経済・港湾委員会速記録第十二号

令和七年十一月十一日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大山とも子君
副委員長もり  愛君
副委員長渋谷のぶゆき君
理事両角みのる君
理事慶野 信一君
理事藤田りょうこ君
いいだ健一君
さとうさおり君
おぎの 稔君
上田 令子君
山田あさみ君
三雲 崇正君
福井ゆうた君
山崎 一輝君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長猪口 太一君
次長松田 健次君
管理部長住野 英進君
事業部長飯野 雄資君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務東山 正行君
市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井 浩二君
財政調整担当部長高橋 葉夏君
環境改善担当部長中井  宏君
スタートアップ戦略推進本部本部長吉村 恵一君
理事戦略推進部長事務取扱DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務片山 和也君
プロモーション推進部長鈴木のり子君
イノベーション推進担当部長小澤 常裕君
東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務松本 克己君
スタートアップ戦略推進担当部長岩井 志奈君
スタートアップ戦略推進担当部長工藤 慎市君
スタートアップ戦略推進担当部長前林 一則君

本日の会議に付した事件
スタートアップ戦略推進本部関係
事務事業について(質疑)
中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)

○大山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スタートアップ戦略推進本部及び中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これよりスタートアップ戦略推進本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本部長から幹部職員の紹介があります。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 さきの人事異動に伴い就任いたしました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 スタートアップ戦略推進担当部長の工藤慎市でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○大山委員長 紹介は終わりました。

○大山委員長 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片山理事 去る九月十八日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元配布の経済・港湾委員会要求資料の目次をご覧ください。
 今回要求のございました資料は、全部で十件でございます。
 それでは、一ページをご覧ください。1、Tokyo Innovation Base(TIB)について、経緯、入場者数及び決算額を記載してございます。
 おめくりいただきまして、2、Tokyo Innovation Base(TIB)の利用者の状況につきまして、令和七年九月末時点の会員数、スタートアップの事業ステージ別の割合及びスタートアップの業種別の割合を記載してございます。
 続きまして三ページでございますが、Access to Tokyoの実績につきまして、実績及び委託先、経費を記載してございます。
 次に、四ページをご覧ください。アントレプレナーシップの育成事業の実績につきまして、キャリアフェア、TIB JAM、TIB Students、TIB等の場を活用したグローバル・アントレプレナーシップ実践事業の事業別に実施内容等を記載してございます。
 五ページをご覧ください。現場対話型スタートアップ協働プロジェクト及びスタートアップによる事業提案制度事業につきまして、令和六年度の事業一覧を六ページにかけて記載をしてございます。
 七ページは、6、入札参加資格登録支援事業の実績につきまして、令和五年度及び令和六年度の実績をそれぞれ記載してございます。
 おめくりいただきまして、八ページは、7、官民連携インパクトグロースファンドの運営状況につきまして、令和六年五月からの運営状況を時系列に記載してございます。
 続いて九ページは、東京ベイeSGプロジェクトの取組実績について、先端技術の実装、官民連携コミュニティ、国際発信のそれぞれの取組を記載してございます。
 おめくりいただきまして、一〇ページをご覧ください。9、SusHi Tech Tokyo等に出展した企業数について、過去三年分の実績を記載してございます。
 次の一一ページにつきましては、10、SusHi Tech Tokyo 二〇二五で起業家等と投資家間で面会交流が行われた件数を記載したものでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山田委員 都民ファーストの会、山田あさみです。よろしくお願いいたします。
 スタートアップは、社会の課題解決につながるイノベーションの担い手であり、東京、日本の成長を牽引していくことが期待されております。
 そして、スタートアップが大きく成長していくためには、国内だけで閉じ籠もることなく、世界中の人と交流をして、社会の課題解決をするテクノロジーについて議論をし、刺激を受けながら新たなビジネス展開を見いだし、国内外の投資家や大企業など投資や協業の相手となるパートナーを得て、グローバル市場に挑戦していくことが重要であると考えております。
 こうした出会いと交流を生み出す場が、今年の五月に三回目の開催を迎えたSusHi Tech Tokyoであると考えております。二〇二三年のCity-Techから始まり、年々、規模を拡大して、アジア最大級のイノベーションカンファレンスにまで成長してまいりました。ここに至るまでの様々なご努力を重ねてこられたと思います。
 そこでまず、過年度の開催において、スタートアップと支援者との出会いを通じてどのような成果を生み出し、その成果を踏まえて、今年度の開催に向け、どのように取り組んできたのかを伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年五月に開催いたしましたSusHi Tech Tokyo 二〇二四では、四百社を超えるスタートアップが出展し、八十二の国、地域から参加した投資家や大企業などとの間で約三千五百件の商談が行われました。
 出展企業に対しまして昨年度中に実施したアンケートでは、回答者の三割以上が、生産、販売などの協業や資金調達につながったと回答しています。
 こうした交流機会の充実が重要であることから、今年五月の開催に向けては、国内外の有力投資家の招聘や、オープンイノベーションに取り組む大企業のパートナーとしての参画の増加に向けて取り組んでまいりました。

○山田委員 ありがとうございます。国内外の支援者とスタートアップを結びつけて、商談などの交流を生み出し、協業や投資家などに対し成果を着実に上げてこられたこと、そして、こうした実績をさらに拡大するために取り組まれているということが分かりました。
 加えまして、スタートアップが海外進出を成功させ、大きく成長していくためには、現地機関の支援によるネットワーク形成や商習慣、法規制等への適応のほか、大規模な資金需要に応えられる海外投資家からの資金調達など、海外のキープレーヤーとのパートナーシップが欠かせないと考えております。
 そこでご質問させていただきます。今年の五月に開催をしたSusHi Techは、海外の支援者や投資家を数多く集めるために、どういった工夫を凝らしてどのような実績を上げられたのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 世界中の有力なプレーヤーとつながる場として一層充実させるため、世界各地の展示会への参加などを通じて現地機関などとの関係構築を進めたことで、海外都市によるパビリオン出展は前回の三倍を超え、昨年を大きく上回る、百の国、地域の人々による参加につながりました。
 また、国内企業との事前マッチングを実施するなどきめ細かな対応を行うことで、前回の一・三倍となる五百名以上の海外投資家の来場を実現したほか、来場した米国の有力VCが日本のスタートアップエコシステムに関心を抱き、東京での拠点開設を宣言するなど、グローバルな資金の呼び込みにつながる成果が上がっています。

○山田委員 SusHi Techがグローバルカンファレンスとして着実に発展していることがよく分かりました。ありがとうございます。
 さらに、SusHi Techは、マッチングや商談の場にとどまらない、東京が世界屈指のスタートアップフレンドリーな都市であり、持続可能な都市の実現に向けたイノベーションの創出にどれだけ前向きに取り組んでいるのか、そのことを世界の人々にしっかりと伝えていっていただく必要があると思います。SusHi Techをそういうカンファレンスにしていくことが必要ではないかと考えます。
 東京のエコシステムのプレゼンスを高めるために、SusHi Tech Tokyo 二〇二六の開催に向けて、どのように取り組むのかを伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 来年四月のSusHi Techに向けまして、会場規模を前回の一・二倍に拡充し、海外プレーヤーをはじめとする多様な参加者をさらに増やしてまいります。
 また、グロース期の起業家を官民一体で集中支援する“SusHi Tech Global”プロジェクトの参加企業など、将来の東京、日本の成長を牽引する有望なスタートアップの出展を拡充いたします。
 さらに、全国の大学と連携いたしまして、優れた技術を持つ大学発スタートアップを世界に発信するほか、スタートアップとして成功し大きな成長を果たした著名起業家や第二創業に挑戦する後継ぎ経営者など、多様なイノベーションの担い手の参画を図り、カンファレンスとして魅力を高めてまいります。

○山田委員 来年で四回目を迎えるSusHi Tech Tokyoがさらに充実したものとなることに期待をしております。
 さらに、東京のエコシステムの価値が世界にしっかりと理解されることが重要であると考えます。どれだけ優れたものを持っていても、知られなければ存在しないのと同じです。どうやって知ってもらうかという点にも、しっかりと注力をしていかなければならないと考えます。
 年一回の東京でのカンファレンスを充実させていくことに加えて、職員自ら現地に足を運び、海外のキープレーヤーに直接PRしてこそ、東京の熱意が伝わるのではないかと考えておりますが、どのように取り組んでおられるのか、伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 当本部では、世界各地の展示会に職員が直接赴き、出展や登壇等を通じて現地機関との関係構築に取り組むことによりまして、SusHi Techへの海外都市の出展や海外機関によるTIBへの来訪の増加などにつなげております。
 さらに、有望なスタートアップを連れて、フランスのVIVA TECHNOLOGY等に出展するほか、サウジアラビアやクウェートを訪問し、現地企業や支援機関を集めてピッチを行うなど、アウトリーチ型で世界にPRしております。
 今後、ヘルシンキのSLUSHやラスベガスのCESへの出展も予定しておりまして、都が率先して戦略的なプロモーション活動を展開し、東京のエコシステムへの関心を引き寄せ、世界から東京に人が集まる流れを生み出してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 世界中から人々を集めるSusHi Tech、さらに、世界中に職員の皆さんが足を使ってアウトリーチする、この両面から取り組まれていることがよく分かりました。
 海外プレーヤーとの関係構築は一朝一夕にできるものではございません。そうした中で、この二年間という短期間でSusHi Tech、TIBというプラットフォームを大きく育てて海外における認知度を高めてこられたことは、高く評価されるべきと考えております。
 今後も様々な機会を捉えて関係を強化することが、SusHi Techという理念の浸透につながると考えております。皆さんの取組が着実に成果を上げることを期待して、質問を終わります。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正です。
 スタートアップ戦略においては、大学の研究などの中から新たな事業の種が起業につながること、スタートアップが資金調達により事業展開可能になること、スタートアップが技術革新により新しい商品やサービスを生み出す環境があること、スタートアップの新しい商品やサービスが社会課題解決と適切に結びついて認知されること、スタートアップの成長を資金面、経営面で支援する仕組みがあること、こういったことが重要になってきます。
 そこで、スタートアップ戦略推進本部が行う事業のうち、事業概要二四ページ以下の官民協働の実践、それから、二六ページ以下の成長を促し、加速させる環境の整備に関連して質問いたします。
 まず、都政現場で実証するスタートアップとの協働プロジェクト、現場対話型スタートアップ協働プロジェクトについて、その趣旨及び目的を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 このプロジェクトは、都政の様々な課題を提示し、スタートアップと都庁各局の現場職員が対話を重ねながら課題解決を図るものでありまして、当本部がサポート役となり実施しております。

○三雲委員 ここで採択された事業は、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項四号に基づく認定を受けることが可能になって、認定を受けた後は、都内の行政現場において政策目的随意契約が可能となります。
 採択された事業について政策目的随意契約とする理由、契約の性質、目的が競争に適さない、そう考える理由について伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 政策目的随意契約に係る認定後、随意契約によるプロダクトサービスの導入が可能となるため、業歴の浅いスタートアップでも公共調達へ参入ができるほか、対外的な信頼獲得などにもつながると考えております。
 なお、プロジェクトの実施に当たりましては、スタートアップを広く募集いたしまして、審査により協働相手を選定しています。
 また、政策目的随意契約の認定に当たりましても、プロジェクトの成果を踏まえまして、適切なプロダクトサービスであることについて審査を行っております。

○三雲委員 スタートアップの公共調達への参入を促進するということです。
 この事業の令和五年度及び六年度までの実績についてお伺いします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年度までに百社を超えるスタートアップから応募を受け付けまして、二十九件のプロジェクトを実施いたしました。
 スタートアップの小回りが利く機動性、オーダーメードで対応できる柔軟性、顧客目線に立ったアイデアなどを活用し、それぞれの都政現場の課題解決に職員とともに取り組んでおります。
 昨年度では、例えば、メタバースを活用して、江戸時代の計量器を操作する体験コンテンツを制作し、生活に身近な計量の大切さを都民に体感いただく機会を提供する事例などがございました。

○三雲委員 今ご紹介いただいた江戸時代の計量器を体験するプロジェクト、この協働サポート費用額についてお伺いします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 ご質問いただきました本プロジェクトにつきましては、費用は約一千万円でございます。

○三雲委員 協働プロジェクトの実施の後、東京都は自治法施行令の百六十七条に基づく認定について審査をすることとされています。
 認定後は、都内行政現場において政策目的随意契約による購入等ができるというふうになっていますけれども、この江戸時代の計量器を体験するプロジェクトに関しては、実施後、認定を受けているのでしょうか。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 本プロジェクトで活用いたしましたプロダクトは、3Dモデルやアニメーションを用いた体験型コンテンツといたしまして、政策目的随意契約に係る認定を受けております。

○三雲委員 ただ、その計量器に関する体験プロジェクトだけではなくて、3Dモデルであるとかアニメーションを用いた体験型コンテンツと、少し汎用性があるような形で認定を受ける。そういった形で、都政課題を解決するのに有効であるという認定を受けたことがよく分かりました。
 今年度の事業の実施状況についてもお伺いします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 スタートアップと各局の現場職員が対話を重ねながら、AIなどのDXを活用いたしました業務の効率化と正確性の向上、都民の深い学びを促す体験型コンテンツによる啓発活動など、プロジェクトを二十件実施しているところでございます。

○三雲委員 これまでの実績を踏まえて、現場対話型スタートアップ協働プロジェクトについての課題認識はいかがでしょうか。伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 プロジェクトの効果を高めるためには、職員とスタートアップの緊密なコミュニケーションが重要であります。また、それぞれの現場が抱える課題には、スピード感や質の差があります。
 引き続き、こうした現場の実情に即しまして効果的にプロジェクトを進められるよう、スタートアップと都政現場の橋渡し役を当本部が適切にサポートを行ってまいります。

○三雲委員 行政現場におけるスタートアップとの協働を実践する取組として、今お聞きした事業のほかに、キングサーモンプロジェクトのうち、都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクトといったものも存在します。
 このプロジェクトの事業目的についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 キングサーモンプロジェクトは、スタートアップの製品等の都政現場等での実証から海外市場へ向けた事業展開まで支援を行うことで、グローバルに活躍するスタートアップを生み出していく事業でございます。
 本プロジェクトでは、一年目に都内行政現場との協働による製品等の実証を行いまして、行政課題をその革新的技術で解決し、サービスの質を向上させるとともに、スタートアップの成長を加速させることとしておりまして、二年目における公共調達の促進や海外展開の支援につなげていくものでございます。

○三雲委員 この都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクトについて、これまでの実績をお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 これまで、百二十社の企業から応募がございまして、二十三件のプロジェクトを組成いたしました。都と協定を締結した協働促進サポーターが、公募により審査されたスタートアップに対し、プロジェクトの組成や伴走支援等を行っております。今年度採択する六件のプロジェクト費用全体の上限は五千三百万円でございます。
 例えば、令和五年度に都立病院で出退勤管理システムの実証を行いまして、医師等が持ち歩く発信機により勤務状況に関するデータを自動で集計し、勤務管理を行うシステムを導入することで、医師等の勤務実態の見える化と業務の負担軽減等が図られたところでございます。

○三雲委員 このプロジェクト、二四年の四月から医師の働き方改革が始まって時間外労働の上限規制が実施されることを受けて、都立墨東病院において、二四年の二月から三月にかけて、採択企業のビーコン機器を用いた勤怠管理システムを活用すると。医師の出退勤の打刻の自動化、それから正確な勤務実態の把握、こういったことを行うということがなされて、結果的に医師及び労務管理業務における業務負担の軽減の効果が検証されたということですけれども、スタートアップとの協働によって都立病院の業務負担軽減が実現できるのであれば、これは非常に有益な取組といえると思います。
 協働プロジェクトの結果、社会課題の解決に資すると認められるプロダクトについては、先ほどもお話ししたとおり、自治法の施行令の百六十七条に基づく認定を行うこととされていますけれども、このプロジェクト、都立病院で実証した勤怠管理システムの自動化プロジェクトについても認定を受けているという理解でよろしいでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 都立病院で実証した勤怠管理システム自動化プロジェクトは、令和五年度に都内行政現場におきまして職員等がサービスを使用した結果、医師等の医療従事者の業務の負担軽減や効率化等に有用であると確認されたことから、令和六年度に当該サービスを都が随意契約で調達できる旨の認定を行いました。

○三雲委員 ここでも、協働プロジェクトを通じて採択されたスタートアップの製品というものが都政課題を解決するのに有効であるということが確認されたということだと思います。
 これまでの実績を踏まえて、都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクトについての課題意識について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップの製品、サービス等の検証をより効果的に実施していくためには、その製品等のユースケースに応じた適切な現場に導入を行うことが必要なことから、今年度から、行政現場に加えまして、民間事業者の様々なフィールドを実証の対象現場として追加し、実施をしております。

○三雲委員 スタートアップ戦略推進本部では、ここまでお聞きしてきた、都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクト、そして、その前にご質問した現場対話型スタートアップ協働プロジェクトが行われています。そしてまた、産業労働局においては、都政課題の解決のためにスタートアップとの協働を行うUPGRADE with TOKYO事業が行われています。
 これら三つの事業の関係と存在意義について、これら三つの事業の共通点と相違点を踏まえた説明をお願いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 三つの事業とも、行政課題解決とスタートアップの成長を図るための協働プロジェクトを実施している点が共通しております。
 キングサーモンプロジェクトは、グローバルに活躍できるスタートアップを生み出すことを目的に、都政現場での協働を足がかりにして、その後、海外販路拡大に向けた戦略立案及び実行支援も併せて、トータルでスタートアップを支援する事業でございます。

○三雲委員 キングサーモンプロジェクトの都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクトについては、グローバルに活躍できるスタートアップを生み出すことを目的とする、この点に特徴があるということは分かりました。
 そうすると、もう一つの現場対話型スタートアップ協働プロジェクトとUPGRADE with TOKYOの違いは何かという疑問が生じてきます。
 他局の事業なので言及しにくいかもしれませんけれども、スタートアップ戦略推進本部として、産業労働局とは別に現場対話型のスタートアップ協働プロジェクトを実施する意義についてご説明をお願いします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 当本部では、全庁横断のTeam Tokyo Innovationを通じまして、全庁的なスタートアップとの協働の取組を推進しております。
 現場対話型スタートアップ協働プロジェクトは、都庁各局とスタートアップの対話を特に重視する取組でございます。協働の候補先となる複数の企業と議論を重ねまして、課題の深掘りや現場では気づかない切り口からの提案などがなされるよう当本部がサポートを行うとともに、協働プロジェクトの開始後も対話に重きを置き、オーダーメードで進めていく点が特徴でございます。
 こうした取組を通じまして、行政におけるスタートアップの協働意識の浸透を図っております。

○三雲委員 キングサーモンプロジェクトには、都内行政現場とスタートアップとの協働プロジェクトだけではなくて、海外都市課題解決コースといったものも存在しています。
 この海外都市課題解決コースに関し、その目的と令和六年度及び七年度の取組状況についてお聞かせください。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、海外都市と連携をいたしまして、世界の都市課題解決とスタートアップのグローバル展開を後押しするため、昨年度はヘルシンキ及びナイロビで、今年度はマルメ及びジャカルタで実証を行うものでございます。全体の書類通過企業は二十社でございまして、各都市一社ずつ、計四社が選定されております。
 海外でのスタートアップの引率、ピッチ審査や現地実証の伴走支援、現地関係者とのマッチング支援等を事業者に一括で委託しておりまして、経費は約一億三千万円でございます。また、現地での実証経費は、一プロジェクトにつき一千万円を上限としております。

○三雲委員 プロモーターへの委託費が約一億三千万円、そして、現地の実証経費が一プロジェクトにつき一千万円とのことですけれども、こうした経費をかけた海外都市課題解決コースの令和六年度の実証成果についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年度、ヘルシンキでは、光を利用して発電するガラスを用いた建物のエネルギー効率化をテーマに実証を行いまして、透明発電ガラスが照度が低い環境でも高い発電効率を得られることを確認いたしました。
 また、ナイロビでは、衛星データを用いた洪水及び感染症発生のシミュレーションをテーマに実証を行い、ナイロビ市や関係機関が計画を策定できるよう、AI、衛星データを活用して洪水、感染症リスクマップを作成いたしました。

○三雲委員 ナイロビのプロジェクトでは、ナイロビ市及び現地関係機関と連携して、豪雨や河川氾濫、堤防決壊による洪水の軽減、制御を目的として、過去の災害情報等を基に構築した洪水と水系感染症に関するマッピング及び分析ソリューションを活用して、洪水リスクであるとか発生規模、水系感染症の発生リスク、被害規模を予測するシミュレーションモデルを構築して、その利活用の方法についてナイロビ市に報告をしていると。
 実施した企業は、本プロジェクトでは、あらかじめ東京都とナイロビ市の間で課題が明確化されて、関係者の役割分担や体制がしっかりと整理、整備されていたとか、あるいは、現地のNGOや企業についての理解が深まって、ポテンシャルカスタマー、潜在的顧客へのアプローチを進めていくことができるようになるとか、あるいは、今後はナイロビ市及び関係省庁とトライアル利用を継続して実証成果の整理とシステム改善を行っていくとか、様々な感想が述べられていて、非常に社会的価値の高い事業を進めていて、プロジェクトを実施した結果として、ビジネスとしての発展可能性も高いように、開けてきているように思います。
 こうした海外都市課題解決コースで製品やサービスの実証を行ったスタートアップがしっかりと国際展開できるように、さらに支援を継続すべきだと思いますけれども、スタートアップ戦略推進本部の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 それぞれのスタートアップとは、実証後も継続的にコミュニケーションを取っておりまして、各社の意向等に応じまして、スタートアップのグローバル展開に資する都の様々な支援策につなぐなどのフォローをしております。

○三雲委員 ここまではスタートアップ企業との協業について尋ねてまいりましたけれども、ここからはスタートアップ企業の成長支援についてご質問します。
 まず、海外ベンチャーキャピタル、アクセラレーター誘致について、令和六年度及び七年度の取組状況をお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 国やジェトロ等と連携をいたしまして、昨年度までに世界トップクラスのアクセラレーター二機関によるプログラムを実施いたしました。
 今年度は新たに、米国の有力アクセラレーターによるミドル、レイター期向けの投資つきプログラムを展開することとしております。

○三雲委員 この事業を通じて、日本の大企業であるとかスタートアップとのマッチング機会を提供したと。
 それによる投資実績というものはどのようなものでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年度までにプログラムを受講した計二十一社の企業への投資実績は、十四・六億円でございます。

○三雲委員 都が海外ベンチャーキャピタルとのマッチング機会を提供した結果として、実際に投資も生まれているといったことは確認できました。
 次に、海外VC等ネットワーキング事業について、令和六年度及び七年度の取組状況をお伺いします。

○鈴木プロモーション推進部長 昨年度の二月に、パリで、海外VC等を対象に東京のスタートアップエコシステムをPRするセミナーを開催したほか、今年度六月には、パリ、VIVA TECHNOLOGYに出展したスタートアップや日系企業と、海外投資家等のエコシステムプレーヤーとのネットワーキングイベントを実施いたしました。

○三雲委員 この事業を通じて、東京の市場としての有望性をPRして、東京のスタートアップ市場としての認知度を高める、こういったことをしているんだと思いますけれども、そのことによって海外VC等が東京に進出した、その実績をお伺いします。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業をはじめとする海外VCの呼び込みを図る様々な取組を通じまして、本年五月のSusHi Tech Tokyo 二〇二五に約五百のVCが来場し、東京、日本のスタートアップと商談を行いました。
 この中には、日本のスタートアップエコシステムに関心を抱き、東京での拠点開設を宣言した企業もいます。

○三雲委員 この事業を通じて日本の優れたスタートアップを紹介したということだと思うんですけれども、その投資実績についてお伺いします。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業をはじめとする様々な取組を通じまして、本年五月のSusHi Tech Tokyo 二〇二五には、約五百のVCが海外から来場し、東京、日本のスタートアップと商談を行いました。

○三雲委員 五百社のVCが来場して商談した、その結果として、スタートアップに対する投資実績は把握されているんでしょうか。把握しているとすれば、どの程度の規模の投資がなされたのか、教えてください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 面談、商談等から具体的なビジネスに至るまでには一定の期間を要することから、今年のSusHi Tech Tokyo出展者につきましては、今後、アンケート調査を実施する予定でございます。
 なお、昨年のSusHi Tech Tokyoの出展企業につきましては、アンケート回答者の三割以上が、生産、販売などの協業や資金調達につながっているというふうに回答してございます。
 資金調達の内容は経営の機微に関わる事項でございまして、アンケートによる詳細な把握は困難であるというふうに考えております。

○三雲委員 具体的な資金調達の内容についてまでは把握は困難ということですけれども、ある程度、実際の事業提携であるとか資金調達につながっている、こういった状況はうかがわれます。
 次に、Access to Tokyo事業について、その事業の趣旨、目的を伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 Access to Tokyoは、海外に向けた情報発信拠点として、現地での広報活動や支援機関との連携等を図り、海外の企業に東京のエコシステムをPRするとともに、東京に関心がある企業の相談対応を実施する事業でございます。

○三雲委員 ロンドン、パリ、サンフランシスコ、それからシンガポール、ベンガルール、この五か所に設置された海外ハブ組織との連携窓口ということですけれども、その概要、各窓口の人員体制であるとか令和六年度の収支についてお伺いします。

○鈴木プロモーション推進部長 各拠点において、本事業の受託者が東京都との連携の下で情報発信や相談対応を実施しております。
 五拠点の業務を一括して委託しておりまして、令和六年度の委託料は約一億四千四百万円でございます。

○三雲委員 これらの窓口で業務を行っているようなんですけれども、例えば東京への進出とか、日本の市場に関心のある外国企業からの問合せに対応するとか、あるいは外国企業への窓口担当者の積極的な訪問であるとか、そういったことをされているということですけれども、この事業の実績をお願いします。

○鈴木プロモーション推進部長 令和七年四月から九月までの半年間で、現地企業やエコシステム関係者に対して東京のエコシステム等に関する情報提供を実施した件数は、約三千件でございます。
 また、同期間に、日本のビジネス展開等に役立つ情報やコネクションを求める企業からの相談への対応や、現地の商工会議所やスタートアップ支援機関等と意見交換を実施した件数は、約百七十件でございます。

○三雲委員 半年間だけでも、情報提供の件数が約三千件、そしてまた、相談とか意見交換が約百七十件。
 こうした実績は評価できると思いますけれども、この業務によって生じた関係性というものをしっかりと生かして、日本のスタートアップがアウトバウンドしていく、そこへの活用ができるんじゃないかと思いますけれども、例えば、海外都市課題解決コースを実際に実施した企業さんとの連携であるとか、そういったことができないのかについて見解をお伺いします。

○鈴木プロモーション推進部長 現地の商工会議所やスタートアップ支援機関等に対して、Tokyo Innovation Baseをはじめとする東京のエコシステムや都のスタートアップ施策の紹介を行うなど、アウトバウンドに資する取組も実施しております。

○三雲委員 次に、大学発のスタートアップ創出支援事業についてお伺いします。
 ここまでは、既に立ち上がったスタートアップ企業との協業であるとか支援についてお聞きしましたけれども、大学などでの研究成果から新たなスタートアップ企業が生まれてくる、そういった創業するところについて後押しすることも重要になってまいります。
 令和五年度採択の十大学の取組のうち、特徴的なものについて、その取組の実績と成果を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 ある医療系大学では、研究者や医学生等が事業のアイデアを発展させるため、外部の企業や法律の専門家等との交流会を開催し、また、デジタルヘルスに関わるシーズの発掘、事業化に結びつけるため、ホームページにシーズ集を掲載したほか、事業化に向けた研究に対し経費を支援しております。
 この大学からは、AIによる精神疾患予測モデルを開発する企業など、計三社のスタートアップを輩出しております。

○三雲委員 令和五年度採択の十大学について、実施した経費支援額をお伺いします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 経費支援につきましては、各採択大学のKPI達成状況に応じて実施しており、五年度採択大学への二か年の経費支援額につきましては、令和五年度は合計約二億一千万円、令和六年度は合計約六億一千万円でございます。

○三雲委員 それなりの経費を落としながら事業を進めていると思うんですけれども、私も、令和五年度に採択した大学のAIによる精神疾患予測モデルを開発する企業さんのホームページを拝見しました。非常にこう、新しい医療サービスを提供する企業が生まれてくるんだなということが実感できる、いい事業だというふうに思っております。
 その上で、令和六年度採択の九大学の取組状況についてお伺いします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 九大学中七大学が学内の研究シーズやアイデアを事業化するために必要な組織体制等の構築に取り組んでいるほか、二大学が研究者等の事業化に向けた資金面からのサポートに取り組んでおります。

○三雲委員 こうして大学発のスタートアップが立ち上がった後は、この事業の経費支援だけでは資金調達としては不十分だというふうに思われます。
 後に質問する官民連携ファンドを通じた資金調達なども考えられると思うんですけれども、そうしたことを想定されているのか、お伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンドの具体的な投資案件は、ファンドの趣旨を踏まえ、投資先の選定等に関する専門性を有するファンド運営事業者が適切に選定するものでございます。
 ファンド以外の事業に関する情報等は、必要に応じてファンド運営事業者にも提供しております。

○三雲委員 官民連携ファンドについては、また後ほど質問しようと思いますけれども、スタートアップ企業が新しい製品であるとかサービスを開発するための研究を継続的に行っていく必要があります。
 この点を支援する取組として、ディープテック・イノベーション拠点推進事業がありますけれども、東京都では、既に都立産業技術研究センターを通じたベンチャー企業、スタートアップ支援も行われています。
 ディープテック・イノベーション拠点推進事業について、都立産業技術研究センターを通じたベンチャー企業、スタートアップ支援との共通点と相違点についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 都立産業技術研究センターでは、スタートアップ等自身では保有することの難しい高度な試験機器を備えるなどして技術的サポートを行っていると聞いております。
 本事業におきましては、ウエットラボのようなディープテックの研究開発に必要となる支援機能を備えた拠点の整備を促すとともに、民間事業者のノウハウやネットワーク等を生かしたビジネスの成長に向けた支援を行います。

○三雲委員 このイノベーション拠点形成に取り組む事業者の採択状況について確認します。

○小澤イノベーション推進担当部長 九月に、世界有数のライフサイエンス支援機関等によるウエットラボ、共用機器を備えた支援拠点整備の取組を採択いたしまして、来年度にかけて整備を進めることとしております。

○三雲委員 採択予定件数は二件あったと伺いましたけれども、そのうち一件は決定したと。
 もう一件の採択予定についてもお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 民間事業者の動向等を勘案しながら、今後、公募を検討してまいります。

○三雲委員 今般採択された事業者の拠点は、江東区に整備をされるというふうに聞いています。都立産業技術研究センターは、江東区の本部だけではなくて、多摩テクノプラザをはじめとして都内各所に拠点を設けています。
 ディープテック・イノベーション拠点推進事業においても、民間事業者の動向とともに、地理的なバランスも勘案すべきではないかというふうに思いますけれども、見解をお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、民間事業者のイノベーション拠点整備を後押しするものでございます。
 民間事業者等から提出された整備計画に係る施設の目的、機能や立地環境等も考慮し、ディープテックスタートアップの成長に最も寄与すると認められる提案を選定することとしております。

○三雲委員 民間事業者の拠点整備を後押しする、こういう事業の性質上、都立産業技術研究センターと同じような配置というものは簡単ではないのかもしれませんけれども、やはり、都内の中でバランスよくそうした拠点が設けられることによって、都内各地でスタートアップが活躍できる環境をつくることは大事だと思いますので、ぜひ検討をお願いしたいというふうに思います。
 次に、官民連携ファンドについて伺います。
 スタートアップ戦略推進本部はこれまで、大学発スタートアップ等促進ファンド、官民連携インパクトグロースファンド、これを設立してきたと。今年はGXイノベーション促進支援ファンドを組成予定というふうに認識しております。
 まず初めに、それぞれのファンドを設立する目的と、運営事業者、ゼネラルパートナーといいますけれども、以下GPといいます。GPの選定理由についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 大学発スタートアップ等促進ファンドは大学の優れた研究等の支援、官民連携インパクトグロースファンドは大きなポテンシャルを有するグロース期のスタートアップの支援、GXイノベーション促進支援ファンドはGXに貢献するスタートアップの支援を目的に設立をいたしました。
 ファンド運営事業者の選定は、応募者からの提案内容につきまして、外部専門家を含めた選定委員会での厳正な審査等を行いました。
 各運営事業者は、経営の健全性やファンドの趣旨に沿った資金供給先の発掘能力、ファンドスキームの実現性等の観点から、最も優れていると認められたことから選定したものでございます。

○三雲委員 GXイノベーション促進支援ファンドの第二回のGPの選定状況について、これも大学関係のベンチャーキャピタルになるのでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 現在、ファンド運営事業者の選定手続中でございます。
 運営事業者の選定は、応募者からの提案内容につきまして、専門事業者による適正調査を実施した上で、法律や会計、投資分野等の専門家を含めた選定委員会での厳正な審査等を経て行ってまいります。

○三雲委員 大学発スタートアップ等促進ファンド、それからGXイノベーション促進支援ファンド、これらはそれぞれ、東京大学、それから東京科学大学の関係者がGPとして選定されているように伺っています。
 東大関係であるとか科学大関係のスタートアップが投資先の企業として選定される傾向が生じてこないのかとか、あるいは、先ほど質問した大学発スタートアップ創出支援事業で立ち上がったスタートアップ企業に対して、その事業の社会的意義とか将来性を十分に審査することなく優遇する、そういった投資判断がなされたりしないか、こういったことも懸念されるところです。ファンドの投資先企業の選定において、GPのバックグラウンドに起因するバイアスが生じるリスクをどう認識し、防止するのかが重要になってきます。
 この点に関して、GPのバックグラウンドに起因するバイアスが生じるリスクを認識し、防止する手段についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 各ファンドの運営事業者は、得意とする領域や企業、大学等とのネットワークなどの強みを生かしてスタートアップの発掘を行い、その成長可能性を十分に吟味して投資先を選定しております。
 都は、専門家の意見を聴取しつつ、ファンド運営事業者が意思決定を行う機会での意見表明を行うなど、質問権を活用しながら、官民連携ファンドの運営が適切に行われているか監視しております。
 なお、大学発スタートアップ等促進ファンドでは、これまで全国の多様な大学関連ファンド等に出資をしておりまして、特定の大学への偏りはございません。

○三雲委員 LPAに基づくパートナーの権限を活用するということ、そしてまた、特定の大学への偏りはないと確認していらっしゃるということについてお伺いしました。
 この大学発のスタートアップ等促進ファンドは、親ファンドの下に複数の子ファンドが設立される、いわゆるファンド・オブ・ファンズの形態を取っています。
 このファンド・オブ・ファンズの形態を取った理由についてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 大学等での研究開発型スタートアップは、専門性が高く、分野も多岐にわたることから、全国の多様なファンドを通じて大学と連携した案件発掘や共同支援などを行い、将来性のある研究開発型スタートアップへの大きな資金の流れをつくり出し、その成長を支援していく必要がございます。
 そのため、本ファンドでは、スタートアップに対する個別投資は研究開発に精通した大学VC等が担い、都は、その大学VC等に対して出資を行うファンドを組成するスキームを採用いたしました。

○三雲委員 こうした多段階のスキームを取る理由についてお伺いしました。
 現時点までに、既に九つの設立済みの子ファンドに出資が決定されているようですけれども、今後も出資先のファンドが増えていくというふうにも伺っています。
 どのようなポートフォリオ戦略に従って子ファンドを選定しているのかを伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本ファンドは、全国の大学VCや新興ファンド、ディープテックに強みのあるファンドなど、多様なプレーヤーと連携して投資先の発掘や経営支援などを行い、スタートアップの成長を支援していく観点から、運営事業者が出資先のファンドを選定しております。

○三雲委員 大学発スタートアップ等促進ファンド設立の際には、都が専門家の助言を得ながら東京大学協創プラットフォーム開発株式会社をGPに選任しましたけれども、子ファンドへの出資、ここに関しては、このGPが決定をすることになります。
 適切な投資を確保する観点からは、ポートフォリオ戦略に従って適切な子ファンドの選定が必要になってきますけれども、この選定に、都はどのように関わっているのでしょうか。
 また、子ファンドに対する関与は、多段階ですから、どうしても間接的なものになってしまいますけれども、どのようにコントロールをしていくのかということについてもお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、ファンドの趣旨に沿った投資が行われるよう、外部有識者の意見を聴取しつつ、運営事業者が意思決定を行う機会での意見表明を行うなど、質問権等を活用しながら、ファンドの運営を適切に監視しております。
 出資先ファンドの状況等につきましては、本ファンドの運営事業者を通じて、その活動情報を適宜収集しております。

○三雲委員 このファンドでは、大学VC等の設立済みのファンドを子ファンドとして選定しているようですけれども、中には、スタートアップ企業への投資を既に実行しているファンドが出資先の候補となることがあると思います。新しく設立するファンドよりも、そういった場合には確認しなければならない事項が多くなってくるはずです。
 そこで、GPは、設立済みのファンドについて、安全性の確認というものはどのように行っているのか、そしてまた、都は、そのGPによる確認状況をどう確認しているかについてもお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンドの具体的な投資案件は、投資先の選定等に関する専門性を有するファンド運営事業者が、候補となるファンドについて、投資先スタートアップの状況も含めて確認を行い、適切に選定するものでございます。
 都は、ファンドの趣旨に沿った投資が行われるよう、外部有識者の意見を聴取しつつ、運営事業者が意思決定を行う機会での意見表明を行うなど、質問権等を活用しながら、ファンドの運営を適切に監視しております。

○三雲委員 ここまで、ファンドを通じた支援の仕組みについて、るる聞いてまいりましたけれども、スタートアップの資金調達というものは、民間のベンチャーキャピタルによる投資のほか、日本政策金融公庫の融資であるとか都の中小企業制度融資、それから創業助成金、こういった制度が既に存在をしています。
 これまで質問した、海外ベンチャーキャピタル、アクセラレーター誘致とか海外VC等ネットワーキング事業などによってもスタートアップ融資を受ける機会が生まれているということが確認されましたし、今後、それが大きくなることも期待をされています。
 そうした中で、都があえてスタートアップへの出資、投資を目的とするファンドを設立する意義がどこにあるのか、改めてお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 長期にわたる技術開発等を通じて社会変革に取り組むスタートアップ等への資金供給は十分ではなく、投資市場として発展途上にございます。
 こうした領域に都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金やノウハウを引き出し、新たな資金の流れを創出し、スタートアップの成長を後押しすることに意義がございます。

○三雲委員 都があえてファンドを通じた支援を行う目的に照らせば、投資先の企業から投資が回収されただけでは、政策目的が達成されたと評価することはできないと思います。
 それぞれのファンド設立の目的、政策目的の成否、それを判定する指標は何なのか、お伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンド運営の実績として、ファンドの目的に沿った投資先への投資件数や民間投資家の参画状況などを確認してまいります。

○三雲委員 都民の税金を原資としてファンドを設立する、そのファンドから投資を行うわけですので、投資先の企業名であるとか運用実績を開示して、都民が投資先企業選定過程の透明性であるとかファンド設立の目的が達成されたか否かを判断できる材料を提供すべきであるというふうに考えます。
 営業秘密などがあるということで、投資先であるとか運用実績を開示できないということであれば、これは税金を原資とするファンドではなくて、民間主体のファンドで支援を行うべきではないかという議論もあると思います。例えば産業労働局では、九月十九日に、TOKYO白馬の騎士ファンドの第一号投資についてというプレスリリースを行いまして、ファンドの出資先企業名を明らかにしています。
 今後、スタートアップ戦略推進本部が所管するファンドの投資先が選定された段階で、企業名を開示する予定があるのかどうか、お伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 具体的な投資先企業の情報等につきましては、守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしております。

○三雲委員 令和元年度の包括外部監査報告書(指摘・意見一覧)、この一七ページには、当時の産業労働局が行っていたファンドを通じた中小企業支援に関して、次のような指摘がなされています。
 産業労働局のホームページでは、ファンドの総額や運営事業者、ファンドの存続期間といった情報は公開されているものの、都以外の出資者やその数といった情報は公開されていない、ファンドへの出資額の源泉は税金である以上、都民に対して一定の説明責任が生じるのは当然である、投資事業有限責任組合契約に基づく守秘義務条項等により、全ての事項について情報提供ができるわけではないことは理解できるものの、守秘義務を遵守する範囲内で、都民に対して積極的な情報開示を検討されたい、また、投資の成功事例については、ファンドゼネラルパートナーや投資先の了解が得られる場合には発信に努めていきたいとのことであるが、中小企業の事業運営上の支障とならないよう配慮しつつ、情報公開の透明性の観点からも、投資の成果について積極的に情報提供をすることを検討されたい、こうした指摘がなされています。
 新しい投資事業有限責任組合、LPSを組成する際には、東京都が主導権を握っています。投資事業有限責任組合契約、LPAといいますけれども、このLPAにおける守秘義務の範囲については、税金を投じるファンドにふさわしい内容に設定するということは、東京都によって可能なわけですね。
 都がファンドに投資する意義というものは、都が持っている財産を殖やす利殖の目的ではなくて、あくまでも産業振興という、都民から負託された行政目的の達成にあるわけです。そのためにファンド運営を行うに当たって、投資先企業、これは、つまり都民の税金の使い道に当たるわけですけれども、これすら明らかにすることはできないと、こういったGPを選定することは不適当ではないかというふうに思われます。
 そして、もう一つ、LPA等における一般的な守秘義務条項では、法令であるとか裁判所、官公庁の命令等に基づく開示というものは例外というふうにされています。
 地方議会というものは、地方公共団体の事務に関して自治法上の調査権限を有していて、地方公共団体は説明義務を負っています。この委員会における質疑についても、その関係の上に成立をしているわけです。都がLPAにおける守秘義務を負っているとしても、例えば委員会を秘密会にするなどの方法によって、LPA上の守秘義務に対応しつつ、ファンドの運営状況、つまり都民の税金の使われ方について説明することも可能であるというふうに考えます。
 今回の質疑においては、あえて各ファンドの出資先であるとか出資額等の予定については問いませんけれども、先ほど述べた包括監査報告書の指摘から五年を経て、当時と対応が変わらないままであれば、やはりこれは疑問であるというふうにいわざるを得ません。
 まず、今後、設立されるLPSにおいては、都が都民に対して負っている説明責任の意味を理解しているGPを選定し、LPAにおける守秘義務の範囲についても、都は、都民に負っている説明責任にふさわしい内容に設定すべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都の官民連携ファンドは、投資事業有限責任組合法に基づき、専門的、技術的な能力のある事業者がファンド運営を担い、都は、定期的に報告を受け、監視を行うことで、政策目的の実現と効果的な資金運用の両立の実現を図っております。
 ファンドの運営状況やその成果について都民の理解を得られるよう、具体的な投資先企業の情報等につきましては、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしておりまして、このことは、ファンド運営事業者の公募の際に要項で明らかにしております。
 運営事業者の公募及び選定に当たりましては、こうした観点も含めて適切に行ってまいります。

○三雲委員 例えば、今年度、GPの公募を行ったGXイノベーション促進支援ファンドでは、募集要項において、東京都は、GPと協議の上、本ファンドの投資先企業の概要や最終的なファンド規模、都の出資額に対する最終的な回収額等について公表できる、東京都は、本ファンドへの出資に際して、法令、規則、公的機関による指導等を遵守する必要があることに留意すること、こういった記載があります。
 これらを了解して応募してきたGPとの間では、LPAにおいて、東京都がファンドの投資先企業の名称を含むファンドの運営状況を開示し得る旨を明記することが可能であり、また、明記すべきであるといったことについて指摘をさせていただきます。
 そして、令和八年度、仮称スケールアップ促進支援ファンド、この設立を検討していると伺っています。
 そこで、いま一度、スタートアップ戦略推進本部における官民連携ファンドの設立の目的、そして、従前のスタートアップ戦略と、この新しい取組との関係について説明を求めます。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは、投資市場として発展途上の領域に都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金やノウハウを引き出し、新たな資金の流れを創出し、政策実現につなげることを目的としております。
 また、都のスタートアップ戦略では、グローバル市場へのチャレンジを後押しすることを目的に、資金供給をより一層充実させてスタートアップの成長を促進する取組としてファンドを位置づけております。

○三雲委員 先ほど、官民連携インパクトグロースファンドは大きなポテンシャルを有するグロース期のスタートアップの支援を目的とする、こういった答弁をいただきました。
 グロース期に差しかかったスタートアップをさらに資金面で支援する、この目的は、今後の新たな取組のファンドとも共通するように思われるのですけども、この今後の新たな取組というものは、従前の官民連携インパクトグロースファンドとどのような違いがあるのか、お聞かせください。

○小澤イノベーション推進担当部長 インパクトグロースファンドは、社会課題の解決と持続可能な成長を両立し、ポジティブな影響をもたらすインパクトスタートアップの重要性が高まる中で、グロース期への資金供給の少なさを背景として、インパクトスタートアップを支援する目的で創設したものでございます。
 次年度に向け検討しているファンドは、現在、予算要求中でございます。

○三雲委員 ちょっと分からない部分がまだありますけれども、要するに、グロースファンドというものは、社会課題の解決とか持続可能な成長を両立する、こういうポジティブな影響を持っているスタートアップに対する支援だということですけれども、新しい取組は、スタートアップの性質にとらわれず、グローバル市場へのチャレンジを目指すスタートアップ、これに対する支援を目的としているというふうに理解をしました。
 ここまで、スタートアップ戦略推進本部が行うスタートアップ支援の取組について質問してまいりました。
 日本社会が経済的発展を持続するためには、常に新しい企業であるとか産業が生まれて、雇用や利潤を生み出す環境を整備することは大事だと思います。その中で、スタートアップ戦略推進本部が行う様々なスタートアップ支援事業にも意義があることというふうに思っています。
 他方で、こうした事業を地方公共団体である東京都が都民の税金を使って行うべきかどうかという点に関しては、少し、やっぱり分かりにくさというものが付きまとってくると思うんです。
 地方公共団体である東京都が担っているのは、例えば、上下水道であるとか交通、初等中等教育であるとか保健医療、介護福祉、こうした公共サービスです。
 公共サービスというものは、全ての人の生活であるとか、なりわいに関わってくる、あるいは関わってくる蓋然性が高い事業、つまり公共の福祉を向上させる事業である。その一方で、それを民間の力で、市場原理で社会全体に公平に提供することは困難である。そのことから、民間に委ねず、税金や公的な保険制度を使って運営することとされています。
 産業振興策として、個別の企業を支援する制度融資、助成金もありますけれども、こうしたものは、幅広い分野の企業が、一定の要件に該当すれば、いわば機械的に支援を受けることができる。こういった意味で、公共サービスとして理解することも可能です。
 これに対して、これまで質問してきた都の事業は、特定の事業のアイデアであるとか、あるいは特定の製品やサービス、こういったものを取り上げて支援の対象とするものであって、あるいは、その支援の対象とする企業の選択を、目利きとしての経験であるとか能力を持っているといわれている民間の個人や企業団体に委ねる、さらには、ファンドという形で多額の資金を提供して支援の仕方まで委ねるといったもので、誰がその事業の便益を受けられるのか、これは一律に決まっていない。一見すると、アドホックな、その場その場の判断によって決まってくるように思われて、先ほど述べた公共サービスの有する性質を備えているのか、これが非常に分かりにくくなっています。
 私は、このスタートアップ戦略推進本部の事業が公共性を有していないからやめるべきだというふうに主張するつもりはありません。この事業の目的が、常に新しい企業や産業が生まれて、雇用や利潤を生み出す環境をつくり出し、それが社会経済全体の発展につながって、結果として公共の福祉を増進させることにあるだろうと、こういうことは理解しています。これまでの質疑においても、社会的に意義のあるビジネスがスタートアップによって展開されている、こういった事例も確認することはできました。
 ただ、その手段と目的の間に、一般的な公共サービスの場合と比較してリモートな関係があると。それに加えて、支援を受けた個別のスタートアップが成功するかどうか、これは時の運に左右される側面があって、さらに、東京に新しい環境が生み出されるかどうかは、日本経済であるとか世界経済の動向に左右されてきます。事業の目的達成が困難に陥るリスクもあるといえます。
 かつて東京都は、新銀行東京に多額の出資を行って、大きな財政的な損失を被りました。公共サービスとしての性質が疑われる事業に対して、十分な情報開示と合理的な説明がなされないまま税金を原資とする多額の支出を行ったことが、都民からの批判を受けたわけです。
 現在行われている事業が、数十年後にかつての新銀行東京と同列に評価されることがないよう、もちろん事業の成功を願っておりますけれども、仮にリスクが顕在化したとしても、これは皆で決めたことだと、こうしたものとして受け止められるように、スタートアップ戦略事業の必要性と合理性を都民が議論して判断できるための、それだけの具体的なデータに基づく説明を行っていただきたい、このことを要望し、質問を終わります。
 以上です。

○渋谷委員 多摩地域には様々な大学や専門学校が立地しており、多くの学生が全国から集まっています。複雑多様化する社会課題を解決し、経済成長を促すためには、未来に向けてイノベーションを創出していく必要があり、大学の優れた研究や若者の新鮮なアイデアなどを十分に生かしていくことが重要です。
 令和七年第一回東京都議会定例会における我が会派の一般質問でも、こうした多摩地域で活躍する若者のポテンシャルを十分発揮させるべく、多摩地域における大学発スタートアップ創出支援事業の取組を支援すべきと質疑し、都からは、多摩地域の大学について、交流イベントの実施や起業施設の立ち上げなどを支援していくとの答弁があったところです。
 そこで、何点か質問いたします。
 まず、多摩地域の大学への支援について、その後の進捗を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、都内大学に対して、研究シーズ等の事業化を二か年支援する事業を令和五年度から実施し、多摩地域では八大学採択しました。
 五年度採択大学では、七社のスタートアップが誕生し、専門人材の雇用により、事業化に向けた学内体制が整備されたほか、国内の学生起業家と海外アクセラレーター等とのミートアップなど、海外との人材交流が進みました。
 六年度採択では、まち中で起業家等と交流できるスペースの整備のほか、ピッチコンテストやシーズの掘り起こしのイベント開催等を支援しております。
 今後とも、各大学の特色を生かした支援を行い、大学発スタートアップの創出につなげてまいります。

○渋谷委員 支援事業に採択された多摩地域の各大学の取組に対し、一定の成果を上げていることが分かりました。この事業は、多摩地域の活性化にもつながり得る重要な取組でありますので、継続して進めるよう求めてまいります。
 また、多摩地域の大学や高校などに通う若者に対しても、社会の様々な課題の解決に挑戦するアントレプレナーシップを育成していくことは、イノベーションを起こすプレーヤーを増やしていく上でも非常に重要であると考えます。
 そこで、多摩地域における若者に対してのアントレプレナーシップの取組について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、学生の挑戦を後押しするため、起業家等の支援の下で、アイデアを創出し、自身が納得できるまで練り上げるプログラムを実施しておりまして、今年二月と十月には、多摩地域の学生が参加しやすいよう立川市内で開催しました。
 また、中高生に対して、学校現場に起業家等を派遣し、自らの経験などを語る出前授業を多摩地域の高校等へも行っており、生徒たちが起業家等と触れ合い、挑戦することの楽しさを学ぶことができる場を提供しております。
 こうした取組を通じまして、アントレプレナーシップの醸成を図り、主体的に様々な課題解決に取り組むことのできる若者を増やしてまいります。

○渋谷委員 多摩地域においても、未来を担う若者に対して、アントレプレナーシップを育成するためのイベントや出前授業が行われていることが分かりました。
 多摩地域全体を眺めると、各地でスタートアップ支援拠点や研究機関など様々な主体が活躍しています。
 こうした関係機関との協力を一層進め、多摩地域でのイノベーション創出活動を活発にしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 多摩地域には、スタートアップの支援機関や先ほど答弁いたしました大学など様々なエコシステムがあり、アントレプレナーシップ教育の実践や創業支援など、それぞれ特色のある活動を行っております。
 例えば、多摩地域の大学では、グローバルアントレプレナーシップに関するテーマでシンポジウムを開催しており、その際に都も登壇者として参加するなど、イベントへの協力や交流を図っております。
 今後とも、多摩地域にある大学や創業支援施設等へ積極的に足を運び、交流を深めるとともに、これらの施設を活用した都事業を展開するなど、多摩地域でのイノベーション創出に寄与してまいります。

○渋谷委員 多摩地域の関係機関との交流が図られていることが分かりました。
 多摩地域も全てが一様ではなく、例えば多摩北部の自治体は、商工業の衰退など様々な課題に直面しており、スタートアップ支援といえども、どのように取り組んでよいか分からないという声も聞いています。
 そこで、こうした悩みを抱える自治体に都が進めているスタートアップ支援策を届けるなど、多摩の自治体や関係者とともにスタートアップ支援に取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 多摩地域は、大学やものづくり企業等が集積するなど高いポテンシャルを持つ一方、人口減少や産業構造の変化等の課題もございます。これらの課題の解決に当たり、スタートアップの発想や技術を生かす視点は重要でございます。
 都は、地域の自治体、企業が持つ課題とスタートアップを結びつけるイベントをTIBで多く開催しているほか、自治体と連携してスタートアップからの公共調達を推進するファーストカスタマーアライアンスを実施し、都内自治体での優れた製品の活用を支援しております。
 多摩の自治体がこれらに参画できるようサポートするとともに、中小企業とスタートアップの交流等について、経済団体とも意見交換を行ってまいります。

○渋谷委員 質疑を通じまして、多摩地域を舞台に、大学のスタートアップ創出支援や若者のアントレプレナーシップの育成、エコシステムや自治体との連携など、様々な取組について確認できました。
 多摩地域では少子高齢化など様々な課題がありますが、こうした取組により、地域の課題解決につなげていき、さらには世界に通用するイノベーションが生み出され、波及していくことを期待します。
 引き続き、これらの取組を着実に推進していただくことを求めて、私の質問を終わります。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 スタートアップ戦略推進本部の事業につきましては、単なる経済政策の一環にとどまらず、少子高齢化や環境問題といった我々が直面する社会的課題を解決し、東京、ひいては日本の未来を切り開く極めて重要な戦略であると捉えております。そのさらなる発展を強く期待し、本日は、今後の具体的な提案を含め、幾つか質問をさせていただきます。
 まず、都のスタートアップ戦略のエンジンともいうべき中核拠点、Tokyo Innovation Base、通称TIBについて、その機能強化と成果の可視化の観点から、何点か伺います。
 先月、私もこのTIBに足を運ばせていただきまして、現場の熱気を肌で感じてまいりました。当日は、都の協力の下、シリコンバレーを拠点に活躍する世界的なアクセラレーターが主催するグローバルカンファレンスが開催をされておりました。約一万平米を有するTIBの建物全体をダイナミックに使ったこの取組には、二日間で、実に二千名以上が参加したと伺っております。
 会場では、独自の遺伝子技術を活用した光る植物が未来の都市景観や農業の可能性を示し、また、ドローンとAIを駆使したプロジェクトが将来の感染症対策や災害救助の在り方を提示するなど、国内外のスタートアップによる革新的な技術が次々と発信をされておりました。
 それ以上に私の目を引いたのは、そこに集う多くの投資家、企業のビジネスパーソン等が、それらの技術シーズを前に、目を輝かせながら熱を帯びた議論を交わしていた、そういった光景であります。
 このように、TIBは、開設から僅かな期間で、多様なプレーヤーが集い、化学反応を起こす出会いの場として確実に成長しているなというふうに評価いたします。
 今月末には開設から二周年を迎えますが、この熱を一過性のものに終わらせず、東京から具体的なイノベーションのうねりを起こしていくためには、TIBが生み出した成果を都民にどう見える化し、次なる進化へとどうつなげていくのか、その戦略が今、問われていると考えます。
 そこで、今後、TIBはどのような機能の拡充を行い、イノベーション拠点としての活動を展開していくのか、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 開設から二年を迎えますTIBは、国内外のスタートアップや支援者を結びつける結節点としての役割を担うとともに、スタートアップ戦略に掲げる、あらゆる挑戦者を応援する場として、さらに活動を充実させてまいります。
 今月の二周年イベントでは、大企業とのオープンイノベーションや全国連携等をテーマにしたコンテンツに加え、拡張した一階を中心に、エンタメやアートなど様々な分野の挑戦を応援する企画を展開いたします。
 また、社会課題解決に挑む起業家等の成長を後押しするため、支援企業との商談や先輩起業家とのメンタリング、PR用素材の撮影などを行うスペースを新たに整備し、今月から利用を開始してまいります。

○いいだ委員 果敢にチャレンジし続ける多様なプレーヤーが交わり合い、化学反応が起こることで、新たなイノベーションは生まれる。引き続き、TIBには、このような挑戦者の背中を押す施策展開を期待したいと思います。
 次に、TIBが持つ重要な機能の一つである、ものづくりの実証フィールド、FABについてお伺いをいたします。
 私も、先日、このFABを視察させていただきまして感銘を受けました。単に、最新鋭の3Dプリンター、そしてレーザーカッターといった機材が完備されているというだけではありませんでした。
 何より価値があると感じたのは、常駐するプロのエンジニアの方々から、アイデアをすぐに形にするための実践的な技術的アドバイスを受けられる体制が整っているという点です。これは、スタートアップが製品開発の初期段階において試行錯誤を高速で繰り返すための十分な環境が用意されているというふうに評価をいたします。
 ご承知のとおり、私の地元である北多摩三区、調布、狛江をはじめ、東京には世界に誇る技術を持つ中小のものづくり企業が数多く集積をしております。しかし、私が日々、そうした地元の方々から相談を受ける中で、深刻な人手不足、また事業承継の難しさ、そしてデジタル化への設備投資の困難さなど、その経営環境がいかに厳しいものであるかを痛感しております。
 だからこそ、TIBが果たすべき役割は大きいと思います。単に新しいスタートアップをゼロから支援するだけでなく、こうした東京の伝統的なものづくりの強みと新たなアイデアを持つハードウエアスタートアップとを結びつける結節点となることです。TIBがこのハードウエアスタートアップの成長を後押しすることは、東京の産業全体の未来にとって、極めて意義が大きいと考えます。
 そこで、FABがこれまで行ってきた製品開発の支援実績と具体的な取組事例についてお伺いをいたします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 FABでは、3Dプリンターをはじめとする二千点以上の機材の提供や、常駐するアドバイザーによる技術面でのアドバイス等を通じまして、昨年五月の開設からの累計で三百件以上の試作品開発の支援を行ってまいりました。
 例えば、トイレ清掃ロボットを開発するスタートアップが、FABの設備を利用して試作品を完成し、TIBでの試験導入を採択するピッチコンテストでの優勝を経て、今月から製品がTIBで試験的に活用されております。
 また、FABでの試作部品の製作と動作検証を経て完成した自動運転システムを、ドライバーが乗車した上でハンドルから手を離すレベル2の自動運転トラックに搭載し、幹線輸送の商用利用につなげた事例もございました。

○いいだ委員 FABから将来的な発展が期待できるプロダクトが生まれているようでありまして、大いに期待をしております。今後も、起業家のアイデアを形にして、ビジネスの成長を後押しする支援を行っていってもらいたいというふうに思います。
 さて、先ほど質疑をさせていただいたとおり、TIBは多くの人が集う場に成長しているというふうに評価をしております。
 しかし、開設から間もなく二周年を迎える今、TIBは、単に人を集めるというフェーズから、集まった力で何を成し遂げるかという次の段階へ移行すべき時期に来ているのではないでしょうか。つまり、その集いの場から、いかにして具体的なイノベーションの創出や事業化の成功事例へとつなげていくのか、その機能をより戦略的に進化させるべき時期に来ているというふうに考えます。
 先ほど触れたグローバルカンファレンスのような華々しいイベントも、あるいはFABのような優れたハードウエア環境も、それ自体が目的であってはならないと思います。TIBを単なるにぎわいの箱や流行の交流サロンで終わらせず、そこで生まれた出会いやアイデアの種をいかにして具体的なビジネスとして花開かせ、東京の産業界に還元していくのか、その戦略的な仕組みづくりこそが今まさに求められていると考える次第です。
 そこで、TIBを交流拠点にとどめず、GXやライフサイエンスといった戦略分野ごとの支援機能を強化していくことも重要と考えますが、取組状況をお伺いします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都は、ディープテックなどの特定領域に焦点を当て、複数の大企業等が参画するクラスターを組成し、スタートアップとの協働プロジェクトを通じて、その成長を強力に後押しするTIB CATAPULTを実施しております。
 九月末時点で約二百の大企業等が本事業に参画しており、各社が保有する多様なアセットを持ち寄り、プロジェクトのビジネス実装や売上げ拡大の支援に取り組んでおります。
 例えば、現実と仮想を融合するXR技術を持つスタートアップが複数の大企業と連携し、バーチャル空間でのショッピングモールの開発や、XRを用いてプロダクトを効果的にPRする展示サービスの企画などを進めております。

○いいだ委員 大企業等が連携をしてスタートアップを支援する大きなエコシステムが、今、構築をされつつあることが分かりました。
 一方で、成果の見える化のため、これらの戦略分野ごとに具体的なKPIを設定して、都民に分かりやすく公表していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTでは、三年間でスタートアップと大企業等との協働プロジェクトをクラスターごとに二十件以上創出する目標としております。
 これまで、TIBや民間施設などで約三十のイベントを開催するなどしてクラスターの取組内容を発表しており、例えば、七月に、晴雨兼用折り畳み傘のシェアリングサービスを都内鉄道九者の約百五十の駅で提供するプロジェクトの発表を行いました。
 また、年度内に全クラスターを集めた成果発表会をTIBで開催することを予定しており、ビジネス実装などのプロジェクトの成果といった各クラスターの活動の成果を、一般の大企業や都民等に発信する機会としてまいります。

○いいだ委員 都民に積極的に情報発信することで、本事業の意義がより広く理解されるようにすることは重要であり、しっかりと協働プロジェクトの成果を公表していっていただきたいと思います。
 次に、こうした戦略分野におけるスタートアップとの連携強化、とりわけ具体的な社会実装についてお伺いをします。
 TIBやFABといった優れた拠点で革新的な技術やアイデアが生まれても、それが実際に社会で使われて都民の課題解決につながらなければ、イノベーションは完結しません。多くのスタートアップにとって最大の壁の一つは、最初の導入実績、すなわちファーストカスタマーをいかに獲得するかという点にあります。
 この点について、都では、行政自らがそのファーストカスタマーとなり、都政の現場でスタートアップの先進的なプロダクトやサービスを試験的に導入、活用する取組を推進していると聞いています。
 これは、スタートアップにとっては、公的な機関での実績という最強のお墨つきを与え、その後の事業拡大、スケール拡大を強力に後押しするものであると同時に、行政側も都民サービスの飛躍的な向上や業務の抜本的な効率化を実現できる、極めて戦略的な取組であるというふうに評価をしております。
 実際にどのような目的で進めているのか、まず、お伺いをいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都では、ファーストカスタマーといたしまして、優れた技術やアイデアを持つスタートアップとの協働を積極的に進めることにより、様々な都政現場における課題の解決を図り、都民生活の向上につなげていくこととしております。
 また、スタートアップの製品やサービスを行政が率先して活用することにより、信用力や信頼性の向上につなげ、その成長を後押ししております。

○いいだ委員 スタートアップが持つ先端技術を都政の課題解決に生かすことは、都民サービスの向上や行政の効率化において極めて重要であるというふうに、私も強く認識をしております。
 しかし、その一方で、意欲あるスタートアップの方々から、都の調達プロセスの長さや複雑さが参入の大きな障壁となっているという切実な声を耳にいたします。
 スタートアップの生命線はスピードであります。彼らは、潤沢な資金や人員を持たない中、革新的なアイデアを素早く社会に実装しようと日々奮闘をしています。
 そこで、都が特に注力すべき分野において、スタートアップが持つ優れた技術をより迅速に都政に実装するため、例えば、課題解決というゴールを示し、柔軟な提案を採択できるような連携の仕組みを導入することも有効というふうに考えますが、都の取組を事例とともに伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 今年度、都政の様々な現場で、スタートアップと各局の現場職員が対話を重ねながら課題解決を図るプロジェクトを二十件実施いたしまして、都民への分かりやすい情報発信や暮らしの安心・安全の向上などにつなげております。
 例えば、福祉の現場では、障害に対する理解を深め、支援のきっかけを創出するため、障害者の困り事や必要な配慮を疑似体験できるデジタルコンテンツを導入します。
 また、災害時給水ステーションの認知度を向上させるためのゲーム型コンテンツを活用いたしまして効果的に情報発信するなど、都民の暮らし向上に向けまして、現在、実証を進めております。

○いいだ委員 官民協働の取組は、複雑化する現代の社会課題を解決する上で大変重要なものであると、改めて強調させていただきます。
 特に近年は、未曽有のパンデミックとなったコロナ対策、そして、毎年のように都民の命を脅かす熱中症問題などで見られるように、行政が対応すべき課題は、待ったなしのスピード感で次々と発生をしております。こうした喫緊の課題に対し、従来の行政の枠組みやプロセスだけでは対応が追いつかない場面が増えているのも事実です。だからこそ、スタートアップが持つ柔軟な発想と圧倒的なスピード感を借りながら、迅速かつ効果的に対応できる仕組みを構築しなければなりません。
 都民の命と安全をリアルタイムで守り抜くためにも、都政の現場がスタートアップの力を最大限に活用できるよう、先ほど指摘した調達の壁の解消を含めた、さらなる施策の充実を強く要望いたします。
 次に、未来のユニコーン創出に向けた、極めて重要な柱である大学発スタートアップの育成強化について伺います。
 いかに優れたエコシステムを構築しても、その核となるのは人材、すなわち起業家自身であります。特に、東京の将来を担う主要産業、いわゆるディープテック分野を創出するには、大学や研究機関に眠る革新的な技術シーズを現実的に事業化できる優秀な起業家を戦略的に生み出す仕組みが不可欠です。
 しかし、多くの研究者は、優れた研究者ではあっても、即座に優れた経営者になれるわけではありません。イノベーション最大の障壁は、まさにこの法人設立前のプレシード期、いわゆる死の谷に存在します。
 そこで、都が都内の大学等と強力に連携をし、有望な技術シーズがまだ研究室の段階、法人化する前の段階から、その事業性を検証するための活動資金や専門的な経営ノウハウ、ビジネスモデル構築の支援を集中的に投下する取組を進めるべきと考えます。
 そこで、こうした大学発スタートアップの創出、育成強化について、都はどのように取り組んでいるのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、スタートアップの創出に向けた取組を行う大学に対し、研究シーズやアイデアを事業化するための支援事業を実施しております。
 民間の支援機関と連携した研究シーズの掘り起こしや起業相談窓口の設置、投資家や経営人材とのマッチングのほか、事業化に必要な学内ファンドの創設等、各大学が行う様々な取組に対してサポートを行うことにより、シーズの事業化を進める研究者等の活動を後押ししております。
 また、官民連携ファンドを組成する取組では、様々なファンドと連携して大学発スタートアップ等へ資金面での支援を行っており、これらの取組によりまして、スタートアップ創出と成長促進を図っております。

○いいだ委員 ただいまのご答弁で、スタートアップ創出に向け、研究者や大学への支援が着実に進んでいることを確認いたしました。TIBの機能強化から、ものづくりの支援、そして大学発シーズの育成まで、エコシステム構築に向けた多角的な取組が進んでいることは評価いたします。
 最後に、これまでの議論の集大成として、都市の課題解決を軸としたグローバルなスタートアップ創出について伺います。
 TIBの機能強化も、ものづくり支援も、大学発シーズの育成も、全ては、世界で活躍する有力なスタートアップを東京から創出するためであります。そのためには、単に支援メニューを並べるだけでは不十分であり、都市ならではの課題解決を契機とした具体的なビジネス機会を都が戦略的に提示することが最も効果的であると、私は確信をしております。
 そして、東京は、世界のどのメガシティよりも早く超高齢社会の現実に直面をし、また、防災という喫緊の課題を常に抱える、世界最先端の課題先進都市でもあります。まさにこの課題そのものをテーマとし、その解決策を持つ国内外の優れたスタートアップを東京に引きつける課題解決型のグローバルプログラムは、単にスタートアップを誘致するにとどまらず、そこに生まれたソリューションを世界に示すことで、東京の国際的なプレゼンスを飛躍的に高める上でも、極めて有効な手段だと考えます。
 そこで、世界各都市の社会課題をビジネス機会として提示し、グローバルに有力なスタートアップを生み出す取組について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、キングサーモンプロジェクトにおきまして、東京発の国際ネットワーク、G-NETSに参加する海外都市と連携し、世界の都市課題解決とスタートアップのグローバル展開を後押しする取組を昨年度から開始いたしました。
 この取組では、SusHi Tech Tokyoの場におきまして、海外都市が自らの都市が抱える課題に関してプレゼンを行い、これを踏まえ、東京のスタートアップが海外都市に対して解決策の提案を行います。採択されたスタートアップは、各都市の現地で自社の製品、サービスに関する技術実証を実施いたします。
 現地での実証後、その成果を基に、各企業は、海外での新たなビジネス展開につなげるとともに、活動内容について翌年のSusHi Tech Tokyoで発表いたします。

○いいだ委員 ただいまのご答弁で、SusHi Tech Tokyoの場も活用しながら、海外都市との課題解決とスタートアップのグローバル展開が着実に進められていることを確認いたしました。
 現地での実証実験は、スタートアップにとって、自らの技術が海外市場で通用するかの試金石であると同時に、現地でのビジネス展開に向けた詳細な検討を可能にする、またとない機会です。さらに、実証を通じて築かれた現地関係者との生きたコネクションこそが、机上のマッチングでは得られない、次の新たな取引拡大につながるものと確信をしております。
 これは、単に都内企業が海外進出するという話にとどまりません。東京のスタートアップが世界の課題を解決し、その実績をもって東京のエコシステムの価値が世界に高まるという、まさに好循環を生む可能性を秘めた事業であります。
 したがって、こうした取組は、単年度の成果に一喜一憂することなく、中長期的な視座に立って、継続して取り組んでいくことが何よりも大事であると考えます。
 そこで、この取組の実施状況と成果、そして今後の展開について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年度は、ヘルシンキで光を利用して発電するガラスを用いた建物のエネルギー効率化、ナイロビで衛星データを用いた洪水及び感染症発生のシミュレーションをテーマに、スタートアップが現地で実証を実施いたしました。
 本実証の後、現地でつながった関係者と継続的に商談等が行われております。特に、ナイロビで活動したスタートアップは、現在、アフリカの他の国で事業を行うなど、本取組を足がかりに海外でのビジネス展開が進展しております。
 今年度は、ジャカルタでは廃棄物管理、マルメでは食に関連する環境負荷低減の分野で、今後、現地実証を行う予定でございまして、これからも、本取組を通じ、スタートアップの海外展開を積極的に後押ししてまいります。

○いいだ委員 現地での実装やビジネス展開を見据え、海外都市での様々な実証が進んでいることが分かりました。特に、ナイロビで現地実証を行ったSORA Technologyは、今年の東洋経済のすごいベンチャー百に選出をされるなど、将来有望なスタートアップであるというふうに伺っております。
 こうしたスタートアップと世界の様々なプレーヤーとの協働を実現していくことは、意義あるものだというふうに考えております。引き続き、キングサーモンプロジェクトを通じて、都内スタートアップの挑戦と成長を力強く後押ししていただくことを要望いたします。
 本日は、Tokyo Innovation Baseの今後の戦略的な展開から始まり、ものづくり支援、オープンイノベーションの推進、官民協働の在り方、そして大学発スタートアップの育成強化に至るまで、スタートアップ戦略推進本部が取り組む主要なプロジェクトの進捗状況について、幅広く質疑をさせていただきました。
 これら一連の質疑を通じて改めて明確になったことは、スタートアップが持つ革新的な技術やアイデアは、単に経済成長のドライバーとなるだけではなく、それ以上に、我々都民が直面する防災、環境、超高齢社会といった様々な課題を解決し、都民の生活をより便利に、より快適にするための最も強力なエンジンであるということであります。
 だからこそ、都は、単なる支援者、監督者としてとどまるのではなく、引き続きスタートアップの成長を強力に後押しすると同時に、都政の現場の課題解決のために、率先してその技術のファーストカスタマーとなること、これこそが都民サービスを飛躍させ、東京を世界から選ばれる都市にするための最も確実な投資であるというふうに確信をし、この点を強く要望いたしまして、質疑を終了といたします。
 ありがとうございました。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。本日は、日本におけるスタートアップ企業を取り巻く課題を基に質問をさせていただきます。
 アメリカでは、新興企業であるGAFAMが大きく成長を牽引するなど、スタートアップ企業は成長のドライバーであり、将来の雇用、所得、財政を支える新たな担い手となっています。
 こうした状況であるにもかかわらず、日本は、ユニコーン企業を創出はしているものの、そのスピードは、アメリカのみならず中国やインドにも及ばず、世界との差は広がるばかりです。安定を求め、リスクを取らないこれまでの制度、慣行、組織体制の変革も含め、今こそ東京都がスタートアップが迅速かつ大きく育つ環境を整備して、世界最高にスタートアップフレンドリーな東京を実現する必要があると考えています。
 現在、我が国のスタートアップエコシステムは、人材、事業、資金、この各面で課題があり、好循環が生まれていない状況です。そこで、東京都におけるスタートアップ支援の取組について、今日は、人材、事業、資金、この三点に分けて質問をさせていただこうと思っております。
 まずは、人材についてお伺いをします。
 スタートアップの成長には、多くの人材が必要不可欠です。身近に起業家がいない、失敗に対する許容度が低い、起業家の社会的な地位に対する評価が低いなど、起業マインドが育ちにくい日本社会の慣行を打破していくためには、若いうちからアントレプレナーシップを育てていくことは非常に重要だと考えております。
 そこでお伺いします。
 東京都では、アントレプレナーシップの育成に向けた場づくり、仕組みづくりを推進していますが、まずは、その取組状況についてお伺いをします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、自ら課題を発見し、社会の様々な課題に対し挑戦する人を増やすため、学生や若者のアントレプレナーシップを醸成する取組を進めております。
 高校などへ起業家等を派遣し、挑戦のきっかけとなった体験談などを語る出前授業や、起業等に関心のある学生にTIBに集う起業家などと触れ合う様々な機会を提供し、挑戦を後押しするほか、学生メンバーがSusHi Techの企画、運営等を主体的に行う取組、ITAMAEを実施しております。
 こうした取組を通じまして、スタートアップの裾野拡大と成長につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。高校と連携した取組、また、SusHi Tech、TIBといったプラットフォームを活用した取組を進めていると理解をいたしました。
 一方で、今、若者であったり、学生という視点でお話しいただきましたけれども、即戦力の人材確保、そうした点で、新卒一括採用や長期雇用といった日本型の雇用慣行により、労働市場の流動性が低くて、大企業からスタートアップに人材が移動しない、こうした状況があるといわれています。副業の解禁だったり、労働市場の流動化など、変革がまだまだ必要ではないでしょうか。
 都の各局で、副業の促進やリスキリングなど、いろんな施策を進めているとは承知をしておりますが、スタートアップ戦略推進本部では、スタートアップ企業が即戦力の人材を確保するためにどのような支援を行っているか、お伺いをしたいと思います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都は、スタートアップで働くことに関心を持つ方に、就職や転職を身近に感じ、安心して挑戦していただくとともに、スタートアップの人材確保につなげることを目的として、直近では今年三月にキャリアフェアを開催しました。
 約百社がブース出展を行い、参加者が企業情報を広く収集できる機会を提供したほか、大企業からスタートアップへ転出した方々が、文化の違いや求められる人物像などについて語るトークセッションなどを実施しました。
 こうした取組により、スタートアップで働くことの魅力を広く伝え、多くの方々とスタートアップが交流する場を提供することで、スタートアップの人材確保や労働市場の活性化に向けた機運を醸成してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。この取組は、労働市場の活性化、スタートアップの人材確保のために重要な取組だと理解をいたしました。
 社会の産業構造の変化に合わせて、スタートアップ企業のような成長分野にしっかりと人材の流動性を高めていくということが、今後、非常に重要になってくると思います。引き続きの取組を、本年度も実施をしていただきたいと思っております。
 次に、事業面での課題についてお伺いをしていきたいと思います。
 スタートアップ先進国アメリカと比べて、日本は、特許出願数に対してスタートアップの設立数が少ない、そうした傾向があり、技術シーズはあるにもかかわらず、それが事業につながっていない、そうした可能性が指摘されています。先ほど、いいだ委員からもご指摘がありましたが、こうした問題は、いわゆる死の谷と呼ばれております。
 そこでお伺いをさせていただきます。
 日本市場においてスタートアップ支援をしていくに当たって、事業化に進むための支援が本当に重要だと思いますけれども、都の見解をお伺いしたいと思います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都内には様々な大学が集積し、多くの優れた研究が行われており、これらを効果的に事業化につなげることが重要であることから、都では、各大学の研究シーズなどの事業化をサポートする事業を行っております。
 これまで、十九大学に学内の体制整備やノウハウの提供、資金面の支援を行い、AIや医療、環境分野など二十九社のスタートアップが創出され、この中には、大学の特許を活用して事業化が図られているケースもございます。
 今後とも、ディープテックをはじめ、有望な研究シーズを持つ大学が多様な分野において事業化を進め、スタートアップの創出が図られるよう、大学のニーズも適切に把握しながら、効果的に支援を推進してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。特許を活用したスタートアップが創出されているなど、大学の持つ研究シーズの事業化に向けた取組が進められていると理解しました。今後も、支援を着実に進めていただきたいと思います。
 また、事業化に当たっては、スタートアップが提供する革新的な製品、サービスに対する市場が十分にない、そうした段階では、政府、地方自治体が主導して市場や需要を創出していくことが重要だと考えております。
 そこでお伺いをします。
 東京都では、ファーストカスタマーになる取組を行っているものと認識をしていますが、その実績についてお伺いをしたいと思います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 各局職員がスタートアップと対話を重ね、そのアイデアや技術を活用して行政現場の課題解決を図るプロジェクトでは、各局の困り事に対応するスタートアップの製品やサービスを当本部がサポートしながらマッチングさせ、デジタルシフトの推進や分かりやすい情報発信などを実現いたしました。
 また、スタートアップから都政課題解決に資する提案を幅広く受け付ける取組では、都民サービスの改善や安全・安心の向上などをテーマにいたしまして、各提案と各局のニーズをすり合わせ、スピーディーな実証につなげました。
 こうした取組に加えまして、スタートアップからの公共調達や入札参加に係る相談に対応するなど、昨年度、二百件の目標に対しまして、二百五十二件の協働を実践いたしました。

○福井委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、様々な都政の現場において、官民協働の実績が着実に積み上がっていると理解をいたしました。
 行政がスタートアップのファーストカスタマーとなって公共調達を拡大していくことは、新製品や新サービスの信頼性向上や新たな市場の創出を図ると同時に、さらなる社会的な課題の解決や質の高い行政サービスの提供につながります。
 東京都は、未来を切り拓く10×10×10のイノベーションの中で、官民協働十倍、これを標榜して、具体的な指標として、協働の実践数を五年で十倍と掲げています。
 この目標に関しては既に達成をしていて、現在は二〇二七年に五百件、先ほど二百五十二件という実績のお話がありましたが、五百件という、より高い目標を設定していると認識をしております。
 この指標の達成に向けて、東京都がスタートアップのファーストカスタマーになる取組は、今後さらに加速すべきだと考えますが、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 スタートアップの製品やサービスを活用することによりまして、信用力の向上や成長につながるため、都は、積極的にスタートアップのプロダクトやサービスを導入しております。
 今後、都が率先してスタートアップのファーストカスタマーとなる取組をさらに進めるとともに、自治体間でも連携いたしまして、スタートアップの優れた製品に係る情報をカタログ化するなど、相互に公共調達につなげる取組を広げるなど、行政とスタートアップとの協働を幅広く促進してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。官民協働や公共調達を都が率先して行うことによって、スタートアップが生み出す新製品に対する世の中の信頼性が増し、マーケットの拡大にも寄与し、スタートアップの売上げ増加、成長にもつながります。都が持つ多様なフィールドを生かして、都がスタートアップのファーストカスタマーになる取組を引き続き進めていただきたいと思います。
 最後に、資金面についてお伺いをしたいと思います。
 国内スタートアップ向けの投資額は、ここ数年で大きく伸展はしているものの、アメリカとの比較では三十三分の一にすぎません。その一つの要因として、日本のベンチャーキャピタルは、ファンドサイズ、ディールサイズが、ともに海外と比べて小さいことが挙げられます。そこで、海外からのリスクマネーをしっかりと呼び込むための取組が今後重要であると認識をしております。
 都では、海外のベンチャーキャピタルやアクセラレーターを呼び込む取組を実施していると認識をしています。この質問に関しては、先ほど三雲委員の方が同じ質問をされましたので割愛をさせていただきますが、このベンチャーキャピタル、アクセラレーターの取組、成果というところでいうと、先ほど、世界トップクラスの二つの機関を選定して集中的な育成プログラムを実施して、十四・六億の資金調達を受けた、そうしたご答弁がありました。
 このように、海外アクセラレーターによるプログラムを東京で展開をして、実際に投資につながり始めているというところが理解ができました。しかし、この成果を一過性のものにしてはいけないと思います。
 ですので、このグローバルな有力プレーヤーを呼び込んでいく取組を今後も継続をして、さらに発展をさせていくことが大事だと考えますが、今後の取組についてお伺いしたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 今年度新たに、アメリカ東海岸を本拠地とする有力な支援機関を呼び込み、成長期にあるミドル、レイター期のスタートアップを対象に投資付プログラムを実施いたします。
 さらに、日本の若手投資家等をシリコンバレーに派遣し、現地での有力投資家からのメンタリングや交流等を通じて、グローバルな投資家としてのマインドの醸成や人的ネットワークの構築等を促してまいります。
 こうした取組により、東京の投資環境のグローバル化を図り、世界で活躍するスタートアップの輩出につなげてまいります。

○福井委員 ありがとうございます。
 我が会派では、現役世代から豊かに、こう掲げておりますが、このスタートアップ企業こそが将来の雇用、所得、財政を支える新たな担い手になると考えておりますので、東京都がスタートアップが大きく育つ環境を整備していただくことが必要という観点から、今回、質問をさせていただきました。都では、人材、事業、資金の各面で、スタートアップに対する支援を着実に進めていることが確認ができました。
 引き続き、こうした取組を進め、スタートアップの新たな市場の開拓や売上げ増加につなげていただくことを要望させていただきまして、私の質疑を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

○大山委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩

   午後三時十分開議

○大山委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 スタートアップ戦略推進本部です。
 ちょっと横文字が多くて、正直、何が何やらと、多分、都民が聞いていても思うと思うのですけれども、イノベーションを通じて社会課題の解決と経済成長の好循環を創出し、持続可能な都市、社会の実現を目指してスタートアップ戦略を展開しているということです。
 これ、旧スタートアップ・国際金融都市戦略室からスタートアップ戦略推進本部へと組織改編が行われました。Invest Tokyoや官民連携ファンドなど、産業労働局へ移管された事業も複数存在していまして、それぞれの役割分担、すみ分けが明確でない部分もあります。
 急速に変化する世界の潮流を踏まえ、都が抱える課題解決のために、必要に応じてこうした組織変換があったと思料しますが、他局に移管した事業や本部に増減のあった事業について、なぜそのような変換があったのか、その目的、理由を含めてご説明をください。

○片山理事 令和四年九月に、知事のリーダーシップの下、全庁を挙げてスタートアップの振興を推進するためにスタートアップ戦略担当局長を設置いたしまして、全庁横断のTeam Tokyo Innovationを編成いたしました。十一月末には、今後、取り組むべき政策を取りまとめたスタートアップ戦略を策定したところでございます。
 令和五年四月には、スタートアップ・国際金融都市戦略室を設置いたしまして、投資とイノベーションの創出の取組を一体的に推進するとともに、世界に向けて戦略的なプロモーションを実施する取組を開始いたしました。
 この中で、エコシステムの結節点となるTokyo Innovation Baseの構築に取り組むとともに、グローバルなカンファレンスであるSusHi Tech Tokyoを開催してきたところでございます。
 二年間の活動を通じて、TIBとSusHi Techというイノベーションプラットフォームが育ってきたことから、本年四月、組織の専門性をさらに向上させるとともに、イノベーション創出の実践を加速するため、スタートアップ戦略推進本部へと組織を再編いたしまして、国際金融都市関連業務につきましては産業労働局に、国家戦略特区関連業務については政策企画局にそれぞれ移管したものでございます。

○上田委員 戦略室発足から本部となるまでの経緯や、役割分担がどのように分岐していったのか、時系列に沿って具体的にご説明ください。
 事業には予算が付き物なので、予算づけの変遷についても、金額を入れてご説明をお願いします。

○片山理事 令和五年度に発足した旧スタートアップ・国際金融都市戦略室は、SusHi Tech Tokyoの開催、TIBの設置、運営、金融・資産運用特区指定などに取り組み、その予算は、令和五年度が百六十二億円、令和六年度が二百七十九億円でございました。
 本年四月にスタートアップに特化した組織として設置された当本部は、国際金融都市関連業務等の他局への移管と併せまして、政策企画局から東京ベイeSGプロジェクトの移管を受けておりまして、スタートアップ施策としての一体的な推進に取り組んでいます。今年度予算額は百八十六億円、また、産業労働局に移管した国際金融に係る予算額は約百四十億円でございます。

○上田委員 宮坂副知事をリーダーとして、新たに設置するスタートアップ戦略担当局長の下、政策企画、総務局、財務局、デジタルサービス、産労、港湾がメンバーとなり、庁内の力を結束したTeam Tokyo Innovationにより、Tokyo with STARTUPが展開されていましたが、その後、どうなっているのか。
 CIC Tokyoに構えた出島はどうなったのか。
 各局に配置されたスタートアップ担当者の具体的な役割と連携状況について、現状をどのように把握しているか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 各局に配置されておりますスタートアップ担当は、SusHi Tech Tokyoや官民協働の取組を共有するミートアップイベントなどへの参加を通じましてスタートアップとの交流を図るほか、それぞれの都政現場の課題を掘り起こし、スタートアップとの協働につなげております。
 出島では、イベントへの参加や入居企業からの相談を受け付けるなど、スタートアップとの関係を深め、様々な相談にワンストップで対応しております。

○上田委員 出島が政策形成につながっている現状なんですが、職員とスタートアップの意見交換の頻度や内容、また、それらがスタートアップ戦略の実際の成果につながったか、具体的な数値、スタートアップ・エコシステム・サミットの参加数と具体的成果、出島に係る年度ごとの支出についてもご報告ください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 出島では、都職員が常駐いたしまして、日常的な交流を通じてスタートアップとの関係を深め、様々な悩みにワンストップで対応しております。
 昨年度のスタートアップからの相談受付は約三十件で、都との協働につながったものもございました。出島に係る令和六年度の支出は、約二千万円でございます。
 また、スタートアップ・エコシステム・サミットは、エコシステムを支える多様なプレーヤーが、年に一度、一堂に会するイベントでございまして、昨年度の参加者は七百名を超え、スタートアップ振興等について議論することで、新たなネットワークの創出につなげてまいりました。

○上田委員 出島に二千万ということですね。
 Global Innovation with STARTUPSですが、これは未来を切り開く、何と読むのですかね、十掛ける十掛ける十のイノベーションビジョンを掲げ、これに向け、ボーングローバルの視点で大胆な施策を展開、社会変革につながっているということです。
 発表より三年たっているんですが、五年で十倍にするという、グローバル掛ける十、タックステンなんですかね、東京発ユニコーン、裾野拡大掛ける十、東京の起業数、官民協働掛ける十、協働実践数につき、これらにひもづく本部の事業及び事業予算を説明の上、この掛ける十の達成状況を確認します。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、戦略に掲げましたビジョンの実現のため、SusHi Tech Tokyo、Tokyo Innovation Base、TIBというイノベーションを生み出す大きなプラットフォームづくりを進め、スタートアップの成長につなげてまいりました。
 昨年度は、生成AIの開発を行う企業など、時価総額一千億円を超える企業が四社生まれております。都内の新規スタートアップの起業数は、民間データベースで約七百七十社となっております。
 さらに、都がファーストカスタマーとなる官民協働実践数は、昨年度、二百五十二件となり、当初の二十八倍まで増加しております。

○上田委員 取りあえず、倍々になってはいるということでしょうか。
 民間においても、スタートアップイベントが活発に行われております。都は、世界で活躍するスタートアップを育てるためには、それを支えるプレーヤーのグローバルな交流を図るとともに、都のエコシステムを世界に強力にアピールすることが必要であることから、年に一度、SusHi Tech Tokyoを開催するということで、SusHi Tech Tokyo 二〇二四ショーケースプログラムを開催し、決算額で十五億五千七百七十九万一千九百三十八円となっております。
 今年度は、グローバルな成長と社会の変革に挑むスタートアップとして、全方位から支援を実施するため、二億円の予算を計上していますが、本会は、決算で、この事業によりどのような経済効果、波及効果、国際的評価が得られたのかを確認していたところですが、開催実績のみのご答弁となりました。
 具体的に、東京のエコシステムを世界に強力にどうアピールできたのか、官民の多様なプレーヤーと、都はどのように協働できたのか、プロジェクトの支援対象スタートアップ数や資金サポートの実績、成長支援の具体的な成果はどうであったか、今年五月の実績、具体的経費も含めて確認をいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 SusHi Tech Tokyo 二〇二五には、世界約百の国、地域から五万七千人が参加いたしまして、コーポレートパートナーは四十七社、全国三十五の自治体、二十五の海外都市等から参画がございました。
 六百を超える出展スタートアップの半数以上が海外からでございまして、六千件以上の商談が行われるなど、アジア最大級のイノベーションカンファレンスとなり、東京、日本のスタートアップエコシステムを世界に発信することができました。
 なお、本カンファレンスの運営に係る都の支出額は、八億七千万余円でございます。
 今年度、新たに開始いたしましたSusHi Tech Globalにつきましては、支援対象となるスタートアップの選定を進めているところでございます。

○上田委員 八億七千万ということでした。
 投資した費用を回収できる実績があったのか、分析していると思いますので、ご報告ください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 SusHi Tech Tokyoは、世界で活躍するスタートアップの育成に向けまして、国内外からプレーヤーが集い交流する場を提供し、イノベーションを創出するとともに、東京のエコシステムを世界に強力にアピールし、グローバルな成長へとつなげていくことを目的とするカンファレンスでございます。
 なお、スタートアップのビジネスへの寄与につきましては、出展者へのアンケート調査の集計が完了しているSusHi Tech Tokyo 二〇二四グローバルスタートアッププログラムにおきまして、回答者の三割以上が、商談の結果、生産、販売などの協業や資金調達につながったと回答している状況でございます。

○上田委員 物理的なプラットフォームとなりますTokyo Innovation Base、TIBの実績を資料で確認しました。
 これまで総額三十億、本年は二十九億円の予算がついております。
 これも、これだけ投資した、回収できているのか、実績があるのか、分析していると思うので、ご報告ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBは、多様なプレーヤーを結びつける結節点として、九月末までにイベントを千二百回以上開催し、来場者は約二十八万人となるなど、新たな技術、サービスを生み出す多くのスタートアップや企業、大学、投資家などが国内外から集い交流する、東京、日本のスタートアップエコシステムの中核をなす一大拠点となっております。
 また、TIBで実施する各種プログラムを通じて、スタートアップが支援者とつながり、資金調達や事業拡大等に至る成果が生まれております。

○上田委員 TIBが六十億で、SusHi Techが二十億ぐらい使っているんですかね。
 こうした支援で育成したベンチャーは、本来、東京に根づいて、経済を活性化して産業を振興して税収を向上するべきと考えていますが、学ぶだけ学んで海外展開していくのではないかと危惧していると指摘してまいりました。
 都は、こうしたスタートアップの支援をしているんですけど、企業によるイノベーションは、社会を変革し、豊かな都民生活と経済成長をもたらす認識にとどまっておりましたが、私の質問は、都税収がアップ、まず都民に寄与する、都民のスタートアップによる雇用促進につながっているのか、注目しているところです。
 そろそろ成果も出てきたと思料しますが、いかがでしょうか。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、気候危機などの社会課題の解決を目指して、世界を見据え事業展開を行うスタートアップの成長を支援しておりまして、こうした企業によるイノベーションは、社会の変革を通じて豊かな都民生活や経済成長、新たな雇用の創出をもたらすものと認識しております。
 なお、これまで時価総額一千億円を超える企業が複数生まれ、都内の新規スタートアップの起業数は着実に増加しており、都が協働したスタートアップが、その後も都や海外の事業を受託するなど、成長を続けております。

○上田委員 やっぱりちょっと、認識ではなく、具体的な成果を知りたいなと思ったところでございます。
 ただ、こうしたスキルや知見は、全国の地方都市に−−このところ、全国知事会でも東京都が批判を浴びて、小池知事が欠席しちゃって大騒動になっていますけれども、私はもう、これは地方に還元することは非常に大賛成ということでございますが、このTIB、結節点として、各地の自治体と連携に向けた意見交換を行っていますが、設立以来、東京の分散したスタートアップエコシステムの連携強化にどの程度寄与していると評価しているか。
 去年十一月の交流会にて、具体的な参加自治体と交流会後に確認された実績や成果について報告ください。
 また逆に、TIBにおいて、地方自治体によるイベント開催実績と成果についてもお願いします。
 これらを受けての本部の受け止め、所見も伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 昨年十一月のスタートアップ政策担当者交流会には、全四十七都道府県に所在する八十四自治体が参加し、オールジャパンエコシステムの振興に向け、支援ノウハウの共有など活発に交流したほか、公共調達拡大に向けた取組についても議論を深めました。
 また、TIBでは、全国の自治体のイベント開催を積極的に受け入れ、各地域のスタートアップの活動をPRするイベントなど、累計で約八十件が開催されており、結節点として全国の多様な主体をつなぐ役割を果たしてまいりました。

○上田委員 実際に、TIBでは、ステージ、ルームが活発に利用されている様子を視察で把握しております。
 その後、社会情勢も目まぐるしく変わっていく中、特徴あるイベントも出てきたと思うので、トレンドをご報告お願いいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBでは、イノベーションの創出やスタートアップの成長を後押しするイベントを数多く開催しておりまして、海外の企業、団体による取組も増えております。
 具体的には、今年八月に、都とMOUを締結した台湾の支援機関と連携し、スタートアップ等の相互交流を図ったほか、十月には、アメリカの著名なアクセラレーターによる大規模なグローバルカンファレンスを開催いたしました。

○上田委員 その中にあるFABでは、具体的にどのような開発製品が誕生しているか、事例を挙げた評価をお願いします。
 また、過日、私も視察してきました産業技術研究センターとの連携をしていると現地で伺いまして、具体事例を挙げた連携状況も伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 FABでは、3Dプリンターなどの機材の提供や技術面での助言等を通じ、トイレ清掃ロボットの試作品や自動運転システムに用いる試作部品の開発など、開設から累計で三百件以上の試作品開発を支援してまいりました。
 また、東京都立産業技術研究センターの試験機器を活用し、開発中の製品の性能試験を行い、製品化につながった事例がございます。

○上田委員 同じく、中にあるSHOPの、これまでの店舗利用した事業者を挙げて、実績や効果について説明してください。
 事業者の業種や傾向、人気の商品など、需要の実態も知りたく、お願いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIB SHOPではこれまで、一般消費者向け製品等を扱うスタートアップ約九十社が期間限定で出店をし、試験販売やプロダクトのプロモーションを実施しております。
 フードや雑貨を中心に、昨年度は約一万点の製品が購入されるとともに、支援者との出会いをきっかけに商業施設への販路開拓が成立するなどの成果を上げております。

○上田委員 そのSHOPの人たちも当初はそうだったと思うんですが、共有スペースではリラックスして利用者が談笑している姿が見受けられ、私、一番、ここの部分は、すごい評価をさせていただいております。無料で交流ができるということで、大学、企業など支援者が集まって、組織や地域の垣根を越えて交流をする場として活用されています。
 利用状況や利用年齢層、属性などのこれまでの状況、いっぱい来ているので、要望などもあって改善したこともあろうかと思いますので、報告をお願いいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBの会員は、九月末時点で、スタートアップが約一万八千人、支援者が二万六千人、学生を含む起業潜在層が一万六千人の計六万人となっておりまして、二十歳から四十歳代を中心として幅広い層に利用されております。
 TIBは、利用者やスタートアップ関係者と意見交換しながら、日々、改善を図っており、例えば、支援企業との商談や先輩起業家とのメンタリング等を行うスペースを新たに整備し、今月から利用を開始してまいります。

○上田委員 今月から、新たな改善点、開催されるということです。
 また、産労局所管の開業ワンストップセンターとビジネスコンシェルジュの出先窓口があります。
 外国企業の日本進出の援助業務は各国の大使館商務部が通常行っておりまして、あえて都が援助、サポート業務を行う意味と意義について、二重三重行政になっていないか、常々懸念をしておりました。役割分担と連携は図られていると理解しておりますが、間違いないでしょうか。
 その後、せっかくあるわけですから、東京進出に結びついていると思いますので、相談状況と実績を伺います。
 開設以来、そして、この窓口の必要性をどう評価されているかも伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBには、東京での法人設立や事業開始時に必要な行政手続を一か所で受け付ける東京開業ワンストップセンターと、東京進出を目指す外国企業等を対象にビジネスから生活面にわたる多様なニーズに対応するビジネスコンシェルジュ東京のサテライト窓口を設置しております。
 本事業を所管する産業労働局と連携するとともに、各国大使館等から自国企業の支援について相談があった場合には、これらの窓口を紹介するなど、対応を図っております。

○上田委員 縦割りにもならず、二重三重行政にもならないようお願いします。
 アクセラレーター支援です。
 海外ベンチャーキャピタルやアクセラレーターの誘致件数、誘致後のスタートアップ成長への具体的な効果、ジェトロなどとの連携による誘致活動の成果についても、展望や定量的な実績を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 国、ジェトロ等と連携いたしまして、昨年度までに世界トップクラスのアクセラレーター二機関によるプログラムを実施いたしました。
 計二十一社の受講企業が、現時点で十四億円超の投資を獲得しております。

○上田委員 十四億ということでございます。
 アクセラレーターの質の向上や支援メニューの充実に向けた具体的な施策、今後はどのように−−十四億が多いか少ないかも含めて、ちょっとどうなのかなと思って、確認させてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 アクセラレータープログラムにつきまして、実施機関と協議しながら内容の充実を図っているとともに、米国の有力アクセラレーターによるミドル、レーター期向けのプログラムを今年度新たに展開することとしております。

○上田委員 次に、アントレプレナーシップです。
 スタートアップと学生、若者の交流の活性化が、今年三月に開催されたStartup Career Fair 二〇二五では約九百八十名、八月にはスタートアップ・インターンシップフェス二〇二五では約二百四十名の学生が参加しています。
 これらのイベントの参加者数の推移に加え、参加スタートアップ数や参加者の満足度、起業意欲への影響をどのように把握、評価しているか、具体的に説明してください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 Career Fairの直近過去二回の参加者数は約四百名と約九百八十名、参加スタートアップ数は約五十社と約百社であります。
 インターンシップフェスの直近過去二回の参加学生数は約二百十名と約二百四十名、参加スタートアップ数は約四十社と約五十社であります。
 いずれのイベントにおきましても、アンケート調査結果より、多くの方に満足いただいており、スタートアップでのキャリアを希望する方々とスタートアップとの交流機会の創出が図られております。

○上田委員 となると、TIBでのキャリア相談窓口や説明会の利用状況も気になるところです。
 その効果について、具体的なデータ、成功事例を示してください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 今年三月にスタートアップに関心がある学生からの相談を受け付ける窓口相談を実施したほか、スタートアップで働く魅力を伝える説明会を二回実施し、約五十名の学生が参加しました。
 学生からは、相談を受けて、スタートアップへのインターンシップに積極的に参加しようと思ったなどの声をいただいております。

○上田委員 開催しておしまいではあれなので、こうした交流イベントをどう充実させるかの問題認識と改善策をお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 昨年度は三月に説明会等を実施しましたが、より多くの学生に参加いただくため、今年度は、十二月から翌年三月までの四か月にわたり、セミナーの回数を増やして実施する予定でございます。

○上田委員 育成プログラム推進事業、TIB Studentsです。
 今年九月末時点で、サポーター登録数が三百十六名、都内四十六校への派遣実績があります。
 これらのサポーターをどう活用しているのか、学校現場での講演回数や参加生徒数の実績を具体的にお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 都内の中学校や高校へ起業家等をサポーターとして派遣する出前授業につきましては、事業を開始した令和六年十月から令和七年三月末までの間、サポーター延べ七十三人の協力を得て、四十六校で講演などを実施し、三千名強の生徒が参加しております。

○上田委員 その出前授業と講演の内容の質、参加者の反応、これも起業意欲の変化に結びついたのか、検証していると思いますので、成果を把握しているのか、ご報告ください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 出前授業において、受講した生徒にアンケート調査を実施しており、おおむね、いずれの学校からも満足及びやや満足との回答が七〇%以上になっているとともに、新しく何かに取り組んでみようという気持ちの変化を表すスコアも、授業の前後で上昇しております。

○上田委員 一方、地域でのアントレプレナーシップ醸成活動に参加する企業、団体の紹介や連携状況、令和六年十二月十三日のイベントの成果、その後のフォローアップはどうなっているのでしょうか。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 アントレプレナーシップ醸成に資する効果的なプログラムの横展開や情報発信を行うため、地域で企業、団体が主催する様々な取組やイベントなどを集約し、都のホームページで紹介を行っております。
 また、昨年十二月には、出前授業に参加したスタートアップや学校の先生、アントレプレナーシップ教育に関心のある方などが一堂に会するネットワーキングイベントを実施し、教員の支援体制の課題等や若者の挑戦意欲を効果的に生み出すノウハウなどを議論、共有し、アンケートでは、約九割の方から満足、やや満足の声をいただいております。
 本イベントを踏まえ、本年七月にも交流イベントを実施しました。

○上田委員 サポーターを中心に、自発的なアクションにつながっているようであります。
 今後、このサポーターの質の向上、学校現場の活動拡大に向けて、具体的な、どんな施策を展開、検討しているのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 TIBでサポーター向けの勉強会を行い、学校現場でアントレプレナーシップ教育を実践する際の留意点や好事例などを紹介しております。
 また、校長会や進路指導担当の教員が集まる会合の場などを活用して事業をPRするとともに、教育庁と情報共有を図り、個別に都立高校に訪問するなど、事業の利用促進を図っております。

○上田委員 小池知事の命名なのか、学生メンバー、ITAMAEの活動内容や企画、運営したイベントの実績、参加学生数、前年度は把握していますけれども、その学生たちの反応や反響、これも本当に、起業意欲への影響について具体的にお示しいただければと思います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 TIBの場で、イノベーションに関心のある意欲的な学生が集まり、ITAMAEとして定期的に交流し、グローバルイベントを企画、実施しております。
 その経験を踏まえ、SusHi Tech Tokyoでも活動し、当日は三百四十九名のボランティアも参加しました。
 ITAMAEに参加した学生からは、新しくグローバルな事業をやりたい、起業や新しいことに挑戦できるマインドを持てたなどの声がありました。

○上田委員 うちのインターンで、マネーの虎の学生版に出て、しっかりと資金確保したような子も、声をかけて行っていたようなので、学生の間では、どうも随分と周知されているのかなというふうには思います。
 多摩地域でのアイデア創出イベントやシリコンバレーへの学生海外派遣の成果、参加学生たちの影響、成果についても伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 多摩地域の学生たちが起業に親しむイベントを実施し、約六十名の学生がアイデア創出のノウハウのレクチャーなどを通じて第一線で活躍している起業家等と触れ合うことで、起業への関心が高まりました。
 また、シリコンバレーへの海外派遣では、十名の学生が現地の起業家や大学教授等との交流などを通じて世界を体験することで、学生のグローバルマインドが醸成されました。

○上田委員 やっぱり東京都がやるからには、いろいろ環境とか恵まれていないような学生たちもグローバルな視野を持っていただきたいと思います。
 その育成に向けて、今後、どういうふうなプログラムの拡充を検討しているのか、所見を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 今後、ITAMAEの学生等が、今月後半にフィンランドで開催されるスタートアップイベント、SLUSHに参加し、学生主導の先進的な活動を体験することとしております。

○上田委員 SLUSHは本当にすばらしい、SLUSHがあればTIBは要るのかななんて思っていたぐらいなところに行けるというのは、すばらしいかなと思っております。TIBではなくSusHi Techですね。
 次は、官民協働でございます。
 都の官民協働の実践事業全体について、六年度の実績と成果をどういうふうに評価しているのか。都政現場の課題解決や都民サービス向上にどの程度寄与したと考えているのか、伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年度は、目標の二百件を上回る二百五十二件の官民協働を幅広い都政分野において実践しており、スタートアップならではの機動性や柔軟性を生かしまして、都民サービスの改善や安全・安心の向上など多様な取組が行われました。

○上田委員 都民サービスの改善というのを聞いていたのですけれども、まあ、いいです。
 その中で、効果的だった成功事例とか、逆に課題点なんてあったと思いますが、具体的に説明ください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 昨年度、メタバースを活用し、生活に身近な計量の大切さを都民に体感いただいたほか、冷却性能を持つ素材をバスの天井部に張りつけ、温度上昇を抑える技術を検証する事例などがありました。
 様々な都政課題の解決のために、現場とスタートアップの対話を重ねることが重要であるというふうに考えてございます。

○上田委員 今後の官民協働推進に当たりまして、都政課題解決の両立を図るための方針や、スタートアップの成長とともに、施策強化の方向性を数字を明示しながらお示しください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都では、二〇二七年に協働実践数を五百件とする目標を定めまして、官民協働の取組を進めております。

○上田委員 各事業です。
 現場対話型スタートアップ協働プロジェクトでございます。
 六年度に実施した十九件の協働プロジェクトの具体的な内容と成果、都政現場の問題解決、都民サービスの向上への影響等、ご説明をください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 各局は、都政の様々な課題を提示いたしまして、スタートアップと現場職員が対話を重ねながら課題を深掘りしました。
 昨年度は、メタバースを活用して江戸時代の計量器を操作する体験コンテンツを制作し、生活に身近な計量の大切さを都民に体感していただく機会を提供いたしました。

○上田委員 このスタートアップとの対話を通じたプロジェクト組成のプロセスや課題、改善点についてどのように認識をしているのか、今後の協働プロジェクトの展開、質の向上に向けた所見を伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 各現場の具体的な課題につきまして、スタートアップとの対話を丁寧に進める必要がございまして、当本部といたしましても、スタートアップと各局をつなぐ役割を果たすように努めております。
 こうした取組によりまして、これまで多くの協働を進めてまいりました。

○上田委員 本当に必要かどうか、この成果を見ながら、また予算に向けて検討させてください。
 TIB PITCHです。
 六年度に八回開催されました。
 参加スタートアップ数や採択数、採択後の試験導入や展示の実績、採択スタートアップの成長や都政現場での導入効果、フィードバックの現状について具体的にご説明ください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 TIBにおけるピッチイベントは、テーマを設定いたしまして、専門的な知見による審査をしてございます。
 昨年度は八十社以上が参加しておりまして、六十社以上の製品、サービスの展示や試験導入につなげております。

○上田委員 導入につながったといいますが、今後のさらなる活用方法、改善策、期待する効果について伺います。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 今後も多くのスタートアップに参加してもらえるように、ピッチイベントで設定するテーマにつきましては、関係者の意見を聞きながら定め、実施していくこととしております。

○上田委員 次に、スタートアップとの官民協働成果発信事業です。
 スタートアップ支援実績や成長状況を一元管理するデータベースの整備状況と活用実績、見える化プラットフォームの利用状況、都内外、海外への情報発信の成果、課題について具体的に説明してください。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 スタートアップの製品、サービスの信用力向上やグローバルへの情報発信を進めるため、都と協働したスタートアップの支援実績や成長の状況などを見える化するプラットフォームの構築を今年度開始いたしました。
 現在、各局と協働したスタートアップの情報を整理しておりまして、今後、協働後の状況等を集約し、世界に発信してまいります。

○上田委員 その評価なんですけれども、この実績を受けて、今後どうしていくのか、活用していくのか、確認をさせてください。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 今年度は、庁内のスタートアップ協働等の実績データを取りまとめ、リスト化を進めることとしておりまして、現在、発信に向けた準備を行っております。
 来年度以降は、構築したプラットフォームを活用して、グローバルメジャーデータベースとの連携や世界でのプロモーションに活用してまいります。

○上田委員 次が公共調達参入促進関連事業です。
 入札参加資格登録支援事業について、令和五年及び令和六年度の相談、助言件数が六件、資格取得件数が一件にとどまり、区分も物品買入れに限定されると承知しております。これらの数字をどのように評価しているのか、お聞かせください。
 また、支援件数や公共調達へのスタートアップ参入実績が限定的である背景や課題について、どう分析しているのか、伺います。
 今後、さらに、この事業を通して支援件数や参入実績を拡大するため、どのような施策や改善策を検討しているのか、教えてください。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都との協働を望むスタートアップからの公共調達や入札参加に係る相談受付、資格取得支援などにつきましては、オンラインやTIBを活用いたしまして丁寧な対応を行っております。
 引き続き、本事業を案内するなど、きめ細かな対応により公共調達の促進に取り組んでいくこととしております。

○上田委員 やっぱり、ちょっと件数が少ないと思いますので、もうちょっと増やしていっていただきたいと要望しておきます。
 ファーストカスタマーアライアンスに参加する十七自治体との連携状況、随意契約制度の活用実績、効果、課題について所見を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本事業の実績につきましては、随時、ホームページで掲載しており、参画自治体数は十七、カタログ掲載数は七十件を超えております。
 拡大に向けましては、自治体間で交流イベントを行うなどにより普及を図り、自治体相互で認定製品の調達が進むよう後押ししております。

○上田委員 これについても、数字的にどうなのかなというふうに思っておりますので、引き続き見させていただきます。
 海外のスタートアップエコシステムとの連携や海外ベンチャーキャピタル、アクセラレーターの誘致を進め、官民連携ファンドの組成や大学との連携を通じて、グローバルに活躍するスタートアップの成長と新規事業を強力に支援するという東京都の成長促進、加速環境整備事業全体について、この六年度、これまでの取組について、どう評価をしているのでしょうか。
 また、スタートアップのグローバル展開や資金調達支援にどの程度寄与できたのか、確認をさせてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 グローバルに活躍するスタートアップを生み出していくため、育成プログラムの実施や大企業との協業機会の提供等の取組を、国内外の投資家や支援機関など多様な主体と連携し、幅広く展開してまいりました。
 海外のアクセラレーターによるプログラムの受講企業二十一社が、海外投資家からを含め、十四億円超の投資を獲得するなどの成果につながっております。

○上田委員 十四億の投資の獲得ということでございましたけれども、これまでの実績を受けて、どのように今後展開をしていくのか、課題なども含めた所見を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 SusHi Tech Tokyoに招聘した米国の有力ベンチャーキャピタルが日本のスタートアップエコシステムに関心を抱き、東京での拠点開設を宣言するなど、グローバルな資金の呼び込みにつながる成果が上がっております。
 世界市場に打って出るスタートアップを生み出すには、グローバルな事業展開を見据えたマインドセットが重要でございまして、今後も、こうした視点を踏まえ、効果的な取組を進めてまいります。

○上田委員 次に、キングサーモンプロジェクトです。
 一昨年度、都立病院における医療従事者の負担軽減を目的とした出退勤管理システムの実証について、具体的な成果や医療サービスの質向上にどう寄与したのか。
 都営住宅や都立学校における先行導入プロジェクトの進捗状況や成果についても、具体的な事例や効果をお示しくださいませ。

○小澤イノベーション推進担当部長 令和五年度に都立病院で出退勤管理システムの実証を行いまして、医師等が持ち歩く発信機により勤務状況に関するデータを自動で集計し勤務管理を行うシステムを導入することで、医師等の勤務実態の見える化と業務の負担軽減等が図られました。
 また、都営住宅では、AIを活用し、将来発生する空き住戸予測の実証を行い、入居機会の拡大が図られたところでございます。

○上田委員 成果が出ているということでございます。
 協働促進サポーターの選定経緯や役割、現在の活用状況について、詳細説明の上、今後のプロジェクト推進における期待している効果、成果について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 協働促進サポーターは、行政とスタートアップの橋渡し役として、各現場での課題整理やマッチング支援、スタートアップの実証の伴走支援等を担っており、学識経験者を含めた外部有識者等による審査を経て選定しております。

○上田委員 今年、七年度に予定されている都内行政現場とスタートアップ八社との協働プロジェクトの具体的な内容や目標について、また、今後、期待する成果についてお答えください。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBにおいて、生理用品をトイレ個室内で入手可能にするIoTサービスを導入するなど、今年度は計八件の協働プロジェクトの実施を予定しております。
 その後、都政現場への導入や海外展開のサポートを行い、グローバルに活躍するスタートアップへの成長を後押しすることとしております。

○上田委員 実績を確認しました。
 海外都市課題解決コースや東京二〇二五世界陸上競技選手権大会における協働プロジェクトはどうなりましたでしょうか。
 スタートアップの成長や都政課題解決にどう寄与したのか、評価を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 海外都市課題解決コースでは、脱炭素や環境問題など世界各都市の課題解決を図るため、昨年度はヘルシンキ及びナイロビで、今年度はマルメ及びジャカルタで現地実証を行います。
 昨年、現地で活動したスタートアップは、本取組を足がかりに海外でのビジネス展開が進展しております。
 今年九月の東京二〇二五世界陸上競技選手権大会では、選手、観客、大会関連スタッフ等への暑さ対策を目的に、スタートアップと協働し、放射性冷却素材を用いた休憩所を設置するなどの現地実証を実施いたしました。

○上田委員 一口にキングサーモンプロジェクトと、ちょっとよく分かりづらいところがあるので、全体の今後の展望や課題、さらなる推進をしようとされているので、具体的な施策についてお示しいただければと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 スタートアップがより多くの現場で自社の製品、サービス等の検証をできるよう、キングサーモンプロジェクトでは、昨年度から海外都市を、今年度から民間事業者のフィールドを実証の対象現場として追加し、実施をしております。
 こうした実施状況等も踏まえ、今後も効果的に取組を推進してまいります。

○上田委員 次に、TIB CATAPULTやTIBグローバル連携事業の活動実績、スタートアップのイノベーション創出や国際展開への効果、グローバル交流活性化事業やアジアのイノベーション・金融ハブ実践事業の効果測定と今後の展開方針について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIB CATAPULTでは、昨年度、スタートアップと大企業等との協働プロジェクトを四十二件組成するとともに、TIBグローバル連携事業では、今年九月に、ヘルシンキと連携し、東京と現地を結ぶイベントを開催しております。
 グローバル交流活性化事業では、英語でのイベント開催を支援し、国際的なビジネス交流の機会拡大を図っております。
 アジアのイノベーション・金融ハブ実践事業は、様々な支援機関等が提供するサポートの見える化と国内外へのPRを行うこととしております。

○上田委員 海外との、四十二件組成したということでございまして、戦略的な海外プロモーションの展開も気になるところでございます。
 海外リレーション構築の具体的な取組や、主要テックイベントへの出展、参加実績について、具体的な成果、参加企業数、来場者数などのデータを交えてご報告ください。
 これらの活動が、東京のスタートアップエコシステムの国際的な認知向上や企業誘致にどのように寄与しているのでしょうか。評価も併せて伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 令和七年度はこれまで、フランス、タイ、シンガポール、インドの展示会に出展したほか、イギリスやUAE等のテックイベントに参加いたしました。
 展示会等を通じて、海外のエコシステム機関や現地関係者とのコネクションを強化しておりまして、SusHi Tech Tokyoでの多くの国、都市、地域のパビリオン出展や、TIBへの海外機関の訪問、連携イベントの実施などにつながっております。

○上田委員 一応、成果が出ているということでありました。
 Access to Tokyoについてです。
 これは、るる質問させていただきまして、今回、決算で、さんのへ都議が締めくくりでも質問する予定でありますが、委託先であるデロイトトーマツベンチャーサポート株式会社への委託契約の選定過程、契約方法、契約金額の妥当性、参加可能事業者、再委託はないといっているんですけれども、詳細に説明してください。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業の受託者は、総合評価一般競争入札により選定しております。
 入札参加者は四者でございまして、入札参加者の技術提案書を外部委員を含む運営委託技術審査委員会において審査、評価し、技術点と価格点の合計点であります総合評価点が最も高い者と契約を行いました。
 再委託はございません。

○上田委員 令和七年も同社が継続して委託されることを踏まえ、透明性、公平性を確保するための、まあ妥当性も踏まえてですね、具体的な取組や評価体制についてもお聞かせください。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業の受託者は、総合評価一般競争入札により選定しておりまして、入札参加者の技術提案書を外部委員を含む運営委託技術審査委員会において審査、評価し、技術点と価格点の合計であります総合評価点が最も高い者と契約を行いました。

○上田委員 今後も注視してまいります。
 海外プロモーション強化策、今後、連携先の開拓計画、具体的な方針、スケジュールをどうしているのか、気になります。
 また、東京のスタートアップのグローバル展開支援や海外投資誘致に向けた戦略的な取組についてもあると思うので、伺いたいと思います。

○鈴木プロモーション推進部長 海外で開催される主要なテックイベントへの出展等を通じて東京のスタートアップエコシステムをPRしておりまして、これまで、パリのVIVA TECHNOLOGYやシンガポールのSWITCHに出展したほか、ヘルシンキのSLUSH、ラスベガスのCESへの出展を予定しております。
 海外エコシステム機関等とのネットワーク構築と東京のエコシステムのPR、東京のスタートアップの海外展開支援に向けまして、職員自らが海外に赴き、展示会の活用等により効果的なプロモーションを着実に継続してまいります。

○上田委員 様々な場所でやっていらっしゃるということです。
 成果があるのかなと、伺いながら、ずっと質問させていただいている次第ですが、次が大学発スタートアップ創出支援事業です。
 一昨年度から開始して、十九大学を採択していると伺っております。
 各大学によるディープテック領域を含む研究シーズの事業化促進や起業を目指す学生への支援状況において、具体的な取組や進捗状況を改めてご報告ください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 大学におけるスタートアップ創出に向けた取組を支援する事業を令和五年度から開始し、研究シーズ等の事業化に向けた学内の環境構築や、起業家と学生との交流イベントの開催など、各大学の取組を支援しております。

○上田委員 これまでの支援事業の成果や効果について、定量的、定性的な評価をどう実施し、事業推進に当たり各大学が直面している課題、支援上の課題認識などあるのかないのか、具体的に説明をしてください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 研究者、学生のマインドセットや事業化に向けた体制整備、専門人材の確保など、各大学にはそれぞれの状況に応じた課題がございまして、都がサポートしながら、各大学が課題に応じたKPIを設定し、その達成に向けて取り組んでおります。

○上田委員 大学発スタートアップの創出を加速するためには、今後もうちょっと、どのような具体的な支援策や連携策を検討しているのか、お示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 各大学が個別に取り組むだけでなく、その取組状況や成果を発表し合う報告会を開催し、大学間のネットワークを構築するとともに、事業化に向けた課題やノウハウなどの共有を図っております。

○上田委員 次に、ディープテック・イノベーション拠点推進事業の進捗、支援機能整備状況についてご報告ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 九月に、世界有数のライフサイエンス支援機関等によるウエットラボを備えた支援拠点整備の取組を採択いたしまして、来年度にかけて整備を進めることとしております。

○上田委員 次に、分野特化型カンパニークリエーション創出支援事業の成果や今後の展開について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業は、ベンチャーキャピタル等が有望な研究シーズに狙いを定めスタートアップを立ち上げる手法であるカンパニークリエーションについて、創薬分野でのモデルケース創出を目指す事業として今年度から開始いたしました。
 現在、本事業へのプロジェクトを募集しておりまして、年度内に採択する予定としております。

○上田委員 年度内に採択ということで、しっかり事業を監視したいと思います。
 次に、官民連携インパクトグロースファンドは、令和六年五月に運営事業者の募集を開始し、同年十一月に運営事業者を公表、令和七年三月にファンドを設立、都から百億円の出資を行い、投資活動を開始したと承知しております。
 大学発スタートアップ等促進ファンドやGXイノベーション促進支援ファンドの組成状況と併せて、これらのファンドの現状の運用状況や資金投入実績、支援対象スタートアップの成長状況について、具体的に説明ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 大学発スタートアップ等促進ファンドは、昨年二月に組成をいたしまして、九つのベンチャーキャピタルと連携して、全国の大学発のディープテック企業等に投資しております。
 GXイノベーション促進支援ファンドは、今年十月にファンド運営事業者を一者選定するなど、ファンドの組成に向けて取組を進めております。
 官民連携ファンドの運営状況等につきましては、投資事業有限責任組合契約に基づく守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしております。

○上田委員 都がやることなのかというご意見も出ていまして、私も本当にそうだと思っているんですが、ファンドを通じた資金面の支援がスタートアップの事業拡大や社会解決にどんなふうに寄与しているのか、現時点での評価や具体的な事例があればお示しください。

○小澤イノベーション推進担当部長 二つのファンドは、投資活動の初期段階または現在組成中のものでございまして、その成果の実現には一定の時間を要します。
 こうした投資先スタートアップの取組状況は、投資事業有限責任組合契約に基づく守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしております。

○上田委員 ファンドの監視はなかなか、東京都というのは−−何度もいろいろなファンドに私も指摘をしてきたところでございますけれども、その運用方針や新たな資金調達支援策の検討、効果的な活用に向けた課題認識と対策はどのようにしているのか、所見を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは、投資市場として発展途上の領域に都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金やノウハウを引き出し、新たな資金の流れを創出し、政策実現につなげることを目的としております。
 こうした目的に沿って、効果的なファンドの組成や適切なファンド運営事業者の選定を行い、その運営を監視してまいります。

○上田委員 何度もいろいろなところでファンドに関して指摘をしてまいりましたが、決して毀損をしないような監視体制は、業者任せなのでお願いできないと思いますけれども、今日の事務事業質疑を受けまして、引き続き監視をさせていただきたいと思います。
 東京ベイeSGプロジェクトです。
 令和三年のバージョンワン公表以来、着実に事業基盤を整備しているとのことです。
 今年三月に公表されたバージョン二・〇の内容と、それに基づく今後の重点施策、ロードマップについてご説明を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 これまでのGXやDXの取組を強化するとともに、多様な主体の連携、参画を促す機会を創出する共創、仲間づくり、官民連携で広大な空間や水辺を生かすまちづくりについて、新たに盛り込んでおります。
 また、二〇五〇東京戦略のプロジェクトの一つとして、二〇五〇年代の姿と二〇三五年までの具体的な取組を提示しております。

○上田委員 事業費用の使途と効果のバランス、効率性について、さんのへ都議が決算でも指摘をして、締めくくりでもすると思いますが、こちらの事務事業としては、どう検証して改善を図っているのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 事業費の執行につきましては、毎年度の予算執行過程において常に精査を行っておりまして、先行プロジェクトの事業スキームなど、必要に応じて事業の改善を図っております。

○上田委員 その先行プロジェクトですけれども、令和四年から六年までに採択、支援した二十件のプロジェクトの具体的な内容と社会実装の進捗状況、都民生活や環境への影響について、具体的にお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 次世代モビリティーの分野で四件、最先端再生可能エネルギーの分野で九件、環境改善・資源循環の分野で七件採択いたしました。
 例えば、次世代モビリティーでは、都民の移動手段を大きく変革し得る空飛ぶクルマの都内初飛行を実施しました。

○上田委員 過去の質問では、東京都が空飛ぶクルマをやるべきなのかどうなのかということは指摘をさせていただきましたし、今後も注視させていただきます。
 令和七年度から、設立十年未満のスタートアップを含むコンソーシアム応募形式に変更した狙いと期待される効果、伴走支援の内容や支援体制の充実状況、課題認識と改善策についてお聞かせください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 令和七年度から、最先端技術の社会実装をより効果的に進める観点から、実装フィールドを拡大するとともに、技術開発事業者と、その製品、サービス等の活用意向を持つ事業者がコンソーシアムを組成して応募する仕組みとしました。
 先月、採択を行ったところでありまして、都がプロジェクトの進行管理や関係者調整などの支援を行うこととしております。

○上田委員 先月、採択したということで、これについてもしっかり確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 Tokyo Mirai Parkです。
 去年十一月に日本科学未来館に開設されました。利用はどうでしょうか。
 来場者数、開催したワークショップやイベントの内容と、参加者の反応についても教えてください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 開設から本年十月末までの一年間の来場者は約十三万人であり、開催したワークショップのテーマは、ロボットとの共生や未来の都市などであります。
 来場者からは、東京の未来について考える機会になったや、新しい技術を体験しながら楽しく学ぶことができたなどの前向きな意見が多く寄せられました。

○上田委員 未来の技術展示やスタートアップ等との連携による教育的、社会的効果の評価状況、今後の拠点運営や拡充あるいは改善などを検討していると思いますが、この必要性も確認させていただきたく、今後の方針を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 子供を含めた多くのファミリー層が、展示やワークショップを通じ、様々な未来のテクノロジーを体験できるとともに、未来の東京に向けた思いやアイデアを未来年表に書き込むことで、未来の都市を一緒に考えるきっかけの場となっております。
 展示やワークショップの内容などは、アンケート等を踏まえた検討を重ねながら事業を進めております。

○上田委員 年間十三万人が多いか少ないか、さらに精査させていただきたいと思います。
 東京ベイeSGパートナーですが、六年度末時点で三百二十二団体が参画している官民学連携コミュニティの活動状況、具体的な協働事例や成果、参画団体間の連携強化や協働促進に向けた課題と対応策について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 東京ベイeSGパートナーは、プロジェクトの理念に賛同する企業、団体等によるコミュニティであり、パートナー間の連携等を図る交流会や先行プロジェクトの成果発表会、現地見学会を行っております。
 参加者からは、パートナーの皆様とネットワーキングができて満足、協業の可能性を感じたなどの声が寄せられております。
 また、パートナー企業とともに、国内外の展示会にこれまで十九回出展し、プロジェクトの取組やパートナーの高い技術を広く発信しております。

○上田委員 それを受けまして、今後、どのような施策を展開していく予定でしょうか。伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 国内外の展示会出展等の場において、訪れた企業にeSGプロジェクトをPRすることで、新たなパートナーの獲得につなげております。
 また、SNSや交流会などを通じてパートナー間の交流促進を図っております。

○上田委員 国際発信活動です。
 スマートシティエキスポワールドコングレスやIFAなど主要国際イベントへの継続的な出展の成果と、東京の国際的プレゼンス向上やスタートアップのグローバル展開への具体的な寄与、国際発信活動の費用対効果の検証状況と改善策について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 海外展示会への出展では、SusHi Tech TokyoやeSGプロジェクトの紹介の下、eSGプロジェクトの理念に沿ったパートナー企業の技術を展示することにより、東京が目指す持続可能な未来の都市像を発信しております。
 これまでに、スタートアップを含む延べ二十六社とともに出展しており、例えば、本年九月のIFA二〇二五ベルリンでは、ブースのバックパネルに東京らしさを表現したデザインを施すほか、職員が積極的に呼び込みを行うなどの工夫により、約八千七百人の来場者を集め、東京のプレゼンス向上につながりました。

○上田委員 このような海外展開をするに当たりまして、随分と本部長が出張をされておりました。
 去る十月二十四日の決算特別委員会第三分科会で、本会、さんのへあや都議が都庁ホームページで−−私、知事の海外出張の方も毎回見ていますけれども、それでも、情報量が少ないなと思いながらもタイムリーには出ております、ほかの局長が。しかし、この本部長は、スタートアップ戦略推進本部、前の組織のときから、情報提供は三年間もしていなかったんですね、海外出張に。わざわざ本部長が出張し、視察や意見交換、PRする必要性、あと、年間八回と、ほかの局長と比べて異常に多い点を指摘しました。他局並みの適正な海外出張数と情報公開について確認をさせていただいた次第であります。これもまた、さんのへが決算でやると思いますが。
 出張経費については、一回当たり約百四十万円から二百五十万程度が計上されており、同行者も複数名に及んでいます。
 これらの経費が妥当であるか、判断する根拠と費用対効果の評価方法について、具体的にご説明ください。

○鈴木プロモーション推進部長 当本部では、海外エコシステム機関や現地関係者とのネットワーク構築や、東京のエコシステムのPRを目的といたしまして、職員自らが、海外において展示会への出展やイベント等への参加などのプロモーション活動を実施しており、海外出張はこのために行っているものでございます。
 海外出張において発生する業務の内容や業務量に応じて必要な人員を選定しておりまして、経費は、関係規定に基づき適切に支出をしております。
 こうした海外プロモーションを積み重ねることで、SusHi Tech Tokyoでのパビリオン出展やTIBでのイベント開催など、エコシステムの強化が図られてきているものと考えております。

○上田委員 民間では、ビジネスシーンにおいて、最低限英語でコミュニケーションを取るのはもちろんのこと、専門用語も駆使してシビアな真剣勝負で活躍するものです。
 職員自ら海外に赴いたということですが、大前提として、最低限英語で、直接、海外エコシステム機関や現地関係者とのネットワークを構築し、東京のエコシステムをPR、展示会への出展等のプロモーションもしていると思いますので、本部長はもちろんのこと、帯同職員の語学と交渉スキルについて、例えばTOEIC、TOEFLの点数等、具体的な評価基準も含めてご報告ください。

○鈴木プロモーション推進部長 現地での用務は、英語等による関係機関とのコミュニケーションやプレゼンテーションだけでなく、展示会における来場者対応や帯同するスタートアップとの調整など、多岐にわたっております。
 本部長を含め各職員は、自ら英語でコミュニケーションを取るほか、英語以外の言語を使用する場合や表現の正確性が求められる交渉などの際には、通訳を活用して対応しております。

○上田委員 他局と同様の出張報告を求めるものであります。
 また、同行者の選定基準や人数の適正性についても改めてお答えください。

○鈴木プロモーション推進部長 現地では、展示会出展の準備、会期中の来場者対応、帯同するスタートアップとの調整、イベントでの登壇やプレゼンテーション、現地関係者との面会、意見交換など、複数の用務を同時並行で行っておりまして、各用務に必要な役割を考慮して適切な職員の人員を選定しております。

○上田委員 やっぱり、本部の職務というんですか、職場の風土といいますか、そうしたものに関して、一体どうなっているのかなというふうに考える次第でございます。
 ちょっと、他局に比べれば異常な出張回数とか、いろいろと鑑みて質問させていただくのですが、都の職員においては、公務の遂行に当たり、健康管理を含めた適切な勤務態度と職務遂行が求められています。特に、重要な会議やレクチャーへの幹部職の出席は、組織運営上不可欠であり、職員の責任として果たさせるべきものと確認しております。
 まず、職場における職員間の適切なコミュニケーションとハラスメント防止は、健全な職場環境の維持に不可欠なことから、本部において、不適切な言動やパワハラ、セクハラ、残業を強いる等、あらゆるハラスメントがないか、把握している事例や対応状況、服務違反も含めて詳細をご説明ください。

○片山理事 パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等の防止に向けて、本部全職員を対象に研修を実施するとともに、職員からの様々な相談や悩み事などについては、管理職が丁寧に聞き取るなどにより、職員の状況の適切な把握に努めております。
 ハラスメントに係る対応事案が起こることのないよう、引き続き勤務環境の整備を推進してまいります。

○上田委員 特にないというようなご報告をいただいております。
 スタートアップ戦略推進本部におけます幹部職員の勤務状況や会議出席状況について、現状どのように把握し、管理しているのか、伺います。

○片山理事 職員の勤務状況につきましては、日々の出勤状況をシステムにより管理しておりますほか、各自の会議予定等をスケジュール管理ソフトやビジネスチャット等を活用して職員同士で共有しておりまして、相互に状況を把握できるようにしております。

○上田委員 出席はしているのでしょうかね。
 テレワークの活用に当たっては、職務遂行に支障がないよう適切な管理が必要だと思いますが、幹部及び一般職員のテレワークの実態と、テレワークも、行き過ぎても駄目、やらなくても駄目と思いますけれども、適正管理ができているのか、その管理体制についてご説明ください。

○片山理事 テレワークを行う際には、職員各自がシステムに必要な事項を入力し、上司に申請を行うこととしております。
 テレワーク中におきましても、業務用端末が各自に配布されておりますので、これを用いて資料作成等を行っているほか、ビジネスチャットやオンライン会議ツールを活用して、職員同士で密にコミュニケーションを取っております。
 なお、ご参考までに申し上げますが、当本部の職員は、都庁のほかにTIB、出島、全国の自治体、海外など、様々な場所で業務を行っております。
 このため、離れた場所同士で円滑にコミュニケーションを図る必要があることから、オンラインツールを常に活用して仕事を進めており、これが仕事の基本的なスタイルとして定着しております。
 テレワークを行っている職員につきましても、同様に円滑に職務を遂行しております。

○上田委員 職務怠慢や職場の規律違反が疑われる場合、適切な調査や対応が求められます。幹部職による特定職員の重用、恣意的な人事配置もあってはなりません。
 本部においては、幹部職を含めた職員に対しても、公平かつ厳正な対応がなされているのか、組織の信頼堅持と健全な職場環境維持のために、本部長、理事を含む本部全体の職務遂行状況の定期的な評価や監査の実施状況、また、問題があった場合の改善措置についての取組、前身を含めた本部発足以来の評価を伺います。

○片山理事 職員の職務の遂行状況につきましては、毎年度、担当職務に関する業績や職務遂行過程において発揮した能力等を把握いたしまして、総合的に評価し、適切な人事管理につなげているところでございます。
 なお、念のため申し上げますが、幹部職員、一般職員ともに、日々、担当職務に使命感を持って業務を遂行しておりまして、服務規律違反などは確認されておりません。
 また、職員の人事配置は、能力や適性に応じた適材適所の配置を行っておりまして、恣意的な人事管理は行っておりません。
 ご指摘のありましたテレワークにつきましても、育児、介護、病気など様々な個人的事情を抱えた職員が仕事との両立を図りながら職務を遂行しております。こうした職員が生きがい、やりがいを持って職務を遂行できるよう、柔軟な働き方ができる職場環境の整備に引き続き努めてまいります。

○上田委員 片山理事自らのご答弁、誠にありがとうございました。
 職場環境、組織風土が健全性を保たれているのであろうと期待をしているところでございますけれども、本部長の出張も含めて、しっかりと監視をさせていただきたいと思います。
 また、長々と、事務事業の一つ一つのことに関して確認をさせていただきました。横文字が多いし、何をやっているのか分からないし、これ、本当に必要なのか、今日は三雲委員の指摘もごもっともでございまして、納得するところでございまして、本当にもう、とにかくスタ本全体がそもそも必要なのかというような思いを込めながら、一個一個、確認をさせていただいた次第でございます。
 引き続きまして、費用対効果、このスタートアップ、ここまで東京都が莫大なお金をつぎ込んで支援する意義があるかどうかということは、この事務事業質疑の細かい精査、お付き合いいただいた理事者の皆様も、委員の皆様、ありがとうございました。これを受けて、来る予算に向けまして、しっかりと精査をさせていただきたいと思います。
 そうした中でも、一般の職員の皆様は、非常に汗をかいて働いていらっしゃると思うので、引き続きまして、本部の健全な組織風土についても、私は、厳しく、そして一般職員については温かく見守らせていただきたいと思います。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。

○さとう委員 二〇二六年度は、二百億円規模のスケールアップ促進ファンドを新設予定とのことで、スタートアップ戦略推進本部としては四つ目のファンド創設となります。
 本日は、ファンドについて詳細な質問をさせていただきますが、その前に、前提となる私の考えを共有させていただきます。
 そもそも、百から二百億規模のファンドでは、真のスタートアップ支援はできないと考えています。
 まず、ファンドの管理コストは構造的に高く、百億円規模ではコスト比率が課題になります。仮に運用報酬を年二%とすれば、年間二億円、十年運用で二十億円が固定的に支出されます。つまり、投資額の二割は、最初から管理コストとして消えます。
 二百億円規模のファンドの場合、実際に投資に回せる金額は、おおむね百六十億円程度にとどまります。そのうち、一社当たり数億円を投資すれば、支援できるスタートアップは四十社前後が限界です。しかも、成長フェーズに入ると、一社当たり十億円単位の資金を必要とするため、この規模では、後半戦、いわゆるグロース段階に伴走できません。
 つまり、都のファンドは、種をまくだけで、果実の収穫は、常に大手のファンドに奪われるという構造です。
 二百億円では、単独で産業を興すことも、一社のスケールアップを最後まで見届けることもできません。むしろ、少額を広く配ることで、成果の薄い補助金型ファンドに堕する危険すらあります。都が税金を出資する意義は変革でありますが、この規模では構造を変える力を持ちません。
 さらに、百億円程度の資金では、海外投資家との共同投資や国際的なイノベーション連携にも入れません。例えば、欧米のインパクトファンドは、数千億円程度で組成され、一つのテーマに百億円単位を投じています。その規模感と比べれば、都のファンドは、まだまだ試み段階であって産業政策ではありません。
 都が真にスタートアップの成長を支援し、日本の産業構造を変革する旗を掲げるのであれば、規模を桁違いに拡大するか、あるいは国と共同出資する広域的ファンドモデルへ転換すべきです。
 都の役割は、民間ができることをまねすることではなく、民間では到底踏み込めない領域、すなわち、リスクの深いディープテック、社会課題解決型、公共調達型スタートアップなどを長期的に支えることにあります。
 したがって、都が今後ファンドを設計する際には、最低でも五百億円から一千億規模への増額、国や複数の都道府県との共同出資によるレバレッジ拡大を求めます。その際、国の運営している民間ファンド運営法人のような、プロ以外の人材が介入している組織とならないような設計とすることを強く求めます。
 ファンドの目的は、投資を行うことではなく、経済構造を変えることであり、そのために必要な規模と仕組みを都が本気でつくる責任があると申し上げます。
 とはいえ、足元でファンド事業が走っておりますので、具体的な質問をさせていただきます。
 まず初めに、官民ファンドの成果指標の統一と開示についてです。
 国の官民ファンドでは、政策目的重視と採算性重視がねじれて、いずれも達成できない例が指摘されています。
 東京都のファンドも同様に、税金で社会的リターンを得る仕組みであり、純粋な利益追求と同一視すべきではありません。
 官民ファンドごとにKPIの定義が異なり、成果検証が困難になるリスクがあるため、社会的インパクト、呼び水効果、投資リターンなどの算定方法を統一し、政策目的と収益目標を明確に切り分けて定期的に開示すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都の官民連携ファンドは、運営状況の監視により、ファンドの政策目的の達成状況を確認するとともに、出資先ファンドに対する民間出資等の総額を都出資の呼び水効果として評価するほか、都の出資額と回収額の比較により収益性を評価しております。
 これらについては、ファンドの清算結了後、契約上の守秘義務に配慮しつつ公表するほか、具体的な投資先企業の情報等について、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めてまいります。
 官民連携ファンドの実績につきましては、投資の成果の概要や回収額など、政策目的と収益性それぞれについて評価し、公表、発信することとしております。

○さとう委員 三つの統一指標と政策目的と収益目標を切り分けて評価し、公表するということが分かりました。
 しかし、大事なのはその中身です。
 統一指標の一つ目である政策目的の達成状況は、政策目的に合致するスタートアップに投資されているかどうかを確認しますが、これは、ファンド運営事業者の守秘義務により、おおよそ十年後のファンド清算結了後か、投資先の上場やMAによる売却が発生するまで、投資先が都民に公開されません。
 また、二つ目の指標である民間出資等の総額を都出資の呼び水効果にするは、民間からの出資額で評価するため、同様の理由により、KPIの公開は、ファンド清算結了後か売却時しかありません。
 三つ目の統一指標である都の出資額と回収額の比較により収益性を評価も同様です。
 そこで、社会的リターン指標、SROIですね、こちらや雇用創出数など、守秘義務に拘束されない他の共通指標を早急に導入し、年度報告で公表することを求めます。
 次に、投資判断、リスク管理の点から質問します。
 技術、海外案件への投資判断には、専門性が不可欠です。例えば脱炭素、GX関係では、技術リスク、国際契約リスクが高くなります。
 第三者による技術、法務、ガバナンスの事前DDや一定額以上の案件については、第三者監査義務条項などを実施すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都の官民連携ファンドは、当該投資分野における専門的な投資判断ができる民間事業者を運営事業者として選定し、ファンド運営を担わせておりまして、運営事業者選定の際に、多角的にその専門性等を評価しております。
 個別の投資案件に際しては、投資先を選定するファンド運営事業者において、投資実行前に外部機関によるデューデリジェンス等を実施しております。
 また、都といたしましても、ファンドの趣旨に沿った投資が行われるよう、外部有識者の意見を聴取しつつ、運営事業者が意思決定を行う機会での意見表明を行うなどしております。
 したがって、別途第三者による技術審査は義務づけておりませんが、ファンド運営事業者は、投資先の選定の際、必要に応じて外部の専門家をファンドの負担により選任し、技術の見極め等を行うことができることとなっております。

○さとう委員 都は、ファンド運営事業者の選定の際のDDを最重要視し、選定後のDDは、ファンド運営事業者にある程度委ねていることが分かりました。
 また、ファンドの趣旨に沿った投資が行われるよう外部有識者の意見を聴取しているとのことですが、外部有識者が誰なのか、公開されていません。都の判断のよりどころである有識者が誰で、どのような意思決定をしているのか、あまりに不透明ですので、外部有識者リストの公開を要望します。
 そして、次に、エグジット遅延への対応と回収最大化について質問します。
 官民ファンド全体では、想定エグジット時期を超過した案件が多数あります。投資したまま放置の状態を防ぐために、政策的ファンドでも回収の見通しを可視化する必要があると考えています。
 都ファンドでも、回収遅延案件については理由分析と是正計画の公表を求めますが、ファンド運営者に回収改善計画の策定、報告を義務づける等の対策をしているのか、都の具体的な対応方針を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、ファンド運営事業者から定期的な報告を受け、意見交換等を行うことを通じまして、ファンドの運営を適切に監視しております。
 投資回収等につきましては、各投資先の事業計画に記載されている上場予定時期等により回収見込み時期を把握しております。
 個別の投資先の経営状況等は公表しておりませんが、回収実績などのファンド運営に関する情報等は、守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めてまいります。
 また、回収改善計画といった個別事項での義務づけはございませんが、運営事業者からの報告に基づき定期的に意見交換等を行うほか、必要に応じ外部の専門家の意見を聴取するなど、ファンドの運営を適切に監視しております。

○さとう委員 都は定期的な報告を受けていることは理解しましたが、運営事業者の守秘義務により公開されません。守秘義務に抵触しない範囲でエグジット遅延案件を類型化し、例えば市場環境、技術問題、契約紛争など、都民に公開すべきと考えます。
 また、分配金を受け取った際には、委員会の請求により出資額と回収実績を公開していますが、委員会請求資料は、議員に公開されるのみで一般公開はされません。委員会請求資料を提出した時点で公開情報となるのですから、都が自ら一般公開する積極的な情報開示を要望します。
 次に、情報開示と都議会への報告体制についてです。
 官民ファンドでは守秘義務を理由に情報開示が限定的ですが、都のファンドは都民の税金を原資としています。
 都民への説明責任と議会による監視機能の確保のために、少なくとも、匿名化した投資一覧、進捗、投資倍率、回収額を議会公表用に整理すべきと考えますが、都の具体的な対応方針を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンド運営の状況や成果について都民の理解が得られるよう、官民連携ファンドの清算結了後は、契約上の守秘義務に配慮しつつ、投資の概要や都の出資額、回収額などのファンド運営の実績を公表いたします。
 投資先企業等の情報につきましては、守秘義務に配慮しつつ、運営事業者と協議の上、適時適切に情報発信に努めていくこととしております。

○さとう委員 年一回、東京都官民ファンド運用報告書を作成し、匿名化した投資一覧、進捗、投資倍率、回収額、出資額、回収率、KPI進捗を集約して都議会に報告することを要望します。
 次に、ファンド間連携と重複投資についてです。
 複数ファンドが同一企業に重複出資し、呼び水効果を二重計上する事例が国では問題化しています。
 都内で複数の官民ファンド、GX、大学発、インパクトなどが動いておりますが、ファンド乱立、二重投資、KPI重複を防ぎ、都全体の投資戦略の整合性を保つためには、都は、横断的な投資データベースの整備を検討すべきではないかと考えます。
 投資対象が重複した場合の調整、情報共有について、現状の都の体制を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドの具体的な投資案件は、投資先の選定等に関する専門性を有するファンド運営事業者が、企業の成長可能性のほか、出資者の構成などを踏まえて選定いたします。
 投資先が都の他の官民連携ファンドから出資を受けていた場合でも同様でございますが、仮に投資先に関して投資判断に重大な影響を及ぼすような事情がある場合には、外部有識者の意見を聴取しつつ、守秘義務に配慮しながら、運営事業者が意思決定を行う機会で意見表明を行ってまいります。

○さとう委員 運営事業者間での情報共有は、競合相手にもなる関係から難しいのかもしれませんが、少なくとも、都は各運営事業者から投資先情報を入手しています。
 スタートアップのフェーズの違いや複数事業を展開している企業、国のファンドなど、重複出資の機会は多岐にわたります。投資先、投資額、分野を一元管理する都官民ファンド横断データベースを構築し、年次で重複投資比率を開示することを要望します。
 次に、利益相反管理についてです。
 都が出資する以上、ファンド運営者の関連当事者取引に対する審査、承認ルールを明示すべきです。
 ファンド運営者が関係会社、顧問企業、過去の投資先などに再投資する場合、利益相反をどう防いでいるのか、都の対応を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンド運営事業者は、事前に有限責任組合員による承認等を得た場合を除き、利益相反取引に当たる投資先企業への投資が原則禁止されております。
 また、投資先の選定に際しましては、都として法律等の専門家への意見聴取を行っております。

○さとう委員 運営会社は別ファンドでの投資も行っており、企業のステージが進んで、都のファンドでも出資したいと考えるケースなど、利益相反の状況は容易に考えられます。
 ファンドは、補助金と違い、税金の使い道が見えづらく、投資が仲間うちで回っているのではという都民の不信が生じやすいです。利益相反取引に当たる投資先企業への投資が許容される場合、その判断基準を公開することを要望します。
 次に、各ファンドの想定IRRと投資回収期間について伺います。
 各ファンドの想定IRRと投資回収期間について、税金を原資とする以上、キャピタルゲインの都への還元が前提と理解していますが、回収スキームを明示ください。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンドの存続期間は、大学発スタートアップ等促進ファンドは十五年、官民連携インパクトグロースファンドは十年、GXイノベーション促進支援ファンドはファンド組成時に定めることとしておりまして、投資回収は、この存続期間内に実施されます。
 ファンドの投資回収は、投資先スタートアップの株式売却等を起点とし、ファンド契約で定めた一定期間までに都へと分配されます。
 想定IRRにつきましては、守秘義務事項でございます。

○さとう委員 ファンドの投資回収は、ファンド契約で定めた一定期間までに都へ分配されるとのことですが、ファンド期間は、状況により延長、短縮することができます。延長、短縮が決定された場合には、速やかに情報公開することを求めます。
 また、想定IRRについては、守秘義務事項であり、開示はされないとのことですが、税金を原資とした公共ファンドである以上、完全な非公開では行政の説明責任を果たせません。
 確かに、個別の投資案件や契約上の数値は、企業機密に関わるため開示できませんが、都が出資主体として果たすべき責任は、民間ファンドと同じ守秘義務を盾にすることではなく、公共性に見合った透明性の基準を独自に設けることです。
 例えば、想定IRRのレンジやファンドのリスク許容度、低リスク安定運用型か、高リスク高成長型か、都として想定するキャピタルリターンの政策的意義、例えば雇用創出、地域貢献、税収増加などといった定性的、相対的な情報を開示することは、契約上の守秘義務を侵さずとも可能です。
 こうした枠組みを整えることで、都民、議会がファンドのリスクとリターンを正しく理解し、公金の投資が公共的リターンを生んでいるのかを検証できる環境を整備することを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○おぎの委員 都民ファーストの会のおぎの稔です。スタートアップ戦略推進本部の皆様に質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日、様々、もう議論がございましたが、東京都政のダイナミズムを止めない、スタートアップ、民間の活力が東京の活力になるということは私も思っております。スタートアップ戦略推進本部の皆様には引き続き取り組んでいただきたいと、まず述べておきます。
 質問に入ります。
 東京都は、スタートアップ戦略に基づき、TIBやSusHi Tech Tokyoなど様々な振興策を展開しております。その目指すところは、スタートアップの力を通じて社会の課題を解決し、よりよい未来を築くことであります。こうしたスタートアップが生み出す優れた技術やサービスを世の中に浸透させていくことが重要だと考えております。
 こうした観点から、何点かお伺いいたします。
 まず、スタートアップ戦略について伺います。
 スタートアップ戦略には、グローバル、起業の裾野、官民協働を五年で十倍にする10×10×10のイノベーションビジョンが掲げられております。
 戦略策定から三年が経過して、その達成状況を伺いたいところですが、こちらは、先ほど上田委員からも質問がありましたので、こちらは省略して次の質問に移ります。
 都が関係者と共に様々な取組をしっかりと進めてきたことで、五年で十倍という野心的な目標に向けて、着実にその歩みを進めていることは先ほど確認をできました。
 この戦略を進めていく中でも、ユニコーン社数増加を目指すに当たっては、制度などを他国からも参考にしていただくとともに、他国とも連携して東京発の巨大なスタートアップ企業をさらに増やしていく取組を要望いたします。
 先日の第三回定例会の代表質問において、我が会派からも国際的なスタートアップの支援を要望いたしました。
 引き続き、官民の力を結集して、大きな目標に向かって取組を加速していただきたいと思います。
 次に、戦略に掲げるスタートアップに寄り添った規制、ルールのリデザインについてです。
 イノベーションは、多様な人材が関わり交流することで、新たなアイデアの種が生まれるといわれております。
 また、社会課題の解決につながる新しい技術やサービスを社会実装に進めるためには、法規制等が大きな壁となり、実装が難しいケースもあると聞きます。そうした法規制を変えていくためには、東京都だけではなく、国との連携、また、国に対して、都や各国の先進都市の事例、法令の状況を国に報告、理解してもらうことも必要だと考えております。
 この三年間で、具体的にどのような規制改革が行われたかを確認いたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、スタートアップが活躍するフィールドを整えるために、これまで、国に対して様々な規制緩和等の提案を行っております。
 例えば、高度外国人材等を呼び込み、グローバルなイノベーション創出につなげるため、世界トップクラスの大学の新卒生に対するビザ要件が緩和されたほか、スタートアップに投資する投資家へのビザ要件緩和を提案し、現在、法改正に向けた検討が進められております。
 また、スタートアップの技術展開に向けて、ワイヤレス給電の普及促進に向けた電波の減衰規制の緩和などを提案しております。

○おぎの委員 多様な高度人材を呼び込む規制改革要望や、スタートアップのサービス実装に向けて様々な提案がされていることが分かりました。
 都内には、官民含め様々なフィールドがありますが、それらを最大限活用し、現場実証や社会実装を進めることで、東京発のイノベーションをつくり出すことができるのではないかと考えております。
 世の中にスタートアップの製品やサービスが実装され、東京がアジア、ひいては世界を牽引できるように、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 次に、キングサーモンプロジェクトについて伺います。
 このサーモンというのは魚のサケのことで、この計画の在り方からキングサーモンプロジェクトと呼ばれております。
 今後のロールモデルとなるようなグローバル市場を席巻する課題解決型のスタートアップ企業、キングサーモン企業を東京から輩出するとともに、起業し、社会課題を解決し、また解決という循環、起業のサイクルの確立により、イノベーションによる東京の成長と社会課題の解決を目指しております。
 このプロジェクトでは、グローバルに活躍するスタートアップを育てるために、行政に関わる現場を提供する協働プロジェクトを実施しており、今年度からは、都や区市町村の行政現場だけではなく、民間事業者のフィールドも対象としたと聞いております。
 その第一号として、今回、私の地元でもある大田区にある羽田イノベーションシティでの協働プロジェクトが選定されました。
 このフィールドを活用し、どのような協働プロジェクトを実施していくのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本取組は、スタートアップの現場での実証から海外販路拡大まで支援するものでございまして、今回、羽田イノベーションシティは、民間初の実証現場となります。
 スタートアップが同エリアの運営会社と連携し、施設運営による環境負荷や、来街者、入居者のQOLに関連する様々な情報をAIを活用して分析いたします。
 ビルごとのCO2排出量や廃棄物管理、災害対策、ユニバーサルデザイン、健康とウエルビーイングなどに関する様々なデータを収集し、可視化の上、課題を抽出し、施設運営の改善策を立案、実行いたします。
 本実証を通じまして、スタートアップの成長と、同エリアの国際競争力の強化や魅力の向上を図り、地域の価値向上につなげてまいります。

○おぎの委員 当事業の実施される羽田イノベーションシティは、自動運転バス等の先端モビリティー、研究開発ラボ、宿泊施設、文化体験施設など多様な機能が集積しております。このような先進的なフィールドで、スタートアップと民間事業者が協働し、都政課題の解決や地域の新たな価値創造に挑戦する取組が始まったことは大変心強く感じております。
 この協働が羽田イノベーションシティの良さを引き出し、地域の盛り上げやさらなる集客につながっていくことを期待いたします。
 一部報道などでは、閑古鳥だとかゴーストタウンなどとイノベーションシティがいわれていることがあるのですけれども、こちらは研究施設でもありますので、平日の昼間ずっと、例えば観光客でにぎわっていればいい施設でいいのかということは疑問でもあります。
 一方で、夜や土日祝日などは、このすばらしい立地を活用して、もっとにぎわってほしいと思っております。
 本来のイノベーションシティの役割が果たされ、注目をされることはいいことだと考えておりますので、引き続き連携をよろしくお願いいたします。
 この羽田地区を含むベイエリアでは、持続可能な未来の都市をつくるというコンセプトの下、東京ベイeSGプロジェクトが進められており、その具体的な取組である先行プロジェクトでは、中央防波堤エリアを活用し、大企業も含めた様々な先端技術の実装支援が行われております。
 そこでまず、これまでの取組実績とどのような成果が出ているのか、伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 本取組は、最大三か年にわたりまして、事業費の支援や実施場所の提供、関係機関との調整などを行うことで、ベイエリアをフィールドとした官民協働のプロジェクトを推進し、最先端技術の社会実装を目指しております。
 これまで、最先端のモビリティーや再生可能エネルギーなど、令和四年度から六年度までに二十件の取組を採択し、初年度に採択した事業は、支援期間終了後、様々な形で展開が進んでおります。
 例えば、飛行から充電までを全自動化し、現場に作業員を置かず、遠隔で運用可能なドローンは、災害現場等で活用されているほか、強風でも止めることなく発電可能な垂直軸型風力発電は、他地域での民間受注につながりました。

○おぎの委員 様々な先端技術の開発から実装への橋渡しをする、意義のある支援が行われていることと思います。
 技術の社会実装は、人々の暮らしにより近いまち中や産業の現場で実際に活用されて、初めてイノベーションが実感できます。
 先行プロジェクトにおける実装は、これまで中央防波堤エリアを中心に進められてきましたが、今年度、実施場所を中央防波堤エリアから周辺ベイエリアまで広げたと聞いております。
 例えば、東京ベイeSGプロジェクトを見ると、大田区も地理的には入っておりますが、さきに述べた中央防波堤、大田区でいえば品川に程近い北側エリアまでが、もともと期待されておりました。
 しかし、大田区は、その下には城南島、京浜島などの工場地域もあり、さらには羽田空港も有しております。区からも要望があったと聞いておりますが、ベイエリアの南部には、羽田イノベーションシティをはじめ様々なイノベーション創出の取組が展開されており、そういったエリアとも連携していくことが重要だと考えます。
 そのためには、私は、実施エリアを拡大していくべきだと考えておりますが、今年度の先行プロジェクトの具体的な取組について伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 技術の社会実装に向けては、生活や産業に身近な場でのユースケースを想定し、その技術を活用することが効果的であります。
 そのため、今年度は、実施エリアを中央防波堤エリアから周辺ベイエリアまで拡大し、三つのプロジェクトを採択しました。具体的には、複合発酵技術を活用した循環型トイレの駅への設置や、海岸漂着ごみを回収、運搬する自律型ロボットの海上公園での活用、羽田空港のターミナル間をつなぐレベル4自動運転バスの実装を推進いたします。
 今後、民間の施設や関係する地元自治体とも、これまで以上に連携を深め、ベイエリアでのイノベーション創出につなげてまいります。

○おぎの委員 私の地元大田区、羽田空港周辺における取組の確認ができました。
 今後も、様々な主体と連携し取組を進めることで、ぜひベイエリアのまちづくりに生かし、地域の活性化につなげていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終えます。

○もり委員 それでは、スタートアップについて質問させていただきます。
 東京は、人口と都道府県税において一極集中の状況にあり、所得も、他の都道府県に比べて高い状況があります。インフレになれば人々の暮らしは困りますが、都の税収は増えています。
 厚生労働省が毎月実施をする勤労統計調査によれば、物価の変動を反映させた二〇二四年四月の実質賃金は、前年同月比一・二%減と、二十五か月連続での減少が続き、七月にようやく若干持ち直したものの、食料品の価格高騰は、都民の物価上昇による生活困窮感を実感させ、都民には様々な給付や減税などの要望があります。
 しかし、都民の生活困窮を和らげる根本的な解決は、賃金や年金支給額が物価の現状を上回るペースで上昇することだと考えます。
 では、どのようにして賃金や年金支給額を上げていくのか。
 一九九五年の日本のGDPは約五兆ドルで、アメリカの七・六兆ドルに迫ろうかという勢いがありました。しかし、それから三十年後の二〇二四年のGDPは、アメリカ二十九・一七兆ドル、日本四・〇七兆ドルで、二〇二二年から急激な円安の影響で、二〇二四年の為替レートの平均が一ドル百五十一円だったこともあり、大きく差が開きました。その間、中国の技術革新と積極的な投資などにより、短期間で経済成長を遂げ、十八・二七兆ドルと、日本との差を一気に広げています。
 この三十年間、日本とアメリカのGDPの差の原因について、私は、ジャパン・アズ・ナンバーワンといわれた時代の一斉入社と社内教育システム、終身雇用と年功序列賃金の日本的経営方針に安住し、製造業の途上国移転、先進国のIT産業化への変化に対応できなかったからだと考えます。
 スタートアップは経済成長の鍵を握っていると考えますが、都がスタートアップ政策に取り組む意義について、改めてお伺いをいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 世界の各都市では、グローバルに事業を展開するスタートアップが経済成長や雇用を生み出すとともに、人々の生活や社会をより豊かにする革新的な製品やサービスをつくり出しております。
 都は、こうしたスタートアップを生み出し、大きく育てていくため、スタートアップ戦略を展開していくこととしております。

○もり委員 本日は、多くの委員からスタートアップについて質疑が行われておりますが、そもそもスタートアップとは何か。NEDO、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の政府係機関におけるスタートアップ支援とはによれば、スタートアップとは、革新的なビジネスモデルを有し、短期間での急成長を目指す企業と定義されています。
 特許庁の中小スタートアップ企業を対象とした減免措置についてでは、設立後十年未満で資本金額または出資総額が三億円以下の法人であって、大企業に支配されていない法人とされています。
 アメリカの経済躍進を支えているのは、GAFAMにテスラとエヌビディアを加えたマグニフィセント・セブンであり、スタートアップが経済の鍵を握っています。
 東京都も、スタートアップ支援としてGlobal Innovation with STARTUPSを展開していますが、スタートアップは単なるベンチャー企業ではありません。
 東京都は、スタートアップをどのように認識して支援をしようとしているのか、伺います。例えば、これまでのベンチャー企業とどう違うのか、また、GAFAMのような世界的企業に成長するものを目指しているのか、お伺いをいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 一般的には、スタートアップは、新しい技術やビジネスモデルを有し、急成長を目指す新興企業のことを指しております。

○もり委員 東京都は、スタートアップとの協働を通じて行政課題や社会課題の解決を目指す、スタートアップによる事業提案制度の二〇二五年度の応募を開始しております。これは、東京都のスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPSの一環として二〇二三年度より実施をされており、今年度も引き続き、創業十年未満のスタートアップからの提案を募集するものとされています。
 都のスタートアップによる事業提案制度では、創業十年未満のスタートアップ企業に提案資格があるということですが、これは、特許庁の中小スタートアップ企業を対象とした減免措置の対象となる、設立後十年未満で資本金または出資総額が三億円以下の法人であって、大企業に支配されていない法人、また、NEDOのスタートアップの定義である、革新的なビジネスモデルを有し、短期間で急成長を目指す企業とは、どのような関係にあるのか、お伺いをいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 本事業につきましては、スタートアップからの提案に基づきまして、自らが持つ技術や製品を活用し、都政現場で実証を行い、現場の課題解決を図る事業でございまして、募集に当たりましては、事業者の自由な発想に基づく提案を幅広く受け付けることとしております。

○もり委員 次に、大学研究者による提案事業について伺います。
 東京都は、スタートアップに関して、令和五年度に採択された東京の未来を拓く起業家教育循環システム事業について、今年の第一回定例会で、法政大学から解約の申入れがあったため、二〇二四年十二月に契約を解除したと答弁しております。
 また、令和四年度大学研究者による提案事業、都市型太陽電池による創電・蓄電の強化推進事業について、電気通信大学が行った投票の呼びかけ行為の報告があり、東京都は、その呼びかけ行為を基本協定書に規定する不正行為等に該当すると認定し、二〇二五年八月八日に契約を解除し、事業を終了しました。東京都は、電気通信大学による連携事業として行われた令和五年、六年度の予算は、返還請求をしなかったと理解をしております。
 令和五年度に採択された東京の未来を拓く起業家教育循環システム事業は、総事業費三億八千万円で、二〇二四年から三年の計画で実施されていましたが、第一・四半期、第二・四半期の報告を受けていたにもかかわらず、第二・四半期の途中から、東京都は、研究者からの打合せの要請に応じることなく、都が行うべき措置も行っていませんでしたし、年度当初に振り込むべき費用についても、法政大学に振り込んでいませんでした。
 採択された大学研究者による提案事業で、年度当初に東京都から費用を振り込まなかった事例は、東京の未来を拓く起業家教育循環システム事業以外にあるのか伺いたかったのですが、所管外とのことで確認ができませんでした。
 電気通信大学では、東京都が基本協定に違反することを認定して基本協定を解除していますが、東京の未来を拓く起業家教育循環システム事業では、法政大学からの契約解除の理由を聞き、その理由が基本協定違反であると判断することなく協定を解除しているのはなぜか、お伺いをいたします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 本件は、都が支援を行う大学提案事業の実施に際しまして、法政大学内において研究費の不正使用の疑いが生じ、大学が調査を進める中で、本件協定事業を実施するめどが立たなくなったため、大学側から都に対し、事業継続困難を理由に協定解除の申出がありまして、都は、これを受け、協定を解除したものでございます。

○もり委員 東京の未来を拓く起業家教育循環システムについて、二〇二四年度に既に行われた事業に係る経費について、法政大学とどのような合意をしたのか、お伺いをいたします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 本件大学提案事業の経費の支払いにつきましては、都と大学の間で協議の上、年度協定の中で支払い方法を定めております。
 当初締結していた協定では、四半期ごとの概算払いとしていましたが、その後、支払いに際して、大学側から事務の煩瑣を避けたい旨の意見がございまして、事務手続の簡素化を図るため、都と大学で協議の上、事業終了後に一括して支払う方式に協定を改めています。
 したがいまして、本事業による都から大学への経費の支払いは行っておりません。

○もり委員 事実について確認をさせていただきました。
 次に、スタートアップを進めるための労働慣行改革と育成施策について伺います。
 日本でスタートアップが育たない根本的な問題として、企業が新卒一括雇用の慣習を続け、リスクを冒して起業し、失敗した若者を受け入れない傾向にあること、それと表裏をなすように、予備校通いが常態化し、中高一貫校化教育が偏差値教育に偏り、有名大学への入学を受験勉強のゴールと考え、大学卒業後は一流企業の正社員となることを望む安定志向にあるといわれています。
 スタートアップを進めるには、企業が新卒採用を重視する新卒一括入社や年功序列賃金体系の慣行を是正し、能力に応じて採用し給与水準を決定する常時採用、能力給を原則とするよう働きかけていく必要があると考えます。
 こうした問題を解決するため、スタートアップでの就職等を進める取組が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 若くても責任のある大きな仕事を任される、新しいことに挑戦できるといった、スタートアップで働くことのやりがいや面白さを学生に伝え、スタートアップとの交流を図るイベントや、実際にインターンシップとして働くことの留意点等について伝える説明会などを実施しております。
 また、転職志望者などを対象に、スタートアップで働くことの魅力などを語るセッションや、スタートアップが自社をPRするピッチなどのイベントを開催しております。

○もり委員 スタートアップを進めるには、産業労働局だけではなく、小中高校の段階から、偏差値教育により受験技術に熟練した子供を育てるのではなく、あえてリスクを負ってスタートアップを立ち上げたい、全く新しい技術や考え方を導入し、社会に新たな価値を創造するイノベーションを起こしたいというチャレンジ精神に富んだ子供を育てる必要があります。
 学校での教育とは別に、スタートアップ教育を行っていく場所をつくっていく必要があると考えますが、都の見解についてお伺いをいたします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 若者のアントレプレナーシップ醸成のため、都内の中高生に対して、学校現場に起業家等をサポーターとして派遣する出前授業を行っております。
 また、TIBで出前授業に参加した生徒がサポーターたちとのトークセッションに参加したり、SusHi Tech Tokyoでワークショップを開催したりするなど、学校現場外においてもアントレプレナーシップの実践を図っております。

○もり委員 ありがとうございます。
 TIB等の場を活用したグローバル・アントレプレナーシップ実践事業として、新規に一億円が計上されており、TIBに集い、グローバルイベント等の企画、運営を行う学生メンバー、ITAMAEの活動を支援し、同世代への起業等の興味を喚起と説明をされています。
 東京の学生たちに向けた新たなプロジェクト、ITAMAEプロジェクト第三期が始まります。この取組は、東京都が推進するTokyo Innovation Baseの一環として、挑戦する学生たちをサポートし、その成長を促すことを目的としています。
 ITAMAEプロジェクトは、イノベーティブ・テクノロジー・アカデミック・マエストロの略で、次世代のリーダーを育成することを目指しています。
 このプロジェクトの中で、参加する学生たちは、主体的にグローバルイベントを企画、実践し、自らの成果を発表する機会を得られます。この活動を通じて、学生同士が切磋琢磨し、刺激を受けながら起業や世界への興味を深めることを期待しています。
 ITAMAEが、東京が異次元の戦略を展開し、社会変革を起こすスタートアップにどうつながるのか、お伺いをいたします。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 スタートアップ戦略に基づき、起業の裾野を拡大するため、アントレプレナーシップの育成を推進しております。
 ITAMAEの取組では、学生が主体的かつ意欲的に新しいことに挑戦し、グローバルな視点を持ってイベントの企画、運営等の活動をすることで、自身を成長させるとともに、同世代の学生にも刺激を与えています。
 こうした取組を通じまして、多くの学生の起業等への興味を喚起させることで、社会変革を起こすスタートアップや、様々なことに挑戦する若者を増やすことにつなげております。

○もり委員 未来を担う若者たちが、こうした取組を通じてスタートアップに対する意欲を醸成する、大変すばらしい事業だと評価をいたします。
 スタートアップを支援する都庁の体制、事業評価についてお伺いをいたします。
 戦略では、職員が積極的にシリコンバレー、ベルリンなど諸外国へ先進事例調査に赴き、職員自らもグローバルマインドを醸成すると述べていますが、具体的に、都庁職員は、どこのどのような調査に赴き、どのようにグローバルマインドが醸成されたのか、お伺いをいたします。

○鈴木プロモーション推進部長 職員自らアジア、欧州、北米の各地に赴き、展示会の場等を活用して積極的なプロモーション活動を行う中で、世界的なイノベーションの動向に関する知見を得ております。
 また、現地機関などとのネットワーキングや意見交換を通じまして、各都市がどのようにエコシステムを発展させ、スタートアップ振興に取り組んでいるかを学んでおり、職員のグローバルマインドの醸成につながっております。

○もり委員 首都東京として、職員さんに対しても、こうしたグローバルマインドの醸成は大変重要だと考えます。
 戦略では、あらゆる関係者がワンチームで強力にサポートすると述べていますが、都の政策ですから、東京都の職員は、委託先に丸投げをしたり、都の外部に施設をつくって、自らはそこに関わらないということではなく、グローバルマインドを持ち、また、自ら施設を運営し、アントレプレナーやスタートアップに伴走する都の職員がいなければなりません。
 スタートアップに関わる都の職員は何人いて、どの部署から来られて、何年間この仕事に従事をされているのか、体制についてお伺いをいたします。

○片山理事 当本部の職員数は、令和七年八月一日現在で百十三名でございます。多様な職務経験を有する職員が配置されております。
 職員は、TIBをはじめとする支援の現場や海外現地に足を運びまして、スタートアップや民間の様々な支援者と連携しながら、現場の先頭に立って業務を遂行しているところでございます。
 また、スタートアップとの協働を進めるため、全庁の連携体制、Team Tokyo Innovationと申しますが、これを立ち上げ、各局にスタートアップ担当を配置しておりまして、その人数は、同日現在、七十四名となっております。

○もり委員 TOKYO STARTUP GATEWAYやTIBなどスタートアップ関連予算、事業について、単なる予算消化や参加人数だけではなく、実際に都民にどのような利益をもたらしたのかという効果を含めた事業評価、PDCAを行うのか、お伺いをいたします。

○片山理事 都は、社会を変革し、都民生活に豊かさをもたらすスタートアップを生み出す大きなエコシステムをつくり上げるために、多様な主体と連携して、SusHi Tech TokyoやTIBをはじめとする各種施策を展開しております。
 その大きな目標としては、グローバル、裾野拡大、官民協働を十倍とするイノベーションビジョンをスタートアップ戦略に掲げるとともに、具体的な政策目標を設定しております。
 また、大学や企業、自治体、支援機関など様々なプレーヤーとの意見交換を日常的に行いまして、事業の見直しや政策の強化につなげております。

○もり委員 ありがとうございます。常に事業の見直しや政策の強化につなげて、PDCAを行っているとのご答弁をいただきました。
 実際に都民生活に豊かさをもたらし、社会変革をする、そういった果実をしっかりと都民に見える化をしていただくように要望し、質問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員 スタートアップ戦略推進本部は、本年四月に、スタートアップ施策をより専門的に進めていくために設置をされ、産業政策全般の一体性を図りながら取組をさらに加速するため、産業労働局の下に置かれることになり、これに伴って経済・港湾委員会の所管となったわけであります。
 当本部は、SusHi Techをはじめとする新しい取組を進めておりますが、一方で、産業労働局では、中小企業支援として創業の後押しなどの施策を推進しております。両局は、スタートアップの成長を通じた産業の活性化という、大きな目指すところは一致をしておりますが、その取組のアプローチが違うようにも思えます。
 そこでまず、本題の質疑に入る前に、当本部の役割はどのようなものなのか、確認をさせてください。

○片山理事 スタートアップ戦略推進本部は、東京のスタートアップエコシステムの発展を大きな目標とし、SusHi Tech TokyoやTIBなどをはじめとする、人と人が交流し、イノベーションを生み出すためのプラットフォームづくりを進めております。
 また、産業労働局は、中小企業支援の一環として、創業支援や技術支援、資金調達など、スタートアップをはじめとする中小企業に対する多様な支援策を展開しております。
 当本部が進めますプラットフォーム施策、すなわちスタートアップと様々な支援者を結びつける取組と、産業労働局が展開するきめ細かな企業支援策とを組み合わせまして、スタートアップの成長に向けた相乗効果を発揮できるものと考えております。

○山崎委員 今回の組織改正は産業政策の一体性を図るものであり、両局の施策の相互連携を密にしていくことが、今まで以上、求められるわけであります。そのためにも、職員の皆さんは、ぜひ相互の顔の見える関係を築いていってもらいたいと思います。
 それでは本題に入りますが、世界は今、武力紛争、テロなど国際秩序の大きな揺らぎや、頻発する地震や風水害に直面するなど、不安定で不確実な時代に突入をしております。しかし、こうしたときこそ、安全で安定した社会を築き上げてきた我が国のプレゼンスを発揮するチャンスでもあると考えます。
 残念ながら、東京一極集中是正論のように、全国の地域と東京で限られたパイを奪い合うという、まさに一対四十六の発想がいまだに根強いが、そうではなく、四十七の地域が共存共栄を図り、世界へと対峙していくことが大変重要であります。
 そして、社会経済を成長させる、すなわちパイを大きく広げることができるスタートアップ振興こそ、全国の自治体の協力、連携が大いに生かせる領域であると考えます。
 その取組がイノベーションを全国で生み出し、全体の成長へとつながっていくと考えますが、都は、全国の自治体とどのような連携を取り組んできたのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都は、全国のスタートアップと東京に多く集まる投資家、大企業などの支援者を結びつけるなど、オールジャパンでの交流を促し、イノベーションの創出につなげていくため、全国の自治体との連携強化に取り組んでおります。
 結節点であるTIBで、八十四自治体が参加した担当者交流会をはじめ、様々な自治体連携イベントを開催し、全国の多様な主体をつなぐ役割を果たすほか、SusHi Tech Tokyoにオールジャパンエリアを設置し、全国一丸となって日本のスタートアップエコシステムを世界に強力に発信しております。
 都が持つプラットフォームを全国の自治体と共有し、地域それぞれの特色を掛け合わせた効果的なスタートアップ支援につなげております。

○山崎委員 Tokyo Innovation Baseという多くの人が集まる東京ならではの場を生かして、全国の交流を活性化するとのことであります。
 また、スタートアップの国際イベント、SusHi Tech Tokyoで各地の自治体や起業家が参画するエリアを設けるという取組は、オールジャパンの連携を目に見える形で世の中に示していくという点で、非常に重要であると思います。
 今年のSusHi Techでは、前年の倍の自治体の参加があり、活発な交流や議論が行われたと伺いました。この盛り上がりをさらに来年につなげていくべきと考えますが、SusHi Tech二〇二六に向け、自治体と企業、国や中小企業などがどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 SusHi Tech Tokyo 二〇二五では、会場中央に全国の自治体が集まるオールジャパンエコシステムエリアを設け、過去の出展数を上回る三十五の自治体が出展いたしました。二〇二六においても、さらなる参加を働きかけ、規模の拡大を目指してまいります。
 自治体主催セッション枠の増加や、自治体と企業とのマッチング促進の取組などにより、地域のエコシステムをPRする機会を増やし、エリアの質向上に向けた様々な工夫を検討いたします。
 また、高い技術力を持つ中小企業や、国など自治体以外のエコシステムを担うプレーヤーの出展拡大を図り、参加者の幅を広げることで、新たなオールジャパンエリアを構築してまいります。

○山崎委員 オールジャパンエリアが質、量ともに拡大することで、全国とのさらなる連携につながることを期待したいと思います。
 こうした取組に加え、自治体同士が協力して、スタートアップの優れた技術や製品を全国で展開していくという具体のアクションを進めていくことも重要であります。
 都は昨年度、スタートアップとの協働に力を入れる全国の自治体と連携をし、全国でスタートアップの製品を活用していく新たな枠組み、ファーストカスタマーアライアンスを立ち上げ、九自治体で開始をいたしました。
 一方、自治体によっては、スタートアップと協働したいという思いはあっても、ノウハウが不足して取組が進まないというケースもあると聞きます。こうしたところも巻き込みながら、各地でスタートアップとの協働を広げていくムーブメントを起こしていくことが課題であると考えます。
 そこで、本事業を加速させ、スタートアップからの公共調達促進につながるために、どのような取組を行っているのか、取組と内容、成果を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 本事業への参画を拡大するため、参画済みの自治体や関心のある自治体が制度の理解を深め、課題を共有する交流イベントを複数回開催したほか、スタートアップ支援に力を入れている自治体への戸別訪問等を行いました。これらにより、現時点で参画自治体は十七に増え、連携の輪が広がっております。
 また、参画自治体が拡大することで、自治体が認定したスタートアップの魅力ある製品を掲載したカタログサイトの件数も七十件を超え、昨年度の倍以上に拡大いたしました。
 充実したカタログを活用し、自治体間で認定製品の調達が進むよう後押ししていくとともに、都も各局と連携し、自ら他自治体の認定製品を購入することで行政の課題解決が進むよう取り組んでまいります。

○山崎委員 スタートアップからの公共調達についても取組が進捗していることが今の答弁で確認ができましたが、こうした全国との具体的なウィン・ウィンの関係を、やはり地道に積み重ねていくことが重要であり、引き続き着実に進めていくことを求めておきます。
 全国四十七自治体が同じ方向を向いて、共にスタートアップ振興を進めていくためには、国の理解と協力も欠かすことはできない。国政では、女性初の首相である高市新総理が誕生し、新たな政策も打ち出されつつあるが、スタートアップ振興が成長戦略の重要なピースとなることは間違いがないと思います。
 国を巻き込み、連携をしながら、オールジャパンのスタートアップ支援を進めることで、より実効性のある取組につながると考えますが、見解を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都はこれまで、オールジャパンで力強くスタートアップ支援を進めるため、全国の自治体に加え、国との連携にも注力してまいりました。
 国の各省庁や自治体、スタートアップ支援者など七百名を超える参加者が一堂に集うサミットを年一回開催し、スタートアップの振興等について議論することで、新たなネットワークの創出につなげております。
 国も全国のエコシステムの活性化を図る取組を推進しており、都は、首都圏自治体で構成される東京コンソーシアムの一員として、国と連携しつつ、全国の拠点都市の取組を世界につなげる役割を果たしてまいります。

○山崎委員 これまでの質疑で、都がスタートアップ振興の領域で全国との協力関係を積極的に構築しようとしていることは、確認が取れました。
 そうした連携の関係の根っこにあるのは、自治体同士、もっといえば政策に携わる行政の担当者同士が確固たる信頼関係を築いていくことにあると思います。そのためには、年に一度、意見交換するだけでというような表面的なものではなく、もっと踏み込んだ関係づくりが私は必要だと考えます。
 都は、全国の自治体との連携を深化させるため、どのように取り組んでいるのか、伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 全国各地で開催されるスタートアップイベントへのブース出展やセッションへの職員登壇等を通じてイベント間の連携を図り、オールジャパンでイノベーションを創出する流れを共につくり上げてまいりました。
 あわせて、全国のスタートアップ支援部門の職員と顔の見える関係をつくるため、全国連携を担う専門のチームを設け、都内で開催される各自治体主催のイベントに積極的に足を運ぶとともに、各地のイノベーション施設を訪れ意見交換を行うなど、日々、コミュニケーションを重ねております。
 こうした取組が、様々な自治体の首長のTIB視察や約八十件のイベント開催にもつながっており、引き続き、全国との連携を着実に実践してまいります。

○山崎委員 こうした人と人との関係づくりは、プラットフォームの構築をミッションとするスタートアップ戦略推進本部において、私は仕事の基本であることと思います。
 特には、地理的にも言語的にも壁のある海外とのネットワークづくりは一朝一夕にはできないわけでありますが、確実に進めていかなければなりません。
 世界に自ら足を運び、コミュニケーションを重ねていくことが私は重要と考えますが、見解を伺います。

○鈴木プロモーション推進部長 海外のスタートアップエコシステム関係者等とのネットワーク構築や東京のエコシステムのPRのため、この間、職員が自ら海外に赴き、展示会への出展等、様々なプロモーション活動を実施してまいりました。
 こうした取組の積み重ねにより、関係者間のネットワークが形成されてきておりまして、実際に、SusHi Tech Tokyoへの海外パビリオン出展や海外参加者の増加、TIBへの海外機関の来訪増につながっております。
 さらに、今年度、出展参加したフランスの海外展示会では、これまで関係づくりを進めてきた各自治体に働きかけ、初の共同出展を実現したところでございまして、今後も、海外、全国との連携強化に向け、取組を進めてまいります。

○山崎委員 答弁にあったフランスの話は、先ほど取り上げた全国連携の取組と海外での関係構築の取組の両方が生かされた、ある意味、そういう事例だと思います。
 人と人との関係づくりなどという効果が不明確であるとか、単なる物見遊山ではないかといった考えを持つ方もいますが、しかし、民間ではなく、行政が世界とのネットワークをつくるからこそ、世界に羽ばたこうとする全てのスタートアップの共有財産になるのだと思います。
 取組を着実に進めるとともに、具体的な成果へとしっかり還元をしていくことを求めておきます。
 本日の質疑を通じて、都が国や全国の自治体、さらには海外との連携に注力し、スタートアップ施策を展開していることを確認させていただきました。
 一対四十六の構図に対して、全国や国と連携するこの共存共栄、我々は、この共存共栄の実践を着実に進めていくことで、東京一極集中是正論への確かな反証になると思います。
 私は、なぜ一対四十六ということをこのスタートアップの中で取り上げてきたかというと、やはりこの十二月には、都議会議員の先生方、各委員のメンバーの皆さんにもぜひご理解をいただきたいのは、税制大綱、いろいろな国とのやり取りがあります。その中で偏在是正の問題、恐らく、それぞれの皆さんも意識を持っていただいていると思います。
 一対四十六の戦い、どうこの戦いに挑んでいくのか。それには、こういったスタートアップの様々な施策というものを全国と一緒にやっている、東京だけが一極集中ではない、東京も全国にいろんな意味で還元をしているんだ、そういったことを、ぜひそれぞれの皆様にもご理解をいただきながら東京都を前に進めていければいいのかな、そういう思いの中で質問をさせていただいたわけであります。
 スタートアップ戦略推進本部の皆様にも、ぜひそうした意識、気概をしっかりと持って進めていただきたいと思います。
 そして、こうした取組が日本全体の成長につながることを強く期待をいたしまして、私の質問を終わります。

○両角委員 スタートアップ戦略が策定をされ、間もなく三年がたとうとしております。我が会派はこれまで、都におけるスタートアップ政策について提言、応援をしてきており、これまで、短期間にスタートアッププラットフォームを整備し、有力なエコシステムが育ちつつあることを評価しております。
 先日も、我が会派のプロジェクトチームでのスタートアップ関連の皆さんからのヒアリングで、都の取組に対して高く評価する声が上がりました。
 一方で、戦略の折り返し点を過ぎた今、これまでの成果や現在の立ち位置を確認し、今後の取組のブラッシュアップにつなげていくことは重要であると考えております。
 関連予算が年々増大していく中で、都は、そもそも、何のために、何を目指してスタートアップ支援を行っているのかを常に問い直し、多額の予算やマンパワーを割いて民間企業への支援がなぜ必要なのかといったことを、スタートアップとは縁遠い一般都民にも理解していただけるような努力と説明も必要ではないかと考えております。
 また、国や各自治体が競うようにスタートアップ支援を実施する中、今後、重複を省き、シナジー効果を発揮する取組が求められると考えております。
 以上の観点から、スタートアップ政策に関して質問を行わせていただきます。
 まず初めに、都は、スタートアップ支援を通じて何を目指しているのか、改めて伺います。
 また、そもそも、都としてのスタートアップの明確な定義づけが必要であると思いますが、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、二〇二二年十一月に、スタートアップに本気で取り組むことを示し、スタートアップと共に新しい時代を切り開き、東京の課題解決と成長につなげる取組を徹底的に進めていくための戦略を策定いたしました。
 スタートアップは、一般的には、新しい企業であって、新しい技術やビジネスモデルを有し、急成長を目指す企業とされており、都は、グローバルでの活躍や持続可能な社会の実現、都民の豊かな暮らしにつなげることを目指す企業を支援しております。

○両角委員 近年、国や他の自治体も計画を策定し、スタートアップに関する施策に取り組み、多くの予算が割かれております。こうした取組は、それぞれの主体がばらばらに進んでいくと、施策の重複や事業実施の効率性などに問題が生じると考えます。
 そこで、都の戦略と国の計画等との関係はどのようになっているのか、確認をいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 戦略の策定に当たりましては、国をはじめ、スタートアップや経済団体等へヒアリングを行い、同時期に策定された国の五か年計画や経団連のビジョンと同様に、グローバル、裾野拡大を五年で十倍とする目標に加え、都独自の官民協働実践数を設定いたしました。
 こうした目標の整合を図りつつ、施策展開でも国と連携しており、例えば、海外展示会等でのプロモーション実施や、本年九月には、万博で開催された国のスタートアップエキスポと連携したイベントを東京で開催いたしました。

○両角委員 国や経団連とも同じ目標設定をするなど、ばらばらにならないように、しっかり連携して戦略を策定していたということを確認ができました。
 計画上、うまくばらばらにならないようにしていたとしても、具体的な取組や施策で他自治体と同じことを進めていても意味がなくなってしまいます。全国を牽引する立場にある都は、大企業や大学等の集積等の強みを生かして、自らの役割を明確にして取り組んでいくべきだと考えます。
 次に、都の取組の特徴について伺います。
 国や自治体との違いは、具体的にどのようなところにあるのか、伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、スタートアップや支援者の結節点となるTokyo Innovation Base、TIBや、グローバルカンファレンス、SusHi Tech Tokyoなどの、人が集まり交流する活動のほか、都政現場での官民協働の取組などを進めております。
 一方、国では、税制やスタートアップが活用しやすい制度の構築、大学、研究機関における大規模な研究開発支援などを積極的に行っておりまして、この三年間でスタートアップを支援する環境の充実が図られております。
 また、他の自治体では、各地域の強みとなる産業や特色に合わせて、ものづくりやGX、AI、ライフサイエンス等の分野に特化した取組を推進しており、都は、こうした全国の取組を世界につなげていく役割を果たしてまいります。

○両角委員 国は制度構築などを進め、都は現場を持つ強みを生かした施策を展開し、全国を牽引する取組を進めようとしているということで理解をいたしました。
 しかし、実際には、国や都のスタートアップ支援は、補助金やアクセラレーションなどで類似事業が見られます。限られた公的資源を有効活用するためには、国と都の役割分担を進め、相互承認の仕組みを構築するなどを展開していくべきと考えますが、見解を伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、国や関係機関等と日常的なコミュニケーションを通じ、エコシステムの発展に寄与する取組を議論するとともに、新たな施策の検討や実施に際しては、関係する省庁等の参画を依頼するなど、連携を強化しております。
 具体的には、海外トップクラスのVCやアクセラレーター誘致は、内閣府や経産省、ジェトロと連携し、協働して実施をしているほか、アントレプレナーシップの醸成の文科省と中企庁の取組に都が参画をしております。
 また、全国の自治体と連携して、政策目的随意契約の認定をしたスタートアップの製品を相互に共有し、活用していく枠組みであるファーストカスタマーアライアンスなどを展開しております。

○両角委員 国採択事業者が都事業へスムーズに移行できる共通KPIや共通認定制度を設けることで、事業成果の追跡や効果測定も容易になると考えます。今後、こうした共通指標導入の検討も進めていっていただくよう要望をいたします。
 さて、東京には、日本の約七割近いスタートアップが集まると聞いております。こうしたスタートアップの中からユニコーンが生まれ、東京、日本の経済成長を牽引し、グローバルに活躍するスタートアップが増えることで、また新たなスタートアップが生まれるという好循環を生み出していくことができると考えます。
 そこで伺いますが、今年度新たに、グローバルに活躍するスタートアップを生み出すための事業、SusHi Tech Globalを開始したと伺っておりますが、まずは、どのような事業か、確認をいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、今年度、先進的なテクノロジーでサステーナブルな社会への変革とグローバルな成長に挑むスタートアップを大胆に支援するプロジェクト、SusHi Tech Globalを開始いたしました。
 百社から百五十社のスタートアップ集団、SusHi Tech Global Startupsを形成し、これらのスタートアップのグローバルな成長に向け、人材、体制、事業、資本戦略等、課題に応じたプログラムを集中展開してまいります。
 特に有望なスタートアップ、約十社を選抜し、成長加速プログラムとして資金サポートを行うとともに、オーダーメード型の伴走支援を実施し、飛躍的な成長、スケールアップに向けて、官民一体で徹底的に支援をしてまいります。

○両角委員 有望なスタートアップに対して、資金面も含めた徹底的な支援を行うことは非常に重要なことと思いますが、そのスタートアップが本当に有望かどうかという判断、目利きは、とても難しいものであると思います。
 この事業に参画するスタートアップはどのようにして選んでいくのか、その選定方法等について伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 本事業に参画するスタートアップには、サステーナブルな社会の実現につながる具体的なプロダクトを有し、グローバルの展開の実績や、これから海外展開していく強い意志を持つ一定規模以上の企業を選定していくこととしております。
 また、投資家や支援機関等からの推薦を必要とし、その事業内容等につきまして、スタートアップビジネスに精通する外部有識者による審査を行います。
 こうした審査に加え、参画した後も、おおむね一年の更新制とすることで、常に有望かつグローバルを目指す企業であるかを確認し、その質を担保してまいります。

○両角委員 しっかりとした審査を行い、更新制も取っていくというお話でございました。 いつまでも結果が出ない企業に対して、決められた期間中、ただ支援を繰り返すということではなく、真に有望なスタートアップに対して、グローバル市場でしっかりと戦える未来のユニコーンとなる企業を徹底的に応援してほしいと考えます。
 次に、官民ファンドについて伺います。
 スタートアップが大きく成長し、世界に羽ばたいていくためには、大規模な資金の獲得が必要不可欠であります。しかし、現状、我が国は、欧米と比較すると、スタートアップの資金調達規模が大きく劣る状況にあるといわれております。
 スタートアップは、千社あれば数社のみが上場まで至るという、いわゆる千三つといわれる厳しい世界であり、だからこそ、行政が一定のリスクを負って、優秀なスタートアップへの大胆な資金提供に取り組むべきであるとも考えております。
 都は、官民連携ファンドを積極的に活用してスタートアップに資金供給を行い、革新的な技術やサービスの実装による社会課題の解決を目指しておりますけれども、特に、民間だけでは手を出しにくい分野を扱うものなので、普通の民間のファンドよりリスクが高いということがいえると思います。
 税金を用いてのファンドであるため、都からの出資に対して損が出ても、ここまでにとどめるという目線を定めておくことでリスクを抑制していくことが非常に重要であると思います。
 そこで伺いますが、官民連携ファンドにおいて、資金面での回収も当然として、社会的意義も重要であると考えますが、ファンドの損益分岐点及び資金面以外での意義について伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは公金を原資とするものであることから、都は、財務的リターンと社会的リターンの両立を目指すインパクト投資家と同じ目線を持ちつつ、少なくとも、都の出資額を上回る資金回収を目指してまいります。
 ファンドのスキームを活用することで、例えば、社会実装までに長い時間と多額の資金を要する脱炭素技術をはじめとしたディープテックなど、民間だけでは取組が進みにくい分野のスタートアップに対し、積極的な投資やサポートにつなげていくことが可能となります。

○両角委員 行政が実施する以上、毀損をしてもよいということにはならないということは理解をいたします。ファンドの毀損が重大な規模となることがないよう、都としても、これまで以上にファンドの運営を慎重に監視するなどの対応をお願いいたします。
 なお、ファンドは、一般的な補助金よりも大規模な資金供給を行うことができ、しかも、渡し切りということではなく、多少の毀損があっても都に資金が戻ってくるという点で、効率的な取組ということもできます。プラスになって戻ってくる場合も、当然あるわけでございます。今後も、都が先頭に立って、リスクマネーの供給を大胆に実行していくという姿勢を示していただきたいと思います。
 さて、ここまでの質疑を通して、三年前につくった戦略の位置づけや、グローバルなユニコーンを育てるための支援や資金供給について確認をすることができました。
 スタートアップ支援は、これからの社会をつくり、東京、日本の経済成長につなげる成長投資であります。必要な予算や人員をかけて取り組むべきでありますし、それぞれの取組を検証してアップデートをしていく必要があります。また、都民に対しても、しっかりとその成果を示していくことが大切でもあります。
 グローバルな関係づくりは一朝一夕でなせるものではなく、スタートアップやエコシステム関係者が世界に飛び出すのは並大抵のことではありません。都の職員の皆さんが直接世界との関係を築き、東京都として信頼を勝ち取り、その手助けとなることが重要であると考えます。これまで築いてきた関係をさらに強固なものに発展させるとともに、さらなる広がりをつくるために、積極的に世界各地に足を運び、東京のエコシステムをPRする取組をしっかり進めていってほしいと考えます。
 今後、スタートアップ戦略の後半戦をどう進めていくのか、しっかりと示していただき、東京、日本の経済を牽引するよう、スタートアップが生まれ育つ東京を実現していただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスタートアップ戦略推進本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩をいたします。
   午後五時五十一分休憩

   午後六時二十分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○住野管理部長 去る九月十八日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は、全部で十項目でございます。
 恐れ入りますが、一ページをご覧ください。1、中央卸売市場における市場別業者数の推移(十年間)についてでございます。
 過去十年間の水産物、青果物、食肉及び花きの市場別の業者数の推移をお示ししております。一ページに卸売業者、二ページに仲卸業者、三ページに売買参加者について、それぞれ記載してございます。
 四ページをご覧ください。2、中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移についてでございます。
 四ページに取引方法別割合の推移、五ページに取扱金額の推移を記載してございます。
 六ページをご覧ください。3、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況についてでございます。
 卸売業者及び仲卸業者につきまして、取扱品目ごとに、業者数とそのうちの赤字業者数を区分して記載してございます。
 七ページをご覧ください。4、中央卸売市場経営強靱化推進事業の事業区分別の補助上限額等の実績の推移についてでございます。
 事業創設の令和四年度から令和六年度までの実績を事業区分別に、補助上限額、補助率、件数、交付確定額を記載してございます。
 八ページをご覧ください。5、旧築地市場勝どき門駐車場ほか解体工事契約の特記仕様書についてでございます。
 こちらのページから八三ページにかけまして、令和三年度に工事契約を締結した際の特記仕様書でございます。
 八四ページをご覧ください。6、仲卸業者の数及び経営状況(二十年間)についてでございます。
 こちらのページから八五ページにかけまして、取扱品目ごとに、仲卸業者の業者数、調査業者数、売上高平均、赤字業者数を区分して記載してございます。
 八六ページをご覧ください。7、各市場における仲卸店舗の使用許可状況(二十年間)についてでございます。
 こちらのページから八九ページにかけまして、過去二十年間の各市場における仲卸店舗の使用許可状況の推移をお示ししております。
 九〇ページをご覧ください。8、生鮮食料品等の全国総流通量に占める全国市場(中央卸売市場・地方卸売市場)、全国中央卸売市場、東京都中央卸売市場の経由量及び割合(十年間)についてでございます。
 こちらのページから九一ページにかけまして、取扱品目ごとに、全国総流通量に占める全国市場、全国中央卸売市場、東京都中央卸売市場の過去十年間の経由量と割合の推移をそれぞれ記載してございます。
 九二ページをご覧ください。9、と畜頭数の推移(二十年間)についてでございます。
 過去二十年間の大動物及び小動物のと畜頭数の推移をお示ししてございます。
 九三ページをご覧ください。10、使用料の改定歴とその決定方法についてでございます。
 こちらのページから九五ページにかけまして、中央卸売市場会計及びと場会計の使用料の改定歴、平成十二年に中央卸売市場会計において使用料改定を行った際の決定方法をお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おぎの委員 都民ファーストの会東京都議団のおぎの稔です。
 中央卸売市場につきまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 都内に十一ある都の中央卸売市場は、それぞれが長い歴史を有し、地域、商圏の生鮮品等安定供給の役割を果たしています。しかし、人口減少や物流構造の変化などにより、卸売市場で取り扱う水産物や青果物などは長期的に減少傾向であり、市場経営は正念場を迎えています。
 こうした状況から、都は、令和四年に東京都中央卸売市場経営計画を策定し、二〇四〇年代の市場の姿を見据えた取組を進めております。
 私は、同計画の期間が来年度末となることから、さきの第三回都議会の一般質問において、次期経営計画の策定に向けた小池知事の取組姿勢を確認し、また、先日行われた令和六年度の公営企業会計決算特別委員会第一分科会において、現計画におけるこれまでの取組と今後の課題について、都の認識をただしました。こうしたことから、本日の事務事業質疑においても、まずは、市場経営の羅針盤である経営計画について伺っていきます。
 まず、次期経営計画の策定に当たり、中央卸売市場についての都の認識を確認します。
 中央卸売市場については様々な意見があり、過去にもこの都議会で議論があったことは承知しております。収支の問題、需要や都民生活の変化の中で、在り方も変わってくることはあるでしょう。最近は、インターネットを通じた取引や生産者と直接取引する事例、自宅に直接商品が届けられる時代ともなり、その変化の影響は市場にも大きく関わってくるところです。
 そうした中で、公共が担う市場がどうあるべきか、最初にそのことについて質問します。
 都は、中央卸売市場の公共性と果たしている役割についてどのような認識を持っているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場は、一定の取引ルールの下、産地から集荷した多様な品物を多数の小売事業者等に迅速販売するとともに、市場取引を通じて、全国の取引における指標となる価格である建値を形成するなどの役割を担っております。
 こうした公共的な役割を担う拠点として、都は、首都圏の中核流通拠点である豊洲市場や大田市場、食肉市場のほか、地域に密着し、近隣の飲食店や専門小売店、学校給食などを主な取引先とする淀橋市場など、計十一の中央卸売市場を設置しております。

○おぎの委員 ただいま答弁にもあったように、中央卸売市場は、単なる取引施設ではなく、一定の取引ルールの下、商品を集め、公正に価格形成するなどの機能を通じて公共性を発揮する、いわば社会インフラであります。その役割を厳しい環境の中にあっても果たしていく必要がありますが、今後、一層、人口減少や流通構造の変化が進み、経営環境が厳しくなることを踏まえると、これまでの取組の延長線ではなく、将来への危機意識を持って取り組むことが重要と考えております。
 都は、現在の経営計画について見直しに向けた議論を、九月八日に開催された第八十六回東京都卸売市場審議会でスタートさせたと聞いております。
 この東京都卸売市場審議会は、学識経験者、消費者団体、市場業界、都議会議員、区長、市長、臨時委員で構成されている審議会です。卸売市場に関わる重要な議題を審議する場であり、ここで議論されたことは非常に重要であると考えておりますが、そこで、第八十六回審議会においては、各委員からどのような意見等が示されたのでしょうか。伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 第八十六回審議会では、経営計画におけるこれまでの進捗や、次期経営計画の策定に向けた都の基本的な考え方を説明し、都の中央卸売市場が直面し、今後向き合うべき課題について、各委員から幅広い意見をいただきました。
 具体的には、外部環境が急激に変化している中、今後も卸売市場が生鮮品等安定供給の役割を果たしていくためには、各市場の最適な機能分担による市場全体の付加価値向上や、AI等の先端技術を活用した取引業務の効率化、さらには財政健全化に向けた取組などに、都はスピード感を持ち、真摯に取り組むべきといった趣旨のご意見がありました。

○おぎの委員 審議会において、各委員からは、将来にわたって卸売市場が役割を果たしていくための視点から、都に対して厳しい意見が寄せられたとのことです。少子高齢化社会の到来など社会構造の大きな変化を前に、多くの委員が卸売市場の将来に危機感を持っているのかと思います。
 どの時代、どのような社会になっても、人が生きること、食べることは切り離すことはできません。生鮮品等を確実に消費者の下に届ける卸売市場を将来にわたって持続させるため、審議会で各委員から示された危機感に基づいた議論を出発点に、実効性ある方向性を打ち出してもらいたいと思います。
 そこで、次期経営計画の策定に向けた都の認識について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 近年、急速に進む人手不足の深刻化や物価高騰によるコスト増加、DX等の最新技術の目まぐるしい進展など、今後の市場経営において対応すべき課題が一層複雑かつ先鋭化しております。
 都はこれまでも、経営計画に基づき、持続可能な市場経営に向けて、市場の活性化や財政健全化などに業界と取り組んできましたが、これら山積する課題への対応を怠れば、生鮮品等流通の基幹インフラとしての卸売市場の存在意義を問われかねない状況になっていると認識してございます。
 こうした強い危機意識の下、将来のあるべき卸売市場の姿を追求し、次期経営計画の策定を進める考えでございます。

○おぎの委員 答弁にもあった危機意識を持って、現在、経営計画に基づいて進めている具体的な取組については、その進捗をさらに加速させていくことが重要であり、次期経営計画の具体化についても、スピード感を持って議論を深めてもらいたいと考えております。
 続いて、今、答弁でもございましたが、次期経営計画を今後どのように策定していくのか、進め方について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 次期経営計画の策定に当たりましては、卸売市場審議会の下に、生鮮品等流通の分野における知見を有する学識経験者五名で構成する計画部会を設置し、機動的かつ専門的に議論していくこととしております。
 計画部会では、さきの審議会での各委員の指摘を十分踏まえ、具体的なテーマを設定した上で、今後の施策の在り方について方向性を議論してまいります。
 検討過程や検討内容につきましては、適宜、審議会で報告し、業界関係者を含む各委員から幅広いご意見をいただきながら、次期経営計画の策定につなげてまいります。

○おぎの委員 中央卸売市場は、単なる取引施設ではなく、都民の食と暮らしを守る公共インフラでございます。都には、こうした公共的使命を将来にわたって果たすため、明確なビジョンの下、現場と共に持続可能な市場経営を築いていくことを強く求めます。
 次に、この市場経営を支える財政基盤について伺ってまいります。
 私は、先日の公営企業会計決算特別委員会の質疑を通じて、市場会計の現状や経営上の課題を明らかにし、詳細な分析や事業環境の把握を行うことが必要だと考えました。
 昨年度は、市場会計の状況や都の経営改善の取組等をまとめた経営レポートの公表や、このレポートを活用した市場業界との意見交換の実施など、経営改善に向けた新たな取組を実施したとのことでありました。取組は進んでいるとのことでしたが、経営改善には不断の取組が必要であります。
 そこで、現在の経営改善の取組状況について伺います。

○高橋財政調整担当部長 本年五月に、業界との意見交換時に出された意見を踏まえ、管理費の詳細分析や他都市の中央卸売市場との経費比較など、内容を充実させた東京都中央卸売市場会計経営レポートを、昨年度に引き続き作成、公表しました。
 また、本レポートを活用し、全十一市場で業界との意見交換を行い、管理費の削減や施設の有効活用等の収支改善の取組に加え、施設の適正利用など、市場運営について幅広く課題認識の共有を図りました。
 さらに、公募等を通じた未利用施設の利活用など、収入確保の取組を進めるとともに、市場ごとの費用分析を踏まえ、各市場のLED化推進による電気料金の削減など、市場管理に係る経費等の縮減に努めております。

○おぎの委員 経営改善に向けて、局が経営レポートや市場業界との意見交換などの取組をさらに進めているとともに、費用縮減、収入確保に取り組んでいることが確認できました。
 今後、卸売市場を取り巻く環境が変化していく中、市場業界が各市場の特性を生かす取組を進めるため、市場別の収支構造も含め、市場会計の現状や課題をしっかりと分析してほしいと思います。
 市場別の収支構造については、我が会派でも質疑を重ねてまいりました。複数市場にまたがる予算もあり、単一市場での予算感を出すことは難しい部分もあると思いますが、都が市場別に分析を行い、経営改善に向けて取り組んでいくことが確認できたことは評価いたします。
 一方で、市場会計の厳しさを踏まえると、現状にとどまらず、一歩進んだ経営改善の取組を行うことが必要だと考えております。
 そこで、さらなる経営改善に向け、どのように取り組んでいくのか、伺います。

○高橋財政調整担当部長 将来にわたり中央卸売市場を安定的に運営していくためには、強固で弾力的な財務基盤の確保が不可欠でございます。そのために、都はこれまで、収入確保や経費削減の取組を進めてきました。
 その上で、今年度、業界との間で、市場業者の稼ぐ力の強化にもつながる市場の活性化と併せ、使用料の在り方についても議論に着手しました。
 今後、使用料の在り方全般について、業界と連携し課題の明確化を進めるなど、具体的に取り組んでまいります。

○おぎの委員 これまでの取組に加え、使用料の在り方について議論に着手したことは一定の評価をしますが、今後が大事であります。市場業界の意見も聞きながら、しっかりと検討を進めていってほしいと要望いたします。
 一方で、使用料という市場業者の負担に関する議論を行うに当たっては、局自らの、できることは何でもやるという姿勢が必要だと考えております。局には、こうした視点を持って経営改善の取組を一層進めていただくことを要望いたします。
 最後に、私の地元にある大田市場について質問いたします。
 大田市場は、都だけではなく、全国の生鮮品等流通を支えている中核市場ですが、特に青果物は全国の産地から荷物が集中して集まるため、場内の狭隘化が大きな課題になっています。
 先月の公営企業会計決算特別委員会の分科会において、大田市場における狭隘化対策について昨年度の取組状況を質疑し、既に、都は、業界と連携して物流の効率化などに取り組んでいることを確認いたしました。
 そこでまず、DXなどを用いた物流効率化の取組について、現在の取組状況を確認してまいります。
 昨年度、都では、大田市場に入退場する車両のナンバープレートをカメラで撮影して、画像解析技術で場内滞留時間等を分析する実証実験を行ったとのことです。業界からは、実証により有益な情報が得られたという声があったと聞いており、昨年度の実証を踏まえて、画像解析技術の実用化に向けた取組を進めていくべきだと考えます。
 そこで、昨年度の実証実験においてどのような課題等があることを確認したのか、また、今年度は本格導入に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 特定の時間に車両が集中する大田市場の入退場管理につきましては、従来のカメラではナンバープレートの識別による車両の特定が困難な状況であることや、AIによる画像認証機能を備えた最新鋭のカメラを設置することが効果的であることが確認されました。
 今年度は、実用化に向けて、カメラの設置方法、撮影方法等、大田市場の特性に合わせた最適な導入方法を詳細に検討しております。

○おぎの委員 昨年度の実証実験で浮き彫りになった課題を踏まえて、早期の実用化に向けて、引き続き取組を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、業界による物流効率化の取組を後押しするためのWi-Fi環境の整備について伺います。
 都は、大田市場において物流効率化を推進するために、業界が開発した、市場関係者が荷物の引取り場所をオンラインで確認する荷置場案内システム等の通信基盤として、Wi-Fi整備を段階的に進めているところであります。場内混雑を緩和する観点からも、より多くの市場関係者がこのシステムを活用できるよう環境整備が必要であり、早期に整備エリアを拡大することを要望いたします。
 そこで、Wi-Fiを早期に整備するためにどのような工夫をしているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 荷置場案内システムの効果的な運用をより早期に実現するため、まずは荷物の積込み場周辺から優先的にWi-Fi整備をするなど、場内物流の改善に有効なエリアから段階的に取り組んでおります。
 さらに、トラックドライバーを含む幅広い市場関係者が荷置場案内システムを活用できるよう、外周道路などの屋外にもWi-Fiを整備する必要があり、そのための電源設備工事を迅速に進めるため、市場業務への支障や安全性に配慮しながら、地中埋設ではなく地上に敷設するなどの工夫を行い、整備期間の短縮に努めております。

○おぎの委員 画像解析技術の活用もWi-Fiの整備も、どちらの取組も着実に進められていることが確認できました。
 しかし、狭隘化対策にもつながる、こうした物流効率化の取組は着手したばかりであり、業界の荷さばき等のスペースが場内に確保できず商売を拡大できないといった声には、まだ十分に応えられていないと考えています。
 分科会の質疑も踏まえ、先日、大田市場を視察いたしましたが、これまで解体工事を進めていた市場会館の工事が今年二月に終了いたしました。その跡地は、今後、活用可能な貴重な用地となるのではないかと考えています。
 こうした動きも踏まえ、大田市場が将来にわたって中核的な役割を果たしていけるよう、業界と意見交換をしながら、さらなる狭隘化対策を検討するべきであると考えております。
 そこで、大田市場における狭隘化対策の現状と今後の取組について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 これまで大田市場では、狭隘化した場内を効率的に利用する観点で、業界と都が連携しながら、北口立体荷さばき場の整備や卸売場の一部二層化などに取り組んできました。
 その後も大田市場への荷の集中が加速している状況にあり、依然として課題である場内の狭隘化、搬入車両の過密化を抜本的に解決するための取組として、今年度、市場関係者と協議するための検討会を新たに設置いたします。
 本検討会におきましては、場内交通ルールの強化など場内物流の改善に向けた具体的な方策を加速させることに加えて、市場会館跡地の利活用など中長期的な場内利用の最適化についても議論をしていきます。
 これらを通じて、大田市場が今後も首都圏における中核拠点市場としての役割をしっかり果たすことができるよう取り組んでまいります。

○おぎの委員 大田市場のさらなる活性化に向けては、より一層、狭隘化対策に取り組むことが不可欠であり、現場の実態を踏まえながら、業界と共に実効性のある方策を推進してもらいたいと考えています。
 本日は、質疑を通じて、中央卸売市場が都民の食と暮らしを支える公共インフラであることを改めて確認し、都の市場経営に対する姿勢を確認する観点から、経営計画とそれを支える市場会計を中心に質問を行わせていただきました。
 近年の外部環境の急激な変化により卸売市場を取り巻く環境が一層厳しさを増す中、変化に柔軟に対応しなければ、生鮮品等の安定供給が滞るおそれがあります。このような状況も踏まえて、大田市場が果たしている中核的な役割にも目を向けてもらい、より一層、課題解決に向けた取組を進めてもらいたいと考えています。
 生鮮品等の流通の基幹インフラとして持続可能な市場経営を実現するため、次期経営計画の策定に当たり、都が示した危機意識を関係者とも共有し、現場に根差した実効性ある施策展開を進めるとともに、市場会計の健全化に向けた取組を都自ら率先して推進することを強く求めまして、質疑を終えます。

○もり委員 私からも、市場会計について質問させていただきます。
 築地市場は二〇一八年十月六日に閉場し、十月十一日に豊洲市場が開場、その後、都庁内での築地市場の所管は、中央卸売市場から財務局に移管されることになりました。
 築地市場用地の価格は、二〇一一年二月時点では、市場問題プロジェクトチーム第一次報告書素案によれば三千五百億円、二〇一七年六月の環状二号線用地を除く二十・七万ヘクタールの価格評価額は、市場のあり方戦略本部提出資料では四千七百九十六億円と変容しながら、二〇一八年十二月のそれは、地価上昇があったとして五千六百二十三億円になっていました。
 二〇一九年二月の都議会において、都は、五千六百二十三億円で有償所管替えをすること、ただし、築地市場の土壌汚染対策百億円、文化財対策百億円の合計二百億円を保留するとして、中央卸売市場会計の補正五千六百二十三億円、一般会計の補正五千四百二十三億円の補正予算を提出し、紛糾した議論の末、都議会は可決をいたしました。
 その後、都市整備局の「築地地区のまちづくりについて ファクトシート・よくある質問」の中によれば、埋蔵文化財本掘調査や土壌汚染対策、存置物撤去費に、今後、本事業で必要となる概算費用は一千四百五十億円と試算していますとなっています。
 予算二百億円が、現在、一千四百五十億円の試算となっておりますが、その額が確定するのはいつ頃と聞いているのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 埋蔵文化財の調査等は、数年にわたって行われる予定と聞いております。
 都としては、今後の調査状況や地下埋設物の撤去状況等を踏まえ、段階に応じて適宜適切に金額を精査してまいります。

○もり委員 ただいまご答弁をいただきましたが、数年ということは、今年が二〇二五年ですので二〇三〇年までかかるということなのか、今のご答弁について、この数年という認識について確認をさせてください。

○高橋財政調整担当部長 現段階では、数年にわたって行われる予定と聞いております。

○もり委員 土壌汚染、埋蔵文化財対策費用が千四百五十億円の場合、二百億円は財務局が、一千二百五十億円は中央卸売市場が支払うことになるのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 旧築地市場跡地の有償所管替えに際して、中央卸売市場と財務局及び都市整備局との間で締結した覚書では、土壌汚染対策費用等は市場会計が負担することとされております。
 なお、一般会計に留保された二百億円については、覚書で支払い方法が規定されており、今後、詳細について調整してまいります。

○もり委員 今ご答弁いただきました覚書では、どのように支払い方法が選定をされたのか、改めて伺いたいと思います。
 当初二百億円と見込まれていた経費が、所管替えした財務局でもない都市整備局によって千四百五十億円と試算され、請求書だけが中央卸売市場に回ってくることについて、中央卸売市場としてどう考えているのか、見解を伺います。

○高橋財政調整担当部長 土壌汚染対策費用等については、有償所管替えに際して締結した覚書の規定に基づき市場会計が負担することとされており、中央卸売市場としては、その積算根拠などについて技術的な観点から確認し、都市整備局と共に、事業者と調整しながら一定の精査をしたところでございます。

○もり委員 ただいまのご答弁について伺いたいのですけれども、都市整備局と共に、事業者と調整しながら精査を行ったということで、この質問の前段として、事業者とは、築地まちづくり株式会社の構成員である三井不動産株式会社、鹿島建設等であったことは確認を個別にさせていただきました。
 ただ、積算根拠について査定を行ったのは、実際に調査を行っている東京都埋蔵文化財センターや株式会社ノガミのことなのか。また、市場としての金額の精査というのは、市場の職員が行われたのか、それとも外部の専門家に依頼をして行ったのか。
 それについて、ただいまいただいた答弁について、確認のため伺わせてください。

○高橋財政調整担当部長 その積算根拠につきましては、都市整備局と共に、我々職員も含めまして、一定の精査をしたところでございます。

○もり委員 土壌汚染対策と埋蔵文化財対策とは、作業を委託する会社、団体が異なり、それぞれにかかる費用は計算できるはずですが、千四百五十億円の、土壌汚染対策費用と埋蔵文化財対策費用はそれぞれ幾らか、積算の根拠、内訳はどのようになっているのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 概算費用の内訳は、土壌汚染対策費が約五百三十億円、埋蔵文化財発掘調査費が約二百九十億円、地下埋設物撤去費が約六百三十億円となっており、まちづくりの建設計画に合わせ、必要な工事範囲や対策を踏まえ、現時点での労務や資材の単価を用いて算出されております。

○もり委員 豊洲市場約四十・七ヘクタールの土壌汚染は、築地市場の用地より深刻かつ重大で、費用は八百六十億円程度でありましたが、築地市場約十九ヘクタールの土壌汚染対策費が豊洲市場の土壌汚染対策費より高くなるのか、その理由についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 概算費用のうち土壌汚染対策費は約五百三十億円となっております。

○もり委員 ただいま費用についてご答弁いただいたのですけれども、高くなる理由について、一ヘクタール当たりに換算をすると、豊洲市場で無害化のために土壌を搬出するなどして行った土壌汚染対策費は、一ヘクタール当たり約二十一億円、築地市場においては二十七・九億円です。
 土壌汚染の程度は築地市場の方が軽微なのに、築地市場の方が一ヘクタール当たりの単価が高いというのは、物価上昇などの要因もあると思いますが、どのような要因があるのか、市場として精査を行ったのか。
 こちらも、ただいまいただいた答弁について伺わせてください。

○高橋財政調整担当部長 概算費用につきましては、まちづくりの建設計画に合わせ、必要な工事範囲や対策を踏まえ、現時点での労務や資材の単価を用いて算出したものでございます。

○もり委員 中央卸売市場の収益的収支を見ると、豊洲市場開場前の二〇一六年度、三十二億九百五十三万五千六百三十一円の純損失、二〇一七年度、七十七億四千百六十三万六千六百五十一円の純損失でした。年度途中に豊洲市場への移転があった二〇一八年度は、有償所管替えが行われたこともあって四千六百二十八億七千八百七十八万七千九百円の純利益でした。しかし、営業収益と営業費用のバランスは、百二十五億八千百十一万三千八百四十五円の営業損失でした。
 豊洲市場移転後では、二〇一九年度、二百五十六億八千九百六十一万千四百九十九円の純利益でしたが、二〇二〇年度、百十億一千三百七十四万七百九十三円の純損失、二〇二一年度、百十六億四千百六十四万三千百九十一円の純損失、二〇二二年度は百九十億二千五百九十三万八千六百八十四円の純損失、二〇二三年度が百五十一億六千三百七十二万二千二百四十五円の純損失、二〇二四年度が百八十七億九千九百六十九万千六百九十六円の純損失となっています。
 二〇一九年度の決算は特別の要因があったと考えますが、二百五十六億八千九百六十一万千四百九十九円の純利益があった理由についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 令和元年度決算では、旧築地市場跡地における環状二号線の本線用地の有償所管替えに伴う土地の簿価以外の収入等として、特別利益を約四百六十四億円計上しております。

○もり委員 ただいまのご答弁により、市場会計が黒字になるのは有償所管替えのあるときであるということを確認させていただきました。
 令和五年度決算では、資本金の処分後残高が五千七百十三億九千百二十万七千二百四十七円、流動資産としての預金額が五千二百四十六億二千九百六十八万円余となっておりますが、仮に中央卸売市場が千二百五十億円支払うと、預金額が一気に約四千億円に減少します。
 中央卸売市場は、年間百十億円から百九十億円の純損失を出しており、中央卸売市場の純損失を毎年度、百五十億円として計算し、それを預金額で賄うと計算すると、二十七年で枯渇をしてしまいます。
 本業収支である営業収支の黒字化に向けて、いつそれを実現するのか、目標年次があるのかどうか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 令和四年三月に策定した東京都中央卸売市場経営計画において、遅くとも二〇四〇年代に経常収支の黒字化を目指すとしております。

○もり委員 二〇四〇年代といえば二〇四九年までですから、あと二十四年は赤字が続くということになるのか。それも目指し目標ということですから、政府のプライマリーバランスの達成年次のような目標にも聞こえますが、本業収支の黒字化は、ぜひ達成をしていただきたいと思います。
 そこで、本業収支である営業収支の黒字化に向けた行動計画を立てているのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 都は、計画的視点に立って、経営状況等の分析やコスト削減等、経営改善策を実施しております。

○もり委員 二〇四〇年代黒字化目標を達成するためには、二〇三〇年目標、三五年目標というように、中間目標を置いて達成状況を検証することも有効だと思います。このような計画的視点に立った中間目標の設定を要望いたします。
 中央卸売市場として、営業収支を黒字化するためにどのような努力をしているのか、また、その努力によって黒字化することが可能なのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 都は、経常収支の黒字化に向けて、未利用施設の利活用等による収入確保や、電気料金の削減など市場管理に係る経費等の削減に努めております。
 また、市場業界との課題認識の共有等を図るため、東京都中央卸売市場会計経営レポートの作成、公表や市場業界との意見交換等に取り組み、使用料の在り方についても議論に着手いたしました。

○もり委員 承認されている令和五年度決算では、資本金の処分後残高が約五千七百十四億円、流動資産としての預金額が約五千二百四十六億円となっていますが、仮に中央卸売市場が千二百五十億円支払うと、預金額が一気に四千億円まで減少する計算になります。
 中央卸売市場は、先ほども申し上げましたが、年間百十億円から百九十億円の純損失を出しているということで、仮の計算ですが、中央卸売市場の純損失を毎年百五十億円とした場合、十年で一千五百億円、二十年で三千億、また、二十五年後の二〇五〇年には三千九百五十億円の赤字が出る計算になります。
 こういった預金を使い切ったところで経常収支を黒字化する年次目標が二〇四〇年代というのは、こういう計画で設定をされたように見えますが、年次目標を二〇四〇年代に置いている理由についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 令和四年三月に策定しました東京都中央卸売市場経営計画におきまして、二〇四〇年代に目指すとしております。

○もり委員 ぜひ都民にも分かるようなご説明をいただきたいと、こちらは要望をいたします。
 駐車場の使用料について伺います。
 中央卸売市場の使用料は、条例では低い価格に抑えられていますが、東京都と実際に使用する卸売人や買参人の方々との間に中間団体が入っているために、実際に仲卸や買参人の方々が支払う駐車場などの使用料は極めて高い値段になっています。
 都は、その実態を把握しているのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 都は、車両置場の管理運営業務を行う卸売業者や仲卸業者など市場業者で構成された公共的性格を有する団体に対し、施設の使用許可を行っております。
 使用許可を受けた団体は、都に納付する車両置場使用料を含め、徴収業務に係る費用や光熱水費等の施設費用など、車両置場の管理運営に必要な実費を利用者から料金として徴収しております。
 都は、当該団体が車両置場として施設を適正に管理運営しているかどうかを把握するため、毎年、収支状況や車両置場の利用状況等について報告を受け、その内容を確認しております。

○もり委員 こちらは以前も指摘をさせていただいたのですけれども、東京都中央卸売市場条例施行規則では、食肉市場以外の市場の車両置場使用料、端的にいうと駐車場料金が、一月一平方メートルにつき四百三十円。ただし、売買参加者及び買い出し人の自動車が主として駐車するものは二百五十円となっています。
 これが都に納付する金額の基本単価となっていると思いますが、それ以外の、使用許可を受けた団体が仲卸業者などの利用者から徴収する金額は、一月一平方当たり幾らになるのか。これは、手元に、もし資料があればでいいのですけれども、教えていただきたいと思います。なければ、後ほどで結構です。−−はい。
 また、中間団体をなくして、仲卸や買参人の方々が条例に定めた使用料だけを支払うようにすれば、仲卸業者らの業績が上がり、営業収支も改善するのではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○高橋財政調整担当部長 使用許可を受けた団体が利用者から料金として徴収しているものは、都に納付する車両置場使用料を含め、徴収業務に係る費用や光熱水費等の施設費用など、車両置場の管理運営に必要な実費を加えたものであると承知しております。

○もり委員 車両置場の管理運営に必要な実費だけなら、都が直接管理しても料金は変わらないということになりますが、この使用許可を受けた団体の実費には団体の営業利益も入っているのか、ただいまの答弁について確認をさせていただきます。

○高橋財政調整担当部長 東京都中央卸売市場条例では、卸売業者、仲卸業者及び関連事業者、特に必要であると認めるときは売買参加者及び買い出し人の団体等に対して市場施設の使用を許可することができると規定されており、この規定に基づきまして、車両置場の利用者相互間の調整を図り、公正かつ効率的な運用確保ができる市場内の公共的性格を有する団体に限って使用許可をしていることになっております。

○もり委員 中間団体が入っていることにより高くなっているというような現場の声も聞かれますので、ぜひ都として、しっかりとその辺りも管理をしていただくように要望をいたします。
 最近の建物では、間仕切りを動かせるようにして、部屋数を柔軟に設定できるようにしています。
 今後、豊洲市場以外の中央卸売市場を改修、改築するに当たって、そのような設計をして、仲卸業者の改築の増減、場所の移動に柔軟に対応できるように諸法令を適用するべきだと考えますが、都の見解についてお伺いをいたします。

○中井環境改善担当部長 建物改築の際には、経営計画で既に示したとおり、将来の環境変化に対応できるよう、建物の構造体は都が整備いたしまして、内部の設備等は市場業者が必要とする機能等に合わせて整備するスケルトンインフィルの考えに基づき進めることとしております。

○もり委員 ぜひ、間仕切りの壁の撤去や増設が容易な、市場業者に寄り添った対応を行っていただくように、今後の改築計画の中に要望いたします。
 中央卸売市場の持続可能性についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 中央卸売市場が将来にわたって都民生活を支える重要な役割を果たしていけるよう、東京都中央卸売市場経営計画を策定し、取り組んでいるところでございます。

○もり委員 過去に遡ってみますと、市場問題プロジェクトチーム第一次報告書によりますと、中央卸売市場の財政収支は、一九八四年の旧江東市場の土地売却があった一九八四年度を除き、一九七一年度から一九八七年度まで赤字が続きました。一九八八年度に旧神田市場の跡地売却により、一九八八年度から一九九四年度まで黒字となりましたが、営業費用の増加と受取利息の低下などにより、一九九五年度に再び赤字となり、それ以降、赤字幅が拡大しています。
 市場財政の健全化の努力がなされていると考えますが、一貫して赤字であることから、抜本的な体質の転換が必要です。
 一九八八年度の神田市場跡地約二万七千平方メートルの有償所管替えの際には、約三千七百億円を一九八八年度から一九九二年度までの五年間で分割し、財務局から中央卸売市場に支払われておりますが、それが一九九四年度までのたった七年しかもたず、一九九五年度には中央卸売市場の財政収支が再び赤字になった理由は何か、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 受取利息の低下等が主な要因でございます。

○もり委員 東京都は、二〇〇二年一月末に秋葉原再開発計画の事業提案コンペを実施、それに応募したのは、鹿島建設を中心とするNTT都市開発、ダイビルなどのUDXグループだけでした。財務局は、二〇〇二年に、有償所管替えされた神田市場跡地のうち約一万六千平方メートルを四百億円でUDXグループに売却をしています。
 当時の土地バブル対策として、大蔵省が土地関連融資の抑制について、いわゆる総量規制を通達し、日銀も引締めに動き、二・五%だった公定歩合は六%台まで引き上げるなどの政策を取っていたことは事実ですが、神田市場の一平方メートル当たりの価格は、UDXグループへは約二百五十万円、中央卸売市場へは千三百七十万円という価格の設定は適正だったのか、お伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 ご質問の内容につきましては、中央卸売市場としてお答えする立場にはございません。

○もり委員 一九八八年という神田市場廃止のタイミング、また、二〇〇二年の秋葉原再開発のタイミングの判断が適切でなかったことによって、都民の税金が無駄遣いされたのではないかと考えますが、都の見解についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 繰り返しになりますが、中央卸売市場としてお答えする立場にはございません。

○もり委員 中央卸売市場は、本業収支である営業収支を黒字化する目途が立っていない中で、毎年百十億円もの営業収支の赤字が生じ、お金がなくなると中央卸売市場を廃止し、財務局に有償所管替えをしており、結局、都民の税金をつぎ込んで経営をしてきたというのが実態ではないでしょうか。それを許してきたことが問題であると考えます。
 しかし、中央卸売市場の用地は、中央卸売市場の責で購入した土地であれば別ですが、もともと都の土地、都民の土地であり、恒常的な赤字経営を埋め合わせるために用立てるものではないと考えます。
 都は、中央卸売市場の財産は行政財産として市場に使用しているものであり、市場として使わなくなった時点で有償所管替えをするのではなく、都民のために活用することを明確にし、経営に当たるべきだと考えますが、見解についてお伺いをいたします。

○高橋財政調整担当部長 計画的な財政運営を行っているところでございます。

○もり委員 次に、中央卸売市場が果たしている都民の台所の役割について伺います。
 豊洲市場は都民の台所といいますが、都民以外の台所も潤し、また輸入にも力を入れております。
 毎年度、営業収支の赤字を出しておりますが、東京都が中央卸売市場を維持するに当たって、中央卸売市場で扱っている食品のうち、都民の台所としての役割はどのくらいあるのか、また輸入関係はどのくらいあるのか、お伺いをいたします。

○飯野事業部長 都は、中央卸売市場から搬出される生鮮食料品等について、地域別の搬出量等の流通実態を把握するため市場流通推計調査を実施しております。
 令和二年三月に発行された直近の調査報告書によれば、品目によって異なりますが、都内への搬出量の割合は五割から六割、千葉県、埼玉県、神奈川県も含めた割合は八割から九割となっております。
 また、海外への搬出量の割合は、水産物で一・二%、青果物で〇・一%となっており、畜産物については計上されておりません。

○もり委員 都民の台所の実態は五割から六割、また、千葉、埼玉、神奈川を含めると八割から九割という数字で、東京都の中央卸売市場は、都民だけではなく、首都圏の台所として機能していることが分かります。
 食料品の通販を含め市場外流通もありますが、飲食店を含む都民の食料品調達において、中央卸売市場の役割がどれくらいあるのか、お伺いをいたします。

○飯野事業部長 農林水産省が公表している卸売市場データ集によれば、令和四年の卸売市場経由率は、青果で五〇・五%、水産物で四三・二%、食肉で八・二%となっております。また、国産青果物の卸売市場経由率は七二・四%となっております。

○もり委員 中央卸売市場を卸売事業者、仲卸業者、買参人などの方々が利用していますが、税金で運営されている中央卸売市場を利用している業者の方々の経営や資本関係についての国籍を把握しているのか、お伺いをいたします。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、買占め等の不公正な取引を禁止するとともに、卸売業者や仲卸業者等に対して事業報告書の提出を義務づけており、その中で、主要株主や親会社等について報告を求めております。
 取引の規制は、資本関係を問わず適用されることから、主要株主や親会社等の国籍などについての報告は求めておりません。

○もり委員 報告は求めていないとのことですが、食料安全保障ということが大きな課題となっています。都民の台所であり、また首都圏の台所を担っており、また、建値を決める役割ですとか基幹インフラである中央卸売市場の企業が外資本に牛耳られないようにすることが重要であると考えます。
 火葬料金の高騰問題しかり、国籍の要件についての必要性について、認識を持って取り組んでいただきたいと要望いたします。
 中央卸売市場は、都の組織である中央卸売市場が管理運営しておりますが、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の改正によって、中央卸売市場は認定制になっています。
 中央卸売市場の認定の要件に経常収支の黒字化は入っているのか、健全経営は入っているのか、お伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場法の第四条に規定する中央卸売市場の認定基準には、ご質問の要件は入っておりません。

○もり委員 生鮮食料品の約半分は場外流通であり、中央卸売市場こそ黒字化し、民間が自律的に運営するべきではないかとの声が聞かれます。
 都は、それに向けた検討を行う考えがあるのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場は、都民の消費生活を支える生鮮品等供給の基幹インフラとしての役割を担っており、今後もこれを続けていくことが重要であると考えております。

○もり委員 次に、食品ロス問題について伺います。
 都内の市場で、仕分などで除外され、流通できない食品ロスとなる食品がどのぐらい発生をしているのか、お伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場では、荷傷みや商品の小分け等により野菜くずが廃棄物として発生しており、令和六年度実績として約七百二十トンがリサイクルされております。

○もり委員 ただいま七百二十トンがリサイクルをされているとご答弁をいただきました。
 廃棄物がどのようにリサイクルをされているのか、これは飼料なのか、リサイクルの内訳について、もしお分かりであればお答えください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 商品のリサイクルでございますけれども、排出事業者の方で取り扱うことになっておりますので、排出事業者の方でそれは決めていくということになります。

○もり委員 尼崎市では、卸売市場で仕分によって生じた店頭に並べることができない食材を、市場の中に流通できなかったものを置く場所があるそうで、自治体を通じて子供食堂につなぐ事業、子供たちの食品の支援を行っていると伺いました。
 ぜひ都としても、市場の食品ロスを子供食堂等につなぐことができればと考えます。都の見解についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場まつりの際の東京都ブースにおきまして、環境局が作成した普及啓発に向けた小冊子を配布するなど、多くの市場関係者や消費者等が集まる機会を通じた取組を行っております。

○もり委員 普及啓発活動は大変重要だと考えますが、お伺いしたかったのは、やはり東京都の中央卸売市場では、売り物として、仕分などによって食べられるのに売ることができない食材について、これを子供食堂の支援につなげられないか、このことは以前も指摘をさせていただきました。ぜひ前向きに検討いただきたいと、こちらは要望をさせていただきます。
 地元大田市場は、花きも含めると日本最大の物流量となります。
 国際空港の玄関口の市場として、年間どのくらいの一般利用があるのか、お伺いをいたします。

○住野管理部長 令和六年度に大田市場を訪れていただきました見学者の数は、年間約一万一千人でございます。

○もり委員 ここから近いという立地もあり、観光の視点からも、大田市場前の都有地に場外市場を開放してほしいとの声も聞かれます。
 都の見解についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 大田市場前の都有地に関しましては、市場外でございまして、お答えはできません。

○もり委員 地元大田区では、大田市場、城南島等も含めた臨海部の交通アクセスの強化と、大田市場前の都有地にフィッシャーマンズワーフのような場外市場の設置を望む声が長年聞かれております。ぜひ局を超えて区市町村とも連携をしながら、市場の活性化に取り組んでいただきたいと要望いたします。
 本日は、経営改善について大変厳しい指摘もいたしましたが、これは、市場が将来にわたって都民の食の安全を守る、また、建値を設定する役割ですとか公共インフラとしての役割を果たすためには、中間目標等を設定し、目標の進捗管理を行うことで、持続可能な経営に向けて一層取り組んでいただきたい、このことを要望し、質問を終わります。

○山崎委員 私からは、築地から豊洲への移転という大事業に関わった者として、その経緯を振り返った上で、現在、そして将来にわたる卸売市場をめぐる大局的な視点から、市場当局に質問を始めさせていただきたいと思います。
 私は、都議会議員として、今まで十回、十年以上、この経済・港湾委員会や市場の特別委員会、そういったものに所属をして、卸売市場、特に、当時その是非をめぐり大きく意見が分かれていた築地市場の豊洲への移転問題に関わることになりました。
 何度も築地に足を運び、市場業界の皆さんの意見を聞き、膝詰めで議論をし、どうすれば市場で働く皆さんが元気に商売を続けることができるか、いわゆる築地ブランドをいかに次世代に伝承することができるか、時にはけんけんがくがくの議論をしてきたことを、今でも昨日のことのように思い出します。そこで得た結論は、いうまでもなく、豊洲市場への一刻も早く移転をするというものでありました。
 その後の経緯については、この場で申し上げるまでもなく、また、皆様ご存じのところもあると思うので、詳細は差し控えます。
 しかし、平成三十年十月十一日の開場に至るまでには、市場関係者の皆様をはじめ、東京都、そして地元区、そして当時の都議会の皆様の並々ならぬ努力、協力があったことだけは申し上げておきたいと思います。
 豊洲市場が開場して、はや七年がたちました。築地市場は、かつてそこで苦楽を共にした方々の記憶の中での存在になりつつあります。
 しかし、最近、築地は別の意味でスポットライトを集め始めています。ここ数か月、築地市場跡地の再開発が動き出しているからです。久しぶりに築地の名を聞くにつれ、今後進められていく再開発の絵姿を期待を持って見守っております。
 それだけでなく、当時、連日連夜、豊洲市場への移転問題に取り組んできた記憶がよみがえってくるものです。その理由は、最後に改めて申し上げたいと思いますが、まずは、当時の記憶をひもときつつ、東京の卸売市場が将来に向けて抱えている課題について確認をしていきたいと思います。
 先日発表されたところによると、築地市場跡地の開発事業者である三井不動産の基本計画では、そのコンセプトを実現するために工夫を凝らした計画が描かれていますが、その基盤となる土壌汚染対策等に要する経費として、先ほどもお話がありましたが、約一千四百五十億円かかるとされております。
 その費用は東京都から支出されることとされていたと記憶をしておりますが、そこでまず、土壌汚染対策等の費用について、当時、関係者間で結ばれた協定について伺いたいと思います。

○高橋財政調整担当部長 旧築地市場跡地の有償所管替えに際して、平成三十一年三月に、中央卸売市場と財務局及び都市整備局との間で覚書を締結しております。
 その規定に基づきまして、土壌汚染対策費用等については、実際の費用を、土地を引き渡した側である市場会計が負担することとなっております。

○山崎委員 さらに事実を確認していきますが、当時、土壌汚染対策等の費用は幾らぐらい見込まれておりましたか。

○高橋財政調整担当部長 旧築地市場跡地の有償所管替えの際の価格約五千六百二十三億円から、土地処分に際して一般的に考慮すべき費用相当の金額として二百億円が留保されております。
 土壌汚染対策費は土壌汚染対策に係るガイドライン等に示された単価を基に、また、埋蔵文化財発掘調査費は過去の近隣地区の土地区画整理時の単価を基にして、それぞれ対象となる規模を考慮して算定し、概数として各百億円を計上したものでございます。

○山崎委員 今、当時の想定と比べて、かなり額が増えてしまったわけであります。
 どのような理由で費用が増額したのか、その内容を教えていただきたいと思います。

○高橋財政調整担当部長 今回の概算費用は、事業者が提案したまちづくりの建設計画に合わせ、必要となる工事範囲や対策を踏まえ、現時点の労務単価、資材単価を用いて算出したものであり、費用の内訳は、土壌汚染対策費が約五百三十億円、埋蔵文化財発掘調査費が約二百九十億円、地下埋設物撤去費が約六百三十億円となっております。
 費用が増額したのは、地下埋設物撤去費が計上されたことに加え、処分する汚染土量の増加や埋蔵文化財調査の調査費単価の上昇といった要因によるものでございます。

○山崎委員 当時では予測できなかった規模の増加や単価の上昇など、様々な要因が重なっているものだという説明だったと思います。
 これだけの費用増でありますから、市場当局と都市整備局、さらには開発事業者である三井不動産との間で様々なやり取りもあったと思います。
 そこで、一千四百五十億円の費用だと分かるまでの間、市場当局はどのように関与をしてきたのか、教えていただきたいと思います。

○高橋財政調整担当部長 土壌汚染対策費用等の概算費用については市場会計で負担するものであることから、中央卸売市場も、都市整備局と共に、その内容について一定の精査をしたところでございます。
 具体的には、土壌汚染対策工事等の施工計画や積算根拠などについて、その内容を確認した上で、技術的な観点から検証、精査し、都市整備局や事業者との協議、調整を行ってまいりました。

○山崎委員 私がこの件にこだわるのは、何よりその額が非常に大きいからであります。市場会計の運営に関する経費は、例年約四百億円強であります。それから見ても、一千四百五十億円という数字のインパクトは小さくありません。
 もちろん、施設整備のための企業債が今後発行されるようなので、キャッシュ・フロー上は、当面の危機は回避はできると思います。これは、第三回定例会の我が党の代表質問にも、市場長がしっかりとお答えをいただいた件であります。
 しかし、同時に、市場は、老朽化対策はもちろん、将来に備えた設備投資など、様々な形での資金需要があります。
 築地の跡地の土壌汚染対策費の経費が二百億円程度で済んだのであれば、もっと十一の基幹市場、十一の市場の投資ができるのにという考えが浮かんできても不思議ではないと思います。しかし、そうとばかりいっていても仕方ないわけで、前を向いた質問をいたします。
 今回の一千四百五十億円の件で、今後、市場整備に支障が生じることが絶対にあってはならないと考えますが、市場当局の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今日の生鮮品等流通には、より高度な品質衛生管理が求められており、今後も都民の豊かな食生活を支えるためには、こうしたニーズに対応しつつ、計画的な施設整備の推進が不可欠であります。
 一方、都の中央卸売市場は、その多くが高度経済成長期に整備された施設であり、老朽化が進んでおります。
 このため、老朽化した市場施設の維持更新を着実に進めるとともに、淀橋市場の拡張整備や板橋市場の機能強化、足立市場における衛生対策の充実などにつきまして、業界と緊密に連携し、企業債を活用するなど適切な財政措置を講じながら計画的に取り組んでまいります。

○山崎委員 この一千四百五十億円に額が上がったことは、非常に私もびっくりいたしましたが、今の建築の様々な資材高騰や物価高騰も含めて様々なもの、理由が付随して、そのような形になってしまったのではないかと私も考えております。
 そこは十二分に私も理解をしておりますが、もう少し、オリンピックが終わって、パラリンピックが終わって、あそこの原状回復も含めた、そういったきれいにしていく、その工事をもっと早く、一日も早く進めていれば、多少でも額がここまで伸びなかったのかなと、そういった懸念はどうしても持ってしまうわけであります。
 ぜひ、この築地市場の跡地、築地から豊洲に移転したいろいろな問題もありましたが、しかし、この築地市場の跡地をどのように再開発をしていくかということは、多くの都民や、そして多くの皆様が注目をしております。
 ぜひ市場当局は、もちろん市場会計でお金を出す、都市整備局その他、港湾局も含め、建設局も含め、環境局も含め、大きな一大プロジェクトだと思っておりますので、ぜひそういった点は肝に銘じて市場もしっかりと、この築地市場の跡地の再開発に向けても、とにかく東京都が一丸となって、しっかりとしたプロジェクト体制をつくりながら臨んでいただきたいことを改めてお願いさせていただきたいと思います。
 今後の市場整備については、もちろん、今お話ししたようにしっかりやっていただきたいことと、同時に、やはり土壌汚染対策などもしっかりと必要な対策は行い、安全・安心を確保していただきたいことを併せてお願いさせていただきたいと思います。
 続いての質問になりますが、築地から豊洲への移転に際しては、市場関係者の皆様の努力なしにはなし得なかったと、先ほど来お話をさせていただきましたが、とりわけ築地、豊洲市場協会の伊藤裕康会長のお名前を出さないわけにはまいりません。
 伊藤会長は、豊洲市場協会の会長を六月末までやっておられました。その後、退任をされて間もない九月に、残念ながらご逝去されてしまいました。
 実は、昨日、私も参加させていただきましたが、伊藤会長のお別れの会が開催をされ、様々な各方面の皆様がそのお別れ会に参加をされて、会長の思い出に残るお話や様々な果たされてきた業績、そして会長の人柄、こういったものを本当に心から惜しんでおられました。
 伊藤会長は、築地市場から豊洲市場までの六十五年を超える年月、卸売市場の発展のために尽くされてまいりました。会長は、豊洲移転に成功しても満足をされることなく、豊洲をはじめとした市場の将来を真剣に考えておられました。
 まさに会長は市場人(いちばじん)、市場(しじょう)と書いて市場人(いちばじん)として、最後まで市場のことを考えておられました。市場の未来を考え、国ともしっかりと対峙を辞さない気骨あふれる方でありました。そして、何より、東京都に対しても様々な叱咤激励をされていたわけであります。
 伊藤会長が卸売市場審議会などで東京都に対して厳しいご意見も提言されていたと、私も卸売市場審議会の中でそういったところを拝見してまいりましたが、都はどのような受け止めをされていますか。改めてお聞きをいたしたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 伊藤裕康氏は、卸売市場だけでなく生鮮品等流通全体にわたり、将来を見据え、内外から評価されるといった視点から卸売市場がその役割を果たしていくことができるよう、時には厳しい多くの具体的な提言、指導、発言をいただきました。
 こうした会長からの発言を私たちはしっかり受け止め、今後の豊洲市場をはじめとした持続可能な市場運営を実現するための今後の方策に生かしていくべきものと受け止めてございます。

○山崎委員 伊藤会長がずっと気にかけておられたように、卸売市場は、これからもずっと都民の食を担う縁の下の力持ちであり続けなければならない、そう思っています。築地から豊洲に場所は変わりましたが、その役割が変わることはないはずであります。
 もちろん課題は山積です。豊洲市場以外にあっても、まずは老朽化対策、そして、板橋市場のように、卸売市場としての新たな機能、役割を標榜する動きもございます。
 豊洲市場や大田市場、そして食肉市場といった基幹市場な市場にあっては、今まで以上にインバウンドをはじめとしたニーズへの対応、より質の高い食材の供給物流を効率化する迅速な配送、人手不足がいわれる中、AI、DXを使った業務の効率化など、また、その上で各それぞれの取扱量をどのように増やしていくかという根本的な課題もあります。そして輸出に向けての取組など、挙げれば切りがありません。
 卸売市場にとっての正念場といえる今、築地市場跡地の再開発が進み、思い出したかのように費用が増大をする。これも何かの因果関係なのかと思ってしまうわけであります。
 しかし、市場は、やっぱり人であります。市場で働く人たちの目利きがあって、今の市場がある。人が市場をつくり上げてきたわけであります。これは、いつの時代でも決して変わることはありません。
 伊藤会長が汗を流した築地市場、業界のリーダーになってからは、その全てを賭して取り組んできた豊洲市場への移転、今もって築地は、そして伊藤会長は、我々にしっかりやれというメッセージを送り続けているように私は思います。
 そこで、こうした状況、伊藤会長の思いを踏まえ、今後の市場運営にどう生かしていくのか、市場長の見解を伺っていきたいと思います。

○猪口中央卸売市場長 私自身、豊洲市場への移転のときに、市場局にいた身として、伊藤会長には本当に大変感謝を申し上げる次第でございます。
 現在、市場が置かれている状況、本当に各委員からいただいているように大変困難な状況というふうに考えてございます。市場外流通の増加、それから人手不足、物流対策等々、この日本が抱える困難の縮図が市場に表れている、そのように考えてございます。
 一方、この市場機能が万万が一、止まれば、やはり小売、それからサプライチェーン、生産など全体に大きな影響を及ぼしかねず、この卸売市場が現在果たしている役割、これは実感としてなかなか目立たない部分はございますけれども、やはり大変大きい部分があるというふうに考えてございます。
 やはり市場自体が厳しい改革を前に進めながら時代の流れに合わせてしっかり対応して、常に変わっていく必要があるというふうに考えてございまして、市場当局としましても、こうした考えに立って、関係者としっかり意見交換も重ねながら、よりよい市場を将来に継承していきたい、このように考えているところでございます。

○山崎委員 市場長から最後にご答弁をいただきました。
 とにかく、基幹市場である東京都の卸売市場の役割というものは、都民だけでなく、関東、また全国に当たっての非常に重要な食の台所を扱うという意味も含めて、大事な大事な基幹市場、十一市場だと思います。
 そして、先ほど来いっているように、とにかく十一の市場の中には、老朽化も踏まえて、そして様々なこれからの経営計画が変わっていく中、それぞれの市場が特色を生かした市場運営というものを、ずっとこの先も続けていかなくてはならないと思っております。
 そのためにも、市場会計というものが非常に大切であり、もちろん赤字を出している部分もありますが、しっかりとした市場の経営計画というもの、また、様々な老朽化に対しての備え、また、それを改善していく、そういう役割を、ぜひ市場長をはじめ市場当局がしっかりと担っていただいて、食の安全を守るという意味で、ぜひ皆様のこれからのご期待、しっかりとした都民に対しての皆様のお力を発揮していただく、私たちも、しっかりそれをお手伝いしていくことをお約束申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○いいだ委員 よろしくお願いします。
 まず初めに、豊洲地域におけるにぎわい創出についてお伺いします。
 この豊洲地域のにぎわい創出につきましては、これまでも我が会派においても、その重要性を指摘し、質問を重ねてまいりました。
 私自身も、先般、改めて豊洲市場、そして、昨年二月にオープンし、今、大きな話題となっております豊洲千客万来を視察し、現場の状況をしっかりと確認してまいりました。
 実際に現地を訪れますと、豊洲市場と豊洲千客万来はもちろんのこと、周辺には多くのオフィスビルやホテル、さらには水辺の景観を楽しむことができる区立公園も集積をしており、豊洲エリア全体が一体となって大きなポテンシャルを持つ地域であることを実感いたしました。
 特に豊洲千客万来は、オープン以来、大変なにぎわいを見せており、私が訪れた日も、国内からはもとより、海外からもお越しの多くのお客様で、まさにあふれ返っている、そうした状況でございました。
 この活気を一過性のものとせず、豊洲地域全体のさらなるにぎわい創出につなげていくためには、これらの周辺施設も含めた回遊性の向上、つまり、人々が訪れやすく、そして歩いて楽しめるような工夫が不可欠であると、このように考えております。
 そうした中で、地元江東区の区立公園とこの千客万来とを結ぶ連絡橋を東京都が整備されたと伺っております。
 そこで、都が整備し、昨年末に供用が開始された連絡橋について、整備の目的や整備後の効果について伺います。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 連絡橋は、豊洲地域におけます水辺アクセスの多様性の確保や地域の回遊性の向上を目的として整備したものでございまして、令和六年十一月に供用を開始いたしまして、植栽などの外構工事等を経て、令和七年一月に竣工いたしました。
 この整備によりまして、豊洲千客万来と区立豊洲ぐるり公園を安全に行き来できるようになりまして、それぞれの施設のにぎわい創出につながっているものと考えております。
 豊洲千客万来の運営事業者からも、お客様が豊洲地域の魅力の一つである水辺に容易にアクセスできるようになったということだけでなく、公園利用者が連絡橋を渡って豊洲千客万来に気軽に立ち寄っていただけるようになったと伺っているところでございます。

○いいだ委員 ただいまのご答弁で、この連絡橋の整備が、豊洲地域における水辺へのアクセスの多様性を確保し、そして地域の回遊性の向上に大きく役立っているということがよく分かりました。
 先ほども申し上げましたが、私も、実際にこの連絡橋を渡らせていただきました。豊洲千客万来の施設へスムーズにアクセスできるようになったことはもちろんですが、何より、この橋の上から見えるレインボーブリッジや広がる東京港の眺望は本当にすばらしいものであり、多くの観光客の皆様が足を止め、景色を楽しんでいる姿が印象的でございました。
 このように安全で快適な回遊ルートがしっかりと整備されたことは、大変意義深いものと評価をいたします。
 そこで、都におかれましては、この新たな人の流れを豊洲市場や周辺の公園も含めたエリア全体の魅力向上につなげていくため、豊洲千客万来の運営事業者、そして公園を管理いたします地元江東区などとより一層、緊密に連携を取り合って、豊洲地域全体の回遊性をさらに高めていく取組を推進していただくことを強く要望しておきます。
 次に、豊洲千客万来における地域との連携について伺います。
 先ほども触れましたが、私が千客万来を訪れた際も、国内からはもちろん、非常に多くの海外からのお客様が、すしに代表される日本食を笑顔で楽しまれている姿を目の当たりにいたしました。
 この千客万来が一過性のブームに終わることなく、将来にわたって持続的ににぎわい続けていくためには、豊洲市場と一体となった取組をしっかりと進めていくことは、これはもう大前提として重要であります。
 しかし、それと同時に、この施設が立地する豊洲という地域が本来持っている独自の魅力を最大限に生かした取組も同様に重要であると、このように考えております。
 そこで、豊洲千客万来において、運営事業者は地域の魅力をいかに活用しているのかを伺います。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 運営事業者は、江東区内の事業者をテナントとして誘致いたしましたほか、区内の比較的小規模な商店や江戸切り子などの伝統工芸品を取り扱う事業者等の商品販売、地域の観光情報の案内などを行うなど、豊洲ならではの魅力を生かした施設運営に取り組んでいるところでございます。

○いいだ委員 豊洲千客万来の運営事業者が、豊洲ならではの魅力的な商品や観光情報など、にぎわい創出につなげていることが分かりました。
 次に、豊洲千客万来では様々なイベントが開催されているとお聞きしますが、ここでも豊洲ならではの催しがあることが施設の魅力向上にとって重要だと考えます。
 そこで、令和七年度における地元団体との共同イベントの実施回数を伺うとともに、そうしたイベント開催がもたらした効果についても伺います。

○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 令和七年度、運営事業者は、地元団体による傘回しなどの大道芸や自治会と連携いたしました食育イベントなど、地元団体と共同したイベントを開催しておりまして、その回数は、今年度の十月末現在、延べ約二十回となっております。
 運営事業者からは、こうしたイベント開催を通じまして、来場者に豊洲ならではの魅力を感じていただくとともに、地元の方々の施設利用にもつながっているなど、にぎわい創出に欠かせないものとなっていると聞いているところでございます。
 都といたしましても、こうした運営事業者の取組を今後も後押ししてまいります。

○いいだ委員 豊洲千客万来において長くにぎわいを創出していくには、地域が持つ魅力を生かした施設運営や、その地域でしか体験できない価値を来場者に提供していくことが重要だと考えます。
 都としても、豊洲千客万来が地域の様々な方々と連携しながら地域のにぎわいを創出していけるよう、運営事業者を今後もしっかりとサポートしていただきたいことを要望いたします。
 次に、市場業者に対する経営支援について伺います。
 長引く物価高騰やエネルギー価格の上昇等によるコストの増加など、市場業者を取り巻く経営環境は厳しさが増しております。とりわけ規模の小さな事業者が多い仲卸業者にとっては非常に厳しい状況であり、そうした中でも前向きに経営改善に取り組む方々を、都にはしっかりと後押しをしてもらいたいと考えます。
 そこで、都が実施をしている中央卸売市場経営強靱化推進事業によって、依然として厳しい経営状況にある仲卸業者がどのように経営改善を図ったのか、具体的な取組について伺います。

○飯野事業部長 都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、新たなビジネスや業務改善等の意欲的な取組内容に対し経費の一部を補助しておりまして、令和六年度の仲卸業者に対する支援実績は、件数が七十九件、交付額が約一億円となっております。
 具体的な取組事例としては、販路拡大に向けたECサイトの構築により売上げが約三%増加した事例や、ホームページのリニューアルによりウェブ販売の情報発信力を高め、売上げが約一〇%増加した事例等がございます。
 利用者からは、SNSによる発信やコンテンツの充実化が図られ、ホームページのアクセス数が増加したなどの声が寄せられております。

○いいだ委員 仲卸業者の方々が経営強靱化推進事業を活用して経営改善に取り組まれ、効果を感じられているようであり、これからも多くの方々にこの事業を活用していただきたいというふうに思います。
 さて、仲卸業者を取り巻く厳しい経営環境の中でも、とりわけ人材不足は深刻化しており、都は令和六年度から、本事業において人材確保支援の補助区分を新設したと伺っています。
 そこで、人材確保を支援する取組について、令和六年度の利用実績を踏まえ、今年度、都はどのような取組を行ったのか、伺います。

○飯野事業部長 都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、求人情報サイトへの広告掲載や合同採用説明会への出展など、市場業者による人材確保の取組を支援しており、令和六年度の支援実績は、件数が三十三件、交付額が約一千四百万円となっております。
 人材確保については、さらなる支援を期待する市場業者の声が寄せられたほか、人材不足が引き続き深刻な状況にあることを踏まえて、令和七年度は制度の拡充等を図っております。
 具体的には、補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとともに、より多くの利用を促進できるよう、人材確保支援に係る取組事例等を情報誌などにより広く周知したところでございます。

○いいだ委員 都は、今年度、人材確保支援の補助率を拡充したとのことでございました。仲卸業者にとっては人材コストの負担軽減につながり、大変心強いのではないかというふうに思います。
 今回の補助率の拡充が人材不足の解消につながることを期待し、引き続き注視してまいりたいと思います。
 さて、仲卸業者の経営改善に向けた取組としては、市場を支える人材の確保に加え、デジタル技術を活用して業務の生産性を向上させることも有効であります。
 そこで、中央卸売市場経営強靱化推進事業のDX推進枠について、令和六年度における具体的なシステム導入の事例と補助金の利用状況について伺います。

○飯野事業部長 都は、市場業者の業務の効率化や生産性の向上を図るため、中央卸売市場経営強靱化推進事業においてデジタル技術を活用した取組を支援しております。
 令和六年度は、会計システムの導入により経費精算業務を効率化する取組や、販売管理システムの導入により在庫管理業務等を効率化する取組、受発注システムと販売管理システムを連携させることでシステムの入力作業の省力化等を図る取組などを支援しております。
 令和六年度のDX推進枠の支援実績は、件数が五十件、交付額が約六千五百万円となっております。

○いいだ委員 人材確保も厳しい中にあっては、デジタル技術を活用することの重要性は増していると考えます。都には引き続き、厳しい状況にある市場業者が業務改善に向けた取組を着実に進められるよう、補助事業を通じてしっかりサポートしていくことを求め、次の質問に移ります。
 次に、豊洲市場の安全・安心の確保について確認をさせていただきます。
 豊洲市場の地下水管理については、市場の安全・安心を確保するという観点から、我が会派ではこれまでも、折に触れてその取組状況を確認してきました。
 近年は、ゲリラ豪雨など雨の降り方に変化が見られているところであり、こういった点も考慮した地下水管理が重要であると思います。
 都では、有孔管設置といった地下水管理システムの強化を図っているとのことですが、令和七年度における具体的な進捗状況について伺います。

○中井環境改善担当部長 これまでの地下水管理システムの運用において、ゲリラ豪雨等の影響により一時的に地下水量が増加し、地下水位が高くなる箇所があることから、都は、その対策として、集水能力の高い有孔管を順次設置しております。
 令和六年度までに、局所的に水位が高くなりやすい六、七街区において施工を行ってきておりまして、令和七年度は、これまでの知見も踏まえながら、七街区において新たな有孔管の設置工事に着手する予定でございます。
 こうした取組により、今後とも地下水管理システムの適切な運用に努めてまいります。

○いいだ委員 順次、地下水管理システムの強化が図られていることを確認しました。引き続き、安全・安心の確保に向けて、状況の変化に応じた適切な運用をお願いしたいと思います。
 次に、地下水質に関する調査についても確認をしておきたいと思います。
 この豊洲市場の地下水質の問題につきましては、ご承知のとおり、かつては都民の皆様や市場関係者の皆様に大変な不安を与え、大きな混乱を招いた経緯がございます。だからこそ、都は現在、都民や市場業者の皆様の理解と安心につなげていくため、地下水質の調査結果を定期的に、そして丁寧に公表されているものと承知をしております。
 こうした透明性を確保する取組は当然のことであり、また重要なことであります。その上で、私たちが忘れてはならないのは、こうした調査結果というものは、感情論や、いたずらに不安をあおるような見方ではなく、あくまでも専門的、そして科学的な視点で冷静に評価し、判断することが何よりも大事であると、このように考えております。
 そこで、地下水質調査について、令和七年度に公表された最新の調査結果に対する専門家の評価はどのような内容であったのか、改めて伺います。

○中井環境改善担当部長 豊洲市場の地下水質調査については、本年十月三日に最新の調査結果を公表いたしました。
 その中で、専門家の方々からは、豊洲市場の地下水は箇所によって濃度が異なっている一方、空気中のベンゼン濃度は、建物一階、屋外、地下ピット内で同程度であり、地下水の濃度変動は空気測定結果に影響を与えていないものと考えられる、豊洲市場の空気は継続して大気環境基準等に適合しており、科学的な視点から安全は確保された状態にあると考えられると評価をいただいております。

○いいだ委員 ただいまのご答弁で、現在の豊洲市場の状態は、科学的な視点から見ても安全が確保された状態にあり、そのことについては、専門家の方々にもしっかりとご確認をいただいているとのことでございました。
 かつて大きな混乱と不安があったからこそ、こうした専門的かつ科学的な知見に基づいた評価こそが、都民の皆様、そして市場関係者の皆様の真の安心につながるものと私も確信をしております。
 そこで、都におかれましては、今後とも、この定期的な調査の結果につきまして、正確であることはもちろんのこと、都民の皆様に対し分かりやすい情報発信を継続していただきますよう、この場をお借りしまして重ねてお願いを申し上げます。
 次に、市場の事業継続体制の確保について伺います。
 中央卸売市場は、生鮮品等流通を支える基幹インフラであり、平時はもとより、災害時においても市場の事業継続を確保していくことが求められています。
 そのためには、いつ発生してもおかしくない災害に柔軟に対応できるよう、事業継続計画の見直しを随時実施していくことが必要であると思います。
 そこで、災害発生時における市場の事業継続に係る取組状況について伺います。

○住野管理部長 中央卸売市場では、都民の消費生活を支える基幹的なインフラとしての役割を果たしていくため、災害時における初動対応などを示した指針であります中央卸売市場BCPを令和二年三月に策定し、これまで運用してまいりました。
 昨今の気候変動による風水害に対しましても、中央卸売市場として必要な対策を講じるため、発災のおそれがある段階からの行動手順を新たに追加するなど、令和七年一月に中央卸売市場BCPの改定を行ったところでございます。
 今年度は、改定後の中央卸売市場BCPの効果を検証するため、発災時における市場業務の継続確保などを目的とした図上訓練を、市場業者と一体となって実施してまいります。
 今後も、市場業者との連携を深め、訓練で得られた成果を中央卸売市場BCPに適切に反映させることで、さらなる中央卸売市場BCPの実効性の確保に努めてまいります。

○いいだ委員 災害時においても市場機能を維持していくために、市場が決して止まることがないよう、事業継続に係る取組を行っていることを確認しました。今後も、市場の事業継続体制の確保に向けて、市場業者と一体となって着実な取組を進めていくことを求め、次の質問に移ります。
 次に、被災地復興支援の取組について伺います。
 都議会公明党は、東日本大震災や能登半島地震の被災地を支えるため、中央卸売市場における被災地支援を要望してまいりました。
 都は、我が党の要望を踏まえて、現在、豊洲市場において三陸常磐・能登夢市楽座を開催しております。
 そこで、三陸常磐・能登夢市楽座について今年度の売上げ実績と、能登半島地震の被災地復興支援に向けた具体的な取組について伺います。

○飯野事業部長 三陸常磐・能登夢市楽座では、被災地産の新鮮な魚介類等の販売を行っており、本年七月から直近の十一月一日までの間に計八回開催し、売上げ実績は約百四十万円となっております。
 また、能登半島地震の被災地復興支援に向けて、石川県と連携した取組を進めており、水産品等の販売のほか、県の水産に関するゲーム、クイズ大会、地域の伝統的な料理体験や特産魚介類の食べ比べ体験などを実施することとしております。
 さらに、能登の食文化や水産業等の魅力に関するパネル展示のほか、被災した能登半島の皆様へ来場者からの応援を届けるメッセージボードも設置しております。

○いいだ委員 今後、魅力的なイベントも多数開催されるとのことであり、ぜひ関係団体や被災地と密に連携をしながら、被災地の復興支援に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、市場まつりにおける取組について伺います。
 中央卸売市場では、都民の方に卸売市場と生鮮品等に関する理解を深めていただくことなどを目的として、各市場において市場まつりを開催しています。
 市場まつりは、コロナ禍の中断を乗り越えて順次再開し、今年度は六市場において開催をされ、地域住民をはじめとする多くの来場者が訪れるなど、にぎわいを見せていたと聞いております。
 市場まつりのような多くの都民が訪れる機会を活用して被災地産品をPRしていくことは重要であると思います。
 そこで、今年度開催した市場まつりにおける被災地支援の具体的な取組を伺います。

○住野管理部長 中央卸売市場は、被災地産品の品質や価値を実需者や消費者にPRし、普及拡大していくことを目的として、市場まつりにおける被災地支援の取組を実施してございます。
 具体的には、今年度六市場で開催いたしました市場まつりの全会場におきまして、岩手県、宮城県、福島県、石川県を特集したPRコーナーを設置し、食や観光を紹介するパンフレットの配布等を実施いたしました。
 また、板橋市場には岩手県、世田谷市場及び豊島市場には宮城県、葛西市場には福島県のアンテナショップなどに出店いただき、被災地産品の消費拡大に向けた取組を行いました。

○いいだ委員 各市場における市場まつりでは、被災地と連携した取組を広く行っていることを確認させていただきました。
 生鮮品等の供給を担う中央卸売市場が被災地産品のPRを行う効果は大きいと考えており、様々な機会を活用していくことが重要であると思います。
 そこで、市場まつりや夢市楽座以外に、被災地産品の普及啓蒙にどのように取り組んでいるのかを伺います。

○住野管理部長 都民の方々に被災地産品に対する理解を深めていただけるよう、各市場の業界団体や被災県と連携しながら、あらゆる機会を捉えて被災地支援に取り組んでおります。
 市場まつりや夢市楽座に加えまして、都が行う食育や花育の取組において被災地産の食材や花材を使用し、被災地産品の消費拡大に向けたPRを実施してございます。
 具体的には、豊洲市場で開催いたしました食育教室や、大田市場で開催した親子向け花育教室におきまして、被災地産品を使用した調理実習やフラワーアレンジメントの制作実習を行いました。

○いいだ委員 市場まつりや夢市楽座以外に、食育、花育の機会においても被災地産品のPRを行っているとのことでありました。
 中央卸売市場が実施する被災地支援の取組は非常に重要であることから、引き続き積極的な普及啓蒙に取り組んでいただくよう求めます。
 多摩ニュータウン市場について伺います。
 多摩ニュータウン市場は、多摩地域の生鮮食料品拠点として重要な役割を果たしています。
 初めに、その現状について確認をさせていただきます。
 まず、直近の多摩ニュータウン市場の卸売業者、仲卸業者、売買参加者の数と、令和六年における青果物の取扱数量及び取扱金額の実績について伺います。

○飯野事業部長 多摩ニュータウン市場の業者数は、令和七年四月一日現在、卸売業者が一者、仲卸業者が二者、売買参加者が二十四者となっております。
 また、令和六年の取扱実績は、取扱数量が約一万八千八百トン、取扱金額が約五十七億九千万円となっております。

○いいだ委員 ありがとうございます。多摩ニュータウン市場が多摩地域の重要な生鮮食料品供給拠点であることを確認いたしました。
 都内には十一の中央卸売市場がありますけれども、多摩地域にある市場は多摩ニュータウン市場だけであり、多摩に立地するという特性を生かして地域に貢献していくことが求められていると思います。
 例えば、葛西市場において地元江戸川区のコマツナや花きで地産地消に貢献しているように、多摩市場においても、その地域性を生かすことが重要であると考えます。
 そこで、多摩ニュータウン市場が持つ多摩地域ならではの地理的流通上の特徴及び地域で生産される青果物の集荷状況など、地産地消への貢献状況について伺います。

○飯野事業部長 多摩ニュータウン市場は、多摩地域の主要な幹線道路である鎌倉街道と南多摩尾根幹線道路の結節点に位置し、中央自動車道にも近いという立地特性を有しており、こうした特性を生かして、地域における生鮮食料品流通の拠点として、多摩市、町田市、稲城市、日野市及び八王子市等に青果物を供給してございます。
 また、多摩地域の町田市、多摩市、稲城市ではナス、コマツナ、タケノコ等が生産されており、多摩ニュータウン市場では、こうした品物を入荷し、多摩地域の売買参加者等との間で取引されております。

○いいだ委員 ただいまのご答弁で、多摩市場におきまして、多摩地域で生産された貴重な農産物などを積極的に入荷し、取引を行うことで、地域の地産地消に大きく貢献しているということを改めて確認をさせていただきました。
 こうした取組は、多摩地域の生産者の方々を支え、地域経済を活性化させることはもとより、私たち消費者にとっても新鮮で顔の見える食材が手に入りやすくなるという点で大変意義深いものであると、このように評価をしております。
 都におかれましては、この多摩市場が持つ地域の強みを最大限に生かし、多摩産品の魅力をさらに引き出すため、こうした地産地消の取組を今後とも継続し、さらに推進していただきますよう要望いたします。
 次に、多摩ニュータウン市場は、昭和五十八年に業務を開始し、開場から四十年以上が経過をしております。市場のインフラとしての機能を安定的に維持するためには、施設の老朽化対策が不可欠であります。
 そこで、多摩ニュータウン市場における基盤となる施設や設備の計画的な老朽化対策の取組状況について伺います。

○中井環境改善担当部長 多摩ニュータウン市場は、多摩地域における青果物流通の供給拠点でありまして、市場機能の維持に向けて、老朽化した施設や設備の補修などに取り組んでおります。
 令和六年度は、円滑な通行を確保するための場内道路の舗装補修工事、施設の安全性向上に向けた天井改修工事や重量シャッターの修繕工事を行いました。
 また、令和七年度は、漏電リスクを回避するため、老朽化した高圧ケーブルの取替え工事に着手しております。
 今後はトイレの改修工事なども予定しておりまして、引き続き、多摩ニュータウン市場における計画的な施設の更新等を進めてまいります。

○いいだ委員 ありがとうございます。
 最後に、多摩ニュータウン市場における地域住民との交流、啓発について伺います。
 地域の供給拠点としての役割を担っている多摩ニュータウン市場が、その役割や機能をより広く知ってもらい、地域に根差した市場としての価値を高めていくためには、地域住民との交流の機会が不可欠であります。
 そうした中、将来、地域社会を担っていく子供たちが実際に市場を訪れ、現場を目にし、学んでいただく機会が市場見学の取組ではないかと思います。
 そこで、多摩ニュータウン市場における市場見学の内容や受入れ状況について伺います。

○住野管理部長 市場見学の受入れは、中央卸売市場にとりまして、地域との交流を深める重要な取組であると認識してございます。
 多摩ニュータウン市場は、地元の多摩市はもとより、近隣の町田市などの小学校の市場見学を受け入れておりまして、令和六年度は、十八校、約千二百名の受入れを行いました。
 市場見学では、市場施設や、産地から集荷された青果などを実際に見てもらうほか、市場業者の方々の協力を得ながら模擬競り体験を行うなど、市場の仕組みや役割などの理解促進に努めているところでございます。

○いいだ委員 多摩ニュータウン市場が多摩地域に根差し、小学生の社会科見学を受け入れていることが確認できました。
 この社会科見学は、子供たちが市場の役割や機能、そして食の流通の仕組みについて理解を深める貴重な機会となっており、教育的意義も大きい取組であるため、今後も積極的に進めていただければと思います。
 本日は、豊洲市場や多摩ニュータウン市場を中心といたしまして、市場業者の皆様の経営安定化、さらには被災地の復興支援など、都民生活の根幹に関わる重要な項目について質疑を行ってまいりました。
 どうか都におかれましては、現場で日々ご苦労されている関係者の方々の声を真摯に聞きながら、こうした時代の変化にも的確に対応し、持続的な市場運営につなげていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 初めに、市場の役割と経営計画について質問したいと思います。
 生鮮食料品を扱う中央卸売市場は、近年の異常気象や温暖化の影響で、鮮度管理も本当に大変になってきています。
 加えて、人手不足や物価の高騰などの影響を受けており、卸売市場を取り巻く環境は厳しさを増しております。市場長もおっしゃるように、本当に縮図な状況だと思います。
 そうした中でも、中央卸売市場が将来にわたって持続的に役割を発揮していくためには、開設者である東京都にも大きな責任があると思います。
 まず、初めに基本的なことをお伺いします。
 中央卸売市場の重要性について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場は、集荷や分荷、価格形成、代金決済などの機能を通じ、生鮮品等の安定供給という重要な役割を果たす基幹的なインフラであると認識しております。

○藤田委員 生鮮品等の安定供給という重要な役割を果たす基幹的インフラであると認識しているということです。
 この重要な使命を引き続き果たすことを目的として策定されたのが経営計画でして、経営計画の改定に向けた議論が、今年九月八日の卸売市場審議会にて始まりました。
 二〇二七年度には東京都中央卸売市場経営計画の改定が予定されていますが、そもそも、この経営計画はどういったものですか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 経営計画は、中央卸売市場経営指針に掲げる二〇四〇年代の中央卸売市場の姿及び持続可能な市場経営の実現に向け、令和四年度から令和八年度までの五年間を計画期間とし、取り組む施策と財政計画を示す中期経営計画でございます。

○藤田委員 今回の経営計画というのは、答弁でも述べられたように、中央卸売市場経営指針のうちの中期計画という位置づけでつくられたものだということです。
 経営指針は、令和三年、二〇二一年に初めてつくられました。経営計画の改定も初めてということになります。
 一九三五年に築地市場が開設されて以降、多くの変遷がある中で、近年の市場を取り巻く環境の変化というのは非常に大きなものがあると思います。その変化や課題にどう対応していくのかについて、正確な現状分析と、この間の計画の到達を踏まえて改正をする必要があると思います。
 「中央卸売市場経営計画の改定に向けて」の資料を見ますと、経営計画の改定に向けては、審議会条例に基づき計画部会を設置する予定となっています。
 どういう考え方で部会の委員を選ぶのですか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場審議会の下に、生鮮品等流通の分野における知見を有する学識経験者五名で構成する計画部会を設置し、専門的に議論していくこととしてございます。

○藤田委員 ちょっと今のでは理解できないのですが、卸売市場審議会条例八条の部会の規定には、メンバーを学識経験者に限定はしておりません。学識経験者を選んだ理由も、専門的に議論するためという今のご説明だったのですけども、条例には、そういうことは何も書いておりません。
 審議会条例の八条、部会の条例に、メンバーについて学識経験者に限定していないことを踏まえて、今回、計画部会に市場業者を入れないのはなぜですか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 計画部会は、卸売市場審議会の下に、生鮮品等流通の分野における知見を有する学識経験者五名で設置をいたしまして、専門的に議論をしてまいります。

○藤田委員 すみません、今の説明では、市場業者を入れない理由にはならないと思います。専門的に議論するんだといいますが、だから市場業者を入れない理由になるものではありません。
 経営計画の目的が持続可能な市場経営の実現というのであれば、実際に卸売市場で働いて、生産者や地域とつながって生鮮食料品を流通している市場業者抜きには、実効性ある計画をつくることなどできないと思います。
 計画部会には、市場の当事者である経営関係者も委員とすべきではありませんか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 卸売市場審議会の下に、生鮮品等流通の分野における知見を有する学識経験者五名で構成する計画部会を設置いたします。
 部会での検討過程や内容につきましては、適宜、審議会で報告し、業界関係者を含む各委員に意見をいただくこととしてございます。

○藤田委員 意見を聞くということなんですけども、意見を聞くということと、計画をつくる当事者になるということとは、位置づけが全く違うと思います。持続可能な市場経営の実現に向けた計画をつくるのですから、当事者である市場業者が一緒につくるのは当然だと思います。
 また、審議会の開催予定を見てみますと、答申までの間に約一年ちょっとあるんですが、計画部会は十回開催されますが、審議会は二回しか行われません。最後は、諮問、答申の答申ですので、今年度でいえば、見直しの方向性の整理がされてから審議会に報告されるということで、細かい議論はしにくくなります。
 日本の豊かな食文化を支える水産物の流通において、水産仲卸業者は極めて重要な役割を担っています。彼らの目利きの技と競りなどの公正な取引の仕組みがあるからこそ、水揚げされたばかりの水産物に対して公平かつ適正な価格が速やかにつけられ、市場における価格形成の公正性、ひいては流通全体の信頼性を支える揺るぎない基盤となっています。
 こうした重要な責務を果たす現場の方の姿勢が、今回、九月八日の審議会の中で発言されておりましたので、ご紹介したいと思います。
 水産物卸売業者協会の会長さんですが、どんなことがあっても、休市日以外は一日も休んだことはありませんと述べられ、特に生鮮品には都民に対する供給義務があるため、二〇一一年の大きな地震のときも、台風のときも休まず、生鮮食品の物流を止めない努力をしていると強調されました。そして、市場の仕組みは非常にすばらしいもので、いろいろハードルや障害、時代の流れに苦労することが多々ありますが、一日も止めることなく生鮮食品を供給し続けるという、この社会的使命を果たしているのだなと、今さらながら思っている次第でございますと結んでおられました。
 まさに、こうしたハードルを乗り越えられるように支えるのが東京都の役割です。計画部会に直接参加できるようにしていただくよう要望いたします。
 都民の食の拠点となっているのが中央卸売市場です。
 災害のときにも食のインフラ機能を果たすことが公営市場の重要な役割だと思いますが、認識を伺います。

○住野管理部長 中央卸売市場は、災害時におきましても都民へ生鮮品等を安定的に供給する基幹的インフラとしての役割を担っておりまして、中央卸売市場BCPを既に策定するなど、災害発生時におきましても市場機能を維持するための措置を講じてございます。

○藤田委員 認識について伺ったのですが、BCPを既に策定しているという答弁でした。
 ならば、既にもうお分かりかと思いますが、近年の異常な大雨や台風の被害についても対応しようとするのであれば、現在ある十一市場全て、それぞれ機能強化が必要だと指摘したいと思います。
 例えば板橋市場や足立市場は、自治体のハザードマップと照らし合わせますと、荒川の氾濫時には、板橋市場では、五メートル以上、住宅だと二階の軒下まで浸水する想定になっています。足立市場は、三メートル、二階の天井部分までの浸水となって、浸水継続時間は二週間以上と想定されています。
 こうした水害によって市場の機能が一部でも滞った場合も想定するのであれば、近隣の市場で補い合うことも視野に入れたBCPを策定し、機能強化を進める必要があると思います。
 一方、経営計画には、取扱数量を伸ばす取組を行ってもなお、目指すべき財政基盤の水準を実現できない見通しとなった場合、市場の統廃合も含めて、より効果的、効率的な市場施設への投資の在り方を検討と記載されております。
 しかし、現在の十一拠点ある市場体制は、巨大都市東京の食の危機管理そのものです。十一の拠点が分かれていることで、災害やパンデミックで一部の市場が止まっても、ほかの市場が機能を補い、新鮮で安全な食材の供給を確実に行うことができるんです。
 この多拠点による分散型の仕組みこそが、都民の生活と経済活動を守る上で不可欠な生命線であり、東京の食の安定供給を支える最後のとりでだと思います。市場の統廃合は、その機能と役割を弱体化させるものであるということを厳しく指摘しておきます。
 都民の食の基幹的インフラというのであれば、都民の食の安定供給を東京都の責務として位置づけ、一般財源の投入についても当然行うべきであり、市場の経営基盤の強化や老朽化した建物の維持更新にも積極的に努めるべきです。
 今後の施設整備においても、あらゆる災害を想定して進めていただくよう、強く要望いたします。
 次に、市場内の安全対策について質問していきたいと思います。
 経営計画の目指すべきゴールとして位置づけられているのが中央卸売市場経営指針ですが、指針には、労働者の負担軽減、安全確保などにつながるよう、市場における働き方改革を推進していくと記載されています。
 この実現のためには、労働者の安全確保に向けた都の取組もスピード感を持って進める必要があると思います。
 都内十一市場では、過去十年間で重大事故、死亡事故が発生したのは何件ですか。市場ごとの件数を伺います。

○住野管理部長 全十一市場におけます平成二十七年度から令和六年度までの過去十年間におけます死亡事故件数の合計は、六件でございます。
 市場ごとの内訳といたしましては、豊洲市場で四件、食肉市場で一件、旧築地市場で一件でございます。

○藤田委員 豊洲市場は移転から七年ですが、死亡事故は四件も発生しています。ほかの市場は、それぞれ十年前に一件ずつとなっていて、豊洲市場での死亡事故は、移転した二〇一八年に一件、一九年に一件、二二年、二三年、それぞれ一件となっています。つまり、移転したばかりの慣れない環境の時期だけではなく、最近でも起きているということです。
 移転してからの短期間に、豊洲市場で四件もの死亡事故が起きた原因について、どう分析していますか。

○住野管理部長 車両の運転中に発生した事故が多いということから、市場関係者や警察署で構成されます交通委員会等におきまして、車両運転に関わる走行ルール遵守の徹底を周知いたしますとともに、サインの充実などによるさらなる安全性の向上に努めているところでございます。

○藤田委員 豊洲市場は、移転前から構造的な危険性があると指摘をされていました。私たち日本共産党だけでなく、与党の議員からも、六街区のヘアピンカーブは危ないなどの声があると議会でも発言されていましたが、現に、ヘアピンカーブで死亡事故が起きてしまっています。
 死亡事故原因について調査を行っているのですか。第三者委員会を設置し、構造的な問題と併せて原因を究明し、安全対策をとるべきではないですか。

○住野管理部長 先ほど申しましたように、車両の運転中に事故が発生しているということは承知してございまして、都はこれまでも、交通委員会等におきまして、車両運転に係る走行ルール遵守の徹底を周知いたしますとともに、サインの充実などにより、さらなる安全性の向上に努めておりまして、今後とも引き続き、市場業者と連携しながら取り組んでまいる所存でございます。

○藤田委員 車両の運転中に発生した事故が多いということですから、市場の構造的な問題も含めて、第三者委員会を設置して検証するなど、事故防止のための仕組みを一層強化するべきだと思います。特別な手だてが必要だと思うんです。
 中央卸売市場内において業者が安全に働けるよう施設を整備することは、開設者である東京都が責任を持って行うことです。どう認識していますか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場施設の整備に当たっては、施設の内容、使い勝手や施設の安全な使用なども含めた運営面などについても、市場業者と十分に意見交換をし、合意形成を行って進めてございます。

○藤田委員 東京の責任について認識を伺ったのですが、市場業者と合意形成を行って進めているんだという答弁でした。
 業者が納得していることを理由に、豊洲市場の事故原因について構造的な検証をしなくていい理由にはなりません。都としては、いかに市場業者が安全に働ける施設にできるか、整備する上での責任があることには変わりありません。
 過去の都議会で、東京都は、豊洲市場のターレが通行するスロープについて、このように答弁しています。
 搬送能力については、仮にターレの車両間隔を九メートル、時速八キロとすると、六街区の三つのスロープで一時間当たり約二千六百台走行できるんだということや、一階から上の階に移動が想定される物流量については一日三百八十トンでございますので、ターレ一台当たりの積載量を六百キログラムとした場合は、十五分程度で搬送することができるというふうに考えており、搬送能力は十分であると考えていますなどと答弁をされております。
 そうした上で、ターレスロープのさらなる安全性の向上のためということで、当時は、ターレスロープへのカーブミラーの設置、注意喚起標識の設置など施設面の改善に加えて、安全走行のルールづくりなど運用面についても業界と調整を行い、より安全で使いやすい市場の実現を目指していくと答弁をされております。
 こうやって、流通量とか交通量なども鑑みて、安全対策も行いながら整備をしたというのが豊洲市場なんですね。開設以来、繰り返し死亡事故が発生していることについては、やはり、これだけ対応してきたという中でも発生しているわけですから、重く受け止めるべきだと思います。
 業者の動線がどのようになっているのか、人員不足によって労働強化とはなっていないか、当事者と開設者という関係性だけで話し合うのではなく、客観的に検証ができる第三者の目で分析し、対策を行う必要があるのではないかと思います。ぜひ第三者委員会の設置で、さらなる安全対策を行っていただくよう要望いたします。
 この後は、幾つか具体的な修繕について確認していきたいと思います。
 一つは、六街区の仲卸売場通路のマンホールの蓋です。
 先日、朝の市場取引が終わった後、水産仲卸棟を見させていただきましたが、午前十時半を過ぎた時間でも、ターレがせわしなく行き交っていました。
 路面は、衛生管理のために、常に水をまいてぬれておりまして、特にマンホールの上は滑りやすいんじゃないかなと思います。忙しい時間は、もっと危険な状況になるんじゃないかということが想定されました。
 六街区の水産仲卸売場内の通路には、数メートル置きにマンホールの蓋が設置をされていますが、そのうち、ターレが行き交う場所のマンホールの蓋だけ、三センチほどへこんでいるんです。
 これは、なぜへこんでいるのか、原因は調べているんでしょうか。伺います。

○中井環境改善担当部長 六街区のマンホールは、海水等を含んだ排水などの影響により、蓋を支える金属部品が劣化したことに伴って段差が生じております。
 金属部品の基礎となるコンクリート部分には劣化が見られず、蓋の落下等のおそれはないことから、通行への影響など修繕の優先度を見定めつつ、順次補修を進めることとしております。

○藤田委員 原因は、蓋を支える金属部分の劣化ということです。
 海水などを含んだ排水などの影響ということですが、ターレが通らないマンホールの蓋はへこんでいないので、排水に加えて、ターレの重さとか通行の頻度が多いことが、段差、へこみができる原因になっていると思います。
 六街区の水産仲卸売場内のマンホールの蓋のへこみは年々深くなっていまして、進入する角度によってはターレのハンドルが取られることがあるということも、業者の方から伺いました。
 現場の声を聞いて、危険な箇所を優先して修理するなど、速やかな対応が必要だと思いますが、いかがですか。

○中井環境改善担当部長 六街区のマンホールは、通行への影響など修繕の優先度を見定めつつ、順次補修を進めることとしておりまして、具体的な修繕方法等の検討に、既に着手しております。

○藤田委員 既に着手ということですが、具体的にはどのように修繕するのですか。また、いつまでに直す予定となっているのか、伺います。

○中井環境改善担当部長 マンホールの補修に当たりましては、工期や工費のほか、通行への影響などを勘案した上で工法を定めるとともに、材料、施工業者の手配状況などを見定める必要がございまして、これらを踏まえながら具体的な補修方法や時期などの検討を行って、順次補修を進めていく予定でございます。

○藤田委員 具体的にいつまでということは、まだ、今のお話だと未定なのかなと思いますが、蓋のへこみ、段差は重大事故につながる可能性のある問題だと思います。蓋の落下がないから大丈夫というわけではなく、やはり安全対策を速やかに行うために修繕を行うよう求めておきます。
 もう一つ、通行の影響のある場所について伺いたいと思います。
 六街区と七街区との間にある連絡通路は全部で四本あるということですが、そのうちの連絡通路の二には赤いパイロンが二つ立っています。
 なぜ、こうした対応をしているのですか。

○中井環境改善担当部長 連絡通路のエキスパンションジョイント部におきまして、ステンレス製のカバーが外れて溝が露出しておりまして、安全な通行の確保に向けた徐行を促すために、今、パイロンというお話がございましたが、カラーコーンを設置しております。
 現在、必要な修理に向けて、現地調査や市場業者との調整などを進めております。

○藤田委員 調整を進めているということですが、いつから現状のような対応を行っているのでしょうか。
 また、連絡通路についても、いつまでに直す予定となっているのか、伺います。

○中井環境改善担当部長 お話のエキスパンションジョイントでございますが、令和七年六月十七日の警備報告で確認をしているところでございます。
 修理の方法でございますけれども、連絡通路の補修に当たりましては、下地のコンクリート部分の補修ですとか、通行への影響などを考慮した工法ですとか工期設定など、考慮が必要な事項が様々ございまして、こうしたことも踏まえて、必要な修理に向けた具体的な検討を進めております。

○藤田委員 既に五か月近くたっているということです。これからまた忙しい年末年始を迎えてきますので、いろいろ手続があるというのは今のお話でよく分かりましたが、安全に通行できるようにするためにも、こちらも早急な修理をお願いしておくものです。
 安全管理の最後はエレベーターです。
 豊洲市場の六街区のエレベーターは、昨年のこの同じ時期、十月に、九基のうち四基が故障していました。私は、昨年、経済・港湾委員会でそのことを指摘しまして、年内に全て復旧したということで、業者の方から、六街区の全てのエレベーターが動いたのは、豊洲市場開場以来、初めてのことだったというふうにも伺いました。
 現在、六街区にある貨物用のエレベーターの稼働状況について伺います。

○高橋財政調整担当部長 豊洲市場六街区水産仲卸売場棟には荷物用エレベーターが七台あり、うち六台が稼働しております。
 同街区にございます加工パッケージ棟には荷物用エレベーターが二台あり、いずれも稼働しております。
 現在、停止中の水産仲卸売場棟の一台のエレベーターについては、エレベーターを損壊した市場業者に対して、速やかに原状回復するよう指導を行い、既に原因者が復旧に向けて発注しているところでございます。

○藤田委員 既に原因者を割り当てて、復旧に向けて動いているということです。
 複数故障しますと、業務に大きな支障が生じますので、これも速やかに復旧する必要があると思います。
 昨年は、エレベーターを壊した業者を探し当てて、原因者が原状回復するまで修理しないという対応をしたために、四台のエレベーターが二か月から五か月の間、使用できなかったという事態になっていました。
 地域の信号とか交通に必要なものについて、例えば車が衝突して壊したという場合には、原因者が直すまでそのままほっておくということは決してありません。
 ぜひ豊洲市場内も同じように、安全を優先して、今回も速やかに修理していただきたいと思うのですが、エレベーターについて、いつ直る予定となっているのか、伺います。

○高橋財政調整担当部長 停止している荷物用エレベーターの復旧見込みでございますが、既に発注済みであることから、原状回復が速やかに行われるよう、引き続き指導を行ってまいります。

○藤田委員 既に発注して進めているということですので、日にちについては明確ではありませんでしたけれども、こちらも速やかな復旧を求めておきます。
 これでは、こうした形で、いつまでに回復するかと伺いましても、それぞれ事情はいろいろあるようですが、今のところ、全て未定だということでもありました。こうしたことでは、市場機能の維持に努めているとは、なかなかいい難いんじゃないかなと思います。
 安全性の向上のためにも、市場の設備がへこんでいたり、壊れたり、カバーが外れて溝が露出するなどの事態が生じたら、現場からも速やかに報告をしていただきたいと連携をとっていただきたいですし、東京都としても早急な復旧に努めていただくよう要望いたします。
 築地市場から豊洲市場に移転が進んでいた当時は、様々な問題から、移転に対して大きく意見が対立するという状況が広がりました。
 当時、仲卸業者の皆さんは、移転に対する様々なアンケート調査も行われておりまして、二〇一七年に女将さん会が行った築地市場の移転中止を求める請願署名は、水産仲卸業者の七割以上が賛同していました。二〇一八年のアンケート調査でも、築地で営業したいと答えた業者が九二・七%にまで上る状況にもなっていました。
 しかし、東京都は、こうした業者の声も振り切って豊洲市場に移転し、強行したわけです。
 移転後、業者の皆さんは、都民のため、市場の発展のためにと一生懸命働かれてきたと思います。こうした市場業者の方の思いと努力に応えて、業者の方が安心して安全に働ける環境をつくる意義は、とりわけ豊洲市場での移転の経緯から見ても、東京都には重大な責任があると思います。
 重大事故は二度と起こさないという立場で引き続き取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたです。よろしくお願いします。
 中央卸売市場は、食品や花といった都民の日常生活に欠かせない物流を支える重要な社会的インフラであると考えます。だからこそ、その運営を持続可能なものとしていくことが非常に重要であり、東京都の大きな役割です。
 しかし、昨今の人材不足や物流の二〇二四年問題など、卸売市場を取り巻く外部環境が変化する中で、市場という社会的インフラの持続可能性を担保するためには、市場業務や物流を担う人材や物流の効率化といった課題に向き合っていく必要があります。
 また、我が会派は、現役世代から豊かにすると掲げており、市場業務や物流に携わる働く世代の皆さんが長く働くことができる中央卸売市場であり続けるためにも、本日は、人材確保と物流の効率化について質疑をさせていただきます。
 まず、人材確保に関して、少子高齢化による本格的な労働人口不足社会が到来しようとしておりますが、中央卸売市場も、その影響を避けることができないと考えております。
 そこでご質問いたします。市場業者が人材確保においてどのような課題を抱えているのか、都の見解をお伺いします。

○飯野事業部長 都は、専門家による経営相談の場などを通じて市場業者の声を聞き取っており、市場業者からは、人材確保について、人材を募集しても応募が来ない、採用にコストがかかるといった声が寄せられております。
 生産年齢人口の減少や働き方に対する意識変化などを背景に、市場における取引を担う人材の確保は、より困難な状況にあるものと認識しております。

○福井委員 ありがとうございます。市場業者が人材確保に非常に苦労している、そうした状況が分かりました。労働力人口の減少を背景に、業界特有の労働条件や認知度の低さなどが複合的に影響しているのではないかと考えます。
 こうした状況の中で市場を安定的に運営していくために、都が市場業者の人材確保について支援を行っていくことが重要だと思います。
 こちらに関しては、先ほど、いいだ委員の方から同じ質問がありましたので、質問ではなく意見の表明とさせていただきますが、都は、市場業者の人材確保に向けた取組を支援対象とする補助区分を新設して、人材広告や合同説明会の取組支援を行う、件数でいうと三十三件、交付額が一千四百万円と、先ほどご答弁がございました。
 このように、都が中央卸売市場経営強靱化推進事業において、特に、この採用コストという面において支援を中心に、市場業者の人材確保の取組に支援を行っているということが分かりました。
 一方で、卸売市場を支える市場業者の人材を確保することは市場の活性化に不可欠なんですが、このコストの問題に加えて、卸売市場の社会的役割であったりだとか、やりがいであったり、また一般的な認知度が低い、あるいは古いイメージを持たれてしまっている、こうしたところが新規の参入者が少ないことにつながっている、こうしたことも課題ではないかというふうに考えております。
 都にはぜひ、市場での仕事の認知拡大やイメージアップ、また就業規則の改定などを含めた働きやすい環境整備など、総合的な形で人材確保に向けた支援を引き続き行っていただきますよう要望させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 次は、物流の効率化についてでございます。
 卸売市場は生鮮品等の流通の要であり、日々、多くの品目が産地から市場に輸送されて、市場を経由して消費者の元に届きます。
 この物流を担うのは、主にトラックが主力だと認識をしておりますが、ドライバーの人手不足や労働時間の規制強化等により、今後の輸送力不足が指摘されております。
 二〇二四年四月から働き方改革関連法、改正により、従来、長時間労働が常態化しておりました物流業界において、トラックドライバーの時間外労働は年間九百六十時間までと厳しく制限をされました。
 一方で、この規制によりドライバーの労働時間が制限されることに加え、さらに人手不足により、何も対策を講じなければ輸送力が低下、不足し、物流の停滞が懸念される、いわゆる物流の二〇二四年問題が社会問題となりました。
 卸売市場においては、現在、市場業者や物流業者の皆さんの物流効率化に向けたご尽力によって、何とか大きな混乱は生じていないと認識はしているものの、重要な社会インフラである安定した物流を守るためには、引き続き注視すべき課題であると認識しております。
 そこで質問をさせていただきます。
 この輸送力不足が指摘される中、卸売市場が対応すべき課題についてお伺いします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 生鮮品等流通においては、出荷量が天候等の影響を受けやすい等の特性から、運行に柔軟性があるトラックが主な輸送手段となっておりますが、荷の積込みや積卸し等、ドライバーの手荷役作業が多く残っており、その負担軽減が卸売市場にも求められております。
 また、卸売市場では特定の時間にトラックが集中するため、場内混雑等により作業に時間を要すなどの問題があり、場内滞留時間の軽減に向けた取組が必要でございます。

○福井委員 ありがとうございます。
 私の地元の大田市場においても、青果と花きの取扱いで国内最大の取扱量を誇る反面、荷が集中する場内混雑の著しい市場の一つであり、スピード感を持って物流対策に取り組む必要があります。
 大田市場における取組の一例として、卸売市場でのパレット管理に係る負担軽減に向けて、場内に滞留するパレットの一時保管場所を確保、また、産地から実需者まで一貫してパレットで輸送して循環させる実証実験などを進めていると聞いております。
 物流対策を実効性がある取組とするため、都は、施設管理者として物流効率化に向けた取組の努力義務が課された改正物流効率化法の趣旨を踏まえ、市場業者が必要としている支援に取り組んでいくことが重要であると考えます。
 そこでお伺いします。市場の物流対策について、都はどのように取り組んでいるか、お伺いしたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、今年度、国と連携した改正物流効率化法のセミナー開催や、各市場が抱える物流課題に専門家派遣によるプッシュ型支援に取り組むとともに、市場業者の物流効率化に向けた取組を補助事業により後押ししております。
 また、大田市場では、市場業者と連携し、物流面におけるDXの推進や、商品の輸送に使用する標準パレット循環体制の構築等に引き続き取り組みますとともに、市場内全体の混雑の対策に向けて、業界団体の代表者等で構成する検討会を新たに設置し、取り組んでまいります。

○福井委員 ありがとうございます。都が持続可能な生鮮品の流通に向けて、様々な形で市場業者を支援しているということが分かりました。
 引き続き、中央卸売市場が生鮮品等を安定的に提供する基幹的なインフラとしての役割を将来にわたって果たすことができることと、また、市場で働く皆さんの法令遵守と生産性向上をしっかりと両立をしていけるように、市場業者と連携し、場内におけるドライバーの荷待ちの時間の短縮や積卸しにかかる手荷役作業の負担軽減など、市場における物流効率化に積極的に取り組んでいただくよう求めて、私の質問を終わりたいと思います。あ りがとうございました。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後八時五十一分休憩

   午後九時四分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 市場跡地についてです。
 小池知事は、築地は守る、豊洲は生かすといいながら、結局、築地は更地になっちゃって、一方、更地になったからこそ、埋蔵文化財である、日本で初めて庶民にも開かれた庭園をつくった松平定信ゆかりの天下の名園、浴恩園の本掘が可能になっております。
 今の人気大河ドラマ、NHKの「べらぼう」でも松平定信が登場しておりますが、白河にある国指定史跡名勝、南湖公園に匹敵する江戸の庭園が浴恩園です。東京グリーンビズの名の下に、高層ビルだらけの再開発ではなく、史跡を復活すべきだということで、現在、学会も発足されました。
 知事三期目公約に江戸東京文化世界遺産を挙げており、まさにこの政策にぴったりなじむものであり、あの貴重な水辺をえたいの知れないレジャーランドにする理由は一つも見当たらず、三井や読売グループへの令和の払下げをする蛮行を看過できませんことから、当初から、私も議会の場で提言を続けているところです。
 現在、中央卸売市場所管ではなくなった築地市場跡地なんですが、本掘調査の支出をしております。
 この間、この件は、同僚委員がかなり質問をされているんですけれども、私、それで、中央卸売市場をはじめ東京都各局、中央区における役割と予算の分担について、経年かつ時系列で説明してくださいといったのですが、その経年の金額が、今までの議論だと、やれ五百九十億とかなんとかいっているんですが、大分乖離があるので、そこを踏まえてご答弁をお願いいたします。

○高橋財政調整担当部長 旧築地市場跡地におけるまちづくり等に係る埋蔵文化財発掘調査費用についてですが、令和二年度から六年度までに中央卸売市場会計が負担した費用は約十二億三千万円となっております。
 なお、調査については、旧築地市場跡地における事業の実施に伴い、文化財を所管する都の教育庁や中央区教育委員会などの関係機関と調整しながら、関係法令に基づき実施されるものとなっております。

○上田委員 ちょっと十二億の根拠がよく分からないので、ほかの委員のご答弁とまた比較して確認させていただきたいと思います。
 築地川、隅田川の桟橋撤去工事の現状と進捗、撤去後の環境保全や河川管理計画について最新の状況を教えてください。

○中井環境改善担当部長 築地川における仮設搬出入路及び荷揚げ桟橋は、本年六月に工事着手いたしました。現在、桁の撤去を行っておりまして、上部工の撤去工事は令和九年二月に竣工予定でございます。
 また、隅田川における桟橋は、建設局と当局との間で締結した協定により、昨年度から建設局が撤去工事に着手しております。
 これらの撤去後、河川管理者に対し、占用終了の手続を進めてまいります。

○上田委員 私が確認しているのは、浴恩園を再生したときに潮入りの公園に復元するためにもこの部分は必要なので、引き続き見守りさせていただきたいと思います。
 続きまして、仲卸業者全体の経営状況です。
 これは、随分長らく確認しております。資料も調べたところですが、営業損益及び経常損益の黒字計上業者の割合は、前年に比べて増加しております。売上総利益率が上昇した業者の割合は四九・三%と、前年の三四・六%から大幅に増加しました。営業損益の黒字事業者は三三・三%から五三・〇%へ、経常損益の黒字業者は五二・三%から六八・一%と改善が見られます。
 一方で、借入金比率は四八・八%から四四・八%へと低下し、無借金経営の業者が、やはりまだ減っていないというふうにも思っております。
 前回答弁では、消費者ニーズの多様化や流通チャネルの多元化、エネルギー価格の上昇や円安の影響により厳しい経営環境にあると認識し、経営強靱化推進事業、経営相談支援を実施しているとのことでした。
 令和七年における仲卸業者の経営状況の最新分析結果と、これら支援策の具体的な効果や課題について改めてご説明ください。お願いします。

○飯野事業部長 都は、仲卸業者の経営状況を公表しており、本年五月に公表した経営状況では、一者当たりの売上高や増収業者の割合が増加するなどの結果となっております。
 また、中央卸売市場経営強靱化推進事業により市場業者の販路拡大や売上増加などを後押しするとともに、中小企業経営の専門家等と連携した経営相談などを通じて、財務分析など個々の経営課題に即した助言等を行っております。

○上田委員 経営支援をしているのは承知をしているんですが、経年で、令和五年度の十二月現在は、仲卸は九百十五業者となり、前年よりも十八業者減少、平成元年から見ると、八百七十九業者、五一%の減少。市場別前年比では、水産物では十四軒、青果では三軒、花きでは一軒。豊洲市場はマイナス十二、大田市場がマイナス五、足立市場はマイナス一となっております。
 仲卸業者の減少傾向に対し、円滑な事業支援を行っていると何度かお聞きしておりますが、新規参入の現状や参入障壁の有無について、現状の調査結果や対応策を具体的にお示しください。

○高橋財政調整担当部長 都は、市場業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、市場業者の市場取引を活性化するという考え方に基づき対応しております。
 都は、仲卸業者の廃業に伴い空き店舗が生じた場合で、その店舗を使用したい場内事業者がいる場合には、市場業者の経営規模の拡大や財務体質の強化が図られ、かつ市場全体の取引活性化にも資するなどの要件を確認した上で使用許可を行っており、そうした業者がいない場合には、市場外の事業者も含めて広く公募を行っております。
 こうした取組の結果、令和七年度は、現時点において、公募により、板橋市場の青果仲卸業者など三者に対して新たに使用許可を行ったところでございます。

○上田委員 新規参入は、手続を踏んで三者ということでした。
 豊洲だけの独自ルールではないと思うんですが、中央卸売市場において、廃業等に伴い空き店舗になったりした場合、仲卸店舗は誰でも参入できる状況なのでしょうか。店舗売却認定基準が築地時代より緩和されたのか、確認したいところです。
 改めて、新規参入基準から認定に至るまでの手続や要件について、時系列に沿ってご説明ください。

○高橋財政調整担当部長 豊洲市場をはじめ各市場の市場業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、都は、市場業者の市場取引を活性化するという考え方に基づき対応しております。
 まず、都は、当該空き店舗を使用したい場内業者がいるかを確認し、使用したい場内業者がいる場合には、その業者が空き店舗を使用して業務を行うことにより、経営規模の拡大や財務体質の強化が図られ、かつ市場全体の取引の活性化に資するなどの観点から確認した上で、その者に施設の使用許可を行っております。
 空き店舗を使用したい場内業者がいない場合や、場内業者では要件を満たさない場合については、都は、ホームページなどで市場外の事業者を含め広く公募を行っております。

○上田委員 築地から豊洲への移転については、今回も各委員で賛成、反対、問題意識を持った議員の議論があったところでございますが、私は、円滑な活性化と答弁もありましたけれども、できるためには、まずは、豊洲まで移れない仲卸がいる、移っても大変であろうということが想定できたので、新規参入を、どちらかというと民間で来たので賛同したところでございますが、ちょっと私の中では招かねざる新規参入者が現れたのではないかなという、私どもは感覚を持ち始めております。
 ついては、第三回定例会一般質問では、今回、さんのへ都議が豊洲市場の事業者の実態へ疑義を呈しました。新規参入事業者が、屋号を変えずに、実質的に中国資本等の外資に買収されているのではないかという指摘もありますが、現状の資本構成、廃業実態の把握状況について改めて確認したいです。
 現状の資本構成、廃業実態の把握状況について改めて確認させていただきます。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、買占め等の不公正な取引を禁止するとともに、卸売業者や仲卸業者等に対し事業報告書の提出を義務づけており、その中で主要株主や親会社等について報告を求めております。
 取引の規制は資本関係を問わず適用されることから、主要株主や親会社等の国籍などについての報告は求めておりません。
 また、卸売業者や仲卸業者がその業務を廃止したときは、条例に基づき、都に届け出ることとされております。

○上田委員 中央卸売市場条例や関連法令は、資本構成に関する直接的な規制や報告義務は設けられていないとのことですが、政府においても、高市政権になりまして、抜本的な外国人対策に着手し、今月、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議の初会合も実施されたところです。
 また、小池知事は、豊洲市場への移転問題においては、食の安全を最重要課題の一つとしていました。都として、当然、問題意識はないはずはないと思います。
 実態把握は当然していると思うので、ご報告ください。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例に基づく不公正な取引の規制は、全ての取引参加者に対して、その資本関係を問わず適用されるものであり、必要な規制は既に設けられているものと認識しております。
 取引の状況については、巡回調査や検査、各場に設置されている取引委員会などを通じて把握をしてございます。

○上田委員 必要な規制は既に設けられているというのですけれども、それは今までの良識ある仲卸においての規制なんだと思うんですよね。そうじゃない仲卸は大丈夫かと思っておりまして、株主や親会社等の国籍などについて報告は求めていないということなんですけれども、卸売業者や仲卸業者に対し事業報告書の提出を義務づけておりまして、その中で主要株主や親会社等について報告されているということなんですよね。
 その報告で外資参入が明らかになった場合など、状況把握を取りまとめるなどしていないのか、伺います。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、買占め等の不公正な取引を禁止するとともに、卸売業者や仲卸業者に対し事業報告書の提出を義務づけており、その中で主要株主や親会社等について報告を求めてございます。
 取引の規制は資本関係を問わずに適用されることから、主要株主や親会社等の国籍などについてのご報告は求めておりません。

○上田委員 私は必要だと思いますね、国籍の確認は。
 食料の安全保障や市場の公益性を確保する観点から、不透明な資本流入や支配が進むことを防止するため、今後どのような対策を講じていくのか。
 新たな調査方法や情報開示の義務づけを検討する必要性について、具体的な方針や検討状況を示していただきたいと思います。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、取引参加者の資本関係を問わず買占め等の不公正な取引を禁止するなど、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するために必要な規制が設けられており、新たな調査等が必要な状況とは考えておりません。

○上田委員 危機感ゼロということでしょうか。
 災害時の危機感は大事なんですよね。災害時の食料供給確保について、既存の条例や法令で対応しているとの答弁がありましたが、近年の国際情勢や流通環境の変化を踏まえ、条例改正や法的拘束力のある予防措置の必要性について、どう考えても喫緊の課題だと思うんですね。
 再検討する考えをぜひ持っていただきたいのですが、所見を伺います。

○住野管理部長 生鮮品の買占め等は不公正な取引といたしまして、東京都中央卸売市場条例において、既に規制されているところでございます。
 また、発災時の生鮮食料品の確保につきましても、本条例のほか災害対策基本法等の関係法令に基づきまして、既に必要な措置は定められておりまして、条例改正が必要な状況とは考えてございません。

○上田委員 とはいえ、ちょっと懸念しているのですけれども、新規参入者による市場利用において、卸での買い付けのときに一気に買いあさる、ごみ出しや販売スペースの逸脱、ルールやマナー違反についての、ほかの善良なる仲卸の皆様からの相談や報告などありましたでしょうか。

○高橋財政調整担当部長 東京都中央卸売市場条例に基づく不公正な取引の規制は、全ての取引参加者に対して、その資本関係を問わず適用されるものでございます。
 また、市場施設の適正な使用や市場内の衛生確保のため、都は、業界と連携してルールの周知徹底などを行っており、違反事例等についても報告を受けているところでございます。

○上田委員 違反事例の報告を受けているということなので、対策の方をよろしくお願いします。
 築地から豊洲に移転してから、IT化などが進んだこともあるのでしょうが、マグロやハモ、ウニなどを除いて競りがなくなったとのことです。
 まず、今の豊洲における卸、仲卸、取引先の売買の状況を、一日の時間軸も含めて、築地時代と比較してご説明してください。

○飯野事業部長 豊洲市場では、旧築地市場と同様に、都と市場関係者で構成する取引委員会を開催し、競り取引品目や競り取引時間等を協議の上、決定しております。

○上田委員 職員の皆さんも現場を見ていると思うので、大分変わったんだと思っているんですよね。
 ルール無視の新規事業者による大量買い付けにより、長い歴史を持つ市場の美学、文化や食の安全が脅かされていないか、危惧するものです。
 外国資本の参入及び外国人による市場での買占めは現実に行われており、民泊が問題視されている晴海フラッグでも、中国人向けに、豊洲市場で仕入れたであろう魚が路上販売されていたことから、都民、日本人のための公設市場としての本質的な機能が失われまいか、危惧しております。
 この点の実態把握はされていると思いますので、報告の上、課題認識を伺います。

○飯野事業部長 東京都中央卸売市場条例では、市場における公正な取引のために必要な規制を設けており、市場外における取引は条例の規制対象とはなっておりません。
 なお、豊洲市場において買占め等の不公正な取引が行われた事実はございません。

○上田委員 でも、先ほど、違反事例について報告を受けているというのもいただいています。
 不当な買占めや外資、外国人によるルール無視の販売などの報告は、事業者から一切上がっていないわけがないと思いますので、この点をご説明ください。

○飯野事業部長 先ほど、財政調整担当部長よりご答弁をさせていただきましたが、都が報告を受けているルール違反の事例とは、通路への荷のはみ出しや、ごみ捨てルールの違反といった事例でございまして、買占め等の不公正な取引は報告されておりません。

○上田委員 では、通路の荷のはみ出しや、ごみ捨てルールの違反があるということでありました。
 豊洲市場周辺の交通アクセスや物流インフラの現状と課題についてですが、まず、月ぎめ、一時貸し駐車場利用体系と利用者の利用状況、満車なのか空車なのかの確認について、また過不足はないか確認したく、ご説明ください。
 仲卸、買い付け事業者などのクレームや要望も把握していると思いますので、ご報告ください。

○高橋財政調整担当部長 都は、豊洲市場において、待機、積込み場なども含めて、築地市場より多い約五千百台分の駐車場を整備しており、このうち、業界からの要望も踏まえて、約二百四十台分を時間貸し駐車場としております。
 仲卸業者や買受人からの要望等については、駐車場の管理運営業務を行っている各団体において把握し、対応を行っており、都においても適宜報告を受けております。
 都は、都の使用許可を受けた各団体が、例えば六街区において買い出し人駐車場の空き情報の周知を図るなど、効率的に駐車場が利用できるよう取り組んでいると聞いております。

○上田委員 今後も、苦情や要望の方を聞いて臨機応変に対応していただければと思います。
 駐輪問題ですが、現地を見に行ったところ、相当数の不法駐輪がありまして、施設内、市場入り口にも、朝は満杯の自転車で埋まっており、都バスが間を縫って通る状況となっております。有料駐輪場もあるのですが、あまり利用されていないように見受けられましたが、利用率はいかがでしょうか。
 この問題に対しての状況報告と課題認識、対策もご報告ください。

○高橋財政調整担当部長 豊洲市場の有料駐輪場の利用率は、現在約七〇%となっております。
 都では、違法駐輪の問題への対策として巡回点検などを行っており、特に六街区においては、業界団体と連携し、定期的に違法駐輪の警告や撤去を実施しているところでございます。

○上田委員 見回りも大変ですけれども、たばこも、大分、ルール無視で吸っている方もいらしたので、同時にお願いしたいところです。
 市場の近隣住民、民間によるイベントも、このところ盛んに行われるようになりました。この点は、本当に地域に親しまれているのだろうなと評価します。
 こうした地域社会との連携や貢献活動の現状と協力体制、今後の展開、豊洲市場の役割や機能に対する都民の理解促進を目的とした広報活動や食育事業の実績を、参加数や効果測定を含めて具体的に説明してください。

○住野管理部長 民間事業者や地域団体などが各市場周辺で開催するイベント等に対しまして、都や市場業者が協力するなど、地域と連携した取組を行ってございます。
 また、都は、市場まつりの開催のほか、食育、花育教室の開催、市場見学の実施などを通じまして、中央卸売市場の歴史やPR、旬の食材や全国の産地の紹介等を行っているところでございます。
 昨年度、豊洲市場など全八市場におきまして市場まつりを開催いたしましたほか、各場が主催いたします、親子などを対象に市場の理解を深めていただく料理講習会等を全十八回開催いたしまして、参加者数は三百八十五名でございました。

○上田委員 特に地域の民間団体さんとは、親切かつ前向きな取組をお願いしたいと思います。
 銀鱗文庫です。築地市場時代の昭和三十六年に開設され、市場、水産、魚食を中心とした書籍や雑誌、さらには日本橋や築地市場時代の文献や写真等、歴史的な資料を多数所蔵するほか、市場にゆかりのある展示も行っておりまして、日本人も外国人も喜びそうな趣のある物品販売もしておりまして、その重要性についてかねてより提言してまいりました。
 その後の歴史的資料の活用や市場文化の継承に向けた取組、観光客、来場者の評価などの現状と今後の方針を伺います。

○住野管理部長 銀鱗文庫は豊洲市場内で一般公開されておりまして、市場、水産、魚食を中心とした書籍や雑誌、さらには日本橋や築地市場時代の文献や写真集が展示されているところでございます。
 令和七年二月には、豊洲千客万来内にございます東京都中央卸売市場のPR施設であります、いちばの広場におきまして、銀鱗文庫が所蔵する資料などを展示いたしました。
 引き続き、都は、必要に応じまして銀鱗文庫の所蔵資料を参考としてまいります。

○上田委員 実は、私の父方の上野の実家は、魚すき丸萬といいまして、江戸時代から魚すき文化、多分、本家がなくなったら消滅してしまう魚すきなんですけれども、日本橋から築地への移転で、私のひいひいじいちゃんぐらいがわあわあやっていたと思いますが、そのことも銀鱗文庫はしっかり把握していただいて非常に感銘を受けたので、大切にしていただきたいなというふうに思っております。
 食肉です。
 唯一の食肉取扱市場として一日当たり三百四十四トンの食肉を取扱い、全国の建値市場として重要な役割を果たしております。
 資料を見ると、ほかの市場と違い、卸業者は、このところ二十四者で安定しております。
 令和六年の取扱数量やと畜頭数の推移を踏まえ、現状の市場機能の評価と課題認識をお示しください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 取扱数量は、令和五年は約八万二千八百四十一トン、令和六年は約八万五千六百三十トンで、前年から約二千七百八十九トン増加しております。
 と畜頭数は、令和五年は二十九万七千八百二十四頭、令和六年は三十一万四百七十六頭であり、前年から一万二千六百五十二頭増加しております。
 食肉市場は、全国の産地から牛や豚が出荷され、都民に対し食肉を安定的に供給するとともに、取引される価格が全国の指標となる建値を形成するなどの役割を今後も果たしていくことが重要でございます。

○上田委員 この施設は、昭和四十一年の開設以来、長年にわたり改修や整備が進められてきました。解体作業などもあり、ほかの市場とは一線を画すところです。
 老朽化や衛生基準の変化に対応するための今後の施設維持更新計画について、衛生管理体制や安全対策、BSEとか放射能なんかもありました。現状も踏まえた取組と課題について説明してください。
 整備に当たって、何しろ古い業界ですよね、このと場というのは。今、爆上がりの博善の火葬料問題が大騒ぎになっていますけれども、これ、元をたどると経営者が一緒だったというような、本当に連綿とした歴史があるんですけれども、そういった経緯があるのか、少額随契なども散見されておりまして、入札なども適正に行われているかの確認もさせていただきたいと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都はこれまでも、BSEやO157などの課題に的確に対応するほか、HACCPを導入し、衛生管理の向上に向けた取組を進めるなど、必要な対策を行っております。
 入札契約手続につきましては、地方自治法や地方自治法施行令などの関係規定に基づき適切に行ってございます。

○上田委員 経営です。
 令和五年度決算における営業損失や管理費の水道光熱費割合の高さを踏まえ、七年度に向けた経営改善策とその進捗状況を具体的に説明してください。

○高橋財政調整担当部長 都は、現在、市場会計全体について、中央卸売市場経営計画に基づき強固で弾力的な財政基盤の確保に向けて取り組んでおり、空き店舗を倉庫として利用するなど未利用資産の利活用による収入確保や、業務の見直しによる費用縮減など、経営改善を推進しております。
 引き続き、新たな収入確保策や市場経営の効率化に向けた一層の検討などを着実に行ってまいります。

○上田委員 インバウンドで和牛の評価がありまして、新たな需要が見込まれていると思います。
 流通環境の変化や地産地消の進展に対応するため、今後の市場機能強化や流通合理化に向けた方針、具体策をお示しください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場におきましては、施設整備の老朽化対策を行うとともに、生産者や実需者のニーズなど食肉市場を取り巻く環境の変化に的確に対応していくため、機能強化を進めることにより安定した市場運営に努めてまいります。

○上田委員 事業者もあまり変わっていないというところで、安定的な運営と、そして需要ニーズに応えていくことを期待したいと思います。
 これからは各市場についてです。
 大田市場でございますけれども、城南地域の地元市場としての役割を担い、築地、神田市場の過密化解消のために整備をされました。
 現在の市場機能の発揮状況、地域流通の担い手としての今後の展望について伺います。
 物流効率化、DX推進に向け、令和六年度から場内にWi-Fiの環境整備は着手しているということですが、進捗、展開、業界との連携状況について具体的にご報告ください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 大田市場は、都内はもとより全国の生鮮品等流通の中核拠点としての機能を有しております。
 また、物流効率化に向け、市場業者が開発した荷置場案内システムの利便性向上等を図るため、都は、場内へのWi-Fi整備などを進めており、今年度は整備エリアの拡大に取り組んでおります。

○上田委員 青果部、花き部におけます自動搬送設備や自動仕分装置の導入など、流通環境の変化に適応した設備投資の効果と課題などあれば、ご報告ください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 大田市場の花き部において、作業の負担の軽減等を図るため、自動搬送設備と自動仕分装置を設置したものでございます。

○上田委員 駐車スペースや荷さばき場の確保が必要なようで、それの取組と今後の整備についてお聞かせください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 花き部の商品保管施設や北側荷さばき施設を整備するなど、駐車場や荷さばきスペースの確保に取り組んでございます。

○上田委員 豊島市場ですけれども、老朽化や狭隘化が依然として課題になっておりまして、効率的な施設配備や機能維持のための具体的な対応策、これはWi-FiやDXに関しても進めているようですけれども、ご報告いただければと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場前の国道の拡幅工事に当たり市場用地の一部を売却した際に、市場機能を維持できるよう、既存建物の集約などにより効率的な施設配置としたほか、建物の外壁やトイレの改修工事など老朽化対策に取り組んでおります。
 また、中央卸売市場経営強靱化推進事業により市場業者のDX活用の取組を後押ししております。

○上田委員 淀橋です。
 市場内の動線確保、仲卸業者売場の配置見直しによって、効率化や市場機能向上のための待機駐車場整備、そのほかの施設改善の現状、今後の展開についてご説明いただければと思います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 狭隘な市場の効率的な活用を図るため、新仲卸業者売場棟を建設するとともに待機駐車場を整備するなど、市場機能の向上に取り組んできました。
 さらなる狭隘化対策を進めるため、老朽化が進む総合事務所棟の建て替えに合わせ、拡張整備事業を現在行っております。

○上田委員 順調のようです。
 足立です。
 施設の耐震強化や低温卸売場の整備など、事業統合により三者体制から二者体制となった等、過去の取組の効果と現状を確認します。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 仲卸売場棟の耐震補強工事をはじめ、商品の鮮度保持など品質衛生管理の向上を図るため、大物卸売場や塩干卸売場の閉鎖化、低温化を行いました。
 また、市場業者の経営基盤強化が求められる状況において、卸売業者が事業統合いたしました。

○上田委員 板橋です。
 花き部の統合や関連事業者の動向を踏まえた市場の活性化策、青果部の品質管理の向上や加工パッケージ機能の充実に向けた取組、現状についてご報告ください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 花き部では、卸売業者が統合し、その後、市場の活性化を図る取組としてEコマースを活用するなど、販売の強化に取り組んでおります。
 また、青果部では、広域的な物流拠点としての機能強化を図るため、品質管理の向上や加工パッケージ機能の充実などに向けて取り組んでございます。

○上田委員 世田谷です。
 過去に実施された花き部仲卸業者売場前定温荷さばき場の整備、流通機能強化の取組と成果、今後の課題とか取組について具体的に教えてください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 花の品質管理の高度化に加え、物流機能の強化を図るため、花き部仲卸業者売場前の定温荷さばき場の整備を行うなどの機能強化に取り組んでおります。

○上田委員 荷さばき場の定温化は、本当にいただく声が大きいところです。
 北足立ですが、足立区、北足立市場協会、東京都の三者で締結されたあだちベジタベライフ事業など、その後の地域連携、食育推進の取組状況についてご報告ください。

○住野管理部長 北足立市場では、足立区民の健康増進を目的に、平成二十五年度に締結した覚書に基づきまして、足立区、北足立市場協会と共同して野菜の食べやすい環境づくりに向けた事業に取り組んでおり、食育教室を北足立市場のPRルームで開催しているほか、令和六年度に開催した市場まつりでは、足立区が野菜摂取量を測定する機器を設置するなど、健康増進や食育に関する取組を行っております。

○上田委員 締結以降も地道に取り組んでいることを確認しました。
 多摩ニュータウンです。
 令和六年の取扱実績は、数量で一万八千八百トン、金額で五十七億九千万円となっており、過去二十年と比較すると、数量は七五%、金額は一二四%に増加している一方で、市場内面積の空き面積がかなり存在しておりまして、過去答弁では、市場業者による施設利用の促進と、市場業者の利用希望がない場合には公募の検討を行うとされていましたが、現時点で公募は実施されているのか、この課題は解消できているのか、確認いたします。
 また、多摩市場などは、空き店舗活用や新規参入の促進に向けた取組について昨年確認したのですが、検討中とのことでした。その後の進捗と課題認識を伺います。

○高橋財政調整担当部長 多摩ニュータウン市場ではこれまでも、市場の活性化を図る観点から、卸売場を倉庫や荷さばき場として利活用するとともに、仲卸業者の空き店舗については倉庫として利用するなどの柔軟な運用を図ることにより、空き施設の解消や収入確保に努めてまいりました。
 引き続き、市場関係者による市場業務での施設の利活用に努めるとともに、空き施設については、業界関係者との調整により、公募も含め、市場を支える多様な関係者に市場施設を活用していただけるように検討してまいります。

○上田委員 一歩前進ということですが、公募も、冒頭にいったように、ちょっと資本を確認していただきたい。まだ何もルールが変わっていないのですけれども、そこがやはり気になるところで、懸念したということを懸念してほしいというふうに思っております。
 葛西市場です。
 江戸川、葛飾、江東、墨田などの区部東部地域を供給対象に、青果物三百四十九トン、花き三十七万本を取り扱う市場であり、都内十一市場の中で三番目の広さを誇ります。
 私の地元でもありますことから、取扱数量の推移や市場の活性化状況について、最新の分析結果と課題認識をお示しください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 青果物の取扱数量は、令和五年は約九万三千二百四十二トン、令和六年は約八万七千六百十七トンで、前年から約五千六百二十五トン減少しております。
 花きにつきましては、令和五年は、切り花換算で約一億千四百十三万本、令和六年は約一億四百五十六万本で、前年から約九百五十七万本減少しております。
 流通業務団地内に位置し、生鮮品等の流通拠点として運営しており、必要な施設の維持更新を行ってございます。

○上田委員 ちょっと減少傾向にあるということで懸念をしておりますが、量としては、やっぱり不可欠だというふうに判断をします。
 過日は葛西市場まつりもお邪魔をしまして、江戸川区民も大変大喜びで、たくさん買物をさせてもらいまして、私も目当ての山芋をゲットできまして、本当に地域に一体化しているなというふうに思っております。
 何となく仲卸に聞いたところ、豊洲のようなルール無視なり、買占めだの、怪しげな外資は今のところ入っていないということを確認しまして、自分の地元なので、ほっとしているところでございます。
 施設維持更新についてです。
 令和七年の資本的支出総額は約一千三百九十三億円で、そのうち建設改良費が約六十二億円計上されていました。
 都は、アセットマネジメント手法を活用し、市場施設の類型、全国拠点型、流通業務団地型、供給拠点型に応じた、めり張りある維持更新を実施していると伺っております。
 主要市場ごとの施設整備内容と工事実施のマスタープラン、予防保全の実施状況と進捗状況を具体的にご説明ください。

○中井環境改善担当部長 中央卸売市場は、建物等の経過年数や劣化状況を踏まえ、市場機能を維持するための工事を実施しております。
 令和七年度は、大田市場、食肉市場、板橋市場、葛西市場などにおいて、受変電設備の更新や屋上防水改修等を実施しておりまして、引き続き、建物などの劣化状況等に即した計画的な維持更新に努めてまいります。

○上田委員 計画的といっても、それはどうしても財政が伴うところでございますので、施設の老朽化や機能更新に伴う今後の整備計画と財源確保の見通しについてお聞かせください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和七年度は、市場施設の改良費等として約六十二億円を計上しております。
 建物ごとの維持更新計画を策定するなど、引き続き計画的な施設整備を財政計画との整合を図りながら行ってまいります。

○上田委員 何においても、やはり財政なんですけれども、平成十二年以降の使用料改定や企業債繰上げ返還による支払利息圧縮などの取組により、一時的に黒字化したものの、現在の収支バランスが気になるところです。
 また、令和三年に策定された中央卸売市場経営指針及び令和四年からの中期経営計画に基づき、二〇四〇年代の経常収支黒字化を目指すとのことですが、現時点の進捗状況と課題、今後の具体的な施策を伺います。
 また、令和七年度の収益的支出及び資本的支出の予算総額は約一千八百二十億円で、前年から一一〇%増加しておりますが、収益的収入及び資本的収入の予算総額は約二百三十一億円にとどまり、収支差は約一千五百八十九億円となっております。
 この財政構造の課題と対策についても説明してください。

○高橋財政調整担当部長 都は、未利用施設の利活用等による収入確保や、電気料金の削減など市場管理に係る経費等の縮減に努めております。
 また、市場業界との課題認識の共有等を図るため、東京都中央卸売市場会計経営レポートを作成、公表するとともに、全十一市場を回り、じかに業界関係者との意見交換等を行っております。
 引き続き、二〇四〇年代の経常収支黒字化に向け、取り組んでまいります。

○上田委員 ある意味、装置事業なので仕方がないと思うんですが、営業費用のうち管理費が百九十八億円と大きな割合を占めていますが、昨今の原材料高騰も踏まえた管理費の内訳、圧縮、削減の努力ももう限界と思っておりますが、所見を伺います。

○高橋財政調整担当部長 都は、未利用施設の利活用等による収入確保や、電気料金の削減など市場管理に係る経費等の縮減に努めております。
 引き続き、二〇四〇年代の経常収支黒字化に向けて取り組んでまいります。

○上田委員 二〇四〇年、みんな幾つになっているのかなという感じですけれども、見届けたいと思います。
 経営強靱化推進事業、市場物流効率化推進事業、先端技術活用による業務効率化事業などの重点施策の具体的内容と期待される効果。黒字化に向けてですものね。これまでの成果について説明してください。

○飯野事業部長 中央卸売市場経営強靱化推進事業では、DX活用や人材確保など、市場業者による経営課題の解決に向けた意欲的な取組を後押ししております。
 市場物流効率化推進事業については、市場の物流効率化を推進するため、市場業者向けに情報発信や個別相談を実施しております。
 先端技術の活用等による業務効率化事業については、BPRの徹底等によってサービスの質の向上等を推進するため、検討を行っております。

○上田委員 最後になりますが、企業債の返還状況と今後の財務負担軽減策についてご説明ください。

○高橋財政調整担当部長 昨年度末における企業債の未償還残高は約二千二百十七億円となっております。
 現在は、主に豊洲市場の建設のために調達した企業債の償還を行っており、これについては令和八年度までに償還する予定となっております。
 引き続き、計画的な財政運営を行ってまいります。

○上田委員 順調な企業債返還を進め、経年化している営業損失の課題解消、費用対効果を念頭に入れた中長期的、効率的な老朽化対策を図るよう求めます。
 最後に、私も話していますが、かつては新規参入により仲卸全体の経営改善を求めていましたが、よもや大量購入、仲卸が販売車で民泊に直売するような販売手法といった、問答無用な、ルール無視の外資が疑われる事業者に取って代わられるとは予想だにしておりませんでした。これでは、江戸東京の食文化とそれを担う事業者を守るどころか、崩壊を指をくわえて眺めるのみとなってしまいます。
 古くは江戸時代の魚河岸に遡る、明治十年から続く東京の市場の伝統や食の文化を破壊するような蛮行を看過せず、今後は、仲卸の出資状況、外資参入を積極的に把握し、ルールや法律、条例の改正等も踏まえて、市場利用、売買行為の規律についても厳しく、駐輪なんかもそうですけれども、監視すること、これが公的市場、中央卸売市場の役割と強く要請をし、私の質問を終わります。

○さとう委員 産業活動などで生じる廃棄物を再利用などによって可能な限りゼロに近づけるゼロエミッションを達成するとともに、中央卸売市場の赤字を解決するという観点から質問します。
 環境省が公表している令和六年度検討結果、日本の海洋プラスチックごみ流出量の推計によると、日本国内の海洋へのプラスチック流出量は二千三百から二・四万トンであります。
 オランダ・ロッテルダムを拠点とする世界的な海洋ごみ回収プロジェクト、The Ocean Cleanupの論文をまとめたカナダの専門メディアによると、世界の年間海洋プラスチック廃棄物は百一万トン、ランキング一位はフィリピンで三十五・六万トン、続いて、インド十二・六万トン、マレーシア七・三万トン、中国七万トンなどです。
 これでは、中央卸売市場の廃材で発泡スチロールを再利用するということが、果たして世の中にどれだけインパクトがあるのだろうと悩むところではありますが、都としては、中央卸売市場で排出された全体の廃棄物のうち、何%がリサイクルされれば最適だと考えているのでしょうか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 廃棄物処理につきましては、廃棄物処理法に基づき、排出事業者が自らの責任において処理しており、都は、市場業者の適正な処理やリサイクルの取組に対し、負担金の交付などを通じて後押しをしてございます。

○さとう委員 排出事業者の責任において処理されるとのことですが、それでは、都の政策的リーダーシップがどこにあるのか見えません。
 確かに、法制度上、一次的な責任は事業者にありますが、産業廃棄物のリサイクルは事業者単位の努力では解決しない構造的な課題です。
 現在は単なる金銭的支援にとどまっておりますが、東京都がルールをつくる側として、再利用、再資源化の目標値、KPIを明示すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、市場の開設者といたしまして、都民への生鮮品等の安定供給の役割を果たすため、事業者が適正な廃棄物の処理など法令を遵守した上で活発な取引を行うことができるような措置を講じてございます。
 この考え方に基づきまして、特に廃棄物の処理につきましては、目標を設定するというやり方ではなく、後押しをする方法で取り組んでございます。

○さとう委員 ゼロエミッションを達成するための、都が政策的リーダーシップを取り、リサイクルのKPIを策定することを要望します。
 次に、リサイクルの方法について伺います。
 リサイクルと一言でいっても、リサイクル方法が重要です。リサイクルには三つあり、使用後、新たな製品にするマテリアルリサイクル、原料をまたつくるケミカルリサイクル、燃料を取り出して再利用するサーマルリサイクルがあります。
 サーマルリサイクルは、世界から見ると、燃やしているだけとなり、評価が低いのですが、都としてのそれぞれの目標はありますでしょうか。
 また、中央卸売市場におけるリサイクル方法ごとの割合を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 廃棄物のリサイクルにつきましては、発泡スチロール、木製パレット、野菜くずなど、それぞれの廃棄物の特性に応じて、事業者が経済合理性も勘案し処理しているとの報告を聞いてございまして、発泡スチロールにおきましてはマテリアルリサイクルが進んでいると聞いてございます。

○さとう委員 ご答弁からは、現場でどのリサイクル手法がどの程度行われているのか、定量的な把握がなされていないように聞こえます。
 事業者が経済合理性も勘案して処理しているとのことですが、それでは、都としての環境目標や方向性が不明確です。経済合理性に委ねるだけでは、サーマルリサイクル、すなわち焼却依存が進み、結果として温室効果ガスの排出量の増大や国際的評価の低下を招くおそれがあります。都がどの方法を優先し、どの程度まで高めるかという政策誘導の方向性を示すことを要望します。
 次に、都が負担している経費についてです。
 昭和四十七年三月までは、中央卸売市場が市場内のごみ処理を都の全額負担で東京都清掃局及び東京都環境整備事業協会、現在の東京都環境公社に委託していました。昭和四十七年四月には東京都清掃条例が施行され、発生者処理責任の原則にのっとり、ごみ処理事業を協議会が引き継いでいます。
 中央卸売市場における一般廃棄物と産業廃棄物に関する経費総額と、うち東京都が負担している経費を廃棄物種類ごとに伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、市場内から排出される廃棄物のうち、リサイクル実施分を除く一般廃棄物、野菜くず、発泡廃棄物や木製パレットにつきまして、廃棄物負担金要綱に基づき一定割合を交付してございます。
 令和六年度における都の負担額は、一般廃棄物は約八千万円、産業廃棄物は約二千三百万円であり、合計は約一億三百万円でございます。

○さとう委員 PPバンド、ラップなど、魚腸骨その他産業廃棄物については、負担金の対象外です。
 廃棄物の中でも負担金が出るものと出ないものがあるのはなぜか、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 廃棄物処分は、廃棄物処理法により排出者の責任で行うものでございますが、市場流通に不可欠で、また発生量も多い発泡スチロールや木製パレットについて、リサイクル負担金の対象としてございます。

○さとう委員 PPバンド、ラップ等に関しては、水気が含まれていたり、汚れていることによりリサイクルがしづらいと認識しています。これらをリサイクルするには、洗浄装置を設置するなどしなければ進まないと思われますが、市場参加者だけで設置するのは金銭的に難しいと思われます。
 PPバンド、ラップ等に関してのリサイクル率及び都が浄化装置の設置を支援することについて見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 排出されたPPバンド、ラップ等のうち、令和六年度は約一千トンがリサイクルに回っているという報告を受けております。
 また、浄化装置の設置への支援については、現在行っておりません。

○さとう委員 令和六年度は約一千トンがリサイクルされているとのことですが、それでは、総排出量に対してどの程度の割合なのか。つまり、リサイクル率が示されていません。分母が分からず分子だけ示されては、実態も課題も全く見えてきません。
 市場で排出されるPPバンドやラップなどのフィルム類は、水分や汚れを含み、現状では多くが焼却処理に回っていることが想定されます。千トンがリサイクルされたとしても、残りがどれほど環境負荷を伴って燃やされているのか、その全体像を都が把握していないこと自体が問題です。実態把握に努めるよう要望します。
 次に、魚腸骨、いわゆる魚のあらについて質問します。
 魚腸骨は事業系廃棄物であり、東京二十三区清掃一部事務組合では引き受けられません。基本的には排出者責任となりますが、個々での処分は難しいものです。
 処理事業者がいるものの、実質、農林水産省の補助金も投入した施設が東日本で一か所という現状を認識しています。
 都が把握している首都圏の魚腸骨処理業者の具体名を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場では、具体的にどこの魚腸骨処理業者で処理しているかは報告を受けておりませんが、市場内から発生する廃棄物については、排出事業者責任の原則の下、各市場で、市場協会などの組織が運営主体となり、処理が行われていると承知してございます。

○さとう委員 どこの魚腸骨処理業者で処理しているかは報告は受けていないとのことですが、これは、都が廃棄物処理の実態を把握していないことの表明にほかなりません。
 魚腸骨を資源リサイクルとして加工している化成工場は、都内では板橋区に一か所だけありましたが、平成五年に廃業しました。現在は、本社が練馬区、工場が埼玉県草加市にある三幾飼料工業株式会社の一か所です。
 魚腸骨は、一般廃棄物とは異なり、極めて腐敗性、悪臭性の高い特殊廃棄物です。とりわけ市場で大量に発生する魚腸骨は、放置すれば、害虫、悪臭、衛生問題に直結します。
 業者の設備も古くなってきており、急な受入れ不可などリスクも大きいため、今後、留意していく必要がありますが、都の現時点での認識と対策を伺います。
 また、設備の更新に関して農水省からの補助金が出る確約はなく、東京都としても設備維持の歳出を見据えた財政計画が必要かと思いますが、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場は、市場外の魚腸骨処理事業者が有する設備の状況については把握してございません。
 また、市場外の魚腸骨処理事業者をはじめとする廃棄物の処理設備を有する者の設備の維持につきまして、補助金等による支援はしておりませんが、処理の実績等の報告を受けるなどの対応をしてございます。

○さとう委員 処理の実績等の報告を受けるのでは足りないと思います。魚腸骨処理業者は全国でも限られており、施設が東日本で一か所しかないという現状を踏まえれば、首都圏における処理ルートの貧弱性は明らかです。都は知らないと済ませる問題ではなく、都の課題として実態把握に努めるよう要望いたします。
 次に、発泡スチロールのインゴット、すなわちポリスチレンの塊について質問です。
 中央卸売市場では、年間二千十九トンの発泡スチロールが消費され、そのまま廃棄物集積所に収集されます。発泡スチロール協会が二〇二二年に公開したデータによると、二〇二一年の輸入品を含めた国内の発泡スチロール出荷実績は十二・七万トンであり、出荷数イコール使用数とは単純にひもづけることはできませんが、少なくとも日本国内における発泡スチロール出荷数の約一・六%ものスチロールが中央卸売市場で廃棄されていることになります。
 現在、使用済み発泡スチロールはインゴットとしてマテリアルリサイクルされていますが、中央卸売市場における発泡スチロールのリサイクル率を、サーマル、ケミカル、マテリアルの方法ごとに伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 使用済み発泡スチロールとして市場内で廃棄されたもののうち、約二千トンはマテリアルリサイクルに供する目的で処理されているものと承知してございます。

○さとう委員 二千トンがマテリアルリサイクルというのは、公開情報なので承知しています。ご答弁からは、現場でどのリサイクル手法がどの程度行われているのか、定量的な把握がなされていないように聞こえます。伺いたいのは、サーマル、ケミカル、マテリアルリサイクル、それぞれの割合です。先ほども申し上げましたが、都としての環境目標や方向性が不明確です。都がどの方法を優先し、どの程度まで高めるかという政策誘導の方向性を示すことを要望します。
 次に、インゴットの主要売却先及び金額を伺います。
 発泡スチロールの箱に貼られていた紙やプラスチックのラベル、ごみ、塩分、油分などが混入し、箱の色も様々に交じっていて、製品としての質が悪いのが現状だと認識しています。そのため、引受先があまりなく、売却先は東南アジアなどの限られた国だと把握しています。
 都が把握しているインゴットの主要売却先及び金額を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、個々の売却先や売却金額についての報告を受けておりませんが、処理数量や売却金額の総額などの実績について報告を受けてございます。

○さとう委員 その処理数量と売却金額を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和六年度の実績ではございますけれども、処理数量約二千トン、売却金額、売却収入、約六千万円でございます。

○さとう委員 処理数量が二千トンとのことですが、二百二万キログラムとも聞いていて、どちらが正解なのでしょうか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 約二千トンでございます。

○さとう委員 インゴットが二千トンということでよろしいですか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 先ほど申し上げました実績でございますけれども、発泡廃棄物の実績でございます。

○さとう委員 私がお聞きしたいのは、発泡スチロールのトン数ではなくて、インゴットの処理数量になります。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 お尋ねのインゴットの数量につきましては把握してございません。

○さとう委員 先ほど、別の職員さんから答弁に変更がありますと会派室に伺われて、その際には、処理数量は二百二万キログラムで、売却金額の総額は六千万円との報告を受けていたのですが、この内容に誤りがあるということでしょうか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 失礼しました。
 先ほど申し上げましたのは、インゴットの主要売却先及び収入の金額の総額でございます。

○さとう委員 発泡廃棄物が中央卸売市場全体で二千トンですので、インゴットの処理数量が二千トンというのは、全てインゴットで処理されているということになりますが、理解にお間違いないですか。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 今、委員おっしゃったとおりでございます。

○さとう委員 承知いたしました。
 そして、もう一つ、都は売却先について報告を受けていないと答弁されましたが、裏を返せば都自身が報告を求めていないということです。インゴットの主要売却先は中国だと把握しています。このような姿勢では、ゼロエミッションや循環経済の目標を掲げても、現場の資源循環がブラックボックス化したままになります。
 リサイクル率だけを見ても、その原料が再利用されずに、低品質インゴットとして海外輸出、現地で焼却、埋立てされていれば、見かけ上のリサイクルにすぎません。循環型社会を実現するためには、リサイクル素材の流通経路、品質、経済価値まで追跡する必要があります。実現のためには、出口情報の管理こそ政策の中核です。東南アジア諸国への輸出依存から脱却し、国内での再資源化ルートの構築、支援策を検討するよう要望します。
 次に、インゴットの販売価格は、財務省の毎月の貿易統計により変動していると認識していますが、発泡スチロールをインゴット化しても、品質が悪く、買手がいないというのも問題です。ですので、リサイクル方法の変更を考えていくことも必要です。
 具体的には、インゴットではなく、ペレットとしてリサイクルする方法がよいと考えています。生産、出荷、回収、インゴット化の後、リサイクル業者へ引き渡す流れだったものを、国内において、もう一度、発砲スチロール製品へつくり変えるということです。使用済みの発泡スチロールを一度減容し、新たな構造体につくり直せば、非常に硬くて軽いものができます。木のパレットだと重く、経年劣化し、腐ってしまいますが、この方法であれば、破損しない限り使用することができます。
 ただ、一つ問題なのが、発泡スチロールにラベルやごみなどが付着したままリサイクルに出した場合、構造体に強度が出なくなり、破損しやすくなります。これをクリアするには、不純物のないものにしなければなりません。つまり、紙やプラスチックのラベルを剥がし、かつ洗浄して出してもらい、その上で発泡スチロールの箱の色別に分別排出してもらうことが必要になります。そうすれば、スチロールの原料、ペレットとして国内に受入先が確保できるものと思われます。
 都は、発泡スチロールのリサイクルの品質を改善し、インゴットではなく、ペレットとして国内の受入先を確保する方針はあるのか、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、再生材料の受入先などは承知してございますが、一方、市場内で発泡スチロールを処理し、インゴットとされた後の流通過程において、再生ペレットとして再生利用されている例があることは承知してございます。

○さとう委員 承知しているだけでは資源は回りません。東京都が動かす側に回らなければ、真の循環都市東京は実現しません。都は、インゴットからペレットへの転換目標、支援制度、モデル事業を一切持っていません。各市場や事業者が独自に取り組んでも、洗浄、分別コストが高く、採算が合わないため、広がりません。都が設備導入支援、品質基準設定、技術導入補助を制度化することを要望します。
 次に、木製パレットの廃棄物発生量の増加について伺います。
 中央卸売市場の過去三年の廃棄物発生量は、令和四年度は三万六千四百四トン、令和五年度は三万五千五百三十トン、令和六年度は三万四千四百二十七トンと、毎年千トンずつ減少していますが、一方で、木製パレットは、令和四年度は五千五十六トン、令和五年度は五千五十二トン、令和六年度は五千五百三十九トンと、毎年、平行線あるいは五百トン増加しています。
 中央卸売市場の廃棄物発生量が減少していく中、木製パレットの発生量を抑制することができない理由を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 生鮮品等流通においては、木製パレットが品物の輸送手段として多く活用されており、卸売市場では、破損し使用不能となったパレットが廃棄物として排出されるなどの要因があるものと考えております。

○さとう委員 入荷が多い市場では、パレットの需要が増えて数が不足しており、管理が問題になっています。
 一方で、今にも破損しそうな状態のパレットでも、少しでも荷物が乗っていれば市場に入荷してきてしまい、それが市場などの物流施設に捨てられているのが実態です。どの市場も、廃棄に対応しなければなりません。意図的に持ち込まれていることも想定されており、物流の部分でどうコントロールできるかが一つの大きな課題ではないかと思います。
 市場全体や産地を巻き込んで統一のパレットを使用することや、サイズの統一化などの方針を決め、産業廃棄物にならない素材を使用しパレットをつくるなど、川上から中間の全てが協力しなければ、パレットの削減は難しいと思われます。
 都は、物流施設に捨てられている実態を把握しているのか、また、パレットの削減に向け、協力体制の構築を支援できているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 市場内におきまして木製パレットが廃棄されていることは承知しており、また、現在、国がプラスチック製のレンタルパレットの使用や循環体制の構築を推進している状況を踏まえまして、都もこれを受けて、令和四年度に市場業界とともにパレット利用検討会を設置し、パレット管理の検討等に取り組んでございます。

○さとう委員 プラスチック製のパレットは木製パレットの十倍の値段がするので、業者がお互いのパレットを使い合う現状では、普及が現実的ではありません。プラスチック製パレットの原料をリサイクルで入手するのが肝だと考えています。
 そこで、中央卸売市場の赤字を解消し、中央卸売市場の社会的役割を向上させ、さらにはゼロエミッションを達成するための提案をさせていただきます。
 卸売市場での取扱量が減ってきており、市場会計も毎年赤字で推移していることから、世間一般では、中央卸売市場の存在意義が議論される場面も出てきました。都は、市場使用料の引上げを検討しているようですが、仲卸事業者の約半数近くが赤字ということや、市場参加者をまとめ上げる難しさ、仮に使用料を引き上げても大幅な改善にはならないことが予想されます。
 中央卸売市場では、大量入荷の特性上、産業廃棄物が発生し、場外や海外からも産業廃棄物が集まってしまうのは、先ほどの質問のとおりです。ただ、発想の逆転をすれば、発泡スチロールの減容、インゴット化などのリサイクルは、市場という集積場所があるから可能になっているというメリットがあります。
 このメリットを最大限に生かし、中央卸売市場をリサイクルの一大拠点にして、市場全体、また産地を巻き込んで収益を得ていく、社会的役割を強化していくという発想があってもよいのではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場は、都民に対して生鮮食料品等を安定供給する場として確実に運営することが重要であり、市場内において排出される廃棄物につきましては、法令に基づき適正に処理されることが重要でございます。
 都は、市場の開設者といたしまして、市場流通の過程で発生した使用済み発泡スチロールについてリサイクルを推進するなど、排出事業者の自律的な取組を後押ししております。

○さとう委員 使用済み発泡スチロールについてリサイクルを促進すると答弁がありましたが、何度もいうようですが、発泡スチロールにラベルやごみなどが付着したままリサイクルに出した場合、インゴットの質が悪くなり、構造体に強度が出なくなり、破損しやすくなります。これをクリアするには、不純物のないものにしていかなければなりません。
 洗浄装置を導入し、質のよいインゴットからペレットをつくり、プラスチックパレットを作成、販売するのであれば、中央卸売市場の赤字解消とゼロエミッションを同時に進めることができます。仮に赤字が解消されなかったとしても、社会的貢献度が高い拠点として、中央卸売市場の新たな価値が創出されます。
 市場使用料の値上げを検討しているようですが、赤字解消の決定打にはなりません。市場外や海外のパレットも引き受けることにより、世界的にもリサイクルの一大拠点として中央卸売市場の社会的必要性を強化していくなど、中央卸売市場には既存事業の枠にとらわれない思い切った事業展開を検討していただくのがよいかと考えていますが、市場とスタートアップ支援の連携事例はありますでしょうか。
 例えば、市場の課題解決を目指すスタートアップとの協働プロジェクト、市場データのオープン化による新規ビジネス創出など、具体的取組を伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 当局では、今年度、スタートアップ戦略推進本部による現場対話型スタートアップ協働プロジェクトを活用し、複数ある市場施設の膨大な電子化された図面をクラウドで一元管理し、業務効率化につなげていく取組を始めたところでございます。

○さとう委員 ご答弁では図面データのクラウド管理といった取組が紹介されましたが、それは既存業務の効率化にとどまるものであり、スタートアップとの協働と呼ぶには、あまりにも小さな枠に収まっています。私が申し上げたいのは、単なるデジタル化ではなく、市場そのものの価値をアップデートするような協働を進めるべきだということです。
 例えば、市場で発生する生鮮廃棄物を新たな資源に変えるリサイクルスタートアップとの実証など、今までの管理する市場から挑戦を受け入れる市場へと、都が先頭に立って進化させていくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

○三雲委員 立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会の三雲崇正です。あと、もう少しのご辛抱でございます。
 中央卸売市場が行う事業のうち、事業概要五五ページ以下の市場施設の計画的な維持更新、市場の活性化に向けた取組及び市場のサステーナブル化、並びに事業概要五八ページ以下の市場業者への経営支援の取組について質問いたします。
 まず、市場の計画的な維持更新について伺います。
 事業概要では、アセットマネジメント手法の展開により、長期的な視点に立った計画的な維持更新を実施するものとされ、各市場の機能や立地、施設規模等による類型を踏まえ、めり張りある維持更新を実施し、市場ごとに、市場施設の類型を踏まえた維持更新の方向性を明示することとされています。
 そこで、この方針に基づく維持更新事業の直近の実施状況及び現在計画中の事業についてお伺いいたします。

○中井環境改善担当部長 都は、生鮮食料品等を安定供給する市場機能の維持に向け、市場業務への影響、建物や設備の劣化状況等を考慮して様々な維持更新工事を行っております。
 具体的には、外壁や屋上防水改修、受変電設備や冷凍冷蔵設備の更新、トイレ改修、舗装の打ち替えなどの工事を実施しております。

○三雲委員 先ほども質疑がございましたけれども、そういった設備のほかに、舗装の打ち替えといったこともやっていらっしゃると。敷地内での舗装の凸凹、これは商品の品質に関わってきますので、非常に大事な維持管理であるというふうに考えております。
 大山委員長、そして、私の地元の淀橋市場においては、狭隘な敷地で、新宿区、中野区、杉並区をはじめとする二十三区西部に供給される青果物を取り扱っております。敷地の効率的な活用が求められる一方で、施設の老朽化にも対応する必要があります。
 また、昨今の青果物の輸送システムの高度化、とりわけ収穫物を低温で消費地まで運ぶコールドチェーンに対応し、かつ省力化された搬送を実現するための施設整備のニーズもございます。
 そこで、狭隘な敷地の効率的な活用と施設の老朽化に対応するため、新総合事務所棟の整備及び現在の総合事務所棟の解体が計画されておりますけれども、その進捗状況と今後の予定について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 淀橋市場では、経営計画に基づき、老朽化が進む総合事務所棟の建て替えに伴い、狭隘化による場内物流の改善に向けた拡張整備事業を推進しており、今年度は総合事務所棟の建て替えに向けた準備工事に着手しております。
 今後、新総合事務所棟を建設し、その一部を卸売場や加工パッケージエリアなどとして活用することとしています。
 新総合事務所棟の竣工後、現在の事務所棟を解体する予定でございます。

○三雲委員 五階建ての新総合事務所棟は、事務スペースだけでなくて、青果物の加工パッケージを行うための低温管理可能なエリアの整備が予定されておりまして、コールドチェーンの対応を可能にしています。
 また、現事務所棟が解体されることによって、市場敷地内の動線の改良も期待されるところです。
 新総合事務所棟屋上には太陽光発電設備を整備し、ゼロエミッション化を推進することも予定されていると聞いています。
 どの程度の発電効果とCO2排出削減を試算しているのか、伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和四年度に策定した淀橋市場拡張整備事業の基本計画において、ゼロエミッション化に向けて、太陽光発電設備の設置により再生可能エネルギーの導入を進めることとしております。
 太陽光発電設備の発電能力を含めた詳細な仕様につきましては、今後検討してまいります。

○三雲委員 今後検討とのことです。仕様の検討に当たっては、ゼロエミッションの名にふさわしい計画目標を立てていただきたいというふうに思います。
 また、コールドチェーン対応と省力化された搬送を実現するために、市場業者によって自動立体冷蔵倉庫の整備工事が行われてきましたが、その整備状況及び都による支援について伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 淀橋市場拡張整備事業では、市場業者が自動立体冷蔵倉庫の整備に取り組んでおり、今年一月に整備工事に着手し、十二月に竣工予定でございます。
 都は、自動立体冷蔵倉庫の整備等に要する費用の一部を補助することで市場業者の取組を後押ししております。

○三雲委員 今、費用の一部を補助するということですけれども、その金額と補助率について教えてください。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和七年度予算におきましては三億八千五百万円を計上しており、その範囲内において補助率二分の一により交付を予定してございます。

○三雲委員 市場業者による市場の機能近代化の取組に対して、相応の支援を行っている状況がうかがわれます。引き続き、市場業者の要望を踏まえつつ、適切に対応していただくよう要望いたします。
 続いて、市場の活性化に向けた取組のうち、サプライチェーンにおける結びつきの強化について質問します。
 生鮮食品の流通においては、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどチェーン化された大手小売業が力を増した結果、中央卸売市場を経由する商品の数量は、最盛期であった昭和末から平成初期と比較すると、大きく低下をしています。
 生産地と中小の実需者をつなぐ中央卸売市場の機能を維持していくためには、サプライチェーンの強化、市場業者の経営基盤の強化が必要となります。
 都として、産地や実需者、それと市場業者との結びつきを強化するための具体的な取組についてお伺いします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 生鮮品等流通の中間に位置する中央卸売市場において、集荷力や販売力を強化する市場業界の取組を支えるため、施設整備に際しては、商品の鮮度保持のための施設の低温化や、多様な消費者ニーズに対応する加工パッケージ機能の充実などに留意して取り組んでおります。

○三雲委員 先ほどお答えいただいた淀橋市場における自動立体冷蔵倉庫の整備であるとか新総合事務所棟の整備というものは、サプライチェーン強化の視点からも重要な取組であることが分かります。
 自動立体冷蔵倉庫はこの十二月に竣工予定ですが、新総合事務所棟はまだ時間がかかることが予想されています。着実に進行していただくことを要望いたします。
 また、安定的な食品流通を実現する市場機能を維持していくためには、市場業者の経営安定が重要です。
 近年は、コロナ禍による需要低下、円安、物価高騰、ガソリン代等輸送コストの上昇など、中小企業にとって経営環境は悪化し続けています。
 都として市場業者の経営課題をどう理解しているのか、お伺いいたします。

○飯野事業部長 人口減少や物価高騰など社会経済情勢の変化により、市場業者は、人材不足や業務の効率化、販路の拡大など個々の状況に応じて様々な課題を抱えておりまして、都では、市場業者の経営を支えるために様々な支援を行っております。

○三雲委員 そうした認識の下で、市場業者の経営課題に即した支援事業の具体例について教えてください。

○飯野事業部長 都は、経営課題の解決に向けた意欲的な取組を中央卸売市場経営強靱化推進事業により後押ししており、販売管理システムの導入や求人情報サイトへの人材広告の掲載など、市場業者による具体的な取組が行われております。
 また、中小企業経営や財務等の専門家による経営相談なども実施しておりまして、専門的見地から個々の市場業者の経営課題に即した助言等を行っております。

○三雲委員 配布されています経営支援策の案内であるとか、経営強靱化推進事業補助金のリーフレットを見ますと、お問合せは各場東京都事務室までと、こういった記載があります。
 行政が行う事業者向けの経営支援では、窓口となる役所の連絡先が記載されていたりとか、金融機関に問い合わせるよう記載されていることが多いのですけれども、ここでは、日常的に仕事をしている市場内で、顔を見知った市場職員に対して問合せ、相談ができる、こういうことになっておりまして、支援につながる入り口の敷居が低いということがいえると思います。
 また、経営アドバイザリーや経営相談事業によって専門家につながることで、それぞれの実情に合わせた支援メニュー選択や手続の支援が受けられるようになっています。
 令和六年度における経営強靱化推進事業の補助金交付実績をお伺いいたします。

○飯野事業部長 中央卸売市場経営強靱化推進事業の令和六年度の実績は、計百九十六件の取組に対して支援を行い、交付額は約四億三千六百万円となっております。

○三雲委員 令和六年度の予算額は五億円でしたので、対予算執行率約八七%ということになってきます。
 こういった支援は市場業者のニーズを踏まえた支援である必要があって、また、中央卸売市場全体でどの程度の支援が必要であるかは、その都度の景気であるとか、そういった状況によって変動するものと思いますので、執行率の高低そのもの自体が問題ではないと考えますけれども、こうした八七%という執行率があるということは、市場業者に対して、適切なタイミングで、それぞれの経営課題に合致したメニューがちゃんとつながっているんだろうということが推測をされます。
 引き続き、きめの細かい相談体制を目指していただきますようお願いいたします。
 続いて、市場事業のサステーナブル化について質問します。
 市場のゼロエミッション化については、先ほども議論がございました。
 そこで、市場事業の社会的な意味での持続可能性の観点から、地域社会との共生について質問いたします。
 中央卸売市場は、食品流通を支える重要な施設である一方、商品搬入のための大型車両であるとか売買参加者の車両によって近隣の交通量が増大し、それに伴う交通混雑や騒音といった課題もございます。
 住宅地と隣接する場合には、市場の円滑な運営のためには地域住民の方々の理解と協力が必要になってまいります。
 そのためには、地域住民との交流促進であるとか情報発信が欠かせず、中央卸売市場全体の一般的な取組として、パンフレット、公式ホームページ、ビデオ、DVDによる広報が行われております。
 淀橋市場における地域社会との共生に向けた取組と、こうした取組に対する都の関わりについてお伺いいたします。

○住野管理部長 中央卸売市場は、市場まつりの開催や市場見学の受入れ、食育、花育の活動等によりまして地域住民との交流活動を促進することを通じて地域社会との共生を図ってございまして、淀橋市場におきましては、市場業界と連携して開催いたしました市場まつりにおきまして、地元の中学生に野菜の販売体験に参加いただいたほか、小学生の市場見学の受入れなどを通じて地域とのつながりを深める取組を行ってございます。

○三雲委員 ありがとうございます。
 先月二十六日の淀橋市場まつりに参加しましたけれども、雨の中、朝早くから多くの近隣住民の方が来場してにぎわっておりました。広い場内に山と積まれた青果にも圧倒されましたけれども、家族連れの方が多くて、皆さん笑顔で買物する姿に、淀橋市場が地域で愛された施設であるということが実感できました。
 また、先ほど、市場業者の課題として人材不足が挙げられていましたけれども、市場まつりでの販売体験であるとか市場見学を通じて小中学生に中央卸売市場での仕事を知ってもらい、市場の役割への理解を深めてもらうとともに、将来の職業選択の際の選択肢の一つとして意識してもらうことも重要な取組であるというふうに考えます。
 ここまで、地元の淀橋市場における取組を中心に、中央卸売市場の機能を支えるハード面、ソフト面での取組について伺いました。
 市場は、都民に生鮮食品を円滑かつ安定的に供給する基幹インフラであります。その重要性は今後も失われることはないと考えます。
 市場や市場業者を取り巻く環境が変化する中でもインフラとしての機能を堅持できるよう、引き続き的確な施策を講じていただくよう要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○渋谷委員 計画的な施設の維持更新について伺います。
 都内に十一ある中央卸売市場については、平成三十年に開場した豊洲市場を除いて施設の老朽化が進んでいます。
 都民への生鮮品等の安定供給を使命とする中央卸売市場が今後もその役割を果たすためには、老朽化した施設の計画的な維持更新に取り組む必要があります。
 そこで、老朽化が進む市場施設の維持更新にどのように取り組んでいくのか、まず伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 中央卸売市場が今後も生鮮品等の流通拠点としての役割を果たしていくためには、老朽化が進む市場施設を計画的に維持更新していくことが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、卸売場等の主要な建物ごとに劣化状況等の現状把握を行い、改修や改築等の維持更新の方針を取りまとめました。
 これを踏まえ、建物ごとの維持更新計画を策定し、具体的な老朽化対策を着実に実施してまいります。

○渋谷委員 市場施設は市場業者が活気ある取引を行うための土台であり、その着実な整備は施設管理者である都の重要な責務です。しっかりと整備を進めていただきたいと考えます。
 維持更新等の施設整備に当たっては、市場業者の要望やニーズも踏まえながら、各市場が抱える課題の解決や使用者にとってよりよい施設としていくことが重要です。
 現在、板橋市場や足立市場では、各市場の特性に応じた施設整備が進められていますが、業界要望を踏まえてどのような対応を図ろうとしているのかを確認したいと考えます。
 例えば青果物においては、業界からの要望として、これまで市場内には設備を設置することが難しかった青果小売店の方々が、異常高温となる夏場や市場の休市日であっても品質管理された商品を取りそろえられるように、コールドチェーン対応として場内に保冷設備等を整備してもらいたいというニーズがあると聞きます。
 板橋市場では、青果物流通の広域拠点として機能強化を図る取組が進められていますが、青果小売店をはじめ市場関係者の要望やニーズをどのように反映しているのかを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 板橋市場におきましては、老朽化した施設の維持更新を行うとともに、交通利便性の高い市場の特性を生かした機能強化を図る施設整備を進めており、業界の要望やニーズを踏まえて、品質衛生管理の向上や加工、荷さばき機能の強化などに取り組む予定でございます。
 具体的には、閉鎖型で定温管理ができる卸売場を新設するほか、取引や流通形態の多様化に対応するため、小売店等を経営する売買参加者などに対しても、施設整備を契機にして、屋根下で積込み作業ができる区画や冷蔵施設等を設置できる区画を確保する予定でございます。

○渋谷委員 場内に拠点を持たない青果小売店などにも屋根下で作業ができる区画を確保する計画は、業界団体が長年要望してきましたが、これまではスペース等の都合からなかなか実現ができなかった画期的な取組だと考えます。引き続き、業界のニーズを聞きながら検討を進めてもらいたいと思います。
 次に、足立市場の衛生対策における取組について伺います。
 先日の公営企業会計決算特別委員会でも、我が会派のほっち議員が昨年度の取組状況について伺いました。
 現在までに閉鎖化改修工事を進めていた鮮魚卸売場は竣工し、今月、供用を開始しました。低温管理により商品の一層の鮮度保持や衛生管理が図られ、市場業者から感謝の声が上がっていると聞いています。
 仲卸売場においても、卸売場と同様のコールドチェーンを実現する対策が必要と考えます。
 そこで、足立市場の仲卸売場における衛生対策では、業界のニーズを踏まえ、どのような整備が進められているのかを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 仲卸売場の衛生対策につきましては、長期間を要する現存施設の改修ではなく、場内に新たに仲卸売場を整備することにより速やかに対応することといたしました。
 仲卸売場の具体的な仕様の決定に当たりましては、これまで市場業者と丁寧に議論を重ね、仲卸店舗と荷さばき場を一棟の建物の中に配置することで温度管理を徹底するほか、買物動線とターレ等の荷の搬出入動線を分け、衛生対策の実効性を高めつつ、施設利用者等の利便性にも配慮した構造といたしました。

○渋谷委員 今回の卸売場や仲卸売場の対策によって品質衛生管理を高めれば、鳥獣害などに対する消費者からの不安の払拭にもなるため、しっかりと取組を進めてもらいたいと考えます。
 品質衛生管理の徹底は、卸売市場の機能において最も基本的で重要なものの一つと思いますが、昨今の異常気象による猛暑の影響から、商品管理の面だけではなく、労務管理の観点からも暑さ対策を求める声が業界からは増えています。
 人材確保のためにも働きやすい職場環境を築く必要があり、施設整備はもちろんのこと、その他あらゆる契機を捉えて暑さ対策に取り組んでいくべきと考えます。
 そこで、どのような暑さ対策に取り組んでいくのかを伺います。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 暑さ対策は喫緊の課題であり、各市場の実情に応じて、遮光カーテンやスポットクーラーの設置等に速やかに取り組みました。
 さらに、現在施工中の板橋市場花き棟の外壁改修工事において、東側のガラス窓に遮光効果の高い遮光フィルムを設置するなど、各市場の施設整備等の機会を捉えた対応も実施するなど、市場で働く関係者の健康安全面の確保に努めてございます。

○渋谷委員 異常気象をはじめ卸売市場を取り巻く環境は変化しているため、施設整備に当たっても、そうした環境に柔軟に対応し、工夫を加えることが重要と考えます。
 これまでの質疑で、業界からの要望を踏まえて、小売店までを含む一貫したコールドチェーン対応の強化や、衛生対策、暑さ対策などを図る施設整備を進めていることが確認できましたが、こうした取組がほかの市場にも波及していくように積極的に対応することを期待いたします。
 この間、市場業者の要望を踏まえた施設整備について確認してきましたが、整備工事を進める際にも市場業者に配慮することが重要だと考えます。
 中央卸売市場は生鮮品等流通を支える基幹的なインフラであり、その機能を止めることはできません。このため、市場施設の整備に当たっては、市場業務を継続しながら進めることが前提となり、市場業者に配慮し、丁寧に調整することが不可欠です。
 そこで、市場業務を継続しながらの施設整備をどのように進めているのかを伺います。

○中井環境改善担当部長 市場施設の整備工事等に当たりましては、市場業務を止めることなく営業を継続しながらの工事になりまして、いわゆる、いながら工事となりますので、市場機能に支障を来すことがないよう様々な配慮が必要となります。
 このため、市場業務エリアと工事エリアの明確な区分、工事の分割による段階的な施工や市場の営業時間を考慮した施工日時の設定、施工場所をローリングする工事に必要な種地の確保など、緻密な工事計画を立案した上で工事を行っております。
 また、工事に際しては、計画段階から市場業者の方々と繰り返し協議を重ねて綿密に調整するとともに、工事スケジュールやその影響範囲などについて、説明会の開催や掲示物などによる情報発信などにより、市場業者の方々に広く周知をしております。

○渋谷委員 市場での工事には、時間や場所など様々な制約があり、特有の難しさもあると思いますが、今後も、市場業者と丁寧に調整しながら工事を進めていただきたいと考えます。
 市場施設は、市場業者の活動を支える基盤であり、市場業者の皆様が生き生きと仕事をされ、活気に満ちた卸売市場とすることが重要です。
 中央卸売市場が将来にわたって生鮮品等流通の基幹的なインフラとしての役割を果たしていけるよう、市場業者としっかりと手を携えながら、計画的な施設整備を今後も着実に進めていただくことを求めまして、質問を終わります。

○慶野委員 冒頭、本来、私が申し上げることではありませんけれども、たまたま最後の質問者として立たせていただきますので、一言、お話しさせていただきたいと思います。
 先般、国の予算委員会で高市総理が三時から動かれたことで、与野党ともに様々な意見があって、それに伴い、三十分以上前、二時半から多くの人を巻き込んでいるんだという厳しい指摘もあったり、また、味方からも体のことを心配される声もあったりと、これが二時半から動くということで、こういう話になった。
 たまたま、今日、多くの委員の皆様のご協力、そして理事者の皆様の簡潔なご答弁でこの時間になりましたけれども、当初の予定では終了目途が二十六時四十分と、高市総理のときのまさにあの時間まで、これだけの人数を拘束して質疑を行うという、この、いいとか悪いとかという話ではありません。あのお話がまだほとぼり冷めないこの時期に、こうした事態になっている。
 また、振り返っていただければ分かるように、多くの方が新しい東京都、新しい議員に期待をして傍聴にも来られております。そうした方々が、こんな時間にならないと議会を見ることができない、知ることができないという、この責任を一理事会のメンバーとして感じたものですから、一言申し上げさせていただきました。
 来週も他局の質疑が二日間にわたって行われますので、これはもう大山委員長の責任によって、しっかりと調整に走っていただきたいと思います。私も協力させていただきますので、しっかりとした運営を協力しながらやりたいと思います。
 質疑に入らせていただきます。
 最後ですので、私が求められている、期待されているのは、速やかに質疑を進めることであります。
 なので、皆様とのご協力と、少し下準備と違う展開になりますけれども、他の委員さんからもあったので、何問も飛ばしますけれども、赤字だ、赤字だ、問題だと、解決策を示さずに赤字だという指摘をいただく。
 そして、閉鎖した市場の用地を売却すれば、タイミングが悪かったんだと何十年も前のことを今いわれて、十年後、三十年後の景気動向がどうなっているかなんていうのは誰にも分からない状況の中で、こうした議論がこれまで続いてまいりました。
 市場の財政を語る上で、赤字を解決するには、今、質疑がありましたけれども、使用料を上げるしかないという、主な財源はここしかないわけでありますけれども、そこに−−話を進めます。言葉を少なくして進めたいと思います。
 使用料をどのように上げていくか。東京の中央卸売市場のプレゼンスを上げて、もっとみんなに愛される市場にしていくには、ネガティブなお話じゃなくて、どのように愛されていくのかということを確認したいと思いますけれども、この使用料を上げていくために、取扱数量は減少傾向にありましたけれども、金額は増加している、それによって市場の収入は上がっている。
 質問を飛ばします。特に水産物、昨年は三・五%、青果物は四・九%、食肉にあっては六・一%、花きは少し減っている。このように多くの取扱いで取扱金額が増えております。扱い量が減っているけれども金額が増えているのは単価が上がっているということですけれども、この単価が上がっていくことで使用料が増えていく、こういう仕組みになっております。
 話が広くなり過ぎるので豊洲に絞ってお話ししますけれども、豊洲では、令和五年は二十九万五千トンが令和六年に三十万トン、少し増えましたと。そして、取扱金額は四千四百二十億円が四千五百八十三億円に増えた。取扱量が減っている中でも取扱金額が何とか増えているので、豊洲はちょっと増えましたけれども、そうした中で使用料収入が増えているという、この仕組みについて、念のため確認をしていきますけれども、この使用料の体系、収入の状況について説明を求めます。

○高橋財政調整担当部長 まず、使用料の体系についてでございますが、都の十一の中央卸売市場は、相互に補完しながら一体として機能を発揮していることから、全市場の運営等に係る経費を全市場の業者がひとしく負担することとし、原則として全市場の同一の使用料を適用するという考え方の下、東京都中央卸売市場条例に基づいて定められております。
 具体的には、卸売業者などの販売金額に応じて徴収する売上高割使用料と、使用する施設ごとに単位面積当たりの単価により徴収する面積割使用料、いわゆる施設使用料により構成されております。
 続いて、収入の状況でございますが、現行の経営計画期間内である令和四年から六年度までの間、売上高割使用料は増加傾向で、施設使用料はおおむね同額で推移しているところでございます。

○慶野委員 売上高割使用料と面積割の使用料、二つに分けてあるということでしたけれども、少しこのまま深掘りします。
 それぞれこの、まずは面積割が、どの面積でどの業態の方に幾らいただいているのか、答弁を求めます。

○高橋財政調整担当部長 施設使用料についてですが、卸売業者の売場使用料は、一月一平方メートル当たり五百五円、税込みで五百五十五円、仲卸業者の売場使用料は、一月一平方メートル当たり千九百九十一円、税込み二千百九十円、関連事業者営業所の使用料は、一月一平方メートルにつき二千二百十円、税込みで二千四百三十一円となっております。

○慶野委員 どのようにお感じになるかは皆様次第ですけれども、仲卸業者さんでいうと一平米で約二千円、一坪でいうと六千円ぐらいという計算になるようです。
 それでは、売上高割の使用料は幾らになるのでしょうか。

○高橋財政調整担当部長 売上高割使用料の決算額は、税抜ベースで、令和六年度は約三十三・七億円となっております。

○慶野委員 ありがとうございます。
 それぞれ売上高にしても面積割にしても、これまでの質疑にあったように、二十五年間、調整をしてきていないという状況で、この間、使用料の在り方についてどのような検討を行ってきたのか、見解を求めます。

○高橋財政調整担当部長 平成十二年以降、消費税の改定を含め、三回改定を実施しております。
 特に平成二十一年からは、外部有識者等を委員とする検討委員会を立ち上げ、平成三十年の豊洲市場の開場に合わせ、低温管理に必要な機能を強化するための施設に対する料額の設定を新たに行ったところでございます。

○慶野委員 丁寧な検討を行いながら、必要最低限のご協力を求めてきたという、そういう答弁だと理解しますけれども、赤字を解消するために使用料を上げていくためには、まずは面積割、今、使っていただいている面積、そこは上げないまま、いじらないまま、売上高割で収入を増やしていくように、市場の人気をもっと高めていきたいということがあります。
 そして、赤字がこれだけ続いているのが問題だとなっていましたけれども、逆にいうと、市場が赤字の状態で、業者さんが払う、いわゆる家賃、使用料がここまで低廉に抑えられてきたからこそ、この値づけがされていて、私たちの食卓に今の値段で届いていた。
 これが、六千円ぐらいで借りていただいている仲卸の人たちが、民間のテナントと同じように、平米二万五千円ですよ、三万円ですよという料金で賃貸料をもし取っていたならば、その経費は増大する一方で、市場から私たちの食卓に届く金額はもっと跳ね上がってしまう。
 ある意味でいえば、据え置いてきて、赤字の状態で市場の皆様が踏ん張っていただいたからこそ、これまでこうした値段で我々の元に、食卓に届いていた。
 ただ、二十五年間、あらゆる業界のお仕事で物価高で苦しんでいる中、また、私たち一生活者としてお家賃を払って家に住んでいる人たちも含めて、全ての人が苦しんでいる中で、市場業者だけが二十五年間据置きでいいのかどうか、私には分かりません。
 でも、そのおかげで、低廉な価格で新鮮なものを私たちは食することができていたというのも事実。
 そして、この家賃を上げない限りは、本当の意味で解決できない。
 ほかの方の主張では、家賃を上げても解決できない、そのほかの手段も、今、新しい時代の中で必要なんじゃないかと、こういう、あらゆる、いろいろな環境面からのご提案などもありました。
 その上で、私も浅知恵ですけれども、例えば地方のロードサイドなんかで人気がある、私もよく使います、ちょっと地方まで走って、地方にならないまでも関東近県でも、今、朝から大行列の道の駅、産直のものが置いてあって、それを求めて家族で行くようなこともよくあります。
 そうしたことが東京の中央の十一市場の中で、産直のような扱いであらゆるところで手に入るような、そういう道の駅構想というか、別のところで稼ぐ方法なんていう可能性もあるんじゃないかと思いますけれども、もしこれが他県の市場でこうしたことを取り入れている事例をご存じなら、また、それを東京都でやる上で課題があるにせよ、やる可能性が少しでもあるのか、もしご存じでしたら、市場長にご答弁をお願いしたいと思います。

○猪口中央卸売市場長 先ほど申し上げましたように、市場はかつてないほど困難な状況というふうに認識しておりまして、市場経営の健全化は喫緊の課題でございます。
 その中で、先生、今ご指摘の未利用資産の有効活用、これは本当に以前から課題の一つでございまして、私自身も、例えば横浜南部での活用の方法等々を見てまいりました。
 そういった中で、やはりいろいろな整備が進んでいる十一市場の中で、様々な可能性を模索しながら検討を進めないといけないというふうに考えてございますけれども、一方で、先ほど来ご議論になっている、市場の安定的な経営、それから生鮮品の流通、それもまた大事な課題の一つでございますので、健全な経営、それから安定供給、ここのバランスをしっかりと取って、前例にないようなことをしっかり考えていきたい、このように考えてございます。

○慶野委員 ありがとうございました。
 お話ししたいことはたくさんありますけれども、私たち自身が市場を愛し、そして市場業者のお力を借りながら、守っていくことで生活が守られていく、この循環をどこまでも止めずに回していかなければいけないと、このように決意をしまして、私からの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時五十八分散会