経済・港湾委員会速記録第四号

令和八年三月十七日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
港湾局局長田中  彰君
次長樋口 隆之君
技監村田 拓也君
総務部長戸谷 泰之君
企画担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井  均君
調整担当部長勝見 恭子君
港湾経営部長野平雄一郎君
港湾振興担当部長原田 幸定君
臨海開発部長若林  憲君
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務水飼 和典君
臨海副都心まちづくり推進担当部長渡邊 正也君
港湾整備部長佐藤 賢治君
計画調整担当部長廣松 智樹君
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務儀間  潔君
離島港湾部長原田 和生君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 祐一君
労働委員会事務局局長久故 雅幸君

本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第七十八号議案 東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十二号議案 令和八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 令和八年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第七十七号議案 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京港カーボンニュートラルポート(CNP)形成計画のアップデート(案)について

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○大山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び港湾局関係の予算の調査及び付託議案の審査並びに港湾局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分及び第七十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○久故労働委員会事務局長 去る二月十二日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元配布の経済・港湾委員会要求資料をご覧ください。
 一ページをお開きください。労働委員会委員及びあっせん員の出勤日数につきまして、令和四年度から令和六年度までの状況を記載しております。
 以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○両角委員 お願いいたします。
 労働委員会は、労働組合法に基づき、労働組合と会社の間の紛争について、公正、中立な立場で迅速に救済を図るという重要な役割を担っております。
 特に東京都労働委員会は、首都東京において、多様な産業、雇用形態の下で生じる労働紛争を扱っており、その運営状況は、都内のみならず、全国の労使関係に少なからず影響を与えるものであると思います。
 労働委員会では様々な業務を行っておりますが、労働者や労働組合からの救済を求める申立てがあった場合、労働委員会は、その使用者の行為が不当労働行為に当たるかどうか判断する審査業務が委員会の中核的な業務であると承知をしております。
 そこで、過去三か年における東京都労働委員会の不当労働行為救済申立ての取扱件数及び全国に占める割合について伺います。

○久故労働委員会事務局長 不当労働行為救済申立ての取扱件数は、令和四年度が四百四十件、五年度が四百十八件、六年度が三百九十四件でございます。
 全都道府県の労働委員会で取り扱う事件数の約五割を占めております。

○両角委員 取扱件数は約四百件であり、全国に占める割合も約五割を占めるなど、多くの事件を処理しているということが分かりました。
 東京都では全庁を挙げてDXの取組を進めているわけでありますが、労働委員会においても、多くの事件を迅速に解決するためには、DXを進めることにより、利用者の利便性向上や事務手続の効率化を図ることができると考えております。
 そこで、審査手続のDX化について状況を伺います。

○久故労働委員会事務局長 当委員会では、申立ての際にオンラインで書類の提出等を可能にしているほか、不当労働行為の審査手続の際に労使双方の主張を聞くなどの事件の調査におきまして、当事者が遠隔地にいる場合等、ウェブ会議システムを活用するなど、利用者の利便性の向上を図っております。
 また、委員と職員が密接に連携して業務を行っておりまして、申立て書面など事件書類を双方が迅速に共有できますよう、サイバーセキュリティに十分配慮されたクラウドサービスを活用いたしまして、効率的、効果的に業務が行える体制を整備しております。

○両角委員 労働委員会では積極的にDX化を進めているようでありますけれど、近年では、生成AIが目覚ましく進歩をしているわけでございます。
 そこで、都労働委員会での生成AIの活用状況とその効果について伺います。

○久故労働委員会事務局長 当委員会では、生成AIにより、過去の不当労働行為に関する命令書を検索できる仕組みを構築いたしまして、昨年十二月から事務局職員の業務支援としての利用を開始したところでございます。
 従来は、過去の命令書の検索は、中央労働委員会のホームページ内の検索エンジンを使用し、ベテラン職員のノウハウに頼りながら、原則として単語での検索しかできませんで、不必要な命令書も抽出されるなど、期待された結果が示されないことも多い状況でございました。
 生成AIを活用することによりまして、争点や事案の概要など条件を読み込ませた上で、抽出件数や優先度を柔軟に調整できることから、参考とすべき事案を短時間かつ的確に把握するなど、業務の効率化に大いに寄与しているところでございます。

○両角委員 生成AIの活用も積極的に行っているということは評価ができますが、今後、過去命令書の検索以外にも活用を広げていくべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○久故労働委員会事務局長 生成AIの活用を開始したところでございまして、始まったばかりでございます。
 過去の不当労働行為に関する命令書の検索につきましても、AIへの指示の出し方、いわゆるプロンプトをさらに工夫するなど、より精度の高い方法に改善していく必要があると認識してございます。
 今後の活用拡大に向けましては、過去の命令書の検索などにとどまらず、裁判所や中央労働委員会における取組状況、国の動向なども注視しながら段階的に検討を進めてまいります。
 あわせて、情報セキュリティや個人情報の保護にも十分配慮し、職員のデジタルスキルの向上にも取り組みまして、生成AIを含むデジタル技術を適切に活用できる体制の整備を進めてまいります。

○両角委員 ありがとうございます。労働委員会では、かなりの件数を扱って、この事務を行っているということでございます。ぜひこのDXや生成AI、もちろん、ご答弁にありましたように個人情報保護等にしっかり配慮しながら、使えるものは十分使いこなして業務の効率化を進め、仕事を推進していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

○三雲委員 三雲です。幾つかちょっとお聞きしたい事件があるんですけれども、労働委員会では、労使間の紛争、争議の調整と不当労働行為救済申立て手続を運営されています。
 このうち不当労働行為救済申立ては、労働組合法七条に規定されている不当労働行為から労働三権を保護するために、労働組合、そして、七条一号及び四号の不利益取扱いの場合には労働組合の組合員個人によって申立てが可能とされています。
 私は、やっぱり、不当労働行為の救済申立てを行う資格に関しては狭く捉えてしまう、つまり、救済される労働者、労働組合の範囲が狭くなってしまうということを懸念してまいりました。
 こうした中で、東京都の労働委員会が労働者の申立てを行う資格を広く認めたジェイアールバス関東事件に対して出した救済命令について、昨年の九月三十日、東京高等裁判所において関連する判決が出たと伺っております。
 これは、行政と司法の各段階で判断が分かれた事件であると聞いておりますけれども、この判断の出発点となった、都の労働委員会におけるジェイアールバス関東事件に関して出した命令の概要についてお伺いします。

○久故労働委員会事務局長 命令の概要でございます。
 本件は、申立人である労働者が、上司から業務上の違反行為を会社に報告しないことと引換えに組合を脱退するよう求められたことが不当労働行為に当たるとして申し立てられたものでございます。
 本件の特徴といたしましては、組合が申立てをした後、その申立てを維持することに消極的な方針を取ったため、労働者が組合から脱退せざるを得ないという状況がございました。
 東京都労働委員会は、労働者が組合を脱退したとしても、脱退に至った事情を踏まえると、申立てを行う資格があり、また救済の利益も認められるとした上で、上司の発言が、組合の運営に干渉し、組合を弱体化させる行為であり、不当労働行為に当たると判断しまして、会社に対し文書の掲示等の命令をしたところでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。その脱退をされた方に関して、脱退に至った事情であるとかいうものをしっかりと確認をした上で、こうした判断をされたということが分かります。
 その後、中央労働委員会の再審査と東京地裁の取消し訴訟では、都労委とは異なる結論が出されたようですけれども、中労委と東京地裁の判断は、先ほど述べた九月三十日の東京高裁の判決で覆されたというふうに伺っています。
 これらの行政、司法の判断、どういった違いがあったのか、お聞かせください。

○久故労働委員会事務局長 中央労働委員会は、上司の発言が不当労働行為に該当すると認めながらも、労働者が当時の所属組合を脱退したことから救済の利益が失われたとして申立てを棄却いたしました。
 労働者は、この中央労働委員会の命令を不服といたしまして、東京地方裁判所に取消し訴訟を提起いたしましたが、東京地裁は、中労委命令は正当であると判断したものでございます。
 しかしながら、東京高等裁判所は、東京都労働委員会と同様に、労働者が救済申立てを維持するために所属組合を脱退したなどの事情を考慮いたしまして、中央労働委員会命令及び東京地方裁判所判決を取り消し、都労委の判断が支持されたものでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。都労委の方では、実質的な事情というものをしっかりと考慮した上で、資格についても判断を行ったのに対して、中労委、そしてまた地裁においては、形式的に要件を当てはめていって、脱退してしまったら、もうそこには救済の利益がないよというふうな判断をされたと。ところが、それは、高裁の方ではひっくり返って、やはり実質的な判断が大事だということに戻ってきたんだろうというふうに思っております。
 こうした考え方は非常に大事だと思っているんですけれども、最近、今年の一月十五日に、都労委は、日本航空を被申立人とする不当労働行為において、団体交渉における会社の不誠実な対応を不当労働行為に当たると判断して一部救済命令を出されました。
 この事件において、会社側は、組合員の解雇から十年以上経過して、最高裁でも有効と確定していることから、組合員や労組法上の労働者に該当しない、したがって、申立て組合は使用者が雇用する労働者の代表者に該当しない、こうした反論をしたわけであります。
 これに対して、都労委の側では、団体交渉で協議される解雇に関する事項というものには、解雇が有効かどうかということだけではなくて、解雇に伴う雇用関係の清算、こういった条件等も含まれるということで、雇用関係の終了後であっても、未解決の事項があって、時宜を失した申入れでない限り、被解雇者が加入する労働組合は労働者の代表者に当たる、こうした考え方を示されました。
 具体的な諸事情をしっかりと考慮した上で、都労委は、本件の整理解雇から十年以上経過して、裁判で解雇有効が確定していたとしても、申立て組合は、時宜を失することなく、社会通念上合理的な期間内に団体交渉を申し入れた、こういう評価をして、労組法七条二号の使用者が雇用する労働者の代表者に当たる、こうした判断を行ったわけです。
 その上で、都労委では、会社側に、団体交渉における不誠実な回答があったと認定をして一部救済命令を出されました。
 この事件に関しては、会社側が再審査の申立てを行っていますので、今後、中労委での再審査がもう予定をされていると。こうしたことから、ちょっとなかなか、今お答えいただくことも難しいかと思いますけれども、こういった事実関係があったということを伺っております。
 労働者と労働組合の申立てを広く資格を認める、こうした救済を認める都労委の姿勢というものは評価に値するものというふうに理解をしております。
 労働組合と使用者との紛争を、当事者の主張を丁寧に聞きながら、解決に向けて努力をされている都労委の果たす役割は大変重要であって、今後も労使紛争の適切な解決に尽力をしていただきたい、このように要望して、私の発言を終わります。
 以上です。

○上田委員 本年一月、東京都労働委員会は、グーグル日本法人に対し、労働組合の活動を理由とした不利益取扱いがあったとして救済命令を出しました。外資系巨大IT企業における組合活動が制限された事案として、社会的な関心も非常に高いものです。
 まずは、本件の申立てから命令に至るまでの経緯、特に、どのような事実関係に基づき、どの条項の違反と認定したのか、その要点を説明ください。
 また、審査を担当した委員、公益委員、参与委員の選任経緯と審問等の審査活動の概要についても、併せて確認します。

○久故労働委員会事務局長 ご質問のグーグル事件は、令和五年十一月十四日に不当労働行為救済申立てがなされておりまして、当委員会は、二回の団体交渉における会社の説明及び対応が不誠実な団体交渉に当たるとともに、その後の団体交渉に会社が応じなかったことが正当な理由のない団体交渉拒否に当たるとして、いずれも労働組合法第七条第二号の不当労働行為であると認め、令和八年一月十五日に一部救済命令を発したものでございます。
 本件の審査は、事件の当事者と利害関係の有無や担当事件数、個別の状況等を踏まえまして、公益委員は富永委員、参与委員としては、労働者側は森委員、使用者側は高田委員が担当いたしました。
 当事者双方の主張や証拠の整理を行った後、当事者が申請した証人に対して審問を一回行いまして、その後、公益委員会議における合議を経て命令を発したものでございます。

○上田委員 今回の事案は、外資系企業特有の評価制度や人事慣行と日本の労働組合法に基づく権利保護との間で生じた典型的な対立軸ではないかと思われます。
 昨年、明海大学の事件の質問でも確認したとおり、労働委員会は公平、中立な第三者機関ですが、今回のメンバー選任に当たって、グローバル企業における特異な労務管理や、IT業界の雇用形態に対する深い知見を持つ委員の配置は十分に考慮されたのか。
 また、今後ますます増加するであろう新興産業、外資系企業での紛争に対し、専門性を担保しつつ、どのように中立性、公平性を維持していくのか、所見をお示しください。

○久故労働委員会事務局長 東京都労働委員会では、これまでもグローバル企業等に関する事件を扱っておりまして、学者や弁護士など高度な専門知識、経験を有する公益委員に加えまして、労使それぞれの立場での豊富な経験を持った労使委員が集団的労使紛争の解決に当たっております。
 なお、個別事件を担当する公益委員につきましては、審査の公正を保つため、労働組合法及び労働委員会規則にのっとりまして、事件の当事者と利害関係のある委員を選任することのないよう留意しながら、会長が選任をしております。
 労働者委員や使用者委員につきましては、それぞれ労働者及び使用者の立場に立って関与をいたしますため、担当事件数や個別の状況等を踏まえまして担当を決めているところでございます。

○上田委員 委員のメンバーとバックグラウンドは、いつも事務事業というか、毎年確認させていただいておりますが、今回の命令に対し、使用者側から不服申立て等、どのような反応が示されているのか、現状を確認します。
 また、都労委としては、命令を発して終わりではなく、結果として労働者が安心して組合活動を行える環境が担保されたかどうか、事後のフォローアップはどのように考えているのか、命令の実効性確保に向けた委員会の姿勢を伺います。

○久故労働委員会事務局長 当事者が命令に不服がある場合は、中央労働委員会への再審査申立てや東京地方裁判所への取消し訴訟提起の手続が用意されております。
 中央労働委員会及び東京地方裁判所から、使用者側が再審査の申立てまたは取消し訴訟の提起を行ったとの通知は受けてございません。
 なお、当委員会が発出した命令が確定した後は、使用者に対してその履行の報告を求めまして、使用者が確定した救済命令に従わない場合は、当委員会または労働組合が、裁判所に対して命令に従わない旨を通知いたします。これを受けまして、裁判所が命令が履行されていないと認めたときには過料の決定がなされることになりまして、命令の実効性が担保される仕組みとなってございます。

○上田委員 一月なので、着々と進んでいるということでございます。
 グーグルのようなグローバル企業において、日本法人が本国の人事制度や評価基準を適用する際、日本の労働組合法が禁止する不当労働行為との間で解釈の乖離が生じるケースを懸念しております。
 例えば、グローバル共通の成果主義的評価が国内の労働組合活動に対する不利益取扱いと認定されるような事案において、都労委として、法適用の判断基準や証拠の評価に際し、外資系特有の労務管理や企業文化をどのように解釈、考慮しているのか、見解を伺います。

○久故労働委員会事務局長 外資系企業に限らず、使用者の制度や文化、労使関係の状況は多種多様でございます。
 当委員会といたしましては、事案の背景、特色などを十分に踏まえた上で、個々の事案ごとに適切な判断を行うよう努めているところでございます。

○上田委員 特に分野の違いがありますから、外資系企業や日本法人との紛争では、しばしば法務部門が国際的な専門家チームで構成され、高度な法的対抗手段を講じていることも想定されます。
 都労委の審査プロセスにおいて、こうしたグローバル企業の特異な意思決定構造や海外拠点の労務環境が影響を及ぼしているケースをどのように把握し、また、それに対する専門的な知見、法的なものもあるでしょうし、語学もあるでしょう、国際労務などもあると思います。どのように担保しているのでしょうか。審査の質の維持という観点からご説明ください。

○久故労働委員会事務局長 当委員会では、高度な専門知識、経験を有します公益委員に加えまして、労使それぞれの立場で豊富な経験を持った労使の委員が集団的労使紛争の解決に当たっております。
 また、委員を補佐する事務局職員につきましても、事件の調査や命令素案の準備など、高度な法的知識が求められる業務でございますことから、専門知識や事務処理能力を向上させるため、OJTや局独自の専門研修なども実施しているところでございます。

○上田委員 このグローバル企業特有のスピード感のある人事評価制度と日本の労組の団交権という相反しがちな権利を、都労委としてどのように調和させて、都民である労働者の権利を実効的に救済していくのか、今後の指針と所見を伺います。

○久故労働委員会事務局長 グローバル企業につきましては、日本法人においても、海外本社の制度設計や価値観を背景とした人事評価制度が導入されている場合がございまして、これまでとは異なる論点をめぐる労使紛争が生じるものと認識をしております。
 当委員会としては、当事者の立証活動により明らかにされた事実を的確に把握、評価いたしまして、個別事案ごとの争点に即して、適正かつ迅速な審査に努めているところでございます。
 あわせて、産業構造の変化や就労形態の多様化等により、労使関係をめぐる状況が変化する中にありましても、必要な情勢の把握に努めますとともに、当事者の主張を丁寧に理解して、本質を踏まえた判断につなげているところでございます。
 今後とも、労働者の権利利益が実効的に救済されるよう、公正、中立な紛争機関である当委員会に課された責務を着実に果たしてまいります。

○上田委員 事案の深掘りをさせていただきましたが、組織機能の面から、労働委員会には、複雑化する労使関係において法的妥当性を担保する判定的機能が不可欠であります。
 グーグル事案のように、外資系企業はグローバル本国の方針を盾に交渉を拒否する主張に対し、都労委の公益委員、参与委員が、その背景にある新産業の労務実態や国際的な雇用慣行を正しく理解し、的確な証拠評価を行うことは容易ではないのかなと思います。
 こうした事案に対応するため、現在、都労委として専門的な知見の補完や研修等の体制整備をどのように行っているのか。
 また、今後、このような複雑な事案を適正かつ迅速に処理するために、予算措置を含め、どのような評価を新年度は測るのか、伺います。

○久故労働委員会事務局長 公益委員につきましては、事件に関する判断の妥当性等を検討する、いわゆる公益委員会議を通じまして、過去の命令や判例、最新の法的知見などを共有しておりまして、労使委員につきましては、担当事件における取組や和解などのノウハウを共有するため、自主的な勉強会を行ってございます。
 また、職員については、ベテラン職員や弁護士資格を持った管理職が講師を務める研修などを実施いたしますとともに、命令を素材にいたしました事例研究を行い、最新の状況を把握するよう取り組んでいるところでございます。
 加えまして、必要に応じて弁護士などの専門家に助言を受けるための予算を確保しているところでございます。

○上田委員 また、都労委の大きなもう一つの柱であります調整的機能、あっせんですね。
 これにおいても、紛争解決の成否を握るあっせん員について、従来のような伝統的な労使関係の知見に加え、IT、スタートアップ等の新分野に精通した人材をどのように確保、登用していくのか、人選のプロセスの現状と、課題などあればご説明ください。

○久故労働委員会事務局長 あっせんは、労働委員会会長から指名されましたあっせん員が、労使双方から主張の対立点や事件の背景等につきまして事情を聴取し、争点を整理しながら、両者が納得できる接点を調整することにより紛争を解決するものでございます。
 当委員会では、情報通信を含めました幅広い産業分野における労使関係や企業経営に精通する多様な経験を有する委員やベテラン職員によるあっせんを実施しておりまして、引き続き、中立的な立場で労使双方をきめ細やかにサポートしながら迅速な事件解決を図ってまいります。

○上田委員 度々、精通しているベテラン職員の玄人技も必要だと思うんですけれども、新しいこうしたスタートアップや外資系、これに対しても、サポートしながら事件解決を図っているということでありました。
 労働委員会は、予防啓発が大きな責務ではないとしても、紛争処理の質を高めるためには、都内でどの業種やどのような雇用形態で紛争が多発しているかという基礎データを、法的な判断材料として蓄積、分析することが極めて重要だと思います。
 昨年度の質疑では、産業労働局の行っている労働組合基礎調査について、業種別の細かな調査は行っていないとの答弁でしたけれども、紛争処理機関として、自らの業務をより高度化、精緻化していくために、申立て事案の業種、雇用形態等の分析を今後どのように進めていくのか。
 単なる統計ではなく、判定的、調整的機能を果たすための基礎資料として実態把握を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○久故労働委員会事務局長 労働委員会では、当委員会で扱いました労働争議の調整や不当労働行為の審査につきまして、一年間の状況をいわゆる年報として取りまとめているところでございます。
 この年報では、業種別、事業所規模別、産業別などに事件の状況を整理、分類するとともに、個別の終結事件の概要や争点につきましても類型的に分析をしておりまして、最新の労使紛争の状況を把握しているところでございます。

○上田委員 発行しているということで安心しました。
 今度は、非正規労働や派遣労働者、外国人労働についてです。
 昨年の報告では、非正規雇用労働者に関する申立てが二八%を占めるなど、労働形態の多様化は鮮明です。
 しかし、いわゆる被典型労働者との紛争は、雇用関係が不明確であったり、指揮命令系統が複数にまたがったりするなど、従来の企業別組合を前提とした団体交渉や不当労働行為の枠組みでは救済が難しいケースも多いと認識しております。
 こうした事案において、公益委員をはじめとする審査担当者は、個々の事案の実態をどのように深く掘り下げ、法の適用を判断しているのでしょうか。
 判断のぶれを防ぎ、かつ多様な雇用形態における労働者の権利を実効的に保護するために、審査の際、どのような視点や検証プロセスを重視しているのか、確認させてください。

○久故労働委員会事務局長 当委員会には、非正規労働者、派遣労働者、外国人労働者、フリーランスなど多様な就労形態に係る事案が持ち込まれているところでございますが、就労形態の多様化などにより、労使関係をめぐる状況が変化する中にありましても、当事者の主張を丁寧に聞き取るなどして、本質を踏まえた判断を行うよう努めているところでございます。
 例えば、形式的には雇用契約関係にない事案におきましても、就労の実態を詳細に検討した上、労働組合法の労働者性を判断し、就労実態を踏まえた命令を発しているところでございます。

○上田委員 救済確認をいたしました。
 外国人労働者に関する申立ては約九%を占めています。言葉の壁だけではなく、日本特有の労使慣行や労組法の概念そのものに対する理解のそごが、紛争を複雑にさせている側面はないでしょうか。
 現在、都労委では、多言語のパンフレット作成等の周知は行われていますが、審査やあっせんの現場において、通訳の確保や文化的な背景理解など、紛争処理の実効性を高めるための具体的な配慮、工夫はどのように行っているのでしょうか。予算の枠組みも含め、適応状況を伺います。

○久故労働委員会事務局長 労働委員会では、集団的労使紛争を取り扱っておりまして、労働組合から申立てがなされるため、原則、日本語での対応となっております。
 日本語を話すことができない証人を尋問する場合などには、当委員会が通訳者を準備するなど、公平かつ適切な審理がなされるよう環境を整えてございます。

○上田委員 環境を整えるための予算が組まれていることを確認しました。
 さっきも確認したとおり、申立て事由は団体交渉拒否が依然として最多なんですね。これは、企業側が団体に応じるべき労使関係であるか否かの判断をめぐって、いまだに強く争っていることを示唆しています。
 非正規、派遣、外国人という多様な属性の労働者が関与する事案において、これまでの都労委の審査、命令や和解のノウハウをどのように蓄積、体系化し、個々の担当委員やあっせん員の判断の質向上へと還元しているのでしょうか。
 予防啓発を本当はしてもらいたいところなんですが、ちょっとこれはずれるところなんですけれども、紛争処理という本来業務を適正かつ高度に遂行し続けるためには、判断基準の組織的な共有と継承の仕組みが不可欠と考えます。
 その現状と今後の強化策を伺います。

○久故労働委員会事務局長 公益委員につきましては、不当労働行為の命令についての検討を行う公益委員会議を通じまして、過去の命令や判例、最新の法的知見や、命令を決定する上での判断基準等を共有しておりまして、労使委員につきましては、自主的な勉強会を行うことにより、担当事件における取組や和解等のノウハウを共有しているところでございます。
 このような取組は、改選により委員が交代した場合でありましても継続しておりまして、法的知見やノウハウ等は着実に継承をしております。

○上田委員 次に、ハラスメントですけれども、これについては、不当労働行為審査事件が一定数継続して申し立てられています。回答では、和解による解決事例として、労働組合がハラスメント調査や対策を求めたケースが挙げられています。
 ハラスメント事案は、当事者間の感情的な対立が深く、単なる制度上のルール適用だけでは解決に至らないことが考えられます。
 こうした複雑な事案に対し、同じように判断を下すときの当事者の心理的負荷への配慮や、ハラスメントという事案の特性を踏まえた判断の客観性、中立性をどのように維持しているのか、今後の解決の質を高めるためのスキル向上に向けた取組について伺います。

○久故労働委員会事務局長 当委員会では、労使紛争を早期に解決するため、ハラスメントの事案に限らず、和解による解決を目指しております。
 公平な第三者の性格を持つ公益委員と労使それぞれの事情を詳しく把握する労使委員が、積極的に和解の方向性を検討し、粘り強く調整をしております。
 また、判断に当たりましても、公平な立場の第三者として労使間の紛争処理を行ってございます。
 委員等のスキル向上につきましては、公益委員は、事件に関する判断の妥当性を検討する公益委員会議を通じまして最新の法的知見を共有しておりまして、労使委員につきましても、担当事件における取組や和解等のノウハウを共有するための自主的な勉強会を行っております。

○上田委員 ハラスメントは特に心理的負担が大きくて、公的機関の救済というのは大変な慰めになるかと思いますので、真摯な取組を確認させていただきました。
 こうしたハラスメントや労使紛争については、産業労働局、国、裁判所など複数の相談窓口が存在しています。回答では、連絡協議会で情報交換や相互連携が語られていましたが、当事者から見て最も重要なのは、どの窓口に行くべきかということがすぐ分かる、たらい回しの回避でございます。
 都労委として、単に窓口を案内する段階にとどまらず、複雑なハラスメント事案等において、個々の労働者が抱える問題の切り分け、個別紛争か集団的労使紛争かを的確に行い、最初から最善の解決手段、労働審判やあっせんなどもありますよね。つなぐための連携の仕組みをより強固にすべきではないかと思っております。
 今回、新年度に向かいまして、この連携体制の実効性を高めるための具体策があれば、伺います。

○久故労働委員会事務局長 当委員会はこれまで、産業労働局や東京労働局、裁判所、弁護士会などで構成する連絡協議会におきまして、ハラスメントを含めた様々な労働問題に対し、適切な窓口を案内できるよう、情報交換を行うなど相互に連携して対応してございます。
 今後とも、関係機関と相互に連携し、ハラスメントを含めました様々な労働問題に適切に対応してまいります。

○上田委員 ハラスメントを契機とした十二件中八件が終結しているという事実は、労働委員会が一定の紛争解決機能を果たしているということを示しており、これは評価させていただきたいと思います。
 度々確認しておりますけれども、これに対する知見も共有されていることを確認させていただいておりますけれども、単なる事例の蓄積ではなくて、この知見を組織的に共有する仕組みの現状について確認させてください。

○久故労働委員会事務局長 紛争解決のノウハウの組織的な共有につきましては、研修やOJTを通じました職員の専門性向上に向けての組織的な取組が必要でございます。
 このため、当委員会では、事務局職員が職級、年齢、経験年数、適性や能力に応じまして段階的に効率よく専門性を身につけることができるよう、和解に関しての研修も含め、局独自の研修を充実させてきております。
 また、弁護士資格を持つ特定任期付の職員の課長や行政専門職の課長がきめ細かく職員指導に当たりまして、OJTの充実に努めてございます。

○上田委員 これまでの資料要求とか私の質問でも、他局に比べて、長年、労働委員会にいる職員が多くて、そこで癒着等を招いていないか確認をしていたのですけれども、いずれにしろ、こうした専門性を身につける、これも一つの証左だったのではないかというふうに理解した次第でございます。
 広報活動です。
 去年、ほかの自治体では、労働委員会が直接出向く出前講座などを実施し、紛争の未然防止や正しい制度理解に努めている事例を挙げまして、都の対応を伺いました。これに対し、都からは、多言語リーフレットや手引の作成、配布を行っているという答弁がありました。
 しかし、ほかの委員からも質問があったように、デジタル化や、また働き方の多様化が進む中、単に窓口に資料を置くという受動的な周知法だけで、本当に都労委の救済や調整の仕組みを必要としている労働者や企業にその情報が届いているか、ちょっと疑問なところがあります。
 都民益の観点から、現在の周知方法で果たして制度の利用ハードルを下げられているのか、その自己評価を伺います。

○久故労働委員会事務局長 労働委員会の役割をPRするための手段といたしましては、四か国語版のリーフレットや手引を作成いたしまして、産業労働局の労働相談情報センターや国の東京労働局に配布いたしております。
 今年度は、当局のホームページ上のチャットボットを改善いたしまして、電子申請の方法などを紹介するなど、デジタル化への対応も進めているところでございます。

○上田委員 DX化とともに、さらに浸透を広めていくというところが読み取れました。
 労働委員会には、労働争議の実情調査という本来業務があります。この調査結果を生かし、例えば紛争が多発している業種や外国人労働者等の特定の属性に対してターゲットを絞った効率的な広報を行うことは、結果として、迅速かつ適正な紛争処理につながるはずです。予防啓発そのものが主務ではないとしても、都労委の業務を円滑にするためにも、より戦略的で的を絞った情報提供を行うべきではないかと提案させていただきます。
 ほか自治体の事例も参考に、資料配布を超えた利用者のアクセス改善に向けた予防措置や広報手法の刷新を、答弁を受けていますけれども、チャットボットも聞きましたけれども、検討すべきではないか、意見を伺いたいと思います。(久故労働委員会事務局長発言を求む)あ、待ってください。ちょっと一つ飛ばしました。すみません。
 現在、産業労働局と東京労働局との連携によりまして、街頭相談等で資料配布を行っているとのことですが、連携とは異なる資料の置場共有ではないはずです。労働委員会に持ち込まれる前に、適切な労働相談情報センターや労働基準監督署へつなぐ、あるいはその逆、適時適切な誘導こそが真の連携と考えます。
 紛争のたらい回しを防ぎ、制度利用者の利便性を向上させるために、他局、他機関との連携を、資料配布のワンストップの情報提供へと一歩進めるべきと考えます。
 これら広報と連携の刷新が、紛争の早期解決と都労委の業務適正化に直結し、結果として未然防止につながると考えますが、今後の広報及び連携体制強化を踏まえての所見を最後に伺います。

○久故労働委員会事務局長 昨年、都内の三つの弁護士会の労働問題を専門に扱います部会及び東京都社会保険労務士会と個別に、労働問題の現況や労働委員会制度のPR方法等についての意見交換を行ったところでございます。
 その際、各団体からの提案を踏まえまして、PRの協力に理解もいただきまして、当局の担当者が団体の会員向けに直接PRを行う場を設けてもらうなど、より効果的な広報に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、こうした団体との連携を深めていくことによりまして、労働委員会制度の周知を図ってまいります。

○上田委員 社労士の会などは、出張授業などもしていただいていますし、ぜひ協力をしていっていただきたいと思います。その際、せっかくなので、せっかくある資料なんかの配布もお願いしたいと思います。
 以上、グーグル日本法人事件という象徴的な事案を起点に、都労委の機能と体制を確認させていただきました。今回の質疑を通じて、デジタル化やグローバル化という時代の変化に合わせ、都労委もまた、専門性の向上や知見の共有といった組織としてのアップデートが必要なステージにあることを確認いたしました。
 答弁では、専門人材の活用や実情把握への意欲が示されましたが、これを単なる形式に終わらせることなく、実効性のある歩みへとつなげていただくよう注視を続けてまいります。
 都民一人一人が不当な目に遭って泣き寝入りすることのない労働環境を整える重要な役割を都労委は担っています。複雑化する労使紛争に対し、今後も公正かつ迅速に遂行されることを強く期待し、私の質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○大山委員長 これより港湾局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十二号議案、第二十三号議案、第七十七号議案及び報告事項、東京港カーボンニュートラルポート(CNP)形成計画のアップデート(案)についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○戸谷総務部長 去る二月十二日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧いただければと思います。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十六件の資料の件名を記載してございます。
 まずは一ページをご覧ください。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額、内訳を記載してございます。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 二ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び内訳を記載してございます。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 続いて、三ページをご覧ください。臨海副都心における公共用途での土地処分実績でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載してございます。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 四ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地における公共用途での土地処分実績でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載してございます。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 続いて、五ページをご覧ください。臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費の推移と内訳でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費と、その財源を一般会計、臨海地域開発事業会計、国費等の三つに区分して記載してございます。
 単位は、億円でございます。
 続いて、六ページをご覧いただければと思います。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
 令和四年度から令和八年度までの五年間の港湾整備費につきまして、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他の三つに区分して記載してございます。
 単位は、百万円でございます。
 七ページをご覧ください。輸出・輸入別のコンテナ個数の推移でございます。
 令和二年から令和六年までの五年間のコンテナ個数につきまして、全国、京浜港、東京港それぞれの輸出、輸入、合計を記載してございます。
 単位は、千TEUでございます。
 続いて、八ページをご覧ください。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
 令和三年から令和七年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで、各島の貨客船と高速ジェット船それぞれの就航率を記載してございます。
 単位は、パーセントでございます。
 九ページをご覧ください。東京港に寄港した軍用艦の数及び艦名(過去三年)でございます。
 令和五年から令和七年までの三年間の東京港に寄港した軍用艦につきまして、隻数及び艦名を記載してございます。
 一〇ページをご覧ください。東京アクアシンフォニーの検討経過等でございます。
 令和四年度から令和八年二月までの検討経過等並びに噴水の整備費及び運営費につきまして記載をしてございます。
 一一ページをご覧ください。港湾局所管会計別の職員費・事務費等の金額でございます。
 港湾局所管の一般会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計それぞれの職員費、事務費、庁舎管理費につきまして、令和八年度予算案の金額を記載してございます。
 単位は、百万円でございます。
 一二ページをご覧いただければと思います。臨海地域開発事業会計の直近の収支の見込み及び企業債残高の推移でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における臨海地域開発事業会計の収支及び企業債残高の推移を記載してございます。
 単位は、億円でございます。
 一三ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計土地処分実績でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年間における臨海地域開発事業会計の土地処分実績につきまして、面積、金額及び内訳を記載してございます。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 続いて、一四ページをご覧ください。水素船まほろばの運航ルート、スケジュール、水素燃料予算額及び事業内容でございます。
 (1)から(4)まで、水素船「まほろば」の運航ルート、スケジュール、水素燃料予算額及び事業内容を記載してございます。
 一五ページをご覧ください。港湾局が実施する投資の事業内容、予算・決算額でございます。
 令和七年度及び令和八年度における投資の予算額を、億円単位で記載してございます。
 また、令和七年度の事業内容についても記載してございます。
 そして、一六ページをご覧ください。島しょ部における代替船の最新の検討状況でございます。
 (1)から(3)まで、定期船の代替船に係る関係者協議、国への提案要求、代替船として利用可能な船舶の情報収集につきまして、それぞれ記載してございます。
 以上をもちまして、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 港湾局さんへの質疑ということで、予算特別委員会では臨海副都心の活性化について質問しましたけれども、本委員会ではハード面や脱炭素化の取組について伺っていきます。
 東京港は、全国のコンテナ取扱量の約四分の一、東日本の約六割を取り扱う国際物流拠点であり、都民生活のみならず、我が国の産業活動を支える重要な役割を担っています。
 東京港がその役割を果たし続けるためには、港湾から荷主への陸上輸送を担うトラック輸送の持続可能性を確保していくことが不可欠であります。
 マスコミ等で、一時期、物流の二〇二四年問題が盛んに取り上げられていましたが、現在でもドライバー不足の状態は悪化しており、これまで以上にターミナル周辺の交通混雑の解消が強く求められております。
 ターミナル周辺の交通混雑を抜本的に解消するためには、コンテナふ頭の機能強化を着実に推進していく必要があります。そこで重要となるのが、新規ふ頭の中央防波堤外側Y3コンテナターミナルであります。
 先日、私自身も現地に足を運び、整備状況を実際に視察してきましたが、まず、確認のため、Y3整備の現時点の進捗状況と今後の見通しについて伺います。

○佐藤港湾整備部長 中央防波堤外側コンテナふ頭Y3につきましては、東京港の年間コンテナ取扱量の約一割に当たります四十五万TEUの施設能力を有しておりまして、また、大井ふ頭の再編整備にも必要不可欠な施設となってございます。
 現在の整備状況でございますが、岸壁本体となるジャケットにつきましては、二十五基のうち四基の現地据付けが完了し、十基が製作中でございます。また、残りの十一基も契約手続を進めております。
 加えて、護岸背後の地盤改良は全ての範囲で着手済みでございまして、ガントリークレーン等の荷役機械の製作にも着手しております。
 来年度からはヤード整備等に着手する予定でございまして、引き続き、国や関係事業者等との連携の下、令和十年度の供用開始に向け、着実に取り組んでまいります。

○おぎの委員 Y3の整備が順調に進んでいることは確認できました。
 さて、ただいまの答弁で、Y3は大井ふ頭の再編整備に活用していくという趣旨の答弁がございました。再編整備に着手する大井コンテナふ頭についても、先日、現地を訪れました。
 大井コンテナふ頭は、東京港の約半数の貨物を取り扱っていると聞いていますが、狭い敷地の中で、現場の方々が創意工夫をされ、コンテナターミナルの運営を行っている状況を間近で見てきました。
 国内外の主要港と比較して、取扱貨物量を考慮すると、ターミナルの面積が狭い大井コンテナふ頭の再編整備の必要性を改めて実感したところであり、都が中心となり、再編整備を強力に推し進めていくことが求められます。
 そこで、大井コンテナふ頭の再編整備の進捗と今後の見通しについて伺います。

○野平港湾経営部長 大井コンテナふ頭の再編整備につきましては、令和十七年度の再編整備の完了を目指し、令和十年度から着手する予定でございます。
 現在、大井コンテナふ頭の再編整備の実施に向け、関係者と共に、蔵置スペースやゲート、管理棟などの配置、導入する荷役機械の種類等につきまして検討を進めております。
 また、コンテナふ頭の拡張予定地の取得に向け、都有地と交換する方向で、土地所有者と着実に調整を進めております。
 来年度からは、これまでの検討結果等を踏まえまして、コンテナヤード等の基本設計に着手する予定でございます。
 都は、大井コンテナふ頭の再編整備が着実に進むよう、関係者との調整に全力で取り組んでまいります。

○おぎの委員 主力ふ頭である大井ふ頭の再編整備が着実に進んでいることを今度は確認をいたしました。
 交通混雑の抜本的な解消には、中長期的なハード整備が不可欠ですが、併せて、短期かつ即効性のあるソフト面の取組も並行して進めることが重要であります。
 中でも、都が注力しているコンテナ搬出入の予約制は、混雑緩和の切り札ともいえる施策であります。しかし、その真価を発揮させるためには、予約制が現場の運用に深く根差し、実効性を伴うことが不可欠であります。
 そこでまず、コンテナ搬出入予約制の今年度の取組状況や来年度の展開について伺います。

○野平港湾経営部長 都は、効率的なターミナル運営とゲート前混雑の緩和を目的といたしまして、国やターミナル事業者等と連携し、国が開発したCONPASを活用した予約制の導入を進めてまいりました。
 今年度は、大井ふ頭や青海ふ頭のターミナルに加えまして、新たに中央防波堤外側地区のターミナルにおきましても予約制を導入いたしました。
 また、これまでは、関係者の習熟を図る観点から、期間を区切って予約制を実施してまいりましたが、昨年十月以降、大井ふ頭一、二号、三、四号、六、七号におきまして、期間を区切らずに実施する、いわゆる通年実施を順次開始いたしました。
 これまでの取組におきましては、予約制を利用したトラックは、予約せずに来場したトラックと比較いたしまして、ターミナルのゲート前の平均待機時間が最大で八割短縮されるなどの効果を確認しております。
 令和八年度におきましても、実施ターミナルをさらに拡大するなど、予約制のさらなる定着に向け取組を進めてまいります。

○おぎの委員 実際に、予約車両の待機時間が、非予約車両に比べ大幅に短縮されている実績に鑑みれば、今年度、大井ふ頭の複数ターミナルにおいて予約制の通年実施が開始されたことは大きな前進であると評価いたします。
 加えて、この予約制の効果を最大限に引き出すためには、単なる時間予約にとどめず、例えばトラックの予約情報をコンテナの荷積み、荷下ろしの手順策定に活用し、荷繰りと呼ばれる作業を解消するなど、ターミナルの荷役作業と密接に連動させていくことが不可欠であると考えます。
 そこで、トラックの予約情報を積極的に活用し、コンテナターミナルのオペレーションを効率化していくことが重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○野平港湾経営部長 コンテナターミナルのオペレーションの効率化を図っていくためには、CONPASで取得した予約情報を活用し、短時間で貨物の引渡しを行えるコンテナの配置を実現させることが有効でございます。
 ターミナルにおけるコンテナの配置につきましては、ターミナルオペレーターが所有するターミナルオペレーションシステム、いわゆるTOSといわれるシステムで管理されているため、コンテナ配置を最適化するためには、TOSとCONPASとのデータ連携を行うためのシステム改修が必要となります。
 このため、都は、TOSとCONPASとのデータ連携に係る改修費用を支援することなどによりまして、オペレーションの効率化を後押ししてまいります。

○おぎの委員 引き続き、事業者に対して、予約情報を活用したオペレーションの効率化を働きかけてもらいたいと思います。
 現在、ターミナルの現場では、輸出コンテナの搬入に当たり、コンテナの番号や重量などを記入した搬入票と呼ばれる紙媒体の書類が使用されております。
 各ターミナルのゲート前では、この搬入票を係員が目視で確認しており、このアナログともいえる確認作業がターミナル周辺の交通混雑の一因となっているとの指摘も少なくありません。
 こうした書類をデジタル化し、荷主や海貨事業者、ターミナルオペレーターがあらかじめシステム上で情報を共有、照合することができれば、現場での作業の大幅な効率化のみならず、交通混雑の解消に大きく寄与するのではないかと考えます。
 令和八年度予算案において、この搬入票のデジタル化を推進するための予算が計上されておりますが、その具体的な内容について伺います。

○野平港湾経営部長 都は来年度から、搬入票のデジタル化に向け、荷主、海貨事業者やターミナルオペレーターと連携した実証事業に着手いたします。
 具体的には、荷主や海貨事業者などが作成したコンテナ貨物の搬入票をターミナルオペレーターがTOSで確認できるようにするため、荷主等のシステム改修費用を支援するとともに、専門家を派遣し、技術的なアドバイスを行うことで、搬入票のデジタル化に必要な環境を整備いたします。
 その後、荷主等がデジタル化した搬入票を活用し、ターミナルへ輸出コンテナの搬入を行い、デジタル化の効果や課題等を検証してまいります。
 本実証で得られた成果や知見をモデルケースといたしまして、他の事業者へ広く周知、展開してまいります。

○おぎの委員 都がデータ連携に積極的に取り組む姿勢が確認できました。
 一方で、港湾物流のデジタル化は、現場が抱えるコンテナふ頭周辺の混雑緩和に結びついてこそ、その効果が発揮されるものであります。特に、深刻なドライバー不足に悩むトラック事業者にとって、長時間に及ぶゲート前の待機は死活問題であります。場所によっては、本当に長期に待つこともあるということでありますね。
 この点、事前に正確な混雑状況を把握し、配車の最適化を図ることは、物流の効率化のみならず、ドライバーの労働環境の改善の観点からも重要な取組といえます。
 都はこれまで、GPSを活用したリアルタイムの混雑情報の提供や、翌日の混雑状況を予測する取組を進めておりますが、今後は、刻一刻と変化する現場の状況に即した、より正確な予測情報が必要なのではないかと考えます。
 そこで、都は、予測の精度向上に向け、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

○野平港湾経営部長 都は、トラックの来場時間を分散させるため、混雑状況の見える化を推進しております。
 この取組は、トラックに搭載されたGPSの位置情報を活用いたしまして、ゲート到着までの所要時間や滞在時間をリアルタイムで提供するほか、過去のデータを分析し、曜日別、時間帯別の混雑傾向等を公表しております。
 また、昨年九月からは、翌日の混雑状況を四段階で示す混雑予測情報の提供を開始しております。
 来年度は、AI等を活用し、天候やコンテナ船の着岸時間、荷役機械の稼働台数など様々な要因を分析の上、さらに高精度で混雑を予測するシステムの構築に向け、調査に着手いたします。
 これらの取組によりまして、トラックの効率的な配車を可能とするとともに、来場時間の平準化を通じて、ターミナル周辺の交通混雑を緩和してまいります。

○おぎの委員 AIの実装は、最先端技術ゆえの難しさがあるかと思いますが、都には、ひるむことなく、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 物流を効率化していくためには、デジタル化の推進は不可欠でありますが、その一方で、システムトラブルの発生防止にも目を向ける必要があります。
 例えば、昨年九月、青海公共コンテナふ頭で発生したターミナルオペレーションシステムの更新に伴う障害は、トラックの長時間待機を招くなど、現場に混乱をもたらしました。
 私の元にも、トラック事業者や海運貨物取扱業者、そしてフォワーダーと呼ばれる貨物利用運送事業者の方々からも早期の解消を求める声が寄せられました。
 都においては、事業者の自助努力を促すことはもとより、不測の事態に備えた取組にも対応をしていただきたいと思います。
 本日の質疑を通じ、来年度の具体的な取組を確認できましたが、現場の事業者やドライバーにとって、交通混雑の解消は喫緊の課題であります。都には、本日確認した各施策をスピード感を持って実行することを強く要望し、次の質問に行きます。
 東京港における防潮堤のかさ上げについて伺います。
 近年、気候変動の影響による海面上昇や台風の強大化が顕在化してきており、東京港沿岸部において、高潮や浸水被害のリスクが高まっております。
 私の地元である大田区も、広大な臨海部を有し、物流拠点や産業集積ほか、市街地が海岸線に近接していることから、風水害への備えは極めて重要な課題であります。
 こうした中、都は、激甚化する風水害から都民の生命や財産を守るため、全国に先駆けて海岸保全施設の整備計画を策定し、防潮堤のかさ上げに取り組んできたと承知しております。
 そこで、改めて、防潮堤のかさ上げについてどのように進めているかの確認をするとともに、これまでの取組状況と来年度の予定について伺います。

○佐藤港湾整備部長 都は、今後徐々に高くなっていく海面の水位と現在の防潮堤の高さとを比較した上で、高さが不足する地区から順次かさ上げを実施することとしておりまして、十年間で約二十四キロメートルの整備を進めてまいります。
 これまでに約十二キロメートルの区間で測量や設計に着手しており、大田区平和島のガスミオ運河の一部におきましては、最初のかさ上げ工事が昨年十一月に完了したところでございます。
 来年度は、同じく大田区にございます平和島の勝島南運河におきまして、約一キロの設計に着手いたしますとともに、新たに品川区東品川の天王洲運河等におきまして工事を進めていくなど、海岸保全施設の機能強化に着実に取り組んでまいります。

○おぎの委員 気候変動の影響が顕在化する中、防潮堤のかさ上げは、東京港の強靱化を図る上で極めて重要な取組であります。今後もしっかりと進めていっていただきたいと思います。
 続けて、東京港における脱炭素化の取組について伺います。
 地球規模で進行する気候変動は、猛暑や豪雨、台風の激甚化などの異常気象を引き起こし、都民の暮らしに深刻な影響を及ぼしております。
 その原因の一つが、温室効果ガスの排出による地球温暖化であります。
 地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定では、地球の気温上昇を産業革命以前と比べて一・五度以内に収めるという目標が掲げられており、その達成に向けて、脱炭素化の動きが世界的に加速しております。
 物流分野においても、温室効果ガス排出の削減は世界共通の課題となっており、荷主企業は、自らによる直接の排出に加え、物流や調達により発生する排出量を把握した上で、サプライチェーン全体で脱炭素化を進めていくことが求められております。
 二〇二七年には、東証プライム上場企業の一部に、サプライチェーン全体におけるCO2の排出量を有価証券報告書での開示が義務づけられる動きも出ております。
 東京港は、国内最多のコンテナを取り扱う国際的な海上コンテナ輸送の重要な拠点でありますが、こうした荷主企業に選ばれ続けるためには、東京港においても積極的に脱炭素化を図っていくことが重要であります。
 こうした中、東京港においては、令和五年三月に東京港CNP形成計画を策定し、同計画に基づき、これまで様々な取組を進めてきたところであります。
 脱炭素化を一層推進するために、現行計画をアップデートするとの報告もございました。
 そこで、新たな東京港CNP形成計画は、現行計画からどのような点をアップデートしていくのか、伺います。

○原田港湾振興担当部長 都は、二〇三〇年のカーボンハーフの着実な達成に向け、官民連携で脱炭素化を推進するため、二〇二三年三月に策定した東京港CNP形成計画をアップデートし、港湾法に規定する港湾脱炭素化推進計画として東京港CNP形成計画二・〇を策定することといたしました。
 この計画では、民間事業者等が主体的に実施する脱炭素化に向けた取組を新たに港湾脱炭素化促進事業として位置づけ、実施時期、実施期間、事業の効果を計画に記載いたしました。
 また、気候危機の深刻化等の大きな変化の中、脱炭素化の取組を一層加速するため、二〇二五年三月に公表されたゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを踏まえるとともに、大井コンテナふ頭の再編整備の完了を見据え、二〇三五年における中期目標として、CO2排出量を二〇二〇年比六〇%削減することといたしました。
 都は、東京港CNP形成計画二・〇に基づき、官民連携の取組をさらに強化することで、東京港の脱炭素化を加速してまいります。

○おぎの委員 東京港におけるCO2の排出は、ふ頭内やふ頭背後地で事業活動を行う民間事業者から生じるものも多くあります。計画のアップデートを通して民間事業者との連携を強化するという視点は重要であります。
 今回のアップデートで、港湾法に規定する港湾脱炭素化推進計画に位置づけられているとのことです。
 港湾法上の法定計画に位置づけられることにより、民間事業者にどのようなメリットがあるのか、伺います。

○原田港湾振興担当部長 法定計画である東京港CNP形成計画二・〇の策定により、東京港内で事業を行っている事業者が、国が運用するコンテナターミナルに係るCNP認証制度におきまして評価を受けることが可能となります。
 この制度は、二〇二五年六月に運用を開始したものであり、民間事業者等が本認証を取得することで、環境に配慮した事業活動を行う企業としてPRに活用することができることなどから、認証の取得を希望する声が寄せられておりました。
 今後は、本制度も活用し、官民一体で東京港の脱炭素化を推進してまいります。

○おぎの委員 計画のアップデートにより、民間事業者にも具体的なメリットがあることを確認いたしました。
 東京港の運営には、船会社や港湾運送事業者、倉庫事業者など多くの関係者が関わっており、本計画も、そうした関係者との合意形成により策定されたものと思いますが、確認のため、本計画の策定経緯について伺います。

○原田港湾振興担当部長 港湾法では、計画の策定に当たり、港湾管理者が港湾の利用者や学識経験者等で構成される港湾脱炭素化推進協議会を開催し、同協議会において必要な協議を行うこととしております。
 都は、港湾法等を踏まえ、令和六年度に、東京港を利用する船社や、ふ頭背後地に立地する倉庫事業者、地元区など四十九団体等で構成される東京港カーボンニュートラルポート推進協議会を立ち上げました。
 これまで、協議会を開催するとともに、協議会の構成員である民間事業者などと意見交換等を実施の上、計画案を策定し、令和八年二月十二日から三月十六日までパブリックコメントを実施したところでございます。

○おぎの委員 新たな東京港のCNP形成計画は、脱炭素化の実施主体となる官民が連携し、作成するものであることが確認できました。
 計画を作成することがゴールではなく、計画に掲げた目標を達成していくことが重要であります。そのためには、計画の内容について適切に進捗管理を行い、状況に応じて取組内容の見直しや追加を行うことが必要であります。
 計画の進捗状況について、どのように管理していくのでしょうか。伺います。

○原田港湾振興担当部長 東京港CNP形成計画二・〇の策定後は、定期的に推進協議会を開催し、民間事業者等が実施する個々の港湾脱炭素化促進事業の進捗状況や効果、課題等を確認してまいります。
 その状況を踏まえ、目標達成に向け、必要に応じて事業の修正や追加などを協議の上、脱炭素化技術の最新動向等も考慮し、適宜計画を見直してまいります。
 こうした取組により、適切なPDCAサイクルを構築し、計画の実効性を高めてまいります。

○おぎの委員 幅広い実施主体が構成員となる協議会において、進捗管理を適切に行うことで計画の実効性が高まることを期待しております。
 今回の計画改定を契機に、民間事業者との連携を一層強化し、東京港の脱炭素化を引き続きしっかりと進めてもらいたいと思います。
 次に、コンテナふ頭、クルーズふ頭、倉庫などが立地するふ頭背後地において、脱炭素化に向けてどのような取組を行っていくのか、順に質問していきます。
 まず、コンテナふ頭でありますが、コンテナふ頭には、タイヤ式門型クレーンといわれる荷役機械、いわゆるRTGはCO2排出量が多いと伺っております。目標達成のために、荷役機械の脱炭素化は避けて通ることができない重要な取組であります。
 そこで、荷役機械の脱炭素化に向けたこれまでの取組と今後の取組について伺います。

○原田港湾振興担当部長 東京港の脱炭素化に当たりましては、ふ頭内で使用される荷役機械の脱炭素化を進めることが重要でございます。
 そのため、都は、令和五年度から七年度にかけて、RTGを水素を燃料として稼働させるプロジェクトを実施してまいりました。
 その結果、ディーゼル発電機で稼働するRTGと変わらない操作性や荷役能力を有することや、水素供給設備の設置によりコンテナの蔵置スペースが減少することから、荷役作業の工夫が必要であることなどを確認いたしました。
 令和八年度からは、蔵置スペースの減少を抑えるため、新型の移動式水素ステーションを活用した水素供給を行い、水素を燃料としたRTGを複数台同時稼働させるなど、これまでの取組を発展させた事業を新たに開始いたします。
 あわせて、水素燃料電池に換装可能なRTGの導入経費に対する補助を継続するとともに、来年度からは、新たに電動の荷役機械を導入する場合についても補助を行うことで、民間事業者の脱炭素化の取組を一層促進してまいります。

○おぎの委員 荷役機械の脱炭素化に向けて、水素や電力を活用することについて確認いたしました。
 繰り返しになりますが、荷役機械の脱炭素化は、目標達成に向けて避けて通ることができないものであります。民間事業者と連携を図りながら、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。
 さて、東京港では、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の新規整備や青海コンテナふ頭の再編整備を進めております。また、令和十年度には大井ふ頭の再編整備に着手するとのことであります。こうした機に、ゼロエミッション型の設備に更新し、東京港の脱炭素化を大きく進めていくべきであると考えます。
 そこで、ふ頭の新規整備や再編整備の機会を捉え、どのように東京港の脱炭素化を進めていくのか、都の見解を伺います。

○原田港湾振興担当部長 コンテナふ頭で稼働するRTGなどの大型荷役機械のゼロエミッション化には大規模な工事が必要であり、オペレーションへの影響を避ける観点から、ふ頭の再編整備等の機会を捉え、積極的に取組を進めることが重要でございます。
 具体的には、現在、再編整備工事等を実施している青海コンテナふ頭では、水素燃料電池換装型のRTGを二十六基導入いたします。
 また、新規整備中の中央防波堤外側Y3では、電気で稼働するRTGを十七基導入するとともに、EV車両向けの充電設備を整備いたします。
 さらに、大井ふ頭においては、令和十年度から着手する再編整備工事に合わせて、荷役機械のEV化、FC化や、Airソーラー等の導入、再生可能エネルギーの活用を進める方向で関係者と調整をいたしております。
 都は、ふ頭の新規、再編整備を契機とし、東京港全体の脱炭素化の取組に弾みをつけ、カーボンニュートラルの目標を達成してまいります。

○おぎの委員 コンテナふ頭の脱炭素化について、今後も着実に取組を進めていくことを確認いたしました。
 次に、クルーズふ頭の脱炭素化についてどのように進めるのか、伺います。

○原田港湾振興担当部長 クルーズふ頭につきましては、来年度から、使用する電力をグリーン電力に切り替えるなど、再生可能エネルギーを活用し、脱炭素化を推進してまいります。
 加えて、東京国際クルーズふ頭におきましては、第二バースが完成する二〇三五年までに陸上電力供給設備を設置し、停泊中の船舶から排出されるCO2を大幅に削減してまいります。
 また、晴海ふ頭におきましては、ターミナルの屋根に国内最大級のAirソーラーを設置するなど、積極的に脱炭素化の取組を進めてまいります。

○おぎの委員 クルーズ客船向けの陸上電力供給設備については、現時点で国内に導入している港湾はないと聞いています。答弁にもあったとおり、停泊中の船舶から発生するCO2の削減に資するものであり、クルーズ客船の入港が今後も増え続けていくことが見込まれる中で、東京港が率先して取り組むことを評価いたします。
 最後に、ふ頭背後地の脱炭素化について伺います。
 東京港のふ頭の背後には民間の倉庫、冷蔵倉庫群が立地しており、ふ頭と一体となって、東京港の物流機能の重要な一角を構成しております。
 こうした施設では、荷役機械や空調等に多くの電力を使用しており、東京港の主要な排出源の一つとなっております。積極的に脱炭素化を進めていく必要があります。
 そこで、東京港のふ頭背後地の脱炭素化に向けた具体的な取組の内容について伺います。

○原田港湾振興担当部長 都は、ふ頭背後地における脱炭素化を推進するため、来年度、業界団体との連携の下、グリーン電力の活用等に関する協議体を設置いたします。
 同協議会におきまして、民間の倉庫、冷蔵倉庫等へのグリーン電力の導入に向けた課題や方法等について協議を行い、継続的に検討を重ねることで導入を推進してまいります。
 また、関係局と連携し、民間の倉庫、冷蔵倉庫等におけるAirソーラー等の太陽光発電設備の導入促進を支援してまいります。
 さらに、脱炭素化を進めた企業の取組を公表し、広く共有することで、他の事業者へ取組を波及させ、東京港のふ頭背後地の脱炭素化を一層促進してまいります。

○おぎの委員 ふ頭背後の倉庫、冷蔵倉庫等の脱炭素化は、コンテナふ頭やクルーズターミナルとは異なり、民間の各事業者の経営判断が必要となることから、民間事業者の声にしっかりと耳を傾け、連携を図りながら取り組んでいただきたいと思います。
 本日は、東京港の脱炭素化について、計画をアップデートする趣旨や具体的な取組について網羅的に質問させていただきました。頻発するゲリラ豪雨や巨大台風の発生など、地球温暖化による影響は顕著にあらわれており、脱炭素化の取組は、都民の安全・安心のためには極めて重要であります。
 また、東京港が荷主企業に選ばれ続け、国際競争力の維持向上を図っていくためにも必要不可欠なものであると考えます。
 一方で、東京港の脱炭素化は、都の取組だけで実現できるものではございません。様々な主体としっかりと連携し、東京港の脱炭素化の実現に向けて、引き続き全力で取組を進めていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終えます。

○もり委員 私からも、東京港カーボンニュートラルポート形成計画について伺わせていただきます。
 計画では、二〇二〇年五十七・一万トンを基準年として、短期目標、二〇二五年カーボンハーフ二十七・六万トン、中期目標、二〇三五年二十二・八万トン、長期目標、二〇五〇年排出ゼロを達成することになっていますが、計画策定時の二〇二〇年の排出量は五十六・六万トンで、二〇三五年目標を達成するためには、十五年間で二十九万トンの削減が必要となります。
 二〇二〇年から二〇二五年までの五年間で十二・四万トン削減を実現していますが、二〇三〇年までの残り五年で十六・六万トンを削減することは実現可能なのか、お伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 都はこれまで、東京港の脱炭素化に向け、全てのコンテナふ頭におきまして、使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるとともに、大井ふ頭等において太陽光発電設備を設置するなど、様々な取組を進めてまいりました。
 今後は、東京港CNP形成計画二・〇に基づき、二〇三〇年のカーボンハーフ達成を目指し、荷役機械のゼロエミ化を一層推進するとともに、港湾施設やふ頭背後の民間施設へグリーン電力の導入を拡大するなど、CO2排出の削減に取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。既に電力を再生可能エネルギー由来に可能な限り切り替えていただいている等、大変意欲的に削減に対して取り組んでいただいております。
 この五年間の十二・四万トンの削減の内容について、コンテナふ頭でのグリーン電力の導入、コンテナふ頭のヤード内荷役機械のゼロエミ化それぞれの二〇三〇年までの計画削減量と、二〇二五年までの達成率及びそれによる削減量の具体的数値についてお伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 外貿コンテナふ頭でのグリーン電力の導入につきましては、既に全てのコンテナふ頭において完了いたしております。これにより、二〇〇〇年のCO2排出量と比較して三万トンを削減しており、目標は達成済みでございます。
 また、外貿コンテナふ頭におけるヤード内荷役機械につきましては、FC換装型RTGの導入などにより約二千四百トンを削減しており、目標に対する達成率は約四〇%でございます。

○もり委員 二〇〇〇年のCO2排出量と比較して、既に三万トン削減をし、目標の達成をしていただいています。取組について着実に進めていただいておりますが、民間の貯蔵施設の設備更新による電力消費量の削減が挙げられており、二〇三〇年までの計画削減量と二〇二五年までの達成率を伺いたかったのですが、この民間の事業効果については、算出が困難であると未定となっている事業者も多い現状があります。
 一方で、計画には、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向け、港湾脱炭素化促進事業については、適宜、実施主体に調査を実施し、随時追加していくとの明記がありました。港湾脱炭素化促進事業において、民間設備も含めた削減が掲げられているのですから、これについてしっかりと効果検証を行っていただきたいと考えます。
 民間事業者が算出できないなら、都として調査を実施し、事業効果の見える化を行うよう要望いたします。
 次に、アップデート計画について幾つか伺います。
 東京港カーボンニュートラルポート形成計画二・〇では、二〇三〇年までに二〇〇〇年度比五〇%減となる、排出量削減手段別計画削減量、年間二十七・六万トンを目標に掲げており、二〇三五年までに六〇%減の二十二・八万トン、二〇五〇年実質ゼロの計画は達成できる計画であったのか。
 指標となるKPIを設定し、短期、中期、長期の三段階で次年度の目標を設定するとしていますが、脱炭素化を実現していくためのアップデートの考え方、理由についてお伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 都は、二〇三〇年のカーボンハーフの着実な達成に向け、官民連携で脱炭素化を推進するため、二〇二三年三月に策定した東京港CNP形成計画をアップデートし、東京港CNP形成計画二・〇を策定することといたしました。
 本計画では、気候危機の深刻化等の大きな変化の中で、脱炭素化の取組を一層加速するため二〇二五年三月に策定されたゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを踏まえるとともに、大井コンテナふ頭の再編整備の完了を見据え、二〇三五年における中期目標として、CO2排出量を二〇二〇年比六〇%削減することといたしました。

○もり委員 ありがとうございます。一層促進するために、この二〇三五年における目標に取り組んでいただいている旨のご答弁をいただきました。
 アップデートにより、削減手段別計画量や削減手段がどのように見直されるのか、お伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 東京港CNP形成計画二・〇における温室効果ガスの削減計画の削減に向けた主な取組につきましては、現行計画をベースに、官民連携での脱炭素化をより一層推進する観点から、倉庫、冷蔵倉庫等で使用する電力のグリーン電力への切替えや、倉庫の壁面、屋根等へのAirソーラーの設置、大井ふ頭再編による脱炭素化などの新たな取組を取組内容として追加してございます。

○もり委員 官民連携の取組で、意欲的に電力のグリーン電力化、また、倉庫の壁面や屋根等のAirソーラーの設置、こういったことは本当に、ほかの部局においても見習っていただきたいような、しっかりとした取組を行っていただいております。
 こうしたアップデート計画の削減手段を実現することによって、二〇三〇年までの残り五年間で十八・六万トンのカーボンハーフを削減することは実現可能なのか、確認をさせていただきます。

○原田港湾振興担当部長 都は、二〇三〇年のカーボンハーフ達成を目指し、青海コンテナふ頭の再編整備に合わせて、荷役機械のゼロエミ化を一層推進するとともに、業界団体と連携し、民間の倉庫、冷蔵倉庫等へグリーン電力の導入を推進いたします。
 こうした取組により、官民一体となり、東京港の脱炭素化を推進してまいりたいと思います。

○もり委員 二〇二〇年に現計画を策定した時点では、カーボンハーフ達成時期は二〇三〇年でした。今回、二〇二六年にアップデート計画の策定に当たり、十年後は中期目標達成年、次の二〇三五年になります。
 アップデート計画には、二〇三五年目標を達成する具体的な削減手段と、それぞれの削減手段の削減目標、そして目標達成のモニタリング指標とさらなる追加的対策を適宜策定実施できるようなPDCAプロセスと、事業者や都民への情報公開が不可欠だと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○原田港湾振興担当部長 計画の策定後は、学識経験者や東京港を利用する船社、ふ頭背後地に立地する倉庫事業者、地元区など四十九団体等で構成される東京港CNP推進協議会におきまして、民間事業者等が実施する個々の港湾脱炭素化促進事業の進捗状況等を確認し、その状況を踏まえ、適宜計画を見直してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。学識経験者や、また利用されている、また私の地元も大田区なんですけれども、そういった港湾に関わる四十九団体等で構成をされている会議体において、適宜、この現状を確認しながら、また状況を踏まえ、計画の見直しを図っていただいているというご答弁をいただきました。
 カーボンフリーの取組では、日本や世界で先進的な取組が行われております。この日本及び世界の港湾との比較について確認をさせていただきます。
 日本国内では、二〇二五年十月八日、兵庫県神戸市で開催された世界港湾会議で、横浜港が国際港湾協会サステナビリティアワード最優秀賞を受賞しています。
 横浜市では、短中期二〇三〇年度、二〇一三年度比四七%減、中期四〇年度で二〇一三年度比七四%減、長期で二〇五〇年度カーボンフリーとしていますが、東京都では、二〇三五年の次は二〇五〇年度と間が空いています。
 中期目標年を二〇三五年とすることと二〇四〇年とすることとの比較を行ったのか、お伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 本計画では、気候危機の深刻化等の大きな変化の中、脱炭素化の取組を一層加速するため二〇二五年三月に策定されたゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを踏まえるとともに、大井コンテナふ頭の再編整備の完了を見据え、二〇三五年に向けた中期目標として、新たにCO2排出量を二〇二〇年比六〇%削減することといたしました。

○もり委員 ありがとうございます。
 次に、温室効果ガス排出量の算出方法について確認をいたします。
 このPDCAプロセスを適切に回していくためには、削減手段と削減量の正確な測定、モニタリングと、データが改ざんされていないか、正確性を検証するための第三者監査の仕組みが必要ですが、それはどのように行われているのか、お伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 計画の進捗管理や達成状況の評価につきましては、港湾法の規定等を踏まえ、東京港CNP推進協議会において行うことといたしております。
 なお、同協議会には、学識経験者や地元区など、直接の事業主体とならない第三者が構成員に含まれております。

○もり委員 横浜市では、CO2排出量を部門別に推計しているのは横浜市のみとしていますが、東京都が部門別に推計していない理由をお伺いいたします。

○原田港湾振興担当部長 港湾脱炭素化推進計画については、各港が港湾法等を踏まえ、それぞれの港の状況や特性等も勘案し、国との協議の上、策定しているものと認識しております。
 なお、東京港におきましては、CO2の排出量につきまして、国の脱炭素化推進計画作成マニュアル等を踏まえ、ふ頭、ふ頭背後地、船舶・車両に区分して推計しております。

○もり委員 世界の港湾では、中国山東省の港、オランダのロッテルダム港、シンガポール、トゥアス新港など先進的な取組をしている港湾があります。
 都は、これら国内や世界の港湾カーボンフリーの先進的な取組事例について、どのように調査し、参考としているのか、東京港のカーボンフリー計画を策定しているのか、お伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 都は、東京港の国際競争力の強化に向け、海外の主要港湾の先進的な取組について文献調査等を行うとともに、必要に応じ現地調査を行うことで、情報収集や分析を行っております。
 また、東京港CNP推進協議会の構成員と、海外における先進事例に関する情報交換等も行っております。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ首都東京の国際競争力の強化に向けて、また国内外を引っ張っていただきたいと思っております。
 東京港カーボンニュートラルポート形成計画によれば、二〇五〇年度に向け、安定的な供給体制が確立した次世代エネルギーにより脱炭素化を実現する、すなわち、いまだ実装されていない技術やシステムに依存しているのではないかとの懸念もあります。
 次世代エネルギーへのシフトは重要です。二〇五〇年までの二十五年間で、どのように次世代エネルギーへのシフトを行い、カーボンニュートラルを実現していくのか、その工程について、東京都の今後の取組についてお伺いをいたします。

○原田港湾振興担当部長 東京港CNP形成計画二・〇では、二〇三〇年に向け、荷役機械のゼロエミ化や、業界団体と連携した民間倉庫等へのグリーン電力の導入など、官民が一体となってカーボンハーフの達成に向けて取り組んでまいります。
 また、二〇三五年に向けては、大井ふ頭の再編を契機とし、脱炭素化の取組をさらに進め、二〇五〇年に向けては、脱炭素化に資する技術の進展等も踏まえながら、最適な次世代エネルギーを活用することでカーボンニュートラルを実現してまいります。

○もり委員 東京港CNP形成計画二・〇では、本当に高い目標を掲げ、また、業界団体、民間企業とも連携をしながら着実に取り組んでいただいている旨、ご答弁をいただきました。
 今、ホルムズ海峡の影響で、さらなる原油の高騰など、港湾事業にも深刻な影響を与えかねないという危惧もありますが、そういった中でも、本当に一層のゼロエミ化、またグリーン電力の導入による持続可能なカーボンニュートラルポートの実現に、引き続き着実に取り組んでいただきたいと要望を申し上げて、次に、新海面処分場についてお伺いをいたします。
 区部で発生するごみの最終処分場は、あと五十年程度でいっぱいになると見込まれています。全体の約七割を占める家庭ごみを削減するため、自治体を越えた食品廃棄物の広域的な回収ルートを後押しし、分別収集とリサイクルの促進につなげるとし、二十三区の家庭ごみの有料化についての検討について、知事も発言されました。
 多摩地域では、檜原村を除く二十九市、家庭ごみは有料化されており、二十三区でのごみの有料化は当然との声もあります。しかし、決めるのはあくまで区であり、東京都が区の行政に口出しすることは許されません。
 潤沢な予算のある東京都が、これまで無料だった家庭ごみの有料化を納得してもらうためには、お台場の噴水事業や都庁のプロジェクションマッピングなど、都民の理解がなかなかまだ得られているとは十分に思えない不要不急の都の事業についても検証が必要であり、仮に二十三区の住民の家庭ごみのポイントなどの助成措置を講じるのであれば、多摩地区の住民にも同様の措置を講じるべきとの意見を申し上げ、新海面処分場の全体計画について質問いたします。
 新海面処分場は、東京二十三区の最終処分場として、確保できる最後の埋立地とされています。
 東京湾内では、もう新たな処分場をつくることができない理由について伺います。

○佐藤港湾整備部長 東京港内の水域につきましては、船舶の航行や停泊等の港湾機能のほか、レクリエーション、漁業などの場として、また、環境保全の面からも重要な機能を果たしております。
 こうした中、限られた水域の中で新海面処分場を整備するに当たりましては、これらの機能と調和を図ることが不可欠であり、処分場の位置及び規模につきましては、港湾審議会において専門的立場から多角的な検討が行われ、その結果として決定されたものでございます。
 したがいまして、現在整備を進めている新海面処分場以外に、東京港の港湾区域におきまして、新たに大規模な処分場を設けることは困難でございます。

○もり委員 本当に限られたこの海面処分場であるからこそ、本当に持続可能な今後の活用についてが必要になってまいります。
 新海面処分場は、廃棄物埋立てとしゅんせつ、建設残土の埋立ての用途に使われる予定ですが、今後の廃棄物埋立てとしゅんせつ、建設残土の埋立量についてお伺いをいたします。

○佐藤港湾整備部長 現在の廃棄物等の埋立処分計画におきまして、令和四年度から令和十八年度における十五年間の廃棄物と土砂の埋立処分量は、廃棄物が五百九十二万立米、土砂が千七百六十五万立米でございます。

○もり委員 新海面処分場の寿命、利用年数は、廃棄物の量によって変わります。廃棄物の減量化については環境局が行い、残土の有効利用については都市整備局が既に取り組んでいるとのことでした。
 埋立処分場づくりは長期プロジェクトとなっておりますが、新海面処分場の寿命、利用年数はどのくらいと想定をしているのか、お伺いをいたします。

○佐藤港湾整備部長 新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、今後の経済状況や新たな技術の進展に合わせて深掘りなどの容量拡大を図りながら、将来発生する廃棄物等を適正に処分できますよう、引き続き適切に対応してまいります。

○もり委員 建設残土は、業者が東京都以外の処分場を確保することができる一方で、二十三区の一般廃棄物の埋立処分場を東京都の外に求めることは難しいと考えられます。
 東京では、南海トラフ地震や首都直下型地震のおそれがあり、大震災は大量の災害廃棄物が生じます。災害時には、事業系も一般廃棄物と交ざり合ってしまいますので、一般廃棄物として自治体が処理することが原則となります。
 災害が起きた際の計画、廃棄物処理の運営については環境局の所管と伺いましたが、新海面処分場で災害廃棄物を受け入れる想定になっているのか、そして、それは受入れ可能なのか、また、処分場自体が被災した場合についてどうするのか等は、今後も環境局と連携をし、想定と対策を講じていただきたいと思いますが、埋立処分場の護岸沈下、液状化、遮蔽シートの損傷、また、配管亀裂等の想定を行い、対策をする必要があると考えます。
 処分場の構造物は耐震設計となっていると思いますが、耐震性が確保されているのか、お伺いをいたします。

○佐藤港湾整備部長 新海面処分場の護岸につきましては、国が定める港湾の施設の技術上の基準に基づき、耐震設計を行っております。
 なお、東日本大震災後、新海面処分場の護岸を検証しておりまして、必要な耐震性を確保していることを確認してございます。

○もり委員 耐震性について確認をさせていただきました。
 持続可能な新海面処分場の利用に向けて、将来需要や災害廃棄物等は環境局の所管となりますが、引き続き局横断的に連携をしていただき、想定と対策を講じていただくことを要望し、質問を終わります。ありがとうございます。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 まず最初に、東京港の防災分野における新技術の活用について伺います。
 東京においては、かつて、台風に伴う高潮による甚大な被害もございましたが、都が防潮堤や水門、運河内の水位を抑制する排水機場といった海岸保全施設の整備を着実に進めてきたことで、今では高潮による浸水被害が発生することはなくなったとのことであります。
 一方、昨年の八丈島における台風被害をはじめ、各地で強大化する台風や豪雨による被害が相次ぐなど、気候変動の影響を実感せざるを得ない、そういった事態が今頻発をしているところでございます。
 風水害から都民の生命と財産を守るためには、高潮等の発生リスクを正確に把握をし、水門や排水機場を適切に運転することが求められるが、今後見込まれる気候変動の影響によって、その予測はより困難となることが想定をされるところでございます。
 このことを踏まえまして、都は、AIを活用して、高潮による海面水位上昇を予測して水門操作の判断に活用している、このように聞いておりますけれども、改めて、台風が接近した際、都は、どのような場合に水門や排水機場を操作しているのか、また、どのようにAIを活用しているのか、確認をさせていただきます。

○佐藤港湾整備部長 東京港内には十五か所の水門がございまして、平常時におきましては、船舶の航行を確保するために開放してございますが、高潮や地震の際には、市街地を浸水被害から守るために閉鎖しております。
 台風が接近してきた場合には、高潮に備えまして、水門の外側の水位が、干潮時の水位を基準といたしまして一・八五メートルに達し、さらに上昇することが見込まれる場合に閉鎖することとしてございます。
 また、水門閉鎖中の降雨等によりまして水門の内側の水位が上昇した場合に、二か所ある排水機場のポンプを運転しまして、水門の外側に強制的に排水して水位を下げることとしてございます。
 このうち、水門の外側の水位につきましては、AIを活用して、リアルタイムの水位や気圧、風速等の気象予報から数時間先の水位を予測いたしまして、令和五年度からは、実際の水門の開閉操作の判断に用いてございます。

○いいだ委員 気候変動の影響によって高潮リスクが増大する、こういわれている中で、AIの技術によって予測精度を高めていただいて、この水門操作の判断に活用している、こういったお話でありました。
 そうした中で、令和五年度の運用開始から、約三年が今、経過をしておりますけれども、この間、具体的にどのような効果があったのかを伺います。

○佐藤港湾整備部長 AIを活用した水位予測システムの導入以前につきましては、水位等の実測値や職員の知見などを踏まえまして、水門を閉鎖するおおむね一時間前に非常配備態勢を発令し、水門操作に従事する職員を参集させておりました。
 AIを導入したことによりまして、数時間先の水位をほぼ正確に予測できるようになりましたことから、おおむね三時間前の時点で参集の見込みを連絡することが可能となってございます。
 運用開始後、水位上昇に伴い、非常配備態勢を七回発令しておりますが、事前に参集時間を見通せるようになりましたことで、職員は余裕を持って準備を行い、従来よりも早期に参集することが可能となるなど、より的確かつ迅速な水防活動につながってございます。

○いいだ委員 AIによる水位予測が、一時間前だったのが三時間前の時点で参集見込みを連絡することができるようになったということで、非常に活動の中で効果を発揮しているということが確認されました。
 現在は、水門の外側の水位予測にAI技術を活用して、水門閉鎖に今活用しているということでありますけれども、AI技術は日進月歩でありまして、さらなるこの活用を通じて、風水害から都民の生命と財産を守る万全の体制を構築していくべきである、このように考えるところでございます。
 そこで、東京港の水防活動をより的確に行っていくために、AIの活用をさらに進めていくべきだ、こういうふうに考えますけれども、都の取組についてお伺いします。

○佐藤港湾整備部長 これまでAIによる外水位の予測結果を水門操作の判断に活用してまいりましたが、浸水被害を確実に防止していくためには、外水位に加えて、水門内側の浸水リスクを正確に把握することが重要でございます。
 そのため、外水位のAI活用で得られた成果や知見を生かしまして、内水位に対しましてもAIによる水位予測を行う機能の開発を進めてまいりました。
 あわせて、水位予測の結果を踏まえまして、水門の開閉時刻や排水機場ポンプの稼働開始時刻及び運転継続時間をAIが提案する機能をも追加いたしまして、東京港水門等操作支援システムとして来年度から運用を開始いたします。

○いいだ委員 水門の閉鎖やポンプの稼働のタイミングについても提案できるシステムが間もなく運用されるということでありまして、都民の安全・安心の確保にもつながるものだというふうに思います。運用開始に向けて、しっかりと取組を進めていっていただきたいと思います。
 一方で、私は本委員会の昨年の事務事業質疑において、大規模地震などで海岸保全施設が損傷してしまうということも想定をして、発災後の施設点検や補修を迅速に進められるよう備えておくことも重要である、このようなお話をさせていただきまして、都の取組状況について確認をさせていただきました。
 そこで、都は、ドローンやマルチビームソナーといったDXを活用した点検体制の構築を進めている、こういった話でございました。
 また、これに加えて、都は、スタートアップが開発した小型船舶の自律航行システムを導入して、災害発生直後の初動対応を充実させる実証を行うというふうに聞いております。
 そこで、この自律航行技術活用の具体的内容と効果、また、今後の進め方についてお伺いをいたします。

○儀間港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 今回実証する自律航行技術は、既存の小型船舶に航行を制御する装置やカメラ、レーダー等を後づけで設置し、操船者の乗船の下で自律航行を実現するシステムでございます。
 このシステムを局が保有する小型船舶に装備することによりまして、地震等の発災後に海上から実施する海岸保全施設の点検の効率化を目指しております。
 具体的には、発災後に参集できる人員が限られる可能性がある中、システムの操船支援を受けることによりまして、従来は、船舶に同乗する職員が行うこととしている施設点検や連絡調整等の業務の一部を操船者自身が担うことが可能となります。
 来年度、船舶に必要な機器を取り付け、実際の航行により、システムの精度や効果について検証してまいります。

○いいだ委員 限られた人員を最大限に生かす特色ある取組であり、災害対応力の強化にもつながるものだというふうに考えます。
 東京の安全性を高めていくため、都は引き続き、防災分野における新技術を積極的に導入をしていただくことを求めて、次の質問に移らせていただきます。
 続いて、埋立護岸の改修、グリーン化についてお伺いをしたいと思います。
 臨海副都心など東京港の埋立地は、首都圏の生活と産業を支える物流拠点としての機能に加え、海上公園や商業施設など、人々が集い、にぎわう場としても重要な役割を担っております。
 しかし、埋立地を支える護岸の多くは、建設から五十年以上経過をしており、老朽化が進んでいるほか、首都直下地震や気候変動による海面上昇への備えなど、様々な課題を抱えているというふうに伺っております。
 これらの課題に対応するため、都は、昨年三月に東京港埋立護岸改修・グリーン化計画を策定し、整備に着手をしたとのことであります。
 そこで初めに、東京港埋立護岸改修・グリーン化計画の策定について、背景と内容について改めてお伺いをしたいと思います。

○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 都はこれまでも、埋立護岸につきまして、定期点検や補修により適切に維持管理を行ってまいりました。
 しかし、護岸の多くは高度成長期に整備されており、建設から五十年以上経過し、老朽化が進行しております。
 このため、埋立護岸の全延長約三十三キロメートルのうち、特に老朽化が著しく、更新の優先度が高い約四キロメートルにつきまして、今年度から十か年で改修を行う東京港埋立護岸改修・グリーン化計画を策定いたしました。
 改修に当たりましては、老朽化した護岸の更新により強靱化を図るとともに、東京グリーンビズが目指します自然と調和した持続可能な都市の実現に向け、グリーンインフラやブルーインフラの整備も併せて行い、水辺環境の向上を図ることといたしました。

○いいだ委員 本計画は、老朽化が進行した埋立護岸について、今後十年で改修を進める重要なものであります。
 また、強靱化とグリーン化を併せて行うことは新たな取組であり、水辺に緑を創出する画期的なものである、このように評価をしているところです。
 一方で、我が党の昨年の事務事業質疑において、都は、今年度末までに埋立護岸の改修に必要な技術指針を取りまとめる、こういった答弁がありました。
 そこで、技術指針の取りまとめについて、現在どのような状況なのか、伺いたいと思います。

○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 埋立護岸の改修、グリーン化に係る技術指針を取りまとめるに当たりまして、耐震構造や海洋環境、緑化などの専門的知見を有する有識者五名を含めた検討委員会を設置し、昨年七月から本年二月までの間に五回の委員会を開催いたしました。
 検討委員会では、今後、調査や設計、工事を実施していくに当たり必要となります護岸の耐震性能や、気候変動を考慮した護岸天端高、グリーン化の整備手法などを取りまとめ、参考となる良好な整備事例なども含めまして、東京港埋立護岸改修・グリーン化技術指針を三月に策定いたしました。
 この指針につきましては、港湾局のホームページにおきまして公表しております。

○いいだ委員 有識者から成る検討委員会を設置して検討を重ねた上で、既に技術指針として取りまとめられたということが確認ができました。さらに、ホームページでも、広く今、公表されているということであります。
 本技術指針を公表したことは、埋立護岸の老朽化について同じような問題を抱えるほかの自治体にとっても大変有益なことであるというふうに思います。
 そこで、技術指針において取りまとめた内容について確認をしていきたいと思います。
 この技術指針で取りまとめた耐震性能、気候変動対応、グリーン化整備のそれぞれについて、具体的な内容を伺いたいと思います。

○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 今回策定いたしました技術指針では、護岸周辺の利用状況や施設の重要度に応じた耐震性能、地球温暖化に伴う海面上昇等への対応、地域の特性に応じたグリーンインフラ、ブルーインフラの整備手法などにつきまして取りまとめを行いました。
 具体的には、耐震性能については、地震発生時に許容される護岸の損傷レベルを定めるとともに、海面上昇については、将来の海面上昇量などに応じた護岸高さを設定いたしました。
 グリーン化に関しましては、護岸の陸域部に樹木等で緑を創出するグリーンインフラ、水域部に藻場や干潟等による生態系を生かしたブルーインフラを整備する検討フローや、にぎわい創出の好事例などの取りまとめを行いました。

○いいだ委員 それぞれ具体的な内容を伺いました。本技術指針では、埋立護岸の強靱化と良好な水辺環境を創出するための考え方が整理をされているということが分かりました。今後の埋立護岸改修、グリーン化を早期に進めていく上で、極めて重要な役割を果たすものだというふうに考えております。
 そこで、本技術指針を踏まえて、今後どのように埋立護岸改修、グリーン化を進めていくのか、来年度の取組について伺います。

○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 来年度は、今般策定した技術指針に基づきまして、優先度の高い大田区の京浜島つばさ公園と東海緑道公園、城南島海浜公園におきまして設計に着手いたします。
 このほか、江東区の水の広場公園や新木場緑道公園などで、設計に向けた測量調査や地質調査を実施いたします。
 引き続き、設計等を計画的に進めることで改修工事の実施につなげ、護岸の強靱化と良好な水辺環境の形成を図ってまいります。

○いいだ委員 来年度の設計から、早速、技術指針を活用して、埋立護岸の強靱化とグリーン化を進めていくということであります。
 埋立護岸の改修、グリーン化は、都民の安全・安心の確保と魅力ある水辺空間の形成に欠かせない取組であると思います。引き続き事業を着実に進めることを要望させていただきまして、質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時二十分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 まず初めに、港湾労働者の労働環境の改善について伺いたいと思います。
 先日、輸出企業で働く友人から、最近はコンテナトラックの予約ができないために、荷物の置場がなくなって職場の仕事に影響しているというお話を伺いました。トラックドライバーの人手不足対策も待ったなしの課題となっています。
 厚生労働省の調査によりますと、トラックドライバーの平均年齢は五十一歳となっていて、全産業より高い一方で、年収は平均で三十五万円も少なく、年間労働時間は四百時間以上も長いという状況です。
 こうした労働環境などの要因からトラックドライバーの成り手が減って、有効求人倍率は右肩上がりになっています。とりわけ、長い車体となって長時間の運転になりがちな海上コンテナトラックのドライバーは、苛酷な労働環境となっています。
 首都圏四千万人の生活と経済活動に欠かせない物資を国内外から迅速かつ安定的に供給している東京港にとっても、その役割を果たすためには、港湾労働者の存在は欠かせないものだと思います。
 初めに、港湾労働者が果たしている役割とその重要性について伺います。

○野平港湾経営部長 港湾労働法に基づく港湾労働者は、港湾運送の業務に従事する労働者でございまして、船舶への貨物の積込みや、船舶からの貨物の取卸しの業務など、港湾物流の重要な役割のうちの一つを果たしております。

○藤田委員 重要な役割の一つを果たしているということですから、ぜひ労働者の労働環境の改善にも努めていただきたいと思います。
 東京港の特徴は、日本一の取扱量を誇る一方で、ほかの港に比べてとても狭いという特徴があります。そのことから、港湾労働者の皆さんには、トイレの場所一つをめぐっても、非常に苛酷な労働環境が強いられています。
 コンテナターミナルゲート待機の前にトイレに行きたくても、端にある待機所しかトラックを止めることができないので、諦めてペットボトルに用を足すドライバーも少なくありません。
 特に大井コンテナふ頭においては、トラックが止まれる場所とセットでトイレをつくるようにしなければなりませんが、あまりにも狭隘なので、組合の方は、それならと、専用レーンの近くにある公園につくることや、リフレッシュカーを導入する案など、幾つも提案をしてくださっています。
 ぜひこうした実態と声を受け止めて、重要な役割を果たしている港湾労働者の労働環境改善のために前向きに検討していただきたいと思います。
 今回は、整備が進んでいる中央防波堤のコンテナふ頭について質問したいと思います。
 東京港のコンテナふ頭の食堂は、いずれも長いトレーラーを停車させて食事を取ることが難しい場所にあります。
 そこで、せっかく中央防波堤を伸ばしたのですから、その入り口に食堂をつくってほしいという要望が港湾労働者から出されております。この声をどう受け止めますか。

○野平港湾経営部長 都はこれまでも、立地条件や運営体制の確保等を考慮し、港湾労働者の福利厚生事業を担う業界団体等と連携を図りながら、港で働く方々が働きやすい労働環境を確保するよう努めてまいりました。
 今後とも適切に対応してまいります。

○藤田委員 適切に配置、対応といいますけれども、港湾労働者の方からは、以前、朝六時から営業している食堂だったところが次々とコンビニになってしまったことで、東京港ではトラックで行ける食堂がなくなったと聞いています。トラックドライバーは、コンビニの食事を取らざるを得ないことが多いということでしたので、ぜひ働く皆さんの立場に立って検討していただきたいと思います。
 長時間の運転になるという実態が、やはり、ただ港湾地域で働いているだけではなくて、どんな労働環境なのかというのを私も伺って、改めて大変だなと思ったことがありますので、少し紹介したいと思います。
 最近は、荷主の会社が北関東、茨城、栃木、群馬の方に多くなっているということです。そこから東京港までは二時間前後なんですけれども、首都高の渋滞、そしてコンテナふ頭の混雑によって、荷主会社から何時間も運転席に座ったままとなります。
 また、新潟から夜間走行してくる場合でも、本来なら、都内に入る前に一旦休憩するのがベストなんだけれども、止めるところがないので、埼玉や群馬の辺りで休憩すると、その後はずっと休みなしで運転する状況になるといっていました。
 トラックドライバーは、四三〇休憩、四時間連続して運転した場合、三十分以上の休憩を義務づける安全ルールがありますけれども、トレーラーを止めて休めるところがないために、東京港に来る場合には長時間の運転を覚悟しないといけないということでした。
 東京港以外の港には、長時間運転してきたトラックドライバーが休めるようにと、食堂の近くにトラックが止められる駐車場が必ずあるといいます。そして、食堂は、労働者へのおもてなしなのか、決まって大盛りで、しかも安いそうです。また、コンテナターミナルから食堂まで乗合バスを出している港もあるというお話も聞きました。食堂では、トラックドライバー同士で話もできるような状況があって、みんなで集まるようなところになっているということです。
 東京港は、この間、狭くて、こういった食堂をつくることがかなわなかったのかもしれませんけれども、中央防波堤の整備と併せて、こうした福利厚生施設をつくるように、ぜひコンビニだけでなく食堂もつくっていただくよう求めておきます。
 コンテナふ頭の整備についても要望を伺いました。
 中央防波堤Y3の整備では、Y2と同じようにしてほしいとの声があります。具体的には、待機場や構内の動線、待機場の列の数などですが、いかがですか。

○佐藤港湾整備部長 現在供用中の中央防波堤外側コンテナふ頭Y2につきましては、岸壁延長四百メートル、奥行き五百メートルのヤードを有しておりまして、ゲート前には十八レーンの待機列を確保し、構内においても十分な通行レーン等を備えてございます。
 Y3につきましては、岸壁延長四百メートル、奥行き五百メートルのヤード整備を計画しておりまして、令和十年度の供用開始に向け、現在、ヤード等の設計を進めているところでございます。

○藤田委員 ほぼ同規模の場所ですので、ぜひとも要望がかないますよう、よろしくお願いいたします。
 トラックドライバーの労働環境が、少しでも安全で快適になることが必要だと思います。トラックドライバーは、様々な荷主会社、企業からコンテナふ頭に荷物を取りに来たり運んだりしていますので、ドライバーの労働環境に対して、誰が要望を受けるべきなのか、曖昧になりがちです。
 そうした労働者の声を聞いているのが全日本港湾労働組合の皆さんです。毎月、ふ頭を車で走って回って意見を聞いたりしていらっしゃいますので、組合員以外のドライバーの方からもご意見を多く寄せられているということでした。
 労働環境が劣悪では、海上コンテナトラックのドライバーの成り手が不足する一方です。東京都だけでなく福利厚生協会も、ぜひともこうした声を受け止めて、真に労働者の福利に資する施設の整備を進めていただくよう改めて求めておきます。
 次に、東京港の脱炭素化を進めるCNP形成計画二・〇について伺いたいと思います。
 気候危機の打開は、人類と地球にとって一刻の猶予も許されない課題となっています。日本でも、猛暑による熱中症の急増や激しい風水害が相次いで、国民の命と暮らしが脅かされています。
 二〇二四年の世界平均気温は、観測史上最高となりました。産業革命前と比べると一・五五度上昇しております。このままでは、パリ協定の一・五度目標を超えて、後戻りできない事態に陥る危険があります。今後の十年間で、温室効果ガスを六割削減できるかどうかに人類の未来がかかっています。こうした認識に立って伺いたいと思います。
 初めに、本計画の目的について伺います。

○原田港湾振興担当部長 都は、二〇三〇年のカーボンハーフの着実な達成に向け、官民連携で脱炭素化を推進するため、二〇二三年三月に策定した東京港CNP形成計画をアップデートし、東京港CNP形成計画二・〇を策定することといたしました。
 本計画では、気候危機の深刻化等の大きな変化の中、脱炭素化の取組を一層加速するため、二〇二五年三月に策定されたゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを踏まえるとともに、大井コンテナふ頭の再編整備完了を見据え、二〇三五年における中期目標として、CO2排出量を二〇二〇年比六〇%削減することといたしました。

○藤田委員 気候危機を何としても回避しなきゃいけないということで、この計画、港湾における脱炭素戦略であるということです。
 また、この計画では、東京都が世界のモデルとなる脱炭素都市の実現を目指すと高らかに宣言されています。そうであれば、その決意にふさわしい実効性ある計画が求められます。
 計画の内容を見ますと、二〇二五年時点の排出量は約四十六万トン、これを二〇三〇年までに二十七・六万トンへ削減するとしています。過去五年間の削減量は約十二万トンにとどまっており、目標達成には、あと五年で十九万トン近い削減が必要です。これまで以上の大幅なペースアップが欠かせません。
 計画の対象範囲には品川火力発電所が含まれています。資料によれば、品川火力発電所一か所だけで年間約百五十万トンのCO2を排出しているということで、東京港全体の排出量の三倍を超える極めて巨大な規模となっています。
 品川火力発電所のCO2排出量はどのように算出したのですか。端的に説明してください。

○原田港湾振興担当部長 火力発電所のCO2排出量につきましては、国の統計等により把握した発電電力量を基に、国の定める係数や算出式等を用いて推計しております。

○藤田委員 もう少し詳しくお聞きしたいと思います。
 火力発電所のCO2排出量を調査するに当たり、統計資料を使用するだけでなく、事業者に対する調査は行ったのですか。

○原田港湾振興担当部長 火力発電所のCO2排出量につきましては、国の統計等を調査するとともに、発電事業者に対してヒアリング等を行っております。

○藤田委員 国の統計上の推計にとどまらず、事業者であるJERAに直接ヒアリングして、聞いて調査したということで、実態を把握したことはとても重要だと思います。
 しかし、重大な矛盾があると思います。品川火力発電所は、計画の対象範囲に含まれていながら、排出量の計上からは対象外とされていることです。
 対象範囲にある品川火力発電所の排出量を、なぜ全体の計上に加えていないのですか。

○原田港湾振興担当部長 本計画では、CO2排出量の重複計上を避ける観点から、発電に伴うCO2排出量のうち、発電事業者の自家消費分に伴うものは発電事業者のCO2排出量として計上して、それ以外につきましては、電力使用者のCO2排出量として計上しております。
 なお、これは国の方針に沿ったものであり、全国の港湾で共通した考え方でございます。

○藤田委員 自家消費分とそれぞれ分けているということで、重複の計上を避けるということだと思うんですが、つまり、発電所でカウントすると、電気を使う側でも二重に数えてしまうという、そういう理屈だと思います。これは、本来、発電所が負うべき排出責任を、全て消費側に押しつけるという意味になります。
 そもそも、温室効果ガスの排出に関する世界共通の算定ルールというものがありまして、これでは、火力発電所のように燃料を燃やす施設は、その場所で出している分について直接的な排出責任を負うと定められています。国連なども参加する国際組織SBTによる科学的な指針でも、電力部門については、発電所そのものが直接排出を減らすことが不可欠だと明記されています。火力発電所を特別扱いして温存するような計画は、世界の脱炭素の流れに逆行するものです。
 世界基準に照らせば、本来の東京港全体の排出量は約二百万トンと設定すべきであり、この計画の数値が実態を反映しているとはいえません。
 火力発電所のCO2排出量に対する都の削減目標はあるのですか。

○原田港湾振興担当部長 都は、東京港CNP形成計画二・〇におきまして、二〇三〇年のカーボンハーフ、二〇五〇年のカーボンニュートラルの目標を掲げております。
 発電事業者である株式会社JERAは、東京港カーボンニュートラルポート推進協議会の構成員であり、同社の発電に伴うCO2排出量のうち、自家消費分の排出量は本計画の削減対象としており、同社とも目標を共有しているところでございます。

○藤田委員 火力発電での消費分しか対象にしない。つまり、直接の莫大なCO2排出量は削減対象にしないということです。これは、事実上の石炭火力温存計画になっているといわざるを得ません。
 都は来年度、東京国際ターミナルの第二バース整備に向けて調査設計費を計上しました。大型客船の誘致拡大は、排出量のさらなる増加に直結します。その影響をどう認識しているのかも伺っていきたいと思います。
 現在、東京港において、クルーズ客船から排出されるCO2の排出量はどの程度になっていますか。

○原田港湾振興担当部長 二〇二五年に東京港に入港したクルーズ客船の停泊中に排出されたCO2は、約二千トンと推計しております。

○藤田委員 続いて伺いたいと思いますが、第二バースの整備完了予定である二〇三五年に、クルーズ客船からのCO2排出量はどうなると見込んでいますか。

○原田港湾振興担当部長 クルーズ客船は、大きな経済効果や地域のにぎわい等をもたらすものでございます。
 このため、都は、増加するクルーズ客船の入港ニーズに対応するため、東京国際クルーズターミナルに第二バースを整備することとしており、第二バースの整備と併せ、陸上電力供給設備を整備することといたしております。
 二〇三五年におきましては、陸上電力供給設備を活用することなどにより、CO2排出を大幅に抑制していくこととしております。

○藤田委員 私は、クルーズ客船からの排出量の見込みをお聞きいたしましたが、それにはお答えにならず、大幅に削減とおっしゃいました。これは、根拠が何もなく、希望的観測でしかありません。
 年間百五十万トンものCO2を出す品川火力発電所を削減対象から外していることと併せて、排出が増えるその要因を見て見ぬふりをする東京都の姿勢は、本気で脱炭素を目指すものとは到底いえません。
 CNP形成計画では水素エネルギーの活用も掲げられています。水素によって、どのようにCO2を削減するのですか。

○原田港湾振興担当部長 水素は、利用段階でCO2を排出しないことから、東京港内で使用されている化石燃料を水素やグリーン電力に転換することで脱炭素化を進めてまいります。
 なお、都は、グリーン水素製造所、製造施設の整備を行っており、本計画においても、その旨、記載してございます。

○藤田委員 水素の活用が東京全体でもいわれているわけですけれども、この水素の供給の裏側にある重大な欠点を見逃すことになってしまいます。
 一番の欠点は、現在、水素の九割以上が化石燃料でつくられているということです。なぜならば、再生可能エネルギーでつくるグリーン水素というのは、グレー水素の二倍から三倍に値段が高いということです。
 加えて、エネルギー効率の低さも致命的です。再エネが十分に確保できていないために、電気を水素として使うまでの間に、いろんな要因でエネルギーは三割も減ることになってしまいます。そうであるなら、再エネをそのまま電気として使う方がはるかに合理的であり、効率的です。
 水素への固執は、脱炭素を口実にした化石燃料の温存といわざるを得ません。
 脱炭素への本気度が問われる根本的な原因は、計画を議論するメンバーの構成にもあると思います。
 ここで伺いますけれども、CNP推進協議会のメンバーに環境の専門家が一人もいないのはなぜですか。

○原田港湾振興担当部長 東京港カーボンニュートラルポート推進協議会は、学識経験者や東京港を利用する船社、ふ頭背後地に立地する倉庫業者、地元区など四十九団体等で構成されております。
 なお、学識経験者につきましては、運輸部門の地球温暖化問題への対応などに関する知見を有する方にご参加いただいております。

○藤田委員 学識経験者は、なぜかたった一人しかいない上に、この方、地球温暖化問題といいますが、経済の専門家なんですね。なので、脱炭素を推進するための協議会に、なぜ肝腎の環境や気候変動の専門家が一人もいないのかと、本当に疑問に思います。
 科学的な客観性が担保されないままでは、四十九もの団体が集まっても、実効性のある計画を推進することは困難です。本気で脱炭素を目指す姿勢があるのか、疑問を感じざるを得ません。
 排出実態を無視した火力の温存、化石燃料延命の水素への固執、実効性の乏しい大型客船誘致、そして専門家の不在、これらを根本から改めて、環境の専門家を協議会に加えて、化石燃料からの脱却を軸に据えた実効性のある本気の脱炭素実行プランへつくり直すよう、強く求めておきます。
 これで質問を終わります。

○福井委員 私からは、一点、昨年の九月十一日の集中豪雨を受けての臨海部の防災対策について伺いたいと思います。
 近年、都内では、局所的な集中豪雨により、浸水、冠水などの被害が多発しております。特に昨年の九月十一日の集中豪雨では、私の地元大田区でも、上池台、雪谷といったエリアで床下、床上の浸水が発生し、多くの被害が発生をしました。そして、大田区の臨海部においても、この豪雨が被害をもたらしました。
 我が会派は、こうした被害を踏まえ、臨海部の防災対策をより一層進めていくよう、予算要望にて要望してまいりました。例えば、豪雨にて、城南島と令和島をつなぐ臨海トンネルにおいて冠水による通行止めが発生しました。この臨海トンネルは一般車やコンテナ車など多数が行き交っており、ドライバーの安全を確保しながら港湾物流を維持していくことは、非常に重要な課題だと思います。今回は、早期に通行止めの対応が行われたことで、人的な被害にはつながらなかったと認識をしております。
 そこでお伺いします。東京港のトンネルにおける豪雨時は、どのような安全対策を行っていますか。

○廣松計画調整担当部長 東京港では、全五か所のトンネルにカメラを設置し、監視センターにおいて二十四時間体制で監視を行っております。
 また、冠水状況に応じて警報板による注意喚起を適宜実施するとともに、車両の通行が不能となるおそれがある場合には、迅速に通行止めを実施しております。
 さらに、昨年九月に冠水による通行止めが発生したことを踏まえまして、応急対策として、トンネル内部の水深などの標示による誤進入の防止や、通行止めの判断の精度向上に資する浸水検知器の設置に着手するなど、さらなる安全性の確保に努めております。

○福井委員 ありがとうございます。今のご答弁で、東京港のトンネルにおける冠水時の安全対策について、昨年九月の豪雨の際には、迅速な通行止めによって被害を防ぐことができた、そして、この事象も踏まえて、さらなる安全性の向上に取り組んでいるということが理解ができました。
 一方で、昨今、気候変動の影響等によって、今後発生する豪雨がさらに激しくなり、また頻繁に発生する、こうしたことも可能性としては考えられます。トンネルに流入する雨水の増加が懸念をされています。
 港湾物流において、トンネルは各埋立地をつなぐ重要な役割を担っておりますので、通行止めが長期化すれば、当然、経済活動への影響も生じかねません。
 水害に強い強靱な東京港を実現していくために、対策をより一層強化していくことが必要であると考えますが、今後の取組について伺いたいと思います。

○廣松計画調整担当部長 東京港のトンネルは、各ふ頭と背後地を結ぶ重要な社会インフラであり、将来の気候変動の影響を見据えた対策を講じることによりまして、物流機能を安定的に維持していくことが不可欠でございます。
 このため、トンネルにおける排水能力の強化等も視野に入れて委託調査を実施し、今後想定される降雨量の増加に備えることといたしました。
 本調査の結果を踏まえまして、来年度は、臨海トンネルにおきまして排水施設の改修等に着手するとともに、その他四か所のトンネルにつきましても、順次必要な対策を実施してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。来年度、この臨海トンネルの排水施設の改修に取り組むということで、都民の安心につながるもので、時宜にかなっているというふうに思います。ぜひ、その他の四か所のトンネルについても速やかに対応いただくことを要望したいというふうに思います。
 最後に、一点、意見の表明をさせていただきます。
 この同じ豪雨で、大田区令和島Y2ターミナルでは突風による死亡事故が発生しまして、大変痛ましい事象となってしまいました。こちらは、あくまでも民間企業の事業所内ということではありますけれども、東京都が管理するコンテナターミナル内での事故ということですので、都内で働く方々の安全を守る意味でも、しっかりと再発防止に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。
 気象予想サービスの活用であったり、作業中止基準の明確化、風速計の増設など、事業者の皆さんと共に迅速に対応を行ったことは高く評価をいたします。しかしながら、我々の想定を超えてくるのが自然災害でございますので、コンテナふ頭の防災対策に引き続き取り組んでいただくよう要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○上田委員 まずは晴海橋の方です。
 かつて臨港鉄道港湾局専用線である晴海線の一部として物流の大動脈を担った晴海橋は、歴史的価値から、長年、多くの鉄道ファンや地域の方々に愛されてきました。この歴史ある遺構が、今般、公園遊歩道として生まれ変わったことは、私も江戸っ子でございますので、長年、ベイエリアの変化を江戸川にお嫁に来て見てきた者としては誠に喜ばしい限りで、何かとちょっとご指摘させていただいておる東京ベイeSGプロジェクトの一環としては高く評価をするところでございます。
 しかし、中央区側には自転車進入防止柵が設置される一方、江東区側は看板のみという状況があり、結果として双子用ベビーカーや大型車椅子、バリアトリックというすごく大ぶりなやつですね、物理的に通行できないという不合理な事態が生じています。中央区へ確認したところ、当該遊歩道は港湾局所管のため、中央区は関与しておらず、調整も行われていないということです。
 都がバリアフリー化を推進する中で、こうした行政間の縦割りによる動線の分断は看過できないことから、事務事業質疑では要望にとどまりましたが、通行が困難な現状を早急に解消するため、大型車椅子や双子用ベビーカーが通行可能なゲートへの改修、また回避道の確保など具体的な改善策を講じるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○若林臨海開発部長 旧晴海鉄道橋は、歴史的価値を感じられる公園遊歩道として、来園者が安全に楽しむため、自転車が入れないよう管理してほしいとの地元の声がありました。
 隣接する都道晴海通りから進入しやすい中央区側の入り口に柵を設置いたしました。この柵につきましては、自転車の進入を防止する一方、JIS規格の電動式車椅子等は通行可能な仕様としております。
 江東区側の入り口には、自転車は進入禁止であり、通り抜けもできないことをお知らせする看板を設置しております。
 なお、通行に関しましては、隣接する都道晴海通りを併せて利用することが可能でございます。

○上田委員 地域の話を聞いて−−全部看板を見るわけでもないので、双子ちゃんのベビーカーについては、東京都は都バスとかかなり配慮をしている中で、ぜひ地域の声も聞いて検討していただきたいとお願いをしておきます。
 また、春海橋公園と中央区晴海二丁目をテラスでつなぐことは、広域的な連続歩行空間の形成につながり、住民の利便性を高く高めるものです。
 中央区と連携し、この連続性を確保するための前向きな検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 都は、豊洲・晴海開発整備計画におきまして、中央区晴海二丁目の都立春海橋公園から区立晴海臨海公園間の水際線を連続した歩行者空間として整備することを位置づけております。
 当該地は民間所有の土地でございますので、今後の開発動向を踏まえまして、区と連携し、歩行者空間の整備を誘導することとしております。

○上田委員 神宮外苑も築地も賛同はしませんけれども、民間との連携は東京都が得意なところでございますので、地域住民、都民が、非常にまたこの橋を活用して親しめる場所づくりをお願いしたいと思います。
 臨海副都心まちづくり推進計画です。
 本事業は、昭和六十年代の東京テレポート構想を端緒に、当時の都が、二十一世紀の東京を象徴する職住近接の七番目の副都心として、広大な埋立地に国際化、情報化の拠点を築くべく開始された、極めて壮大なスケールのプロジェクトでありました。
 しかしながら、計画策定からの四十年間は、バブル経済の崩壊による地価の急落やオフィス需要の減退、さらには世界都市博覧会の中止といった幾多の転換を経て、開発のフェーズは、かつての民間投資を呼び込む積極的開発から、時代の変化に対応しながら社会基盤を形成する着実なまちづくりへとシフトしてきました。
 今日、臨海副都心は、一定の都市基盤が既成し、多くの来街者や居住者が集うエリアと発展はしておりますが、令和五年以降、民間事業者への土地の売却は行っておりません。現在、公募をしている区画はないとのことですが、未処分地が三十ヘクタールも残りながら、なぜ新たな公募を行わないのか。
 社会経済状況を見極めているとの答弁を何度もいただいていますが、裏を返せば、売れないから動かせないという先送りではないか、懸念しているところです。
 今後、いつまでにどのような条件が整えば公募を再開するのか、その具体的な判断基準とロードマップをお示しください。

○渡邊臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心開発におきましては、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、これまで着実に土地処分を進めてまいりました。
 当面処分を予定していない土地につきましては、事業用定期借地権の設定による暫定利用のほか、臨時駐車場やイベント誘致など有効活用を図ることにより、まちににぎわいを創出しております。
 今後も、社会経済状況等を見極めながら適切に土地処分を進めてまいります。

○上田委員 都有財産でありますし、また、今、世界も大変なことになっているので、社会経済状況は厳しくなるのかなというふうに受け止めました。
 お台場海浜公園の東京アクアシンフォニーについて、当初の海水利用の計画段階から、海中の大腸菌を噴き上げるリスクについて自由を守る会から強い指摘がなされ、メディアでも大きく取り上げられるなど、多くの都民がその衛生面に強い不安を抱き、水質の安全性が十分に担保されていない状況下での強行に疑問が呈されております。
 もはや、これまで税金十七億も投じられた都庁プロジェクションマッピング同様、本事業が二十六億円もの巨額の税金を投じた無駄遣いの象徴とやゆされる事態となっています。
 本会、さんのへあや都議の指摘により、都は衛生上の懸念から、急遽、高射噴水を海水利用から上水利用へと変更しましたが、そもそも、どのような状況であれば噴水の稼働を即座に停止するのかという安全基準が全く示されておりません。
 さんのへ都議の文書質問にて、令和六年四月、九千二百CFU、六月、七千五百CFUと、相当高い大腸菌が検出されていることも判明しております。お台場周辺の海域は、殊に雨が降ったときは、東京の下水道は合流なので、汚水が流れて、急激に大腸菌の数が上がります。毎月一回の大腸菌検査では、突発的な汚染に対応できません。どの数値を稼働停止の基準とするのか。また、海水の飛沫による感染リスクについて、どのような監視体制を取るのか。
 過日も、小河内ダムの渇水により、都は節水を呼びかけておりました。水系が違うということは、言い訳は通用しないと思います。このように、都が都民に節水を呼びかけている際、上水を消費する本施設を稼働させることへの整合性をどう考えているのか。取水制限レベルに応じた自動停止要件があるのか。噴水が風で周辺に飛散した場合、歩行者の安全性や周辺環境への影響が生じます。風速何メートルをもって稼働中止とするのか。
 これらを踏まえ、安全・安心な施設とするために、中止の判断基準について明確な運用ルールを伺います。

○若林臨海開発部長 お台場海浜公園の噴水につきましては、気象状況等に応じ、演出内容の一部の変更などを行うこととしております。
 公園内には風速計を設置しており、演出内容の一部変更や中止をする場合の基準を設け、強風時には噴水の高さを変更することとしております。
 また、渇水の場合には、状況に応じて、高射噴水を使用せず演出内容を一部変更し、海水を使用する桜噴水のみで演出を行うこととしております。

○上田委員 渇水時は海水のみを使うということですが、前日に例えば大雨が降った場合は、かなり大腸菌が流れ出ますので、その辺も、下水道局とか海上保安庁、港区との水質の確認をしていただきまして、検討していただきたいと要望しておきます。
 東京港カーボンニュートラルポート形成計画二・〇です。
 計画では、東京港が脱炭素を進めることが、日本全体の持続可能な成長と国際的な競争力の向上に大きな意義を持つとされております。しかし、港湾の国際競争力を決定づけるのは、まず、物流の円滑さやコスト競争力であるはずです。
 現状の東京港では、施設能力の不足や渋滞が課題とされています。脱炭素を優先することで、物流コストの上昇や手続の煩雑化を招き、結果として国際競争力をそぐリスクをどう評価しているのでしょうか。
 まず、脱炭素と経済成長が具体的にどのようなメカニズムで両立をするのか、その論理的な説明をお願いいたします。

○原田港湾振興担当部長 荷主や船会社が社会的責任を果たす観点からサプライチェーン全体の脱炭素化を取り組む中で、利用する港湾を選択する際、利便性やコストに加え、脱炭素化の取組も重要な要素の一つとなっております。
 脱炭素化の取組を進めることは、東京港の国際競争力の向上につながるものと認識しております。

○上田委員 国際競争力の向上に、逆につながるということなんですね。
 環境配慮の視点や脱炭素の有無が、荷主や船会社が港湾を選択する際の重要な要素となりつつあると計画でうたっています。この重要な要素となりつつあるという判断は、実際に、主要な船会社や荷主から東京港に対して、脱炭素対応をしていなければ寄港を減らす、あるいは中止するといった具体的な要請やフィードバックがあったのでしょうか。
 都の願望や一部の国際的トレンドを過大評価した臆測にすぎないのか懸念しますことから、根拠となる客観的なデータやヒアリング結果等、具体的な論拠をお示しし、ご説明ください。

○原田港湾振興担当部長 荷主や船会社はこれまで、社会的責任を果たす観点から積極的に脱炭素化に取り組んでおり、東京港を利用する船会社や荷主企業の中には、自らの事業活動から排出される温室効果ガスのみならず、物流や廃棄など第三者による排出量を含めたサプライチェーン全体での排出量を二〇五〇年にネットゼロとすることを目標に定める企業も見られます。
 また、国の港湾の行政指針となる港湾の開発、利用及び保全並びに開発保全航路の開発に関する基本指針におきましても、脱炭素化を企業経営に取り込む動きが世界的に進展しており、サプライチェーン全体の脱炭素化に取り組む荷主等のニーズに対応するため、港湾における諸活動から発生する温室効果ガスの排出削減等が重要であるとの趣旨の記載がございます。

○上田委員 国の指針もあるのでしょうけれども、二〇三〇年までに残された時間は僅かと切迫感を強調していますが、この目標は、都が独自に設定したものです。
 国際的な物流市場において、この目標を達成できなかった場合に東京港が被る具体的な実害、貨物取扱数の減少など、どの程度想定しているのでしょうか。
 達成できないことによるリスクよりも、達成するために支払うコスト、税金もそうですし、民間投資もそうですよね。それも過大にならないか、気になることから確認をします。

○原田港湾振興担当部長 国際的に環境意識が高まり、荷主や船会社が脱炭素化の取組を進める中で、世界の主要港においては、CO2の排出量の削減に積極的に取り組んでおります。
 こうした中、国際的なサプライチェーンの一端を担う東京港においても脱炭素化の取組が不可欠であり、今後とも、目標の達成に向けて、官民が連携の上、積極的に取組を進めることが必要と認識しております。

○上田委員 この資料の東京港の特徴によれば、外資貨物の輸入、輸出比率は三対一なんですね。食品や家具といった都民の生活に直結する物資の受入れが圧倒的です。
 本来、港湾の競争力は、物流の効率性とコスト競争力によって決まるべきものですが、本計画で推進される脱炭素化に向けた大規模な設備投資や運用コストの増大は、結果として港湾利用料の値上げや物流コストの上昇を招き、それが巡り巡って都民の生活物資の価格に直結する懸念があります。
 東京港が都民の胃袋を支える重要な輸入拠点であるという現実を踏まえ、本計画で想定している投資により、物流コストが具体的にどの程度上昇すると見込んでいるのか。また、そのコスト増を上回る経済的メリットをどのような根拠で算出しているのか。多分、具体的に先ほどから出てこないと思いますが、環境価値を金銭換算するだけではなく、都民生活への実質的な影響についての考えを伺います。

○原田港湾振興担当部長 荷主や船会社がサプライチェーン全体の脱炭素化に取り組む中で、利用する港湾を選択する際、利便性やコストに加え、脱炭素化の取組も重要な要素の一つとなっており、世界の主要港では、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでおります。
 こうした状況の中、国際的サプライチェーンの一端を担う東京港においても脱炭素化の取組が不可欠であると認識しております。
 今後とも、東京港の脱炭素化に向け積極的に取組を進めることで、東京港の国際競争力を強化し、ひいては都民生活を支える役割を果たしてまいります。

○上田委員 次は物流の方ですが、ふ頭背後地には倉庫や冷凍冷蔵倉庫が密集し、重要な物流ネットワークを形成しています。しかし、今回の計画では、このふ頭背後地の脱炭素を加速させる方針が打ち出されています。
 既存の民間事業者に対して、都が脱炭素化ということを強引に推進することは、企業の経営判断や自由な投資活動を阻害し、特に体力の乏しい中小の倉庫事業者等を圧迫するリスクはないのでしょうか。
 本来、こうした設備更新は、事業者が自らの競争力を高めるために自律的に行うべき経営努力の範疇であり、公金や補助金を投入してまで行政が過度に介入する必要性に疑問を感じております。
 ふ頭背後地の脱炭素化において、都は、民間事業者に対してどこまで取組を求めるのか、対応しない事業者には、太陽光パネル義務化条例のように名前をさらすとかペナルティーを与えますまいか、心配なので伺います。

○原田港湾振興担当部長 世界的に環境意識が高まる中、民間事業者は、社会的責任を果たす観点から、積極的に脱炭素化に取り組んでおります。
 本計画では、民間事業者の脱炭素化に向けた主体的な取組を港湾脱炭素化促進事業として取りまとめております。
 今後とも、民間事業者と連携し、東京港の脱炭素化に取り組んでまいります。

○上田委員 度々、官民連携という言葉が出てきているのですけれども、これらも、設備導入に係るコストや運営リスクにおいて、都はどこまで肩代わりするのか、その責任とコストの分界点が極めて曖昧なんですね。冷凍冷蔵庫の省エネ化や機械の交換といった設備投資は、経営の効率化に資するものであり、民間事業者が自己責任で判断すべき領域ではないでしょうか。
 一方で、都が環境目標という錦の御旗を掲げて民間事業者の経営判断に過度に干渉することは、物流の柔軟性を損なう懸念を私は持っています。特に、水素や特定の再エネシステム等の特定技術へ誘導するスキームは、特定の再エネ事業者の利益誘導や癒着を招くリスクを懸念しております。補助金ありきビジネススキームを見抜き、私もEV充電設備不正請求問題を指摘し、三億円近い支払いを食い止めたばかりですので、大きな懸念をしております。
 官民の役割分担において、都が公金で支援すべき公益コストの範囲と責任の所在をどこに置くのか。一方で、民間事業者が自らの投資リスクとして負うべき範疇はどこか。都が民間市場への介入を控えるべき一線があるのと同様に、民間側が安易に税金や補助金に依存し、自律的な経営努力を放棄するような甘えを許容する一線も存在するはずです。
 この双方の一線をどのように定義し、民間事業者の自立を促していくのか、明確に説明してください。

○原田港湾振興担当部長 世界的に環境意識が高まる中、民間事業者は、社会的責任を果たす観点から、積極的に脱炭素化に取り組んでおります。
 本計画では、官民連携で東京港の脱炭素化に取り組むこととしており、都は、自らの施設の脱炭素化に取り組むとともに、民間事業者の主体的な取組について、必要に応じて後押しをしていくものとしております。

○上田委員 それも計画の目標ありきなんだと思うんですが、温室効果ガスの排出量推計と、二〇三〇年、二〇五〇年に向けた削減目標が示されていました。しかし、これらの数値がどのような計算モデルやロジックで算出されたのか、その具体性は、私にとっては極めて不明瞭です。
 東京港における貨物取扱量や船舶の寄港数は、世界情勢や経済動向によって大きく左右される変動要因です。
 このカーボンハーフやネットゼロという目標数値は、将来の貨物取引量や物流流動の変動をどの程度考慮し、どのようなシミュレーションに基づいて算出されたものか。経済成長と排出量削減を両立させる前提となる具体的な推計モデルと算出のロジックを、都民が納得できる形でお示しください。

○原田港湾振興担当部長 令和六年の東京港のコンテナ貨物取扱量は四百七十万TEUであり、東京港第九次改訂港湾計画では、令和十年度後半のコンテナ貨物取扱量を六百五十万TEUと推計しております。
 東京港CNP形成計画二・〇に基づき、ふ頭の新規整備や再編整備に併せ、荷役機械等のゼロエミ化を推進することで、貨物量が増加する中でもCO2排出量の増加を抑制してまいります。

○上田委員 CO2排出量増加を抑制というのですが、脱炭素化を推進する上で、本来、投資額に対してどの程度のCO2が削減できているかという限界削減コストの検証は不可欠です。しかし、この計画には、投資額と削減量の対比が示されていないんですよね。
 都の掲げる目標を達成するため、今後、どの程度の規模の財政支出を見込んでいるのか。都が想定する一トン当たりCO2削減コストは一体幾らで、その金額は、ほかの分野、例えば都民生活や安全確保や福祉政策の公金投入と比較して、妥当といえる水準なのか。費用対効果を定量的に説明してください。

○原田港湾振興担当部長 東京港には民間事業者の施設が多く立地しており、脱炭素化の実現に向けては、都の取組だけでなく、民間事業者の取組も必要でございます。
 このため、都は、自らの施設の脱炭素化に取り組むとともに、民間事業者の施設におけるグリーン電力や脱炭素型荷役機械の導入など、民間事業者の主体的な取組について、必要に応じて後押ししてまいります。

○上田委員 目標は都の独自目標で、数値がなかなか出てこないのですけれども、実効性を担保するには、みんながおっしゃるようなPDCAサイクルが不可欠なんですね。
 掲げた目標の進捗を評価する第三者的組織の設置、事業中止の撤退基準をあらかじめ明文化すべきと考えるものですが、どう検証、評価していくのか、見解を伺います。

○原田港湾振興担当部長 都は、令和六年十二月、東京港の脱炭素化を一層推進するため、港湾法等を踏まえ、学識経験者や脱炭素化の取組主体となる港湾関係事業者などで構成される東京港カーボンニュートラルポート推進協議会を設置いたしました。
 東京港CNP形成計画二・〇の策定後は、同協議会におきまして、民間事業者等が実施する個々の港湾脱炭素化促進事業の進捗状況や効果、課題等を確認し、その状況を踏まえ、適宜計画を見直してまいります。

○上田委員 一応、それでも温室効果ガス削減計画と港湾脱炭素化促進事業というのをやっているわけですね。一六ページや一九ページの推計は、あくまでも過去の排出実績や現状の吸収ポテンシャルという、いわばそのときのスクショ、スナップショットにすぎないというふうに思っていますが、何度もいうように、私が問うているのは、二〇三〇年、二〇五〇年、変動する未来に対してどのような数式と変数を用いて削減目標を導き出したのか、予測モデルの科学根拠を示してほしいといっているんですよね。
 そのモデルの根拠と、想定が外れた場合の修正プロセスを具体的に示してください。

○原田港湾振興担当部長 令和六年の東京港のコンテナ貨物取扱量は四百七十万TEUであり、東京港第九次改訂港湾計画では、令和十年代後半のコンテナ取扱貨物量を六百五十万TEUと推計しております。
 東京港CNP形成計画二・〇に基づき、ふ頭の新規整備や再編整備に併せ、荷役機械等のゼロエミ化を推進することで、貨物量が増加する中でもCO2の排出量の増加を抑制してまいります。
 また、計画策定後は、東京港CNP推進協議会におきまして、民間事業者等が実施する個々の港湾脱炭素化促進事業の進捗状況を確認し、その状況を踏まえ、適宜計画を見直してまいります。

○上田委員 同様の答弁が続きますが、粛々と確認させていただきます。
 脱炭素化促進事業なんですけれども、港湾局は東京港藻場創出の活動方針が策定されており、これは評価をするものであります。
 一方、こうした、いわゆるブルーカーボンの取組による吸収作用の保全、強化は自然環境に左右されやすくて、CO2吸収量の定量的な検証は現状困難ですよね。アマモなんかも結構溶けちゃったりするので、この猛夏によって。
 科学的根拠は不十分なまま、見栄えのよい脱炭素対策として、環境政策を隠れみのにした、公金のこれ以上の無駄遣いの温床になりかねないか、指摘をしてきたところです。
 これまでの取組によるCO2削減事業効果が現時点の達成率、何度もいいます、算出根拠となる検証手法をお示しの上、二〇三〇年までにどう達成するのか、数値を−−これ、脱炭素化促進事業ですから、数字が出ると思いますので、その数字を出していただきたいと思います。

○原田港湾振興担当部長 都は、民間事業者の化石燃料や電力の使用量に基づき、国が定めるCO2排出係数等を用い、二〇二五年における東京港のCO2排出量を試算したところ、四十六・二万トンであり、二〇〇〇年比では約二割削減されております。
 二〇三〇年には、二〇〇〇年比で五〇%削減することを目標としております。

○上田委員 じゃあ、あと五年で三割減らすということですよね。進捗を確認します。
 水素、アンモニア等の供給に係る取組ですが、このインフラは、現時点ではコストが高く、商品利用のめども不透明なんですね。普及の道筋が不明確な段階で、港湾という公的な場に大規模な供給施設を設置することは、将来的に座礁資産となるリスクはありませんか。民間主導で採算が取れる以前の段階から、なぜ都がリスクを負ってまで整備を進めるのか。
 需要が伴わなかった場合の、これも撤退基準ですね、あらかじめ設定しておくべきと考えますが、見解を伺います。

○原田港湾振興担当部長 水素は、利用段階でCO2を排出せず、エネルギーの調達先の多様化により安全保障に資するなど、大きな可能性を持つエネルギーでございます。
 水素エネルギーの利用拡大のためには、水素の安定的なサプライチェーンの構築に向けた初期需要の創出などが必要でございます。このため、タイヤ式門型クレーン、いわゆるRTGを水素を燃料として稼働させるプロジェクトなどを実施しているところでございます。

○上田委員 その水素なんですけれども、この水素の新エネルギー関連設備、製造から供給に至るまでのエネルギーロスが非常に高く、既存の化石燃料等と比較して、結果的に、トータルでの環境負荷、コスト効率が極めて悪く、結果、都民負担が増えるということを、私は産業労働局の方でも指摘をしてまいりました。
 都が推進するこれらの個別事業について、ほかの低炭素技術、蓄電池や既存の省エネ技術ですとかとCO2削減単価を比較した、定量的な比較検討は当然なされると思いますので、現状の確認をいたします。
 この比較検討結果が示されないなら、なぜその技術を選択したのか、根拠となる選定プロセス、評価基準を明らかにしてください。

○原田港湾振興担当部長 水素は、利用段階でCO2を排出せず、エネルギーの調達先の多様化により安全保障に資するなど、大きな可能性を持つエネルギーでございます。
 このため、都は、水素エネルギー技術の社会実装の推進と需要拡大を図ることといたしております。

○上田委員 すごいですね、水素が安保になっちゃったということで。
 そうした計画なんですけれども、これ、終わりじゃなくて、実際に進捗を厳しく評価して、必要であれば軌道修正を行うことが行政の本分だと思います。
 この東京港カーボンニュートラルポート推進協議会及び分科会という組織、先ほど第三者委員会としてあると。あるかといったら、あるということで、あるんですね。調べさせていただきました、資料を読み込んで。
 都合のよいデータだけを並べた、よくある実効性のない推進応援団、成功報告の場と化し、検証もままならないまま、この取組にお墨つきを与えるだけの機関となりますまいか、懸念をしております。
 協議会、分科会構成メンバーの学識経験者、企業、団体の選定は公正、公明であったのか、どのような経緯で現在の組織となっていて、その後、随時検討などするのか、伺います。

○原田港湾振興担当部長 都は、官民一体で東京港の脱炭素化を推進するため、令和六年十二月、東京港を利用する船社や、ふ頭背後地に立地する倉庫事業者、学識経験者、地元区など四十九団体等で構成される東京港カーボンニュートラルポート推進協議会を立ち上げました。
 なお、協議会の構成員につきましては、港湾法等の規定等にも沿ったものであり、適切と考えております。

○上田委員 この構成員についても藤田理事からも指摘があって、専門家が本当に僅かしかいなくて、それも専門性が経済じゃないかというご指摘もあったところで、私も大きくうなずいたところでございます。
 計画の進捗を評価する際、協議会は、どのように客観的数値、評価基準を用いて達成状況を判断するのでしょうか。CO2が、ああ、やっと減った、二〇三〇年まであと何割だ、何%だというぐらい緻密にですね。
 特に各事業のCO2削減効果や補助金の費用対効果について、外部の専門家が検証できる客観的な指標、一応、外部といっているんですから、あらかじめ定義をしているのか。
 協議会には、都民代表は存在していないんですよね。事業者さんと、いわゆる都が認めた学識経験者、いわゆる身内の自己評価だけになっていないか。これだとバイアスがかかっちゃうのはもう自明ですので、確認させていただきたいと思います。

○原田港湾振興担当部長 計画の進捗管理や達成状況の評価につきましては、港湾法の規定等を踏まえ、東京港CNP推進協議会において行うこととしております。
 なお、同協議会には、学識経験者や地元区など、直接の事業主体とならない第三者が構成員に含まれております。

○上田委員 学識経験者が入っているといい張っていらっしゃるところで、引き続き監視してまいりたいと思います。
 この協議会は、目標の未達や費用対効果の悪化を当然確認するときもあると思います。そのとき、計画の見直しや、特定技術、事業の、もう水素はちょっと詰まっちゃった、メガソーラーも限界だみたいなこともあると思うんですよね。これはちょっと一回見直そうと勧告できる権限を持っているのでしょうか。時にはブレーキをかける機能を備えていなければ、それは組織というんですか、監視機関ではなくて、単なるゼロエミ推進ばらまき追認機関となってしまうわけですよね。
 協議会が導入検討という意見交換の場に終始せず、計画の達成状況が芳しくない場合、特に都民益にかなわないと判断した場合に、是正や撤退を勧告できる実効的な権限を有しているのか、確認させてください。

○原田港湾振興担当部長 東京港CNP形成計画二・〇については、学識経験者や東京港の利用者、地元区等を構成員とする東京港CNP推進協議会におきまして、民間事業者等が実施する個々の港湾脱炭素化促進事業の進捗状況や効果、課題等を確認し、都は、その状況を踏まえ、適宜計画を見直してまいります。

○上田委員 適宜見直すという、大変ありがたいお言葉をいただきました。私、事業者の皆さんは、その推進にわあわあ乗るわけじゃなくて、ちょっといろいろと経済状況が大変で、もう付き合い切れない、経済的に無理だというような声も出てくると思いますので、その辺りの声も受け止めてあげてほしいと思います。
 計画の総括でございます。
 欧州主導のCBAM、炭素国境調整措置等の国際規制は、高い環境基準をクリアできない国々の製品に事実上の関税を課すことで自国産業を守る、環境政策に名を借りた経済戦略の側面が強いと指摘されています。
 この点を踏まえ、世界が脱炭素を旗印に経済的な防壁を築く中で、東京港はその潮流を世界標準として唯々諾々と受け入れちゃって、自前で高コストなインフラ整備を強行することが、結果として都内産業に国際競争力を損なう実質的な増税を強いることにならないか、また、その経済的な座礁リスクを都としてどう検証しているのか、総括して見解を伺いたいと思います。

○原田港湾振興担当部長 荷主や船会社がサプライチェーン全体の脱炭素化に取り組む中で、利用する港湾を選択する際、利便性やコストに加え、脱炭素化の取組も重要な要素の一つとなっております。
 今後とも、東京港の脱炭素化に向け積極的に取組を進め、東京港の国際競争力を強化することで日本経済を牽引し、都民生活を支える役割を果たしてまいります。
 なお、計画の内容につきましては、脱炭素化技術の最新動向等を踏まえ、適宜検証してまいります。

○上田委員 これまでただしてきたとおり、この計画には、科学的根拠の欠如、費用対効果の不透明さ、そして推進体制の公平性について、私は多大な疑念が残るものです。このまま計画を進め、将来的に目標未達や莫大な都民負担だけが残った場合、策定に関わった局長や幹部職員、そして協議会の構成員はどのような責任を取るつもりか。
 単に時代の変化による予測不能な事態として幕引きすることは許されませんことから、そうならないと思って計画を立てていると思うので、責任の所在を明確にしていただく、所見を伺います。

○原田港湾振興担当部長 国際的に環境意識が高まる中、民間企業におきましても脱炭素化の取組が経営上重要な課題の一つとなっており、それぞれの経営判断により、CO2排出量の削減に向け、様々な取組を主体的に実施しております。
 都といたしましては、東京港CNP形成計画二・〇に基づき、東京港の脱炭素化に向け、官民一体となり積極的に取組を進め、東京港の国際競争力向上をしてまいりたいと思います。

○上田委員 最後になりますが、これまで港湾局が進めてきた数々の脱炭素関連施策に対し、私から繰り返し費用対効果と科学的根拠を問うてきました。今、責任の所在も、結局よく分からなかったです。今日いただいた答弁は、どれも過去の調査実績、私でいうところの、そのときのスクショ、スナップショットや、未来の可能性という理念論に終始していまして、都民が納得できる合理的な説明をいただいたとはちょっと思えないんですね。
 都は、脱炭素という大義名分を盾に、公的な港湾空間を特定の技術や業界の実証実験場にしているのではないか、危惧しております。都民の税金は、費用対効果の不明な港湾ゼロエミプロジェクトを維持するためにあるのではありません。
 もしこのまま計画を進め、将来的に目標未達や莫大な都民負担だけが残った場合、策定に関わった局長や幹部職員、そして協議会の構成員は、その責任をどのように取るつもりか尋ねたところですが、ちょっと分からなかったんですね。
 最後にもう一度、責任の所在を明確にし、本計画を強引に推し進めるのではなく、都民益を最優先に修正をいとわない姿勢があるのかないのか、最後に局長に伺います。(原田港湾振興担当部長発言を求む)局長に伺います。

○田中港湾局長 港湾振興担当部長から答弁したとおりでございますが、港湾は国際サプライチェーンの拠点であります。世界では多くの国、地域がカーボンニュートラルの目標を表明している中で、選ばれる港であることが、都民生活を支えるインフラとしての役割を果たす上で重要と考えます。
 計画に基づき、東京港の脱炭素化の取組を着実に進めていくこととしております。

○上田委員 選ばれる港は、大変いい言葉だと思います。
 本日の質疑を通じ、港湾局における大規模プロジェクトの決定プロセスとその実効性に対する懸念がどうしても払拭できない部分がありました。
 まず、東京アクアシンフォニーについてですが、大腸菌が数千億単位で検出される海域や噴水をぶち上げるという基本設計の甘さを、我々、自由を守る会が指摘するや否や、突如、上水利用に切り替えましたと強弁されております。しかし、過日の渇水で節水も呼びかけられた都民からすれば、到底納得いくものではないのではないでしょうか。
 二十六億円もの施設に上水をじゃぶじゃぶと使い、挙げ句の果てに、強風や渇水となれば演出の一部変更で対応する。これでは、シンフォニーどころか、都民の怒り大噴水、不協和音が鳴りやまない無駄遣いの象徴と呼ばれても仕方がありません。
 東京港カーボンニュートラルポート計画についても、コンテナ取扱量の増加を見込みながら排出量削減を取り上げておりますけれども、その算出根拠となると、シミュレーションや客観的な予測モデルは、本日の質疑においても極めて不透明なままでした。特に、公金投入の妥当性を判断する上で不可欠な一トン当たりのCO2削減コストや投資に係る定量的な費用対効果の検証が、私の中では全く分からなかった。財政規律の観点からも看過できないと思います。
 計画の修正、撤退に対する出口戦略の欠如も指摘しておきます。私は、目標未達や費用対効果の悪化が判明したときの事業中止の判断基準をあらかじめ明文化すべきと求めたところです。都の回答は適宜見直すという抽象的な説明にとどまり、自律的なブレーキ機能を有していないことは確認をさせていただきました。
 科学的根拠に基づかない独自目標に固執し、特定の技術導入へ公金を投じ続けることは、将来的に都民に過大な負担を強いる座礁資産を含むリスクを増大させるものであります。
 これらの私の疑念に対し、都民が納得できる透明性と公平性を今後の運用において事実をもって説明責任を果たし、選ばれた港づくりを本当の意味で果たしていただくことを期待しまして、私の質問を終わります。

○さとう委員 昨夜二十一時、私が準備していた大半の質問について、所管外との整理がなされた旨の報告を受けました。所管外の事項について、原則として委員会での質疑が難しいという点においては私も十分承知しておりますので、本日、所管外の質問はしません。
 しかしながら、現実の委員会の運営においては、行政事務が必ずしも縦割りで完結するものではないことから、関係局が関連答弁として整理を行い、議員が質疑を行うことは、これまでの慣行として広く認められてきたところです。実際に、多くの会派の議員が、所管に隣接するテーマについて、関連答弁を得た上で質疑を行っていることは周知の事実です。
 それにもかかわらず、今回に限って、私の質問内容が事前に都から他会派へ共有され、本日の委員会では、所管外質問を委員長が一律に制止するという厳格な運用がなされることとなった点については、極めて異例であり、公平性を欠く対応であるといわざるを得ません。とりわけ、ベテラン議員の意向を過度に意識するあまり、新人議員の質疑が実質的に制約されるような状況が生じているのだとすれば、極めて問題であると考えています。
 本来、所管外か否かの判断は、質問の趣旨、行政との関連性を踏まえ、個別に判断されるものであり、特定の議員の質問を前提として、特に厳格に運用されるということは、議会の公正性を損なうものと考えます。
 また、議員の質問権は、都民の代表として行政の実態を明らかにするための重要な手段であり、その行政が形式的な所管整理のみを理由に制約されるべきではありません。
 委員会運営は、全ての議員に対して公平でなければなりません。今回の対応は、その前提を揺るがすものであり、都民の利益にも直結する問題です。本日、たくさんの傍聴人の方が来てくださっています。都民の方に対し説明のつかない行政運営はやめてください。強く遺憾の意を表するとともに、今後の改善を求めます。
 昨夜、所管外との報告を受けた際に、所管外であればどの局が担当なのでしょうかと伺ったところ、一切把握していない、報告も受けていないとの回答を受けました。島全体としての行政運営が予想以上に分断されていることを知り、驚きを隠せませんでした。
 同一の島で実施されている他局の事業について、把握や情報共有が十分に行われていない状況であるのにもかかわらず、港湾局として令和八年度予算を計上されている点について、強い疑問を感じております。
 同一の島で実施されている他局の事業についての把握や情報共有が足りていない状況で、どのように令和八年度予算を編成したのか、伺います。

○戸谷総務部長 令和八年度予算につきましては、各島で必要な港湾あるいは漁港の整備、そういったものをしっかりと見極めながら必要な経費を積んで、それを皆様にお諮りしているところでございます。
 そういったしっかりとした積み上げをもって、八年度予算を皆様にお諮りしているところでございます。

○さとう委員 積み上げでの予算ということですが、では、他局の事業内容、国の関連事業、島全体での施設配置や利用計画について、どの程度把握し、どのような調整を行った上で令和八年度の予算を編成したのか、具体的にお示しください。

○戸谷総務部長 予算の編成におきましては、必要な事業の積み上げを行うに際しまして、当然、関連する部署等がございます。ただ、我々がきちんと把握できる部分、それから、そうでない部分、そういったものがある以上は、どうしても把握できない部分というのもございます。
 我々のただいま計上しております、これは八年度もそうですけれども、予算計上につきましては、しっかりと必要な調整を行いながら積み上げているものと認識してございます。

○さとう委員 把握できない部分もあるとのことでしたが、それは行政として把握できないのか、それとも把握していないのか、どちらなのでしょうか。

○戸谷総務部長 把握していないのか、把握できないのかというのがございますけれども、それは状況により、物によりというところがございますので、一概にお答えできるものではないと考えております。

○さとう委員 では、こちらはどうでしょうか。今現在、東京都の行政区域である南鳥島を核のごみ処分の地域として扱えないか、経産省から小笠原村に対して文献調査の申入れを行っています。国からの直接の申入れは全国でも初めてとのことであり、父島、母島での村民説明会が実施されているところです。東京都民のみならず、日本国民に影響する重要な事業です。
 本件につき、港湾局として、どの会議体でどの程度把握し、どのような調整を行った上で令和八年度の予算を編成したのか、具体的にお示しください。

○原田離島港湾部長 南鳥島の放射性廃棄物の件につきましては、国が最終処分の文献調査に係る申入れを小笠原村に行ったということでございます。
 港湾局は、伊豆・小笠原諸島のうち十一島の港湾施設の整備や管理などを所管しております。南鳥島に港湾局が所管している施設はございません。
 ご質問の件については、港湾局は所管しておりません。

○さとう委員 港湾局が所管でなければ、その情報をどのように取っているのかという質問です。
 把握できないのか、それとも把握していないのか、どちらでしょうか。

○原田離島港湾部長 状況に応じて、把握できるものは把握しております。
 本件につきましては、国が最終処分の文献調査に係る申入れを小笠原村に行った旨については、産業労働局に情報提供があったと聞いております。

○さとう委員 今ご答弁で、産業労働局に情報提供があったと答弁がありましたが、昨日の時点では、どの局と連携しているのか、全て把握していないといわれていました。
 なぜ昨日の時点と今の時点で内容が変わるのでしょうか。伺います。

○原田離島港湾部長 本件につきましては、局として所管外の事項であり、事実関係を確認の上、本日答弁させていただいたものでございます。

○さとう委員 では、こちらはいかがでしょうか。都は令和八年度、南鳥島の維持保全や海底、海水資源の利活用につながる研究提案を募集しており、国立研究開発法人海洋研究開発機構も、二〇二六年二月に、南鳥島周辺のEEZ海域で水深六千メートルの深海底からレアアース泥が船上に揚泥されたことを公表しています。水深六千メートルの深海底からレアアース泥の採取に成功したのは世界で初めてであり、今後の本格的な採掘が期待されています。
 南鳥島におけるレアアースの産業化に向けて、採鉱試験やビジネスモデル検討を進める一方、処分は、長期の保安、土地利用制約を前提にします。南鳥島を資源開発拠点として扱うのか、核のごみ処分候補地として扱うのか、両方可能として見ているのか。
 都として島、港湾、周辺海域を一体で整理した、南鳥島土地の、海域利用のマスタープランや見解書など、国に先に示させるべきと考えますが、本件につき、港湾局として、どの会議体でどの程度把握し、どのような調整を行った上で令和八年度の予算を編成したのか、お示しください。

○原田離島港湾部長 南鳥島周辺海域でレアアースの採掘については、国が行っているものと認識しております。
 港湾局は、伊豆・小笠原諸島のうち十一島の港湾施設の整備や管理などを所管しております。南鳥島に港湾局が所管している施設はございません。
 ご質問の件について、港湾局は所管しておりません。

○さとう委員 所管していない事業の内容について、どのような情報共有を行っているのかというご質問です。
 どのような情報共有を受けているのでしょうか。それとも、その情報は必要ないとして、港湾局としては積極的に情報を取りに行っていないということでしょうか。

○原田離島港湾部長 レアアースの件につきましては、国が南鳥島周辺海域で試掘しているものと認識しております。国が行っているものと認識をしております。
 東京都として必要な情報については、必要な都度、情報収集してまいりたいと思います。

○さとう委員 何か、先ほどからずっと同じ説明ですので、何度聞いても、どのようにして東京都に情報が上がってきて、それが議会に共有されるのかというのがいまだに分からないままなんですけれども、では、例えば太平洋側の島しょ部における防空体制強化に向けた警戒管制レーダーの配置、この件があると思いますが、伊豆諸島から小笠原諸島にかけて、警戒管制レーダーの空白域においてその設置を検討していると聞いております。
 来年度に父島で適地調査を実施することになっていますが、本件につき、港湾局として把握しているのでしょうか。把握している場合、どのような情報フローで、情報網で把握しているのでしょうか。

○原田離島港湾部長 警戒管制レーダー配備適地の調査の実施につきましては、国から村に対して説明しているものと承知しております。
 国が現地調査の実施について小笠原村に説明したことにつきましては、国から総務局に情報提供があったと聞いております。

○さとう委員 今、初めての情報ですが、国から総務局に情報提供があったと。これも昨日の時点では、一切、情報共有はない、把握していないということを職員さんから情報共有を受けていますので、やはり、この議会の場と、委員会の場と昨日の夜の二十一時の場で、いうことが異なるというのは、都民の目からしても不信に思う点はすごく多いと思います。
 離島行政は個別事業の積み上げではありませんので、島全体としての整合性が極めて重要です。
 その前提が不十分なまま予算が計上されているのであれば、結果として非効率な投資予算になるのではないでしょうか。都の見解を伺います。

○原田離島港湾部長 令和八年度の港湾局の島しょ振興事業費あるいは地方港湾整備事業費については、島しょ地域の港湾等の整備などに関する予算を計上しております。
 ご質問の件につきましては、港湾局は所管しておらず、ご質問の内容に係る費用は含まれておりません。

○さとう委員 局の所管じゃないという答弁が引き続き続いているんですけれども、局の所管じゃない質問はしないと冒頭申し上げたんですね。なので、局の所管じゃないことを聞いているわけじゃなくて、どういうふうに情報を取っているのかということを全体としてお聞きしています。都庁の分断された行政によって島民たちの生活の分断がなされてしまうと思うと、本当に心が痛いですね。
 本来、離島における政策は、港湾の整備、物流、防災、環境、国の事業との調整などが密接に関係しており、島全体を一体として捉えた上での事業設計が必要であると考えます。同一の島で進められる他局や国の事業について十分に把握せず、リスクを把握しないまま予算が編成されていることとなります。
 議会への報告ルールがないまま、進めてもいいのでしょうか。港湾局として、少なくとも都庁内の横断会議と都議会への定期報告の仕組みを求めるべきではありませんか。
 国が主導していても、都の行政区域で行われる以上、都から議会への報告フローを確認するのは当然です。国と都の一部の行政職員と一部の議員だけの間で重要な決定が進んでいく、議会への報告フローもない。議会軽視にも程があります。全庁で連携し、都議会への報告フローを確立していただくことを強く要望いたします。
 次に、水素船についてです。
 二〇二五年十月、岩谷産業から都に対して無償提供された水素燃料電池船「まほろば」についてです。
 本来であれば、水素船の受入れを決定する前にコスト試算を行い、それでもなお導入する価値があるのかを判断するのが税金を扱う側の筋ではありますが、昨年の事務事業質疑で質問させていただいた時点では、運航ルートも運航コストも費用対効果も、全部これから検討するという状態でした。
 令和八年度予算では、水素燃料電池船の活用事業に二・六二億円を計上していますが、運航委託費、船員費、保守費、水素燃料費、安全管理費をそれぞれ幾ら計上しているのでしょうか。

○戸谷総務部長 令和八年度予算におきましては、運航委託や受付に係る費用といたしまして約二億円、法定点検やメンテナンスの経費として約四千六百万円、水素燃料の費用として約五百万円を計上しているところでございます。

○さとう委員 総額をお答えいただきましたが、約二億円の運航委託費も、年間数百便を前提にした金額なのか、それとも十数便しか走らない前提なのかで評価が全く変わってきます。同じ五百万円の燃料費でも、年間十便なのか百便なのかで、一便当たりコストは大きく違います。
 東京港での運航ルート、年間運航日数、一日当たり便数、想定乗船数、一便当たりの年間の水素使用量、燃料調達方法、一人当たりのコスト、CO2削減量はどう見込んでいるか、伺います。

○戸谷総務部長 運航ルートにつきましては、東京港内を周回するルートを検討してございます。
 運航につきましては、令和八年度は、船舶の引渡しを受けた後に、必要な準備期間を経た後、一日二便の運航を想定してございます。
 想定乗船者数は、乗船の目的により異なりますが、最大では百五十名でございます。
 年間の水素使用量は、約五百万円を想定し計上しているところでございます。
 燃料調達方法につきましては、現在、東京都と岩谷産業との間で調整中でございます。
 なお、水素燃料電池船でございますため、運航時のCO2排出量はゼロというふうに考えております。

○さとう委員 ただいまのご答弁を伺って、幾つか確認させていただきます。
 まず、運航ルートも燃料調達方法も運航開始時期も決まっていない中で、燃料費だけを五百万円概算で計上しているということですが、燃料費というのは、本来、走行距離、運航回数に強く依存する費用です。したがって、運航条件が決まっていない段階で燃料費だけを積算すること自体に無理があるのではないかと考えます。
 水素使用量五百万円の具体的な試算方法を伺います。

○戸谷総務部長 令和八年度の水素使用量は、予算積算上、年間約二千九百キログラムを想定しておりまして、水素燃料を使用しての運航については、予算積算上は約四か月を想定してございます。

○さとう委員 四か月を想定しているとのことですが、その四か月の中で何便運航させる予定でしょうか。

○戸谷総務部長 先ほど予算積算上のお話をさせていただきましたが、運航につきましては、令和八年度は、船舶の引渡しを受けた後に、必要な準備期間を経て一日二便の運航を想定しているところでございます。

○さとう委員 一日二便という話は先ほどお伺いしまして、四か月の中で、合計で何便運航するのかということをお伺いしています。

○戸谷総務部長 繰り返しになりますが、運航につきましては、令和八年度は、船舶の引渡しを受けた後に、必要な準備期間を経た後に一日二便の運航を想定してございます。

○さとう委員 今のご答弁をお聞きしますと、四か月のうちで一便しか走らないという推計もすることができますが、それでよろしいでしょうか。

○戸谷総務部長 申し上げているのは、その四か月で一便ということではなく、繰り返しになりますが、船舶の引渡しを受けた後に、必要な準備期間を経た後に一日二便の運航を想定しているということでございまして、積算上、それを四か月と見込んでいるということでございます。

○さとう委員 先ほどと同じ答弁ですので、進展のあるご答弁をお願いします。
 一便当たりの水素使用量をお聞きしています。

○戸谷総務部長 ここはもう本当に繰り返しになってしまうのですが、船舶の引渡しを受けた後に、必要な準備期間を経て一日二便の運航、積算上四か月ということで、水素使用量も積算上は二千九百キログラムというところでございまして、そういった中で予算を計上しているということでございます。

○さとう委員 具体的な金額を算出できない、明示できない理由はよく分かりませんが、都民に対して恥じない行政運営をしていただければと思います。
 また、運航時のCO2排出はゼロということでしたが、運航時だけでなく、水素の製造、輸送を含めた実質的なCO2削減量をお聞きします。
 水素の製造、輸送を含めた実質的なCO2の削減量、こちらをお願いします。

○戸谷総務部長 先ほども申し上げましたが、燃料の調達方法につきましては、現在、東京都と岩谷産業との間で調整中でございます。
 運航に関しましては、水素燃料電池船でございますので、排出量ゼロというふうに見込んでございます。

○さとう委員 ただいまのご答弁では、運航時に関してはCO2の排出はゼロですが、それ以外の水素の製造、輸送時にはCO2が出る可能性があるということを含むと思います。本事業は脱炭素効果があると説明しながら、その根拠となる排出削減量を把握していないということになります。
 これは、政策として効果の裏づけがないまま脱炭素と位置づけているのではないかと考えますが、見解を伺います。

○戸谷総務部長 あくまでも、この水素燃料電池船を活用する事業というのは、水素エネルギーの社会実装化を力強く推進していくために実施するものでございまして、それに向けた事業という形でございます。

○さとう委員 ただいまの答弁で社会実装化という単語が出ましたが、では、水素燃料電池船「まほろば」を用いて、東京港で何を検証して、何を本実装するのでしょうか。

○戸谷総務部長 東京都におきましては、東京港を航行する水素燃料電池船を活用いたしまして、水素燃料や水素燃料電池船の有用性、そして東京港の役割等のPR活動、また環境学習イベントや国際的なイベントなどでの乗船機会の提供、これを行いまして、水素のある社会を身近に感じていただきながら、水素エネルギーの社会実装化を推進していくことというふうに考えております。

○さとう委員 ただいまのご答弁を伺いますと、PR活動、環境学習イベント、乗船機会の提供といった取組が中心でありまして、本事業が実証なのか広報事業なのかが極めて不明確であると感じます。社会実装というのであれば、継続的な運用に耐え得るかどうかの検証が必要ではないでしょうか。
 本事業において、社会実装とは具体的に何を指すのでしょうか。どの状態に達すれば実装と判断するのか、明確にお示しください。

○戸谷総務部長 繰り返しになりますが、東京都におきましては、東京港を航行する水素燃料電池船を活用いたしまして、先ほど申し上げました水素燃料や水素燃料電池船の有用性、そして東京港の役割等のPR、環境学習イベントや国際的なイベント等での乗船の機会の提供、これを通じまして水素のある社会を身近に感じていただきながら、水素エネルギーの社会実装化を推進していくということでございます。
 また、東京都では、エネルギーの安定供給の確保だとか脱炭素化に向けて、これまでも、関係する民間企業さんや国、自治体等と連携して、都内における水素エネルギーの需要拡大、早期社会実装化に取り組んでいるところでございます。
 今回の水素燃料電池船の活用事業においても、水素エネルギーの社会実装化に向けまして、日本の技術力を生かしながら官民連携で取組を進めていくものでございます。

○さとう委員 現時点の説明では、走らせること自体が目的化しておりまして、その先に何を定着させるのかが見えません。
 社会実装といいながら、実際にはPRにとどまるのであれば、その目的と評価指標を整理し直す必要があると考えますが、見解を伺います。

○戸谷総務部長 水素燃料電池船の活用につきましては、先ほど来、繰り返しになってしまうのであれですが、様々なそういった環境学習イベントあるいは水素エネルギーの有用性、そういったものを通じて水素の社会実装化を力強く進めていくということでございます。
 水素燃料電池船を活用することで、より多くの方々にご乗船いただいて、快適な乗り心地で水素の有用性を体感してもらって、水素の利用拡大につなげていければというふうに考えてございます。

○さとう委員 CO2削減量も未試算という現状におきまして、本事業を脱炭素施策として位置づける根拠が存在しないのではないでしょうか。
 ゼロエミッションという言葉だけが先行している状態ではないかと考えますが、見解を伺います。

○戸谷総務部長 施策を実施していく上では、そこに係る目的というものが、これは必要でございます。それを繰り返し申し上げているところでございますが、水素燃料電池船、これにお乗りいただいて、水素の有用性、こういったものを実感していただくということで、水素の実装、これにつなげていきたいというふうに考えておりますので、これはしっかりと、これをきっかけにして水素の社会実装化、こういったものを進めていきたいというふうに考えてございます。

○さとう委員 これまでのご答弁が、もうほとんど理念で、数値に落とし込まれていないというふうに感じますね。事業設計よりも導入ありきで進んでいる印象を受けます。また、社会実装と説明されているものの、実装に向けた具体的な到達点や工程が示されない点も課題だと考えます。
 運航ルート、年間便数、燃料の調達方法を含む事業の基本設計を明確にした上で予算との整合性を示すこと、一便当たりコスト、一人当たり公費負担、水素単価など単価当たりのコストを明らかにすること、実質的なCO2削減量を示すことを要望いたします。
 次に、新海面処分場についてです。
 ごみの最終処分地は埋立てスペースに限りがあり、これからさらに一層の減量化が必要として、都は二十三区のごみ有料化を検討していますが、埋立容量への寄与率で見れば、影響が最も大きいのは一般廃棄物ではなく、しゅんせつ土と建設発生土などの土砂系です。
 都が公開している廃棄物等の埋立処分計画では、令和四年から十八年度の総埋立処分量は二千三百五十七万立米とされており、その内訳は、土砂系で七五%を占め、二十三区の家庭ごみが含まれる一般廃棄物は一一%です。
 さらに、一般廃棄物は五年ごとに減少する計画が立てられている一方、産業廃棄物や都市施設廃棄物、土砂系はほぼ横並びで推移しています。
 この数値を見るだけでも、最終処分場の延命だけを見るなら、七五%を占める土砂系の圧縮や産業廃棄物の減量化により埋立容量を確保するのが効率的と分かります。
 令和八年度は廃棄物処理場建設事業費に百五十五億円を計上していますが、この投資で何立米圧縮することができるのか、処分場寿命が何年延びるのか、伺います。

○佐藤港湾整備部長 都では、新海面処分場の延命化に向けまして、処分場内の海底面を掘り下げる深掘り工事や、これまで埋立てを行った地盤等を圧縮、沈下させる沈下促進工事、既に受け入れたしゅんせつ土を掘り返し、脱水、改良を行い、土木材料として活用する減量化工事を実施することで、しゅんせつ土の受入れ容量の増大を図ってまいりました。
 現在の廃棄物等の埋立処分計画におけます令和八年度のしゅんせつ土の年間埋立計画量は八十九万立米でありまして、容量増大策としては、深掘り工事と減量化工事を実施予定でございます。
 約三十万立米のしゅんせつ土の受入れ容量の増大を見込んでおりまして、予算は、廃棄物処理場建設事業費百五十五億四千九百万のうち二十三億三千三百万円を計上してございます。
 新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、今後の経済状況や新たな技術の進展に合わせて深掘りなどの容量拡大を図りながら、将来発生する廃棄物等を適正に処分できますよう、引き続き適切に対応してまいります。

○さとう委員 二十三・三億円で約三十万立米のしゅんせつ土の受入れ容量の増大を見込めることが分かりました。年間埋立計画量は八十九万立米ですから、四か月ほどの延命効果と推計します。
 先日開催された令和八年第一回都議会定例会における知事の施政方針表明では、区部で発生するごみの最終処分場は、あと五十年程度でいっぱいになると見込まれておりますとの発言がありました。ご答弁では正確な推計は困難としながら、区部で発生するごみの最終処分場が五十年程度でいっぱいになると計算できています。
 五十年の具体的な計算方法を伺います。

○佐藤港湾整備部長 新海面処分場は東京港最後の最終処分場でありますことから、延命化対策を講じることで、できる限り長期にわたり使用できるようにすることが必要でございます。
 新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、今後の経済状況や新たな技術の進展に合わせまして深掘りなどの容量拡大を図りながら、将来発生する廃棄物等を適正に処分できますよう、引き続き適切に対応してまいります。

○さとう委員 ただいま私がお伺いしたのは、五十年の具体的な計算方法です。
 具体的な計算根拠をお伺いします。

○佐藤港湾整備部長 新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、今後の経済状況や新たな技術の進展に合わせまして深掘りなどの容量拡大を図りながら、将来発生する廃棄物等を適正に処分できますよう、引き続き対応してまいります。

○さとう委員 具体的な計算方法をお伺いできませんでしたが、環境局のホームページに載っていました。埋立処分場の残余容量及び廃棄物等の埋立処分計画の埋立量から算出したと記載されています。この二つの情報は、港湾局から出されている新海面処分場のパンフレットに掲載されている情報です。ですので、環境局が勝手に算出した情報ではなくて、港湾局のパンフレットに載っていますから、計算方式は把握しているはずです。所管外とは全くいえないはずです。
 二十三区のごみ有料化により、どの程度の減量が見込まれ、埋立容量の延命に寄与するとお考えなのでしょうか。伺います。

○佐藤港湾整備部長 すみません。繰り返しになりますが、新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、今後の経済状況や新たな技術の進展に合わせまして、引き続き適切に対応してまいります。

○さとう委員 都知事の演説で五十年程度といった、その五十年の根拠を示せないというのは、都知事が勝手に発言したということになりますが、よろしいですか。

○佐藤港湾整備部長 新海面処分場のしゅんせつ土の受入れにつきましては、引き続き適切に対応してまいります。

○さとう委員 すごく不誠実な答弁だと感じました。都民の方もよく見ています。傍聴人の方も大変多いですので、都民の方に恥じない行政運営をお願いいたします。
 二十三区のごみ有料化以前に、清掃一部事務組合の経営改善や処理コストの見直しなども含めて、基礎自治体で検討していくべき内容だと思っています。清掃議会、区長会、議長会で議論すべき事項であり、現状、二十三区のごみ有料化、これを議論している時点で都の越権行為です。
 ごみ有料化の議論の前提にあるのは、最終処分場の延命という政策目的に対して、どの手段が最も効果的かという課題だと思います。最終処分場の延命政策については、ごみ削減、しゅんせつ土の対策、建設発生土の対策それぞれについて、延命年数、容量削減量、政策コストを比較した全体の評価資料を作成することを要望しまして、質問を終わります。

○両角委員 島しょ地域のにぎわい創出について伺います。
 島しょ地域には、美しい自然環境や豊かな水産資源など、島ならではの大きな魅力が存在をいたします。
 また、港においては、漁港漁場整備法の改正を契機として、従来の利用形態に限定されない活用の余地が広がってきております。
 こうした中、都では、港の施設を有効活用し、島の様々な地域資源を積極的に活用することで地域の活性化を図る島の港Re活用事業を進めていると聞いております。
 そこで、島の港Re活用事業活用事業の目的と、これまでの取組状況について伺います。

○原田離島港湾部長 国は、令和五年度に漁港漁場整備法を改正し、漁港において、にぎわいの創出に向けて施設等の有効活用が図られるよう、漁港施設等活用事業制度を創設いたしました。
 都は、本制度を活用し、港の用地等の占用や貸付けを行うことにより、事業者による水産物の販売や魚介料理の提供等の事業展開を促進することで、島しょ地域ならではの魅力を楽しめる空間を創出し、島のにぎわいづくりを図ることとしております。
 都はこれまでも、各漁港の利用状況や港周辺の環境を調査するとともに、地元町村や漁業関係者などとの意見交換を通じて、港の活用可能性について検討を進めてまいりました。
 地元の意見を踏まえ、大島岡田漁港において漁港施設等活用事業の推進に関する計画を策定し、今年の一月三十日に公表いたしました。

○両角委員 事業の実施に当たり、港の利用者など地元関係者の十分な理解を得ることが重要です。
 今回策定した計画も、地元の意見を酌んだ計画になっていると思いますが、大島岡田漁港で策定をした漁港施設等活用事業の推進に関する計画の具体的な内容と今後の手続について伺います。

○原田離島港湾部長 この計画は、漁港内において、大島で水揚げされた水産物を提供する機会を通じて、島内の水産物の認知度向上及び消費拡大を図ること、また、海洋レジャーの機会を提供することにより、来訪者、交流人口の増加を図ることを目的としております。
 事業内容としましては、水産物の販売、飲食施設の整備、運営や、漁港区域内の水域を利用した釣り、遊漁体験の機会の提供などを想定しております。
 都は、今後、この計画に基づき事業を実施していくため、事業者の応募方法及び募集期間を定め、令和八年四月以降、公募手続を実施し、事業者から申請された計画を速やかに確認、審査をした上で事業者を決定してまいります。

○両角委員 本事業は、港を最大限に利活用し、地域の活性化を図っていくという意義のある取組だと思います。
 実際に今、島しょは、観光客がピークの一九七〇年代から半減をして、コロナ禍でさらに減って、ちょっと回復基調と伺っています。一昨年、私も式根島に行ったのですけれども、式根島はいいところなんですが、やはり地元の方に伺うと、昔は相当、人が来ていたんだよという話がございました。
 ですので、こういった事業を地元の関係の皆さんの協力を得ながら着実に進めて、他の島にも横展開をしていただくように要望をしたいと思います。
 さて、このような港のにぎわいに加えて、島しょ地域にさらなる観光客を呼び込むためには、定期航路や航空路に限定されない多様な来島手段の確保にも積極的に取り組むことが重要だと思います。
 中でもクルーズ船の寄港は、これまで島を訪れる機会のなかった方々にも観光客層を広げることができ、新たな観光需要を創出するきっかけとして大いに期待ができるものだと思います。
 コロナ後は、日本船だけでなく外国のクルーズ船も伊豆・小笠原諸島に毎年寄港をし、寄港の際には、地域の特色を生かしたおもてなしを実施したと聞いているところでもあります。
 観光振興、そして世界へ島しょ地域の魅力発信をしていくために、クルーズ船の寄港をさらに拡大することが重要であると思います。
 そこで、クルーズ船の島しょ地域へのさらなる寄港に向けた都の今後の取組について伺います。

○原田離島港湾部長 クルーズ船の誘致を進めるためには、船会社や船舶代理店に対して島しょ地域の魅力を情報発信するとともに、地元町村と連携した受入れ体制や港湾機能の充実を図ることが重要でございます。
 船会社や船舶代理店に対する情報発信につきましては、令和六年度から、大島や三宅島など伊豆諸島を対象にファムトリップを実施してまいりました。来年度は、世界自然遺産である小笠原諸島でも実施し、寄港を促進してまいります。
 また、来年度、クルーズ客船分野の有識者を招いたセミナーを町村や観光協会を対象に開催し、クルーズ客向けの観光ツアーの造成や特産品の開発、販売を促すなど、地元による受入れ体制の充実を図ってまいります。
 さらに、新島、神津島、三宅島の三島で、より大型の船舶が着岸可能となるよう係船柱の改修を行うとともに、八丈島の神湊港では、船舶のより安全な係留を目指し、港内のしゅんせつを実施いたします。

○両角委員 島しょへのクルーズ船の寄港に向けて、来年度は新たな取組を開始するとのことで、島しょ地域のにぎわいの創出につながることを期待したいと思います。
 都が所管する港湾、漁港、空港の施設整備を着実に進めることが重要であるのはいうまでもありませんが、今後は、これらの施設を効果的に活用し、島しょ地域の観光振興のみならず、地域全体の魅力向上に大きく寄与することを期待いたします。
 引き続き、地元の皆さんの声を丁寧に受け止めつつ、島しょ町村との協力、連携の下で取組を進めることを要望いたします。
 次に、無電柱化の取組について伺います。
 近年、台風の激甚化により、各地で深刻な被害が相次いでおります。とりわけ昨年十月の台風二十二号、二十三号では、八丈島や青ヶ島をはじめとする島しょ地域において、ライフラインに大きな影響が生じました。また、首都直下地震等の発生リスクが一層高まる中で、災害時における交通、物流、救急機能の確保は、首都東京にとって喫緊の課題であるわけであります。
 こうした社会的背景を踏まえ、都は、首都防衛の観点から無電柱化を強力に推進するため、先月、東京都無電柱化計画の改定方針を取りまとめたと承知をしております。
 本日は、島しょ地域の港、空港及び東京港におけるこれまでの無電柱化の取組状況を確認するとともに、今後の推進に向けた都の考え方を伺います。
 まず、島しょ地域の港、空港の無電柱化におけるこれまでの取組状況と令和八年度の取組について伺います。

○原田離島港湾部長 島しょ地域の港、空港は、島民の生活や産業を支え、島と本土を結ぶ重要な拠点であり、災害時の避難や物資輸送にも不可欠なことから、令和四年一月、東京都島しょ地域無電柱化整備計画を策定し、定期貨客船が発着する十八港と五空港、計二十三か所を対象に整備を進めることといたしました。
 このうち、現時点で十一か所が事業着手済みであり、大島の元町港、新島港の二か所で無電柱化が完了し、九か所で設計、工事を進めております。
 来年度は、式根島の野伏漁港など、新たに四か所の事業に着手し、十三か所において設計、工事を進めてまいります。

○両角委員 島しょ地域におて無電柱化の設計や工事が進んでおり、来年度も新たに事業に着手していくなど、取組が着実に進んでいることを確認することができました。
 しかし、災害リスクの高まりを踏まえると、無電柱化の取組を加速していく必要があります。
 そこで、東京都無電柱化計画の改定に向けた方針について、島しょ地域の港、空港における具体的な内容を伺います。

○原田離島港湾部長 都は、切迫する首都直下地震など自然災害に対する備えとして、これまでの取組を一層推進するため、次期東京都無電柱化計画の方針を取りまとめ、二月十八日に公表いたしました。
 島しょ地域についても、激甚化する台風に際して停電、通信障害が発生することのないよう、無電柱化をより一層推進することとしております。
 具体的には、これまでの計画に位置づけてきた各島の主要な十二港と五空港について、二〇三〇年度までを完了目標とし、着実に事業を進めてまいります。
 昨年度、台風による被害を受けた八丈島を含むその他の六港につきましては、整備時期を前倒しいたします。
 また、無電柱化工事をスピードアップしていくため、掘削せずに地下埋設物を把握することができる地中レーダー探査の活用を進めていくとともに、コスト縮減を図るため、よりコンパクトな地下構造物の導入などを検討してまいります。

○両角委員 島しょ地域の港、空港における無電柱化計画の方針について、具体的な内容を確認することができました。島の港や空港は人や物を運ぶ拠点であり、激甚化する自然災害から島の生活や産業を守るため、無電柱化を積極的に進めていただくことを強く要望いたします。
 次に、東京港における無電柱化の取組について確認をいたします。
 東京港は、首都圏の経済活動や都民生活を支える重要な社会インフラであり、災害時においても港湾機能を確実に維持することが求められます。
 こうした中で、特に防災上重要な緊急輸送道路について無電柱化の取組を進めてきていると思います。
 そこで、緊急輸送道路におけるこれまでの無電柱化の取組状況と令和八年度の取組について伺います。

○佐藤港湾整備部長 東京港では、東京港無電柱化整備計画に基づきまして、二〇三五年度までに全ての緊急輸送道路の無電柱化を完了させることとしてございまして、令和七年度末までには、整備延長四十三・八キロメートルのうち三十二・六キロメートルが完了し、整備率は約七四%となってございます。
 令和八年度は、新たに城南島・大井一号線や青海一一号線等の工事に着手いたしますとともに、中央防波堤内側の青海縦貫線等一・三キロメートルの工事を完了させる予定でございます。

○両角委員 東京港の緊急輸送道路について、全体の七割以上が整備済みであるとのことであり、無電柱化事業の進捗も順調に推移をしているということを確認することができました。
 防災の観点から、緊急輸送道路の整備は、引き続き着実に進めていただきたいわけですが、災害時における緊急輸送などを円滑に行うには、緊急輸送道路以外の道路等も重要な役割を担っており、将来を見据え、これらの道路も計画的に無電柱化を進めていくことが必要だと思います。
 そこで、都は、緊急輸送道路以外の道路等の無電柱化をどのように進めていくのか、伺います。

○佐藤港湾整備部長 東京港の防災力を高めていくためには、緊急輸送道路に接続する道路や、耐震強化岸壁と緊急輸送道路を結ぶふ頭敷地等につきましても無電柱化を進めていく必要がございます。
 このため、都は、来年度に東京港無電柱化整備計画を改定いたしまして、今後五年間で、緊急輸送道路以外の道路約十五キロメートル及びふ頭敷地等四か所で事業に着手いたします。
 引き続き、災害に強い東京港の実現に向けまして、無電柱化を着実に推進してまいります。

○両角委員 緊急輸送道路以外の道路等の無電柱化につきましても、今後着手をしていくということが分かりました。東京港の防災力向上に向けた取組を評価したいと思います。
 引き続き、災害に強い東京港の実現に向け、無電柱化を一層推進することを強く要望し、質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二十二分散会