すらまともに示していただけないまま血税を投じることが、どうも容認できないんですね。民間自立の原則をゆがめない厳格な審査をこちらも要望しておきます。
ナフサ代替素材等開発支援事業、スタートアップを活用したナフサ代替素材等の社会実装促進事業です。
新規事業であるこの事業、この新規事業は、今回の補正予算は、中東情勢を受けた喫緊の不安払拭を名目に掲げているものの、その実態は最長三年間の債務負担行為を伴う中長期の技術開発投資であり、提出された資料によれば、都内での想定企業数は僅か三十社から二百六十社程度と極めて限定的であり、肝腎の選定、審査基準は、これまた今後、募集要項で策定するということです。
都は本事業の実施により、何度もいいますが、都内の石油消費量を何キロリットル削減し、都内の中小企業にどれほどのコスト削減効果をもたらすと見込んでいるのか。
また、ナフサ代替素材等開発支援事業について、都が期待する定量的な成果目標を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業は、石油のみに依存しない経済への構造転換を目指し、都内中小企業の事業継続につなげるため、中小企業が利用する様々な製品の原料となるナフサ代替素材の開発プロジェクト二件につきまして、令和八年度から令和十年度にわたり支援するものでございます。
○上田委員 同じくスタートアップを活用した社会実装についても、同じように問いたいと思います。ご説明ください。
○大川商工施策担当部長 本事業は、石油代替に資する製品や技術の活用と普及につなげるため、優れた製品や技術を持つスタートアップ五社に対し、令和八年度から令和九年度にわたり、石油のみに依存しない代替素材等の社会実装を支援するものでございます。
○上田委員 では、これもまた審査基準が分かりません。
事前のばらまきや癒着を排除する客観的な審査体制についてはどうなっているのか、まずはナフサ代替素材等開発支援事業について伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 支援対象となる開発に取り組む事業者等の選定は、公募の上、公募要領で定める基準に基づきまして、豊富な知識や経験を持つ外部の専門家等の意見を踏まえ、実施することを想定してございます。
○上田委員 同様に、ナフサ代替素材等の社会実装促進事業についてもお願いします。
○大川商工施策担当部長 支援対象となるスタートアップの選定は、公募の上、募集要項で定める基準に基づき、豊富な知識や経験を持つ外部の専門家等の意見を踏まえ、実施することを想定しております。
○上田委員 一般の中小企業が納得できる公平性、事後の厳格なチェックを希望しておきます。要望しておきます。
中小企業制度融資でございます。
今回の補正予算では、中東情勢対応として、売上げ減少の数値要件を撤廃した経営一般の融資要件の緩和が盛り込まれており、資金繰りに直面する事業者への迅速な金融支援の必要性は認めるものの、今回提出された資料により、経営安定、緊急融資における信用保証協会の代位弁済実績が、令和二年度の五百六十九件、八十三億円から、令和六年度には三千三百六十四件、五百八十一億円と、金額ベースで約七倍という急増を遂げている実態が明らかになりました。
都は、今回のさらなる数値要件撤廃に伴い、令和八年度中にどれほどの事業者救済、倒産防止の成果見込み、倒産件数の抑制目標などを想定しているのか、また、期待されている効果を伺います。
○若林金融部長 今般の中東情勢の影響を受ける都内中小企業への資金繰り支援におきましては、融資件数を延べ約三万八千件と積算しており、多くの事業者の資金繰りを支えることができると考えております。
○上田委員 これ以上の、いわゆる焦げつきを発生させず、財政規律を維持するための都独自のリスク管理や審査、スクリーニング体制をどう担保するのか、具体的な審査、手続について確認をいたします。
○若林金融部長 制度融資による事業者への融資に当たりましては、金融機関による審査に加え、信用保証協会が、事業者の財務内容など経営実態を踏まえた保証審査を行っております。
信用保証協会が代位弁済を行った場合に、都が協会に対し交付する補助金につきましては、全ての案件について都が書面調査を実施するとともに、補助金額が大きいものなどは専門家による調査を実施しております。
その上で、学識経験者で構成する審査会に諮問し、補助金支出の公正性、妥当性を適切に審査しております。
○上田委員 将来的に代位弁済を補填する、最終的なツケを支払うのは東京都民、すなわち納税者でございますので、しっかりと厳格な運用管理を強く求めておきます。
HTTに取り組む事業者の実践推進について、今回の補正予算では四千五百四十七万七千円が追加され、約五億四千二百八十四万八千円となっていますが、要求資料によりますと、その事業内容は、架電や企業訪問によるHTT取組の周知や関連事業の利用促進にすぎず、さらに、コールセンター等業務を請け負う民間事業者への委託料の総額は一億三千二百八十八万円に上り、その契約形態は、総合評価方式による、いわゆる民間丸投げとなっています。
そこで伺いますが、都は、この一億三千万円を超える巨額のコールセンター委託や案内業務を通じて、令和八年度中に都内の中小企業の電気代や燃料費を具体的に何円引き下げ、石油消費を何キロリットル削減する成果を見込んでいるのか、具体的な数値目標を伺います。
あわせて、単なる行政のやった感をアピールするためのパンフレット配布や架電業務にこれほどの血税を投じる合理的理由と費用対効果について、認識を確認します。
○岡野産業政策連携促進担当部長 HTT実践推進ナビゲーターを通じた取組につきましては、省エネルギーや脱炭素化などの取組に関心のある事業者の掘り起こしを行った上で、都の支援策の活用を提案することにより、企業の実践行動を促すことを目的としています。
令和八年度は、今回補正予算で計上している規模も含めまして、架電件数は一万九千五百社、企業訪問は一千三百五十社を計画しているところでございます。
○上田委員 HTTはどこに行っても、コマーシャルでもやっていますけれども、有名なタレントさんとか芸人さんを使っていますけれども、事業の利用を促進するためだけに一億三千万円もの公費を民間コンサルや事業者に丸投げする構造そのものが、私は、非効率的で、これはもったいないなと思っております。
今日、あしたの経営にあえぐ中小企業が必要としているのは、HTTの勧誘電話ではなく−−うちにもかかってきました−−直接的なエネルギーコストの軽減です。全面的な見直しをしていただければというふうに−−昨日、知事は答えませんでしたけれども、ゼロエミッション東京戦略について再検討が必要ではないかということを申し添えておきます。
国産SAF利用促進緊急対策事業についてですが、これ、資料によれば、本事業は石油元売等の大手事業者を対象とし、既存の航空燃料との価格差に対して一リットル当たり百円、総額四百五十万リットル分の巨額の補助金を投じる計画となっていますが、物価高騰や原油高で日々の暮らしや経営に困窮している一般都民や零細企業は一円単位の節約を強いられている中−−再エネ賦課金も高いですよね−−なぜ地方自治体である東京都が、特定の巨大航空産業や石油元売大企業の価格差補填のために都民の税金を直接投入しなければならないのか。
都はこの都税投入により、令和八年度中にどのような具体的な便益が、車を持たない生活者も含めた東京都民全体へ直接還元されると期待しているのか、見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業は、既存の航空燃料との価格差について支援することによりまして、航空需要が多い羽田空港で供給されるSAFの価格競争力を高め、我が国で使用される航空燃料のSAFへの転換を牽引し、SAFが国内で安定的に製造、供給される環境の整備や羽田空港の国際競争力の強化につなげていくこととしております。
○上田委員 国際競争力ということでしたけれども、こうした超高コストな次世代燃料の導入支援やエネルギー安全保障政策は、本来、国が国家戦略として一元的に担うべき領域でありますが、国との適切な役割分担の観点から、都が今ここで血税を投じる合理的理由を確認します。
○岡野産業政策連携促進担当部長 繰り返しになりますが、都は、航空分野における脱炭素化を進めるため、我が国のSAFへの転換を牽引し、SAFが国内で安定的に製造、供給される環境の整備につなげております。
なお、国では、SAFの導入を加速させる政策を検討しているところと聞いております。
○上田委員 大企業向けの支援を環境リーダーシップなどと抽象的な言葉で正当化するということは、ちょっと都民も納得できないんじゃないのかなと思っています。国の産業政策の二番煎じに都税を切り売りするのをやめて、真に危機のある都内の中小企業へ財源を回してほしいなと思います。
ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業について、今回の補正予算では三十五億八千二百五十九万六千円が上乗せされ、総額百三十九億九千三百四十七万二千円もの巨額の予算が組まれていますが、資料要求を確認しますと、令和五年度の執行率は一一三・二%、令和六年度は一三一・一%と、当初予算を超える過剰な執行となっており、今回の補正により、規模を一千百五十件から一千五百五十件へと一気に拡充する計画となっています。
そこで伺いますが、都はこれほど巨額の追加補正を行うに当たり、採択された中小企業の中において、平均して何年で投資回収が可能となり、電気代が何円削減されているのかという費用対効果を客観的な数字で把握しているのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業では、省エネ設備の更新により一定以上のCO2削減が可能な設備導入を行うことを要件に支援を実施してございます。
事業の実効性を担保するため、設備更新前後における年間CO2削減量やエネルギー消費の削減量等を確認した上で支援を決定してございます。
○上田委員 CO2削減可能な設備導入ということなんですが、補助率が四分の三または三分の二と極めて高いことから、本来であれば民間が自立して行うべき健全な設備投資の原則をゆがめていないのかなと、都の見解を確認します。
○米澤産業・エネルギー政策部長 東京の脱炭素化を進める上で、中小企業の省エネ対策を後押しすることは重要でございます。
このため、本事業では、一定以上のCO2削減が可能な省エネ効果の高い設備の導入を要件として、中小企業の省エネ対策を支援してございます。
○上田委員 本当に投資回収ができる有益な省エネ投資ならば、民間は自力で行うはずで、執行率が一〇〇%を超えているからと予算を際限なく膨張させるのではなく、税金に依存しなければ成り立たない低効率な投資の穴埋めになっていないか、徹底した費用対効果の検証を求めるものです。
地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業について、今回の補正予算では二十二億一千十四万三千円が追加され、総額九十一億五千七百九十七万七千円として計上されていますが、こちら、資料を見ますと、今回の補正で導入規模を当初の八百二十件からさらに二百件追加する計画となっています。
本事業は中東情勢による足元の危機を大義名分に掲げながら、その補助対象経費は自家消費型再エネ設備等の設置に関する経費であり、令和八年度中の即効性のあるコスト削減成果が全く見えない中、この事業によって年度内に都内の石油、化石燃料消費量がどのぐらい削減されるのか、具体的な成果の見込みを伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、都内事業者の脱炭素化と経営の安定化を図るため、再エネ設備の導入に要する経費の一部を補助する取組を実施してございます。
今回の補正予算では、事業者の再エネ発電設備の導入を加速するため、今年度の支援規模を八百二十件から一千二十件へ拡大いたします。
○上田委員 で、本事業は、都内だけではなく、東京電力管内、すなわち都外の事業者や設備導入まで広範に対象に含まれていますが、都民から集めた税金や基金の原資を都外の事業者へ支出することによって、納税者である都民に具体的にどのような直接的便益が還元されるのか、合理的な理由を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業では、都内に事業所を有する事業者を支援対象として実施してございます。
また、都外の自社事業所等に再エネ発電設備を設置する場合におきましても、当該設備から得られた環境価値を都内事業所で自ら利用することを要件としてございます。
○上田委員 次は、需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業についてです。
今回の補正予算では十二億三千五百五十一万一千円、総額四十一億六千三十九万三千円が計上されていますが、資料によりますと、補助対象は都内中小企業ではなく、またこれも広く東電管内の事業者とされておりまして、今回の補正で規模を四十二件拡充する計画です。
都は、この十二億を超える巨額の上乗せにより、年度内に事業者の電気代を幾ら下げる見込みなのか、具体的なコスト削減効果を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、電力需給の安定化を図るため、エネルギーマネジメントなどの電力需給を最適化する取組を行う事業者に対しまして、事業の実施に必要な経費の一部を補助する取組を行っております。
今回の補正予算では、複数の再エネ設備等を束ねて電力需給を最適化する取組について、今年度の支援規模を六十八件から百十件へ拡大いたします。
○上田委員 このエネルギーマネジメントですけれども、民間市場においては、このエネマネ、新電力支援の担い手として経済産業省も重用してきました、東京都も支払いをするところであったミライズエネチェンジが、一般質問をもうずっとやっていましたが、驚くことに五月十九日に民事再生、事実上の倒産手続に入りまして、その親会社が不適切会計で上場廃止の危機に実は瀕するなど、官民連携による脱炭素ビジネスモデル自体の危うさが露呈しておりますが、都が補助枠をさらに拡充しようとしている本事業が、結果としてこれらの企業の延命措置や赤字補填のばらまきになっていないか、過去の選択実績の厳格な検証と今後の対応を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請につきましては、厳格な審査を行っており、本事業におきましても、事業計画書により計画の実現性を審査するとともに、財務の健全性を確認することなどにより、適切な事業執行となるよう対応してございます。
○上田委員 エネルギーマネジメントという中長期の産業政策は、今まさにコスト高騰にあえぐ現場の即効力は、残念ながらまだ見込めないんですよね。また、市場では、大破綻しているビジネスモデルに対して、都外の事業者まで含めてこれほどの公費を投じ続けることに関しては、引き続き抑制的に検証していただきたいとお願いしておきます。
水素社会の実現に向けた自治体間連携事業について、本事業には一億円の補正予算が計上されているものの、提出された資料、ロードマップを見ると、その事業内容は、課題を共有する体制構築、機運醸成に向けたPRの実施という抽象的な表現に終始しています。
世界的なエネルギー大企業ですら、コスト高と採算不成立を理由に水素プロジェクトから相次いで撤退、延期、中止を発表しているのが世界の厳然たる現実でありますが、都は、この一億円の事業を通じて、この令和八年度中に具体的にどれほどの水素需要を創出し、二酸化炭素削減や都民のエネルギーコスト低減にどのように実質的な成果をもたらすと見込んでいるのか、明確な数値目標を伺います。
また、世界的な頓挫の潮流を踏まえ、都が期待する機運醸成なる成果の現実性と費用対効果について認識を伺います。
○佐藤新エネルギー推進担当部長 二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現を目指し、都では、水素の活用に先進的に取り組む自治体と会議体を設置し、商用モビリティーなどを核とした需要の形成や、各地域を結ぶサプライチェーンの構築に向け、ワークショップ等を実施いたします。
これらによりまして、自治体等の連携を深め、都内及び各地域における水素利用を拡大し、水素社会の実現につなげてまいります。
○上田委員 世界的な水素案件が頓挫している現実があります。自治体同士で集まってポスターを刷ったり、イベントを委託したりする、こうしたやっている感に一億円を投じるのはちょっとどうかなというふうなことを、私は示唆させていただきたいと思います。
ZEV普及促進事業及びシェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業ですが、三十一億二千七百五十万円もの巨大な予算が全額ゼロエミ基金等に関連して上乗せされ、補助上限額を当初の百万円から最大百三十万円へと引き上げる計画ですが、資料によりますと、ZEV普及促進の令和五年度の執行率が四六・四%と半分以下に低迷しており、シェアリングZEV化に至っては、令和六年度の執行率は一五〇・〇%と極端な過剰執行となっております。
そこで伺いますが、都はこれほどの巨額の血税をZEV補助金の上乗せに投じることにより、中東情勢の緊迫化に直面する都内中小企業の燃料費、物流費を今年度中に具体的に何円引き下げ、どのように直接的成果を見込んでいるのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、ZEVの普及拡大に向け、都内事業者に対して、その購入に係る経費の一部について、百万円を上限に補助しております。
今回の補正予算では、中東情勢等の影響により、今後、車両価格の上昇が見込まれることから、補助上限額を三十万円引上げ、百三十万円を上限に支援することで、購入時の事業者の負担を抑えることとしてございます。
こうした取組を通じまして、都内におけるZEVの普及に取り組んでまいります。
○上田委員 EV補助は、そもそも高額な車両を購入できる特定の事業者や富裕層に利益が集中する選別的支援であり、燃料高や物価高で困窮している一般都民や零細事業者、車を持たない都民にはほとんど恩恵がない不条理な分配体系ですが、これが知事のいう都民ファーストの予算といえるのか。
さらに、EVのバッテリーやレアアースなどのサプライチェーンは特定の国への依存度が極めて高く、石油の中東依存を減らす名目で電池や重要鉱物の特定国の依存を高める補助金を出すことは、エネルギー安全保障上、本末転倒ではないか、都の調達リスクに対する見解を確認させてください。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、運輸部門の脱炭素化を図るため、EV導入費用に対する補助を行ってございます。
補助金の算定に当たりましては、基本補助額に加え、持続可能性の観点からバッテリーリサイクルの取組などを評価して、各メーカー別に支援額の上乗せを行ってございます。
○上田委員 EVが代替できるのはガソリン需要の一部だけであり、真に危機に瀕する物流トラックや建機、漁船などは一ミリも救えないことになります。中東依存を減らすために、特定国への依存度を受動的に高める矛盾した環境パフォーマンスについては、今後も厳しく注視してまいりたいと思います。
中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業について、今回の補正予算は十六億六千三百五万七千円が追加計上、第七回目が実施されていますが、資料要求によりますと、資料要求の想定件数と支給件数の推移を見ますと、一回目から四回目に至るまで、特別高圧電力、これ、テナント受電においては、常に想定件数を千から四千件規模で大幅に下回り、工業用LPガスにおいても想定の約半数しか支給されてない、執行のミスマッチが常態化しています。
さらに、申請者の内訳実績によると、直近の第五回においてリピート申請の割合が、直接受電で九四・一%、テナントで九七・二%、LPガスで九三・六%に達しており、新規の救済ではなく、特定の事業者の固定費補填に完全に固定化されているように思われます。
そこで伺いますが、都は、これほど支給件数が想定を下回り、かつリピート申請が九割超えて硬直化している実態をどう分析しているのか。
また、今回、第七回目において、本来救うべき未申請の困窮事業者を掘り起こすための具体的な制度改善やアプローチの手法について、見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 想定件数につきましては、支援対象となる中小企業の数を把握できる資料がないことから、第一回の実施に当たっては、関連する国のデータ、関係者等へのヒアリングなどを踏まえて規模を推計いたしました。
本事業の開始当初では、この推計と実績の間に差が生じたものの、その後、申請実績を踏まえた規模を設定しておりまして、第四回では執行率が約九〇%となってございます。
エネルギー価格の高騰等により、中小企業の支援ニーズは依然として高いことから、引き続き継続申請を促すとともに、未申請者に対して申請を直接働きかける取組を新たに行うなど、事業の周知を徹底することとしております。
○上田委員 はなから年度内に使い切れないとして十四億九千百四十万一千円もの大金を繰越明許に計上していること自体が、緊急対策としての名目の破綻を意味するんじゃないかなと思うところです。リピート業者だけの固定化されたばらまきに終わらせず、真に支援を必要とする分母の精査を要望しておきます。
持続可能な東京農業支援事業及び島しょ漁業資材高騰緊急対策事業について、予算配分の厳しい格差と現場の実効性の観点から、今回の補正で補助率を引き上げ、上限額を百万円から二百万円と一気に倍増する一方で、島しょ地域の漁業者が直面する魚箱等の資材高騰補助は、過去数年間を見ても、毎年僅か三千万から七千万円台という極めて低い予算規模で推移してきました。
今回の補正予算で補助率が五分の四に引き上げられ、三千七百万が追加されること自体は一歩前進ですが、現在、八丈島の水産加工、特に伝統食品であるくさやの現場では、魚箱だけではなく、加工に不可欠な真空パック用の袋関係が一気に三割アップという異常な資材高騰の通達を受けており、このコスト高に耐え切れず、加工場が六軒から五軒に減少しかねないという、まさに東京の伝統的な食文化、くさやの断絶、事業者の撤退危機に直面しております。
その一方で、現場の事業者は決して行政にすがるだけではなく、去る六月一日には、新島水産加工組合と離島を越えて共同し、令和八年度島しょ産品ブランド化支援事業に採択されるなど、自ら生き残りを図るための真剣な危機感を持って行動を起こしていますが、都は、今回の補正による資材補助の拡充において、こうした真空パック袋の三割増といった多角的な資材高騰の実態や、地域経済を支える事業者の減少危機という苛酷な現場のリアルをどこまで把握し、令和八年度中にそれぞれの現場の中小零細事業者の負担を具体的に何円引き下げて、伝統食文化を守る実質的な撤退防止の成果を見込んでいるのか、環境パフォーマンスへの偏重を排した客観的な予算配分の決定基準と併せて、都の見解を伺います。
○板倉農林水産部長 都はこれまでも、漁業者や水産加工業者の経営安定に向けて資金繰りの支援を行っております。
また、今回の補正予算においては、農業生産の構造転換や漁業経営の下支えの支援に加え、包装資材の代替素材への切替え等に必要な設備導入への後押しなど、必要な経費を計上しております。
○上田委員 悪いことじゃないんですけれども、まだ実績も未確定な環境農業には上限をぽんと倍にする一方で、汗を流して都民の食や伝統文化を支える島しょ地域の悲鳴には数千万円レベルの据置きに近い予算しか今回計上してこないということで、真に困窮する現場へ原資を、知事の看板を飾り立てる環境政策ではなくて、現場へ原資をシフトするべきということを申し上げておきます。
最後に申し上げますが、度々申しておりますが、今回の補正予算は、中東情勢による原材料、エネルギー価格の高騰への緊急対策、足元の都民、事業者の不安を払拭という極めて大義名分のある看板を掲げてスタートしました。
しかし、提出された詳細な要求資料及び本日の各答弁を冷徹に精査させていただきましたが、浮き彫りになったのは、名目と使途の致命的な乖離、そして何より、何一つ具体的な成果目標を数字で答えられない、そして、同じ答弁を繰り返す行政側の逃げの姿勢ではなかったでしょうか。
我が会派は、中東情勢という足元の危機を打開するために、令和八年度中に石油消費を具体的に何キロリットル減らし、都民の電気代や物流費を何円引き下げるのかという、極めて当たり前の費用対効果を再三にわたり質問させていただきました。
局側の答弁は、中長期的な構造転換を目指す、優れた技術を持つ企業を公募するといった抽象的な言葉に終始し、緊急対策としての即効性や実利の数字は、ただの一件たりとも開示されなかったのでございました。数字が出せないということは、緊急対策としての効果を説明できないという動かぬ証拠ではないでしょうか。
実際のところ、補正予算で、なぜ三割ぐらい、三〇%にこういったゼロエミが入ってくるのかも謎でしたけれども、結局のところ、従来のゼロエミ、GX事業を補正予算にていよく前倒し、付け替えて、焼け太りさせただけだといわざるを得ません。
一億三千万円もの血税を民間丸投げのコールセンターに投じ、脱炭素という耳触りのよい片仮名文字の実績づくりに邁進するその裏で、八丈島の水産加工の現場では真空パック袋が三割も高騰、コスト高から加工場が一軒減りかねないという伝統食文化の断絶、事業者のリアルの撤退危機に直面しているのです。行政が真に救うべきは、知事のパフォーマンスを飾るための理念先行の選別的支援ではなく、汗を流して、今日、明日を必死に生き抜こうとしている地道な現場、都内の中小零細事業者であり、島しょ地域の産業そのものです。
エネルギー安全保障の観点から申し上げれば、中東情勢の緊迫化に対する本来の対応は、石油を悪者にして特定の代替技術へ補助金で誘導することではありません。必要なのは、燃料調達先、供給インフラを確保し、危機時にも都民生活と中小企業の事業継続を守ることであります。石油依存を減らすといいながら、EV、蓄電池、水素、SAF、再エネといった高コストで未熟な技術に莫大な公費を投じることは、都民生活を苦しくするだけで、危機対応には全くなっていません。
都が今やるべきことは、抽象的な構造転換やゼロエミッションの看板を掲げることではなく、都内中小企業のエネルギーコストを実際に幾ら下げるのか、物流、製造、食品加工、島しょ産業の事業継続を何件守るのか、そして、そのために最も費用対効果の高い支援は何かを数字で示すことであります。成果目標、選択基準、事後検証、失敗時の打切り条件を明示できない補助事業は、緊急対策の名に値しません。
危機に便乗した理念先行の予算ではなく、都民の暮らしと現場の事業を守る実利ある予算へ根本から組み替えることを強く求めまして、私の質問を終わります。
○さとう委員 まず、個別の質問に入る前に、今回の補正予算全体に対する私の考えを申し上げます。
今回の補正予算は、中東情勢の長期化を踏まえ、石油のみに頼らない社会の実現、都民の不安を払拭するための緊急対策として編成されたものと理解しています。
十一日、官邸で開催された第十回中東情勢に関する関係閣僚会議では、政府は、ナフサ由来の石油製品について、年度を超えて供給継続が可能であるとの認識を示しました。また、原油の代替調達についても、ホルムズ依存九割を超えていた我が国が、全量をホルムズ外から調達できるようになったということを公表しました。
昨日まで開催されていたG7サミットでは、米国及びイランの双方が戦闘終結などに関する覚書に合意しました。事態の収束に向けた大きな一歩を踏み出し、原油、ナフサ由来の石油製品の日本全体として必要となる総量が確保されてもなお、足元で問題となっているのは、供給不安を受けた事業者が在庫を積み増すことなどにより、特定の品目、特定の業種で流通の目詰まりが生じ、必要な現場に必要な原材料や石油製品が届いていないことです。
また、本日十八日、日本時間で深夜三時頃、FRBは金融政策の現状維持を公開しましたが、企業がこれまでのコスト上昇分を販売価格に上乗せして、CPI上昇率を高止まりさせる可能性もあります。
日本時間午後六時に発表されるユーロ圏のインフレ指標も重要な試金石となります。
例えば、建築関係であれば塗料、シンナー、自動車整備工場や町工場などの中小製造業については潤滑油、工務店からはユニットバス、塩ビ管、医療分野においては薬剤の容器や医療用手袋、パン、菓子などの販売店については個包装用の袋、農業については野菜の鮮度保持フィルムなど、業種により不足している原材料は異なります。
また、都内に本社を置いている企業でも、工場は外国にあり、現地では原材料が調達できないというケースも考えられます。
したがって、都の支援も、どの業種で、どの品目が、どの流通段階で詰まっているのかを確認した上で事業化すべきですが、今回の補正予算では、既存事業の規模拡大のような内容が多く、新規事業に関しても、設備導入に多額の予算が計上されており、現場の目詰まりを見極めて設計したとはいえない内容でした。
産業労働局の要求する補正予算二百六十四億円のうち、百六十七億、六三%もの額を占めるのが設備導入補助金です。資材の歩留り率は、設備よりも原材料の配合、温度管理などの加工条件に大きく左右されます。設備導入に当たり、設備工事が必要なケースも多く、そもそも工事をするための建築資材も不足しています。設備の部品も不足しています。足元で原材料不足や価格高騰に苦しむ中小企業の支援にはなりません。
都が行うべきことは、単に設備導入の補助メニューを増やすことではなく、どこに流通の目詰まりがあるのか、価格やサプライチェーン各層の在庫状況など流通実態の変化を見極め、事業者に対してプッシュ型の支援を進めることや、足元で資金繰りが苦しい企業に対する制度融資のさらなる拡充です。設備投資が中心の補正予算については賛成できません。
つきましては、今回の各事業についての質疑は、そもそもこの事業の内容は、事業単体として見たときに妥当なのかという事業の妥当性の観点を中心に確認してまいります。
まず一つ目、地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業です。
本事業の計上額は二十二億円です。都の資料では、都内及び都外東京電力管内に地産地消型の再エネ発電設備等を設置する事業者への支援について規模を拡充するとされています。本事業とは別に、都は、再エネ電源都外調達事業、いわゆる都外PPAを実施しております。要件の違いはあると推察しますが、事業者から見れば、制度が複雑化し、なぜ事業が分かれているのか分かりにくいと思います。
地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業と類似する再エネ電源都外調達事業、都外PPAとの明確なすみ分けの基準と、両事業がそれぞれ担う役割及び政策的な位置づけの違いを伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、脱炭素社会の実現に向け、都内再エネ電力利用割合をさらに拡大していく取組を推進してございます。
地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業は、都内事業所または都外の自社工場等に再エネ発電設備等を設置する事業者を支援する事業でございます。
一方、再エネ電源都外調達事業は、都内での調達が困難な再エネ電気または環境価値を都外から調達できるよう、都外に自己所有またはPPAにより新たに再エネ発電設備等を設置する事業者を支援する事業でございます。
このように、事業者の実情に応じた再エネ電気等の調達を支援することにより、東京における再エネ電力の利用拡大を図ってございます。
○さとう委員 説明としては理解いたしますが、実際の制度上の分岐が分かりにくいです。事業者がどちらの制度を使うべきか、どう判断するのか、都内設置が可能かどうか、自己所有かPPA事業者が設置するのか、電気を実際に使う場所と発電する場所が違う場合はどうなるのか、また、環境価値は誰に帰属するのか、こうした判断基準をフローチャート化し、明確に示すことを要望します。
また、本事業では、バーチャルPPAを活用し、都内施設における脱炭素化を推進する取組が想定されています。一方で、二〇二七年から二〇二八年にかけて改定が予定されているGHGプロトコルでは、バーチャルPPAを含む環境価値の取扱いについて見直しが議論されており、電力供給エリアをまたぐ場合の環境価値の活用に影響が生じる可能性も指摘されています。つまり、環境価値のオフセットが国際的に無効化されるリスクが指摘されています。
その点、本事業においては、創出される環境価値及び需要家がいずれも東京電力管内に位置するということから、GHGプロトコル改定に伴う電力供給エリアの観点からのリスクは基本的に生じないとの理解でよいのでしょうか。見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 GHGプロトコル改定案では、日本国内で市場境界が複数に分割される可能性が示されておりますが、本事業における発電設備等の都外設置の区域は東京電力管内に限っており、改定による影響はないものと考えてございます。
なお、国は、この改定案に対して、日本の国境の範囲内を同一の市場として捉え、脱炭素電気への投資を推進することが必要かつ効果的であるとして、懸念を表明してございます。
○さとう委員 改定による影響はないと考えているとのことで、認識の一致を確認しました。
改定案に関しては国も懸念を表明しており、今後、仮にさらなる国際的なルール変更がされた場合、実際に影響を受けるのは補助を受けた都内企業です。企業が脱炭素戦略として使えると思って導入したスキームが、将来、国際的には十分に認められないという事態になれば、都の補助金事業そのものの妥当性が問われます。したがって、都は、複数シナリオでリスク評価を行い、事業者に明示することを要望します。
次に、ZEV普及促進事業です。
電気自動車を導入する事業者に対し、補助上限額を引き上げることでZEVの普及を後押しすることとして、補正予算額は三十億円が計上されています。
中東情勢の長期化を理由に、このタイミングでEV車の補助金を増やすことの必要性を感じませんが、八点質問します。
国際的な都市向けGHGプロトコルに照らせば、ZEV化は、都内の直接排出を減らす一方で、充電を担う系統電力へ排出源が移行するという構造的な課題があります。
都は、この環境負荷の実態認識をどのように捉えているのか、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 環境省によれば、EVはガソリン車に比較し、ライフサイクルを通じたCO2の排出量が一割から二割程度少ないとされており、再エネ電力等を活用することで、さらに大幅な削減が可能とされてございます。
このため、ZEVの補助制度におきましては、太陽光発電設備を併せて導入する場合や再エネ電力を一〇〇%使用する場合について上乗せ補助を行うことで、電力の脱炭素化も併せて促進しているところでございます。
○さとう委員 それでは、事業者がZEV導入をためらう原因、ガソリン車に比べて価格が高い、充電環境が少ない、航続距離が短い、用途別の業務上の制約などについて、都は現場の課題を具体的にどう分析し、把握しているのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、事業者がZEVを購入する際の価格面での負担を軽減するため、その費用に対する補助を行ってございます。
また、事業所等における基礎充電、公道等における経路充電、商業施設等における目的地充電など、EVの走行中に電気切れの不安を感じることなく走行できる充電インフラ整備を進めてございます。
加えて、運輸、物流事業者に対しましては、EVバスやEVトラックを導入する際にディーゼル車価格との差額を補助するほか、カーシェアリングなど一般の車両と比べて利用頻度が高い車両に対しては、通常のZEV購入費より手厚い補助を行うなど、用途に応じた幅広い支援を実施しているところでございます。
○さとう委員 価格補助や充電インフラ整備を行っていることは承知しています。しかし、どの業種、どの用途で導入が進まず、何がボトルネックなのかという分析が答弁からは見えませんでした。補助メニューの説明ではなく、現場課題の把握の結果を示すことを要望します。
車両の普及に対して、充電インフラの整備が追いついていません。車両購入への支援と地域や用途に応じた充電設備の整備をどのように連動させていくのか、都の方針を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、EVユーザーが走行中に電気切れの不安を感じることなく走行できるよう、事業所等における基礎充電、公道等における経路充電、商業施設等における目的地充電など、場所や用途に応じた充電インフラ整備を進めております。
さらに、ZEV導入への補助金の算定に当たりまして、基本補助額に加え、メーカーが実施する充電器設置の取組などを評価して、メーカー別に支援額の上乗せを行っております。
こうした取組によりまして、ZEV車両の導入と併せ、充電設備の整備を進めてございます。
○さとう委員 都民からは、一部の高額車両の優遇に偏っているのではないかとの懸念の声が寄せられている中、本事業が、日々の生活、事業活動や災害時の給電機能など都民便益に還元される仕組みをどのように担保するのか、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 EVは走行時にCO2を排出しないため、環境負荷の低減につながるだけでなく、災害時に非常用電源としても活用できることから、その普及を進めることが重要でございます。
このため、都は、ZEV普及促進事業におきまして、災害時の活用等を考慮し、給電が可能な車両への手厚い補助を行っております。また、車両から建物等への電力供給が可能となるV2B充放電機器を導入する場合には、補助額をさらに上乗せしてございます。
こうした取組を通じまして、災害時を含めたZEVの活用を後押ししております。
○さとう委員 ヒアリング時には、補助上限を引き上げても導入件数は据置きとのことでした。つまり、同じ台数を導入するために、一台当たりの税金投入額を増やすということになります。普及促進というより、価格上昇分の公費補填になっていないでしょうか。
EV車は価格が高く、各国でも完全な自然成長ではなく、補助金や優遇税制により押し上げられて普及しています。米国では補助金終了後に販売が大きく落ち込み、日本でもEV比率は三%未満になっています。したがって、都が補助上限を引き上げれば普及が進むという前提は慎重に見るべきと考えます。
ZEV補助が単なる購入価格の下支えに終わらず、補助終了後も自走する市場形成につながると考えているのか、長期的な出口戦略を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 東京の脱炭素化を進める上で、ZEVの種類を増やし、ユーザーの多様な選択肢を広げることが重要であると考えてございます。
都は、ZEV普及促進事業におきまして、EVの車種の多さや販売実績に応じて、自動車メーカー別に上乗せ補助を行っております。
これによりまして、EVの開発や販売促進に向けたメーカーの自主的な取組を促し、ZEVの普及に取り組んでいるところでございます。
○さとう委員 メーカーの販売努力を促すことは理解いたしますが、それだけでは補助終了後に市場が自走する説明にはなっていないと感じます。補助金をいつ、どの条件で縮小できるのかという出口基準を示すことを要望します。
産業労働局のZEV普及促進事業について、補助上限を三十万円引き上げる具体的な算出根拠を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 中東情勢等の影響により、EVで多く使われるアルミニウムや銅などの原材料価格が高騰しており、今後、EVの車両価格の上昇が見込まれてございます。
本補正予算では、EVとガソリン車の価格差について、原材料ベースで価格上昇額を試算し、補助上限額を三十万円引き上げることといたしました。
○さとう委員 EV一台当たりにアルミや銅がどれだけ使われているのか、価格上昇率をどう置いたのか、為替をどう見たのか、メーカーの調達契約や価格転移をどう考慮したのかが不明です。
メーカーによっては、販売促進のために価格を抑える戦略もあります。それにもかかわらず、都が補助金を上乗せすれば、メーカーの価格政策や高額車の購入を公費で下支えすることにもなりかねませんが、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 中東情勢による物価高騰の中、EVとガソリン車との価格差の拡大が見込まれており、事業者の購買意欲低下によるEVシフトの停滞が懸念されるため、補助上限額を引き上げることとしてございます。
○さとう委員 補助金がメーカーの価格設定に吸収される可能性をどう防ぐのかが示されていません。メーカーの価格政策を公費で下支えするのを、都は是としていると理解しました。
補助件数が据置きであれば、追加的なCO2削減効果は限定的です。つまり、同じ台数を導入するために、より多くの税金を投入することになります。
一トンCO2削減当たりの費用対効果は悪化すると思いますが、補助上限額引上げ前後で、一台当たり、一トンCO2当たり幾らの税金を投入することになるのか、費用対効果の試算を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は環境基本計画において、二〇三〇年カーボンハーフの達成に向けて、部門ごとのCO2削減目標を掲げており、運輸部門につきましては、産業部門や家庭部門を大きく上回る二〇〇〇年比六五%程度の削減を目標としてございます。
この目標の達成に向けまして、都民や事業者がZEVを購入する際の負担を軽減するために費用の一部を支援するなど、様々な取組を進めているところでございます。
二〇二三年度の運輸部門におけるCO2排出量は、速報値で五二・六%減少しており、引き続きZEV導入を推進し、運輸部門の脱炭素化を着実に進めてまいります。
○さとう委員 運営部門全体の削減目標を聞いているのではありません。今回の補正予算で補助上限を三十万円引き上げることにより、追加的に何トンのCO2が削減され、その一トン当たりの公費投入額は幾らになるのかを聞いています。
導入件数が据置きであるなら、補助上限の引上げによる追加的なCO2削減効果は限定的です。仮に補助を引き上げなければ導入件数が減るというのであれば、その減少見込みを示すべきです。それが示されない限り、今回の引上げは普及促進ではなく、価格上昇分の補填だといわざるを得ません。
次に、需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業についてです。
本事業は十二億円の計上です。都の資料では、複数事業者が行うエネルギーマネジメント、アグリゲーションビジネスを推進する事業者への補助を拡充するものとされています。
先日、グーグルがVPP、仮想発電所大手ボルタスと契約し、データセンター向け電力確保に分散型エネルギーリソースを活用する取組を開始しました。ここ最近で一番画期的な取組だと思います。
オンサイトの専用火力発電所を建設したり、巨大な蓄電池を併設したりというのが今までの発想でしたが、今回、グーグルがやろうとしていることは、逼迫時に、データセンターではなく、むしろ系統側の負荷を下げるという解決手法です。住宅、商業施設、工場のデマンドレスポンスや蓄電池放電等でしわ取りをするという構造です。本件が機能するなら、ハイパースケーラーがアグリゲーションビジネスに参画する可能性が高いです。
都の今回の事業も、同じ世界観を目指しているのかと推測しますが、何点か質問させていただきます。
今、このタイミングで十二億円を追加計上する緊急性と、過年度の申請状況や予算超過の実態等に基づく客観的な積算根拠を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 再エネの利用拡大に当たっては、導入に合わせて調整力を確保し、電力バランスの安定化を図る必要があることから、再エネ、蓄エネ設備の導入支援事業の規模拡大に合わせ、複数の再エネ設備等を束ねて電力需給を最適化する取組につきまして支援規模を拡大するものでございます。
必要経費につきましては、本事業の申請が増加している状況を踏まえて、適正な金額を算定してございます。
○さとう委員 申請件数が多いことは、需要があることの一つの根拠にはなります。しかしながら、申請が多いからといって、補助すべき質の高い案件が多いとは限りません。審査が完了していない段階で、申請件数をそのまま需要として見るのは危険です。採択可能性のある案件数、平均補助額、実際に調整力として機能する見込みを分けて示すことを求めます。
本事業の成果測定において、単に電力が減ったという形式的な報告に終わらせず、発電源の排出係数の違いを踏まえた実際のCO2削減効果を具体的に評価すべきと考えます。
デマンドレスポンス導入前後でのベースラインの比較や需要抑制量、ピークカットキロワット等の具体的な指標をどう設定しているのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業の目的は、電力の安定供給を支える調整力確保にあることから、取組の評価に当たりましては、CO2削減効果ではなく、調整力としての寄与度を見る必要がございます。
調整力確保に向けた取組は多種多様でありまして、具体的な取組内容に応じまして電力削減量や蓄電量、発電量、取引する電力量などの計画の策定を求め、提出をいただいているところでございます。
○さとう委員 CO2削減を直接、指標にしにくいという説明は理解いたします。しかしながら、今回の補正予算では、脱炭素化に向けた取組の強化の中に位置づけられています。
CO2削減を指標にしないのであれば、安定供給の事業としての成果指標を明確にすべきです。少なくとも、調整力として何キロワットを確保したのか、何回発動できたのか、ピーク時にどれだけ需要逼迫を緩和したのか、費用対効果は幾らかを示すべきです。指標がなければ補助金を出しただけで終わります。
対象範囲が都外を含む東京電力管内全体に及ぶ場合、東京都の予算を投入する妥当性と、それが都内の需要逼迫緩和にどうつながるのか、見解を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 電力需給バランスは各電力管内で最適化させる必要がございまして、東電管内を対象範囲として本事業を実施することで、都内における需給逼迫の緩和を含めた電力供給の安定化につなげているところでございます。
○さとう委員 電力需給が都県境で完結しないことは理解します。しかし、都外を含む支援であればあるほど、東京都の予算を投入する理由を分かりやすく示す必要があります。都外で確保した調整力が都内の需給逼迫緩和にどう寄与するのか、都内需要に換算してどれだけの効果があるのかを示すべきです。
次に、ナフサ代替素材等開発支援事業についてです。
ナフサ代替原料を用いた石油由来製品の代替素材開発等を支援するものとして三億円、債務負担行為二億円が計上されています。
二年半の開発支援で石油に依存しない新技術が生まれるのであれば、世界中、苦労しないとは思いますし、補正予算でわざわざ事業化する必要があるかは疑問ではありますが、二点伺います。
開発事業者だけではなく、その事業者を支援するコンサル企業に毎年一億円支払われます。コンサル企業の遂行能力や専門性をどのように見極め、選定するのでしょうか。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業は、ナフサを原料としない素材開発を行う企業に対し、専門家による技術的な助言や共同開発に向けた連携企業とのマッチングを実施するものであり、この支援を担う企業の選定は、実施要領で定める基準に基づき、遂行能力や専門性を総合的に審査することを想定しています。
○さとう委員 仕様書で定めること自体、否定をしているわけではありません。問題は、仕様書の中でどのような能力要件を置くのか、都民や議会に見える形で説明することを要望いたします。
開発において、事業の活動目標や実績などの単なるアウトプット指標ではなく、具体的なアウトカム指標、すなわち、初期、中期で期待される成果目標をどのように設定し、検証するのでしょうか。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業では、選定した事業者ごとに協定を締結し、開発プロジェクトの成果目標を定めることとしております。
その上で、開発計画に基づく進捗管理を行うとともに、外部有識者を活用して定期的に検証、評価する仕組みを導入いたします。
○さとう委員 個社ごとに目標が異なることは理解いたします。しかし、一律の目標を置けなくとも、事業全体の成果指標を置くことは可能です。段階ごとに事業としての成果指標と比較し、成果が出ない場合には支援を見直すステージゲート方式にすることを要望します。
次に、スタートアップを活用したナフサ代替素材等の社会実装促進事業です。
この事業は、スタートアップを対象に、ビジネスモデルの実証を伴走型で支援するものです。補正予算では、〇・四億円、債務負担行為一億円が計上されています。
実証実験後、東京都の既存のTokyo GXSと接続させてはいかがでしょうか。Tokyo GXSは、事業会社とGX関連のスタートアップのマッチングを行う事業であり、事業間連携の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
○大川商工施策担当部長 都は、石油のみに依存しない代替素材等の社会実装を促進するため、優れた技術等を持つスタートアップを募り、代替製品や技術の活用と普及につなげる取組を開始いたします。
選定したスタートアップに対しましては、さらなる成長に資するよう、様々な支援策を適宜紹介することとしております。
○さとう委員 社会実装促進事業である以上、実証を終えてから考えるのではなく、採択時点から、実証後にどの需要創出支援につなげるのか、どの業界、どの事業会社との商談を想定するのかなどを設計することを要望します。
次に、国産SAF利用促進緊急対策事業です。
国産SAF利用促進緊急対策事業の予算は二億円です。国産SAFを製造し、羽田空港において航空会社へ供給する都内企業に対し、既存航空燃料との価格差、上限百円リッター当たりを補助するものとされています。
国は、二〇三〇年時点で本邦エアラインによる燃料使用量の一〇%をSAFに置き換える目標を掲げています。
国産SAF利用促進緊急対策事業について、本事業終了後にその成果を客観的に評価するため、単なる補助件数や予算の執行額ではなく、新規参入の目標数など、都としてどのような具体的なアウトカム指標を設定し、事後検証を行うつもりなのか、見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、航空分野における脱炭素化を進めるため、航空需要が多い羽田空港で供給されるSAFの価格競争力を高め、我が国で使用される航空燃料のSAFへの転換を牽引し、SAFが国内で安定的に製造、供給される環境の整備などにつなげてまいります。
また、事後検証につきましては、事業完了後に事業者から提出される実績報告書などを通じて適切に行ってまいります。
○さとう委員 国の目標を踏まえて支援することは理解しますが、東京都の予算を使う以上、国の目標への貢献だけではなく、東京都としての追加的な効果を示すことを要望します。例えば、羽田空港における国産SAF供給量が何リットル増えるのか、新規参入や供給事業者の拡大につながるのか、こうしたアウトカムがなければ、単なる価格差補填だといわれても仕方がないと思います。
次に、ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業についてです。
本事業は三十六億円と、大きな金額です。都の資料では、省エネ設備の導入及び運用改善の実践を行う都内中小企業等に対し、補助を拡充するとされています。
ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業について、規模を四百件拡大する拡充幅の客観的な需要根拠を伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業につきましては、中東情勢を受けまして補助金の問合せが増えてございまして、こうした状況や過去の実績等も踏まえ、事業者の省エネ設備導入に対するニーズに的確に対応できる支援規模を精査し、設定しているところでございます。
○さとう委員 問合せが増えていることは、関心の高まりを示すものではあります。しかしながら、四百件拡大する客観的な根拠としては不十分です。予算不足で不採択となった件数、申請待ちの件数、過年度の採択率、平均補助額、事業完了率を示すべきです。
本事業の導入後において、エネルギー使用量等のデータを用い、事前の削減見込みと事後のCO2、電気代削減の実績値を比較して成果を検証する仕組みはあるのか、伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業では、省エネ設備の更新により一定以上のCO2削減が可能な設備導入を行うことを要件に支援を実施してございます。
事業の実効性を担保するため、設備更新前後における年間CO2削減量やエネルギー消費の削減量等を確認した上で支援を決定してございます。
また、設備導入後には、運転状況等を確認するとともに、一定期間、CO2排出量やエネルギー消費量等の実績の報告を求める仕組みとしてございます。
○さとう委員 事後報告の仕組みがある点、理解しました。
次に、中小企業制度融資です。
中小企業制度融資は二十五億円の計上です。都の資料では、制度融資のメニュー創設、拡充により、都内中小企業者等の資金繰りを迅速に支援するとされています。
二〇二四年十二月の会計検査院による国コロナ特例融資の検査結果、政府金融機関が貸し付けた約二十兆六千億円のうち、七・六%に当たる一兆五千億円超が返済困難になっていることが分かりました。
都の制度融資においても、返済不能となった債権は、信用保証協会を通じた代位弁済を経て、最終的には損失補填等を通じて都の財政負担へとつながっていく構造にあります。
今後の代位弁済の増加に伴い、信用保証協会等を通じた代位弁済に伴う損失負担額、将来的に発生し得る都の財政負担リスクの見込額について、都は、現在、どのような具体的な試算やシミュレーションを行っているのでしょうか。
○若林金融部長 中小企業制度融資に関わる金融機関、信用保証協会及び都は、それぞれの役割に応じ、互いに連携して事業者の経営の安定化を支援しており、それにより代位弁済の抑制に努めております。
信用保証協会が代位弁済を行った場合には、都は協会に対し、日本政策金融公庫からの保険金や責任共有制度に基づく金融機関による負担分を除き、その損失の一部を補助しております。
損失補助に係る予算につきましては、過去の代位弁済実績や今後の動向等を勘案した上で計上しております。
○さとう委員 中小企業制度融資の拡充には賛成しておりますので、今後の補正予算においても制度融資のさらなる拡充を要望します。
次に、原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業についてです。
百九億円計上されており、今回の補正予算の事業では一番大きな金額です。都の資料では、中東情勢を契機としたコスト高騰等の影響を受け、利益率の低下が見込まれる中小企業等に対し、原材料費の縮減等に資する設備、システム等の導入経費を助成するとされています。
しかしながら、実際の企業経営では、原材料価格、為替、人件費、物流費、電気代などが複合的に影響します。
本事業の要件判定において、中東情勢を契機とした影響と、為替や通常の資材高などの他要因とを客観的な指標でどのように切り分けるのか、伺います。
○福田商工部長 経営基盤安定化緊急対策事業では、中東情勢に伴う原材料価格の高騰による影響を受けていることを要件としております。
本要件を満たしていることの確認に当たっては、事業者が取り扱う石油由来の原材料等の取引記録などを申請書類に記載していただくとともに、内容の妥当性について書類や面接による審査を行う予定でございます。
○さとう委員 石油由来原材料の取引記録を確認することは必要です。しかし、それだけでは、中東情勢による影響と為替、人件費、物流費、通常の資材高を切り分けることは困難です。申請時に、主原材料の仕入れ単価推移、原材料比率、為替影響、価格転嫁率、利益率の推移、設備導入による削減見込みを提出させることを要望します。
また、交付決定を受けた企業に対し、適切な執行を担保する仕組みをどう構築しているのでしょうか。見解を伺います。
○福田商工部長 助成金については、募集要項等に基づき、事業者が作成する申請書を基に交付決定を行うものであり、本決定の内容と異なる事実が認められた場合は返還を求める規定を設けることとしております。
○さとう委員 設備導入型の補助は、申請から審査、交付、導入完了まで時間がかかります。ヒアリングでも三から四か月かかるとのことでした。資金繰りにすぐ効くわけではない点で、本事業を実施する緊急性は乏しいと考えます。
製造業にとっては使いやすい補助金だと思いますが、中小企業の製造業、そして製造業以外の業種、川下の事業者がどのような設備を導入するのかが分かりづらいです。
少なくとも業種ごとの設備事例を都民に提示することを要望して、質問を終わります。
○山田委員 先ほどから質問が続いておりますが、中東情勢の悪化に伴いまして、石油化学製品の原料となるナフサの価格高騰や供給不安が生じている関係でご質問させていただきます。
こうした状況を踏まえまして、我が党は、さきの本会議におきまして質問させていただきましたが、都から、ナフサを原料としない素材開発への支援を開始するとの答弁をいただきました。この支援を開始するということに関しては、高く評価をするものであります。
そのナフサ代替素材の開発は技術難易度がとても高く、投資のリスク等もあるため、都が行う費用の支援のみでは実現できないのではないかと考えております。
都は、ナフサ代替素材としてどのようなものを想定しているのか。
また、確実にプロジェクトを実現するため、都としても開発プロジェクトに関与し、官民が連携して取り組むべきであると考えますが、見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、中東情勢の影響を踏まえ、国際情勢に左右されない産業基盤を育成するため、廃食用油や木質バイオマス、廃プラスチック由来の素材等、ナフサを原料としない素材の開発を行う事業者等への支援を開始いたします。
開発プロジェクト二件を選定して事業者等と協定を締結し、必要な経費について、三年間でそれぞれ最大六億円を支援するとともに、専門家による技術的な助言や共同開発に向けた連携企業とのマッチングを実施いたします。
加えて、開発計画に基づく進捗管理を行うとともに、外部有識者も活用して定期的に検証、評価する仕組みも導入するなど、都がプロジェクトに積極的に関わることで代替素材の開発を推進してまいります。
○山田委員 三年間で最大六億円ということですので、官民連携によりましてナフサ代替素材等の開発が着実に進むことを期待いたしまして、次の質問をさせていただきます。
中東情勢の影響によりまして、我が国の基幹エネルギーであります原油やナフサなどの化学原料の供給が大きく減少していることに伴い、石油由来原料に依存しない製品の普及を進める必要性も一層高まっております。
私の地元の江戸川区でも、バイオマス由来の木質チップや、自然環境に配慮したインクの開発を行っている中小企業がございます。
我が会派では、エネルギー構造の転換に向けまして、都内中小企業等の優れた技術を活用し、代替素材、代替製品への転換を積極的に進めることを求めております。
そこでまず、本定例会に上程いたしました補正予算案におけます非石油由来製品等開発支援事業の助成額や支援期間などの具体的な内容についてお伺いをいたします。
○大川商工施策担当部長 非石油由来製品等開発支援事業は、優れた技術を持つ中小企業に対し、石油のみに依存しない製品等の開発支援を行うものでございます。
この支援では、プラスチックに間伐材を混ぜた新素材を用いた製品や、植物由来のセルロースを原料とした製品ラベルの開発など、企業の取組に必要な経費の五分の四につきまして、二千万円を上限に助成をいたします。
先駆的な取組である代替製品の開発では、設計から試作、試験評価などの複数の段階を繰り返し踏むことから、支援の期間を最長一年九か月と設定することによりまして、製品開発の取組を着実に後押しし、中小企業の新たな成長の機会を創出してまいります。
○山田委員 製品開発が進んでおりまして、流通までにもう一歩というところの中小企業も多いかと思いますので、そういった企業への助成などを推進していっていただければと思います。
ただいまの答弁で、石油代替製品の開発に取り組む中小企業を、都が積極的に後押しすることがよく分かりました。
原油やナフサ等の依存からの脱却を実現していくためには、中小企業の製品開発に取り組むとともに、様々な手法で支援を進めていく必要があると考えております。
特にスタートアップが持つ革新的な素材や先端技術に着目しまして、これらを積極的に社会に広めていくことも大切な取組ではないかと思います。
都は、スタートアップ等が持つ革新的な石油代替素材等の社会実装に向けた支援を行っておりますが、人的資源や資金面などをどのようにサポートして事業成果を上げていくのか、取組内容についてお伺いいたします。
○大川商工施策担当部長 都は、石油のみに依存しない代替素材等の社会実装を促進するため、優れた技術や斬新なアイデアを持つスタートアップを募り、代替製品や技術の活用と普及につなげる取組を開始いたします。
スタートアップが開発した先端技術の製品化等に向けまして、約八か月間の伴走支援を行うとともに、より事業効果を高めるため、実証に必要なテストマーケティングや資材の調達などに要する経費につきまして、一社当たり一千万円を上限に資金サポートを実施いたします。
また、令和九年度中に実証の成果を踏まえたピッチイベントを開催することで、スタートアップの販路開拓を後押ししてまいります。
○山田委員 ありがとうございます。資金繰りに苦慮している中小企業も多いかと思いますので、ぜひサポートの方をよろしくお願いいたします。
ただいまの答弁で、スタートアップを活用して、複数年にわたり社会実装の取組を行っていくことが分かりました。これらの支援によりまして、石油由来原料の依存からの脱却が図られることを期待しまして、質問を終わります。
○もり委員 中東情勢の帰趨が不透明であることに加え、和平合意の報道もありましたが、平和が回復しても、中東地域における破壊された石油関連施設の復旧など、戦闘前の状況に戻るには時間がかかります。
政府は、石油やナフサの供給は大丈夫だといっていますが、中小企業にとっては、必要な資材が入手できないでいることに加え、量が確保できたとしても、スポットでの確保は値段が格段に高いという価格の問題があります。
大田区には多くの中小企業がありますが、三つの困難な課題に直面しています。
第一は、資材や光熱費の原価、エネルギー価格増の課題です。
第二は、コロナ時のゼロゼロ融資、無利子、無担保、信用保証協会の保証料も含む補助の返済がピークを迎えていることや、掛金の回収よりも支払いが先行する黒字倒産リスクという財務の課題です。
第三は、価格転嫁ができないことによる利益縮小や、人手不足による人件費増加など、経営の課題です。
政府も総額三兆円強の補正予算を成立させています。政府の補正予算では重点支援地方交付金として一千億円が計上され、重点支援地方交付金は、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地方自治体が地域の実情に応じて支援できるよう追加措置するものとのことで、東京都への配分は幾らか、国の補正予算との関係について伺おうと思ったのですが、今回の補正予算は国からのものではなく、また、中東情勢等対応予備費が二・五兆円も計上されていますが、この二・五兆円の予備費の使い道は、現時点で全く内容は不明ですが、今回の東京都の補正予算と重なる項目について国が措置することとなった場合、国の予算措置と都の予算措置は重複して実施されることになるのか、それとも補助率の調整などが行われることになるのか、所管は財務局とのことで、ご答弁はありませんでした。
先ほどの公表のあった要望書の一覧においても、様々な業界団体、大田区も含め自治体からも切実な要望が寄せられておりますので、産業労働局として、産業現場の声に寄り添う活用がスピード感を持って行われるよう、財務局に求めていただきたいと要望いたします。
それでは、都の補正予算についてお伺いをいたします。
今回の補正予算では、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業の延長として十七億円が計上されております。これまでの支援実績についてお伺いをいたします。
○岡野産業政策連携促進担当部長 令和五年四月の本事業開始以降、これまで実施した第四回までの支給件数は、特別高圧電力の直接受電施設では二百二十事業所、テナントでは二万二千八百六十三事業所、工業用LPガスでは三百二十事業所でございます。
○もり委員 光熱費の高騰は中小企業にも大変大きな影響を与えておりますので、運用については評価をしております。
中東情勢が長期化しつつある中で、石油、ナフサ不足は、都内企業にも深刻な影響を与えています。
これまで会派としても、建設業が直面する切実な声を伺い、私自身、地元大田区の製造業の実態も伺ってまいりました。都内中小、小規模事業者の喫緊の課題に対して、小池都知事に会派としても緊急要望を行ってまいりました。
知事は所信表明の中で、中東情勢の混乱により、我が国は資金確保という根源的な課題に直面していると述べました。
特に都内の製造業や建設業、化学、プラスチック加工など、ナフサを原料とする中小企業は、価格高騰や供給不安の影響を直接受けています。
産業労働局として、石油、ナフサ不足が都内中小企業に与えている影響をどのように把握しているのか、また業種別のリスク分析を行っているのか、お伺いをいたします。
○福田商工部長 都では、中東情勢の影響について、業界団体等を通じて業種別に原材料の取引状況などの調査を行い、実態把握に努めております。
特に製造業や建設業において、シンナーや塗料用の溶剤などの価格上昇や納期に遅れが生じるなどの影響を受けております。
○もり委員 本当に、シンナー、塗料など全く、三月の末から現場ではないというような声を聞いておりますので、そういったところにもしっかりと都として対応していかなければいけないと危機感を持っております。
さきの三雲委員の質疑では、価格転嫁等に苦しむ事業者の把握及び支援策として七万社にアプローチする旨、二億円の新規事業が計上されておりますが、東京都は本年三月、中東地域の情勢悪化により影響を受ける中小企業の経営や資金繰りに対応するため、特別相談窓口を設置しました。
これまでの相談実績はどの程度か。また、寄せられた相談内容の傾向と、それらの相談をどのように具体的な支援につなげたのか、お伺いをいたします。
○福田商工部長 特別相談窓口や企業への巡回相談における中小企業からの主な相談内容は、原材料等の価格高騰に関することが二百三十七件、原材料等の納期遅れなどが二百三十二件でございました。
これらの相談に対しては、中小企業振興公社の専門組織である受託取引適正化センターでの価格交渉に関する専門家による支援につなぐほか、納期遅延による法的な取扱いに関する助言などを行いました。
○もり委員 寄せられた相談については、相談を聞くのみならず、この受託取引適正化センターを通じて、しっかりと解決につながるよう、ご対応いただいているとの答弁をいただきました。ぜひ本当に、現場で厳しい声に対して、しっかりと対応することが求められます。
中東情勢に係る金融支援についてお伺いいたします。
中小企業が直面する財務の課題について伺います。
これについては、中小企業の経営安定化に資する取組について予算が計上されています。信用保証協会の保証料の補助は、即効性のある中小企業に対する資金補助の措置であり、これには賛成しています。
しかし、中小企業は、コロナ時のゼロゼロ融資の返済も抱えています。これへの対応としては、実質無利子、無担保の借換え保証などが考えられますが、こちらの対策はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○若林金融部長 都はこれまで、事業の再生が必要な中小企業に対し、信用保証協会が専門家を派遣し、策定された経営改善計画を踏まえ、借換えや新たな事業資金を融資するメニューにより支援をしてまいりました。
今年度からは、コロナ融資の融資残高がある事業者への支援を強化するため、このメニューに特例を設け、信用保証料補助を拡充しております。
○もり委員 また、掛金の回収よりも支払いが先行する黒字倒産リスクについては、経済産業省では、売掛債権を活用した資金調達方法、すなわちファクタリングという仕組みを整備しつつあると聞いています。東京都においても、企業ごとのニーズに合わせたきめ細やかな仕組みの整備を進めるよう要望いたします。
次に、経営の課題について伺います。
人手不足による人件費増加は、中小企業にとって大きな課題です。中小企業で働く人を採用し定着させるには、物価変動を考慮した安定的な実質賃金の向上の定着が必要となります。
労働組合の連合は、二〇二六年春闘では、中小企業賃金六%引上げを目標とし、結果、五・〇五%の賃上げとなったとされています。
また、中小企業・小規模事業者の賃金向上推進五か年計画では、物価上昇を一%程度上回る賃金上昇を定着させることを目標としています。
日本銀行の経済・物価情勢の展望によれば、物価は、二〇二六年度は二%台後半と予想されており、これによれば、二〇二七年度の中小企業の賃上げ率は、少なくとも三%台後半は必要となります。
来年も中小企業の賃金を上げていくには、中小企業の取引先に対する価格転嫁では、原材料やエネルギー価格の高騰分だけではなく、物価変動を考慮した安定的な実質賃金の向上分、おおむね三%程度を盛り込んで進める必要があると考えます。都から企業の取組を後押ししていただくよう要望いたします。
原材料やエネルギーコストが上昇している現在、中小企業にとって、取引先に対する価格転嫁は喫緊の課題です。
補正予算では、相談支援体制を強化するとともに、プッシュ型で支援を実施するとして二億円が計上されていますが、価格転嫁は結果重視が大切です。
中小企業診断士派遣や事例検討会等が支援策として挙がっていますが、価格転嫁という結果を出すためには、二〇二六年一月一日に施行された中小受託取引適正化法を活用し、発注者に対して価格交渉にきちんと応じ、その結果をフォローすることが大切だと考えますが、都の対策についてお伺いをいたします。
○福田商工部長 受託取引適正化センターにおいて、発注企業と受注企業に対する中小受託取引適正化法の趣旨等の啓発や、紛争解決専門員による相談対応などを行うとともに、その後の対応状況をフォローしており、その多くが相談内容の解決に結びついております。
○もり委員 寄せられている相談については、相談内容の解決につなげていただいているとのご答弁でしたが、引き続き、しっかりと寄り添った対応を求めるものです。
次に、エネルギー構造の転換等に向けた先駆的施策についてお伺いをいたします。
知事は、使用済み食用油からのSAFや携帯電話回収によるレアメタルの再資源化を進めると述べました。石油、ナフサに依存しない素材、原料の確保という視点で、中小企業にとっても極めて重要です。
産業労働局として、こうした都市資源の再資源化を中小企業の原材料確保やコスト削減にどのように結びつけていくのか、お伺いをいたします。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、都内中小企業の事業継続や東京の産業基盤の強化につなげるため、廃食用油を原材料とする素材など、ナフサを原料としない素材の開発に取り組む事業者等への支援を開始いたします。
これにより、中小企業が利用する様々な製品の原料となる素材の多様化を進めてまいります。
○もり委員 航空産業が目指す二〇五〇年カーボンニュートラルや都が掲げるゼロエミッション東京の実現には、一時的な価格補助にとどまらず、燃料の原料そのものをいかに国内、とりわけ都内で安定的に確保、循環させるかという構造的課題へのアプローチが不可欠です。
今回の国産SAF利用促進事業によるこれまでの執行状況と、都内航空ネットワークの安定化における成果について見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は昨年度から、羽田空港で国産SAFを供給する事業者に対しまして、海外産との価格差について支援する取組を実施しています。
この支援は、昨年五月に開始した羽田空港での国産SAFの供給に利用されており、令和七年度は約二百五十万リットルの利用実績がありました。
○もり委員 今回供給された国産SAFの一部には、都も参画するFry to Fly Projectなどを通じて回収された廃食用油が原料として活用されていると承知していますが、現在も国内の廃食用油の多くが海外へ輸出されている現状や、家庭から出る廃食用油の多くがいまだに廃棄されている現状があります。
都は民間企業と連携し、家庭用廃食用油の回収プラットフォーム構築や認知拡大の公募事業を進めていますが、持続可能な資源循環を加速させるためには、より身近な地域やサプライチェーンを巻き込んだオール東京での回収拠点の拡充と都民への動機づけ強化が必要です。
国内資源でもある廃食用油の流出を防ぎ、国産SAFの大規模製造に向けた調達基盤を確固たるものにするため、今後、家庭用及び事業系廃食用油の回収、資源化をどのように拡大していくのかも重要であり、家庭部門の資源回収は環境局の所管ですが、この事業における環境局との連携状況と、また、今後拡大していくための方針についてお伺いをいたします。
○岡野産業政策連携促進担当部長 産業労働局では国産SAFの利用を促進する取組、環境局では家庭の廃食用油の回収を促進する取組を実施しております。
これらの取組について、様々な機会を捉えて、両局が連携して情報発信を行うなど普及啓発を行っているところでございます。
○もり委員 廃食用油だけでなく、将来的には、都内の一般廃棄物、ごみからエタノールを経てSAFを製造する技術など、多角的な原料確保の視点も重要となります。
緊急の価格補填から始まった本実施策を、都内発の環境、エネルギー産業の育成や強靱なエネルギー安全保障という持続可能な都政の実現が期待をされます。
地政学的リスクに左右されない持続可能な東京を構築するため、SAFの利用促進と国内原料の調達、循環ビジネスへの支援について、中長期的な視点も含めた今後の取組の決意についてお伺いをいたします。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、航空分野における脱炭素化に向けまして国産SAFの利用を促進するとともに、石油のみに依存しない経済への構造転換を進めるため、ナフサを原料としない素材開発に対しまして支援することとしております。
○もり委員 知事は、現下の状況をチャンスと捉え、未来を切り開くイノベーションを東京がリードすると述べています。
エネルギーの大消費地である東京都から、持続可能なエネルギー都市へと構造転換を果たすことは大変重要です。
本定例会において、中小企業の省エネ設備導入や地産地消型再エネ、そして需給最適化を図るアグリゲーションビジネスへの補助を大幅に拡充する補正予算が計上されました。いずれも喫緊の課題への対応として高く評価しますが、しかし、これらの施策が単なる補助金の支出で終わらず、東京のエネルギー構造を恒久的に変えていくためには、現場での実装スピードと持続可能性の確保が不可欠であると考えます。
現場では、忙しくて計画策定の時間が取れない、専門知識を持つ人材がいないという理由で、設備更新に踏み切れない企業も数多く存在します。
単なる資金の支援にとどまらず、中小企業が抱える人手不足と技術力不足など、いかに補完し、確実に事業まで導くのか、その伴走支援の体制をどう強化するのか、お伺いをいたします。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、事業者の省エネ対策等を後押しするため、省エネ設備等を設置する経費の一部を補助する取組に加えまして、東京都環境公社や民間の専門家が現場に出向き、消費エネルギーの削減に向けた調査分析や改善策を助言する省エネルギー診断を行ってございます。
今年度は、民間の専門家による診断件数を拡充するなど、対応を強化しております。
○もり委員 次に、エネルギー構造の転換等に向けた先駆的施策について伺います。
ナフサ代替素材等開発支援事業は、規模二件で、協定金の上限額が一年目一億円、二年目二億円、三年目三億円となっており、一社当たり三年間、上限が合計六億円ということですが、この多額の補助となっており、しかも、今年度の補正予算ということですから、二社は見当がついているのではないかと推測しますが、見当をつけている企業があるとすればお答えください。
○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業の支援対象となる事業者等の選定につきましては、公募の上、公募要領で定める基準に基づき、豊富な知識や経験を持つ外部の専門家等の意見も踏まえまして実施することを想定しております。
○もり委員 やはり他の委員からも質疑があったのですが、大変意義のある支援であると感じる一方で、補正予算になじむのかという点については疑問があります。
今回、中東情勢による石油、ナフサ危機はコロナ禍以降の危機であり、倒産件数、影響を受ける都民、都内企業からは廃業を考えているとの深刻な声に、都は国に先駆けて、喫緊の課題に対し、都民の命と暮らし、経営を支える気概を持って迅速な支援が求められます。
産業労働局として、石油、ナフサ依存からの脱却を目指す中小企業のためのエネルギー、原材料構造転換ロードマップを策定し、取組を推進すべきと考えます。見解を伺います。
○岡野産業政策連携促進担当部長 都は、石油のみに依存しない経済への構造転換を進める必要があるため、ナフサを原料としない素材の開発に取り組む事業者等に対する支援を開始いたします。
三年間にわたり、開発に要する経費の支援と専門家による助言を行うことで、都内中小企業の事業継続につなげてまいります。
○もり委員 エネルギーの構造の転換等に向けた先駆的な施策として、かねてよりの課題であった過度なプラスチック製品への依存は、既に地球環境に多大な負荷をかけており、一過性の資源不足を補うものではなく、持続可能な社会を築くためには社会構造を大きく転換することが求められます。
また、プラスチックによる海洋汚染、海洋生物の汚染が深刻となっております。
プラスチックのマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの取組の推進が求められており、プラスチックの再資源化、油化に取り組む企業もあります。
環境省の推計によると、日本から海洋へ流出するプラスチックごみの総量は、発生源、品目別の積み上げで推計一万三千から三万トン、マクロ統計データを用いた推計では二千三百から二万四千トンと推計され、日本近海では、世界的に見てもマイクロプラスチック汚染が深刻で、表層の濃度は世界平均の約二十七倍に達するとした研究データもあります。
プラスチックは自然界では分解しませんが、マイクロプラスチックを回収し、資源化することができれば、環境にも大きく寄与します。先ほどの質疑の中にも、製品の設計から技術的な助言により、企業の技術革新を支援するとのご答弁もありました。日本企業が社会課題の解決に寄与することを、都として力強く後押しする事業となるよう期待するものですが、一方、規模としては、それぞれの件数が少なく、ぜひ都内企業のよい取組については件数の拡充も視野に、中長期的な視点を持って取組を推進するように願うものです。
また、本事業については、東京都からエネルギー構造の転換が図られるよう大変期待をするものですが、本来であれば、建設現場等では、既に三月から資材の不足の声が上がっていたので、これは補正予算ではなく、本来はしっかりと当初予算で組むような事業であったとも考えます。
また、我が会派は五月十二日、緊急要望において、都が国に対して、中小規模事業者への持続化補助金に中東情勢枠といった新たな枠を設定して支援を行うことを提言するよう強く求めてまいりました。
中東情勢懸念が続く中、事業者からは給付金を求める声が上がっています。
また、事業者が求める支援策には、雇用維持のための助成制度を求める声もあります。売上げが前年度に比べ大幅に減少する結果で、事業者が雇用調整を実施し、従業員雇用を維持することが広域に及ぶのであれば、国に雇用調整助成金の扱いについて求めていくことになると考えますが、建設業等、資材の不足で仕事がないとの声が寄せられています。
調達難やコスト増による倒産リスクが急増する中、今回の補正予算では二十五億円規模の制度融資が提案されていますが、多くの小規模事業者からは、コロナ禍の融資返済に追われる中、これ以上借金しても、仕事ができなければ先が見えないとの危機的な状況に、経営と雇用を守るために都はどのように支援するのか。現場からは、もうこれ以上借金はできないという悲痛な声にぜひ向き合って、危機感を持って支援に取り組んでいただきたいと要望いたします。
本当に切実な課題です。ただでさえ、人材不足が叫ばれている建設業、製造業と、今、経営と雇用を支えなければ、産業の基盤が損なわれてしまいます。ぜひ都は、既に国に要望したとも聞いていますが、国任せではなく、今こそ自治体が都民の暮らしと経営をいかに守るか、その覚悟が問われていると考えますので、ぜひ過去最大の税収を、こういった本当に困っているところに予算をしっかりとつけていただきたいと強く要望し、質問を終わります。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時八分散会
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