経済・港湾委員会速記録第三号

令和八年三月十六日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長猪口 太一君
次長松田 健次君
管理部長住野 英進君
事業部長飯野 雄資君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務東山 正行君
市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井 浩二君
財政調整担当部長高橋 葉夏君
環境改善担当部長中井  宏君
スタートアップ戦略推進本部本部長吉村 恵一君
理事戦略推進部長事務取扱DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務片山 和也君
プロモーション推進部長鈴木のり子君
イノベーション推進担当部長小澤 常裕君
東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務松本 克己君
スタートアップ戦略推進担当部長岩井 志奈君
スタートアップ戦略推進担当部長工藤 慎市君
スタートアップ戦略推進担当部長前林 一則君

本日の会議に付した事件
スタートアップ戦略推進本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 スタートアップ戦略推進本部所管分
中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十二号議案 令和八年度東京都と場会計予算
・第二十号議案 令和八年度東京都中央卸売市場会計予算
報告事項(質疑)
・旧築地市場(七)仮設搬出入路及び荷揚桟橋下部工撤去工事

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和八年度予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和八年三月十三日
東京都議会議長 増子 博樹
(公印省略)
経済・港湾委員長 大山とも子殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
 第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中 歳出 繰越明許費 債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
 第九号議案 令和八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
 第十号議案 令和八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
 第十一号議案 令和八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
 第十二号議案 令和八年度東京都と場会計予算
 第二十号議案 令和八年度東京都中央卸売市場会計予算
 第二十二号議案 令和八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
 第二十三号議案 令和八年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

○大山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スタートアップ戦略推進本部及び中央卸売市場関係の予算の調査並びに中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これよりスタートアップ戦略推進本部関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、スタートアップ戦略推進本部所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片山理事 去る二月十二日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の要求資料の目次、一枚お開きいただきまして目次をご覧ください。今回ご説明申し上げる資料は、十件でございます。
 まず、一ページをご覧ください。項番1、官民連携ファンドの当本部所管分につきまして、一覧を記載してございます。
 四ページをお開きいただければと存じます。項番2、Tokyo Innovation Baseの経緯、入場者数、決算額を記載してございます。
 続きまして、五ページでございます。項番3、Access to Tokyoの実績及び委託先、経費を記載してございます。
 おめくりいただきまして、六ページをご覧ください。項番4、SusHi Tech Global Fundsに関する経緯につきまして、時系列に概要を記載してございます。
 次に、七ページでございます。項番5、アントレプレナーシップの育成事業につきまして、キャリアフェア、TIB JAM、TIB Students、TIB等の場を活用したグローバル・アントレプレナーシップ実践事業の事業別に、実施内容等を八ページにかけて記載してございます。
 次に、九ページをご覧ください。項番6、入札参加資格登録支援事業の実績につきまして、令和五年度から令和七年度までをそれぞれ記載してございます。
 次に、一〇ページをご覧ください。項番7、官民連携インパクトグロースファンドの運営状況につきまして、令和六年五月からの運営状況を時系列に記載してございます。
 続いて、一一ページでございます。項番8、東京ベイeSGプロジェクトにつきまして、(1)、先端技術の実装、(2)、官民連携コミュニティ、(3)、国際発信のそれぞれの取組を記載してございます。
 次に、一二ページをご覧ください。項番9、当本部の委託契約一覧でございます。
 件名、契約先、契約金額を一五ページにかけて記載してございます。
 続きまして、一六ページをご覧ください。項番10、海外プロモーションの概要でございます。
 一覧を二八ページにかけて記載してございます。
 以上、簡単ではございますけれども、資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○両角委員 都民ファーストの会の両角みのるでございます。
 スタートアップ戦略二・〇が昨年十一月に公表をされました。この戦略に基づいて、来年度予算案には三百九十二億円が計上をされております。予算規模は今年度比でプラス一一〇%と、大きく増加をしております。
 先日の我が会派の代表質問や予算特別委員会の質疑でも、戦略二・〇の新たな柱であるグローバル、スケールアップに向けた新規事業を取り上げ、厳選された企業への徹底的な支援や大胆な資金供給など、積極的な取組が次年度予算に盛り込まれていることを確認しているところでございます。
 これまでも多くの事業を展開し、裾野の拡大や官民協働が広がってきたことが、こうしたスケールアップの取組につながってきたものと認識をしているところでございます。
 そこで、まず初めに、令和四年十一月に初めてスタートアップ戦略を策定し、令和五年度に新組織、スタートアップ・国際金融都市戦略室が設置をされ、様々な取組を進めてこられたわけでありますが、この間の予算額の推移について確認をいたします。

○片山理事 スタートアップ・国際金融都市戦略室発足以降、SusHi Tech Tokyoの開催やTokyo Innovation Baseの整備、官民連携ファンドの組成等の様々な施策を推進してきたところでございまして、昨年四月、スタートアップ施策に特化し、これを一層強力に推進するため、当本部が設置されたところでございまして、戦略二・〇の策定や各種取組の強化を進めているところでございます。
 令和五年度の予算額は、国際金融都市関係等の経費を含め約百六十二億円、翌令和六年度は二百七十九億円となってございます。来年度は、戦略二・〇に掲げるグローバル、スケールアップの取組を推進する経費など約三百九十二億円を計上してございます。

○両角委員 過去五年間のスタートアップ推進本部の予算額は、右肩上がりで大きく伸びてきております。
 こうした現状に対し、予算ばかり、じゃぶじゃぶつけているという批判的な意見もあるかもしれませんが、私は、スタートアップ関連の様々な都の取組を勉強させていただき、スタートアップ育成に必要な資金供給を行うファンド組成や、エコシステムづくりの土台となるTokyo Innovation Baseの整備、さらには、アジア最大のグローバルカンファレンスとなったSusHi Tech Tokyo開催などに必要な経費を確保し、施策を着実に進めるためのものであるということを理解いたしました。
 今が東京、そして日本のスタートアップにとって大変重要な時期であり、これまで培ってきたこの土台を生かして、さらなるスタートアップの飛躍につながる取組ができますよう期待をするところでございます。
 次に、公共調達と、東京のスタートアップエコシステムを支えるプラットフォームに成長いたしましたTIB並びにSusHi Tech Tokyoについて確認をしてまいります。
 まず、公共調達について伺います。
 公共調達は、スタートアップの事業活動に欠かせない売上げに直結するとともに、行政との取引が、その製品やサービスの信用につながるものでもあります。
 スタートアップの成長のために、都が率先をしてファーストカスタマーとなり、その製品やサービスを導入することは、大変意義があることだと考えております。
 都政現場でのスタートアップの官民協働件数も、当初五年で十倍という目標を一年で達成をし、現在は二〇二七年に五百件という、より高い目標を掲げ、公共調達が増加しつつあると聞いております。
 そこで、これまでの間、公共調達がどの程度行われ、どのような内容のものがあったのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 今年度は、第三・四半期までにスタートアップと三百十二件の協働が行われておりまして、アプリを活用した公共交通機関等における落とし物の登録、問合せフローの簡易化など、都民の利便性向上につながるものや、建築図面を基にAIを活用した家屋評価の簡易化など、業務の効率化を実現するものなどの事例がございます。
 これまでの間、令和五年度に百四十一件、六億円、令和六年度に二百五十五件、十一億円、合わせまして、約四百件、十七億円の公共調達が実施されました。

○両角委員 都で利用した製品やサービスは、政策目的随意契約の認定を受けますと、一定の期間、競争入札を経ずにサービスの購入ができるようになると聞いております。スタートアップ側からすれば、入札手続がなくなり、事務負担が大きく軽減することになります。こうした随意契約などにより公共調達が進むことは、スタートアップの信用力向上につながり、成長を加速させるという観点からも、良い取組であると考えております。
 行政課題は自治体共通のものも多く、スタートアップからの調達を増やすには、この取組を全国に広げていくことが重要です。
 都は、全国の自治体が認定をしたスタートアップの優れた製品等に係る情報を自治体間で共有し、公共調達を促進する仕組みを構築し、ファーストカスタマー・アライアンス事業として展開をしており、現在、二十二自治体が参加していると聞いております。
 本来、全国の自治体と連携した取組は、国が主体的に取り組むべきものと考えるところでありますが、現場を持つ都が率先して取り組むことは意義があることです。
 そこで、この取組の特徴と具体的な事例について伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本取組では、自治体認定製品をカタログ化し、相互に活用することが特徴であり、ある自治体が政策目的随意契約の認定をした製品を、簡易な手続で他の自治体も認定することが可能となる制度でございます。
 都でも、この仕組みを活用し公共調達促進につなげており、例えば、福岡市で認定された、災害時に少量の水だけで一週間以上光るライトは、都で五千個以上が導入され、他の自治体でも導入が進むなど、スタートアップの売上げ向上と信用力強化につながっております。
 本取組では、これまで十四件が成約に至っており、各自治体での導入が課題解決に結びついております。
 来年度も、参画自治体拡大や対象製品拡充に努めてまいります。

○両角委員 東京都が全国の自治体とファーストカスタマーを広げていく取組は、オールジャパンでスタートアップエコシステムを強化していくという観点から、大変意義あるものであると考えております。
 ところで、都では、都政現場の課題解決と海外展開支援を組み合わせたキングサーモンプロジェクトを実施していると承知をしております。
 そこで、このキングサーモンプロジェクトを来年度リニューアルすると聞いておりますが、どのように展開をしていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、来年度新たに、気候変動や防災などの社会課題をテーマに設定し、その解決につながる技術の実装に加えて、ディープテック企業の技術を用いた製品開発を支援いたします。
 さらに、都政現場など国内のみならず、海外での実証フィールドをさらに拡大し、グローバルでの成長をより強力に後押しいたします。
 プロジェクトの練り上げに当たりましては、スタートアップと事業会社、投資家などの様々な支援者が議論を重ね、より大きな社会的なインパクトの創出を目指してまいります。

○両角委員 行政だけでなく、企業など様々な主体を巻き込みながら社会課題を議論し、その解決に向けたプロジェクトを組成しようとするものであること、また、世界を視野に入れたものであることを確認することができました。東京のスタートアップが世界規模で通用する課題解決に取り組み、その存在感を高めていくことを期待したいと思います。
 次に、Tokyo Innovation Base、TIBについて伺います。
 都は、戦略二・〇において、TIBとSusHi Tech Tokyoを、エコシステムを大きく成長させるための土台として、新たな取組の柱に位置づけをしているというところでございます。
 私も先日、有楽町にあるTIBを訪問してまいりましたが、その日は、デジタル証券の普及をテーマにしたイベントや、オープンイノベーション創出に向けた企業向けのプログラムなどが開催をされ、館内には、スタートアップや大企業、金融機関、関係省庁の方など多くのプレーヤーが集まり、熱気を帯びた議論が交わされておりました。
 盛り上がりを大いに感じた視察でありましたが、TIB設立から二年がたった今、まずは、改めて活動の成果について確認をいたしたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBは、都内各地に形成された様々な拠点やエコシステムをつなぐとともに、全国、世界中から集まるプレーヤーが組織や地域の垣根を越えて交流し、イノベーションを生み出す場でございます。
 スタートアップの成長を後押しするイベントをこれまで千六百回以上開催し、来場者数は三十八万人を超えるなど、多くのプレーヤーが集い交流するプラットフォームとなっております。
 日常的に全国の自治体が地元の起業家とのマッチングイベントを開催するほか、世界各国の関係者が訪れ、活発な交流や意見交換が行われるなど、TIBを結節点とした大きなエコシステムの形成を進めております。

○両角委員 イノベーション関係者の結節点をつくるという目標に向けて、TIBが二年余りで、都内のみならず、全国、世界から多くのプレーヤーが訪れる拠点として成長しているということが分かりました。
 次に、TIBの今後の取組について確認をいたします。
 視察でも拝見をいたしましたが、イベント会場や交流スペースをはじめハード面の整備が完了し、学生のアントレプレナーシップ育成からスタートアップへの伴走支援、テストマーケティング、実証フィールドの場の提供などソフト面の支援プログラムもだんだんと充実してきているということを感じました。
 戦略二・〇では、TIBのプラットフォーム機能を土台に、あらゆる挑戦者を応援する結節点の実現に向けた取組を加速させていくとしております。
 そこで、来年度、TIBの活動をどのように展開をしていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 来年度は、裾野拡大の取組として、あらゆる領域で挑戦するプレーヤーを応援する場として展開し、例えば、子供から学生まで幅広く若い世代がアントレプレナーシップを育む取組を実施するほか、アートや音楽をはじめ表現者の方々の発信の場として提供するなど、様々な取組を予定しております。
 また、都が選定する将来有望なグロース期のスタートアップが、それを支援する投資家、支援機関等と交流し、学びを得る場としても活用するなど、グローバル展開を目指すプレーヤーの取組を後押ししてまいります。
 さらに、TIBの活動を都内各地に展開し、それぞれ強みとする領域と掛け合わせることで、イノベーション創出に向け取り組んでまいります。

○両角委員 特に、TIBの熱量の高まった活動を多摩地区など都内各地に展開し、その効果が波及していくことを期待させていただきたいと思います。
 次に、SusHi Tech Tokyoについて伺います。
 年に一回、世界中から人が集まる機会をつくり、東京、日本のスタートアップやエコシステムを世界にPRするとともに、東京にいながら世界のプレーヤーとつながることでグローバル市場での成長を後押しする、また、世界各地から新たな市場を求める優れたスタートアップを東京に連れてきてもらう。これまで日本になかった、こうした場を都がつくったものと理解をしております。
 過去三回の開催を通じて、SusHi Techの開催規模は拡大を続けてきており、アジア最大のイノベーションカンファレンスとなっているわけでありますが、公費を使って実施をするからには、しっかりと成果を上げていくことが重要であります。
 SusHi Techの開催は、新たな価値創造やビジネスチャンスにどう貢献をしているのか、これまでのSusHi Tech開催の成果を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年五月のSusHi Techには、百の国、地域から五万人を超える人々が参加いたしまして、数多くの大企業、海外都市、投資家などが会場に集まりまして、世界から東京のスタートアップやエコシステムへの関心を引き寄せ、成長につながる多くの出会いを生み出すことができました。
 出展したスタートアップへのアンケートの結果では、四割以上が出展により協業や資金調達につながったと回答しております。
 また、上場会社の時価総額に当たります調達後評価額につきましては、一昨年の出展スタートアップで把握できた約百社の合計額を比較いたしますと、一年半の間で千二百億円以上増加しております。

○両角委員 SusHi Techの開催により、東京のエコシステムのプレゼンスを高め、スタートアップの成長につながっているとのことでありました。また、ビジネスの場として大変有効であり、アジア最大のイノベーションカンファレンスとして効果を発揮しているということを理解することができました。
 この取組をさらに発展させるためには、スタートアップとの協業によりイノベーションを生み出す大企業などの参加をさらに増やしていくとともに、有効な商談に結びつける工夫や仕掛けを一層充実していくことが重要だと考えます。
 来月に迫ったSusHi Techにおいて、新たなビジネスをより多く生み出すために、開催内容をどのように充実させていくのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 四月のSusHi Techでは、前回の一・三倍となります六十社以上のコーポレートパートナーが参画するほか、成長領域でのイノベーション創出を目指すTIB CATAPULTでスタートアップとの協業に取り組む事業会社等が新たに参画するなど、大企業の集積という東京の強みを生かしまして充実を図っております。
 また、こうした大企業や海外投資家等との確度の高いマッチングを行うため、求める条件に合いましたスタートアップを選んだ少人数での交流会を会場内で十回以上開催いたします。
 さらに、AIが自社に合った企業を推薦するアプリの機能や、商談スペースの大幅な拡充などによりまして、質、量の両面から商談機会を充実させてまいります。

○両角委員 TIBとSusHi Techの二大プラットフォームに関して、これまでの成果と今後の取組について質疑をしてまいりました。
 行政がまず取り組むことで、様々なプレーヤーが集うエコシステムが形成されてきたことを評価いたします。
 一方で、今後、このプラットフォーム上により多くの民間のプレーヤーが集まり、民間が中心になってエコシステムがさらに拡大していき、持続可能で発展的な仕掛けとしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップによるイノベーションを生み出すため、行政が中立性を生かして旗振り役を担うことで、多様な支援者が組織や地域の垣根を越えて連携し、大きなエコシステムの形成に取り組んでおりまして、TIBは立ち上げ段階から多くの民間のキーパーソンが、SusHi Techでも経済団体やスタートアップ支援団体が企画、運営に携わっております。
 戦略二・〇に基づきまして、この二つのプラットフォームを生かし、全国の自治体と連携した公共調達の推進、有望な企業への官民一体の集中支援、大企業のオープンイノベーションなど、より一層民間の力をいただきながら、みんなでつくる、みんなで進める取組を推進してまいります。

○両角委員 民間企業等の巻き込みを一層強化することで、都が支援をするというよりも、国内外のエコシステムプレーヤーが、TIBやSusHi Techを舞台としてスタートアップや多様な挑戦者を支援していくといった理念を着実に実践し、持続可能なものとして取り組んでいっていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○山崎委員 中東をはじめ世界の情勢は急激に不安定化しつつあり、社会が直面する課題は困難度を増しております。
 そうした中、東京、日本が安全で安定した社会の下、新たな技術やサービスを生み出し、社会のさらなる発展につなげていく、都がそれを先導していくことがますます求められるようになっていると考えます。
 スタートアップ戦略推進本部の来年度予算案には、世界で活躍するスタートアップを育てるため、民間と連携した徹底的な支援や、資金供給の大きな流れを生み出すための新規ファンドの組成など、昨年十一月に公表された戦略二・〇に基づく大胆な取組が盛り込まれております。
 スタートアップ支援の取組を加速化させ、社会、経済に貢献をし、世界の市場を目指し、飛躍的に成長するスケールアップ企業を育てていくという都の決意の表れと理解をしております。
 かねてより私は、東京の成長が地方を含めた日本経済全体の成長につながると主張し、そのためにも、しっかりと勝ち筋を見いだし、狙いを絞り込んで集中的に取組を進めることが必要であると提案をしてまいりました。
 さきの我が党の代表質問においても、成長を目指す戦略分野への集中的な支援を展開する、国とも議論と連携を深め、スケールアップ企業を生み出し、東京、日本を輝かせるとご答弁がありました。
 国と都の成長戦略の目線合わせは、これから編成される国との協議体において大きな方向が議論されていくものと考えておりますが、スタートアップ施策についても、担当者間での意思疎通が重要だと私は考えております。
 スタートアップ施策について、これまで国とどのような議論を進めているのか、確認をさせてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 先月、国のスタートアップ政策推進分科会を担当する内閣官房等の関係省庁と経済団体、大学、都のスタートアップフェロー等が集まり、戦略二・〇の推進や成長につながるイノベーションの取組等について議論を開始いたしました。
 世界市場で戦える企業を育てるのに何が必要か、グローバル人材が集まる東京の特徴をどう生かすか、大学等の基礎研究を生かしたディープテックスタートアップをスピード感を持って育てるかなどの意見を交わしたところでございます。
 引き続き、国や関係団体、エコシステムプレーヤーとの意見交換の機会を設け、成長分野を見定め、東京から大きく育ち、世界で活躍するスケールアップ企業を生み出すために、必要な施策を展開してまいります。

○山崎委員 国と都での議論に加え、経済団体や大学など様々なスタートアップ関係者も巻き込んで議論を開始したという答弁でありました。
 東京には、世界とつながる大企業や高度人材の集積、高い研究力を有する大学や研究機関が数多く立地するという強みがあります。そして、海外に対する日本の玄関、窓口となる首都としての役割も併せ持つわけであります。
 こうした強みや役割の下、都が日本全体を牽引していくためには、どの分野が勝ち筋か、どの分野に注力するかをただ議論するのでは十分ではなく、スタートアップの支援策や重点分野に対しての具体的な取組を関係者と共に考え、実践していくことが重要であります。 来年度、国との強力な連携の下、しっかりと結果につながる施策を形にしていくことを求めておきます。
 次に、有望な企業への投資の呼び込みについて伺っていきます。
 都は来年度、戦略的成長分野を中心に、スケールアップを強力に後押しする二つのファンドを組成することとし、二百億円の予算を計上しております。
 行政として大変挑戦的な取組でありますが、一方で、スタートアップをこれまでにないスピードと規模で成長させていかなければならないことや、世界での投資活動のスタンダードを考えると、この額でもまだまだ十分ではないのではという声もあります。
 そこで、都が出資する二百億円をきっかけに、有望なスタートアップに投資する規模をどのように大きくしていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇の策定に向けエコシステムプレーヤーと議論を重ねる中で、ディープテック等の成長分野で世界に挑むスタートアップに対する重点的な資金供給が必要であるという課題意識を、多くの関係者と共有いたしました。
 これを踏まえ、来年度、スタートアップの飛躍的成長を後押しする総額五百億円規模の官民連携ファンドを組成いたしまして、これを呼び水に民間VC等を巻き込み、数千億円規模のファンド群、SusHi Tech Global Fundsを形成いたします。
 理念に共鳴する投資家と共に、注力すべき成長分野等の共通認識を図り、スケールアップ企業を生み出す機運を醸成することで、イノベーション創出や都市課題解決を牽引する企業への大胆な投資の流れをつくり出してまいります。

○山崎委員 都が組成する官民連携ファンドだけでなく、これを呼び水に民間等のファンドも束ねて、大きな資金の流れを都が先導してつくり出していくということであります。
 欧米の企業は、大規模な資金力を武器にグローバル市場で戦ってきます。これらの海外勢との競争を勝ち抜くためにも、東京のスタートアップにとって、その原動力となる資金の確保が重要であることはいうまでもありません。
 民間投資家の参画を強く促すことで、あるいは国のファンドの参画を得ながら、SusHi Tech Global Fundsの規模を拡大し、海外のマーケットで勝てる有望なスタートアップを数多く育てていってもらいたいと思います。
 こうした資金の流れをつくり出していく上で、東京、日本のエコシステムの強さを世界の関係者にしっかり伝えていくことも重要であります。そのためには、海外の投資家や支援者に、東京、日本のスタートアップの製品、そしてサービスがどのようなものなのか、どのような企業が成長しているかを具体的に知ってもらう必要があると考えます。
 私は、昨年の第四回定例会での本委員会の質疑において、スタートアップが経済成長や雇用の創出にどれだけ寄与しているか、客観的なデータを見える化し、分かりやすく発信していくことが重要であると主張をしてきました。
 さらに、さきの予算特別委員会では、都がスタートアップのデータベースの構築を進めており、来月のSusHi Techでこれを発信する、また、周辺自治体との連携や全国との共有を行うなどの具体的な答弁がありました。
 こうした取組により、都が全国のためにしっかりと汗をかいていくことも大事な役割であると考えます。
 スタートアップの成長に向け、国や他自治体等々を巻き込みながら、世界に向けて発信をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本年度開始したデータベースを充実するため、東京周辺の自治体や大企業、大学等で構成するコンソーシアム全域でのスタートアップデータベースの情報掲載に向け、関係自治体との調整を先月開始いたしました。
 また、海外投資家等が利用するグローバルデータベースと連携し、東京や周辺自治体等のスタートアップの製品やサービス情報、投資額、企業価値等を発信してまいります。
 世界的な展示会等の場を活用し、こうした情報を積極的に発信するとともに、東京のスタートアップと共同で出展することで、エコシステム全体をPRし、東京、日本への成長投資につなげてまいります。

○山崎委員 本日の質疑を通じて、社会、経済に貢献をし、世界の市場を目指し、飛躍的に成長するスケールアップ企業を生み出すに当たり、都が、国や他の自治体、民間等と連携をして取り組んでいくことを確認させていただきました。
 世界から見て、日本のスタートアップはまだまだ小さいが、逆にいえば大きな伸び代がある、そういったこともいえると思います。都には、その成長に向けて、まさに日本の先頭に立って取り組んでいっていただきたい。来年度予算案に盛り込んだ各事業を推進し、実現へとつなげていくことを強く期待しておきます。
 最終形は、やはりスケールアップ企業がしっかりと生み出し、それをずっと継続をしていく。この継続をしていくということが、大変私は重要だと考えております。
 ぜひ各事業の推進をしっかりと実現をして、来年度、またその次の年と、どんどん成長させていくためにも、しっかりと私たちも後押しをしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをさせていただいて、私の質問を終わります。

○三雲委員 三雲です。
 新規事業でありますSusHi Tech Global Funds及びSusHi Tech Globalプロジェクトについてお伺いをします。
 SusHi Tech Global Fundsについては、昨年、戦略二・〇をご説明いただいた際には、官民連携ファンドの予算見込みは百億円というお話を伺っておりました。
 今回の予算案では二百億円に倍増されておりますけれども、その目的と、倍増を決定するに至った検討の経緯を教えてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年十一月の当本部の予算要求時には、スケールアップ期の企業を資金面から支援するファンド組成のための出資額百億円を計上いたしました。
 その後、戦略二・〇で、戦略的成長分野への大胆な資金供給を行うためのファンドプラットフォーム形成の考え方を打ち出し、その具体化に向け検討を進め、今年一月の都の予算案におきまして、その呼び水となるファンド組成のための出資額二百億円を計上いたしました。

○三雲委員 ありがとうございます。
 ファンドプラットフォームを形成する目的で今回組成する二つのファンド、それから、これまで組成してきた官民連携ファンドに加えて、SusHi Tech Globalの理念に共感し、資金供給するファンドを認定する、こういったことなんですけれども、これは、どういった基準で、どの程度の数のファンドを認定する予定なのでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 海外市場に果敢に挑戦するスタートアップを応援するという都の理念に共鳴し、資金供給を行うファンドを認定の対象といたします。
 より多くの参画が得られるよう幅広く公募した上で、専門機関の調査や有識者を交えた審査を行い、事業の趣旨に即したふさわしいファンドを認定いたします。

○三雲委員 ありがとうございます。
 あまり具体的な基準というものをお聞きできなかったので、スタートアップを応援する理念に共鳴し、資金供給を行うファンドを認定の対象とするというふうなことですけれども、これは、都側にとって認定をするメリット、そしてファンドにとって認定を受けるメリット、さらにスタートアップにとって認定されたファンドが存在する意義というものは、それぞれ何なのでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 都としては、サステーナブルな社会の実現に挑むグロース期のスタートアップを支援し、東京から大きく育てていくという理念に共鳴する民間ファンド等を呼び込むことで、海外展開を目指す有望なスタートアップに対する大きな資金の流れをつくり出すことが可能となります。
 また、認定ファンドに対しては、都が支援するスタートアップ等に関する情報提供を積極的に行うことなどによりまして、新たな投資先の開拓や都の施策との相乗効果の創出等につなげていただくことを想定しております。
 海外市場に果敢に挑戦するスタートアップにとっては、これを応援するという理念に共鳴する様々なプレーヤーが集うことで、スケールアップを後押しする大きな投資の流れをつくり出すことができるものでございます。

○三雲委員 続いて、SusHi Tech Globalプロジェクトについてお伺いします。
 SusHi Tech Globalプロジェクトでは、成長加速プログラムで五十社を対象に一社当たり上限二億円、グローバル×スケールアッププログラムでは五社を対象に一社当たり上限十億円、そうしたサポートがあるということですけれども、このサポートの具体的な内容、そして仕組みについてご説明ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Globalでは、サステーナブルなテクノロジーで世界市場に挑戦する有望企業を選抜し、集中支援するものでございます。
 選抜された企業の中からグローバル展開のタイミングにある企業を厳選し、各社最大二億円の成長加速プログラムで、海外での実証プロジェクトや市場開拓等をサポートいたします。
 さらに、同プログラムを経たものの中から、売上げなどから成長状況を確認し、さらなる成長を期待される企業をえりすぐり、各社最大十億円で、海外での量産体制の構築などの大型プロジェクトを支援いたします。
 各プログラムにおきましては、企業ごとにマイルストーンやKPIを設定し、その達成状況を勘案してサポート資金を交付することとしております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 海外に出ていくときの実証プロジェクトであるとか市場開拓をサポートする、さらに海外での生産体制、量産体制を構築する、こうしたところにお金が必要だろうというところで巨額の支援が必要になってくるんだろうというふうに思いますけれども、東京のスタートアップエコシステムを構築するに当たって、SusHi Tech GlobalプロジェクトとSusHi Tech Global Funds、この二つの取組がどういう形で連携して機能するのか、その点についてご説明をお願いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 両事業はともに、世界に飛躍するスケールアップ企業を生み出すことを目的としたものでございまして、これらを車の両輪として、支援者や投資家などの多様なプレーヤーと一体となって取組を進めてまいります。
 SusHi Tech Globalに選抜されたスタートアップそれぞれの事業内容や強みなどについて、認定ファンドを含むSusHi Tech Global Fundsに参加するファンドに対し、積極的に情報提供を行ってまいります。
 また、認定ファンドの投資先企業に対し、SusHi Tech Globalの取組を紹介することで、支援プログラムやサポート資金の活用につなげてまいります。
 こうした事業連携を通じまして、関係者の総力を合わせてスケールアップ企業を支援する新たなエコシステムを構築してまいります。

○三雲委員 ありがとうございました。
 SusHi Tech Globalプロジェクトでは、百社から百五十社の、そうした程度のスタートアップに対して支援プログラムを提供するということですので、相当数の企業情報であるとか、あるいは、その強みに関する情報がファンドの方に提供されていくということになると思います。それを基にして、またファンドの側がこうした企業を支援することができると。スタートアップ企業の成長を支える投資環境、資金調達環境が着実に構築されるということを狙っている事業だということが分かりました。今回質問した二つの事業が適切に連動するように、しっかりと働いていただきたいというふうに考えております。
 今後の事務事業説明であるとか決算審査の際には、そうした成果についてもお伺いしようと思います。以上です。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 まず初めに、官民協働の取組について伺います。
 都は、ファーストカスタマーとして、優れた技術やアイデアを持つスタートアップとの協働を積極的に進め、都政現場における様々な課題の解決を図り、都民生活の向上につなげており、官民協働の取組も着実に進んでいるものと認識をしています。
 スタートアップの製品やサービスを行政が率先して活用することにより、信用力や信頼性の向上につなげ、その成長を後押しすることは大変重要なことであるというふうに考えます。
 都民サービスの向上や行政の効率化のため、スタートアップの革新的な製品、サービスを効果的に活用し、都政課題の解決につなげていくには、実証実験の場が求められます。
 そこで、都が保有するインフラ施設や各種データを活用し、実証実験の場として大胆に開放する取組を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 スタートアップと都庁各局の現場職員が対話を重ねながら課題解決を図るプロジェクトでは、オーダーメードでサービスをつくり上げ、一定期間、都政現場において実証を行い、課題解決につなげております。
 都政の幅広いフィールドを生かしまして、実証の場をこれまで以上に広げるため、庁内横断組織、Team Tokyo Innovationを通じまして、各局との日常的なコミュニケーションやヒアリング等の中で、相談受付や協働事例の共有、協働が進んでいない現場の課題の掘り起こしを行っております。
 こうした課題を通じまして、二〇二七年度の官民協働目標件数五百件に向けまして、都民生活の向上につながるスタートアップ製品の活用を全庁に広げてまいります。

○いいだ委員 次に、来年度から新たに開始をする課題即応型官民協働ブーストアップ事業について伺います。
 この事業は、都政課題の解決に向け、随意契約の枠組みを活用してスタートアップのサービスを迅速に導入するという、スピード感がある非常に良い取組だと思います。
 喫緊の課題というものは、いつ起こるか分からないものです。例えば暑さ対策のように、その解決にスタートアップの製品を各局で導入しようとしたとき、たくさんの数の導入に見合う予算がないといったようなことも、そもそも、どういうプロダクトを入れればよいのか分からないといったようなこともあるのではないでしょうか。
 そういった事態に対応することができるよう、スタートアップ戦略推進本部が率先してサポートをしていくことにより、しっかりと都民に届けることができるようにすることが大切だと私は考えます。
 そこで、突発的に発生した課題に臨機応変に対応できるよう、本事業ではどのような仕組みを設けているのか、お伺いします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 本事業は、製品として完成し、提供体制が整っているものなどを活用し、迅速な検証を行った上で都政現場へ速やかに導入することで、課題解決につなげていくものでございます。
 製品を複数箇所で大規模に導入する場合などは上限三千万円、一部の現場に小規模のサービス等を導入する場合などは上限二百万円と、二段階の枠を設定いたしまして、あらゆる場面に機動的に対応してまいります。
 突発的な課題に対応できるよう、通年で課題を受付いたしまして、当本部が都政現場の課題抽出から製品等の導入まで一貫してサポートしてまいります。

○いいだ委員 都民の暮らしを豊かにしていくためにも、都政現場で起こる突発的な諸課題に着実に対応していくことが必要です。本事業を有効に活用して、スタートアップの技術やアイデアを存分に生かし、課題解決を図っていただくとともに、スタートアップの成長につなげていってもらいたいと思います。
 そして、このような機会を生かして成長軌道に乗った企業をグローバルに飛躍をさせ、東京のスタートアップの存在感を示していくことが重要となります。
 サステーナブルな社会の実現に挑むスタートアップに対し、海外での大型プロジェクト等を支援するSusHi Tech Global事業は、東京のプレゼンス向上にすばらしい貢献が期待をされます。
 そのような中、海外展開には、現地の法規制や知的財産リスクなどが大きな障壁として立ちはだかっております。
 資金や成長サポートはもちろんですけれども、海外法務に精通した専門家によるリーガルサポートや知財戦略支援をプロジェクトの根幹に組み込み、強力に支援するべきです。都の見解を求めます。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、選抜企業に対して、各社のニーズや状況に即した支援を、国内外の投資家や支援機関などと連携して提供していくこととしております。
 海外展開に当たっての現地の法規制対応や知財戦略等について、グローバルビジネスに明るい弁護士等と連携し、進出先での法規制上の課題や手続への対応、現地商習慣に関するマインドセットなど、幅広いサポートを実施していく予定でございます。
 各社の課題やニーズをきめ細かく把握し、専門ノウハウとネットワークを持つ支援者と共に有効な支援策を練り上げ、グローバルな成長を後押ししてまいります。

○いいだ委員 海外展開に向けては、思わぬ障壁に直面することが少なくないです。餅は餅屋という言葉のとおり、適切な専門家を巻き込みながら効果的な支援を構築していくことが重要でありますので、引き続き、このような取組を着実に進めていってもらいたいと思います。
 次に、グローバルとの交流深化についてですが、世界各地の支援機関と連携をし、東京のスタートアップを海外派遣する本事業は、グローバルなネットワーク構築に大変有意義であります。
 しかし、東京の国際化には、内からの刺激も必要です。
 派遣するだけでなく、海外の優秀な起業家やスタートアップを東京に受け入れ、国内企業と交わるリバースプログラム的な支援をもっと強化して、東京のエコシステム自体の多様性を高めるべきですが、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、海外の有力支援機関等と連携し、東京のスタートアップを海外へ派遣するとともに、有力な海外スタートアップを東京に受け入れることで、双方向での交流の活性化を図るものでございます。
 このうち海外からのスタートアップの受け入れに当たりましては、東京に集積する大企業や投資機関等とのマッチングをサポートするとともに、国内スタートアップとの合同ピッチイベント等を開催し、知見、ノウハウの共有や協業につながる機会を提供してまいります。
 来年度は、まず、二つ程度の地域から受け入れ、このような取組を積み重ね、東京のエコシステムのグローバル化につなげてまいります。

○いいだ委員 このような取組の成果は一朝一夕に実るものではありませんけれども、積み重ねていくことで東京のエコシステムのグローバル化は進んでいくはずでありますし、国内スタートアップのグローバルマインドも高まっていくものと思います。東京を訪れた海外スタートアップはもちろん、国内の企業側にも満足してもらうよう、取組を進めてもらいたいというふうに思います。
 また、スタートアップのグローバルな成長には、資金の流れを生み出していくことが重要であります。来年度、都は、百億円を出資して、グローバルと戦略的成長分野をテーマとしたファンドを組成するとのことであります。スケールアップを強力に後押しをするため、官民連携ファンドを新たに組成する本事業は、東京発のメガベンチャー創出に向けた すばらしい事業だと思います。
 しかし、投資先が一部の最先端テクノロジーに偏ってしまうのではないか、こういった懸念があります。
 都の公金を投入することから、防災や高齢者福祉など、都民の身近な生活課題の解決に直結するようなソーシャルインパクトを重視した投資活動を行うことを明確にすべきだと思いますが、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 今回新たに組成するファンドは、戦略的成長分野におけるスタートアップのグローバル展開を資金面から後押しするものでございまして、投資対象には、防災や医療など都民の安全・安心の確保や豊かな暮らしにつながる領域も多く含んでおります。
 本ファンドの運営事業者の選定に当たりましては、投資先企業の成長や都民生活の質の向上につながる技術の実装に向けた戦略等を外部有識者を交えて審査し、優れた提案を行った者を採択いたします。
 ファンド組成後は、投資先の製品、サービスが社会課題解決につながった成果を確認し、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信してまいります。

○いいだ委員 ここまで、官民協働の取組やグローバルな成長につなげる取組など、来年度のスタートアップ施策に関する質疑を行ってまいりました。
 サステーナブルな社会の実現に挑むスタートアップの成長を支援していくことは、都民の豊かな暮らしの実現につながる重要な取組であります。今後もしっかりと推進していくことを期待して、私の質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 来年度のスタートアップ推進本部の予算を見てみますと、戦略的成長分野のスケールアップを強力に後押しするとして、新たに二百億円もの巨額を投じ、二つの官民連携ファンドを組成するなど、予算は二倍以上に膨れ上がるとされています。
 技術革新を含めて、様々な人類の英知が発展していくことが人々の暮らしを豊かにしていく、そういうことはとても大事だというふうには思います。また、民間企業、経済界が自主的に様々なイベントを開いていくことはあると思うんですけれども、一方で、都内の中小企業や商店街がこれだけ厳しい状況にある中で、なぜスタートアップにこれほどまで偏って巨額の予算をつぎ込むのかという問題があります。その根拠や実態について質問していきたいと思います。
 スタートアップ企業の定義を、法律や条例上で明確に示してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップは、革新的な技術やアイデアを用いて人々の暮らしを豊かにする製品やサービスを創出し、大きな成長を目指す企業でございます。
 法令上の定義はございませんが、経済産業省の公表資料におきましても、スタートアップとは、一般に、新しい企業であって、新しい技術やビジネスモデルを有し、急成長を目指す企業とされております。
 これらの企業の成長を、行政だけでなく関係者と共に後押しし、その製品、サービスが全国、世界に広がり、社会課題の解決につなげてまいります。
 こうした取組を通じまして、経済成長や雇用の創出、人々の暮らしや生活を豊かにし、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

○藤田委員 つまり、スタートアップ企業には法令上の定義はないということでした。例えば、国の中小企業基本法とか、東京都では中小企業・小規模企業振興条例がありますけれども、そこには中小企業という定義は明確に書かれていますけれども、スタートアップ企業という定義はどこにもないんですね。税金を投入する以上は、何を対象にするのかという明確な基準が必要です。
 本来、自治体は、特定の企業だけに支援をするということはできませんので、税金を公平に使うためには明確な基準が必要です。ところが、スタートアップには、そうした行政として当たり前の基準すら存在しないのに、特別な部局までつくられ、年々、予算が増やされているということです。
 一方で、急成長を目指す企業であればどこでもいいのかということでは、そうではないんだと思うんですね。じゃあ、誰が一体、その急成長を判断して巨額の税金の行き先を決めるのか、これを明らかにする必要があると思います。
 そこで伺います。海外発展を視野に、今後急成長が見込まれるスタートアップを選抜するとしているんですけども、急成長が見込まれると判断するのは誰ですか。どのように判断するのですか。

○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Global Startupsの選定に当たりましては、スタートアップビジネスに精通する大学教授や支援機関、投資家、VC等の有識者の知見により、社会的インパクトや事業の革新性等を見極め、有望な企業を選抜しております。

○藤田委員 今のお答えの中に東京都が入っていないんですね。つまり、投資先を選ぶのは東京都ではないということです。
 そもそもベンチャーキャピタルとは、経済産業省の、我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項の資料によりますと、株式の売却益などを得ることを目的とする投資会社と説明されています。選抜基準が利益があるかどうかである以上、審査に大学教授が加わったりとか、東京都も意見をいうことができる機能もあるようなんですけれども、そうだとしても、結局は投資家がもうかる企業を選ぶという出口は変わらないということです。
 企業側がどんなに現場の実態に見合った事業を行っていても、投資家などがその事業に対して、これはもうかるなと判断できなければ、支援対象にならないということなんです。 都民の税金が投資家の利益追求に丸投げされているという構造的な問題だと指摘したいと思います。
 次に、スタートアップの実態を都はどのように把握をしているのか、伺いたいと思います。
 都内のスタートアップ企業の設立数と、廃業の現状、つまり生存率ですね、これも説明してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 民間のスタートアップのデータベースによれば、二〇二四年の都内の新規起業数は約七百七十社となっております。
 スタートアップの廃業率や生存率に関する統計はございません。

○藤田委員 投資家などのVCに選抜は丸投げするけれども、そのスタートアップ企業たちがどうなっているのかの実態は把握していないということです。なぜ実態も把握せずに支援だけはどんどん加熱をしていくのか。その狙いは、財界の動きを見ればよく分かります。
 経団連が発表したスタートアップ躍進ビジョンの提言には、大企業によるスタートアップのM&Aを促進すると明記されています。さらに、経団連の幹部や大企業のトップたちも、経済誌のインタビューなどで、自分たちで一から開発する自前主義からの脱却や時間を買うためのM&Aだと、公然と語っています。スタートアップを大企業に取り込むことを推奨しているんです。
 この財界、大企業の本音は、国の資料でも裏づけられています。経済産業省の大企業×スタートアップのM&Aに関する調査報告書では、日本の大企業が抱える課題として自前主義の傾向が強いと指摘した上で、スタートアップのM&Aを積極的に進めることを国の方針として明確に打ち出しています。
 つまり、財界、大企業は、自前の研究開発などをスタートアップにやらせることで、いわゆるリスクの外部化を図ろうということです。自分たちはリスクを回避して、行政に税金でスタートアップの企業を育てさせて、使えるようになった技術やアイデアだけを安く買収し、自らのもうけの道具としてスタートアップ企業を消費していくということだと思います。
 スタートアップ支援の本当の姿とは、形を変えた財界、大企業への支援にほかなりません。これが知事のいう国際競争力の実態だと思います。
 Global Innovation with STARTUPSで掲げられている、規制緩和や特区制度を活用し、海外の高度人材を呼び込む規制緩和を実現するとしておりますけれども、この規制緩和とは具体的にどのような緩和なのか、説明してください。
 また、都として行っている優遇はどのようなものがあるのか、具体的に説明してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 令和四年十一月のスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPS策定以降、グローバルなイノベーション創出につなげる規制改革提案を行っております。
 例えば、世界トップクラスの大学の新卒生等に対して、就職活動や起業準備活動を行うためのビザ要件の緩和や、スタートアップの技術展開に向けて、社会課題解決や都民の暮らしを豊かにするサービスの提供につながるワイヤレス給電の普及促進に向けた電波の減衰規制の緩和などの提案を国に対して行っております。

○藤田委員 都は、スタートアップのビジネスをしやすくするために、もっとやれと、さらなる規制緩和を国に要望しているんです。
 さらに、都は、戦略二・〇の中で、行政がファーストカスタマーとなってスタートアップの製品を公共調達するとしています。つまり、行政がスタートアップ製品を都民の税金で買い支えるということです。まさに特別扱いだと思います。
 税金を使って特別扱いをする理由として、都はよく社会課題の解決をスタートアップ支援の口実にしていると思うんですね。
 例えば、これは東京都が数年前に、デジタル技術を活用した次世代福祉人材の確保ということで、スタートアップによる都政課題の解決とやって、次世代の人材確保や福祉の仕事における社会的評価向上につながるアイデア、サービスを募集しますとしているんですね。大事なことだと思うんです。若い方たちに福祉の仕事は本当に魅力的だよということを伝えるのは大事なんですが、なぜこれはスタートアップ企業にこういうアイデアを募集するのかと。
 小池知事が会見で直接、こんなにすてきな仕事なんだから、ぜひ皆さん介護の仕事を見に行ってください、教育庁も一緒に、社会科見学として学校から福祉現場を見に行くとか、やっていけばいいと思うんですね。何でスタートアップ企業にこのお願いをするのかと。
 さらにいいますと、介護現場の深刻な人材不足の根本原因は、圧倒的な低賃金、そして苛酷な労働環境にあるんです。だったら、東京都がやるべきは、介護現場で働く方々の処遇改善に直接財政支援を行うことだと思うんです。
 スタートアップ企業に何億円もかけてやるのは、しかし、時間もかかるし、直接的でもないし、課題解決といっても、現場の皆さんの今の深刻な実態には見合わないと思います。そのことを強く指摘したいと思います。
 目的のすり替えをしてスタートアップ企業を育てさせるということでは、現場の実態に合わないと思います。目的は大企業のもうけだということだと思います。急成長が見込めれば、どんな投資先でもいいのかということにも懸念が残ります。
 次に、イノベーション創出に向けた投資戦略として、国の十七の戦略分野なども踏まえて集中投資するとされています。これはどういう意味か、説明してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、社会、経済に貢献し、世界の市場を目指し、飛躍的に成長する企業を官民の力で育てていくことを示すため、グローバルとスケールアップにフォーカスするとともに、スタートアップの革新的な技術やサービスにより、都民の豊かで便利な暮らしや持続可能な社会の実現に向け、取組を加速することとしております。
 未来を見据えた成長戦略を進めるため、スケールアップを生み出すイノベーション創出に向け、国の十七の戦略分野等も踏まえ、みんなで議論し、戦略二・〇に掲げる様々な取組を推進してまいります。

○藤田委員 投資戦略において、大きな問題だと思うんですね。国の十七の戦略分野なども踏まえるとしている点です。
 そもそも国が定めた十七の戦略分野には、明確に防衛産業も組み込まれているんです。もうかれば防衛産業もいいのかというふうに、本当に疑問に思います。そこには、アメリカなどとの連携を図り、防衛産業をさらに強化するための施策について検討し、具体化するとまで明記されています。
 十七の戦略分野そのものの中にも防衛産業が組み込まれていて、そこには、アメリカなどとの連携を図り、防衛産業をさらに強化するための施策について検討し、具体化するとまで明記をされています。
 もう一回、お聞きしたいのですが、防衛産業に関連するスタートアップも、これも投資先になる可能性があるということでしょうか。伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇にも掲げておりますとおり、東京には、AIやロボティクス、フードなど様々な強みがございます。こうした東京の強みを生かし、都民の豊かな暮らしやサステーナブルな社会の実現につながる分野への取組を加速してまいります。
 また、スタートアップは、先ほどご答弁申し上げましたとおり、革新的な技術等で人々の暮らしを豊かにする製品やサービスを創出し、大きな成長を目指す企業でございます。これらの企業の成長を、国や民間企業とも連携して後押しし、製品やサービスが全国、世界に広がることで社会課題の解決につなげ、経済成長や雇用創出、人々の生活を豊かにし、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

○藤田委員 防衛産業が投資先になる可能性があるのかないのかを伺ったんですね。入らないとおっしゃらないので、ちょっとこれ、重大だと思うので、もう一回確認したいんですが、都民の暮らしを豊かにすることと戦争は、本当に相反することだと思うんですね。でも、国の戦略の中には防衛産業も入っているんです。
 防衛産業もいろいろありますよ。ドローンとかAIの技術とか、サイバー攻撃から身を守るにはどうするかとかあると思うんですが、じかに今、世界でこれだけの戦争が広がる中で武器の輸出などもどうするのかということで、今、日本の在り方も問われています。そうなれば、あ、武器がたくさん使われているな、売れるなと思ったら、そういう企業が出てくるかもしれない。そういう企業も投資先になるのかということが懸念されるわけです。
 もう一回、伺います。防衛産業も投資先になる可能性はあるんですか、ないのですか。イエスかノーでお答えください。

○小澤イノベーション推進担当部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、戦略二・〇にも掲げておりますとおり、東京には、AIやロボティクス、フードなど様々な強みがございます。こうした東京の強みを生かして、都民の豊かな暮らしやサステーナブルな社会の実現につながる分野への取組を加速していくこととしております。

○藤田委員 強みの中にあるAIも、戦争に使われる可能性は幾らでもあるわけです。防衛産業も入っています。今、防衛産業は入る可能性があるのかないのかということに対して、否定はされませんでした。重大だと思うんです。
 今、アメリカ・トランプ大統領による無法な先制攻撃で、世界中で戦禍が広がっています。裏では、戦争の備品の製造や武器の開発、製造をする企業が急成長していることだと思うんです。
 国の戦略分野も踏まえてということは、政府が推し進めている大軍拡や、日本が武器やそれに準ずる装備品を積極的に輸出する体制づくりに対しても、東京都のスタートアップ政策も完全に連動して、都民の税金で資金面から加担するということにつながる可能性があるわけです。平和を脅かす大軍拡や死の商人となる武器輸出への加担なども、断じてあってはなりません。
 スタートアップ支援の根底にあるのは、経団連などの財界が求める成長戦略であり、大企業のもうけを税金で応援するという、ゆがんだ仕組みです。大企業の利益や防衛産業を後押しするような税金の使い方を改めて、都民の命と暮らし、中小企業の営業を直接支援する施策にこそ全力を尽くすべきと申し上げて、質問を終わります。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたです。
 スタートアップは、将来の所得と財政を支える重要な存在です。世界一スタートアップフレンドリーな東京を実現することは、現役世代の支援にもつながります。
 我々の会派は、資金や技術だけでなく、人材がエコシステム内でしっかりと循環する環境づくりと、それにより雇用や所得といった観点でも事業の効果検証を進めていくことの重要性を予算特別委員会でも訴えました。
 そうした中、都と協業した企業の雇用や資金調達の状況を見える化すると知事より答弁をいただき、時宜にかなったものだと前向きに受け止めております。
 そこで、改めて、この取組の意図や、来年度どのように活用し、スタートアップ支援の効果を都民に示していくか、お伺いします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都は、東京のスタートアップエコシステムの広がりや成長状況を効果的に示すため、都と協働したスタートアップの雇用数や資金調達の状況等を集約し、見える化する取組を今年度開始しております。
 来年度、こうして集約した情報をダッシュボードとしてTIBのホームページに公開し、広く都民に発信するとともに、周辺自治体との連携も強化してまいります。
 また、海外投資家等の活用するグローバルデータベースと連携し、海外への情報発信を強化し、スタートアップの成長にもつなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。この後も、この令和八年度の事業についてご質問させていただきますが、イベントの参加人数だとか協業した企業の数など、スタートアップ戦略推進本部がスタートアップの裾野を広げる取組にこれまで大いにご尽力されてきたと認識をしています。今回、このスタートアップ戦略二・〇が制定されてグローバル×スケールアップにフォーカスをしていく中で、今後は、より一層、資金調達などの成長状況や、その先にある雇用や所得もしっかりと効果検証を進めていただきたいと思います。ぜひ早期に見える化を実現していただいて、各事業の成果を広く都民に、また世界に発信をいただくようお願いをしたいと思います。
 次に、スタートアップの事業化の課題について質問します。
 スタートアップ先進国のアメリカと比べて、日本は、特許出願数に対してスタートアップ設立数が少ない傾向にある、技術シーズがあるにもかかわらず、それが事業化につながっていない可能性が指摘されています。
 こうした課題を解決するために、都が分野特化型カンパニークリエーション創出支援事業として、VCが研究シーズを基にスタートアップを創出するための有効な手段といわれているカンパニークリエーションを定着させるための取組をすることは適切だと考えます。
 この事業は、創薬分野においてカンパニークリエーションのモデルケースを創出することが目的であると認識しています。
 そこで質問いたします。このカンパニークリエーションのモデルケースを創出するに当たって、なぜ創薬分野での実施としたか、狙いを伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 カンパニークリエーションは、ベンチャーキャピタルなどが、科学的データ等に基づき事業分野や内容を吟味した上で、狙いを定めてスタートアップを立ち上げる手法でございまして、特に、事業化に向けた不確実性が高い分野で有効とされております。
 創薬分野は、国民、都民の生命を守る重要な分野である一方、開発のハードルが高く、事業化までの期間も長期にわたることから、本手法の活用が有効と考えられております。
 このため、都は、創薬分野においてカンパニークリエーションのモデルケース創出を目指す事業を今年度から新たに開始いたしました。

○福井委員 ありがとうございます。
 この事業では、既に今年度七千万円が予算計上されていて、五つのプロジェクトを選定するとともに、アドバイザリーボードを既にアサインをしております。この事業の枠組みは既に整っていまして、キックオフイベントも実施をされております。
 そして、来年度は、三億の予算を計上して、このプロジェクトに対してアドバイザリーボードが支援を行っていくものと認識をしています。
 そこで、お伺いをしたいと思います。この令和八年度予算において、具体的にどのように取組を進めていきますか。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、ビジネス創出を目指すプロジェクトを昨年十一月に公募いたしまして、外部有識者による審査を経て、難治性疾患の新たな治療薬を開発する五つのプロジェクトを今月公表いたしました。
 今後は、創薬分野に精通する有識者によるアドバイザリーボードが各プロジェクトをきめ細かくハンズオン支援するとともに、チーム運営に関する費用の助成など、創薬スタートアップの起業に向け支援してまいります。
 さらに、事業化を進める上で欠かせない専門経営人材の発掘、育成に併せて取り組み、創薬エコシステムを牽引する人材創出につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。今、この目の前にあるプロジェクトに加えて、専門人材の発掘、育成に取り組むということは非常に重要だと思います。スタートアップ人材のエコシステムの形成に向けて、取組を期待したいと思います。
 この事業の目標について伺います。
 創薬事業は成長分野である一方で、研究に費やす期間も長く、事業の成果を何をもって判断するかは難しさがあると思います。事業名どおりカンパニークリエーションができたというだけでは不十分だと思います。ただいまの質問の中でも、この事業における補助は、あくまでもチームの運営に関わる経費に関するものであります。アドバイザリーボードの支援を通じて事業資金の調達をしっかりと実現をするまで、しっかりフォローアップをしていくべきだと思います。
 そこで質問したいと思います。この事業において資金の呼び込みをどのように行っていくのか、伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 今回選定いたしました五つのプロジェクトでは、プロジェクト管理者であるベンチャーキャピタルが中心となってそれぞれの資金計画を策定し、他のベンチャーキャピタルや金融機関と連携して必要な資金を確保してまいります。
 また、創薬分野での展示会出展やアドバイザリーボードが持つネットワークも活用し、海外ベンチャーキャピタルからの投資を促進してまいります。
 これらにより、創薬分野でグローバルに活躍するスタートアップの輩出につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。やはりしっかりと資金の確保をするまでがアドバイザリーボードの役割であり、この事業のゴールであると感じます。冒頭にありましたデータベースなどでこうした事業の資金調達状況等もオープンにするなど、しっかりと効果検証していただくように要望しまして、次のテーマに移りたいと思います。
 そして、この事業化に当たっては、やはり、先ほど来お話が出ていますが、スタートアップが提供する革新的な製品、サービスに対して市場が十分にない状況では、政府や自治体が主導して市場や需要を創出していくことも重要だと思います。
 東京都では、入札参加資格登録支援事業やファーストカスタマー・アライアンスなど、官民協働の実践に向けて取組を行っていると認識をしています。
 改めて、都がスタートアップ企業のファーストカスタマーとなる意義を教えてください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都がファーストカスタマーとしてスタートアップの製品やサービスを率先して活用することによりまして、その信用力や信頼性の向上につなげ、スタートアップの売上げ増加や成長を後押しする意義がございます。
 あわせまして、優れた技術やアイデアを持つスタートアップとの協働を積極的に進めることによりまして、様々な都政現場における課題の解決を図り、都民の豊かな暮らしにつなげることができるものでございます。

○福井委員 そうした中で、令和八年度、都は新たに、課題即応型官民協働ブーストアップ事業として、喫緊の都政課題への官民協働の取組を強化するとしています。
 そこで質問いたします。これまでの、従来の都がスタートアップ企業のファーストカスタマーになる取組とどのように違うのか、教えていただきたいと思います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 これまでの官民協働の取組では、各局の実情に合わせてスタートアップの製品等をカスタマイズするなど、スタートアップの製品やサービスの実証を都政現場で一定期間行っておりました。
 本事業では、製品として完成し、提供体制が整っているもの等を活用し、迅速な検証を行った上で都政現場へ速やかに導入する点が特徴となっております。従来に比べ、導入までの期間が三か月から六か月程度早期化されるものでございます。

○福井委員 従来、サービスや製品からスタートして官民協業していたところが、今度は課題からスタートして官民協業を使い分けていく、そのように理解をしました。
 しかしながら、この不確実性の時代において、喫緊の都政課題も変化をしていきます。例えば、コロナウイルスの蔓延のように、現在想定し得ない課題が新たに浮かび上がってくる可能性も大いにあります。喫緊の都政課題を拾い上げていくためには、しっかりと各局と、それぞれの事業における抱えている課題やニーズを拾い上げていく体制を整えていくことで、初めてこの事業が機能するんじゃないかと思います。
 そこで質問したいと思います。喫緊の都政課題を各局からどのように拾い上げていきますか。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 庁内横断組織、Team Tokyo Innovationを通じまして、各局の担当者と日常的にコミュニケーションを図りまして、相談の受付や協働事例の共有などを行いながら、課題を幅広く捉えてまいります。
 こうした活動を通じまして、年度途中で突発的に生じた課題を把握いたしまして、ヒアリングや意見交換を行いながら、スタートアップの製品、サービスの迅速な導入につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。今、ご答弁ありましたように、迅速な導入というところが売りの事業かと思いますので、そうしたことを期待させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 都は昨年、スタートアップ戦略二・〇を策定して、グローバル、スケールアップにフォーカスするとしました。東京から世界に通用するスタートアップ企業を継続的に生み出していくためには、その基盤として、東京のスタートアップエコシステムを抜本的にグローバル化していくことが不可欠であり、戦略一・〇で残された課題であると考えます。
 まずは、東京の取組をしっかりと伝え、東京のエコシステムを世界に認知してもらうことに加えて、世界各地のエコシステムプレーヤーと関係を築いていくことが極めて重要です。
 そこでまず、都はこれまで、海外に向けたプロモーションについてどのように取組を行ってきたか、伺いたいと思います。

○鈴木プロモーション推進部長 都はこれまで、海外のスタートアップエコシステムとの関係構築を進めるため、職員自らが海外に赴き、VIVA TECHやSLUSH等、世界的な展示会への参加や、パリやシンガポールでの投資家向けイベントの開催等を通じまして、積極的に東京のエコシステムを発信してまいりました。
 また、各都市の支援機関やエコシステム関係者との相互往来や意見交換を丁寧に重ねることで、信頼関係を築いてまいりました。
 こうした活動の積み重ねによりまして、SusHi Tech Tokyoにおける海外パビリオン数は、二〇二四年の五から二〇二五年には十六へと大きく増加いたしました。また、TIBへの来訪等を通じた海外機関との連携件数も、前年度の二百五十四から、本年度は一月末時点で四百五十五件へと大幅に増加しております。

○福井委員 ありがとうございます。海外での展示会やイベントなどの機会を捉えて海外プロモーションに継続的に取り組み、接点を大きく増やしてきたと理解をしました。
 しかしながら、海外機関との関係構築は、一度交流ができればよいというものではないと思います。試行錯誤を重ねながら粘り強く取り組んでいただくことにより、徐々に信頼関係が醸成され、その信頼を基盤として新たな取組が生まれ、具体的な成果へと結びつくこともあると思います。
 来年度の海外プロモーションにおいて、都はどのような展開を考えているか、伺いたいと思います。

○鈴木プロモーション推進部長 来年度は、プロモーションの効果をより高めるため、サステーナブルな都市をテクノロジーで実現するというSusHi Techの理念と、その技術を併せ持つスタートアップが共に出展するイベントを倍増して、十件といたします。
 また、これまで築いた現地機関等との連携を強め、現地プレーヤーとの的確なビジネスマッチングを進めることなどによりまして、具体的な成果につなげてまいります。
 さらに、全国の自治体や大企業との連携を強化し、SusHi Techの旗印の下、東京、日本のエコシステムを全体として発信することで、プレゼンスのさらなる向上につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。様々、工夫を凝らしながら取組を進めているとのことでしたけれども、特に、これまで築いた現地機関等との連携を強めて、現地プレーヤーと的確なビジネスマッチングを進める等により具体的な成果につなげていくとご答弁をいただきました。ここまでの地道なプロモーションをしっかりと成果につなげていただくよう、期待をしたいと思います。
 そうした意味では、都が来年度開始する、海外有力支援機関と協力しスタートアップの海外展開を支援するグローバル・エコシステム連携事業は、現地企業との具体的なマッチングや商談成立に向けた取組として期待したいと思います。
 この事業の具体的な取組内容について伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都はこれまで、職員自らが積極的に現地に赴き、フランスのStation Fなど世界各地のエコシステム先進都市の中核支援機関との関係を深めてまいりました。
 このようなリレーションを生かし、来年度、スタートアップが最長二か月にわたり先進都市の支援拠点に入居し、現地に溶け込み、具体的な取引に結びつける本格的な海外展開プログラムを開始いたします。
 派遣スタートアップに対しまして、都と連携する現地支援機関によるマッチングサポート等を提供し、有力な投資機関や事業会社等との関係構築、商談成立等につなげ、グローバルでの成長を強力に後押ししてまいります。

○福井委員 展示会やイベント参加に加えて、本事業では、現地でしっかりと腰を据えて、そのエコシステムに入り込んでビジネスチャンスをつかむための取組、そのように理解をしました。そのためには、現地の機関のサポートが欠かせないと思います。Station Fのような有力な機関から協力が得られるのも、職員の皆さんが現地に足を運んで信頼関係を深めてきた結果だというふうに高く評価をいたします。
 派遣された企業がそのような関係を現地で築いて成果を出していけるように、引き続き、現地機関と密に連携して着実に取組を進めてもらうことを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。

○上田委員 組織体制から伺います。
 昨年、スタートアップ戦略本部への再編に当たり、本部の方は、国際金融都市関連業務を産業労働局へ、国家戦略特区関連業務を政策企画局へ移管し、組織の専門性向上を図ったと説明されました。業務を整理し、スタートアップ支援に特化することで、より効率的かつ的確な施策展開を目指すという趣旨であったと認識しております。
 そこで、この組織改編と予算の整合性について伺います。
 昨年の事務事業質疑において、旧戦略室から現本部への再編及び業務移管についてご説明をいただいておりますが、この組織再編が目指した専門性向上及び役割分担の明確化について、その目的と現状の到達点を改めて簡潔に説明してください。

○片山理事 昨年四月に発足した当本部は、SusHi Tech TokyoとTIBという二つのプラットフォームを土台といたしまして、東京のスタートアップエコシステムをさらに発展させていくことを目的に、組織を専門分化させて設置したものでございまして、スタートアップ支援の取組を推進しているところでございます。
 この間、SusHi Tech Tokyoはアジア最大のイノベーションカンファレンスへと、またTIBは、東京のみならず、全国、世界の様々な挑戦者がつながる結節点へと、さらなる成長を遂げております。
 また、昨年十一月にはスタートアップ戦略二・〇を公表いたしまして、グローバル、スケールアップにフォーカスし、世界へ飛躍するスタートアップを生み出す取組等を強力に加速することとしております。

○上田委員 予算ですけれども、旧戦略室時代は、令和五年度百六十二億、六年度が二百七十九億と推移し、本年四月の再編直後の令和七年度予算は百八十六億円でした。
 対して、このたび示された令和八年度予算案は三百九十二億となっております。組織再編による業務の集約、専門化を経て、なぜ令和八年度は前年対比で二百五億円もの大幅な予算増額となったのか。
 移管前の旧戦略室時代の最大予算二百七十九億と比較しても極めて高額ですけれども、その増額の背景にある組織としての役割の変化と積算根拠について、事実関係を簡潔に説明してください。

○片山理事 ご答弁したとおり、戦略二・〇を策定いたしまして、世界での飛躍と成長を目指すグローバル、スケールアップにフォーカスした取組をさらに加速することといたしました。
 令和八年度の予算は、これに必要な施策として、SusHi Tech Global Fundsの経費として約二百億円、また、SusHi Tech Global事業に約二十九億円などを計上しているところでございます。
 なお、そのほかの事業でも、事業内容の拡充や事業統合、経費の精査など必要な見直しを行っており、めり張りある予算編成としたところでございます。

○上田委員 予算増が加速しておりますSusHi Tech Tokyoですけれども、商談実績の客観的評価と評価指標の妥当性について、回答者の三割以上が協業や資金調達につながったとのご報告なんですけれども、実際に成約に至った金額あるいは創出された雇用数等の経済的実数、これを都として把握しているのでしょうか。
 把握していないのであれば、十億円規模の公金を投じる事業の成功基準として、あまりにも客観性を欠くと思われることから、そんなことはないと思いますので、見解を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 SusHi Techは、世界中から集まるスタートアップや支援者に対しまして、東京、日本のエコシステムをPRし、東京にいながら世界とつながれる場でございます。
 昨年五月には、二十五の海外都市等が出展するとともに、百の国、地域から五万人を超える人々が参加いたしまして、六千件を超える商談が行われました。
 協業や資金調達の内容は、経営上の機微に関わる情報でございまして、アンケートで具体的な金額までは把握しておりませんが、上場会社の時価総額に当たります調達後評価額につきましては、一昨年の出展企業で把握できた約百社の合計額は、一年半で千二百億円以上増加しているなど、SusHi Techへの参加を契機といたしましてビジネス展開となり、成長につながっているものと考えております。

○上田委員 その二十九億円のSusHi Tech Globalのスタートアップ支援なんですけれども、選定企業が目標とする成長を遂げられなかった場合、投じた予算の責任はどこが負うのか。選定基準にリターンの確実性が含まれているのか。また、失敗事例から学ぶためのフィードバック体制が整っているのか。確認します。

○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Globalでは、有識者の知見により有望企業を厳選し、国内外の投資機関や事業会社など様々な支援者と連携し、経営戦略や人材体制の構築などを多面的にサポートすることで、世界市場に大きく飛躍しようとするスタートアップの挑戦を強力に後押しするものでございます。
 こうした支援を展開するに当たりましては、先輩起業家などの知見や様々な経験を共有する場も設けるなどし、スタートアップ自らが学びを得て成長していく機会を積極的に提供しております。

○上田委員 また、スタートアップエコシステムを推進するプラットフォームということで、TIBの運営についてなんですが、これまでに総額三十億、今年度も二十九億、令和八年度は二十四・七億、TIB CATAPULT事業の二十三億円超を加算すると五十億円にもなります。令和五年度決算十億二千万と比較すると、数年で五倍以上の規模に膨らんでいまして、スタートアップ支援としては、極めて巨額の予算が投じられているのではないでしょうか。
 過去答弁では、来場者二十八万人、交流の拠点といった定性的な成果が強調されましたが、入場者数は三十五・六万人とのことですが、割っちゃうと、入場者一人当たり五千円の公金を投じている計算となります。
 中身はイベント屋の委託料ではないか。結局、都民の税金で、スタートアップ村の住人だけが楽しむ高価なサロンを維持しているだけではないのかなと懸念することから、都民への還元はどうだったのでしょうか。
 それを通じて資金調達や事業拡大に至ったとされる具体的な件数及びその結果として都内の経済、何度もいいます、雇用創出、税額増、どのような具体的なインパクトがあったのか、数字でお示しください。
 もし、これだけの巨額予算を投じながら成果指標が来場者数にとどまるのであれば、それは投資ではなく、出口戦略のない新たな箱物イベント行政の再来といわざるを得ませんことから、分析評価を新年度予算に向けて伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップの革新的な技術やアイデアは、イノベーションを生み出し、社会課題の解決や経済成長に資するとともに、都民の便利で豊かな生活を実現するものでございます。
 イノベーションは、熱意やアイデアを持つ様々な人が交わり、交流する中で生まれるものでございまして、人々の有機的なつながり、エコシステムを形成することが重要でございます。
 TIBは、イノベーションの担い手であるスタートアップやその成長を支えるプレーヤーが集まり、交流する結節点としての役割を担っておりまして、これまで三十八万人を超える方々がTIBを訪れ、数多くのつながりが生まれるエコシステムを育ててきており、イノベーション創出に貢献しております。

○上田委員 来場数なんですね。
 ちなみに、既にTIBは施設完備が完了しているわけですから、毎年巨額を拠出することに違和感を感じております。
 令和八年度予算を編成するに当たり、その点も説明、イニシャルコスト、ランニングコスト、事業費に向けて、予算編成の考え方、これまでの累計投資額に関する投資対効果を客観的に評価し、効果の低い事業については統廃合や予算縮小を検討する意思があるのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBは、国内外から多くのプレーヤーが集い交流する東京、日本のスタートアップエコシステムの中核をなす一大拠点に成長し、東京のみならず、全国や世界のプレーヤーがつながり、イノベーションを生み出す結節点としての役割を果たしております。
 当初、TIBは、がらんどうの状態からスタートし、民間のスタートアップ関係者の意見を取り入れながら、プレオープン、グランドオープン、一階拡張オープンなど、段階的に施設整備や支援プログラムの展開を進めてまいりました。
 今年度中に施設整備が完了することも踏まえ、精査を重ねた結果、令和八年度予算は、今年度に比べ約十二億円の減となっております。

○上田委員 TIBは十二億円の減ですが、TIB CATAPULTは二十三億円が計上されております。
 このCATAPULTですね、これまで、TIBにおける既存のアクセラレータープログラムと何が決定的に異なり、何をもって成長を加速させると定義しているのか。
 新年度に向けて、このプログラムから、時価総額一千億円超とか一千二百億ではなくて、都内に安定した雇用を創出し、法人税を支払うスタートアップを何社輩出するという数値目標、KPIを掲げているのか、確認します。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTは、東京の強みとするビジネスや技術の領域に焦点を当てたクラスターを組成し、スタートアップと大企業等との協働プロジェクトを創出して、社会にインパクトを与えるイノベーションを推進していくものでございます。
 スタートアップと大企業等とが一体となって協働プロジェクトを推進し、スタートアップの製品、サービスを社会実装することで成長を加速いたします。
 各クラスターは、三か年で合計二十件以上の大企業等とスタートアップによる協働事例を創出することを目標としております。

○上田委員 この事業に二十三億円超もの巨額予算を投じる根拠として、選定されたスタートアップがどのような成長プロセスをたどるべきかという事業計画の妥当性を、誰がどのように審査しているのでしょうか。
 外部有識者やVCによる審査プロセスにおいて、公的支援を受けても、なお成長できない企業をいかに見抜き、予算を浪費しないための撤退基準などを具体的に策定しているのか、確認します。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTの各クラスターは、スタートアップと大企業等との協働プロジェクトについて、事業計画の妥当性を開始時に確認しております。
 プロジェクト開始後は、一体となって事業化を目指すとともに、ビジネスとしての実現可能性や将来的な拡大の見込みなどを定期的に評価し、継続の可否について判断しております。

○上田委員 継続の可否は判断しているということで、少し安心しました。
 SusHi Tech Globalなど、産労にもあるんですけれども、都が手がけるほかのスタートアップ支援とTIB CATAPULTの支援内容はどのようにすみ分けが図られているのか。新年度予算において、これらが同じ層に対して異なる東京都の部署が予算を投じているという、二重三重の投資になっていないのか、確認したいです。事業の統廃合や整理検討も含めて確認します。

○小澤イノベーション推進担当部長 都の様々な施策は、それぞれ異なる目的を設定、精査した上で、これに応じて必要かつ有効な支援策を企画し、実行しております。
 例えばTIB CATAPULTは、東京の強みとするビジネスや技術の領域に焦点を当て、複数の大企業等によるクラスターを組成し、スタートアップとの協働プロジェクトを進め、大きな飛躍につなげる事業でございます。
 SusHi Tech Globalは、グローバルに挑戦する有望企業を選抜し、その着実な成長に向けて集中支援していくことを目的とした事業でございまして、様々なプレーヤーによる支援や、都からの資金サポート等を提供することとしております。

○上田委員 で、結局、都がこれまで支援したスタートアップのうち、現在も都内に本社機能を置き、都に納税し、都民を雇用している企業は何社ありますか。
 また、それら支援企業からの法人二税の累計額は、これまで投じた三十億、五十億といった公金に見合う規模に達しているのか、分析をお願いいたします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 革新的な製品やサービスを提供するスタートアップは、その成長とともに多くの雇用を生み出し、人々の生活や社会をより豊かにいたします。こうしたスタートアップの多くは都内で活動を行っており、都は様々な支援を行っております。
 なお、こうした東京のスタートアップの成長状況を効果的に示すため、都と協働した企業の雇用数や資金調達の状況等を集約し、見える化する取組を今年度から開始しております。

○上田委員 やりましたね。この状況を把握して見える化して、今年度から評価を開始している。ここは評価したいところでございますけれども、ほかの委員も指摘していましたけれども、社会課題の解決という言葉による成果の、これは曖昧なんですよね、私たちからすると。
 当局は、豊かな都民生活という定性的な表現を使うのですけれども、スタートアップ政策は、本来は産業振興、東京都の産業振興、東京都の経済成長を主目的としたはずでございます。社会課題の解決に貢献したという抽象的な評価ではなく、都の財政をこれだけを潤し、都民の雇用をこれだけ創出したという冷徹な数字による評価を、予算編成において最優先にすべきではないかと思います。
 この評価軸の転換、一応、今年から始めるということで、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇でも明らかにしているとおり、令和四年十一月のスタートアップ戦略策定以降、時価総額一千億円を超える企業が複数生まれ、都内の新規スタートアップの起業数は着実に増加をしておりまして、都が協働したスタートアップが、その後も都や海外の事業を受託するなど、成長を続けております。
 また、東京発ユニコーン数や新規スタートアップ創出数、都とスタートアップとの協働実践数をはじめとするイノベーションビジョンに基づく指標を二〇五〇東京戦略の政策目標に設定しておりまして、毎年、評価、公表しております。
 なお、スタートアップの成長状況を見える化する取組を開始しており、都民や世界に向けて分かりやすく発信していくこととしております。

○上田委員 時価総額一千億円、やったと思っているのはいいのですけれども、私はやっぱり、海外流出による支援の持ち逃げに対する防衛策を考えているんですね。多額の都税を投じて育成した企業が、都内での雇用や納税という形での還元を行う前に、拠点を海外に移したり、海外資本に買収されたりすることで、都民の投資が他国の利益にすり替わってしまうリスクをどう認識しているのでしょうか。
 都の支援を受ける条件として、一定期間の都内拠点の維持や都民雇用、あるいは成果未達、移転時の支援金の返金規定のようなものを設ける気はないのかと思っているわけです。
 戦略二・〇において、こうした都民の利益を守るガードレールのような、ガイドラインのような、そうしたことは検討されているのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 有望企業を選抜して集中支援するSusHi Tech Globalでは、選抜に当たり、東京での事業展開を行っている、または行おうとしていることを要件とし、資金サポートを行う成長加速プログラムでも、東京の持続的な社会経済成長に寄与するものであるかを審査項目に含めておりまして、都内経済等への貢献の視点も踏まえ、事業全体を運営しております。

○上田委員 この点は厳しく、かけた税金は都民の利益に還元できるように、ここは十分に厳しく審査をお願いしたいと思います。継続審査もお願いします。
 私は、東京で培われたスタートアップの知見やスキルを全国に還元し、地方都市と有機的に結びつけることは、東京一極集中の是正のみならず、日本全体の底上げにつながる極めて重要な視点であると確信しております。
 その象徴的拠点として、TIBは、単なる東京の箱ではなく、全国の自治体やプレーヤーをつなぐ真の結節点としての役割を期待してまいりました。都の答弁では、昨年十一月の交流会に全四十七都道府県から多くの自治体が参加し、公共調達についても議論したとのことですが、重要なのは、集まったことではなく、その後であります。
 議論された公共調達のスキームが、具体的に各自治体でどれほど導入され、地方発のスタートアップが東京の市場で、あるいは、東京のスタートアップが地方の課題解決へと、どれほど実務的に動いたのか。イベントの開催数や参加自治体数といったお付き合いの集計に終始するのではなく、日本全体の経済効果に寄与する実効性のある連携へと踏み込むべきではないでしょうか。
 令和八年度予算において、さらに巨額の運営費を投じるのであれば、この全国連携が単なる形式的な集まりに終わっていないのか、その中身を厳しく問わねばならないことから、今の状況を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 昨年度の四十七都道府県から八十四自治体が一堂に会した交流会では、参加自治体が行政ならではの課題について、共に解決策を模索し議論を重ねるなど、各担当者にとって今後の施策検討につながる貴重な機会となりました。
 また、全国の自治体と、TIBや全国各地のイベント等での意見交換や個別の打合せを重ね、スタートアップ支援に力を入れている自治体を訪問するなど、顔の見える関係づくりを進めてまいりました。
 その結果、例えば、自治体間で連携し公共調達につなげる取組であるファーストカスタマー・アライアンスでは、昨年三月に九団体で開始いたしましたが、現在、都内は十一団体、全国では五県を含む二十二団体まで拡大するなど、着実な成果につながっております。

○上田委員 TIBで受け入れた約八十件の地方自治体関連イベントについて、単なる場所貸しやプロモーションで終わらせていないか、伺います。
 イベント後に、東京の投資家から地方企業への資金提供が実現したケースや、地方自治体が東京の知見を取り入れて制度を刷新したケースなど、イベントの閉鎖後も継続している成果をどのように把握して評価しているのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIBを活用した全国の自治体主催イベントでは、都職員の登壇やSNSでの広報に協力するなど積極的にサポートした結果、東京で様々な関係者とのつながりができ、地元で開催するイベントにも県外からの参加者が顕著に増えたなどの声を主催自治体からいただいております。
 また、イベントの開催をきっかけに自治体との関係づくりを進め、ファーストカスタマー・アライアンスに参画してもらうなど、継続した成果につながっております。

○上田委員 この巨額の結節点機能に係るコストに対し、地方自治体や日本全体が受けている受益の総額はどう集計しているのでしょうか。
 人が集まったから成功だという安易な自己評価を捨て、TIBがハブとして介在したことによる日本全体のスタートアップ成長への寄与分をどう定量化しているのか、確認させていただきます。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBは、東京、日本のスタートアップエコシステムの中核をなす一大拠点でございまして、国内外の多くのプレーヤーがつながり、イノベーションを生み出す結節点としての役割を果たしております。
 これまで、全国の自治体が地元のスタートアップと共にTIBを訪れ、東京で活動する企業や投資家とマッチング等を行うイベントを百回以上開催しております。
 また、フードやドリンク等を扱う全国各地のスタートアップ百二十社がSHOPで試験販売に挑戦し、様々な支援者とつながることで販路拡大を実現するなどしております。

○上田委員 その百回のイベントの開催実績なんですけれども、単なるネットワーキングやPRにとどまらず、スタートアップが売上げや投資獲得に至った具体的成果を数字等で明示できますでしょうか。
 新年度に向けまして、イベント開催数を目標とするのではなく、イベントを起点とした具体的な商談成約数を新たなKPIとして設定し、事業評価を見える化することを求めるものですが、所見を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBは、国内外から多くのスタートアップや企業、投資家、支援機関などが集まり、連日開催する様々なイベントやプログラムを通じ、プレーヤー同士がそれぞれの課題や関心に応じてつながり、イノベーションの創出に資するような密度の高い関係構築を行う場として機能しております。
 TIBでのイベント参加を契機にビジネス拡大に至った事例は、若手起業家のビジネスプランコンテストで入賞し売上げ増につながったものや、壁打ちイベントの参加をきっかけに資金調達に結びついたものなどがございます。

○上田委員 こちらも見える化をお願いしたいと思います。
 FABでは、累計三百件の支援実績に対し、製品化率はどの程度なのでしょうか。
 新年度に向けては、産技研との連携を強化し、単なる試作支援にとどまらず、都内企業への導入支援や量産化への橋渡しという出口を見据えたアップデートの状況を確認します。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 FABでの試作品開発支援により約三割の試作品が完成し、その後も、各スタートアップにおいて製品化に向けた取組が行われております。残りの案件の多くも、試作品開発を継続しております。
 また、都内企業との取引を促進するため、FABが支援するスタートアップに都内の中小企業を紹介するなどの取組を行っております。
 なお、産業技術研究センターとは、FAB会員向けの設備見学会を実施するなど、技術相談や性能試験等で連携しております。

○上田委員 売上げ増、税金の増に結びつく、一日も早い製品化を求むものでございます。
 SHOPなんですが、九十社の出店者に対し、出店後に恒常的な販路を確保できた事業者は何社ありますか。
 新年度に向けて、期間限定のプロモーション支援ではなく、商業施設等のバイヤーとの継続的な取引成約率を事業の成功指標として把握すべきと思いますが、所見を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 SHOPの運営事業者には、出店スタートアップと支援者や協業先とのマッチングイベント、そのマッチング回数などについて、達成すべき数値目標を課し、運営に取り組んでおります。
 SHOPには、これまで約百二十社が出店し、そのうち多くのスタートアップが様々な支援者とつながり、販路拡大等を実現しております。

○上田委員 アクセラレーター誘致ですが、昨年まで二十一社が十四億円超の投資を獲得したとのことですが、そのうち都内に本社を維持している企業は何社か、気になります。
 新年度に向けて、都外や海外拠点への流出防止策を講じるべきと考えて質問しているわけでございます、審査しているということで。どのように東京に根づかせているのか、対応を確認いたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、海外の有力なアクセラレーターやVCによる世界標準のプログラムを東京で実施することで、国内外のスタートアップや支援者など多様なプレーヤーを東京に引き寄せ、グローバルエコシステムの構築につなげるものでございまして、国内外の優れたスタートアップが東京に来てプログラムに参加しております。
 参加企業のうち、東京に拠点を設けているものは十社でございまして、このうち東京に本社を設けているものは八社でございます。

○上田委員 二十一社中、やっぱり八社ですよね。ほぼ三分の一しかないと、東京に。要するに、本社を置いているのは八社ということは、法人税はこの八社ということ。ここだけ確認させてもらいまして、できれば全社本社があるような、拠点をぜひ東京に移していただくなり何なりしていただければというふうに思います。
 昨年度、二百五十二件の協働の実績はじめ、現場対話型プロジェクトやTIB PITCHなど多岐にわたる施策が展開されていますが、これらの事業全体を俯瞰したとき、都が投じた予算に対する産業政策としてのリターンは一体何なのか、ちょっと不透明なんですね。
 重要なのは、実施数ではなく、その取組が都民サービスとしてどう定着し、行政コストの削減やサービス向上にどれだけ寄与したかという実効性です。
 これまでの答弁では、メタバースや素材検証といった個別の事例は挙げられますが、それらが都の既存の行政サービスをどう変えたのか、あるいは将来的にどの程度の予算削減効果をもたらすのかという定量的、構造的な説明が不足しているやに思います。
 単なる実証実験で終わらせて、数値を積み上げるだけの施策になっていないか、確認させてください。
 特に、昨年度の二百五十二件について、その内訳を技術分野や行政課題別にどのように分類して、その中で社会実装に至ったもの、実証実験で終了したもの、それぞれ何件ずつと分析されているのか、まずはその実態を明らかにしてください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都とスタートアップとの協働では、主に製品として既に完成しているものを都政の現場に導入しており、実証においては、都政課題の解決につながるものであるか、確認をしております。
 協働が多い分野では、医療、福祉、環境などでございまして、用いられた技術には、点検用ドローンやAI、3Dプリンターなど様々な先端技術が用いられております。

○上田委員 これもちょっと、見える化、二百五十二の内訳が分かりませんでした。
 また、個別の成功事例ではなく、全体を通じた行政コスト削減や都民サービス向上のインパクトをどのような指標で総括しているのか。現状分析と課題を明確にした上で、実効性をどう担保するのか、所見を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 戦略二・〇では、グローバル、裾野拡大、官民協働を五年で十倍にいたします10×10×10のイノベーションビジョンに向けて、グローバルとスケールアップにフォーカスいたしまして、取組を加速することとしております。
 その中で、官民協働につきましては、より幅広い都政分野の課題に対応できるよう、二〇二七年度の目標件数を五百件に掲げまして、各局と連携しながら取組を進めることにより、都民サービスの向上につなげてまいります。

○上田委員 10×10×10なんですけれども、公共調達参入支援については、年間で資格取得が僅か一件という実績は、この支援事業がスタートアップの市場ニーズから完全に乖離し、形骸化していないのか、気になります。
 都は、きめ細やかな対応を繰り返されますが、重要なのは、担当者のアドバイスではなく、公共調達という新たな市場への高速かつ容易なアクセスです。
 新年度において、相談件数やカタログ掲載数といったプロセス目標から、本支援を経て実際に成約に至った公共調達の契約総額及び社会実装率を把握して評価する体制を整えるべきと考えますが、見解をお示しください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 入札制度に関する知識がないなどのスタートアップの声を踏まえまして、都との協働を望む企業がいつでも気軽に相談できるよう、オンラインをはじめTIBなども活用して丁寧な対応を行っており、引き続き着実に取り組んでまいります。

○上田委員 グローバル成長促進事業について伺います。
 東京から世界レベルのユニコーン企業を輩出するために、この促進事業において成果を具体的にどう出していくのか、具体的にご説明ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は来年度、スタートアップの飛躍的なスケールアップを強力に加速させるという理念の下、国内外のVC等が参画するファンド群、SusHi Tech Global Fundsを形成いたします。
 この枠組みに参画する投資家と共に、世界目線でのイノベーション創出を牽引する企業への大胆な投資の流れをつくり出してまいります。

○上田委員 その中の目玉のキングサーモンプロジェクトですけれども、実証実験から公共調達、そして海外展開につながる一連の事業サイクルの確立を掲げていますが、現状は実証実験の積み上げに終始しており、本来の目的である社会実装という結果につながっているのか、本プロジェクトの実効性を高める観点から伺います。
 認定を受けた企業のうち、実際に都との随意契約に至った企業は何社あるのか。認定をゴールとせず、幾らの契約、売上げを創出したかという経済的効果こそ本プロジェクトの成功尺度とすべきということで伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 キングサーモンプロジェクトでは、製品、サービスの実証を経て認定を受けたスタートアップ計十八社のうち、十六社が、その後、都政現場等での本格導入に至りました。
 都や都内自治体、政策連携団体等と随意契約を行った件数は延べ三十六件でございまして、契約金額の総額は約五億五千万円でございます。

○上田委員 支援を通じて、どの企業がどの国でどの程度の売上げ規模を達成したのか、グローバル市場における競争力が具体的にどう強化されたのか、定量的な成果を明らかにしてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 キングサーモン認定企業は、都との実証や公共調達を足がかりに、新たな取引先の獲得や海外での販路拡大等を進めております。
 例えば、作業の際に腰の負担を軽減するアシストスーツを提供する企業は、都のエコシステムプレーヤーのネットワークを生かしてグローバル企業とのマッチングを行い、自動車部品工場への導入が実現したほか、その後、ドイツやタイ、マレーシアなど二十二か国でビジネスを展開しております。

○上田委員 資料にもちょっと添付させていただきましたけれども、相当数、委託が多いんですね、特にデロイトトーマツ等は。サポーターを配置する二重の支援体制をしきながら、社会実装の責任は誰にあるのか、不明確です。現状は、伴走というプロセス支援のみで報酬が発生、実装という結果が出なくても、委託先やサポーターにリスクが一切ない構造です。これでは、プロの知見を借りているのではなく、単なるお世話係に税金を支払っているか、心配しております。
 今後は、プロセス指標ではなく、成約件数や契約額に連動した成果報酬要素を評価体系に導入し、成果にコミットする仕組みを取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 キングサーモンプロジェクトでは、スタートアップの掘り起こしや協働プロジェクトの組成、実施などを支援する協働促進サポーターに対して、設定したKPIの達成状況に応じて支払いを行っております。
 現在公募している来年度の事務局事業者につきましても、同様にKPIに連動して支払いを行うこととしております。

○上田委員 実証、契約、海外展開というサイクルが回らない案件を放置することは、プロジェクト停滞につながると思います。
 新年度において、実証実験を単なる試行で終わらせないため、社会実装や成約を前提としたKPI評価体制を確立し、実証のめどが立たない案件を迅速に支援対象から外す選別の仕組みが必要と思いますが、現在の制度運用において、こうした厳格な見直しを行う観点や準備があるのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 来年度のキングサーモンプロジェクトでは、スタートアップと事業会社など様々な支援者が、社会課題の解決につながる技術の実装や製品開発に向けたプロジェクトを練り上げてまいります。
 プロジェクトの実施に当たりましても、スタートアップごとに設定したKPIの達成状況等に応じて資金サポートを行っていくこととしております。

○上田委員 これまで、TIB CATAPULTによる四十二件の協働組成やグローバル連携イベントの開催実績について伺いました。
 四十二件のプロジェクトのうち、実証実験の段階を超えて、事業として継続的な売上げ、新たな雇用を生み出したものは具体的に何件あるのか、まずご説明ください。
 また、お見合いで終わらせず、新年度に向けて、社会実装に導くための成約率をどう高めていくのか、具体的な戦略が必要だと思います。
 支援の見える化、PRは手段であり、ゴールではありません。東京が真にアジアの金融、イノベーションハブとして機能するためには、海外スタートアップは東京へ拠点を移す、あるいは都内企業が海外のVCから大規模な投資を呼び込むといった資金の流動性が必要です。
 現在の事業において、そうした具体的な資金供給の誘発実績がどの程度あるのか、定量的な評価に基づいて伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTでは、プロジェクト開始時において、協業先の大企業等にスタートアップの製品、サービスを活用したビジネス化の意思確認を行うことや、クラスター全体での支援を通じて、事業化の確率を高めております。
 昨年度組成された四十二件のプロジェクトのうち、事業として売上げにつながったものや、事業化に向けて継続して取組中のものは、三十件以上となっております。
 また、東京での事業展開を行うことを目指す海外スタートアップとの協働プロジェクトは、七件組成されております。

○上田委員 三十件、確認させていただきました。
 戦略的海外プロモーションです。
 海外テックイベントへの出展やコネクション強化について伺いましたが、出展数やイベント参加は、あくまでもきっかけにすぎません。極めて重要なのは、それらを通じて東京にどのような経済的な果実がもたらされたかという点です。
 海外のテックイベントに多額の予算と人員を割いて出展していますが、その活動により、さっきからいったように、実際に東京へ拠点を移したスタートアップがどのぐらいの、例えば拠点を移したとか、都内企業が海外VCから獲得した投資額はどのぐらいあるのか、確認したいのですけれども、単なる海外関係者とのコネクション強化という定性的な報告ではなく、具体的な経済的成果を定量的に語られていただきたいと思います。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業をはじめ、スタートアップや海外VCの呼び込みを図る様々な取組を通じまして、昨年五月のSusHi Techには約六百のスタートアップが出展し、約五百のVCが来場いたしました。
 会場では六千件以上の商談が行われ、東京でのビジネス展開や将来の投資につながる重要なステップとなっております。

○上田委員 海外展示会への出展がSusHi Tech Tokyoへの誘客につながったという報告ですが、それによってスタートアップエコシステムがどう強化をされたのか。
 単なる国際会議の主催を目的にしていないかどうか、世界市場でどれだけのシェアや売上げを確保できたのかと、その因果関係をどう評価しているのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年五月のSusHi Techには、二十五の海外都市等が出展いたしまして、コーポレートパートナー四十七社、全国の三十五自治体が参画したことで、六百社以上の出展スタートアップと六千件を超える商談が行われました。
 出展スタートアップへのアンケート結果では、四割以上が出展により協業や資金調達につながったと回答しておりまして、上場会社の時価総額に当たります調達後評価額につきましては、一昨年の出展スタートアップで把握できた約百社の合計額を比較いたしますと、一年半の間で千二百億円以上増加しております。
 こうしたことから、SusHi Techは、新たなビジネス機会を生み出すプラットフォームとして着実に発展していると考えております。

○上田委員 SusHi Tech Tokyoの全体の成果をまたご報告いただいたのですが、細分化して分析をしてもらいたいと思います。
 これまでの海外プロモーションは、海外テックイベントへの出展や関係構築といった点の活動が中心でした。しかし、本部長や職員が海外出張を繰り返すだけのプロモーション事業は、資料でも見ていただいたと思います。もはや卒業すべき段階にあるのではないでしょうか。
 今後は、単なるコネクション構築という点の活動から、スタートアップが海外VCから資金を調達し、現地市場で売上げを立てるという線のプロセスを支援することが、都が果たすべく本来の役割です。イベント出展時の成功指標を、これまでの参加社数から、成約額や移転企業数へと完全に切り替えるべきではないでしょうか。
 職員が海外に赴く目的を、単なる東京のPRから、都内企業の海外成約及び海外企業の東京誘致という営業活動へ完全に転換し、出張報告においても、成約見込みやリード獲得数といった営業的な指標を評価軸に加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木プロモーション推進部長 海外エコシステム機関や現地関係者とのネットワーク構築や、東京のエコシステムのPRを目的といたしまして、職員自らが海外において、展示会への出展やイベント等への参加などのプロモーション活動を実施しております。
 海外プロモーションは、東京のエコシステムと海外現地のエコシステムのキーパーソンをつなぎ、議論や往来を重ねることで信頼関係を構築、事業連携を具体化するものでございます。こうした糸をつなぎ、それを太くする取組を世界各地と重ねることで、大きな網、ネットワークをつくり上げていく活動でございます。
 日本のエコシステムを成長させていく上での基盤となりますことから、来年度も、こうした考え方の下、取組を推進してまいります。

○上田委員 新年度以降の連携先開拓においては、エコシステム機関との礼儀的な挨拶回りは廃止、有力な海外VCや現地市場のゲートキーパーとの直接的な商談機会の創出を最優先にすべきと思います。
 これらを実現するための具体的な数値目標を含め、どのような方針で臨むのか、伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 当本部では、職員自らが海外で、現地のエコシステムプレーヤーやVCに対して、今後の具体的な連携につなげるためのプロモーション活動を実施しております。
 こうした活動をSusHi Tech Tokyoでのパビリオン出展やTIBでのイベント開催などにつなげ、エコシステムの強化を図っておりまして、今後とも、内容の充実を図りつつ、取組を着実に継続してまいります。

○上田委員 内容の充実を、ちょっと見える化していただきたいと思うんですね。
 大学発スタートアップ創出支援事業です。
 十九大学を選択し、学内の環境整備やイベント開催を支援しているとのことでございます。
 この十九大学の選択を通じて、具体的に何社のスタートアップ企業が設立され、そのうちの成果ですね、今まで何度もいっております。プロセス目標ではなく、起業に至った数、資金調達額、経済的価値を説明する定量的な成果をお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 本事業は令和五年度から開始しており、研究者、学生のマインドセットや、研究シーズの事業化に向けた学内体制の整備、経営人材とのマッチングなど、大学の実情やニーズに応じた様々な取組を支援しております。
 その結果、採択大学からは、本事業によって、これまで二十九社のスタートアップが創出されております。
 外部資金をいつ必要とするかは、それぞれの企業の経営戦略や成長速度等により異なっておりますが、二十九社のうち十二社が外部から資金を調達しております。

○上田委員 約三分の一近くということですね。
 各大学が専門人材の確保や体制整備に苦慮し、都はサポートしながら、各大学が課題に応じたKPIを設定し取り組んでいるということですが、専門人材の確保や学内体制の整備といった構造的な課題解決は、学校側においては相当困難に思われます。
 これまで、具体的にどのような事例で、都のどのようなサポートが大学の課題解決に直結したのか、実例を挙げてご説明ください。
 また、大学発スタートアップ創出という目的を達成するため、実務的な各大学のボトルネックをどうクリアしていくのか、支援の状況も知りたいですし、今後の具体的な戦略をお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 例えば、都の支援により、起業までのプロセスを実務面からサポートする専門人材や起業経験を有するアドバイザーの配置など、学内の支援体制の整備が進んだことで、有望シーズの事業化に向けた取組が進展したという報告があったほか、研究シーズを事業化する際に必要な資金としてギャップファンドを創設することで、法人設立や資金調達など、個別シーズの事業化促進につながったとの報告を受けております。
 引き続き、各大学の取組の進捗状況や課題を適宜確認しながら、それぞれの状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。

○上田委員 公立、私立を問わず、大学は今、本当に資金繰りが大変なようでございまして、この支援については、しっかり東京都はやっていただければと思います。
 東京ベイeSGプロジェクトでございます。
 これ、パートナー企業なんですけれども、三百二十二もの団体が参画していますが、交流会や展示会出展に満足していては真の官民連携とはいえません。今後は、パートナー同士が実際に手を組み、都の予算に頼らない民間同士の商談成立数や共同での事業開発額を可視化すべきです。
 これまでの交流会、PR中心の運営から、実益を伴うビジネス創出中心の運営へアップデートすべきと考えますが、新年度に向けた意気込みを確認します。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 東京ベイeSGパートナー間の連携を図る交流会を年三回程度、先行プロジェクトの成果発表会及び現地見学会をそれぞれ年一回、開催しております。
 成果発表会及び現地見学会には、パートナー企業に加え、現地の最先端技術に関心を持つ事業者が参加しており、また、交流会では、参加者から、交流会をきっかけに大企業とつながりができた、協業の可能性を感じたなどの声が寄せられているなど、こうした取組がビジネス創出の機会になり得ることから、来年度も引き続き実施してまいります。

○上田委員 それって感想ですよねという感じなので、もうちょっと中身の検証をお願いします。
 五十年先の未来はいいのですけれども、華々しい本プロジェクトの成功の定義って、改めて何なのかなと。今のままだと、どんどん、何か小池都政のレゴブロックじゃないんですけれども、まあいいんですけれどもね、社会実装に向けて。
 ただ、どこかで都が手を引き、民間へ完全移譲するまでの撤退基準などはどう設定されているのかも含めた、責任ある展望をお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 東京ベイeSGプロジェクトは、ベイエリアを舞台に、五十年、百年先を見据え、自然と便利が融合する持続可能な都市を官民が連携してつくり上げることを目的としており、バージョン二・〇において、二〇五〇年代の姿と二〇三五年までの具体的な取組を提示し、その実現に向けて取り組んでおります。
 今後も、民間の持つ革新的な技術を実証するフィールドの提供等を通じ、最先端技術の社会実装を加速することで、官民協働でベイエリアのまちづくりを推進してまいります。

○上田委員 常に検証を、もういい飽きてすみませんけれども、お願いしたいところでございます。費用対効果ですね。
 海外出張について伺います。
 資料を拝見しましたが、本部長をはじめとする幹部職員が頻繁に海外に赴き、数百万単位の税金を投入しております。しかし、答弁で繰り返されるネットワーク構築やPRという言葉は、裏を返せば、成果が見えにくい挨拶回りの言い訳にすぎないのではないか、懸念するものです。
 都民が求めているのは、観光出張報告ではなく、東京の産業を劇的に変える実務的な成果なことから伺います。
 本部は、海外機関とのネットワーク件数が百六十件など数を並べますが、そのうち、都内のスタートアップが実際に海外市場へ進出し、商談を成立したり、資金調達に成功した数は何件あるのでしょうか。単なる挨拶や名刺交換の数は成果ではありません。
 出張の費用対効果を、商談数や進出件数という真の経済インパクトで検証する方針はあるのか、伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 都は、グローバルイノベーションの創出に向けまして、東京と世界のエコシステムをつないでいくため、日本の優れたテクノロジーやビジネス環境の魅力を世界にアピールするプロモーションを行っております。
 海外機関との連携件数は、そうした活動の指標でございますが、挨拶や名刺交換の類いではなく、協業に向けた真摯な意見交換、ネットワーク構築やビジネスマッチングのための連携イベントなど、具体的な取組を意味しております。
 こうした活動を積み重ねることで、エコシステムの輪を広げ、スタートアップによるイノベーション創出につなげてまいります。

○上田委員 民間ビジネスの最先端では、言葉の壁を自力で突破し交渉をまとめるのが条件となっています。しかし、本部は、専門的な交渉には通訳を活用としていますが、現地関係者とシビアな信頼関係は築けているのでしょうか。
 帯同する職員の選定基準に、語学スキルや専門的な交渉実績をどのように反映しているのか。役職があるから行くという旧態依然とした人選から脱却し、即戦力となるプロフェッショナルを登用あるいは育成する仕組みとなっているのか、確認します。

○鈴木プロモーション推進部長 海外プロモーションに従事している職員は、トップ層から実務担当者まで、それぞれのポジションに応じて、相手方と直接コミュニケーションを取り、信頼関係を築いております。
 出張先の用務は、英語等を用いた関係機関との意見交換のほか、展示会における来場者対応や、帯同するスタートアップとの調整など、多岐にわたっております。
 出張時の体制は、こうしたそれぞれの用務に必要な役割を十分に考慮した上で、職位を含め、適切な人員を選定しております。

○上田委員 ニューヨーク出張では、四名の職員で約三百四十五万円もの経費を計上しております。展示会の準備やスタートアップ調整という名目ですが、これほどの人員が常に必要なのでしょうか。民間企業であれば、最少人数で最大効果を狙うのが常識です。
 他局と比べても突出して多い出張頻度と人数について、誰が欠けたらこの用途が達成できないのかという厳格な要件定義を新年度から導入すべきです。
 これ以上の出張聖域化とならないためにも、適正化に向けた具体的な削減目標とルールを明示してください。

○鈴木プロモーション推進部長 海外プロモーションに当たりましては、各用務の内容や業務量に応じまして、必要な人員を選定しております。
 現地では、例えば展示会出展の準備、会期中の来場者対応、帯同するスタートアップとの調整、イベントでの登壇やプレゼンテーション、現地関係者との面会、意見交換など、複数の用務を同時並行で行っております。
 こうした状況の中、限られた人員が相互に協力し、工夫して業務に当たっております。

○上田委員 ちょっとこちらは都民の方にもお示しして、この出張の適正性は、皆様のご説明が正しいかどうかというのはつまびらかに−−私、資料要求でかなり出していただいたので、これはぜひホームページの方にも出していただきたいなというふうに思います。令和五年度まではアップしていませんでしたからね、この本部の方は。
 今回の予算案は、総額は三百九十二億円まで膨れ上がりました。しかし、その内実を精査すればするほど、都が主体的に汗をかいているのか、それとも莫大な税金を民間に流し込んでいるだけなのではないか、疑念を禁じ得ません。
 予算の約一割に当たる三十五億円がコンサルへの外部委託なんですね。そのうち、半分近い十八億円という巨額の公金が、デロイトグループという特定の民間企業に流れています。企画立案から運営、伴走支援に至るまで、ここまでコンサル依存が鮮明であれば、専門性向上を掲げた組織再編の真の目的は、都庁の政策立案機能の外部化、外注化、丸投げ化だったのではないかと疑わざるを得ません。
 もし政策の立場から現場の運営まで特定のコンサルティングファームに依存するのであれば、一体、都の職員は何のために存在しているのでしょうか。高額なコンサル料でお墨つき、やった感を得ることが東京のイノベーションの正体であるならば、これほど滑稽な話はありません。
 新年度は、コンサル任せの中身の薄いパッケージ施策を並べるのではなく、成果不明の出張ばかり行くのではなく、東京都で起業をし、雇用を創出し、法人税を納め、新たな技術で周辺の中小企業まで潤うといった具体的な成果を掲げること、見える化すること、これこそがこの本部の存在意義ではないかと申し上げて、私の質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十一分休憩

   午後三時四十分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○さとう委員 スタートアップ戦略の推進について、本部予算は三百七十億円ですが、都の主要事業資料では、他局計上分を含めて七百七億円となっています。つまり、他局もスタートアップ戦略の推進のための予算をつけていて、その額を集計すると、スタートアップ戦略推進本部とほぼ同等の予算規模となっているというわけです。
 本部予算を見るだけでは分からない、都全体で見たら倍の予算がついているという事実を知ったら、都民は大変驚くかと思います。
 本部予算三百七十億円のうちファンド事業が二百一億円と、予算の五〇%以上がファンドですので、こうなると、スタートアップ戦略推進本部というよりもファンド運営事業部といった方が実態を表していると思ってしまいます。
 そこで伺います。都全体としてスタートアップ戦略の推進事業の責任を担う部局として、局横断でのKPI設定や投資対効果の測定は実施しているのでしょうか。

○片山理事 スタートアップ戦略推進本部は、スタートアップに特化した部署として昨年四月に発足し、スタートアップに係る戦略的かつ総合的な施策の推進の事務をつかさどることとしております。
 二〇五〇東京戦略におきまして、スタートアップ関連の政策目標として、全庁を横断する官民協働実践数や、スケールアップを目指すスタートアップの資金調達額などを設定したところでございまして、毎年、評価、公表していくこととしております。
 また、全庁一丸となってスタートアップ施策に取り組むため、各局に兼務職員を配置してございまして、Team Tokyo Innovationとして、官民協働の推進やスタートアップ施策の実施状況、関連経費の把握などを行っております。

○さとう委員 資金調達金額は、その会社の実力ではないので、評価軸にするにはとても粗いと思います。調達額だけ異常に多く、中身がない会社は数多く存在します。
 調達フェーズでは、ピッチがうまい会社が評価されやすく、資金調達額が成果になります。調達額は単なる成果にすぎず、評価の中心軸にしてしまっては、都はVCと何ら変わらない事業をしてしまうことになります。
 VCは、将来のエグジットのためのストーリーを重視し、現時点での売上げや利益、商品をほぼ見ていないケースがあります。結果として、粉飾まがいのKPI、過大な売上げ、利益見通しなどにもかかわらず評価額が膨張しているという、いわゆる上場ゴールの企業の会社の量産につながってしまいます。
 ハイリターンの利益を追求してアグレッシブな投資を行う投資会社と都は違うわけですから、VCのように資金調達額を基軸した評価をするのではなく、利益、LTV、CAC、CCCなど、地味ですが、うそがつけない評価指標で評価することを要望します。
 次に、戦略二・〇ではグローバル強化を打ち出している一方で、戦略的な海外プロモーションの推進予算は、全体として一・七億円の減額で、Access to Tokyoは五拠点体制のまま一億円の減額です。
 ロンドン、パリ、サンフランシスコ、シンガポール、ベンガルールの各拠点ごとに、設置から現在までの東京進出企業の発掘数及びなぜこの予算配分を最適と考えるのか、教えてください。

○鈴木プロモーション推進部長 Access to Tokyoは、海外に向けた情報発信拠点として、現地企業や関係機関に対し、東京のエコシステム等に関する情報提供を行いますとともに、日本でのビジネス展開に関心を持つ企業の相談に対応し、助言や関係機関の紹介を実施しております。
 こうした取組によりまして、現地企業等を東京のエコシステムにつなげておりまして、令和六年度の相談件数は三百八十八件、その内訳は、ロンドン六十四件、パリ五十五件、サンフランシスコ六十七件、シンガポール百四十一件、ベンガルール六十一件でございます。
 これまでの事業実施状況を元に、来年度に向けて事業内容や執行体制などを工夫し、必要な予算を精査して計上しております。

○さとう委員 相談件数の内訳をご答弁いただきましたが、相談件数だけでは、具体的にどのような企業が東京に進出し、何の投資をしたのかという実績が把握できません。相談が何件あったかではなく、そのうち何件が東京進出、都内拠点設置、雇用、投資に結びついたかを報告することを要望いたします。
 次に、TIB CATAPULTは、最大三億円、三か年の協定金をクラスターに支払う仕組みですが、昨年比十三億円増額しています。
 これらの予算を、スタートアップそのものではなく、スタートアップを支援する側のクラスター構成企業に支払われています。クラスター構成企業がスタートアップを募集するわけですが、募集ホームページを拝見すると、スタートアップに届くのは一社当たり二百から三百万円ほどの支援と、随分少額という印象を受けます。クラスター構成企業ではなく、スタートアップ企業を直接支援することもできたはずです。
 クラスターは、大手企業、公的機関で構成されておりますとともに、オープンイノベーションや新規事業開発を行っている企業が多いため、大手企業への補助金とも考えることができますが、協定金のうち、何割がクラスター構成企業の運営側の経費で、何割がスタートアップに届くのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTは、東京の強みとするビジネスや技術の領域に焦点を当てたクラスターを組成し、スタートアップと大企業等との協働プロジェクトを創出して、社会にインパクトを与えるイノベーションを推進していくものでございます。
 本事業の経費は、スタートアップの大きな飛躍を目指し、協働プロジェクトの組成に向けたマッチングイベントや実証フィールドでの実験、創出された製品、サービスの成果発表、売上げの拡大に向けた展示会出展といった様々な活動に充てられております。
 ご質問の二百万から三百万というお話がございましたけれども、本事業における実証実験の費用の負担の金額のことかと思いますが、こちらは、対象とする協働プロジェクトの内容に応じまして、各クラスターが主体的に判断をしております。
 例えば、こうした実証実験の成果をてこといたしまして、スタートアップと大企業等とが主体的かつ一体となって協働プロジェクトをさらに拡大していくものでございます。

○さとう委員 ご答弁では、マッチングイベント、実証フィールド、展示会出展などに充てているとの説明でしたが、この説明では、依然としてスタートアップに直接届く資金と中間運営コストの割合が分かりません。
 今回の協定金がベンチャー企業支援という名の大手企業への補助金でないということであれば、中間コストの上限や妥当性を数字でお示しください。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本事業は、スタートアップの技術やサービスを活用したイノベーションを大きく育てるために、スタートアップと大企業等とが一体となって協働プロジェクトを推進していくものでございます。
 クラスターの活動経費は、実証実験や販路拡大など協働プロジェクトの推進に充てられており、都は、その進捗状況や成果を確認しております。

○さとう委員 都は、中間コストの上限や妥当性が示せないということが分かりました。それでは、公金チューチュー、中抜き事業といわれても仕方がないと思います。
 アクセラレーター型の公的支援の問題点として、大企業補助金になる、中間コストが膨らむ、実際のスタートアップに届く資金が減るという問題点がありますから、事業を計画する段階で適切な制度設計をする必要がありました。
 管理費上限、利益率上限、間接費上限など中間コストの妥当性を数値で管理し、公表することを要望します。
 また、全国、海外のスタートアップや大企業が参加すること自体は理解しますが、東京都予算を投じる以上、最終的に東京に何が残るのでしょうか。
 本社機能、研究開発拠点、都内実装、雇用、税収など、東京への還元指標をクラスター別に設定しているか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 クラスターが支援するスタートアップにつきましては、協働プロジェクトの組成時に、東京において事業展開を行う意思を確認しております。
 協働プロジェクトを通じて成長したスタートアップの活動により、都内でのサービス等の実装や、新規市場の創出による経済成長や雇用増加といった効果が生み出されることになります。
 なお、各クラスターは、三か年で合計二十件以上の大企業等とスタートアップによる協働事例を創出することを目標としております。

○さとう委員 分かりやすい指標として、税収目標など具体的な数値目標も設定してはいかがでしょうか。
 TIB CATAPULTは、三年間で百二十件以上の協働プロジェクト創出を目標とし、初年度では四十二件を組成したと理解しています。
 件数だけでは、PoCやイベントで止まっても達成になってしまいます。
 商用契約、本採用、継続売上げ、資金調達、海外展開までを追うKPIに変える考えはあるか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 各クラスターが行う協働プロジェクトは、実証実験を目的とするものではなく、事業化や資金調達、海外展開等を達成することを目的としております。
 クラスターに対する協定金額を確定する際には、協働プロジェクトの進捗状況についての確認を行い、実証実験で終了したものについては低い評価とし、金額に反映する仕組みとしております。

○さとう委員 事業化や資金調達、海外展開が目的なのであれば、件数ではなく、それらに関連する具体的なKPIに変更することを要望します。
 四十二件のうち、現時点で有償導入や継続契約まで至った件数は幾つか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本事業において、昨年度組成された四十二件のプロジェクトのうち、事業として売上げにつながったものや、事業化に向けて継続して取組中のものは、三十件以上となっております。

○さとう委員 募集要項では、本事業の実施期間は令和九年度末までと予定されています。
 公費終了後も自走できるクラスターだけを残すのか、それとも継続的に公費投入をしていくのか、継続、縮小、統合、終了の判断基準を今の時点で持っているのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本事業は、様々な領域に強みを持つクラスターを組成し、持続的な活動を行えるよう、立ち上げ期における集中的な支援を行うものでございます。
 本事業で採択したクラスターに対する支援期間は三か年度となっておりまして、令和七年度に採択したクラスターへの支援は、令和九年度末をもって終了いたします。

○さとう委員 終了後、自走できない場合、この事業は、スタートアップ支援ではなく大企業補助金だった証明になると思います。協定金の終了とともに、クラスターの解散や形骸化しないように、支援期間終了後のクラスターの動向も注視していただけるよう要望いたします。
 次に、SusHi Tech Globalプロジェクトには、資材調達の遅れなどを理由に、十億円の繰越明許費が置かれています。
 何が実行のボトルネックになっていて、令和八年度予算で先取りする理由を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 繰越明許費は、資材調達の遅れなどの一定の事由に備え、歳出予算を翌年度に繰り越して使用できるよう、あらかじめその上限額を設定するものでございます。
 SusHi Tech Globalの成長加速プログラムにつきましては、令和七年度中に選定予定の第一期及び令和八年度選定予定の第二期の資金サポート経費として、合わせて二十億円を令和八年度の歳出予算に計上しております。
 このプログラムは、十八か月にわたり各企業のプロジェクトを支援するものであり、翌年に繰り越してサポートを実施する可能性があることから、歳出予算の半額の十億円を繰越明許費として設定いたしました。

○さとう委員 SusHi Tech Global Startupsとして選定された企業の中に、外資系、外国法人格の企業は何社含まれていますでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 これまでSusHi Tech Global Startupsに決定いたしました六十七社は、全て日本の法人格を有する事業者でございます。
 このSusHi Tech Global Startupsの参画に当たりましては、東京において事業展開を行っている、または行おうとしていることを要件としておりまして、東京でのビジネス展開をきっかけにグローバルな成長を遂げる企業を生み出し、東京、日本の社会、経済の発展につなげてまいります。

○さとう委員 法人格は日本法人ということですが、株主に外国法人がどの程度含まれるかは把握していないと伺っております。都民の税金で育てた日本企業のオーナーが外国企業が中心だとすれば、本末転倒になります。
 海外への利益流出が生じる構造になっていないか、調査し、公表することを強く要望しまして、質問を終わります。

○おぎの委員 スタートアップ戦略推進本部について質問させていただきます。
 持続可能な未来の都市をつくる東京ベイeSGプロジェクトについて伺います。
 これまで都は、ベイエリアをフィールドに、空飛ぶクルマや、最新の風力発電といった再生可能エネルギー、CO2の回収技術などの技術実証を進めてきました。
 また、今年度からは、私の地元大田区でも羽田空港における自動運転の実装支援を開始するなど、現実の都市の中で動き始めていることを、さきの事務事業質疑でも確認させていただきました。
 ベイエリアには、この羽田空港周辺をはじめ、区のインキュベーション施設や民間によるオープンイノベーションの取組など多彩な取組が進められており、最近では、臨海副都心の新たなスポーツ、エンタメ施設や、芝浦、高輪、品川、大井町などでも大規模な民間施設がオープンしています。このような取組との官民の連携でイノベーションを起こしていくことが重要と考えています。
 そこでまず、こうした多様な主体と拠点が集積するベイエリアにおいて、東京ベイeSGプロジェクトは今後どのように展開していくのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 持続可能な都市の実現に向け、まちづくりの中でイノベーションを実践する東京ベイeSGプロジェクトは、中央防波堤エリアを中心に最先端技術の社会実装を進めながら、関係区等とも連携し、実装場所の拡大を図ってまいりました。
 今後、ベイエリア全体を、スタートアップ戦略二・〇に掲げたイノベーションフィールドとして広く展開することとし、中央防波堤エリアにおける実装支援を拡充するとともに、ベイエリア各地の新たなインキュベーション施設や民間のイノベーション拠点等も活用し、多様な主体が集うTIB等で生まれた挑戦的アイデアを実践する取組を充実させてまいります。

○おぎの委員 東京ベイeSGプロジェクトが、ベイエリア全体をアイデア実践の、いわばプラットフォームとしていく方向性を確認いたしました。
 新しいアイデアや技術を実現するためには、実際のフィールドで検証し、データの収集や改善を繰り返していくプロセスが重要であります。
 先般の事務事業質疑では、技術の社会実装を進める取組として、令和七年度に三件のプロジェクトが採択されていることも確認しておりますが、こうした取組をベイエリア全体に広げていく上でも、これまでの取組に加え、意欲あるスタートアップなど、より多くの事業者に間口を広げてフィールドを提供していくことが必要ではないかと考えます。
 そこで、最先端技術の社会実装に向けて、より多くの事業者を後押しするために、来年度、具体的にどのような事業を進めていくのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 これまで取り組んできた先行プロジェクトは、ベイエリアのフィールド全体をより多くの事業者に技術実装の場として開放していく観点から、Tokyo Bay Innovation Fieldと名称を改め、事業を再構築します。
 具体的には、フィールド提供型とプロジェクトサポート型を用意し、フィールド提供型では、中央防波堤エリアを無償で開放し、試作、検証段階から既製品の改良まで、幅広い製品開発等を二十件支援いたします。
 また、プロジェクトサポート型につきましては、社会実装を見据え、生活や産業に身近な場でのユースケース検証まで取り組むプロジェクトを三件程度採択し、事業費の支援も行いながらフィールドを提供いたします。

○おぎの委員 今年度まで行っている事業費支援を伴う三件に加え、Tokyo Bay Innovation Fieldの新たな取組では、フィールド提供を中心としたメニューを二十件増やし、多くの事業者に取組の機会を提供していくことが分かりました。
 ここで、内容について詳細に確認します。
 新たな取組であるこのフィールド提供型の支援について、具体的にどのような内容か、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 フィールド提供型につきましては、企業の取組内容や期間などに応じ、二つのメニューにより実証を支援いたします。
 具体的には、モビリティーのテスト走行など、一週間程度の短期的な利用を想定した技術実証に対応する一時利用タイプと、CO2を回収する装置など、一年間程度の中長期的なデータ取得に向けた機器検証に対応する常設設置タイプを展開します。
 このように、事業者の様々な実証ニーズに的確に対応し、きめ細やかな支援を行うことで、最先端技術の社会実装を強力に後押ししてまいります。

○おぎの委員 様々な事業者のニーズに応じてメニューを用意していくことが確認できました。より多くの事業者がこの新しい取組に参加してもらえるよう、しっかりと発信していただきたいと思います。
 一方で、こうした取組を都民に理解してもらうことも、最先端技術を社会実装へとつなげていく重要な取組であります。
 東京ベイeSGプロジェクトでは、お台場、青海の日本科学未来館にTokyo Mirai Parkという拠点を設け、特に子供たちにとっては、未来の技術に触れる絶好の機会となっています。
 そのTokyo Mirai Parkが入る日本科学未来館は、令和八年十月から約半年間、施設整備工事のために休館すると聞いています。
 Tokyo Mirai Parkは、将来のイノベーションを起こす担い手である子供たちに向けた重要な取組であり、休館中にも活動を続け、令和九年四月の再開に向けて、つなげていただきたいと考えています。
 日本科学未来館の休館を契機に、今後、Tokyo Mirai Parkで行っている取組をどのように展開していくのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 Tokyo Mirai Parkは、最先端技術の体験展示を行う一階Parkと、ワークショップ等を行う三階Labを展開しており、今回の工事の影響で一階Parkは休止となりますが、三階Labは、引き続き活用する方向で調整しております。
 休館中の体験展示につきましては、多様な挑戦者が集うTIBや集客力の高いベイエリアの民間施設を活用しまして、子供から大人まで最先端技術を身近に体験できるイベントを展開いたします。
 さらに、継続的な取組として、Tokyo Mirai Parkを戦略二・〇で示す子供たちの挑戦意欲を育むTIB KIDSへつないでいくことで、イノベーションを生み出す裾野を拡大するベイエリアの拠点へと成長させてまいります。

○おぎの委員 Tokyo Mirai Parkの閉館中にも体験展示を行い、取組の灯を消すことなく、さらにTIB KIDSと連動を進めるなど、イノベーション創出につながる取組の強化を図っていくことが確認できました。
 これまでの質疑を通じて、東京ベイeSGプロジェクトが、中央防波堤エリアという広大なフィールドを最大限に活用しながら、臨海副都心や羽田空港周辺を含むベイエリア全体へと展開を広げ、スタートアップ戦略二・〇の実現に向けた取組も行いながら、着実に歩みを進めていることの確認ができました。
 ベイエリアから始まるこの取組が、東京全体、さらには日本、世界へと広がるモデルとなるよう、引き続き展開されることを期待いたします。
 さて、次にスケールアップについて伺います。
 さきの本会議や予算特別委員会の代表質問で我が会派が指摘したように、外貨を稼ぎ、雇用創出に貢献するスケールアップ企業を生み出していくことの重要性はいうまでもありません。
 世界市場に挑戦する企業を育てていくには、これまでにない大胆なサポートが必要であるということを主張したところですが、今回、SusHi Tech Globalにおいて、一社当たり十億円という思い切った支援策が新たに盛り込まれました。
 本事業において、どのようなステップを踏み、何社程度を対象に取組を進めていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業では、現在六十七社を選定し、今後、百五十社規模の集団形成を行ってまいります。
 その中から選抜された企業に最大二億円の資金サポートを行う成長加速プログラムでは、五期にわたり合計五十社程度を支援してまいります。
 さらに、来年度新たに設ける、海外でのプラント開発や量産設備の整備などの大型プロジェクトをサポートする最大十億円のプログラムでは、今後五年程度で、特に成長性の高い企業を五社絞り込み、徹底した支援を行います。
 こうした取組によりまして、東京、日本の経済成長を牽引する新たな産業の創出に貢献する、グローバルにスケールアップする企業を育ててまいります。

○おぎの委員 厳選に厳選を重ねて有望企業をえりすぐり、海外での大胆なチャレンジに対して思い切った支援をすることで、グローバルにスケールアップする企業を生み出すことを目指すものであることが確認できました。このような行政による大型の資金サポートでグローバルでの成功を後押しすることは極めて重要であり、着実に取組を進められたいと思います。
 また、SusHi Tech Globalでは、現在六十七社の有望企業が選抜されており、その中には、新素材や核融合技術など、海外での活躍が期待される分野が含まれておりますが、創薬分野もまた、海外市場を見据えて、設立当初からグローバルな事業展開を前提に取り組むことが重要な分野であります。
 これまで我が会派は、VC自らがビジネスを立ち上げるカンパニークリエーションに注目し、社会的なインパクトのある分野での創業を目指すべきと主張し、都は創薬分野での取組を進めていると聞いています。
 欧米と比べ、資金、人材の確保などで環境が整っているとはいえない日本において、今後、分野特化型カンパニークリエーション創出支援事業をどのように進めていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、創薬分野でVC等が研究シーズに狙いを定め、スタートアップを立ち上げるカンパニークリエーション創出に向けた取組を新たに開始をいたしまして、がんや神経疾患等、難治性疾患の治療を進める五つのプロジェクトを今月公表いたしました。
 今後、これらに対しまして、創薬分野に精通する有識者によるアドバイザリーボードがきめ細かな支援を行うほか、チーム運営費用の助成等を行うことで、カンパニークリエーションの事例を積み重ね、日本版モデルの構築を目指してまいります。
 また、事業化を進める上で欠かせない専門経営人材の発掘、育成に向け、候補となる人材のコミュニティ形成や実践的ワークショップ等に取り組み、創薬エコシステムを牽引する人材創出につなげてまいります。

○おぎの委員 都が取り組むカンパニークリエーションが大きな社会的インパクトを生み出す可能性を秘めていることも確認できました。この可能性を着実に成果につなげるべく、これは成功すれば様々なほかの分野も含めて、しっかりと支援してもらいたいと思います。
 さて、創薬を含め、大きな社会的インパクト創出につながる分野としてディープテックが挙げられます。
 日本の大学には、先人たちが培ってきた基礎研究の成果が蓄積されており、これを生かしビジネスにつなげていくことは、日本の勝ち筋の一つだと考えております。
 一方で、事業化に当たっては、研究開発の場や資金など、様々な課題があります。
 都は今年度、民間による研究開発支援拠点の整備を後押しするディープテックイノベーション推進事業を立ち上げ、来年度も拡充の予算を計上しています。
 本事業の今後の展開について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 今年度開始いたしました本事業では、世界有数のライフサイエンス支援者によるウエットラボ整備の取組を採択したところでございまして、引き続き、民間による優良な計画を掘り起こし、取組をさらに推進していくため、先般、次期募集の概要を発表し、関係者への周知を開始したところでございます。
 ウエットラボ設備やAI開発環境など、支援拠点に求められる機能は様々であることから、多様なニーズに応えるため、整備内容や期間の異なる複数のタイプの取組を募りまして、一件当たり七億円を上限に支援いたします。
 こうした取組によりまして研究開発環境の整備を進め、ディープテックの社会実装を加速させてまいります。

○おぎの委員 都内にウエットラボやクリーンルームなどの研究開発施設が足りていないという声は少なくありません。事業化に向けては息の長い支援が必要であり、このような取組を着実に進めていってもらいたいと思います。
 さて、数多くのディープテックを輩出するのが大学発スタートアップであります。
 東京には、イノベーション創出の担い手である優れた研究人材やポテンシャルの高い技術が豊富に存在しており、大学発スタートアップの数も年々増加し、着実に裾野は広がっています。
 一方で、研究シーズをビジネスに昇華させる経営人材の不足や知財対応の難しさなど、大学発スタートアップを取り巻く環境は様々な課題が存在しています。
 こうした課題を解決するためには、大学単体に対する支援に加え、大学の連合体等、より広い枠組みで取り組む必要性があるのではないかと考えます。
 都は、今後、全国規模の組織とどのように連携し、イノベーション創出に向けて取組を展開していくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は昨年、大学発スタートアップの全国組織、NINE JPと連携協定を締結し、大学発スタートアップの成長の後押しに取り組んでおります。
 TIBでは、今月から、経営人材の紹介や投資家等の適切な支援者へつなぐ窓口相談を開始いたします。知財、研究開発等の専門的な相談対応を行う大学と分担しながら、大学発スタートアップの抱える課題を解決してまいります。
 四月のSusHi Techでは、大学発スタートアップのパビリオンを設置いたしまして、全国から選抜された企業や研究者等がまとまって出展するとともに、AIをテーマにピッチコンテストを開催するなど、日本の優れた技術や研究成果を世界に向け強く発信してまいります。

○おぎの委員 全国の大学や研究機関と連携しながら、SusHi TechやTIBを起点として大学発スタートアップの成長を後押ししていくという方向性は、東京がハブとしての役割を果たそうとするものであり、評価できます。
 こうした取組が日本のイノベーション全体の底上げにつながることを期待いたしまして、私の質疑を終わります。

○渋谷委員 我が会派は、東京と各地域がそれぞれの強みを生かし、共に繁栄することこそ、日本全体の持続的な成長にとって不可欠であると訴えてきました。新年度におけるスタートアップ振興策の展開に当たっても、この考え方は大変重要な視点であると考えます。
 スタートアップの成長を支える投資家や大企業などが数多く集積する、ここ東京が、その強みを大いに生かしながら、スタートアップ全体の底上げを図り、日本全体を牽引していくべきと考えます。
 もちろん、これは東京が独りよがりで進めても実現しません。
 全国各地の自治体と緊密に連携し、スタートアップの交流など具体的な取組を積み重ねていくことが重要と考えますが、来年度どのように進めるのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都はこれまで、全国の自治体と連携し、TIBで自治体が主催するイベントの盛り上げに協力するなど、共にスタートアップ支援に取り組んでまいりました。
 来年度は、この取組を加速させ、ノウハウや体制面で単独開催が難しい自治体などが複数で開催する合同イベントを企画し、月一回程度実施するなど、投資家や大企業など様々な関係者が集まる場を提供してまいります。
 また、四月のSusHi Tech Tokyoには、前回を上回る四十以上の自治体が参加し、会期中に自治体関係者が交流するサイドイベントをTIBで開催するほか、長野県で初開催されるイベントと連携するなど、東京が率先して全国の自治体をつなぎ、日本全体のスタートアップの振興に貢献してまいります。

○渋谷委員 都が全国との連携に地道に取り組んで、その結果が確実な成果につながってきていることが確認できました。
 全国と東京だけでなく、都内も都心と多摩では、どうしてもイノベーション創出の環境に温度差があります。様々なポテンシャルを持つ多摩の振興に当たって、スタートアップの柔軟な発想や優れた技術を身近に活用することが、都心と多摩の差を埋め、地域課題の解決につながっていくと考えます。
 都は、各自治体が認定したスタートアップの優れた製品等に係る情報を自治体間で共有する仕組みを構築し、公共調達での活用促進に取り組んでいると聞きます。
 そこで、本年度の取組状況と多摩地域での展開について伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 自治体間の連携の取組でありますファーストカスタマー・アライアンスは、昨年三月に八王子市を含む九団体で開始いたしました。
 TIBや全国各地のイベント等での意見交換など積極的な周知を行い、都内は、一月に新たに東久留米市が参画するなど十一団体、全国では、五県を含む二十二団体まで拡大しております。
 共有するスタートアップ製品は八十を超えており、都は、プライバシーに配慮した人流の自動解析サービスや、災害時に少量の水だけで一週間以上光るライトなど、他団体の認定製品の都政現場での導入を進めております。
 今後、魅力ある製品の拡充を図るとともに、多摩地域をはじめとした都内自治体での導入を積極的にサポートしてまいります。

○渋谷委員 ぜひともスタートアップの力を生かし、多摩地域のポテンシャルを引き出せるよう、取組を着実に進めていくよう求めておきます。
 さて、我が会派が本定例会の代表質問でも取り上げたように、大きく成長する企業を大胆に支援することは東京の成長にとって重要であるが、同時に、大きくもなく、名前も知られていなくても、都民生活を支えたり、身近な社会課題の解決に取り組んでいるスタートアップの存在も忘れてはならない。
 先ほどの質疑でも取り上げた多摩地域をはじめとした地域の実情を踏まえ、課題に真摯に向き合う多様な起業家を育成していくことは、行政の施策としても大変意義があり、TIBなどの場を活用して支援していくべきではないでしょうか。
 そこで、こうした社会的起業を後押しする取組について伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 ソーシャルビジネスの事業化に必要な技術開発や販路開拓に向けまして、多様なプレーヤーが集うTIBの場を生かした支援を展開しております。
 具体的には、災害時などでも利用できる、空気から水をつくる技術を持つ企業が製品の技術実証を行うほか、ベトナムで地元農家と協働してコーヒー農場の運営に取り組む企業がテストマーケティングを行うなどしております。
 来年度は、多摩地域でピッチイベントを開催いたしまして、地元の地域課題の解決に取り組む起業家と、多摩に集積する大学、研究機関やTIBに集うプレーヤーとの交流を図るなど、結節点として取組を各地に展開してまいります。

○渋谷委員 本日は、ファーストカスタマー・アライアンスの活用やピッチイベントの開催など、私の地元、多摩地域への積極的な施策展開を答弁いただきました。
 ぜひ来年度も、都民の豊かな暮らしにつながるよう、改めてスタートアップの支援を都が率先して行っていくことを求めまして、私の質疑を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスタートアップ戦略推進本部関係を終わります。

○大山委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第十二号議案、第二十号議案及び報告事項、旧築地市場(七)仮設搬出入路及び荷揚桟橋下部工撤去工事を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○住野管理部長 去る二月十二日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元の経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は、全部で十三項目でございます。
 恐れ入りますが、一ページをご覧ください。1、市場別・月別取扱数量及び取扱金額の推移(令和七年水産物・青果物)についてでございます。
 一年間の取扱数量及び取扱金額につきまして、市場別、月別に、一ページから三ページにかけまして、それぞれ記載してございます。
 四ページをご覧ください。2、豊洲市場開場後の地下水管理システム維持管理経費の推移についてでございます。
 地下水管理システム維持管理経費につきまして、豊洲市場開場後から令和八年度までの推移をお示ししてございます。
 五ページをご覧ください。3、中央卸売市場の主な工事一覧(令和七年度完了案件及び令和七年度以前契約済令和八年度以降完了予定案件)についてでございます。
 中央卸売市場の主な工事のうち、令和七年度に完了または完了を予定している工事及び令和七年度以前に契約し、令和八年度以降に完了を予定している工事につきまして、工事件名と概要を市場別に記載してございます。
 七ページをご覧ください。4、と場会計の一般会計繰入金の推移(過去十年間)についてでございます。
 過去十年間のと場会計の一般会計繰入金の推移をお示ししてございます。
 八ページをご覧ください。5、市場事業収益の推移(過去十年間)についてでございます。
 過去十年間の市場事業収益の推移をお示ししてございます。
 九ページをご覧ください。6、損益勘定留保資金等による補填額推移(過去十年間)についてでございます。
 過去十年間の損益勘定留保資金等による補填額の推移をお示ししてございます。
 一〇ページをご覧ください。7、旧築地市場跡地に係る埋蔵文化財本掘調査のこれまでの取組・状況、支出内訳についてでございます。
 旧築地市場跡地に係る埋蔵文化財本掘調査のこれまでの取組、状況及び支出内訳といたしまして、出土遺物等及び支出額を年度別に記載してございます。
 一一ページをご覧ください。8、各市場におけるDXの取組状況(導入・活用・検討)についてでございます。
 各市場におけるDXの導入、活用、検討状況を事業ごとに記載してございます。
 一二ページをご覧ください。9、板橋市場機能強化事業に係る基本計画における概算事業費についてでございます。
 板橋市場機能強化事業の基本計画における概算事業費について、施設ごとに記載してございます。
 一三ページをご覧ください。10、と畜解体処理に係る施設・設備機器改修工事等に要する予算・決算額についてでございます。
 と畜解体処理に係る施設、設備機器の改修工事等に係る予算、決算額を年度別に記載してございます。
 一四ページをご覧ください。11、築地地区まちづくり事業に伴う負担金等のうち、存置物撤去に係る予算・決算額についてでございます。
 築地まちづくり事業に伴う負担金等のうち、存置物撤去に係る予算、決算額を年度別に記載してございます。
 一五ページをご覧ください。12、中央卸売市場会計の資金運用の予算・決算額についてでございます。
 中央卸売市場会計における資金運用について、予算、決算額を年度別に記載してございます。
 一六ページをご覧ください。13、旧築地市場(七)仮設搬出入路及び荷揚桟橋下部工撤去工事に係る入札結果、入札参加条件、入札参加可能事業者数、入札辞退理由並びに低入札価格調査対象者の聴取日時及び内容についてでございます。
 当該工事請負契約に係る入札結果等について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 私からは、先日登壇しました予算特別委員会の一般質問も踏まえ、市場経営の持続性の確保に向けた各論点について、掘り下げて質問をしていきたいと思います。
 まず、経営計画の改定についてであります。
 現在、卸売市場審議会において、中央卸売市場経営計画の改定に向けた検討が進められており、予算特別委員会では、卸売市場を取り巻く状況と計画改定に対する都の考え方について、改めて確認したところであります。
 その際、小池知事からは、審議会において、従来の延長線上ではない対応が必要との意見が示されたことを踏まえ、こうした危機意識をしっかりと受け止め、既存の枠組みにとらわれない視点で、実効性ある取組を具体化していくとの答弁がありました。
 大きく変化する環境の中、審議会では様々な意見が交わされていると思いますが、各市場の安定的な運営により都民生活を下支えする基幹インフラとしての役割を今後も果たしていくという観点から、どのような意見が示されたのか、具体的に伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場審議会では、少子高齢化の進行に伴う人手不足の深刻化や物価高騰によるコストの増加など、卸売市場を取り巻く経営環境が厳しさを増していることについて、様々な意見が交わされました。
 具体的には、労働力不足に対応するため、DXの推進などにより業務の効率化を進めていく必要があるとの意見や、老朽化した施設を計画的に更新し、市場機能を安定的に維持していくことが重要であるとの指摘がありました。
 また、こうした取組を下支えし、市場機能を将来にわたり維持強化していくためには、財政面での健全性を向上させていく必要があるとの意見も示されたところでございます。

○おぎの委員 審議会では、DX推進による業務の効率化や老朽化した施設の計画的な維持更新、財政面における健全性確保などについての意見があったとのことです。持続可能な市場運営を実現するために、我が会派がこれまで指摘してきたこととも重なる意見であります。
 これらの重要な意見について、都の取組を確認いたします。
 施設整備を通じたDXの推進ということで、予算特別委員会では、複雑な物の流れと多くの人により業務が成立している卸売市場において、持続性の観点から、卸売市場におけるDXを一層強力に推進すべきと、都の取組をただしたところであります。
 都においては、各市場の特性等を踏まえて施設整備が進められていますが、その検討状況を含めて、各市場における取組を確認していきたいと思います。
 まず、私の地元にある大田市場について伺います。
 予算特別委員会における私からのDXの質問に対し、都からは、淀橋市場や大田市場で無人搬送機やAIカメラ等を利用した場内物流の省力化の取組を推進しているとの答弁がありました。
 全国の産地から青果物や花きなどが集中的に集まる大田市場では、買い出し人の荷物の引取り時間短縮や、産地から来場したトラックの場内滞留時間の短縮などに向けて、市場業者がデジタル技術を活用して物流効率化を図る取組を進めるとしています。
 まず、Wi-Fi環境の整備や入退場管理システムの導入など、具体的なDXによる物流効率化の取組状況及び今後の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都では、市場業界によるオンラインで荷物の引取り場所を確認できるシステムの利便性向上を図り、買い出し人の待機時間を短縮するため、通信基盤となるWi-Fi環境を場内共用部に段階的に整備しております。
 これまで、正門や南側の積込み場、周回道路の西側などで整備を完了しており、来年度は、場内で未整備となっております卸売場、北側の積込み場、周回道路の東側及び北側に拡張していく予定でございます。
 また、画像解析機能を搭載したAIカメラを用いた入退場管理システムにつきましては、産地トラックの場内滞留状況を把握するため重要との強い声が業界から寄せられており、来年度は、実用化に向けてカメラの設置工事やシステム開発を行う予定でございます。

○おぎの委員 Wi-Fiの環境整備も入退場管理システムの導入も、どちらも他市場での前例がない先駆的なDXの取組であり、業界からの期待も高いと承知しております。 引き続き着実に進めてもらいたいと思います。
 同時に、業界からは、大田市場のキャパシティーはもはや限界に近づいているとの声が私にも届いており、予算特別委員会の答弁では、さらなる狭隘化対策を検討するため、検討会を新たに設置するとともに、卸売場や積込み場の利用実態を市場関係者に聞き取り調査をしているとのことでした。
 狭隘化の解消に向けて実効性ある対策を講じるためには、現場の実態を把握し、その実情に即して議論を進めることが重要であります。
 狭隘化対策の具体化に向けた実態調査の取組状況と、それを踏まえた今後の取組予定を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都では、昨年十一月から検討会において市場業者との協議を開始し、まず、産地トラックのドライバーや各業界団体などに直接聞き取りを行い、施設の利用状況を確認するとともに、今年二月からは、フォークリフト等に発信機を取り付け、位置情報に基づき移動ログを取得する場内動線の分析に着手いたしました。
 また同時に、周回通路等に設置したカメラで通行車両を撮影し、AIにより車両の走行状態を解析することで、場内混雑の実態を把握する調査も実施しております。
 これらの調査で得られた結果を検討会で市場業者の方々と共有し、場内物流における課題を洗い出した上で、来年度、交通ルールの見直しなどを着実に講じていきますとともに、市場会館跡地の活用を含む中長期的な視点での抜本的な対策の検討も加速させてまいります。

○おぎの委員 大田市場の狭隘化は待ったなしで対応が求められている課題であり、これまで行ってきた取組に加えて、長期的な視野に立って根本的な対策を講じていくことが必要であります。特に、予算特別委員会の質疑でも申し上げましたが、大田市場の今後を考え、場外の用地に目を向けるなども含めて、様々な可能性を局を挙げて検討してほしいと考えております。
 引き続き、業界と丁寧な意見交換を重ね、緊密に連携しながら狭隘化対策を着実に進めてもらいたいと思います。
 次に、同じく予算特別委員会で答弁のあった淀橋市場におけるDXの取組について伺います。
 淀橋市場では、場内の拡張整備に合わせて、市場業者が都の市場物流イノベーション推進事業を活用し、狭隘な敷地を有効活用し場内物流を効率化するため、自動立体冷蔵倉庫の整備と無人搬送機の導入に取り組み、昨年末にその供用を開始したと聞いています。
 この取組は、昨年の決算特別委員会全局質疑において、我が会派の荒木都議も質問したように、市場業務における人手不足が深刻化する中、DXを活用した物流の効率化につながる先駆的な取組であり、注目しております。
 市場業者と都が進めている、淀橋市場における先進的な技術を活用した取組について、進捗状況を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 淀橋市場における先端技術を活用した取組につきましては、まず、商品管理などの業務の効率化に向けて、自動立体冷蔵倉庫を整備し、バーコード付の専用パレットを用いて商品の在庫状況や搬出入をタブレット端末等で一元管理することが可能となりました。
 また、物流の省力化に向けて、無人搬送機を導入し、自動立体冷蔵倉庫に連結することにより、買い出し人や荷物の往来が少ない昼間の時間帯を中心に、倉庫から搬出する商品の一部を卸売場の指定場所まで自動搬送することが可能となっております。
 現在、市場業者によって、これらの習熟度向上に取り組んでございます。

○おぎの委員 卸売市場における無人搬送機の活用は、特に導入事例もまだ少なく、先駆的な取組であり、導入に当たっては様々な角度からの検討が進められたと聞いています。
 卸売市場は、取り扱う荷物の特性をはじめ、一般的な物流倉庫と違い、様々な特徴もあると伺っております。
 卸売市場の特徴を踏まえ、さらなる淀橋市場のDX推進に向けてどのように検討を進めていくのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場では、多様な取扱品目、異なる商品の重さや大きさ、梱包材の強度の違う荷を取り扱う特徴があるなど、搬出トラックからの商品の荷下ろしや出荷時における積込みを行う際には、無人搬送機による水平移動に加えまして、フォークリフトによる荷揚げ、荷下ろしなど複雑な作業が必要であり、DXの推進に当たっては、それらを含む作業工程の統一化が重要な課題でございます。
 そのため、来年度、搬送器具の適切な使用による効率的な物流行程の確立、いわゆるマテリアルハンドリング技術に関する最新情報を収集するとともに、来年度実施することとしている物流イノベーション実践拡充事業により、自動立体冷蔵倉庫と無人搬送機による物流DXの効果を検証し、新総合事務所棟の完成時を見据え、さらなる物流効率化に向けた検討を実施してまいります。

○おぎの委員 今回の淀橋市場での取組を通じて得られた成果や課題をしっかりと整理し、さらなる効率化を図っていくことはもとより、ほかの市場への横展開も含めて、卸売市場全体の物流DXの底上げにつなげていくことが重要であります。将来を見据え、引き続き着実に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、私も一月に現場を視察いたしました食肉市場について伺います。
 現場では、一つのラインに多くの方が関わり、工程が分けられ、丁寧に作業が進められてることを確認いたしました。実際に確認したと畜解体業務は、非常にシステマティックな作業で支えられているのが分かり、大変勉強になりました。
 と畜解体作業は、機械設備や各工程が連続的に稼働するライン構造において行われているものであるため、どこかに不具合が発生すれば全体に影響が出ます。
 日々の業務の中で、設備機器の故障を未然に防ぐための点検作業なども実施しているということですが、限られた人員の中、DXによる新たな取組も必要であります。
 そこで、食肉市場におけるDXを活用した具体的な取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場で使用していると畜用の特殊機械設備は、複雑な機構や日常目視できない箇所に設置されており、さらに設置から二十年以上が経過しているため、設備故障時の状況把握や迅速な対応が困難な場合が多くなってございます。
 そのため、来年度は、目視できない高所や設備機器の内部にカメラを設置し、機械の稼働状況の把握及び異常発生時の記録を行う取組を試行する予定でございます。
 試行結果を検証した上で、AIを用いた画像解析技術を活用し、異常発生時のデータを分析することで、事故を未然に防止する取組につなげてまいります。

○おぎの委員 老朽化した設備を人手だけで管理するのには限界があることから、カメラの設置やAIによる分析などDXの取組を進め、予防保全型の設備管理への転換を推進していくことも重要であると思います。
 一方で、食肉市場における施設、設備は老朽化が進んでいることから、こうした取組に加えて、施設整備の計画的な維持更新も必要であると考えます。
 食肉市場は、都民に食肉を安定的に供給するため、その機能を止めることができない重要な施設であります。
 そこで、食肉市場の施設、設備の老朽化対策について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場では、生体の搬入から食肉販売までを行っており、と畜作業に支障が生じると市場業務全体に影響するおそれがあることから、老朽化した設備等の計画的な維持更新に取り組むことが重要でございます。
 来年度は、水処理センターの再構築工事を継続するとともに、牛のと体搬送設備の改修工事や豚の皮剥ぎ装置の改修工事などを行います。
 今後も、市場業務への影響に配慮しながら、計画的な維持更新に努めてまいります。

○おぎの委員 施設、設備の老朽化に対し、都が計画的に対策を進めていることも確認できました。
 食肉市場における食肉処理業務は、食生活を含め、日常生活を営む上で必要不可欠な業務であり、新たな技術も活用しながら、施設、設備の老朽化対策に万全を期するように取り組んでもらいたいと思います。
 食肉市場は、老朽化に加えて、夏場の暑さ対策も重要な課題と聞いております。ハード、ソフトの両面から取組を確認していきます。
 夏季においては、暑さにより、特に豚について出荷頭数が減少すると聞いており、昨年の夏場の猛暑のことを考えますと、高温多湿で閉鎖されている空間であると室で牛や豚の解体作業を行う職員にとっても、大変な負担がかかっているものと思います。
 こうした状況において、HACCPをはじめとする食肉の品質衛生管理を徹底することが求められるため、作業に従事する職員の負担軽減を図ることが重要であると認識しております。
 そこでまず、と室内の衛生環境の確保と夏場における職員の作業環境の改善の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場では、HACCPに基づく衛生管理を導入しており、手洗いや作業着のシャワー消毒などとともに、と畜作業中に使用するナイフを一頭ごとに八十三度以上の熱湯で消毒するなど、衛生環境の確保を図っております。
 と室内は、熱湯を使用するため、夏季を中心に高温多湿となっていますことから、これまでも、空調が効きにくい作業ポジションに向け大型扇風機を設置したほか、天井の窓に換気装置を増設し、と室内の空気の流れの改善を図っております。
 また、大動物、小動物の解体ラインに新たに空調機の追加整備を行うことで冷やした外気を取り入れるなど、作業環境の改善に取り組んでおります。

○おぎの委員 衛生環境の確保や職員の作業環境に配慮したハード面での対策を実施していることも確認いたしました。
 夏場においては、令和五年から三年連続で平均気温が過去最高を更新するなど、耐え難い暑さが続いており、加えて高温多湿な作業環境では、熱中症の心配もあります。
 職員の安全管理についての取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 と室内におきましては、職員の水分補給用として冷水器を設置するなど、様々な暑さ対策を行っております。
 また、と畜解体作業中の職員の体調不良時における迅速な対応が可能となるよう、看護師を常駐させるなど、職員の安全管理を確保しております。

○おぎの委員 酷暑は今後も続くことが懸念されます。働いている方々の声も聞きながら、これからも適切な対策を講じていただくよう要望し、次の質問に移ります。
 次に、施設の計画的な維持更新について伺います。
 高度経済成長期に集中的に整備された市場施設の老朽化が深刻する中、財政面も踏まえて、中長期の視点を持って、適切かつ効果的に維持更新を進めていく必要があると主張してきたところであります。
 今、食肉市場における施設、設備の老朽化対策について確認しましたが、老朽化対策を計画的に進める必要があるのは、ほかの市場も同じであります。
 高度経済成長期に集中的に整備された市場施設の老朽化が深刻する中、今後も市場の機能を維持していくためには、財政面も踏まえた上で、中長期の視点を持って、適切かつ効果的に維持更新を進めていく必要があると主張してきたところであります。
 昨年三月の当委員会における我が会派からの質問に対し、都は、令和七年度は、施設の利用実態と財政計画との整合性を図りながら、建物ごとの維持更新計画を策定すると答弁しております。
 そこで、維持更新計画の策定に向けたこれまでの検討状況について伺います。

○中井環境改善担当部長 中央卸売市場が今後も生鮮食料品等を都民に安定的に供給する機能を着実に発揮するためには、老朽化が進む市場施設の計画的な維持更新が必要でございます。
 そのため、都は、令和四年度からの二か年で、市場施設の主要な建物を対象とした劣化度調査を行いまして、その健全性を確認いたしました。
 この調査結果を踏まえて、昨年度は、改修、改築など、主要な建物に係る更新手法の方針を取りまとめました。
 今年度は、この方針をベースとした上で、財政計画との整合性などを踏まえまして具体的な内容を検討しておりまして、今月末までに維持更新計画を策定いたします。

○おぎの委員 劣化度調査の実施や改修、改築などの更新手法の取りまとめなど、検討を重ねてきており、今年度末には維持更新計画が策定されるということを確認いたしました。
 大切なのは、今後策定される維持更新計画の内容になるので、ここから具体的な中身について確認をしていきたいと思います。
 まず、これから取りまとめる維持更新計画の概要はどのようなものか、伺います。

○中井環境改善担当部長 今回策定する維持更新計画では、今後も市場機能を着実に発揮するという観点から、老朽化した既存施設や設備の機能を回復することを主眼としております。
 市場機能において中核的な役割を支える主要な五十二棟について、建築、電気、機械の設備区分に分類いたしまして、維持更新の計画を取りまとめてまいります。
 計画では、現時点における財政計画との整合性などを踏まえつつ、劣化状況やライフサイクルコストなどを考慮して、更新時期の平準化を図ってまいります。
 中長期的な視点に立って市場施設の計画的な維持管理を推進していく観点から、計画期間は令和九年度から令和十八年度までの十年間といたします。

○おぎの委員 維持更新計画の概要は分かりました。
 市場の建物は、建築物だけでなく、多様な設備と一体となってその機能を発揮するものであり、設備によって異なるライフサイクルなど、様々な要素を考慮しながら計画策定を進めていることも確認できました。
 その上で、幾つかポイントになることを掘り下げて確認いたします。
 ただいまの答弁の中で、主要な五十二棟についてとの答弁がありましたが、どのような考え方で抽出しているのか、確認させてください。

○中井環境改善担当部長 中央卸売市場では約三百棟の建物を保有しておりまして、各建物の延べ床面積を合計すると、約百二十八万平方メートルとなります。
 このうち、対象建物として、各市場の管理棟、卸売場、仲卸売場、冷蔵庫棟、低温倉庫など、主要な建物五十二棟を抽出いたしました。
 これらの建物は、市場としての機能の中でも中核的な役割を支えている建物でございまして、また、五十二棟の総延べ床面積は約百万平方メートルで、全体の約八〇%となります。
 このため、これらの建物の維持更新を計画的に進めることで、今後必要となる市場機能の確保につなげられると認識しております。

○おぎの委員 床面積ベースでの全体の八割を押さえた上で、卸売場や冷蔵庫など、市場における中核的な役割を担う建物を対象としているとのことで、非常に合理的なアプローチだと思います。
 もう一つ、具体的なポイントについて確認しておきます。
 市場の施設の老朽化が進んでいる中に当たって、維持更新が一時的に集中した場合への対応を検討しておくことも重要であります。
 資金面でも人材面でもリソースが限られている以上、いかにして維持更新の時期を均していくのかの視点は、現実的な計画としていく上で不可欠だと考えています。
 先ほど、更新時期の平準化という答弁がありましたが、どのような考え方に立って平準化を図っていくのか、具体的な内容について伺います。

○中井環境改善担当部長 維持更新計画の策定に当たりましては、現実的な計画となるよう、財政計画との整合性や劣化状況等を考慮して更新時期の平準化を図る必要がございまして、今回の計画においては、建築と電気、機械設備に分類した上で平準化の考え方を整理しております。
 建築は、劣化度調査の結果を踏まえて、防水や外壁の劣化部分の更新を最優先とし、次に、更新時期を超過した部位、使用頻度の高い部位の順に更新するという考え方により、更新時期を平準化いたします。
 また、電気、機械設備は、耐用年数に応じた適切な時期に更新することを基本としつつ、更新時期を超過しても健全な設備については、修繕を行いまして使用可能期間を延長することで、更新時期を平準化いたします。

○おぎの委員 更新時期が集中することがないように、施設や建物の状態を考慮するなど、工夫しながら平準化を検討していることが確認できました。
 リソースの限界を考慮しない計画は、絵に描いた餅にすぎません。ぜひ現実に即した実効性のある計画を策定してもらいたいと思います。
 さて、計画の実効性の確保という観点からは、最後に、もう一点確認しておきます。
 こういった計画というものは、策定して終わりではありません。
 中央卸売市場を取り巻く環境は大きく変化しており、かつ変化のスピードも速いです。
 また、冒頭の質問で確認したとおり、都は、現在、次期経営計画の策定に向けた検討を進めており、新しい経営計画が策定されれば、維持更新計画の前提となる財政計画も変わるのではないかと思います。
 こうした状況に即して適切に見直しが行われることが、計画の実効性を担保する上では必要だと考えます。
 そこで、維持更新計画の実効性を担保するためにも、状況の変化に合わせた見直しを行う必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○中井環境改善担当部長 維持更新計画は、中長期的な視点に立って計画的な維持管理を推進する観点から、計画期間を十年としておりますが、市場を取り巻く環境変化等にも対応できるよう、計画の中間点である五年を目途に見直しを行うことを基本としております。
 また、次期経営計画の策定など維持更新計画に影響のある状況変化が生じた場合には、必要に応じて、適宜柔軟な見直しを行うこととしてまいります。
 こうした対応により、より実効性の高い計画としてまいります。

○おぎの委員 大消費地である東京に全国から集まる大量の生鮮品をしっかりと受け入れ、さばいて、都民に届けていく、こうした大切な役割を発揮する上では、市場の施設がしっかりと機能することが大前提となります。重要な市場施設が確実に機能するよう、計画的な維持更新を進めてもらうことを求めて、次の質問に移ります。
 先日の予算特別委員会の質疑において、今後の市場財政の改善に向けて質問したところ、市場長からは、都は、市場業界と様々な機会を捉え意見交換を深めていくといった趣旨での答弁をいただきました。
 まず、業界からはどのような意見が出されたのか、具体的に伺います。

○高橋財政調整担当部長 これまで積み重ねてきた議論におきまして、市場業界からは、市場の使用ルールの徹底による受益と負担の適正化、老朽化が進んでいる市場施設の改修や機能強化、さらに、他都市での先行事例を踏まえた稼ぐ力の向上に資する取組等について、都が主体的に取り組むべきなどのご意見をいただいております。

○おぎの委員 この現場の声というのは、市場運営を行う上で、非常に貴重なものだと思います。
 これまで市場業界と様々な場面で行ってきた議論による具体的な意見を、これまで行ってきた意見交換会を今後も行っていくに当たって、今後続けていくに当たり、意見を取り入れて実施していくことが重要であります。
 そこで、今後どのように意見交換を行っていくのか、伺います。

○高橋財政調整担当部長 今まで市場業界からいただいた様々な意見を踏まえた上で、今後、意見交換会を実施していきます。
 具体的には、まずは最も多く寄せられた市場の使用ルールの徹底について、幅広く議論を行うことにより、適正な受益と負担の重要性について、改めて市場業界と共通認識を図っていきます。
 さらに、市場会計の現状をより分かりやすく伝えるため、新たに場別の財政面での特徴の分析、見える化を図り、これらを基に、使用料の在り方全般を含めた持続可能な市場運営に向けての共通認識を市場業界と深めてまいります。
 これらの意見交換会で得られた声を踏まえまして、新たな経営レポートとして作成、公表していきます。

○おぎの委員 各市場の市場業者の皆さんに、それぞれの市場の特徴を知っていただくことは大切であり、引き続き丁寧に説明をしていただきたいと思います。
 実際に市場を使っている市場業者の声を踏まえて、持続可能な市場運営に向けて継続的に議論を続けていただきたいと思います。
 本日の質疑では、中央卸売市場経営計画の改定をはじめ、DXの推進、施設の計画的な維持更新、そして市場財政の在り方など、市場経営の持続性の確保に関わる重要な論点について確認してきました。
 市場を取り巻く環境が厳しさを増す中、先日の予算特別委員会において、知事から、危機意識を市場関係者と共有し、次期経営計画で実効性ある取組を具体化していくとの答弁も改めて示されました。
 都には、開設者として強いリーダーシップを発揮し、市場業界と連携しながら、実効性ある施策を着実に前へ進めていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

○渋谷委員 本日は、各市場の特性等を踏まえて進められている施設整備について、工事に着手した足立市場、基本設計段階の板橋市場、計画的な維持更新に取り組んでいる食肉市場の三市場における取組状況や来年度の取組予定などを、業界のニーズへの対応や、市場運営と場内工事の両立の観点から確認をしてまいります。
 あわせて、会派としてこれまで継続して取り上げてきた、災害時における市場の事業継続に向けた取組を確認いたします。
 初めに、足立市場の衛生対策について伺います。
 足立市場では、鮮魚卸売場の閉鎖化をはじめとする衛生対策に取り組んでおり、既に供用を開始した卸売場については、商品の品質管理が一層向上したことで、市場業者からも評価を得ていると聞いています。
 仲卸売場の衛生対策については、場内の空きスペースに新たに仲卸売場棟を増築することで対応を図ることとしており、これまで我が会派は、施設利用者にとって使い勝手のよい施設レイアウトになるよう、業界と丁寧に意見交換をしながら進めることを都に求め、その進捗を確認してまいりました。
 仲卸売場の衛生対策の進捗と今後の予定について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 仲卸売場の衛生対策工事につきましては、昨年十月に開催した都と市場業界で構成する施設対策推進委員会において、対策工事に向けた基本設計を報告し、今後の工事スケジュールなどを共有いたしました。
 また、本年一月に近隣住民への工事説明会を実施し、二月からは、仲卸売場建設予定地にある荷さばき場や買い荷保管所の既存施設解体工事を進めております。
 来年度は、本年九月に場内移動先の仲卸売場の工事に着手する予定であり、市場関係者との調整や情報共有を丁寧に行いながら、令和十年度の完成に向け、円滑に工事を進めてまいります。

○渋谷委員 仲卸売場の衛生対策についても、いよいよ工事が始まったことを確認しました。
 市場を運営しながらの施設整備であり、場内動線の変更もあろうと思いますが、安全性に配慮することはもちろんのこと、市場利用者の混乱がないよう丁寧に進めていただきたいと考えます。
 市場を運営しながら円滑に工事を進めていくため、具体的にどのように工夫しながら取り組んでいるのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 仲卸売場については、施設対策推進委員会や市場関係者向けの説明会の開催により、時期を捉え、工事の進め方や工程などについて丁寧に説明を行ってまいります。
 現在行っている既存施設の解体工事では、解体対象エリアを二区画に分け、工事の進捗に応じて段階的に仮囲いを行うなど、市場関係者の物流動線の変更が極力最小限となるよう工夫しております。

○渋谷委員 業界だけでなく、関係者の理解と協力が不可欠です。引き続き、情報共有や意見を十分に聞きながら丁寧に進めていただきたい。
 また、円滑に工事を進め、衛生対策の目的を達成するためには、場内とはいえ、引っ越しが必要となる仲卸業者の不安に寄り添うことも必要です。
 仲卸業者からは、品質衛生管理の大切さは分かりつつも、新しい仲卸売場への引っ越しや新店舗内への設備造作等が必要となることから、その費用負担や営業継続について不安を感じているとの声が寄せられています。
 そこで、仲卸業者の円滑な店舗移動を進め、衛生対策の目的を実現していくため、どのように対応していくのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今後、仲卸業者を対象に、店舗の取扱商品に適した設備造作等を専門家がサポートする相談窓口を設置いたしますとともに、市場業界全体を対象とした衛生対策講習会を開催するなど、衛生管理の一層の向上に向けた理解促進と意識啓発を図ってまいります。
 相談窓口では、店舗移動を予定している全ての仲卸業者を対象として個別相談を実施し、各事業者が抱える不安に向き合い、顕在化していない課題を抽出することにより、寄り添った支援策の検討に生かしてまいります。

○渋谷委員 今後、相談窓口を設置し、準備を進めていくとのことです。仲卸業者は中小零細が主であり、移転に伴う経営上の問題など、今後、様々な課題が出てくることが想定されます。そういったことについても、しっかりと耳を傾けて対応していただきたいと考えます。
 引き続き、市場業者の実情を踏まえて十分な意見交換を重ねながら、商品の品質衛生管理の高度化に向け、低温管理された施設の整備を着実に進めることで、衛生対策を推進していくよう求めてまいります。
 次に、板橋市場について伺います。
 板橋市場における機能強化事業については、計画の初期段階から、我が会派が本会議や委員会において、業界の意見やニーズを踏まえながらスピード感を持って取り組むよう繰り返し求めてまいりました。来年度から着工する予定であり、大変期待をしているところです。
 現在は、昨年度に策定した基本計画に基づき基本設計を進めているところと聞いています。
 基本設計を進めるに当たって、具体的に業界の要望を踏まえて盛り込んだ点について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今年度末に策定する基本設計に当たりましては、市場業者のニーズを把握するため、卸売業者や仲卸業者をはじめ各業界団体に対し、各施設の必要面積等について個別ヒアリングを実施しており、施設配置案は、事務所エリアを拡大するなど、その結果を反映し、取りまとめることとしております。
 また、市場業界からの要望に基づきまして、新築建物の二階と接続予定の既存施設の屋上駐車場につきまして、中型トラックが利用できますよう、床面やスロープを改修する工事などを設計に盛り込む予定でございます。

○渋谷委員 近年は、荷物の配送に、小型トラックではなく中型トラックが使用されるケースが増えているため、新築建物の使い勝手をよくするために、中型トラックも屋上駐車場を利用できるようにすべきと、業界から強い要望があったと聞いています。
 引き続き、業界の声に丁寧に寄り添いながら、機能性の向上等を実現する施設整備を進めていくよう求めてまいります。
 いよいよ来年度から工事が開始されますが、同じ場内で、これまでどおり営業を続けながら工事を進める計画であり、こうした施設整備は、都内の卸売市場では前例がないのではないかと思います。
 来年度の取組予定と、業務を継続させながら工事を進めるための準備状況について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 来年度は、基本設計に基づき、施設整備案のさらなる具体化を図る実施設計に取り組むとともに、施設の建設予定地において埋蔵文化財の発掘調査を行います。
 また、青果棟と花き棟の間に双方を接続する屋根を新設して、共同荷受け場として整備する工事に先行着工する予定でございます。
 工事期間中は、場内の一部が使用や通行ができなくなるため、市場業務を円滑に継続できますよう、市場業界との間に協議体を設置して、来年度以降の荷さばき場等の代替地や場内動線の変更方法などを整理しておりまして、今年度中にその計画を取りまとめます。

○渋谷委員 場内で通行禁止となる箇所などが生じれば、場内の関係者だけでなく、産地のトラックドライバーなど場外の関係者にも影響が及ぶと考えます。遅れることなく計画を取りまとめるとともに、関係者への周知にもしっかりと取り組むよう求めてまいります。
 基本計画において、機能強化に向けた六つの方向性を掲げており、その一つである交通利便性の高い立地を生かした物流拠点化の実現を見据え、施設配置案では、将来的な機能拡張を想定した用地が用意されていると聞いています。
 現在、その場所には低温倉庫などが設置されており、工事期間中は市場運営を継続させるための業務用地として利用する予定となっていますが、その後の利用方法は、現時点では未定の状況と聞いています。
 板橋市場の将来を見据えた上で、当該用地の利活用について検討を進めておくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 基本計画では、広域的な物流拠点化に向けた機能拡張用地を確保することとしており、当該用地に転配送施設等を戦略的に整備することで、板橋市場の集荷力や販売力の強化を図っていくことが重要でございます。
 今年度、当該用地について市場業界のニーズを調査したところ、市場関係者からも、板橋市場の活性化に向けて、転配送機能や冷蔵機能を備えた施設をできるだけ早期に整備してもらいたいとの意見がございました。
 これらを踏まえ、来年度、市場業務や機能強化工事への影響にも留意し、専門家の知見やノウハウを活用しながら、当該用地の整備の方向性を検討してまいります。

○渋谷委員 整備完了を令和十五年度とする大規模な施設整備が来年度から着工し、今後、計画的に事業を推進していくことが重要ですが、当該用地の開発についても、板橋市場の活性化につながるよう、時期を逸することなく取り組んでもらいたいと考えます。
 次に、食肉市場における施設、設備の老朽化対策について質問をいたします。
 食肉市場は、都内で唯一、食肉を扱う基幹市場であり、都民に安心・安全で新鮮な食肉を提供する欠くことのできない重要な役割を担っています。
 一方で、築五十年が経過する建物が存在するなど老朽化対策が急務であり、改修に当たっては、現行の建築関係の法令への適合を図る必要があると聞いています。
 我が会派は継続的に、食肉市場の施設整備や衛生管理、輸出等による販路拡大の取組の推進など、常に問題意識を持って様々な提案を行ってまいりました。
 そこで、こうした課題を踏まえた食肉市場の計画的な維持更新を進めるに当たっての考え方と今後の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場は老朽化が進んでおり、今後も国内外に向けた安定的な食肉の供給という役割を果たしていくためには、施設の改修を進めていくことが喫緊の課題となっておりまして、都は、市場業界と協力し、全体的な内容について具体的な検討を行っております。
 その内容といたしましては、まず、建築基準法上、既存不適格となっている建物の是正策を講じ、その後、場内の老朽化の進んだ施設、設備を段階的に改修していくこととしてございます。
 日々の市場運営を行いながら、こうした改修を行っていく必要があるため、ローリングなど施工方法の工夫が必須であり、対策が完了するまでには長期間を要することが想定されます。
 今年度は、施設の具体的な改修内容の検討や、工事に当たって必要となる場内ローリング計画について検討を行っております。

○渋谷委員 食肉市場は大変重要な施設であり、計画的な維持更新に向け、都と市場業者が一体となり、議論を進めていることが確認できました。
 今年度の取りまとめを踏まえ、来年度はどのような検討を行う予定なのかを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 来年度は、これまで行ってきた検討内容を踏まえ、対象施設ごとの整備方針や必要機能を整理するとともに、場内物流や車両動線に係る運用計画、関係法令や輸出拡大に向けた衛生基準の高度化など、整備上の前提条件を検討いたします。
 また、工事に当たって必要となる場内ローリング計画につきましては、業務に支障のないように市場業者と調整を図りながら施設等の基本設計を進めてまいります。

○渋谷委員 牛や豚の生体を扱いながら日々の業務を継続していく大変さは、重々理解しております。その中においても、市場関係者の方々とよく話し合いながら、食肉市場の将来を見据えた議論を進めていることが分かりました。
 今後は、衛生管理はもとより、輸出拡大への取組や、より具体的な検討に進んでいくものと考えますが、市場関係者とは、これまで以上に丁寧に議論を進めていただきたいと思います。
 食肉市場におけるこの取組は長期にわたることが見込まれており、できるだけ迅速かつ円滑に推し進めていくことを求めます。
 ここまで施設整備について進捗を確認しましたが、いずれの工事でも重要なことは、取引を担う市場業者の視点に立って安全に工事を進めることです。引き続き、業界と連携して円滑に整備を進めることを求めて、次の質問に参ります。
 次に、災害時の事業継続体制の確保について伺います。
 近年、気候変動による風水害の激甚化や首都直下地震のリスクなど、都民の命と暮らしを脅かす災害の危険性は一層高まっています。
 こうした中で、都民の安全を守り、安心して生活を続けられる環境を支えることは、首都東京が果たすべき重要な責務の一つです。
 東京都中央卸売市場は、全国の生鮮品の流通を支え、災害発生などの不測の事態においても、生鮮品の安定的な供給を継続していく重要な役割を担っています。我が会派では、かねてよりその重要性を主張してまいりました。
 中央卸売市場として、災害時の事業継続体制の確保に向け、特に今年度、具体的に何を行ってきたのかを伺います。

○住野管理部長 東京都中央卸売市場は、都民の消費生活を支える基幹的インフラでございまして、大規模災害が発生した場合におきましても、事業継続体制を確保することが重要でございます。
 都は、昨年度改定いたしました中央卸売市場BCPの検証と実効性の確保を図るため、市場業者と連携いたしまして、今年度、豊洲市場及び豊島市場で、初めて図上訓練を実施いたしました。
 今回の訓練では、首都直下地震の発生を想定しまして、災害時における生鮮品の調達に係る都と市場業者との連携手順や、市場取引の再開に向けた意思決定の流れなどにつきまして演習を行いました。

○渋谷委員 こうした実践的な訓練が市場で初めて実施されたことは、大きな前進です。
 訓練をより実効性のあるものとしていくためには、やはり市場の現場を担っている市場業者の声をよく聞いて、コミュニケーションを図りながら続けていくことが重要です。
 訓練に参加した市場業者の受け止めと、今後どのように展開、強化していくのか、都の見解を伺います。

○住野管理部長 訓練に参加された市場事業者からは、災害発生時の具体的な動きを理解することができ、大変貴重な機会となった、社内で共有を図り、自社の事業継続体制の整備を進めていきたいといった前向きな声が寄せられてございます。
 一方で、実際の発災時には、訓練シナリオどおりに進まない場面も想定されることから、発災条件を変えた訓練を継続的に実施することが重要であるといったご意見もいただいてございます。
 都といたしましては、こうした意見も踏まえまして、今回の訓練で明らかになった課題を整理し、今後は他市場においても継続的にBCP図上訓練を実施し、市場全体で事業継続体制のさらなる強化を図ってまいります。

○渋谷委員 災害は、いつどこで発生するか分かりません。だからこそ、各市場において、平時から都と市場業者がしっかりと連携し、実践的な訓練を積み重ね、災害に備えることが、都民に信頼される市場につながるものと考えます。
 引き続き、都には、現場の声を丁寧に受け止めながら、災害に強い中央卸売市場の構築に取り組んでいただくことを期待して、私の質問を終わります。

○もり委員 令和八年度中央卸売市場会計は、五か年の経営計画の最終年度の取組として、市場が抱える喫緊の課題へ対応し、中核市場への戦略的な投資や市場利用地等を活用した収入確保を図り、持続可能な市場経営の実現に向けて積極的に展開していくための予算としています。
 中央卸売市場の取扱量は、量販店や外食チェーンによる産地との直接取引、ECの普及など、市場を経由しない流通が増えており、長期的に減少傾向にあります。
 この状況を踏まえ、都として市場の役割をどのように再定義していくのか、お伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都の中央卸売市場は、都民に生鮮品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を担っているものと認識してございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 本当に、毎日の都民の食を支える大変重要な基幹インフラでありますが、市場会計が厳しいのは事実です。
 しかし、それは、築地市場から豊洲市場に移転したことによって、そして、移転した時点から百億円を超える赤字が生じることは想定されていたことであって、その抜本的な経営改善策を検討することなく使用料の改定を迫ることなど、あり得ません。使用料を改定することによって、経常収支が黒字化するのでしょうか。
 市場業者からの理解と共感も得られるとは思えないため、会派の代表質問においても、築地負担金の増額を使用料改定の理由にすべきでない旨の質疑をいたしました。
 持続可能な市場経営の実現に向けて、主要事業として市場の活性化に向けた取組が挙げられ、経営強靱化事業に六億一千万円が計上されています。
 具体的に、都はどのように経営強靱化に取り組むのか、お伺いをいたします。

○飯野事業部長 都は、取引の担い手である市場業者が環境変化に柔軟に対応し、自らの経営基盤を強化できるよう、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、販路開拓や業務効率化など行動変革に向けた取組を後押ししておりまして、こうした支援を通じて市場の活性化を図っております。

○もり委員 低廉な使用料の恩恵を、仲卸業者と買い出し人、売買参加者とその他関連事業者が享受できるよう、都が責任を持って市場運営の合理化、透明化を図るべきですが、都の見解についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 将来にわたり中央卸売市場を安定的に運営していくためには、強固で弾力的な財務基盤の確保が不可欠でございます。
 このため、都はこれまで、収入確保や経費削減の取組を進めるとともに、市場運営の状況や課題などの情報を分かりやすく発信することを目的として、令和六年度から東京都中央卸売市場会計経営レポートを作成、公表し、本レポートを活用し、全十一市場で業界との意見交換を行い、幅広く課題認識の共有を図ってまいりました。

○もり委員 仲卸業者の減少や高齢化が進む中、担い手確保に向けた支援策が求められます。
 市場の機能を支える仲卸業者の数は減少し、後継者不足も深刻です。
 若い世代が参入しやすい環境づくりや技能継承の仕組みが必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○飯野事業部長 仲卸業者をはじめとする市場業者は、人材確保や事業承継などの経営課題に直面しておりまして、都は、こうした経営課題を踏まえて、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場業者の人材確保に向けた取組を後押しするとともに、中小企業経営の専門家等と連携した経営相談等を通じて円滑な事業承継をサポートするなどの支援を行っております。

○もり委員 ありがとうございます。
 先ほどのご答弁の中でも、他の委員との話の中でも、業界の皆様と意見交換を行いながら対策に取り組んでいただいているとのご答弁がありましたので、ぜひ現場の声を丁寧に聞き取りながら、引き続きの支援をお願いいたします。
 また、今年度は、次期経営計画の策定に向けた取組に七千八百万円が計上されております。
 経常収支の黒字化を目指した経営改善策を検討するためには、独立した臨時調査会などを設置し、客観的、専門的、中立的な検討を始めるべきですが、都の見解についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今後の施策の在り方につきましては、学識経験者などで構成されます卸売市場審議会におきまして、既に議論を行っていただいてございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 近年の燃料価格高騰と、またイラン空爆によるホルムズ海峡の閉鎖で、燃料費の高騰が懸念をされています。
 冷蔵、冷凍設備は消費電力が大きく、環境負荷も高いと指摘をされています。
 また、食品ロスの削減は社会的な要請が高まっており、市場における脱炭素化と食品ロス削減の取組についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場では、エネルギー消費量の削減を図るため、卸売場等の施設で多数使用されている照明器具のLED化や、市場内で使用される小型特殊自動車のZEV化などに取り組んでおります。
 また、食品ロス削減につきましては、市場まつりの際の東京都ブースにおいて、環境局が作成いたしました普及啓発に向けた小冊子を配布するなど、多くの市場関係者や消費者等が集まる機会を通じた取組を行ってございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 昨年の事務事業質疑でも指摘をさせていただきましたが、食品ロス削減については、一部では規格外野菜などの子供食堂との連携を求める現場の声などもありますので、ぜひ工夫をしていただいて、そういった取組についてもご検討をお願いいたします。
 また、市場においても再生可能エネルギーの導入が求められ、来年度、再生可能エネルギーマネジメント事業として三千万円が計上されております。
 都内全ての市場での取組を推進する規模としては、より積極的な再生可能エネルギーの導入が求められると考えます。
 市場における再エネ導入の取組についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 これまで、再生可能エネルギー導入拡大のため、豊洲市場のほか、二市場に太陽光発電設備を設置しております。
 また、昨年九月には、専門的な知見を持つ東京電力ホールディングスと、再生可能エネルギー導入拡大の取組に関する事業連携協定を締結しており、来年度も引き続き、太陽光発電設備の設置拡大や蓄電池設備の導入に向けた取組を推進してまいります。

○もり委員 エネルギー価格の高騰がある中で、ぜひ市場の広大な土地を活用しての地産地消が進むといいと考えますので、ぜひ引き続きの取組をお願いいたします。
 また、令和八年度における地下水管理システムの維持管理費として、約六・二億円が計上されております。
 以前も、目標管理水位が適切に管理をされているのか、質疑をさせていただきました。 豊洲市場開場から七年半が経過していますが、地下水管理が徹底されていなければ、せっかくの液状化対策の効果が得られず、大地震が起きれば、豊洲市場が液状化するおそれがあると危惧をされます。
 本年二月二十日に、第十五回豊洲市場における地下水等管理に関する協議会が開催され、令和七年の豊洲市場用地における地下水位測定結果によれば、目標管理水位A.P.プラス一・八メートルを大きく上回り、A.P.プラス二・七メートルを超える観測地点も見られました。
 地下水位を目標管理水位以下に維持するためにどのような措置を講じているのか、また、協議会での議論を受けて、これまでどのような改善が行われてきたのか、お伺いをいたします。

○中井環境改善担当部長 豊洲市場における地下水管理システムの運用に当たっては、揚水ポンプ等の運転管理や定期的に送水管等の清掃を行っているほか、局所的に地下水位が高くなりやすい傾向にあるエリアの対策として、六街区及び七街区において、集水能力の高い有孔管を設置してきております。

○もり委員 以前、専門家会議においても、技術会議の提言でも、平均ではなく、日常的に維持管理していく値としてA.P.プラス一・八メートルとするとして、貯留槽の増設に着手するとのご答弁をいただきました。
 その後の対応についてお伺いをいたします。

○中井環境改善担当部長 貯留槽は、五、六、七街区の全ての街区に、流量の調整を目的として設置しておりまして、令和五年度には、ゲリラ豪雨などの大雨に対応するため、全ての街区で増設を完了いたしました。
 都は、集水能力の高い有孔管の設置等により地下水位の上昇抑制を図るなど、地下水管理システムの適切な運用に取り組んでおります。

○もり委員 貯留槽の増設に着手をいただき、改善に取り組んでいただいた旨、ご答弁をいただきました。
 七年半が開場から経過をしておりますが、以前、維持管理経費について質疑をした際には、当時五億円程度だったのが、今、約六・二億円に値上がりも、予算もかかっております。こうした中で、今後もしっかりと、これだけの予算がかかっておりますので、安全性を引き続き管理をしていただきたいと要望いたします。
 最後に、地元大田市場についてお伺いをいたします。
 大田市場は、青果、水産、花きを取り扱う総合市場であり、花きの取扱いが国内最大の規模を誇っております。
 地元大田市場においても、市場関係者の皆様から、市場内でのトラックの占有など、円滑な物流に向けて、事業者によって不公平が生じないよう、令和四年の決算特別委員会でも求めてまいりました。
 来年度予算の中で、大田市場における場内物流の効率化にどのように取り組むのか、お伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場業界が開発したシステムの利便性向上を図る通信基盤としてWi-Fi環境を拡張整備いたしますとともに、画像解析技術を活用した入退場管理システムの実用化に向けた工事等を実施する予定でございます。

○もり委員 ありがとうございます。画像解析技術を活用した入退場管理システムなどを活用していただきながら、より事業者によって不公平が生じないよう、改善をお願いいたします。
 都内の市場においても、開設から年数が経過している市場も多く、HACCPと国際基準に対応した都施設の補修や修繕の対応が行われております。
 今後も安定的に青果物、水産物、そして花きを流通させていくためには、市場の施設整備は大変重要です。
 大田市場における来年度の施設整備の状況についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 青果棟及び水産棟におけるオーバーヘッドドアの改修工事、水産冷蔵庫棟の改修工事、トイレの改修工事などを実施する予定でございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 先日は、会派で豊洲市場を視察させていただきました。早朝から多くの観光客が足を運び、市場の活気を味わい、そして食や買物を楽しむ姿が見られました。
 大田市場は、羽田空港からも近く、全国から新鮮な食材と花きが集まり、東京ドーム約八・五個分の面積を誇る国内最大規模の市場として、インバウンド需要を取り込む観光の視点からも大変魅力的であると思います。
 多くの可能性を秘めていると、かねてより場外市場の活性化を望む声が地元議会からも聞かれ、大田市場前の港湾局の資材置場を活用したフィッシャーマンズワーフのようなにぎわいづくりを望む声も聞かれます。
 大田市場において、一般客の利用にどのように応えているのか、現状と、事業者への支援について取組をお伺いいたします。

○住野管理部長 大田市場水産物部にて、都と市場業界が協力をいたしまして、これまでも毎月月末に、一般の方々に水産物を直接購入いただける機会を設けてございます。

○もり委員 ありがとうございます。そうした取組も、地元の皆さんも大変楽しみにされておりますので、引き続き、そういった機会も応援をしていただければと思います。
 また、円安のメリットを生かして、海外の富裕層向けに日本の安全でおいしい食材の人気は高く、輸出の需要にどのように事業者を支援しているのか、都内市場からの輸出の需要と事業者支援についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、中央卸売市場から搬出される生鮮食料品等につきまして、地域別の搬出量等の流通実態を把握するため、市場流通推計調査を実施しております。
 令和二年三月に発行された直近の調査報告書によれば、海外への搬出量の割合は、水産物で一・二%、青果で〇・一%となっており、畜産物については計上されておりません。
 また、市場業者の経営基盤を強化する観点から、輸出セミナーの実施や中央卸売市場経営強靱化推進事業により、輸出力の強化に向けた事業者の取組への支援をしております。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ、そういった自治体や事業者とも連携をしながら、一層の市場の魅力の発信と活性化に取り組んでいただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○いいだ委員 本日は、市場の環境負荷低減や淀橋市場の取組を中心に、令和八年度の取組について確認をしてまいります。
 近年の酷暑やゲリラ豪雨の頻発化など、気候変動がもたらす災害の脅威は一層深刻化をしており、都においては、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を目指した取組を推進しております。
 中央卸売市場においても、中央卸売市場経営計画において、環境問題への取組として市場のゼロエミッション化を掲げています。
 昨年三月の経済・港湾委員会では、市場の環境負荷低減の取組について、淀橋市場など、施設整備の機会を捉えて太陽光発電設備を設置していくことに加え、新たに再生可能エネルギーマネジメント事業を立ち上げるという説明がありました。
 卸売市場が地域社会の一員として社会的責任を果たしていく上で、市場のゼロエミッション化に向けた積極的な取組が重要であるというふうに考えます。
 そこでまず、市場施設における環境負荷低減に向けたこれまでの取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場では、生鮮品等流通における品質衛生管理のため、多くの冷凍冷蔵設備を保有しており、深夜や早朝も含めて、二十四時間電力を消費するという特徴がございます。
 これまで、市場施設の維持更新等の機会を捉え、太陽光発電設備の導入を進めるとともに、東京都グリーン購入ガイドを活用し、再生可能エネルギーによる電力調達を進めてきました。

○いいだ委員 これまでの取組について確認をさせていただきました。
 一方で、再生可能エネルギーの活用の拡充やエネルギー効率の最大化を戦略的に進めていくためには、もう一歩踏み込んだ取組が必要であると考えます。
 そこで、今年度に立ち上げた再生可能エネルギーマネジメント事業について、具体的な取組内容を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 昨年九月、再生可能エネルギーの活用やエネルギーマネジメントに知見を有する東京電力ホールディングスと事業連携協定を締結し、市場施設の壁面や空地を含め、太陽光発電設備や蓄電池設備の導入可能性の調査を進めますとともに、市場の特性を踏まえた昼夜間の電力使用状況等の実態把握に着手いたしました。

○いいだ委員 今年度、東京電力と連携をして、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた新たな取組を始めたということを確認させていただきました。
 その上で、今後の取組の方向性について伺いたいと思います。
 エネルギーマネジメント事業について、今年度の取組を踏まえ、来年度、具体的にどのような方向性で取り組んでいくのかを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今年度行いました蓄電池設備や太陽光発電設備の導入に向けた具体的な設置場所等の検証結果に基づきまして、来年度は、実証試験を行う市場を選定し、蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステム導入時の効果や課題の検証を進め、効率的な電力運用の最適化に向けて取り組んでまいります。
 あわせて、今後の太陽光発電設備の導入拡大も含めた再生可能エネルギー調達方針を策定いたします。

○いいだ委員 市場の特性を踏まえながら、再生可能エネルギーの導入やエネルギーマネジメントの実証に具体的に取り組んでいく姿勢が示されたものと受け止めました。こうした実証が進むことで、ゼロエミッション化に向けた取組が一層前進することを期待いたしたいと思います。
 続いて、発泡リサイクルの取組について伺います。
 卸売市場では、生鮮品等を運ぶ上で不可欠な梱包材や容器類が日々大量に使用され、その多くが産業廃棄物として排出をされており、その処理については、関係法令上、その排出事業者が責任を負っているということになります。
 特に豊洲市場においては、十一市場の中で、最も廃棄物の発生割合が大きい状況であります。
 そこで、豊洲市場における廃棄物処理の現状について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 豊洲市場における水産物流通の過程で発生した廃棄物は、排出事業者責任の原則の下、市場業者で構成する一般社団法人豊洲市場協会が運営主体となり、廃棄物処理法上の許可を受けた事業者に委託するなどして処理をしております。
 令和六年度、豊洲市場では、野菜くずや魚腸骨を含む一般廃棄物が約一万一千トン、木製パレットが約二千四百トン、魚箱などの梱包に使われる発泡廃棄物が約千七百トン、その他産業廃棄物が約三千百トン排出されております。

○いいだ委員 国内最大級の水産物の取扱量を誇る豊洲市場で発生する大量の廃棄物は、市場業者の活発な取引活動の結果として発生するものであるところでございます。
 その数量や、排出される野菜くずや魚腸骨などの特色を考えれば、環境負荷低減に向けて、敷地が限られている中においてもリサイクルの取組を一層進めることが重要であります。
 特に水産物流通に不可欠な発泡容器においては、令和六年度、約千七百トンが排出されているとのことであります。
 そこで、豊洲市場における発泡容器のリサイクルについて、現状と課題を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 豊洲市場では、流通の過程で発生した使用済み発泡容器について、豊洲市場協会が運営主体となり、場内の処理施設で圧縮し、体積を減らした上で、廃棄物処理業者により海外に輸出され、リサイクルを行っております。
 一方で、規制強化などにより継続的な海外輸出が困難となる懸念や、流通に欠かせない発泡容器の持続性を確保していくためにも、国内での安定的かつ継続的な再生品利用の事業化が課題となっており、豊洲市場協会では、使用済み発泡容器の国内再資源化の取組を進めております。

○いいだ委員 市場業者が主体となって、使用済み発泡スチロールのリサイクルに取り組んでいることを確認いたしました。
 また、令和六年に開催された豊洲市場まつりに出席をした我が会派の細田都議からは、市場協会と都が連携をして、市場内で発生した発泡容器を、祭りで使用する食品トレーやキーホルダーに再生利用し、活用していたとの話を伺いました。
 リサイクルの取組は、排出事業者としての責任を果たすことのみならず、地域社会の一員として豊洲市場が社会的責任を果たし、プレゼンスを向上させることにもつながる意義があるものであります。こうした観点から、引き続き、都もしっかりと後押しをすべきと考えます。
 国内での再生品利用の事業化が課題となっているとのことでありますが、都としても、連携をして対応を進める必要があるというふうに思います。
 そこで、発泡スチロール容器の再生品利用に向けた都の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 使用済み発泡容器を再生利用するためには、汚れのついた容器等を素材とした再生品の品質向上が課題となっており、都ではこれまで、より高度なリサイクル技術の動向把握や活用に向けた課題整理を進めてまいりました。
 引き続き、豊洲市場協会との連携の下、専門事業者の知見も借りながら、高度なリサイクル技術により資源循環が進み、商業化が進んでいる再資源化プラントなどの事例調査に取り組んでまいります。
 あわせて、再生品利用の事業化に向けた構想案を取りまとめるなどを通じ、市場協会の取組を後押ししてまいります。

○いいだ委員 都は、使用済み発泡容器の国内リサイクルの事業化に向けて、市場協会としっかり向き合いながら取組を進めていることが確認をできました。
 再生品の利活用については、通常品と比較して価格が高いなどの課題もありますけれども、引き続き、環境負荷低減に向けて連携して取り組んでいくことを要望させていただきます。
 続いて、淀橋市場で進められている拡張整備事業について伺います。
 都心部に立地をし、新宿をはじめとする大消費地の供給拠点である淀橋市場は、取扱数量が多く、産地等のトラックが頻繁に出入りする一方で、敷地の狭隘化が長年の問題となっており、現在、施設の老朽化対策に併せ、卸売場などの拡張整備に取り組んでおります。
 この事業をより効果的に推進をしていくためには、業界の要望に真摯に耳を傾け、反映させていく必要があるというふうに思います。
 そこで、都は、どのように業界の要望を取り入れ、拡張整備事業を進めてきたのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 これまで都は、市場業界との間で設置した戦略推進委員会の場を中心に、市場業者の意見や要望の丁寧な聞き取りに努め、拡張整備事業を進めてまいりました。
 具体的には、卸売場一階の低温、閉鎖化を図ることで、市場業界ニーズに対応した施設仕様といたしますとともに、建て替え予定の総合事務所棟に、地域住民向けの食育活動等に活用できるキッチン設備を整備することといたしております。

○いいだ委員 今後も、業界の要望、これを踏まえていただいて丁寧に調整を行っていただき、工事を進めていただきたいというふうに思います。
 今後、工事が本格化する過程においては、産地トラックや買い出し人車両の駐車場所が制約をされ、場内物流が逼迫することが懸念されます。
 現状においても、市場業者は、狭い敷地の中で荷下ろしや荷待ちなどによる車両の混雑に苦慮している状況であり、通常の市場機能をいかに維持していくのか、市場取引への影響を心配する声も聞かれているところでございます。
 こうした中でも、来年度から本格的に工事が始まっていくと聞いております。
 そこで、拡張整備事業について、来年度の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 淀橋市場の拡張整備は、敷地が限られている中で進める必要があり、来年度は、廃棄物集積場を新総合事務所棟の整備予定地にまず整理し、その後、既存の廃棄物集積場を解体するなど、段階的に整備してまいります。
 円滑な事業実施に向け、自動立体冷蔵倉庫の活用や場内ルールの徹底などにより、荷下ろしや荷さばきのスペースを生み出し、市場取引や場内物流に支障のないよう、市場業界と連携して対応してまいります。

○いいだ委員 今、都が行っている拡張整備事業の推進に当たっては、現在、淀橋市場が担っている物流機能を阻害することのないよう、配慮することが重要であると思います。引き続き、市場業者と連携をして取り組んでいただき、工事と市場運営の両方に万全を期していただければというふうに思います。
 これまでの質疑において、市場当局が持続的な市場運営をするために行っている様々な施策について質疑を行ってまいりました。
 こうした事業を行うに当たっては、しっかりとした財政運営を行っていく努力も同時に求められていると思います。具体的には、運営経費の縮減や収入拡大など、収支改善の取組を自らが積極的に実施をしていかなければならない、このように考えるところであります。
 昨今の経済情勢を踏まえると、これまで極めて低い金利状況が継続しておりましたけれども、現在では、メガバンクの普通預金金利も〇・三%となるなど、金利のある世界が定着しつつあります。収入の拡大のためには、こうした現在の環境を生かした財政面での工夫も有効なのではないかというふうに思います。
 そこで、市場会計が行っている資金運用の現状について伺います。

○高橋財政調整担当部長 中央卸売市場会計の資金運用におきましては、収支の状況を把握した上で、日々の支払いに備える資金は普通預金で、これを上回る資金は定期性預金を基本としております。

○いいだ委員 公金であることから、安全性を確保しつつも、冒頭申し上げたとおり、昨今の金利の状況を踏まえれば、収益性、これを高めていく努力もやはり必要だというふうに考えます。
 そこで、令和八年度の資金運用に係る具体的な取組について、収入の見込みも含めて伺います。

○高橋財政調整担当部長 現在の金利状況や、中央卸売市場会計は現金を多く保有していることなどを踏まえ、新たに令和八年度から、所管局の協力を得て、一般に預金よりも高い利回りを得られる債券を購入し、運用収益を得ることとし、約一億七千五百万円の収入を見込んでおります。
 資金を運用するに当たっては、安全性と流動性を確保の上、一層の効率性の向上が重要であることから、新たに局内に公金運用に関する委員会を立ち上げ、資金管理運用に関する方針や資金運用の計画等を検討してまいります。

○いいだ委員 新たな取組で収入拡大に努めるということでございますけれども、債券での運用は定期預金とは異なることにも配慮をしながら、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 本日の質疑では、市場における環境負荷低減や淀橋市場拡張整備事業、新たな収入確保策など、様々な取組について確認をさせていただきました。
 令和八年度は、現行経営計画の最終年度であることから、市場運営の持続性確保に向けて、引き続き幅広く取り組んでいただくとともに、その成果を次期経営計画へとつなげてもらうことを要望し、質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 東京都中央卸売市場経営計画の改定に向けた議論が始まりました。
 市場審議会への知事の諮問理由は、将来にわたって市場の役割を果たすためには、課題への取組や社会経済環境への的確な対応、新たな領域の課題にも挑戦することが不可欠であるとして、その対応を怠れば、中央卸売市場としての存在意義が問われることになるという厳しい内容になっています。
 また、あるべき中央卸売市場の姿を追求し、計画策定に着手するとしています。
 そこでまず、基本的なことを伺います。
 都内には、十一か所の中央卸売市場があります。これらの市場が果たす役割とその重要性について、都の認識を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京の中央卸売市場は、日常生活に欠かすことのできない生鮮品等を、毎日絶やすことなく産地から集荷し、小売店や量販店などの実需者ニーズに応じて迅速かつ効率的に分荷を行った上で都民に供給してございます。
 こうした役割を通じ、都民の豊かな消費生活を支える基幹的インフラとしての重要な使命を果たしてございます。

○藤田委員 大事な答弁だと思います。都民の豊かな消費生活を支える基幹的インフラとしての使命、これこそが、あるべき市場の姿だと思います。経営計画についても、ぜひこの使命を守り抜く立場で改定されることを求めておきます。
 私の地元にある大田市場は、都の経営計画で全国拠点型市場と位置づけられています。 大田のほかには、豊洲、食肉市場も同様に位置づけられており、全国の流通を支える広範な機能が求められています。また、これは建値市場とも呼ばれ、全国の取引価格の基準を決める、非常に重い責任を担っています。
 それでは、市場における供給拠点型市場として位置づけられている市場はどの市場ですか。
 また、供給拠点型の役割と重要性についても具体的に伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都中央卸売市場経営計画におきましては、全国拠点型市場と流通業務団地型市場に加え、主として商業地域を中心に立地しており、比較的小規模な施設等を有する特徴がある市場を供給拠点型と位置づけており、豊島市場、淀橋市場、足立市場、世田谷市場、多摩ニュータウン市場の五つの市場でございます。
 これらを含む都の中央卸売市場は、都民の消費生活を支える基幹的なインフラとしての重要な使命を果たしております。

○藤田委員 役割と重要性ということを具体的に聞いたのですが、十一の市場全てで役割を果たしているということだったので、供給拠点型市場は商業地に立地ということです。
 具体的な役割は、形態によらず、十一全ての市場で基幹的インフラとしての役割、使命を担っている、果たしているということでした。
 確かに淀橋市場や豊島市場は、比較的駅に近くて、お店や商店、住宅街の中にあるという状況が分かります。どういう役割があるのかということを、直接、市場で働く方々に伺ってまいりました。
 ある市場では、地域の小中学校や保育園の給食も支えていました。給食は、毎朝、何百人もの食材を調理するので、そのため、朝六時に来てほしいというところが幾つもあるそうです。要望がそういった学校などから寄せられているということで、現場の方は、毎朝、六時から七時の間に、全ての小学校、中学校、保育園などの施設に回って配っているということでした。
 仮に、市場が遠くなって往復で三十分増えるだけでも、今の体制は成り立たなくなるということで、その方は、市場はなくすわけにはいかないんだというふうにおっしゃっていました。
 こういう現場の切実な声は、今の場所にあるからこそ市場の価値があるということを証明していると思います。都民の生活を守るために、最適化という名の統廃合は絶対に許されないということを言及しておきたいと思います。
 長引く物価高騰により、都民の生活は、かつてないほど厳しい局面に直面しております。
 都が毎年行っています都民の暮らし向き世論調査によりますと、暮らし向きが苦しくなったと答えた方が急増しております。今年は、そういう方が五割を超えております。これは五十年ぶりの異常事態となっています。
 都民の消費活動と直結する中央卸売市場も、同様に深刻な状況にあると思います。
 そこで伺いますが、この五年間、市場の水産物と青果物の取扱量と取扱高はどのように変化していますか。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場における取扱実績についてでございますが、水産物は、令和三年の取扱数量が約三十五万トン、取扱金額が約三千九百五十九億円、令和七年は、約三十万トン、約四千八百七十六億円となっております。
 また、青果物は、令和三年の取扱数量が約百八十八万トン、取扱金額が約五千四百六十七億円、令和七年は、約百六十一万トン、約六千二十三億円となっております。

○藤田委員 答弁からも、水産物も青果物も、取扱量は減っているのに金額だけが増えているという状況です。これは、決して利益が上がっているわけではなくて、深刻な物価高騰の影響にほかなりません。
 さらに、気候危機による不漁や不作が収穫量を激減させており、物価高騰に拍車をかけています。
 中央卸売市場は、こうした危機をじかに受けており、現場は、かつてないほど追い詰められています。
 それでは、エネルギー高騰や物価高で、市場関係者の方はどのような影響を受けていますか。具体的に伺います。

○飯野事業部長 エネルギー価格の上昇や物価高騰については、経営相談等を通じて、市場業者から、包装資材や運搬費、光熱費等のコストが上昇している、物価高騰による買い控えなど、消費者への影響を懸念しているという趣旨の声を聞いております。

○藤田委員 答弁のとおり、市場業者は、エネルギー高騰や物価高、買い控えの影響を深刻に受けています。業者の経営が破綻すれば、市場というインフラそのものが弱体化し、維持できません。一般企業より利益率が低い市場の特性を踏まえ、気候変動や物価高から中央卸売市場そのものを守り抜く計画が必要です。
 先ほどの質疑でも、それぞれの市場の特徴や、具体的にどんな役割を果たしているかというのは、個別に把握している状況じゃないということが分かったわけですが、そうであるなら、そういった実態については現場にしか分からないということです。
 つまり、都民の豊かな消費生活を支える使命を果たしながらも、新たな販路開拓など経営をどう改善していくのかという内容については、市場業者の協力なしには果たしていけないということだと思います。
 その上で、議論の中心である計画部会に市場関係者がいない現状は大きな問題です。今からでも遅くはありません。市場関係者を加えて、現場の声に基づいた計画にすることを強く求めておきます。
 最後に、築地市場跡地をめぐる再開発について、意見を申し上げたいと思います。
 八十年以上にわたり、都民の台所として日本の食文化を支え続けてきたのが築地市場です。そこを強引に追い出し、六千億円もの莫大な都税を投じる再開発が、今、不透明な形で進められています。
 本来、行政が真っ先に示すべきまちづくりのルール、地区計画は骨抜きにされ、イメージ図だけが先に示されました。
 設計図すらないのに掘る深さだけが決まり、土壌汚染対策などの費用は、当初の見込みから七倍以上、一千四百五十億円にまで膨れ上がりました。巨額の費用を、来年度だけで三百八十億円も市場会計に背負わせるものとなっています。まさに開発事業者のいいなりというほかありません。
 中央卸売市場の会計は、都民の豊かな消費生活を支える基幹的インフラを維持すること、そして、そこで働く市場関係者の営みを守り抜くことにこそ、その使命があります。
 詳細な内訳も精査せず、膨らみ続ける負担金を受け入れれば、市場会計、そして市場の経営そのものに深刻な影響が出ることは明らかです。
 こうした姿勢を直ちに改め、東京都が責任を持って市場の経営を支えるということを強く求めて、私の質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十九分休憩

   午後六時三十分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福井委員 大田市場について質問いたします。
 私の地元大田区においては、国内を代表する卸売市場である大田市場があり、先日、私も……(発言する者あり)すみません、大田区の議員が多いものですから、ちょっと重複するところもあるかと思いますが、ご容赦ください。
 先日、私も競りの現場に行かせていただきました。総合市場として、国内の生鮮品等の流通を牽引する中核的な役割を果たしています。
 平成元年に開場したとのことですが、それまでには、神田市場時代も含めて長年の歴史と経緯があったと、市場関係者の皆さんに教えていただきました。そうした経緯を十分に踏まえて、大田市場で働く市場関係者の皆さんの市場に対する思いや考え方を十分に酌んで市場運営を行っていくことが大事だと考えます。
 まずは、これまでの経緯を振り返り、大田市場が果たす役割と課題について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 大田市場は、青果については神田市場、荏原市場、蒲田分場を、水産物については大森市場を統合して平成元年に開設され、その後、平成二年に九つの花き地方卸売市場も組み込み、三つの取扱品目を扱う総合市場となり、全国の産地の出荷先として、また、都内だけでなく首都圏の小売店、量販店等の仕入先として、国内の生鮮品等流通を支えてまいりました。
 開場から三十五年以上が経過したことによる施設の老朽化や、特に青果や花きにおきまして、全国から荷が集中することによる場内の狭隘化などが課題となってございます。

○福井委員 私も現場を視察するまで、狭隘という言葉があまりなじみがなくて、行くまで全くぴんときていなかったのですが、実際に視察をさせていただくと、限られた面積の中で、面だけじゃなくて高さも活用しながらということで、もう最大限活用する努力がなされていて、この狭隘という言葉の意味を初めて理解して、施設の老朽化だとか狭隘化は喫緊の対応が求められる課題であると、本当に実感をしました。
 東京ドーム八・五個分に相当するということで、多くの施設や設備が整備されておりまして、将来にわたって市場機能を維持していくためには、こうした全てを計画的に維持更新していくことが必要となります。
 令和八年度予算においては、主要事業として掲載がありました老朽化したオーバーヘッドドアの改修工事については、改修に時間を要するため、複数年にわたって計画的に維持更新を進めていくと聞いています。
 そこで、このように計画的に進められている老朽化施設の維持更新について、来年度はどのような工事を予定しているか、具体的に伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 青果棟や水産棟の出入口に設置している衛生対策はもとより、台風時に風雨の侵入を防ぐためのオーバーヘッドドアの改修工事を実施いたしますほか、これまで青果棟で実施してきた屋上防水改修工事については、来年度は関連棟におきまして、照明器具のLEDへの取替え工事は、荷さばき場や立体駐車場において実施する予定でございます。

○福井委員 ありがとうございます。引き続き、市場機能の維持に向けて、計画的に老朽化した施設の維持更新を進めていただくことを要望したいと思います。
 先ほども各委員からもお話がありましたけれども、大田市場は、現在では、特に青果や花きというところでいうと、都内の取扱量の半分以上を占める中核市場と成長しています。この取扱い拡大により、取扱量は建設当時の計画数量を大きく上回る状況になっていると聞いております。この集まった貨物の置場や荷さばきを行う場所などが不足をしているという現状でございます。
 こうした取扱い増加に伴う施設不足に対応するために、これまでどのような施設整備を進めてきたのか、伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、業界と連携し、狭隘となった荷さばき場の拡張などに取り組んでおり、青果におきましては北口立体荷さばき場や加工、荷さばき施設の整備などに、花きにおきましては商品保管施設の整備などを実施し、作業スペース等の確保や市場機能の維持強化に努めてまいりました。

○福井委員 ありがとうございます。
 今ご答弁いただいたような取組に加えて、この狭隘化対策として、先ほども言及がございましたけれども、AIカメラと画像解析技術を活用して車両ナンバープレートを分析することで車両の滞留時間を把握する取組を、昨年、実証事業を実施した、このように認識をしています。
 こうした知見もしっかりと今後に生かしていくことが大事だと思いますが、この実証事業によって、物流効率化に向けてどのような具体的な成果が得られたのか、伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 入退場する車両のナンバープレートをAIカメラで撮影し、画像解析技術によりまして、入退場台数、各車両の入退場時刻、乗用車、トラックなどの車種、登録された地域などの情報を可視化できることが確認できました。
 さらに、これらの情報を分析することで、場内の混雑時間帯や滞留時間が長い車両の傾向なども把握できる効果があることが検証され、結果を共有した市場業者からも、物流効率化に向けた方策の検討に有用なデータが得られるとの声が寄せられております。

○福井委員 ありがとうございます。日々、多くの車両が入退場する市場ですので、場内混雑の実態を経験則だけで把握をしていくことは難しいと思います。
 こうしたところからも、業界の皆さんからも評価を得ているということで、現状の見える化は非常に有意義であって、これから物流の効率化を推進する観点から、この実証したシステムを早期に実際に導入をしていただきたいなというふうに思うわけでございますけれども、そこで、入退場管理システムの実用化に向けた来年度における具体的な取組を伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 実用化に向けましては、大田市場の特性を踏まえて、カメラの設置台数や設置場所、撮影条件やデータの解析方法などの要件を検討する必要があるため、今年度、最適な導入手法を具体化するための詳細調査を実施いたしました。
 来年度は、調査結果に基づき、カメラの設置工事や、それに伴う電気、通信回線工事、分析システムの開発などに取り組む予定でございます。

○福井委員 ありがとうございます。これまでの実証であったり、調査の積み重ねがいよいよ結実するということで、来年度の本格導入に向けて期待をしたいというふうに思います。
 そして、こうした物流の改善が図られる一方で、市場内の荷の集中化などから、依然として狭隘化の問題は深刻な問題であると思います。
 この狭隘化した現状に対して、これまで業界からはどのような声が寄せられているのか、伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場業界からは、取扱数量の増加や流通形態の変化により、荷置場、荷さばき場、駐車場など様々な施設が不足しており、商売の拡大や取引先のニーズに対応するためには施設の拡充が必要との声や、現場の実態を正確に把握した上で、市場関係者と十分に意見交換を行う場を設けて、さらなる狭隘化対策を検討していくよう求める声がありました。

○福井委員 ありがとうございます。
 業界から意見交換を行う場の設定が要望されたということですが、市場内は本当に様々な方が働いていらっしゃって、商売のスタイルも千差万別だと思います。こうした立場や考え方も多様でありますから、例えば市場内におけます市場会館跡地について、その有効活用が重要なことは共通認識であっても、具体的な活用方法についてはいろんな意見が出てくることが想像されて、利害が異なる関係者間の調整を図ることは決して簡単な作業ではないと思います。
 そうした中で、この狭隘化対策のさらなる検討に向けて、市場業界と具体的にどのような協議を行っていくか、都の見解を伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都ではこれまでも、施設の拡張整備や物流効率化などに取り組んできましたが、市場業界からの要望も踏まえ、狭隘化対策を一層進めるため、市場関係者と協議を行う場として、昨年十一月に新たに検討会を設置いたしました。
 また、取扱品目ごとに取引環境や抱える課題などは異なることから、検討会の下に、青果、水産、花きの三つの部会を設置して協議を進めることといたしました。
 協議に当たりましては、都において施設の利用状況など現場の実態調査を行うとともに、各団体等から個別にニーズや意見を聴取し、その結果を検討会で共有した上で、場内の最適利用の観点から、取り組むべき方策の具体化に向けて意見交換を図ってまいります。

○福井委員 ありがとうございます。部会を設置して協議を進めていくということで、異なる意見をまとめていくことは簡単なことではないと認識をしておりますが、ぜひこの検討会において、市場関係者と丁寧に意見交換をしていただきながら、丁寧に、そして粘り強く協議を進めていただいて、実効性のある対策の検討に着実に取り組んでいただければというふうに思います。
 最後に、市場の活性化について伺いたいと思います。
 中央卸売市場が都民のために生鮮食品等を円滑かつ安定的に供給するとともに、時代や消費者ニーズに応えていくためには、市場の活性化に向けた取組を戦略的に行っていく必要があります。
 生鮮品等流通の中核である大田市場においては、荷の集中化による狭隘化対策に取り組んでいるとのことですが、一方で、場内の施設には一部空いている店舗もあると聞いております。空き店舗を放置することなく、早急に施設使用者を確保して市場の活性化を図り、そして収入の確保につなげていただきたいと思います。
 そこで、大田市場も含め、市場の活性化に加え、収入確保等の徹底を図っていくために、施設の空き店舗の活用に向けて具体的にどのように取り組んでいくか、その考え方も含めて伺いたいと思います。

○高橋財政調整担当部長 市場施設の利用促進を図り、市場取引の活性化に加え、使用料収入の確保を進めていくことが重要であり、都は、市場業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、速やかな対応を図っております。
 具体的には、廃業等に伴い空き店舗が生じた場合で、その店舗を使用したい場内事業者がいる場合には、市場業者の経営規模の拡大や業務体質の強化が図られ、かつ市場全体の取引活性化にも資するなどの要件を確認した上で使用許可を行っており、そうした業者がいない場合には、市場外の事業者も含めて広く公募を行っております。
 こうした取組により、令和七年度は、大田市場を含めて、仲卸業者や関連事業者の空き店舗の公募を六市場で実施し、現時点で新たに七者の利用者を決定しております。
 今後も、空き店舗が生じた際には、こうした運用を適切に行うことにより、市場取引の活性化や使用料収入の確保につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。都が今年度、積極的に公募に取り組んできたということが理解できました。市場の活性化に向けて、引き続き、市場内に空き施設が生じた場合には、速やかに有効活用を図っていただきたいと思います。
 本日は、大田市場における老朽化、そして狭隘化などの課題への対応と、市場活性化に向けた施設の利用促進について質問をしてきました。物流効率化に向けた取組は、大田市場に限らず、ほかの市場でも共通する課題であり、今後とも都民の豊かな食を支えていけるよう、都と市場業界が密に連携をして、現場の実情に応じた施策を推進していただくことを要望しまして、私の質問を終えます。ありがとうございます。

○上田委員 まず、新規事業なんですが、市場の災害時の役割発信として、災害時の生鮮食料品の確保や安定流通をテーマに市場の役割を都民等に情報発信をすることで、災害時の混乱を軽減するとしております。
 都が策定している強靱化計画や卸の業務改革プランにおいて、災害時における生鮮食料品の安定供給の維持と、それを都民に周知、啓発することの重要性が繰り返し盛り込まれております。
 近年の都の予算において、防災、減災対策は最優先課題であり、インフラ整備はもとより、都民の不安を払拭するための情報発信というソフト施策も重点を置いております。
 つきましては、まず、市場の災害時の役割とは何か、お示しの上、事業の説明と獲得目標をご説明ください。

○住野管理部長 中央卸売市場は、災害時におきましても、必要に応じまして都民への生鮮品等の供給を安定的に行うことや、地域防災計画に基づく生鮮品の調達、避難所等への輸送などの役割を担ってございます。
 来年度は、市場の災害時の役割を広く分かりやすく情報発信し、都民の理解促進を図ってまいります。

○上田委員 特に市場がある自治体住民は存在を分かっておりますが、ただ、震災時でも市場内の建物や設備が一定の耐震基準を満たしていることは大前提だと思います。
 老朽化が指摘されている市場において、計画も持ってはいらっしゃいますけれども、この点はクリアになっているのか、整合性のために確認いたします。

○中井環境改善担当部長 中央卸売市場では、建築物の耐震改修の促進に関する法律の規定に基づいて、法で定める建築物の所有者として、旧耐震基準で整備された建物の耐震診断を行ってまいりました。
 この診断により、対象建物の耐震性を確認するとともに、耐震基準を満たさないとされた建物については、耐震改修工事や解体といった対策を完了し、必要な耐震性能を確保しております。

○上田委員 都と市場の卸売業者、仲卸業者が連携し、被災地のニーズに合わせて食料を調達、配分する公的な供給網の担保をどう構築するのか、伺います。

○住野管理部長 都では、災害時におきましても生鮮品の調達を円滑に行うことができるよう、市場業者と応援協定を締結してございまして、区市町村などからの要請に基づき、避難所等へ調達した生鮮品を市場業者が輸送することとなってございます。

○上田委員 首都直下型だと一斉に災害が起こるので、どのようにしていくのか、また私の方でも研究させていただきたいと思います。
 豊洲市場のDX実証事業ですけれども、これはもう質問があったので飛ばさせていただきます。
 本事業の目的、DXは目的の方だけちょっと聞きたいのですけれども、事業効率化や働き方改革とされているんですけれども、その成果を測るための具体的な目標値はどう設定しているのか。
 例えば、作業時間を何%削減する、手書き伝票を何%電子化するといった具体的な数値目標がなければ、単なる機材導入や調査で終わってしまう懸念がありますので、具体的にお示しください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場における取引などの業務は、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商慣習が異なる多くの関係者によって支えられていますことから、豊洲市場全体で商品管理や取引業務のDXを推進するためには、関係者間で議論を重ねて進めることが重要でございます。
 そのため、都と市場業界が緊密に連携して、現場のニーズや各市場業者の具体的な意向などを把握し、実効性ある取組に向け、関係者間で十分に協議することとしてございます。

○上田委員 今回構築しようとする市場DXモデルは、豊洲市場のみで完結するものなのか、それとも、将来的にほかの地方市場や仲卸業者の個別の経営に展開することを想定しているのでしょうか。
 このモデルの出口戦略と、導入後の維持管理費用を将来的に誰が負担するのかというコスト意識について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場における取引などの業務は、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商慣習が異なる多くの関係者によって支えられていますことから、市場全体でDXを推進するためには、関係者間で十分に議論を重ねて進めることが重要でございます。
 そのため、DXを着実に推進するため、都と市場業界が緊密に連携して、実効性ある取組に向け、現場のニーズや各市場業者の具体的な意向などを把握し、関係者間で十分に協議することといたしております。

○上田委員 専門家の指摘によれば、浴恩園は、松平定信が衆と楽を同じくするという衆楽の思想を日本で初めて体現、庶民に開放した後楽園や浜離宮をも凌駕する天下の名園であるということでございます。何度もいっていましたけれども。
 一方で、知事は公約として江戸東京文化の世界遺産化を掲げていますが、その思想の源流ともいえる遺構を、市場会計の資金をもって撤去し、再開発の土台とすることは、知事の掲げる文化政策と整合性が著しく欠如しているということは、私だけではなく、ほかの委員も指摘されているところです。
 これほど高い学術的価値が判明した遺構を破壊し、埋設するための費用を、今後も市場会計から漫然と支出し続けるのか。文化財の価値の判断において、お金、市場会計ですよね、出すのは市場、承諾するのは都市整備局という分断構造こそが責任の所在を曖昧にしているのではないでしょうか。
 公金を支出する責任ある立場として、遺構の文化財としての適正評価を市場としても行うべきと考えるものですが、所見を伺います。

○高橋財政調整担当部長 旧築地市場跡地の所管替えに関し、建築物の撤去、埋蔵文化財発掘調査、土壌汚染対策などの費用は、土地を引き渡す側が負担すべきものであり、これらの費用について、市場会計で負担しております。
 築地地区まちづくり事業の実施に伴う埋蔵文化財調査は、所管局において、関係機関と調整しながら、関係法令に基づき適切に実施されるものでございます。

○上田委員 浴恩園は、池を中心とした大規模な水景施設がありまして、隅田川から海水を引き入れる高度な技術が用いられたことが専門家により指摘をされておりますし、この潮入りというのは、お隣の浜離宮でも、もう本当に大切な当時の江戸の技術として、都も評価しているところだと思います。
 現在、市場会計から支出されている残置物撤去費約七十六億円や桟橋撤去工事約十億円は、これら貴重な水辺の遺構を物理的に破損し、再開発事業が利用しやすい更地をつくるための破壊工作の資金となってはいけないなということを常々懸念して確認をしてまいりました。
 埋蔵文化財調査と称しながら、実際は再開発に邪魔な文化財の障害物排除に公金を投じているのではないかという都民のそしりも受けかねませんことから、中央卸売市場の工事における文化財の配慮などは当然しているものと思いますので、確認させてください。

○中井環境改善担当部長 築地地区まちづくり事業の実施に伴う埋蔵文化財調査は、所管局において、関係機関と調整しながら、関係法令に基づき適切に実施されているものでございます。
 また、当局が所管している旧築地市場の仮設搬出入路及び荷揚げ桟橋撤去工事は、旧跡浴恩園跡の範囲外で実施するものでございます。
 なお、本工事の実施に当たりましては、旧浜離宮庭園に係る文化財保護の手続が必要とされることから、中央区教育委員会と協議を行いまして、法に基づく許可を受けた上で、適切に施工をしております。

○上田委員 適正にやっているということですが、資料の方は、工事の方ですね、関連して旧築地市場(七)仮設搬出入路及び荷揚桟橋下部工撤去工事に係る入札参加、結果でございますが、百三十者入札参加条件があって、五者入り、一者、若築・拓洋建設共同企業体というところに決まりまして、入札辞退はなく、低入札価格調査の聞き取りは必要としなかったということで、この工事は適正であったというふうに評価したいと思っております。
 次に、仲卸の経営状況でございます。
 市場はこれまで、消費者ニーズの多様化や流通チャンネルの多元化、エネルギー価格の上昇、今また乱高下していますが、円安の影響により厳しい経営環境にあると認識し、経営強靱化推進事業や経営相談事業を実施、昨年五月の都の公表によれば、一社当たりの売上高や増収業者の割合が増加するなどの結果になっているとのことです。
 また、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場業者の販路拡大や売上げ増などを押しするとともに、中小企業の専門家と連携した経営相談などを通じ、財政分析など個々の経営課題に即した助言等を行っているとのことですが、従前から指摘していますが、営業損益及び経常損益の黒字計上業者の割合は、いずれも前年に比べ増加しているところです。
 売上純利益率が上昇した業者の割合は四九・三%と、前年の三四・六%から大幅に増加しました。営業損益の黒字業者は三三・三%から五三%へ、経常損益の黒字業者は五二・三%から六八・一%へと改善が見られます。
 一方で、借入金比率は四八・八%から四四・八%と低下し、無借金経営の業者が極めて僅かということが見て取れます。
 経営基盤が強靱化したのではなく、撤退する業者が相次ぐ中で、残存した業者の数字が相対的に改善したのではないかなと思料するものでございます。
 都が実施している経営相談は、あくまでも個別の財政分析という対症療法にとどまっており、流通チャンネルの多元化や商流に対応できないのか、懸念するところです。
 新年度に向けて、仲卸業者の経営基盤が持続可能であると本気で結論づけているのか。これ以上の市場業者の経営悪化、それによる撤退、停滞化を食い止めるための抜本的な経営モデル転換支援に向け、個別の相談対応から市場の共同インフラを活用した攻めの支援へ、そろそろかじを切るべきではないかと考えますが、所見を伺います。

○飯野事業部長 仲卸業者をはじめ市場業者の経営状況は、個社ごとに様々に異なっており、また、生鮮食料品等の流通環境も大きく変化しております。
 こうした中にあって、市場業者の経営状況に即した支援が行えるよう、都では、中小企業経営やDXなど多様な分野の専門家等と連携した経営相談を行うとともに、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、環境変化に対応する市場業者の取組を後押ししております。

○上田委員 令和七年の四月一日現在、八百九十七業者、前年よりも十四業者減少、平成元年十二月末時点から見ると、八百九十七業者、五〇%も減少。市場別前年比では、水産物部では八件、青果部では四件、花き部では一件減少、豊洲市場はマイナス四、大田市場がマイナス三、足立市場がマイナス三ということとなっております。
 仲卸市場業者の減少傾向に対し、円滑な事業継承支援を行っているとのことですが、都は、市場業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、市場業者の取引を活性化するという考え方に基づき対応で、その店舗を使用したい場内業者がいる場合には、市場業者の経営規模の拡大や財務体質の強化が図られ、かつ市場全体の取引の活性化にも資するなどの要件を確認した上で使用許可を行っており、そうした業者がいない場合には、市場外の事業者を含めて広く公募し、そうした取組の結果、令和七年度は、十一月時点において、公募により、板橋市場の青果仲卸業者など三者に対し新たに使用許可を出したということです。
 この減少に関して、空き店舗を場内業者優先で対応し、いなければ公募とする都の対応は、結果として空き店舗を長期間放置する原因となっているのではないかというふうに思います。空き施設を使用したい場内業者がいない場合や、場内業者では要件が満たされない場合については、都は、ホームページなどで市場外の事業者を含めて広く公募を行っているのは承知しておりますが、十一市場のうち、僅か公募実績三件というのは、ちょっと少ないのかなというふうな印象です。
 場内業者の規模拡大のみを重視する現状の選別基準が、市場の多様性は損なわれ、取引の活性化は望めないことを示唆するものですが、現状の評価、新年度に向けて、さらにこの減少に向けて踏み込んだ課題解決について伺います。

○高橋財政調整担当部長 都は、仲卸業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、都は市場業者の市場取引を活性化するという考え方に基づき、適切に対応しております。
 令和七年度は、仲卸業者や関連事業者の空き店舗の公募を六市場で実施し、現時点で新たに七者の利用者を決定しております。
 引き続き、空き施設を使用したい場内事業者がいない場合や、場内業者では要件を満たさない場合については、市場外の事業者を含めて広く公募を行い、市場施設の利用促進を図ってまいります。

○上田委員 新規参入事業者のことで対策を取りつつあるというのですけれども、屋号を変えずに、実質的に中国資本の外国資本に買収されているとの指摘もあり、ずっと質問もさせていただいております。
 東京都中央卸売市場条例では、買占め等の不公正な取引を禁止するとともに、卸売業者や仲卸業者に対して事業報告書の提出を義務づけており、その中で主要株主や親会社について報告も求めているはずです。
 取引の規制は資本関係を問わず適用されることから、主要株主や親会社等の国籍などについての報告は求めておらず、卸売業者や仲卸業者がその業務を廃止したときには、条例に基づき、都に届け出るとされているとのことですが、状況が今激変しておりますし、高市政権も誕生して、外国人対策は、もういうまでもなく政策の大きな柱となっております。
 先般、実施、把握を求めたところ、取引の状況については、巡回調査、検査、各市場に設置されている取引委員会などを通じて把握しているとのことです。
 卸での買い付けのときに一気に買いあさる、ごみ出しや販売スペースの逸脱、ルールやマナー違反についての相談も届いておりますことから、市場内での不適切行為の件数や事例、内容、事業者数、事業者名を報告の上、それに対してどのような対応をされているのか、伺います。

○高橋財政調整担当部長 市場施設の適正な使用や市場内の衛生確保のため、都は、業界と連携してルールの周知徹底などを行っており、違反事例等については報告を受けております。
 令和七年度は、市場内における生鮮等の取引違反については、これまで報告はなされておりません。
 一方、廃棄物の不適切な処理、占用ルールの違反などについては報告がされており、これらに対し、施設管理者として、条例に基づき、必要な指導等の対応を行ったところでございます。

○上田委員 やっぱり不適切について報告されていて、対応しているということですが、ルール無視の新規事業者−−事業者といっても屋号は一緒ですけれどもね−−による大量買い付けによって、長い歴史を持つ市場の美学、文化や食の安全が脅かされていないか、本当に危惧しているんですよ。
 江戸の昔から続く日本の首都東京の公共の市場として、今後、国籍の確認をはじめ、経営実態の、まあ本質ですよね、実態を把握すべきと考えるものであります。
 ルール見直しに向けて、まず、危機感を持って実態把握調査を求めるものですが、所見を伺います。

○飯野事業部長 都では、市場業者から提出される事業報告書のほか、巡回調査や検査、各場に設置されている取引委員会などを通じて、取引の状況を把握しております。
 また、東京都中央卸売市場条例では、取引参加者の資本関係を問わず買占め等不公正な取引を禁止するなど、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するため、必要な規制が既に設けられておりまして、新たな調査等が必要な状況とは考えておりません。

○上田委員 大体、都は、考えていないといって、後で大変なことになるので、一応予言をしておきます。国籍、親会社も含めてしっかりと把握していただきたいということを重ねてお願いすることでございます。
 地方公営企業法十七条は、市場の経費は事業収益をもって充てる、すなわち独立採算を原則としているのはいうまでもないことです。
 現状の市場会計は、収益的収支の巨額な不足を企業債という借金で補い、と場会計に至っては、一般会計の繰入金という税金で延命をしているとも取れる状況です。
 法が定める企業の経済性を発揮できず、恒常的な外部依存を余儀なくされている現状は、もはや地方公営企業法が想定する健全な経営とはいいがたいのではないかとかねがね思ってまいりました。
 市場会計は独立採算を原則としてはいますが、今回の予算において、収益的収支の差引不足額は五百五十一億五千三百万に達しております。市場使用料の事業収入では、もはや経営の維持が困難という厳しい現実、資本的支出においても、企業債の発行に頼らざるを得ない自転車操業の構造。
 一方で、と場会計においては、多額の一般会計繰入金に依存して事業を継続しているのが実態でありましょう。
 独立採算をうたう市場として、市場会計、と場会計の両面において、税金投入を前提として、あるいは借金を重ねるかの二択しかない現状の経営状況を新年度に向けてどう総括しているのか、伺います。

○高橋財政調整担当部長 と場会計は、昭和五十五年の公営企業等財政再建委員会の答申に基づき、地方公営企業法の適用を廃止し、特別会計として経理しております。
 と場会計の財政運営においては、答申に基づき、健全な財政運営に努めつつ、と場事業の管理運営に要した職員費や、と場施設の維持更新及びと畜解体作業に要した運営費等の収支不足額に対し、一般会計から繰入金を充当することにより、芝浦と場を適切かつ安定的に運営しております。
 なお、中央卸売市場会計は、現在、十分な資金を保有しており、将来にわたり中央卸売市場を安定的に運営していくためには、強固で弾力的な財務基盤の確保が不可欠であることから、収入確保や費用縮減などの経営改善を推進しているところでございます。

○上田委員 今、中央卸売市場会計が十分な資金を保有しているということですが、二〇四〇年代の経常収支黒字化目標としているんですよね、そういう土台もあって。
 令和八年度予算の収益的収支の赤字幅は前年度の約二・七倍に拡大しているんですが、策定時の収支改善ロードマップにおける各年度の目標値と現状の乖離幅、金額なんですけれども、ちょっと明示していただきたいと思います。
 また、使用料値上げはなかなか厳しいと思うので、それ以外で、具体的に収益向上をどういうふうに見込んでいるのか、金額的根拠とともにご説明をいただければと思います。

○高橋財政調整担当部長 現行の経営計画においては、経常収支等を示す財政収支計画を作成しております。
 令和六年度決算の経常損失は約百三十一億円であり、経営計画における財政収支計画で示した経常損失百二十七億円と比較して、決算が計画を約四億円下回る状況となっております。
 令和八年度予算においては、これまで実施してきた収入確保策に加え、新たに債券の運用により約一億七千五百万円の収入を見込むなど、引き続き収入拡大に努めております。

○上田委員 一億七千五百万円の収入を見込むということでありました。
 では、管理費の内訳を知りたいのですけれども、こういった売上げとか経営改善についていろいろと考えられていると思うんですが、コンサルティングや調査検討に要する経費の実額を明示していただければと思います。

○高橋財政調整担当部長 令和八年度予算において、次期経営計画策定に向けた取組、持続可能な物流の確保に向けた取組支援事業、市場用地等の利活用に向けた取組として、合計約一億四千万円を計上しております。

○上田委員 新しい収益増が一億七千五百万円で、コンサル料が一億四千万というと、差引き三千万なのかなというふうに思わせていただきましたが、ご努力をしていただいている姿は把握させていただきました。
 過去三年間、先端技術活用等による業務効率化等に投入した予算総額に対して、削減できた人件費、物件費の総額をお示しください。
 削減効果が投入額を下回る場合、事業を継承、凍結、廃止するための検証をどうされているのか、確認させていただきます。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 先端技術活用等による業務効率化事業は今年度開始した事業でございまして、予算額は約一千二百万円、BPRの徹底等によりまして、業務、サービスの質の向上等を推進するための検討を行っているところでございます。

○上田委員 引き続き、成果を定点観測させていただきたいと思います。
 中央卸売市場会計の令和六年度末企業債未償還残高が二千二百十七億円ある中、豊洲市場分の返還終了後、債務残高の総額は、現状と比較して具体的に何億円減少するのでしょうか。それとも、改修工事等の新規債務により、残高は横ばいあるいは増加するのか、ご報告いただければと思います。

○高橋財政調整担当部長 豊洲市場に係る企業債の償還終了は令和十年度を予定しており、同年度末の中央卸売市場会計における企業債残高は十七億円と見込んでおります。

○上田委員 全体としては、令和十二年度を予定して償還が終わるというふうに確認をさせていただいていて、若干ほっとしているところでございます。
 今まさにアメリカによるイランの軍事攻撃によって、原材料高も上がったり下がったりして、こうした食べ物を扱うような事業者さんは直撃すると思います。引き続きましての支援体制は一応確認させていただきましたので、個々の仲卸事業者さんに寄り添うとともに、市場全体の財政についても、なかなか、十二年後に返還できるかどうか、また厳しい状況になっているので、取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、やはり仲卸の経営状況につきましては、通常の赤字体質であるとか事業継承がうまくいかないということを支援するのは当然のことながら、度々にわたって指摘しています、今後も始まるまでいうと思いますが、外国企業の参入状態、別にそれが全部悪いというわけではないのですけれども、やはり日本人、都民に還元できるのが食の市場でございますので、そこのチェックを新たに考えていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

○さとう委員 市場会計の経常収支は、平成元年から遡って見てみましたが、当時から経営に苦戦していたことを改めて認識しました。
 平成二年度から六年度までは、運用利息により黒字に転換しましたが、運用利息という、本業とは関係ない資産運用益での黒転です。運用利息の減少に伴い、収支が年々悪化し、平成七年度にマイナス二十四億円の赤字に転じ、十一年度まで継続して赤字です。その後、平成十二年度の使用料改定等により、一から八億円程度の黒字を維持していましたが、平成二十八年度にマイナス三十二億円の赤字に転じて以降、今日に至るまで、毎年百から百三十億円規模の赤字となっています。
 都は、過去の傾向等に基づき、令和五十二年度までの長期収支を試算していますが、経常収支は依然として赤字で推移する試算結果となりました。
 現行の令和四から八年度の経営計画の概要を見ると、財政基盤強化への第一歩が踏み出せなければ、市場規模の見直しや統合、再編も避けられないとしていますし、都としても厳しい経営状況を認識しているのかと思います。
 そこで伺います。令和八年度末の総括で、どの市場、機能、支援事業を継続、縮小、統合、廃止の候補とするのか、評価基準と決定時期について、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都の十一の中央卸売市場は、各市場がそれぞれの機能を発揮して生鮮品等の流通を支えますとともに、相互に補完しながら一体として機能し、都民の消費生活を支えているものと認識してございます。

○さとう委員 つまり、市場規模の見直しや統合、再編もせずに、これからも赤字経営を続けていくということだと思いますが、長期間にわたり具体的な赤字の改善計画案もないまま、この先も中央卸売市場を独立採算で経理するには限界が来ていると思います。
 そこで提案ですが、中央卸売市場会計を準公営企業会計から特別会計に移行してはいかがでしょうか。この三十年以上にも及ぶ赤字議論が一気に解決します。
 実際、政令指定都市では、中央卸売市場は特別会計で経理しているケースが多いです。具体的には、横浜市、仙台市、京都市、広島市、福岡市、名古屋市などです。
 特別会計化の検討は行ったことがあるのでしょうか。

○高橋財政調整担当部長 昭和五十五年の公営企業等財政再建委員会の答申の考え方に基づき、と場会計は、昭和五十六年度より地方公営企業法の適用を廃止し、現在に至るまで特別会計として事業を行っております。
 その一方、中央卸売市場会計は、昭和五十五年の同答申におきまして、行政が負担すべき経費を除き、原則として使用者である業者が負担すべきであるとされ、これを受け、引き続き準公営企業会計として事業を行っております。

○さとう委員 中央卸売市場会計は準公営企業として運営されていますが、一般会計補助金を受けながら資金運用も行うなど、典型的な公営企業とは異なる財務構造になっています。
 都として、準公営企業会計であることによる財務上のメリットは何でしょうか。

○高橋財政調整担当部長 地方公営企業は、地方公営企業法によると、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされております。
 中央卸売市場会計は、昭和五十五年の公営企業等財政再建委員会の答申におきまして、市場事業の経費は、行政が負担すべき経費を除き、原則として使用者である業者が負担すべきものであるとの考えが示されたことを踏まえ、東京都地方公営企業の設置等に関する条例第一条に基づき、準公営企業会計として運営されております。
 当局としましては、市場事業が企業の経済性の発揮と公共の福祉を増進するという法の趣旨にのっとった運用がなされるよう、引き続き努めてまいります。

○さとう委員 財務上のメリットがあるというよりも、当時の決定に基づいて運用をしていると理解しました。
 ご答弁のとおり、中央卸売市場会計は、約四十六年前の市場構造に基づく決定を前提にしています。当時は市場流通が圧倒的で、卸売市場が物流の中心でした。使用料は業者が負担すべきであるとの考えが示されたため、一部適用の準公営企業として整理されたと認識しています。
 現在は、産地直送、EC物流など流通構造が大きく変化した影響等により、市場を経由する取引量も減少し、慢性的な赤字となっていますし、時代の変化に合わせ、会計制度そのものの見直しを検討してはいかがでしょうか。
 政令都市以外にも参考事例があります。市場は、基礎自治体や都道府県などが開設者となることができますが、現状、四都道府県が市場開設者となっております。奈良県や沖縄県は特別会計として扱っております。つまり、都道府県が開設者であっても、特別会計の採用ができるということです。
 次期経営計画策定において、財政面での健全性確保を求める声もありますし、知事からも、これまでの経営計画の延長線でない計画を求められています。抜本的な改革が必要ではないでしょうか。
 例えば、一般会計で物価高対策として家賃の補助金をつけるのと、準公営企業会計で使用料を上げないのは、本質的には同じ支援だと思います。しかしながら、準公営企業会計は独立採算制を取っている以上、赤字の改善を求められます。特別会計は独立採算を求められません。
 市場事業などは、法定事業に比べ、一般に収益性に劣るものがあり、独立採算が困難となっているのは、過去三十年の実績、数値が証明をしています。使用料を上げるのが困難である、使用料を上げたとしても、取引量の減少により赤字改善が見込めないという現実は、この四十六年で、市場が事業としての経済性よりも公共の福祉という側面が強くなったからだと考えます。
 ほかの自治体の事例も参考にしながら、時代や実態に合わせた会計への変更を検討することを要望します。
 次に、予算資料を見ると、板橋の大型投資、旧築地撤去、と畜設備改修、各市場の小規模改修が同時進行しています。
 七千八百万円もの予算を計上されている次期経営計画では、市場別に更新、集約、撤退など優先順位を決めた案を出すのか、出さないのであれば何をもって優先順位を決めるのか、何をどこまで公開で議論するのか、検討項目と公開プロセスまで伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場の経営計画の改定につきましては、卸売市場審議会において議論いただいております。
 先日開催した同審議会において、今後議論を深める論点として、市場全体の機能最適化、市場機能の持続性確保、市場経営の安定と健全性の向上の三点を整理いたしました。

○さとう委員 次期経営計画では市場別の優先順位を決めないと理解しましたが、やらないことを決めること、優先順位を決めることこそが計画だと思います。
 あわせて、特別会計への変更可能性についても検討することを提案、要望いたします。
 令和八年度は、投資五百七十億、債券の購入等ですね、こちらを計上する一方、企業債償還は八百九・五億、建設改良費は六十一・三七億円計上されています。
 なぜ債務圧縮や更新準備金より投資が優先されるのか、運用目的、満期構成、換金ルール、議会への報告方法と併せて伺います。

○高橋財政調整担当部長 持続可能な財政運営に向け、企業債については計画的に償還を行っており、残高を着実に減少させるとともに、経費削減や収入確保など経営改善の取組を進めております。
 来年度は、収入確保の取組として、新たに債券を購入し運用収益を得ることとしており、資金を運用するに当たっては、新たに局内に公金運用に関する委員会を立ち上げ、資金管理運用に関する方針や資金運用の計画等を検討してまいります。

○さとう委員 資金運用による収入確保という考えは理解いたしますが、公金運用委員会での決定を議会へ報告するよう要望いたします。
 令和八年度の一般会計補助金は三十一・七一億円計上されております。
 使用料の見直しや経営改善を論じる前提として、人件費、基盤インフラ、衛生、防災、物流高度化、築地関連費のうち、どこまでが一般会計負担で、どこからが受益者負担なのか、科目別に行政コストの整理を伺います。

○高橋財政調整担当部長 一般会計補助金は、公正取引の実現を目的とした業務や、食の安全・安心の確保などの行政的経費に充てており、具体的には、現場取引業務の指導監督に要する経費や、生鮮食料品の情報提供及びそれらに従事する職員の人件費等となっております。
 なお、これらは、業務費、生鮮食料品流通対策費及び管理費などにそれぞれ計上されております。

○さとう委員 ただいまのご答弁ですと、つまり使用料改定を検討する場合でも、一般会計補助金の三十一・七億円は、使用料の算定から除かれ、行政的経費に充てられると理解しました。
 大田市場では、青果卸売業者三社が共同で荷置場案内サービスを開発し、Wi-Fi整備も支援しています。
 便利になる一方、特定事業者主導の仕組みが場内共通インフラになるなら、公平、公正な取引環境やデータ主権はどう担保するのか、伺います。
 仲卸、買受人、物流事業者がひとしく利用できる仕様で、データの持ち出しや接続の中立性は保障されているのでしょうか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売業者が開発した荷置場案内システムは、荷物の引取り場所につきまして、これまでは買受人等が各社の指定場所において帳票を印刷して確認しなければならなかったものを電子化いたしまして、自身のスマートフォン等でオンライン確認できるようにしたものでございます。
 利用者制限等はなく、卸売業者から購入した市場関係者であれば、ひとしく本システムが利用可能となってございます。
 データ管理につきましては、IDとパスワードにより、自身の情報しか確認できない仕様となってございます。

○さとう委員 誰が何を購入したという情報は、各事業者にとって経営の生命線ともいえますので、データ管理につきましても、漏えいも含めて継続的に監視することを要望します。
 また、民間主導アプリの利用が事実上の参加条件にならないルールを持っているか、伺います。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、市場における卸売の業務に関し、不当に差別的な取扱いをしてはならないと規定しておりまして、特定のアプリ等の利用のみを取引への参加条件とすることは、現行条例上、認められておりません。

○さとう委員 便利なアプリだとは思いますが、暗黙の了解、事実上の参加条件にならないよう、条例遵守状況を監督していただければと思います。
 豊洲の三・八億円、大田の六千四百万円、経営強靱化推進事業の六・一億円など、市場のDX、効率化に関連した支出が複数の事業にまたがって計上されています。これらは、どのような全体戦略の下に設計されているのでしょうか。
 令和三年度に策定された経営計画の最終年度に当たる今年度、これらのDX投資の成果をどのように総括し、次期経営計画、令和八年度策定、七千八百万円の予算が計上されているこちらでは、DXをどう位置づけるのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都の中央卸売市場全体におけるDXを推進するため、水産物流通の中核拠点であります豊洲市場において、都と市場業界が緊密に連携して実証事業に取り組み、市場流通全体の効率化や働き方改革に寄与していくこととしてございます。
 DXの推進につきましては、先般の卸売市場審議会において、次期経営計画に向けた課題として示されたところでございます。

○さとう委員 DX化について、現状は、全体戦略を持ち合わせておらず、個別市場ごとに設計されていると理解しました。
 業界の特性として、生産者から一気通貫したDX全体戦略を取ることが難しいことは理解しますが、各市場がばらばらに部分最適なシステムを乱立することや理想なきDX化は避けるべきです。
 税金を投入する以上、どこを目指していくのか、次期経営計画で明確に示していただければと思いますが、全市場に最低限そろえるデジタル基準を設けるか、伺います。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 卸売市場におけます取引などの業務につきましては、各市場において、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商習慣が異なるなど多くの関係者によって支えられていることから、市場全体でDXを推進するためには、関係者間で議論を積み重ね、進めていくことが重要でございます。

○さとう委員 最低限そろえるデジタル基準は、現時点では持ち合わせていないということを確認しました。
 単なる業務効率化にとどまらず、付加価値向上、産地との情報連携まで視野に入れた設計にすべきと考えますが、目指す市場のDXモデルの具体像をお伺いします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場における取引などの業務は、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商習慣が異なる多くの関係者によって支えられていることから、豊洲市場全体で商品管理や取引業務のDXを推進するためには、関係者間で議論を重ねて進めていくことが重要でございます。
 そのため、都と市場業界が緊密に連携して、現場のニーズや各市場業者の具体的な意向などを把握し、実効性ある取組に向け、関係者間で十分協議することとしてございます。

○さとう委員 目指す市場DXモデルを、現時点では持ち合わせていないことを確認しました。
 資料要求にて提出していただいたDX推進枠の市場別実績を見ると、令和五年度は四十二件、令和六年度は五十件で、令和六年度は、豊洲二十七件、大田九件に集中する一方、多摩ニュータウンなど二年連続ゼロ件、食肉、足立もゼロ件となっています。
 十一市場のネットワークを強化するというのであれば、デジタル化できる市場だけが先行し、弱い市場ほど取り残される構造になっていないでしょうか。
 市場別の未着手理由と是正策を伺います。

○飯野事業部長 中央卸売市場経営強靱化推進事業のDX推進枠では、会計システムや販売管理システムの導入、受発注システムと販売管理システムの連携といった個社の意欲ある取組を支援しており、こうしたシステムの導入や本事業への申請は、各社の経営判断に基づいて行われるものと認識しております。
 都では、より多くの市場業者に本事業を利用いただけるよう、情報誌等により制度内容や補助金の活用事例を周知するとともに、DXの専門家等と連携したセミナーなどを通じて、DXの積極的な活用に向けた機運の醸成を図っております。

○さとう委員 会計システムや販売システムの導入に関しては、国レベルの補助金もありますし、画期的なDX推進というよりか、個社レベルのシステム導入にとどまる理解です。
 豊洲の水産物流通DX、大田の場内物流効率化とWi-Fi整備、全十一市場の本庁情報共有、最先端の技術活用、DX推進枠の補助、さらにスタートアップ協働による図面クラウド化まで、DX施策が並行して走っています。
 個別実証を積み上げた結果、システムやデータが市場ごと、事業ごとにばらばらになるリスクをどう管理しているのでしょうか。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 まず、都の職員の業務効率化につきましては、都庁全体として職員が利用するデジタルツールの共通化などを進めておりまして、こうした全庁的な取組を踏まえながら、必要な取組や検討を進めているところでございます。
 卸売市場における取引などの業務につきましては、先ほどもご答弁させていただきましたが、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商習慣が異なる多くの関係者によって支えられていることから、市場全体でDXを推進するためには、関係者間で議論を重ねて進めることが重要でございます。

○さとう委員 お話を伺いますと、やはり都職員の業務効率化がメインとなっており、取引などの業務DXは、市場や事業者ごとにばらばらになりがちということを再認識いたしました。
 令和八年度に、豊洲市場の水産物流通などDX実証事業として三・八億円が新規計上されています。
 事業内容には、商品管理や取引業務等へのDX導入を推進し、業務効率化や従業員の働き方改革に寄与する市場DXモデルを構築するとありますが、水産物は、魚の種類、サイズが極めて多様でありまして、標準化が本質的に困難な品目です。
 このことを踏まえ、実証対象の品目、業者、業務範囲をどのように絞り込んでいるのか、また、DXモデルを構築したと判断するための具体的な数値目標は何か、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場における取引などの業務は、卸売業者や仲卸業者をはじめ、利害や商習慣が異なる多くの関係者によって支えられていますことから、豊洲市場全体で商品管理や取引業務のDXを推進するためには、関係者間で議論を重ねて進めることが重要でございます。
 そのため、都と市場業界が緊密に連携いたしまして、現場のニーズや各市場業者の具体的な意向などを把握し、実効性ある取組に向け、関係者間で十分協議することといたしております。

○さとう委員 具体的な数値目標が難しいとのことですが、水産物のDXは、全国の中央卸売市場で先行事例はあるのか。
 他市場、他品目でのDX導入状況と比較した上で、豊洲、水産から始める理由と優位性を根拠とともに伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 全国の中央卸売市場における先行事例といたしましては、農林水産省の資料によりますと、トラック予約システム導入による物流改善や、受発注システム導入による帳票電子化などの取組がございます。

○さとう委員 これまでの質問により、中央卸売市場の取引は、個別性が強く、DX化が難しいことを理解しました。無理にDX化をするのではなく、関係者間の協議や次期経営計画において、やらないこと、できないことをはっきりとさせ、目指すべき市場の輪郭が見えた状態で戦略的な計画を策定することを要望します。
 次に、と場施設の老朽化更新のローリング計画とPFI活用について伺います。
 令和八年度には、施設整備費として十七・三億円が計上されており、前年比二・九七億円の増額となっています。
 また、令和九年度から十年度には、水処理センター処理設備改修工事に五・六三億円の債務負担行為が設定されています。
 これらを含め、と場施設全体の老朽化更新に要する総費用の見通しと、向こう十年の年度別整備ロードマップを示してください。
 優先順位の判断基準、安全衛生リスク、コスト効率、稼働の継続性についても、根拠データとともに伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 老朽化が進む食肉市場におきましては、水処理センターについて、令和二年度に実施した調査結果などを踏まえ、令和四年度から再構築工事を実施してございます。
 また、喫緊の課題となっております施設の改修については、都は、市場業界と協力し、全体的な内容について具体的な検討を行っております。
 それに基づき、必要な予算を毎年度計上してございます。

○さとう委員 水処理センターの排水は下水に直接放流できないため、特殊な処理設備が必要と聞きます。
 この処理設備が老朽化した場合、と場全体の操業停止に直結するボトルネックとなりますが、令和九から十年度の五・六三億円の改修工事は、暫定的な修繕なのか、それとも設備の全面更新なのか。改修後の耐用年数と次回更新時期の見通しを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 現在の水処理センターは、稼働から二十五年以上を経過しており、と畜作業に影響が生じない形で、現在、再構築工事を進めてございます。
 工事に当たりましては、二つの系統のうち、一つの系統のみでも汚水処理が可能となる工夫をするなど、水処理センターを稼働させた状態で効率的かつ効果的に実施してございます。

○さとう委員 と場施設の維持更新に伴う調査設計等委託として、令和九年度に六千八百万円の債務負担行為が設定されています。この調査設計の対象施設と設計期間、そして、設計完了後の工事着手、完成までのスケジュールを伺います。
 また、複数の大規模工事が重なる時期において、と場の日常的な解体処理業務の継続はどのように担保するのでしょうか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 施設の改修について、法適合化に向けた是正策の検討など、必要な調査設計の予算を計上してございます。
 調査設計につきましては、債務負担行為により令和九年度までを予定しており、その後のスケジュールについては、その中で検討していくこととしており、これらが日々の市場運営と並行して行っていく必要がございますことを踏まえ、ローリングなど施工方法の工夫につき、今後、市場業界とともに十分に検討を行い、進めてまいります。

○さとう委員 食肉市場の運営において、PFI等の民間活力を活用しないと時間がかかるという課題認識があると聞きます。
 と場施設建物清掃委託、令和九年から十年度は五千三百万円のように、個別委託は行っていると認識していますが、運営まで一体的にPFI、DBO等で民間に委ねることについて、都はどのように検討しているのでしょうか。導入に当たっての最大の障壁は何か、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場では、と畜事業を東京都が直営で実施しており、枝肉だけでなく、内臓や原皮などの副生物などを安全かつ衛生的に加工し、食肉として取引に上場させるための様々で複雑な工程を、多数の食肉事業関係者の協力の下、一貫して行い、品質衛生管理の確保と高品質な食肉を供給する体制となってございます。
 こうした食肉市場の運営は、現在の体制でなくては困難であると考えており、今後も、都と市場業界が協力し、建物清掃など、必要に応じ個別委託も用いながら対応してまいります。

○さとう委員 と畜解体処理に係る施設、設備機器改修の予算は、平成二十七年度四・八二億円から令和八年度十七・三六億円まで増えています。
 老朽設備を毎年改修し続ける方が抜本更新より高くつく段階に入っていないでしょうか。ライフサイクルコストで見た更新判断を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場は老朽化が進んでおり、今後も国内外に向けた安定的な食肉の供給という役割を果たしていくためには、施設の改修を進めていくことが喫緊の課題となってございます。
 都は、市場業界と協力し、全体的な内容について具体的な検討を行っており、その内容といたしましては、まず、建築基準法上の既存不適格となっている建物の是正策を講じ、その後、場内の老朽化の進んだ施設、設備を段階的に改修していくこととしてございます。
 こうした改修は、日々の市場運営と並行して行っていく必要があるため、ローリングなど施工方法の工夫が必要であり、今後、市場業界とともに十分に検討を行い、進めてまいります。

○さとう委員 先日、豊洲市場と食肉市場に視察に行きましたが、と畜解体の現場は、この時期にしては異様な暑さでした。夏になると熱中症になる職員も発生するとのことですが、ローリング手法による施工方法で、この暑さが改善できる建物に生まれ変わるのか、疑問です。
 食肉市場においては、現在、駐車場になっている場所が空き地となっています。施設更新に当たりましては、建物の設計変更により暑さ対策を行うことができる数十年に一度のチャンスですので、仲卸業者との協議など各関係各所との調整も必要かと思いますが、抜本更新も検討していただくことを要望します。
 冒頭の繰り返しにはなりますが、次期経営計画の策定と併せて、中央卸売市場会計を特別会計への移行を検討することを改めて要望しまして、質問を終わります。

○両角委員 お願いいたします。
 中央卸売市場は、生鮮品等の安定供給を担う物流拠点として、長年にわたり都民の消費生活を支えてまいりました。
 一方で、少子高齢化の進行や流通チャンネルの多様化、人手不足の深刻化など、市場を取り巻く環境は大きく変化をしており、今後の市場経営の在り方については、これまで以上に真剣に考えなくてはならない局面にあると思います。
 現在、都では、令和八年度末までの計画期間とする中央卸売市場経営計画の改定に向け、卸売市場審議会において議論が進められていると承知をしておりますが、本日は、計画改定に向け議論を深めるべき論点の一つである、市場全体の機能最適化に関連して質問をさせていただきます。
 市場全体の機能最適化について、その議論が必要になる背景を明らかにしてまいりたいと思います。
 まず、開設者である都は、都内にある全十一の中央卸売市場が果たしている役割についてどのように考えているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、生鮮品等の円滑な流通を確保する拠点として計十一の中央卸売市場を設置し運営しており、一定の取引ルールの下、全国の産地から多様な品物を集荷し、これを多数の小売事業者等へ迅速に販売することで、都民の消費生活を支えてございます。
 また、市場取引を通じて価格が形成されますとともに、流通の中核的な拠点である豊洲市場や大田市場、食肉市場において形成された価格は、いわゆる建値として全国の取引の指標となるなど、重要な役割を果たしております。
 こうした役割を通じて多種多様な生鮮品等を安定的に供給することで、豊かな食文化の形成などに貢献してございます。

○両角委員 今ご答弁をいただきましたが、卸売市場における取引には、法律や条例により一定のルールが課されております。この仕組みの下、公正な取引や安定的な流通を確保し、公共インフラとしての役割を果たしているわけでございます。
 一方で、公共インフラとしての役割を担っている卸売市場を取り巻く環境は、大きく変化をしている。少子高齢化に伴う食料消費の減少に加え、産地の大型化や量販店の台頭による直接取引の増加など、全国的に市場を経由しない流通が拡大をしております。また、私たち消費者も生産者から直接購入することができるなど、流通チャンネルの多元化も進んでおります。
 計画改定に当たっては、こうした市場経由率や取扱数量の推移を的確に把握して議論を進めることが重要です。
 そこで、青果及び水産物について、直近の市場経由率と取扱数量は、五年前と比較してどのように増減をしているのか、伺います。

○飯野事業部長 農林水産省の資料によりますと、直近の卸売市場経由率は令和四年度でございまして、青果が五〇・五%、水産物が四三・二%となっており、その五年前の平成二十九年度と比較して、青果は四ポイント以上、水産物は六ポイント減少しております。
 また、都の中央卸売市場における令和七年の取扱数量は、青果が約百六十一万トン、水産物が約三十万トンとなっておりまして、五年前の令和三年と比較して、青果は約二十六万トン、水産物は約五万トン減少しております。

○両角委員 今のご答弁によりますと、市場経由率や取扱数量は低下をしているということですが、依然として生鮮食品流通のおおむね五割が市場を経由しており、重要な役割を果たしているということがいえます。
 ただし、いずれの指標も減少しているのは事実であり、こうしたことを念頭に置く必要があります。
 都内十一の中央卸売市場は、日本の高度経済成長により増え続ける消費需要に対応するため、集中的に整備をされてきた経緯があります。最後に整備されたのは昭和五十八年の多摩ニュータウン市場であり、既に四十年以上の歳月が経過をしております。
 この間、我が国では、少子高齢化が進み、世の中全体が縮小傾向にあり、様々なインフラが再編や規模の縮小を通じて最適化が図られていることは、皆様、ご承知のとおりでございます。
 卸売市場についても、現状の体制のままで将来にわたり市場機能を維持することができるかとの課題認識の下、全体最適を考える必要があります。
 そこで、市場全体の機能最適化についてどのような問題意識を持っているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都の中央卸売市場は、基幹インフラとしての役割を現在果たしており、今後も持続的な運営を通じて都民生活を支えていくべきであると認識しております。
 同時に、今後の市場経営を考えていくに当たりましては、卸売市場における取扱数量の減少や経由率の低下といった要素も加味しながら検討を進めていく必要がございます。
 先日開催されました卸売市場審議会におきましては、経営計画の改定に向けて、市場全体の機能最適化が重要な論点であるとの報告がなされ、同時に、その検討に当たっては、都の中央卸売市場が果たしている生鮮品等の安定供給をはじめとした多面的な役割を整理するとともに、環境が急激に変化する中にあって、現行の市場の在り方が競争力や持続性の観点から適当であるかについて検討すべきであると提言をいただきました。
 都といたしましては、商圏や商流など各市場における取引などの詳細な実態把握に努め、これらを基に、今後、審議会における議論を深めていただくことを通じ、次期経営計画の策定につなげてまいります。

○両角委員 審議会で示されました市場全体の機能最適化は、今後の市場経営を考える上で避けて通れない重要な論点であると、改めて認識をいたしました。また、卸売市場が将来にわたり基幹インフラとして都民生活を支えていく上でも重要な論点であると再認識をいたしました。そのため、今回の計画改定においては、市場全体の機能最適化という課題を契機に、市場経営を従来の延長線ではない視点でしっかりと議論を深めていただくよう要望をいたします。
 続いて、市場の役割の発信について伺います。
 市場は、業界の皆さんの日々の働きによって運営されていると認識をしておりまして、こうした市場の意義や役割について地域や都民にしっかりと伝えていくことも、これは重要なことであります。
 審議会において、都民からは、役割がよく分からない、さらなる情報発信に期待するとの声があると示されているわけであります。
 そこで、市場の役割を広く発信していくために、これまでの取組と今後の取組について、都の見解を伺います。

○住野管理部長 卸売市場が生鮮食料品等流通の基幹的なインフラとしての役割を将来にわたって果たしていくためには、市場の役割や機能について、都民に広く知っていただき、ご理解いただけるよう取り組んでいくことが重要でございます。
 今年度は、六市場におきまして市場まつりを開催いたしまして、また、各市場において市場見学や食育教室、花育教室などを実施いたしました。
 実際に市場に触れていただく機会を通じて、市場の役割などを分かりやすく伝える情報発信に取り組んでまいりました。
 来年度は、これらの取組に加えまして、豊洲市場における市場紹介ツアーなど体験型コンテンツの拡充や、ホームページやSNSなどウェブ媒体のさらなる活用を通じまして、市場の役割や市場での仕事の魅力などを発信してまいります。

○両角委員 各市場で実施されております市場まつりや市場見学など、ふだん入ることのできない現場に足を運んでもらう取組は、卸売市場の役割や魅力を実感してもらう良い機会であり、ぜひ継続して取り組んでいただきたいと思います。
 また、来年度も新たな取組を行っていくとのことですが、これまでの枠組みにとどまることなく、卸売市場の役割や魅力の発信により一層積極的に取り組むことを要望いたします。
 最後に、卸売市場が地域や都民からより一層信頼されるために、平時のみならず、災害時にどのような役割を果たすのかを確認させていただきます。
 災害は、いつ、どのような形で発生するか分かりません。したがって、具体的な想定の下に、なすべきことをきちんと整理をしておく必要があります。そうした市場当局による事前の備えを、日頃から都民などに分かりやすく伝えていくことが重要です。
 防災の観点から卸売市場がどのような役割を果たすべきと考えているのか、また、どのような手段でその役割を発信していくのか、それぞれ具体的に伺います。

○住野管理部長 都の中央卸売市場は、災害時におきましても、必要に応じまして生鮮品等の供給を安定的に行うとともに、生鮮品の調達、輸送などの役割を果たすことが重要であると認識してございます。
 具体的には、東京都地域防災計画に基づきまして、豊洲市場などが帰宅困難者の一時滞在施設に指定されているほか、災害時には、都と市場事業者との間での応援協定に基づきまして、生鮮品を確保し、市場事業者が避難所等へ輸送することとなってございます。
 来年度は、動画やパネルを新たに制作いたしまして、災害時におけるこうした市場の役割を地域や都民に広く分かりやすく情報発信することにより、都民などの理解促進を図ってまいります。

○両角委員 災害時にも地域に貢献する市場の姿を地域や都民に広く伝えていくことは、市場への理解と信頼を一層深めるものであると考えます。今後も引き続き、市場の情報発信に取り組んでいただき、都民に開かれた市場づくりを進めていただくようにお願いをいたします。
 本日は、中央卸売市場が公共インフラとして将来にわたり生鮮品等の安定供給を担う役割を果たしていくため不可欠な課題であるとの認識の下、計画改定に向けた重要論点である市場全体の機能最適化について、都の問題認識を確認させていただきました。
 また、地域や都民にとって一層身近で信頼される存在となる観点から、その役割発信の重要性や防災面における役割をただし、都の取組を確認いたしました。
 市場を取り巻く環境は、かつてない厳しい局面にございます。しかし、危機意識だけでは現状は打破できず、具体的な行動として示していかなければならないと思います。
 業界とも十分に議論し、必要な取組を着実に進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。

○山崎委員 本日、最後の質問となりますが、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 私の方からは、市場業者の人材の確保、このことと今後の施設整備について、何点か伺いたいと思います。
 現在、来年度末の次期経営計画の改定に向けて、卸売市場審議会で議論がされており、私自身、二月の審議会に、委員としても参加をさせていただきました。その審議会では、市場業界の人手不足が深刻化しているという話が議論されておりました。
 今日の質疑の中でも、様々な点から議論を交わさせていただきたいと思いますが、私は、今後、いつの時代になっても、卸売市場がその役割を果たすためには、やっぱり人であると思っております。
 市場に働き、自らがこれまでに培ってきた目利きの力、ノウハウの全てを注ぎ、長きにわたって魚河岸とやっちゃ場の伝統と価値を体現してきた市場人こそが、卸売市場にとって最大の財産だと私は思います。次の時代に世代が交代しても、その価値を引き継ぐためには、人材の確保が何よりも大切で、また喫緊の課題であります。しかしながら、その大事な人材の確保が、今、脅かされようとしております。
 私自身、初当選以来、築地や豊洲など、多くの市場の現場をこれまで見てまいりました。
 早朝からの勤務、土曜日の開市、荷役作業の負担、市場業者の皆様が働く職場環境は決して楽ではなく、市場業者の人材確保は大変厳しい状況に直面をしていると思います。
 まず初めに、市場業界の人手不足の問題に対して、都はどう受け止めているのか、確認をしていきたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 生産年齢人口の減少や働き方に対する意識の変化などを背景に、市場取引を担う人材の確保は年々難しくなっており、都が市場業者を対象に実施した調査におきましても、約七五%が担い手の確保を経営課題として挙げているなど、多くの事業者が人手不足に直面している状況にございます。
 卸売市場の業務は、卸売業者や仲卸業者など多くの関係者によって支えられている労働集約的なものといえ、人手不足の深刻化は、市場機能の持続性にも関わる大きな脅威になりかねないと受け止めてございます。

○山崎委員 七五%、実に四分の三の市場業者が人材確保を経営上の課題として捉えているということ、今、答弁がありました。
 市場の現場の取引は、人と人がよい意味でぶつかり合い、人と人が話を交わし、それこそが市場のエネルギーにつながる。つまり、やはり人なんですね。
 市場の仕事は、まさに人に依存している部分が大変大きいわけでありますから、こうした特性を考えれば、私は、市場業界における人手不足という問題は、他の業界よりも、より深刻だと認識をしております。
 私は、今、この問題に直ちに対処しなければ、市場業者の担い手がいなくなり、都民への生鮮食料品等の安定供給ができなくなる、そういう危機感を抱いております。
 先ほど、七五%、四分の三という数字が出てまいりました。この業界の中で四分の三の方が担い手が不足をしているという課題を持っているということは、本当に大変な危機感だと私は思います。
 先ほどもお話をさせていただきましたが、この七五%をどのように解消していくのかということが非常に重要な人材確保の部分で、やはり現場の生の声というものをしっかりと聞いた上で抜本的な改善というものも、これから用いていかなきゃいけない、そういう時代に、もしかしたら突入をするかもしれないということでもあります。
 市場業界で人手不足が進む中、人材の確保や人手不足への対応として、来年度、都は具体的にどのように取り組むのか、見解を伺います。

○飯野事業部長 都はこれまで、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、求人情報サイトへの広告掲載や合同採用説明会への出展など、市場業者による人材確保の取組を支援してまいりました。
 こうした取組に加え、来年度は、同事業において、市場業者による従業員等の熱中症対策に資する取組を支援する新たな補助区分を設定し、猛暑下における労働環境の改善を図ってまいります。
 また、豊洲市場においては、業界と連携してAIやロボティクスなどの先端技術を活用したDXを推進し、市場流通全体の効率化や働き方改革にもつなげてまいります。
 こうした取組を複合的に推進することで、厳しい人手不足に直面する市場業界の人材確保をしっかりと支えてまいります。

○山崎委員 今の答弁で、卸売市場の経営強靱化推進事業によって求人情報サイトに広告を掲載したり、説明会をやったり、そういったところに出展して、市場業者の人材確保の取組を支援してきたという今までの取組もお話をいただいて、また、来年度は、暑さ対策、そういった環境の整備をすることによって人材の確保につながっていける、そういったお話がございます。答弁がありました。
 また、DXを推進し、AIやロボティクスの先端技術を活用したDXを推進して、そして効率化を目指していくという、そういった働き方改革、これをやることによって、さらにまた人材が確保できるような状態をつなげていきたいという答弁だったと思います。
 しかし、私が今この答弁を聞く限り、これだけで人材確保に必ずつながっていくのかというのは、もう不安でなりません。
 やはり、今、人手不足の中で、どのように人をこの市場の方に、環境に目を向けてもらえるのか、こういったところに、まだまだ市場の当局としても、また業界の皆さんも、その辺をしっかりと意識をしていただく。
 先ほど、人手不足のことが、七五%、四分の三の人たちが課題を持っているというお話がありました。ただ、これは、アンケートを取って、その人たちが、市場全体が四分の三も人手不足でみんな悩んでいるんだよということを、フィードバックをちゃんとしているのかどうなのか。こういったことも私は大事だと思います。
 各個店が人手がいない、人手がいないということだけをいっているだけでは、業界の皆さんの意識というものも高まっていかない。
 それと、やはり当局が、その辺も踏まえて業界の皆さんと膝詰めでしっかりと話をしていただきながら、この人手不足の解消に向けた取組というものを、現場の意見を聞きながら前へ進めていただかなくては絶対に駄目だと私は考えておりますので、ぜひそういった点にも着手をしていただきながら、みんなで、市場の業界の皆さんと共に、当局の皆さんと共に、この人材の確保に向けた改善というものを前に進めていきたいと。必ずそういったところを考えながら進めていただけたら、ありがたいのかなと思いますので、ぜひ、その点はよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、都は開設者として、市場業者の人材確保の観点からも、各市場の必要な施設の整備をしっかりと進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場が生鮮品等の安定供給を担う流通の中核拠点としての役割を果たしていくためには、各市場の特性を踏まえた施設整備を計画的に進めていくことが重要であり、その際には、市場業者の職場環境の改善という視点も必要でございます。
 このため、都は、淀橋市場や板橋市場で進めている施設整備に当たりましては、暑さ対策やバリアフリーなどにも配慮し、誰もが働きやすい職場環境の実現を図る施設配置案や設備の導入等を、業界と共に検討してございます。
 今後も、市場業者との丁寧な調整を重ねながら、施設整備も契機に、人材確保に資する職場づくりを着実に推進してまいります。

○山崎委員 この施設整備においては、やはり職場である市場施設の整備は非常に重要だと私は思います、先ほどもちょっと話しましたが。いい環境になれば人材も来るという、そういった観点も、ぜひ皆さん捉えていただけたらと思います。
 大げさではないのですが、市場の施設の整備は、市場の事業者にとっては経済活動の基盤そのものであり、それぞれの稼ぐ力の源泉だと私は思います。施設が整備されることによって取引が活発になり、市場そのものがさらに活性化することにもつながります。施設整備に期待する市場業者の思いは、単なる施設のリニューアルというだけにとどまらないものと私は理解をしております。
 本日の質疑、それぞれの先生方が質疑の中で触れておりましたが、淀橋市場や板橋市場、こういったところでの施設整備がどんどん進んでいくという、そういう答弁もありました。
 とにかく、施設整備についてはお金も必要です。そして、築地の負担金の、これからまた問題もあると思います。やはり市場業者の皆様の中には、今後の各市場の整備について、本当に進むのかどうなのか、そういった不安を持っている方もいっぱいいらっしゃると思います。
 こういった観点からも、先ほど答弁があったように、まさに現場の意見と、そして市場当局の考え方、それをいかにマッチしていくのかということが最大の肝だと私は思っておりますので、ぜひそういった取組を、今までと変わったやり方、今までと−−膝詰めで、もちろん業界の皆さんともいろんな話をしてきたと思います。ただ、業界の皆さんも、もう市場の特性だとか市場のやり方に、もう何十年ずっと続けてきていますから、ある意味、皆さん、もう慣れてきている。
 ですから、今と同じ状態では、人材も本当に大変、取扱量も経由率もどんどん低下をしていくという現実を、やはりどのように皆さん方と、しっかりとした問題意識を持ってもらえるかというところが、まだまだ私は足りていないと思いますので、ぜひそういったところは市場当局が先頭になっていただいて、しっかりやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 先ほど、各市場の施設整備は着実に進めていくという答弁がありました。市場局がこうした各市場の施設整備を着実に進めることによって市場業者の働く労働環境をしっかり整備することが、初めにも申し上げましたが、人材確保に私はつながっていき、また、ひいては市場の持続可能性の確保に寄与するものと考えております。
 繰り返しになりますが、各市場の必要な施設整備はきちっとやっていく、市場業者の皆さんが安心して働ける場をちゃんとつくっていく、こうした都の方針を、今後もしっかりと市場業者に伝えていただきたいと思います。
 市場が直面している課題は、人材確保や施設整備だけではないと思います。まだまだ山積もしております。
 こうした中、一年後には次期経営計画を策定しなければなりません。市場の将来を考えた場合、来年度は、市場の将来を左右する、そういう年になるといっても過言ではないと思います。だからこそ、都は、各市場で働く人たちの生の声を現場でしっかりと聞いていただいて、そうした声を経営計画に政策としてしっかりと反映をしていってもらいたいと思います。
 理事者の皆様には、市場長を先頭に、市場業者と一体となって市場の将来を真剣に考え、来年度、全力で取り組んでもらうことを求めておきたいと思います。
 先ほど来、市場の中での話をいろいろな観点からさせていただきましたが、やはり大家とたな子の関係というものがある中で、皆さん方も、市場で働く皆さんと膝詰めで話をする中で、非常に難しい部分もあると思います。使用料もいただかなきゃいけない、また、そういった部分でも、皆さん、非常に気を遣って、業者の皆さんといろんな話をされていると思います。
 ただ、現場現場での、場長を中心に、やはり現場が大切です。現場からどういう意見が出てくるかということを、もっともっと今まで以上に大切にしていただいて、これからも取り組んでいただきたいことを改めてお願いを申し上げて、質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時十一分散会