経済・港湾委員会速記録第十六号

令和七年十二月十二日(金曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長田中 慎一君
次長理事兼務関口 尚志君
理事奈良部瑞枝君
総務部長阿部 泰之君
産業企画担当部長DX推進担当部長兼務前田 泰伯君
企画調整担当部長女性活躍推進担当部長兼務齋藤  順君
働く女性応援担当部長吉浦 宏美君
国際金融都市推進総括担当部長村本 一博君
国際金融プロモーション推進担当部長小出 真志君
商工部長福田 哲平君
商工施策担当部長大川 徳明君
金融部長原   郁君
金融支援担当部長松田 義史君
産業・エネルギー政策部長米澤 鉄平君
産業政策連携促進担当部長岡野 守治君
新エネルギー推進担当部長服部 勇樹君
観光部長江村 信彦君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長榎園  弘君
安全安心・地産地消推進担当部長田代 純子君
雇用就業部長新田 智哉君
事業推進担当部長富岡麻紀子君
中央卸売市場市場長猪口 太一君
次長松田 健次君
管理部長住野 英進君
事業部長飯野 雄資君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務東山 正行君
市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井 浩二君
財政調整担当部長高橋 葉夏君
環境改善担当部長中井  宏君
スタートアップ戦略推進本部本部長吉村 恵一君
理事戦略推進部長事務取扱DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務片山 和也君
プロモーション推進部長鈴木のり子君
イノベーション推進担当部長小澤 常裕君
東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務松本 克己君
スタートアップ戦略推進担当部長岩井 志奈君
スタートアップ戦略推進担当部長工藤 慎市君
スタートアップ戦略推進担当部長前林 一則君
港湾局局長田中  彰君
次長樋口 隆之君
技監村田 拓也君
総務部長戸谷 泰之君
企画担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井  均君
調整担当部長勝見 恭子君
港湾経営部長野平雄一郎君
港湾振興担当部長原田 幸定君
臨海開発部長若林  憲君
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務水飼 和典君
臨海副都心まちづくり推進担当部長渡邊 正也君
港湾整備部長佐藤 賢治君
計画調整担当部長廣松 智樹君
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務儀間  潔君
離島港湾部長原田 和生君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 祐一君

本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百六十九号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
スタートアップ戦略推進本部関係
報告事項(質疑)
・スタートアップ戦略二・〇について
港湾局関係
契約議案の調査
・第二百八十号議案 新砂水門(再整備)(七)門扉製作据付工事請負契約
・第二百八十一号議案 新砂水門(再整備)(七)建設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百五十四号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費 港湾局所管分
・第三百号議案 竹芝客船ターミナル外一施設の指定管理者の指定について
・第三百一号議案 東京都立東京港野鳥公園の指定管理者の指定について
・第三百二号議案 東京都立若洲海浜公園の指定管理者の指定について
・第三百三号議案 東京都立辰巳の森海浜公園外七公園の指定管理者の指定について
・第三百四号議案 東京都立大井ふ頭中央海浜公園外十四公園の指定管理者の指定について
・第三百五号議案 東京都立お台場海浜公園外十一公園の指定管理者の指定について
・第三百六号議案 東京都立葛西海浜公園の指定管理者の指定について
・第三百七号議案 二見漁港桟橋(一)外八施設の指定管理者の指定について
・第三百八号議案 東京都八丈島空港の指定管理者の指定について
産業労働局関係
契約議案の調査
・第二百七十四号議案 東京都農林総合研究センター青梅庁舎(七)本館ほか改築工事請負契約
付託議案の審査
・第二百五十四号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分(質疑)
・第二百六十八号議案 東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例(質疑)
・第二百九十七号議案 東京都立産業貿易センターの指定管理者の指定について(質疑)
・第二百九十八号議案 東京都立多摩産業交流センターの指定管理者の指定について(質疑)
・第二百九十九号議案 東京都しごとセンターの指定管理者の指定について(質疑)
・第三百二十四号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 産業労働局所管分(説明・質疑)

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和七年十二月十日
東京都議会議長 増子 博樹
(公印省略)
経済・港湾委員長 大山とも子殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百七十四号議案 東京都農林総合研究センター青梅庁舎(七)本館ほか改築工事請負契約
 第二百八十号議案 新砂水門(再整備)(七)門扉製作据付工事請負契約
 第二百八十一号議案 新砂水門(再整備)(七)建設工事請負契約
2 提出期限 令和七年十二月十二日(金)

○大山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の契約議案の調査、中央卸売市場、港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査並びにスタートアップ戦略推進本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百六十九号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○三雲委員 三雲でございます。よろしくお願いいたします。
 今回の条例改正案、これは二つの法律改正を受けたものというふうに伺っております。
 一つ目は、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の改正。改正後の名前が、食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律。非常に長いので、略称で食品等持続的供給法というふうに呼ばせていただきますけれども、これが改正されたと。
 そして、二つ目が卸売市場法の改正。
 この二本の改正を受けた条例改正提案をいただいているというふうに理解をしております。
 まず、この改正食品等持続的供給法は、国の責務として、食品等事業者による事業活動の促進、そして食品等の取引の適正化を掲げています。
 今回の条例改正は、後者の食品等の取引の適正化に関する法律の規定対応するものであるというふうに理解をしておりますけれども、この条例改正案では、指定飲食料品等、また指標、そしてまた法に掲げる措置の内容、こういったものを公表することとされています。
 このうち、指定飲食料品等と指標というものがどういうものなのか、教えてください。

○飯野事業部長 改正法案に係る国の説明資料によりますと、指定飲食料品等とは、取引において、通常、費用について認識しにくい飲食料品等であって、農林水産大臣が指定するものとされております。
 また、指標は、食品等持続的供給法において、指定飲食料品等の取引において、その持続的な供給に要する費用に関して参照すべき指標と規定されております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 この食品等持続的供給法では、指標というものについては、農水大臣が認定する認定指標作成等団体、これが作成、公表するものというふうにされていますけれども、これはどういった団体が認定されることが想定されているんでしょうか。

○飯野事業部長 食品等持続的供給法に規定する認定指標作成等団体については、現在、国において検討されております。
 今月五日に開催された国の食料・農業・農村政策審議会食料産業部会の資料では、認定指標等作成団体について、品目によって異なりますが、生産・集出荷団体、卸団体、小売団体等が参画予定団体として示されております。

○三雲委員 今、食品等持続的供給法の施行規則というものが、案が示されていますけれども、この案が、実際に案が取れて施行されたとき、東京都中央卸売市場では、野菜とか豆腐、納豆といったものが指定飲食料品等に関わってくる、該当するというふうにいわれています。
 これに関して、認定指標作成等団体が作成、公表する指標を公表するということになっていますけれども、これはどういった方法によって公表を実施するのか、教えてください。

○飯野事業部長 指定飲食料品等に係る公表については、都中央卸売市場のホームページ等による公表を予定しております。

○三雲委員 条例改正案では、指定飲食料品等及び指標のほかに、食品等持続的供給法に掲げる措置の内容といったものも公表することを規定していますけれども、この措置の内容というものはどういうものでしょうか。

○飯野事業部長 措置の内容とは、食品等持続的供給法において飲食料品等事業者等の努力義務として規定されているものでございまして、取引条件に関する協議に誠実に応じることや、持続的な供給に資する取組の提案に対し必要な検討、協力を行うことが、取引において講ずるべき措置として定められております。

○三雲委員 こちらも、この措置の内容、どういった方法によって公表するのかを教えてください。

○飯野事業部長 公表は、都中央卸売市場のホームページ等による公表を予定してございます。

○三雲委員 食品等持続的供給法に従うと、先ほどご答弁いただいたみたいに、市場の業者間において、取引条件に関する協議の申出であるとか商慣習等の見直しの提案がなされた場合には、これは誠実に協議を行う努力義務があるというふうにされています。
 そして、義務違反と見られた場合には、フードGメンといわれる人たちの指導等の対象になってくると。
 違反事例が発生することを防止するためにも、こうしたルールの変更について、市場業者に対して積極的に周知をしていく必要があると思いますけれども、そもそも、こうしたルール変更は、現時点でどの程度、市場業者の皆さんに伝わっているんでしょうか。

○飯野事業部長 今回の法改正は市場業者にも関係する内容であることから、都はこれまで、市場別取引業務運営協議会等の場において市場業者に対する説明を行っております。

○三雲委員 そして、その食品等持続的供給法の下では、農水大臣は、食品等の取引の適正化のために、食品等の取引の状況、取引条件に関する協議の状況、その他食品等の取引の実態に関する調査を行うということにされていて、関係行政機関及び食品等事業者、農林漁業者、その他の関係事業者は、農水大臣から求められたときには、この調査に協力する努力義務があるというふうにされています。
 現時点で、東京都中央卸売市場であるとか市場業者に対して調査協力依頼が来るということは想定されているんでしょうか。

○飯野事業部長 国は、改正法に基づき食品等取引実態調査を行うこととしておりまして、都としては、国からの要請がありましたら、この調査に協力をしてまいります。

○三雲委員 現時点では、先週の金曜日に施行規則案であるとか指針案が示されたばかりであって、中央卸売市場が行うべきことについては、全体像が明らかになっていないように思われます。
 改正食品等持続的供給法、そして、その施行規則案、指針案が実施されるのは、施行されるのは来年四月一日ですけれども、現時点で条例改正を行っておくべき理由、これについて教えてください。

○飯野事業部長 今回の条例改正は、卸売市場法の改正に伴い、卸売市場の認定要件として、条例等により公表規定を設ける必要があることから行うものでございまして、国への認定手続に要する期間や市場業者への周知期間を考慮して、本定例会に条例改正案を提案したものでございます。

○三雲委員 ここまで伺ってきて、改正法が市場業者の皆さんであるとか市場の業務にどう影響するのか、まだよく分からないところがあると。
 その一方で、改正卸売市場法の下では、市場の認定要件として、来年四月一日までに、この法に対応した事項の公表を条例に規定する必要があると。このことで、このタイミングでの条例改正の提案がなされたということが分かりました。
 市場業者に関係する内容に関しては、これまでも市場別取引業務運営協議会等の場において皆さんに説明を行ってきたと、こういうご答弁をいただきましたけれども、取引条件に関する協議に誠実に応じることであるとか、持続的な供給に資する取組の提案に対して必要な検討、協力を行う、こういった努力義務に違反したと見られる場合にはフードGメンによる指導等の対象となる、さらには公正取引委員会への通知まで行われてしまう、こういったリスクがあるものですので、引き続き、思わぬ法令違反というものが生じてしまわないように、市場業者の皆様への情報提供であるとかサポートをしていただきますよう要望いたします。
 以上です。

○藤田委員 日本共産党、藤田りょうこです。
 私からも、二百六十九号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例で意見を述べさせていただきます。
 この条例改正は、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の改正に伴うものです。
 改正された法律の内容は、農作物の持続的な供給のため、販売価格の参考となるコスト指標を作成し、それを基に、売手と買手に対して価格交渉に誠実に臨む努力義務を課すということで、生産コストを価格に反映させようとするものです。
 同時に、卸売市場にも適用するための条例改正です。
 本来であれば、価格維持の政策と併せて、国による農家への収入の補償によって生産コストを補うべきなのですが、価格転嫁の仕組みだけでは十分とはいえません。農作物が市場で取引されることを前提とする以上、本質的には価格のコントロールが難しいからです。
 同時に、本法律の仕組みによってコストの価格転嫁が本当に実現できるかについても疑問があります。
 生産、流通のコストの把握について、流通コストは、農林水産省による取引実態調査の制度が新たに設けられましたが、生産コストについては、特に調査制度が設けられたわけではなく、既存の公的統計や業界内のデータによってコストを把握するというものになっています。
 生産コストの把握というのは、この法案の重要なポイントのはずなのですが、公的統計を担当する農林水産省の統計調査員の数は一貫して減らされ続けています。また、自治体の農業、農政担当者の数も大きく減っており、地域によっても時期によっても変動する生産コストをきめ細かく把握する体制にはなっておらず、実効性が担保できるかということも疑問があります。
 本法律は、フランスで同様の目的を実現しようとしているエガリム2法を参考にして検討を開始したとされておりますけれども、同法の目的として明記されている農民の労働報酬の保護が明文では規定されておりません。生産者の労働とそれに対する報酬をどのように評価するかについても定かではありません。
 農家の皆さんは、自分でつくった農作物の価格を自分でコントロールすることができない、そういう状況にありますので、農家にとってコストの価格転嫁は切なる願いです。
 この条例自体、様々不十分な点、実効性も未知数とはなっていますが、農家収入の確保にとってマイナスの影響があるものではないと判断をしております。
 以上、意見表明といたします。

○上田委員 本条例においては、お米、牛乳、豆腐、納豆、ジャガイモ、タマネギ、キャベツ等を指定して、まあ、今回の市場においては、何でしたっけ、該当するのが野菜と豆腐、納豆類ということであります。
 その中で、指定する団体、こちらの方の資料要求をしたんですが、まだ政府の審議会でしているということで、十二月五日の食料・農業・農村政策審議会食料産業部会の資料を理事者の方から出していただき、丁寧なご説明をいただきました。
 大体、指定団体というと、JAだったり全農みたいなところだとは思うんですけれども、市場は直接、仲卸や、また生産者とも出会う場所もあると思うので、適正流通、適正コスト、価格が適正であること--とはいえ、またこれが安くなっても原価割れをしてしまいますので、こうした適正流通をしっかりと東京卸売市場の方でも管理をしていただくようお願いを申し上げまして、また今後、指定団体が決まってからどうなっていくのか、見てまいりたいと思います。
 以上です。

○さとう委員 条例改正について伺います。
 報道等によれば、米、飲用牛乳、豆腐、納豆、野菜などが指定飲食料品等の候補とされています。
 東京都中央卸売市場で取り扱うこれらの品目の取扱量、取扱金額を、品目別に直近三年分お示しください。

○飯野事業部長 指定飲食料品等の候補として示されております品目に係る都中央卸売市場における取扱数量及び取扱金額の実績を令和四年から令和六年までの順でお答えいたしますと、野菜は、取扱数量が約百四十万トン、約百三十六万トン、約百三十万トン、取扱金額が約三千五百九十一億円、約三千六百七十九億円、約三千九百三十四億円となってございます。
 また、豆腐及び納豆については、個別品目としての報告は受けてございませんが、市場統計情報では、その他の食料品としてまとめられた報告を受けておりまして、取扱数量が約一・三万トン、約一・四万トン、約一・五万トン、取扱金額が約三十七億円、約三十八億円、約三十九億円となってございます。
 なお、米穀及び飲用牛乳については、都中央卸売市場では取り扱ってございません。

○さとう委員 野菜については、取扱数量が減少する一方で取扱金額は増加しており、価格上昇局面にあることが客観的に示されています。この点は、今後の制度運営において、消費者、事業者双方への影響を検証する上で重要な基礎データになると考えます。
 一方、豆腐、納豆については、その他の食料品として一括管理されており、指定飲食料品等として議論するにはデータの量が不十分です。
 指定飲食料品等に該当する可能性がある品目については、市場統計の品目区分の見直し、政策判断に堪え得る上での品目別データの整備を国に対して働きかけることを求めます。
 次に、本条例改正に伴い、都が新たに負担するコストは幾らでしょうか。初年度及び経常経費の見込みをお示しください。

○飯野事業部長 条例改正に伴って都が行う業務は、指定飲食料品等に係る公表業務でございまして、新たな予算措置を必要とするものではなく、既定経費の中で対応可能でございます。

○さとう委員 今後、制度の運用が本格化する中で実際の業務負担や体制に変化が生じた場合には、必要に応じて検証を行い、無理のない運用が図られるよう、引き続き状況を注視していただくことを要望します。
 次に、卸売市場法の改正に基づく条例改正だとは承知しておりますが、そもそも卸売市場法の改正は、消費者、都民にとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
 食品の価格が下がるのか、上がるのか、品質が向上するのか、供給が安定するのか、分かりやすいご説明をお願いします。

○飯野事業部長 条例改正の前提となります卸売市場法の改正は、食品等持続的供給法など一連の法改正として行われたものでございます。
 これらの法改正は、食料供給能力の維持や合理的な価格形成に係る規定等を整備し、食料の安定的な供給を図るものとされてございます。

○さとう委員 都民、消費者にとって、何がどう変わるのかが見えにくいという印象は否めません。制度への理解と納得を得るためには、価格への影響、供給安定性への寄与、品質評価との関係をより具体的に説明する必要があります。都として、制度改正の趣旨と期待される効果について、都民に分かりやすく整理、発信することを求めます。
 今の消費者、都民への影響に関連した質問に重なるところにはなりますけれども、審議会資料の記載で、米、野菜、飲用牛乳、豆腐、納豆について、消費者の間で値頃感が定着しており、十分な協議が行われずに取引条件が決定されている傾向があり、持続的な供給に要する費用について認識しにくいとありました。
 これらの内容から推測するに、長期的には、今回の法改正により食品価格が上がる可能性があると考えています。
 今回の条例改正は法改正にひもづくものではありますが、改正後の影響を踏まえて、都として国へ提言を行う考えはあるのか、見解を伺います。

○飯野事業部長 現時点で、改正後の具体的な影響についてお答えをできるものではございませんが、都はこれまでも国との意見交換は適宜行っておりまして、中央卸売市場に影響が懸念される場合には、引き続き必要な意見交換等を行ってまいります。

○さとう委員 審議会資料の記載内容や今のご答弁を踏まえると、やはり今回の制度改正が中長期的には価格上昇につながる可能性が高いと結論づけます。
 現時点で影響が不明であるからこそ、価格動向、供給体制、市場事業者、消費者への影響を注視し、問題が顕在化した場合には、都として国へ是正や見直しを提言するよう要望します。
 条例改正により、農水大臣が指定する団体が示すコスト指標を公表することになりました。
 何をもって指標とするのかはまだ公表されていませんが、統一的なコスト指標を示すことは統制経済になり、市場事業者等に不利な状況を生み出してしまうのではないかという懸念がありますが、都の見解を伺います。

○飯野事業部長 法や条例の改正に伴うコスト指標の公表に関して、市場業者から相談などが寄せられた場合には、適宜助言を行うとともに、必要に応じて農林水産省への通報を支援するなど、適切に対応してまいります。

○さとう委員 コスト指標は努力義務であるとはいえ、公的に示される以上、交渉上の基準として事実上用いられます。生産段階、集荷段階、製造加工段階、流通段階、小売段階、どの段階の市場関係事業者にとっても不利に働く可能性があります。
 都として、市場事業者への丁寧な周知、説明、指標の使い方に関する注意喚起、不利益が生じた場合の相談窓口の明確化を行うことで、制度の過度な画一化を防ぐ対応を求めます。
 市場は全国から食料品等が集まっており、生産地によって運送コストも違えば、ブランドによって生産コストの差別化をしているケースもあります。規模の経済によりコストを抑えられている事業者もいれば、そうでない事業者もいます。
 このような状況で、たとえ努力義務であれ、統一的なコスト指標が示され、協議の際に合理的な根拠として用いられることは、本来需要と供給で決まるはずの価格設定をゆがめる可能性は否定できないと考えますが、今後想定される影響について、市場開設者として率直な意見をお聞かせください。

○飯野事業部長 国によりますと、指標は、指定飲食料品等の取引において、その持続的な供給に要する費用に関して参照すべき指標であり、食料の価格は、需給事情や品質評価が適切に反映され、当事者間で決定されることが基本とされております。
 中央卸売市場では、当事者間における取引の価格は条例に基づいて公表しておりまして、法や条例の改正後の取引価格の動向については、引き続き注視してまいります。

○さとう委員 価格は需要と品質評価に基づき当事者間で決定されるという原則は、非常に重要だと思います。しかし、現実には、公表された指標が価格交渉に影響を与える可能性は否定できません。条例改正後、取引価格の推移、交渉慣行の変化、市場事業者への影響を継続的にモニタリングし、必要に応じて国に改善提案を行う体制を整えることを要望します。
 条例改正案では、指定飲食料品等についても公表することとしています。
 指定飲食料品等を決める際、時の経過により、その品質が特に低下しやすいという条件があります。現在、指定飲食料品等の候補として示されているのは、米、野菜、飲用牛乳、豆腐、納豆であり、時の経過により品質が特に低下しやすいどころか、そのほとんどが保存食であります。
 飲用牛乳は唯一条件に当てはまると思いますが、野菜においても、当初想定されていたのはジャガイモ、タマネギ、キャベツであり、保存に向いている食品です。
 これらの不自然な指定飲食料品等の候補についてどう考えているのか、今後想定される影響について市場開設者として率直な意見をお聞かせください。

○飯野事業部長 国は令和五年八月から、生産から消費に至る食料システムの関係者が一堂に会する適正な価格形成に関する協議会を設置しております。
 指定飲食料品等については、協議会における議論を踏まえて検討されているものと認識しております。

○さとう委員 協議会における議論を踏まえて検討されているとのことですが、時の経過により品質が特に低下しやすいという要件と現在想定されている品目との間には、制度趣旨とのずれを感じざるを得ません。保存性の高い食品が多く含まれていることから、制度の焦点が品質ではなく価格に移っているのではないかという懸念も生じます。都として、品目選定の考えについて国に説明を求める、市場実態と乖離がある場合には見直しを提言することを要望します。
 本日の質疑を通じて、一連の改正は、価格形成、市場の交渉構造、そして都民の食生活に中長期的な影響を及ぼし得る改正であるという点が改めて明らかになったと考えています。
 審議会資料の記載内容や本日の答弁を踏まえると、今回の法改正、条例改正が中長期的に食品価格の上昇につながる可能性は高いと考えます。
 また、農水大臣指定団体が示す統一的なコスト指標については、努力義務であるとしても、公表される以上、実質的に価格交渉の基準として機能する可能性があります。
 今回の改正に当たっては、都が単なる制度の実施主体にとどまるのではなく、市場開設者として、現場と都民の視点に立ち、国に対して主体的に意見を述べていくことを要望し、私の質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○大山委員長 これよりスタートアップ戦略推進本部関係に入ります。
 報告事項、スタートアップ戦略二・〇についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片山理事 去る十一月二十八日の委員会で要求のありました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元配布の経済・港湾委員会要求資料の目次をご覧ください。
 今回要求のありました資料は三件でございます。
 まず、第一でございますが、一ページをご覧ください。
 スタートアップ戦略の推進関連事業の予算、決算及び執行率につきましては、六ページにかけて、令和五年度、令和六年度、令和七年度の三年度分を記載してございます。
 続きまして、第二に、七ページをご覧ください。
 スタートアップ戦略二・〇で示した施策につきまして、一覧を記載してございます。
 次に、八ページをご覧ください。
 三点目といたしまして、当本部に係る主な海外イベント等でのプロモーションにつきまして、四半期ごとに記載をしてございます。
 資料の説明は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 都民ファーストの会のおぎの稔です。
 今回のスタートアップの戦略二・〇について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 都が策定いたしましたスタートアップ戦略二・〇についての質問です。
 三年前、都がスタートアップ施策に本気で取り組むこととし、戦略一・〇をスタートアップ関係者と共に爆速でつくり上げ、10×10×10のイノベーションビジョンという、グローバル、裾野拡大、官民協働を五年で十倍にする大きな目標を掲げております。
 今回、戦略一・〇の策定から三年が経過したところで、これまでの取組を振り返るとともにバージョンアップをしたところですが、まず初めに、なぜこのタイミングで戦略のバージョンアップを行ったのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略一・〇の策定以降、10×10×10のイノベーションビジョンの目標に向け、多くの関係者と議論、試行錯誤しながら歩みを進め、官民協働は大きく目標を達成し、起業の裾野や世界に挑むスタートアップは広がりつつあります。
 TIBやSusHi Tech Tokyoなどの人と人がつながる場が整い、都内の関係者はもちろん、全国、世界とつながるプラットフォームに成長いたしました。
 この流れを確かなものとし、あらゆる関係者と共に、持続可能な社会と都民の豊かな暮らしの実現に向けて、グローバルとスケールアップにフォーカスして取組を加速することといたしました。

○おぎの委員 グローバルとスケールアップにフォーカスして取組を加速することとしたとの答弁をいただきました。
 先日の我が会派の代表質問において確認したところでございますが、私から、この点について深掘りをして質問いたします。
 前回の戦略の策定以降、都は取組を進め、グローバルに挑戦するスタートアップも出始めています。こうしたグローバルに成長する企業をより多く生み出していくには、海外のキーパーソンとなるプレーヤーと連携しながら支援していくことが重要であります。
 この間、都の職員が自ら精力的に海外に赴き、現地支援機関等との関係を築いてきたと聞いております。こうしたネットワークを生かしまして、海外市場を見据えたスタートアップの飛躍的な成長に結びつけていくことが重要でございます。
 これまで築いた海外とのつながりや成果を生かし、戦略二・〇においてどのような観点でグローバルな取組を推進してきたのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、世界のエコシステムとの接続を強化していくこととしております。
 職員自らが海外を訪問し、培ってきたネットワークを生かし、より幅広いプレーヤーとの交流を加速するとともに、現地エコシステムの中核となる海外支援機関等との関係づくりを行い、スタートアップの海外展開に向けた現地ビジネス環境への適応やマッチング、販路拡大等の支援を進めます。
 東京、日本と世界のエコシステムをつなぐことで、プレーヤー同士の交流と企業のグローバルな成長に向けたサポートを一体的に推進してまいります。

○おぎの委員 海外展開にこれまで数々の企業がチャレンジし、販路拡大など様々な壁にぶつかってきたところであります。東京の企業が海外でしっかりと成長の根を張れるように取り組んでいただきたいと思います。
 また、海外展開だけでなく、東京に引きつけることも重要であります。
 東京への関心を喚起し、実際に足を運んでもらうことが大切であり、投資を呼び込む観点でも日本を選んでもらう必要があります。
 東京のエコシステムへの関心を高めるため、都はAccess to Tokyoを活用した情報発信を行っておりますが、今後の展開について伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 都は、世界五か所にAccess to Tokyoを設置いたしまして、海外に東京の市場環境や魅力についての情報発信を行いますとともに、世界のエコシステムプレーヤーやスタートアップからの問合せ窓口としての機能を発揮しております。
 こうした機能は、戦略二・〇で示した世界のエコシステムとの接続を強化し、海外展開を一体的に推進する上で効果的であると考えております。
 職員自らによるプロモーションとAccess to Tokyoの専門的なサポートを効果的に組み合わせまして、現地でのセミナー活動を活発化させるなど海外での取組を強化し、世界のエコシステム関係者との関係構築をさらに深化させてまいります。

○おぎの委員 海外のエコシステムプレーヤーとの連携を一層強化していくとの答弁でありました。引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。相互の信頼関係構築を進め、海外からも東京にも足を運んでもらい、そして、具体的な投資や協業などにつながることを期待しております。
 さて、スケールアップについてです。
 我が会派の代表質問で、SusHi Tech Global Fundsを新たに創設するとありました。官の資金と民の資金をうまく使いこなし、大きな投資につなげていくことが重要であります。
 一方で、公金を原資に投資を行う以上、都だからこそ投資する意義のある分野等への資金の流れをつくるという視点も忘れてはいけません。
 そこで、改めてファンドの意義について確認するとともに、戦略二・〇において、こうしたファンドをどのように位置づけているのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは、世界に飛躍し、大きく成長するスタートアップを生み出すため、都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金やノウハウを引き出すものでございます。
 社会課題の解決に大きなポテンシャルを有するグロース期のスタートアップへの支援など、ファンドごとに政策目的を掲げ、その実現に取り組むことで新たな資金の流れを創出することを目的としております。
 戦略二・〇では、ディープテック領域等の戦略的成長分野に大胆な資金供給を行うため、官民のファンドプラットフォームであるSusHi Tech Global Fundsを形成し、成長への大きな流れを生み出すこととしております。

○おぎの委員 そして、この大事な東京の強みであるのが、例えば私の地元、大田区にも数多く集積する高い技術力を持つものづくりの中小企業です。戦略にもあるように、スタートアップの革新的なアイデアと掛け合わせることで、大きなイノベーションを巻き起こす可能性を大いに秘めていると考えます。
 都は、このような中小企業とスタートアップとの連携を今後どのように進めていくのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 世界に浸透するグローバルなイノベーションを創出するには、スタートアップに加え、日本の強みである大企業、中堅、中小企業、大学、研究機関など、あらゆるプレーヤーの力を結集していくことが重要でございます。
 このため、戦略二・〇では、スタートアップと中堅、中小企業とのオープンイノベーションにより、課題解決や新たな価値を生み出すことを掲げており、例えばTIBに設置しています、ものづくり支援のエリア、FABで、製品開発に挑戦するスタートアップに都内の中小企業を紹介するなど、両者の協働を推進することを盛り込んでおります。

○おぎの委員 次に、官民協働について質問いたします。
 都は、三年前に戦略一・〇を策定してから、官民協働について精力的に取組を進め、その後、都とスタートアップによる協働実践数は二十八倍と、大きく数字を伸ばしました。
 優れた製品はあっても、実証の機会の少ないスタートアップにとって、都がフィールドを提供してファーストカスタマーとなる取組は有効であり、こうした都の姿勢は評価いたします。
 スタートアップの技術やサービスは、社会課題解決に資するだけでなく、人々の生活をより豊かにするものであり、こうした観点からも取組をさらに進めていくべきであると考えますが、戦略二・〇において、官民協働の取組をどのように位置づけ、推進していくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、都民の豊かで便利な暮らしや持続可能な社会にフォーカスすることを掲げ、官民協働を引き続き重要な柱とし、スタートアップのテクノロジーが都民の生活を豊かにすることを事例を挙げて示しております。
 一例といたしまして、妊婦の健康管理をオンラインで支援するスタートアップの実証を取り上げておりますが、ウエアラブルデバイスを用いたモニタリングや助産師によるオンライン面談等を実施し、仕事を抱えた妊婦から、安心して過ごせるなどの声が上がっております。
 こうした官民協働の取組を一層推進し、豊かな都民生活と企業のさらなるビジネス展開へとつなげてまいります。

○おぎの委員 妊娠期の不安を軽減し、安心して働き続けられる環境を整える支援は、多くの人々の暮らしの安心を支えるものであり、こうした実績の積み重ねが、戦略で掲げた都民の豊かで便利な暮らしの実現に貢献いたします。
 今後も、こうした都民生活に資するサービスが東京発の新たなスタンダードとして国内外に広がっていくよう、官民協働の取組をしっかりと進めていただくことを要望いたします。
 最後に、注力すべき成長分野について伺います。
 戦略二・〇では、東京、日本が強みを持ち、成長可能性のある分野の一つとして、エンターテインメントが挙げられております。アニメ、漫画、ゲームなどのエンタメは、日本のコンテンツが世界的なブランドとなっており、まさに強みを持つ成長分野だと考えます。
 例えば、我が会派でも取り上げておりますeスポーツの分野です。
 これまでは、景品表示法の関係で高額の賞金を出せない問題や--これは解決しましたけれども、そしてもう一つが、産業構造の問題で世界の波に遅れてきている現状がございました。
 海外がPCゲーム中心の盛り上がりを見せているeスポーツに比べて、日本はハードが強く、特定のゲーム機器が使用されている、そこのソフトが出されるという環境が続いておりました。
 PCゲーム中心というのはどういうことかといいますと、パソコンだけではなくて、マウス、キーボード、モニター、グラフィックボード、イヤホンなど関連する産業がたくさんございます。ゲームの盛り上がりとともに必要とされるスペックが上がれば、PCや関連した部品をまたさらに購入するということになり、ゲームの盛り上がりとともに関連産業が盛り上がるエコシステムのようなものがつくられております。そうしたことが、今後、日本で盛り上がっていく可能性もございます。
 こうした分野に東京のスタートアップが関わっていくことは、いいことではないかと考えております。
 さらに戦略二・〇では、SusHi Tech Tokyoにおいて、エンタメなどの日本の強みを打ち出すことで、世界から人々が集まり、イノベーションを生み出すカンファレンスとして進化させていくことが挙げられております。
 SusHi Tech Tokyoの舞台で、エンタメ分野における優れた企業を世界にしっかりと発信し、世界市場への展開を後押ししていくことが重要と考えますが、見解を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 今回策定いたしました戦略二・〇では、SusHi Techについて、二〇三二年の十回目に向けまして、世界のどこにもない、誰もが行きたくなるカンファレンスへ進化させていくことを掲げております。
 来年のSusHi Techでは、東京が強みを持ち、成長可能性の高いアニメ、ゲーム、音楽等のエンタメを注目領域の一つとしてフォーカスし、技術展示やセッションを集中的に展開してまいります。
 こうした取組を通じまして、優れた技術を持つ企業を世界にPRし、グローバル展開を後押しするとともに、来場者に東京の魅力を知ってもらうことで、世界中から人が集まる流れを生み出してまいります。

○おぎの委員 SusHi Tech Tokyoというグローバルカンファレンスを活用し、成長分野における有望な企業が世界のプレーヤーに見いだされ、大きく成長する機会になることを期待しております。
 ここまでの質疑を通じて、私たち都民ファーストの会と一緒になって進めてきましたスタートアップ戦略が着実に実績を上げ、戦略二・〇へのバージョンアップにより、さらに取組を加速していくことがよく分かりました。
 みんなでつくる、みんなで議論するというプロセスを大事にしながら、グローバルとスケールアップの成果を着実に上げていただくことを期待いたしまして、質問を終えます。

○山崎委員 都は先月、スタートアップ戦略を改定し、グローバルとスケールアップをキーワードに、これまで以上に取組を加速していくと掲げております。
 東京、日本の経済成長のためには、中堅、中小企業やスタートアップが大きく成長することを目指し、世界のマーケットを取りに行くことは大変重要であります。
 そこで、この戦略改定の意義や、どのようにして成長する企業を生み出していく戦略となっているのかを確認していきたいと思います。
 都が戦略に基づく取組を進める中で、スタートアップという言葉がようやく浸透してきたところでもありますが、今回の戦略ではスケールアップという言葉が出てまいりました。これはスタートアップとどう違うのか、理解ができるようにする必要があると考えます。
 まず、その戦略に掲げたスケールアップとは何を指すのか、伺っていきたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップ戦略を三年間展開する中で、革新的な技術、サービスを持つスタートアップを大きく成長させていくことの重要性が改めて浮かび上がってまいりました。
 欧米で訪問したスタートアップエコシステムでも、いかに企業を成長させるかがテーマとなり、スケールアップという言葉を用いる状況がございます。
 戦略二・〇では、社会を豊かにし、成長をもたらす企業を数多く生み出すことにフォーカスすることを明確に示す観点から、グローバルにスケールアップを加え、これまで以上に取組を加速していくこととしております。

○山崎委員 スケールアップという言葉自身はもう世界標準であるということと、また、社会を豊かにし、成長をもたらす企業を数多く生み出していく、これは、要するに育てていくということだと思いますが、そういった答弁が今ございました。
 企業を大きく育てるためには、しっかりと勝ち筋を見いだして、狙いを絞った大胆な集中支援が必要であると思います。何に対して集中的に投資をするのか、都が担うべき役割は何か、しっかりと国などと歩調を合わせて施策を進めていく必要があると考えます。
 さきの我が党の代表質問でも明らかになったとおり、国の危機管理投資、成長投資の戦略分野を踏まえ、内外の資金を大胆に呼び込み、成長への大きな流れを生み出していくとのことでありました。
 具体的な議論や取組は、まさにこれから始まるところと思いますので、ただ議論、検討するだけでなくて、我が国の成長にどのように結びつくようにしていくのか、しっかりと取組として進めていくことを要望しておきたいと思います。
 さて、成長分野を定め、数多くの企業の中から将来有望なきらりと輝く原石を見つけ出し、成長につなげていくことは容易なことではないと思います。そのような中、えりすぐりの企業を集中的に支援する選択と集中が大切だということは理解ができます。
 一方で、公金を使っての支援である以上、集中支援し、その企業が成長した結果、都民にどのようにメリットがもたらされるのか、しっかりと説明し、共感を得ていくことが重要だと考えますが、どのように都民の共感を得ていくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 有望企業を集中支援し、スケールアップさせることで、経済成長や雇用創出につながるとともに、その革新的な製品やサービスで社会課題の解決を導き、人々のよりよい暮らしに貢献できる存在となることが期待されます。
 例えば、能登半島地震に伴う断水が発生した際、スタートアップによる小型水循環システムが現地で貢献しました。このような企業がグローバル市場で大きく成長すれば、世界目線での社会課題解決にもつながります。
 SusHi Tech Tokyoをはじめとした様々な場におきまして、このようなメリットや事例等を分かりやすく伝え、製品、サービスの利便性を実際に体験してもらうことなどを通じて、都民の共感を高めてまいります。

○山崎委員 スケールアップを目指し、特定の企業に絞り込んで集中支援する意義や、有望な企業の製品、サービスを体感する機会を通じて共感を高めていくということであったわけであります。
 五月のSusHi Tech Tokyoはビッグサイトで開催され、最終日のパブリックデーには多くの方が来訪し、大盛況であったと聞いております。
 こうした機会を引き続きしっかりと展開するとともに、都内全体で多くの都民の皆様に提供していくことを要望しておきたいと思います。
 さて、戦略二・〇にバージョンアップし、取組を加速するということだが、実際にどのように進んでいるのか、そのプロセスをしっかりと見える化し、結果を明らかにすることも重要となります。
 都民の皆さんにご理解をいただき、その上で、世界の投資家や関係者が結ばれるよう、都がどのようなスタートアップ支援を行い、その結果、東京がどう進化をしているのか、しっかりと発信する必要があると考えます。
 そこで、戦略二・〇の下、どのような発信を行っていくのか、確認をしておきます。

○小澤イノベーション推進担当部長 これまでも10×10×10のイノベーションビジョンの実績等を明らかにするとともに、SusHi Tech Tokyoや世界のスタートアップイベントへの出展を通じ、日本の強みや東京のエコシステムの成長をPRしてまいりました。
 戦略二・〇では、こうした取組に加え、都が保有する企業への支援情報等をオープンデータ化するほか、TIBアプリやグローバルデータベースと連携することにより、企業の成長状況を見える化することとしております。
 国や他自治体とも連携し、東京、日本のエコシステムを世界に向けて発信する取組を進めてまいります。

○山崎委員 民間企業のデータでもあり、ほかの自治体との連携には理解と共感を得ながら進める必要があるため、これはとにかく丁寧に進めていただきたいと思います。やはり東京がある立地も含めた、東京で今まで、この三年間も含めた中でやってきたことを、やはり東京だからできるということ、それを地方とどうやって結びつけていくのか、連携をするということ、私は大変重要だと思いますので、その点は丁寧に進めていただきたいと思います。
 都民にとって役に立っているのか、東京が世界からどう見られているのか、世界に東京、日本の強みがしっかりと伝わっているかという点も、しっかりと意識をして取り組んでいただきたいことを付け加えて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正でございます。
 Global Innovation Strategy 二・〇 STARTUP & SCALEUP、戦略二・〇について伺います。
 三年前の戦略一・〇の策定以降、五年間で東京発ユニコーン企業数、東京の起業数、そして東京のスタートアップとの協働実践数をそれぞれ十倍にする、こうした目標を掲げて施策を展開してこられました。
 この間、東京発のユニコーン企業数であるとか、東京都のスタートアップとの協働実践数などにおいて成果を上げて、これを受けて、さらにスタートアップ戦略を加速する趣旨で、今回、戦略二・〇を策定したと理解をしております。柱の一つとして、東京発のスタートアップ企業が大きく成長するスケールアップを支援する、こうした取組の強化を掲げています。
 スケールアップには様々な支援が必要ですけれども、まず、十分な資金が得られる環境整備が重要になってきます。戦略二・〇では、SusHi Tech Global Fundsとして、約五年間で五百億円規模の投資を目指すということにされています。
 五百億円規模の投資目標というものは、グローバルなディープテック競争において十分な規模といえるか、見解を伺います。
 また、十分でないとの認識がある場合、官民連携ファンドの規模を超えて、国内、海外VCからの投資を呼び込む具体的な方策をお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは、投資市場として発展途上の領域に都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金等を引き出し、新たな資金の流れを創出し、政策実現につなげるものでございます。
 戦略二・〇では、官民連携ファンドにおいて、都のスタートアップへの資金供給の取組として、大規模な五百億円規模の投資を約五年間で目指しております。
 また、戦略的成長分野に大胆な資金供給を行うため、官民のファンドプラットフォームを創設し、国内外の民間資金を呼び込むこととしております。

○三雲委員 五百億円というのは、官民連携ファンドを通じた資金供給であって、さらに国内外の民間資金を呼び込むためのファンドプラットフォームというものを官民連携で創設する、こういうことであります。
 プラットフォームに参加する投資家を増やすためには、資金調達したスタートアップが成功する事例を数多くつくり出していく必要があります。そのためには、グローバル展開、積極的な海外進出の支援といったものも必要になってくるわけです。
 海外進出の支援は、海外イベントへの出展支援を超えて、現地の法規制対応であるとか人材獲得など、企業が最も苦戦する実務面での支援が重要だと思われますが、見解を伺います。
 また、実務面での支援について検討している具体的な方策を教えてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、世界のエコシステムとの接続を強化していくこととしております。
 職員自らが海外を訪問し、培ってきたネットワークを生かし、より幅広いプレーヤーとの交流を加速するとともに、現地エコシステムの中核となる海外支援機関等との関係づくりを行い、スタートアップの海外展開に向けた現地ビジネス環境への適応やマッチング、販路拡大等の支援を進めることとしております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 優れた技術を持っているスタートアップに資金を投じても、海外進出を支える経営人材がいない場合、大きな成長を見込むことはできません。こうしたグローバル人材が不足しているといった指摘もあります。
 スケールアップ企業が直面しているグローバル経営人材の不足に対して、十年後の起業家を育てるアントレプレナーシップ活動では、即効性は期待できません。
 人材確保の面で、支援について検討している具体的な方策を教えてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、有望企業を厳選し、多様な支援者と連携して集中支援を行うSusHi Tech Globalの取組を推進することとしております。
 本取組におきまして、人材、体制づくりに強みを持つ民間事業者等と連携し、グローバル人材確保など、世界市場でのスケールアップに必要な体制づくり等をサポートしてまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。そこはしっかり進めていただければというふうに思います。
 次に、Tokyo Innovation Base、TIBについてお伺いします。
 スタートアップやエコシステム関係者が集まるノードとして成長したTIBについては、TIB二・〇としてバージョンアップしていくというふうにされています。
 TIBの来場者数が増加しているということは理解できますけれども、来場者数だけではなくて、TIBをきっかけに生まれた成約件数であるとか資金調達額、こういった成果もKPIとして設定をしていくべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、裾野拡大、官民協働、グローバルの三つの指標を五年で十倍にする目標を引き続き掲げておりまして、TIBは、その達成に向けたプラットフォームとして活動しております。
 TIBは、開設から二年で来場者数が三十万人を超え、様々な支援者と連携することで、例えば、昨年度、試験販売を行うSHOPでは、商業施設等への販路開拓が十四件成立し、また、起業家のアイデアをビジネスにつなげるSTUDIOでは、支援した企業がVCから資金獲得に至るなどの成果が生まれております。

○三雲委員 ありがとうございます。販路開拓であるとか資金獲得に至っているというご答弁がありました。こうしたものも、できる限り数値化、指標化をしていただければというふうに思います。
 このTIBについて、バージョンアップしていくという、この構想には意味があるというふうに思いますけれども、同時に、都がインキュベーション施設であるとかイノベーション拠点を充実させることは重要である、その一方で、起業やイノベーションは民間発であるべきだ、こういった議論もございます。
 民間インキュベーターとの役割分担であるとか、民業圧迫の可能性について見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇にも記載しているとおり、TIBは、みんなでつくるをコンセプトに、立ち上げ段階から多くの民間のスタートアップ関係者と意見交換を重ねながら構築を進めてまいりました。
 こうした議論を踏まえ、都は公共の立場を生かし、スタートアップの事業成長を支援する民間施設とも連携し、組織や地域の垣根を越えてスタートアップや支援者が集い、交流する場としてTIBを展開しております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 TIB二・〇構想では、結節点であるTIBを核として、都内各地のエコシステム、大学、研究機関、多摩・島しょ地域が持つ特性を生かし、都内全体をイノベーションフィールドとして展開すると、こういったこともいわれています。
 TIB二・〇として都内全域に展開する方針に関して、せっかくここまでTIBに集積されたリソースが分散し、各拠点の熱量が薄まってしまうリスクがあるんじゃないかと、こういったことも考えられますが、認識を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 結節点であるTIBには、日本中、世界中からスタートアップやその支援者が集まり、日々、多くの交流が生まれております。
 戦略二・〇では、そのTIBの高まった熱量を維持しつつ、ディープテックやものづくりをはじめとする、それぞれ強みを持った都内各地との連携を強化し、イノベーションを起こしていくこととしております。

○三雲委員 おっしゃるとおり、都内には多くの大学、研究機関がある、また、戦略一・〇の下で整備された実証実験フィールドであるとか、ディープテックを支える研究施設なども存在しています。こうしたリソースが有効に活用される一方で、せっかく集まった人々が散ってしまうということなく、TIBが結節点として機能し続けて、全体としてイノベーションが進展する環境、これが大事だと思いますので、そういった工夫を重ねていただきたいと要望いたします。
 次に、官民協働について伺います。
 戦略一・〇の下では、東京都とスタートアップとの協働実践という面では大きな成果があったとされています。
 現場対話型スタートアップ協働プロジェクトで採択された五十五社について、実際に東京都や他自治体との長期的な契約関係に至った割合はどの程度であるのか。
 また、採択後、長期的契約に結びつけるための取組についての見解を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都とスタートアップとの協働につきましては、昨年度、目標の二十八倍となりまして、都との協働をきっかけに海外政府機関との提携に至る事例も生まれたほか、現場対話プロジェクトの採択企業が翌年度以降も契約する事例が出ております。
 今後、ファーストカスタマー・アライアンスの輪を広げ、全国の自治体と相互に公共調達した製品、サービスの情報を共有いたしまして調達につなげることで、スタートアップの成長や各地域の振興、行政課題解決につなげてまいります。

○三雲委員 官民協働の取組を全国に広げるファーストカスタマー・アライアンスには、今年十一月二十五日時点で十八の自治体が参加をしていると。
 都が導入したスタートアップの製品やサービスが他の自治体でも認定を受けて導入されることには意味があると思います。その一方で、東京都の財政を背景に導入できた製品やサービスが他の自治体の予算感に合うかどうか、こういった問題もあるんじゃないかと思います。
 戦略二・〇で示されたファーストカスタマー・アライアンスを通じた他自治体への展開において、予算規模の違いによる導入ハードルについての見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 戦略二・〇では、自治体の枠を超えて公共調達への参入を促進するファーストカスタマー・アライアンスの輪を広げていくこととしております。
 本事業では、自治体が認定したスタートアップの魅力ある製品をカタログ化しており、現在、七十件を超える製品の中には様々な価格帯のものがあることから、自治体の予算規模に応じて製品の導入が可能でございます。

○三雲委員 ありがとうございます。様々な製品、サービスがあるということで、予算感の違いはあっても、他自治体でも導入できるものもあるんだということを理解いたしました。
 そして、戦略二・〇では、オールジャパンの輪を広げるとして、TIBを結節点とした各地のスタートアップやエコシステムプレーヤー間の交流を活発化させることを目指しています。
 その中で、多くのスタートアップが、東京が育ててきたエコシステムと、その中にある様々なリソースの有効性に着目するということになると思われます。恐らく、そのことを目指して、そもそもこうした戦略を推進していると思うんですけれども、こうしたエコシステムであるとかリソースへのアクセスを容易にするために、東京に拠点を移そうと、こういったスタートアップも出てくるんじゃないかと思われます。
 オールジャパンの構想において、地方のスタートアップが東京に拠点を移す傾向が出てくると、やはりまた一極集中といった批判も予想されるところです。
 地方にいながらにして東京のリソースを活用して成長できる具体的な仕組みについて見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都は、全国の自治体と連携し、東京が持つリソースと地域それぞれの特色を掛け合わせることで相乗効果を発揮する考えでございます。
 戦略二・〇にありますように、TIBでは、各地の自治体がイベントを開催し、地元のスタートアップと首都圏の投資家や事業会社をマッチングするなど、投資や協業の機会となっております。
 また、全国のイベントに相互出展し、オールジャパンで取り組む姿勢の浸透を図っております。

○三雲委員 ありがとうございます。一極集中という批判が出てこないように、やっぱりTIBが全国のスタートアップにチャンスを与える、そして相乗効果とか共存共栄をつくり出すプラットフォームになるように工夫を重ねていただきたい、このようにお願いいたします。
 最後に、戦略二・〇の二二ページですけれども、ヨーロッパのスタートアップの四〇%が一年以内に海外現地法人を設立する一方で、日本では、成長企業であっても半数以上が海外展開まで五年以上かかる、こういった記載がございます。
 ただ、ヨーロッパでは、EUの下で、人の移動が自由になった、経済を支える法制度と通貨の共通化が進む、また、英語という事実上の共通言語があると。EU圏内での移動とか事業展開が比較的容易である一方、日本の周辺には、そうした環境は存在しません。スタートアップエコシステムを構築する前提条件において、EUと日本の間にはハンデともいえるような大きな相違があると思います。
 この戦略では、東京で起業し、成長し、グローバル展開することを目指すスタートアップ企業の支援を目的としていますけれども、都として、起業家であるとか投資家が東京を選ぶ合理的な理由、世界から見た東京の強みは何であると認識し、それをどのように伸ばしていくつもりなのか、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 東京は、清潔、快適で安全・安心な成熟した都市でございまして、観光や食文化など、世界の人々を引きつける都市の魅力が備わっております。
 確固たる法の支配による安定した社会の下で、スタートアップや支援者、投資家、大企業、中堅、中小企業、大学など様々なプレーヤーが集積し、イノベーションを生み出すエコシステムが急速に成長してきております。
 戦略二・〇では、こうした東京の強みや魅力を生かしつつ、様々な関係者や全国のエコシステム等をつなぎ、世界に浸透するグローバルなイノベーションの創出を推し進めていくこととしております。

○三雲委員 ありがとうございます。言語であるとか文化の壁を越えて、世界中から起業家、投資家を呼び込んで、東京からグローバルに活躍する企業を送り出していくためには、世界中の人々に理解可能な普遍的な価値観に照らして東京の強みを見いだして、それをアピールするといったことが大事になってきます。それはご答弁にあったように、ビジネスの予見可能性を担保する法律であるとか司法制度、分散型の経済構造であるとか、あるいは実績のある教育研究制度、これらを背景とした安定した社会環境などであって、これが東京のエコシステムを成長させる力になってきたと理解をしております。
 今後も、東京の強みを現実的かつ冷静に評価をして、その強みを生かして戦略を推進するよう要望します。
 以上です。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 先般、報告をいただきましたGlobal Innovation Strategy 二・〇について質問をさせていただきます。
 本戦略では、学生や若者の挑戦を後押ししていくということが掲げられておりますけれども、折しも、我が会派のまつば多美子議員が本定例会の代表質問でこれを取り上げたところでございます。
 我が会派は、TIBの場を学生や若者の探求の居場所として、若者の可能性を引き出す取組をすべきと、このように主張をしまして、都からは、TIBを居場所として探求する若者が日常的に集う場の充実を図り、若者の挑戦を力強く後押しをしていくとの答弁をいただいたところでございます。これは大変重要なことでありまして、本日は、この若者の挑戦への支援、これをテーマに、戦略二・〇の内容を深掘りしていきたいというふうに思います。
 私は、十月にTIBを視察させていただきましたけれども、起業家をはじめ様々なエコシステムプレーヤーが集って、若者がそうした人たちとの出会いを通じて自分を磨き、共に探求する仲間を増やしていく場として、とても魅力的でありました。こうしたリアルな交流の場が、若者の挑戦意欲をさらに高めるとともに、将来のキャリアや人生の選択肢を広げるきっかけになるとも実感をしました。
 TIBを拠点にして、次代を担う若者に、失敗を恐れず、何事にもチャレンジする姿勢を身につけていただき、そうした若者を育成していくことで社会課題の解決を図り、都民生活の向上につなげることが重要であるというふうに思います。
 そこでまず、新たに策定された戦略二・〇では、社会課題の解決に向き合う若者の挑戦をどのように後押しをすることとしているのかを伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都はこれまで、TIBやSusHi Tech Tokyoを主な舞台に、挑戦する学生、若者を後押しする取組を進めてまいりました。
 戦略二・〇では、こうした取組によって若者の社会変革意識が大きく上昇し、海外での起業や海外スタートアップへの就職など、世界に向けて様々なチャレンジをする若者たちも生まれていると分析、整理いたしました。
 また、それを踏まえ、さらに取組を加速することとし、子供から中高生、学生まで、あらゆるフィールドでの挑戦を徹底的に応援することについて盛り込んでおります。

○いいだ委員 ただいまの答弁から、都は若者支援に関するこれまでの取組を、この戦略二・〇によって、より一層推進していこうというふうに考えていらっしゃることが確認できました。
 さらに具体的に確認をしたいところでございますけれども、代表質問の答弁において、都は、TIBを若者の挑戦を応援する場として、より一層の活用を推進していくとのことでありました。
 何よりも初めに重要なのは、社会の問題を解決したいという志を持ち、そのためにいろいろと試行錯誤を重ねる探求する若者たちが、ここを自分たちの居場所だというふうに感じてもらい、集まってきてもらうことだというふうに思います。
 まさに、TIBで学生、若者が日常的に集まるコミュニティづくりを進める取組、TIB JAMが有効だというふうに考えますけれども、TIB JAMでは、具体的にどのような取組をしていらっしゃるのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 TIB JAMでは、事前準備なく誰もが気軽に参加できる場として、毎週水曜日に、TIB入り口近くの一階でStudent dayを実施しております。
 Student dayでは、探求する学生等のためのアイデア創出方法のレクチャーをはじめ、起業等の挑戦への意欲が湧いた学生へのビジネスアイデアのブラッシュアップなど、個々に寄り添った支援を行っております。
 TIBに足を運んだ学生たちが、それぞれ探求や挑戦のきっかけをつかみ、こうした学生同士が交流する機会を創出することで、お互いに議論し、切磋琢磨し合う学生のコミュニティ形成を図ってまいります。

○いいだ委員 このTIB JAMの取組が、戦略二・〇における若者の居場所の取組の核となることが確認できました。ぜひ引き続き、しっかり取り組んでいただければというふうに思います。
 次に、学生チームのITAMAEについてでございます。
 TIBを活動の拠点として、SusHi Tech Tokyoの学生企画などに主体的に取り組んでいる彼らは、さらに一歩進んだ探求を求める学生であるというふうにいえるかと思います。
 彼らを支援することは重要でありまして、戦略二・〇でもITAMAEをさらに成長させるという方向性が示されておりますけれども、現在のITAMAEの取組と今後の支援の方向性について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 学生メンバーのITAMAEは、主体的かつ意欲的に新しいことに挑戦し、グローバルな視点を持ってイベントの企画、運営等を行っております。
 戦略二・〇では、学生主体で運営される北欧のスタートアップイベント、SLUSHなどへの学生の派遣や、TIBで学生等の気づきや学びを同世代の学生と共有するグローバルイベントの実施、また、SusHi Tech Tokyoを舞台とした企画運営など、世界と交流し、自ら動くことの面白さを学ぶ場を提供することでITAMAEの活動をさらに成長させていくこととしております。
 今後とも、学生の主体性を生かした効果的な後押しを行うことで、挑戦意欲を持つ学生たちの輪を広げてまいります。

○いいだ委員 ここまでの質疑で、学生を中心として自主的に挑戦を始めている若者への後押しについて、TIBやSusHi Techの場を通じて一層進めていくことが分かりました。
 さらに、自ら課題を発見し、自ら行動するといった探求の姿勢を自然に身につけられるようにしていくには、より若い世代である中高生に対してもアプローチをし、アントレプレナーシップの醸成を図っていくことも重要であるというふうに思います。
 戦略二・〇では、新たに中高生によるアントレプレナーシップの実践について盛り込んでおりますけれども、これまでの中高生世代に対する取組と今後の方向性について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都はこれまで、中高生に対して、起業家等が自らの体験談などを語る出前授業を実施しており、授業で刺激を受けた生徒がSusHi Tech Tokyo 二〇二五でワークショップを自分たちで開くなど、好影響を与えております。
 こうした取組を加速するため、戦略二・〇では、中高生がより主体的に活動し、社会課題解決や起業など様々なチャレンジに興味を持ち、その解決に必要な力を身につけ、実践するサイクルを生み出していくことを盛り込んでおりまして、TIBを舞台として中高生が自ら集まり、議論や発表する場づくりについて、当事者である中高生の意見を聞きながら進めることとしております。

○いいだ委員 これまでの質疑を通じまして、都が、教育現場、そして起業家等の民間の支援者の皆さんと連携をして中高生世代へのアプローチを行っていること、さらに、主体的に行動を起こそうとする意欲のある生徒たちには、SusHi Tech TokyoやTIBを彼らの成長を後押しする場として効果的に活用し、こうしたことを新たに戦略二・〇でブラッシュアップしていることを確認できました。
 さて、これまで戦略二・〇で新たに盛り込まれたことを中心に確認をしてきましたけれども、戦略一・〇で取り組んできた四十の施策については、引き続きしっかり進めていくことも示されております。
 そのうち、今回主題としている若者支援に関する取組の一つとして、スタートアップへのインターンシップの推進がございます。
 特に起業志向のある学生は、大学卒業後すぐに起業するため、在学中にスタートアップでのインターンシップを希望するというニーズが多くあるというふうに聞いておりまして、こうした若者の挑戦を後押ししていく必要もあるというふうに考えております。
 そこで、スタートアップへのインターンシップに関心を持つ若者に対して、都はどのように後押しをしていくのか、取組を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、インターンを募集するスタートアップと学生が直接交流できるイベントを実施しており、今年八月には、昨年度に参加した学生が出展スタートアップにインターンとして参加するなどの好循環も生まれております。
 今後、三月にかけて、スタートアップで働く魅力などを伝える学生向けの説明会や、学生が安心して働けるよう、インターン受入れのノウハウ等を提供するスタートアップ向けの説明会を実施するなどの取組によりまして、起業やスタートアップで働くという学生のニーズに応え、スタートアップの裾野拡大にもつなげていくこととしております。

○いいだ委員 若者がスタートアップと交流をし、将来の選択肢を広げるきっかけとなる場が提供されているということが分かりました。
 社会課題の解決を担う若者の挑戦を後押しすることは、東京の未来を切り開くために不可欠であります。探求する若者が安心して挑戦できる居場所をつくるとともに、スタートアップとのリアルな交流の場や学びの機会をさらに充実させることで、挑戦する若者を育成し、社会課題解決や都民生活の向上につなげていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、都のスタートアップ戦略の取組の特徴的な点は、スタートアップの経営支援やグローバル展開、あるいは学生、若者支援など多様な取組が、SusHi Tech TokyoとTIBという都がこれまで育ててきたプラットフォームを中心に展開されているという点であります。若者と起業家との触れ合いなどを実践できるのも、こうしたプラットフォームの機能があってこそだと思います。
 TIBは、先月、さらに機能を拡張したと伺っておりますけれども、引き続きその充実に努め、戦略二・〇に掲げた若者向けの施策をしっかり加速してもらうことを要望して、質問を終わります。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。
 スタートアップは、将来の所得や財政のドライバーであります。リスクを取らないこれまでの制度、慣行、組織体制の変革を含め、今こそスタートアップフレンドリーな東京を実現する必要があると思います。
 また、東京都が今、狙い撃ちされるような地方税の偏在是正策の導入が検討されている現状においては、パイを切り分ける議論ではなくて、いかにパイを大きくするかという、東京が目指すべき姿を実現していくためにも、国に先駆けてスタートアップ戦略を引き続き力強く牽引をいただいて、成功に導いていただきたいと考えております。
 こうした視点からスタートアップ戦略をブラッシュアップしていくことは非常に重要であり、新たな戦略二・〇に大いに期待をしたいと考えております。
 そこで質問させていただきます。戦略一・〇での成果と、そこで残された課題について、都の見解を伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 三年前に策定いたしました戦略一・〇では、官民協働、裾野拡大、グローバルを五年で十倍にするビジョンを掲げ、様々な施策を強力に進めてまいりました。
 官民協働は二十八倍と目標を大きく超え、裾野拡大はスタートアップ創出数一・三倍、グローバルは評価額一千億円を超える企業が二・七倍と着実に拡大しておりますが、目標までは道半ばでございます。
 戦略二・〇では、この間の実践を通じて得られた課題として、グローバル市場を意識した活動が少ない点、資金調達の規模が世界と比べて小さい点、社会経済に貢献していることの発信が必要などを示しており、こうした課題の克服に向け、取組を加速することとしております。

○福井委員 ありがとうございます。この官民協働が大きく目標を超える結果となった一方で、課題として、特にグローバルの十倍をどう伸ばすかということが課題であるということが理解できました。
 ただ、この戦略二・〇では、グローバルというところに加えて、新たにスケールアップにフォーカスをして取組を加速すると掲げられております。
 そこで質問いたしますが、戦略二・〇において、新たにスケールアップにフォーカスする意義や目的について伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 世界の変化と競争が激しさを増し、技術の飛躍的進化が社会変容を加速する中、戦略一・〇が導いてきた流れを確かなものとするため、優れたスタートアップのスケールアップを大胆に支援することが重要でございます。
 戦略二・〇では、目標達成に向け、これまで以上に社会経済に貢献し、飛躍的に成長するスケールアップ企業を官民の力で育てていくことを示すため、グローバル掛けるスケールアップにフォーカスすることといたしました。
 世界に飛び出し、グローバルに活躍する企業を数多く生み出すことで、東京、日本の経済成長を生み出すとともに、都民の豊かで便利な暮らしを実現してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。我が会派が事務事業質疑において要望させていただいたとおり、この事業化、資金、人材というスタートアップの三つの課題に対して、都が率先して取り組んでいただきたいと考えております。
 そうした中で、今回、スケールアップというところにフォーカスをするということは、スタートアップ戦略の事業化支援を強化していくということであると考えておりますので、その点について高く評価をしております。
 一方で、スケールアップを実際にしていくとなったときに、これまでTIBで構築してきたネットワークをしっかりと活用して、国内外のエコシステムプレーヤーがスクラムを組んで、成長が期待できるスタートアップに集中的な支援を行う、これまでにない仕組みづくりが必要不可欠だと考えています。
 この戦略二・〇の中で、グロース期のエコシステム、これを構築すると掲げておりますが、これまでの取組との違いについてお伺いしたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇に基づき、成長可能性の高い企業に照準を絞り、第一線の支援者と連携して集中的に支援する、これまでにない枠組みを構築してまいります。
 事業拡大に高度な課題を抱えるグロース期の企業に対し、トップクラスの投資家やグローバル企業とのマッチング、成長戦略の見直し、練り上げなど、国内外の支援機関や事業会社等と連携し、徹底的にサポートいたします。
 さらに、大型化するグロース期の資金需要に応えるため、官民による様々なファンドが連携し、成長企業へ集中投資するSusHi Tech Global Fundsを創設し、大きな資金の流れをつくり出すなど、スケールアップを生み出すエコシステムを構築してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。有望企業を厳選して、それらの課題、ニーズに寄り添った支援を国内外の投資家や支援者等を巻き込んで展開していくとともに、単体ファンドではなくファンド群として資金の流れをつくるなど、集中支援してスケールアップ企業を生み出そうとするものであるということが理解ができました。グローバルなスケールアップを生み出し、東京、日本の成長につなげてもらうことに期待をしたいと思います。
 また、スタートアップエコシステムにおいては、資金や技術ということは当然なんですけれども、人材もエコシステム内で循環をして、ビジネスが成長しやすい環境をつくることが大切だと考えております。
 さらに、若い世代が将来起業などに挑戦する人材を育てていくことや、スタートアップの事業規模拡大に伴う即戦力人材の確保に対して都が支援をしていくことは、イノベーションがもたらす様々な企業の雇用を促進して、スタートアップの裾野拡大につながる重要な取組であると考えております。
 そこで、戦略二・〇における人材のエコシステム構築に向けた取組を伺いたいと思います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 戦略二・〇では、これまでの戦略一・〇の取組により、大きく成長するスタートアップや、雇用や経済を動かす企業が増加していることを分析し、スタートアップ支援は雇用創出につながる重要な意義があることを示しております。
 さらなるスタートアップの裾野拡大に向け、学生や転職を志望する大企業等の社員向けに、スタートアップでのキャリア形成を後押しする取組を引き続き行うとともに、あらゆるフィールドでの挑戦を徹底的に応援するため、より若い世代への支援を拡大し、新たに中高生が主体になって企画運営を行うなど、自らアントレプレナーシップを実践していくことを盛り込んでおります。

○福井委員 ありがとうございます。今、ご答弁あったように、人材面でスタートアップの成長を支援して、エコシステムそのものを大きくしていきながら雇用の好循環を生み出していくことが非常に重要であると考えています。
 先ほど三雲委員からもご指摘あったとおりで、これまでTIBを中心にアントレプレナーシップの取組にご尽力をしてきたということは十分理解しております。ぜひ戦略二・〇の中では、より一歩進んで、即戦力の人材、グローバルの人材、こうしたところの獲得に向けた支援をしていただき、また、スタートアップ人材の確保、この労働市場の活性化に向けて、より一歩踏み込んだ施策や支援を期待したいというふうに思っております。
 それでは、最後に、資金面での取組である官民連携ファンドについて質問したいと思います。
 戦略二・〇では、ファンドの取組として、都の出資を呼び水にした民間資金の呼び込みも行うとしています。私も、このファンドのところは、公的資金に依存するのではなく、民間資金の呼び込みや自律的なエコシステムの形成というのがやはり重要ではないかと考えております。
 そこで、都の財政負担と民間資金のレバレッジの効果のバランスを、どのような指標、考え方でマネジメントしていくか、お伺いしたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都の官民連携ファンドは、投資市場として発展途上の領域に都が出資を行うことで、都の出資額以上の民間資金等を引き出すことを基本としており、例えば官民連携インパクトグロースファンドでは、都の百億円の出資に対して、二百億円規模の民間資金等を呼び込むことを目標としております。
 都の出資を呼び水に民間資金の流れを生み出すことが重要であることから、戦略二・〇では、官民のファンドプラットフォーム、SusHi Tech Global Fundsを形成し、戦略的成長分野への大胆な資金供給につなげていくこととしております。

○福井委員 ありがとうございます。都の限られた財源を活用しながら、どれだけ民間マネーを呼び込んで自律的なエコシステムに近づけていけるか、今後のスタートアップ戦略の成否を左右する重要な視点だと考えております。
 ぜひ、単に都の出資額や件数ということだけではなくて、このレバレッジ効果についても継続的に検証して公表をしていくということを強く要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○上田委員 Global Innovation Strategy 二・〇 STARTUP & SCALEUP 戦略です。
 スタートアップの裾野拡大、官民協働、グローバル展開、プラットフォーム形成など、多岐にわたる施策を掲げていらっしゃいますが、これらの施策が都政の税収増加や都民の生活向上にどのように具体的に寄与しているのか、現時点での成果や数値目標の達成状況を示してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、10×10×10のイノベーションビジョンに向けたこれまでの取組をレビューし、官民協働、裾野拡大、グローバルのそれぞれの実績値等を取りまとめた上で、今後の取組を打ち出したものでございます。
 官民協働は、昨年度二百五十二件と、目標の二十八倍となっております。
 裾野拡大は、若手起業家のビジネスコンテスト、TOKYO STARTUP GATEWAYの参加者が約四倍まで増加するとともに、都内の新規スタートアップ数は民間データベースで約七百七十社となっております。
 また、グローバルは、世界で活躍するスタートアップが生まれ始め、昨年は企業価値一千億円超のスタートアップが四社誕生したほか、世界の人々の生活にイノベーションをもたらす企業も増加しております。
 さらに、TIBは、オープンから二年間で来場者が三十万人を超え、全国、世界との結節点となっており、SusHi Tech Tokyoは、五万七千人が参加するアジア最大級のイノベーションカンファレンスへと成長しております。

○上田委員 スタートアップ支援におけます官民協働の実績として、ご報告あったように、二〇二二年の九件から二百五十二件に増加しているということなんですが、この協働がもたらす経済効果、雇用創出の具体的な事例と評価をお聞かせください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 戦略二・〇でもまとめさせていただいているとおり、大きく成長するスタートアップや雇用、経済を動かす企業が増加しております。
 例えば、都との協働をきっかけに海外政府機関との提携に至る事例が生まれているほか、知的障害のある作家と契約を結び、そのアート作品を社会に浸透させる企業が、昨年度、海外展開を果たしております。

○上田委員 次は、若者や子供を対象としたアントレプレナーシップ教育やコミュニティ形成の取組が進んでいるようなんですが、これらの施策が、将来的な起業率、イノベーション創出にどう結びついているのか、具体的な成果指標、評価方法等を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都はこれまで、学校現場等へ起業家等を派遣する出前授業や学生メンバーITAMAEの活動など、若者の挑戦を後押ししてまいりました。
 戦略二・〇では、アンケート結果などにより、出前授業の受講前後で、生徒の新しく何かに取り組んでみようなどという意欲が高まったり、十八歳向けの調査で、自分の行動で国や社会を変えられると思うという意識を持つ割合が大幅に増加したりするなど、若者の社会変革意欲が大きく上昇していると分析しております。

○上田委員 そうした若者たちが大学へ行くと。
 大学発スタートアップの支援や海外VC、アクセラレーターの誘致、グローバルイベントの参加など、グローバル展開支援の現状と課題及び今後のこれらの事業の必要性についてご説明ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略一・〇策定以降、東京発ユニコーンが二・七倍となったほか、都との協働をきっかけとしてグローバルで活躍する企業、世界の人々の生活にイノベーションをもたらす企業などが生まれております。
 これまでの実践を通じ、グローバルを意識した活動の増加や、大きな資金の流れの創出などの課題が見えてきたことから、戦略二・〇では、グローバル掛けるスケールアップに向けた取組を加速させることとし、世界に羽ばたく成長企業を大きく育てるための施策などを盛り込んでおります。

○上田委員 ファーストカスタマーとして、スタートアップの公共調達促進、規制改革、行政の役割について、今後想定する具体的な取組内容と展望があれば示していただければと思います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 戦略二・〇では、公共調達や、行政がスタートアップのファーストカスタマーとなる活動を通じまして、区市町村の課題を共に解決する取組を引き続き展開するほか、全国と連携した調達の取組を拡大し、企業の成長と各地域の振興を図り、よりよい社会をつくり上げていくこととしております。

○上田委員 うちの地元の江戸川区では、分割発注して企業との癒着なんかも指摘されて新聞報道になっているんですが、ファーストカスタマーは、聞こえはいいのですけれども、公共調達、こちらの方が癒着が生まれないようにしていただきたいなというふうに思っております。
 本戦略に基づく官民連携ファンドの運用状況と、都の出資が呼び水となった民間資金の流入状況及び投資企業の成長実績について具体的に報告してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略一・〇策定後、大学発ディープテック、社会課題解決に資するグロース期のスタートアップ等へ投資する官民連携ファンドに百五十億円を出資いたしました。
 官民連携ファンドの運営状況等につきましては、守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしております。
 なお、戦略二・〇では、都出資を呼び水にした民間資金の呼び込みで、約五年間で五百億円規模の投資を目指すことを掲げております。

○上田委員 この官民連携ファンド、毀損しないように、また、なかなかこれは開示していただけないのですけれども、私も引き続き確認してまいりたいと思います。
 この戦略推進に当たり、都政の税収や都民益にどう帰結するのか、いつも聞いているんですけれども、東京全体の経済波及効果についてどんな想定をしているのか、戦略そのもののKPIをどう行っていくのか、包括的な所見を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 大きく成長するスタートアップは、従業員や売上げを増やし、国内外からの投資を呼び込むことから、東京における雇用や所得を生み出し、経済活動や消費支出、それに伴う付加価値を創出いたします。
 戦略二・〇でも、グローバル、裾野拡大、官民協働を五年で十倍にする10×10×10のイノベーションビジョンに向けて、グローバルとスケールアップにフォーカスし、取組を加速することとしております。
 その具体的な政策目標といたしましては、ユニコーン数やスタートアップ創出数、官民協働数に加え、都のプログラムによる支援企業数、大学発ベンチャー数、TIBやSusHi Tech Tokyoでの海外機関や自治体との連携件数等を設定しておりまして、毎年、評価、公表しております。

○上田委員 物価高にあえぐ江戸川区民が、どんなふうにこれによって恩恵を被るのか、ちょっと、いま一つ具体的に理解がまだ及んでいないところではございますが、毎年、評価、公表をしているということでございます。
 ちなみに、みんなでつくるTIBを実践し、イノベーションの結節点に成長してきたTokyo Innovation Baseですが、令和六年五月に本オープンし、これまで段階的に機能を拡充してきていますが、まず、この建物の所有と本部との契約というんですかね、利用規約状況、今後の施設利用について、中長期的に施設利用には期限があるのか、いつまで使い、いつまで機能を拡充するのか、確認させてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBの建物は都の所有でございまして、当本部が所管をしております。期限の定めはございません。引き続きイノベーション拠点として使用してまいります。
 また、戦略二・〇では、あらゆる挑戦者を応援する場として、エンタメやアート等の様々な分野の活動を行うなど、機能をさらに充実させることとしております。

○上田委員 時限はないという理解でよろしいですね。
 世界に打って出るSusHi Tech GlobalやSusHi Tech Global Fundsなど、グローバル展開支援事業の具体的な成果と投資効果、海外開催の意味及び都の資金投入が呼び水となった民間資金の流入状況を示してください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、10×10×10のイノベーションビジョンに基づくこれまでの取組の進捗と成果を取りまとめた上で、今後加速させていく二十六の施策を盛り込んでおります。
 お話のSusHi Tech Globalは、支援対象となる企業を今後選定することとしており、また、SusHi Tech Global Fundsは、今後取組を行っていくものでございます。

○上田委員 資金流入というのは、ちょっとまだ見えてきていないということでございますかね。
 ディープテックのイノベーション拠点を生み出す事業や、大学、大企業等でウエルビーイングによる課題解決に挑戦など、先進技術、社会課題解決分野への支援の効果と、都が担うべき役割についてご説明ください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 ディープテックは、都市課題解決に資する有望な技術でございまして、息の長い支援が不可欠であることから、戦略二・〇では、その研究開発環境の整備を加速するとともに、TIBが有するネットワークや機能も活用しながら、ディープテックスタートアップ育成を強力に後押しすることとしております。
 都は、こうした社会課題解決に取り組むスタートアップを、官民の様々な主体と連携して支援していきます。

○上田委員 ウエルビーイング、お財布の方もしっかりと確認させていただきたいと思います。
 中堅、中小企業掛けるスタートアップで新たな価値創出やファーストカスタマー・アライアンスの輪を広げるなど官民協働事業の実績と、都民生活や経済活性化への具体的な寄与をお示しください。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 戦略一・〇では、官民協働の実績につきましては二十八倍の成果が上がっております。
 戦略二・〇では、スタートアップと中堅、中小企業とのオープンイノベーションを進めることを掲げており、TIBに設置するFABでスタートアップに中小企業を紹介するなど、両者の協働を推進することを盛り込んでおります。
 ファーストカスタマー・アライアンスは、全国の自治体に拡大することとしており、実績は随時ホームページに掲載してございます。
 これらの取組等を通じまして、スタートアップのテクノロジーで社会課題を解決し、都民生活の向上に寄与してまいります。

○上田委員 中高生によるアントレプレナーシップを実践、子供の挑戦を育てるTIB KIDSなど裾野拡大施策の成果と、将来的な起業家育成に対する効果測定の状況を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 先ほど答弁申し上げましたとおり、学校現場等へ起業家等を派遣する出前授業などの成果といたしまして、若者の起業等への挑戦意欲を喚起するような前向きな回答が得られております。
 戦略二・〇では、あらゆるフィールドでの挑戦を徹底的に応援することとし、中高生が主体となって進めるアントレプレナーシップの実践や、子供の挑戦を育てるTIB KIDSを新たに盛り込み、こうした取組を推進していくこととしております。

○上田委員 先ほどは戦略全体で聞いていて、ちょっと申し遅れましたけれども、今、私が質問しているのは、資料の七ページの二十六に分けます、この戦略にひもづく、二十六件、今回事業があるということで、それに基づいて質問をしております。
 オールジャパンの輪を広げるや、国と連携し、主要なエコシステムとの相互協力を充実など、全国、国際連携事業の具体的な成果と、都のリーダーシップの意義について確認します。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIBが全国の自治体のイノベーション創出の結節点となるよう活用を呼びかけており、その結果、八十件を超えるイベント開催等につながっております。
 全国のイベントにも相互出展することで関係性を構築し、VIVA TECHNOLOGY 二〇二五への共同出展に向け、都が率先して各自治体に働きかけ、実現するなど、日本の強みをオールジャパンで強力に発信しております。
 また、首都圏自治体で構成される東京コンソーシアムの一員として、国と連携しつつ、全国の拠点都市の取組を世界につなげる役割を果たしていくこととしております。

○上田委員 SusHi Tech Tokyo関連事業なんですけども、パブリックデー、グローバル展開、理念輸出など、東京、日本のエコシステムの見える化事業の実績と、都民への情報発信効果についてご説明ください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 SusHi Tech Tokyo 二〇二五は、世界百の国、地域から五万七千人が参加いたしまして、六百を超えるスタートアップが出展するなど、アジア最大級のイノベーションカンファレンスとして、スタートアップやエコシステムを世界に発信しました。
 また、パブリックデーは、子供から大人まで、楽しみながら最新技術や起業家のアイデア、情熱に触れ、好奇心やチャレンジ精神を育む一日とすることで、一万四千人が参加いたしまして、平均満足度が十段階中約八となるなど好評を得ました。
 こうした成果を踏まえまして、戦略二・〇では、SusHi Techを、大企業、海外都市等が集い、イノベーションを生み出すカンファレンスへ進化させることといたしました。
 東京、日本のエコシステムの見える化につきましては、今後展開してまいります。

○上田委員 見える化が見えないので、見えるようになったら確認させていただきたいと思います。
 これら二十六事業なんですけれども、このうち、私は委託先をどれを想定しているかという資料要求はしたのですけれども、まだ決まっていないということで出てこなかったのですが、相当、デロイトトーマツとか、そういったところに委託していると思うんですよね。
 この二十六事業全体の費用対効果が、委託してまでやることなのかというのが、だったら別に民間がやればいいのではないのかというような思いもありまして、この費用対効果をどのように評価して、都政の税収増加や都民の豊かな暮らしにどの程度寄与しているのでしょうかね。
 具体的な税収増、経済波及効果、数値目標や指標は何なのか、二十六の事業におきましてお答えいただければと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、10×10×10のイノベーションビジョンに向け、取組を加速することとしております。戦略に掲げる取組を推進することで、経済成長と都民の豊かで便利な暮らしや持続可能な社会の実現につなげてまいります。
 具体的な政策目標といたしましては、東京発ユニコーン数や新規スタートアップ創出数、都とスタートアップとの協働実践数をはじめとするイノベーションビジョンに基づく指標を二〇五〇東京戦略に設定しておりまして、毎年、評価、公表しております。

○上田委員 今後の事業展開なんですけれども、効果のない事業の廃止、新規事業においても、委託までしてやることかと、さっきいっていましたけれども、慎重に検討するなど、費用対効果の向上や、事業の持続あるいは持続しないのかも含めて点検、精査を検討した方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 民間に任せず、都が主体的に推進する意義を改めてお聞かせください。

○小澤イノベーション推進担当部長 イノベーションは、多様なプレーヤーが集まり、議論、交流する中で生まれるものでございまして、都は、スタートアップや支援者、投資家、大企業、大学等の関係者が集うTIBやSusHi Tech Tokyoなどのプラットフォームをつくることで官民のつながりを創出してまいりました。
 また、各取組に関しましては、予算編成時の事業評価や二〇五〇東京戦略の政策目標のレビューが行われております。
 戦略二・〇でも、みんなでつくる、みんなで進めるを合い言葉に、東京のイノベーションを生み出すエコシステムの発展に向けて、引き続き官民で取組を進めていくこととしております。

○上田委員 分かりました。
 自由を守る会は、令和六年度各会計決算特別委員会第三分科会、経済・港湾委員会事務事業質疑において、スタートアップ戦略推進本部幹部職の、他局に比べ多過ぎる海外出張の在り方を指摘してまいりました。
 令和五年度までの海外出張情報が長期間にわたり適切に公表されていなかったことについて、議会や都民のチェックの目を免れていたのではないかと指摘をしましたが、これに対し、準備が整った段階で公表したというんですが、これは、さんのへ都議が決算で指摘する、その前日か何かに、慌ててぱっと載ったんですよね。長期間の情報非公開の経緯と反省点を、改めて本部長に求めてきたところです。
 資料によれば、こちら、もう指摘をしたんですけれども、八ページです。ぜひご覧いただければと思うんですけれども、相当数の海外出張を予定していることが分かって驚愕しております。一月には、またラスベガスへ行かれるんですね。皆さん、ちょっと見てもらってもいいですか、ぜひ。羨ましいぐらい。これ、税金なんですよね。
 出張は、現地での意見交換や施設視察、展示会参加など、多岐にわたる活動が行われていたということなんですが、この活動が都のスタートアップ施策にどのように具体的に還元されるのか聞いたところ、令和七年六月末までの半年間で、TIB視察団の受入れやイベント開催など海外機関とのネットワーク件数が百六十件を超え、SusHi Tech Tokyoへの海外パビリオン出展や海外参加者の増加につながっているということなんですが、いま一つ評価をしかねております。
 これまでの海外出張によるプロモーション活動の具体的な効果や成果があったとして、既に多くのネットワーク構築が進んでいる現状に鑑みまして、新たな海外出張の必要性について、こちら、資料を見ていただければ分かるんですけれども、どのようにお考えなのか、伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 当本部では、職員自らが海外展示会への出展や関係機関への訪問など戦略的なプロモーションを展開し、海外エコシステム関係者との関係構築を進めておりまして、こうした活動の積み重ねが、SusHi Tech Tokyoでのパビリオン出展やTIBでのイベント開催など、エコシステムの強化につながっております。
 戦略二・〇では、こうした連携をさらに強化するとともに、より幅広いプレーヤーとの関係性を新たに構築することを盛り込んでおります。

○上田委員 プロモーション部長からプロモーションのご報告をいただいたんですが、前回の委員会は部長はお休みだったようですが、海外出張だったようですよね。
 個人の関係に依存をするというのもどうなのかなと思うんですね。配属が変わってしまったら、また新しい本部長や幹部が海外出張するということになり、延々と海外出張ループとなりかねないか懸念することから、見解を伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 職員自らが海外に足を運び、現地のエコシステム関係者と顔の見える交流を重ね、信頼関係を築き上げてきたことが、SusHi Tech Tokyoでのパビリオン出展やTIBのイベント開催など具体的な成果につながっております。
 こうした関係を維持し、さらに発展させていくため、戦略二・〇では、海外展示会への出展や関係機関への訪問などの戦略的なプロモーション活動を推進することとしておりまして、引き続き、職員の人事異動の有無にかかわらず、着実に取り組んでまいります。

○上田委員 着実に継続ということでございますが、都民の税金を使った海外出張に対する批判もある中、これまで出張に伴う経費は一回当たり百四十万から二百五十万円程度で、同行者も複数名に及んでいます。
 今後の同行者選定基準や人数の適正化、費用の妥当性について、具体的に説明をお願いします。

○鈴木プロモーション推進部長 現地では、展示会出展の準備、会期中の来場者対応、帯同するスタートアップとの調整、イベントへの登壇やプレゼンテーション、現地関係者との面会、意見交換など、複数の業務を同時並行で行っております。
 各用務の内容や業務量に応じて必要な人員を選定しておりまして、経費は、関係規定に基づき適切に支出をしております。

○上田委員 限られた予算の中で、海外出張に係る経費を抑制しつつ、より効率的かつ効果的な施策を推進するために、今後の海外出張の見直し、代替手段ですね、オンライン交流とか、まさにそういう時代ですよね、検討していると思うんですけれども、お聞かせください。

○鈴木プロモーション推進部長 都はこれまでも、現地でのプロモーション活動とオンラインイベント等を効果的に組み合わせ、継続して取り組むことで、海外エコシステム機関や現地関係者とのネットワークを構築してきております。
 この結果、SusHi Techは、三年間で世界百の国、地域から五万七千人が参加するアジア最大級のイノベーションカンファレンスに成長し、都市パビリオンの出展数は、昨年の五から、今年は十六へと大きく増加をいたしました。また、海外から多くの機関がTIBを訪れ、フランスやドイツとの連携イベントの実施などにつながっております。
 戦略二・〇では、こうした連携をさらに強化するとともに、より幅広いプレーヤーとの関係性を新たに構築することとしておりまして、現地でのプロモーション活動を引き続き積極的に実施してまいります。

○上田委員 オンラインイベントは大いに結構なんですけれども、こうした職員が行かないでオンラインでできないかという個別のやり取りというのを提案した次第でございます。
 新たな海外出張を企画するに当たりまして、これまでの出張成果の定量的、定性的な評価を踏まえ、費用対効果の観点から慎重に、さっきは着実に継続とおっしゃっていましたけれども、慎重に判断していただきたく、具体的にご説明ください。

○鈴木プロモーション推進部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、海外プロモーションの成果は、SusHi Techでの多くの国、都市、地域のパビリオン出展やTIBへの海外機関の訪問、連携イベントの実施につながるなど、十分に成果が現れております。
 引き続き、効果的な関係構築に向けまして、各用務の内容や業務量に応じて必要な人員を選定するなど、十分に精査の上、現地でのプロモーション活動を積極的に実施してまいります。

○上田委員 最後に、海外出張が公費を使った観光旅行というような批判を受けぬよう、都民の理解と納得を得るために、今後どのような情報公開や説明責任の強化策を講じるのか、具体的に伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 職員が直接現地に赴いてプロモーション活動を行っていることにつきましては、事業概要への掲載やSNSでの発信、国内エコシステム関係者との会合等における報告など、適宜公表をしております。
 今後も引き続き、適切に対応してまいります。

○上田委員 令和五年度までは適切に対応ができていなかったようなので、重々よろしくお願いをしたいと思います。
 本戦略に関する質疑を通じて、イベント形式の施策が多くて、横文字や片仮名、eSG、TIB、SU、TSGですね、こういった形で横文字、片仮名の専門用語が氾濫しているため、具体的に何を行っているのか、実態が非常に分かりづらく、費用対効果の把握が困難であると強く感じております。
 令和五年度は百六十二億円、令和六年度は二百七十九億円、今年度は三百億円でしたっけ。巨額の予算が投入されているにもかかわらず、委託事業が多く、行政が主体的に行うべき事業なのか、疑問が拭えない点があります。
 都民の税金を使う以上、施策の透明性と説明責任を徹底し、海外出張も含めて、具体的な成果や効果を分かりやすく示すことは不可欠です。今後は、専門用語の多用、本当に、略すなら米印をつけて、一々一々、悪いんですけれども、欄外に書いていただくとか、そのような丁寧な説明責任をしてほしいなと。具体的な成果や効果を分かりやすく示すことが不可欠ですので、費用対効果の検証を厳格に、誰もが理解する形で事業内容を明確にして、厳格に検証を行うことを強く求めます。
 また、行政の役割と民間の役割を明確に区分し、都が本来行うべき施策に集中することで、より効果的な都民全体の支援体制の構築ができるということを期待するものであります。
 これらの点を踏まえまして、今後の戦略推進においては、都民の理解と信頼を得られるよう、質の高い情報発信、また、分かりやすい、片仮名、横文字だらけではない、説明責任の強化に努めていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○さとう委員 東京都は、戦略二・〇の中で、二〇五〇年に向けてスタートアップエコシステムの世界ランキングトップスリー入りといった野心的な目標を掲げています。
 一方で、米スタートアップゲノムが二〇二五年に公表したレポートでは、東京のスタートアップエコシステムは世界十一位とされています。アジアの都市を見ると、シンガポール、北京、ソウル、上海が東京よりも上位に位置づけられており、アジア最大級どころか、追う側の立場にあるのが現状です。
 世界では今、AIとクライメートテックを中心にスタートアップ投資が急速に拡大しています。AI市場全体は、二〇二五年に二千四百億ドル規模、二〇三〇年には八千億ドルを超えるとされ、生成AIだけでも、二〇三〇年まで年率三五から三八%の成長が見込まれています。クライメートテックへの投資も、二〇二三年におおよそ五千億ドル、二〇二五年には六千億ドルに達する見込みがあると報告されています。
 こうした世界のスピード感と比べたときに、東京の戦略をどうアップデートしていくのかが今日の質疑のテーマです。
 都としても、資料の中で、ニューヨークのNYCEDC、シンガポールのブロック71、パリ、フランス二〇三〇などを分析されていると思いますが、これらの都市と比較したときに、東京の強みと弱みをどう整理しているのでしょうか。
 特に、資金量、グローバルとの接続性、公共セクターのリスクテイクの三点について、現時点の認識を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇は、10×10×10のイノベーションビジョンに基づくこれまでの取組の進捗と成果を取りまとめた上で、世界情勢等を踏まえ、今後加速させていく二十六の施策を盛り込んでおります。
 この間、戦略一・〇の実践を通じて見えてきた課題として、米国などと比較して資金調達額が小規模である点や、国外とのリレーションを活用した活動など、グローバル市場を意識した活動が少ない点などを指摘しております。
 その上で、官民が連携して内外の民間資金を呼び込み、成長への大きな流れを生み出すことや、スタートアップの優れた技術を活用し、社会課題をスピーディーに解決していくことを盛り込んでおります。

○さとう委員 今のご答弁では、東京が抱える課題についての認識は伝わりました。
 一方で、私がお聞きした東京の強みについては具体的な整理が示されなかったと感じています。都がどの強みを主軸にするのかが定まらないと、内外の民間資金を呼び込むメッセージも弱くなると考えています。
 世界の都市は、ニューヨークはライフサイエンス、シンガポールはディープテック、パリはAI、量子といった形で明確な強みを打ち出しています。東京が世界と競う軸はどこにあるのか、ぜひお答えください。
 また、グローバル志向とリスクマネーの不足を埋め切れていない部分はどこにあると考えているのか、率直な現状認識を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 日本では、グローバル市場を意識したスタートアップの活動はまだ少なく、資金調達額も世界と比べて小規模な傾向にございます。
 このため、戦略二・〇では、有望なスタートアップに対して第一線の支援者や海外上場経験者等がグローバルマインドセットを行うなど、世界市場での成長を後押しする取組を盛り込んでおります。
 また、戦略的成長分野に大胆な資金供給を行うため、官民のファンドプラットフォームを創設し、国内外の民間資金を呼び込むこととしております。

○さとう委員 ただいまのご答弁で、日本全体としてグローバル志向やリスクマネーの規模がまだ世界水準に達していないという現状認識が示された点は、私も全く同感です。
 一方で、何を東京のフラッグシップ領域として育てるのか、明確なメッセージがまだ弱いのではないかと感じています。今後の具体的な制度設計において、ぜひ、この視点をより明確に打ち出していただきたいと考えます。
 また、大規模なリスクマネー投入や、ビザ、ストックオプションなど制度面の改革について、東京都としてどこまで踏み込めると考えているのでしょうか。
 例えば、EUでは、欧州で起業し成長をという、EUスタートアップ・アンド・スケールアップ戦略の下、少なくとも百ミリオンユーロ規模のスケールアップヨーロッパファンドを公民連携で創設し、規制簡素化やストックオプション制度の整備、非EU創業者へのビザ緩和など包括的な施策を打ち出しています。
 海外の都市では可能でも、日本では法制度や財政規律、行政のリスク許容度などからハードルが高い施策もあると思いますが、国への提言も含めたお考えを伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都はこれまでも、海外投資家やVCを呼び込むための環境整備や、高度外国人材向けのビザの緩和、スタートアップが直面している規制改革に取り組むことなどを国に提案要求しております。
 戦略二・〇では、スケールアップに向けて取組を加速するため、グローバル展開の促進や経営人材、高度人材の流動化、規制改革、ルールメーキングなどについて、国や経済団体等を交えて議論することとしております。
 また、スケールアップに向けた戦略的成長分野への大胆な資金供給を行うため、官民のファンドプラットフォームの形成などを盛り込んでおります。

○さとう委員 世界の主要首都や地域は、法制度、財政、リスク許容度の壁を越えて、極めて大胆なパッケージでスケールアップ支援を進めています。その観点からすると、今の都の答弁は、国への提案要求や議論を進めるという方向性は示されているものの、東京都自身がどこまでイニシアチブを取り、どの領域で先行して踏み込むのかという具体的な踏み込み度合いが見えにくいと感じています。
 東京が世界と対等に競うためには、投資規模の大胆さ、ルールメーキングの先導、ビザや人材流動性の抜本的な課題へのアプローチ、都自体のリスクテイクの可視化といった点が避けて通れません。
 国に任せる部分と、都が主体的に動ける部分の境界を曖昧にしたままでは、世界のスピードには追いつけないと考えています。ぜひ今後、具体化の中で、東京都としてどこまで踏み込むのかという覚悟の部分をより鮮明にしていただきたいと考えます。
 シンガポールのブロック71は、アジア、米国、中国、日本など十一都市に拠点を展開し、スタートアップが自然に海外市場へ出ていけるコリドー、国際回廊のような仕組みをつくっています。
 戦略二・〇でも、TIBをハブに海外イベントへの出展や海外アクセラレーターとの連携が進んでおりますが、まだ点と点の連携にとどまっている印象もあります。
 そこで提案ですが、東京を起点に、ニューヨーク、シンガポール、パリなど数都市との間で、成長期スタートアップ専用のコリドー、国際回廊の仕組みをつくるのはいかがでしょうか。
 具体的には、相互にオフィス、ラボスペースを一定期間無償または低廉で提供し合う、投資家、大企業とのマッチングプログラムをセットで用意する、各都市の行政が規制面、ビザ面でのハンズオン支援を行うといったパッケージを、少数精鋭のスケールアップ候補に提供するといった構想について、検討の余地はないでしょうか。戦略二・〇で掲げるSusHi Tech Globalにも合致すると思いますが、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、世界のエコシステムとの接続を強化していくこととしております。
 職員自らが海外を訪問して培ってきたネットワークを生かし、現地エコシステムの中核となる海外支援機関等との連携により、ビジネス環境への適応、マッチング、販路拡大等のスタートアップの海外展開に向けた支援を行います。
 東京、日本と世界のエコシステムをつなぐことで、プレーヤー同士の交流と企業のグローバルな成長に向けたサポートを一体的に推進してまいります。

○さとう委員 今お答えになったネットワークの活用や交流促進は重要な第一歩ではありますが、より制度的に都市間で相互接続された成長インフラを構築できるのかが、次の大きな課題だと考えます。
 特に、戦略二・〇で掲げるSusHi Tech Globalは、まさに東京発の世界接続を標榜しているわけですから、今回のコリドー構想はその理念とも一致しており、実現すれば、東京の国際競争力を大きく押し上げる可能性があると考えています。今後、ネットワーク連携を超えた制度としての国際回廊づくりについても、ぜひ積極的に検討いただきたいと申し上げます。
 戦略二・〇では、TIBアプリやデータベースを活用し、東京都と周辺自治体のスタートアップエコシステムを見える化し、世界に発信する構想が示されています。
 フランスでは、フレンチテックがスタートアップの情報を英語で一元的に公開し、海外VCが投資先を探しやすい環境をつくっています。
 都は、エコシステムの可視化について、データを利用した政策評価をどこまで行うつもりか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都はこれまでも、ユニコーン数やスタートアップ創出数、都とスタートアップとの協働実践数をはじめとするイノベーションビジョンに基づく指標を二〇五〇東京戦略の政策目標に設定し、毎年、評価、公表しております。
 戦略二・〇では、都が保有する情報をオープンデータ化し、支援状況や実績の公開、企業の成長状況等を見える化するとともに、グローバルに発信する取組を盛り込んでおります。
 東京、日本のエコシステムを見える化し、全体像の把握に活用しながら、関係者とみんなでつくる、みんなで進めるを実践することとしております。

○さとう委員 ご答弁では、指標の公開とデータの発信にとどまっており、私が伺いたかったデータを用いた政策評価をどこまで高度化するのかという本質部分には、まだ十分に踏み込めていないと感じました。
 単なるデータ公開ではなく、投資規模と成長率の相関分析、エコシステムのボトルネック特定などといった、施策の効果を定量的にフィードバックできるシステムを構築できるかどうかが重要です。行政としてデータを政策にどう反映させるのか、どのレベルまで評価、分析を高度化させるのか、その部分がまだ不明瞭であると感じています。
 戦略二・〇の実行段階において、東京のエコシステムを見える化するだけではなく、評価し、改善するための本格的なデータ分析基盤と政策評価モデルの構築を、ぜひ具体化いただくことを要望します。
 次に、SusHi Tech Globalのブランドを生かし、シンガポールのエンタープライズ・シンガポールやブロック71、パリのフレンチテックなどと連携したアジア共同ファンドを構想することも提案しますが、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 世界に打って出るスタートアップを大きく成長させていくためには、グローバルな視点での大胆な資金供給が必要であることから、戦略二・〇では、官民のファンドプラットフォーム、SusHi Tech Global Fundsを形成し、国内外から民間資金を呼び込むことを掲げております。
 スケールアップに共鳴する国内外の様々なファンドに連携を呼びかけ、成長への大きな流れを生み出してまいります。

○さとう委員 ご答弁では、方向性として連携を呼びかけるという姿勢は示されましたが、東京都として共同ファンドの創設、設計にどこまで主体的に踏み込むのか、この点については、今後さらに議論を深めていただく必要があると感じました。
 SusHi Tech Globalは、東京が世界の成長回廊の入り口になるための大変重要なブランドです。そのブランド力を最大限に生かし、アジア共同ファンドのような都市間協調型の仕組みの検討を、今後ぜひ前向きに進めていただきたいと期待しております。
 次に、戦略二・〇では、SusHi Tech Global Fundsにより、百から百五十社のスケールアップ企業に大胆な資金供給を行うとされています。
 そこで伺います。
 今後五年間で、SusHi Tech Global Fundsなどを通じて、成長段階のスタートアップに対し、都としてどの程度の規模の資金供給を行う想定なのか。一社当たりの平均チケットサイズをどの水準にするのでしょうか。
 都単独の予算だけでなく、国のファンドや民間資金とのレバレッジも含めて、大体のオーダーで構いませんので、お示しください。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略二・〇では、今年度末までの都の出資、約二百億円を呼び水にした民間資金の呼び込みで、約五年間で五百億円規模の投資を目指すことを示すとともに、さらに、戦略的成長分野に大胆な資金供給を行うため、官民のファンドプラットフォームを創設し、国内外の民間資金を呼び込むこととしております。

○さとう委員 今回のご答弁にあった五年間で五百億円規模という数字だけでは、百から百五十社を支える際の一社当たりの平均投資額、都、国、民間資金のレバレッジ比率といった成長戦略としての規模感がまだ十分に見えません。一社当たり、どの水準のリスクマネーを提供する覚悟があるのか、それこそが戦略二・〇の成否を分ける要点だと考えております。
 今後、SusHi Tech Global Fundsの具体設計を進めるに当たって、投資規模、出資方針、チケットのサイズの目安をぜひ明示していただき、東京都として世界と戦うための資金戦略をより明確に示していただくことを要望します。
 戦略一・〇では、スタートアップを初期顧客として活用する、公共調達を拡大するという方向性が打ち出され、今回の戦略二・〇でも継続しています。
 アメリカでは、SBIR、STTRという仕組みによって、十一省庁横断で研究開発予算の一定割合をスタートアップに付与してきました。
 そこで伺います。
 都として、例えば二〇三〇年度までに、都の物品、役務調達のうち何%をスタートアップ起点の技術、サービスとするといった具体的な割合目標を設定するお考えはあるのでしょうか。
 国の制度との整合性も必要になりますが、都として主体的に制度設計を提案していくお考えがあるのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都は、まず、製品やサービスを都政現場で実証し、その成果を踏まえて政策目的随意契約を認定し、調達につなげます現場対話型スタートアップ協働プロジェクト等の取組を実施しておりまして、採択企業が翌年度以降も契約する事例が出ております。
 戦略二・〇では、都と協働したスタートアップの優れた技術を生かせる政策目的随意契約を活用いたしまして、都政の課題解決に有効な対策を速やかに展開していくこととしております。

○さとう委員 私が今回伺いましたのは、例えば二〇三〇年度までに、都の調達のうち何%をスタートアップ起点の技術、サービスにするつもりなのかという、より具体的な目標設定の有無でした。そして、東京都として、国の制度との整合を踏まえつつも、主体的に制度設計を提案していく意思があるのかを確認したいという趣旨でありました。
 アメリカのSBIR、STTRのように、予算の一定割合をスタートアップに必ず付与するといった制度は、明確なコミットメントを示すことでエコシステム全体の期待値と参入意欲を大きく高めています。
 その観点からすると、今回のご答弁では、取組内容は理解できたものの、割合目標の設定や東京都自身が制度化に踏み込む姿勢については明確な回答がなかったと受け止めています。
 東京が本気でスタートアップを初期顧客として活用し、イノベーションを行政調達に取り込んでいくためには、割合目標の設定、調達ルールの見直し、予算枠の明確化、国制度への提案力の強化といった、より踏み込んだ制度設計が必要になると考えております。
 戦略二・〇の実行段階において、こうした量的コミットメントの議論も進めていただきたいと思います。
 以上、多岐にわたり質問させていただきましたが、共通して申し上げたいのは、世界の変化のスピードとスケールに対し、東京が今、本当に追いつける戦略になっているのか、十分に検証し続ける必要があるということです。
 世界では、AIとクライメートテックを中心に、年十数%という速度で市場が拡大し、ニューヨーク、シンガポール、パリなどの主要都市は、それぞれが明確な勝ち筋を掲げ、政府、民間が一体となって大胆なリスクマネーと制度改革を進めています。
 一方、東京は、現在、世界十一位という位置づけであり、アジアでも追う側であるという現実を直視する必要があります。
 戦略二・〇では、世界と接続するための施策が数多く盛り込まれており、その方向性自体はよいと思いますが、今日の質疑を通じて、幾つかの点で、さらに明確化と踏み込みが必要だと感じました。
 第一に、東京の強みをどこに置くのか、何をフラッグシップ領域として世界と競うのか。都市としての核が曖昧なままでは、国内外の投資家、企業へのメッセージとして弱くなります。世界の都市は、それぞれが勝負領域を明確にし、それにリソースを集中しています。
 第二に、リスクマネーの規模感です。
 百から百五十社を支援すると掲げる以上、一社当たりの投資水準と都、国、民間のレバレッジ比率を明確にしなければ、戦略の実効性は見えません。東京が本当に世界と戦う覚悟があるのか、その象徴こそがこの資金戦略だと考えています。
 第三に、国際接続の仕組みづくりです。
 ネットワークの構築だけでなく、ニューヨーク、シンガポール、パリなどとの間で、スタートアップが自然にスケールできる制度的な成長回廊、コリドーを設計できるかどうかが、世界都市としての競争力を左右します。
 第四に、データによる政策評価の高度化です。
 単に見える化するだけではなく、投資効果や成長率、ボトルネックを定量的に把握し、世界に反映できる仕組みを構築しなければ、世界トップレベルのエコシステムの運営は困難です。
 そして、最後に公共調達の改革です。
 スタートアップを初期顧客とするという理念を掲げる以上、どの程度をスタートアップ起点の技術に振り向けるのか、東京都としての量的コミットメントを明確に示すべきだと考えます。
 東京が本当に世界トップスリー入りを目指すのであれば、必要なのは、勝ち筋を明確にすること、覚悟ある資金投入、都市間連携によるスケールアップ回廊、データに基づく政策運営、公共調達の構造改革です。
 戦略二・〇が点の施策の集まりではなく、東京を世界の成長エコシステムへと押し上げる構造改革へと進化することを強く期待し、質疑を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスタートアップ戦略推進本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時三十五分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百八十号議案及び第二百八十一号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○戸谷総務部長 去る十一月二十八日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧願います。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に二件の資料の件名を記載してございます。
 一ページでございます。新砂水門(再整備)(七)門扉製作据付工事に係る入札結果、入札参加条件、入札参加可能事業者数、入札辞退理由並びに低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容でございます。
 (1)、入札結果でございます。本件に係る入札者氏名及び入札金額を記載してございます。
 (2)、入札参加条件及び入札参加可能事業者数でございます。本件に係る入札参加条件及び入札参加可能事業者数を記載してございます。
 (3)、入札辞退理由でございます。入札辞退の理由は、技術的に履行が困難な案件のためでございます。
 (4)、低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容でございます。低入札価格調査対象者から調査票等の提出がなかったため、聴取は実施してございません。
 続きまして、二ページをご覧ください。新砂水門(再整備)(七)建設工事に係る入札結果、入札参加条件、入札参加可能事業者数、入札辞退理由並びに低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容でございます。
 (1)、入札結果でございます。本件に係る入札者氏名及び入札金額を記載してございます。
 (2)、入札参加条件及び入札参加可能事業者数でございます。本件に係る入札参加条件及び入札参加可能事業者数を記載してございます。
 三ページに移りまして、(3)の入札辞退理由、そして、(4)の低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容につきましては、該当ございません。
 以上をもちまして、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 新砂水門の門扉取付けと建設工事ですが、門扉製作据付工事については、資料によれば、入札参加可能事業者二十七者のうち、矢田工業、佐藤鉄工、IHIインフラシステム、豊国工業、カナデビアが入札、日東河川工業さんが辞退はされているんですけれども、矢田工業株式会社に決定しました。
 建設工事については、これも資料によると、入札参加可能事業者が百二十六者、東亜建設工業が入札し、同社に決定したということです。一者のみしか入札しなかったことは懸念材料でありますが、三回実施した上で、昨今の人手不足、物価高騰においては致し方ないところと思料いたします。
 非常に健全な手続を経ていると思いまして、本件議案には賛同するもので、引き続き、港湾局において、法令などに基づき適正に入札手続を行うよう希望して、私の意見とさせていただきます。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○大山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百五十四号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費、港湾局所管分及び第三百号議案から三百八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 都民ファーストの会のおぎの稔です。
 三百号から三百八号のうちの公園について質問させていただきます。
 南部地区及び野鳥公園の指定管理者の選定についてというところで、私の地元大田区には、野鳥観察の愛好家を中心に人気の高い野鳥公園や、数多くのスポーツ施設を有する大井ふ頭中央海浜公園、キャンプ場を備える城南島海浜公園など、数多くの海上公園があります。
 今回の指定管理者の選定に当たって、各候補者がどのような提案を行っているのか、大変関心の高いところでございます。
 まずは、南部地区十五公園の指定管理者選定について伺いたいと思います。
 今回の港湾局の指定管理者の選定では、複数の応募があり、結果として、前回とは異なる指定管理者候補者が選ばれております。
 そこでまず、選定された指定管理者候補者は具体的にどのような点が優れていたのか、伺います。

○若林臨海開発部長 南部地区十五公園の指定管理者候補者の選定に当たりましては、二つの団体から応募がありました。
 学識経験者や財務の専門家から構成される指定管理者選定委員会において、募集要項に基づき、応募団体からの提出書類やヒアリング等による審査を実施いたしました。
 今回選定された指定管理者候補者は、エリアの魅力アップに向けた質の高い公園の維持管理が期待できるとされたほか、特に海上公園の効用の発揮について高く評価されました。
 具体的には、大井ふ頭中央海浜公園におきまして、ホッケー競技場と連携した多様なスポーツや健康づくりの機会提供、陸上競技場等を利用したジョギング入門講座、子供の走る、跳ぶ、投げる能力を向上させる教室の開催など、さらなる公園の魅力向上と利用促進が期待できる取組の提案がございました。

○おぎの委員 よい提案が幾つも出されており、ぜひ実現していただきたいと思います。
 また、海上公園は緑豊かな空間であり、区民をはじめ多くの都民の方に快適に利用していただくためには、緑地の管理の質を確保することが重要であります。
 そこで、緑地の管理について、指定管理者候補者からはどのような提案があったのか、伺います。

○若林臨海開発部長 指定管理者候補者の選定に当たりましては、公募時に、公募要項のほか、維持管理業務の手引きにより、植栽地の管理に関する留意事項や管理の水準などを提示しております。
 また、応募団体に対しましては、植栽管理の品質確保に向けた業務管理体制や、公園が持つ緑の特性を一層引き出すための維持管理の考え方を提案するよう求めております。
 これらを踏まえ、今回の指定管理者候補者からは、植栽の維持管理に関する方針として、景観価値を高める緑の健全管理として提案がありました。
 具体的には、各公園につきまして、その特徴や地域性によって分類した上で植栽管理の目標を設定するとともに、スマートフォンのアプリ機能を使い、独自に開発したパークモニタリングシステムを活用することにより、効率的、効果的な植栽管理を行うとの提案がございました。

○おぎの委員 この南部の地区は、今回、新たな団体が候補者となりました。指定された際には、それぞれの公園がこれまで以上に、地元の区民の方をはじめ、多くの都民の方の憩いの場として運営されるよう、都としても指定管理者をしっかりと指導していただきたいと思います。
 次に、野鳥公園について伺います。
 野鳥公園は、前回同様、東京港野鳥公園グループが候補者となっております。
 選定理由には、環境学習の展開や季節ごとのプログラム、ガイドツアーなど多様な取組の提案があり、来園者にとって魅力的な公園運営が期待できるとありますが、指定管理者候補者からは具体的にどのような提案があったのか、伺います。

○若林臨海開発部長 東京港野鳥公園は、約三十六・五ヘクタールの規模を有し、干潟の保全により、野鳥や水辺の生き物の生息空間を確保しており、レッドリストに掲載されたセイタカシギやコアジサシなどが観察できる公園でございます。
 指定管理者候補者である東京港野鳥公園グループはこれまでも、多様な取組により来園者にとって魅力的な公園運営を行っており、今回の事業計画におきましても、引き続き、公園の魅力向上と利用促進を図るための取組が提案されております。
 具体的には、環境学習として、NPO団体と連携した生き物観察会や学校との連携による課外授業の実施のほか、秋の木の実や落ち葉などを親子で楽しむイベントなど、季節ごとのプログラムの実施について提案がありました。
 また、子供向けのワークショップなどを行う野鳥公園フェスティバル、野菜の収穫や稲の脱穀などを体験できる里地里山フェスティバルなど、より多くの方の来園を促すイベントについても提案がございました。

○おぎの委員 今後も引き続き、来園者に喜ばれる魅力的なプログラムを実施していただきたいと考えております。
 次に、維持管理について伺います。
 野鳥公園は、訪れた方が野鳥を観察しやすい環境であることはもとより、飛来する野鳥にとっても過ごしやすい環境であることが重要であります。
 野鳥公園の維持管理について、人が観察しやすい環境と野鳥が飛来しやすい環境を両立させる必要がありますが、具体的にどのような提案があったのか、伺います。

○若林臨海開発部長 東京港野鳥公園グループからは、公園利用者の特性や時代のニーズに応じた管理運営とともに、野鳥を中心とした生物多様性を保全するための取組について提案されております。
 具体的には、野鳥を観察しやすい環境を確保するため、支障となる枝の除去や害虫の防除による安全の確保、樹木の剪定など園内の照度を確保することによる防犯対策など、利用者に配慮した維持管理に取り組むこととしております。
 あわせて、野鳥が飛来しやすい環境となるよう、樹林地や干潟等について独自の環境管理計画に基づく維持管理を行い、継続的なモニタリング調査や評価、検証により計画の見直しや修正を図るとともに、これらの実績やノウハウも活用した取組について提案がございました。

○おぎの委員 この野鳥公園もあります大田区の沿岸は、物流施設や工業地域が多いことから、海上公園は都民、区民にとって貴重な憩いの場となっております。引き続き、来園者に喜ばれるよう、適切な管理運営に取り組んでいただきたいです。
 これまで指定管理者が公園の特色を生かした様々な取組を行っていることが分かりましたが、指定管理者による提案が確実に実行され、良好な管理にどう結びついているか、局としてしっかりと確認することが必要であります。
 そこで、指定管理者の業務の評価はどのように行われているのか、伺います。

○若林臨海開発部長 指定管理者が行う公園の管理運営につきましては、毎年度、学識経験者や財務の専門家から構成される指定管理者評価委員会において評価を行っております。
 都は、指定管理者に対し、毎年度、施設の維持管理実績や自主事業の取組などをまとめた事業報告書、来園者アンケートの結果、財務諸表等を提出させております。
 評価委員会は、この指定管理者から提出された事業報告書等に基づいて、指定管理の状況を四段階で評価し、都はその結果を公表しております。
 また、評価委員会において出された意見は、指定管理者にフィードバックするとともに、都が評価結果も踏まえて指定管理者を指導監督することにより、公園管理におけるサービスを一層向上させるよう取り組んでまいります。

○おぎの委員 指定管理者の評価とそれを生かしたサービス向上の仕組みについて理解いたしました。都として適切に指導監督を続け、一層のサービス向上に取り組んでいただきたいと思います。
 また、臨海地域には、それぞれ特色のある海上公園が数多く設置されております。都心に近く、美しい緑と水辺に親しめる海上公園に期待される役割は大きいと思います。特に、東京の都市の魅力をさらに高めるため、海上公園を活用したナイトタイムの充実にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 このことを要望いたしまして、質問を終えます。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正です。よろしくお願いいたします。
 第二百五十四号議案の港湾局所管の補正予算案について、確認のための質問をさせていただきます。
 まず、港湾整備事業七百万円に関し、神湊港の損害状況をお聞かせください。

○原田離島港湾部長 神湊港の被害状況としましては、船舶の接岸に影響はなかったものの、防波堤のずれや港湾内の照明設備の一部損傷などの被害がありました。

○三雲委員 防波堤のずれ、そしてまた照明ということがありましたけれども、この復旧工事の内容、工事の実施開始時期、また完了予定時期についてお聞かせください。

○原田離島港湾部長 防波堤につきましては、波浪などにより被害が拡大しないよう、緊急起工により基礎部分の拡幅などの設計を行い、工事に着手しており、気象、海象状況などを踏まえつつ、早期の完了を目指しております。
 照明設備につきましては、補修工事を実施することとしており、補正予算成立後、速やかに契約手続に着手いたします。
 完了予定時期につきましては、作業員の確保や資機材の調達見込みなどを踏まえ、適切な工期を設定してまいります。

○三雲委員 防波堤については、今ちょっと冬場で海も荒れているということもあって、なかなか完了というのも難しいのかなと思いますけれども、また、照明についても現地の復旧、復興が続く中で、調達見込みなども踏まえてということだというふうに理解いたしました。
 続いて、漁港の整備事業千三百万円に関して、神湊漁港及び八重根漁港のそれぞれの損害状況をお聞かせください。

○原田離島港湾部長 神湊漁港では、漁港内の照明設備の一部で損傷がありました。
 八重根漁港では、同じく漁港内の照明設備の一部で損傷があったほか、日よけ施設の屋根の破損がありました。

○三雲委員 ありがとうございます。
 こうした神湊漁港及び八重根漁港のそれぞれの復旧工事の内容、工事の開始時期及び完了時期についても教えてください。

○原田離島港湾部長 神湊漁港及び八重根漁港の照明設備につきましては、補修工事を実施することとしており、補正予算成立後、速やかに契約手続に着手いたします。
 完了予定時期につきましては、作業員の確保や資機材の調達見込みなどを踏まえ、適切な工期を設定してまいります。
 八重根漁港の日よけ施設の屋根につきましては、強風により被害が拡大しないよう、緊急起工により破損した屋根の撤去、復旧に着手しており、漁業関係者との調整や重機の調達見込みなどを踏まえつつ、早期の完了を目指しております。

○三雲委員 ありがとうございます。こちらも現地の復旧、復興の状況を踏まえて進めていくということで理解いたしました。また、日よけの施設については、既に解体等に着手しているということで、今回の補正の対象外だというふうに理解をしています。
 続いて、空港整備事業九千百万円に関して、八丈島空港の損害状況をお聞かせください。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 八丈島空港におきましては、消防車を格納する車庫のシャッターや屋根の損傷のほか、消防の事務所や場内作業所の窓などの損壊、空港を取り囲む柵の一部が破損、損傷するなどいたしましたが、当面のところ空港機能を維持するために必要な施設の損傷までには至っておらず、台風が過ぎた翌十月十日より空港業務を再開しております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 空港業務はできているという中で復旧工事があるわけですけれども、その内容と実施の開始時期と完了予定時期についてお聞かせください。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 補正予算における復旧工事につきましては、消防車庫や消防事務所、場内作業所の修繕のほか、空港を取り囲む柵の一部の取替えなど、補正予算成立後、速やかに契約手続に着手いたします。
 また、完了予定時期につきましては、作業員の確保や資機材の調達見込みなどを踏まえ、適切な工期を設定してまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。現地は、いずれもインフラであるとか産業設備の復旧、復興が続く中で、ご答弁にあったように、作業員の確保であるとか資機材の調達状況、気象、海象状況など、現地の状況を踏まえつつ進めていくという方針が確認できました。
 いずれも繰越明許費となっていますけれども、引き続き町村や関係事業者の意見を聞きながら、着実に、可能な限り早期に進めていただきたいと要望いたします。
 以上です。ありがとうございます。

○慶野委員 海上公園の指定管理者指定に関しまして、幾つか確認をさせていただきます。
 海上公園は四十の公園が整備されていて、この十二月で五十周年を迎えた。野球、テニス、ゴルフ、緑豊かであり海辺にある都心にあって、これだけのスポーツができる施設であったり、それから、海釣りやマリンスポーツ、野鳥の観察、ドッグラン、バーベキューなど、様々なレクリエーション、体験ができる貴重な海上公園でありますけれども、これまで多くの都民に喜んで利用されてきた。その上で、さらに、これまで使われてきた以上の、期待されてきた以上のポテンシャルを発揮していけるように、運営に対して期待していきたいと思っております。
 指定管理者の指定に当たって、これまでの管理者候補者からの提案について確認したいと思いますけれども、海上公園の特色を生かした、そして多くの都民に利用していただくための、どのような公園の管理運営をこれまでしてきたのか、確認します。

○若林臨海開発部長 海上公園は、都心に近い臨海地域に立地する緑豊かな海辺の空間であり、海と触れ合いながら憩い、安らぎ、楽しむことができる、スポーツなどのレクリエーションの機会も提供する貴重な場でございます。
 海上公園を都民に快適かつ安全に利用していただけるよう、都は、指定管理者制度により、芝生や樹木など植栽の管理や、生物多様性の保全の拠点となる干潟の保全とともに、適切な維持管理に取り組んでおります。
 また、各指定管理者におきましては、公園施設や自然環境等の特色を生かし、地域ににぎわいを生み出すイベントをはじめ、様々な自主事業を行っております。
 具体的には、バーベキュー施設における機材のレンタルサービスや食材の販売、ドッグランにおける犬のしつけ教室、釣り施設における初心者、家族向けの釣り体験教室、野鳥や水辺に生息する生き物観察会など、公園の魅力向上や利用促進につながる取組を展開しております。

○慶野委員 海上公園の特色を生かした工夫が行われている、実施されているという答弁ですけれども、比べる相手がいないので、これまでの取組がどれほどだったかというのをしっかり確認していかなくちゃいけないと思っております。
 海上公園の広大な敷地を生かして多彩なスポーツ施設が設置されていることが魅力の一つでありますけれども、二〇二〇大会や先月まで行われましたデフリンピックの競技会場として利用された施設、こうしたものが点在しております。
 指定管理者候補の選定に当たり、スポーツ施設を生かした提案はどのようなものがありましたでしょうか。

○若林臨海開発部長 海上公園には、スポーツ・レクリエーションの場として様々な施設を整備しております。野球場や陸上競技場、テニスコート、ビーチバレーコート、スケボー広場など、多くの方にご利用いただいております。
 今回の選定に当たり、指定管理者候補者からは、スポーツ施設を生かした様々な提案があり、選定委員会においても評価をされました。
 具体的には、辰巳の森海浜公園におきまして、アクアティクスセンターと連携し、地域一体で開催する辰巳健康スポーツフェスティバルの実施や、かけっこ、ドッチボールのスポーツ教室の開催など、施設の相互利用促進につながる提案がありました。
 また、東京二〇二〇大会の競技会場などを巡り、大会の記憶をつなぐガイドツアーの実施についても提案がございました。

○慶野委員 分かりやすい答弁なんですけれども、海上公園、今の辰巳の森海浜公園、スポーツ推進本部所管のアクアティクスセンター、氷上スポーツ施設、新たな拠点ありますよ、アイスアリーナありますよというこうした中で、この指定管理者が、都心のそばで恵まれた環境で、材料もそろっていてアクセスもいい、誰がやっても盛り上がるという運営なのか、いや、そうじゃなくて、こうして議会の中で議論を重ねながら、この人たちにやってもらいたいという指定をしたことで、もともと環境がいいかもしれないけれども、より都民に喜んでもらえるような管理運営をしていただかなければいけない、そのように思っております。
 逆にいうと、どんなに環境がよくても、何か民間の商売をするにしても、人がごった返す、注目をたくさん浴びているというのは、共通した何か、勝利ポイントというものがあるんだと思います。
 どんなに恵まれた状況でも、駄目なところは駄目だったり、勝負にならないところは勝負にならない、こういう場合もあろうかと思います。ほかの事業と比べるつもりはありませんので深掘りはしませんけれども、これだけ人がいるということは、ただ環境がいいということじゃなくて、この指定管理者が一味違う努力をしてきたのであろうというふうに、自信を持って私たちも推していきたいというふうに思っております。
 その上で、先月のデフリンピックで会場にもなりました若洲ゴルフリンクス、私ゴルフはやらないので、残念ながら行ったことはないのですけれども、ゴルフをやらない人にとっては--これだけ予約が取れない大人気の都心にあるゴルフ場というこういう状況、これも努力の積み重ねの結果だと、そういうふうに思っております。
 ゴルフをやらない人にとってなじみのないこの若洲ゴルフリンクスは、スポーツとしてゴルフの魅力を多くの人に体験してもらう機会を設けるのにふさわしい施設だと考えます。
 公営のゴルフ場である若洲ゴルフリンクスにおいて、より多くの方が利用しやすくなるよう取り組むとともに、ゴルフをやらない方でも楽しめる機会を提供していただきたい。
 どのような取組を行っているか、伺います。

○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスでは、指定管理者におきまして、より多くの方にプレーしていただけるよう、夕方の時間帯を活用した薄暮プレーの実施など、利用者ニーズに対応したプレー機会の拡大を図ってまいりました。
 また、今回の指定管理者候補者の選定に当たりましては、利用者アンケートの結果も踏まえ、子育て世代にも利用しやすくなるよう、託児室の設置について提案がされております。
 加えて、ゴルフをやらない方にもゴルフ場を楽しんでいただけるよう、一般開放デーとして、緑豊かな景観の中、ゴルフコースの地形を活用した芝滑りや、子供や初心者でも簡単にプレーできるスナッグゴルフなど、親子で楽しめるイベントを開催しております。
 引き続き、多様なニーズに対応しながら、より多くの方に利用していただけるよう、指定管理者と連携して取り組んでまいります。

○慶野委員 今ご答弁していただきましたけれども、満足度の高い施設になるような取組を様々行っている、こういうお話でした。
 現在、年に一回実施されている一般開放デー、これは毎回大盛況で、三千人もの方が家族で、親子で訪れていると。なかなかお子さん方はゴルフ場を駆け回る機会なんかないですし、資料を確認させていただきましたけれども、芝生の勾配を使って、あの広いゴルフ場で芝滑り。まあ子供は楽しいだろうなと。お父さんだけがいつも行っているところに一緒に入っていって、池があり山があり砂があり、あのバンカー、本当はプレーヤーからすると忌ま忌ましいエリアなんでしょうけれども、そこに家族で入って砂遊びをするような機会、これは状況を逆手に取ったいいアイデア。
 こういうことをしながら、あまたあるゴルフ場の中でも、たまたま近くにあるからというだけの理由ではなくて、指定管理者のアイデアやこうした努力の積み重ねによって、多くの人が家族連れでも訪れるような、そういう施設に今なってきたと。
 ご家族と行ったことのあるあの施設、だから、お父さんもあるとき、お母さんも含めて、ちょっともう一度あそに行ってくるからねというと、そんなに後ろめたさなく行くことができるのかなと想像します。
 こうしたいいアイデアと私は表現させてもらいましたけれども、一般開放デーのような利用者の裾野を広げる取組、これをさらに拡充して、新しいアイデアでさらに多くの都民が海上公園に親しむ、若洲リンクスに親しめる、こういう取組をしていただきたいと思いますけれども、見解を求めます。

○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスの一般開放デーは、ゴルフ場を公園として一般都民に開放し、緑あふれる海辺の景観を楽しみながら、ゴルフ場を身近に感じていただけるイベントとして実施をされております。
 毎年、家族連れなど多くの方々にご来園いただいており、理事の発言にもございましたけれども、今年度は三千人を超える参加者がありました。
 今後とも利用者の声を踏まえながら、公園施設を多くの方に身近に感じていただけるよう、指定管理者と連携して取り組んでまいります。

○上田委員 混雑が心配される若洲ゴルフリンクスですけれども、シーサイドパークグループで運営を担ってきましたが、予約困難であるにもかかわらず、特定の利用者、団体が優先的に予約が取れる状況について長年指摘をし、令和五年七月からウェブ受付及び抽せん制を導入、公平性と透明性の確保に努めていることを確認してきたものの、江東区の特定団体が、この改善で解消されたはずの複数利用している点を事務事業で指摘したところでございます。また同様の指定管理者に再指定しますことから確認をいたします。
 まず、今後の指定管理期間において、予約受付の混雑緩和や利用者サービスの向上のために計画している全般的かつ具体的施策をお示しください。

○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスの利用に関しましては、令和五年に電話による先着受付からウェブ抽せん予約へと移行し、利用の公平性を確保しております。
 指定管理者候補者からは、利用者がいつでも手軽に問合せできるよう、ホームページに自動応答チャットツールを設定するなど、より質の高いサービスの提供が可能となるような提案がございました。

○上田委員 新しいチャットツールの設定の提案があったということでございます。
 私が指摘してきたような特定団体あるいは個人への便宜、忖度、恣意的運用、活用を排除し、公平性を担保する取組をどうするか、今回、新規契約において、どうその取組を引き継ぐのか、これまでの運営における予約システムの課題と、さらなる改善策を伺います。

○若林臨海開発部長 利用者が予約をする際に必要となる登録情報、いわゆるアカウントの登録に当たりまして、指定管理者が身分証明書により本人確認を行っており、適正に管理をされております。
 また、同じ月に同じグループが複数回利用できないことにつきましては、予約確定後に登録される名簿で参加者の確認を行っており、厳正に対応をしております。

○上田委員 参加者を確認するということですが、実際にあった事例として、別名をかたる事実上の同一団体の重複登録をどう排除するのか、伺います。

○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスの適正な利用につきましては、申込みのルールを含め継続的に改善を行うことにより公平性と透明性を確保しており、引き続き適切に対応してまいります。

○上田委員 新たに指定を決定した管理者として、利用者からの苦情や要望を適切に把握し、迅速かつ誠実に対応するための整備、公正公明な運営を確保し、都民の信頼を得るために最も重視する点と、都として指定管理者に求める具体的な取組を伺います。

○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスにつきましては、公営ゴルフ場として、園内の適切な維持管理と、予約から精算までのスムーズかつ公正な運営が重要でございます。
 また、利用者の多様なニーズに応えるため、提案では、これまで実施しているお客様満足度調査に加え、今後は、利用者などから直接声を聞く機会を設けるなど、満足度向上につながる取組を行うこととしております。

○上田委員 改善の進捗が確認できました。開かれた場として様々な提案も、ほかの委員の方の確認によりまして確認させていただいたので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 葛西海浜公園パートナーズに、この海浜公園は再指定ということです。
 葛西海浜公園は、多くの渡り鳥や多様な生き物の生息地として重要であり、国際的にもラムサール条約湿地に登録されています。私の地元ですね。
 ビジターセンターは情報発信や利用者の活動拠点として整備される予定ですが、巨額の費用をかけて再整備される臨海水族園、また、もう既にある鳥類園ウオッチングセンターなど類似施設の必要性について、さきの事務事業質疑で確認させていただいたところでございます。
 葛西海浜公園全体の意義やグランドデザインの観点から、どう今後、指定管理者と都はこの点を共有し、意義あるビジターセンター及び公園運営を構築していくのか、改めて所見を伺います。

○若林臨海開発部長 葛西海浜公園には、毎年、多くの渡り鳥が飛来するほか、多種多様な生き物が生息しており、公園はそれらを支える場として重要な役割を担っております。
 また、国際的にも重要な湿地であることが認められ、平成三十年に、都内で初めてラムサール条約湿地に登録されました。
 ビジターセンターは、情報発信や公園での利用者の活動に資する拠点でありまして、引き続き利便性の高い施設となるよう整備を行うとともに、指定管理者と連携して公園運営に取り組んでまいります。

○上田委員 そうですね、葛西の海は、本当に昔は海水浴場でにぎわったところで、地域住民と、そして代々の港湾局のご協力によりまして、代々の担当の方が--泳げる海となりまして、夏は本当に、子供連れの地元の人から、東京全体から遊びに来る場所となっておりますので、恐らく泳いでみたりとか、海に直接触れて遊ぶ場合もこのビジターセンターを有効活用していただきたいと思いますので、既に地域の声を大分聞いてくださっているとは思いますけれども、引き続き、声を受け止めた、みんなに有効活用されるものとなることを期待するものです。
 ちょっといろいろと設計が変わったりとかしたので、それについての情報提供も求めていくところです。
 八丈島空港です。
 十一月三十日、十二月一日と八丈島の現地視察に行き、現地の様々なお立場の島民の皆様からお話を伺いました。空港についても、こもごもご意見が届いております。
 空港内には、どこの空港にも見かけるレンタカー受付のカウンターがなかったのですが、観光地としてどうなのかなと思ったので、ちょっと経緯を聞かせてください。
 なお、今後お尋ねしていきますが、カウンターをつくるとなるとコストがかかるというものでしたら、もしかしたら二の足を踏んでいるかもしれませんので、もしカウンターを使った場合、賃料など発生するのかもお願いします。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 八丈島のレンタカー事業者は、基本的に空港へ送迎を行い、島内にある事務所で車の引渡しと返却を行っていると聞いてございます。
 なお、八丈島空港では、定期便の到着に合わせまして、観光協会がターミナル内に設置した観光案内窓口でレンタカーの紹介と案内を行ってございます。
 また、空港内に何らかの設備を設け営業を行う場合は、施設所有者である八丈島空港ターミナルビル株式会社との有償契約になります。

○上田委員 レンタカー業者は、人手不足の結果、そのレンタカーなんですけれども、有償になるということで、コストもかかるので二の足を踏んでいるのかもしれませんが、レンタカーの貸出車両や返却の際に空港駐車場を利用されている事態も発生しているようで、駐車スペースを占有してしまうことも課題のようです。
 駐車場料金が無料であるため、あらかじめ必要台数を空港に運んだり、空港乗り捨て可とし、その後、車両を引き取る状況も仄聞しております。
 であれば、あらかじめ事業者向けに月ぎめ枠を設けたりすることで、正々堂々と営業に活用していただけるのがよろしいのではないかと思いますので、現状をまず把握しているのか、月ぎめの検討はする予定はあるのか、もし月ぎめとした場合、発生する駐車料金はどの程度であるか、伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 空港駐車場は公の施設であり、多くの空港利用者の円滑な移動のために無料で開放しており、空港駐車場でのレンタカー車両の受渡し、返却を禁止してございます。
 なお、八丈町や観光協会からは、お尋ねの要望は現在受けておりません。

○上田委員 要望は受けていない。私の聞いたことは何だったんだろうかという感じですが、ご承知のとおり、いまだ八丈島の台風被害の対応対策、復興は道半ばにあります。
 台風に見舞われて、特にこの十月、十一月は、本来、団体旅行客シーズンでかなりのお土産品が動く時期ですが、今年は当然、全く最低の売上げで、このまま家賃を支払って居続けると撤退しなくてはならないとお困りのようです。
 売店は三店舗とレストランがありますが、テナント料などご負担になっていないのか、懸念するところです。
 そもそも八丈島には、島の特産品産業に対して、一次や二次加工の工場生産ラインがほとんどないため、お土産は本土のOEM等でつくられる場合が多く、お土産商品のほとんどが本土からやってくる場合もあります。当然、仕入れ値は上がり、さらに輸送コストが上乗せされてしまい、利益薄ともいえます。
 島と区部、三多摩地区では経済環境も違い、同じ賃料、テナント料基準では商売もままならないものと思料いたします。
 こうした背景の考え方、これまでのテナント料金の設定とテナントの皆様のご要望などはどうであったのか、台風被害後の声などは受け止めているのか、現状を伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 八丈島空港の指定管理は、空港制限区域内の諸施設や滑走路等の航空保安に関する業務でございます。
 お尋ねの空港ターミナル自体は、八丈島空港ターミナルビル株式会社の所有施設となっているため、ターミナルの施設管理やテナントの管理に関することは指定管理外の事項でございます。
 なお、入居しているテナントは、レストランを除き、八丈島空港ターミナルビル株式会社との賃貸借契約になってございまして、同社によると、テナントから被災後の賃料等について特段の意見は受けていないと伺っております。

○上田委員 テナントから特段の意見は、八丈島空港ターミナルビル株式会社は受けていないといっているんですが、都も出資しているTOKYO MXの堀潤さんの番組、ライブジャンクションですね、こちら十一月だったと思うので最初の方だったと思うんですけれども、お土産店の経営者にインタビューをして、非常にお困りだということ、もう商売上がったりだと。くさやなんかは現地で取れているんですけれども、それももう、今、入荷が厳しくなっているということはMXの取材でも明らかになっているので、やっぱりちょっと、こうしたアウトリーチをしてあげてほしいなと思います。
 また、空港のレストランのオープンが遅く、クローズの時間が早いという指摘も耳にしました。
 コロナ前は、空港オープンの七時四十五分から五時まで営業しておりましたが、それ以降、人手不足もあるんでしょうが、現在は十時から四時までで、朝一番の飛行機到着時はクローズしております。早朝の朝一番で到着するお客様は、羽田空港で食べる余裕すらなく搭乗するため、八時半到着時にご朝食を召し上がりたいという声も聞こえてきます。
 島の玄関口らしく、しっかりと人員を確保されて、オープン、クローズまで営業してほしいと考えるものですし、今回の選定理由には、空港の活性化を通じて八丈島全体の活性化に貢献することを目指すとしていますことから、これまで、どう指定管理業者とこの点を決め、指定更新後、どうレストラン運営をしていくのか、伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 八丈島の空港ターミナル内のレストランは、八丈島空港ターミナルビル株式会社が自社事業として直接運営しており、現時点で従業員の確保が可能な営業時間としているところでございます。
 なお、現在のところ、七時四十五分から九時までの間、同レストランはフリースペースとして開放されておりまして、同社がコーヒーなどを無料提供しております。

○上田委員 繁忙期はちょっと検討していただきたいなというふうに思った次第です。
 店舗とレストランの状況を確認しました。
 同じく選定理由として、活気ある空港づくりと八丈島の産業のアピールが期待できる内容を計画しているとのことですが、台風被害による産業振興は待ったなしですし、そのためにこそ観光客を一日も早く取り戻していかねばなりません。
 平時の計画では真の復興も困難でありますことから、当然、計画の変更も不可欠です。
 空港全体の果たす役割は大きいことから、今後、テナントや旅行客の要望や、島民の需要を受けてどう改善し、八丈島の産業振興と活性化に寄与をしていくのか、伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 八丈島空港は防災上重要な輸送拠点でございまして、今回の被災時にも、台風二十二号が通過した翌十月十日から、支援物資の空輸や人的支援の拠点として機能してございます。
 また、平時には、指定管理者として航空保安の維持に努めることはもちろん、支庁や地元、空港関係者と連携し、空の日など空港でのイベント開催による地域交流の活性化や島内観光の情報発信に努めているところでございます。
 都は、今後も、地元などの意見を聞き、開かれた空港となるよう指定管理者と連携してまいります。

○上田委員 指定管理者には忌憚なく、各テナント及び島民や、また観光協会もありますから、声を聞いて、ヒアリングをして、新しく、またリフレッシュして気持ちも一新したこの更新に取り組んでいただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○大山委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百七十四号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○阿部総務部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料のうち、まず、ご説明申し上げますのは契約議案に係るものでございます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次の項目1につきましてご説明を申し上げます。
 一ページをご覧ください。東京都農林総合研究センター青梅庁舎(七)本館ほか改築工事契約締結に係る入札参加条件と入札参加可能事業者数及び辞退理由、低入札者への聴取の日時と内容を一ページと二ページに記載してございます。
 以上で契約議案に係る要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 青梅畜産センターの工事契約についてです。
 資料によれば二回入札があり、三百四十八者入札可能参加者があったにもかかわらず、株式会社上滝は配置予定技術者の配置が困難になったため、田中建設は予算超過が見込まれたため、松村組は見積金額が当初見込みより過大となったためという辞退者があった後、新日本工業に決定したようです。
 まず、この経緯についてご説明ください。

○榎園農林水産部長 本件の契約につきましては、財務局の定める手続により一般競争入札を行ってございます。
 本年八月に入札公告兼入札説明書を公表し、入札参加者を募ったところ、五者から入札に係る申請がございました。このうち期限までに入札書を提出したのが二者であり、残りの三者が辞退となりました。
 第一回目の入札では、予定価格を下回った入札者が一者ありましたが、積算内訳書不備のため無効となりました。そのため、第二回目の入札が行われ、落札事業者が決定したところでございます。
 なお、二回目の入札につきましては、一回目の入札を辞退した三者及び一回目の入札で無効となった一者が参加できないことから、最終的に落札することとなる一者による入札となったものでございます。

○上田委員 法令など手続に基づき行っていることは承知していますが、適正価格かつ適正な質の担保ができていたのか、確認をいたします。

○榎園農林水産部長 工事契約においては、適切な予定価格及び調査基準価格の設定や、事業者の等級、施工実績に関する入札条件を付すことで、適正な価格及び工事の質を確保する仕組みとなってございます。

○上田委員 二回入札を行われてご苦労がしのばれるということで、しっかりと工事を請け負ってやっていただけるものと評価をしたいと思います。
 以上です。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○大山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百五十四号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第二百六十八号議案、第二百九十七号議案から第二百九十九号議案まで及び第三百二十四号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分を一括して議題といたします。
 本案のうち、追加提出されました第三百二十四号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分について理事者の説明を求めます。

○田中産業労働局長 令和七年第四回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の令和七年度補正予算案の追加分一件につきまして、概要をご説明申し上げます。
 都はこれまでも、物価高騰の影響を受けている事業者への支援や、中小企業の賃上げ、生産性向上につながる取組へのサポートを実施してまいりました。しかし、依然として長引く物価高騰の影響に対しては、事業者へのさらなる支援を進めることが必要でございます。
 このため、今回の補正予算では、都内事業者の負担軽減を図ると同時に、中小企業の賃上げや生産性向上の後押しに向けまして、国の重点支援地方交付金も活用し、必要な対策を迅速に講じるための予算と繰越明許費を計上するものでございます。
 以上で第四回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、案件の詳細につきましては、総務部長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○阿部総務部長 令和七年度一般会計の補正予算案の追加分についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和七年度一般会計補正予算説明書(追加分)をご覧ください。
 本補正予算案は、去る十一月二十八日に本委員会でご説明いたしました令和七年度一般会計の補正予算案の内容に追加して計上するものでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
 今回の歳出の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり、六十四億七千六百四十七万三千円でございます。
 三ページをご覧ください。歳入の説明でございます。
 3、国庫支出金の補正予算額は六十四億七千六百四十七万三千円でございます。
 これは、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
 六ページをご覧ください。歳出の説明でございます。
 1、中小企業対策の補正予算額は五十三億六千六百四十五万円でございます。
 その下段、1、技術支援は四十五億六千六百四十五万円を計上しております。
 これは、ページ右側説明欄にございます1、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業について、中小企業が競争力の強化やDXの推進、イノベーションの創出などを目指す際に必要となる設備等を導入し、賃上げにつなげる取組への支援について規模を拡充するものでございます。
 その下段、2、総合的支援は八億円を計上しております。
 これは、ページ右側説明欄にございます1、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業について、賃上げを条件に、生産性の向上等に向けて、中小企業が自ら作成した事業計画に基づき実施する高性能な機器、設備の導入等の取組に係る経費の一部を支援するコースを追加するものでございます。
 次に、2、産業・エネルギー対策の補正予算額は十一億一千二万三千円でございます。
 これは、ページ右側説明欄にございます1、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業について、特別高圧電力や工業用LPガスを利用する中小企業者の負担軽減に向けた緊急対策として支援金を支給するものでございます。
 次に、繰越明許費でございます。
 九ページをご覧ください。年度内に事業が完了しないことが予想されるものにつきまして、1、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業で十一億一千二万三千円を計上しております。
 以上で令和七年度一般会計の補正予算案の追加分に関する説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 その他の議案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○阿部総務部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次の項目2から7につきましてご説明申し上げます。
 三ページをご覧ください。台風第二十二号、第二十三号による被災被害想定額を自治体別、産業種別にお示ししてございます。
 四ページをご覧ください。都内企業における男女別の賃金格差及び都内企業における女性管理職の比率を企業規模別に、都内における非正規雇用率を男女別に、それぞれ過去五年間の推移をお示ししてございます。
 五ページをご覧ください。条例策定に当たって参考とした女性の活躍を促進するための検討部会の主な意見を五ページと六ページにお示しをしてございます。
 七ページをご覧ください。令和七年四定補正予算案(台風第二十二号・第二十三号関連)提出決定に至る経緯及び積算根拠等を、事業別に七ページから一一ページにお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○両角委員 初めに、本年十月、八丈島や青ヶ島に甚大な被害をもたらした台風二十二号、二十三号への対応について伺います。
 島内では、生活インフラを中心に着実に復旧が進んでいるようでありますけれども、道半ばの状況も至るところで見られるというふうに感じております。
 こうした産業の復旧、復興については、私からは先月の事務事業質疑におきまして、また、さきの我が会派の代表質問においてもお尋ねをさせていただきましたが、より具体的な取組などについて確認をしていきたいと思います。
 まず、農業分野についてお伺いをいたします。
 今回の台風被害では、農業の生産現場でも大きな影響を受けているわけでございます。
 例えば、農道では倒木等によりアクセスが寸断をされ、農地にたどり着くことができない場所も多くあったとお聞きをしております。
 自分の畑の状況が確認できず、不安な日々を過ごした農業者も多くいたと思いますけれども、そうした方々に寄り添うためにも、まずは被害を受けた農業インフラの応急的、緊急的な復旧工事が重要と考えますが、その実施状況について伺います。

○榎園農林水産部長 都は、倒木被害により通行が寸断された農道五路線のうち、地元自治体と協議の上、現地の方々による障害物の除去ができなかった一路線を、災害復旧事業に基づく応急的な復旧工事の対象地区として選定いたしました。
 選定した一路線につきましては、直ちに地元事業者と契約を締結するとともに、工事を開始し、六十八本の倒木撤去などにより、農業者が農地へアクセスできるようにいたしました。
 引き続き、現場と連携しながらニーズを踏まえた復旧支援を推進してまいります。

○両角委員 今回の台風被害に対して迅速に対応し、応急復旧工事を実施したということを確認することができました。
 しかし、いまだに斜面の崩落により通行止めとなっている農道や、土砂の流入により営農再開が見込めない農地があるなど、完全な復旧は道半ばの状況であります。
 事務事業質疑において、私からは台風被害を受けた農業の復旧に向けた支援を行うべきである旨の主張をいたしましたが、これに対し、局からは、甚大な被害が発生した農業基盤施設について、本格的な復旧に向けた取組を進めていく旨の答弁がありました。
 復旧に当たっては、予算の確保だけではなく、人の確保も課題となっており、両輪での支援が必要だと思います。
 こうした農業インフラをはじめ、台風によって被害を受けた農業の復旧に向けた具体的な支援と、その実効性を担保する取組について伺います。

○榎園農林水産部長 現地では、倒れた樹木を植え替え、新たに苗を作付するなど、前向きな動きも出てきてございます。
 こうした現場の状況を踏まえ、都は、植物の塩害や風害を軽減するための対策や、樹勢を回復するための栽培指導など、きめ細やかな支援を行っております。
 また、施設に影響があり、復旧が十分に進まない農業者に対して、早期の営農再開を促すため、栽培施設等の修繕に必要な被覆資材や遮光ネットなどの購入費用に対する補助率を四分の三から五分の四に引き上げました。
 さらに、島全体の農業の本格的な復旧に不可欠なインフラである農道や農業用水路など、二十五か所の機能回復につきましては、町村が行う復旧工事を支援するため、約二億円を補正予算案に計上いたしました。
 なお、資材や人材の確保についてでございますが、栽培施設の復旧については、早い段階から農協等に対し、資材の円滑な調達や職人の確保要請を行いました。
 また、インフラ復旧工事に関しては、内地から職人を確保する必要があるなど、島しょの実情に合わせた単価を用いて適切な予算額を計上してございます。
 これらの取組により実効性を高め、本格的な復旧を推進してまいります。

○両角委員 復旧のフェーズに応じた取組を的確に講じているというふうに感じることができました。引き続き、農業者等の現場ニーズを丁寧に聞きながら、ソフト、ハード両面からの支援をスピード感を持って全力で取り組んでいただくよう要望いたします。
 次に、災害復旧資金融資について伺います。
 台風二十二号、二十三号は、八丈島、青ヶ島の中小企業にも深刻な被害をもたらしました。
 我が会派では、先日、台風被害に係る事業者向け融資の利子補給の緊急要望書を提出し、事務事業質疑においても、私から、差し迫った現地の事業者の資金繰りを下支えする取組を要望したところでもあります。
 そこで、今回の補正予算案で実施をする災害復旧資金融資の具体的な支援内容について伺います。

○原金融部長 都の制度融資では、台風の被害を受けた中小企業の資金繰りを支えるため、災害復旧資金融資のメニューにおいて、都が信用保証料を全額補助するとともに、補助対象となる利子の三分の二を補給し、災害からの復旧を支援します。利子補給につきましては、町村が三分の一を負担することで、実質無利子の融資となります。
 事業者の返済負担の軽減を図る観点から、融資期間は、制度融資で最長の十五年に設定しています。
 また、激甚災害に指定されたことから、台風による罹災証明を受けている事業者は、売上状況にかかわらず、既存債務とは別枠での資金調達が可能となります。
 都は、こうした金融支援策により、台風の被害を受けた中小企業が早急に事業を再建できるよう、強力に後押ししてまいります。

○両角委員 今回の台風については、被害が著しい八丈町が利子補給を検討していると伺っております。災害復旧資金融資が、利子補給や融資期間など、手厚い内容となっていることを確認することができました。島の復旧、復興に向けて、引き続き中小企業への資金繰りをしっかりと下支えする取組を要望いたします。
 続いて、観光産業について伺います。
 島の主な産業である観光の早期復旧は、災害からの復興を進めていく上で必要不可欠なことであります。
 私からは、被災した観光施設の計画的な復旧を進めるとともに、災害で失った観光需要を取り戻すための支援を打ち出すべきであると申し上げたところであります。都はこれを受け、今般の補正予算案において、島の観光産業の復興に向けた支援策を計上していただいております。
 従来から、島しょ観光の振興に向けて、しまぽ通貨など様々な取組を進めていただいておりますが、こうした取組と相まって、早期に効果が発現されることが重要だと思います。
 今後は、八丈島、青ヶ島に多くの観光客を呼び込むために、工夫を凝らして効果的な支援を実施すべきだと思いますが、都の具体的な取組内容について伺います。

○江村観光部長 都は、台風により被災した八丈島と青ヶ島の観光産業の回復に向け、ハード、ソフト両面からの支援を実施いたします。
 具体的には、被害を受けた町村の観光施設等の復旧に向け、町村が実施する調査や修繕などの取組に対しまして、二千万円を上限として必要な経費の二分の一を助成いたします。
 また、島への誘客を促進するため、旅行会社と連携してツアーや宿泊プランの割引を実施し、宿泊プランについては、しまぽ通貨との併用が可能な仕組みとすることで、旅行者のさらなる負担軽減につなげます。
 加えて、特産品の販売や観光情報の提供などを通じて島の魅力をPRするイベントを実施するほか、島のPR映像をウェブサイト等を通じて広く発信いたします。
 これらの取組によりまして、八丈島と青ヶ島の観光産業の復興を後押ししてまいります。

○両角委員 八丈島では断水もほぼ解消をされ、温泉施設も営業を再開するなど、旅行者を受け入れる環境が戻ってきたというふうにお聞きをしております。これからいよいよ復興の局面を迎えることから、島の経済を立て直し、島民の皆さんの安定した生活を一刻も早く取り戻していかなくてはなりません。そのためにも、観光産業の復興を都がしっかりと支えていくことを要望させていただきます。
 最後に、雇用対策について伺います。
 補正予算案に計上されました雇用対策については、我が会派の代表質問でも取り上げ、局長から、速やかに事業を開始するとの答弁をいただきました。
 台風の影響は島の至るところで見られますが、中には建物の半分が猛烈な風で吹き飛ばされた事業者もいるなど、甚大な被害が出ております。
 一方で、島で暮らす従業員が今後も島に残り生活を続けるためには、事業を何とか立て直しつつ、雇用を維持できるような支援が欠かすことができません。
 都は、台風で被害に遭われた事業者に対し、雇用が継続できるよう支援の手を速やかに差し伸べる必要があると考えますが、具体的にどのような対策を講じているのか、伺います。

○新田雇用就業部長 都は、今般の台風で建物等に被害を受けた八丈町や青ヶ島村の事業者に対し、早期かつ安定的な事業の立ち上げを支援するため、一人当たり月三十万円を上限に給料等相当額の一部を補助する取組を行います。
 具体的には、対象事業者が従業員に対して支払った基本給や諸手当などの五分の四を補助し、被災した月に遡って十月支給分から来年三月支給分までを補助対象の期間といたします。
 また、仕事を辞めて島を離れた従業員が、島に戻り、再就職する場合の交通費についても補助の対象といたします。
 本事業につきましては、補正予算案の成立後、年内をめどに、現地において申請方法等に関する説明の機会を設けるとともに、補助金の申請受付を開始できるよう準備を進めてまいります。

○両角委員 被災された事業者に支援が行き届くよう、地元の自治体や商工団体などとも連携しながら取り組んでいただくよう要望いたします。
 以上、被害を受けた産業の復旧、復興に向けた各分野の取組について確認をさせていただきました。今後も、現地に寄り添い、一日も早い産業の再建を強力に行っていただくことを強く求め、私の質問を終わります。

○渋谷委員 それでは、補正予算について質問をいたします。
 都内の中小企業は、物価高騰、人手不足など、厳しい経営環境の中での事業運営を強いられています。このような状況を踏まえ、私たち都議会自民党は、先月、補正予算案の編成に向けた緊急要望を知事に提出いたしました。
 この厳しい局面を乗り切るためには、売上げが減少している企業や赤字から回復できていない企業においても継続的な成長が不可欠であり、新たな事業への挑戦などにより生産性の向上を促し、そこで生まれた利益を従業員の賃上げにつなげる必要があります。
 今般、私たちの求めに応じ、物価高騰と賃上げ、生産性向上に資する中小企業の設備導入支援のための補正予算案を提出されましたが、その具体的内容と周知方法について伺います。

○福田商工部長 都は、売上高の減少や損失を計上している中小企業が事業を発展させ、生産性を高める取組への支援において、専門家による助言を行うほか、その成果を計画的に賃上げにつなげた場合に、助成率を最大五分の四に引き上げております。
 このたびの補正予算案では、物価高騰の影響が続く中、中小企業の賃上げを確かなものにするため、計画的に賃金の引上げにつなげるコースを新設し、その支援規模を百件として八億円を計上いたしました。
 また、募集開始に先駆けまして、ホームページやSNS等による情報発信や金融機関などと連携した周知活動のほか、企業巡回によるプッシュ型広報や、これまでの本事業の活用事例を紹介するセミナーなどを行うことで中小企業への周知を強化してまいります。
 これらによりまして、中小企業の持続的な賃金引上げに向けた取組を後押ししてまいります。

○渋谷委員 今回の補正予算案により、都が中小企業の持続的な賃上げに結びつけるための取組を後押ししていることが確認できました。引き続き、多くの企業の生産性向上や賃上げにつながるよう、積極的に支援していくことを求めてまいります。
 本年十月、八丈島、青ヶ島を襲った台風により、両島の農林水産業は十七億円を超える被害を受けました。
 都は、農業や漁業の再建をするための支援に既に着手しているところですが、壊れた設備の補修や撤去、新たな施設の設置など、復旧には膨大な資金が必要であり、復旧までの期間が長引けば、廃業を考える農業者や漁業者が出てきてしまうおそれがあります。
 また、伊豆諸島は台風の常襲地帯といえます。
 私は、先月の事務事業質疑において、より強い農業を構築していくべきと訴えたところです。これは漁業についても同様であり、こうした視点も踏まえ、改めて、八丈島や青ヶ島で台風被害を受けた農業や漁業に対する都の支援について具体的な取組を伺います。

○榎園農林水産部長 台風発災直後から、都は、農業や漁業の被害の実態調査を行うほか、関係者から意見を聞くなどしてニーズの把握を行ってまいりました。
 こうしたことを踏まえ、農業については、営農継続のために必要な資材の購入に対して、発災直後まで遡って利用可能な支援を開始しているところでございます。
 さらに、被災したパイプハウス等を再建する際、施設の撤去に加え、以前より強い施設につくり替えるための経費を補助率五分の四で支援するため、約二億四千万円を補正予算案に計上したところでございます。
 また、漁業については、被害を受けた漁業協同組合の冷凍冷蔵施設、製氷貯氷施設等の解体撤去や、施設のレジリエンスを高める補修及び整備に関わる経費に対して、補助率を五分の四とする支援を開始いたしました。
 これにより、台風被害のあった地域の農業、漁業の強靱化を図ってまいります。

○渋谷委員 私が求めてきました島しょ地域の農林水産業の強化につながる支援がされていることが確認できました。支援の効果が現れるよう、現地での引き続きの積極的なサポートをお願いいたします。
 台風二十二号、二十三号は、八丈島、青ヶ島に深刻な被害をもたらしました。島の事業者からは、建物の屋根などが飛ばされてしまい営業ができない、もう廃業するしかないといった悲痛な声や、スーパーマーケットや飲食店などの施設も被害を受けたことにより、島民の生活にも影響が出ています。
 本定例会における我が会派の、現地の実情に寄り添った支援を行うべきという代表質問に対し、都からは、国の制度を活用しながら都独自の支援を実施するとの答弁がありました。
 被災した事業者の建物などの復旧を速やかに進めていく必要がありますが、今後の具体的な都の取組について伺います。

○福田商工部長 今回の台風により多くの中小企業が深刻な被害を受けており、一日も早い再建を進める必要がございます。
 このため、都は、被災した事業者の建物や設備の復旧に必要となる経費につきまして、島しょの実情等を踏まえ、国の制度に上乗せして補助率五分の四で五千万円を上限に助成いたします。
 既に事業者が復旧のための工事等に着手している場合であっても、発災日以降の取組を対象とする予定でございます。また、甚大な被害を受けた事業者も確認されていることから、来年度も支援を継続することとしております。
 年内には、補助金の申請受付を開始するとともに、八丈町での説明会や個別相談会を開催するなど、速やかな対応を図ってまいります。

○渋谷委員 被害を受けた中小企業が置かれている状況は厳しく、復旧に向けて一日も早い支援が求められています。
 被害を受けた事業者が危機を乗り越え、事業者が速やかな復旧を成し遂げるためには、被災前の姿を取り戻すことが先決ですが、この困難を糧に島の産業がさらに発展するように、その先の復興を見据えた後押しが必要です。
 そこで、都は、復旧をきっかけとして復興に取り組む事業者に対し、具体的にどのような支援を実施していくのか、伺います。

○福田商工部長 都は、独自に、被災した事業者の建物や設備の復旧と併せて、経営力の強化に要する経費も対象に支援いたします。
 具体的には、被災した事業者が取り組む建物の防災力向上や生産性向上に向けた機械設備の導入、売上げの回復を目指して行う新たな事業分野への転換などに係る経費について助成を行います。
 こうした支援によりまして、被災した事業者の経営の発展を後押ししてまいります。

○渋谷委員 復旧はゴールではなく、復興こそが本当のスタートだといえます。引き続き、被災事業者の声を受け止め、復旧から復興へとつながるような支援を着実かつスピード感を持って実施していくことを求めて、次の質問に移ります。
 十一月十八日の事務事業質疑において、台風二十二号、二十三号による被害を受けた事業者の復旧、復興に向けた資金繰り支援の質問を行った際、島の被害は甚大であり、令和元年の台風被害で対応を行った利子補給に加え、より一層の支援を要望いたしました。
 今回の補正予算案は、こうした状況を踏まえ編成されたものと考えますが、これまでの災害復旧資金融資の支援とどう違うのか、伺います。

○原金融部長 都は、制度融資の災害復旧資金融資メニューにおいて、台風第二十二号、第二十三号による被害を受けた中小企業が事業の復旧に必要な資金を円滑に調達できるよう、信用保証料の全額補助に加え、今回の補正予算案で利子補給等に要する経費を計上しています。
 これまでの災害時の融資条件と比較し、建設資材高騰などの影響も踏まえ、三分の二の利子補給の対象となる融資上限額を一億円から一億五千万円に拡充するほか、災害復旧に要する期間も考慮し、元金の据置期間を最長一年から二年に延長しています。
 また、本融資は、復旧に向けた新規の借入れに加え、既存債務の借換えが可能であり、利子補給対象の融資上限額の拡充により事業者の返済負担の軽減も図っております。
 こうした取組により、今回の台風の被害を受けた中小企業の資金繰りに万全を期してまいります。

○渋谷委員 島の現状や事業者ニーズを踏まえた内容が今回の補正予算案に反映されていることが確認できました。
 中小企業は地域経済を支える重要な存在であり、復旧、復興に向けては、待ったなしの対応が求められます。災害復旧資金融資による支援を迅速に中小企業へ届けていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正です。
 第二百五十四号議案、補正予算中の産業労働局所管分について質問させていただきます。
 台風二十二号、二十三号の被害発生後、私どもの会派では、十月二十七日に八丈島を視察し、島の皆様から被害の実情と要望をお聞きして、十月二十九日、十一月十八日の二回にわたり、知事宛てに要望書を提出し、事業再建支援、利子補給、観光復興、事業継続の下支え等を求めました。今回の補正予算は、会派の要望に従うものであって、積極的に評価をさせていただきます。
 台風二十二号、二十三号は、多くの事業者の経営基盤に大きなダメージを与えました。今回の補正予算がその被害状況に対応したものになっていることを確認する視点から質問させていただきます。
 まず、中小企業対策、経営安定支援として行われる地域企業再建支援事業の百四十事業者、二十一億五千八百十四万円の算定根拠について、八丈島、青ヶ島のそれぞれにおける建物、設備等の被害状況と併せて伺います。

○福田商工部長 都は、被災直後より、八丈支庁などを通じまして現地の被害状況を把握するとともに、職員を現地に派遣し、事業者等から被害の聞き取りを行っております。
 具体的には、八丈町が約二十一億六千万円、青ヶ島村が約六千万円でございます。
 予算の積算に当たっては、これらにより把握した被害の状況などを踏まえまして、必要な経費を計上しております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 建物、機械設備等について、二島合わせて約二十二億二千万円の損害を見積もって、復旧経費の補助率五分の四、補助上限額五千万円の支援を行う事業ということですけれども、復旧、復興支援の対象となる建物、設備等について、復旧に要する期間の見込み、また、台風前の生産力回復に要する期間の見込みを伺います。

○福田商工部長 甚大な被害を受けた事業者も確認されており、復旧には相当の期間を要するものもあると見込まれます。
 来年度も支援を継続するために、令和八年度繰越明許費を計上しております。

○三雲委員 ありがとうございます。
 次に、農業水産対策、農業経営の安定として行われる山村・離島振興施設整備事業の百件、二億四千万円の算定根拠について、八丈島、青ヶ島のそれぞれにおける農業用施設の被害状況と併せて伺います。

○榎園農林水産部長 都は、地元自治体等と連携しながら農業被害の調査を行い、八丈島で三百四十二件、青ヶ島で三十一件の栽培施設への被害等を確認しました。このうち被害の軽微な施設につきましては、既に開始している農業復旧のための緊急支援によりサポートしてございます。
 今回、被害の大きな施設百件につきまして、再建への支援に係る経費について、これまでの島しょ地域における栽培施設の設置費等を踏まえて算出し、補正予算案に計上いたしました。

○三雲委員 ありがとうございます。栽培施設について、二島合わせて百件を対象として、補助率五分の四の支援を行う、全体で約三億円程度の損害を見積もっているものと理解いたしました。
 農業関係では、栽培施設以外の農業施設や農地そのものにも被害が発生しています。
 農林水産対策、農林災害復旧として行われる農地及び農業用施設災害復旧事業費二億一千三百七十五万円と、基盤整備促進事業である三根河尻水路改修費補助の繰越明許費四千二十四万五千円の算定根拠について、八丈島、青ヶ島のそれぞれにおける農地、農業用施設及び水路の被害状況と併せて伺います。

○榎園農林水産部長 被害状況につきましては、八丈島が、農地二十か所、約一億円、農業用施設四か所、約二億円でございまして、青ヶ島は、農業用施設一か所、約五百万円となってございます。その復旧等の支援に必要な経費を東京都積算基準などにより算出し、約二億円を補正予算に計上いたしました。
 改修工事中の三根河尻水路につきましては、被害はなかったものの、台風被害の復旧工事を優先するため改修工事を中断したもので、残りの工事区間につきましては来年度に実施することとし、今年度の未執行額を令和八年度繰越明許費として補正予算案に計上いたしました。

○三雲委員 ありがとうございます。三根河尻については、台風による被害ではなくて、工事を中断したというところで繰越明許費として計上したということでございます。
 復旧、復興の支援の対象となる農地、農業用施設について、復旧に要する期間の見込み、また、台風前の生産力回復に要する期間の見込みを伺います。

○榎園農林水産部長 倒木により寸断された農道につきましては、現地の方々による障害物の除去や応急復旧工事による倒木撤去などにより、農業者が農地へアクセスできるようになりました。
 農地に流入した土砂の撤去や崩壊した農道の斜面などの本格復旧に当たっては、町による工事着工後、農地は二か月から三か月、農道は三か月から五か月程度で工事は完了する見込みでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。ここまで聞いてきて、商工業施設、設備とか農業関係について、いずれも相当の期間を要するということが分かってきているというふうに思います。
 その上で、建物、設備等や農業施設、農地等の復旧を支援するだけじゃなくて、損害を被った事業者の資金繰りを支える必要があると。
 そのことで、災害復旧資金融資等利子補給一億六千三百八十三万二千円の債務負担行為、これは補助対象利子の三分の二相当ということで、三十億円程度の融資を想定していると思われますが、その算定根拠をお伺いします。

○原金融部長 都では、被災直後より、八丈支庁等を通じて現地の災害状況を把握するとともに、職員を現地に派遣し、中小企業の被害の聞き取りを行っています。
 中小企業の被害の状況等を踏まえ、想定される融資額は一件当たり約一千六百万円、件数は約百七十件としています。

○三雲委員 次に、地域企業再建緊急特別雇用支援事業に関し、百二十事業者に対して八億四千五百六十万六千円を補助率五分の四、従業員一人当たり月額上限三十万円という形で支援する、その算定根拠についてお伺いします。

○新田雇用就業部長 都は、被災直後から、八丈支庁等を通じて現地の被害状況を把握するとともに、職員を現地に派遣し、事業者等から被害の聞き取りを行っております。
 予算の積算に当たりましては、これらにより把握した被害の状況や、島における従業員数などの雇用状況等を踏まえ、必要な経費を計上しております。

○三雲委員 ありがとうございます。この支援事業は、令和七年十月分から令和八年三月分の六か月間にわたって補助するというものです。
 他方で、先ほど来の質問で、様々な事業の復旧、復興には相当の期間を要するということが見込まれると伺ったばかりですけれども、令和八年四月以降もこの事業は継続をすべきでないかと考えますが、見解を伺います。

○新田雇用就業部長 都は、今般の台風で建物等に被害を受けた事業者に対し、早期かつ安定的な事業の立ち上げを支援するため、給料等相当額の一部を補助することとしております。
 来年三月支給分までを補助対象期間とし、補正予算案の成立後、本事業を速やかに開始できるよう進めてまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。速やかに進めていただくということについてお願いしたいと思いますけれども、そしてまた、来年度予算のことになるので今後検討していくことになると思いますけれども、他の事業について繰越明許費を計上する、そういった年度を超えた支援を想定していると。その中で、支援が切れて島の産業を支える働き手がいなくなるという事態が生じないよう、来年度についても配慮することを要望いたします。
 これまで質問してきた支援は、いずれも現地のニーズを捉えたものだと理解しておりますけれども、その一方で、私どもの会派からは、事業全般に活用可能な持続化給付金について提案をさせていただきました。
 復旧、復興に要する期間が長期化する場合、設備の復旧、整備費や人件費だけではない負担も課題となる可能性がございます。
 今後、状況を踏まえて、新たな支援を検討する必要が生じると思いますが、見解を伺います。

○阿部総務部長 今回の台風によって生じた被害は、八丈島、青ヶ島全体にわたり、様々な業種の事業活動に深刻な影響を及ぼしておりまして、一刻も早い復旧が必要と考えております。
 このため、都は、被害状況の迅速な把握に努めるとともに、復旧に向けた対策を速やかに講じてまいりました。一日も早い復旧、復興に向けて、これまで講じてきた対策に加えまして、今回の補正予算案では、被災された事業者の再建等を図る取組などに必要な予算等を計上しております。
 補正予算案成立後、多くの事業者に活用いただけますよう、事業ごとに対象となる中小企業や農業者等に対しまして、町村等とも連携して事業の周知を行うほか、早期の支援を開始できますよう準備を進めてまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。
 生産設備の復旧に係る経費の支援であるとか、従業員の給与に係る支援ではカバーし切れない資金ニーズもあるはずだと思います。資金繰り支援、先ほどお聞きしました。これも大事だと思いますけれども、事業者が借金を抱えて再出発するご苦労を考えると、もう一歩踏み込んだ支援もあり得るのではないかと思われます。
 一日も早い復旧、復興に向けて、現時点で考え得る支援を準備されたと理解しておりますけれども、今後の復旧、復興状況の推移と国の支援体制の状況を踏まえつつ、引き続き支援メニューについて検討していただくよう要望いたします。
 また、今回の台風の特徴、被災の特徴は、離島での復旧、復興が必要になっているということだと思います。復旧、復興資材の海上輸送コストは離島特有の問題です。本土よりも費用増が見込まれる。
 今後の状況次第では、輸送コスト増加見合いの支援を検討できないかと思いますけれども、見解を伺います。

○阿部総務部長 島しょの資材価格は、輸送コストを反映し、内地に比べ割高になっていることなど、島しょの実情に合わせて適切な予算額を計上し、中小企業や農業者等の速やかな事業再開を後押しするために補助率を五分の四としております。

○三雲委員 都の支援は、島しょ特有の輸送コストを考慮したものだということですけれども、経費の一定割合を補助する仕組みでは吸収し切れない部分も出るとも思われます。この点についても、今後の復旧、復興状況の推移と国の支援体制の状況を踏まえつつ、引き続き適切な支援策を検討していただきますよう要望いたします。
 最後に、八丈島等観光復興支援事業について伺います。
 八丈島等観光復興支援事業二億円の中には、旅行割引の実施等の観光キャンペーンが含まれています。
 八丈島では、三月にフリージアまつりが控えておりますけれども、どの程度の旅行客を見込んだ観光キャンペーンとなるのか、復旧、復興に要する資材輸送や人員の往来、宿泊と観光客の訪問等が重なることによる混乱は想定されないのか、見解を伺います。

○江村観光部長 都は、台風の被害により減少している八丈島と青ヶ島への旅行者の回復に向け、旅行会社と連携してツアーや宿泊プランの割引を実施いたします。
 この取組と併せて、特産品や観光情報等の島の魅力をPRするイベントなども実施いたします。
 本事業は、島の復興状況などを踏まえつつ実施していくこととしておりまして、町村や観光協会の意見を聞きながら適切に対応してまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。復旧、復興の進捗によっては、年度内は旅行者に対応する観光インフラの十分な復旧に至らない場合であるとか、あるいは多くの旅行者が訪れる状況に至らないということが考えられます。
 観光施設の復旧、整備支援や本土での島の特産品プロモーションなどの方法でも支援し、また、来年度以降も地元の声を反映した息の長い支援を継続するよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 まず、中小企業の設備投資による賃上げを支援する取組について伺います。
 物価高騰が長期化をし、都民生活や事業者の経営に深刻な影響を及ぼしています。物価高に対応するためには、企業の収益を増やし、そこで働く従業員に持続的に還元していくことが必要であります。
 そこで、我が会派は、機械装置の導入により生産性や競争力を高めた成果を賃上げにつなげる設備投資支援事業の重要性を繰り返し主張してまいりました。
 これに対して、第三回定例会の代表質問において、知事は、生産効率の高い設備を導入した賃上げ支援について強力に進めていくとの答弁がございました。
 そこで、この支援の内容について改めて伺うとともに、今年度の利用実績について伺います。

○大川商工施策担当部長 都は、中小企業が競争力を高め、さらなる発展につなげるために必要な最新設備等を導入する際の支援におきまして、設備投資の成果を計画的に賃上げにつなげる場合に、助成率を最大で五分の四に引き上げております。
 今年度は二回の募集を行うこととしておりまして、一回目の募集では、賃上げに取り組む二十六件を採択、約十五億円を交付決定し、二回目につきましては、採択に向けた準備を進めております。
 採択した案件の中には、プラスチック製品をつくる事業者が、高性能な加工機を導入し、顧客からの多様な要望に応える生産体制を整えることで受注拡大を図る事例などがあり、従業員の賃上げに結びつける取組を後押ししております。

○いいだ委員 生産性を向上させて収益を上げ続けることで実現する持続的な賃上げに多くの事業者が取り組もうとしており、この支援が中小企業の賃上げの後押しに効果的であることが分かりました。
 都は、今回の補正予算案で、物価高騰への対策としてこの支援の規模拡充をしていただいていますが、支援の概要と今後の進め方について伺います。

○大川商工施策担当部長 物価高騰の影響が続く中、中小企業の賃上げを確かなものとするために、このたびの補正予算案では、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業におきまして、計画的に賃金引上げにつなげる取組に対する支援規模を百件とし、約四十六億円を計上いたしました。
 本事業につきまして、中小企業がいち早く支援を利用できるよう、来月からの新たな募集に向けて準備を進めてまいります。
 また、募集開始に合わせまして、ホームページやSNS等による情報発信、金融機関等と連携した周知活動のほか、企業巡回によるプッシュ型広報を行うことで中小企業への周知を強化してまいります。
 これらにより、中小企業の持続的な賃金引上げを後押ししてまいります。

○いいだ委員 中小企業の賃上げを設備投資により後押しをするこの事業の予算を四十六億円拡充するとのことで、第一回の採択規模十五億円から計算すると約三倍の規模になり、多くの事業者による活用が見込まれています。来月からの募集開始に向けて、こうした告知等も含めてしっかりと準備を進めていただくことを要望させていただきます。
 続いて、雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例案について質問いたします。
 先日の我が会派の代表質問におきまして、条例の実効性の確保について質疑を行いましたが、都からは、今後、事業主の参考となる指針を示していくとの答弁がありました。指針策定はこれからとのことでありましたが、事業者の取組が進むよう、充実した内容としていただきたいというふうに思います。
 ところで、今回の条例案では、主体の一つとして経済団体も示されておりますが、都は経済団体に対してどのような役割を期待しているのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例案では、企業に対しまして女性が活躍できる環境整備を求めておりますが、人員体制やノウハウの不足、あるいは取引先の協力が必要であるなど、一企業での取組が難しい場合がございます。こうした事業者の取組を後押ししていくには、業界を挙げて取組を推進していくことが有効でございます。
 都は、今後策定する指針の中で、同一業種での取組事例の共有ですとか長時間労働の是正など、取引先も含めた働き方の見直しなど、経済団体に取り組んでいただきたい具体的な事例についてもお示ししてまいります。
 また、例えば経済団体の会議などで条例の内容を説明することや、都が実施する女性活躍に関するイベントなどについて所属する事業者などへ呼びかけを行っていただくなど、事業者の取組を後押しできるように相互で連携を図ってまいります。

○いいだ委員 ありがとうございます。今回、主体の一つとして経済団体も示されていた中で、その役割について理解をいたしました。
 一方で、本条例に限ったことではありませんけれども、こうして提出された条例案に関して都議会で議論されていても、一般の方や企業には情報が十分に届かず、そもそも条例の存在を知らない場合も多いというのが実態であります。この条例を契機に雇用就業分野における女性活躍を加速させるためには、まずは条例の趣旨や内容を広く周知し、理解を深めるための取組が重要であると考えます。
 そこで、条例について今後どのように普及啓発を図っていくのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例の目的を実現するためには、事業者や都民に条例の内容について知っていただくことが重要でございます。
 都は、都内二百社を超える企業と連携いたしまして、企業交流会や女性リーダーの育成プログラムなどを実施しておりまして、このネットワークを活用して条例に関する情報提供を行ってまいります。
 また、都が実施いたします女性活躍関係のイベントなどですとか局のホームページなども通じまして、条例に加えて、都の施策に関する情報の発信にも取り組んでまいります。
 あわせて、経済団体や関係機関などに対しても普及啓発に協力を求めてまいります。
 こうした取組を通じまして、女性活躍の意義や条例の趣旨、内容に関する理解を広げて機運醸成を図ってまいります。

○いいだ委員 様々な機会を活用いただいて、条例に関する理解を深める取組をこれから行っていくということを確認させていただきました。
 今後、条例案が成立した暁には、指針の策定に向けた検討を進めることになると思いますが、この指針が事業者や経済団体などに広く活用されるよう、改めて普及啓発を積極的に行うよう求めまして、質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 私からは、補正予算の設備投資補助金の二つの事業について、まず初めに質問したいと思います。
 帝国データバンクによると、二〇二五年一月から十一月の企業倒産件数は、前年同月比三・六%増加をしまして、十二年ぶりに年間一万件を超える見込みとなっています。厚生労働省発表の十月実質賃金は、十か月連続でマイナスとなっています。依然として物価を上回る賃上げができておりません。都民の暮らしも、東京を支える中小企業の営業も、物価高騰によりさらに深刻化しています。
 物価高騰から都民の暮らしを守り、生活できる東京を実現することが今こそ必要です。四年連続で税収が過去最高となっている東京都の巨額の財政力にふさわしい規模で物価高騰対策を講じることを強く求めます。
 今回の補正予算で、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業と躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の二つの事業に賃上げを必須要件とした理由は何ですか。これにより、何人分の賃上げ支援が見込まれますか。

○福田商工部長 中小企業が事業を成長させ、賃金を持続的に引き上げるためには、その原資となる収益を確保できるよう、生産性を高めることが重要でございます。
 より多くの中小企業が賃上げに取り組めるよう、最新設備等を導入し、業務の効率化などを支援する事業について、今回の補正予算案により規模を拡充いたします。
 賃上げ支援の見込みでございますが、都内中小企業一社当たりの従業員数から推計いたしますと約二千二百人となります。

○藤田委員 具体的には、これまで賃上げが必須条件でなかった経営サポート事業と設備投資支援事業に対して賃上げを必須条件とし、それぞれ百件ずつの追加枠を設定するということです。これは、物価を上回る賃上げを実現するため、既存の支援事業を強化して中小企業の賃上げを後押しする取組の拡充を図るというものであり、重要です。
 それでは、この事業の利用状況を確認したいと思います。
 これまでの経営サポート事業と設備投資支援事業は、今年度の当初予算で、それぞれ何件を対象としていましたか。
 また、申請数に対して採用されたのは何件で、倍率はどのくらいですか。

○福田商工部長 今年度の新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業におきまして千二百件を支援する計画であり、十一月の時点において、申請件数一千四百八十五件のうち二百四十八件を採択し、審査手続中のものを除いた倍率は約二・八倍でございます。
 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業においては二百五十件を支援する計画であり、申請件数四百二十四件のうち八十五件を採択し、同様の倍率は約二・六倍でございます。

○藤田委員 今ご説明があったとおり、経営サポート事業は、千二百件が対象で倍率は二・八倍、設備投資支援事業の対象は、二百五十件で倍率は二・六倍ということでした。
 二つの事業の対象合計は千四百五十件であるのに対して、三千件から四千件もの申請があるということです。当然、予算枠には限りがありますので、二千件近くの中小企業は支援が受けられないという実態だと思います。
 一方、今回の補正予算は、予算額五十四億円ということで、この規模からすると、僅か二百件という規模増にとどまっていると思います。中小企業の賃上げ推進が目的であるというのであれば、もっと規模を増やすべきだと思います。
 この事業の補正の財源構成は、全て国費となっています。都費を投入すれば、さらなる拡充は可能です。なぜ、国の財布に頼って、自らの都費を投入して賃上げを加速させようとしないのかと思います。さらなる拡充を強く求めたいと思います。
 次に、事業の具体的な要件を確認します。
 賃上げを必須としましたが、賃上げを行う事業者と判断する基準について確認したいと思います。
 伺いますが、賃上げを行う事業者として判断する際の具体的な要件は何ですか。

○福田商工部長 申請事業者におきまして、設備投資等による成果を従業員の賃金の引上げにつなげる計画を作成することを要件としております。

○藤田委員 賃上げを行う事業者と判断する具体的な要件は、賃上げ計画を作成することのみであるということです。非常にシンプルで分かりやすい仕組みです。中小企業にとって煩雑な書類作業や手続への負担が軽減され、申請へのハードルが大きく下がります。この簡潔な要件設定は、中小企業の取組を後押しするという点でも大事だと思います。
 次に伺いますが、事業者が賃上げ要件を満たした際、助成金が支給されるまでどのぐらいかかりますか。

○福田商工部長 助成金の支給は、申請者における一か月分の賃上げ実績を確認後、最短一か月程度で受け取れる仕組みとしておりますが、設備等の導入後から一年間の賃金引上げ計画に基づく従業員への賃金の支払い実績を確認いたします。

○藤田委員 助成金の支給は、賃上げ計画の策定というシンプルな判断に加え、一か月分の賃上げ実績が確認できれば、最短一か月程度で支給することが可能な仕組みだということです。補足ですが、一年間の賃上げ実績の確認というのは、助成金の支給後に行うものということです。
 東京都の魅力ある職場づくり推進奨励金は、実績確認に二か月を要します。支給まで平均五か月ぐらいはかかることと、これと比較しても、今お話のあった事業では、最短で一か月で支給は可能ということで、非常にスピード感があると思います。賃上げ支援を迅速に行うために、シンプルな要件設定がいかに重要なのかが明確になりました。しかも、一か月で支給することは、やればできるということです。
 中小企業の賃上げをさらに後押しして、物価高騰を上回る賃上げの流れを確かなものにしていくよう求め、次の質問に移ります。
 東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例案について質問します。
 我が党は、人権を位置づける条例をつくるよう、繰り返し求めてまいりました。
 一方で、東京都男女平等参画基本条例があるのに、なぜつくるのかという疑問の声が多数寄せられています。
 初めに伺いたいと思いますが、東京都男女平等参画基本条例がある中、この条例をつくる理由は何ですか。
 また、二つの条例の関係が明確ではないとも指摘をされています。どのように説明されますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づきまして、社会のあらゆる分野で男女がひとしく参画できるよう、様々な取組を展開してまいりました。
 一方、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できていない状況がございます。
 働く場において女性が活躍できる環境を整備するためには、人事制度に決定権を持つ事業者に主体的に取り組んでいただくことが重要でございます。
 また、女性の進学や職業選択などに影響を及ぼす性別による無意識の思い込みの解消に向けて、社会全体で取り組むことも必要でございます。
 こうしたことから、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえまして、とりわけ雇用就業分野における女性の活躍を一層推進するため、新たな条例を策定することといたしました。

○藤田委員 男女平等参画基本条例には、男女平等参画社会の三つの基本理念として掲げられています。
 一、男女が、性別により差別されることなく、その人権が尊重される社会、二、男女一人一人が、自立した個人としてその能力を十分に発揮し、固定的な役割を強制されることなく、自己の意思と責任により多様な生き方を選択することができる社会、三、男女が、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動及び政治、経済、地域その他の社会生活における活動に対等な立場で参画し、責任を分かち合う社会、このように書いてあります。
 女性がその個性や能力を十分発揮できる社会を目指そうというのであれば、この男女平等参画基本条例の実現にこそ東京都が本気で取り組むべきです。
 先ほどの答弁でも、また女性活躍条例の第一条の目的でも、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえとありますので、これは非常に重要だと思います。そこはしっかり踏まえていただきたいと思います。
 同時に、あえて女性活躍条例をつくるというのは、ここは女性の人権尊重とは違った目的があるからだといわざるを得ません。これが端的に表現されているのが、前文にある、首都東京の持続的な発展を確かなものにするためには、人口の半分を占める女性が力を発揮できる環境を創出していく必要があるという文言です。
 本会議でも指摘いたしましたが、女性を未利用エネルギー、未活用エネルギーと表現しています。これは明らかに経済活動や都市活動の道具として見ており、東京の持続的な発展のために、発展の手段として女性を活用していくという図式です。ここには人権の視点が欠けていると厳しく指摘したいと思います。
 日本のジェンダーギャップ指数は、世界百四十八か国中百十八位と低く、とりわけ政治経済の分野で男女の格差が大きくなっています。それは、日本がこの問題を人権の問題と捉えていない現状があるからです。改めて、働く分野においても人権の視点をしっかり持っていただくよう強く要望いたします。
 人権の視点という立場から、どこに根本問題があるのか確認していきたいと思います。
 我が党は、女性の労働問題について研究されている方々や労働組合の方々、女性団体の方に条例案に対するご意見を伺ってまいりました。その際、ほとんどの方が、何をしたい条例なのか分からないといっていました。それは、日本の労働分野における課題、実態に触れられていないからだと思います。
 この条例をつくる上で開催してきた検討部会では、働く女性を取り巻く状況(データ集)という六〇ページに及ぶ資料が出されています。この資料を見ますと、女性の就業状況や雇用形態であるとか、育児と介護と仕事の両立のことであるとか、いろいろなデータが示されているわけです。
 例えば、この資料の中に、ひとり親家庭の就業状況とか収入状況と、本当に切実な実態が数字で見える化されているんです。
 ひとり親家庭での就業割合について、父母ともに九割を超えるものの、母の正規職員割合は四三・二%であり、父と比べると低いとなっています。三割以上が年収二百万円未満となっています。
 一方、父子家庭は、六百から八百万円未満の割合が最も高く、二百万円未満は僅か一割です。母子世帯との隔たりが大きいと記載がされていました。
 こうした格差がなぜ生まれるのか、都は分析をされていますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 ひとり親家庭が抱える課題は様々でございまして、雇用就業分野においても、それぞれの状況を踏まえた支援を展開する必要がございます。
 都では、ひとり親など経済的な困難を抱える女性に対しまして、東京しごとセンターで就労支援などを行っております。

○藤田委員 抱える課題は様々ということでしたが、都は、分析をした上で様々だとおっしゃっているのでしょうか。条例の検討部会では、都は多くの資料を示していました。
 もう一回聞きたいんですけれども、中でも、このひとり親家庭の実態は本当に深刻だと思うんです。分析は行ったのか、ちょっともう一回、伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、ひとり親家庭が抱える課題は様々でございます。雇用就業分野におきましても、それぞれの状況を踏まえた支援を展開する必要があるというふうに考えております。
 都では、ひとり親など経済的な困難を抱える女性に対して、東京しごとセンターで就労支援などを行っております。

○藤田委員 繰り返されたということは、つまり分析はしていないということです。
 同じひとり親なのに、母子家庭の方が父子家庭よりも正規雇用の割合が何で低いのか、収入はなぜ少ないのか、どうしてなのかということについて、ぜひ分析すべきだと思います。経済的な困難を抱える女性に対して就労支援を行っているという答弁もありました。ならば、なおさらなことだと思います。
 先ほど東京しごとセンターにて就労支援などを行っているという答弁がありましたが、就労に困難を抱える方の暮らしや就労の実態など把握することなしに、まともな支援にはならないことを厳しく指摘したいと思います。
 東京しごとセンターで実施しているソーシャルファーム支援事業を通じて就職したシングルマザーの方などから、今年、何度か深刻な相談が寄せられました。当事者が就職した事業所ではパワハラやセクハラなどが繰り返され、就労に困難のある方々が被害に遭ったり、就労が困難なのに働き続けられず、退職を余儀なくされています。
 さらに、その事業者は、都の事業を悪用するなどもしているということでした。そんな事業者で働き続けられないとして--また、その事業者は、いまだソーシャルファームの事業を行って、その事業を使って新たに当事者、雇用をしているということなんですね。被害に遭った方々は、新たな被害者が生まれてしまうのではないかと、非常に胸を痛めていらっしゃいます。
 就労を通じて困難を抱える女性に対して支援しているというのであれば、こうした問題こそ真剣に向き合い、当事者の皆さんが安心して働ける環境の整備に取り組むべきです。
 就労困難者が都の事業を利用してますます困難を抱えるというようなことなど、絶対にあってはなりません。ぜひ都として実態把握していただくよう、併せて求めておきます。
 母子家庭で経済的に困難になるということは、子供の貧困に直結する深刻な問題です。認定NPO法人キッズドアが今年の夏休みの後に行った調査では、母子家庭の貧困が子供の命にも直結しているという問題を浮き彫りにしています。
 四人家族で十九万円の給料、毎月赤字、これ以上生きていけない。今年の夏休みは親子で体重が激減した、学校が始まって子供は本当に大喜び、夏休みがなくなってほしい、子供も夏休みは大嫌いだ。お風呂はもちろん、シャワーも週に二、三回程度にした、食事は一日二回、ぜいたくをしたいわけではないが、子供たちに一日三度の食事、三時のおやつ、お風呂に入って清潔にして寝る、そんな夢はもうかなわないのかな。命のためにエアコンつけてと何度も聞いたが、命のための電気代、命のための食費、どっちが大事なのか、考えた夏だった。
 こうした実態は、都の労働政策を考える産業労働局も無関係ではないと思うんです。ぜひ女性の労働問題に正面から向き合って、政策や条例をつくっていただくよう強く要望いたします。
 条例には、男女間の格差という抽象的な言葉が出てきます。しかし、どのような格差があるのか、具体的なことは条例案には一切書かれていません。女性が働く上での困難性はどこにあるのか、課題は何か、分からなければ解決することはできません。
 男女間格差には賃金格差が含まれていますか。
 また、その背景には非正規雇用の多さ、女性管理職比率の低さがありますが、条例に記載しなかったのはなぜですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女間の格差には、賃金や管理職比率、平均勤続年数、労働時間などがございます。
 本条例では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを求めております。

○藤田委員 賃金格差も含まれるということですが、私は、なぜ条例に記載しなかったのかと伺いました。もう一回、これを伺いたいと思うんですね。やっぱり真剣に質問にも向き合っていただきたいと思うんです。
 男女の賃金格差とか非正規雇用の多さ、女性管理職比率の低さといった構造的な問題について、なぜ条例に記載しなかったのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女間の格差につきましては、賃金ですとか管理職比率、平均勤続年数、労働時間などがございます。
 本条例には、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間格差の解消などを定めているところでございます。

○大山委員長 すみません。この際、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○大山委員長 質疑を続行いたします。お願いします。

○藤田委員 女性が直面している格差について、具体的に労働問題について条例に明記しなければ、問題解決は図られません。本気で解決しようと思うのであれば、課題を整理して目標を定め、目標に向かう上で事業者が抱えるハードルを把握して、それを取り除くための施策を東京都が責任を持って実施する。そこまで東京都としては、条例をつくるのであれば、こうした覚悟が必要だと思います。
 とりわけ日本の長時間労働が問題です。
 長時間労働は、特に女性が働くことの障壁となっている、そういう認識はありますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 テレワークなど柔軟な働き方の導入や長時間労働の解消など、家庭と仕事のバランスに配慮した制度の導入は、女性にとっても男性にとっても働きやすい環境であると認識しております。

○藤田委員 テレワーク、これは、子供がいるとき片手間で子供を見ながらやるのか、そんなことできるんですかと。子供を見ながら仕事をしなさいということなんでしょうか。
 仕事と家庭のバランスに配慮した制度と本当にいうのであれば、賃金を下げることなく労働時間を短くするしかないと思うんです。長時間労働では、育児や介護と両立できません。
 日本の長時間労働は異常です。日本のフルタイム労働者の労働時間は、ヨーロッパの主な国と比べて年間三百時間も長くなっています。たとえ八時間労働だったとしても、休憩時間や通勤時間を加えれば、仕事に関わる拘束時間は九時間から十一時間に及びます。実際、残業や休日出勤が加わって、さらにサービス残業など違法、脱法の長時間労働もはびこっています。
 過労死を生み出すような長時間労働は自然現象ではありません。財界、大企業がもうけを増やすためにコストカット、人件費削減の経営に走り、それを応援するために、低賃金で不安定な非正規雇用を広げる労働者派遣法などの改悪が政府によって進められてきました。
 一方で、正社員には長時間労働をもたらす裁量労働制の拡大や残業代ゼロ制度の導入など、働く人にとって体も家庭も壊すような労働法制の改悪、規制緩和が繰り返されてきました。ここにこそ、雇用分野で女性がその能力を発揮できる環境が奪われる大きな原因になっています。
 日本では、特に経済分野を中心に世界から大きく立ち遅れています。その根底には格差があります。幾ら女性活躍の条例をつくるといっても、女性が差別されないという前提条件が整っていないのがこの日本です。
 都は、どう認識していますか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づきまして、社会のあらゆる分野で男女がひとしく参画できるよう、様々な取組を展開してまいりました。
 一方、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できていない状況がございます。
 こうしたことから、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえまして、とりわけ雇用就業分野における女性の活躍を一層推進するため、新たな条例を策定することといたしました。

○藤田委員 差別があるという認識、認めるべきだと思います。差別の存在を曖昧にしたり、見えないようにすることはあってはなりません。本来なら、労働分野の課題である長時間労働とか、男女の賃金格差とか、女性に非正規雇用が多いこととか、女性の管理職比率が低いなど、構造的な問題を解消するために、具体的に取り組む方向性が示されるべきだと思います。
 長時間労働は女性だけの問題ではありません。長時間労働を強いられている男性にとっても、人権が守られている状況とは到底いえません。長時間労働は、働く人の健康を脅かし、子供や家庭との時間を奪い取るなど、社会に大きなひずみをもたらしています。男女ともに個人としての人権が確立され、女性が差別されないという条件を整え、整備することこそ、条例をつくる前にもっと優先するべき課題であることを指摘したいと思います。
 指摘したような構造的な課題については条例に明記されていないのに、殊さら強調されているのが性別による無意識の思い込みです。性別による無意識の思い込みが多用されているのですが、定義がありません。
 性別による無意識の思い込みの定義について伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 無意識の思い込みとは、これまでの経験や見聞きしてきたことにより形成され、本人が意識しないところで日々の判断や言動に影響を与えているものであり、結果として、意図せず他者に不利益を与えるおそれがございます。
 本条例では、性別による無意識の思い込みが、進学や就職などにおける女性の選択肢を狭める可能性があることから、都民に対して、こうしたことに気づいて、性別による無意識の思い込みについての関心と理解を深めることを求めております。

○藤田委員 おっしゃるとおりだと思います。
 同じ、似たような質問で申し訳ないのですが、無意識の思い込みを解消すれば、個性や能力は発揮されると考えているのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 どのような働き方をするかという部分につきましては、ご本人の意思によるところでございます。
 本条例では、就業者の家庭生活、それから就業生活の両立につきましては、本人の意思が尊重されるべきであることに留意されなければならないということを規定しております。
 本条例では、女性が個性や能力を発揮できる環境を整備するために、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進などを定めております。

○藤田委員 もう一回聞きます。
 無意識の思い込みを解消すれば、個性や能力は発揮されると考えているのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 失礼いたしました。
 無意識の思い込みとは、これまでの経験や見聞きしてきたことにより形成されまして、本人が意識しないところで日々の判断や言動に影響を与えるものでありまして、結果として、意図せず他者に不利益を与えるおそれがございます。
 本条例では、性別による無意識の思い込みが、進学や就職などにおける女性の選択肢を狭める可能性がありますことから、都民に対して、そういったことに気づいて、性別による無意識の思い込みについて関心と理解とを深めることを求めております。

○藤田委員 今の答弁の後半部分は、女性の側に無意識の思い込みがあって、自ら進学や就職の選択を狭めているという発言とも受け取られかねません。無意識の思い込みは、結果として他者に不利益を与えるおそれがあるということですから、そういうことではないと思うんです。例えば、就職なら、雇う側に女性は男性より劣るなどの思い込みがあって、面接の点数を低くつけてしまうとか、そういう意味だということを確認しておきます。
 こうした性別による無意識の思い込みの解消は必要ですが、性別による無意識の思い込みを、これは差別なんだと自覚できるようにすることは、これはこれで必要です。
 しかし、私は、解消すれば個性や能力は発揮されるのかとお聞きしましたが、これも質問には答えませんでした。
 無意識の思い込みを解消すれば、男女の賃金格差もなくなるとお考えですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 無意識の思い込みにつきましては、これまでの経験や見聞きしてきたことにより形成され、本人が意識しないところで日々の判断や言動に影響を与えるものでございまして、結果として、意図せず他者に不利益を与えるおそれがございます。
 本条例では、性別による無意識の思い込みが、進学や就職などにおける女性の選択肢を狭める可能性がございますので、都民に対して、こうしたことに気づいて、性別による無意識の思い込みについての関心と理解とを深めることを求めているところでございます。

○藤田委員 意識の問題で全ては解決しません。構造の問題について、きちんと解決していくことが必要です。
 労働時間が長くて生理が止まってしまったとか、子育てができないとか、資格を取りたくても取れないとか、それは無意識の思い込みとは関係ありません。
 例えば、東京都固有の問題があり、そのために国の制度以外にも必要なものがあるというのなら分かりますが、条例ではそれもはっきりしません。
 ちなみに、ソウル市では、市内にサービス産業が多く、外回りの営業女性も多いので、そのためにあちこちに休憩所を設けるといった条項が入っていたり、若者のブラックバイトの解決のために、ホワイトバイトの店を市が設定して、認証を店の玄関に貼り出して、それを見てバイト先を決められるようにするとか、総合的なソウル市の働き方改革みたいなものを出しているところがあります。
 そうした措置を行うには、その自治体にどんな固有の労働問題があり、それはどの層の働き手を対象に改善すべきかといった調査とか分析とかが必要だと思います。
 今後、都は、調査を実施するとしておりましたので、条例で何を実現したいのか、そのための具体的な手だてについて明記していくことを求めておきます。
 三条の基本理念には、女性が活躍できる環境整備の推進に当たっては、就業者の職業生活と家庭生活の両立に関し、本人の意思が尊重されるべきものと留意する必要があると記載されています。この表現も、具体的に課題は何なのか、改善のためにどうしたらよいのかが分かりません。
 性別による無意識の思い込みを多用したり、本人の思いが尊重されるべきものといって、仕事と家庭の両立が困難なことについて、本来の問題を曖昧にして個人の問題に矮小化するという懸念がある条例だと思います。
 何度もいいますが、根底には制度や慣習があり、それを取り除くために行政が責任を果たす、そういう条例こそ必要だと指摘しておきます。
 次に、お話を伺った方の意見で多かったのが実効性についてです。
 女性の労働について、また日本の働かせ方の問題について、何が課題となっているのか明記されていない条例において、どのように実効性を持てるようにしていくのかというものです。
 やはり最も女性が差別的構造になっているのが、非正規雇用と管理職比率の実態です。
 事業者の責務に、非正規雇用の問題や管理職比率について記載しなかったのはなぜですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを定めておりまして、それを具現化するための事項につきましては指針に定めることとされております。

○藤田委員 私は理由を伺ったのですが、指針に定めるということでした。しかし、これは、やはり最重要課題だと思いますので、ぜひ条例本文に入れるべきです。
 生理や妊娠など、女性にしか起こらないライフイベントへの対応も、人員の確保などが必要になりますので、事業者だけの取組では実効性に乏しいと思うんです。
 女性特有の健康問題への配慮とは、具体的にどのようなことを指しているのですか。例えば、つわりがひどいときなど、突発的な休みの保障が必要になります。
 相談しやすい体制づくり、休みやすい制度や体制づくり、通院、治療との両立支援など、具体策を示す必要があると思いますが、いかがですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、女性特有の健康課題への理解を深め、職場内で適切な配慮を行うことを求めておりまして、具体例につきましては指針で定めることとされております。

○藤田委員 これも具体は指針で定めるということで、正面から答えないわけですね。そういいながら、本会議で副知事は具体的に答弁されているわけです。きちんと答えていただきたいと思います。
 この条例の実効性を高めるために、年次報告を策定し、実施報告を都議会に提出して承認を受ける仕組みを明記することを提案します。いかがですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、施策を効果的に実施するため、事業者の取組の状況について調査を行うとともに、政策目標とその進捗を測る指標の状況について公表することとされております。

○藤田委員 公表するとはいいますが、その政策目標や進捗を測る指標というのはどこに書いてあるのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 政策目標とその進捗を測る指標につきましては、指針の中に定めていくこととしております。

○藤田委員 これも指針です。女性の労働問題の根本となる非正規雇用の問題も指針で定める、女性の管理職が少ない課題も指針で定める、政策目標も指針で定める、女性の健康課題への配慮の具体例についても指針で定めるなど、大事なことは全部指針に委ねられています。
 そもそも、条例だけでは何をしたい条例なのか分からない。専門家の方や女性労働問題を研究している方からさんざんいわれました。そのような条例案を議会に提案して、これで審査してくれといわれても、判断のしようがありません。
 この条例は、指針とセットでなければ、何をする条例なのかすら分かりません。性別にかかわらず、誰もがその個性や能力を発揮できるようにするのかどうか、女性が活躍できる環境がつくられるのかどうかは、全て指針にかかっているといえます。
 指針は、いつ、誰が、どのようにつくるのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例の制定後、条例の施行日である令和八年七月一日を目指しまして、都において速やかに検討を進めていくこととしております。
 条例では、指針の策定に当たりましては、関係機関等の意見を聞くことを定めておりまして、具体的には、労働に詳しい専門家や実務に詳しい方などの意見を聞くことを想定しております。

○藤田委員 具体例も出されましたが、関係機関などというふうになっているんですね。
 関係機関などには都議会は含まれているのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針につきましては、本条例の制定後、条例の施行日であります令和八年七月一日を目指しまして、都において速やかに検討を進めていくこととしております。
 条例では、指針の策定等に当たりましては、関係機関等の意見を聞くことと定めておりまして、具体的には、労働に詳しい専門家や実務に詳しい方などの意見を聞くことを想定しております。

○藤田委員 今、この条例の審査を行っているんです。しかし、この条例の中身が、どのように女性の労働問題を解決できるのか、書いていないんです。どれ聞いても、指針に書いていくというんですね。だから、指針がなければ、私たちはこの条例、いいのか悪いのか、害があるのかないのか、判断ができないんです。だから、指針はいつできるのか、誰がつくるのか、すごい必要なんですね。
 しかも、私たちは都民の代表です。条例をどうするか検討しなければいけません。検討に必要な材料が不十分だとなれば、指針は示していただかなければ、セットでこの条例がいいのか悪いのか判断ができません。
 指針は都議会に報告されるのですか。お答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例におきましては、指針の策定、変更に当たりましては速やかに公表することとされております。
 ほかの事業と同じように、必要に応じて議会への情報提供を行ってまいります。

○藤田委員 公表は議会での質疑を保障するものではありません。
 都議会に報告することについては、必要に応じてということですが、その必要に応じては誰が判断するんですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、指針の策定、変更に当たっては速やかに公表することとされておりまして、ほかの事業と同様に、必要に応じて議会への情報提供を行ってまいります。

○藤田委員 何をしたいのかが分からないような条例を審査しなければならない状況になっているんですね。十分な審議ができません。本日の質疑も、そうした問題が明らかになったと思うんです。
 そうであるなら、指針についても案の段階で都議会に報告し、議論できるようにすべきだと思いますが、いかがですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進、それから就業者に係る男女間の格差の解消など、そういったものを定めておりまして、こういう内容を具体化していくための事項、そういったものを指針に定めることとしております。

○藤田委員 女性の労働問題には課題があるんです。そして、女性の労働の問題については、思い込みとかではありません。自然現象でもありません。これは制度や慣行によるものなんです。それが具体的に何なのかが示されて、そして改善策が出されて、初めて改善できる方向が示されるんです。それが全て指針だと。しかも、指針に入っているかどうかも、聞いても分からない状況でしたので、これでは、この条例が果たして本当に女性の労働問題を解決できるものなのかは、現状では判断ができないという状況です。
 しかも、指針のことになると、何も答えられないという状況です。公表は、都議会に報告をすることを保障するものではありません。公表されたからといって、私たちは、議会としては質問することもできません。
 本日の質疑では、条例全体がどういうものになっているのか、その大半が分からないまま、賛否を決めなければならないんです。とんでもないと思います。
 指針はいつまでにつくる予定にしているのですか。計画はあるのですか。伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針につきましては、本条例制定後、条例の施行日である令和八年七月一日を目指しまして、都において速やかに検討を進めていくこととしております。

○藤田委員 ご答弁にあった八月七日を目指してということですが、まだ半年以上あります。計画はあるのですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例の施行日は令和八年七月一日でございます。
 指針につきましては、本条例制定後、条例の施行日である令和八年七月一日を目指しまして、都において速やかに検討を進めていくこととしております。

○藤田委員 七月一日までは半年以上ありまして、指針がいつつくられるのか、それに対して私たちは質疑ができるのかどうなのか、何も分からない状況です。
 指針ができるまでのスケジュール、計画はあるのですか、ないのですか。お答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針につきましては、本条例制定後、条例の施行日である令和八年七月一日を目指して検討を進めてまいります。
 具体的なスケジュールにつきましては、本条例制定後、検討してまいります。

○藤田委員 この条例制定後にスケジュールを決めるということですので、スケジュールが決まりましたら、速やかに私たちにも報告をすることを求めておきます。女性の人権に関わる重要な条例と位置づけ、都議会での十分な審議を尽くせるよう、適宜、報告することも求めておきます。
 最後に、苦情処理についてです。
 都が行う施策が男女平等、女性活躍を推進するものになっていないという苦情や、個人の方が男女平等に関連して人権が侵害されたとの苦情を適切かつ迅速に処理し、救済するための機関が必要です。東京都男女平等条例には苦情処理機関についての記載がありません。
 新たにつくる条例では、都の責務として、労働分野に限定した苦情処理機関を設置してはいかがですか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、労働相談情報センターにおきまして、職場での男女差別に関する相談も含め、労働諸問題全般についての相談のほか、必要に応じて労使間のあっせんも行っております。

○藤田委員 女性の苦情の処理の機関というのは本当に大事なもので、裁判まで持ち込まなくてもいいというように、個人の申立てができるようにした方がいいという意見、こういう複数の専門家からご意見がありました。
 労働相談では解決しない問題を、裁判にまで持ち込まずに、第三者が客観的に判断して処理する仕組みがあることは、働く人の環境改善のために意義が大きいと考えますが、都の認識を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 繰り返しになりますけれども、都は、労働相談情報センターにおいて、職場での男女差別に関する相談も含め、労働問題全般について相談を受けております。
 また、必要に応じまして労使間のあっせんも行っております。

○藤田委員 ぜひ苦情処理機関を設置するように求めておきます。
 雇用分野でのジェンダー平等を考えたときに、これまで挙げてきた賃金や管理職割合、雇用形態の格差、長時間労働に加え、解消が必要なのがハラスメントです。
 これは、実際に女性から相談を受けている方からもお話を伺いました。本当に深刻で、ハラスメントの解決なしには女性は安心して働き続けることができないと、実感を込めておっしゃっていました。
 ハラスメントや職場での不当な扱い、理不尽な扱いに対し、多くの女性は、職場における女性の地位が低かったり、また、非正規雇用で、何か要求したり意見をしたりすれば、契約更新してもらえないかもしれないという立場の弱さから、泣き寝入りすることがほとんどです。勇気を出して意見をいっても取り合ってもらえない、逆に見えづらい形で報復されるということも少なくありません。こうした状況を改善するためにも、苦情処理機関が必要だということを申し上げておきます。
 東京都の施策について、それが雇用就業分野における男女平等、ジェンダー平等にかなったものになっているのかを常にチェックするためにも必要だと求めておきます。
 日本共産党は、代表質問でも、女性活躍条例案は東京の持続的な発展を確かなものにするための条例だと指摘し、知事は、人を経済や都市活動を動かす道具としてしか見ていないのではないか、女性の力を生かすというなら、女性の権利の尊重こそ必要だと厳しくただしました。
 雇用分野で働く女性に焦点を当てた条例をつくるなら、女性の権利を尊重する立場から、現在、女性が直面している具体的な課題を明確にし、解決のための具体策を示したものこそ必要だと改めて強調いたしまして、質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十五分休憩

   午後六時四十四分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたです。
 雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例について質問します。
 国民民主党東京都議団として、現役世代から豊かにすることを最優先の課題として位置づけていますが、そのためには、今後の東京の社会経済活動が持続可能な成長を続けていくことが必要不可欠です。そして、人口の半分を占める女性の活躍がその鍵であることは間違いありません。よって、雇用分野における女性の活躍推進は、現役世代支援の最優先取組として東京都に取り組んでいただきたいと思っております。
 一方で、単に理念だけの条例としないために、指針や後押しをしていく施策、こういったところも含めて、実効性をいかに担保するかが大切ですということになっておりまして、先ほど藤田理事からすごく熱い思いの籠もった質疑がありまして、大分質問が重複してしまいましたので、一部割愛をさせていただきながら、ただ、すみません、一点だけ、似たような質問もあるんですけれども、先ほど、条例の中に男女の賃金の話であったりだとか、管理職の比率の話がないというようなご指摘もありましたけれども、我々の会派としては、条例というのは、都内においては法律と同程度の効力を持つものでありますから、そうした具体的な課題については指針の中でしっかりと定めていくことによって実効性が担保できる、そうした視点に立って質問をさせていただきますので、その点はご理解をいただければというふうに思っております。
 では、指針のスケジュールは先ほど質疑がありましたので、ここは割愛をさせていただいて、こうした指針をしっかりと定めていただくという中で、我々の会派としては、第三回の定例会でも質疑、要望したとおり、やはり指針の策定に当たって、女性の働き方ということだけではなくて、性別関係なく、働きやすく活躍できる社会につなげていきたいというふうに考えております。
 私は、雇用分野において女性の活躍を阻んでいる最大の要因は、テクノロジーの活用による業務効率化や選べる多様な働き方の推進が遅れていることで、多くの女性にとって手取り時間が十分でないことや、家庭と仕事の両立に困難を感じていることであると考えております。
 実際のパブリックコメントを一件一件読ませていただいた中で、パートナーが一緒に育児できる時間に帰ってこなくて苦しんでいる女性が多いというコメントであったりだとか、男性の働き方が変わらなければ女性の働き方は変わらないといった意見が多く並んでいました。男性が仕事、女性が育児といった無意識の思い込みの解消につなげるためにも、長時間労働の文化そのものを変えていくことが必要だと思っております。
 こうしたパブリックコメントに対して、都の見解を伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 柔軟な働き方の導入、それから長時間労働の解消など、仕事と家庭のバランスに配慮した女性が働きやすい環境は、男性にとっても働きやすい環境につながるものだと私どもも考えております。

○福井委員 ありがとうございます。私もそのように考えております。ぜひ、そうした見解をしっかりと指針の中に落とし込んでいただくことが本当に大事かなと感じております。
 長時間労働解消に向けた取組に関して、指針に定めたり、財政上の措置を含めた施策を講じることは検討されていますでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、今後作成する指針に、女性が活躍できる環境整備に向けた具体的な事例を示す予定でございまして、その中で、柔軟な働き方など長時間労働の解消に資する取組、事例についても盛り込む予定でございます。
 都は、従業員の手取り時間の創出など、中小企業が行う働き方改革などの取組も支援しておりまして、こうした取組などによって事業者を後押ししてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。こうした長時間労働を前提とする労働文化を変革していくことが、女性が働きやすい環境整備へとつながるとともに、ひいては性別関係なく活躍できる社会につながります。
 そして、事業者の責務として、女性が活躍できる環境の整備に必要な取組を主体的に行うよう努めなければならないとあります。事業者に主体性を期待することはもちろん大切だと思うんですが、それだけでは現状を変えていけるかどうか、不透明な部分はあると思います。事業者が積極的に就業雇用分野における女性の活躍推進に取り組めるように、都が後押しすることもやはり必要だと思っております。
 東京都が、組織文化の変化にチャレンジしようとする企業や、もしくはキャリアの形成に挑戦する女性を支援する取組なども必要と考えていますけれども、都の見解と今後の取組について伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 働く場で女性が能力を発揮できるよう、職場文化の変革を促したり、女性のキャリアづくりを支援することは重要でございます。
 そのために、都は、経営者の意識改革などを促すためのフォーラムを開催し、企業の経営者から、誰もが能力を発揮しやすい職場づくりの取組などについて発信をしております。また、女性活躍推進に意欲を持つ企業などを対象に、交流会や女性リーダー育成プログラムを実施し、二百社を超える企業同士のネットワークづくりも推進をしております。
 今後、こうした女性活躍に取り組む企業のネットワークをさらに広げて、働く女性の活躍を推進してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。東京都として、職場文化の変革であったり、女性のキャリアづくりを重要だと捉えていて、さらなる取組を推進していくものと理解ができました。
 この条例案においても、女性が活躍できる環境整備に関する施策を推進するために、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるとあります。この条例の制定を契機に、こうした取組を拡充することで、この条例のメッセージを事業者に伝えていただくように要望したいというふうに思います。
 また、事業者にこの条例のメッセージを正しく伝えるという観点では、事業者の責務は具体的かつ現実可能なものである必要があると考えております。
 事業者の責務に関して、一律の数値目標を企業に求めることを想定しているのか、また、その際に、業種や企業規模といった個別の要因にどのように配慮するのか、お伺いします。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例案では、指針に都域全体の政策目標とその進捗を測る指標を定めることとしております。
 指標は、女性がその個性と能力を発揮できる職場環境の整備に関して、事業者がそれぞれの取組に応じて自社の状況を把握できるよう、例えば、従業員の男女比率、それから両立支援制度の利用率など、複数の項目を検討してまいります。
 関係機関などの意見も伺いながら、業種や企業規模についても考慮した指標となるように検討をしてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。
 改めてになりますけれども、国民民主党東京都議団として、雇用分野における女性の活躍推進に、現役世代支援の最優先取組として東京都に取り組んでいただきたいと考えております。
 一方で、繰り返しになりますが、忘れてはいけないのは、本来あるべき姿は性別関係なく活躍できる社会だということです。女性の活躍を促すという目標の下で、誰もが働きやすく、育児や介護と仕事を両立できる社会の実現を強く打ち出すことで、結果として男性の活躍も推進される社会を目指せる条例としてほしいと思います。
 また、指標の設定に当たっては、業種や従業員規模をしっかりと考慮に入れて、特に中小企業にとって負担にならぬよう十分な配慮をお願いします。
 その二点を要望させていただき、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○上田委員 女性活躍条例です。
 今回の条例案は、女性の雇用就業における活躍推進を掲げていますが、まず伺いたいのは、そもそもこの条例制定のニーズは、一体どこから、誰から上がってきたのかという点です。
 国には既に女性活躍推進法や関連制度があり、企業側の取組も義務も定められています。その中で、東京都として条例まで制定する必要があると判断した具体的な希望者、現場の声、課題の所在はどこにあるのか、改めて確認させてください。
 実際に事業者から条例制定の要望があったのか、働く女性本人から切実な要望があったのか、ご説明をお願いします。

○吉浦働く女性応援担当部長 昨年度、労働政策等の有識者や労働者団体の代表などで構成いたします東京くらし方会議におきまして、都民の働き方や生き方に関わる様々な社会制度等について議論する中で、条例を含め、女性の活躍を促進するための方策について検討をすることとなりました。
 そのため、新たに女性の活躍を促進するための検討部会を立ち上げて、有識者に加え、経営者や労働者の声を代表する各団体の代表者の皆様にご参画いただきました。
 検討部会では、女性活躍の推進に当たり、社会全体が同じ方向を向くためには条例という手法が有効などの意見をいただいております。

○上田委員 誰がどのような課題を抱え、それを解決するために条例が必要だと判断したのか、根拠を確認いたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、様々な施策を展開してまいりました。
 この間、女性の大学進学率は上昇し、就業率も増加してまいりました。
 一方で、雇用就業分野においては、例えば女性就業者の約半数は非正規雇用であり、管理職比率も低い水準にとどまるなど、いまだに様々な場面で女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況にございます。
 働く場において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境を整備するためには、人事制度などに決定権を有する事業者の主体的な取組が不可欠であることから、雇用就業分野における女性の活躍を推進するための条例を策定することといたしました。

○上田委員 るる指摘がありますけれども、都はこれまで、平成十二年制定の東京都男女平等参画基本条例に基づいて、参画、活躍を推進する施策を展開してきたはずです。
 しかし、今回のパブリックコメントの中には、既存の条例の下で十分に施策が行われていたにもかかわらず課題が解消されていないのは、実効性の担保に問題があるのであって、新たな条例をつくるのではなく、既存条例を改正、強化すべきだという、極めてもっともな指摘が寄せられています。
 この条例以外にも、性別による不利な扱いや差別を禁じる男女雇用機会均等法、企業に対して行動計画と情報公表義務を課す女性活躍推進法、育児、介護と仕事の両立を支える休業制度、育児・介護休業法、そして都の各種計画にひもづく数々の女性支援事業があります。産労においては労働相談情報センター、はたらく女性スクエア、福祉局の女性相談支援センター、生活文化局のウィメンズプラザ事業と、枚挙にいとまがありません。
 つまり、法としての機会均等、雇用管理の義務、働き方の両立支援、都条例による包括支援、これらが既に整備されており、女性が活躍できる環境の整備は、法制度としても、都政事業としても網羅されているのではないでしょうか。
 それでもなお、今回の条例をつくるに至った、既存法令や既存条例との重複、役割分担、明確な違いを示す必要があると考えます。
 改めてお伺いしますが、今回の条例を制定することによって、今まで不足あるいは手つかずであった課題をどう解消し、具体的に何が一体できるようになるのでしょうか。分かりやすく説明ください。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまでも、男女平等参画基本条例に基づき様々な施策を進めてまいりましたが、雇用就業分野において、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できていない状況にございます。
 有識者や経営者、労働者の声を代表する各団体の代表者が参画した検討部会におきまして、女性活躍の推進に当たり、社会全体が同じ方向を向くためには条例という手法が有効などのご意見をいただきました。こうしたご意見も踏まえまして、事業者に主体的な取組を促すとともに、それを後押しする取組を強化するために、新たな条例を策定することとしたところでございます。
 今般提出いたしました条例案では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを定めておりまして、今後、都は、事業者が環境整備を進められるように、参考となる事例などを指針で示してまいります。

○上田委員 ちょっと条例の必要性が、いまだ私としては判然としないんですが、続いて、本条例の中心が女性管理職の向上や企業への取組促進に置かれている点についてです。
 こうした施策は、往々にして比較的恵まれた雇用環境にある女性に支援が集中し、本当に支援を必要とする女性たち、非正規女性、シングルマザー、住居不安を抱える若年女性、DV被害から逃れている女性、本会議では主婦に対しての視点が欠落しているのではないかなんていう指摘もありましたが、十分届かないという問題があります。
 条例が、こうしたより深刻な困難を抱える女性にどう届き、条例の理念である、女性がその個性や能力を十分に発揮できるのか、支援偏在の懸念に対し、どのような対策を講じているのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 新たな条例は、非正規雇用の方も含め、様々な形で仕事をしている女性や求職中の女性が、それぞれの個性や能力を発揮できる環境整備を後押しするものでございます。
 都は、今後、働く場において女性の選択肢が広がるよう、指針において事例等を示し、事業者の取組を促すとともに、条例の趣旨や関連する取組が様々な立場の女性に届くよう周知を図ってまいります。

○上田委員 様々な立場ということでありましたが、本条例案によって、事業者には計画策定や報告、体制整備など、事務的、経済的に少なからぬ負担が発生しております。特に中小企業にとっては、制度整備そのものが困難で、負担に耐えられない結果として、かえって女性採用に慎重になる逆効果も考えられます。
 今回の制度によって事業者に生じる負担について--インボイスだ何だ、もう大変なんですよね。工場なんかだと再エネなんかをいろいろやらなきゃいけなくて、もう手いっぱいということを聞いております。どの程度把握しているのか、負担と効果のバランスをどのように検証したのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業主に対し、計画の届出は求めておりませんが、事業者がそれぞれの状況に応じた取組を計画的に進められるよう、業種や規模を踏まえた事例などを指針に示すこととしております。
 また、女性活躍の取組状況を把握するため、事業者に対して調査協力を求めておりますが、実施方法に関しては、事業者の負担にも配慮しながら検討してまいります。
 都はこれまでも、仕事と育児と介護などの両立支援や、女性のキャリアアップに取り組む事業者を支援しておりまして、引き続き事業者の取組を後押ししてまいります。

○上田委員 太陽光パネルなんかもそうなんですけれども、都民には義務を課されていないのに、ああやっていわれちゃうと、何かもう、もやもやっと負担感が出ると思うんですね。これも同じロジックかなと思っております。
 結果として女性の雇用が敬遠されるリスクをどのように評価して条例に反映していくのか、具体的な分析を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 経営者団体からは、条例の趣旨には賛同しているので、取組を進められるよう、支援や配慮をお願いしたいというご意見をいただいております。
 条例案では、都の責務として、事業者等に対し、女性が活躍できる環境整備のために必要な情報の提供、啓発、相談、助言その他必要な施策を行うものと定めておりまして、これらにより事業者等の主体的な取組を後押ししてまいります。

○上田委員 条例制定に伴い新たな事業や支援が行われる場合、その財源は都民の公金である以上、効果の検証可能性が不可欠でございます。
 しかし、さきの私の質疑、この条例にひもづく具体的な都政事業はという問いに対し、執行部側は、条例に基づく施策については条例制定後に検討すると答弁されました。
 十三条には、都は、女性が活躍する環境の整備に関する施策を推進するため、必要な財源上の措置を講ずるよう努めるものとすると明記してあります。具体的にどのような施策が想定されるのかお答えにならない限り、あたかも女性が活躍するためにという名目で、また不要不急の大量の税金を利用するような、まさに印籠、錦の御旗にされては困ります。
 改めて伺いますが、この条例によってひもづく具体的な都政事業とはどういったものなのでしょうか。
 ゆめゆめ効果不明、不要不急の新規事業で税金の無駄遣いなどなさいませんよう懸念することから、費用対効果をどのように評価するのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都では、男女平等参画基本条例に基づきまして、社会のあらゆる分野の活動に男女がひとしく参画できるよう、施策を展開しております。
 新たな条例の施行日は令和八年七月一日と定めておりまして、雇用就業分野における施策につきましては、新条例施行日以降はこれに基づいて展開することとなります。
 なお、これらも含めまして、条例に関連する施策に関する予算につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。

○上田委員 予算審議でご議論させていただきたいと思います。
 最後に、政策とは、本来、課題があって、それを解決するために最適な手段として制度を選択するべきです。しかし、今回の条例案は、都として女性活躍に取り組んでいるという姿勢を示すこと自体が自己目的化しているのではないかという懸念を抱かざるを得ません。
 具体的なニーズは誰から上がったのか、事業者にとって必要な制度なのか、支援を最も必要とする女性たちに届くのか、公金投入に値する効果があるのか、現行都政事業とひもづいていなくて実効性があるのか、これらが十分に示されないまま条例をつくられることが、果たして都民の利益につながるのかは甚だ疑問なのでございます。あえていえば、実効性よりも見栄えを優先した政治的パフォーマンスの側面が疑われるという都民の厳しい声もあります。
 こうした懸念にどう向き合い、どのように説明していくのか。
 その上で、もうLGBTQの時代ですよね。そこで、性別による--男女のですよ、無意識の思い込み解消、女性がその個性や能力を発揮する環境創出を条例制定で実効性を持って実現できるのか明確に示していただきたく、小池知事鳴り物入りの女性活躍推進、Women in Action、頭の文字を取ってWAの施策を実現するであろう条例にかける局長の決意、意気込みを伺います。

○田中産業労働局長 現在ご審議いただいております条例案では、事業者による主体的な取組を促すということで、働く場において、女性がその個性と能力を発揮できる環境の整備を一層推進していくことを目指してございます。
 そして、女性が働きやすい職場が男性も働きやすい職場であり、持続可能で誰もが生き生きと暮らす社会が理想であるというふうに考えてございます……

○大山委員長 地震ですね。ちょっと大きいですね。ちょっと止めましょうか、速記を。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○大山委員長 速記を始めてください。

○田中産業労働局長 現在ご審議いただいております条例案では、事業者による主体的な取組を促すことで、働く場において、女性がその個性と能力を発揮できる環境の整備を一層推進していくことを目指してございます。
 そして、女性が働きやすい職場が男性も働きやすい職場であるということで、持続可能で誰もが生き生きと暮らす社会が理想であるというふうに考えてございます。
 雇用就業分野におけます女性の選択肢を拡大するため、職場や社会に根強く残る性別による無意識の思い込みの解消に向けまして、社会全体で取り組むことも掲げております。
 本条例の制定を契機といたしまして、働く場において、女性がその個性と能力を一層発揮できますよう、今後策定する指針の内容を充実させるということとともに、効果的な施策を展開することで事業者の取組を後押ししてまいります。

○上田委員 私も年がばれますけれども、長男が生まれるとき、マタハラで首になりましたけれども、しっかりと会社と交渉をして、保育園の申請までは何とか在籍させてくれと、保育園に入っていないとすごく不利になるので。その知恵をいただいたのは、労基署とか、要するに育休法に守られたんですね。それを理由に首にはできないということを自分で、もう既に、そのときの法律、そのときの相談窓口で交渉ができたんですね。
 都は、それから随分と充実をしておりますし、そうやって自分の持っている権限とか権利を行使できることを、エンパワーメントすることこそが、今、既存の事業とか既存の法律、条例を行使できることを、エンパワーメントすることの方が私は重要であると。条例をつくるというよりは、そうしたことを行使できる、自立した女性の精神、うちは教育庁もありますから、これもそういったところに立ち返って、自立した精神と決定権を持つ女性のエンパワーメントの方に力を既存事業で注いでいくべきだというふうに申し上げまして、次の質問に移ります。
 本事業の補正予算が新たに計上されたことを踏まえ、これまでの利用実績、申請件数、支給件数、支給額及び執行率について、具体的な数値をお示しください。すみません、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業であります。
 特別高圧電力の直接受電、中小企業テナント、工業用LPガス利用者の各区分ごとの利用状況をお答えください。

○岡野産業政策連携促進担当部長 これまで支給いたしました第三回までの延べ利用実績は、特別高圧電力の直接受電施設では、想定件数百五十五事業所に対し、申請件数三百七十九事業所、支給件数百六十三事業所、支給額八億一千五百万円、執行率は一〇五・二%でございまして、テナントでは、想定件数二万四千五百七十事業所に対し、申請件数一万七千四百五十七事業所、支給件数一万七千百三十五事業所、支給額十七億一千三百五十万円、執行率は六九・七%であり、工業用LPガスでは、想定件数三百七十事業所に対し、申請件数三百三十四事業所、支給件数二百三十三事業所、支給額二千三百三十万円、執行率は六三%でございます。
 現在、第四回の支給に向けた審査を行うとともに、第五回目の申請を受け付けているところでございます。

○上田委員 直接受電は一〇五%で目的達成ということですが、テナントが六九・七%、工業用は六三%という執行率でありまして、こちらの方を鑑みながら予算の方を今後もつくって、厳しく精査していっていただきたいと思います。
 令和六年度までの質疑、答弁では、特別高圧電力の直接受電は想定数を超える一方で、中小企業テナント、LPガスの申請数は、今伺ったように大きく下回っていました。
 これまで小売事業者、業界団体、商工会、LPガス販売事業者、区市町村、SNS、車内ビジョン等を通じて周知を行ってきたということですが、なぜ申請数に大きな差が生じたのか。
 周知不足、手続の煩雑さ、その他の理由について分析結果を、改めて直近の状況をご説明ください。

○岡野産業政策連携促進担当部長 想定数につきましては、特別高圧電力を受電する施設にテナントとして入居する中小企業や、工業用LPガスを使用する中小企業の数を把握できる資料がないことから、第一回の実施に当たりましては、関連する国のデータ、電力会社や施設オーナー等へのヒアリングなどを踏まえ規模の推計を行っておりまして、この推計と実績の間に差が生じたためでございます。
 なお、第二回以降につきましては、申請実績を踏まえ規模を設定してございまして、第三回におけるテナントと工業用LPガスに関する申請については、想定件数六千五百九十事業所に対して、支給件数五千七百十一事業所であり、執行率は八六・七%となってございます。

○上田委員 改善しております。三回目の実施に当たり、過去の経験を踏まえ、業界団体からのヒアリング等を行い、本来必要とする事業者に支援が届くような新たな対策を講じていると答弁いただいております。
 その後の具体的な対応内容と効果及び課題なんかがあればお聞かせください。

○岡野産業政策連携促進担当部長 本事業では、業界団体や商工会議所等を通じた周知を行うとともに、第三回の実施に当たり、中小企業等に対し、都の省エネなどの支援策を紹介するHTT実践推進ナビゲーター事業により周知しています。
 具体的には、ナビゲーターによる企業訪問等を活用して周知しておりまして、引き続き確実な浸透を図ってまいります。

○上田委員 せっかくの取組なので、利用率、効率のために今般検討している施策、利用者の声を反映した改善策、今補正予算の効果的な活用に向けて、対象事業者の把握や事業の周知、申請手続なんかも結構煩雑なのかもしれません。簡素化など、事業運営上の課題とその解決策について所見を求めます。

○岡野産業政策連携促進担当部長 都では、小売電気事業者や業界団体、商工会等を通じて事業周知を行うとともに、ウェブサイトやSNSを活用した情報発信などを実施しております。また、コールセンターにおいて、事業者からの問合せにきめ細かく対応しているところでございます。
 さらに、申請手続では、電気の使用量の詳細な実績報告を不要とするとともに、テナントが特別高圧受電施設に入居していることの確認について、施設オーナーが所定の様式にチェックする簡易な方法とするなど、事業者の負担を軽減しております。
 引き続き、多くの対象事業者への確実な周知と申請の促進を図ってまいります。

○上田委員 ずっと初回から確認させていただいて、本当に改善が見てとれるので、評価したいと思います。
 新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業です。
 中小企業の生産性向上を目的に、高性能機器や設備の導入を支援し、今般、賃上げを条件として補助率を上げたということです。
 まず、同事業のこれまでの実績、評価、対象事業者数、応募件数、倍率、審査の過程、公明正大に行われているのかについて伺います。

○福田商工部長 新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、売上高の減少や損失を計上し、経営改善計画を策定する中小企業を対象としております。
 都内中小企業のうち、計画を策定しながらも、その実行に必要な資金的な課題を抱えている約六千社が本事業の対象となると想定しております。
 本年十一月の時点の申請件数は一千四百八十五件であり、倍率は約二・八倍でございます。
 なお、審査に当たっては、外部の有識者による書類審査や面接を行っております。
 本事業により、生産性の向上や経営基盤の強化につなげております。

○上田委員 結構、二・八倍ということで、なかなか利用されているということで、ほっとしました。
 多くの中小企業、町工場は、現状の技術の維持で手いっぱいであり、既存設備の更新、刷新が最優先と考えられます。そして、それこそが、実は唯一無二の付加価値だと、町工場の多い江戸川選出都議としても思うものです。
 都は、DX、3DプリンターやAI導入など、新技術導入を推進しておりますが、何をもって高性能な機器、設備としているのかご説明の上、堅実に日本の工業製品を支えてきた町工場の機器、施設の更新も対象となるのか、伺います。

○福田商工部長 本事業では、中小企業が現在行っている事業をさらに発展させるために経営改善計画を策定し、その実現に必要な機器や設備の導入などに対して助成しております。
 これまでに小規模の製造事業者についても支援実績がございます。

○上田委員 新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業でございます。
 本事業の対象となる、直近決算期に損失を計上し、賃金引上げ計画を策定する都内中小企業等の具体的な規模や想定対象事業者数、業種の把握状況、同事業により中小企業の持続的な成長と雇用安定にどう資するのか、成果を期待していくのか、伺います。

○福田商工部長 本事業の活用が想定される中小企業のうち、賃上げを実施できていない事業者数は約一千社と想定しており、中小企業が事業を発展させることで生産性を高め、持続的な賃上げに向けた取組を後押ししてまいります。

○上田委員 この千社の分母があって、百社規模の支援を想定していますが、この規模で、都内の中小企業、町工場の実態を踏まえ、本当に必要な事業者に支援が行き届く制度となっているのか。
 賃上げ計画を策定する新たな条件が加わり、対象事業者が実際どの程度存在して、この事業をどう届けるのか、届いているのか、周知、広報、これまでの実績を踏まえて検討されていると思いますので、説明をお願いいたします。

○福田商工部長 必要とする事業者に着実に支援を届けるため、ホームページやSNSなどによる情報発信、金融機関と連携した周知活動のほか、企業巡回によるプッシュ型広報や、これまでの本事業の活用事例を紹介するセミナーなどを行ってまいります。

○上田委員 なかなかこのリンク先が、教えていただいてもすぐに探せなかったんですが、工場の人に教えてさしあげたら、今度また出ますよというので大変喜ばれていたので、分かりやすい形で、公社の方も使って情報提供のお願いをしたいところでございます。
 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業です。
 中小企業の競争力やDX化、イノベーション創出を目的に設備導入を支援、支援規模を二百五十社から三百五十社に拡充するというものでございます。
 同じように、今までの実績、評価、対象事業者、応募件数、倍率、審査の過程についても伺います。

○大川商工施策担当部長 都は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業におきまして、様々な業種の中小企業を対象に、さらなる発展に向けた設備等の導入により競争力を強化する取組に対して経費の一部を助成しており、設備投資を予定しながらも、資金的な課題により設備を導入できていない企業約二万社がこの支援の対象と想定されております。
 令和三年度の事業開始から令和六年度までに一千九百五十八件の申請があり、外部の有識者による書類や面接の審査を経て八百六件を採択し、倍率は約二・四倍でございます。
 これによりまして、事業者の生産性の向上につなげております。

○上田委員 倍率二・四倍ということですね。
 毎年二百社程度の採択をしてきたとのことで、需要があり、事業は周知されているやに思料いたしますが、局の受け止めはいかがでしょうか。

○大川商工施策担当部長 物価高騰の影響が続く中、中小企業の賃上げを確かなものにするために、このたびの補正予算案では、計画的に賃金引上げにつながる取組に対する支援規模を百件とし、約四十六億円を計上いたしました。

○上田委員 この件では最後になりますが、DXやイノベーション創出を促す設備投資支援の効果について、賃上げや生産性向上などとどう関連していくのか、具体的な成果指標を用いて評価しているのか、伺います。

○大川商工施策担当部長 都は、中小企業がデジタル機器や最新設備等を導入し、業務の効率化や新製品の開発を行うことで生産性を高め、その成果を持続的な賃上げにつなげる取組を後押ししております。
 令和六年度は、計画的に賃上げに取り組む九十四件を採択しております。

○上田委員 次に、追加予算の必要性につきまして、被災した事業者への支援等々、伺っていきたいと思います。
 被災地の状況、フェーズが随時変化していることを鑑みれば、今回一回だけで到底解決できるはずはありません。被災事業者の多様なニーズ、殊に資金繰りが本当に大問題です。対応するため、可及的速やかな復旧、復興に加え、経営力強化を含む支援の実施状況と課題及び今後の改善策、拡充策、それに伴う追加予算の必要性について、産業労働局としての見解を具体的に伺います。

○阿部総務部長 今回の台風によって生じた被害は八丈島、青ヶ島の全体にわたり、様々な業種の事業活動に深刻な影響を及ぼしておりまして、一刻も早い復旧が必要と考えております。
 このため、都は、被害状況の迅速な把握に努めるとともに、被災された事業者の経営安定に必要な資金繰りなどの支援を速やかに講じてまいりました。
 一日も早い復旧、復興に向けまして、これまで講じてきた対策に加えて、今回の補正予算案では、被災された事業者の再建等を図る取組などに必要な予算等を計上しております。
 補正予算案成立後、各事業について早期の支援を開始できるよう準備を進めてまいります。

○上田委員 十一月三十日、十二月一日と、八丈島島民の方からお声がけをいただき、視察をしてまいりました。ホテル経営者、うみかぜ椎茸生産者、アシタバ加工事業者、くさや製造者、居酒屋経営者といった島民の皆々様の声を直接伺い、そして、被災状況もこの目で確認してまいりました。補償と支援が後回しとなっている現状、当面の資金繰りと雇用の確保に、皆様、大変な苦労と不安を抱えておいででした。八丈島町長、そして副町長、都の支庁長、総務課長からも行政の立場からのお話も伺いました。
 あしたば加工工場においては、山田真之介様から全壊の状況の当日の説明を聞きました。局所的な暴風雨が建物を巻き込み、破壊していくすさまじい威力を目の当たりにしたということです。全壊指定を受けたところで、解体費を出して、再建のためにまた借金を重ねるのは、コロナ禍を乗り越えた今、逡巡をされているのはごもっともなことです。私も一般質問でも求めましたが、公費解体の必要を感じております。小池知事はお答えになりませんでしたけれども、局長は前向きな答弁をしておりました。
 有名ホテル、かっぽう、ミシュラン店にお墨つきをいただく八丈の誇るブランド農産物、島特有の海風と高い湿度、豊富に湧き出るおいしい水でつくる、うみかぜ椎茸生産事業者の大竜ファームも大打撃を受けました。大沢竜児社長は循環型農業を目指され、収穫体験、加工食をつくり、うみかぜテラス、飲食店経営も手がけ、通常のビニールハウスとは違う、年間室温空調管理、過度の日射を防ぐ特殊なシート等、一千五百万円以上の設備投資をされましたが、台風被害により一変。全損状況の中、水道、電気が止まり、営業開始のめどが立たない状況にあり、せっかく移住してきてくれた従業員も解雇せざるを得ず、飲食店も閉店しております。過日は、国会でも、手厚い支援がなぜ必要かという、かけがえのない事例として取り上げられておりました。
 そして、八丈島の名産といえば、欠かせないのは何といっても、くさやです。昭和三十八年には四十六軒もありましたが、現在六軒となったお店の一つ、製造に欠かせない乾燥機が破損された長田商店、長田隆弘社長の下にも参りました。私はお邪魔する直前、ちょうど最後の一つが近隣小学校の食育教材として提供したばかりということで、ご商売だけではなく、子供たちを地域で日頃から支えている活動が目に浮かぶようでした。
 機器の故障もさることながら、十月中、漁船も沖止めとなり、原料となるムロアジの漁に出られなかったことも大きな打撃となっております。繁忙期のお歳暮に販売できないこともさることながら、今後の顧客離れにつながらないか、大きな痛手になるのではと懸念されています。
 既に都には伝えているということです。激減したくさや生産を何としてでも失ってはならないという、強い使命感もひしひしと感じた次第でございます。
 また、宿泊でお世話になった八丈ビューホテルの宮代昌秀支配人は、台風襲来二日前に、準避難所ということで、あらかじめ何世帯分か、対策を念頭に入れて行政へ確認をしていたところ、残念ながら、そのときは準避難所は指定していない回答を得て待機していたところの八丈島史上最大の被害、土石流に見舞われました。一回断られても避難所としてのお手伝いをしようと考えられ、無償で自主避難として、部屋と、地下水を使っていたため利用できたお風呂を、被災者と支援に来島した東京都の職員も利用しました。政府職員等、事業者へ提供してきたとのことです。
 こうして島民の皆様は、歯を食いしばって前を向いて助け合っている中、真に再建に寄与する都の支援は可及的速やかに実施すべきであり、不可欠な状況があります。資料を見る限りでは、被災直後から八丈支庁を通じて現地の状況を把握し、直接被害を聞き取っていることは読み取れました。
 年間十億、今も光っていますけどね、照らすプロジェクションマッピング予算や、お台場噴水二十六億円を使う潤沢な財源がある東京都なのですから、今こそ未来を明るく照らすべくは八丈島であると一般質問でもいいましたけれども、予算はもちろん、都の職員や事業、あらゆるリソースの選択と集中を全集中すべきと、取り急ぎ申し上げておきます。
 地域企業再建支援事業です。
 総額二十二億円。八丈島、青ヶ島の百四十事業者を対象に、建物、設備の復旧や仮設施設整備、経営力強化の経費を補助するとのことですけれども、こちらも、想定事業者、補助設定金額、補助率や補助限度額の設定が事業者の実情に合致しているのか、伺います。これで事足りるのか懸念するものでありまして、確認をさせていただきます。

○福田商工部長 都は、職員を現地に派遣するとともに、被災直後より、八丈支庁などを通じまして現地の被害状況を把握し、約百四十の事業者の施設などにおきまして、約二十二億円の被害の発生を確認しております。
 地域企業再建支援事業では、島しょの実情等を踏まえ、国の制度に上乗せして補助率を五分の四とし、被害を受けた施設等の再建への支援に必要な額を踏まえまして、五千万円を上限としております。

○上田委員 検証はされているようです。
 一応、最近は農業分野でも、うみかぜ椎茸さんもそうなんですが、企業が事業として取り組むケースが増えています。
 本事業が農作物の生産や加工、循環型農業を行う企業等にも広く弾力的に活用されるよう、対象範囲や支援内容の柔軟性についてどのように考えているのか、伺います。

○福田商工部長 地域企業再建支援事業では、加工業や販売業を行う農林水産関連の中小企業等が実施する施設や設備の復旧に要する経費についても補助対象とすることとしております。

○上田委員 対象になるということを確認させていただきました。
 地域企業再建緊急特別雇用支援事業です。
 こちらは総額八億。八丈島、青ヶ島の百二十事業者を対象に、従業員の離職防止と島内事業者の早期かつ安定的な事業再建を支援するため、給料等相当額の五分の四を補助、補助上限が一人当たり月三十万、補助期間が六か月間とされていますが、いわゆる雇用調整助成金の東京都版と考えてよいのか、具体的な支給の仕組みについて確認させてください。
 例えば、パート、アルバイトが休業等で所得が直近平均から減少した場合、本来の給与が十万円であれば、事業者からの支給の有無にかかわらず、都が五分の四の八万円を支援する仕組みなのかなということで理解してよろしいでしょうか。

○新田雇用就業部長 都は、今般の台風で建物等に被害を受けた事業者に対し、早期かつ安定的な事業の立ち上げを支援するため、給料等相当額の一部を補助する取組を行います。
 具体的には、対象事業者が従業員に対して支払った基本給や諸手当などの五分の四を補助し、被災した月に遡って、十月支給分から来年三月支給分までを補助対象の期間といたします。

○上田委員 じゃあ、私が確認させていただいたとおりということで間違いないですね。
 事業者の再建に必要となる給料等とありますが、具体的な支援事例を示してください。
 特に本土からの新規採用者に対しては、どの範囲まで支援が必要か。例えば本土から飛行機代は出るようなんですけれども、運賃は出るので、家賃等の費用も含まれるのか、お答えください。

○新田雇用就業部長 補助の対象となります給料等につきましては、対象事業者が従業員に対して支払った基本給や諸手当などが該当いたします。
 また、仕事を辞めて島を離れた従業員が、島に戻り再就職する場合の交通費についても補助の対象といたします。

○上田委員 ちょっと家賃について言及されていないので、家賃も含む、住居手当という形で含むということでいいですか。

○新田雇用就業部長 繰り返しで大変恐縮でございますが、補助対象の給料等については、対象事業者が従業員に対して支払った基本給や諸手当などが該当いたします。

○上田委員 じゃ、住居手当も入るということなんでしょうかね。ちょっとそこら辺は、また後で、個別でご回答ください。
 これらの支援内容が島内事業者の実情に即しているか、特に離職防止効果や事業再建の寄与についてどのように評価しているのか。事業者、補助設定金額、補助率や補助限度額と設定が事業者の実情に合致をしているのか。こちらについても事足りているのか懸念するものなので、確認させてください。

○新田雇用就業部長 都は、被災直後から、八丈支庁等を通じまして現地の被害状況を把握するとともに、職員を現地に派遣いたしまして、事業者等から被害の聞き取りを行っております。
 これらにより把握した被害の状況等を踏まえまして、百二十事業者に対し、早期かつ安定的な事業の立ち上げに向けて、一人当たり月三十万円を上限に、十月支給分から来年三月支給分までに支払った給料等相当額の五分の四を補助することとしております。

○上田委員 一応、事足りる想定というふうに理解しました。
 山村・離島振興施設整備事業です。
 被災農業者の実態把握に基づき、支援対象となる被災農業者が全て網羅されているのか、農業者のニーズに対して十分な支援が行われているのか、現状の把握状況と課題について具体的にご説明ください。

○榎園農林水産部長 都は、台風二十二号、二十三号の被害発生直後から農業における被害調査を行うほか、地元の自治体や農業団体などと復旧に向けた意見交換を行う会議を開催するなど、ニーズの把握に努めてまいりました。
 得られた情報を踏まえ、今回の台風被害を受けた農業者に対し、農業資材の購入経費助成の取組を開始するとともに、個々の農業者の全面的な営農再開の課題となっている栽培施設の再建への支援のため、約二億四千万円を補正予算案に計上いたしました。

○上田委員 一応、網羅をしているというふうに理解させていただきます。
 次に、八丈島等観光復興支援事業です。
 こちらは被災した観光施設の復旧、再建というのが対象になっていますが、具体的にどんな施設を指すのか、被害の内容や規模についてどう捉えているのか、詳細に伺います。

○江村観光部長 八丈島では、温泉施設において屋根などの損傷により営業を停止している状況があるほか、特産品販売やカフェなどを併設した施設において外壁の破損により立入りを制限している状況や、観光スポットである玉石垣が一部崩落している状況などが確認されております。
 また、青ヶ島では、サウナ施設における屋根の損傷が確認されております。

○上田委員 そうですね。玉石垣、本当にあの丸い玉が取れるということで私も見てまいりまして、たくさん崩落しているところも見てまいりました。そうしたものも対象になるということでございます。
 八丈島や青ヶ島への誘客につながる観光キャンペーンとして、旅行割引の実施等が挙げられていますが、具体的にどのようなキャンペーン内容で、どのような数値目標--東京都の大好きな経済波及効果ですよね、ODAIBAファウンテンはすごい金額、四十何億円でしたっけ。それと、あと誘客数を設定しているのか、伺います。

○江村観光部長 都は、台風の被害により減少している八丈島と青ヶ島への旅行者の回復に向けまして、旅行会社と連携して、ツアーや宿泊プランの割引を実施いたします。
 また、特産品の販売や観光情報の提供などを通じて島の魅力をPRするイベントを実施するほか、島のPR映像をウェブサイト等を通じて広く発信いたします。
 これらの取組について、島の復興状況などを踏まえつつ、適切に実施してまいります。

○上田委員 どのぐらい観光客を戻すという数値はちょっと出てこなかったんですけれども、まあ、また後で触れていきたいと思いますけれども、今後、より確実に顧客誘致につながる観光支援を実現するための課題と改善策、事業の拡充、継続が大事だと思うんですよね。これをどうされるか、伺います。

○江村観光部長 都は、台風による八丈島と青ヶ島の観光施設の被害状況について、町村や観光協会などを通じて情報収集を進めてまいりました。
 その上で、八丈島と青ヶ島の観光産業の復興に向け、町村や観光協会の意見も踏まえながら、必要な支援策について補正予算案を計上いたしました。
 今後は、今回の支援策のほか、既に実施しております観光振興策も活用しながら、島の観光産業の復興を後押ししてまいります。

○上田委員 見える形で支援の後押しをしてほしいんですね。
 二億円なんですね、この予算って。観光財団より二億円の内訳について、五千万円のみ現地集客に各種旅行会社を使ってクーポン施策を行う予定で、残りの一・五については詳細は不明であるとの説明を、東京の観光財団ですけれどもね、説明を八丈島観光協会は受けたそうです。
 現地救済策であるのですから、まずは青ヶ島も含めて二億を落とし込んだ上で、町の事業者を束ねた組織である観光協会に効果的な、財団ではなく協会に、八丈島ですね。効果的な集客方法を八丈町とも協議した上で、観光協会を主体に置き、それから、観光財団は支援に回る体制が適切ではないのかと思料をいたします。
 資料でも積算根拠を出していただいていますけれども、支出予定項目と相手先、その金額の二億円の内訳、積算根拠の詳細について報告をお願いいたします。
 被災した観光施設等の原状復帰整備に要する経費上限二千万という想定が六件ということですけれども、こちらも具体的な想定があるのか、総額幾らとなるか。
 よもや東京都観光財団に丸投げしちゃって中間搾取をするようなことがないのか確認したく、この点についても説明を求めます。

○江村観光部長 本事業では、まず、被害を受けた町村の観光施設等の復旧に向けまして、町村が実施する調査や修繕などの取組に対し、二千万円を上限として必要な経費の二分の一を助成することとしており、先ほどご答弁しました観光施設等を含めまして、その規模を六件と見込み、一億二千万円を計上しております。
 また、台風の被害により減少している八丈島と青ヶ島への旅行者の回復に向け、旅行会社と連携したツアーなどの割引の実施に要する経費として五千万円を、特産品の販売等を通じた島の魅力をPRするイベント等の実施に要する経費として三千万円をそれぞれ見込んでおります。
 なお、本事業は、都の事業として、町村や観光協会、東京観光財団が相互に連携して実施するものでございます。今回の補正予算案に計上した事業費には、東京観光財団の事務経費等は含まれておらず、全額が島の観光産業の復興に充てられます。

○上田委員 島に行くということですが、八丈島観光協会や地元観光事業者の要望を本当に聞いているのか、確認をさせていただきます。
 現状の事業は、二四年クーポン施策、下半期十から二月、予算が四千万、クーポン三千円前後でした。
 二五年のクーポン施策は、今、実施中ですけれども、下半期八月から二月、予算が四千万、三千円前後のクーポンとなっておりまして、これは下半期の閑散期対策で、毎年、町が行っている施策です。
 そのため、上乗せ一千万円程度でよいと判断し、五千万円を上半期に準備する程度でよしとしたのではないのかと私は判断させていただいております。
 観光協会は二億の使い道を前提とした相談は一切受けていないようで、誰が予算内容の配分を考えたことなのか。事業者の声も聞かずに、専門分野ではない執行部側が判断して配分したのであれば、ちょっと問題かなと思っております。
 ちなみに、二四年の来島者数は、十月、一万二百八人、うち推定観光客は八千百六十六人ですね。十一月、九千九百十人、推定観光客数は七千九百人。二か月合計推定観光客数は一万六千人です。
 今年です。十月は七千四百一人、二四年実績から、多分、推定観光客は一千七百人であろうと、十月七日までを営業分二千五百人とした場合でございますけれども。十一月が八千二百四十人、観光関係事業者営業開始十一月十二日からして四千九百四十四人、うち推定観光客数二千五百人で五〇%ですね。二か月合計推定観光客数は、昨年の一万六千人と比べて四千二百人となっておりまして、四分の一に激減して、実質損失した人数は約一万二千人と、観光客ですね、推定されます。
 引き続き、十二月から三月までの集客損失は三割ダウンと見込んでおり、四か月で四万人の来島者数の三割で一万二千人程度を、十、十一月の損失の一万二千に加えて、最終的には、合計二万四千人分が損失想定となります。そのため、二万四千人を春から夏にかけて、実質五か月分を取り戻すために補正予算を活用する必要があるのではないでしょうか。
 ここは八丈島観光協会、地域観光事業者の要望を丁寧に伺い、損失分を取り戻す支出に選択と集中をすべきでございます。
 観光財団には行かないということでありますけれども、そこに丸投げして、意味不明な広告のために広告代理店に支払う、キャンペーンに使っておしまいということにならないよう、改めて希望を聞くべきと思いますが、所見を伺います。

○江村観光部長 都はこれまで、八丈町や青ヶ島村、観光協会へのヒアリングなどを通じて、現地の観光に関する状況の把握に努めてまいりました。
 これを踏まえ、被害を受けた町村の観光施設等の復旧のほか、島への誘客を促進するための旅行割引の実施や島の魅力をPRするイベント等について、八丈町や青ヶ島村、観光協会と連携して取り組むこととし、支援に必要な事業費を計上いたしました。
 今後の事業の実施に向けまして、現在も八丈町や青ヶ島村、観光協会と継続して協議を行っており、引き続き、島の観光産業の復興を図るために連携して取組を進めてまいります。

○上田委員 農地及び農業用施設の災害復旧です。
 私も島内各地を見てまいりましたけれども、末吉地区の土石流は想像を超えるものでありました。また、津波の方も行ってきましたけれども、東日本のときに、それを彷彿とさせるものでした。
 全く大丈夫な部分があると思えば、集中してやはり破壊がひどいところもあったりして、道中も数々の倒木があり、島民、地元事業者、政府、自衛隊、都の協力により、道路は何とか開通しているものの、一部不通なところがありますけれども、農地の被害も甚大と、胸が痛む思いです。
 ついては、被災した農地及び農業用施設とは、具体的にどのような被害を受けたものを示すのか、対象となる二十五地区の被害状況や規模について詳細にご説明ください。

○榎園農林水産部長 農地等の被害でございますが、農地につきましては、土砂の流入や、それによるフェニックスロベレニーなどの樹木の倒伏、農業用施設については、倒木による農道の寸断や斜面の崩壊などを確認してございます。
 対象となる二十五地区において、被害額は、農地二十か所で約一億円、農業用施設五か所で約二億円であり、補正予算案では、その復旧等の支援に必要な経費二億円を計上いたしました。

○上田委員 やはりこれも、今後も災害復旧に向けて状況を把握し、今、把握されているようですけれども、需要に合わせた対策、それに伴う予算が必要であります。
 農地及び農業用施設の災害復旧における課題や支援不足と感じられる点について、現場の声や調査結果を踏まえた認識、早期復旧と農業の持続的発展を一日も早く図るために、改善策や拡充の方向性を伺います。

○榎園農林水産部長 被災した農地や農業用施設の復旧に必要な資材や技術者の確保につきましては、早い段階から農協等に対し、資材の円滑な調達や職人の確保要請を行っています。
 また、内地から職人を確保する必要があるなど、島しょの実情に合わせた適切な予算額を計上してございます。

○上田委員 よく調べてお願いをしたいと思います。まあ、されていると思いますけれども。
 災害復旧資金融資等利子補給です。
 山下八丈町長も、利子補給については都へ期待するとおっしゃっており、実現した形であることは大変喜ばしいと思います。
 まず、利子補給金は、返済負担軽減のために補助対象利子の三分の二相当を交付するとされていますが、実際に利子補給を受けている中小企業者の利用状況や補給状況について、具体的にご報告ください。

○原金融部長 災害復旧資金融資につきまして、令和元年度に発生した台風第十五号、第十九号、第二十一号では、令和六年度までの累計実績として、融資件数は九十二件、融資金額は約十五億九千六百万円、利子補給件数は八十五件、利子補給額は約五千万円となっています。

○上田委員 こうした活用実績を活用していただきたいというふうに思います。
 一方、融資を受けた資金は返済義務があるために、再建計画を立てる中で事業者が抱える困難は依然として大きいと考えられます。
 ましてやコロナ禍後でございますから、利子補給だけではなく、事業者の状況に応じた丁寧な再建支援や相談体制の整備について、現在の取組と今後の強化案をお示しください。

○原金融部長 都は今年度から、中小企業へ専門家を派遣し、金融機関と連携して経営支援機関につないでいます。
 本事業を活用し、被災後の資金繰りや経営改善、事業再生など様々な経営課題を抱える中小企業を支援することとしています。

○上田委員 アウトリーチをしていただければと思います。
 一応、制度も整っていて準備をされているとは思うんですけれども、しかしながら、今回せっかく予算もついたのでございますが、どうしても対象基準から外れてしまう。制度というのはそういうものなのでございます。
 制度の狭間に落ちてしまう、ぎりぎりのところで対象外となってしまう農業者、事業者も発生してしまうと思いますが、こうした方々に向けて、既存事業などと--東京は結構あるんですよね。コーディネートする体制が必要と思われますが、現在どうなっており、今後どうするのか、伺います。

○阿部総務部長 都では、職員を現地に派遣するとともに、町村等を通じて被害状況の把握に努めてまいりました。
 こうした実情を踏まえまして、今般の補正予算案では、一日も早い復旧、復興に向けまして、ただいま各所管部からご答弁いたしましたように、必要な予算等を盛り込んでおります。
 引き続き、地元の皆様の声を丁寧に伺いながら、町村等とも連携し、復旧に係るきめ細かな支援を行うとともに、島のさらなる魅力向上が図られるよう、その復興に向けて取り組んでまいります。

○上田委員 本当によい意味で、八丈島というのは、すごく人間関係も濃密であったりとかしますし、情報も皆さんも集約しやすいと思いますので、何しろ、これ、東京都の災害でございますので、一点集中、先ほどもいった、あらゆるリソース、予算も集中してほしいと思うんですね。
 資料要求では、被害想定額が四十八億七千七百九十三万円となっております。約五十億ですよね。プロジェクションマッピングを五年やめたら出ちゃうんですね。
 だから、そういうことで、優先順位が今回は我らが東京の八丈島支援に向けていただく、また、その生活、農業、商売がやっぱり先だと思いますので、そこをつかさどる産業労働局の力が大いに貢献できると思いますので、期待をさせていただきたくということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。

○さとう委員 女性の活躍を推進する条例の新設について伺います。
 令和七年九月二十四日、知事はOECDチャンピオン・メイヤーズの副議長に就任されました。
 女性、子供分野担当とのことですが、この国際的ポジションで求められるのは、条例を何本つくったか、事業数をどれだけ増やしたかではありません。求められるのは、制度をどう統合し、限られた財源で実効性のある政策をどう実現したいかという首長としてのリーダーシップです。制度の追加ではなく、制度を束ねる力です。
 リーダーシップがあれば、条例がなくても政策は動きます。条例が増え続けると、検証と改善が後回しになるという問題が生じ、かえって知事の責任を見えにくくします。
 人口減少、財政制約、社会保障負担の増大という中で、東京も全部やることはできません。だからこそ必要なのは、何を優先し、何をやらないかを決め、どこに資源を集中するかを示すことです。
 条例を一本増やすことは優れた戦略ではありません。統合し、整理し、選び取ることこそがリーダーシップであり、戦略です。
 女性や子供を取り巻く課題は、理念ではなく、実装と結果が問われる段階に入っています。今、都民が見たいのは、条例の本数ではなく、計画の厚さではなく、知事が何を最重要課題とし、どう束ね、どう結果を出すのかというリーダーシップです。
 OECD副議長という立場に就かれた今こそ、東京が世界に示すべきなのは、条例先進都市ではなく、統治の質が高い都市だと考えます。
 ほかの法制と屋上屋を架す、具体的な中身は全て指針で決める、用語の定義も曖昧、予算の概算も見えていないという複数の課題を抱えた条例の新設が拙速に進んでいるということは、都の在り方として看過できない問題があると考えます。
 この前提の下、本日は質問させていただきます。
 まず、女性が活躍できる環境の定義について伺います。
 第二条第五号では、女性が活躍できる環境を女性が個性や能力を発揮できる環境と定義していますが、これは活躍を能力発揮にいい換えただけの循環定義ではないでしょうか。
 活躍とは具体的に何を指すのか、客観的な測定基準を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、雇用就業分野において女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境のことを、女性が活躍できる環境として定義をしています。
 本条例における個性や能力の発揮とは、働く場において、本人が培ってきた知識や経験、スキルなどが生かせる職務に従事し、職務に応じた一定の責任と裁量を持って業務を遂行している状況などを指しております。
 例えばですけれども、同程度の経歴や能力を有する従業員と同等の職務に就いている状態などを想定しておりますが、個人が抱える事情、それから企業によっても、その状況は様々であると考えております。

○さとう委員 同程度の経歴、能力を有する者の比較という、そのような考えは一定理解いたしますが、個性や能力を発揮できるとは、誰がどのような基準で判断するのでしょうか。
 事業者が発揮できていると判断し、女性が発揮できていないと感じた場合、どちらの認識が優先されるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 どちらの認識が適切かというのは状況により異なるものでございますが、事業者には、環境整備に当たりまして、従業員に十分な説明を行うとともに、従業員の意向も確認をしながら進めるように指針などに示してまいります。
 なお、東京都では、労働相談窓口におきまして、職場の問題などに係る都民からの相談に応じております。

○さとう委員 どちらの認識が適切かは状況によるとのご答弁でしたが、これでは、事業者と従業員の認識が衝突した際に、行政がどちらを正とするのかが完全にブラックボックスになります。主体も基準も曖昧なまま責務だけ課すのは、法令としてのていをなしていません。
 相談窓口の案内だけではなく、事業者、従業員双方にとっての判断フレームを指針等で具体化することを求めます。
 また、本条例における女性の定義がありませんが、生物学的女性のみを対象とするのでしょうか、性自認に基づく女性も含むのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 この条例では、一般的な社会通念上の女性を主な対象としております。
 具体的な対応につきましては、各職場における通常の対応に準ずるものとして差し支えないと考えております。

○さとう委員 社会通念上の女性という表現では、対象範囲の線引きが不可能です。性自認を含むのか否か、この一点こそが現場が最も困るところであり、答弁はそこを避けています。各職場の判断に委ねるなら、判断基準を明文化する必要があります。回避することなく、明確な整理を示してください。
 性自認との関係やトランスジェンダーの方への対応など、少なくとも想定事例レベルでは整理した上で明示していただければと思います。
 次に、無意識の思い込みについて伺います。
 無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスとは、本人が自覚していない偏見を指しますが、自覚していないものをどのように解消するのか、具体的な方法論を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 無意識な思い込みとは、これまでの経験や見聞きしてきたことにより形成され、本人が意識しないところで日々の判断や言動に影響を与えるものでございます。
 都は、無意識の思い込みに影響された言動が、雇用就業分野において、意図せずに女性が個性や能力を発揮できる機会を奪うことがないよう、性別による無意識の思い込みがあることについて、事業者や都民が気づき、関心や理解を深めてもらうため、普及啓発を行ってまいります。

○さとう委員 ご答弁は、気づきを促すという抽象論に終始しており、無意識のバイアスをどう解消するのかという制度上の要求に全く答えていません。解消手段が示せない概念を義務化するのは、政策として成り立ちません。
 行政としてどのような状態を解消と定義するのか、明確にお答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、無意識の思い込みに影響された言動が、意図せず他者に不利益を与えるおそれがあることについて、様々な情報を提供し、事業者や都民に関心や理解を深めていただき、意図せず他者を傷つけることがなくなっていることを目指しております。

○さとう委員 気づきや理解を促すだけでは、政策手段として不十分です。無意識バイアスの解消を掲げる以上、何をすれば行政が解消したとみなすのか、指標の提示を求めます。
 また、無意識の思い込みが解消されたかどうかを、誰が、どのような基準で、どのような方法で測定、評価するのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 無意識の思い込みは、これまでの経験などによって形成されますので、すぐに解消するというのは困難だとは考えておりますけれども、条例に基づく事業者への調査などを活用して、状況を把握してまいります。

○さとう委員 調査で把握するという答弁は、無意識のバイアスの定義と矛盾しています。無意識は、自己申告では測定不可能です。測定できないものを事業者責務にすることは、規則として成り立ちません。
 成果指標なのか、プロセス指標なのか、何を測るのかを明確にしないと、調査が目的化し、現場にとっては負担だけが残ります。
 測れないものを解消せよと求める時点で、政策として成立していません。何を測るのか、指標の提示を求めます。
 また、行政が都民、事業者の無意識に介入することは、思想、良心の自由、憲法第十九条との関係でどのように整理されるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、雇用就業分野における女性の可能性を広げていくため、性別による無意識の思い込みの解消に向けて取り組むこととしております。
 本条例の取組は、無意識の思い込みに影響された言動が、意図せず他者に不利益を与えるおそれがあることについて関心や理解を深めていただくために様々な情報を提供するものでございまして、個人の内心に踏み込むものではございません。

○さとう委員 内心に踏み込まないといいつつ、無意識の思い込みの解消を求める矛盾が残っています。無意識は内心そのものです。
 無意識の思い込みが繰り返し強調されることで、事業者や個人が意識の持ち方を行政から問われていると感じていた場合、どう対応するのか、見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 直接的に、こちら東京都にお問い合わせいただいた場合には、条例の趣旨を丁寧にご説明をいたしまして、この規定が個人の内心を制限するものではないということをお伝えしてまいります。
 そうした誤解ができる限り生じないよう、事業者、都民の皆様に対しまして、様々な手法を通じて条例の趣旨を説明してまいります。

○さとう委員 行政が無意識という個人の内心領域に働きかけること自体、憲法十九条に極めて接近した領域であることを自覚していただければと思います。
 また、女性特有の健康課題への配慮とは、具体的にどのような対応を事業者に求めるのでしょうか。中小企業にも同様の対応を求めるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性特有の健康課題は、生理や更年期障害、生理休暇に関するものなどがあり、働く女性が増える中で、仕事のパフォーマンスにも影響を与えるものとして注目が集まっています。
 この条例では、企業規模にかかわらず、そういった課題に理解を深め、例えば、相談しやすく休暇が取りやすい職場づくりなど、職場内で適切な配慮を行うことを求めております。
 また、都は積極的に取組を行う企業への支援を行っておりまして、こうした先進的な事例については、他社の参考となるよう周知してまいります。

○さとう委員 健康課題への配慮は必要ですが、中小は医務室も人事部もありません。相談しやすい職場づくりでは、抽象的で実務に落ちません。具体的にどの行為をすれば責務を果たしたといえるのか、提示を求めます。
 また、第五条第二項では、優越的な関係を背景として女性の尊厳を傷つける行為をしてはならないとありますが、これはセクハラ防止法制と何が異なるのでしょうか。既存法令との重複ではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 国においては、ハラスメント対策につきまして、男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法、育児・介護休業法など様々な法令に分散して規定をされておりますが、都は、女性が対象となるものについて、本条例により、改めて一体として示したものでございます。

○さとう委員 既存の国法を一体として示したというのは、実質的に焼き直しをしただけです。法体系的に何を補完し、何を強化するのかが示されなければ、条例としての独自意義が存在しないことを自覚いただければと思います。
 次に、経済団体の責務について伺います。
 経済団体に条例で責務を課すことの法的根拠は何でしょうか。
 経済団体は任意加入の民間団体であり、行政が条例で責務を課すことは、結社の自由、憲法第二十一条との関係でどう整理されるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 地方自治体は、条例制定権の範囲で条例を定めることが可能でございます。
 団体に対して条例に基づいて義務を課すことは一般的に行われていることでございまして、本条例により経済団体に努力義務を課すことに問題はないと考えております。

○さとう委員 結社の自由は極めて重要な権利であり、団体に責務を課すという行為は、本来、慎重な検討が必要です。にもかかわらず、法的整理を一般的に行われているで済ませるのは、あまりにも軽い答弁です。行政が民間団体にどこまで権限を委ねるのか、明確な説明責任が求められます。
 経済団体が本条例に定める責務を果たさなかった場合、どのような法的効果が生じるのでしょうか。努力義務違反に対するペナルティーはあるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者への罰則は定めておりません。

○さとう委員 ペナルティーがない以上、責務といっても、実質的には法的には効果がありません。そのような名ばかり責務を条例に書くこと自体、法令の体系として適切なのか疑問です。
 経済団体に責務を課すことで、都の行政責任を民間に移転しているのではないでしょうか。
 本来、都が直接行うべき施策を経済団体を通じて行うことの合理性を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、事業者などに対しまして、情報の提供や啓発、相談などを行うこととしております。
 経済団体は業界特有の状況や所属する事業者などの状況などに詳しいことから、条例の効果を高めるためにも、ご協力いただくことが重要と考えております。

○さとう委員 行政として、どの部分を自ら担い、どの部分を団体に委ねるのか、その線引きを明文化しておかないと、丸投げと受け取られるリスクが残ると感じております。行政としての直接責任の範囲を明確に示してください。
 次に、指針について伺います。
 第九条第二項に列挙された指針の内容は、条例の核心部分であります。これらを条例本体ではなく指針で定めるのは、実質的な立法行為を行政に白紙委任することになるのではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、各主体の責務の内容を定めまして、指針によって、それを具現化するための事項を定めることとされております。
 条例に基づく具体的な取組や政策目標は、本条例に関する議会での議論も踏まえながら、ほかの行政計画とともに行政として定めてまいります。

○さとう委員 実質的ルールを指針で決める以上、議会の統制が利きません。
 指針策定、変更に議会関与を入れる意思があるか否か、明確にお答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 先ほど、ご答弁にちょっと間違いがございましたので、そこのところも重ねさせていただきます。
 条例に基づく具体的な取組や政策目標は、本条例に関する議会での議論も踏まえながら、他の行政計画と同様に行政として定めてまいります。
 今回お尋ねの内容についてでございますが、政策目標の設定に対しては、検討部会では、事業者も多様であり、一律の目標を課すことは現実的じゃない、それから、目標は業種、業態ごとに各社が設定すべき、また、各国では、指標や目標設定によって取組を進めているとのご意見をいただきました。
 そうした意見も参考に、本条例では、政策目標、それから、その進捗を把握する指標につきましては、指針において定めることとされております。
 政策目標、指標につきましては、本条例に関する議会での議論や関係機関での意見も踏まえながら、行政として定めてまいります。
 なお、政策目標の進捗状況につきましては、広く公表してまいります。

○さとう委員 質問に全く答えていないと思っています。
 今お聞きしたのは、指針策定、変更に議会関与を入れる意思があるか否か、明確にお答えくださいと質問しました。

○吉浦働く女性応援担当部長 失礼いたしました。
 条例では、指針の策定、変更につきましては、関係機関等の意見を聞きながら行いまして、速やかに公表していくこととされております。
 議会に対しましては、ほかの事業と同様に、必要に応じて情報提供を行ってまいります。

○さとう委員 条例の中核部分を指針に委ね、議会の関与が薄いまま行政裁量で内容を決められる構造は、立法権の行政への過剰な委譲といわざるを得ません。
 第二項一号、政策目標、進捗を把握する指標の具体的な内容を条例審議の段階で示してください。指標が示されなければ、本条例の効果検証は不可能です。

○吉浦働く女性応援担当部長 政策目標の設定につきまして、検討部会では、事業者も多様でございまして、一律の目標を課すことは現実的でない、目標は業種、業態ごとに各社が設定すべき、各国では、指標や目標設定によって取組を進めているといったご意見がございました。
 こうした意見も参考に、本条例では、政策目標及びその進捗を把握する指標については、指針において定めることとされております。
 政策目標や指標につきましては、本条例に関する議会での議論や関係機関の意見も踏まえながら、行政として定めてまいります。
 なお、政策目標の進捗状況については、広く公表してまいります。

○さとう委員 一律の目標は現実的でないとのご意見は理解していますが、だからといって、指針に書きますだけでは効果検証の土台が見えません。最低限、条例審議の段階で想定している指標の方向性や例示を示し、議会としても妥当性を確認できるようにすべきです。
 指標を示さないまま条例を制定し、後から指針で決めるというのは、立法手続として不完全です。指標案を提示するのが行政の責務です。法的安定性の観点から、極めて問題が大きいと考えます。
 なぜ提示できないのか、理由を明確にしてください。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針につきましては、条例の制定後に検討していくということにしております。

○さとう委員 では、指針の策定、変更について、議会への報告義務はあるのでしょうか。
 本条例本体には規定がないですが、議会の関与なく行政の裁量で指針を変更できる構造になっていないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、各主体の責務の内容を定め、都が、指針により、それを具体化するための事項を定めることとされております。
 また、指針の策定、変更につきましては、関係機関等の意見を聞きながら行い、速やかに公表することとされております。

○さとう委員 指針変更が行政裁量で無制限に可能なのは極めて危険です。
 議会への報告義務を制定する意思があるか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、指針の策定、変更につきましては、関係機関等の意見を聞きながら行い、速やかに公表することとされております。
 議会に対しては、ほかの事業と同様に、必要に応じて情報提供を行ってまいります。

○さとう委員 策定、変更のプロセスに議会の位置づけが明記されていない点は、やはり懸念が残ります。行政が指針を自由に変更できる構造は、議会の統制機能を著しく弱めます。指針が実務に大きく影響する以上、少なくとも所管委員会への報告や意見聴取の機会を制度として担保することを検討いただくことを求めます。
 第九条第三項では、指針を定め、またはこれを変更するときは、関係機関等の意見を聞き、指針に反映するよう努めるとありますが、関係機関等とは具体的に誰を指すのでしょうか。議会は含まれるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針は、実務的な内容が中心となります。策定等に当たっては、職場や業界の現状に詳しい経済団体や労働者の代表、企業支援の専門家などにご意見を伺うことを想定しております。
 ほかの事業と同様に、必要に応じて議会への情報提供を行ってまいります。

○さとう委員 関係機関等の定義が曖昧で、行政に恣意的選択の余地が残る点は深刻です。利害関係者の選定が恣意的に行われれば、条例運用そのものの正当性が損なわれます。選定基準と公開ルールを明示すべきです。
 また、指針策定、変更の際は、必ず議会に報告するよう要望します。
 次に、調査について伺います。
 事業者の取組の状況についての調査とは、具体的にどのような項目をどのような頻度で、どのような方法で調査するのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 調査項目といたしましては、例えば従業員の男女比率や両立支援制度の利用率、管理職比率などを想定しておりまして、事業者の取組状況を把握するため、継続的に調査を行う予定でございます。
 事業者団体やパブリックコメントにおいて、事業者の負担に配慮するようご意見をいただいておりますので、実施方法等につきましては、関係機関などのご意見も伺いながら今後検討してまいります。

○さとう委員 継続調査をする予定とのことですが、頻度も負担軽減策も示されていません。調査ありきになりかねず、現場は疲弊し、政策効果の検証にもつながらない危険があります。
 また、調査に回答しない事業者、虚偽の回答をした事業者に対する対応はどうするのでしょうか。罰則はないのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者に対して調査協力を求めておりますが、罰則は定めておりません。
 実施に当たっては、事業者の皆様に調査の趣旨をご理解いただき、協力いただけるよう、丁寧に説明してまいります。

○さとう委員 政策評価をするための調査をするのに調査自体が任意では、信頼できるデータで政策評価をするという前提がここで崩れてしまいます。調査に協力する事業者が一方的に不利とならないよう、結果の活用方法やフィードバックの在り方も含めて検討していただきたいと思います。
 また、条例制定前に調査内容を示すべきではないでしょうか。事業者は何を求められるか分からないまま、賛否を判断せよというのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、都は、施策を効果的に実施するため、事業者の取組の状況について調査を行うこととされております。
 事業者団体やパブリックコメントにおいて、調査の実施に当たっては事業者の負担に配慮するようご意見をいただいておりますので、実施方法などについては関係機関等の意見も伺いながら今後検討してまいります。

○さとう委員 今後検討という答弁では、立法プロセスとして不完全です。条例によって調査義務を課すのに、何を求められるか分からないまま賛否を判断せよというのは、立法手続として成立しません。事業者から見れば、何を求められているのか分からないまま、条例の是非だけ問われている状態です。少なくとも、想定している調査のイメージや負担感については、条例審議の段階で可能な限り情報提供すべきです。
 次に、必要な財政上の措置の具体的な金額規模を伺います。
 初年度予算、五年間の累計予算の見込みは幾らでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例における必要な財政上の措置とは、女性が活躍できる環境の整備に関する施策を推進していくため、必要な財政上の措置を講ずるよう、都として努力することを定めたものでございまして、特定の事業の予算の裏づけをするものではございません。

○さとう委員 財政規模を全く示さない条例審議は異例です。必要な財政措置を明記しながら金額レンジも示さないのは、行政としての責任放棄です。新たな条例をつくる以上、見込みとしての財政規模のレンジぐらいは示すべきです。
 コストが全く見えないまま費用対効果の検証ができず、議会は、根拠がないまま白紙で賛否を責められている状態です。前回の質疑で、予算審議で明らかにする旨の回答がありましたが、条例の可否を判断する段階でコストが不明では、費用対効果の検証ができません。
 条例審議と予算審議は別の段階であることを認識していますでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、男女平等参画基本条例に基づきまして、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できるよう施策を進めています。
 雇用就業分野に基づく施策につきましては、新条例の施行日であります令和八年七月一日以降、新たな条例に基づき展開することとなります。
 これらも含めて、条例に関連する施策に関する予算につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。
 なお、地方自治法第二百二十二条第一項では、条例が新たに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならないとされておりますが、本条例では、新たに予算を伴うことになる規定は定めておりません。

○さとう委員 地方自治法第二百二十二条一項に当たらないから予算を提示しなくてもよいという答弁は、地方自治法の趣旨にも反しています。
 条例が新たな行為を行政に求める以上、必ず追加コストが発生します。その見通しすら示さず、条例だけ審議するのは議会軽視であり、政策評価の前提を欠きます。
 最低限のコスト試算を提示した上で条例議論をすべきですが、見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 既存事業も含めまして、施策に係る予算につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。

○さとう委員 必要な財政上の措置を講ずると条文に明記されています。実質的に既存施策の上に追加の事務、調査が積み上がる構造であり、全体として行政コストが増えることは明らかです。条例審議と予算審議を完全に切り離すのではなく、一定のコスト見通しを共有した上で議論するのが本来のあるべきプロセスです。
 産業労働局には、女性活躍推進に関連する事業が四十七件あり、令和七年度の予算総額は約二百五億円です。過去三年を振り返ると、令和五年度は約六十六億円、令和六年度は百十四億円と、毎年一・七倍から一・八倍のペースで女性活躍推進に関する費用が増加しています。このペースでいくと、新設条例ができる令和八年度以降の予算は三百七十億円にまで膨れ上がります。
 新設条例の施行後、予算がどの程度増える見込みか、レンジでも結構です。見通しを示してください。

○吉浦働く女性応援担当部長 既存事業も含めまして、本定例会でいただいたご意見を踏まえた予算案につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくことになります。

○さとう委員 予算審議の中で明らかにするや、条例は予算を伴わないは、形式論です。
 現に、三年で六十六億、百十四億、二百五億円と急増している以上、条例が旗印になれば、実務として事業拡張の圧力が働くのが行政の現実です。
 レンジすら出さないのは、議会に白紙委任を求めるのと同じです。少なくとも条例施行後の新規経費について概算を示すべきです。
 示せますでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、新たに予算を伴うことになる規定は定めておりませんで、条例の成立をもって自動的に予算が措置されるといった事業はございません。
 現在、男女平等条例に基づき実施している雇用就業分野における施策も含めまして、本定例会でいただいたご意見を踏まえた予算案について、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととなります。

○さとう委員 第十条の調査を実施するための経費は幾らを見込んでいるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 調査経費につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。

○さとう委員 令和八年度予算で議論とのことですが、調査は、設計、収集、分析、公表まで含めると、それなりの費用が発生します。
 費用の大まかなレンジ提示は条例審議に不可欠です。単に金額だけでなく、どの程度の精度と頻度を目指すのか、費用対効果の視点も含めて情報が不十分なまま議会に判断を求めており、立法プロセスとして本来あるべき手続が欠けています。
 事業者が本条例へ対応するために負担するコスト、例えば担当者の配置、調査への回答作業、計画策定等について、都は試算していますでしょうか。中小企業への影響は、特に深刻ではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では計画の届出は求めておりませんが、事業者がそれぞれの状況に応じた取組を計画的に進められるよう、業種や規模を踏まえた事例などを指針に示してまいります。
 また、調査につきましては、実施方法も含めて、事業者の負担にも配慮しながら今後検討してまいります。

○さとう委員 負担に配慮するというだけで、実態として、どの程度の業務負荷が想定されるのかが全く開示されていません。
 中小企業は人事部も法務部もありません。調査回答や対応だけで一日が潰れる会社もあります。中小企業の負担を、配慮するだけではなく、実際にどの程度の負担がかかるのかを試算すべきです。影響評価なしに責務だけ増やすのは極めて不適切です。
 本条例に関連する事業を受託する可能性のある外郭団体、関連法人を把握していますでしょうか。把握している場合、その団体名と都出身の職員数を示してください。

○吉浦働く女性応援担当部長 産業労働局の政策連携団体では、雇用や中小企業支援など様々な分野において、女性も含めた各種事業を実施しております。
 例えば、就業支援などを行う東京しごと財団におきましては、十二月一日時点で都派遣職員は三十一人、企業経営に関する総合的な支援を行う東京都中小企業振興公社におきましては、十二月一日時点で都派遣職員は四十五人となっております。

○さとう委員 外郭団体に多くの都派遣社員がいる現状は、受託構造、天下り構造を疑われても仕方がありません。政策連携団体の存在は理解しますが、都派遣社員の数も含めて、利害関係が発生し得る構造であることは事実です。受託の妥当性やコストの適正性について、第三者の視点を含めたチェック体制を検討すべきです。
 また、第九条の指針策定において、関係機関等の意見を聞くとありますが、この関係機関等に含まれる団体が本条例関連事業を受託するということはないでしょうか。
 利益相反のチェック体制はあるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 来年度事業に係る受託事業者につきましては、現時点では未定でございますが、利益相反の確認も含めて、適切に事業を執行してまいります。

○さとう委員 適切に執行するとのご答弁にとどまらず、利益相反が生じ得る場面をあらかじめ想定し、チェックフローを文書化していくことが重要です。
 指針づくりや受託団体の選定プロセスにおいて、透明性をどのように確保するのかも今後の大きな論点だと考えます。
 さらに、条例制定、補助金創設、外郭団体受託、天下り先確保というパターンが繰り返されています。
 本条例も同様の構造にならないことをどう担保するのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、新たに予算を伴うことになる規定は定めておりません。
 現在、男女平等参画基本条例に基づき実施している雇用就業分野の施策につきまして、新条例の施行日以降は新たな条例に基づき展開することとなりますが、これらも含めて条例に関する施策に係る予算につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。

○さとう委員 新たな予算規定がないというのは、本質とは無関係です。
 実務では、既存事業の拡大名目で外郭団体の受託が増える構造が続いています。この条例を口実にした天下り的な構造が生まれないよう、継続的なモニタリングと情報公開を求めます。
 次に、他の法制との重複について伺います。
 平成十二年制定の東京都男女平等参画基本条例は、雇用就業分野を含む包括的な男女平等を推進する条例であります。
 本条例は、既存条例の何が不足しているから新たに制定するのでしょうか。具体的な説明をお願いします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できるよう、様々な施策を進めてまいりました。
 一方、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できていない状況にございます。
 昨年度、労働施策等の有識者や労働者団体の代表などで構成する東京くらし方会議において、条例を含め、女性の活躍を促進するための方策について検討することとなり、有識者に加え、経営者や労働者の声を代表する各団体の代表者の皆様が参画する検討部会を新たに立ち上げたところでございます。
 検討部会においては、女性活躍の推進に当たり、社会全体が同じ方向を向くためには条例という手法が有効などの意見をいただいたところでございます。
 働く場において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境を整備するためには、経営方針や人事戦略等に決定権を有する事業者の取組が不可欠でございます。
 また、取引先等を含めた業界全体での機運醸成も重要でございます。
 さらに、女性の進学や就職に影響を及ぼす性別による無意識の思い込みの解消に向け、社会全体で取り組むことも必要です。
 こうしたことから、とりわけ雇用就業分野における女性の活躍を推進するために、新たな条例を策定することとしたものでございます。

○さとう委員 男女平等参画基本条例と何が違うのか、結局、ご答弁では明確になりませんでした。
 既存条例ではできない理由が示されない限り、新設条例の必要性は立法事実として弱いままです。既存条例があるのに新設条例を追加する以上、役割分担の明確化は不可欠ですが、それも示されておらず、このままでは、事業者にとってどちらの条例を参照すべきか不明な二重構造になります。
 既存条例の施行から二十五年が経過しましたが、その効果検証は行われたのでしょうか。
 効果検証の結果、どのような課題が明らかになり、何が本条例制定の根拠となったのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できるよう、様々な施策を展開してまいりました。
 この間、女性の大学進学率は上昇し、就業者数も増加してまいりました。
 一方で、雇用就業分野におきましては、例えば令和六年度の数字を見ると、都内企業における課長以上の管理職に占める女性の割合は、増加傾向にあるものの一五・二%にとどまっておりまして、男性と比べて低い水準にあります。
 また、従業員の平均勤続年数は、女性が男性よりも二・五年短くなっております。
 さらに、育児休業取得率は、男性五四・八%、女性九二・八%と男女差は大きく、育児休業取得期間は男性の方が短い状況です。
 このように、いまだに様々な場面で女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況にあると考えております。
 働く場において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境を整備するためには、人事制度などに決定権を有する事業者の主体的な取組が不可欠であることから、雇用就業分野における女性の活躍を推進するための条例を策定することといたしたものでございます。

○さとう委員 立法事実の根拠が弱すぎて、条例制定の必然性が見えてきません。
 既存条例と本条例の両方が存在することで、事業者は二重の対応を求められることにはならないでしょうか。
 条例の統合、整理は検討されたのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまでも、男女平等参画基本条例に基づきまして、社会のあらゆる分野の活動に男女が共に参画できるよう、様々な施策を総合的に進めてまいりました。
 一方で、雇用就業分野におきましては、いまだに様々な場面で女性が個性や能力を十分に発揮できていない状況にございますので、男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえた上で、雇用就業分野における具体的な取組を強化するために新たな条例を策定することとしたものでございます。

○さとう委員 既存条例との明確な統合、整理なしに新条例を追加するのは、行政効率化の悪化と事業者負担の増加を招くだけです。
 女性活躍推進法は、国の法律として事業者に行動計画の策定、届出、公表を義務づけています。
 本条例が国法に上乗せする内容があるなら、その内容と根拠を示してください。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例は、国で定める女性活躍推進法の上乗せ条例ではございません。

○さとう委員 上乗せ条例ではないとのご答弁ですが、そうであればなおさら、本条例の付加価値はどこにあるのかという点が問われます。
 行動計画の策定、届出、公表を義務づけられている事業者は、さらに都の条例の責務を負うことになります。まさに二重行政により負担を強いられます。
 女性活躍推進法では、従業員百一人以上の事業者に行動計画策定を義務づけていますが、本条例はこの基準を変更するのでしょうか。全ての事業者に義務を課すのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例に基づきまして、都は、事業者がそれぞれの状況に応じた取組を計画的に進められるよう、業種や規模などを踏まえた事例などを指針に示すこととしておりますが、条例では、事業主に対して計画の策定などは求めておりません。

○さとう委員 計画を求めないということは負担軽減として理解できますが、では、何をもって努力したと評価するのかが全く不明です。
 結局、事業者に何を求めるのかが曖昧なままで、運用段階で混乱することは必須です。指針頼みの抽象条例では、行政負担も事業者負担も増えるのに効果は保証されません。
 産業別の女性比率の目標値は設定されるのでしょうか。設定されるなら、建築、運送、清掃、警備業など、現状の女性比率が極めて低い業種の目標値をお示しください。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性活躍の取組状況を把握するための指標に関しましては、今後、関係機関等のご意見も伺いながら検討を進めてまいりますが、同じ業界においても、企業規模によっても事情が異なることから、業界ごとに一律の目標値を設定するものではないと考えております。

○さとう委員 一律の目標値を設定しないとのご答弁は、業界の多様性を踏まえたものとして理解します。
 しかしながら、代わりにどのような目標管理にするのかが示されていません。定量管理なしでは施策評価ができない条例になってしまいます。評価方法を提示することを求めます。
 また、従業員数が数名の零細企業において男女比率を均等化することは、現実的に可能でしょうか。例えば、従業員三名全員男性の企業は、本条例に基づきどのような対応を求められるのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者に対して、自らの組織の現状を把握し、女性が活躍できる環境の整備に向けて計画的に取組を推進することを求めておりますが、男女比率の均等化を一律に求めているものではございません。
 ただし、女性が活躍できる環境整備に当たっては、取引先の協力も必要でございます。
 また、女性の尊厳を傷つける行為の禁止については、対象を自社の従業員に限らないことから、お話のような男性のみの企業におきましても、こうした点につきましては、条例の趣旨を理解し、取り組んでいただきたいと考えております。

○さとう委員 零細企業にも整備を事実上求める以上、規模別の配慮、措置が欠落しているのは、制度設計として大きな瑕疵です。小規模事業者でも取り組みやすいシンプルなチェックリストや相談窓口など、現実的な施策を併せて用意していただきたいと思います。
 また、中小企業には人事部門がなく、経営者自らがあらゆる業務を兼務している実態があります。
 調査への回答、計画の策定等の事務負担が本業を圧迫しないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者がそれぞれの状況に応じた取組を計画的に進められるよう、業種や規模を踏まえた事例などを指針に示すこととしておりますが、事業主に対して計画の策定などは求めておりません。
 また、女性活躍の取組状況を把握するため、事業者に対して調査協力を求めておりますが、実施方法に関しては、事業者の負担にも配慮しながら検討してまいります。

○さとう委員 計画策定義務はないとのことですが、調査協力の依頼そのものが中小企業にとっては相当の負担です。可能な限りシンプルで分かりやすい調査設計と、オンライン化などによる負担軽減を求めます。
 本条例が中小企業の負担軽減措置を設けていないのは、中小企業の実態を理解していないからではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性の活躍を促進するための検討部会におきましては、委員からは、各社で状況が異なるので、一律の目標設定には慎重に対応すべき、また、中小企業からすると、原則、罰則は定めないでほしいとの意見をいただいております。
 パブリックコメント期間中の十月に開催された公労使による「新しい東京」実現会議におきましては、委員からは、条例制定の趣旨には賛同するが、企業の取組を後押しするための施策が必要とのご意見がございました。
 こうしたことから、事業主に対して計画の策定は設けず、指針で具体的な事例を定めた上で、計画的に取り組んでいただくことといたしました。
 なお、都はこれまでも、仕事と育児、介護等の両立支援や、女性のキャリアアップに取り組む事業者を支援しております。
 引き続き、事業者の取組を後押ししてまいります。

○さとう委員 検討部会や公労使会議で中小企業の負担に対する懸念が意見として出されている点は重要です。
 その声を踏まえたのであれば、条例本文や指針の中にも中小企業向けの配慮原則を明確に位置づけるべきだと考えます。
 女性活躍を真に推進したいのであれば、条例による規制、調査、公表よりも、共働き世帯への減税、保育サービスの拡充、長時間労働の是正など、直接的な支援策の方が効果的ではないでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまでも、企業の経営者や労務担当者を対象に、育児や介護などと仕事の両立の必要性や、具体的な支援制度を学ぶセミナーを開催し、その内容を踏まえて両立支援制度の整備等に取り組んだ企業に奨励金を支給する取組を行ってまいりました。
 また、働き方改革に関する普及イベントなどにおきまして、長時間労働の是正や労働生産性を重視する人事評価制度への見直しに取り組む企業の実例を紹介するほか、中小企業における働き方改革の取組を奨励してまいりました。
 条例制定を機に、こうした事業の活用を一層進め、事業者に対し、女性が活躍できる環境の整備を促してまいります。

○さとう委員 条例だけでは限界があることもまた事実です。女性活躍の実現には、税制、社会保障、保育サービスなど、より広い政策パッケージとの一体的な推進が不可欠であることを改めて指摘しておきます。
 本条例の制定に費やす行政リソースを都民税減税の検討に振り向けた方が、都民の手取り増加、生活向上につながるのではないでしょうか。
 減税こそが最大の福祉であることをどう認識しているのでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 住民の福祉の向上は、様々な分野における様々な施策によって実現されるものでございます。
 本条例は、働く場において、女性が個性や能力を発揮できる環境の整備を一層推進することを目的としております。
 女性が活躍できる環境の整備は、男性にとっても働きやすい環境につながるものでありまして、こうした取組を通じて、性別にかかわらず誰もが活躍できる社会の実現を目指してまいります。

○さとう委員 住民福祉は多様な施策で実現するとのご答弁でしたが、可処分所得の向上が生活を直接改善することもまた明らかです。
 条例による環境整備と併せて、税や社会保障の負担軽減も含めた総合的な暮らしの支援を、他局を含め検討していただくよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後八時四十分休憩

   午後八時五十五分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○おぎの委員 都民ファーストの会のおぎの稔です。
 いろいろと今日も議論が複数出ておりますので、簡潔にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 第三百二十四号議案の補正予算について伺います。
 私たち都民ファーストの会東京都議団は、物価高騰に苦しむ中小企業に向けた支援を都に対しても要望してきました。十一月十八日は、会派として、台風被害と併せて物価高対策の緊急要望を小池百合子東京都知事にも手渡しで手交させていただきました。
 都は、我が会派からの要望を受け、中小企業が生産性を高め、賃上げに結びつける取組を後押ししております。物価高騰が事業者の経営に与える影響は依然として大きく、しっかりと支援していくことが求められます。
 このたび提出された補正予算案は、中小企業が従業員の暮らしに直結する賃上げに踏み出せるよう、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業と、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業において支援を拡充するとのことであります。
 そこでまず、これらの事業において賃上げを目指す事業者が、全採択のうちどの程度なのか、今年度の状況について伺います。

○福田商工部長 都は、中小企業が事業を発展させ、経営力を高める取組や競争力を強化する最新設備などを導入する際の支援について、その成果を計画的に賃上げにつなげた場合に助成率を引き上げてございます。
 十一月末現在で、各事業で採択された事業者のうち、賃金引上げ計画を策定し、その実現に向けた取組を開始しているものは、それぞれ約三割であり、合計で九十七件となっております。

○おぎの委員 都の施策を活用して生産性を高め、従業員の賃上げにつなげようとする中小企業がそれぞれ三割とのことです。
 一方で、多くの中小企業が物価高騰による影響を受けており、その実情を踏まえると、賃上げの実現を目指す事業者をさらに増やしていく必要があると考えますが、このたびの補正予算案によって、どれぐらいの事業者の賃上げを支援することになるのか、伺います。
 また、今後も賃上げを積極的に支援する仕組みを継続していくべきと考えますが、併せて見解を伺います。

○福田商工部長 物価高騰の影響が長期化する中、中小企業が生産性を高め、収益を確保し、持続的な賃金の引上げにつなげる取組を後押しすることは重要でございます。
 そのため、今回の補正予算案では、より多くの中小企業が取組を進められるよう、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業と、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業におきまして、賃金引上げ計画の策定を必須とした新たなコースを設定いたします。
 これによりまして、これまで計画を策定した企業は三割であったところが、経営展開サポート事業では約四割、設備投資支援事業では約五割となる見込みでございます。
 今後も、こうしたコースを設定することで、中小企業の持続的な賃上げを後押ししてまいります。

○おぎの委員 既存の予算と今回の補正予算を組み合わせることで、多くの中小企業の賃上げをサポートすることが確認できました。
 また、こうして新しくコースを設定していくとのことで、来年度も含めて取組を行っていただきたいと思います。
 賃上げは、都民の注目も高い重要な施策であります。物価高に都民の生活が追いつくには、個々の都民の皆様の賃上げも必要不可欠であると思います。
 補正予算につきまして、年度内の速やかな実施を要望いたしまして、私の質問を終えます。ありがとうございます。

○山崎委員 女性活躍推進条例について、何問か質問させていただきたいと思います。
 先ほど来、各委員の皆様から様々な質問が飛び交っております。そういった中でも、やはり条例を策定するに当たっては、非常に丁寧に、かつスピード感を持ってやっていくことだと私も考えております。
 今までいろいろなプロセス、経過があっての現在に至るわけでありますので、そういった意味も含めて、局として、またしっかりと取り組んで対応していただけたらありがたいなと思いますので、その点をまず表明させていただいた次第でございます。
 先般、知事の所信表明でもあったように、この条例では、事業者による主体的な取組を促すことで、働く場において、女性が個性や能力を発揮できる環境の創出を目指しております。
 事業活動において女性が活躍することは、女性自身だけでなく、企業にとってもメリットが大きい。この条例の制定を契機として、東京の経済を支える中小企業においても、女性活躍の取組が一層加速することを期待しています。
 一方で、先般公表したパブリックコメントの結果を見てみると、新たな条例を策定するのではなく、既存の条例を改正、強化で対応すべきであるという意見や、現在、既に様々な施策がある中で、さらに条例を設ける必要性が分からないなどといった意見もあり、これまでの審議の中でも、屋上屋になるだけなどの指摘を受けております。
 本条例を制定する意義についてお聞きをしたいところでありますが、先ほど来、こういったことは各委員から質問が出ておりますので、割愛をさせていただきますが、男女平等参画基本条例に基づいて、あらゆる分野で男女がひとしく参画ができるよう、様々な取組を展開してきたわけであります。
 その一方で、雇用就業分野においては、女性が個性や能力を十分発揮できていない状況というものもあるということであります。女性が活躍できる環境整備を進めるためには、経営者によって主体的に取り組んでいただくことが大変重要である、そういった分野も皆様からご指摘をいただいていたわけであります。
 また、先ほど来、お話が各委員からありますが、性別による無意識の思い込みの解消に向けて社会全体で取り組むことも大変重要であるということ。
 男女平等参画基本条例の趣旨を踏まえて、雇用就業分野における女性の活躍を一層推進するため、新たな条例を策定するということであったと思います。
 雇用就業分野における取組の強化を図るため、独立した条例として策定したものということが、先ほど来の議論の中でも、私はそう理解をしております。社会全体で取組を進めるためには、こうした条例の趣旨を事業者や経済団体、都民にきちんと理解をしていただくことがポイントだと思います。都においては、普及啓発の重要性の認識をし、真摯に取り組むようお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 本委員会でも議論になってきましたが、この条例は、企業に対し、女性が活躍できる環境整備を主体的に進めてもらうことを求めております。
 しかしながら、条例を定めただけで取組が進むのであれば、これまでにも進んでいるはずであります。
 この条例をきっかけに、様々な事情から取組が難しかった事業者にも一歩踏み出すことを期待するのであれば、無理なく取り組んでいただけるよう、都からも働きかけていくことが必要であると考えますが、都の考え方を具体的に伺いたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都内には、業種、規模、様々な事業者がございます。一律の取組を求めることは現実的ではないというふうに考えております。
 都は、人員体制やノウハウが不足していることなどから、これまで環境整備に取り組むことに消極的だった事業者の皆様にも、できることから取り組んでいただけるように、経済や労働に詳しい専門家、それから、実務に詳しいコンサルタントなどの意見を聞きながら、具体的な事例などを指針に盛り込んで示してまいります。
 また、経済団体とも連携をいたしまして、業界全体での機運醸成も図ってまいります。

○山崎委員 小規模な事業者にとっては、具体的な事例等が情報提供されることは取り組む一助になると思いますが、都には、事業者をさらに後押しする支援策、この支援策についてもぜひ検討をしていただきたいと思います。
 やはり小規模の事業者にとっては、非常にこれを、まず情報を得ること、それと同時に、実効性も含めたこういった条例ができたということを本当に捉えることというのは難しいことだと思います。先ほど来、お話もあったように、各人事部があるわけではない企業の、会社の経営者の皆さんが、それぞれがこれを認識するということは、非常に難しいことだと思います。
 ですので、やはり広報というか、そういった啓発というものは、まず一番初めの一歩だと思いますが、この条例の制定に向けてのそういう告知、これを全庁を挙げて、要するに、産業労働局だけでなくて様々な関係局と連携を取って、こういったところは取り組んでいただきたいと思います。
 私からもう一問、条例の名称について、ちょっと伺っていきたいと思います。
 これまでの答弁を踏まえると、条例名称の頭に雇用・就業分野におけるという言葉を入れた意図はよく理解はできます。
 一方で、パブリックコメントの結果を見ても、男性がちょっとないがしろにされているんじゃないのか、そういった意見や、条例の趣旨を踏まえると、女性に限定せず、男女ともとしていくのがふさわしいのではないか、こういった意見を私も見てまいりました。
 また、活躍という言葉にもいろいろな意見があるようであります。
 こうした状況の中で、あえて条例の名称に女性の活躍という言葉を入れた考え方を伺っていきたいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 これまで、女性活躍という言葉につきましては、様々な場面で意見を伺ってまいりました。
 検討部会では当初から、条例名に女性を入れることについて、女性だけが頑張らないといけないイメージがあるという意見ですとか、男女間格差が依然として大きいからこそ女性活躍という言葉を使うべきといった意見がございました。
 また、活躍という言葉につきましては、有識者等へのヒアリングやパブリックコメントでは、女性を後押しするというメッセージが伝わりやすいという意見や、条例に活躍と入れるのであれば、定義をしっかり定めるべきなどのご意見が寄せられました。
 そうしたご意見も踏まえまして、活躍の定義を定めた上で、女性が個性や能力を発揮することができる環境の整備を強力に推進するものとして、本条例の名称を東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例とすることといたしました。
 女性の活躍が当たり前のこととなるように、条例の制定を機に、取組を一層進めてまいります。

○山崎委員 いろいろと今答弁を聞くと、理解をしなくてはならないところと、それともう一方で、やはり活躍という言葉が、女性にとって何かプレッシャーになりかねないのかなと、そういうところの意見も私も地元で聞いてまいりました。
 誰もが輝ける社会というか、もちろん女性がこれからもっともっといろんな事業に参画をしてもらう、それはもう本当に私たちも望んでいることであります。それと同時に、誰もが輝ける社会というものをつくり上げていく、そういう名称であってほしいなというのが個人的な私の見解の一つでもありますので、ぜひ、まずこの条例制定に向けて、しっかりと丁寧に、スピード感を持ってやっていただきたいことを改めてお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

○もり委員 国では女性活躍推進法が定められ、本年、二〇二五年六月四日には法改正が成立し、二〇二六年中には全面施行されることになっています。
 改正法では新たに、女性の働き方に影響を与える健康上の特性に配慮するとして、更年期障害など女性の健康上の特性について職場での理解を深めるなどの取組を推進すること、職場におけるヘルスリテラシー向上のための取組や、女性が相談しやすい体制づくり、休暇制度の充実等、性別にかかわらず労働者等全体を対象に取り組む具体的な方策が盛り込まれています。
 あわせて、ハラスメントのない職場を実現することや、共働き、共育ての実現に向けた男女双方の意識改革、理解促進、職業生活と家庭生活の両立のための環境整備も盛り込まれています。
 もちろん、国及び地方公共団体は、公的部門として一般事業主を率先垂範する観点が重要です。特に国家公務員は、隗より始めよの観点から積極的に取組を推進していくこともうたわれています。
 私は、改正法は極めて充実した内容となっており、その法律を確実に実行していくことが、雇用就業分野における女性活躍のために重要だと考えます。
 改正法が成立し、これから全面施行に向けて準備が進められる中で、東京都が改正法の全面施行前に、急いで雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例を定める理由を明確に都民に示す必要があると考えます。
 専門家の会議でも、都民との意見交換でも、この観点から議論を尽くしていただきたいと思います。今条例をつくることは、あえていえば、これから全面施行される女性活躍推進法が不備だからということになるのではないでしょうか。
 そこで、法律と条例の関係についてお伺いをいたします。
 女性活躍推進法では不十分であり、法律では解決できない雇用就業分野における女性活躍に関する問題点、すなわち、条例を制定しなければならない立法事実についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 地方自治法におきまして、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、地域における事務及びその他の事務で法律またはこれに基づく政令により処理することとされるものに関し、条例を制定することができるとされており、この条例は地方自治体の条例制定権に基づき定めるものでございます。
 これまで都は、東京都男女平等参画基本条例に基づき、社会のあらゆる分野の活動に男女がひとしく参画できるよう、様々な施策を展開してまいりました。
 雇用就業分野では、仕事と育児、介護等の両立支援策の充実などを推進しておりまして、女性の就業率や就業者数は増加をしております。
 一方で、いまだに様々な場面で女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況にございます。
 こうした状況を踏まえて、働く女性がその個性や能力を発揮できる環境づくりを一層推進するため、今般、都として新たに条例を制定することとしたものでございます。
 都はこれまで、女性が働きやすい職場づくりなど女性活躍推進法を踏まえた取組を行う企業を支援しておりまして、条例制定を機に、こうした企業の取組を一層後押ししてまいります。

○もり委員 ただいま地方自治体の条例制定権についてご答弁をいただきました。
 国の法整備が追いついていない場合など、自治体が独自の条例を整備する意義は大変大きいと考えております。
 一方で、都がおっしゃるような、いまだ様々な場面で、女性がその個性や能力を十分に発揮できていない状況を踏まえて、改正女性活躍推進法が成立したのではないでしょうか。
 改正法成立を機に、国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進に関して必要な施策を策定し、実施しなければならないと責務が明記されており、都道府県は、基本方針を勘案して推進計画を定めるものとするとされています。
 条例を否定するものではありませんが、既に改正法がある以上、新たな条例が理念条例ではなく、都は、女性が働きやすい職場づくりなど女性活躍推進法を踏まえた取組を行う企業を一層後押しするものであるのか、東京都独自の条例化を行ったのはなぜか、個別に伺ってまいります。
 国の法改正との整合性を確保しつつ、都独自の視点を盛り込むことが重要です。
 今回提案されている都条例は、国の法改正とどのように整合性を確保するのか、国の義務化項目に加え、都独自の取組としてどのような理念や目標を掲げているのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 この条例は、働く女性がその個性や能力を発揮できる環境づくりを一層推進するため、都として新たに条例を制定するものでございます。
 基本理念といたしましては、女性が活躍できる環境の整備は、職業生活を中心とした女性の選択肢の拡大につながるのみならず、事業活動における新たな価値の創造及び特定の性別に偏ることにより生じ得る支障の回避に寄与するものであるとの認識の下、事業者が主体的に取り組むことにより、その推進が図られなければならないこと、女性が活躍できる環境の整備の推進に当たっては、性別による無意識の思い込みが、女性がその個性や能力を発揮できる機会を阻むおそれがあるとの認識の下、社会全体でその解消が図られなければならないこと、就業者の家庭生活と職業生活との両立に関しては、本人の意思が尊重されるべきであることに留意されなければならないことを定めております。

○もり委員 今おっしゃった基本理念は、女性活躍推進法の都道府県計画に書けば済むことではないかと、今日のいろんな質疑を聞いていても感じました。
 法律に基づく計画の方が実効性があるのではないかという指摘もありますが、この点についていかがでしょうか。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例は、事業者の主体的な取組の促進、それから性別による無意識の思い込みの解消に向けた取組の推進を図り、もって持続可能で性別にかかわりなく誰もが生き生きと暮らす社会の実現に寄与することを目的としております。
 その達成のため、雇用就業分野において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境整備を図ることに関して条例を定めているものでございます。

○もり委員 ただいま、基本理念を規定する理由についてだと思うんですけれども、女性活躍推進法第二条の基本原則では不十分で、条例第三条で基本理念を規定しなければならない理由についてお答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例は、働く女性がその個性や能力を発揮できる環境づくりを一層推進するため、都として新たに条例を制定するものでございます。
 本条例は、事業者の主体的な取組の促進及び性別による無意識の思い込みの解消に向けた取組の推進を図り、もって持続可能で性別にかかわりなく誰もが生き生きと暮らす社会の実現に寄与することを目的としておりまして、その達成のため、雇用就業分野において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境整備を図ることに関し、基本理念を定めております。

○もり委員 条例の基本理念について先ほどからご答弁をいただいておるんですけれども、基本理念について質問しているというよりは、女性活躍推進法の基本原則では、なぜ不十分なのかという点についてお聞きをしております。
 次に、女性活躍推進法第三条の国及び地方公共団体の責務では不十分で、条例第四条で都の責務を規定しなければならない理由についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例の目的を達成するために、雇用就業分野において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境整備を図ることに関し、都、事業者、経済団体及び都民の責務を定めているものでございます。

○もり委員 先ほどから条例に何が書いているのかを質問しているのではなく、都独自の条例を制定する理由についてお伺いをしております。そして、国及び地方公共団体の責務では、なぜ不十分なのかという質問にお答えいただきたいと思います。
 次に、女性活躍推進法では、第四条で事業者の責務を規定し、さらに第二節、一般事業主行動計画等などを規定していますが、条例第五条で事業者の責務、第十一条で事業者による計画的な取組の推進等を規定しなければならない理由についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例の目的を達成するため、雇用就業分野において、女性がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境整備を図ることに関し、都、事業者、経済団体、都民の責務を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めているものでございます。

○もり委員 先ほどから条例に何が書いているのかをお答えいただいておりますが、この質問については、都独自の条例を策定しなければならない理由について確認をしております。
 改正女性活躍推進法は、事業者に対して、この責務や計画的な取組なども定め、罰則も定めている法律です。改正女性活躍推進法では不十分で、都の条例で事業者の責務や施策の基本的な事項を定める必要があるのかという点についてお聞きをしております。
 次に、女性活躍推進法では、国及び地方公共団体を特定事業者と規定しておりますが、条例第二条の事業者から地方公共団体を除外しており、かつ東京都については第十二条で率先行動としていますが、女性活躍推進法でカバーされない東京都の率先行動とは何か、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 この条例は、働く女性がその個性や能力を発揮できる環境づくりを一層推進するため、都として新たに条例を制定するものでございます。
 本条例では、女性が活躍できる環境整備について、事業者の主体的な取組や経済団体、都民の責務を定め、社会全体で取組を推進していくこととしております。
 都においても、都の職員が個性や能力を発揮できる環境整備に率先して取り組むこととしております。

○もり委員 職員の働き方は総務局のご担当とのことですが、女性活躍推進条例の施策が各局にまたがるため、局横断的な連携が求められると考えます。
 東京都も女性活躍を推進するために、これまで都の職員が個性や能力を発揮できる環境整備に取り組んできたことと思います。働き方改革の視点から、これまでの事実関係について、東京都の率先行動として何をするのか、伺ってまいります。
 女性活躍推進法では、情報の公開として、第四節、女性の職業選択に資する情報の公表を設けていますが、さらに都条例第十条、調査及び公表で、調査し公表しなければならない事項は何か、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回提出しました条例案では、施策を効果的に実施するため、事業者の取組の状況について調査を行うとともに、都域全体の政策目標とその進捗を把握する指標の状況について公表することとされております。

○もり委員 都全体の政策目標は、改正女性活躍推進法の都道府県計画に書けないものですか、伺います。
 また、その調査及び公表も女性活躍推進法ではできないものなのか、確認をさせてください。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回提出いたしました条例案におきまして、施策を効果的に実施するため、事業者の取組の状況について調査を行うとともに、都域全体の政策目標とその進捗を把握する指標の状況について公表することとされております。

○もり委員 ただいま、国の法律と都の条例についてお聞きをしてまいりましたが、国の法律ではできないという点についてお答えいただくことができませんでした。
 次に、条例の意義について伺います。
 雇用就業分野における女性活躍を阻んでいる最大の障壁は、男女間の賃金格差です。
 内閣府も、女性活躍推進法の改正に当たって、昨今の我が国における男女間賃金差異は長期的に縮小傾向にあるが、国際的に見れば依然として差異が大きい状況にあると述べています。
 さらに、管理職に占める女性の割合についても、長期的には上昇傾向にありますが、依然として低い水準にとどまっているとも述べております。管理職比率は、男女間賃金格差の大きな要因の一つという認識です。
 賃金格差の原因は、さらに非正規職員に女性が多いということも挙げられます。
 本日提示をいただいた令和六年の都内における非正規雇用率の推移を見ても、男性は二二%、女性は四五・三%と、男女間で倍の開きがあり、給与の男女格差も七五%から八〇%にとどまっている現状があり、その根底には、非正規職員と正規職員との賃金格差があります。同一賃金同一労働の原則が行われていないことにあると考えます。
 女性活躍を阻んでいるのは実生活における賃金格差であり、その是正なくして女性活躍はありません。
 女性活躍推進法にも国民の責務はありませんが、条例案では、第七条で都民の責務を規定しています。都民が性別による無意識の思い込みについての関心と理解とを深めることによって賃金格差が解消するのでしょうか。賃金を定めるのは経営者であり、地方公共団体でいえば、知事や区市町村長であって、都民ではありません。
 第七条の都民の責務の規定は削除すべきではないでしょうか。都の見解についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、都民の責務として、基本理念にのっとり、性別による無意識の思い込みについての関心と理解とを深めることにより、雇用就業分野における女性の活躍を推進するとともに、性別による無意識の思い込みの解消に向けて、都が実施する施策に協力するよう努めなければならないと定められております。
 無意識の思い込みとは、これまでの経験や見聞きしてきたことにより形成され、本人が意識しないところで日々の判断や言動に影響を与えているものでございまして、結果として、意図せず他人に不利益を与えるおそれがございます。
 本条例では、性別による無意識の思い込みが進学や就職などにおける女性の選択肢を狭める可能性があることから、都民に対して、そうしたことに気づき、性別による無意識の思い込みについての関心と理解とを深めることを求めております。

○もり委員 無意識の思い込みについても、これまで女性活躍推進法に基づく東京都女性活躍推進計画に考えや施策が書かれてきた事項です。今おっしゃったことは、法律に基づく都道府県計画や施策でできるのではないかという思いがあります。
 以前、事務事業質疑の際、都職員の働き方については総務局であるとのご指摘がありましたが、率先行動として、都庁職員の働き方こそ、この条例が定義されるべきであると考えます。見解をお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、女性が活躍できる環境整備について、事業者の主体的な取組や経済団体、都民の責務を定め、社会全体で取組を推進していくこととしております。
 都においても、都の職員が個性や能力を発揮できる環境整備に率先して取り組むこととしております。

○もり委員 引き続き、率先行動について伺います。
 部長相当職以上について、男性職員と女性職員の人数と比率及びそれぞれの平均在職年数、平均年収はどのようになっているのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 部長相当職以上の男性職員と女性職員の人数と比率でございますが、東京都人事委員会が公表している都職員の構成、令和七年四月一日現在によりますと、男性職員が五百八十七人、全体の八四・五%、女性職員が百八人、全体の一五・五%でございます。平均在職年数、それから年収につきましては、都職員全体として算出しているものと聞いております。
 なお、令和六年度職員の給与の男女の差異の情報公表によりますと、本庁部局長次長相当職、これは都における局長級のことを指すのですが、こちらにおける男性の給与に対する女性の給与の割合は一〇〇・九%、本庁課長相当職、これは都における部長級でございますが、これにおける割合は一〇四・二%でございます。

○もり委員 一〇〇%を超えているというご答弁でした。
 都庁に勤務する常勤職員と非常勤職員について、男性職員と女性職員の人数と比率及びそれぞれの平均年収はどのようになっているのかを伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都庁の常勤職員につきましては、東京都人事委員会が公表しております都職員の構成、令和七年四月一日現在によりますと、知事部局の男性職員数は一万二千二百二十人、全体の五八・六%、女性職員数は八千六百三十六人、全体の四一・四%でございます。
 非常勤職員につきましては、令和七年十一月の総務委員会要求資料、都における局別・男女別の会計年度任用職員の状況によりますと、令和七年八月一日現在の知事部局の男性職員数は三千三百八十八人、全体の四五・九%、女性職員数は四千一人、五四・一%でございます。
 常勤職員の年収は、都職員全体として算出をしていると伺っております。会計年度任用職員につきましては、勤務日数など勤務条件が様々であることから、年収としては算出をしていないと聞いております。
 なお、令和六年度職員の給与の男女の差異の情報公表によりますと、任期の定めのない常勤職員における男性の給与に対する女性の給与の割合は九二・五%、任期の定めのない常勤職員以外の職員における割合は九四・八%でございます。

○もり委員 東京都として、非正規職員も含めて、男女の賃金格差が生じると認識しているのか、そして、都職員の男女間の賃金格差をどう是正しようと率先行動を取るのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 男女間の格差には、賃金や管理職比率、平均勤続年数、労働時間などがございます。
 本条例では、女性が活躍できる環境整備について、事業者の主体的な取組や経済団体、都民の責務を定め、社会全体で取組を推進していくこととしております。
 都においても、都の職員が個性や能力を発揮できる環境整備に率先して取り組むこととしておりまして、条例所管として、関係局と連携して取組を進めてまいります。

○もり委員 条例では、事業者、経済団体及び都民に対して、都が実施する施策に協力するように努めなければならないとしています。しかし、非正規雇用の多い会計年度職員等、勤務日数など勤務条件が様々であることから、年収としては算出していないとのご答弁でした。
 都庁職員の働き方としても、男女間賃金格差の是正には課題がある中で、事業者の責務を課すことができるのか、都条例における男女間の格差是正にどのように取り組んでいくのか、都の見解についてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、働く場において、女性が活躍できる環境整備を推進するため、事業者に対して、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを求めております。
 就業者に係る男女間の格差は、意思決定層への登用率、勤続年数、育児休業の取得率など様々でございまして、都は、こうした格差の解消に向け、事業者が自社の状況に合わせて計画的に取り組めるよう、具体的な事例などを指針で示してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 次に、女性活躍についてお伺いをいたします。
 女性活躍推進法の女性の職業生活における活躍の推進によって目指すべき社会については、順不同ですが、企業、国、地方公共団体等における女性の登用がさらに進むことで多様性が尊重されるとともに、我が国の経済社会にイノベーションがもたらされ、持続的な発展が確保されている社会、二、多様で柔軟な働き方の実現、仕事と育児、介護等が両立できる環境の整備により、ライフステージに応じて全ての人が希望する働き方を選択できる社会、三、女性の所得向上の実現と経済的自立に向けた環境整備、健康の維持増進等により、多様な幸せ、ウエルビーイングが実現した社会が挙げられています。女性だけではなく、個々の幸せに力点が置かれています。
 他方で、この条例の前文に、社会経済状況の変化が厳しい時代において、首都東京の持続的な発展を確かなものとするためには、人口の半分を占める女性が力を発揮できる環境を創出していく必要がある、二、事業活動において女性が活躍することは、女性の自己実現につながるとともに、新たな価値の創造や、変化に強く持続可能な組織の構築に寄与するものであり、事業者においてそれを認識し、取り組むことが求められる、三、雇用就業分野における女性の可能性を広げていくためには、職場や社会に根強く残る性別による無意識の思い込みの解消に向けて、社会全体で取り組むことが必要であるという、まるで人口減少社会の労働人口の減少を補うために女性労働力が必要であるという経営者目線での思惑が先行しているように思われます。
 性別による無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスはこの条例のキーワードになっておりますが、条例で規定される都の施策によって、いかにして性別による無意識の思い込みが解消するのか、お伺いをいたします。
 また、これまでどのような性別による無意識の思い込み、アンコンシャスバイアス解消に向けた取組が行われてきたのかについてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまでも、若年層へのキャリア教育の一環として、女性の登用に意欲を持つ企業と連携し、都立学校を対象に出張授業などを実施しておりまして、参加した学生からは、自分の将来を決めつけないことが大切ですとか、今後の進路選択のヒントになったといった声が寄せられております。
 本条例の制定を契機として、無意識の思い込みに影響された言動が、雇用就業分野において、意図せずに女性が個性や能力を発揮できる機会を奪うことがないよう、性別による無意識の思い込みがあることについて、事業者や都民が気づき、関心や理解を深めてもらうため、普及啓発などに取り組んでまいります。

○もり委員 条例の理念、目的について、私たちは、東京都の持続可能性や企業の都合で女性が働きたいわけではないと思います。
 前文をはじめとして女性活躍のビジョンを、女性の自己実現や多様な幸せが実現できる社会を目指すものにすべきと考えますが、都の見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性の活躍を促進するための検討部会では、誰もが活躍できる社会を実現するため、まずは女性が能力を発揮できる環境の整備が必要、女性活躍を進めるためには、企業が自分事として取り組むことが重要であり、女性活躍は女性だけのためではなく、企業にとってもプラスになると打ち出すべきといったような意見をいただいております。
 こうした意見を参考に、基本理念には、女性が活躍できる環境の整備は、職業生活を中心とした女性の選択肢の拡大につながるのみならず、事業活動における新たな価値の創造及び特定の性別に偏ることにより生じ得る支障の回避に寄与するものであるとの認識の下、事業者が主体的に取り組むことにより、その推進が図られなければならないこと、女性が活躍できる環境の整備の推進に当たっては、性別による無意識の思い込みが、女性がその個性や能力を発揮する機会を阻むおそれがあるとの認識の下、社会全体でその解消が図られなければならないことなどを定めております。

○もり委員 審議会の構成メンバーからも、やはり企業の視点になったのではないかという印象を受けます。ぜひ本当に一人一人の生き方を尊重した条例になってほしいと願うものです。
 第三回定例会に考え方が示され、十一月上旬にパブコメが行われ、それに基づいて条例の素案が示され、条例の提案は第一回定例会になるものではないかと考えておりました。都は、既に十分に議論は尽くされたとのことで、この条例のたたき台となっている東京くらし方会議、女性の活躍を促進するための検討会議の最後の八月の議事録においても、この条例の影響力が大きい、条例ができることによって企業の負担が増えるのではないかという懸念が示されていました。
 条例をつくって終わりではありません。そこからスタートとして、丁寧に有識者、都民の声を聞く機会が求められるとともに、条例の実効性を高めるため、有識者、当事者の声を盛り込むための参考人招致を行うべきと考えます。
 条例の素案については、検討会議に報告、諮られたのか、検討会議の有識者の声を聞く機会があったのかについてお伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 女性の活躍を促進するための検討部会では、条例を含め、女性の活躍を促進するための方策について検討が行われました。
 この検討部会での議論も参考に、女性の活躍に関する条例(仮称)の基本的な考え方についてを都において策定し、令和七年第三回定例会に報告いたしました。
 その後、条例素案、女性の活躍に関する条例(仮称)の基本的な考え方を取りまとめ、パブリックコメントを実施した後、条例案を取りまとめ、今回の定例会に提出したものでございます。
 検討部会の委員には、議会報告時やパブリックコメントの実施の際に、都度、情報を提供しております。

○もり委員 先ほど来、様々な多くの委員から指摘をされているように、今後、条例の肝となるのが、この指針、ガイドラインをどのように策定をしていくのかです。
 指針、ガイドラインの策定の際には、その過程を都民に情報公開を行い、指針、ガイドラインに有識者、当事者の声が反映されるよう、私は参考人招致を行うべきと考えます。
 指針、ガイドラインの策定をどのように行うのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 指針の策定に当たりましては、現場の実情に詳しい経営者及び労働者の団体、女性が少ない産業分野の関係者などに対しまして、抱えている課題や必要なサポートなどについてヒアリングを行う予定でございます。
 また、労働政策などに詳しい学識経験者をはじめ、経営課題に関する支援や助言を行う専門家などにも意見を伺いながら内容を検討してまいります。

○もり委員 この条例を理念条例ではなく、今後の条例の肝となる指針、ガイドラインの策定には、大変重要な部分であると考えますので、学識経験者、専門家と共に、ぜひ様々な職種、様々な立場で働く、非正規雇用であったりフリーランスも含めた現場の声を丁寧に盛り込んでいただくとともに、ぜひ都民にその過程が見えるよう、議会も関与する機会が必要だと、先ほどの議論も聞いておりまして、これは強く要望をいたします。
 理念条例とならないために、中小企業での賃金の男女間格差の是正が行われるよう、都として予算措置も含めてどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを定めております。
 今後、都は、事業者がそれぞれの状況に応じて計画的に取組を進められるよう、具体的な事例などを指針で示してまいります。
 都はこれまでも、男女平等参画基本条例に基づき、女性が働きやすい環境整備に向けた施策を進めておりまして、これらについて、条例制定後は本条例に基づいて進めることとなります。これらを含め、条例に関連する施策に係る予算につきましては、令和八年度予算審議の中でご議論いただくこととしております。

○もり委員 ただいまのご答弁で、都はこれまでも、男女平等参画基本条例に基づき、女性が働きやすい環境整備に向けた施策を進めており、これらについて、条例策定後は本条例に基づいて進めるという答弁は、大変違和感を感じます。
 これまでも取り組んできたことと、また、条例策定後は本条例に基づいて進めるというところの整合性をしっかりとしていただきたいという点、また、令和八年度審議の中で議論するということは、先ほども質疑があったのですけれども、しっかりと予算を想定してこの条例に盛り込まれるべきであり、この条例が先なのか--予算を伴う条例だと思いますので、その辺りはしっかりと明確にお示しをいただきたいと思います。
 次に、中小企業へのインセンティブについて伺います。
 所信表明で、都知事は企業の自主性に基づいてと述べておりますが、国の法改正により、情報公開義務が中小企業にも拡大します。
 都条例では、中小企業が円滑に対応できるよう、奨励金、認定制度や研修プログラム、税制優遇など、予算も伴うと思うのですが、中小企業へのインセンティブをどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまでも、企業の経営者や労務担当者を対象に、育児や介護等と仕事の両立の必要性や、具体的な支援制度などを学ぶセミナーを開催し、その内容を踏まえて、両立支援制度の整備などに取り組んだ企業に奨励金を支給する取組を行ってまいりました。
 また、女性の登用に意欲を持つ企業同士のネットワークづくりを推進するため、リーダー育成に有効な方策など、女性活躍を進めるための知見やヒントを得ることができる企業交流会や、管理職やキャリアアップに関心のある女性が必要となる知識やスキルなどを学ぶ研修プログラムを実施しております。
 引き続き、こうした事業により事業者を後押ししてまいります。

○もり委員 ぜひ、中小企業の負担が増えるようなものとならないためにもしっかりと、予算や税制優遇など、予算も伴う条例にしていただきたいと考えます。
 次に、調査について伺います。
 フリーランス、多様な働き方の女性へ実効力をもって条例を届けていくため、この条例の実効性の確保が求められます。さきの定例会の答弁の中には、女性の活躍、自社の就業者のみならず、取引先、就活生に対しても適切な配慮を示すとのご答弁がありました。社会状況に応じて、女性の就労状況を把握するための調査を行うべきと考えます。
 会派の代表質問においても指摘をしましたが、同一賃金同一労働についての実態把握のための調査等が求められると考えますが、見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回提出いたしました条例案では、施策を効果的に実施するため、事業者の取組状況について調査を行うこととしております。

○もり委員 ただいま、施策を効果的に実施するため、事業者の取組状況について調査を実施するとのことですが、同一賃金同一労働についての実態把握のための調査は行わないということなのでしょうか。
 また、それには、都が行うといっている効果の実証のための調査には、東京都及び都の関連団体における調査が含まれるのか、お答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回提出いたしました条例案に定めてございますのは、施策を効果的に実施するため、事業者の取組状況について調査を行うという内容でございます。

○もり委員 ただいまのご答弁で、東京都及び都の関連団体における調査が含まれているのかというのはお答えをいただくことができませんでした。
 女性活躍を阻害する長時間労働の是正は不可欠です。
 条例において、企業に対する働き方改革の促進やテレワーク導入支援をどのように取り組むのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 本条例では、事業者の責務として、特定の性別に偏らない組織づくりの推進や、就業者に係る男女間の格差の解消などを定めております。
 今後、都は、男女とも家庭と仕事の両立支援制度が利用しやすい職場づくりなど、具体的な事例を指針で示し、事業者がそれぞれの状況に応じて必要な取組を行えるよう後押ししてまいります。

○もり委員 長時間労働の是正というのは、本当に重要な課題だと考えています。これは本当に、男性も女性も子育ても仕事も諦めない、そういった中で、現状の条例や施策の中では、長時間労働の是正というのはまだまだ多くの課題があると考えておりますので、ぜひそれを後押しするような条例となるように強く要望いたします。
 女性差別の対応について伺います。
 女性差別撤廃条約に日本は批准をしておらず、女性差別撤廃条約選択議定書の中には、個人通報制度、調査制度の手続があります。
 都として、日本初の雇用における女性活躍に関する条例を制定する際には、これに対応した機関を設けるべきと考えます。見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、労働相談情報センターにおいて、職場での男女差別に関する相談も含め、労働問題全般についての相談のほか、必要に応じ労使間のあっせんも行っております。

○もり委員 ただいまのご答弁では、この女性差別撤廃条約選択議定書の個人通報制度、調査制度に対応する機関として、労働相談情報センターがその役割を果たすというご答弁でいいのか、確認をさせてください。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、労働相談情報センターにおいて、職場での男女差別に関する相談も含め、労働問題全般について相談をお受けしているほか、必要に応じて労使間のあっせんも行っているところでございます。

○もり委員 やはり条約に批准をした、相談の機能をしっかりと置き込むことが必要だと考えますので、こちらは要望といたします。
 次に、女性特有の健康課題について伺います。
 二〇二六年施行予定の女性活躍推進法改正では、初めて働く女性の健康課題への配慮が明記をされ、私も以前から雇用分野における女性のライフイベントに応じた支援の必要性について取り組んできた中で、これまで生理休暇は労基法で規定をされていますが、更年期障害に関する法定休暇は存在しません。
 内閣府の調査によると、女性の約八七・七%が更年期症状による生活支障を経験し、四十代から五十代という管理職や役職に就く世代が、キャリア継続に深刻な影響を与えていることが指摘をされ、経産省の試算では、更年期障害による経済的損失は年間一・九兆円にも達するとの試算があり、企業経営上も重要なテーマです。
 条例において、女性特有の健康課題、更年期や月経、不妊治療等をどのように位置づけるのか、特別休暇や健康相談制度など、企業が実効性のある取組を行うことができるよう、どのような支援を行うのか、伺います。
 また、企業への義務化だけではなく、都として、医療機関や企業との連携を強化する仕組みなど、どのように構築をするのか、お伺いをいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 今般提出した条例案では、事業者の責務として、女性特有の健康課題への配慮を定めております。
 都はこれまで、女性特有の健康課題への企業の理解を促すため、経営者向けのセミナーや職場環境整備へのコンサルティングを実施してまいりました。
 引き続き、これらによりまして企業の取組を後押ししてまいります。

○もり委員 企業規模にかかわらず配慮を求めるとのことで、生きづらさの解消に資する環境整備が期待されますが、中小企業の負担にならないよう、改めてこの環境整備を後押しする具体的な支援策も要望をいたします。
 この条例については、本会議において、条例にうたわれる性別による無意識の思い込みの解消に向けた取組が、都民一人一人の考え方や意見に介入するものであって、思想、良心の自由や表現の自由を侵害する憲法違反ではないかとの指摘もなされたところです。
 現在の条例案を見る限り、具体的な施策や措置は全て指針に委ねられており、また、質疑を通じても、この指針の具体的な姿が見えてこないため、人権侵害に危険が具体的に存在するとまではいえないように思います。
 しかし、今後策定をされる指針の内容、指針に基づく施策や措置の内容によっては、本会議で指摘されたような人権侵害の危険が現実のものとなる可能性も完全には否定できないとも考えます。今後、指針を策定するに当たっては、十分に時間をかけ、都民、議会と議論をし、その意見を反映していただくことを強く求めます。
 また、いうまでもありませんが、憲法をはじめとする法令違反の指摘を受けることのないよう進めていただきたいと要望いたします。
 本日の議論の中でも、さきの質問でも取り上げてまいりましたが、ひとり親家庭の困窮や、就職氷河期世代で非正規から抜け出せない女性、フリーランスでインボイスが重くのしかかっている女性や、年金だけでは暮らしが成り立たず、また、高齢になっても働かざるを得ないが仕事を探すことも困難というお一人様の声も多く聞きます。
 日々働く中で困難に直面している方々にも条例が届くよう、また、男性も女性も、誰もが仕事も家庭も諦めない、一人一人の生き方を尊重した働き方に向けて、ぜひ、先ほども質疑をいたしましたが、長時間労働の是正ですとか、現在の条例では十分でなかった雇用現場の課題が前に進むような条例となるよう、質疑を通じて出た課題に真摯に向き合っていただき、指針、ガイドラインの策定に取り組んでいただくことを求め、質問を終わります。

○慶野委員 長時間労働の是正を求める議論を深夜に行っていると。女性活躍推進条例を応援していく、推進していく立場で議論を行いたいと思います。
 その上で、一連の本会議での質疑、今日の質疑を聞いていて、どうもすっきりしない。委員の皆様がご指摘されていることはもっともだし、吉浦部長の答弁を聞いていても、何となく歯切れが悪いような、何がすっきりしないんだろうと。女性の活躍を推進しようという、誰も反対するはずのない、いい声かけなのに、どうしてすっきりしないんだろうかと。私自身も応援していきたいからこそ、今日、真剣に質疑を聞かせてもらいました。
 ちょっとその答え合わせになるかどうか分かりませんけれども、今日に至るまで、どういうプロセスを経てここに来て、そして、こういう議論が重ねられてきたかという確認をさせてもらいたいんです。
 経済雇用分野における女性活躍の取組の加速に向けて、女性の活躍を促進するための検討部会を立ち上げた昨年度、条例の制定を視野に入れた検討を進めてきたという報告ですけれども、この条例案提出までの経過、検討部会は、どういう経緯で、なぜ立ち上げたのか、まずは伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 昨年度、都民の働き方や生き方に関わる様々な社会制度などについて議論する東京くらし方会議におきまして、条例を含め、女性の活躍を促進するための方策について検討の場を設けることになりまして、新たに、女性の活躍を促進するための検討部会が設置されたところでございます。

○慶野委員 設置の経過は分かりました。
 それでは、この検討部会のメンバー構成、そして、そのメンバーの人選のポイントをお答えください。

○吉浦働く女性応援担当部長 検討部会は、委員十名で構成されております。その内訳は、労働政策などに詳しい学識経験者が二名、働く女性の状況に知見を有する有識者が二名、そして、多くの事業者や労働者の意見を聞くために、都が産業政策や雇用政策などの検討の際に意見を伺ってまいりました六つの団体の代表者が一名ずつとなっております。
 具体的には、社会学を専門とし、内閣府の男女共同参画会議の議員でもあります東京大学大学院特任教授、労働経済学を専門とする武蔵大学教授、法テラスの常務理事、労働政策などの研究機関のセンター長のほか、東京商工会議所、東京都中小企業団体中央会、東京都商工会連合会、一般社団法人東京経営者協会、一般社団法人東京中小企業家同友会及び日本労働組合総連合会東京都連合会それぞれの代表者にご参画をいただいております。

○慶野委員 大切なので、あえてリフレインしますけれども、社会学を専門とし、内閣府の男女共同参画会議の議員である東大の大学院特任教授、労働経済学専門の武蔵大学教授、法テラスの常務理事、労働政策等の研究機関センター長、東京商工会議所、東京都中小企業団体中央会、東京都商工会連合会、一般社団法人東京経営者協会、一般社団法人東京中小企業家同友会、日本労働組合総連合会東京都連合会。名だたる、極めて専門性の高い学識経験者、そして当事者の団体の代表者、中には会員数八万件を超えるような商工会議所の経営者の代表、組合員百二十万人を超える労働団体の代表、こうした方々が参画して検討会を行ってきた。
 この検討部会では、こうした重厚なメンバーでどのような議論があったのか。批判的な意見も当然あったと思います。率直にお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 この部会では、昨年九月から今年三月まで四回にわたり議論が行われ、その内容が、女性の活躍を促進するための取組の方向性としてまとめられております。
 この取組の方向性に関して、四月以降、女性が少ない産業分野などで働く女性の団体ですとか、女性が働きやすい職場づくりに取り組んでいる事業者などにヒアリングを行っております。その内容も踏まえまして、六月の検討会議において議論が深められ、八月に最終的な意見の取りまとめが行われております。
 それぞれの立場から忌憚のないご意見をいただいておりまして、事業者への負担、それから活躍という言葉に対する懸念など、様々なご意見がございましたが、回を重ね、議論を深めていく中で、条例が目指すべき姿について一定の意見の集約が図られてきたものでございます。

○慶野委員 この検討部会は、昨年九月から今年三月まで、およそ半年間で四回。これだけのメンバーが東京都の条例になろうとする議論をしていくわけですから、毎日毎日やれるということではないと思います。それなりの研究準備があって、そして意見を交わし合う。半年で四回。これは、回数、メンバー、内容ともに、ここまで妥当だと思います。
 そして、その上で、四月以降は、女性が少ない産業分野で働く方々、団体、こうした方々にもヒアリングをしながら、六月の検討会議において議論が深められた。こういうお話でありました。
 この検討部会の意見の取りまとめ後、都議会に条例案としてご報告いただいたわけですけれども、どのように条例案をまとめてきたのか、お伺いします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都は、検討部会の意見の取りまとめも参考に、女性の活躍に関する条例(仮称)の基本的な考え方についてを策定いたしまして、令和七年第三回定例会に報告いたしました。
 議会でご議論いただいた後、条例素案、女性の活躍に関する条例(仮称)の基本的な考え方を取りまとめまして、十月九日から十一月七日までの間、パブリックコメントを実施いたしまして、四百四十七件のご意見をいただきました。
 また、パブリックコメントの期間中の十月に開催された公労使による「新しい東京」実現会議におきまして、経営者団体や労働者団体の代表に対して条例の基本的な考え方をご説明し、ご意見をいただいております。
 これらも踏まえまして条例案を策定し、今般、都議会に提出したものでございます。

○慶野委員 昨年度の検討部会の立ち上げから、これも繰り返しになります、半年で四回、そして、素案をまとめてくる中で意見を求め、女性の進出、活躍の少ない団体からも意見を求めて、そして、取りまとめて都議会で報告、第三回定例会でも、この場で繰り返し議論がありました。
 有識者からも忌憚のない意見があったという、先ほどは答弁でしたけれども、当然、反対意見もたくさんある。さらにパブリックコメント四百四十七件、一部分は私も拝見しました。懸念事項や明確に反対をするような声も当然届いている。
 条例をつくる上で、一千三百万都民全員が賛同するべきなのかどうかという議論は、私には分かりません。ただ、条例をつくっていくに当たって、それなりの人たちがそれなりの賛否を示す意見や注文をしながら、同意を得るところまでこぎ着けてきて、これがもし、東京都が提出した、求めた意見がある、東京都の、もしくは中心者がこうやりたいと表明する、それに意見ができないような東京都、また関係者であれば、これは独裁国家になりますから、誰かの意見に何も意見できないということは民主的じゃありません。
 当然、この女性活躍条例を進めたいという中で、専門的な知見から厳しいご意見がありました。そして、パブリックコメントも厳しい意見がありました。それをどういうふうに反映させながら、都民に納得していただくような条例案を取りまとめてきたのかという、そういう質問の中には、十月に公労使による「新しい東京」実現会議も行って、今般、晴れて都議会に正式に上程をした。
 そして今日に至っているわけですが、なぜこんなに--ここまで丁寧にやってきて、有識者会議の意見がどのように反映されたのか。合計六回にわたって会議を開いて、これらの会議で今いったような出てきた意見をどのようにまとめ上げた条例案が今ここの都議会に出ているのか、これを確認したいと思います。

○吉浦働く女性応援担当部長 委員からは、女性活躍を進めることは男性の活躍につながる、経済分野だけでなく社会全体で取り組むことが重要、女性の能力発揮の必要性を認識すれば、企業は主体的に取り組むとの意見をいただいておりまして、これらを参考に条例案の前文や基本理念を整理しております。
 そのほか、企業において女性活躍を推進するためには業務の進め方の改善が必要、同規模、同業種の好事例の紹介が有効といった意見がございまして、事業主の取組を後押しするための指針を策定することとしております。
 また、業種、業態によって女性活躍の状況が異なるため、一律の目標値設定には慎重な対応を求める意見があった一方、立ち位置が把握でき、取組が評価されれば、主体的な取組につながるとの意見もあり、都域全体の政策目標及び進捗を把握する指標を設定するとともに、状況を把握するための調査を実施することとしております。

○慶野委員 重ねて申し訳ないのですけれども、今ご答弁ありましたが、パブリックコメントは四百件を超えました。その上で公労使会議にもかけました。
 このときの意見を踏まえた上で、どういうふうにこの条例案の取りまとめに当たったのか、伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 条例については、これまでの議会でのご議論や公労使会議、パブリックコメントなどを通じて様々なご意見をいただいてまいりました。
 これらのご意見について、表現を工夫した方がいいか、より適切な表現があるか、あるいは、条文が提案された意見の趣旨を含んでいるかなどの視点から条例案を精査したところでございます。
 具体的な事例を幾つか申し上げますと、自らの意思で働くことを選択しない女性など、多様な女性への配慮が必要ではないかとのご意見を踏まえ、条例名称に雇用・就業分野におけると明記をしております。
 活躍という文言につきましては、受け止め方について様々なご意見をいただいたことから、女性が活躍できる環境について、条文中に定義を明記しております。
 また、都の財政措置は責務とすべきとのご意見もいただきましたが、本条例は特定の事業の実施を義務づけるものではございませんので、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるとの表記のままとしております。
 なお、いただいたご意見のうち、具体的な取組を求めるものについては、今後、施策の検討や指針策定の際の参考としてまいります。

○慶野委員 パブリックコメントの中には、条例を制定する必要性が分からない、企業のために女性を働かせるのか、条例で都民に思想を押しつけるのか、今日の委員会で各委員の皆さんがご指摘された同じような内容を、都民も懸念しています。
 ところが、今、一年以上にわたって行われてきたこの手順を一つ一つ確認してみると、段階を踏んで丁寧に進めてきて、手続においては、これは何の瑕疵もない、疑いようのない人たちで、疑いようのない回数をこなしながら、手順を踏まえて、素案をつくり、パブリックコメント、公労使、しっかりやってきて、今日ここに臨んでいるはずなのに、都議会に上程したはずなのに、なぜこんなに釈然としないのか、私はずっと悩んでいました。応援したいからこそ悩んでいました。
 言葉を選ばずに大変失礼な表現になるかもしれませんけれども、例えば無意識の思い込み、これは私も個人的に、少し会派を離れての発言になりますけれども、個人的には、私もこれは上手にそしゃくできていない。内心に踏み込むとまでは思っていませんけれども、どうも理解ができない。
 そうした中で、他の方が本会議で、無意識の思い込みとは具体的に何ですかという質問をしました。局長が出てこられて、例えば、産後の女性を早く帰らせなければいけないという思い込み、男性がリーダーでなければいけないという思い込みと。これは思い込みですか。
 小池都知事の横で、国の総理大臣は女性だし、その状況で、私たちはいまだに、日本国民として、東京都民として、男性がリーダーであるべきだと思い込んでいますかね。
 そして、女性を産後早く帰らせてあげるべき、思い込みじゃなくて、徹底した一人に寄り添った配慮でしょう。乳飲み子が家にいて、残業しろよ、帰れるわけないだろう--物事には両側面があって、例えば吉浦部長、活躍できていますか。答える必要はないです。立ち上がる必要はないです。これは活躍条例ができても、女性一人一人が、私、活躍できています、できていませんと、誰も手を挙げませんよ、自分で評価できないし。富岡部長、活躍できていますか。分からないじゃないですか。
 しかも、私たちの立場なら、議論を尽くそうよ、都民のために寝る間を惜しんで議論を尽くそうよというのは我々の正義。だけど、皆さんの目線からしたら、働き方を改革しようよと、こんな時間まで男性も女性も問わず、この時間まで皆さんは働いてもらっている。これも一面を見れば、東京都の職員、公務員、東京都のために尽くすのは当たり前という見方もあるのかもしれないし、そうはいってもという意見もあるかもしれないし、これは全部、視線が両側面、三百六十度見え方が違う。
 こうした中で無意識の思い込みといわれてしまうと、いわゆる妊産婦、お子さんが産まれて、まだ家に小さい子がいるのなら、早く帰らせてあげようというのは思い込みじゃない。絶対にいいことだし、むしろ、そういう展開にそれぞれの人がなっていくべきなんだと思う。
 なので、こんなに丁寧に条例策定までこぎ着けたのに、足りない部分は何なのか。あえて指摘させてもらえれば、産業労働局の情熱ですよ。絶対にこの条例ができたら、女性を、都民を幸せにさせてやるんだ、絶対に幸せにできるような施策展開で守っていけるんだ、そう、この条例に思いを込めて語ってもらって、答弁してもらって、だから必要なんですといい切ってもらえれば、私たちも自信を持って応援していける。
 事業者任せ、絶対いけない。この条例が制定されて、責務を負うのは東京都という決意で、産業労働局の皆さんにこの条例を進めていただきたい。責務を負うのは東京都。
 この条例が制定されたならば、来年度以降、女性がぐんぐん活躍できる、思ったとおりに働いて、思い描いた生活をこの東京都で暮らしていける、その中小企業への施策展開を、私たち都議会公明党はこれまで以上に厳しく監視をさせてもらいます。
 そして、一年後、十年後に振り返ったときに、この条例があってよかった、あそこがきっかけとなって、女性活躍の推進が東京都は飛躍的に、爆発的に上がったんだと、こういうふうにいわれるような条例にしていきたいし、していかなければいけない。
 繰り返しになりますけれども、答弁とは逆のことをいいます。主体者の責務が云々かんぬん、違う。この条例によって女性を幸せに活躍させていける、推進していくのは、その責務を負うのは東京都である。このことを私は切に懇願して、質疑を終わりたいと思います。
 条例に基づいた今後の施策展開、しっかりと見ていきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○山田委員 私たち都民ファーストの会は、女性が安心して出産や育児をしながらも、ライフステージに合わせた働き方や多様なキャリアパスを描けるように提案をしてまいりました。
 都では、女性の就業率が向上しているものの、非正規雇用がその半数以上であり、管理職の比率も低い状況が続いております。さらに、女性が出産や育児の機会に昇進や重要な仕事から外され、キャリア形成の道が閉ざされてしまうマミートラックがあります。都として、出産が不利とならず、また、三十代から四十代以降からも活躍できるように、職業訓練やあっせんを産業界と連携して大規模に展開し、マミートラックを解消すべきだと考えております。
 これまで我が会派では、働く意欲のある女性が働き控えをせず、経済的な自立を手に入れることができる取組など、女性が仕事を通じて力を発揮できる環境整備を訴えて、都は、これに応える形で施策を強めてまいりました。
 こうした中、今般、雇用就業分野における女性活躍をさらに一段引き上げるための条例案が提出されました。全国初となる女性活躍条例の制定によって、性別にかかわらず、誰もが活躍できる社会づくりを東京都がリードし、日本全体へ取組が広がっていくことを期待しております。
 一方で、女性の活躍を促進するための検討部会におきましては、女性の活躍に向けて、スタンダードな見本やフレームのようなものを教えてほしい、必要性は感じていても、取組方法が分からないという事業者の声も取り上げられておりまして、単に条例を示すだけでは、このような企業の具体的な取組につながらないと考えられます。
 こうした観点から、本日の質疑では、今後、東京都が策定することとしている女性が活躍できる環境の整備に関する指針について、議論を掘り下げていきたいと思います。
 まず初めに、本条例を実効性あるものとするために、事業者の取組を後押しする指針の果たす役割が大きいと考えられます。
 そこで、指針策定の考え方についてお伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 働く場において女性が個性や能力を発揮するには、事業活動において、女性が活躍することの重要性を経営者が認識し、企業全体で主体的に取り組んでいただくことが重要でございます。
 一方で、その重要性は認識しながらも、人員体制や育成のための仕組み、ノウハウの不足などにより、具体的な取組に踏み出せない企業もございます。
 都は、こうした事業者を後押しするため、女性の採用や人材育成、継続就業が可能な環境整備など、女性活躍を推進する上で取り組むべき事項を指針で示してまいります。
 あわせて、例えば人材育成について、女性社員が少ない企業における社外メンター制度の導入事例を紹介するなど、企業の状況に応じた具体的な事例なども盛り込んでまいります。

○山田委員 ありがとうございます。うちの従業員は全員女性で、本当に優秀なんですよ。なので、具体的な導入事例を盛り込むことで、なかなか実行に移せないと考えている経営者様にとって役に立つ指針としていただきたいと考えております。
 二つ目に、そのために、事業者が条例の趣旨を踏まえて、自分たちが取り組めるものから始められるような内容とすることが重要であると考えられます。
 今後、都はどのように検討を進めていくのか、お伺いいたします。

○吉浦働く女性応援担当部長 都内企業は、業種や規模など様々でございますが、今後策定する指針については、それぞれの企業が抱える課題に応じた取組を進める際の参考となる内容としていきたいと考えております。
 このため、策定に当たりましては、現場の実情に詳しい経営者及び労働者の団体、女性が少ない産業分野の関係者などに対し、抱えている課題や必要なサポートなどについてヒアリングを行う予定でございます。
 また、労働政策などに詳しい学識経験者をはじめ、実務的な観点から経営課題に関する支援や助言を行う専門家などにも意見を伺いながら内容を検討してまいります。
 今後、庁内各局とも連携し、実務的に検討を進めてまいります。

○山田委員 幅広い関係者からお話を聞いて指針の検討を進めていくということを確認することができました。ありがとうございます。
 ヒアリングを行う際には、女性活躍に関して先進的な取組を行っている団体だけではなく、これまで取組が難しかったような事業者のご意見も拾えるように工夫をしていただいて、より一層、内容の充実を図っていただくようにご要望いたします。
 一方で、条例制定後、都が企業における女性活躍の取組状況を把握し、効果検証を行うことも重要であると考えられます。
 そこで、現場の負担にも配慮しつつPDCAを回していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○吉浦働く女性応援担当部長 今回提出した条例案では、施策を効果的に実施するため、政策目標とその進捗を測る指標を定めるとともに、事業者の取組状況について調査を行うこととしております。
 指標としては、例えば従業員の男女比率や、育児、介護等と仕事の両立支援制度の利用率など、複数の項目を設定することを検討しております。
 調査結果に基づきまして、事業者の実態を踏まえた施策の見直しや改善を図るほか、参考となる事例の拡充など、必要に応じて指針の改定なども行ってまいります。
 また、事業者に対して調査への協力を求めておりますが、事業者にとって過度な負担とならないよう、実施方法に関しては工夫をしてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。本日の質疑では、条例の実効性を確保するための指針に焦点を当てて確認をすることができました。
 先日の我が会派の代表質問に対し、知事からは、この条例を契機に、これまで展開してきた様々な施策を統合、強化して、男女共に活躍できる環境整備に前向きに取り組む企業を後押しするとの答弁がございました。条例が有効に機能するよう、今後、普及啓発や事業者への支援など、施策の具体的な検討を深めていただきたいと思っております。
 この条例の意義を事業者や経済団体の方々に理解していただいて、社会全体を巻き込んで女性が活躍できる環境整備が進むことを期待しております。
 最後に、この女性活躍条例に向けた局長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○田中産業労働局長 本条例は、雇用就業分野において女性が個性や能力を十分に発揮できていないことから、職場において女性が活躍できる環境整備を進めるために定めるものでございます。
 取組の推進には、経営戦略や人事制度に決定権を持つ事業者の主体的な取組が不可欠でありまして、また、経済団体による業界全体への機運醸成も重要でございます。
 都は、今後、事業者や経済団体等に条例の内容を理解していただくため、条例の趣旨について積極的に普及啓発を行うとともに、共感を持っていただくため、また、事業者が主体的な一歩を踏み出せるよう、関係機関等の意見も伺いながら、その気づきや参考となるような具体的な取組事例等を示す指針を策定してまいります。
 また、パブリックコメントや本定例会でのご議論も踏まえ、キャリアアップなど女性が活躍できる環境整備などに取り組みます企業への支援策の強化についても検討してまいります。
 本条例を原動力に、事業者や経済団体が一体となって、女性がその個性と能力を発揮できる環境の整備を一層推進し、誰もが生き生きと活躍できる社会の実現を目指してまいります。
 女性活躍という言葉が過去のものとなる社会を目指して、様々な機会を捉えまして、様々な形でこの条例の趣旨をお伝えしていくとともに、この条例を契機とした取組を全力で進めてまいります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時二十三分散会