経済・港湾委員会速記録第五号

令和八年三月十八日(水曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長田中 慎一君
次長理事兼務関口 尚志君
理事奈良部瑞枝君
総務部長阿部 泰之君
産業企画担当部長DX推進担当部長兼務前田 泰伯君
企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務齋藤  順君
企画調整担当部長下羅 智宏君
働く女性応援担当部長吉浦 宏美君
国際金融都市推進総括担当部長村本 一博君
国際金融プロモーション推進担当部長小出 真志君
商工部長福田 哲平君
商工施策担当部長大川 徳明君
金融部長原   郁君
金融支援担当部長松田 義史君
産業・エネルギー政策部長米澤 鉄平君
産業政策連携促進担当部長岡野 守治君
新エネルギー推進担当部長服部 勇樹君
観光部長江村 信彦君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長榎園  弘君
安全安心・地産地消推進担当部長田代 純子君
雇用就業部長新田 智哉君
事業推進担当部長富岡麻紀子君

本日の会議に付した事件
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第九号議案 令和八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第十号議案 令和八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十一号議案 令和八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第七十五号議案 東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例に係る指針(案)骨子について
・東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄の報告について
・第五次東京都食育推進計画の策定について

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第九号議案から第十一号議案まで、第七十五号議案、第七十六号議案及び報告事項、東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例に係る指針(案)骨子について外二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○阿部総務部長 去る二月十二日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で五十四項目ございます。
 一ページをご覧ください。過去十年間の予算、決算の推移につきまして、一ページに中小企業対策、二ページに農林水産対策、三ページに雇用就業対策をそれぞれお示ししてございます。
 四ページをご覧ください。平成二十四年以降の従業者規模別都内製造業の推移をお示ししてございます。
 五ページをご覧ください。過去二十年間の都内商店街数の推移をお示ししてございます。
 六ページをご覧ください。過去二十年間の都内小売店数の推移をお示ししてございます。
 七ページをご覧ください。こちらのページから八ページにかけまして、令和五年度以降のスタートアップ関連事業費の推移をお示ししてございます。
 九ページをご覧ください。過去十年間の東京都登録旅行業者の数の推移をお示ししてございます。
 一〇ページをご覧ください。過去二十年間の都内労働者の賃金の推移をお示ししてございます。
 一一ページをご覧ください。過去五年間の派遣元事業所数、派遣労働者数、派遣労働者の賃金の推移についてお示ししてございます。
 一二ページをご覧ください。過去十年間の東京の農地面積の推移をお示ししてございます。
 一三ページをご覧ください。こちらのページから一五ページにかけまして、過去十年間の区市町村別農地面積、市街化区域内農地面積、生産緑地地区面積の推移をお示ししてございます。
 一六ページをご覧ください。こちらのページから一八ページにかけまして、過去十年間の区市町村別農業従事者数、漁業就業者数、林業就業者数及び新規就業者数の推移をお示ししてございます。
 一九ページをご覧ください。過去五年間の島しょ地域の旅行者数の推移をお示ししてございます。
 二〇ページをご覧ください。こちらのページから二二ページにかけまして、過去五年分の再生可能エネルギーに関わる各種設置補助制度と実績額の推移をお示ししてございます。
 二三ページをご覧ください。過去五年分のEV、PHEV、FCV別のZEV導入に関わる補助制度と実績額の推移をお示ししてございます。
 二四ページをご覧ください。下請企業対策につきまして、過去十年間の実績をお示ししてございます。
 二五ページをご覧ください。Invest Tokyoにつきまして、二五ページから二六ページにかけまして経緯と取組を、二七ページで主な支援事例の内容を、二八ページで海外拠点の利用実績をお示ししてございます。
 二九ページをご覧ください。ビジネスコンシェルジュ東京の実績をお示ししてございます。
 三〇ページをご覧ください。次世代アントレプレナー育成プログラムにつきまして、過去十年間の実績をお示ししてございます。
 三一ページをご覧ください。インキュベーション施設、青山創業促進センター及びNEXs Tokyoにつきまして、過去十年間の利用状況をお示ししてございます。
 三二ページをご覧ください。女性ベンチャー成長促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
 三三ページをご覧ください。高校生起業家養成プログラムにつきまして、事業開始以来の実績をお示ししてございます。
 三四ページをご覧ください。東京都と地域の金融機関とが連携して実施する融資制度につきまして、過去十年間の損失補助の推移をお示ししてございます。
 三五ページをご覧ください。三五ページから三六ページにかけまして、サステナブルエネルギーファンドの運営状況をお示ししてございます。
 三七ページをご覧ください。グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業の取組実績をお示ししてございます。
 三八ページをご覧ください。充電設備普及促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び申請者の属性をお示ししてございます。
 三九ページをご覧ください。外国人旅行者向け観光マナー啓発パンフレットによる啓発事業の取組実績をお示ししてございます。
 四〇ページをご覧ください。GO TOKYOへのアクセス数につきまして、過去十年間の推移をお示ししてございます。
 四一ページをご覧ください。都庁舎におけるプロジェクションマッピング運営事業につきまして、四一ページから四二ページで実施事項を、四二ページから四三ページで支出内訳を、四三ページでは月別観覧者数及び曜日別平均観覧者数を、四四ページで経済波及効果をお示ししてございます。
 四五ページをご覧ください。東京都労働相談情報センターにおける労働相談件数及び内訳につきまして、過去十年間の実績をお示ししてございます。
 四六ページをご覧ください。女性しごと応援テラスの利用者数及び相談件数につきまして、事業開始以来の実績をお示ししてございます。
 四七ページをご覧ください。ソーシャルファーム支援事業の実績をお示ししてございます。
 四八ページをご覧ください。アフォーダブル住宅供給促進ファンドにつきまして、四八ページで取組状況を、四九ページから五〇ページで事業者等の詳細をお示ししてございます。
 五一ページをご覧ください。エジプト人労働者の日本での雇用に有益な研修及び情報提供に関する協力に係る合意書(MOU)の締結に係る産業労働局分の経緯をお示ししてございます。
 五二ページをご覧ください。こちらのページから五七ページにかけまして、令和八年度当初予算案のうち新規事業を一覧でお示ししてございます。
 五八ページをご覧ください。こちらのページから五九ページにかけまして、中小企業の資金調達を支援する事業の予算、決算につきまして、過去五年間の推移をお示ししてございます。
 六〇ページをご覧ください。こちらのページから六一ページにかけまして、賃上げ支援事業の予算、決算につきまして、事業ごとの推移をお示ししてございます。
 六二ページをご覧ください。介護と仕事の両立推進事業の予算、決算につきまして、過去五年間の推移をお示ししてございます。
 六三ページをご覧ください。東京の観光産業振興を支援する事業につきまして、予算、決算の推移を事項別にお示ししてございます。
 六四ページをご覧ください。混雑緩和やごみ対策に関する事業の予算、決算につきまして、過去十年間の推移をお示ししてございます。
 六五ページをご覧ください。日本各地とのインバウンド誘客促進事業につきまして、広告宣伝に係る業務委託契約の金額をお示ししてございます。
 六六ページをご覧ください。こちらのページから六八ページにかけまして、「『国際金融都市・東京』構想二・〇」に係る国への要望状況をお示ししてございます。
 六九ページをご覧ください。東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例に係る指針(案)骨子の作成に当たりヒアリングした有識者及び団体等をお示ししてございます。
 七〇ページをご覧ください。こちらのページから七一ページにかけまして、産業労働局における女性活躍推進に関連する事業の予算・決算の推移をお示ししてございます。
 七二ページをご覧ください。こちらのページから七三ページにかけまして、東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例に関連する主な法律・条例との比較をお示ししてございます。
 七四ページをご覧ください。都の政策目標の進捗を把握するために活用する調査をお示ししてございます。
 七五ページをご覧ください。過去十年間の東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄の状況をお示ししてございます。
 七六ページをご覧ください。一般家庭、外食産業、食品小売業における食品ロスの主因をお示ししてございます。
 七七ページをご覧ください。食に関するSDGsの取組と削減された食品ロスの量をお示ししてございます。
 七八ページをご覧ください。東京産食材の生産量が国内に占める割合をお示ししてございます。
 七九ページをご覧ください。食育計画を作成していない区市町村及びその主な理由をお示ししてございます。
 八〇ページをご覧ください。江戸東京野菜を都内で取り扱っている仕入事業者を一覧でお示ししてございます。
 八一ページをご覧ください。食べ残しの持ち帰りに取り組んでいる事業者数をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 産業労働局さんということで質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、国際金融都市の推進について伺います。
 世界は現在、政治経済構造の急激な変化や中東の情勢悪化といった地政学リスクの高まりなどにより、国際金融市場をめぐる環境が大きく変化し、世界の投資資金の流動性が高まっています。東京が国際金融都市としてのプレゼンスをさらに高めていくためには、こうした状況をチャンスと捉え、国内外から資金や人材、技術を呼び込み、東京の成長や経済の拡大につなげていくことが重要だと考えております。
 東京が国際金融都市としての競争力を高めていくためには、投資と成長の好循環を生み出すことが必要であります。国内外から資金を集め、投資につなげる役割を中心的に行う資産運用業者や、革新的な金融サービスを生み出すフィンテック企業などの金融系外国企業も呼び込んでいくことが不可欠であります。
 そこで、海外からの資産運用業者など金融系外国企業の誘致について、これまでの取組状況と直近の実績を伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都の金融系外国企業誘致は、東京進出を検討する資産運用業者やフィンテック企業等に対し、市場調査や成長戦略の策定支援などのほか、都内企業との協業分野の助言や財政支援等を通じて、東京への進出を後押しするものでございます。
 金融系外国企業の誘致を開始した平成二十九年度以降、その時々の企業のニーズ等に応じて支援内容を拡充し、令和四年度からは、都内経済や都民生活への効果を踏まえ、運用資産残高十億ドル以上の資産運用業者や、成長フェーズにあるフィンテック企業等、質の高い企業を誘致対象といたしました。
 今年度は、約一千二百億ドルの運用資産残高を有する企業のほか、独自の手法でカーボンクレジットのリスク評価を行い金融機関や投資家向けに格付情報を提供する企業等、計十社が都の支援を受け、東京へ進出しております。

○おぎの委員 都が海外からの金融系外国企業の誘致について、都内経済や都民生活の向上への効果が高い有望な企業の進出を支援する取組を進め、一定の成果を上げてきたことは理解いたしました。
 一方で、都が目指す国際金融都市を実現し、都市間競争を勝ち抜いていくためには、海外からの金融プレーヤーの集積を加速するとともに、都内への進出そのものにとどまらず、進出後に企業が東京に根づき、事業を拡大し、継続的な経済活動ができるよう、取組を強化していくことが重要だと考えております。
 こうした点から、都は、金融系外国企業の誘致について、今後どのように強化していくのか、伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都は、金融系外国企業が東京に進出後、事業活動を円滑に展開していけるよう、東京進出までの間、実施してきた伴走支援を、来年度は進出後も継続して行います。
 具体的には、既に進出した企業等からの要望も踏まえまして、英語対応が可能な専門人材の確保や、都内企業とのビジネスマッチングに向けた支援など、きめ細かなサポートを企業の事業展開に合わせて実施していきます。
 こうした取組により、金融系外国企業の東京への集積と東京に進出した企業の活発な事業活動につなげてまいります。

○おぎの委員 金融系外国企業の誘致に向けて、支援期間を延ばしたことについて理解いたしました。国際金融都市東京の実現に向けて、国内外からの投資を呼び込み、都内経済の活性化や都民生活の利便性向上につなげられるよう、効果の高い金融系外国企業の誘致をしっかりと進めていっていただきたいと思います。
 次に、国際金融エキスパート育成事業について伺います。
 ただいまお尋ねしたとおり、都は、国際金融都市としてのプレゼンス強化に向け、外国企業の誘致を含めた金融系事業者の集積に取り組んできましたが、より一層の飛躍のためには、そこで働く方のスキルアップを図り、高度な金融知識を持つ人材が多く集まる都市としての魅力を高めていくことが求められます。
 特に資産運用業は、国内外からの資金を投資につなげるという重要な役割を担っており、そこで働く方々の能力開発に向け、現在、資産運用業者各社において人材のスキルアップに関する取組が行われていますが、カリキュラムの作成などの負担も大きく、積極的な展開につながっていないとも聞いております。
 このため、都は来年度、国際金融エキスパート育成事業を開始し、資産運用の活性化や高度化に必要となるデータサイエンティストや国際法務、コンプライアンス人材の育成に取り組むとしております。
 そこでまず、データサイエンティストの育成に取り組む意義と具体的な支援の内容について伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 近年、欧米におきましては、例えば、衛星画像で人流を把握し、商業施設の売上げを先行予測したり、SNS等の新たな媒体を活用して消費者行動を予測するなど、多様なビッグデータを分析、活用し、企業収益予測や資産運用を行うことで競争優位性を確保しつつあります。
 資産運用分野で世界と伍してビジネスができるよう、都は来年度、ビッグデータ等を投資運用に応用できるデータサイエンティストの育成を始めます。
 対象は、金融機関等において高度な手法で投資分析を行う若手職員や、資産運用業等に関心が高い数理系の学生等とし、有望な投資領域の発掘や効果的な投資配分の構築に必要なデータ分析等に関する講座を六回開催いたします。

○おぎの委員 まだ注目されていない分野への投資の可能性を見いだすスキルを持った人材を増やす取組と理解させていただきました。
 高度なデータ活用能力を持つ人材を増やすことは、資産運用のさらなる高度化のために重要であり、本事業を通じて着実な育成に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、国際法務、コンプライアンス人材の育成に取り組む意義と具体的な支援内容について伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 資産運用業は、国境をまたいだ取引も多く、当該国と日本双方の国際法務に関する知見が必要となります。
 また、資産運用業者として登録するためには、コンプライアンスに精通した人材の確保が国の要件となっております。
 国際法務やコンプライアンスについての専門的知見を持った人材は、金融ビジネスを安定的に行う上で重要でございますが、有識者からは、慢性的な人材不足と若手人材の育成の必要性が指摘されておるところでございます。
 そこで、都は来年度、金融機関の法務、コンプライアンス部門勤務者や若手弁護士、法科大学院生等を対象に、国際法務やコンプライアンスに関して、弁護士等から関連する規制や外国籍ファンドの組成の手法など、これらを学ぶ講座を年十回開催いたします。
 これによりまして、資産運用業の運営を支える人材を増やし、資産運用に携わる事業者の集積を進めてまいります。

○おぎの委員 ぜひ来年度の国際金融エキスパート育成事業を通じ、専門人材の増加と、既にその分野に従事されている方のスキルアップに取り組み、国際金融都市として世界に伍してビジネスができる人材の集積という観点で魅力を高めていってもらいたいと思います。
 また、将来的には、各社あるいは業界横断で一層の人材の育成の取組が進むことも期待いたします。
 冒頭も申し上げましたが、やっぱり東京はというか日本は、地政学的なものとか政治的なものとか、そうしたリスクも低いと。今まさにそうしたことが改めて注目もいただけるかと思いますので、そうした日本、東京の魅力というのもぜひともPRをしていきたいと思いまして、次の質問に移ります。
 次に、カスハラ対策について伺います。
 カスハラの防止を目的として全国で初めて制定された都の条例は、施行から間もなく一年を迎えます。この間、国においても法律が改正されるなど、都が全国のカスハラ対策の推進に果たした役割は大きいと思っております。
 各企業には今後、一層カスハラへの対応が求められますが、カスハラの様態は業種、業態、企業と顧客との関係などによって異なり、企業の取組を促すためには、各業界の実情に精通する団体から企業に取組を波及させていくことが効果的と考えます。
 そこでまず、都は今年度、カスハラ防止に向けた業界団体への支援にどのように取り組み、その実績はどうだったのか、見解を伺います。

○新田雇用就業部長 都は、会員企業等向けのカスハラ防止対策が進むよう、業界団体が相談窓口の設置や研修等を実施した場合に最大百万円の奨励金を支給するとともに、マニュアルの作成を検討している団体を対象に、専門家の派遣を実施しています。
 奨励金につきましては、今年度二十八件の交付決定を行い、取組の実績報告があった製造業や小売業、不動産業、生活関連サービス業といった分野の団体に対して、順次奨励金を支給しております。
 また、専門家派遣は十六団体から申請があり、各団体のニーズに応じて社会保険労務士や中小企業診断士等を最大五回派遣いたしております。建設業や運輸業、小売業、宿泊業等の団体に対してマニュアル作成の助言を行い、今後、支援の活用事例を取りまとめて公表いたします。

○おぎの委員 ただいまの答弁で、様々な業界に対して幅広く支援を行っていることが確認できました。今年度得られたいい事例を生かしながら、来年度もしっかりと支援していただくように要望いたします。
 次に、業界団体もさることながら、企業、とりわけ経営基盤が必ずしも強くない中小企業に対する支援も欠かせません。特に、昨年度の事務事業質疑でも取り上げました企業向けの奨励金については、私の地元からも期待の声が寄せられております。
 さらに、対面や電話、インターネットなど、あらゆる場面で生じるカスハラを未然に防ぐという観点からは、カスハラを受ける企業側に限らず、社会全体に条例の理念を広げ、カスハラの防止を呼びかけていくことが重要であります。
 そこで、企業向け奨励金のこれまでの申請や対応の状況がどうなっているか、改めて伺うとともに、来年度はカスハラ防止に向けて普及啓発にどのように取り組んでいくのか、併せて見解を伺います。

○新田雇用就業部長 都は、条例で努力義務としている事業者の措置等を速やかに浸透させるため、カスハラ防止に資する取組を行った中小企業等に四十万円の奨励金を支給しています。
 今年度行いました二回の募集では、第一回は約千百件、第二回は約千九百件を受け付けており、順次、審査、支給を進めるとともに、本日、第三回募集を開始し、予定していた二千件に達したため、既に受付を終了したところでございます。早期に受付を終了したことを踏まえ、令和八年度の対応について準備してまいります。
 また、条例では、カスハラ防止について、社会全体で取り組むこととしております。このため、来年度は、これまでのウェブサイト等による情報発信に加え、障害のある方にも配慮したリーフレット等を制作するほか、業界団体や企業向けにカスハラ発生時の対応等に関するノウハウを提供するセミナーでは、新たにインターネット上のカスハラもテーマに取り上げます。
 こうした取組により、顧客等と就業者が対等の立場で相互に尊重するという条例の基本理念を広く普及啓発してまいります。

○おぎの委員 この奨励金、企業からの注目も高いので、迅速な審査、支給をお願いするとともに、本日も、たしか十時からスタートだったと思うんですけれども、始めてすぐに予定件数に達したという状況も踏まえて、来年度の募集枠を拡大するなど適切に対応していただきたいと思います。
 また、ネット上の誹謗中傷によるカスハラも深刻であり、企業が適切に対策を講じることができるよう支援いただくことも要望いたします。
 この奨励金、すごく反響もあって、本当に取り組んでいるとか、次、まだなのかという話もいただきますけれども、今回、また前回と、前回もすぐいっぱいになってしまったので違う形での申込みというのを始めたんですが、それもやっぱり、すごいすぐに終わってしまったということで、今回、特にエントリーに至らない待ち件数がどれだけあったのですとか、需要についてもしっかりと調査していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それで、次の質問に移ります。
 次に、職業能力開発センターについて伺います。
 都は、本定例会において東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例案を提出しておりますが、今回の条例改正案は、中央・城北職業能力開発センター赤羽校と城南職業能力開発センター大田校のそれぞれが改築工事に伴い移転するための住所地の変更と伺っております。
 その中でも、改築工事の完了に伴い、令和八年度から新校舎に戻る大田校に私は期待を寄せております。
 私の地元大田区は、都内最大の製造業の集積地であり、ものづくりのまちであります。一方で、区の調査では、大田区のものづくり企業は従業員規模が九人以下の規模の企業が約七割を占めるなど、経営基盤は脆弱であり、地元の中小企業は深刻な人手不足に直面しております。
 都は、こうした状況を踏まえ、大田校の訓練をどのように実施していくのか、取組内容を伺います。

○新田雇用就業部長 城南職業能力開発センター大田校は、令和三年度より、老朽化による改築工事のため、民間施設を活用して一時的に仮移転していましたが、令和八年度より新校舎に移転し、順次訓練を展開してまいります。
 大田校では、ものづくりの地域性を踏まえ、板金溶接を学ぶ訓練を継続するほか、旋盤やフライス盤、NC旋盤などのものづくりの基礎となる技術を短期間で習得する訓練や、3DCADや3Dプリンター等のデジタル技術を活用し、試作品の製作等に取り組む実践的な訓練も開始いたします。
 また、在職者向け訓練につきましては、企業からの要望に沿って、オーダーメード型の訓練の充実を図り、人手不足に直面する大田区のものづくり企業の人材育成をきめ細かくサポートしていきます。

○おぎの委員 大田校のリニューアル後の訓練の内容は具体的なイメージができましたが、地元は大田校の開設に期待を寄せておりまして、もっと地域の方に大田校の取組を理解してもらう必要があるのではないかと思います。
 大田区の製造業は、売上高、付加価値額を生み出す源泉として大きな役割を占め、地域の産業の中核を担っております。その中には、世界的に見ても高い技術力を育み、中にはオンリーワンと呼ばれる技術や製品を持った中小企業も多く存在します。こうした企業を存続していくためには、担い手となる若者への啓発が必要であります。
 都は、大田校を職業訓練による支援を行うだけではなく、地域の情報発信の拠点として位置づけ、大田区の優れたものづくり企業の取組を普及するとともに、次代を担うものづくり人材を育成していく必要があると考えますが、見解を伺います。

○新田雇用就業部長 都は来年度、リニューアルいたしました大田校におきまして、大田区内の多様な主体と連携し、ものづくり産業の魅力を発信するイベントを定期的に実施いたします。
 具体的には、求職者や地域の方などを対象に、大田区やハローワーク、地域のものづくり企業や業界団体などと連携し、大田校の設備等を活用したものづくり体験や、高度な技術力を持つ中小企業の製品のブース展示などを行うほか、地元で活躍する製造業の経営者によるセミナーなどを実施します。
 また、地域の小中学生を対象としたものづくりの体験教室を開催し、レーザー加工機を活用した金属製のペン立てや、金型技術を用いたプラスチック樹脂のストラップ等の製作を通じて、児童や生徒にもものづくりの楽しさやすばらしさを伝えることで、次代のものづくりを担う人材の裾野の拡大につなげてまいります。

○おぎの委員 リニューアルした大田校が、本来の役割である職業訓練を実施するだけでなく、様々なイベントを通じて、ものづくりの担い手の創出に取り組むことが分かりました。今後は大田校が人材育成の拠点として地域の方に支持されることを期待し、次の質問に移ります。
 次に、区市町村の観光施策への支援について伺います。
 今定例会では、主税局から宿泊税の見直しに係る条例案が提出されております。
 宿泊税は、平成十四年の創設以来、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策の費用に充てるために活用されてきました。
 現在、東京を多くの観光客が訪れ、観光スポットだけでなく、地域の商店街や商業施設がにぎわい、経済の活性化につながっております。一方で、ごみのポイ捨てや交通渋滞などへの対応も課題となっております。
 区市町村は、様々な誘客の取組を進めるほか、こうした課題への対応にも取り組んでおり、このため、特別区議会議長会は都に対して、宿泊税の見直しに当たり、宿泊税の使途に特別区が実施する観光振興並びに環境美化推進施策への支援を含むことを要望しております。
 そこで、都は来年度、区市町村の観光施策に対してどのような支援を行うのか、伺います。

○江村観光部長 都は来年度、区市町村による地域の観光振興を図る取組に対しまして、様々な支援を行ってまいります。
 具体的には、アニメなど国内外に人気のコンテンツを活用した誘客の取組や、夜間における新たなイベントの開催といったナイトタイム観光の振興など、地域の魅力を高める観光資源の開発を支援いたします。
 また、観光案内標識やマップの多言語化など、地域を観光する外国人旅行者等の利便性の向上を図る取組も支援いたします。
 さらに、ごみのポイ捨て対策やマナー啓発、混雑緩和対策など、観光と地域の生活環境との調和を図る取組についても後押しいたします。
 これらによりまして、区市町村による旅行者の誘致や受入れ環境の整備などの幅広い取組をサポートしてまいります。

○おぎの委員 観光客の増加により、地域に多くのメリットがもたらされる一方、デメリットへの対応も必要となっており、宿泊税の見直しによる税収の増加が見込まれる中、区市町村からは、都のさらなる支援に期待する声も高まっております。
 先ほど特別区の議会の議長会からの要望の話もありましたが、特別区の区長会からも、これは宿泊税というよりも、個別の観光振興と環境美化推進施策というのは、やはり支援の要望も来ております。
 都が来年度以降も区市町村の観光施策をしっかりと支援することを求めて、次の質問に移ります。
 次に、アニメについて伺います。
 日本のアニメは世界的に高い人気を誇っており、昨年の本委員会の事務事業質疑で、私は都のアニメに関する様々な施策について質問をいたしました。
 池袋のアニメ東京ステーションでは、最新の人気作品の企画展や著名クリエーターの作品展示を通じて、来館者数を着実に伸ばしているとのことであります。
 また、鬼滅の刃と連携したスマホのスタンプラリーでは、私の地元羽田空港でもキャラクターとAR撮影が楽しめるスポットの設置やイベントが行われるなど、アニメを活用した観光施策が広がっております。
 一方、先週末から開催されていたアニメ映画祭、東京アニメアワードフェスティバルは、多彩なプログラムや作品上映など質の高い内容を有しているものの、世界の主要大会と比べると、発信力の面ではまだまだ改善の余地があるものと考えます。
 そこで、東京アニメアワードフェスティバルをさらに国際的に存在感のある大会へと成長させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○江村観光部長 都は、アニメを通じた東京の観光振興を図るため、アニメ制作会社等で構成する実行委員会と連携し、国際アニメーション映画祭である東京アニメアワードフェスティバルを開催しております。
 今年度のフェスティバルでは、過去最多となる七十四の国と地域から千三十六作品の応募があり、招待作品の上映やシンポジウム、ワークショップ等が実施されました。また、令和九年に新たな国際アニメーションフェスティバルを開催することが発表されました。
 新たなフェスティバルの開催に先立ちまして、今年秋にはプレイベントが開催される予定であり、都も主催者と協力し、より一層発信力を高め、国際的な大会へと発展するよう取り組んでまいります。
 この取組を通じまして、訴求力の高いアニメを活用した観光振興を促進してまいります。

○おぎの委員 さきの事務事業質疑で取り上げたとおり、都は、アニメ東京ステーションによる誘客のほか、区市町村などの地域の観光名所づくりのサポートや、回遊性を高めるデザインマンホールのスタンプラリーなど、多彩な観光振興の取組を進めております。その中でも、国際的なアニメフェスティバルは、世界に向けて日本のアニメの魅力をより広く、かつ直接的に伝えることのできる重要なツールであります。
 先日、知事もこの件に言及してニュースになっておりましたけれども、海外の多くのアニメファンから注目を集めることで、さらなる誘客に結びつけるような大会に発展させるべく、業界団体ともしっかりと連携して取り組むことを求めて、次の質問に移ります。
 次に、東京eスポーツフェスタについて伺います。
 今年一月に東京ビッグサイトで開催された東京eスポーツフェスタを視察しましたが、産業振興の観点からもeスポーツの重要性を感じていたところであり、非常に魅力的なコンテンツであることを再認識しました。
 eスポーツフェスタは、これまで七回にわたり開催しており、eスポーツへの関心を高め、産業としてさらなる発展を図るためにも、継続的に取り組んでいくことが必要であります。
 そこで、フェスタの今年度の実績と来年度の取組内容について伺います。

○福田商工部長 今年度の東京eスポーツフェスタにおきましては、世界規模の大会で採用される人気のタイトルを新たに競技に取り入れたほか、企業やプロチームの出展に加え、クリエーター向けのブースを新設いたしました。
 また、関係局とも連携し、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが楽しめるeスポーツのコンテンツを充実し、その発信を強化いたしました。
 さらに、eスポーツゲームの開発等を支援するコンテストを初めて開催することなどによりまして、来場者数は約一万一千五百人、動画配信の総視聴数は約四十四万回と、いずれも過去最高となりました。
 来年度は、会場をアクセスに優れた東京国際フォーラムにするとともに、企画内容の充実を図ることで、さらなるeスポーツの裾野拡大と産業の活性化を目指してまいります。

○おぎの委員 今年度のフェスタにおいても、様々な取組を行うことによってeスポーツの振興を図っていることが確認できました。
 これ、私も実際に行ってきたんですけれども、北海道の札幌市では、FPS、これApex Legendsというタイトルなんですが、タイトルの世界大会を二年連続で開催するなど、大きな盛り上がりを見せており、都としても引き続きeスポーツの発展に向けて取り組んでいくことを要望いたします。
 次に、地域産業の活性化について伺います。
 私の地元の大田区に見られるものづくり産業のように、都内には各地域ごとに特色ある産業が集積しており、東京の強みとなっております。
 しかしながら、国際情勢の変化などにより、特定の取引先や分野に依存した事業構造のリスクが顕在化しております。
 産業集積を将来にわたり発展させるためには、各地域のレベルで中小企業の新たな事業分野への展開や生産体制の強化など競争力を高める取組を促し、その取組を波及させていくことが重要であります。
 そのためには、地域の実情をよく知る区市町村との連携や、地域特有の共通課題を持つ中小企業が共同で実施する取組の後押しが効果的であると考えますが、都の見解を伺います。

○福田商工部長 都は、地域産業を支える中小企業の事業活動を後押しすることで、産業集積の維持発展につなげております。
 来年度は新たに、地域産業の基盤強化に向けて、区市町村が行います地域の中小企業のGXなどの成長分野への参入支援や、工場の誘致等のサプライチェーンの強化の取組などに対しまして、助成率三分の二、最長五年間で二億五千万円を上限に助成いたします。
 また、地域の複数の企業が共同で行います新たな製品の開発や事業の多角化などの取組に対しまして、課題解決につなげる技術を有する企業とのマッチングなど、二か年度にわたる伴走支援を開始いたします。
 これらの取組を通じまして、地域産業の持続的な発展と競争力の強化を図ってまいります。

○おぎの委員 地域産業のさらなる発展に向けては、個々の事業者の取組を地域全体の力へと高めていくことが重要であります。地域の産業動向や特性を熟知する区市町村等と連携し、実効性のある支援を着実に進めていくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、サプライチェーンの強化、再構築に向けた支援について伺います。
 米国関税をめぐる動きや中東、ウクライナ情勢など、事業活動における外国企業との取引リスクは複雑化しております。大企業においては、国内への大型の設備投資や海外取引におけるサプライチェーンの再編が進んでおります。一方で、中小企業では、取引先の見直しや代替先の確保において、必要となる情報や専門的な知識が乏しいのも現状です。
 こうした状況を踏まえ、都は、海外に展開する中小企業が国際状況の変化や地政学リスクに適切に対応できるよう、サプライチェーンの複線化に向けた支援に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。

○福田商工部長 都はこれまで、国内回帰の機運が高まる中小企業の動きを捉えまして、国内投資の動向に関するセミナーを開催するほか、都内への設備投資を行う事業者に対し、計画の策定や協業先とのマッチングなど、三か年度にわたる伴走支援を行っております。
 来年度は新たに、事業環境の変化に迅速に対応できるよう、自社の経営状況や事業特性を踏まえた対策方法が学べるワークショップを年二回開催いたします。
 また、国内のみならず、海外における事業活動の見直しを後押しするため、伴走支援の規模を六件から十件に拡大しまして、海外拠点の設置や移転のほか、原材料等の調達先や販路開拓のマッチングなど、サプライチェーンの強化、再構築に取り組む中小企業をサポートしてまいります。

○おぎの委員 現在、中東情勢の悪化など不安定な国際情勢も続いております。変化する国際情勢に対応できるよう、こうした取組をしっかりと行い、中小企業の成長を着実に支援いただくことを要望して、次の質問に移ります。
 東京の経済を発展させていくためには、中小企業が自社のビジネスモデルの変革を進めることで、経営環境の目まぐるしい変化に適切に対応していくことも必要であります。
 都は来年度、持続的な成長に向けた経営強靱化事業を実施しますが、その取組内容について伺います。

○福田商工部長 中小企業が経営リスクに対応し、持続的な成長を遂げるためには、新たな事業の創出や成長分野への進出などによりまして経営力を高める必要がございます。
 都は来年度、企業の変革を目指す経営者に対しまして、環境変化に強い体制づくりを学べるカリキュラムを提供するほか、中小企業同士の交流の場を設けるなど、オープンイノベーションによる付加価値の高い製品や新たな事業の創出につなげてまいります。
 また、こうした変革に向けた取組につきまして、計画の策定から実行までを三年間にわたり伴走支援するとともに、計画の実現に必要な試作品等の開発経費について、助成率三分の二、二千万円を上限に助成いたします。
 これらにより、中小企業の経営力の向上を後押ししてまいります。

○おぎの委員 中小企業の経営者に対するこうした支援は、企業の変革を後押しする上で極めて効果的な取組です。事業者にしっかりと寄り添っていただくことを要望し、次の質問に移ります。
 最後に、サプライチェーンについて、CO2についてお伺いします。
 日本においても、火力発電所や製鉄所などの施設から排出される大量のCO2を分離、回収し、地下深くの安定した地層に閉じ込めるというCCSが始まろうとしています。
 また、回収したCO2を埋めるだけでなく、資源として有効活用するCCUにも注目が集まっております。既にCO2コンクリートなど商用化できる製品もあり、こうしたカーボンリサイクルは、今後、普及が期待される分野だと思います。
 こうした中、都は今年度、CO2の回収、利活用の技術を持つ民間事業者と研究会を立ち上げており、事業者からは、回収したCO2を需要家の元に届けるサプライチェーンがないため、事業化やスケール化に至っていないとの声もあったと聞いています。
 そこで、都は、CO2サプライチェーンの構築に向け、事業者の取組を支援すべきと考えますが、今後の取組についての見解を伺います。

○岡野産業政策連携促進担当部長 都は来年度から、CO2の回収から利活用までのそれぞれを担う各事業者が連携し、カーボンリサイクルのサプライチェーンを構築する取組への支援を開始します。
 具体的には、都内のCO2の多排出源である清掃工場を起点としたサプライチェーンのモデル構築に向け、調査や実証等に要する経費について、一件当たり一億五千万円を上限に支援いたします。
 また、都内事業者の工場等から排出するCO2を回収し、利活用するモデルについては、一件当たり五千万円を上限に支援いたします。
 さらに、今年度立ち上げたCO2の回収・利活用に向けた研究会も引き続き開催し、先進的な事例などについて広く情報共有を図ってまいります。
 こうした取組を通じ、都市におけるカーボンリサイクルを推進してまいります。

○おぎの委員 都内の排出源から排出されたCO2が新たな製品に生まれ変わるという好循環をつくるため、しっかりと事業者の取組を後押ししていただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。

○山崎委員 私からは、中小企業支援と、また農林水産関係の取組について聞いていきたいと思います。
 初めに、中小企業の収益力向上についてでございます。
 物価高騰が長期化する中、不安定な中東情勢による原油価格の上昇など、日本経済の先行きがさらに不透明になっております。現在も物価高の中で何とか売上げを確保しているものの収益が低下をしている事業者も多く、コスト削減を続けるだけでは企業の継続的な成長にはつながらない。
 これまでも都は、売上げの減少に苦しむ中小企業が事業を発展させるための支援を行ってきており、我が党も、この事業を取り上げ、来年度のさらなる充実を要望してまいりました。
 一方で、収益の改善に向けて動き出せていない企業も多くあり、そうした企業への丁寧なサポートも必要となる。来年度は、こうした中小企業に対する支援も新たに開始をしていくと聞いております。具体的な内容をお聞かせいただきたいと思います。

○福田商工部長 都は、既存事業を改善、強化するための支援に加えまして、来年度新たに、自社での事業の改善が難しい企業などが収益力を高められるよう、伴走型の支援を開始いたします。
 具体的には、営業利益が減少している中小企業等に対して専門家を派遣し、財務分析や経営上の課題に対する助言を行うとともに、分析結果を踏まえた収益向上計画の策定から実行後のフォローまでを行います。
 また、新規顧客の獲得のためのニーズ調査や原価管理に資するシステムの導入など、計画の実行に必要な経費について、助成率三分の二、三百万円を上限に助成いたします。
 これらにより、中小企業が物価高の中で安定的に収益を生み出す力を高めてまいります。

○山崎委員 この二つの支援策で百二十五億円の予算が計上をされております。物価高に苦しむ中小企業にとっては非常に有益な事業であると思います。やはりこれをしっかりと周知をしていただくこと、本当に大切だと思いますので、ぜひその点はよろしくお願いをさせていただき、要望しておきたいと思います。
 次に、中小企業のデジタル化に向けた取組について伺っていきます。
 中小企業が生産性向上や業務効率化を図り、収益の確保につなげるためには、デジタル技術の活用も欠かせません。その反面で、デジタルツールの導入効果、具体的にどのようなサービスを選べばよいか分からないといった理由から、アナログで業務をしている企業が一割程度存在をしていると聞いております。
 デジタル化の取組が十分に進んでいない企業に対する支援をさらにきめ細かく行うべきだと考えますが、見解を伺います。

○福田商工部長 都は、中小企業におけるデジタル化の必要性を周知するため、ダイレクトメールによる事例発信などを行っております。
 また、専門家が企業を訪問し、現場の事業活動の把握と、それに応じたデジタルツール等の導入に向けた提案を行っております。
 来年度は、この企業訪問の規模を一千社から一千二百社に拡大するとともに、ツールを導入する際の利用環境の整備や効果的な活用に向けたアドバイスも行います。
 また、中小企業がデジタル化に踏み出す後押しをするため、パソコンなどの機器を無償で貸与し、業務での活用を通じてその利便性を実感できるコースを新設しまして、百社に対し支援をいたします。
 これらにより、中小企業のデジタル導入に向けた取組を促してまいります。

○山崎委員 今、商工部長から答弁があった、千二百社に拡大をしながらアドバイスをしていくと、利用環境の整備や効果的な活用に向けたアドバイスを行っていくとありました。
 このアドバイスをした結果というものをしっかりとその後反映をさせるということが大変重要だと思います。アドバイスすればそれでおしまいというわけではなくて、しっかりその後のきめ細かい対応をしていただきたいことも改めて要望しておきたいと思います。
 次に、中小企業の価格転嫁に向けた支援についてお伺いをしたいと思います。
 収益の確保という観点から、価格転嫁について確認をしていきます。
 下請法の改正である取適法が本年一月から施行され、禁止行為が追加されるなど、企業間の取引の適正化が強化をされております。本来であれば法改正の周知は国の役割でありますが、都内の中小企業に対しては、都としてもしっかりと対応をする必要があると考えます。
 また、中小企業は価格転嫁が物価高に追いついておらず、適切な価格設定による収益の確保をサポートすることも必要であると思います。
 都は、中小企業の適正取引を強力に後押しをすべきと考えますが、見解を伺います。

○福田商工部長 都は、中小企業振興公社に専門の組織を設け、講習会の開催や、専門家が企業を巡回し、取引適正化法の趣旨や改正内容などを周知するほか、価格交渉に向けたサポートを行っております。
 来年度は、実務経験が豊富な原価管理アドバイザーを増員するとともに、マーケティングの専門家による価格設定に必要な助言を新たに開始するなど、価格転嫁の支援体制を強化いたします。
 さらに、商工会議所などの経営指導員による巡回指導を通じた情報提供等を実施するほか、業界団体などのネットワークを活用した広報も行いまして、延べ二十万を超える企業に対して相談窓口や支援策などの周知をいたします。
 これらにより、中小企業の適正な取引をサポートしてまいります。

○山崎委員 中小企業が安定的に収益を確保できる環境を整備することは、都内経済の発展に向けて極めて重要であります。
 今までの質疑で、都は来年度、様々な施策を実施していくとのことが確認をできましたが、その効果を高めるために、経済団体、例えば商工会議所などとしっかり連携をしていただいて、また、先ほども答弁の中にありました公社の専門の組織、こういったところも、もっともっと中小企業の皆さんに公社の位置づけだとか、商工会議所、まあ、これが入っている、入っていない、そういったものも加盟している、していないもありますけれども、とにかく公社の存在をしっかりと中小企業の皆様にもお分かりをいただく。分かっていない方もまだまだいっぱいいると思いますので、ぜひその点はお願いをしたいと思います。
 続きまして、中小企業の事業承継の支援について伺います。
 都内経済の持続的発展のためには、中小企業がこれまで培ってきた技術やノウハウを次世代につなぎ、成長していくことも重要であります。
 民間の調査では、経営者の平均年齢は年々上昇しており、昨年度は過去最高の六十・八歳と高齢化が進んでおり、事業承継は喫緊の課題となっております。
 都は、中小企業の事業承継をより一層進めるために、来年度どのように取組を行うのか、伺います。

○福田商工部長 都では今年度、一千百社を超える企業に事業承継の専門家が訪問し、その必要性の説明や、計画の策定、進捗状況に応じた助言を行うなど、きめ細かい支援を行っております。
 来年度は新たに、区市町村や地域の金融機関など関係機関が一体となったコンソーシアムを構築しまして、相談会を共同で開催するほか、承継に関する課題を共有することで、迅速かつ切れ目のない支援を行ってまいります。
 また、創業希望者と後継者が決まっていない企業とをマッチングする仕組みにおきまして、国の支援機関や他の自治体との連携を深めることにより、承継を進めるための支援体制を充実いたします。
 こうした取組によりまして、中小企業の事業承継を後押ししてまいります。

○山崎委員 中小企業における事業承継がしっかりと進むよう、今も答弁の中にありました国の支援機関、他の自治体、こういったところとも連携を深めていただいて、幅広い機関としっかりと連携をして、掘り起こしをして、力を注いでいただきたいと思います。
 続きまして、地域金融機関による事業承継ネットワーク構築支援事業について伺います。
 中小企業が長年培ってきた事業を安心して継続できる環境づくりを進めていくためには、日頃から地域の企業との関係性が深く、その実情を把握した金融機関が効果的な支援を行うことは重要であります。
 これまで都は、信用金庫や信用組合と連携をし、事業承継の啓発から事業承継の計画の策定、計画実行に必要な融資まで一貫して支援をしてまいりました。こうした金融機関の強みを生かし、より一層、事業承継の取組が進むようサポートを行っていくべきだと私は考えます。
 都は来年度、地域金融機関と連携をした事業承継支援を強化するとのことでありますが、具体的な内容について伺います。

○松田金融支援担当部長 都は来年度から、これまでの親族内承継に加え、第三者承継に対する新たな支援を行います。
 具体的には、中小企業への伴走支援を行うコーディネーターを設置し、一社当たり最大十六回まで派遣することで、M&A等を活用した第三者承継の着手からマッチング事業の活用、成約までをサポートしてまいります。
 また、中小企業がM&Aによる事業の譲渡を希望し、マッチング事業者に登録した場合に、十万円の奨励金の支給を行います。さらに、M&A成約時の手数料に対し、補助率三分の二、二百万円を上限に助成いたします。
 これらによりまして、都内中小企業の事業承継を強力に後押ししてまいります。

○山崎委員 事業承継は、一企業の課題であるだけでなく、都内の産業、技術、雇用を次世代へ引き継ぐ社会全体の課題でもあります。今後、事業承継が進まず、廃業を選ばざるを得ない企業が増え続ければ、都内産業にとっても大きな損失につながりかねないわけであります。
 引き続き、中小企業の事業承継をしっかりと後押しをしていくことを要望して、次の質問に移ります。
 続きまして、中核となる人材の確保についてお伺いをいたします。
 近年、中小企業における人手不足は、単なる一時的な雇用問題だけではなくて、事業継続そのものを脅かす構造的課題となっております。正社員不足を感じている企業は半数を超え、人手不足倒産は過去最高の水準という調査の内容もあります。
 そのような中、企業の経営者からは、案件があっても人手不足で受注ができない、また、人手不足により採用コストが上がっている、そのような生の声も上がっております。
 企業にとって人材はまさしく財産でありますが、企業には個性があり、適した人材を確保することが重要であります。
 また、将来の成長のためには、企業の中心となってそれを担う人材を確保できることが必要でありますが、中小企業においては困難な状況にもあります。
 都は、中小企業の人材確保、とりわけ企業のさらなる発展を担う人材の確保に向けた支援を強化していくことが必要と考えますが、都の見解を伺います。

○富岡事業推進担当部長 都は、中小企業の人材確保のため、相談窓口を設置するとともに、女性や高齢者等、多様な人材の採用に役立つ知識を提供するなど、様々な取組を実施しております。
 来年度は新たに、中小企業の実情に詳しい金融機関や経済団体等を通じ、経営課題の解決や新規事業の立ち上げなどに悩む中小企業にアプローチするとともに、専門家によるきめ細かな課題の把握を行い、それぞれの状況に応じて、セミナー、コンサルティング、マッチングなどの総合的な支援を提供いたします。
 また、企業の課題解決に寄与する新たな知見や専門的知識を持った付加価値創出を担う専門、中核人材の採用におきましては、企業が求める人材像や募集要件などについて専門家が助言した上で、民間事業者を活用したマッチングの支援を行います。これにより採用した場合、その要する経費を百七十人分まで助成をいたします。
 これらの取組によりまして、中小企業の持続的な発展を後押ししてまいります。

○山崎委員 中小企業のニーズに応えた支援をしていくことがよく分かりました。東京を支える中小企業の人材確保に向け、引き続き強力に支援を行っていただきたいと思います。
 続いて、シニア人材の活用についてであります。
 中小企業の人材確保について、新卒者や若手の確保が難しい中、またシニア人材の就業意欲は高まっており、その豊富な経験を中小企業で生かすことは有効であります。実際にシニア人材を採用した企業では、これまで培ったスキルを生かし、即戦力として活躍しているという事例も聞きます。
 そこで、シニア人材を円滑に受け入れることができるよう、企業への支援やシニア人材のセカンドキャリアを後押しするための取組が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○新田雇用就業部長 人手不足に悩む中小企業等におきまして、意欲や能力のあるシニア人材が即戦力として活躍できるよう、企業と人材のそれぞれに働きかけることは重要でございます。
 そのため、都はこれまで、シニア人材の受入れに消極的であった企業に向けて、成功事例など効果的な取組を伝えるセミナーや、中小企業で働くことを考える人材向けの講座を開催しております。
 来年度、新たに金融機関等で働いている方を対象とした採用イベントを年四回開催することによりまして、シニア人材のスキルを中小企業の経営改善などにつなげてまいります。
 これらの取組により、シニア人材がセカンドキャリアに挑戦することの後押しや、シニア人材と企業を結びつけるための支援をしてまいります。

○山崎委員 中小企業が求めるスキルとシニア人材がこれまで培ってきたスキルとのミスマッチが起きないよう、企業と人材の双方に寄り添った支援によって、取組を前に進めていただきたいと思います。
 今、金融機関等で働いている方を対象にしたという話もありましたけれども、金融機関だけでなくて、やはり多くのシニアの皆様、そういった部分にこの取組も拡大をしていく必要もあると考えますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、国産木材の利用拡大について伺っていきます。
 木材産業は伐採から加工、流通、販売に至るまで裾野の広い分野にわたっており、江東区の木場、私の地元でもありますが、江戸時代からは全国より木材が集まり、国内有数の木材産業集積地として発展をしてきました。
 都は、国産木材の利用拡大のため、木場公園やビッグサイト、これは、木と暮しのふれあい展ですとか、ビッグサイトのイベントはモクコレ、こういったものにおいて木材のよさを気軽に感じられるイベントや、全国の自治体と連携した国産木材製品の展示商談会などを毎年開催をしております。
 こうした関係者の取組で、国産木材の自給率は令和五年において四三%まで上昇しておりますが、戦後に植林をした杉等もさらに成長はしており、災害の防止や二酸化炭素の吸収など機能を適切に発揮させるためにも、まずは出口である需要を喚起し、森林循環を一層進めていかなければならないと考えます。
 私は、国産木材を使う機運を高めることが都内における多摩産材の利用拡大にもつながっていくと考えます。
 都は、大都市として、公共建築物における率先利用とともに、民間建築物での活用をより一層進めることで多摩産材等の需要創出を強力に進める必要があると考えますが、見解を伺います。

○榎園農林水産部長 都は、多摩の森林における災害防止等や花粉発生源対策として、利用時期を迎えた大量の杉等の伐採、供給を促進しており、こうした取組を加速していくためには、併せて需要の拡大も強力に進めていく必要がございます。
 そのため、都では、多摩産材等国産木材の利用拡大に向け、公共、民間の双方で建築物における木造、木質化に向けた支援を実施するとともに、全国知事会国産木材活用プロジェクトチームの活動等を通じ、機運の醸成を図っております。
 来年度は、公共施設の建築において、一時期に大量かつ多様な規格の多摩産材の調達が難しいことから利用を断念することがないよう、多摩産材を対象とした助成について、国産木材との一体的な利用も新たに対象といたします。
 さらに、住宅への多摩産材を含む国産木材の利用にポイントを付与する事業について、新築住宅を購入する場合だけでなく、新たに今後需要が見込まれるリフォーム住宅を対象に加えます。
 こうした取組により、多摩産材等の一層の需要創出に取り組んでまいります。

○山崎委員 東京都の方は今まで多摩産材を利用するということを本当に促進をしてまいりましたが、こういった情勢下の中で、やはり木材を利用するということを強力に推し進めていくためには、多摩産材だけでなくて、国産木材との柔軟な対応というか、両方を進めることによって、国産木材を知っている人、多摩産材を知らない人にもそういった部分でつながっていく、またその逆もあり得ると思います。
 多摩産材の価格が高い、そういった問題もあるかもしれませんけれども、しかし、国産木材を利用するという後押しには必ずこのことはなっていくと思いますので、ぜひ木材活用の促進につながる、そういった取組をまた進めていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
 水産物の海外輸出について、最後、伺っていきたいと思います。
 国内の水産物市場は縮小する一方、世界の水産物市場は、人口増加や健康志向等を背景に拡大をしております。
 私はこれまで、市場機能の強化の観点はもとより、日本の食の魅力発信やインバウンドの拡大など都内経済活性化の観点からも、海外販路拡大の必要性を何度も訴えてまいりました。
 都では、都の水産業振興の観点からも、水産物の輸出促進に取り組んでいると聞いておりますが、取組のさらなる促進のためには、水産物の品質を見極め、確かな技を持つ市場関係者と連携を進めていくことも重要と考えます。都の取組について伺います。

○榎園農林水産部長 都はこれまで、漁業生産団体が行う海外でのプロモーション活動経費等に対し助成を行うとともに、今年度から、国内最大規模の水産見本市において、国内外のバイヤー等に対し、東京産水産物の認知度の向上を図る取組を開始いたしました。
 こうした取組に加え、来年度は、国内はもとより、東京産水産物が輸送コストを反映しても海外で十分な競争力を発揮できるよう、魚価向上の観点から、目利きのプロである市場関係者との連携を深めてまいります。
 具体的には、都は、市場関係者を派遣し、直接、漁師等に対し、船上での漁獲物の血抜きや輸送時の鮮度保持等を指導する講習会を実施いたします。
 また、東京都漁業協同組合連合会が新たに設置する市場関係者を交えたブランドの認定基準等を検討する協議会について、運営支援を行ってまいります。

○山崎委員 東京産水産物の評価を高め、輸出拡大を図ることは、漁獲の減少等により厳しい経営を強いられている漁業者にとっても希望となる重要な取組だと思います。
 都には、キンメダイ、そして近年漁獲が伸びるクロマグロ、魅力的な水産物も数多くあります。大事なことは、こうした強みをいかに漁業者の利益として還元できるかということだと思います。
 生産者団体による海外輸出を後押しする産業労働局と、市場業者を通じ輸出促進に取り組む中央卸売市場とは今まで以上に一層連携を進め、深めていただいて、東京産水産物のさらなる輸出拡大につなげていただきたいことを切に要望をして、私の質問を終わります。

○もり委員 産業労働局分野について質問させていただきます。
 まず初めに、令和八年度予算について伺います。
 日頃より地元大田区の町工場の声、また商店街、多くの都民の皆様からお寄せいただいた声を基に質問させていただきますので、真摯なご答弁をよろしくお願いいたします。
 令和八年度予算は、一般会計九兆六千五百三十億円と、コロナ禍を経て六年連続過去最大を更新し、都税収入が堅調な一方で、昨年の倒産件数は千七百七十七件と、四年ぶりに前年を下回ったものの高い推移となっており、中小零細企業をしっかりと支える支援の強化が求められます。
 現在、ホルムズ海峡の閉鎖によって、石油の備蓄は二百五十四日分、ナフサの備蓄においては僅か十四日分と政府発表があり、原油価格の高騰が都内企業に与える影響が懸念をされております。
 東京都として、この喫緊の原油価格高騰について、どのように都内企業を守るのか、お伺いをいたします。

○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都はこれまでも、物価高騰の影響から事業者を守るため、必要な対策を講じており、令和八年度当初予算におきましても、中小企業への賃上げ、価格転嫁対策など、様々な対策を講じております。
 今後とも、事業者への影響など、状況を注視してまいります。

○もり委員 原油以上に影響が心配されているのがナフサです。ナフサはプラスチックの原料となり、身近なところだと、お弁当などの容器から、医療、介護現場で欠かせないゴム手袋、医療機器など、不足すれば命に関わる事態です。
 ナフサの不足が都内企業、都民生活に与える影響をどのように捉えているのか、お伺いをいたします。

○齋藤企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は現在、中東情勢に伴う都内中小企業への影響などの把握に努めているところでございまして、国の動きも引き続き注視してまいります。

○もり委員 都としてどのような対応をするのかが問われております。
 コロナ禍では、マスクの不足が深刻になった際、都内企業でのマスクの生産や確保に取り組む中小企業を支援し、確保を促した経緯もありました。
 都は、都民生活への影響を最小限に抑えるため、環境局等、局横断的に容器リサイクルのマテリアルリサイクルを推進したリサイクルプラスチックの製品づくりや、代替プラスチックの生産に取り組む企業を後押しするよう、こちら要望をさせていただきます。
 成長産業の発展を後押しし、新たなイノベーションを創出する予算として三千六百三十二億円が計上されております。
 成長産業への参入、新たな価値創造への転換を図る新規事業として、TRY事業変革促進プロジェクトで、中小企業が自立的に稼ぐ力の底上げ、波及、定着を後押しするとして、企業、地域、業界の各方面から五つの事業で重層的に支援を行うとしています。都は、都内中小企業が成長産業に参入できるよう、どのように支援を行うのか。
 令和八年度の新規事業については、持続的な成長に向けた経営強靱化事業に七億円が計上されております。
 そこでお伺いいたします。中小企業が世界情勢の変化などの経営環境の変化に対応できるような戦略立案から計画、実行、資金支援まで一括で支援するとのことですが、成長産業と中小企業をどのように結びつけていくのか、お伺いをいたします。

○福田商工部長 都は来年度、企業の変革を目指す経営者に対して、環境変化に強い体制づくりを学べるカリキュラムを提供するほか、中小企業同士の交流の場やオープンイノベーションにより、付加価値の高い製品などの創出につなげてまいります。
 また、こうした変革に向けた取組について、計画の策定から実行までを伴走支援するとともに、計画の実現に必要な経費について、二千万円を上限に助成してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 都内の中小企業支援について、中小企業の成長を支援する予算として三千五十億円が計上されております。
 国においても昨年来、選挙のたびに手取りを増やすと叫ばれておりますが、直近の令和七年十二月の常用労働者調査結果のあらましを見ると、現金給与額は前年同月比で若干上昇しているものの、実質賃金指数は前年同月比、五人以上の事業所で一・二%、事業所規模三十人以上の事業所で一・四%減少しております。
 新規事業として、経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業として百三億円が計上されておりますが、賃上げ促進コースでは具体的にどのように中小企業の賃上げを支援していくのか、お伺いをいたします。

○福田商工部長 都は、中小企業が既存事業を発展させ、生産性の向上などを図る取組への助成を行うとともに、その成果を計画的に賃上げにつなげた場合に、助成率を引き上げてまいります。

○もり委員 そうした場合に、単年度の補助で終わらず、持続的な賃金改善につなげる仕組みが求められると考えます。見解を伺います。

○福田商工部長 都は、中小企業が生産性向上等により収益を確保し、その成果を従業員の賃金の引上げにつなげる計画の実現に必要な経費に対して助成を行います。
 また、その効果が確実に得られるよう、専門家を派遣して助言を行ってまいります。

○もり委員 また、区内の中小企業の方とお話をすると、とにかく仕事がない。都に望む支援として、仕事と直接つながるような支援が求められると伺います。
 令和八年度予算の事業を活用し新たな仕事と結びつけるために、どのような支援メニューがあるのか、お伺いをいたします。

○福田商工部長 都は、中小企業の受注機会の拡大や販路開拓を後押しするため、受発注マッチングサイトの運営や商談会の開催、展示会への出展支援などを実施しております。
 引き続き、中小企業の販路開拓をサポートしてまいります。

○もり委員 ぜひ現場に届くよう、きめ細やかなサポートをお願いいたします。
 また、地元大田区には、戦後、高度成長期を支えた多くの製造業が集積し、強みを誇ってきましたが、かつて一万社を超えていた町工場は次々とマンションに姿を変え、現在は三千社台、ピークの六割減少している現状があります。その背景には、準工業地域ほど規制が緩く、高い建物を建てやすい現在の都市計画も影響していると考えます。
 東京都として、産業集積についてどのように捉え、産業集積を守っていくのか、都の見解と令和八年度予算での取組についてお伺いをいたします。

○福田商工部長 ものづくり産業は東京の強みであり、優れた製品や技術を持つ中小製造業の事業の継続を支援することが必要でございます。
 そのため、都は、地域の実情に詳しい区市町村と連携し、工場の立地を促進する取組のほか、地域社会との共存に向けた企業による騒音や振動を抑える環境整備などに支援をしております。
 来年度は新たに、区市町村が行う地域の中小企業のGXなどの成長分野への参入支援などに対する助成を開始するなど、都内産業集積の維持発展につなげてまいります。

○もり委員 産業集積は、一度損なわれてしまうと本当に取り戻すことが大変難しい問題です。
 また、都市計画マスタープランは自治体の事業となりますが、やはり都市計画とも連携をして、本当にしっかりと町工場に再び希望するところをつなげるような支援も併せて要望させていただきます。
 一方、業績が好調な企業においては、人手不足への対応が喫緊の課題で、人手不足を補い、生産性の向上を目指すには無人化対策が必要であり、無人化が可能な設備は高額となるため、設備投資が安易にできないとの声も伺ってまいりました。
 人手不足をDXとオートメーション化により補う一層の設備投資への支援が求められます。令和八年度予算の中で都としてどのように支援をしていくのか、お伺いをいたします。

○大川商工施策担当部長 都は、中小企業が生産性の向上を図るため、DXなどの最新の機械設備等を導入する取組への支援を行っておりまして、来年度はこの支援の規模の拡大などを図ってまいります。

○もり委員 ぜひ現場に合った予算規模での支援の拡充をよろしくお願いいたします。
 また、企業の求める有能な人材を確保するためには多額の資金が必要であるため、中小企業は人材確保に苦慮しており、中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業は、中小企業の現場の皆様からもとてもよい事業だと期待の声が寄せられております。
 昨年度の事業実績と、また、今年度、新たに大学院卒を対象に限度額を引き上げ、支援を強化した狙いについてお伺いをいたします。

○富岡事業推進担当部長 令和六年度中に本事業を通じて採用に至った実績は四十八社七十三名でございました。
 事業を活用している企業からは、専門的な分野での高度な知識等のある技術者を求めるニーズもありまして、こうした人材の確保を支援することは中小企業の将来の発展に不可欠であることから、大学院を卒業した高度な人材の獲得に努める中小企業を後押しすることといたしました。

○もり委員 中小企業に有能な方がぜひ就職をしていただくというのは、本当に次の世代に中小企業が持続可能な経営をするためにも大変重要な支援だと思っておりますので、引き続きの事業の拡大をよろしくお願いいたします。
 次に、就職氷河期世代の支援について伺います。
 私自身、二〇〇〇年に大学を卒業した就職氷河期世代の一人として、派遣社員も経験いたしました。
 就職氷河期世代については、非正規雇用の長期化や不安定雇用が指摘をされており、東京都では、就職氷河期世代等安定就業サポート事業として、就職氷河期世代等の労働者が安心して長く働き続けられるよう労働環境整備などに取り組む企業を支援している事業は、大変重要な取組です。
 まず初めに、都として、都内における就職氷河期世代の就業実績をどのように把握し、施策に反映をしているのか、お伺いをいたします。

○新田雇用就業部長 希望する就職ができず、不安定な就労の続く就職氷河期世代の方々が中高年となる中、都は、東京しごとセンターの就職氷河期世代向けの相談窓口におきまして、その状況を確認しております。
 また、安定した就労に向け、仕事以外の相談への対応も含め、就職支援を実施しております。

○もり委員 昨年の事業実績と、支援を必要としている方に届いていない未利用層の分析をどのように行い、改善につなげているのか、お伺いをいたします。

○新田雇用就業部長 就職氷河期世代等待遇向上支援助成金の令和六年度の実績は八十件であります。
 都は、就職氷河期世代の方が安心して長く働き続けられるよう、今年度から安定有期雇用コースを新設いたしました。来年度は支援する企業の規模を拡大することとしております。

○もり委員 ありがとうございます。企業の拡大に取り組んでいただいているということで、ぜひ支援を必要とされている方、より多くの方にこの事業が届くように、一層の取組をお願いいたします。
 また、昨年、会派で都立職業能力開発センターを視察させていただきました。とてもきめ細やかな就業訓練が実施をされており、また、研修中の方と受け入れた企業双方に支援があり、手厚いサポートが行われておりました。その中で、中高年の未経験者である就職氷河期世代にとっても、訓練後の就職につながる有効な取組であると感じました。
 都は、職業能力開発センターにおいて、就職氷河期世代の方に対し、職業訓練と就職サポートをどのように行うのか、伺います。

○新田雇用就業部長 都は、働く意欲のある就職氷河期世代の方などに向けて、職業能力開発センターにおきまして、知識や技能習得を幅広く支援する訓練を実施するほか、就職支援員が訓練で学んだスキルを活用できる求人を開拓するなど、きめ細かく支援を行っております。

○もり委員 ありがとうございます。職業訓練を行っている間にも支援金がもらえるということをなかなか知らない方もいるということを感じましたので、ぜひ本当に訓練を受ける方と受入れ企業双方に手厚いサポートがあるということをより知っていただき、事業が拡大をすることを願っておりますので、よろしくお願いいたします。
 今年度、東京都は、就職氷河期世代支援に介護支援加算十万円が新設をされ、規模も助成金も拡充をし、就職氷河期の採用を行う企業への支援策を講じている一方で、企業側の年齢観や経験要件が採用の壁となっているケースも少なくないと伺います。
 企業に対する理解促進や受入れ環境整備について、どのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。

○新田雇用就業部長 都は、就職氷河期世代の方が安心して長く働き続けられるよう、この世代の方を正規雇用し、育成計画の策定や研修を行うほか、労働環境の改善を図る企業に対しまして助成金を支給しております。

○もり委員 就職氷河期世代の就職支援については、就職決定だけではなく、その後の職業定着やキャリア形成が重要です。
 産業労働局として、就業後の定着支援、また今後の高齢期を見据えた中長期的な就業支援をどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○新田雇用就業部長 就職氷河期世代の方を正規雇用し、育成計画の策定や研修を行うほか、労働環境の改善を図る企業に対し、都は助成金を支給しております。来年度は、介護と仕事の両立支援制度を整備した場合に加算する仕組みを新たに設けます。

○もり委員 就職氷河期世代が五十代に差しかかる中、介護との両立という点も大変重要です。こうした必要な方に届くよう、さらなる支援の拡充をしっかりと届くようにお願いを申し上げ、次の質問に移ります。
 男性も女性も誰もが子育ても仕事も諦めない働き方に向け、中小企業においても男女の育休に取り組むことができるよう、都としての育業支援の拡充を訴え、取り組んでまいりました。
 働くパパママ育業応援奨励金として、中小企業が従業員の育児休業の取得に取り組んだ企業を力強く後押しする事業として、働くママコースNEXTは令和八年一月三十日で予算上限に達するなど、企業からも大変好評であり、東京都における育業を大きく後押ししています。
 制度の創設からどのくらいの方に利用されたのか、これまでの事業実績と都の男性の育業取得率の推移についてお伺いをいたします。

○富岡事業推進担当部長 働くパパママ育業応援事業における平成三十年度の開始から令和六年度までの奨励金の実績は、女性従業員が一年以上の育業をした場合で二千四百八十一件、男性従業員が十五日以上の育業をした場合で三千五百五十四件でございました。
 また、令和六年度、都が実施した雇用の実態調査によりますと、都内事業所における男性の育業取得率は五四・八%と、平成三十年度と比較しますと三八・二ポイント上昇しております。

○もり委員 この間、東京都は、男性の育業取得率も五〇%を超え五四・八%と、大きく後押しをされたことが分かります。より一層、この制度が多くの中小企業にも届いていただきたいと思っております。
 来年度の新規事業として、働く人の育業応援事業と名称が変わりましたが、その理由と変更内容についてお伺いをいたします。

○富岡事業推進担当部長 働く人の育業応援事業では、男女ともに育児と仕事を両立して働き続けられる職場環境づくりを後押しするため、性別にかかわらず従業員が一定期間以上の育業をするとともに、企業が有給の看護等休暇など両立しやすい制度を設けた場合に奨励金を支給することとしております。

○もり委員 この制度をより多くの中小企業に活用していただきたいと考えます。都の取組についてお伺いをいたします。

○富岡事業推進担当部長 本事業につきましては、ウェブサイトを活用した広報や各種団体等を通じた周知などを行うこととしております。

○もり委員 やはり育業というのは、大企業だとかなり、女性も、お子さんが三歳になるまでとか長い時間の育休を取ることができるんですけれども、中小企業だと、本当に少ない人数の中でどれだけ継続していくかというところで、企業としては本当に育業を取らせてあげたいけれども難しいという声に、本当に東京都は手厚い支援をしていただいているので、本当に局を超えて、産休を取る、福祉部門にもこういう制度がしっかりとあるということを、より働いている方に、多くの方に知ってもらうように、広報も一層よろしくお願いいたします。
 次に、東京都の事業承継支援についてお伺いをいたします。
 後継者不在企業の実態把握について、都内中小企業では、経営者の高齢化が進む一方、後継者が未定、不在の企業が依然として多いと認識をしています。
 都としても後継者不在の企業の実態や課題をどのように把握をし、事業承継支援の施策に反映をしているのか、お伺いをいたします。

○福田商工部長 都では、事業承継の専門家が中小企業を訪問し、承継の必要性について説明するほか、計画の策定、進捗状況に応じた助言を行っております。
 こうした取組などを通じまして、企業の実態を把握するとともに、施策に反映しております。

○もり委員 事業承継は、経営者の意思決定や心理的負担も大きく、単発の発言ではなく、継続的な伴走支援が重要であると考えます。
 都が行う事業承継支援について、初期段階から承継の実行段階までを見据えた伴走型支援の体制はどのように構築をされているのか、令和八年度の取組についてお伺いをいたします。

○福田商工部長 都は、中小企業の円滑な事業承継に向けて、専門家による相談対応のほか、後継者の育成や事業承継時に必要な経費への助成などを行っております。
 来年度は、地域の金融機関など関係機関が一体となったコンソーシアムを構築し、相談会の共催や承継に関する課題を共有することで切れ目のない支援を行うなど、支援体制を充実いたします。

○もり委員 事業の充実ということで期待をするものです。
 また、後継者の不在の企業においては、事業承継を先送りしたために、廃業や経営悪化の直前になって初めて相談に至るケースも少なくありません。
 都として事業承継の早期相談につなげる体制づくりが求められますが、どのような周知や働きかけを行っているのか、都の取組についてお伺いをいたします。

○福田商工部長 都では、中小企業に事業承継の専門家が訪問し、その必要性の周知や取組状況に応じて助言をするほか、東京商工会議所などの地域の経済団体とも連携し、相談対応を行っております。

○もり委員 また、親族内承継が難しい企業について、第三者承継は重要な選択肢である一方、不安や不信感から踏み出せない経営者も多くいます。
 第三者承継を含め、後継者不在企業が安心して事業承継に取り組めるよう、都はどのような支援や伴走を行っているのか、伺います。

○福田商工部長 都は、後継者が不在の企業に対して、専門家が訪問し、助言などを行うとともに、M&Aの手続について、会社の財務状況や事業の将来性等の評価から譲受け企業とのマッチング、契約の締結までをトータルでサポートしております。

○もり委員 事業承継は都内の産業集積を守る取組の中でも本当に重要だと考えますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、政策立案の過程について伺います。
 東京都では様々な支援メニューがありますが、政策立案当初から政策目標がつくられていなかったために政策評価を行うことができない政策や、都民から批判がある政策についての政策評価が対象となっていない、すなわち政策評価の対象とするかどうかという段階で極めて恣意的な選択が行われているおそれがあります。それは、政策評価それ自身の正当性が疑われることとなります。
 どの政策を政策評価の対象とするかは都が任意に選んで行っており、都民の意見が反映できない状況になっていますが、国の政策評価は、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づき、各省庁が全ての政策、事業について政策評価が義務づけられています。
 政策評価については、これは政策企画局とのことで答弁には至りませんが、政策評価は全ての施策に関わることであります。全ての事業が政策評価により改善が行われるよう、PDCAに取り組むべきと申し上げます。
 また、さきの陳情審査の質疑では、プロジェクションマッピング事業は政策立案時に何らの政策目標、KPIも設定されていなかったことが明らかになっています。この事業の政策評価、PDCAはどうするのか、お伺いをいたします。

○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングにつきましては、観覧者数の測定や経済波及効果の試算、観覧者アンケートなどを継続して実施しており、これらにより事業効果を検証しております。
 具体的には、これまでの観覧者数が百二十五万人を超え、今年度は前年同期比で約四割増えるなど、都民広場に新たなにぎわいを生み出しております。
 経済波及効果は、東京都産業連関表を用いた分析ツールでの試算によりますと、映像の制作や機器の保守などのほか、プロジェクションマッピングの観覧者の宿泊、交通、飲食などの観光消費が生み出す効果につきまして、令和六年度の決算額約九億四千万円に対し、約二十六億四千万円となりました。
 また、プロジェクションマッピングを鑑賞する旅行商品の販売や飲食イベントの開催など、観光事業者等による新たな取組が見られ、約二千五百名の観覧者を対象に実施した最近のアンケート調査によりますと、観覧の前後に周辺で食事や買物、観光などを楽しんでいる方の割合が九八%を超えております。
 引き続き、適切に効果検証を行い、事業を進めます。

○もり委員 ただいまのご答弁はさきの陳情審査でいただいたものと同じ答弁なんですけれども、そもそもの政策目標がこの事業の開始時からつくられていなかったという中でPDCAをどう回していくのかというご質問だったんですけれども、やはり今回、このプロジェクションマッピングについては、そういったPDCAがしっかりと回されていない中で行われているのは大変問題だと思っております。そのため、いまだに多くの都民から、やはり政策についての理解が得られていない、これについては、しっかりと説明責任を引き続き果たして、改善を求めてまいります。
 次に、商店街支援の強化について伺ってまいります。
 令和八年度予算においては、商店街振興に五十一億円が計上されています。
 商店街は、重要な地域コミュニティであり、地域の生活拠点であり、地域経済の基盤です。
 一方で、商店街の担い手の高齢化により、都内でも空き店舗が増加しています。都内有数の商店街を誇る地元大田区においても、キネマの天地として映画の歴史の薫るキネマ通り商店街等、店舗の減少から商店街自体が解散してしまうという事例もあり、まちのシンボルとして愛されてきた看板が外され、街路灯や防犯カメラも維持できなくなるなど、商店街の解散は地域の安全と治安を守るためにも重大な問題となっています。
 東京都として、街路灯のLED化や設置の支援について、一度設置して終わりではなく、点検、維持、また老朽化した設備の建て替えにおいても支援が必要だと考えます。取組についてお伺いをいたします。

○福田商工部長 都は、商店街が行う街路灯の点検に要する経費について、相次ぐ大規模な自然災害に備える対策として、補助率五分の四で助成をしております。
 また、街路灯の建て替えについて、商店街の活性化につながる取組として、区市町村と連携し、必要となる経費に対し、都が三分の一を、区市町村が三分の一を助成しております。

○もり委員 また、店舗の減ってきた商店街さんからは、体力のあるうちに撤去を行わなければ閉じることもできないなど、本当に切実な声を伺っております。引き続き区市町村とも連携をしながら、維持のための支援をお願いいたします。
 商店街の空き店舗対策において、リノベーション支援、創業者誘致、地域コミュニティ機能の強化など、より踏み込んだ支援策を講じるべきと考えます。都の見解と、また新年度の取組についてお伺いをいたします。

○福田商工部長 都では、商店街の空き店舗を活用して新たに店舗を開設する開業予定者を対象に、店舗の賃借料や改装工事費などへの支援を行うとともに、区市町村と連携し、空き店舗を活用した交流施設の整備などの取組を後押ししております。
 また、来年度は、商店街が実施するチャレンジショップの開設など、将来の担い手の確保に向けた取組に対して支援を強化いたします。

○もり委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 商店街のDX化、キャッシュレス、デジタル販促の支援が行われており、地元大田区、蒲田西口商店街振興組合では、都内でもいち早くキャッシュレス商店街モデル事業にも取り組んでまいりました。
 一方で、手数料の負担が小売店の経営に与える影響は小さくありません。都内でも、世田谷区のせたPayや渋谷区のハチペイ、中野区のナカペイなど、地域の中でお金が回っていく仕組みづくり、自治体で独自のデジタル地域通貨を発行する動きがあり、地元大田区でも、商店街の若手の皆さんを中心に地域通貨の検討に向けた動きがあります。
 産業労働局の商店街振興とデジタルサービス局が局横断的に東京アプリと連携するなど、区市町村の地域通貨の取組を支援していただきたいと、こちらは要望をさせていただきます。
 また、商業、工業、浴場については、浴場については生活文化局の所管となりますが、共通した課題として、後継者、担い手不足が深刻です。地元商店街の声として、課題解決には、単に金銭的な補助をするのではなく、もう少し踏み込んだ具体的な施策を例に挙げてもらうとうれしいという声も聞かれます。
 商業でいえば老舗保全事業など幅広く人材確保ができる制度、また、地域の商店街から歴史ある老舗や、また浴場についても、浴場は産業振興の担当ではないんですけれども、実際には結構商店街に加盟をされているところも多くあります。
 大田区ではかつて百五十六軒あった浴場が区内で今三十軒になってしまうほど、高齢の経営者にとって、終業時の大規模店舗や浴場の清掃が大変との声も寄せられております。高齢の経営者が経営を継続できるような制度の構築も大変必要だと思いますので、ぜひ各自治体の声に耳を傾けて効果的な施策を展開していただきたいと、こちらも要望をさせていただきます。
 次に、データセンターについて伺います。
 デジタル都市を支えるインフラがデータセンターですが、都内においてもデータセンター整備が進む中、巨大データセンターが一か所の整備で世田谷区一つの自治体と同じ規模の電力を必要とするなど、多大な電力消費やCO2の発生源となることが危惧をされており、環境負荷の増大が課題となっています。江東区、日野市、昭島市など、データセンター建設をめぐって地域住民と事業者の間で摩擦も起こっています。
 都は、データセンターを産業インフラとしてどのように位置づけ、環境配慮との両立をどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○米澤産業・エネルギー政策部長 膨大な情報を正確に把握し、分析、活用できるデータセンターは、企業の経済活動に必要不可欠な基幹インフラでありまして、脱炭素などとの整合性を図りながら整備を促進することが重要であると考えてございます。

○もり委員 都は、新年度予算として、環境に配慮したデータセンター整備促進事業として九十六億円が計上されています。
 環境局と連携し、環境アセスの対象とすることが求められると考えますが、施設のエネルギー効率や再エネ利用状況等を評価する認定制度の創設等、環境に優しいデータセンターの整備を促すため、制度設計や支援策にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、環境等に配慮した優良なデータセンター整備を後押しするため、国の省エネ性能の目標値等を参考にしながら、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献などを評価し、認定するとともに、省エネ効果の高い設備の導入を支援してまいります。

○もり委員 ぜひ地域の住民の方とのあつれきを生まないよう、事業化が決定される前に事業者と地域住民の説明と対話の機会が求められると考えます。認定制度とガイドライン、そしてデータセンターの情報を早い段階で把握する都独自の仕組みが必要です。条例化やルール整備に対する産業政策上の考え方について、環境負荷低減の観点から、一定規模以上のデータセンター整備に対し、基準の設置や届出、事前の協議などのルール整備を求める声もあります。
 条例化等を含む制度整備について、環境局と連携しながら、都としてぜひ一歩踏み込み、環境と地域の住環境を守るための取組の強化を要望させていただきます。
 次に、江戸から続く歴史、文化の発信として、令和八年度予算では四十一億円が計上されています。
 さきの一般質問においても、江戸文化の世界遺産登録について質疑をいたしました。産業労働局では、新規事業として、東京の伝統文化を活かした地域観光支援事業として、古くから継承されてきた伝統文化や歴史的建造物等を観光資源として活用するとしています。
 都として、どのように観光資源として活用していくのか、お伺いをいたします。

○江村観光部長 都は、地域の魅力を高め、国内外からの誘客を促進するため、伝統文化などの地域資源を活用した観光振興の取組に対する支援を来年度から開始いたします。
 この支援では、観光協会等による文化財や神社仏閣等を活用したツアーの開発のほか、観光コンテンツの造成等の取組に対し、必要な経費について六百万円を上限に最大四分の三を助成いたします。

○もり委員 ありがとうございます。
 東京都は、江戸から続く庭園都市文化として、美しい庭園や江戸の歴史が薫る建物なども多くあります。
 現在、東京都のシンボルの一つである東京タワーに隣接した東京芝とうふ屋うかいが、土地の契約満了によって閉店が公表されました。この土地は二十年前、都内最大規模の約六千平方メートルの敷地に池や山を備えた日本庭園を配置、築二百年の造り酒屋の建物が移築をされ、美しい江戸情緒は多くの都民と観光客からも愛されています。近隣にはデータセンター建築もうわさをされる中、既に二万人を超える方が署名を集めるなど、保全を求める声が上がっています。
 江戸文化の世界遺産登録を目指す都として、歴史的建造物を観光資源として活用する観点からも、ぜひ、直接は大変難しいということは分かっているんですけれども、都から働きかけて保全に動いていただきたいと、こちらも要望させていただきます。
 次に、民泊についてお伺いをいたします。
 民泊は、大阪をはじめ全国でも大きな問題となっており、大阪市では新規の特区民泊を認めない方針を打ち出しています。
 違法な民泊を取り締まるのは当然です。それにとどまらず、制度設計において近隣住民への配慮が欠如している点や、根本的な解決法は法改正による規制の強化でありますが、あまりにも安易に金もうけに走った結果であり、知事の認識も、観光による金もうけ優先の発想ではなく、東京都として、都民の暮らしの安全と住環境を最優先にすべきと考えます。
 実際に、地元大田区では、特区民泊として過剰な設置が進んでいる実態に、静かな住宅街に不特定多数の外国人が出入りすることに苦慮する近隣住民の方々の声も伺ってまいりました。民泊から旅館業法の簡易宿泊所に逃げていく業者もあり、実態は変わりがありません。民泊と簡易宿泊所の両方への対応が必要です。
 現在、外国人向けの日常生活のマナーやルールの啓発活動も大切ですが、インバウンドの急激な増加により、公共交通機関も宿泊所も外国人であふれている現状があります。
 銀座のレストランでは、値段が高過ぎて外国人観光客しかいないとの声や、地元の京急線の住民の方々は、通勤時間帯も大型トランクが占領をしていて通勤客が電車に乗れない状況があり、通勤車両と観光車両を分けてほしいとの声も聞かれました。
 共生社会づくりのためには、インバウンド対策は極めて重要です。駅近くの商業地域であれば過度な規制は必要ありませんが、静かな住宅街において、民泊による近隣トラブルの原因は、旅館業法による旅館のように、業者による宿泊施設の管理や宿泊客に対する適正利用の指導が行き渡っていないことが挙げられています。
 民泊法では、家主居住型民泊では家主が、不在型では住宅宿泊管理業者が、氏名、住所、職業、旅券番号等の宿泊者名簿の記載、また衛生管理措置、騒音対策のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成や標識の掲示等の措置を行うこととなっておりますが、その義務の履行状況についてどうなっているのか、お伺いをいたします。

○江村観光部長 住宅宿泊事業に関する届出の受理や指導監督は、所在地に応じて、都または保健所を設置する二十三区及び八王子市、町田市でそれぞれ対応しております。
 都の所管区域においては、住宅宿泊事業に係る届出の前に事前相談を行うよう求めており、その際に、法令やガイドラインに掲げる事業者の責務について説明しております。
 届出の受理後に現地を訪問し、事業者の義務の履行状況を確認し、状況に応じて改善の指導を行っております。
 さらなる改善の指導が必要と認められる事業者に対しては、再度の現地訪問を行い、履行状況の確認を行っております。
 これらによりまして、事業者に対して義務の着実な履行を促しております。

○もり委員 都知事は、条例で、民泊規制強化を行う区市と連携して、区市から改善命令の発動要請があったときには速やかに要請に応じて改善命令を発出することができる体制に整えるべきだと考えますが、都の見解について伺います。

○江村観光部長 都内の住宅宿泊事業につきまして、住宅宿泊事業法の規定に基づき、保健所を設置する二十三区及び八王子市、町田市においては、都と各区市との協議によりまして、届出の受理や指導監督を当該区市が所管することとなっております。
 法第十五条に基づく業務改善命令につきましても、保健所を設置する各区市が行うこととなっております。

○もり委員 東京都産業労働局は、令和七年改正版ガイドラインで、宿泊者本人確認、またハウスルールの表示などを義務化していますが、実効性確保のための監視、立入検査体制の強化が不可欠です。
 大阪市では、特区民泊について、違法民泊根絶チームではなく迷惑民泊根絶チームをつくり、全宿泊施設の営業実態を調べ、立入調査や認定取消しなどの処分も実施をされました。
 都としても、区市町村と協力し、迷惑民泊や簡易宿泊所根絶チームをつくるなど、営業実態を調べ、その結果を公表すべきと考えますが、見解を伺います。

○江村観光部長 住宅宿泊事業に関する指導監督は、所在地に応じて、都または保健所を設置する二十三区及び八王子市、町田市が地域の状況を踏まえて対応しておりまして、都は事業者に対し、法令違反により業務停止命令などを行った場合には、その旨を公表することとしております。
 都は現在、区市と都の関係部署による連絡会を開催しておりまして、事例やノウハウの共有を図っております。

○もり委員 もちろん全ての民泊が悪いわけではありません。地域の中にも多文化共生の拠点として、よい事業をされている方もいますが、観光政策と住環境の保全との両立について、都は自治体とも連携をし、観光振興と住環境保全の両立を図るため、ルールの適正化を行い、安全で良好な住環境を守る地域づくりに取り組んでいただくことを要望し、最後に女性活躍推進条例について伺います。
 これまで、国においても女性活躍推進法や働き方関連法がある中で、東京都が独自に条例を制定することの意義は、東京都が国の施策や指針を上回る指標を示すべきであると考えます。
 女性差別撤廃条約実現アクション東京の有識者の先生方からも声が寄せられておりますが、都の見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できるよう施策を展開してまいりました。
 一方で、雇用、就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況にあることから、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえ、雇用、就業分野における具体的な取組を強化するために、先般、女性活躍推進条例を制定したところでございます。

○もり委員 既に女性活躍推進法があり、男女平等参画法があり、働き方関連法がある中で、今ある法律では足りない、都独自の条例では、女性が活躍できる環境を、雇用、就業分野において女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境として、性別による無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスの関心と理解を深め、環境整備に主体的に取り組むことが必要であると、指針の中に性別に関する無意識の思い込みが何度も出てきます。
 条例において、無意識の思い込みに関する関心と理解が社会全体で深められるよう、企業にどのように働きかけていくのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性活躍推進条例では、性別に関する無意識の思い込みに影響された言動が、意図せず他者に不利益を与えるおそれがあることについて様々な情報を提供し、事業者や都民に関心や理解を深めていただくことで、働く場において女性の可能性が狭められることなく、また、男女ともに働きやすい環境の整備が進められることを目指しております。
 指針の案では、そうした環境整備に向けて、採用や配属、人材育成などの場面で、事業者が自社の状況を点検し、必要な対応を行うための視点などを記載しております。

○もり委員 日本では、そういった中では本当に、高度成長期の中では男性は企業戦士として二十四時間働くことを求められ、女性は家事、育児に専念をする専業主婦が基本となった、そういった歴史的な背景もあり、この無意識の思い込みが社会に根づいているように感じました。
 一方で、男性も女性も安心して生活でき、将来への希望を持てるような働き方ができるようにするためには、長時間労働の是正が求められます。
 指針の中では、長時間労働の取組の目安として、正社員の月当たり平均残業時間が、働き方関連法で定められている残業時間の上限、原則月四十五時間を上回っている場合には、長時間労働に関する対策の検討が必要ですとありますが、残業時間は働き方の例外であり、残業時間が毎月四十五時間が上限であると示されているのは、国の基準、残業時間は年三百六十時間以内を超えるものであり、月四十五時間以内の残業を許容すると誤解を招く記載は修正すべきだと考えます。
 より人間らしい、職場でのライフ・ワーク・バランスを推進し、職場での長時間労働を是正するための意欲的な目標を指針の中で示すべきと考えますが、見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回お示しいたしました指針案では、女性が活躍できる環境の整備に向け、事業者が自社の状況を点検し、必要な取組を検討するきっかけとなりますよう、働き方改革関連法を踏まえて、目安として原則月四十五時間をお示ししたものでございます。長時間労働への対策を検討する目安としてお示ししたものでありまして、それ以下であれば検討する必要がないということではございません。
 指針の趣旨を事業者に理解していただけますよう、普及啓発を行ってまいります。

○もり委員 目安であっても、やはり月四十五時間という国の基準を上回ることが、本当に誤解を招く記載はぜひ修正をしていただきたいと、こちら要望をさせていただきます。
 女性活躍推進は、まず都庁や都の関係団体で働く人々の率先行動が求められます。自らできないことをほかの方々に推奨することはできないと思います。
 厚生労働省の賃金構造基本統計調査に基づくデータでは、非正規雇用者は正規労働者の約六七%となっています。
 庁舎内の働き方は総務局の担当ですが、指針における就業者の考え方に都職員、都の関連団体で働く方は含まれるのか、この条例が都職員や都関係団体で働く方の男女間の賃金格差の解消に届くのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 事業者は、都の区域内で事業を行う法人または事業を行う場合における個人を指しておりまして、都の関連団体も当然含まれております。ほかの事業者と同様、条例の趣旨を理解して、それぞれの状況に応じて必要な対応が行われると考えております。
 なお、東京都につきましては、条例第四条、第十二条におきまして都の責務及び都の率先行動について規定しておりまして、事業者に含まないということを指針の案で明記をしております。

○もり委員 せっかく条例ができるのですから、ぜひ都庁で、庁舎内で働く職員の皆様にも率先行動として条例が届くことを願っております。
 就業者には、労働者だけではなく、経営者、個人事業主、フリーランス、企業等で就業を行うインターンシップ生も含まれ、多様な職場で働く女性に届く条例になることが期待をされます。
 正規社員と非正規社員の格差の解消を促すことが求められますが、指針においてどのように格差解消に取り組むのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、正規、非正規など雇用形態に関わらない待遇の確保を促すため、同一労働同一賃金に関する法令や考え方について普及啓発を行っております。
 なお、指針案におきましては、職務内容が同じ場合には、非正規社員に対して、職務に必要な教育訓練を正社員と同様に実施することなどを対応のポイントとして示しております。

○もり委員 ぜひ本当に非正規社員の方にも届くようにやっていただくことを願っております。
 都庁や外郭団体でも多くの非正規職員が働いており、スクールカウンセラーの大量雇い止めが大きな問題として報道されるなど、会計年度任用職員の働き方の改善が求められます。都庁で働く正規職員と非正規職員の給与の格差並びに都庁で働く男女の給与格差について、所管は総務局となりますが、都庁が率先規範を示し、その制度を民間企業に広げていくことが肝腎だと考えます。本条例がきっかけとなり改善が図られるよう、局横断的な取組を要望いたします。
 女性活躍の第一歩として、男女の賃金格差の解消をすべきだと考えますが、具体的な方策について見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女間の賃金格差には、意思決定層など責任の重い地位への登用や、勤続年数、長時間労働を前提とした働き方が多いことなど様々な要因があることから、配置、育成、教育訓練や継続就業など、指針案で示す各項目の取組を進めるようお示しをしております。

○もり委員 男女の賃金格差は、職種の違い、ポスト、すなわちキャリアの違いであり、管理職、専門職等の給与が高いポストに女性が少ないことに原因があるのではないかと考えます。
 女性の管理職、いわゆるキャリアアップが少ない要因をどのように分析し、指針においてどのように企業の自主的な取組を後押ししていくのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針案では、例えば配属に関する取組として、特定の性別に偏らない配置がなされているか部署ごとに確認をし、男性中心になっている部署がある場合には、業務の内容や特性などを点検し、工夫や配慮をすることで、女性の配属が可能かどうか検討することなどを示しております。

○もり委員 相談やセミナーを行うことで解消ができるのか、それとも、一定期間のクオータ制を採用するなど、女性を給与の高いポストに積極的に登用する制度の創設に取り組む企業の後押しをするのも有効だと考えますので、ぜひこちらは要望とさせていただきます。
 女性活躍推進法だけではなく、別途、都の条例を制定したのですから、法律ではできない都独自の施策として、中小企業においても男女の賃金格差是正の施策を講じることができるよう、予算を伴う事業者支援が求められると考えます。都の見解についてお伺いいたします。

○新田雇用就業部長 都は来年度、中小企業等における女性が活躍しやすい職場環境づくりを進めるため、男女間賃金差異の公表や女性管理職の増加等に取り組む事業者に対し、奨励金を支給します。

○もり委員 ありがとうございます。本当に掛け声だけでは中小企業の独自の取組はなかなか進みません。奨励金でぜひ多くの中小企業が取り組むことができるよう、手厚いサポートをよろしくお願いいたします。
 女性特有の健康課題への配慮。女性特有の健康課題は、女性の就業継続や企業の業務効率にも大きな影響を与えるものです。
 法で定められた措置に関する主な支援制度と書かれておりますが、女性の権利保障として、生理休暇、不妊治療に働きながら無理なく取り組むことができるよう、女性特有の健康課題に対する有給化に取り組む企業を後押ししていただきたいと考えます。女性の権利として盛り込んでいただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針案では、女性の健康課題への対応例の一つとして、女性の健康上の特性に配慮した休暇制度の導入や、制度を利用しやすい仕組みの検討を示しておりまして、各事業者がそれぞれの実情に応じて必要な取組を行うものと考えております。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ後押しをお願いいたします。
 更年期障害が女性の働き方と企業に及ぼす影響、損失については、一・九兆円との試算があります。都内でも三千六百億円規模の損失があると予算委員会でも質疑がありました。
 また、男性の更年期についても指摘をいたしましたが、参考として掲載をしていただきありがとうございます。男女ともに理解が進むことが望ましいと考えます。
 女性活躍推進施策の基本的データについてですが、都外から通勤の方も含め、都内の就労者数、うち女性の人数、さらに更年期障害が現れやすいとされている四十五歳から五十四歳の女性について、対象人数をどのように試算をされているのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 国の労働力調査に基づき都が取りまとめた東京の労働力によりますと、令和六年平均結果では、十五歳以上の就業者数は八百四十四万七千人、そのうち女性は三百八十六万九千人でございました。
 また、四十五歳から五十四歳までの女性の就業者数は八十八万五千人でございます。

○もり委員 東京都で働く女性のうち、どのくらいの人数、割合の人が更年期障害による不調を訴えているのか、調査をしたことがあるか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 令和五年度に都内企業等に勤務する女性を対象に都が実施した健康上の課題に関するアンケート調査では、都内で働く四十歳以上の女性のうち、更年期症状により何らかの支障があると回答した方は約四割でございました。

○もり委員 八十八万五千人の四割ですから、本当に少なくない方がこの影響を受けていることになります。
 更年期障害の対策は、いきなり医療機関を受診することではありません。都庁及び都庁関係団体からモデルとして始めていただきたいのですが、自ら管理することが一歩です。
 例えば、希望者に対して、自分の体調管理として、スマートウオッチなどで基本情報を取り、月一回程度で更年期症状問診に記入をし、希望者については年一回ホルモン検査を行うことを奨励し、その費用の全部、一部を事業者負担することにより、企業における従業員への更年期障害への理解促進と体調管理のための支援が求められると考えます。見解をお伺いいたします。

○富岡事業推進担当部長 都は、企業が女性に特有の健康課題に関し、フェムテック製品やサービスを活用して新たな福利厚生制度の整備等に取り組む場合に奨励金を支給しております。
 また、女性特有の健康課題に対する意識を高め、働きやすい職場づくりにつなげるために、特設サイトにおいて、更年期など女性の健康や体調の管理に係る知識等を提供する講座を動画により配信しております。

○もり委員 ありがとうございます。フェムテックの産業と連動しながら、こういった取組や理解が進むといいと思いますので、より一層の周知をお願いいたします。
 その上で、都立病院の更年期障害外来に相談をし、医師が企業に対して要体調配慮証明書を発行するなど、時差通勤、在宅勤務などの職場での働き方の配慮について、ぜひ診断、治療の前段階で更年期障害による不調に悩む女性への働き方の配慮を行う企業の取組を支援して、企業の取組が進むことを期待します。都の見解についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都内の事業者は、業種、規模など様々でございます。それぞれの事情に応じまして、できるところから段階的に取り組んでいただくものと考えております。

○もり委員 それぞれの企業の取組ですので、都として押しつけはできないと思いますが、支援のメニューの一つとして、ぜひそういった取組も進むとよいと考えています。
 都の政策目標及びその進捗を把握する指標に関する事項では、目指すべき到着点を社会全体で共有するものとしておりますが、政策目標は東京都全体の目標であり、個々の事業者に課すものではありません、個々の事業者名を公表することはないとしています。条例ができても、個々の事業者には調査への協力を求めることのみで、義務も公表もないというのでは、どのように企業の自主的な取組が進むのか、疑問があります。
 男女の賃金格差の縮小、誰もが働きやすい職場づくりに関する制度の導入や利用率の向上、両立支援制度に関する従業員の認知度向上など、挙げた政策目標にそれぞれの企業の取組が進むよう、調査によって得られた好事例については表彰、公表するなど、好事例の取組が広がるよう、都として政策目標の達成に向けた支援と進捗管理にどのように取り組んでいくのか、最後にお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、条例に基づきまして、企業が女性が活躍できる環境整備に主体的に取り組んでいただけるように、課題分析の視点や対応のポイントを指針案でお示しをしております。
 また、令和八年度予算案には、女性が活躍できる環境の整備に向け、男女ともに安心して育業し、復職しやすい職場づくりや、男女間賃金差異の公表や女性管理職の増加等に取り組む事業者への後押しなど、様々な事業を盛り込んでおります。
 政策目標と進捗を把握するための指標につきましては、国や都の調査などを活用して、事業者と従業員双方の状況を定期的に把握し、事業の見直しや重点化、新たなニーズへの対応など、効果的な施策展開につなげていくこととしております。

○もり委員 ありがとうございます。
 条例はできて終わりではありません。また、指針においても、本当に各事業者がそれぞれに目標が進むようにしっかりと、先ほど奨励金をつくるというようなご答弁もいただきましたが、中小企業によっても、男女の賃金格差、雇用、就業分野における男女の格差を是正するすばらしい条例となりますように願いを込めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時三十五分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 まず初めに、中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業について伺います。
 本事業は、都議会公明党の提案により創設をされた、人手不足の建設やIT、ものづくり分野の企業に将来の中核となる若手技術者として就職をした学生等に、三年間にわたって最大で百五十万円の奨学金の返済を都と中小企業で支援する、そういったものであります。
 令和四年の事業スタート後も、我が会派はよりよい制度とするべく改善を求めてきており、年齢要件の引上げといった改善が図られてまいりました。
 令和七年第四回定例会においても、大学院を卒業した高度人材を採用できるよう支援強化を求め、都からは、大学院を卒業した高度な人材の獲得に努める中小企業の後押しに取り組むといった答弁がございました。
 そこで、これまでの実績と来年度の取組内容について伺います。

○富岡事業推進担当部長 都は、本事業の利用促進に向け、年齢要件の緩和等の改善を図っており、令和六年度は四十八社、七十三名の採用につなげるなど、年々実績が伸びております。令和四年の募集開始以来、昨年度までで百八十名を超える採用につなげました。
 事業を活用している企業からは、大学院卒の人材について、研究をしっかりやってきているため事業の理解が早い、事業内容が非常に高度で専門的なため、大学院で学んだ研究成果を生かしてほしいという声がありました。
 こうした人材の確保を支援することは、中小企業の将来の発展に不可欠であることから、来年度から大学院卒を対象としたコースを追加し、奨学金返還支援額を三年間で二百二十五万円に引き上げます。
 今後とも、業界団体や大学のキャリアセンターと連携するなど、企業や学生等への周知を図り、さらなる利用拡大に努めることで、将来の中核となる技術者を採用する中小企業を支援してまいります。

○いいだ委員 これまで多くの採用に結びつけるとともに、来年度は、高度な人材の確保という質の向上に向けて改善を行っていることが分かりました。今後とも、多くの中小企業や大学生等に利用してもらえるよう、事業の普及促進を図っていっていただきたいというふうに思います。
 次に、新産業創出に向けた企業立地支援事業について伺います。
 都民生活の向上や雇用創出など、都市の発展に寄与する科学技術の開発は加速をしており、都市間競争は一層激化をしています。
 また、景気は回復傾向にあったものの、イランをめぐる国際情勢を契機に、今後の先行きは極めて不透明な状況です。
 将来にわたり持続的な経済成長を遂げるためには、世界をリードする研究所や経済安全保障に資する生産拠点の整備を支援することが必要であります。
 こうした中、知事はさきの施政方針で、我が国全体に波及効果を生み出す研究開発や生産拠点の整備を後押しすると表明しました。東京の産業振興を図る上で極めて重要です。
 東京には、高度に都市機能が集積した都心部から、工場や物流機能が立地する臨海部、多摩地域に至るまで、多様な立地環境が存在をしています。こうした特性を踏まえ、複数の支援策を用意することが、企業立地の効果を最大化する上で重要であります。
 そこで、都が来年度新たに開始する企業立地支援事業の具体的な内容について伺います。

○岡野産業政策連携促進担当部長 都は来年度、今後の成長が期待できる新たな産業を創出し、東京の競争力を高めるため、革新的な研究開発拠点や経済安全保障に資する生産拠点を都内に立地する企業等に対して支援する新たな取組を開始してまいります。
 具体的には、拠点整備に要する建設、改修費や設備導入費に加えて、人件費等について支援いたします。
 また、東京では、既存の事業用物件を賃借して活動する企業も多いことから、建物等の賃借料も支援してまいります。
 研究開発拠点については、一棟建ての場合、補助率二分の一、上限五十億円、事務所ビルなど建物の一部にテナントとして入居する場合、補助率二分の一、上限十億円、また、生産拠点の場合は、補助率三分の一、上限五十億円で支援してまいります。

○いいだ委員 東京の競争力強化につながる重要な立地支援であることが分かりました。
 しかし、この取組が一部の大企業への支援だけで終わらない工夫も必要であります。都内には、地域経済を支える数多くの中小企業や革新的なスタートアップなども集積をしています。また、都内中小企業等との取引拡大や共同開発など、地域経済全体へ波及効果を高める仕組みづくりも重要です。
 そこで、都は、こうした視点に立って立地企業を選定していくべきというふうに考えますが、見解を伺います。

○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業では、企業の規模にかかわらず、AIや半導体、エネルギー、食品といった波及効果の高い産業分野において都内に立地する企業を支援いたします。
 支援対象者については、国内に本社を有する企業等としており、大企業のみならず、中小、中堅企業やスタートアップも応募可能としてまいります。
 また、支援対象者の選定に当たっては、申請のあった取組について、保有技術の競争優位性や市場の成長見込みに加え、サプライチェーンの強化やオープンイノベーションの促進等の視点から、都内外への波及効果について、有識者の意見も踏まえ総合的に審査することとしており、引き続き詳細な制度設計を検討してまいります。
 こうした取組により、次世代を担う産業を東京から創出し、日本経済を力強く牽引してまいります。

○いいだ委員 ただいまの答弁で、大企業に限らず、多くの企業が対象となるということが分かりました。
 東京には、成長志向の高い中小企業やスタートアップが存在をしております。新産業創出に向けては、こうした様々な企業がこの取組にチャレンジできるよう、柔軟な仕組みづくりを行うよう要望して、次の質問に移ります。
 次に、非正規雇用で働く女性の支援について伺います。
 非正規雇用で働く女性が新しいスキルを習得し、専門性を高めて正社員として就職していくことは、所得の上昇が期待できるだけでなく、再就職先で重要な仕事を任されるなど、キャリアアップやモチベーションの向上にもつながるため、大変重要であります。
 都は来年度、女性向けキャリアチェンジ・キャリアアップ支援事業や女性ITエンジニア育成事業など、ITスキル等を高める訓練と就職支援を一体的に行う取組を実施することとしていますが、非正規の女性が正社員として就職し、新しい職場で活躍できるよう、一層の充実を図るべきであると思います。
 そこで、具体的な取組内容について伺います。

○新田雇用就業部長 都は来年度、非正規雇用で働く女性がスキルアップに取り組み、正社員として職場で活躍できるよう、支援を充実いたします。
 女性向けキャリアチェンジ・キャリアアップ支援事業では、十五種類のeラーニングの職業訓練と就職支援とを一体的に行う取組を七百人規模で実施いたします。
 この取組では、正社員として就職した後も、管理職等を目指す動機づけにつながるよう、組織運営力などを学ぶ講座も開始いたします。
 また、IT未経験の女性が高度なプログラミングなどの技術を習得する女性ITエンジニア育成事業では、これまでの支援規模から二百人増となる五百人まで拡充し、より多くの方が即戦力としてIT関連企業に就職できるよう後押しいたします。
 これらにより、非正規雇用で働く女性のキャリアチェンジを一層支援してまいります。

○いいだ委員 二つの事業を充実させていただいて、より多くの女性の活躍を支援していくということが分かりました。
 今後も都が、非正規雇用の女性が正社員として飛躍できるよう、例えばAIとか、そういったことについても学べるように、さらに力強く後押しをしていただくことを期待させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 介護離職の防止に向けた取組について伺います。
 仕事をしながら介護を行うワーキングケアラーが今、増加をしております。
 令和八年度予算案では、介護離職対策として、介護と仕事の両立推進事業や介護休業取得応援事業などが提案されています。
 ミドル層の介護離職を防ぐため、意識醸成や相談窓口を運営するほか、原職に復帰させることを要件として介護休業の取得を支援するこれらの事業は、非常に重要だというふうに感じます。
 復職しても、不利益な配置転換を強いられるのではないかといった心配をする方の声も、私自身もよく聞くところでございます。こうした点にも配慮している点を今回評価したいというふうに思います。
 一方で、制度を利用しやすくするには、抜けた穴をカバーする周囲の従業員への配慮、それから職場の雰囲気づくり、こういったことも不可欠であると思います。
 都は、介護と仕事の両立で悩みを抱える従業員や事業者への支援を手厚くすべきだというふうに考えますけれども、令和八年度の都の具体的な取組について伺います。

○富岡事業推進担当部長 介護に直面する中にあっても、望む方が安心して働き続けられるよう、企業の職場環境づくりを促すことは重要でございます。
 都は来年度、介護関連の諸制度をまとめたデジタルブック等を活用した広報を行うほか、介護休業を取得する社員の同僚に配慮した制度の創設などに取り組む事業者の好事例をウェブサイト等で発信いたします。
 加えて、企業の経営者や従業員等を対象とする相談窓口を新たに設置し、両立に関する課題の解決に向けた助言を行います。
 また、介護休業を取得しやすい取組を行う企業への奨励金について、介護休業中の社員の同僚への手当支給を行った場合の加算に加えまして、管理職が率先して取得した場合等の加算を新設し、最大百四十五万円を支給いたします。
 これらによりまして、介護をしながら就業を継続できるよう、多面的な支援を進めてまいります。

○いいだ委員 本当に、管理職が率先して取得した場合等の加算を新設するということで、雰囲気づくりにしっかり手を入れていただくということで、より取得しやすい、そういう環境をつくっていくことがまた大事だというふうに思います。
 また、介護は、育児と異なって、突然やってくるだけでなくて、やはり先が見通しづらい、このようにいわれるところです。若い世代も含めて、働く方が日頃から介護に関心を持って、両立支援制度を広く知ってもらえるような普及啓発が必要だというふうに考えます。社会全体が介護を考えるきっかけとなるような効果的な広報を展開するよう要望して、私の質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 初めに、アフォーダブル住宅について伺っていきます。
 三月十二日の予算特別委員会で、我が党の原田あきら都議が、アフォーダブル住宅について質疑を行い、結論として、アフォーダブル住宅は、小池知事が公約に掲げた子育て世帯の家賃負担の軽減にはならない、家賃高騰に苦しむ都民の願いには応えられない代物だということがはっきりしたと指摘しました。
 そのことを改めて確認していきたいと思います。
 まず、アフォーダブル住宅事業が対象とするのはどのような世帯かという点です。
 都が発表した資料では、入居対象が世帯年収八百万円というものがあります。
 世帯年収八百万円というのは、ごく普通の子育て世帯の年収だと考えているのですか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 本ファンドは、民間の創意工夫を生かした提案を募り、子育て世帯等が手頃な家賃で安心して住むことができるアフォーダブル住宅供給の新たなモデルを構築するとともに、民間主体での供給機運の醸成につなげていくことを目的としております。
 ファンド運営事業者の募集要項では、入居者の決定に際して、アフォーダブル住宅を必要とする子育て世帯等を優先して入居させるよう努めることを求めております。
 運営事業者の選定に当たりましては、入居者の募集、決定方法を含めた審査項目に基づきまして、外部有識者を交えて審査を実施いたしました。
 選定した運営事業者からは、本ファンドの趣旨を踏まえた提案がなされたものと認識しております。

○藤田委員 子育て世帯などを優先的に入居させることは求めるけれども、世帯年収については問わないということだと思います。実際に、ファンド運営事業者の募集要項では、入居対象世帯についての年収要件はありません。
 そうなると、都が発表した資料では、世帯年収の上限を定めていない事業者もありますが、世帯年収一千万円を超えるような世帯もアフォーダブル住宅の入居対象になるということですか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 本ファンドで提供するアフォーダブル住宅の入居対象世帯につきましては、運営事業者の募集要項で子育て世帯等としておりまして、入居者の決定に際して、アフォーダブル住宅を必要とする子育て世帯等を優先して入居させるよう努めることを求めております。
 運営事業者からは、こうした本ファンドの趣旨を踏まえた提案がなされたものと認識しております。

○藤田委員 否定されなかったので、入居対象になることもあるということだと思います。
 市場家賃より少し抑えた家賃でも十分な利回りを期待できる事業として成り立たせるためには、結局、年収の高い世帯を対象とした事業にならざるを得ないということだと思います。
 原田都議が先日の質疑で指摘したとおり、貧困世帯は最初から対象外なのかといわざるを得ません。
 では、次に、市場家賃より抑えたという家賃は、実際のところ幾らなのか、伺いたいと思います。
 我が党が入手した内部資料によると、アフォーダブル住宅の家賃は、どの事業者も十五万円、十六万円、十七万円、二十万円という金額になっています。これは事実ですか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 本ファンドを通じて供給されますアフォーダブル住宅の家賃につきましては、ファンドからの投資が行われ、供給される物件が確定した後に定まることとなります。
 都は、今後、投資等に関する意思決定の機会等におきまして、家賃に関する算定根拠や合理性を確認していくこととしております。

○藤田委員 私の指摘を否定できませんでした。アフォーダブル住宅の家賃として、十五万、十六万、十七万、二十万といった家賃が想定されている事実を認めたということです。
 私たちが入手した内部資料では、物件がどこの自治体に予定されているかも分かります。
 そこで、SUUMOという、皆さんもよくご存じの民間不動産サイトがありますが、その都内の自治体別の家賃相場の一覧があります。これで、アフォーダブル住宅が予定されている自治体の、例えば子育て世帯向けという物件の二LDK、三K、三DKの家賃を見てみました。
 その結果、アフォーダブル住宅が想定する家賃は、市場家賃と比較して全く安くない、むしろ市場家賃を上回る場合もあるということが分かりました。例えば、ある自治体に予定されている物件は二十万円の家賃を想定していますが、SUUMOの家賃相場一覧では、二LDK、三K、三DKの家賃相場は約十九万円です。アフォーダブル住宅の家賃の方が市場家賃より高いことになります。
 小池知事が知事選で公約し、鳴り物入りで始めたアフォーダブル住宅事業は、どういう所得層の人にとって手頃なのかが問われます。
 答弁では、都は、投資の意思決定の機会などにおいて、家賃の算定根拠や合理性を確認していくこととしているということでしたので、すなわち、都が目指すアフォーダブル住宅事業にふさわしい家賃の設定になっていなければ、都は投資しないこともあり得るということなのでしょうか。本当に事業として成立するのか、疑問です。
 比較的高収入の世帯が対象で、家賃は十五万円から二十万円と、市場家賃と比較してもさほど安くない。やはりアフォーダブル住宅は、小池知事が公約に掲げた子育て世帯の家賃負担の軽減にならない、家賃高騰に苦しむ都民の願いには応えられないものだということが、これではっきりしたと思います。
 アフォーダブル住宅事業の意義、正当性が問われます。そのことは、この事業のもう一つのポイント、ファンドによる事業であるという点について深掘りすると、よりはっきりすると思います。
 事業の重要なポイントになる利回りを、なぜ公表していないのですか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 各運営事業者が想定している利回りにつきましては、運営事業者に関する情報でありまして、それを公にすることにより、当該運営事業者の競争上または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれる懸念がございます。
 このため、ファンド契約上の秘密保持条項との関係から、お答えすることは差し控えさせていただきます。

○藤田委員 税金、都民の税金を使って行う事業なんです。その契約について、議会や都民が知ることができないというのは極めて重大です。何か不都合な、都民の目から隠したいことでもあるのでしょうか。
 アフォーダブル住宅の事業者にとっては、どれくらいの利回りが期待できるかが参入するかどうかのポイントになります。参入を決めた事業者は、当然、利回りの見通しを持っているのが当然です。
 どれくらいの利回りが想定されているのですか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 各運営事業者が想定しております利回りにつきましては、ファンド契約上の秘密保持条項との関係から、お答えすることは差し控えさせていただきます。

○藤田委員 結局、事業者がどれくらいの利回りを期待しているのか、都民に知らせることが不都合だということです。
 私たちが入手した内部資料には、各ファンド事業者が高い利回りを想定していることが分かります。
 特に、募集要項では、都の出資金に対する想定利回りを民間出資の想定利回りより低く設定できるとだけ書かれていますが、この都の出資金に対する想定利回りが極めて低く設定されているのが最大の特徴です。つまり、それだけ民間出資へのリターンが確実になるということです。
 結局、このアフォーダブル住宅事業というのは、都民の住宅費高騰の困難をてこにして、都が不動産業界や金融機関向けに新たな投資機会をつくり出すというところに最大の狙いがあったということなのではないでしょうか。
 だから、アフォーダブルといいながら、貧困世帯というよりは比較的高収入の世帯を対象にして、十五万円から二十万円という、市場家賃と比べてもさして安くはない家賃で賃貸経営を行うという、極めていびつな事業になってしまっているのだと思います。
 改めて、アフォーダブル住宅事業の意義、正当性が、事業開始前から早くも厳しく問われているということを申し上げておきます。
 この問題を引き続き追及していくことを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、女性活躍条例と指針案、人間らしい働き方について質問していきたいと思います。
 日本共産党は、ジェンダー平等の実現を政治の優先課題に掲げています。
 女性が個性や能力を発揮できない本当の理由は、本人の努力不足ではありません。また、事業者が対応すれば全て解決するものでもありません。
 働く現場に根深く残る女性差別や、女性が働きにくい環境が、法律や社会の制度、企業の慣習によって、個人の努力では解決できない不平等の仕組みとしてつくり出されていることこそが最大の問題です。
 しかし、都の条例は、この構造的な差別という本質から目を背けています。今回出された指針についても同様だと思います。
 都の基本姿勢を確認するためにも伺っていきたいと思います。
 女性活躍条例の目的についてご説明をお願いします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女がともに参画できるよう施策を展開してまいりました。
 一方で、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で、女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況にあることから、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえて、雇用就業分野における具体的な取組を強化するために、先般、女性活躍推進条例を制定したものでございます。

○藤田委員 男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえというのは重要です。そうであるなら、男女平等参画基本条例の基本理念である、男女が性別により差別されることなく、その人権が保障される社会を据えることが基本です。
 都は、条例の目的を環境整備と説明しますが、本条例は、東京の持続的な発展という経済効果を最優先する一方で、憲法が保障する個人の尊厳やジェンダー平等の実現を二の次にしています。
 男女の賃金格差や長時間労働、非正規雇用の多さといった構造上の問題を解決する姿勢が、条例にも、指針にも欠けていることこそが最大の欠陥です。
 そこで伺いますが、女性活躍を妨げている原因は何だと考えていますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 例えば、女性が配置される職場やポストが限られていることや長時間労働を前提とした働き方、性別による両立支援制度の利用状況の違いなどがあると考えております。

○藤田委員 今の答弁は、不平等の実態は単なる状況や違いという言葉にすり替えただけで、認識不足といわざるを得ません。ジェンダー不平等の根本原因は、個人の意識や企業の努力不足のせいにするレベルではなく、もっと根深い構造的なものなんです。
 ジェンダー平等を阻む大きな壁の一つとしてまず指摘しなければならないのが、制度による構造的な差別です。
 私が病棟で看護師長として働いていたときは、子育て中の看護師が、複数、パートとして働いていました。どの方も、新人看護師のときは大きな病院でしっかり研修を積んで、経験と知識を豊富に持って、高度な技術と専門性の高い知識を持って働いていらっしゃいました。
 しかし、月の労働時間に上限があって、週に三日から四日しか働けず、本来持っている能力を十分に発揮し切れていると思える状況ではありませんでした。もっと時間があればいいなと、本当に思いました。
 女性活躍を妨げている原因に年収の壁があると思いますが、都はどう対応するのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 働く人と雇用する企業が、税や社会保険の仕組みを正確に理解し、個人の希望と現場のニーズに合った働き方を選択できる環境を整えることは重要であることから、社会保険料の負担を和らげ、社員の手取り収入を減らさない仕組みづくりや、収入要件のある配偶者手当の見直しを行う中小企業に奨励金を支給するなど、都は様々な取組を行っております。

○藤田委員 都が奨励金を出しても、構造的な差別を解消することはできません。
 問題の根っこは、女性を一人の独立した人間として尊重せず、家族を支えるための補助的な存在として扱ってきた社会制度そのものにあります。明治時代の家制度を背景とした税や社会保障の世帯単位の設計が、今もなお女性の経済的自立を阻み、個人の尊厳を損なう構造的な壁として立ちはだかっています。
 憲法二十四条は、個人の尊厳と両性の本質的平等を掲げています。これは、誰もが、家族の一員としてではなく、一人の自立した人間として大切にされ、家族の中でも男女が平等な権利を持つべきだという民主主義の土台となる考え方です。
 この精神に立ち返り、制度の基盤を世帯単位から個人単位へと抜本的に改めることこそが、今、求められている政治の課題です。
 さらに、現行の強制的な夫婦同姓制度も、個人の尊厳を奪う重大な障壁です。
 日本経団連や経済同友会などの経済団体も、選択的夫婦別姓の早期導入を政府に要望しています。
 ジェンダー平等を推進する都としても、選択的夫婦別姓の導入を国に求めるべきではありませんか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すことを国へ提案要求しております。

○藤田委員 不便の解消といいますが、これは単なる利便性の問題ではなく、個人の尊厳に関わる重大な人権問題です。夫婦同姓を法律で義務づけている国は、世界で日本だけであり、国連からも、女性に対する差別であると三度にわたって是正勧告を受けています。世界の公的機関が指摘するように、別姓を選択できることは当たり前の権利です。
 婚姻によって改姓を強いられているのは、九五%が女性です。仕事上のキャリアの分断を一身に背負わされている現状は、国際基準からも逸脱した構造的な人権侵害です。
 議論で終わらせることなく、選択的夫婦別姓制度を直ちに導入するよう、国に迫るべきです。
 さらに、企業の慣習の中に潜む差別も、解消すべき深刻な壁です。
 一見、中立的なルールを装いながら、実際には女性を排除し続けている間接差別の構造です。
 企業の慣習となっている無限定な残業や、全国転勤を正社員や昇給の条件に据えること自体が、家族や育児の責任を負わされている多くの女性を門前払いし、正規雇用の道から締め出す仕掛けとなっています。
 これは、財界の求めに応じ、政府が規制緩和を繰り返した結果、長時間労働は一層見えにくくなっています。
 同時に、柔軟な働き方と装って、より安く働かせる仕組みをつくってきました。
 男性の長時間労働を前提とした労働慣行により、女性を低賃金で不安定な非正規雇用へと押し込め、生涯賃金で一億円もの差を生み出す構造的な賃金格差をつくってきました。
 働く現場での女性の実態を確認していきたいと思います。
 初めに、労働者に占める非正規雇用割合は幾らですか。男女別にお答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 本年二月に公表されました総務省の労働力調査によりますと、二〇二五年の役員を除く雇用者数に占める非正規の職員、従業員の割合は、男性が二二・三%、女性が五二・〇%となっております。

○藤田委員 女性の雇用者の半数以上、何と二人に一人が非正規雇用という、極めて異常な実態です。男性と比較しても二倍以上の開きがあり、これが個人の選択や自己責任などで済まされる話ではないことが明らかだと思います。構造的に非正規へと押し込められているのです。
 女性の非正規雇用の多さが、男女の賃金格差の大きな要因となっているという認識はありますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女間の賃金格差は、管理職比率や平均勤続年数、労働時間など、複数の要因により生じているといわれております。

○藤田委員 複数の要因だとごまかしますが、賃金格差の最大の要因は、先ほど答弁されました、圧倒的な非正規雇用の多さではありませんか。低賃金で不安定な働き方を女性に強いている構造こそが、生涯賃金一億円もの巨大な格差を生み、女性の低年金、そして高齢女性の貧困へと直結しているのです。
 条例そのものに賃金格差の是正や非正規雇用の解消を目的として明記し、都自らが率先してジェンダー平等に向けた格差解消に取り組むべきです。
 今回の女性活躍条例の基本的な考え方に対するパブリックコメントや、男女平等参画基本条例の中間まとめに対するパブリックコメントには、どちらも同様に、女性ばかり優遇するのはおかしいといった意見も多く寄せられていました。
 バックラッシュという見方もありますが、これは少なからず、男性の非正規や低賃金の構造が男性の中にも広がっているということを表しているともいえると思います。
 ところが、都の指針には、長時間労働を容認するような表現があります。特に、ジェンダー平等の大前提である労働時間の短縮への認識が甘過ぎます。
 指針の二九ページ、長時間労働の取組の目安では、残業時間の上限、月四十五時間を上回っている場合は、長時間労働に関連する対策の検討が必要ですと記述されております。
 これは、月四十五時間までであれば残業していいということなのでしょうか。説明を求めます。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回お示しいたしました指針案では、女性が活躍できる環境の整備に向けまして、事業者が自社の状況を点検し、必要な取組を検討するきっかけとなるよう、働き方改革関連法を踏まえまして、目安として、原則月四十五時間をお示ししたものでございます。
 長時間労働への対策を検討する目安として示したものでございまして、それ以下であれば検討する必要がないということではございません。

○藤田委員 月四十五時間を容認すれば、年間五百四十時間もの残業が可能になります。これは、男性中心の長時間労働モデルを維持したまま、女性をそこに合わせようとする偽りの活躍です。過労死基準に近い働かせ方を放置していては、ジェンダー平等など到底実現できません。
 我が党が条例の修正案で強調したように、ハラスメントの解消と並んで、長時間労働の抜本的な是正をジェンダー平等の柱に据えるべきです。
 日本共産党は、八時間働けば普通に暮らせる社会を提案しています。日本の労働時間は、ヨーロッパの諸国に比べて年間三百時間も長くなっています。日本の長時間労働は異常です。
 日本の正規雇用者の年間労働時間は何時間ですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 毎月勤労統計調査を基に厚生労働省が作成した資料によりますと、令和六年の一般労働者の年間総実労働時間は、一千九百四十六時間となっております。

○藤田委員 ヨーロッパでは千五百時間がもう平均の状況になっています。
 解決策は明確です。大幅な賃上げと労働時間の短縮をセットで進めて、ジェンダー平等の土台をつくることです。
 ヨーロッパのように、希望すれば、誰もが正社員のままで短時間で働ける短時間正社員制度を社会のスタンダードにすべきです。
 実際、日本でも、有期、非正規だったパートタイムを無期雇用の正社員に変えて、短時間でもフルタイムで働ける制度にしている企業が存在しています。
 この企業は、二〇一四年から短時間正社員制度を実施しております。二〇一七年の正規社員比率は九九%となっています。働く時間にかかわらず、同じ仕事であれば、全ての従業員が同じ賃金レベルです。
 誰もが、育児や家事、介護や自分の成長のための時間などライフスタイルに合わせた働き方が可能になるよう、短時間正社員制度を取り入れる企業への支援を求めたいと思いますが、いかがですか。

○新田雇用就業部長 魅力ある職場づくりを奨励する事業では、選択的週休三日制や短時間正社員制度など多様な働き方の導入により、従業員の手取り時間の創出に取り組む企業を後押ししております。

○藤田委員 後押しをするというのであれば、希望する全ての労働者が当たり前にこの制度を利用できるように、都として短時間正社員制度を強力に普及、拡充させるための新たな制度を創設することを要望いたします。
 世界で最もジェンダー平等が進むアイスランドでは、政府と首都レイキャビク市議会が、労働組合などの要望を受け、十年前に四年間もかけて、週四十時間の労働時間を三十五時間から三十六時間に短縮する大規模な社会実装を二回行いました。結果は、ストレスや燃え尽き症候群のリスクが減って、健康やワーク・ライフ・バランスが改善して、趣味や家族との時間が増えて、生産性が上がりました。
 労働時間の短縮と生産性向上には関連があるというこの検証実験について、都はどのように認識していますか。都として、生産性の向上に向けて、労働時間短縮の効果を検証するよう求めますが、いかがですか。

○新田雇用就業部長 長時間労働の見直しなどによって従業員の働きがいが高まり、このことが生産性の向上につながるという考えの下、働き方改革推進セミナー等のほか、超過勤務の削減に向けた推進計画の策定等に対する支援を行うこととしております。

○藤田委員 労働時間の短縮までは言及しませんでしたが、長時間労働の見直しは働きがいが高まり、生産性の向上につながるという認識があるということは大切だと思います。
 しかし、実態は逆行しています。過労死等の労災認定は、二〇二〇年の八百二件から二〇二四年には千三百四件へ急増しています。現行法が例外を設け、過労死ラインまでの労働を放置している結果です。重大なのは、高市首相による裁量労働制の拡大表明です。定額働かせ放題を広げて、低賃金、長時間労働で残業代を払わず利益を上げる、こうした財界、大企業の要望に応える改悪は許されません。
 東京都としても、大企業の利益を優先するようなスタートアップ支援に巨額の税金をつぎ込むのではなく、中小企業の賃上げと労働時間の短縮及び構造的な差別の解消こそ、都の予算を使うべきです。
 そもそも、長時間労働や睡眠不足は、お酒を飲んだ状態と同じ意識状態だという調査も幾つもあります。長時間労働の見直しにとどまらず、労働時間そのものの短縮にも取組を広げることを求めておきます。
 また、殊さら、条例にも指針にも無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスへの関心と理解を深める必要があると、あれこれ事例を挙げておりますけれども、小池知事の税金を湯水のようにつぎ込んでの結婚への圧力は問題にはならないのでしょうか。知事の出会い、結婚、出産、子育てとシームレスに支援するという政策の偏りなどは、結婚はいいもの、女性は子供を産むものという、まさに無意識の思い込みを植え付けるものです。女性に対する産む圧力であり、若者への価値観の押しつけにほかなりません。働く現場で女性が自分の能力を発揮できるようにというのであれば、こうした行政の誘導政策は改めるべきです。
 女性の権利と尊厳を真正面に据えた真のジェンダー平等社会実現を強く求めて、質問を終わります。

○福井委員 人手不足が深刻さを増しています。対策としては、潜在的な労働力の参加を促すことに加え、DXの推進で一人当たりの生産性向上が不可欠です。東京都が、特に中小企業のこうした取組を後押しすることは非常に重要です。
 しかしながら、私自身、前職において、IT企業で勤務した、そうした経験もありまして、やはりDXの推進というのは、その企業の状況に合わせてアプローチをしていかなければ意味がないものというふうに感じます。
 DXは、単なるデジタル化ではなく、働き方と経営の変革そのものです。ツールだけを導入して業務プロセスに手を加えない企業もある一方で、デジタルツールを活用し、業務プロセスを削減、浮いた人材を営業に注力させるといった経営の変革を実現する企業まで、大きな幅があります。
 そのため、中小企業のDX推進に向けては、各企業のDXの進捗状況に合わせた支援を行うことが大切だと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○福田商工部長 都は、中小企業のデジタル化に係る相談をワンストップで受け付ける窓口を設置し、取組状況に応じた支援策に結びつけております。
 また、専門家が企業を訪問し、これからデジタル化に取り組む企業のニーズを掘り起こすとともに、デジタルツール等の導入に向けた提案などを行っております。
 来年度は、多様化、高度化するニーズに対応するため、DX推進トータルサポート事業を立ち上げ、より実践的な支援を行います。
 具体的には、デジタル技術により業務の効率化を目指す企業に対しては、計画の策定から機器の導入、活用までを支援するとともに、計画の実現に必要な経費について、原則一千五百万円を上限に助成いたします。また、DXによるビジネス変革を目指す企業に対しては、原則三千万円を上限に助成いたします。
 これらによりまして、中小企業の状況に応じたきめ細かなサポートを実施してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。今、ご答弁で、DX推進トータルサポート事業を通じて、DXの進捗状況に合わせて、多様化、高度化、こうしたニーズに対応して、きめ細かく施策を実施していくということが確認できました。
 また一方で、例えば、まだファクスが連絡の中心になっていたりだとか、紙の会計伝票を使っていますといったような、こうした取組のまだ俎上に上がらないような水準の企業も、一定数、まだ東京都内にあるように感じています。
 こうした状況を踏まえて、都が、DXの最初の一歩目、こうしたところが踏み出せない中小企業に対して、ファーストステップ支援を行うと予算に組み込んでいることは評価をいたします。
 具体的にどう取り組むのか、伺いたいと思います。

○福田商工部長 都は、中小企業におけるデジタル化への着手を促すため、ダイレクトメールなどを活用し、その必要性を周知するほか、ITコーディネーターなどの専門人材が企業を訪問し、業務の棚卸しやその実態に即したデジタル技術の提案を行っております。
 来年度は、これらの取組に加え、パソコンなどの機器を無償で貸与し、事業活動でその利便性を実感できる仕組みを新たに設け、中小企業がデジタル化に一歩踏み出せるようサポートいたします。
 また、これらの企業が持続的にデジタル化に取り組めるよう、導入経費を助成する支援策につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。
 また、IT関連システムが、今、サブスクライブに変更していることも踏まえた支援策が必要だと思います。これまでは各システムを一括で購入する売り切りが主流でしたので、支援金を一度に支給するという従来の支援の方法には一定の合理性があったと思います。
 しかし、IT関連システムが売り切りからサブスクライブに変化しています。それによって、一度きりの支援金以外の支援策も重要になってくると考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○福田商工部長 中小企業がデジタル技術を活用するに当たり、サブスクリプション型のサービスは初期費用を抑えることができ、導入のハードルが低いため、円滑な着手につながります。
 そのため、都は、中小企業が業務の効率化や省力化に向け新たにソフトウエアなどを導入する際の経費について、サブスクリプション契約が主流となるクラウド利用などの月額使用料に対し、二年間を上限に補助率最大三分の二、百万円を上限として助成しております。
 来年度は補助限度額を百五十万円へ引き上げることで、中小企業の取組をサポートしてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。サブスクリプション契約を踏まえた支援策を拡充していくという点は、時宜にかなっていると考えます。こうしたクラウド型のサブスクリプションのシステムは、導入が簡単な分、更新時に契約を打ち切ることも、その分簡単という形になります。都の支援金がツールの導入だけのデジタル化に使われないように、これまで以上に人材育成であったり、伴走支援の取組強化をいただいて、時代に即したDX支援を進めていただくよう要望しまして、次のテーマに移りたいと思います。
 次に、国際金融都市の推進について伺いたいと思います。
 現在、金融デジタライゼーションについては、各国でAIやブロックチェーン技術を活用したサービスの社会実装をめぐる競争が激化しており、今、注目を浴びているのがステーブルコインであります。法定通貨と価格が連動するステーブルコインは、ブロックチェーンの技術を活用することで、より速く、安く、便利な決済手段として期待をされています。
 また、ステーブルコインについては、単なる利便性の向上にとどまらず、経済安全保障の観点からも極めて重要なテーマであると認識をしております。
 東京都が国際金融都市としての地位を確立していくためには、円建てのデジタル決済基盤をしっかりと国内で確立し、国際競争の中で主導権を確保していくことも必要不可欠だと考えます。
 都は来年度、ステーブルコインの社会実装促進事業に予算を計上して、ユースケース創出に取り組む事業者を支援するとしておりますが、ステーブルコインは、私たちの生活にまだまだなじみがなく、事業者への支援と併せて、都民に便利な決済手段であるということも認知してもらうことも非常に重要だと思います。
 そこで、支援する案件をどのように採択していくか、また、ステーブルコインの魅力をどのように都民に紹介をしていくか、伺いたいと思います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 ステーブルコインの普及を進めるためには、多くの都民や企業がステーブルコインのメリットを実感できるよう、ユースケースの拡大を図っていくことが重要でございます。
 まず、支援対象企業の選定に当たりましては、事業の社会的意義や新規性、実現可能性等の観点から、法律やステーブルコインの最新の動向等について専門的知見を有する外部有識者を含めた審査会を設置し、選定してまいります。
 また、普及啓発に向けましては、ステーブルコインを用いて支払いをする側と受け取る側の双方を対象として、ステーブルコインのメリットや活用事例を分かりやすく紹介するなど、多くの都民や企業がステーブルコインを実際に使ってみたいと感じられるような内容のシンポジウムの開催を想定しております。

○福井委員 ありがとうございます。ぜひ力強く、このステーブルコインの社会実装を推し進めていただきたいというふうに思います。
 また、国内外から投資を呼び込むためには、我が国の株式市場を今以上に活性化させることが必要不可欠です。
 我が国の株式市場は、企業の上場時における時価総額が十分でないこともあり、機関投資家の投資対象となりにくく、上場後の成長が停滞する、こうした傾向があるというふうに聞いています。
 来年度五十億が予算計上された国際金融都市としてのプレゼンス確立のための資本市場活性化ファンドは、上場前後を通じて企業を継続的に支援をすることで企業価値を飛躍的に高め、機関投資家から大口の投資を呼び込むことにつなげるという点で意義があると考えます。
 この政策目的を実現するためには、目利き力のある運営事業者を選定することが重要だと思います。
 そこで、市場活性化ファンドの運営事業者はどのように選定することを想定しているのか、伺いたいと思います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都の官民連携ファンドの運営事業者の選定は、募集要項を公表後、企業の提案内容について適正調査を実施した上で、法律や会計、投資分野等の専門家を含めた選定委員会で厳正な審査を行うこととしておりまして、本ファンドも同様のプロセスを取ることになります。
 本ファンドでは、応募事業者の経営の健全性や運営体制に加えまして、上場前後をシームレスに支えるというファンドの趣旨の実現可能性を選定における重要な要素といたします。
 具体的には、投資先企業の上場前における成長戦略の策定や、上場後のIR活動支援等の知見を備えるなど、上場前後での異なるステージにおいても継続的に企業を支援できる運営事業者を選定してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。適切に事業者選定が行われるものと期待をしたいと思います。
 日本では、IPO自体は多くても、やはりその後の成長が鈍化するという課題を解決するために、つまり、上場をゴールにしないということだと思います。
 今後は、こうした視点に基づいて、企業価値向上にどのように関与し、どのように成果を目指すのかという点も、しっかり検討を進めていただくよう要望したいと思います。
 次に、八丈島と青ヶ島の観光復興支援について伺います。
 昨年十月、八丈島、青ヶ島を襲った台風二十二号、二十三号は、断水が続き、島民は不自由な暮らしを強いられたほか、農業施設なども損壊するなど甚大な被害を与えました。
 被害に遭った観光地という、そうしたイメージを払拭して、再び島に観光客を呼び戻すまでには相当な時間を要することから、しっかりと都が後押しすることで、本当の意味での復興につなげていく必要があると考えます。
 我が会派も、観光プロモーションの強化などを緊急要望させていただきました。
 そこで、台風二十二号、二十三号が八丈島、青ヶ島の観光産業に与えた影響と現状、そして、都の復興に向けた支援の取組について伺いたいと思います。

○江村観光部長 八丈島と青ヶ島では、昨年十月の台風により、島内全ての温泉施設が一時休業するほか、安全確認ができないため立入りができない観光スポットも多い状況となり、予定していた旅行のキャンセルなど、観光関連事業者に大きな影響を及ぼしました。
 現在でも一部の観光施設等が利用できない状況が続いておりますが、再開も進んでおり、旅行者を受け入れる環境は整ってきております。
 都は、被害を受けた観光施設等の復旧に向け、町村が実施する調査や修繕等に対して助成を行うほか、旅行会社と連携したツアーや宿泊プランの割引、特産品の販売等による観光PRイベントなどを実施して、島への誘客を促進しております。

○福井委員 ありがとうございます。
 観光施設の復旧も進んで、旅行者を受け入れるフェーズに入っていると理解をしました。八丈島、青ヶ島の観光客誘致の支援については、四月以降も継続して実施すると聞いております。ぜひ損失が出た分を埋め合わせるような形で、引き続き、島の誘客に後押しをしっかりと取組をお願いしたいと思います。
 次に、しまぽ通貨による観光振興について伺いたいと思います。
 観光は、関わる産業の裾野が広く、島の経済にも大きな影響を与えます。島の経済が持続的に発展するためには、季節を問わずに観光客を安定的に誘致していくことが欠かせないと考えます。
 都では、宿泊や買物にも利用できる、しまぽ通貨を販売することで、通常よりもお得に島を観光できる機会を提供し、通年で観光客数の増加に向けて取り組んでいると認識をしています。
 しまぽ通貨の取組状況と今後の取組について伺いたいと思います。

○江村観光部長 都は、島しょ地域への誘客と観光消費の促進を目的として、宿泊や飲食等に利用できる三千円のプレミアムのついた宿泊旅行商品券、しまぽ通貨を販売しております。
 今年度は、閑散期も含む安定した集客につなげるため、しまぽ通貨の販売数を八万セットから十二万セットに増やしており、利便性を一層高めるため、島しょの観光協会などと連携して、しまぽ通貨が利用可能な加盟店の増加にも努めております。
 来年度も引き続き、十二万セットのしまぽ通貨を販売し、島しょ地域への誘客を着実に進めてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。
 今年度からしまぽ通貨の販売数を増やしていまして、来年度も、同様の規模により、旅行者の誘致に活用していくと理解をしました。地元の観光協会や店舗とも緊密に連携しながら、有効活用して成果に結びつけていただきたいと思います。
 クルーズ船誘致による島しょ部観光の振興について伺います。
 先日の予算特別委員会において、経済効果なども踏まえて、私は東京都におけるクルーズ船の受入れ体制の強化を訴えました。
 東京の島しょ部地域にも年間を通じてクルーズ船が訪れており、こうした実績をさらに積み上げていくことで安定的な誘客につながると考えます。このためには、クルーズ船の寄港地として東京の島々が選ばれるよう、観光地としての魅力を高めることが重要です。
 そこで、クルーズ船の誘致に向けて、島しょにおける観光面での取組を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○江村観光部長 都はこれまで、島しょ地域へのクルーズ船の誘致を促進するため、豊かな観光資源を生かした体験型アクティビティーの開発に取り組んでまいりました。
 具体的には、八丈島と大島において、酒蔵巡りや着つけ体験、特産品を使った料理の提供等を行う四つのモデルコースを造成し、旅行事業者等が参加するモニターツアーを実施いたしました。
 来年度は、こうした取組も踏まえながら、島しょの観光協会等によるクルーズ船客向けの観光コンテンツの開発等の取組に対し、必要な経費について、二千万円を上限に三分の二を助成する支援を新たに実施いたします。

○福井委員 ありがとうございます。
 クルーズ船を定期的に誘致できるようになれば、島にとっての経済面での恩恵は非常に大きなものとなります。地元の観光協会などがそのメリットを認識し、積極的に誘致に取り組めるよう支援をいただきたいと思います。
 東京の島しょ地域には魅力あふれる観光資源が数多くありますが、都の支援なくして、そのポテンシャルを最大限発揮することは難しいと考えます。都が様々な角度から、島の基幹産業ともいえる観光産業のさらなる活性化に取り組むよう要望して、次のテーマに移ります。
 最後に、雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例の指針について質問いたします。
 国民民主党東京都議団としては、現役世代から豊かにすることを最優先課題と位置づけておりますが、そのためには、今後の東京の社会経済活動が持続的な成長を続けていくことが必要不可欠です。そして、人口の半分を占める女性の活躍がその鍵であることは間違いありません。よって、雇用分野における女性活躍推進は、現役世代支援の最優先取組として東京都に取り組んでいただきたいと考えています。
 議会において、この女性活躍そのものに反対される方はいらっしゃらないと思います。条例案の審議においても、反対された委員からも、実効性の観点や指針の在り方について、多く建設的な意見が出たようにも思います。そうした声もしっかり反映された指針となるよう、議論を重ねていくべきです。
 しかしながら、本会議において、この条例が憲法における内心の自由に反し、憲法違反である、そうした主張がありました。こうした意見に対して、都はしっかりと説明を行うことが必要だと感じています。こうした意見が出る要因としては、無意識の思い込みを解消することが都民の責務であると、誤った情報が流れていることにあるのではないかと思います。
 条例本文をしっかりと読み込んでみますと、都民の責務は、性別による無意識の思い込みについて関心と理解を深めることとあります。これは、東京都が条例において目指すべき方向性を示す際に一般的に使われる表現です。
 例えば、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例においても、同じように、カスタマーハラスメントに係る問題に対する関心と理解を深めることが顧客や就業者の責務とされていますが、これが憲法違反だという議論は一度も聞いたことがありません。
 そこで、無意識の思い込みの解消ではなくて、関心と理解を高めることが条例における都民の責務である点をしっかりと都民に伝えるべきだと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 育児や介護など家庭と仕事との両立支援や、テレワークなど柔軟な働き方を可能とする制度の充実など、女性が活躍できる環境の整備に向けまして、国や都などで様々な取組を進めてまいりました。
 一方で、育児休業の取得率や取得期間は女性が男性を大きく上回るなど、働き方や制度の利用状況にはいまだ男女間で差が生じております。
 こうした背景には、制度や社会情勢など様々なものがあると考えられておりますが、その一つとして、家事や育児は女性がするものだ、男性は仕事をして家計を支えるものだなどの性別に関する無意識の思い込みに影響された言動も影響している可能性がございます。
 女性活躍推進条例では、性別に関する無意識の思い込みに影響された言動が、意図せず他者に不利益を与えるおそれがあることについて、様々な情報を提供し、事業者や都民に関心や理解を深めていただくことで、働く場において女性の可能性が狭められることなく、また、男女ともに働きやすい環境の整備が進められることを目指しております。
 指針案では、こうした条例の考え方を都民や事業者に理解していただけるよう丁寧に説明しております。
 来年度は、条例の理念や内容を分かりやすくまとめた都民向けのポケットブックを製作し、都が実施するイベントや専用ウェブサイトなどを通じて周知を図ってまいります。

○福井委員 ありがとうございます。非常に重要な点だと考えますので、ぜひ誤解を与えぬよう、丁寧な説明をお願いしたいというふうに思います。
 次に、取組の指標について伺いたいと思います。
 この雇用・就業分野における女性活躍条例の効果を測るために、また、事業者にこの条例のメッセージを正しく伝えていくために、事業者の責務は、具体的かつ実現可能なものである必要があります。
 今回の指標においては、女性従業員が四割を下回る場合、業務の特性などにも配慮しながら、女性の採用増に向けた方針を検討するとの指標が示されています。
 そこで、女性従業員率の目安として四割という数字を設定した根拠を伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女雇用機会均等法では、労働者に対し、性別を理由として差別的取扱いをすることを原則禁止しておりますが、第八条において、雇用分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情の改善を目的に行う女性労働者に係る措置、いわゆるポジティブアクションの取組は法に違反しない旨が明記をされております。
 これに基づく国の通達等におきまして、募集、採用につきましては、雇用管理区分または役職ごとに、女性労働者が男性労働者と比較して四割を下回る場合は、採用において女性のみを対象とすることや、女性を有利に取り扱う措置については法違反にならないことが定められております。
 これらを踏まえまして、指針案では、事業者が自社の状況を点検し、必要な取組を検討するきっかけとなるよう、女性比率四割を目安としてお示しをいたしまして、それを下回る場合には、採用及び管理職登用に当たって対応を検討することが必要というふうにお示しをしております。

○福井委員 ありがとうございます。この四割という指標が、法律や国からの通達に準拠したものである、そのように理解をいたしました。
 あわせて、事業者側の視点で考えたときに、納得感のある指標になっているかという視点も必要だと考えます。
 一律四割とすることで、従業員の規模や業種により達成が難しい企業にとって、押しつけ感があり、女性活躍に向けて前向きな取組につながらず、実効性がないのではというような中小企業事業者からの声もあります。
 そこで伺いたいと思います。女性が活躍できる環境整備に向けては、従業員数や業種に配慮するとともに、特に中小企業にとって重い負担とならぬよう取組を進めるべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 事業者によりまして、規模、業種などが異なることから、女性が活躍できる環境の整備に当たりましては、女性社員の比率や年齢構成などそれぞれの状況に応じまして、採用や配属、人材育成など優先的に取り組む事項を定めて、段階的に取り組むことが必要でございます。
 多くの事業者の取組のきっかけとなりますよう、様々な事例を収集し、今後、指針と併せてお示しをしてまいります。
 また、都は、事業者が自社における女性活躍の推進状況を確認し、課題を分析できる女性活躍推進度診断ツールをウェブサイト上で提供をしております。本ツールにおきましては、指針案で示した五つの基礎データを入力し、簡単な質問に回答することで、自社の現状が他社と比べてどの程度進んでいるのか、業種、企業規模ごとに分析することが可能でございます。
 現場の状況に精通している経済団体や業界団体などとも連携をしまして、こうしたツールの活用を含めて事業者に働きかけてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。ツールを活用しながら、各事業者が、自社の状況を客観的に把握できることや、優先度をつけた段階的な取組をするなどの工夫をする、そのように理解をしました。
 この指標の目的は、決して四割そのものを達成することにあるのではなくて、女性従業員率を押し上げることが目的だと思います。一足飛びに四割達成が難しい企業が、例えば従業員規模ごと、業種ごとに平均値以上を目指すなど、現実的な目標を目指せるなど、きめ細やかに目標設定できて、まずはやれるところから進めてもらうような姿勢も大事かなというふうに思います。こうした事業者への配慮を十分に払った指針となるように要望したいというふうに思います。
 最後に、この条例の理念について確認させてください。
 条例案審議の過程より、我が会派は繰り返し訴えてまいりましたが、この条例のゴールは、女性が活躍できる社会のその先にある、性別関係なく活躍できる社会であるべきだと思います。女性が働きやすい社会は、男性にとっても働きやすい社会でもあります。
 性別関係なく活躍できる社会の実現という考え方が指針の中にどのように反映されているか、伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性活躍推進条例は、雇用就業分野におきまして、女性がその個性や能力を発揮できる環境を創出することにより、持続可能で誰もが生き生きと暮らす社会の実現を目指しております。
 条例に基づく指針案では、性別にかかわらず、誰もが働きやすい職場づくりに向けまして、採用や配置、登用などを通じて女性の働く場を拡大すること、短時間勤務やテレワークなど柔軟な働き方を可能とする制度を導入することなどに取り組むように示しております。
 また、様々な事情を抱える就業者が安心して働き続けられるよう、男性も含めた従業員の健康上の課題への対応や、育児や介護など両立支援制度の利用への配慮などを求めております。
 これらの取組が企業において進むことで、性別にかかわらず、誰もが働きやすい職場環境の実現につながるものと考えております。

○福井委員 ありがとうございます。
 私は、この雇用分野において女性の活躍を阻んでいる最大の要因は、やはりテクノロジーの活用による業務効率化や選べる多様な働き方の推進が遅れることで、多くの女性にとって手取り時間が十分でないことや、家庭と仕事の両立に困難を感じていることであるんじゃないか、そのように考えています。
 女性の活躍を促すという目標の下で、誰もが働きやすく、育児や介護と仕事を両立できる社会の実現を強く打ち出すことで、結果として男性の活躍も推進される社会を目指せる条例にしていただきたいと思います。
 今日は、条例の指針のところで、かなり丁寧にご答弁をいただいたというふうに感じましたので、ぜひ都民の皆様にもしっかりとこうしたことを伝えていただくよう要望させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時四十五分休憩

   午後五時五分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 この際、傍聴人の方々に申し上げます。
 傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。
 傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。よろしくお願いいたします。ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 報告事項から、もう端的にお伺いしますので、さくさくと答弁の方も、委員長も仕切りの方、よろしくお願いいたします。
 女性活躍条例です。
 指針案には女性特有の健康課題への配慮が盛り込まれています。生理や更年期、不妊症等の健康課題は、極めてデリケートな個人情報です。事業者がこれらを把握し配慮することを指針で促せば、現場での不適切なヒアリングやプライバシー侵害、ひいては新たなハラスメントを誘発するおそれがあるのではないかと懸念しています。
 相当、事業者や企業によって人権意識の醸成状況は、もう本当に温度差があると思うんですよね。一律で進める拙速さを危惧することから、この問題をどう回避できるのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性特有の健康課題への対応におきましては、従業員に不安や心理的な負担を与えないよう留意することが重要でありますことから、指針案では、制度の運用に当たっては、本人の健康に関するプライバシーに十分配慮することが必要であると説明をしております。
 また、事業者によって体制や業務内容などが異なることから、対応に当たっては、それぞれの実情に応じて、できることから段階的に取り組むことも示しております。

○上田委員 中小企業にとって、こうした個別具体的な健康課題への対応は、新たな人員確保や研修など、指針で軽く掲げるのはいいのですが、極めて重いコスト負担となります。
 配慮が困難であると判断した企業が、リスク回避のため、女性の採用そのものを敬遠する逆差別や雇用抑制を招く懸念について、どう認識し、対策を講じる指針を持っているのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性特有の健康課題への配慮につきましては、様々な事情を抱える就業者が安心して働き続けられるよう、男女ともに働きやすい職場環境整備の一環として取り組んでいただくものと考えております。
 指針案では、企業規模や業務の特性など、事業者がそれぞれの状況に応じて、できることから段階的に取り組んでいただくことを求めております。
 その上で、女性特有の健康課題について事業者に理解を深めていただくため、生理や更年期障害など具体的な例を示しております。

○上田委員 無言のプレッシャーにならないようお願いします。
 私は一貫して、本条例が比較的恵まれた正規雇用の女性に偏る懸念を指摘してきました。指針案が示す取組の目安は、主に企業組織内の人事制度に焦点を当てたものです。
 これが、非正規雇用で明日をも知れぬ生活を送る女性たちに対し、具体的にどのような救済として機能するのか、ご説明ください。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針案は、非正規雇用で働く方や求職中の方も含め、様々な形で仕事をしている女性がそれぞれの個性や能力を発揮できるよう、事業者の主体的な取組を促すものでございます。
 例えば、教育訓練やキャリア形成支援に当たりまして、非正規雇用で働く方について、仕事で必要になる知識などを身につける機会が確保されているか、正社員との間で不合理な待遇差が生じていないかといった視点を示しております。
 今後、事業者が自社の状況に応じて主体的に取り組めるよう、参考となる好事例を示すとともに、指針の内容を分かりやすく解説した啓発資料を制作いたしまして、丁寧に普及啓発を図ってまいります。

○上田委員 その非正規雇用の女性たちの多くは、本指針が対象とするようなキャリア形成以前の安定した就労の保障を求めています。非正規だからこそ権利の主張もできないのが現実ではないでしょうか。
 指針による啓発が、こうした最も困難な層の所得向上や生活安定、首にならないということに直結するという具体的な論理構成をお示しください。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針の案では、非正規雇用で働く方や求職中の方も含めて、様々な形で仕事をしている女性がそれぞれの個性や能力を発揮できるよう、事業者の主体的な取組を促しております。
 例えば、教育訓練やキャリア形成支援に当たりまして、非正規雇用で働く方について、仕事で必要となる知識などを身につける機会が確保されているか、正社員との間で不合理な待遇差が生じていないかといった視点をお示ししております。
 今後、事業者が自社の状況に応じて主体的に取り組めるよう、参考となる好事例を示すとともに、指針の内容を分かりやすく解説した啓発資料を制作しまして、丁寧に普及啓発を図ってまいります。

○上田委員 最も暗いところに光を当てることが全体を明るくする、これは基本のキでございます。お願いします。
 指針には、都の政策目標として様々な指標が挙げられています。就業率や勤続年数、管理職比率などは、景気や社会情勢に左右される変数です。
 令和八年度以降、本条例及び本指針に関連して支出される予算が、条例がなかった場合と比較してどれだけ純粋な効果を上げたかを検証する仕組みは構築されているのか、検討しているのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針案では、働きやすい職場づくりなど三つの政策目標と、両立支援制度の実施状況など進捗を把握するための指標を複数設定しております。
 これらについて、国や都の調査などを活用いたしまして、事業者と従業員双方の状況を定期的に把握して、事業の見直しや重点化、新たなニーズへの対応など、効果的な施策展開につなげていくこととしております。

○上田委員 効果的ということなんですが、産労事業のほかにも生活文化局のウィメンズプラザ、福祉局の女性支援相談事業等、既存事業が実は充実しているんですよね。それらの事業とそれに基づく予算を精査、強化するのではなく、わざわざ指針を新設して新たな啓発事業や委託事業を展開することは、知事のパフォーマンスのための予算の二重計上や税金の無駄遣い、やった感、パフォーマンスにほかならないと私は思うものです。
 とにかく世の批判の多い今回の条例制定において、自信を持って推進できるということをお示しいただきますよう、局長の明確な見解を求めます。

○田中産業労働局長 都ではこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できますよう、様々な施策を総合的に進めてまいりました。
 一方で、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できない状況にあることから、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえ、雇用就業分野における具体的な取組を強化するためということで、先般、多くの都議会議員の皆様のご理解を賜りまして女性活躍推進条例を制定することができました。
 指針は、本条例第九条に基づき策定するものでございまして、今後、この指針を踏まえ、女性が活躍できる環境整備に事業者が主体的に取り組んでいけますよう、既存の事業も含めて様々な施策を展開し、都としてしっかりと後押ししてまいります。

○上田委員 局長自ら、女性活躍のためであると自信を持ってお答えいただきました。
 令和八年度におきましては、数億かけて女性活躍の輪なんていうイベントをやって、来ているのは、知事、勝ち組の区長、あとは勝ち組の女性経営者。ほっといたって食べていける人ばっかり呼んで。
 イベントなんてやらないで、その億のお金、数千万のお金を必ず、この事業じゃない、条例じゃなくていいので、ほかの女性支援に産労の方は使っていただきますよう強く求めるところでございます。
 第五次東京都食育推進計画案でございます。
 この達成状況を見ると、朝食欠食率や共食の頻度など、本当に改善が見られないということです。むしろ悪化しているということがあります。
 目標未達成となった項目について、コロナ禍などの外部要因以外に、都の施策自体の何が不足していたかという、五次計画策定に当たりまして実施されたと思うので、自己検証の結果、所見を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第四次東京都食育推進計画では、食育に対する認知度や理解の向上など、意識面で成果が見られた一方、朝食欠食率やバランスのよい食生活の実践など、行動や実践の広がりに関連する項目については課題がございました。
 単身、共働き世帯の増加などライフスタイルの多様化を踏まえ、第五次計画案では、都民一人一人が自分に合った形で取り入れ、実践できるよう、事業者や関係団体と連携し、行動を後押しする環境づくりを重視しております。

○上田委員 五次計画で掲げた若い世代の朝食欠食率などの目標値について、主に啓発、デジタル発信などで達成可能と算定していますが、ちょっと難しそうなので、その根拠に基づく達成想定を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国の調査によりますと、若い世代では、SNSの利用率が九割を超えており、また、情報源としての重要度もインターネットが最も高くなっております。
 このため、第五次計画案では、デジタルコンテンツを効果的に活用することで食に係る知識や関心を高め、無理なく栄養バランスの取れた食事など実践につながる環境づくりを進め、改善につなげてまいります。

○上田委員 学校以外の食育、これは本当に大切だと思います。私も子供食堂をやっていますので、大切だと思うんですけれども、共食場の提供を掲げていますが、子供の食育を本計画で、学校以外で、どこまでのこれまでの何が効果を奏してきて、どの範囲で行おうとしているのか、食育の基盤はどう考えているのか、都の考え方をまず伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 食育基本法では、家庭や学校に加え、地域など社会のあらゆる分野で食育を推進することとされており、地域での取組は、実情に応じて様々な担い手により展開されているものと認識しております。
 このため、都は、区市町村等と連携し、農業体験や調理体験など体験機会の充実や、子育て世帯への食に関する情報提供、民間団体の食育活動の支援等を通じて、地域における食育を推進しております。

○上田委員 もちろん朝食の欠食率は本当の課題となっていることであり、私も憂慮するところです。
 それがゆえに、子供の学校生活や家庭環境を把握している学校現場で対応することが最も合理的かつ現実的と考えますが、現在の連携状況や今後の検討など、所見を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都はこれまでも、生産者等を講師とする出前授業への支援など、学校における食育活動の充実を図っております。
 学校では、早起き、早寝や朝食を食べることなどの基本的な生活習慣の大切さを伝える教材や、食育便り等を保護者に配布するなど、家庭での食育を支援しております。
 今後も、関係局、区市町村、食育活動団体などで構成する食育推進協議会等におきまして、施策の進捗状況や具体的な取組について情報を共有するとともに、引き続き連携して取り組んでまいります。

○上田委員 次に、高齢者です。
 フレイル、サルコペニア予防に向けた食生活指針の普及が盛り込まれていますが、独居高齢者にとって、何を食べるか以上に、誰と食べるかという意欲の維持が課題です。既存のシルバーパスを活用した外食支援や、地域の憩いの場や、区市町村が実施している高齢者カルチャーセンター事業、かかりつけ医との連携など、局と自治体を越えた合理的施策の検討状況を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第五次計画案では、高齢者など大人の食育を推進し、フレイルの予防につなげることで心身の健康の維持向上を図るため、家庭のほか地域など、日常生活の様々な場面を通じて食の大切さを理解し、健全な食習慣の実践を促す取組を進めていくこととしております。
 具体的には、区市町村との連携により、高齢者への普及啓発につながるよう、バランスの取れた献立の選び方やフレイル予防のポイントをまとめたパンフレット等の配布、歯科医師や栄養士等関係職種を対象とした食育支援のための講習会の実施などの取組を進めてまいります。

○上田委員 次は、若い世代、いわゆる簡便志向の世代なんですけれども、食育というか食に関する意識を高めるためには、この層には環境整備をどうやってやっているのか、所見を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、レシピ動画などデジタルコンテンツの発信や、食事記録など食育を支援するアプリの紹介など、既存ツールを活用した食育を推進するとともに、事業者と連携した栄養バランスや減塩に配慮したメニューの提供など、効果的、効率的な取組を行っております。
 来年度は、多くの来場者があるイベントでバーチャル収穫体験を実施するなど、デジタルを活用した体験機会の充実を図ることとしております。

○上田委員 なかなか簡便世代は忙しいと思うので、実効性のあるものを期待します。
 食品ロスの削減なんですけれども、単なる協力依頼にとどまらず、事業者が動くための具体的インセンティブを強化することでも効果が出ると考えますが、いかがでしょうか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第五次計画案では、持続可能な食を支える食育の一つとして、食品ロス削減に向けた行動と連携を推進することとしております。
 具体的な取組といたしまして、都内の食品ロスの多くを占めている飲食店舗における食べ残しを削減するため、事業者や自治体と連携し、食べ切りや、やむを得ず出てしまった食べ残しの持ち帰りを促進することなどを掲げております。

○上田委員 これ、各種取組で連携を図っていただきたいと思います。
 エシカル消費です。
 オーガニックとか無農薬といった高価な食品を買うだけがエシカルではないと思います。家庭での備蓄、ローリングストックや、最近は区市町村も熱心に取り組んでいるフードドライブとの連動など、都民の家計負担を増やさずにウエルビーイングを高める身近な合理的食育の在り方を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第五次計画案では、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の実践を促すことを目指しております。
 日常生活の中で取り組みやすいものとして、フードドライブ等のイベントの機会を捉えた食品ロス削減の啓発活動や、災害時を見据えた家庭でのローリングストックの普及の推進等を図っていくこととしております。

○上田委員 あと、ウエルビーイングは出たのですが、それが地産地消とつなげていくということであります。
 私の江戸川は、コマツナが取れまして、給食体験とか、実際、畑に行って取ったりとかして、大変親しまれております。しかし、江戸川のコマツナは人気があって、ほとんど市場はデパ地下とか一流店に行っちゃって、手に取ることが江戸川区民はめったにないという、ありがたい、逆に功罪もあるぐらいです。
 都も、この東京産の食材の振興と地産地消には相当力を入れていると認識していますが、これまでの取組による具体的な成果、実績をご報告ください。
 また、今後の計画において、地産地消の推進による食育が都民のウエルビーイング向上にどう寄与すると期待しているのか、見解を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、東京産農産物の学校給食での活用促進や、区市町村等が実施する地域特産品のブランド化やマルシェ等の取組支援などを行っており、前回計画策定時と比べ、東京産食材の成人での認知度は一二ポイント、東京産食材の購入意向は一五ポイント向上いたしました。
 地産地消の推進により、新鮮で顔の見える安全な食材を味わうことに加えまして、生産者や地域に貢献し、豊かさを実感することで、都民一人一人のウエルビーイングの向上にもつながるものと考えてございます。

○上田委員 そうした取組の中、コスト適正化の観点から、東京都食育フェアやガイドブック作成など啓発事業について、その費用対効果をどう評価しているのか、これまでの計画を通した所見を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 今年度、東京都食育フェアにつきましては、約三万人の来場があり、幅広い層へ効果的に働きかける機会となっているほか、参加した食育に取り組む五十団体間でネットワークが形成され、それぞれの活動を広げるきっかけにもなっております。
 また、東京産食材使用店ガイドブックは、英語版も含め約七万部の作成、配布に加え、ウェブでは年間約五万人が閲覧しており、都民や国内外からの来訪者による東京産食材の消費拡大につなげております。
 なお、令和七年度予算には、東京都食育フェアは約一千五百万円、ガイドブックは約三千万円を計上しております。
 引き続き、対象や内容に応じて適切に手法を選択し、効果的な情報発信に取り組んでまいります。

○上田委員 で、一番やっぱりキーになるのは、どう無関心層、課題解決が必要な層を巻き込んで解決していくのかということだと思います。
 局はどのような姿勢で臨むのか、これまでの計画の継続に終わらせず、これまで以上の成果を出すための五次計画策定に向けての意気込みを踏まえた、断固たる決意に基づく所見を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第五次計画案では、食育に関心を持ち、具体的な行動を実践する都民を増やしていくことを目指しております。
 このため、東京味わいフェスタなど、無関心層を含め多くの都民が来場するイベントを活用した普及啓発など、これまでの取組を踏まえながら、体験機会の拡充や、地域や民間団体等が行う多様な活動への支援など、行動につなげやすい環境づくりを進めてまいります。
 今後も、食育活動団体、区市町村、企業など様々な関係者と連携協力し、都民一人一人が考え、選び、行動できる食育を推進してまいります。

○上田委員 これで報告事項の方は終わります。
 改めて計画を見ると、いい取組もたくさんありまして、私、実は栄養科中退でありまして、大変関心深く読みましたので、計画を立てて終わりではないので、付随する事業は、たくさん産労もありますし、ほかの局とのもあると思うので、ぜひ計画どおりに、さらに健康な都民生活のウエルビーイングに貢献していただきたいというふうに思います。
 それでは、予算の調査の方に入らせていただきます。
 決算、そして一般質問でもさせていただきましたEV車の充電設備普及促進事業でございます。委員の皆様には机上に、週刊ポストで私の質問の方が本当に詳しく載っているところでございます。
 本事業において、特定の事業者が、連結対象外の別会社、SPCを介し、実質的な自己取引による補助金の水増し申請を行った疑いを指摘させていただきました。
 ミライズエネチェンジは、ぜひ詳細は、やっぱりプロが書いているポストさんの記事は分かりやすいので……(「週刊ポストに断ってるの」と呼ぶ者あり)大丈夫です。ありがとうございます。むしろ喜んでいました。
 ミライズエネチェンジ社は、中部電力の中核企業である中部電力ミライズ株式会社が五一%、東証グロース上場企業であるENECHANGE株式会社が四九%を出資する合弁会社です。同社グループは、充電機器販売会社であるEVラボ及び補助金申請主体となるSPCが存在します。EVラボはミライズエネチェンジが九五%出資する子会社であり、SPCはミライズエネチェンジが一〇〇%出資する子会社であるため、いずれも同社の連結対象会社です。
 問題の構造は、EVラボとSPCがこのように同一グループの資本支配及び連結関係にあるにもかかわらず、補助金申請上は、独立した第三者間取引であるように扱われている点であります。
 補助金は設備の取得価格を基礎として算定されるため、実質的な自己取引を第三者取引の形に見せかけることが可能になれば、利益排除規定の趣旨を潜脱し、水増しされた価格を基礎に補助金額が膨らむ構造が生じますことから、私は、この新スキームの危険性を指摘しておりました。
 恐らく、東京都へも、そして、このミライズエネチェンジ社へも、公益通報が去年の夏には、七月には行っていたことと思います。
 要求資料27によれば、年々件数は増え、令和八年一月末時点で交付決定件数は−−この事業全体ですよ、同社の話じゃないです、千五百八十九件とのことですが、事業者数、設置台数について、まずお伺いします。

○米澤産業・エネルギー政策部長 事業者向けの充電設備普及促進事業のこれまでの実績は、令和八年一月末時点で、事業者数は延べ五百二十五者、設置台数は二千六百八十八台となってございます。

○上田委員 事業としては、順調に台数は増やしていると評価ができると思います。延べ五百一者で、設置台数は二千七十二台、充電器一台当たりの補助金交付額の平均は一台百九十万円ということですから、通算、今まで四十億円。殊に令和六年度から七年にかけては倍近くに増えています。
 EV充電インフラ整備は国の脱炭素政策の重要な柱ですが、もし補助金制度が特定企業グループの利益確保の手段として利用されているのであれば、政策全体の信頼性に関わる重大な問題です。企業側だけではなく、制度設計及び執行体制を含めた調査と検証が必要と考えてきました。
 都は、その後、当該事業者及び関連する全ての申請案件に対し、どのような詳細調査を重ねて行ったのか、また、現時点で不正または不適切な申請と認定し、交付決定の取消しや既払い金の返還請求を行った実績はあるのか、重大な関心を寄せておりますことから、細かく確認させてください。
 予算特別委員会も配布しました、この二月六日発売の週刊ポストにおいて、当該SPCの申請スキームに関する報道がありました。当該報道を受けて、都として、当該SPCまたは関係各社に対し、事実確認や説明を求めるなど、当該案件の審査の進行状況に変更はありましたか。具体的な経緯、時期及び判断主体をご教示ください。個別の事案には答えられないというのであれば、一般論としてお答えください。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請における個別の案件についてはお答えできませんが、本事業の交付要綱では、審査の過程におきまして、書類審査に加え、必要に応じて現地調査等を実施することで厳格な審査を行うこととしてございます。

○上田委員 現地調査を実施してくださるということです。
 当該申請について、最終的に交付申請は行われたのでしょうか。行っていない場合、却下、取下げ、審査中止、保留等のいずれの処理を行ったのか、ご教示ください。既処理を行った場合、その判断理由及び根拠規定をお示しください。
 これは、個別の事例では答えられないという質の話ではないと思うんですよね。不正請求が行われる事案について支払いの有無などの対応については、公金の毀損に関わる非常に重要なことですので、理由のいかんは問いませんので、事実の明示をお願いします。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請におけます個別の案件についてはお答えいたしかねます。

○上田委員 払っていないんだろうなというふうには思っております。
 二〇二四年以前の当該SPCによる申請は、申請主体であるSPCがEVラボを含む関係会社から資材を調達し、工事を外部企業に発注する構造となっていたのか、この構造については、都は実質的な供給者及び価格決定過程を確認したのでしょうか。
 また、EVラボ自身の資材調達価格や原価構成において、都に資料提出はあったのでしょうか。
 個別の事案には答えられないというのであれば、申請受付後、外部発注構造や資材調達価格や原価構成について確認をしているのか、一般論としてお答えください。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請における個別の案件につきましてはお答えできませんが、本事業の交付要綱では、助成対象経費に関する審査におきまして、契約書や見積書などの提出を求めた上で、書類審査に加え、必要に応じて現地調査等を実施することとしてございます。

○上田委員 確認をやはりされていると。
 二〇二四年に、利益排除の対象に連結対象企業からの調達を含めることとした。これは本当に、都はすばらしいんですよ。
 この制度改正の趣旨及び背景をご説明ください。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金が内部利益に転用されることを防ぎ、公的資金の適正な使用を確保する利益等排除の趣旨を踏まえまして、令和六年度から、連結決算に含まれる子会社も対象とすることといたしまして、手引においても明記し、公表してございます。

○上田委員 公金チューチューの臭いを嗅ぎつけたと。
 二〇二四年に当該SPCに対し、利益排除に該当する可能性を理由として、申請内容の修正または既払い分の返還を求めた事実はありましょうか。指導を行った場合、当該SPCは修正または返還に応じたのでしょうか。
 これは個別の事案ではなくて、何度もいいます、本来支払い要件を満たさない事業者へ支出したとすれば、これも公金の毀損となっちゃいますことから、事実を教えていただければ幸いです。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請におけます個別の案件につきましてはお答えできませんが、関係会社からの調達があったものにつきましては、利益等排除のルールを適用することで適切な事業執行となるよう対応してございます。

○上田委員 同じく二〇二四年八月以降、当該SPCからの申請はありましたか。ある場合、件数及び申請総額をご教示ください。
 こちらについても、同条件の支出は許されませんことから、確認をさせていただきます。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請におけます個別の案件につきましては、お答えいたしかねます。

○上田委員 資材の調達先、機器メーカー、型番、仕様、単価等に変更があるかどうか、同一資材、同一価格で仕入先のみ変更されているとなると、トンネルスキームを回避する隠蔽工作となり、書類上は問題ないということを危惧しているわけですよ、実際、それでもらえてしまうのではないかと。
 都として実質的取引関係を確認する手続を行っていたのかも、ちょっと確認させてください。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請におけます個別の案件につきましては、お答えできません。

○上田委員 今後は、仕入先が変わって、またトンネルを見落とさないように、しっかりとしたチェックをしていただきたいと思います。
 現在審査中の案件について、関係会社間取引の該当性及び実質的供給者の確認はどの段階で行われているのでしょうか。また、申請者が第三者を介在させて取引を行っている場合、その事実的関係を確認するための具体的な審査方法はどうされているのでしょうか。助成対象経費の妥当性確認に当たり、資材の仕入先、仕入価格、役員の兼任、資本関係等などを、範囲をどこまで確認しているのでしょうか。一般論としてご説明ください。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請におけます個別の案件につきましてはお答えできませんが、交付要綱におきましては、設備購入費、設備工事費等の中に自社または資本関係等にある会社からの調達分がある場合には、利益等排除を行うルールを設けてございます。
 また、交付要綱に基づきまして、助成対象経費に関する審査において、書類審査に加え、必要に応じて現地調査等を実施してございます。

○上田委員 この質問の最後になりますけれども、都民生活に直結する充電インフラを整備し、EV利用の利便性を飛躍的に高めることでクリーンな都市の実現を目指すという崇高な目的があり、予算づけがされているわけです。これまでも四十億円執行されてきました。その貴重な税金を食い物にする補助金ありきビジネススキーム事業者を市場から淘汰しなければならないんですね。
 都が設定した厳しい利益排除ルールは高く評価し、国に先駆けて、そのかじ取りを今後していっていただくことを期待するものです。これは、二匹目のドジョウを−−この事業だけじゃないんですよ、あらゆる補助金事業で東京都は厳しいと思わせることが大事なんですよね。これを許さないための、今般の事案を受けて体制強化を求めるものです。
 不正または不適切な取引が確認された場合の告発基準、公表基準及び今後の申請資格停止基準を改めてご教示ください。
 この基準に基づいて、過去に告発、公表、申請資格停止等の措置を講じた実績はあるのか、都のチェック機能が機能をしているのか、改めて確認させていただきます。

○米澤産業・エネルギー政策部長 補助金申請につきましては厳格な審査を行っておりまして、不正行為等が確認できた場合、本事業の交付要綱に基づき、事業者名や不正の内容を公表するとともに、当該事業者からの申請について、一定期間、受付を拒否することができることとしてございます。
 なお、本事業におきまして、これまで不正事案として公表や受付の拒否を行った事例はございません。

○上田委員 取り急ぎ、産労局の全ての補助金事業については、このような厳しい姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 次に、八丈島、青ヶ島支援です。
 昨年の十一月三十日と十二月一日、被災地の八丈島を視察しました。島民の皆様から直接来てくださいと声が届きまして、悲痛な声、そして目の当たりにした状況は今も忘れられません。
 あしたば加工工場、うみかぜ椎茸大竜ファーム、くさやの長田商店を訪ね、お話を伺いました、この前も話しましたが。皆様、コロナ禍を乗り越えた矢先の災害で、甚大な被害を受け、厳しい状況に直面されていました。
 八丈ビューホテルの宮代支配人が、行政の想定を超えて、自ら無償で避難所として施設を開放され、被災者や支援者の方々を献身的に支えられた事実は、都民の自助、共助のたまものでありました。
 八丈島の皆様は、伝統的な食文化を未来へ紡ぎ、島の雇用と地域経済を支える、いわば地域の生命線の、私が会った皆様はキーパーソンでありました。
 都においては、支庁を通じて現地の状況を逐一把握されているものと拝察しますが、島民の皆様が歯を食いしばって再建に挑む状況に対し、昨年十二月には支援に係る補正予算を計上したことは評価するものでございます。
 昨年の質疑によって、被災地のニーズはフェーズごとに変化するため、一過性の支援では到底解決できないと指摘いたしました。
 これに対し、都は、迅速な把握と補正予算による対応を講じてきたということですが、昨年の補正予算による支援を経て、復興、復旧に向けた準備を進めるため実施してきた事業の評価、まだ残る課題をご説明の上、新年度予算をどのような積算根拠と島民需要をもって編成したのか、伺います。

○阿部総務部長 都は、台風被害が発生した八丈島、青ヶ島の一日も早い復旧、復興に向けまして、補正予算も活用しながら早期の支援を実施してまいりました。
 また、その支援策が多くの事業者の皆様に活用いただけますよう、町村等とも連携して、事業説明会や個別相談会を現地で開催するなど、申請手続が円滑に進むよう、対象者の方々への丁寧な説明を行っております。
 一方で、建物、設備等に甚大な被害を受けた事業者の方も確認されまして、復旧には相当の期間を要するものもあると見込まれますことから、来年度も継続して支援する必要があるため、繰越明許費を活用し、取組を着実に推進してまいります。

○上田委員 被災地共有の課題なんですけれども、手続の簡便化をお願いしていました。皆さん大変なのでね。様々な支援に関して問合せはどのぐらいあって、どのように対応し、丁寧な説明をするということだったのですが、そういったことから一歩進んで、より確実に申請につなげるための改善が進んだのか。一般の補助金申請とは違って、被災して傷つかれ疲弊している島民の皆様に対して一辺倒な接遇となっていないかも含めて確認させてください。

○阿部総務部長 支援策を多くの事業者の方々に活用いただけますよう、町村や関係機関と連携して、事業説明会や個別相談会を現地で開催するなど、申請手続が円滑に進むよう、対象者へ寄り添ったきめ細かなサポートを実施しております。
 加えて、提出書類の簡略化を行うなど、申請者の事務負担を軽減するための取組も行ってございます。

○上田委員 島は人的リソースが足りないので、よろしくお願いいたします。
 目玉となります地域企業再建支援事業でございます。
 これ、今、手続が間に合わないので続けてほしいという事業者もあると思います。この事業はまだまだ需要があると思われますが、現状分析と検討も−−今後続けるかどうか検討されているので、現時点の方向性をお示しいただければと思います。

○福田商工部長 都は、島内の中小企業者に対しまして、被災した建物や設備などの復旧、復興に必要となる経費を助成しており、昨年十二月の補正予算成立以降、現地に職員を派遣し、地元自治体や商工会とも連携し、事業説明会や個別相談会を開催するほか、個別に訪問するなど、二百を超える事業者等へ周知を行い、現在も多くの相談を受け付けております。
 こうした状況も踏まえ、来年度も支援を継続するため、繰越明許費を活用し、着実に取組を進めてまいります。

○上田委員 ちょっと災害規模が算定できない、工事業者が見つからないということで申請が間に合わないということで、その延長は大変ありがたいことだと思います。
 一応、百四十事業者を想定していたということです、この事業の対象者を。この百四十事業者のうち、実際にこの申請に至った件数、業種及び交付決定に至った総額は幾らでしょうか。当初の積算と実際の申請状況に乖離は生じていないか、現時点で分かる範囲で構いませんので確認いたします。

○福田商工部長 二月末時点における申請件数は十三件、申請額は約七千万円であり、建設業、運送業、卸売業、小売業、宿泊業、サービス業などを営む事業者などからの申請をいただいております。
 また、交付決定件数は六件、交付決定額は約三百万円でございます。
 来年度も支援を継続するため、繰越明許費を活用し、着実に取組を進めてまいります。

○上田委員 そうですね。被害想定額、都は二十二億と積算されていたので、それが少なくとも全部消化するまでお願いしたいと思います。
 また、農業と加工、販売が一体になった循環型農業に取り組む企業など、多様な業態が混在する島しょの実情に照らし、実際に対象外と判断された事例や活用を断念したケースはなかったか、柔軟な運用についても伺わせていただきます。

○福田商工部長 加工業や販売業を行う農林水産関連の中小企業等が実施する施設や設備復旧に要する経費について、補助対象外とした事例はございません。
 引き続き、島しょの実情等を踏まえた支援を実施してまいります。

○上田委員 まだ予算消化していないようなので、引き続きお願いいたします。
 同じく、私、去年の一般質問で、八丈島の台風災害廃棄伐採木の現地活用を提案していました。現在、八丈島では、既に民間事業者によるオーストラリア製の高性能チッパーやバイオマスボイラーが導入され、島の未利用資源をエネルギー化する体制が稼働しています。年間燃料代を約一千万円削減し、一〇〇%地産エネルギーを実現しています。
 クール・ネットの地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業に該当する事業である一方、被災事業者として地域企業再建支援事業も活用したいとすると、今の都の運用では重複申請はかなわない状況です。通常であれば当然の規制であります。さっきは、EVについてはうるさく私いっておりましたけれども、これはちょっと話が別です。
 台風被害という未曽有の状況におきまして、産労の再建支援事業の第二募集を引き続きやっていただき、さらに、厳密な審査の上、これは環境局なんですけれども、再エネ導入事業との併用を可とする、こちらも柔軟な運用の検討を、この八丈島、青ヶ島台風災害を契機に検討をちょっと求めておきます。
 次に、地域企業再建緊急特別雇用支援事業です。
 これについても百二十事業者を想定しまして、実際にどのような申請状況がありましたか。また、本土から島に戻り再就職する際の交通費支援などの需要は確実にあったか。事業の状況を現時点で確認させていただきます。

○新田雇用就業部長 都は、台風で建物等に被害を受けた事業者に対し、早期かつ安定的な事業の立ち上げを支援するため、給料等相当額の一部を補助する取組を行っており、昨年十二月の補正予算成立以降、現地に職員を派遣し、地元自治体や商工会と連携して、事業説明会や個別説明会を開催するほか、島内事業者への訪問や電話を通じ、二百を超える事業者に事業の周知を図ってまいりました。
 今月十三日時点における本補助金の申請件数は四十五件で、支給対象となる従業員数は約五百人であります。加えて、申請に向けた相談を三十件程度受けている状況でございます。
 また、仕事を辞めて島を離れた従業員が島に戻り再就職する場合の交通費についても補助の対象になることを事業説明会等の場で周知しております。
 なお、申請内容の詳細につきましては、現在審査中でございます。

○上田委員 こちらについても、まだまだご利用が幅があるというところでございまして、活用いただくようお願いいたします。
 この事業の最大の目的は、災害による事業中断に伴う雇用の流出を防ぐことにあります。この事業を通じて離職防止や早期の事業再建に効果があったのか、現時点の評価と、補助期間終了後の雇用維持の状況や、やっぱりこれ、継続的な雇用安定策の必要性を感じるんですけれども、見解を伺います。

○新田雇用就業部長 本補助金では、宿泊業や飲食業をはじめ、建設業、製造業、小売業など様々な事業者から申請があり、従業員の離職防止と事業者の早期かつ安定的な事業の立ち上げに寄与しているものと認識しています。
 都では、事業者の復旧、復興に向け様々な支援を行っており、従業員の雇用維持に向けては、国の雇用調整助成金制度も案内しております。

○上田委員 これ、継続支援の方をお願いしたいと思います。
 次は観光復興支援事業です。
 台風被害により減少した八丈島、青ヶ島への旅行者回復に向け、旅行割引キャンペーンや観光施設の復旧支援として二億円、補正予算が計上されています。
 前回答弁で被害が報告された温泉施設やサウナ施設、玉石垣などの観光施設について、補正予算を活用した原状復旧の進捗状況を伺います。当初六件程度の復旧規模を積算されていましたが、現時点で全ての施設が旅行者を迎えられている状況にまで回復しているのでしょうか。

○江村観光部長 観光施設等の復旧に向けた支援については、町村が実施する調査や修繕などを対象としており、現時点で八丈町から申請のあった休憩施設の修繕や倒木の撤去など三件の助成を行っております。
 八丈町や青ヶ島村では観光施設等の復旧状況などを公表しており、観光施設等の利用の再開が進んでおりますが、一部では現在も利用できない状況が続いております。

○上田委員 確かに、被災地じゃなくて、もう直っているところもあるから来てねと、ホームページでPRしていることは私も承知をしているところでございます。
 あわせて、開始された観光キャンペーンの手応えについて伺います。
 旅行割引の利用状況や宿泊予約の推移など、現時点の速報値でどんなふうに改善というか盛り返しているのか、確認させてください。

○江村観光部長 都は、八丈島と青ヶ島への誘客を促進するため、旅行会社と連携したツアーや宿泊プランの割引などを行う観光復興キャンペーンを三月二日から開始いたしました。
 八丈島への割引クーポンつきの旅行商品につきましては、現時点で販売中のもののうち約七割が購入されており、都庁展望室で実施した観光PRイベントについては、七日間の開催で約二千七百人の来訪がございました。

○上田委員 特に、島内の宿泊業者や観光事業者からは、今回のキャンペーンの内容や実施時期についてどのような評価が得られているのか。一時的な誘客にとどまらず、都も頑張っていますけどね、令和八年度以降も持続的な観光需要を確保し、被災前の活気を取り戻すために、今回のキャンペーンで得られた知見を今後の観光施策にどう生かしていくのか。継続支援についても、観光産業は島しょの命綱でありますことからも、予算額を含めた具体的な説明をお願いいたします。

○江村観光部長 今回の観光復興キャンペーンの実施に当たりましては、事前に町村や観光協会などの意見を聞き取り、効果的な誘客につながる仕組みづくりを行ってまいりました。
 三月二日の取組開始後、観光協会や宿泊事業者からは、多くの問合せや予約が入っているとの声をいただいております。
 このキャンペーンは来年度も継続して実施することとしておりまして、引き続き、島の観光産業の復興を図るため、八丈町や青ヶ島村、観光協会と連携して取組を進めてまいります。

○上田委員 やっぱり、このプロモーション費用はどこに委託しているのかということもちょっと気になっておりまして、大手代理店にまた持っていかれないで、島に落ちるような形でのこういった観光キャンペーンをお願いしたいと思います。
 農地と農業用の災害の復旧でございます。
 計上された二億円の予算に対し、現時点で復旧が完成した箇所、現在も工事が継続している箇所、内地からの職人の確保や資材の円滑な調達は順調に進んでいますか。確認させてください。

○榎園農林水産部長 農地の復旧工事については、現在、工事着手した地区はございませんが、継続的に地元自治体を通じて農地所有者の意向を確認してございます。
 農業用施設の復旧工事については、三か所は、島民により自主的な応急復旧が実施されました。そのほか、一か所については、応急的な復旧工事が完了しており、今後、本格的な復旧工事に向けて地権者と調整していきます。なお、未着手の一か所については、より広域的な砂防ダム等の整備計画の中に含まれる予定となってございます。

○上田委員 私も現場を見てきましたが、かなりの土砂が流れているところ、フェニックスロベレニーの倒木も確認させていただきました。その優先順位は役所が決めないで、現地の需要に即した早期復旧と農業の持続的発展に向けた、今後の具体的な継続支援の拡充策を伺いたいと思います。

○榎園農林水産部長 都は、被災直後から、普及指導員や研究員が農家を巡回し、農作物の回復に向けたアドバイス等を継続的に行っています。
 ハウスの復旧に必要な資材等に関する補助については、既に百三戸からの申請を受け付けてございます。
 来年度も引き続き支援を行うこととしてございます。

○上田委員 災害復旧資金融資の利子補給ですが、今回の八丈島、青ヶ島での被災を受けた事業者において、実際にこの制度の申請、利用はなされているのでしょうか。被災地という特殊事情を踏まえ、現在、何件の利用があって経営再建に寄与しているのか、八丈、青ヶ島に特化して現状を確認します。
 あわせて、融資を受けた事業者が返済を完遂し、自立できるよう、人材リソースの少ない島の事情に合わせた専門家派遣など、具体的な今後の支援強化策を伺います。

○原金融部長 令和七年度に発生した台風第二十二号、第二十三号による災害復旧資金融資につきまして、現時点で把握している利子補給の対象となる融資実績は五件です。
 資金使途としましては、例えば被災した建物、設備の修繕や事業の再建に要する運転資金があり、復旧、経営改善に向けた資金繰りの下支えとして本融資が活用されております。
 また、都は、中小企業へ専門家を派遣し、金融機関と連携して経営支援機関につないでいます。本事業を活用し、被災後の資金繰りや経営改善、事業再生など様々な経営課題を抱える中小企業を支援することとしております。

○上田委員 我々、本土では何不自由なく暮らしているんですけれども、同じ東京都で、島しょで大変な状況にあるということで、皆様のリソース、資源、予算も含めて、これはもう徹底的に、もちろん他県の被災地支援も大切ですけれども、東京都ですから、選択と集中をお願いしたいと思います。
 それでは、産労の事業について伺います。
 中小受託事業者への支援でございますけれども、資料にもありますが、コロナ以前に比べて企業訪問数が減っておりまして、戻っていないことが読み取れます。苦情の紛争処理相談、調停も、東京の下請事業者から考えますと少なく感じます。
 都のこの事業が有効に活用されていないのか、ほかにも商工会議所や法人会なども類似の対応もしていると思料しているので、必要性と評価について伺います。

○福田商工部長 都は、中小受託事業者の経営の安定を図るため、発注企業と受注企業を巡回し、取引情報の収集と提供をしております。
 企業巡回数は、コロナ禍の影響などによりまして、取引情報の提供手法がオンラインの活用など多様化したことで減少しておりますが、引き続き、訪問のニーズもあることから、きめ細かく巡回を行っております。
 また、東京都受託取引適正化センターは、国が全国の都道府県四十八か所に設置した機関の一つであり、商工会議所などと連携しながら適正な取引を推進しております。
 法務大臣の認証を受けた受託取引の苦情紛争処理に関する調停機関は、同センターを含めまして全国で二機関のみでございます。都の相談、調停件数は、全国と同様に横ばいで推移しており、適切に運営されております。

○上田委員 次は次世代アントレプレナー育成プログラムです。
 ビジネスコンテストの参加者数は、平成二十八年度の一千名から令和七年度には四千四百十八名に増加、コミュニティ事業参加者は、令和六年度七百九名、令和七年度は一千七百二十一名に増加しております。
 この参加者数の推移を踏まえた事業の効果や若手起業家の発掘状況、活動内容や起業同期との交流、アイデアブラッシュアップの支援体制について、具体的にご報告ください。

○大川商工施策担当部長 都は、将来の東京の産業の活性化に向け、意欲的な若手起業家を発掘する国内最大級のビジネスプランコンテストを実施しておりまして、今年度は過去最多の四千四百十八名の応募がありました。
 選考に進んだ三十名に対して、創業支援の専門家や先輩起業家により、事業計画の磨き上げ等の具体的な助言等を行うほか、起業に関心を持つ若者等を対象としたワークショップや交流イベント等を開催するなど、起業機運を一層高めました。

○上田委員 そのコンテストで抜てきされた優秀な若手起業家に対する育成メニューの内容や実施状況及び育成を受けた起業家の起業成功率や法人設立事業資金の交付実績とその審査基準、交付後のフォローアップ体制について伺います。
 成果発信事業における受賞者の起業後の状況把握方法や、ホームページ、動画、電車内広告等を活用した成功事例の普及啓発の具体的な取組と効果について伺います。

○大川商工施策担当部長 コンテストの選考に進んだ三十名に対しまして、事業計画の磨き上げ等の具体的な助言を行うとともに、コンテスト後もアクセラレーションプログラムを提供するなど、起業に向けた継続的なサポートを行っております。
 また、選考から翌々年度までに東京で法人を設立した場合に百万円を助成しておりまして、対象者百五十一社のうち、これまでに七十八社を支援し、その割合は五一・七%でございます。支援対象の選定に当たっては、公募により適正な審査を経て決定しておりまして、具体的な審査基準は募集要項等で定めております。
 開業後も、TOKYO創業ステーションにおける事業展開や資金調達に関する相談対応をはじめ、事業の拡大に向けた様々なステージにおいて支援を実施しております。
 成果発信事業におきましては、直近のコンテストを契機に起業をした若者たちに対して、事業成果のPRへの協力を依頼いたしました。起業への関心を高めるとともに、コンテストへの参加者の増加を図るため、鉄道の車内広告等により具体的な起業の事例の発信を行い、今年度は四千四百十八名の応募に結びつけました。

○上田委員 スタートアップ戦略推進本部とはまたちょっと趣が違って、五〇%が東京で法人を設立したことを条件にしているということもいいですし、着実な成果が出ているのかなと思います。
 今後のプログラムの拡充や参加者増加に向けた施策及び若手起業家の育成、支援における、これまでやったところの、様々ないいことの課題認識もあると思うんです。また、改善策もあったと思います。今いったスタ本におけるアントレプレナー育成事業との連携、連動、ちょっと似て非なる、二重行政にならないかなという感覚も持って、所見を伺います。

○大川商工施策担当部長 参加者の増加に向けて、成果の発信や、高校や大学へコンテストの周知を図るとともに、スタートアップ戦略推進本部が進めるSusHi Tech TokyoやTIBなどの取組とも連携し、各種支援策の周知やイベントを実施することで、引き続き創業の活性化を図ってまいります。

○上田委員 女性活躍の条例も今日議論したところでございますが、まさにそれの実態的な事業でございます若手・女性リーダー応援プログラムの活用事例として、天然染料を使った服飾品の開業が紹介されていましたが、その後の事業継続状況や新たな成功事例、区市町村の支援体制の充実状況について、評価と課題を伺います。

○福田商工部長 都は、若者や女性の開業を支援するため、商店街での経験を積むためのチャレンジショップを運営するとともに、店舗の改修費などの開業経費を助成しております。
 活用事例として紹介した店舗については、現在も営業を継続しております。また、古着や着物をリメイクした洋服等を販売する店舗を都内の商店街に開業した事例なども出ております。
 現在、多くの自治体で開業支援事業を実施しており、引き続き、連携して商店街の活性化へつなげてまいります。

○上田委員 こうしたセンスのいいお店が商店街にできると本当に変わっていくので、私も注視していきたいと思います。
 インキュベーション施設です。
 創業者を支援するため、低廉な家賃でオフィスを提供することを目途としています。
 資料ですけれども、それぞれのインキュベーション施設、青山創業促進センター、NEXs Tokyoの委託事業者と事業者選定の条件、年間委託費をご説明の上、施設の入居率や利用者数、アクセラレーションプログラムの支援者数、NEXs Tokyoのパートナー会員数の推移を踏まえ、これらの数値が創業者支援として十分な効果を上げていると評価できる成果をお示しください。特に上場企業の輩出事例について、具体的にご説明ください。

○大川商工施策担当部長 令和七年度において、インキュベーション施設である白鬚西R&Dセンターは公益財団法人東京都中小企業振興公社と約六百万円で、東京コンテンツインキュベーションセンターは株式会社ツクリエと約七千九百万円で、インキュベーションオフィス・TAMAは東京都中小企業振興公社と約一千三百万円でそれぞれ契約しております。
 青山創業促進センターは、合同会社デロイトトーマツと約一億四千六百万円で契約しております。
 NEXs Tokyoは、有限責任監査法人トーマツと約三億六千三百万円で契約しております。
 これらについては、それぞれの施設の業務内容に応じ、創業支援の経験やノウハウ、外部とのネットワークを有しているかなどの観点から、適切な手続にのっとって選定を行っております。
 各施設では、事業の発展が見込まれる創業の希望者や起業家等に対しまして、開業に関する知識の提供のほか、会社の拡大に結びつく助言やマッチング等を行っております。
 こうした重点的なサポートにより、これらの施設の利用者の中から、特許技術を活用した無線通信製品及びクラウド監視システムを展開する企業が海外で上場するなどのリーディングケースも出てきております。

○上田委員 またデロイトグループが五億で、この間、スタ本でコンサル料が総額三十五億円、デロイトグループはそのうち十八億、これに五億足して二十三億ということがちょっと分かっちゃいましたね。
 これ、上場するときに、またデロイトグループに支援をお願いするのではないか、要するに青田刈りの場になっていないかということを私は懸念していて確認しているわけでございます。そのような紹介事例はないということは確認しておりますが、引き続き注視をさせていただきたいと思います。
 重点的なサポートによりましてリーディングケースなどを生み出し、都内で創業して事業を拡大する会社を増やして、東京の産業の発展に結びつけるとしていましたが、実際は、実績はいかがでしょうか。伺います。
 また、今後、インキュベーション施設の運営において、改善点等をもしお持ちであれば、お示しください。

○大川商工施策担当部長 令和八年一月末時点における白鬚西R&Dセンターの入居室数は十四室のうち十室、東京コンテンツインキュベーションセンターは三十室のうち二十九室、インキュベーションオフィス・TAMAは六室のうち四室、青山創業促進センターの支援者数は四十四者でございます。NEXs Tokyoのパートナー等会員数は六百四十九者であり、令和二年度からこれまでに二千三百件を超えるマッチングを実施いたしました。
 これらの取組により、引き続き起業家の成長を後押ししてまいります。

○上田委員 くれぐれも都民の税金が委託先の利益に偏重していないか、確認をさせていただいた次第でございます。
 小中学校向け起業家教育推進事業です。
 起業家教育プログラムの策定から実施支援、各学校が自律的に運営できる体制構築までの具体的な取組内容をお示しください。

○大川商工施策担当部長 都は、小中学生が起業に関心を持ち、将来の進路における選択肢の一つにできるよう、小中学校を対象に、二か年にわたり起業家教育プログラムの策定から取組の実施までを支援しております。
 具体的には、初年度に、資金の調達方法などを実践的に学ぶプログラム案を学校のニーズを踏まえながら提案するほか、地域の金融機関や地元企業など、プログラムに協力をいただく企業等との調整を行います。
 二年目には、策定したプログラムの実施をサポートするとともに、プログラム終了後の課題を整理し、フォローアップを行うことで、学校側が自律的にプログラムを運営できるよう支援しております。

○上田委員 高校生の方も聞かせてください。
 高校生起業家養成プログラムが、東京の将来の産業振興や創業向上にどのように寄与していると評価しているのか、また、今後の拡充や課題克服に向けての所見を伺いたいと思います。

○大川商工施策担当部長 参加者からは、ビジネスプランを構想していくうちにどんどん起業に対する興味が湧いてきたといった声や、やりたいことが見つかり自分を成長させる場となった、将来の選択肢に起業が加わり世界が広がったといった声をいただいております。
 実施したアンケートでは、七割を超える参加者が、将来、起業にひもづく活動を予定と回答しております。
 こうした実施状況を踏まえまして、引き続き効果的に取組を推進してまいります。

○上田委員 これ、事業を採用した学校ということなので、全体的な底上げについては、やはり教育庁との連携が必要なのかなというふうに思っておりますので、全庁で一人でも多くの、こうした起業家になりたいという選択肢を増やすような取組が実現できればと思います。
 長年、確認させていただいております女性ベンチャー成長促進事業の応募状況、海外派遣の選抜基準及び需要評価について、最新の状況をお示しいただければと思います。
 また、当初予算と決算額の乖離がこのところ恒常化しておりまして、この点について、本当に需要があるのかなということを確認したいので、ご説明ください。

○大川商工施策担当部長 女性ベンチャー成長促進事業は、平成二十九年度の事業開始以来、毎年度、定員を上回る応募がありまして、今年度は百七十八名の応募がございました。
 海外派遣につきましては、アクセラレーションプログラム参加者四十名の中から審査の上選抜し、過去三か年の実績は、計画どおり、毎年、定員の二十名を派遣しております。
 なお、不用額が生じた主な理由は、委託契約における契約差金でございます。

○上田委員 これもちょっと費用対効果を検証していただきたい、私にとっては事業でございます。
 スタートアップ・エコシステムにおけます女性活躍推進事業において、女性起業家に対するベンチャーキャピタルや事業会社等の相談会の実施状況、参加者数、相談内容の具体例及び資金調達やビジネスモデルのブラッシュアップにおける支援成果、ジェンダーによる対応の違いの解消に向けた取組の具体的内容と実施状況及びこれらの取組が女性活躍促進にどのように寄与しているのか、評価をお示しください。

○大川商工施策担当部長 都は、創業間もない女性起業家の資金調達やビジネスモデルの磨き上げを支援しておりまして、今年度は、一月末時点で、資金調達に関する基礎的なセミナーを二回開催し、九十八名が参加したほか、資金調達の状況に応じた助言を行う相談会を三回開催し、九十一名が参加しておりまして、具体的には、資本政策等について助言を行いました。
 これらの取組により、資金調達につながった事例も出てきております。
 また、ジェンダーによる対応の違いの解消に向けて、ベンチャーキャピタル等を対象に、女性起業家をサポートしていく際の留意事項などを学べる研修会を新たに実施いたしました。

○上田委員 こちらについてもしっかりと−−どうなんでしょうね、もうちょっと私も着眼していきたいと思います。
 次に、商店街の方に戻るんですけれども、都内商店街での開業や事業継承を対象とした店舗新装、改装等の経費支援や、開業後の経営面での継続的支援の実績と効果及び後継者育成の取組と新たな担い手発掘に向けた成果と課題について、これだと本当にイメージができて、需要があるのかなというふうに思うので、具体的にご報告ください。

○福田商工部長 都は、商店街での開業や事業承継などを予定している方に対し、店舗の改修費用など開業経費を助成しており、二月末現在で七十三件を採択し、うち十九件が開業しております。
 また、開業後の店舗等に経営アドバイスを行う専門家を派遣し、二月末現在で百四十五者へ支援を行いました。これまでに、来店者数や売上げの向上につながった事例がございます。
 さらに、商店街の新たな担い手の発掘に向け、都内の商店街での開業を希望している方を対象に、具体的なビジネスプランの策定などを支援するプログラムを実施し、今年度は十六名が受講しております。一昨年度は十五名が受講し、うち六名が開業しております。
 引き続き、商店街の新たな担い手の確保を後押ししてまいります。

○上田委員 東京の星の数ほどあるシャッター街の商店街の数からすると、もうちょっと活用していただきたいなということを指摘させていただきます。
 障害者雇用です。
 都の障害者雇用促進のための事業が、障害者の安定した就労と職場での活躍に結びついているのか、費用対効果の観点から、やっぱり雇用率を上げたいところでございますので、産労としての取組を伺います。

○富岡事業推進担当部長 令和六年度に東京ジョブコーチによる支援を終了した障害者のうち、九七%が支援終了から六か月後も引き続き就労していることなど、都の支援が障害者の職場定着の推進につながっているものと考えております。

○上田委員 東京全体の各企業によります障害者雇用率、ぜひアップのために産労として地道に取り組んでいただきたいと思います。
 東京都版エコツーリズムの推進なんですが、小笠原はこのところ、施設整備の実績がないようでございます。
 このエコツーリズムが果たして定着しているのかなという観点から、ちょっと確認させてください。

○江村観光部長 都は、小笠原村などの豊かな自然環境を将来にわたって守りながら、観光資源として積極的に活用し、地域経済の発展と自然環境保護の調和を図るため、東京都版エコツーリズムの取組を進めております。
 これまで、小笠原村を対象として、旅行会社へのヒアリングやモニターツアーの実施などによりまして、旅行者の実態やニーズを把握するための調査を定期的に実施しております。
 また、小笠原村など三つの村を対象としまして、宿泊施設や観光施設の改修に係る経費を助成しており、平成二十八年度以降は合計二十六件の支援実績がございます。
 今後も、各地域と連携し、東京都版エコツーリズムの推進を図ってまいります。

○上田委員 今、小笠原は核のごみ問題にも揺れていますし、貴重な鳥、メジロだとかメグロもおります。そこでもまた太陽光パネルとかも試験的な事業もやっていて、ぜひこれ、いっぱいの人に見てもらって、百聞は一見にしかずなので、このエコツーリズム、しっかりと活性化していただきたいなと改めて思って確認させていただきました。
 水辺のにぎわい創出事業も年数件となっていますが、取組と成果、今後の想定を同じく伺います。

○江村観光部長 都は、運河や河川の周辺エリアにおける観光振興を図るため、地域の観光協会等が新たに行うイベントや施設の整備に対し、必要な経費を助成してまいりました。
 これまでに三十四件の支援を行っており、取組としては、パブリックアートの鑑賞クルーズの実施のほか、河川沿いの休憩施設やテラスの整備などの事例がございます。
 来年度は、地域ならではの特性を生かした観光まちづくりを支援する事業において、自治体による水辺をテーマとした観光資源づくりの取組を後押ししてまいります。

○上田委員 都市整備、建設、港湾も同じような舟運などをやっておりますので、連携していらっしゃると思いますけれども、私も隅田川のそばの台東区で育ったわけでございますので、期待をするところでございます。
 次に、民泊名ばかりホテル問題です。
 産労局では、このたび住宅宿泊事業ワンストップ相談窓口の運営を四千万円予算づけしておりまして、住宅宿泊業の届出施設や無許可、無届けの宿泊施設に関する苦情等を電話やAIチャットで受け付ける窓口を設置し、都民の声を受け止めて効果的な対策につなげ、住宅宿泊事業の適正な運営を推進するとのことです。
 同時に、安全・安心な住宅宿泊施設利用促進事業、四千万においては、訪都外国人旅行者が無許可、無届けの宿泊施設を利用しないよう、旅行者の利用が多い海外旅行サイトを活用して注意喚起を行うということで、許可、届出のある安全・安心な宿泊施設の利用を促進するとのことです。
 民泊においては、都民及び区市町村から多くの苦情を受けて開設ということを思料し、評価するものでございますが、この窓口を開設したというのは評価するものですが、この事業を設置するに当たり、どのような経緯があって産労局にて事業を決定したかという経緯と、どのように苦情解決にどう結びつけていくのか。宿泊する外国人に注意喚起するということで、どう違法民泊を根絶して改善をするのか。
 実際、違法民泊の象徴は今や晴海フラッグですけれども、あれ、外国のサイトで予約されちゃうのでなかなか、これで注意喚起ができるのかなというのも、ふと思ったんですね。
 相談内容はデータベース化して区市町村関係部局と共有して活用していくのか、伺います。
 また、窓口業務は、多分、委託事業と類推するのですが、委託先と相談対応スキルについても確認いたします。

○江村観光部長 近年、住宅宿泊事業の施設において様々な苦情が増加している状況を踏まえ、来年度、こうした相談に対応するワンストップ窓口を開設することといたしました。
 窓口については、相談業務を円滑に実施できる事業者を今後選定して運営を委託し、住宅宿泊事業の施設に関する様々な相談や無許可、無届け施設の通報を受け付け、所管の保健所等に連絡し、指導や取締りにつなげることとしております。
 都は、区市と都の関係部署による連絡会を通じて事例やノウハウを共有しておりまして、窓口での対応に関する情報を整理して提供いたします。
 このほか、外国人旅行者が利用する旅行サイトに、適法な施設と違法な施設の違いを掲載して注意喚起を行う取組も実施しまして、住宅宿泊事業の適正な運営を図ります。

○上田委員 ようやく端緒に就いたところでございますが、一方、都内における宿泊施設増加の実態と制度的背景の認識について、都内では、住宅専用地域での民泊の営業日数を条例により厳しく制限している自治体が多い一方、これね、都じゃないんですよ、区長さんが頑張ったんですね、第一種、第二種住宅地域では一般住宅の旅館業への転用が急増しています。
 これ、予算でも資料を取り寄せたのですけれども、二十三区における旅館業の許可件数は、令和六年に六千百二十一件で、一年間に約三〇%も急増しているんですね。
 大規模の既存のホテルも、これ旅館業ですから、ホテルや旅館なんかは。でも、こんなに急増するわけないんですね、大きなホテルとかというのは。もうそんなに土地も東京にないですから。
 これはほぼほぼ、三〇%増というのは、ある日突然、一軒家を旅館業に転用するということではないかと。突然ホテルになって、無断駐車、ごみ放置、夜間騒音の被害がメディアでも報じられるような事態となっています。ミヤネ屋でもやっていましたよね。
 こうした動向の背景には、住宅宿泊事業に対する条例上の営業制限と旅館業制度における全国一律の許可制度との制度的差異が影響している可能性も考えられます。
 特に、住宅系用途地域において、戸建て住宅や共同住宅の一部が簡易宿所等へ用途移転される事例が見受けられる中で、周辺住民の生活環境との調和をどのように図るのか、大きな課題となっております。
 旅館業法改正によりまして、開業時の周辺住民説明、従業員常駐と玄関帳場設置が義務でなくなったことから、終日無人でキーボックスを設置するのみというケースも散見し、住民不安も募っていることから、苦情件数、立入検査件数、指導件数、改善命令、緊急時十分駆けつけルールの要件の遵守の状況をオール東京で共有すべきと考えるものです。
 都として、こうした実態は、民泊、名ばかりホテル施設の増加傾向の実態をどのように把握し、住宅地における生活環境への影響について重要視すべきと、予算特別委員会では問題提起した次第でございます。
 こうした名ばかりホテルの苦情もこの事業は受け止めて、区市町村関係部局と実態把握、情報共有をして、解決に向ける最初の窓口となり得るのでしょうか。相談を受ける産労として、当然、こうした旅館業法の名ばかりホテルの把握をしていると思いますので、現状を伺います。

○江村観光部長 住宅宿泊事業や旅館業に係る事務は、施設の所在地に応じ、区市の保健所または都が対応しております。
 ワンストップ窓口において、住宅宿泊事業の施設に関する様々な相談や無許可、無届け施設の通報を受け付け、所管の保健所等に連絡し、指導や取締りにつなげることとしております。

○上田委員 今この名ばかりホテルが、三月末に向けて申請が急増しているようなので、そこも油断なく確認していただきたいと思います。
 最後の質問になります。お待たせしました。
 私は、初当選以来、全ての各事業の予算額を網羅するために、東京都予算の全てを款項目節にわたるまで公表すべきと求め続けてきました。今の東京都の予算資料では、個別の事業の予算が明示されていないからなんですね。本来であれば、その金額と費用対効果を検証して事業の評価をすべきだから求めてきたわけでございます。
 都政全体の六分の一を占める産業労働局において−−都政は六千です、産労は約千ですね。限られた内訳ではありますが、今回の当初予算において新たに計上した、資料要求しましたけれども、九十六の新規事業、その総額は実に五百九十一億円に上ります。
 昨年、私は事業の費用対効果について質問し、当局から、個々の状況に応じて分析と検証を行っているとの答弁をいただきました。
 しかし、この五百九十一億円という膨大な新規投資が、果たして既存の千近い事業と重複せず、新陳代謝の結果として導き出されているのでしょうか。新規事業をこれだけ増やしながら、一方、どれだけの既存事業を廃止、縮小しているのか。
 昨年答弁された個々の分析とは、具体的にどのような指標に基づいているのでしょうか、伺います。
 事業ごとのKPIや費用対効果の検証結果を、客観的な数値として局は把握していらっしゃるかについてもご説明ください。

○阿部総務部長 令和八年度当初予算案の概要に掲載している事業のうち、令和七年度で廃止した事業は五十四事業でございます。
 各事業の分析につきましては、予算編成において、事業の費用対効果や決算、実績等に加え、社会経済の動向や現場のニーズを踏まえた事業の必要性などを総合的に勘案し、必要な予算を計上してございます。

○上田委員 本日、参議院の予算委員会の午後からにおいて、EV充電設備の水増し請求問題がようやく取り上げられました。都では、私の想定で請求額は三億円、政府においては、中部電力と一緒に、ミライズエネチェンジを足すと百億円です。しかも、既にもう政府の方は交付済みになっちゃったんですね。今後、政府、経産省がどう動くのか、注視してまいりたいと思います。
 都においては利益排除規定がありました。また、それとても潜脱する新スキームを、悪徳事業者は、業界最大手であっても、IQが高いので考え出して、補助金事業に目を光らせております。二度と不正な補助金請求に隙を与えないように、厳格な管理体制を求めておきます。
 また、八丈島、青ヶ島の災害復旧支援においては、不必要であった、他局ですけれどもね、キャンピングカー支援に象徴されるメニューの提示で、やった感、これで終始するのではなく、人材リソースが限られる島の実情に寄り添い、事業者が完済、自立、全ての経済的災害において復興できるまで責任を持って見届ける真の、本当に、今予算でも伴走型、伴走型とおっしゃいますが、真の伴走型支援を求めるものでございます。
 一方、こうした現場の切実な課題がある一方で、当局の予算編成には依然として強い疑義が残る部分がありました。多くの資料請求に改めて感謝いたしますが、膨大な産業労働局の事業に比べれば、私の質問も多いかもしれませんけれども、それもほんの一部なんですね。そうしたことで、今年度、九十六の新規事業を立ち上げていらっしゃいますので、既存事業のスクラップ、ビルドを本当に進めていただきたいと思います。殊に再生可能エネルギー政策においては、抜本的な見直しを求めるものでございます。
 最後に、一つ一つの事業の費用対効果を徹底して検証、見える化し、効果のない不要不急の事業は勇気を持って廃止し、物価高にあえぐ中小企業、労働環境において理不尽な目に遭っている女性はもとより、一人一人の労働者のために機能し、委託事業者らコンサルを潤すのではなく、都民に寄与する産業振興を担う産業労働局であることを期待し、私の質問を終わります。
 以上です。

○さとう委員 先日開催された予算特別委員会にて、都は、区市町村などに対し、スマートごみ箱設置費用の八〇%を支援するほか、ごみの回収費も三年間補助すると明らかにしました。
 自治体や公共交通機関の事業者が対象で、合計五十か所の整備を目指すとのことで、地元千代田区でも、秋葉原にスマートごみ箱十か所、二十台を設置し、設置費用として新年度予算約七千四百万円を計上しています。
 報道によると、ごみの持ち帰りやリサイクルを訪日客らに伝える広報啓発費用も含め十一億円を新年度予算案に計上し、宿泊税収の一部を充てるとのことですが、令和八年度において、宿泊税収入に対し、どの程度が観光起因のごみ、混雑対策に充てられるのか、税収の使途と観光起因コストの対応関係を伺います。

○江村観光部長 令和八年度予算案における宿泊税充当額の合計は約八十一億円でございます。この中には、観光部が実施する混雑緩和対策やごみ対策に関連する三つの事業の合計約六億円が含まれております。このほか、環境局が実施するごみ対策に関連する二つの事業が含まれております。

○さとう委員 宿泊税を充当するのであれば、排出者が観光客のごみ処理コストを把握しているのかと思いますが、東京全体の観光客向けごみ対策コスト、設置、回収、清掃委託等を含む年間総コストを根拠となるデータとともに伺います。

○江村観光部長 都内の自治体の観光を所管する部署に対して行ったアンケート調査では、過半数の自治体から、観光客の増加に伴うごみの問題が生じているとの回答がありました。
 また、観光に関する都民の意識調査では、観光振興が東京に与える影響として、ごみの増加や騒音レベルの上昇と回答した都民の割合は、令和三年度の二八・三%から昨年度には四六・五%となり、大幅に増加しております。
 これらの状況などから、東京の様々な地域において観光客によるごみの問題が生じており、都内の自治体において対策の検討や実行に取り組んでいるものと考えております。

○さとう委員 観光客由来のごみ処理コストについて、具体的な金額は把握していないことを認識いたしました。
 報道によると、観光客の集まる繁華街やバスターミナルなど五十か所への設置支援を想定しているとのことですが、地元千代田区だけでも十か所、二十台を設置していることを踏まえると、都が支援する自治体は相当程度絞られると予想しています。観光客由来のごみ処理コストの金額も把握しないまま支援する自治体を選定することに、恣意的な予算配分を感じます。
 例えば、外国人観光客の多い渋谷区では、令和八年四月から、コンビニやテークアウト可能な飲食店、自動販売機の設置事業者に対してごみ箱設置が義務づけられ、六月からは、設置義務違反者やポイ捨て行為に対し過料徴収制度が導入されます。観光客由来のごみ処理コストについて、排出者責任を明確に位置づけた事例だと思います。
 このような自治体がある中、観光客由来のごみ処理コストを都の税金で負担する以上、相応のエビデンスが必要です。ごみ処理コストの把握及びスマートごみ箱設置後の投棄状況をデータとして可視化し、実効性の高い検証を実施することを要望します。
 また、各自治体が設置するスマートごみ箱は、アメリカ企業が開発に取り組んできたSmaGOだと思います。SmaGOのアジアの総代理店の情報によると、ごみ箱を設置する数やごみの回収頻度などによって変わってはくるのですが、都市によっては五年間の運用費用が三分の一程度になる事例が紹介されています。
 経済合理性は大きなメリットかと思いますが、一方、設置時には転倒防止の措置を行うため、一度設置すると、容易には移動や撤去ができないと認識しています。設置後、想定外にごみ箱周辺が散乱したり、危険物の混入や分別に対する警備員の人件費、不法投棄防止のための防犯カメラ設置やリチウムイオン電池などの発火対策など、自治体によってはリスクコントロール費用が上回り、撤去する可能性もあるかと思います。
 都は、設置費用を支援するとしていますが、今後、移動や撤去費用まで支援することを行うことまで検討しているのか、見解を伺います。

○江村観光部長 観光部で実施する地域の生活と調和した観光推進事業におきましては、ICTごみ箱の設置のほか、マナー啓発やポイ捨て状況の調査などが支援対象となります。
 ICTごみ箱の設置に取り組む場合につきましては、それに伴い生じる運用や検証に必要となる経費についても支援対象とすることとしております。

○さとう委員 移動や撤去費用までは今は考えていないということなんだと思いますけれども、ごみ箱を設置すると、ごみ箱本体の初期費用、毎月発生する回収、清掃費用や、ごみの処理費用、移動、撤去費用の四つの費用が発生します。事業者負担で導入するにはハードルが高いですし、ごみ箱に掲載されている広告収入も僅かだと把握しています。
 観光客が集中するエリアでのごみ箱設置を民間の事業者負担で実施する余地について、都の見解を伺います。

○江村観光部長 観光地などにおいて、ごみの蓄積状況の通知機能を持ち、自動圧縮機能を備え、収容力の高いごみ箱を設置し、併せて、民間企業からの広告収入の獲得などにより回収コストの低減を図る取組事例も見られます。
 地域が主体的に取り組むICTごみ箱の設置を都が支援することで、こうした取組が進むことも期待できると考えております。
 地域による様々な取組事例につきましては、区市町村とも共有を図ることとしております。

○さとう委員 スマートごみ箱の導入については、ごみの質への対応策が一番の課題かと思います。設置してからの課題が多く発生すると予想していますので、都から補助金を出すのであれば、設置自治体の運用設計の把握、ごみ箱設置後のデータを可視化し、実効性の高い事業とすることを要望いたします。
 次に、税制特区の実現可能性と東京の国際金融競争力強化について伺います。
 低税率特区を東京の一部で実現するためには、租税法律主義、憲法第八十四条による国会立法の必要性、地方税法上の都の独自課税権の制限、OECDグローバルミニマム税制一五%下限による引下げ余地の制約、国と都の政策的合意という四つの構造的ハードルが存在します。
 都として、現時点でこれらをどのように整理しており、令和八年度中に国に要望した内容と国の対応状況を伺います。
 また、これらのハードルのうち、最も克服困難と判断しているものはどれか、根拠とともに伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都は、令和六年二月の金融・資産運用特区提案におきまして、国内外の資産運用業者等の新規参入や業務拡充に向け、様々な提案を行いました。
 税関連につきましては、海外投資家の運用益に対する源泉徴収の廃止や、投資信託を活用したスタートアップ等への資金供給等の提案をしております。
 現在のところ、提案内容の実現には至っておりませんが、国において様々な角度から検討しているものと認識しております。
 引き続き、国への提案要望の機会を捉えて、必要な提言を行ってまいります。

○さとう委員 国が令和八年度の税制改正において、東京都の利子割税収を地方に再配分する清算制度の導入を検討し、都が強く反発しています。
 しかし、東京の財源が吸い上げられるという状況は、逆に国際金融特区における税制優遇の立法化を国に求める正当な交渉材料になり得ると考えます。
 都として、地方財政措置の議論と連動して、国際金融特区の税制優遇について国との交渉を明示的に行っているか、伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 令和六年二月の金融・資産運用特区提案のうち、税に関係する案件につきましては、現在のところ、提案内容の実現には至っておりませんが、国において様々な角度から検討しているものと認識しております。
 委員ご指摘の地方財政措置は、いわゆる偏在是正措置を指しているものというふうに思われますが、それに関する国への反論につきましては、所管局で対応しております。

○さとう委員 利子割の再配分に強く反発するのであれば、その反発を国際金融都市として必要な税制裁量の確保と結びつけて交渉すべきではないでしょうか。都は国に対し、偏在是正を受け入れるなら、その代わりに金融特区税制の裁量を認めよという交渉をすべきです。財源論だけで守りに回るのではなく、税制裁量の獲得を交渉することを要望します。
 次に、ステーブルコイン、デジタル通貨の促進と地域経済への活用について伺います。
 政府、日銀は、二〇二五年五月にCBDCに関する第二次中間整理を公表し、CBDCの導入を予断するものではないと明記しつつも、制度設計を継続しています。国際的にはCBDCの機運は停滞ぎみで、米国は大統領令により取組を禁止しました。
 一方、国内では、二〇二五年秋に、民間発行での円建てステーブルコイン、JPYCが初めて流通し、民間主導のデジタル通貨普及は前進しています。
 こうした状況下で、国際金融都市東京を掲げる都として、CBDCとステーブルコインをどのように位置づけ、いずれを優先的に推進する方針なのでしょうか。
 また、都として政府、日銀のCBDC制度設計の議論にどのような関与、意見表明をしているのか、具体的な状況を伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 中央銀行デジタル通貨、いわゆるCBDCは、現在、日本銀行と国の各省庁で構成されますCBDCに関する連絡会議等で議論されており、CBDCと他の決済手段との役割分担や、セキュリティ確保と利用者情報の取扱い等の観点から、CBDCの発行に関する課題について検討が進められております。
 円建てステーブルコインは、昨年流通が始まったところでございまして、都としては、CBDCの制度設計等に関する今後の国の動向を引き続き注視してまいりたいと思っております。

○さとう委員 ステーブルコインの本質的な価値は、取引の追跡可能性と透明性にあります。現在、都内の観光、飲食、物販における現金取引の一部は、適正な課税捕捉が困難な状況にあります。ステーブルコインの普及により取引記録が電子化されれば、適正課税の実現と経済活性化を同時に達成できる可能性があります。
 都として、ステーブルコイン推進の政策立案において、課税の公平性、透明性確保という観点を明示的に組み込む意向はありますでしょうか。
 また、デジタル取引の拡大が都税収入の安定化に寄与するという試算、見通しはあるか、伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 ステーブルコインは、新たな決済インフラとして国内外で注目されており、ブロックチェーン技術により、銀行等を介さず、迅速に、安い手数料で、時間を問わず取引が可能になる点が特徴でございます。
 都は、ステーブルコインの社会実装を後押しするため、例えばステーブルコインと既存の社内の会計システムを連携するサービスなど、社会課題解決に資するユースケースの創出に取り組む事業者等を支援することとしております。

○さとう委員 ブロックチェーン型決済の利点は、単なる速い安いだけではなく、記録の一元性、追跡可能性、監査可能性による都税行政への波及効果もあると考えています。都が社会実装を後押しするのであれば、それを都税行政の観点からどう生かすのかという点まで踏み込んでいただければと思います。主税局、産業労働局、デジタル局の横断で、デジタル決済と税務適正化について検討し、現金化比率低下が申告適正化や税収安定化にどう影響するかを検証し、都税行政へ反映させることも見据えた今後の事業化を要望します。
 ステーブルコインを含むデジタル通貨が普及する過程で、サイバー攻撃、システム障害、発行体の経営破綻といったリスクが顕在化した場合、利用者保護の最終的な責任主体はどこになるのでしょうか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 デジタル通貨の流通に当たっての利用者保護につきましては、国で法整備が進められており、今後とも動向を注視してまいります。
 また、都は国に対し、暗号資産の発行や流通に係る明確で安心・安全なルールの整備に取り組むことや、デジタル証券の発行、流通について、投資家保護に配慮しつつ、必要な環境整備を進めるよう提案要求を行っております。

○さとう委員 国の制度設計の問題ではありますが、都として東京でデジタル通貨を推進する以上、都民保護の観点から、国への制度整備要求や都独自のセーフガード構築について具体的な方針を策定するよう要望いたします。
 次に、女性活躍についてお伺いします。
 指針案骨子の第2、用語1では、事業者の定義にボランティア団体によるボランティア活動も含まれると明記されています。ボランティア団体に対して、長時間労働の是正、意思決定層への女性登用、ハラスメント防止措置の実施などを責務として求めることは、そもそも現実的なのでしょうか。
 都は、対象となるボランティア団体の数を把握しているか、また、こうした小規模、非営利の組織が条例、指針への対応に要するコスト試算をしているか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性活躍推進条例は、雇用就業分野において女性が活躍できる環境の整備を推進することを目的としておりまして、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進、就業者に係る男女間の格差の解消などを定めております。
 このため、従業員を雇用している場合には、営利、非営利を問わず、事業者に対して必要な対応を求めることとなります。
 また、事業者によって体制や業務内容が異なりますことから、指針案では、対応に当たっては、それぞれの実情に応じて取り組むよう示しております。
 ボランティア団体としては、法人格を有している団体で、例えばNPO法人や公益財団法人などを想定しておりますが、都としては数は把握をしておりません。

○さとう委員 ご答弁では法人格を有する団体を指していると分かりましたが、明示的ではないので、ボランティア団体に関しては、規模別の適用整理を入れることを要望します。
 同じく、第2の就業者の定義では、インターンシップ生、有償の者や、家内労働者、フリーランスも対象に含まれています。
 フリーランス・事業者間取引適正化等法、令和五年との関係で、本指針が重複にならないかという懸念がありますが、都は、他法令との整合性についてどのように確認したか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例は、雇用就業分野において女性が活躍できる環境の整備に向け、事業者の主体的な取組を促進することを目指しておりまして、事業者の取組に関する事項について指針で定めることとしております。
 今回お示しした指針案は、事業者が自社の状況を把握し主体的に取り組めますよう、課題分析の視点や対応のポイントなどを示しているものでございます。

○さとう委員 ご答弁は、主体的取組を促進するという条例の趣旨説明に終わっていて、重複のおそれに全く触れていません。申し上げたいのは、既存法令、条例で既に求められている事項と今回の新設条例で追加的に求める事項の差分を整理した文書を指針にも示すべきではないでしょうかということです。委員会要求資料で、東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例に関連する主な法律・条例との比較を提出いただきましたが、このようなものをイメージしています。
 新設条例が施行された場合、実際、何をどう対応するのか分かりづらいと思いますし、法務実務の担当者が確認するのは、まず既存条例との差異だと思います。各種法律、条例との関係を一枚で分かるようにし、事業者負担を減らすことを要望します。
 次に、指針骨子第3において、性別に関する無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスへの対応が基本理念の柱の一つとして位置づけられています。しかし、アンコンシャスバイアスの研究は、近年、再現性や測定方法に関して学術的な議論が続いており、特に企業向け研修の効果については否定的な知見も多くあります。
 都は、本方針を策定するに当たり、アンコンシャスバイアス対策の実効性に関する国内外の研究や検証結果を精査したのか、その科学的根拠を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、女性が活躍できる環境の整備に向けまして施策を展開しておりまして、女性の就業率などは上昇しているものの、例えば育児休業の取得率や取得期間は女性が男性を大きく上回るなど、働き方や制度の利用状況など男女間で差が生じているものもございます。
 この背景には、家事や育児は女性がするものだ、男性は仕事をして家計を支えるものだなどの性別に関する無意識の思い込みが影響している可能性があることから、国においても気づきを促すための取組などが行われております。
 就業者一人一人がこうしたことに気づき、男女ともに両立支援制度などを有効に活用しながら働くことができる環境を整備していけるよう、条例で性別に関する無意識の思い込みについて定めております。
 条例の考え方を事業者や都民に理解していただくため、指針案で丁寧に説明をしておりまして、作成に当たっては、専門家からも意見を聴取しております。

○さとう委員 ご答弁は専門家の意見を聞いたというだけで、どの研究に依拠し、どの効果を見込んでいるのかがありませんでした。
 事業者は四割基準や研修を推奨されており、実務への影響は小さくありません。効果検証の弱い研修を行政が推奨することは、慎重であるべきではないでしょうか。どの国内外研究を踏まえ、何の効果が確認されているか、指針に盛り込んだのかを公表することを要望します。
 指針骨子第4、都の政策目標及びその進捗を把握する指標において、政策目標の一つに両立支援制度等に関する従業員の認知度の向上が設定されています。
 認知度は主観的な指標であり、数値化、比較が非常に困難であります。都は、この指標をどのような調査手法で測定するつもりでしょうか。
 また、この認知度向上が達成されたとしても、実際の女性活躍という成果との因果関係はどのように検証するのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 働きやすい職場づくりに向けましては、企業において両立支援制度等が整備されているだけではなく、従業員一人一人がその制度の内容を理解し、必要なときに活用できることが重要でございます。
 このため、誰もが働きやすい職場づくりに関する制度の導入や利用率の向上と併せて、両立支援制度に関する従業員の認知度の向上を政策目標として位置づけております。
 進捗につきましては、既存の調査を活用いたしまして、企業及びその従業員の状況を定期的に把握、確認いたしまして、事業の見直しや重点化、新たなニーズへの対応など、効果的な施策展開につなげていくこととしております。

○さとう委員 指針骨子第7についてです。四割基準は実質的なクオーター制度かという観点からご質問します。
 事業者の取組に関する事項において、全労働者数に占める女性の割合が四割を下回る場合は、男女の間に差があると捉えとの記述が繰り返し登場します。この四割という数字の根拠を伺います。
 男女雇用機会均等法の通達に基づくものとされていますが、その通達は、採用において女性のみを対象とすることや女性を有利に取り扱う措置について法違反とならないという性格のものであり、事業者に一般的な努力義務を課す根拠とはなり得ないのではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回お示しした指針案では、女性が活躍できる環境の整備に向けまして、事業者が自社の状況を点検し、必要な取組を検討するきっかけとなるよう、参考となる目安を示しております。
 その目安の一つとして、男女雇用機会均等法などを踏まえて、全労働者数に占める女性の割合が四割を下回る場合には、男女の間に差があると捉え、女性の採用増の可能性を検討することが必要と記載をしております。
 なお、事業者によって企業規模や業務の特性などが異なることから、指針案には、取組に当たっては、それぞれの状況に応じて、優先順位をつけて段階的に実施することなどを示しており、一律の数値目標を設定するものではございません。
 こうした指針の趣旨をご理解いただけますよう、内容を分かりやすく解説した啓発資料を制作いたしまして、丁寧に普及啓発をしてまいります。

○さとう委員 仮に四割基準が適正であるとすれば、建設業、輸送業、製造業、とりわけ重労働を伴う職種など、業界構造として女性比率が低い産業に対しても同様の基準が適用されることになります。
 都は、業種別、規模別の現状データを指針策定に当たってどのように収集、反映させたのでしょうか。
 また、身体的、物理的制約のある職種について、四割という数字を当てはめることの妥当性についてどう考えるか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回お示しいたしました指針案では、女性が活躍できる環境の整備に向けまして、事業者が自社の状況を点検し、必要な取組を検討するきっかけとなりますよう、参考となる目安を示しております。
 事業者によって企業規模や業務の特性などが異なりますことから、指針案には、取組に当たっては、それぞれの状況に応じて、優先順位をつけて段階的に実施することなどを示しておりまして、一律の数値目標を設定するものではございません。
 こうした指針の趣旨をご理解いただけますよう、内容を分かりやすく解説した啓発資料を制作いたしまして、丁寧に普及啓発をしてまいります。

○さとう委員 指針骨子第6、都の施策では、相談窓口として東京しごとセンター、東京都労働相談情報センター、はたらく女性スクエア、東京都中小企業振興公社、東京ウィメンズプラザ等が列挙されています。
 これらの既存機関における相談対応のほかに、条例、指針の施行に伴い、新たに必要となる人件費、事業費の試算は幾らでしょうか。
 また、新たな補助金制度や委託事業の創設は検討されているか、現時点での状況を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例の施行に伴う業務につきましては、現行体制で対応する予定でございます。
 産業労働局におけます女性活躍推進に関連する事業の令和八年度予算額案につきましては約二百四十億円でございまして、前年度比約三十五億円の増となっております。

○さとう委員 指針骨子では、事業者に対して、自社の現状把握として五項目のデータ収集、算出を求めています。第7の2です。女性労働者の割合、平均継続勤務年数、残業時間、管理職比率、男女間賃金差異の算出です。
 中小企業においてこれらのデータを整備、管理するためのシステム改修や事務対応にはコストが生じますが、都は、事業者側の対応コストをどの程度だと見積もっているのでしょうか。
 また、指針への対応に要する費用について、中小企業への補助や支援策は検討されているか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性が活躍できる環境の整備を進めるに当たりましては、まず、事業者が自らの組織の現状を把握すること、自社の経営戦略や人事戦略上の課題を踏まえることが重要であることから、指針案では、その具体的な取組の例として、五つの基礎的なデータを用いた現状把握の手法をお示ししております。この項目及び計算式は、事業者の負担も考慮いたしまして、女性活躍推進法に準じたものとしております。
 また、東京都では、令和六年度から、この五つのデータを用いまして、事業者が自社における女性活躍の推進状況を確認し、課題を分析できる女性活躍推進度診断ツールをウェブサイト上で提供しております。本ツールの利用件数は五千件を超えておりますが、利用した事業者からは、データ収集等が負担であったといったような声は特段寄せられておりません。
 また、令和八年度予算案には、女性が活躍できる環境の整備に向け、男女ともに安心して育業し復職しやすい職場づくりや、男女間賃金差異の公表や女性管理職の増加等に取り組む事業者への後押しなど、様々な事業を盛り込んでおります。

○さとう委員 指針は条例第九条に基づいて策定されるものではありますが、法的拘束力を持ちません。事業者が指針に沿った取組を行わなかった場合の対応として、罰則は一切ありません。つまり、行政コストをかけて壮大な指針を策定しても、対応しない事業者には何もできないということになります。
 前回の質疑でも指摘したとおり、これでは、形式だけ整えて実態が伴わないジェンダー経営が蔓延するのではないでしょうか。
 実効性の確保について、都の考え方を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、事業者の主体的な取組を後押しするため、罰則は規定しておりません。
 また、条例の実効性を高めるため、条例第九条に基づき、指針に都の政策目標やその進捗を把握する指標に関する事項などを定めることとしております。
 今回お示しいたしました指針案では、働きやすい職場づくりなど三つの政策目標と、両立支援制度の実施状況など進捗を把握するための指標を複数設定しております。
 これらにつきまして、国や都の調査などを活用して、事業者と従業員双方の状況を定期的に把握し、事業の見直しや重点化、新たなニーズへの対応など、効果的な施策展開につなげていくこととしております。

○さとう委員 指針骨子には、都のホームページ等で公表するという記載がありますが、その公表内容について、議会への報告義務はあるのでしょうか。
 条例、指針の実施状況を議会として確認し、PDCAを回す仕組みを都はどのように設計しているか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 政策目標に関する進捗状況につきましては、都のホームページなどを通じて公表し、広く都民に分かりやすくお示しをしてまいります。
 この進捗状況を踏まえまして、事業の見直しや重点化、新たなニーズへの対応など、効果的な施策展開につなげていくこととしております。
 また、各事業におきましても、毎年度、予算編成の過程におきまして、事業の実施状況や実績などを検証して必要な見直しを行っていくこととしております。

○さとう委員 ホームページ公表だけでは、議会が継続的に検証する制度にはなりません。毎年度、政策目標、指標、事業見直し結果を議会に報告する仕組みを設けることを要望しまして、質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時五十八分休憩

   午後七時三十分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○両角委員 私からは、ローカルな質問とグローバルな質問ということで質問させていただきますが、まずローカルの方から入らせていただきます。
 農作物への獣害対策について伺います。
 昨年は、全国的に熊による深刻な被害が見られました。都内では、現時点で熊による農作物の被害の報告はないようでありますが、市街地周辺での目撃情報があるなど生息域の拡大が懸念をされており、農業者からも不安の声を聞くようになっております。
 私の地元八王子でも、イノシシによる農作物の被害が深刻で、捕獲に当たる猟友会などの担い手不足が課題であるとも聞いております。
 収穫を目前に控えた作物が獣害によって失われることは、経営面はもちろん、精神面でも深刻な影響を受けるものであり、獣害対策への支援は極めて重要であります。
 そこで、都の獣害対策支援の取組と課題について伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、野生獣による農林業被害を回避、軽減するため、対策の基本的な考え方や方向性を定める東京都農林業獣害対策基本方針と、それに基づく五年ごとの計画を策定し、獣害対策を推進しております。
 具体的には、地域の実情に応じた対策を進めるため、都の計画に基づき計画を策定した区市町村に対し、イノシシや猿などの侵入防止柵の設置や追い払い、捕獲に係る人件費を補助するなどの対策を実施しております。
 近年は、被害を与える野生獣の多様化や生息域の広がりと農林業従事者の高齢化が相まって対策が困難となるなど課題が生じており、基本方針の見直しと令和八年度を始期とする次期基本計画の策定を進めているところでございます。

○両角委員 市町村とも連携をしながら獣害対策を講じてきており、しかしながら、近年、新たな課題も生じているとのことでありました。
 こうした課題を踏まえ、新たな計画の策定を進めているということでありますが、見直しのポイントと来年度の取組について伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 次期基本計画には、獣害対策の対象獣種の拡大や住民参画型の対策の推進、省力化を進める新技術の活用などを盛り込むことを考えております。
 具体的には、獣害対策の対象獣種に、被害が拡大しているネズミ、鳥類、今後被害が懸念される熊を加えます。
 また、担い手の減少や被害が生活圏にも及ぶ地域において長期にわたって持続的な獣害対策を進めるため、来年度新たに、農家や猟友会に加えて地域住民も参画した協議会を設置し、獣害対策を実施する地域をモデル地区として設定いたします。
 モデル地区では、専門家の招聘や対策に必要な資材の導入等、協議会が行う取組を支援いたします。
 加えて、省力化を進めるため、ドローンを使った生息状況調査など、新技術の導入、検証を行ってまいります。
 これらの取組によりまして得られた成果や知見を他地域に普及し、持続可能な獣害対策を推進してまいります。

○両角委員 獣害を取り巻く環境の変化や地域の課題を踏まえて対策を進めていることが分かりました。
 担い手不足が深刻となる中、野生獣の生息域が広がれば生活環境の悪化につながりかねず、地域一体での取組が重要です。都民の理解、協力を得ながら、市区町村としっかり連携をし、効果ある獣害対策を進めていただくよう要望いたします。
 次に、産業労働局の花粉症対策の取組について伺います。
 杉人工林は多摩地域に広がっており、多くの花粉が飛散する状態にあります。今年の都内での花粉飛散量は昨年の一・四倍とのことで、花粉症に悩んでいる人にとっては本当に苦しい季節であります。
 私は、高尾山を控えた八王子に住んでおりますが、朝、車のフロントウインドーを動かすと、薬の龍角散というのがありますけれども、あの龍角散のように花粉がたまり、春は花粉で憂鬱な季節となってしまいました。
 こうした中、都は、花粉を削減するため、人工林の伐採を進め発生源対策に取り組んでいると承知をしておりますが、これまでの実績と事業費の総額について伺います。

○榎園農林水産部長 都は平成十八年度から、花粉を多く飛散する人工林を伐採し、花粉の少ない杉等に植え替える花粉発生源対策を進めています。
 東京の森林は、約七割が私有林であり、それぞれは小規模なものとなってございます。
 そうした中、伐採の実施に当たっては、数多くの森林所有者に事業の意義や所有者の責務等を丁寧に説明するとともに、伐採区域を確定するために、周辺の所有者との調整を図りながら事業を進めてまいりました。
 こうした状況において、令和六年度までに約百二十万本、約三十九万立方メートルの杉等を伐採するとともに、多摩産材の安定供給を図ってきました。
 なお、十九年間の事業費は約百五十六億円でございます。

○両角委員 石原都政の下で杉の伐採による杉花粉発生源対策がスタートして以来、二十年が経過をいたしております。多くの関係者との粘り強い調整を図りながら、営々と杉の伐採を進めていただいていることには、花粉症患者を代表して敬意を表するところであります。
 一方で、現行ペースで伐採を進めても、伐採完了は何世代も先となる現実を前にすると、これはちょっと目まいを感じるようなところでもございます。
 都は、二〇五〇東京戦略において、二〇三五年に多摩産材の取扱量を年間四万二千立米にするという目標を掲げているところであります。
 令和六年度の伐採実績が二万三千立方メートルであり、目標達成には伐採量を加速させる必要がありますが、そのための取組について伺います。

○榎園農林水産部長 都は、花粉発生源対策の加速化に向け、令和六年度に二〇三五年時点での伐採可能量の目標を引き上げ、伐採する森林の確保、民間による伐採の促進、流通機能の強化の三点を重点的に進めることといたしました。
 具体的には、所有者や境界が不明確な森林について、専門家を活用した相続登記や境界の明確化などを支援するとともに、搬出間伐を行う民間事業体に、高性能林業機械の導入や作業道の整備などを一体的に支援しています。加えて、原木市場での搬出、搬入の効率化等を進めてございます。
 こうした取組に加え、来年度からは、急峻な多摩の森林でも使用できる機械の開発に挑むスタートアップ等の取組を後押しし、林業のさらなる省力化を図るとともに、林道のカーブや橋梁の改修等のボトルネックを集中的に解消しながら、伐採のスピードを上げてまいります。
 これらを含めた花粉発生源対策の令和八年度関連予算に約三十五億八千万円を計上し、年間約二万九千立方メートルの伐採量を見込んでございます。

○両角委員 杉花粉の発生をなくすことは難しいことでありますが、杉の伐採を加速し、東京の林業を活性化していくことは重要です。そのためにも、スタートアップの取組などを活用した、斜面での安定した伐採が可能な技術支援等を強化するとともに、多摩産材の需要喚起にも努めていただくようお願いをいたします。
 森林の循環を進めるためには、土砂流出防止等の公益的機能を維持しながら、伐採、利用、植栽、保育を適切に行い、森林を整備することが重要です。
 現在、植栽する苗木は、花粉の少ない苗木を使っていると承知をしておりますが、花粉発生源対策を一層進めていくには、花粉を全く生産しない性質を持つ苗木の活用をしていくことも必要です。
 都は、花粉を全く生産しない無花粉苗木の研究開発も行っていると聞いておりますが、その取組について伺います。

○榎園農林水産部長 花粉の少ない苗木は、気象条件等により一定程度の花粉をつける場合があるものの、全体としては花粉の発生量は抑えられており、花粉発生源対策として有効であると認識してございます。
 一方、無花粉苗木は、遺伝子レベルで花粉を生産しない特性を有しており、将来にわたり花粉を飛散させることがありません。
 都は、こうした無花粉苗木の特性に早期に着目し、さらなる花粉の減少を目指して、花粉発生源対策を開始した翌年には、多摩地域に適し、材木としても優良な無花粉杉の開発に向けて取り組んでございます。
 具体的には、交配、育生、評価のサイクルを繰り返し行い、令和二年から七年にかけて、花粉を一切つけず材質に優れた七品種を開発いたしました。
 現在、開発した無花粉杉を早期かつ大量に植林するため、令和六年に組織培養技術を持つ住宅メーカーと協定を結び、令和十二年頃には年間で十万本の苗木を生産する体制を構築いたします。

○両角委員 花粉を生産しない無花粉杉を増殖する研究が進んでいるとのことです。今後、都の花粉症対策の実効性が上がり、花粉症に苦しむ都民がその効果を実感できるようになることを期待して、次の質問に移らせていただきます。
 森林環境譲与税について伺います。
 平成三十一年三月に森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が成立をし、全国の自治体に森林環境譲与税が交付をされております。
 令和六年度からは、国民に対し森林環境税が課税をされているところでありますが、この仕組みと、東京都及び市区町村に交付された金額と使途について伺います。

○榎園農林水産部長 森林環境税は、国民一人当たり一律一千円が徴収される国税であり、この税収は、森林環境譲与税として、私有林人工林面積、林業就業者数、人口の三つの客観的基準を用いて案分し、都道府県と区市町村に交付されます。
 令和六年度に東京都に交付された譲与税の額は約二億五百万円、区市町村全体では約十八億四千万円となってございます。
 都は区市町村が実施する施策の支援等に、区市町村は森林整備や木材利用に関する施策等に譲与税を活用してございます。

○両角委員 令和六年度実績では、人工林がほとんどない世田谷区に約一億円余りが支払われているなど、都心部の森林のない区に多額の税が交付をされております。
 一方で、人工林を多く有する西多摩の日の出町が約千六百万円、最大の八王子市が八千九百万円余りであり、島しょに至っては、神津島村が三十四万円、青ヶ島村が十六万九千円であります。
 こうした実態は、法の趣旨と乖離した状況といわざるを得ません。
 活用については、区部では活用努力は見られますが、森林整備の現場を持たない区部の自治体では、木質化あるいは普及啓発の周辺メニューや基金の積立てでやりくりをしているのが実態であります。
 こうした中で、都では、森林を有していない自治体の譲与税が多摩の森づくりに活用されるような仕組みを構築していると聞きますが、都の取組について伺います。

○榎園農林水産部長 温室効果ガス排出削減や水源涵養などの森林の恩恵は、森林のない都市部においても享受するものであり、健全な状態で次世代に引き継ぐため、森林環境譲与税を効果的に活用することが重要でございます。
 そのため、都は、都市部の自治体に多摩地域の森林保全等への協力を働きかけ、令和五年七月に十二の区市町村と協定を締結し、協議会を設立いたしました。現在は十四自治体が参加してございまして、来年度は、さらに区部の一自治体が加わる予定でございます。
 この協議会では、都市部と森林のある自治体が譲与税を持ち寄り、それを活用して多摩地域の複数の自治体が森林保全等を行っています。
 都は、協議会の事務局として、都市部と森林のある自治体を結びつける調整を行ってございます。
 都と区市町村が一体となって森林保全等を進めることで、持続可能な森林循環の実現につなげてまいります。

○両角委員 市区町村に交付された譲与税が多摩の森林保全等に使われる協議会の仕組みについては評価をさせていただきます。
 一方で、協議会の事業が広報等の周辺事業に偏る等、課題もあると思います。
 都には、今後、都に配分される譲与税を、西多摩や島しょへの森林整備、担い手確保、被害対策など、現場重視で活用されるような実質的な補正を図るとともに、協議会においては、広報中心ではなく、森林整備に着実に使われる仕組みを強化されるよう要望いたします。
 都には工夫をしていただきたいわけでありますが、そもそも森林環境譲与税は国の所管であり、都としては、国に、人口要素のさらなる縮小や森林面積、離島性、急傾斜地等のさらなる反映など、見直しを働きかけることを求めます。
 次に、東京のブランド豚、トウキョウXについて伺います。
 都が開発したトウキョウXは、平成九年の誕生以来、三十年が経過し、今や東京を代表するブランドとして広く知られております。
 私の地元の道の駅、八王子滝山で販売をしており、私も購入をして、昨日で三日連続、これを食べているということでございます。
 とてもおいしい肉なんですが、一方で、ブランド豚といわれるいわゆる銘柄豚は、全国に四百以上あるということでもあります。
 こういったライバルたちに負けずに、より強固なブランドに育てていくべきと思いますが、まずはトウキョウXの特徴について伺います。

○榎園農林水産部長 トウキョウXは、経営の規模を大きくできない都市部においても、差別化、高収益化が図れる畜産経営を実現するため、味がよいといわれる北京黒豚、バークシャー、デュロックの三品種の豚を掛け合わせて開発され、それらのよいところが受け継がれております。
 肉質は、筋肉内脂肪交雑率、いわゆるさしが他の豚肉と比較して多く、舌触りが滑らかで、風味、味わいが優れているとされております。
 卸売価格が、一般の豚肉と比較して高値で取引されてございます。
 一方、肉質を高めるために、生まれる子供の数は少ないという特性があり、流通量はそれほど多くはございません。

○両角委員 開発の経緯を伺い、トウキョウXがおいしい豚肉であり、高く売れる品種だということがよく分かりました。
 しかし、流通量も限られているということもあり、トウキョウXを食べたことのある方は少ないのではないかとも思います。
 そこで、トウキョウXの生産と都内の流通状況について伺います。

○榎園農林水産部長 現在、トウキョウXは、都内で生産を行う養豚農家三戸のほか、都外の六戸を含む計九戸の生産者により、年間約八千頭が生産されてございます。このうち約一割が都内で生産されております。
 流通については、指定流通業者三社を通じて都内各地で販売されており、最大手の流通業者によれば、十八の専門店やスーパー等三十六の量販店で取り扱うほか、通信販売も行ってございます。

○両角委員 今、伊勢丹とか今半で購入することができますが、生産量も流通経路も限られているということで、常に店頭に並ぶというわけではありません。やはり、なかなかお目にかからないという方も多いのではないかと思います。
 都内でトウキョウXを生産している養豚農家は三戸であるとの答弁でありました。八王子、青梅、町田の各一戸がそれぞれトウキョウXを飼育しており、それぞれが家族経営であり、高齢化も進んでおります。
 こうした状況で、都内での生産ができないような状況となり、トウキョウXの生産が全て都外の生産者によるものとなれば、まさにブランドの危機です。
 都市化、宅地化が進む東京では、動物の鳴き声や臭いなど、畜産経営にとって厳しい経営であり、今後、新規参入が見込めない中、今残っている農家を全力で支え、ブランドとして育ってきたトウキョウXをしっかりと守っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○榎園農林水産部長 都は、東京を代表する農産物であるトウキョウXのブランドを維持するため、普及指導員が都内のトウキョウX生産者に対し、伴走して技術指導を行うとともに、生産効率を高めるための設備を導入する経費への支援等を行っています。
 今後も、都外生産者による出荷を増やし、供給量を確保しながらブランド維持を図るとともに、発祥の地東京での生産を守るため、都内のトウキョウX生産者に対し、新たに事業継続等に向けた意識づけの取組を開始いたします。
 具体的には、普及指導員がファシリテーターとなり、高齢等により事業継承を検討する時期にある生産者の家族に対し、経営方針や役割分担等について意見交換を促すとともに、家族経営協定の作成支援などを通じ、子供などが経営に参画する契機をつくってまいります。
 あわせて、畜産科のある高校や大学のキャリアサポート部門、東京都の農業経営・就農支援センターである東京都農業会議等と連携し、畜産経営を目指す方をリスト化します。掲載された方とトウキョウX生産者とのマッチングを積極的に進めるとともに、普及指導員等が両者との連携を促し、事業継承の機運を高めてまいります。
 こうした取組により、東京におけるトウキョウX生産を守ってまいります。

○両角委員 トウキョウXの維持、継承に係る取組が開始されているとお聞きをいたしまして、少し安心をいたしました。
 しかし、トウキョウXの都内生産者は絶滅の危機にあるといっても過言ではありません。今、手を差し伸べなければ、取り返しのつかないところまで来ていると思います。生産者の声をよく聞き、飼料の購入支援なども含めてしっかりと支援し、トウキョウXの生産がなくなることのないよう、部局を挙げて頑張っていただくようお願いを申し上げます。
 次に、グローバルの方の質問をさせていただきたいと思います。
 国際金融都市の推進について伺います。
 金融は、しばしば経済の血液と称されます。実際、国際的にも、金融は経済の命脈を支える基盤と位置づけられており、その流れを強めることは、東京が国際金融都市として競争力を高め、都内企業への投資や成長の機会を呼び込むための不可欠な要素です。
 こうした視点に立つと、都が進める国際金融都市としてのプレゼンス向上の取組は、単なる金融業界向けの施策にとどまるものではなく、世界の資金、人材、技術、情報と都内企業が結びつく機会の創出やビジネスの進展につながることが期待されるものです。
 このような中、今年度から国際金融の所管が産業労働局へ移管されたことは、金融政策と産業政策との連携を一段と深め、東京の産業経済力を総合的に高めていく上で大きな転換点であったと受け止めております。
 今後、都市としての競争力を維持向上させていくためには、こうした観点からの施策展開がより一層重要となってまいります。
 本日は、国際金融施策のうち、都内企業への投資に関わる事業や、その原資を世界から呼び込むための海外プロモーションについて確認をさせていただきます。
 都内企業が海外からの投資を呼び込み、大きく成長していくためには、海外投資家等に対して、投資判断に必要な企業情報、いわゆるIRの英語による発信が非常に重要です。
 令和八年度予算案では、都内企業の国際戦略に向けた海外IR支援事業が新規事業として計上をされておりますが、まず、この海外IR支援事業の概要について伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 都内企業の国際戦略に向けた海外IR支援事業は、都内に本店、支店を有する上場企業に加え、中堅、中小企業も支援対象とし、企業の経営戦略や財務情報といった、海外投資家等が求める英語によるIR情報を効果的に発信するための支援を実施するものでございます。
 支援策は大きく二つありまして、一点目は、企業の海外IR強化支援として、海外投資家等が求めるIR情報や投資家等との接し方などについて専門家による講義等を行い、支援企業のスキルアップを図るものでございます。
 二点目は、海外IR人材の育成支援として、IR部門等に所属する従業員に対しまして、その実務力向上を図るため、専門家や実務家等による集中講義の実施、AI翻訳の利活用方法習得支援等を行うものでございます。

○両角委員 企業とその従業員の海外IRに関する能力向上を図るという事業内容については理解をいたしました。
 次に、この事業を実施することによって、都はどのような成果を期待しているのか、伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 海外IR支援事業では、都内にある上場企業に加え、海外取引に意欲はあるが、英文での企業情報開示に着手できていない等の企業も支援するため、幅広い対象を設定しております。
 本事業では、既にプライム市場で英文での企業情報開示が義務化されている決算情報等の資料に加え、より効果の高い開示方法や資料等を専門家が解説することで、情報開示のノウハウ習得や参加企業の自発的な取組を促進するものでございます。
 また、IR部門の従業員数の増加やスキル向上、海外投資家との接し方等の実践的ノウハウの習得に向けたワークショップ等を実施いたします。
 これらにより都内企業の海外IR活動を強化することで、海外からの投資や協業等の具体的な成果につなげてまいります。

○両角委員 ぜひ、この事業を通じて、実践的なノウハウやスキルを企業やその従業員の方に伝えていただき、海外からの投資や協業につながることを期待いたします。
 次に、デジタル証券市場拡大促進事業について伺います。
 デジタル証券は、ブロックチェーン技術を活用することで、従来の有価証券に比べて小口での発行が可能であり、多様な資産を裏づけとした金融商品を組成することができることから、個人投資家の新たな投資対象となり、貯蓄から投資への流れを加速させるものとして期待をされております。
 先日、私は、Tokyo Innovation Baseで開催をされましたデジタル証券シンポジウムに参加をさせていただきました。
 本シンポジウムでは、デジタル証券市場の動向や、新たなアセットを裏づけとした商品開発に関する各社の取組について、活発な議論が行われました。
 登壇者からの、我が国のデジタル証券市場が動き出して五年間で、公開されている案件のデジタル証券の発行累計額は三千億円規模となった、デジタル証券にはまだ多くの成長余地があり、今こそスピードを加速させていく必要があるとの発言が印象的でありました。
 デジタル証券の普及は、金融のデジタライゼーションを進める上でも重要であることから、国際金融都市としてのさらなるプレゼンス向上を目指す都においても、より一層の支援をしていく必要があります。
 都は令和五年度から、全国に先駆けてデジタル証券の市場拡大に取り組んできているところでありますが、都のこれまでのデジタル証券市場拡大促進事業の成果と今後の市場発展に向けた取組について伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都はこれまで、企業がデジタル証券を発行する際に必要な経費の支援やシンポジウム等での普及啓発など、デジタル証券市場の拡大に向けた取組を進めております。
 今年度は、機関投資家や富裕層のみがアクセスできた国内の非上場株ファンドへの投資について、ブロックチェーン技術で小口化することで個人でも投資可能にした日本初の事例や、これまで発行実績が少ない、自社で募集するデジタル社債の少額での購入など、計六社の取組を採択し、発行に係る経費の支援を実施いたしました。
 また、今月開催いたしましたシンポジウムには約百二十名の方が参加し、証券化対象の資産が、これまで中心でありました不動産や社債等に加え、航空機や船舶等の新たなアセットに広がることへの期待などにつきまして、活発な議論がなされたところでございます。
 こうした取組を通じ、デジタル証券の発行機運をさらに高めるとともに、来年度は、証券発行に係る支援額の上限を一社当たり二百五十万円引き上げ、最大一千万円とすることで、個人の投資機会を広げる先進的な取組を重点的に後押しし、デジタル証券市場の一層の発展につなげてまいります。

○両角委員 来年度は、デジタル証券発行への支援を手厚くするとともに、引き続き、最新の事例や展望などを共有する場を設けて、さらなる普及促進に取り組んでいくということが分かりました。
 こうした取組を加速させ、デジタル証券を通じた資金の流れが活性化するよう期待をいたしまして、次の質問に移ります。
 次に、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションと締結をしているMOUについて伺います。
 都は、平成二十九年十二月に、金融分野の交流協力に関する合意書、いわゆるMOUを、世界有数の金融都市であるロンドンの金融機能の中枢を占めるシティ・オブ・ロンドンと締結をいたしました。
 また、昨年九月には、シティとMOUを改定したとも説明を受けているところでございます。
 そこでまず、MOUを締結してからの取組の成果について伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 都は、国際金融都市として長らく世界トップクラスの英国ロンドンとの連携を深め、その取組を都の施策に反映させることを目的にMOUを締結いたしました。
 締結後の成果といたしましては、トップ同士による定期的な会談をはじめ、セミナーの共催を通じて両都市間の関係性を深化させております。
 また、毎年、職員の相互訪問や都庁職員の研修派遣の機会を捉え、シティの強みである金融プロモーション活動等に関する知見を得ております。
 あわせて、都及びシティが先進的なテーマのセミナーを共催することで、集客や効果的なPRにつながっているとともに、日英金融関係者が交流することで人脈の拡大にも寄与しております。
 また、平成三十一年にFinCity.Tokyoを設立した際には、英国のプロモーション組織、ザ・シティUKを参考にするなど、MOU締結を契機に取組を進めてきております。

○両角委員 世界の金融の中心地であるシティ・オブ・ロンドンとのMOU締結は、東京の国際金融都市としてのブランディングに非常に大きなプラスインパクトを与えていると評価をされております。
 シティ・オブ・ロンドンとの連携は、イベントの開催だけではなく、継続的な対話と具体的な協力関係の積み重ねが重要です。
 令和八年度予算案では、MOU関連事業として、セミナーに加え、イベントを新たに実施するとされておりますが、TIBを活用するなど、この新規の枠組みが、単発の会合ではなく、東京とロンドンが相互に補完し合う実質的な連携に発展するようにしていくべきです。
 そこで、次の施策をどのようにつなげていくのか、確認をさせていただきます。
 昨年、都とシティはMOUを改定いたしましたが、その狙いと今後の具体的な取組、さらに、得られた成果を都の国際金融施策にどのように生かしていくのか、見解を伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 MOU改定の狙いでございますが、平成二十九年に締結後、七年が経過する中で、金融分野のDXや脱炭素化の実現に向け、金融イノベーションや日英間の投資拡大を促進させていく必要がございました。
 そこで、昨年九月、企業、人材、資金を東京へ呼び込むための取組を加速させるため、具体的な取組を追加する改定を行ったものでございます。
 都は来年度、年二回のセミナーに加え、新たにピッチイベントやビジネスマッチングをシティと共催することを予定しております。
 これらの取組を通じ、英国のフィンテック企業等の東京進出を後押しするなど、具体的な成果につなげていくとともに、MOUに基づく様々な取組から得られた知見や成果を今後の施策展開に生かしてまいります。

○両角委員 都市間連携で養った成果を一過性のものとせず、継続して活用していくことが重要です。ぜひ、MOUを通じたシティ・オブ・ロンドンとの絆を今後も大切にし、引き続き、都の国際金融都市としてのプレゼンス向上につなげていただくよう期待をいたします。
 また、シティ・オブ・ロンドンから学んだ知見をプロモーションに生かしていくことは重要です。
 そこで、次に、国際金融都市としての発信、プロモーションについて伺います。
 国際金融都市間の競争が激化をしている中にあっては、東京への投資やビジネス環境等、都市の魅力をいかに効果的に伝えていくかが重要です。
 都は、官民連携金融プロモーション組織、FinCity.Tokyoと連携して様々な事業展開をしていることと思いますが、まず、同団体が担う金融プロモーションについて、最近の取組と成果について伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 官民連携金融プロモーション組織であるFinCity.Tokyoでは、国内外でのイベント参加や意見交換、ウェブサイトやSNS等を通じた情報発信等を積極的に実施しております。
 今年度は、欧州や北米、中東、アジアの十四都市を訪問し、各金融イベントへの登壇、現地記者向けのラウンドテーブル等を通じ、東京の魅力や取組を、参加イベントのテーマに合わせ戦略的に発信いたしました。
 このような取組を通じて、三十八媒体で記事掲載を獲得するとともに、運用資産残高十億ドル以上の資産運用業者の東京進出につなげることができました。

○両角委員 FinCity.Tokyoが、海外でのイベント登壇や情報発信など、国際金融都市としての東京の魅力を伝える取組を重ねてこられたことは理解をいたしました。
 一方で、国際金融都市をめぐる競争は、各都市が発信力やネットワーク構築に戦略的に取り組む中で、年々厳しさを増していると伺っております。
 こうした金融都市間による競争を踏まえ、今後どのように取組を深化させていくのか、令和八年度の展開について伺います。

○小出国際金融プロモーション推進担当部長 国際金融都市としましては、ロンドン、ニューヨークのほか、香港やシンガポールをはじめ様々な都市の台頭など、国際金融における都市間競争は、お話のとおり熾烈を極めております。東京の存在感を高める戦略的なプロモーションが重要と考えております。
 そこで、令和八年度は、国内だけでなく、海外においても主催イベントの機会を増やすとともに、国やFinCity.Tokyoの会員企業である大手金融機関等と連携し、多様なプレーヤーから東京の金融市場の魅力を効果的に発信してまいります。
 さらに、サステーナブルファイナンス等に積極的に取り組み、価値観を共有できる海外の金融プロモーション組織と、イベントの共催や知見の共有、MOUの締結等の連携を進め、継続的で波及効果の高いプロモーションを展開してまいります。

○両角委員 国際金融都市としての発信は、行政が示す制度、施策の信頼性と民間のネットワークを掛け合わせたときに最も強くなるものだと思います。来年度の取組が相互に連動し、海外から見た東京の評価向上へ確実につながるよう進めていただきたいと思います。
 これまで、今年度から産業労働局に移管をされました国際金融施策について伺ってまいりました。都におかれましては、外部からの評価や現場の声も踏まえ、施策の実効性を不断に高め、国際金融都市東京のプレゼンス向上に結びつけるよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○渋谷委員 まずは、農林業の暑熱対策について伺います。
 先日成立しました補正予算により、私がこれまで繰り返し提起してきました、空冷服などを活用した暑熱対策が講じられることとなりました。これにより、農林業従事者は一定の安心感を持って屋外作業ができるようになると思われます。
 一方で、農業や林業の作業は屋外に限られるものではありません。
 例えば農業では、農産物の鮮度を保つため、収穫後、室内や軒下において、速やかに出荷に向けた調整作業を行います。また、林業では、ハーベスター等の林業機械の運転席で長く作業されることも少なくありません。
 これらの作業環境は、直射日光を避けられる一方、長時間作業となることから、熱中症のリスクは決して低くはありません。
 そこで、都は、農林業従事者が様々な作業現場で暑熱対策を取れるよう支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○榎園農林水産部長 都は来年度より、農林業従事者の多様な作業環境に応じた暑熱対策を支援する取組を開始いたします。
 具体的には、農業分野において、加工や出荷調整を行う作業室に設置するエアコンのほか、屋外作業でも使用可能なスポットクーラー、作業現場へ持ち運びができるクーラーテントなど、作業する現場の状況に応じた暑熱対策機器等を導入する場合、対象経費の上限を二百万円とし、その三分の二に助成を行います。
 また、林業分野においては、冷房装置が搭載されていない林業機械等に対し、冷風を発生させる機械などを追加装備する経費について、最大三分の二を助成いたします。
 こうした取組を通じて、農林業従事者が安全で働きやすい環境づくりを後押ししてまいります。

○渋谷委員 農業や林業の多様な現場に対応した支援策が講じられています。こういった支援が確実に届くよう、また、しっかりと周知していただくよう求めまして、次の質問に参ります。
 東京の農地は、農産物の生産に加え、防災や環境保全、教育など都民生活に多面的な役割を果たす重要な資源であり、都は、農地の貸借を進め、その保全に努めているが、高齢化のさらなる進展などにより、耕作が困難となる農地が増えてきています。
 他県では、大規模な農地を耕作する農業法人が増加しており、遊休農地の解消につなげています。都内では、地方と異なり、大規模化は容易ではありませんが、都内の農業法人が耕作する農地面積は個人経営の農家の約五倍との報告もあり、都においても法人化は有効であり、その役割は今後さらに重要になると考えます。
 このような観点から、我が会派は、第一回定例会において、農地保全の方策として農業者の法人化を取り上げ、都からは、法人化した農業者への支援を開始するとの答弁がありました。
 そこで改めて、都は、農業者の法人化をどのように後押しし、その取組を通じて東京の農地保全をどのように進めていくのか、見解を伺います。

○榎園農林水産部長 都は、高齢化等により耕作が難しくなった農地の活用を図るため、規模拡大に取り組む農業者を支援しており、来年度からは、遊休農地等の活用を一層進めるため、法人化した農業者が農地面積を拡大し経営発展を目指す取組を強化いたします。
 具体的には、栽培施設の設置や農業機械等の導入といった農業生産に必要な設備に加え、堆肥や肥料、植付けに用いる種子や苗など、大規模に栽培を開始する際に負担となる初期経費に対する支援を新たに実施いたします。
 これらの支援については、農地の拡大を誘導する仕組みとし、農地面積に応じて補助率を引き上げ、三ヘクタール以上の規模に拡大する場合には、最大で五分の四を助成いたします。
 こうした取組を通じ、東京の貴重な農地の保全を図ってまいります。

○渋谷委員 私はかねてより、健全な農業経営による農地の保全が第一と考えてまいりました。農業者の経営発展により東京の農地を守っていくために丁寧な支援が講じられており、今後もしっかりと取組を進めていただくことをお願い申し上げます。
 昨今の国際的な情勢不安による燃料価格の高騰などにより、肥料価格は上昇傾向にあります。特に化学肥料は、原料を輸入に依存していることから価格変動が大きく、農家の経営に大きな影響を与えることが懸念されています。
 一方、都内には、畜産農家において発生する家畜ふんのほかに、廃棄されている食品残渣など、今後、肥料の原料としての活用が期待できる資源があるのではないかと考えます。
 農家の負担を軽減し、安定的な生産環境を確保するためには、化学肥料への依存度を下げ、家畜ふんなど地域資源を活用した堆肥等の有機質肥料の利用を進めることが重要です。
 こうした取組は、農家の生産コストの削減はもちろん、畜産農家の経営支援や地域内での資源循環を通じた環境負荷の低減にもつながると考えますが、今後の都の取組を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、栽培農家が有機質肥料を利用しやすくするため、堆肥や緑肥などの有機質肥料等の購入経費の助成や、堆肥の袋詰め機等を導入する畜産農家への支援などを行っております。
 来年度は、有機質肥料等のさらなる利用を促すため、購入助成の上限額を二十万円から三十万円に引き上げるとともに、都が推進するエコ農産物の認証を新たに受けた場合には、助成率を三分の二から四分の三に引き上げます。
 さらに、都内における堆肥の供給体制の強化に向けまして、堆肥生産に不可欠な発酵を促すための資材を増やすため、都内食品事業者等から発生するコーヒーかすや米ぬかなど、未利用資源の活用を検討いたします。
 引き続き、地域内の資源循環を進めながら、農家の経営安定を図ってまいります。

○渋谷委員 化学肥料から有機質肥料等への切替えを図ることは、栽培農家と畜産農家双方の経営改善につながるものと考えます。
 また、東京には多くの食品事業者が存在するため、地域資源を肥料として活用することは社会課題の解決にもつながると考えます。
 有機質肥料の拡大について伺いましたが、東京の農業は、住宅地に近いという特徴を踏まえ、周辺に配慮した丁寧な生産が行われており、こうした肥料を活用してエコ農産物の認証を取得するなど、意欲的な取組も広がっています。
 一方で、エコ農産物の存在や価値が消費者に十分伝わっておらず、生産に係る手間やコストの増加が価格に反映されにくく、せっかく認証を受けても経済的メリットを実感しにくいとの声も聞きます。
 消費者にエコ農産物の価値を伝え、適正な価格での販売を広げていくことは、認証に取り組む農業者の収益向上につながるとともに、東京農業全体の価値向上に資するものと考えます。
 そこで、都は、より多くの都民がエコ農産物の価値を理解し、農業者が収益面でも認証取得のメリットを感じられるよう取組を強化するべきと考えますが、見解を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、エコ農産物の価値を消費者に効果的に伝えるため、高付加価値での販売が期待できる都心部に、エコ農産物の販売専門店を昨年十一月から約四か月開設いたしました。
 エコ農産物を使ったオリジナルの加工品の販売なども行いまして、二月末までに約七千人が来店するなど、認知度向上につなげております。
 来年度は、専門店の開設期間を三か月延ばすとともに、周辺飲食店にサンプルとして食材を提供し、エコ農産物を使用したメニューを展開しPRすることで、消費者が触れる機会を増やし、さらなる価値の訴求につなげてまいります。
 あわせて、小売店等においてエコ農産物が差別化され高付加価値で販売されるよう、生産者に対し、認証マークつきのシールや出荷袋等の製作経費の三分の二を助成する取組を新たに開始いたします。
 これらの取組によりまして、エコ農産物の消費拡大と農家の収益向上につなげてまいります。

○渋谷委員 エコ認証農産物の価値や魅力を多くの消費者が理解し、選んで購入してもらうことが、エコ農産物に取り組む生産者の背中を押すことにつながります。消費者へのさらなる情報発信と農家への継続した支援を求めて、次の質問に参ります。
 東京には、トウキョウXや東京しゃもといったブランド農産物をはじめ、梨やブルーベリーなど高品質な特産品、鮮度が売りの枝豆やスイートコーンなど、魅力的な農産物が数多くあります。
 飲食店からは、こうした地元の食材を使いたいという声がある一方で、なかなか手に入らないとの声も聞きます。また、農家にとっても、高付加価値での取引を広げたい思いはあっても、小ロットでの出荷や配送に係る手間やコストが大きく、販路拡大が難しい状況があります。
 こうした流通面の課題を解決することが、高付加価値な販路の拡大を後押しすると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 東京では、直売所など地域内での販売が中心であり、地域外への流通チャネルを広げることは、農業者の収益向上を図る上で重要でございます。
 このため、都は、高単価での販売が期待できる都心部の小売店や飲食店等へ東京産農産物を納入する流通事業者に対し、仕入れや出荷等に係る経費を助成しております。
 来年度は、旬の果物や鮮度保持が難しい野菜などを求める飲食店等のニーズに対応するため、高価格帯の農産物を小ロットでも効率的に配送できる新たなモデルを構築いたします。
 こうした取組によりまして、農業者の高付加価値な販路の拡大を後押しし、収益向上につなげてまいります。

○渋谷委員 円滑な流通体制が整えば、農家の生産意欲が高まり、供給の拡大や消費の広がりにつながる好循環が生まれると考えます。引き続き、生産から流通、消費までのサイクルを通じて東京産農産物の価値を最大限に引き出し、東京の農業の振興につながるよう取組を進めていただくように求めておきます。
 商店街支援について伺います。
 都内の商店街は、住民に身近な買物の場であるとともに、人々が交流する地域コミュニティの中心として重要な役割を果たしています。
 しかし、長引く物価高により、イベントを開催するための経費負担が重くなるとともに、少子高齢化の進行を背景に、商店街を担う人材の確保が難しくなっています。私の地元においても、こうした課題を訴える声を耳にする機会が増えています。
 都は、商店街が地域に根差した存在として今後も発展し続けられるよう、支援を強化するべきと考えますが、見解を伺います。

○福田商工部長 都は、商店街の活性化に資するイベントの実施を支援するとともに、商店街での開業を希望する若者等が商売の経験を積む場の提供などを行っております。
 来年度は、都が小規模なイベントに対し二分の一を支援するメニューにつきまして、物価高騰も踏まえ、その上限を百万円から百五十万円に引き上げます。
 また、商店街が実施するチャレンジショップの開設や開業予定者へのPRなど、将来の担い手確保に向けた取組に対し、都と区市町村が助成することにより商店街の負担を十二分の一とするなど、支援を強化いたします。

○渋谷委員 都内の商店街のさらなる活性化に向けて、物価高騰への対応や担い手確保への支援を強化することが確認できました。地域コミュニティの核である商店街が持続的に発展できるように今後も取り組んでいただくことを求めて、次の質問に参ります。
 多摩地域には、高い技術力を持つ中小企業や大学、研究機関が集積しており、そのポテンシャルを存分に生かし、革新的な製品やサービスを生み出す土壌を育んでいくことが重要です。
 現在、都は、こうした多様な主体を巻き込みながら交流や連携を深める取組を展開することで、イノベーションが起こり続ける好循環をつくり上げる取組を進めています。
 この実現には、国内だけでなく世界にも視野を広げて、多摩の産業が持つ強みや、ここで生まれた優れた製品やサービスをアピールし、連携先を広げていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。

○福田商工部長 都は、多摩地域をイノベーション先進エリアへと発展させるため、交流会やワークショップを開催するほか、企業や大学等が協働して行います先駆的なプロジェクトを支援するなど、新たな製品、サービスを生み出すエコシステムの形成を促進しております。
 来年度は新たに、海外展開に向けたワークショップを開催するとともに、多摩地域で社会実装されました製品やサービスなどを、アメリカで開催される世界最大級のテクノロジーの展示会に出展いたします。
 また、展示会の現地での来場者のニーズを聞き取りまして、ビジネスパートナーとなり得る多摩地域の企業の紹介やマッチングなども行います。
 こうした取組によりまして、国内外での連携や協業を創出してまいります。

○渋谷委員 海外の連携先の確保に向けて、様々な取組を今後強化していくことが確認できました。引き続き、市町村の産業活性化に向けてしっかりと事業を進めていただくよう求めて、次の質問に参ります。
 多摩地域の観光振興について伺います。
 都心には多くの観光客が訪れ、大変にぎわっていますが、多摩地域では、まだまだその恩恵を実感するには至っていません。
 多摩といえば、豊かな自然や寺社仏閣、地域ごとの様々な特産物など、観光資源は数多くありますが、その魅力が十分に伝わってはいません。
 私の地元清瀬市では、ヒマワリが人気で、ひまわりフェスティバルの時期には大変にぎわっていますが、そのほかの観光スポットにも足を運んでもらうことが課題となっています。一昨年には観光協会も立ち上がり、誘客に取り組んでいるものの、限られた人材や予算では十分なPRがなかなかできません。
 そこで、多摩地域にも観光客を呼び込んでいくため、都としての魅力発信などの取組に一層力を入れるべきと考えますが、見解を伺います。

○江村観光部長 都はこれまで、多摩地域の観光協会等による地域ならではの魅力を生かした観光資源の開発を後押しするほか、昨年九月には多摩の観光の魅力を発信する多言語のウェブサイトを新たに開設して、PRを強化してまいりました。
 このほか、今年度は、大阪や福岡など国内四つの都市で開催された観光イベントにおいて、多摩の特産品の販売やVR映像の体験などを行うブースを出展いたしました。
 来年度は、これら四つの都市で観光PRを継続するとともに、新たに、近隣の埼玉県と神奈川県において、ターミナル駅や商業施設等で多摩の観光の魅力を紹介する取組を四回実施いたします。
 観光協会等とも連携しながら取組を効果的に進めることによりまして、多摩地域への旅行者誘致を促進してまいります。

○渋谷委員 旅行者の滞在時間を延ばし、消費の拡大につなげる上で、ナイトタイム観光の取組は今後重要となってまいります。
 区部では取組が比較的進んでいるものの、多摩地域においてはまだまだ取組が進んでいない状況です。
 夜の観光イベントとして代表的なライトアップは、多摩地域では住宅が近接しているなどの理由から実施できる場所が限られ、新たに実施したいと思っても、参考となる先行事例が少ないため、ハードルは高いものとなっています。
 都内で開催されている夜のライトアップには多くの観覧者が訪れており、周辺で飲食を楽しむなど集客効果が高いことは明らかです。こうした取組を多摩地域にも広げていくことで、さらなる観光振興につながっていくものと考えます。
 そこで、多摩地域におけるライトアップ支援の事例を伺うとともに、より地域が取り組みやすいよう工夫を講じていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○江村観光部長 都は、都内各地における夜間の誘客を図るため、区市町村や観光協会等による建造物への常設のライトアップや、桜と紅葉へのライトアップを支援しております。
 多摩地域における事例としましては、駅舎として利用されていた建造物へのライトアップや、国指定の史跡での桜のライトアップ、渓谷での紅葉のライトアップなどを支援した実績がございます。
 来年度は、各地域で四季折々のイベントが行われている実情を踏まえ、桜と紅葉の時期以外のライトアップも支援対象に加えます。
 また、各地域が取り組むイルミネーションについても新たに支援対象としまして、支援規模を十五件から二十件に拡大いたします。
 こうした取組によりまして、地域が主体となったナイトタイム観光を後押しいたします。

○渋谷委員 多摩地域の観光資源としては豊かな自然や伝統文化が挙げられますが、新たなナイトタイム観光の取組も活用し、多摩の魅力を一層高めていくことが重要です。都の観光支援策を多摩地域の市町村や観光協会にもしっかりと周知するとともに、ノウハウを提供して着実に取り組めるよう後押しすることが不可欠です。
 その上で、多くの観光客に多摩地域に足を運んでいただけるよう、都の発信力を最大限活用して多摩の観光PRをより一層強化することを求めまして、私の質問を終わります。

○三雲委員 三雲です。
 まず、カスタマーハラスメント防止対策推進事業についてお伺いをします。
 この事業は、今年度からスタートして令和九年度までの三か年継続するということになっています。
 奨励金については、GビズIDを取得して、Jグランツを通じて申請することになっておりますけれども、昨年十二月の申請受付時に、予想を上回るアクセスが集中し、Jグランツに障害が発生して申請受付ができず、本日の申請受付に持ち越された経緯があります。
 ところが、本日の申請受付においても不具合があったと伺っております。
 まず、前回の不具合を受けて、申請受付方法にどういった改善がなされたのかを含め、今回の申請受付システムについてご説明ください。

○新田雇用就業部長 昨年十二月に実施いたしましたカスタマーハラスメント防止対策に関する奨励金の三回目の募集については、国のシステムであるJグランツにアクセスが集中して申請できない障害が生じたことに伴い、受付を中止しました。
 このため、アクセスが集中した場合であっても申請に対応できるよう、都独自のシステムを構築し、受付を行うことといたしました。

○三雲委員 ありがとうございます。
 昨年十二月のJグランツの障害を踏まえ、申請受付用に都独自の事前エントリーシステムを構築し、申請者に対しては、まずはそこで必要事項の情報を入力していただき、そこでエントリーした先着二千件の申請者に対して、Jグランツの手続に必要なURLを送付する仕組みであったというふうに理解をしております。
 こうした対応をされたわけですけれども、本日の申請受付でも、朝十時の受付開始直後から事前エントリーが締め切られ、申請画面にアクセスできない、こうした声が出ています。
 ご説明いただいたシステム上の技術的障害なのか、単なるアクセス集中の結果なのか、障害が発生した箇所の特定と事象の詳細を明らかにしていただきたいと思います。

○新田雇用就業部長 受付開始直後から、申請画面にアクセスできず、申込みができなかったという声は承知しております。
 今回のアクセス状況等につきましては、現在調査中でございまして、現時点では確認できておりません。

○三雲委員 ありがとうございます。
 事前エントリーシステムに運よく接続できた申請者が事前エントリーを行うことができ、その数が二千件に達したので申請が締め切られたということだと思われます。事前エントリーシステムに問題があったようにも思われるわけです。
 昨年十二月の不具合を受けて改善がなされたはずですけれども、その際に、どの程度のアクセス数を想定し、キャパシティーを設定したのか。また、実際のアクセス数は、その想定をどの程度上回ったのか、教えてください。

○新田雇用就業部長 今回の申請受付システムにつきましては、昨年十二月に実施した募集へのアクセス状況等を踏まえ、一分間で最大四万件のアクセスに対応できるよう構築をいたしました。
 今回のアクセス状況等につきましては、現在調査中でございまして、現時点では確認できておりません。

○三雲委員 事前エントリーシステムは、一分間に四万件のアクセスに対応できるように構築をされていたということですので、今回は一分間に四万件のアクセスが集中した可能性があります。
 他方で、一分間に四万件以下のアクセスで接続不良が生じたのであれば、構築したシステムそのものに課題があったとも考えられるわけです。この点は、今後の調査で明らかにしていただきたいと思います。
 その上で、お伺いします。今回の事象は、都として想定内の運用なのか。つながらなかった事業者は、不具合でつながらなかったのか、既に終わってしまっていたのかすら判断ができない状況にあります。事業者への説明責任をどう果たすのか、お聞かせください。

○新田雇用就業部長 今回の申請受付に当たりまして、昨年十二月に実施した募集へのアクセス状況等を踏まえて、アクセスが集中した場合であっても申請に対応できるようシステムを構築したものの、受付開始直後から申請画面にアクセスできず、申込みができなかったといった声もいただいているところでございます。
 様々な原因を想定して調査をしてまいります。

○三雲委員 その辺りは、しっかり今後調査をいただけると思います。
 条例の施行によって、都内中小企業の対策意欲というものが高まっているということについては、ご承知のとおりだったと思います。
 今回の二千件という枠の設定は、十二月の不具合時の反響に照らして、あまりに過小だったのではないかというふうに思われるわけですけれども、需要予測の妥当性について見解をお伺いします。

○新田雇用就業部長 都は、条例で努力義務としております事業者の措置等を速やかに浸透させるため、カスハラ防止に資する取組を行った中小企業等に対し、令和七年度から三か年で一万件の奨励金を支給することとしております。
 このうち、今年度の第一回及び第二回では、各千件の募集を行ったところでありますが、第三回につきましては、これまで申請のあった事業者の審査状況等を勘案しつつ、当初予定していた千件から増やし、二千件の募集を行うことといたしました。

○三雲委員 十二月は二千件の募集を行ったところ、多数のアクセスがあって申請受付が適切にできなかったわけです。それだけ多数の申請があることは分かっていたはずだと思います。それにもかかわらず、今回も二千件の募集であったことが妥当であったのかどうか、大いに疑問があります。
 都内の中小企業数は四十万社を超えるといわれています。三か年で一万件という目標値は、全事業者の僅か二・五%未満にすぎません。カスハラ防止を都全体で取り組む社会課題と位置づけて旗を振る以上、この採択枠の算出根拠が妥当だといえるのか、疑問があります。
 都の呼びかけに応じて、コストをかけて対策を講じた事業者が、先着順という高い壁に阻まれて報われない状況が続けば、今後、こうした事業に対する協力が得られなくなってしまうのではないか、こういった危惧もあるわけです。
 申請の受付すらされなかった事業者に対する納得のいく説明、そして、システムのキャパシティーを超えるほどの数の申請希望事業者への対応が必要となってまいります。
 この事業を通じたカスハラ対策の推進を実効性のあるものにするために、予算の大幅な拡充、枠の拡大を含む事業の再検討をすべきと考えますが、見解を伺います。

○新田雇用就業部長 都は、条例で努力義務としている事業者の措置等を速やかに浸透させるため、カスハラ防止に資する取組を早期に行う中小企業等を支援することといたしております。
 予算につきましては、施策の目的が達成されるよう、適切に計上しているものと考えております。
 令和八年度の受付につきましては、今回、早期に受付を終了したことを踏まえ、準備してまいります。

○三雲委員 ご答弁ありがとうございました。
 今日の質疑の冒頭、おぎの委員の質疑においても、この事業に関して言及がなされました。やはり都内の事業者の皆さんの注目が非常に集まっていて、期待の高い事業なんだというふうに思います。
 十二月、そして今回のようなことがあると、落胆の声が、都にも、そしてまた議会の方にも届いてまいります。本日も、踏みにじられたようだ、こうした声をお聞きしました。会派議員からも、そういった声を聞いております。
 今後、この事業について、しっかりとブラッシュアップをしていただきまして、多くの事業者の皆さんに支援が届くようお願いをいたします。
 続きまして、ステーブルコインの社会実装促進事業についてお伺いをします。
 この事業は、新しい決済インフラとして期待されるステーブルコインの社会実装を後押しするということを目的とするということです。
 ステーブルコインが社会実装され、決済インフラとして普及することによって、都民にどういった便益が生じるのか、都の見解をお伺いします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 ステーブルコインは、法定通貨と価値が連動するように設計されたデジタル通貨であり、新たな決済インフラとして国内外で注目されています。
 その大きな特徴は、ブロックチェーン技術により、銀行等を介さずに送金や決済ができることにあります。
 これにより、従来の送金や決済と比較して、迅速に、安い手数料で、時間を問わず取引が可能になるため、法人、個人とも、海外送金での活用が見込まれます。
 また、海外拠点を有する企業にとっては、拠点間の資金移動が容易になり、資金管理の効率化が見込まれます。
 さらに、国内におきましても、電子マネーと比べ、決済手数料が大幅に安く、即時での代金受け取りや、いつでも法定通貨に変換できることから、店舗や法人のキャッシュ・フローの改善が期待されます。

○三雲委員 都民に生じる便益として、迅速かつ安価な海外送金や店舗のキャッシュ・フロー改善が挙げられました。
 本事業の予算額は二億円、補助率は三分の二、上限額は四千万円という、こうした金額の事業ですので、初期の呼び水であるというふうに理解をしております。
 決済インフラとしての普及には、民間主導の自走が不可欠となってまいりますけれども、都民が日常生活において手数料の安さや即時性を実感できるレベルまで普及させるためには、補助金による事業創出の後は、都はどういった中長期的な普及ロードマップを描いているのか、お伺いします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 国内でのステーブルコインの発行は昨年始まったところでございまして、今後、新たな発行事例の登場や流通の拡大が期待されております。
 都は、来年度のユースケースの創出支援を通じまして、新たなサービスの実装状況や都民等の利用状況、普及に当たっての課題などを確認し、今後、都が果たすべき役割を検討していくこととしております。

○三雲委員 今後、新たな発行事例の登場や流通の拡大が期待されているということですので、本事業の支援対象となるユースケースも多様化することが予想されます。
 本事業は、都民等の社会課題解決にも資する先進的な事例の創出に取り組む事業者に費用の一部を補助する、こうした事業ですけれども、補助対象の事業者には、ステーブルコインの発行者あるいはカストディー型ウォレットのアカウントを開設する取引所、こういったところも含まれてくるのでしょうか。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 補助対象事業者は、発行されたステーブルコインを活用したユースケースの創出に取り組む事業者でございまして、決済の効率化サービスを提供するプラットフォーマーやソフトウエアの開発事業者等を想定しております。
 ステーブルコインの発行者やカストディー型ウォレットのアカウントを開設する取引所についても、ユースケースを創出する事業者であれば補助対象となります。

○三雲委員 発行者や取引所も、ユースケースを創出する事業者であれば対象となるということですけれども、そうであれば、税金を使った産業の囲い込みであるとか寡占市場の形成、こういったことにならないよう、特定の事業者に依存しないオープンなインフラ構築を促すべきであるというふうにいえます。
 審査においては、ステーブルコイン間の相互運用性、互換性や、利用者が銀行等に預けた資金とステーブルコインとをいつでも円滑に交換できる、既存の金融システムとの親和性をどのように評価し、多様なプレーヤーが参入できる環境を確保するのか、お考えを伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 本事業の審査では、ステーブルコインの規制や技術について専門的な知見を持つ複数の有識者から、審査の視点等についてご意見やご助言を幅広くいただくこととしております。

○三雲委員 資金決済法上、日本で発行されるステーブルコインについては、発行者が登録する業によっては、一日当たりの送金額、保管額に上限があり、おのずと活用方法も異なることになると思われます。
 その中で、都民等の社会課題解決にも資する先進的な事例とは、具体的にどのようなものを想定しているのかを教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 国内のステーブルコインは、現在、第二種資金移動業者が発行しております。
 今後、信託会社や信託銀行からの発行も想定されていますが、発行主体によって、一日当たりの発行、償還額等の上限は異なります。
 支援事例につきましては、店舗決済に使用できます、より便利なアプリの開発や、ステーブルコインと既存の社内の会計システムを連携するサービス、さらには、貿易取引において、商品の到着と決済を同時に行うスマートコントラクト機能を活用するものなどを想定しております。

○三雲委員 すみません。先ほど私の質問の中で、一日当たりの送金額、保管額と申し上げましたけれども、正しくは一日当たりの発行額、償還額ですね。すみません、失礼いたしました。
 その上で、お伺いいたします。
 国内のステーブルコインは、現在、第二種資金移動業者しか発行しておらず、第二種資金移動業者が発行するステーブルコインは、一日当たりの発行、償還額は百万円までに制限をされています。
 ただいまの答弁では貿易取引が例示されましたけれども、大規模取引を行って即座に現金化する、他の電子決済手段と比較してキャッシュ・フローの改善につながるといったことは、現実的な活用場面としては想定し難いようにも思われます。
 本事業を令和八年度事業として行う場合、すぐ直後の事業として行う場合、現実的には、店舗決済や中小企業が行う国内取引の決済を先進的な事例として想定することになるんじゃないかと思いますけれども、見解をお伺いします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 来年度は、ステーブルコインの新たな発行主体の参入も見込まれており、様々な先進的事例が期待されるものと考えております。

○三雲委員 様々な先進的事例が期待されるということであれば、支援にふさわしいユースケース、さらに、そのユースケースの各段階に関わる事業者も多くなることが予想されます。
 予算案の概要での説明では、事例を創出する事業者等に費用の一部を補助するということですけれども、多様な方々の間から対象事業者をどういうふうに選定するのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 支援対象企業の選定に当たりましては、事業の社会的意義や新規性、実現可能性等の観点から、法律やステーブルコインの最新の動向等について専門的知見を有する外部有識者を含めた審査会を設置し、選定していくこととしております。

○三雲委員 先ほども申し上げたところですけれども、税金を使った産業の囲い込みであるとか、あるいは寡占市場の形成にならないように、特定の事業者に依存しないオープンなインフラ構築を促すという観点から、適切な対象事業者の選定を行っていただきたいと要望いたします。
 また、予算案の概要の説明では、発行事例や活用シーンを紹介するイベントを実施するということですけれども、支援を行った先進的な事例を中心に紹介するものだと思いますが、どういったイベントを予定しているのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 ステーブルコインを用いて支払いをする側と受け取る側の双方を対象として、ステーブルコインのメリットや活用事例を分かりやすく紹介するなど、多くの都民や企業がステーブルコインを実際に使用してみたいと感じられるような内容のシンポジウムの開催を想定しております。

○三雲委員 多くの都民や企業が使用したいと感じられるシンポジウムを想定しているということですけれども、ステーブルコインは新しい概念であるため、リスクや安全性の周知も欠かせません。
 今年の三月三日には、国際組織FATF、金融活動作業部会のレポートにおいて、ステーブルコインのマネーロンダリング等への悪用事例が増加していること等を踏まえて、ステーブルコインと、アンホステッドウォレット、非カストディー型ウォレットの不正利用に関する脅威や脆弱性が指摘をされています。
 特に、アンホステッドウォレット、非カストディー型ウォレット間の取引、いわゆるP2P取引については、マネーロンダリングであるとか禁制品等の取引に悪用されるリスクに警鐘を鳴らしています。
 ステーブルコインの社会実装を目指すのであれば、メリットだけではなく、リスク管理や消費者保護に関する普及啓発も行い、安心してステーブルコインを使用できる環境をつくるべきでありますが、本事業のイベントにおいて、その視点をどのように盛り込むのか、お伺いします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 来年度開催するシンポジウムでは、都民や企業がステーブルコインを安心して利用できるよう、利用者保護の内容や利用する際の留意点等を盛り込むこととしております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 金融庁等の規制当局の監督の下で発行される国内のステーブルコインについては、信頼性、安全性が担保されていると思われますけれども、普及するに従って、日本の規制当局の管轄外で発行されるステーブルコインの利活用も増えることが予想されます。
 これらが一くくりにステーブルコインとして理解された場合、オンラインで世界中のどこからでも利用することが可能である性質上、利便性が高いであるとか世界的により普及している、こうした理由で、消費者や中小事業者が、国外の取引所が開設するアカウントで国外事業者が発行したステーブルコインを利用し、その結果として、アルゴリズム型のステーブルコインの価格暴落であるとか、あるいは取引所からの不正流出等の事故によって被害に遭うことも懸念をされるわけです。
 あるいは、もっと単純に、ステーブルコインを利用しませんかといった勧誘文句で、法令上必要とされている許認可を受けていない事業者によるステーブルコインと称する商品の売りつけ、こうした詐欺被害が生じることも予想されます。
 ステーブルコインの普及促進と同時に、新たな電子決済手段であるということを踏まえた啓発活動、そして、金融リテラシー教育も併せて進めていただきますよう要望いたします。
 続いて、ファンドを活用した国内企業のITインフラ強化に向けたデータセンター整備促進についてお伺いします。
 データセンターについては、都内各地で建設計画に対して反対する声が上がっておりまして、予算特別委員会でも、まちづくりや脱炭素等との整合を図るとともに、地域とのコミュニケーションが重要である、こういった答弁をいただきました。
 都がファンドまで組成してデータセンター建設を推進することに対する疑問もあるわけです。
 この事業で整備促進するリテール型の中小規模データセンターとはどういうものなのか、目下、問題とされている大規模データセンターとの違いはあるのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都がファンドを通じて整備促進する中小規模データセンターは、都内企業がより速い通信速度や接続の安定性等を確保できるよう、コンテナや都心のビルに設置できる規模のものを想定しております。
 今後、エネルギー効率や再エネの利用状況等を評価する都の認定制度や、今年度内に策定するガイドラインの趣旨等も踏まえ、民間事業者から創意工夫を凝らした提案を募っていくこととしております。
 これによりまして、環境やまちづくりに配慮したデータセンターの整備を進め、企業の技術革新や事業拡大を後押ししていくこととしております。

○三雲委員 コンテナであるとか都心のビルに設置できる規模を想定しているということです。
 今回の予算案では、環境に配慮したデータセンター整備促進事業として九十六億円が計上されています。中小規模であったとしても、都心のビル内設置は、電力負荷や冷却による周囲への熱影響が懸念をされるところです。
 この中小規模データセンター整備において、ZEB化や排熱利用といった環境配慮の基準をどのように適用し、周辺環境との調和を図るのか、お伺いします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 データセンターは社会の基幹インフラであり、本ファンドを通じて整備するデータセンターにおきましても、まちづくりや脱炭素などとの整合を図りながら取組を進めることとしております。
 このため、今後、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献等を評価する都の認定制度や、地域における円滑な対話のポイントなどを整理した都のガイドラインの趣旨等も踏まえ、民間事業者から創意工夫を凝らした提案を募ることとしております。

○三雲委員 中小規模データセンターについて、新たなファイナンスモデルを構築するということですけれども、どういったファイナンスモデルを想定しているんでしょうか。また、なぜ都が乗り出してファイナンスモデルを構築する必要があるのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都の官民連携ファンドは、都の資金を呼び水として民間資金やノウハウを引き出し、新たな資金の流れを創出することなどを通じて、政策目的の実現につなげていくものでございます。
 都内企業の成長にとっては、より速い通信速度や接続の安定性等を確保する観点から、企業の近接地に設置可能な中小規模のデータセンターの必要性が高まっております。
 そのため、本ファンドでは、都の出資に加え、ファンドの趣旨に賛同する民間事業者等からの出資を得て、都内企業の技術革新や事業拡大を後押しする中小規模データセンターを整備促進していくとともに、当該領域における新たな資金の流れを創出することで、民間主体での整備の機運醸成につなげていくものでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。
 大規模データセンターと違って、なかなか大きな資本が入ってきにくい分野なのかなと。他方で、都心部において、データセンターがある方がレイテンシーを低くするとか、そういった観点から必要だという、そういったところで、こういうものをつくっていくんだろうというふうには思っておりますけれども、都がファンドに五十億円を出資するということになっておりますけれども、民間からの出資はどの程度見込み、ファンドの規模はどの程度を想定しているのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 ファンド規模としては百億円規模を想定しており、都の出資五十億円を呼び水に、民間から都と同額以上の出資を呼び込んでいくこととしております。

○三雲委員 都と同額以上の出資を呼び込む、百億円規模のファンドを目指すということですけれども、昨今の金利動向であるとか投資環境の変化、また、リテール型、中小のデータセンターの収益性の課題、こういった問題もあって、民間資金の確保には厳しさも想定をされます。
 もし、民間からの出資が想定に届かない場合でも、都の五十億円という出資額に変更はないのでしょうか。また、目標額の達成に向けた投資家への具体的なアピール策であるとかリスク分担の考え方についてお伺いをします。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 都の官民連携ファンドのマネジメント方針では、都の出資額は、民間出資等の総額を超えない範囲を基本とする考えを前提としています。
 本ファンドの運営事業者の選定においても、民間等からの出資額の見込みを審査項目に取り入れ、百億円規模のファンドを実現する提案を引き出していくこととしております。

○三雲委員 民間からの一定額以上の出資があるということを前提として運営事業者の選定がなされるというものと理解します。ただ、その確度についてもしっかりと審査をしながら選定をしていただきたいと思います。
 ファンドが投資する事業体がデータセンターを整備することになります。つまり、都は、間接的にデータセンターの整備に関与することになるわけです。
 データセンター予定地の自治体や住民とのコミュニケーションをどのようにコントロールするのか、教えてください。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 本ファンドでは、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献等を評価する都の認定制度や、地域における円滑な対話のポイントなどを整理した都のガイドラインの趣旨等も踏まえ、民間事業者から創意工夫を凝らした提案を募ることとしております。
 また、ファンドの運営期間中、ガイドラインの趣旨等に沿った運営がなされているかについて、ファンド運営事業者が意思決定を行う機会等で確認を行うなど、質問権や検査権を活用しながら、ファンドの運営状況を適時適切に把握することとしております。

○三雲委員 ファンド運営事業者が意思決定を行う機会等で確認するということですが、各地で住民の反対に遭っている現状を鑑みると、都が出資して住環境を破壊している、こういった評価を受けることは避けなければならないと思います。より積極的な関与が求められるわけです。
 投資先の選定基準において、単にガイドラインを遵守するだけではなくて、立地自治体や住民との対話の質であるとか地域貢献策を具体的に評価項目として組み込むべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○村本国際金融都市推進総括担当部長 今後、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献等を評価する都の認定制度や、地域における円滑な対話のポイントなどを整理した都のガイドラインの趣旨等も踏まえまして、民間事業者から創意工夫を凝らした提案を募ることとしております。

○三雲委員 繰り返しになりますが、都が出資して住環境を破壊している、こういった評価を住民から受けることになれば大きな問題です。やはり都が出資をしてファンドを運営するわけですから、大きな権限を持っているわけです。その点を踏まえつつ、事業検討をしっかりと行っていただきたいと要望いたします。
 続いて、全国特産品の展示紹介事業についてお伺いします。
 観光産業の振興のうち、観光案内機能の充実のうち全国特産品の展示紹介事業については、産業労働局から一月二十六日付で、アンテナショップ等と連携した全国特産品の展示紹介事業費負担金交付決定の取消し等についてといった発表がなされています。
 報道によれば、令和四年度、五年度の事業者である株式会社ジェイアール東日本企画による人件費の水増し請求が発覚し、都が総額で約二億六千九百万円の補助金について交付取消し決定を行ったということです。
 令和四年度、五年度の事業者である株式会社ジェイアール東日本企画に対する交付取消し決定の理由をお伺いします。

○江村観光部長 令和四年度及び五年度のアンテナショップ等と連携した全国特産品の展示紹介事業につきまして、都が負担金の交付決定を行った事業者である株式会社ジェイアール東日本企画が不適切な作業時間の計上を行い、人件費を過大に請求していた事実が判明いたしました。
 このため、負担金交付要綱に基づきまして、事業費及び人件費等を含む交付決定額の全額を取り消したものでございます。

○三雲委員 負担金交付要綱に基づき取り消された交付決定額は、令和四年が一億五千四百九十四万九千八百三十八円、令和五年度が一億一千四百六十七万五千百六十五円と伺っております。
 令和五年度、つまり令和六年三月末までの事業について、二年近く経過した令和八年一月に取消しされていることになりますけれども、不正が判明した経緯についてお伺いします。

○江村観光部長 事業者は、昨年五月、国の事業に関する外部調査委員会による調査報告書に基づき、人件費を過大に請求していたことを公表しました。
 その後、昨年七月に、事業者から都に対し、国以外から受注した事業の全てを調査した結果、本事業についても過大な請求があった旨の連絡がございました。
 これを受けまして、事業者に対し、事実関係の聴取や書類の提出を求めるなどの調査を行い、過大な請求があったことを確認いたしました。

○三雲委員 当該事業者は、国の事業でも人件費の水増し請求を行っていたということです。
 事務処理上の過失ではなくて意図的な行為であったと思われますけれども、不正行為の具体的な内容について教えてください。

○江村観光部長 本事業では、事業者から交付申請を受け、都が設定する人件費や事業費等の限度額の範囲内で交付金額を決定して、事業者に通知しておりました。
 事業の終了後には、事業者が実施状況を踏まえた実績報告を都に行い、人件費や事業費等の交付金額が確定する仕組みとなっておりました。
 当該事業者は、都への実績報告に当たりまして、実際よりも多い作業時間を記載した業務日誌等を提出し、過大な人件費を請求しておりました。

○三雲委員 事業者が事業実施状況について実績報告を行い、その実績に対して人件費や事業費等の交付金額が決定するところ、当該事業者は、作業時間実績を水増しすることによって、本来受けられるはずだった金額よりも多額の交付金を請求し、都を錯誤に陥らせて交付決定を行わせて、その交付金を受けたということです。
 これは詐欺罪の構成要件を充足すると思われますけれども、刑事告訴または被害届の提出はなされたのでしょうか。なされていない場合は、その理由をお伺いします。

○江村観光部長 今回の事案につきましては、今年一月に交付決定の取消しを行い、既に負担金の全額が都に返還されております。
 また、都は、事業者に対して十・五月の競争入札への指名停止措置を講じており、その旨を公表しております。
 さらに、今後、負担金の返還に係る違約加算金を課すこととしております。
 これらを踏まえ、今回の事案が今後の行政運営に与える影響等を検討した結果、刑事告訴などは行っておりません。

○三雲委員 都の判断としては、事業者においては十分なペナルティーを受けたのではないかということだと思いますけれども、そこはいろんな考え方があるのかなというふうに思いました。
 当該事業者は、国の事業においても、同様の不正請求を行っていたということです。当該事業者の第三者委員会の報告書によれば、国の事業においては、平成二十四年頃から十年以上にわたって、実際の作業の有無、内容にかかわらず、契約等において請求し得る人件費の上限額にできるだけ近づけるように作業時間を記録する取扱いが組織的に行われてきたということが明らかになっています。
 当該事業者はJR東日本のグループ会社であって、グループ内で同様の手法が共有されてきた可能性も考えられるわけですけれども、当該グループが関わる補助金、助成金について調査をしているんでしょうか。お伺いします。

○江村観光部長 事業者からは、調査を行った結果、過大な請求が行われた事案は、今回の二件であると報告を受けております。
 本事業以外の観光振興に係る負担金等につきまして、当該事業者と一定の関連性を有する事業者から同様の過大な人件費の請求が行われていないことを確認しております。
 加えて、今回の事案につきましては、局内で共有を図っており、各所管部署で必要な確認を行っているところでございます。

○三雲委員 当該事業者、グループ会社による同種の事案は確認されていないということですけれども、人件費というものは、作業時間を内部で操作することによる水増し請求を行いやすい、そうした性質があります。
 したがって、今後の再発防止策についてお伺いしたいと思います。

○江村観光部長 今回の事案につきましては、事業費及び人件費等を含む交付決定額の全額を取り消した上で、競争入札への指名停止措置を講じております。
 加えて、今後、負担金の返還に係る違約加算金を課すこととしており、厳正に対処しております。
 これら一連の対応につきましては、都として既に公表しており、当該事業者はもとより、他の事業者に対する不正の抑止効果になると考えております。
 また、今回の事案につきまして、関係部署で情報を共有し、注意喚起を行っております。

○三雲委員 都が公表されたことによって、他の事業者に対する一定の不正抑止効果は期待可能とも思われますが、情報というものは風化しやすいものです。
 今後も、不正が行われた場合には負担金交付要綱に基づき全額の交付決定が取り消される、そういったことを、契約の都度、事業者に注意喚起するなどの対応によって、同種の不正が生じることを防止していただきたい、このように要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 ありがとうございます。
 まず、私の方から、女性活躍についてお伺いをいたします。
 さきの定例会におきまして、全国初となる雇用就業分野における女性活躍推進条例が成立をいたしました。この条例を原動力としまして、今後、働く場において女性がより一層活躍できるよう、様々な取組が進むことが期待をされます。
 一方、企業の現場、とりわけ人員体制やノウハウが十分とはいえない中小企業の中には、女性活躍を進めたいという意欲があっても、何から着手をすればよいのか分からないというご意見もございます。
 こうした企業の後押しをするための指針の考え方や内容について、さきの委員会で質疑を行い、都からは、企業が抱える課題に応じた取組を進める際の参考となる内容としていきたいとの答弁をいただきました。
 今回、指針案の骨子が示されましたが、改めてそのポイントについてお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回お示しした指針案は、女性が活躍できる環境の整備に向け、採用や配属、人材育成など各段階において、事業者がそれぞれの現状を把握し、課題を抽出した上で対応策を検討できるよう、課題分析の視点と対応のポイントを解説しております。
 例えば採用に関する取組では、女性の応募者数が男性に比べて違いがないか確認し、女性の応募者が極端に少ない場合には、女性が働くことができる職場だと積極的にPRする、女性の求職者の目につきやすい媒体を活用するなど、具体的な対応策を例示しております。
 また、前提として、企業規模や業務の特性など、事業者がそれぞれの状況に応じて、できることから段階的に取り組んでいただくようお示しをしております。
 本指針を活用して、一つでも多くの事業者が、性別にかかわらず、誰もが働きやすい環境づくりに向けた取組を進められるよう促進してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。改めて指針のポイントを確認させていただきました。
 私も実際に中身を読ませていただきまして、事業者がそれぞれの状況に応じて、できる段階から取り組んでいけるというような内容が盛り込まれていることを確認させていただきました。
 続きまして、先日、ある自動車教習所の経営者の方と意見交換をする機会をいただきました。その会社では、社の沿革の中に、女性ドライバーを七名採用したと明記がございました。
 わざわざ女性ドライバーを採用したということを沿革に載せている理由をお尋ねしたところ、その年を起点に、女性の意見を尊重する社内風土が生まれ、会社全体の雰囲気や意識が変わって、結果としまして、女性が力を発揮しやすい職場へと変わっていったというようなお話でございました。
 今まで男性中心であった、そういう教習所という職場であったとしても、女性が自然に働ける姿というのが見えるようになったことが、職場全体の意識改革につながったと考えられます。まさに、こういった好事例ではないかと思います。
 このように、自分たちにもできそうだとか、こうした取組が会社を変えるきっかけになるというような実感を持って受け止められるような事例がございましたら、事業者の理解はより深まると思いますし、女性活躍の取組の後押しにもなると思っております。
 そこで、企業における女性活躍の好事例を広く知っていただくために、今後どのように情報を発信されていくのか、都の見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 現在の指針案では、業種を問わず活用できる汎用的な事例をお示ししておりますが、多くの事業者に具体的な取組に着手していただくためには、参考となる好事例を分かりやすく発信していくことが有効と考えております。
 現在、企業の事業活動に関して知見を有する専門家や経済団体などにヒアリングを行っておりまして、女性社員の採用や継続就業、長時間労働の削減につながった事例などを収集しております。今後、それらを取りまとめて、業種や企業規模なども含め、指針と併せて、分かりやすくお示しをしてまいります。
 局のホームページなどで発信を行うほか、各業界団体を通じまして活用可能な取組事例を情報提供し、事業者の主体的な取組を後押ししてまいります。

○山田委員 企業の好事例を分かりやすく共有し、自分たちにもできると事業者に感じてもらうことが重要であると考えております。事例発信を通じまして、企業の主体的な行動につなげていただけることを期待しております。
 一方で、条例成立までの議論の中では、働きたくない人まで働かせるのではないかとか、女性管理職を無理にでも増やすのかといったようなご意見もございました。
 女性活躍推進条例は、誰かに働くことを強制したり、いわゆる、げたを履かせるような形式的な女性登用を求めるものではなく、もっと働きたい、もっと能力を発揮したいと思われる女性の方がその思いを実現できるよう、事業者の主体的な取組を促すものであると理解をしております。
 指針の内容がいかに優れたものであったとしても、その趣旨が事業者に正確に理解されないようであれば、この条例の趣旨は達成できないと考えております。
 そこで、今回策定する指針について、その意図が事業者にしっかりと届くよう、都として今後どのように働きかけていくのか、見解をお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 働く場において、女性が個性や能力を十分発揮できる環境を整備するためには、指針で示した内容を事業者にご理解いただき、実情に応じて取り組んでいただくことが重要でございます。
 このため、都は来年度、指針の内容を分かりやすくまとめたリーフレットや企業内研修で活用できる動画を新たに作成をいたします。
 また、専門の相談窓口を設置し、事業者、就業者双方からの条例や指針に関する問合せに対応するとともに、関連する支援機関や活用可能な都の施策をご案内いたします。
 こうした取組につきまして、都が実施するイベントや専用ウェブサイトなどを通じて情報発信するほか、経済団体などとも連携し、丁寧に周知をしてまいります。

○山田委員 様々な媒体、手段を活用しまして、指針に関する理解を深めていただく取組を行っていくことを確認いたしました。
 指針は、つくって終わりではなく、活用されてこそ意味があると考えております。この指針が多くの事業者の皆様に活用していただけるよう、事業者に身近な団体と協力をしまして、しっかりと普及啓発に取り組んでいただきたいとご要望をいたします。
 次に、この指針と併せまして、条例の実効性を高めるために必要な、女性活躍を推進する事業者の後押しについてご質問をいたします。
 都内の女性活躍の現状を見ますと、令和六年度における課長以上の管理職の割合は一五・二%にとどまっております。
 また、国の調査によりますと、女性活躍推進法に基づく行動計画の情報公表項目数と女性管理職比率に関連があるということが示されておりまして、行動計画の策定義務が課されていない百人未満の小規模な企業においても同様の傾向が見られるようです。
 こうしたことから、人材や体制、ノウハウを持たない小規模な企業において女性が活躍できる職場環境の整備を進めていくために、各企業の現状や取組状況に沿ったきめ細かな支援が必要であると考えておりますが、都の見解をお伺いいたします。

○新田雇用就業部長 都は来年度、女性活躍推進に取り組む従業員数百人以下の企業に対し、新たな支援を開始いたします。
 具体的には、企業が専門家の支援を受け、職場の状況把握、課題の分析、行動計画の策定をした上で、男女間賃金差異及び女性管理職比率等の情報の公表などの取組を行った場合に、二十万円の奨励金を支給いたします。
 また、従業員数三百人以下の企業が、非正規従業員でも登用が可能な役職の新設、女性管理職の増加等に取り組み、行動計画で公表する場合に支給する奨励金におきまして、女性管理職等の育成計画策定や研修を行う場合に新たに加算することとし、最大百八十万円を支給いたします。
 これらによりまして、働く女性が自らの個性と能力を最大限に発揮できるよう、企業の状況に応じた環境の整備を促してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。誰もが働きやすい職場づくりを推進するために、都が率先して取り組んでいくことが分かりました。
 企業が女性活躍に向けた環境整備に取り組む上で重要なことは、取組の見える化を意識することであり、その姿勢をアピールすることにより、社会からポジティブな評価を得て、人材確保や業績の向上にもつながると考えております。今後も、こうした取組を行う企業の後押しを一層進めていくよう要望をいたしまして、次の質問に移ります。
 続いて、育業応援について伺います。
 令和六年度、都内の女性の育業取得率は九二・八%で、男性は五四・八%と、男女ともに育業が当たり前の社会になりつつあります。
 しかし、育業から復職した後に、仕事との両立で悩みを抱える人も多いのが現状です。例えば、保育園や学校の行事があっても休みが取りづらい雰囲気がある、子供の急な発熱で早退したら、同僚に嫌みをいわれたというような経験をする人の声を聞いております。
 男性の場合、育業から復帰しても、長時間労働で育児に参加できないケースもございます。結局、女性に負担が偏ることになり、まさに取るだけ育業ということになってしまっております。
 そこで、育業取得を促すだけではなく、復職後に働きやすい職場環境を整備するよう企業に促すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○富岡事業推進担当部長 都は来年度、社員の育業の応援に加え、復職後の両立まできめ細かくサポートする中小企業等を新たに支援いたします。
 具体的には、性別にかかわらず、従業員が一定期間以上の育業をするとともに、有給の看護等休暇や病児保育の経費補助など、あらかじめ指定する制度のうち三項目以上を整備した場合に奨励金を支給いたします。
 これに加え、育業を支える同僚に手当を支給する仕組みを整えた場合や、男性育業を推進するための育業メンター制度、復職後の子育てとの両立もシミュレーションする社内研修制度の導入に取り組んだ場合などに金額を加算し、最大四百二十万円を支給いたします。
 これにより、男女ともに育児と仕事を両立できる職場環境づくりを後押ししてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。性別にかかわらず、育業から仕事に復帰した後も安心して働くことができるよう、都として後押しするということがよく分かりました。今後も育業支援の取組をさらに加速させていくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 働き続ける上で、育児とともに、介護との両立も重要であると考えております。
 男女ともにライフステージで直面する課題の一つが介護であると考えられます。
 とりわけ団塊世代が後期高齢者となり、子の世代は四十代から五十代に差しかかっております。この年代は企業で重要な役割を担っていることも多く、介護を理由に離職することは、企業だけではなく、社会全体にとっても大きな機会損失となります。
 また、家族ではなく、社会で介護を担うという介護保険制度の意義が十分理解されていないと感じております。
 望まない介護離職を防いで仕事との両立を可能とする上で、このような課題に対する都の見解と令和八年度の具体的な取組についてお伺いいたします。

○富岡事業推進担当部長 国の調査では、介護離職者の約四割が、職場に介護の相談をすることに対して抵抗を感じると答えているほか、介護休業が仕事を続けながら介護をするための体制を構築する期間であると正確に理解している人は四割程度となっています。
 働く方が介護に関する悩みを相談できる環境を整え、仕事との両立を支える制度等の知識を普及することが必要でございます。
 そこで、都は来年度、介護との両立に関する職場への相談をためらう方や、企業で支援制度を運用する人事担当者等を対象とする相談窓口を新たに設置し、社会保険労務士やケアマネジャー等の専門家が課題解決に向けた助言を行います。
 また、介護離職防止への関心を高めるとともに、介護休業等の制度の正しい理解を促すため、動画等を活用した普及啓発を強化いたします。
 これらにより、介護の課題を抱える方が安心して仕事を続けられる環境整備を後押ししてまいります。

○山田委員 介護の悩みを受け止める相談先や制度の正しい理解が重要であるということがよく分かりました。ありがとうございます。
 介護に直面すると、何をすればいいか分からないという人も多いと思いますので、相談窓口等の情報が必要な人に届くよう、効果的な広報を行っていただくように要望いたします。
 ここまでは、女性活躍推進条例を推進する視点から質問をさせていただきました。条例を契機として、働く女性のライフステージにおける選択肢が広がることを期待します。
 続きまして、食育に関して、第五次東京都食育推進計画案について伺います。
 まず、計画の前提としまして、そもそも食育というのは何なのか、また、どのような理念の下で都道府県が食育に取り組むこととされているのか、基本的な考え方について伺います。
 あわせて、これまで食育に対する取組を通じて改善されてきた好事例について伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 食育は、食育基本法におきまして、生きる上での基本であり、知育、徳育、体育の基礎となるものと位置づけられ、適切に食を選択する力を身につけ、生涯にわたり健全な食生活を実践できる人を育てていく取組とされております。
 また、食育は、健康の維持にとどまらず、自然の恵みや生産への理解、食文化の継承、環境への配慮など、社会全体に関わる取組でございます。
 こうした食育を推進するため、都道府県は、国が定める食育推進基本計画に基づき地域の実情に応じた計画を策定し、食育を計画的に推進する役割を担うこととされております。
 これを受け、都は、平成十八年に計画を策定して以降、五年ごとに改定を重ね、食育に関する各局の計画と連携しながら総合的な食育を推進しております。
 その中で、都の補助を受けて農業団体が実施した畑の見学会や生産者による出前授業といった継続した活動が、地域の食や農業への理解を深める優良事例として国の表彰を受けております。

○山田委員 ありがとうございます。食育を通じて地域の食や農業への理解が深まる活動が実施されており、また国からの表彰も受けるなど、幅広い分野に関連することがよく分かりました。
 現行の第四次計画の期間中は、感染症の影響を受けた生活様式の変化が定着する中で、物価高騰や社会環境の変化など、都民の食生活を取り巻く状況も大きく変化したのではないでしょうか。
 こうした状況において、今回の計画改定に至った背景と、第五次計画案における主な改定のポイントについてお伺いいたします。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 現行計画の期間中は、ライフスタイルの多様化などを背景に、若い世代や働く世代の不規則な食事や栄養の偏り、高齢者の低栄養やフレイルなど、世代ごとに異なる食の課題が見られるようになってまいりました。
 また、特に都心部では、消費者と生産者との関係が希薄化し、日常生活の中で食への関心を高める機会が限られている状況もございます。
 一方で、食品ロスや災害時の備えなど、食に関わる社会的課題につきましては、都民の関心や対応の重要性が一層高まっております。
 こうした状況を踏まえまして、第五次計画案では、大人の食育の推進、生産現場への関心を高める体験型の食育の強化、環境と調和した食の選択など、持続可能な食を支える食育に重点を置いて整理しております。

○山田委員 社会環境の変化を踏まえまして、第五次計画案では、大人の食育や持続可能な食を支える食育に重点を置いて改定を進めているということが分かりました。
 計画を実効性あるものとするためには、成果を適切に把握する指標の設定が重要であると考えられます。
 今回の計画では、前回の計画の評価を踏まえまして、指標をどのように見直したのか、変更点を中心に伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 第四次計画では、食育の認知度など意識面の向上は見られた一方、行動や実践の広がりに関連する項目には課題がございました。
 そのため、第五次計画案では、都民の行動変容につながるプロセスを把握することを重視して指標を再整理いたしました。
 新たな指標として、食育に関心を持っている人の割合、食育体験に参加したことのある人の割合、食に関するSDGsに取り組む人の割合の三つの項目を設定し、合計十項目の指標を定め、目標達成を目指しております。
 これらの指標の把握を通じて施策の進捗を確認し、必要な取組の検討や見直しにつなげることで、計画全体の実効性を高めてまいります。

○山田委員 行動変容につながるプロセスを把握する指標を整理することは、非常に有効だと考えます。ぜひ、第四次計画での課題を踏まえまして計画の実効性を高めていってほしいと思います。
 実際に都民一人一人の行動変容につなげていくためには、身近なところでどのような取組を積み重ねていくのかが重要だと考えております。
 今回の計画では、生産現場への関心を高める体験型の食育を強化するとのことですが、具体的にどのように進めていかれるのか、伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 これまで都は、食と生産現場への理解を深めるため、収穫体験や調理体験などのイベントを実施してまいりました。
 第五次計画案では、食への理解のきっかけとなるイベントにとどまらず、生産現場への理解を深められる機会をより多くの都民に提供してまいります。
 具体的には、親子などを対象に、都内の畑で種まきから収穫までの農作業や農家による講義などを通じて体系的に学べるプログラムを実施いたします。
 あわせて、地域での継続的な取組につながるよう、区市町村や民間団体等が実施する食育や地産地消を推進する活動に対し、経費の二分の一を助成する新たな支援を行います。
 これらによりまして、食卓と生産現場との距離を縮め、都民の行動につながる食育を推進してまいります。

○山田委員 食への理解のきっかけになるイベントを通じまして、さらに生産現場への関心が高まることで、より一層、食への理解が深まり、第五次食育計画が生涯にわたり健全な食生活を実践できる人が育まれますよう期待をしまして、私の質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時三十三分散会